JP7350631B2 - トナー搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナーの搬送構成としては、中心に回転軸を有し、その外周に螺旋状に羽根部が延在するスクリューを、搬送路内に配置、回転させることで、トナーを搬送路上流から下流へ搬送する構成がある。
特許文献1では、鉛直方向上側に配置されたトナーボトルから、トナー搬送路を介して、トナー供給口から現像装置へトナーを、落下・搬送する構成が示されている。このとき、トナー搬送路は、特許文献1中の図9や図10に示されたように、複数のスクリューによって構成され、相互に連結され、搬送方向や高さを変化させ、所望のトナー供給口へトナーを搬送する。
例えば、特許文献1中の図10に示された構成では、2つのスクリューを交差させ、上流から下流へトナーを受け渡す構成になっている。その受け渡し部では、上流側スクリューの下流側端部と、下流側スクリューの上流側端部が、鉛直方向に重なるように交差して配置される。上流側スクリューによって搬送されてきたトナーは、上流側スクリューの下流側端部に到達すると、重力の補助も得て、下流側スクリューへと導かれ、やがて、下流側スクリューによって、さらに下流へ搬送される。
また、特許文献2にも、同様に、2つのスクリューを交差させ、上流側のスクリューから下流側のスクリューへトナーを受け渡して、トナーを搬送する構成が、示されている。
特許文献2中の図5に示されるように、上流側スクリューと下流側スクリューが交差し、トナーが搬送方向下流へ搬送される構成である。
特許文献1中の図9に示された配置のように、水平に配置されたスクリューの軸方向断面からみて、その上方に空間が形成されていても、トナーは、空間に侵入せず、スクリューの軸方向に搬送される。
これは、スクリューがトナーに与える搬送力が、トナーを、重力に逆らってスクリュー上方へトナーを押し上げることはできないことを示している。これは、スクリューが発生するラジアル方向の搬送力は、トナーに働く重力よりも小さいことを示している。つまり、上流から下流のスクリューへトナーを受け渡すときにトナーに働く搬送力は、この合算値であるとともに、その少なくとも半分以上は、重力によって発生させられていると言える。
したがって、以下に示す、重力がトナー搬送の抵抗となる条件においては、トナーの搬送力を十分に得られないケースがある。
(1)下流側のスクリューが上流側のスクリューに対して、鉛直方向上側に配置されているとき
前述のように、重力に逆らってトナーを搬送するには、スクリューのラジアル方向の搬送力だけでは不足するため、トナーをスムーズに搬送できないことがある。
(2)下流側のスクリューの配置角度が下流になるにしたがって高くなるように傾斜しているとき
特に、下流側スクリューが鉛直方向に延びる配置構成の場合には、下流側スクリューによって発生するラジアル方向のトナー搬送力に打ち勝って、上流側スクリューがトナーを上流側搬送路から連通口を介して下流側搬送路へ押し込む必要がある。よって、十分な搬送力をもたない従来方式の上流側のスクリューでは、下流側スクリューの逆流力に逆らうことができないケースがある。
従来の技術では、このような構成になってしまった場合、上流側スクリューと下流側スクリューの受け渡し部がボトルネックとなって搬送効率が低下し、スクリュー各々がもつ最大搬送力に対して、システム全体の最大搬送力が低下してしまう。
従来、画像形成装置としては、プロセスカートリッジが必要とするトナー量が設定されているので、これを満足させるために、スクリューの回転数を上げて搬送量を満足してきた。
しかしながら、要求される搬送量が達成される一方で、回転数増大によって動作音が増大してしまう。また、画像形成装置の製品寿命内で、トナー搬送装置内のスクリューの累計回転数が増えるので、装置寿命が低下してしまう。
また、スクリュー回転数を上げずに搬送力を増やす手段としては、スクリューの断面積を増やすことも考えられるが、装置体積が増加してしまい、画像形成装置全体の大きさに影響する。
画像形成装置に用いられるトナー搬送装置であって、
第1回転軸及び第1羽根部を有する第1スクリューと、前記第1スクリューとの間に空間を形成するように前記第1スクリューを囲う第1搬送路形成部と、を有する第1搬送部と、
第2回転軸及び第2羽根部を有する第2スクリューと、前記第2スクリューとの間に空間を形成するように前記第2スクリューを囲う第2搬送路形成部と、を有し、前記第1搬送部によって搬送されたトナーを搬送するための第2搬送部と、
を備え、
前記第2スクリューは、前記第2スクリューのトナー搬送方向において、前記第2回転軸の下流端は前記第2回転軸の上流端よりも高い位置にあり、前記第2回転軸の水平面に対する角度が前記第1回転軸のそれよりも大きくなるように構成され、
前記第1スクリューのトナー搬送方向において最下流にある前記第1羽根部の下流端と、前記第1搬送路形成部の前記第2搬送路形成部に接続される接続部と、の間にあって前記第1回転軸よりも上方にある前記第1搬送路形成部の領域から前記第1回転軸の回転軸線に向かって突出する突出部が設けられ、
前記突出部は、前記第1回転軸の回転軸線の方向に見た時に、前記第1羽根部とオーバラップしていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
トナーを用いて記録材に画像を形成する画像形成部と、
トナーを収容する収容部と、
前記収容部から前記画像形成部へトナーを搬送するトナー搬送部と、
を備える画像形成装置において、
前記トナー搬送部が、本発明のトナー搬送装置であることを特徴とする。
図3を参照して、本発明の実施例1に係る画像形成装置1について説明する。図3は、画像形成装置1の全体構成を示す概略断面図であり、画像形成装置1を正面側から見たときの断面図である。図3は、画像形成装置が水平な設置面に載置される通常の設置状態における画像形成装置の構成を示しており、紙面左右方向が水平方向、紙面上下方向が装置上下方向にそれぞれ対応する。なお、図3以外を参照した以下の説明における上下左右等の方向に関する説明内容は、図3を基準としている。
像装置9は独自のトナー収容室を有しているが、後述する補給トナー容器(トナーカートリッジ)13から供給されるトナーがトナー収容室に補充される構成となっている。ここで、画像形成装置1の装置本体とは、上述のプロセスカートリッジや後述する補給トナー容器13などのように、画像形成装置1に対して着脱自在な構成を除いた構成部分のことを指す。
各画像形成ステーションで現像されたトナー像は、一次転写部20で中間転写ベルト18へ転写され、各色を連続的に転写していくことで、中間転写ベルト18の表面に、4色からなるトナー画像が形成され、二次転写部17に搬送させる。
ローラ対26によって搬送され、排紙トレイ27に排出される。これら一連の動作により、記録材4表面に対する画像形成が行われる。
図1は、本実施例の画像形成装置に搭載されたトナー搬送装置14の概要構成を示す模式的斜視図である。なお、図1では、トナー搬送装置14内部構成を示すために一部形状を取り除いて図示している。
上流側スクリュー105は、第1回転軸としての回転軸105Aと、回転軸105Aの外周にらせん状に巻き付いたように形成された羽根部105Bと、を有している。
上流側スクリュー105は、上流側搬送部100が形成する搬送路のうち第1搬送路形成部が形成する略水平に延びる第1トナー搬送路108内に、略水平方向に延びる配置で回転可能に設けられている。上流側スクリュー105は、上流側駆動ギア103と駆動連結された側の回転軸105Aの端部(上流側搬送部100におけるトナー搬送方向における上流側端部)が、上流側搬送部100のケーシングに回転可能に軸支されている。
連通口107は、上流側スクリュー105の回転軸105Aの軸線方向に沿って、第1トナー搬送路108に連なるように設けられている。
上流側搬送部100において第2搬送路形成部が形成する第2トナー搬送路109の上流側の一部は、回転軸105Aの軸線方向に沿って連通口107の先(下流側)に上流端があり、そこから上方(重力に逆らう方向)に延びている。
すなわち、上流側搬送部100によって形成される搬送路は、第1トナー搬送路108と、連通口107と、第2トナー搬送路109の上流側の一部と、からなる略L字状に形成される。
上流側搬送部100の第2搬送路形成部は、上方に第2トナー搬送路109を開口する開口部を有しており、下流側搬送部110の第2搬送路形成部の下端(上流側端)が上記
開口部に上方から差し込まれて連結される構成になっている。かかる連結により、上流側搬送部100の第2トナー搬送路109aと、下流側搬送部110の第2トナー搬送路109bとが連通し、一本の第2トナー搬送路109が形成される。
第1トナー搬送路108は、上流側搬送部100の上流側壁面104と、上流側スクリュー105と、の間に形成される空間である。
第2トナー搬送路109は、上流側搬送部100と下流側搬送部110との間で連なる下流側側壁113と、下流側スクリュー114と、の間に形成される空間である。
下流側スクリュー114は、下流側搬送部110内部においては、その下流側壁面113に覆われるように配置される。下流側搬送部110の最上流部は、上流側搬送部100の最下流部に接続されており、上流側搬送部100の上流側スクリュー105によって搬送されてきたトナーは、連通口107を通過して後は、下流側スクリュー114によって搬送される。下流側スクリュー114は、下流側駆動ギア112にトナー搬送駆動装置15から回転駆動力が伝達されることによって、回転駆動され、下流側スクリュー114は、重力に対して逆方向にトナーを搬送する。下流側スクリュー114は、下流側駆動ギア112と駆動連結された側の回転軸114Aの端部(下流側搬送部110におけるトナー搬送方向における上流側端部)が、下流搬送部110のケーシングに回転可能に軸支されている。下流側スクリュー114によって重力に対して逆方向に搬送されたトナーは、第3スクリューとしての排出スクリュー116によってさらに搬送され、排出口111を介して下流側搬送部110から排出される。排出スクリュー116は、その羽根部の上流側端部が、下流側スクリュー114の羽根部の下流側端部と駆動連結するように当接しており、回転する下流側スクリュー114から受ける駆動力によって回転する。排出スクリュー116によって排出口111から排出されたトナーは、図3に図示する現像装置9に供給(補給)されることになる。
ュー114が重力に対して逆方向にトナーを搬送すると同時に、上流側スクリュー105が回転駆動しながら下流側スクリュー114に向けてトナーを供給する。このとき下流側スクリュー114側から上流側スクリュー105側にトナーが逆流することがある。すなわち、重力によって第2トナー搬送路109内を降りてきたトナーが、隙間(連通口107)を介して、第1トナー搬送路108へ戻るトナーの流れが生じることがある。このトナーの逆流により、上流側スクリュー105から下流側スクリュー114にトナーを受け渡す効率が低下することがある。
水平方向に延びる上流側スクリュー105によるトナーを搬送する力は、主として、回転軸105Aの回転軸線105cよりも下方の領域で発生する。したがって、トナーの逆流は、主に、回転軸線105cよりも上方の領域で生じ、それと同時に、回転軸線105cよりも下方の領域において、上流側スクリュー105から下流側スクリュー114へのトナーの流れが生じる。
図4を参照して、本発明の実施例2について説明する。図4は、実施例2に係るトナー搬送装置における、第1トナー搬送路108と第2トナー搬送路109の接続部(連通口107)の詳細構成を示す模式的断面図である。
なお、実施例2に係る画像形成装置やトナー搬送装置の構成において、実施例1に係る装置構成と共通する構成については、同じ符号を付し、再度の説明を省略する。実施例2においてここで特に述べない事項は、実施例1と同様である。
図5を参照して、逆流防止リブ106の構成例を説明する。図5は、上流側スクリュー105の回転軸105Aの回転軸線105cに見たときの、上流側スクリュー105の回転軸105A、逆流防止リブ106、連通口107、第1トナー搬送路108を形成する内壁面104の構成を示した模式図である。図5(a)は、上記実施例で示した単一の逆流防止リブ106の構成を示しており、図5(b)は逆流防止リブ106を複数設けた構成を示している。図5(c)は、逆流防止リブ106を廃し、連通口107の回転軸105Aとの位置関係を工夫することでトナー逆流の低減を図った構成を示している。
第1トナー搬送路、連通口、第2トナー搬送路を形成する部材の組合せ構成(上流側搬送部100と下流側搬送部110の分割位置)は、上述した実施例の構成に限定されるものではない。
ことができる。そして、第1開口部と第2開口部の少なくともいずれかの開口部の縁に逆流防止リブ(突出部)を設けたり、開口部の広さに違いを持たせることで、トナー逆流量を低減可能な構成とすることができる。
Claims (12)
- 画像形成装置に用いられるトナー搬送装置であって、
第1回転軸及び第1羽根部を有する第1スクリューと、前記第1スクリューとの間に空間を形成するように前記第1スクリューを囲う第1搬送路形成部と、を有する第1搬送部と、
第2回転軸及び第2羽根部を有する第2スクリューと、前記第2スクリューとの間に空間を形成するように前記第2スクリューを囲う第2搬送路形成部と、を有し、前記第1搬送部によって搬送されたトナーを搬送するための第2搬送部と、
を備え、
前記第2スクリューは、前記第2スクリューのトナー搬送方向において、前記第2回転軸の下流端は前記第2回転軸の上流端よりも高い位置にあり、前記第2回転軸の水平面に対する角度が前記第1回転軸のそれよりも大きくなるように構成され、
前記第1スクリューのトナー搬送方向において最下流にある前記第1羽根部の下流端と、前記第1搬送路形成部の前記第2搬送路形成部に接続される接続部と、の間にあって前記第1回転軸よりも上方にある前記第1搬送路形成部の領域から前記第1回転軸の回転軸線に向かって突出する突出部が設けられ、
前記突出部は、前記第1回転軸の回転軸線の方向に見た時に、前記第1羽根部とオーバラップしていることを特徴とするトナー搬送装置。 - 前記突出部は、前記接続部の広さを、前記第1搬送路形成部によって形成される空間のうち前記第1スクリューのトナー搬送方向における前記第1回転軸の下流側端部よりも下流側の領域における広さよりも狭くするように、突出していることを特徴とする請求項1に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、前記第1回転軸の回転軸線の方向において、前記第1スクリューのトナー搬送方向における前記第1回転軸の下流側端部よりも下流側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、前記第1回転軸の回転軸線と直交する方向に突出することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、前記第1搬送路形成部において前記第1スクリューとの間に空間を形成する壁面よりも、前記第1回転軸の回転軸線と直交する方向に前記第1回転軸の回転軸線に向かって突出していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、前記第1回転軸の外周にらせん状に設けられた前記第1羽根部の前記第1回転軸の回転軸線よりも上方の領域と、前記第1回転軸の回転軸線の方向に対向することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、前記第1回転軸の回転軸線の方向において、前記第1スクリューのトナー搬送方向における前記第1回転軸の下流側端部と、前記第2スクリューのトナー搬送方向における前記第2回転軸の上流側端部との間に位置していることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
- 前記突出部は、前記第2搬送路形成部において前記第2回転軸との間に空間を形成する
壁面と連続するように形成されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。 - 前記第1回転軸は、略水平方向に延び、
前記第2回転軸は、前記第2スクリューのトナー搬送方向における上流側から下流側に向かって重力の方向とは逆方向に延びることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。 - 前記第1搬送路形成部は、前記第1回転軸との間に形成する空間内の圧力を逃がす脱気部を有することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
- トナーを用いて記録材に画像を形成する画像形成部と、
トナーを収容する収容部と、
前記収容部から前記画像形成部へトナーを搬送するトナー搬送部と、
を備える画像形成装置において、
前記トナー搬送部が、請求項1~11のいずれか1項に記載のトナー搬送装置であることを特徴とする画像形成装置。
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