JP7335544B2 - 繊維強化樹脂構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ積層構造を有する繊維強化樹脂構造体に関する。
機械的構造物、特に、自動二輪車、自動車等の車両においては、繊維強化樹脂を用いて構成されると共に積層構造を有する繊維強化樹脂構造体が用いられることがある。繊維強化樹脂は、軽量かつ高強度な特性を有する。そのため、これを用いて構成された繊維強化樹脂構造体は、軽量化及び強度向上を必要とする部分に採用されている。また、繊維強化樹脂構造体は、曲がった部分を有するように延びる角領域と、前記角領域の延在方向の一方側及び他方側にてそれぞれ前記角領域と連続するように延びる一方側領域及び他方側領域とを含むことがある。
このような繊維強化樹脂構造体の一例としては、角領域及び一方側領域に跨って延びる複数のシート状の第1繊維強化材と、角領域及び他方側領域に跨って延びる複数のシート状の第2繊維強化材とを有し、一方側領域が、複数の第1繊維強化材を積層した構造を有し、他方側領域が、複数の第2繊維強化材を積層した構造を有し、角領域が、複数の第1繊維強化材と複数の第2繊維強化材とを、単独の第1繊維強化材と単独の第2繊維強化材とを交互に積層するようにオーバーラップさせた構造を有し、2つの第2繊維強化材間にて第1繊維強化材の延在方向の端に隣接するように繊維強化樹脂構造体の内部に継ぎ目が形成され、2つの第1繊維強化材間にて第2繊維強化材の延在方向の端に隣接するように繊維強化樹脂構造体の内部に継ぎ目が形成され、角領域の曲がった部分の凸側における繊維強化樹脂構造体の最外面に位置する第1繊維強化材の延在方向の端が段差部を形成し、かつ角領域の曲がった部分の凹側における繊維強化樹脂構造体の最内面に位置する第2繊維強化材の延在方向の端が段差部を形成している、繊維強化樹脂構造体が挙げられる。(例えば、特許文献1を参照。)
特開2006-200702号公報
しかしながら、上述のような繊維強化樹脂構造体の一例においては、繊維強化樹脂構造体の内部に形成される継ぎ目の繊維含有率は低くなるので、繊維強化樹脂構造体の強度が低下するおそれがある。また、繊維強化樹脂構造体の角領域及びその周辺領域は曲げ変形し易くなっており、かかる曲げ変形が生じた場合、特に、最外面及び最内面の段差部に応力が集中し易くなる。この場合、最外面の第1繊維強化材又は最内面の第2繊維強化材が剥がれるおそれもある。
このような実情を鑑みると、繊維強化樹脂構造体において、角領域及びその周辺領域の強度を効率的に向上させることが望まれる。
上記課題を解決するために、一態様に係る繊維強化樹脂構造体は、曲がった部分を有するように延びる角領域と、前記角領域の延在方向の一方側及び他方側にてそれぞれ前記角領域と連続するように延びる一方側領域及び他方側領域とを含む繊維強化樹脂構造体であって、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記角領域及び前記一方側領域に跨って延びる3つ以上の第1シート部分と、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記角領域及び前記他方側領域に跨って延びる2つ以上の第2シート部分とを備え、前記一方側領域が、前記3つ以上の第1シート部分を積層した構造を有し、前記他方側領域が、前記2つ以上の第2シート部分を積層した構造を有し、前記角領域が、前記3つ以上の第1シート部分と前記2つ以上の第2シート部分とを、単独の前記第1シート部分及び単独の前記第2シート部分を交互に積層させるようにオーバーラップさせた構造を有し、さらに、前記角領域が、その延在方向の中間に位置する中間区域と、前記中間区域及び前記一方側領域を連結する一方側連結区域と、前記中間区域及び前記他方側領域を連結する他方側連結区域とを有し、前記角領域の積層方向の厚さが前記一方側及び他方側領域の積層方向の厚さよりも大きくなっており、前記角領域の積層方向は、前記曲がった部分の凸側が前記角領域の積層方向の最外面側、前記曲がった部分の凹側が前記角領域の積層方向の最内面側となっており、各第1シート部分が、前記角領域の延在方向の他方側を向く他方端を有し、前記3つ以上の第1シート部分の他方端が、前記他方側連結区域にて、前記角領域の積層方向の最外面側から最内面側に向かうに従って前記角領域の延在方向にて前記中間区域に接近するように前記角領域の延在方向にて互いにズレており、かつ前記一方側連結区域の積層方向の厚さが、前記中間区域から前記一方側領域に向かうに従って徐々に減少しており、各第2シート部分が、前記角領域の延在方向の一方側を向く一方端を有し、前記2つ以上の第2シート部分の一方端が、前記一方側連結区域にて、前記角領域の積層方向の最外面側から最内面側に向かうに従って前記角領域の延在方向にて前記中間区域に接近するように前記角領域の延在方向にて互いにズレており、かつ前記他方側連結区域の積層方向の厚さが、前記中間区域から前記他方側領域に向かうに従って徐々に減少しており、前記3つ以上の第1シート部分の中で前記角領域の最外面に最も接近する最外面側の前記第1シート部分が、前記角領域にて、前記2つ以上の第2シート部分の中で前記角領域の最外面に最も接近する最外面側の前記第2シート部分と重なっており、前記最外面側の第2シート部分が、前記最外面側の第1シート部分の他方端に対して前記角領域の延在方向の一方側に位置するオーバーラップ部と、前記最外面側の第1シート部分の他方端に対して前記角領域の延在方向の他方側に位置する他方側部とを有し、前記オーバーラップ部が、前記最外面側の第1シート部分に対して前記角領域の最内面側にて、前記最外面側の第1シート部分に沿って延びており、前記他方側部が、前記角領域の延在方向にて前記最外面側の第1シート部分と連続するように延びており、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記最外面側の第1及び第2シート部分を覆う外側シート部分をさらに備え、前記外側シート部分の最外面は、前記繊維強化樹脂構造体の延在方向に段差なく連続して延びている
一態様に係る繊維強化樹脂構造体において、角領域及びその周辺領域の強度を効率的に向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係る繊維強化樹脂構造体を概略的に示す斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る繊維強化樹脂構造体を、プレス成形装置によって作製している過程を概略的に示す断面図である。 図3は、第2実施形態に係る繊維強化樹脂構造体を概略的に示す斜視図である。 図4は、第2実施形態に係る繊維強化樹脂構造体を、プレス成形装置によって作製している過程を概略的に示す断面図である。
第1及び第2実施形態に係る繊維強化樹脂構造体について以下に説明する。本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体(以下、必要に応じて、単に「構造体」という)は、繊維強化樹脂材料を用いて構成される基材を複数の積層した積層構造を有する。本実施形態に係る構造体の基材に用いられる繊維強化樹脂材料は、連続繊維強化樹脂又は不連続繊維強化樹脂となっている。
かかる繊維強化樹脂材料は、マトリックス樹脂と、複数の繊維とを含む。複数の基材に用いられる繊維強化樹脂材料のマトリックス樹脂は、互いに同じ種類のものであると好ましい。なお、構造体の基材が、連続繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ織物である場合には、かかる織物の織り方は、平織、綾織、朱子織等とすることができる。
繊維強化樹脂材料のマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン等を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。
繊維強化樹脂材料の各繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維等とすることができる。繊維強化樹脂材料が不連続繊維強化樹脂材料である場合、補強効果の観点によれば、1本の繊維の長さは10mm以上であるとよい。しかしながら、このような1本の繊維の長さはこれに限定されない。
「第1実施形態」
第1実施形態に係る繊維強化樹脂構造体について説明する。
「繊維強化樹脂構造体の概略」
図1を参照して、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10の概略について説明する。構造体10は、曲がった部分11aを有するように延びる角領域11を含んでいる。構造体10はまた、角領域11の延在方向の一方側(矢印Pにより示す)にて角領域11と連続するように延びる一方側領域12を含んでいる。構造体10は、角領域11の延在方向の他方側(矢印Qにより示す)にて角領域11と連続するように延びる他方側領域13を含んでいる。
ここで、角領域11の延在方向は、曲がった部分11aを有する角領域11に沿って延びるように定義される。すなわち、角領域11の延在方向は、曲がった部分11aでは曲がった部分11aに沿って延びる。また、構造体10の延在方向は、一方側領域12、角領域11、及び他方側領域13に沿って延びるように定義される。角領域の延在方向の一方側は、構造体の延在方向の一方側と同じ側を向く。また、角領域の延在方向の他方側は、構造体の延在方向の他方側と同じ側を向く。
構造体10は、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ角領域11及び一方側領域12に跨って延びる3つ以上の第1シート部分14を有する。各第1シート部分14は、シート状に形成されている。図1においては、構造体10は、3つの第1シート部分14を有する。しかしながら、構造体は、4つ以上の第1シート部分を有することもできる。
図1においては、各第1シート部分14は、シート状に形成された1つの基材から構成されている。しかしながら、各第1シート部分は、互いに積層された複数の基材から構成することもできる。3つ以上の第1シート部分における基材の数は、互いに同じにすることができ、又は互いに異ならせることもできる。3つ以上の第1シート部分のうち少なくとも1つの第1シート部分における基材の数を、3つ以上の第1シート部分のうち残りの第1シート部分における基材の数と異ならせることもできる。
各第1シート部分14の基材は、連続繊維強化樹脂を用いて構成される場合に、UD(Uni Direction)材とすることができる。しかしながら、3つ以上の第1シート部分のうち少なくとも1つの第1シート部分の基材を、連続繊維強化樹脂を用いて構成する場合に、織物とすることもできる。また、3つ以上の第1シート部分のうち少なくとも1つの第1シート部分の基材を、不連続繊維強化樹脂を用いて構成することもできる。また、第1シート部分が、上述のように複数の基材から構成され、かつ連続繊維強化樹脂を用いて構成される場合において、これら複数の基材のうち少なくとも1つの基材を、織物とすることもできる。第1シート部分が、複数の基材から構成される場合において、これら複数の基材のうち少なくとも1つの基材を、不連続繊維強化樹脂を用いて構成することもできる。
構造体10は、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ角領域11及び他方側領域13に跨って延びる2つ以上の第2シート部分15を有する。各第2シート部分15は、シート状に形成されている。図1においては、構造体10は、3つの第2シート部分15を有する。しかしながら、構造体は、2つの第2シート部分又は4つ以上の第2シート部分を有することもできる。
また、図1においては、各第2シート部分15は、シート状に形成された1つの基材から構成されている。しかしながら、各第2シート部分は、互いに積層された複数の基材から構成することもできる。2つ以上の第2シート部分における基材の数は、互いに同じにすることができ、又は互いに異ならせることもできる。2つ以上の第2シート部分のうち少なくとも1つの第2シート部分における基材の数を、2つ以上の第2シート部分のうち残りの第2シート部分における基材の数と異ならせることもできる。
各第2シート部分15の基材は、連続繊維強化樹脂を用いて構成される場合に、UD材とすることができる。しかしながら、2つ以上の第2シート部分のうち少なくとも1つの第2シート部分の基材を、連続繊維強化樹脂を用いて構成する場合に、織物とすることもできる。また、2つ以上の第2シート部分のうち少なくとも1つの第2シート部分の基材を、不連続繊維強化樹脂を用いて構成することもできる。また、第2シート部分が、上述のように複数の基材から構成され、かつ連続繊維強化樹脂を用いて構成される場合において、これら複数の基材のうち少なくとも1つの基材を、織物とすることもできる。第2シート部分が、複数の基材から構成される場合において、これら複数の基材のうち少なくとも1つの基材を、不連続繊維強化樹脂を用いて構成することもできる。
かかる構造体10において、一方側領域12は、上記3つ以上の第1シート部分14を積層した構造を有する。他方側領域13は、上記2つ以上の第2シート部分15を積層した構造を有する。角領域11は、上記3つ以上の第1シート部分14と上記2つ以上の第2シート部分15とを、単独の第1シート部分14と単独の第2シート部分15とを交互に積層させるようにオーバーラップさせた構造を有する。
角領域11はまた、その延在方向の中間に位置する中間区域11bを有する。角領域11は、中間区域11b及び一方側領域12を連結する一方側連結区域11cを有する。角領域11はまた、中間区域11b及び他方側領域13を連結する他方側連結区域11dを有する。かかる角領域11の積層方向の厚さは、一方側及び他方側領域12,13の積層方向の厚さよりも大きくなっている。
ここで、角領域11の積層方向は、第1及び第2シート部分14,15を積層した方向となるように定義される。一方側領域12の積層方向は、第1シート部分14を積層した方向となるように定義される。他方側領域13の積層方向は、第2シート部分15を積層した方向となるように定義される。構造体10の積層方向は、角領域11にて角領域11の積層方向と一致するように定義され、一方側領域12にて一方側領域12の積層方向と一致するように定義され、かつ他方側領域13にて他方側領域13の積層方向と一致するように定義される。
各第1シート部分14は、角領域11の延在方向の他方側を向く他方端14aを有する。3つ以上の第1シート部分14の他方端14aは、他方側連結区域11dにて、角領域11の積層方向の一方側から同他方側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレている。一方側連結区域11cの積層方向の厚さは、中間区域11bから一方側領域12に向かうに従って徐々に減少している。
各第2シート部分15は、角領域11の延在方向の一方側を向く一方端15aを有する。2つ以上の第2シート部分15の一方端15aは、一方側連結区域11cにて、角領域11の積層方向の一方側から同他方側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレている。他方側連結区域11dの積層方向の厚さは、中間区域11bから他方側領域13に向かうに従って徐々に減少している。
特に、本実施形態においては、上記角領域11の積層方向の一方側及び他方側は、それぞれ、角領域11の積層方向の最外面11e側及び最内面11f側となっている。なお、角領域11の最外面11e側は、角領域11の曲がった部分11aの凸側であり、かつ角領域11の最内面11f側は、角領域11の曲がった部分11aの凹側である。
ここで、一方側及び他方側領域12,13の積層方向の最外面12a,13aは、構造体10の積層方向にて、角領域11の積層方向の最外面11eと同じ側に位置する。構造体10の積層方向の最外面10aは、角領域11、並びに一方側及び他方側領域12,13の積層方向の最外面11e,12a,13aと同じ側に位置し、かつこれらの最外面11e,12a,13aを含む。
また、一方側及び他方側領域12,13の積層方向の最内面12b,13bは、構造体10の積層方向にて、角領域11の積層方向の最内面11fと同じ側に位置する。構造体10の積層方向の最内面10bは、角領域11、並びに一方側及び他方側領域12,13の積層方向の最内面11f,12b,13bと同じ側に位置し、かつこれらの最内面11f,12b,13bを含む。
さらに、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体は、次のように構成することができる。最外面側の第1シート部分14は、角領域11にて、最外面側の第2シート部分15と重なっている。なお、最外面側の第1シート部分14は、3つ以上の第1シート部分14の中で角領域11の最外面11eに最も接近する第1シート部分14であり、かつ最外面側の第2シート部分15は、2つ以上の第2シート部分15の中で角領域11の最外面11eに最も接近する第2シート部分15である。
最外面側の第2シート部分15は、最外面側の第1シート部分14の他方端14aに対して角領域11の延在方向の一方側に位置するオーバーラップ部15bを有する。最外面側の第2シート部分15はまた、最外面側の第1シート部分14の他方端14aに対して角領域11の延在方向の他方側に位置する他方側部15cを有する。オーバーラップ部15bは、最外面側の第1シート部分14に対して角領域11の最内面11f側にて、最外面側の第1シート部分14に沿って延びている。他方側部15cは、角領域11の延在方向にて最外面側の第1シート部分14と連続するように延びている。
構造体10は、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ最外面側の第1及び第2シート部分14,15を覆う外側シート部分16をさらに有する。構造体10はまた、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ最内面側の第1シート部分14及び最内面側の第2シート部分15を覆う内側シート部分17を有する。なお、最内面側の第1シート部分14は、3つ以上の第1シート部分14の中で角領域11の最内面11fに最も接近する第1シート部分14であり、かつ最内面側の第2シート部分15は、2つ以上の第2シート部分15の中で角領域11の最内面11fに最も接近する第2シート部分15である。
また、図1においては、外側及び内側シート部分16,17のそれぞれは、シート状に形成された1つの基材から構成されている。しかしながら、外側シート部分を、互いに積層された複数の基材から構成することもできる。また、内側シート部分を、互いに積層された複数の基材から構成することもできる。
外側及び内側シート部分16,17の基材のそれぞれが、連続繊維強化樹脂を用いて構成される場合に、織物になっている。しかしながら、外側及び内側シート部分の基材の少なくとも一方を、連続繊維強化樹脂を用いて構成する場合に、UD材とすることもできる。さらに、外側及び内側シート部分の基材の少なくとも一方を、不連続繊維強化樹脂を用いて構成することもできる。なお、構造体は、外側及び内側シート部分の少なくとも一方を有さないように構成することもできる。
「繊維強化樹脂構造体の詳細」
図1を参照して、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10の詳細について説明する。すなわち、本実施形態に係る構造体10は、詳細には、次のように構成することができる。構造体10は、第1シート部分14の数と同じ数の第2シート部分15を有する。しかしながら、特に図示はしないが、構造体は、第1シート部分の数よりも1つ少ない数の第2シート部分を有することもできる。構造体10の角領域11の曲がった部分11aは、略円弧形状になっている。
図1において、角領域11及び一方側領域12の接続部の積層方向に沿った断面に対して直交する一方側連結直線A(仮想線により示す)を引き、かつ角領域11及び他方側領域13の接続部の積層方向に沿った断面に対して直交する他方側連結直線B(仮想線により示す)を引いた場合において、一方側及び他方側連結直線A,Bの交差角度θ、すなわち、角領域11の曲がり角度θは、約90度となっている。しかしながら、かかる曲がり角度は、約90度以外とすることもできる。例えば、曲がり角度は、約20度~約160度の範囲内とすることができる。また、曲がり角度は、約30度~約150度の範囲内とすることもできる。
一方側及び他方側領域12,13のそれぞれは、略直線状に延びている。このような一方側及び他方側領域12,13は、それぞれ、一方側及び他方側連結直線A,Bに沿って延びる。しかしながら、一方側及び他方側領域の少なくとも一方を、曲がった部分を有するように延ばすこともできる。
構造体10の最外面10a、すなわち、角領域11並びに一方側及び他方側領域12,13の最外面11e,12a,13aは、略平坦に形成されている。構造体10の最外面10aは、段差、隆起、窪み等を有さないように構造体10の延在方向にて延びている。
構造体10の最内面10bは、角領域11にて隆起している。角領域11の最内面11fは、一方側及び他方側領域12,13の最内面12b,13bに対して隆起している。構造体10の最内面10bは、一方側及び他方側領域12,13にて略平坦に形成されている。一方側及び他方側領域12,13の最内面12b,13bは、段差、隆起、窪み等を有さないように構造体10の延在方向にて延びている。
構造体10は、3つ以上の第1シート部分14の他方端14aに対して構造体10の延材方向の他方側にそれぞれ隣接する3つ以上の第1継ぎ目10cを含む。第1継ぎ目10cの繊維含有率は、その他の部分の繊維含有率よりも低くなっている。
3つ以上の第1シート部分14の他方端14aは、他方側連結区域11dにて、角領域11の積層方向の最外面側から同最内面側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように延びる第1継ぎ目直線C1(仮想線により示す)上に配置される。3つ以上の第1継ぎ目10cもまた、このような3つ以上の第1シート部分14の他方端14aと同様に配置されることとなる。
構造体10は、2つ以上の第2シート部分15の一方端15aに対して構造体10の延材方向の一方側にそれぞれ隣接する2つ以上の第2継ぎ目10dを含む。第2継ぎ目10dの繊維含有率は、その他の部分の繊維含有率よりも低くなっている。
2つ以上の第2シート部分15の一方端15aは、一方側連結区域11cにて、角領域11の積層方向の最外面側から同最内面側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように延びる第2継ぎ目直線C2(仮想線により示す)上に配置される。2つ以上の第2継ぎ目10dもまた、このような2つ以上の第2シート部分15の一方端15aと同様に配置されることとなる。
最外面側の第1シート部分14の他方端14aと、最外面側の第2シート部分15の他方側部15cとの間には、最外面側の第1継ぎ目10cが形成される。外側シート部分16は、他方側連結区域11dにて、最外面側の第1継ぎ目10cを覆いながら、上述した構造体10の最外面10aと同様に略平坦に延びる。
構造体10が、第1シート部分14の数と同じ数の第2シート部分15を有する場合において、最内面側の第2シート部分15の一方端15aに隣接する最内面側の第2継ぎ目10dは、最内面側の第1シート部分14上に形成される。内側シート部分17は、他方側連結区域11dにて、第1継ぎ目直線C1と略平行に延びる。内側シート部分17は、一方側連結区域11cにて、最内面側の第2継ぎ目10dを覆いながら、第2継ぎ目直線C2と略平行に延びる。
なお、特に図示はしないが、構造体は、第1シート部分の数よりも1つ少ない数の第2シート部分を有する場合において、最内面側の第1シート部分の他方端に隣接する最内面側の第1継ぎ目が、最内面側の第2シート部分上に形成される。この場合、内側シート部分は、他方側連結区域にて、最内面側の第1継ぎ目を覆いながら、第1継ぎ目直線と略平行に延びる。
「繊維強化樹脂構造体の製造方法」
図2を参照して、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10の製造方法の一例を説明する。かかる製造方法の一例においては、プレス成形によって繊維強化樹脂構造体10を作製する。
プレス成形に用いられる装置100、すなわち、プレス成形装置100は、次のようになっている。プレス成形装置100は、互いに対向する外側金型101及び内側金型102を有する。外側金型101は、構造体10の最外面10aに対応するように形成された成形部101aを有する。内側金型102は、構造体10の最内面10bに対応するように形成された成形部102aを有する。
外側及び内側金型101,102の成形部101a,102aは、互いに対向するように配置される。外側及び内側金型101,102は、互いに対して対向方向に移動可能になっている。外側金型101は固定型とすることができ、かつ内側金型102を可動型とすることができる。しかしながら、外側及び内側金型はこれに限定されない。繊維強化樹脂構造体10は、このような外側及び内側金型101,102の成形部101a,102a間にてプレスされる。
このようなプレス成形装置100を用いた構造体10の製造方法の一例は、次のようになっている。最初に、外側金型101の成形部101a上に、外側シート部分16を配置する。さらに、外側シート部分16上にて、単独の第1シート部分14と単独の第2シート部分15とを交互に積層する。このとき、角領域11にて、3つ以上の第1シート部分14と2つ以上の第2シート部分15とを、単独の第1シート部分14と単独の第2シート部分15とを交互に積層するようにオーバーラップさせる。一方側領域12にて、3つ以上の第1シート部分14を積層する。他方側領域13にて、2つ以上の第2シート部分15を積層する。最内面側の第1及び第2シート部分14,15上に、内側シート部分17を配置する。
このようなプレス前の状態では、第1及び第2継ぎ目10c,10dは空洞となっている。外側及び内側金型101,102の成形部101a,102a間にて、構造体10をプレスする。このとき、第1及び第2継ぎ目10c,10dにはマトリックス樹脂が流れる。プレス後の状態では、第1、第2、外側、及び内側シート部分14,15,16,17は接合される。第1及び第2継ぎ目10c,10dはマトリックス樹脂によって充填される。なお、繊維強化樹脂構造体は、上記プレス成形の代わりに、RTM(Resin Transfer Molding)成形、オートクレーブ成形等によっても作製することができる。
以上、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10においては、3つ以上の第1シート部分14の他方端14aが、他方側連結区域11dにて、角領域11の積層方向の一方側から同他方側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレており、これによって、他方側連結区域11dの積層方向の厚さが、中間区域11bから他方側領域13に向かうに従って徐々に減少する。その結果、角領域11及び他方側領域13間の厚さの変化を、他方側連結区域11dによって緩やかにすることができる。また、2つ以上の第2シート部分15の一方端15aが、一方側連結区域11cにて、角領域11の積層方向の一方側から同他方側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレており、これによって、一方側連結区域11cの積層方向の厚さが、中間区域11bから一方側領域12に向かうに従って徐々に減少する。その結果、角領域11及び一方側領域12間の厚さの変化を、一方側連結区域11cによって緩やかにすることができる。そのため、構造体10における角領域11及びその周辺領域の応力集中を効率的に防ぐことができる。
ここで、構造体10においては、第1シート部分14の他方端14a及び第2シート部分15の一方端15aに角領域11の延在方向にてそれぞれ隣接するように第1継ぎ目10c及び第2継ぎ目10dが形成される。これら第1及び第2継ぎ目10c,10dのそれぞれの繊維含有率は、その他の部分の繊維含有率よりも低くなる。これに対して、上記構造体10においては、3つ以上の第1継ぎ目10cと、2つ以上の第2継ぎ目10dとが、角領域11の積層方向の一方側から同他方側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレる。そのため、第1及び第2継ぎ目10c,10dが構造体10のせん断方向に並ぶことが防がれて、その結果、構造体10の強度を向上させることができる。よって、繊維強化樹脂構造体10における角領域11及びその周辺領域の強度を効率的に向上させることができる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10においては、角領域11の積層方向の一方側及び他方側が、それぞれ、角領域11の最外面11e側及び最内面11f側となっており、かかる構成に関連する効果は、以下のとおりである。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10においては、3つ以上の第1シート部分14の他方端14aは、他方側連結区域11dにて、角領域11の積層方向の最外面11e側から同最内面11f側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレており、かつ2つ以上の第2シート部分15の一方端15aは、一方側連結区域11cにて、角領域11の積層方向の最外面11e側から同最内面11f側に向かうに従って角領域11の延在方向にて中間区域11bに接近するように角領域11の延在方向にて互いにズレている。そのため、角領域11内における第1及び第2シート部分14,15の延在方向の長さが、角領域11の最内面11fから同最外面11eに向かうに従って長くなり、これによって、角領域11の最外面11e側の強度を同最内面11f側の強度よりも高くできる。この場合、角領域11の曲がり角度θが減少するような角領域11の曲げ変形に対する角領域11及びその周辺領域の強度を、効率的に向上させることができる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10においては、最外面側の第1シート部分14が、角領域11にて、最外面側の前記第2シート部分15と重なっている。最外面側の第2シート部分15が、最外面側の第1シート部分14の他方端14aに対して角領域11の延在方向の一方側に位置するオーバーラップ部15bと、最外面側の第1シート部分14の他方端14aに対して角領域11の延在方向の他方側に位置する他方側部15cとを有する。オーバーラップ部15bは、最外面側の第1シート部分14に対して角領域11の最内面11f側にて、最外面側の第1シート部分14に沿って延びている。他方側部15cが、角領域11の延在方向にて最外面側の第1シート部分14と連続するように延びている。そのため、最外面側の第1シート部分14の他方端14aによって従来のような段差部が形成されることを防止でき、これによって、最外面側の第1シート部分14が剥がれることを効率的に防止できる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10は、最外面側の第1及び第2シート部分14,15を覆う外側シート部分16と、最内面側の第1及び第2シート部分14,15を覆う内側シート部分17とをさらに有する。そのため、外側シート部分16が、最外面側の第1継ぎ目10cを覆うことができ、かつ内側シート部分17が、最内面側の第1又は第2継ぎ目10c,10dを覆うことができる。その結果、低い繊維含有率によって脆弱である最外面側の第1継ぎ目10cを外側シート部分16によって補強でき、かつ低い繊維含有率によって脆弱である最内面側の第1又は第2継ぎ目10c,10dを内側シート部分17によって補強できる。また、外側シート部分16によって、最外面側の第1継ぎ目10cの剥離を防止でき、かつ内側シート部分17によって、最内面側の第1又は第2継ぎ目10c,10dの剥離を防止できる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体10においては、外側及び内側シート部分16,17のそれぞれが織物になっている。そのため、外側及び内側シート部分16,17を容易に賦形することができ、これによって、低い繊維含有率によって脆弱である最外面側の第1継ぎ目10cを外側シート部分16によって効率的に補強でき、かつ低い繊維含有率によって脆弱である最内面側の第1又は第2継ぎ目10c,10dを内側シート部分17によって効率的に補強できる。
「第2実施形態」
第2実施形態に係る繊維強化樹脂構造体について説明する。本実施形態に係る構造体は、角領域の積層方向の一方側及び他方側が、それぞれ、角領域の積層方向の最内面側及び最外面側となっている構成と、これに関連する構成とについて、第1実施形態に係る構造体と異なる。その一方で、本実施形態に係る構造体は、その他の構成については、第1実施形態に係る構造体と同様である。以下においては、本実施形態の構成要素及び第1実施形態の構成要素間の対応関係と、上述のように第1実施形態の構成と異なる本実施形態に係る構成とについて説明する。
「繊維強化樹脂構造体の概略」
図3を参照して、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20の概略について説明する。本実施形態の構成要素と第1実施形態の構成要素間の対応関係について、本実施形態に係る構造体20は、第1実施形態の角領域11、一方側領域12、及び他方側領域13にそれぞれ相当する角領域21、一方側領域22、及び他方側領域23を有する。
本実施形態の角領域21は、第1実施形態の角領域11の曲がった部分11a、中間区域11b、一方側連結区域11c、他方側連結区域11d、最外面11e、及び最内面11fにそれぞれ相当する曲がった部分21a、中間区域21b、一方側連結区域21c、他方側連結区域21d、最外面21e、及び最内面21fを有する。本実施形態の一方側領域22は、第1実施形態の一方側領域12の最外面12a及び最内面12bにそれぞれ相当する最外面22a及び最内面22bを有する。本実施形態の他方側領域23は、第1実施形態の他方側領域13の最外面13a及び最内面13bにそれぞれ相当する最外面23a及び最内面23bを有する。
さらに、本実施形態に係る構造体20は、第1実施形態の3つ以上の第1シート部分14に相当する3つ以上の第1シート部分24を有する。本実施形態に係る構造体20は、第1実施形態の2つ以上の第2シート部分15に相当する2つ以上の第2シート部分25を有する。
本実施形態の第1シート部分24は、第1実施形態の第1シート部分14の他方端14aに相当する他方端24aを有する。本実施形態の第2シート部分25は、第1実施形態の第2シート部分15の一方端15aに相当する一方端25aを有する。
これらの本実施形態の構成要素を有する構造体20の概略は、第1実施形態に係る構造体10の概略と異なる次のような構成を有する。本実施形態においては、角領域21の積層方向の一方側及び他方側は、それぞれ、角領域21の積層方向の最内面21f側及び最外面21e側となっている。
さらに、上記本実施形態の構造体20の概略は、第1実施形態に係る構造体10の概略と異なる次のような構成を有することができる。最内面側の第1シート部分24は、角領域21にて、最内面側の第2シート部分25と重なっている。最内面側の第2シート部分25は、最内面側の第1シート部分24の他方端24aに対して角領域21の延在方向の一方側に位置するオーバーラップ部25bを有する。最内面側の第2シート部分25はまた、最内面側の第1シート部分24の他方端24aに対して角領域21の延在方向の他方側に位置する他方側部25cを有する。オーバーラップ部25bは、最内面側の第1シート部分24に対して角領域21の最外面21e側にて、最内面側の第1シート部分24に沿って延びている。他方側部25cは、角領域21の延在方向にて最内面側の第1シート部分24と連続するように延びている。
構造体20は、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ最外面側の第1及び第2シート部分24,25を覆う外側シート部分26をさらに有する。構造体20はまた、繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ最内面側の第1シート部分24及び最内面側の第2シート部分25を覆う内側シート部分27を有する。
また、図3においては、外側及び内側シート部分26,27のそれぞれは、シート状に形成された1つの基材から構成されている。しかしながら、外側シート部分を、互いに積層された複数の基材から構成することもできる。また、内側シート部分を、互いに積層された複数の基材から構成することもできる。
外側及び内側シート部分26,27の基材のそれぞれは、連続繊維強化樹脂を用いて構成される場合に、織物になっている。しかしながら、外側及び内側シート部分の基材の少なくとも一方を、連続繊維強化樹脂を用いて構成する場合に、UD材とすることもできる。さらに、外側及び内側シート部分の基材の少なくとも一方を、不連続繊維強化樹脂を用いて構成することもできる。なお、構造体は、外側及び内側シート部分の少なくとも一方を有さないように構成することもできる。
「繊維強化樹脂構造体の詳細」
図3を参照して、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20の詳細について説明する。すなわち、本実施形態に係る構造体20の詳細は、第1実施形態に係る構造体10の詳細と異なる次のような構成を有することができる。構造体20の最内面20b、すなわち、角領域21並びに一方側及び他方側領域22,23の最内面21f,12b,13bは、略平坦に形成されている。構造体20の最内面20bは、段差、隆起、窪み等を有さないように構造体20の延在方向にて延びている。
構造体20の最外面20aは、角領域21にて隆起している。角領域21の最外面21eは、一方側及び他方側領域22,23の最外面22a,23aに対して隆起している。構造体20の最外面20aは、一方側及び他方側領域22,23にて略平坦に形成されている。一方側及び他方側領域22,23の最外面22a,23aは、段差、隆起、窪み等を有さないように構造体20の延在方向にて延びている。
構造体20は、3つ以上の第1シート部分24の他方端24aに対して構造体20の延材方向の他方側にそれぞれ隣接する3つ以上の第1継ぎ目20cを含む。第1継ぎ目20cの繊維含有率は、その他の部分の繊維含有率よりも低くなっている。
3つ以上の第1シート部分24の他方端24aは、他方側連結区域21dにて、角領域21の積層方向の最内面側から同最外面側に向かうに従って角領域21の延在方向にて中間区域21bに接近するように延びる第1継ぎ目直線D1(仮想線により示す)上に配置される。3つ以上の第1継ぎ目20cもまた、このような3つ以上の第1シート部分24の他方端24aと同様に配置されることとなる。
構造体20は、2つ以上の第2シート部分25の一方端25aに対して構造体20の延材方向の一方側にそれぞれ隣接する2つ以上の第2継ぎ目20dを含む。第2継ぎ目20dの繊維含有率は、その他の部分の繊維含有率よりも低くなっている。
2つ以上の第2シート部分25の一方端25aは、一方側連結区域21cにて、角領域21の積層方向の最内面側から同最外面側に向かうに従って角領域21の延在方向にて中間区域21bに接近するように延びる一方側継ぎ目直線D2(仮想線により示す)上に配置される。2つ以上の第2継ぎ目20dもまた、このような2つ以上の第2シート部分25の一方端25aと同様に配置されることとなる。
最内面側の第1シート部分24の他方端24aと、最内面側の第2シート部分25の他方側部25cとの間には、最内面側の第1継ぎ目20cが形成される。内側シート部分27は、他方側連結区域21dにて、最内面側の第1継ぎ目20cを覆いながら、上述した構造体20の最内面20bと同様に略平坦に延びる。
構造体20が、第1シート部分24の数と同じ数の第2シート部分25を有する場合において、最外面側の第2シート部分25の一方端25aに隣接する最外面側の第2継ぎ目20dは、最外面側の第1シート部分24上に形成される。外側シート部分26は、他方側連結区域21dにて、第1継ぎ目直線D1と略平行に延びる。外側シート部分26は、一方側連結区域21cにて、最外面側の第2継ぎ目20dを覆いながら、第2継ぎ目直線D2と略平行に延びる。
なお、特に図示はしないが、構造体は、第1シート部分の数よりも1つ少ない数の第2シート部分を有する場合において、最外面側の第1シート部分の他方端に隣接する最外面側の第1継ぎ目が、最外面側の第2シート部分上に形成される。この場合、外側シート部分は、他方側連結区域にて、最外面側の第1継ぎ目を覆いながら、第1継ぎ目直線と略平行に延びる。
「繊維強化樹脂構造体の製造方法」
図4を参照して、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20の製造方法の一例を説明する。かかる製造方法の一例においては、プレス成形によって構造体20を作製する。
プレス成形に用いられる装置200、すなわち、プレス成形装置200は、次のようになっている。プレス成形装置200は、互いに対向する外側金型201及び内側金型202を有する。外側金型201は、構造体20の最外面20aに対応するように形成された成形部201aを有する。内側金型202は、構造体20の最内面20bに対応するように形成された成形部202aを有する。
外側及び内側金型201,202の成形部201a,202aは、互いに対向するように配置される。外側及び内側金型201,202は、互いに対して対向方向に移動可能になっている。内側金型202は固定型とすることができ、かつ外側金型201を可動型とすることができる。しかしながら、外側及び内側金型はこれに限定されない。繊維強化樹脂構造体20は、このような外側及び内側金型201,202の成形部201a,202a間にてプレスされる。
このようなプレス成形装置200を用いた構造体20の製造方法の一例は、次のようになっている。最初に、内側金型202の成形部202a上に、内側シート部分27を配置する。さらに、内側シート部分27上にて、単独の第1シート部分24と単独の第2シート部分25とを交互に積層する。このとき、角領域21にて、3つ以上の第1シート部分24と2つ以上の第2シート部分25とを、単独の第1シート部分24と単独の第2シート部分25とを交互に積層するようにオーバーラップさせる。一方側領域22にて、3つ以上の第1シート部分24を積層する。他方側領域23にて、2つ以上の第2シート部分25を積層する。最外面側の第1及び第2シート部分24,25上に、外側シート部分26を配置する。
このようなプレス前の状態では、第1及び第2継ぎ目20c,20dは空洞となっておいる。外側及び内側金型201,202の成形部201a,202a間にて、構造体20をプレスする。このとき、第1及び第2継ぎ目20c,20dにはマトリックス樹脂が流れる。プレス後の状態では、第1、第2、外側、及び内側シート部分24,25,26,27は接合される。第1及び第2継ぎ目20c,20dはマトリックス樹脂によって充填される。なお、繊維強化樹脂構造体は、上記プレス成形の代わりに、RTM成形、オートクレーブ成形等によっても作製することができる。
以上、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20においては、角領域11の積層方向の一方側及び他方側を、それぞれ、角領域11の最外面11e側及び最内面11f側とする構成に関連する効果を除いて、第1実施形態に係る構造体10と同様の効果を得ることができる。そして、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20においては、角領域21の積層方向の一方側及び他方側が、それぞれ、角領域21の最内面21f側及び最外面21e側となっており、かかる構成に関連する効果は、以下のとおりである。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20においては、3つ以上の第1シート部分24の他方端24aは、他方側連結区域21dにて、角領域21の積層方向の最内面21f側から同最外面21e側に向かうに従って角領域21の延在方向にて中間区域21bに接近するように角領域21の延在方向にて互いにズレており、かつ2つ以上の第2シート部分25の一方端25aは、一方側連結区域21cにて、角領域21の積層方向の最内面21f側から同最外面21e側に向かうに従って角領域21の延在方向にて中間区域21bに接近するように角領域21の延在方向にて互いにズレている。そのため、角領域21内における第1及び第2シート部分24,25の延在方向の長さが、角領域21の最外面21eから同最内面21fに向かうに従って長くなり、これによって、角領域21の最外面21f側の強度を同最外面21e側の強度よりも高くできる。この場合、角領域21の曲がり角度θが増加するような角領域21の曲げ変形に対する角領域21及びその周辺領域の強度を、効率的に向上させることができる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20においては、最内面側の第1シート部分24が、角領域21にて、最内面側の前記第2シート部分25と重なっている。最内面側の第2シート部分25が、最内面側の第1シート部分24の他方端24aに対して角領域21の延在方向の一方側に位置するオーバーラップ部25bと、最内面側の第1シート部分24の他方端24aに対して角領域21の延在方向の他方側に位置する他方側部25cとを有する。オーバーラップ部25bは、最内面側の第1シート部分24に対して角領域21の最外面21e側にて、最内面側の第1シート部分24に沿って延びている。他方側部25cが、角領域21の延在方向にて最内面側の第1シート部分24と連続するように延びている。そのため、最内面側の第1シート部分24の他方端24aによって従来のような段差部が形成されることを防止でき、これによって、最内面側の第1シート部分24が剥がれることを効率的に防止できる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20は、最外面側の第1及び第2シート部分24,25を覆う外側シート部分26と、最内面側の第1及び第2シート部分24,25を覆う内側シート部分27とをさらに有する。そのため、内側シート部分27が、最内面側の第1継ぎ目20cを覆うことができ、かつ外側シート部分26が、最外面側の第1又は第2継ぎ目20c,20dを覆うことができる。その結果、低い繊維含有率によって脆弱である最内面側の第1継ぎ目20cを内側シート部分27によって補強でき、かつ低い繊維含有率によって脆弱である最外面側の第1又は第2継ぎ目20c,20dを外側シート部分26によって補強できる。また、内側シート部分27によって、最内面側の第1継ぎ目20cの剥離を防止でき、かつ外側シート部分26によって、最外面側の第1又は第2継ぎ目20c,20dの剥離を防止できる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体20においては、外側及び内側シート部分26,27のそれぞれが織物になっている。そのため、外側及び内側シート部分26,27を容易に賦形することができ、これによって、低い繊維含有率によって脆弱である最内面側の第1継ぎ目20cを内側シート部分27によって効率的に補強でき、かつ低い繊維含有率によって脆弱である最外面側の第1又は第2継ぎ目20c,20dを外側シート部分26によって効率的に補強できる。
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
10,20…繊維強化樹脂構造体(構造体)、10c,20c…第1継ぎ目、10d,20d…第2継ぎ目
11,21…角領域、11a,21a…曲がった部分、11b,21b…中間区域、11c,21c…一方側連結区域、11d,21d…他方側連結区域、11e,21e…最外面、11f,21f…最内面
12,22…一方側領域
13,23…他方側領域
14,24…第1シート部分、14a,24a…他方端
15,25…第2シート部分、15a,25a…一方端、15b,25b…オーバーラップ部、15c,25c…他方側部
16,26…外側シート部分
17,27…内側シート部分

Claims (3)

  1. 曲がった部分を有するように延びる角領域と、前記角領域の延在方向の一方側及び他方側にてそれぞれ前記角領域と連続するように延びる一方側領域及び他方側領域とを含む繊維強化樹脂構造体であって、
    繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記角領域及び前記一方側領域に跨って延びる3つ以上の第1シート部分と、
    繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記角領域及び前記他方側領域に跨って延びる2つ以上の第2シート部分と
    を備え、
    前記一方側領域が、前記3つ以上の第1シート部分を積層した構造を有し、
    前記他方側領域が、前記2つ以上の第2シート部分を積層した構造を有し、
    前記角領域が、前記3つ以上の第1シート部分と前記2つ以上の第2シート部分とを、単独の前記第1シート部分及び単独の前記第2シート部分を交互に積層させるようにオーバーラップさせた構造を有し、
    さらに、前記角領域が、その延在方向の中間に位置する中間区域と、前記中間区域及び前記一方側領域を連結する一方側連結区域と、前記中間区域及び前記他方側領域を連結する他方側連結区域とを有し、
    前記角領域の積層方向の厚さが前記一方側及び他方側領域の積層方向の厚さよりも大きくなっており、
    前記角領域の積層方向は、前記曲がった部分の凸側が前記角領域の積層方向の最外面側、前記曲がった部分の凹側が前記角領域の積層方向の最内面側となっており、
    各第1シート部分が、前記角領域の延在方向の他方側を向く他方端を有し、前記3つ以上の第1シート部分の他方端が、前記他方側連結区域にて、前記角領域の積層方向の最外面側から最内面側に向かうに従って前記角領域の延在方向にて前記中間区域に接近するように前記角領域の延在方向にて互いにズレており、かつ前記一方側連結区域の積層方向の厚さが、前記中間区域から前記一方側領域に向かうに従って徐々に減少しており、
    各第2シート部分が、前記角領域の延在方向の一方側を向く一方端を有し、前記2つ以上の第2シート部分の一方端が、前記一方側連結区域にて、前記角領域の積層方向の最外面側から最内面側に向かうに従って前記角領域の延在方向にて前記中間区域に接近するように前記角領域の延在方向にて互いにズレており、かつ前記他方側連結区域の積層方向の厚さが、前記中間区域から前記他方側領域に向かうに従って徐々に減少しており、
    前記3つ以上の第1シート部分の中で前記角領域の最外面に最も接近する最外面側の前記第1シート部分が、前記角領域にて、前記2つ以上の第2シート部分の中で前記角領域の最外面に最も接近する最外面側の前記第2シート部分と重なっており、
    前記最外面側の第2シート部分が、前記最外面側の第1シート部分の他方端に対して前記角領域の延在方向の一方側に位置するオーバーラップ部と、前記最外面側の第1シート部分の他方端に対して前記角領域の延在方向の他方側に位置する他方側部とを有し、
    前記オーバーラップ部が、前記最外面側の第1シート部分に対して前記角領域の最内面側にて、前記最外面側の第1シート部分に沿って延びており、
    前記他方側部が、前記角領域の延在方向にて前記最外面側の第1シート部分と連続するように延びており、
    繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記最外面側の第1及び第2シート部分を覆う外側シート部分をさらに備え、
    前記外側シート部分の最外面は、前記繊維強化樹脂構造体の延在方向に段差なく連続して延びている、繊維強化樹脂構造体。
  2. 繊維強化樹脂を用いて構成され、かつ前記3つ以上の第1シート部分の中で角領域の最内面に最も接近する最内面側の前記第1シート部分、及び前記2つ以上の第2シート部分の中で前記角領域の最内面に最も接近する最内面側の前記第2シート部分を覆う内側シート部分をさらに備える、請求項1に記載の繊維強化樹脂構造体。
  3. 前記外側及び内側シート部分のそれぞれが織物になっている、請求項に記載の繊維強化樹脂構造体。
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