JP7339737B2 - エタノール - Google Patents
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description
[1] 一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする微生物発酵由来のエタノールであって、
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により、下記条件において測定したガスクロマトグラフにおいて、
リテンションタイムが5分25秒~5分35秒のピーク、および
リテンションタイムが2分55秒~3分5秒のピーク
を有する、エタノール。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、1分間→5℃/分→100℃、10分間→10℃/分→250℃、4分間
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(3.0mL/分)
[2] 前記ガスクロマトグラフにおいて、更にリテンションタイムが5分30秒~5分35秒のピークを有する、[1]のエタノール。
[3] 前記一酸化炭素および水素を含むガスが廃棄物由来である、[1]または[2]のエタノール。
[4] 炭素源を一酸化炭素および水素を含む合成ガスに変換する工程と、
前記一酸化炭素および水素を含む合成ガスを微生物発酵槽に供給し、微生物発酵によりエタノール含有液を得る微生物発酵工程と、
前記エタノール含有液を、微生物を含む液体ないし固体成分とエタノールを含む気体成分とに分離する分離工程と、
前記気体成分を凝縮させて液化する液化工程と、
前記液化工程で得られた液体物からエタノールを精製する精製工程と、
を含み、
前記精製されたエタノールは、
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により、下記条件において測定したガスクロマトグラフにおいて、
リテンションタイムが5分25秒~5分35秒のピーク、および
リテンションタイムが2分55秒~3分5秒のピーク
を有する、エタノールの製造方法。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、1分間→5℃/分→100℃、10分間→10℃/分→250℃、4分間
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(3.0mL/分)
トランスファーライン温度:240℃
[5] 前記合成ガスを精製する工程を更に含む、[4]に記載の方法。
[6] 前記炭素源が廃棄物由来である、[4]または[5]に記載の方法。
[7] [1]~[3]のいずれかに記載のエタノールを原料とする化成品。
[8] [1]~[3]のいずれかに記載のエタノールを原料とするポリマー。
[9] [8]に記載のポリマーからなる成形品。
本発明において「エタノール」とは、化合物として純粋なエタノール(化学式:CH3CH2OHで表されるエタノール)を意味するものではなく、合成ないし精製を経て製造されたエタノールに不可避的に含まれる不純物(夾雑物成分)を含む組成物を意味するものとする。
本発明によるエタノールは、一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする微生物発酵由来のエタノールを含み、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により、下記条件において測定したガスクロマトグラフにおいて、
リテンションタイムが5分25秒~5分35秒のピーク、および
リテンションタイムが2分55秒~3分5秒のピーク
を有するものである。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、1分間→5℃/分→100℃、10分間→10℃/分→250℃、4分間
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(3.0mL/分)
上記したような特有のガスクロマトグラフピークを有するエタノールを製造する方法としては、例えば、廃棄物や排ガス由来の一酸化炭素を含む合成ガスを微生物発酵によってエタノールを製造することができる。このような方法においては、廃棄物や排ガス由来の原料ガス中の芳香族化合物等の含有量および精製条件を制御し、最終製品に含まれる芳香族化合物量等を制御してもよい。以下、一例として、廃棄物や排ガス由来の一酸化炭素を含む合成ガスを微生物発酵によってエタノールを製造する方法について説明する。
原料ガス生成工程は、ガス化部において、炭素源をガス化させることによって原料ガスを生成する工程である。原料ガス生成工程では、ガス化炉を用いてもよい。ガス化炉は、炭素源を燃焼(不完全燃焼)させる炉であり、例えば、シャフト炉、キルン炉、流動床炉、ガス化改質炉等が挙げられる。ガス化炉は、廃棄物を部分燃焼させることにより、高い炉床負荷、優れた運転操作性が可能となるため、流動床炉式であることが好ましい。廃棄物を低温(約450~600℃)かつ低酸素雰囲気の流動床炉中でガス化することで、ガス(一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン等)および炭素分を多く含むチャーに分解する。さらに廃棄物に含まれる不燃物が炉底から、衛生的でかつ酸化度の低い状態で分離されるため、不燃物中の鉄やアルミニウム等といった有価物を選択回収することが可能である。従って、このような廃棄物のガス化は、効率の良い資源リサイクルが可能である。
合成ガス精製工程は、原料ガスから、様々な汚染物質、ばいじん粒子、不純物、好ましくない量の化合物等の特定の物質を除去ないし低減する工程である。原料ガスが廃棄物由来である場合には、通常、原料ガスは、一酸化炭素を0.1体積%以上80体積%以下、二酸化炭素を0.1体積%以上40体積%以下、水素を0.1体積%以上80体積%以下含み、さらに窒素化合物を1ppm以上、硫黄化合物を1ppm以上、リン化合物を0.1ppm以上、および/または芳香族系化合物を10ppm以上含む傾向にある。また、その他の環境汚染物質、ばいじん粒子、不純物等の物質が含まれる場合もある。そのため、微生物発酵槽へ合成ガスを供給するにあたっては、原料ガスから、微生物の安定培養に好ましくない物質や、好ましくない量の化合物等を低減ないし除去し、原料ガスに含まれる各成分の含有量が微生物の安定培養に好適な範囲となるようにしておくことが好ましい。
リン化合物としては、リン酸が微生物の栄養源として消費しやすい点が好ましい。そのため、合成ガス中にリン酸が上記範囲で含まれていることがより好ましい。
窒素化合物としては、一酸化窒素、二酸化窒素、アクリルニトリル、アセトニトリル、HCN等が挙げられ、HCNが微生物の栄養源として消費しやすい点で好ましい。そのため合成ガス中に、HCNが上記範囲で含まれていることがより好ましい。
微生物発酵工程は、微生物発酵槽において、上記した合成ガスを微生物発酵させて、エタノールを製造する工程である。微生物発酵槽は、連続発酵装置とすることが好ましい。一般に、微生物発酵槽は任意の形状のものを用いることができ、撹拌型、エアリフト型、気泡塔型、ループ型、オープンボンド型、フォトバイオ型が挙げられるが、本発明においては、微生物発酵槽が、主槽部と還流部とを有する公知のループリアクターを好適に用いることができる。この場合、前記の液状の培地を、主槽部と還流部の間で循環させる循環工程をさらに備えるのが好ましい。
微生物発酵工程により得られたエタノール含有液は、次いで分離工程に付される。本発明においては、エタノール含有液を、0.01~1000kPa(絶対圧)の条件下、室温~500℃に加熱して、微生物を含む液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに分離する。従来の方法では、微生物発酵工程により得られたエタノール含有液を蒸留し、所望とするエタノールを分離精製していたが、エタノール含有液には微生物や微生物由来のタンパク質等が含まれるため、エタノール含有液をそのまま蒸留すると蒸留装置内で発泡が生じ連続的な運転が妨げられる場合があった。また、発泡性液体の精製方法として膜式エバポレーターを使用することが知られているが、膜式エバポレーターは濃縮効率が低く、固体成分を含む液体の精製には適していない。本発明においては、微生物発酵工程により得られたエタノール含有液から蒸留操作等により所望のエタノールを分離精製する前に、エタノール含有液を加熱し、微生物を含む液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに分離し、分離されたエタノールを含む気体成分のみから、所望とするエタノールを分離精製するものである。分離工程を実施することにより、エタノールの分離精製時の蒸留操作において、蒸留装置内で発泡が生じなくなるため、連続的に蒸留操作を行うことができる。また、エタノール含有液中のエタノール濃度よりも、エタノールを含む気体成分中に含まれるエタノール濃度の方が高くなるため、後述する精製工程において、効率的にエタノールの分離精製を行うことができる。
液化工程は、上記分離工程で得られたエタノールを含む気体成分を、凝縮により液化する工程である。液化工程で用いられる装置は、特に限定されないが、熱交換器、特にコンデンサー(凝縮器)を用いることが好ましい。凝縮器の例としては、水冷式、空冷式、蒸発式等が挙げられ、それらのなかでも水冷式が好ましい。凝縮器は一段でもよいし、複数段からなるものでもよい。
次に、液化工程で得られた液化物から、エタノールを精製する。微生物発酵工程で得られたエタノール含有液は、微生物等の成分が既に除去されている場合に、上記した分離工程を経ないで精製工程に供給することができる。精製工程は、液化工程において得られたエタノール含有液を、目的のエタノールの濃度を高めた留出液と、目的のエタノールの濃度を低下させた缶出液とに分離する工程である。精製工程に用いられる装置は、例えば、蒸留装置、浸透気化膜を含む処理装置、ゼオライト脱水膜を含む処理装置、エタノールより沸点の低い低沸点物質を除去する処理装置、エタノールより沸点の高い高沸点物質を除去する処理装置、イオン交換膜を含む処理装置等が挙げられる。これらの装置は単独でまたは2種以上を組み合わせてもよい。単位操作としては、加熱蒸留や膜分離を好適に用いてもよい。
一方、缶出液に含まれるエタノールの濃度は、0.001質量%~10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%~5質量%である。
精製工程において分離された缶出液は、排水処理工程に供給されてもよい。排水処理工程において、缶出液からさらに窒素化合物やリン化合物等の有機物を除去することができる。本工程では、缶出液を嫌気処理または好気処理することで有機物を除去してもよい。除去された有機物は、精製工程における燃料(熱源)として利用してもよい。
本発明によるエタノールは、様々な有機化合物の製造原料として用いることができる。例えば、本発明によるエタノールは、ブタンジエン、エチレン、ポリエチレン、エチレングリコール、ポリエステル等の製造の原料として用いることができる。以下、本発明のエタノールを原料としてブタジエンを合成する方法、ならびにポリエチレンおよびポリエステルを製造する方法を一例として説明するが、他の化成品やポリマー原料にも使用できることはいうまでもない。
ブタジエンは、主に石油からエチレンを合成(即ち、ナフサクラッキング)する際に副生するC4留分を精製することにより製造されており、合成ゴムの原料である。しかし、近年、石油から得られる化学工業原料に代えて、化石燃料由来ではないエタノール(微生物発酵由来のエタノール)を1,3-ブタジエンに変換する技術が切望されている。このような微生物発酵由来のエタノールを原料としてブタジエンを合成する方法としては、触媒としてMgOを使用する方法、Al2O3とZnOの混合物を使用する方法、マグネシウムシリケート構造を有する触媒等が知られている。触媒としては、上記した以外にも、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ニオブ、銀、インジウム、セリウム等が使用される。
本発明によるエタノールは、汎用プラスチックとして多岐に使用されているポリエチレンの原料としても好適に使用することができる。従来のポリエチレンは、石油からエチレンを合成し、エチレンモノマーを重合することにより製造されていた。本発明のエタノールを使用してポリエチレンを製造することにより、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。
エタノールを種々のカルボン酸と反応させることにより多種多様なエステルを合成することができる。例えば、エタノールと安息香酸とから安息香酸エチルが得られ、またエタノールからエチレンを経てポリエステルの原料であるジエチレングリコール等を得ることもできる。本発明のエタノールを使用してポリエチレンを製造することにより、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。
本発明によるエタノールは、上記したようなポリマー原料としてのみならず、様々な製品にも使用することができる。製品としては、例えば、化粧品、香水、燃料、不凍液、殺菌剤、消毒剤、清掃剤、カビ取り剤、洗剤、洗髪剤、石鹸、制汗剤、洗顔シート、溶剤、塗料、接着剤、希釈剤、食品添加物等の化成品が挙げられる。これらの用途に用いることで、用途に応じた適切な効果を発揮することができる。
以下の実施例、比較例において、エタノールの成分評価を、におい嗅ぎガスクロマトグラフ質量分析装置(JMS-Q1050GC Ultra Quad GC/MS日本電子社製)を用いた解析により行った。測定条件は以下のとおりとした。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:DB-WAX(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、1分間→5℃/分→100℃、10分間→10℃/分→250℃、4分間
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(3.0mL/分)
ブタジエンの定量評価を、ガスクロマトグラフィー装置(GC-2014、SHIMADZU社製)を用いた解析により行った。測定条件は以下のとおりとした。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:Rt-Q-BOND(長さ30m、内径0.32mm、膜厚10μm)
オーブン温度:60℃、11.5分間→10℃/分→100℃、14.5分間→10℃/分→250℃
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(30cm/s)
スプリット比率:75
安息香酸エチルの定量評価を、ガスクロマトグラフィー装置を用いた解析により行った。測定条件は以下のとおりとした。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:DB-1(長さ30.0m、内径0.254mm、膜厚0.25m)
昇温条件:30℃-300℃ 15℃/min
キャリアガス:He 100kPa
スプリット比:50
エタノールの燃焼効率の定量評価をFTT社製のコーンカロリーメータを用いた総発熱量解析により行った。
<エタノールの調製>
以下のようにして、エタノールを製造した。
(原料ガス生成工程)
ごみ焼却設備で一般廃棄物を燃焼した後に排出されるガスを用いた。原料ガスの成分は、一酸化炭素約30%、二酸化炭素約30%、水素約30%および窒素は約10%であった。
上記にて製造された原料ガスを不純物除去装置であるPSA装置を用いて、ガス温度を80℃まで加温した条件にて、合成ガス中に含まれている二酸化炭素を、もとの含有量(約30%)の60~80%となるように除去した後、150℃のスチームを用いた二重管式熱交換器にて、ガスの昇温と25℃の冷却水を用いた二重管式熱交換器を用いて再冷却を行い、不純物を析出させ析出した不純物をフィルターで除去することにより、合成ガスを製造した。
主反応器、合成ガス供給孔、および排出孔を備えた、クロストリジウム・オートエタノゲナム(微生物)の種菌と、菌培養用の液状培地(リン化合物、窒素化合物および各種ミネラル等を適切量含む)を充填した連続発酵装置(微生物発酵槽)に、上記のようにして得られた合成ガスを連続的に供給し、培養(微生物発酵)を連続300時間行った。その後、排出孔からエタノールを含有する培養液を約8000L抜き出した。
上記発酵工程で得られた培養液を、固液分離フィルター装置を用いて培養液導入圧200kPa以上の条件にて、エタノール含有液を得た。
続いて、エタノール含有液を、170℃のスチームを用いた加熱器を備えた蒸留装置に導入した。蒸留塔底部の温度を8~15分以内に101℃まで上昇させた後、上記エタノール含有液を蒸留塔中部から導入し、連続運転時においては、塔底部を101℃、塔中部を99℃、頭頂部を91℃にて、15秒/Lの条件にて連続運転し、精製されたエタノールを得た。
上記のようにして得られたエタノールについて、ガスクロマトグラフ分析結果は図1に示すとおりであった。
上記のようにして得られたエタノールを用いてブタジエンを製造した。先ず、得られたエタノールは、反応に供するガスとするため、90℃に熱した単管にエタノールを通して気化させ、気化したエタノールガスを窒素と合流させた。この際のエタノールガスの流量をSV360L/hr/L、窒素をSV840L/hr/Lとなるようにマスフローでコントロールすることでエタノール30体積%(気体換算)と窒素70体積%(気体換算)との混合ガスとした。続いて、Hf、ZnおよびCeを主成分とするブタジエン合成用触媒0.85gが充填された直径1/2インチ(1.27cm)、長さ15.7インチ(40cm)のステンレス製の円筒型の反応管を、温度350℃、圧力(反応床の圧力)0.1MPaに保持しながら上記混合ガスを連続的に供給することにより、ブタジエン含有ガスを得た。得られたブタジエン含有ガスをGC-2014(SHIMADZU社製)のガスクロマトグラフィー装置を用いてブタジエンの含有量を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。
化石燃料由来エタノールである99度エタノール(甘糟化学産業株式会社製)を用いて、実施例1と同様の方法によりブタジエンを製造し、実施例1と同様にしてブタジエンの含有量を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、使用したエタノールの成分評価を実施例1と同様にして行った。ガスクロマトグラフ分析結果は図2に示すとおりであった。
植物の糖化発酵由来である99度エタノール(甘糟化学産業株式会社製)を用いて、実施例1と同様の方法によりブタジエンを製造し、実施例1と同様にしてブタジエンの含有量を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、使用したエタノールの成分評価を実施例1と同様にして行った。ガスクロマトグラフ分析結果は図3に示すとおりであった。
(安息香酸エチルの製造)
実施例1で使用したエタノールと同じエタノールを用い、以下のようにして安息香酸エチルを製造した。先ず、アルゴン気流下において、安息香酸36.8gとエタノール200mlを混合させ、濃硫酸9mlを加えて還流させながら5時間攪拌した。その後、室温まで放冷し、減圧下で未反応エタノールを除去し、ジエチルエーテル100mlで合成した安息香酸エチルを回収した。回収した液を蒸留水で洗浄し、硫化マグネシウムを用いて乾燥させた後、ろ過濃縮した。
得られたろ液を、ガスクロマトグラフィー装置を用いて成分分析を行い、安息香酸エチル合成量を定量した。その際の分析条件を以下に示す。分析結果は表2に示されるとおりであった。
カラム:DB-1(長さ30.0m、内径0.254mm、膜厚0.25m)
昇温条件:30-300℃ 15℃/min
キャリアガス:He 100kPa
スプリット比:50
比較例1で使用した石油化学由来のエタノールを用いた以外は実施例2と同様にして安息香酸エチルを製造し、定量した。分析結果は表2に示されるとおりであった。
比較例2で使用した石油化学由来のエタノールを用いた以外は実施例2と同様にして安息香酸エチルを製造し、定量した。分析結果は表2に示されるとおりであった。
実施例1で使用したエタノールと同じエタノールを用いエタノールの燃焼効率を定量した。燃料効率は、無加熱条件下にて、長さ60mm×幅60mm×高さ30mmの耐熱容器にエタノール30gを加えたのち着火し、コーンカロリーメータ(FTT社製)内で完全に燃焼しきるまでの酸素減少量を測定し、酸素減少量に基づいて総発熱量を算出することにより定量した。定量結果は表3に示されるとおりであった。
比較例1で使用したエタノールを使用した以外は、実施例3と同様にしてエタノールの燃焼効率を定量した。定量結果は表3に示されるとおりであった。
比較例2で使用したエタノールを使用した以外は、実施例3と同様にしてエタノールの燃焼効率を定量した。定量結果は表3に示されるとおりであった。
Claims (10)
- 炭素源として廃棄物をガス化することにより、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含む原料ガスを生成する工程と、前記原料ガスを、圧力スイング吸着方式の分離装置を用いて精製して、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含む合成ガスを得る工程と、前記合成ガスを、微生物としてクロストリジウム属を含む発酵槽に供給し、微生物発酵によりエタノール含有液を得る微生物発酵工程と、前記エタノール含有液を、微生物を含む液体ないし固体成分とエタノールを含む気体成分とに分離する分離工程と、前記気体成分を凝縮させて液化する液化工程と、前記液化工程で得られた液体物からエタノールを精製する精製工程とを含む方法により得られるエタノールであって、
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により、下記条件において測定したガスクロマトグラフにおいて、
リテンションタイムが5分25秒~5分35秒のピーク、および
リテンションタイムが2分55秒~3分5秒のピーク
を有する、エタノール。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、1分間→5℃/分→100℃、10分間→10℃/分→250℃、4分間
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(3.0mL/分) - 前記ガスクロマトグラフにおいて、更にリテンションタイムが5分30秒~5分35秒のピークを有する、請求項1に記載のエタノール。
- 炭素源として廃棄物をガス化することにより、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含む原料ガスを生成する工程と、
前記原料ガスを、圧力スイング吸着方式の分離装置を用いて精製して、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含む合成ガスを得る工程と、
前記合成ガスを、微生物としてクロストリジウム属を含む発酵槽に供給し、微生物発酵によりエタノール含有液を得る微生物発酵工程と、
前記エタノール含有液を、微生物を含む液体ないし固体成分とエタノールを含む気体成分とに分離する分離工程と、
前記気体成分を凝縮させて液化する液化工程と、
前記液化工程で得られた液体物からエタノールを精製する精製工程と、
を含み、
前記精製されたエタノールは、
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により、下記条件において測定したガスクロマトグラフにおいて、
リテンションタイムが5分25秒~5分35秒のピーク、および
リテンションタイムが2分55秒~3分5秒のピーク
を有する、エタノールの製造方法。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、1分間→5℃/分→100℃、10分間→10℃/分→250℃、4分間
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(3.0mL/分) - 前記合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、
前記一酸化炭素の濃度が、20体積%以上50体積%以下であり、
前記二酸化炭素の濃度が、0.1体積%以上40体積%以下であり、
前記水素の濃度が、10体積%以上55体積%以下であり、
前記窒素の濃度が、1体積%以上40体積%以下である、請求項3に記載のエタノールの製造方法。 - 前記圧力スイング吸着方式の分離装置を用いて、前記原料ガス中の二酸化炭素濃度を低減する、請求項3または4に記載のエタノールの製造方法。
- 化成品用である、請求項1または2に記載のエタノール。
- ポリマー用である、請求項1または2に記載のエタノール。
- 請求項1または2に記載のエタノールを原料とする化成品。
- 請求項1または2に記載のエタノールを原料とするポリマー。
- 請求項9に記載のポリマーからなる成形品。
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