JP7329977B2 - マット材、排ガス浄化装置及びマット材付き排気管 - Google Patents

マット材、排ガス浄化装置及びマット材付き排気管 Download PDF

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Description

本発明は、マット材、排ガス浄化装置及びマット材付き排気管に関する。
従来、車両用、特に自動車の動力源として、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関が百年以上にわたり用いられてきた。しかしながら、排気ガスが健康や環境に害を与えることが次第に問題となってきている。それゆえ、最近では排気ガス中に含まれているCO、NOx、HC等の有害成分を除去する排気ガス浄化用触媒コンバーターや、PM(パティキュレートマター)等を除去するDPF(Diesel Particulate Filter)等の排ガス浄化装置が各種提案されるに至っている。
通常の排気ガス浄化装置は、排ガス処理体(触媒担体)と、前記触媒担体の外周を覆う金属ケーシングと、これらの間に配置される保持材とを備えている。また、排ガス処理体には白金等の触媒が担持されている。
排ガス処理体に担持された触媒が、排ガス中の有害成分を分解するためには、所定の活性化温度まで到達する必要がある。
内燃機関から放出された排ガスは高温であり、触媒は排ガスにより加熱されることにより活性温度まで到達することになる。
排ガスは排気管を通って排ガス浄化装置に到達することになるが、触媒を速やかに活性温度まで到達させるために、この際の熱のロスはできるだけ少ない方が望ましい。
また、触媒の活性温度を維持するために、排ガス浄化装置からの熱のロスもできるだけ少ない方が望ましい。
このような熱のロスを防ぐために、特許文献1には、筒状に形成された触媒担体(排ガス処理体)と、該触媒担体を収容するケーシングと、前記触媒担体に巻装されて前記触媒担体と前記ケーシングとの間隙に介装される保持材(マット材)とを備えた触媒コンバーター(排ガス処理体)に用いられる前記保持材であって、無機繊維と、ベンガラ、酸化チタン、酸化亜鉛及び炭化珪素から選ばれる少なくとも一種の断熱性充填材とを含有することを特徴とする触媒コンバーター用保持材を用いることが開示されている。
特開2003-293753号公報
特許文献1に記載の触媒コンバーター用の保持材は断熱性充填材を含有するので、これを用いることにより、ある程度の熱の放出は防ぐことはできる。しかし、断熱性能は充分な性能とは言えなかった。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、断熱性能が高いマット材を提供することである。
すなわち、本発明のマット材は、無機繊維からなるマット材であって、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含むことを特徴とする。
本発明のマット材は、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含む。
赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材の粒子径が上記範囲である場合、赤外線吸収率及び/又は赤外線反射効率が良好になり、また、固体伝熱率も適度な範囲となる。
そのため、本発明のマット材は、断熱性能が高い。
粒子径が1μm未満であると、体積が小さくなるので赤外線反射率及び/又は赤外線吸収率が低くなる。そのため、充分な断熱性能が得られにくくなる。
粒子径が100μmを超えると、固体伝熱率が高くなり、マット材の受熱面側から反対側の面に伝熱しやすくなる。そのため、充分な断熱性能が得られにくくなる。また、分散性が悪くなり、粒子同士の間隔が広くなる。そのため、粒子に当たる赤外線の割合が小さくなる。その結果、赤外線が、マット材の受熱面から反対側の面に通過しやすくなり断熱性能が低下する。
なお、本明細書において、赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材と同じ物質で構成される粒子であっても、粒子径が1μm未満であれば、その粒子は単なる無機粒子として扱う。
さらに、本発明のマット材は、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含むので、マット材の無機繊維に付着し、無機繊維表面の凹凸を形成することになる。そのため、マット材の無機繊維同士の摩擦力が向上する。その結果、マット材の面圧が向上する。
本発明のマット材は、ニードルパンチングマット材であって、下記断熱性能測定試験において、熱盤の温度が800℃であるときの、SUS板表面温度が322~338℃であることが望ましい。このようなマット材は、断熱性能が充分に高い。
断熱性能測定試験:
厚さ7mmのマット材から試験片を切り出し、断熱ブロックの上にスペーサーが配置され、スペーサーの上に熱盤が配置された熱盤試験機を準備し、熱盤試験機の熱盤の上に、試験片及び厚さ1.5mmのSUS板を順に重ね、熱盤を所定の温度にまで加熱し、熱盤の温度が所定の温度に到達してから40分経過後のSUS板の表面の温度を測定し、SUS板表面温度とする。
本発明のマット材は、抄造マット材であって、下記断熱性能測定試験において、熱盤温度が800℃であるときの、SUS表面温度が294~327℃であることが望ましい。このようなマット材は、断熱性能が充分に高い。
断熱性能測定試験:
厚さ7mmのマット材から試験片を切り出し、断熱ブロックの上にスペーサーが配置され、スペーサーの上に熱盤が配置された熱盤試験機を準備し、熱盤試験機の熱盤の上に、試験片及び厚さ1.5mmのSUS板を順に重ね、熱盤を所定の温度にまで加熱し、熱盤の温度が所定の温度に到達してから40分経過後のSUS板の表面の温度を測定し、SUS板表面温度とする。
本発明のマット材では、上記赤外線反射材は、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムからなる群からなる少なくとも1種からなることが望ましい。
これらの化合物は、赤外線反射率が高く、赤外線反射材として適している。
本発明のマット材では、上記赤外線吸収材は、炭化珪素からなることが望ましい。
炭化珪素は、赤外線吸収率が高く、赤外線吸収材として適している。
本発明のマット材では、上記無機繊維の重量と、上記赤外線反射材及び上記赤外線吸収材の合計重量との割合は、無機繊維の重量:赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量=100:0.5~100:200であることが望ましい。
赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量の割合が上記範囲未満の場合、赤外線反射材及び赤外線吸収材の含有量が少ないことに起因して、赤外線反射量及び赤外線吸収量が少なくなる。その結果、充分な断熱性能が得られにくくなる。
赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量の割合が上記範囲を超える場合、赤外線反射材及び赤外線吸収材が繊維から脱落しやすくなる。
本発明のマット材は、さらに粒子径が1μm未満の無機粒子を含むことが望ましい。
このような無機粒子は、マット材の無機繊維に付着し、無機繊維表面の凹凸を形成することになる。そのため、マット材の無機繊維同士の摩擦力が向上する。その結果、マット材の面圧が向上する。
本発明のマット材は、有機バインダを含むことが望ましい。
本発明のマット材が有機バインダを含むと、赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材が無機繊維から脱落することを防ぐことができる。
本発明のマット材は、立体成形品であってもよい。
すなわち、所定の形状を維持するように成形されたマット材であってもよい。
本発明のマット材が、配置対象の形状に合わせた立体成形品である場合、本発明のマット材を配置する際に、シワ等発生が抑制され、さらに密着性が向上する。マット材と配置対象との密着性が高い場合、マット材と配置対象との間に隙間が生じにくくなるので、これらの隙間から熱が放出されることが抑制できる。その結果、断熱性が向上する。
本発明の排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、上記排ガス処理体と上記金属ケーシングとの間に配置され、上記排ガス処理体を保持するマット材とを備える排ガス浄化装置であって、上記マット材は、上記本発明のマット材であることを特徴とする。
上記の通り本発明のマット材は断熱性能が高い。
従って、本発明のマット材が用いられた排ガス浄化装置では、排ガス処理体に到達した排ガスの熱が、外部に放出されにくい。
本発明のマット材付き排気管は、排気管と、上記排気管を覆うように配置されたマット材と、上記マット材の外側に配置された金属カバーとを備えるマット材付き排気管であって、上記マット材は、上記本発明のマット材であることを特徴とする。
上記の通り本発明のマット材は断熱性能が高い。
従って、本発明のマット材が用いられたマット材付き排気管では、排気管を通過するガスの熱が、外部に放出されにくい。
図1は、本発明に係るマット材の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、マット材の断熱性能試験を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明のマット材を備える排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。 図4(a)は、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)のA-A線断面図である。 図5は、本発明のマット材を備えるマット材付き排気管の一例を模式的に示す断面図である。 図6(a)~図6(e)は、それぞれ、実施例1-1~1-4及び比較例1-2に係るマット材の無機繊維のSEM画像である。 図7(a)~図7(d)は、それぞれ、実施例2-1~2-4に係るマット材の無機繊維のSEM画像である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明のマット材について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明に係るマット材を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るマット材の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、マット材10は、平面視矩形であり、マット材10を対象物に巻き付ける際に、端部同士が嵌合するように、マット材10の一方の端部11には凸部11aが設けられており、もう一方の端部12に凹部12aが設けられている。
このような凸部11a及び凹部12aが設けられていると、マット材10を後述する排ガス浄化装置に配置した際に、シール性が向上する。
なお、本発明のマット材は、マット材の端部に凸部及び凹部を有していなくてもよい。
マット材10は、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含む。
また、赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材の粒子径は、1~10μmであることが望ましい。
赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材の粒子径が上記範囲である場合、赤外線吸収率及び/又は赤外線反射効率が良好になり、また、固体伝熱率も適度な範囲となる。
そのため、本発明のマット材は、断熱性能が高い。
粒子径が1μm未満であると、体積が小さくなるので赤外線反射率及び/又は赤外線吸収率が低くなる。そのため、充分な断熱性能が得られにくくなる。
粒子径が100μmを超えると、固体伝熱率が高くなり、マット材の受熱面側から反対側の面に伝熱しやすくなる。そのため、充分な断熱性能が得られにくくなる。また、分散性が悪くなり、粒子同士の間隔が広くなる。そのため、粒子に当たる赤外線の割合が小さくなる。その結果、赤外線が、マット材の受熱面側から反対側の面に通過しやすくなり断熱性能が低下する。
マット材10では、無機繊維の重量と、上記赤外線反射材及び上記赤外線吸収材の合計重量との割合は、無機繊維の重量:赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量=100:0.5~100:200であることが望ましく、100:10~100:100であることがより望ましい。
赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量の割合が上記範囲未満の場合、赤外線反射材及び赤外線吸収材の含有量が少ないことに起因して、赤外線反射量及び赤外線吸収量が少なくなる。その結果、充分な断熱性能が得られにくくなる。
赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量の割合が上記範囲を超える場合、赤外線反射材及び赤外線吸収材が繊維から脱落しやすくなる。
マット材10において、赤外線反射材は、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムからなる群からなる少なくとも1種からなることが望ましい。
これらの化合物は、赤外線反射率が高く、赤外線反射材として適している。
なお、赤外線反射材は、酸化チタンであることがより望ましい。また、赤外線反射材が酸化チタンである場合、その粒子径は、1~10μmであることが望ましい。
マット材10において、赤外線吸収材は、炭化珪素からなることが望ましい。
炭化珪素は、赤外線吸収率が高く、赤外線吸収材として適している。
マット材10では、赤外線反射材及び赤外線吸収材が2種以上併用されていてもよい。
マット材10は、ニードルパンチングマット材であってもよく、抄造マット材であってもよい。
マット材10が、ニードルパンチングマット材である場合、無機繊維の平均長は、1~150mmであることが望ましく、10~80mmであることがより望ましい。
無機繊維の平均繊維長が1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、マット材の強度が得られにくくなり、マット材の形状保持性が低下しやすくなる。
繊維の平均繊維長が150mmを超えると、繊維の繊維長が長すぎるため、マット材を構成する繊維本数が減少するため、緻密性が低下する。
マット材10が、抄造マット材である場合、無機繊維の平均繊維長は、0.1~20mmであることが望ましい。
無機繊維の平均繊維長が0.1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、マット材としての形状保持性が低下してしまう。さらに、マット材として繊維集合体にしたときに無機繊維同士に好適な絡み合いが起こらず、充分な面圧を得ることが困難になる。
無機繊維の平均繊維長が20mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、抄造工程で水に無機繊維を分散したスラリー溶液中の無機繊維同士の絡み合いが強くなりすぎるため、マット材としたときに無機繊維が不均一に集積しやすくなり、せん断強度も低下しやすくなる。
無機繊維長の測定は、ニードルパンチング法や抄造法ともにピンセットを使用して、マット材から無機繊維が破断しないように抜き取り、光学顕微鏡を使用して繊維長を測定する。
本明細書において、平均繊維長とは、マット材から無機繊維300本を抜き取り、繊維長を計測した平均長さを意味する。マット材から無機繊維を破断せずに抜き取れない場合、マット材を脱脂処理して、脱脂済みマット材を水の中へ投入し、無機繊維同士の絡みをほぐしながら無機繊維が破断しないように採取すると良い。
マット10では、無機繊維の平均繊維径は、1~20μmであることが望ましく、2~15μmであることがより望ましく、3~10μmであることがさらに望ましい。
無機繊維の平均繊維径が1μm未満であると、強度が弱く、衝撃等により無機繊維が裁断されやすくなる。
無機繊維の平均繊維径が20μmを超えると、繊維径が太すぎ無機繊維自体のヤング率が高くなりマット材の柔軟性が低くなりやすくなる。
無機繊維は、アルミナ繊維、アルミナ-シリカ繊維、シリカ繊維、グラスウール、ロックウール等が挙げられる。これらの中では、アルミナ-シリカ繊維であることが望ましい。
これらの無機繊維は耐熱性が高く、このような無機繊維により形成されたマット材は、温度変化によって形状変化しにくい。
さらに、無機繊維がアルミナ-シリカ繊維である場合、アルミナとシリカの組成比は、重量比でアルミナ(Al):シリカ(SiO)=60:40~80:20であることが望ましく、アルミナ(Al):シリカ(SiO)=70:30~74:26であることがより望ましい。
マット材10では、無機繊維が2種以上併用されていてもよい。
マット材10は、さらに粒子径が1μm未満の無機粒子を含むことが望ましい。
また、無機粒子の粒子径は、0.001μm以上であることが望ましく、0.01μm以上であることがより望ましい。
このような無機粒子は、マット材10の無機繊維に付着し、無機繊維表面の凹凸を形成することになる。そのため、マット材10の無機繊維同士の摩擦力が向上する。その結果、マット材10の面圧が向上する。
このような無機粒子を構成する物質としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
マット材10が無機粒子を含む場合、無機繊維の重量と、無機粒子の重量との割合は、無機繊維の重量:無機粒子の重量=100:0.1~100:10であることが望ましい。
マット材10は、さらに有機バインダを含むことが望ましい。
マット材10が有機バインダを含むと、無機繊維がマット材から飛散したり、無機粒子、並びに、赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材が無機繊維から脱落することを防ぐことができる。
このような有機バインダとしては、アクリル系樹脂、アクリレート系ラテックス、ゴム系ラテックス、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコール等の水溶性又は水分散した有機重合体、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
これらの有機バインダは、2種以上併用してもよい。
上記の通り、マット材10は、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含むので、断熱性能が高い。
また、マット材10は、ニードルパンチングマット材であってもよく、抄造マット材であってもよいが、製造方法の違いにより断熱性能に差が生じる。
マット材10は、ニードルパンチングマット材である場合には、下記断熱性能測定試験において、熱盤の温度が800℃であるときの、SUS表面温度が322~338℃であることが望ましい。
また、マット材10が、抄造マット材である場合には、下記断熱性能測定試験において、熱盤温度が800℃であるときの、SUS表面温度が294~327℃であることが望ましい。
このようなマット材10は、断熱性能が充分に高いと言える。
ここで、断熱性能測定試験について図面を用いて説明する。
図2は、マット材の断熱性能試験を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、断熱性能測定試験では、まず、厚さ7mmのマット材から試験片15を切り出す。
次に、断熱ブロック21の上にスペーサー22が配置され、スペーサー22の上に熱盤23が配置された熱盤試験機20を準備する。
次に、熱盤試験機20の熱盤23の上に、試験片15及び厚さ1.5mmのSUS板30を順に重ねる。
次に、熱盤23を所定の温度にまで加熱し、熱盤23の温度が所定の温度に到達してから40分経過後のSUS板30の表面(図2中、符号「P」で示す位置)の温度を測定し、SUS板表面温度とする。
次に、本発明のマット材の製造方法について説明する。
本発明のマット材は、ニードルパンチング法により製造してもよく、抄造法により製造してもよい。
以下に、ニードルパンチング法による本発明のマット材の製造方法、及び、抄造法によるマット材の製造方法について説明する。
(ニードルパンチング法によるマット材の製造方法)
(1)無機繊維前駆体作製工程
アルミナ、シリカ等の無機繊維となる原料を含む紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して無機繊維前駆体を作製する。
(2)焼成工程
続いて、上記無機繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、これにニードルパンチング処理を施し、その後、焼成処理を施すことによりアルミナ繊維からなる無機繊維集合体を準備する。
ニードルパンチングの密度は、0.1~30個/cmであることが望ましい。
(3)赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材付与工程
続いて、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含む溶液を準備し、当該溶液を無機繊維集合体に添着する。これにより、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を無機繊維に付着させ、その後乾燥させる。
なお、必要に応じて赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含む溶液に、無機粒子及び有機バインダを加えてもよい。
以上の工程を経て本発明のマット材を準備することができる。
(抄造法によるマット材の製造方法)
(1)混合液調製工程
まず、無機繊維と、粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材と、無機粒子と、有機バインダと、水とを混合し、攪拌機で撹拌することにより混合液を調製する。
本工程で用いる各材料は、上記本発明のマット材の説明で記載した各材料を用いることが望ましい。
(2)脱水工程
次に、底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込んだ後に、混合液中の水を、メッシュを介して脱水することにより原料シートを作製する。
(3)加熱加圧工程
次に、原料シートを加熱加圧し、マット材を作製する。また、加熱加圧の際、熱風を原料シートに通気させて乾燥する熱処理をしてもよく、熱処理をせずに湿潤状態としてもよい。
熱処理をする場合には、有機バインダの熱による劣化を防ぐため、加熱温度や熱風温度は100~250℃であることが望ましい。100~250℃の範囲においては、有機バインダの劣化を抑制しつつ、水分をマット材からとばすことができる。加熱温度や熱風温度が100℃未満の場合、マット材の中央部まで温度が伝わらず、乾燥時間が長くなる。また、250℃を超えると、有機バインダを劣化させてしまい、繊維間の拘束力を低減させるため、マット材の厚みが制御できなくなる。
以上の工程を経て本発明のマット材を製造することができる。
また、本発明のマット材は、配置対象の形状に合わせて立体成形された立体成形品であってもよい。
本発明のマット材が、配置対象の形状に合わせた立体成形品である場合、本発明のマット材を配置する際に、シワ等発生が抑制されさらに密着性が向上する。マット材と配置対象との密着性が高い場合、マット材と配置対象との間に隙間が生じにくくなるので、これらの隙間から熱が放出されることが抑制できる。その結果、断熱性が向上する。
このような立体成形品であるマット材は、従来の立体成形マットの製造方法により製造することができる。
本発明のマット材は、断熱性が求められるマット材として使用されるのであればその用途は特に限定されない。
本発明のマット材を使用する際には、マット材を対象物に巻き付けてもよく、単に配置するだけでもよい。
このような本発明のマット材の用途としては、排ガス浄化装置に使用されるマット材としての用途や、マット材付き排気管に使用されるマット材としての用途が挙げられる。
本発明のマット材の使用方法の一例である、本発明のマット材を備えた排ガス浄化装置について説明する。
なお、本発明のマット材を備える排ガス浄化装置は、本発明の排ガス浄化装置でもある。
図3は、本発明のマット材を備える排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、排ガス浄化装置100は、排ガス処理体40と、排ガス処理体40を収容する金属ケーシング50と、排ガス処理体40と金属ケーシング50との間に配置され、排ガス処理体40を保持するマット材10とを備える。
また、マット材10は、本発明のマット材である。
通常、排ガス浄化装置100には、約800℃の排ガスが流入し(図3中、排ガスを符号「G」で示し、ガスの流れを矢印で示す)、排ガス処理体40も800℃程度に加熱されることになる。
排ガス浄化装置100では、マット材10が排ガス処理体40と接触している。
上記の通り本発明のマット材は断熱性能が高い。
従って、本発明のマット材が用いられた排ガス浄化装置では、排ガス処理体に到達した排ガスの熱が、外部に放出されにくい。
以下、排ガス浄化装置100を構成する排ガス処理体及び金属ケーシングについて説明する。
(排ガス処理体)
図4(a)は、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)のA-A線断面図である。
図4(a)及び(b)に示すように、排ガス浄化装置100に含まれる排ガス処理体40は、多数のセル41がセル壁42を隔てて長手方向に並設された円柱状のものである。
また、排ガス処理体40では、各々のセル41におけるいずれか一方が封止材43によって目封じされた排ガスフィルタ(ハニカムフィルタ)である。
図4(b)に示すように、内燃機関から排出され排ガス処理体40に流入した排ガス(図4(b)中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、排ガス処理体40の排ガス流入側端面に開口した一のセル41に流入し、セル41を隔てるセル壁42を通過することになる。この際、排ガス中のPMがセル壁42で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面に開口した他のセル41から流出し、外部に排出される。
なお、図4(a)及び(b)に示す排ガス処理体40は、セル41のいずれか一方の端部が封止材43で封止されているフィルタであるが、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体は、セルの端部が封止されていなくてもよい。このような排ガス処理体は、触媒担体として好適に使用することが可能となる。
排ガス処理体40は、炭化珪素や窒化珪素などの非酸化多孔質セラミックからなっていてもよく、サイアロン、アルミナ、コーデェライト、ムライト等の酸化多孔質セラミックからなっていてもよい。これらの中では、炭化珪素であることが望ましい。
排ガス処理体40が炭化珪素質の多孔質セラミックである場合、多孔質セラミックの気孔率は特に限定されないが、35~60%であることが望ましい。
気孔率が35%未満であると、排ガス処理体がすぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、気孔率が60%を超えると、排ガス処理体の強度が低下して容易に破壊されることがある。
また、多孔質セラミックの平均気孔径は5~30μmであることが望ましい。
平均気孔径が5μm未満であると、PMが容易に目詰まりを起こすことがあり、一方、平均気孔径が30μmを超えると、PMが気孔を通り抜けてしまい、PMを捕集することができず、フィルタとして機能することができないことがあるからである。
なお、上記気孔率及び気孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定の従来公知の方法により測定することができる。
排ガス処理体40の断面におけるセル密度は、特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/inch)、望ましい上限は、93.0個/cm(600個/inch)である。また、より望ましい下限は、38.8個/cm(250個/inch)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/inch)である。
排ガス処理体40には、排ガスを浄化するための触媒を担持させてもよく、担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、この中では、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これら触媒が担持されていると、PMを燃焼除去しやすくなり、有毒な排ガスの浄化も可能になる。
(金属ケーシング)
金属ケーシング50は、略円筒形である。
金属ケーシング50の内径(排ガス処理体を収容する部分の内径)は、マット材10が巻き付けられた排ガス処理体40の直径より若干短くなっていることが好ましい。
金属ケーシング50は、特に限定されないが、ステンレス鋼からなることが望ましい。
次に、本発明のマット材の使用方法の一例である、本発明のマット材を備えたマット材付き排気管について説明する。
なお、本発明のマット材を備えるマット材付き排気管は、本発明のマット材付き排気管でもある。
図5は、本発明のマット材を備えるマット材付き排気管の一例を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、マット材付き排気管200は、排気管60と、排気管60を覆うように配置されたマット材10と、マット材10の外側に配置された金属カバー70とを備える。
通常、排ガス(図5中、排ガスを符号「G」で示し、ガスの流れを矢印で示す)が排気管60内を通過する際、排気管60は約380℃程度になる。
上記の通り本発明のマット材は断熱性能が高い。
従って、本発明のマット材が用いられた排ガス浄化装置では、排ガス処理体に到達した排ガスの熱が、外部に放出されにくい。
マット材付き排気管200において、排気管60は、ステンレス鋼等の金属からなることが望ましい。
また、マット材付き排気管200において、金属カバー70は、ステンレス鋼等の金属からなることが望ましい。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1-1)
(1)無機繊維前駆体作製工程
塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後の無機繊維における組成比が、Al:SiO=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法(紡糸雰囲気温度:120℃)により紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製した。
得られたアルミナ繊維前駆体の平均繊維径は5.5μmであった。
(2)焼成工程
続いて、上記アルミナ繊維前駆体を圧縮して幅1254mm×厚さ7.9mmの大きさの連続したシート状物を作製した。
これ密度が23個/cmとなるように、ニードルパンチング処理を行った。
その後、シート状物を最高温度1300℃で焼成することにより、アルミナ繊維前駆体をアルミナ繊維に転換し無機繊維集合体のシートを得た。
(3)赤外線反射材付与工程
続いて、酸化チタン(平均粒子径:8μm、キンセイマテック株式会社製「ルチールフラワーS」)と、有機バインダとを含む溶液を準備し、当該溶液を無機繊維集合体に添着させた。これにより、酸化チタンを無機繊維に付着させ、その後乾燥させた。
以上の工程を経て、ニードルパンチングマット材である実施例1-1に係るマット材を製造した。
実施例1に係るマット材では、アルミナ繊維(無機繊維)の重量と、酸化チタン(赤外線反射材)の重量との比が、100:34.4であった。
(実施例1-2)~(実施例1-4)及び(比較例1-1)~(比較例1-2)
酸化チタンの替わりに酸化ジルコニウム(平均粒子径:60μm、東ソー株式会社製「ジルコニア粉末 TZ-3Y-E」)、酸化亜鉛(平均粒子径:20μm、堺化学工業株式会社製「LPZINC-20」)及び炭化珪素(平均粒子径:24μm、屋久島電工株式会社製「YB-600M」)を用い、アルミナ繊維(無機繊維)の重量と、赤外線反射材又は赤外線吸収材の重量との比を表1に示す比にした以外は、実施例1-1と同様に実施例1-2~実施例1-4に係るマット材を製造した。
また、酸化チタンを用いない以外は実施例1-1と同様に、比較例1-1に係るマット材を製造した。
また、酸化チタンの替わりに、酸化アルミニウム(平均粒子径:0.03μm、Sasol社製「DISPAL 11N7-80」)を用い、アルミナ繊維(無機繊維)の重量と、酸化アルミニウム(無機粒子)の重量との比が100:1.0となるようにした以外は、実施例1-1と同様に比較例1-2に係るマット材を製造した。
Figure 0007329977000001
実施例1-1~1-4及び比較例1-2に係るマット材の無機繊維の状態をSEMにて観察した。結果を図6(a)~図6(e)に示す。
図6(a)~図6(e)は、それぞれ、実施例1-1~1-4及び比較例1-2に係るマット材の無機繊維のSEM画像である。
(実施例2-1)
(1)混合液調製工程
塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後の無機繊維における組成比が、Al:SiO=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法(紡糸雰囲気温度:120℃)により紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製した。
得られたアルミナ繊維前駆体の平均繊維径は5.5μmであった。
次に、得られた無機繊維前駆体を圧縮し、連続したシート状物を作製した。その後シート状物を加熱炉内に配置し、焼成処理を行うことにより、無機繊維集合体を製造した。
次に、無機繊維集合体から、ミキサーを用いて湿式開繊し、アルミナ繊維を得た。
無機繊維と、酸化チタン(平均粒子径:8μm、キンセイマテック株式会社製「ルチールフラワーS」)と、酸化アルミニウム(平均粒子径:0.005μm、Sasol社製「DISPERAL P2」)と有機バインダとを混合し、混合液を調整した。
(2)脱水工程
次に、底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込んだ後に、混合液中の水を、メッシュを介して脱水することにより原料シートを作製した。
(3)加熱加圧工程
次に、原料シートを175℃で加熱加圧した。
以上の工程を経て、抄造マット材である実施例2-1に係るマット材を作製した。
実施例2-1に係るマット材では、アルミナ繊維(無機繊維)の重量と、酸化チタン(赤外線反射材)の重量との比が、100:34.4であった。
(実施例2-2)~(実施例2-4)
酸化チタンの替わりに酸化ジルコニウム(平均粒子径:60μm、東ソー株式会社製「ジルコニア粉末 TZ-3Y-E」)、酸化亜鉛(平均粒子径:20μm、堺化学工業株式会社製「LPZINC-20」)及び炭化珪素(平均粒子径:24μm、屋久島電工株式会社製「YB-600M」)を用い、アルミナ繊維(無機繊維)の重量と、赤外線反射材又は赤外線吸収材の重量との比を表2に示す比にした以外は、実施例2-1と同様に実施例2-2~実施例2-4に係るマット材を製造した。
Figure 0007329977000002
実施例2-1~2-4に係るマット材の無機繊維の状態をSEMにて観察した。結果を図7(a)~図7(d)に示す。
図7(a)~図7(d)は、それぞれ、実施例2-1~2-4に係るマット材の無機繊維のSEM画像である。
(断熱性能測定試験)
実施例1-1~1-4及び比較例1-1~1-2に係る厚さ7mmのマット材から試験片を切り出した。
次に、断熱ブロックの上にスペーサーが配置され、スペーサーの上に熱盤が配置された熱盤試験機を準備した。
次に、熱盤試験機の熱盤の上に、試験片及び厚さ1.5mmのSUS板を順に重ねた。
次に、熱盤を200℃、400℃、600℃及び800℃に加熱し、熱盤の温度が各温度に到達してから40分経過後のSUS板の表面の温度を測定し、SUS板表面温度とした。
結果を表3に示す。
Figure 0007329977000003
また、実施例2-1~2-4に係るマット材を用いて、同様に断熱性能測定試験を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0007329977000004
表3及び表4に示すように、実施例1-1~1-4及び実施例2-1~2-4に係るマット材は、断熱性能が高いことが判明した。
(熱間1000サイクル後面圧の測定)
実施例1-1に係るマット材及び比較例1-1に係るマット材を熱間面圧測定装置上部板と下部板との間に配置し、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.30g/cmとなるように圧縮する圧縮工程を行い、上記圧縮工程の後、圧縮した状態で45℃/minの昇温速度でマット材を上部板900℃-下部板650℃まで加熱し、温度を上部板900℃-下部板650℃に保ったまま、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cmとなるように解放する解放工程を行い、上記解放工程の後、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.30g/cmとなるように再圧縮し、その後、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cmとなるように再解放し、上記再圧縮及び上記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行い、上記サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、上記荷重を各マット材の面積で除算することにより1000サイクル後の面圧(kPa)を測定した。結果を表5に示す。
また、圧縮工程において、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.40g/cmとなるように圧縮し、解放工程においてマット材の空隙かさ密度(GBD)が0.36g/cmとなるように解放し、上記解放工程の後、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.40g/cmとなるように再圧縮し、その後、マット材の空隙かさ密度(GBD)が0.36g/cmとなるように再解放し、上記再圧縮及び上記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行った以外は上記方法と同様の方法で、1000サイクル後の面圧(kPa)を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0007329977000005
表5に示すように、本発明のマット材の1000サイクル後の面圧が充分に高いことは判明した。
すなわち、本発明のマット材は、高温下でマット材の圧縮開放が繰り返されたとしても、面圧が低下しにくいことが判明した。
そのため本発明のマット材を排ガス浄化装置やマット材付き排気管に適用した場合、排ガス浄化装置やマット材付き排気管は、車両の駆動時に振動に曝されることになるが、本発明のマット材面圧が低下しにくい。従って、排ガス処理体がケーシングから脱落したり、マット材自身がマット材付き排気管から脱落することを防ぐことができる。
(熱伝導率の測定)
平均粒子径が、0.7μm、2.8μm及び8.0μmの酸化チタンの25℃、300℃、500℃及び800℃における熱伝導率(W/m・K)を熱線法により測定した。
結果を表6に示す。
Figure 0007329977000006
表6に示すように、粒子径が1~10μmの酸化チタンは、熱伝導率が高すぎない。特に、500~800℃において、粒子径が1μm未満の酸化チタンに比べ、熱伝導率が低くなる。
これは、酸化チタンの赤外線反射率が高いので、固体伝導が高くならなかったことが原因と考えられる。
そのため、赤外線反射材としては、粒子径が1~10μmの酸化チタンを用いることが望ましいことが判明した。
10 マット材
11 一方の端部
11a 凸部
12 もう一方の端部
12a 凹部
15 試験片
20 熱盤試験機
21 断熱ブロック
22 スペーサー
23 熱盤
30 SUS板
40 排ガス処理体
41 セル
42 セル壁
43 封止材
50 金属ケーシング
60 排気管
70 金属カバー
100 排ガス浄化装置
200 マット材付き排気管

Claims (10)

  1. 無機繊維からなるマット材であって、
    粒子径が1~100μmの赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材を含み、
    前記マット材は抄造マットであり、
    前記赤外線反射材及び/又は赤外線吸収材は、前記マット材を構成する前記無機繊維全体に付着していることを特徴とするマット材。
  2. 記断熱性能測定試験において、熱盤温度が800℃であるときの、SUS表面温度が294~327℃である請求項1に記載のマット材。
    断熱性能測定試験:
    厚さ7mmのマット材から試験片を切り出し、
    断熱ブロックの上にスペーサーが配置され、スペーサーの上に熱盤が配置された熱盤試験機を準備し、
    熱盤試験機の熱盤の上に、試験片及び厚さ1.5mmのSUS板を順に重ね、
    熱盤を所定の温度にまで加熱し、
    熱盤の温度が所定の温度に到達してから40分経過後のSUS板の表面の温度を測定し、SUS板表面温度とする。
  3. 前記赤外線反射材は、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムからなる群からなる少なくとも1種からなる請求項1又は2に記載のマット材。
  4. 前記赤外線吸収材は、炭化珪素からなる請求項1~のいずれかに記載のマット材。
  5. 前記無機繊維の重量と、前記赤外線反射材及び前記赤外線吸収材の合計重量との割合は、無機繊維の重量:赤外線反射材及び赤外線吸収材の合計重量=100:0.5~100:200である請求項1~のいずれかに記載のマット材。
  6. 前記マット材は、さらに粒子径が1μm未満の無機粒子を含む請求項1~のいずれかに記載のマット材。
  7. 前記マット材は、さらに有機バインダを含む請求項1~のいずれかに記載のマット材。
  8. 前記マット材は、立体成形品である請求項1~のいずれかに掲載のマット材。
  9. 排ガス処理体と、
    前記排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、
    前記排ガス処理体と前記金属ケーシングとの間に配置され、前記排ガス処理体を保持するマット材とを備える排ガス浄化装置であって、
    前記マット材は、請求項1~のいずれかに記載のマット材であることを特徴とする排ガス浄化装置。
  10. 排気管と、
    前記排気管を覆うように配置されたマット材と、
    前記マット材の外側に配置された金属カバーとを備えるマット材付き排気管であって、
    前記マット材は、請求項1~のいずれかに記載のマット材であることを特徴とするマット材付き排気管。
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