JP7348134B2 - 樹脂構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂構造体に関する。
従来から、車両に搭載される電気接続箱(例えば、リレーボックス)等のように、複数の樹脂体を互いに組み付けて構成される樹脂構造体が提案されている。例えば、従来の電気接続箱の一つでは、電子部品などを格納する箱状の本体の開口部を塞ぐように、その開口部に対応した形状の蓋体を組み付けるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第4605143号公報
ところで、電気接続箱の仕様によっては、電気接続箱の本体の内部を複数の領域に分け、それら領域の各々に対応した複数の蓋体を用いて、各々の領域の開口部を塞ぐ場合がある。例えば、電気接続箱のメンテナンス性を向上する等の観点から、一の領域にはリレーを主として格納し、他の領域にはヒューズを主として格納するように、各々の領域が設計される場合がある。ただし、このように電気接続箱を複数の領域に区分けして個々の領域を蓋体で塞ぐ場合、隣接する領域間の境界箇所の止水性は、一般に、そのような境界箇所が無い場合に比べて低下することになる。そこで、上述したように電気接続箱に複数の領域を設けるにあたっては、特に境界箇所における止水性を高めるように配慮することが望ましい。
本発明の目的の一つは、電気接続箱に設けられる複数の領域間の止水性に優れた樹脂構造体の提供である。
前述した目的を達成するために、本発明に係る樹脂構造体は、下記[1]~[3]を特徴としている。
[1]
複数の領域に区分けされた箱状の本体と、前記複数の前記領域の各々を覆うように前記本体に組み付けられる複数の蓋体と、を備える、樹脂構造体であって、
前記本体は、
隣接する一対の前記領域の間を仕切るように延びる第1仕切壁と、前記複数の前記蓋体から離れる向きに窪むように前記第1仕切壁の延出端に設けられる第1凹部と、を有し、
前記一対の前記領域の一方を覆う前記蓋体は、
当該蓋体の縁部から前記第1仕切壁に近づく向きに延びる第2仕切壁と、前記本体から離れる向きに窪むように前記第2仕切壁の延出端に設けられる第2凹部と、を有し、
前記一対の前記領域の他方を覆う前記蓋体は、
前記第1仕切壁に対応するように前記第1仕切壁に近づく向きに延びる第1凸部と、前記第2仕切壁に対応するように前記第2仕切壁に近づく向きに延びる第2凸部と、を有し、
前記本体と前記複数の前記蓋体との組み付けの際、
前記第1凹部と前記第1凸部とが嵌め合わされ且つ前記第2凹部と前記第2凸部とが嵌め合わされた状態において、前記第1仕切壁と前記第2仕切壁とが突き合わされるように配置される、
樹脂構造体であること。
[2]
上記[1]に記載の樹脂構造体において、
前記第1凹部は、
前記第1仕切壁の前記延出端に沿って連続する溝状の形状を有し、当該第1凹部の底面が当該第1凹部の中央から両端に向けて鉛直方向下方に傾斜する、ように構成される、
樹脂構造体であること。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の樹脂構造体において、
前記第2凹部は、
当該第2凹部の側壁に係止部を有し、
前記第2凸部は、
前記係止孔に係合する被係止部を有し、
前記係止部は、
当該係止部と前記被係止部とが係合されているときに前記被係止部に向かい合う箇所の角部分が、面取りされた形状を有し、
前記被係止部は、
前記係止部と当該被係止部とが係合されているときに前記係止部に向かい合う箇所の角部分が、前記係止部の面取り箇所に沿う角度にて面取りされた形状を有する、
樹脂構造体であること。
上記[1]の構成の樹脂構造体によれば、電気接続箱を構成する本体と複数の蓋体との組み付けの際、第1凹部と第1凸部とが嵌め合わされ且つ第2凹部と第2凸部とが嵌め合わされた状態において、第1仕切壁と第2仕切壁とが突き合わされるように構成される。これにより、第1凹部と第2凹部とが向かい合うことで画成される中空の部分に、第1凸部と第2凸部とが入り込んだ状態となる。換言すると、隣接する領域間に二重壁状の構造(いわゆるラビリンス構造)が構成されることになる。この構造により、単に第1凹部と第2凹部とが突き合わされる場合に比べて沿面距離が長くなり、隣接する領域間から水が電気接続箱の内部に侵入することを強力に抑制することができる。したがって、本構成の樹脂構造体は、パッキン等の止水用部品を用いなくても、電気接続箱に設けられる複数の領域間の止水性に優れている。
上記[2]の構成の樹脂構造体によれば、第1仕切壁に設けられる第1凹部の底面は、第1凹部の中央から両端に向けて鉛直方向下方に傾斜する。よって、第1凹部と第2凹部とが向かい合うことで画成される中空の部分に水が侵入した場合、このように傾いた底面に沿って水が排出されることになる。即ち、第1凹部の溝内に水が留まり難い。よって、本構成の樹脂構造体は、電気接続箱に設けられる複数の領域間の止水性を更に向上できる。
上記[3]の構成の樹脂構造体によれば、係止部と被係止部との係合を解除する際、係止部の面取り箇所と、被係止部の面取り箇所と、を互いに向かい合わせた状態で、係止部と被係止部とを相対的にスライドさせることで、両者の係合を解除できる。これにより、一般に用いられるロックアームのように係合解除の際にロックアームに外力を加えて撓ませる等の工程が不要となり、係合の解除を容易に行うことができる。
このように、本発明によれば、電気接続箱に設けられる複数の領域間の止水性に優れた樹脂構造体を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂構造体の斜視図である。 図2は、本体と第1蓋体と第2蓋体とが分離した状態にある図1に示す樹脂構造体の斜視図である。 図3は、図1のA-A断面の一部に相当する断面を示す斜視図であり、図3(a)は、本体と第1蓋体と第2蓋体とが分離した状態を示し、図3(b)は、本体に第1蓋体と第2蓋体とが組み付けられた状態を示す。 図4は、図3(b)に示す断面を正面からみた図である。 図5(a)は、図4のC-C断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す断面の端部を拡大して示す斜視図である。 図6(a)は、図3(b)のB-B断面の一部を拡大して示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示す断面の要部を拡大して示す正面図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、図1に示す本発明の実施形態に係る樹脂構造体1について説明する。樹脂構造体1は、典型的には、車両に搭載され、リレー等の電子部品を収容するリレーボックス(電気接続箱)である。
図1及び図2に示すように、樹脂構造体1は、リレー等の電子部品(及び、その他の部品、図示省略)が収容されることになる本体2と、本体2の内部の第1領域R1(後述、図2参照)の上端開口部を塞ぐように本体2の上端部に組み付けられる第1蓋体3と、本体2の内部の第2領域R2(後述、図2参照)の上端開口部を塞ぐように本体2の上端部に組み付けられる第2蓋体4と、を含んで構成される。本体2、第1蓋体3及び第2蓋体4の各々は、樹脂構造体である。以下、樹脂構造体1を構成する各部材について順に説明する。
まず、本体2について説明する。本体2は、図2に示すように、上下方向からみて所定の形状を有して上下方向に延びる筒状の周壁11を有する。周壁11に囲まれた本体2の内部は、本体2の内部を所定方向に横断し且つ上下方向に延びる平板状の第1仕切壁12によって、第1領域R1と第2領域R2とに区分けされている。本例では、第1領域R1及び第2領域R2の各々に、リレー等の電子部品(及び、その他の部品、図示省略)が収容されている。以下、周壁11のうち、第1領域R1を囲う部分を第1周壁13と呼び、第2領域R2を囲う部分を第2周壁14と呼ぶこともある。
以下、説明の便宜上、図3等に示すように、「仕切方向」、「前後方向」、「上下方向」、「前」、「後」、「上」及び「下」を定義する。「仕切方向」、「前後方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。樹脂構造体1の車両搭載時において、「上下方向」は、車両の上下方向に対応している。「仕切方向」は、第1仕切壁12が本体2の内部を横断する前記所定方向に対応し、「前後方向」は、第1仕切壁12の板厚方向に対応している。
図2に示すように、第1仕切壁12の上端縁は、周壁11の上端縁よりも上方に位置している。第1仕切壁12の上端面には、図3及び図4に示すように、前後方向に間隔を空けて仕切方向に平行に延びる一対の突条18,19が設けられている。この結果、一対の突条18,19の間には、上方に開口し下方に窪み且つ仕切方向に延びる第1凹部15が形成されている。
図5(a)に示すように、第1凹部15の底面15aは、仕切方向の中央から仕切方向の両端に向けて下降するように僅かに傾斜している。第1凹部15の底面15aが傾斜することによる作用・効果については後述する。
第1周壁13における周方向の所定箇所(本例では、1箇所)には、図2に示すように、係合部16が設けられている。係合部16は、第1蓋体3の係合部24(後述)と係合することになる。第2周壁14における周方向の複数の所定箇所(本例では、3箇所)には、図2に示すように、係合部17がそれぞれ設けられている。複数の係合部17は、第2蓋体4の複数の係合部44(後述)と係合することになる。
次いで、第1蓋体3について説明する。第1蓋体3は、図2に示すように、上下方向からみて本体2の第1周壁13に対応する形状を有して上下方向に延びる周壁21と、周壁21の周方向両端部を繋ぐように第1仕切壁12に対応して仕切方向に延び且つ上下方向に延びる第2仕切壁22と、周壁21及び第2仕切壁22により囲われる上端開口部を塞ぐ天壁部23と、を一体に有する。周壁21の周方向における本体2の係合部16に対応する箇所(1箇所)には、係合部16と係合可能な係合部24が設けられている。
第2仕切壁22の仕切方向に延びる下端部には、図3(a)に示すように、後方に突出し且つ仕切方向に延びる下端壁25が形成されている。下端壁25の仕切方向の両端部はそれぞれ、周壁21に繋がっている(図5(a)参照)。下端壁25の下端面には、図3及び図4に示すように、前後方向に間隔を空けて仕切方向に平行に延びる一対の突条26,27が設けられている。この結果、一対の突条26,27の間には、下方に開口し上方に窪み且つ仕切方向に延びる第2凹部28が形成されている。
図2及び図3に示すように、突条27の仕切方向の複数の所定箇所(本例では、2箇所)ではそれぞれ、突条27が切り欠かれており、突条27に代えて、矩形の開口31を有して下端壁25から下方に延びる矩形の片持ち梁状の係止片29が設けられている。係止片29は、所定範囲内にて前後方向に弾性変形可能となっている。開口31の下端縁に隣接して仕切方向に延びる係止片29の下端縁部32は、第2蓋体4の係止突起49(後述)に係止されることになる(図6も参照)。
図6(b)に示すように、係止片29の下端縁部32の下側且つ前側の角部には、仕切方向に亘って面取り面33が形成されている。また、下端縁部32の上側且つ前側の角部には、仕切方向に亘って面取り面34が形成されている。面取り面33,34は、各々の角部分が45度の角度で平面状に面取りされた面(いわゆるC面)である。特に、面取り面34が形成されたことによる作用については後述する。
次いで、第2蓋体4について説明する。第2蓋体4は、図2に示すように、上下方向からみて本体2の第2周壁14に対応する形状を有して上下方向に延びる周壁41と、周壁41により囲われる上端開口部を塞ぐ天壁部42と、天壁部42における第1仕切壁12に対応して仕切方向に延びる前端縁から上方に突出し且つ仕切方向に延びる第3仕切壁43と、を一体に有する。周壁41の周方向における本体2の複数の係合部17に対応する複数の箇所(3箇所)にはそれぞれ、係合部17と係合可能な係合部44が設けられている。
第3仕切壁43の仕切方向に延びる上端部には、図3(a)に示すように、前方に突出し且つ仕切方向に延びる上端壁45が形成されている。上端壁45の仕切方向に延びる前端縁からは、下方に突出し且つ仕切方向に延びる第1凸部46が形成されている。この結果、第1凸部46と第3仕切壁43との間には、下方に開口し上方に窪み且つ仕切方向に延びる第3凹部47が形成されている。更に、上端壁45の前端縁からは、上方に突出し且つ仕切方向に延びる第2凸部48が形成されている。
図3に示すように、第2凸部48の仕切方向における第1蓋体3の複数の係止片29に対応する複数の箇所(2箇所)の後端面にはそれぞれ、後方に突出し且つ仕切方向に延びる係止突起49が形成されている。
図3(a)及び図6(a)に示すように、係止突起49の上側且つ後側の角部には、仕切方向に亘って面取り面51が形成されている。また、図6(b)に示すように、係止突起49の下側且つ後側の角部には、仕切方向に亘って面取り面52が形成されている。面取り面51,52は、各々の角部分が45度の角度で平面状に面取りされた面(いわゆるC面)である。特に、面取り面52が形成されたことによる作用については後述する。以上、樹脂構造体1を構成する各部材について説明した。
次いで、本体2に第1蓋体3及び第2蓋体4を組み付ける手順について説明する。まず、本体2に第2蓋体4を組み付ける。このため、まず、第2蓋体4が本体2の第2領域R2の上方に位置するように、本体2及び第2蓋体4を配置する。次いで、本体2及び第2蓋体4を上下方向に互いに近づけて、第2蓋体4の周壁41が本体2の第2周壁14の外側に重なるように、且つ、本体2の第1凹部15に第2蓋体4の第1凸部46が嵌め合わされるように、且つ、本体2の突条19が第2蓋体4の第3凹部47に嵌め合わされるように、本体2に第2蓋体4を組み付ける(図3(b)及び図4参照)。
本体2への第2蓋体4の組み付けが完了した状態では、本体2の複数の係合部17と第2蓋体4の複数の係合部44とが係合することで、本体2と第2蓋体4との上下方向への分離が防止されている。また、第1凸部46の下端が、第1凹部15の底面15a(の仕切方向中央の頂部)に当接している(図4参照)。
次いで、第2蓋体4の組み付けが完了した本体2に第1蓋体3を組み付ける。このため、まず、第1蓋体3が本体2の第1領域R1の上方に位置するように、本体2及び第1蓋体3を配置する。次いで、本体2及び第1蓋体3を上下方向に互いに近づけて、第1蓋体3の周壁21が本体2の第1周壁13の外側に重なるように、且つ、第2蓋体4の第2凸部48が第1蓋体3の第2凹部28に嵌め合わされるように、本体2に第1蓋体3を組み付ける(図3(b)及び図4参照)。
本体2への第1蓋体3の組み付けが完了する直前にて、第2蓋体4の係止突起49の面取り面51が第1蓋体3の係止片29の下端縁部32の面取り面33を押圧することで、係止片29が後方に一時的に弾性変形する。その後、係止突起49が下端縁部32を乗り越えることで、係止片29が前方に弾性復帰すると共に、係止突起49が係止片29の開口31に入り込んで、係止片29の下端縁部32と係止突起49とが係合する(図3(b)及び図6(a)参照)。ここで、係止突起49の面取り面51及び係止片29の面取り面33が形成されていることで、係止突起49の押圧による係止片29の一時的な弾性変形の動作が滑らかとなり、本体2への第1蓋体3の組み付けに要する上下方向の押圧力を低減することができる。
本体2への第1蓋体3の組み付けが完了した状態では、第1蓋体3の複数の係止片29と第2蓋体4の複数の係止突起49とが係合し、且つ、本体2の係合部16と第1蓋体3の係合部24とが係合することで、本体2と第1蓋体3との上下方向への分離が防止されている。また、第1蓋体3の突条27の下端が、第2蓋体4の上端壁45に当接している(図4参照)。これにより、本体2への第1蓋体3及び第2蓋体4の組み付けが完了し、図1に示す樹脂構造体1が得られる。
図4に示すように、本体2への第1蓋体3及び第2蓋体4の組み付けが完了した状態では、本体2の第1凹部15と第2蓋体4の第1凸部46とが嵌め合わされ、且つ、第1蓋体3の第2凹部28と第2蓋体4の第2凸部48とが嵌め合わされた状態において、本体2の第1仕切壁12(の一対の突条18,19)と第1蓋体3の第2仕切壁22(の一対の突条26,27)とが、上下方向に突き合わされている。この結果、第1凹部15と第2凹部28とが向かい合うことで画成される中空の部分S(図4参照)に、第1凸部46と第2凸部48とが入り込んだ状態となり、隣接する第1領域R1及び第2領域R2を隔てる箇所に、いわゆる二重壁構造が構成されている。
更に、上述したように、第1凹部15の底面15aが、仕切方向の中央から仕切方向の両端に向けて下降するように僅かに傾斜している(図5(a)参照)。よって、例えば、突条18と突条26との突き合わせ箇所の隙間(図4参照)等を介して、中空の部分Sに水が侵入した場合、侵入した水は、重力によって第1凹部15の底面15aに落ち、図5(a)及び図5(b)の白矢印に示すように、底面15aの傾斜に沿って水が外部に排水される。この結果、第1凹部15内に水が留まりにくい。
次いで、本体2から第1蓋体3及び第2蓋体4を取り外す手順について説明する。まず、本体2から第1蓋体3を取り外す。このため、まず、本体2の係合部16と第1蓋体3の係合部24との係合を解除する。次いで、図6(b)の矢印1に示すように、第1蓋体3の前側のみが本体2から浮くように本体2に対して第1蓋体3を傾け、この状態から、図6(b)の矢印2に示すように、第1蓋体3の係止片29の面取り面34と、第2蓋体4の係止突起49の面取り面52とを互いに向かい合わせながら、本体2(及び第2蓋体4)に対して、第1蓋体3を後方且つ上方に斜めに移動させて、係止片29と係止突起49を分離する。これにより、本体2から第1蓋体3が取り外される。
次いで、本体2から第2蓋体4を取り外す。このため、まず、本体2の複数の係合部17と第2蓋体4の複数の係合部44との係合をそれぞれ解除する。次いで、本体2と第2蓋体4とを上下方向に互いに分離する。これにより、本体2から第1蓋体3及び第2蓋体4を取り外す作業が完了する。
<作用・効果>
以上より、本実施形態に係る樹脂構造体1によれば、本体2と第1、第2蓋体3,4との組み付けの際、第1凹部15と第1凸部46とが嵌め合わされ且つ第2凹部28と第2凸部48とが嵌め合わされた状態において、第1仕切壁12と第2仕切壁22とが突き合わされるように構成される。これにより、第1凹部15と第2凹部28とが向かい合うことで画成される中空の部分Sに、第1凸部46と第2凸部48とが入り込んだ状態となる。即ち、隣接する領域R1,R2間に二重壁構造が構成されることになる。よって、本実施形態に係る樹脂構造体1は、パッキン等を用いなくても隣接する領域間を適正に止水することができる。
更に、上記実施形態に係る樹脂構造体1によれば、第1仕切壁12に設けられる第1凹部15の底面15aは、中央から周辺に向けて傾斜する。よって、第1凹部15と第2凹部28とが向かい合うことで画成される中空の部分Sに水が侵入した場合、この底面15aに沿って水が排水され、第1凹部15内に水が留まりにくい。よって、隣接する領域R1,R2間を水が通過することを、更に適正に抑制できる。
更に、上記実施形態に係る樹脂構造体1によれば、係止片29と係止突起49とは、互いに向かい合う箇所に面取り面34,52がそれぞれ形成されている。よって、それらの係合を解除する際、面取り面34,52同士を向かい合わせながら係止片29と係止突起49をスライドさせるように分離すれば、上述したように、係合の解除を容易に行うことができる。
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を発揮できるものであれば任意であり、限定されない。
上記実施形態では、本体2の内部が単一の第1仕切壁12で2つの領域R1,R2に区分けされ、第1凹部15と第2凹部28とが向かい合うことで画成される中空の部分Sに、第1凸部46と第2凸部48とが入り込んだ二重壁構造が、第1仕切壁12に対応する1箇所にのみ形成されている。これに対し、本体2の内部が複数の第1仕切壁で3つ以上の領域に区分けされ、上記二重壁構造が、複数の第1仕切壁に対応する複数箇所にそれぞれ形成されていてもよい。
ここで、上述した本発明に係る樹脂構造体1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
複数の領域(R1,R2)に区分けされた箱状の本体(2)と、前記複数の前記領域(R1,R2)の各々を覆うように前記本体(2)に組み付けられる複数の蓋体(3,4)と、を備える、樹脂構造体(1)であって、
前記本体(2)は、
隣接する一対の前記領域(R1,R2)の間を仕切るように延びる第1仕切壁(12)と、前記複数の前記蓋体(3,4)から離れる向きに窪むように前記第1仕切壁(12)の延出端に設けられる第1凹部(15)と、を有し、
前記一対の前記領域の一方(R1)を覆う前記蓋体(3)は、
当該蓋体(3)の縁部から前記第1仕切壁(12)に近づく向きに延びる第2仕切壁(22)と、前記本体(2)から離れる向きに窪むように前記第2仕切壁(22)の延出端に設けられる第2凹部(28)と、を有し、
前記一対の前記領域の他方(R2)を覆う前記蓋体(4)は、
前記第1仕切壁(12)に対応するように前記第1仕切壁(12)に近づく向きに延びる第1凸部(46)と、前記第2仕切壁(22)に対応するように前記第2仕切壁(22)に近づく向きに延びる第2凸部(48)と、を有し、
前記本体(2)と前記複数の前記蓋体(3,4)との組み付けの際、
前記第1凹部(15)と前記第1凸部(46)とが嵌め合わされ且つ前記第2凹部(28)と前記第2凸部(48)とが嵌め合わされた状態において、前記第1仕切壁(12)と前記第2仕切壁(22)とが突き合わされるように配置される、
樹脂構造体(1)。
[2]
上記[1]に記載の樹脂構造体(1)において、
前記第1凹部(15)は、
前記第1仕切壁(12)の前記延出端に沿って連続する溝状の形状を有し、当該第1凹部(15)の底面が当該第1凹部の中央から両端に向けて鉛直方向下方に傾斜する、ように構成される、
樹脂構造体(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の樹脂構造体(1)において、
前記第2仕切壁(22)は、
当該第2凹部の側壁に係止部(29)を有し、
前記第2凸部(48)は、
前記係止部に係合する被係止部(49)を有し、
前記係止部は、
当該係止部と前記被係止部とが係合されているときに前記被係止部に向かい合う箇所の角部分が、面取りされた形状(52)を有し、
前記被係止部は、
前記係止部と当該被係止部とが係合されているときに前記係止部に向かい合う箇所の角部分が、前記係止部の面取り箇所に沿う角度にて面取りされた形状(34)を有する、
樹脂構造体(1)。
1 樹脂構造体
2 本体
3 第1蓋体(蓋体)
4 第2蓋体(蓋体)
12 第1仕切壁
15 第1凹部
15a 底面
22 第2仕切壁
28 第2凹部
29 係止片(係止部)
46 第1凸部
48 第2凸部
49 係止突起(被係止部)
R1 領域
R2 領域

Claims (3)

  1. 複数の領域に区分けされた箱状の本体と、前記複数の前記領域の各々を覆うように前記本体に組み付けられる複数の蓋体と、を備える、樹脂構造体であって、
    前記本体は、
    隣接する一対の前記領域の間を仕切るように延びる第1仕切壁と、前記複数の前記蓋体から離れる向きに窪むように前記第1仕切壁の延出端に設けられる第1凹部と、を有し、
    前記一対の前記領域の一方を覆う前記蓋体は、
    当該蓋体の縁部から前記第1仕切壁に近づく向きに延びる第2仕切壁と、前記本体から離れる向きに窪むように前記第2仕切壁の延出端に設けられる第2凹部と、を有し、
    前記一対の前記領域の他方を覆う前記蓋体は、
    前記第1仕切壁に対応するように前記第1仕切壁に近づく向きに延びる第1凸部と、前記第2仕切壁に対応するように前記第2仕切壁に近づく向きに延びる第2凸部と、を有し、
    前記本体と前記複数の前記蓋体との組み付けの際、
    前記第1凹部と前記第1凸部とが嵌め合わされ且つ前記第2凹部と前記第2凸部とが嵌め合わされた状態において、前記第1仕切壁と前記第2仕切壁とが突き合わされるように配置される、
    樹脂構造体。
  2. 請求項1に記載の樹脂構造体において、
    前記第1凹部は、
    前記第1仕切壁の前記延出端に沿って連続する溝状の形状を有し、当該第1凹部の底面が当該第1凹部の中央から両端に向けて鉛直方向下方に傾斜する、ように構成される、
    樹脂構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂構造体において、
    前記第2凹部は、
    当該第2凹部の側壁に係止部を有し、
    前記第2凸部は、
    前記係止部に係合する被係止部を有し、
    前記係止部は、
    当該係止部と前記被係止部とが係合されているときに前記被係止部に向かい合う箇所の角部分が、面取りされた形状を有し、
    前記被係止部は、
    前記係止部と当該被係止部とが係合されているときに前記係止部に向かい合う箇所の角部分が、前記係止部の面取り箇所に沿う角度にて面取りされた形状を有する、
    樹脂構造体。
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