JP7346475B2 - 三次元積層造形装置および三次元積層造形方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る三次元積層造形装置の構成を概略的に示す側面図である。以降の説明では、三次元積層造形装置の各部の形状や位置関係などを明確にするために、図1の左右方向をX方向、図1の奥行き方向をY方向、図1の上下方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する方向である。また、X方向およびY方向は水平方向に平行な方向であり、Z方向は鉛直方向に平行な方向である。
図2において、制御部50は、たとえば図示しないCPU(中央演算処理装置)50a、ROM(Read Only Memory)50bおよびRAM(Random Access Memory)50cを備え、CPU50aが、ROM50bに書き込まれたプログラムをRAM50cに読み出して所定の制御処理を実行することにより、三次元積層造形装置10の動作を統括的に制御する。制御部50には、上述したビーム照射装置14、粉末塗布装置16、プレート移動装置26およびカメラ42の他に、マスクカバー昇降装置52、シャッター駆動装置54および画像処理部56が接続されている。
図3は、本発明の第1実施形態に係る三次元積層造形装置の処理動作の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理動作は、制御部50の制御下で行われる。
まず、ビーム照射装置14は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22を加熱する(ステップS1)。
ステップS1において、ビーム照射装置14は、マスクカバー30の開口部30aを通して造形プレート22に電子ビーム15を照射するとともに、造形プレート22上で電子ビーム15を走査する。これにより、造形プレート22は、金属粉末32が仮焼結する程度の温度に加熱される。
次に、プレート移動装置26は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22を所定量だけ下降させる(ステップS2)。
ステップS2において、プレート移動装置26は、造形テーブル18上に敷き詰められた金属粉末32の上面よりも造形プレート22の上面が僅かに下がった状態となるように、インナーベース24を所定量だけ下降させる。このとき、造形プレート22は、インナーベース24と共に所定量だけ下降する。ここで記載する所定量(以下、「ΔZ」とも記す)は、造形物38を積層によって造形するときの一層分の厚さに相当する。
次に、マスクカバー昇降装置52は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、マスクカバー30を上昇させる(ステップS3)。
ステップS3において、マスクカバー昇降装置52は、次のステップS4でスキージ16cがマスクカバー30に接触しないよう、スキージ16cよりも高い位置までマスクカバー30を上昇させる。
次に、粉末塗布装置16は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22上に金属粉末32を塗布して粉末層32aを形成する(ステップS4)。
ステップS4において、粉末塗布装置16は、ホッパー16aから粉末投下器16bに供給された金属粉末32を、粉末投下器16bによって造形テーブル18上に投下した後、スキージ16cをX方向に移動させることにより、造形プレート22上に金属粉末32を敷き詰める。このとき、金属粉末32は、ΔZ相当の厚さで造形プレート22上に敷き詰められる。これにより、造形プレート22上に粉末層32aが形成される。また、余分な金属粉末32は、回収ボックス21に回収される。
次に、マスクカバー昇降装置52は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、マスクカバー30を下降させる(ステップS5)。
ステップS5において、マスクカバー昇降装置52は、金属粉末32の造形面32bに接触するようにマスクカバー30を降ろす。これにより、造形プレート22上の金属粉末32は、マスクカバー30の開口部30aを通して外部に露出した状態となる。また、造形プレート22の周囲に存在する金属粉末32は、マスクカバー30のマスク部30bによって覆われた状態になる。
次に、ビーム照射装置14は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22上の粉末層32aを予備加熱する(ステップS6)。この予備加熱工程S6においては、金属粉末32を仮焼結させるために粉末層32aを予備加熱する。金属粉末32を仮焼結させると、金属粉末32に導電性を持たせることができる。このため、予備加熱工程の後に行われる本焼結工程での粉末飛散を抑制することができる。本焼結工程の前に行われる予備加熱は、パウダーヒートとも呼ばれる。
ステップS6において、ビーム照射装置14は、造形プレート22上の金属粉末32に電子ビーム15を照射する。このとき、金属粉末32の上にマスクカバー30を被せて電子ビーム15を照射することにより、予備加熱工程S6における粉末飛散の発生が、マスクカバー30の電気的なシールド効果によって抑制される。また、ビーム照射装置14は、造形物38を形成するための領域(以下、「造形領域」ともいう。)よりも広範囲に電子ビーム15を走査する。これにより、造形領域に存在する金属粉末32と、造形領域の周囲に存在する金属粉末32とが、共に仮焼結される。
なお、図1において、符号E1は、未焼結の金属粉末32が存在する未焼結領域を示し、符号E2は、仮焼結された金属粉末32が存在する仮焼結領域を示している。
次に、ビーム照射装置14は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、金属粉末32を溶融および凝固によって本焼結させる(ステップS7)。
ステップS7においては、上述のように仮焼結させた金属粉末32を電子ビーム15の照射によって溶融および凝固させることにより、仮焼結体としての金属粉末32を本焼結させる。ステップS7において、ビーム照射装置14は、目的とする造形物38の三次元CADデータを一定の厚み(ΔZに相当する厚み)にスライスした二次元データに基づいて造形領域を特定し、この造形領域を対象に電子ビーム15を走査することにより、造形プレート22上の金属粉末32を選択的に溶融する。電子ビーム15の照射によって溶融した金属粉末32は、電子ビーム15が通過した後に凝固する。これにより、1層目の造形物が形成される。
次に、プレート移動装置26は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22を所定量(ΔZ)だけ下降させる(ステップS8)。
ステップS8において、プレート移動装置26は、造形プレート22およびインナーベース24をΔZだけ下降させる。
続いて、ビーム照射装置14は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22上の粉末層32aを予備加熱する(ステップS9)。この第1予備加熱工程S9においては、次の層の金属粉末32を敷き詰めるための準備として、その前の層で本焼結工程を終えた粉末層32aを予備加熱する。本焼結工程の後に行われる予備加熱は、アフターヒートとも呼ばれる。
ステップS9において、ビーム照射装置14は、マスクカバー30の開口部30aを通して粉末層32aに電子ビーム15を照射するとともに、粉末層32a上で電子ビーム15を走査する。これにより、開口部30aに露出している粉末層32aは、金属粉末32が仮焼結する程度の温度に加熱される。
次に、マスクカバー昇降装置52は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、マスクカバー30を上昇させる(ステップS10)。
ステップS10において、マスクカバー昇降装置52は、次のステップS11でスキージ16cがマスクカバー30に接触しないよう、スキージ16cよりも高い位置までマスクカバー30を上昇させる。
次に、粉末塗布装置16は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、造形プレート22上に金属粉末32を塗布して粉末層32aを形成する(ステップS11)。
ステップS11において、粉末塗布装置16は、上記ステップS4と同様に動作する。これにより、造形プレート22上では、1層目の金属粉末32によって形成された焼結体の上に、2層目の金属粉末32が敷き詰められる。
次に、マスクカバー昇降装置52は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、マスクカバー30を下降させる(ステップS12)。
ステップS12において、マスクカバー昇降装置52は、上記ステップS5と同様に動作する。
次に、ビーム照射装置14は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、2層目の粉末層32aを形成している金属粉末32を予備加熱する(ステップS13)。この第2予備加熱工程S13においては、この後に行われる本焼結工程での粉末飛散を抑制するために粉末層32aを予備加熱する。
ステップS13において、ビーム照射装置14は、上記ステップS6と同様に動作する。これにより、2層目の粉末層32aを形成している金属粉末32が仮焼結される。
次に、ビーム照射装置14は、制御部50から与えられる制御指令に基づいて動作することにより、2層目の粉末層32aを形成している金属粉末32を溶融および凝固によって本焼結させる(ステップS14)。
ステップS14において、ビーム照射装置14は、上記ステップS7と同様に動作する。これにより、2層目の造形物が形成される。
画像の実測輝度70は、カメラ42によって造形面32bを撮影して得られる画像が、図6A~Cに示すような画像74であるとすると、この画像74を構成する複数の画素のうち、任意の画素74aにおける輝度の変化を示している。画像の実測輝度70は、時間軸上で3つの期間に大別される。具体的には、実測輝度70は、図6Aに示すようにスキージ16cが画素74aを通過する前に得られる実測輝度70aと、図6Bに示すようにスキージ16cが画素74aを通過中に得られる実測輝度70bと、図6Cに示すようにスキージ16cが画素74aを通過した後に得られる実測輝度70cとに大別される。
以上の方法により、スキージ16cが通過した直後の予測輝度を決定することができる。
次に、判断部58は、上述した予測輝度Lv1と実測輝度Lv2との差をΔAとして算出する。すなわち、判断部58は、ΔA=Lv1-Lv2の計算式により、輝度差ΔAを求める。輝度差ΔAの値は、スキージ16cの通過によって造形面32bに金属粉末32が正常に塗布された場合は大きな値となり、正常に塗布されなかった場合は小さな値になる。金属粉末32が正常に塗布された場合とは、造形面32bの上に新たな金属粉末32がΔZ相当の厚みで塗布された場合をいう。これに対し、金属粉末32が正常に塗布されなかった場合とは、造形面32bの上に新たな金属粉末32がまったく塗布されていないか、塗布されていても塗布厚がΔZに比べて不足している場合をいう。
粉末塗布工程で塗布不良が発生したことに伴って粉末層32aの厚さが部分的または全体的にΔZよりも薄くなった場合に、そのまま何も対策をとらずに通常どおり造形作業を継続すると、次の層について粉末塗布工程を行ったときに、粉末層32aの厚さが部分的または全体的にΔZよりも厚くなることがある。そうした場合、第1予備加熱工程(アフターヒート工程)で前層の粉末層32aに蓄えた熱量が、次の層を形成する粉末層32a全体に行き渡らず、仮焼結が十分に促進されないおそれがある。その結果、第2予備加熱工程(パウダーヒート工程)では、金属粉末32の粉末粒子が高い電気抵抗をもったまま電子ビーム15が金属粉末32に照射されるため、粉末の電荷の中和が促進されず、電荷同士の反発によって粉末が飛散する現象、すなわちスモークが発生する可能性が高くなる。スモークが発生すると、真空チャンバー12内に飛び散った粉末粒子が広範囲に散乱し、真空チャンバー12の内部を汚染したり、真空チャンバー12内に配置された部品を破損したりするおそれがある。
これに対し、本発明の第1実施形態においては、仮に塗布不良の発生によって粉末層32aの厚さが部分的または全体的に薄くなった場合でも、第1予備加熱工程および粉末塗布工程のやり直しにより、粉末層32aの厚さが全体的に均一(ΔZ)になるように金属粉末32を敷き詰めることができる。このため、仮焼結を十分に促進し、第2予備加熱工程におけるスモークの発生を抑制することができる。したがって、真空チャンバー12内の汚染または破損を抑制することができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係る粉末塗布工程の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、本発明の第2実施形態においては、上述した第1実施形態(図4参照)の処理手順と比較して、ステップS101からステップS109までの処理の流れは同じであるが、ステップS109でYESと判断した後の処理の流れが異なる。
ステップS110において、制御部50は、ステップS109で塗布不良が発生したと判断部58が2回以上連続で判断したか否かを確認する。そして、制御部50は、ステップS110でYESと判断した場合は、上記図3のステップS9に移行する。この場合、制御部50は、今回の層の造形について第1予備加熱工程S9および粉末塗布工程S11をやり直す。
(a)本焼結工程S14で粉末層32aに照射する電子ビーム15のビーム電流を通常条件よりも大きくする。
(b)本焼結工程S14で粉末層32aに照射する電子ビーム15の走査速度を通常条件よりも低下させる。
(c)上記の(a)および(b)を同時に実施する。
これにより、上述した第1実施形態に比べて、造形スループットの向上を図ることができる。その理由は下記の通りである。
図9は、本発明の第3実施形態に係る粉末塗布工程の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、制御部50の制御下で行われるとともに、図3のステップS11、および/または、ステップS4に適用される。
まず、判断部58は、画像処理部56が取り込んだ画像を二値化する(ステップS206)。画像の二値化は、金属粉末32の塗布不良が発生したか否かを判断部58が判断するための前処理として行われる。以下、詳しく説明する。
まず、スキージ16cが金属粉末32を敷き詰めながら造形面32bを通過すると、金属粉末32が正常に塗布された部分は、下地となる下層(前層)の造形面32bが新たに塗布された金属粉末32に覆われるため、造形面32bの画像の輝度が低下する。ただし、その後の時間経過により、造形面32bの画像の輝度は徐々に上昇する。なぜなら、新たに塗布された金属粉末32が下地の造形面32bから伝えられる熱によって昇温し、造形面32bの画像が次第に明るくなるからである。造形面32bの画像が時間の経過により一定以上に明るくなると、金属粉末32が正常に塗布された場合と正常に塗布されなかった場合で、輝度分布に明瞭な差が現れなくなる。一方、スキージ16cが造形面32bを通過した直後のカメラ画像には、金属粉末32が正常に塗布された場合と正常に塗布されなかった場合で、輝度分布に明瞭な差が現れる。このため、塗布不良の有無を的確に判断するには、スキージ16cが造形面32bを通過した直後のカメラ画像を用いる必要がある。スキージ16cが造形面32bを通過した直後とは、金属粉末32の塗布不良が発生した場合と発生しなかった場合とを判別できる程度に、画像の輝度分布に差が生じている時間の範囲をいう。
まず、粉末投下器16bにより投下した金属粉末32をスキージ16cの移動によって敷き詰める場合に、その前に行われる予備加熱工程の設定温度や、使用する金属粉末32の種類によっては、粉末敷き詰め後の比較的早い段階で金属粉末32が加熱され、赤熱し始めることがある。このため、たとえばスキージ16cを図1の左から右に向かって移動させた場合は、スキージ16cの移動始点に近い左側から先に金属粉末32が赤熱し始める。したがって、カメラ42の撮影画像を二値化して得られる白黒画像には、図10Aに示すように、スキージ16cの移動方向上流側(図10Aの左側)に、金属粉末32の赤熱にともなって輝度の高い部分、すなわち白領域80が広く現れる可能性がある。この白領域80は塗布不良が発生していない場合でも現れるため、実際に塗布不良の発生有無を判断する場合は、二値化後の白黒画像から白領域80の部分を差し引くことが好ましい。
金属粉末32の塗布不良は、主にスキージ16cの移動方向下流側で発生する。このため、判断部58は、カメラ42によって撮影された画像を二値化して得られる白黒画像において、スキージ移動方向下流側の画像に現れる白領域がスキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域よりも広い場合に、金属粉末32の塗布不良が発生したと判断してもよい。具体的には、図12に示すように、スキージ移動方向であるX方向において、二値化後の白黒画像84を、X方向の中心位置を境に、スキージ移動方向上流側の画像84aと、スキージ移動方向下流側の画像84bとに分ける。そして、判断部58は、スキージ移動方向下流側の画像84bに現れる白領域86がスキージ移動方向上流側の画像84bに現れる白領域(図示せず)よりも広い場合に、金属粉末32の塗布不良が発生したと判断する。参考までに、図13Aは、塗布不良が発生しなかった場合のカメラ画像を二値化して得られた白黒画像であり、図13Bおよび図13Cは、いずれも、塗布不良が発生した場合のカメラ画像を二値化して得られた白黒画像である。図13Aから分かるように、塗布不良が発生しなかった場合でも、スキージ移動方向の上流側に位置する画像部分には白領域88が広く現れている。これは、上述したように粉末敷き詰め後の比較的早い段階で金属粉末32が赤熱し始めるためである。よって、この場合も、スキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域88の部分を差し引く、あるいは無視して、スキージ移動方向下流側の画像に現れる白領域とスキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域の広さを比較し、この比較結果に基づいて塗布不良の発生有無を判断するとよい。また、画像84aと画像84bとに分ける位置は、X方向の中心位置に限らず、X方向の中心位置よりも少し上流側または下流側に偏った位置であってもよい。
14…ビーム照射装置
15…電子ビーム(ビーム)
16…粉末塗布装置
22…造形プレート
26…プレート移動装置
32…金属粉末(粉末材料)
32a…粉末層
32b…造形面
38…造形物
42…カメラ
50…制御部
58…判断部
Claims (17)
- 造形プレートと、
前記造形プレートを上下方向に移動させるプレート移動装置と、
前記造形プレート上に粉末材料を塗布して粉末層を形成する装置であって、前記造形プレート上を移動して前記粉末材料を敷き詰めるスキージを有する粉末塗布装置と、
前記造形プレートまたは前記粉末層にビームを照射するビーム照射装置と、
前記粉末塗布装置および前記ビーム照射装置を制御することにより、粉末塗布工程、パウダーヒート工程、本焼結工程およびアフターヒート工程を経て1層分の造形物を形成するとともに、前記プレート移動装置を制御して前記1層分の造形物を積層して三次元の造形物を造形する制御部と、
前記粉末層の造形面を撮影するカメラと、
前記スキージが前記造形面を通過中または通過直後に前記カメラによって撮影された画像を用いて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記判断部は、前記スキージが前記造形面を通過中に前記カメラによって撮影された画像を用いて、前記スキージが通過する前の画像の特徴量の経時変化から予測される、前記スキージが通過した直後の予測特徴量と、前記スキージが通過した直後の画像の特徴量との差を求めるとともに、求めた差に基づいて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断する
三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、前記スキージが通過する前の画像の特徴量の経時変化を基に、該特徴量の経時変化を示す近似式を求め、前記近似式に従って前記予測特徴量を決定する
請求項1に記載の三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、前記スキージが通過した直後の予測特徴量と、前記スキージが通過した直後の画像の特徴量との差が第1閾値以下である画素の総数または総面積を算出し、前記画素の総数または総面積が第2閾値を超える場合に、前記粉末材料の塗布不良が発生したと判断する
請求項1または2に記載の三次元積層造形装置。 - 前記画像の特徴量は、画像の輝度および彩度のうち少なくとも一方である
請求項1に記載の三次元積層造形装置。 - 前記制御部は、前記塗布不良が発生したと前記判断部が判断した場合に、前記粉末塗布工程の後、前記アフターヒート工程、前記粉末塗布工程、前記パウダーヒート工程、前記本焼結工程、前記アフターヒート工程の順に造形を行って今回の1層分の造形を行う
請求項1に記載の三次元積層造形装置。 - 前記制御部は、前記アフターヒート工程後の前記粉末塗布工程において、前記粉末塗布装置による粉末材料の塗布量を、前記塗布不良が発生する前の塗布量よりも増やすように、前記粉末塗布装置を制御する
請求項5に記載の三次元積層造形装置。 - 前記制御部は、前記粉末材料の塗布不良が発生したと前記判断部が判断した場合に、今回の層の前記アフターヒート工程に適用される条件と次の層の造形に適用される条件を、前記粉末材料の塗布不良が発生しなかった場合に適用される条件とは異なる内容で予約したうえで、今回の層の造形について前記パウダーヒート工程および前記本焼結工程を行った後に前記アフターヒート工程を前記予約した条件に従って行い、次の層の造形については前記予約した条件に従って造形を行う
請求項1に記載の三次元積層造形装置。 - 前記制御部は、前記塗布不良が発生したと前記判断部が2回以上連続で判断した場合に、前記粉末塗布工程の後、前記アフターヒート工程、前記粉末塗布工程、前記パウダーヒート工程、前記本焼結工程、前記アフターヒート工程の順に造形を行って今回の1層分の造形を行う
請求項7に記載の三次元積層造形装置。 - 前記今回の層の前記アフターヒート工程に適用される条件の予約は、前記アフターヒート工程の実行時間を延長する予約、および、前記アフターヒート工程の加熱目標温度を高くする予約のうち、少なくとも1つであり、
前記次の層の造形に適用される条件の予約は、前記粉末塗布工程における前記粉末材料の塗布量を増やす予約、および、前記本焼結工程で前記粉末層に加えられるエネルギーを増強する予約のうち、少なくとも1つである
請求項7に記載の三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、前記スキージが前記造形面を通過直後に前記カメラによって撮影された画像の輝度分布または彩度分布に基づいて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断する
請求項1に記載の三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、前記カメラによって撮影された画像を二値化し、前記二値化によって得られる白黒画像に占める白領域の割合が所定値を超える場合に、前記粉末材料の塗布不良が発生したと判断する
請求項10に記載の三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、スキージ移動方向下流側における画像の白領域の割合が所定値を超える場合に、前記粉末材料の塗布不良が発生したと判断する
請求項10に記載の三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、前記スキージが前記造形面を通過直後に前記カメラによって撮影された画像で、且つ、前記粉末材料の塗布不良が発生しなかった場合の画像を予め基準画像として取得しておき、前記基準画像を二値化した場合にスキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域の部分を差し引いた状態で、前記白領域の割合と前記所定値とを比較する
請求項11または12に記載の三次元積層造形装置。 - 造形プレートと、
前記造形プレートを上下方向に移動させるプレート移動装置と、
前記造形プレート上に粉末材料を塗布して粉末層を形成する装置であって、前記造形プレート上を移動して前記粉末材料を敷き詰めるスキージを有する粉末塗布装置と、
前記造形プレートまたは前記粉末層にビームを照射するビーム照射装置と、
前記粉末塗布装置および前記ビーム照射装置を制御することにより、粉末塗布工程、パウダーヒート工程、本焼結工程およびアフターヒート工程を経て1層分の造形物を形成するとともに、前記プレート移動装置を制御して前記1層分の造形物を積層して三次元の造形物を造形する制御部と、
前記粉末層の造形面を撮影するカメラと、
前記スキージが前記造形面を通過中または通過直後に前記カメラによって撮影された画像を用いて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記判断部は、前記カメラによって撮影された画像を二値化し、スキージ移動方向下流側の画像に現れる白領域がスキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域よりも広い場合に、前記粉末材料の塗布不良が発生したと判断する
三次元積層造形装置。 - 前記判断部は、前記スキージが前記造形面を通過直後に前記カメラによって撮影された画像で、且つ、前記粉末材料の塗布不良が発生しなかった場合の画像を予め基準画像として取得しておき、前記基準画像を二値化した場合にスキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域の面積分を差し引いた状態で、前記スキージ移動方向下流側の画像に現れる白領域と前記スキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域の広さを比較する
請求項14に記載の三次元積層造形装置。 - 造形プレート上でスキージを水平方向に移動させることにより、前記造形プレート上に粉末材料を塗布して粉末層を形成する粉末塗布工程と、
前記粉末塗布工程の後に、前記造形プレート上の粉末層を予備加熱するパウダーヒート工程と、
前記パウダーヒート工程の後に、前記粉末層を形成している前記粉末材料を本焼結させる本焼結工程と、
前記本焼結工程の後に、前記造形プレート上の粉末層を予備加熱するアフターヒート工程と、
を含む三次元積層造形方法であって、
前記粉末塗布工程では、前記スキージが前記粉末層の造形面を通過中または通過直後にカメラによって撮影された前記造形面の画像を用いて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断するとともに、前記スキージが前記造形面を通過中に前記カメラによって撮影された画像を用いて、前記スキージが通過する前の画像の特徴量の経時変化から予測される、前記スキージが通過した直後の予測特徴量と、前記スキージが通過した直後の画像の特徴量との差を求めるとともに、求めた差に基づいて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断する
三次元積層造形方法。 - 造形プレート上でスキージを水平方向に移動させることにより、前記造形プレート上に粉末材料を塗布して粉末層を形成する粉末塗布工程と、
前記粉末塗布工程の後に、前記造形プレート上の粉末層を予備加熱するパウダーヒート工程と、
前記パウダーヒート工程の後に、前記粉末層を形成している前記粉末材料を本焼結させる本焼結工程と、
前記本焼結工程の後に、前記造形プレート上の粉末層を予備加熱するアフターヒート工程と、
を含む三次元積層造形方法であって、
前記粉末塗布工程では、前記スキージが前記粉末層の造形面を通過中または通過直後にカメラによって撮影された前記造形面の画像を用いて、前記粉末材料の塗布不良が発生したか否かを判断するとともに、前記カメラによって撮影された画像を二値化し、スキージ移動方向下流側の画像に現れる白領域がスキージ移動方向上流側の画像に現れる白領域よりも広い場合に、前記粉末材料の塗布不良が発生したと判断する
三次元積層造形方法。
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