JP7345302B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ給湯機等の貯湯式給湯装置に関するものである。
従来、電力会社から需要家に対し、需要家機器である貯湯式給湯装置の消費電力量の調整に関するデマンドレスポンス実施要求(以下、DR実施要求という)を送信し、需要家に対して電力消費の調整を促す手法がある。この種のDRに関する技術として、例えば、DR実施要求に基づいて貯湯式給湯装置の翌日の運用計画を立案し、DR当日は運用計画に従って貯湯式給湯装置を制御して電力調整を行うようにしたシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-206499号公報
特許文献1において、運用計画を作成する際に用いられているDR実施要求の内容は、あくまでも予測である。このため、DR当日において天気が予想と外れた場合等は、予測と異なるDR実施要求が電力会社から出される場合がある。この場合、貯湯給湯装置が運転計画通りに運転を行うと、DR実施要求を満たす運転を行えないという問題があった。
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、電力会社からの実際のDR実施要求に応えることが可能な貯湯式給湯装置を提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式給湯装置は、湯水を貯湯するタンクと、水を加熱してタンクに湯を貯湯する沸き上げ動作を行う沸き上げ装置と、沸き上げ動作を開始してからタンクに蓄熱される積算蓄熱量が目標蓄熱量に達するように沸き上げ装置を制御する制御装置とを備え、制御装置は、電力会社から送信される消費電力量の調整に関するDR実施要求を受信すると、受信当日の沸き上げ動作をDR実施要求に応じて制御し、負荷履歴に基づいて、予め定めた夜間の時間に行う夜間沸き上げ動作における夜間目標蓄熱量と、夜間以降の昼間に行う昼間沸き上げ動作における昼間目標蓄熱量とを設定し、夜間沸き上げ動作を開始してからの夜間積算蓄熱量が夜間目標蓄熱量に達するように夜間沸き上げ動作を制御し、DR実施要求に応えつつ、昼間沸き上げ動作を開始してからの昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量に達するように昼間沸き上げ動作を制御し、DR実施要求が、貯湯式給湯装置における消費電力量の低下を指示する下げDRであると、電力会社から下げDR終了を受信するまで昼間沸き上げ動作を停止させ、下げDR終了を受信後、昼間沸き上げ動作を開始させ、下げDR終了を受信後の昼間沸き上げ動作では、昼間積算蓄熱量が、タンクの湯切れが生じると予測される湯切れ発生予想時刻までに昼間目標蓄熱量に達するように加熱能力を調整するものである。
本発明によれば、DR実施要求に応じてDR当日の沸き上げ動作を制御するので、電力会社からの実際のDR実施要求に応えることが可能である。
実施の形態1に係る貯湯式給湯装置の構成を示す図である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯装置の制御装置及び通信装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯装置のヒートポンプ回路のモリエル線図である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯装置における熱量消費スケジュールの一例を示す図である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯装置の夜間の動作の流れを示すフローチャートである。 図5の運転時間予測処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る貯湯式給湯装置における昼間の動作の流れを示すフローチャートである。 図7の第1昼間沸き上げ制御が選択される上げDR実施時の沸き上げスケジュールを示す図である。 図7の第1昼間沸き上げ制御を示すフローチャートである。 図9の第1昼間沸き上げ制御実施時の積算蓄熱量の変化を示す図である。 図7の第1昼間沸き上げ制御実施時の瞬時消費電力の変化を示す図である。 図7の第2昼間沸き上げ制御が選択される下げDR実施時の沸き上げスケジュールを示す図である。 図7の第2昼間沸き上げ制御を示すフローチャートである。 図13の第2昼間沸き上げ制御実施時の積算蓄熱量の変化を示す図である。 図7の第2昼間沸き上げ制御実施時の消費電力の変化を示す図である。 図7の第3昼間沸き上げ制御が選択されるDR実施なし時の沸き上げスケジュールを示す図である。 図7の第3昼間沸き上げ制御を示すフローチャートである。 図17の第3昼間沸き上げ制御実施時の積算蓄熱量の変化を示す図である。 図7の第3昼間沸き上げ制御実施時の消費電力の変化を示す図である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯装置のリモコンの表示例を示す図である。 実施の形態2に係る貯湯式給湯装置の制御装置及び外部通信端末の構成の一例を示す機能ブロック図である。
実施の形態1.
《構成》
基本構成を示した図1を用いて、本実施の形態1の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置の構成を示す図である。
(ユニット単位での貯湯式給湯装置の構成)
この貯湯式給湯装置は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯と、デマンドレスポンス(以下、DRという)が実施される昼間時間帯と、に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯に用いるものである。以下、深夜時間帯に行う沸き上げを、夜間沸き上げといい、昼間時間帯に行う沸き上げを昼間沸き上げという。深夜時間帯とは例えば、23:00~7:00である。昼間時間帯とは、例えば7:00~23:00である。
貯湯式給湯装置は、湯水を貯湯するタンク10及びタンク側ポンプ11等を備えた貯湯ユニット100と、タンク10内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット200とを有する。貯湯ユニット100のタンク側ポンプ11及びヒートポンプユニット200は、水を加熱してタンク10に湯を貯湯する沸き上げ動作を行う沸き上げ装置Aを構成している。また、貯湯式給湯装置は、貯湯式給湯装置を遠隔操作するリモコン300と、貯湯ユニット100及びヒートポンプユニット200へ指示を送る制御装置400と、電力会社との通信を行う通信装置500とを有する。貯湯ユニット100は、浴槽601を有する浴槽ユニット600と、浴槽往き配管61及び浴槽戻り配管60で接続されている。
[浴槽ユニット600の構成]
浴槽ユニット600は、浴槽601と、浴槽循環ポンプ62とを備えている。
(浴槽)
浴槽601は、リモコン操作により例えば40℃前後のお湯を貯めることができる。浴槽601は、浴槽戻り配管60及び浴槽往き配管61を介して水―水熱交換器12と接続されている。また、浴槽601は排水栓601aを有している。時間が経過し、浴室内に風呂熱が放熱され、湯温が低下した場合は、タンク10の上部の高温湯と浴槽601の湯水とを水―水熱交換器12で熱交換することにより追焚が可能である。
(浴槽循環ポンプ62)
浴槽循環ポンプ62は浴槽戻り配管60上に設けられており、追焚時に、浴槽水を浴槽戻り配管60及び浴槽往き配管61を介して水-水熱交換器12と浴槽601間で循環させるものである。
[ヒートポンプユニット200の構成]
ヒートポンプユニット200は、例えば約9℃の低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることが可能なものである。ヒートポンプユニット200は、回転数可変の圧縮機21と、冷媒-水熱交換器22と、膨張弁23と、室外熱交換器24と、室外熱交換器ファン25とを備えている。これらの各機器の駆動は、制御装置400により制御される。ヒートポンプユニット200内を循環する冷媒には、R32、フルオロカーボン又は二酸化炭素等を用いることができる。
(圧縮機21)
圧縮機21は回転周波数を変化させることで冷媒流量を調整し、加熱能力を制御するものである。圧縮機21は、吸入側は室外熱交換器24、吐出側は冷媒―水熱交換器12に接続している。目標加熱能力は、沸き上げ制御毎に最適な値を制御装置400が算出する。
(室外熱交換器24)
室外熱交換器24は、室外熱交換器ファン25から送られる空気と冷媒を熱交換させ、空気の熱により気液状態の冷媒を蒸発させる空冷式の熱交換器である。室外熱交換器24の冷媒入口側は膨張弁23に接続され、冷媒出口側は圧縮機21に接続されている。
(冷媒-水熱交換器22)
冷媒-水熱交換器22はタンク10内の湯水を加熱するもので、ヒートポンプ入水配管70及びヒートポンプ出湯配管71によりタンク10と接続されている。この冷媒-水熱交換器22には、圧縮機21、室外熱交換器24及び膨張弁23により構成されるヒートポンプ回路が接続されている。冷媒-水熱交換器22には、ヒートポンプ回路の冷媒と、タンク10から供給された湯水とが、互いに逆方向に流れる対向流となって流れる。冷媒-水熱交換器22は、ヒートポンプ回路の冷媒と、タンク10から供給された湯水とを熱交換し、目的温度(例えば、65~90℃)まで湯水を加熱する。
(室外熱交換器ファン25)
室外熱交換器ファン25は、室外熱交換器24の前面に配置され、室外熱交換器24に空気を送り込み、空気と冷媒との熱交換を促進させる。ファンの回転数は制御装置400が決定する。
[貯湯ユニット100の構成]
貯湯ユニット100は、貯湯タンク10と、タンク側ポンプ11と、水-水熱交換器12と、台所又は洗面所等に設けられた給湯端13と、貯湯ユニット100内に水道水を供給する給水端14と、複数の弁とを備えている。
(貯湯タンク10)
貯湯タンク10(以下、タンク10という)は、沸き上げられた湯を貯湯するものである。タンク10の上部には、給湯配管72に連通する送湯配管73が接続されている。タンク10の最下部には、ヒートポンプ入水配管70とタンク給水配管77とが接続されている。また、タンク10は、沸き上げ回路と、給湯回路と、湯張り回路と、追焚回路と、に接続されている。各回路の構成は後述する。
(タンク側ポンプ11)
タンク側ポンプ11は、ヒートポンプ入水配管70上に設けられている。タンク側ポンプ11は、タンク10内の湯水を、ヒートポンプ入水配管70及びヒートポンプ出湯配管71を介して冷媒-水熱交換器22とタンク10間で循環させ、沸き上げを行うものである。また、タンク側ポンプ11は、タンク10内の湯水を、温水導入配管75及び第一温水導出配管76aを介して水-水熱交換器12とタンク10間で循環させ、追焚を行うものである。
(水-水熱交換器12)
水-水熱交換器12は、浴槽601の湯水を加熱するもので、管型又は板型等の熱交換器で構成される。管型の熱交換器には、例えばスパイラル式熱交換器がある。板型の熱交換器には、例えばプレート式熱交換器がある。水-水熱交換器12は、温水導入配管75によりタンク上部と接続され、第一温水導出配管76aにより三方弁83を介してタンク最下部と接続されている。この水-水熱交換器12には、浴槽循環ポンプ62により浴槽601の湯水が循環する浴槽循環回路が接続されており、浴槽601の湯水が通過する。水-水熱交換器12は、浴槽循環回路を循環する浴槽601の湯水と、温水導入配管75から導かれたタンク10内の高温水とを熱交換し、浴槽601の湯水を加熱して、浴槽601の湯水の保温あるいは追焚を行う。
(風呂給湯混合弁80)
風呂給湯混合弁80は、給湯配管72から分岐されて浴槽往き配管61に連通している湯張り配管78上に設けられている。風呂給湯混合弁80は、弁の開度を変更することで給湯配管72からの高温水と給水端14からの水道水との混合比を調整し、湯張り温度を制御するものである。
(湯張り開閉弁81)
湯張り開閉弁81は、湯張り配管78上に設けられ、開閉により、浴槽601への湯張りの開始と停止とを切り替えるものである。
(一般給湯混合弁82)
一般給湯混合弁82は、給湯配管72から分岐されて給湯端13に連通している一般給湯配管79上に設けられている。一般給湯混合弁82は、弁の開度を変更することで給湯配管72からの高温水と給水端14からの水道水との混合比を調整し、出湯温度を制御するものである。
(三方弁及び四方弁)
三方弁83は、入口となるaポート及びbポートと、出口となるcポートとを有する流路切替手段である。三方弁83は、a-c、b-cの2つの経路の間で流路切替可能に構成されている。
三方弁84は、入口となるaポート及びbポートと、出口となるcポートとを有する流路切替手段である。三方弁84は、a-c、b-cの2つの経路の間で流路切替可能に構成されている。三方弁84のaポートには第一給水配管74aが接続されている。三方弁84のbポートには中温水配管90が接続されている。三方弁84のcポートには、第二給水配管74bが接続されている。
三方弁84のaポートに接続された第一給水配管74aは、入口端が給水端14に接続され出口端が三方弁84のaポートに接続されている。第一給水配管74aには、タンク下部に一端が接続されたタンク給水配管77の他端が接続されている。三方弁84のbポートに接続された中温水配管90は、入口端がタンク10の上下方向の中間部に接続され、出口端が三方弁84のbポートに接続されている。中温水配管90には、第二温水導出配管76bの入口端が接続され、第二温水導出配管76bの出口端は第一温水導出配管76aに接続されている。
四方弁85は、入口となるaポート及びbポートと、出口となるcポート及びdポートとを有する流路切替手段である。四方弁85は、a-c、a-d、b-c、b-dの4つの経路の間で流路切替可能に構成されている。四方弁85のaポートには水配管91、bポートにはヒートポンプ出湯配管71、cポートには第一湯水配管92、dポートには第二湯水配管93が接続されている。
四方弁86は、入口となるaポートと、出口となるbポート、cポート、及びdポートとを有する流路切替手段である。四方弁86は、a-b、a-c、a-dの3つの経路の間で流路切替可能に構成されている。四方弁86のaポートには第二湯水配管93、bポートには第三湯水配管94、cポートには第四湯水配管95、dポートには第五湯水配管96が接続されている。
[各種センサ]
貯湯式給湯装置には、各種センサが備えられている。以下、各センサについて説明する。
(貯湯温度センサ)
貯湯温度センサ1a~1dは、タンク10の上下方向に間隔をおいて配置されている。貯湯温度センサ1a~1dの検出温度によって、タンク10内の上下方向の温度分布が分かり、タンク10内にどれだけの熱量が残っているかを把握できる。貯湯温度センサ1a~1cによる温度情報は制御装置400に送られ、タンク10内の蓄熱量が目標量に到達するまで沸き上げを続けるよう、制御装置400がヒートポンプユニット200と貯湯ユニット100に指示を出す。
(入水温度センサ2、出湯温度センサ3)
入水温度センサ2は、ヒートポンプ入水配管70又は冷媒-水熱交換器22入口に取り付けられ、冷媒-水熱交換器22で加熱する前の水温をサーミスタセンサ等により検出するものである。出湯温度センサ3はヒートポンプ出湯配管71又は冷媒-水熱交換器22出口に取り付けられ、冷媒-水熱交換器22で加熱後の湯温をサーミスタセンサ等によって検出するものである。入水温度センサ2及び出湯温度センサ3による温度情報は制御装置400に送られ、加熱後の湯温が目標出湯温度に到達するよう、また、湯水の流量を調整するよう貯湯ユニット100に制御装置400が指示を出す。
(浴槽温度センサ4、浴槽往き温度センサ5)
浴槽温度センサ4は浴槽戻り配管60を介して水-水熱交換器12に流入する浴槽水の温度を検出するものである。浴槽温度センサ4による温度情報は制御装置400に送られ、浴槽水がユーザー設定温度より低温となった場合、追焚動作を開始するよう、制御装置400が貯湯ユニット100と浴槽ユニット600へ指示を出す。浴槽往き温度センサ5は水-水熱交換器12を流出し、浴槽往き配管61を介して浴槽601へ流れる浴槽水の温度を検出するものである。浴槽往き配管61による温度情報は制御装置400に送られ、追焚時に加熱後の浴槽水がユーザー設定温度に到達するよう、制御装置400が貯湯ユニット100と浴槽ユニット600へ指示を出す。
図2は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置の制御装置及び通信装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
(通信装置500)
通信装置500は、受信部50と、送信部51とを備えている。受信部50は、電力会社からDR実施要求を受信する。また、受信部50は、DR実施要求に対する応答である後述の運転情報を制御装置400から受信する。送信部51は、受信部50で受信したDR実施要求におけるDR実施情報を制御装置400に送信する。また、送信部51は、受信部50で受信した運転情報を電力会社に送信する。
(制御装置400)
制御装置400は、貯湯式給湯装置に設けられた各部を制御する。制御装置400は、情報取得部40と、演算処理部41と、機器制御部42と、通信部43と、タイマ44と、記憶部45とを有している。制御装置400は、マイクロコンピュータ等の演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能を実現する。もしくは制御装置400は、各種機能を実現する回路デバイス等のハードウェア等で構成されてもよい。
情報取得部40は、入水温度センサ2、出湯温度センサ3、貯湯温度センサ1a~1d、浴槽往き温度センサ5及び浴槽温度センサ4等の各種センサで検知された情報を取得する。また、情報取得部40は、DR実施情報を通信装置500から取得する。
演算処理部41は、情報取得部40で取得された各種の情報に基づき後述の各フローチャートの処理等を行う。後述の各フローチャートの処理では、夜間の目標蓄熱量、昼間の目標蓄熱量、湯切れ発生予想時刻、低能力沸き上げ開始時刻、及び現時点でタンク10に貯留されている湯水の積算蓄熱量等の算出を行う。これらの算出については改めて説明する。
機器制御部42は、演算処理部41での処理結果に応じて、圧縮機21、膨張弁23、三方弁83、三方弁84、四方弁85、四方弁86、風呂給湯混合弁80、湯張り開閉弁81、一般給湯混合弁82、タンク側ポンプ11及び浴槽循環ポンプ62を制御する。
通信部43は、リモコン300と接続され、リモコン300との間で情報の送受信を行う。
タイマ44は、現在の時刻をカウントし、設定された時刻になった場合に、設定時刻であることを示す信号を出力する。タイマ44には、例えば、演算処理部41で算出された後述の各時刻が設定される。
記憶部45は、制御装置400の各部で用いられる各種の値を記憶する。記憶部45は、夜間の目標蓄熱量、昼間の目標蓄熱量、湯切れ発生予想時刻、低能力沸き上げ開始時刻、及び現時点でタンク10に貯留されている湯水の積算蓄熱量等を記憶する。
(リモコン300)
リモコン300は、制御装置400との間で信号の送受信を行うものである。リモコン300には、ユーザーが給湯温度を設定できる機能と、浴槽601へ出湯する湯の温度と量を設定できる機能と、浴槽水の追焚温度を設定できる機能等とが設けられている。また、リモコン300は、液晶パネル等の表示部を備えており、表示部に現在の設定情報等を表示できるようになっている。
《回路》
次に、本実施の形態で形成する回路について説明する。
(ヒートポンプ回路)
ヒートポンプ回路は、ヒートポンプユニット200内に備えられており、圧縮機21と、冷媒-水熱交換器22と、膨張弁23と、室外熱交換器24とを備え、冷媒が循環する回路である。
(沸き上げ回路)
沸き上げ回路は、三方弁83をa-c方向に開くと共に、四方弁85をb-d方向に開き、更に四方弁86をa-d方向に開くことで形成される。沸き上げ回路は、タンク10の最下部から、ヒートポンプ入水配管70を経由して冷媒―水熱交換器22へ連通し、ヒートポンプ出湯配管71と第二湯水配管93と第四湯水配管95と送湯配管73とを経由してタンク上部へと繋がる回路である。
(給湯回路)
給湯回路は、タンク上部から送湯配管73及び給湯配管72を経由して一般給湯混合弁82に連通する回路と、給水端14から第一給水配管74a、a-c方向に開かれた三方弁84及び第二給水配管74bを経由して一般給湯混合弁82に連通する回路と、一般給湯混合弁82から一般給湯配管79を経由して給湯端13に連通する回路とを有する。
(湯張り回路)
湯張り回路は、タンク上部から送湯配管73及び給湯配管72を経由して風呂給湯混合弁80に連通する回路を有する。また、湯張り回路は、給水端14からタンク給水配管77を経由してタンク下部に接続される回路と、給水端14から第一給水配管74a、a-c方向に開かれた三方弁84及び第二給水配管74bを経由して風呂給湯混合弁80に連通する回路とを有する。湯張り回路は更に、風呂給湯混合弁80から湯張り配管78、湯張り開閉弁81及び浴槽往き配管61を経由して浴槽601へと繋がる回路を有する。
(追焚回路)
追焚回路は、三方弁83をa-b方向に開くことで形成される。追焚回路は、タンク上部から温水導入配管75を経由して水-水熱交換器12へと連通し、第一温水導出配管76aを経由してタンク最下部に繋がる回路である。
(浴槽循環回路)
浴槽循環回路は、水-水熱交換器12と、浴槽循環ポンプ62と、浴槽601とを有し、浴槽戻り配管60及び浴槽往き配管61により接続されている回路である。浴槽循環回路には、浴槽循環ポンプ62により浴槽水が循環する。
≪基本的な運転動作≫
貯湯式給湯装置の基本的な運転動作を図1を参照して説明する。
(沸き上げ動作)
沸き上げ動作は、制御装置400から沸き上げ装置Aへの運転開始の指示により開始される。沸き上げ動作では、ヒートポンプユニット200及びタンク側ポンプ11が駆動される。ヒートポンプユニット200においては、圧縮機21が起動してヒートポンプ回路内に冷媒が循環する。圧縮機21で圧縮されてから吐出された冷媒は、冷媒-水熱交換器22内に流入し、タンク10から送られてきた湯水と熱交換して冷却される。冷却された冷媒は、膨張弁23で減圧された後、室外熱交換器24に流入する。室外熱交換器24に流入した冷媒は、室外熱交換器ファン25からの空気と熱交換して加熱された後、圧縮機21に戻る。
一方、タンク側ポンプ11の駆動により、沸き上げ回路においてタンク下部の水がヒートポンプ入水配管70を経由して冷媒-水熱交換器22に送られ、ヒートポンプ回路の冷媒との熱交換により目標出湯温度まで沸き上げられて湯が生成される。生成された湯は、ヒートポンプ出湯配管71、第二湯水配管93及び第三湯水配管94を経由してタンク上部に戻される。沸き上げが進行すると、タンク10内では上部が高温水で、温度境界層を挟んでタンク最下部が低温水となる積層沸き上げがなされる。沸き上げ終盤では沸き上げ量が増え、タンク上部の高温水の領域が大きくなって温度境界層がタンク最下部に近づき、ヒートポンプ入水配管70を通じてヒートポンプユニット200に入水する湯の入水温度が次第に上昇する。
(給湯動作)
給湯動作は、給湯端13での湯の使用操作に応じて開始される。給湯動作では、給湯回路において、タンク10に貯められた湯水が、給湯端13での湯の使用に応じてタンク上部又はタンク中間部から導出され、一般給湯混合弁82に送られる。一般給湯混合弁82には、給水端14から第一給水配管74aを経由して低温の水道水が導かれており、タンク10からの湯と混合されて設定温度とされ、給湯端13から蛇口等の負荷側へと供給される。タンク上部から導出された湯の減少分に合せて、タンク内には、給水端14から供給された低温水が第一給水配管74aを介してタンク最下部から自動的に供給される。このようにタンク内にタンク最下部から水道水が供給されることで、タンク10内では温度境界層が上方へ移動する。
(湯張り動作)
湯張り動作は、リモコン300の操作により開始される。このとき、湯張り開閉弁81は開となる。湯張り動作では、湯張り回路において、タンク上部から導出された高温湯が風呂給湯混合弁80に送られる。風呂給湯混合弁80には、給水端14から第一給水配管74aを経由して低温の水道水が導かれており、タンク10からの高温湯と混合されて適温に調整され、湯張り開閉弁81を通って浴槽601に供給され、湯張りが行われる。湯張りは、浴槽601の水位が設定値となったときに停止される。浴槽601の水位は、水位浴槽循環回路内に設置された水位センサ(図示せず)で検出される。水位センサは、水位センサに搭載された圧力センサで圧力変化を計測して水位を検出する。
(追焚動作)
追焚動作は、ユーザーの操作により強制的に或いは自動的に開始される。追焚動作が開始されると、タンク側ポンプ11及び浴槽循環ポンプ62の運転が開始される。
追焚動作では、追焚回路においてタンク上部から導出された高温水が水-水熱交換器12に導かれる。また、このタイミングと概ね同時に、浴槽601に貯められた湯が、浴槽戻り配管60を通って水-水熱交換器12に導かれる。
水-水熱交換器12では、タンク系統からの高温水と、浴槽系統からの湯との熱交換が行われ、浴槽系統へ熱を与えて温度の低下したタンク系統の湯は、第一温水導出配管76aを通ってタンク10に戻る。また、水-水熱交換器12で熱を受け取って温度の上昇した浴槽系統の湯は、浴槽往き配管61を通って浴槽601に戻る。
浴槽温度センサ4で検出された浴槽水温度が目標浴槽温度に達したことを制御装置400が検知すると、制御装置400は追焚停止指令を発し、浴槽循環ポンプ62及びタンク側ポンプ11の運転を停止させる。このように、追焚動作では、浴槽601内の浴槽水を目標浴槽温度まで上昇させる運転が行われる。
《冷凍サイクル》
図3は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置のヒートポンプ回路のモリエル線図である。図3において横軸はエンタルピH[kJ/kg]である。縦軸は圧力P[MPa]である。
圧縮機21により圧縮された冷媒の圧力とエンタルピーは、冷媒-水熱交換器22に流入し、冷媒-水熱交換器22内でx1→x2へ変化する。冷媒-水熱交換器22内において冷媒は、タンク10から送られてきた水と熱交換し、最大で冷媒-水熱交換器22への入水温度(例えば9℃)近くまで冷却され、エンタルピーはh1からh2へ変化する。冷媒-水熱交換器22内において水は、冷媒-水熱交換器22への冷媒の入口温度近くまで加熱される。膨張弁23に流入した冷媒の圧力とエンタルピーは、膨張弁23内でx2→x3へ変化する。膨張弁23内では冷媒が減圧され、気液状態へと変化する。
膨張弁23を流出して室外熱交換器24に流入した冷媒の圧力とエンタルピーは、室外熱交換器24内でx3→x4へ変化する。室外熱交換器24内において冷媒は、室外熱交換器ファン25により送られてきた空気と熱交換して蒸発し、気相状態へと変化し、エンタルピーはh2からh4へ変化する。
室外熱交換器24を流出して圧縮機21に流入した冷媒の圧力とエンタルピーは、圧縮機21内でx4→x1へ変化する。圧縮機21内では室外熱交換器24により加熱された冷媒蒸気が圧縮され、冷媒のエンタルピーはh4からh1へ変化する。圧力が上昇した冷媒蒸気は超臨界域に達し、再び冷媒-水熱交換器22に流入する。
《動作》
本実施の形態の主な動作について説明する。
本実施の形態の主な動作として、上記の沸き上げ動作を予め定めた夜間に行う夜間沸き上げ動作と、夜間以降の昼間に行う昼間沸き上げ動作とがある。以下、一日の熱量消費スケジュールの例を挙げて、各動作の概要について説明する。
図4は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置における熱量消費スケジュールの一例を示す図である。
この例では、23:00から翌日の23:00までの一日の熱量消費スケジュールの予測結果を示している。負荷側で7:00から給湯負荷が発生し始め、19:00に湯張りが行われる予測となっている。図4において、Qtは、湯張り前と湯張り時まで、つまり7:00~19:00までに負荷側で消費されると予想される熱量である。Qtは、湯張り後、つまり19:00~23:00までに消費されると予測される熱量である。
貯湯式給湯装置では、夜間沸き上げ動作によってタンク10に蓄熱を行い、蓄熱された熱量を昼間に負荷側で給湯及び湯張り等で消費し、その後、昼間沸き上げ動作で再度蓄熱を行って、その蓄熱された熱量を湯張り後の追焚き等に使用する、といった利用がされている。したがって、夜間沸き上げ動作では、7:00から湯張り時までに負荷側で消費されると予測される熱量Qtを目標蓄熱量(以下、夜間目標蓄熱量Qtという)とし、夜間目標蓄熱量Qtのタンク10への蓄熱を行う。昼間沸き上げ動作では、湯張り後から翌日の23:00までに負荷側で消費されると予測される熱量Qtを目標蓄熱量(以下、昼間目標蓄熱量Qtという)とし、昼間目標蓄熱量Qtのタンク10への蓄熱を行う。
昼間沸き上げ動作は、DR当日の7:00から湯張り時までの昼間の時間帯に行われる沸き上げ動作である。昼間沸き上げ動作には、動作開始タイミング及び加熱能力等が異なる、第1昼間沸き上げ制御、第2昼間沸き上げ制御及び第3昼間沸き上げ制御、の3つの制御パターンがあり、DR実施要求に応じて選択された制御パターンに従って制御される。各制御パターンについては後述する。
ここで、電力会社から送信されるDR実施要求について説明する。DR実施要求には上げDRと下げDRの2種類ある。
(1)上げDR
上げDRとは、電力需要を増やすため、消費電力量を目標調整量まで増やすように電力会社から貯湯式給湯装置へ指示する要求である。
(2)下げDR
下げDRとは、電力需要を減らすため、消費電力量を減らすように電力会社から貯湯式給湯装置へ指示する要求である。電力会社は、下げDRのDR実施要求を貯湯式給湯装置に送信した後、電力の使用状況から消費電力量の低減が必要無くなった場合、下げDR終了を貯湯式給湯装置に送信する。
《制御フロー》
図5は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置の夜間の動作の流れを示すフローチャートである。図6は、図5の運転時間予測処理の流れを示すフローチャートである。ここでは概要について説明し、詳細については後述する。
貯湯式給湯装置の制御装置400は、夜間の定時である23:00に、翌日の運転に必要な各種時刻を予測する運転時間予測処理を行い(ステップS1)、その後、夜間沸き上げ制御(ステップS2~ステップS5)を行う。以下、運転時間予測処理及び夜間沸き上げ制御について順に説明する。
(運転時間予測処理)
制御装置400は、図6に示すように、負荷履歴に基づいて夜間目標蓄熱量Qt及び昼間目標蓄熱量Qtを設定する(ステップA1)。夜間目標蓄熱量Qtと昼間目標蓄熱量Qtとの設定は、以下のようにして行えばよい。すなわち、負荷履歴に基づいて翌日に必要な蓄熱量を算出し、これを目標蓄熱量Qtとする。そして、23:00から湯張り時までの昼間の負荷実績と、湯張り後から23:00のまでの夜間の負荷実績とに基づいて比率を決定し、その比率と目標蓄熱量Qtとに基づいて夜間目標蓄熱量Qtと昼間目標蓄熱量Qtとを設定する。
ここで、例えば、夜間沸き上げ動作においてタンク内を仮に満蓄にした場合、翌日の昼間に電力会社から受信したDR実施要求が上げDRであるとき、その要求に応えられない可能性がある。つまり、上げDRに応えるため、昼間沸き上げ動作において消費電力量を増加させると、満蓄を超える過剰な蓄熱となる場合にはDR実施要求に応えられない。本実施の形態1では、どのDR実施要求にも応えられるように、上述したように、負荷履歴に基づいて夜間目標蓄熱量Qtと昼間目標蓄熱量Qtとを設定している。ここでは、1日の運転スケジュールとして夜間沸き上げの他に昼間沸き上げも実施することが前提であるため、夜間目標蓄熱量Qtは、上げDRのDR実施要求に応えられるようにタンク10を満蓄する熱量に設定されることはない。
次に、制御装置400は、夜間目標蓄熱量Qtと負荷履歴とから、タンク10の湯切れが生じると予測される湯切れ発生予想時刻、言い換えれば夜間目標蓄熱量Qtがすべて消費されると予想される湯切れ発生予想時刻を算出する(ステップA2)。湯切れ発生予想時刻には、夜間目標蓄熱量Qtがすべて消費されると予想される時刻に限らず、負荷履歴に基づいて予測される湯張り時刻を設定してもよい。ついで、制御装置400は、湯切れ発生予想時刻までに、第3昼間沸き上げ制御で行われる後述の低能力運転で昼間目標蓄熱量Qtをタンク10に蓄熱するために運転を開始すべき時刻(以下、低能力沸き上げ開始時刻という)を算出する(ステップA3)。低能力沸き上げ開始時刻は、ステップA2で算出した湯切れ発生予想時刻から、昼間目標蓄熱量Qtを低能力運転で沸き上げるために要する必要時間分、前倒しした時刻である。
そして、制御装置400は、予め設定された夜間用の加熱能力と、夜間目標蓄熱量Qtと、負荷側で熱量の消費が始まると予測した時刻(ここでは7:00)とから、夜間沸き上げ動作を開始する時刻(以下、夜間沸き上げ開始時刻という)を算出する(ステップA4)。夜間沸き上げ動作の開始時刻は、負荷側で熱量の消費が始まると予測されている7:00から、夜間目標蓄熱量Qtを夜間用の加熱能力で沸き上げるために要する必要時間分、前倒しした時刻である。運転時間予測処理を行う23:00の時点で直ぐに夜間沸き上げ動作を開始すると、実際に湯が使われ始める7:00までの間に時間が空きすぎ、放熱ロスが発生する可能性がある。このため、夜間沸き上げ開始時刻を算出するようにしている。
続いて、制御装置400は、電力会社が、上げDRのDR実施要求を行う際の参考情報として活用できる運転情報の作成を行う(ステップA5)。運転情報は、具体的には、後述の第1昼間沸き上げ制御が選択された場合の昼間沸き上げ動作の運転時間tである。運転時間tは、昼間目標蓄熱量Qtと予め設定した仮定の加熱能力Φ[kW]とに基づいて、以下の式で算出される。
=Qt/Φ
なお、Φは、例えば夜間沸き上げ時の加熱能力に設定される。
制御装置400は、算出した運転情報を通信装置500を介して電力会社に送信する(ステップA6)。なお、運転時間tの算出に用いた加熱能力Φは、実際の第1昼間沸き上げ制御の際の実際の加熱能力ではなく仮定の加熱能力である。したがって、ステップA6で電力会社に送信される運転情報は、あくまでも予測の運転時間である。
以上の運転時間予測処理後、制御装置400は、夜間沸き上げ制御に入る。すなわち、図5に示すように、制御装置400は、運転時間予測処理で算出した夜間沸き上げ開始時刻待ちとなり(ステップS2でNO)、夜間沸き上げ開始時刻となると(ステップS2でYES)、沸き上げ装置Aに沸き上げ開始を指示する信号を送信して夜間沸き上げ動作を開始させる(ステップS3)。
夜間沸き上げ動作を開始後、制御装置400は制御間隔毎(例えば1分毎)に夜間積算蓄熱量を算出しており(ステップS4でNO)、夜間積算蓄熱量が夜間目標蓄熱量Qtに達した場合(ステップS4でYES)、沸き上げ装置Aに夜間沸き上げ動作をさせる(ステップS5)。
ここで、夜間積算蓄熱量は、以下のようにして算出される。制御装置400は、夜間沸き上げ動作の開始時に貯湯温度センサ1a~1dの検出温度に基づいてタンク10の蓄熱量を算出する。そして、制御間隔毎に貯湯温度センサ1a~1dの検出温度に基づいてタンク10の蓄熱量を算出し、算出した蓄熱量から夜間沸き上げ動作の開始時の蓄熱量を減算することで、積算蓄熱量が算出される。
以上、運転時間予測処理及び夜間沸き上げ制御について説明した。次に、電力会社から受信したDR実施要求に応じた貯湯式給湯装置の制御について説明する。なお、電力会社は、図6のステップA6で貯湯式給湯装置から受信した運転情報を参考にし、電力量の調整に関するDR実施要求を作成して貯湯式給湯装置に送信する。DR実施要求が電力会社から送信されるタイミングは、その日の電力の使用状況によって様々であり、電力会社主導で決められる。貯湯式給湯装置は、電力会社からのDR実施要求を受信すると、DR実施要求に応じた制御パターンを選択して昼間沸き上げ動作を行う。
図7は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置における昼間の動作の流れを示すフローチャートである。図7のフローチャートの処理は制御間隔毎に実施される。
制御装置400は、DR実施要求を受信した場合(ステップS11でYES)、DR実施要求に応じた制御パターンを選択し、選択した制御パターンに従ってDR当日の昼間沸き上げ動作を行う(ステップS12~ステップS14)。具体的には、DR実施要求が上げDRの場合、第1昼間沸き上げ制御を選択し(ステップS13)、DR実施要求が下げDRの場合、第2昼間沸き上げ制御を選択する(ステップS14)。一方、DR実施要求を受信しないまま予め設定された時刻、具体的には、図6のステップA3で算出された低能力沸き上げ開始時刻、となった場合には(ステップS11でNO、ステップS15でYES)、第3昼間沸き上げ制御を選択する(ステップS16)。なお、DR実施要求を受信せず且つ低能力沸き上げ開始時刻でもない場合には(ステップS11でNO、ステップS15でNO)、何ら処理を行わず図7のフローチャートの処理を終了する。
以下、各昼間沸き上げ制御の概要について説明する。
(第1昼間沸き上げ制御)
第1昼間沸き上げ制御は、DR実施要求が上げDRの場合に選択される制御である。上げDRは、上述したように、電力需要を増やすために消費電力量を目標調整量まで増やす要求である。このため、第1昼間沸き上げ制御では、その要求に応えるべく、消費電力量が目標調整量となるようにして沸き上げ動作を制御する。
(第2昼間沸き上げ制御)
第2昼間沸き上げ制御は、DR実施要求が下げDRの場合に選択される制御である。下げDRは、上述したように電力需要を減らすことを目的に発せられる要求である。このため、第2昼間沸き上げ制御では、下げDRが指示されてから下げDR終了を受信するまでの間は、沸き上げ動作を停止して電力需要の低減の要求に応え、下げDR終了を受信した後に沸き上げ動作を開始する制御を行う。
(第3昼間沸き上げ制御)
第3昼間沸き上げ制御は、低能力沸き上げ開始時刻までにDR実施要求が無かった場合に選択される制御である。電力会社からDR実施要求が送信されなかったということは、電力の需給バランスが釣り合っていると考えられる。このため、第3昼間沸き上げ制御では、電力の需給バランスを崩さないように、需要量の増分を最大に抑える制御として、夜間沸き上げ動作時よりも消費電力量が少ない低能力運転で沸き上げ動作を行う。
低能力運転としては、例えば、夜間用の加熱能力から設定割合分、低減させた加熱能力Φlowで沸き上げを行う方法、タンク側ポンプ11の装置上の最低回転数で目標出湯温度まで沸き上げるように沸き上げ装置Aを制御する方法、が考えられる。後述のフローチャートでは一例として前者の方法を実施した場合を示す。
次に、各昼間沸き上げ制御の具体的な流れについて説明する。表1は、各昼間沸き上げ制御の制御概要をまとめたものである。表1には、各昼間沸き上げ制御毎に、制御対象、目標値、開始タイミング、終了タイミング、消費電力量及び運転時間を示している。以下の説明において適宜、表1を参照されたい。
Figure 0007345302000001
(第1昼間沸き上げ制御)
図8は、図7の第1昼間沸き上げ制御が選択される上げDR実施時の沸き上げスケジュールを示す図である。図9は、図7の第1昼間沸き上げ制御を示すフローチャートである。図10は、図9の第1昼間沸き上げ制御実施時の積算蓄熱量の変化を示す図である。図10において横軸は時刻、縦軸は積算蓄熱量[kJ]である。図11は、図7の第1昼間沸き上げ制御実施時の瞬時消費電力の変化を示す図である。図11において横軸は時刻、縦軸は瞬時消費電力[kW]である。なお、図8~図11には、11:00にDR実施要求を受信した場合の例を示している。また、この例では、図10及び図11に示すように、電力会社で行われる上げDRの実施期間が11:00~16:00である。
制御装置400は、11:00に通信装置500経由で電力会社から上げDRのDR実施要求を受信すると、図9のフローチャートの処理に入る。すなわち、制御装置400は、制御目標値として、消費電力量を目標調整量に設定し(ステップC1)、沸き上げ装置Aに沸き上げ開始を指示する信号を送信して昼間沸き上げ動作を開始させる(ステップC2)。
ここで、沸き上げ開始を指示する信号には、制御目標値としての目標調整量も含まれる。これにより、沸き上げ装置Aではヒートポンプユニット200と貯湯ユニット100の消費電力量が目標調整量となるように圧縮機周波数が制御されて沸き上げ動作が行われる。なお、沸き上げ動作では、出湯温度センサ3で検出される出湯温度が目標出湯温度に達するようにタンク側ポンプ11の周波数が制御される。タンク側ポンプ11の周波数が制御されることでヒートポンプに入水する水流量が調整され、出湯温度を調整できる。このため、出湯温度を目標出湯温度の調整と圧縮機周波数の制御とは、切り離すことができ、圧縮機周波数の制御は、あくまでも消費電力量が目標調整量となるように行われる。
制御装置400は、ステップC2の昼間沸き上げ動作の開始後、上げDRのDR実施要求に対する応答として電力会社に運転情報を送信する(ステップC3)。運転情報は、具体的には、昼間目標蓄熱量Qtを現在の加熱能力Φ[kW]で蓄熱するために必要な貯湯式給湯装置の運転時間tである。運転時間tは、昼間目標蓄熱量Qtと現在の加熱能力Φ[kW]とに基づいて、以下の式で算出される。
=Qt/Φ
現在の加熱能力Φは、入水温度及び圧縮機周波数の調整によって、なりゆきの値となるものであり、以下の式で算出される。
Φ=(Two-Twi)×Cp×V
Two[℃]:出湯温度センサ3の検出温度
Twi[℃]:入水温度センサ2の検出温度
Cp[kJ/kg℃]:水の比熱
V[kg/s]:タンク側ポンプ11の回転数から求められる水の流量
ここで算出された運転時間tは、現在の加熱能力Φに基づいて算出されるため、図6のステップA5で算出された運転時間tよりも実際の運転状況に即した時間である。このように、現在の加熱能力Φを用いて新たに計算し直した運転時間tを運転情報として電力会社に送信することで、電力会社側では、目標調整量をどれだけ達成できるか見込みを立てる際の有効な参考情報として、より正確な運転情報を得ることができる。
昼間沸き上げ動作を開始後、制御装置400は制御間隔毎に昼間積算蓄熱量を算出しており、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達していなければ(ステップC4でNO)、沸き上げ装置Aに昼間沸き上げ動作を継続させる。一方、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達していれば(ステップC4でYES)、沸き上げ装置Aに沸き上げ停止を指示する信号を送信して昼間沸き上げ動作を終了させる(ステップC5)。
以上、第1昼間沸き上げ制御では、図8に示すように11:00に上げDRのDR実施要求を受けて昼間沸き上げ動作を開始することで、図10に示すように11:00から積算蓄熱量が上昇し、運転時間t(この例では2時間)後の13:00に、昼間目標蓄熱量Qtに達している。また、図11に示すように消費電力量が目標調整量に調整されている。
なお、図10及び図11に示すように、11:00~16:00の間の上げDR実施中であっても、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達した場合には、昼間沸き上げ動作を停止する。一方、昼間沸き上げ動作中に、上げDR実施期間が終了した場合は、昼間目標蓄熱量Qtを達成するまで、引き続き昼間沸き上げ動作を行う。
(第2昼間沸き上げ制御)
図12は、図7の第2昼間沸き上げ制御が選択される下げDR実施時の沸き上げスケジュールを示す図である。図13は、図7の第2昼間沸き上げ制御を示すフローチャートである。図14は、図13の第2昼間沸き上げ制御実施時の積算蓄熱量の変化を示す図である。図14において横軸は時刻、縦軸は積算蓄熱量[kJ]である。図15は、図7の第2昼間沸き上げ制御実施時の消費電力の変化を示す図である。図15において横軸は時刻、縦軸は瞬時消費電力[kW]である。なお、図12~図15には、11:00にDR実施要求を受信した場合の例を示している。また、この例では、図14及び図15に示すように、電力会社で行われる下げDRの実施期間が11:00~18:00である。
制御装置400は、11:00に通信装置500経由で電力会社から下げDRのDR実施要求を受信すると、図13のフローチャートの処理に入る。すなわち、制御装置400は、下げDRのDR実施要求に対する応答として運転情報を電力会社に送信(ステップD1)後、下げDR終了の受信待ち状態となる(ステップD2でNO)。運転情報は、具体的には運転停止宣言である。
下げDR終了の受信待ち状態の間、貯湯式給湯装置は、運転を行わずに停止状態となる。そして、制御装置400は、18:00に下げDR終了を受信すると(ステップD2でYES)、昼間積算蓄熱量が、現時点から湯切れ発生予想時刻までに昼間目標蓄熱量Qtに達するように加熱能力を調整して沸き上げ動作を制御する。具体的にはまず、制御装置400は、現時点から湯切れ発生予想時刻までに昼間目標蓄熱量Qtを蓄熱するために必要な加熱能力Φ[kW]を算出する(ステップD3)。加熱能力Φは以下の式で算出される。
Φ=Qt/t
[s]:湯切れ発生予想時刻-現時刻
制御装置400は、制御目標値として、加熱能力をステップD3で算出した加熱能力Φに設定する(ステップD4)。そして、制御装置400は、沸き上げ装置Aに沸き上げ開始を指示する信号を送信して昼間沸き上げ動作を開始させる(ステップD5)。沸き上げ開始を指示する信号には、制御目標値としての加熱能力Φが含まれる。これにより、沸き上げ装置Aは、加熱能力が加熱能力Φとなるように圧縮機周波数を制御して沸き上げ動作を行う。
なお、沸き上げ動作では、出湯温度センサ3で検出される出湯温度が目標出湯温度に達するようにタンク側ポンプ11の周波数が制御される。タンク側ポンプ11の周波数が制御されることでヒートポンプに入水する水流量が調整され、出湯温度を調整できる。このため、出湯温度を目標出湯温度の調整と圧縮機周波数の制御とは、切り離すことができ、圧縮機周波数の制御は、あくまでも加熱能力が加熱能力Φとなるように行われる。
昼間沸き上げ動作を開始後、制御装置400は制御間隔毎に昼間積算蓄熱量を算出しており、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達していなければ(ステップD6でNO)、昼間沸き上げ動作を継続する。一方、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達していれば(ステップD6でYES)、制御装置400は、沸き上げ装置Aに沸き上げ停止を指示する信号を送信して昼間沸き上げ動作を終了させる(ステップD7)。
以上、第2昼間沸き上げ制御は、DR実施要求が下げDRの場合に選択される制御であり、11:00~18:00の間は運転を停止することで、図15に示すように消費電力がゼロとなっている。そして、図12に示すように18:00に下げDR終了を受信してから昼間沸き上げ動作を開始することで、図14及び図15に示すように積算蓄熱量及び消費電力量が上昇する。昼間積算蓄熱量は、運転時間t(この例では1時間)後、つまり湯切れ発生予想時刻の19:00に昼間目標蓄熱量Qtに達している。このように、第2昼間沸き上げ制御では、下げDRのDR実施要求に応えつつ、加熱能力を調整して湯切れ発生予想時刻までに昼間目標蓄熱量Qtをタンク10に蓄熱する動作を行う。
(第3昼間沸き上げ制御)
図16は、図7の第3昼間沸き上げ制御が選択されるDR実施なし時の沸き上げスケジュールを示す図である。図17は、図7の第3昼間沸き上げ制御を示すフローチャートである。図18は、図17の第3昼間沸き上げ制御実施時の積算蓄熱量の変化を示す図である。図18において横軸は時刻、縦軸は積算蓄熱量[kJ]である。図19は、図7の第3昼間沸き上げ制御実施時の消費電力の変化を示す図である。図19において横軸は時刻、縦軸は瞬時消費電力[kW]である。
制御装置400は、16:00の低能力沸き上げ開始時刻となると、図17のフローチャートの処理に入る。すなわち、制御装置400は、制御目標値として、加熱能力を加熱能力Φに設定する(ステップE1)。加熱能力Φは、ここでは上述したように夜間用の加熱能力から設定割合分、低減させた加熱能力Φlowに設定される。
続いて、制御装置400は、沸き上げ装置Aに沸き上げ開始を指示する信号を送信して昼間沸き上げ動作を開始させる(ステップE2)。沸き上げ開始を指示する信号には、制御目標値として加熱能力Φlowが含まれる。これにより、沸き上げ装置Aは、加熱能力Φが加熱能力Φlowとなるように圧縮機周波数を制御して低能力運転で沸き上げ動作を行う。
なお、沸き上げ動作では、出湯温度センサ3で検出される出湯温度が目標出湯温度に達するように、タンク側ポンプ11を、第1及び第2昼間沸き上げ制御よりも低い周波数で動作させる。これにより、ヒートポンプユニット200に入水する水流量が低下するため、ヒートポンプユニット200の加熱能力を第1及び第2昼間沸き上げ制御よりも低い加熱能力Φlowにしても、冷媒-水熱交換器22を通過後の湯の温度が低くなることはなく、第1及び第2昼間沸き上げ制御と同等の温度にすることができる。
昼間沸き上げ動作を開始後、制御装置400は制御間隔毎に昼間積算蓄熱量を算出しており、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達していなければ(ステップE3でNO)、沸き上げ装置Aに昼間沸き上げ動作を継続させる。一方、昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量Qtに達していれば(ステップE3でYES)、制御装置400は、沸き上げ装置Aに沸き上げ停止を指示する信号を送信して昼間沸き上げ動作を終了させる(ステップE4)。
以上、第3昼間沸き上げ制御では、図18に示すように低能力沸き上げ開始時刻である16:00に運転を開始する。つまり、低加熱能力Φlowで湯切れ発生予想時刻までに昼間目標蓄熱量Qtをタンク10に蓄熱するために運転を開始すべき最終時刻に相当する低能力沸き上げ開始時刻に運転を開始する。運転開始後、昼間積算蓄熱量が上昇し、運転開始から運転時間t(この例では3時間)後、つまり湯切れ発生予想時刻の19:00に昼間目標蓄熱量Qtに達している。また、第3昼間沸き上げ制御では、低能力運転を行うことで、図19と、図11及び図15とを比較して明かなように、第1及び第2昼間沸き上げ制御に比べて、消費電力量が低くなっている。
(リモコン表示)
図20は、実施の形態1に係る貯湯式給湯装置のリモコンの表示例を示す図である。
第1昼間沸き上げ制御及び第2昼間沸き上げ制御を実施中、制御装置400は、リモコン300の表示部301に、DR実施要求に応じた制御中である旨の「DR対応モード表示」を行い、DR対応モード中であることが使用者に分かるようにする。この例では、「DR対応モード表示」として「DR対応モード中」というメッセージを表示する例を示しているが、この表示例に限られたものではない。「DR対応モード表示」の表示期間は、DR実施要求が上げDRであれば、DR実施要求を受信して沸き上げ動作を開始してから終了するまでである。また、「DR対応モード表示」の表示期間は、DR実施要求が下げDRであれば、DR実施要求を受信してから沸き上げ動作を終了するまでである。
《効果》
以上説明したように、本実施の形態1の貯湯式給湯装置は、湯水を貯湯するタンク10と、水を加熱してタンク10に湯を貯湯する沸き上げ動作を行う沸き上げ装置Aと、沸き上げ動作を開始してからタンク10に蓄熱される積算蓄熱量が目標蓄熱量に達するように沸き上げ装置Aを制御する制御装置400とを備える。制御装置400は、電力会社から送信される消費電力量の調整に関するDR実施要求を受信すると、受信当日の沸き上げ動作をDR実施要求に応じて制御する。
このように、電力会社からDR実施要求を受信すると、DR実施要求に応じて受信当日の沸き上げ動作を制御するので、電力会社からの実際のDR実施要求に応えることができる。
本実施の形態1において、制御装置400は、負荷履歴に基づいて、予め定めた夜間の時間に行う夜間沸き上げ動作における夜間目標蓄熱量と、夜間以降の昼間に行う昼間沸き上げ動作における昼間目標蓄熱量とを設定する。制御装置400は、夜間沸き上げ動作を開始してからの夜間積算蓄熱量が夜間目標蓄熱量に達するように夜間沸き上げ動作を制御し、DR実施要求に応えつつ、昼間沸き上げ動作を開始してからの昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量に達するように昼間沸き上げ動作を制御する。
これにより、どのようなDR実施要求にも対応できる。したがって、電力会社からしてみれば、電力の需要バランスの調整が容易になる。
本実施の形態1において制御装置400は、夜間目標蓄熱量と、予め設定された夜間用の加熱能力と、負荷側で熱量の消費が始まると予測した時刻と、に基づく夜間沸き上げ動作の開始時刻に、夜間沸き上げ動作を開始させる。
これにより、放熱ロスを低減できる。
本実施の形態1において制御装置400は、昼間目標蓄熱量と、予め設定した仮定の加熱能力とに基づいて昼間沸き上げ動作の運転時間を予測し、予測した運転時間を電力会社に送信する。
これにより、電力会社からしてみれば、電力の需要量の見込みを立てるための参考情報を得ることができる。
本実施の形態1において制御装置400は、DR実施要求が、貯湯式給湯装置における消費電力量の目標である目標調整量を指示する上げDRであると、貯湯式給湯装置における消費電力量が昼間の目標調整量となるように昼間沸き上げ動作を制御する。
これにより、電力会社と貯湯式給湯装置を有する需要家との間において上げDRのDR実施要求に応じた電力消費を需要家側で行うことで、電力会社から需要家に対して報酬を支払う契約が成されている場合に、需要家側は、料金的メリットを得ることができる。また、電力会社側からすれば、需要家側で目標調整量の電力消費が成されることで、消費電力の需供バランスの調整が容易になる。
本実施の形態1において制御装置400は、上げDRを実施中に昼間積算蓄熱量が昼間目標蓄熱量に達した場合は昼間沸き上げ動作を終了する。
これにより、上げDR実施中であっても、必要以上の無駄な蓄熱が行われることを回避できる。
本実施の形態1において制御装置400は、上げDRのDR実施要求に対する応答として、現在の加熱能力で昼間目標蓄熱量をタンク10に蓄熱するために要する時間である運転時間を電力会社に送信する。
これにより、電力会社からしてみれば、上げDR実施中に目標調整量をどれだけ達成できるかの見込みを立てるための参考情報として、より正確な情報を得ることができる。
本実施の形態1において制御装置400は、DR実施要求が、貯湯式給湯装置における消費電力量の低下を指示する下げDRであると、電力会社から下げDR終了を受信するまで昼間沸き上げ動作を停止させ、下げDR終了を受信後、沸き上げ動作を開始させる。
このように、下げDR実施が終了してから昼間沸き上げ動作を開始することで、電力会社は、電力需要のひっ迫時に、需要のピークを抑えられる。
本実施の形態1において制御装置400は、下げDR終了を受信後の沸き上げ動作では、昼間積算蓄熱量が、タンク10の湯切れが生じると予想される湯切れ発生予想時刻までに昼間目標蓄熱量に達するように加熱能力を調整する。
これにより、湯切れが発生するリスクを低減できる。
本実施の形態1において制御装置400は、下げDRのDR実施要求に対する応答として、運転停止宣言を電力会社に送信する。
これにより、電力会社は、下げDR実施中にどれだけ電力の需要量を抑えられるかの見込みを立てるための参考情報が得られる。
本実施の形態1において制御装置400は、予め設定した時刻までにDR実施要求を受信しない場合、夜間沸き上げ動作時よりも消費電力量が少なくなる低能力運転で昼間目標蓄熱量がタンク10に蓄熱されるように昼間沸き上げ動作を制御する。
このように予め設定した時刻までにDR実施要求がない場合は電力の需給バランスが釣り合っているため、低能力運転で沸き上げを行うことで、需要量の増分を最小に抑えることができ、電力の需給バランスが崩れるのを抑制できる。低能力運転を行うことで消費電力量が少なくなるため、貯湯式給湯装置の使用者からすれば電気料金を抑えられるメリットがある。また、低能力運転では昼間目標蓄熱量Qtを沸き上げるために要する運転時間が長くなるため、沸き上げ開始時刻が第1及び第2昼間沸き上げ制御よりも早くなる。このため、昼間に突発的に予想外の給湯負荷が発生した場合でも、湯切れが発生するリスクを少なくできる。
本実施の形態1において制御装置400は、DR実施要求に応じた制御中、貯湯式給湯装置を操作するリモコン300に、DR実施要求に対応中である旨を表示させる。
これにより、貯湯式給湯装置の使用者はDRに参加していることが分かる。
ところで、電力会社が契約者から太陽光発電(以下、PV発電という)による電力の買い取りを行っている場合がある。このような契約が成立している場合において、電力会社の管轄地域内にて本実施の形態1の貯湯式給湯装置が用いられることで、需要調整による需給バランスを取ることができる。したがって、電力会社はPV発電の発電過剰による買い取り停止等の状況を回避でき、PV発電を行っている契約者からしてみれば、PV発電電力の売電による報酬が得られない事態を回避できる。
実施の形態2.
図21は、実施の形態2に係る貯湯式給湯装置の制御装置及び外部通信端末の構成の一例を示す機能ブロック図である。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
上記実施の形態1では、貯湯式給湯装置が通信装置500を備えており、制御装置400は通信装置500を介して電力会社との間でDR実施情報と運転情報との送受信を行っていた。これに対し、実施の形態2では、貯湯式給湯装置は通信装置500を備えておらず、貯湯式給湯装置との間で情報の送受信可能に接続された外部通信端末700の通信装置800を用いて電力会社との通信を行う構成とした。なお、外部通信端末700は、例えば、HEMSコントローラ、スマートフォン及びPCの何れかである。
以上のように構成した実施の形態2の貯湯式給湯装置は、DR実施情報を外部通信端末700経由で電力会社から取得し、運転情報を外部通信端末700経由で電力会社に送信する。
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果に加え、貯湯式給湯装置の機器構成から通信装置500を省いて外部通信端末700の通信装置800を代用することで、機器のコストダウンができる。
1a 貯湯温度センサ、1b 貯湯温度センサ、1c 貯湯温度センサ、1d 貯湯温度センサ、2 入水温度センサ、3 出湯温度センサ、4 浴槽温度センサ、5 浴槽往き温度センサ、10 タンク、11 タンク側ポンプ、12 水熱交換器、13 給湯端、14 給水端、21 圧縮機、22 水熱交換器、23 膨張弁、24 室外熱交換器、25 室外熱交換器ファン、40 情報取得部、41 演算処理部、42 機器制御部、43 通信部、44 タイマ、45 記憶部、50 受信部、51 送信部、60 浴槽戻り配管、61 浴槽往き配管、62 浴槽循環ポンプ、70 ヒートポンプ入水配管、71 ヒートポンプ出湯配管、72 給湯配管、73 送湯配管、74a 第一給水配管、74b 第二給水配管、75 温水導入配管、76a 第一温水導出配管、76b 第二温水導出配管、77 タンク給水配管、78 湯張り配管、79 一般給湯配管、80 風呂給湯混合弁、81 湯張り開閉弁、82 一般給湯混合弁、83 三方弁、84 三方弁、85 四方弁、86 四方弁、90 中温水配管、91 水配管、92 第一湯水配管、93 第二湯水配管、94 第三湯水配管、95 第四湯水配管、96 第五湯水配管、100 貯湯ユニット、200 ヒートポンプユニット、300 リモコン、301 表示部、400 制御装置、500 通信装置、600 浴槽ユニット、601 浴槽、601a 排水栓、700 外部通信端末、800 通信装置、A 沸き上げ装置。

Claims (13)

  1. 湯水を貯湯するタンクと、
    水を加熱して前記タンクに湯を貯湯する沸き上げ動作を行う沸き上げ装置と、
    前記沸き上げ動作を開始してから前記タンクに蓄熱される積算蓄熱量が目標蓄熱量に達するように前記沸き上げ装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    電力会社から送信される消費電力量の調整に関するDR実施要求を受信すると、受信当日の前記沸き上げ動作を前記DR実施要求に応じて制御し、
    負荷履歴に基づいて、予め定めた夜間の時間に行う夜間沸き上げ動作における夜間目標蓄熱量と、前記夜間以降の昼間に行う昼間沸き上げ動作における昼間目標蓄熱量とを設定し、
    前記夜間沸き上げ動作を開始してからの夜間積算蓄熱量が前記夜間目標蓄熱量に達するように前記夜間沸き上げ動作を制御し、
    前記DR実施要求に応えつつ、前記昼間沸き上げ動作を開始してからの昼間積算蓄熱量が前記昼間目標蓄熱量に達するように前記昼間沸き上げ動作を制御し、
    前記DR実施要求が、貯湯式給湯装置における消費電力量の低下を指示する下げDRであると、前記電力会社から下げDR終了を受信するまで前記昼間沸き上げ動作を停止させ、前記下げDR終了を受信後、前記昼間沸き上げ動作を開始させ、
    前記下げDR終了を受信後の前記昼間沸き上げ動作では、前記昼間積算蓄熱量が、前記タンクの湯切れが生じると予測される湯切れ発生予想時刻までに前記昼間目標蓄熱量に達するように加熱能力を調整する貯湯式給湯装置。
  2. 前記制御装置は、前記下げDRの前記DR実施要求に対する応答として、運転停止宣言を前記電力会社に送信する請求項1記載の貯湯式給湯装置。
  3. 前記制御装置は、予め設定した時刻までに前記DR実施要求を受信しない場合、前記夜間沸き上げ動作時よりも消費電力量が少なくなる低能力運転で前記昼間目標蓄熱量が前記タンクに蓄熱されるように前記昼間沸き上げ動作を制御する請求項1又は請求項2記載の貯湯式給湯装置。
  4. 湯水を貯湯するタンクと、
    水を加熱して前記タンクに湯を貯湯する沸き上げ動作を行う沸き上げ装置と、
    前記沸き上げ動作を開始してから前記タンクに蓄熱される積算蓄熱量が目標蓄熱量に達するように前記沸き上げ装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    電力会社から送信される消費電力量の調整に関するDR実施要求を受信すると、受信当日の前記沸き上げ動作を前記DR実施要求に応じて制御し、
    負荷履歴に基づいて、予め定めた夜間の時間に行う夜間沸き上げ動作における夜間目標蓄熱量と、前記夜間以降の昼間に行う昼間沸き上げ動作における昼間目標蓄熱量とを設定し、
    前記夜間沸き上げ動作を開始してからの夜間積算蓄熱量が前記夜間目標蓄熱量に達するように前記夜間沸き上げ動作を制御し、
    前記DR実施要求に応えつつ、前記昼間沸き上げ動作を開始してからの昼間積算蓄熱量が前記昼間目標蓄熱量に達するように前記昼間沸き上げ動作を制御し、
    予め設定した時刻までに前記DR実施要求を受信しない場合、前記夜間沸き上げ動作時よりも消費電力量が少なくなる低能力運転で前記昼間目標蓄熱量が前記タンクに蓄熱されるように前記昼間沸き上げ動作を制御する貯湯式給湯装置。
  5. 前記制御装置は、前記夜間目標蓄熱量と、予め設定された夜間用の加熱能力と、負荷側で熱量の消費が始まると予測した時刻と、に基づく夜間沸き上げ開始時刻に、前記夜間沸き上げ動作を開始させる請求項1~請求項4の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  6. 前記制御装置は、前記昼間目標蓄熱量と、予め設定した仮定の加熱能力とに基づいて前記昼間沸き上げ動作の運転時間を予測し、予測した前記運転時間を前記電力会社に送信する請求項1~請求項5の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  7. 前記制御装置は、前記DR実施要求が、前記貯湯式給湯装置における消費電力量の目標である目標調整量を指示する上げDRであると、前記消費電力量が前記目標調整量となるように前記昼間沸き上げ動作を制御する請求項~請求項の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  8. 前記制御装置は、前記上げDRを実施中に前記昼間積算蓄熱量が前記昼間目標蓄熱量に達した場合は前記昼間沸き上げ動作を終了する請求項1~請求項7の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  9. 前記制御装置は、前記上げDRの前記DR実施要求に対する応答として、現在の加熱能力で前記昼間目標蓄熱量を前記タンクに蓄熱するために要する時間である運転時間を前記電力会社に送信する請求項記載の貯湯式給湯装置。
  10. 前記制御装置は、前記DR実施要求に応じた制御中、前記貯湯式給湯装置を操作するリモコンの表示部に、前記DR実施要求に対応中である旨を表示させる請求項1~請求項の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  11. 前記電力会社と通信を行い、前記制御装置に前記DR実施要求を送信する通信装置を備えた請求項1~請求項10の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  12. 前記制御装置は、外部通信端末に備えられた通信装置を介して、前記電力会社から前記DR実施要求を受信する請求項1~請求項11の何れか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  13. 前記外部通信端末は、HEMSコントローラ、スマートフォン及びPCの何れかである請求項12記載の貯湯式給湯装置。
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