本発明の第1態様の部品供給装置は、上下方向に貫通した開口を有し、開口を覆うように、部品を担持したキャリアを保持するキャリア保持部と、キャリア保持部によって保持されたキャリアの上方に配置され、キャリアに担持された部品をピックアップするピックアップ部と、キャリアの下方に配置され、キャリアに担持された部品をピックアップ部に向けて突き上げるエジェクタと、キャリア保持部の開口よりも水平方向外側において上下方向に空間が形成された開口外位置の下方にエジェクタが位置するように、エジェクタ又はキャリア保持部の少なくとも一方を移動させる移動部と、移動部によってエジェクタが開口外位置の下方に位置する状態において、開口外位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を撮像する撮像部と、を備える。
キャリア保持部がキャリアを保持している場合でも、開口外位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を検出部で検出することができる。
本発明の第2態様の部品供給装置においては、ピックアップ部の水平方向の位置、及び撮像部によって撮像されたエジェクタの水平方向の位置を較正する制御部をさらに備えてもよい。
キャリア保持部がキャリアを保持している場合でも、開口外位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を検出部で検出してピックアップ部の水平方向の位置及びエジェクタの水平方向の位置を較正することができる。これにより、キャリア保持部からキャリアを取り外すことなく較正を行うことができ、生産性を向上させることができる。
本発明の第3態様の部品供給装置においては、制御部は、移動部によってエジェクタが開口外位置の下方に位置する状態にして、撮像部によって開口外位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を撮像する第1のモードと、移動部によってエジェクタが開口内の開口内位置の下方に位置する状態にして、撮像部によって開口内位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を撮像する第2のモードと、を選択的に実施するように移動部を制御してもよい。
キャリア保持部がキャリアを保持していない場合には、開口内位置を通じてエジェクタの水平方向の位置を検出部で検出してピックアップ部及びエジェクタの位置を較正することができる。キャリア保持部がキャリアを保持している場合には、開口外位置を通じてエジェクタの水平方向の位置を検出してピックアップ部及びエジェクタの位置を較正することができる。
本発明の第4態様の部品供給装置においては、キャリア保持部は、上下方向に貫通した開口を有するベース部材を備え、ベース部材は、開口外位置において上下方向に貫通した貫通部を有し、撮像部は、貫通部を通じてエジェクタの水平方向の位置を撮像してもよい。
キャリア保持部の貫通部を通じてエジェクタの位置を検出することで、キャリア保持部よりも水平方向外側でエジェクタの位置を検出するよりも、エジェクタ又はキャリア保持部の可動範囲を小さくすることができる。このため、部品供給装置をより小型化することができる。
本発明の第5態様の部品供給装置においては、キャリア保持部は、キャリアを保持する保持部本体をさらに備え、ベース部材は、保持部本体を水平面内において回転可能に保持し、貫通部は、ベース部材において、保持部本体の外縁の回転軌跡よりも水平方向外側において形成されてもよい。
貫通部を保持テーブルにおいて保持部本体の外縁の回転軌跡よりも水平方向外側に形成することで、保持部本体の回転によって貫通部全体が隠れることを防ぐことができる。これにより、貫通部を通じたエジェクタの位置の検出をより確実に行うことができる。
本発明の第6態様の部品供給装置においては、ピックアップ部及び撮像部は、同一ユニット内に設けられてもよい。
ピックアップ部及び検出部を同一ユニット内に設けることで、ピックアップ部及び検出部の位置関係を固定することができる。これにより、ピックアップ部及びエジェクタの位置の較正時に、エジェクタの位置だけを検出すればよいため、較正をより容易に行うことができる。
本発明の第7態様の部品供給方法は、部品を担持したキャリアを保持するキャリア保持部によって、キャリア保持部に形成された上下方向に貫通した開口を覆うようにキャリアを保持するキャリア保持ステップと、キャリアの上方からピックアップ部によって部品をピックアップするピックアップステップと、ピックアップステップにおいて部品をピックアップするピックアップ部に向けて、キャリアの下方からエジェクタによって部品を突き上げる突き上げステップと、開口よりも水平方向外側において上下方向に空間が形成された開口外位置の下方にエジェクタが位置する状態で、エジェクタの上方から撮像部によってエジェクタの水平方向の位置を撮像する第1の撮像ステップと、を含む。
キャリア保持部がキャリアを保持している場合でも、開口外位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を検出部で検出することができる。
本発明の第8態様の部品供給方法は、第1の撮像ステップによって撮像されたエジェクタの水平方向の位置を用いて、ピックアップ部の水平方向の位置及びエジェクタの水平方向の位置を較正する第1の較正ステップをさらに含んでもよい。
キャリア保持部がキャリアを保持している場合でも、開口外位置の上方からエジェクタの水平方向の位置を検出部で検出してピックアップ部の水平方向の位置及びエジェクタの水平方向の位置を較正することができる。これにより、キャリア保持部からキャリアを取り外すことなく較正を行うことができ、生産性を向上させることができる。
本発明の第9態様の部品供給方法においては、開口内の開口内位置の下方にエジェクタが位置する状態で、エジェクタの上方から撮像部によってエジェクタの水平方向の位置を撮像する第2の撮像ステップと、第2の撮像ステップによって撮像されたエジェクタの水平方向の位置を用いて、ピックアップ部の水平方向の位置及びエジェクタの水平方向の位置を較正する第2の較正ステップと、をさらに含み、第1の撮像ステップは、キャリア保持ステップの後に行われ、第2の撮像ステップは、キャリア保持ステップの前に行われてもよい。
キャリア保持部がキャリアを保持していない場合には、開口内位置を通じてエジェクタの水平方向の位置を検出部で検出してピックアップ部及びエジェクタの位置を較正することができる。キャリア保持部がキャリアを保持している場合には、開口外位置を通じてエジェクタの水平方向の位置を検出してピックアップ部及びエジェクタの位置を較正することができる。
以下、本開示の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものにするため、適宜、各要素を誇張して示している。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
まず、本実施の形態の部品搭載装置1の概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の部品搭載装置1の概略構成を示す平面図である。
図1に示すように、部品搭載装置1は、部品供給装置2と、部品搭載部7とを備える。部品供給装置2は、各種部品を部品搭載部7に供給する装置である。部品搭載部7は、部品供給装置2から供給される部品を受け取って当該部品を基板9に搭載する機構である。以下、図において、X方向及びY方向は、水平面内で互いに直交する方向であって、Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(上下方向)である。
本実施の形態の部品供給装置2は、部品の種類に応じて複数の部品供給装置を備える。部品供給装置2は、例えば、第1の部品供給装置3と、第2の部品供給装置5とを有する。
第1の部品供給装置3では、例えば、ウエハW1から切り出された部品(ダイ)を供給する。第1の部品供給装置3によって供給される部品は、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有する。当該部品は、例えば直方体又は立方体形状に形成される。第2の部品供給装置5は、例えば、トレイフィーダ、スティックフィーダ、テープフィーダ等である。なお、第2の部品供給装置5は、上記フィーダ以外の部品供給装置であってもよい。また、第2の部品供給装置5は、部品搭載装置1に設けられていなくてもよい。
部品搭載部7は、部品を基板9に搭載する搭載ヘッド11と、搭載ヘッド11を移動させるヘッド移動機構13とを備える。搭載ヘッド11は、ヘッド移動機構13によって水平面(XY平面)内を移動可能に設けられる。ヘッド移動機構13は、例えば、X軸テーブル13A及びY軸テーブル13Bを有する直交座標テーブルである。X軸テーブル13A及びY軸テーブル13Bは、それぞれ、搭載ヘッド11をX方向及びY方向に移動させる。
本実施の形態では、部品搭載装置1には、基板9に搭載する部品を認識する部品認識カメラ15及び基板9を認識する基板認識カメラ17が設けられる。部品認識カメラ15は、例えば、基板9と部品供給装置2との間に設けられる。搭載ヘッド11が受け取った部品は、部品認識カメラ15によって認識された後、基板9に搭載される。このとき、搭載ヘッド11は、基板認識カメラ17によって基板9の位置を認識して部品の搭載を行う。本実施の形態の基板認識カメラ17は、搭載ヘッド11と共に水平面内を移動可能に設けられる。例えば、基板認識カメラ17は、X軸テーブル13Aにおいて、搭載ヘッド11と共に設けられる。
次に、第1の部品供給装置3の構成について図2及び図3を用いて説明する。図2は、第1の部品供給装置3の概略構成を示す平面図である。図3は、第1の部品供給装置3の概略構成を示す、X方向に沿って切断した断面図である。図2において、説明の便宜上、天板19の一部を省略して図示している。
図2又は図3に示すように、本実施の形態の第1の部品供給装置3は、キャリア保持部21と、ピックアップユニット23と、エジェクタ25とを備える。キャリア保持部21は、部品を切り出したウエハを支持するキャリア27を保持する。ピックアップユニット23は、キャリア保持部21のキャリア27によって保持された部品をピックアップする。本実施の形態のピックアップユニット23は、部品を吸着保持する。エジェクタ25は、キャリア保持部21によって保持されたダイを下方からピックアップユニット23に向けて押し出す。本実施の形態のエジェクタ25は、ダイを上方に向けて突き上げる。ここで、キャリア27は、後述のエキスパンド動作において伸縮性を有するシートである。例えば、キャリア27は、ウエハW1を粘着力で保持する粘着シートである。
本実施の形態の第1の部品供給装置3では、部品を切り出したウエハW1がキャリア27に保持された状態でマガジン29内に収容されている。マガジン29は、例えば、キャリア保持部21よりも外側(+Y方向)に設けられる。マガジン29内のキャリア27は、キャリア搬送部31によってキャリア保持部21に向けて搬送される。搬送されたキャリア27は、キャリア保持部21によって保持される。
<キャリア保持部>
図4は、キャリア保持部21の概略構成を示す平面図である。図5は、キャリア27を保持していない状態のキャリア保持部21の概略構成を示す平面図である。図4及び図5に示すように、本実施の形態のキャリア保持部21は、水平面内で移動可能に設けられる。キャリア保持部21は、キャリア保持部21(後述の移動ベース37)を移動させる保持部移動機構(移動部)33を有する。
本実施の形態の保持部移動機構33は、一方向(Y方向)にキャリア保持部21を移動させる。保持部移動機構33は、例えば、モータ33aと、送りねじ33bと、ガイドレール33cとを有する。送りねじ33bは、モータ33aによる回転運動でキャリア保持部21をY方向に直線移動させる。送りねじ33bは、Y方向に延びて設けられる。ガイドレール33cは、キャリア保持部21をY方向にスライド移動可能に支持する。ガイドレール33cは、例えば、Y方向に延びて設けられてキャリア保持部21のX方向両端部を支持する。
キャリア保持部21は、キャリア27を保持する保持部本体35と、保持部本体35を支持する移動ベース(保持テーブル)37とを有する。移動ベース37は、送りねじ33bに接続されて、Y方向に移動可能に設けられるベース部材である。
図6は、保持部本体35の概略構成を示す平面図である。図7は、キャリア保持部21によって保持されるキャリア27の概略構成を示す平面図である。
図6に示すように、保持部本体35には、上下方向に貫通した開口45が設けられる。保持部本体35は、開口45を覆うようにキャリア27を保持する。本実施の形態の保持部本体35は、押さえ部材39と、支持ベース41とを有する。本実施の形態の開口45は、キャリア27に保持されるウエハW1の形状に応じて形成され、ウエハW1よりも大きく形成される。開口45は、例えば、円形のウエハW1よりも大きな円形に形成される。
押さえ部材39は、キャリア27を保持する環状部材43(図7)を押さえる部材である。押さえ部材39によって環状部材43が押さえられることで、キャリア27がキャリア保持部21に保持される。
支持ベース41は、押さえ部材39の下方で押さえ部材39と接続する。支持ベース41には、キャリア搬送部31(図2)によって搬送されるキャリア27の移動をガイドするキャリアガイド41aが設けられる。キャリアガイド41aは、例えば、支持ベース41のX方向両端部においてY方向に延びて形成され、キャリア27のX方向の移動を規制する。また、支持ベース41には、上方に延びてキャリア27を支持する支持部41bが形成される。支持部41bの内側には、開口45が形成される。本実施の形態の支持部41bは、環状に形成される。
図7に示すように、保持部本体35によって保持されるキャリア27は、切り出し済みのウエハW1を保持する。本実施の形態のキャリア27の外縁部は、環状部材(リング)43によって保持される。
図8は、キャリア保持部21によってキャリア27を保持する前の状態を示す、図5のA-A線断面図である。図9は、キャリア保持部21によってキャリア27を保持している状態を示す、図5のA-A線断面図である。
図2に示すマガジン29内のキャリア27は、キャリア搬送部31によってキャリア保持部21に向けて搬送されて、図8に示すように、押さえ部材39と支持ベース41との間の空間に挿入される。これにより、キャリア27の環状部材43は、開口45を覆って支持ベース41によって支持された状態となっている。
図8及び図9に示すように、支持ベース41は、支持ベース41を上下方向に移動させる駆動部47に対して、ロッド49を介して接続される。図8に示す状態から駆動部47を駆動することで、ロッド49と共に支持ベース41は下方に移動する。図9に示すように、押さえ部材39が支持部41bの上端部よりも下方に移動することで、キャリア27は、支持部41bによって面方向にエキスパンド(拡張)された状態でキャリア保持部21によって保持される。キャリア27をエキスパンドすることで、ウエハW1において切り出された部品同士の間隔が広まり、部品のピックアップを容易に行うことができる。
図10は、移動ベース37の概略構成を示す平面図である。図11は、キャリア保持部21によってキャリア27を保持している状態を示す、図5のB-B線断面図である。図12は、キャリア保持部21によってキャリア27を保持している状態を示す、図5のC-C線断面図である。
図10に示すように、移動ベース37には、上下方向に貫通した開口51が保持部本体35の開口45の下方に設けられる。開口51の大きさは、例えば、保持部本体35の開口45以上の大きさである。開口51を通じて、エジェクタ25は、移動ベース37の上方に配置されるキャリア27内の部品を下方からピックアップユニット23(図3)に向けて押し出す。
本実施の形態の移動ベース37には、開口51よりも水平方向外側の開口外位置において、上下方向に貫通した貫通部52が設けられる。貫通部52を通じて、ピックアップユニット23とエジェクタ25との水平方向の位置の較正(キャリブレーション)が行われる。貫通部52は、例えば、移動ベース37内に設けられた開口である。貫通部52は、開口に限らず、移動ベース37の縁を切り欠いた構成であってもよい。貫通部52は、移動ベース37において内側端部(-Y方向端部)に設けられる。
移動ベース37は、保持部本体35(図6)を水平面内で旋回可能に設けられる。移動ベース37には、保持部本体35を旋回させる旋回用ギア53が設けられる。図11に示すように、旋回用ギア53に接続するモータ54が回転して、旋回用ギア53が保持部本体35に設けられた従動ギア55と噛み合って回転することによって、保持部本体35が旋回する。
移動ベース37には、保持部本体35(図6)を水平面内で回転可能に支持する支持ローラ57が複数(例えば四隅に)設けられる。支持ローラ57は、移動ベース37上において上方に延びて保持部本体35を回転させるローラである。図12に示すように、支持ローラ57は、保持部本体35において下方に延びて形成される旋回ガイド59を旋回可能に支持する。図5及び図12に示すように、支持ローラ57は、開口45の外周部において周方向に延びる旋回ガイド59よりも外側に設けられる。
貫通部52は、旋回用ギア53によって保持部本体35が旋回した状態でも貫通部52の少なくとも一部が上下方向に貫通しているように形成される。具体的には、貫通部52の外縁は、保持部本体35の外縁の回転軌跡よりも水平方向外側において形成される。これにより、保持部本体35が旋回した状態でも、ピックアップユニット23とエジェクタ25との較正を行うことができる。
本実施の形態の移動ベース37には、保持ヘッドチェンジャ61が設けられる。保持ヘッドチェンジャ61は、ピックアップユニット23における後述の部品保持ヘッド77を交換するために設けられる。保持ヘッドチェンジャ61の詳細の構成については後述する。
<ピックアップユニット>
図13は、ピックアップユニット23の概略構成を示す断面図である。図3又は図13に示すように、ピックアップユニット23は、ユニット移動機構(ピックアップ移動部)63によって天板19上を移動可能に設けられる。本実施の形態のピックアップユニット23は、一方向(X方向)に移動可能に設けられる。
ユニット移動機構63(図1)は、例えば、モータ63aと、送りねじ63bと、ガイドレール63cとを有する。送りねじ63bは、モータ63aによる回転運動でピックアップユニット23をX方向に直線移動させる。送りねじ63bは、X方向に延びて設けられる。ガイドレール63cは、ピックアップユニット23をX方向にスライド移動可能に支持する。ガイドレール63cは、例えば、X方向に延びて天板19上に設けられてピックアップユニット23のY方向両端部を支持する。
天板19には、上下方向に貫通した開口部65がX方向に延びて形成される。図13に示すように、開口部65を通じて、ピックアップユニット23は、キャリア27に保持された部品(ダイ)をピックアップする。本実施の形態のピックアップユニット23の外郭を構成するカバー67の上面には、上下方向に貫通した開口部69が設けられる。開口部69を通じて、ピックアップユニット23は、ピックアップした部品を搭載ヘッド11(図3)に受け渡す。このとき、搭載ヘッド11は、例えば基板認識カメラ17(図1)によって部品を認識してピックアップユニット23から部品を受け取る。
図3に示すように、ピックアップユニット23は、ピックアップ部71と、中継部73と、部品撮像部(部品検出部)75(図13)を備える。
<ピックアップ部>
図13に示すように、ピックアップ部71は、キャリア27に保持された部品をピックアップする。具体的には、ピックアップ部71は、エジェクタ25によって突き上げられる部品をピックアップする。ピックアップ部71は、部品を保持する部品保持ヘッド77を有し、部品保持ヘッド77によって部品をピックアップする。具体的には、部品保持ヘッド77は、先端部(下端部)でキャリア27内の部品を吸着保持して、キャリア27から部品を離間させる。
部品保持ヘッド77は、第1の移動機構79によって、ヘッドの向きを変更可能に構成される。本実施の形態では、ヘッドの向きは、部品保持ヘッド77の先端部の向きである。部品保持ヘッド77は、下向きの状態で第1の部品をピックアップした後、第1の移動機構79によって反転して上向きの状態で搭載ヘッド11(図3)に受け渡す動作を繰り返すように構成される。具体的には、下向きの部品保持ヘッド77が、第1の部品の第1の面が上向きの状態で、当該第1の部品をピックアップする。さらに、当該第1の部品をピックアップした部品保持ヘッド77を上向きに反転させて第1の部品の第2の面が上向きの状態で搭載ヘッド11に受け渡す。ここで、キャリア27に保持された部品は、第1の面が上向きの状態となっている。
第1の部品は、部品保持ヘッド77によって第1の面が上向きの状態でキャリア27から第1の面でピックアップされて、第2の面が上向きになるように向きを変更された後、搭載ヘッド11に受け渡される。さらに、第1の部品は、搭載ヘッド11によって、第1の面が下向きの状態(第2の面が上向きの状態)で第2の面を保持されて、第1の面が下向きの状態で基板9に搭載される。すなわち、第1の部品は、フリップチップ実装の場合に供給される部品である。
本実施の形態の第1の移動機構79は、部品保持ヘッド77を旋回させる旋回機構である。第1の移動機構79は、モータ80によって回動する第1の回動軸81と、第1の回動軸81の回動に伴って旋回する旋回部材83とを有する。第1の回動軸81は、部品保持ヘッド77を上下方向に回動させる。旋回部材83は、例えば、上下方向に延びる板状部材である。
部品保持ヘッド77は、旋回部材83において、例えば第1の回動軸81の中心軸よりも外端部(径方向外側の端部)に設けられる。本実施の形態のピックアップ部71は、複数の部品保持ヘッド77を有する。複数の部品保持ヘッド77のうちの少なくとも1組の部品保持ヘッド77は、ヘッドの向きが互いに反対方向を向くように構成される。例えば、ピックアップ部71は、2個の部品保持ヘッド77を有し、一方の部品保持ヘッド77と他方の部品保持ヘッド77とは互いに反対方向を向いている。具体的には、一方の部品保持ヘッド77の先端部は、他方の部品保持ヘッド77の先端部に対して180°反対方向を向いている。一方の部品保持ヘッド77が下向きで第1の部品をピックアップするとともに、他方の部品保持ヘッド77が上向きで部品を搭載ヘッド11に受け渡す。
本実施の形態の部品保持ヘッド77は、ヘッド保持部85に対して着脱可能に設けられる。これにより、部品保持ヘッド77は、例えば搭載する部品の種類に応じて交換される。部品保持ヘッド77は、ヘッド保持部85を介して旋回部材83に接続されて旋回部材83と共に旋回する。
また、本実施の形態の部品保持ヘッド77は、第1の回動軸81の中心から遠ざかる径方向に部品保持ヘッド77を移動させる保持ヘッド駆動機構87を有する。保持ヘッド駆動機構87の具体的な構成については後述する。
<中継部>
図14~図16は、ピックアップ部71及び中継部73の概略構成を示す側面図である。図14~図16に示す中継部73は、ピックアップ部71(部品保持ヘッド77)によって第1の面が上向きの状態でピックアップされた第2の部品を部品保持ヘッド77から受け取って第1の面が上向きの状態で搭載ヘッド11に受け渡す。中継部73は、部品を保持する中継用部品保持ヘッド89を有し、中継用部品保持ヘッド89によって第2の部品を受け取って搭載ヘッド11に受け渡す。
第2の部品は、部品保持ヘッド77によって第1の面が上向きの状態でキャリア27からピックアップされて、第1の面の向きが変更された状態(本実施の形態では、第1の面が斜め下向きの状態)で中継部73に受け渡される。第2の部品は、中継部73によって第2の面を保持されて、第1の面が上向きになるように向きを変更された後、搭載ヘッド11に受け渡される。さらに、第2の部品は、搭載ヘッド11によって、第1の面が上向きの状態(第2の面が下向きの状態)で第1の面を保持されて、第1の面が上向きの状態で基板9に搭載される。すなわち、第2の部品は、ダイアタッチ実装の場合に供給される部品である。
中継部73は、第2の移動機構91によって、ヘッドの向きを変更可能に構成される。具体的には、中継部73は、部品保持ヘッド77が下向きの状態から反転して上向きの状態になる途中において第2の部品を受け取る。本実施の形態の中継部73は、部品保持ヘッド77が斜め上向きの状態で第2の部品を受け取る(図16)。
本実施の形態の第2の移動機構91は、中継用部品保持ヘッド89を旋回させる旋回機構である。第2の移動機構91は、モータ92(図18)によって回動する第2の回動軸93と、第2の回動軸93の回動に伴って旋回する旋回部材95とを有する。第2の回動軸93は、中継部73を上下方向に回動させる。旋回部材95は、例えば、円盤状に形成される。
本実施の形態では、第2の回動軸93の中心O2は、第1の回動軸81の中心O1よりも上方に配置される。また、図15に示すように、第2の回動軸93を中心とする中継部73の回動半径R2は、第1の回動軸81を中心とする部品保持ヘッド77の回動半径R1よりも小さい。中継部73の回動半径R2は、一定となるように構成される。すなわち、中継用部品保持ヘッド89と第2の回動軸93の中心O2との距離は一定となるように構成される。本実施の形態では、中継部73は、ピックアップ部71における保持ヘッド駆動機構87に相当する機構を有しない。すなわち、中継用部品保持ヘッド89は、第2の回動軸93の中心O2から遠ざかる径方向に移動しない。
本実施の形態では、ピックアップ部71が搭載ヘッド11へ第1の部品を受け渡す第1の受け渡し位置TP1、及び中継部73が搭載ヘッド11へ第2の部品を受け渡す第2の受け渡し位置TP2は、搭載ヘッド11の上下方向の可動範囲内の高さに位置する。また、受け渡し位置TP1,TP2は、基板認識カメラ17(図1)の焦点距離の範囲内に配置される。受け渡し位置TP1,TP2の高さは、例えば、同じ高さ(略同じ)であってもよい。第1の受け渡し位置TP1及び第2の受け渡し位置TP2は、互いに水平方向に離間する。
<部品撮像部>
図13に示すように、部品撮像部75は、キャリア27に保持される部品を撮像する。本実施の形態の部品撮像部75は、ユニット移動機構63によってピックアップユニット23とともに移動可能に構成される。部品撮像部75は、水平方向に延びる撮像部本体97に対して、上下方向に延びる鏡筒99が接続される。鏡筒99は、下向き状態の部品保持ヘッド77の上方に配置される。鏡筒99内には、照明部101、ハーフミラー103、及びレンズ(対物レンズ)105が設けられる。照明部101によって照らされる光はハーフミラー103を通過して下方の部品を照らす。ハーフミラー103は、上方からの照明部101による光を透過し、下方からの光を撮像部本体97に向けて反射するように構成される。
<保持ヘッド駆動機構>
図17は、ピックアップユニット23の平面図である。図18は、図17のカバー67を取り外した状態のピックアップユニット23の平面図である。図19は、保持ヘッド駆動機構87の概略構成を示す図である。
図18に示すように、ピックアップユニット23は、カバー67(図17)内に保持ヘッド駆動機構87を有する。本実施の形態の保持ヘッド駆動機構87は、カム機構である。図18及び図19に示すように、保持ヘッド駆動機構87は、カム駆動モータ107と、第1のカム109と、第2のカム111とを有する。
カム駆動モータ107は、第1のカム109及び第2のカム111を回転させる。第1のカム109の回転によって、第1のレバー113が第1の支持軸115を中心に回転する。第2のカム111の回転によって、第2のレバー117が第2の支持軸119を中心に回転する。第1のレバー113の回転によって、第1の移動部材121が径方向に移動する。これにより、第1の移動部材121に接続される第1の移動片123が、第1の移動部材121とともに径方向に移動する。第2のレバー117の回転によって、第2の移動部材125は、径方向に移動する。これにより、第2の移動部材125に接続される第2の移動片127が、第2の移動部材125とともに径方向に移動する。
図15に示すように、本実施の形態の第1の移動片123は、部品保持ヘッド77が下向きの状態になったときに部品保持ヘッド77と接続される位置に配置される。これにより、下向きの部品保持ヘッド77は、第1の移動片123と共に上下方向に移動可能に設けられる。
図16に示すように、本実施の形態の第2の移動片127は、部品保持ヘッド77が斜め上向きの状態になったときに部品保持ヘッド77と接続される位置に配置される。これにより、斜め上向きの部品保持ヘッド77は、第2の移動片127と共に、上下方向に対して傾斜した斜め方向に移動可能に設けられる。
図20は、下向きの部品保持ヘッド77が第1の移動片123に接続された状態のピックアップ部71の概略構成を示す側面図である。図20に示すように、ヘッド保持部85には、部品保持ヘッド77の径方向の移動をガイドするガイド部材129が設けられる。ガイド部材129には、第1の移動片123及び第2の移動片127に対して径方向に係合するカムフォロア131が設けられる。カムフォロア131は、旋回部材83の旋回時において、円筒カム132に沿って移動する。
本実施の形態のガイド部材129は、例えばばね等の弾性部材133によって、部品保持ヘッド77を径方向内側に付勢するように設けられる。部品のピックアップ時、及び中継用部品保持ヘッド89への部品の受け渡し時以外のときは、部品保持ヘッド77の回動半径はR1で一定となっている。
部品保持ヘッド77が下向きの状態になったとき、カムフォロア131は第1の移動片123と接続して、第1の移動片123と共に部品保持ヘッド77を上下方向に移動させる。部品保持ヘッド77が斜め上向きの状態になったとき(図16)、カムフォロア131は第2の移動片127と接続して、第2の移動片127と共に部品保持ヘッド77を径方向に移動させる。
<保持ヘッドチェンジャ>
図21は、保持ヘッドチェンジャ61の概略構成を示す側面図である。図22及び図23は、保持ヘッドチェンジャ61の概略構成を示す平面図である。図21~図23に示すように、保持ヘッドチェンジャ61は、部品保持ヘッド77を収納する収納部135と、ストッパ137とを備える。
収納部135には、例えば、複数の種類の部品保持ヘッド77が収納される。本実施の形態の収納部135は、長手方向(X方向)を有し、長手方向に沿って部品保持ヘッド77を収納する。また、収納部135は、上方に開口した開口部141を有する。開口部141を通じて、部品保持ヘッド77が収納される。
ストッパ137は、収納部135の開口部141の一部を覆う。ストッパ137は、上下方向に貫通した開口部143を有する。平面視において、開口部143は、部品保持ヘッド77よりも大きい拡径部143aと、部品保持ヘッド77よりも小さい小径部143bとを有する。本実施の形態では、長手方向に沿って、拡径部143a及び小径部143bが交互に並んで形成される。
ストッパ137は、ストッパ駆動部139の駆動によって、収納部135に収納された部品保持ヘッド77の上方に拡径部143a又は小径部143bが位置するように移動する。ストッパ137が移動することで、収納部135に収納された部品保持ヘッド77の上方に小径部143bが位置する状態において、ストッパ137は、部品保持ヘッド77の係合部78aと上下方向に係合する。
本実施の形態の保持ヘッドチェンジャ61は、収納部135を上下方向に移動させる昇降部145を有する。部品保持ヘッド77の交換を行う際、収納部135は、昇降部145によってヘッド保持部85(図24B)に近づけられる。
図24Aは、ヘッド保持部85に部品保持ヘッド77を取り付ける前の状態を示す概略図である。図24Bは、ヘッド保持部85に部品保持ヘッド77を取り付けた状態を示す概略図である。
図24Aに示すように、ヘッド保持部85に部品保持ヘッド77を取り付ける前の状態において、収納部135は、ウエハW1を保持するキャリア27の高さよりも下方に配置されている。本実施の形態では、収納部135に収納された部品保持ヘッド77の上端部が、キャリア27の高さよりも下方に配置されている。
部品保持ヘッド77の取り外し又は取り付けが行われるとき、図24Bに示すように、昇降部145によって、収納部135は上方に移動する。このとき、保持ヘッド駆動機構87によって、ヘッド保持部85は下方に移動する。本実施の形態では、ヘッド保持部85の上下方向の移動量は、収納部135の上下方向の移動量よりも少ない。昇降部145によって収納部135を上方に移動させることによって、ヘッド保持部85の上下方向の移動量を減らすことができる。これにより、保持ヘッド駆動機構87の駆動構成をより簡易にすることができる。
図24Bの状態において、ヘッド保持部85の爪部85aは、部品保持ヘッド77の凹部78bと上下方向に係合している。爪部85aは、例えば弾性部材85bによって内側に付勢されている。これにより、ヘッド保持部85は、部品保持ヘッド77を保持する。爪部85aは、ヘッド保持部85において部品保持ヘッド77を保持する側に突き出して形成される。凹部78bは、部品保持ヘッド77の係合部78aよりも上方において内側にくぼんで形成される。
図25A~図25Dを用いて、部品保持ヘッド77をヘッド保持部85から取り外す場合の動作について説明する。図25A~図25Dは、部品保持ヘッド77をヘッド保持部85から取り外す動作を示す保持ヘッドチェンジャ61の断面図である。
図25Aに示すように、部品保持ヘッド77が、保持ヘッドチェンジャ61の開口部141の上方に位置するように移動する。
本実施の形態では、部品保持ヘッド77に対する開口部141の相対位置におけるY方向の位置調整は、保持ヘッドチェンジャ61を保持するキャリア保持部21の保持部移動機構33(図2)によって行われる。また、部品保持ヘッド77に対する開口部141の相対位置におけるX方向の位置調整は、ピックアップユニット23を移動させるユニット移動機構63によって行われる。
図25Aに示す状態から部品保持ヘッド77が下方に移動し収納部135が上方に移動して図25Bに示す状態となる。図25Bに示すように、保持ヘッドチェンジャ61の第1の開口部141a(図25A)に、部品保持ヘッド77の先端部が挿入される。また、保持ヘッドチェンジャ61の第2の開口部141b(図25A)において、部品保持ヘッド77の係合部78aが配置される。
ストッパ137が図23の状態から図22の状態になるようにストッパ駆動部139を駆動する。すなわち、係合部78aの外縁よりも外側に拡径部143aが位置する状態から、係合部78aの外縁よりも内側に小径部143bが位置する状態になるように、ストッパ137を移動させる。これにより、図25Cに示すように、係合部78aは、小径部143bと上下方向に係合可能となる。
図25Cの状態から、ヘッド保持部85を上方に移動させると共に収納部135を下方に移動させる。このとき、係合部78aが小径部143bと上下方向に係合していることで、部品保持ヘッド77は、図25Dに示すようにヘッド保持部85から取り外される。これにより、部品保持ヘッド77をヘッド保持部85から取り外す動作が完了する。
図26A~図26Dを用いて、部品保持ヘッド77をヘッド保持部85に取り付ける動作について説明する。図26A~図26Dは、部品保持ヘッド77をヘッド保持部85に取り付ける動作を示す保持ヘッドチェンジャ61の断面図である。
図26Aに示すように、ヘッド保持部85が、部品保持ヘッド77の上方に位置するように移動する。
図26Aに示す状態からヘッド保持部85が下方に移動し収納部135が上方に移動して図26Bに示す状態となる。図26Bに示すように、爪部85aが凹部78bと上下方向に係合して、ヘッド保持部85に部品保持ヘッド77が保持される。
ストッパ137が図22の状態から図23の状態になるようにストッパ駆動部139を駆動する。すなわち、係合部78aの外縁よりも内側に小径部143bが位置する状態から、係合部78aの外縁よりも外側に拡径部143aが位置する状態になるように、ストッパ137を移動させる。これにより、図26Cに示すように、係合部78aは、小径部143bと上下方向に非係合状態となる。
図26Cの状態から、ヘッド保持部85を上方に移動させると共に収納部135を下方に移動させる。これにより、部品保持ヘッド77をヘッド保持部85に取り付ける動作が完了する。
<エジェクタ>
図27及び図28は、本実施の形態のエジェクタ25の概略構成を示す平面図である。図27及び図28に示すように、本実施の形態では、エジェクタ25は、第1のエジェクタ(第1の突き上げ部)25a及び第2のエジェクタ(第2の突き上げ部)25bを有する。第1のエジェクタ25a及び第2のエジェクタ25bは、例えばキャリア27に担持される部品の種類等に応じて選択的に用いられる。本実施の形態の第1のエジェクタ25a及び第2のエジェクタ25bは、選択部155によってY方向に移動可能に構成される。
エジェクタ25は、上下方向に延びて形成され、昇降部156によって上下移動可能に構成される。本実施の形態では、第1のエジェクタ25aは昇降部156aによって上下移動し、第2のエジェクタ25bは昇降部156bによって上下移動する。
第1のエジェクタ25a及び第2のエジェクタ25bは、共に、ベース部材157に設けられる。本実施の形態では、ベース部材157は、エジェクタ移動機構(移動部)159によってX方向に移動可能に構成される。エジェクタ移動機構159は、一方向(X方向)にベース部材157を移動させる。エジェクタ移動機構159は、例えば、モータ159aと、送りねじ159bと、ガイドレール159cとを有する。送りねじ159bは、モータ159aによる回転運動でベース部材157をX方向に直線移動させる。送りねじ159bは、X方向に延びて設けられる。ガイドレール159cは、ベース部材157をX方向にスライド移動可能に支持する。ガイドレール159cは、例えば、X方向に延びて設けられてベース部材157のY方向両端部を支持する。
次に、部品搭載装置1の動作について説明する。図29は、部品搭載装置1の制御部C1の概略ブロック図である。
図29に示すように、制御部C1は、ピックアップユニット23を制御するピックアップ制御部C2と、搭載ヘッド11を制御する搭載ヘッド制御部C3と、算出部C4と、部品実装に関する情報を記憶する記憶部M1とを有する。算出部C4は、ピックアップユニット23及び搭載ヘッド11の位置を算出する。本実施の形態の記憶部M1には、部品撮像部75及び基板認識カメラ17によって撮像される情報がさらに記憶される。
制御部C1は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(処理回路)が実行することにより、記憶部M1の実装情報に基づいて予め定められた手順にて部品実装を行ってもよい。なお、サーバなどに実装情報が格納され、通信により制御部C1に実装情報が提供されるような場合であってもよい。
制御部C1は、基板搬送部8(図1)を駆動してX方向(基板搬送方向)に基板9を搬送し、基板9を所定の位置に配置する(基板搬送ステップ)。
部品供給装置2によって部品が供給され、当該部品が搭載ヘッド11によって基板9に搭載(実装)される。以下、第1の部品供給装置3による部品の供給動作について具体的に説明する。なお、第2の部品供給装置5による部品供給動作については、従来の部品供給動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
制御部C1は、第1の部品供給装置3のキャリア搬送部31(図2)を駆動して、マガジン29に収納されたキャリア27をキャリア保持部21まで搬送する(キャリア搬送ステップ)。キャリア保持部21まで搬送されたとき、キャリア27は、押さえ部材39と支持ベース41との間の空間に挿入される。
キャリア27がキャリア保持部21まで搬送された後、押さえ部材39(図8)によってエキスパンドされて、キャリア27はキャリア保持部21によって保持される(キャリア保持ステップ)。具体的には、制御部C1が、駆動部47を駆動して押さえ部材39を下方に移動させることでキャリア27をエキスパンドする。これにより、キャリア27がキャリア保持部21によって保持された状態となる。
ピックアップ制御部C2は、ピックアップユニット23を駆動して、キャリア27に担持された部品をキャリア27の上方からピックアップする(ピックアップステップ)。このとき、制御部C1は、エジェクタ25を駆動して、キャリア27に担持された部品をキャリア27の下方からピックアップユニット23に向けて突き上げる(突き上げステップ)。ピックアップステップ及び突き上げステップよりも前の段階で、ピックアップユニット23の位置及びエジェクタ25の位置の較正動作が行われる。当該較正動作により、ピックアップユニット23の水平方向の位置及びエジェクタ25の水平方向の位置を一致させることができ、ピックアップ動作をより精確に行うことができる。
ピックアップユニット23によってピックアップされた部品は、搭載ヘッド11に受け渡される(受渡ステップ)。受渡ステップよりも前の段階で、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作が行われる。当該較正動作により、搭載ヘッド11の水平方向の位置及びピックアップユニット23の水平方向の位置をより精確に把握することができるため、部品の受渡動作をより精確に行うことができる。本実施の形態では、ピックアップユニット23の部品撮像部75がエジェクタ25を撮像することによって位置の較正動作が行われる。
搭載ヘッド制御部C3は、搭載ヘッド11(ヘッド移動機構13)を駆動して、ピックアップユニット23から部品を受け取った搭載ヘッド11を基板9まで移動させて、部品を基板9に搭載する(部品搭載ステップ)。部品搭載ステップにおいて、例えば、基板認識カメラ17からの情報(例えば部品を搭載する位置等の情報)を用いて、部品の搭載が行われる。
次に、ピックアップユニット23の位置及びエジェクタ25の位置の較正動作について具体的に説明する。図30は、キャリア保持部21にキャリア27が保持された場合のエジェクタ25の位置の較正動作を示す断面図である。図31は、キャリア保持部21にキャリア27が保持されていない場合のエジェクタ25の位置の較正動作を示す断面図である。
本実施の形態の制御部C1は、開口45,51よりも水平方向外側の開口外位置を通じてエジェクタ25の位置の較正動作を行う第1のモードと、開口45,51内の開口内位置を通じてエジェクタ25の位置の較正動作を行う第2のモードとを選択的に実施する。
第1のモードにおいて、図30に示すように、キャリア保持部21にキャリア27が保持されている場合、ピックアップユニット23の位置及びエジェクタ25の位置の較正動作は、貫通部52を通じて行われる。
制御部C1は、ユニット移動機構63(図1)及びエジェクタ25を駆動して、ピックアップユニット23及びエジェクタ25を移動させる。この結果、ピックアップユニット23(部品撮像部75)が貫通部52の上方に位置し、エジェクタ25が貫通部52の下方に位置する状態となる。さらに、制御部C1は、エジェクタ25(昇降部156)を駆動して、エジェクタ25を上方に移動させる。
本実施の形態では、エジェクタ25の上端部がキャリア27の高さよりも高くなるまでエジェクタ25を上昇させる。エジェクタ25が上昇した状態で、部品撮像部75がエジェクタ25を撮像する(第1の検出ステップ)。第1の検出(撮像)ステップは、キャリア保持ステップの後に行われる。撮像したエジェクタ25の水平方向の位置を用いて位置の較正が行われる(第1の較正ステップ)。本実施の形態の部品撮像部75は、エジェクタ25の水平方向の位置を検出する検出部としても機能する。
第2のモードにおいて、図31に示すように、キャリア保持部21にキャリア27が保持されていない場合、ピックアップユニット23の位置及びエジェクタ25の位置の較正動作は、キャリア保持部21の開口45を通じて行われる。
制御部C1は、ユニット移動機構63(図1)及びエジェクタ25を駆動して、ピックアップユニット23及びエジェクタ25を移動させる。これにより、ピックアップユニット23(部品撮像部75)が開口45の上方に位置し、エジェクタ25が開口45の下方に位置する状態となる。さらに、制御部C1は、エジェクタ25を駆動して、エジェクタ25を上方に移動させる。
本実施の形態では、キャリア27が保持される場合のキャリア27の高さよりもエジェクタ25の上端部が高くなるまで、エジェクタ25を上昇させる。エジェクタ25が上昇した状態で、部品撮像部75がエジェクタ25を撮像する(第2の検出ステップ)。第2の検出(撮像)ステップはキャリア保持ステップの前に行われる。撮像したエジェクタ25の位置を用いて位置の較正が行われる(第2の較正ステップ)。
次に、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作について具体的に説明する。図32は、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作を行う際のキャリア保持部21の概略構成図である。
図32に示すように、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作を行う際、キャリア保持部21には較正用治具147が取り付けられる。較正用治具147は、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作を行うための治具である。較正用治具147は、例えば、キャリア保持部21にキャリア27が保持されていない状態において、支持部41bに支持される。較正用治具147は、例えば平板状に形成される。
較正用治具147は、第1の基準マーク149及び第2の基準マーク151を有する。第1の基準マーク149は、部品撮像部(第1の撮像部)75によって検出されるマークである。第2の基準マーク151は、基板認識カメラ(第2の撮像部)17によって検出されるマークである。本実施の形態の第2の基準マーク151は、上下方向に延びるポスト153上に形成される。第1の基準マーク149及び第2の基準マーク151を検出することによって、搭載ヘッド11の座標系及びピックアップユニット23の座標系の較正を行う。具体的には、第1の基準マーク149及び第2の基準マーク151の相対的な位置関係(本実施の形態では水平方向の距離D1)を用いて、搭載ヘッド11の座標系及びピックアップユニット23の座標系の座標変換を行う。
次に、ピックアップステップ及び受渡ステップについて詳細に説明する。図33は、部品保持ヘッド77、中継用部品保持ヘッド89、及び部品撮像部75の相対的な位置関係を示す概略構成図である。
図33に示すように、ピックアップステップ及び受渡ステップの前段階として、一方の下向きの部品保持ヘッド77と他方の上向きの部品保持ヘッド77との相対的なヘッド間水平位置関係を求める。当該ヘッド間水平位置関係は、記憶部M1に記憶される。本実施の形態では、部品撮像部75の光軸L1と下向きの部品保持ヘッド77との相対的な光軸-ヘッド間水平位置関係を求める。具体的には、部品撮像部75の光軸L1からの部品保持ヘッド77のずれ量(オフセット)OF1,OF2を計測する。OF1は、下向きの状態の部品保持ヘッド77と光軸L1との水平方向の距離であって、OF2は、上向きの状態の部品保持ヘッド77と光軸L1との水平方向の距離である。
さらに、上向きの中継用部品保持ヘッド89の中心が位置すると推定される推定位置EP1からの、基板認識カメラ17によって認識される上向きの中継用部品保持ヘッド89の位置のずれ量(オフセット)OF3を計測する。OF3は、推定位置EP1と上向きの中継用部品保持ヘッド89の位置との間の水平方向の距離である。OF1,OF2,OF3は、記憶部M1(図29)に記憶される。
図34は、部品保持ヘッド77及び部品保持ヘッド77に保持される部品を基板認識カメラ17によって撮像した画像を示す。図34に示すように、本実施の形態では、OF1は、基板認識カメラ17によって計測される。基板認識カメラ17は、下向きの部品保持ヘッド77が部品をピックアップして上向きに反転した状態において、当該部品保持ヘッド77に保持される部品の部品位置P1を撮像する。さらに、基板認識カメラ17は、部品を保持していない状態の当該部品保持ヘッド77のヘッド位置P2を撮像する。これにより、部品位置P1とヘッド位置P2との水平方向のずれ量を計測し、当該ずれ量をOF1とする。例えば、部品位置P1は、基板認識カメラ17によって撮像される部品の中心位置であって、ヘッド位置P2は、基板認識カメラ17によって撮像されるヘッドの中心位置である。
OF2は、基板認識カメラ17によって計測される。基板認識カメラ17は、光軸L1上に移動して、上向きの状態の部品保持ヘッド77を撮像する。OF2は、例えば、部品保持ヘッド77の中心位置と光軸L1との水平方向の距離である。
基板認識カメラ17は、推定位置EP1に移動して上向きの中継用部品保持ヘッド89を撮像してOF3を計測する。ここで、推定位置EP1は、例えば、光軸L1から所定の距離D2離れた位置である。所定の距離D2は、例えば、光軸L1と上向きの中継用部品保持ヘッド89との間の水平方向の距離の設計値である。
複数の部品保持ヘッド77のうち、一方の部品保持ヘッドを第1の部品保持ヘッド77a、他方の部品保持ヘッドを第2の部品保持ヘッド77bとして説明する。ここで、部品保持ヘッド77aが下向きのときのOF1をOFa1とし、部品保持ヘッド77aが上向きのときのOF2をOFa2とし、部品保持ヘッド77bが下向きのOF1をOFb1とし、部品保持ヘッド77bが上向きのときのOF2をOFb2とする。
計測したOF1を用いて、算出部C4は、下向きの部品保持ヘッド77がキャリア27から部品をピックアップできる目標位置OP1を算出する。部品保持ヘッド77aの目標位置OPa1を下記の数式(1)を用いて算出し、部品保持ヘッド77bの目標位置OPb1を下記の数式(2)を用いて算出する。
計測したOF1,OF2を用いて、算出部C4は、ピックアップ部71(下向きの部品保持ヘッド77)が目標位置OP1に位置するときの上向きの部品保持ヘッド77の停止位置TP1を算出する。部品保持ヘッド77aが下向きのときにおける上向きの部品保持ヘッド77bの停止位置TPb1を下記の数式(3)を用いて算出する。部品保持ヘッド77bが下向きのときにおける上向きの部品保持ヘッド77aの停止位置TPa1を下記の数式(4)を用いて算出する。
計測したOF1,OF3を用いて、算出部C4は、ピックアップ部71が目標位置OP1に位置するときの上向きの中継用部品保持ヘッド89の停止位置TP2を算出する。部品保持ヘッド77aがピックアップした部品を中継用部品保持ヘッド89が受け取る場合の、中継用部品保持ヘッド89の上向きの停止位置TPa2を下記の数式(5)を用いて算出する。部品保持ヘッド77bがピックアップした部品を中継用部品保持ヘッド89が受け取る場合の、中継用部品保持ヘッド89の上向きの停止位置TPb2を下記の数式(6)を用いて算出する。
フリップチップ実装の場合のピックアップステップ及び受渡ステップについて説明する。図35A~図35Fは、フリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図である。
まず、図35Aに示すように、部品撮像部75によって、キャリア27に担持された部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第1の部品撮像ステップ)。
第1の部品撮像ステップの後、図35Bに示すように、部品保持ヘッド77aが下向きになるように旋回部材83(図13)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aが目標位置OPa1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFa1分、ピックアップユニット23を移動させる。
さらに、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aを上方に移動させる。
図35Cに示すように、旋回部材83を旋回させて、部品をピックアップした下向きの部品保持ヘッド77aの姿勢を上向きへと変更する。部品保持ヘッド77aの旋回を行うとともに、部品保持ヘッド77bによってピックアップされる次の部品を移動させる。
部品撮像部75によって、次にピックアップする部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第2の部品撮像ステップ)。
第2の部品撮像ステップの後、図35Dに示すように、部品保持ヘッド77bが下向きになるように旋回部材83(図13)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77bが目標位置OPb1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFb1分、ピックアップユニット23を移動させる。
算出部C4は、上記数式(4)を用いて上向きの部品保持ヘッド77aの停止位置TPa1を算出する。算出部C4によって算出された停止位置TPa1に搭載ヘッド11を移動させて部品を受け取る。このとき、保持ヘッド駆動機構87を駆動して下向きの部品保持ヘッド77bを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77bを上方に移動させる。このように、部品保持ヘッド77bで部品をピックアップするとともに部品保持ヘッド77aで搭載ヘッド11に部品を受け渡す動作(第1動作)が行われる。
次に、図35Eに示すように、旋回部材83を旋回させて、部品をピックアップした下向きの部品保持ヘッド77bの姿勢を上向きへと変更する。部品保持ヘッド77bの旋回を行うとともに、部品保持ヘッド77aによってピックアップされる部品を移動させる。
部品撮像部75によって、次にピックアップする部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第3の部品撮像ステップ)。
第3の部品撮像ステップの後、図35Fに示すように、部品保持ヘッド77aが下向きになるように旋回部材83(図13)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aが目標位置OPa1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFa1分、ピックアップユニット23を移動させる。
算出部C4は、上記数式(3)を用いて上向きの部品保持ヘッド77bの停止位置TPb1を算出する。算出部C4によって算出された停止位置TPb1に搭載ヘッド11を移動させて部品を受け取る。このとき、保持ヘッド駆動機構87を駆動して下向きの部品保持ヘッド77aを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aを上方に移動させる。このように、部品保持ヘッド77aで部品をピックアップするとともに部品保持ヘッド77bで搭載ヘッド11に部品を受け渡す動作(第2動作)が行われる。
以上のように、フリップチップ実装の場合、第1動作及び第2動作を交互に繰り返し行って、キャリア27から搭載ヘッド11へ部品を供給する。
ダイアタッチ実装の場合のピックアップステップ及び受渡ステップについて説明する。図36A~図36Hは、ダイアタッチ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図である。
まず、図36Aに示すように、部品撮像部75によって、キャリア27に担持された部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第4の部品撮像ステップ)。
第4の部品撮像ステップの後、図36Bに示すように、部品保持ヘッド77aが下向きになるように旋回部材83(図13)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aが目標位置OPa1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFa1分、ピックアップユニット23を移動させる。
さらに、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aを上方に移動させる。
図36Cに示すように、旋回部材83を旋回させて、部品をピックアップした下向きの部品保持ヘッド77aの姿勢を上向きへと変更する。部品保持ヘッド77aの旋回を行うとともに、部品保持ヘッド77bによってピックアップされる部品を移動させる。
部品撮像部75によって、次にピックアップする部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第5の部品撮像ステップ)。
図36Dに示すように、部品保持ヘッド77aが斜め上向きになるように旋回部材83(図13)を旋回させる。このとき、第2の移動機構91(図14)の駆動によって中継用部品保持ヘッド89が斜め下向きに向いた状態となっている。具体的には、部品保持ヘッド77a及び中継用部品保持ヘッド89が、同一直線上で互いに向かい合った状態となっている。
さらに、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、斜め上向きの部品保持ヘッド77aを斜め上方に(中継用部品保持ヘッド89に向けて)移動させて部品を中継用部品保持ヘッド89に受け渡す。部品の受け渡し後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、斜め上向きの部品保持ヘッド77aを斜め下方に移動させる。
次に、図36Eに示すように、中継用部品保持ヘッド89が上向きになるように旋回させ、部品保持ヘッド77bが下向きになるように旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77bが目標位置OPb1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFb1分、ピックアップユニット23を移動させる。
算出部C4は、上記数式(5)を用いて上向きの中継用部品保持ヘッド89の停止位置TPa2を算出する。算出部C4によって算出された停止位置TPa2に搭載ヘッド11を移動させて部品を受け取る。このとき、保持ヘッド駆動機構87を駆動して下向きの部品保持ヘッド77bを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77bを上方に移動させる。このように、部品保持ヘッド77bで部品をピックアップするとともに中継用部品保持ヘッド89で搭載ヘッド11に部品を受け渡す動作(第3動作)が行われる。
次に、図36Fに示すように、部品保持ヘッド77bを旋回させ、部品撮像部75によって次にピックアップする部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第6の部品撮像ステップ)。
次に、図36Gに示すように、部品保持ヘッド77bが斜め上向きになるように旋回部材83(図13)を旋回させる。このとき、第2の移動機構91(図14)の駆動によって中継用部品保持ヘッド89が斜め下向きに向いた状態となっている。具体的には、部品保持ヘッド77b及び中継用部品保持ヘッド89が、同一直線上で互いに向かい合った状態となっている。
さらに、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、斜め上向きの部品保持ヘッド77bを斜め上方に(中継用部品保持ヘッド89に向けて)移動させて部品を中継用部品保持ヘッド89に受け渡す。部品の受け渡し後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、斜め上向きの部品保持ヘッド77bを斜め下方に移動させる。
次に、図36Hに示すように、中継用部品保持ヘッド89が上向きになるように旋回させ、部品保持ヘッド77aが下向きになるように旋回させる。ユニット移動機構63を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aが目標位置OPa1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFa1分、ピックアップユニット23を移動させる。
算出部C4は、上記数式(6)を用いて上向きの中継用部品保持ヘッド89の停止位置TPb2を算出する。算出部C4によって算出された停止位置TPb2に搭載ヘッド11を移動させて部品を受け取る。このとき、保持ヘッド駆動機構87を駆動して下向きの部品保持ヘッド77aを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの部品保持ヘッド77aを上方に移動させる。このように、部品保持ヘッド77aで部品をピックアップするとともに中継用部品保持ヘッド89で搭載ヘッド11に部品を受け渡す動作(第4動作)が行われる。
以上のように、ダイアタッチ実装の場合、第3動作及び第4動作を交互に繰り返し行って、キャリア27から搭載ヘッド11へ部品を供給する。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。上記実施の形態では、部品位置P1とヘッド位置P2との水平方向のずれ量を計測し、当該ずれ量をOF1とするとしたが、これに限定されない。例えば、下向きの一方の部品保持ヘッド77が上向きに反転した状態における部品保持ヘッド77のヘッド位置を撮像し、光軸L1と当該ヘッド位置との相対的な水平位置関係をOF1とみなしてもよい。
また、OF1は、基板認識カメラ17によって計測されるとしたが、これに限定されない。OF1は、例えば、部品保持ヘッド77の下方に設けられるカメラによって計測されてもよい。
また、ピックアップ部71の水平方向の位置、及び部品撮像部75によって撮像されたエジェクタ25の水平方向の位置を較正する例について説明したが、当該較正を行わなくてもよい。例えば、部品撮像部75は、当該較正を行わずエジェクタ25の状態(異物の付着状態)を確認するだけでもよい。
また、部品保持ヘッド77は第1の移動機構79によって旋回し、中継用部品保持ヘッド89は第2の移動機構91によって旋回する構成を説明したが、これに限定されない。すなわち、部品保持ヘッド77及び中継用部品保持ヘッド89は、第1の回動軸81及び第2の回動軸93を中心として回動(旋回)する構成でなくてもよい。部品保持ヘッド77及び中継用部品保持ヘッド89は、例えばロボットアーム等によってヘッドの向きを変更可能に構成されてもよい。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、実施形態における要素の組み合わせや順序の変化は、本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。