JP7344193B2 - 産業プロセス内において細菌胞子を迅速に検出するための方法 - Google Patents

産業プロセス内において細菌胞子を迅速に検出するための方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、2017年7月12日付けでPCT国際特許出願として提出されたものであって、(中国の受理官庁において)本出願と同時に提出された米国特許出願“A RAPID APPROACH FOR DETECTION OF BACTERIAL SPORES”シリアル番号(代理人整理番号No.00163.3220WO01)に開示された主題に関連している。この文献の主題は、参照により本出願に援用される。
内生胞子は、フィルミキュート門内の特定の種の細菌によって生成された、休眠中の頑丈な非生殖構造である。内生胞子又は胞子は、栄養状態の細菌細胞がストレス又は栄養不足に曝されたときに、生成される。内生胞子は、代謝率が非常に低く、そのため、栄養細菌細胞を迅速に検出するに際して典型的に使用されている方法によっては、検出することができない。さらに、胞子は、UV、熱、消毒剤、乾燥、飢えなどの過酷な条件に対して耐え得るように進化したものであるために、殺すことが極度に困難なものである。好ましい条件及び栄養素に曝された時には、胞子は、発芽して、栄養細胞を生成する。
胞子を産生する細菌は、人間及び動物に病気を引き起こすことのために、また、食品及び飲料の腐敗を引き起こすことのために、さらに、バイオフィルムの永続化を促進することのために、問題である。特に懸念される胞子産生細菌株は、バチルス属及びクロストリジウム属のものである。両方とも、人間に有害な種を含むグラム陽性のロッド形状の細菌である。炭疽菌は、炭疽毒素を産生し、セレウス菌は、食中毒を引き起こす。ボツリヌス菌は、ボツリヌス中毒(ボトックスとしても知られている)を引き起こし、ディフィシル菌は、下痢を引き起こし、パーフリンジェンス菌は、食中毒を引き起こし、そして、テタニ菌は、破傷風を引き起こす。セレウス菌は、環境表面の除染に使用される殺菌化学物質に対しての耐性が増大していることが確認されていることのために、最も問題のある細菌の1つである。
セレウス菌は、胃腸障害の原因として頻繁に診断されており、いくつかの食品媒介性疾患の発生の原因であることが示唆されている。その急速な胞子形成能力により、セレウス菌は、環境中において容易に生存する。この細菌は、直接的に及び間接的に、食品を汚染することができる。セレウス菌は、糞及び土壌を介して生乳を直接的に汚染し得るとともに、牛の腸内通路内において及び低温殺菌プロセスにおいて、生き延びることができる。間接的な汚染は、液体及び食品の包装材料内に含まれるセレウス菌の胞子の存在に起因することができる。食品に対して直接的に接触することとなる材料の中に存在する胞子は、食品内への胞子の移動を引き起こすことができ、これにより、腐敗を引き起こすことができる。
これらの細菌が人間に摂取されることの否定的な意味を考慮して、政府機関は、胞子の存在を低減させることを目的とした基準又はガイドラインを設定した。現在の胞子検出方法においては、完了するまでに48時間を必要とする。細菌胞子をテストする最も一般的な方法は、プレーティング法である。この方法における2日間の遅延は、多くの産業において、実用的ではない。製品テストの場合、2日間の遅延は、テスト結果が完了するまでに、異常な量の製品を隔離することを必要とする。これは、例えば製紙業界又は板紙業界においては、問題である。
同様に、食品加工装置及び飲料加工装置をテストする場合には、装置は、定期的に清掃のために取り外されるだけであり、実際問題として、2日間オフラインのままではあり得ない。病院は、ディフィシル菌に感染した患者を退出させた後、病室の表面上の胞子の存在を確認するために設計されたテストの結果を待つ間、病室を2日間にわたって空けておくことはできない。また、特に、待機中に食品が腐敗する可能性がある場所に、または、水や液体が絶えず変化する場所(例えば、冷却塔の水、飲料、牛乳加工時の牛乳)に、大量の食品及び水を隔離することは、実用的ではない。
本開示は、このような背景に対してなされたものである。
一般的に、本開示は、細菌胞子を栄養細胞から迅速に検出し識別するための方法に関する。
一態様においては、サンプル内において栄養細胞及び他の微生物から細菌胞子を検出し識別するための方法が、提供される。サンプルは、細菌胞子の存在をテストすべきものとして調製される。サンプル内における微生物代謝活性のベースラインレベルが、測定される。サンプルは、発芽を開始し得る条件下において培養されるとともに、サンプル内における微生物代謝活性のレベルが、経時的に観察される。培養の開始から約5時間~8時間後に、サンプル内における微生物代謝活性の急上昇(a burst)の存在又は非存在が、検出される。
いくつかの態様においては、サンプル内において栄養細胞及び他の微生物から細菌胞子を検出し識別するための方法は、追加的な工程を含む。いくつかの実施形態においては、サンプルの調製は、未知量の、胞子若しくは栄養細胞、又は胞子及び栄養細胞の両方を含むサンプルを収集することを含む。サンプルは、分解(disintegrated)されるとともに、皿又は容器内に配置される。
いくつかの態様においては、サンプルは、硬質面から、液体から、スラリー(澱粉、炭酸塩、粘土、又はTiO)から、又は紙製品から収集される。いくつかの実施形態においては、サンプルは、硬質面から収集され、硬質面は、食品加工装置及び飲料加工装置、パイプ、タンク、蒸発器、スプレーノズル、乳製品加工装置、ミルクタンク、ミルクトラック、搾乳装置、カウンタートップ、調理面、シンク及びトイレのハンドルなどの浴室表面、ライトスイッチパネル、ドアノブ、コールボタン、電話ハンドル、リモコン、デスクトップ、患者用レール、つかまり棒、手術器具、そして、パイプ、チェスト、ヘッドボックス、ブロークタワー、こぼれ受けブレード及び成形用ワイヤを含む製紙工場内の装置などとされる。他の実施形態においては、サンプルは、液体から採取され、液体は、プロセス水、流入水、冷却塔の水、処理済みの又は未処理の廃水、紙供給物、薄いストック及び厚いストック、白水、ユーレボックス(uhle box)水、トレイ水、果物及び野菜の水路水、タンパク質プロセス水、水耕栽培水または水産養殖水、及び、農業用水、などとされる。さらに他の実施形態においては、サンプルは、紙製品から採取され、紙製品は、食品接触グレード及び非食品接触グレードの双方のための完成紙製品及び完成板紙製品などの紙製品、手術用の又は医療用のドレープ、無菌包装容器、食品及び飲料用のプラスチック容器、食品缶、飲料用のアルミニウム容器又はPET容器、バッグ、フィルム、及び、調整雰囲気包装、などとされる。
いくつかの実施形態においては、サンプル内の栄養細胞は、不活化される。そのような実施形態においては、栄養細胞は、サンプルを約80℃~約110℃という温度で約5分間~15分間にわたって加熱することによって、不活性化されることができる。
いくつかの実施形態においては、微生物代謝活性は、アデノシン三リン酸(ATP)を測定することにより決定される。そのような実施形態においては、ATPは、サンプルに対してルシフェラーゼ及びルシフェリンを添加することにより、さらに、相対発光単位(RLU)で発光を測定することにより、測定することができる。ATPは、また、HPLCによっても測定することができる。他の実施形態においては、微生物の代謝活性は、代謝色素によって検出される。
いくつかの実施形態においては、サンプルを培養することは、栄養ブロス及び発芽促進剤をサンプルに対して提供することを含む。殺生物性中和剤が、任意選択的に添加される。サンプルは、約30℃~約45℃という温度で培養される。いくつかの態様においては、栄養ブロスは、2X栄養ブロスとされるとともに、発芽促進剤は、L-アラニンとされる。
いくつかの態様においては、微生物代謝活性に関してのサンプルの観察は、サンプルに対してルシフェラーゼ及びルシフェリンを添加することにより、そして、培養の開始から8時間という間の複数の時点で発光を測定することにより、行われる。いくつかの実施形態においては、測定は、1時間ごとに行われる。
いくつかの態様においては、微生物代謝活性の急上昇は、サンプルの初期的測定と比較して、少なくとも10倍は大きな微生物代謝活性が測定されたときに、起こる。この急上昇により、サンプル内に胞子が存在することが決定される。いくつかの実施形態においては、この方法は、サンプル内における細菌胞子の存在又は非存在を、サンプルの調製から8時間以内に決定し得るとともに、胞子を、栄養細胞から識別することができる。
いくつかの態様においては、この方法は、胞子若しくは栄養細胞、又は胞子及び栄養細胞の両方の存在又は非存在に基づいて抗菌処理を選択することをさらに含む。そのような態様においては、抗菌処理は、胞子が検出された場合には、二酸化塩素、オゾン、グルタルアルデヒド、次亜塩素酸ナトリウム、過酸、UV、極端な熱、及び照射、からなる群の中から選択することができる。栄養細胞のみが検出された場合には、抗菌処理は:イソチアゾリン;グルタルアルデヒド;ジブロモニトリロプロピオンアミド;カルバメート;第四アンモニウム化合物;次亜塩素酸ナトリウム;二酸化塩素;過酢酸;オゾン;クロラミン;ブロモスルファメート;ブロモクロロジメチルヒダントイン;ジクロロジメチルヒダントイン;モノクロラミン;アンモニウム塩、及びジメチルヒダントインアミノ酸、シアヌル酸、スクシンイミド、尿素を含む安定剤と組み合わせて使用される次亜塩素酸ナトリウム、及びこれらの組合せからなる群の中から選択される。いくつかの実施形態においては、この方法は、選択された抗菌処理を、硬質表面、液体又は紙製品に対して適用することをさらに含む。
一実施形態においては、栄養細胞及び他の微生物から細菌胞子を検出し識別するための方法は、未知量の、胞子若しくは栄養細胞、又は胞子及び栄養細胞の両方を含有するサンプルを、硬質面から又は液体から又は紙製品から、採取することから開始される。サンプルは、硬質面から採取することができ、硬質面は、食品加工装置及び飲料加工装置、パイプ、タンク、蒸発器、スプレーノズル、乳製品加工装置、ミルクタンク、ミルクトラック、搾乳装置、カウンタートップ、調理面、シンク及びトイレのハンドルなどの浴室表面、ライトスイッチパネル、ドアノブ、コールボタン、電話ハンドル、リモコン、デスクトップ、患者用レール、つかまり棒、手術器具、そして、パイプ、チェスト、ヘッドボックス、ブロークタワー、こぼれ受けブレード及び成形用ワイヤを含む製紙工場内の装置などとされる。サンプルは、また、液体からも採取することができ、液体は、プロセス水、流入水、冷却塔の水、処理済みの又は未処理の廃水、紙供給物、薄いストック及び厚いストック、白水、ユーレボックス水、トレイ水、果物及び野菜の水路水、タンパク質プロセス水、水耕栽培水または水産養殖水、及び、農業用水、などとされる。また、サンプルは、紙製品から採取することができ、紙製品は、食品接触グレード及び非食品接触グレードの双方のための完成紙製品及び完成板紙製品などの紙製品、手術用の又は医療用のドレープ、無菌包装容器、食品及び飲料用のプラスチック容器、食品缶、飲料用のアルミニウム容器又はPET容器、バッグ、フィルム、及び、調整雰囲気包装、などとされる。サンプル中の栄養細胞は、約80℃~約110℃または約85℃~約105℃または約90℃~約100℃という温度で、約5分間~15分間または7分間~13分間または9分間~11分間にわたって、サンプルを加熱することにより、不活性化される。代謝活性のベースラインレベルは、サンプル中のATPレベルを測定することにより決定される。ATPレベルは、サンプルに対してルシフェラーゼとルシフェリンを添加することにより、さらに、RLUで発光を測定することにより、測定される。サンプルは、発芽を開始させるために、2X栄養ブロス及びL-アラニン発芽促進剤を使用して、約30℃~約45℃という温度で培養される。サンプルは、ルシフェラーゼとルシフェリンをサンプルに対して添加することによりそして培養開始から8時間の間の複数の時点で発光を測定することにより、微生物の代謝活性に関して観察される。培養開始から約5時間~約8時間の後に、ベースラインレベルと比較して少なくとも10倍は大きな微生物代謝活性の急上昇の存在は、胞子が存在することを示す。微生物代謝活性の急上昇の非存在は、胞子が存在しないことを示す。胞子が検出されると、胞子を処理するための抗菌処理が選択され、この抗菌処理が、硬質面に対してまたは液体に対してまたは紙製品に対して、適用される。胞子が検出されない場合には、栄養細胞を処理するための抗菌処理が選択され、この抗菌処理が、硬質面に対してまたは液体に対してまたは紙製品に対して、適用される。
図1は、熱処理なし、発芽促進剤なし、かつ栄養素なしという条件下での、工業用水サンプルに関しての、ATP生成の経時的チャートを示す。
図2は、熱処理なし、発芽促進剤あり、かつ栄養素なしという条件下での、工業用水サンプルに関しての、ATP生成の経時的チャートを示す。
図3は、熱処理なし、発芽促進剤あり、かつ栄養素ありという条件下での、工業用水サンプルに関しての、ATP生成の経時的チャートを示す。
図4Aは、熱処理あり、発芽促進剤あり、かつ栄養素ありという条件下での、工業用水サンプルに関しての、ATP生成の経時的チャート(RLUで示されている)を示す。
図4Bは、熱処理あり、発芽促進剤あり、かつ栄養素ありという条件下での、工業用水サンプルに関しての、ATP生成のチャート(経時的なRLU生成の比率で示されている)を示す。
図5は、熱と発芽促進剤と栄養素とによって処理された7つの工業用水サンプルに関しての、ATP生成の経時的チャートを示す。
本開示は、細菌胞子を検出するための方法に関する。特に、実施形態は、細菌胞子の存在を、他の微生物の存在から迅速に区別するための方法に関し、また、胞子汚染の根源を決定するための方法に関する。さらに、本開示は、胞子形成細菌の栄養状態と胞子状態とを区別する。
以下の定義は、この用途において使用される用語をどのように解釈するかを決定するために提供されており、特に、特許請求の範囲をどのように解釈するかを決定するために提供されている。定義の制定は、便宜上のものに過ぎず、それらの定義を、任意の特定のカテゴリに限定することを意図したものではない。
本明細書において使用された際には、「細菌胞子」または「内生胞子」という用語は、バチルス種及びクロストリジウム種などのいくつかの種の細菌によって産生される構造を指す。胞子により、細菌は、極端な温度、干ばつ、及び化学処理などの過酷な条件下において休眠状態を維持することができる。
本明細書において使用された際には、「発芽」という用語は、休眠状態の細菌胞子からの栄養細胞の成長を指す。発芽は、栄養細胞が成長するのに好ましい条件に対して胞子が曝された時に、起こる。
本明細書において使用された際には、「栄養細菌細胞」という用語は、活発に成長しておりかつ代謝活性を呈しておりかつ分裂している細菌細胞を指す。
本明細書において使用された際には、「殺生物剤」という用語は、化学的手段又は生物学的手段によって任意の有害な微生物を破壊又は中和することを意図した、化学物質又は微生物を指す。殺生物剤は、人間又は動物の健康に有害な生物を制御するために使用される、または、天然物又は製造品に対して損傷を与えるために使用される、防腐剤、防虫剤、消毒剤、及び殺虫剤、を含んでもよい。
本明細書において使用された際には、「殺胞子剤」という用語は、セレウス菌又は枯草菌の胞子の集団において90%を超える減少(1対数オーダーの減少)を引き起こす能力を有する、物理的薬剤、化学的薬剤、又はプロセスを指す。好ましくは、本開示における殺胞子組成物は、そのような集団において、99%を超える減少(2対数オーダーの減少)を提供し、より好ましくは、99.99%を超える減少(4対数オーダーの減少)を提供し、最も好ましくは、99.999%を超える減少(5対数オーダーの減少)を提供する。
「隔離」という用語は、汚染されている可能性のあるまたは微生物に感染している可能性のある物体の分離及び隔絶を指す。
本明細書において使用された際には、「迅速な検出」という用語は、48時間未満で、細菌及び細菌胞子を検出するための方法を指す。好ましくは、「迅速な検出」とは、24時間未満で、細菌を検出することを指す。最も好ましくは、「迅速な検出」とは、12時間未満で、細菌を検出することを指す。
本明細書において使用された際には、「プロセス水」という用語は、技術プラント及び生産プロセスに関連して使用される水である。プロセス水は、飲用とは見なされず、製造プロセスを促進するために使用される。
「アデノシン三リン酸」(ATP)という用語は、細胞内で化学エネルギを輸送するために使用される分子を指す。ATPは、アデニン基、リボース基、及び3つのリン酸基を含有している。ATPは、アデノシン二リン酸(ADP)とリン酸とに分解され、その際、エネルギを放出する。
本明細書において使用された際には、「微生物」という用語は、単細胞又は多細胞である微視的生物を指す。これらの生物は、細菌、ウイルス、真菌、及び藻類を含んでもよい。
本明細書において使用された際には、「代謝活性」という用語は、生きている生物内で起こる化学反応を指す。
本明細書において使用された際には、「生物発光」という用語は、生きている生物による光の生成及び放出を指す。酵素ルシフェラーゼは、ルシフェリンの酸化を触媒し、光を生成する。
本明細書において使用された際には、「高速液体クロマトグラフィ」(HPLC)という用語は、混合物内の各成分を分離、識別、及び定量化するために使用される分析化学技術を指す。
本明細書において使用された際には、「カチオン」という用語は、正に帯電したイオンを指す。
本明細書において使用された際には、「休眠」という用語は、所定期間にわたって中断された正常な物理的機能を有する生物を指す。
本明細書において使用された際には、「コロニー形成単位」(CFUs)という用語は、サンプル中の多数の生存可能な細菌又は真菌細胞の推定値を指す。生細胞は、制御された条件下においては、増殖することができる。CFUsは、液体の場合はCFU/mL、固体の場合はCFU/gという単位で提供される。
本明細書において使用された際には、「相対発光単位」(RLU)という用語は、ルミノメータによって測定された光量を指す。
本明細書において使用された際には、「発芽条件」という用語は、細菌胞子(内生胞子)の活性化、発芽、及び成長にとって好ましい条件を指す。
細菌及び細菌胞子の存在を検出することは、多くの産業において重要である。人間の健康が関係する場合には、ガイドラインは、存在する可能性のある細菌の最大量を指示している。例えば、「デイリーマンの基準」は、乳製品に使用される紙又は板紙に関して、1グラムあたりに存在する可能性のある細菌のコロニー形成単位(CFU)の数に関する要件を提供している。テスト対象をなす紙又は板紙からサンプルを切り取り、シールされたエンベロープ内に配置する。次に、サンプルを小さな正方形へとカットし、滅菌ブレンダ内に入れる。滅菌済みのリン酸塩希釈水を、ブレンダ内のカット済み紙サンプルに対して添加し、これにより、サンプルの分解を補助する。分解した直後に、サンプルを、1つ又は複数のペトリ皿内へと移す。溶けた寒天を、ペトリ皿内のサンプルの上に注ぎ、固化させる。固化の後に、プレートを、36℃で48時間にわたって培養する。培養後に、プレートを、コロニーカウンタを使用して、CFUの存在及び数について検査する。
産業界のガイドラインは、乳製品と一緒に使用される紙製品又は板紙製品に存在するコロニー形成単位(CFU)の数を、1グラムあたり250個未満に制限している。いくらかのエンドユーザは、いささか厳しいコンプライアンス(<100->1000CFU/g)を必要とする場合がある。乳製品業界、食品業界、及びヘルスケア業界における胞子に関するガイドラインに準拠するためには、胞子を形成し得る細菌が、その最も脆弱な栄養状態のときに、検出されて適切に処理されることが重要である。
胞子は、酸化及び化学的攻撃に対しての耐性を与える多くの保護層から構成されている。胞子を殺すためには、栄養細胞と比較して、より多くの殺生物剤の投与量が必要である。活発な栄養細胞に殺生物剤を適用することは、常により効果的である。胞子制御プログラムは、栄養状態の細胞を攻撃できるほどに、及び、胞子形成を防止できるほどに、充分に強力なものでなければならない。投与量は、栄養細胞が胞子に成長する前に栄養細胞を殺し得るほどに、充分に多い量でなければならない。
微生物を検出する1つの方法は、微生物活性の測定に依存する。微生物活性は、活性の指標としてアデノシン三リン酸(ATP)濃度を使用することにより、測定することができる。微生物活性は、また、酸化還元色素(例えば、レサズリン及び2-(p-ヨードフェニル)-3-(p-ニトロフェニル)5-フェニルテトラゾリウムクロライド(INT))、蛍光酸化還元色素(例えば、5-シアノ-2,3-ジトリルテトラゾリウムクロライド(CTC))、及び、酵素活性のインジケータ(例えば、カルボキシフルオレセインジアセテート)、を含む代謝色素を使用することによっても、測定することができる。
アデノシン三リン酸(ATP)測定は、様々な産業において微生物を検出するために使用されている。ATPは、エネルギ源として細胞によって使用されるものであり、代謝活性の指標である。ATPは、栄養細菌内で測定することができるけれども、細菌胞子は、ATPをほとんど含有していないまたは全く含有していない。
ATPレベルは、典型的には、ルミノメータを使用して定量化される生物発光分析であって、ルシフェラーゼとの反応を含む生物発光分析によって、測定される。他の方法には、グリセロールのリン酸化と高速液体クロマトグラフィ(HPLC)とを利用した比色分析又は蛍光分析が含まれる。
生物発光を利用する方法においては、ホタル由来のルシフェラーゼ及びルシフェリンが、酸素の存在下において、マグネシウムなどのカチオンを含むサンプルに対して混合される。ATPが存在する場合には、光を生成する酸化反応において、ルシフェラーゼ(基質)とルシフェリン(触媒)との間に反応が引き起こされることとなる。発光は、ルミノメータを使用して検出され、相対発光単位(RLU)で報告される。生成される光の量は、存在する微生物の代謝活性に比例するけれども、存在する微生物の数を示すものではない。ルシフェラーゼ/ルシフェリン反応は、当該技術分野においては周知なものであって、必要な試薬についても、また、それらの使用のためのプロトコルについても、商業的供給源が存在する。例えば、いくつかのルシフェラーゼ/ルシフェリン試薬及びルシフェラーゼは、例えば、Promega社(Madison,WI)から、及び、LuminUltra社(Fredericton,New Brunswick)から、市販キットとして入手可能である。市販のルシフェラーゼには、ホタルルシフェラーゼ(Photinus pyralis,「Ppyルシフェラーゼ」)が含まれる。精製されたカブトムシのルシフェリンも、また、Promega社から市販されている。
本開示によれば、胞子を、発芽促進剤を含む栄養ブロス内に配置して培養したときには、胞子は、栄養細菌内に発芽することとなる。発芽中には、ATP生成は、急速に増加し、ATP活性のスパイクの測定により、発芽する胞子の存在が示されることとなる。その上、このプロセスは、サンプル内の胞子の濃度に応じて、培養開始から約5時間~8時間という比較的短い時間経過で引き起こされる。または、高レベルの栄養細胞を含むサンプルは、テストプロトコルの初期のうちに、典型的には1時間以内に、大きなATP値を示す。サンプル中のATPは、残留した殺生物剤の存在により、長時間の培養で減少することがあり得る。殺生物性中和溶液の使用が、利用されてもよい。
胞子の発芽は、栄養素及び発芽促進剤を添加する前の時点でサンプルの初期的ATPを測定し、その後、アッセイの培養時間中に定期的にATPを測定することにより、直接的に観察することができる。この間、栄養細胞は、定常レベルでATPを生成するものの、胞子は、サンプル内に存在する胞子の濃度に応じて、アッセイ開始から5時間~8時間で測定され得るATP生成の急上昇を呈する。100CFU/mL~200CFU/mLという範囲の胞子濃度においては、7時間~8時間でATPの急上昇が生成されることとなり、1,000CFU/mL~100,000CFU/mLという大きな胞子濃度においては、約5時間でATPの急上昇を呈することとなる。
いくつかのサンプルにおいては、高レベルの栄養細菌細胞が、発芽中の胞子からのATP読取値を不明瞭にする可能性がある。これを軽減するために、任意選択的な80℃~95℃での10分間~15分間にわたっての加熱ステップを、アッセイの開始時に行ってもよい。この加熱ステップにより、栄養細胞が不活性化され、これにより、ATPレベルに対しての栄養細胞の寄与が排除される。その間、胞子は、休眠状態でもって高温でも生き延びることができる。栄養素及び発芽促進剤の添加時には、胞子は、もし存在する場合には、ATPの急上昇を生成することとなる。
産業プロセスにおいて細菌胞子を迅速に検出するためのこの方法を実施するためには、まず、細菌胞子の存在をテストされることとなるサンプルを、調製しなければならない。サンプルは、細菌胞子によって汚染されている可能性のある任意の起源から収集することができる。サンプルは、細菌胞子によって汚染されている可能性があり、栄養細菌細胞によって汚染されている可能性あり、どちらによっても汚染されていない可能性があり、または両方によって汚染されている可能性がある。サンプルは、硬質面から、スラリー(澱粉、炭酸塩、粘土、または、TiO)から、ストックファイバから、食料製品又は飲料製品から、液体から、または、包装用製品サンプル又は板紙製品サンプルから、採取することができる。
硬質面を有した施設の非限定的な例には、食品プラント及び飲料プラント、乳製品プラント、農場及び搾乳場、醸造所、エタノールプラント、フルサービス及びクイックサービスのレストラン、食料品店、倉庫及び小売店、商業スペース又はオフィススペース、ホテル、モーテル、病院、製紙工場、自動車プラントを含む産業的製造プラント、冷却塔、水処理プラント、精製所、油田及びガス田ならびにパイプライン、及び、掘削プラットフォーム、が含まれる。硬質面の例には、パイプやタンクや蒸発器やスプレーノズル及び同種のものを含む食品加工装置及び飲料加工装置、乳製品加工装置、ミルクタンク、ミルクトラック、搾乳装置、カウンタートップ、調理面、シンク及びトイレのハンドルなどの浴室表面、ライトスイッチパネル、ドアノブ、コールボタン、電話ハンドル、リモコン、デスクトップ、患者用レール、つかまり棒、手術器具、そして、パイプ、チェスト、ヘッドボックス、ブロークタワー、こぼれ受けブレード、及び成形用ワイヤ等を含む製紙工場内の装置が挙げられる。
硬質面上のサンプルは、医療用テープや綿布やセルロース布及び同種のものなどの、硬質面から微生物を収集するために使用し得る滅菌綿棒または他の滅菌デバイスを使用して、採取することができる。表面が乾燥している場合には、綿棒を使用して溶剤を塗布することができ、これにより、存在する可能性のある細菌残留物を溶解させて、テストのために、その残留物を溶剤に懸濁させることができる。溶媒の例には、限定するものではないけれども、滅菌水、滅菌リン酸緩衝液、滅菌TrisEDTA(TE)緩衝液、TWEENなどの希釈洗剤溶液、及び同種のもの、が含まれる。
液体の非限定的な例には、プロセス水、流入水、冷却塔の水、処理済みの又は未処理の廃水、紙供給物(薄いストック及び厚いストック)、白水、ユーレボックス(uhle box)水、トレイ水、果物及び野菜の水路水、タンパク質(例えば、家禽、豚肉、赤身肉、魚介類)プロセス水、水耕栽培水または水産養殖水、農業用水、が含まれる。液体のサンプルは、潜在的な汚染源から無菌容器内へと取り分けることができる。
食料製品及び飲料製品の非限定的な例には、牛乳、ビール、ワイン、飲料水、果物及び野菜、鶏肉や豚肉や赤身肉又は魚介類などのタンパク質、調理済みの肉、チーズ、調理済みの食品、冷凍食品、アイスクリーム、が含まれる。
包装用製品の非限定的な例には、食品接触グレード及び非食品接触グレードの双方のための完成紙製品及び完成板紙製品などの紙製品、手術用の又は医療用のドレープ、無菌包装容器、食品及び飲料用のプラスチック容器(例えば、ヨーグルト容器、牛乳容器、配送容器)、食品缶(例えば、スープ缶)、飲料用のアルミニウム容器又はPET容器、バッグ又はフィルム又は調整雰囲気包装、が含まれる。製品は、例えば製紙工場などの製造施設を出る前にテストすることができる、または、食品プラントあるいは飲料プラントなどでの使用場所でテストすることができる。紙製品のサンプルは、デイリーマンの基準(TAPPIテスト方法T449紙及び板紙に関する細菌学的検査、または、ISO8784パルプ及び板紙の細菌学的検査)に記載された手順に従って、テストすることができる。
いくつかの実施形態によれば、サンプルの任意選択的な初期的ATP測定が行われる。上述したように、サンプルは、カチオン、酸素、及び、トリス緩衝液又は同様の緩衝液、と一緒に、ルシフェラーゼ及びルシフェリンに対して組み合わせることができる。反応によって生成される光は、相対発光単位(RLU)で測定される。測定は、ルミノメータを使用して行うことができる。これに代えて、初期的なATP測定は、HPLCによって行ってもよい。いくつかの実施形態においては、栄養細胞は、任意選択的な加熱ステップによって、不活性化されてもよい。栄養細胞は、サンプルを、約5分間~約15分間にわたって、または、約7分間~約13分間にわたって、または、約9分間~約11分間にわたって、加熱することにより、不活性化されてもよい。細胞は、約80℃~約110℃で、または、約85℃~約105℃で、または、約90℃~約100℃の温度で、加熱されてもよい。好ましくは、サンプルは、約95℃という温度で10分間にわたって、加熱される。80℃でサンプルを加熱することは、サンプルから栄養細胞を排除するための、一般に認められた方法であるが、実験室でのテストにより、いくらかの栄養細胞がこのレベルの熱を生き延びることが明らかになった。
いくつかの実施形態においては、サンプルは、細菌胞子の発芽を開始させる条件で、培養される。これには、一般に、胞子に対して、栄養素と適切な温度条件とを、少なくとも提供することが含まれる。任意選択的な発芽促進剤を含む栄養ブロスを、サンプルに対して添加することができ、約30℃~約45℃、約35℃~約40℃、又は約36℃~約38℃という温度で培養することができ、これにより、胞子の発芽を効果的に開始させることができる。市販の栄養ブロスの例には、栄養ブロス、トリプチケースソイブロス、溶原性ブロス、ルリアブロス、牛肉エキスブロス、及び、テリフィックブロス、が含まれる。効果的な発芽促進剤には、L-アラニン、イノシン、グルコース、アミノ酸、及び、臭化カリウム、が含まれる。好ましくは、発芽促進剤は、L-アラニンである。一実施形態においては、サンプルは、胞子の発芽を誘起し得るよう、37℃で培養される。
ATPレベルは、サンプルが培養されている際に、指定された時間間隔でATPの読取値を取得することにより、経時的に観察される。発光は、培養期間を通して、所定間隔で、ルミノメータを使用して測定される。新しいサンプルが、各時間間隔で採取されて、ATP試薬に対して組み合わされ、これにより、各発光の読取値が生成される。ATP測定は、2時間ごとに、1時間ごとに、30分ごとに、15分ごとに、または、5分ごとに、行うことができる。好ましくは、ATP測定は、5時間~8時間という期間の中で、少なくとも1時間ごとに行われる。これに代えて、HPLCを利用することによって、サンプルのATPレベルを測定してもよい。HPLC測定も、また、ATPレベルを観察するために、少なくとも1時間ごとに行ってもよい。同じ手順を、色素を使用して実行してもよく、これにより、酸化還元変化に基づいてまたは代謝活性に基づいて微生物活性を検出することができる。サンプルは、分光光度法的にまたは蛍光測定により、色の変化の視覚的証拠に関して検査することができる。
上述したように、胞子が発芽したときには、代謝活性の増加により、胞子がATPの急上昇を生成する。ATP生成のこの急上昇は、存在する胞子の濃度に応じて、培養期間の様々な時点で観察し得るものではあるけれども、典型的には、培養開始後の5時間~8時間で現れることとなる。100CFU/mL~200CFU/mL(1ミリリットルあたりのコロニー形成単位)という範囲の胞子濃度は、7時間~8時間でATPの急上昇を生成することとなり、また、1,000CFU/mL~100,000CFU/mLという大きな胞子濃度は、約5時間でシグナルを呈することとなる。栄養細胞がサンプル内に存在する場合には(そして、熱によって不活性化されなかった場合には)、定常レベルのATP生成が、培養期間を通して検出されることとなる。栄養細胞に関する典型的な測定値は、約5,000RLU~200,000RLUという範囲であり得る。しかしながら、細菌胞子の発芽は、はるかに多くの量のATPを呈することとなり、初期的な測定と比較して、少なくとも500倍は大きなRLUを測定することとなる。ATPの典型的な急上昇は、サンプル内に存在する胞子の濃度に応じて、初期的な測定と比較して、10倍~500倍大きなRLUという範囲で測定することができる。よって、ATPの急上昇の存在は、胞子がサンプル内に存在することを示す一方、他方では、ATPの急上昇の非存在は、胞子がサンプル内に存在しないことを示す。サンプル内においてATPが全く測定されない場合には、微生物は、全く存在していない。
サンプル内に胞子が存在することが確認された後には、抗菌処理が選択される。胞子が検出された場合には、処理を、以下のものから選択することができる:すなわち、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、オゾン、グルタルアルデヒド、次亜塩素酸ナトリウム、モノクロラミン、ペルオキシ酢酸、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、5,5-ジメチルヒダントイン(DMH)、アルコール、過酸、及び、これらの組合せ、から選択することができる。
製紙工場においては、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)は、pH6.0~pH7.5という範囲の、プロセス及び水システムにおいて有効であり、少なくとも20分間という接触時間が必要とされる。有効なpH範囲においては、大部分の塩素は、HOClとして存在し、これは、酸化剤の需要によって容易に消費される。大きな需要のシステムにおいては、所望の目標残留量を達成するために、多くの投与量を適用する必要があり得る。遊離塩素は、0.4ppm~0.5ppmという目標残留量を達成するために投与された場合には、胞子に対して有効なものとすることができる。0.5ppmを超える残留遊離塩素は、このような残留塩素が、色素、OBAs、フェルト、及び機械表面を酸化することのために、機械効率に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、ウェットエンドで必要な残留物を最小化するために、ストックシステムを良好に制御することが推奨される。次亜塩素酸ナトリウムは、ブレンドチェストに対して連続的に適用することができる。ブロークタンクに関しては、次亜塩素酸ナトリウムは、グルタルアルデヒドなどの非酸化性殺生物剤と組み合わせて適用されなければならない。
二酸化塩素も、また、pH5~pH10のシステムに関して製紙工場内において効果的であり、漂白剤と比較して、酸化剤の需要によって消費される可能性はより少ない。さらに、二酸化塩素は、塩素が寄与するようには、AOX(adsorbable organic halides、吸着性有機ハロゲン化物、すなわち、クロロフェノール、ダイオキシン)の形成には寄与しない。このため、二酸化塩素は、現地の規制により塩素の使用が制限されている場合には、適切な代替品となる。二酸化塩素は、水の中に溶解した気体として供給されるため、外気に曝された時には急速に揮発する傾向がある。揮発を避けるために、供給ポイントが、慎重に検討されなければならない。充分に混合された大きな混合チェスト又は白水貯蔵チェストが、ClOの理想的な供給ポイントである。漂白剤と同様に、ストックシステムを良好に制御することにより、ウェットエンドで必要な処理が最小化されることとなるとともに、機械の互換性を向上させることとなる。二酸化塩素が、胞子制御プログラムの中核として使用される場合には、ブロークタンクは、グルタルアルデヒドなどの非酸化性殺生物剤によって最良に処理される。
モノクロラミン(MCA)(利用可能な場合には、殺生物剤として登録されている)は、pH7~pH9のシステムで効果的であり、漂白剤と比較して、酸化剤の需要によって消費される可能性はより少ない。MCAは、制御された条件下においてアンモニア源を塩素に対して混合することによって、製造される。これは、通常、9~10というpHにおいて、希釈された次亜塩素酸ナトリウムを硫酸アンモニウム溶液に対して反応させることにより、現場で生成され、これにより、3,000ppm~6,000ppmという最終MCA濃度が生成される。MCAは、良好な殺胞子剤ではないけれども、栄養状態の胞子形成細菌を含む広範囲の細菌を制御することにおいて、非常に効果的なものとすることができる。重要なことは、ストックシステムにおいて及び流入水において、一貫した生物的防除を維持することである。MCAは、プロセス異常には迅速に反応しないため、補足的なグルタルアルデヒドが推奨される。製紙工場においては、混合が良好なストックチェストが、MCAに関しての理想的な供給ポイントである。MCAは、白水に対して供給し得るけれども、腐食の可能性を最小化するためには、残留濃度が2ppm~3ppmに維持されるべきである。ストックシステム及び流入水を良好に制御することにより、ウェットエンドで必要な処理が最小化されることとなるとともに、機械の互換性を向上させることとなる。
過酢酸は、過酢酸(PAA)と過酸化水素と酢酸との平衡状態での溶液として供給される。高投与量のH2O2は、平衡溶液内において胞子を殺すのには効果的であるけれども、PAAが主な有効成分と考えられる。PAAは、AOXの形成には寄与することはなく、現地の規制により塩素の使用が制限されている場合に使用することができる。PAAは、pH5~pH7のシステムにおいて最も効果的であり、pH7を超える場合に効果を得るには、より多くの投与量が必要となり得る。強力な酸化剤と考えられるけれども、PAAは、漂白剤又はClOと比較して、より長い接触時間を必要とし得るものであって、より多くの投与量を必要とする。PAAは、ClOと組み合わせて使用し得るけれども、次亜塩素酸塩プログラムを中和することができる。PAA及び次亜塩素酸塩は、これら2つの混合を避け得るようにそれぞれの供給ポイントが注意深く考慮される場合にのみ、同じ機械を処理するに際して使用することができる。PAAは、同じプロセス蒸気において、DBNPA(2、2ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド)によって補完した場合に、最も効果的である。PAAの目標濃度は、1時間という接触時間では5.0ppmであり、また、20分間~60分間という接触時間では15ppmである。
塩素は、ジメチルヒダントイン、尿素、スルファミン酸、スルファミン酸ナトリウム、カルバミン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、及び、臭化アンモニウムなどの非殺生物性の前駆体化学物質によって安定化される。DMHによって安定化された塩素を使用した胞子制御に関しては、Cl:DMH(5,5-ジメチルヒダントイン)が4:1であるという、持続性とクイックキルとのバランスが推奨される。
多くの場合、非酸化剤は、酸化剤プログラムの補足として必要とされる。グルタルアルデヒドは、胞子形成細菌の栄養細胞と、細菌胞子と、の双方に影響を与える。これは、6.0~9.0というpH範囲内のシステムにおいて効果的である。
極端な熱及びUV照射などの非化学的処理もまた使用することができる。栄養状態にある胞子形成細菌を標的とすることにより、DBPNA、イソチアゾリン、第4級アミン、及び同種のものを含み得るように、有効な殺生物剤のリストが拡張される。適切な処理が選択された後には、選択された処理が、胞子が検出されないときに胞子形成細菌が栄養状態で存在する場所において、プロセスの一部に対して適用される。これには、汚染が検出された製造場所における、硬質面、食料製品又は飲料製品、液体、包装用製品、または、紙製品、が含まれる。この方法が、完了するまでに8時間以内しか必要としないことのために、細菌汚染を迅速に排除することができるとともに、下流側での胞子形成を防止することができる。加えて、洗浄のために装置がオフラインになっている間に、また、複数のシフトのために製品を隔離することなく、処理を行うことができ、製造上の問題を、より迅速に修正することができる。処理の適用後には、胞子の排除が行われたことを確認するために、次のテストラウンドが行われるべきである。製造の適切な場所でかつ適切な化学物質を使用することで処理を行い得る能力は、コストと時間との双方の節約をもたらす。
本開示のより完全な理解のため、いくつかの実施形態を例証するために、以下に実施例を提示する。これらの実施例及び実験例は、限定ではなく、例示として理解されるべきである。異なる指示がある場合を除き、すべての比率は、重量比率である。
実施例1:様々な条件下での栄養細胞と胞子との混合集団におけるATP生成の比較
LuminUltra社のQuenchGone21工業用ATPキットを使用して、栄養細胞と胞子との混合物を含有したサンプルのATPレベルを測定した。製紙工場の工業用水のサンプルを、栄養細胞と細菌との混合物であると決定した。双方の細菌形態の確認及び定量化を、R2A寒天上へのプレーティングによって、決定した。ATP生成を、様々な条件下において、6時間という時間経過にわたって測定した。
栄養細菌を排除するための加熱ステップの非存在下、かつ、発芽促進剤の非存在下、かつ、栄養素の非存在下においては、ATP生成の時間経過は、図1のようであった。加熱ステップの非存在下かつ栄養素の非存在下であって、発芽促進剤の存在下においては、ATP生成の時間経過は、図2のようであった。発芽促進剤の存在下かつ栄養素の存在下であって、加熱ステップの非存在下においては、ATP生成時間経過は、図3のようであった。栄養素及び発芽促進剤の存在下においては、ATPの生成は、6時間という時間経過にわたって着実に増加した。発芽促進剤及び栄養素の添加前に加熱ステップが行われた場合には、ATP生成の時間経過は、図4A(RLU)及び図4B(経時的なRLU生成の比率)のようであった。
栄養細胞によるATP生成は、熱による不活性化によって排除され、胞子によって生成されたATPのみが観測された。栄養素及び発芽促進剤の添加は、胞子の発芽を加速させるとともに、栄養細胞内のATPの生成も加速させる。胞子の発芽によって生成されたATPを検出可能とするためには、栄養細胞によるATPの生成を排除するために、熱による不活性化ステップが必要である。経時的なRLU生成の比率としてデータをプロットすることにより、複数のサンプルどうしを容易に比較することができる。
実施例2:プロセス水サンプル内における胞子の検出
2つの抄紙機を備えた製紙工場から、7つのプロセス水サンプルを収集した。各サンプルは、未知量の栄養細胞及び未知量の胞子を有したものであった。サンプルを、熱処理し、その後、栄養素及び発芽促進剤を添加した。LuminUltra社のQuenchGone21工業用ATPキットを使用して、ATP生成を、6時間という時間経過にわたって、1時間ごとに測定した(図5)。
7つのサンプルのうちの3つに、すなわち、シールタンク2とブロークタワーAとブロークタワーBとに、胞子が存在することが決定された。ブロークタワーA及びブロークタワーBは、t=0から6時間後の信号強度に基づき、最大レベルの胞子を有していた。シールタンクの胞子の数は、ブロークタワーA及びブロークタワーBと比較すれば、かなり少なかった。このプロセスにおいて胞子を是正するために、殺生物剤の最も効果的な添加ポイントが2つのタワーであることが、決定された。
上記の仕様、上記の実施例、及び上記のデータは、組成物の製造及び使用に関する完全な説明を提供する。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行い得るため、本発明は、特許請求の範囲に存在する。以下、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
サンプル内において栄養細胞及び他の微生物から細菌胞子を検出し識別するための方法であって、前記方法は、
細菌胞子の存在をテストすべきサンプルを調製することと、
前記サンプル内における微生物代謝活性のベースラインレベルを測定することと、
発芽を開始し得る条件下において前記サンプルを培養することと、
前記サンプル内におけるその後の微生物代謝活性のレベルを観察することと、
前記培養の約5時間~8時間後に、前記サンプル内における微生物代謝活性の急上昇の存在又は非存在を検出することと、を含む、方法。
[2]
微生物代謝活性を、アデノシン三リン酸(ATP)を測定することにより決定する、項目1に記載の方法。
[3]
微生物代謝活性を、代謝色素により検出する、項目1に記載の方法。
[4]
前記調製は、
未知量の、胞子若しくは栄養細胞、又は胞子及び栄養細胞の両方を含有する、サンプルを収集することと、
前記サンプルを、固体である場合には、分解させることと、
皿又は容器内に前記サンプルを配置することと、を含む、項目1に記載の方法。
[5]
前記サンプルは、硬質面から、液体から、スラリー(澱粉、炭酸塩、粘土、又はTiO )から、又は紙製品から、収集される、項目4に記載の方法。
[6]
前記硬質面は、食品及び飲料加工装置、パイプ、タンク、蒸発器、スプレーノズル、乳製品加工装置、ミルクタンク、ミルクトラック、搾乳装置、カウンタートップ、調理面、浴室表面、例えばシンク及びトイレのハンドル、ライトスイッチパネル、ドアノブ、コールボタン、電話ハンドル、リモコン、デスクトップ、患者用レール、つかまり棒、手術器具、そして、パイプ、チェスト、ヘッドボックス、ブロークタワー、こぼれ受けブレード及び成形用ワイヤを含む製紙工場内の装置、を含むからなる群の中から選択される、項目5に記載の方法。
[7]
前記液体は、プロセス水、流入水、冷却塔の水、処理済みの又は未処理の廃水、紙供給物、薄いストック及び厚いストック、白水、ユーレボックス水、トレイ水、果物及び野菜の水路水、タンパク質プロセス水、水耕栽培水または水産養殖水、及び農業用水からなる群から選択される、項目6に記載の方法。
[8]

前記紙製品は、食品接触グレード及び非食品接触グレードの両方のための完成紙製品及び完成板紙製品などの紙製品、手術用又は医療用のドレープ、無菌包装容器、食品及び飲料用のプラスチック容器、食品缶、飲料用のアルミニウム容器及びPET容器、バッグ、フィルム、及び調整雰囲気包装からなる群から選択される、項目6に記載の方法。
[9]
前記測定は、
前記サンプルに対してルシフェラーゼ及びルシフェリンを添加することと、
相対発光単位(RLU)で発光を測定することと、を含む、項目2に記載の方法。
[10]
前記培養は、
栄養ブロス及び発芽促進剤を前記サンプルに対して提供することと、任意選択的に殺生物性中和剤を添加することと、
前記サンプルを約30℃~約45℃の温度で培養することと、
を含む、項目1~5及び9のいずれか一項に記載の方法。
[11]
前記栄養ブロスは2X栄養ブロスであり、前記発芽促進剤はL-アラニンである、項目10に記載の方法。
[12]
前記観察は、
前記サンプルに対してルシフェラーゼ及びルシフェリンを添加することと、
前記培養の開始から8時間の間の複数の時点で発光を測定することと、を含む、項目2に記載の方法。
[13]
前記測定を、1時間ごとに行う、項目12に記載の方法。
[14]
前記測定及び前記観察は、HPLCによってATPレベルを測定することを含む、項目2に記載の方法。
[15]
微生物代謝活性の前記急上昇は、前記サンプルの初期的測定と比較して、少なくとも10倍大きな微生物代謝活性が測定されることと、
前記サンプル内に胞子が存在することを決定することと、を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
[16]
前記サンプル内の栄養細胞を不活性化することをさらに含む、項目1~15のいずれか一項に記載の方法。
[17]
前記不活性化は、前記サンプルを、約80℃~約110℃の温度で約5分間~15分間にわたって加熱することを含む、項目16に記載の方法。
[18]
胞子若しくは栄養細胞、又は胞子及び栄養細胞の両方の存在又は非存在に基づいて抗菌処理を選択することをさらに含む、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
[19]
胞子が検出された場合、前記抗菌処理は、二酸化塩素、オゾン、グルタルアルデヒド、次亜塩素酸ナトリウム、過酸、UV、極端な熱、及び照射からなる群から選択される、項目18に記載の方法。
[20]
栄養細胞のみが検出された場合には、前記抗菌処理は:イソチアゾリン;グルタルアルデヒド;ジブロモニトリロプロピオンアミド;カルバメート;第四アンモニウム化合物;次亜塩素酸ナトリウム;二酸化塩素;過酢酸;オゾン;クロラミン;ブロモスルファメート;ブロモクロロジメチルヒダントイン;ジクロロジメチルヒダントイン;モノクロラミン;そして、アンモニウム塩、及びジメチルヒダントインアミノ酸、シアヌル酸、スクシンイミド、尿素を含む安定剤と組み合わせて使用される次亜塩素酸ナトリウム;並びにこれらの組合せからなる群から選択される、項目18に記載の方法。
[21]
前記硬質表面、液体、又は紙製品に対して前記抗菌処理を適用することをさらに含む、項目18に記載の方法。
[22]
前記サンプル内における細菌胞子の存在又は非存在を、前記サンプルの調製から8時間以内に決定することができ、胞子を、栄養細胞から識別する、項目1~21のいずれか一項に記載の方法。

Claims (6)

  1. サンプル内において栄養細胞及び細菌胞子を検出し識別するための方法であって、前記方法は、
    細菌胞子及び栄養細胞の存在をテストすべきサンプルを調製することであって、前記サンプルは、製紙工場内の、硬質面、液体又は紙製品から収集される、ことと、
    前記サンプル内における最初の微生物代謝活性のベースラインレベルを測定することと、
    栄養ブロス及び発芽促進剤を前記サンプルに対して提供することと、
    発芽を開始し得る条件下において前記サンプルを培養することと、
    前記サンプル内におけるその後の微生物代謝活性のレベルを経時的に観察することと、
    前記培養の約5時間~8時間後に、前記サンプル内における微生物代謝活性の急上昇の存在又は非存在を検出することであって、微生物代謝活性はアデノシン三リン酸(ATP)を測定することにより決定され、当該測定は、前記サンプルに対してルシフェラーゼ及びルシフェリンを添加することと、相対発光単位(RLU)で発光を測定することと、を含むことと、
    細菌胞子、栄養細胞、又は細菌胞子及び栄養細胞の両方の存在又は非存在に基づいて抗菌処理を選択することであって、前記細菌胞子の存在は、最初の測定と比較して10倍~500倍大きなRLUによって決定される、ことと、
    前記製紙工場内の、硬質面、液体又は紙製品を前記抗菌処理で処理すること
    を含む、方法。
  2. 前記培養は、
    前記サンプルに対して殺生物性中和剤を添加することと、
    前記サンプルを約30℃~約45℃の温度で培養することと、
    を更に含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記栄養ブロスは2X栄養ブロスであり、前記発芽促進剤はL-アラニンである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記観察は、
    前記サンプルに対してルシフェラーゼ及びルシフェリンを添加することと、
    前記培養の開始から8時間の間の複数の時点で発光を測定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記測定を、1時間ごとに行う、請求項に記載の方法。
  6. 細菌胞子が検出された場合、前記抗菌処理は、二酸化塩素、オゾン、グルタルアルデヒド、次亜塩素酸ナトリウム、過酸、UV、極端な熱、及び照射からなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
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