JP7330876B2 - 位置検出方法、制御装置及びロボットシステム - Google Patents

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Description

本開示は、位置検出方法、制御装置及びロボットシステムに関する。
従来から、ロボットと作業対象物との位置関係をロボットに教示することが行われている。例えば、特許文献1は、触覚センサを用いて作業環境内の位置をロボットに教える方法を開示している。上記ロボットは、アームのエンドエフェクタにタッチ感応面を含む触覚センサデバイスを有する。ロボットはタッチ感応面を対象物に接触させ、触覚センサデバイスはタッチ感応面に対する接触位置を示す信号を発生する。さらに、発生した信号を含む情報を用いて、作業環境に接触する位置がロボットに教示される。
特表2006-503721号公報
特許文献1では、ロボットと作業対象物との位置関係を検出するために、タッチ感応面を含む触覚センサデバイスが用いられる。高い位置精度が求められると、高精度な触覚センサデバイスが必要となり、コスト増加及び設備の複雑化が生じる。さらに、触覚センサデバイスが取り付けられた状態でロボットが作業を行うと、触覚センサデバイスの精度が低下し校正が必要になる可能性がある。よって、上記検出のための作業が複雑になる。
本開示は、ロボットと対象物との位置関係の検出を簡易にする位置検出方法、制御装置及びロボットシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る位置検出方法は、アームを備えるロボットの対象物に対する位置を検出する位置検出方法であって、(a)前記アームに、前記対象物に配置された少なくとも2つの被検出部のうちの第1被検出部に対して、水平方向での側方に、前記アームに配置された接触部を位置させることと、(b)前記アームに、前記接触部を前記側方に移動させ、前記第1被検出部の表面の少なくとも3箇所に前記接触部を接触させることと、(c)前記少なくとも3箇所それぞれでの接触時の前記接触部の前記ロボットに対する位置を検出することと、(d)検出された前記接触部の少なくとも3つの位置を用いて、前記ロボットに対する前記第1被検出部の位置を検出することと、(e)前記少なくとも2つの被検出部のうちの前記第1被検出部以外の前記被検出部についても、処理(a)~(d)と同様の処理を行うことと、(f)前記ロボットに対する前記少なくとも2つの被検出部の位置と、前記対象物に対する前記少なくとも2つの被検出部の位置とを用いて、前記対象物に対する前記ロボットの位置を検出することとを含む。
本開示によれば、ロボットと対象物との位置関係の検出を簡易にすることが可能になる。
実施の形態に係るロボットシステムの構成の一例を示す図 実施の形態に係るロボットの構成の一例を示す側面図 実施の形態に係るエンドエフェクタの構成の一例を示す側面図 検知穴を有する部材の一例を示す平面図 実施の形態に係る制御装置及びその周辺の構成の一例を示すブロック図 実施の形態に係る制御装置の機能的構成の一例を示すブロック図 実施の形態に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャート 実施の形態に係る挿入体の検知穴内での移動動作の一例を示す平面図 実施の形態に係る挿入体の検知穴との3つの接触状態の一例を示す平面図 実施の形態に係るロボットシステムの動作の別の一例を示すフローチャート 実施の形態の変形例に係る接触部と被検出部との接触状態の一例を示す平面図
まず、本開示の各態様例を説明する。本開示の一態様に係る位置検出方法は、アームを備えるロボットの対象物に対する位置を検出する位置検出方法であって、(a)前記アームに、前記対象物に配置された少なくとも2つの被検出部のうちの第1被検出部に対して、水平方向での側方に、前記アームに配置された接触部を位置させることと、(b)前記アームに、前記接触部を前記側方に移動させ、前記第1被検出部の表面の少なくとも3箇所に前記接触部を接触させることと、(c)前記少なくとも3箇所それぞれでの接触時の前記接触部の前記ロボットに対する位置を検出することと、(d)検出された前記接触部の少なくとも3つの位置を用いて、前記ロボットに対する前記第1被検出部の位置を検出することと、(e)前記少なくとも2つの被検出部のうちの前記第1被検出部以外の前記被検出部についても、処理(a)~(d)と同様の処理を行うことと、(f)前記ロボットに対する前記少なくとも2つの被検出部の位置と、前記対象物に対する前記少なくとも2つの被検出部の位置とを用いて、前記対象物に対する前記ロボットの位置を検出することとを含む。
上記態様によると、各被検出部について、少なくとも3箇所それぞれでの接触時の接触部のロボットに対する位置を検出することで、ロボットに対する各被検出部の位置が検出される。さらに、ロボットに対する各被検出部の位置を用いて、対象物に対するロボットの位置が検出される。上記のような位置の検出は、ロボットのアームへの接触部の配置と、上記のようなロボットの動作とによって実現可能である。よって、ロボットと対象物との位置関係の検出が簡易になる。
本開示の一態様に係る位置検出方法において、前記少なくとも2つの被検出部は、陥凹部と前記陥凹部に挿入可能である突出部とのうちの一方であり、前記接触部は、前記陥凹部と前記突出部とのうちの他方であり、処理(a)では、前記陥凹部に前記突出部を挿入するように前記接触部を移動させることで、前記第1被検出部の前記側方に前記接触部を位置させてもよい。上記態様によると、処理(b)において、突出部が陥凹部に挿入された状態で、接触部が側方に移動される。接触部の移動範囲が陥凹部によって制限されるため、接触部と検出部とを接触させるためのアームの動作が簡易且つ迅速になる。
本開示の一態様に係る位置検出方法において、処理(f)では、前記対象物に対する前記ロボットの位置及び向きを検出してもよい。上記態様によると、ロボットと対象物との緻密な位置関係の検出が簡易になる。
本開示の一態様に係る位置検出方法において、前記アームは少なくとも2つの関節を含み、処理(b)では、前記少なくとも3箇所のそれぞれにおいて、前記少なくとも2つの関節のうちの第1関節を動作させることで前記第1被検出部の表面に前記接触部を接触させる第1動作の後に、前記少なくとも2つの関節のうちの第2関節を動作させることで前記第1被検出部の表面に前記接触部を接触させる第2動作を行ってもよい。上記態様によると、第1動作では、接触部の移動量が多くなり、接触部が被検出部の表面と衝突し跳ね返る可能性がある。第2動作では、接触部の移動量が少なくてよく、接触部を被検出部の表面と当接させることが可能である。第1動作及び第2動作ではそれぞれ、第1関節及び第2関節が動作しつつ、接触部を被検出部に接触させるため、第1関節及び第2関節での機械的なガタツキ(例えば、バックラッシュ等)が動作に与える影響が低減される。よって、接触時でのアームの各部の正確な位置の検出が可能になる。また、第1関節及び第2関節が別個に動作するため、接触部と被検出部との接触に至る各関節の移動量の検出が容易になる。
本開示の一態様に係る位置検出方法において、前記第1関節及び前記第2関節は、前記側方に前記接触部を移動させるような前記アームの動作を可能にしてもよい。上記態様によると、第1関節の動作が第2関節での機械的なガタツキ(バックラッシュ等)によって受ける影響が低減される、第2関節の動作が第1関節での機械的なガタツキ(バックラッシュ等)によって受ける影響が低減される。
本開示の一態様に係る位置検出方法において、前記第1動作では、前記第2関節を駆動する第2サーボモータのゲインを前記第1関節を駆動する第1サーボモータのゲインよりも低くし、前記第2動作では、前記第1サーボモータのゲインを前記第2サーボモータのゲインよりも低くしてもよい。上記態様によると、第1動作では、第2関節の状態を維持するための第2サーボモータの駆動力が、第1サーボモータによって駆動される第1関節の動作に与える影響が低減される。第2動作では、第1関節の状態を維持するための第1サーボモータの駆動力が、第2サーボモータによって駆動される第2関節の動作に与える影響が低減される。
本開示の一態様に係る位置検出方法は、(g)前記アームに、各対象物に対応する制御のうちの実行中の制御の種類を表す動作をさせることをさらに含んでもよい。上記態様によると、ロボットのユーザは、ロボットが実行中の処理を視覚により認識することができる。
本開示の一態様に係る位置検出方法は、(a1)前記アームに、前記第1被検出部の周囲の表面である周囲面の上方に前記接触部を位置させることと、(b1)前記アームに、前記接触部を下降させ、前記周囲面に少なくとも1箇所で前記接触部を接触させることと、(c1)前記少なくとも1箇所それぞれでの接触時の前記接触部の前記ロボットに対する高さ方向の位置である高さ位置を検出することと、(d1)検出された前記接触部の少なくとも1つの高さ位置を用いて、前記ロボットに対する前記第1被検出部の高さ位置を検出することと、(e1)前記ロボットに対する前記第1被検出部の高さ位置を用いて、前記対象物に対する前記ロボットの高さ位置を検出することをさらに含んでもよい。上記態様によると、対象物に対するロボットの高さ位置の検出は、ロボットのアームへの接触部の配置と、上記のようなロボットの動作とによって実現可能である。
本開示の一態様に係る制御装置は、本開示の一態様に係る位置検出方法を実行する制御装置であって、処理(a)を、前記ロボットに対する手動操作が入力された前記ロボットの操作装置から出力される操作情報に従って、実行し、処理(b)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行する。上記態様によると、ロボットに対する被検出部の大凡の位置が不明であっても、制御装置は、処理(a)~処理(f)を実行することができる。
本開示の一態様に係る制御装置は、本開示の一態様に係る位置検出方法を実行する制御装置であって、処理(a)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行してもよい。上記態様によると、制御装置は、処理(a)~処理(f)を自動で実行することができる。
本開示の一態様に係るロボットシステムは、本開示の一態様に係る位置検出方法を実行し且つ前記ロボットの動作を制御する制御装置と、前記ロボットとを備える。上記態様によると、本開示の一態様に係る制御装置と同様の効果が得られる。
本開示の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記制御装置は、処理(a)を、前記ロボットに対する手動操作が入力された前記ロボットの操作装置から出力される操作情報に従って、実行し、処理(b)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行してもよい。上記態様によると、本開示の一態様に係る制御装置と同様の効果が得られる。
本開示の一態様に係るロボットシステムにおいて、前記制御装置は、処理(a)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行してもよい。上記態様によると、本開示の一態様に係る制御装置と同様の効果が得られる。
(実施の形態)
以下において、本開示の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。また、本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
[ロボットシステムの構成]
実施の形態に係るロボットシステム1の構成を説明する。図1は、実施の形態に係るロボットシステム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、ロボットシステム1は、ロボット100と、操作入力装置200と、制御装置300と、撮像装置400と、提示装置500とを備える。これに限定されないが、本実施の形態では、ロボットシステム1は、ロボット100に異なる位置で2つの作業を自動運転でさせるように構成されている。
例えば、ロボット100は、作業場所WPAにおいて、ベルトコンベヤ601Aによって運ばれてくる物品WAを載置台602A上の収容箱603Aに箱詰めし、箱詰め済みの収容箱603Aを別のベルトコンベヤ604Aに載せ他の作業場所に運搬させる。また、ロボット100は、作業場所WPBにおいて、ベルトコンベヤ601Bによって運ばれてくる物品WBを載置台602B上の収容箱603Bに箱詰めし、箱詰め済みの収容箱603Bを別のベルトコンベヤ604Bに載せ他の作業場所に運搬させる。作業場所WPA及びWPBの間で、ロボット100の移動が必要になる。ロボット100の移動毎、ロボット100の位置の教示が必要になる。具体的には、作業場所WPAでは、ロボット100とベルトコンベヤ601A等との相対的な位置を制御装置300に記憶させる必要があり、作業場所WPBでは、ロボット100とベルトコンベヤ601B等との相対的な位置を制御装置300に記憶させる必要がある。
本実施の形態では、制御装置300は、作業場所WPA及びWPBそれぞれにおいて、上記の相対的な位置に基づき、プログラムに従って、ロボット100に箱詰め作業等の所定の作業を自動で実行させる。なお、ロボット100が行う作業は、本実施の形態に例示される作業に限定されず、いかなる作業であってもよい。制御装置300は、プログラムに従ってロボット100に自動で動作させる自動操縦と、操作入力装置200を介して入力される操作に対応する操作情報に従ってロボット100に動作させる手動操縦とにより、ロボット100の動作を制御する。
図2は、実施の形態に係るロボット100の構成の一例を示す側面図である。図1及び図2に示すように、ロボット100は、本実施の形態では産業用ロボットであるが、これに限定されない。ロボット100は、エンドエフェクタ110A及び110Bと、アーム120A及び120Bと、基台130と、挿入体140とを備える。エンドエフェクタ110A及び110Bは、物品WA及びWB等のワークに作用を加え、アーム120A及び120Bはそれぞれ、当該作用を実行するようにエンドエフェクタ110A及び110Bを動かす。アーム120A及び120Bはロボットアームである。アーム120A及び120Bは基台130によって回動可能に支持される。基台130は、搬送装置等の移動可能な装置に配置され、移動できるように構成される。搬送装置の例は、車輪、AGV(無人搬送車:Automated Guided Vehicle)等である。挿入体140は、エンドエフェクタ110A及び110Bそれぞれに配置され、つまり、アーム120A及び120Bの先端に配置され、ロボット100の位置を検出する動作において用いられる。
アーム120A及び120Bは、それぞれの先端のエンドエフェクタ110A及び110Bを動かすことができる構成を有すれば、特に限定されないが、本実施の形態では、水平多関節型アームである。アーム120A及び120Bは、例えば、垂直多関節型、極座標型、円筒座標型、直角座標型、又はその他の型式のロボットアームであってもよい。アーム120A及び120Bは、鉛直方向の第1軸S1を中心とする同軸上で水平面内で回動可能である。アーム120Aはアーム120Bに対して第1軸S1の方向に下方へずらして配置される。ロボット100は、同軸双腕ロボットを構成する。
アーム120Aは、リンク121A~124Aと、関節JA1~JA4と、駆動装置DA1~DA4とを含む。アーム120Bは、リンク121B~124Bと、関節JB1~JB4と、駆動装置DB1~DB4とを含む。駆動装置DA1~DA4及びDB1~DB4は、電力を動力源として電気モータ等を含み、本実施の形態ではサーボモータを含む。駆動装置DA1~DA4及びDB1~DB4はそれぞれ、制御装置300による制御のもと、関節JA1~JA4及びJB1~JB4を駆動する。よって、アーム120A及び120Bは互いから独立して動作する。なお、アーム120A及び120Bの関節の数量は、4つに限定されず、5つ以上又は3つ以下であってもよい。
リンク121A及び121Bはそれぞれ、回転関節JA1及びJB1を介して、第1軸S1を中心に水平面内で回動可能に基台130と接続される。リンク122A及び122Bはそれぞれ、回転関節JA2及びJB2を介して、鉛直方向の第2軸S2a及びS2bを中心に水平面内で回動可能にリンク121A及び121Bの先端と接続される。リンク123A及び123Bはそれぞれ、直動関節JA3及びJB3を介して、鉛直方向の第3軸S3a及びS3bに沿って昇降可能にリンク122A及び122Bの先端と接続される。リンク124A及び124Bはそれぞれ、回転関節JA4及びJB4を介して、リンク123A及び123Bの長手方向の第4軸S4a及びS4bを中心に回動可能にリンク123A及び123Bの下端と接続される。第4軸S4a及びS4bは、鉛直方向の軸である。リンク124A及び124Bはそれぞれ、エンドエフェクタ110A及び110Bと接続するためのメカニカルインタフェースを構成する。
ここで、「水平方向」とは、ロボット100が水平な床面等の水平な表面上に配置された場合での水平方向を意味し、上記表面に平行な方向でもある。「鉛直方向」とは、同様の場合での鉛直方向を意味し、上記表面に垂直な方向である。「上方」とは、同様の場合での下方から上方に向かう方向を意味し、「下方」とは、同様の場合での上方から下方に向かう方向を意味する。「側方」とは、同様の場合での上記表面に沿う方向を意味する。
図3は、実施の形態に係るエンドエフェクタ110Aの構成の一例を示す側面図である。図2及び図3に示すように、エンドエフェクタ110A及び110Bの構成は、同様である。このため、エンドエフェクタ110Aの構成のみを説明し、エンドエフェクタ110Bの構成の説明を省略する。エンドエフェクタ110Aは、接続部111と、支持部112と、駆動部113と、把持部114とを含む。
支持部112は、第4軸S4aと垂直な方向に延びる。支持部112の延伸方向の一端に接続部111が配置され、他端に駆動部113が配置される、接続部111は、挿入体140を介してリンク124Aのメカニカルインタフェースと接続される。駆動部113は、把持部114の2つの把持爪114aと機械的に接続され、把持爪114aを互いに接近する方向及び離れる方向に移動させることができる。把持爪114aは、第4軸S4aと交差する方向に延び、本実施の形態では、垂直な方向に延びる。把持爪114aは、互いに接近するように移動することで、物品WA及びWB等のワークを把持し、互いから離れるように移動することで、上記把持を解除する。駆動部113は、電力を動力源として電気モータ等を含み、本実施の形態ではサーボモータを含む。駆動部113は、制御装置300による制御のもと、把持爪114aを駆動する。
挿入体140は、軸部141と接続部142とを含む。本実施の形態では、軸部141及び接続部142は1つの部材で構成されているが、分割可能であってもよい。接続部142は、リンク124Aのメカニカルインタフェースと接続される。接続部142は、メカニカルインタフェースの表面と同様に円状の表面を有する円板状の形状を有する。接続部142は上記円状の表面に突起142aを含む。突起142aは、接続部142に一体化されていてもよく、着脱可能であってもよい。突起142aは、メカニカルインタフェースの表面に形成された環状の溝124Aaと同様の平面形状の環状の突起であり、溝124Aaと嵌合可能である。接続部142は、突起142aを溝124Aaに嵌合させることで、メカニカルインタフェースの表面に対して一定の位置に位置決めされる。突起142a及び溝124Aaの形状は環状に限定されず、嵌合により位置決めできればよい。上記の突起及び溝はそれぞれ、リンク124A及び接続部142に配置されてもよい。
軸部141は、接続部142の円状の表面と垂直な方向に且つ突起142aと反対方向に、エンドエフェクタ110Aの接続部111及び支持部112を貫通して下方に延びる。軸部141は、支持部112から下方に突出する。これに限定されないが、本実施の形態では、軸部141は、エンドエフェクタ110Aの駆動部113及び/又は把持部114よりも下方に突出しない。突起142aと溝124Aaとの嵌合により接続部142が位置決めされたとき、軸部141は、第4軸S4aと同軸上に延びる。つまり、軸部141の軸心と第4軸S4aとが一致する。
また、接続部142は、突起142aと反対側の円状の表面に環状の溝142bを含む。エンドエフェクタ110Aの接続部111は、支持部112と反対側の表面に突起111aを含む。突起111aは、接続部111と一体化されてもよく、着脱可能であってもよい。突起111aは、溝142bと同様の平面形状の環状の突起であり、溝142bと嵌合可能である。エンドエフェクタ110Aの接続部111は、突起111aを溝142bに嵌合させることで、挿入体140及びリンク124Aに対して一定の位置に位置決めされる。突起111a及び溝142bの形状は、環状に限定されず、嵌合により位置決めできればよい。上記の突起及び溝はそれぞれ、接続部142及び接続部111に配置されてもよい。
上記のような挿入体140は、接続部142がリンク124Aとエンドエフェクタ110Aとに挟まれた状態で、リンク124Aに直接的に固定される。ロボット100は、挿入体140がリンク124Aに装着された状態で作業を行うことができる。なお、挿入体140は、エンドエフェクタ110Aに直接的に固定され、エンドエフェクタ110Aを介してリンク124Aに間接的に固定されるように構成されてもよい。挿入体140は、接触部の一例であり、突出部の一例である。
また、ロボットシステム1は、作業場所WPA及びWPBのそれぞれに、ロボット100の位置を検出するために挿入体140の軸部141が挿入される検知穴150a(図4参照)を有する。検知穴150aは、鉛直方向に延びる。例えば、検知穴150aが形成された部材が、作業場所WPA及びWPBの所定の位置に配置される。上記所定の位置は、その正確な位置が既知である又は検出可能である位置であってよい。
図4は検知穴を有する部材の一例を示す平面図である。図4に示すように、例えば、作業場所WPAにおいて、検知穴150aが形成された治具150が、ベルトコンベヤ604Aに配置されてもよい。図4では、検知穴150aの形状は、円形断面を有する円筒形状であるが、これに限定されない。例えば、検知穴150aの形状は、検知穴150aの内壁面上の任意の少なくとも3つの位置が検出されれば、検知穴150aの中心若しくは軸心等の基準位置又は断面形状等が検出可能である形状であればよい。例えば、検知穴150aの形状は、楕円断面、長円断面、多角形断面等を有する柱状形状であってもよい。
治具150は、作業場所WPAのベルトコンベヤ601A及び載置台602A等のロボット100との相対的な位置が要求される各構成要素に配置されてもよい。構成要素間の相対的な位置が既知である又は検出可能である場合、少なくとも1つの構成要素に治具150が配置されてもよい。作業場所WPA及びWPBのそれぞれには、少なくとも2つの治具150、つまり、少なくとも2つの検知穴150aが配置される。検知穴150aは、被検出部の一例であり、陥凹部の一例である。
図1に示すように、撮像装置400は、作業場所WPA及びWPBのそれぞれに配置される。作業場所WPA及びWPBのそれぞれにおいて、撮像装置400は、載置台602A及び602B、並びに、その周辺のベルトコンベヤ601A、604A、601B及び604Bの少なくとも一部を撮像する。撮像装置400は、作業場所WPA及びWPBの各構成要素に配置されてもよく、ロボット100に配置されてもよい。本実施の形態では、撮像装置400は、可視画像であるデジタル画像の動画像を撮像することができる可視カメラを含むが、これに限定されない。撮像装置400は、例えば、制御装置300の指令に従って撮像動作を行い、撮像された画像の信号等を制御装置300に送る。
提示装置500は、制御装置300から受け取るロボットシステム1を動作させるための画像及び音声等を、ロボットシステム1のユーザPに提示する。提示装置500の例は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)及び有機又は無機ELディスプレイ(Electro-Luminescence Display)等であるが、これらに限定されない。提示装置500は、音声を発するスピーカを備えてもよい。例えば、提示装置500は、撮像装置400によって撮像された画像を、操作入力装置200を操作するユーザPに提示する。
操作入力装置200は、種々の情報、データ及び指令等の入力を受け付け、受け付けた情報等を制御装置300に出力する。例えば、操作入力装置200は、レバー、ボタン、タッチパネル、ジョイスティック、モーションキャプチャ等の公知の入力手段を備えてもよい。例えば、操作入力装置200は、ユーザPによるロボット100に対する手動操作の入力を受け付け、受け付けた操作に対応する操作情報を制御装置300に出力するように構成される。操作入力装置200は、上記入力手段を介して操作の受け付けてもよく、操作の受け付けるための専用の入力手段を備えてもよい。
図5は、実施の形態に係る制御装置300及びその周辺の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、制御装置300は、ロボット100、操作入力装置200、撮像装置400及び提示装置500と通信可能に接続されている。通信の形式は、有線通信及び無線通信のいかなる通信形式であってもよい。制御装置300は、操作入力装置200が受け付けた指令に応答してロボット100を動作させる。制御装置300は、撮像装置400によって撮像された画像等を提示装置500に出力する。
制御装置300は、駆動回路C1~C8それぞれを介して、ロボット100のアーム120A及び120Bの駆動装置DA1~DA4及びDB1~DB4のサーボモータM1~M8(図5では「SM」と表記)と電気的に接続される。駆動回路C1~C8はそれぞれ、制御装置300の指令に従って、サーボモータM1~M8に供給する電流の電流値を調節する。制御装置300は、駆動装置DA1~DA4及びDB1~DB4のエンコーダ等の回転センサE1~E8(図5では「EN」と表記)と電気的に接続される。制御装置300は、駆動回路C9及びC10それぞれを介して、エンドエフェクタ110A及び110Bの駆動部113のサーボモータM9及びM10と電気的に接続される。駆動回路C9及びC10はそれぞれ、制御装置300の指令に従って、サーボモータM9及びM10に供給する電流の電流値を調節する。制御装置300は、エンドエフェクタ110A及び110Bの駆動部113の回転センサE9及びE10と電気的に接続される。回転センサE1~E10は、サーボモータM1~M20の回転量(例えば、回転角)を検出し、検出結果を制御装置300に出力する。
制御装置300は、プロセッサ及びメモリ等を有する演算器で構成される。演算器は、操作入力装置200を含む他の装置との情報、データ及び指令等の送受信を行う。演算器は、各種センサからの検出信号の入力及び各制御対象への制御信号の出力を行う。メモリは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリなどの半導体メモリ、ハードディスク及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置で構成される。例えば、メモリは、演算器が実行するプログラム、及び各種固定データ等を記憶する。
演算器の機能は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ及びROM(Read-Only Memory)などの不揮発性メモリ等からなるコンピュータシステム(図示略)により実現されてもよい。演算器の機能の一部又は全部は、CPUがRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって実現されてもよい。なお、演算器の機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。
このような制御装置300は、例えば、マイクロコントローラ、MPU(Micro Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、システムLSI、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等で構成されてもよい。制御装置300の複数の機能は、個別に1チップ化されることで実現されてもよく、一部又は全てを含むように1チップ化されることで実現されてもよい。また、回路はそれぞれ、汎用的な回路でもよく、専用の回路でもよい。LSIとして、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続及び/又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサ、又は、特定用途向けに複数の機能の回路が1つにまとめられたASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が利用されてもよい。
制御装置300は、単一のコンピュータ装置による集中制御により各処理を実行してもよく、複数のコンピュータ装置の協働による分散制御により各処理を実行してもよい。
[第1制御装置及び第2制御装置の機能的構成]
図6は、実施の形態に係る制御装置300の機能的構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、制御装置300は、撮像制御部311と、情報処理部312と、動作指令部313及び314と、動作制御部315と、位置演算部316と、記憶部317とを機能的構成要素として含む。記憶部317を除く上記機能的構成要素の機能は、コンピュータシステム及び/又はハードウェア回路によって実現される。記憶部317は、メモリによって実現される。上記機能的構成要素の全てが必須ではない。
情報処理部312は、操作入力装置200から種々の情報、データ及び指令等を受け取り処理し、対応する機能的構成要素に出力する。例えば、情報処理部312は、操作入力装置200から、作業場所WPA又はWPBの撮像装置400に撮像させる指令を受け取り、撮像制御部311に出力する。情報処理部312は、操作入力装置200から、ロボット100の動作モードを指定する指令を受け取り、動作指令部313及び314等に出力する。
例えば、動作モードは、ロボット100に自動操縦で作業を実行させる自動運転モードと、ロボット100に手動操縦で作業を実行させる手動運転モードと、ロボット100の位置を検出する検出モード等とを含む。自動運転モードは、ロボット100の作業の一部に手動操縦でのロボット100の作業を含んでいてもよい。検出モードは、ロボット100に当該モードでのロボット100の全ての動作を自動操縦で実行させる第1検出モードと、ロボット100に当該モードでのロボット100の動作の一部を手動操縦で実行させ、他部を自動操縦で実行させる第2検出モードとを含んでもよい。例えば、作業は、対象物に対して目的の処理を行うためのロボット100の複数の動作で構成され得る。
撮像制御部311は、情報処理部312から受け取る指令に従って、該当する撮像装置400に撮像動作をさせる。撮像制御部311は、当該撮像装置400から、撮像された画像の信号を受け取り、受け取った信号から画面表示可能な画像データを生成し提示装置500に出力し表示させる。
第1動作指令部313は、手動運転モード及び第2検出モードで機能する。第1動作指令部313は、操作入力装置200から受け取る操作情報に従ってロボット100に動作させるための指令である手動動作指令を生成し、動作制御部315に出力する。具体的には、手動動作指令は、操作情報に従って、アーム120A及び120Bにエンドエフェクタ110A及び110Bの位置及び姿勢を移動させる指令、エンドエフェクタ110A及び110Bの駆動部113に駆動させる指令等を含み得る。手動動作指令は、ユーザPによって操作入力装置200に入力される操作に対応する動作をエンドエフェクタ110A及び110Bにさせるための指令である。
ここで、動作指令は、位置指令及び力指令の少なくとも1つを含み、本実施の形態では、位置指令を含む。位置指令は、エンドエフェクタ110A及び110B等の制御対象の位置、姿勢、並びに、位置及び姿勢の速度等の目標値のうち、少なくとも位置の目標値を含む。上記位置及びその速度は、3次元空間内の位置(以下、「3次元位置」とも表記する)及び速度を表し、上記姿勢及びその速度は、3次元空間内の姿勢(以下、「3次元姿勢」とも表記する)及び速度を表してもよい。さらに、位置指令は、位置指令の実行時刻を含んでもよい。また、力指令は、制御対象が加える力の大きさ及び方向の目標値のうち、少なくとも力の大きさの目標値を含む。力の方向は、3次元空間内の方向を表してもよい。力指令は、力指令の実行時刻を含んでもよい。本明細書及び特許請求の範囲において、「位置」とは、3次元空間内の位置、位置の速度、姿勢及び姿勢の速度のうちの少なくとも3次元空間内の位置を含むことを意味し得る。
第2動作指令部314は、自動運転モード及び第1検出モードで機能する。第2動作指令部314は、記憶部317に記憶される自動動作情報に従って、ロボット100に動作させるための指令である自動動作指令を生成し、動作制御部315に出力する。自動動作指令は、予め設定された自動動作情報に対応する動作をエンドエフェクタ110A及び110Bにさせるための指令である。第2動作指令部314は、自動動作指令の生成のために、記憶部317に記憶される、作業場所に対するロボット100の位置及び姿勢の情報、又は、作業場所の構成要素に対するロボット100の位置及び姿勢の情報を用いる。上記姿勢は、水平方向のロボット100の向き、つまり方位であってもよい。
例えば、自動動作情報は、エンドエフェクタ110A及び110Bの動作内容及び順序を含む情報を含んでもよく、当該動作内容及び順序でエンドエフェクタ110A及び110Bを動作させるためのアーム120A及び120Bの駆動装置DA1~DA4及びDB1~DB4並びにエンドエフェクタ110A及び110Bの駆動部113の動作内容及び順序を含む情報を含んでもよい。例えば、自動動作情報は、エンドエフェクタ110A及び110Bの位置、姿勢、位置及び姿勢の移動速度、上記位置、姿勢及び駆動部113の動作等の実行順序、並びに、上記位置、姿勢及び駆動部113の動作等の実行時刻等を含んでもよい。
例えば、自動運転モードに対応する自動動作情報は、教示データであってもよい。第1検出モードに対応する自動動作情報は、教示データと同様のデータであってもよく、プログラミングにおいて予め設定されるデータであってもよい。
動作制御部315は、動作指令部313又は314から受け取る手動動作指令又は自動動作指令に従って、ロボット100の各サーボモータM1~M10を駆動させるように各サーボモータM1~M10に供給する電流値を決定し、電流の供給を制御する。さらに、動作制御部315は、上記制御において、サーボモータM1~M10の回転センサE1~E10及び電流センサ(図示略)等の検出値をフィードバック情報として用いてもよい。このような動作制御部315はサーボ制御する。その結果、アーム120A及び120Bは、エンドエフェクタ110A及び110Bに操作情報又は自動動作情報に対応する動作をさせる。電流センサは、サーボモータM1~M10の電流値を検出し、検出結果を制御装置300に出力する。
位置演算部316は、第1及び第2検出モードで機能する。各検出モードにおいて、位置演算部316は、ロボット100の水平方向の位置及び鉛直方向の位置の少なくとも一方を検出する。例えば、水平方向の位置の検出では、ロボット100が、2つの治具150の検知穴150aそれぞれにエンドエフェクタ110A又は110Bの挿入体140を上方から挿入し、挿入体140を水平方向に移動させ検知穴150aの内壁面の少なくとも3つの位置に接触させる。位置演算部316は、挿入体140が上記内壁面に接触したときのロボット100に対する挿入体140の位置を検出する。具体的には、位置演算部316は、検知穴150aに挿入体140を挿入しているアーム120A又は120Bの各関節JA1~JA4又はJB1~JB4の駆動量、つまり、回転センサE1~E8の検出値から、ロボット100に対する挿入体140の位置を検出する。ロボット100に対する位置は、第1軸S1と基台130の上面との交点等のロボット100の固定された基準位置に対する位置であってもよい。
位置演算部316は、検知穴150aそれぞれについて、3つの接触位置での挿入体140の位置を用いて、ロボット100に対する当該検知穴150aの水平方向の位置を検出する。このとき、位置演算部316は、記憶部317に記憶される検知穴150aの情報を用いる。さらに、位置演算部316は、検知穴150aの情報に含まれる検知穴150aの断面形状及び寸法のうちの少なくとも断面形状の情報と、ロボット100に対する挿入体140の位置の情報とを用いて、3つの接触位置での挿入体140の軸心を通り且つ上記断面形状の水平断面を有する円筒の軸心を検出し、当該軸心の水平方向の位置を検知穴150aの水平方向の位置に決定する。
さらに、位置演算部316は、ロボット100に対する2つの検知穴150aの水平方向の位置の情報と、記憶部317に記憶される治具150が配置される作業場所の構成要素に対する検知穴150aの位置の情報とを用いて、構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出する。水平方向の姿勢は、水平方向の向き(方位)であってもよい。位置演算部316は、少なくとも1つの構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出してもよく、全ての構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出してもよい。例えば、全ての構成要素それぞれに少なくとも2つの治具150が配置されている場合、位置演算部316は、各構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出してもよい。構成要素間の位置関係が既知である場合、位置演算部316は、1つの構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出してもよい。さらに、位置演算部316は、記憶部317に記憶される各作業場所における各構成要素の位置の情報を用いて、作業場所に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出してもよい。位置演算部316は、検出されたロボット100の水平方向の位置及び姿勢を記憶部317に記憶させる。
上記作業場所は、上記検知穴150aを有する治具150及びロボット100が配置される作業場所である。上記構成要素は、上記作業場所において上記治具150が配置されるベルトコンベヤ等の構成要素である。上記構成要素に対する検知穴150aの位置は、上記構成要素に対する治具150の位置であってもよい。上記構成要素は、作業場所自体であってもよく、上記構成要素に対する検知穴150aの位置は、作業場所に対する検知穴150aの位置であってもよい。
また、鉛直方向の位置の検出では、ロボット100が、1つの治具150の検知穴150aの周囲の上面150b(図4参照)上の少なくとも1つの位置にエンドエフェクタ110A又は110Bの挿入体140を上方から接触させる。位置演算部316は、挿入体140が上面150bに接触したときのロボット100に対する挿入体140の位置を検出する。位置演算部316は、上記挿入体140の位置を用いて、ロボット100に対する当該検知穴150aの上端開口の鉛直方向の位置を検出する。このとき、位置演算部316は、記憶部317に記憶される治具150及び検知穴150aの情報を用いる。
さらに、位置演算部316は、ロボット100に対する検知穴150aの上端開口の鉛直方向の位置の情報と、記憶部317に記憶される治具150が配置される作業場所の構成要素に対する検知穴150aの位置の情報とを用いて、構成要素に対するロボット100の鉛直方向の位置を検出する。位置演算部316は、少なくとも1つの構成要素に対するロボット100の鉛直方向の位置を検出してもよく、全ての構成要素に対するロボット100の鉛直方向の位置を検出してもよい。さらに、位置演算部316は、記憶部317に記憶される各作業場所における各構成要素の位置の情報を用いて、作業場所に対するロボット100の鉛直方向の位置を検出してもよい。位置演算部316は、検出されたロボット100の鉛直方向の位置を記憶部317に記憶させる。
記憶部317は、種々の情報の格納つまり記憶することができ、且つ、格納した情報の読み出しを可能にする。例えば、記憶部317は、ロボット100の自動動作情報、ロボット100の挿入体140の情報、治具150の情報、及び、検知穴150aの情報等を記憶していてもよい。記憶部317は、各作業場所における各構成要素の位置の情報、及び、各構成要素間の相対位置の情報等を記憶していてもよい。記憶部317は、各作業場所における各構成要素に対するロボット100の位置及び姿勢の設計値又は目標値等を記憶していてもよい。また、記憶部317は、制御装置300の各機能を実現するためのプログラムを格納してもよい。例えば、第1及び第2検出モードのいずれを実行するためのプログラムも、作業場所WPA及びWPB等の作業場所毎、又は、構成要素毎に作成され、記憶部317に記憶される。上記情報等は、記憶部317に予め記憶されていてもよく、操作入力装置200を用いた入力により記憶部317に記憶されてもよい。
挿入体140の情報は、アーム120A及び120Bのリンク124A及び124Bのインタフェース面に対する挿入体140の位置、挿入体140が延びる方向、並びに、挿入体140の形状及び寸法等の情報を含んでもよい。治具150の情報は、作業場所に対する治具150の位置、治具150が配置される構成要素に対する治具150の位置、治具150の形状及び寸法、治具150における検知穴150aの数量、位置及び延伸方向等の情報を含んでもよい。検知穴150aの情報は、検知穴150aの断面形状及び寸法等の情報を含んでもよい。
[ロボットシステムの動作]
実施の形態に係るロボットシステム1の動作を説明する。具体的には、第1検出モードでの動作を説明する。図7は、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。図7は、ロボット100の水平方向の位置を検出するケースを示す。
図7に示すように、ステップS101において、ユーザPは、ロボットシステム1の操作入力装置200に、第1検出モードでロボット100の水平方向の位置を検出する指令と、ロボット100が配置されている作業場所の情報とを入力し、制御装置300は当該指令及び情報を受け付ける。本例では、作業場所WPAの情報が入力される。
例えば、段取り替え等のためにロボット100が作業場所WPAから作業場所WPBへ又はその逆へ移動された場合、ユーザPは、制御装置300にロボット100の正確な位置を覚えさせるために、検出モードを実行する。ロボット100が人力で移動された場合でもAGV等の搬送装置によって移動された場合でも、ロボット100の配置位置は、目標の位置に対して距離及び方向の誤差を有する。制御装置300は、このような誤差を目標位置に反映する。
次いで、ステップS102において、制御装置300は、記憶部317に記憶される作業場所WPAに対応する第1検出モードのプログラムを読み込み、実行する。
次いで、ステップS103において、制御装置300は、記憶部317に記憶される作業場所WPAでのロボット100の目標の配置位置の情報と、作業場所WPAの2つの治具150の情報と、検知穴150aの情報とを読み出す。本例では、図4に示すように、2つの治具150は、ベルトコンベヤ604Aに配置されている。さらに、制御装置300は、上記情報から、各検知穴150aに対するロボット100の目標位置を検出する。さらに、制御装置300は、上記目標位置に基づき各検知穴150aの位置を推定する。
次いで、ステップS104において、制御装置300は、上記推定位置に基づき、ロボット100を動作させることで、2つの検知穴150aのうち、検知穴150aの位置が未だ検出されていない検知穴150aに、上方から挿入体140を挿入させる。つまり、ロボット100は、検知穴150a内において、当該検知穴150aに対する水平方向での側方に、挿入体140を位置させる。本例では、制御装置300は、アーム120Bの挿入体140を挿入させる。
次いで、ステップS105において、制御装置300は、アーム120Bの回転関節JB1を動作させ、検知穴150a内で挿入体140を水平方向に、つまり検知穴150aに対する側方に移動させる。このとき、制御装置300は、回転関節JB1の駆動装置DB1のサーボモータM5のゲインを比較的低くし、回転トルクの立ち上がり及びレスポンスを穏やかにする。例えば、サーボモータM5のゲインは、サーボモータM5がアーム120Bのリンク121Bから先端側の部分と共にリンク121Bを回動できる程度のゲインであってもよい。
さらに、制御装置300は、回転関節JB1以外の回転関節の駆動装置のサーボモータのゲインを、サーボモータM5のゲインよりも低くする。具体的には、回転関節JB2の駆動装置DB2のサーボモータM6のゲインが、サーボモータM5のゲインよりも低くされる。サーボモータM6のゲインは、リンク121Bの回動時、回転関節JB2の状態を維持し回転関節JB2を回動させない程度のゲインであってもよい。例えば、サーボモータM6のゲインは、リンク121Bの回動中にリンク122Bから先端側の部分が他の物体と接触すると、サーボモータM6が押し負けて回転関節JB2の回動を許容する程度であってもよい。
図8は、実施の形態に係る挿入体140の検知穴150a内での移動動作の一例を示す平面図である。図8に示すように、制御装置300は、回転関節JB1を回動可能な方向の両方向d1a及びd1bに回動させ、挿入体140と検知穴150aの内壁面との接触を検知すると、回転関節JB1の回動を停止させる。制御装置300は、駆動装置DB1の回転センサE1及び電流センサ(図示略)の検出値の偏差から、上記接触の有無を判定してもよい。駆動装置DB1がリンク121Bに回動させる駆動力を与え且つ駆動装置DB2がリンク122Bに状態を維持させる駆動力を与えつつ挿入体140が検知穴150aの内壁面と接触する。このため、接触時及び接触直後において、回転関節JB1及びJB2でのガタツキ(例えば、バックラッシュ等)に起因するリンク121B及び122Bの移動が抑制される。
次いで、ステップS106において、制御装置300は、アーム120Bの回転関節JB1以外の回転関節である回転関節JB2を動作させ、検知穴150a内で挿入体140を水平方向に、つまり検知穴150aに対する側方に移動させる。このとき、制御装置300は、駆動装置DB2のサーボモータM6のゲインを、ステップS105でのサーボモータM5と同様に比較的低くする。さらに、制御装置300は、回転関節JB2以外の回転関節である回転関節JB1の駆動装置DB1のサーボモータM5のゲインを、ステップS105でのサーボモータM6と同様に、サーボモータM6のゲインよりも低くする。図8に示すように、制御装置300は、回転関節JB2を回動可能な方向の両方向d2a及びd2bに回動させ、挿入体140と検知穴150aの内壁面との接触を検知すると、回転関節JB2の回動を停止させる。
例えば、ステップS105では、挿入体140が接触するまでに回転関節JB1が回動を継続する時間が経過し、サーボモータM5のトルクが立ち上がる可能性がある。この場合、挿入体140が検知穴150aの内壁面で跳ね返る可能性がある。ステップS106では、挿入体140が検知穴150aの内壁面に接近した状態で回転関節JB2が回動を開始するため、挿入体140が接触するまでのサーボモータM6のトルクの立ち上がりは低い。さらに、回転関節JB2による挿入体140の移動方向は、回転関節JB1による挿入体140の移動方向に対して、交差する方向等の異なる方向である。このため、挿入体140と検知穴150aの内壁面との接触が検知されたとき、挿入体140が当該内壁面に当接した状態で回転関節JB2の回動が停止され得る。よって、挿入体140の水平方向の位置は、内壁面の水平方向に位置と対応し得る。なお、ステップS105及びS106の順序は逆であってもよい。
次いで、ステップS107において、制御装置300は、挿入体140が検知穴150aの内壁面に接触したときのロボット100に対する挿入体140の位置を検出する。つまり、制御装置300は、回転関節JB2の回動を停止したときの上記位置を検出する。具体的には、位置演算部316は、アーム120Bの回転センサE5~E8の検出値からエンドエフェクタ110Bのインタフェース面の位置及び姿勢を検出する。位置演算部316は、インタフェース面の位置及び姿勢の情報と、記憶部317に記憶される挿入体140の情報とに基づき、例えば、図9に示すように、挿入体140の軸心140Cのロボット100に対する位置を検出する。ステップS105及びS106では回転関節JB1又はJB2のみが回動するため、上記検出のための演算が簡易である。図9は、実施の形態に係る挿入体140の検知穴150aとの3つの接触状態の一例を示す平面図である。
次いで、ステップS108において、制御装置300は、検出された挿入体140の位置の数量は3つであるか否かを判定し、3つである場合(ステップS108でYes)にステップS109に進み、3つ未満である場合(ステップS108でNo)にステップS105~S107を繰り返す。
ステップS109において、制御装置300は、ロボット100に対する挿入体140の3つの位置の情報と、記憶部317に記憶される検知穴150aの情報とを用いて、ロボット100に対する検知穴150aの水平方向の位置を検出する。具体的には、図9に示すように、検知穴150aの軸心150Caの水平方向の位置が、挿入体140の3つの位置を通る円筒の軸心の水平方向の位置として検出される。
次いで、ステップS110において、制御装置300は、全ての検知穴150aに対して、ロボット100に対する水平方向の位置の検出が完了したか否かを判定し、完了済みである場合(ステップS110でYes)にステップS111に進み、未完了である場合(ステップS110でNo)にステップS104に戻り、検出未完了の検知穴150aに対して、ステップS104以降の処理を繰り返す。本例では、全ての検知穴150aに対して同じアーム120B及び挿入体140が用いられる。これにより、アーム120A及び120Bそれぞれの特性及び性能等に起因する各検出結果の誤差が低減される。
ステップS111において、制御装置300は、ロボット100に対する2つの検知穴150aの水平方向の位置の情報を用いて、2つの検知穴150aに対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出する。制御装置300は、当該検出結果に基づき、ベルトコンベヤ604A及び/又は作業場所WPAに対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出してもよい。制御装置300は検出結果を記憶部317に記憶させる。
ステップS101~S111の処理によって、制御装置300は、作業場所WPA及び/又は作業場所WPAの構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出することができる。構成要素それぞれに2つ以上の治具150が配置されていれば、制御装置300は、各構成要素に対するロボット100の水平方向の位置及び姿勢を検出することができる。なお、ステップS101~S111の処理は、アーム120Aを用いて行われてもよい。ステップS101~S111の処理において、一方の検知穴150aに対する処理が、アーム120Aを用いて行われ、他方の検知穴150aに対する処理が、アーム120Bを用いて行われてもよい。1つの検知穴150aに対して、4つ以上の箇所で検知穴150aと接触した挿入体140の位置を用いて、当該検知穴150aの水平方向の位置が検出されてもよい。3つ以上の検知穴150aに対して、ステップS104~S110の処理が行われてもよく、3つ以上の検知穴150aの水平方向の位置を用いて、ロボット100の位置及び姿勢が検出されてもよい。
また、第2検出モードでは、制御装置300は、ステップS104において、ユーザPによって入力される操作に対応して操作入力装置200によって出力される操作情報に従って、ロボット100を手動操縦で動作させ、ステップS102及びS103の処理を省略するように構成されてもよい。第2検出モードで制御装置300が実行するプログラムは作業場所に対応したプログラムでなくてもよい。
図10は、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の別の一例を示すフローチャートである。図10は、ロボット100の鉛直方向の位置を検出するケースを示す。図10に示すように、ステップS201において、ユーザPは、操作入力装置200に、第1検出モードでロボット100の鉛直方向の位置を検出する指令と、ロボット100が配置されている作業場所WPAの情報とを入力し、制御装置300は当該指令及び情報を受け付ける。
ステップS202及びS203の処理は、ステップS102及びS103と同様である。なお、ロボット100の鉛直方向の位置の検出に用いられる検知穴150aの数量は、少なくとも1つであってもよく、本例では1つである。
次いで、ステップS204において、制御装置300は、検知穴150aの推定位置に基づき、ロボット100のアーム120Bを動作させることで、当該検知穴150aの上端開口の周囲の治具150の上面150bの上方に挿入体140を移動させる。さらに、制御装置300は、直動関節JB3を動作させることで、上方から上面150b上へ挿入体140を下降させる。本例では、制御装置300は、アーム120Bの挿入体140を移動させる。制御装置300は、挿入体140と治具150の上面150bとの接触を検知すると、直動関節JB3の下降を停止させる。
なお、制御装置300は、直動関節JB3の下降動作時、駆動装置DB3のサーボモータM7のゲインを比較的低くする。例えば、サーボモータM7のゲインは、図7のステップS105での回転関節JB1のサーボモータM5と同程度のゲインであってもよい。例えば、サーボモータM7のゲインは、下降するリンク123B又はエンドエフェクタ110Bが他の物体と接触するとサーボモータM7が回転停止する程度のゲインであってもよい。
次いで、ステップS205において、制御装置300は、挿入体140が治具150の上面150bに接触したときのロボット100に対する挿入体140の位置を検出する。制御装置300は、直動関節JB3の下降を停止したときの上記位置を検出する。
次いで、ステップS206において、制御装置300は、検出された挿入体140の位置の数量は3つであるか否かを判定し、3つである場合(ステップS206でYes)にステップS207に進み、3つ未満である場合(ステップS206でNo)にステップS204及びS205を繰り返す。
ステップS207において、制御装置300は、ロボット100に対する挿入体140の3つの位置から、ロボット100に対する治具150の上面150bの鉛直方向の位置を検出する。例えば、制御装置300は、上記の挿入体140の3つの位置を平均化することで、上面150bの鉛直方向の位置を検出してもよい。上面150bの鉛直方向の位置は、検知穴150aの上端開口の鉛直方向の位置に対応する。
次いで、ステップS208において、制御装置300は、ロボット100に対する検知穴150aの上端開口の鉛直方向の位置の情報と、記憶部317に記憶される治具150及びベルトコンベヤ604Aの情報とを用いて、ベルトコンベヤ604Aに対するロボット100の鉛直方向の位置を検出する。さらに、制御装置300は、作業場所WPAに対するロボット100の鉛直方向の位置を検出してもよい。制御装置300は、検出結果を記憶部317に記憶させる。
ステップS201~S208の処理によって、制御装置300は、作業場所WPA及び/又は作業場所WPAの構成要素に対するロボット100の鉛直方向の位置を検出することができる。構成要素それぞれに治具150が配置されていれば、制御装置300は、各構成要素に対するロボット100の鉛直方向の位置を検出することができる。なお、ステップS201~S208の処理は、アーム120Aを用いて行われてもよい。1つの検知穴150aに対して、1つの箇所、2つの箇所又は4つ以上の箇所で検知穴150aの周囲と接触した挿入体140の位置を用いて、当該検知穴150aの上端開口の鉛直方向の位置が検出されてもよい。2つ以上の検知穴150aに対して、ステップS204~207の処理が行われてもよく、2つ以上の検知穴150aの鉛直方向の位置を用いて、ロボット100の鉛直方向の位置が検出されてもよい。
また、第2検出モードでは、制御装置300は、ステップS204において、ユーザPによって入力される操作に対応して操作入力装置200によって出力される操作情報に従って、ロボット100を手動操縦で動作させ、ステップS202及びS203の処理を省略するように構成されてもよい。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態の例について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、実施の形態において、制御装置300は、第1及び第2検出モードにおいて、ロボット100との位置の比較対象それぞれに対応する制御のうちの実行中の制御の種類、つまり現在の比較対象を表す動作をロボット100にさせるように構成されてもよい。例えば、上記比較対象の例は、作業場所WPA及びWPB、並びに、作業場所WPA及びWPBそれぞれに配置されるベルトコンベヤ及び載置台等の構成要素である。
制御装置300は、ロボット100が挿入体140を挿入する検知穴150aの順序により、比較対象の種類を表してもよい。又は、ロボット100の位置を検出するために用いられない少なくとも1つの付加的な検知穴150aが配置されてもよい。例えば、付加的な検知穴150aに挿入体140を挿入する動作の有無、挿入体140が挿入される付加的な検知穴150aの数量、全ての検知穴150aにおける付加的な検知穴150aへの挿入体140の挿入が行われる順序等が比較対象と対応付けられて、比較対象に対する検出モードのプログラムが設定されていてもよい。これにより、ユーザPは、ロボット100の動作を視ることで、実行中のプログラム及び/又は当該プログラムに対応する比較対象を認識することができ、適切なプログラムが実行されているかを判断することができる。よって、ロボット100の位置の誤検出が抑制される。
実施の形態に係るロボットシステム1は、ロボット100を移動させたときのロボット100の位置を検出するために用いられたが、これに限定されない。ロボットシステム1は、ロボット100が所定の位置に配置されるいかなるケースに用いられてもよい。ロボットシステム1は、対象物とロボット100との相対的な位置の検出が要求されるいかなるケースに用いられてもよい。
実施の形態では、アーム120A及び120Bの接触部として、エンドエフェクタ110A及び110Bから下方に突出する突出部である挿入体140が例示され、被検出部として、作業場所に配置された治具150の陥凹部である検知穴150aが例示されていたが、これに限定されない。例えば、接触部は、エンドエフェクタ110A及び110B又はアーム120A及び120Bのリンク124A及び124Bと、別部材ではなく一体化されていてもよい。被検出部は、作業場所のベルトコンベヤ等の構成要素と、別部材ではなく一体化されていてもよい。
例えば、接触部が陥凹部であり、被検出部が突出部であってもよい。この場合、アーム120A及び/又は120Bが、穴等の陥凹部を有する部材を備え、作業場所に、軸等の突出部を有する治具150等の部材が配置されてもよい。例えば、ロボット100の水平方向の位置を検出する場合、制御装置300は、下方に向いた陥凹部に上方に向いた突出部を挿入し陥凹部の内壁面の少なくとも3箇所を突出部に接触させるように、アーム120A又は120Bに陥凹部を側方に移動させてもよい。ロボット100の鉛直方向の位置を検出する場合、制御装置300は、陥凹部の周囲の表面の少なくとも1箇所を突出部に接触させるように、アーム120A又は120Bに陥凹部を下方に移動させてもよい。
又は、接触部が突出部であり、被検出部が突出部であってもよい。アーム120A及び/又は120Bが、挿入体140等の突出部を有する部材を備え、作業場所に、軸等の突出部を有する治具150等の部材が配置されてもよい。ロボット100の水平方向の位置を検出する場合、例えば、図11に示すように、制御装置300は、下方に向いた円柱状の接触部140Aを、治具150Aの上方に向いた円柱状の被検出部150Aaの外周面上の少なくとも3箇所に接触させるように、アーム120A又は120Bに接触部140Aを側方に移動させてもよい。ロボット100の鉛直方向の位置を検出する場合、制御装置300は、接触部140Aを、被検出部150Aaの周囲の治具150Aの上面150Abの少なくとも1箇所に接触させるように、アーム120A又は120Bに接触部140Aを下方に移動させてもよい。図11は、実施の形態の変形例に係る接触部140Aと被検出部150Aaとの接触状態の一例を示す平面図である。
実施の形態では、本開示の技術が適用可能である機械装置として、産業用ロボット100を例示したが、本開示の技術は、産業用ロボット以外の機械装置に適用されてもよい。例えば、当該機械装置は、サービスロボット及びヒューマノイド等であってもよい。サービスロボットは、介護、医療、清掃、警備、案内、救助、調理、商品提供等の様々なサービス業で使用されるロボットである。
また、本開示の技術は、位置検出方法であってもよい。例えば、本開示の一態様に係る位置検出方法は、アームを備えるロボットの対象物に対する位置を検出する位置検出方法であって、(a)前記アームに、前記対象物に配置された少なくとも2つの被検出部のうちの第1被検出部に対して、水平方向での側方に、前記アームに配置された接触部を位置させることと、(b)前記アームに、前記接触部を前記側方に移動させ、前記第1被検出部の表面の少なくとも3箇所に前記接触部を接触させることと、(c)前記少なくとも3箇所それぞれでの接触時の前記接触部の前記ロボットに対する位置を検出することと、(d)検出された前記接触部の少なくとも3つの位置を用いて、前記ロボットに対する前記第1被検出部の位置を検出することと、(e)前記少なくとも2つの被検出部のうちの前記第1被検出部以外の前記被検出部についても、処理(a)~(d)と同様の処理を行うことと、(f)前記ロボットに対する前記少なくとも2つの被検出部の位置と、前記対象物に対する前記少なくとも2つの被検出部の位置とを用いて、前記対象物に対する前記ロボットの位置を検出することとを含む。上記位置検出方法は、CPU、LSIなどの回路、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
また、本開示の技術は、上記位置検出方法を実行するためのプログラムであってもよく、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
1 ロボットシステム
100 ロボット
110A,110B エンドエフェクタ
120A,120B アーム
140 挿入体(接触部)
150a 検知穴(被検出部)
300 制御装置

Claims (13)

  1. アームを備えるロボットの対象物に対する位置を検出する位置検出方法であって、
    (a)前記アームに、前記対象物に配置された少なくとも2つの被検出部のうちの第1被検出部に対して、水平方向での側方に、前記アームに配置された接触部を位置させることと、
    (b)前記アームに、前記接触部を前記側方に移動させ、前記第1被検出部の表面の少なくとも3箇所に前記接触部を接触させることと、
    (c)前記少なくとも3箇所それぞれでの接触時の前記接触部の前記ロボットに対する位置を検出することと、
    (d)検出された前記接触部の少なくとも3つの位置を用いて、前記ロボットに対する前記第1被検出部の位置を検出することと、
    (e)前記少なくとも2つの被検出部のうちの前記第1被検出部以外の前記被検出部についても、処理(a)~(d)と同様の処理を行うことと、
    (f)前記ロボットに対する前記少なくとも2つの被検出部の位置と、前記対象物に対する前記少なくとも2つの被検出部の位置とを用いて、前記対象物に対する前記ロボットの位置を検出することとを含む
    位置検出方法。
  2. 前記少なくとも2つの被検出部は、陥凹部と前記陥凹部に挿入可能である突出部とのうちの一方であり、
    前記接触部は、前記陥凹部と前記突出部とのうちの他方であり、
    処理(a)では、前記陥凹部に前記突出部を挿入するように前記接触部を移動させることで、前記第1被検出部の前記側方に前記接触部を位置させる
    請求項1に記載の位置検出方法。
  3. 処理(f)では、前記対象物に対する前記ロボットの位置及び向きを検出する
    請求項1または2に記載の位置検出方法。
  4. 前記アームは少なくとも2つの関節を含み、
    処理(b)では、前記少なくとも3箇所のそれぞれにおいて、前記少なくとも2つの関節のうちの第1関節を動作させることで前記第1被検出部の表面に前記接触部を接触させる第1動作の後に、前記少なくとも2つの関節のうちの第2関節を動作させることで前記第1被検出部の表面に前記接触部を接触させる第2動作を行う
    請求項1~3のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  5. 前記第1関節及び前記第2関節は、前記側方に前記接触部を移動させるような前記アームの動作を可能にする
    請求項4に記載の位置検出方法。
  6. 前記第1動作では、前記第2関節を駆動する第2サーボモータのゲインを前記第1関節を駆動する第1サーボモータのゲインよりも低くし、
    前記第2動作では、前記第1サーボモータのゲインを前記第2サーボモータのゲインよりも低くする
    請求項4または5に記載の位置検出方法。
  7. (g)前記アームに、各対象物に対応する制御のうちの実行中の制御の種類を表す動作をさせることをさらに含む
    請求項1~6のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  8. (a1)前記アームに、前記第1被検出部の周囲の表面である周囲面の上方に前記接触部を位置させることと、
    (b1)前記アームに、前記接触部を下降させ、前記周囲面に少なくとも1箇所で前記接触部を接触させることと、
    (c1)前記少なくとも1箇所それぞれでの接触時の前記接触部の前記ロボットに対する高さ方向の位置である高さ位置を検出することと、
    (d1)検出された前記接触部の少なくとも1つの高さ位置を用いて、前記ロボットに対する前記第1被検出部の高さ位置を検出することと、
    (e1)前記ロボットに対する前記第1被検出部の高さ位置を用いて、前記対象物に対する前記ロボットの高さ位置を検出することをさらに含む
    位置検出方法。
    請求項1~7のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の位置検出方法を実行する制御装置であって、
    処理(a)を、前記ロボットに対する手動操作が入力された前記ロボットの操作装置から出力される操作情報に従って、実行し、
    処理(b)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行する
    制御装置。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の位置検出方法を実行する制御装置であって、
    処理(a)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行する
    制御装置。
  11. 請求項1~8のいずれか一項に記載の位置検出方法を実行し且つ前記ロボットの動作を制御する制御装置と、
    前記ロボットとを備える
    ロボットシステム。
  12. 前記制御装置は、
    処理(a)を、前記ロボットに対する手動操作が入力された前記ロボットの操作装置から出力される操作情報に従って、実行し、
    処理(b)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行する
    請求項11に記載のロボットシステム。
  13. 前記制御装置は、処理(a)~処理(f)をプログラムに従って自動で実行する
    請求項11に記載のロボットシステム。
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