1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において画像というときは、静止画だけでなく、動画を含むものとする。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、表示装置91、始動領域904、大入賞領域906、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する場合には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報(厳密には後述する変動前保留情報)として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。
本実施形態では、保留図柄10として、当否抽選結果を報知する変動中演出(装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう。以下単に「変動」と称することもある)は開始されているものの、当否抽選結果の報知は完了していない当否抽選情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄11(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否抽選結果を報知する変動中演出が開始されていない当否抽選情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄12が表示される(図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄11の方が変動前保留図柄12よりも大きく表示されるが、両者の基本的な形態は同じである。変動中保留図柄11と変動前保留図柄12の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。また、変動中保留図柄11が表示されない構成としてもよい。なお、変動前保留図柄12に対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる保留「消化順」)は、右に位置するものほど早い。
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特図1および特図2の一方に相当する保留図柄10に関していえば、一つの変動中保留図柄11と、最大四つの変動前保留図柄12が表示されることがある(図2参照)。変動前保留図柄12は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき状態(後述する通常遊技状態)であれば第一変動前保留情報(特図1保留)が変動前保留図柄12として表示され、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき状態(後述する特別遊技状態)であれば第二変動前保留情報(特図2保留)が変動前保留図柄12として表示されるように設定されている。遊技状態によらず、記憶手段に記憶されている第一変動前保留情報および第二変動前保留情報のいずれにも対応する変動前保留図柄12が表示される(最大八つの変動前保留図柄12が表示される)構成としてもよい。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄80(図2参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄群80g(左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群80gから一の装飾図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各装飾図柄群80gから選択されて停止した装飾図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ装飾図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。装飾図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。
なお、表示領域911の外縁近傍に、目立たないように各種情報を示す画像(いわゆる「小図柄」等)が表示されるようにしてもよい(各図においては当該画像の図示を省略する)。遊技者は、この種の画像を意識せずに遊技を楽しむことが可能となっている。つまり、基本的には、装飾図柄80を見て当否抽選結果を把握することが可能である。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている(図3参照)。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態(例えば大当たり確率約1/320とされる)であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率遊技状態(例えば大当たり確率約1/80とされる)であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。
本実施形態では、全ての大当たり遊技終了後に特別遊技状態に移行する。特別遊技状態は、所定回数(例えば100回)連続して当否抽選結果がはずれとなることをもって終了する。特別遊技状態が終了した場合には通常遊技状態に移行する。特別遊技状態に移行してから所定回数連続してはずれとなる前に大当たりに当選した場合には再び特別遊技状態に移行する(所定回数のカウントがリセットされる)ことになる。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、特別遊技状態に移行してから所定回数連続してはずれとなる前に大当たりに当選することが連チャンの条件となるいわゆるST機である。なお、以下の説明において特に明示した場合を除き、当該遊技性(スペック)とすることはあくまで一例である。例えば、いわゆる確変ループ機であってもよい。また、V確変機であってもよい。また、いわゆる小当たりが搭載され、当該小当たり当選時に所定の領域に遊技球が進入することで大当たりが獲得できる遊技機(一種・二種混合機)であってもよい。また、上記通常遊技状態や特別遊技状態とは異なる遊技状態、例えば、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)とされる遊技状態が設定された構成としてもよい。
2)以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な各種演出等について説明する。なお、以下で説明する演出等の一部のみ実行可能な構成としてもよい。また、所定のモード(遊技者自らが選択可能なモードであってもよいし、自動で(遊技者が選択せずに)設定されるモードであってもよい)が設定されている場合に限り、以下で説明する演出等が発生しうる構成としてもよい。
2-1)特定先読み演出
本実施形態にかかる遊技機1は、先読み演出の一種として、特定先読み演出(図4参照)を実行することが可能である。特定先読み演出は、一般的な先読み演出と同様に、ある当否抽選結果(先読み対象の当否抽選結果;以下、「2-1)特定先読み演出」の説明において対象当否抽選結果と称することもある)についての変動中演出(以下、対象変動中演出と称することもある)が開始されるよりも前の変動中演出(以下、先の変動中演出と称することもある)が実行されている最中に開始される演出であって、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)を示唆するものである。一部の図面においては、対象当否抽選結果に対応する保留図柄10を「T」で示す。なお、特定先読み演出に利用される先の変動中演出に対応する当否抽選結果(先の当否抽選結果)は、「はずれ」となるものである(図4(b)参照)。
特定先読み演出は、前半部分(図4(a)、(b)参照)と後半部分(図4(c-1)、(c-2)参照)を含む。前半部分は、先の変動中演出中に実行される部分である。本実施形態では、当該前半部分は、対象変動中演出の一つ前の先の変動中演出中に実行される。具体的には、当該前半部分は、当該一つ前の先の変動中演出が開始された後に開始され(図4(a)参照)、当該一つ前の先の変動中演出が終了すると同時に終了する(図4(b)参照)。当該前半部分の演出態様は、毎回態様が同じ(後述する後半部分の態様にかかわらず態様が同じ)である。本実施形態では、「何か来る?」という文字(前半用文字15)が表示領域911に表示される。このように、毎回態様が同じであるということは、前半部分の態様自体は、信頼度を示唆するものではない。あくまで特定先読み演出が発生することを予告するというものである(特定先読み演出が発生する蓋然性が高まったという意味では信頼度を示唆するといえるが、その信頼度の高低を示唆するものではない)。
特定先読み演出の後半部分は、対象変動中演出中に実行される部分である。具体的には、当該後半部分は、対象変動中演出が開始されると同時に開始され、対象変動中演出が終了するよりも前(対象当否抽選結果の報知が完了するよりも前)に終了する(図4(c-1)、(c-2)参照)。当該後半部分の演出態様は、毎回態様が異なりうるものである。当該後半部分は、前半部分とは異なり、対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆するものである。本実施形態では、第一後半態様(図4(c-1)参照)および第二後半態様(図4(c-2)参照)のいずれかが発生する。第一後半態様が発生した場合よりも、第二後半態様が発生した場合の方が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度は高い。後半態様は、前半用文字15に続く文字(後半用文字16)が表示されるものである。本実施形態における第一後半態様は「チャンスだ!」という文字(第一後半用文字161)が表示されるものであり、第二後半態様は「激熱だ!」という文字(第二後半用文字162)が表示されるものである。つまり、前半部分の演出上のセリフ(「何か来る?」)を受け、後半部分ではそれに続くセリフが表示される(各後半用文字16(後半のセリフ)は、前半用文字15(前半のセリフ)に続く、違和感のない態様とされる)。
前半部分と後半部分とを一連の演出にみせるため、本実施形態では、前半部分は対象変動中演出の一つ前の先の変動中演出中の終了時点(はずれ報知完了時点)を含む期間(先の期間)に実行され、後半部分は対象変動中演出の開始時点を含む期間(後の期間)に実行される(先の期間と後の期間は間に空白期間がない一続きの期間である)。このようにすることで、前半部分と後半部分が連続的に実行される(前半部分のセリフ(前半用文字15)を受けて、空白期間なしで後半部分のセリフ(後半用文字16)が表示される)演出形態となる。ただし、空白期間が生じるような演出形態とすることを否定するわけではない。すなわち、対象変動中演出の一つ前の先の変動中演出中の終了時点よりも前に前半部分が終了する、対象変動中演出が開始された後に後半部分が開始される、といった設定とすることを否定するわけではない。しかし、前半部分と後半部分とが一続きの演出であるように見せる作用を高めるのであれば、本実施形態のようにすることが好ましい。
このように、本実施形態における特定先読み演出は、先の変動中演出中には毎回態様が同じ(信頼度を示唆するものではない)である前半部分が実行され、対象変動中演出中に毎回態様が異なる(態様により信頼度を示唆する)後半部分が実行される。つまり、先の変動中演出にて先読み演出の発生を予告しつつ、実際に対象当否抽選結果の信頼度を示唆するのは対象変動中演出中に実行される演出(後半態様)である。仮に、先の変動中演出中にて信頼度を示唆する(本実施形態でいえば前半部分にて信頼度が示唆される)構成とすると、当該信頼度の示唆が、先の当否抽選結果についてのものであるのか、対象当否抽選結果についてのものであるのか分かりにくくなるおそれがある。このようなおそれを低減するため、本実施形態では、前半部分(先の変動中演出での演出)はあくまで信頼度示唆の演出(後半部分)の発生を予告することに留め、後半部分(対象変動中演出での演出)により信頼度が示唆されるものとしている。
また、上記のようなおそれを低減するためであれば、前半用文字15および後半用文字16の両方が対象変動中演出中に表示されるようにすればよいとも考えられるが、このようにすると「先読み演出」として機能しなくなるし、一連の演出の全てを対象変動中演出にて実行しなければならなくなるため、当該一連の演出に要する時間が長くなってしまう。本実施形態における特定先読み演出は、このような問題を解消することができるものである。
以下、上記特定先読み演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例1-1
上記実施形態における特定先読み演出は、前半部分および後半部分として表示領域911に画像(文字)が表示される演出であるが、スピーカ75から音声が出力される演出(画像は表示されない)としてもよい。
また、前半部分および後半部分の一方は画像(文字)が表示される「視覚的」演出であり、他方は音声が出力される「聴覚的」演出(画像は表示されない)としてもよい。上記実施形態にて説明した通り、前半部分と後半部分とは、信頼度示唆作用の有無において相違するものであるから、その違いを強調するために、一方を「視覚的」演出と、他方を「聴覚的」演出とする。好ましくは、前半部分は音声が出力される演出(「聴覚的」演出)であり、後半部分は画像が表示される演出(「視覚的」演出)である設定とするとよい。「聴覚的」演出よりも「視覚的」演出の方が演出の内容が把握しやすいといえるから、信頼度示唆がなされる後半部分を「視覚的」演出とすることが好ましい。
〇具体例1-2
上記実施形態では、特定先読み演出の前半部分は、対象変動中演出の一つ前の先の変動中演出中に実行されるものであることを説明したが、二以上の先の変動中演出に亘って前半部分が実行されるようにしてもよい。例えば、対象変動中演出の二つ前の先の変動中演出にて第一前半部分(前半部分の前半)が実行され、一つ前の先の変動中演出にて第二前半部分(前半部分の後半)が実行された上で、対象変動中演出にて後半部分が実行されるようにする。第一前半部分では「何か来る?」の文字(前半用文字151)が表示され(図5(a)参照)、第二前半部分では「まだだ!」の文字(前半用文字152)が表示され(図5(b)参照)、後半部分で「チャンスだ!」または「激熱だ!」の文字が表示される(図5(c-1)、(c-2)参照)といった演出形態とする。あくまで前半部分の態様は信頼度を示唆するものではなく、後半部分の態様により信頼度が示唆されるものとする。つまり、第一前半部分(二つ前の先の変動中演出にて実行される演出(「何か来る?」))および第二前半部分(一つ前の先の変動中演出にて実行される演出(「まだだ!」))は、毎回態様が同じである。
特定先読み演出に利用できる先の変動中演出の数は最大三つ(最大保留数=4であるから)である。つまり、前半部分は最大三回発生する。これを踏まえ、あらかじめ三回分の前半部分の演出態様を用意しておく。例えば、「何か来る?」「まだだ!」「もう少しだ」の三つの態様を用意しておく。そして、特定先読み演出に利用する先の変動中演出の数に応じ、この順で前半部分の演出が実行されるようにする。三つの先の変動中演出を利用する(三変動を利用する)のであれば、「何か来る?」(対象変動中演出の三つ前)→「まだだ!」(対象変動中演出の二つ前)→「もう少しだ」(対象変動中演出の一つ前)→「チャンスだ!」/「激熱だ!」(対象変動中演出)という流れで進行する特定先読み演出となる(図6参照)。二つの先の変動中演出を利用する(二変動を利用する)のであれば、図5に示すような流れで進行する特定先読み演出となる。
なお、上記図5、6に示した例とは異なり、二以上の先の変動中演出の全てにて、同じ態様の前半部分の演出が実行される(同じ態様の前半用文字15が表示される)ようにしてもよい。例えば、二以上の先の変動中演出の全てにて、「何か来る?」の前半用文字15が表示されるようにしてもよい。
〇具体例1-3
特定先読み演出とは異なる非特定先読み演出が実行される構成とする。非特定先読み演出は、前半部分に相当する部分までは特定先読み演出と態様が同じである(図7(a)参照)ものの、後半部分に相当する部分は実行されない(図7(b-2)参照)演出である。上記実施形態のような特定先読み演出が発生するのであれば、非特定先読み演出は、先の変動中演出(対象変動中演出の一つ前の先の変動中演出)にて「何か来る?」の文字(前半用文字15)が表示される(図7(a)参照)が、対象変動中演出においては「チャンスだ!」や「激熱だ!」の文字(後半用文字16)が表示される特定先読み演出(図7(b-1)参照)とは異なり、いずれの文字も表示されない(図7(b-2)参照)というものとなる。つまり、非特定先読み演出は、特定先読み演出が発生したのではないかということを遊技者に示唆するものの、実際に信頼度示唆の演出(特定先読み演出の後半部分)は発生しないというものである。
特定先読み演出が発生した場合の方が、非特定先読み演出が発生した場合よりも、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い設定とすることが好ましい。このようにすれば、先の変動中演出にて前半部分の演出が実行(前半用文字15が表示)された後、対象変動中演出にて後半部分の演出が実行(後半用文字16が表示)されることに期待する(後半部分の演出が実行されるのであれば、より信頼度の高い態様となることに期待する)という遊技性が実現される。非特定先読み演出となった場合、対象当否抽選結果がはずれとなることが確定する設定としてもよい。
ただし、これとは逆に、非特定先読み演出が発生した場合の方が、特定先読み演出が発生した場合よりも、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い設定としてもよい。非特定先読み演出は、前半部分の演出(「何か来る?」の前半用文字15の表示)が発生したにもかかわらず、それを受けての演出が何も発生しないという違和感のある演出形態であるところ、このような違和感のある演出の発生が遊技者に有利な事象として設定された構成としてもよい。非特定先読み演出が発生した場合には対象当否抽選結果が大当たりとなることが確定する設定としてもよい。
2-2)画像演出
本実施形態にかかる遊技機1は、変動中演出を構成する演出として画像演出を実行することが可能である。上述した通り、本実施形態では、表示領域911に変動中保留図柄11(いわゆる「当該変動」に対応する図柄)および変動前保留図柄12が表示される。なお、以下の説明において単に変動中保留図柄11、変動前保留図柄12というときは、通常態様(常態)の図柄(いわゆるチャンスアップ態様ではない図柄)を指すものとする。本実施形態における変動中保留図柄11と変動前保留図柄12は、同じ形態を有する(同じ対象を表していると遊技者が認識できればよい)ものであるが、変動中保留図柄11の方が変動前保留図柄12よりも大きく表示される。換言すれば、一の変動中演出が終了し(一つの保留が消化され)、最も消化順が早い変動前保留図柄12が変動中保留図柄11となる際に、図柄の大きさが大きくなるよう制御されるということである。
画像演出(図8参照)は、このような変動中保留図柄11および変動前保留図柄12が表示されることを前提とした演出であって、所定の演出画像20が表示される演出である。当該演出画像20の具体的態様はどのようなものであってもよい。好ましくは、移動する有体物を表したものとする。本実施形態では「自動車」を表した演出画像20が表示される。演出画像20は、表示領域911外から表示領域911内に入り込んできたように表示される。その後、演出画像20は保留図柄10(変動中保留図柄11および変動前保留図柄12)に近づくよう移動していく。本実施形態では、保留図柄10は表示領域911の下側縁に沿って配置されているところ、演出画像20は表示領域911の下側縁に沿って移動する(図8(a)参照)。なお、本実施形態における演出画像20は大当たり信頼度を示唆する画像ではない(大当たり信頼度に関係がない画像である)。
このように移動する演出画像20は、保留図柄10に重なる(遊技者には前後方向に重なるように見える状態をいう)。保留図柄10として変動中保留図柄11と変動前保留図柄12の両方が表示されている状態においては、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12(の少なくとも一つ)の両方に演出画像20が重なる状態が生じ得る。本実施形態では、演出画像20は、変動中保留図柄11の後側で重なり、かつ、変動前保留図柄12の前側で重なるように表示される(図8(c)参照)。保留図柄10からみれば、変動中保留図柄11は演出画像20よりも手前に位置し(演出画像20に覆われずに露出し)、変動前保留図柄12は演出画像20に覆い隠されるような表示態様となる。各保留図柄10および演出画像20は異なる画像レイヤにより表されるものであるところ、「変動中保留図柄11を表す画像レイヤ」、「演出画像20を表す画像レイヤ」、「変動前保留図柄12を表す画像レイヤ」は、この順で手前に設定される(この三つの画像レイヤのうち、「変動中保留図柄11を表す画像レイヤ」が最も手前である)ということである。なお、演出画像20における、変動中保留図柄11の後で重なる部分と、変動前保留図柄12の前で重なる部分とは連続しており離れていない。つまり、分離していない一つの物体(演出画像20が表す対象物;本実施形態では自動車)が、ある時点において変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の両方に重なる(変動中保留図柄11に重なる画像と変動前保留図柄12に重なる画像が別のものを表したものではない)ということである。
本実施形態における画像演出では、演出画像20が、変動中保留図柄11および変動前保留図柄12のいずれにも重なっていない状態(図8(a)参照)→変動中保留図柄11にのみ重なった状態(変動中保留図柄11の後に重なった状態)(図8(b)参照)→変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の両方に重なった状態(変動中保留図柄11の後、変動前保留図柄12の前に重なった状態)(図8(d)参照)→変動前保留図柄12にのみ重なった状態(変動前保留図柄12の前に重なった状態)(図8(d)参照)というように推移する。つまり、演出画像20が変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の両方に重なった状態だけでなく、変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の一方にのみ重なった状態も発生する。
このような画像演出が発生するようにすることで、変動中保留図柄11が、変動前保留図柄12よりも手前に位置しているように見えることになる。表示領域911は二次元的に画像を表示するものであり奥行感を出すことは困難であるところ、本実施形態のようにすることで、変動中保留図柄11が手前に、変動前保留図柄12が後(奥)に存在するように見え、両保留図柄10の区別が容易になる。また、変動中保留図柄11は、現在実行されている変動中演出(画像演出を含む変動中演出)の当否抽選結果に対応するものである(「アクティブ」な保留図柄10である)ところ、それを強調するのであれば本実施形態のように変動中保留図柄11が変動前保留図柄12よりも手前に見えるようにするとよい。
特に、本実施形態では、変動中保留図柄11が大きく、変動前保留図柄12が小さく表示されるものであるため、両保留図柄10が前後にずれて位置するように見える作用が高められる。
また、本実施形態における画像演出では、演出画像20が変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の両方に重なった状態だけでなく、変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の一方にのみ重なった状態も発生するから、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12の前後関係がより強調されることになる。特に、本実施形態では、「変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の一方にのみ重なった状態」から「演出画像20が変動中保留図柄11および変動前保留図柄12の両方に重なった状態」に推移するように画像演出が進行するから、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12の間に演出画像20(自動車)が入り込んでいくような演出態様となり、両保留図柄10の間に空間(前後方向にずれ)があるように見える。
以下、上記画像演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例2-1
上記実施形態では、変動中保留図柄11の方が、変動前保留図柄12よりも大きく表示されるものであることを説明したが、両者の大きさが同じであるものとしてもよい。大きさが同じであっても、画像演出が発生することで、変動中保留図柄11の方が、変動前保留図柄12よりも手前に位置しているように見えることになる。
〇具体例2-2
上記実施形態では、演出画像20は、変動中保留図柄11の後側で重なり、かつ、変動前保留図柄12の前側で重なるように表示されるものであることを説明したが、その逆の構成としてもよい。つまり、演出画像20は、変動中保留図柄11の前側で重なり、変動前保留図柄12の後側で重なる構成としてもよい。このようにすることで、変動中保留図柄11よりも、変動前保留図柄12の方が手前に存在するかのように見えることになる。
本例のようにする場合、変動中保留図柄11よりも、変動前保留図柄12の方が手前に存在するかのように見える効果を高めるのであれば、変動中保留図柄11よりも変動前保留図柄12が大きく表示されるものとすればよい。ただし、本例のようにする場合であっても、上記具体例2-1にて説明したように、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12とで大きさが変わらない構成としてもよい。
〇具体例2-3
上記実施形態における画像演出では、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12について、演出画像20の重なる態様(演出画像20との前後関係)が異なることを説明したが、変動前保留図柄12について適用した構成としてもよい。つまり、二以上の変動前保留図柄12が表示されている状態において、ある変動前保留図柄12については前側に、別の変動前保留図柄12については後側に演出画像20が重なるように表示されるものとする。このようにすることで、変動前保留図柄12が前後にずれて位置しているように見せることができる。
また、特図1の保留図柄10(以下、第一保留図柄とする。当該第一保留図柄には変動中、変動前の両方が含まれるものとする)と、特図2の保留図柄10(以下、第二保留図柄とする。当該第二保留図柄には変動中、変動前の両方が含まれるものとする)について適用した構成としてもよい。つまり、第一保留図柄と第二保留図柄の両方が表示された状態(図9(a)参照)において、演出画像20は、第一保留図柄と第二保留図柄の一方については後側で、他方については前側で重なるように表示される(図9(b)参照)ものとする。このようにすることで、第一保留図柄と第二保留図柄の一方が手前に位置し、他方が後方に位置するように見える状況を作り出すことができ、第一保留図柄と第二保留図柄の区別が容易になる。
〇具体例2-4
画像演出は、保留変化演出に利用することもできる。保留変化演出は、保留図柄10の態様を変化させることにより、当該保留図柄10に対応する当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が高まったことを示唆する公知の演出である。以下、保留変化演出を経て態様変化する保留図柄10の変化前の態様を変化前態様と、変化後の態様を変化後態様と称する(変化前態様よりも変化後態様の方が高信頼度である)。
上記実施形態にて説明した画像演出は、変動中保留図柄11は演出画像20よりも手前に位置する(演出画像20に覆われずに露出する)ものの、変動前保留図柄12は演出画像20に覆い隠されるような演出態様(図10(b)参照)である。これを利用し、画像演出を経て、表示される一または複数の変動前保留図柄12のうちのいずれかの態様が変化前態様(図10(a)参照)から変化後態様(図10(c)参照)に変化する場合があるものとする。つまり、画像演出は、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12が前後にずれて位置するように見せるための演出であるところ、一時的に変動前保留図柄12が演出画像20に覆い隠されることを利用し、変動前保留図柄12が演出画像20に覆われる前後で当該変動前保留図柄12についての保留変化演出が発生しうる構成とする。つまり、演出画像20に覆われる前の状態では変化前態様にあった変動前保留図柄12が、演出画像20に覆われた状態を経て再び露出したときには変化後態様に変化する場合があるものとする。なお、上記実施形態にて説明した画像演出は、複数の変動前保留図柄12が表示されている場合、その全てが一旦は演出画像20に覆われることになる。そのため、一回の画像演出の発生につき、二以上の変動前保留図柄12が一度に変化する場合がある構成としてもよい。
一方、変動中保留図柄11は演出画像20に覆われない(図10(a)、(b)参照)のであるから、画像演出の発生に伴って変動中保留図柄11の態様が変化することはない。つまり、画像演出の発生に伴う保留変化演出は、演出画像20に一時的に覆われる保留図柄10について発生しうるものであり、覆われない保留図柄10には発生する可能性はない構成とする。なお、具体例2-2にて説明したように、変動中保留図柄11は演出画像20に覆われるものの、変動前保留図柄12は演出画像20に覆われない画像演出とするのであれば、当該画像演出に伴い、変動中保留図柄11についての態様変化は発生しうるものの、変動前保留図柄12についての態様変化は発生することがない構成とすればよい。具体例2-3のような画像演出とする場合も同様である。演出画像20に一時的に覆われる保留図柄10は態様変化する可能性があるものの、覆われない保留図柄10は態様変化する可能性はない構成とする。
2-3)逆転演出示唆
本実施形態では、変動中演出を構成する演出として、特定演出および逆転演出(復活演出等とも称される)が発生することがある。特定演出(図11参照)は、遊技者に有利な状況となったことを示す有利結末、または不利な状況となったことを示す不利結末に至る演出である。本実施形態における特定演出は、リーチ演出の一種である。例えば、味方キャラクタ(遊技者側のキャラクタ)と敵キャラクタが戦い(図11(a)参照)、味方キャラクタが勝利することが有利結末(図11(b-1)参照)として、味方キャラクタが敗北することが不利結末(図11(b-2)参照)として設定されたものを特定演出として設定することが考えられる。特定演出として、二種以上の演出(リーチ演出)が設けられた構成としてもよい。
逆転演出は、特定演出が不利結末に至った場合に発生しうる(特定演出と同じ変動で発生しうる)ものであり、不利結末に至ったことが覆される(不利な状況が覆される)演出である。裏を返せば、逆転演出は、特定演出が有利結末に至った場合にはその変動にて発生することがない演出であるということである。上述したような特定演出の態様とするのであれば、敗北した味方キャラクタが復活するような映像が表示される演出を逆転演出とする(図11(c-1)参照)ことが考えられる。換言すれば、逆転演出は、特定演出の不利結末が覆される演出であるから、特定演出の態様(特に不利結末の態様)に合わせたものが用意されるということである。態様が異なる複数種の特定演出が設けられるのであれば、当該複数種の特定演出のそれぞれに対応した異なる態様の逆転演出が設けられたものとしてもよい(複数種の特定演出のそれぞれに対し、共通する一種の逆転演出が設けられたものとしてもよい)。
特定演出が発生する変動中演出に対応する当否抽選結果を対象当否抽選結果とする(以下、「2-3)逆転示唆演出」の説明において同じ)と、対象当否抽選結果が大当たりである場合には特定演出が有利結末(図11(b-1)参照)となるか、特定演出が不利結末(図11(b-2)参照)に至った後逆転演出が発生する(図11(c-1)参照)。一方、対象当否抽選結果がはずれである場合には特定演出が不利結末(図11(b-2)参照)に至り逆転演出は発生しない(図11(c-2)参照)。つまり、特定演出が有利結末に至ること、および、逆転演出の発生は、遊技者にとって有利な変動中演出の結果であり、特定演出が不利結末に至る(逆転演出発生せず)は、遊技者にとって不利な変動中演出の結果であるということである。
このような構成であることを前提とし、特定演出が不利結末に至ったときには、以下のような特定事象が発生する可能性がある。本実施形態にかかる遊技機1は、遊技者が操作可能な操作手段70(第一操作手段71;以下、特に説明なく操作手段70というときは第一操作手段71のことを指すものとする)を備える(図1参照)。操作手段70としては押ボタンを例示することができる。また、遊技者の身体の一部(手等)を検出可能なセンサを設け、当該センサに身体の一部が検出されることを操作手段70の操作とみなす構成としてもよい。
特定演出が不利結末に至った場合、表示領域911には、当該不利結末に至ったことを示す画像(以下、不利結末用画像30と称することもある)が表示される(図12(a)参照)。なお、有利結末に至った場合には、不利結末用画像30と態様が異なる有利結末用画像31(有利結末に至ったことを示す画像)が表示される。上述したような特定演出の態様とするのであれば、味方キャラクタが敗北した状況を示す不利結末用画像30が表示される。ただし、当該不利結末用画像30は、遊技者に対し操作手段70の操作を促すような画像は含まない。つまり、不利結末は、当該不利結末に接した遊技者が操作手段70を操作すべき状況であると認識するようなものではない。
不利結末に至り、不利結末用画像30が表示されている状態にて設定される所定期間中に操作手段70の操作がなされた場合(図12(b)参照)、それを契機として特定事象が発生することがある。上述した通り、不利結末は、遊技者に対し操作手段70の操作が促されている状況ではないが、不利結末用画像30が表示されている所定期間中(操作手段70の操作が有効となる操作有効期間中であるといえる。ただし、当該操作有効期間であることが明示されるわけではない)に操作手段70の操作がなされた場合、それに対する反応が発生することがある。当該反応が特定事象である。
本実施形態では、上記所定期間中に操作手段70の操作がなされ、それを契機として特定事象が発生した場合(図12(c-1)参照)には、逆転演出が発生することが確定する(図12(d-1)参照)(逆転演出が発生することが決まっている場合であっても、所定期間中に操作がなされないのであれば特定事象は発生しない)。つまり、対象当否抽選結果が大当たりであることが確定する。一方、上記所定期間中に操作手段70の操作がなされ(図12(b)参照)、それを契機として特定事象が発生しない場合(図12(c-2)参照)には、逆転演出は発生しない(図12(d-2)参照)。つまり、対象当否抽選結果がはずれであることが確定する。
本実施形態では、不利結末用画像30が含む対象画像30tに変化が生じることが特定事象として設定されている。上述した通り、不利結末は味方キャラクタが敗北する演出であり、不利結末用画像30は敗北した味方キャラクタを含むものであるところ、本実施形態では当該味方キャラクタが対象画像30tとされている。逆転演出が発生することが決まっている場合(対象当否抽選結果が大当たりである場合)、所定期間中に操作手段70が操作されたときには、当該味方キャラクタが動く(震える)ことが発生する(立ち上がろうとしているような変化が発生する)ことが特定事象として設定されている(図12(c-1)参照)。逆転演出は敗北した味方キャラクタが復活する演出であるため、このような変化が生じるようにすることで、逆転演出の発生を示唆しているともいえる。なお、所定期間中であれば、操作手段70が操作される度にこのような変化が発生する。つまり、操作手段70の操作が連続的になされれば(連打されれば)、キャラクタが動き続ける(震え続ける)ことになる。逆転演出が発生しないことが決まっている場合(対象当否抽選結果がはずれである場合)には、所定期間中に操作手段70が操作されてもこのような変化は発生しない(図12(c-2)参照)。
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、特定演出が不利結末に至ったときに操作手段70の操作がなされると、それを契機として逆転演出の発生を示唆する特定事象が発生する場合があるという面白みのある遊技性が実現される。不利結末(所定期間中)では遊技者に対し操作手段70の操作が促されるわけではないため、誰しもが当該逆転演出の示唆作用を享受することができるわけではない(特定事象が発生しうることに気付いた遊技者のみが当該示唆作用を享受できる)ことになる。
以下、上記逆転演出示唆に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例3-1
上記実施形態では、特定事象が発生した場合には逆転演出の発生が確定する(大当たり確定である)ことを説明したが、特定事象が発生した場合であっても逆転演出の発生が確定するわけではない設定としてもよい。つまり、特定事象が発生した場合には、特定事象が発生しない場合(所定期間中に操作手段70の操作がなされた上で特定事象が発生しない場合のことをいう)に比して、逆転演出が発生する蓋然性が高い(100%ではない)に留まる構成としてもよい。本例のようにすることで、特定事象の発生は大当たり確定ではない「チャンスアップ」に留まる遊技性となる。
〇具体例3-2
上記実施形態では、所定期間中に操作手段70の操作がなされても特定事象が発生しない場合には、逆転演出が発生しないことが確定する(はずれ確定である)ことを説明したが、所定期間中の操作手段70の操作を契機として特定事象が発生しない場合であっても逆転演出が発生しうる設定としてもよい。上記実施形態のような設定であると、(特定事象の存在を知っている遊技者が)所定期間中に操作手段70を操作し特定事象が発生しなかった場合、逆転演出の発生(大当たり)に全く期待がもてないことになる。一方、本例のようにすれば、所定期間中に操作手段70を操作し特定事象が発生しなかったであっても、逆転演出の発生(大当たり)に期待がもてるという遊技性が実現される。
〇具体例3-3
特定事象として、態様が異なる複数種の事象のうちのいずれかが発生するものとする。例えば、特定事象として、第一特定事象(図13(a)参照)が発生することもあれば、当該第一特定事象とは異なる第二特定事象(図13(b)参照)が発生することもある構成とする。そして、不利結末に至ったときの所定期間中に操作手段70の操作がなされて第一特定事象が発生した場合よりも、第二特定事象が発生した場合の方が、逆転演出が発生する蓋然性が高いものとする(図13参照)。なお、本例のようにする場合、少なくとも第一特定事象の発生は、逆転演出の発生を確定させるものではない(第一特定事象発生時の逆転演出の発生確率は100%未満である(具体例3-1参照))ことになる。第二特定事象発生時の逆転演出の発生確率は100%であってもよいし、100%未満であってもよい。
本例のようにすることで、所定期間中に操作手段70の操作がなされて特定事象が発生する場合であっても、当該特定事象の具体的態様にも遊技者が注目することになるという遊技性(複数種の特定事象が存在することに遊技者が気付くか否かという遊技性)が実現される。
各特定事象の違いはどのようなものであってもよいが、好ましくは、逆転演出が発生する確率の高低を示唆するものとするとよい。上記実施形態のように味方キャラクタが動く(立ち上がろうとする)という変化が生じることが特定事象として設定された構成とするのであれば、第一特定事象よりも第二特定事象の方が、味方キャラクタが大きく動く(第一特定事象よりも第二特定事象の方が復活しそうに見える)構成とすればよい(図13参照)。
〇具体例3-4
上記実施形態では、特定演出が不利結末となったときに表示される不利結末用画像30が含む味方キャラクタの変化が特定事象として設定されていることを説明したが、それとは異なる変化が特定事象として設定されたものとしてもよい。
例えば、装飾図柄80の変化が特定事象として設定された構成とすることが考えられる。不利結末は、対象当否抽選結果がはずれとなったように見せるものである。つまり、逆転演出が発生しないのであればそのままはずれが確定し、逆転演出が発生すればそれが覆されて大当たりであることが示されるものである。そのため、不利結末に至った場合、一旦は装飾図柄80の「はずれ組み合わせ」(同じ装飾図柄80の三つ揃いではない組み合わせ)が表示される(図14(a)参照)。つまり、逆転演出が発生する場合(対象当否抽選結果が大当たりである場合)であっても、はずれであるかのように見せかけるために、はずれを示す態様で装飾図柄80を表示する。なお、少なくとも所定期間中は、当該「はずれ組み合わせ」を構成する各装飾図柄80の変動が完全に停止していない状態(いわゆる疑似停止状態)とされる(図面においては、完全に停止しているように図示するが、わずかに揺れ動く態様とされる)。逆転演出が発生しない場合には、当該「はずれ組み合わせ」で装飾図柄80の変動が完全に停止し、対象当否抽選結果がはずれであることが報知される(図14(d-2)参照)。逆転演出が発生した場合には、当該「はずれ組み合わせ」が消去され、「大当たり組み合わせ」(同じ装飾図柄80の三つ揃い)で装飾図柄80の変動が完全に停止し、対象当否抽選結果が大当たりであることが報知される(図14(d-1)参照)。
これを前提とし、逆転演出が発生することが決まっている(対象当否抽選結果が大当たりである)場合の所定期間中に操作手段70が操作された場合(図14(b)参照)には、「はずれ組み合わせ」を構成する装飾図柄80が揺れ動く(「疑似停止」としての動きよりも大きく動く)(図14(c-1)参照)ものとする。つまり、このように装飾図柄80を対象画像30tとし、当該装飾図柄80が揺れ動くという変化が生じることが特定事象として設定された構成とする。なお、当然ではあるが、逆転演出が発生しない(対象当否抽選結果がはずれである)場合の所定期間中に操作手段70が操作(図14(b)参照)されても、このような装飾図柄80の変化(特定事象)は発生じない(図14(c-2)参照)。また、逆転演出が発生する(対象当否抽選結果が大当たりである)場合の所定期間中に操作手段70が操作されなければ、このような装飾図柄80の変化(特定事象)は発生しない。
上記の通り、対象当否抽選結果が大当たりである(逆転演出が発生する)場合には、「はずれ組み合わせ」から「大当たり組み合わせ」への変化が生じるのであるから、このような変化が発生することの示唆が特定事象として発生するものとする。つまり、特定事象として対象画像30tとしての装飾図柄80が揺れ動く現象が発生するようにすることで、装飾図柄80の組み合わせが変化すること(「はずれ組み合わせ」が変化するのではないかということ)を示唆するような演出態様とする。これにより、特定事象に初めて接した遊技者であっても、特定事象が逆転演出の発生を示唆しているのではないかと感じ取りやすくなる。
〇具体例3-5
上記実施形態にて説明した特定事象は、表示領域911に表示される画像(対象画像30t)の変化(遊技者が視覚的に捉えることができる変化)が特定事象であることを説明したが、画像の変化ではない変化が特定事象として発生する構成としてもよい。例えば、スピーカ75から所定の効果音が出力される、すなわち遊技者が聴覚的に捉えることができる変化が特定事象として設定されたものとしてもよい。また、所定の部位から遊技者に向けて空気が噴出される等、遊技者が触覚的に捉えることができる変化が特定事象として設定されたものとしてもよい。
〇具体例3-6
複数種の操作手段70が設けられた構成であるとする。例えば、第一操作手段71と、それとは異なる第二操作手段72とが設けられた構成であるとする(図1参照)。これを前提とし、逆転演出が発生する(図15(d)参照)ことが決まっている(対象当否抽選結果が大当たりである)場合での不利結末(図15(a)参照)発生時の所定期間中に、第一操作手段71の操作(図15(b-1)参照)では特定事象は発生しない(図15(c-1)参照)が、第二操作手段72の操作(図15(b-2)参照)では特定事象が発生する(図15(c-2)参照)構成とする。つまり、複数種の操作手段70のうちの一部の操作手段70の操作では特定事象は発生するものの、他の操作手段70の操作では特定事象が発生しない構成とする。逆転演出示唆(特定事象の発生)は、遊技者に対し操作手段70の操作が促されるものではなく、いわば「隠れ演出」であるといえるところ、本例のようにすることで逆転演出示唆の存在に気付きにくい遊技性が実現される。
本例のようにする場合、遊技を通じ、遊技者に対し第一操作手段71を操作することを促す第一操作演出の発生確率よりも、第二操作手段72を操作することを促す第二操作演出の発生確率の方が低く設定されていることが好ましい。つまり、第二操作手段72(第二操作演出)は、第一操作手段71(第一操作演出)に比して「レア」な操作手段70(「レア」な操作演出)である設定(ある程度継続的に遊技していれば、第二操作手段72を操作する機会は、第一操作手段71を操作する機会よりも少なくなる設定)とする。このようにした場合、「レア」な操作手段70である第二操作手段72を操作しなければ特定事象が発生しないという構成となるから、逆転演出示唆の存在に遊技者がより気付きにくくなる。
2-4)特定操作演出
本実施形態にかかる遊技機1は、変動中演出を構成する演出として、遊技者に対し操作手段70を操作することを促す操作演出の一種である特定操作演出(図16参照)を実行することが可能である。本実施形態における特定操作演出は、最終的に、遊技者に有利な有利結末(図16(d-1)参照)または遊技者に不利な不利結末(図16(d-2)参照)に至るものである。有利結末に至った場合の方が、不利結末に至った場合よりも、特定操作演出を含む変動中演出に対応する当否抽選結果(以下、「2-4)特定操作演出」の説明において対象当否抽選結果と称する)が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が高い。本実施形態では、不利結末となった場合には、対象当否抽選結果がはずれであることが確定する。一方、有利結末となった場合には、対象当否抽選結果が大当たりとなる可能性がある(大当たり確定となる設定としてもよい)。
本実施形態における特定操作演出は、操作手段70を操作して敵キャラクタを倒すことを目標とする演出である。最終的に敵キャラクタを倒すに至ることが有利結末として、倒すに至らないことが不利結末として設定されている。
特定操作演出は、前半部分とそれに続く後半部分を含む。前半部分は、遊技者に対し操作手段70の操作が促され、操作有効期間(操作手段70の操作が演出に反映される期間)中の操作手段70の操作に応じて変化する変化画像42が表示されるものである。本実施形態では、操作手段70を連続的に操作すること(連続操作;操作手段70が押ボタンである場合にはいわゆる「連打」ということになる)が促される。表示領域911には連続操作すべき状況であることを示す操作画像40(「連打」の文字や、操作手段70を表した画像)が表示される。操作有効期間(前半部分が終了するまでの期間)を示す時間画像52(メータ等)が表示されるようにしてもよい(図16(a)参照)。なお、操作手段70を一度だけ操作すること(単発操作)や、操作手段70が操作された状態を維持すること(維持操作;操作手段70が押ボタンである場合にはいわゆる「長押し」ということになる)が促されるものであってもよい。
また、前半部分においては、操作手段70の操作に応じて変化する変化画像42が表示される。本実施形態における当該変化画像42は、敵キャラクタの体力(HP)を示す画像である。変化画像42は、特定操作演出(前半部分)の開始時点(初期状態)にて複数の画像要素421を含むものである。本実施形態では、初期状態にて、10個の画像要素421を含む変化画像42が表示される(図16(a)参照)。つまり、倒すべき敵キャラクタの体力が「10」であることが示される。なお、初期状態における画像要素421の数は変化しうるものであってもよい。例えば、敵キャラクタとして登場しうるキャラクタの種類が毎回変化しうるものであるとして、当該敵キャラクタの種類に応じた初期状態の体力(画像要素421の数)が設定された構成としてもよい。
前半部分は、操作手段70が操作によって画像要素421が次第に減少していくものである。遊技者視点でみれば、操作手段70を連続操作することで敵キャラクタの体力を減らしていくような演出態様となる。本実施形態では、操作手段70が操作される度に所定の抽選(減少抽選)が実行され、当該減少抽選に当選する度に「1」ずつ画像要素421が減少する(「2」以上画像要素421が減少しうる構成としてもよい)。なお仮に、前半部分にて維持操作が要求される構成とするのであれば、所定時間の維持操作がなされる度に減少抽選が実行される構成とすればよい。前半部分にて単発操作が要求される構成とするのであれば単発操作を契機として後述する限界要素数まで画像要素421が減少する構成とすればよい。
本実施形態における変化画像42は、画像要素421の数の初期値(=10)が把握できるものとされる。つまり、画像要素421が減少したとしても、画像要素421の初期値が10であったことを示す要素を含むものとされる。本実施形態における変化画像42は、10個の空間を形成する枠要素422を有し、当該空間(枠要素422により区切られる空間)内に画像要素421が配置されるものである。画像要素421が減少していっても枠要素422は残る(図16(b)参照)から、初期値が10であったことが把握できる。換言すれば、画像要素421が初期値からどの程度減少したのか(減少の途中経過)を前半部分の途中であっても把握することができる。
なお、特定操作演出が実行されることが決定された段階で、予め「限界要素数」が決定される。前半部分においては、画像要素421の数が当該「限界要素数」未満となることはない。例えば、「限界要素数=2」に決定されたのであれば、画像要素421数が「2」に到達した後は、上記減少抽選が実行されない(または実行されるとしても当選しない)ものとされる。
限界要素数は、特定操作演出の結末が有利結末となる蓋然性を示唆するものである。つまり、限界要素数が少ないほど有利結末となる蓋然性が高く(限界要素数が多いほど不利結末となる蓋然性が高く)なるように設定されている。つまり、限界要素数は、特定操作演出の結末を示唆する要素である。遊技者視点でみれば、前半部分にて減らした敵キャラクタの体力が多いほど、最終的に敵キャラクタを倒すに至る蓋然性が高くなるという演出態様となる。
前半部分における操作手段70の操作が十分でなかったり、上記減少抽選にあまり当選しなかったりした場合には、前半部分にて画像要素421の数が限界要素数に到達しないこと(前半部分の終了時点における画像要素421の数が限界要素数超となること)もありうる。この場合には、遊技者は正確な限界要素数を把握することができないことになるため、上述した結末を示唆する作用が奏されないといえる。すなわち、正確な結末示唆作用を享受するのであれば、積極的な操作手段70の操作が必要になる。
本実施形態では、前半部分にて限界要素数=0となることはないものとされる。つまり、前半部分にて敵キャラクタの体力が「0」となる(敵キャラクタを倒す)可能性はないものとされる。詳細を後述する後半部分を経て結末に移行するところ、前半部分にて有利結末となるか不利結末となるかが判明することはないということである。ただし、前半部分にて限界要素数=0となりうる(前半部分にて有利結末となることが確定する場合がある)設定とすることを否定するわけではない。
前半部分に続いて後半部分が実行される。後半部分は、前半部分の終了時点における変化画像42が強調されて表示されるものである。本実施形態では、前半部分の終了時点にて残存した画像要素421が拡大されて表示されるものである。例えば、前半部分にて残存した画像要素421の数が「2」であれば(図16(b)参照)、二つの画像要素421が拡大されて表示される(図16(c)参照)。仮に、前半部分にて限界要素数に到達しているのであれば(「限界要素数=2」とされた特定操作演出であれば)、当該拡大表示される二つの画像要素421は限界要素数を示すものであるともいえる。上述した通り限界要素数は特定操作演出の結末を示唆するものであるから、後半部分にて拡大表示される画像要素421の数は、当該結末を示唆するものである可能性があるということである。なお、後半部分にて表示される画像要素421の大きさは、前半部分よりも大きいものであれば、その拡大率は一定でなくてもよい。残存した画像要素421の数に応じて拡大率が異なるものとしてもよい。
後半部分では、遊技者に対し、操作手段70を単発操作する(一度操作する)ことが促される(図16(c)参照)。拡大表示された画像要素421が全て消滅した(消去された)場合には敵キャラクタを倒す(敵キャラクタの体力が「0」となる)という有利結末となり(図16(d-1)参照)、拡大表示された画像要素421が全て消滅しない(少なくとも一つの画像要素421が残存した)場合には敵キャラクタを倒すに至らない不利結末となる(図16(d-2)参照)。つまり、後半部分は、前半部分で減らした敵キャラクタの体力が「0」となるか否かが判明する分岐となる部分であるということである。後半部分にて遊技者に対し促される操作は単発操作ではなくてもよい。ただし、後半部分(図16(c)参照)は、有利結末となるか否かの最終分岐であるため、単発操作を契機として結末が判明するようにした方がよい。特に、本実施形態のように敵キャラクタを倒す、ということを目的とする演出であれば、後半部分における単発操作は「敵キャラクタへの最後の攻撃」のように遊技者が捉える演出形態となる。なお、後半部分においても操作有効期間が設定され、当該操作有効期間中に操作手段70の単発操作がなされなかった場合には、操作有効期間の終了を契機として結末(有利結末または不利結末)に至る。
本実施形態では、後半部分にて画像要素421が拡大表示される際には、枠要素422は消去される(図16(c)参照)。最終分岐である後半部分に移行した後は画像要素421が初期値からどの程度減ったのかを明確に示す必要はない(前半部分のように現象の途中経過を示す必要はない)と考えられるため、枠要素422が消去されるものとする(枠要素422を除いた変化画像42が拡大表示される)。
このように、本実施形態における特定操作演出は、前半部分および後半部分を含むものであり、前半部分の終了時点における変化画像42が、後半部分にて強調されて表示される。前半部分の終了時点における変化画像42は特定操作演出の「途中経過」を示すものであるといえ、当該途中経過が後半部分にて強調されるという分かりやすい演出形態である。
また、本実施形態における変化画像42は、特定操作演出の開始時点にて複数の画像要素421を含むものであり、前半部分は当該画像要素421が減少していく演出である。この種の画像要素421の数は、ある程度まで演出が進行すると残数の多少が分かりにくくなるため、本実施形態では後半部分にて残存した画像要素421が拡大表示されるようにしている。
以下、上記特定操作演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例4-1
上記実施形態における特定操作演出は、前半部分の終了時点における変化画像42が後半部分にて強調して表示されるものであること、具体的には画像要素421が拡大表示されることを説明したが、かかる「強調」の方法としては上記実施形態にて説明したものに限られない。例えば、前半部分の終了時点における変化画像42(画像要素421)の色と、後半部分で表示される変化画像42の色とを異ならせることが考えられる。また、例えば、前半部分の終了時点における画像要素421の数を、後半部分においては「数字」で表す構成とすることが考えられる。
〇具体例4-2
前半部分にて画像要素421の数が限界要素数に到達しない場合には、前半部分の終了時点において強制的に限界要素数まで画像要素421の数が減少する(変化画像42が変化する)ものとする。つまり、前半部分における操作手段70の操作が十分でなかった等の理由で画像要素421の数が限界要素数に到達しなかった場合であっても、強制的に限界要素数まで画像要素421の数が減少し、後半部分においては常に限界要素数の画像要素421が拡大表示される構成とする。
上述した通り、限界要素数は、特定操作演出の結末を示唆するものであるところ、本例のようにすることで、「後半部分にて拡大表示される画像要素421の数=限界要素数」ということになるため、どのような状況であっても後半部分にて強調されて表示される画像要素421の数が結末を示唆するという演出態様となる。
〇具体例4-3
上記実施形態における特定操作演出は、画像要素421を含む変化画像42が表示されるものであることを説明したが、操作手段70の操作を契機として変化する画像であれば、その他の態様の変化画像42が表示される演出とすることもできる。例えば以下のようなものとすることが考えられる。
変化画像42として、数値(以下、演出用数値42nと称する)を含む画像が表示されるものとする。特定操作演出の前半部分においては、操作手段70の操作により演出用数値42nが次第に減少していくものとする(図17(a)、(b)参照)。例えば、上記実施形態のように、操作手段70の操作を契機として実行される減少抽選に当選した場合に演出用数値42nが減少する。また、特定操作演出が発生する度に限界数値が定められ、前半部分では演出用数値42nが限界数値未満にならないようにされる。当該限界数値は、特定操作演出の結末を示唆するものである(例えば、限界数値が少ないほど、有利結末となる蓋然性が高い設定とされる)。
後半部分においては、前半部分の終了時点(図17(b)参照)における演出用数値42nが拡大して表示される(図17(c)参照)。その上で遊技者に対し操作手段70の操作が促され、操作手段70の操作を契機として演出用数値42nが「0」となることが有利結末(図17(d-1)参照)として、「0」とならないことが不利結末(図17(d-2)参照)として設定されたものとする(なお、ここでいう『「0」となる』には、「0」がそのまま表示されるのではなく、演出用数値42nが消去される、「0」に到達したようにみせる別の画像が表示される、といった態様(図17(d-1)参照)を含むものとする)。上記実施形態と同様に、後半部分において遊技者に対して促される操作態様は単発操作であることが好ましい。つまり、後半部分の操作有効期間にて操作手段70が一度操作されることを契機として、演出用数値42nが「0」となるか否か(有利結末となるか否か)が示されるものとする。
〇具体例4-4
後半部分にて示される変化画像42(画像要素421)の強調態様として、複数種の態様が設定された構成とする。例えば、第一態様(図18(a)参照)と、当該第一態様である場合よりも画像要素421の大きさが大きい第二態様(図18(b)参照)が設定された構成とする。そして、後半部分にて第一態様の変化画像42(画像要素421)が表示された場合よりも、第二態様の変化画像42(画像要素421)が表示された場合の方が、有利結末となる蓋然性が高いものとする。厳密にいえば、前半部分の終了時点にて残存した画像要素421の数も結末を示唆するものであるから、当該画像要素421の数が同じであるとすれば、第一態様で拡大表示された場合よりも、第二態様で拡大表示された場合の方が、有利結末となる蓋然性が高いということである。
このようにすることで、後半部分にて変化画像42(画像要素421)が強調されることによる分かりやすさだけでなく、当該強調の態様により結末が示唆されるという遊技性が実現される。
〇具体例4-5
上記実施形態における特定操作演出は、前半部分において画像要素421が減少する変化が生じるものであることを説明したが、画像要素421が増加する変化が生じるものであってもよい。例えば、画像要素421が目標数に到達することが有利結末として設定され、到達しないことが不利結末として設定された構成とし、遊技者は目標数を目指して操作手段70を操作することで画像要素421を増加させる特定操作演出であるとする。上記実施形態と同様に、前半部分にて残存した画像要素421が、後半部分では拡大して表示されるものとする。
2-5)時間演出
本実施形態では、変動中演出を構成する演出として時間演出(図19~21参照)を実行することが可能である。時間演出は、規定時間内に発生した特定事象の発生回数により当否抽選結果(時間演出を含む変動中演出に対応する当否抽選結果。以下、「2-5)時間演出」の説明において対象当否抽選結果と称する)が大当たりとなる蓋然性(信頼度)を示唆するものである。本実施形態では、特定事象の発生回数が多いほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。つまり、特定事象はいわゆるチャンスアップ(演出)であり、時間演出はその発生回数が多いほど大当たりに期待がもてるという演出態様である。
本実施形態における特定事象は、表示領域911における所定位置に所定の画像(以下、好機画像50と称する)が表示されることである(以下、単に好機画像50の表示というときは、当該所定位置に表示されることを指すものとする)。規定時間内に表示された好機画像50の回数(図21(c-1)、(c-2)の時点で示される回数)が多いほど信頼度が高くなる。規定時間の開始から終了(タイムアップ)までの間に、特定事象が発生しうるタイミング(以下、特定タイミングと称する)はX回設定される。つまり、時間演出において、好機画像50は最大X回表示されることになる。したがって、遊技者に最も好ましい時間演出の結果は、好機画像50がX回表示されることである。本実施形態ではX=5とされる。なお、当該Xの値が時間演出発生の度に変化しうる構成としてもよい。
特定タイミングにおいては、表示領域911の上から中央に向かって移動してくる(図19(a)、図19(d)、図20(c)参照)好機画像50が中央(所定位置)で停止しそうな演出(煽り演出)(図19(b)、図20(a)、図21(a)参照)が発生する。そのまま好機画像50が所定位置に停止すること(図19(c-1)、図20(b-1)、図21(b-1)参照)が特定事象の発生とされる(「成功」とされる)。所定位置に停止せず下方にずり落ちてしまう(表示領域911外まで移動してしまう)こと(図19(c-2)、図20(b-2)、図21(b-2)参照)は特定事象の発生とされない(「失敗」とされる)。このように、X回の特定タイミングは、好機画像50が表示されるチャンスの機会の数であり、そのうち何回「成功」に至るかが演出の注目ポイントとなるということである。
本実施形態では、時間演出が実行されている最中には、その時点で既に表示された好機画像50の回数が表示領域911に表示される(以下、回数画像50nと称する)(図19~21参照)。このような回数画像50nが表示されない構成としてもよい。
時間演出においては、規定時間に到達する(規定時間終了)までの時間経過を示す時間画像52が表示される(図19~21参照)。本実施形態における時間画像52は、メータ部521を有し、当該メータ部521が規定時間終了までの時間経過を表す。また、本実施形態における時間画像52は、当該メータ部521に加え、残回数表示部522を有する。残回数表示部522は、特定事象が発生する可能性がある特定タイミングの残回数を示すものである。本実施形態では、当該残回数を「数値」で示すものであるため、残回数表示部522は当該数値を表す数字を含むものとされる。上述した通り、時間演出にて設定される特定タイミングはX=5回であるから、規定時間の開始時点(最初の特定タイミングが訪れる前の状態)においては、「5」の数字を含む残回数表示部522が表示される(図19(a)参照)。その後、特定タイミングを経過する度に(好機画像50の表示が「成功」または「失敗」に至る度に)、当該残回数表示部522の数字が減少していくことになる(図19(d)、図20(c)、図21(c-1)、(c-2)参照)。遊技者は、当該残回数表示部522の数字を見ることで、好機画像50が表示されるチャンスが後何回あるのか把握することができる。
本実施形態では、残回数表示部522は、メータ部521の減少に合わせて変位する(図19~21参照)。メータ部521は、規定時間の終了が近づくにつれて小さくなっていくものであるところ、当該メータの端部(メータの移動端)に付随するようにして残回数表示部522が表示される。本実施形態では、時間経過につれてメータの移動端が左から右に変位していくものであるため、残回数表示部522も左から右に変位する。なお、本実施形態における時間画像52は、メータ部521を囲む枠部を有する。当該枠部は、時間が経過しても態様は維持されるものであり、初期状態(規定時間開始時)におけるメータ部521の大きさを示すものであるといえる。
メータ部521が最小となる(無くなる)時点が規定時間の終了時点である。本実施形態では、規定時間の終了時点と、最後の特定タイミングの終了時点とが略一致するように設定されている。つまり、メータ部521が最小となる(無くなる)時点で、残回数表示部522が「0」となるように設定されている(図21(c-1)、(c-2)参照)。なお、このような「0」の表示がなされないようにしてもよい。すなわち「1」が表示された時点で、遊技者は特定タイミングが残り1回であることを把握することができるのであるから、特定タイミングが既に無いことを表示しない設定としてもよい。例えば、メータ部521が最小となる(無くなる)時点で、残回数表示部522が消去されるようにしてもよい。
このように、本実施形態における時間演出は、時間画像52により、規定時間の残りだけでなく、特定タイミング(好機画像50が表示されるかもしれないチャンスの機会)の残回数も示されるため、演出の進行(現在の状況)が分かりやすくなる。例えば仮に、メータ部521により規定時間の残りだけが示される構成とすると、どの程度の時間が経過したか(どの程度の時間が残っているか)は把握できるものの、残りのチャンスの機会の回数は把握できない。本実施形態のようにすることで規定時間の残りと併せて当該チャンスの機会を把握することができることになる。
また、本実施形態のように、残回数表示部522が時間経過とともに変位するようにすることで、時間が経過するにつれて特定タイミングの残回数が減るという演出であることを分かりやすく示すことが可能である。特に本実施形態では、メータ部521の減少に合わせて残回数表示部522が変位するため、時間が経過するにつれて特定タイミングの残回数が減るということがより分かりやすくなるし、残回数が示されていることを遊技者が見落としにくい。
以下、上記時間演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例5-1
上記実施形態における時間演出は、好機画像50が表示領域911における所定位置に表示されることが特定事象であることを説明したが、その発生回数により対象当否抽選結果を示唆するものであれば当該事象の内容は種々変更可能である。例えば、変動する装飾図柄80(図22(a)参照)が一旦疑似停止(図22(c-1)、(c-2)参照)し、再変動する(図22(d)参照)ことを繰り返すような時間演出とする。当該疑似停止したときにおける装飾図柄80の組み合わせが所定の法則を満たす特定組み合わせ(いわゆるチャンス目)となること(図22(c-1)参照)が特定事象として設定された(チャンス目とならない(非チャンス目となる)こと(図22(c-2)参照)は特定事象ではないものとされた)構成とする。特定タイミングは、チャンス目が成立しうるタイミング、すなわち装飾図柄80が疑似停止し、チャンス目または非チャンス目となるタイミングである。特定タイミングが経過する度に、残回数表示部522の数字が減少する(図22(d)参照)。なお、図22に示した例は、装飾図柄80が左から「順目」の組み合わせとなることがチャンス目とされ、それ以外の組み合わせ(ただし、大当たり組み合わせを除く)が非チャンス目とされたものである。
また、図示しないが、時間演出が、いわゆるステップアップ演出である構成としてもよい。例えば、各ステップ(段階)を示す画像が表示されることで演出の進行が示されるステップアップ演出とする。N段階の画像が表示された状態から、N+1段階(次段階)の画像が表示された状態に変化することが特定事象である構成とする。このような次段階画像への変化が発生しうるタイミングが特定タイミングであるということである。一回の特定タイミングにて二段階以上のステップアップが発生しうる構成としてもよい。
〇具体例5-2
時間演出の途中(規定時間経過中)に、残回数表示部522が変化する回数変化演出が発生しうる構成とする。例えば、残回数表示部522に作用するような画像(作用画像55)が表示された(図23(b)参照)結果、残回数表示部522が含む数字が増加する(図23(c)参照)場合がある構成とする。残回数表示部522の数字が増加した場合には、残りの規定時間中に少なくとも当該数字が示す回数分の特定タイミングが訪れることになる(再び回数変化演出が発生した場合には残回数が増加する)。なお、上記作用画像55が表示された場合には必ず残回数表示部522が変化する構成としてもよいし、作用画像55が表示されても残回数表示部522が変化するとは限らない構成としてもよい。このようにすることで、演出途中で残回数が増加すること(特定タイミングが増加すること)にも期待できる演出形態となる。
残回数表示部522が含む数字が増加した場合、それとともにメータ部521が大きくなる(メータが増加する)変化が生じる(図23(b)→(c)の変化を参照)構成としてもよい。残回数が増加するということは、特定タイミングが訪れる回数が増加したことを示すものであるところ、当該増加に伴って規定時間終了(タイムアップ)までの時間が延びたかのような変化が発生するものとする。このようにすることで、チャンスの機会が増加した結果、タイムアップまでの時間が延びたかのように遊技者には見える演出態様となる。ただし、メータ部521は残時間のおおよその「目安」を遊技者に示すものに過ぎないため、残回数表示部522が含む数字が増加しても、メータ部521は変化しない(そのまま減少し続ける)構成とすることを否定するわけではない。
〇具体例5-3
残回数表示部522の態様(残回数を示す部分(数字)を除く部分の態様)が特定タイミングにおける結果(特定事象発生(成功)or特定事象非発生(失敗))を示唆するものとする。例えば、残回数表示部522の「色」が、「白」である第一態様と、「赤」である第二態様が設定されており、第一態様である場合よりも、第二態様である場合の方が、特定タイミングにて特定事象が発生する(成功となる)蓋然性が高いという構成とする(図24(a)参照)。三つ以上の態様が設定された構成としてもよい。
本例のようにする場合、時間演出(規定時間)を通じて残回数表示部522の態様が同じである構成としてもよいし、途中で変化する構成としてもよい。後者のようにする場合、時間演出を通じて複数回訪れる特定タイミングそれぞれについて、特定事象が発生する蓋然性を示唆することができる。具体的には、残回数表示部522の態様(上記例でいえば「色」)は、次に訪れる特定タイミングにて特定事象が発生する蓋然性を示唆するものとする。そして、当該特定タイミングが終了することを契機として、残回数表示部522の態様(色)が変化しうるものとする。例えば、残回数表示部522「5」が「赤」である状態で一回目の特定タイミングが訪れた(図24(b-1)参照)後、二回目の特定タイミングでは残回数表示部522「4」が「白」である状態となる(図24(b-2)参照)場合がある構成とする。このようにすることで、特定タイミング毎に変化する特定事象が発生する蓋然性を分かりやすく示すことが可能である。
〇具体例5-4
上記実施形態における残回数表示部522は、規定時間終了までの特定タイミングの残回数を「数字」で示すものであることを説明したが、このように残回数を明確に示すものとはせず、残回数の多少を示すものとしてもよい。例えば、残回数が5~4回の時点では「青」、3~2回の時点では「黄」、1回の時点では「赤」といったように、おおよその残回数を示すものとしてもよい。なお、「残回数表示部522により残回数を示す」態様には、数字により残回数そのものを明確に示す態様だけでなく、本例のようなおおよその回数(多少)を示す構成も含まれるものとする。
〇具体例5-5
時間画像52は、残回数表示部522に代えて(または残回数表示部522とともに)、特定事象の発生回数を示す部分(以下、成功回数表示部523と称する)を含むものとする(図25参照)。上記実施形態と同様に、成功回数表示部523は、メータの減少に合わせて変位していくものとする。そして、特定タイミングにて特定事象が発生した場合に、成功回数表示部523の数字が「1」増加するものとする(図25(a)から(b)の変化を参照)。一方、特定タイミングが訪れても特定事象が発生しなかった場合には当該数字は変化しない(図25(b)から(c)の変化を参照)。このようにすることで、時間演出の途中にて、現時点までに発生した特定事象の回数を、おおよその残時間とともに把握することが可能となる。
また、図示しないが、成功回数表示部523は、特定事象の発生回数を数字により明確に示すのではなく、おおよその回数を示すものとしてもよい。例えば、特定事象の発生回数が0~2回の状態では「青」、3~4回の状態では「緑」、5回の状態では「赤」といったように、特定事象の発生回数の多少を示すものとしてもよい(このような構成も、「特定事象の発生回数を示す」という範疇に含まれるものとする)。
2-6)特別演出(特別演出時における保留図柄の表示態様)
本実施形態では、変動中演出を構成する演出として特別演出(図26(a)参照)が発生することがある。特別演出は、いわゆるリーチ演出である。特別演出は、当該特別演出が発生する変動中演出に対応する当否抽選結果(以下、「2-6特別演出(特別演出時における保留図柄の表示態様)」の説明において対象当否抽選結果と称する)が大当たりである場合には遊技者に有利な結末(当たり用結末)(図26(a-2)参照)に至り、はずれである場合には遊技者に不利な結末(はずれ用結末)(図26(a-3)参照)に至るものである。なお、当たり用結末には、一旦はずれ用結末に至ったかのように見せかけてそれが覆されるパターン(逆転パターンの結末)も含むものとする。なお、特別演出は、一種のみであってもよいし、複数種であってもよい。特別演出は、発生しない場合よりも発生した場合の方が対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高いチャンスアップ演出であるともいえる。
保留図柄10の態様として、通常態様10nと特殊態様10sが設定されている(図26(b)参照)。通常態様10nは、保留図柄10の基本的態様(常態における態様)である。保留図柄10が表示される場合、そのほとんどは通常態様10nにある。通常態様10nの種類は一種のみであってもよいし、複数種であってもよい。
特殊態様10sは、通常態様10nよりも対応する当否抽選結果の大当たり信頼度が高い態様である。つまり、いわゆる「チャンスアップ保留」である。通常態様10nの種類は一種のみであってもよいし、複数種であってもよい。本実施形態では、第一特殊態様101s(青)、第二特殊態様102s(緑)、第三特殊態様103s(赤)の三種類が設定されている(なお、図面においては「色」を文字で表す)。大当たり信頼度はこの順で高くなる(第三特殊態様103sが最も高い)。第一特殊態様101sの大当たり信頼度は、通常態様10nよりも高い。大当たり確定となる特殊態様10sが設定されていてもよい。
上述した通り、本実施形態では、基本的には(特別演出が実行されていないときには)、対応する当否抽選情報が存在する場合には、保留図柄10として変動中保留図柄11および変動前保留図柄12が表示される。特別演出が実行されている最中においては、保留図柄10を次のように制御する。
変動中保留図柄11は、その態様が通常態様10nか特殊態様10sかで特別演出中の表示の有無が異なる。特別演出中は、特殊態様10sの変動中保留図柄11は表示される(図27(b-2)参照)ものの、通常態様10nの変動中保留図柄11は表示されない(図27(b-1)参照)。つまり、いわゆるチャンスアップ保留であれば表示されるが、ノーマル保留であれば表示されない。なお、本実施形態では、特別演出中であるか否かにかかわらず、表示領域911における変動中保留図柄11が表示される位置は同じである(図27(a)、(b-2)参照)。よって、特別演出中に表示される特殊態様10sの保留図柄10は変動中保留図柄11であることを遊技者は把握できる。変動中保留図柄11は、特別演出の結末にて報知される対象当否抽選結果に対応するものであるところ、通常態様10nであれば敢えてそれを遊技者に見せる必要はないとして表示されないようにする。一方、特殊態様10sであればチャンスアップであることを強調するため表示されるようにする。特に本実施形態のように、複数種の特殊態様10sが設定された構成であれば、どの種の特殊態様10sにあるのか(保留の信頼度)を遊技者が把握できるようにすることが好ましいといえる。
一方、変動前保留図柄12は、その態様が通常態様10nか特殊態様10sかによらず特別演出中は表示されない(図27(b-1)、(b-2)参照)。つまり、特別演出中は、変動中保留図柄11は表示されることがあるものの、変動前保留図柄12が表示されることはない。特別演出が発生したということは変動中保留図柄11に対応する対象当否抽選結果について大当たりとなる期待がもてる状況であるということになるため、対象当否抽選結果とは関係がない変動前保留図柄12を表示せず、特別演出の帰趨(対象当否抽選結果)に遊技者が集中できるようにする。
このように、本実施形態では、変動中保留図柄11を対象保留図柄とし、特別演出中は当該対象保留図柄は特殊態様10sであれば表示されるものの、通常態様10nであれば表示されないようにしている。一方、変動前保留図柄12は、対象保留図柄ではなく、通常態様10nおよび特殊態様10sのいずれであるかにかかわらず特別演出中は表示されないようにしている。
以下、上記特別演出(特別演出時における保留図柄10の表示態様)に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例6-1
上記実施形態では、変動前保留図柄12については通常態様10nおよび特殊態様10sのいずれであっても特別演出中は表示されないことを説明したが、変動前保留図柄12についても変動中保留図柄11と同様に制御してもよい(変動前保留図柄12も対象保留図柄である設定とする)。つまり、特別演出中は、通常態様10nにある変動前保留図柄12は表示されないが、特殊態様10sにある変動前保留図柄12は表示されるようにする(図28参照)。
特別演出が発生しても対象当否抽選結果が大当たりとなるとは限らず(はずれとなることもあり)、遊技者は対象当否抽選結果以降の当否抽選結果を気にすると考えるのであれば、本例のように対象当否抽選結果についての特別演出中においても特殊態様10sの変動前保留図柄12が表示されるようにするとよい。なお、特別演出中に表示される特殊態様10sの変動前保留図柄12が表示される位置(表示領域911における位置)は、特別演出が実行されていないときに当該変動前保留図柄12が表示される位置と同じとされるとよい(図28における「青」の変動前保留図柄12を参照)。
〇具体例6-2
上記実施形態や具体例6-1とは異なり、特別演出中は変動前保留図柄12の全て(通常態様10n、特殊態様10sのいずれであるかにかかわらず)が表示されるものとする。換言すれば、特別演出中であるか否かにかかわらず、変動前保留図柄12は表示されるということである(図29(b)参照)。本例のようにするのは、特別演出中に変動前保留図柄12の態様変化(いわゆる保留変化演出;図29(b)→(c)の変化参照)が発生する構成とする場合に特に有効である。つまり、特別演出中であっても変動前保留図柄12についての保留変化演出が発生しうる構成とするのであれば、特別演出中にも変動前保留図柄12が表示されるようにするとよい。
〇具体例6-3
上述した通り、特別演出中は通常態様10nの変動中保留図柄11(対象保留図柄)は表示されない。したがって、ある変動中演出にて、通常態様10nの変動前保留図柄12が表示された状態(図30(a)参照)で特別演出が開始された場合には、少なくとも特別演出の開始時点においては変動中保留図柄11が表示されていない状態にある(図30(b)参照)。この場合であっても特別演出の途中で特殊態様10sの変動中保留図柄11が表示される演出(図30(c)参照)が発生しうるものとする。つまり、「表示されていない通常態様10nの変動中保留図柄11」が存在していると仮定し、特別演出の途中で当該通常態様10nの変動中保留図柄11が特殊態様10sに変化するという保留変化演出(以下、突発保留変化演出と称することもある)が発生した結果、当該特殊態様10sの変動中保留図柄11が表示されることがある構成とする。
このようにすることで、通常態様10nの変動中保留図柄11が表示された状態で移行した特別演出の途中でも変動中保留図柄11について信頼度が高まったことを示すことが可能となる(保留図柄10を用いたチャンスアップ演出を実行することが可能となる)。遊技者視点でいえば、表示されていなかった変動中保留図柄11がいきなり表示される(しかも特殊態様10sで表示される)ことになるから、驚きのある演出形態となる。
突発的保留変化演出の発生に伴い、当該演出が発生したことを示す演出(以下、発生報知演出と称する)が発生するようにするとよい(図30(c)参照)。突発的保留変化演出は、表示されていない変動中保留図柄11がいきなり表示されるという態様であるから、その発生を遊技者に気づかせる必要がある。本実施形態では、所定の効果音がスピーカ75から出力されることが発生報知演出として発生する(突発的保留変化演出が発生しない限り、特別演出中に当該発生報知演出が実行されることはない)。図示しないが、効果音と併せて所定の画像が表示領域911に表示されるようにしてもよい。
当該効果音の態様は、特別演出が実行されていないときに発生する通常の保留変化演出(実際に表示された状態にある保留図柄10が態様変化する演出)時に出力されるものと同じとするとよい。このようにすることで、通常の保留変化演出に接している遊技者(上記効果音を聞いたことがある遊技者)であれば、突発的保留変化演出が発生したときに同じ効果音が出力されるから、通常態様10nの変動中保留図柄11が表示されていない状態であっても保留変化演出(突発的保留変化演出)が発生したということを把握することができる。
〇具体例6-4
上記実施形態にて説明した通り、変動前保留図柄12は特殊態様10sとなった場合であっても特別演出中は表示されないが、その代わりの演出(以下、代替演出と称する)が実行されるものとする(図31参照)。なお、当該代替演出は、全ての変動前保留図柄12が通常態様10nにあるときにおける特別演出中は実行されない。代替演出の具体的態様は種々考えられる。例えば、遊技者が視認可能な位置に設けられたランプ58を点灯させること(図31(b)参照)が考えられる。図示しないが、別例として、表示領域911に所定の画像(代替演出専用の画像)を表示することが考えられる。このようにすることで、変動前保留図柄12が特殊態様10sにあることを見逃した状態で特別演出が発生したとしても、変動前保留図柄12が特殊態様10sにあるか否かを代替演出の有無により判別することが可能となる。
本例のようにする場合、(実際には表示されていない)特殊態様10sの種類に応じて代替演出の態様が異なるようにしてもよい。第一特殊態様101s(青)のときには第一代替演出が、第二特殊態様102s(緑)のときには第二代替演出が、第三特殊態様103s(赤)のときには第三代替演出が発生するものとする。各代替演出は、対応する特殊態様10sを示唆するものとすることが好ましい。例えば、上述したランプ58の点灯を代替演出とするのであれば、第一代替演出は青で、第二代替演出は緑で、第三代替演出は赤でランプ58が点灯するものとする(図31に示した例は、「赤」の例である)。このようにすることで、代替演出の態様により、表示されていない特殊態様10sの種類まで判別することができる。なお、二以上の変動前保留図柄12が特殊態様10sである場合には、最も信頼度の高い特殊態様10sに対応する代替演出を実行するといった設定としたり、特殊態様10sにある二以上の変動前保留図柄12のうち、最も消化順の早い変動前保留図柄12の特殊態様10sに対応する代替演出を実行するといった設定としたりすることが考えられる。
〇具体例6-5
変動中保留図柄11(対象保留図柄)が特殊態様10sとなった場合であっても、特別演出中に当該変動中保留図柄11が表示されるとは限らない構成とする。すなわち、特殊態様10sの変動中保留図柄11が表示された状態(図32(a)参照)で特別演出が開始された場合、当該特殊態様10sの変動中保留図柄11が表示される表示形態(上記実施形態にて説明した態様)(図32(b-1)参照)と、表示されない非表示形態(図32(b-2)参照)のうちのいずれかになる。
特別演出が表示形態となるか非表示形態となるかは、特別演出の結末が遊技者に有利な結末(当たり用結末)となる蓋然性、すなわち大当たり信頼度を示唆するものとする。一例として、表示形態の方が非表示形態よりも大当たり信頼度が高い設定とすることが考えられる。特殊態様10sの変動中保留図柄11が表示されるということは当該特殊態様10sが強調されている状態であるといえるため、このような状態となった場合の方が表示されない状態となった場合よりも大当たり信頼度が高い設定とする。
3)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にて説明した事項は、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した点を除いて、回胴式遊技機等その他の遊技機にも適用することが可能である。
上記実施形態にて説明した当否抽選結果が「大当たり」となる蓋然性(大当たり信頼度)を示唆する演出については、いわゆる「小当たり」となる蓋然性を示唆するものとして用いることもできる。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1-1
当否抽選結果を示す装飾図柄の変動開始から、当該装飾図柄が当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を実行する変動中演出実行手段と、対象当否抽選結果についての前記変動中演出である対象変動中演出が開始されるよりも前の前記変動中演出である先の変動中演出が実行されている最中に開始される演出であって、当該対象当否抽選結果が当たりとなる蓋然性である信頼度を示唆する特定先読み演出を実行する先読み演出実行手段と、を備え、前記特定先読み演出は、前記先の変動中演出中に実行される部分であって前記信頼度を示唆するものではない前半部分、および、前記対象変動中演出中に実行される部分であって前記信頼度を示唆する後半部分を含むことを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、信頼度を示唆しない前半部分が先の変動中演出にて実行され、信頼度を示唆する後半部分が対象変動中演出にて実行されるから、特定先読み演出による信頼度示唆の対象が対象変動中演出に対応する当否抽選結果であることが分かりやすい。
・手段1-2
前記特定先読み演出の前記後半部分の態様として第一後半態様が発生した場合よりも、当該第一後半態様とは異なる第二後半態様が発生した場合の方が、前記信頼度が高いことを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このように、後半部分の態様により信頼度の高低が示唆される構成とすることが考えられる。
・手段1-3
前記特定先読み演出は、前記前半部分においては予め定められた前半用文字が表示されるものであり、前記後半部分においては当該前半用文字に続く後半用文字が表示されるものであり、前記後半用文字として複数種の態様のうちのいずれかが表示されることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特定先読み演出は、前半用文字から後半用文字に続く一続きの演出としてみせることができる。
・手段1-4
前記特定先読み演出とは異なる非特定先読み演出を実行することが可能であり、前記非特定先読み演出は、前記前半部分に相当する部分までは前記特定先読み演出と態様が同じであるものの、前記後半部分に相当する部分は実行されないものであることを特徴とする手段1-1から手段1-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、先の変動中演出にて前半部分の演出が発生しても、信頼度示唆がなされるとは限らないという遊技性が実現される。
・手段1-5
前記特定先読み演出が発生した場合の方が、前記非特定先読み演出が発生した場合よりも、前記信頼度が高いことを特徴とする手段1-4に記載の遊技機。
このようにすることで、先の変動中演出にて前半部分の演出が発生した後、対象変動中演出にて後半部分の演出が発生することに遊技者が期待するという遊技性が実現される。
・手段2-1
当否抽選結果を示す装飾図柄の変動開始から、当該装飾図柄が当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を実行する変動中演出実行手段と、当否抽選に用いられる当否抽選情報のうち、対応する前記変動中演出が開始されているものの当否抽選結果の報知は完了していないものの存在を変動中保留図柄として、対応する前記変動中演出が開始されていないものの存在を変動前保留図柄として表示する表示手段と、前記変動中保留図柄および前記変動前保留図柄の両方に重なる演出画像が前記表示手段に表示される画像演出を実行する画像演出実行手段と、を備え、前記演出画像は、前記変動中保留図柄および前記変動前保留図柄の一方の後側で、他方の前側で重なるように表示されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、変動中保留図柄と変動前保留図柄が前後にずれて位置するように見えるため、両保留図柄の区別が容易になる。
・手段2-2
前記演出画像は、前記変動中保留図柄の後側で重なり、前記変動前保留図柄の前側で重なるように表示されることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、現在の変動に対応する変動中保留図柄(いわゆる「当該変動」の保留図柄)が手前に位置して強調される構成となる。
・手段2-3
前記演出画像は、前記変動中保留図柄および前記変動前保留図柄の一方のみに重なった状態から、両方に重なった状態に変化するように変位するものであることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、あたかも、変動中保留図柄と変動前保留図柄の間に存在する空間(前後の空間)に演出画像が入り込んでいくかのように見える演出態様となる。
・手段2-4
前記画像演出の発生に伴い、前記変動中保留図柄および前記変動前保留図柄の一方の態様は変化する可能性はないものの、他方の態様は変化する可能性があることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
画像演出は、変動中保留図柄および変動前保留図柄のいずれかが演出画像に覆われるものである。これを利用し、演出画像に覆われる保留図柄の態様を変化させてもよい(画像演出を利用し、いわゆる「保留変化」を発生させることができる)。
・手段3-1
遊技者が操作可能な操作手段と、当否抽選結果を示す装飾図柄の変動開始から、当該装飾図柄が当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、遊技者に有利な状況となったことを示す有利結末または不利な状況となったことを示す不利結末に至る特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出を構成する演出として、前記不利結末に至ったことが覆される逆転演出を実行する逆転演出実行手段と、を備え、前記不利結末に至ったときに設定される前記操作手段の操作が促されていない所定期間中に、前記操作手段の操作がなされることを契機として特定事象が発生した場合には、発生しなかった場合よりも前記逆転演出が発生する蓋然性が高いことを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、不利結末に至ったときの所定期間中に操作手段が操作されたときに特定事象が発生するか否かにより逆転演出発生の蓋然性が示唆される(操作が促されていない状況で操作手段を操作した場合にのみ逆転演出発生の蓋然性が示唆される)という面白みのある遊技性が実現される。
・手段3-2
前記特定事象が発生した場合には、前記逆転演出の発生が確定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
このようにすることで、所定期間中に操作手段の操作がなされたときに特定事象が発生するか否かで逆転演出が発生するかどうかが分かる遊技性が実現される。
・手段3-3
前記特定事象として、第一特定事象が発生した場合よりも、当該第一特定事象とは異なる第二特定事象が発生した場合の方が、前記逆転演出が発生する蓋然性が高いことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
このようにすることで、操作手段の操作を契機として特定事象が発生する場合であっても、具体的にどのような事象が発生するかに遊技者が注目することになる遊技性が実現される。
・手段3-4
前記特定事象は、前記所定期間中に表示されている対象画像に、前記操作手段の操作がなされなかったとした場合には生じ得ない変化が生じるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
このようにすることで、視覚的に特定事象の発生が把握される演出形態となる。
・手段3-5
前記所定期間中は、前記装飾図柄がはずれを示す態様で表示されており、
前記特定事象は、前記操作手段の操作を契機として前記装飾図柄が所定の動作をすることであることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
このようにすることで、特定事象は、「はずれを示す態様」が覆されるかもしれないことを示唆するようなものとなる。
・手段4-1
遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し前記操作手段を操作することを促す演出であって、当該操作手段の操作に応じて変化する変化画像が表示される特定操作演出を実行する特定操作演出実行手段と、を備え、前記特定操作演出は、前半部分とそれに続く後半部分を含み、当該前半部分の終了時点における変化画像が、当該後半部分にて強調されて示されることを特徴とする遊技機。
上記特定操作演出は、前半部分の終了時点(特定操作演出の途中)における変化画像の状態が、後半部分にて強調されて示されるという分かりやすいものである。
・手段4-2
前記変化画像は、前記特定操作演出の開始時点にて複数の画像要素を含み、前記特定操作演出の前記前半部分は、前記操作手段の操作によって前記画像要素が次第に減少していくものであり、前記特定操作演出の前記後半部分は、前記前半部分の終了時点にて残存した前記画像要素が拡大されて表示されるものであることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、前半部分にて残存した画像要素の数を容易に把握できる演出形態となる。
・手段4-3
前記特定操作演出は、前記後半部分にて拡大されて表示された前記画像要素が、前記操作手段の一度の操作により消滅することが遊技者に有利な結末として、消滅しないことが遊技者に不利な結末として設定されたものであることを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
このようにすることで、前半部分にて残存した画像要素を消滅させることができるか否かが有利な結末となるか否かの分岐である演出形態となる。
・手段4-4
前記変化画像は、演出用数値を含み、前記特定操作演出の前記前半部分は、前記操作手段の操作によって前記演出用数値が次第に減少していくものであり、前記特定操作演出の前記後半部分は、前記前半部分の終了時点における前記演出用数値が拡大されて表示されるものであることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、前半部分の終了時点における演出用数値を容易に把握できる演出形態となる。
・手段4-5
前記特定操作演出は、前記後半部分にて拡大されて表示された前記演出用数値が、前記操作手段の一度の操作により0となることが遊技者に有利な結末として、0とならないことが遊技者に不利な結末として設定されたものであることを特徴とする手段4-4に記載の遊技機。
このようにすることで、前半部分にて残った演出用数値を「0」とすることができるか否かが有利な結末となるか否かの分岐である演出形態となる。
・手段5-1
規定時間内に特定事象が発生した回数により当否抽選結果が当たりとなる蓋然性を示唆する時間演出を実行する演出実行手段を備え、前記時間演出は、前記規定時間に到達するまでの時間経過を示す時間画像が表示されるものであり、当該時間画像は、前記特定事象が発生する可能性がある特定タイミングの残回数を示す残回数表示部を含むものであることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、時間画像により、規定時間の残りだけでなく、特定タイミングの残回数も示されるため、演出の進行(現在の状況)が分かりやすくなる。
・手段5-2
前記時間画像は、前記残回数表示部が時間経過とともに変位するものであることを特徴とする手段5-1に記載の遊技機。
このようにすることで、時間経過とともに、特定タイミングの残回数が減少する演出であることを分かりやすく示すことが可能である。
・手段5-3
前記時間画像は、時間経過とともに減少するメータ部を含み、前記残回数表示部は当該メータ部の減少に合わせて変位するものであることを特徴とする手段5-2に記載の遊技機。
このようにすることで、時間が経過するにつれて特定タイミングの残回数が減るということがより分かりやすくなるし、残回数が示されていることを遊技者が見落としにくい。
・手段5-4
前記残回数表示部は、前記特定タイミングの残回数を数値で示すものであることを特徴とする手段5-1から手段5-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、残りの残回数を遊技者が明確に把握できる演出形態となる。
・手段6-1
当否抽選結果を示す装飾図柄の変動開始から、当該装飾図柄が当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、発生した場合の方が発生しなかった場合に比して当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高くなる特別演出を実行する特別演出実行手段と、当否抽選に用いられる当否抽選情報であって対応する当否抽選結果の報知が完了していないものを保留図柄として表示する表示手段と、を備え、前記保留図柄である対象保留図柄の態様として、一または複数種の通常態様、および、当該通常態様よりも対応する当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高いことを示す一または複数種の特殊態様が設定されており、前記特別演出中は、前記特殊態様の前記対象保留図柄は表示されるものの、前記通常態様の前記対象保留図柄は表示されないことを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、特別演出中は通常態様の保留図柄は表示されないため、遊技者を特別演出に集中させることができる。
・手段6-2
前記特別演出は、当否抽選結果が当たりである場合には当たり用結末に至り、はずれである場合にははずれ用結末に至るリーチ演出であることを特徴とする手段6-1に記載の遊技機。
リーチ演出は、特に遊技者が注目すべき演出であるから、通常態様の保留図柄が表示されないようにするとよい。
・手段6-3
前記保留図柄は、当否抽選に用いられる当否抽選情報のうち、対応する前記変動中演出が開始されているものの当否抽選結果の報知は完了していないものである変動中保留図柄と、対応する前記変動中演出が開始されていないものである変動前保留図柄とに区分けされ、前記対象保留図柄は、前記変動中保留図柄であり、前記特別演出中は、前記変動前保留図柄は、その態様によらず表示されないことを特徴とする手段6-1または手段6-2に記載の遊技機。
現在実行されている特別演出に関係がない当否抽選結果に対応するものである変動前保留図柄はその態様によらず表示されないようにしても問題はなく、特別演出に関係する変動中保留図柄が特殊態様である場合に表示されるようにすればよい。
・手段6-4
前記対象保留図柄が前記通常態様にあるときに前記特別演出が開始され、当該対象保留図柄が表示されていない状態にあっても、当該特別演出の途中で前記特殊態様の前記対象保留図柄が表示されうることを特徴とする手段6-1から手段6-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、特別演出中に保留図柄を用いたチャンスアップ演出(保留変化演出に相当するような演出)を実行することが可能である。