[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本開示の一態様に係る車載中継装置は、車両に搭載され、複数の車載機器と接続され、該複数の車載機器への通信を中継する複数の車載中継装置の内、前記車両のルーフに設けられる車載中継装置であって、前記複数の車載機器は、前記ルーフに設けられる車載負荷、並びに、前記ルーフ以外に設けられ、電力を供給する電源装置、及び他の車載中継装置を含み、前記車載負荷と前記ルーフに設けられる電力線及び通信線を介して接続される枝線コネクタと、前記電源装置、及び前記他の車載中継装置と前記車両のピラーに設けられる電力線及び通信線を介して接続される幹線コネクタと、前記ピラーに設けられる電力線を介して前記電源装置から供給され、前記ルーフに設けられる電力線それぞれを介して前記車載負荷に分配される電力の給断、及び前記車載負荷と前記他の車載中継装置との通信の中継を制御する制御部とを備える車載中継装置。
本態様にあたっては、車載中継装置は、車両のルーフに設けられ、電源装置、車載負荷、及び他の車載中継装置と接続される。車両には、複数の車載負荷が搭載される。複数の車載負荷は、車両のルーフに設けられる。複数の車載負荷は、ルーフに設けられる通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して車載中継装置の枝線コネクタと接続される。電源装置は、車両のピラーに設けられる通信線及び電力線を介して、車載中継装置の幹線コネクタと接続される。車載中継装置は、ピラーに設けられる給電線を介して電源装置から供給され、ルーフに設けられる電力線それぞれを介して車載負荷に分配される電力の給断(供給及び遮断)を行う。電源装置と複数の車載負荷とは、車載中継装置を介して接続される。すなわち、電源装置と複数の車載負荷とは、通信線及び給電線により個別に接続されない。従って、ピラーに設けられる通信線及び電力線の数の増加を抑制することができる。他の車載中継装置は、車両のピラーに設けられる通信線及び給電線を介して車載中継装置の幹線コネクタと接続される。他の車載中継装置は、例えば、各車載負荷の駆動を制御する複数の制御装置と接続され、当該制御装置の通信を中継する。制御装置は、例えば車載ECU(Electronic Control Unit)である。車載中継装置は、他の車載中継装置からの通信を当該車載負荷へ中継する。他の車載中継装置からの通信は、例えば他の車載中継装置から中継される制御装置が車載負荷を制御するための通信である。他の中継装置と複数の車載負荷とは、車載中継装置を介して接続される。すなわち、他の中継装置と複数の車載負荷とは、個別に接続されない。従って、ピラーに設けられる通信線及び給電線の数の増加を抑制することができる。
(2)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタを含む回路基板を備え、前記回路基板は、前記ルーフ側の面に、前記車載負荷及び前記他の車載中継装置と通信するための通信回路を備え、前記車両の床側の面に、前記電源装置から供給される電力を前記車載負荷へ分配するための電源回路を備える。
本態様にあたっては、回路基板は、車両のルーフ側の面に通信回路を備える。回路基板は更に、車両の床側の面に電源回路を備える。すなわち通信回路と電源回路とは上下方向に離隔されている。従って、通信回路から電源回路へのノイズの伝搬、及び電源回路から通信回路へのノイズの伝搬を抑制することができる。通信回路へのノイズの伝搬が抑制されるので、他の中継装置と車載負荷との通信の中継を安定して行うことができる。回路基板の両面(ルーフ側の面及び床側の面)を用いることにより、車載中継装置を小型化することができる。すなわち、車載中継装置の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフの面積を有効活用することができる。電源回路にて電源装置から供給される電力が分配されるので、電源回路には多くの電流が流れる。また電源回路にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、電源回路における発熱量は増加する。電源回路は回路基板における車両の床側の面、すなわち車両室内側の面に形成されている。従って、電源回路における発熱を空調が施されている車両室内へ効果的に放熱することができる。
(3)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタを含む回路基板を備え、回路基板は、前記ルーフ側に配置され、前記車載負荷及び前記他の車載中継装置と通信するための通信回路を備える第1基板と、前記車両の床側に配置され、前記電源装置から供給される電力を前記車載負荷へ分配する電源回路を備える第2基板とを含み、前記通信回路には、前記電源回路から電力が供給される。
本態様にあたっては、第1基板は通信回路を備え、ルーフ側(車両の上側)に配置される。第2基板は電源回路を備え、床側(車両の下側)に配置される。すなわち通信回路と電源回路とは上下方向に離隔されている。従って、通信回路から電源回路へのノイズの伝搬、及び電源回路から通信回路へのノイズの伝搬を抑制することができる。通信回路へのノイズの伝搬が抑制されるので、他の中継装置と車載負荷との通信の中継を安定して行うことができる。車両のルーフにおいては、車載中継装置及び車載負荷を設置可能な面積が限られている。第1基板及び第2基板を上下方向に並べて配置することにより、車載中継装置を小型化することができる。すなわち、車載中継装置の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフの面積を有効活用することができる。電源回路にて電源装置から供給される電力が分配されるので、電源回路には多くの電流が流れる。また電源回路にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、電源回路における発熱量は増加する。電源回路は第2基板に形成されているので、電源回路における発熱を空調が施されている車両室内へ効果的に放熱することができる。
(4)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記第1基板と前記第2基板とは、対向し、前記第1基板は、前記第2基板に対向する面に、前記通信回路と、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタの一方とを備え、前記第2基板は、前記第1基板に対向する面に、前記電源回路と、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタの他方とを備え、前記枝線コネクタと、前記幹線コネクタとは、厚さ方向において重なる。
本態様にあたっては、第1基板は第2基板に対向する面に、通信回路と、枝線コネクタ及び幹線コネクタの一方とを備える。第2基板は第1基板に対向する面に、電源回路と、枝線コネクタ及び幹線コネクタの他方とを備える。例えば、車載中継装置は、直方体状である。枝線コネクタは、車載中継装置の一側面に設けられている。幹線コネクタは、車載中継装置の一側面の反対側の面である他側面に設けられている。枝線コネクタと幹線コネクタとは、異なる側面に設けられており、車載中継装置の厚み方向において重なり合う。この厚み方向における重なり合いにより、車載中継装置の側面の高さを低くすることができる。すなわち車載中継装置の厚みを小さくすることができる。
(5)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記通信回路と前記電源回路との間に、ノイズの伝搬を抑制するノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、ノイズ抑制部材は、通信回路から電源回路へのノイズの伝搬、及び電源回路から通信回路へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。通信回路へのノイズの伝搬が抑制されるので、他の中継装置と車載負荷との通信の中継をより安定して行うことができる。
(6)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタを含む回路基板を備え、前記車載負荷は、前記車両外の通信対象と通信を行う車外通信装置を含み、前記回路基板は、前記ルーフ側から前記車両の床側に向かって設けられた複数の基板を含み、該複数の基板のそれぞれの面は、前記車外通信装置が実装される面と、前記車載負荷及び前記他の車載中継装置と通信するための通信回路が形成される面と、前記電源装置から供給される電力を前記車載負荷へ分配するための電源回路が形成される面とを含み、前記ルーフ側から前記床側に向かって、前記車外通信装置が実装される面、前記通信回路が形成される面、前記電源回路が形成される面の順に積層構造を形成する。
本態様にあたっては、回路基板は複数の基板を含む。複数の基板のそれぞれの面は、車外通信装置が実装される面と、通信回路が形成される面と、電源回路が形成される面とを含む。車外通信装置が実装される面には、例えば、車外通信装置の機能を実現するための回路が形成されている。車載中継装置は実装される車外通信装置を介して、車両外の通信対象と通信を行う。車載中継装置と車外通信装置とを接続する通信線及び電力線の数の増加を抑制することができる。複数の基板のそれぞれの面は、ルーフ側から車両の床側に向かって、車外通信装置が実装される面、通信回路が形成される面、電源回路が形成される面の順に積層構造を形成する。すなわち機能を実現するための回路、通信回路、及び電源回路はそれぞれ上下方向に離隔される。従ってそれぞれの回路からのノイズの伝搬及びそれぞれの回路へのノイズの伝搬を抑制することができる。車外通信装置が実装される面はルーフ側に配置されるので、当該車外通信装置と車両外の通信対象との通信は安定しやすい。また、ルーフ(車両)の外側に設けられる車外通信のためのアンテナと実装された車外通信装置との接続(通信)が容易である。電源回路にて電源装置から供給される電力が分配されるので、電源回路には多くの電流が流れる。また電源回路にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、電源回路における発熱量は増加する。電源回路が形成される面は床側に配置されているので、電源回路における発熱を空調が施されている車両室内へ効果的に放熱することができる。
(7)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記車外通信装置と前記通信回路との間に、ノイズの伝搬を抑制する第1ノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、車外通信装置と通信回路との間に第1ノイズ抑制部材、例えば電磁シールド材が設けられている。第1ノイズ抑制部材は、実装された車外通信装置からのノイズの伝搬及び当該車外通信装置へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。従って実装された車外通信装置を介した通信をより安定して行うことができる。
(8)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記通信回路と前記電源回路との間に、ノイズの伝搬を抑制する第2ノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、通信回路と電源回路との間に第2ノイズ抑制部材、例えば電磁シールド材が設けられている。第2ノイズ抑制部材は、通信回路から電源回路へのノイズの伝搬、及び電源回路から通信回路へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。通信回路へのノイズの伝搬が抑制されるので、他の中継装置と車載負荷との通信の中継をより安定して行うことができる。
(9)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタを含む回路基板を備え、前記車載負荷は、前記車両外の通信対象と通信を行う車外通信装置を含み、前記枝線コネクタは、前記車外通信装置と接続される第1枝線コネクタと、前記車外通信装置と異なる前記車載負荷と接続される第2枝線コネクタとを含み、前記回路基板は、前記車両のルーフ側の面に、前記第1枝線コネクタ、及び前記第1枝線コネクタと接続してある第1回路を備え、前記車両の床側の面に、前記第2枝線コネクタ及び前記幹線コネクタ、並びに、前記第2枝線コネクタ及び前記幹線コネクタと接続してある第2回路を備える。
本態様にあたっては、回路基板は車両のルーフ側の面に、第1枝線コネクタ及び第1回路を備える。回路基板は車両の床側の面に、第2枝線コネクタ、幹線コネクタ、及び第2回路を備える。車両のルーフにおいては、車載中継装置及び車載負荷を設置可能な面積が限られている。回路基板の両面(ルーフ側の面及び床側の面)を用いることにより、車載中継装置を小型化することができる。すなわち、車載中継装置の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフの面積を有効活用することができる。車外通信装置の多くはルーフの上部に設けられる。回路基板のルーフ側の面、すなわち上側の面に第1枝線コネクタが設けられているので、車載中継装置と車外通信装置とを接続する通信線及び電力線のルーフにおける配置(配策)は容易である。当該通信線及び電力線の長さを短くすることができる。第2回路にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、第2回路における発熱量は増加する。第2回路は回路基板における車両の床側の面、すなわち車両室内側の面に形成されている。従って、第2回路における発熱を空調が施されている車両室内へ効果的に放熱することができる。
(10)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記回路基板は、該回路基板の内部に、ノイズの伝搬を抑制するノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、回路基板の内部、すなわち回路基板におけるルーフ側の面と床側の面との間には、ノイズ抑制部材が設けられる。ノイズ抑制部材は例えば電磁シールド材である。ノイズ抑制部材は、第2回路から第1回路へのノイズの伝搬、及び第1回路から第2回路へのノイズの伝搬を抑制する。ノイズの伝搬が抑制されるので、車載負荷の駆動を安定して行うことができる。
(11)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタを含む回路基板を備え、前記車載負荷は、前記車両外の通信対象と通信を行う車外通信装置を含み、前記枝線コネクタは、前記車外通信装置と接続される第1枝線コネクタと、前記車外通信装置と異なる前記車載負荷と接続される第2枝線コネクタとを含み、前記回路基板は、前記車両のルーフ側に配置され、前記第1枝線コネクタ、及び前記第1枝線コネクタと接続してある第1回路を備える第1基板と、前記車両の床側に配置され、前記第2枝線コネクタ及び前記幹線コネクタ、並びに、前記第2枝線コネクタ及び前記幹線コネクタと接続してある第2回路を備える第2基板とを含み、前記第1基板と前記第2基板とは、電力線及び通信線により接続される。
本態様にあたっては、第1基板はルーフ側、すなわち車両の上側に配置される。第2基板は床側、すなわち車両の下側に配置される。車両のルーフにおいては、車載中継装置及び車載負荷を設置可能な面積が限られている。第1基板及び第2基板を上下方向に並べて配置することにより、車載中継装置を小型化することができる。すなわち、車載中継装置の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフの面積を有効活用することができる。車外通信装置の多くはルーフの上部に設けられる。回路基板のルーフ側の面、すなわち上側の面に第1枝線コネクタが設けられているので、車載中継装置と車外通信装置とを接続する通信線及び電力線のルーフにおける配置(配策)は容易である。当該通信線及び電力線の長さを短くすることができる。第2回路にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、第2回路における発熱量は増加する。第2回路は回路基板における車両の床側の面、すなわち車両室内側の面に形成されている。従って、第2回路における発熱を空調が施されている車両室内へ効果的に放熱することができる。
(12)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記第1基板と前記第2基板とは、対向し、前記第1基板は、前記第2基板に対向する面に、前記第1枝線コネクタ、及び前記第1回路を備え、前記第2基板は、前記第1基板に対向する面に、前記第2枝線コネクタ、前記幹線コネクタ、及び前記第2回路を備え、前記第1枝線コネクタと、前記第2枝線コネクタ及び前記幹線コネクタとは、厚さ方向において重なる。
本態様にあたっては、第1基板は、第2基板と対向する面、すなわち床側(下側)の面に、第1枝線コネクタ及び第1回路を備える。第2基板は、第1基板と対向する面、すなわちルーフ側(上側)の面に第2枝線コネクタ、幹線コネクタ、及び第2回路を備える。例えば、車載中継装置は、直方体状である。第1枝線コネクタは、車載中継装置の一側面に設けられている。第2枝線コネクタ及び幹線コネクタは、車載中継装置の一側面の反対側の面である他側面に設けられている。第1枝線コネクタと第2枝線コネクタ及び幹線コネクタとは、異なる側面に設けられており、車載中継装置の厚み方向において重なり合う。この厚み方向における重なり合いにより、車載中継装置の側面の高さを低くすることができる。すなわち、車載中継装置の厚みを小さくすることができる。
(13)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記車外通信装置は、前記第1基板における前記第2基板に対向する面の反対面に実装される。
本態様にあたっては、第1基板における第2基板に対向する面の反対面、すなわち第1基板のルーフ側の面に車外通信装置が実装される。すなわち車載中継装置に車外通信装置が内蔵される。例えば、車外通信装置の機能を実現するための回路が、第1基板のルーフ側の面に形成される。車載中継装置と車外通信装置とを接続する通信線及び電力線の数の増加を抑制することができる。第1基板のルーフ側の面に車外通信装置が実装されるので、当該車外通信装置と車両外の通信対象との通信は安定しやすい。また、ルーフ(車両)の外側に設けられる車外通信のためのアンテナと、車載中継装置に実装された車外通信装置との接続(通信)が容易である。
(14)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記第1基板は、該第1基板の内部に、ノイズの伝搬を抑制する第1ノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、第1基板の内部、すなわち第1基板におけるルーフ側の面と床側の面との間には、第1ノイズ抑制部材が設けられる。第1ノイズ抑制部材は、例えば電磁シールド材である。第1ノイズ抑制部材は、車外通信装置の機能を実現するための回路(実装された車外通信装置)へのノイズの伝搬及び当該回路からのノイズの伝搬を抑制する。車外通信装置の機能を実現するための回路へのノイズの伝搬が抑制されるので、実装された車外通信装置の通信を安定して行うことができる。
(15)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記第1基板と前記第2前記基板との間に、ノイズの伝搬を抑制する第2ノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、第1基板と第2基板との間に第2ノイズ抑制部材、例えば電磁シールド材が設けられている。第2ノイズ抑制部材は、第2回路から第1回路へのノイズの伝搬、及び第1回路から第2回路へのノイズの伝搬を抑制する。ノイズの伝搬が抑制されるので、車載負荷の駆動を安定して行うことができる。
(16)本開示の一態様に係る車載中継装置は、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタを含む回路基板を備え、前記車載負荷は、前記車両外の通信対象と通信を行う車外通信装置を含み、該車外通信装置は、前記回路基板における前記車両のルーフ側の面に実装され、前記回路基板は、前記車両の床側の面に、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタ、並びに、前記枝線コネクタ及び前記幹線コネクタと接続してある電気回路を備え、内部に、ノイズの伝搬を抑制するノイズ抑制部材を備える。
本態様にあたっては、回路基板のルーフ側の面には車外通信装置が実装される。すなわち車載中継装置に車外通信装置が内蔵される。例えば、車外通信装置の機能を実現するための電気回路(車外通信回路)が、回路基板のルーフ側の面に形成されている。車載中継装置と車外通信装置とを接続する通信線及び電力線の数の増加を抑制することができる。回路基板のルーフ側の面に車外通信装置が実装されるので、当該車外通信装置と車両外の通信対象との通信は安定しやすい。また、ルーフ(車両)の外側に設けられる車外通信のためのアンテナと、車外通信装置との接続(通信)が容易である。回路基板の内部、すなわち回路基板におけるルーフ側の面と床側の面との間には、ノイズ抑制部材、例えば電磁シールドが設けられている。ノイズ抑制部材は、電気回路から車外通信回路へのノイズの伝搬、及び車外通信回路から電気回路へのノイズの伝搬を抑制する。車外通信装置の機能を実現するための回路(車外通信回路)へのノイズの伝搬が抑制されるので、車両外の通信対象との通信を安定して行うことができる。
(17)本開示の一態様に係る車載中継装置は、ランプと、該ランプの点灯及び消灯を示す信号を出力するスイッチとを有するランプ機器を備え、前記制御部は、出力された前記信号に応じて、前記ランプを点灯、及び消灯する。
本態様にあたっては、車載中継装置は、ランプと当該ランプの点灯及び消灯を示す信号を出力するスイッチとを有するランプ機器を備える。ランプ機器は、例えばマップランプであり、車載中継装置と一体に構成される。マップランプのスイッチは、点灯を示す信号、及び消灯を示す信号を出力する。制御部は、マップランプから出力された点灯及び消灯を示す信号に応じて、マップランプのランプを点灯及び消灯させる。車載中継装置とマップランプとが一体に構成されるので、限られたルーフの面積を有効活用することができる。ルーフに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示をその実施形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本開示の実施形態に係る車載中継装置1を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施形態1)
以下、実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る車載中継装置1が搭載される車両Cの構成を示す模式図である。図2は、実施形態1に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。
車両Cには、複数の車載機器と、当該車両Cのルーフ(天井)Rに設けられる車載中継装置1、及びルーフR以外に設けられる他の車載中継装置(以下、中継器)2を含む複数の車載中継装置が搭載されている。当該複数の車載中継装置は、複数の車載機器と接続され、接続された複数の車載機器への通信(データの送受信)を中継する。複数の車載機器には、車両CのルーフRに設けられ、電力により駆動する車載負荷4が含まれる。複数の車載機器には、更に、車載負荷4の駆動を制御する車載ECU3、及び電力を供給する電源装置5が含まれる。車載ECU3は、特許請求の範囲における制御装置に相当する。車両Cには、車載負荷4及び車載ECU3がそれぞれ複数個(図1においては2つずつ)搭載されている。
詳細は後述するが各車載負荷4は、ルーフRに設けられた(配策された)通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して車載中継装置1とそれぞれ接続されている。通信線は、CAN(Control Area Network/登録商標)又はイーサネット(Ethernet/登録商標)等の通信プロトコルを用いた通信に対応している。車載中継装置1と各車載負荷4とは通信可能である。中継器2、車載ECU3、及び電源装置5は、ルーフR以外に設けられている。ルーフR以外には、例えば車両Cのエンジンルーム、車両Cの床F、及び車両Cのフロア部が含まれる。車両Cのフロア部は、例えば後部座席の下部が含まれる。
電源装置5は、車両Cのバッテリであり、鉛蓄電池、又はリチウムイオン電池等の2次電池により構成される。電源装置5は、ルーフR以外、例えば車両Cの前部に設けられたエンジンルームに配置される。電源装置5は、電力を供給(給電)し、車両Cに搭載された図示しないオルタネータ(発電機)により発電された電力によって充電される。また、車両Cがプラグインハイブリッド自動車、又は電気自動車である場合、電源装置5は、車両C外の図示しない充電装置により充電される。電源装置5には、給電及び充電を制御する図示しない車載ECU3が含まれてもよい。
車載中継装置1と電源装置5とは、車両CのピラーPに設けられた(配策された)通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して接続されている。車載中継装置1と電源装置5とを接続する通信線及び電力線は、例えば車両Cの左前側のピラーP(左側のAピラー)に沿って設けられている。当該通信線及び電力線は、車両Cの左前側以外のピラーP、例えば車両Cの左後側のピラーP(左側のCピラー)に設けられていてもよい。通信線は、CAN又はイーサネット等の通信プロトコルを用いた通信に対応している。図1においては、車載中継装置1と電源装置5とを接続する通信線の図示を省略してある。詳細は後述するが、電源装置5からピラーPに設けられた電力線を介して供給される電力は、車載中継装置1にて、各車載負荷4へ分配される。
車載ECU3は、ルーフR以外、例えば、後部座席の下部等の車両Cのフロア部に設けられており、中継器2とCAN又はイーサネット等の通信プロトコルに対応した車内LAN30によって通信可能に接続されている。詳細は後述するが車載ECU3は、車載負荷4の駆動を制御する。車載ECU3には、例えば車両Cの自動運転に関するECUが含まれてもよい。
車載ECU3は、図示しない制御部、記憶部、及び車内通信部を含む。車載ECU3の記憶部は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ素子、又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してある。車載ECU3の記憶部には、車載ECU3のプログラム又はデータが記憶してある。
車載ECU3の制御部は、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してある。車載ECU3の制御部は、自ECUの記憶部に記憶されたプログラム及びデータを読み出し実行して制御処理等を行い、車載負荷4の駆動を制御する。車載ECU3の車内通信部は、CAN、又はイーサネット等の通信プロトコルを用いた入出力インターフェイスである。車載ECU3の制御部は、自ECUの車内通信部を介して車内LAN30により中継器2と相互に通信を行う。また、車載ECU3の制御部は、自ECUの車内通信部を介して車内LAN30に接続されている自ECU以外の車載ECU3と相互に通信する。一部の車載ECU3(一部の車載ECU3の車内通信部)は、中継器2と接続されずに車両CのピラーPに設けられ、CAN又はイーサネット等の通信プロトコルを用いた通信に対応している通信線を介して車載中継装置1と接続されていてもよい。
中継器2は、車内LAN30を介して複数の車載ECU3と接続されている。中継器2は、例えば、制御系の車載ECU3、安全系の車載ECU3、及びボディ系の車載ECU3等の複数の系統のセグメントを統括し、これらセグメント間での車載ECU3同士の通信を中継するゲートウェイ(Gateway)である。又は、中継器2は、車両C全体をコントロールするボディECUの一機能部として構成されるものであってもよい。
中継器2は、ルーフR以外、例えば、後部座席の下部等の車両Cのフロア部に設けられている。車載中継装置1と中継器2とは、車両CのピラーPに設けられた(配策された)通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して接続されている。車載中継装置1と中継器2とを接続する通信線及び電力線は、例えば車両Cの左前側のピラーP(左側のAピラー)に沿って設けられている。当該通信線及び電力線は、車両Cの左前側以外のピラーP、例えば車両Cの左後側のピラーP(左側のCピラー)に設けられていてもよい。通信線は、CAN又はイーサネット等の通信プロトコルを用いた通信に対応している。中継器2は、車載中継装置1と相互に通信を行う。図1においては、車載中継装置1と中継器2とを接続する電力線の図示を省略してある。中継器2は、図示しない制御部、記憶部、第1車内通信部、及び第2車内通信部を含む。
中継器2の制御部は、CPU、又はMPU等により構成してあり、記憶部に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。中継器2の制御部は、記憶部に記憶されている制御プログラムを実行することにより、車載ECU3との通信(車載ECU3の通信の中継)、及び車載中継装置1との通信を制御する。
中継器2の記憶部は、RAM等の揮発性メモリ素子、又は、ROM、EEPROM、若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してある。記憶部には、制御プログラムが予め記憶してある。
第1車内通信部は、CAN、又はイーサネット等の通信プロトコルを用いた入出力インターフェイスである。第1車内通信部は、複数個設けられている。第1車内通信部それぞれに、CAN又はイーサネット等の通信プロトコルに対応した車内LAN30を構成する通信線が接続されている。このように第1車内通信部が複数個設けられることにより、車内LAN30は複数のセグメントに分けられる。各セグメントそれぞれに車載ECU3が、当該車載ECU3の機能、例えば、制御系機能、安全系機能、ボディ系機能等の機能に応じて接続される。中継器2の制御部は、第1車内通信部を介して車内LAN30に接続されている車載ECU3と相互に通信する。制御部は、更に、車内LAN30に接続されている図示しない他の車載機器と相互に通信を行ってもよい。
第2車内通信部は、CAN又はイーサネット等の通信プロトコルを用いた通信に対応している通信線(ワイヤーハーネス)と接続され、当該通信線を介して車載中継装置1と接続されている。当該通信線は車両CのピラーPに設けられている。中継器2の制御部は、第2車内通信部を介して車載中継装置1と相互に通信を行う。中継器2の制御部は、第1車内通信部及び第2車内通信部を介して、車載ECU3からの通信を車載中継装置1へ中継する。また、車載中継装置1からの通信を車載ECU3へ中継する。例えば、中継器2は、車載ECU3からの通信を車載中継装置1へ中継する。車載ECU3からの通信は、例えば車載ECU3が所定の車載負荷4(制御対象の車載負荷4)を制御するために出力する信号(プログラム又はデータ)である。中継器2は、車載中継装置1から出力される信号(プログラム又はデータ)、例えば車載中継装置1が後述の車外通信装置40から取得した信号を、車載ECU3へ中継(出力)する。すなわち車載中継装置1と、車載ECU3とは、中継器2を介して相互に通信可能である。
車載負荷4は、ルーフRに設けられ、電力により駆動する。車載負荷4は、厳密にルーフRに設けられていなくてもよく、ルーフRの近傍、例えばピラーPのルーフR側(上側)に設けられていてもよい。車載負荷4には、車内カメラ42(図3参照)、表示装置、並びに、マップランプ41(図3参照)及びルームランプ等が含まれる。車内カメラ42は例えばドライバーモニターカメラである。表示装置は例えばルーフディスプレイである。車載負荷4には、更に、車両C外の通信対象と通信を行う車外通信装置40が含まれる。
車外通信装置40には、アナログ通信を行うアナログ通信装置401(図3参照)と、デジタル通信を行うデジタル通信装置402(図3参照)とが含まれる。アナログ通信装置401は、例えば、ラジオ受信機を含む。ラジオ受信機は、図示しないラジオ塔(ラジオの電波塔)から送信されるラジオの電波を受信する。すなわちラジオ受信機は、ラジオ塔(ラジオ塔に設けられた電波発信装置)と通信する。ラジオ塔は、車両C外の通信対象に含まれる。車両Cには、複数のアナログ通信装置401が搭載されてもよい。
デジタル通信装置402は、例えば、LTE(Long Term Evolution/登録商標)、4G、又は5G等の移動体通信のプロトコルを用いて無線通信するための通信装置を含む。当該装置は、例えばTCU(Telematics Control Unit)である。デジタル通信装置402は、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の無線通信プロトコルを用いて無線通信を行う通信装置を含む。1つのデジタル通信装置402が異なる複数の通信プロトコルによる通信を行ってもよい。例えば、デジタル通信装置402は、LTE、4G、又は5G等の移動体通信のプロトコルを用いた無線通信に加えて、Wi-Fi、又はBluetooth等の無線通信プロトコルを用いた無線通信を行ってもよい。車両Cには、複数のデジタル通信装置402が搭載されていてもよい。例えば、LTE,4G、又は5Gによる通信を行うデジタル通信装置402と、Wi-Fi、又はBluetoothによる通信を行うデジタル通信装置402とが、車両Cに搭載されていてもよい。デジタル通信装置402は、例えばインターネット又は公衆回線網等の車外ネットワークに接続されているサーバ等のコンピュータ(外部サーバ)と、当該車外ネットワークを介して通信を行う。また、車両Cの操作者が携帯する通信端末、例えばスマートフォンと通信を行う。
デジタル通信装置402は、例えば、車両Cとは異なる車両、及び道路に設置された通信装置と通信するためのITS(Intelligent Transport Systems/高度道路交通システム)に関する通信装置と、ETC(Electronic Toll collection/自動料金収受システム)に関する通信装置とを含む。デジタル通信装置402は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機、及びテレビ受信機を含む。GPS受信機は、図示しないGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。すなわちGPS受信機は、GPS衛星と通信する。テレビ受信機は、テレビ塔(テレビの電波塔)から送信されるテレビの電波を受信する。すなわちテレビ受信機は、テレビ塔(テレビ塔に設けられた電波発信装置)と通信する。例えば、テレビ受信機が受信するテレビの電波は、いわゆるワンセグ放送の電波である。外部サーバ、車両Cと異なる車両、道路に設置された通信装置、GPS衛星、及びテレビ塔は、車両C外の通信対象に含まれる。
図2に示すように、車載中継装置1は、ハウジング(筐体)10、及びハウジング10内に設けられた回路基板100を備え、ルーフRに取り付けられている。ハウジング10は、例えば、直方体状の箱体である。ハウジング10は、例えば樹脂製である。図2における紙面上側は、車両CのルーフR側、すなわち車両Cの上側を示す。図2における紙面下側は、車両Cの床F側、すなわち車両Cの下側を示す。図2における紙面の上下方向は、車両Cの上下方向を示す。図2における紙面左側は、車両Cの前側(フロント側)を示し、図2における紙面右側は、車両Cの後側(リア側)を示す。図2における紙面左右方向は、車両Cの前後方向を示す。図2における紙面表裏方向は、車両Cの左右方向を示す。後述する図4、図5、図6、図7、図9、図10、及び図11も同様である。
回路基板100は、例えば矩形状であり、車両Cの上下方向と直交する方向(車両Cの前後方向及び左右方向)へ延びている。回路基板100は、例えば一枚基板であってもよく、積層基板であってもよい。回路基板100は、内部、すなわちルーフR側の面と床F側の面との間にノイズ抑制部材13を備える。ノイズ抑制部材13は、例えば、磁性金属製のシート、又は磁性金属を含む樹脂製のシート等の電磁シールド材である。ノイズ抑制部材13は、例えば、車両Cの上下方向と直交する方向へ延びる矩形状である。ノイズ抑制部材13は、後述する第1回路11及び第2回路12へのノイズの伝搬を抑制する。以下、回路基板100のルーフR側の面を上面と称し、回路基板100の床F側の面を、下面と称する。
回路基板100は、車両CのピラーPに設けられる(配策される)電力線及び通信線を介して電源装置5及び中継器2と接続される幹線コネクタ6を含む。回路基板100は、車載負荷4とルーフRに設けられる(配策される)電力線及び通信線を介して接続される枝線コネクタを含む。枝線コネクタは、車外通信装置40と接続される第1枝線コネクタ70と、車外通信装置40と異なる車載負荷4と接続される第2枝線コネクタ71とを含む。回路基板100は、上面に第1枝線コネクタ70を備え、下面に幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71を備える。
第1枝線コネクタ70は、回路基板100の上面の辺部に取り付けられている。第1枝線コネクタ70は、図2において回路基板100の後側の辺部に取り付けられている。第1枝線コネクタ70の一部分は、ハウジング10の後側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側へ露出している。すなわち第1枝線コネクタ70は、ハウジング10(車載中継装置1)の後側の側面に設けられている(取り付けられている)。第1枝線コネクタ70の一部分には、ルーフRに設けられ、車外通信装置40と接続される電力線及び通信線(ワイヤーハーネス)が接続される。
第1枝線コネクタ70は、回路基板100の前側、右側、又は左側の辺部に取り付けられてもよい。すなわち第1枝線コネクタ70は、ハウジング10の前側、右側、又は左側の側面に設けられていてもよい。第1枝線コネクタ70は、複数個取り付けられてもよい。各第1枝線コネクタ70は、回路基板100の上面の異なる辺部にそれぞれ取り付けられていてもよい。例えば各第1枝線コネクタ70は、回路基板100の前側の辺部(ハウジング10の前側の側面)と、回路基板100の後側の辺部(ハウジング10の後側の側面)とにそれぞれ取り付けられていてもよい。
第1枝線コネクタ70は、回路基板100の上面に形成された第1回路11と接続してある。第1回路11は、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、及び集積回路(IC/Integrated Circuit)等の電子部品11aを含む。
幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、回路基板100の下面の辺部に取り付けられている。図2において、幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、車両Cの左右方向(図2の紙面の表裏方向)に並んで配置され、回路基板100の前側の辺部に取り付けられている。幹線コネクタ6の一部分、及び第2枝線コネクタ71の一部分は、ハウジング10の前側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側にそれぞれ露出している。すなわち幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、ハウジング10(車載中継装置1)の前側の側面に設けられている(取り付けられている)。幹線コネクタ6の一部分には、車両CのピラーPに設けられ、中継器2及び電源装置5と接続されるそれぞれの電力線及び通信線が接続される。第2枝線コネクタ71の一部分には、ルーフRに設けられ、車外通信装置40と異なる車載負荷4(車外通信装置40以外の車載負荷4)と接続される電力線及び通信線が接続される。
幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、回路基板100の同じ辺部に並んで配置されていなくてもよく、回路基板100の異なる辺部にそれぞれ取り付けられていてもよい。すなわち幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、ハウジング10の異なる側面にそれぞれ設けられていてもよい。例えば、幹線コネクタ6が回路基板100の前側の辺部(ハウジング10の前側の側面)に取り付けられ、第2枝線コネクタ71が、回路基板100の後側の辺部(ハウジング10の後側の側面)に取り付けられてもよい。幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、それぞれ複数個取り付けられてもよい。各幹線コネクタ6は、回路基板100の下面の異なる辺部(ハウジング10の異なる側面)にそれぞれ取り付けられていてもよい。各第2枝線コネクタ71は、回路基板100の下面の異なる辺部(ハウジング10の異なる側面)にそれぞれ取り付けられていてもよい。
幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、回路基板100の下面に形成された第2回路12と接続してある。第2回路12は、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、メモリ素子、及びIC等の電子部品12aを含む。第1回路11及び第2回路12は、例えば回路基板100に設けられた図示しないスルーホールを介して、電気的に接続されている。第1回路11(電子部品11a)、及び第2回路12(電子部品12a)は、後述する車載中継装置1の各機能ブロックを構成する。
ハウジング10の床F側の外面には、マップランプ41が取り付けてある。マップランプ41は、複数個(図2においては2つ)のランプ410と、当該ランプ410の点灯及び消灯を示す信号を出力するスイッチ411とを備える。ランプ410は例えばLEDランプである。マップランプ41は、電力線及び通信線を介して第2枝線コネクタ71の上記一部分に接続されている。マップランプ41は、例えばハウジング10を内外に貫通する図示しない孔を介して、電力線及び通信線により第2回路12に接続されていてもよい。
マップランプ41のスイッチ411は、「点灯」、「消灯」、及び「開閉検知」の3つ状態に切り替え可能である。スイッチ411は、「消灯」又は「開閉検知」の状態から「点灯」の状態に切り替えられた場合、ランプ410の点灯を示す信号を出力する。スイッチ411は、「点灯」又は「開閉検知」の状態から「消灯」の状態に切り替えられた場合、ランプ410の消灯を示す信号を出力する。スイッチ411が「開閉検知」の状態である場合については後述する。
マップランプ41は、特許請求の範囲におけるランプ機器に含まれる。ランプ機器は、マップランプ41に限らず、例えばルームランプを含む。車載中継装置1はマップランプ41を備える、すなわち車載中継装置1及びマップランプ41は一体に構成されているので、限られたルーフRの面積を有効活用することができる。車載中継装置1及びマップランプ41を接続する通信線及び電力線はルーフRに設けられないので、ルーフRに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
図3は、第1回路11及び第2回路12を含む車載中継装置1の機能ブロックを平面的に示すブロック図である。車載中継装置1は、制御部101と、記憶部102とを備える。図3において制御部101は、第1回路11に含まれている。すなわち制御部101は、電子部品11aにより構成されている。制御部101は、第2回路12に含まれていてもよい(電子部品12aにより構成されていてもよい)。図3において記憶部102は、第2回路12に含まれている。記憶部102は、第1回路11に含まれていてもよい。制御部101と記憶部102との両方が、第1回路11又は第2回路12に含まれていてもよい。
記憶部102は、RAM等の揮発性メモリ素子、又は、ROM、EEPROM、若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してある。記憶部102には、制御プログラムが予め記憶してある。記憶部102に記憶された制御プログラムは、車載中継装置1が読み取り可能な記録媒体から読み出された制御プログラムを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから制御プログラムをダウンロードし、記憶部102に記憶させたものであってもよい。
制御部101は、CPU又はMPU等により構成してあり、記憶部102に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。制御部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムを実行することにより、車両CのピラーPに設けられる電力線を介して電源装置5から供給され、ルーフRに設けられる電力線それぞれを介して車載負荷4に分配される電力の給断を制御する。制御部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムを実行することにより、車載負荷4と中継器2との通信の中継を制御する。制御部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムを実行することにより、車両Cの非使用時(車両Cのエンジンの停止時)に、中継(通信)を停止し、車両Cの使用時(車両Cのエンジンが起動した際)に中継(通信)を開始するスリープアンドウェイクアップ(Sleep and Wakeup)部として機能する。暗電流による影響、例えば車両Cのバッテリの電力消費を抑制することができる。制御部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムを実行することにより、スイッチ411から出力されたランプ410の点灯及び消灯を示す信号に応じて、ランプ410の点灯及び消灯を制御するランプ制御部として機能する。
制御部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムを実行することにより、車両C外の図示しない通信対象との通信(車外通信)におけるセキュリティに関する処理を行うセキュリティ部として機能してもよい。車外通信におけるセキュリティに関する処理は、例えば、外部サーバ等の車両C外の通信対象の認証、並びに、通信データの暗号化及び復号化等の処理を含む。制御部101は車両C外の通信対象の認証において、例えば、記憶部102に予め記憶された車両C外の通信対象のID(Identification)ナンバーと、車両C外の通信対象から送信されるIDナンバーとが一致するか否か判定する。IDナンバーが一致した場合、車両C外の通信対象の認証は成功する。車外通信におけるセキュリティに関する処理は、例えば中継器2により行われてもよい。
車載中継装置1は、前述の第1枝線コネクタ70を複数個(図3においては2つ)備える。各第1枝線コネクタ70は、第1回路11に接続されている(含まれる)。各第1枝線コネクタ70は、グランドにそれぞれ接続されている。すなわち各第1枝線コネクタ70は接地されている。各第1枝線コネクタ70は、例えば車両Cの図示しない共通グランドにそれぞれ接続されていてもよい。
一の第1枝線コネクタ70は、ルーフRに設けられた通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介してアナログ通信装置401と接続されている。また、車載中継装置1が備えるAD(Analog to Digital)変換部110と電気的に接続されている。AD変換部110は、第1回路11に含まれる。詳しくは、第1回路11は、アナログ信号の伝達に関するアナログ信号回路を含む。AD変換部110は、アナログ信号回路に含まれる。AD変換部110は、一の第1枝線コネクタ70を介してアナログ通信装置401から受信したアナログ信号をデジタル信号へ変換し、当該信号を出力する。
例えば、アナログ通信装置401(ラジオ受信機)は、ラジオの電波を受信し、受信したラジオの電波に関する信号(ラジオ信号)を出力する。制御部101は、ラジオ受信機から出力されたラジオ信号を取得する。詳しくは、ラジオ受信機から出力されたラジオ信号は、AD変換部110へ送信され、AD変換部110にてアナログ信号からデジタル信号へ変換される。制御部101は、デジタル信号へ変換されたラジオ信号を取得する。制御部101は、取得したラジオ信号を、後述のCAN通信部111又はイーサネット通信部112と、後述の一の幹線コネクタ6とを介して中継器2へ中継(出力)する。中継器2は、制御部101(車載中継装置1)から出力されたラジオ信号を取得し、取得したラジオ信号をラジオに関する車載ECU3へ中継(出力)する。ラジオに関する車載ECU3は、中継器2から出力されたラジオ信号を取得し、取得したラジオ信号を、車両C内に設けられた図示しないスピーカへ出力する。当該スピーカからラジオの音声が出力される。
車載中継装置1は、複数のアナログ信号を合波(合成)するアナログ信号合波部を備えていてもよい。アナログ信号合波部は、例えば、一の第1枝線コネクタ70及びAD変換部110と電気的に接続されている。アナログ信号合波部は、一の第1枝線コネクタ70を介してアナログ通信装置401から受信した複数のアナログ信号を合波し、合波したアナログ信号をAD変換部110へ出力する。AD変換部110は、合波されたアナログ信号を取得し、取得したアナログ信号をデジタル信号へ変換し、当該信号を出力する。アナログ信号合波部は、アナログ信号回路(第1回路11)に含まれる。AD変換部110が、アナログ信号の合波を行ってもよい。
他の第1枝線コネクタ70は、ルーフRに設けられた通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介してデジタル通信装置402と接続されている。また、車載中継装置1が備えるCAN通信部111、及びイーサネット通信部112と電気的に接続されている。CAN通信部111、及びイーサネット通信部112は、第1回路11に含まれる。
イーサネット通信部112は、イーサネットの通信プロトコルに対応した入出力インターフェイスを含む。イーサネット通信部112は、他の第1枝線コネクタ70を介して、デジタル通信装置402とイーサネットの通信プロトコルにて通信を行う。イーサネット通信部112は、第2枝線コネクタを介して、車外通信装置40以外の車載負荷4とイーサネットの通信プロトコルにて通信を行う。イーサネット通信部112は、幹線コネクタ6を介して、中継器2、及び電源装置5とイーサネットの通信プロトコルにて通信を行う。イーサネット通信部112は、イーサネット以外の通信プロトコル、例えばCANからイーサネットへのプロトコル変換を行う。例えば、イーサネット通信部112は、他の第1枝線コネクタ70を介してデジタル通信装置402から受信したプログラム又はデータを、イーサネットの通信プロトコルへ変換し、変換されたプログラム又はデータを出力する。イーサネット通信部112には、例えば、イーサネットによる通信に関する回路であるイーサネット回路、及びイーサスイッチが含まれる。制御部101は、イーサネット通信部112を介して、イーサネットの通信プロトコルにて、車外通信装置40以外の車載負荷4、デジタル通信装置402、中継器2、及び電源装置5と通信を行う。
CAN通信部111は、CANの通信プロトコルに対応した入出力インターフェイスを含む。CAN通信部111は、他の第1枝線コネクタ70介して、デジタル通信装置402とCANの通信プロトコルにて通信を行う。CAN通信部111は、第2枝線コネクタを介して、車外通信装置40以外の車載負荷4とCANの通信プロトコルにて通信を行う。CAN通信部111は、幹線コネクタ6を介して中継器2及び電源装置5とCANの通信プロトコルにて通信を行う。CAN通信部111は、CAN以外の通信プロトコル、例えばイーサネットからCANへのプロトコル変換を行う。例えば、CAN通信部111は、他の第1枝線コネクタを介してデジタル通信装置402から受信したプログラム又はデータを、CANの通信プロトコルへ変換し、変換されたプログラム又はデータを出力する。CAN通信部111は、例えば、CANによる通信に関する回路(CAN回路)を含む。制御部101は、CAN通信部111を介して、CANの通信プロトコルにて、車外通信装置40以外の車載負荷4、デジタル通信装置402、中継器2、及び電源装置5と通信を行う。
例えば、デジタル通信装置402(TCU)は、インターネット又は公衆回線網等の車外ネットワークに接続されているサーバ等のコンピュータ(外部サーバ)と、当該車外ネットワークを介して通信を行う。デジタル通信装置402は、外部サーバから車載ECU3の更新プログラムを取得し、取得した更新プログラムを車載中継装置1へ出力する。車載中継装置1の制御部101は、CAN通信部111又はイーサネット通信部112と、他の第1枝線コネクタ70とを介してデジタル通信装置402から出力された更新プログラムを取得する。制御部101は、取得した更新プログラムを、CAN通信部111又はイーサネット通信部112と一の幹線コネクタ6とを介して中継器2へ中継(出力)する。中継器2は、制御部101(車載中継装置1)から出力された更新プログラムを取得し、取得した更新プログラムを更新対象の車載ECU3へ中継(出力)する。
制御部101と、車載負荷4、中継器2、及び電源装置5との通信においては、CAN及びイーサネット以外の通信プロトコルが用いられてもよい。すなわち、CAN及びイーサネット以外の通信プロトコルによる通信に対応した通信部(通信インターフェイス)が、第1回路11に含まれてもよい。制御部101は、当該通信部を介して車載負荷4、中継器2、及び電源装置5との通信を行う。CAN及びイーサネット以外の通信プロトコルには、例えば、CAN-FD(CAN with Flexible Data Rate)、LVDS(Low voltage differential signaling)、及びLIN(Local Interconnect Network)等の通信プロトコルが含まれる。
車載中継装置1は、複数個(図3において2つ)の幹線コネクタ6、及び複数個(図3において2つ)の第2枝線コネクタ71を備える。各幹線コネクタ6、及び各第2枝線コネクタ71は、第2回路12に接続されている(含まれる)。各幹線コネクタ6、及び各第2枝線コネクタ71は、グランドにそれぞれ接続されている。すなわち各幹線コネクタ6、及び各第2枝線コネクタ71は、接地されている。各幹線コネクタ6、及び各第2枝線コネクタ71は、例えば車両Cの図示しない共通グランドにそれぞれ接続されていてもよい。
一の幹線コネクタ6は、車両CのピラーPに設けられた通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して中継器2と接続されている。制御部101は、CAN通信部111又はイーサネット通信部112と、一の幹線コネクタ6とを介して、中継器2と通信を行う。制御部101は、中継器2から中継される車載ECU3の通信、例えば車載ECU3が所定の車載負荷4(制御対象の車載負荷4)を制御するための信号(プログラム又はデータ)を取得する。一の幹線コネクタ6(車載中継装置1)と中継器2とは、電力線によって接続されていなくてもよい。この場合、中継器2は例えば電源装置5と電力線により接続されている。
他の幹線コネクタ6は、車両CのピラーPに設けられた通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して、電源装置5と接続されている。また、電力を分配する電源分配部120と電気的に接続されている。電源分配部120は、例えば、電源装置5から供給される電力を分配するための分配回路又は分配器を含む。電源分配部120は、各第1枝線コネクタ70及び各第2枝線コネクタ71と電気的に接続され、他の幹線コネクタ6を介して電源装置5から供給される電力を、各第1枝線コネクタ70及び各第2枝線コネクタ71を介して車載負荷4へ分配する。電源分配部120は、更に、一の幹線コネクタ6と電気的に接続され、電源装置5から供給される電力を、一の幹線コネクタ6を介して中継器2へ分配する。電源分配部120による電力の分配は、例えば予め設定(設計)された比率に基づいて行われる。
更に電源分配部120は、例えば、分配された電力の給断、すなわち車載負荷4及び中継器2への分配された電力の供給、並びに当該電力の供給の停止(遮断)のためのリレー(リレースイッチ)を含む。また、第1回路11又は第2回路12に過電流が流れた際に、電流を遮断し、第1回路及び第2回路、並びに、第1回路11及び第2回路12に接続された電力線(ワイヤーハーネス)を保護するためのヒューズを含む。電源分配部120のリレーの切替えは、制御部101により制御される。すなわち、制御部101は、電源分配部120へリレーの切替えを行わせ、分配された電力の給断を制御する。例えば制御部101は、上記ヒューズが作動した場合(過電流が流れた場合)、過電流が流れたことを示す信号を電源装置5へ出力してもよい。
上記ヒューズは、半導体ヒューズであることが望ましい。半導体ヒューズは、半導体リレーを兼ねており、上記リレーとしても機能するためである。半導体ヒューズ(半導体リレー)を用いることにより、電子部品12aの個数(車載中継装置1の部品数)の増加を抑制することができる。半導体ヒューズ(半導体リレー)は、交換が不要である。例えば、制御部101は、図示しない配線により半導体ヒューズ(半導体リレー)と接続される。制御部101は、過電流が流れた際に、半導体ヒューズに電流を遮断させる。電流が遮断された後に、電流が正常に戻った際、制御部101は、半導体ヒューズに通電を再開(電流の遮断を解除)させる。上記リレーは、半導体リレーに限らず、例えばメカニカルリレーでもよい。例えばメカニカルリレーが用いられる場合、メカヒューズが電源分配部に含まれる。メカヒューズは、交換の必要があるので、交換が容易な位置に配置される。
各第2枝線コネクタ71は、通信線及び電力線、例えばワイヤーハーネスを介して車外通信装置40以外の車載負荷4と接続されている。一の第2枝線コネクタ71は、通信線及び電力線を介してマップランプ41と接続されている。
マップランプ41のスイッチ411が「開閉検知」の状態である場合について説明する。「開閉検知」の状態においては、車両Cの図示しないドアの開閉状態を検知して(ドアの開閉状態に応じて)、マップランプ41のランプ410の点灯及び消灯が行われる。例えば車両Cのドアには、当該ドアの開閉を検知するセンサが設けられている。当該センサは、ドアが開状態になった際に、マップランプ41に関する車載ECU3へドアが開状態であることを示す信号(開信号)を出力する。マップランプ41に関する車載ECU3は、センサから出力された開信号を取得し、ランプ410を点灯させるための信号(点灯信号)を出力する。中継器2は、マップランプ41に関する車載ECU3から出力された点灯信号を取得し、取得した点灯信号を車載中継装置1の制御部101へ中継(出力)する。制御部101は、幹線コネクタ6とCAN通信部111又はイーサネット通信部112とを介して中継器2から出力された点灯信号を取得する。制御部101は、マップランプ41のランプ410を点灯させる。詳しくは、制御部101は、電源分配部120にリレーを切替えさせ、マップランプ41(マップランプ41と接続された第2枝線コネクタ71)へ電力を供給させる。供給された電力によってランプ410は点灯する。
上記センサは、ドアが閉止状態になった際に、マップランプ41に関する車載ECU3へドアが閉止状態であることを示す信号(閉信号)を出力する。マップランプ41に関する車載ECU3は、センサから出力された閉信号を取得し、ランプ410を消灯させるための信号(消灯信号)を出力する。中継器2は、マップランプ41に関する車載ECU3から出力された消灯信号を取得し、取得した消灯信号を車載中継装置1の制御部101へ中継(出力)する。制御部101は、幹線コネクタ6とCAN通信部111又はイーサネット通信部112とを介して中継器2から出力された消灯信号を取得する。制御部101は、マップランプ41のランプ410を消灯させる。詳しくは、制御部101は、電源分配部120にリレーを切替えさせ、マップランプ41(マップランプ41と接続された第2枝線コネクタ71)へ電力の供給を停止(遮断)させる。電力の供給が停止されるので、ランプ410は消灯する。
スイッチ411は、「消灯」又は「開閉検知」の状態から「点灯」の状態に切り替えられた場合、ランプ410の点灯を示す信号を出力する。制御部101は第2枝線コネクタ71を介して、出力されたランプ410の点灯を示す信号を取得し、前述のようにしてマップランプ41のランプ410を点灯させる。
スイッチ411は、「点灯」又は「開閉検知」の状態から「消灯」の状態に切り替えられた場合、ランプ410の消灯を示す信号を出力する。制御部101は、第2枝線コネクタ71を介して、出力されたランプ410の消灯を示す信号を取得し、前述のようにしてマップランプ41のランプ410を消灯させる。マップランプ41は、通信線及び電力線を介して一の第2枝線コネクタ71と接続されていなくてもよい。マップランプ41は、前述のように、ハウジング10を貫通する孔を介して通信線及び電力線により第2回路と接続されていてもよい。この場合、制御部101は、当該通信線を介して、ランプ410の点灯を示す信号、及びランプ410の消灯を示す信号を取得する。
マップランプ41と車載中継装置1とは一体に構成してあるが、それぞれ別装置として、車両Cに搭載されてもよい。マップランプ41に加えて、又はマップランプ41の代わりに、例えばランプとバニティミラーとを備えたサンバイザーが、第2枝線コネクタ71に接続されていてもよい。当該サンバイザーは、例えばルーフRにおける車両Cの助手席上方に取り付けられている。サンバイザーのバニティミラーには蓋が取り付けられている。当該蓋は、ランプの点灯及び消灯を示す信号を出力するスイッチとして機能する。当該蓋は、開状態になった際にランプの点灯を示す信号を制御部101へ出力する。当該蓋は、閉止状態になった際にランプの消灯を示す信号を制御部101へ出力する。すなわち当該蓋は、開閉状況に応じてランプの点灯及び消灯を示す信号を出力する。上記のサンバイザーは、特許請求の範囲におけるランプ機器に含まれる。
他の第2枝線コネクタ71には、車外通信装置40以外の車載負荷4の一例として車内カメラ42が接続されている。車内カメラ42は、例えばドライバーモニターカメラである。車内カメラ42に関する車載ECU3は、例えば、車両Cのエンジンが起動した際に、車内カメラ42に撮像を開始させるための信号(撮像開始信号)を出力する。中継器2は、車内カメラ42に関する車載ECU3から出力された撮像開始信号を取得し、取得した撮像開始信号を車載中継装置1の制御部101へ中継(出力)する。制御部101は、幹線コネクタ6とCAN通信部111又はイーサネット通信部112とを介して、中継器2から出力された撮像開始信号を取得する。制御部101は、取得した撮像開始信号を他の第2枝線コネクタ71とCAN通信部111又はイーサネット通信部112とを介して、車内カメラ42へ中継(出力)する。車内カメラ42は、撮像を開始し、撮像した画像(動画又は静止画)に関するデータ(画像データ)を車載中継装置1の制御部101へ出力する。制御部101は、他の第2枝線コネクタ71とCAN通信部111又はイーサネット通信部112とを介して、車内カメラ42から出力された画像データを取得する。制御部101は、取得した画像データを、幹線コネクタ6とCAN通信部111又はイーサネット通信部112とを介して、中継器2へ中継(出力)する。中継器2は、車載中継装置1から出力された画像データを取得し、取得した画像データを車内カメラ42に関する車載ECU3へ中継(出力)する。
車載負荷4は、例えば、ワイヤーハーネス等の通信線及び電力線によって車載中継装置1(第1枝線コネクタ70又は第2枝線コネクタ71)と接続される。車載負荷4の少なくとも1つは、車載中継装置1と専用の通信線及び電力線(専用線)にて接続されていてもよい。専用線は、いわゆるジカ線であり、車載負荷4と車載中継装置1(第1枝線コネクタ又は第2枝線コネクタ)とを個別に接続する。例えば、マップランプ41は、専用線にて、車載中継装置1(第2枝線コネクタ71又は第2回路12)と接続されていてもよい。例えば、車内カメラ42は、専用線にて、車載中継装置1(第2枝線コネクタ71)と接続されていてもよい。
回路基板100の内部にはノイズ抑制部材13が設けられているので、第2回路12から第1回路11へのノイズの伝搬、及び第1回路11から第2回路12へのノイズの伝搬は抑制される。従って車載負荷4の駆動、例えば車外通信装置40の通信を安定して行うことができる。
幹線コネクタ6と中継器2及び電源装置5との接続、並びに、枝線コネクタ(第1枝線コネクタ70又は第2枝線コネクタ71)と車載負荷4との接続においては、1つのケーブル(配線)にて電力の供給と通信との両方を行うPoE(Power of Ethernet/Power over Ethernet)が用いられてもよい。
車載中継装置1は、ルーフRに設けられる複数の車載負荷4と、ルーフRに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。また、ルーフR以外に設けられる中継器2(他の車載中継装置)及び電源装置5と、車両CのピラーPに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。車載中継装置1は、ピラーPに設けられる給電線を介して電源装置5から供給され、ルーフRに設けられる電力線それぞれを介して車載負荷4に分配される電力の給断(供給及び遮断)を行う。車載中継装置1は、車載負荷4と中継器2との通信を中継する。車載負荷4と電源装置5及び中継器2とは、車載中継装置1を介して接続される。すなわち、車載負荷4と電源装置5とは、個別に接続されない。車載負荷4と中継器2とは、個別に接続されない。従って、車両CのピラーPに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
回路基板100は、上面(ルーフR側の面)に第1回路11を備え、下面(床F側の面)に第2回路を備える。すなわち、回路基板100の両面が使用されている。従って、車載中継装置1を小型化することができる。すなわち、車載中継装置1の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフRの面積を有効活用することができる。
車外通信装置40の多くはルーフRの上部に設けられる。回路基板100のルーフR側の面に第1枝線コネクタ70が設けられるので、車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線のルーフRにおける配置(配策)は容易である。車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線の長さを短くすることができる。
一般にルーフRには断熱材が設けられているので、車載中継装置1(第1回路11及び第2回路12)の発熱は、車両Cの外部へ放熱されにくい。第2回路12にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、第2回路12における発熱量は増加する。第2回路12は回路基板100における車両Cの床F側の面、すなわち車両Cの室内側の面に形成されているので、第2回路12における発熱を車両Cの室内へ効果的に放熱することができる。すなわち車載中継装置1(ハウジング10)内に熱がこもりにくい。
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態2にかかる構成のうち、実施形態1と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態2の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態2の車載中継装置1において、回路基板100は、ハウジング10内においてルーフR側(上側)に配置される第1基板140と、ハウジング10内において床F側(下側)に配置される第2基板150とを含む。第1基板140及び第2基板150は、例えば、一枚基板であってもよく、積層基板であってもよい。第1基板140と第2基板150とは、車両Cの上下方向に並んで配置され、対向している。
第1基板140は、例えば、ハウジング10のルーフR側の内面に取り付けられている。第1基板140の床F側の面(第1基板140の下面)には、第1回路11が形成されている。第1基板140の下面の辺部には、第1枝線コネクタ70が取り付けられている。第1枝線コネクタ70は、第1回路11と接続されている。図4において、第1枝線コネクタ70は、第1基板140の下面における後側の辺部に取り付けられている。第1枝線コネクタ70の一部分は、ハウジング10の後側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側へ露出している。すなわち第1枝線コネクタ70は、ハウジング10(車載中継装置1)の後側の側面に設けられている(取り付けられている)。第1枝線コネクタ70の一部分には、ルーフRに設けられ、車外通信装置40と接続される電力線及び通信線が接続される。
第2基板150は、例えば、ハウジング10の床F側の内面に取り付けられている。第2基板150のルーフR側の面(第2基板150の上面)には、第2回路12が形成されている。第2回路12は、通信線及び電力線を含む配線16により第1回路11と接続されている。すなわち第1基板140及び第2基板150は、配線16により接続されている。第2基板150の下面の辺部には、幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71が取り付けられている。幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、第2回路12とそれぞれ接続されている。図4において、幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、車両Cの左右方向(図4の紙面の表裏方向)に並んで配置され、第2基板150における前側の辺部に取り付けられている。幹線コネクタ6の一部分、及び第2枝線コネクタ71の一部分は、ハウジング10の前側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側にそれぞれ露出している。すなわち幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、ハウジング10(車載中継装置1)の前側の側面に設けられている(取り付けられている)。幹線コネクタ6の一部分には、車両CのピラーPに設けられ、中継器2及び電源装置5と接続されるそれぞれの電力線及び通信線が接続される。第2枝線コネクタ71の一部分には、ルーフRに設けられ、車外通信装置40以外の車載負荷4と接続される電力線及び通信線が接続される。
第1基板と第2基板とは上下方向に並んで配置されるので、車載中継装置1を小型化することができる。すなわち、車載中継装置1の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフRの面積を有効活用することができる。
第1基板140は、第2基板150と対向する面、すなわち第1基板140の床F側の面に、第1回路11及び第1枝線コネクタ70を備える。第2基板150は、第1基板140と対向する面、すなわち第2基板150のルーフR側の面に、第2回路12、幹線コネクタ6、及び第2枝線コネクタ71を備える。図4において、第1枝線コネクタ70は、ハウジング10の後側の側面に設けられている。幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、ハウジング10の前側の側面に設けられている。すなわち、第1枝線コネクタ70と幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71とは、ハウジング10の異なる側面にそれぞれ設けられており、車載中継装置1(ハウジング10)の厚さ方向において重なり合う。つまり、幹線コネクタ6と枝線コネクタ7とは、車載中継装置1の正面視において重なり合わない。この厚み方向における重なり合いにより、車載中継装置1の側面の幅を小さくすることができる。すなわち車載中継装置1の側面の高さを低くし、車載中継装置1の厚みを小さくすることができる。第1枝線コネクタ70と幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71とは厚さ方向において重なり合っていればよく、第1枝線コネクタ70と幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71との配置は上述の配置に限定されない。
車載中継装置1は、ハウジング10内にノイズ抑制部材17を備える。ノイズ抑制部材17は、第1基板140と第2基板150との間、すなわち第1回路11と第2回路12との間に設けられている。ノイズ抑制部材17は、例えば、磁性金属製のシート又は磁性金属を含む樹脂製のシート等の電磁シールド材である。ノイズ抑制部材17は、例えば、車両Cの上下方向と直交する方向へ延びる矩形状である。ノイズ抑制部材17は、第2回路12から第1回路11へのノイズの伝搬、及び第1回路11から第2回路12へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。ノイズの伝搬が抑制されるので、車載中継装置1に接続された車載負荷4の駆動を安定して行うことができる。ノイズ抑制部材17は、特許請求の範囲における第2ノイズ抑制部材に相当する。
車載中継装置1は、マップランプ41を備える。マップランプ41は、実施形態1と同様に、ハウジング10の床F側の外面に取り付けられている。マップランプ41のランプ410は、例えば第2回路12に実装(接続)されていてもよい。例えばランプ410はLEDランプであり、第2基板150の床F側の面に取り付けられ(実装され)、第2基板150に設けられた図示しないスルーホールを介して第2回路12と電気的に接続される。当該ランプ410は、ハウジング10の床F側に設けられた開口から、ハウジング10の外側(車両Cの室内)へ露出する。マップランプ41のスイッチ411は、例えばハウジング10を内外に貫通する孔を介して、第2回路12と電気的に接続される。スイッチ411は、第2基板150の床F側の面に取り付けられていてもよい。
車載中継装置1及びマップランプ41は一体に構成されているので、限られたルーフRの面積を有効活用することができる。車載中継装置1及びマップランプ41を接続する通信線及び電力線はルーフRに設けられないので、ルーフRに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
車載中継装置1は、実施形態1と同様に、ルーフRに設けられる複数の車載負荷4と、ルーフRに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。また、ルーフR以外に設けられる中継器2及び電源装置5と、車両CのピラーPに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。車載中継装置1は、ピラーPに設けられる給電線を介して電源装置5から供給され、ルーフRに設けられる電力線それぞれを介して車載負荷4に分配される電力の給断(供給及び遮断)を行う。車載中継装置1は、車載負荷4と中継器2との通信を中継する。車載負荷4と中継器2及び電源装置5とは、車載中継装置1を介して接続される。すなわち車載負荷4と中継器2及び電源装置5とは個別に接続されない。従って車両CのピラーPに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
第1基板140に第1枝線コネクタ70が設けられるので、車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線のルーフRにおける配置(配策)は容易である。車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線の長さを短くすることができる。
一般にルーフRには断熱材が設けられているので、車載中継装置1(第1回路11及び第2回路12)の発熱は、車両Cの外部へ放熱されにくい。第2回路12にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、第2回路12における発熱量は増加する。第2回路12は第2基板150、すなわち車両Cの室内側に形成されているので、第2回路12における発熱を車両Cの室内へ効果的に放熱することができる。すなわち車載中継装置1(ハウジング10)内に熱がこもりにくい。
(実施形態3)
図5は、実施形態3に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態3にかかる構成のうち、実施形態2と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態3の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態3に係る車載中継装置1は、実施形態2の車載中継装置1と同様に、ハウジング10内に設けられた第1基板140を備える。実施形態3の車載中継装置1において、第1基板140は、例えば、ハウジング10のルーフR側の内面との間に空間を形成して、ハウジング10内に設けられている。
第1基板140のルーフR側の面、すなわち第2基板150に対向する面の反対面には、車外通信装置40が実装されている。すなわち車載中継装置1は、車外通信装置40を内蔵している。詳しくは、第1基板140のルーフR側の面には、車外通信装置40の機能を実現するための車外通信回路43が形成されている。車外通信回路43は、車両C外の通信対象と通信するための通信回路(無線回路)を含み、当該通信回路を構成するためのトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、アンテナ、及びIC等の電子部品43aを含む。車外通信回路43は、第1基板140に設けられた図示しないスルーホールを介して、第1基板140の床F側の面に形成された第1回路11と電気的に接続されている。
車外通信回路43は、例えば、LTE、4G、又は5Gの通信に関する(対応した)アンテナと、変調回路及びデジタル処理回路等のLTE、4G、又は5Gの通信に関する無線回路とを含み、TCU(車外通信装置40)の機能を実現する。車外通信回路43(電子部品43a)は、例えば、ITSに関する通信のためのアンテナ、及びITSに関する通信のためのIC、並びに、ETCに関する通信のためのアンテナ、及びETCに関する通信のためのICを含んでもよい。車外通信回路43は、Wi-Fiの通信に関するアンテナ、及びWi-Fiの通信に関するIC、並びに、GPS信号を受信するためのアンテナ、及びGPS信号を受信するためのICを含んでもよい。車外通信回路43にて、各種信号のパッケージ化が行われてもよい。車載中継装置1は、車外通信回路43を介して車両C外の通信対象と通信を行うことができる。
車外通信回路43は、テレビに関するアンプ、及びラジオに関するアンプを含んでもよい。例えばテレビに関するアンテナ、及びラジオに関するアンテナの設置位置には制約がある。テレビに関するアンテナ、及びラジオに関するアンテナ等の設置位置に制約のあるアンテナは、例えばルーフRにおける車両Cの外側に取り付けられ、ルーフRに設けられた通信線によって車外通信回路43と接続されている。当該通信線は、例えばハウジング10を貫通する孔を介して車外通信回路43と接続されている。当該通信線は、第1枝線コネクタ70へ接続され、第1回路11と第1基板140に設けられたスルーホールとを介して車外通信回路43と接続されていてもよい。
車載中継装置1は車外通信装置40を内蔵しているので、ルーフRに設けられ、車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線の数の増加を抑制することができる。第1基板140のルーフR側の面に車外通信装置40が実装される(車外通信回路43が形成される)ので、車両C外の通信対象との通信は安定しやすい。また、ルーフRにおける車両Cの外側に設けられるアンテナ、例えばラジオに関するアンテナ及びテレビに関するアンテナと、車載中継装置1(車外通信回路43)との接続(通信)は容易である。
第1基板140は、ノイズ抑制部材141を備える。ノイズ抑制部材141は、第1基板140の内部、すなわちルーフR側の面と床F側の面との間に設けられている。ノイズ抑制部材141は、例えば、磁性金属製のシート又は磁性金属を含む樹脂製のシート等の電磁シールド材である。ノイズ抑制部材141は、例えば、車両Cの上下方向と直交する方向へ延びる矩形状である。ノイズ抑制部材141は、車外通信回路43からのノイズの伝搬、及び車外通信回路43へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。ノイズの伝搬が抑制されるので、実装された車外通信装置40(車外通信回路43)による通信を安定して行うことができる。ノイズ抑制部材141は、特許請求の範囲における第1ノイズ抑制部材に相当する。
第1枝線コネクタ70は、車載中継装置1に内蔵されていない車外通信装置40との接続に用いることができる。例えば、車載中継装置1にGPS受信機が内蔵(実装)されていない場合、車載中継装置1は、第1枝線コネクタ70を介してGPS受信機と接続される。GPS受信機のいわゆる外付けが行われる。例えば、車載中継装置1が対応していない通信規格の通信に関する車外通信装置40は、第1枝線コネクタ70を介して車載中継装置1と接続される。当該車外通信装置40の制御プログラムを記憶部102に記憶させることにより、車載中継装置1は、対応していない通信規格の通信を行うことができる。
(実施形態4)
図6は、実施形態4に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態4にかかる構成のうち、実施形態1と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態4の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態4の車載中継装置1において、回路基板100の床F側の面(下面)には、第1回路11及び第2回路12を含む電気回路18が形成されている。第1回路11及び第2回路12は電気的に接続されている。回路基板100は、下面に、幹線コネクタ6、第1枝線コネクタ70、及び第2枝線コネクタ71を備える。すなわち、回路基板100は、下面に、幹線コネクタ6、及び枝線コネクタを備える。
幹線コネクタ6と、枝線コネクタ(第1枝線コネクタ70及び第2枝線コネクタ71)とは、回路基板100の下面の辺部に取り付けられている。図6において第1枝線コネクタ70は、回路基板100の後側の辺部に取り付けられている。第1枝線コネクタ70の一部分は、ハウジング10の後側の側面に設けられた開口を介してハウジング10の外側に露出している。すなわち第1枝線コネクタ70は、ハウジング10の後側の側面に設けられている(取り付けられている)。第1枝線コネクタ70は、回路基板100の後側以外の辺部(ハウジング10の後側以外の側面)に取り付けられていてもよい。第1枝線コネクタ70は、第1回路11に接続してある。すなわち第1枝線コネクタ70は、電気回路18に接続してある。
幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、図6において、実施形態1と同様に、回路基板100の前側の辺部に取り付けられている。すなわち幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、ハウジング10の前側の側面に設けられている(取り付けられている)。幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、回路基板100の前側以外の辺部(ハウジング10の前側以外の側面)に取り付けられていてもよい。幹線コネクタ6及び第2枝線コネクタ71は、第2回路12に接続してある。すなわち幹線コネクタ6と、枝線コネクタ(第1枝線コネクタ70及び第2枝線コネクタ71)とは、電気回路18に接続してある。
回路基板100のルーフR側の面(上面)には、車外通信装置40が実装されている。すなわち車載中継装置1は、車外通信装置40を内蔵している。詳しくは、回路基板100のルーフR側の面には、車外通信装置40の機能を実現するための車外通信回路44が形成されている。車外通信回路44は、車両C外の通信対象と通信するための通信回路(無線回路)を含み、当該通信回路を構成するためのトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、アンテナ、及びIC等の電子部品44aを含む。車外通信回路44及び電子部品44aは、実施形態3の車外通信回路43及び電子部品43aと同様である。従って車外通信回路44及び電子部品44aの説明は省略する。車外通信回路44は、回路基板100に設けられたスルーホールを介して、回路基板100の床F側の面(下面)に形成された第1回路11(電気回路18)と電気的に接続されている。車載中継装置1は、車外通信回路44を介して車両C外の通信対象と通信を行うことができる。
回路基板100の内部、すなわち回路基板100におけるルーフR側の面と床F側の面との間には、ノイズ抑制部材19が設けられている。ノイズ抑制部材19は、車外通信回路44から電気回路18へのノイズの伝搬、及び電気回路18から車外通信回路44へのノイズの伝搬を抑制する。車外通信回路44へのノイズの伝搬が抑制されるので、実装された車外通信装置40(車外通信回路44)の通信を安定して行うことができる。
第1枝線コネクタ70は、実施の形態3と同様に、車載中継装置1に内蔵されていない車外通信装置40との接続に用いることができる。車載中継装置1は車外通信装置40を内蔵しているので、ルーフRに設けられ、車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。回路基板100の上面に車外通信装置40が実装される(車外通信回路44が形成される)ので、車両C外の通信対象との通信は安定しやすい。また、ルーフRにおける車両Cの外側に設けられるアンテナ、例えばラジオに関するアンテナ及びテレビに関するアンテナと、車載中継装置1(車外通信回路44)との接続(通信)は容易である。
(実施形態5)
図7は、実施形態5に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態5にかかる構成のうち、実施形態1と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態5の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態5の車載中継装置1において、回路基板100は、第1枝線コネクタ70及び第2枝線コネクタ71を含む枝線コネクタ7と、幹線コネクタ6とを含む。図7において、枝線コネクタ7は、回路基板100のルーフR側の面(上面)における後側の辺部に取り付けられている。枝線コネクタ7の一部分は、ハウジング10の後側の側面に設けられた開口を介してハウジング10の外側へ露出している。すなわち第1枝線コネクタ70は、ハウジング10(車載中継装置1)の後側の側面に設けられている。枝線コネクタ7の一部分には、ルーフRに設けられ、車載負荷4と接続される電力線及び通信線が接続される。枝線コネクタ7の配置は上述の配置に限定されない。枝線コネクタ7は、回路基板100の上面における後側以外の辺部に取り付けられていてもよい。例えば枝線コネクタ7は、回路基板100の床F側の面(下面)の辺部に取り付けられていてもよい。
図7において、幹線コネクタ6は、回路基板100の床F側の面(下面)における前側の辺部に取り付けられている。幹線コネクタ6の一部分は、ハウジング10の前側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側へ露出している。幹線コネクタ6の一部分には、ピラーPに設けられ、中継器2及び電源装置5と接続されるそれぞれの電力線及び通信線が接続される。幹線コネクタ6の配置は上述の配置に限定されない。幹線コネクタ6は、回路基板100の下面における前側以外の辺部に取り付けられていてもよい。幹線コネクタ6は、回路基板100の上面の辺部に取り付けられていてもよい。回路基板には、複数の車載機器(各車載負荷4、中継器2、及び電源装置)と接続された各電力線が集約されて接続される電源集約コネクタと、複数の車載機器と接続された各通信線が集約されて接続される通信集約コネクタとが取り付けられてもよい。
回路基板100の上面には、車載負荷4及び中継器2と通信するための通信回路80が形成されている。通信回路80は、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、及びIC等の電子部品80aを含む。通信回路80は、幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7とそれぞれ接続されている。
回路基板100の下面には、電源装置5から供給される電力を車載負荷4へ分配するための電源回路81が形成されている。電源回路81は、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、及びIC等の電子部品81aを含む。電源回路81は、幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7とそれぞれ接続されている。通信回路80と電源回路81とは、例えば回路基板100に設けられたスルーホールを介して接続されている。当該スルーホールを介して、電源回路81から電子部品80a(通信回路80)へ電力が供給される。通信回路80と電源回路81とはマップランプ41とそれぞれ接続されていてもよい。通信回路80(電子部品80a)及び電源回路81(電子部品81a)は、車載中継装置1の各機能ブロックを構成する。
図8は、通信回路80及び電源回路81を含む車載中継装置1の機能ブロックを平面的に示すブロック図である。車載中継装置1は、制御部101と、記憶部102とを備える。図8において制御部101及び記憶部102は、通信回路80に含まれている。すなわち制御部101及び記憶部102は、電子部品80aにより構成されている。制御部101及び記憶部102は、電源回路81に含まれていてもよい(電子部品81aにより構成されていてもよい)。
車載中継装置1は、AD変換部110、CAN通信部111、及びイーサネット通信部112を備える。AD変換部110、CAN通信部111、及びイーサネット通信部112は、通信回路80に含まれている。AD変換部110、CAN通信部111、及びイーサネット通信部112は、枝線コネクタ7及び幹線コネクタ6と接続されている。通信回路80には、前述のアナログ信号回路が含まれていてもよい。通信回路80には、前述のアナログ信号合波部が含まれていてもよい。制御部101は、通信回路80(AD変換部110、CAN通信部111、及びイーサネット通信部112)と幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7とを介して、中継器2及び車載負荷4(車外通信装置40)と通信を行う。すなわち制御部101は、通信回路80を介して中継器2と車載負荷4との通信の中継を制御する。
車載中継装置1は、電源回路81に含まれる電源分配部120を備える。電源分配部120は、前述のようにヒューズ及びリレーを含む。電源分配部120は、枝線コネクタ7(第1枝線コネクタ70及び第2枝線コネクタ71)、及び幹線コネクタ6と接続されている。ピラーPに設けられる電力線を介して電源装置5から供給される電力は、電源回路81(電源分配部120)と枝線コネクタ7とを介して車載負荷4へ分配される。当該電力は、電源回路81及び幹線コネクタ6を介して中継器2へ分配されてもよい。制御部101は、電源装置5から供給され、車載負荷4へ分配される電力の給断を前述のようにして制御する。電源回路81にて電源装置5から供給される電力が分配されるので、電源回路81には高圧の電流が流れる。電源回路81は、いわゆる強電の回路であり、他の回路へノイズを伝搬させやすい。なお、通信回路80はいわゆる弱電の回路である。
車載中継装置1は、ルーフRに設けられる複数の車載負荷4と、ルーフRに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。また、ルーフR以外に設けられる中継器2及び電源装置5と、ピラーPに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。すなわち、車載負荷4と中継器2及び電源装置5とは、車載中継装置1を介して接続され、個別に接続されない。従って、ピラーPに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
通信回路80と電源回路81とは上下方向に離隔されているので、通信回路80から電源回路81へのノイズの伝搬、及び電源回路81から通信回路80へのノイズの伝搬を抑制することができる。図7に示すように、回路基板100の内部(上面と下面との間)にはノイズ抑制部材13が設けられている。すなわちノイズ抑制部材13は、通信回路80と電源回路81との間に設けられている。ノイズ抑制部材13は、通信回路80から電源回路81へのノイズの伝搬、及び電源回路81から通信回路80へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。通信回路80へのノイズの伝搬が抑制されるので、中継器2と車載負荷4との通信の中継を安定して行うことができる。
回路基板100の両面(ルーフR側の面及び床F側の面)を用いることにより、車載中継装置1を小型化することができる。電源回路81にて電源装置5から供給される電力が分配されるので、電源回路81には多くの電流が流れる。また電源回路81にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、電源回路における発熱量は増加する。電源回路81は回路基板100における下面、すなわち車両Cの室内側の面に形成されている。従って、電源回路81における発熱を空調が施されている車両Cの室内へ効果的に放熱することができる。
(実施形態6)
図9は、実施形態6に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態6にかかる構成のうち、実施形態4と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態6の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態6の車載中継装置1において、回路基板100の床F側の面(下面)には、通信回路80及び電源回路81を含む電気回路18が形成されている。通信回路80及び電源回路81は実施の形態5の通信回路80及び電源回路81と同様なので、詳細な説明は省略する。回路基板100の床F側の面(下面)には、幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7が取り付けられている。幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7は、それぞれ通信回路80及び電源回路81と接続してある。すなわち幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7は、電気回路18と接続してある。電気回路18には図示しない配線によりマップランプ41が接続されていてもよい。
回路基板100の下面において通信回路80と電源回路81とを車両Cの前後方向に離隔して(離して)設けることにより、通信回路80から電源回路81へのノイズの伝搬、及び通信回路80から電源回路81へのノイズの伝搬を抑制することができる。図9において通信回路80は後方に設けられ、電源回路81は前方に設けられる。通信回路80と電源回路81とは、例えば車両Cの左右方向に離隔して設けられてもよい。
回路基板100のルーフR側の面(上面)には、車外通信装置40が実装されている。すなわち回路基板100の上面には、車外通信装置40の機能を実現するための車外通信回路44が形成されている。車外通信回路44は、例えば回路基板100に設けられたスルーホールを介して、通信回路80及び電源回路81と接続されている。車載中継装置1は、車外通信回路44を介して車両C外の通信対象と通信を行うことができる。車載中継装置1に車外通信装置40が実装(内蔵)されているので、車載中継装置1と車外通信装置40とを接続する通信線及び電力線の増加を抑制することができる。
回路基板100の上面と下面との間、すなわち実装された車外通信装置40(車外通信回路44)と通信回路80との間には、ノイズ抑制部材19が設けられている。ノイズ抑制部材19は、車外通信回路44へのノイズの伝搬、及び車外通信回路44からのノイズの伝搬を抑制する。車外通信回路44へのノイズの伝搬が抑制されるので、車外通信回路44による通信を安定して行うことができる。
(実施形態7)
図10は、実施形態7に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態7にかかる構成のうち、実施形態2と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態7の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態7の車載中継装置1において、第1基板140及び第2基板150は、実施形態2と同様に、上下方向に並んで配置され、対向している。第1基板140は、ルーフR側(上側)に配置され、第2基板150と対向する面(床F側の面)に枝線コネクタ7及び幹線コネクタ6の一方を備える。第2基板150は、床F側(下側)に配置され、第1基板140と対向する面(ルーフR側の面)に枝線コネクタ7及び幹線コネクタ6の他方を備える。
図10において、第1基板140の床F側の面における後側の辺部には、枝線コネクタ7が取り付けられている。枝線コネクタ7の一部分は、ハウジング10の後側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側へ露出している。すなわち枝線コネクタ7は、ハウジング10の後側の側面に設けられている。第2基板150のルーフR側の面における前側の辺部には、幹線コネクタ6が取り付けられている。幹線コネクタ6の一部分は、ハウジング10の前側の側面に設けられた開口を介して、ハウジング10の外側へ露出している。すなわち幹線コネクタ6はハウジング10の前側の側面に設けられている。
幹線コネクタ6と枝線コネクタ7とは、ハウジング10の異なる側面にそれぞれ設けられており、車載中継装置1(ハウジング10)の厚さ方向において重なり合う。すなわち、幹線コネクタ6と枝線コネクタ7とは、車載中継装置1の正面視において重なり合わない。この厚み方向における重なり合いにより、車載中継装置1の側面の幅を小さくすることができる。すなわち車載中継装置1の側面の高さを低くし、車載中継装置1の厚みを小さくすることができる。幹線コネクタ6と枝線コネクタ7とが厚さ方向において重なり合っていればよく、枝線コネクタ7及び幹線コネクタ6の配置は上述の配置に限定されない。
第1基板140の床F側の面には、通信回路80が形成されている。第2基板150のルーフR側の面には、電源回路81が形成されている。通信回路80及び電源回路81は実施の形態5の通信回路80及び電源回路81と同様なので、詳細な説明は省略する。幹線コネクタ6及び枝線コネクタ7は、通信回路80及び電源回路81とそれぞれ接続されている。通信回路80及び電源回路81は、電力線を含む配線16により電気的に接続されている。電源回路81から配線16を介して電子部品80a、すなわち通信回路80へ電力が供給される。当該電力により電子部品80a、例えば通信回路80のICが駆動する。通信回路80及び電源回路81には図示しない配線によりマップランプ41が接続されていてもよい。
車載中継装置1は、ルーフRに設けられる複数の車載負荷4と、ルーフRに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。また、ルーフR以外に設けられる中継器2及び電源装置5と、ピラーPに設けられる電力線及び通信線を介して接続される。車載中継装置1は、電源装置5から供給され、車載負荷4に分配される電力の給断を行う。車載中継装置1は、車載負荷4と中継器2との通信を中継する。車載負荷4と中継器2及び電源装置5とは、車載中継装置1を介して接続され、個別に接続されない。従ってピラーPに設けられる通信線及び電力線の数が増加することを抑制することができる。
ルーフRにおいては、車載中継装置1及び車載負荷4を設置可能な面積が限られている。第1基板140及び第2基板150は上下方向に並んで配置されるので、車載中継装置1を小型化することができる。すなわち、車載中継装置1の取り付けに要する面積が小さくなり、限られたルーフRの面積を有効活用することができる。
第1基板140及び第2基板150は上下方向に並んで配置されるので、通信回路80と電源回路81とは上下方向に離隔される。従って通信回路80から電源回路81へのノイズの伝搬、及び電源回路81から通信回路80へのノイズの伝搬を抑制することができる。第1基板140と第2基板150との間、すなわち通信回路80と電源回路81との間には、ノイズ抑制部材17が設けられている。ノイズ抑制部材17は、電源回路81から通信回路80へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。通信回路80へのノイズの伝搬が抑制されるので、中継器2と車載負荷4との通信の中継を安定して行うことができる。
電源回路81にて電源装置5から供給される電力が分配されるので、電源回路81には多くの電流が流れる。また電源回路81にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、電源回路81における発熱量は増加する。電源回路81は第2基板150に形成されているので、電源回路81における発熱を空調が施されている車両Cの室内へ効果的に放熱することができる。
(実施形態8)
図11は、実施形態8に係る車載中継装置1の構成を示す模式断面図である。実施形態8にかかる構成のうち、実施形態7と同様な構成部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態8の車載中継装置1は、車両CのルーフRに取り付けられている。
実施形態8の車載中継装置1において、回路基板100は、ルーフR側から床F側に向かって設けられた複数の基板を含む。当該複数の基板には、第1基板140及び第2基板150が含まれる。
第1基板140は、ハウジング10のルーフR側の内面との間に空間を形成してハウジング10内に設けられている。第1基板140のルーフR側の面(上面)、すなわち第2基板150に対向する面の反対面には、車外通信装置40が実装されている。すなわち第1基板140のルーフR側の面には、車外通信装置40の機能を実現するための車外通信回路43が形成されている。車外通信回路43は実施形態3の車外通信回路43と同様であるので、詳細な説明は省略する。
第1基板140の床F側の面(下面)には通信回路80が形成されている。通信回路80と車外通信回路43とは、例えば回路基板100に設けられたスルーホールを介して接続されている。第2基板150のルーフR側の面(上面)には電源回路81が形成されている。電源回路81と車外通信回路43とは、例えば図示しない配線を介して接続されている。車外通信装置40が実装される面(車外通信回路43が形成される面)、電源回路81が形成される面、電源回路81が形成される面の3つの面が、上下方向に並んで配置されている。すなわち3つの面はルーフR側から床F側に向かって、車外通信装置40が実装される面、通信回路80が形成される面、電源回路81が形成される面の順に積層構造を形成している。従って車外通信回路43、通信回路80、及び電源回路81の3つの回路それぞれからのノイズの伝搬及び当該3つの回路それぞれへのノイズの伝搬を抑制することができる。すなわち3つの回路における相互のノイズの伝搬を抑制することができる。
車外通信回路43、通信回路80、及び電源回路81の配置は上述の配置に限定されない。車外通信回路43は、第1基板140の下面に形成されていてもよい。この場合、例えば第2基板150の上面に通信回路80が形成され、第2基板150の下面に電源回路81が形成されている。例えば車載中継装置1は、車外通信回路43が形成された第1基板140と、電源回路81が形成された第2基板150と、第1基板140及び第2基板150の間に設けられ、通信回路80が形成された第3基板とを備えていてもよい。
第1基板140の内部、すなわち車外通信回路43(実装された車外通信装置40)と通信回路80との間には、ノイズ抑制部材141が設けられている。ノイズ抑制部材141は、車外通信回路43へのノイズの伝搬、及び車外通信回路43からのノイズの伝搬を効果的に抑制する。車外通信回路43へのノイズの伝搬が抑制されるので、車外通信回路43による通信を安定して行うことができる。ノイズ抑制部材141は、第1ノイズ抑制部材に相当する。
第1基板140と第2基板150との間、すなわち通信回路80と電源回路81との間には、ノイズ抑制部材17が設けられている。ノイズ抑制部材17は、通信回路80から電源回路81へのノイズの伝搬、及び電源回路81から通信回路80へのノイズの伝搬を効果的に抑制する。通信回路80へのノイズの伝搬が抑制されるので、中継器2と車載負荷4との通信の中継をより安定して行うことができる。ノイズ抑制部材17は、第2ノイズ抑制部材に相当する。
車外通信装置40が実装される面はルーフR側に配置されるので、当該車外通信装置40の通信は安定しやすい。電源回路81にて電源装置5から供給される電力が分配されるので、電源回路81には多くの電流が流れる。また電源回路81にはリレー及びヒューズ等が含まれているので、電源回路における発熱量は増加する。電源回路が形成される面は床側に配置されているので、電源回路における発熱を空調が施されている車両室内へ効果的に放熱することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。