以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の医用画像処理装置50の構成の一例を示すブロック図である。医用画像処理装置50は、装置全体を制御する制御部51、入力部52、画像処理部53、操作部54、記憶部55、表示画面56、及び表示処理部57を備える。表示処理部57は、第1表示部571、第2表示部572、第3表示部573、及び閾値調整部574を備える。
制御部51は、CPU、メモリ(ROM、RAMなど)、メモリに格納されたプログラムなどで構成することができる。
入力部52は、外部の装置(不図示)から、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)などの医用画像診断機器により所定のスライス間隔で連続的に撮影され、例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)形式のスライス画像の画像データを取得する。
操作部54は、キーボード、マウス、トラックパッド(タッチパッド)、スタイラスペンなどを含み、ユーザが、表示画面56上のアイコン(図形、文字、数字、記号など)又は表示画面56の所要の箇所を操作(例えば、マウスの場合、左クリック、右クリック、ダブルクリックなど)すると、入力された操作を、当該操作に対応する指令に変換して表示処理部57へ出力する。なお、表示画面56に代えて、外部の表示装置を医用画像処理装置50に接続する構成でもよい。
記憶部55は、入力部52で取得した画像データを記憶する。また、記憶部55は、カラーマップのデータを記憶する。カラーマップのデータは、スライス画像の信号値とRGB値(カラー値ともいう)及びオパシティ(不透明度ともいう)との関係を定義するものである。カラーマップは、ユーザが適宜定義することができる。
画像処理部53は、スライス位置の順に積層させた複数のスライス画像からボクセル画像を生成することができる。ボクセル画像の各画素(つまり、ボクセル)には、画素値(つまり、ボクセル値)としてスライス画像の画素値である信号値(例えば、CT画像の場合はCT値とも呼ばれる信号値)を与える。画像処理部53は、ボクセル画像を基にレイキャスティング法などのボリュームレンダリング処理を行ってボリュームレンダリング(VR)画像を生成することができる。VR画像を生成する際に、ボクセル画像の各画素の信号値にカラーマップ(信号値に対応するカラー値やオパシティ値を設定したもの)を適用することによって、例えば、人体の部位毎に異なる色を付すことや、手前に位置する臓器を透明にして奥に隠れている臓器を描出するなど、所要の部位を強調して表示等することができ、観察対象を認識しやすくすることができる。また、画像処理部53は、ボクセル画像を基に所定の断面の画素を切り出してMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像を生成することができる。VR画像及びMPR画像を纏めて3次元画像ともいう。なお、3次元画像は、VR画像及びMPR画像に限定されない。
第1表示部571は、画像処理部53で生成したボクセル画像の信号値とRGB値及びオパシティの少なくとも一方との関係を定義するカラーマップ情報を表示画面56に表示する。カラーマップ情報の詳細は後述する。
第2表示部572は、カラーマップ情報が表示された表示画面56にボクセル画像を構成する各画素の可視度合い(例えば、可視又は不可視)をカラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を表示する。決定情報(マスク決定情報ともいう)の詳細は後述する。また、第3表示部573及び閾値調整部574の詳細は後述する。
図2は表示処理部57が表示する基本画面の要部の一例を示す模式図である。図2に示すように、基本画面には、MPR画像、ボリュームレンダリング(VR)画像、カラーマップ画面などが表示される。MPR画像は、体に水平な体軸断面(アキシャル断面、axial断面)、縦切りの矢状断面(サジタル断面、sagittal断面)、及び横切りの冠状断面(コロナル断面、coronal断面)の3つの断面画像で構成される。
カラーマップ画面は、カラーマップのデータを視覚的に表示し、カラーマップを調整(カラーマップの定義の変更)することができる。カラーマップ画面は、オパシティカーブ、カラーバー、ヒストグラム、信号値メモリなどを含む。オパシティカーブは、ボクセル画像の各画素(x、y、z座標で特定される)の信号値に対応するオパシティを定めたものである。信号値とオパシティの2次元領域上で、制御点を指定することにより、信号値に対するオパシティを設定することができる。オパシティカーブの横軸は信号値を表し、縦軸はオパシティ(オパシティα=0が透明、α=1が不透明)を表す。隣り合う制御点の間は、補完により設定される。なお、図に示す信号値の値は、一例であって、図示する数値に限定されない。
カラーバーは、ボクセル画像の各画素(x、y、z座標で特定される)の信号値に対応するRGB値を定めたものである。信号値に対応するカラーバー上で、アンカーの位置を指定することにより、信号値に対するRGB値を設定することができる。隣り合うアンカーの間は、補完により設定される。
ヒストグラムは、ボクセル画像に含まれる信号値の出現数を視覚的に表示したものである。ヒストグラムの横軸は信号値を表し、縦軸は出現数を表す。
信号値メモリは、横軸の値を示すための領域であるが、本実施の形態では、信号値に対応させて、ボクセル画像に含まれる信号値の割合を表示することができる。ユーザは、制御点及びアンカーの少なくとも一方を指定することにより、所望のカラーマップを定義することができる。
図2に示すカラーマップ画面は、カラーマップ情報を表示する。カラーマップ情報は、上述のように、ボクセル画像の信号値とオパシティとの関係を表すオパシティカーブ、信号値とRGB値との関係を表すカラーバー、信号値の出現数を表すヒストグラムなどを含む。
次に、決定情報について説明する。ボクセル画像を構成する各画素の可視の度合いを決定するものをマスクと称する。マスクは典型的には対象の画素の可視又は不可視を決定するものであり、本明細書では以降マスクとして可視・不可視を決定するものとして説明するが、対象の画素を強調表示又は非強調表示するように決定するものも含めることができる。マスクを適用することにより、例えば、ある時の診断では不要な部位(例えば、骨など)を除去した画像を得ることができる。例えば、MPR画像上では可視部分を所望の色で表示し、不可視部分はそのままの画像を表示することができる。また、VR画像では、不可視部分を表示しないようにできる。
決定情報は、マスクによって決定される可視の度合いをカラーマップ情報に対応付けて視覚的に確認することができる情報であり、マスクが適用される画像の可視度合いを予見するために利用することができる。以下、決定情報の例について説明する。
第2表示部572は、カラーマップ情報が表示された表示画面56にボクセル画像を構成する各画素の可視又は不可視をカラーマップ情報に対応付けて決定する決定情報を表示する。表示画面56上でカラーマップ情報に対応付けて決定情報を表示することにより、例えば、オパシティカーブ、カラーバー、ヒストグラムに対応させて可視又は不可視になる範囲を視覚的に確認することができる。また、関心領域を抽出して表示させる操作をしなくても、マスクを適用した結果を予見することができるので試行錯誤の回数を減らして作業の負担を軽減することができる。
より具体的には、第2表示部572は、数値範囲を設定する閾値によってボクセル画像の各画素の可視又は不可視を決定する決定情報を識別可能に表示することができる。数値範囲を設定する閾値は、例えば、信号値の閾値、オパシティの閾値、RGB値の閾値などを含む。これにより、マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視になる範囲を視覚的に予見することができる。
図3はボクセル画像の各画素の信号値に対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、閾値で信号値の数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報の信号値に対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図3の例では、信号値メモリ上に、信号値に対応させた横棒グラフ101で決定情報を表示している。横棒グラフ101の両端が閾値に対応し、横棒グラフ101に対応する信号値が可視化されている。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(信号値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲の信号値が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。信号値に対応付けられたとは、決定情報が信号値の数値範囲を視覚的に特定できるような表示態様で表示されていればよく、決定情報は、図3に示すような横棒グラフ101に限定されるものではなく、他の図形等を用いてもよい。また、信号値は横軸上に数値化されているので、例えば、閾値に対応する位置に縦方向の線分や図形を用いた決定情報でもよい。
図4はボクセル画像の各画素のオパシティに対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、閾値でオパシティの数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報のオパシティに対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図4の例では、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線102で決定情報を表示している。曲線102の両端が閾値に対応し、曲線102に対応するオパシティが可視化されている。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(オパシティの範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲のオパシティが可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。オパシティに対応付けられたとは、決定情報がオパシティの数値範囲を視覚的に特定できるような表示態様で表示されていればよく、決定情報は、図4に示すような曲線102に限定されるものではなく、他の図形等を用いてもよい。また、オパシティは縦軸上に数値化されているので、例えば、閾値に対応する位置に横方向の線分や図形を用いた決定情報でもよい。
図5はボクセル画像の各画素のRGB値に対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、閾値でRGB値の数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報のRGB値に対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図5の例では、カラーバー上に、RGB値に対応させた横棒グラフ103で決定情報を表示している。横棒グラフ103の両端が閾値に対応し、横棒グラフ103に対応するRGB値が可視化されている。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(RGB値の範囲)を表示するので、例えば、VR画像などの3次元画像を構成する各部位の信号値に関する知識が乏しい場合であっても、3次元画像で表示されているRGB値と対応付けて、3次元画像のどの箇所が可視領域となるのか、あるいは不可視領域となるのかを予見することができる。RGB値に対応付けられたとは、決定情報がRGB値の数値範囲を視覚的に特定できるような表示態様で表示されていればよく、決定情報は、図5に示すような横棒グラフ103に限定されるものではなく、他の図形等を用いてもよい。また、RGB値は横軸上に数値化されているので、例えば、閾値に対応する位置に縦方向の線分や図形を用いた決定情報でもよい。
図6はカラーマップ情報のヒストグラムに対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、カラーマップ情報のヒストグラムに対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図6の例では、可視化された各信号値の出現数を表した第2のヒストグラム104で決定情報を表示している。第2のヒストグラム104の両端が信号値の閾値に対応している。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(信号値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲の信号値及び当該信号値のどの程度の出現数が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。ヒストグラムに対応付けられたとは、決定情報がヒストグラムが表す分布状態を視覚的に特定できるような表示態様で表示されていればよい。
なお、図3から図6において、決定情報の表示例は、一例であって、図3から図6に示す例に限定されない。また、決定情報に色又は模様を付して識別性を高めることもできる。
次に、決定情報を用いた閾値の調整方法について説明する。操作部54は、受付部としての機能を有し、表示画面56に表示された閾値を含む決定情報をカラーマップ情報に対応付けて移動させる操作を受け付ける。
閾値調整部574は、調整部としての機能を有し、操作部54で受け付けた操作に応じて閾値を調整することができる。
図7は表示処理部57による信号値の閾値の調整方法の一例を示す模式図である。図7の例では、信号値の-550から500の範囲(閾値は-550、及び500)を可視と決定する決定情報として横棒グラフが表示され、横棒グラフの両端を移動させることにより、閾値-550を0に調整し、閾値500を300に調整している。閾値の調整後の横棒グラフを符号101aで示している。これにより、閾値の調整をカラーマップ情報上で行うことができ、想定する数値範囲を調整が容易になる。すなわち、カラーマップ画面に表示した決定情報が、マスクを適用したときに所要の結果が予見できないと判断したときに、視覚的に閾値の調整を行うことが可能となる。
図8は表示処理部57によるオパシティの閾値の調整方法の一例を示す模式図である。図8の例では、オパシティの0から0.75の範囲(閾値は0、及び0.75)を可視と決定する決定情報として曲線が表示され、曲線の右端を移動させることにより、閾値0.75を0.5に調整している。閾値の調整後の曲線を符号102aで示している。これにより、閾値の調整をカラーマップ情報上で行うことができ、想定する数値範囲を調整が容易になる。すなわち、カラーマップ画面に表示した決定情報が、マスクを適用したときに所要の結果が予見できないと判断したときに、視覚的に閾値の調整を行うことが可能となる。
次に、マスクを適用して特定の領域を不可視にする場合について説明する。
図9は3次元画像の特定の領域を不可視にする一例を示す模式図である。図9の例では、VR画像上の符号110で示す楕円状の領域を指示してマスクを適用して不可視にした場合を示す。この場合、axial断面では、符号110aで示す領域が不可視になり、sagittal断面では、符号110sで示す領域が不可視になり、coronal断面では、符号110cで示す領域が不可視になる。この場合、不可視にした領域内では、オパシティαが0で不可視になっているものもあるため、各信号値について、どれだけの数についてマスクにより可視化又は不可視化されているかを確認できない。そこで、以下のような表示をすることができる。
第3表示部573は、割合表示部としての機能を有し、カラーマップ情報とともにボクセル画像の信号値毎に可視化された画素及び不可視化された画素の少なくとも一方の数又は割合を表示することができる。
図10はヒストグラムに対応させて信号値の可視又は不可視の数を表示する一例を示す模式図である。図10では、第2のヒストグラム111により可視化された各信号値の数を表示している。別言すれば、ヒストグラムのうち第2のヒストグラム以外の領域で不可視化された各信号値の数を表示している。
図11は信号値メモリに対応させて信号値の可視又は不可視の割合を表示する一例を示す模式図である。図11では、信号値メモリの占有領域112の縦方向の長さにより可視化された各信号値の割合を表示している。別言すれば、信号値メモリのうち占有領域112以外の領域の縦方向の長さで不可視化された各信号値の割合を表示している。
上述のように、カラーマップ情報を参考にしながらボクセル画像の各信号値がどれだけ可視化されたか、あるいは不可視化されたかを確認することができるので、オパシティが0で不可視となっている画素と区別して、信号値による可視・不可視の状態を確認することができる。
次に、レイヤーの加算結果の表示について説明する。
レイヤーは、ボクセル画像に対して複数の異なるカラーマップ情報を適用した場合に、それぞれのカラーマップ情報を適用したものをいう。例えば、レイヤー毎に、カラーマップ情報に含まれるオパシティやRGB値などを微調整したものを準備しておき、レイヤーを重ね合わせることにより、所要の部位を一層明瞭に表示することができる。表示処理部57は、生成部としての機能を有し、ボクセル画像を構成する各画素の可視又は不可視をカラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を複数(例えば、レイヤー毎に複数)生成する。すなわち、表示処理部57は、適用されたカラーマップ情報が異なるレイヤー毎に異なる決定情報を生成することができる。
第2表示部572は、カラーマップ情報に対応付けられた複数の決定情報に対して所定の論理演算を行って得られた、可視又は不可視を決定するための数値範囲を設定する閾値を含む決定情報を表示することができる。論理演算は、例えば、論理和、論理積とすることができる。
図12はレイヤーの加算結果の第1例を示す模式図である。図12に示すように、レイヤー1については、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線121で決定情報を表示している。また、レイヤー2については、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線122で決定情報を表示している。
レイヤー加算として、論理和演算を行った結果では、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線123で決定情報を表示している。曲線123は、曲線121と曲線122との論理和となっている。
レイヤー加算として、論理積演算を行った結果では、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線124で決定情報を表示している。曲線124は、曲線121と曲線122との論理積となっている。
図13はレイヤーの加算結果の第2例を示す模式図である。図13に示すように、レイヤー1については、信号値メモリ上に、信号値に対応させた横棒グラフ131で決定情報を表示している。また、レイヤー2については、信号値メモリ上に、信号値に対応させた横棒グラフ132で決定情報を表示している。
レイヤー加算として、論理和演算を行った結果では、信号値メモリ上に、信号値に対応させた横棒グラフ133で決定情報を表示している。横棒グラフ133は、横棒グラフ131と横棒グラフ132との論理和となっている。
レイヤー加算として、論理積演算を行った結果では、信号値メモリ上に、信号値に対応させた横棒グラフ134で決定情報を表示している。横棒グラフ134は、横棒グラフ131と横棒グラフ132との論理積となっている。
図14はレイヤーの加算結果の第3例を示す模式図である。図14に示すように、レイヤー1については、ヒストグラム上に、信号値に対応させた第2のヒストグラム141で決定情報を表示している。また、レイヤー2については、ヒストグラム上に、信号値に対応させた第2のヒストグラム142で決定情報を表示している。
レイヤー加算として、論理和演算を行った結果では、ヒストグラム上に、信号値に対応させた第2のヒストグラム143で決定情報を表示している。第2のヒストグラム143は、第2のヒストグラム141と第2のヒストグラム142との論理和となっている。
レイヤー加算として、論理積演算を行った結果では、ヒストグラム上に、信号値に対応させた第2のヒストグラム144で決定情報を表示している。第2のヒストグラム144は、第2のヒストグラム141と第2のヒストグラム142との論理和となっている。
上述のように、レイヤー毎の決定情報の論理和、論理積を行った結果の決定情報を得ることができ、関心領域を確認しなくても、カラーマップ情報を参考にしながらレイヤーの論理演算結果を確認することができるので、画像に対してマスクを適用する処理、関心領域の抽出及び表示などを繰り返す試行回数を減らすことができる。
次に、MPR画像やVR画像において、指示した位置の属性の表示について説明する。
図15は3次元画像において所要の位置を指示する一例を示す模式図である。図15の例では、VR画像の、矢印で示す位置を指示したとする。VR画像上で位置を指示すると、指示した位置を通るワールド座標系のZ軸上(視線上)の代表値を得ることができる。代表値は、信号値、オパシティ、RGB値などの属性の代表値である。代表値としては、例えば、視線上の隣り合う画素のオパシティの差分が所定値以上となる場合、あるいは、視線上で境界に達した場合に、当該画素の属性とすることができる。属性の代表値を取得することにより、指示位置の部位の特定や、関心領域の抽出のためのシード点として適切であるか否かの確認に利用できる。しかし、指示した位置の属性が、カラーマップ情報の全体の中で、どの辺にあるのかが分からないため、例えば、シード点として適用な座標であるかの判断が難しい。以下、この点を解消する方法について説明する。
第3表示部573は、属性表示部としての機能を有し、カラーマップ情報とともに3次元画像の所定座標(指示した位置の座標、シード点の座標など)の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性を表示する。例えば、3次元画像上で指示した位置に対応する座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性をカラーマップ情報とともに表示する。
カラーマップ情報とともに所定座標の属性を表示するので、カラーマップ情報を参考にしながらシード点に適する属性であるか否かを容易に判断することができる。以下、具体例について説明する。
図16はオパシティカーブに対応させて指示位置の属性を表示する一例を示す模式図である。図16の例では、オパシティカーブ上で指示位置の属性としてのオパシティを点Pで表示している。第3表示部573は、カラーマップ情報のオパシティに対応付けて所定座標のオパシティ(指示位置の属性)を表示することができる。これにより、カラーマップ情報に含まれるオパシティを参考にしながらシード点に適するオパシティであるか否かを容易に判断することができる。
また、第3表示部573は、属性範囲表示部としての機能を有し、カラーマップ情報とともに、3次元画像の所定座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性を基準として、属性に対応する閾値によって可視化又は不可視化される属性の範囲を表示することができる。図16の例では、点Pを基準として、オパシティカーブに対応させて曲線151で決定情報を表示している。曲線151の両端がオパシティの閾値に対応する。図16の例では、基準の点Pのオパシティが、可視化となるオパシティの範囲の中のどの程度にあるかを容易に確認することができる。
カラーマップ情報とともに所定座標の属性を基準とする可視化又は不可視化される範囲を表示するので、カラーマップ情報を参考にしながらシード点を基準とする関心領域の抽出結果を代替的に確認することができ、関心領域の抽出、表示を繰り返す試行回数を減らすことができる。
図17は指示位置を変更した場合の属性を表示する一例を示す模式図である。第3表示部573は、指示位置の変更に応じて属性の範囲を変更して表示することができる。図17の例では、指示位置Pが指示位置P′に変更されている。指示位置が変更になることにより、指示位置に対応するオパシティも変更されている。これにより、所定座標の変更に伴って、シード点を基準とする関心領域の抽出結果の変更を代替的に確認することができる。
図18はオパシティカーブを変更した場合の属性を表示する一例を示す模式図である。図18に示すように、第3表示部573は、カラーマップ情報(図18の例ではオパシティカーブ)の変更に応じて、指示位置が点Pから点P′′に変更され、指示位置の属性(図18の例では、オパシティ)を動的に変更して表示することができる。これにより、カラーマップ情報を変更した場合に、その変更に伴う指示位置の属性の変化を容易に確認することができる。
図19はヒストグラムに対応させて指示位置の属性を表示する一例を示す模式図である。図19の例では、ヒストグラム上で指示位置の属性としての信号値を点Pで表示している。第3表示部573は、カラーマップ情報の信号値に対応付けて所定座標の信号値を表示することができる。これにより、カラーマップ情報に含まれる信号値を参考にしながらシード点に適する信号値であるか否かを容易に判断することができる。
図20はカラーバーに対応させて指示位置の属性を表示する一例を示す模式図である。図20の例では、カラーバー上で指示位置の属性としてのカラー値を点Pで表示している。第3表示部573は、カラーマップ情報のカラー値に対応付けて所定座標のカラー値を表示することができる。これにより、カラーマップ情報に含まれるカラー値を参考にしながらシード点に適するカラー値であるか否かを容易に判断することができる。
次に、関心領域などの物体(部位)抽出の補正機能について説明する。
第3表示部573は、アイコン表示部としての機能を有し、カラーマップ情報とともに3次元画像のシード点の信号値に対応する調整アイコンを表示する。操作部54は、調整アイコンを移動させる操作を受け付ける。閾値調整部574は、設定部としての機能を有し、操作部54で受け付けた操作に応じて信号値に閾値を設定、もしくは信号値に対応するオパシティ及びRGB値の少なくとも一方の閾値を設定することができる。
カラーマップ情報を参考にしながら調整アイコンを移動させることにより、シード点に対応する信号値、信号値に対応するオパシティ又は信号値に対応するRGB値の少なくとも一方の閾値を設定することができるので、抽出して表示された関心領域に対してシード点を再度指示する必要がなく、関心領域の抽出条件の調整を簡単な操作で実現することができる。以下、具体的に説明する。
図21はオパシティの閾値の設定方法の一例を示す模式図である。図21Aにおいて、符号Qで示す点は、調整アイコンの一例である。図に示すように、調整アイコンは、オパシティカーブ上の点で表すことができる。なお、調整アイコンは、図21の例に限定されるものではなく、点以外の他の図形でもよい。点Qは、所定座標の信号値に対応するオパシティを表示する。図21Aに示すように、点Qにカーソルを当て、オパシティカーブ上をオパシティが増加又は減少する方向へ移動させることができる。図21の例では、オパシティを増加する方向を矢印で図示している。図21Bに示すように、調整アイコンを符号Q′で表す点まで移動させることにより、点Q′に対応するオパシティを新たな閾値として設定することができる。
上述のように、第3表示部573は、信号値に対応するオパシティを示すオパシティカーブに対応させて調整アイコンを移動させて表示する。閾値調整部574は、移動後の調整アイコンに対応するオパシティを閾値として設定することができる。
オパシティカーブに沿って調整アイコンを移動させることにより、所定座標に対応するオパシティの閾値を設定することができるので、抽出して表示された関心領域に対してシード点を再度指示する必要がなく、関心領域の抽出条件の調整を簡単な操作で実現することができる。
図22は信号値の閾値の設定方法の一例を示す模式図である。図22Aにおいて、符号L1、L2で示す補助線は、調整アイコンの一例である。図に示すように、調整アイコンは、カラーバー上の補助線で表すことができる。なお、調整アイコンは、図22の例に限定されるものではなく、補助線以外の他の図形でもよい。補助線L1は、信号値の最小閾値に対応して表示され、補助線L2は、信号値の最大閾値に対応して表示される。なお、最小閾値及び最大閾値の初期値は、シード点を挟む直近のアンカーの設定値とすることができる。図22Aに示すように、補助線L1、L2にカーソルを当て、カラーバー上の位置を調整することができる。図22Bに示すように、調整アイコンを補助線L1′、及びL2′で表す位置まで移動させることにより、補助線L1′に対応する信号値を新たな最小閾値として設定することができ、補助線L2′に対応する信号値を新たな最大閾値として設定することができる。
上述のように、第3表示部573は、信号値に対応するRGB値を示すカラーバーに対応させて調整アイコンを移動させて表示する。閾値調整部574は、移動後の調整アイコンに対応する信号値の閾値を設定する。
カラーバーに沿って調整アイコンを移動させることにより、所定座標に対応する信号値の閾値を設定することができるので、抽出して表示された関心領域に対してシード点を再度指示する必要がなく、関心領域の抽出条件の調整を簡単な操作で実現することができる。また、補助線に設定された色情報から、ユーザが見たままの情報で関心領域の抽出条件の調整ができる。
カラーマップ画面は、図2に示す例に限定されない。以下、カラーマップ画面の他の例について説明する。
図23はカラーマップ画面の他の第1例を示す模式図である。カラーマップ画面は、画面の上部にカラーバーを配置してあり、信号値を横軸とし、オパシティを縦軸とした2次元領域にオパシティカーブが表示される。また、当該2次元領域には、ヒストグラムも表示される。ヒストグラムの内部は、カラーバーと同様の色情報の分布が表示される。画面の所要の箇所(図では右側)には、オパシティカーブの形状を選択するボタンが表示され、不透明度(オパシティ)の調整用のスライダが表示される。
図23の例は、ボクセル画像の各画素の信号値に対応付けられた決定情報の一例を示す。すなわち、第2表示部572は、閾値で信号値の数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報の信号値に対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図23の例では、信号値に対応させた横棒グラフ201で決定情報を表示している。横棒グラフ201の両端が閾値に対応し、横棒グラフ201に対応する信号値が可視化されている。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(信号値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲の信号値が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。
図24はカラーマップ画面の他の第1例においてボクセル画像の各画素のオパシティに対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、閾値でオパシティの数値範囲を設定する場合、オパシティに対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図24の例では、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線202で決定情報を表示している。曲線202の両端が閾値に対応し、曲線202に対応するオパシティが可視化されている。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(オパシティの範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲のオパシティが可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。
図25はカラーマップ画面の他の第1例においてボクセル画像の各画素のRGB値に対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、閾値でRGB値の数値範囲を設定する場合、RGB値に対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図25の例では、カラーバー上に、RGB値に対応させた横棒グラフ203で決定情報を表示している。横棒グラフ203の両端が閾値に対応し、横棒グラフ203に対応するRGB値が可視化されている。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(RGB値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲のRGB値が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。
図26はカラーマップ画面の他の第1例においてヒストグラムに対応付けられた決定情報の一例を示す模式図である。第2表示部572は、ヒストグラムに対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図26の例では、可視化された各信号値の出現数を表した第2のヒストグラム204で決定情報を表示している。第2のヒストグラム204の両端が信号値の閾値に対応している。マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(信号値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲の信号値及び当該信号値のどの程度の出現数が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。
図27はカラーマップ画面の他の第2例を示す模式図である。カラーマップ画面は、信号値を横軸とし、オパシティを縦軸とした2次元領域にオパシティカーブが表示される。また、当該2次元領域には、ヒストグラムも表示される。信号値に対応させてカラーバーが配置され、カラーバー上のアンカーによって、信号値に対するRGB値及びオパシティの両方を指定することができる。すなわち、アンカーと制御点が、アンカーに統合されている。画面上部には、オパシティカーブの形状を選択するボタンが表示され、画面右側には、不透明度(オパシティ)の調整用のスライダが表示される。
第2表示部572は、閾値でRGB値及びオパシティの数値範囲を設定する場合、オパシティに対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図27の例では、オパシティカーブ上に、オパシティに対応させた曲線211で決定情報を表示している。曲線211の両端が閾値に対応し、曲線211に対応するオパシティが可視化されている。また、第2表示部572は、RGB値に対応付けて決定情報を識別可能に表示することができる。図27の例では、カラーバー上に、RGB値に対応させた横棒グラフ212で決定情報を表示している。横棒グラフ212の両端が閾値に対応し、横棒グラフ212に対応するRGB値が可視化されている。このように、マスクを適用する処理を実際に実行しなくても、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(オパシティ及びRGB値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲のオパシティ及びRGB値が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に予見することができる。
次に、医用画像処理装置50の処理手順について説明する。
図28及び図29は医用画像処理装置50によるマスク決定情報の表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上、処理の主体を制御部51として説明する。制御部51は、3次元画像(例えば、MPR画像、VR画像など)を表示し(S11)、ユーザが指示したシード点(具体的には、シード点の属性)を取得する(S12)。制御部51は、シード点に基づいて関心領域を抽出して表示する(S13)。
制御部51は、カラーマップ画面にカラーマップ(カラーマップ情報)を表示し(S14)、閾値の種類を取得する(S15)。閾値の種類は、ユーザが選択できる。制御部51は、信号値の閾値であるか否かを判定し(S16)、信号値の閾値である場合(S16でYES)、カラーマップの信号値メモリに対応付けてマスク決定情報(例えば、図3の横棒グラフ101)を表示し(S17)、後述のステップS18の処理を行う。
信号値の閾値でない場合(S16でNO)、制御部51は、不透明度の閾値であるか否かを判定する(S18)。不透明度の閾値である場合(S18でYES)、制御部51は、オパシティカーブに対応付けてマスク決定情報(例えば、図4の曲線102)を表示し(S19)、後述のステップS20の処理を行う。
不透明度の閾値でない場合(S18でNO)、制御部51は、カラー値の閾値であるか否かを判定する(S20)。カラー値の閾値である場合(S20でYES)、制御部51は、カラーバーに対応付けてマスク決定情報(例えば、図5の横棒グラフ103)を表示し(S21)、後述のステップS22の処理を行う。
カラー値の閾値でない場合(S20でNO)、制御部51は、カラーマップ上で閾値の調整操作の有無を判定する(S22)。閾値の調整操作がある場合(S22でYES)、制御部51は、ステップS13以降の処理を繰り返し、閾値の調整操作がない場合(S22でNO)、処理を終了する。
図30及び図31は医用画像処理装置50による物体抽出時の閾値補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御部51は、3次元画像(例えば、MPR画像、VR画像など)を表示し(S31)、ユーザが指示したシード点(具体的には、シード点の属性)を取得する(S32)。制御部51は、シード点に基づいて関心領域を抽出して表示する(S33)。
制御部51は、カラーマップ画面にカラーマップ(カラーマップ情報)を表示し(S34)、閾値の種類を取得する(S35)。制御部51は、不透明度の閾値であるか否かを判定し(S36)、不透明度の閾値である場合(S36でYES)、シード点に対応する調整点をオパシティカーブ上に表示する(S37)。制御部51は、調整点の移動に応じて閾値を設定し(S38)、後述のステップS39の処理を行う。
不透明度の閾値でない場合(S36でNO)、制御部51は、信号値の閾値であるか否かを判定する(S39)。信号値の閾値である場合(S39でYES)、制御部51は、シード点に対応する補助線をカラーバー上に表示する(S40)。制御部51は、補助線の移動に応じて閾値を設定し(S41)、後述のステップS42の処理を行う。
信号値の閾値でない場合(S39でNO)、制御部51は、設定された閾値に基づいて、関心領域を抽出して表示する(S42)。制御部51は、処理を終了するか否かを判定し(S43)、処理を終了しない場合(S43でNO)、閾値の種類を判定する(S44)。信号値の閾値である場合(S44で信号値)、制御部51は、ステップS41以降の処理を行い、不透明度の閾値である場合(S44で不透明度)、制御部51は、ステップS38以降の処理を行う。処理を終了する場合(S43でYES)、制御部51は、処理を終了する。
本実施の形態の医用画像処理装置は、CPU5、ROM、RAM、記録媒体読取部などで構成することができる。記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを記録媒体読取部で読み取ってRAMに格納することができる。RAMに格納されたコンピュータプログラムをCPUで実行させることにより、図28から図31に示すような処理を実行することができる。コンピュータプログラムは、記録媒体読取部で読み取る構成に代えて、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
上述のように、本実施の形態によれば、所望のマスクを適用する際の試行錯誤にかかる作業負担を軽減できる。
本実施の形態は、3次元の医用画像を表示する3Dワークステーション、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)、医用画像診断支援システム(CAD:Computer-Aided Diagnosis)などの医療システム全体に共通する、マスクの適用の際の試行錯誤にかかる負担を軽減できる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、ボクセル画像の信号値とカラー値及び不透明度の少なくとも一方との関係を定義するカラーマップ情報を表示画面に表示する第1表示部と、前記表示画面に前記ボクセル画像を構成する各画素の可視度合いを前記カラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を表示する第2表示部とを備える。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、ボクセル画像の信号値を取得する処理と、取得した信号値とカラー値及び不透明度の少なくとも一方との関係を定義するカラーマップ情報を表示画面に表示する処理と、前記表示画面に前記ボクセル画像を構成する各画素の可視を前記カラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を表示する処理とを実行させる。
本実施の形態の医用画像処理方法は、ボクセル画像の信号値とカラー値及び不透明度の少なくとも一方との関係を定義するカラーマップ情報を表示画面に表示し、前記表示画面に前記ボクセル画像を構成する各画素の可視度合いを前記カラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を表示する。
第1表示部は、ボクセル画像の信号値とカラー値及び不透明度の少なくとも一方との関係を定義するカラーマップ情報を表示画面に表示する。カラーマップ情報は、例えば、ボクセル画像の信号値と不透明度(オパシティ)との関係を表すオパシティカーブ、信号値とカラー値(例えば、RGB値)との関係を表すカラーバー、信号値の出現数を表すヒストグラムなどを含む。
第2表示部は、表示画面にボクセル画像を構成する各画素の可視度合いをカラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を表示する。ボクセル画像を構成する各画素の可視度合い(例えば、可視又は不可視)を決定するものをマスクと称する。決定情報は、マスクによって決定される可視の度合いをカラーマップ情報に対応付けて視覚的に確認することができる情報であり、マスクが適用される画像の可視度合いを予見するために利用することができる。
表示画面上でカラーマップ情報に対応付けて決定情報を表示することにより、例えば、カラーマップ情報に含まれるオパシティカーブ、カラーバー、ヒストグラムに対応させて可視又は不可視になる範囲を視覚的に確認することができる。また、関心領域を抽出して表示させる操作をしなくても、マスクによって得られる結果を予見することができるので試行錯誤の回数を減らして作業の負担を軽減することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記第2表示部は、数値範囲を設定する閾値によって前記各画素の可視又は不可視を決定する決定情報を識別可能に表示する。
第2表示部は、数値範囲を設定する閾値によって各画素の可視又は不可視を決定する決定情報を識別可能に表示する。数値範囲を設定する閾値は、例えば、信号値の閾値、不透明度の閾値、カラー値の閾値などを含む。これにより、閾値によって可視又は不可視になる範囲を視覚的に確認することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記第2表示部は、閾値で信号値の数値範囲を設定する場合、前記カラーマップ情報の信号値に対応付けて決定情報を識別可能に表示する。
第2表示部は、閾値で信号値の数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報の信号値に対応付けて決定情報を識別可能に表示する。例えば、カラーマップ情報に含まれる信号値の値に対応付けて閾値を表示し、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(信号値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲の信号値が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に確認することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記第2表示部は、閾値で不透明度の数値範囲を設定する場合、前記カラーマップ情報の不透明度に対応付けて決定情報を識別可能に表示する。
第2表示部は、閾値で不透明度の数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報の不透明度に対応付けて決定情報を識別可能に表示する。例えば、カラーマップ情報に含まれる不透明度の値に対応付けて閾値を表示し、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(不透明度の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲の不透明度が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に確認することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記第2表示部は、閾値でカラー値の数値範囲を設定する場合、前記カラーマップ情報のカラー値に対応付けて決定情報を識別可能に表示する。
第2表示部は、閾値でカラー値の数値範囲を設定する場合、カラーマップ情報のカラー値に対応付けて決定情報を識別可能に表示する。例えば、カラーマップ情報に含まれるカラー値に対応付けて閾値を表示し、閾値によって可視又は不可視の数値範囲(カラー値の範囲)を表示するので、例えば、想定する範囲のカラー値が可視化されるのか、あるいは不可視化されるのかを視覚的に確認することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、前記表示画面に表示された前記閾値を含む決定情報を前記カラーマップ情報に対応付けて移動させる操作を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた操作に応じて前記閾値を調整する調整部とを備える。
受付部は、表示画面に表示された閾値を含む決定情報をカラーマップ情報に対応付けて移動させる操作を受け付ける。例えば、受付部は、カラーマップ情報のオパシティカーブに対応付けて表示された決定情報(例えば、閾値を示すマーク)を、オパシティカーブに沿って移動させる操作を受け付ける。
調整部は、受付部で受け付けた操作に応じて閾値を調整する。例えば、閾値を示すマークをオパシティカーブに沿って移動させることにより、閾値をオパシティカーブ上の値を取りながら調整することができる。これにより、閾値の調整をカラーマップ情報上で行うことができ、想定する数値範囲を調整が容易になる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、前記カラーマップ情報とともに前記ボクセル画像の所定座標の信号値に対応する調整アイコンを表示するアイコン表示部と、前記調整アイコンを移動させる操作を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた操作に応じて信号値に対応するカラー値及び不透明度の少なくとも一方の閾値を設定する設定部とを備える。
アイコン表示部は、カラーマップ情報とともに3次元画像の所定座標の信号値に対応する調整アイコンを表示する。受付部は、調整アイコンを移動させる操作を受け付ける。設定部は、受付部で受け付けた操作に応じて信号値に対応するカラー値及び不透明度の少なくとも一方の閾値を設定する。
カラーマップ情報を参考にしながら調整アイコンを移動させることにより、所定座標に対応するカラー値及び不透明度の少なくとも一方の閾値を設定することができるので、抽出して表示された関心領域に対して所定座標を再度指示する必要がなく、関心領域の抽出条件の調整を簡単な操作で実現することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記アイコン表示部は、前記カラーマップ情報に含まれ、信号値に対応する不透明度を示すオパシティカーブに対応させて前記調整アイコンを表示し、前記設定部は、不透明度の閾値を設定する。
アイコン表示部は、カラーマップ情報に含まれ、信号値に対応する不透明度を示すオパシティカーブに対応させて調整アイコンを表示する。設定部は、不透明度の閾値を設定する。
オパシティカーブに沿って調整アイコンを移動させることにより、所定座標に対応する不透明度の閾値を設定することができるので、抽出して表示された関心領域に対して所定座標を再度指示する必要がなく、関心領域の抽出条件の調整を簡単な操作で実現することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記アイコン表示部は、前記カラーマップ情報に含まれ、信号値に対応するカラー値を示すカラーバーに対応させて前記調整アイコンを表示し、前記設定部は、信号値の閾値を設定する。
アイコン表示部は、カラーマップ情報に含まれ、信号値に対応するカラー値を示すカラーバーに対応させて調整アイコンを表示する。設定部は、信号値の閾値を設定する。
カラーバーに沿って調整アイコンを移動させることにより、所定座標に対応する信号値の閾値を設定することができるので、抽出して表示された関心領域に対して所定座標を再度指示する必要がなく、関心領域の抽出条件の調整を簡単な操作で実現することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、前記カラーマップ情報とともにボクセル画像の信号値毎に可視化された画素及び不可視化された画素の少なくとも一方の数又は割合を表示する割合表示部を備える。
割合表示部は、カラーマップ情報とともにボクセル画像の信号値毎に可視化された画素及び不可視化された画素の少なくとも一方の数又は割合を表示する。
カラーマップ情報を参考にしながらボクセル画像の各信号値がどれだけ可視化されたか、あるいは不可視化されたかを確認することができるので、不透明度が0で不可視となっている画素と区別して、信号値による可視・不可視の状態を確認することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、ボクセル画像を構成する各画素の可視度合いを前記カラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を複数生成する生成部を備え、前記第2表示部は、前記カラーマップ情報に対応付けられた複数の決定情報に対して所定の論理演算を行って得られた、可視又は不可視を決定するための数値範囲を設定する閾値を含む決定情報を表示する。
生成部は、ボクセル画像を構成する各画素の可視度合いをカラーマップ情報と対応付けて決定する決定情報を複数生成する。すなわち、生成部は、複数のカラーマップ情報と対応付けてられた複数の異なる決定情報を生成することができる。
第2表示部は、カラーマップ情報対応付けられた複数の決定情報に対して所定の論理演算を行って得られた、可視又は不可視を決定するための数値範囲を設定する閾値を含む決定情報を表示する。論理演算は、例えば、論理和、論理積とすることができる。
これにより、複数のカラーマップ情報と対応付けてられた複数の決定情報の論理和、論理積を行った結果の決定情報を得ることができ、関心領域を確認しなくても、カラーマップ情報を参考にしながらレイヤーの論理演算結果を確認することができるので、関心領域の抽出、表示を繰り返す試行回数を減らすことができる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、前記カラーマップ情報とともに3次元画像の所定座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性を表示する属性表示部を備える。
属性表示部は、カラーマップ情報とともに3次元画像の所定座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性を表示する。例えば、3次元画像上で指示した位置に対応する所定座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性をカラーマップ情報とともに表示する。
カラーマップ情報とともに所定座標の属性を表示するので、カラーマップ情報を参考にしながら所定座標に適する属性であるか否かを容易に判断することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記属性表示部は、前記カラーマップ情報の信号値に対応付けて前記所定座標の信号値を表示する。
属性表示部は、カラーマップ情報の信号値に対応付けて所定座標の信号値を表示する。これにより、カラーマップ情報に含まれる信号値を参考にしながら所定座標に適する信号値であるか否かを容易に判断することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記属性表示部は、前記カラーマップ情報の不透明度に対応付けて前記所定座標の不透明度を表示する。
属性表示部は、カラーマップ情報の不透明度に対応付けて所定座標の不透明度を表示する。これにより、カラーマップ情報に含まれる不透明度を参考にしながら所定座標に適する不透明度であるか否かを容易に判断することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、前記属性表示部は、前記カラーマップ情報のカラー値に対応付けて前記所定座標のカラー値を表示する。
属性表示部は、カラーマップ情報のカラー値に対応付けて所定座標のカラー値を表示する。これにより、カラーマップ情報に含まれるカラー値を参考にしながら所定座標に適するカラー値であるか否かを容易に判断することができる。
本実施の形態の医用画像処理装置は、前記カラーマップ情報とともに、3次元画像の所定座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性を基準として、前記属性に対応する閾値によって可視化又は不可視化される属性の範囲を表示する属性範囲表示部を備える。
属性範囲表示部は、カラーマップ情報とともに、3次元画像の所定座標の信号値、カラー値及び不透明度の少なくとも一つを含む属性を基準として、属性に対応する閾値によって可視化又は不可視化される属性の範囲を表示する。
カラーマップ情報とともに所定座標の属性を基準とする可視化又は不可視化される範囲を表示するので、カラーマップ情報を参考にしながら所定座標を基準とする関心領域の抽出結果を代替的に確認することができ、関心領域の抽出、表示を繰り返す試行回数を減らすことができる。
本実施の形態の医用画像処理装置において、前記属性範囲表示部は、前記所定座標の変更に応じて属性の範囲を変更して表示する。
属性範囲表示部は、所定座標の変更に応じて属性の範囲を変更して表示する。これにより、所定座標の変更に伴って、所定座標を基準とする関心領域の抽出結果の変更を代替的に確認することができる。