JP7332733B2 - 次世代シークエンシングのための高分子量dnaサンプル追跡タグ - Google Patents

次世代シークエンシングのための高分子量dnaサンプル追跡タグ Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2015年9月29日に出願された米国仮出願番号第62/234,630号、および2016年5月12日に出願された米国仮出願番号第62/335,364号に基づき、それらの利益を主張している。
政府支援による研究に関する陳述
適用なし。
配列表の援用
「RMSI-006001WO_SeqList.txt」という名称のテキストファイル(2016年9月27日付けで作成、サイズは20KB)の内容は、それらの全体において参考として援用される。
背景
DNAシークエンシング技術の継続している革命は、医療、農業、および法科学を変容させ、莫大な数のサンプルが制限された時間において処理されるという予測および要求の両方を作り出している。近年の技術総説は、以下の現在のプロジェクトを記載している(例えば、ロードマップ・エピゲノミクス・コンソーシアム(Roadmap Epigenomics Consortium)(これは、ハイスループットDNAシークエンシング技術を使用して、ヒト細胞タイプのエピゲノムを記載する)、マウス脳の単一細胞トランスクリプトミクスを分析する研究、および「以前は想像を絶する」としてニューヨーク市地下鉄のメタゲノミクスを詳細に記録する活動(Perkel, JM, Next-Gen DNA Sequencing: 2015 Update posted at Biocompare on 24 February 2015)。
Perkel, JM, Next-Gen DNA Sequencing: 2015 Update posted at Biocompare on 24 February 201
要旨
本開示は、とりわけ、核酸サンプルを追跡するための技術に関するある特定の見通しを提供する。一局面において、本開示は、多くの既存の核酸管理および/または分析システムと関連する問題の出所を同定する。例えば、本開示は、多くのハイスループット設備(例えば、臨床検査室およびコアラボが、サンプルを混同するかまたは二次汚染するリスクを冒すという見通しを包含する。多くの状況では、これらのタイプのエラーは、標準的な品質コントロールワークフローによって検出不能であり、特に、臨床上の背景(例えば、体細胞変異検出)、法医学検査におけるDNA分析のエラーなどでは、潜在的に重大な結論を伴う。本開示は、従って、このようなエラーの検出が重要であり、サンプル取り扱いおよび分析における必要性が満たされていないことを認識している。
とりわけ、本発明は、例えば、サンプル同一性を確認するためにおよび/またはサンプル二次汚染を検出するために有用である高分子量合成核酸タグを提供する。
いくつかの実施形態において、提供されるタグは、DNAを含むか、またはDNAからなる。いくつかの実施形態において、提供されるタグは、2本鎖DNA(「dsDNA」)を含むか、または2本鎖DNAからなる。いくつかの実施形態において、提供されるタグ(例えば、dsDNAタグ)は、配列エレメントの反復を含むか、またはその反復からなるヌクレオチド配列であって、ここで上記配列エレメントは、本明細書で記載されるように、タグ配列およびユニバーサル配列を含むか、またはこれらからなるヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態において、提供されるタグは、タグ質量 対 サンプル質量の特定の比でサンプルに「スパイクイン(spiked in)」または添加され得る。
いくつかの実施形態において、提供されるタグは、例えば、規定量(重量および/または容積)で、分析下にある(例えば、核酸シークエンシングまたは他の処理技術に供されている)核酸サンプルに添加(「スパイクイン」)され得る。
いくつかの実施形態において、プローブベースのqPCRのような技術を使用して、提供されるタグの間を検出および区別することは可能である。
いくつかの実施形態において、提供されるタグは、独立型のDNAマーカーとして(例えば、物理的物体をタグ化するために)使用され得る。いくつかの実施形態において、上記タグ化された物理的物体は、核酸分子ではない。
いくつかのこのような実施形態において、提供されるタグは、特定の分析を受けている複数のサンプルに添加され得る。いくつかの実施形態において、提供されるタグは、特定の分析を受けている全てのサンプルに添加され得る。
本開示のいくつかの実施形態によれば、本明細書で記載されるとおりのタグは、タグ 対 サンプルDNAの所定の質量比(例えば、0.1%)でサンプルに添加され得る。
いくつかの実施形態において、タグは、シークエンシング分析(例えば、DNAシークエンシング分析)を受けている(そして従って、そのための成分および/または試薬を含む)サンプルに添加され得る。いくつかの実施形態において、タグは、ハイスループットシークエンシング分析を受けているサンプルに添加され得る。いくつかの実施形態において、タグは、いわゆる「次世代シークエンシング」(「NGS」)分析を受けているサンプルに添加され得る。
いくつかの実施形態において、タグは、それらが、単一の供給源(例えば、単一ゲノム、単一トランスクリプトームなど)に由来するサンプル核酸であるか、または関連供給源のセットに由来するサンプル核酸(例えば、シークエンシングされるべき標的DNAもしくはRNA)を含むという点で、互いに関連するサンプルのセットに添加され得る。いくつかの実施形態において、サンプルのセットは、「ライブラリー」である。
いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのタグは、それらの収集時点でサンプル(例えば、特定の生物核酸もしくは細胞核酸の例えば、粗製サンプル)に添加され得、サンプル二次汚染の可能性をさらに低減し得る。本開示によれば、いくつかの実施形態において、提供されるタグのある特定の特徴(例えば、それらの合成設計、ランダムおよび/もしくはユニバーサル配列エレメントの包含、それらの反復性の構造など)は、データ分析の間の改善された明白なタグ由来配列同定を促進する。特有のタグ間の大きな編集距離は、サンプル二次汚染の明確な同定を可能にし得、技術的パラメーター(例えば、アダプターバーコードクロストークにインデックスを付加する)をアッセイするた
めに使用され得る。いくつかの実施形態において、反復性のタグ構造は、標的とされたシークエンシング適用(例えば、ハイブリッド捕捉およびアンプリコンシークエンシング)において提供されるタグの使用を可能にする。コンビナトリアルサンプルタグ化は、特有のタグ配列の比較的小さなセットを使用して、多くの特有のサンプルタグ組み合わせの生成を可能にする。とりわけ、提供されるサンプルタグ化方法論は、サンプルセキュリティー(特に、ハイスループット、例えば、NGSサンプルのために)およびサンプル収集から配列分析までのプロセス制御を確実にするための単純かつ強力な手段を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、合成核酸タグであって、上記タグの核酸配列は、構造A-B-Cの複数の反復ユニットを有し得、以下の式:X-[A-B-C]-Yによって表される全体構造を有するものを提供する。一実施形態において、nは、少なくとも2であり、A、BおよびCの各々は、2個もしくはこれより多くの残基の規定された長さを有する。
いくつかの実施形態において、式:X-[A-B-C]-Yに従う式を有するタグは、AおよびCの各々の配列を有し、それら配列は、これらにハイブリダイズされるプライマーが伸長され得るという点で少なくとも1個のプライマーランディングパッド配列エレメントを有し、そしてさらにここでAおよびCが、逆方向性のプライマーが両方に同時にハイブリダイズし得、その結果増幅生成物が上記ハイブリダイズしたプライマーの伸長によって生成されるという点で互いに適合性であるヌクレオチド配列を有する。
いくつかの実施形態において、少なくともBは、分析のための直接関連するサンプルにおいて見出される任意の配列とハイブリダイズしない配列を有し、ここでBは、上記タグの中の個々のB領域間に少なくとも2の編集距離を担保するために十分な長さを有する。
いくつかの実施形態において、式:X-[A-B-C]-Yに従う式を有するタグは、必要に応じて存在するか、または存在しないXを有し、存在する場合、-C-の1個もしくはこれより多くの例からなり得るか、もしくはその例を含み得るか、またはさもなければ、別のエレメントからなり得るか、または別のエレメントを含み得る。いくつかの実施形態において、Yは、必要に応じて存在するか、または存在せず、存在する場合、-A-の1個もしくはこれより多くの例からなり得るか、もしくはその例を含み得るか、またはさもなければ、別のエレメントからなり得るかまたは別のエレメントを含み得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、DNAおよび少なくとも1個の合成核酸タグを含むシークエンシングサンプルを提供し、ここでAおよびCは、各々少なくとも2個の核酸の長さであり、同じ長さまたは異なる長さであり;そしてここでBは、少なくとも2個の核酸を含み、そして上記複数の反復ユニットは、少なくとも2である。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列分析のためのサンプルのセットを提供し、ここで各サンプルは、少なくとも1個の合成核酸タグを含み、上記タグのヌクレオチド配列は、式A-B-Cに従う複数の反復ユニットを含み、ここでAおよびCは、各々少なくとも8個の核酸の長さであり、同じ長さまたは異なる長さであり;そしてここでBは、少なくとも8個の核酸を含む。
いくつかの実施形態において、上記タグは、2本鎖である核酸分子を含む。
いくつかの実施形態において、Aの長さおよびCの長さの各々は、少なくとも2個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、Bの長さは、少なくとも2個のヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、1分子あたりの反復ユニットの数は、少なくとも2である。
いくつかの実施形態において、本発明は、キットを提供する。いくつかの実施形態において、上記キットは、複数の核酸分子タグを含み、上記タグの各々は、式:[A-B-C]によって表される核酸配列を有し、ここでnは、少なくとも2であり、A、B、およびCの各々は、2個もしくはこれより多くの残基の規定された長さを有する。
いくつかの実施形態において、上記キットは、異なるタグもしくはタグのセットを有する。いくつかの実施形態において、上記キット中の異なるタグは、各タグが、同一のA配列エレメントを有する;各タグが、同一のC配列エレメントを有する;および各タグが、上記キット中の他のタグのものとは異なるB配列エレメントを有するという点で、互いに構造的に関連する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書で記載されるとおりの1個もしくはこれより多くのタグを含むサンプル収集チューブを提供する。
いくつかの実施形態において、上記核酸分子タグは、2本鎖DNAである。
いくつかの実施形態において、AおよびCの各々の長さは、少なくとも2個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、Bの長さは、少なくとも2個のヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、タグ内の反復の数は、少なくとも2である。
いくつかの実施形態において、本発明は、サンプルをタグ化するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記サンプルと、本明細書で記載されるとおりの少なくとも1種のタグとを、上記タグおよび上記サンプルが同じ容器の中に含まれるようにする条件下で接触させる工程を包含する。
いくつかの実施形態において、上記サンプルは、粗製サンプルである。いくつかの実施形態において、上記サンプルは、1もしくはこれより多くの部分(副サンプル)に分けられる。
いくつかの実施形態において、上記サンプルは、精製サンプルである。いくつかの実施形態において、上記精製サンプルは、単離されたDNAである。
いくつかの実施形態において、上記サンプルと上記タグとを接触させる工程は、上記サンプルが収集される時に起こる。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、サンプル精製の前に起こる。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、DNA抽出の前に起こる。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、DNA抽出後に起こる。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、DNA精製後に起こる。
いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、上記サンプルを含む収集容器の中で起こる。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、ウェルプレート/容器の中で起こり、その容器は、サンプルを増幅および分析するために使用される。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、上記サンプルが1より多くの部分に分けられる前に起こる。いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、上記サンプルが1より多くの部分に分けられた後に起こる。
いくつかの実施形態において、上記接触させる工程は、上記タグを上記サンプルに、上記サンプルの質量に対して少なくとも約0.0001%~少なくとも約10%質量のタグ添加する工程を包含する。
別の実施形態において、本開示は、合成核酸タグであって、上記タグの核酸配列は、構造A-B-Cの複数の反復ユニットを含むものを提供する。上記合成核酸タグは、式:X-[A-B-C]-Yによって表される全体構造を有する。上記合成核酸タグは、構造A-B-Cのn回反復を含み、ここでnは、少なくとも2である。一局面において、A、B、およびCの各々は、少なくとも2個の残基の規定された長さを有する核酸であり、上記合成核酸タグは、Xのi回反復を含み、そして上記合成核酸タグは、Yのj回反復を含む。別の局面において、Xは、C、別の核酸、および核酸改変のうちの少なくとも1つであり、Yは、A、別の核酸、および核酸改変のうちの少なくとも1つである。さらに別の局面において、iおよびjは、0~100から独立して選択される整数である。
図1は、本開示に従う高分子量DNAタグを使用するサンプル追跡方法の一例である。
図2は、本開示に従う多くのタグを作製するための方法の一実施形態の模式的図示である。
図3Aは、本開示に従う高分子量サンプル追跡DNAタグを生成するためのハイスループット法の第1の例である。
図3Bは、図3Aの方法の模式的図示である。
図4は、どの生成物が例示的な品質管理(QC)手段に合格するかを示す図3Aおよび図3Bの方法の例示的生成物の模式的図示である。
図5Aは、本開示に従う高分子量サンプル追跡DNAタグを生成するためのハイスループット法の第2の例である。
図5Bは、図5Aの方法の模式的例示である。
図6は、φ29 DNAポリメラーゼで調製した、消化済みおよび未消化の高分子量タグのゲル電気泳動後のアガロースゲル画像である。左から右へ、上記ゲルのレーンには、標準DNAラダー(ラダー)、未消化の精製HMWタグ1 DNA(L1)、HaeIIIで消化したタグ1 DNA(L2)、およびテンプレートコントロールなし(L3)を載せた。
図7は、例示的な高分子量タグのリアルタイム増幅の結果を示す。正方向(F)プライマー(RCA_PCR_F(配列番号8))および逆方向(R)プライマー(RCA_PCR_R(配列番号9))の添加は、3時間後にプラトーに達する指数関数的な増幅を可能にした。正方向プライマー単独の添加もまた十分であるのに対して、逆方向プライマー単独の添加は、多重置換増幅が起こるには十分ではなかった。テンプレートコントロールなし(NTC)反応は、増幅生成物を生じなかった。
図8は、リアルタイムPCRの(例えば、Bordetella pertussis DNAから調製し、高分子量サンプル追跡タグをスパイクインしたライブラリーをシークエンシングする)結果を示す。分析を、i)50ngまたは1ngのB.pertussisライブラリーDNAを検出するためにKAPA Library Quantification Kit(LQK)からのライブラリー特異的プライマーを使用し、そしてii)2% スパイクインタグ1 DNAを検出するためにタグ特異的プライマーを使用する増幅によって、サンプルに対して行った。増幅したライブラリー(50ng)および増幅していないライブラリー(1ng)の両方は、タグ由来ライブラリー分子 対 ライブラリー分子の同じ比を示した。
図9は、例示的ライブラリーのシークエンシングの生の結果を示す。上記ライブラリーからの生の読みとり値のアラインメントを、タグ1配列にマッピングした。
図10は、2個の別個のポリメラーゼでの高分子量タグ生成の例示的結果を示す。レーン1:KAPA Universalラダー(Kapa Biosystems, Inc.)。レーン2~3:HMW DNAタグ1およびレーン4~6:HMW DNAタグ5、13および14(それぞれ、φ29 DNAポリメラーゼで生成)。レーン7:φ29 DNAポリメラーゼ NTC反応。レーン8~11:タグ1、5、13および14(それぞれ、Bst大フラグメントDNAポリメラーゼで生成)。レーン12:Bst DNAポリメラーゼ NTC反応。
図11は、例示的高分子量タグにマッピングされたシークエンシング読み取りのアラインメントを示す。上のパネル:φ29で生成したタグ4 HMW DNA。下のパネル:Bst DNAポリメラーゼで生成したタグ4 HMW DNA。
図12Aは、本開示に従って調製した96の異なるHMW DNAタグのセットに関して、正確なタグ参照配列に対して整列させた読み取りのパーセンテージ(メジアン99.9%)を示す散布図である。上記プロット中の各ドットは、単一タグを表す。
図12Bは、図12Aの96の異なるHMW DNAタグのセットに関して、不正確なタグ参照配列に対して整列させた読み取りのパーセンテージ(メジアン0.06%)を示す散布図である。上記プロット中の各ドットは、単一タグを表す。
定義
本出願において、文脈から別段明らかでなければ、(i)用語「1つの、ある(a)」は、「少なくとも1」を意味すると理解され得る;(ii)用語「または(or)」は、「および/または」を意味すると理解され得る;(iii)用語「含む、包含する(comprising)」および「含む、包含する(including)」は、単独で示されていようが、1もしくはこれより多くのさらなる成分もしくは工程と一緒に提示されていようが、箇条書きにした成分または工程を包含すると理解され得る;そして(iv)用語「約」および「およそ」は、当業者によって理解されるとおりの標準的変動を許容すると理解され得る;そして(v)範囲が提供される場合、端点は包含される。
およそ(approximately): 本明細書で使用される場合、用語「およそ」または「約」とは、目的の1もしくはこれより多くの値に適用されるように、述べられた参照値に類似である値に言及する。ある特定の実施形態において、用語「およそ」または「約」とは、別段述べられなければ、または状況から別段明らかでなければ(このような数が、考えられる値の100%を超える場合は除く)、いずれの方向(大きいかまたは小さい)においても、その述べられた参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%
、5%、4%、3%、2%、1%、もしくはこれより小さい範囲内に入る値の範囲に言及する。
と関連する(asociated with): 2つの事象または実体は、その用語が本明細書で使用される場合、一方の存在、レベルおよび/または形態が、他方の存在、レベルおよび/または形態と相関するのであれば、互いと「関連する」。例えば、特定の実体(例えば、ポリペプチド、遺伝的シグネチャー、代謝産物など)は、その存在、レベルおよび/または形態が、特定の疾患、障害、または状態の発生率および/または感受性と(例えば、直接関連する集団にわたって)相関するのであれば、上記疾患、障害、または状態と関連すると考えられる。いくつかの実施形態において、2もしくはこれより多くの実体は、それらが互いと物理的に近接してあるおよび/または近接したままであるように、直接的にまたは間接的にそれらが相互作用するのであれば、互いと物理的に「関連する」。いくつかの実施形態において、互いと物理的に関連する2もしくはこれより多くの実体は、互いと共有結合している;いくつかの実施形態において、互いと物理的に関連する2もしくはこれより多くの実体は、互いに共有結合していないが、例えば、水素結合、ファン・デル・ワールス相互作用、疎水的相互作用、磁性、およびこれらの組み合わせによって、非共有結合している。
バーコード(barcode):本明細書で使用される場合、用語「バーコード」は、(例えば、核酸シークエンシング分析によって)分析されるべきサンプルに混合および/または添加された場合に、機械読み取り可能な識別子として働く特定の核酸分子または配列を表すことが意味される。いくつかの実施形態において、バーコードは、特定のサンプルの存在および/または非存在を同定、追跡および/または確認するために使用される。
生物学的サンプル(biological sample): 本明細書で使用される場合、用語「生物学的サンプル」とは、代表的には、本明細書で記載されるように、目的の生物学的供給源(例えば、組織または生物または細胞培養物)から得られるかまたはこれらに由来するサンプルをいう。いくつかの実施形態において、目的の供給源は、生物(例えば、動物またはヒト)を含むかまたはその生物からなる。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、生物学的組織もしくは流体を含むか、または生物学的組織もしくは流体からなる。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、骨髄;血液;血球;腹水;組織または細針生検サンプル;細胞含有体液;浮遊性(free floating)核酸;喀痰;唾液;尿;脳脊髄液、腹膜内液(peritoneal fluid);胸膜液;糞便;リンパ液;婦人科学的な流体;皮膚スワブ;膣スワブ;口腔スワブ;鼻腔スワブ;洗浄物(washings)または洗浄液(lavages)(例えば、導管洗浄液もしくは気管支肺胞洗浄液);吸引物;擦過物;骨髄標本;組織生検標本;摘出標本(surgical specimen);他の体液、標本、および/または排出物;ならびに/あるいはこれらに由来する細胞などであり得るか、またはこれらを含み得る。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、個体から得られる細胞であるか、上記細胞を含むか、または上記細胞からなる。いくつかの実施形態において、得られる細胞は、サンプルが得られる個体に由来する細胞であるかまたはその細胞を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接得られる「一次サンプル」である。例えば、いくつかの実施形態において、生物学的一次サンプルは、生検(例えば、細針吸引または組織生検)、外科手術、体液(例えば、血液、リンパ液、糞便など)の収集などからなる群より選択される方法によって得られる。いくつかの実施形態において、状況から明らかであるように、用語「サンプル」とは、一次サンプルを処理することによって(例えば、1もしくはこれより多くの成分の除去によって、および/または1もしくはこれより多くの薬剤の添加によって)得られる調製物をいう。例えば、半透膜を使用して濾過する。このような「加工処理されたサンプル」は、例えば、サンプルから抽出されたか、あるいはmRNAの増幅もしくは逆転写、ある特定の成
分の単離および/または精製などのような技術に一次サンプルを供することによって得られる核酸またはタンパク質を含み得る。
キャリア(carrier): 本明細書で使用される場合、用語「キャリア」とは、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルであって、これらとともにある組成物が投与されるものをいう。いくつかの例示的実施形態において、キャリアとしては、例えば、水および油(石油、動物、植物または合成期限の油(例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、ミネラルオイル、ゴマ油などのような))のような滅菌液体が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、キャリアは、1もしくはこれより多くの固体成分であるかまたはその固体成分を含む。
細胞性溶解物(cellular lysate): 本明細書で使用される場合、用語「細胞性溶解物」または「細胞溶解物(cell lysate)」とは、1もしくはこれより多くの崩壊させた細胞(すなわち、膜を崩壊させた細胞)の内容物を含む流体をいう。いくつかの実施形態において、細胞性溶解物は、親水性および疎水性両方の細胞性成分を含む。いくつかの実施形態において、細胞性溶解物は、植物細胞、微生物(例えば、細菌もしくは真菌)細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、ヒト細胞、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される1もしくはこれより多くの細胞の溶解物である。いくつかの実施形態において、細胞性溶解物は、1もしくはこれより多くの異常な細胞(例えば、がん細胞)の溶解物である。いくつかの実施形態において、細胞性溶解物は、細胞の崩壊(これは、「一次」溶解物を生成する)後に、ほとんどもしくは全く精製が行われないという点で粗製溶解物である。いくつかの実施形態において、1もしくはこれより多くの単離もしくは精製工程が、上記一次溶解物に対して行われる。しかし、用語「溶解物」は、複数の細胞性成分を含む調製物に言及し、いかなる個々の成分の純粋な調製物にも言及しない。
特徴的得配列(characteristic sequence): 「特徴的配列」は、ポリペプチドまたは核酸のファミリーの全てのメンバーにおいて見出される配列であり、従って、そのファミリーのメンバーを規定するために当業者によって使用され得る。
特徴的配列エレメント(characteristic sequence element): 本明細書で使用される場合、語句「特徴的配列エレメント」とは、ポリマー中で(例えば、ポリペプチドまたは核酸中で)見出される、そのポリマーの特徴的部分を表す配列エレメントをいう。いくつかの実施形態において、特徴的配列エレメントの存在は、そのポリマーの特定の活性または特性の存在またはレベルと相関する。いくつかの実施形態において、特徴的配列エレメントの存在(または非存在)は、特定のポリマーの特定のファミリーまたは群のメンバー(またはメンバーではない)としてそのような特定のポリマーを規定する。特徴的配列エレメントは、代表的には、少なくとも2つのモノマー(例えば、アミノ酸またはヌクレオチド)を含むか、またはこれらからなる。いくつかの実施形態において、特徴的配列エレメントは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、もしくはこれより多くのモノマー(例えば、連続して連結されたモノマー)を含む。いくつかの実施形態において、特徴的配列エレメントは、1もしくはこれより多くのスペーサー領域(その長さは、上記配列エレメントを共有するポリマーにわたって変動してもよいし、変動しなくてもよい)によって間隔を空けられた、連続モノマーの少なくとも第1のおよび第2の伸長部(stretch)を含む。
適合性の(compatible): 用語「適合性の」とは、適合性プライマーの状
況において本明細書で使用される場合、例えば、プライマーダイマーの形成またはゲノムDNA配列もしくはサンプルDNA配列への結合を含む、有害な効果なしに同じ反応において使用され得る、ある反応内の例えば2つのプライマーの特徴をいう。適合性のプライマーは、例えば、%GC含有量、融解温度および結合特異性を含む類似の特徴を有し得る。その結果それらは、互いに対してより、意図した標的に結合する可能性がより高い。
含む、包含する(comprising): 1もしくはこれより多くの指定されたエレメントまたは工程を「含む」と本明細書で記載される組成物または方法は、開放系であって、その指定されたエレメントまたは工程が必須であるが、他のエレメントまたは工程が、その組成物または方法の範囲内に付加され得ることを意味する。1もしくはこれより多くの指定されたエレメントまたは工程を「含む(comprising)」(または「含む(which comprises)」)と記載される組成物または方法がまた、その相当する、同じ指定されたエレメントもしくは工程「から本質的になる(consisting essentially of)」(または「から本質的になる(which
consists essentially of)」)より限定された組成物または方法を記載し、その組成物または方法がその指定された本質的なエレメントもしくは工程を含み、そしてまた、その組成物または方法の基本的かつ新規な特徴に本質的に影響を及ぼさないさらなるエレメントもしくは工程を含み得ることを意味することは、理解されるべきである。もしくはこれより多くの指定されたエレメントまたは工程を「含む」かまたはこれら「から本質的になる」と本明細書で記載される任意の組成物または方法はまた、その相当する、その指定されたエレメントまたは工程「からなる(consisting
of)」(または「からなる(consists of)」、いかなる他の指定されていないエレメントまたは工程の排除へとより限定されかつ閉鎖系の組成物または方法を記載することはまた、理解される。本明細書で開示される任意の組成物または方法において、任意の指定された本質的なエレメントまたは工程の、公知のまたは開示された均等物は、そのエレメントまたは工程の代わりに使用され得る。
コンカテマー(concatemer):本明細書で使用される場合、用語「コンカテマー」とは、核酸配列を有する連続する核酸分子であって、核酸配列自体が、互いに連続して連結した複数の配列エレメントを含むかまたはこれらからなる核酸配列の反復を含むかまたはその反復からなるものをいう。いくつかの実施形態において、コンカテマーは、ゲノム全体のコピーを含む。いくつかの実施形態において、コンカテマーは、ゲノムの一部を含む。いくつかの実施形態において、コンカテマーは、1もしくはこれより多くの遺伝子を含む。いくつかの実施形態において、コンカテマーは、合成して生成されたヌクレオチドの1もしくはこれより多くの群を含む。いくつかの実施形態において、その連結された一連の配列エレメントは、例えば、各反復の間の短いヌクレオチド配列によって分離される。例えば、配列エレメントA、B、およびCの「コンカテマー」は、ABCABCABCABCまたはACBACBACBACBまたはBCABCABCABCAまたはBACBACBACBACまたはCABCABCABまたはCBACBACBAまたはAABCAABCAABCなどによって表される配列を有し得る。
縮重オリゴヌクレオチド(degenerate oligonucleotide): 本明細書で使用される場合、語句「縮重オリゴヌクレオチド」とは、いくつかの実施形態において、合成の間の特定のオリゴヌクレオチド位置において全4個の塩基(すなわち、A、T、G、およびC)の組み込みを可能にする方法で合成されるオリゴヌクレオチドの混合物をいう。例えば、ACGCGACGNNNNNNTGGGACGAは、縮重配列/縮重オリゴヌクレオチド(ここで「N」は、縮重ヌクレオチドを表す)である。例示された配列を伴うオリゴヌクレオチド合成は、6個の連続的縮重ヌクレオチドの存在および4種の異なる塩基(すなわち、A、T、G、およびC)の使用に起因して、4 オリゴヌクレオチドを生じる。
設計された(designed):本明細書で使用される場合、用語「設計された」とは、(i)その構造がひとの手によって選択されているかもしくは選択された薬剤;(ii)ひとの手を要するプロセスによって生成される薬剤;および/または(iii)天然の物質および他の公知の薬剤とは別個のものである薬剤に言及する。
決定する(determine): 当業者は、本明細書を読んで、「決定すること」が、当業者に利用可能な種々の技術のうちのいずれか(例えば、本明細書で明示的に言及される具体的技術が挙げられる)を利用し得るかまたはその技術を使用することによって達成され得ることを認識する。いくつかの実施形態において、決定することは、物理的サンプルの操作を要する。いくつかの実施形態において、決定することは、例えば、直接関連する分析を行うために適合されたコンピューターもしくは他の処理装置を利用する、データまたは情報の考慮および/または操作を要する。いくつかの実施形態において、決定することは、ある情報源から直接関連する情報および/または資料を受け取ることを要する。いくつかの実施形態において、決定することは、サンプルまたは実体の1もしくはこれより多くの特徴を、比較参照に対して比較することを要する。
診断情報(diagnostic information): 本明細書で使用される場合、「診断情報」または「診断において使用するための情報」は、患者が疾患、障害もしくは状態を有するか否かを決定することにおいて、および/あるいはある疾患、障害もしくは状態を、表現型的カテゴリーもしくはある疾患、障害もしくは状態の予後、またはおそらくある疾患、障害もしくは状態の処置(一般的な処置もしくは任意の特定の処置のいずれか)に対する応答に関して重大性を有する任意のカテゴリーへと分類することにおいて、有用である情報である。同様に、「診断」とは、診断情報の任意のタイプ(被験体が疾患、障害もしくは状態をおそらく有するかまたは発症するか否か、被験体に現れているとおりの疾患、障害もしくは状態の状態、ステージ決定または特徴、腫瘍の性質もしくは分類に関連する情報、適切な処置を選択することにおいて有用な予後および/もしくは情報に関連する情報が挙げられるが、これらに限定されない)を提供することをいう。処置の選択としては、特定の治療剤または他の処置モダリティー(例えば、外科手術、放射線療法など)の選択、治療を差し控えるかもしくは行うかについての選択、投与レジメン(例えば、特定の治療剤または治療剤の組み合わせの1もしくはこれより多くの用量の頻度またはレベル)に関する選択などが挙げられ得る。
ドメイン(domain): 用語「ドメイン」とは、実体の区分もしくは一部に言及するために本明細書で使用される。いくつかの実施形態において、「ドメイン」は、その実体の特定の構造的および/または機能的特徴と関連し、その結果、そのドメインは、その親実体の残りから物理的に分離される場合に、そのドメインがその特定の構造的および/または機能的特徴を実質的にまたは完全に保持している。代わりにまたはさらに、ドメインは、その(親)実体から分離されかつ異なる(レシピエント)実体と関連付けられる場合に、その親実体においてそのドメインを特徴付けた1もしくはこれより多くの構造的および/または機能的特徴を実質的に保持するおよび/またはそのレシピエント実体に付与する、実体の一部であり得るかまたはその実体の一部を含み得る。いくつかの実施形態において、ドメインは、分子構造(例えば、低分子、炭水化物、脂質、核酸、またはポリペプチド)の区分または一部である。いくつかの実施形態において、ドメインは、ポリペプチドの区分である;いくつかのこのような実施形態において、ドメインは、特定の構造的エレメント(例えば、特定のアミノ酸配列もしくは配列モチーフ、αヘリックス特徴、βシート特徴、コイルドコイル特徴、ランダムコイル特徴など)によって、および/または特定の機能的特徴(例えば、結合活性、酵素活性、折りたたみ活性、シグナル伝達活性など)によって特徴付けられる。
編集距離(edit distance): 本明細書で使用される場合、語句「編集距離」とは、例えば、一連の核酸、核酸分子またはタグ(タグが本明細書で記載される場合)が、別の一連の核酸、核酸分子またはタグとは異なる核酸の数を表し、そして1つのタグが別のタグとして誤って同定されることが起こる必要がある置換、挿入、欠失もしくは他の変化の数をいう(例えば、2個の核酸分子、例えば、タグ1およびタグ2に関しては、8個の核酸の編集距離で、タグ1の配列の中に7個の変形事象がある必要があり、ここでこのような変形事象は、タグ1がタグ2として同定されるように、タグ1をタグ2により類似であるようにする)。いくつかの実施形態において、編集距離は、Levenshtein, Vladimir I. (February 1966). 「Binary codes capable of correcting deletions, insertions, and reversals」.Soviet Physics Doklady 10(8): 707-710にあるとおりの「レーベンシュタイン距離」と交換可能に使用され得る。
発現(Expression): 本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」とは、以下の事象のうちの1もしくはこれより多くをいう:(1)DNA配列からのRNAテンプレートの生成(例えば、転写によって);(2)RNA転写物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、および/または3’末端形成によって);(3)ポリペプチドもしくはタンパク質へのRNAの翻訳;および/または(4)ポリペプチドもしくはタンパク質の翻訳後修飾。
フラグメント: 本明細書で記載されるとおりの物質もしくは実体の「フラグメント」とは、全体の不連続部分を含む構造を有するが、全体において見出される1もしくはこれより多くの部分を欠いている。いくつかの実施形態において、フラグメントは、このような不連続部分からなる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、全体において見出される特徴的な構造的エレメントもしくは部分からなるかまたはこれら構造的エレメントもしくは部分を含む。いくつかの実施形態において、ポリマーフラグメントは、全体のポリマーで見出されるとおりの少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、110個、120個、130個、140個、150個、160個、170個、180個、190個、200個、210個、220個、230個、240個、250個、275個、300個、325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個、500個もしくはこれより多くのモノマー単位(例えば、残基)を含むかまたはこれらのモノマー単位からなる。いくつかの実施形態において、ポリマーフラグメントは、全体のポリマーで見出されるこのマー単位(例えば、残基)のうちの少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、25%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはこれより多くを含むかまたはこれらからなる。全体の物質または実体は、いくつかの実施形態において、全体の「親」といわれ得る。
遺伝子(gene): 本明細書で使用される場合、用語「遺伝子」とは、生成物(例えば、RNA生成物および/またはポリペプチド生成物)をコードする染色体中のDNA配列をいう。いくつかの実施形態において、遺伝子は、コード配列(すなわち、特定の生成物をコードする配列)を含む;いくつかの実施形態において、遺伝子は、非コード配列を含む。いくつかの特定の実施形態において、遺伝子は、コード(例えば、エキソン)配列および非コード(例えば、イントロン)配列の両方を含み得る。いくつかの実施形態において、遺伝子は、例えば、遺伝子発現の1もしくはこれより多くの局面(例えば、細胞タイプ特異的発現、誘導可能な発現など)を制御し得るかまたはこれら局面に影響を及ぼ
し得る1もしくはこれより多くの調節エレメントを含み得る。
遺伝子生成物または発現生成物(gene product or expression product): 本明細書で使用される場合、用語「遺伝子生成物」または「発現生成物」とは、一般に、遺伝子から転写されるRNA(プロセシング前および/またはプロセシング後)またはその遺伝子から転写されたRNAによってコードされるポリペプチド(修飾前および/または修飾後)をいう。
ゲノム(genome): 本明細書で使用される場合、用語「ゲノム」とは、個々の生物または細胞によって行われ、その染色体の完全DNA配列によって表される全遺伝情報をいう。
ゲノムプロフィール(genome profile): 本明細書で使用される場合、用語「ゲノムプロフィール」とは、ゲノム内に含まれる全情報の代表的な部分セットをいう。代表的には、ゲノムプロフィールは、多型遺伝子座の特定のセットにある遺伝子型を含む。いくつかの実施形態において、ゲノムプロフィールは、例えば、特定の動物、系統、品種、または雑種の集団に特徴的な特定の特徴、形質、もしくはそのセットと相関し得る。
ゲノムDNA(genomic DNA): 本明細書で使用される場合、語句「ゲノムDNA」とは、生物のゲノム内に含まれる全遺伝情報の少なくとも約1コピーを表すDNAをいう。いくつかの実施形態において、ゲノムDNAは、染色体から抽出される。いくつかの実施形態において、ゲノムDNAは、例えば、PCR増幅および/またはシークエンシング分析などのために使用され得る染色体外ゲノムDNAである。
遺伝子タイプ(genotype): 本明細書で使用される場合、用語「遺伝子タイプ」とは、所定の細胞もしくは生物での所定の遺伝子座または関連遺伝子座のセットにおける対立遺伝子の二倍体組み合わせをいう。ホモ接合性被験体は、同じ対立遺伝子の2コピーを有し、ヘテロ接合性被験体は、2つの異なる対立遺伝子を有する。2つの対立遺伝子「A」および「a」を有する遺伝子座という最も単純な場合では、3つの遺伝子型が形成され得る:A/A、A/a、およびa/a。
遺伝子型決定(genotyping): 本明細書で使用される場合、用語「遺伝子型決定」とは、1もしくはこれより多くの十分に規定された遺伝子座において個体の遺伝子型を区別するための実験プロトコル、計算プロトコルまたは実測プロトコルに言及する。当業者は、遺伝子型決定を有用にかつ有効に行い得る種々の技術を知っている。いくつかの実施形態において、遺伝子型決定は、核酸または核酸配列の直接的検出を要する。いくつかの実施形態において、遺伝子型決定は、例えば、核酸もしくは核酸配列の存在と相関する代用マーカーまたは事象の検出または分析を介して、その核酸もしくは核酸配列の間接的検出を要する。
高分子量DNA(high-molecular weight DNA): 本明細書で使用される場合、語句「高分子量DNAとは、とりわけ、処理全体を通じてゲノムDNAと一緒に容易に移動する、および/または一緒に共精製してくるDNAをいう。高分子量DNAは、代表的には、短い(5キロベースもしくはこれより小さい)PCR生成物または消化された/切断されたDNAを遺伝子型決定するかまたは分析するために使用される標準、例えば、アガロースゲル(例えば、1~2% アガロース)を通じて移動しない。いくつかの実施形態において、高分子量DNAは、PCR生成物が代表的には高分子量ではなくかつ構造的に異なり得るという点で、PCR生成物とは異なる。いくつかの実施形態において、高分子量DNAは、少なくとも約400ベース(base)、少なくと
も約500ベース、少なくとも約600ベース、少なくとも約700ベース、少なくとも約800ベース、少なくとも約900ベース、少なくとも約1キロベース、少なくとも約2キロベース、少なくとも約3キロベース、少なくとも約4キロベース、少なくとも約5キロベース、少なくとも約6キロベース、少なくとも約7キロベース、少なくとも約8キロベース、少なくとも約9キロベース、少なくとも約10キロベース、少なくとも約11キロベース、少なくとも約12キロベース、少なくとも約13キロベース、少なくとも約14キロベース、少なくとも約15キロベース、少なくとも約16キロベース、少なくとも約17キロベース、少なくとも約18キロベース、少なくとも約19キロベース、少なくとも約20キロベース、少なくとも約30キロベース、少なくとも約40キロベース、少なくとも約50キロベース、少なくとも約60キロベース、少なくとも約70キロベース、少なくとも約80キロベース、少なくとも約90キロベース、少なくとも約100キロベースまたは100キロベースよりも多くを含むかまたはそれからなる。
相同性(homology): 本明細書で使用される場合、用語「相同性」とは、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子および/またはRNA分子)間、および/またはポリペプチド分子間の全体の関連性をいう。いくつかの実施形態において、ポリマー分子は、これらの配列が、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「相同」であると考えられる。いくつかの実施形態において、ポリマー分子は、これらの配列が、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%類似である(例えば、相当する位置に関連する化学特性を有する残基を含む)場合、互いに相同であると考えられる。当業者によって理解されるように、それらの相同性の程度を決定するために配列の比較を許容する(どの残基が異なる配列において互いに「相当する」かを考慮する場合に、一方の配列における指定された長さのギャップをもう一方に対して許容することによることを含む)種々のアルゴリズムが利用可能である。2つの核酸配列の間の%相同性の計算は、例えば、最適な比較目的でその2つの配列を整列させることによって行われ得る(例えば、ギャップは、最適なアラインメントのために第1のおよび第2の核酸配列のうちの一方または両方において導入され得、相当しない配列は、比較目的のために無視され得る)。ある特定の実施形態において、比較目的で整列される配列の長さは、参照配列の長さのうちの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次いで、相当するヌクレオチド位置でのヌクレオチドが比較される。第1の配列中の位置を、第2の配列中の相当する位置と同じヌクレオチドが占めている場合、その分子は、その位置で同一である;第1の配列中の位置を、第2の配列中の相当する位置と類似のヌクレオチドが占めている場合、その分子は、その位置で類似である。その2つの配列間の%相同性は、ギャップの数、および各ギャップの長さ(これは、その2つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要がある)を考慮して、配列によって共有される同一および類似の位置の数の関数である。2つのヌクレオチド配列間の%相同性を決定するにあたって有用な、代表的なアルゴリズムおよびコンピュータープログラムとしては、例えば、MeyersおよびMillerのアルゴリズム(CABIOS, 1989, 4: 11-17)(これは、PAM120重み付け残基表、ギャップ長ペナルティー12およびギャップペナルティー4を使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれた)が挙げられる。2つのヌクレオチド配列間の%相同性は、代わりに、例えば、NWSgapdna.CMPマトリクスを使用するGCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを使用して、決定され得る。
同一性(identity): 本明細書で使用される場合、用語「同一性」とは、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子および/またはRNA分子)間お
よび/またはポリペプチド分子間の全体の関連性をいう。いくつかの実施形態において、ポリマー分子は、これらの配列が、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合に、互いに対して「実質的に同一」であると考えられる。例えば、2つの核酸配列またはポリペプチド配列の%同一性の計算は、最適な比較目的でその2つの配列を整列させることによって行われ得る(例えば、ギャップは、最適なアラインメントのために第1のおよび第2の配列のうちの一方または両方において導入され得、同一でない配列は、比較目的のために無視され得る)。ある特定の実施形態において、比較目的で整列される配列の長さは、参照配列の長さのうちの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次いで、相当する位置でのヌクレオチドが比較される。第1の配列中の位置を、第2の配列中の相当する位置と同じ残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)が占めている場合、その分子は、その位置で同一である。その2つの配列間の%同一性は、ギャップの数、および各ギャップの長さ(これは、その2つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要がある)を考慮して、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。配列の比較および2つの配列間の%同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。例えば、2つのヌクレオチド配列間の%同一性は、MeyersおよびMillerのアルゴリズム(CABIOS, 1989, 4: 11-17)(これは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれた)を使用して決定され得る。いくつかの例示的実施形態において、ALIGNプログラムで行われる核酸配列比較は、PAM120重み付け残基表、ギャップ長ペナルティー12およびギャップペナルティー4を使用する。2つのヌクレオチド配列間の%同一性は、代わりに、NWSgapdna.CMPマトリクスを使用するGCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを使用して、決定され得る。
単離された(isolated): 本明細書で使用される場合、用語「単離された」とは、(1)最初に生成されたときに関連付けられていた成分(天然にあろうと、および/または実験設定にあろうと)のうちの少なくともいくつかから分離、ならびに/あるいは(2)ひとの手によって設計、生成、調製、および/または製造、された物質および/または実体をいう。単離された物質および/または実体は、それらが最初に関連付けられていた他の成分のうちの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99%より多くから分離され得る。いくつかの実施形態において、単離された薬剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%より高く純粋である。本明細書で使用される場合、物質は、他の成分を実質的に含まない場合に「純粋」である。いくつかの実施形態において、当業者によって理解されるように、物質は、ある特定の他の成分(例えば、1もしくはこれより多くのキャリアもしくは賦形剤(例えば、緩衝液、溶媒、水など)のような)と合わされた後に、なお「単離され」ているかまたはさらには「純粋」であると考えられ得る;このような実施形態において、その物質の%単離または純度は、このようなキャリアもしくは賦形剤を含めずに計算される。一例を挙げると、いくつかの実施形態において、生物学的ポリマー(例えば、天然に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド)は、a)その起源または由来の源のおかげで、天然においてその天然の状態でそのポリマーに付随する成分のうちのいくつかまたは全てと関連付けられていない;b)天然においてそのポリマーを生成する種に由来する同じ種の他のポリペプチドまたは核酸を実質的に含まない;c)天然においてそのポリマーを生成する種のものではない細胞または他の発現系に由来する成分によって発現されるかまたは別の方法でその成分と関連付けられている、場合に、「単離され」ていると考えられる。従って、例えば、いくつかの実施形態において、化学的に合成
されるかまたは天然において核酸分子を生成する細胞系とは異なる細胞系において合成される核酸分子は、「単離された」核酸分子であると考えられる。代わりにまたはさらに、いくつかの実施形態において、1もしくはこれより多くの精製技術に供された核酸分子は、a)この核酸分子が天然に関連付けられている他の成分;および/またはb)最初に生成されたときにこの核酸分子が関連付けられている他の成分とは分離されている程度まで、「単離された」核酸分子であると考えられ得る。
リンカー(linker): 本明細書で使用される場合、用語「リンカー」とは、異なるエレメントを互いに連結するマルチエレメントポリペプチドのその部分をいうために使用される。例えば、当業者は、ポリペプチドの構造が2もしくはこれより多くの機能的または組織的ドメインを含むそのポリペプチドが、しばしば、それらエレメントを互いに連結するこのようなドメイン間のアミノ酸の伸長部を含むことを理解する。いくつかの実施形態において、リンカーエレメントを含むポリペプチドは、一般形態S1-L-S2(ここでS1およびS2は、同じであっても異なっていてもよく、そのリンカーによって互いと関連付けられた2つのドメインを表す)の全体構造を有する。いくつかの実施形態において、リンカーは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個もしくはこれより多くのアミノ酸の長さである。いくつかの実施形態において、リンカーは、剛性の三次元構造をとらない傾向にあるが、むしろポリペプチドに可撓性を提供するという点で特徴付けられる。種々の異なるリンカーエレメントは、当該分野で公知のポリペプチドを操作する場合に適切に使用され得る(例えば、融合ポリペプチド)(例えば、Holliger, P.ら (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448;
Poljak, R. J.ら (1994) Structure 2: 1 121-1123を参照のこと).
核酸(nucleic acid): 本明細書で使用される場合、用語「核酸」とは、その最も広い意味において、オリゴヌクレオチド鎖へと組みこまれるかまたは組み込まれ得る任意の化合物および/または物質をいう。いくつかの実施形態において、核酸は、ホスホジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖へと組みこまれるかまたは組み込まれ得る化合物および/または物質である。状況から明らかであるように、いくつかの実施形態において、「核酸」とは、個々の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)をいう;いくつかの実施形態において、「核酸」とは、個々の核酸残基を含むオリゴヌクレオチド鎖をいう。いくつかの実施形態において、「核酸」は、RNAであるかまたはRNAを含む;いくつかの実施形態において、「核酸」は、DNAであるかまたはDNAを含む。いくつかの実施形態において、核酸は、1もしくはこれより多くの天然の核酸残基であるか、これら核酸残基を含むか、またはこれら核酸残基からなる。いくつかの実施形態において、核酸は、1もしくはこれより多くの核酸アナログであるか、それら核酸アナログを含むか、またはそれら核酸アナログからなる。いくつかの実施形態において、核酸アナログは、ホスホジエステル骨格を利用しないという点で、核酸とは異なる。例えば、いくつかの実施形態において、核酸は、1もしくはこれより多くの「ペプチド核酸」であるか、これらペプチド核酸を含むか、またはこれらペプチド核酸からなる。これらペプチド核酸は当該分野で公知であり、その骨格の中にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有し、本発明の範囲内であると考えられる。代わりにまたはさらに、いくつかの実施形態において、核酸は、ホスホジエステル結合よりむしろ、1もしくはこれより多くのホスホロチオエートおよび/または5’-N-ホスホルアミダイト連結を有する。いくつかの実施形態において、核酸は、1もしくはこれより多くの天然のヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシア
デノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)であるか、これらヌクレオシドを含むか、またはこれらヌクレオシドからなる。いくつかの実施形態において、核酸は、1もしくはこれより多くのヌクレオシドアナログ(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5 プロピニル-シチジン、C-5 プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、0(6)-メチルグアニン、2-チオシチジン、メチル化塩基、インターカレートされた塩基(intercalated base)、およびこれらの組み合わせ)であるか、これらヌクレオシドアナログを含むか、またはこれらヌクレオシドアナログからなる。いくつかの実施形態において、核酸は、天然の核酸の中にあるものと比較した場合、1もしくはこれより多くの改変糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、RNAまたはタンパク質のような機能的遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態において、核酸は、1もしくはこれより多くのイントロンを含む。いくつかの実施形態において、核酸は、天然供給源からの単離、相補的テンプレートに基づく重合による酵素的合成(インビボまたはインビトロ)、組換え細胞もしくは系における再現、および化学合成のうちの1もしくはこれより多くによって調製される。いくつかの実施形態において、核酸は、少なくとも、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000またはより多くの残基の長さである。いくつかの実施形態において、核酸は、1本鎖である;いくつかの実施形態において、核酸は、2本鎖である。いくつかの実施形態において、核酸は、ポリペプチドをコードするか、またはそのポリペプチドをコードする配列の相補体である少なくとも1つのエレメントを含むヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態において、核酸は、酵素活性を有する。
主に存在する(predominantly present): 用語「主に存在する」とは、本明細書で使用される場合、ある集団にわたる特定の位置での実体(例えば、アミノ酸残基)の存在をいう。例えば、アミノ酸は、ポリペプチドの集団にわたって、特定のアミノ酸が統計的に、直接関連する集団内でそのポリペプチドのうちの少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%もしくはこれより多く、特定の位置に存在する場合に主に存在し得る。
プライマーランディングパッド(primer landing pad): 本明細書で使用される場合、語句「プライマーランディングパッド」とは、核酸の伸長部(この伸長部に、核酸の相補的な伸長部(例えば、PCR増幅反応をプライムするために使用されるオリゴヌクレオチド)が結合し得る)上のプライミング部位をいう。いくつかの実施形態において、このようなプライマーランディングパッドは、多重置換増幅反応をプライムするために適している。
純粋な(pure): 本明細書で使用される場合、薬剤または実体は、他の成分を実質的に含まない場合に、「純粋」である。例えば、約90%より多くの特定の薬剤もしくは実体を含む調製物は、代表的には、純粋な調製物であると考えられる。いくつかの実施
形態において、薬剤または実体は、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%純粋である。
ランダム: 本明細書で使用される場合、用語「ランダム」とは、GC含有量、長さ、および任意の2つの配列の間の編集距離のような基準によってフィルタにかけられる、アルゴリズムでアセンブリされた配列(algorithm-assembled sequence)または確率論的選択に基づく核酸の配置を生成するために使用されるアルゴリズムでアセンブリされた配列を生成するための方法に言及する。
参照(reference): 本明細書で使用される場合、用語「参照」とは、標準またはコントロール(これに対して比較が行われる)を記載する。例えば、いくつかの実施形態において、目的の薬剤、動物、個体、集団、サンプル、配列または値が、参照またはコントロールの薬剤、動物、個体、集団、サンプル、配列もしくは値と比較される。いくつかの実施形態において、参照またはコントロールは、目的の試験または決定と実質的に同時に試験および/または決定される。いくつかの実施形態において、参照またはコントロールは、歴史上の参照またはコントロールであり、これらは触知可能な媒体中に必要に応じて埋め込まれている。代表的には、当業者によって理解されるように、参照またはコントロールは、評価中のものに匹敵する条件または環境の下で決定または特徴付けられる。当業者は、どのような場合に、特定の考えられる参照またはコントロールへの依拠および/または比較を正当化するために十分な類似性が存在するかを理解する。
サンプル(sample): 本明細書で使用される場合、用語「サンプル」とは、定性的および定量的評価のための目的の組成物であるかまたはこの組成物を含む物質をいう。いくつかの実施形態において、サンプルは、生物学的サンプルである(すなわち、生きているもの(例えば、細胞または生物)に由来する)。いくつかの実施形態において、サンプルは、地質学的な、水生の、天文学的な、または農業的な供給源に由来する。いくつかの実施形態において、目的の供給源は、生物(例えば、動物またはヒト)を含むか、またはこの生物からなる。いくつかの実施形態において、法科学分析のためのサンプルは、生物学的組織、生物学的流体、有機物質または非有機物質(例えば、衣類、汚物、プラスチック、水のような)であるかまたはそれらを含む。いくつかの実施形態において、農業的サンプルは、有機物質(例えば、葉、花弁、樹皮、木、種子、植物、果実など)を含むかまたはこの有機物質からなる。
一ヌクレオチド多型(SNP): 本明細書で使用される場合、用語「一ヌクレオチド多型」または「SNP」とは、代替の塩基が一方の対立遺伝子をもう一方の対立遺伝子から区別することが公知である、ゲノム中の特定の塩基位置をいう。いくつかの実施形態において、1もしくは数個のSNPsおよび/またはCNPsは、分析目的で、SNPsおよび/またはCNPsのうちの一方もしくはセットが、特定の改変体、形質、動物、系統、品種、雑種、またはこれらのセットに特徴的であると考えられ得るように、複雑な遺伝的改変体を互いから区別するために十分である。いくつかの実施形態において、SNPsおよび/またはCNPsのうちの一方もしくはセットは、特定の改変体、形質、動物、系統、品種、雑種、またはこれらのセットを規定すると考えられ得る。
特異的(specific): 用語「特異的」とは、活性を有する薬剤を参照して本明細書で使用される場合、その薬剤が潜在的な標的実体または状態の間を区別することを意味することが当業者によって理解される。例えば、いくつかの実施形態で、薬剤は、その標的が、1もしくはこれより多くの競合する代わりの標的の存在下でその標的と優先的に結合する場合に、その標的に「特異的に」結合するといわれる。多くの実施形態において、特異的相互作用は、標的実体の特定の構造的特徴(例えば、エピトープ、割れ目(c
left)、結合部位)の存在に依存する。特異性は、絶対的である必要はないことは理解されるべきである。いくつかの実施形態において、特異性は、1もしくはこれより多くの他の潜在的標的実体(例えば、競合相手)に関する結合剤の特異性に対して評価され得る。いくつかの実施形態において、特異性は、参照特異的結合薬剤のものと比較して評価される。いくつかの実施形態において、特異性は、参照非特異的結合薬剤のものと比較して評価される。いくつかの実施形態において、上記薬剤または実体は、その標的実体への結合の条件下で、競合する代わりの標的には検出可能に結合しない。いくつかの実施形態において、結合薬剤は、その競合する代わりの標的と比較した場合に、その標的実体へのより高い結合速度(on-rate)、より低い解離速度(off-rate)、増大した親和性、低下した解離、および/または増大した安定性で結合する。
実質的に(substantially): 本明細書で使用される場合、用語「実質的に」とは、目的の特徴または特性の全体のまたはほぼ全体の範囲(extent)または程度(degree)を示す定性的条件に言及する。生物学分野の当業者は、生物学的および化学的現象が、あるとしても希に、完了するおよび/または完了に向かって進むか、あるいは絶対的な結果を達成するかまたは回避することを理解する。従って、用語「実質的に」とは、多くの生物学的および化学的現象に内在する完全性の潜在的な欠如を捕らえるために本明細書で使用される。
実質的同一性(substantial identity): 本明細書で使用される場合、語句「実質的同一性」とは、アミノ酸配列または核酸配列の間の比較に言及する。当業者によって認識されるように、2つの配列は一般に、これらが相当する位置において同一の残基を含む場合、「実質的に同一」であると考えられる。この分野で周知であるように、アミノ酸配列または核酸配列は、種々のアルゴリズム(市販のコンピュータープログラム(例えば、ヌクレオチド配列に関してはBLASTN、ならびにアミノ酸配列に関してはBLASTP、gapped BLAST、およびPSI-BLAST)の中で利用可能なものが挙げられる)のうちのいずれかを使用して比較され得る。例示的なこのようなプログラムは、Altschulら, Basic local alignment search tool, J. Mol. Biol., 215(3): 403-410, 1990; Altschulら, Methods in Enzymology; Altschulら, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402, 1997; Baxevanisら, Bioinformatics: A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins, Wiley, 1998;およびMisenerら, (編), Bioinformatics Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology,
Vol. 132), Humana Press, 1999に記載される。同一の配列を同定することに加えて、上述のプログラムは、代表的には、同一性の程度の表示を提供する。いくつかの実施形態において、2つの配列は、これらの相当する残基のうちの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはこれより多くが、残基の直接関連する伸長部にわたって同一である場合に、実質的に同一であると考えられる。いくつかの実施形態において、その直接関連する伸長部は、完全な配列である。いくつかの実施形態において、その直接関連する伸長部は、少なくとも、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500またはより多くの残基である。
実質的配列相同性(substantial sequence homology)
: 語句「実質的相同性」は、アミノ酸配列または核酸配列の間の比較に言及するために本明細書で使用される。当業者によって認識されるように、2つの配列は一般に、これらが相当する位置において相同な残基を含む場合に、「実質的に相同」であると考えられる。相同な残基は、同一な残基であってもよい。代わりに、相同な残基は、適切に類似の構造および/または機能的特徴を有する同一でない残基であってもよいこの分野で周知であるように、アミノ酸配列または核酸配列は、種々のアルゴリズム(市販のコンピュータープログラム(例えば、ヌクレオチド配列に関してはBLASTN、ならびにアミノ酸配列に関してはBLASTP、gapped BLAST、およびPSI-BLAST)の中で利用可能なものが挙げられる)のうちのいずれかを使用して比較され得る。例示的なこのようなプログラムは、Altschulら, Basic local alignment search tool, J. Mol. Biol., 215(3): 403-410, 1990; Altschulら, Methods in Enzymology; Altschulら,「Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs」, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402, 1997; Baxevanisら, Bioinformatics : A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins, Wiley, 1998;およびMisenerら, (編), Bioinformatics Methods
and Protocols (Methods in Molecular Biology, Vol. 132), Humana Press, 1999に記載される。相同な配列を同定することに加えて、上述のプログラムは、代表的には、相同性の程度の表示を提供する。いくつかの実施形態において、2つの配列は、これらの相当する残基のうちの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはこれより多くが、残基の直接関連する伸長部にわたって相同である場合に、実質的に相同であると考えられる。いくつかの実施形態において、その直接関連する伸長部は、完全な配列である。いくつかの実施形態において、その直接関連する伸長部は、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも325、少なくとも350、少なくとも375、少なくとも400、少なくとも425、少なくとも450、少なくとも475、少なくとも500またはより多くの残基である。
合成の(synthetic): 本明細書で使用される場合、文言「合成の」とは、ひとの手で、従って、天然では存在しない形態で生成されることを意味する。なぜならその形態は、天然に存在しない構造を有するか、またはその形態が天然では関連付けられていない1もしくはこれより多くの他の成分と関連付けられているか、またはその形態が天然では関連付けられている1もしくはこれより多くの他の成分と関連付けられていないかのいずれかであるからである。
可変の(variable): 本明細書で使用される場合、用語「可変の」とは、例えば、ある領域が不変であるとは考えられないような特定のエレメントの間の差異をいう。例えば、AB式に従って配置された配列において、配列のセットが不変領域「A」、および領域「B」においてそのセットの各メンバーにおいて異なる配列を有する場合、「B
」の配列は、可変である。本明細書で使用される場合、可変のはまた、縮重オリゴヌクレオチド混合物の限界希釈を生じることによって、本発明のタグを設計するという概念に適用される。
改変体(variant): 本明細書で使用される場合、用語「改変体」とは、参照実体と顕著な構造的同一性を示すが、その参照実体と比較した場合に、1もしくはこれより多くの化学的部分の存在またはレベルにおいてその参照実体とは構造的に異なる実体をいう。多くの実施形態において、改変体はまた、その参照実体とは機能的に異なる。一般に、特定の実体が参照実体の「改変体」であると適切に考えられているか否かは、その参照実体との構造的同一性の程度に基づいている。当業者によって認識されるように、任意の生物学的または化学的参照実体は、ある特定の特徴的構造エレメントを有する。改変体は、定義によって、1もしくはこれより多くのこのような特徴的構造エレメントを共有する別個の化学的実体である。いくつか例を挙げると、低分子は、特徴的なコア構造エレメント(例えば、マクロサイクルコア)および/または1もしくはこれより多くの特徴的なペンダント部分を有し得、その結果、その低分子の改変体は、そのコア構造エレメントをおよびその特徴的ペンダント部分を共有するが、他のペンダント部分においておよび/またはコア内に存在する結合のタイプ(単 対 二重、E 対 Zなど)において異なるものである。ポリペプチドは、直線状または三次元空間において互いに対して指定された位置を有するおよび/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から構成される特徴的配列エレメントを有し得る。核酸は、直線状または三次元空間において互いに対して指定された位置を有する複数のヌクレオチド残基から構成される特徴的配列エレメントを有し得る。例えば、改変体ポリペプチドは、アミノ酸配列における1もしくはこれより多くの差異および/またはポリペプチド骨格に共有結合した化学的部分(例えば、炭水化物、脂質など)における1もしくはこれより多くの差異の結果として、参照ポリペプチドとは異なり得る。いくつかの実施形態において、改変体ポリペプチドは、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%である参照ポリペプチドとの全体の配列同一性を示す。代わりにまたはさらに、いくつかの実施形態において、改変体ポリペプチドは、参照ポリペプチドと少なくとも1個の特徴的配列エレメントを共有しない。いくつかの実施形態において、その参照ポリペプチドは、1もしくはこれより多くの生物学的活性を有する。いくつかの実施形態において、改変体ポリペプチドは、その参照ポリペプチドの生物学的活性のうちの1もしくはこれより多くを共有する。いくつかの実施形態において、改変体ポリペプチドは、その参照ポリペプチドの生物学的活性のうちの1もしくはこれより多くを欠いている。いくつかの実施形態において、改変体ポリペプチドは、その参照ポリペプチドと比較した場合に、1もしくはこれより多くの生物学的活性の低下したレベルを示す。多くの実施形態において、目的のポリペプチドは、この目的のポリペプチドが、特定の位置における小数の配列変化を除いて、親ポリペプチドのものに同一であるアミノ酸配列を有する場合に、親または参照ポリペプチドの「改変体」であると考えられる。代表的には、その改変体における残基のうちの20%未満、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%が、その親と比較した場合に置換される。いくつかの実施形態において、改変体は、親と比較した場合に、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、もしくは1個の置換された残基を有する。しばしば、改変体は、非常に少数(例えば、5個未満、4個、3個、2個、もしくは1個)の置換された機能的残基(すなわち、特定の生物学的活性に関与する残基)を有する。さらに、改変体は、その親と比較した場合に、代表的には、5個以下、4個、3個、2個、もしくは1個の付加または欠失を有し、しばしば、付加または欠失を有しない。さらに、任意の付加または欠失は、代表的には、約25個未満、約20個、約19個、約18個、約17個、約16個、約15個、約14個、約13個、約10個、約9個、約8個、約7個、約6個であり、一般には、約5個未満、約4個、約3個、もしくは約2個の残基である。いくつかの実施形態において、改変体はまた、1もしくはこれより多くの機能的欠陥を有し得る、および/
またはさもなければ「変異体」と考えられ得る。いくつかの実施形態において、その親または参照ポリペプチドは、天然に見出されるものである。当業者によって理解されるように、目的の特定のポリペプチドの複数の改変体は、天然において、特に、その目的のポリペプチドが感染性因子のポリペプチドである場合に、一般に見出され得る。
ある特定の実施形態の詳細な説明
本出願は、とりわけ、タグを提供する。一局面において、タグは、サンプルを同定する、サンプルを追跡する、サンプルを分析するなど、およびこれらの組み合わせのために有用である。
図1を参照すると、本開示に従う方法100の実施形態は、同定、追跡、分析などのためにサンプルと合わせられ得る高分子量DNAタグの使用を含む。方法100の工程102は、サンプルを収集する工程を包含する。一局面において、その1もしくはこれより多くのサンプルは、分析されるべき核酸を含み得る。よって、そのサンプルは、核酸を含む任意の適切な供給源から収集され得る。サンプルが収集され得る一例の供給源としては、1もしくはこれより多くのヒト、植物または動物被験体が挙げられ得るが、他の供給源は、本明細書で記載されるように適切であり得る。方法100の工程104において、そのサンプルは、本開示のタグと合わせられる。一般に、各サンプルは、そのサンプルを下流の分析の間に互いから区別するために、特有のタグ配列と合わせられ得る。方法100に関しては、タグは、このタグの核酸配列が、方法100において使用されるタグとは、少なくとも1ヌクレオチド程度互いに異なる場合に、特有と考えられる。
図1を続けて参照すると、工程106は、DNAおよび必要に応じて他の核酸を、タグを含むサンプルから抽出する工程を包含する。DNA抽出は、i)サンプルに由来する核酸、およびii)タグDNAの組み合わせを生じる。工程108において、その抽出されたDNAは、任意の適切な技術(例えば、剪断、酵素によるフラグメント化、超音波処理など)を使用してフラグメント化される。工程110において、種々の選択肢的工程が、シークエンシングまたは他の下流の分析のためのDNAサンプルをさらに調製するために行われ得る。例えば、そのフラグメント化したDNAの末端は、修復され得、Aテール付加は、T-Aベースのアダプターライゲーションなどのために行われ得、そしてアダプターは、連結され得るかまたは別の方法でそのフラグメント化したDNAに付加される。DNAフラグメントサイズ選択およびその調製したDNAライブラリーの品質管理試験のようなさらなる操作は、工程112において行われ得る。
方法100の次の工程114において、そのタグDNAを含む調製したサンプルは、シークエンシングまたは他の下流の分析のために一緒にプールされ得る(すなわち、複合される)。その後、工程114において獲得されたデータは、工程116において脱複合化(de-multiplexed)されかつ分析され得る。
本開示の方法のある特定の実施形態において、本開示の高分子量DNAタグは、収集直後に、1もしくはこれより多くのサンプルと合わせられ得る(例えば、図1を参照のこと)。さらに、本開示の高分子量DNAタグは、サンプル自体を分析するために使用されるタグの処理または検出のためのさらなるまたは別個の工程以外のそれら工程の必要性なく、そのサンプル配列(例えば、サンプル内のゲノムDNA配列)とともに処理され得る。従って、ポリペプチドタグまたは視覚的に検出可能な標識もしくは抗体に特異的に結合する標識を一般に含むタグ(これは、DNAシークエンシング以外の手段によって検出されることを意味する)とは異なり、本開示の高分子量DNAタグは、他の技術では一般に必要とされるタグ自体を処理または検出する工程を排除すると同時に、複数のサンプル(複数とは、別個のサンプル間で1、2、3、4、5、10、25、50、100、500、1000、または任意の整数を含むかまたはその整数からなる)を含むハイスループット
反応内で各サンプルを明白に同定するという同じ結果を提供する。各別個のサンプルは、各サンプルに関する識別コードを提供する1種もしくはこれより多くのタグを含み得る。そのサンプル内の任意の所定のサンプルに関して指定されたコードに属しない任意のタグの同定は、汚染を示す。各コードが各サンプルに特有であるので、その汚染源は、汚染タグが一旦同定された後に直ぐに知られる。ハイスループット適用のために、特有の配列を有すると同時に、サンプル(DNAポリマー)と同じ物質から構成されるタグを使用すると、サンプル配列の同定、追跡、分析などのために有意に増大した効率が可能になる。
サンプル
いくつかの実施形態において、本発明に従って分析されるべきサンプル(例えば、このサンプルに1種もしくはこれより多くのタグが付加され得る)は、核酸を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、核酸配列分析に反応しやすいという点で特徴付けられる。例えば、いくつかの実施形態において、サンプルは、核酸シークエンシング酵素または試薬の1もしくはこれより多くの特定のインヒビターを実質的に含まない可能性がある。いくつかの実施形態において、サンプルは、このような分析が成功裡に行われ得る分析されるべき核酸に関して、十分に純粋であり得る。
いくつかの実施形態において、サンプルは、生物学的、臨床的、法医学的、地質学的、天文学的、水生の、または農学的サンプルを含むかまたはこれらサンプルからなる。ある特定の実施形態において、サンプルは、粗製サンプル(例えば、血液、岩石、木、池の水)であり、これらは処理されていないか、またはサンプルは、処理および/もしくは精製される(血液、樹皮、葉、種子のような供給源から例えば、DNA抽出され、必要に応じて精製される)(図1)。
いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、生物学的組織または流体を含むかまたはこれらからなる。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、骨髄;血液;血球;腹水;組織もしくは細針生検サンプル;細胞含有体液;浮遊性核酸;喀痰;唾液;尿;脳脊髄液、腹膜内液;胸膜液;糞便;リンパ液;婦人科学的な流体;皮膚スワブ;膣スワブ;口腔スワブ;鼻腔スワブ;洗浄物(washing)または洗浄液(lava
ge)(例えば、導管洗浄液または気管支肺胞洗浄液);吸引物;擦過物;骨髄標本;組織生検標本;摘出標本;他の体液、分泌物、および/または排出物;ならびに/あるいはこれらに由来する細胞などを含み得るか、またはこれらからなり得る。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、個体から得られる細胞を含むかまたはこの細胞からなる。いくつかの実施形態において、得られる細胞は、そのサンプルが得られる個体に由来する細胞であるかまたはこの細胞を含む。
いくつかの実施形態において、サンプルは、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接得られる「一次サンプル」である。例えば、いくつかの実施形態において、生物学的一次サンプルは、生検(例えば、細針吸引または組織生検)、外科手術、体液(例えば、血液、リンパ液、糞便など)の収集などからなる群より選択される方法によって得られる。いくつかの実施形態において、状況から明らかであるように、用語「サンプル」とは、処理されないかまたは最小限に処理される調製物をいう。このような「粗製サンプル」は、生物から収集した後にさらに処理に供されない、例えば尿を含み得る。いくつかの実施形態において、粗製サンプルは収集され、分析の前におよび/またはタグの付加の前にさらに処理されない。
いくつかの実施形態において、状況から明らかであるように、用語「サンプル」とは、一次サンプルを処理することによって(例えば、その一次サンプルの1もしくはこれより多くの成分を除去するおよび/またはその一次サンプルに1もしくはこれより多くの薬剤を添加することによって)得られる調製物をいう。例えば、半透膜を使用する濾過。この
ような「処理されたサンプル」は、サンプルから抽出されるかまたは一次サンプルを、mRNAの増幅もしくは逆転写、ある特定の成分の単離および/もしくは精製などのような技術に供することによって得られる、例えば、核酸またはタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態において、粗製サンプルに適用される処理は、分析用のサンプルが提供されるように、粗製サンプルに存在した核酸を精製するという効果を有する。
本明細書で記載される場合、本発明者らは、種々の適用において彼らの成功を示すタグおよびこのようなタグの使用方法を成功裡に開発した。タグは、サンプル追跡、サンプル同定およびサンプル分析(例えば、シークエンシング)のような適用において有用である。本発明のタグは、既存のタグならびにサンプル追跡、同定および/または分析の方法を超える、ある特定の特徴および利点を提供する。
いくつかの実施形態において、このようなタグは、サンプルに添加され得るか、または「スパイクイン」され得、その結果、少なくとも1つのサンプルおよび少なくとも1種もしくはこれより多くのタグが、近接して(例えば、収集チューブの中に、ウェルプレートの中に、または物体の表面にあるように)存在する。サンプルおよび少なくとも1種のタグを近接するようにして合わせることは、サンプル同一性の容易な決定を可能にし、これは、種々のシークエンシングプロトコルによって、およびいかなる帰属の必要性をもなしに、アッセイされ得る。
いくつかの実施形態において、サンプルは、核酸シークエンシング反応(例えば、DNAシークエンシング反応)において利用される。
いくつかの実施形態において、タグは、例えば、サンプル同定および/または分析において使用される(図1)。
タグ
本開示は、例えば、分析を受けている核酸サンプルの追跡、同定および/またはさもなければ処理の改善において使用するためのタグを提供する。提供されるタグは、例えば、核酸サンプルを同定および/または二次汚染を検出するために使用される場合、公知のタグまたはタグ化システムと比較して種々の利点を付与する。
公知のタグ化システムは、例えば、Quailらによる国際特許出願公開WO 2014128453(本明細書中以降「Quail」)において記載されるものを含む。これは、例えば、核酸サンプルを同定するために、およびサンプルの二次汚染を検出するために、「核酸マーカー分子」を開示する。Quailのマーカー分子は、外側でネスト化された(out-nested)(その配列に各末端で隣接する)バーコードとともに、phiX(ウイルス)をテンプレートとして使用して生成された、種々の長さのPCRフラグメントである。隣接するバーコードを有するその記載されるphiX配列は、それ自体タグであり(「Quailタグ」)、処理および配列分析を通じて、サンプルを例えば、追跡および/または同定するために、サンプルに添加される。Quailは、その核酸マーカー分子を添加して、サンプルを処理前からシークエンシングおよび分析まで追跡することを開示する(本明細書中以降、「Quail技術」)。
本開示は、公知のタグ化システム(例えば、Quail技術)のある特定の制限を同定および/または認識する。例えば、このQuail技術は、比較的短くかつ低分子量である種々のサイズの核酸マーカー分子を利用する。本開示は、このようなストラテジーがある特定の適用(例えば、長い配列読み取り適用が挙げられる)には適していない、従って、数百、数千および/または数十万ものサンプルもしくはこれより多くを要する適用には容易に拡大可能ではない可能性があるという見通しを提供する。さらに、本開示は、Qu
ailによって記載されるとおりの核酸マーカー分子が粗製サンプルに添加される場合、それらは、おそらく、その後の処理工程の間に(例えば、剪断工程の間に)壊れやすいことを認識する。
本発明は、とりわけ、高分子量DNAから構成されるタグ、そのタグの使用法、ならびにそのタグを含むキット、収集バイアル、および他の容器を提供する。さらに、その提供されるタグは、とりわけ、例えば、長い読み取り適用、少なくとも数百、数千および/または数十万のサンプルもしくはこれより多くを要する適用への拡張性、例えば、収集の時点、分離もしくは精製前からシークエンシングおよび分析までのサンプルのタグ化、追跡、および/または同定のような種々の適用に適している。
いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるタグは、合成の、高分子量核酸(例えば、2本鎖DNA(「dsDNA」))を含み、その結果、タグがサンプルに付加される場合、処理全体を通じてサンプルとともに残る。高分子量DNAタグは、サンプル中のゲノムDNAまたは高分子量DNAに類似して、代表的な処理手順、例えば、分離、精製および分析に耐え得る。
いくつかの実施形態において、タグの高分子量の性質は、そのタグを長い読み取り技術(例えば、PACBIO、OXFORD NANOPORE、GENIA、ROCHE)のためのサンプルタグ化における使用に理想的にする。短いPCRタグおよび/または短いオリゴヌクレオチドは、このような適用における使用に一般には適切でも望ましくもない。
提供されるタグは、とりわけ、例えば、法医学、医療および/または農学分野において例えば、追跡に有用である。
タグ設計
有用なこのようなタグは、配列A(不変)、配列B(各タグに特有)および配列C(不変)の反復ユニットを含むかまたはその反復ユニットからなり、1タグあたりA-B-Cの少なくとも2個の反復ユニットを有するヌクレオチド配列を有するように設計および/または構築され得ることが企図される。いくつかの実施形態において、タグは、X-[A-B-C]-Yを含む式に従って配置され、ここでnは、少なくとも2であり、そしてA、B、およびCの各々は、2個もしくはこれより多くの残基の規定された長さを有する。いくつかの実施形態において、Xは、必要に応じて存在するかまたは非存在であり、存在する場合、-C-の1もしくはこれより多くの例からなり得るかまたはこれら例を含み得るか、あるいはさもなければ、別のエレメントからなり得るかまたは別のエレメントを含み得る。いくつかの実施形態において、Yは、必要に応じて存在するかまたは非存在であり、存在する場合、-A-の1もしくはこれより多くの例からなり得るかまたはこれら例を含み得るか、あるいはさもなければ、別のエレメントからなり得るかまたは別のエレメントを含み得る。いくつかの実施形態において、そのエレメントは、核酸、5’プライマー改変もしくは3’プライマー改変(例えば、ホスホロチオエート化、内部改変、メチル化シトシンなど)を含むかまたはこれらからなる。
一局面において、タグの一般化したX-[A-B-C]-Y構造は、タグに由来する読み取りの簡単なかつ一貫した同定を提供することが認識される。別の局面において、タグの構造は、タグ由来読み取りの機密性の除去または機密性を下げる編集(sanitization)を可能にし得、これは、デノボゲノムシークエンシングおよびサンプル参照またはキーが存在しない他の同様の適用に有用であり得る。
いくつかの実施形態において、タグは、ゲノムDNAに類似して振る舞う場合に、高分
子量であると考えられる。いくつかの実施形態において、タグは、処理手順(例えば、剪断)を通じて残る場合に、高分子量であると考えられる。
いくつかの実施形態において、タグは、下限および上限による境界があり、ここでその上限がその下限より大きい範囲内の分子量を有する場合に、高分子量であると考えられる;いくつかのそのような実施形態において、その下限は、約260000ダルトン、約325000ダルトン、約390000ダルトン、約455000ダルトン、約520000ダルトン、約585000ダルトン、約650000ダルトン、約1300000ダルトン、約1950000ダルトン、約2600000ダルトン、約3250000ダルトン、約3900000ダルトン、約4550000ダルトン、約5200000ダルトン、約5850000ダルトン、約6500000ダルトン、約7150000ダルトン、約7800000、約8450000ダルトン、約9100000ダルトン、約9750000ダルトン、約10400000ダルトン、約11050000ダルトン、約11700000ダルトン、約12350000ダルトン、約13000000ダルトン、約19500000ダルトン、約26000000ダルトン、約32500000、約39000000ダルトン、約45500000ダルトン、約52000000ダルトン、約58500000ダルトン、約65000000ダルトンまたは65000000ダルトン超である。いくつかの実施形態において、その上限は、約325000ダルトン、約390,000ダルトン、約450000ダルトン、約520000ダルトン、約585000ダルトン、約650000ダルトン、約1300000ダルトン、約1950000ダルトン、約2600000ダルトン、約3250000ダルトン、約3900000ダルトン、約4550000ダルトン、約5200000ダルトン、約5850000ダルトン、約6,500,000ダルトン、約7150000ダルトン、約7800000、約8450000ダルトン、約9100000ダルトン、約9750000ダルトン、約10400000ダルトン、約11050000ダルトン、約11700000ダルトン、約12350000ダルトン、約13000000ダルトン、約19500000ダルトン、約26000000ダルトン、約32500000、約39000000ダルトン、約45500000ダルトン、約52000000ダルトン、約58500000ダルトン、約65000000ダルトンまたは65000000ダルトン超である。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約260000ダルトンから約65000000ダルトンより大きい範囲内の分子量を有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約325000ダルトン~約65000000ダルトンの範囲内の分子量を有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約390,000ダルトン~約58500000ダルトンの範囲内の分子量を有する。
いくつかの実施形態において、タグは、下限および上限による境界があり、ここでその上限がその下限より大きい範囲内の長さを有する場合に、高分子量であると考えられる;いくつかのそのような実施形態において、その下限は、約400ベース、約500ベース、約600ベース、約700ベース、約800ベース、約900ベース、約1キロベース、約2キロベース、約3キロベース、約4キロベース、約5キロベース、約6キロベース、約7キロベース、約8キロベース、約9キロベース、約10キロベース、約11キロベース、約12キロベース、約13キロベース、約14キロベース、約15キロベース、約16キロベース、約17キロベース、約18キロベース、約19キロベース、約20キロベース、約30キロベース、約40キロベース、約50キロベース、約60キロベース、約70キロベース、約80キロベース、約90キロベース、約100キロベース、および100キロベース超である。いくつかの実施形態において、その上限は、約500ベース、約600ベース、約700ベース、約800ベース、約900ベース、約1キロベース、約2キロベース、約2キロベース、約2キロベース、約3キロベース、約4キロベース、約5キロベース、約6キロベース、約7キロベース、約8キロベース、約9キロベース、約10キロベース、約11キロベース、約12キロベース、約13キロベース、約14
キロベース、約15キロベース、約16キロベース、約17キロベース、約18キロベース、約19キロベース、約20キロベース、約30キロベース、約40キロベース、約50キロベース、約60キロベース、約70キロベース、約80キロベース、約90キロベース、約100キロベースおよび100キロベース超である。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約400ベース~約100キロベース超の間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約500ベース~約100キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約600ベース~約90キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約700ベース~約80キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約800ベース~約70キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約900ベース~約60キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約1キロベース~約50キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約2キロベース~約40キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約3キロベース~約30キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約4キロベース~約20キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約5キロベース~約19キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約6キロベース~約18キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約7キロベース~約17キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約7キロベース~約16キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約8キロベース~約15キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約9キロベース~約14キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約10キロベース~約13キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約11キロベース~約12キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約500ベース~約5キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約600ベース~約6キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約700ベース~約7キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約800ベース~約8キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約900ベース~約9キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約1キロベース~約50キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約2キロベース~約40キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約2キロベース~約30キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約2キロベース~約20キロベースの間の範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、高分子量タグは、約1キロベース~約5キロベースの間の範囲内の長さを有する。
いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約12ヌクレオチド~少なくとも約300,000ヌクレオチド超を含み得るかまたはそれからなり得ることが企図される。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも、約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83
、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、300、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、13000、14000、15000、16000、17000、18000、19000、20000、21000、22000、23000、24000、25000、26000、27000、28000、29000、30000、31000、32000、33000、34000、35000、36000、37000、38000、39000、40000、41000、42000、43000、44000、45000、46000、47000、48000、49000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、110000、120000、130000、140000、150000、160000、170000、180000、190000、200000、210000、220000、230000、240000、250000、260000、270000、280000、290000、または300000ベースを含み得るかまたはそれからなり得る。
いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約12ヌクレオチド~少なくとも約100ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約13ヌクレオチド~少なくとも約99ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約14ヌクレオチド~少なくとも約98ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約15ヌクレオチド~少なくとも約97ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約16ヌクレオチド~少なくとも約96ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約17ヌクレオチド~少なくとも約95ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約18ヌクレオチド~少なくとも約94ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約19ヌクレオチド~少なくとも約93ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20ヌクレオチド~少なくとも約92ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20ヌクレオチド~少なくとも約90ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20ヌクレオチド~少なくとも約80ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20ヌクレオチド~少なくとも約70ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20ヌクレオチド~少なくとも約60ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20ヌクレオチド~少なくとも約50ヌクレオチドを含み得るかまたはそれからなり得る。
いかなる特定の理論にも拘束されないが、いくつかの実施形態において、1タグあたり複数のユニットを有することは、ある特定の特別な利点を提供し得ると考えられる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300または300超のユニットを有する。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約2~約300のユニ
ットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約3~約290のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約24~約280のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約5~約270のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約6~約260のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約7~約250のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約8~約240のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約9~約230のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約10~約220ユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約11~約210のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約12~約200のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約13~約190のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約14~約180のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約15~約170のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約16~約180のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約17~約190のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約18~約180のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約19~約170のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約20~約160のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約21~約150のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約22~約140のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約23~約130ユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約24~約120ユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約25~約110ユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約26~約100のユニットを含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約27~約90のユニットを含むかまたはそれからなる。
いくつかの実施形態において、特定のタグの中に含まれるユニットの数は、個々のユニットの長さによって影響を受け得るおよび/または決定され得る。一般に、より短い個々のユニットから構成されるタグは、ユニットがより長いタグが有するより、このようなユニットのより大きな数を有し得る。
いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約6個の核酸~少なくとも約1000個超の核酸である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも、約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000および1000超の核酸である。
いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約20~少なくとも約100である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約20~少なくとも約80である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約30~少なくとも約80である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約20~少なくとも約60である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約10~少なくとも約100である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、約10~少なくとも約80である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約40~少なくとも約80である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約30~少なくとも約90である。いくつかの実施形態において、ユニットの長さは、少なくとも約40~少なくとも約70である。いくつかの実施形態において、タグは、一般構造X-[A-B-C]n-Yを有し、ここでXおよびYは選択肢的であり、A、B、およびCの各々は、本明細書で記載されるように規定および/または選択される配列エレメントである。いかなる特定の理論によっても拘束されることは望まないが、このような構造を有する(すなわち、複数の反復するA-B-Cユニットによって特徴付けられる構造を有する)高分子量核酸タグが特定の有利な特徴(例えば、高い安定性が挙げられる)を示し得ることは、本明細書で提唱される。とりわけ、本開示は、このような構造のタグが、ある特定の特徴を、天然のサンプルで(例えば、ゲノムDNAで)見出される高分子量DNAと共有し得るという見通しを提供する。
本明細書で示される場合、コンカテマー構造(例えば、その構造は、本明細書で記載されるように、式X-[A-B-C]-Yに従う、連続して配置されるユニットの反復を含むかまたはこの反復からなる)を有するタグは、種々のサンプル調製手順(他の利用可能なマーカーになる薬剤(例えば、Quail核酸マーカー分子および/または他のより短いオリゴヌクレオチド薬剤(特に、直線状のオリゴヌクレオチド)、および/または本明細書で記載されるタグの構造[例えば、X-[A-B-C]-Y]を有しない、例えばPCRによって生成され得るとおりの約2~約600残基の範囲内の長さのオリゴヌクレオチド)を破壊または分解するかまたは破壊または分解し得るものが挙げられる)を通して残存し/続き得る。
いくつかの実施形態において、提供されるタグ中のエレメントAおよびCは、プライマーとハイブリダイズし、そしてそれらの伸長を可能にして、核酸(例えば、DNA)ポリマーを生成するために設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントAおよびCは、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)において有用なプライマー対のメンバーとハイブリダイズするように特異的に設計される。いくつかの実施形態において、エレメントAおよびCは、プライミングが多重鎖形成において支持されるように、多重PCR反応の状況で互いと適合性であるように設計される。いくつかの実施形態において、AおよびCの配列は、1もしくはこれより多くの(およびいくつかの実施形態において、多重の)異なるプラットフォーム(例えば、ハイブリダイゼーション捕捉など)の状況で互いと適合性である。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントAおよびCは、匹敵する融解温度を有する、AおよびCの各々にハイブリダイズするプライマーによって特徴付けられる配列を有する。
一般に、エレメントBは、分析されるべきサンプルに存在する確率が低いかまたはゼロであるように設計および/または選択される配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9
%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の植物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の植物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の脊椎動物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の脊椎動物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の無脊椎動物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の無脊椎動物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の哺乳動物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知の哺乳動物配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知のヒト配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知のヒト配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知のウイルス、細菌、微生物および/または酵母の配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースへの参照によって決定される場合)から別個であるように設計および/または選択された配列を有する。例えば、いくつかの実施形態において、エレメントBは、任意のおよび全ての公知のウイルス、細菌、微生物および/または酵母の配列(例えば、配列情報の利用可能なデータベースを参照することによって決定される場合)に対して1%、2%、3%、4%
、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはその間の任意のパーセンテージの値に等しいかまたはこれらの値未満の相同性または同一性を有するように設計および/または選択された配列を有する。配列情報の公的に利用可能なデータベースとしては、例えば、GenBank(ncbi.nlm.nih.gov/genbank)が挙げられるが、これらに限定されない。代わりにまたはさらに、いくつかの実施形態において、エレメントBは、およそ35~65%、およそ40~60%、およそ45~55%、またはおよそ50%のG/C含有量によって特徴付けられる配列を有するように設計および/または選択された配列を有する。
いくつかの実施形態において、A、B、および/またはCのうちのいずれかまたは全ては、ひとの手という行為を通じて化学合成されるという点で、合成エレメントであるかまたは合成エレメントを含む。いくつかの実施形態において、このような化学合成は、ポリメラーゼ酵素を利用しない。いくつかの実施形態において、このような化学合成は、ポリメラーゼ酵素を利用するが、細胞の状況にはない、そして/またはポリメラーゼ酵素を天然に生成する細胞の状況にはない。いくつかの実施形態において、このような化学合成は、天然に存在する酵素の改変体であるおよび/またはポリメラーゼが天然で機能するもの以外の状況で(例えば、インビトロで、エキソビボで、天然のテンプレート核酸の非存在下で、標識の存在下でなど)利用される、ポリメラーゼ酵素を利用する。
本開示によって提供される1つの見通しは、多くの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのエレメントA、B、および/またはCに含まれる配列の正確な同一性が、記載されるタグの全体構造によって提供される利益を達成するために決定的でなくてもよいことである。すなわち、いくつかの実施形態において、本開示は、種々の特定の配列のうちのいずれかが、本明細書で記載されるとおりの望ましい反復ユニット構造の高分子量タグをアセンブリするために、本明細書で提供されるガイドラインに従って、A、B、およびCエレメントとして利用され得ることを企図する。
従って、本開示は、構造:X-[A-B-C]-Y
の高分子量核酸タグの有用性および予測外の利点を教示し、示す。ここでXおよびYは、選択肢的であり、A、B、およびCは、本明細書で記載されるとおりである。多くの実施形態において、タグ内の各「A」は、そのタグ内の互いの「A」と同一である;タグ内の各「B」は、タグ内の互いの「B」と同一である;そしてタグ内の各「C」は、タグ内の互いの「C」と同一である。その結果、そのタグは、真に同一の反復ユニットの構造を有する。しかし、本明細書で記載される場合、本開示の一局面は、エレメント内の正確な配列同一性の厳格な定義が本明細書で記載されるとおりの有効なかつ有用なタグ化のために必要とされなくてもよいという見通しである。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのタグは、各々のおよびあらゆる反復ユニットが、あらゆる他の単位と完全に同一でない場合ですら、なお有効であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、タグ内の1もしくはこれより多くの「B」エレメントは、変動し得る。いくつかの実施形態において、1もしくはこれより多くのAまたはCエレメントは、変動し得るが、一般に、単一のタグ内の全てのAおよびCエレメントは、これらが匹敵するかまたは同一の長さの増幅生成物を生成するために、同じプライマーセットとハイブリダイズして伸長を可能にし得る(それらの間のBエレメントが、このような匹敵することまたは同一性を担保するために適切な長さのものであることをも要求する)という点で適合性であることは好ましい。従って、例えば、本明細書で記載されるとおりの有用なタグが、構造:
X-A-B-C-Aii-Bii-Cii-Aiii-Biii-Ciii- ... -A-B-C-Y、および/または
X-[A-B-Cni-[Aii-Bii-Ciinii-[Aiii-Biii-Ciiiniii- ... [A-B-Cnn
を有し得ることは考えられる。
ここで本明細書に記載されるパラメーターに従って、各Aは、あらゆる他のAと必ずしも同一ではなく、各Bは、互いのBと必ずしも同一ではなく、そして/または各Cは、互いのCと必ずしも同一ではなく(そして/または各nは、互いのnと等しくてもよいし等しくなくてもよい)。しかし、多くのまたは大部分の実施形態において、各Aは、あらゆる他のAと同一であり、各Bは、互いのBと同一であり、そして/または各Cは、互いのCと同一である。
いくつかの実施形態において、A、B、および/またはCのうちのいずれかまたは全ては、特定の参照配列に対して選択またはモデル化されないという点で、「ランダム」または「合成」と考えられる配列を有する。多くの実施形態において、エレメントA、B、および/またはCとして含まれる正確な配列は、コンピューターに入力するかまたは本明細書で記載されるとおりの設計ガイドラインを別の方法で実施することによって設計され得る(例えば、AおよびCは、適合性のプライマーハイブリダイゼーション部位を含み、Bは、A、B、およびCと一緒に、本明細書で記載されるとおりのタグの「ユニット」であるように適切な長さおよび機能的特徴のユニットを形成するために、直接関連する範囲内のGC含有量を有する)。いくつかの実施形態において、「ランダム」または「合成」配列は、特定のサンプルまたは目的のサンプルセット中で見出される(または見出されると予測される)他の核酸と、バックグラウンドを超えてハイブリダイズしない(またはハイブリダイズしないと推測される)という点で特徴付けられる;いくつかの実施形態において、このようなランダムまたは合成配列は、これが添加され得るサンプルを「特有に」マークする(例えば、標識する)ことができると考えられる。このようなマークする工程は、他の処理および/または分析を受けることがあれば、および受けるときに、そのサンプルの容易な同定およびまたは特徴付けを可能にし得る。
いくつかの実施形態において、タグは、1もしくはこれより多くのリンカーエレメントを(例えば、1もしくはこれより多くのユニット内に、全てのユニット内に、および/または末端のユニットと存在し得る任意のXもしくはYエレメントとの間に)含む構造を有し得る。一般に、リンカーエレメント、特に、ユニット内リンカーエレメントは、少数の(代表的には、約30個未満、約29個、約28個、約27個、約26個、約25個、約24個、約23個、約22個、約21個、約20個、約19個、約18個、約17個、約16個、約15個、約14個、約13個、約12個、約11個、約10個、約9個、約8個、約7個、約6個、約5個、約4個、約3個、約2個、約1個、約0個)の核酸残基であるか、またはこれら核酸残基を含む。リンカーは、本明細書で記載されるように、リンカーが含まれるか、またはリンカーが付加される、個々のエレメントの、ユニットの、および/またはタグの機能に干渉するべきではない。
いくつかの実施形態において、タグは、本明細書で記載されるとおりのいかなるリンカーエレメントをも含まない(例えば、X-[A-B-C]-Yからなる構造を有する)。
いくつかの実施形態において、タグは、切断部位(例えば、制限部位)を含む配列を有し得る。いくつかの実施形態において、タグは、複数の切断部位を含む配列を有し得る。いくつかの実施形態において、このような切断部位は、全体的に単一のエレメント(例えば、X、Y、A、B、またはCエレメント)内に存在し得る;いくつかの実施形態において、それは、2個の異なる配列エレメントの並置によって形成され得る。
いくつかの実施形態において、比較的長いタグは、調製およびシークエンシングプロトコルの最も広い範囲との適合性を担保するために好ましい。いくつかの実施形態において
、タグがバーコードモチーフ、好ましくは、明確に同定可能であるために十分長いが、少なくとも1個の完全タグ(full tag)、例えば、約100bpよみとりあたりを担保するために十分短いバーコードモチーフを含むことは、望ましい;本明細書で例示されるある特定の実施形態において、20塩基対のバーコードモチーフを利用した。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約6~少なくとも約10000ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも、約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、300、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約6~少なくとも約100個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約8~少なくとも約80ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約8~少なくとも約60ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約10~少なくとも約50ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約10~少なくとも約40ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約10~少なくとも約30ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、バーコードモチーフは、少なくとも約10~少なくとも約20ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、タグは、例えば、正確なスパイキングを可能にするために、標準化された濃度で調製される。スパイクイン 対 テンプレートの質量比が、直接関連する分析(例えば、シークエンシング分析、特に、次世代シークエンシング分析)におけるスパイクイン由来の読み取りのパーセンテージに十分に相関することは、代表的には好ましい。
いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.0001%~少なくとも約10%のサンプルに対するタグの濃度で、サンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.001%~少なくとも約2%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.01%~少なくとも約2%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.1%~少なくとも約2%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約1%~少なくとも約2%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.001%~少なくとも約1%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.01%~少なくとも約1%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。いくつかの実施形態において、タグは、少なくとも約0.1%~少なくとも約1%のサンプルに対するタグの濃度でサンプルへとスパイクされる。ある特定の好ましい実施形態において、サンプルに対するタグの比は、100~100,000のサンプル読み取りあたり、少なくとも約1種のタグ読み取りを生じる。
反復構造を有する高分子量タグの使用は、標的化されたポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」;(例えば、AMPLISEQ))またはハイブリダイゼーションベースの捕捉技術のいずれかを使用してタグにおけるスパイクを捕捉するために、保存された配列(例えば、本明細書で例示されるとおりの配列エレメントAおよびC)の使用を可能にすることは、認識される。
タグのセット
いくつかの実施形態において、本開示は、例えば、複数の別個のサンプルを個々にマークする/標識するために、一緒に(例えば、多重化シークエンシング分析において)利用され得る場合、本明細書で記載されるとおりのタグのセットを提供する。いくつかの実施形態において、セット内の異なるタグは、関連する構造を有する。一例を挙げると、いくつかの実施形態において、セットの中の全てのタグは、共通するAおよび/またはCエレメントを有し得るが、それらのBエレメントにおいて互いとは異なり得る。いくつかのこのような実施形態において、セット内の全てのタグが、匹敵するかまたは同一の長さおよび/またはGC含有量などであるが、異なる正確な配列のBエレメントを有し得る。
例えば、いくつかの実施形態において、提供されるタグのセット(例えば、複数のタグ集団を含む集まり)は、以下の式のセット:
セット1: タグ1、タグ2、 …、タグN
タグ1: X-[A-B-Cn1-Y
タグ2: X-[A-B-Cn2-Y
タグN: X-[A-B-CnN-Y
によって表され得る。いくつかの実施形態において、n1、n2、およびnNは、全て同じである(すなわち、セットの中の全てのタグは、同じ長さを有する);いくつかの実施形態において、n1、n2、およびnNは、匹敵する(すなわち、セットの中の全てのタグは、匹敵する長さを有する)。いくつかの実施形態において、セットの中の異なるタグは、異なる長さを有し得る。
いくつかの実施形態において、上記のように、A、A、およびAは、全て同じである(すなわち、セットの中の全てのタグは、共通する「A」エレメントを有する)、および/またはC、C、およびCは、全て同じである(すなわち、セットの中の全てのタグは、共通する「C」エレメントを有する)。いくつかの実施形態において、各Bは、タグのセット間で互いのBとは異なる。いくつかの実施形態において、各Bは、タグ内の互いのBとは異なっていてもよいし、異なっていなくてもよい。
本明細書で記載されるとおりのセットの中のタグの一般化された構造に従ういくつかの実施形態において、セット内の異なるタグが互いから区別可能であるが、例えば、匹敵する処理条件に曝される場合にサンプルを特有に同定するために、タグとして有効に機能するために十分共通する特性または特徴を共有する限りにおいて、このようなタグは、少なくとも本明細書で記載されるとおりの適用に(例えば、多重シークエンシングのような多重化評価の状況において、が挙げられる)適していることが企図される。
いくつかの実施形態において、セット内のタグは、それらの編集距離と互いに関連している。本開示は、タグが約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30および30超以下の編集距離を設定し、本明細書で記載されるように特に有用であり得るという見通しを提供する。いくつかの実施形態において、タグセットは、下限および上限による境界があり、上限が下限より高い範囲内の編集距離によって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、その下限は2であり、その上限は30であり、そしていくつかの実施形態
において下限による境界がある範囲内のある特定の実施形態において、例えば、AおよびCがタグ間で不変であり、Bが異なるようにされているタグのセットは、有利な特徴としての編集距離の使用が企図される。
本発明は、特に、本明細書で記載されるとおりの制限された編集距離を有するプライマーセットが、核酸サンプルをマークするためにときおり使用される他の技術と比較して、ある特定の利点を示すことを認める。例えば、本明細書で記載されるQuail技術、および他の技術(例えば、Illumina Sequencingプラットフォーム)は、代表的には、短い(例えば、約4~約11の範囲内の)核酸を、サンプルにインデックスを付加する(「インデックス付加バーコード」)ためのバーコードまたはマーカー(または「アダプター」)として利用する。本開示は、処理およびシークエンシングの間の事象が、アダプターの配列に変化をもたらし得、その結果、例えば、バーコード1が、例えば、4という編集距離に起因してバーコード2と誤って同定される(すなわち、3つの変化がバーコード1へともたらされ、バーコード2として同定されている配列のコールを生じる)確率を、このような短いアダプターの使用が増大させるという見通しを提供する。
いくつかの実施形態において、大きな編集距離は、1つのタグを別のタグと誤って同定する確率を低減するように企図される。いくつかの実施形態において、少なくとも約4~少なくとも約15の編集距離が企図される。いくつかの実施形態において、編集距離は、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30である。いくつかの実施形態において、編集距離は、約4~約15の間である。
本発明は、特に、大きな編集距離が他の利用可能な方法を超える利点があることを認識する。いくつかの実施形態において、その大きな編集距離は、潜在的に無限数のタグおよび組み合わせが生成され得るという可能性を許容する。その大きな編集距離に加えて、タグの反復性の性質は、次世代シークエンシングプラットフォームでの単一シークエンシング読み取りでの複数の可変(B)領域の問い合わせを可能にする。このことは、シークエンシングエラーおよび製造エラーに対してさらなる保護を提供し得る。
タグをマークする方法
本発明に従うタグは、いくつかの方法論を使用して生成され得る。いくつかの実施形態において、タグは、2本鎖DNA環のライゲーション、続いて、多重置換増幅(MDA)を介して生成される。いくつかの実施形態において、タグは、図2~5に示される例示的方法に従って生成される。
図2を見ると、タグモノマー200は、上側の鎖202および相補的な下側の鎖202’を含む2本鎖DNAである。一局面において、そのモノマー200は、本明細書で記載されるとおりの式[A-B-C]の少なくとも1個の特有のヌクレオチドタグモノマーを含み得る。モノマー200の上側の鎖202は、5’突出部204を含み、下側の鎖202’は、5’突出部206を含む。本例では、突出部204は、突出部206に相補的である。よって、一方のモノマー200の突出部204は、別のモノマー200の突出部206にアニールされ得、そのアニールされたモノマー200は、一緒に連結され得る。4個のモノマー200の組み合わせの一例は、図2に直線状テトラマー208として示される。その直線状テトラマー208は、2本鎖環状テンプレート210を提供するために環化および連結され得る。顕著なことには、その環状テンプレート210は、モノマー200の複数の反復ユニットを含む。環状テンプレート210は、式X-[A-B-C]-Yを有する高分子量DNAタグ212を提供するために、本明細書で記載される技術のうちの1もしくはこれより多くのような方法を使用して複製され得る。一局面において、nは、モノマーまたは特定のモノマー配列の反復ユニットの数(代表的には少なくとも
2)を表し、XおよびYは、タグ212の末端に対して作製されたさらなる核酸または核酸改変を表す。
いくつかの実施形態において、タグは、小さな1本鎖DNA(ssDNA)環(例えば、テンプレート332、図3)を形成し、続いて、多重置換増幅(MDA)を行うために連結される、ランダムまたは特異的タグモノマーオリゴヌクレオチドを使用して生成される。いくつかの実施形態において、タグは、図3A、図3B、および図4に示される例示的方法に従って生成される。いくつかの実施形態において、タグは、複数の工程を含むかまたはこれら工程からなる方法に従って生成される。このような工程は、連続してまたは同時に起こり得、工程は、単一の工程へと合わせられ得、例えば、いくつかの実施形態において、第1の工程および第2の工程は、工程1、続いて工程2のような順序で行われ得るのに対して、いくつかの実施形態において、第1の工程および第2の工程は、単一の工程内で行われ得る。いくつかの実施形態において、第1の工程は、特異的タグの配置または縮重タグの限界希釈物のプレートへの配置を含むか、またはこれら配置からなる。
図3Aを参照すると、タグを生成するための一例である方法300は、特有のB領域またはバーコード配列を有する1本鎖DNA(ssDNA)タグモノマーを調製する工程302を包含する。工程304において、そのタグモノマーは、例えば、マルチウェルプレート(例えば、標準的な96ウェルプレート)へとアレイ状にされる。その後、ssDNAタグモノマーの各々は、工程306において環化され得、工程308において増幅され得る。工程310において、その環化されたタグモノマーの増幅は、例えば、蛍光ベースの定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)または別の適切な技術を使用してモニターされ得る。一局面において、品質管理手段として増幅をモニターして、タグモノマーのうちのどれが成功裡に増幅された可能性があるかを決定することは有用であり得る。工程312において、工程308において増幅から生成された生成物は、成功裡の増幅をさらに確認しかつタグの各々がタグまたはタグモノマーの別のもので汚染されなかったことを担保するために、シークエンシングされ得る。種々の品質管理手段に合格したそれら生成物は、工程314においてさらなる使用のために選択され得る。
図3Bを参照すると、方法300の一実施形態は、式[A-B-C]を有するssDNAモノマー316で始まる。そのモノマー316は、i)モノマー316に特有であるヌクレオチドバーコード配列を有するB領域318、ii)異なるモノマー316の間で保存されているヌクレオチド配列を有するA領域320、およびiii)異なるモノマー316の間で保存されているヌクレオチド配列を有するC領域322を含む。いくつかの実施形態において、A領域320のヌクレオチド配列は、C領域322のヌクレオチド配列とは異なり得る。
複数の異なるモノマー324(これは、モノマー316を含み得る)は、適切な物品(例えば、マルチウェルプレート326)へとアレイ状にされ、その結果、そのマルチウェルプレートの各ウェルが、異なるモノマー324の1個のモノマーを受容する。一局面において、確率論的アプローチがとられ得、それによって、モノマー324は、マルチウェルプレート326の各ウェルが、モノマー324のうちの0個または1個のいずれかを受容して、いずれか1個のウェルがモノマー324のうちの1個より多くを受容することを妨げるように希釈される。別の局面において、指向性のアプローチがとられ得、それによって、マルチウェルプレート326の各ウェルに、異なるモノマー324のうちの1個が直接提供され得る。例えば、その異なるモノマー324は、マルチウェルプレート326の各ウェルの中で、各ウェルがモノマー324のうちの異なる1個を含むように直接合され得る。
モノマー324をマルチウェルプレート326へとアレイ状にした後に、ブリッジオリ
ゴ328は、次いで、マルチウェルプレート326のウェルの各々へと添加され得る。そのブリッジオリゴ328は、モノマー324の各々にアニールして、環状構築物330を形成し得る。本例において、例となる環状構築物330は、モノマー316を含み、ここでモノマー316の末端は、ブリッジオリゴ328の配列と比較して、モノマー316の末端の間にニックは存在するがヌクレオチドギャップは存在しないように、ブリッジオリゴ328に各々ハイブリダイズされる。この構成において、モノマー316の末端は、一緒に連結されて、環状テンプレート332を提供し得る。そのテンプレート332は、次いで、テンプレート332の配列に相補的な複数の連続する反復配列を有する長いssDNA 334を提供するために、例えば、MDAを使用して増幅され得る。第2鎖合成およびssDNA 334のその後の増幅は、本開示に従う高分子量2本鎖DNA(dsDNA)を提供するために、逆方向プライマー336および正方向プライマー338を通じて達成され得る。一局面において、その得られたタグは、式X-[A-B-C]-Yを有し、ここでnは、モノマーまたは特定のモノマー配列の反復ユニットの数(代表的には、少なくとも2)を表し、XおよびYは、タグの末端に対して作製されるさらなる核酸または核酸改変を表す。
ここで図4を見ると、図3Bに示されるマルチウェルプレート326におけるウェルの各々は、dsDNAタグを生じ得る。所定のウェルが1個の特有のバーコード配列を含むタグを生じたか否かを決定するために、1もしくはこれより多くの品質管理手段がとられ得る。例えば、図3Aおよび図3Bに記載され示される方法は、第1の増幅生成物402、第2の増幅生成物404、第3の増幅生成物406、第4の増幅生成物408、および第5の増幅生成物410を含む複数の増幅生成物400を生じ得る。第1の生成物402、第2の生成物404、および第3の生成物406の各々は、タグの単一のタイプを含む組成物であり、ここでそのタグの各々が同じ特有のモノマー配列を含む(すなわち、そのモノマーが特有のバーコード配列を含む)ことが決定された。例えば、第1の生成物402は、特有のモノマー412を含む反復ユニットを含むのみであり、第2の生成物404は、特有のモノマー414を含む反復ユニットを含むのみであり、そして第3の生成物406は、特有のモノマー416を含む反復ユニットを含むのみである。
場合によっては、図3Aおよび図3Bに記載され示される方法は、2個もしくはこれより多くの異なるモノマーまたはタグで汚染されている生成物を生じ得る。一例では、生成物408は、モノマー414およびモノマー416の両方を含む異種のタグ配列を含むことが決定された。別の例では、生成物410は、少なくとも2種の異なる均質なタグの混合物を含むことが決定された。すなわち、生成物410は、生成物402および生成物404の混合物である。顕著なことには、2種もしくはこれより多くのタグ、2種もしくはこれより多くのモノマー配列、またはこれらの組み合わせを含む不均質の生成物の他の繰り返しは、可能であり得る。さらに、シークエンシングベースの品質管理手段は、さらに(または代わりに)モノマーの各々の信頼性(例えば、欠失、置換、または他の同様のものの合成エラーの存在)を決定するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、縮重は、合成の間に特定のオリゴヌクレオチド位置において全4塩基(A、T、G、C)の組み込みを可能にする方法で合成されるオリゴヌクレオチドの混合物を含む:
例えば、ACGCGACGNNNNNNTGGGACGAは、縮重として特徴付けられるべき基準を満たす。例示された配列でのオリゴヌクレオチド合成は、6個の連続する縮重ヌクレオチドの存在および4種の異なる塩基(すなわち、A、T、G、およびC)の使用に起因して、4のオリゴヌクレオチドを生じる。
いくつかの実施形態において、第2の工程は、ブリッジオリゴヌクレオチドをアニールして、タグオリゴヌクレオチドを環化し、次いで、ニックを連結する工程を包含するかま
たはこの工程からなる。いくつかの実施形態において、第3の工程は、MDAを鎖置換ポリメラーゼ(例えば、phi29(φ29)DNAポリメラーゼまたはBst DNAポリメラーゼ)で行う工程を含むかまたはこの工程からなる。このようなポリメラーゼの使用は、このようなポリメラーゼの校正特徴および高信頼性の性能に起因して有利であることが企図される。いくつかの実施形態において、第4の工程は、少なくとも1種のMDA生成物の次世代シークエンシングによってタグ同一性および純度を確認する工程を含むかまたはこの工程からなる。
いくつかの実施形態において、タグは、ロングレンジPCRを使用して生成される。いくつかの実施形態において、タグは、図5Aおよび図5Bに示される例示的方法に従って生成される。いくつかの実施形態において、提供されるタグは、校正活性を有する高信頼性のDNAポリメラーゼ(例えば、φ29)を使用して生成される。
図5Aを見ると、タグを生成するための一例である方法500は、特有の1本鎖DNA(ssDNA)モノマーを調製する工程502を包含する。工程504において、そのモノマーは、例えば、マルチウェルプレート(例えば、標準的な96ウェルプレート)へとアレイ状にされる。その後、そのssDNAモノマーの各々は、工程506において増幅され得る。次いで、その増幅されたタグモノマーは、末端から末端への様式で一緒に連結されて、工程508において個々のタグモノマーから構成されるマルチマーを提供し得る。工程508は、そのタグマルチマーを(例えば、ライゲーションを介して)環化して、環状テンプレートのセットを提供する工程をさらに包含し得る。一局面において、そのライゲーションおよび環化は、1つの協奏反応工程において起こり得るのに対して、別の局面において、そのライゲーションおよび環化は、連続的反応工程において起こり得る。工程510において、その環化生成物は増幅され得、その環化したマルチマーの増幅は、例えば、蛍光ベースのqPCRまたは別の適切な技術を使用してモニターされ得る。一局面において、品質管理手段として増幅をモニターして、そのモノマーのうちのどれが成功裡に増幅された可能性があるかを決定することは、有用であり得る。工程512において、工程510における増幅から生じた生成物は、成功裡の増幅をさらに確認しかつそのタグの各々がタグもしくはモノマーの別のもので汚染されなかったことを担保するために、シークエンシングされ得る。種々の品質管理手段に合格したそれら生成物は、工程514におけるさらなる使用のために選択され得る。
図5Bを参照すると、方法500の一実施形態は、式[A-B-C]を有するssDNAモノマー516で始まる。そのモノマー516は、i)モノマー516に特有のヌクレオチドバーコード配列を有するB領域518、ii)異なるモノマー516の間で保存されているヌクレオチド配列を有するA領域520、およびiii)異なるモノマー516の間で保存されているヌクレオチド配列を有するC領域522を含む。いくつかの実施形態において、A領域520のヌクレオチド配列は、C領域522のヌクレオチド配列とは異なり得る。
複数の異なるモノマー524(これらは、モノマー516を含み得る)は、適切な物品(例えば、マルチウェルプレート526)へと、そのマルチウェルプレートの各ウェルが、異なるモノマー524のうちの1個を受容するようにアレイ状にされる。一局面において、確率論的アプローチがとられ得、それによって、そのモノマー524は、マルチウェルプレート526の各ウェルが、そのモノマー524のうちの0個または1個のいずれかを受容して、任意の1個のウェルがモノマー524のうちの1個より多くを受容することを妨げるように、希釈される。別の局面において、指向性のアプローチがとられ得、それによって、マルチウェルプレート526の各ウェルには、異なるモノマー524のうちの1個が直接提供され得る。例えば、その異なるモノマー524は、マルチウェルプレート526の各ウェルにおいて、各ウェルがモノマー524のうちの異なる1個を含むように
直接合成され得る。
モノマー524をマルチウェルプレート526へとアレイ状にした後、プライマー528のセットは、次いで、マルチウェルプレート526のウェルの各々に添加され得る。プライマー528は、モノマー524の各々にアニールして、モノマー524の複数のコピーを形成し得る。本例において、モノマー516は、プライマー528によって増幅されると示される。そこで2本鎖モノマー516’のコピーは、次いで、一緒に連結されて、そのモノマー516’のモノマーの複数のコピーから構成される中間の直線状構築物530を形成し得る。その直線状構築物530は、環化および連結されて、モノマー516’の多くの反復ユニットを含む環状2本鎖テンプレート532を提供し得る。テンプレート532は、次いで、テンプレート532の複数の連続反復配列を有する長いssDNAタグ534を提供するために、例えば、MDAを使用して増幅され得る。その結果、タグ534は、式X-[A-B-C]-Yを有する。一局面において、nは、モノマーまたは特定のモノマー配列の反復ユニットの数(代表的には、少なくとも2)を表し、そしてXおよびYは、タグ534の末端に作製されるさらなる核酸または核酸改変を表す。
いくつかの実施形態において、スパイクインタグは、サンプルインデックス付加バーコードクロストークを決定および較正するために使用される。例えば、サンプルインデックス付加バーコード(例えば、Illuminaシークエンシングプラットフォームでは、インデックスとしても公知であり、これは、例えば、24個の別個のインデックスを有し得る)は、代表的には、シークエンシング分析処理の一部として含まれる。そのインデックスは、サンプル特異的インデックスに基づいて、得られる配列のその後の分割とともに、混合物としての複数のライブラリーを同時にシークエンシングするために使用される。このようなバーコードはしばしば、インデックス付加バーコード間の編集距離が小さいように、短い長さの核酸から構成される。このことは、所定のバーコードが、処理の間の累積シークエンシング変化に起因して、別のバーコードと誤って同定され得る統計的確率を増大させる。本発明に従うスパイクインタグは、配列分析に関するこの問題を克服および/または較正するために有用である。
いくつかの実施形態において、本発明に従うタグは、限界希釈で調製され、ここで限界希釈の使用は、縮重オリゴヌクレオチドを含み、このような希釈は、ほぼ完全に特有のバーコード(例えば、これまでにシークエンシングしたことがあるあらゆるサンプルに関して1つの特有のタグシグネチャー)の生成を可能にする。
いくつかの実施形態において、縮重オリゴヌクレオチドの使用は、単一のオリゴヌクレオチド合成で多くの特有のオリゴヌクレオチドの生成を可能にする。他の公知の方法と比較して、本発明は、縮重オリゴヌクレオチドおよび限界希釈の使用によって、コストおよび労働節約手段のような利点を提供することは、認識される。配列NNNNのオリゴヌクレオチドに関して一例を与えるために、4(すなわち、256)のオリゴヌクレオチドが、混合物中に生成される。次いで、限界希釈アプローチを使用して、わずかおよそ1個のオリゴヌクレオチド/ウェルへと希釈すると(例えば、ウェルプレート形式を使用すれば)、4 オリゴヌクレオチドが、4の合成を行う必要なしに得られ得る。
当業者は、本開示を読めば、提供されるタグが、種々のアッセイのうちのいずれかにおいて、このようなアッセイのための種々のプラットフォームのうちのいずれかとともに利用され得ることを認識する。特に、提供されるタグは、任意のハイスループット(例えば、NGS)シークエンシングプラットフォームにおいて有用である。さらになお、提供されるタグは、長い読み取りのシークエンシング適用(例えば、PACBIO、OXFORD NANOPORE、GENIA)において有用である。
コンビナトリアルサンプルタグ化
いくつかの実施形態において、コンビナトリアルサンプルタグ化は、本発明に従って使用される。いかなる特定の理論にも拘束されることは望まないが、384程度の少なさのタグとともに、およびサンプルあたり3種もしくは4種のタグを使用すると、サンプルあたり3種および4種のタグの各々が可能にした特有の組み合わせは、C(384,3)=9,363,584およびC(384,4)=891,881,376の特有の組み合わせであることは、可能である。いくつかの実施形態において、このような組み合わせは、その施設を通じて移動するあらゆるサンプルを特有にタグ化するためのシークエンシングコアを可能にする。さらに、384種のタグの別のセットと組み合わせると、地球上のあらゆる個体を特有にタグ化することが可能である。
キット
本発明はまた、本発明に従う少なくとも1種のタグを含む1もしくはこれより多くの容器を有するパッケージユニットを含むキット形式を企図する。いくつかの実施形態において、キットは、タグ再構成または希釈に使用される種々の試薬の容器を含む。いくつかの実施形態において、キットは、例えば、PCR、処理および/またはシークエンシング分析のために使用される種々の試薬の容器を含む。いくつかの実施形態において、キットはまた、緩衝液、説明書、およびコントロールのうちの少なくとも1もしくはこれより多くを含み得る。
タグの使用法
本発明に従うタグのための種々の使用は、企図される。いくつかの実施形態において、サンプルは、サンプルと少なくとも1種もしくはこれより多くのタグとを接触させることによってタグ化される。いくつかの実施形態において、ゼロまたは少なくとも1種もしくはこれより多くのタグが、サンプル収集の前、間、または直後に、サンプルを含む容器へとスパイクインされる。いくつかの実施形態において、ゼロまたは少なくとも1種もしくはこれより多くのタグが、処理の前、間、または後に、サンプルへとスパイクインされる。いくつかの実施形態において、0、1種もしくはこれより多くのタグが、分離前または分離後にサンプルへとスパイクインされる。いくつかの実施形態において、0、1種もしくはこれより多くのタグが、精製前または精製後にサンプルへとスパイクインされる。いくつかの実施形態において、0、1種もしくはこれより多くのタグが、下流の処理および/または分析が起こっている容器へとスパイクインされる。いくつかの実施形態が、シークエンシングエラーを決定および較正するための手段として、合成のスパイクインタグの使用を可能にし得ることは、認識される。このような決定および較正は、例えば、公知配列および可変配列の高い信頼性の生成に基づき、ここでミスマッチが配列の後ろに、観察された配列アラインメントと予測された配列アラインメントとの間に観察される場合、このようなミスマッチが、サンプルを分析するために使用されるシークエンシングプロセスの化学および/または塩基コーリングに起因し得ると高い信頼度で決定され得ることを合理的に確信し得る。
本発明は、例えば、タグの反復ユニット配置の利益が、所定のサンプルへとスパイクされたタグのパーセンテージが小さくても、各タグの多くコピーが分析、例えば、シークエンシングされるということを含むことを認識する。
いくつかの実施形態において、エラー較正は、例えば、シークエンシングプロセスが冒すエラーの特定のシステム上のタイプ、例えば、G>C変異が、SNPコーリングアルゴリズムを、偽陽性結果のこのタイプに対して重み付けする統計モデルの開発における使用を可能にする場合に、使用され得る。
いくつかの実施形態において、タグ配列は、特定のDNAモチーフ/配列タイプ(例え
ば、反復、ヘアピンなど)をシークエンシングする際にシークエンシングプロセスがどの程度良好か、または分析プラットフォームにおける参照配列(例えば、IlluminaシークエンシングにおけるphiXゲノム)の使用を評価するために使用され得る。本発明の合成配列が、既知の生物のゲノムに由来するコントロールを使用するプラットフォームに対する比較において使用することに関する利点を提供することは、認識される。
以下の実施例は、例証であることが意味されるのであって、限定するとは如何様にも意図されない。
実施例1:高分子量(HMW)タグの生成
高分子量2本鎖DNAタグを、以下で記載される成分および方法論を使用して生成した。
単一の規定された60マーのDNAオリゴを、プライミング不変区分(領域A)および(領域C)ならびにタグ領域(領域B;タグ1またはタグ2のいずれかとしてマークした)で設計した。異なるスパイクインタグを生成するために使用されるオリゴを、同一の不変領域AおよびCを有するが、異なるタグまたはB領域を有するように設計した(すなわち、タグ1およびタグ2)。
タグ1 B領域を含む第1のオリゴ(RCA_タグ_1)は、以下の配列を有した:
RCA_タグ_1:
Figure 0007332733000001

この第1のオリゴ(配列番号1)は、以下の配列を有するA領域、B領域、およびC領域を含んだ:
Figure 0007332733000002
タグ2 B領域を含む第2のオリゴ(RCA_タグ_2)は、以下の配列を有した:
RCA_タグ_2:
Figure 0007332733000003

この第2のオリゴ(配列番号5)は、上記第1のオリゴ(配列番号1)のA領域(配列番号2)およびC領域(配列番号4)を含んだ。しかし、この第2のオリゴは(配列番号5)は、タグ2配列を有する異なるB領域を含んだ:
B領域(タグ2):
Figure 0007332733000004
上記第1のオリゴ(配列番号1)および上記第2のオリゴ(配列番号5)を、以下の配列を有するブリッジオリゴ(RCA_タグ_ブリッジ)を使用して環化した:
ブリッジオリゴ(RCA_タグ_ブリッジ):
Figure 0007332733000005
ニックを連結して、60塩基のssDNA環を作った。
正方向および逆方向プライマー(それぞれ、RCA_PCR_FおよびRCA_PCR_R)、ならびにφ29 DNAポリメラーゼを使用して、そのオリゴをMDAによって増幅した。その正方向および逆方向プライマーは、以下の配列を有した:
正方向プライマー(RCA_PCR_F):
Figure 0007332733000006

逆方向プライマー(RCA_PCR_R):
Figure 0007332733000007
2本鎖であることを、制限酵素HaeIII(認識配列=GGCC)で切断することによって試験した。
上記第1のオリゴ(配列番号1)および上記第2のオリゴ(配列番号5)を個々に合わせ、ブリッジオリゴ(配列番号7)とアニールして、環状構造を形成し(例えば、330、図3B)、そしてT4 DNAリガーゼを使用してニックを連結した。次に、過剰なプライマーRCA_PCR_F(配列番号8)およびRCA_PCR_R(配列番号9)を添加した。上記ブリッジオリゴ(配列番号7)は、φ29または別の鎖置換DNAポリメラーゼを使用して、ssDNA合成をプライムする。
本実施例の方法は、不変領域およびタグ領域を含む反復ユニットを有する長い1本鎖を生じた。例えば、2個の反復ユニット(すなわち、[A-B-C])を含む増幅生成物は、以下の配列を有する:
Figure 0007332733000008
RCA_PCR_Fプライマー(配列番号8)を、その得られたssDNA増幅生成物(例えば、配列番号10)へとアニールしたところ、そのポリメラーゼが逆方向の鎖を合成することが可能になった。この後に、上記RCA_PCR_Rプライマー(配列番号9)は、新たに合成された鎖上でのDNA合成をプライムした。環状テンプレート(配列番号1;配列番号5)、ブリッジオリゴ(配列番号7)、RCA_PCR_F(配列番号8)およびRCA_PCR_R(配列番号9)を一緒に、鎖置換DNAポリメラーゼと合わせると、指数関数的な、等温性の、反復構造を有する長い2本鎖高分子量DNA(例えば、配列番号10)の生成を生じた。
特に、RCA_タグ_1(配列番号1)およびRCA_タグ_ブリッジ(配列番号7)オリゴを、10mM Tris-Cl pH 8.0中に、100pmol/μl(μM)になるように再懸濁して、オリゴストック溶液を提供した。
オリゴストック溶液を、アニーリング緩衝液(10mM Tris-Cl 1mM EDTA、10mM NaCl)で1/100希釈した。
アニーリングを、10μl(400ng、10pmol)のRCA_タグ_1(配列番号1)およびRCA_タグ_ブリッジ(配列番号7)オリゴで、20μl反応容積中で標準的なアニーリング条件(90℃で30秒、続いて、4℃へと0.2℃/秒ずつ低下)を使用して、行った。濃度は、0.5pmol/μlまたは30ng/μlであると計算された。
次の工程では、そのアニールされたオリゴのうちの2μl(60ng)を、KAPA迅速ライゲーションキットを使用して、10μl 2×リガーゼ緩衝液、2μl テンプレート(1pmol)、1μl T4リガーゼ(25U)、7μl 水を含む20μl 反応ミックス中、室温(RT)において15分間で連結した。クリーンアップは行わなかった。テンプレート濃度は、0.05pmol/μl、または3×1010コピー/μlであると計算された。
次に、ライゲーション生成物のうちの1μlを、300μl 10mM Tris-Clへと希釈したところ、1×10コピー/μl(100~200pg/μl)を生じた。
MDAを、以下の工程において詳述されるとおりの環状テンプレートの希釈シリーズを使用して行った。
φ29ポリメラーゼ(New England Biolabs,カタログ番号M0269S)を有する20μl 増幅反応混合物を、以下のとおりに調製した:0.5μl φ29(5U)、2μl 10×φ29緩衝液、0.2μl 100×BSA、10mM
dNTPs(各々、0.4μl~200μM)、1μl 20×KAPA SYBR GREEN染料、水を20μlになるまで。増幅のために、その反応混合物を、合計200読み取りのためのグリーンチャネルを使用して、2分ごとに蛍光測定値を集めながら、30℃で400分間維持した。
プライマーRCA_PCR_F(配列番号8)、RCA_PCR_R(配列番号8)、またはその両方を、その反応物に最終濃度0.5μMになるように添加した。テンプレート反応(NTC)およびプライマーコントロール反応は含めなかった。
増幅を、Qiagen Rotorgene機器でSYBRグリーンを使用してモニターした。その反応を、完了するまで12時間進行させた(図7)。
DNAを、1×Ampure XPビーズを使用して精製し、10mM Tris-Cl中で溶離し、分光光度計(Nanodrop 1000)を使用して定量し、10ng/μlへと正規化した。
得られたDNAのアリコートを、HaeIII制限酵素で消化して、得られたDNAが完全に2本鎖であることを確認した。その消化生成物を、ゲル電気泳動によって分析した(図6)。
MDA反応を完了するまで30℃で進ませると、>3μgの精製した生成物を生じる(数千回ものシークエンシング反応に等価)。
生成物は、アガロースゲル上で高分子量DNAとして移動するようである(ウェル中の大部分の残渣)。
HaeIII制限酵素(反復ごとに1個の部位)で消化したHMW物質は、低分子量物質に分解する。従って、その物質の大部分は、2本鎖DNAであるようである。
NTCは、一晩のインキュベーション後に検出可能な生成物を生じない。
正方向(RCA_PCR_F)および逆方向(RCA_PCR_R)プライマー、ならびに正方向プライマー単独での増幅は、指数関数的である。
連結されていない環状物なしでの反応は、生成物を作製しない。
反応は、3時間後にプラトーに達する。
実施例2:例えば、2つのライブラリーがタグ1でタグ化されたIlluminaプラットフォームのためのシークエンシングライブラリーの生成
実施例1の既知質量のタグ1を、Bordetella pertussis由来の既知質量のゲノムDNA(gDNA)へとスパイクし、Illumina適合ライブラリーを、KAPA Hyper Plusライブラリー調製キットで作製した。
そのスパイクインしたライブラリーをシークエンシングし、それを、タグ1が推定量で検出可能であるか否かを決定した。
タグ1 HMW物質を、10mM Tris-Cl中で、1ng/μlおよび20pg/μlへと希釈した。精製タグ1 MDA生成物を、50ngまたは1ngのBordetella pertussis gDNA(すなわち、それぞれ、1ngおよび20pgのMDA生成物;ライブラリー1および2)へと2質量%で添加した。
スパイクインタグなしのClostridium difficile gDNA由来のライブラリー(50ngおよび1ng)を、同時に構築した(ライブラリー3および4)。
Illumina適合ライブラリーを、KAPA Hyper Plusライブラリー調製キットを使用して作った(製造業者の説明書に従って、DNAの30分間の剪断、続いて、Aテール付加およびアダプターライゲーション)。
ライブラリー調製の後、50ng ライブラリーをPCR増幅なしで使用した一方で、1ng ライブラリーを12サイクルにわたって増幅して、50ng ライブラリーと同量の最終生成物連結ライブラリーを得た。
qPCRを、スパイクイン特異的プライマーRCA_PCR_F(配列番号8)およびRCA_PCR_R(配列番号8)とともにライブラリーに対して行って、スパイクインタグ物質がそのライブラリーの一部になったか否かおよびその増幅したライブラリーがタグ 対 ライブラリーの同じ比を保持したか否かを決定した(図8)。
ライブラリーをプールし、Illumina MiSeqプラットフォームでシークエンシングした。
トリミングされたIllumina配列を、タグ1配列に整列させて、タグ1に由来する読み取りのパーセンテージを決定した(図9)。図9を参照すると、反復する[A-B-C]モノマー配列のA領域は900で、B領域は902で、ならびにC領域は、904aおよび904bで示される。顕著なことには、そのC領域は、そのタグ配列の反復する性質に起因して、図示された読み取りの両方の末端に示される。
4つのライブラリーのシークエンシングの後に、タグ1配列の読み取りを、blastnを使用してマッピングし、タグ1由来読みとりのパーセンテージを計数した。タグ1の数:マッチング読み取りは、以下のとおりであった:
ライブラリー1: 4000読み取り(合計のうちの0.8%)
ライブラリー2: 6500読み取り(合計のうちの1.3%)
ライブラリー3: 0読み取り(合計のうちの0%)
ライブラリー4: 0読み取り(合計のうちの0%)
qPCRは、タグ1 HMW物質の2%でスパイクしたライブラリーが、12サイクルのライブラリー増幅を受けているにも拘わらず、タグ1由来ライブラリー挿入物の等しい割合を保持することを示した(図8)。
脱複合化の後、少なくとも500,000読み取りを、ライブラリー1~4の各々に関して得た。
タグ1由来読み取りは、構造が規則的である。すなわち、その可変領域は、不変領域に隣接している(図9)。
[(不変A領域)-(可変B領域)-(不変C領域)]の反復ユニットの存在は、HMWタグ1 DNAがコンカテマーであることを示した。
タグ1 HMWは、比較的少ないエラーを含み、わずか数個のミスマッチが観察される。これは、シークエンシングエラーに起因させることはできない可能性がある。
一局面において、タグ1 HMW DNAのスパイクインは、配列分析の後にタグ化ライブラリーの同定を可能にした。さらに、タグ1 HMW DNAのスパイクインは、非常に少量(1ng)および多量(50ng)のテンプレートDNAにおいて有効であった。別の局面において、タグ1 DNAを、PCR増幅したNGSライブラリーにおいて保持した。さらに別の局面において、スパイクイン 対 サンプルDNAの質量比は、タグ1
HMW DNAでスパイクしたライブラリーにおいてタグ1に対してマッピングしたIlluminaの短い読み取りのパーセンテージによって反映された。
実施例3:2つの別個のタグをスパイクインして、タグ化サンプルを特有に同定する能力を示す
HMW DNAスパイクインタグを、実施例1に記載されるプロトコルに従ってRCA_タグ_1(配列番号1)およびRCA_タグ_2(配列番号5)から調製し、それによって、それぞれ、スパイクインタグであるタグ1およびタグ2を生じた。タグ1およびタグ2のライブラリーグリッドへのスパイクインは、表1に詳述される実験設計に従って試験した。
Figure 0007332733000009
微生物ゲノムDNAサンプルを、1質量%、0.1質量%および0.01質量%の、DNAタグであるタグ1またはタグ2のいずれかと合わせた。DNAを、音波剪断によって平均サイズ300bpまたは500bpへとフラグメント化し、Illumina適合ライブラリーを、実施例2に記載される手順に従って異なるインデックスとともに構築した。シークエンシングを、Illumina MiSeq機器で行った。各タグにマッチする読み取りの数を、そのシークエンシングしたライブラリーの各々において計数し、結果をパートパーミリオン(ppm)として報告した。
表2および表3は、DNAタグであるタグ1およびタグ2でスパイクしたライブラリーが、それぞれの参照にマッピングされた読み取りの数に基づいて同定できたことを例証する。表2および表3に示される全ての結果は、別段示されなければ、パーセンテージとして示される。さらに、表2および表3の結果は、表1に示される実験設計に相当する。
Figure 0007332733000010
Figure 0007332733000011
この実験において、参照に対する完全なマッチのみを許容した。これは、スパイクイン比と各タグに関して観察された読み取りの数との間の完璧ではない相関を説明する。
タグ1およびタグ2 HMW物質は、スパイクインの異なるパーセンテージにおいて、種々の微生物に由来する全ゲノムシークエンシングライブラリーをタグ化するために成功裡に使用された。
実施例4:複数のポリメラーゼによって生成されるタグの設計およびシークエンシング
さらに14種のタグを設計した。これらタグは、可変領域において>8の編集距離を有する。HMW DNAタグを、φ29 DNAポリメラーゼおよびBst DNAポリメラーゼを使用して、これらタグの部分セットから合成した。これらHMW タグを、Illumina MiSeqプラットフォームを使用してシークエンシングして、純度および配列一致を検証した。それらタグは、以下のモノマー(すなわち、[A-B-C])配列(B領域には下線を付す)を有した:
RCA_タグ_3:
Figure 0007332733000012
RCA_タグ_4
Figure 0007332733000013
RCA_タグ_5
Figure 0007332733000014
RCA_タグ_6
Figure 0007332733000015
RCA_タグ_7
Figure 0007332733000016
RCA_タグ_8
Figure 0007332733000017
RCA_タグ_9
Figure 0007332733000018
RCA_タグ_10
Figure 0007332733000019
RCA_タグ_11
Figure 0007332733000020
RCA_タグ_12
Figure 0007332733000021
RCA_タグ_13
Figure 0007332733000022
RCA_タグ_14
Figure 0007332733000023
RCA_タグ_15
Figure 0007332733000024
RCA_タグ_16
Figure 0007332733000025
φ29およびBst大フラグメント(LF)DNAポリメラーゼで生成したHMW DNAタグを、ゲル電気泳動を使用して分析した(図10)。一般に、φ29およびBst
LF DNAポリメラーゼで生成したHMWタグは、純粋であり(表4)、HMW DNAタグ1、2、4、5、7、11、および13のディープシークエンシング(deep
sequencing)は、その推定される配列に対して非常に良好な一致を示した(図11)。
タグ純度を、φ29またはBst DNAポリメラーゼ生成タグの部分セットをシークエンシングし、その得られたIlluminaの短い読み取りをタグ参照配列にマッピングすることによって測定した。極めて低いレベルの二次汚染が明らかとなった(<0.1%)。これは、インデックス付加バーコードクロストークに起因した(表4)。
Figure 0007332733000026
実施例5:タグの使用をスケールアップする能力を示すための96種のタグの製造
さらなる80種のssDNAオリゴを設計した。これらは、可変領域において>8の編集距離を有する。
HMW DNAタグを、実施例1に記載されるプロトコルに従って、ssDNAオリゴから、Bst DNAポリメラーゼを使用して合成した。合計96種のssDNAオリゴを使用した。これらは、タグ1~16(配列番号1、5、および11~24)および表5に示されるとおりの80種のオリゴのさらなるセット(配列番号28~107)を含んだ。
Figure 0007332733000027

Figure 0007332733000028

Figure 0007332733000029

Figure 0007332733000030

Figure 0007332733000031
表5を参照すると、そのオリゴの各々は、本明細書で記載されるとおりの[A-B-C]モノマー配列形式(B領域には、下線を付す)に付着した。
Illumina適合ライブラリーを、各タグから、KAPA Hyper Plusライブラリー調製キットを使用して作った(製造業者の説明に従って、DNAの30分間の剪断、続いて、Aテール付加およびアダプターライゲーション)。
その96のライブラリーをプールし、Illumina MiSeqプラットフォームでシークエンシングした。
トリミングしたIllumina配列を、タグ配列のコンカテマーに整列させて、そのタグに対して整列させた読み取りのパーセンテージを決定した。そのコンカテマーは、構造X20-[A-B-C]-Y20を含み、ここでX20およびY20は各々、20個の連続した縮重塩基の配列(すなわち、4種の核酸のうちのいずれかの組み合わせ)を表す。
図12を参照すると、真の陽性および偽陰性の分布が、正しいタグ参照配列(真の陽性)および不正確なタグ参照配列(偽陰性)に対して整列させた全タグ読み取りのパーセンテージに基づいて決定された。
脱複合化の後に、少なくとも40,000読み取りを、ライブラリー1~ライブラリー96の各々に関して得た。
正確なタグに対して整列させた読み取りのうちの99%超(メジアン99.9%)(全てのタグ配列にわたって類似の分布を有する)は、それによって、二次汚染なしで使用されるタグの数を増大させるという可能性を示す。さらに、0.5%未満(メジアン0.06%)の偽陰性率は、最小限のクロストークで明確な同定を可能にするために、96種のタグのセットの間には十分な変動性があることを示した。
実施例6:タグ配列へのメチル化ヌクレオチドの組み込み
一局面において、メチル化ヌクレオチドは、タグ配列へと組み込まれ得、これは、種々の適用に有用である。1もしくはこれより多くのメチル化ヌクレオチドを有するタグの一適用は、重亜硫酸シークエンシング(bisulfite sequencing)実験、メチル化DNA免疫沈降(MeDIP)実験、またはこれらの組み合わせに関するスパイクインコントロールを含む。一般に、MeDIPは、精製技術であり、この技術では、サンプルがメチル化DNA配列に関して富化される。従って、1もしくはこれより多くのメチル化ヌクレオチドを有するタグは、メチル化タグの富化と一緒にサンプル中の任意のメチル化配列を提供するために、富化の前にサンプルに添加され得る。
1もしくはこれより多くのメチル化ヌクレオチドを有するタグは、さらに(または代わ
りに)、重亜硫酸シークエンシング実験に有用であり得る。一例では、タグにおけるメチル化ヌクレオチド 対 非メチル化ヌクレオチドの比(すなわち、メチル化比)は、重亜硫酸変換の程度を追跡するために変動され得る。さらに、そのメチル化比は、異なるレベルのメチル化を検出するために必要とされる重亜硫酸変換の量を同定するために、変動され得る。別の例では、異なるタグの組み合わせが提供され得、この場合、その異なるタグの各々は、別個のメチル化比またはメチル化ヌクレオチドの数を有する。一実施形態において、異なるタグの組み合わせは、少なくとも1個のメチル化dCTPを有する第1のタグおよび非メチル化dCTPのみを有する第2のタグ(すなわち、この第2のタグは、メチル化dCTPを含まない)を含む。別の実施形態において、異なるタグの組み合わせは、第2のタグと比較した場合に、少なくとももう1個のメチル化dCTPを有する第1のタグを含み得る。さらに別の実施形態において、異なるタグの組み合わせは、第2のタグと比較した場合に、等しい数のメチル化dCTPを有する第1のタグを含み得る。この場合、その第1のタグは、その第2のタグとは異なるメチル化パターンを有する。その第1のタグおよびその第2のタグが、同じ核酸配列を(しかし異なるメチル化パターンを)有する場合には、その2種のタグの組み合わせは、単一の遺伝子座におけるメチル化の異なるレベルをまね得る。そのメチル化タグは、5-メチル-dCTPを、鎖置換DNAポリメラーゼでの重合工程の間に、dCTPの代わりに(またはこれに加えて)含めることによって本明細書で記載されるように生成できた。
実施例7:1もしくはこれより多くのビオチン化dNTPを有するタグ
別の実施形態において、1もしくはこれより多くのビオチン化dNTPは、ここで記載されるように、タグへと(例えば、重合工程の間に)組みこまれ得る。例えば、ビオチン-16-dUTPは、ビオチン化塩基を含むプライマーを使用することによって、そのタグの合成の間にあるパーセンテージのビオチン化ヌクレオチドを含めることによってなど、およびこれらの組み合わせによって、タグ配列へと組み込まれ得る。ビオチン化タグは、ビオチン-ストレプトアビジンベースの捕捉(例えば、溶液中ハイブリッド捕捉(例えば、米国特許出願公開番号2012/0046175(Rodeschら)を参照のこと)を要するワークフロー中で有用であり得る。別の局面において、ビオチン化塩基をタグに付加することは、タグ精製または操作のために一般に有用であり得る。ビオチン化に加えて(または代わりとして)、タグは、別の同様な結合部分(例えば、ジゴキシゲニン)、または適切な結合部分とともに提供され得る。
実施例8:RNAポリメラーゼプロモーター配列を含むタグ
一実施形態において、タグは、タグの保存された領域のうちの少なくとも1つの中にRNAポリメラーゼプロモーター配列を含むように設計され得る。RNAポリメラーゼプロモーター配列は、真核生物プロモーター配列、原核生物プロモーター配列、古細菌プロモーター配列、合成プロモーター配列、別の同様のプロモーター配列、またはこれらの組み合わせから選択され得る。プロモーター配列を含めることによって、DNAベースのタグをテンプレートとして使用してランオフ転写物を生成するために、RNAポリメラーゼでのRNAベースのタグの合成が可能になり得る。RNAポリメラーゼプロモーター配列を有するタグの一例としては、以下の一般的構造を有するタグが挙げられる:
5’-[RNA-ポリメラーゼ-プロモーター]-[可変領域]-[不変領域]-3’
上記で示されるように、そのタグは、5’から3’方向に以下を含む:i)RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む第1の領域、ii)可変領域を有する第2の領域、およびiii)不変または規定された領域を有する第3の領域。タグを調製するにあたって使用するためのヌクレオチド配列の具体例としては、以下が挙げられる:T7 RNAポリメラーゼプロモーター
Figure 0007332733000032

、可変配列
Figure 0007332733000033

、および不変配列
Figure 0007332733000034

(以下のとおり:
Figure 0007332733000035

)。
ヌクレオチド配列(配列番号27)を、先の実施例で記載されるようにアニールおよび連結して、本明細書で記載されるとおりの鎖置換ポリメラーゼを使用して、長い2本鎖DNA(dsDNA)の生成のために連結された環状テンプレートを提供する。その高分子量dsDNA生成物は、T7 RNAポリメラーゼの基質であり得、それによってそのタグDNAの相当するRNAへの転写を生じる。タグのRNA転写物は、そのタグの反復構造を含み、タグテンプレートの転写に固有の可変ランダムターミネーション(random termination)に起因して、種々の長さのRNA生成物の一般に連続した分布を生じる。
タグのRNA転写物の合成のための一例のアプローチでは、実施例1で生成されるとおりの1μgの高分子量dsDNAを、テンプレートとして、100ユニットのT7 RNAポリメラーゼ、1×T7 RNAポリメラーゼ反応緩衝液(New England Biolabs)、各々0.5mMのATP、CTP、GTP、およびTTP、1ユニットのRNaseインヒビター、ならびに5mM DTTを含む反応において使用し得る。その反応を、37℃で2時間インキュベートし得、その後、得られたRNA転写物を、テンプレートDNAをDNase Iでまず消化し、続いて、RNA転写物をエタノール沈殿させることによって、精製し得る。定量の後、そのタグのRNA転写物を、RNA-seqのためのライブラリー調製の前に、mRNAまたは全RNAを含むサンプルに添加し得る。
実施例9:サンプル収集容器におけるタグの包含
一局面において、本開示に従うタグは、別個に、またはサンプル収集システムの成分として提供され得る。タグがサンプル収集システムの成分として含められる場合、ライブラリー調製前の核酸サンプルへの添加のために、または核酸抽出前に粗製組織サンプルへの添加のために別個の成分としてタグを供給する代わりに、そのタグは、容器(例えば、サンプル収集チューブまたはバイアル)の中に提供され得る。一例では、タグは、収集バイアル(例えば、唾液収集バイアル、血液収集バイアルなど)の中に含められ得る。その収集バイアルは、この中に配置される組成物を既に含む、特有にラベルが付けられた(例え
ば、バーコード付加した)サンプル収集チューブとして提供され得る。この場合、その組成物は、収集バイアル上のラベルに特有または特異的である具体的なタグを含む。サンプル(例えば、血液、組織、唾液など)がそのタグを含む収集バイアルに添加される場合、そのサンプル、および従ってこの中に含まれる任意の核酸物質は、収集時点で消えないように混合され得る。収集時点でそのタグを含めることは、抽出、ライブラリー調製、およびシークエンシングワークフローの間の二次汚染または不正確なタグ割り当ての可能性を低減し得る。さらに別の例では、そのタグは、そのタグを固体収集表面(例えば、血液スポット(ガスリー)カード、口腔スワブ器具など)上に吸着させることによって、収集器具と組み合わせて提供される。
(均等物)
当業者は、慣用的実験法のみを使用して、本明細書で記載される発明の具体的実施形態に対する多くの均等物を認識するかまたは確かめ得る。本発明の範囲は、上記の説明に限定されるとは意図されないが、むしろ以下の特許請求の範囲に示されるとおりである。

Claims (15)

  1. 合成核酸タグを作製する方法であって、
    前記合成核酸タグを設計する工程:
    ここで該タグの核酸配列は、構造A-B-Cの複数の反復ユニットを含み、
    該合成核酸タグは、式:X-[A-B-C]-Yによって表される全体構造を有し、
    ここで該合成核酸タグは、該構造A-B-Cのn回反復を含み、該nは、少なくとも2であり、
    ここで該Aおよび該Cは、各々少なくとも8個の核酸の長さであり、かつ該Aおよび該Cは、同じ長さおよび異なる長さのうちの一方であり、
    ここで該Bは、少なくとも8個の核酸を含むものであり、
    ここで該合成核酸タグは、Xのi回反復を含み、
    ここで該合成核酸タグは、Yのj回反復を含み、
    ここで該Xは、該C、別の核酸、および核酸改変のうちの少なくとも1つであり、
    ここで該Yは、該A、別の核酸、および核酸改変のうちの少なくとも1つであり、
    ここで該Bは、BLASTNを参照することによって決定される、分析のための直接関連するサンプル中で見出される任意の配列とハイブリダイズしない配列を有し、そして、
    該Bは、前記タグ中の個々のBエレメント間に少なくとも8の編集距離を担保するために十分な長さを有するものであり、
    該Bは、配列番号3もしくは6で示される下記の核酸配列:
    Figure 0007332733000036
    または、下記の配列番号11~24もしくは28~107で示される配列の下線を付した核酸配列:
    Figure 0007332733000037
    Figure 0007332733000038
    Figure 0007332733000039
    Figure 0007332733000040
    Figure 0007332733000041
    Figure 0007332733000042
    であり、
    ここで該iおよび該jは、1~100から独立して選択される整数であり、
    AおよびCの各々は、そこにハイブリダイズされるプライマーが伸長され得るという点で、少なくとも1個のプライマーランディングパッド配列エレメントを含み、
    さらにここでAおよびCは、逆方向性のプライマーが、AおよびCの両方に同時にハイブリダイズし得、その結果増幅生成物が、該ハイブリダイズしたプライマーの伸長によって生成されるという点で、互いと適合性であるヌクレオチド配列を有する、
    を含む、前記方法。
  2. 該タグのうちの少なくとも一部は、2本鎖である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記タグは、少なくとも1個のメチル化ヌクレオチドを含む、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記タグは、少なくとも1個の結合部分を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記タグは、RNAポリメラーゼのための少なくとも1個のプロモーター配列を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記タグは、収集容器の中に配置されるか、および収集器具の表面上に吸着されるかのうちの一方である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 複数の核酸分子タグを含むキットを作製する方法であって、
    前記核酸分子タグを設計する工程:
    ここで該タグの各々は、式:X-[A-B-C]-Yによって表される核酸配列を有し、
    ここで該合成核酸タグは、構造A-B-Cのn回反復を含み、該nは、少なくとも2であり、
    ここで該Aおよび該Cは、各々少なくとも8個の核酸の長さであり、かつ該Aおよび該Cは、同じ長さおよび異なる長さのうちの一方であり、
    ここで該Bは、少なくとも8個の核酸を含むものであり、
    ここで該合成核酸タグは、Xのi回反復を含み、
    ここで該合成核酸タグは、Yのj回反復を含み、
    ここで該Xは、該C、別の核酸、および核酸改変のうちの少なくとも1つであり、
    ここで該Yは、該A、別の核酸、および核酸改変のうちの少なくとも1つであり、
    ここで該Bは、BLASTNを参照することによって決定される、分析のための直接関連するサンプル中で見出される任意の配列とハイブリダイズしない配列を有し、そして、
    該Bは、前記タグ中の個々のBエレメント間に少なくとも8の編集距離を担保するために十分な長さを有するものであり、
    該Bは、配列番号3もしくは6で示される下記の核酸配列:
    Figure 0007332733000043
    または、下記の配列番号11~24もしくは28~107で示される配列の下線を付した核酸配列:
    Figure 0007332733000044
    Figure 0007332733000045
    Figure 0007332733000046
    Figure 0007332733000047
    Figure 0007332733000048
    Figure 0007332733000049
    であり、
    ここで該iおよび該jは、1~100から独立して選択される整数であり、
    AおよびCの各々は、そこにハイブリダイズされるプライマーが伸長され得るという点で、少なくとも1個のプライマーランディングパッド配列エレメントを含み、
    さらにここでAおよびCは、逆方向性のプライマーが、AおよびCの両方に同時にハイブリダイズし得、その結果増幅生成物が、該ハイブリダイズしたプライマーの伸長によって生成されるという点で、互いと適合性であるヌクレオチド配列を有する、
    を含む、前記方法。
  8. 前記キット中の異なるタグは、
    各タグは、同一なA配列エレメントを有し;
    各タグは、同一なC配列エレメントを有し;そして
    各タグは、該キット中の他のタグの各々のものとは異なるB配列エレメントを有する、
    という点で互いに構造的に関連している、請求項7に記載の方法。
  9. サンプル収集チューブをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記複数の核酸分子タグのうちの少なくとも一部は、少なくとも1個のメチル化ヌクレオチドを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記複数の核酸分子タグのうちの少なくとも一部は、少なくとも1個の結合部分を含む、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記結合部分は、ビオチンである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記複数の核酸分子タグのうちの少なくとも一部は、RNAポリメラーゼのための少なくとも1個のプロモーター配列を含む、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記プロモーター配列は、真核生物プロモーター配列、原核生物プロモーター配列、古細菌プロモーター配列、合成プロモーター配列のうちの少なくとも1つから選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記複数の核酸分子タグは、収集容器の中に配置されるか、または収集器具の表面上に吸着されるか、のうちの一方である、請求項7~14のいずれか1項に記載の方法。
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