JP7327480B2 - 電子取引システム、取引管理サーバ、電子取引方法及びプログラム - Google Patents

電子取引システム、取引管理サーバ、電子取引方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電子取引システム、取引管理サーバ、電子取引方法及びプログラムに関する。
近年、通信技術や情報処理技術の発展と共に、ネットワーク上にて種々のサービスが提供されている。例えば、非特許文献1には、電力の売買をネットワーク上で行うためのシステムが開示されている。
特許文献1には、電力消費者がデマンドレスポンスシステムと匿名で通信する技術が開示されている。特許文献2には、入札価格に対応する公開鍵のリストを入札者に公開する必要がなく、かつ価格秘匿性の証明が可能な電子入札システム、電子入札方法を提供する、と記載されている。特許文献3には、入札者のプライバシを保護し談合を防止し依頼者利益を保護する、と記載されている。
特開2017-059872号公報 国際公開2007/063876号 特開2001-101316号公報
田中謙司等、"ブロックチェーンを用いた電力融通取引プラットフォームの一提案"、2018年1月23日、SCIS2018
上述のように、非特許文献1には、電力取引にブロックチェーンを活用する技術が開示されている。当該非特許文献1によれば、個々のユーザが自身の電力消費量や発電量に基づき、電力の過不足を推定し、ブロックチェーン上で電力の発注、売買を行うことで電力取引が実現できる。
しかしながら、非特許文献1では、参加者の入札は他の参加者が見えるような平文で登録されている。そのため、参加者は、他人の発注状況、取引価格、取引量を把握可能となっている。他人の発注状況が把握可能であると、公平な取引が損なわれる可能性がある。例えば、売買する意志は無いにもかかわらず、大量の買い入札を行いあたかも電力需要が旺盛であるかのように見せかけ、有利な価格で売電を実現するような不正を許しかねない。
なお、特許文献1乃至3に開示された技術では、上記問題点を解決することはできない。例えば、特許文献1に開示された技術は匿名通信を実現するためのものであり、不正の防止には適用できない。また、特許文献2及び3に開示された技術は、封印入札に関する技術であり、非特許文献1に開示されたような電力取引システムに適用することはできない。
本発明は、公平な取引を提供することに寄与する電子取引システム、取引管理サーバ、電子取引方法及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
本発明の第1の視点によれば、第1の電子掲示板を提供する、複数の管理サーバと、入札データを前記第1の電子掲示板に書き込む、参加者端末と、前記書き込まれた入札データを取得し、前記取得された入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する、取引管理サーバと、を含み、前記取引管理サーバは、公開鍵及び秘密鍵を生成し、前記参加者端末は、前記取引管理サーバが生成した公開鍵を用いて前記入札データを暗号化し、前記取引管理サーバは、前記秘密鍵を用いて前記暗号化された入札データを復号する、電子取引システムが提供される。
本発明の第2の視点によれば、公開鍵及び秘密鍵を生成し、電子掲示板を提供する複数の管理サーバと、前記公開鍵を用いて暗号化された入札データを前記電子掲示板に書き込む参加者端末と、に接続され、前記書き込まれた入札データを取得し、前記暗号化された入札データを前記秘密鍵により復号すると共に、前記入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する、取引管理サーバが提供される。
本発明の第3の視点によれば、電子掲示板を提供する、複数の管理サーバと、入札データを前記電子掲示板に書き込む、参加者端末と、前記書き込まれた入札データを取得し、前記取得された入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する、取引管理サーバと、を含む電子取引システムにおいて、公開鍵及び秘密鍵を生成するステップと、前記取引管理サーバが生成した公開鍵を用いて前記入札データを暗号化するステップと、前記秘密鍵を用いて前記暗号化された入札データを復号するステップと、を含む電子取引方法が提供される。
本発明の第4の視点によれば、公開鍵及び秘密鍵を生成し、電子掲示板を提供する複数の管理サーバと、前記公開鍵を用いて暗号化された入札データを前記電子掲示板に書き込む参加者端末と、に接続された取引管理サーバに搭載されたコンピュータに、前記書き込まれた入札データを取得する処理と、前記暗号化された入札データを前記秘密鍵により復号する処理と、前記入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する処理と、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の各視点によれば、公平な取引を提供することに寄与する電子取引システム、取引管理サーバ、電子取引方法及びプログラムが提供される。なお、本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
一実施形態の概要を説明するための図である。 第1の実施形態に係る電子取引システムの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る電子取引システムの動作概略の一例を示すシーケンス図である。 入札データの一例を示す図である。 約定データの一例を示す図である。 汎用データ掲示板に書き込まれた情報の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る取引管理サーバの処理構成の一例を示すブロック図である。 入札管理テーブルの一例を示す図である。 取引実行部の動作の一例を示すフローチャートである。 取引実行部の動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る参加者端末の処理構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る管理サーバの処理構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る電子取引システムの動作の一例を示すシーケンス図である。 第2の実施形態に係る電子取引システムの構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る取引管理サーバと制御装置を説明するための図である。 第2の実施形態に係る取引管理サーバの処理構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る取引管理サーバの動作の一例を示すシーケンス図である。 第2の実施形態に係る電子取引システムの動作の一例を示すシーケンス図である。 取引管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。 取引実行装置と取引検証装置を説明するための図である。
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
一実施形態に係る電子取引システムは、複数の管理サーバ101と、参加者端末102と、取引管理サーバ103と、を含む(図1参照)。複数の管理サーバ101は、第1の電子掲示板を提供する。参加者端末102は、入札データを第1の電子掲示板に書き込む。取引管理サーバ103は、書き込まれた入札データを取得し、取得された入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する。取引管理サーバ103は、公開鍵及び秘密鍵を生成する。参加者端末102は、取引管理サーバ103が生成した公開鍵を用いて入札データを暗号化する。取引管理サーバ103は、秘密鍵を用いて暗号化された入札データを復号する。
上記電子取引システムにおいて、参加者端末102は、入札データを取引管理サーバ103の公開鍵を用いて暗号化し、電子掲示板に登録する。暗号化された入札データを復号できるのは、秘密鍵を有する取引管理サーバ103であり、他の参加者は、その内容を知ることができない。その結果、入札に係る情報の秘密が保持され、上記電子取引システムは公平な取引を提供できる。
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
[システム構成概略]
図2は、第1の実施形態に係る電子取引システムの構成の一例を示す図である。図2を参照すると、電子取引システムは、取引管理サーバ10と、複数の参加者端末20-1~20-L(Lは正の整数、以下同じ)と、データ管理システム30と、を含んで構成される。
取引管理サーバ10、参加者端末20-1~20-L及びデータ管理システム30のそれぞれは、インターネット等のネットワークを介して相互に接続されている。
電子取引システムの取引対象は特に限定されないが、本願開示では主に「電力」を取引の対象として説明を行う。但し、本願開示の電子取引システムは、株式等の金融商品等の取引にも適用可能である。
取引管理サーバ10は、電力の買い手と売り手の注文を仲介する装置である。
参加者端末20-1~20-Lは、電力取引の参加者が使用する端末である。例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報処理装置が、上記参加者端末20に相当する。なお、以降の説明において、参加者端末20-1~20-Lを区別する特段の理由が無い場合には、単に「参加者端末20」と表記する。
また、参加者端末20の使用者が買電を希望する場合に、当該使用者が利用する端末を「買い手端末」と表記する。同様に、参加者端末20の使用者が売電を希望する場合に、当該使用者が利用する端末を「売り手端末」と表記する。
データ管理システム30は、取引管理サーバ10の運営主体や電力取引の参加者(入札者;売り手、買い手)から独立した立場の機関等が運営するシステムである。データ管理システム30は、外部(第3者)に対し追記及び読み出しの可能な電子掲示板を提供するシステムである。より具体的には、データ管理システム30は、どのような主体でも情報を追記できると共に、書き込まれた情報を読み出すことができ、且つ、一度書き込まれた情報は消去されたり改竄されたりすることのない電子掲示板を提供する。データ管理システム30は、所謂、ブロックチェーンと称される技術により上記特徴を持つ電子掲示板を提供する。
図2に示す電子取引システムでは、電力取引に必要な情報(以下、電力取引データと表記する)の授受を、ブロックチェーンにより実現される電子掲示板を介して行う。なお、上述のように、データ管理システム30は、任意の主体(電力取引に係る参加者を含む任意の主体)に対しても電子掲示板を提供するシステムであるため、当該電子掲示板には上記電力取引データとは無関係なデータが混在することとなる。
以降の説明において、データ管理システム30が提供する電子掲示板を「汎用データ掲示板」と表記する。また、汎用データ掲示板の基礎となる台帳を「汎用データ管理台帳」と表記する。
データ管理システム30は、複数の管理サーバ40-1~40-M(Mは正の整数、以下同じ)から構成されている。また、参加者端末20と同様に、管理サーバ40-1~40-Mを区別する特段の理由がない場合には、単に「管理サーバ40」と表記する。
データ管理システム30をなす複数の管理サーバ40は、図2に示すように、相互に直接接続されている。即ち、データ管理システム30は、P2P(Peer to Peer)接続された複数の管理サーバ40を含んで構成される。
データ管理システム30では、P2P接続された複数の管理サーバ40それぞれが、外部から受信したデータ(例えば、電力取引データ)を管理するためのデータ管理台帳を有する。データ管理システム30は、当該データ管理台帳を複数の管理サーバ40に分散し共有して、管理する。
データ管理システム30をなす管理サーバ40は、取引管理サーバ10や参加者端末20から電力取引データを汎用データ掲示板に書き込む旨の要求(データ記録要求)を取得するたびに、汎用データ管理台帳に当該電力取引データを追記する。また、各管理サーバ40は、当該汎用データ管理台帳に追記するデータの正当性を証明するデータを生成する。具体的には、管理サーバ40は、上記追記データの正当性を証明するデータとして各管理サーバ40の電子署名(デジタル署名)を用いるものとする。
電子署名の生成が終了すると、管理サーバ40は、汎用データ管理台帳への追記データに電子署名を付して、他の管理サーバ40に配布する。他の管理サーバ40は、当該追記データを受信すると、その正当性を検証した後に自身の汎用データ管理台帳を更新する。
[システム動作概略]
次に、図面を参照しつつ、第1の実施形態に係る電子取引システムの動作概略を説明する。
図3は、第1の実施形態に係る電子取引システムの動作概略の一例を示すシーケンス図である。
売電を希望する参加者は、売買の種別(売り注文)、自身を特定する識別子(参加者ID;IDentifier)と、売却を希望する電力量(数量)と、売却希望額(価格)、を含む「売り手入札データ」を汎用データ掲示板に書き込む(売り手入札;ステップS01)。
その際、売り手端末は、売り手入札データを取引管理サーバ10の公開鍵で暗号化し、データ管理システム30に送信する。例えば、図4の上段に示すようなデータが暗号化され、汎用データ掲示板に書き込まれる。
同様に、買電を希望する参加者は、売買の種別(買い注文)、自身を特定する参加者ID、購入を希望する電力量と、購入希望額、を含む「買い手入札データ」を汎用データ掲示板に書き込む(買い手入札;ステップS02)。
買い手端末は、買い手入札データを取引管理サーバ10の公開鍵で暗号化し、データ管理システム30に送信する。例えば、図4の下段に示すようなデータが暗号化され、汎用データ掲示板に書き込まれる。
参加者端末20は、図4に示す4つの項目(売買種別、参加者ID、数量、価格)の全てを暗号化せずに、数量だけを暗号化してもよい。少なくとも数量が暗号化されていれば取引の安全は確保できるためである。このように、第1の実施形態に係る参加者端末20は、暗号化された価格を含む入札データを汎用データ掲示板に書き込む。
なお、以降の説明において、売り手入札データと買い手入札データを区別する必要が無い場合には、単に「入札データ」と表記する。
取引管理サーバ10は、汎用データ掲示板に定期的にアクセスし、入札データを取得する(ステップS03)。
取得した入札データは暗号化されているので、取引管理サーバ10は、自身の秘密鍵を用いて取得した入札データの暗号文を復号する(ステップS04)。
取引管理サーバ10は、予め定めたタイミング等で、取得した入札データを用いた取引を実行する(ステップS05)。取引管理サーバ10による取引処理の詳細は後述する。
取引管理サーバ10は、取引結果を汎用データ掲示板に書き込む。
なお、汎用データ掲示板に入札データが書き込まれると、当該入札データを特定するためのトランザクションID(以下、TXIDと表記する)が付与される。取引管理サーバ10は、当該TXIDを利用して取引結果を汎用データ掲示板に書き込む。具体的には、取引管理サーバ10は、売り入札と買い入札が成立(約定)した場合には、当該約定した入札データのTXIDを含むデータを「約定データ」として汎用データ掲示板に書き込む(図5参照)。
汎用データ掲示板に書き込まれた約定データを確認すれば、参加者は自分の未約定なデータを把握することができる。あるいは、取引管理サーバ10は、約定したTXIDを指定し、当該TXIDを取引の場から削除した旨の削除データを汎用データ掲示板に書き込んでもよい。当該削除データにより、参加者は、取引の場に残る入札データ(未約定な入札データ)を把握してもよい。
売り手と買い手は、汎用データ掲示板にアクセスすることで約定データを取得し、取引結果を確認する(ステップS06、ステップS07)。参加者端末20(売り手端末、買い手端末)は、汎用データ掲示板に書き込まれた約定データを取得し、自身の入札が約定したか否かを確認する。
参加者端末20は、約定データを参照することで、自身の入札データの状態(約定、未約定)を把握できる。あるいは、参加者端末20は、削除データを確認することによっても自身の入札が約定したか否かを確認してもよい。
参加者端末20は、約定データに記載されたTXIDが自身の入札に対応するものであれば、自身の入札が約定したことを把握できる。一方、参加者端末20は、約定データに記載されたTXIDが自身の入札に対応したものでなければ、自身の入札は約定せず、未約定な入札として汎用データ掲示板(取引の場)に残っていることが把握できる。
例えば、図6に示すような電力取引データ(入札データ、約定データ)が汎用データ掲示板に書き込まれているとする。図6は、TXIDが「01」、「02」の売り入札が行われ、その後、TXIDが「03」の買い入札が行われていることを示している。その後、TXIDが「01」の売り入札とTXIDが「03」の買い入札が約定し、TXIDが「04」の約定データとして汎用データ掲示板に書き込まれている。なお、図6に示す「PID」は参加者IDを示す。
取引管理サーバ10、参加者端末20は、図6に示すような電力取引データ(入札データ、約定データ)を確認することで、TXIDが「02」の売り入札は未約定な入札データとして汎用データ掲示板に残っていることも確認できる。
つまり、取引管理サーバ10は、システム稼働時からの汎用データ掲示板に書き込まれた電力取引データをトレースすることで最新の入札状況(未約定な状態で残っている入札データ)を把握することができる。同様に、参加者端末20は、汎用データ掲示板に書き込まれた電力取引データをトレースすることで、最新の入札状況を把握することができる。
但し、参加者端末20は、自身の入札に関する状況(約定済み、未約定)を把握することができるが、入札データは暗号化されているため、汎用データ掲示板に残っている入札データの詳細(少なくとも価格の詳細)を知ることはできない。
[取引サーバの処理構成]
次に、取引管理サーバ10の詳細について説明する。取引管理サーバ10は、汎用データ掲示板に書き込まれた入札データを取得し、暗号化された価格を復号する。さらに、取引管理サーバ10は、復号された価格を用いてザラバ方式により取引を実行する。
図7は、第1の実施形態に係る取引管理サーバ10の処理構成の一例を示すブロック図である。図7を参照すると、取引管理サーバ10は、通信制御部201と、データ管理部202と、復号部203と、取引実行部204と、鍵生成部205と、署名検証部206と、記憶部207と、を含んで構成される。
通信制御部201は、他の装置(主に、管理サーバ40)との間の通信を実現する手段である。通信制御部201は、他の装置から受信したメッセージ(パケット)を各処理モジュールに振り分ける、又は、各処理モジュールから取得したメッセージを他の装置に送信する手段でもある。
鍵生成部205は、公開鍵及び秘密鍵の鍵ペアを生成する手段である。公開鍵は公開され、秘密鍵は記憶部207に格納される。
署名検証部206は、入札データに付与された参加者端末20の署名を検証する手段である。署名の検証に成功した入札データは正規な入札データとして扱われる。
記憶部207は、各処理モジュールの処理に必要な情報等を記憶する手段である。
データ管理部202は、汎用データ掲示板にアクセスし、電力取引データ(入札データ、約定データ)を管理する手段である。データ管理部202は、汎用データ掲示板に定期的にアクセスし、当該掲示板に新規に書き込まれた(取引管理サーバ10が一度も取得していない)入札データを取得する。データ管理部202は、取得した入札データを復号部203に引き渡す。また、データ管理部202は、取引実行部204による取引結果(約定データ)を、通信制御部201を介して汎用データ掲示板に書き込む。
復号部203は、取引管理サーバ10の公開鍵で暗号化されている入札データを復号する手段である。より具体的には、復号部203は、暗号化されている入札データを、秘密鍵を用いて復号し、復号結果(平文の入札データ)を記憶部207に格納する。
取引実行部204は、入札データを用いた取引(電力取引)を実行する手段である。取引実行部204は、所謂、ザラバ方式と称される手法により電力取引を実現する。より具体的には、取引実行部204は、多数の売り入札と買い入札のなかで価格と数量が一致したものから順に取引を成立させていく。
取引実行部204は、「価格優先の原則」と「時間優先の原則」に従って取引を成立させていく。例えば、買い注文(買い入札)であれば、安い価格の買い注文よりも高い価格の買い注文が優先され、売り注文であれば、高い価格の売り注文よりも安い価格の売り注文が優先されて取引が成立する。同じ価格の注文の場合には、より早く入札があった方が優先され取引が成立する。
取引実行部204は、「入札管理テーブル」を用いて入札状況(未約定な入札データ)を管理し、当該テーブルを用いて取引を実行する。入札管理テーブルとは、売り注文、買い注文それぞれについて、未約定な入札価格を順に並べたテーブル情報である。即ち、入札管理テーブルにより未約定な入札データが管理される。
図8は、入札管理テーブルの一例を示す図である。図8に示すように、未約定な入札データの数量が価格順に並べられ、管理される。なお、図8を含む図面において、数量(売り数量、買い数量)や価格の単位を記載していないが、これらの単位は任意とすることができる。例えば、数量の単位は「kWh」とし、価格の単位は「1円」とすることができる。
取引実行部204又はデータ管理部202が、システム稼働時からの汎用データ掲示板に書き込まれた電力取引データをトレースすることで図8に示すような入札管理テーブルを作成できる。
ここで、上述のように、取引実行部204による電力取引は、価格優先の原則と時間優先の原則に従って行われる。そのため、図8に示すような価格と数量だけの単純な組み合わせによる管理ではなく、実際には、各価格に含まれる入札データの詳細が管理されている。例えば、図8の吹き出しに記載したように、価格ごとに未約定な入札データの詳細(参加者ID、数量、入札時間)が管理される。
なお、参加者ID及び数量は入札データに記載された情報を用いればよい。入札時間に関しては、入札データの生成日時、あるいは掲示板に記録された時間(タイムスタンプ)を用いればよい。また、取引実行部204が、売り入札と買い入札を約定させた場合には、当該約定の結果を入札管理テーブルに反映する。
続いて、図9及び図10を参照しつつ、取引実行部204の動作を説明する。
取引実行部204は、記憶部207に格納された入札データを取得し、入札時間(タイムスタンプ)が古い入札データから順に処理をしていく。
その際、取引実行部204は、入札データが「売り手入札データ」であった場合には、図9に示すフローチャートに従って処理をする。取引実行部204は、入札データが「買い手入札データ」であった場合には、図10に示すフローチャートに従って処理をする。
はじめに、入札データが「売り手入札データ」である場合の取引実行部204の動作を説明する。
図9に示すステップS101において、取引実行部204は、処理対象となる売り手入札データの売値(売却希望額)が入札管理テーブルにより管理される買値(購入希望額)の最高額以下であるか否かを判定する。例えば、図8に示す例では、売値と買値の最高額である「19」の大小が比較される。
売値が買値の最高額よりも高ければ(ステップS101、No分岐)、取引実行部204は、処理対象の売り手入札データを入札管理テーブルに反映し、処理を終了する(ステップS102)。
売値が買値の最高額以下であれば(ステップS101、Yes分岐)、取引実行部204は、売り数量(売却希望電力量)が買値最高額の数量以下であるか否かを判定する(ステップS103)。例えば、図8に示す例では、売り数量と買値最高額の数量である「40」の大小が比較される。
売り数量が買値最高額の数量以下であれば(ステップS103、Yes分岐)、取引実行部204は、買い入札の入札時間の古い順に約定する(ステップS104)。例えば、図8に示す例では、売り数量が「30」であれば、売り入札と、入札時間の最も古い買い入札(入札時間;12:01)及び2番目に古い買い入札(入札時間;12:10)と、が約定する。
取引実行部204は、取引結果(約定結果)を入札管理テーブルに反映し、処理を終了する(ステップS105)。
売り数量が買値最高額の数量より大きければ(ステップS103、No分岐)、取引実行部204は、対象となる売り入札の売り数量の全てを買値最高額にて約定する(ステップS106)。
取引実行部204は、取引結果(約定結果)を入札管理テーブルに反映する(ステップS107)。
ステップS108において、取引実行部204は、売り手入札データの売り数量のうち、ステップS106の処理にて約定しなかった売り数量が存在するか否かを判定する。例えば、図8に示す例では、売り数量が「50」であれば、買値最高額である「19」にて売り数量「40」が約定し、売り数量の残は「10」となる。
売り数量の残が存在すれば(ステップS108、Yes分岐)、取引実行部204は、ステップS101に戻り処理を継続する。具体的には、取引実行部204は、一部の売り数量が約定した結果が反映された入札管理テーブルを用いて、売り残が処理される。例えば、上記の例では、売り残の数量「10」は、価格「18」の買い入札と約定することになる。
売り数量の残が存在しなければ(ステップS108、No分岐)、取引実行部204は、処理を終了する。
次に、入札データが「買い手入札データ」である場合の取引実行部204の動作を説明する。
図10に示すステップS201において、取引実行部204は、処理対象となる買い手入札データの買値(購入希望額)が入札管理テーブルにより管理される売値(売却希望額)の最低額以上であるか否かを判定する。
買値が売値の最低額よりも低ければ(ステップS201、No分岐)、取引実行部204は、処理対象の買い手入札データを入札管理テーブルに反映し、処理を終了する(ステップS202)。
買値が売値の最低額以上であれば(ステップS201、Yes分岐)、取引実行部204は、買い数量(購入希望電力量)が売値最低額の数量以下であるか否かを判定する(ステップS203)。
買い数量が売値最低額の数量以下であれば(ステップS203、Yes分岐)、取引実行部204は、売り手入札の入札時間の古い順に約定する(ステップS204)。
取引実行部204は、取引結果(約定結果)を入札管理テーブルに反映し、処理を終了する(ステップS205)。
買い数量が売値最低額の数量より大きければ(ステップS203、No分岐)、取引実行部204は、対象となる買い入札の買い数量の全てを売値最低額にて約定する(ステップS206)。
取引実行部204は、取引結果(約定結果)を入札管理テーブルに反映する(ステップS207)。
ステップS208において、取引実行部204は、買い手入札データの買い数量のうち、ステップS206の処理にて約定しなかった買い数量が存在するか否かを判定する。
買い数量の残が存在すれば(ステップS208、Yes分岐)、取引実行部204は、ステップS201に戻り処理を継続する。
買い数量の残が存在しなければ(ステップS208、No分岐)、取引実行部204は、処理を終了する。
取引実行部204は、データ管理部202が新たに取得した入札データに関する処理を終了すると、必要に応じて取引結果(約定データ)を記憶部207に記憶する。データ管理部202は、取引実行部204による上記取引結果(約定データ)を、通信制御部201を介し汎用データ掲示板に書き込む。その際、データ管理部202は、約定データ等に自身(取引管理サーバ10)の署名を付与する。
[参加者端末の処理構成]
次に、参加者端末20の詳細について説明する。
図11は、第1の実施形態に係る参加者端末20の処理構成の一例を示すブロック図である。図11を参照すると、参加者端末20は、通信制御部301と、入札データ管理部302と、鍵生成部303と、記憶部304と、を含んで構成される。
通信制御部301は、他の装置(主に、管理サーバ40)との間の通信を実現する手段である。通信制御部301は、他の装置から受信したメッセージ(パケット)を各処理モジュールに振り分ける、又は、各処理モジュールから取得したメッセージを他の装置に送信する手段でもある。
鍵生成部303は、公開鍵及び秘密鍵の鍵ペアを生成する手段である。公開鍵は公開され、秘密鍵は記憶部304に格納される。
記憶部304は、各処理モジュールの処理に必要な情報等を記憶する手段である。例えば、記憶部304は、取引管理サーバ10から公開された公開鍵を記憶する。当該公開鍵は、入札データ管理部302により署名が検証される際に使用される。即ち、記憶部304に格納された取引管理サーバ10の公開鍵は、参加者端末20における「署名検証鍵」としての役割を有する。
入札データ管理部302は、入札データ(売り手入札データ、買い手入札データ)に関する管理を行う手段である。具体的には、入札データ管理部302は、ユーザ(売り手、買い手)による操作に応じて、図4に示すような入札データを生成する。
さらに、入札データ管理部302は、生成した入札データに自身の秘密鍵を用いて署名を付与したのちに、取引管理サーバ10の公開鍵を用いて入札データを暗号化する。そして、入札データ管理部302は、暗号化された入札データを汎用データ掲示板に書き込む。ここで、入札データ管理部302が、署名を施してから入札データを暗号化するのは、同じ参加者の入札データの署名がその参加者の公開鍵で検証できてしまうことにより、入札データがお互いに関連付けられてしまうことを防ぐためである。なお、参加者端末20による署名の生成は、参加者端末20の秘密鍵を用いて行われるので、当該秘密鍵は「署名鍵」としての役割を有する。
また、入札データ管理部302は、汎用データ掲示板に記載された約定データを取得する。入札データ管理部302は、約定データに付与された取引管理サーバ10の署名を検証し、署名の検証に成功した場合に、当該約定データを正規なデータとして受け入れる。取得した約定データが自身の入札データに付与されたTXIDを有するものであれば、入札データ管理部302は、自身の入札は約定したものと判断する。その際、入札データ管理部302は、約定結果を液晶ディスプレイに表示する等の対応を行ってもよい。
[管理サーバ]
データ管理システム30をなす管理サーバ40は、ブロックチェーン技術を用いて電子掲示板(汎用データ掲示板)を提供する装置である。
図12は、第1の実施形態に係る管理サーバ40の処理構成の一例を示すブロック図である。図12を参照すると、管理サーバ40は、通信制御部401と、台帳制御部402と、署名検証部403と、記憶部404と、を含んで構成される。
通信制御部401は、他の装置との間の通信を実現する手段である。通信制御部401は、他の装置から受信したメッセージ(パケット)を各処理モジュールに振り分ける、又は、各処理モジュールから取得したメッセージを他の装置に送信する手段でもある。
記憶部404は、各処理モジュールの処理に必要な情報等を記憶する手段である。例えば、記憶部404は、ブロックチェーンによる電子掲示板(汎用データ掲示板)を実現するための台帳を記憶する。
台帳制御部402は、台帳に記入するトランザクションの作成やトランザクションを台帳に記入するための合意形成に係るメッセージの作成を制御する。台帳制御部402は、取引管理サーバ10や参加者端末20から電力取引データを汎用データ掲示板に書き込むよう依頼されるたびに、共有台帳(汎用データ管理台帳)に当該データを追記する。当該データを追記する際に管理サーバ40のそれぞれは合意形成を行う。合意形成の方法には、例えば、PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)プロトコルを用いることができる。なお、ブロックチェーンを利用した電子掲示板は当業者にとって明らかなため、台帳制御部402に関する更なる説明は省略する。
署名検証部403は、他の管理サーバ40との間で合意を形成する際に当該他の管理サーバ40の署名を検証する手段である。署名の検証に成功した場合に、受信データは正規なデータとして扱われブロックチェーンに書き込まれる。
続いて、図面を参照しつつ第1の実施形態に係る電子取引システムの動作を説明する。図13は、第1の実施形態に係る電子取引システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
参加者端末20は、入札データを生成する(ステップS11)。例えば、参加者端末20は、図4の上段に示すような入札データを生成する。
参加者端末20は、入札データに署名を付与した後、当該署名付きの入札データを取引管理サーバ10の公開鍵で暗号化してデータ管理システム30(管理サーバ40)に送信する(ステップS12)。なお、参加者端末20は、参加者が特定されることを防ぐため、例えば、確率的暗号を使用して入札データの暗号文を生成することが望ましい。なお、入札データが暗号化され、一見しただけではどのような情報か不明となるので、参加者端末20は、汎用データ掲示板に書き込まれたデータが入札データであることを示すためのタグをつけてもよい。タグは取引管理サーバ10が認識できるデータであればどのようなデータでもよく、例えば、「入札データ」等の文字であってもよい。
データ管理システム30をなす複数の管理サーバ40のそれぞれは、受信データに付与された他の管理サーバ40が付与した署名を検証する。各管理サーバ40は、署名の検証に成功すると、共通の台帳に記載するデータの合意形成を行う(ステップS13)。各管理サーバ40は、例えば、マルチシグやPBFT等のアルゴリズムを用いて互いに合意形成を行う。
複数の管理サーバ40の間で合意が形成されれば、当該入札データは共通台帳(汎用データ管理台帳)に記録される(ステップS14)。
取引管理サーバ10は、汎用データ掲示板にアクセスし、新規入札データの有無を確認する(ステップS15)。
取引管理サーバ10は、新規入札データが汎用データ掲示板に書き込まれていれば、当該入札データを取得する(ステップS16)。
取引管理サーバ10は、暗号化された入札データを復号する(ステップS17)。そして、取引管理サーバ10は、復号した入札データに付与された署名を検証する。取引管理サーバ10は、署名が無効であれば入札データを無視(破棄)する。
取引管理サーバ10は、入札データに記載された取引内容を確認し、約定処理を実行する(ステップS18)。
入札データが約定した場合には、取引管理サーバ10は、約定データをデータ管理システム30(管理サーバ40)に送信する(ステップS19)。なお、約定データには、図5に示すように、約定した2つの入札データのIDが含まれる。また、取引管理サーバ10は、約定データに署名して署名付きの約定データをデータ管理システム30に送信する。
各管理サーバ40は、取得した約定データを汎用データ掲示板に書き込む(ステップS20)。
参加者端末20は、汎用データ掲示板にアクセスし、新規約定データの有無を確認(照会)する(ステップS21)。
管理サーバ40は、参加者端末20に新規約定データを送信する(ステップS22)。参加者端末20は、約定データに有効な署名が付与されていれば、汎用データ掲示板から読み出した新規約定データは正規なデータであると扱う。
以上のように、第1の実施形態に係る電子取引システムでは、参加者は、自身の入札データを取引管理サーバ10の公開鍵により暗号化し、汎用データ掲示板に登録する。暗号化された入札データを復号できるのは、秘密鍵を有する取引管理サーバ10であり、参加者(参加者端末20)は、その内容を知ることができない。その結果、入札に係る情報の秘密やプライバシが保持され、第1の実施形態に係る電子取引システムは公平な取引を提供できる。
また、第1の実施形態に係る電子取引システムでは、ブロックチェーン技術により実現される電子掲示板(汎用データ掲示板)を介して電力取引データ(入札データ、約定データ)のやり取りを行う。その結果、取引管理サーバ10による約定データに対する不正(データの書き換え等)等を防止することができる。
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態では、電力取引システムにおいて、商業的に機微な情報である、取引価格や取引量を秘匿可能とするシステムについて説明した。しかし、第1の実施形態に係る電子取引システムでは、取引管理サーバ10による不正を許す余地がある。例えば、不正の意図を持った取引管理サーバ10は、本来約定すべきでない取引を約定させることができる。
第2の実施形態では、このような取引管理サーバ10の不正な行為を防止するための電子取引システムに関して説明する。
図14は、第2の実施形態に係る電子取引システムの構成の一例を示す図である。図14に示すように、第2の実施形態に係る電子取引システムは、複数の取引管理サーバ10-1~10-N(Nは3以上の正の整数、以下同じ)を含む。取引管理サーバ10-1~10-Nを区別する特段の理由がない場合には、単に「取引管理サーバ10」と表記する。
なお、上記複数の取引管理サーバ10の大半(例えば、過半数以上)は、不正な行為を行わないことを前提とする。即ち、システムに含まれる大半の取引管理サーバ10は、不正な約定処理を行わないものとする。
ここで、複数の取引管理サーバ10のなかから1台のリーダ装置(メイン装置)が選択される。なお、リーダ装置の選択はシステム管理者が決定し、リーダ装置にその旨を入力してもよいし、取引管理サーバ10の間で決定されてもよい。例えば、乱数によりリーダ装置が選択されてもよいし、持ち回りによりリーダ装置が選択されてもよい。
あるいは、図15に示すように、取引管理サーバ10の上位装置である制御装置50が、リーダ装置を選択し、当該選択の結果を取引管理サーバ10(リーダ装置、フォロワー装置)に通知してもよい。
電子取引システムに含まれる複数の取引管理サーバ10のうち、リーダ装置以外の取引管理サーバ10のそれぞれはフォロワー装置(サブ装置)として動作する。少なくとも複数のフォロワー装置のそれぞれは、未約定な入札データを管理するための電子掲示板(後述する取引データ掲示板)を形成する。
以降の説明において、リーダ装置による約定処理の結果を「仮約定データ」と表記する。
リーダ装置となった取引管理サーバ10は、データ管理システム30が提供する汎用データ掲示板から読み出した新規な入札データに対して約定処理を実行する。リーダ装置は、約定処理の結果(約定、未約定)と汎用データ掲示板から読み出した新規入札データを他の取引管理サーバ10(複数のフォロワー装置)に送信する。その際、リーダ装置は、約定処理の結果に署名を付与する。
リーダ装置は、上記署名付きの仮約定データを複数のフォロワー装置に一斉送信(ブロードキャスト)する。あるいは、リーダ装置は、予め定められた順番で上記署名付きの仮約定データをフォロワー装置に送信してもよい。
例えば、図14に示すように、取引管理サーバ10-1がリーダ装置として動作する場合には、取引管理サーバ10-1は、自身の署名を付した仮約定データを、取引管理サーバ10-2、10-3、・・・、10-Nに向けて送信する。
ここで、複数の取引管理サーバ10は、データ管理システム30が提供する電子掲示板(汎用データ掲示板)とは異なる独自の電子掲示板を構成する。なお、本願開示において、取引管理サーバ10が構成する電子掲示板を「取引データ掲示板」と表記する。取引管理サーバ10が構成する電子掲示板は、取引データ管理台帳を基礎として構成される。なお、取引データ掲示板もブロックチェーン技術を用いて運用、管理される。
リーダ装置を含む複数の取引管理サーバ10のそれぞれは、上記取引データ管理台帳を用いて第1の実施形態で説明した「入札管理テーブル」の情報を記憶する。換言すれば、入札管理テーブルの情報は、取引データ掲示板に書き込まれる。
フォロワー装置は、リーダ装置から取得した仮約定データの正当性を検証する。
はじめに、フォロワー装置のそれぞれは、リーダ装置から取得した仮約定データに付与された署名の検証を行う。各フォロワー装置は、仮約定データに付与された署名が不当であれば、仮約定データを破棄する。各フォロワー装置は、仮約定データに付与された署名が正当であれば、当該仮約定データの正当性を検証する。
具体的には、各フォロワー装置は、自身が保持する取引データ管理台帳に記載された入札管理テーブルとリーダ装置から取得した新規入札データを用いて約定処理を行う。各フォロワー装置は、当該自身の約定結果とリーダ装置から受信した仮約定データの結果が一致するか否かを判定する。
各フォロワー装置は、2つの約定結果が一致すれば、仮約定データの検証結果を「受け入れ可」に設定する。対して、各フォロワー装置は、2つの約定結果が不一致であれば、仮約定データの検証結果を「受け入れ不可」に設定する。
各フォロワー装置は、自身の検証結果(受け入れ可、受け入れ不可)を他のフォロワー装置(リーダ装置を除く他の取引管理サーバ10)に一斉送信(ブロードキャスト)する。なお、各フォロワー装置は、上記検証結果に署名を付与し、当該署名が付与された検証結果をブロードキャストする。
各フォロワー装置は、他のフォロワー装置から検証結果を取得すると、当該検証結果に付与された署名を検証する。各フォロワー装置は、署名の検証に失敗すれば、取得した検証結果を破棄する。各フォロワー装置は、署名の検証に成功すれば、仮約定データに対する受け入れ可否に関する合意形成処理を行う。
具体的には、各フォロワー装置は、システムに含まれるフォロワー装置(自装置も含むフォロワー装置;リーダ装置以外のフォロワー装置)の一定数以上の装置による検証結果が、「仮約定データは受け入れ可」であるか否かを確認する。なお、上記仮約定データの受け入れ可否を決める一定数は、合意形成の方式に応じて変化する。
例えば、MinBFT合意形成プロトコルが用いられ、且つ、電子取引システムに含まれる取引管理サーバ10の数は6(N=6)の場合を考える。MinBFT合意形成プロトコルでは、上記一定数は「過半数」である。また、システムに含まれるフォロワー装置の数は5である。従って、5台のフォロワー装置のうち3台以上のフォロワー装置が、「仮約定データは受け入れ可」という結果を得たか否かが判断される。
複数のフォロワー装置のうち一定数以上のフォロワー装置が、「仮約定データは受け入れ可」という結論であれば、リーダ装置による約定処理の結果(仮約定データ)は正当であると判断され、その旨の合意が形成される。この場合、各フォロワー装置は、自身で管理する取引データ管理台帳(入札管理テーブル)に、新規入札データと仮約定データを反映する。
複数のフォロワー装置のうち一定数以上のフォロワー装置が、「仮約定データは受け入れ可」という結論でなければ、リーダ装置による約定処理の結果(仮約定データ)は不当であると判断され、その旨の合意が形成される。この場合、各フォロワー装置は、リーダ装置から取得した仮約定データ、新規入札データを破棄する。
リーダ装置は、仮約定データを送信してから所定期間経過後に、各フォロワー装置により形成される取引データ掲示板にアクセスする。リーダ装置は、取引データ掲示板に新規入札データ、仮約定データが反映されているか確認する。
リーダ装置は、仮約定データ等の内容が取引データ掲示板に反映されていれば、自身の約定処理結果に対するフォロワー装置の合意が得られたものと判断する。この場合、リーダ装置は、自身の取引データ管理台帳に新規入札データ及び仮約定データを反映する。さらに、リーダ装置は、約定処理の結果を必要に応じて汎用データ掲示板に書き込む。具体的には、リーダ装置は、第1の実施形態にて説明した約定データを汎用データ掲示板に書き込む。
リーダ装置は、仮約定データ等の内容が取引データ掲示板に反映されていなければ、自身の約定処理結果に対するフォロワー装置の合意が得られなかったと判断する。この場合、リーダ装置は、予め定められたエラー処理(例えば、所定回数のリトライ処理等)を行う。
このように、複数のフォロワー装置のそれぞれは、リーダ装置の約定結果の正当性を検証する。また、複数のフォロワー装置のそれぞれは、リーダ装置の約定結果が正当であるとの合意を他のフォロワー装置との間で得られた場合に、リーダ装置の約定結果を取引データ掲示板に反映する。リーダ装置は、自身の約定結果が電子掲示板(取引データ掲示板)に書き込まれた場合に、自身の約定結果をデータ管理システム30が提供する電子掲示板(汎用データ掲示板)に反映する。
図16は、第2の実施形態に係る取引管理サーバ10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図16を参照すると、第1の実施形態に係る取引管理サーバ10に台帳制御部208及び仮約定データ検証部209が追加となっている。
台帳制御部208は、第1の実施形態と同様に、台帳(取引データ管理台帳)を制御する手段である。
仮約定データ検証部209は、リーダ装置から取得した仮約定データの受け入れ可否を検証する手段である。
なお、複数の取引管理サーバ10のそれぞれは、秘密鍵及び公開鍵(入札データの復号用の秘密鍵と公開鍵)を必要とするが、これらの鍵は各取引管理サーバ10で共有することができる。例えば、リーダ装置が秘密鍵及び公開鍵の鍵ペアを作成し、フォロワー装置に当該鍵ペアを配布すればよい。
はじめに、取引管理サーバ10がリーダ装置として動作する場合について説明する。
この場合、取引実行部204が、新規入札データと約定処理の結果(仮約定データ)を他のフォロワー装置に送信する。その後、所定期間経過後、取引実行部204は、取引データ掲示板にアクセスし、仮約定データ等が反映されているか否かを確認する。仮約定データ等が取引データ掲示板に反映されていれば、取引実行部204は、その旨を台帳制御部208及びデータ管理部202に通知する。
台帳制御部208は、新規入札データ及び仮約定データを自身の管理する取引データ管理台帳に反映する。
データ管理部202は、必要に応じて、通信制御部201を介して、約定データをデータ管理システム30に送信する。その際、データ管理部202は、約定結果(約定データ)と共に、ポインタを管理サーバ40に送信する。当該送信されたポインタは汎用データ掲示板に記録される。上記ポインタの詳細は後述する。
なお、リーダ装置の取引実行部204は、上記仮約定データを送信すると、当該仮約定データの送信(トランザクション)を特定するトランザクションIDを管理サーバ40(データ管理システム30)に送信する。当該トランザクションIDは、汎用データ掲示板に記録される。即ち、リーダ装置は、自身の約定結果を複数のフォロワー装置に送信した際のトランザクションIDを汎用データ掲示板に書き込む。
続いて、取引管理サーバ10がフォロワー装置として動作する場合について説明する。
この場合、通信制御部201は、リーダ装置から仮約定データ及び新規入札データを取得すると、これらのデータを仮約定データ検証部209に引き渡す。
仮約定データ検証部209は、新規入札データを取引実行部204に引き渡すと共に、当該新規入札データを用いた約定処理の実行を指示する。仮約定データ検証部209は、取引実行部204から約定結果を(新規入札データは約定、未約定)を得る。仮約定データ検証部209は、仮約定データの結果と取引実行部204による結果に基づいて、「仮約定データ受け入れ可」又は「仮約定データ受け入れ不可」を決定する。
仮約定データ検証部209は、検証結果(受け入れ可、受け入れ不可)を他のフォロワー装置に向けて送信する。
仮約定データ検証部209は、他のフォロワー装置から受信した検証結果に基づいて、リーダ装置による約定処理の結果(仮約定データ)は正当であるか否かを判断する。仮約定データ検証部209は、自装置を含む一定数以上のフォロワー装置が「仮約定データは受け入れ可」と判断した場合には、仮約定データは正当であると判断する。この場合、リーダ装置による約定結果が正当である旨の合意が他のフォロワー装置との間で形成されたものと判断し、仮約定データ検証部209は、新規入札データ及び仮約定データを台帳制御部208に引き渡す。台帳制御部208は、これらのデータを取引データ掲示板に書き込む(入札管理テーブルに反映する)。
続いて、図面を参照しつつ、第2の実施形態に係る取引管理サーバ10の動作を説明する。
図17は、第2の実施形態に係る取引管理サーバ(リーダ装置、フォロワー装置)10の動作の一例を示すシーケンス図である。
リーダ装置は、汎用データ掲示板から新規入札データを取得する(ステップS31)。
リーダ装置は、当該新規入札データを用いて約定処理を実行する。リーダ装置は、約定処理の結果(新規入札データは約定、新規入札データは未約定)を仮約定データとしてフォロワー装置に送信する(ステップS32)。その際、リーダ装置は、汎用データ掲示板から取得した新規入札データもフォロワー装置に送信する。
各フォロワー装置は、リーダ装置から取得した仮約定データの検証を行う(ステップS33)。具体的には、各フォロワー装置は、取得した仮約定データと自身が管理する入札管理テーブルに基づき、約定処理を実行する。
各フォロワー装置は、リーダ装置から取得した仮約定データの結果と自身の約定処理の結果を比較する。2つの処理結果が一致すれば、各フォロワー装置は、「仮約定データは受け入れ可」という検証結果に設定する。2つの処理結果が不一致であれば、各フォロワー装置は、「仮約定データは受け入れ不可」という検証結果に設定する。
各フォロワー装置は、仮約定データの検証結果を他のフォロワー装置に送信する(ステップS34)。
各フォロワー装置は、他のフォロワー装置から送信(ブロードキャスト)される検証結果に基づき、仮約定データに関する合意形成処理を実行する(ステップS35)。具体的には、各フォロワー装置は、一定数以上のフォロワー装置による検証結果が「仮約定データは受け入れ可」であればリーダ装置による約定結果は正当であると判定する。この場合、リーダ装置による約定処理は正当である旨の合意がフォロワー装置間で形成されたものと判定される。
リーダ装置による約定処理が正当である旨の合意が形成されると、各フォロワー装置は、リーダ装置による約定処理の結果を取引データ掲示板に反映する(ステップS36)。
リーダ装置は、仮約定データ等をフォロワー装置に送信してから所定期間の経過後、取引データ掲示板にアクセスし、自身の約定結果(仮約定データ)が当該掲示板に反映されているか否かを確認する(ステップS37)。
リーダ装置は、自身の約定結果が正しく取引データ掲示板に反映されていれば、新規入札データ及び仮約定データの内容を自身の取引データ管理台帳にも反映する(ステップS38)。
リーダ装置は、自身の約定処理の承認が得られると(仮約定データの正当性が確認されると)、必要に応じて約定データを汎用データ掲示板に書き込む(図17に図示せず)。
続いて、図面を参照しつつ第2の実施形態に係る電子取引システムの動作を説明する。図18は、第2の実施形態に係る電子取引システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図18において、第1の実施形態に係る電子取引システムの動作と同一とすることができる動作には同じ符号(ステップ名)を与え、説明を省略する。具体的には、第1及び第2の実施形態では、ステップS11~S17を同一とすることができるので、これらの処理に関する詳細な説明を省略する。
複数の取引管理サーバ10のうちリーダ装置は、新規入札データを用いた約定処理を実行する(ステップS41)。
リーダ装置は、約定処理の結果(仮約定データ)と新規入札データを含むトランザクションを生成し、他の取引管理サーバ10(フォロワー装置)に送信する(ステップS42)。
リーダ装置は、上記生成したトランザクションに対応するトランザクションIDを管理サーバ40に送信する(ステップS43)。
上記トランザクションIDを受信した管理サーバ40は、受信したトランザクションIDを電子掲示板(汎用データ管理台帳)に記録する(ステップS44)。
リーダ装置からトランザクションを受信したフォロワー装置は、リーダ装置の約定処理に関する検証及び合意形成に関する処理を行う(ステップS45)。これらの処理については、図17等を用いて説明した内容と重複するので更なる説明を省略する。
リーダ装置は、電子掲示板(取引データ掲示板)にアクセスし、自身の約定処理が承認されたか否かを確認する。具体的には、リーダ装置は、取引データ掲示板にアクセスし、自身の約定結果が電子掲示板に反映されているか否かを確認する(ステップS46、S47)。
リーダ装置は、取引データ掲示板の新規記録を参照することで、自身の約定結果が取引データ掲示板に反映されていることを確認すると、約定結果とその約定結果へのポインタを管理サーバ40に送信する(ステップS48)。管理サーバ40は、受信した約定結果とそのポインタを汎用データ掲示板に記録する(ステップS49)。
約定結果へのポインタは、例えば、取引データ掲示板を構成するブロックチェーンのブロックのヘッダーである。リーダ装置は、自身の約定処理の結果が反映されたブロックのヘッダーを「約定結果へのポインタ」として汎用データ掲示板に記録する。なお、ブロックのヘッダーは、ブロックの内容とその前のブロックのヘッダーのハッシュ値である。従って、事後的にブロックの内容が変更されれば、当該ブロックの変更はブロックヘッダーを参照することで検知可能である。
上記説明したように、リーダ装置は、仮約定データをフォロワー装置に送信すると当該仮約定データを含むトランザクションのIDを汎用データ掲示板に書き込む。また、リーダ装置は、上記仮約定データに対する約定結果がフォロワー装置により承認されると、約定結果へのポインタ(例えば、入力データと出力データのハッシュ値)を汎用データ掲示板に書き込む。
このように、リーダ装置が、ブロックチェーンへのインプットトランザクションと約定結果へのポインタを汎用データ掲示板に記載することで、取引データ管理台帳に不当な結果が記載(取引の内容が改竄)されたとしても第3者は当該不正行為を検知できる。具体的には、第3者は、汎用データ掲示板に記載された情報に従い約定処理を実行し上記ポインタと同じハッシュ値(入力データと出力データのハッシュ値)を計算する。その後、第3者は、当該計算されたハッシュ値と汎用データ掲示板に記載されたハッシュ値を比較し、2つのハッシュ値が一致を確認することで取引管理サーバ10の不正行為がないことを確認できる。
上記不正行為の検知は、例えば、複数の取引管理サーバ10(複数のフォロワー装置)の過半数以上が不正な処理をしないという前提がくずれ、不当な約定結果が取引データ掲示板に記載された場合に有効である。つまり、取引管理サーバ10が不正行為を行うと、汎用データ掲示板に書き込まれるハッシュ値(リーダ装置が汎用データ掲示板に書き込むポインタ)と汎用データ掲示板の情報を遡って得られるハッシュ値が不一致となる。第3者は、このような不一致の不無を検証することで、取引管理サーバ10による不正行為(取引内容の改竄;例えば、約定すべきデータが約定しない、あるいは、約定すべきではないデータが約定する)を検知できる。
図18に示すステップS50及びS51の処理は、図13に示すステップS21及びS22の処理と同一とすることができる。
以上のように、第2の実施形態に係る電子取引システムは、複数の取引管理サーバ10を含む。当該複数の取引管理サーバ10が、1台の取引管理サーバ10による約定処理を監視し、正規な約定結果であると合意が形成されたデータが取引データ掲示板に書き込まれる。その結果、1台の取引管理サーバ10による不正行為(不正操作)を防止できる。より厳密には、過半数以上の取引管理サーバ10が正常に動作している場合、正しい約定処理が行われることが担保できる。
また、約定結果へのポインタが汎用データ掲示板に記録されることで、取引データ管理台帳の内容が改竄された場合であっても、参加者を含む第3者は、当該改竄を検知できる。即ち、第2の実施形態では、2種類の電子掲示板(ブロックチェーン)を用いて、電子取引が実行される。第1の電子掲示板は、全ての参加者から見える(アクセスできる)掲示板であり、第2の電子掲示板は、取引管理者だけが見える(アクセスできる)掲示板である。第2の実施形態では、これら2つの電子掲示板を用途に応じて使い分け、取引の安全と不正検知を両立させている。
続いて、電子取引システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図19は、取引管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
取引管理サーバ10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図19に例示する構成を備える。例えば、取引管理サーバ10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
但し、図19に示す構成は、取引管理サーバ10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。取引管理サーバ10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、取引管理サーバ10に含まれるプロセッサ311等の数も図19の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311が取引管理サーバ10に含まれていてもよい。
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
取引管理サーバ10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
なお、参加者端末20、管理サーバ40等も取引管理サーバ10と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成は取引管理サーバ10と相違する点はないので説明を省略する。
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した電子取引システム、各種サーバ等の構成、動作は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。例えば、リーダ装置はフォロワー装置としての機能も備えていてもよい。即ち、リーダ装置が取引データ掲示板を形成するサーバ群(複数のフォロワー装置)の一部として動作してもよい。この場合、リーダ装置も合意形成に参加するので、合意形成に必要なフォロワー装置の数が1台少なくなる。そのため、例えば「過半数以上」のフォロワー装置の合意が必要な場合には、「半数以上」のフォロワー装置の合意が必要となる。なぜなら、リーダ装置の約定処理が「受け入れ可」としていると取り扱われると、「受け入れ可」が全ての取引管理サーバ10の過半数以上になるためである。
あるいは、第2の実施形態に係る取引管理サーバ10を機能の面から説明すると、図20に示すように、リーダ装置は取引実行装置60として動作し、フォロワー装置は取引検証装置70として動作する。
また、上記実施形態では、リーダ装置も取引データ掲示板を形成するための台帳を備える場合について説明したが、リーダ装置は当該台帳を備えていなくともよい。即ち、リーダ装置は、約定処理の実行に必要なデータを、複数のフォロワー装置が提供する取引データ掲示板から取得してもよい。
また、リーダ装置の取引実行機能やフォロワー装置の約定結果に対する検証機能はスマートコントラクトにより実現されてもよい。即ち、ブロックチェーンを構成する取引管理サーバ10に、上記説明した取引実行機能や検証機能がスマートコントラクトにより実装されていてもよい。
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
第1の電子掲示板を提供する、複数の管理サーバ(40、101)と、
入札データを前記第1の電子掲示板に書き込む、参加者端末(20、102)と、
前記書き込まれた入札データを取得し、前記取得された入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する、取引管理サーバ(10、103)と、
を含み、
前記取引管理サーバ(10、103)は、公開鍵及び秘密鍵を生成し、
前記参加者端末(20、102)は、前記取引管理サーバ(10、103)が生成した公開鍵を用いて前記入札データを暗号化し、
前記取引管理サーバ(10、103)は、前記秘密鍵を用いて前記暗号化された入札データを復号する、電子取引システム。
[付記2]
前記取引管理サーバ(10、103)は、約定した売り入札データのID(Identifier)と買い入札データのIDを含む約定データを前記第1の電子掲示板に書き込む、付記1に記載の電子取引システム。
[付記3]
前記参加者端末(20、102)は、前記書き込まれた約定データを取得し、自身の入札が約定したか否かを確認する、付記2に記載の電子取引システム。
[付記4]
前記複数の管理サーバ(40、101)は、相互に直接接続され、
前記複数の管理サーバ(40、101)のそれぞれは、外部から受信したデータを管理するためのデータ管理台帳を有し、
前記参加者端末(20、102)と前記取引管理サーバ(10、103)からデータ記録要求を受信するたびに前記データ管理台帳にデータを追記する、付記1乃至3のいずれか一つに記載の電子取引システム。
[付記5]
複数の前記取引管理サーバ(10、103)を含み、
前記複数の取引管理サーバ(10、103)のうち1台の取引管理サーバ(10、103)はリーダ装置として動作し、前記リーダ装置以外の取引管理サーバ(10、103)のそれぞれはフォロワー装置として動作し、
少なくとも前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、未約定な入札データを管理するための第2の電子掲示板を形成し、
前記リーダ装置は、前記第1の電子掲示板から取得した入札データを用いて約定処理を実行すると共に、前記第1の電子掲示板から取得した入札データと約定結果を前記複数のフォロワー装置に送信し、
前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、前記リーダ装置の約定結果の正当性を検証すると共に、前記リーダ装置の約定結果が正当であるとの合意を他のフォロワー装置との間で得られた場合に、前記リーダ装置の約定結果を前記第2の電子掲示板に反映する、付記1乃至4のいずれか一つに記載の電子取引システム。
[付記6]
前記リーダ装置は、自身の約定結果が前記第2の電子掲示板に反映された場合に、自身の約定結果を前記第1の電子掲示板に反映する、付記5に記載の電子取引システム。
[付記7]
前記複数のフォロワー装置の一定数以上のフォロワー装置が前記リーダ装置の約定結果は正当であると判断した場合に、前記リーダ装置の約定結果は正当である旨の合意が形成される、付記5又は6に記載の電子取引システム。
[付記8]
前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、前記リーダ装置の約定結果と、前記リーダ装置から取得した入札データ及び前記第2の電子掲示板に格納された未約定な入札データを用いた約定処理の結果と、が一致する場合に、前記リーダ装置の約定結果は正当であると判定する、付記7に記載の電子取引システム。
[付記9]
前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、自身の約定結果を他のフォロワー装置に送信する、付記8に記載の電子取引システム。
[付記10]
前記リーダ装置は、自身の約定結果を前記複数のフォロワー装置に送信した際のトランザクションIDを前記第1の電子掲示板に書き込む、付記5乃至9のいずれか一つに記載の電子取引システム。
[付記11]
前記リーダ装置は、前記第2の電子掲示板を形成するブロックチェーンのブロックのうち自身の約定結果が反映されたブロックのヘッダーを約定結果へのポインタとして前記第1の電子掲示板に書き込む、付記5乃至10のいずれか一つに記載の電子取引システム。
[付記12]
前記複数のフォロワー装置が有する少なくとも、リーダ装置の約定結果に対する検証機能はスマートコントラクトにより実現される、付記5乃至11のいずれか一つに記載の電子取引システム。
[付記13]
公開鍵及び秘密鍵を生成し、
電子掲示板を提供する複数の管理サーバ(40、101)と、前記公開鍵を用いて暗号化された入札データを前記電子掲示板に書き込む参加者端末(20、102)と、に接続され、
前記書き込まれた入札データを取得し、前記暗号化された入札データを前記秘密鍵により復号すると共に、前記入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する、取引管理サーバ(10、103)。
[付記14]
電子掲示板を提供する、複数の管理サーバ(40、101)と、
入札データを前記電子掲示板に書き込む、参加者端末(20、102)と、
前記書き込まれた入札データを取得し、前記取得された入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する、取引管理サーバ(10、103)と、
を含む電子取引システムにおいて、
公開鍵及び秘密鍵を生成するステップと、
前記取引管理サーバ(10、103)が生成した公開鍵を用いて前記入札データを暗号化するステップと、
前記秘密鍵を用いて前記暗号化された入札データを復号するステップと、
を含む電子取引方法。
[付記15]
公開鍵及び秘密鍵を生成し、
電子掲示板を提供する複数の管理サーバ(40、101)と、前記公開鍵を用いて暗号化された入札データを前記電子掲示板に書き込む参加者端末(20、102)と、に接続された取引管理サーバ(10、103)に搭載されたコンピュータ(311)に、
前記書き込まれた入札データを取得する処理と、
前記暗号化された入札データを前記秘密鍵により復号する処理と、
前記入札データを用いてザラバ方式により取引を実行する処理と、
を実行させるプログラム。
なお、付記13の形態~付記15の形態は、付記1の形態と同様に、付記2の形態~付記12の形態に展開することが可能である。
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
10、10-1~10-N、103 取引管理サーバ
20、20-1~20-L、102 参加者端末
30 データ管理システム
40、40-1~40-M、101 管理サーバ
50 制御装置
60 取引実行装置
70 取引検証装置
201、301、401 通信制御部
202 データ管理部
203 復号部
204 取引実行部
205、303 鍵生成部
206、403 署名検証部
207、304、404 記憶部
208、402 台帳制御部
209 仮約定データ検証部
302 入札データ管理部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス

Claims (11)

  1. ブロックチェーン技術を用いて単一の第1の電子掲示板を提供する、複数の管理サーバと、
    入札データを前記第1の電子掲示板に書き込む、参加者端末と、
    前記書き込まれた入札データを取得し、前記取得された入札データと過去に取得済みの他の入札データとの比較結果に応じて、前記入札データで示される取引を実行する、複数の取引管理サーバと、
    を含み、
    前記取引管理サーバは、公開鍵及び秘密鍵を生成し、
    前記参加者端末は、前記取引管理サーバが生成した公開鍵を用いて前記入札データを暗号化して、前記暗号化した入札データを前記第1の電子掲示板に送信し
    前記取引管理サーバは、前記秘密鍵を用いて前記暗号化された入札データを復号することにより、前記書き込まれた入札データを取得し
    前記複数の取引管理サーバのうち1台の取引管理サーバはリーダ装置として動作し、前記リーダ装置以外の取引管理サーバは複数のフォロワー装置として動作し、
    少なくとも前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、前記リーダ装置により実行される約定処理が実行されていない未約定な入札データを管理するためのブロックチェーン技術を用いた単一の第2の電子掲示板を形成し、
    前記リーダ装置は、前記第1の電子掲示板から取得した複数の入札データの比較結果に応じて仮約定処理を実行すると共に、前記仮約定処理に用いた複数の入札データと前記仮約定処理による仮約定結果を前記複数のフォロワー装置に送信し、
    前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、前記リーダ装置から受信した入札データを用いて約定処理を実行することにより前記リーダ装置の仮約定結果の正当性を検証すると共に、他のフォロワー装置と通信することにより、前記他のフォロワー装置により前記リーダ装置から受信した入札データを用いた約定処理による仮約定結果の検証に基づく前記リーダ装置の仮約定結果が正当であるとの合意を前記他のフォロワー装置との間で得られた場合に、前記リーダ装置の仮約定結果を正当な約定結果として前記第2の電子掲示板に書き込み、
    前記リーダ装置は、前記第2の電子掲示板を形成するブロックチェーンのブロックのうち自身の約定結果が書き込まれたブロックの内容と直前ブロックのヘッダーのハッシュ値を、前記第2の電子掲示板に書き込まれた約定結果へのポインタとして、前記第1の電子掲示板に書き込む、電子取引システム。
  2. 前記入札データは、売り手入札データと買い手入札データを区別する売買種別データと、当該入札データを特定するID(Identifier)とを含み、
    前記取引管理サーバは、約定した売り入札データのID(Identifier)と買い入札データのIDを含む約定データを前記第1の電子掲示板に書き込む、請求項1に記載の電子取引システム。
  3. 前記参加者端末は、前記書き込まれた約定データを取得し、自身の入札が約定したか否かを確認する、請求項2に記載の電子取引システム。
  4. 前記複数の管理サーバは、P2P(Peer to Peer)接続され、
    前記複数の管理サーバのそれぞれは、
    ータを管理するためのデータ管理台帳を有し、
    前記参加者端末からの入札データと前記取引管理サーバからの取引結果データを前記第1の電子掲示板に書き込むためのデータ記録要求を受信するたびに前記データ管理台帳にデータを追記する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子取引システム。
  5. 前記リーダ装置は、自身の約定結果が前記第2の電子掲示板に書き込まれた場合に、自身の約定結果を前記第1の電子掲示板に書き込む、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の電子取引システム。
  6. 前記複数のフォロワー装置の各々により前記リーダ装置から取得した入札データを用いた約定処理による仮約定結果の検証に基づき、前記複数のフォロワー装置の一定数以上のフォロワー装置が前記リーダ装置の約定結果は正当であると判断した場合に、前記リーダ装置の約定結果は正当である旨の合意が形成される、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の電子取引システム。
  7. 前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、前記リーダ装置の約定結果と、前記リーダ装置から取得した入札データ及び前記第2の電子掲示板に格納された未約定な入札データを用いた約定処理の結果と、が一致する場合に、前記リーダ装置の約定結果は正当であると判定する、請求項に記載の電子取引システム。
  8. 前記複数のフォロワー装置のそれぞれは、前記リーダ装置から取得した入札データを用いた約定処理による仮約定結果の検証結果を他のフォロワー装置に送信する、請求項に記載の電子取引システム。
  9. 前記リーダ装置は、前記仮約定処理に用いた複数の入札データと前記仮約定処理による仮約定結果を、トランザクションIDとともに、前記複数のフォロワー装置に送信し、当該送信した際のトランザクションIDを前記第1の電子掲示板に書き込む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子取引システム。
  10. 前記複数のフォロワー装置が有する少なくとも、前記リーダ装置の約定結果に対する検証機能はスマートコントラクトにより実現される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子取引システム。
  11. ブロックチェーン技術を用いて単一の第1の電子掲示板を提供する、複数の管理サーバと、
    入札データを前記電子掲示板に書き込む、参加者端末と、
    前記書き込まれた入札データを取得し、前記取得された入札データと過去に取得済みの他の入札データとの比較結果に応じて、前記入札データで示される取引を実行する、複数の取引管理サーバと、
    を含む電子取引システムにおいて、
    公開鍵及び秘密鍵を生成するステップと、
    前記取引管理サーバが生成した公開鍵を用いて前記入札データを暗号化して、前記暗号化した入札データを前記第1の電子掲示板に送信するステップと、
    前記秘密鍵を用いて前記暗号化された入札データを復号することにより、前記書き込まれた入札データを取得するステップと、
    前記複数の取引管理サーバのうち1台の取引管理サーバがリーダ装置として動作し、前記リーダ装置以外の取引管理サーバは複数のフォロワー装置として動作するステップと
    少なくとも前記複数のフォロワー装置のそれぞれが、前記リーダ装置により実行される約定処理が実行されていない未約定な入札データを管理するためのブロックチェーン技術を用いた単一の第2の電子掲示板を形成するステップと、
    前記リーダ装置が、前記第1の電子掲示板から取得した複数の入札データの比較結果に応じて仮約定処理を実行すると共に、前記仮約定処理に用いた複数の入札データと前記仮約定処理による仮約定結果を前記複数のフォロワー装置に送信するステップと、
    前記複数のフォロワー装置のそれぞれが、前記リーダ装置から受信した入札データを用いて約定処理を実行することにより前記リーダ装置の仮約定結果の正当性を検証すると共に、他のフォロワー装置と通信することにより、前記他のフォロワー装置により前記リーダ装置から受信した入札データを用いた約定処理による仮約定結果の検証に基づく前記リーダ装置の仮約定結果が正当であるとの合意を前記他のフォロワー装置との間で得られた場合に、前記リーダ装置の仮約定結果を正当な約定結果として前記第2の電子掲示板に書き込むステップと、
    前記リーダ装置が、前記第2の電子掲示板を形成するブロックチェーンのブロックのうち自身の約定結果が書き込まれたブロックの内容と直前ブロックのヘッダーのハッシュ値を、前記第2の電子掲示板に書き込まれた約定結果へのポインタとして、前記第1の電子掲示板に書き込むステップと、を含む電子取引方法。
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