JP7349939B2 - 燃料ガス生成装置の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池のアノードに供給する燃料ガスを生成する燃料ガス生成装置の運転方法に関する。
特許文献1(特許第4909339号公報)には、燃料電池のアノードに供給する燃料ガス生成装置の運転を停止させるときの方法が記載されている。特許文献1において、燃料ガス生成装置は、原燃料ガスを改質して、燃料電池のアノードに供給する燃料ガスを生成する改質処理を行う改質部と、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼させ、その燃焼熱により改質部を昇温できる燃焼部と、燃焼部に供給する燃焼用ガスの単位時間当たりの流量を調節する燃焼用ガス流量調節部と、燃焼部に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量を調節する燃焼用空気流量調節部とを備えている。そして、燃料ガス生成装置を停止する場合には、燃焼部(改質器バーナ3b)への燃焼用ガスの供給を燃焼用ガス流量調節部(原燃料バルブV1、原燃料ポンプ11)によって停止し、且つ、燃焼部に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量を燃焼用空気流量調節部(燃焼用空気バルブV10)によって所定の通常停止用空気流量に調節し、供給される燃焼用空気によって燃焼部から熱を奪うことで改質部(改質器3)の温度を通常停止時目標温度(設定温度Ts)まで降下させる処理を行っている。
尚、特許文献1には、燃料ガス生成装置の運転を開始させるときの方法は記載されていないが、通常は、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼部で燃焼させ、その燃焼熱により、原燃料ガスの改質処理に適した目標温度まで改質部の温度を上昇させる。この場合、燃焼部に供給する燃焼用ガスの単位時間当たりの流量は所定の通常起動用ガス流量に調節され、且つ、燃焼部に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量は所定の通常起動用空気流量に調節される。そして、改質部の温度が目標温度まで上昇した後、改質部に原燃料ガスが供給されて原燃料ガスの改質処理が行われ、その改質処理によって得られた燃料ガスが燃料電池のアノードに供給されて、燃料電池で発電が行われる。
改質部の温度を改質処理に適した温度にするための燃焼部で失火が発生した場合、改質部の温度を原燃料ガスの改質処理に適した温度にできなくなるため、燃料ガス生成装置の運転が一旦停止されることがある。
特許文献2(特開2018-090461号公報)には、燃焼部での失火を検知するための装置として、燃焼部で燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼させた場合に発生する火炎の存在を検知するためのフレームロッド(火炎検知器7)が用いられている。そして、フレームロッドを用いて、燃焼部で正常な燃焼が行われているか否かを継続的に検知することが行われている。
特許第4909339号公報 特開2018-090461号公報
フレームロッドは、高温の火炎に曝されると表面に酸化被膜が形成される。例えば、Fe-Cr-Al合金を用いて構成されるフレームロッドの場合、フレームロッドの表面にアルミナ被膜が形成される。このアルミナ被膜によってフレームロッド本体は保護されるが、アルミナ被膜は絶縁体のため、火炎の検知性能が低下する可能性がある。尚、そのようなアルミナ被膜にクラックが発生してフレームロッド本体がより広く露出すると、火炎の検知性能は回復する。
このようなフレームロッドが、燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料ガス生成装置で用いられている場合、以下のような課題がある。
・燃料電池及び燃料ガス生成装置は連続運転時間が長いため、フレームロッドは、その表面にアルミナ被膜が形成されるような状況に長期間にわたって配置される。
・例えば給湯器などの他の燃焼機器のように起動及び停止が頻繁に繰り返されるものではない。そのため、起動及び停止が繰り返された場合(即ち、フレームロッドの加熱及び冷却が繰り返された場合)に起こり得る酸化被膜のクラックが発生する機会が少ない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレームロッドによる火炎検知性能を高い状態に維持できる燃料ガス生成装置の運転方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料ガス生成装置の運転方法の特徴構成は、原燃料ガスを改質して、燃料電池のアノードに供給する燃料ガスを生成する改質処理を行う改質部と、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼させることができ、前記改質部との間で熱交換できる燃焼部と、前記燃焼部で前記燃焼用ガスを前記燃焼用空気と共に燃焼させた場合に発生する火炎の存在を検知するためのフレームロッドと、前記燃焼部に供給する前記燃焼用ガスの単位時間当たりの流量を調節する燃焼用ガス流量調節部と、前記燃焼部に供給する前記燃焼用空気の単位時間当たりの流量を調節する燃焼用空気流量調節部とを備え、
通常起動する場合には、前記燃焼部に供給する前記燃焼用ガスの単位時間当たりの流量を前記燃焼用ガス流量調節部によって所定の通常起動用ガス流量に調節し、且つ、前記燃焼部に供給する前記燃焼用空気の単位時間当たりの流量を前記燃焼用空気流量調節部によって所定の通常起動用空気流量に調節し、前記燃焼用ガスを前記燃焼用空気と共に前記燃焼部で燃焼させることで前記改質部の温度を通常起動時目標温度まで上昇させる通常温度上昇処理を行い、
通常停止する場合には、前記燃焼部への前記燃焼用ガスの供給を前記燃焼用ガス流量調節部によって停止し、且つ、前記燃焼部に供給する前記燃焼用空気の単位時間当たりの流量を前記燃焼用空気流量調節部によって所定の通常停止用空気流量に調節し、供給される前記燃焼用空気によって前記燃焼部から熱を奪うことで前記改質部の温度を通常停止時目標温度まで降下させる通常温度降下処理を行うように構成される燃料ガス生成装置の運転方法であって、
所定の特別運転条件が満たされた後に、前記通常起動時に行う前記通常温度上昇処理とは別の特別温度上昇処理を行う特別起動、及び、前記通常停止時に行う前記通常温度降下処理とは別の特別温度降下処理を行う特別停止の少なくとも何れか一方を行い、
前記特別温度上昇処理は、前記改質部の温度を前記通常温度上昇処理を行う場合よりも速い速度で前記通常起動時目標温度まで上昇させる処理、又は、前記燃焼部で前記燃焼用ガスを燃焼させて前記改質部の温度を前記通常起動時目標温度まで上昇させる間に、一時的に前記燃焼部への前記燃焼用ガスの供給を停止し且つ前記燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで一時的に前記改質部に温度降下を発生させることを少なくとも1回行う処理であり、
前記特別温度降下処理は、前記改質部の温度を前記通常温度降下処理を行う場合よりも速い速度で前記通常停止時目標温度まで低下させる処理、又は、前記改質部の温度を前記通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度まで低下させる処理、又は、前記改質部の温度を前記通常温度降下処理よりも速い速度で前記特別停止時目標温度まで低下させる処理、又は、前記燃焼部への前記燃焼用ガスの供給を停止し且つ前記燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで前記改質部の温度を降下させる間に、一時的に前記燃焼部に前記燃焼用ガスを供給して燃焼させることで一時的に前記改質部に温度上昇を発生させることを少なくとも1回行う処理である点にある。
上記特徴構成によれば、燃料ガス生成装置の起動時の特別温度上昇処理として、改質部の温度を通常温度上昇処理を行う場合よりも速い速度で通常起動時目標温度まで上昇させる処理が行われた場合、燃焼部に設けられているフレームロッドの温度は、通常起動時よりも速い速度で上昇する。その結果、フレームロッドの温度上昇に伴う膨張が速い速度で発生して、フレームロッドの表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
燃料ガス生成装置の起動時の特別温度上昇処理として、燃焼部で燃焼用ガスを燃焼させて改質部の温度を通常起動時目標温度まで上昇させる間に、一時的に燃焼用ガスの供給を停止し且つ燃焼用空気を供給する状態を維持することで一時的に改質部に温度降下を発生させることを少なくとも1回行う処理が行われた場合、燃焼部に設けられているフレームロッドの温度は短期間に上昇と降下とを繰り返す。その結果、フレームロッドの温度上昇に伴う膨張と温度降下に伴う収縮とが短期間に繰り返されて、フレームロッドの表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
燃料ガス生成装置の停止時の特別温度降下処理として、改質部の温度を通常温度降下処理を行う場合よりも速い速度で通常停止時目標温度まで低下させる処理が行われた場合、燃焼用空気が供給される燃焼部に設けられているフレームロッドの温度は、通常停止時よりも速い速度で低下する。その結果、フレームロッドの温度低下に伴う収縮が通常停止時よりも速い速度で発生して、フレームロッドの表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
燃料ガス生成装置の停止時の特別温度降下処理として、改質部の温度を通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度まで低下させる処理が行われた場合、燃焼部に設けられているフレームロッドは、通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度と同等の温度に低下する。その結果、フレームロッドの温度低下に伴う収縮が通常停止時よりも大きく発生して、フレームロッドの表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
燃料ガス生成装置の停止時の特別温度降下処理として、改質部の温度を通常温度降下処理よりも速い速度で特別停止時目標温度まで低下させる処理が行われた場合、燃焼部に設けられているフレームロッドは、通常停止時よりも速い速度で、通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度と同等の温度に低下する。その結果、フレームロッドの温度低下に伴う収縮が速い速度で且つ通常停止時よりも大きく発生して、フレームロッドの表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
燃料ガス生成装置の停止時の特別温度降下処理として、燃焼部への燃焼用ガスの供給を停止し且つ燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで改質部の温度を降下させる間に、一時的に燃焼部に燃焼用ガスを供給して燃焼させることで一時的に改質部に温度上昇を発生させることを少なくとも1回行う処理が行われた場合、燃焼部に設けられているフレームロッドの温度は短期間に上昇と降下とを繰り返す。その結果、フレームロッドの温度上昇に伴う膨張と温度降下に伴う収縮とが短期間に繰り返されて、フレームロッドの表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
以上のように、燃焼部の温度上昇中又は温度降下中に、フレームロッドの表面に形成された酸化被膜にクラックが生じ、酸化被膜に覆われていないフレームロッドの表面部分がより広く露出することで、フレームロッドによる火炎の検知性能が回復することが期待される。
従って、フレームロッドによる火炎検知性能を高い状態に維持できる燃料ガス生成装置の運転方法を提供できる。
本発明に係る燃料ガス生成装置の運転方法の更に別の特徴構成は、前記フレームロッドによって火炎が検知されなくなった場合に前記特別運転条件が満たされたと判定する点にある。
フレームロッドによって火炎が検知されなくなった場合、その理由として、フレームロッドの表面に酸化被膜が形成されて、フレームロッドによる火炎の検知性能が低下したことが推定される。
そこで本特徴構成では、フレームロッドによって火炎が検知されなくなった場合に上記特別運転条件が満たされたと判定し、その後、上記特別温度上昇処理を行う特別起動及び上記特別温度降下処理を行う特別停止の少なくとも何れか一方を行う。その結果、フレームロッドの表面に酸化被膜が形成されることでフレームロッドによる火炎の検知性能が低下していたとしても、フレームロッドによる火炎の検知性能が回復することが期待される。
燃料ガス生成装置及び燃料電池装置を備える燃料電池システムの構成を示す図である。 通常温度降下処理の例を示すグラフである。 通常温度上昇処理の例を示すグラフである。 特別温度降下処理の例を示すグラフである。 特別温度降下処理の例を示すグラフである。 特別温度降下処理の例を示すグラフである。 特別温度上昇処理の例を示すグラフである。 特別温度上昇処理の例を示すグラフである。
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る燃料ガス生成装置11の運転方法について説明する。
図1は、燃料ガス生成装置11及び燃料電池20を備える燃料電池システムの構成を示す図である。図示するように、燃料ガス生成装置11は、改質部13と、燃焼部16と、フレームロッド17と、燃焼用ガス流量調節部としてのブロアー2と、燃焼用空気流量調節部としてのブロアー9とを備える。加えて、本実施形態では、燃料ガス生成装置11が、脱硫部12と、変成部18と、除去部19とを有する例を説明する。また、燃料電池システムには、電解質23をアノード21及びカソード22で挟んで構成されるセルを備える燃料電池20が設けられる。図1には、固体高分子形の燃料電池20と、その燃料電池20に燃料ガスを供給する燃料ガス生成装置11とを記載している。フレームロッド17は、例えばFe-Cr-Al合金などを用いて構成される。
燃料ガス生成装置11には、原燃料ガス流路1を介して炭化水素を含む原燃料ガス(例えば都市ガスなど)が供給される。原燃料ガス流路1は、ブロアー2の下流側の分岐部3で第1流路1a及び第2流路1bに分岐する。第1流路1aは脱硫部12に接続され、第2流路1bは燃焼部16に接続される。また、第1流路1aの途中には第1弁V1が設けられ、第2流路1bの途中には第2弁V2が設けられる。
脱硫部12は、炭化水素を含む原燃料ガス(例えば都市ガスなど)を改質部13に供給する原燃料ガス流路1の第1流路1aの途中に設けられ、供給される都市ガスなどの原燃料ガスなどに付臭剤として含まれる硫黄化合物を脱硫処理する。脱硫部12に原燃料ガスを供給する場合、運転制御部Cは、第1弁V1を開弁し、ブロアー2を動作させる。脱硫部12に供給する原燃料ガスの単位時間当たりの流量、即ち、改質部13に供給する原燃料ガスの単位時間当たりの流量は、運転制御部Cが、脱硫部12よりも上流側の原燃料ガス流路1に設けられるブロアー2を用いて調節する。
燃焼部16は、可燃性の燃料用ガスを燃焼用空気と共に燃焼させることができ、改質部13との間で熱交換できる。燃焼用ガスとしては、後述するように、燃料電池20のアノード21から排出されたアノード排ガス(発電反応で消費されなかった水素を含むガス)、燃料ガス生成装置11からバイパス流路26を経由して燃焼部16に供給される燃料ガス、又は、原燃料ガス、又は、それらが混合されたガスなどを用いることができる。また、燃焼部16には、燃焼用空気(酸素)が燃焼用空気流路10を介して供給されている。燃焼部16に原燃料ガスを供給する場合、運転制御部Cは、第2弁V2を開弁し、ブロアー2を動作させる。燃焼部16に供給する原燃料ガスの単位時間当たりの流量、即ち、改質部13に供給する原燃料ガスの単位時間当たりの流量は、運転制御部Cが、脱硫部12よりも上流側の原燃料ガス流路1に設けられるブロアー2を用いて調節する。
フレームロッド17は、燃焼部16で燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼させた場合に発生する火炎の存在を検知できる。フレームロッド17の検知結果は運転制御部Cに伝達される。
改質部13は、改質触媒15を用いて原燃料ガスを水蒸気の存在下で改質処理して、水素を主成分とする燃料ガスを生成する。図示は省略するが、改質部13には水蒸気が脱硫処理後の原燃料ガスと混合された状態で供給される。そして、改質部13は、隣接して設けられる燃焼部16で発生された燃焼熱を利用して原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を主成分とし、副生成物としての一酸化炭素及び二酸化炭素を含む燃料ガスを生成する。改質部13での改質処理によって生成された燃料ガスは、改質部13よりも下流側の燃料ガス流路7へと送り出される。温度センサ14は、改質触媒15の温度を測定できる。本実施形態では、温度センサ14が測定する改質触媒15の温度を、改質部13の温度として説明する。温度センサ14の測定結果は運転制御部Cに伝達される。
変成部18は、燃料ガス流路7の途中に設けられ、改質部13にて生成された燃料ガスに含まれる一酸化炭素を低減するように処理する。具体的には、変成部18において、改質部13で生成された燃料ガス中に含まれている一酸化炭素と水蒸気とが反応して、一酸化炭素が二酸化炭素に変成処理される。
除去部19は、燃料ガス流路7の途中に設けられ、変成部18から排出される変成処理後の燃料ガス中に残留している一酸化炭素を除去する。例えば、除去部19において、変成処理後の燃料ガス中に残っている一酸化炭素が、新たに添加された空気中の酸素によって酸化除去される。その結果、一酸化炭素濃度の非常に低い、水素リッチな燃料ガスが生成される。
燃料電池20は、除去部19によって一酸化炭素濃度が低減された後の燃料ガスの供給を燃料ガス流路7を介して受ける。具体的には、燃料電池20が有するアノード21には燃料ガス流路7を介して上記燃料ガスが供給され、カソード22には発電用空気流路5を介してブロアー4によって酸素(空気)が供給されて、発電反応が行われる。発電反応で用いられた後の酸素(空気)はカソード排ガス流路6を通ってシステム外に排出される。燃料電池20の出力電力(即ち、発電反応の量)は、運転制御部Cが、燃料電池20にとっての電力負荷となるパワーコンディショナ(図示せず)を用いて調節し、その電力が電力消費装置(図示せず)に供給される。尚、燃料電池20のアノード21に供給される水素の量が、燃料電池20での発電反応に要する水素の量よりも多ければ、その過剰の水素は、燃料電池20での発電反応で消費されることなく燃料電池20のアノード21から排出される。そして、燃料電池20のアノード21から排出されたアノード排ガス(発電反応で消費されなかった水素を含むガス)は、アノード排ガス流路8を通って燃焼部16に供給され、燃焼用ガスとして燃焼される。
本実施形態では、除去部19と燃料電池20との間の燃料ガス流路7の途中にその流路を開閉可能な第3弁V3が設けられている。除去部19とその第3弁V3との間の燃料ガス流路7の途中の分岐部24と、アノード排ガス流路8の途中の合流部25とはバイパス流路26で接続される。バイパス流路26の途中には、その流路を開閉可能な第5弁V5が設けられている。アノード排ガス流路8の途中の、燃料電池20とアノード排ガス流路8の合流部25との間には、その流路を開閉可能な第4弁V4が設けられる
次に、燃料ガス生成装置11の通常停止時及び通常起動時の動作について説明する。
〔停止工程(通常停止)〕
燃料電池システムの運転を停止するとき、運転制御部Cは、例えば、水蒸気パージ処理、通常温度降下処理、ガスパージ処理などを順に行う。
例えば、運転制御部Cは、水蒸気パージ処理において、第5弁V5を開弁し且つブロアー9を動作させ、第1弁V1と第2弁V2と第3弁V3と第4弁V4とを閉弁し且つブロアー2とブロアー4とを停止させた状態で改質部13に水蒸気のみを供給する。これにより、燃焼部16にはブロアー9によって燃焼用空気が供給され続ける状態で、燃料ガス生成装置11の内部に残留しているガスがバイパス流路26を介して燃焼部16へと供給され、最終的には、燃料ガス生成装置11の内部が水蒸気で置換される。そして、この状態を所定時間が経過するまで維持し、その後、運転制御部Cは、通常温度降下処理に移行する。
図2は、通常温度降下処理の例を示すグラフである。図示するように、運転制御部Cが発電を停止した後に上記水蒸気パージ処理を行うことで、その水蒸気パージ処理中にも改質触媒15の温度が低下し始める。そして、運転制御部Cは、改質部13の改質触媒15の温度を降下させるための通常降下工程において、燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって所定の通常停止用空気流量に調節し、供給される燃焼用空気によって燃焼部16から熱を奪うことで改質部13の温度を通常停止時目標温度まで降下させる通常温度降下処理を行う。
具体的には、運転制御部Cは、通常温度降下処理として、第5弁V5を閉弁させ、この状態を改質触媒15の温度を測定する温度センサ14の測定温度が通常停止時目標温度になるまで維持する処理を行う。この通常温度降下処理が行われている間、ブロアー9から燃焼部16に空気が供給され続けることで燃焼部16に温度が低下し、それに伴って改質部13の改質触媒15の温度も低下する。その後、運転制御部Cは、温度センサ14の測定温度が通常停止時目標温度以下になると、例えばガスパージ処理などを行う。このガスパージ処理では、第1弁V1を開弁すると共にブロアー9を停止させることで、燃料ガス生成装置11に原燃料ガスの供給圧を加える。
尚、原燃料ガスを燃料ガス生成装置11の内部に供給するガスパージ処理を行う場合、高温で且つ水蒸気の存在量が改質反応には不足するようなところに原燃料ガスが供給されると、原燃料ガスが熱分解して炭素が析出して、改質触媒15をはじめとする脱硫、変成、一酸化炭素選択酸化用の各触媒に付着して劣化させる虞がある。そのため、原燃料ガスの供給は、燃料ガス生成装置11の内部の温度(例えば改質触媒15の温度)が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出が防止できる温度にまで降下した状態で行う必要があり、しかも温度が降下し過ぎると、装置内の残留水蒸気が凝縮して各触媒に付着する虞があるので、ガスパージ処理での原燃料ガスの供給は、燃料ガス生成装置11の内部の温度を水蒸気の凝縮を防止できる温度に維持した状態で行う必要がある。そこで、上述した通常停止時目標温度として、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の凝縮を防止できる温度(例えば250℃~300℃など)に設定すればよい。
〔起動工程(通常起動)〕
燃料ガス生成装置11の運転を開始するとき、運転制御部Cは、改質部13の改質触媒15の温度を上昇させるための通常起動工程において、燃焼部16に供給する燃焼用ガスの単位時間当たりの流量をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって所定の通常起動用ガス流量に調節し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって所定の通常起動用空気流量に調節し、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼部16で燃焼させることで改質部13の温度を通常起動時目標温度まで上昇させる通常温度上昇処理を行う。例えば、この通常温度上昇処理を含む起動工程は、上記通常温度降下処理が終了した後、改質部13の温度が通常停止時目標温度以下の所定の停止完了温度になった場合に開始できる。
図3は、通常温度上昇処理の例を示すグラフである。図示するように、運転制御部Cは、通常温度上昇処理において、第2弁V2を開弁し且つブロアー2を動作させることで原燃料ガス(燃焼用ガス)を燃焼部16に供給し、ブロアー9を動作させることで燃焼用空気を燃焼部16に供給し、燃焼部16に設けられる点火器(図示せず)を作動させることで、原燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる。尚、運転制御部Cは、第1弁V1と第3弁V3と第4弁V4と第5弁V5とを閉弁し、ブロアー4を停止させている。これにより、燃焼部16で発生する燃焼熱が改質部13の改質触媒15に伝わることで、改質触媒15の温度が上昇する。
運転制御部Cは、改質部13に設けられている温度センサ14で測定する改質触媒15の温度が通常起動時目標温度に達すると、燃料ガス生成装置11の起動工程が完了したと判定して、通常温度上昇処理を終了する。その後、運転制御部Cは、第3弁V3を閉弁したままで第5弁V5を開弁することで、除去部19から排出される燃料ガスがバイパス流路26を通って燃焼部16に供給される状態を作り出す。加えて、運転制御部Cは、第1弁V1を開弁し、第2弁V2を閉弁することで、原燃料ガスが脱硫部12を介して改質部13に供給される状態を作り出す。その結果、改質部13では原燃料ガスの改質処理が行われて改質部13から燃料ガスが排出され、その燃料ガス(燃焼用ガス)の全量がバイパス流路26を通って燃焼部16に供給されて燃焼される。
その後、運転制御部Cは、改質部13に設けられている温度センサ14で測定する改質触媒15の温度が所定温度に達すると、燃料ガス生成装置11の起動工程が完了したと判定する。そして、運転制御部Cは、第3弁V3を開弁し、第5弁V5を閉弁して、改質部13で生成された燃料ガスの全量が燃料電池20のアノード21に供給されるようにする。
次に、所定の特別運転条件が満たされた後に、燃料ガス生成装置11を停止する場合、及び、燃料ガス生成装置11を起動する場合の運転方法について説明する。本実施形態では、運転制御部Cは、所定の特別運転条件が満たされた後に、通常起動時に行う通常温度上昇処理とは別の特別温度上昇処理を行う特別起動、及び、通常停止時に行う通常温度降下処理とは別の特別温度降下処理を行う特別停止の少なくとも何れか一方を行う。例えば、所定の特別運転条件が満たされた後に燃料ガス生成装置11を停止して、その後で運転開始する場合、特別温度降下処理を行う特別停止と特別温度上昇処理を行う特別起動との両方を行ってもよいし、特別温度降下処理を行う特別停止と通常温度上昇処理を行う通常起動とを行ってもよいし、通常温度降下処理を行う通常停止と特別温度上昇処理を行う特別起動とを行ってもよい。また、運転制御部Cは、所定の特別運転条件が満たされた後に燃料ガス生成装置11を停止して、その後で運転開始する場合、停止時に行われる上記通常温度降下処理又は上記特別温度降下処理が終了した後、その処理が終了したと判定される温度(通常停止時目標温度又は特別停止時目標温度)以下の所定温度になった場合に、燃料ガス生成装置11の起動工程(通常起動又は特別起動)を開始できる。
運転制御部Cは、フレームロッド17の検知結果に基づいて、燃焼部16で失火が発生したか否かを判定するように構成されているため、例えば、フレームロッド17によって火炎が検知されなくなった場合に特別運転条件が満たされたと判定する。或いは、運転制御部Cは、フレームロッド17によって火炎が検知されなくなる可能性が高い場合(例えば、連続発電時間が長くなった場合、特別温度上昇処理を行わない起動回数が設定回数に到達した場合、特別温度降下処理を行わない停止回数が設定回数に到達した場合など)に特別運転条件が満たされたと判定する。
フレームロッド17は高温の火炎に曝されると表面に酸化被膜が形成される。そのため、上述したような特別運転条件が満たされた場合、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜によって火炎の検知性能の低下が進行していると考えられる。従って、上記特別運転条件が満たされた場合には、燃料電池20の発電を停止し、燃料ガス生成装置11を停止し、その後に起動することが好ましい。そのような停止時及び起動時で行われる本実施形態の特別温度上昇処理や特別温度降下処理は、フレームロッド17が火炎の存在を正常に検知できる状態であることを確保するための行われる処理である。つまり、本実施形態では、運転制御部Cが、特別温度上昇処理や特別温度降下処理を行うことで、フレームロッド17による火炎の検知性能が改善されることが期待される。
〔特別温度降下処理〕
次に、図4~図6を参照して、特別温度降下処理の例について説明する。図示するように、運転制御部Cは、フレームロッド17の検知結果に基づいて燃焼部16で失火が発生したと判定した場合、燃料電池20の発電を停止して、上述した通常温度降下処理とは異なる特別温度降下処理を行う。尚、説明は省略するが、上述した水蒸気パージ処理を特別温度降下処理の前に行う。また、上述したガスパージ処理を行ってもよい。
図4~図6では、特別温度降下処理を行った場合の改質部13の改質触媒15の温度の推移を実線で示し、上述した通常温度降下処理を行った場合の改質部13の改質触媒15の温度の推移を破線で示す。この特別温度降下処理によって、燃焼部16の温度降下中に、フレームロッド17の表面に形成された酸化被膜にクラックが生じ、酸化被膜に覆われていないフレームロッド17の表面部分がより広く露出することで、フレームロッド17による火炎の検知性能が回復することが期待される。
図4に示す特別温度降下処理は、改質部13の温度を通常温度降下処理を行う場合よりも速い速度で通常停止時目標温度まで低下させる処理である。例えば、運転制御部Cは、図4に示す特別温度降下処理を行う場合、燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって上記通常停止用空気流量よりも多い所定の特別停止用空気流量に調節することで、改質部13の温度を通常温度降下処理を行う場合よりも速い速度で通常停止時目標温度まで低下させる。この処理により、燃焼用空気が供給される燃焼部16に設けられているフレームロッド17の温度は、通常停止時よりも速い速度で低下する。その結果、フレームロッド17の温度低下に伴う収縮が通常停止時よりも速い速度で発生して、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
図5に示す特別温度降下処理は、改質部13の温度を通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度まで低下させる処理である。例えば、運転制御部Cは、図5に示す特別温度降下処理を行う場合、燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって上記通常停止用空気流量に調節することで、改質部13の温度を通常温度降下処理を行う場合と同じ速度で、通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度まで低下させる。この特別停止時目標温度としては、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の凝縮を防止できる温度に設定すればよい。この処理により、燃焼部16に設けられているフレームロッド17は、通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度と同等の温度に低下する。その結果、フレームロッド17の温度低下に伴う収縮が通常停止時よりも大きく発生して、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
図6に示す特別温度降下処理は、改質部13の温度を通常温度降下処理よりも速い速度で特別停止時目標温度まで低下させる処理である。例えば、運転制御部Cは、図6に示す特別温度降下処理を行う場合、燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって上記通常停止用空気流量よりも多い所定の特別停止用空気流量に調節することで、改質部13の温度を通常温度降下処理を行う場合よりも速い速度で、通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度まで低下させる。この処理により、燃焼部16に設けられているフレームロッド17は、通常停止時よりも速い速度で、通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度と同等の温度に低下する。その結果、フレームロッド17の温度低下に伴う収縮が速い速度で且つ通常停止時よりも大きく発生して、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
尚、図示は省略するが、特別温度降下処理として、燃焼部16への燃焼用ガスの供給を停止し且つ燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで改質部13の温度を降下させる間に、一時的に燃焼部16に燃焼用ガスを供給して燃焼させることで一時的に改質部13に温度上昇を発生させることを少なくとも1回行う処理を行ってもよい。例えば、運転制御部Cは、このような特別温度降下処理を行う場合、燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって所定空気流量に調節し、供給される燃焼用空気によって燃焼部16から熱を奪うことで改質部13に温度降下を発生させている途中に、一時的に燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって行って燃料用ガスを燃焼させることで改質部13に温度上昇を発生させる。その後、運転制御部Cは、燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって所定空気流量に調節し、供給される燃焼用空気によって燃焼部16から熱を奪うことで改質部13に温度降下を発生させる。この処理により、後述する図8に示すように、燃焼部16に設けられているフレームロッド17の温度は短期間に上昇と降下とを繰り返す。その結果、フレームロッド17の温度上昇に伴う膨張と温度降下に伴う収縮とが短期間に繰り返されて、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
〔特別温度上昇処理〕
次に、図7及び図8を参照して、特別温度上昇処理について説明する。図7及び図8では、特別温度上昇処理を行った場合の改質部13の改質触媒15の温度の推移を実線で示し、上述した通常温度上昇処理を行った場合の改質部13の改質触媒15の温度の推移を破線で示す。この特別温度上昇処理によって、燃焼部16の温度上昇中に、フレームロッド17の表面に形成された酸化被膜にクラックが生じ、酸化被膜に覆われていないフレームロッド17の表面部分がより広く露出することで、フレームロッド17による火炎の検知性能が回復することが期待される。
図7に示す特別温度上昇処理は、改質部13の温度を通常温度上昇処理を行う場合よりも速い速度で通常起動時目標温度まで上昇させる処理である。例えば、運転制御部Cは、図7に示す特別温度上昇処理を行う場合、燃焼部16に供給する燃焼用ガスの単位時間当たりの流量をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって上記通常起動用ガス流量よりも多い所定の特別起動時用ガス流量に調節し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって上記通常起動用空気流量よりも多い所定の特別起動時用ガス流量に調節し、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼部16で燃焼させることで、改質部13の温度を通常温度上昇処理を行う場合よりも速い速度で通常起動時目標温度まで上昇させる。この処理により、燃焼部16に設けられているフレームロッド17の温度は、通常起動時よりも速い速度で上昇する。その結果、フレームロッド17の温度上昇に伴う膨張が速い速度で発生して、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
図8に示す特別温度上昇処理は、燃焼部16で燃焼用ガスを燃焼させて改質部13の温度を通常起動時目標温度まで上昇させる間に、一時的に燃焼部16への燃焼用ガスの供給を停止し且つ燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで一時的に改質部13に温度降下を発生させることを少なくとも1回行う処理である。例えば、運転制御部Cは、図8に示す特別温度上昇処理を行う場合、燃焼部16に供給する燃焼用ガスの単位時間当たりの流量をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって所定ガス流量に調節し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって所定空気流量に調節し、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼部16で燃焼させることで改質部13の温度を上昇させている途中に、一時的に燃焼部16への燃焼用ガスの供給をブロアー2(燃焼用ガス流量調節部)によって停止し、且つ、燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量をブロアー9(燃焼用空気流量調節部)によって所定空気流量に調節し、供給される燃焼用空気によって燃焼部16から熱を奪うことで改質部13に温度降下を発生させる。その後、運転制御部Cは、燃焼部16への燃焼用ガスの供給を再開し、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼部16で燃焼させることで、改質部13に温度上昇を発生させる。図8に示す例では、改質部13に合計3回の温度降下を発生させている。この処理により、燃焼部16に設けられているフレームロッド17の温度は短期間に上昇と降下とを繰り返す。その結果、フレームロッド17の温度上昇に伴う膨張と温度降下に伴う収縮とが短期間に繰り返されて、フレームロッド17の表面に形成される酸化被膜にクラックが生じ易くなることが期待される。
図8に示す特別温度上昇処理において、改質部13の温度上昇速度は適宜設定可能である。即ち、図8に示す特別温度上昇処理における改質部13の温度上昇速度は通常起動時と同じでも良いし、通常起動時よりも速くてもよいし、通常起動時よりも遅くてもよい。
以上のように特別温度降下処理及び特別温度上昇処理を説明したが、本実施形態では、運転制御部Cは、所定の特別運転条件が満たされた後に、通常起動時に行う通常温度上昇処理とは別の特別温度上昇処理を行う特別起動、及び、通常停止時に行う通常温度降下処理とは別の特別温度降下処理を行う特別停止の少なくとも何れか一方を行えばよい。例えば、所定の特別運転条件が満たされた後に燃料ガス生成装置11を停止して、その後で運転開始する場合、特別温度降下処理を行う特別停止と特別温度上昇処理を行う特別起動とを行ってもよいし、特別温度降下処理を行う特別停止と通常温度上昇処理を行う通常起動とを行ってもよいし、通常温度降下処理を行う通常停止と特別温度上昇処理を行う特別起動とを行ってもよい。また、運転制御部Cは、所定の特別運転条件が満たされた後に燃料ガス生成装置11を停止して、その後で運転開始する場合、停止時に行われる上記通常温度降下処理又は上記特別温度降下処理が終了した後、その処理が終了したと判定される温度(通常停止時目標温度又は特別停止時目標温度)以下の所定温度になった場合に、燃料ガス生成装置11の起動工程(通常起動又は特別起動)を開始できる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、燃料ガス生成装置を備える燃料電池システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
例えば、図1に示した弁やブロアーなどの設置場所や、各流路の取り回しなどは適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、固体高分子形の燃料電池20と、その燃料電池20に燃料ガスを供給する燃料ガス生成装置11とを備える燃料電池システムを記載したが、他のタイプの燃料電池とその燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス生成装置とを備える燃料電池システムであっても構わない。例えば、固体酸化物形の燃料電池と、その燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス生成装置とを備える燃料電池システムであってもよい。
<2>
上記実施形態では、特別温度降下処理及び特別温度上昇処理について各別に説明したが、それらは組み合わせて行われてもよい。例えば、特別運転条件が満たされた後、燃料電池20の発電を停止し、燃料ガス生成装置11を停止し、その後に起動する間に、特別温度降下処理のみを行ってもよいし、特別温度上昇処理のみを行ってもよいし、特別温度降下処理及び特別温度上昇処理の両方を行ってもよい。
<3>
上記実施形態では、ブロアー2が燃焼用ガス流量調節部として機能し、ブロアー9が燃焼用空気流量調節部として機能する場合を説明したが、他の機器が燃焼用ガス流量調節部及び燃焼用空気流量調節部として機能する構成であっても構わない。例えば、流量調節弁などを設け、それによって燃焼用ガスの単位時間当たりの流量を調節してもよい。同様に、流量調節弁によって燃焼部16に供給する燃焼用空気の単位時間当たりの流量を調節してもよい。
<4>
上記実施形態では、通常温度上昇処理及び特別温度上昇処理において、燃焼用ガスとしての原燃料ガスを燃焼部16で燃焼させる場合について説明したが、他の燃焼用ガスを燃焼部16で燃焼させてもよい。例えば、通常温度上昇処理及び特別温度上昇処理の最中に原燃料ガスを改質部13に供給して改質処理を行わせ、その改質処理後の燃料ガスをバイパス流路26を介して燃焼部16に供給して燃焼させてもよい。或いは、改質処理後の燃料ガスをバイパス流路26を介して燃焼部16に供給すると共に、原燃料ガスを燃焼部16に供給することで、燃料ガス及び原燃料ガスが混合されたガスを燃焼部16で燃焼させてもよい。
<5>
上記実施形態において、通常温度上昇処理及び特別温度上昇処理、並びに、通常温度降下処理及び特別温度降下処理は、他の処理と並行して行われても構わない。
<6>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
本発明は、フレームロッドによる火炎検知性能を高い状態に維持できる燃料ガス生成装置の運転方法に利用できる。
11 燃料ガス生成装置
13 改質部
16 燃焼部
17 フレームロッド
20 燃料電池
21 アノード

Claims (2)

  1. 原燃料ガスを改質して、燃料電池のアノードに供給する燃料ガスを生成する改質処理を行う改質部と、燃焼用ガスを燃焼用空気と共に燃焼させることができ、前記改質部との間で熱交換できる燃焼部と、前記燃焼部で前記燃焼用ガスを前記燃焼用空気と共に燃焼させた場合に発生する火炎の存在を検知するためのフレームロッドと、前記燃焼部に供給する前記燃焼用ガスの単位時間当たりの流量を調節する燃焼用ガス流量調節部と、前記燃焼部に供給する前記燃焼用空気の単位時間当たりの流量を調節する燃焼用空気流量調節部とを備え、
    通常起動する場合には、前記燃焼部に供給する前記燃焼用ガスの単位時間当たりの流量を前記燃焼用ガス流量調節部によって所定の通常起動用ガス流量に調節し、且つ、前記燃焼部に供給する前記燃焼用空気の単位時間当たりの流量を前記燃焼用空気流量調節部によって所定の通常起動用空気流量に調節し、前記燃焼用ガスを前記燃焼用空気と共に前記燃焼部で燃焼させることで前記改質部の温度を通常起動時目標温度まで上昇させる通常温度上昇処理を行い、
    通常停止する場合には、前記燃焼部への前記燃焼用ガスの供給を前記燃焼用ガス流量調節部によって停止し、且つ、前記燃焼部に供給する前記燃焼用空気の単位時間当たりの流量を前記燃焼用空気流量調節部によって所定の通常停止用空気流量に調節し、供給される前記燃焼用空気によって前記燃焼部から熱を奪うことで前記改質部の温度を通常停止時目標温度まで降下させる通常温度降下処理を行うように構成される燃料ガス生成装置の運転方法であって、
    所定の特別運転条件が満たされた後に、前記通常起動時に行う前記通常温度上昇処理とは別の特別温度上昇処理を行う特別起動、及び、前記通常停止時に行う前記通常温度降下処理とは別の特別温度降下処理を行う特別停止の少なくとも何れか一方を行い、
    前記特別温度上昇処理は、前記改質部の温度を前記通常温度上昇処理を行う場合よりも速い速度で前記通常起動時目標温度まで上昇させる処理、又は、前記燃焼部で前記燃焼用ガスを燃焼させて前記改質部の温度を前記通常起動時目標温度まで上昇させる間に、一時的に前記燃焼部への前記燃焼用ガスの供給を停止し且つ前記燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで一時的に前記改質部に温度降下を発生させることを少なくとも1回行う処理であり、
    前記特別温度降下処理は、前記改質部の温度を前記通常温度降下処理を行う場合よりも速い速度で前記通常停止時目標温度まで低下させる処理、又は、前記改質部の温度を前記通常停止時目標温度よりも低い特別停止時目標温度まで低下させる処理、又は、前記改質部の温度を前記通常温度降下処理よりも速い速度で前記特別停止時目標温度まで低下させる処理、又は、前記燃焼部への前記燃焼用ガスの供給を停止し且つ前記燃焼用空気の供給を行う状態を維持することで前記改質部の温度を降下させる間に、一時的に前記燃焼部に前記燃焼用ガスを供給して燃焼させることで一時的に前記改質部に温度上昇を発生させることを少なくとも1回行う処理である燃料ガス生成装置の運転方法。
  2. 前記フレームロッドによって火炎が検知されなくなった場合に前記特別運転条件が満たされたと判定する請求項1に記載の燃料ガス生成装置の運転方法。
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