以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1において、照明装置100は、負荷回路(光源ユニット)1、および電源装置2を備えている。
負荷回路1は、電源装置2によって点灯制御される発光負荷回路であり、電源装置2に対して着脱自在である。負荷回路1は、負荷である光源としての複数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)D11と抵抗器である検出抵抗R11とを備えている。複数の発光ダイオードD11は直列に接続されている。検出抵抗R11は、発光ダイオードD11の直列回路における電流出力端に接続されている。検出抵抗R11は、例えば10Ω程度の電気抵抗のものが用いられている。負荷回路1は、発光ダイオードD11の直列回路における電流入力端および電流出力端と、検出抵抗R11の発光ダイオードD11に接続されていない端部とにそれぞれ、電源装置2へと着脱自在に装着するための負荷端子T11,T12,T13を設けている。
なお、発光ダイオードD11の数は任意である。負荷回路1は、発光ダイオードD11を1つだけ設けたものであってもよい。また、図1に示すような発光ダイオードD11の直列回路を、複数並列に接続したものであってもよい。なお、負荷回路1は、発光ダイオードD11に代えて例えば有機EL(electroluminescence)等の別の種類の発光デバイスを光源として設けていてもよい。
また、電源装置2は、商用交流電源等の外部電源200からの外部電力(入力電源)の供給を受けて、負荷回路1の発光ダイオードD11を発光させるための直流電力(出力電源)を生成する。そして電源装置2は、生成した直流電力を第2の端子である給電端子T31,T32,T33に装着された負荷回路1に供給して点灯を制御する。なお、給電端子T32は、負荷回路1の発光ダイオードD11に流れる電流を検出する検出端子でもある。
電源装置2は、整流回路10、力率改善回路20、降圧チョッパ回路30、制御回路40等を含む。また、電源装置2は、コンデンサC1,C2,C4,C5、抵抗器R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R101,R102およびダイオードD1,D2等の各種回路素子を備えている。また、少なくとも降圧チョッパ回路30によって、入力電源を発光ダイオードD11に供給する出力電源に変換して負荷回路1に出力する電力変換回路50が構成されている。
そして、整流回路10の一対の入力端は、2つの第1の端子である被給電端子T21,T22にそれぞれ接続されている。これら2つの被給電端子T21,T22には、商用電源等の外部電源200に接続された2本の電源線がそれぞれ結線される。この結線により、整流回路10の一対の入力端に外部電源200から外部電力として例えば交流電力が供給される。整流回路10は、交流電力を整流して直流電力を出力する。整流回路10が一対の出力端の間に出力する直流電力は、コンデンサC1により平滑化されたうえで力率改善回路20へと供給される。コンデンサC1は、一端が整流回路10の出力端の1つに接続され、他端が主回路の基準電位であるグランドに接続されている。なお、コンデンサC1の容量は数μF程度であるため、この両端電圧は、正弦波を全波整流した脈流電圧となっている。
また、力率改善回路20は、コンデンサC1により平滑化された直流電力を力率改善のために昇圧する昇圧チョッパ回路である。力率改善回路20は、PFC(power factor correction)回路とも称される。力率改善回路20は、トランスTr21、スイッチング素子Q21、電解コンデンサC21、ダイオードD21および抵抗器R21,R22を含む。
トランスTr21は、一次側のコイルL21および二次側のコイルL22を備える。トランスTr21は、一次側のコイルL21の入力端をコンデンサC1の一端に接続し、出力端をダイオードD21のアノードに接続している。トランスTr21は、二次側のコイルL22の入力端をグランドに接続し、出力端を抵抗器R22の一端に接続している。抵抗器R22は、一端をコイルL22の出力端に接続し、他端を制御回路40のZCD端子に接続している。
スイッチング素子Q21は、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(FET)である。スイッチング素子Q21は、ドレイン端子がコイルL21の出力端とダイオードD21のアノードとの接続点に接続され、ソース端子が抵抗器R21の一端と制御回路40のCS端子とに接続され、ゲート端子が制御回路40のGD端子に接続されている。抵抗器R21は、一端がスイッチング素子Q21のソース端子に接続され、他端がグランドに接続されている。ダイオードD21は、アノードがコイルL21の他端とスイッチング素子Q21のドレイン端子との接続点に接続され、カソードが電解コンデンサC21の一端に接続されている。電解コンデンサC21は、一端がダイオードD21のカソードに接続され、他端がグランドに接続されている。電解コンデンサC21の両端子は、力率改善回路20の出力端子となる。
スイッチング素子Q21のドレイン端子とソース端子との間に、ダイオードD21と電解コンデンサC21との直列回路が形成されている。一方、スイッチング素子Q21は、ゲート端子に印加されるゲート信号がオンすると導通し、コンデンサC1、コイルL21および抵抗器R21を含む閉回路を形成する。また、スイッチング素子Q21は、ゲート端子に印加されるゲート信号がオフすると開放し、上述した閉回路を遮断する。その結果、電解コンデンサC21は、スイッチング素子Q21が遮断状態にあるときコンデンサC1にチャージされた電圧によって充電され、導通状態にあるとき放電する。そのため、力率改善回路20は、整流回路10で整流された直流電圧をスイッチング素子Q21のスイッチング動作により昇圧し、所定の直流電圧を得て、降圧チョッパ回路30に出力する。
また、降圧チョッパ回路30は、第1スイッチング素子Q31と、電力蓄積用のインダクタL31と、出力用のコンデンサC31と、回生用のダイオードD31と、抵抗器R31,R32とを含む。第1スイッチング素子Q31は、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(FET)である。第1スイッチング素子Q31は、ドレイン端子が力率改善回路20の一方の出力端子である電解コンデンサC21の一端に接続され、ソース端子がインダクタL31の入力端とダイオードD31のカソードとの接続点に接続され、ゲート端子が制御回路40のHO端子に接続されている。インダクタL31は、入力端が第1スイッチング素子Q31のソース端子に接続され、出力端がコンデンサC31の一端に接続されている。コンデンサC31は、一端がインダクタL31の出力端に接続され、他端が抵抗器R31の一端に接続されている。抵抗器R31は、一端がコンデンサC31の他端に接続され、他端がダイオードD31のアノードに接続されている。ダイオードD31は、カソードが第1スイッチング素子Q31のソース端子とインダクタL31との接続点に接続され、アノードがグランドに接続されている。
降圧チョッパ回路30は、コンデンサC31の両端が電源装置2の給電端子T31,T32,T33に接続されている。具体的には、降圧チョッパ回路30は、コンデンサC31のインダクタL31の出力端と接続されている側が給電端子T31に接続され、コンデンサC31の抵抗器R31と接続されている側が給電端子T33に接続されている。また、コンデンサC31の抵抗器R31と接続されている側が、抵抗器R32を介して給電端子T32に接続されている。
なお、負荷回路1が電源装置2に接続される場合、給電端子T31には負荷回路1の負荷端子T11が接続され、給電端子T32には負荷回路1の負荷端子T12が接続され、給電端子T33には負荷回路1の負荷端子T13が接続される。負荷端子T11は、負荷回路1の電流入力端子である。負荷端子T12は、負荷回路1の電流出力端子である。
そして、第1スイッチング素子Q31は、ゲート端子に印加されるゲート信号がオンすると導通し、力率改善回路20の出力電流をインダクタL31へと導く。第1スイッチング素子Q31は、ゲート端子に印加されるゲート信号がオフすると開放し、力率改善回路20の出力電流を遮断する。インダクタL31は、第1スイッチング素子Q31がオンして直流電圧が印加されているときその直流電力を蓄え、第1スイッチング素子Q31がオフして直流電圧が印加されなくなったならば蓄えた直流電力を放出する。インダクタL31から放出された直流電力は、コンデンサC31で平滑され、給電端子T31,T32,T33に接続された負荷回路1へと供給される。
また、制御回路40は、1チップの集積回路IC(Integrated Circuit)で構成されている。集積回路ICは、外部と接続するための外部端子としてMULT端子、GD端子、ZCD端子、CS端子、Vcc端子、VS端子、HO端子、VB端子、VFB端子、VDC端子、OCP端子、LGND端子、Vref端子、OP+端子、OP-端子、ABN端子、DISin端子およびDIS端子等を有している。
MULT端子は、抵抗器R1と抵抗器R2とで形成される直列抵抗回路(R1-R2)の中点に接続されている。直列抵抗回路(R1-R2)は、コンデンサC1の両端子間に接続されている。MULT端子の電位は、コンデンサC1の出力電圧を直列抵抗回路(R1-R2)の抵抗比で分圧した電圧に依存する。制御回路40は、MULT端子の電位から力率改善回路20への入力電圧を検出する。
GD端子は、スイッチング素子Q21のゲート端子に接続されている。制御回路40は、スイッチング素子Q21のゲート信号を生成する。そして、制御回路40は、GD端子からスイッチング素子Q21のゲート端子にオンまたはオフのゲート信号を出力する。
ZCD端子は、抵抗器R22を介してコイルL22の出力端に接続されている。コイルL22は、ZCD端子にコイルL21に流れる電流変化量に対応した電位を供給する。制御回路40は、ZCD端子の電位からトランスTr21の一次側のコイルL21を流れる電流がゼロとなるタイミングを検出し、スイッチング素子Q21をオンするためのトリガ信号を生成する。
CS端子は、スイッチング素子Q21のソース端子に接続されている。CS端子の電位は、スイッチング素子Q21のドレイン-ソース間を流れる電流に依存する。制御回路40は、CS端子の電位からスイッチング素子Q21を流れる電流、いわゆるスイッチング電流を検出する。
Vcc端子は、ダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは、VB端子に接続されているとともに、ブートストラップ用のコンデンサC2の一端に接続されている。コンデンサC2の他端は、VS端子に接続されているとともに、第1スイッチング素子Q31のソース端子に接続されている。制御回路40は、Vcc端子に所定の回路動作電圧Vccを印加する。この回路動作電圧Vccの電位が第1スイッチング素子Q31のソース端子の電位よりも高いとき、コンデンサC2が充電される。制御回路40は、VB端子からコンデンサC2の一端側(ダイオードD1のカソードに接続されている側)の電位を検出し、VS端子からコンデンサC2の他端側(第1スイッチング素子Q31のソース端子に接続されている側)の電位を検出する。
HO端子は、第1スイッチング素子Q31のゲート端子に接続されている。制御回路40は、コンデンサC2の両端の電位差に基づいて第1スイッチング素子Q31のゲート信号を生成する。そして、制御回路40は、HO端子から第1スイッチング素子Q31のゲート端子にオンまたはオフのゲート信号を出力する。
VFB端子は、抵抗器R3と抵抗器R4とで形成される直列抵抗回路(R3-R4)の中点に接続されている。直列抵抗回路(R3-R4)は、コンデンサC21の両端子間に接続されている。この接続により、VFB端子の電位は、コンデンサC21の出力電圧を直列抵抗回路(R3-R4)の抵抗比で分圧した電圧に依存する。制御回路40は、VFB端子から、力率改善回路20から降圧チョッパ回路30へと出力される直流電圧の一定時間当たりの変化量を検出する。
VDC端子は、力率改善回路20におけるダイオードD21のカソードと降圧チョッパ回路30における第1スイッチング素子Q31のドレイン端子との接続点に接続されている。この接続により、VDC端子には、力率改善回路20から出力される高電圧が印加される。制御回路40は、VDC端子に印加される高電圧から回路動作電圧Vcc等をドロッバ方式で生成する。
OCP端子は、抵抗器R5を介して、降圧チョッパ回路30のコンデンサC31と抵抗器R31との接続点に接続されている。OCP端子の電位は、抵抗器R31を流れる電流に依存する。抵抗器R31を流れる電流は、降圧チョッパ回路30を流れる電流である。制御回路40は、OCP端子の電位から降圧チョッパ回路30を流れる電流を検出する。
LGND端子は、電源装置2のグランドに接続されている。
Vref端子は、抵抗器R101と抵抗器R102とで形成される直列抵抗回路(R101-R102)とコンデンサC4との並列回路を介してグランドに接続されている。
OP+端子は、直列抵抗回路(R101-R102)の中点に接続されている。また、OP+端子は、コンデンサC5を介してグランドにも接続されている。これらの接続により、OP+端子の電位は、抵抗器R101と抵抗器R102の抵抗分圧によって定まる基準電圧の電位となる。
OP-端子は、抵抗器R9を介して電源装置2の給電端子T32に接続されている。OP-端子は、抵抗器R10を介してグランドにも接続されている。これら抵抗器R9と抵抗器R10とで直列抵抗回路(R9-R10)が形成され、この直列抵抗回路(R9-R10)の一端が給電端子T32に接続され、他端がグランドに接続されている。したがって、直列抵抗回路(R9-R10)は、負荷回路1の検出抵抗R11と並列に接続されている。そして、OP-端子は、抵抗器R9と抵抗器R10の中点に接続されている。また、OP-端子の電位は、検出抵抗R11および抵抗器R31,R32の合成抵抗を流れる電流に依存する。検出抵抗R11および抵抗器R31,R32の合成抵抗を流れる電流は、給電端子T31を流れる電流、すなわち負荷回路1が電源装置2に装着されている際に負荷回路1のダイオードD11を流れる電流である。制御回路40は、OP-端子の電位から負荷回路1のダイオードD11を流れる電流、いわゆる負荷電流を検出する。
ABN端子は、抵抗器R7と抵抗器R8とで形成される直列抵抗回路(R7-R8)の中点に接続されている。直列抵抗回路(R7-R8)は、降圧チョッパ回路30のインダクタL31とコンデンサC31との接続点とグランドとの間に接続されている。すなわち、直列抵抗回路(R7-R8)は、コンデンサC31に対して並列に接続されている。この接続により、ABN端子の電位は、降圧チョッパ回路30から負荷回路1へと供給される直流電圧を直列抵抗回路(R7-R8)の抵抗比で分圧した電位に依存する。制御回路40は、ABN端子の電位により、降圧チョッパ回路30から負荷回路1へと供給される電圧を検出する。
DISin端子は、ダイオードD2を介して給電端子(検出端子)T32に接続されている。ダイオードD2は、アノードがDISin端子に接続され、アノードが給電端子T32と抵抗器R9との接続点に接続されている。DISin端子は、電源装置2の始動時に装着検出電圧を出力し、給電端子T31,T32,T33に負荷回路1が接続されている場合には負荷回路1の検出抵抗R11に対して装着検出電圧を印加する。また、DISin端子から負荷回路1の検出抵抗R11に装着検出電圧を印加する経路は、互いに電気的に接続される負荷端子T12,T13と給電端子T32,T33の表面の酸化膜を除去して電気的な接続を安定させるために電圧を印加する経路と共用されている。
DIS端子は、抵抗器R6を介して降圧チョッパ回路30のインダクタL31とコンデンサC31との接続点に接続されている。制御回路40のDIS端子-GND間にはスイッチが内蔵されており、制御回路40は、スイッチをオン・オフ制御する。DIS端子-GND間のスイッチがオンすると、抵抗器R6を介してコンデンサC31の電圧が放電され、インダクタL31とコンデンサC31との接続点の電位は略GND電位まで低下する。
抵抗器R6は省略可能であるが、コンデンサC31の放電電流を抑制し、DIS端子-GND間に内蔵されるスイッチへのストレスを緩和するために接続している。なお、GNDは制御回路40の基準電位であり、LGND端子を介して主回路の基準電位であるグランドに接続される。すなわち、LGND端子は制御回路40のグランド電位を規定する。
次に、図2は、制御回路40の一部を示す構成図である。
制御回路40は、PFC制御回路41、点灯制御回路42、保護回路43、電源回路44、エラーアンプであるオペアンプ45、監視回路46、判定回路47および起動回路48を含む。制御回路40は、各回路41~48をアナログ回路で構成する。なお、制御回路40は、各回路41~48の少なくとも一部をデジタル回路で構成し、各回路41~48で行われる処理の少なくとも一部を、コンピュータを用いたソフトウェア処理により実現してもよい。
PFC制御回路41は、MULT端子、ZCD端子、CS端子およびVFB端子のそれぞれの電位に基づき、スイッチング素子Q21をオン/オフするためのゲート信号を生成する。そして、PFC制御回路41は、GD端子からゲート信号をスイッチング素子Q21のゲート端子に出力してスイッチング素子Q21をオン/オフさせることにより、力率改善回路20の動作を制御する。なお、PFC制御回路41による力率改善回路20の制御およびその制御による力率改善回路20の動作については周知であるので、ここでの説明は省略する。
点灯制御回路42は、VS端子およびVB端子のそれぞれの電位に基づき、第1スイッチング素子Q31をオン/オフするためのゲート信号を生成する。また、点灯制御回路42は、オペアンプ45から出力される電圧信号により、ゲート信号の周波数およびデューティ比を決定する。そして、点灯制御回路42は、HO端子からゲート信号を第1スイッチング素子Q31のゲート端子に出力して第1スイッチング素子Q31をオン/オフさせることにより、降圧チョッパ回路30の動作を制御する。なお、点灯制御回路42による降圧チョッパ回路30の制御およびその制御による降圧チョッパ回路30の動作については周知であるので、ここでの説明は省略する。
保護回路43は、通常はVDC端子を電源回路44に接続している。また、保護回路43は、OCP端子の電位から降圧チョッパ回路30を流れる電流を監視している。そして、過電流等の電流異常を検出すると、保護回路43は、PFC制御回路41および点灯制御回路42の動作を停止させ、VDC端子と電源回路44との接続を遮断する。また、保護回路43は、監視回路46から異常信号を受信可能である。そして、異常信号を受信した場合も、保護回路43は、PFC制御回路41および点灯制御回路42の動作を停止させ、VDC端子と電源回路44との接続を遮断する。
電源回路44は、制御回路40の始動に先立ちVDC端子を介して取り込んだ高電圧の全波整流電圧からドロッバ方式にて回路動作電圧を生成する。そして、電源回路44は、Vcc端子に印加するとともに、制御回路40の各回路に回路動作電圧を適宜印加する。
オペアンプ45は、非反転入力端子(正極端子)がOP+端子に接続され、反転入力端子(負極端子)がOP-端子に接続され、出力端子が点灯制御回路42と監視回路46とに接続されている。オペアンプ45は、OP-端子の電位とOP+端子の電位との差分に応じた大きさの電圧信号を点灯制御回路42と監視回路46とに出力する。上述したように点灯制御回路42は、オペアンプ45からの電圧信号に応じて第1スイッチング素子Q31のスイッチング周波数とデューティ比とを調整する。この調整は、OP-端子の電位に相当する負荷電流が、OP+端子の電位に相当する目標電流と一致するように、降圧チョッパ回路30の出力電流をフィードバック制御するものである。ここに、オペアンプ45は、エラーアンプとして機能する。また、発光ダイオードD11には定電圧特性があるため、出力電流を制御することによって出力電圧が増減される。
監視回路46は、オペアンプ45から出力される電圧信号から、負荷電流が正常であるか否かを監視する。また、監視回路46は、ABN端子の電位から、降圧チョッパ回路30の出力電圧が正常であるか否かを監視する。そして、監視回路46は、負荷電流または出力電圧の異常を検知すると、異常信号を保護回路43と起動回路48とに出力する。
判定回路47は、電源装置2の始動時に、負荷回路1の検出抵抗R11に対して装着検出電圧を印加するための電圧印加回路49としても構成されている。電圧印加回路49は、判定回路47から起動回路48に出力する起動信号を装着検出電圧としてDISin端子から出力する。なお、電圧印加回路49は、判定回路47とは別に制御回路40に設けてもよい。
判定回路47は、オペアンプ45の反転入力端子(OP-端子)に接続されている。判定回路47は、電源装置2の始動時に、オペアンプ45の反転入力端子の電位であるOP-端子の電位、すなわち直列抵抗回路R9-R10の中点の電位を監視し、電源装置2に負荷回路1が装着されているか否かを判定する。電源装置2に負荷回路1が装着されていないときは、DISin端子から出力される装着検出電圧と抵抗器R9、R10およびダイオードD2のVFとで決まる電圧(判定電圧)がOP-端子からオペアンプ45の反転入力端子に印加される。一方、電源装置2に負荷回路1が装着されているときは、抵抗器R9、R10と並列に負荷回路1の検出抵抗R11が接続されるため、オペアンプ45の反転入力端子(OP-端子)には負荷回路1が装着されていないときよりも低い電圧(判定電圧)が印加される。判定回路47は、オペアンプ45の反転入力端子(OP-端子)の電圧(判定電圧)を取得し、取得した電圧が予め設定された所定の閾値よりも低い場合に負荷回路1の装着有と判定し、所定の閾値よりも高い場合に負荷回路1の装着無と判定する。
判定回路47は、電源装置2に負荷回路1が装着されていると判定すると、起動回路48に起動信号を出力する。なお、判定回路47からの起動信号の出力は、降圧チョッパ回路30が始動する直前に停止される。また、判定回路47は、電源装置2に負荷回路1が装着されていると判定すると、PFC制御回路41、点灯制御回路42、保護回路43および監視回路46に始動信号を出力する。この始動信号により、PFC制御回路41、点灯制御回路42、保護回路43および監視回路46は、リセットされて動作を開始する。
起動回路48は、第2スイッチング素子Q48を備えている。第2スイッチング素子Q48は、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(FET)である。第2スイッチング素子Q48は、ドレイン端子がDIS端子に接続され、ソース端子がグラウンドGNDに接続され、ゲート端子が監視回路46から出力される異常信号の出力端と判定回路47から出力される起動信号の出力端にそれぞれ接続されている。第2スイッチング素子Q48は、ゲート端子に起動信号または異常信号が入力されるとオンし、DIS端子の電位をグランド電位に引き落とす。すなわち、第2スイッチング素子Q48は、インダクタL31とコンデンサC31との接続点の電位をグランド電位に引き落とす。また、起動回路48は、第2スイッチング素子Q48のゲート端子と制御回路40のDISin端子とが短絡されている。この短絡により、DISin端子からは、第2スイッチング素子Q48のゲート端子に供給される信号、すなわち第2スイッチング素子Q48を導通させる起動電圧が装着検出電圧として出力される。
次に、制御回路40の動作シーケンスについて説明する。
外部電源200が投入されると、制御回路40の電源回路44がVDC端子を介して取り込んだ高電圧の全波整流電圧からドロッバ方式にて回路動作電圧を生成し、制御回路40の各回路が動作を開始する。そして、制御回路40は、まず、電源装置2に負荷回路1が装着されているか否かを確認する。この負荷回路1の装着判定の詳細についての説明は後述し、ここでは負荷回路1の装着判定が完了したものとして説明する。
電源装置2に負荷回路1が装着されていない場合、制御回路40は監視動作を継続する。
電源装置2に負荷回路1が装着されている場合、あるいは装着されたことが確認された場合、制御回路40は、起動回路48をオンする。すなわち、制御回路40では、判定回路47が負荷回路1の装着有を確認すると、この判定回路47が起動回路48に起動信号を出力する。この起動信号により、起動回路48では第2スイッチング素子Q48がオンする。したがって、判定回路47が起動回路48に起動信号を出力することで、制御回路40は起動回路48をオンできる。
起動回路48の第2スイッチング素子Q48がオンすると、制御回路40のDIS端子の電位がグランド電位となる。DIS端子の電位がグランド電位になると、降圧チョッパ回路30のインダクタL31とコンデンサC31との接続点の電位がグランド電位まで引き落とされる。その結果、第1スイッチング素子Q31のソース端子がグランドに短絡されたことと同等となる。
そこで、制御回路40は、力率改善回路20のスイッチング素子Q21のスイッチング動作を開始させ、続いて降圧チョッパ回路30の第1スイッチング素子Q31のスイッチングを開始させる。すなわち、制御回路40では、判定回路47が電源装置2に負荷回路1が装着されていると判定すると、判定回路47からPFC制御回路41、点灯制御回路42、保護回路43および監視回路46に始動信号が出力される。
PFC制御回路41は、始動信号により、スイッチング素子Q21に対するゲート信号を生成し、生成したゲート信号をGD端子から力率改善回路20のスイッチング素子Q21に出力する。かくして、スイッチング素子Q21は、スイッチング動作を開始する。したがって、PFC制御回路41が制御動作を開始することで、制御回路40は、スイッチング素子Q21のスイッチング動作を開始させることができる。
同様に、点灯制御回路42は、始動信号により、第1スイッチング素子Q31に対するゲート信号を生成し、生成したゲート信号をHO端子から降圧チョッパ回路30の第1スイッチング素子Q31に出力する。かくして、第1スイッチング素子Q31は、スイッチング動作を開始する。したがって、点灯制御回路42が制御動作を開始することで、制御回路40は、第1スイッチング素子Q31のスイッチング動作を開始させることができる。
ここで、制御回路40が起動回路48をオンする前は、第1スイッチング素子Q31のソース電位が不定である。しかし、点灯制御回路42が動作を開始する時点では、起動回路48がオンして第1スイッチング素子Q31のソース電位がグランド電位まで引き落とされているので、ブートストラップ回路で駆動電源を十分確保できる。よって、点灯制御回路42の制御により第1スイッチング素子Q31を安定に起動させることができる。すなわち、降圧チョッパ回路30を安定に始動することができ、発光ダイオードD11を点灯させることができる。なお、起動回路48の第2スイッチング素子Q48は、降圧チョッパ回路30が始動する直前に開放動作する。
その後、制御回路40は、定電流制御を行う。すなわち、制御回路40では、OP-端子に入力される負荷電流がOP+端子に入力される目標の定電流となるように、オペアンプ45の電圧信号に応じて点灯制御回路42が第1スイッチング素子Q31のスイッチング周波数とデューティ比とを調整する。この調整を繰り返すことにより、負荷電流が目標の定電流に近づく。したがって、オペアンプ45をエラーアンプとしてフィードバック制御を行うことにより、制御回路40は、点灯する発光ダイオードD11を定電流制御することができる。
次に、定電流制御が行われている中で、制御回路40が異常を検出したときの動作シーケンスについて説明する。
まず、定電流制御が行われている中で、制御回路40は、異常の有無を判定する。すなわち、起動回路48からの起動信号により起動した監視回路46は、オペアンプ45から出力される電圧信号から負荷電流が正常であるか否かを監視し、また、降圧チョッパ回路30の出力電圧が正常であるか否かを監視する。そして、例えば負荷電流または出力電圧が予め設定された上限の閾値または下限の閾値を超えると、監視回路46は異常有と判定する。したがって、監視回路46が負荷電流および出力電圧を監視することで、制御回路40は、異常の有無を判定できる。異常無の場合、制御回路40は、異常有無の判定を継続する。
異常有の場合、制御回路40は、保護回路43を動作させる。すなわち、制御回路40では、監視回路46が異常有と判定すると、この監視回路46が保護回路43にも異常信号を出力する。異常信号を受信すると、保護回路43は、VDC端子と電源回路44との接続を遮断する。また、保護回路43は、PFC制御回路41および点灯制御回路42の動作を停止させる。すなわち、スイッチング素子Q21および第1スイッチング素子Q31のスイッチングを停止させる。したがって、監視回路46が保護回路43に異常信号を出力することで、制御回路40は、保護回路43を動作させることができる。
また、監視回路46が異常有と判定すると、この監視回路46が起動回路48にも異常信号を出力する。この異常信号により、点灯制御回路42の動作停止後、すなわち第1スイッチング素子Q31のスイッチング停止後、起動回路48の第2スイッチング素子Q48が導通する。したがって、監視回路46が起動回路48に異常信号を出力することで、制御回路40は、起動回路48をオン、すなわち第2スイッチング素子Q48を動作させることができる。
さて、起動回路48の第2スイッチング素子Q48が導通すると、前述したように制御回路40のDIS端子の電位がグランド電位となり、降圧チョッパ回路30のインダクタL31とコンデンサC31との接続点の電位がグランド電位まで引き落とされる。
例えば定電流制御が行われているときに負荷回路1が電源装置2から取り外されると、電源装置2の出力端子がオープンとなり、保護回路43が点灯制御回路42の動作を停止させるまで、出力電圧が上昇し、それに伴いコンデンサC31の電圧も上昇する。そして、この電圧は、コンデンサC31の電荷が抜けきるまでの間、減衰特性に従い時間をかけて低下する。ここで、電圧が下がっているときに負荷回路1が再度装着されると、負荷回路1側に突入電流が流れて発光ダイオードD11が故障するおそれがある。
本実施形態では、監視回路46が異常有と判定すると、起動回路48の作用により、降圧チョッパ回路30のインダクタL31とコンデンサC31との接続点をグランドに短絡する。このため、コンデンサC31にチャージされていた電荷は瞬間的にゼロとなるので、負荷回路1が再度装着されても負荷回路1側に突入電流が流れることはない。したがって、負荷回路1の発光ダイオードD11が突入電流によって故障するおそれはない。
次に、図3を参照して負荷回路1の装着検出のシーケンスについて説明する。
外部電源200が投入されると、制御回路40の電源回路44がVDC端子を介して取り込んだ高電圧の全波整流電圧からドロッバ方式にて回路動作電圧を生成し、制御回路40の各回路が動作を開始する。そして、制御回路40は、まず、電源装置2に負荷回路1が装着されているか否かを確認する。
図3のタイミングt1において、動作を開始した判定回路47は、装着検出電圧(起動電圧)をDISin端子から出力し、OP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位を監視する。
DISin端子から出力される装着検出電圧は、電源装置2に負荷回路1が装着されている場合、負荷回路1の検出抵抗R11に印加される。このとき、検出抵抗R11は例えば10Ω程度の電気抵抗のものが用いられ、電源装置2の給電端子T32,T33と負荷回路1の負荷端子T12,T13との接触で電気的な接続を図るため、給電端子T32,T33と負荷端子T12,T13との接触部に酸化膜があると、検出抵抗R11の検出が不安定になるが、DISin端子から出力される装着検出電圧が検出抵抗R11に印加する際に、酸化膜を除去することができ、給電端子T32,T33と負荷端子T12,T13との電気的な接続を安定させることができ、つまり検出抵抗R11の検出を安定させることができる。
そして、DISin端子から装着検出電圧の出力開始後の一定時間が経過したタイミングt2において、判定回路47は、OP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位を閾値Aと比較する。
電源装置2に負荷回路1が装着されている場合(図3の(c))、装着検出電圧が負荷回路1の検出抵抗R11に印加されるため、OP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位が閾値Aよりも低く、判定回路47は負荷回路1の装着有と判定する。
電源装置2に負荷回路1が装着されていない場合(図3の(d))、装着検出電圧が負荷回路1の検出抵抗R11に印加されないため、OP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位が閾値Aよりも高く、判定回路47は負荷回路1の装着無と判定する。
判定回路47が負荷回路1の装着有と判定した場合には、降圧チョッパ回路30が始動して発光ダイオードD11の点灯に移行する直前のタイミングt3において、判定回路47は装着検出電圧の出力を停止し、すなわち、DISin端子からの装着検出電圧の出力を停止する。その後、制御回路40は、OP-端子に入力される負荷電流がOP+端子に入力される目標の定電流となるように、定電流制御に移行する。
判定回路47が負荷回路1の装着無と判定した場合には、点灯動作に移行しない。
また、その後のタイミングt4において、電源装置2から負荷回路1が取り外された場合、電源装置2の出力端子がオープンとなり、監視回路46が保護回路43および起動回路48に異常信号を出力し、保護回路43がPFC制御回路41および点灯制御回路42の動作を停止し、起動回路48が降圧チョッパ回路30の出力側をグランドの電位に引き落とす。さらに、監視回路46から起動回路48に出力される異常信号が装着検出電圧としてDISin端子から出力され、判定回路47はOP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位を取得し、負荷回路1の装着を監視する。このとき、負荷回路1が取り外され、装着検出電圧が負荷回路1の検出抵抗R11に印加されないため、OP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位が閾値Aよりも高く、判定回路47は負荷回路1の装着無と判定する。
なお、ここでは、監視回路46から起動回路48に出力される異常信号が装着検出電圧としてDISin端子から出力されるため、監視回路46も電圧印加回路49として構成されている。
その後のタイミングt5において、制御回路40は負荷回路1の取り外しに伴う異常動作をリセットし、判定回路47による負荷回路1の装着判定動作に移行する。すなわち、判定回路47は、装着検出電圧(起動電圧)をDISin端子から出力し、OP-端子の電位であるオペアンプ45の反転入力端子の電位を監視する。
そして、タイミングt6において電源装置2に負荷回路1が装着されれば、タイミングt7(タイミングt2と同様)において判定回路47にて装着有を判定し、上述したように点灯動作に移行する。
このように、電源装置2によれば、負荷回路1の装着有無を判定するのに、発光ダイオードD11と並列に接続される装着検出抵抗に装着検出電圧を印加するための装着検出用電源を別途必要とせず、発光ダイオードD11と直列に接続された検出抵抗R11に集積回路ICから装着検出抵抗を印加して装着判定できるため、簡単な構成で負荷回路1の装着有無を判定できる。
しかも、集積回路ICのDISin端子から負荷回路1の検出抵抗R11に装着検出電圧を印加する経路と、互いに電気的に接続される負荷端子T12,T13と給電端子T32,T33の表面の酸化膜を除去して電気的な接続を安定させるために電圧を印加する経路とで、経路を共用することができ、簡単な構成で負荷回路1の装着有無を判定できる。
また、集積回路ICの電圧印加回路49は、起動回路48の第2スイッチング素子Q48を導通させる起動電圧を検出抵抗R11に対する装着検出電圧として出力でき、装着検出電圧を印加するための装着検出用電源を別途必要とせず、簡単な構成で負荷回路1の装着有無を判定できる。
さらに、集積回路ICの判定回路47は、フィードバック制御に用いられるオペアンプ45の反転入力端子の電圧を取得し、この電圧に応じて負荷回路1の装着有無を判定できるため、集積回路ICのOP-端子をフィードバック制御のための負荷電流取得用と装着有無判定のための電圧取得用とで兼用でき、集積回路ICの端子の使用数を削減することができる。
また、集積回路ICの判定回路47は、取得した電圧が所定の閾値よりも低い場合に負荷回路1の装着有を判定でき、高い場合に負荷回路1の装着無を判定できる。
なお、負荷は、光源に限らず、他の電気機器でもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。