以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
以下では、トナー残量検出装置200を備える画像形成装置100を例にして、実施形態を説明する。
<画像形成装置100の構成例>
図1は、画像形成装置100の構成の一例を説明する図である。図1に示すように、画像形成装置100は、トナー容器収容部70と、中間転写ユニット15と、作像部6と、トナー補給部60とを有する。トナー容器収容部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32(Y,M,C,K)が着脱可能(交換可能)に設置されている。
図1において、トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット15が設けられている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色に対応した作像部6(Y,M,C,K)が並列して配置されている。
また、トナー容器32(Y,M,C,K)の下方には、それぞれ、トナー補給部60(Y,M,C,K)が設けられている。そして、トナー容器32(Y,M,C,K)に収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給部60(Y,M,C,K)によって、作像部6(Y,M,C,K)の現像部5内に供給(補給)される。
各色に対応した4つのトナー容器32(Y,M,C,K)、作像部(Y,M,C,K)及びトナー補給部60(Y,M,C,K)は、使用するトナーの色が異なる点以外は同様の構成となっている。そのため、以下の説明及び図面では、使用するトナーの色を示す「Y」、「M」、「C」、「K」という添字は適宜省略して説明する。
図2は、4つの作像部6のうちの1つの構成の一例を説明する図である。
作像部6は、感光体1と、感光体1の周囲に設けられた帯電部4と、現像部5と、クリーニング部2と、除電部とを有する。そして、感光体1上で、作像プロセス、すなわち帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程が行われて、感光体1上に各色の画像が形成される。
感光体1は、駆動モータによって図2の感光体1に示した矢印の方向(時計周り方向)に回転駆動する。そして、帯電部4の位置で、感光体1の表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体1の表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体1の表面は、現像部5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体1の表面は、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラ9と対向する一次転写部で、感光体1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(一次転写工程)。各色の感光体1上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写することで、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
一次転写部を通過した感光体1の表面上には、僅かながら未転写トナーが残存する。その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、感光体1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体1の表面は、除電部との対向位置に達して感光体1上の残留電位が除去される。
中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8と、4つの一次転写ローラ9(Y,M,C,K)と、二次転写バックアップローラ12と、複数のテンションローラと、中間転写クリーニング部とを有する。中間転写ベルト8は、複数の張架ローラによって張架され、支持されるとともに、ローラ部材のうちの二次転写バックアップローラ12の回転駆動によって、図1の中間転写ベルト8に示した矢印の方向(反時計周り方向)に無端移動する。4つの一次転写ローラ9(Y,M,C,K)は、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体1(Y,M,C,K)との間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。
そして、一次転写ローラ9(Y,M,C,K)に、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。中間転写ベルト8は、図1の中間転写ベルト8に示した矢印の方向に走行して、それぞれの一次転写ローラ9(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体1(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねられ、一次転写される。
各色のトナー像が重ねられ、一次転写された中間転写ベルト8は、二次転写ローラ19と対向する二次転写部に達する。二次転写部では、二次転写バックアップローラ12と二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップが形成されている。中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に二次転写される。
このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部の位置に達し、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
二次転写ニップの位置に搬送される記録媒体Pは、画像形成装置100の下方に設けられた給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計周り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップで一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが二次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
二次転写ニップでカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置100における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部における現像部の構成及び動作について、さらに詳しく説明する。
現像部5は、図2に示すように、ドラム状の感光体1に対向する現像ローラ51と、現像ローラ51に対向するドクターブレード52と、第一現像剤収容部53及び第二現像剤収容部54内に設けられた二つの搬送スクリュー55とを有する。また、第一現像剤収容部53の現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサ56を有する。
現像ローラ51は、内部に固定されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成されている。現像剤収容部(53,54)内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54は、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64に連通している。
現像ローラ51のスリーブは、図2で現像ローラ51に示した矢印の方向(反時計周り方向)に回転駆動する。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転に伴い現像ローラ51上を移動する。
現像部5内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。現像部5内のトナー消費に応じて、トナー容器32に収容されているトナーが、トナー補給部60を介して第二現像剤収容部54内に補給される。トナー補給部60の構成、動作については、後で詳しく説明する。
第二現像剤収容部54内に補給されたトナーは、搬送スクリュー55によって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、二つの現像剤収容部(53,54)を循環する。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、図2で現像ローラ51に示した矢印の方向に搬送されて、ドクターブレード52の位置に達する。
そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体1との対向位置(現像領域)まで搬送され、現像領域に形成された電界によって感光体1上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51上に残った現像剤Gはスリーブの回転に伴い第一現像剤収容部53の上方に達して、この位置で現像ローラ51から離脱される。
次に、トナー補給部60及びトナー容器32について詳述する。
図3は、4つのトナー補給部60のうちの1つの構成の一例を説明する図である。また、図4は、図3のA-A断面図であり、図5は、トナー容器収容部70にトナー容器32(Y,M,C,K)が設置された状態の一例を説明する斜視図である。
画像形成装置100のトナー容器収容部70(図1参照)に設置されたトナー容器32内のトナーは、各色の現像部5内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給部60によって適宜に各色の現像部5内に補給される。
画像形成装置100本体のトナー容器収容部70に対して、トナー容器32を図5中の矢印「Q」の方向へ移動することで、トナー容器収容部70にトナー容器32を装着することができる。
トナー容器32は、図4に示す2つのガイド部72に支持されている。トナー容器32は、略円筒状のトナーボトルであって、図3に示すように、トナー容器収容部70に非回転で保持されるキャップ34と、ギヤ33cが一体的に形成された容器本体33と、を有する。
容器本体33は、キャップ34に対して相対的に回転可能に保持され、ギヤ33cがトナー補給部60の駆動出力ギヤ81とかみ合うことができるようになっている。駆動モータ91が駆動出力ギヤ81を回転させることにより、容器本体33のギヤ33cに駆動力が伝達され、ガイド部72(図5参照)に外周面がガイドされながら、容器本体33は回転駆動することができる。
容器本体33が回転することで、容器本体33の内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起331によって、容器本体33の内部に収容されたトナーが容器本体33の長手方向に沿って図3中の左側から右側へ搬送される。
搬送されたトナーは、トナー容器32から排出され、トナー補給部60のホッパ部61内に供給される。すなわち、駆動モータ91によってトナー容器32の容器本体33が適宜に回転駆動されることで、ホッパ部61にトナーが適宜に供給される。各色のトナー容器32(Y,M,C,K)は、それぞれ、寿命に達した時、例えば収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になった時に、新品のものに交換される。
図3に示すように、トナー補給部60は、ホッパ部61と、トナー搬送スクリュー62と、駆動モータ91とを有する。ホッパ部61には、トナー容器32から供給されたトナーが貯留されており、トナー搬送スクリュー62が設けられている。
トナー濃度検知センサ56(図2参照)の検知結果に基づいて現像部5内のトナー濃度が低下したことを制御部が検知すると、トナー補給部60は、トナー搬送スクリュー62を所定時間回転させて現像部5Yへのトナー補給を行う。トナー搬送スクリュー62を回転してトナーの補給を行うるため、トナー搬送スクリュー62の回転数を検出することにより、現像部5へのトナー供給量を精度良く算出することもできる。
ホッパ部61の壁面には、ホッパ部61に貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサが設置されている。トナーエンドセンサとしては、圧電センサ等を用いることができる。トナーエンドセンサによってホッパ部61に貯留されたトナーが所定量以下になったことが検知(トナーエンド検知)されると、駆動モータ91が駆動する。そして、トナー容器32の容器本体33を所定時間回転駆動してホッパ部61へのトナー補給を行う。
実施形態では、ホッパ部61を設けて、トナー容器32から排出されたトナーを一時貯留しているが、トナー容器32から排出されたトナーを、ダイレクトに現像部5へ供給してもよい。
ここで、従来からトナー容器32のトナー残量を予測しユーザに通知等を行うものが知られている。トナー容器32のトナー残量を予測する方法としては、トナー搬送スクリュー62の累積駆動時間から予測する方法がある。トナー搬送スクリュー62のトナー搬送量はほぼ回転角度(回転時間)に比例するため、トナー搬送スクリュー62の総回転時間を記録していけばトナーの使用量が分かり、トナー容器32の初期充填量から減算すれば、トナー残量が分かる。しかしながら、トナー搬送スクリュー62の搬送量は、環境、駆動時間、補給頻度(補給間隔)等によってばらつくため、トナー残量予測もばらつきが大きい。
また、別のトナー容器32のトナー残量を予測する方法としては、出力画像パターンにより予測する方法がある。プリント出力される画像に対して使用するトナー量(画像面積当たりの感光体に付着するトナーはほぼ一定)は算出可能であるため、累積の画像面積が分かれば使用トナー量が分かる。この方法においても、感光体に付着するトナーが種々の誤差によってばらつくため正確なトナー残量の把握は難しい。
<トナー残量検出装置200の構成例>
実施形態では、図3及び図4に示すように、トナー容器32の外側から平行平板電極65及び66で挟む構成とし、平行平板電極65及び66でトナー容器32のほぼ全体を覆うようにしている。具体的には、平行平板電極65及び66の短手方向長さ(図4の左右方向の長さ)は、トナー容器32の直径よりも長くなっており、平行平板電極65及び66の長手方向長さ(図3の左右方向長さ)は、トナー容器の長さの半分以上になっている。
平行平板電極65は、トナー容器32の上方からトナー容器32と対向する画像形成装置100の上壁面67に両面テープ等で固定されている。また、平行平板電極66は、トナー容器32の下方からトナー容器32と対向する画像形成装置100の下壁面68に両面テープ等で固定されている。平行平板電極65及び66は、任意の導電性部材でよく実施形態では鉄製の板材である。
平行平板電極65及び66の大きさは同一である。平行平板電極65及び66の大きさを同一にすることで、平行平板電極間の電気力線の密度がばらつくのを抑制することができ、トナー容器32のトナーの偏在によって、同一のトナー量でも静電容量が異なるのを抑制することができる。
図3に示すように、実施形態に係るトナー残量検出装置200は、平行平板電極65及び66と、静電容量検出回路111と、制御部250とを有する。
平行平板電極65及び66は、それぞれ静電容量検出回路111に電気的に接続されている。静電容量検出回路111から一対の平行平板電極65及び66に電力が印加されることで、平行平板電極間の静電容量が検出される。
静電容量の検出方法は一般的な方法でよく、実施形態では充電法(定電圧または定電流を電極間に印加し、充電到達ポイントの時間と電圧または電流の関係から静電容量を検出する)により静電容量が検出される。静電容量検出回路111は、検出した静電容量値を示す信号を制御部250に出力する。
検出される静電容量は平行平板電極65及び66間の誘電率により変化する。トナーは、空気よりも誘電率が高いため、平行平板電極間の電界の範囲のトナー量によって誘電率が変化する。そのため、外側から平行平板電極65及び66により挟まれたトナー容器32内のトナー残量によって静電容量が変化する。
従って、制御部250は、静電容量検出回路111で検出された静電容量に基づき、予め取得された静電容量とトナー残量との関係を示す検量線を参照してトナー容器内32のトナー残量を取得することができる。なお、制御部250の機能構成の詳細は後述する。
ここで、図6は、検量線の一例を説明する図である。図6の横軸はトナー残量を示し、縦軸は静電容量を示している。トナー残量検出装置200は、検量線201を取得する際、トナー容器32が空の時、すなわちトナー容器32内のトナー残量がゼロの時の静電容量C1と、トナー容器32が満杯の時の静電容量C2を、それぞれ検出する。そして、静電容量C1及びC2を含む一次式を求め、一次式に従って静電容量とトナー残量とを対応付けることで、検量線201を取得することができる。
但し、検量線201を取得する際のトナー残量の状態は、トナー容器32が空の時と満杯の時に限られるものではない。トナー容器32内のトナー残量が2以上の既知の状態での静電容量から検量線201を取得してもよい。
<制御部250のハードウェア構成例>
図7は、実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
制御部250は、CPU(Central Processing Unit)251と、ROM(Read Only Memory)252と、RAM(Random Access Memory)253とを有する。それぞれは図示を省略するシステムバスを介して電気的に接続されている。
CPU251は、トナー残量検出装置200の全体を制御し、ROM252に記憶された制御プログラム等に基づいて、システムバスに接続される各種デバイスに対するアクセスを統括的に制御する。CPU251は、RAM253を作業領域としてROM252に記憶されている制御プログラムを実行することで、後述する各種機能を実現できる。
ROM252は、読み出し専用の不揮発性メモリであり、CPU251によって使用される制御プログラムや制御用データ等が格納される。また、ROM252は、制御プログラムが利用するトナー残量検出装置に関する情報を格納している。
RAM253は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性のメモリであり、記録データの展開や環境データの格納に用いられるワークフレームメモリとして利用される。
CPU251は、画像形成装置100に備えられた操作パネル254との間でデータ交換できる。操作パネル254は、表示部及び入力部を備え、ユーザインタフェースとして機能する。CPU251は、静電容量検出回路111で検出した結果を操作パネル254に表示させ、また、所定の条件下でトナーの発注指示や交換指示を表示させることができる。
CPU251は、静電容量検出回路111との間で信号やデータを交換できる。また、CPU251は、Host PC(Personal Computer)255との間で信号やデータを交換できる。
なお、CPU251等により実現される後述の各種機能は、ASIC(application specific integrated circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよい。
<制御部250の機能構成例>
図8は、制御部250の機能構成の一例を説明するブロック図である。図8に示すように、制御部250は、静電容量入力部256と、検量線記憶部257と、トナー残量検出値取得部258と、出力部259とを有する。
静電容量入力部256は、静電容量の検出値を示す信号を入力し、トナー残量検出値取得部258に出力する。ROM252等で実現される検量線記憶部257は、予め取得された検量線のデータを記憶する。
トナー残量検出値取得部258は、静電容量入力部256から入力した静電容量の検出値に基づき、検量線記憶部257が記憶する検量線のデータを参照してトナー残量の検出値を取得する。トナー残量検出値取得部258は、取得したトナー残量の検出値を出力部259に出力する。出力部259は、入力したトナー残量の検出値を、画像形成装置100の操作パネル254に出力する。操作パネル254の備える表示部2541には、トナー残量の検出値が表示される。
<制御部250による処理例>
次に、制御部250による処理について説明する。図9は、制御部250による処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS91において、静電容量入力部256は、静電容量検出回路111から静電容量の検出値信号を入力し、該検出値をトナー残量検出値取得部258に出力する。
続いて、ステップS92において、トナー残量検出値取得部258は、入力した静電容量検出値に基づき、検量線記憶部257を参照してトナー残量の検出値を取得し、トナー残量の検出値を出力部259に出力する。
続いて、ステップS93において、出力部259は、入力したトナー残量の検出値を操作パネル254の表示部2541に出力する。
続いて、ステップS94において、表示部2541は、入力したトナー残量値を表示する。
このようにして、トナー残量検出装置200は、トナー残量を検出し、表示部2541に検出値を表示させることができる。なお、実施形態では、画像形成装置100の操作パネル254が表示部2541を備える例を示したが、制御部250が表示部2541を備えてもよいし、表示部2541の機能を備える表示装置を別途設けてもよい。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態に係るトナー残量検出装置200aについて説明する。
実施形態に係るトナー残量検出装置200では、上述したように、平行平板電極65及び66の短手方向長さはトナー容器32の直径よりも長く、平行平板電極65及び66の長手方向長さはトナー容器32の長さの半分以上である。また、平行平板電極65及び66間に介在する全ての物体の静電容量が検出され、トナー容器32や空気等のトナー以外の静電容量も検出される。
上述したように、トナー容器32が空の状態と満杯の状態での静電容量に基づく検量線を用いることで、トナー以外の静電容量の影響を低減できる。しかし、トナー容器32内のトナー残量が少なくなると、空気の量が相対的に大きくなることに起因して、トナー残量の検出ばらつきが大きくなる場合があった。
そのため、本実施形態では、トナー容器32の一部を挟んで配置された2つの電極を備え、電極間の静電容量値に基づいてトナー容器32内のトナー残量を検出する。例えば、上記のトナー容器32の一部は、重力方向におけるトナー容器32の高さの半分以下に該当する部分であって、トナー容器32の長手方向が水平方向に沿った状態におけるトナー容器32の端部に設けられた排出部35側の部分である。
このようにすることで、トナー残量が少なくなり、重力方向におけるトナー容器32内の低い部分で、トナー容器32の排出部35側の部分にトナーが溜った場合にも、トナー残量を正確に検出する。
<トナー残量検出装置200aの構成例>
トナー残量検出装置200aの構成について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、画像形成装置100aに備えられたトナー残量検出装置200aの構成の一例を示す図であり、図11は、図10のB-B断面図である。
図10及び図11に示すように、トナー残量検出装置200aは、平行平板電極65a及び66aを有する。図10では、斜線ハッチングで示した部分が平行平板電極65aに該当する。また、図10及び図11では、梨地ハッチングで示した部分は、トナーTを示している。ここで、平行平板電極65a及び66aは、「2つの電極」の一例である。
平行平板電極65a及び66aは、トナー容器32の一部を外側から挟んでいる。具体的には、平行平板電極65a及び66aは、重力方向(図10中の上下方向)におけるトナー容器32の高さの半分以下に該当する部分であって、トナー容器32の長手方向が水平方向(図10中の左右方向)に沿った状態でのトナー容器32の長手方向の一部を外側から挟むように設けられている。
平行平板電極65aは、トナー容器32の側方からトナー容器32と対向する画像形成装置100aの側壁面(図示を省略)に両面テープ等で固定されている。また、平行平板電極66aは、平行平板電極65aが固定された側壁面とは反対側の側壁面(図示を省略)に両面テープ等で固定されている。
平行平板電極のサイズ、及び固定されている位置を除き、平行平板電極65aの機能は平行平板電極65と同様であり、また、平行平板電極66aの機能は平行平板電極66と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
<トナー残量検出装置200aによる検出例>
図10及び図11に示すように、トナー残量が少なくなると、トナー容器32内のトナーTは、重力に従ってトナー容器32の底部分に溜る。また、トナーTは、トナー容器32の排出部35(図10)から現像装置に向けて排出されるため、トナー残量が少なくなると、排出部35付近に溜る。
従って、平行平板電極65a及び66aを、図10及び図11に示すように配置することで、少量になったトナーTの周辺のみを平行平板電極65a及び66aで挟むことができ、空気等のトナー以外の静電容量を検出することを抑えることができる。
ここで、図12は、少量のトナーTの静電容量検出値の一例を説明する図である。図12は、平行平板電極65a及び66aによる静電容量検出値におけるトナーT、トナー容器32及び空気のそれぞれの静電容量検出値の割合を示している。横軸は割合(%)である。
斜線ハッチングで示した部分はトナーTの静電容量検出値の割合を示し、梨地ハッチングで示した部分はトナー容器32の静電容量検出値の割合を示し、格子ハッチングで示した部分は空気の静電容量検出値の割合を示している。
グラフ121は、上述した実施形態に係るトナー残量検出装置200でトナー容器32の全体を平行平板電極65及び66で挟んだ場合の静電容量検出値を示している。また、グラフ122は、本実施形態に係るトナー残量検出装置200aでトナー容器32の一部を平行平板電極65a及び66aで挟んだ場合の静電容量検出値を示している。
図12に示すように、トナー残量検出装置200aでは、トナー残量検出装置200と比較して、静電容量検出値全体におけるトナーTの静電容量検出値の割合が大きくなっている。従って、トナー残量検出装置200aでは、トナー残量検出装置200と比較して、トナーTの静電容量の検出精度を向上させることができる。
次に、図13は、本実施形態に係る検量線の一例を示す図である。図13の見方は、図6と同様である。
トナー残量検出装置200aは、検量線201aを取得する際、トナー容器32が空の時、すなわちトナー容器32内のトナー残量がゼロの時の静電容量C1と、トナー容器32に既知量のトナーが入っている時の静電容量C2aを、それぞれ検出する。そして、静電容量C1及びC2aを含む一次式を求め、一次式に従って静電容量とトナー残量とを対応付けることで、検量線201aを取得できる。
但し、検量線201と同様に、トナー容器32内のトナー残量が2以上の既知の状態での静電容量から検量線201aを取得してもよい。
<トナー残量検出装置200aの作用効果>
以上説明してきたように、本実施形態では、トナー容器32の一部を挟んで配置された平行平板電極65a及び66aを備え、平行平板電極65a及び66aの間の静電容量値に基づいてトナー容器32内のトナー残量を検出する。
例えば、平行平板電極65a及び66aは、重力方向におけるトナー容器32の高さの半分以下に該当する部分であって、トナー容器32の長手方向が水平方向に沿った状態でのトナー容器32の長手方向の一部を外側から挟むように設けられている。
このようにすることで、トナー残量が少なくなり、重力方向におけるトナー容器32内の低い部分等のトナー容器32の一部にトナーが溜った場合にも、トナーが溜った部分を平行平板電極65a及び66aで挟むことができる。これにより、静電容量検出値全体におけるトナー以外の静電容量検出値の割合を減らし、トナーTの静電容量検出値の割合を増やすことができる。そして、トナーTの静電容量の検出精度を向上させ、トナー残量の検出精度を向上させることができる。
なお、上述した例では、電極として平行平板電極65a及び66aを示したが、電極の形状はこれに限定されるものではなく、湾曲状等、任意の形状であってもよい。また、上述した例では、平行平板の平面部が重力方向と平行になるように、平行平板電極を配置したものを示したが、これに限定されるものではない。トナー容器32に沿って平行平板電極65a及び66aを斜めに配置してもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るトナー残量検出装置200bについて説明する。
第1実施形態に係るトナー残量検出装置200aでは、トナー容器32の一部を挟んで配置された平行平板電極65a及び66aを備え、平行平板電極65a及び66aの間の静電容量値に基づいてトナー容器32内のトナー残量を検出することで、トナー残量が少なくなった場合にも、トナー残量を正確に検出するようにした。
しかし、トナー容器32内のトナー残量が多いときには、平行平板電極65a及び66aで挟まれるトナー容器32の一部以外にあるトナーの静電容量を適切に検出できず(図14参照)、トナー残量を正確に検出できない場合がある。
そのため、本実施形態では、トナー残量が予め定められた残量閾値以下である場合には、平行平板電極65a及び66aによる静電容量検出値に基づき、トナー残量の検出値を取得する。また、トナー残量が予め定められた残量閾値以下でない場合には、トナー残量検出装置200bを備える画像形成装置100bにおける、トナー搬送スクリューの累積回転時間や形成される画像の累積面積等の画像形成情報に基づいてトナー残量の予測値を取得する。
<制御部250bの機能構成例>
まず、本実施形態に係るトナー残量検出装置200bの備える制御部250bの機能構成について説明する。図15は、制御部250bの機能構成の一例を示すブロック図である。図15に示すように、制御部250bは、トナー残量検出値取得部258bと、トナー残量予測値取得部260と、出力部259bとを有する。
これらのうち、トナー残量検出値取得部258bは、静電容量入力部256から入力した静電容量の検出値に基づき、検量線記憶部257が記憶する検量線のデータを参照してトナー残量の検出値を取得する。
また、トナー残量検出値取得部258bは、出力判定部2581を有する。出力判定部2581は、取得したトナー残量の検出値と予め定められた残量閾値とを比較し、検出値が残量閾値以下である場合には、検出値を出力部259bに出力する。一方、検出値が残量閾値以下でない場合には、出力判定部2581は、トナー残量予測値取得部260にトナー残量の予測値の取得を指示する。
トナー残量予測値取得部260は、トナー搬送スクリューの累積回転時間や形成される画像の累積面積等の画像形成情報に基づいて、トナー残量の予測値を取得する。
ここで、トナー搬送スクリューを用いたトナー搬送量は、ほぼ回転角度(回転時間)に比例するため、トナー搬送スクリューの累積回転時間を記録していくことでトナー使用量が分かる。また、プリント出力される画像に対して使用するトナー量(画像面積当たりの感光体に付着するトナーはほぼ一定)は算出可能であるため、累積の画像面積が分かればトナー使用量が分かる。
そのため、トナー搬送スクリューの累積回転時間や形成される画像の累積面積等の画像形成情報から算出したトナー使用量を、トナー容器32におけるトナーの初期充填量から減算することで、トナー残量を予測できる。
トナー残量予測値取得部260は、トナー残量検出値取得部258bからの指示に応答して取得したトナー残量の予測値を出力部259bに出力する。
出力部259bは、トナー残量検出値取得部258bから入力したトナー残量の検出値、又はトナー残量予測値取得部260から入力したトナー残量の予測値の何れか一方を、操作パネル254の表示部2541に出力する。
また、出力部259bは、交換判定部2591を有する。交換判定部2591は、トナー残量検出値取得部258bから入力したトナー残量の検出値が、予め定められた交換閾値以下である場合に、トナー容器32の交換又は発注を促す通知の表示を、表示部2541に指示することができる。以下では、「交換又は発注」を単に「交換」という。
<トナー残量の検出ばらつきと予測ばらつきの関係例>
図16は、トナー残量検出装置200bによるトナー残量の検出ばらつきと予測ばらつきの関係の一例を示す図である。図16の横軸は、トナー容器32内の実際のトナー残量(実トナー残量)を示し、縦軸は、トナー残量検出装置200bによるトナー残量の検出値及び予測値を示している。
太い実線140は、トナー残量の真値を表しており、2本の一点鎖線141の幅は、検出ばらつきの大きさを表している。実トナー残量が大きくなるにつれて、2本の一点鎖線141の幅は広くなっており、検出ばらつきが大きくなることが分かる。
また、2本の二点鎖線142の幅は、予測ばらつきの大きさを表している。実トナー残量が大きくなるにつれて、2本の二点鎖線142の幅は狭くなっており、予測ばらつきが小さくなることが分かる。
また、破線143は残量閾値を示している。上述したように、出力判定部2581は、取得したトナー残量の検出値とこの残量閾値とを比較し、検出値が残量閾値以下である場合には、検出値を出力部259bに出力する。従って、図示するように、図16の破線143より左側に該当する残量閾値以下の範囲が、トナー残量の検出対象範囲になる。
一方、検出値が残量閾値以下でない場合には、出力判定部2581は、トナー残量予測値取得部260にトナー残量の予測値の取得を指示する。従って、図16の破線143より右側に該当する残量閾値より大きい範囲がトナー残量の予測対象範囲になる。
このような残量閾値を設けてトナー残量の検出と予測を切り替えることで、ばらつきを抑えて検出値と予測値を取得でき、トナー残量検出装置200bは、ばらつきを抑制して、取得したトナー残量情報を出力できる。
また、点線144は交換閾値を示している。上述したように、交換判定部2591は、トナー残量の検出値とこの交換閾値とを比較し、検出値が交換閾値以下の場合には、トナー容器32の交換又は発注を促す通知を表示するように、表示部2541に指示する。従って、図16の点線144より左側に該当する交換閾値以下の範囲がトナー容器32の交換指示の対象範囲になる。このように交換閾値を設けて検出ばらつきの小さい範囲で交換の要否を判定することで、誤ってトナー容器32の交換を促す誤通知を抑制できる。
<制御部250bによる処理例>
次に、制御部250bによる処理について説明する。図17は、制御部250bによる処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS171において、静電容量入力部256は、静電容量検出回路111から静電容量の検出値信号を入力し、該検出値をトナー残量検出値取得部258bに出力する。
続いて、ステップS172において、トナー残量検出値取得部258bは、静電容量入力部256から入力した静電容量の検出値に基づき、検量線記憶部257が記憶する検量線のデータを参照してトナー残量の検出値を取得する。
続いて、ステップS173において、出力判定部2581は、取得したトナー残量の検出値が残量閾値以下であるか否かを判定する。
ステップS173で、検出値が残量閾値以下であると判定された場合は(ステップS173、Yes)、出力判定部2581は、出力部259aに検出値を出力する。
続いて、ステップS174において、交換判定部2591は、トナー残量検出値取得部258bから入力したトナー残量の検出値が交換閾値以下であるか否かを判定する。
ステップS174で、トナー残量の検出値が交換閾値以下であると判定された場合は(ステップS174、Yes)、ステップS175において、出力部259aは、トナー容器32の交換を促す通知を表示するように、表示部2541に指示する。指示に応答して、表示部2541は、トナー容器32の交換を促す通知を表示する。その後、処理はステップS176に移行する。
一方、ステップS174で、トナー残量の検出値が交換閾値以下でないと判定された場合は(ステップS174、No)、処理はステップS176に移行する。
続いて、ステップS176において、出力部259aは、トナー残量の検出値を表示部2541に出力し、表示部2541は、トナー残量の検出値を表示する。その後、処理は終了する。
一方、ステップS173で、検出値が残量閾値以下でないと判定された場合は(ステップS173、No)、出力判定部2581は、トナー残量予測値取得部260にトナー残量の予測値の取得を指示する。
続いて、ステップS177において、トナー残量予測値取得部260は、トナー残量の予測値を取得し、取得結果を出力部259bに出力する。
続いて、ステップS178において、出力部259bは、トナー残量の予測値を表示部2541に出力し、表示部2541は、トナー残量の予測値を表示する。その後、処理は終了する。
このようにして、トナー残量検出装置200bは、トナー残量の検出値、又は予測値を表示部2541に表示させることができ、また、トナー容器32の交換が必要な場合には、交換を促す通知を表示部2541に表示させることができる。
<トナー残量検出装置200bの作用効果>
以上説明してきたように、本実施形態では、トナー残量が予め定められた残量閾値以下である場合には、平行平板電極65a及び66aによる静電容量検出値に基づき、トナー残量の検出値を取得する。また、トナー残量が予め定められた残量閾値以下でない場合には、スクリューの累積回転時間や形成される画像の累積面積等の画像形成情報に基づいてトナー残量の予測値を取得する。
これにより、トナー残量の検出値のばらつきが小さい範囲では、トナー残量の検出値を表示部2541等に出力し、トナー残量の検出値のばらつきが大きい範囲では、トナー残量の予測値を表示部2541等に出力でき、ばらつきを抑制してトナー残量情報を出力できる。
また、本実施形態では、トナー残量の検出値が予め定められた交換閾値以下の場合に、トナー容器32の交換を促す通知を表示するように、表示部2541に指示する。トナー容器32の交換通知を誤って行うと、トナーの無駄や交換作業の無駄等が生じるところ、交換閾値を設けて検出ばらつきの小さい範囲で交換の要否を判定することで、高い信頼性で交換の要否を判定できる。これにより、誤通知を抑え、トナーの無駄や交換作業の無駄等を抑制できる。
以上、実施形態に係る画像形成装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
また実施形態は、トナー残量検出方法も含む。例えば、トナー残量検出方法は、トナー容器の一部を挟んで配置された2つの電極間の静電容量値を取得する工程と、前記静電容量値に基づいて取得された前記トナー容器内のトナー残量の検出値を出力する工程と、を含む。このようなトナー残量検出方法により、上述のトナー残量検出装置と同様の効果を得ることができる。