JP7351264B2 - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品 - Google Patents

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Description

本発明は、室温(23℃±15℃)において大気中の湿気(水分)により加水分解・縮合反応にて架橋(硬化)する縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特には、硬化時の加水分解反応によって架橋剤から発生する化合物がアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物であり、縮合硬化反応によって良好に硬化し、かつ接着性に優れるシリコーンゴム硬化物(エラストマー状オルガノポリシロキサン硬化物)を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及び該組成物又はその硬化物(シリコーンゴム)を有する各種物品等に関する。
室温で硬化してシリコーンゴムとなる組成物は従来から知られており、産業界で広く使用されてきた。室温で硬化する機構には、ヒドロシリル化反応によって硬化する機構、紫外線によって硬化する機構、ケイ素原子に結合する加水分解性基と水酸基との縮合反応によって硬化する機構などが知られている。中でも、縮合反応により硬化するオルガノポリシロキサン組成物は室温にて容易に硬化することができ、また、ヒドロシリル化反応などで起こる、不純物による硬化阻害を起しにくいという利点を有する。そのため、車載ガスケットやシール材、建築用シーラント、電気・電子部品などの分野で幅広く使用されている。
縮合反応により硬化するオルガノポリシロキサン組成物は、硬化剤(架橋剤)に加水分解性基を有しており、すでに広く利用されている硬化剤としては、硬化時に2-ブタノンオキシム等のオキシム化合物を放出する脱オキシム型や、メタノール等のアルコール化合物を放出する脱アルコール型のものが知られている。これらの硬化物を有する組成物が硬化して得られるゴム状硬化物は、シリコーン由来の高い耐熱性、耐薬品性、耐候性を有している。
一方で、硬化時に発生する2-ブタノンオキシムは発がん性のおそれを疑われており、メタノールは人体に対して有毒で、劇物に指定されていることから、人体の健康の観点から好ましくない。更に、これらの組成物では、硬化触媒として、環境負荷物質として規制が強化されている錫触媒を使用するケースもあり、環境保護の観点から好ましくない。
更に、脱アルコール型室温硬化性オルガノシロキサン組成物に使用される硬化剤(架橋剤)は、脱オキシム型に使用される硬化剤と比較して反応性に劣ることから、脱オキシム型よりも硬化性が劣るという欠点がある。
環境保護や健康被害抑制といった観点から、性能向上とともにより環境・安全に配慮された製品が特に望まれており、脱離する化合物の安全性が高く、性能に優れる室温硬化性オルガノシロキサン組成物に対する需要が高まっている。
特表2018-515634号公報では、脱アルコール型、脱オキシム型硬化剤の代替として、乳酸エチルを代表とするα-ヒドロキシカルボン酸エステル化合物を放出する、縮合硬化型オルガノシロキサン組成物を提案している。こちらの系では脱離基である乳酸エチルは安全性の高い化合物であるが、触媒として錫触媒の使用を必須としている。錫触媒は水生生物に対しての有害性が指摘されており、環境保護の観点から錫触媒の使用は好ましくない。
特公昭51-39673号公報では、アセトンを代表とするケトン系化合物を放出する、縮合硬化型オルガノシロキサン組成物を提案している。アセトンは2-ブタノンオキシムやメタノールと比較して、人体に対しては有害性の低い化合物であり、更に従来の硬化形態よりも速硬化で耐久性に優れる組成物を提供している。しかし、アセトンの引火点は-20℃と低く、揮発性が高いため、使用環境に制限があるという問題がある。
特表2018-515634号公報 特公昭51-39673号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、一部化合物が食品添加物として認可されるなど安全性が高く、比較的引火点の高い、アセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物を脱離基(脱離化合物)とする硬化剤を使用することで、様々な触媒を使用しても従来品同等の硬化性を有し、人体に対する有害性や環境負荷を軽減し、硬化後に良好なゴム物性、接着性及び耐久性を有する硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物又はこの組成物を硬化させることにより得られる硬化物(シリコーンゴム)を有する各種物品等を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、下記一般式(1)で示される、脱離基(脱離化合物)としてアセト酢酸エステルやマロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物を放出する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を硬化剤(架橋剤)として含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、上記人体に対する有害性や安全性の問題を解決するものであることを見出し、更にはこの組成物にチタン、ビスマス、グアニジン等を含む有機化合物を硬化触媒として併用添加した場合でも錫触媒を添加した場合と同等の硬化性及び硬化物性能を示すことを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及び該組成物又はその硬化物を有する各種物品(自動車用部品、自動車用オイルシール、電気・電子用部品、建築用構造物、土木工事用構造物、接着剤、シーリング剤、ポッティング剤、コーティング剤など)等を提供するものである。
[1]
(A)下記一般式(1)で示される23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sのオルガノポリシロキサン:100質量部
HO-(SiR1 2O)a-H (1)
(式中、R1は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは50以上の整数である。)
(B)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:1~40質量部
Figure 0007351264000001
(式中、R2及びR4はそれぞれ独立に炭素数1~10の一価炭化水素基であり、R3はそれぞれ独立にエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数7~10のアラルキル基である。mは3又は4である。)、及び
(C)硬化触媒:0.01~10質量部
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によってβ-ケトエステル化合物を脱離するものである[1]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[3]
β-ケトエステル化合物が、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル又はマロン酸ジベンジルである[2]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

(C)硬化触媒が、錫触媒、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒の少なくともいずれか1つを含む[~[3]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

錫触媒を含有しないものである[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

更に、(D)下記一般式(3)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物:(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部
56 bSiX3-b (3)
(式中、R5は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R6は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。bは0、1又は2である。)
を含有する[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

更に、(E)無機質充填剤:(A)成分100質量部に対して1~500質量部
を含有する[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

(E)成分が、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック及び酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤である[]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用部品。
10
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用オイルシール。
11
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する電気・電子用部品。
12
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する建築用構造物。
13
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する土木工事用構造物。
14
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する接着剤。
15
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するシーリング剤。
16
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するポッティング剤。
17
[1]~[]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するコーティング剤。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化時の加水分解反応によって架橋剤から発生する化合物(脱離化合物)が安全性の高いアセト酢酸エステルやマロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物であり、組成物の硬化性や硬化後の接着性に優れ、耐久性も良好であるシリコーンゴム硬化物(エラストマー状オルガノポリシロキサン硬化物)を与えるため、人体の健康や安全性に配慮された、各種接着剤、シーリング剤、ポッティング剤、コーティング剤等として好適に使用できる。更に、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、チタン、ビスマス、グアニジン等を含む有機化合物を硬化触媒として添加した場合でも、錫触媒を添加した場合と同等の硬化性及び硬化物性能を示すため、環境保護(負荷軽減)に配慮した、各種接着剤、シーリング剤、ポッティング剤、コーティング剤等として好適に使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、粘度は、JIS Z 8803に規定する方法に順じた回転粘度計による測定値である。特に記述がない限り、「室温」とは温度23℃±15℃、湿度50%RH±5%RHの状態をいう。
[(A)成分 オルガノポリシロキサン]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(A)成分は、下記一般式(1)で示される23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sのオルガノポリシロキサンである。
HO-(SiR1 2O)a-H (1)
(式中、R1は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは50以上の整数である。)
(A)成分は、式(1)に示すように主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)で封鎖されている、23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sの、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)として作用するものである。
上記式(1)中、R1は炭素数1~10、特に炭素数1~6の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。あるいはこれらの炭化水素基の水素原子が部分的に塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などが挙げられる。R1の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、脂肪族不飽和結合を含まないものが好ましく、具体的には、メチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。このR1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
上記式(1)中、主鎖を構成する2官能性のジオルガノシロキサン単位(SiR1 22/2)の繰り返し数(又は重合度)を示すaは50以上の整数であり、好ましくは50~2,000の整数であり、より好ましくは100~1,500の整数であり、特に好ましくは200~1,200の整数である。
本発明において、重合度(又は分子量)は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)等を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sであり、好ましくは100~300,000mPa・sであり、更に好ましくは1,000~200,000mPa・sであり、特に好ましくは10,000~100,000mPa・sである。オルガノポリシロキサンの粘度が上記下限値(20mPa・s)未満であると、後述する(C)成分が多量に必要となるため、経済的に不利となる。また、オルガノポリシロキサンの粘度が上記上限値(1,000,000mPa・s)超では、作業性が低下するので、好ましくない。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
[(B)成分 加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(B)成分は、下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物で、架橋剤(硬化剤)として用いられるものであり、加水分解によってアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物を脱離基(脱離物質)として放出するものであることを特徴とする。
なお、本発明において「部分加水分解縮合物」とは、該加水分解性オルガノシラン化合物を部分的に加水分解・縮合して生成する、分子中に残存加水分解性基を3個以上、好ましくは4個以上有するオルガノシロキサンオリゴマーを意味する。
Figure 0007351264000002
(式中、R2及びR4はそれぞれ独立に炭素数1~10の一価炭化水素基であり、R3はそれぞれ独立にエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数7~10のアラルキル基である。mは3又は4である。)
ここで、上記一般式(2)において、R2は炭素数1~10の一価炭化水素基であり、特に炭素数1~10、好ましくは炭素数1~6の一価脂肪族炭化水素基、炭素数6~10のアリール基又は炭素数7~10のアラルキル基であり、このR2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などを例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基が好ましく、メチル基、ビニル基が特に好ましい。
上記一般式(2)において、R3はエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数1~10、好ましくは炭素数1~6の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数7~10のアラルキル基であり、このR3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等のアラルキルオキシ基などを例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、アリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基が好ましく、メチル基、エトキシ基が特に好ましい。
上記一般式(2)において、R4は炭素数1~10の一価炭化水素基であり、特に炭素数1~10、好ましくは炭素数1~6の一価脂肪族炭化水素基、炭素数6~10のアリール基又は炭素数7~10のアラルキル基であり、このR4としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などを例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
また、上述したとおり、mは3又は4である。この数が3未満である場合は架橋反応によるゴム硬化が起こらず、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の架橋剤として不適である。
また、上記一般式(2)の加水分解性オルガノシラン化合物の加水分解によって生じる脱離基(脱離化合物)は、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル等のアセト酢酸エステル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ジベンジル等のマロン酸エステルなどのβ-ケトエステル化合物であり、好ましくはアセト酢酸エチル、マロン酸ジエチルである。これらの化合物は、食品添加物や香料として使用されており、安全性の高い化合物である。
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物は、例えば、クロロシランとアセト酢酸エステルもしくはマロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物を塩基性物質の存在下に反応(例えば脱塩酸反応)させることで製造できる。この反応式は、例えば下記式[1]で表される。
Figure 0007351264000003
(式中、R2、R3、R4、mは前記の通りである。)
ここで、クロロシランとしては、下記に示すものが例示できる。
Figure 0007351264000004
また、β-ケトエステル化合物としては、下記に示すアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等が例示できる。
Figure 0007351264000005
Figure 0007351264000006
クロロシランと反応させるアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物の添加量は、クロロシラン中の塩素原子数1モルに対して、0.95~2.0モルが好ましく、0.99~1.5モルがより好ましく、1.0~1.2モルが更に好ましい。β-ケトエステル化合物の添加量が少ないと反応が終結しないおそれがあり、β-ケトエステル化合物の添加量が多すぎると精製に時間がかかり、製造時間が増加してしまう。
反応に使用する塩基性物質としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、尿素、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンなどの求核性の低い塩基性物質が使用できる。この中でもトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンが好ましく、特にトリエチルアミンが好ましい。
塩基性物質の添加量としては、クロロシラン中の塩素原子数1モルに対して0.95~2.0モルが好ましく、0.99~1.5モルがより好ましく、1.0~1.2モルが更に好ましい。塩基添加量が少ないと反応が終結しないおそれがあり、塩基添加量が多すぎると経済的に不利である。
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物の製造には、一般に使用される溶剤を使用してもよく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、パークロロエタン、パークロロエチレン、トリクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの有機溶剤が挙げられる。
溶剤の使用量としては特に限定されないが、通常、使用するβ-ケトエステル化合物100質量部に対して、10~500質量部、好ましくは30~300質量部、より好ましくは50~200質量部等の範囲で使用される。
クロロシランとβ-ケトエステル化合物との反応条件としては、通常、0~80℃、好ましくは0~60℃でクロロシランにβ-ケトエステル化合物を滴下し、30~80℃、好ましくは40~60℃で1~48時間、好ましくは3~30時間程度反応させることが好ましい。反応時の温度が低すぎると反応が完結しない場合があり、温度が高すぎると生成物の着色が大きくなる場合がある。また、反応時間が短すぎると反応が完結しない場合があり、反応時間が長すぎると生産性に不利に働く。また、反応終了後の精製は減圧環境下で加熱することで、未反応物及び溶剤を留去することで可能であり、減圧度は好ましくは0~3,000Pa、より好ましくは0~2,000Paであり、温度は好ましくは50~150℃、より好ましくは70~120℃である。減圧度が高すぎると未反応物、溶剤の留去が困難となる場合がある。また、精製時の温度が低すぎると、未反応物、溶剤の留去が困難となる場合があり、高すぎると反応物の着色や分解を招くおそれがある。
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物の具体例としては、例えば、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0007351264000007
Figure 0007351264000008
Figure 0007351264000009
Figure 0007351264000010
Figure 0007351264000011
(B)成分は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1~40質量部であり、好ましくは3~30質量部であり、更に好ましくは5~20質量部である。(B)成分の配合量が上記下限値の1質量部未満であると、密封容器中に保管した際の保存性が悪化する場合がある。また、(B)成分の配合量が上記上限値の40質量部を超えると、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化性が著しく低下したり、接着性が悪化する場合がある。
なお、(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物は、分子中に、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する一価炭化水素基を有しないものである点において、後述する任意成分としての(D)成分のシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物とは明確に区別されるものである。
[(C)成分 硬化触媒]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(C)成分の硬化触媒を任意成分として配合することができる。(C)成分の硬化触媒としては、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化促進剤として従来から一般的に使用されている金属系又は非金属系の縮合触媒を使用できる。例えば、ジブチル錫メトキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジメチル錫ジメトキサイド、ジメチル錫ジアセテート等の有機錫化合物(錫触媒)、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ-2-エチルヘキシルチタネート、ジメトキシチタンジアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等の有機チタン化合物(チタン触媒)、トリエチルアミン、ヘキシルアミン、テトラメチルグアニジン、γ-テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等のアミン化合物やこれらの塩(有機強塩基触媒)、ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカノエート)及びそれらの混合物(有機ビスマス触媒)などが挙げられ、これらの少なくともいずれか1つ、即ち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、上記触媒のうち、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒のいずれを配合しても錫触媒を配合した場合と同等の硬化性及び硬化物性能を示す。
(C)成分を配合する場合、その配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.05~8質量部であり、更に好ましくは0.1~5質量部である。(E)成分の配合量が上記下限値の0.01質量部未満であると、触媒効果が得られない場合がある。
[(D)成分 シランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(D)成分のシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物を任意成分として配合することができる。(D)成分は、下記一般式(3)で示されるシランカップリング剤(即ち、官能性基含有一価炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物又はカーボンファンクショナルシラン)及び/又はその部分加水分解縮合物であり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物に良好な接着性を発現させるための成分である。
56 bSiX3-b (3)
(式中、R5は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R6は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。bは0、1又は2である。)
上記式(3)中、R5は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基(例えば、非置換又は置換アミノ基、非置換又は置換イミノ基、アミド基、ウレイド基、メルカプト基、エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基等)を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基であり、具体的には、β-(2,3-エポキシシクロヘキシル)エチル基、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ-グリシドキシプロピル基、γ-(メタ)アクリロキシプロピル基、γ-アクリロキシプロピル基、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピル基[別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピル基]、γ-アミノプロピル基、N-フェニル-γ-アミノプロピル基、γ-ウレイドプロピル基、γ-メルカプトプロピル基、γ-イソシアネートプロピル基等の窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる原子の少なくとも1種を含む、好ましくは炭素数3~20、より好ましくは炭素数3~14の一価炭化水素基が挙げられる。R5としては、γ-グリシドキシプロピル基、γ-アミノプロピル基、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピル基が特に好ましい。
また、上記式(3)中、R6は、炭素数1~10、好ましくは炭素数1~6の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。あるいはこれらの炭化水素基の水素原子が部分的に塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などが挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
一般式(3)中、加水分解性基Xとしては、例えば、ケトオキシム基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。具体的には、ジメチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルイソブチルケトオキシム基等の炭素数3~8のケトオキシム基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1~4、好ましくは1又は2のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の炭素数2~4のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基等の炭素数2~4のアシロキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基等の炭素数2~4のアルケニルオキシ基などが例示できる。Xとして、好ましくはメトキシ基である。
(D)成分のシランカップリング剤として、具体的には、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-2-(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン[別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン]等のアミノシラン類、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン類などが挙げられる。
(D)成分のシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分を配合する場合、その配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.1~8質量部である。0.01質量部未満では、硬化物が十分な接着性能を示さないものとなる場合があり、10質量部を超えて配合すると、硬化後のゴム強度が低下したり、硬化性が低下したりする場合がある。
[(E)成分 無機充填剤]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(E)成分の無機充填剤を任意成分として配合することができる。(E)成分の無機質充填剤は、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物にゴム物性を付与するための補強性、非補強性充填剤である。(E)成分の無機充填剤としては、表面疎水化処理又は無処理の、焼成シリカ、煙霧質シリカ等の乾式シリカ、沈降性シリカ、ゾル-ゲル法シリカ等の湿式シリカなどのシリカ系充填剤、カーボンブラック、タルク、ベントナイト、表面処理又は無処理の炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、表面処理又は無処理の酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が例示され、その中でも炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウムが好ましく、より好ましくは無機質充填剤の表面が疎水化処理された、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウムである。この場合、これら無機質充填剤は、水分量が少ないことが好ましい。
なお、該表面処理剤(疎水化処理剤)の種類、量や処理方法等については特に制限はないが、代表的には、クロロシラン、アルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物や、脂肪酸、パラフィン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の処理剤が適用できる。
(E)成分の無機質充填剤は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分を配合する場合、その配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは1~500質量部、より好ましくは20~500質量部、更に好ましくは20~300質量部、特に好ましくは50~300質量部である。1質量部未満では十分なゴム強度が得られないため、使用用途に適さないという問題が生じる場合があり、500質量部を超えるとカートリッジからの吐出性が悪化し、並びに保存安定性が低下するほか、得られるゴム物性の機械特性も低下してしまう場合がある。
[その他の成分]
また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、上記成分以外に一般に知られている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で使用しても差し支えない。添加剤としては、チクソ性向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としてのシリコーンオイル(無官能性オルガノポリシロキサン)、イソパラフィン等が挙げられ、必要に応じて顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、防かび剤、抗菌剤、海洋生物忌避剤等の生理活性添加剤、ブリードオイルとしてのフェニルシリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤、溶剤揮発油、低沸点イソパラフィン等の溶剤も添加できる。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記各成分、更にはこれに上記各種添加剤の所定量を、乾燥雰囲気中において均一に混合することにより得ることができる。また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、室温で放置することにより硬化するが、その成形方法、硬化条件などは、組成物の種類に応じた公知の方法、条件を採用することができる。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特に1成分型の組成物は、水分の非存在下、即ち湿気を遮断した密閉容器中で保存し、使用時に空気中の水分に曝すことによって室温(23℃±15℃)で容易に硬化する。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化時の加水分解反応によって架橋剤から発生する化合物が安全性の高いアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物であり、人体、環境に配慮されているものである。更に、これらの化合物は、引火点が67~190℃と、組成物の硬化時に2-ブタノンオキシム等のオキシム化合物を放出する脱オキシム型や、メタノール等のアルコール化合物を放出する脱アルコール型のものよりも引火点が高く、安全性の高いものである。このような本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、既存の様々な触媒を使用することで良好な硬化性を示し、その硬化物(シリコーンゴム)は接着性にも優れる。また、錫以外の触媒を使用することで更に環境負荷に考慮した組成物を与えることが可能である。
そのため、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、接着剤、シーリング剤、ポッティング剤、又はコーティング剤等として有用である。本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を接着剤、シーリング剤、ポッティング剤、又はコーティング剤として使用する方法は、従来公知の方法に従えばよい。
対象となる物品としては、例えば、自動車用部品、自動車用オイルシール、電気・電子用部品、建築用構造物、土木工事用構造物等が挙げられる。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、特にエンジニアリングプラスチック(ナイロン66(PA66)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等)及び金属(アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等)への接着性に優れる。
以下、合成例と実施例及び比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、粘度はJIS Z 8803に規定する方法に準じた23℃における回転粘度計による測定値である。
[合成例1]加水分解性オルガノシラン化合物1の合成
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、アセト酢酸エチル390g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でメチルトリクロロシラン148.7g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を90℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、アセト酢酸エチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物1を得た(収量335g、収率78%)。この反応式は、下記式[2]で表される。
Figure 0007351264000012
[合成例2]加水分解性オルガノシラン化合物2の合成
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、アセト酢酸エチル390g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でビニルトリクロロシラン160.6g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を90℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、アセト酢酸エチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物2を得た(収量348g、収率78%)。この反応式は、下記式[3]で表される。
Figure 0007351264000013
[合成例3]加水分解性オルガノシラン化合物3の合成
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、マロン酸ジエチル480g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でメチルトリクロロシラン148.7g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を120℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、マロン酸ジエチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物3を得た(収量280g、収率54%)。この反応式は、下記式[4]で表される。
Figure 0007351264000014
[実施例1]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-1)前記加水分解性オルガノシラン化合物1を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-1)ジオクチル錫ジラウレートを0.1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物1を得た。
[実施例2]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-2)前記加水分解性オルガノシラン化合物2を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-2)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-403、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-2)チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(製品名;オルガチックスTC750、マツモトファインケミカル(株)製)を4質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物2を得た。
[実施例3]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-3)前記加水分解性オルガノシラン化合物3を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-3)N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-603、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-3)γ-テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシランを0.2質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物3を得た。
[実施例4]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B-2)前記加水分解性オルガノシラン化合物2を10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-4)ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)を主成分とする有機ビスマス触媒(製品名;ネオスタンU-600、日東化成(株)製)を1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物4を得た。
[比較例1]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B’)メチルトリスメチルエチルケトオキシムシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-1)ジオクチル錫ジラウレートを0.1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物5を得た。
[比較例2]
(A’)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がメチルジメトキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B”)メチルトリメトキシシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-2)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-403、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-2)チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(製品名;オルガチックスTC750、マツモトファインケミカル(株)製)を4質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物6を得た。
[比較例3]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B”)メチルトリメトキシシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-1)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-903、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-4)ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)を主成分とする有機ビスマス触媒(製品名;ネオスタンU-600、日東化成(株)製)を1質量部加え、減圧下で完全に混合し、組成物7を得た。
[比較例4]
(A)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R1=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)100質量部に、(E-1)表面がパラフィン系で処理された重質炭酸カルシウム(製品名;MCコートP-20、丸尾カルシウム(株)製)100質量部、(E-2)表面がジメチルジクロロシランにて処理された煙霧質シリカ(製品名;MU-215、信越化学工業(株)製)を10質量部加えて十分に混合した後、(B”)メチルトリメトキシシランを10質量部加え、十分に混合した。最後に(D-2)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名;KBM-403、信越化学工業(株)製)を1質量部、(C-2)チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(製品名;オルガチックスTC750、マツモトファインケミカル(株)製)を4質量部加え、減圧下で混合したところ、混合中にゲル化してしまい組成物は得られなかった。
[試験方法]
上記実施例1~4、比較例1~3で調製された各組成物(室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物)について、下記の評価を行った。実施例1~4、比較例1~3の配合量と共に、下記評価結果を表1に示す。
(初期評価)
初期評価として上記調製直後の各組成物を用いて以下のタックフリータイム、硬化速度、ゴム物性、接着性を評価した。
タックフリータイム
上記実施例、比較例で調製された各組成物を用いて、JIS A 5758に規定する方法に準じてタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定した。
硬化速度
硬化速度試験方法は、内径10mmのガラスシャーレに、上記実施例、比較例で調製された各組成物を充填し、23℃、50%RHで1日(24時間)後に、空気に触れた部分から硬化した厚さを測定した。
ゴム物性
上記実施例、比較例で調製された各組成物を2mmの型枠に流し込み、23℃、50%RHで7日間養生して2mm厚さのゴムシートを得た。JIS K 6249に準じてゴム物性(タイプAデュロメータ硬さ、引張強度、切断時伸び)を測定した。
接着性
上記実施例、比較例で調製された各組成物について、幅25mm、長さ100mmのアルミニウム板2枚の間で23℃、50%RHで7日間養生して硬化させ、上下それぞれのアルミニウム板との接着面積2.5cm2、接着厚さ1mmのシリコーンゴム硬化物層を形成して、せん断接着試験体を作製した。この各試験体を用いてアルミニウムに対するせん断接着力と凝集破壊率をJIS K 6249に規定する方法に準じて測定した。
耐湿熱性試験
耐湿熱性能を確認するため、得られた硬化後のシリコーンゴムシート及びせん断接着試験体を85℃、85%RHの環境に暴露し、1,000時間劣化させて、その後製造初期と同様の試験(ゴム物性、接着性)を行うことで、耐湿熱性の確認試験を行った。
耐熱性試験
耐熱性能を確認するため、得られた硬化後のシリコーンゴムシート及びせん断接着試験体を150℃の環境に暴露し、1,000時間劣化させて、その後製造初期と同様の試験(ゴム物性、接着性)を行うことで、耐熱性の確認試験を行った。
Figure 0007351264000015
上記の結果から、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、錫触媒、チタン触媒、有機強塩基触媒、有機ビスマス触媒のいずれを使用しても、初期評価において良好な硬化性(タックフリータイム、硬化速度)、ゴム物性及び接着性を有し、耐湿熱性試験、耐熱性試験でも良好な特性を有すことが示された。本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の特性は、汎用されている脱オキシム型、脱アルコール型の組成物に劣るものではない。更に、実施例4で示したように、ビスマス触媒を使用しても本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は良好な特性を示すが、比較例3のビスマス触媒を使用した脱アルコール型の組成物は硬化しなかった。また、比較例4のように末端シラノール基のオルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、アルコキシ基を有するシラン化合物を硬化剤とした脱アルコール型の組成物では、触媒の種類や量によっては混合中に反応が進むため、製造中にゲル化してしまう。これらの結果から、脱アルコール型硬化剤よりも本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物で使用した加水分解性オルガノシラン化合物の方が末端封鎖能及び硬化性に優れることが分かる。
また、実施例の組成物が硬化中に放出する化合物は、アセト酢酸エチルとマロン酸ジエチルであり、これらは食品添加物や香料として認可されている安全性の高い化合物である。一方で、比較例の組成物が硬化中に放出する化合物は、発がん性のおそれを疑われている2-ブタノンオキシム、及び劇物に指定されているメタノールである。また、これらの化合物は、アセト酢酸エステル、マロン酸エステルと比較して引火点や沸点が低いことからも、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、人体の健康、環境保護の観点からより優れていることが分かる。
以上の結果から、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化時により安全性の高い化合物を脱離し、各種触媒を使用しても良好な硬化性を有し、その硬化物は、良好な物性・接着性・耐久性(耐湿熱性、耐熱性)を有していることが確認され、様々な用途(接着剤、シーリング剤、ポッティング剤、コーティング剤等)において好適に使用できることが分かった。

Claims (17)

  1. (A)下記一般式(1)で示される23℃における粘度が20~1,000,000mPa・sのオルガノポリシロキサン:100質量部
    HO-(SiR1 2O)a-H (1)
    (式中、R1は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは50以上の整数である。)
    (B)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:1~40質量部
    Figure 0007351264000016
    (式中、R2及びR4はそれぞれ独立に炭素数1~10の一価炭化水素基であり、R3はそれぞれ独立にエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数7~10のアラルキル基である。mは3又は4である。)、及び
    (C)硬化触媒:0.01~10質量部
    を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によってβ-ケトエステル化合物を脱離するものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. β-ケトエステル化合物が、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル又はマロン酸ジベンジルである請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. (C)硬化触媒が、錫触媒、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒の少なくともいずれか1つを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. 錫触媒を含有しないものである請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. 更に、(D)下記一般式(3)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物:(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部
    56 bSiX3-b (3)
    (式中、R5は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上の原子を含む官能性基を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R6は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。bは0、1又は2である。)
    を含有する請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  7. 更に、(E)無機質充填剤:(A)成分100質量部に対して1~500質量部
    を含有する請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  8. (E)成分が、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック及び酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤である請求項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用部品。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用オイルシール。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する電気・電子用部品。
  12. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する建築用構造物。
  13. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する土木工事用構造物。
  14. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する接着剤。
  15. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するシーリング剤。
  16. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するポッティング剤。
  17. 請求項1~のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するコーティング剤。
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