JP7337331B2 - 共振子及び共振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、輪郭振動モードで振動する共振子及び共振装置に関する。
従来、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた共振装置が例えばタイミングデバイスとして用いられている。この共振装置は、スマートフォンなどの電子機器内に組み込まれるプリント基板上に実装される。共振装置は、下側基板と、下側基板との間でキャビティを形成する上側基板と、下側基板及び上側基板の間でキャビティ内に配置された共振子と、を備えている。
例えば特許文献1には、直方体状の圧電体と、圧電体の外表面に形成された複数の共振電極とを備え、圧電体の分極方向両側の一対の矩形の面の短辺の長さをa、長辺の長さをbとし、圧電体を構成している材料のポアソン比をσとしたときに、長辺と短辺との長さの比b/aが、所定の値を中心として±10%の範囲内とされており、複数の共振電極間に交流電圧が印加されたときに短辺方向を幅方向とする幅拡がりモードが励振される共振部を有する、幅拡がりモードを利用した振動体が開示されている。
特許第3139274号公報
特許文献1のように、平面視において、振動部が矩形状を有する共振子では、当該矩形状の短辺における中央部が、変位の小さい振動のノード領域となる。そのため、従来の共振子は、このノード領域に、共振子と保持部とを接続する支持部を設けており、振動部の振動が支持部を通じて保持部に漏洩することを抑制していた。
しかしながら、振動部のノード領域は、変位が少なくても歪みが大きくなる場合があった。この場合、ノード領域の歪みによって、振動部の振動エネルギーが支持部から保持部へ漏洩するおそれがあるため、振動の閉じ込め性の向上には限界があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、振動の閉じ込め性をさらに向上させることのできる共振子及び共振装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る共振子は、第1主面が第1方向の幅と第2方向の長さとを有する基板を含み、輪郭振動を主振動として振動する振動部と、振動部の少なくとも一部を囲むように形成される保持部と、第2方向に沿って延在し、保持部と振動部における2方向の一端部とを接続する支持部と、を備え、振動部は、第1主面を平面視したときに、第1方向の幅が、最大となる第2方向の位置から一端部に向けて、及び位置から第2方向の他端部に向けて、小さくなる。
本発明の一側面に係る共振装置は、前述した共振子と、蓋体と、を備える。
本発明によれば、振動の閉じ込め性をさらに向上させることができる。
図1は、第1実施形態における共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。 図2は、図1に示した共振装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。 図3は、図2に示した共振子の構造を概略的に示す平面図である。 図4は、図3に示したIV-IV線に沿った断面の構成を概略的に示す断面図である。 図5は、図3に示したV-V線に沿った断面の構成を概略的に示す断面図である。 図6は、図3に示した振動部の振動態様を模式的に示す平面図である。 図7は、図3に示した振動部の振動態様を模式的に示す平面図である。 図8は、図3に示した振動部の振動による変位分布を模式的に示す斜視図である。 図9は、図3に示した振動部の振動による歪み分布を模式的に示す斜視図である。 図10は、図3に示した共振子の変形例を示す平面図である。 図11は、第2実施形態における共振子の構造を概略的に示す平面図である。 図12は、図11に示した振動部の振動態様を模式的に示す平面図である。 図13は、図11に示した振動部の振動態様を模式的に示す平面図である。 図14は、図11に示した振動部の振動による変位分布を模式的に示す斜視図である。 図15は、図11に示した振動部の振動による歪み分布を模式的に示す斜視図である。 図16は、第3実施形態の第1例における共振子の構造を概略的に示す平面図である。 図17は、第3実施形態の第2例における共振子の構造を概略的に示す平面図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の構成要素は同一又は類似の符号で表している。図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
[第1実施形態]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る共振装置の概略構成について説明する。図1は、第1実施形態における共振装置1の外観を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示した共振装置1の構造を概略的に示す分解斜視図である。
共振装置1は、共振子10と、下蓋20及び上蓋30と、を備えている。すなわち、共振装置1は、下蓋20と、共振子10と、上蓋30とが、この順で積層されて構成されている。なお、下蓋20及び上蓋30は、本発明の「蓋体」の一例に相当する。
以下において、共振装置1の各構成について説明する。なお、以下の説明では、共振装置1のうち上蓋30が設けられている側を上(又は表)、下蓋20が設けられている側を下(又は裏)、とする。
共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS振動子である。共振子10と下蓋20及び上蓋30とは、接合されている。また、共振子10と下蓋20及び上蓋30とは、それぞれシリコン(Si)基板(以下、「Si基板」という)を用いて形成されており、Si基板同士が互いに接合されている。なお、共振子10及び下蓋20は、SOI基板を用いて形成されてもよい。
上蓋30はXY平面に沿って平板状に広がっており、その裏面に例えば平たい直方体形状の凹部31が形成されている。凹部31は、側壁33に囲まれており、共振子10が振動する空間である振動空間の一部を形成する。なお、上蓋30は凹部31を有さず、平板状の構成でもよい。また、上蓋30の凹部31の共振子10側の面には、ゲッター層が形成されていてもよい。
下蓋20は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板22と、底板22の周縁部からZ軸方向、つまり、下蓋20と共振子10との積層方向、に延びる側壁23と、を有する。下蓋20には、共振子10と対向する面において、底板22の表面と側壁23の内面とによって形成される凹部21が形成されている。凹部21は、共振子10の振動空間の一部を形成する。なお、下蓋20は凹部21を有さず、平板状の構成でもよい。また、下蓋20の凹部21の共振子10側の面には、ゲッター層が形成されてもよい。
前述した上蓋30と下蓋20とによって、共振子10の振動空間は気密に封止され、真空状態が維持される。なお、この振動空間には、例えば不活性ガス等の気体が充填されてもよい。
次に、図3を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る共振子の概略構成について説明する。図3は、図2に示した共振子10の構造を概略的に示す平面図である。
図3に示すように、共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS振動子である。共振子10は、振動部120と、保持部140と、支持腕111と、を備える。なお、支持腕111は、本発明の「支持部」の一例に相当する。
振動部120は、一方の主面(上蓋30に対向する面)がX軸方向の幅WとY軸方向の長さLとを有する後述のシリコン(Si)基板(以下、「Si基板」という)F2を含んでいる。また、後述するように、振動部120は、輪郭振動を主振動として振動するように構成されている。なお、Si基板F2の外形は振動部120の外形と同一又は略同一であるため、以下の説明では、特に明示した場合を除き、振動部120は、平面視において、Si基板F2の一方の主面と同様に、X軸方向の幅WとY軸方向の長さLとを有するものとする。
振動部120は、上蓋30に対向する面を平面視したときに、図3に示す直交座標系におけるXY平面に沿って広がる卵形の輪郭を有している。振動部120は、保持部140の内側に設けられており、振動部120と保持部140との間には、所定の間隔で空間が形成されている。
図3に示すように、平面視において、振動部120は、2つの半楕円を組み合わせた形状であって、一方の半楕円の短径と他方の半楕円の長径とをつなぎ合わせた形状を有している。なお、振動部120は、それぞれ半楕円の形状を有する2つの部材を接合したり、接続したりするものに限定されず、1つの部材から形成されてもよい。この場合、振動部120の形状は、MEMS技術を用いた微細加工によって形成される。
振動部120における一方の半楕円の部分は、Y軸方向に沿う長さLが、その楕円の長軸を通る位置において最大値L1maxを有している。振動部120における他方の半楕円の部分は、Y軸方向に沿う長さLが、その楕円の短軸を通る位置において最大値L2maxを有している。
また、振動部120は、X軸方向に沿う幅Wが、一方の半楕円と他方の半楕円との境界を通るY軸方向の位置において、最大値Wmaxを有している。そして、振動部120におけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の一端部(図3において下端部)に向けて、及び、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の他端部(図3において上端部)に向けて、漸次的に小さくなっている。これにより、振動部120の一端部に、変位の小さい輪郭振動のノード領域であって、輪郭振動による歪みの小さい領域を形成することが可能になる。
図3に示すように、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置は、振動部120のY軸方向の中心を通る中心線CL2からずれている。より詳細には、当該位置は、振動部120のY軸方向の中心線CL2から、振動部120におけるY軸方向の一端部側(図3においてY軸負方向側)にずれている。
本実施形態では、一方の半楕円におけるY軸方向の長さLの最大値L1maxは、X軸方向の幅Wの最大値Wmaxに対して0.9倍に設定される。また、他方の半楕円におけるY軸方向の長さLの最大値L2maxは、X軸方向の幅Wの最大値Wmaxに対して0.25倍に設定される。X軸方向の幅Wの最大値Wmaxは、例えば160μm程度である。このように、振動部120において、Y軸方向の長さLは、X軸方向の幅Wより大きくなっており、Y軸方向に長尺の形状を有している。
また、振動部120の表面(上蓋30に対向する面)には、その全面を覆うように保護膜125が形成されている。保護膜125の詳細については、後述する。
保持部140は、XY平面に沿って振動部120の外側を囲むように、矩形の枠状に形成される。なお、保持部140は、振動部120の周囲の少なくとも一部を囲むように設けられていればよく、枠状の形状に限定されるものではない。例えば、保持部140は、振動部120を保持し、また、上蓋30及び下蓋20と接合できる程度に、振動部120の周囲に設けられていればよい。
本実施形態において、保持部140は一体形成される角柱形状の枠体140a~140dを含んでいる。図3に示すように、枠体140a、140bは、振動部120の短い辺に対向して、長手方向がX軸方向に平行に設けられる。また、枠体140c、140dは、振動部120の長辺に対向して、長手方向がY軸方向に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの両端にそれぞれ接続される。
支持腕111は、保持部140の内側に設けられる。支持腕111は、長手方向がY軸に沿って延在している。支持腕111は、振動部120と保持部140とを接続する。より詳細には、支持腕111は、一端(図3において下端)が枠体140に接続され、他端(図3において端)が振動部120のY軸方向の一端部(図3において下端部)に接続されている。より詳細には、支持腕111の他端は、振動部120の一端部におけるX軸方向の中央部に接続されている。また、図3に示すように、支持腕111は、振動部120のX軸方向の中心線CL1に沿ってYZ平面に平行に規定される仮想平面に対して略面対称に形成される。
本実施形態では、支持腕111は、一本である例を示したが、これに限定されるものではない。支持腕111は、振動部120の一端部に接続に接続されて振動部120を片持ち支持し、保持部140に保持する限り、例えば2本以上であってもよい。
次に、図4から図5を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る共振子の積層構造について説明する。図4は、図3に示したIV-IV線に沿った断面の構成を概略的に示す断面図である。図5は、図3に示したV-V線に沿った断面の構成を概略的に示す断面図である。
共振子10における、振動部120、保持部140、及び支持腕111は、同一プロセスで一体的に形成される。図4に示すように、共振子10における振動部120は、例えば厚さ24μm程度のSi基板F2の一方の主面、つまり、上面の上に、金属層E2が積層されている。そして、金属層E2の上には、金属層E2を覆うように圧電薄膜F3が積層されており、さらに圧電薄膜F3の上には、金属層E1が積層されている。また、金属層E1の上には、金属層E1を覆うように保護膜125が積層されている。なお、Si基板F2は、本発明の「基板」の一例に相当し、圧電薄膜F3は、本発明の「圧電体層」の一例に相当する。また、Si基板F2の上面は、本発明の「第1主面」の一例に相当する。
振動部120は、Si基板F2を含んでいる。図3に示したように、Si基板F2の上面は、X軸方向に沿う幅Wと、Y軸方向に沿う長さYとを有している。
このように、振動部120の基板の材料が、シリコン(Si)であることにより、振動部120の機械的強度を高めることができる。
Si基板F2は、縮退したn型シリコン(Si)半導体から形成されていてもよい。縮退シリコン(Si)は、n型ドーパントとしてリン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)等を含むことができる。Si基板F2に用いられる縮退シリコン(Si)の抵抗値は、例えば16mΩ・cm未満であり、より好ましくは1.2mΩ・cm以下である。
このように、振動部120の基板の材料が、縮退シリコン(Si)であることにより、振動部120の周波数温度特性を向上させることができる。
また、Si基板F2の他方の主面、つまり、一方の主面である上面に対向する下面に、補正層F1が形成されている。補正層F1は、例えば厚さ0.5μm程度であり、例えば二酸化ケイ素(SiO)を用いて形成される。なお、Si基板F2の下面は、本発明の「第2主面」の一例に相当する。
本実施形態において、補正層F1とは、当該補正層F1をSi基板F2に形成しない場合と比べて、Si基板F2に補正層を形成したときの振動部120における周波数の温度係数、つまり、温度当たりの変化率を、少なくとも常温近傍において低減する機能を持つ層をいう。振動部120が補正層F1を含むことにより、例えば、Si基板F2と金属層E1と圧電薄膜F3と補正層F1とを含む積層構造体の共振周波数において、温度に伴う変化を低減することができ、振動部120の温度特性を向上させることができる。
また、振動部120は、金属層E1と、Si基板F2と金属層E1との間に配置される圧電薄膜F3と、を含んでいる。これにより、圧電共振子を容易に実現することができる。振動部120は、Si基板F2と圧電薄膜F3との間に配置される金属層E2をさらに含んでいる。これにより、圧電共振子をさらに容易に実現することができる。なお、金属層E1は、本発明の「第1電極」の一例に相当し、金属層E2は、本発明の「第2電極」の一例に相当する。
金属層E1、E2は、例えば厚さ0.2μm以下程度であり、成膜後に、エッチング等により所望の形状にパターニングされる。金属層E1、E2は、結晶構造が体心立法構造である金属が用いられている。具体的には、金属層E1は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を用いて形成される。
金属層E1は、振動部120の輪郭に沿った形状を有している。金属層E1は、平面視において、Y軸方向に沿う長さが振動部120のY軸方向の長さLと略同一であり、X軸方向に沿う幅が振動部120のX軸方向の幅Wと略同一である。なお、金属層E1は、振動部120の輪郭に沿った形状に限定されるものではなく、振動部120のY軸方向における一端から他端に亘って形成されていればよい。
金属層E1は、例えば振動部120上においては、上部電極としての役割を果たすように形成される。また、金属層E1は、支持腕111及び保持部140上においては、共振子10の外部に設けられた交流電源に上部電極を接続するための配線としての役割を果たすように形成される。
一方、金属層E2は、振動部120上においては、下部電極としての役割を果たすように形成される。また、金属層E2は、支持腕111や保持部140上においては、共振子10の外部に設けられた回路に下部電極を接続するための配線としての役割を果たすように形成される。
なお、Si基板F2自体が下部電極の役割を兼ねることが可能であり、金属層E2を省略することができる。
圧電薄膜F3は、印加された電圧を振動に変換する圧電体の薄膜である。圧電薄膜F3は、結晶構造がウルツ鉱型六方晶構造を持つ材質から形成されており、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等の窒化物や酸化物を主成分とすることができる。なお、窒化スカンジウムアルミニウムは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部がスカンジウムに置換されたものであり、スカンジウムの代わりにマグネシウム(Mg)及びニオブ(Nb)やマグネシウム(Mg)及びジルコニウム(Zr)等の2元素で置換されていてもよい。また、圧電薄膜F3は、例えば0.8μmの厚さを有するが、0.2μmから2μm程度の厚さを用いることも可能である。
また、圧電薄膜F3は、Si基板F2に対してc軸、つまり、その厚さ方向(Z軸方向)に沿って配向している。
保護膜125は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等の圧電膜の他、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミナ(Al)等の絶縁膜で形成される。保護膜125の厚さは、例えば0.2μm程度である。振動部120が保護膜125を含むことにより、例えば、圧電振動用の上部電極である金属層E1の酸化を防ぐことができる。
振動部120は、上部電極である金属層E1に対応する振動領域を有している。図4に示すように、振動領域において、圧電薄膜F3は、金属層E1、金属層E2によって圧電薄膜F3に印加される電界に応じて、XY平面の面内方向に伸縮する。具体的には、圧電薄膜F3は厚さ方向に沿って配向しているため、金属層E1及び金属層E2に所定の電界を印加して、金属層E1と金属層E2との間に所定の電位差を形成すると、この電位差に応じて圧電薄膜F3がXY面内方向において輪郭振動する。すなわち、振動部120の振動領域には、幅方向(X軸方向)及び長さ方向(Y軸方向)の両方において、振動部120が縮んでいる状態と、振動部120が拡がっている状態とを繰り返す振動が生じる。
なお、本明細書において、「輪郭振動」とは、拡がり振動、幅方向(X軸方向)の寸法が変化する幅拡がり振動、及び長さ方向(Y軸方向)に伸縮する伸縮振動の総称として用いるものとする。
次に、図6及び図7を参照しつつ、振動部の振動による変位について説明する。なお、図6及び図7において、振動部120は、図4及び図5に示した金属層E2を含まず、厚さ0.5μmの補正層F1、厚さ24μmのSi基板F2、厚さ0.8μmの圧電薄膜F3、厚さ0.2μmの金属層E1、及び厚さ0.2μmの保護膜125を含むものとして説明する。図6及び図7は、図3に示した振動部120の振動態様を模式的に示す平面図である。なお、図6及び図7に示す振動部120において、色の薄い領域は変位が大きいことを示し、色の濃い領域は変位が小さいことを示している。
図6に示すように、あるときには、振動部120は、XY面内において縮んだ状態になる。具体的には、図6において黒矢印で示す3箇所が、振動部120の中央部に向けて縮む方向に大きく変位する。このとき、振動部120の中央部と、支持腕111が接続される振動部120の一端部(図6において下端部)とは、変位が小さくなる。
また、別のときには、図7に示すように、振動部120は、XY面内において拡がった状態になる。具体的には、図7において黒矢印で示す3箇所が、振動部120の中央部から拡がる方向に大きく変位する。このときも、振動部120の中央部と、支持腕111が接続される振動部120の一端部(図7において下端部)とは、変位が小さくなる。
次に、図8及び図9を参照しつつ、振動部の振動による変位分布及び歪み分布について説明する。なお、なお、図8及び図9において、振動部120の積層構造は、前述した図6及び図7における振動部120のものと同一であるとして説明する。図8は、図3に示した振動部120の振動による変位分布を模式的に示す斜視図である。図9は、図3に示した振動部120の振動による歪み分布を模式的に示す斜視図である。なお、図8に示す振動部120において、色の薄い領域は変位が大きいことを示し、色の濃い領域は変位が小さいことを示している。また、図9に示す振動部120において、色の薄い領域は歪みが大きいことを示し、色の濃い領域は歪みが小さいことを示している。
図8に示すように、振動部120において、図6及び図7に黒矢印で示した3箇所の領域は、変位が大きくなっている。一方、振動部120の中央部と、支持腕111が設けられた振動部120の一端部とは、変位が小さくなっている。
図9に示すように、振動部120の中央部は、歪みが大きくなっている。一方、図6及び図7に黒矢印で示した3箇所の領域と、支持腕111が設けられた振動部120の一端部とは、歪みが小さくなっている。すなわち、振動部120の一端部は、変位が小さく、かつ、歪みが小さい領域になっている。図3に示したように、振動部120は、上面を平面視したときに、X軸方向の幅Wが、最大値WmaxとなるY軸方向の位置から一端部に向けて、及び当該位置からY軸方向の他端部に向けて、漸次的に小さくなることにより、振動部120の一端部に、変位の小さい輪郭振動のノード領域であって、輪郭振動による歪みの小さい領域を形成することが可能になる。従って、変位によるエネルギー漏洩に加えて歪みによるエネルギー漏洩を抑制することができ、振動の閉じ込め性をさらに向上させることができる。
図3を用いて前述したように、X軸方向の幅Wが最大値WmaxとなるY軸方向の位置は、振動部120のY軸方向の中心を通る中心線CL2からずれている。これにより、振動部120のY軸方向の端部に、変位の小さく、かつ、歪みの小さい領域を容易に形成することができる。
また、X軸方向の幅Wが最大値WmaxとなるY軸方向の位置は、振動部120のY軸方向の中心線CL2から、振動部120におけるY軸方向の一端部側(図3においてY軸負方向側)にずれている。これにより、これにより、振動部120のY軸方向の一端部(図3において下端)に、変位の小さく、かつ、歪みの小さい領域を容易に形成することができる。
本実施形態では、共振子10として、振動部120が圧電薄膜F3を含む圧電共振子の例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、共振子10は、振動部120がセラミック膜を含むセラミック共振子であってもよいし、振動部120が静電膜を含む静電共振子(静電振動子と呼ばれることもある)であってもよい。
また、本実施形態では、共振子10は、平面視において矩形の形状を有する支持腕111を備える例を示したが、これに限定されるものではない。振動部120と保持部140とを接続するものであれば、他の形態であってもよい。
<変形例>
図10は、図3に示した共振子10の変形例を示す平面図である。なお、図10に示す共振子10’の積層構造は、図4及び図5に示した共振子10の断面の構成と同様であるため、図示及びその構成についての説明を省略する。
図10に示す共振子10’は、図3に示した支持腕111に代えて、支持ユニット110を備える。なお、支持ユニット110は、本発明の「支持部」の他の例に相当する。
支持ユニット110は、保持部140の内側であって、振動部120のY軸方向の一端部(図10において下端部)と枠体140bとの間の空間に設けられる。支持ユニット110は、振動部120の一端部と保持部140の枠体140bとを接続する。図示を省略するが、支持ユニット110の表面には、振動部120から枠体140bに亘って前述した金属層E1が形成されている。
本変形例の支持ユニット110は、ノード生成部130を含んでいる。ノード生成部130は、腕111aによって振動部120の一端部に接続され、腕111bによって保持部140の枠体140bに接続されている。また、ノード生成部130は、振動部120の一端部と対向する辺131を有し、当該辺131において腕111aに接続されている。
ノード生成部130は、X軸方向に沿った幅が、腕111aから腕111bへと向かうにつれて狭まる形状を有する。また、ノード生成部130は、辺131の垂直二等分線に対して線対称の形状を有する。ノード生成部130は、Y軸方向に沿った幅が最大となる箇所を、軸方向における中心よりも腕111a側に有している。図10に示す変形例においては、ノード生成部130の軸方向に沿った幅は、辺131において最大であり、腕111aから腕111bへと向かうにつれて、徐々に狭くなり、ノード生成部130の頂点と腕111bとの接続箇所において最も狭くなる。なお、ノード生成部130のY軸方向に沿った幅は、それぞれ、連続的に狭まる必要はなく、例えば、段階的に狭まったり、一部に広がる部分を有していたりしても、全体として徐々に狭まっていればよい。また、ノード生成部130の周縁は、それぞれ、滑らかな形状に限らず、凹凸を有してもよい。
本変形例において、ノード生成部130は、例えば辺131を直径とする半径30μm程度の半円の形状をしている。この場合、ノード生成部130の円弧を形成する円の中心は、辺131の中心に位置する。なお、ノード生成部130の円弧を形成する円の中心は、腕111bの中心に位置してもよい。また、辺131は、直線形状に限らず円弧形状でもよい。この場合、腕111は、辺131の頂点と接続される。さらにこの場合、辺131の円弧を形成する円の中心は、腕111a側に位置してもよいし、腕111b側に位置してもよい。辺131の長さは、腕111aのX軸方向に沿った幅よりも大きく、振動部120の短辺よりも小さいことが好ましい。
本変形例における支持ユニット110のノード生成部130は、軸方向に沿った幅が、腕111aから腕111bへ向かうにつれて徐々に狭まっている構造である。このため、振動部120から伝搬される振動の伝搬状態が変化した場合であっても、ノード生成部130には、振動による変位が大きい部位に隣接して変位が小さい部位が形成される。これによって、ノード生成部130は、振動部120から漏えいした振動に対し、変位部位を調整して、ノード生成部130上に振動のノードを形成することができる。ノード生成部130は、この形成されたノードにおいて、腕111aに接続されることによって、振動部120から保持部140への振動の伝搬を抑制することができる。この結果、共振子10のアンカーロスを低減させることができ、Q値を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、図11から図15を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る共振装置及び共振子について説明する。なお、第1実施形態と同一又は類似の構成について同一又は類似の符号を付している。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。また、同様の構成による同様の作用効果については、逐次言及しない。
まず、図11を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る共振子の概略構成について説明する。図11は、第2実施形態における共振子10Aの構造を概略的に示す平面図である。なお、図11は、第1実施形態における図3に対応する平面図である。
図11に示すように、第2実施形態の共振子10Aは、XY平面における輪郭が前述した振動部120と異なる振動部120Aを備える点で、第1実施形態の共振子10と相違している。
平面視において、振動部120Aは、2つの三角形、より詳細には、2つの二等辺三角形を組み合わせた形状であって、一方の三角形の底辺と他方の三角形の底辺とをつなぎ合わせた形状を有している。なお、振動部120Aは、第1実施形態の振動部120と同様に、2つの部材から形成されてもよいし、1つの部材から形成されてもよい。
振動部120Aにおける一方の三角形の部分は、Y軸方向に沿う長さLが、その三角形の頂角を通る位置において最大値L1maxを有している。振動部120Aにおける他方の三角形の部分は、Y軸方向に沿う長さLが、その三角形の頂角を通る位置において最大値L2maxを有している。
また、振動部120Aは、X軸方向に沿う幅Wが、一方の三角と他方の三角との境界を通る位置において、最大値Wmaxを有している。そして、振動部120AにおけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の一端部(図11において下端部)に向けて、及び、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の他端部(図11において上端部)に向けて、漸次的に小さくなっている。これにより、振動部120Aの一端部に、変位の小さい輪郭振動のノード領域であって、輪郭振動による歪みの小さい領域を形成することが可能になる。
図11に示すように、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置は、振動部120AのY軸方向の中心を通る中心線CL2からずれている。より詳細には、当該位置は、振動部120AのY軸方向の中心線CL2から、振動部120AにおけるY軸方向の一端部側(図11においてY軸負方向側)にずれている。
本実施形態では、一方の三角形におけるY軸方向の長さLの最大値L1maxは、X軸方向の幅Wの最大値Wmaxに対して0.8倍に設定される。また、他方の三角形におけるY軸方向の長さLの最大値L2maxは、X軸方向の幅Wの最大値Wmaxに対して0.25倍に設定される。X軸方向の幅Wの最大値Wmaxは、例えば160μm程度である。このように、振動部120Aにおいて、Y軸方向の長さLは、X軸方向の幅Wより大きくなっており、Y軸方向に長尺の形状を有している。
また、振動部120Aの一端部(図11において下端部)には、支持腕111が接続されている。
次に、図12及び図13を参照しつつ、振動部の振動による変位について説明する。なお、図12及び図13において、振動部120Aの積層構造は、前述した図6及び図7における振動部120のものと同一であるとして説明する。図12及び図13は、図11に示した振動部120Aの振動態様を模式的に示す平面図である。なお、図12及び図13に示す振動部120Aにおいて、色の薄い領域は変位が大きいことを示し、色の濃い領域は変位が小さいことを示している。
図12に示すように、あるときには、振動部120Aは、XY面内において縮んだ状態になる。具体的には、図12において黒矢印で示す3箇所が、振動部120Aの中央部に向けて縮む方向に大きく変位する。このとき、振動部120Aの中央部と、支持腕111が接続される振動部120Aの一端部(図12において下端部)とは、変位が小さくなる。
また、別のときには、図13に示すように、振動部120Aは、XY面内において拡がった状態になる。具体的には、図13において黒矢印で示す3箇所が、振動部120Aの中央部から拡がる方向に大きく変位する。このときも、振動部120Aの中央部と、支持腕111が接続される振動部120Aの一端部(図13において下端部)とは、変位が小さくなる。
次に、図14及び図15を参照しつつ、振動部の振動による変位分布及び歪み分布について説明する。なお、図14及び図15において、振動部120Aの積層構造は、前述した図6及び図7における振動部120のものと同一であるとして説明する。図14は、図11に示した振動部120Aの振動による変位分布を模式的に示す斜視図である。図15は、図11に示した振動部120Aの振動による歪み分布を模式的に示す斜視図である。なお、図14に示す振動部120Aにおいて、色の薄い領域は変位が大きいことを示し、色の濃い領域は変位が小さいことを示している。また、図15に示す振動部120Aにおいて、色の薄い領域は歪みが大きいことを示し、色の濃い領域は歪みが小さいことを示している。
図14に示すように、振動部120Aにおいて、図12及び図13に黒矢印で示した3箇所の領域は、変位が大きくなっている。一方、振動部120Aの中央部と、支持腕111が設けられた振動部120Aの一端部とは、変位が小さくなっている。
図15に示すように、振動部120Aの中央部は、歪みが大きくなっている。一方、図12及び図13に黒矢印で示した3箇所の領域と、支持腕111が設けられた振動部120Aの一端部とは、歪みが小さくなっている。すなわち、振動部120Aの一端部は、変位が小さく、かつ、歪みが小さい領域になっている。図11に示したように、振動部120Aは、上面を平面視したときに、X軸方向の幅Wが、最大値WmaxとなるY軸方向の位置から一端部に向けて、及び当該位置からY軸方向の他端部に向けて、漸次的に小さくなることにより、振動部120Aの一端部に、変位の小さい輪郭振動のノード領域であって、輪郭振動による歪みの小さい領域を形成することが可能になる。従って、本実施形態の共振子10A、及びこれを備える共振装置は、第1実施形態の共振子10及び共振装置1と同様の作用効果を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、図16及び図17を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る共振装置及び共振子について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一又は類似の構成について同一又は類似の符号を付している。以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について説明する。また、同様の構成による同様の作用効果については、逐次言及しない。
図16及び図17を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る共振子の概略構成について説明する。図16は、第3実施形態の第1例における共振子10Bの構造を概略的に示す平面図である。図17は、第3実施形態の第2例における共振子10Cの構造を概略的に示す平面図である。なお、図16及び図17は、第1実施形態における図3に対応する平面図である。
図16及び図17に示すように、第3実施形態の共振子10B、10Cは、XY平面における輪郭が前述した振動部120及び振動部120Aと異なる振動部120B,120Cを備える点で、第1実施形態の共振子10及び第2実施形態の共振子10Aと相違している。
平面視において、振動部120B,120Cは、一部に凹み又は突起を有する略半楕円と半楕円とを組み合わせた形状であって、略半楕円の短径と半楕円の長径とをつなぎ合わせた形状を有している。なお、振動部120B,120Cは、第1実施形態の振動部120と同様に、2つの部材から形成されてもよいし、1つの部材から形成されてもよい。
振動部120B,120Cにおける略半楕円の部分は、Y軸方向に沿う長さLが、その略楕円の長軸を通る位置において最大値L1maxを有している。振動部120B,120Cのそれぞれにおける半楕円の部分は、Y軸方向に沿う長さLが、その楕円の短軸を通る位置において最大値L2maxを有している。
また、振動部120B,120Cは、X軸方向に沿う幅Wが、略半楕円と半楕円との境界を通るY軸方向の位置において、最大値Wmaxを有している。そして、振動部120B,120CにおけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の一端部(図16及び図17において下端部)に向けて、及び、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の他端部(図16及び図17において上端部)に向けて、小さくなっている。
より詳細には、振動部120B,120CにおけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の一端部(図16及び図17において下端部)に向けて、漸次的、つまり、徐々に又は緩やかに、小さくなっている。一方、振動部120B,120CにおけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の他端部(図16及び図17において上端部)に向けて、その途中で急に小さくなったり、最大値maxより小さい範囲で大きくなったりしている。
このように、振動部120B,120CにおけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の他端部(図16及び図17において上端部)に向けて、一部に急激な減少、あるいは、増加がある場合でも、最大値maxより小さくなっていればよい。また、図示を省略するが、振動部120B,120CにおけるX軸方向の幅Wは、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置からY軸方向の一端部(図16及び図17において下端部)に向けても、同様に、一部に急激な減少、あるいは、増加がある場合でも、最大値maxより小さくなっていればよい。これらの場合も、第1実施形態の振動部120と同様に、振動部120B,120Cの一端部に、変位の小さい輪郭振動のノード領域であって、輪郭振動による歪みの小さい領域を形成することが可能になる。従って、本実施形態の共振子10B,120C、及びこれを備える共振装置は、第1実施形態の共振子10及び共振装置1と同様の作用効果を得ることができる。
図16及び図17に示すように、X軸方向の幅Wが最大値maxとなるY軸方向の位置は、振動部120B,120CのY軸方向の中心を通る中心線CL2からずれている。より詳細には、当該位置は、振動部120B,120CのY軸方向の中心線CL2から、振動部120B,120CにおけるY軸方向の一端部側(図16及び図17においてY軸負方向側)にずれている。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。本発明の一実施形態に係る共振子によれば、振動部は、基板の一方の主面を平面視したときに、X軸方向の幅が、最大値となるY軸方向の位置から一端部に向けて、及び当該位置からY軸方向の他端部に向けて、小さくなる。これにより、振動部の一端部に、変位の小さい輪郭振動のノード領域であって、輪郭振動による歪みの小さい領域を形成することが可能になる。従って、変位によるエネルギー漏洩に加えて歪みによるエネルギー漏洩を抑制することができ、振動の閉じ込め性をさらに向上させることができる。
また、前述した共振子において、X軸方向の幅が最大値となるY軸方向の位置は、振動部のY軸方向の中心を通る中心線からずれている。これにより、振動部のY軸方向の端部に、変位の小さく、かつ、歪みの小さい領域を容易に形成することができる。
また、前述した共振子において、X軸方向の幅が最大値となるY軸方向の位置は、振動部のY軸方向の中心線から、振動部におけるY軸方向の一端部側にずれている。これにより、これにより、振動部のY軸方向の一端部に、変位の小さく、かつ、歪みの小さい領域を容易に形成することができる。
また、前述した共振子において、Y軸方向の長さは、X軸方向の幅より大きい。これにより、振動の閉じ込め性がさらに向上する共振子を容易に実現することができる。
また、前述した共振子において、支持腕又は支持ユニットは、振動部の一端部におけるX軸方向の中央部に接続される。これにより、振動の閉じ込め性がさらに向上する共振子を容易に実現することができる。
また、前述した共振子において、振動部は、金属層と、Si基板と金属層との間に配置される圧電薄膜と、を含む。これにより、振動の閉じ込め性がさらに向上する圧電共振子を容易に実現することができる。
また、前述した共振子において、振動部は、Si基板と圧電薄膜との間に配置される金属層をさらに含む。これにより、振動の閉じ込め性がさらに向上する圧電共振子をさらに容易に実現することができる。
また、前述した共振子において、金属層を覆うように形成される保護膜をさらに含む。これにより、例えば、圧電振動用の上部電極である金属層の酸化を防ぐことができる。
また、前述した共振子において、基板の材料はシリコン(Si)である。これにより、振動部の機械的強度を高めることができる。
また、前述した共振子において、基板の材料は縮退シリコン(Si)である。これにより、振動部の周波数温度特性を向上させることができる。
また、前述した共振子において、振動部は、Si基板の他方の主面に形成される補正層をさらに含む。これにより、例えば、Si基板と金属層と圧電薄膜と補正層とを含む積層構造体の共振周波数において、温度に伴う変化を低減することができ、振動部の温度特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る共振装置は、先述した共振子と、上蓋及び下蓋と、を備える。これにより、振動の閉じ込め性がさらに向上する共振装置を容易に実現することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。すなわち、実施形態及び/又は変形例に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、実施形態及び/又は変形例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、実施形態及び変形例は例示であり、異なる実施形態及び/又は変形例で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…共振装置、10,10’,10A,10B,10C…共振子、20…下蓋、21…凹部、22…底板、23…側壁、30…上蓋、31…凹部、33…側壁、110…支持ユニット、111…支持腕、111a,111b…腕、120,120A,120B,120C…振動部、125…保護膜、130…ノード生成部、131…辺、140…保持部、140a,140b,140c,140d…枠体、CL1…中心線、CL2…中心線、E1…金属層、E2…金属層、F1…補正層、F2…Si基板、F3…圧電薄膜、L…長さ、L1max…最大値、L2max…最大値、W…幅、Wmax…最大値。

Claims (12)

  1. 第1主面が第1方向の幅と第2方向の長さとを有する基板を含み、
    輪郭振動を主振動として振動する振動部と、
    前記振動部の少なくとも一部を囲むように形成される保持部と、
    前記第2方向に沿って延在し、前記保持部と前記振動部における前記第2方向の一端部とを接続する支持部と、を備え、
    前記振動部は、前記第1主面を平面視したときに、前記第1方向の幅が、前記第2方向の一端部から他端部に向けて前記振動部の全域に亘って変化するように構成され、かつ、前記第1方向の幅が、最大となる前記第2方向の位置から前記一端部に向けて、及び前記位置から前記第2方向の他端部に向けて、小さくなり、
    前記位置は、前記振動部における前記第2方向の中心からずれている、
    共振子。
  2. 前記振動部は、前記第1主面を平面視したときに、前記第1方向の幅が、最大となる前記第2方向の位置から前記一端部に向けて、及び前記位置から前記第2方向の他端部に向けて、前記振動部の全域に亘って漸次的に小さくなる、
    請求項1に記載の共振子。
  3. 前記位置は、前記振動部における前記第2方向の中心から前記一端部側にずれている、
    請求項またはに記載の共振子。
  4. 前記第2方向の長さは、前記第1方向の幅より大きい、
    請求項1からのいずれか一項に記載の共振子。
  5. 前記支持部は、前記一端部における前記第1方向の中央部と接続される、
    請求項1からのいずれか一項に記載の共振子。
  6. 前記振動部は、第1電極と、前記基板と前記第1電極との間に配置される圧電体層とを含む、
    請求項1からのいずれか一項に記載の共振子。
  7. 前記振動部は、前記基板と前記圧電体層との間に配置される第2電極をさらに含む、
    請求項に記載の共振子。
  8. 前記振動部は、前記第1電極を覆うように形成される保護層をさらに含む、
    請求項またはに記載の共振子。
  9. 前記基板の材料は、シリコンである、
    請求項1からのいずれか一項に記載の共振子。
  10. 前記基板の材料は、縮退シリコンである、
    請求項1からのいずれか一項に記載の共振子。
  11. 前記振動部は、前記基板の第2主面に形成される補正層をさらに含む、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の共振子。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の共振子と、
    蓋体と、を備える、
    共振装置。
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