JP7338774B1 - プレス金型の設計方法、装置及びプログラム、並びにプレス成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、金属部材とは、熱延鋼板、冷延鋼板、あるいは鋼板に表面処理(電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、有機皮膜処理等)を施した表面処理鋼板をはじめ、SUS、アルミニウム、マグネシウム等、各種金属類から構成される板でもよい。
そのため、プレスラインの変更や部品の分割をすることなくプレス成形荷重を低減できるプレス金型が求められている。
プレス金型の構造として、プレス金型の剛性を設計する場合、弾性体のソリッドモデル(三次元要素)を用いて金型モデルを作成し、作成した三次元要素の金型モデルを用いてFEM解析を行い、プレス成形荷重を低減するように金型モデルの構造を変更し、プレス金型構造を設計する必要がある。
しかし、ソリッドモデル(三次元要素)を用いてプレス金型をモデル化したFEM解析計算は計算時間を要し、金型モデルの構造を変更するたびに金型モデルのモデリングが必要であり、金型設計に時間がかかる点が問題であった。
さらに、設計されたプレス金型に基づいて製造された実プレス金型によって、プレス成形品を製造するプレス成形品の製造方法を提供することを目的としている。
また、プレス金型の剛性を低下させるには、有限要素法を用いたプレス成形解析するにあたり、プレス金型の剛性分布に着目して解析を行えばよいと考えた。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
前記プレス金型の表面を非剛体の二次元要素によって仮想的な厚みを持たせた金型モデルを作成する金型モデル作成工程と、
前記二次元要素の境界条件を前記金型モデルの部位によって異ならせることによって前記金型モデルの剛性分布を設定する金型モデル剛性分布設定工程と、
該剛性分布を設定した金型モデルを用いてプレス成形解析を行い、プレス成形荷重を取得するプレス成形荷重取得工程と、
前記プレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲内かどうかを判定するプレス成形荷重判定工程と、
該プレス成形荷重判定工程において、前記所定のプレス成形荷重の範囲内であると判定された場合は、前記設定した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定し、前記プレス成形荷重判定工程において前記所定のプレス成形荷重の範囲を満たさないと判定された場合、該所定のプレス成形荷重の範囲を満たすまで、前記金型モデル剛性分布設定工程における前記金型モデルの剛性分布を変更し、前記プレス成形荷重取得工程と、前記プレス成形荷重判定工程と、を繰り返し、前記所定のプレス成形荷重の範囲になったときに、前記変更した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定するプレス金型設計剛性決定工程と、を含むことを特徴とするものである。
前記プレス金型の表面を非剛体の二次元要素によって仮想的な厚みを持たせた金型モデルを作成する金型モデル作成部と、
前記二次元要素の境界条件を前記金型モデルの部位によって異ならせることによって前記金型モデルの剛性分布を設定する金型モデル剛性分布設定部と、
該剛性分布を設定した金型モデルを用いてプレス成形解析を行い、プレス成形荷重を取得するプレス成形荷重取得部と、
前記プレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲内かどうかを判定するプレス成形荷重判定部と、
該プレス成形荷重判定部において、前記所定のプレス成形荷重の範囲であると判定された場合は、前記設定した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定し、前記成形荷重判定部において前記所定のプレス成形荷重の範囲を満たさないと判定された場合、該所定のプレス成形荷重の範囲を満たすまで、前記金型モデル剛性分布設定部において前記金型モデルの剛性分布を変更し、プレス成形荷重取得部と前記プレス成形荷重判定部の処理を繰り返し、前記所定のプレス成形荷重の範囲になったときに、前記変更した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定するプレス金型設計剛性決定部と、を含むことを特徴とするものである。
取得したプレス金型の設計剛性分布に基づき実プレス金型を製造するプレス金型製造工程と、
該実プレス金型を用いてプレス成形を行うプレス成形工程を含むことを特徴とするものである。
その結果としてプレス機の加圧能力に応じた適切なプレス成形荷重となる実プレス金型を用いてプレス成形品の製造を行うことができるようになる。これにより、プレス金型への過剰な加圧によるプレス金型の寿命の低下を抑えることができ、プレス成形品のバリ等の発生を抑止して製造効率を向上することができる。
本実施の形態は、プレス成形荷重を低減できるプレス金型の設計方法であって、図1に示すように、金型モデル作成工程(S1)と、金型モデル剛性分布設定工程(S3)と、プレス成形荷重取得工程(S5)と、プレス成形荷重判定工程(S7)と、プレス金型設計剛性決定工程(S9)とを備えたものである。
以下、各構成を説明する。
金型モデル作成工程S1は、プレス金型の表面を非剛体の二次元要素(シェル要素)によって仮想的な厚みを持たせた金型モデルを作成する工程である。
ここで非剛体とは、弾性体もしくは弾塑性体を指し、非剛体の二次元要素(シェル要素)は、弾性又は弾塑性の二次元要素を用いればよい。
なお、シェル要素に仮想的な厚みを持たせること自体は通常の成形解析でシェル要素を使用する際の手順の一つである。
金型モデル剛性分布設定工程S3は、二次元要素の境界条件を金型モデルの部位によって異ならせることによって金型モデルの剛性分布を設定する工程である。
ここで、境界条件とは、変位拘束や弾性係数、板厚、密度、質量あるいは降伏強度でもよい。
例えば、境界条件を変位拘束とする場合、プレス金型のある特定範囲を高剛性とする場合には、高剛性とする部位の二次元要素の変位を拘束して変形しないように境界条件を設定すればよい。
同様に、境界条件を弾性係数、板厚、密度、質量、降伏強度とする場合、プレス金型のある特定範囲を高剛性とする場合には、高剛性とする部位の二次元要素の弾性係数、板厚、密度、質量、降伏強度を大きくして変形しにくく境界条件を設定すればよい。
プレス成形荷重取得工程S5は、剛性分布を設定した金型モデルを用いてプレス成形解析を行い、プレス成形荷重を取得する工程である。
取得するプレス成形荷重は、プレス金型全体にかかる荷重であっても、プレス金型の面圧分布であってもよい。
プレス成形荷重判定工程S7は、プレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲内かどうかを判定する工程である。
所定のプレス成形荷重の範囲とは、プレス成形機の最大荷重や、プレス金型の損耗を低減するための荷重制約や、プレス金型の振動を低減するための荷重制約などである。
プレス金型設計剛性決定工程S9は、プレス成形荷重判定工程S7において、所定のプレス成形荷重の範囲内であると判定された場合は、設定した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定する。
また、プレス成形荷重判定工程S7において前記所定のプレス成形荷重の範囲を満たさないと判定された場合には、所定のプレス成形荷重の範囲を満たすまで、金型モデル剛性分布設定工程S3における金型モデルの剛性分布を変更し、プレス成形荷重取得工程S5と、プレス成形荷重判定工程S7と、を繰り返し、所定のプレス成形荷重の範囲になったときに、変更した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定する。
実施の形態1で説明したプレス金型の設計方法は、予め設定されたプログラムをコンピュータに実行させることで実現できる。そのような装置の一例であるプレス金型の設計装置を本実施の形態で説明する。
本実施の形態に係るプレス金型の設計装置1は、図2に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータによって構成され、表示装置3、入力装置5、記憶装置7、作業用データメモリ9及び演算処理部11を有している。
そして、表示装置3、入力装置5、記憶装置7及び作業用データメモリ9は、演算処理部11に接続され、演算処理部11からの指令によってそれぞれの機能が実行される。
以下、図3に示すプレス成形品31を解析対象とし、本実施の形態に係るプレス金型の設計装置1の各構成について説明する。
表示装置3は、解析結果の表示等に用いられ、液晶モニター等で構成される。
入力装置5は、ブランクやプレス成形品31等の表示指示や操作者の条件入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。
記憶装置7は、金型CADデータ、ブランク及びプレス成形品31の形状ファイル等の各種ファイルの記憶等に用いられ、ハードディスク等で構成される。
作業用データメモリ9は、演算処理部11で使用するデータの一時保存や演算に用いられ、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
演算処理部11は、図2に示すように、金型モデル作成部13と、金型モデル剛性分布設定部15と、プレス成形荷重取得部17と、プレス成形荷重判定部19と、プレス金型設計剛性決定部21と、を有し、CPU(中央演算処理装置)によって構成される。
これらの各部は、CPUが所定のプログラムを実行することによって機能する。
演算処理部11における上記の各部の機能を以下に説明する。
したがって、本発明に係るプレス金型の設計プログラムは、コンピュータを、金型モデル作成部13、金型モデル剛性分布設定部15、プレス成形荷重取得部17、プレス成形荷重判定部19及びプレス金型設計剛性決定部21として機能させるもの、と特定することができる。
本発明の実施の形態3に係るプレス成形品の製造方法は、本実施の形態1で説明したプレス金型の設計方法によって取得しプレス金型の設計剛性分布に基づいて実プレス金型を製造し、該実プレス金型を用いてプレス成形品の製造するものである。図8に示すように、プレス金型設計剛性分布取得工程S11と、プレス金型製造工程S13と、プレス成形工程S15と、を含む。
プレス金型設計剛性分布取得工程S11は、前述した本実施の形態1のプレス金型の設計方法によってプレス金型の設計剛性分布を取得する工程である。
プレス金型設計剛性分布取得工程S11において取得するプレス金型の設計剛性分布は、前述したプレス金型設計剛性決定工程S9において、所定のプレス成形荷重の範囲になったときに、変更した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定したものである。
プレス金型製造工程S13は、プレス金型設計剛性分布取得工程S11において取得したプレス金型の設計剛性分布に基づき実プレス金型を製造する工程である。
プレス金型製造工程S13では、プレス金型の設計剛性分布に基づいて、例えば、二次元要素の変形を拘束して変形しないように境界条件を設定した高剛性とする部位にリブ(補強部材)を配置し、それ以外の部位は、たわみ量が金型モデルと同じになるように実プレス金型の厚みを決定する。
図9は、金型表面の弾性変形を単純梁の変形と考えて図示したものであり、図9(a)は実プレス金型の厚みt(mm)、弾性係数E(MPa)の場合であり、図9(b)が金型モデルの仮想的な厚みをtc(mm)、弾性係数Ec(MPa)の場合を示している。
このように考えると、図9(a)の実プレス金型のたわみ量δと図9(b)の金型モデルのたわみ量δcが同じとなる実プレス金型の厚みtを、式(1)で決定できる。
t=(Ec/E)1/3・tc・・・(1)
プレス成形工程S15は、プレス金型製造工程S13で製造した実プレス金型を用いて、実際にプレス成形を行い、プレス成形品を製造する工程である。
図3に実施例の対象とする部品形状を示す。部品の材質は冷延1180MPa級高張力鋼板、板厚1.6mmである。当該部品のプレス成形に際しては、プレス機械の機械的な制約から、冷間プレス荷重を最大荷重245ton以下に抑える必要がある。そこで、本発明のプレス金型の設計方法における成形荷重判定工程における所定のプレス成形荷重をプレス成形機の最大荷重245tonとした。
発明例の各工程を、参照する図4を示しながら説明する。
2.次にプレス金型のメッシュを作成して剛体のソリッドモデル(三次元要素)による金型モデルa(ソリッド)を作成した(図4(B))。
3.金型モデルa(ソリッド)を用いたFEM解析により、図3に示す部品形状のプレス成形品31のプレス成形解析を実施し、プレス成形荷重を取得した。
4.次に金型モデルa(ソリッド)のプレス成形荷重が、最大荷重245ton以下かどうか、プレス成形荷重判定を実施した。
その結果、プレス成形荷重は338tonであり、最大荷重245tonを38.0%も上回っていたので、さらなるプレス成形荷重の低減が必要と判定された。
そこで、以降の5~13において、本実施の形態に係るプレス金型の設計方法及び装置を用いて、プレス成形荷重を低減できるプレス金型を設計した。
5.プレス金型の表面を弾性(非剛性)のシェル要素(二次元要素)によって仮想的な厚みを持たせた金型モデル(シェル)を作成した(図4(C)、金型モデル作成工程)
6.そして、プレス金型の高剛性とする部位は、その範囲の金型モデル(シェル)の変位を拘束して変位しないように設定し、それ以外の範囲の金型モデル(シェル)の変位は拘束せずに、境界条件を金型モデル(シェル)の部位によって異ならせることにより金型モデル(シェル)の剛性分布を設定し、金型モデルb(シェル)を作成した(図4(D)、金型モデル剛性分布設定工程)。
7.剛性分布を設定した金型モデルb(シェル)を用いたFEM解析によるプレス成形解析を実施し、プレス成形荷重を取得した(プレス成形荷重取得工程)。
8.金型モデルb(シェル)のプレス成形荷重がプレス成形機の最大荷重245ton以下を満たすかどうかを判定した。取得した金型モデルb(シェル)のプレス成形荷重は250tonで最大荷重245tonを超えており、さらなるプレス成形荷重低減が必要であり、所定のプレス成形荷重の範囲を満たさないと判定された(プレス成形荷重判定工程)。
9.金型モデルb(シェル)で設定した金型モデル(シェル)の変位を拘束する部位を金型モデルb(シェル)よりも狭くなるように変更し、金型モデルの剛性分布を変更した金型モデルc(シェル)を作成した(図4(E)、プレス金型設計剛性決定工程において繰返し行う、金型モデル剛性分布設定工程)。
10.剛性分布を変更した金型モデルc(シェル)を用いたプレス成形解析を実施し、プレス成形荷重を取得した(プレス金型設計剛性決定工程において繰返し行う、プレス成形荷重取得工程)。
11.取得した金型モデルc(シェル)のプレス成形荷重が、最大荷重245ton以下を満たすかどうかを判定した(プレス金型設計剛性決定工程において繰返し行う、プレス成形荷重判定工程)。
その結果、金型モデルc(シェル)のプレス成形荷重は234tonであり、最大荷重245tonを4.5%下回るまで低減できたので、所定のプレス成形荷重の範囲内であると判定された(プレス金型設計剛性決定工程において繰返し行う、プレス成形荷重判定工程)。
12.金型モデルc(シェル)のプレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲になったので、金型モデルc(シェル)の剛性分布を、図3に示す部品形状のプレス成形品31のプレス金型の設計剛性分布として決定した。
13.これによって、検討が終了した。
上述の9~12で示した工程は、プレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲になるまで、さらに、プレス成形荷重を低減すべく、金型モデル(シェル)の剛性分布を変更し、プレス成形荷重取得工程と、プレス成形荷重判定工程と、を繰り返し、シェルモデルによる金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定するという、本発明のプレス金型設計剛性決定工程に相当する。
比較例の各工程を、参照する図5を示しながら説明する。なお、比較例の1~4の各工程は、発明例と同じである。
2.次にプレス金型のメッシュを作成して剛体のソリッドモデル(三次元要素)による金型モデルa(ソリッド)(発明例の金型モデルaと同じ)を作成した(図5(b))。
3.金型モデルa(ソリッド)を用いたFEM解析により、図3に示す部品形状のプレス成形品31のプレス成形解析を実施し、プレス成形荷重を取得した。
4.次に金型モデルa(ソリッド)のプレス成形荷重が、最大荷重245ton以下かどうか、プレス成形荷重判定を実施した。
このときプレス成形荷重は、発明例で説明したのと同様に338tonであり、最大荷重245tonを38.0%も上回っていたので、さらなるプレス成形荷重低減が必要と判定された。
5.プレス金型構造を再検討し、プレス金型構造を変更したプレス金型の金型CADデータを作成した(図5(c))。
6.プレス金型構造を変更したプレス金型の金型CADデータより、プレス金型のメッシュを作成して剛体のソリッドモデルによる金型モデルb(ソリッド)を作成した(図5(d))。
7.作成した金型モデルb(ソリッド)を用いたFEM解析によるプレス成形解析を実施し、プレス成形荷重を取得した。
8.金型モデルb(ソリッド)のプレス成形荷重は248tonであり、最大荷重245tonよりわずかではあるが1.2%上回っており、さらなるプレス成形荷重低減が必要と判定された。
9.プレス成形荷重をさらに低減すべく、プレス金型構造を再検討し、プレス金型構造を再度変更したプレス金型の金型CADデータを作成した(図5(e))。
10.プレス金型構造を再度変更したプレス金型の金型CADデータより、プレス金型のメッシュを作成して剛体のソリッドモデルによる金型モデルc(ソリッド)を作成した(図5(f))。
11.作成した金型モデルc(ソリッド)を用いたFEM解析によるプレス成形解析を実施し、プレス成形荷重を取得した。
12.金型モデルc(ソリッド)のプレス成形荷重は228tonであり、最大荷重245tonを6.9%下回るまで低減できたので、プレス成形荷重判定はOKとなった。
13.金型モデルc(ソリッド)のプレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲になったので、金型モデルc(ソリッド) の剛性分布を、図3に示す部品形状のプレス成形品31のプレス金型の設計剛性分布として決定した。
14.これによって、検討が終了した。
図7に示すように、比較例におけるモデリング時間は60min、計算時間が200minで合計260minであった。これに対し、実施例におけるモデリング時間は5min、計算時間が130minで合計135minであり、比較例の48%の計算時間を短縮できた。
3 表示装置
5 入力装置
7 記憶装置
9 作業用データメモリ
11 演算処理部
13 金型モデル作成部
15 金型モデル剛性分布設定部
17 プレス成形荷重取得部
19 プレス成形荷重判定部
21 プレス金型設計剛性決定部
31 プレス成形品
33 天板部
35 縦壁部
37 フランジ部
39 パンチ肩R部
41 ダイ肩R部
43 プレス金型の設計剛性分布
45 高剛性とする部位
47 実プレス金型
49 溝形状部
51 第1R部
53 第2R部
55 リブ形状部
57 リブ形状相当部
Claims (6)
- プレス成形荷重を低減できるプレス金型の設計方法であって、
前記プレス金型の表面を非剛体の二次元要素によって仮想的な厚みを持たせた金型モデルを作成する金型モデル作成工程と、
前記二次元要素の境界条件を前記金型モデルの部位によって異ならせることによって前記金型モデルの剛性分布を設定する金型モデル剛性分布設定工程と、
該剛性分布を設定した金型モデルを用いてプレス成形解析を行い、プレス成形荷重を取得するプレス成形荷重取得工程と、
前記プレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲内かどうかを判定するプレス成形荷重判定工程と、
該プレス成形荷重判定工程において、前記所定のプレス成形荷重の範囲内であると判定された場合は、前記設定した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定し、前記プレス成形荷重判定工程において前記所定のプレス成形荷重の範囲を満たさないと判定された場合、該所定のプレス成形荷重の範囲を満たすまで、前記金型モデル剛性分布設定工程における前記金型モデルの剛性分布を変更し、前記プレス成形荷重取得工程と、前記プレス成形荷重判定工程と、を繰り返し、前記所定のプレス成形荷重の範囲になったときに、前記変更した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定するプレス金型設計剛性決定工程と、を含むことを特徴とするプレス金型の設計方法。 - 前記金型モデル剛性分布設定工程における前記境界条件を、変位拘束、弾性係数、板厚、密度、質量、降伏強度のいずれか一つ又はこれらの組み合わせ、とすることを特徴とする請求項1に記載のプレス金型の設計方法。
- 前記非剛体の二次元要素は、弾性又は弾塑性の二次元要素であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス金型の設計方法。
- プレス成形荷重を低減できるプレス金型の設計装置であって、
前記プレス金型の表面を非剛体の二次元要素によって仮想的な厚みを持たせた金型モデルを作成する金型モデル作成部と、
前記二次元要素の境界条件を前記金型モデルの部位によって異ならせることによって前記金型モデルの剛性分布を設定する金型モデル剛性分布設定部と、
該剛性分布を設定した金型モデルを用いてプレス成形解析を行い、プレス成形荷重を取得するプレス成形荷重取得部と、
前記プレス成形荷重が所定のプレス成形荷重の範囲内かどうかを判定するプレス成形荷重判定部と、
該プレス成形荷重判定部において、前記所定のプレス成形荷重の範囲であると判定された場合は、前記設定した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定し、前記プレス成形荷重判定部において前記所定のプレス成形荷重の範囲を満たさないと判定された場合、該所定のプレス成形荷重の範囲を満たすまで、前記金型モデル剛性分布設定部において前記金型モデルの剛性分布を変更し、プレス成形荷重取得部と前記プレス成形荷重判定部の処理を繰り返し、前記所定のプレス成形荷重の範囲になったときに、前記変更した金型モデルの剛性分布をプレス金型の設計剛性分布として決定するプレス金型設計剛性決定部と、を含むことを特徴とするプレス金型の設計装置。 - コンピュータを請求項4に記載のプレス金型の設計装置として機能させることを特徴とするプレス金型の設計プログラム。
- プレス成形品の製造方法であって、
請求項1又は2に記載のプレス金型の設計方法によってプレス金型の設計剛性分布を取得するプレス金型設計剛性分布取得工程と、
取得したプレス金型の設計剛性分布に基づき実プレス金型を製造するプレス金型製造工程と、
該実プレス金型を用いてプレス成形を行うプレス成形工程を含むことを特徴とするプレス成形品の製造方法。
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