以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、複数の図面において同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による光通信システム1000の構成を示す図である。光通信システム1000は、ユーザ装置1100と、制御信号重畳部1200と、管理制御機能部1300とを備える。ユーザ装置1100は、制御信号重畳部1200と光ファイバ1500により接続される。
ユーザ装置1100には、光信号を送受信する従来技術の光通信装置を用いることができる。ユーザ装置1100は、信号ミキサ1110と、光送受信器(TRx)1120と、信号デバイダ1130とを有する。信号ミキサ1110は、電気信号の主信号と電気信号の制御信号とを重畳した送信信号をTRx1120に出力する。制御信号は、主信号よりも低周波である。制御信号には、例えば、AMCCが用いられる。TRx1120は、送信信号を電気信号から光信号に変換して光ファイバ1500に出力する。また、TRx1120は、光ファイバ1500を伝送した光信号を入力し、入力した光信号を電気信号に変換して出力する。信号デバイダ1130は、TRx1120が出力した電気信号を周波数により主信号と制御信号とに分離する。
以下では、対向する2台のユーザ装置1100をユーザ装置1100-1、1100-2と記載し、ユーザ装置1100-i(i=1,2)が備える信号ミキサ1110、TRx1120、信号デバイダ1130をそれぞれ、信号ミキサ1110-i、TRx1120-i、信号デバイダ1130-iと記載する。また、ユーザ装置1100-iと制御信号重畳部1200との間の光ファイバ1500を、光ファイバ1500-iと記載する。また、ユーザ装置1100-iが送信する主信号、制御信号をそれぞれ、主信号Mi、制御信号Ciと記載する。制御信号Ciは、従来技術と同様に、例えば、死活監視信号、状態情報(TRx1120-iの波長、パワー、温度など)を含む信号、波長制御信号、波長制御以外の制御信号などである。
制御信号重畳部1200は、送受分離装置1210-1、1210-2と、光増幅器1220-1、1220-2と、光変調器1230-1、1230-2とを有する。送受分離装置1210-1と送受分離装置1210-2とは、光ファイバ1240-1及び光ファイバ1240-2により接続される。光ファイバ1240-i(i=1,2)上に、光増幅器1220-i及び光変調器1230-iが設けられる。
送受分離装置1210-i(i=1,2)は、ユーザ装置1100-iが出力した光信号を光ファイバ1500-iから入力し、光増幅器1220-iに出力する。また、送受分離装置1210-iは、光変調器1230-j(j=1,2かつj≠i)が出力した光信号を入力し、光ファイバ1500-iに出力する。
光増幅器1220-1、1220-2は、ハイパスフィルタの特性を有しており、低周波の信号を除去する。光増幅器1220-1、1220-2は、例えば、SOA(Semiconductor optical amplifier:半導体光増幅器)である。光増幅器1220-i(i=1,2)は、送受分離装置1210-iが出力した光信号を入力する。光増幅器1220-iは、入力した光信号の低周波側に重畳された制御信号を除去し、制御信号が除去された光信号を光変調器1230-iに出力する。なお、光増幅器1220-iのハイパスフィルタとしての透過特性に合わせ、制御信号のキャリア周波数として、光増幅器1220-iにおいて十分減衰できる周波数が選択されている。光増幅器1220-iのハイパスフィルタとしての透過特性については、後述する図5において説明する。
光変調器1230-1、1230-2は、LN(LiNbO3:ニオブ酸リチウム)変調器、EA(Electro-absorption:電界吸収型)変調器などである。光変調器1230-i(i=1,2)は、光増幅器1220-iから主信号の光信号を入力し、入力した光信号の低周波側に制御信号を重畳する。光変調器1230-iは、制御信号が重畳された光信号を送受分離装置1210-j(j=1,2かつj≠i)に出力する。
管理制御機能部1300は、光通信システム1000の管理及び制御を行う。管理制御機能部1300は、制御信号重畳部1200に、主信号に重畳する制御信号を出力する。主信号Mi(i=1,2)に重畳する制御信号を、制御信号C3-iと記載する。
図2は、制御信号重畳部1200の処理を説明する図である。図1に示すユーザ装置1100-1の信号ミキサ1110-1は、主信号M1と制御信号C1を電気信号の状態で重畳した電気信号E1を出力する。TRx1120-1は、電気信号E1を光信号G11に変換し、光信号G11を光ファイバ1500-1に出力する。
送受分離装置1210-1は、光ファイバ1500-1を伝送した光信号G11を入力し、光増幅器1220-1に光信号G11を出力する。光増幅器1220-1は、入力した光信号G11から低周波側の制御信号C1を除去した光信号G12を生成し、光変調器1230-1に光信号G12を出力する。光変調器1230-1は、管理制御機能部1300から入力した制御信号C3-1を光信号G12の低周波側に重畳して光信号G13を生成し、送受分離装置1210-2に出力する。送受分離装置1210-2は、光信号G13を光ファイバ1500-2に出力する。図1に示すユーザ装置1100-2のTRx1120-2は、光ファイバ1500-2を伝送した光信号G13を入力し、光信号G13を電気信号E1’に変換する。信号デバイダ1130-2は、変換された電気信号E1’を主信号M1と制御信号C3-1に分離する。
また、図1に示すユーザ装置1100-2の信号ミキサ1110-2は、主信号M2と制御信号C2を電気信号の状態で重畳した電気信号E2を出力する。TRx1120-2は重畳された電気信号E2を光信号G21に変換し、光信号G21を光ファイバ1500-2に出力する。
送受分離装置1210-2は、光ファイバ1500-2を伝送した光信号G21を入力し、光増幅器1220-2に光信号G21を出力する。光増幅器1220-2は、入力した光信号G21から低周波側の制御信号C2を除去した光信号G22を生成し、光変調器1230-2に光信号G22を出力する。光変調器1230-2は、管理制御機能部1300から入力した制御信号C3-2を光信号G22の低周波側に重畳して光信号G23を生成し、送受分離装置1210-1に出力する。送受分離装置1210-1は、光信号G23を、光ファイバ1500-1に出力する。図1に示すユーザ装置1100-1のTRx1120-1は、光ファイバ1500-1を伝送した光信号G23を入力し、光信号G23を電気信号E2’に変換する。信号デバイダ1130-1は、変換された電気信号E2’を主信号M2と制御信号C3-2に分離する。
なお、制御信号重畳部1200において重畳される信号は、ユーザ装置1100が送信する制御信号と同一の周波数を使用する。このとき、主信号よりも低周波領域である別周波数のパイロットトーンを搬送波として使用してもよく、または、制御信号をベースバンド信号のまま重畳してもよい。また、ユーザ装置1100において分離可能であれば、制御信号重畳部1200において重畳される制御信号は、主信号よりも高周波領域のパイロットトーンを搬送波として用いても構わない。
管理制御機能部1300がユーザ装置1100-1からユーザ装置1100-2宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部1200は、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を設けなくてもよい。管理制御機能部1300がユーザ装置1100-2からユーザ装置1100-1宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部1200は、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を設けなくてもよい。
光通信システム1000は、図1に示す制御信号重畳部1200に代えて、図3に示す制御信号重畳部1200a又は図4に示す制御信号重畳部1200bを設けてもよい。
図3は、制御信号重畳部1200aの構成を示す図である。制御信号重畳部1200aは、送受分離装置1210a-1、1210a-2と、光スイッチ(SW)1250-1、1250-2と、光増幅器1220-1、1220-2と、光変調器1230-1、1230-2とを有する。
送受分離装置1210a-1と光SW1250-1とは、光ファイバ1260-1により接続され、送受分離装置1210a-1と光SW1250-2とは、光ファイバ1270-2及び光ファイバ1280-2により接続される。送受分離装置1210a-2と光SW1250-2とは、光ファイバ1260-2により接続され、送受分離装置1210a-2と光SW1250-1とは、光ファイバ1270-1及び光ファイバ1280-1により接続される。光ファイバ1270-1、1270-2は、制御信号重畳ありのラインであり、光ファイバ1280-1、1280-2は、制御信号重畳なしのラインである。光ファイバ1270-i(i=1,2)上に、光増幅器1220-i及び光変調器1230-iが設けられる。
送受分離装置1210a-i(i=1,2)は、光ファイバ1500-iを伝送した光信号を入力し、入力した光信号を光SW1250-iに出力する。また、送受分離装置1210a-iは、光ファイバ1270-j(j=1,2かつj≠i)又は光ファイバ1280-jを伝送した光信号を入力し、入力した光信号を光ファイバ1500-iに出力する。
光SW1250-i(i=1,2)は、1つの入力用ポートと、2つの出力用ポートを有する。光SW1250-iの入力用ポートは光ファイバ1260-iに接続され、2つの出力用ポートはそれぞれ、光ファイバ1270-i、1280-iに接続される。光SW1250-iは、入力用のポートから入力した光信号を、いずれかの出力用ポートから出力する。
制御信号重畳部1200aの動作を説明する。送受分離装置1210a-1は、主信号M1及び制御信号C1が重畳された光信号G11を光ファイバ1500-1から入力し、光SW1250-1に出力する。光SW1250-1は、制御信号の除去を行う対象の光信号G11を光増幅器1220-1に出力し、制御信号の除去を行わない光信号G11を送受分離装置1210a-2に出力する。
光増幅器1220-1は、光SW1250-1から光信号G11を入力し、光信号G11から低周波側の制御信号C1を除去した光信号G12を出力する。光変調器1230-1は、管理制御機能部1300から入力した制御信号C3-1を光信号G12の低周波側に重畳した光信号G13を出力する。送受分離装置1210-2は、光変調器1230-1から入力した光信号G13、又は、光SW1250-1から入力した光信号G11である光信号G14を光ファイバ1500-2に出力する。図1に示すユーザ装置1100-2のTRx1120-2は、光信号G14を電気信号に変換し、信号デバイダ1130-2は、変換された電気信号を主信号M1と制御信号C1又は制御信号C3-1とに分離する。
送受分離装置1210a-2は、主信号M2及び制御信号C2が重畳された光信号G21を光ファイバ1500-2から入力し、光SW1250-2に出力する。光SW1250-2は、制御信号の除去を行う対象の光信号G21を光増幅器1220-2に出力し、制御信号の除去を行わない光信号G21を送受分離装置1210a-1に出力する。
光増幅器1220-2は、光SW1250-2から光信号G21を入力し、光信号G21から低周波側の制御信号C2を除去した光信号G22を出力する。光変調器1230-2は、管理制御機能部1300から入力した制御信号C3-2を光信号G22の低周波側に重畳した光信号G23を出力する。送受分離装置1210a-1は、光変調器1230-2から入力した光信号G23、又は、光SW1250-2から入力した光信号G21である光信号G24を光ファイバ1500-1に出力する。図1に示すユーザ装置1100-1のTRx1120-1は、光信号G24を電気信号に変換し、信号デバイダ1130-2は、変換された電気信号を主信号M1と制御信号C2又は制御信号C3-2とに分離する。
図4は、制御信号重畳部1200bの構成を示す図である。制御信号重畳部1200bが図3に示す制御信号重畳部1200aと異なる点は、送受分離装置1210a-1、1210a-2に代えて、図1に示す送受分離装置1210-1、1210-2を備える点と、光SW1290-1及び光SW1290-2をさらに備える点である。
光SW1290-i(i=1,2)は、2つの入力用ポートと、1つの出力用ポートを有する。光SW1290-iは、光変調器1230-iと光ファイバ1270-iにより接続され、光SW1250-iと光ファイバ1280-iにより接続され、送受分離装置1210-j(j=1,2かつj≠i)と光ファイバ1295-iにより接続される。
光SW1290-1は、光ファイバ1270-1を伝送した光信号G13又は光ファイバ1280-1を伝送した光信号G11を、光信号G14として光ファイバ1295-1に出力する。送受分離装置1210-2は、光ファイバ1295-1を伝送した光信号G14を入力し、入力した光信号G14を光ファイバ1500-2に出力する。また、光SW1290-2は、光ファイバ1270-2を伝送した光信号G23又は光ファイバ1280-2を伝送した光信号G21を、光信号G24として光ファイバ1295-2に出力する。送受分離装置1210-1は、光ファイバ1295-2を伝送した光信号G24を入力し、入力した光信号G24を光ファイバ1500-1に出力する。なお、制御信号重畳部1200bは、光SW1290-1、1290-2のそれぞれに代えて、光カプラを設けてもよい。
図5は、光増幅器1220-1、1220-2の応答特性を示す図である。図5では、光増幅器1220-1、1220-2がSOAである場合の応答特性を示している。光増幅器1220-1、1220-2は、10GHz以上の十分に高速な周波数の信号に対しては、良好な応答特性を示す。一方で、光増幅器1220-1、1220-2の応答特性は、数GHz以下の低周波領域において、大きく劣化する。この特性を利用することにより、低周波の信号を除去することが可能となる。例えば、主信号を周波数Faに設定し、制御信号を周波数Fbに設定することにより、光増幅器1220-1、1220-2を透過した光信号から制御信号の除去が可能となる。
なお、応答特性の差はSOAの利得に依存するため、SOA長を長くする、又は、SOAを多段に接続することで、応答特性の差を大きくすることが可能となる。また、応答特性の差は、SOAへの入力パワーに依存する。そこで、SOAにおける入力パワーが大きくなるように、ユーザ装置1100に搭載されたTRx1120の出力パワーを上げることにより、応答特性の差を大きくすることが可能である。なお、SOAの特性の詳細等は、例えば、参考文献1「K. Sato et al.,“Reduction of Mode Partition Noise by Using Semiconductor Optical Amplifiers”,IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,vol. 7,No. 2,pp. 328-333,2001.」に記載されている。
本実施形態によれば、制御信号重畳部1200、1200a、1200bを有することにより、従来と異なり、ユーザ装置1100間の接続が完了した後でも、管理制御機能部1300からユーザ装置1100に対して波長管理制御信号などの制御信号を送信することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の光通信システムは、加入者装置間の通信経路の途中で波長切替を指示する制御信号を重畳し、加入者装置の波長切替を行う。
図6は、第2の実施形態による光通信システム2000の構成を示す図である。光通信システム2000は、加入者装置2100と、光ゲートウェイ(GW)2200と、管理制御機能部2300と、光SW制御機能部2400と、光GW2500とを有する。加入者装置2100は、従来技術の光通信装置である。例えば、加入者装置2100は、第1の実施形態のユーザ装置1100である。
光GW2200は、光SW2210と、1以上の制御信号重畳部2220とを有する。光SW2210は、N個(Nは1以上の整数)の第一ポート2211と、M個(Mは2以上の整数)の第二ポート2212とを有する。N個の第一ポート2211をそれぞれ第一ポート2211-1~2211-Nと記載し、M個の第二ポート2212をそれぞれ第二ポート2212-1~2212-Mと記載する。
第一ポート2211は、光伝送路2600を介して加入者装置2100と接続される。以下では、第一ポート2211-n(nは1以上N以下の整数)と接続される光伝送路2600を光伝送路2600-nと記載する。また、光伝送路2600-nと接続される加入者装置2100を加入者装置2100a-nと記載し、加入者装置2100a-1~2100a-Nを総称して、又は、加入者装置2100a-1~2100a-Nのいずれかを特定しない場合、加入者装置2100aと記載する。
第二ポート2212は、光伝送路2700と接続される。以下では、第二ポート2212-k(kは1以上M以下の整数)と接続される光伝送路2700を光伝送路2700-kと記載する。一部の第二ポート2212は管理制御機能部2300と接続され、他の第二ポート2212は、他の光通信装置と接続される。本実施形態では、第二ポート2212-1が、光伝送路2700-1を介して管理制御機能部2300と接続され、第二ポート2212-m(mは2以上M以下の整数)は、光伝送路2700-mを介して他の光SWなどの光通信装置と接続される。
光SW2210は、いずれかの第一ポート2211から入力した光信号を、その光信号の宛先に応じた第二ポート2212から出力し、いずれかの第二ポート2212から入力した光信号を、その光信号の宛先の加入者装置2100aに応じた第一ポート2211から出力する。
制御信号重畳部2220は、光伝送路2700-m(mは2以上M以下の整数)上に設けられる。光伝送路2700-2~2700-Mの一部に、制御信号重畳部2220が設けられなくてもよい。制御信号重畳部2220は、加入者装置2100aが送信元の光信号と、加入者装置2100a宛ての光信号との一方又は両方に、管理制御機能部2300が出力した制御信号を重畳する。
制御信号重畳部2220として、第1の実施形態の図1及び図2に示す制御信号重畳部1200が用いられる。制御信号重畳部2220において、送受分離装置1210-1(図1、図2)は、光ファイバ1500-1に代えて、光SW2210との間の光伝送路2700に接続され、送受分離装置1210-2(図1、図2)は、光ファイバ1500-2に代えて、光SW2210とは異なる光SWとの間の光伝送路2700に接続される。管理制御機能部2300が、加入者装置2100aから送信された光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部2220として、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を有さない制御信号重畳部1200を用い、管理制御機能部2300が加入者装置2100a宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部2220として、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を有さない制御信号重畳部1200を用いてもよい。あるいは、制御信号重畳部2220として、図3に示す制御信号重畳部1200a又は図4に示す制御信号重畳部1200bを用いてもよい。
管理制御機能部2300は、光SW2210を介して接続される加入者装置2100に波長を設定する。また、管理制御機能部2300は、光SW2210における加入者装置2100aの経路切替後、光信号に重畳する制御信号を制御信号重畳部2220に出力する。制御信号は、例えば、波長制御信号、TRxのオン/オフ制御信号、ビットレート制御信号などである。波長制御信号は、波長の初期設定、波長ズレ校正、波長切替などを指示する信号である。なお、制御信号は、これらに限定されない。光SW制御機能部2400は、光SW2210の第一ポート2211と第二ポート2212との間の経路を設定する。
光GW2500は、光SW2510を備える。光SW2510は、1以上の第一ポート2511と、1以上の第二ポート2512とを有する。光SW2510は、いずれかの第一ポート2511から入力した光信号を、その光信号の宛先に応じた第二ポート2512から出力し、いずれかの第二ポート2512から入力した光信号を、その光信号の宛先に応じた第一ポート2511から出力する。第二ポート2512は、加入者装置2100又は他の光SWに接続される。光GW2500に接続される加入者装置2100を、加入者装置2100bと記載する。加入者装置2100bは、光GW2500の内部にあってもよく、光GW2500の外部にあってもよい。また、光GW2500は、光GW2200と同様の構成でもよい。
加入者装置2100a-1を新たにネットワークに接続する際の光通信システム2000の動作を説明する。加入者装置2100a-1は、まず、光SW2210を介して経路P0により管理制御機能部2300と接続する。例えば、加入者装置2100a-1は、送信に波長λ11を、受信に波長λ12を使用する。管理制御機能部2300は、通信先に応じた波長の設定を指示する制御信号を加入者装置2100a-1に送信する。通信先は、例えば、利用するサービス又は通信先のユーザにより表される。ここでは、加入者装置2100a-1の通信先は加入者装置2100bであり、加入者装置2100a-1は送信に波長λ21を、受信に波長λ22を設定する。光SW制御機能部2400は、加入者装置2100a-1の波長切替動作のタイミングに合わせて、光SW2210の第一ポート2211-1と第二ポート2212-1間の経路P0を、第一ポート2211-1と第二ポート2212-2間の経路P1に切替える。これにより、加入者装置2100a-1は、所望の接続先である加入者装置2100bとの通信を開始する。
加入者装置2100a-1が加入者装置2100bとの通信中に他の接続先と接続する際には、使用する波長を加入者装置2100a-1に設定する必要がある。そこで、管理制御機能部2300は、加入者装置2100a-1に新たな波長への変更を指示する制御信号を、光伝送路2700-2上の制御信号重畳部2220に出力する。制御信号重畳部2220は、加入者装置2100bから加入者装置2100a-1宛ての光信号に制御信号の除去と、管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。加入者装置2100a-1は、受信した光信号に重畳されている制御信号に従って、送信に波長λ31を、受信に波長λ32を設定する。
また、管理制御機能部2300は、加入者装置2100bに波長の変更又は波長の停止を指示する制御信号を、光伝送路2700-2上の制御信号重畳部2220に出力する。制御信号重畳部2220は、加入者装置2100a-1から加入者装置2100b宛ての光信号に制御信号の除去と、管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳を行う。加入者装置2100bは、受信した光信号に重畳されている制御信号に従って、波長の変更又は停止を行う。
光SW制御機能部2400は、加入者装置2100a-1の波長切替動作のタイミングに合わせて、光SW2210における経路P1を、第一ポート2211-1と第二ポート2212-3間の経路P2に切替える。これにより、加入者装置2100a-1は、新たな通信先との通信を開始する。加入者装置2100a-1が送受信する光信号に制御信号を重畳する制御信号重畳部2220は、光伝送路2700-2上の制御信号重畳部2220から光伝送路2700-3上の制御信号重畳部2220に切替わる。
なお、制御信号重畳部2220として用いられる制御信号重畳部1200の送受分離装置1210-1と光増幅器1220-1との間及び送受分離装置1210-2と光増幅器1220-2との間、制御信号重畳部2220として用いられる制御信号重畳部1200aの送受分離装置1210a-1と光SW1250-1との間及び送受分離装置1210a-2と光SW1250-2との間、あるいは、制御信号重畳部2220として用いられる制御信号重畳部1200bの送受分離装置1210-1と光SW1250-1との間及び送受分離装置1210-2と光SW1250-2との間にスプリッタを設け、スプリッタにより光信号の一部を分岐して管理制御機能部2300に出力してもよい。管理制御機能部2300は、分岐された光信号に設定されている制御信号をモニタする。
また、PON(Passive Optical Network;受動光ネットワーク)により加入者装置2100を接続する場合、通信先が変更になっても同一の経路、同一の波長を継続することや、同一経路で異なる波長を用いることもある。また、上記では、制御信号により波長の切替を指示したが、制御信号はこれに限定されない。
本実施形態では、制御信号重畳部2220を設けることにより、加入者装置2100が所望の接続先との接続を完了した後でも、管理制御機能部2300からの波長管理制御信号の送信を行うことができる。
なお、光SWは、1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用してもよい。図7は、光SWが1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用する場合の光通信システム2000aの構成を示す図である。図7に示す光通信システム2000aが図6に示す光通信システム2000と異なる点は、光GW2200に代えて、光GW2200aを備える点と、加入者装置2100aが光伝送路2600に代えて、光伝送路2650に接続されている点である。図7においては、加入者装置2100aを1台のみ示しているが、光GW2200aに複数台の加入者装置2100aが接続されうる。
光GW2200aは、送受分離装置2230と、光SW2210と、制御信号重畳部2220aとを備える。図7においては、制御信号重畳部2220aを一つのみ示しているが、光GW2200aは、制御信号重畳部2220aを複数備え得る。送受分離装置2230は、光伝送路2650と、光伝送路2600-n1(n1は1以上N以下の整数)及び光伝送路2600-n2(n2≠n1、n2は以上N以下の整数)とに接続される。送受分離装置2230は、加入者装置2100aが送信した光信号を光伝送路2650から入力し、入力した光信号を光SW2210の第一ポート2211-n1に出力する。送受分離装置2230は、光SW2210の第一ポート2211-n2から出力された光信号を光伝送路2650に出力する。
光SW2210は、加入者装置2100aが送信元の光信号を第一ポート2211-n1から入力し、入力した光信号を第二ポート2212-m1(m1は3以上M以下の整数)から出力する。光SW2210は、加入者装置2100a宛ての光信号を第二ポート2212-m2(m2≠m1、m2は3以上M以下の整数)から入力し、入力した光信号を第一ポート2211-n2から出力する。なお、図示を省略しているが、光SW2210の第二ポート2212-1及び2212-2は、管理制御機能部2300と接続している。第二ポート2212-1は、加入者装置2100aから管理制御機能部2300宛ての信号を出力し、第二ポート2212-2は、管理制御機能部2300から加入者装置2100a宛ての信号を入力する。
制御信号重畳部2220aは、光SW2210の第二ポート2212-m1と光伝送路2700-m1により接続され、光SW2210の第二ポート2212-m2と光伝送路2700-m2により接続される。制御信号重畳部2220aは、スプリッタ2221-1、2221-2と、光増幅器1220-1、1220-2と、光変調器1230-1、1230-2と、送受分離装置2222とを備える。スプリッタ2221-1、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1は、光伝送路2700-m1上に設けられる。スプリッタ2221-2、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2は、光伝送路2700-m2上に設けられる。送受分離装置2222は、光伝送路2700-m1及び光伝送路2700-m2と、他の光SWとの間の光ファイバとに接続される。
スプリッタ2221-1は、光SW2210が出力した光信号を入力し、入力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-1は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を光増幅器1220-1に出力する。スプリッタ2221-2は、送受分離装置2222から入力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-2は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を光増幅器1220-2に出力する。送受分離装置2222は、光伝送路2700-m1から入力した信号を、他の光SWと接続される光ファイバに出力し、他の光SWと接続される光ファイバから入力した信号を光伝送路2700-m2に出力する。
光通信システム2000aの動作を説明する。送受分離装置2230は、加入者装置2100aが送信した光信号を入力し、入力した光信号を光SW2210の第一ポート2211-n1に出力する。光SW2210は、第一ポート2211-n1から入力した光信号を、宛先の加入者装置2100bに応じた第二ポート2212-m1から出力する。制御信号重畳部2220aのスプリッタ2221-1は、第二ポート2212-m1から出力された光信号を分岐する。スプリッタ2221-1は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を光増幅器1220-1に出力する。管理制御機能部2300は、スプリッタ2221-1が分岐した光信号に設定されている制御信号をモニタする。
光増幅器1220-1は、入力した光信号から低周波側の制御信号を除去し、光変調器1230-1に出力する。光変調器1230-1は、光増幅器1220-1から入力した光信号に、管理制御機能部2300から入力した制御信号を重畳して送受分離装置2222に出力する。送受分離装置2222は、光変調器1230-1から入力した信号を、加入者装置2100bと接続される他の光SWへ出力する。
送受分離装置2222は、加入者装置2100bが送信した光信号を他の光SWから入力し、光伝送路2700-m2に出力する。スプリッタ2221-2は、送受分離装置2222が出力した光信号を入力し、入力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-2は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を光増幅器1220-2に出力する。管理制御機能部2300は、スプリッタ2221-2が分岐した光信号に設定されている制御信号をモニタする。
光増幅器1220-2は、入力した光信号から低周波側の制御信号を除去し、光変調器1230-2に出力する。光変調器1230-2は、光増幅器1220-2から入力した光信号に、管理制御機能部2300から入力した制御信号を重畳して光SW2210の第二ポート2212-m2に入力する。光SW2210は、第二ポート2212-m2から入力した光信号を宛先の加入者装置2100aに応じた第一ポート2211-n2から出力する。送受分離装置2230は、第一ポート2211-n2から出力された光信号を入力し、入力した光信号を加入者装置2100aとの間の光伝送路2650に出力する。
なお、管理制御機能部2300が加入者装置2100aから加入者装置2100b宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部2220aは、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を設けなくてもよい。管理制御機能部2300が加入者装置2100bから加入者装置2100a宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部2220aは、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を設けなくてもよい。
また、加入者装置2100bが、加入者装置2100aと接続される光GW2200a(光GW2200a-1と記載する)とは異なる光GW2200a(光GW2200a-2と記載する)と接続される場合、光GW2200a-1の制御信号重畳部2220a及び光GW2200a-2の制御信号重畳部2220aは、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を設けなくてもよい。この場合、加入者装置2100aから加入者装置2100bへ送信される光信号には、光GW2200a-1の制御信号重畳部2220aが加入者装置2100bに対する制御信号を重畳し、加入者装置2100bから加入者装置2100aへ送信される光信号には、光GW2200a-2の制御信号重畳部2220aが加入者装置2100aに対する制御信号を重畳する。
あるいは、光GW2200a-1の制御信号重畳部2220a及び光GW2200a-2の制御信号重畳部2220aは、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を設けなくてもよい。この場合、加入者装置2100aから加入者装置2100bへ送信される光信号には、光GW2200a-2の制御信号重畳部2220aが加入者装置2100bに対する制御信号を重畳し、加入者装置2100bから加入者装置2100aへ送信される光信号には、光GW2200a-1の制御信号重畳部2220aが加入者装置2100aに対する制御信号を重畳する。
本実施形態によれば、制御信号重畳部2220、2220aを有することにより、加入者装置2100間の接続が完了した後でも、管理制御機能部2300から加入者装置2100に対して波長管理制御信号などの状態情報に含まれる項目を制御するための制御信号を送信することができる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、光SWの後段において制御信号を重畳していた。本実施形態では、光SWの前段において制御信号を重畳する。
図8は、本実施形態の光通信システム3000の構成を示す図である。光通信システム3000が、図6に示す第2の実施形態の光通信システム2000と異なる点は、光GW2200に代えて、光GW3200を備える点である。
光GW3200は、制御信号重畳部3210と、光SW2210とを有する。制御信号重畳部3210は、加入者装置2100a-nと光SW2210との間の光伝送路2600-n上に設けられる。制御信号重畳部3210は、加入者装置2100a-nが送信した光信号と、加入者装置2100a-nへ送信される光信号の一方又は両方に、管理制御機能部2300が出力した制御信号を重畳する。
制御信号重畳部3210として、第1の実施形態の図1及び図2に示す制御信号重畳部1200が用いられる。制御信号重畳部3210において、送受分離装置1210-1(図1、図2)は、光ファイバ1500-1に代えて、加入者装置2100aとの間の光伝送路2600に接続され、送受分離装置1210-2(図1、図2)は、光SW2210との間の光伝送路2600に接続される。管理制御機能部2300が、加入者装置2100aから送信された光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部3210として、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を有さない制御信号重畳部1200を用い、管理制御機能部2300が加入者装置2100a宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部3210として、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を有さない制御信号重畳部1200を用いてもよい。あるいは、制御信号重畳部3210として、図3に示す第1の実施形態の制御信号重畳部1200a又は図4に示す制御信号重畳部1200bを用いてもよい。
新たにネットワークに接続する加入者装置2100a-1に初期設定及び波長の切替を行う際の光通信システム3000の動作は、第2の実施形態と同様である。すなわち、加入者装置2100a-1は、光SW2210を介して第一ポート2211-1と第二ポート2212-1間の経路P0により管理制御機能部2300と接続する。管理制御機能部2300は、通信先に応じた波長の設定等を指示する初期設定用の制御信号を光SW2210に出力する。光SW2210は、管理制御機能部2300が出力した制御信号を、経路P0を介して加入者装置2100a-1に送信する。光SW制御機能部2400は、加入者装置2100a-1の波長切替動作のタイミングに合わせて、経路P0を、第一ポート2211-1と第二ポート2212-2間の経路P1に切替える。加入者装置2100a-1は、受信した制御信号に従って波長切替等の初期設定を行った後、経路P1を介して所望の接続先との通信を開始する。
加入者装置2100a-1が光SW2210の経路P1を用いた通信中に他の接続先と接続する際、管理制御機能部2300は、光伝送路2600-1上の制御信号重畳部3210に新たな波長への変更を指示する制御信号を出力する。制御信号重畳部3210は、光SW2210が出力した加入者装置2100a-1宛ての光信号から制御信号を除去し、管理制御機能部2300が出力した制御信号を重畳する。加入者装置2100a-1は、受信した光信号に重畳されている制御信号に従って、送信に使用する波長及び受信に使用する波長を設定する。
また、管理制御機能部2300は、加入者装置2100a-1の通信先の図示しない加入者装置2100に波長の変更又は波長の停止を指示する制御信号を、光伝送路2600-1上の制御信号重畳部3210に出力する。制御信号重畳部3210は、加入者装置2100a-1から通信先の加入者装置2100宛ての光信号に、制御信号の除去と、管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳を行う。光SW制御機能部2400は、加入者装置2100a-1の波長切替動作のタイミングに合わせて、光SW2210における経路P1を経路P2に切替える。これにより、加入者装置2100a-1は、新たな通信先との通信を開始する。
なお、光通信システム3000は、新たにネットワークに接続する加入者装置2100a-1に対する初期設定を行うための制御信号を、制御信号重畳部3210により重畳して送信してもよい。加入者装置2100a-1は、光SW2210を介して経路P0により管理制御機能部2300と接続する。管理制御機能部2300は、変調されていない光(又は変調されている光でもよい)を光SW2210に出力する。光SW2210は、管理制御機能部2300が出力した光を、経路P0を介して出力する。さらに、管理制御機能部2300は、光伝送路2600-1上の制御信号重畳部3210に、加入者装置2100a-1に送信する初期設定用の制御信号を出力する。光伝送路2600-1上の制御信号重畳部3210は、光SW2210から入力した光に、管理制御機能部2300から入力した制御信号を重畳する。制御信号重畳部3210は、制御信号が重畳された光信号を出力する。加入者装置2100a-1は、光伝送路2600-1を伝送した光信号を受信し、受信した光信号に設定されている制御信号に従って、初期設定を行う。
なお、制御信号重畳部3210として用いられる制御信号重畳部1200の送受分離装置1210-1と光増幅器1220-1との間及び送受分離装置1210-2と光増幅器1220-2との間、あるいは、制御信号重畳部3210として用いられる制御信号重畳部1200aの送受分離装置1210a-1と光SW1250-1との間及び送受分離装置1210a-2と光SW1250-2との間、あるいは、制御信号重畳部3210として用いられる制御信号重畳部1200bの送受分離装置1210-1と光SW1250-1との間及び送受分離装置1210-2と光SW1250-2との間にスプリッタを設け、光信号の一部を分岐して管理制御機能部2300に出力してもよい。管理制御機能部2300は、分岐された光信号に設定されている制御信号をモニタする。
また、光SWは、1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用してもよい。図9は、光SWが1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用する場合の光通信システム3000aの構成を示す図である。図9に示す光通信システム3000aが図8に示す光通信システム3000と異なる点は、光GW3200に代えて、光GW3200aを備える点と、加入者装置2100aが光伝送路2600に代えて、光伝送路2650に接続されている点である。図9においては、加入者装置2100aを1台のみ示しているが、光GW3200aに複数台の加入者装置2100aが接続されうる。
光GW3200aは、制御信号重畳部3210aと、光SW2210とを備える。図9においては、制御信号重畳部3210aを一つのみ示しているが、光GW3200aは、制御信号重畳部3210aを複数備え得る。制御信号重畳部3210aは、送受分離装置3211と、スプリッタ2221-1、2221-2と、光増幅器1220-1、1220-2と、光変調器1230-1、1230-2とを備える。スプリッタ2221-1、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1は、光SW2210の第一ポート2211-n1との間の光伝送路2600-n1上に設けられる。スプリッタ2221-2、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2は、光SW2210の第一ポート2211-n2との間の光伝送路2600-n2上に設けられる。送受分離装置3211は、光伝送路2650と、光伝送路2600-n1及び光伝送路2600-n2とに接続される。
送受分離装置3211は、加入者装置2100aが送信した光信号を光伝送路2650から入力し、入力した光信号を光伝送路2600-n1に出力する。スプリッタ2221-1は、送受分離装置3211が出力した光信号を入力し、入力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-1は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を光増幅器1220-1に出力する。光増幅器1220-1は、入力した光信号から低周波側の制御信号を除去し、光変調器1230-1に出力する。光変調器1230-1は、光増幅器1220-1から入力した光信号に、管理制御機能部2300から入力した制御信号を重畳して光伝送路2600-n1に出力する。
スプリッタ2221-2は、光SW2210から入力した加入者装置2100a宛ての光信号を入力し、入力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-2は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を光増幅器1220-2に出力する。光増幅器1220-2は、入力した光信号から低周波側の制御信号を除去し、光変調器1230-2に出力する。光変調器1230-2は、光増幅器1220-2から入力した光信号に、管理制御機能部2300から入力した制御信号を重畳して送受分離装置3211に出力する。送受分離装置3211は、光変調器1230-2から入力した光信号を、加入者装置2100aとの間の光伝送路2650に出力する。
管理制御機能部2300が加入者装置2100aから送信された光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部3210aは、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を設けなくてもよい。管理制御機能部2300が加入者装置2100a宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部3210aは、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を設けなくてもよい。
また、加入者装置2100aの通信先の加入者装置2100が、加入者装置2100aと接続される光GW3200a(光GW3200a-1と記載する)とは異なる光GW3200a(光GW3200a-2と記載する)と接続される場合、光GW3200a-1の制御信号重畳部3210a及び光GW3200a-2の制御信号重畳部3210aは、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2を設けなくてもよい。この場合、加入者装置2100aから通信先の加入者装置2100へ送信される光信号には、光GW3200a-1の制御信号重畳部3210aが通信先の加入者装置2100に対する制御信号を重畳し、通信先の加入者装置2100から加入者装置2100aへ送信される光信号には、光GW3200a-2の制御信号重畳部3210aが加入者装置2100aに対する制御信号を重畳する。
あるいは、光GW3200a-1の制御信号重畳部3210a及び光GW3200a-2の制御信号重畳部3210aは、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1を設けなくてもよい。この場合、加入者装置2100aから通信先の加入者装置2100へ送信される光信号には、光GW3200a-2の制御信号重畳部3210aが通信先の加入者装置2100に対する制御信号を重畳し、通信先の加入者装置2100から加入者装置2100aへ送信される光信号には、光GW3200a-1の制御信号重畳部3210aが加入者装置2100aに対する制御信号を重畳する。
本実施形態によれば、制御信号重畳部3210、3210aを有することにより、加入者装置2100が所望の接続先との接続を完了した後でも、管理制御機能部2300から加入者装置2100に対して波長管理制御信号などの制御信号を送信することができる。加えて、各制御信号重畳部3210、3210aは、個々の加入者装置2100に専用となるため、第2の実施形態と比較して管理制御が簡易である。
(第4の実施形態)
上述した実施形態においては、ユーザ装置が送信した光信号に重畳されている制御信号を通信経路の途中でフィルタにより削除し、新たな制御信号を重畳していた。本実施形態では、ユーザ装置が送信した光信号に重畳されている制御信号を、反転した制御信号により通信経路の途中で除去し、新たな制御信号を重畳する。
図10は、第4の実施形態による光通信システム4000の構成を示す図である。光通信システム4000は、ユーザ装置4100と、制御信号重畳部4200と、管理制御機能部1300と、ユーザ装置4300とを備える。ユーザ装置4100とユーザ装置4300とは、光ファイバ4400により接続される。制御信号重畳部4200は、光ファイバ4400上に設けられる。
ユーザ装置4100には、光信号を送信する従来技術の光通信装置を用いることができる。ユーザ装置4100は、信号ミキサ4110と、光送信器(Tx)4120とを有する。信号ミキサ4110は、異なる周波数の電気信号の主信号M1と制御信号C1とを重畳した電気信号E1をTx4120に出力する。制御信号C1は、主信号M1よりも低周波である。制御信号C1には、例えば、AMCCが用いられる。Tx4120は、電気信号E1を電気信号から光信号G11に変換して光ファイバ4400に出力する。
制御信号重畳部4200は、スプリッタ4210と、フォトダイオード(PD)4220と、信号処理部4230と、光変調器4240と、光変調器4250とを備える。スプリッタ4210と、光変調器4240と、光変調器4250とは、光ファイバ4400上に設けられる。
スプリッタ4210は、ユーザ装置4100が出力した光信号G11を光ファイバ4400から入力する。スプリッタ4210は、入力した光信号G11を分岐し、分岐した光信号G11をPD4220に出力し、分岐した残りの光信号G11を光変調器4240に出力する。
PD4220は、スプリッタ4210が分岐した光信号G11を電気信号E11に変換し、変換後の電気信号E11を信号処理部4230に出力する。
信号処理部4230は、PD4220が出力した電気信号E11から制御信号C1を読み取り、制御信号C1を反転した信号である反転信号E12を生成する。反転信号E12は、元の制御信号C1の位相が逆転している信号である。制御信号C1は低周波領域であるため、高価な信号処理を行わずに反転信号E12を生成可能である。信号処理部4230は、生成した反転信号E12を光変調器4240に出力する。
光変調器4240は、LN変調器、EA変調器、SOAなどである。光変調器4240は、スプリッタ4210から入力した光信号G11を、信号処理部4230から入力した反転信号E12を基に再度変調して、光信号G11から制御信号C1を除去する。制御信号C1が除去された光信号G12には、主信号M1が設定されている。光変調器4240は、光信号G12を光変調器4250に出力する。
光変調器4250は、光信号G12の低周波側に、管理制御機能部1300から入力した制御信号C3を重畳して光信号G13を生成し、ユーザ装置4300に出力する。光変調器4250には、図1及び図2に示す第1の実施形態における光変調器1230-1を用いることができる。
ユーザ装置4300には、光信号の受信を行う従来技術の光通信装置を用いることができる。ユーザ装置4300は、光受信器(Rx)4310と、信号デバイダ4320とを有する。Rx4310は、制御信号重畳部4200が出力した光信号G13を光ファイバ4400から受信し、受信した光信号G13を電気信号E13に変換して出力する。信号デバイダ4320は、Rx4310が出力した電気信号E13を周波数により分離し、主信号M1と制御信号C3とに分離する。
なお、制御信号重畳部4200の一部又は全ての機能部が、管理制御機能部1300に備えられてもよい。本実施形態によれば、制御信号重畳部4200を有することにより、ユーザ装置4100とユーザ装置4300間の接続が完了した後でも、管理制御機能部1300からユーザ装置4300に対して制御信号を送信することができる。
また、図に記載はないが、PD4220又は信号処理部4230と管理制御機能部1300とが接続されていてもよい。PD4220又は信号処理部4230は、ユーザ装置4100において重畳された制御信号の情報を管理制御機能部1300に送信する。これにより、管理制御機能部1300は、ユーザ装置間で送信されている制御信号情報を監視することができる。
なお、制御信号重畳部4200で制御信号を重畳しない場合は、光変調器4240及び光変調器4250に信号を印加せず、ユーザ装置4100から送信された信号をそのまま通過させる。この場合、原理上SOAを使用することはできない。
(第5の実施形態)
第4の実施形態では、ユーザ装置が送信した光信号に重畳されている制御信号を通信経路の途中で反転した制御信号により除去してから、新たな制御信号を重畳していた。本実施形態では、制御信号を反転した信号と、新たに重畳する制御信号とを重畳した信号により、通信経路の途中で光信号を変調する。本実施形態を、第4の実施形態との差分を中心に説明する。
図11は、本実施形態の光通信システム4000aの構成を示す図である。図11に示す光通信システム4000aが、図10に示す第4の実施形態の光通信システム4000と異なる点は、制御信号重畳部4200に代えて、制御信号重畳部4200aを備える点である。
制御信号重畳部4200aは、スプリッタ4210と、PD4220と、信号処理部4230と、重畳部4260と、光変調器4270とを備える。重畳部4260は、信号処理部4230から入力した反転信号E12と、管理制御機能部1300から入力した制御信号C3を重畳した電気信号の重畳信号E14を光変調器4270に出力する。光変調器4270は、スプリッタ4210から入力した光信号G11を、重畳部4260から入力した重畳信号E14を基に再度変調して、制御信号C1が除去され、かつ、主信号M1に制御信号C3が重畳された光信号G13を生成する。光変調器4270は、生成した光信号G13を、ユーザ装置4300に出力する。
なお、制御信号重畳部4200aの一部又は全ての機能部が、管理制御機能部1300に備えられてもよい。本実施形態によれば、第4の実施形態よりも制御信号重畳部に用いられる光変調器の数を減らすことができる。
また、第4の実施形態と同様に、PD4220又は信号処理部4230と管理制御機能部1300とが接続されていてもよい。PD4220又は信号処理部4230は、ユーザ装置4100において重畳された制御信号の情報を管理制御機能部1300に送信する。これにより、管理制御機能部1300は、ユーザ装置間で送信されている制御信号情報を監視することができる。なお、制御信号重畳部4200aで制御信号を重畳しない場合は、光変調器4270に信号を印加せず、ユーザ装置4100から送信されてきた信号をそのまま通過させる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、ユーザ装置が通信中に波長切替を行う光通信システムにおいて、第5又は第6の実施形態の制御信号重畳部を用いて、通信経路の途中で制御信号の重畳を行う。本実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
図12は、第6の実施形態による光通信システム5000の構成を示す図である。光通信システム5000が、図6に示す第2の実施形態の光通信システム2000と異なる点は、光GW2200に代えて、光GW5200を備える点である。光GW5200と、図6に示す光GW2200とが異なる点は、制御信号重畳部2220に代えて、制御信号重畳部5220を備える点である。光GW5200は、制御信号重畳部5220は光伝送路2700-m(mは2以上M以下の整数)上に設けられるが、図12では制御信号重畳部5220を一つのみ示している。光伝送路2700-2~2700-Mの一部に、制御信号重畳部5220が設けらなくてもよい。
制御信号重畳部5220は、送受分離装置5221-1、5221-2と、重畳部5222-1、5222-2とを有する。送受分離装置5221-1は、光SW2210が出力した光信号を重畳部5222-1に出力し、重畳部5222-2が出力した光信号を光SW2210に出力する。送受分離装置5221-2は、重畳部5222-1が出力した光信号を光SW2510等の他の光SWに出力し、光SW2510等の他の光SWから入力した光信号を重畳部5222-2に出力する。
重畳部5222-1及び重畳部5222-2は、図10に示す第4の実施形態の制御信号重畳部4200又は図11に示す第5の実施形態の制御信号重畳部4200aである。重畳部5222-1は、加入者装置2100aが送信した光信号に、加入者装置2100aが設定した制御信号の除去と管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。重畳部5222-1において、スプリッタ4210(図10、図11)は、送受分離装置5221-1から入力した光信号を分岐し、光変調器4250(図10)又は光変調器4270(図11)は、送受分離装置5221-2に光信号を出力する。重畳部5222-2は、加入者装置2100a宛ての光信号に、光信号の送信元が設定した制御信号の除去と管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。重畳部5222-2において、スプリッタ4210(図10、図11)は、送受分離装置5221-2から入力した光信号を分岐し、光変調器4250(図10)又は光変調器4270(図11)は、送受分離装置5221-1に光信号を出力する。
なお、光SWは、1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用してもよい。図13は、光SWが1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用する場合の光通信システム5000aの構成を示す図である。図13に示す光通信システム5000aが図7に示す光通信システム2000aと異なる点は、光GW2200aに代えて、光GW5200aを備える点である。図13においては、加入者装置2100aを1台のみ示しているが、光GW5200aに複数台の加入者装置2100aが接続されうる。
光GW5200aは、送受分離装置2230と、光SW2210と、制御信号重畳部5220aとを備える。図13においては、制御信号重畳部5220aを一つのみ示しているが、光GW5200aは、制御信号重畳部5220aを複数備え得る。制御信号重畳部5220aが、図7に示す制御信号重畳部2220aと異なる点は、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1に代えて重畳部5222-1を備え、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2に代えて重畳部5222-2を備える点である。
光通信システム5000aの動作を説明する。加入者装置2100aが送信した光信号は、図7に示す光通信システム2000aと同様に、光SW2210の第二ポート2212-m1から出力される。制御信号重畳部5220aのスプリッタ2221-1は、光SW2210が第二ポート2212-m1から出力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-1は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を重畳部5222-1に出力する。管理制御機能部2300は、スプリッタ2221-2が分岐した光信号に設定されている制御信号をモニタする。
重畳部5222-1は、加入者装置2100aが送信した光信号に、加入者装置2100aが設定した制御信号の除去と管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。重畳部5222-1は、制御信号の除去及び重畳が行われた光信号を送受分離装置2222に出力する。送受分離装置2222は、重畳部5222-1から入力した信号を、加入者装置2100bと接続される他の光SWへ出力する。
送受分離装置2222は、加入者装置2100bが加入者装置2100a宛てに送信した光信号を他の光SWから入力し、光伝送路2700-m2に出力する。スプリッタ2221-2は、送受分離装置2222から入力した光信号を分岐する。スプリッタ2221-2は、分岐した光信号を管理制御機能部2300に出力し、分岐した残りの光信号を重畳部5222-2に出力する。管理制御機能部2300は、スプリッタ2221-2が分岐した光信号に設定されている制御信号をモニタする。
重畳部5222-2は、加入者装置2100a宛ての光信号に、対向する加入者装置2100bが設定した制御信号の除去と管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。重畳部5222-2は、制御信号の除去及び重畳が行われた光信号を、光SW2210の第二ポート2212-m2に入力する。光SW2210は、第二ポート2212-m2から入力した光信号を、宛先の加入者装置2100aに応じた第一ポート2211-n2から出力する。送受分離装置2230は、第一ポート2211-n2から出力された光信号を、光伝送路2650に出力する。
なお、管理制御機能部2300が加入者装置2100aから送信された光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部5220、5220aは、重畳部5222-1を設けなくてもよい。管理制御機能部2300が加入者装置2100a宛ての光信号に制御信号の重畳を行わない場合、制御信号重畳部5220、5220aは、重畳部5222-2を設けなくてもよい。
また、加入者装置2100aの通信先の加入者装置2100が、加入者装置2100aと接続される光GW5200、5200aとは異なる光GW5200、5200aと接続される場合、加入者装置2100aが接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220a及び通信先の加入者装置2100が接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220aは、重畳部5222-2を設けなくてもよい。この場合、加入者装置2100aから通信先の加入者装置2100へ送信される光信号には、加入者装置2100aが接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220aが通信先の加入者装置2100に対する制御信号を重畳し、通信先の加入者装置2100から加入者装置2100aへ送信される光信号には、通信先の加入者装置2100が接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220aが、加入者装置2100aに対する制御信号を重畳する。
また、加入者装置2100aの通信先の加入者装置2100が、加入者装置2100aと接続される光GW5200、5200aとは異なる光GW5200、5200aと接続される場合、加入者装置2100aが接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220a及び通信先の加入者装置2100が接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220aは、重畳部5222-1を設けなくてもよい。この場合、加入者装置2100aから加入者装置2100bへ送信される光信号には、通信先の加入者装置2100が接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220aが通信先の加入者装置2100に対する制御信号を重畳し、通信先の加入者装置2100から加入者装置2100aへ送信される光信号には、加入者装置2100aが接続している光GW5200、5200aの制御信号重畳部5220、5220aが加入者装置2100aに対する制御信号を重畳する。
本実施形態によれば、制御信号重畳部5220、5220aを有することにより、加入者装置2100間の接続が完了した後でも、管理制御機能部2300から加入者装置2100に対して波長管理制御信号などの制御信号を送信することができる。
(第7の実施形態)
第6の実施形態では、光SWの後段において制御信号を重畳していた。本実施形態では、光SWの前段において制御信号を重畳する。本実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
図14は、第7の実施形態による光通信システム6000の構成を示す図である。光通信システム6000が、図8に示す第3の実施形態の光通信システム3000と異なる点は、光GW3200に代えて、光GW6200を備える点である。光GW6200と、図8に示す光GW3200とが異なる点は、制御信号重畳部3210に代えて、図12に示す第6の実施形態における制御信号重畳部5220を備える点である。
なお、管理制御機能部2300は、第3の実施形態と同様に、加入者装置2100aへ初期設定を行うための制御信号を、光SW2210を介して送信してもよく、制御信号重畳部5220により重畳して送信してもよい。制御信号重畳部5220により制御信号を重畳して送信する場合、管理制御機能部2300は、変調されていない光(又は変調されている光でもよい)を光SW2210に出力し、さらに、制御信号重畳部5220に制御信号を出力する。光SW2210は管理制御機能部2300から入力した光を光伝送路2600に出力する。制御信号重畳部5220は、光SW2210から入力した光に、管理制御機能部2300から入力した制御信号を重畳し、制御信号が重畳された光信号を加入者装置2100aに出力する。
なお、光SWは、1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用してもよい。図15は、光SWが1台の加入者装置2100aの送信と受信で異なるポートを使用する場合の光通信システム6000aの構成を示す図である。図15に示す光通信システム6000aが図9に示す光通信システム3000aと異なる点は、光GW3200aに代えて、光GW6200aを備える点である。図15においては、加入者装置2100aを1台のみ示しているが、光GW6200aに複数台の加入者装置2100aが接続されうる。
光GW6200aは、制御信号重畳部6210と、光SW2210とを備える。図15においては、制御信号重畳部6210を一つのみ示しているが、光GW6200aは、制御信号重畳部6210を複数備え得る。制御信号重畳部6210が、図9に示す制御信号重畳部3210aと異なる点は、光増幅器1220-1及び光変調器1230-1に代えて重畳部5222-1を備え、光増幅器1220-2及び光変調器1230-2に代えて重畳部5222-2を備える点である。
重畳部5222-1は、加入者装置2100aが送信した光信号に、加入者装置2100aが設定した制御信号の除去と管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。重畳部5222-1において、スプリッタ4210(図10、図11)は、光伝送路2650から入力した光信号を分岐し、光変調器4250(図10)又は光変調器4270(図11)は、光SW2210に光信号を出力する。重畳部5222-2は、加入者装置2100a宛ての光信号に、制御信号の除去と管理制御機能部2300が出力した制御信号の重畳とを行う。重畳部5222-2において、スプリッタ4210(図10、図11)は、光SW2210から入力した光信号を分岐し、光変調器4250(図10)又は光変調器4270(図11)は、光伝送路2650に光信号を出力する。
本実施形態によれば、加入者装置2100が所望の接続先との接続を完了した後でも、管理制御機能部2300から加入者装置2100に対して波長管理制御信号などの制御信号を送信することができる。加えて、各制御信号重畳部5220、6210は、個々の加入者装置2100に専用となるため、第6の実施形態と比較して管理制御が簡易である。
(第8の実施形態)
本実施形態では、ユーザが複数のサービスを利用する。図16は、第8の実施形態による光通信システム7000の構成を示す図である。光通信システム7000は、ユーザ装置7100と、制御信号重畳部7200と、管理制御機能部1300と、波長合分波器7300と、ユーザ装置7400と、ユーザ装置7500とを備える。ユーザ装置7100と制御信号重畳部7200とは、光ファイバ7610により接続される。波長合分波器7300は、制御信号重畳部7200と光ファイバ7620により接続され、ユーザ装置7400と光ファイバ7630により接続され、ユーザ装置7500と光ファイバ7640により接続される。
ユーザ装置7100は、2以上のサービスを利用する。ここでは、ユーザ装置7100は、ユーザ装置7400が提供するサービス#1と、ユーザ装置7500が提供するサービス#2を利用する場合を例に説明する。例えば、ユーザ装置7400はデータ通信サービスを提供し、ユーザ装置7500はアナログ信号などの映像系サービスを提供する。なお、ユーザ装置7100が利用する複数のサービスはこれらに限定されず、任意とすることができる。これらサービスは異なる波長の光信号を用いる。また、複数のサービスのうちいずれかが、低周波の制御信号を用いる。
ユーザ装置7100は、信号ミキサ1110と、TRx1120と、信号デバイダ1130と、TRx7110と、波長合分波器7120とを有する。信号ミキサ1110は、電気信号の主信号M1と電気信号の制御信号C1とを重畳したサービス#1の送信信号をTRx1120に出力する。TRx1120は、送信信号を電気信号から光信号に変換して波長合分波器7120に出力する。また、TRx1120は、波長合分波器7120から入力したサービス#1の光信号を電気信号に変換して出力する。信号デバイダ1130は、TRx1120が変換した電気信号を、波長により主信号と制御信号に分離する。TRx7110は、サービス#2の送信信号を電気信号から光信号に変換して波長合分波器7120に出力する。また、TRx7110は、波長合分波器7120から入力したサービス#2の光信号を電気信号に変換して出力する。
波長合分波器7120は、TRx1120が出力した光信号と、TRx7110が出力した光信号とを合波して光ファイバ7610に出力する。波長合分波器7120は、光ファイバ7610を伝送した光信号を入力し、入力した光信号を波長によりサービス#1の光信号とサービス#2の光信号に分波する。波長合分波器7120は、サービス#1の光信号をTRx1120に出力し、サービス#2の光信号をTRx7110に出力する。
制御信号重畳部7200は、図1及び図2に示す第1の実施形態の制御信号重畳部1200、図3に示す第1の実施形態の制御信号重畳部1200a、図4に示す第1の実施形態の制御信号重畳部1200b、図10に示す第4の実施形態の制御信号重畳部4200、図11に示す第5の実施形態の制御信号重畳部4200a、又は、図12に示す第6の実施形態の制御信号重畳部5220である。
波長合分波器7300は、光ファイバ7620を伝送した光信号を入力し、入力した光信号を波長によりサービス#1の光信号とサービス#2の光信号に分波する。波長合分波器7300は、サービス#1の光信号を光ファイバ7630に出力し、サービス#2の光信号を光ファイバ7640に出力する。また、波長合分波器7120は、光ファイバ7630を伝送したサービス#1の光信号と、光ファイバ7640を伝送したサービス#2の光信号とを合波して光ファイバ7620に出力する。
ユーザ装置7400は、TRx7410を備える。TRx7410は、光ファイバ7630を伝送したサービス#1の光信号を電気信号に変換し、サービス#1の電気信号を光信号に変換して光ファイバ7630に出力する。ユーザ装置7400として、例えば、ユーザ装置1100を用いてもよい。
ユーザ装置7500は、TRx7510を備える。TRx7510は、光ファイバ7640を伝送したサービス#2の光信号を電気信号に変換し、サービス#2の電気信号を光信号に変換して光ファイバ7640に出力する。
光通信システム7000の動作を説明する。ユーザ装置7100は、電気信号の主信号M1と電気信号の制御信号C1とが重畳されたサービス#1の光信号と、サービス#2の光信号とが合波された光信号を出力する。制御信号重畳部7200は、ユーザ装置7100が送信した光信号に、サービス#1の制御信号C1の除去と、管理制御機能部1300が出力した制御信号C3-1の重畳とを行い、光ファイバ7620に出力する。
波長合分波器7300は、制御信号重畳部7200が出力した光信号を、波長によりサービス#1の光信号とサービス#2の光信号に分波する。波長合分波器7300は、サービス#1の光信号を光ファイバ7630に出力し、サービス#2の光信号を光ファイバ7640に出力する。ユーザ装置7400のTRx7410は、サービス#1の光信号を受信して電気信号に変換し、主信号M1と制御信号C3-1に分離する。ユーザ装置7500のTRx7510は、サービス#2の電気信号を光信号に変換する。
また、ユーザ装置7400のTRx7410は、サービス#1の電気信号を光信号に変換して出力する。TRx7410は、主信号M2と制御信号C2とが重畳された電気信号を光信号に変換してもよい。ユーザ装置7500のTRx7510は、サービス#2の電気信号を光信号に変換して出力する。波長合分波器7300は、ユーザ装置7400が出力したサービス#1の光信号と、ユーザ装置7500が出力したサービス#2の光信号とを合波して光ファイバ7620に出力する。
制御信号重畳部7200は、波長合分波器7300が出力した光信号に、サービス#1の制御信号C2の除去と、管理制御機能部1300が出力した制御信号C3-2の重畳とを行い、光ファイバ7610に出力する。ユーザ装置7100の波長合分波器7120は、制御信号重畳部7200が出力した光信号を入力し、入力した光信号を波長によりサービス#1の光信号とサービス#2の光信号に分波する。TRx1120は、サービス#1の光信号を受信して電気信号に変換し、信号デバイダ1130は、TRx1120が変換した電気信号を主信号M2と制御信号C3-2に分離する。また、TRx7110は、サービス#2の電気信号を光信号に変換する。
(第9の実施形態)
第8の実施形態では、制御信号重畳部に入力される光信号に、複数のサービスの光信号が合波されていた。本実施形態では、ユーザが利用する複数のサービスのうち、制御信号の書替を行うサービスの光信号を制御信号重畳部に入力する。本実施形態では、第8の実施形態との差分を中心に説明する。
図17は、第9の実施形態による光通信システム7000aの構成を示す図である。光通信システム7000aは、ユーザ装置7100と、波長合分波器7600と、制御信号重畳部7200と、ユーザ装置7400と、サービス提供装置7700とを備える。波長合分波器7600は、ユーザ装置7100と光ファイバ7810により接続され、制御信号重畳部7200と光ファイバ7820により接続され、サービス提供装置7700と光ファイバ7830により接続される。ユーザ装置7400は、制御信号重畳部7200と光ファイバ7840により接続される。
波長合分波器7600は、光ファイバ7810を伝送した光信号を入力し、入力した光信号を波長によりサービス#1の光信号とサービス#2の光信号に分波する。波長合分波器7600は、サービス#1の光信号を光ファイバ7820に出力し、サービス#2の光信号を光ファイバ7830に出力する。また、波長合分波器7600は、光ファイバ7820を伝送したサービス#1の光信号と、光ファイバ7830を伝送したサービス#2の光信号とを合波して光ファイバ7810に出力する。
サービス提供装置7700は、サービス#2を提供する。サービス提供装置7700は、制御信号重畳部7200と同様に、局舎内など、ネットワーク上に設置されてもよい。サービス提供装置7700は、TRx7710を備える。TRx7710は、光ファイバ7830を伝送したサービス#2の光信号を電気信号に変換し、サービス#2の電気信号を光信号に変換して光ファイバ7830に出力する。
光通信システム7000aの動作を説明する。ユーザ装置7100は、第8の実施形態と同様に、電気信号の主信号M1と電気信号の制御信号C1とが重畳されたサービス#1の光信号と、サービス#2の光信号とが合波された光信号を出力する。波長合分波器7600は、ユーザ装置7100が出力した光信号を、波長によりサービス#1の光信号とサービス#2の光信号に分波する。波長合分波器7600は、サービス#1の光信号を光ファイバ7820に出力し、サービス#2の光信号を光ファイバ7830に出力する。サービス提供装置7700のTRx7710は、サービス#2の電気信号を光信号に変換する。制御信号重畳部7200は、波長合分波器7600が分波したサービス#1の光信号に、制御信号C1の除去と、管理制御機能部1300が出力した制御信号C3-1の重畳とを行い、光ファイバ7840に出力する。ユーザ装置7400のTRx7410は、サービス#1の光信号を受信して電気信号に変換し、主信号M1と制御信号C3-1に分離する。
また、ユーザ装置7400のTRx7410は、サービス#1の電気信号を光信号に変換して出力する。TRx7410は、主信号M2と制御信号C2とが重畳された電気信号を光信号に変換してもよい。制御信号重畳部7200はユーザ装置7400が出力した光信号に、サービス#1の制御信号C2の除去と、管理制御機能部1300が出力した制御信号C3-2の重畳とを行い、光ファイバ7820に出力する。
一方、サービス提供装置7700のTRx7710は、サービス#2の電気信号を光信号に変換して出力する。波長合分波器7600は、制御信号重畳部7200が出力したサービス#1の光信号と、サービス提供装置7700が出力したサービス#2の光信号とを合波して光ファイバ7810に出力する。ユーザ装置7100は、波長合分波器7600が出力した光信号を入力し、第8の実施形態と同様の処理を行う。
なお、制御信号重畳部1200、1200a、1200b、2220、2220a、3210、3210a、4200、4200a、5220、5220a、6210、7200はそれぞれ、物理的に1台の信号制御装置に備えられてもよく、物理的に分散した機能部からなる仮想的な1台の信号制御装置であってもよい。
光通信を行う従来技術のユーザ装置は、電気信号の状態で主信号と制御信号を重畳し、重畳された電気信号を光信号に変換して送信している。そのため、通信経路の途中で制御信号のみを抜き出したり、新たな制御信号の追加や制御信号の書き換えを行ったりすることはできなかった。また、ユーザ装置が使用する光波長を変更するには、ユーザ装置に対して直接設定変更を行う必要があるため、通信サービスを提供している通信事業者などが、ネットワークを介して柔軟に波長変更を行うことは困難であった。以上説明した実施形態によれば、ユーザ装置において付与された制御信号を光信号の通信経路の途中で除去し、別の制御信号を重畳させる。このように、光信号に重畳されている一部の信号を通信経路の途中で異なる信号に置き換えることが可能になるため、通信事業者などが柔軟にユーザ装置に設定変更を指示する制御信号を送信し、波長変更等を行わせることが可能となる。
以上説明した実施形態によれば、光信号処理装置は、除去部と、重畳部とを有する。除去部は、異なる周波数の第一信号と第二信号とが重畳された電気信号から変換された光信号を第一光伝送路から入力し、入力した光信号から第二信号を除去する。重畳部は、除去部により第二信号が除去された光信号に第一信号の周波数とは電気領域において異なる周波数の第三信号を重畳し、第三信号が重畳された光信号を第二光伝送路に出力する。例えば、重畳部は、実施形態の光変調器1230-1、1230-2、4250、4270である。
除去部には、第一信号の周波数の応答特性よりも第二信号の周波数の応答特性が低い増幅器を用いることができる。例えば、除去部は、実施形態の光増幅器1220-1、1220-2である。
また、除去部は、第一光伝送路から入力した光信号から第二信号を読み取り、読み取った第二信号を反転した反転信号により光信号を変調して光信号から第二信号を除去してもよい。例えば、除去部は、実施形態のPD4220、信号処理部4230及び光変調器4240である。
また、除去部は、第一光伝送路から入力した光信号から第二信号を読み取り、読み取った第二信号を反転した反転信号を生成してもよい。重畳部は、反転信号と第三信号とを重畳した信号により、第一光伝送路から入力した光信号を変調して、光信号に対する第二信号の除去及び第三信号の重畳を行う。例えば、除去部は、実施形態のPD4220及び信号処理部4230であり、重畳部は、重畳部4260及び光変調器4270である。
第二信号の周波数及び第三信号の周波数は、第一信号の周波数よりも低周波又は高周波でもよい。また、第一信号が主信号、第二信号及び第三信号が制御信号でもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。