JP7333550B2 - 射出成形装置 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の射出成形装置(請求項1)は、ゲート側に段付き孔を有するキャビティ入子と、該キャビティ入子の前記段付き孔に取り付けられるミニゲートブッシュとを含む射出成形装置であって、
上記ミニゲートブッシュは、中心部に上記ゲートを内設する先端側の細径部と、該細径部の基端側に連設され、前記細径部よりも大径であり、且つ中心部に上記ゲートに連通する円錐形状の中空部を内設する太径部と、を備え、硬度が上記キャビティ入子よりもHRCで10以上硬く、上記細径部の外径は8mm以下であり、上記太径部の外径は10mm以下であると共に、これら細径部および太径部全体の軸方向の長さは5mm以下である、ことを特徴とする。
(1)前記ミニゲートブッシュは、前記細径部および太径部からなり、前記キャビティ入子の段付き孔に取り付けられ、且つ該キャビティ入子よりも硬度がHRCで10以上硬いので、その寿命を確実に伸ばせると共に、これを用いる射出成形装置の耐久性を一層向上させることも可能となる。
(2)前記キャビティ入子を構成する鋼材の種類を、前記ミニゲートブッシュよりも硬度がHRCで10以上柔らかな鋼種に拡大することができる。
(3)前記ミニゲートブッシュは、前記各サイズの細径部および太径部からなり、前記キャビティ入子の段付き孔に取り付けられ、前記のように可及的に小型化されているので、比較的低コストで製作できると共に、万一の交換作業も極めて容易且つ迅速に行うことが可能となる。
また、前記細径部の外径の下限は、例えば、5mmが推奨され、且つ前記太径部の外径の下限は、例えば、7mmが推奨される。更に、前記ミニゲートブッシュ全体の軸方向の長さ(中心軸の長さ)の下限は、2mmである。
更に、前記太径部における円錐形状の中空部内には、上記バルブステムの先端側を囲むノズルチップの外側面に被着されたチップインシュレータの先端側が接触し、この接触によって前記ミニゲートブッシュの脱落を防止している。
これによれば、前記効果(1),(2)を一層確実に得ることが可能となる。
尚、前記ミニゲートブッシュを構成する材料は、前記冷間ダイス鋼に限らず、冷間または熱間工具鋼、WCなどの超硬、または金属-セラミックの複合材(例えば、SiALON)でも良い。
これによれば、射出成形される樹脂製品の前記ゲート付近に隣接する表面に、比較的浅く丸い凹部が形成されるので、前記ゲート内に残った樹脂が硬化した不用意な凸部が外側に突出する円形状のバリなどの発生を確実に予防することができる(以下、効果(4)と称する)。
図1(A)は、キャビティ入子11とミニゲートブッシュ1とを含む本発明の射出成形装置10の断面図、図1(B)は、そのゲートG付近を示す拡大断面図である。尚、図1(A),(B)では、図示で左側を先端側と称し、図示で右側を基端側と称する。
上記ミニゲートブッシュ1を含む射出成形装置10は、図1(A),(B)に示すように、軸方向に沿った溶融樹脂(図示せず)の流路15を内設した円筒形状のノズル16と、該ノズル16の先端側17に取り付けられたノズルチップ18と、該ノズルチップ18の先端側に位置する円錐形部19の先端側に隣接して配置され、全体が円錐形状であるチップインシュレータ20と、これらを円筒形状の空間Sを挟んで包囲するゲートブッシュ11およびキャビティプレート22と、を備えている。
上記段付き孔13内には、図1(A),(B)に示すように、本発明のミニゲートブッシュ1が基端側から嵌め込まれ、該ミニゲートブッシュ1は、チップインシュレータ20の円錐形部21によって、段付き孔13から基端側に抜け出し不能とされている。
尚、前記ノズル16の外周面には、任意数のバンドヒータHが巻き付けられ、前記流路15内を先端側に圧送される溶融樹脂を所定温度域に加熱・保温している。また、前記インシュレータ20は、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂からなる。
即ち、同図中の破線の矢印で示すように、上記バルブステム9を基端側に後退させた際には、その先端部9aが上記貫通孔19h,21h、およびゲートGが離脱して開放され、前記流路15内で滞留していた溶融樹脂(図示せず)が前記ゲートGを通過して、キャビティC内に射出および充填される。尚、バルブステム9の基端側は、図示しないエア(流体圧)シリンダー内のピストンに接続されている。
更に、前記ミニゲートブッシュ1の細径部2の外径D1は、5~8mm、太径部4の外径D2は、7~10mm、細径部2および太径部4全体の軸方向(中心軸)の長さLは、2~5mm(例えば、3mm)の範囲内に設定されている。即ち、該ミニゲートブッシュ1は、少なくとも、周囲の装置構成部材よりもHRCで10以上硬質であると共に、従来(前記特許文献1)のノズルチップに比べても、著しく小型化および軽量化されている。
しかも、前述のように、細径部2および太径部4における各寸法を可及的に小型化しているので、比較的低コストで製作できると共に、万一の交換作業も極めて容易且つ迅速に行うことが可能となる。
従って、前記ミニゲートブッシュ1を含む射出成形装置10によれば、前記効果(1)~(3)を確実に得ることができる。
上記ミニゲートブッシュ1aは、図示のように、前記同様のゲートGを内設した細径部2と、前記同様の中空部6を内設した太径部4とに加えて、更に前記細径部2の先端面3に、上記ゲートGが中心部に開口する円錐形状の円環部8が前記キャビティC側に突出している。該円環部8の先端面7は、リング形状を呈し、前記図1(B)中で示したキャビティC内に、約0.2~0.5mm程度進入する厚みを有する。
以上のようなキャビティ入子11とミニゲートブッシュ1aとを含む射出成形装置10によれば、前記効果(1)~(3)に加えて、キャビティC内に射出成形される樹脂製品の前記ゲートG付近に隣接する表面に、比較的浅く丸い凹部が形成されるので、前記ゲートG内に残った樹脂が硬化した不用意な凸部が突出する円形状のバリなどの発生を確実に予防できる前記効果(4)を更に得ることもできる。
例えば、前記ミニゲートブッシュ1,1aを構成する材料は、所要の耐熱性と硬度を併有したものであれば、前記SKD11以外の冷間または熱間金型用鋼、冷間または熱間工具鋼、超硬、金属とセラミックとからなる複合材、あるいは、硬質のセラミック(例えば、アルミナ)からなるものとしても良い。
また、前記太径部4に内設される中空部は、前記中空部6のように直線的な円錐形状に限らず、軸方向に沿って緩くカーブしたラッパ状、あるいは、半楕円球状の円錐形状となる湾曲面からなる形態としても良い。
加えて、前記太径部4は、ミニゲートブッシュ1,1aの軸方向に沿って前記外径D2が互いに相違する2段以上が連設された形態としても良い。この場合、前記段付き孔13内の段部も同数で且つ相似形とされる。
2……………細径部
3……………先端面
4……………太径部
6……………中空部
8……………円環部
10…………射出成形装置
11…………キャビティ入子
13…………段付き孔
D1,D2…外径
G……………ゲート
L……………軸方向の長さ
Claims (3)
- ゲート(G)側に段付き孔(13)を有するキャビティ入子(11)と、該キャビティ入子(11)の前記段付き孔(13)に取り付けられるミニゲートブッシュ(1,1a)とを含む射出成形装置(10)であって、
上記ミニゲートブッシュ(1,1a)は、
中心部に上記ゲート(G)を内設する先端側の細径部(2)と、
上記細径部(2)の基端側に連設され、前記細径部(2)よりも大径であり、且つ中心部に上記ゲート(G)に連通する円錐形状の中空部(6)を内設する太径部(4)と、を備え、
硬度が上記キャビティ入子(11)よりもHRCで10以上硬く、
上記細径部(2)の外径(D1)は8mm以下であり、上記太径部(4)の外径(D2)は10mm以下であると共に、これら細径部(2)および太径部(4)全体の軸方向の長さ(L)は5mm以下である、
ことを特徴とする射出成形装置(10)。 - 前記ミニゲートブッシュ(1,1a)を構成する材料の硬度は、HRC50以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置(10)。 - 前記ミニゲートブッシュ(1,1a)の前記細径部(2)の先端面(3)には、中心部に前記ゲート(G)の先端側が開口する円錐形状の円環部(8)が突出している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形装置(10)。
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