したがって、喘息の処置および/または予防のための新規標的治療が当技術分野において必要とされている。
一態様によれば、それを必要とする対象の喘息を処置する方法を提供する。
別の態様では、それを必要とする対象においてリットルでの1秒量(FEV1)を増加させる方法を提供する。
別の態様では、それを必要とする対象の喘息関連増悪事象を低減させる方法を提供する。
さらに別の態様では、それを必要とする対象の1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーターを向上させる方法を提供する。
さらなる態様では、1つまたはそれ以上の喘息増悪の処置のための吸入コルチコステロイドおよび/または長時間作用性β刺激薬への喘息患者の依存を低減させるまたは無くす方法を提供する。
本発明において注目される方法は、インターロイキン-4受容体IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含む。特定の実施形態によると、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。本発明において注目される方法に関連して使用することができる例示的抗IL-4R抗体は、本明細書中の他の箇所で説明する。例えば、一実施形態において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片であり、配列番号1および2の重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)からの重鎖および軽鎖(相補性決定領域)CDR配列をそれぞれ含む。
本発明は、喘息の処置および/もしくは予防のためのまたは本明細書に開示する他の適応症もしくは状態のいずれかを処置するための薬物の製造における使用のための、本明細書に開示のIL-4R拮抗薬も含む。
本発明は、喘息の処置および/もしくは予防に使用するための、ならびに/または本明細書に開示する他の適応症もしくは状態のいずれかを処置および/もしくは予防するための、本明細書に開示のIL-4R拮抗薬も含む。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は:i)吸入コルチコステロイド(ICS)の1またはそれ以上の維持用量と、ii)長時間作用性β2アドレナリン刺激薬(LABA)の1またはそれ以上の維持用量と、iii)インターロイキン-4受容体IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量と、iv)IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量とを含み、ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つの重鎖相補性決定領域(HCDR)配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定(LCDR)配列とを含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。さらにさらなる特定の態様において、抗体はデュピルマブである。さらにさらなる特定の態様において、抗体は、C
AS番号1190264-60-8を有する。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される。他の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに(q4w)投与される。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL、および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、対象に全身投与、皮内投与、静脈内投与または鼻腔内投与される。
特定の態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、ICSは、フロ酸モメタゾン、ブデソニドおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。特定の態様において、LABAは、ホルモテロールおよびサルメテロールからなる群から選択される。さらなる態様において、ICSはフロ酸モメタゾンであり、LABAはホルモテロールである。さらにさらなる態様において、ICSはブデソニドであり、LABAはホルモテロールである。なおさらにさらなる態様において、ICSはプロピオン酸フルチカゾンであり、LABAはサルメテロールである。
特定の態様において、対象は、年齢18歳以上の対象、年齢12歳~18歳未満の対象、年齢6歳~12歳未満の対象、および年齢2歳~6歳未満の対象からなる群から選択さ
れる。
特定の態様において、対象は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および以下の基準:i)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;ii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の強制呼気量(FEV1)40~80%予測正常値;iii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のJuniper喘息管理質問票、5問バージョン(ACQ-5)スコア1.5以上;iv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後における少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはv)IL-4R拮抗薬の負荷用量の投与前1年以内に次の事象:a)喘息悪化のための1回以上の全身性(経口または非経口)ステロイドバーストでの処置、b)喘息悪化のための入院または救急/緊急医療受診
のいずれかを経験したこと
の1つまたはそれ以上に基づいて、中等度~重度の非管理喘息を12カ月以上有する。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
ある実施形態は、それを必要とする対象のリットルでの1秒量(FEV1)を増加させる方法であって、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は、:i)ICSの1またはそれ以上の維持用量、ii)LABAの1またはそれ以上の維持用量、iii)IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびiv)IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含み、ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。さらに特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。さらに特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定(LCDR)配列とを含む。さらに特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。さらにさらなる特定の態様において、抗体はデュピルマブ
である。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される。他の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに(q4w)投与される。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、対象に全身投与、皮内投与、静脈内投与または鼻腔内投与される。
特定の態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、ICSは、フロ酸モメタゾン、ブデソニドおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。特定の態様において、LABAは、ホルモテロールおよびサルメテロールからなる群から選択される。さらなる態様において、ICSはフロ酸モメタゾンであり、LABAはホルモテロールである。さらにさらなる態様において、ICSはブデソニドであり、LABAはホルモテロールである。さらになおさらなる態様において、ICSはプロピオン酸フルチカゾンであり、LABAはサルメテロールである。
特定の態様において、対象は、年齢18歳以上の対象、年齢12歳~18歳未満の対象、年齢6歳~12歳未満の対象、および年齢2歳~6歳未満の対象からなる群から選択さ
れる。
特定の態様において、対象は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および以下の基準:i)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;ii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のFEV1 40~80%予測正常値;iii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のACQ-5スコア1.5以上;iv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後における少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはv)IL-4R拮抗薬の負荷用量の投与前1年以内に次の事象:a)喘息悪化のための1回以上の全身性(経口または非経口)ステロイドバーストでの処置、b)喘息悪化のための入院または救急/緊急医療受診のいずれかを経験したことの1つまたはそれ以上に基づいて、中等度~重度の非管理喘息を12カ月以上有する。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
ある実施形態は、それを必要とする対象の1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーターを向上させる方法であって、対象に:i)ICSの1またはそれ以上の維持用量、ii)LABAの1またはそれ以上の維持用量、iii)IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびiv)IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む併用治療を投与することを含み、
ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定(LCDR)配列とを含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。さらにさらなる特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される。他の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに(q4w)投与される。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、対象に全身投与、皮内投与、静脈内投与または鼻腔内投与される。
特定の態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、ICSは、フロ酸モメタゾン、ブデソニドおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。特定の態様において、LABAは、ホルモテロールおよびサルメテロールからなる群から選択される。さらなる態様において、ICSはフロ酸モメタゾンであり、LABAはホルモテロールである。さらにさらなる態様において、ICSはブデソニドであり、LABAはホルモテロールである。さらにいっそうさらなる態様において、ICSはプロピオン酸フルチカゾンであり、LABAはサルメテロールである。
特定の態様において、対象は、年齢18歳以上の対象、年齢12歳~18歳未満の対象、年齢6歳~12歳未満の対象、および年齢2歳~6歳未満の対象からなる群から選択される。
特定の態様において、対象は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および以下の基準:i)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;ii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のFEV1 40~80%予測正常値;iii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のACQ-5スコア1.5以上;iv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後における少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはv)IL-4R拮抗薬の負荷用量の投与前1年以内に次の事象:a)喘息悪化のための1回以上の全身性(経口または非経口)ステロイドバーストでの処置、b)喘息悪化のための入院または救急/緊急医療受診のいずれかを経験したことの1つまたはそれ以上に基づいて、中等度~重度の非管理喘息を12カ月以上有する。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
特定の態様において、1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーターは、(1)第12週における1秒量(FEV1)のベースラインからの相対パーセント変化;(2)処置期間中の喘息管理喪失事象の年率;(3)処置期間中の重度増悪事象の年率;(4)処置期間中の喘息管理喪失事象までの時間;(5)処置期間中の重度増悪事象までの時間;(6)全研究期間中の喘息管理喪失事象までの時間;(7)全研究期間中の重度増悪事象までの時間;(8)医療資源活用;(9)第12週での:i)朝および晩の喘息症状スコア、ii)ACQ-5スコア、iii)AQLQスコア、iv)朝および晩のPEF、v)症状緩和のためのサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの吸入数/日、vi)夜間中途覚醒におけるベースラインからの変化;(10)第12週および第24週での:i)22項目副鼻腔アウトカムテスト(SNOT-22)、ii)病院不安およびうつスコア(HADS)、iii)EuroQual質問票(EQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L)におけるベースラインからの変化からなる群から選択される。
特定の態様において、喘息管理喪失(LOAC)事象は、以下の事象:i)2日連続での24時間におけるベースラインと比較して6回以上のサルブタモール/アルブテロールもしくはレボサルブタモール/レブアルブテロールの追加の発作治療薬パフ、またはii)来院2におけるコルチコステロイドの4倍以上の用量増加、またはiii)3日以上の全身性コルチコステロイドの使用、またはiv)全身性コルチコステロイドを必要とする
喘息による入院もしくは救急外来受診として定義される。
特定の態様において、重度増悪事象は、以下の事象:i)3日以上の全身性コルチコステロイドの使用、またはii)全身性コルチコステロイドを必要とする喘息による入院もしくは救急外来受診として定義される。
ある実施形態は、1つまたはそれ以上の喘息増悪の処置のための吸入コルチコステロイド(ICS)および/または長時間作用性β刺激薬(LABA)への喘息患者の依存を低減させる方法を含み、該方法は、以下のステップ:(a)ICS、LABAまたはそれらの組み合わせを含むバックグラウンド喘息治療で管理されていない中等度~重度喘息を有する患者を選択するステップ;および(b)前記患者に:i)ICSの1またはそれ以上の維持用量と、ii)LABAの1またはそれ以上の維持用量と、iii)IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量と、iv)IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量とを含む併用療法を投与するステップを含み、ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定(LCDR)配列とを含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。さらにさらなる特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される。他の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに(q4w)投与される。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中
好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、対象に全身投与、皮内投与、静脈内投与または鼻腔内投与される。
特定の態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、ICSは、フロ酸モメタゾン、ブデソニドおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。特定の態様において、LABAは、ホルモテロールおよびサルメテロールからなる群から選択される。さらなる態様において、ICSはフロ酸モメタゾンであり、LABAはホルモテロールである。さらにさらなる態様において、ICSはブデソニドであり、LABAはホルモテロールである。なおさらにさらなる態様において、ICSはプロピオン酸フルチカゾンであり、LABAはサルメテロールである。
特定の態様において、患者は、年齢18歳以上の対象、年齢12歳~18歳未満の対象、年齢6歳~12歳未満の対象、および年齢2歳~6歳未満の対象からなる群から選択される。
特定の態様において、患者は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および以下の基準:i)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;ii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のFEV140~80%予測正常値;iii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のACQ-5スコア1.5以上;iv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後における少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはv)IL-4R拮抗薬の負荷用量の投与前1年以内に次の事象:a)喘息悪化のための1回以上の全身性(経口または非経口)ステロイドバーストでの処置、b)喘息悪化のための入院または救急/緊急医療受診のいずれかを経験したことの1つまたはそれ以上に基づいて、中等度~重度の非管理喘息を12カ月以上有する。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v
)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、対象に:i)ICSの1またはそれ以上の維持用量、ii)LABAの1またはそれ以上の維持用量、iii)IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびiv)IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む併用治療を投与することを含み、
ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与され、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する、方法を含む。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定(LCDR)配列とを含む。さらなる特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。さらにさらなる特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される。他の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに(q4w)投与される。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中
好酸球数を有する。
特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。さらなる態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。さらにさらなる態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、対象に全身投与、皮内投与、静脈内投与または鼻腔内投与される。
特定の態様において、ICSは、フロ酸モメタゾン、ブデソニドおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。特定の態様において、LABAは、ホルモテロールおよびサルメテロールからなる群から選択される。さらなる態様において、ICSはフロ酸モメタゾンであり、LABAはホルモテロールである。さらにさらなる態様において、ICSはブデソニドであり、LABAはホルモテロールである。なおさらにさらなる態様において、ICSはプロピオン酸フルチカゾンであり、LABAはサルメテロールである。
特定の態様において、対象は、年齢18歳以上の対象、年齢12歳~18歳未満の対象、年齢6歳~12歳未満の対象、および年齢2歳~6歳未満の対象からなる群から選択される。
特定の態様において、対象は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および以下の基準:i)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;ii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のFEV1 40~80%予測正常値;iii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のACQ-5スコア1.5以上;iv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後における少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはv)IL-4R拮抗薬の負荷用量の投与前1年以内に次の事象:a)喘息悪化のための1回以上の全身性(経口または非経口)ステロイドバーストでの処置、b)喘息悪化のための入院または救急/緊急医療受診のいずれかを経験したことの1つまたはそれ以上に基づいて、中等度~重度の非管理喘息を12カ月以上有する。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤で投与され、製剤のpHは約5.9である。さらなる態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。
特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
ある実施形態は、喘息および関連状態の処置および/または予防に使用するためのIL-4R拮抗薬を含む。
ある実施形態は、喘息および関連状態の処置および/または予防に使用するための抗IL4R抗体拮抗薬またはその抗原結合断片を含む医薬組成物を含む。
ある実施形態は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤を含み、ここで製剤のpHは約5.9である。特定の態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
ある実施形態は、i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80を含む製剤を含み、ここで製剤のpHは約5.9である。特定の態様において、製剤の粘度は、約8.5センチポアズである。特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、該対象は、低または中等度血中好酸球レベルを有し、方法は、対象に治療を投与することを含み、治療は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む、方法を含む。
特定の態様において、対象は、細胞約200個/μL~細胞約299個/μLの間の血中好酸球数を有する、または対象は、約200個/μL未満の血中好酸球数を有する。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、q2wまたはq4w投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される抗体またはその抗原結合断片30
0mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。特定の態様において負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。
特定の態様において、対象は、次のバイオマーカー:ペリオスチン、胸腺および活性化制御ケモカイン(TARC)、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)、好酸球カチオン性タンパク質(ECP)、エオタキシン-3、総IgE、抗原特異的IgE、ならびに呼気一酸化窒素濃度(FeNO)からなる群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーのレベル上昇を有する。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、該対象は、年齢約12~約75歳の間であり、方法は、対象に治療を投与することを含み、治療は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む、方法を含む。
特定の態様において、対象は、細胞約200個/μL~細胞約299個/μLの間の血中好酸球数を有する、または約200個/μL未満の血中好酸球数を有する。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、q2wまたはq4w投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。
特定の態様において、対象は、次のバイオマーカー:好酸球(Eos)、ペリオスチン、TARC、DPP4、ECP、エオタキシン-3、総IgE、抗原特異的IgE、およびFeNOからなる群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーのレベル上昇を有する。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は、プレドニゾンの1またはそ
れ以上の経口用量、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む、方法を含む。
特定の態様では、各々プレドニゾン約10mg以下の1またはそれ以上の経口用量が投与される。特定の態様では、各々プレドニゾン約5mg以下の1またはそれ以上の経口用量が投与される。特定の態様において、プレドニゾンの1またはそれ以上の経口用量は、1日用量である。特定の態様において、対象は、細胞約200~約299個/μLの間の血中好酸球数を有する。特定の態様において、対象は、細胞約200個/μL未満の血中好酸球数を有する。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、q2wまたはq4w投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。
特定の態様において、対象は、次のバイオマーカー:Eos、ペリオスチン、TARC、DPP4、ECP、エオタキシン-3、総IgE、抗原特異的IgEおよびFeNOからなる群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーのレベル上昇を有する。
ある実施形態は、それを必要とする対象の1つまたはそれ以上の喘息増悪の発生率を低減させる方法であって、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は、ICSの1またはそれ以上の維持用量、第2の長期管理薬の1またはそれ以上の維持用量、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含み、ICSおよび第2の喘息長期管理薬は、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される。
特定の態様において、喘息増悪は、以下の増悪、2日連続での朝の最大呼気速度(PEF)のベースラインからの30%以上の低減、2日連続での24時間における(ベースラインと比較して)6回またはそれ以上のアルブテロールまたはレブアルブテロールの追加の発作治療薬パフ、および次のことを必要とする喘息悪化、全身性(経口および/もしくは非経口)ステロイド処置、または中止前に受けた最終用量の少なくとも4倍への吸入コルチコステロイドの増加、または入院からなる群から選択される。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
ある実施形態は、それを必要とする対象のFEV1を改善する方法であって、医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含み、医薬組成物の治療有効量は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む医薬組成物を含む、方法を含む。
特定の態様において、喘息関連パラメーターの向上は、ベースラインからのFEV1の少なくとも0.10Lの増加である。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
ある実施形態は、それを必要とする対象の1つまたはそれ以上の喘息増悪の発生率を低減させる方法であって、該対象は、低もしくは中等度血中好酸球レベルを有し、および/または該対象は、年齢約12~約75歳の間であり、方法は、対象に治療を投与することを含み、治療は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む、方法を含む。
特定の態様において、喘息増悪は、以下の増悪、2日連続での朝の最大呼気速度(PEF)のベースラインからの30%以上の低減、
2日管連続で24時間に(ベースラインと比較して)6回またはそれ以上のアルブテロールまたはレブアルブテロールの追加の発作治療薬パフ、および全身性(経口および/もしくは非経口)ステロイド処置、または中止前に受けた最終用量の少なくとも4倍への吸入コルチコステロイドの増加、または入院を必要とする喘息悪化からなる群から選択される。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態
様において、抗体はデュピルマブである。
ある実施形態は、それを必要とする対象のFEV1を改善する方法であって、該対象は、低もしくは中等度血中好酸球レベルを有し、および/または対象は、年齢12~75歳の間であり、方法は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量と、IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む医薬組成物とを含む医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含む、方法を含む。
特定の態様において、喘息関連パラメーターの向上は、ベースラインからのFEV1の少なくとも0.10Lの増加である。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、該対象は、低もしくは中等度血中好酸球レベルを有し、および/または該対象は、年齢12~75歳の間であり、方法は、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は、ICSの1またはそれ以上の維持用量、第2の長期管理薬の1またはそれ以上の維持用量、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含み、ICSおよび第2の喘息長期管理薬は、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、ICSの1またはそれ以上の維持用量は、中~高用量である。特定の態様において、対象は、約200~約299個/μLの間の血中好酸球数を有する。特定の態様において、対象は、約200個/μL未満の血中好酸球数を有する。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は、プレドニゾンの1またはそれ以上の経口用量、ICSの1またはそれ以上の維持用量、第2の吸入喘息長期管理薬の1またはそれ以上の維持用量、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含み、ICSおよび第2の吸入喘息長期管理薬は、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、ICSの1またはそれ以上の維持用量は、中~高用量である。特定の態様では、各々プレドニゾン約10mg以下の1またはそれ以上の経口用量が投与される。特定の態様では、各々プレドニゾン約5mg以下の1またはそれ以上の経口用量が投与される。特定の態様において、プレドニゾンの1またはそれ以上の経口用量は、1日用量である。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、該対象は、年齢約12~約17歳の間であり、方法は、対象に治療を投与することを含み、治療は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む、方法を含む。
特定の態様において、対象は、細胞約200個/μL~細胞約299個/μLの間の血中好酸球数を有する、または約200個/μL未満の血中好酸球数を有する。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様では、1またはそれ以上の維持用量は、q4wで投与される。特定の態様では、1またはそれ以上の維持用量が少なくとも24週間投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4wで投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含み、場合により、前記1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2wで投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含み、場合により、前記1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q4wで投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含み、場合により、前記1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。特定の態様において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、q2wで投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含み、場合により、前記1またはそれ以上の維持用量は、少なくとも24週間投与される。
特定の態様において、対象は、次のバイオマーカー:好酸球(Eos)、ペリオスチン、TARC、DPP4、ECP、エオタキシン-3、総IgE、抗原特異的IgE、およびFeNOからなる群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーのレベル上昇を有する。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、対象に併用治療を投与することを含み、併用治療は吸入コルチコステロイド(ICS)の1またはそれ以上の維持用量と、長時間作用性β2アドレナリン刺激薬(LABA)の1またはそれ以上の維持用量と、インターロイキン-4受容体(IL-4R)拮抗薬約4mg/kgの負荷用量と、IL-4R拮抗薬約2mg/kgの1またはそれ以上の維持用量とを含み、ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含む重鎖可変領域(HCVR)/軽鎖可変領域(LCVR)配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つの重鎖相補性決定領域(HCDR)配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR)配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される、または4週間ごとに(q4w)投与される。
ある実施形態は、それを必要とする対象の中等度~重度の非管理喘息を処置する方法であって、該対象は、低または中等度血中好酸球レベルを有し、方法は、対象に治療を投与することを含み、治療は、IL-4R拮抗薬約4mg/kgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約2mg/kgの1またはそれ以上の維持用量を含む、方法を含む。
特定の態様において、対象は、細胞約200個/μL~細胞約299個/μLの間の血中好酸球数を有する。特定の態様において、対象は、約200個/μL未満の血中好酸球数を有する。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含むHCVR/LCVR配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つのHCDR配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つのLCDR配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、q2w投与される。特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、q4w投与される。
ある実施形態は、それを必要とする対象の持続型喘息を処置する方法であって、対象に
併用治療を投与することを含み、併用治療は、吸入コルチコステロイド(ICS)の1またはそれ以上の維持用量、長時間作用性β2アドレナリン刺激薬(LABA)の1またはそれ以上の維持用量、インターロイキン-4受容体(IL-4R)拮抗薬約400~約600mgの負荷用量、およびIL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含み、ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与継続期間中に投与される、方法を含む。
特定の態様において、IL-4R拮抗薬は、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2を含む重鎖可変領域(HCVR)/軽鎖可変領域(LCVR)配列対からの重鎖および軽鎖CDR配列を含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号3、4および5を含む3つの重鎖相補性決定領域(HCDR)配列と、それぞれ配列番号6、7および8を含む3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR)配列とを含む。特定の態様において、IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。特定の態様において、抗体はデュピルマブである。
特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに(q2w)投与される。特定の態様において、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに(q4w)投与される。特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、対象に全身投与、皮内投与、静脈内投与または鼻腔内投与される。
特定の態様において、対象は、細胞300個/μL以上、細胞200~299個/μL;および細胞200個/μL未満からなる群から選択される血中好酸球数を有する。
特定の態様において、ICSは、フロ酸モメタゾン、ブデソニドおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。特定の態様において、LABAは、ホルモテロールおよびサルメテロールからなる群から選択される。特定の態様において、ICSはフロ酸モメタゾンであり、LABAはホルモテロールである。特定の態様において、ICSはブデソニドであり、LABAはホルモテロールである。特定の態様において、ICSはプロピオン酸フルチカゾンであり、LABAはサルメテロールである。
特定の態様において、対象は、年齢約18歳以上の対象、年齢約12歳~約75歳の対象、年齢約12歳~約18歳の対象、年齢約6~約11歳の対象、および年齢約2歳~約5歳の対象からなる群から選択される。
特定の態様において、対象は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および以下の基準:IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の強制呼気量(FEV1)40~80%予測正常値;IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のJuniper喘息管理質問票、5問バージョン(ACQ-5)スコア1.5以上;IL-4R拮抗薬の負荷用量の投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後における少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはIL-4R拮抗薬の負荷用量投与前1年以内に次の事象:喘息悪化のための1回以上の全身性(経口または非経口)ステロイドバーストでの処置;もしくは喘息悪化のための入院または救急/緊急医療受診のいずれかを経験したことの1つまたはそれ以上に基づいて、持続型喘息を12カ月以上有する。
他の実施形態は、後に続く詳細な説明、図面、表および添付の特許請求の範囲の再考から明らかになるであろう。
本発明の上述のおよび他の特徴および利点は、添付の図面に関連して挙げる説明に役立つ実施形態についての以下の詳細な説明からさらに十分に理解されるであろう。本特許のファイルは、カラーで作成した少なくとも1つの図面/写真を含む。カラー図面/写真を伴う本出願のコピーは、請求して必要料金を支払うと(米国特許商標)庁によって提供されるであろう。
本発明を説明する前に、本発明が、説明する特定の方法および実験条件に限定されないことを理解されたい。そのような方法および条件は変わることがあるからである。本明細書において用いる専門用語は、特定の実施形態の説明を目的にしたものに過ぎず、限定することを意図したものでないことも理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるからである。
別段の定義がない限り、本明細書において用いるすべての専門および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。
本明細書において用いる場合、用語「約」は、特定の列挙されている数値に関して用いるとき、その値が、列挙されている値から1%以下変動することがあることを意味する。例えば、本明細書において用いる場合、「約100」という表現は、99および101、ならびに間のすべての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書において用いる場合、用語「処置する」、「処置すること」、またはこれらに類する用語は、症状を軽減すること、一時的にもしくは永久に症状の原因を除去すること、または名を挙げる障害もしくは状態の症状の出現を予防するもしくは遅らせることを意味する。
本明細書に記載するものと同様または等価の任意の方法および材料を本発明の実施の際
に使用することができるが、典型的な方法および材料を次に説明する。本明細書において言及するすべての出版物は、それら全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
喘息増悪の発生率を低減させる方法
本発明は、それを必要とする対象における喘息増悪の発生率を低減させる方法であって、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を該対象に投与することを含む該方法を含む。本明細書において用いる場合、「喘息増悪」という表現は、喘息の1つまたはそれ以上の症状または兆候の重症度および/または頻度および/または継続期間の増加を意味する。「喘息増悪」は、喘息に対する(例えば、ステロイド処置、吸入コルチコステロイド処置、入院などのような)治療的介入を必要とするおよび/またはそのような治療的介入によって治療可能である、対象の呼吸器の健康状態のあらゆる悪化も含む。次の2タイプの喘息増悪事象がある:喘息管理喪失(LOAC)事象および重度増悪事象。
特定の実施形態によると喘息管理喪失(LOAC)事象は、次の事象の1つまたはそれ以上として定義される:(a)2日連続での24時間における(ベースラインと比較して)6回以上のサルブタモール/アルブテロールもしくはレボサルブタモール/レブアルブテロールの追加の発作治療薬パフ;(b)来院2におけるICSの4倍以上の用量増加;および(c)3日以上の全身性コルチコステロイドの使用;または(d)全身性コルチコステロイドを必要とする喘息による入院もしくは救急外来受診。
特定の場合、喘息増悪は、「重度喘息増悪事象」としてカテゴリー分けされることがある。重度喘息増悪事象は、即時介入を必要とするインシデントであって、前記介入が全身性コルチコステロイドまたは吸入コルチコステロイドのいずれかを前記インシデントの前に摂取していた用量の4倍またはそれ以上で用いる処置の形での介入である、前記インシデントを意味する。特定の実施形態によると、重度喘息増悪事象は、次の事を必要とする喘息悪化と定義される:3日以上の全身性コルチコステロイドの使用;または全身性コルチコステロイドを必要とする喘息による入院もしくは救急外来受診。それ故、「喘息増悪」という一般的表現は、「重度喘息増悪」のより特異的なサブカテゴリーを含み、包含する。したがって、それを必要とする患者における重度喘息増悪の発生率を低減させる方法を含む。
喘息増悪の「発生率の低減」は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を受けた対象が、処置後に処置前より少ない喘息増悪(すなわち、少なくとも1つ少ない増悪)を経験すること、または前記医薬組成物での処置開始後少なくとも4週間(例えば、4、6、8、12、14週間、もしくはそれ以上)喘息増悪を経験しないことを意味する。あるいは、喘息増悪の「発生率の低減」は、前記医薬組成物の投与後、対象が喘息増悪を経験する尤度が、前記医薬組成物を受けていない対象と比較して少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上)減少されることを意味する。
本発明は、それを必要とする対象における喘息増悪の発生率を低減させる方法であって、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を該対象に投与すること、ならびに吸入コルチコステロイド(ICS)の1用量もしくそれ以上の維持用量および/または第2の長期管理薬、例えば長時間作用性β刺激薬(LABA)もしくはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTA)、の1用量もしくはそれ以上の維持用量を該対象に投与することを含む該方法を含む。好適なICSとしては、フルチカゾン(例えば、プロピオン酸フルチカゾン、例えばFlovent(商標))、ブデソニド、モメンタゾン(例えば、フロ酸モメタゾン、例えばAsmanex(商標))、フルニソリド(例えばAerobid(商標))、酢酸デキサメタゾン/フェノバルビタール/テオフィリン(例えばAzmacort(商標))、ジプロピオン酸ベクロメタゾンHFA(Qvar(商標))などが挙げられるが、これ
らに限定されない。好適なLABAとしては、サルメテロール(例えばSerevent(商標)、ホルモテロール(例えばForadil(商標))などが挙げられるが、これらに限定されない。好適なLTAとしては、モンテルカスト(例えばSingulaire(商標)、ザフィルルカスト(例えばAccolate(商標))などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、それを必要とする対象における喘息増悪の発生率を低減させる方法であって、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を該対象に投与すること、ならびに1つまたはそれ以上の発作治療薬を該対象に投与して1つまたはそれ以上の喘息関連症状を無くすまたは低減させることを含む該方法を含む。好適な発作治療薬としては、即効性β2アドレナリン受容体刺激薬、例えば、アルブテロール(すなわち、サルブタモール、例えばProventil(商標)、Ventolin(商標)、Xopenex(商標)など)、ピルブテロール(例えば、Maxair(商標))、メタプロテレノール(例えばAlupent(商標))などが挙げられるが、これらに限定されない。
喘息関連パラメーターを向上させる方法
本発明は、それを必要とする対象における1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーターを向上させる方法であって、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を該対象に投与することを含む該方法も含む。(上で説明したような)喘息増悪の発生率の低減は、1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーターの向上と相関関係があることもある;しかし、そのような相関関係は、必ずしもすべての場合に観察されるとは限らない。
「喘息関連パラメーター」の例としては、以下のものが挙げられる:(1)第12週における1秒量(FEV1)のベースラインからの相対パーセント変化;(2)処置期間中の喘息管理喪失事象の年率;(3)処置期間中の重度増悪事象の年率;(4)処置期間中の喘息管理喪失事象までの時間;(5)処置期間中の重度増悪事象までの時間;(6)全研究期間中の喘息管理喪失事象までの時間;(7)全研究期間中の重度増悪事象までの時間;(8)医療資源活用;(9)第12週での:i)朝および晩の喘息症状スコア、ii)ACQ-5スコア、iii)AQLQスコア、iv)朝および晩のPEF、v)症状緩和のためのサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの吸入数/日、vi)夜間中途覚醒におけるベースラインからの変化;(10)第12週および第24週での:i)22項目副鼻腔アウトカムテスト(22-item Sino Nasal Outcome Test)(SNOT-22)、ii)病院不安およびうつスコア(HADS)、iii)EuroQual質問票(EQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L)におけるベースラインからの変化。「喘息関連パラメーターの向上」は、FEV1、AM PEFもしくはPM PEFの1つもしくはそれ以上のベースラインからの増加、および/または1日のアルブテロール/レブアルブテロール使用、ACQ5スコア、平均夜間覚醒もしくはSNOT-22スコアの1つもしくはそれ以上のベースラインからの減少を意味する。本明細書において用いる場合、喘息関連パラメーター関して用語「ベースライン」は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の投与前または投与時点の患者の喘息関連パラメーターの数値を意味する。
喘息関連パラメーターが「向上した」かどうかを判定するために、パラメーターをベースラインで、および本明細書に記載する医薬組成物の投与後の時点で定量する。例えば、喘息関連パラメーターを医薬組成物での初回処置後、第1日、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第14日に、もしくは第3週、第4週、第5週、第6週、第7週、第8週、第9週、第10週、第11週、第12週、第13週、第14週、第15週、第16週、第17週、第18週、第19週、第20週、第21週、第22週、第23週、第24週に、またはそれ以上の時点で測定してもよい。処置開始後特定の時点でのパラメーター値とベースラインでのパラメー
ター値との差を用いて、喘息関連パラメーターの「向上」(例えば、測定される具体的なパラメーターに依存して、場合によって増加または減少)があったかどうかを確証する。
本明細書において用いる場合の用語「獲得する」または「獲得すること」は、喘息関連パラメーターなどの物理的実体または値を「直接獲得すること」または「間接的に獲得すること」によって、物理的実体または値、例えば数値、を得ることを指す。「直接獲得すること」は、物理的実体または値を得るための過程を実施すること(例えば、合成または分析法を実施すること)を意味する。「間接的に獲得すること」は、別の団体または源(例えば、物理的実体または値を直接獲得した第3の団体の研究所)から物理的実体または値を受け取ることを指す。物理的実体を直接獲得することは、物理的物質、例えば出発原料、の物理的変化を含む過程を実施することを含む。例示的変化としては、2つまたはそれ以上の出発原料から物理的実体を製造すること、物質を共有または断片化すること、物質を分離または精製すること、別個の2つまたはそれ以上の実体を併せて混合物にすること、共有結合または非共有結合の分解または形成を含む化学反応を実施することが挙げられる。値を直接獲得することは、試料または別の物質の物理的変化を含む過程を実施すること、例えば、物質、例えば試料、分析物または試薬、の物理的変化を含む分析過程(本明細書では「物理的分析」と呼ぶこともある)を実施することを含む。
間接獲得される情報は、オンラインデーターベースまたはアプリケーション(「App」)などからレポートの形態で提供されることがあり、例えば、紙または電子形態で供給されることがある。レポートまたは情報は、例えば、医療施設、例えば病院もしくは診療所、によって提供されることもあり;または医療供給者、例えば医師もしくは看護師、によって提供されることもある。
1秒量(FEV1)。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、1秒量(FEV1)のベースラインからの増加をもたらす。FEV1を測定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、2005年米国胸部学会(ATS)/欧州呼吸器学会(ERS)推奨基準を満たす肺活量計を使用して患者のFEV1を測定することができる。肺活量測定のATS/ERS標準化をガイドラインとして使用してもよい。肺活量測定は、一般に、午前6~10時の間に、アルブテロールを少なくとも6時間控えた後、行われる。肺機能試験は、一般に坐位で測定され、(リットルでの)FEV1の最高測定値が記録される。
本発明は、抗IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物での処置開始後第12週に少なくとも0.05LのFEV1のベースラインからの増加をもたらす治療方法を含む。例えば、それを必要とする対象へのIL-4R拮抗薬の投与は、第12週にFEV1のベースラインからの約0.05L、0.10L、0.12L、0.14L、0.16L、0.18L、0.20L、0.22L、0.24L、0.26L、0.28L、0.30L、0.32L、0.34L、0.36L、0.38L、0.40L、0.42L、0.44L、0.46L、0.48L、0.50L、またはそれ以上の増加を生じさせる。
朝および晩の最大呼気速度(AM PEFおよびPM PEF)。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、朝(AM)および/または晩(PM)の最大呼気速度(AM PEFおよび/またはPM PEF)のベースラインからの増加をもたらす。PEFを測定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、1つのPEF測定方法によると、患者には、朝(AM)および晩(PM)のPEF(ならびに1日のアルブテロール使用、朝および晩の喘息症状スコア、ならびに救急薬を必要とする喘息症状に起因する夜間覚醒の数)を記録するための電子PEFメーターが支給される。患者は、デバイスの使用についての指導を受け、その電子PEFメーターの使用に関する書面で説明が患者に与えられる。加えて、医療専門家が、患者に直接関係する変数の電子PEFメ
ーターでの記録の仕方を指導することもある。AM PEFは、起床後15分以内に(午後6時~午後10時の間に)、一切のアルブテロール摂取前に、一般に実施される。PM
PEFは、晩(午前6時~午前10時の間)に、一切のアルブテロール摂取前に、一般に実施される。対象は、PEF測定前少なくとも6時間はアルブテロールを控えるように試みるべきである。3回のPEF努力が患者によって行われ、3つの値すべてが電子PEFメーターによって記録される。通常は最高値が評価に使用される。ベースラインAM PEFは、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の初回用量投与前の7日間に記録された平均AM測定値として算出することができ、ベースラインPM PEFは、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の初回用量投与前の7日間に記録された平均PM測定値として算出することができる。
本発明は、抗IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物での処置開始後第12週に少なくとも1.0L/分のAM PEFおよび/またはPM PEFのベースラインからの増加をもたらす治療方法を含む。例えば、本発明によると、それを必要とする対象へのIL-4R拮抗薬の投与は、第12週にPEFのベースラインからの約0.5L/分、1.0L/分、1.5L/分、2.0L/分、2.5L/分、3.0L/分、3.5L/分、4.0L/分、4.5L/分、5.0L/分、5.5L/分、6.0L/分、6.5L/分、7.0L/分、7.5L/分、8.0L/分、8.5L/分、9.0L/分、9.5L/分、10.0L/分、10.5L/分、11.0L/分、12.0L/分、15L/分、20L/分、またはそれ以上の増加を生じさせる。
アルブテロール/レブアルブテロール使用。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、1日のアルブテロールまたはレブアルブテロール使用のベースラインからの減少をもたらす。アルブテロール/レブアルブテロール吸入数は、患者によって日記、PEFメーターまたは他の記録デバイスで毎日記録される。本明細書に記載する医薬組成物での処置中のアルブテロール/レブアルブテロールの使用は、通常、規則的におよび予防的にではなく、症状に対して必要に応じての使用でありうる。ベースラインアルブテロール/レブアルブテロール吸入数/日は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の初回用量投与前の7日間の平均値に基づいて算出することができる。
本発明は、抗IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物での処置開始後第12週にアルブテロール/レブアルブテロール使用のベースラインからの1日当たり少なくとも0.25パフの減少をもたらす治療方法を含む。例えば、それを必要とする対象へのIL-4R拮抗薬の投与は、第12週にアルブテロール/レブアルブテロール使用のベースラインからの1日当たり約0.25パフ、1日当たり0.50パフ、1日当たり0.75パフ、1日当たり1.00パフ、1日当たり1.25パフ、1日当たり1.5パフ、1日当たり1.75パフ、1日当たり2.00パフ、1日当たり2.25パフ、1日当たり2.5パフ、1日当たり2.75パフ、1日当たり3.00パフ、またはそれ以上の減少を生じさせる。
プレドニゾン使用。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与を経口プレドニゾンと併用することができる。プレドニゾン投与数は、患者によって日記、PEFメーターまたは他の記録デバイスで毎日記録される。本明細書に記載する医薬組成物での処置中に、急性喘息エピソード、例えば、気管支拡張薬および他の抗炎症薬によって症状を管理できないエピソードを、管理するために、時々、短期のプレドニゾン使用を用いることができる。他の態様において、プレドニゾンは、ICSと併用されるか、またはICSの代替として使用される。経口プレドニゾンは、約5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mgまたは40mgの投薬量で投与されることがある。経口プレドニゾンは、場合により、1日1回または1日に複数回(例えば、1日2回、1日3回、1日4回など)投与されることがある。
5項目喘息管理質問票(ACQ)スコア。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、5項目喘息管理質問票(ACQ5)スコアのベースラインからの減少をもたらす。ACQ5は、喘息管理を評価するための、妥当性が確認されている質問票である。
本発明は、抗IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物での処置開始後第12週にACQ5スコアのベースラインからの少なくとも0.10ポイントの減少をもたらす治療方法を含む。例えば、それを必要とする対象へのIL-4R拮抗薬の投与は、第12週にACQスコアのベースラインからの約0.10ポイント、0.15ポイント、0.20ポイント、0.25ポイント、0.30ポイント、0.35ポイント、0.40ポイント、0.45ポイント、0.50ポイント、0.55ポイント、0.60ポイント、0.65ポイント、0.70ポイント、0.75ポイント、0.80ポイント、0.85ポイント、またはそれ以上の減少を生じさせる。
夜間覚醒。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、平均夜間覚醒数のベースラインからの減少をもたらす。
特定の実施形態において、該方法は、処置開始後第12週に平均夜間覚醒数をベースラインから一晩に少なくとも約0.10回減少させる。例えば、それを必要とする対象へのIL-4R拮抗薬の投与は、第12週に平均夜間覚醒数のベースラインからの一晩に約0.10回、一晩に0.15回、一晩に0.20回、一晩に0.25回、一晩に0.30回、一晩に0.35回、一晩に0.40回、一晩に0.45回、一晩に0.50回、一晩に0.55回、一晩に0.60回、一晩に0.65回、一晩に0.70回、一晩に0.75回、一晩に0.80回、一晩に0.85回、一晩に0.90回、一晩に0.95回、一晩に1.0回、一晩に2.0回、またはそれ以上の減少を生じさせる。
22項目副鼻腔アウトカムテスト(SNOT-22)スコア。特定の実施形態によると、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、22項目副鼻腔アウトカムテスト(SNOT-22)のベースラインからの減少をもたらす。SNOT-22は、生活の質に対する慢性副鼻腔炎の影響を評価するための、妥当性が確認されている質問票である(Hopkinsら、2009、Clin.Otolaryngol.34:447~454頁)。
本発明は、抗IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物での処置開始後第12週にSNOT-22スコアのベースラインからの少なくとも1ポイントの減少をもたらす治療方法を含む。例えば、それを必要とする対象へのIL-4R拮抗薬の投与は、第12週にSNOT-22スコアのベースラインからの約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13ポイント、またはそれ以上の減少を生じさせることができる。
喘息を処置する方法
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象の喘息(例えば中等度~重度の非管理喘息または管理不適切喘息を含む)を処置する方法であって、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を該対象に投与することを含む該方法を提供する。特定の実施形態において、該方法は、対象の中等度~重度の非管理喘息の処置に有用である。
本明細書において用いる場合、用語「喘息」は、「間欠型喘息」と同義で使用することができる。「喘息」および「間欠型喘息」は、次の事項の1つまたはいずれかの組み合わせが当てはまる喘息を指す:症状が1週間に2日以下起こる;症状が日常生活を妨げない;夜間の症状が1カ月に2日以下起こる;または対象が喘息発作に見舞われていないとき1種もしくはそれ以上の肺機能試験(例えば、80%より高い1秒量(FEV1)および/もしくは最大呼気速度(PEF))が正常である。
本明細書において用いる場合、用語「持続型喘息」は、喘息/間欠型喘息より重症度が高い喘息を指す。持続型喘息に罹患している対象は、次の事項の1つまたはそれ以上を経験する:1週間に2日より多い症状;日常生活を妨げる症状;1カ月に2日より多く起こる夜間症状;または対象が喘息発作に見舞われていないのに正常でない1種もしくはそれ以上の肺機能試験(例えば、80%未満の1秒量(FEV1)および/もしくは最大呼気速度(PEF));対象が日常的に喘息管理薬に頼っている;対象が去年、重度喘息再燃後に1回より多く全身性ステロイドを摂取した;または喘息症状の緩和のための1週間に2日より多い短時間作用性β2刺激薬の使用。
喘息/間欠型喘息および持続型喘息は、「軽度」、「中等度」、「重度」または「中等度~重度」としてカテゴリー分けすることができる。「軽度間欠型喘息」は、症状が週1回未満あること、および1秒量(FEV1)または最大呼気速度(PEF)≧80%を有することとして定義される。「軽度持続型喘息」は、症状の頻度が1週間に1回より多いが1日に1回未満である点、およびFEV1またはPEFの変動が<20%~30%である点が異なる。「中等度間欠型喘息」は、症状が週1回未満あること、および60~80%の1秒量(FEV1)または最大呼気速度(PEF)を有することとして定義される。「中等度持続型喘息」は、日常症状、活動および/もしくは睡眠に影響を及ぼすことがある増悪、週1回より多い夜間の症状、吸入短時間作用性β2刺激薬の日常的使用があること、および60~80%の1秒量(FEV1)または最大呼気速度(PEF)を有することとして定義される。「重度間欠型喘息」は、症状が週1回より少ないこと、および60%の1秒量(FEV1)または最大呼気速度(PEF)を有することとして定義される。「重度持続型喘息」は、日常症状、活動および/もしくは睡眠に影響を及ぼすことがある頻繁な増悪、頻繁な夜間の症状、身体活動の制限、吸入短時間作用性β2刺激薬の日常的使用があること、および60%の1秒量(FEV1)または最大呼気速度(PEF)を有することとして定義される。「中等度~重度間欠型喘息」は、中等度間欠型喘息のものと重度間欠型喘息のものの間の症状があることとして定義される。「中等度~重度持続型喘息」は、中等度持続型喘息のものと重度持続喘息のものの間の症状があることとして定義される。
本明細書において用いる場合、用語「管理不適切の喘息」は、「Expert Panel Report 3:Guidelines for the Diagnosis
and Management of Asthma」、National Heart,Blood and Lung Institute、NIH、2007年8月28日によって定義されている「管理不良」または「極めて管理不良」のいずれかである。「管理不良の喘息」は、症状が1週間に2日より多くあること、夜間覚醒が1週間に1~3回あること、日常の活動に対して多少の制限があること、症状管理のための短時間作用性β2刺激薬の使用が1週間に2日より多くあること、予測最高値および/または自己最高値の60~80%のFEV1、1~2のATAQスコア、1.5以上のACQスコア、ならびに16~19のACTスコアを有することとして定義される。「極めて管理不良の喘息」は、1日中症状があること、夜間覚醒が1週間に4回またはそれ以上あること、日常生活に対して極度の制限があること、症状管理のための短時間作用性β2刺激薬の使用が1日に数回あること、予測最高値および/または自己最高値の60%未満のFEV1、3~4のATAQスコア、該当なしのACQスコア、ならびに15以下のACTスコアを有することとして定義される。
いくつかの実施形態において、対象は、喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドライン、および下記の基準の1つまたはそれ以上:i)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前の1カ月以上の中用量もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したIC
S/LAB用量で用いる既存の処置;ii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のFEV1 40~80%予測正常値;iii)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前のACQ-5スコア1.5以上;iv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前、サルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後に少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;またはv)IL-4R拮抗薬の負荷用量投与前1年以内に次の事象:a)喘息悪化のための1回以上の全身性(経口もしくは非経口)ステロイドバーストでの処置、b)喘息悪化のための入院もしくは救急/緊急医療受診のいずれかを経験したことに基づいて、医師から中等度~重度の非管理喘息の診断を受けた場合、中等度~重度の非管理喘息を有すると定義される。
一態様では、喘息を処置する方法であって、以下:(a)マイクロリットル当たり少なくとも300個の血中好酸球レベルを示す患者を選択するステップ;および、(b)IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、喘息を処置する方法であって、以下:(a)マイクロリットル当たり200~299個の血中好酸球レベルを示す患者を選択するステップ;および(b)IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、喘息を処置する方法であって、以下:(a)マイクロリットル当たり200個未満の血中好酸球レベルを示す患者を選択するステップ;および(b)IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法を提供する。
関連態様では、バックグランド治療への追加治療を含む、喘息を処置する方法を提供する。特定の実施形態において、IL-4R拮抗薬は、特定の期間(例えば、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、5カ月、12カ月、18カ月、24カ月、またはそれ以上)(「安定期」とも呼ばれる)バックグラウンド治療を受けている喘息患者に追加治療として投与される。いくつかの実施形態において、バックグラウンド治療は、ICSおよび/またはLABAを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、1つまたはそれ以上の喘息増悪の処置のためのICSおよび/またはLABAへの喘息患者の依存を低減させる方法であって、以下:(a)ICS、LABAまたはそれらの組み合わせを含むバックグラウンド喘息治療で管理されていない中等度~重度喘息を有する患者を選択するステップ;およびIL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、喘息に関連する状態または合併症、例えば、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、上下気道疾患(unified airway disease)、チャーグ・ストラウス症候群、血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および運動誘発性気管支痙攣を処置または軽減する方法を包含する。
本発明は、持続型喘息を処置する方法も含む。本明細書において用いる場合、用語「持続型喘息」は、対象に少なくとも週1回、昼および/または夜に症状があり、該症状が数時間から数日続くことを意味する。特定の代替実施形態において、持続型喘息は、「軽度持続型」(例えば、週2回より多いが毎日よりは少なく、日常動作もしくは睡眠を妨げるほどの重症度の症状がある、および/または肺機能が気管支拡張薬の吸入で正常になるもしくは可逆性である場合)、「中等度持続型」(例えば、症状が毎日起こり、睡眠が少なくとも週1回妨げられ、および/または肺機能が中等度異常である)、または「重度持続型」(例えば、承認薬の正しい使用にもかかわらず継続する症状、および/または肺機能が重度に冒されている場合)である。
インターロイキン-4受容体拮抗薬
本発明において注目される方法は、IL-4R拮抗薬を含む治療用組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。本明細書において用いる場合、「IL-4R拮抗薬」は、IL-4Rと結合または相互作用し、インビトロまたはインビボでIL-4Rが細胞で発現されたときにIL-4Rの正常な生物学的シグナル伝達機能を阻害する、任意の薬剤である。IL-4R拮抗薬のカテゴリーの非限定的な例としては、小分子IL-4R拮抗薬、抗IL-4Rアプタマー、ペプチドベースのIL-4R拮抗薬(例えば、「ペプチボディ」分子)、およびヒトIL-4Rに特異的に結合する抗体または抗体の抗原結合断片が挙げられる。
用語「ヒトIL4R」(hIL-4R)は、インターロイキン-4(IL-4)と特異的に結合するヒトサイトカイン受容体、例えば、IL-4Rαを指す。
用語「抗体」は、4本のポリペプチド鎖(ジスルフィド結合によって相互に連結されている2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖)を含む免疫グロブリン分子、およびそれらの多量体(例えば、IgM)を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略記する)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3、を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略記する)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称する、より保存される領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と称する超可変性の領域にさらに細分することができる。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRで構成されており、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端へ次の順序で配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。種々の実施形態において、抗IL-4R抗体(またはその抗原結合部分)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一であることもあり、または天然にもしくは人工的に修飾されていることもある。アミノ酸コンセンサス配列は、2つまたはそれ以上のCDRの並行分析に基づいて定義される。
用語「抗体」は、完全抗体分子の抗原結合断片も含む。抗体の「抗原結合部分」、抗体の「抗原結合断片」などの用語は、本明細書において用いる場合、抗原と特異的に結合して複合体を形成する任意の天然に存在する、酵素的に得ることができる、合成の、または遺伝子改変ポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合断片は、例えば、タンパク質消化、または抗体可変および場合により定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む組換え遺伝子改変法などの、任意の好適な標準的技法を用いて完全抗体分子から得ることができる。そのようなDNAは公知であり、および/または例えば商業的供給源、DNAライブラリー(例えばファージ-抗体ライブラリーを含む)から容易に調達することができ、または合成することができる。DNAをシークエンシングし、化学的にまたは分子生物学技法の使用によって操作して、例えば、1つもしくは複数の可変および/もしくは定常ドメインを好適な高次構造に配置すること、またはコドンを導入すること、システイン残基を生成すること、アミノ酸を修飾する、付加させるもしくは欠失させること等ができる。
抗原結合断片の非限定的な例としては、次のものが挙げられる:(i)Fab断片;(ii)F(ab’)2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)一本鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;および(vii)抗体の超可変領域(例えば、単離された相補性決定領域(CDR)、例えばCDR3ペプチド)を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位、または拘束FR3-CDR3-FR4ペプチド。他の改変分子、例えば、ドメイン特異的抗体、シングルドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノ
ボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小モジュラー免疫薬(SMIP)およびサメ可変IgNARドメインも「抗原結合断片」という表現に包含される。
抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの可変ドメインを概して含むことになる。可変ドメインは、いずれのサイズまたはアミノ酸組成のものであってもよく、一般的には、1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列に隣接しているまたは1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列とインフレームである少なくとも1つのCDRを含むことになる。VLドメインと会合しているVHドメインを有する抗原結合断片の場合、VHおよびVLドメインは、互に対してあらゆる好適な配置で位置することができる。例えば、可変領域は、二量体であり、VH-VH、VH-VLまたはVL-VL二量体を含有することがある。あるいは、抗体の抗原結合断片は、単量体VHまたはVLドメインを含有することもある。
特定の実施形態において、抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合で連結されている少なくとも1つの可変ドメインを含有することがある。本明細書に記載する抗体の抗原結合断片内で見つけることができる可変および定常ドメインの非限定的、例示的高次構造としては、次のものが挙げられる:(i)VH-CH1;(ii)VH-CH2;(iii)VH-CH3;(iv)VH-CH1-CH2;(v)VH-CH1-CH2-CH3;(vi)VH-CH2-CH3;(vii)VH-CL;(viii)VL-CH1;(ix)VL-CH2;(x)VL-CH3;(xi)VL-CH1-CH2;(xii)VL-CH1-CH2-CH3;(xiii)VL-CH2-CH3;および(xiv)VL-CL。上に列挙した例示的高次構造のいずれかを含む、可変および定常ドメインのいずれの高次構造においても、可変および定常ドメインは、互いに直接連結されていることもあり、または完全もしくは部分ヒンジもしくはリンカー領域によって連結されていることもある。ヒンジ領域は、少なくとも2つ(例えば、5、10、15、20、40、60またはそれ以上)のアミノ酸からなることがあり、それらのアミノ酸によって、単一ポリペプチド分子内の隣接した可変および/または定常ドメイン間に柔軟なまたはやや柔軟な連鎖となり、概して、前記ヒンジ領域は、2~60個の間のアミノ酸、典型的には5~50個の間、または典型的には10~40個の間のアミノ酸からなりうる。さらに、本明細書に記載する抗体の抗原結合断片は、互におよび/または1つもしくはそれ以上の単量体VHもしくはVLドメインと非共有結合で(例えば、ジスルフィド結合によって)会合している、上に列挙したいずれかの可変および定常ドメイン高次構造のホモ二量体またはヘテロ二量体(または他の多量体)を含むことがある。
完全抗体分子と同様に、抗原結合断片は、単一特異性であることもあり、または多重特異性(例えば、二重特異性)であることもある。抗体の多重特異性抗原結合断片は、各可変ドメインが別個の抗原とまたは同じ抗原上の異なるエピトープと特異的に結合できる、少なくとも2つの異なる可変ドメインを概して含むことになる。いずれの多重特異性抗体形式も、当技術分野において利用可能な常例的技法を用いて、本明細書に記載する抗体の抗原結合断片との関連での使用に適応させることができる。
抗体の定常領域は、補体を固定し、細胞依存性細胞傷害を媒介する、抗体の能力に重要である。したがって、抗体が細胞傷害を媒介することが望ましいかどうかに基づいて抗体のアイソタイプを選択することができる。
用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体を含む。とはいえ、本発明において注目されるヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によってまたはインビボでの体細胞突然変異によって誘導された突然変異)を、例えば、CDR、特にCDR3に含むことがある。しか
し、用語「ヒト抗体」は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含まない。
用語「組換えヒト抗体」は、組換え手段によって製造、発現、生成または単離されるすべてのヒト抗体、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現される抗体(さらに下で説明する)、組換え体から単離されル抗体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(下でさらに説明する)、ヒト免疫グロブリン遺伝子が遺伝子導入されている動物(例えばマウス)から単離された抗体(例えば、Taylerら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287~6295頁を参照されたい)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって製造、発現、生成もしくは単離される抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態において、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列が遺伝子導入された動物を使用する場合にはインビボ体細胞突然変異誘発)に付されるので、該組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列に由来し、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列と類縁の配列だが、インビボでヒト抗体生殖細胞系レパートリー内に天然に存在できない配列である。
ヒト抗体は、ヒンジ異質性に関連する2つの形態で存在することができる。一方の形態の場合、免疫グロブリン分子は、二量体が鎖間重鎖ジスルフィド結合によって一緒に保持されている、おおよそ150~160kDaの安定した4鎖構築物を含む。第2の形態の場合、二量体は鎖間ジスルフィド結合によって連結されておらず、約75~80kDaの分子が、共有結合でカップリングされた軽鎖と重鎖で形成され、構成される(ハーフ抗体)。これらの形態は、アフィニティー精製後でさえ、分離することが極めて難しかった。
様々なインタクトIgGアイソタイプにおける第2の形態の出現頻度は、抗体のヒンジ領域アイソタイプに関連する構造の違いに、これに限定されるものではないが、起因する。ヒトIgG4ヒンジのヒンジ領域における単一アミノ酸置換は、第2の形態の出現を、ヒトIgG1ヒンジを使用して概して観察されるレベルに、有意に低減させることができる(Angalら(1993)Molecular Immunology 30:105頁)。本発明は、例えば生産の際、所望の抗体形態の収率を向上させるために望ましいことがある、ヒンジ、CH2またはCH3領域に1つまたはそれ以上の突然変異を有する抗体を包含する。
「単離された抗体」は、その天然環境の少なくとも1つの成分から同定および分離、および/または回収された抗体を意味する。例えば、生物の少なくとも1つの成分から分離もしくは除去された抗体、またはその抗体が天然に存在するもしくは天然に生産される組織もしくは細胞から分離もしくは除去された抗体は、「単離された抗体」である。単離された抗体は、組換え細胞内の生体内原位置の抗体も含む。単離された抗体は、少なくとも1工程の精製または単離工程に付された抗体である。特定の実施形態によると、単離された抗体には、他の細胞物質および/または化学物質が実質的にないこともある。
用語「特異的に結合する」またはこれに類する用語は、抗体またはその抗原結合断片が、生理条件下で比較的安定している抗原との複合体を形成することを意味する。抗体が抗原と特異的に結合するかどうかを判定する方法は、当技術分野において周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などを含む。例えば、本発明において注目されるような、IL-4R「に特異的に結合する」抗体は、表面プラズモン共鳴アッセイで測定して、約1000nM未満、約500nM未満、約300nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約90nM未満、約80nM未満、約70nM未満、約60nM未満、約
50nM未満、約40nM未満、約30nM未満、約20nM未満、約10nM未満、約5nM未満、約4nM未満、約3nM未満、約2nM未満、約1nM未満、または約0.5nM未満のKDで、IL-4Rまたはその一部分に結合する抗体を含む。しかし、ヒトIL-4Rに特異的に結合する単離された抗体は、他の(非ヒト)種からのIL-4R分子などの、他の抗原への交差反応性を有することがある。
該方法に有用な抗IL-4R抗体は、該抗体が由来した対応する生殖細胞系列配列と比較して、重鎖および軽鎖可変ドメインのフレームワークおよび/またはCDR領域に1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、挿入および/または欠失(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の置換および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の挿入および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の欠失)を含むことがある。そのような突然変異は、本明細書に開示するアミノ酸配列を例えば公開抗体配列データベースから入手できる生殖細胞系列配列と比較することによって、容易に突き止めることができる。本発明は、本明細書に開示するアミノ酸配列のいずれかに由来する抗体およびそれらの抗原結合断片の使用を含む方法であって、1つもしくはそれ以上のフレームワークおよび/または1つもしくはそれ以上(三量体抗体に関しては1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12、または抗体のHCVRおよびLCVRに関しては1、2、3、4、5もしくは6)のCDR領域内の1つまたはそれ以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のアミノ酸)が、該抗体が由来した生殖細胞系配列の対応する残基に、または別のヒト生殖細胞系配列の対応する残基に、または対応する生殖細胞系残基の保存的アミノ酸置換に突然変異される(このような配列交換を本明細書ではまとめて「生殖細胞系突然変異」と呼ぶ)該方法を含む。当業者は、本明細書に開示する重鎖および軽鎖可変領域配列で出発して、1つまたはそれ以上の個々の生殖細胞系列突然変異またはそれらの組み合わせを含む非常に多数の抗体および抗原結合断片を容易に生産することができる。特定の実施形態では、VHおよび/またVLドメイン内のフレームワークおよび/またはCDR残基のすべてが、抗体が由来した元の生殖細胞系配列中で見つけられる残基に復帰突然変異される。他の実施形態では、特定の残基のみ、例えば、FR1の最初の8アミノ酸中もしくはFR4の最後の8アミノ酸中で見つけられる突然変異残基のみ、またはCDR1、CDR2もしくはCDR3内で見つけられる突然変異残基のみが、元の生殖細胞系配列に復帰突然変異される。他の実施形態では、フレームワークおよび/またはCDR残基の1つまたはそれ以上が、異なる生殖細胞系配列(すなわち、抗体が当初由来した生殖細胞系配列とは異なる生殖細胞系配列)の対応する残基に突然変異される。さらに、抗体は、フレームワークおよび/またはCDR領域内に、2つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異の何らかの組み合わせを含有することがあり、例えば、特定の個々の残基は、特定の生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異されるが、元の生殖細胞系配列とは異なる特定の他の残基は維持されるか、または異なる生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異されることがある。1つまたはそれ以上の生殖細胞系列突然変異を含有する抗体および抗原結合断片を、ひとたび得てしまえば、1つまたはそれ以上の所望の特性、例えば、結合特異性の向上、結合親和性の増加、(場合によって)拮抗薬的または刺激薬的な生物学的特性の向上または強化、免疫原性の低減などについて容易に試験することができる。この一般的手法で得られる抗体および抗原結合断片の使用は、本発明に包含される。
本発明は、1つまたはそれ以上の保存的置換を有する本明細書に開示するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のいずれかについての変異体を含む抗IL-4R抗体の使用を含む方法も含む。例えば、本発明は、例えば、本明細書に開示するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のいずれかと比較して10以下、8以下、6以下、4以下などの保存的アミノ酸置換を有する、HCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列を有する抗IL-4R抗体の使用を含む。
用語「表面プラズモン共鳴」は、例えばBIAcore(商標)システム(Biacore Life Sciences devision of GE Healthcare、Piscataway、NJ)を使用して、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によってリアルタイム相互作用を分析することができる光学現象を指す。
用語「KD」は、特定の抗体-抗原相互作用の平衡解離定数を指す。
用語「エピトープ」は、パラトープとして公知の抗体分子の可変領域内の特異的抗原結合部位と相互作用する抗原決定基を指す。単一の抗原が1つより多くのエピトープを有することもある。それ故、異なる抗体は、異なる抗原領域と結合することができ、異なる生物学的効果を有することができる。エピトープは、高次構造であることもあり、または線状であることもある。高次構造エピトープは、直鎖状ペプチド鎖の異なるセグメントからの空間的に隣り合って並ぶアミノ酸によって生成される。線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接したアミノ酸残基によって生成されるものである。特定の状況では、エピトープは、抗原上の糖類、ホスホリル基またはスルホニル基部分を含むことがある。
ヒト抗体の製造
トランスジェニックマウスでヒト抗体を産生する方法は当技術分野において公知である。任意のそのような公知の方法を用いて、ヒトIL-4Rと特異的に結合するヒト抗体を作製することができる。
VELOCIMMUNE(商標)技術(例えば米国特許第6,596,541号、Regeneron Pharmaceuticalsを参照されたい)、またはモノクローナル抗体の任意の他の公知産生方法を用いて、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する、IL-4Rに対する高親和性キメラ抗体を、最初に単離する。VELOCIMMUNE(登録商標)技術は、内在性マウス定常領域遺伝子座に作動可能に連結されたヒト重鎖および軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスの産生を含み、したがって、該マウスは、抗原刺激に反応してヒト可変領域とマウス定常領域とを含む抗体を生産する。その抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、ヒト重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAに作動可能に連結させる。その後、完全ヒト抗体を発現する能力がある細胞において前記DNAを発現させる。
一般に、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスに、目的の抗原を感作させ、抗体を発現しているマウスからリンパ細胞(例えば、B細胞)を回収する。それらのリンパ細胞を骨髄腫細胞株と融合させて不死ハイブリドーマ細胞株を製造することができ、そのようなハイブリドーマ細胞株をスクリーニングし、選択して、目的の抗原に対して特異的な抗体を生産するハイブリドーマ細胞株を同定する。重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、重鎖および軽鎖の望ましいアイソタイプ定常領域に連結させることができる。そのような抗体タンパク質を、CHO細胞などの細胞において生産することができる。あるいは、抗原特異的キメラ抗体または重鎖および軽鎖の可変ドメインをコードするDNAを、抗原特異的リンパ球から直接単離することができる。
ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する高親和性キメラ抗体を最初に単離する。当業者に公知の標準的手順を用いて、抗体を特性評価し、親和性、選択性、エピトープなどをはじめとする所望の特定について選択する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域で置換して、本発明において注目される完全ヒト抗体、例えば野生型または修飾IgG1またはIgG4、を産生する。選択される定常領域は具体的な用途によって変わることがあるが、可変領域には高親和性抗原結合特性および標的特異性が存する。
一般に、該方法で使用することができる抗体は、固相に固定された抗原または溶液相中の抗原と結合させることによって測定したとき、上で説明したような高い親和性を有する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域で置換して、本発明において注目される完全ヒト抗体を産生する。選択される定常領域は具体的な用途によって変わることがあるが、可変領域には高親和性抗原結合特性および標的特異性が存する。
一実施形態において、本発明において注目される方法に関連して使用することができるIL-4Rに特異的に結合するヒト抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)内に含有されている3つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)を含む。前記抗体または抗原結合断片は、配列番号2のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)内に含有されている3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含むこともある。HCVRおよびLCVRアミノ酸配列内のCDRを同定する方法および技術は当技術分野において周知であり、そのような方法および技術を用いて、本明細書に開示する特定HCVRおよび/またはLCVRアミノ酸配列内のCDRを同定することができる。CDRの境界を同定するために用いることができる例示的規約としては、例えばカバット定義、コチア定義およびAbM定義が挙げられる。一般論として、カバット定義は、配列多様性に基づき、コチア定義は、構造ループ領域の位置に基づき、AbM定義は、カバットアプローチとコチアアプローチの折衷案である。例えば、Kabat、「Sequences of Proteins
of Immunological Interest」、National Institutes of Health、Bethesda、Md.(1991);Al-Lazikaniら、J.Mol.Biol.273:927~948頁(1997);およびMartinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86、9268~9272頁(1989)を参照されたい。公開データベースも抗体内のCDR配列の同定に利用可能である。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2の重鎖可変領域アミノ酸と軽鎖可変領域アミノ酸の対(HCVR/LCVR)からの6つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号3/4/5/6/7/8のアミノ酸配列を有する6つのCDR(HCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3)を含む。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む。
一実施形態において、抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含むデュピルマブである。
医薬組成物
本発明は、医薬組成物に含有されているIL-4R拮抗薬を患者に投与することを含む方法を含む。本発明において注目される医薬組成物は、好適な担体、賦形剤、および好適な転移、送達、認容性などをもたらす他の薬剤を用いて製剤化される。多くの適切な製剤を、すべての薬剤師に公知の処方集:Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAにおいて見つけることができる。これらの製剤は、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、(カチオン性またはアニオン性)脂質含有ビヒクル(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペース
ト、水中油型および油中水型エマルジョン、エマルジョンカルボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール類)、半固体ゲル、ならびにカルボワックスを含有する半固体混合物を含む。例えば、Powellら、「Compendium of excipients for parenteral formulations」、PDA(1998)J Pharm Sci Technol 52:238~311頁も参照されたい。
患者に投与される抗体の用量は、患者の年齢およびサイズ、症状、状態、投与経路などに依存して変わることがある。用量は、概して体重または体表面積に従って算出される。状態の重症度に依存して、処置の頻度および継続期間を調整することができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与に有効な投薬量およびスケジュールを経験的に決めることができる;例えば、患者の経過を定期的な評価によってモニターすることができ、相応じて用量を調整することができる。さらに、当技術分野において周知の方法(例えば、Mordentiら、1991、Pharmaceut.Res.8:1351頁)を用いて投薬量の種間スケーリングを行うことができる。
様々な送達システム、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、突然変異ウイルスを発現する能力がある組換え細胞、受容体媒介エンドサイトーシス(例えば、Wuら、1987、J.Biol.Chem.262:4429~4432頁を参照されたい)が公知であり、そのような送達システムを使用して、本発明において注目される医薬組成物を投与することができる。投与方法としては、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、気管内、硬膜外および経口経路が挙げられるが、これらに限定されない。組成物を任意の適便な経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮内層または粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)による吸収によって投与してもよく、他の生物活性薬剤と一緒に投与してもよい。
本発明において注目される医薬組成物は、標準的な注射針・注射器で皮下または静脈内送達することができる。加えて、皮下送達に関しては、ペン型送達デバイスが、本発明において注目される医薬組成物の送達に容易に利用される。そのようなペン型送達デバイスは、再使用可能であることもあり、または使い捨てであることもある。再使用可能なペン型送達デバイスは、医薬組成物を収容している交換可能カートリッジを一般に利用する。カートリッジ内の医薬組成物のすべてを投与してしまい、カートリッジが空になったら、空のカートリッジを容易に廃棄することができ、医薬組成物を収容している新たなカートリッジと容易に交換することができる。その後、そのペン型送達デバイスを再使用することができる。使い捨てペン型送達デバイスには交換可能カートリッジがない。もっと正確に言えば、使い捨てペン型送達デバイスには医薬組成物が予め充填されており、医薬組成物は前記デバイスの貯液部に保持されている。貯液部の医薬組成物が空になったら、デバイス全体を廃棄する。
非常に多くの再使用可能ペン型および自己注射器送達デバイスが医薬組成物の皮下送達に利用される。例としては、ほんの数例を挙げると、AUTOPEN(商標)(Owen
Mumford,Inc.、Woodstock、UK)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems、Bergdorf、Switzerland)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.、Indianapolis、IN)、NOVOPEN(商標)I、IIおよびIII(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN P
RO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、ならびにOPTICLIK(商標)(Sanofi-Aventis、Frankfurt、Germany)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において注目される医薬組成物の皮下送達に利用される使い捨てペン型送達デバイスの例としては、ほんの数例を挙げると、SOLOSTAR(商標)ペン(Sanofi-Aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)オートインジェクター(Amgen、Thousand Oaks、CA)、PENLET(商標)(Haselmeier、Stuttgart、Germany)、EPIPEN(Dey,L.P.)およびHUMIRA(商標)ペン((Abbott Labs、Abbott Park IL)が挙げられるが、これらに限定されない。
洞への直接投与については、本発明において注目される医薬組成物を、例えばマイクロカテーテル(例えば、内視鏡およびマイクロカテーテル)、エアロゾライザー、パウダーディスペンサー、噴霧器または吸入器を使用して投与してもよい。該方法は、IL-4R拮抗薬をエアロゾル化製剤で、それを必要とする対象に投与することを含む。例えば、IL-4Rに対するエアロゾル化抗体を投与して患者の喘息を処置してもよい。エアロゾル化抗体は、例えば米国特許第8178098号(その全体が本明細書に組み入れられる)に記載されているように製造することができる。
特定の状況では、医薬組成物を制御放出システムで送達することができる。一実施形態では、ポンプを使用することがある(Langer、上掲;Sefton、1987、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201頁を参照されたい)。別の実施形態では、高分子材料を使用することができる;Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise(編集)、1974、CRC Pres.、Boca Raton、Floridaを参照されたい。さらに別の実施形態では、制御放出システムを組成物の標的のすぐそばに配置することができ、したがって全身用量のほんの一部しか必要としない(例えば、Goodson、1984、Medical Applications of Controlled Release、上掲、第2巻、115~138頁を参照されたい)。他の制御放出システムは、Langer、1990、Science 249:1527~1533頁による総説において論じられている。
注射用製剤としては、静脈内、皮下、皮内および筋肉内注射、点滴注入などのための剤形を挙げることができる。これらの注射用製剤を公知の方法によって製造することができる。例えば、注射用製剤は、例えば、注射剤に従来使用されている滅菌水性媒体または油性媒体に上記の抗体またはその塩を溶解、懸濁または乳化させることによって製造することができる。注射剤のための水性媒体としては、例えば、生理食塩水、グルコースおよび他の補助剤を含有する等張溶液などがあり、これらは、適切な可溶化剤、例えばアルコール(例えば、エタノール)、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO-50(硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50mol)付加体)]などと併用されることもある。油性媒体としては、例えばゴマ油、ダイズ油が利用され、これらは、可溶化剤、例えば安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用されることもある。このようにして製造された注射剤は、適切なアンプルに概して充填される。
有利には、上で説明した経口または非経口用の医薬組成物は、活性成分の用量を合わせることに適している単位用量の剤形に製造される。単位用量のそのような剤形としては、例えば、錠剤、ピル、カプセル、注射剤(アンプル)、坐剤などが挙げられる。
本発明において使用することができる抗IL-4R抗体を含む例示的医薬組成物は、例えば、米国特許出願公開第2012/0097565号に開示されている。
投薬量
本発明において注目される方法に従って対象に投与されるIL-4R拮抗薬(例えば、抗IL-4R抗体)の量は、一般に治療有効量である。本明細書において用いる場合、「治療有効量」という句は、以下の事項の1つまたはそれ以上をもたらす、IL-4R拮抗薬の量を意味する:(a)喘息増悪の発生率の低減;(b)1つもしくはそれ以上の喘息関連パラメーター(本明細書の他の箇所で定義されている)の向上、および/または(c)上気道炎症状態の1つもしくはそれ以上の症状もしくは兆候の検出可能な向上。「治療有効量」は、対象の喘息を阻害する、予防する、和らげる、または対象の喘息の進行を遅らせる、IL-4R拮抗薬の量も含む。
抗IL-4R抗体の場合、治療有効量は、抗IL-4R抗体約0.05mg~約700mg、例えば、約0.05mg、約0.1mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約3.0mg、約5.0mg、約7.0mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、約660mg、約670mg、約680mg、約690mgまたは約700mgであることができる。特定の実施形態では、抗IL-4R抗体300mgが投与される。
個々の用量に含有されるIL-4R拮抗薬の量は、患者体重1キログラム当たりの抗体のミリグラム(すなわち、mg/kg)によって表されることもある。例えば、IL-4R拮抗薬を患者に約0.0001~約10mg/(患者体重kg)の用量で投与してもよい。例えば、IL-4R拮抗薬を1mg/kg、2mg/kg、3mg/kgまたは4mg/kgの用量で投与することができる。
いくつかの実施形態において、IL-4R拮抗薬の用量は、好酸球数によって変わることがある。例えば、対象は、血中好酸球数≧細胞300個/μL(高血中好酸球)(HEos);血中好酸球数細胞200~299個/μL;または血中好酸球数<細胞200個/μL(低血中好酸球)を有することがある。
特定の実施形態において、方法は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgの負荷用量を含む。
特定の実施形態において、方法は、IL-4R拮抗薬約200~約300mgの1またはそれ以上の維持用量を含む。
特定の実施形態において、ICSおよびLABAは、IL-4R拮抗薬の投与期間中に投与される。
特定の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。
特定の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。
他の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。
他の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。
他の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、週1回投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。
他の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、週1回投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。
他の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、3週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。
他の実施形態において、負荷用量は、抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、3週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。
一実施形態において、対象は、6歳~18歳未満であり、IL-4R抗体またはその抗原結合断片は、2mg/kgまたは4mg/kgで投与される。
別の実施形態において、対象は、2歳~6歳未満であり、IL-4R抗体またはその抗原結合断片は、2mg/kgまたは4mg/kgで投与される。
さらに別の実施形態において、対象は、2歳未満であり、IL-4R抗体またはその抗原結合断片は、2mg/kgまたは4mg/kgで投与される。
併用治療
本発明において注目される方法の特定の実施形態は、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬をIL-4R拮抗薬と併用で対象に投与することを含む。本明細書において用いる場合、「と併用で」という表現は、さらなる治療薬が、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の前に、後に、またはそのような医薬組成物と同時に投与されることを意味する。いくつかの実施形態において、用語「と併用で」は、IL-4R拮抗薬および第2の治療薬の逐次的または同時投与を含む。本発明は、喘息もしくは関連状態もしくは合併症を処置する方法または少なくとも1つの増悪を低減させる方法であって、相加的または相乗的活性のために第2の治療薬と併用でのIL-4R拮抗薬の投与を含む該方法を含む。
例えば、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の「前に」投与されるとき、さらなる治療薬は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の投与の約72時間、約60時間、約48時間、約36時間、約24時間、約12時間、約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間、約1時間、約30分、約15分または約10分前に投与されることがある。IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の「後に」投与されるとき、さらなる治療薬は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の投与の約10分、約15分、約30分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間または約72時間後に投与されることがある。IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物と「同時の」投与は、さらなる治療薬が、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の投与の5分未満以内(前に、後に、もしくは同時)に別の剤形で対象に投与されること、またはさらなる治療薬とIL-4R拮抗薬の両方を含む単一の配合投与量製剤として対象に投与されることを意味する。
さらなる治療薬は、例えば、別のIL-4R拮抗薬、IL-1拮抗薬(例えば、米国特許第6,927,044号に記載のIL-1拮抗薬を含む)、IL-6拮抗薬、IL-6R拮抗薬(例えば、米国特許第7,582,298号に記載の抗IL-6R抗体を含む)、TNF拮抗薬、IL-8拮抗薬、IL-9拮抗薬、IL=17拮抗薬、IL-5拮抗薬、IgE拮抗薬、CD48拮抗薬、ロイコトリエン阻害剤、抗真菌薬、NSAID、長時間作用性β2刺激薬(例えば、サルメテロールもしくはホルモテロール)、吸入コルチコステロイド(例えば、フルチカゾンもしくはブデソニド)、全身性コルチコステロイド(例えば、経口もしくは静脈内)、メチルキサンチン、ネドクロミルナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせでありうる。例えば、特定の実施形態において、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物は、長時間作用性β2刺激薬と吸入コルチコステロイドを含む合剤(例えば、フルチカゾン+サルメテロール[例えば、Advair(登録商標)(GlaxoSmithKline)];またはブデソニド+ホルモテロール[例えば、SYMBICORT(登録商標)(Astra Zeneca)])と併用で投与される。
投与レジメン
特定の実施形態によると、IL-4R拮抗薬の複数の用量が被定義時間にわたって対象に投与されることがある。そのような方法は、IL-4R拮抗薬の複数の用量を対象に逐次的に投与することを含む。本明細書において用いる場合、「逐次投与すること」は、IL-4R拮抗薬の各用量を対象に異なる時点で、例えば、所定の間隔(例えば、数時間、数日、数週間または数カ月)隔てた異なる日に投与することを意味する。本発明は、IL-4R拮抗薬の単一初回用量、その後、IL-4R拮抗薬の1用量またはそれ以上の2回目用量、場合によりその後、IL-4R拮抗薬の1用量またはそれ以上の3回目用量を患者に逐次的に投与することを含む方法を含む。
本発明は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物を週約4回、週2回、週1回、2週間に1回(隔週)、3週間に1回、4週間に1回(月1回)、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、12週間に1回の投与頻度で、または治療反応が得られるのであればそれ以下の頻度で対象に投与することを含む方法を含む。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む特定の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の週1回投与を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の2週間に1回の投与(隔週投与)を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の3週間に1回の投与を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、1
00mg、150mg、200mgまたは300mgの量の4週間に1回の投与(月1回投与)を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の5週間に1回の投与を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の6週間に1回の投与を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の8週間に1回の投与を用いることができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物の投与を含む他の実施形態では、約75mg、100mg、150mg、200mgまたは300mgの量の12週間に1回の投与を用いることができる。一実施形態において、投与経路は皮下である。
用語「週」は、(n×7日)±2日、例えば(n×7日)±1日、または(n×7日)、の期間を指し、この場合の「n」は、週の数、例えば1、2、3、4、5、6、8、12またはそれ以上を示す。
用語「初回用量」、「2回目用量」および「3回目用量」は、IL-4R拮抗薬の投与についての時系列を指す。したがって、「初回用量」は、処置レジメンの開始時に投与される用量(「ベースライン用量」とも呼ばれる)であり;「2回目用量」は、初回用量後に投与される用量であり、「3回目用量」は、2回目用量の後に投与される用量である。初回、2回目および3回目用量は、すべてが同じ量のIL-4R拮抗薬を含有することもあるが、一般には投与頻度の点から互いに異なるだろう。しかし、特定の実施形態において、初回、2回目および/または3回目用量に含有されるIL-4R拮抗薬の量は、処置の過程で互いに異なる(例えば、必要に応じて上方または下方調整される)。特定の実施形態では、2用量またはそれ以上の(例えば、2、3、4または5)用量が「負荷用量」として処置レジメンの開始時に投与され、その後、より低頻度で投与される後続の用量(例えば、「維持用量」)が投与される。一実施形態において、維持用量は、負荷用量より低いことがある。例えば、IL-4R拮抗薬600mgの1用量またはそれ以上の負荷用量が投与され、その後、維持用量約75mg~約300mgが投与されることもある。
特定の実施形態において、負荷用量は、IL-4R拮抗薬約400~約600mgである。一実施形態において、負荷用量は、IL-4R拮抗薬400mgである。別の実施形態において、負荷用量は、IL-4R拮抗薬600mgである。
特定の実施形態において、維持用量は、IL-4R拮抗薬約200~約300mgである。一実施形態において、維持用量は、IL-4R拮抗薬200mgである。別の実施形態において、維持用量は、IL-4R拮抗薬300mgである。
特定の実施形態において、負荷用量は、維持用量の2倍である。
いくつかの実施形態において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片300mgを含む。
いくつかの実施形態において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、2週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。
いくつかの実施形態において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片600mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合
断片300mgを含む。
いくつかの実施形態において、負荷用量は、抗体またはその抗原結合断片400mgを含み、1またはそれ以上の維持用量は、4週間ごとに投与される抗体またはその抗原結合断片200mgを含む。
1つの例示的実施形態において、各2回目および/または3回目用量は、直前の用量の1~14週間(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5週間またはそれ以上)後に投与される。「直前の用量」という句は、複数の投与の順序に関して、介在する用量のないその順序のまさにその次の用量の投与の前に患者に投与される抗IL-4R拮抗薬の用量を意味する。
該方法は、IL-4R拮抗薬の任意の数の2回目および/または3回目用量を患者に投与することを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、単一の2回目用量のみが患者に投与される。他の実施形態では、2用量またはそれ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8用量またはそれ以上の)2回目用量が患者に投与される。同様に、特定の実施形態では、単一の3回目用量のみが患者に投与される。他の実施形態では、2用量またはそれ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8用量またはそれ以上の)3回目用量が患者に投与される。
複数の2回目用量を含む実施形態において、各2回目用量は、他の2回目用量と同じ頻度で投与されることがある。例えば、各2回目用量は、直前の用量の1~2週間後に患者に投与されることがある。同様に、複数の3回目用量を含む実施形態において、各3回目用量は、他の3回目用量と同じ頻度で投与されることがある。例えば、各3回目用量は、直前の用量の2~4週間後に患者に投与されることがある。あるいは、2回目および/または3回目用量が患者に投与される頻度は、治療レジメンの過程を通して様々であることができる。投与頻度は、臨床検査に従って個々の患者の必要に応じて医師によって処置の過程で調整されることもある。
本発明は、喘息または関連状態を処置するための患者へのIL-4R拮抗薬および第2の治療薬の逐次的投与を含む方法を含む。いくつかの実施形態において、該方法は、IL-4R拮抗薬の1用量またはそれ以上の投与、その後、第2の治療薬の1用量またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8用量、またはそれ以上)の投与を含む。例えば、IL-4R拮抗薬約75mg~約300mgの1用量またはそれ以上が投与されることがあり、その後、喘息の1つまたはそれ以上の症状を処置、軽減、低減または改善のための第2の治療薬(例えば、本明細書の他の箇所で説明するような、吸入コルチコステロイドまたはβ2刺激薬または他の治療薬)の1用量またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8用量、またはそれ以上)が投与されることもある。いくつかの実施形態では、IL-4R拮抗薬が1用量またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8用量、またはそれ以上)投与され、その結果、1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーターが向上することになり、その後、喘息の少なくとも1つの症状の再発を予防するための第2の治療薬が投与される。代替実施形態は、IL-4R拮抗薬および第2の治療薬の併用投与に関する。例えば、IL-4R拮抗薬の1用量またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8用量、またはそれ以上)が投与され、第2の治療薬は、別の投薬量で、IL-4R拮抗薬と比較して同様の頻度または異なる頻度で投与される。いくつかの実施形態において、第2の治療薬は、IL-4R拮抗薬の前に、後に、またはIL-4R拮抗薬と同時に投与される。
特定の実施形態において、IL-4R拮抗薬は、12週間、14週間、16週間、18週間、20週間、22週間、24週間、26週間、28週間、30週間、32週間、34週間、36週間、38週間、40週間、42週間、44週間、46週間、48週間、またはそれ以上の間、2週間ごとに投与される。他の実施形態において、IL-4R拮抗薬は、12週間、16週間、20週間、24週間、28週間、32週間、36週間、40週間、44週間、48週間、またはそれ以上の間、4週間ごとに投与される。特異的実施形態において、IL-4R拮抗薬は、少なくとも24週間投与される。
処置集団
本発明において注目される方法は、IL-4R拮抗薬を含む治療用組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。「それを必要とする対象」という表現は、喘息(例えば、中等度~重度の非管理喘息)の1つもしくはそれ以上の症状もしくは兆候を示す、または喘息と診断された、ヒトまたは非ヒト動物を意味する。例えば、「それを必要とする対象」としては、例えば、1つまたはそれ以上の喘息関連パラメーター、例えば低下したFEV1(例えば2.0L未満)、低下したAM PEF(例えば400L/分未満)、低下したPM PEF(例えば400L/分未満)、少なくとも2.5のACQ5スコア、1晩に少なくとも1回の夜間覚醒および/または少なくとも20のSNOT-22スコアなど、を処置前に示す(または示した)対象を挙げることができる。様々な実施形態において、該方法は、それを必要とする患者の軽度喘息、中等度~重度喘息、および重度喘息を処置するために使用されることがある。
関連実施形態において、「それを必要とする対象」は、IL-4R拮抗薬を受ける前に、ICS/LABAの合剤を処方された、または現在摂取している対象であることもある。ICSの例としては、フロ酸モメタゾン、ブデソニド、およびプロピオン酸フルチカゾンが挙げられる。LABAの例としては、ホルモテロールおよびサルメテロールが挙げられる。ICS/LABA治療の例としては、フルチカゾン/サルメテロール併用治療、およびブデソニド/ホルモテロール併用治療が挙げられる。例えば、本発明は、IL-4R拮抗薬の投与直前の2週間またはそれ以上の間、ICS/LABAの定期的治療を受けていた患者に、IL-4R拮抗薬を投与することを含む方法を含む(そのような以前の処置を本明細書では「バックグラウンド処置」と呼ぶ)。本発明は、バックグラウンド処置がIL-4R拮抗薬の投与と併用で継続される治療方法を含む。さらに他の実施形態では、ICS成分、LABA成分、または両方の量は、IL-4R拮抗薬投与の開始前または開始後、徐々に減少される。いくつかの実施形態において、本発明は、持続型喘息を少なくとも12カ月以上の間有する患者を処置する方法を含む。一実施形態において、持続型喘息の患者はコルチコステロイドなどの治療薬による処置に抵抗性であることがあり、そのような患者に、本方法に従ってIL-4R拮抗薬を投与することがある。
いくつかの実施形態において、「それを必要とする対象」は、上昇した喘息関連バイオマーカーレベルを有する対象であることもある。喘息関連バイオマーカーの例としては、IgE、胸腺および活性化制御ケモカイン(TARC)、エオタキシン-3、CEA、YKL-40およびペリオスチンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、「それを必要とする対象」は、血中好酸球≧300個/μL、200~299個/μL、または<200個/μLである対象であることがある。一実施形態において、「それを必要とする対象」は、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)によって測定して、上昇した気管支または気道炎症レベルを有する対象であることもある。
いくつかの実施形態において、「それを必要とする対象」は、年齢18歳以上の対象、年齢12~17歳(12歳~18歳未満)の対象、年齢6~11歳(6歳~12歳未満)の対象、および年齢2~5歳(2歳~6歳未満)の対象からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、「それを必要とする対象」は、成人、青年および小児からなる
群から選択される。いくつかの実施形態において、「それを必要とする対象」は、年齢18歳以上の成人、年齢12~17歳(12歳~18歳未満)の青年、年齢6~11歳(6歳~12歳未満)の小児、および年齢2~5歳(2歳~6歳未満)の小児からなる群から選択される。対象は、年齢2歳未満、例えば、12~23カ月、または6~11カ月であることもある。
健常対象における正常IgEレベルは、(例えば、IMMUNOCAP(登録商標)アッセイ[Phadia,Inc.、Portage、MI]を用いて測定して)約100kU/L未満である。したがって、本発明は、約100kU/Lより高い、約150kU/Lより高い、約500kU/Lより高い、約1000kU/Lより高い、約1500kU/Lより高い、約2000kU/Lより高い、約2500kU/Lより高い、約3000kU/Lより高い、約3500kU/Lより高い、約4000kU/Lより高い、約4500kU/Lより高い、または約5000kU/Lより高い血清中IgEレベルである、上昇した血清中IgEレベルを示す対象を選択するステップ、およびIL-4R拮抗薬の治療有効量を含む医薬組成物を該対象に投与するステップを含む方法を含む。
健常対象におけるTARCレベルは、106ng/L~431ng/Lの範囲であり、平均値は約239ng/Lである。(TARCレベルを測定するための例示的アッセイシステムは、R&D Systems、Minneapolis、MNによりカタログ番号DDN00として提供されているTARC定量的ELISAキットである)。したがって、本発明は、約431ng/Lより高い、約500ng/Lより高い、約1000ng/Lより高い、約1500ng/Lより高い、約2000ng/Lより高い、約2500ng/Lより高い、約3000ng/Lより高い、約3500ng/Lより高い、約4000ng/Lより高い、約4500ng/Lより高い、または約5000ng/Lより高い血清中TARCレベルである、上昇したTARCレベルを示す対象を選択するステップ、およびIL-4R拮抗薬の治療有効量を含む医薬組成物を該対象に投与するステップを含む方法を含む。
エオタキシン-3は、Th2サイトカインIL-4およびIL-13によってアップレギュレートされる、気道上皮細胞によって放出されるケモカイン群に属する(Lillyら、1999、J.Allergy Clin.Immunol.104:786~790頁)。本発明は、IL-4R拮抗薬を投与して、上昇したエオタキシン-3レベル、例えば、約100pg/mlより高い、約150pg/mlより高い、約200pg/mlより高い、約300pg/mlより高い、または約350pg/mlより高いエオタキシン-3レベルを有する患者を処置することを含む方法を含む。血清中エオタキシン-3レベルは、例えばELISAによって、測定することができる。
ペリオスチンは、Th2媒介炎症過程に関与する細胞外基質タンパク質である。ペリオスチンレベルは、喘息の患者においてアップレギュレートされることが分かっている(Jiaら、2012、J Allergy Clin Immunol.130:647-654.e10.doi:10.1016:j.jaci.2012.06.025.Epub、2012年8月1日)。本発明は、IL-4R拮抗薬を投与して、上昇したペリオスチンレベルを有する患者を処置することを含む方法を含む。
呼気NO濃度(FeNO)は、気管支または気道炎症のバイオマーカーである。FeNOは、IL-4およびIL-13を含む炎症性サイトカインに反応して気道上皮細胞によって生産される(Alwingら、1993、Eur.Respir.J.6:1368~1370頁)。健常成人のFeNOレベルは、2~30十億分率(ppb)の範囲である。FeNOを測定するための例示的アッセイは、Aerocrine AB、Solna、SwedenによるNIOX計器の使用による。評価は、肺活量測定前、かつ少なく
とも1時間の絶食後に行うことができる。本発明は、上昇した呼気NO(FeNO)レベル、例えば、30ppbより高い、約31ppbより高い、約32ppbより高い、約33ppbより高い、約34ppbより高い、または約35ppbより高いFeNOレベルを有する患者に、IL-4R拮抗薬を投与することを含む方法を含む。
癌胎児抗原(CEA)(CEA細胞接着分子5[CEACAM5]としても公知)は、肺の非腫瘍性疾患と相関関係があることが分かっている腫瘍マーカーである(Marechalら、1988、Anticancer Res.8:677~680頁)。血清中のCEAレベルは、ELISAによって測定することができる。本発明は、上昇したCEAレベル、例えば、約1.0ng/mlより高い、約1.5ng/mlより高い、約2.0ng/mlより高い、約2.5ng/mlより高い、約3.0ng/mlより高い、約4.0ng/mlより高い、または約5.0ng/mlより高いCEAレベルを有する患者に、IL-4R拮抗薬を投与することを含む方法を含む。
YKL-40[そのN末端アミノ酸チロシン(Y)、リシン(K)およびロイシン(L)にちなんで名づけられたものであり、その分子量は40kDである]は、アップレギュレートされることならびに喘息増悪、IgEおよび好酸球と相関関係があることがわかっているキチナーゼ様タンパク質である(Tangら、2010、Eur.Respir.J.35:757~760頁)。血清中YKL-40レベルは、例えばELISAによって測定される。本発明は、上昇したYKL-40レベル、例えば、約40ng/mlより高い、約50ng/mlより高い、約100ng/mlより高い、約150ng/mlより高い、約200ng/mlより高い、または約250ng/mlより高いYKL-40レベルを有する患者に、IL-4R拮抗薬を投与することを含む方法を含む。
ペリオスチンは、線維症に関連する分泌マトリックス細胞タンパク質であり、その発現は、培養気管支上皮細胞および気管支線維芽細胞において組換えIL-4およびIL-13によってアップレギュレートされる(Jiaら、(2012)J.Allergy Clin.Immunol.130:647頁)。ヒト喘息患者において、ペリオスチン発現レベルは、上皮下線維症の指標である網状基底膜厚と相関関係がある。同文献。本発明は、上昇したペリオスチンレベルを有する患者にIL-4R拮抗薬を投与することを含む方法を含む。
誘発喀痰好酸球および好中球は、気道炎症についての確立した直接マーカーである(Djukanovicら、2002、Eur.Respire.J.37:1S-2S)。喀痰は、高張食塩水の吸入によって誘発され、当技術分野において公知の方法、例えば欧州呼吸器学会のガイドライン、に従って細胞計数のために処理される。
いくつかの実施形態において、対象は、次の群:血中好酸球数≧細胞300個/μL(高血中好酸球)(HEos)、血中好酸球数細胞200~299個/μL(中等度血中好酸球)、または血中好酸球数<細胞200個/μL(低血中好酸球)に層別化され、好酸球レベルに基づく用量または投与レジメンで抗IL-4R抗体またはその抗原結合断片の投与を受ける。
薬力学的喘息関連パラメーターを評価する方法
本発明は、IL-4R拮抗薬を含む医薬組成物の投与に起因する、それを必要とする対象における1つまたはそれ以上の薬力学的喘息関連パラメーターを評価する方法も含む。(上で説明したような)喘息増悪の発生率の低減、または(上で説明したような)1つもしくはそれ以上の喘息関連パラメーターの向上は、1つまたはそれ以上の薬力学的喘息関連パラメーターの向上と相関関係があることもあるが、そのような相関関係は、必ずしもすべての場合に観察されるとは限らない。
「薬力学的喘息関連パラメーター」の例としては、例えば次のものが挙げられる:(a)バイオマーカー発現レベル;(b)血清中タンパク質およびRNA分析;(c)誘発喀痰好酸球および好中球レベル;(d)呼気一酸化窒素(FeNO);および(e)血中好酸球数。「薬力学的喘息関連パラメーターの向上」は、例えば、TARC、エオタキシン-3またはIgEなどの1つまたはそれ以上のバイオマーカーのベースラインからの減少、喀痰好酸球もしくは好中球、FeNO、ペリオスチンまたは血中好酸球数の減少を意味する。本明細書において用いる場合、薬力学的喘息関連パラメーター関して用語「ベースライン」は、本明細書に記載する医薬組成物の投与前または投与時点の患者の薬力学的喘息関連パラメーターの数値を意味する。
薬力学的喘息関連パラメーターを評価するために、該パラメーターをベースラインで、および医薬組成物の投与後の時点で定量する。例えば、薬力学的喘息関連パラメーターを医薬組成物での初回処置後、第1日、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第14日に、もしくは第3週、第4週、第5週、第6週、第7週、第8週、第9週、第10週、第11週、第12週、第13週、第14週、第15週、第16週、第17週、第18週、第19週、第20週、第21週、第22週、第23週、第24週に、またはそれ以上の時点で測定してもよい。処置開始後特定の時点でのパラメーターの値とベースラインでのパラメーターの値との差を用いて、薬力学的喘息関連パラメーターの、「向上」などの、変化(例えば、測定される具体的なパラメーターに依存して、場合によって、増加または減少)があったかどうかを確証する。
特定の実施形態において、患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、特定のバイオマーカーの発現の変化、例えば減少または増加、を生じさせる。喘息関連バイオマーカーとしては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:(a)総IgE;(b)胸腺および活性化制御ケモカイン(TARC);(c)YKL-40;(d)血清中の癌胎児抗原;(e)血漿中のエオタキシン-3;および(f)血清中のペリオスチン。例えば、喘息患者へのIL-4R拮抗薬の投与は、TARCもしくはエオタキシン-3レベルの減少または血清中総IgEレベルの減少の1つまたはそれ以上を生じさせることがある。前記減少をIL-4R拮抗薬の投与後第1週、第2週、第3週、第4週、第5週またはそれ以降に検出することができる。バイオマーカー発現は、当技術分野において公知の方法によってアッセイすることができる。例えば、タンパク質レベルは、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)によって測定することができる。RNAレベルは、例えば、逆転写連結ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって測定することができる。
上で論じたようなバイオマーカー発現は、血清中のタンパク質またはRNAの検出によってアッセイすることができる。血清試料を使用して、IL-4R拮抗薬での処置に対する反応、IL-4/IL-13シグナル伝達、喘息、アトピーまたは好酸球性疾患に関係するさらなるタンパク質またはRNAバイオマーカーを(例えば、可溶性IL-4Rα、IL-4、IL-13、ペリオスチンを測定することによって)モニターすることもできる。いくつかの実施形態において、RNA試料は、RNAレベルの判定(非遺伝子解析)、例えば、バイオマーカーのRNAレベルの判定に使用され;他の実施形態において、RNA試料は、トランスクリプトームシークエンシング(例えば遺伝子解析)に使用される。
製剤
いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、次のものを含む組成で製剤化される:i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約150mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)
約5%(w/v)スクロース、v)約25mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80。この場合、前記製剤のpHは約5.9であり、製剤の粘度は約8.5センチポアズである。
代替実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、次のものを含む組成で製剤化される:i)IL-4Rと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片約175mg/mL、ii)約20mM ヒスチジン、iii)約12.5mM 酢酸塩、iv)約5%(w/v)スクロース、v)約50mM アルギニン塩酸塩、vi)約0.2%(w/v)ポリソルベート80。この場合、前記製剤のpHは約5.9であり、製剤の粘度は約8.5センチポアズである。
特異的実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む。
以下の実施例によって本発明をさらに例証するが、以下の実施例をさらなる限定とみなすべきではない。本出願の至る所で引用する図ならびにすべての参考文献、特許および公開特許出願の内容は、あらゆる目的で参照によって本明細書に明確に組み入れられる。
さらに、本発明に従って、当技術分野の技能の範囲内の従来の分子生物学、微生物学および組換えDNA技術を利用してもよい。そのような技術は、文献で十分に説明されている。例えば、GreenおよびSambrook、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第4版(2012)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York;DNA Cloning:A Practical Approach、第IおよびII巻(D.N.Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Nucleic Acid Hybridization[B.D.HamesおよびS.J.Higgins編(1985)];Transcription And Translation[B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、(1984)];Animal Cell Culture[R.I.Freshney編(1986)];Immobilized Cells And Enzymes[IRL Press、(1986)];B.Perbal、A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);F.M.Ausubelら(編集)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,Inc.(1994)を参照されたい。
以下の実施例は、本発明において注目される方法および組成物の作製および使用方法の完全な開示および説明を当業者に与えるために提示するものであり、本発明者らが自分達の発明と考える範囲を限定することを意図したものではない。用いる数値(例えば、量、温度など)に関して正確を期すように努めたが、多少の実験的誤差および偏差を考慮すべきである。別段の指示がない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
以下の実施例で使用する例示的IL-4R拮抗薬は、(本明細書では「mAb1」とも呼ばれる)デュピルマブという名のヒト抗IL-4R抗体である。
〔実施例1〕喘息患者におけるmAb1薬物動態
喘息患者の薬物動態研究を行った。mAb1 300mgを各患者に12週間、週に1回投与した。Cmax、AUC、tlast、Clastおよびt1/2を含む様々な薬
物動態パラメーターを測定した。その結果を下の表1に示す。
458時間(19.1日)の平均t1/2はIgG分子の半減期と一致し、これは、本研究中に観察された濃度で標的媒介クリアランスがmAb1の主要排出経路でなかったことをさらに裏付ける。
経時的な平均血清中機能性mAb1濃度のグラフを図1に示す。図1に示されているように、喘息患者に300mg/週の用量のmAb1を12回週1回投与した後、Ctrough濃度は、第10週~第12週の間にプラトーに達したように見えた。初回用量後と比較して12回目の用量後にCtroughによって評価した累積は、300mg週1回用量で5.88であった。大部分の患者において、最終PK試料時点で(最終薬物投与7~9週間後に)血清中のmAb1はまだ検出可能なレベルであった。この研究結果は、負荷用量から得ることが出来る恩恵を示唆している。
アトピー性皮膚炎または喘息の患者において300mg週1回投与レジメン中にmAb1の血清中濃度を測定した。図2に示されているように、mAb1全身曝露は、300mg週1回投与の最初の4週間の間、アトピー性皮膚炎患者と喘息患者において同様であった。
〔実施例2〕中等度~重度の非管理喘息の患者において抗IL-4R抗体デュピルマブを評価するための無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量決定研究
A.研究の目的および概要
中等度~重度の非管理喘息の患者においてmAb1(デュピルマブ)を評価するために無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量決定試験を行った。この研究の主目的は、中等度~重度の非管理喘息の患者においてmAb1の様々な用量およびレジメンの効能を評価することであった。この研究の副次的目的は、中等度~重度の非管理喘息を有する患者に
おいてmAb1の様々な用量およびレジメンを、次のことに関して評価すること:安全性および忍容性、mAb1全身曝露および抗薬物抗体、ならびに患者報告アウトカム(PRO);ベースラインバイオマーカーをそれらの潜在的価値について評価して処置に対する反応を予測すること;オントリートメントバイオマーカーをそれらの潜在的価値について評価して処置に対する反応と関連づけること;ならびに遺伝子プロファイルをそれらの潜在的価値について評価して処置に対する反応を予測することであった。
B.研究デザイン
本研究は、中等度~重度の非管理喘息の患者において24週間、皮下(SC)投与されるmAb1の様々な用量およびレジメンを比較する、多国籍、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量決定、並行群間研究である。患者おおよそ770名を1群当たり患者150名の5つの処置群に無作為に割り当てた。
この治験は、吸入コルチコステロイド/長時間作用性β刺激薬併用治療(ICS/LABA)への追加治療アプローチを用いる、次の3期間からなった:患者が参加基準を満たしているかを判定するための、および無作為化処置期間前に喘息管理レベルを確証するためのスクリーニング期間(14~21日);無作為化処置期間(24週間);および処置後の患者をモニターするための処置後期間(16週間)。
C.患者の選択
喘息管理に関する国際指針(GINA)2009ガイドラインおよび下記の基準に基づいて医師が12カ月以上の中等度~重度の非管理喘息と診断した18~65歳の患者は、本研究への組み入れに適格であった:(1)来院1の前に1カ月以上の中もしくは高用量ICS/LABA(2×プロピオン酸フルチカゾン250μg、1日2回、または等効力のICSの1日投薬量)を安定したICS/LABA用量で用いる既存の処置;(2)来院1および来院2における治験薬の初回用量前にFEV1 40~80%予測正常値;(3)来院1および来院2におけるACQ-5スコア≧1.5;(4)来院1におけるサルブタモール/アルブテロール200μg~400μg(吸入2~4回)後に少なくとも12%および200mLのFEV1の可逆性;および(5)来院1の前1年以内に経験した次の事象のいずれか:喘息悪化のための1回以上の全身性(経口もしくは非経口)ステロイドバーストでの処置、または喘息悪化のための入院もしくは救急/緊急医療受診。
上記組み入れ基準すべてを満たした患者を以下の除外基準についてスクリーニングした:(1)患者<18歳;(2)肺機能試験を害する慢性閉塞性肺疾患(COPD)または他の肺疾患(例えば、肺気腫、特発性肺線維症、チャーグ・ストラウス症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症);(3)喘息以外の肺疾患の臨床的に有意な所見がある、スクリーニング来院の12カ月以内またはスクリーニング来院時の胸部X線;(4)現行喫煙者、または来院1前6カ月以内の禁煙;(5)喫煙歴>10箱/年を有する喫煙経験者;(6)IMP(mAb1)の評価を妨げる可能性のある併存疾患;(7)不順守、アルコール乱用または薬物乱用があるまたは疑われる;(8)研究の手順に従うことができない(例えば、言葉の問題または心理的障害のため);(9)睡眠パターンの逆転(例えば、夜勤職員);(10)何らかの理由でβアドレナリン受容体遮断薬(βブロッカー)を必要とする患者;(11)来院1前130日以内の抗免疫グロブリンE(IgE)治療(オマリズマブ);来院1の6カ月以内の生物学的治療;(12)来院1前3カ月以内のアレルゲン免疫治療の開始、またはスクリーニング期間もしくは無作為化処置期間中に治療を始めるもしくは用量を変更する予定;(13)別の治験抗体への来院1前、該抗体の5半減期(既知の場合)未満である時間内の曝露。半減期が分からない場合には、以前の治験抗体への曝露からの最低限の間隔は6カ月である。何らかの他の(非抗体)治験研究対象薬への曝露からの最低限の間隔は、来院1前30日である;(14)併用薬として禁止される薬物を受けている患者;(15)本研究または他のmAb1研究への過去の登
録;(16)患者が、プロトコールの実施に直接関係する、治験責任医師もしくは何らかの治験補助医師、研究アシスタント、薬剤師、治験コーディネーター、他のスタッフまたはその血縁者である;(17)スクリーニング期間中の必須バックグランド治療、ICS/LABA複合製品の使用の不順守(この不順守を次のように定義した:スクリーニング期間中に摂取されたのが処方「安定用量」パフの総数の80%未満。スクリーニング期間中の患者の電子日記に記録されたICS/LABA使用に基づいて順守を検証する);(18)併発重篤疾患、またはICSの使用が忌避である疾患(例えば、活動性および非活動性肺結核)もしくはLABAの使用が忌避である疾患(例えば、有意な心血管疾患、インスリン依存性糖尿病、非管理の高血圧、甲状腺機能亢進症、甲状腺中毒症、褐色細胞腫、低カリウム血症、補正QT間隔延長(男性>450ミリ秒、女性>470ミリ秒)もしくは頻脈性不整脈の病歴の診断);(19)臨床的に有意な補正QT間隔延長/トルサード・ド・ポアンツ心室頻拍に関連する薬物での処置;(20)妊娠の可能性がある女性(生物学的に妊娠能力がある閉経前の女性)である、以下の女性:来院1において血清β-hCG試験陰性が確認されない女性、または本研究中に次の許容される有効避妊法形態の1つによって保護されていない女性:経口、注射もしくは埋め込み型ホルモン避妊薬の使用の定着;銅を含有する子宮内避妊具(IUD)またはプロゲストーゲンを含有する子宮内避妊システム(IUS);殺精子薬(フォーム、ゲル、フィルム、クリームもしくは坐剤)とともに使用されるバリア型避妊具(コンドーム、ペッサリーもしくは子宮頸部/膣円蓋キャップ);女性不妊手術(例えば、卵管閉塞術、子宮摘出術もしくは両側卵巣摘除術);射精液中に精子不在の精管切除術後の証拠文書がある男性不妊手術;女性患者の研究については、精管切除した男性パートナーがその女性の唯一のパートナーであるべきである;真の禁欲;周期的禁欲(例えば、カレンダー法、排卵法、症候体温法、排卵後法)が許容される避妊方法でない;または閉経期の女性(少なくとも連続12カ月月経なしと定義する)にさらなる避妊を使用する必要がない;(21)活性寄生虫感染症と診断された;寄生虫感染症が疑われるまたは高い寄生虫感染症リスク(ただし、無作為化前に臨床的および(必要に応じて)実験的評価によって活性感染がありえないとされた場合を除く);(22)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染歴または来院1におけるHIV検査(抗HIV-1およびHIV-2抗体)陽性;(23)感染症解消にもかかわらす、侵襲性、日和見感染症(例えば、結核、ヒストプラズマ症、リステリア症、コクシジオイデス症、ニューモシスティス症、アスペルギルス症)歴を含む免疫抑制歴があるもしくは疑われる;または治験責任医師の判断により、異常に高頻度の感染、反復感染、もしくは長期感染;(24)来院1前4週間以内の抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗寄生虫薬または抗原虫薬での処置を必要とする急性または慢性感染症の証拠;抗ウイルス処置を受けることができなかった来院1前4週間以内の有意なウイルス感染症(例えば、対症療法しか受けていないインフルエンザ);(25)来院1前12週間以内の弱毒化生ワクチン接種、または研究の間に弱毒化生ワクチン接種の予定がある-禁止弱毒化生ワクチンは、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)抗結核ワクチン;水痘(Chickenpox/Varicella);鼻腔内インフルエンザ(フルミストインフルエンザ);注射によって送達される不活性インフルエンザワクチンは許容される;麻疹(Measles/Rubeola);麻疹-流行性耳下腺炎-風疹(MMR)混合;麻疹-流行性耳下腺炎-風疹-水痘(MMRV)混合;流行性耳下腺炎;経口ポリオ(セービン);経口腸チフス;ロタウイルス;風疹;天然痘(ワクシニア);水痘帯状疱疹(帯状疱疹);および黄熱である;(26)活動性自己免疫疾患の患者または自己免疫疾患(例えば、橋本甲状腺炎、ブレーブス病、炎症性腸疾患、原発性胆汁性肝硬変、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、尋常性乾癬)のための免疫抑制治療を用いている患者;ならびに(27)来院1においてB型肝炎表面抗原(HBsAg)、B型肝炎コア抗体(HBcAb)またはC型肝炎抗体陽性または不確定である患者。
すべての組み入れ基準を満たし、いずれの除外基準も満たさなかった患者のみを本研究に組み入れた。
D.研究処置
様々な濃度の無菌mAb1を5mLガラスバイアルに供給した;各バイアルは、排出可能容量2mL:150mg/mL溶液(300mg用量/2mL)または100mg/mL溶液(200mg用量/mL)を備えていた。
下記の用量およびレジメンの1つに従ってmAb1またはプラセボの皮下(SC)投与を2週間ごとに(q2w)受ける24週の下記の処置の1つに患者を無作為に割り当てた:
●600mg負荷用量(LD)でmAb1 300mg 2週間ごと(D);
●400mg負荷用量(LD)でmAb1 200mg 2週間ごと(D);
●600mg負荷用量(LD)でmAb1 300mg 4週間ごと(D);
●400mg負荷用量(LD)でmAb1 200mg 4週間ごと(D);または
●プラセボ負荷用量でプラセボ 2週間ごと(P)。
2週間ごとの投与は、隔週投与としても公知である。4週間ごとの投与は、月1回投与としても公知である。
スクリーニング前に、患者は、来院1前に1カ月以上の中用量または高用量ICS/LABAの安定用量(≧250μgのプロピオン酸フルチカゾン1日2回、または等効力のICS投薬量)を受けていた。本研究において処置期間中に許容可能な複合製品は、以下のものであった:フロ酸モメタゾン/ホルモテロール;ブデソニド/ホルモテロール;およびプロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール。無作為化来院前に患者が代替複合製品(例えば、フルチカゾン/ホルモテロール)を使用していた場合には、無作為化来院2(第1日)時に治験責任医師は上記3種の許容可能な処置期間複合製品の同等の投薬量うちの1つに患者を切り替えた。
無作為化処置期間中、患者は、スクリーニング期間中に使用していたのと同等の投薬量のICS/LABAの安定用量を続けた。中~高用量ICSの1日用量についてのバックグラウンド治療要件を満たすために処置期間中に求められる、許容可能なICS/LABA複合製品ならびに許容可能な剤形、強度およびスケジュールについては表2を参照されたい。
無作為化処置期間を完了し次第(または治験薬の早期中止後)、患者は、無作為化処置期間にわたって維持されたICS/LABAの安定用量での処置を続けた(または医学的判断に基づいて処置を変更した)。
患者には、この研究中、必要に応じて、発作治療薬としてサルブタモール/アルブテロールヒドロフルオロアルカン加圧MDIまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールヒドロフルオロアルカン加圧MDIを投与することを許した。噴霧液を代替送達法として使用することもあった。
スクリーニング期間または無作為化処置期間中に以下の併用処置は許可しなかった:全身性(経口または注射用)コルチコステロイド(喘息増悪を処置するために使用する場合を除く);メチルキサンチン(例えばテオフィリン、アミノフィリン);リポオキシゲナーゼ阻害剤(例えばアゼラスチン、ジロートン);クロモン;抗免疫グロブリンE(IgE)治療(例えばオマリズマブ);生物学的治療;メトトレキサート;アレルゲン免疫治療の開始(来院1前に3カ月またはそれ以上の所定の場所でのアレルゲン免疫治療は許可した);および静脈内免疫グロブリン(IVIG)治療。
許可した併用薬は、次のものを含んだ:ロイコトリエン拮抗薬/修飾物質を、本研究中、許可したが、患者は来院1の30日またはそれ以上前に安定用量を用いていなければならなかった;来院1前に3カ月またはそれ以上の所定の場所でのアレルゲン免疫治療は許可した。抗ヒスタミン薬を併用薬として許可した;眼用または鼻腔内コルチコステロイドを、本研究中、許可したが、来院1の30日またはそれ以上前に安定用量を用いていなけ
ればならなかった。
mAb1 300mg 2週間ごと、mAb1 200mg 2週間ごと、mAb1 300mg 4週間ごと、mAb1 200mg 4週間ごと、およびプラセボについて無作為化比1:1:1:1:1を用いて患者を無作為化した。来院1中央検査室血中好酸球数(高血中好酸球≧細胞300個/μL(HEos);血中好酸球細胞200~299個/μL;血中好酸球<細胞200個/μL)および国によって無作為化を層別化した。
患者の約40パーセントは、用量群全般にわたって高い好酸球を有し、無作為化した患者の約77パーセントは、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻ポリープ症、食物アレルギーおよび/またはじんま疹歴を含む、アトピー性疾患歴を有した。
E.処置の効能
本研究の主要評価項目は、第12週におけるFEV1のベースラインからの変化であった。肺活量計を使用してそのような測定を行った。肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後に行った。肺機能試験は、坐位で測定し、FEV1の最高測定値をリットルで記録した。
評価した副次効能評価項目:(1)第12週におけるFEV1のベースラインからの相対変化(%);(2)処置期間中の喘息管理喪失事象の年率;(3)処置期間中の重度増悪事象の年率;(4)処置期間中の喘息管理喪失事象までの時間;(5)処置期間中の重度増悪事象までの時間;(6)全研究期間中の喘息管理喪失事象までの時間;(7)全研究期間中の重度増悪事象までの時間;(8)医療資源活用;(9)第12週における次のことに関するベースラインからの変化:朝および晩の喘息症状スコア、ACQ-5、AQLQスコア、朝および晩のPEF、症状緩和のためのサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの吸入数/日、ならびに夜間中途覚醒;(10)第12週および第24週における次のことに関するベースラインからの変化:SNOT-22、病院不安およびうつ尺度(HADS)、ならびにEuroQual質問票(EQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L)。上記測定値について、他の時点(例えば24週間)でのベースラインからの変化も解析した。
次の2タイプの喘息増悪事象を定義した:喘息管理喪失(LOAC)事象および重度増悪事象。本研究中の喘息管理喪失(LOAC)事象は、次のいずれかとして定義した:2日連続での24時間における(ベースラインと比較して)6回もしくはそれ以上のサルブタモール/アルブテロールもしくはレボサルブタモール/レブアルブテロールの追加の発作治療薬パフ;または来院2におけるICSの4倍もしくはそれ以上の用量増加;または3日もしくはそれ以上の全身性コルチコステロイドの使用;または全身性コルチコステロイドを必要とする喘息による入院もしくは救急外来受診。本研究中の重度増悪事象は、次のことを必要とする喘息の悪化と定義した:3日もしくはそれ以上の全身性コルチコステロイドの使用;または全身性コルチコステロイドを必要とする喘息による入院もしくは救急外来受診。
3つの疾患特異的効能尺度を本研究において用いた:ACQ-5(喘息管理質問票、5問バージョン)、AQLQ(喘息生活の質質問票)、および22項目副鼻腔アウトカムテスト。
ACQ-5は、喘息管理の妥当性と、自然発症的にまたは処置の結果として起こる喘息管理の変化、両方を測定するように設計されたものである。ACQ-5は、次の上位5得
点喘息症状を反映する5つの質問を有する:症状による夜間覚醒、症状での朝の覚醒、日常活動の制限、息切れ、および喘鳴。患者に、喘息が前の週の間どのようであったか思い出すように、そして症状質問に7段階評価(0=障害なし、6=障害最大)で答えるように依頼する。包括的スコアを算出する:質問は均等に重みづけされており、ACQ-5スコアは、5つの質問の平均であり、したがって0(完全管理)と6(重度非管理)の間である。スコアが高いほど、低い喘息管理を示す。1.0未満のスコアを有する患者の喘息は適切に管理されていることになり、1.0より高い患者の喘息は十分に管理されていないことになる。ACQ-5の7段階評価では、0.5のスコアの変化または差が臨床的に重要と考えることができる最小値である。
AQLQは、喘息の結果としての成人(17~70歳)にとって最も厄介である機能障害を測定するように設計されたものである。この手段は32項目で構成されており、各々が1~7の7点リッカート尺度で評価される。AQLQは4つのドメインを有する。これらのドメイン、および各ドメイン内の項目数は、次の通りである;症状(12項目)、活動制限(11項目)、情緒機能(5項目)および環境刺激(4項目)。0~7にわたる包括的スコアおよびドメインごとのスコアを算出する。スコアが高いほど、生活の質が良いことを示す。
SNOT-22は、生活の質に対する慢性副鼻腔炎の影響を評価するための、妥当性が確認されている質問票である。
次の3つの疾患特異的な日常的効能評価を本研究では用いた:最大呼気速度、喘息症状スコア、および発作治療薬使用。本研究を通して日常的に、患者は電子日記/PEFメーターを使用して以下のことを行った:朝および晩のPEFの測定、朝および晩の喘息症状尺度質問への回答、症状緩和のためのサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの吸入数/日の表示、使用したバックグラウンド複合ICS/LABA製品の吸入数/日の記録、ならびに夜間中途覚醒数の記録。
スクリーニング(来院1)時に、患者に、朝(AM)および晩(PM)のPEF、毎日のサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロール、朝および晩の喘息症状スコア、ならびに発作治療薬を必要とする喘息症状に起因する夜間覚醒の数を記録するための電子PEFメーターを支給した。加えて、治験責任医師が、電子PEFメーターでの次の変数の記録の仕方を患者に指導した:AM PEFを起床後15分以内(午前6時~午前10時の間)に、一切のアルブテロールまたはレブアルブテロール摂取前に実施する;PM PEFを晩(午後6時~午後10時の間)に、一切のアルブテロールまたはレブアルブテロール摂取前に実施する;患者は、PEF測定前少なくとも6時間はアルブテロールまたはレブアルブテロールを控えるように試みるべきである;3回のPEF努力が患者によって行われることになる;3つの値すべてが電子PEFメーターによって記録され、最高値を評価に用いることになる。ベースラインAM PEFは、治験薬の初回用量前の7日間に記録された平均AM測定値となり、ベースラインPM PEFは、治験薬の初回用量前の7日間に記録された平均PM測定値となる。
患者は、PEFを測定する前日に全症状スコアを2回記録した。覚醒時間中に経験した患者の全喘息症状は晩に記録された(PM症状スコア)。夜間に経験した症状は、起床し次第記録された(AM症状スコア)。ベースライン症状スコアは、無作為化前の7日間に記録された平均AMおよび平均PMスコアであった。患者に症状の重症度を次のように記録するように指導した。AM症状スコア:0=喘息症状なし、夜通し睡眠;1=熟睡したが朝、多少の症状を訴える。夜間覚醒なし;2=喘息のため1回覚醒(早朝覚醒を含む);3=喘息のため数回覚醒(早朝覚醒を含む)、および4=喘息のため、よく眠れず、ほとんど一晩中覚醒。PM症状スコア:0=非常に良好、喘息症状なし;1=喘鳴、咳また
は息切れエピソード1回;2=日常生活を妨げない、1回より多くの喘鳴、咳または息切れエピソード;3=日常生活をある程度妨げる、ほとんど1日中の喘鳴、咳または息切れ;および4=喘息最悪、通常通りの日常活動を行うことができない。
サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロール吸入数は、患者によって電子日記/PEFメーターに毎日記録された。サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールは症状に必要な場合のみ使用すべきであり、定期的にまたは予防的に使用すべきでないことを各患者に注意喚起した。ベースラインサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロール吸入数/日は、無作為化前の7日の平均に基づいた。
有害事象、バイタルサイン、理学的検査、心電図変数、検査室安全性変数および妊娠検査を含む、同じ安全性評価をすべてのアームにわたって適用することになる。
来院1に対象がインフォームドコンセントに同意したときから研究終了来院まで各患者の有害事象をモニターおよび文書に記録したが、ただし次のものは除いた:データベースロック時に継続しているSAEおよびAE。有害事象(Ae)、特に注目すべき有害事象(AESI)、および重篤な有害事象(SAE)を報告した。
血圧(mmHg)、心拍数(毎分の拍動数)、呼吸数(毎分の呼吸数)、体温(摂氏度)および体重(kg)を含むバイタルサインを来院のたびに測定した。身長(cm)は、スクリーニング(来院1)にのみ測定した。バイタルサインは、各来院時に同じ腕を用いて座位で測定し、来診時、治験薬を受ける前に測定した。
薬物動態および抗薬物抗体評価項目を試験した。投与前血液試料を血清中機能性デュピルマブおよび抗デュピルマブ抗体の判定のために採取した。来院2(第1日)に投与前血清mAb1濃度、第2週、第4週、第8週、第12週、第16週、第20週、第24週にmAb1トラフレベル、および第28週、第32週、第36週、第40週に追跡血清mAb1を得た。来院2(第1日)、第2週、第4週、第8週、第12週、第16週、第20週、第24週および第40週に抗mAb1抗体状態(陰性または力価値)を得た。
研究終了来院時にADA力価≧240であった患者は、ADA力価についての追加評価のためにおおよそ6カ月後に再来院するスケジュールを組んだ。抗体力価および臨床症状の総合評価に基づいてさらなる追跡を検討した。
喘息炎症およびTh2分極に関係するいくつかのバイオマーカー(全血バイオマーカー、血漿バイオマーカー、血清バイオマーカー、および呼気一酸化窒素)を、治療反応を予測する上でのおよび/または薬物応答の時間経過を実証する上でのそれらの値について評価した。
血中好酸球数は、血液自動分析器での標準的な白血球の5分類計数の一部として測定した。
エオタキシン-3は、妥当性が確認されている酵素免疫測定法(ヒトエオタキシン-3
Quantikine ELISAキット;R&D Systems)を用いてヘパリン血漿で測定した。
定量的ImmunoCAPアッセイ(Phadia)を使用して好酸球カチオン性タンパク質(ECP)および黄色ブドウ球菌エンテロトキシンIgEの濃度を測定した。治験実施施設の場所に適している抗原パネルを使用して抗原特異的IgEを検出した(Phadiatopテスト;Phadia)。診断試験について承認されている定量的方法(例
えばImmunoCAP)を用いて総IgEを測定した。胸腺および活性化制御ケモカイン(TARC)は、妥当性が確認されている酵素免疫測定法(ヒトTARC Quantikine ELISAキット;R&D Systems)を用いてアッセイした。ペリオスチンは、妥当性が確認されている免疫測定法(ヒトペリオスチン DuoSet ELISA Developmentキット;R&D Systems)を用いて測定した。
呼気一酸化窒素は、50mL/秒の流量を用いてNIOX計器(Aerocrine AB、Solna、Sweden)または同様の分析器を使用して分析し、十億分率(ppb)で報告した。この評価は、肺活量測定前、かつ少なくとも1時間の絶食後に行った。
遺伝薬理学的試験は任意選択であり、随意であった。参加者は、研究来院時に血液試料を提供し、この試料を将来の分析のために保存した。DNAおよびRNA用に血液を採取した。DNAおよびRNA試料を使用して、遺伝子とmAb1での処置に対する反応およびmAb1に対する可能性のある副作用との可能性のある関係を判定することができる。研究することができる遺伝子としては、IL4R受容体、IL-4、IL-13およびSTAT6についての遺伝子、ならびにIL4Rシグナル伝達経路または喘息の要素である可能性があるさらなる遺伝子が挙げられる。
患者報告アウトカムおよび医療資源活用は、HADS(病院不安およびうつ尺度)、EQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L、および医療資源活用を用いて評価した。
HADSは、喘息に関して既に使用されており、妥当性が確認されている、不安およびうつ状態を検出するための一般的尺度である。この手段は、次の14項目で構成されている:不安に関する7項目およびうつに関する7項目。質問票の各項目に0~3のスコアをつける;不安またはうつのいずれかについて0~21の間のスコアをつけることができる。いずれかの下位尺度での11またはそれ以上のスコアは、心理的病的状態の有意な「ケース」であると考えられ、一方、8~10のスコアは「境界域」および0~7は「正常」を表す。
EQ-5D-3LまたはEQ-5D-5Lは、臨床および経済評価のための健康についての単純で一般的な尺度を提供するためにEuroQol Groupによって開発された、健康状態に関連した生活の質の標準化された質問票である。EQ-5Dは、患者による自記入用に設計されている。EQ-5Dは、2頁(EQ-5D記述システムとEQ VAS)から本質的になる。EQ-5D記述システムは、5つの項目を含む:移動の程度、身の回りの管理、普段の活動、痛み/不快感、および不安/うつ。各項目には3レベルある:問題なし、多少問題あり、重度の問題あり。EQ視覚的アナログ尺度(VAS)は、縦の視覚的アナログ尺度を用いてレスポンダーが自己評価した健康状態を記録する。EQ
VAS「体温計」は、最高が100(想像できる最高の健康状態)、最低が0(想像できる最悪の健康状態)の評価項目を有する。
医療資源活用(発作治療薬、専門医受診、入院、救急または緊急医療施設受診、アウトカム、病気休暇など)の質問票は、来院2に、そしてその後月1回、施行した。
F.研究手順
本治験は、吸入コルチコステロイド/長時間作用性β刺激薬併用治療(ICS/LABA)への追加治療アプローチを用いる、次の3期間からなる:スクリーニング期間(14~21日;来院1)、無作為化処置期間(24週間;来院2~11)、および処置後期間(16週間;来院12~15)。
以下の手順を来院1に行った:(1)患者の人口統計学的情報、喘息歴(喫煙習慣を含む)、他の病歴および手術歴、ならびに前治療薬および併用薬を収集するために問診した;(2)次のことを検証することに特に注意を払って、参加基準を再調査して適格性を評価した:(a)処方複合製品ICS/LABA投薬量が、来院1の前1カ月間のICS/LABAの安定用量での中~高用量ICS要件のプレプレトコール定義(すなわち、プロピオン酸フルチカゾン250μg 1日2回、または等効力のICS 1日投薬量)を満たしていること;および(b)患者が、来院1の前1年以内に次のことを経験したこと:1)喘息悪化のための1回の全身性(経口もしくは非経口)ステロイドバーストでの処置および/または2)喘息悪化のための入院もしくは救急/緊急医療受診;(3)バイタルサイン[血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重(kg)、身長(cm)]を測定した;(4)理学的検査を行った;(5)ACQ-5を実施し、ACQ-5スコアが1.5であることを検証した;(6)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間の絶食後に行った;(7)肺活量測定を行った。来院1における参加基準は、特異的FEV1の要求量と可逆性の実証とを含んだ。サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、午前6~10時の間に、先ず、肺活量測定を行った。FEV1は、40~80%予測正常値でなければならず、スクリーニング期間中に3回試みて、肺活量測定の適格基準を満たさなければならない;(8)可逆性を確証した。可逆性は、サルブタモール/アルブテロール 200μg~400μg(吸入2~4回)後にFEV1に関して少なくとも12%および200mLでなければならない;(9)12リード心電図検査(ECG)を行った;(10)過去12カ月以内の利用できるものがない場合には胸部X線を行った;(11)次の臨床検査室判定をスクリーニングするために(空腹時)血液試料を採取した:a)血液学:これはヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、総白血球数(5要素百分率数を含む)および総赤血球数を含んだ;b)局所分析のために別個の血液学試料を採取し、ならびにc)血清化学:これは次のものを含んだ:クレアチニン、血中尿素窒素、グルコース、尿酸、総コレステロール、総タンパク質、アルブミン、総ビリルビン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、電解質(ナトリウム、カリウム、塩化物)、重炭酸塩およびクレアチンホスホキナーゼ;(12)肝炎検査(B型肝炎表面抗原(HBsAg)、B型肝炎IgMコア抗原(HBcAb-IgM)、C型肝炎抗体(HC Ab)、HIV検査(抗HIV-1およびHIV-2抗体)および抗核抗体(ANA))のために血液試料を採取した;(13)血清免疫グロブリン電気泳動(IgG、IgGサブクラス1~4、IgMおよびIgA)のために血液試料を採取した;(14)妊娠の可能性がある女性の場合、血清β-HCG妊娠検査結果を得た;(15)尿検査(尿試験紙)のために尿を採取した;(16)バイオマーカーセットAおよび血清中総IgEの試料採取のために血液を採取した;(17)特定のインフォームドコンセント用紙にサインした患者について;任意選択の血液RNA試料採取を行った;(18)電子日記/PEFメーターを分配し、日記使用説明書を提供し、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(19)患者にICS/LABAの安定用量を継続するように注意喚起し、電子日記に毎日の使用量を記録するように患者を指導した;(20)本研究を通して発作治療薬として使用するためにサルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールを調剤し、再供給した。電子日記に使用量を記録するように患者を指導した。(21)次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した;および(22)AE報告を開始した。
以下の手順を来院2(第0週)に行った:(1)すべての薬物使用を開始日および用量とともにeCRFに記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性につ
いて尋ねた;(2)組み入れ/除外基準の再調査に基づいて、参加基準を再調査し、適格性を再確認した;(3)ACQ-5およびAQLQを施行した;(4)次のことを検証した:a)来院2のACQ-5スコアが21.5であること、およびb)必須バックグランド治療、ICS/LABA複合製品の使用の順守(この順守を次のように定義した:処方「安定用量」パフの総数の80%がスクリーニング期間中に摂取された。スクリーニング期間中の患者の電子日記に記録されたICS/LABA使用に基づいて順守を検証した);(5)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(6)肺活量測定を行った:来院1における参加基準は、特異的FEV1の要求量と可逆性の実証とを含み、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った。FEV1は40~80%予測正常値でなければならず、患者は来院2において無作為化前に肺活量測定についての基準も満たさなければならない。
患者がすべての組み入れ基準を満たし、いずれの除外基準も満たさなかった場合には、来院2に以下の手順も行った:(1)IVRS/IWRSをコールして来院を登録し、参加基準を満たした場合、患者を無作為化し、患者は第1の処置キット番号割り当てを受けた。来院1の中央検査室血中好酸球数を参照して、このIVRS/IWRSコール時点で患者を正しい高血中好酸球層(>細胞300個/μL)、中等度血中好酸球層(細胞200~299個/μL)または低血中好酸球層(<細胞200個/μL)に層別化した;(2)来院2の前の患者のバックグラウンド複合製品ICS/LABAが代替複合製品(例えばフルチカゾン/ホルモテロール)であった場合、下に列挙する3つの許容可能な処置期間複合製品の1つの等価の投薬量に患者を切り替えた:プロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール、またはブデソニド/ホルモテロール、またはフロ酸モメタゾン/ホルモテロール。中~高用量ICSの1日用量についてのバックグラウンド治療要件を満たすために処置期間中に求められる、許容可能なICS/LABA複合製品ならびに許容可能な剤形、強度およびスケジュールを上で論じたことに留意されたい。(3)SNOT-22を施行した;(4)HADSおよびEQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L質問票を施行した;(5)医療資源活用質問票を施行した;(6)(妊娠の可能性がある女性について)尿妊娠検査を行った;(7)臨床検査室用の採血を(IMP(mAb1)の投与前に)行った。来院2における臨床検査室試験を血液学(局所分析のために採取される別個の血液学試料を含む)、薬物動態、抗薬物抗体、バイオマーカーセットA、ペリオスチン、血清中総IgE、バイオマーカーセットBおよびアーカイブ血清試料に限定したことを留意されたい;(8)特定のインフォームドコンセント用紙にサインした患者については、(無作為化処置期間中、治験薬の投与前に)DNAおよびRNA試料採取のために血液試料を採集した;(9)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(10)IMP(mAb1)を調剤し、投与した;(11)ICS/LABAの安定用量を継続し、電子日記に毎日の使用量を記録するように患者を注意喚起した;および(12)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した。
以下の手順を来院3(第2週)に行った:(1)使用したすべての併用薬を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)ACQ-5を施行した;(4)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(5)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に
行った;(6)12リード心電図検査(ECG)を行った;(7)薬物動態、抗薬物抗体およびバイオマーカーセットAのために(IMP(mAb1)の投与前に)採血を行った;(8)任意選択の血中RNA試料採取を行った;(9)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(10)IMP(mAb1)を調剤し、投与した;および(11)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した。
これらの同じ手順を来院4(第4週)に行った。加えて、患者に医療資源活用質問票を施行した。
以下の手順を来院5(第6週)に行った:(1)使用したすべての併用薬を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(4)IMP(mAb1)を調剤し、投与した;(5)ICS/LABAの安定用量を継続し、電子日記に毎日の使用量を記録するように患者を注意喚起した;および(6)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した。
以下の手順を来院6(第8週)に行った:(1)すべての併用薬使用を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)ACQ-5を施行した;(4)医療資源活用質問票を施行した;(5)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(6)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、ICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った;(7)臨床検査室、薬物動態、抗薬物抗体、バイオマーカーセットAおよび血清中総IgEのために採血をおこなった;(8)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するようにおよび毎日の使用量をその電子日記に記録するように患者に注意喚起した;および(9)IMP(mAb1)を調剤し、投与した。
以下の手順を来院7(第10週)に行った:(1)すべての併用薬使用を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(4)IMP(mAb1)を調剤し、投与した;(5)次回の来院の予約スケジュールを組み、患者に次のことを注意喚起した;ICS/LABAの安定用量を継続し、毎日の使用量を電子日記に記録すること、次回の来院は絶食状態で来ること、および次回の訪問前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えること。
以下の手順を来院8(第12週)に行った:(1)使用したすべての併用薬を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)理学的検査を行った;(4)ACQ-5およびAQLQを施行した;(5)SNOT-22を施行した;(6)HADSおよびEQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L質問票を施行した;(7)医療資源活用質問票を施行した;(8)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺
活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(9)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った;(10)12リード心電図検査(ECG)を行った;(11)臨床検査室、薬物動態、抗薬物抗体、バイオマーカーセットA、ペリオスチン、アーカイブ血清試料、および血清中総IgEのために(空腹時)採血をおこなった;(12)血清免疫グロブリン電気泳動(IgG、IgGサブクラス1~4、IgMおよびIgA)のために血液試料を採取した;(13)尿検査(尿試験紙)のために尿を採取した;(14)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するようにおよび毎日の使用量をその電子日記に記録するように患者に注意喚起した;(15)IMP(mAb1)を調剤し、投与した;(16)患者に(自己注射)在宅投与日記を分配した;(17)ICS/LABAの安定用量を継続し、電子日記に毎日の使用量を記録するように患者を注意喚起した;および(18)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した。
以下の手順を来院9(第16週)に行った:(1)IMP(mAb1)の順守をチェックした;すべての併用薬使用を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)患者の在宅投与日記を内容および完全性について再調査した;(3)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(4)ACQ-5を施行した;(5)医療資源活用質問票を施行した;(6)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(7)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った;(8)臨床検査室、薬物動態、抗薬物抗体、バイオマーカーセットAおよび血清中総IgEのために採血をおこなった;(9)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(10)自己注射および投与に関する指示事項を概説し、患者に(自己注射)在宅投与日記を分配した;(11)IMP(mAb1)を調剤し、投与した;(12)ICS/LABAの安定用量を継続し、電子日記に毎日の使用量を記録するように患者を注意喚起した;および(13)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した。
同じ手順を来院10(第20週)に行ったが、ただし、次回の訪問のために、スクリーニング期間中に使用したICS/LABAの安定用量を継続すること、次回の来院は絶食状態で来ること、および次回の訪問前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えることを患者に注意喚起した。
以下の手順を来院11(第24週/処置終了来院)に行った:(1)IMP(mAb1)の順守をチェックした;すべての併用薬使用を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)患者の在宅投与日記を内容および完全性について再調査した;(3)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(4)理学的検査を行った;(5)ACQ-5およびAQLQを施行した;(6)SNOT-22を施行した;(7)HADSおよびEQ-5D-3LまたはEQ-5D-5L質問票を施行した;(8)医療資源活用質問票を施行した;(9)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(1
0)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った;(11)12リード心電図検査(ECG)を行った;(13)臨床検査室、薬物動態、抗薬物抗体、バイオマーカーセットA、ペリオスチン、バイオマーカーセットB、アーカイブ血清試料、および血清中総IgEのために(空腹時)採血を行った;(14)血清免疫グロブリン電気泳動(IgG、IgGサブクラス1~4、IgMおよびIgA)のために血液試料を採取した;(15)尿検査(尿試験紙)のために尿を採取した;(16)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するようにおよび毎日の使用量をその電子日記に記録するように患者に注意喚起した;(17)ICS/LABAの安定用量を継続し、電子日記に毎日の使用量を記録するように患者を注意喚起した;(18)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した;および(19)IVRS/IWRSをコールしてEOT(処置終了)日を登録した。
来院12、13および14(第28、32および36週処置後期間)の各々に以下のことを行った:(1)すべての併用薬使用を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)ACQ-5を施行した;(4)医療資源活用質問票を施行した;(5)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(6)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った;(7)薬物動態、バイオマーカーセットAのために採血を行った;(8)来院13については、血清中総IgEを行った;(9)電子日記/PEFメーターをダウンロードし、そのデバイスを次回の来院に持参するように患者に注意喚起した;(10)無作為化処置期間にわたって維持されたICS/LABAの安定用量を(医学的判断に基づいて処置が変更されない限り)継続するように、および毎日の使用量を電子日記に記録するように、を患者に注意喚起した;(11)次回の来院の予約スケジュールを組み、次回の来院前、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控えるように、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えるように、患者に注意喚起した;および(12)来院14について、来院は絶食状態で来るように患者に注意喚起した。
以下の手順を来院15(第40週研究終了来院)に行った:(1)すべての併用薬使用を記録した;AE/SAEおよびバックグラウンド喘息治療忍容性について尋ねた;(2)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温、体重)を測定した;(3)理学的検査を行った;(4)ACQ-5を施行した;(5)SNOT-22を施行した;(6)医療資源活用質問票を施行した;(7)呼気一酸化窒素を測定し、呼気一酸化窒素評価は、肺活量測定前かつ1時間以上の絶食後に行った;(8)肺活量測定を行い、肺活量測定は、午前6~10時の間に、サルブタモール/アルブテロールまたはレボサルブタモール/レブアルブテロールの最終用量を6時間控え、かつICS/LABAの最終用量を12時間控えた後、治験薬の投与前に行った;(9)12リード心電図検査(ECG)を行った;(10)(空腹時)臨床検査室、薬物動態、抗薬物抗体、バイオマーカーセットA、血清中総IgE、ペリオスチンおよびバイオマーカーセットBのために採血をおこなった;(11)血清免疫グロブリン電気泳動(IgG、IgGサブクラス1~4、IgMおよびIgA)のために血液試料を採取した;(12)電子日記/PEFメーターをダウンロードした;および(13)IVRS/IWRSをコールしてEOS(研究終了)日を登録した。
研究参加者ベースラインバイオマーカー値は、次の通りであった(表3):
G.投薬量および継続期間
処置曝露の要約を表4に提供する。処置に対する累積処置曝露は、プラセボおよびデュピルマブ処置アーム全般にわたって、61.4~65.3患者・年であった。研究処置の平均継続期間は、5つの処置群において146,4日~151.7日の範囲であった。
H.効能
主要効能評価項目
主要解析では、デュピルマブ処置群とプラセボ群と比較した。主要効能評価項目は、HEos ITT集団に関するベースラインから第12週までのFEV1の変化であった。混合効果モデルによる反復測定値の解析(MMRM)アプローチを用いて主要効能変数を解析した。中間解析中に行った第12週におけるベースラインからのFEV1の絶対変化についての評価が主要評価項目の最終解析であった。
図3は、HEos ITT集団についての経時的なFEV1の最小二乗(LS)平均変化を表す。第12週におけるベースラインからのFEV1のLS平均変化は、プラセボ群では0.18Lであり、4つのデュピルマブ処置アームでは0.26L(200mg q4w用量)~0.43(200mg q2w用量)の範囲であった(表5)。デュピルマブとプラセボ間のLS平均差は、0.08L(200mg q4w)、0.017L(300mg q4w)、0.25L(200mg q2w)および0.20L(300mg
q2w)であった。プラセボと比較したときのLS平均差は、300mg q4w(p=0.024)、200mg q2w(p=0.0009)、300mg q2w用量(p=0.0073)について統計的に有意であった。統計的有意性は、最低用量(200mg q4w;p=0.2966)については達成されなかった。ITT集団に関するベースラインから第12週までのFEV1の変化を解析して、全研究集団についてFEV1に対するデュピルマブの処置効果を判定した。
図4は、ITT集団についての経時的なFEV1のLS平均変化を表す。ITT集団についてのベースラインから第12週までのFEV1のLS平均変化は、プラセボ群では0.12Lであり、4つのデュピルマブ処置アームでは0.21L(200mg q4w用量)~0.31L(200mg q2w用量)の範囲であった(表6)。デュピルマブとプラセボ間のLS平均差は、0.09L(200mg q4w)、0.012L(300mg q4w)、0.19L(200mg q2w)および0.16L(300mg q2w)であった。プラセボと比較したときのLS平均差は、すべてのデュピルマブ用量について統計的に有意であった。
主要評価項目、すなわち、HEos ITT集団に関するベースラインから第12週までのFEV1の変化について、次の2セットの感度解析を行った:1)感度解析1は、主統計モデルと同じであったが、すべてのFEV1測定値を含んだ(すなわち、主要評価項目解析について行ったのと同様、全身性コルチコステロイド開始日から+30日、いずれのFEV1測定値も打ち切らなかった);2)感度解析2は、主統計モデルと同じであったが、全身性コルチコステロイド使用初日以降に収集したすべてのFEV1測定を除外した。両方の感度解析(表7および表8)は、上に提供した主要評価項目解析に好適に匹敵した。
ベースラインから第12週までのFEV1の変化をITT集団において好酸球カテゴリーごとに解析して、低いベースライン末梢血中好酸球数を有する患者から高いベースライ
ン末梢血中好酸球数を有する患者までの範囲にわたってFEV1に対するデュピルマブの処置効果を判定した(表9)。末梢血中好酸球数の患者カテゴリーが≧0から≧0.300に増すにつれて、一般に、FEV1反応のベースラインからの変化は、プラセボを含むすべての処置群において多少増加した(図5)。
I.処置期間中の重度増悪事象の年率
処置期間中のHEos ITT集団に関する(データカットオフ日までのすべての事象を含む)重度増悪事象の累積数を図6に処置アームごとに示す。負の2項回帰モデルを用いて重度喘息増悪事象の年率を解析した。24週間の処置期間中、重度増悪事象≧1であるHEos ITT集団の患者数は、プラセボ群では患者16名、デュピルマブ200mg q4w、200mg q2w、300mg q2wおよび300mg q2w群ではそれぞれ患者5、5、7および10名であった(表10)。調整済み年換算での重症増悪事象率に基づく重度喘息増悪についてのプラセボと比較した相対リスクは、0.257(200mg q4w)、0.739(300mg q4w)、0.356(200mg q2w)および0.254(300mg q2w)であった。300mg q4w用量を除くすべてのデュピルマブ用量について統計的有意性(多重度について未調整)が実証された。
ITT集団に関する重度喘息増悪事象の年率を解析した。処置期間中のITT集団に関する重度増悪事象の累積数を図7に処置アームごとに示す。HEos ITT集団解析と同様に、24週間の処置期間中、デュピルマブを用いている患者のほうが重度増悪事象を経験した患者数が少なく(表11)、調整済み年換算での重度増悪事象率に基づく重度喘息増悪についてのプラセボと比較した相対リスクは低減された。300mg q4w用量を除くすべてのデュピルマブ用量について統計的有意性が実証された。
重度喘息増悪の年率をITT集団において好酸球カテゴリーごとに解析して、低いベースライン末梢血中好酸球数を有する患者から高いベースライン末梢血中好酸球数を有する患者までの範囲にわたって重度増悪率に対するデュピルマブの処置効果を判定した(表12)。図8に示されているように、末梢血中好酸球数の患者カテゴリーが≧0から≧300に増すにつれて、プラセボと比較した調整済み年換算での重度像素事象率は、デュピルマブ処置患者において好酸球カテゴリーに関係なく低減された。プラセボ群において、好酸球数が0.250未満である患者は、好酸球数≧0.250であるプラセボ患者と比較して高い重度増悪率を経験した。
J.ベースラインから第12週までのFEV1の相対変化(%)
HEos ITT集団に関するFEV1のベースラインからのパーセント変化を第12週に解析した。図9は、FEV1のベースラインから第12週までのLS平均パーセント変化を示す。ベースラインから第12週までのFEV1のLS平均パーセント変化は、プラセボ群では10.44%であり、4つのデュピルマブ処置アームでは17.98%(200mg q4w用量)~25.92%(200mg q2w用量)の範囲であった(表13)。デュピルマブとプラセボ間のLS平均差は、7.54%(200mg q4w)、11.14%(300mg q4w)、15.48%(200mg q2w)および15.37%(300mg q2w)であった。プラセボと比較したときのLS平均差は、300mg q4w、200mg q2w、および300mg q2w用量について統計的に有意であった。最低用量(200mg q4w)については統計的有意性が示されなかった。
各増悪エピソードについての全身性コルチコステロイド開始日から全身性コルチコステロイド終了日+30日までに収集したFEV1は、全身性コルチコステロイドの交絡効果を低減させるために除外した。
K.処置期間中の喘息管理喪失(LOAC)事象の年率
図10は、24週間を通してLOAC事象数の累積平均分率の変化を処置アームごとに表す。24週間の処置期間中、LOAC事象≧1であるHEos ITT集団の患者数は、プラセボ群では患者23名、デュピルマブ200mg q4w、300mg q4w、200mg q2wおよび300mg q2w群ではそれぞれ患者6、12、7および10名であった(表14)。調整済み年換算でのLOAC象率に基づくLOACについてのプラセボと比較した相対リスクは、0.232(200mg q4w)、0.626(3
00mg q4w)、0.413(200mg q2w)および0.311(300mg
q2w)であった。300mg q4w用量を除くすべてのデュピルマブ用量について統計的有意性が実証された。
L.処置期間中の喘息管理喪失事象および重度増悪事象までの時間
処置期間中のHEos ITT集団に関する初回LOAC事象までの時間および初回重
度増悪事象までの時間をそれぞれ図11および図12に処置アームごとに示す。これら2つのカプラン・マイヤープロットは、初回重度増悪事象までの時間および初回LOAC事象までの時間について匹敵する結果を示す。すべてのデュピルマブ群は、事象発生遅延を明示した。
M.血清胸腺および活性化制御ケモカイン
デュピルマブ処置は、(ベースラインと比較して)平均血清TARC濃度の顕著な低下に関連していた(図13および図14)。第4週までにほぼ最大の効果に達し、この効果は4種の用量レジメンすべてについて同様であった。この効果は、2つのq4wレジメンで処置したHEos ITT集団に関する効果の部分的喪失を除き、維持された。血清TARCは、プラセボ群では時間が経つにつれて徐々に増加した。
N.血漿エオタキシン-3
血漿エオタキシン-3の平均濃度は、4つのデュピルマブレジメン全てに関して低下し、ほぼ最大の効果が処置4~8週までに観察されたが、プラセボを受けた患者では血漿エオタキシン-3の増加が観察された(図15および図16)。血漿エオタキシン-3の平均パーセント増加は用量依存性を示し、200mg q4w群での効果は、より小さかった。3つのより高い用量レジメン間の区別はあまり明確でなかった。エオタキシン-3の群平均パーセント減少は、ITT集団で観察されたものよりHEos ITT集団におけるほうが一般に大きかった。
O.呼気一酸化窒素濃度
呼気一酸化窒素濃度値を患者の約半数に関してベースラインで評価し(健常者上限(upper norm)25ppbに対して中央値28ppb)、呼気一酸化窒素濃度値はHEos ITT集団におけるほうが高かった(中央値40ppb)。群平均FeNO値は、すべてのデュピルマブ用量レジメンに関してほぼ用量依存的に低下し、4週間の処置によって最大効果が達成された(図17および図18)。2つのq2w用量レジメンで観察されたより大きい効果は、デュピルマブ処置を通して維持された。
〔実施例3〕部分群解析
中等度の血中Eosを有する集団についてFEV1値を判定した(表15)。図19は、これらの結果をグラフで示すものである。
低い血中Eosを有する集団についてFEV1値を判定した(表16)。図20は、これらの結果をグラフで示すものである。
ベースラインFEV1の経時変化の解析をITT集団について行った(表17)。
中等度の血中Eosを有するITT集団に関する重度増悪事象数の解析を行った(表18)。図21は、これらの結果をグラフで示すものである。
低い血中Eosを有するITT集団に関する重度増悪事象数の解析を行った(表19)。図22は、これらの結果をグラフで示すものである。
最もよく見られた有害事象は注射部位反応であり、これは、プラセボ(12パーセント)と比較して4つのデュピルマブ用量群におけるほうが高頻度であった(13~25パーセント)。本研究においてよく見られた他の有害事象としては、上気道感染症(デュピルマブ 10~13パーセント;プラセボ 13パーセント)、頭痛(デュピルマブ 5~10パーセント;プラセボ 8パーセント)、上咽頭炎(デュピルマブ 3~10パーセント;プラセボ 6パーセント)および気管支炎(デュピルマブ 5~8パーセント;プラセボ 8パーセント)が挙げられた。感染症の発生率は、処置群全般にわたって均衡がとれており(デュピルマブ 42~45パーセント;プラセボ 46パーセント)、重篤な有害事象の発生率も同様であった(デュピルマブ 3~7パーセント;プラセボ 5パーセント)。
P.患者報告アウトカム中間解析
ACQ
患者報告アウトカム(PRO)データを得た。図57および58は、喘息管理質問票(ACQ)の結果を示す。効果は、12週間で安定化されなかった。ITT集団(-0.46(-0.79,-0.12))と比較して高い処置効果が高好酸球(HEos)集団について観察された(図57)。最初の2つのドメイン(覚醒、朝の症状)は、プラセボ(PBO)に対してかなり有意であった。
AQLQ
喘息生活の質質問票(AQLQ)データを得た(図59および60)。結果は、デュピルマブ(DUPI)がすべてのドメインにおいてプラセボ(PBO)より優れていることを示した。
EQ5D-5L
欧州生活の質5項目-5L(EQ5D-5L)データを得た(図61および62)。有意な効果がHEos集団で観察された(0.10(0.04,0.16))。
HADS
病院不安およびうつスコア(HADS)データを得た(図63~66)。HEos集団において統計的に有意な効果が、不安(-1.54(-2.58,-0.50))についても、うつ(-1.88(-2.88,-0.88))についても、観察された。不安は、ベースラインでは、うつより大きな影響を受けた。不安と比較してうつについてのほうが高い治療効果が観察された。HADS全体について、有意な向上がHEos集団で観察された(-3.47(-5.29,-1.65))。
ベースラインでは、300mg q2wアームは、他の処置アームと比較して大きく悪化された。
患者は、うつ環境でのほうが不安ドメインより大きく悪化された。第12週において、200mg q4w、200mg q2w、および300mg q2wアームは、プラセボと比較して高い有意性を明示し、異なる処置アーム間で向上された。同じ傾向が各々のサブスコアで観察された。HADS不安は、変化については同じ傾向を明示したが、アーム1は、プラセボと比較して(レスポンダープロファイルに関する解析に基づき)最高の応答リスクを明示した。HADSうつは、変化については同じ傾向を明示したが、アーム1は、プラセボと比較して(レスポンダープロファイルに関する解析に基づき)最高の応答リスクを明示した。レスポンダー:ORは、応答に関してプラセボに対して処置の有意なリスクを明示した(アーム1、3、4)。このリスクは、アーム3では改善された(OR 200mg q2w=4.61)レスポンダー(%):プラセボ(39.7%)対200mg q2w(66.2%)(図65)。
ベースラインでは、300mg q2wアームは、(うつを除いて)他の処置アームと比較して大きく悪化された。患者は、不安ドメインでよりうつ環境でのほうが大きく悪化された。第12週において、200mg q2wのみが、プラセボと比較して有意な効果を明示し、この効果は、異なる処置アーム間で向上された。異なる傾向が各々のサブスコアで観察された。HADS不安-プラセボに対して有意な影響は観察されなかった;HADSうつ-アーム3および4は有意であった。(図66)。
SNOT-22
副鼻腔アウトカムテスト-22(SNOT-22)データを得た(図67および68)。結果は、デュピルマブ(DUPI)がプラセボ(PBO)より優れていること(図67)、鼻スコアが処置効果を推進すること、ならびにDUPIが鼻スコア、睡眠スコアおよび一般スコアに関してPBOより優れていることを示した。
NRS
そう痒数値評価スケール(NRS)データを得た(図69)。
〔実施例3〕結果の要約
全体として、高い効能がデュピルマブで実証され、結果として、増悪が低減され、肺機能が向上され、喘息管理が向上された。デュピルマブは、非常によく忍容された(表20
)。デュピルマブは、鼻スコア、睡眠スコアおよび一般スコアに関してプラセボより優れていた。安全性プロファイルは、以前の研究での観察と一致した。用量反応が観察され、隔週レジメンが優れていた。注射部位反応についてはデュピルマブとプラセボ間に用量依存性不均衡があったが、上咽頭炎に関しては他の治療で以前に観察されたように不均衡はなかった。全集団にわたって効能が観察された。これは、バイオマーカーを要さずに、治療に反応するであろう1つまたはそれ以上の部分集団間を区別することができることを示す。重要なこととして、出願時に当技術分野において公知であった他の治療の効能と比較して顕著な効能がITT集団において実証された。出願時に当技術分野において公知であったバイオマーカーリッチ集団に対する他の治療の効能と比較して、匹敵するまたは優れた効能がバイオマーカーリッチ集団において観察された。
標準治療療法と併用でのデュピルマブの最高3用量は、高血中好酸球(細胞300個/μL以上)の患者において、標準治療療法と併用でのプラセボと比較して、第12週にFEV1のベースラインからの統計的に有意な改善という主要評価項目を満たした。加えて、2つの最高デュピルマブ用量は、高好酸球好酸球集団においても、全研究集団においても、FEV1の平均パーセント変化の統計的に有意な改善はもちろん、重度増悪の低減も示した。
高好酸球患者群に関して:
本研究の主要(および副次)評価項目である、第12週におけるFEV1のベースラインからの平均改善(およびFEV1の平均パーセント変化)は、次の通りであった:390ml(26パーセント) デュピルマブ300mg Q2W;430ml(26パーセント) デュピルマブ200mg Q2W;180ml(10パーセント) プラセボ。(p 0.01未満)。
全集団に関して:
第12週におけるFEV1のベースラインからの平均改善(およびFEV1の平均パーセント変化)は、次の通りであった:280ml(18パーセント) デュピルマブ300mg Q2W;310ml(18パーセント) デュピルマブ200mg Q2W;120ml(6パーセント) プラセボ。(p 0.001未満)。
高好酸球患者群と全患者群の両方に関して:
デュピルマブは、プラセボと比較して重度増悪の調整済み年率の低減(64~75パーセント低減、高好酸球群についてはp 0.05未満、および全集団についてはp 0.01未満)を示した。
これらの結果は、すべての患者が24週処置期間の第12週に達したときに行った、予め指定された中間解析に基づいた。この解析の時点での平均処置継続期間は、21.5週間であった。
ラベル
デュピルマブを持続型喘息処置のために中~高用量吸入コルチコステロイド(ICS)および第2の長期管理薬への追加処置剤として成人および青年(年齢12歳以上)に指示する。