JP7351264B2 - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品 - Google Patents
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Description
一方で、硬化時に発生する2-ブタノンオキシムは発がん性のおそれを疑われており、メタノールは人体に対して有毒で、劇物に指定されていることから、人体の健康の観点から好ましくない。更に、これらの組成物では、硬化触媒として、環境負荷物質として規制が強化されている錫触媒を使用するケースもあり、環境保護の観点から好ましくない。
環境保護や健康被害抑制といった観点から、性能向上とともにより環境・安全に配慮された製品が特に望まれており、脱離する化合物の安全性が高く、性能に優れる室温硬化性オルガノシロキサン組成物に対する需要が高まっている。
[1]
(A)下記一般式(1)で示される23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sのオルガノポリシロキサン:100質量部
HO-(SiR1 2O)a-H (1)
(式中、R1は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは50以上の整数である。)、
(B)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:1~40質量部
(C)硬化触媒:0.01~10質量部
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によってβ-ケトエステル化合物を脱離するものである[1]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[3]
β-ケトエステル化合物が、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル又はマロン酸ジベンジルである[2]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[4]
(C)硬化触媒が、錫触媒、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒の少なくともいずれか1つを含む[1]~[3]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[5]
錫触媒を含有しないものである[1]~[4]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[6]
更に、(D)下記一般式(3)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物:(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部
R5R6 bSiX3-b (3)
(式中、R5は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R6は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。bは0、1又は2である。)
を含有する[1]~[5]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[7]
更に、(E)無機質充填剤:(A)成分100質量部に対して1~500質量部
を含有する[1]~[6]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[8]
(E)成分が、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック及び酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤である[7]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[9]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用部品。
[10]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用オイルシール。
[11]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する電気・電子用部品。
[12]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する建築用構造物。
[13]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する土木工事用構造物。
[14]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する接着剤。
[15]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するシーリング剤。
[16]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するポッティング剤。
[17]
[1]~[8]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するコーティング剤。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(A)成分は、下記一般式(1)で示される23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sのオルガノポリシロキサンである。
HO-(SiR1 2O)a-H (1)
(式中、R1は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは50以上の整数である。)
本発明において、重合度(又は分子量)は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)等を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(B)成分は、下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物で、架橋剤(硬化剤)として用いられるものであり、加水分解によってアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物を脱離基(脱離物質)として放出するものであることを特徴とする。
なお、本発明において「部分加水分解縮合物」とは、該加水分解性オルガノシラン化合物を部分的に加水分解・縮合して生成する、分子中に残存加水分解性基を3個以上、好ましくは4個以上有するオルガノシロキサンオリゴマーを意味する。
塩基性物質の添加量としては、クロロシラン中の塩素原子数1モルに対して0.95~2.0モルが好ましく、0.99~1.5モルがより好ましく、1.0~1.2モルが更に好ましい。塩基添加量が少ないと反応が終結しないおそれがあり、塩基添加量が多すぎると経済的に不利である。
溶剤の使用量としては特に限定されないが、通常、使用するβ-ケトエステル化合物100質量部に対して、10~500質量部、好ましくは30~300質量部、より好ましくは50~200質量部等の範囲で使用される。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1~40質量部であり、好ましくは3~30質量部であり、更に好ましくは5~20質量部である。(B)成分の配合量が上記下限値の1質量部未満であると、密封容器中に保管した際の保存性が悪化する場合がある。また、(B)成分の配合量が上記上限値の40質量部を超えると、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化性が著しく低下したり、接着性が悪化する場合がある。
なお、(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物は、分子中に、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する一価炭化水素基を有しないものである点において、後述する任意成分としての(D)成分のシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物とは明確に区別されるものである。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(C)成分の硬化触媒を任意成分として配合することができる。(C)成分の硬化触媒としては、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化促進剤として従来から一般的に使用されている金属系又は非金属系の縮合触媒を使用できる。例えば、ジブチル錫メトキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジメチル錫ジメトキサイド、ジメチル錫ジアセテート等の有機錫化合物(錫触媒)、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ-2-エチルヘキシルチタネート、ジメトキシチタンジアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等の有機チタン化合物(チタン触媒)、トリエチルアミン、ヘキシルアミン、テトラメチルグアニジン、γ-テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等のアミン化合物やこれらの塩(有機強塩基触媒)、ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカノエート)及びそれらの混合物(有機ビスマス触媒)などが挙げられ、これらの少なくともいずれか1つ、即ち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、上記触媒のうち、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒のいずれを配合しても錫触媒を配合した場合と同等の硬化性及び硬化物性能を示す。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(D)成分のシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物を任意成分として配合することができる。(D)成分は、下記一般式(3)で示されるシランカップリング剤(即ち、官能性基含有一価炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物又はカーボンファンクショナルシラン)及び/又はその部分加水分解縮合物であり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物に良好な接着性を発現させるための成分である。
R5R6 bSiX3-b (3)
(式中、R5は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R6は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。bは0、1又は2である。)
(D)成分のシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(E)成分の無機充填剤を任意成分として配合することができる。(E)成分の無機質充填剤は、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物にゴム物性を付与するための補強性、非補強性充填剤である。(E)成分の無機充填剤としては、表面疎水化処理又は無処理の、焼成シリカ、煙霧質シリカ等の乾式シリカ、沈降性シリカ、ゾル-ゲル法シリカ等の湿式シリカなどのシリカ系充填剤、カーボンブラック、タルク、ベントナイト、表面処理又は無処理の炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、表面処理又は無処理の酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が例示され、その中でも炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウムが好ましく、より好ましくは無機質充填剤の表面が疎水化処理された、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウムである。この場合、これら無機質充填剤は、水分量が少ないことが好ましい。
なお、該表面処理剤(疎水化処理剤)の種類、量や処理方法等については特に制限はないが、代表的には、クロロシラン、アルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物や、脂肪酸、パラフィン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の処理剤が適用できる。
(E)成分の無機質充填剤は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、上記成分以外に一般に知られている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で使用しても差し支えない。添加剤としては、チクソ性向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としてのシリコーンオイル(無官能性オルガノポリシロキサン)、イソパラフィン等が挙げられ、必要に応じて顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、防かび剤、抗菌剤、海洋生物忌避剤等の生理活性添加剤、ブリードオイルとしてのフェニルシリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤、溶剤揮発油、低沸点イソパラフィン等の溶剤も添加できる。
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、アセト酢酸エチル390g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でメチルトリクロロシラン148.7g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を90℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、アセト酢酸エチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物1を得た(収量335g、収率78%)。この反応式は、下記式[2]で表される。
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、アセト酢酸エチル390g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でビニルトリクロロシラン160.6g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を90℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、アセト酢酸エチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物2を得た(収量348g、収率78%)。この反応式は、下記式[3]で表される。
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、マロン酸ジエチル480g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でメチルトリクロロシラン148.7g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を120℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、マロン酸ジエチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物3を得た(収量280g、収率54%)。この反応式は、下記式[4]で表される。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-1)前記加水分解性オルガノシラン化合物1を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-1)ジオクチル錫ジラウレートを0.1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物1を得た。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-2)前記加水分解性オルガノシラン化合物2を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-2)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-403、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-2)チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(製品名;オルガチックスTC750、マツモトファインケミカル(株)製)を4質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物2を得た。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-3)前記加水分解性オルガノシラン化合物3を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-3)N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-603、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-3)γ-テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシランを0.2質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物3を得た。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-2)前記加水分解性オルガノシラン化合物2を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-4)ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)を主成分とする有機ビスマス触媒(製品名;ネオスタンU-600、日東化成(株)製)を1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物4を得た。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B’)メチルトリスメチルエチルケトオキシムシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-1)ジオクチル錫ジラウレートを0.1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物5を得た。
(A’)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がメチルジメトキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B”)メチルトリメトキシシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-2)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-403、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-2)チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(製品名;オルガチックスTC750、マツモトファインケミカル(株)製)を4質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物6を得た。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B”)メチルトリメトキシシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-4)ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)を主成分とする有機ビスマス触媒(製品名;ネオスタンU-600、日東化成(株)製)を1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物7を得た。
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B”)メチルトリメトキシシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-2)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-403、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-2)チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(製品名;オルガチックスTC750、マツモトファインケミカル(株)製)を4質量部加え、減圧下で混合したところ、混合中にゲル化してしまい組成物は得られなかった。
上記実施例1~4、比較例1~3で調製された各組成物(室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物)について、下記の評価を行った。実施例1~4、比較例1~3の配合量と共に、下記評価結果を表1に示す。
初期評価として上記調製直後の各組成物を用いて以下のタックフリータイム、硬化速度、ゴム物性、接着性を評価した。
タックフリータイム
上記実施例、比較例で調製された各組成物を用いて、JIS A 5758に規定する方法に準じてタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定した。
硬化速度試験方法は、内径10mmのガラスシャーレに、上記実施例、比較例で調製された各組成物を充填し、23℃、50%RHで1日(24時間)後に、空気に触れた部分から硬化した厚さを測定した。
上記実施例、比較例で調製された各組成物を2mmの型枠に流し込み、23℃、50%RHで7日間養生して2mm厚さのゴムシートを得た。JIS K 6249に準じてゴム物性(タイプAデュロメータ硬さ、引張強度、切断時伸び)を測定した。
上記実施例、比較例で調製された各組成物について、幅25mm、長さ100mmのアルミニウム板2枚の間で23℃、50%RHで7日間養生して硬化させ、上下それぞれのアルミニウム板との接着面積2.5cm2、接着厚さ1mmのシリコーンゴム硬化物層を形成して、せん断接着試験体を作製した。この各試験体を用いてアルミニウムに対するせん断接着力と凝集破壊率をJIS K 6249に規定する方法に準じて測定した。
耐湿熱性能を確認するため、得られた硬化後のシリコーンゴムシート及びせん断接着試験体を85℃、85%RHの環境に暴露し、1,000時間劣化させて、その後製造初期と同様の試験(ゴム物性、接着性)を行うことで、耐湿熱性の確認試験を行った。
耐熱性能を確認するため、得られた硬化後のシリコーンゴムシート及びせん断接着試験体を150℃の環境に暴露し、1,000時間劣化させて、その後製造初期と同様の試験(ゴム物性、接着性)を行うことで、耐熱性の確認試験を行った。
また、実施例の組成物が硬化中に放出する化合物は、アセト酢酸エチルとマロン酸ジエチルであり、これらは食品添加物や香料として認可されている安全性の高い化合物である。一方で、比較例の組成物が硬化中に放出する化合物は、発がん性のおそれを疑われている2-ブタノンオキシム、及び劇物に指定されているメタノールである。また、これらの化合物は、アセト酢酸エステル、マロン酸エステルと比較して引火点や沸点が低いことからも、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、人体の健康、環境保護の観点からより優れていることが分かる。
Claims (17)
- (A)下記一般式(1)で示される23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sのオルガノポリシロキサン:100質量部
HO-(SiR1 2O)a-H (1)
(式中、R1は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは50以上の整数である。)、
(B)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:1~40質量部
(C)硬化触媒:0.01~10質量部
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - (B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によってβ-ケトエステル化合物を脱離するものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- β-ケトエステル化合物が、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル又はマロン酸ジベンジルである請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (C)硬化触媒が、錫触媒、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒の少なくともいずれか1つを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 錫触媒を含有しないものである請求項1~4のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(D)下記一般式(3)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物:(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部
R5R6 bSiX3-b (3)
(式中、R5は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R6は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。bは0、1又は2である。)
を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 更に、(E)無機質充填剤:(A)成分100質量部に対して1~500質量部
を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - (E)成分が、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック及び酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤である請求項7に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用部品。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用オイルシール。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する電気・電子用部品。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する建築用構造物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する土木工事用構造物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する接着剤。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するシーリング剤。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するポッティング剤。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するコーティング剤。
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