JP7333942B2 - 神経変性疾患に対するatp増強療法の効果を予測する方法 - Google Patents
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Description
神経変性疾患の要因として様々な仮説がある。しかし、ミトコンドリアの機能不全によるエネルギー不足は、主要な仮説の1つである(1~16)。この不足を克服するために、神経変性疾患の治療法としてATPの増強が提案された(17~19、特許文献1、2)。ATP増強の戦略の1つは、キサンチン酸化還元酵素(xanthine oxidoreductase: XOR)阻害剤と、体内でhypoxanthineを生成する化合物の併用が挙げられる(19)。本特許明細書中では、ATP増強療法と言えば主にこの治療法をさし、ATP増強剤と言えば、主に、キサンチン酸化還元酵素(xanthine oxidoreductase:以下XORということがある)阻害剤と、体内でhypoxanthineを生成する化合物の併用、または合剤やキット剤をさす。この治療では、hypoxanthineが体内に蓄積し、それがATPの増強につながる(図1)。Hypoxanthineは生理的状態ではXORによってキサンチンと尿酸に分解され、hypoxanthineの蓄積は起きない(図1)。 しかしXOR阻害剤を投与すると、hypoxanthineの分解が抑制され、hypoxanthineの蓄積が起きる(図1)。イノシンのように体内でhypoxanthineを合成する化合物をXOR阻害剤に加えて添加すると、ATP増強効果が強化される(17、19)(図1)。
神経変性疾患におけるhypoxanthineの減少に関するいくつかの報告がある。例えば、パーキンソン病患者の血漿hypoxanthineは対照よりも約40%低いことが報告されている(25)。さらに、Framinghamの研究で何百ものタンパク質を対象としたプロテオミクス研究では、アルツハイマー病発症のリスク因子としてhypoxanthineの減少が検出された(26)。
(1)神経変性疾患に対するATP増強療法の治療効果を予測する方法であって、
ATP増強療法を施す前の患者由来サンプル中のヒポキサンチン(hypoxanthine)を測定する工程と、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値にもとづき、これから行われるATP増強療法の治療効果を判定する工程と、
を含む前記治療効果の予測方法。
(2)患者由来サンプルが、患者の血液由来サンプル及び/又は脳脊髄液由来サンプルである(1)に記載の予測方法。
(3)当該ヒポキサン測定値にもとづきこれから行われるATP増強療法の治療効果を予測する工程が、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値を所定の数値と比較して、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値が所定の数値よりも低い場合にこれから行われるATP増強療法が有効である可能性が高いと示される工程である(1)又は(2)に記載の予測方法。
(4)ATP増強療法が、以下の(A)及び/又は(B)を有効成分とするATP増強剤を患者に投与する工程を含む治療法である、(1)~(3)のいずれかに記載の予測方法。
(A)キサンチン酸化還元酵素阻害剤
(B)ヒポキサンチン(Hypoxanthine)、または体内でヒポキサンチン(hypoxanthine)に変換され得る化合物
(5)神経変性疾患が、パーキンソン病、パーキンソン症候群、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多発性硬化症、又は筋萎縮性側索硬化症およびハンチントン病かならる群から選ばれる1以上である(1)~(4)のいずれかに記載の予測方法。
(1)~(5)のいずれかに記載のATP増強療法の治療効果を予測する方法により患者の治療効果の予測をした後、効果があると予測された当該患者に対してATP増強療法を施す工程を含む、前記ATP増強療法。
ATP増強療法を施す前の患者由来サンプル中のヒポキサンチン(hypoxanthine)を測定する工程と、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値にもとづき、これから行われるATP増強療法の治療効果を判定する工程と、
を含む前記治療効果の予測方法。
(A2)患者由来サンプルが、患者の血液由来サンプル及び/又は脳脊髄液由来サンプルである(A1)に記載の予測方法。
(A3)当該ヒポキサン測定値にもとづきこれから行われるATP増強療法の治療効果を予測する工程が、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値を所定の数値と比較して、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値が所定の数値よりも低い場合にこれから行われるATP増強療法が有効である可能性が高いと示される工程である(A1)又は(A2)に記載の予測方法。
(A4)ATP増強療法が、以下の(A)及び/又は(B)を有効成分とするATP増強剤を患者に投与する工程を含む治療法である、(A1)~(A3)のいずれかに記載の予測方法。
(A)キサンチン酸化還元酵素阻害剤
(B)ヒポキサンチン(Hypoxanthine)、または体内でヒポキサンチン(hypoxanthine)に変換され得る化合物
(A5)パーキンソン病が、パーキンソン病、パーキンソン症候群、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多発性硬化症、又は筋萎縮性側索硬化症およびハンチントン病かならる群から選ばれる1以上である(A1)~(A4)のいずれかに記載の予測方法。
(A6)パーキンソン病に対するATP増強療法であって、
(A1)~(A5)のいずれかに記載のATP増強療法の治療効果を予測する方法により患者の治療効果の予測をした後、効果があると予測された当該患者に対してATP増強療法を施す工程を含む、前記ATP増強療法。
以上より、本発明は神経変性疾患の診断や当該疾患に対する効果的なATP増強療法を施すことが期待できる。
ヒポキサンチンの測定は、各サンプル中の値を正しく反映できる測定方法であればどのような方法でもよい。
血液や血液成分を対象としたhypoxanthineの測定については、Hypoxanthineは採血後、急速に上昇する傾向があるため留意が必要である。その理由は、赤血球中のアデニンヌクレオチド(特にATP)が分解してhypoxanthineを生じるからである。それを避けるためには血清分離をすばやく行うことが望ましい。血清を分離するためには試験管内で血液凝固が起きるのを待つ必要があるため、血液凝固を待たないで採取できる血漿中のhypoxanthine測定の方が正確である可能性がある。
更に、アデニンヌクレオチドからhypoxanthineを生じるには酵素反応が必要なので、採血後できるだけ早くperchloric acidなどを用い除蛋白を行う方法も好ましく用いられる。その場合、血清や血漿ではなく、全血を対象として行う。全血の場合、赤血球中と血漿中でhypoxanthineの濃度が異なる可能性があるので、濃度ではなく量で表したほうが好ましい。本発明におけるヒポキサンチンの測定は、血清、血漿、全血のいずれもサンプルとして使用することができる。
ヒポキサンチン(hypoxanthine)の測定対象サンプルとしては、患者の体液由来サンプルであればよく、全血、血漿、血清、脳脊髄液、細胞や組織の培養上清、尿、唾液、汗、腹水、又は細胞あるいは組織の抽出液が挙げられ、好ましくは、患者の全血、血漿、血清、脳脊髄液である。これらはさらに希釈液により希釈したり前処理したものを用いることもできる。
下記の実施例ではhypoxanthineは血清を用いて測定した。しかし、神経変性疾患で血液中のhypoxanthineが低下している理由は、脳の産生するhypoxanthineが低下しているからと考えられる。脳の産生するhypoxanthine量は血液より脳脊髄液によりよく表現されているはずである。一般に、hypoxanthine濃度は脳脊髄液において血漿より約2倍高いと発表されている。即ち、脳脊髄液中、および血漿中のhypoxanthine濃度はそれぞれ3.3、1.7 μMと発表されている(51)。即ち、生理的状態では脳で産生されたhypoxanthineが血液へと移行していると考えられる。しかしながら、ATP増強療法により血液中のhypoxanthineは大幅に増加する(17)。従って、ATP増強療法により脳脊髄液と血液中のhypoxanthine濃度の勾配は逆転し、血液中の方が脳脊髄液中の濃度より高くなる。Hypoxanthineはblood brain barrier(BBB)を通過すると報告されている(23、52)。従って、ATP増強療法においては血液中で上昇したhypoxanthineがBBBを通過し、脳へと移行し、それが神経細胞のATPを増強すると考えられるのである。以上の理由で、神経細胞のATP欠乏状態の指標として、またATP増強剤の脳への効果への指標として、血液より脳脊髄液中のhypoxanthineの方が良いと考えられる。今回のhypoxanthine濃度の測定は血清で行われたが、脳脊髄液中のhypoxanthine濃度は血清中のhypoxanthine濃度に反映されているので、脳脊髄液中のhypoxanthine濃度は血清中のhypoxanthine濃度と同様の変化を起こしていると考えられる。つまり、血清中のhypoxanthine濃度と神経変性疾患の重症度が関連すると同様に、脳脊髄液中のhypoxanthine濃度が低いほど、神経変性疾患が重症と考えられ、治療前の脳脊髄液中のhypoxanthine濃度が低いほどATP増強剤が効果的であると考えられ、治療による脳脊髄液中のhypoxanthine濃度の上昇が大きいほどATP増強療法の効果が大きいと考えられる。即ち、我々のhypoxanthineと神経変性疾患の重症度の関係、ATP増強剤の効果との関係は脳脊髄液中のhypoxanthineにも及ぶ。
本発明がATP増強療法の対象とする神経変性疾患とは、主にヒトの脳内のニューロンに障害を与える疾患に使用される用語である。ニューロンは脳や脊髄を含む神経系の情報伝達を司る細胞である。成人では、ニューロンは再生されず、損傷を受けても機能を回復することは困難である。神経変性疾患は、ニューロンの進行性の変性および死をもたらす不治の進行性疾患である。神経変性疾患の例には、パーキンソン病、パーキンソン症候群、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー型認知証、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症およびハンチントン病が含まれる。アルツハイマー型認知症はアルツハイマー病、レビー小体型認知症はびまん性レビー小体病、前頭側頭型認知症は前頭側頭葉変性症治療薬と同義で用いられる。前頭側頭型認知症治療薬はピック病治療薬と同義で用いられる。
パーキンソン症候群には、パーキンソン病とは異なる原因によりパーキンソン病と同様の症状(パーキンソン症状)を示すものが含まれる。パーキンソン症候群とは、広い概念ではパーキソニズム(パーキンソン症状)と呼ばれる症候を有する疾患群の総称であり、パーキンソン病の症状とは、振戦(ふるえ)、筋強剛、動作緩慢、姿勢反射障害などである。
また、本発明において対象とする神経変性疾患は、パーキンソン病と類似の神経細胞内ATP低下という病態があるものであれば、本発明の範囲内に含まれる。
神経変性疾患の症状は、疾患により、更には障害される神経部位により様々であり、統一された評価基準により評価することは困難である。
例えばパーキンソン病の場合は、振戦(ふるえ)、筋強剛、動作緩慢、姿勢反射障害などの症状を呈するが、総合的にパーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)により評価することができる。
例えばアルツハイマー病の場合は、記憶障害、認知障害、論理的思考の障害、コミュニケーション能力の障害などを示すが、総合的に長谷川式認知症スケール(HDS-R)や、ミニ・メンタルステート試験(MMSE)のスコアにより評価する事ができる。
レビー小体型認知症による症状については、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)などの評価基準により評価することができる。
前頭側頭型認知症での改善効果は、厚生労働省の難病申請のための重症度分類などにより評価可能である。
多発性硬化症の改善効果はEDSS(Expanded Disability Status Scale)などにより評価可能である。
萎縮性側索硬化症はALS機能評価スケール(ALSFRS-R)などにより評価が可能である(大橋靖雄他 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の日常活動における機能評価尺度日本版改訂ALS Functional Rating Scaleの検討 Brain and nerve 53(4), 346-355, 2001-04)。
本発明の神経変性疾患症状の改善とは、当該疾患の症状が軽減されることをいい、上記のような統一された評価基準により評価が改善されることにより判断することができる。例えば、パーキンソン病やアルツハイマー病の症状の改善効果は、前記評価基準によりスコアが下がることにより症状が改善されたと評価することができる。
本発明の1つは、神経変性疾患に対するATP増強療法の治療効果を予測する方法であって、ATP増強療法を施す前の患者由来のサンプル中のhypoxanthineを測定する工程と、当該ヒポキサンチン測定値にもとづき、これから行われるATP増強療法の治療効を判定する工程を含む前記治療効果の予測方法に係る発明である。本発明により、神経変性疾患の患者サンプル中のhypoxanthineの量と、ATP増強療法の治療効果に関連性があることがわかった。すなわち、ATP増強療法を施す前の患者サンプル中のhypoxanthineが少ないほどATP増強療法の効果が高いことがわかった。したがって、神経変性疾患の患者にATP増強療法を施す前に、あらかじめ患者サンプル中のhypoxanthineを測定することにより、これから行うATP増強療法の効き目をあらかじめ予測することが可能である。
例えば、患者群についてATP増強療法による症状の改善程度と治療前のhypoxanthine測定値との関係を求めておくことで、ATP増強療法対象とする患者のhypoxanthine測定値に対応するATP増強療法の治療効果を求めることができる。また、あらかじめ治療効果の判定についての閾値を求めておき、患者のポキサンチン測定値を当該閾値と比較し、閾値よりも上であればATP増強療法による治療効果は見込めないか低度であり、閾値よりも下であれば高い治療効果が期待できるであろうと予測することができる。
また、本発明は、神経変性疾患に対するATP増強療法の治療効果を予測する方法であるが、ATP増強療法を行うかどうかについての最終的な判断は当然のことながら医師が決定することから、本発明は、神経変性疾患に対するATP増強療法の治療効果を予測するために用いられる患者サンプルのhypoxanthineに関する情報を提供する方法、また、治療効果の推定補助方法などとも表現することもできる。
また、本発明は、換言すれば、ATP増強療法を施す前の患者由来のサンプル中のhypoxanthineを測定する工程と、当該ヒポキサンチン測定値にもとづき、神経変性疾患に対するATP増強療法において反応者と非反応者を判定する方法でもある。
本発明のATP増強療法は、患者の細胞内のATPを増強することができる治療法であればよく、ATPの増強とは患者体内に存在する細胞内のATPを増加させる、あるいは減少を抑制する治療法をいう。
ATPの増強療法としては、以下の(A)及び/又は(B)を有効成分とするATP増強剤を患者に投与する工程を含む治療方法が挙げられる。
(A)キサンチン酸化還元酵素阻害剤
(B)Hypoxanthine、または体内でhypoxanthineに変換され得る化合物
本発明の有効成分の1つである(A)のキサンチン酸化還元酵素阻害剤としては、フェブキソスタット(商品名フェブリク(帝人ファーマ))、トピロキソスタット(商品名ウリアデック(三和化学研究所)、トピロリック(富士薬品))、アロプリノール(商品名ザイロリック(グラクソ・スミスクライン))などが挙げられる。また、これらの化合物の薬学的に許容される塩も本発明のA)の有効成分に含まれる。
本発明のもう1つの有効成分である(B)としては、イノシン、イノシン酸、hypoxanthine、アデノシン、AMP、ADP、ATP、サクシニルアデノシン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれるいずれか1以上の化合物が挙げられる。このうちでもイノシンが望ましい。
本発明のATP増強剤は、このうちでも上記(A)及び(B)を組み合わせてなるATP増強剤が好ましい。
本発明の「(A)および(B)を併用する」とは、(A)の成分と(B)の成分の両方が服用されることを意味し、「(A)および(B)を組み合わせてなる」ATP増強剤とは、(A)および(B)が組み合わされて服用される態様の薬剤をすべて含む意味で用いられる。したがって、(A)の成分と(B)の成分が混合されて組成物を形成している合剤(配合剤)、あるいは混合されることなく、物理的に別々に存在するが、投与される際に同時期に投与されるようにまとめられて存在する薬剤の両者を含む。
合剤(配合剤)の例としては、混合されて製剤化されたものが挙げられる。製剤化の例としては、顆粒、粉体、固形剤、液体などの経口剤、吸入剤などが挙げられる。
物理的に別々に存在するが、投与される際に同時期に投与されるようにまとめられて存在する薬剤としては、いわゆるキット剤や、1つの袋に取りまとめられる形態が挙げられる。
同時期とは、必ずしも厳密な意味での同時を意味せず、効果が発揮される範囲で間隔を置く場合も本発明の同時期に含むものとする。例えば、一方を食前、一方を食後に飲むような場合は本発明の同時期に投与される場合に相当する。
本発明のATP増強剤の投与量は、有効量であればよく、それぞれ以下の投与量が望ましい。例えば、上記の(A)のフェブキソスタットは、10~80mg/日、トピロキソスタットは、40~160mg/日、アロプリノール、約50mg~約800mg/日が望ましい。また、(B)のイノシンは、0.5~4.0g/日が望ましい。
投与方法は、上記投与量をそれぞれ1日1回または2回以上に分けて投与することが可能である。このうちでも、フェブキソスタットは、従来のフェブキソスタットの用法のように1日1回投与ではなく、1日2回の投与を行うことが望ましい。また、イノシンも1日1回よりも2回の投与が望ましい。したがって、イノシン、フェブキソスタットともに1日2回にわけて投与することがさらに望ましい。
合剤とする場合は、1日の投与量、投与方法を考慮して調整すればよく、フェブキソスタットとイノシンを、フェブキソスタット20mg、または40mgにイノシン0.5g、1g、1.5g、または2gを加えたものなどが望ましい。1錠にフェブキソスタット20mg、イノシン0.5gを加えたものが更に望ましい。
1.試験方法
パーキンソン病患者11名に対し8週間ATP増強剤を投与することによりATP増強療法を行った。具体的にはfebuxostat 20 mg、inosine 0.5 gを一日二回、朝食夕食後、8週間投与した。1日量としてはfebuxostat 40 mg、inosine 1.0 gとなる。パーキンソン病の重症度はトレーニングを受けた医師によるMDS-UPDRS Part IIIのスコアにより判断した。MDS-UPDRS Part IIIスコアはパーキンソン病の治療薬の効果を判定するために世界的に用いられるスコアである。ATP増強療法の効果は投与前後のMDS-UPDRS Part IIIのスコアの比較により判断した。試験中に、試験前に投与していた薬は変更しなかった。
採血後、できるだけ早く採取した500μLの血清を500μLの氷冷8%PCAと混合し、そして混合物を直ちにボルテックスした。その後、4℃で5秒間、12,000×gで遠心し、上清を-80℃で保存した。6MのKOH中の40μLの2MのK2CO3を650μLの溶解物に添加して、同時にPCAを沈殿させ、溶液を中和した。これを4℃、12,000×gで10分間遠心した後、上清40μLに移動相160μLを加えてHPLCに供した。HPLCの条件は非特許文献53と同じである。プリン量はPCA除去後の溶液に含まれるモル量で表した。
パーキンソン病の症状の重さを測るため、パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS Part III:Unified Parkinoson's Disease Rating Scale Part III)に従って測定した。
本スケールはパーキンソン病を総合的に評価する基準として、世界中の研究者や医師に広く利用されており、ヤールの重症度分類に比べてはるかに細かく評価することができる。大項目として以下に示す4つがあり、全体では50の項目を基本的に5段階に分けて点数化し、パーキンソン病の重症度を点数で表すものである。
UPDRS その1(日常生活における非運動症状)
UPDRS その2(日常生活で経験する運動症状の側面)
UPDRS その3(運動症状の調査)
UPDRS その4(運動合併症)
ATP増強療法の治療効果の予測方法
血清hypoxanthineの治療前の値と、治療による血清hypoxanthineの増加量の関係を調べた。その結果、血清hypoxanthineの治療前の値が低いほど、治療による血清hypoxanthineの上昇が有意に大きいことがわかった(図2、R = -0.656、P = 0.036)。
次に、血清hypoxanthineの治療前の値と、治療によるMDS-UPDRS Part IIIスコアの変化の関係を調べた。その結果、血清hypoxanthineの治療前の値が低いほど、治療によるMDS-UPDRS Part IIIスコアの低下が有意に大きいことがわかった(図3、R = 0.677、P = 0.022)。つまり、治療前の血清hypoxanthineが低いほど、ATP増強療法の効果が大きい可能性がある
即ち、ATP増強療法の効果を、治療前の血清hypoxanthineの値で予測できる。
1錠あたり下記を含む経口投与用の合剤(錠剤タイプ)を製造した。
フェブキソスタット 20 mg
イノシン 0.5 g
アルファ化デンプン(崩壊バンダー) 70 mg
ケイ化微結晶セルロース(充填剤) 32.656 mg
クロスカルメロースナトリウム(崩壊剤) 10 mg
ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) 0.8 mg
フェブキソスタットを含む下記A.の組成の錠剤とイノシンを含む下記Bの組成の医薬を、それぞれ混ざらないように区切った同一袋に入れ、1回分を調整した。これを2回分すなわち1日分を同一の箱に梱包しキット剤を製造した。
A.フェブキソスタット錠
フェブキソスタット 20 mg
アルファ化デンプン(崩壊バンダー) 70 mg
ケイ化微結晶セルロース(充填剤) 32.656 mg
クロスカルメロースナトリウム(崩壊剤) 10 mg
ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) 0.8 mg
B.イノシン
イノシン 0.5 g
したがって、本発明は神経変性疾患の診断や当該疾患に対するATP増強療法の効き目をあらかじめ知ることができるため、患者により有意義な治療を施すことが可能である。
Claims (3)
- 神経変性疾患に対するATP増強療法の治療効果を予測するための方法であって、
ATP増強療法を施す前の患者の血液由来サンプル中のヒポキサンチン(hypoxanthine)を測定する工程と、
当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値を所定の数値と比較して、当該ヒポキサンチン(hypoxanthine)測定値が所定の数値よりも低い場合にこれから行われるATP増強療法が有効である可能性が高いと示される工程と、
を含む、前記治療効果を予測するための方法。 - ATP増強療法が、以下の(A)及び/又は(B)を有効成分とするATP増強剤を患者に投与する工程を含む治療法である、請求項1に記載の治療効果を予測するための方法。
(A)キサンチン酸化還元酵素阻害剤
(B)ヒポキサンチン(hypoxanthine)、または体内でヒポキサンチン(hypoxanthine)に変換され得る化合物 - 神経変性疾患が、パーキンソン病、パーキンソン症候群、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多発性硬化症、又は筋萎縮性側索硬化症およびハンチントン病からなる群から選ばれる1以上である請求項1又は2に記載の治療効果を予測するための方法。
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