JP7325657B2 - 時刻同期システム、学習装置、推論装置、及び時刻同期装置 - Google Patents
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Description
本開示は、時刻同期システム、学習装置、推論装置、及び時刻同期装置に関する。
複数の装置が接続されるネットワークにおいて、装置間の同期制御や分散制御を高精度に実現するためには、装置間での高精度な時刻同期が求められる。ネットワークに接続される装置間で時刻同期を実現する代表的な手法として、IEEE Std 1588-2008において規定されているPTP(Precision Time Protocol)が知られている(非特許文献1参照)。
PTPでは、時刻を配信するマスタ装置と、配信された時刻に従属するスレーブ装置とが定義される。そして、マスタ装置から配信された時刻同期パケットがスレーブ装置に到達するまでの遅延時間が計測され、その遅延時間を考慮してスレーブ装置がマスタ装置の時刻に同期する。これにより、マスタ装置とスレーブ装置との物理的な距離、及び中継装置(スイッチ等)による遅延の影響を抑えた時刻同期が実現される。
なお、PTPでは、時刻の基準となる、主となるマスタ装置(以下「グランドマスタ」と称される場合がある。)は、一つのドメインに対して一つしか存在できないが、一つのネットワークに複数のドメインが存在することを許容している。これにより、一つのネットワークに複数のマスタ装置を設けることが可能である。
マスタ装置やネットワークの伝送経路(回線や中継装置等)において障害が発生し、マスタ装置とスレーブ装置との間で時刻同期パケットの交換ができなくなると、時刻の同期精度が劣化する。PTPでは、障害が発生してスレーブ装置がマスタ装置からの時刻同期パケットを受信できなくなると、ネットワークに接続されたスレーブ装置の中から代替のマスタ装置を選定する手順が実施される。具体的には、パケットの交換が中断してから一定時間経過すると、ネットワーク構成が再検出され、所定の手順に従って、ネットワークに接続されたスレーブ装置の中からマスタ装置が選定される。そして、その他の各スレーブ装置は、選定されたマスタ装置に同期する。
この手法では、障害が発生してから代替のマスタ装置に同期するまでに数秒程度を要する場合がある。代替のマスタ装置に同期するまでの間、各スレーブ装置は、自身のローカル時刻を用いて作動することになるため、同期精度が劣化する。
そこで、一つのネットワークに複数のマスタ装置を同時に稼働させておき、マスタ装置や伝送経路に障害が発生した場合に、予備のマスタ装置に切り替えることで同期精度の劣化を抑制する手法が知られている。例えば、特許第5495323号には、各マスタ装置に対応する回線の混雑度を予め算出しておき、混雑度に応じて付与される優先順位に従って、複数のマスタ装置の中からグランドマスタを選定する方法が開示されている(特許文献1参照)。
IEEE Std 1588-2008 (Revision of IEEE Std 1588-2002)「IEEE Standard for a Precision Clock Synchronization Protocol for Networked Measurement and Control Systems」、IEEE Instrumentation and Measurement Society、2008年7月24日
上記のように、複数のマスタ装置を同時に稼働させておき、マスタ装置や伝送経路に障害が発生した場合に、予備のマスタ装置に切り替えることでマスタ装置への同期を継続させることが可能である。
しかしながら、複数のマスタ装置が互いに高精度に同期していない場合、スレーブ装置がマスタ装置を切り替える際にマスタ装置間の誤差がスレーブ装置に反映され、その結果、同期精度が劣化する可能性がある。
マスタ装置間の同期を高精度に保つために、複数のマスタ装置を相互に直接接続したり、共通の高精度な時刻源に接続したりすることも考えられる。しかしながら、前者については、冗長性の観点からは、複数のマスタ装置は物理的に離した方が望ましいため、複数のマスタ装置の相互接続が難しい場合もある。後者については、マスタ装置の設置場所によっては、共通の高精度な時刻源に接続することが難しい場合もある。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、ネットワークに複数のマスタ装置が存在する時刻同期システムにおいて、マスタ装置の切替に伴なう同期精度の劣化を抑制することである。
本開示の時刻同期システムは、第1及び第2のマスタ装置と、スレーブ装置と、学習部と、推論部とを備える。第1及び第2のマスタ装置は、ネットワークを通じて時刻を配信する。学習部は、第1のマスタ装置(サブグランドマスタ)の時刻同期情報と第2のマスタ装置(グランドマスタ)の時刻とを含む学習用データを用いて、第1のマスタ装置の時刻同期情報から第2のマスタ装置の時刻を推定するための学習処理を実行する。推論部は、学習処理により得られる学習済モデルを用いて、第1のマスタ装置の時刻同期情報から第2のマスタ装置の時刻を推定する。スレーブ装置は、第2のマスタ装置から時刻が取得される場合には、その取得された時刻に従って時刻同期を行ない、第2のマスタ装置から時刻が取得されない場合には、推論部により推定される時刻に従って時刻同期を行なう。
本開示の時刻同期システムによれば、第2のマスタ装置(グランドマスタ)から第1のマスタ装置(サブグランドマスタ)へのマスタ切替が行なわれる場合に、切替に伴なう同期精度の劣化を抑制することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1を参照して、本開示の実施の形態1に従う時刻同期システムの全体構成を説明する。時刻同期システム10は、マスタ装置101,103と、複数のスレーブ装置102と、複数のスイッチ装置104とを備える。マスタ装置101,103、複数のスレーブ装置102、及び複数のスイッチ装置104の各機器は、ネットワークを構成し、ネットワークを通じて他の機器と通信可能に構成される。
図1を参照して、本開示の実施の形態1に従う時刻同期システムの全体構成を説明する。時刻同期システム10は、マスタ装置101,103と、複数のスレーブ装置102と、複数のスイッチ装置104とを備える。マスタ装置101,103、複数のスレーブ装置102、及び複数のスイッチ装置104の各機器は、ネットワークを構成し、ネットワークを通じて他の機器と通信可能に構成される。
マスタ装置101,103は、時刻同期システム10において基準となる時刻を配信する。マスタ装置101は、複数のマスタ装置101,103のうち、IEEE Std 1588-2008(上記の非特許文献1)に規定されるBMC(Best Master Clock)アルゴリズムによりベストマスタ装置に選出されたマスタ装置であり、このネットワークの「グランドマスタ」として作動する。他方、マスタ装置103は、BMCアルゴリズムにてベストマスタ装置に選出されなかったマスタ装置であり、以下では「サブグランドマスタ」と称される場合がある。
マスタ装置103は、マスタ装置101(グランドマスタ)に同期するスレーブ装置として作動しつつ、マスタ装置としての時刻配信も行なう。このように、一つのネットワークにおいて複数のマスタ装置101,103を同時に作動させる手法としては、例えば、IEEE Std 1588-2008に規定される代替マスタによる手法を採用可能である。この手法では、時刻同期パケットに含まれるalternateMasterFlag(フラグ)を用いて、BMCアルゴリズムによりグランドマスタに選出されなかったマスタ装置(サブグランドマスタ)を、グランドマスタとスレーブ装置との関係性に影響を与えることなくマスタ装置のように作動させることができる。
或いは、マスタ装置101を時刻基準とするドメイン(「ドメイン1」とする。)と、マスタ装置103を時刻基準とするドメイン(「ドメイン2」とする。)とを構成してドメインを多重化する手法も採用してもよい。ネットワークに接続される各機器は、ドメイン1ではマスタ装置101に同期し、ドメイン2ではマスタ装置103に同期する。この手法によっても、BMCアルゴリズムによりグランドマスタに選出されなかったマスタ装置103(サブグランドマスタ)を、ドメイン1での時刻同期に影響を与えることなくドメイン2においてマスタ装置のように作動させることができる。
上記のような手法を用いることで、BMCアルゴリズムによりスレーブ装置として作動することになったマスタ装置103(サブグランドマスタ)も時刻を配信することが可能となり、一つのネットワークにおいて複数のマスタ装置101,103を同時に作動させることができる。
なお、図1では、2つのマスタ装置101,103が図示されているが、時刻同期システム10は、3つ以上のマスタ装置を備えてもよい。すなわち、グランドマスタのマスタ装置101は1つであるが、サブグランドマスタのマスタ装置103は複数でもよい。
各スレーブ装置102は、ネットワークを通じて時刻同期用のパケット(以下「時刻同期パケット」と称する。)をマスタ装置101(グランドマスタ)と送受信することにより、マスタ装置101の時刻に同期する。具体的には、IEEE Std 1588-2008のPTPに従って、各スレーブ装置102において、マスタ装置101から配信された時刻同期パケットがスレーブ装置102に到達するまでの遅延時間が測定され、その遅延時間を考慮してマスタ装置101の時刻にスレーブ装置102が同期する。
また、各スレーブ装置102は、ネットワークを通じてマスタ装置103(サブグランドマスタ)とも時刻同期パケットの送受信を行ない、マスタ装置103についての時刻同期情報(後述)も取得する。
各スイッチ装置104は、伝送回線に設けられる中継装置である。マスタ装置101,103から配信される時刻同期パケットは、各スレーブ装置102に到達するまでに、伝送回線及びスイッチ装置104において遅延を生じる。なお、各スイッチ装置104自体も、ネットワークを通じて時刻同期パケットをマスタ装置101(グランドマスタ)と送受信することにより、マスタ装置101の時刻に同期する。また、各スイッチ装置104も、ネットワークを通じてマスタ装置103(サブグランドマスタ)と時刻同期パケットの送受信を行ない、マスタ装置103についての時刻同期情報を取得する。
なお、図1では、2つのスレーブ装置102と3つのスイッチ装置104が図示されているが、スレーブ装置102及びスイッチ装置104の数は、これらに限定されるものではない。
このように、時刻同期システム10は、複数のマスタ装置101,103を備えている。これにより、マスタ装置101(グランドマスタ)又はマスタ装置101との間の伝送経路に障害が発生した場合に、時刻の同期先をマスタ装置101からマスタ装置103に切り替えることができる。
この場合、マスタ装置101,103が互いに高精度に同期していないと、以下のような問題が生じる。すなわち、各スレーブ装置102及び各スイッチ装置104(以下、纏めて「スレーブ装置等」と称する場合がある。)が時刻同期をマスタ装置101からマスタ装置103に切り替える際に、マスタ装置101,103間の誤差がスレーブ装置等に反映され、その結果、同期精度が劣化する可能性がある。
マスタ装置101,103間の同期を高精度に保つために、マスタ装置101,103を直接接続したり、共通の高精度な時刻源に接続したりすることも考えられる。しかしながら、前者については、冗長性の観点からは、マスタ装置101,103は物理的に離した方が望ましいため、マスタ装置101,103を直接接続することが難しい場合もある。後者については、マスタ装置101,103の設置場所によっては、共通の高精度な時刻源に接続することが難しい場合もある。
なお、マスタ装置101(グランドマスタ)の正常作動中、マスタ装置103(サブグランドマスタ)は、マスタ装置101のスレーブとしてマスタ装置101に同期するが、マスタ装置101の代替マスタとしてのマスタ装置103とマスタ装置101との同期精度(マスタ間の同期精度)は、マスタ-スレーブ間の同期精度よりも高精度であることが要求される。すなわち、マスタ-スレーブ間の同期精度は、ノードの接続関係や負荷状況によって変動するものであり、マスタ装置103がスレーブとして作動する場合には、マスタ装置101との同期精度が許容範囲内であったとしても、マスタ装置103がマスタとして作動する場合には、マスタ間の同期精度として許容できない可能性もある。
そこで、本実施の形態1に従う時刻同期システム10では、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するための学習処理が実行される。そして、学習処理により得られる学習済モデルを用いて、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻が推定され、マスタ装置101からマスタ装置103への切替が発生した場合には、その推定されたマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻に従って時刻同期が行なわれる。これにより、マスタ装置101からマスタ装置103への切替が発生しても、切替に伴なう同期精度の劣化を抑制することができる。
次に、時刻同期システム10を構成する各装置(マスタ装置101,103、スレーブ装置102、スイッチ装置104)について説明する。図2には、各装置のハードウェア構成の一例が示される。各装置は、CPU(Central Processing Unit)111と、I/F(インターフェース)装置112と、RAM(Random Access Memory)113と、ROM(Read Only Memory)114とを含んで構成される。I/F装置112、RAM113、及びROM114は、バス115を通じてCPU111に接続されている。
CPU111は、ROM114に格納されているプログラムをRAM113に展開して実行する。ROM114に格納されているプログラムは、各装置において実行される各種処理の手順が記されたプログラムである。このプログラムに従って、各装置において時刻同期のための各種処理が実行される。なお、上記のようにソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
図3には、時刻同期システム10を構成する各装置の機能的な構成の一例が示される。なお、図3では、各装置が共通に備える時刻同期機能を実現する構成について示される。すなわち、図3に示される構成は、各スレーブ装置102及び各スイッチ装置104が備えるほか、スレーブ装置として作動し得るマスタ装置101,103も備えている。以下では、時刻同期機能を実現する構成を備える各装置を「時刻同期装置200」と称する。
時刻同期装置200は、ネットワークインタフェース部201と、タイムスタンプ処理部202と、プロトコルスタック処理部203と、同期制御部204と、クロック制御部205と、同期時刻推論部206とを備える。
ネットワークインタフェース部201、タイムスタンプ処理部202、及びプロトコルスタック処理部203は、IEEE Std 1588-2008で規定されている機能と同様の機能を有する。
図4を参照して、図3に示されるクロック制御部205の構成の一例を説明する。クロック制御部205は、ローカルクロック301と、マスタクロック302とを含む。ローカルクロック301及びマスタクロック302の各々は、要求されるクロック精度に応じて、RC(Resistance Capacitance)発振器、水晶発振器、ルビジウム発信器、温度補償機能付き発振器、温度制御機能付き発振器等により駆動される。
ローカルクロック301は、時刻同期装置200内のローカル時刻を生成する。ローカルクロック301により生成される時刻は、基本的には、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻には同期しない。
他方、マスタクロック302は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻に同期する。マスタクロック302の時刻には、同期制御部204(後述)により算出されるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻や、マスタ装置101(グランドマスタ)のクロック周波数に自身のクロック周波数を調速するためのクロック周波数偏差量等が反映される。なお、クロック周波数の調速は、例えば、発振器の出力に基づきクロックをカウントアップする際に、増加量を調整することで実現可能である。
再び図3を参照して、同期制御部204は、マスタ装置101(グランドマスタ)との時刻同期に関する各種処理を実行する。具体的には、同期制御部204は、マスタ装置101との時刻同期パケットの送受信を制御する。そして、同期制御部204は、マスタ装置101と時刻同期パケットを送受信することによって、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報を取得する。詳しくは、同期制御部204は、時刻同期パケットの送受信時刻、及びパケット内のフィールド情報を収集し、これらの情報からマスタ装置101の時刻を算出する。また、同期制御部204は、マスタ装置101から送信された時刻同期パケットが伝送経路を伝搬するのに要する時間や、伝送経路上のスイッチ装置104により時刻同期パケットが転送されるのに要する時間等も、マスタ装置101の時刻同期情報として取得する。
さらに、同期制御部204は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)についても、マスタ装置103との時刻同期パケットの送受信を制御する。そして、同期制御部204は、マスタ装置103と時刻同期パケットを送受信することによって、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を取得する。
次に、図5から図10を参照して、図3に示される同期時刻推論部206を説明する。図5には、同期時刻推論部206の構成の一例が示されている。同期時刻推論部206は、モデル学習部401と、推論部402と、学習済モデル記憶部403とを含む。
図6には、モデル学習部401の構成の一例が示されている。モデル学習部401は、学習データ取得部501と、モデル生成部502とを含む。学習データ取得部501は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報と、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報とを同期制御部204から取得し、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報とマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻とを関連付けた学習用データを生成する。
データの関連付けは、例えば、取得時刻が互いに近いものを関連付けてもよい。或いは、マスタ装置103(サブグランドマスタ)もマスタ装置101(グランドマスタ)に同期していることから、マスタ装置103との同期周期をマスタ装置101との同期周期と同期させ、IEEE Std 1588-2008で規定されているsequenceIdを用いてデータの関連付けを行なってもよい。なお、sequenceIdは、時刻同期パケットの時系列の整合性をとるために、時刻同期を実行する周期毎にシーケンシャルに付与されるIDである。
なお、学習データ取得部501は、マスタ装置との同期周期で時刻同期情報が取得される毎に学習用データを逐次生成してもよいし、所定期間の間に取得される時系列の時刻同期情報から学習用データを生成してもよい。
モデル生成部502は、学習データ取得部501によって取得される学習用データを用いて、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するための学習処理を実行することにより、学習済モデルを生成する。
すなわち、モデル生成部502は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報とマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻とを含む学習用データを用いて学習処理を実行し、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻が得られなくてもマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するモデルを生成する。なお、学習用データについて、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報は、モデルに入力するデータであり、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻は、教師データである。
学習については、学習データ取得部501により時刻同期情報が逐次取得される毎に学習を繰り返し行なってもよいし、学習データ取得部501により所定期間における時系列の時刻同期情報が取得される場合には、その時系列の時刻同期情報に基づいて一度の学習で行なってもよい。
時刻同期情報は、マスタ装置の時刻だけでなく、マスタ装置から送信された時刻同期パケットが伝送経路を伝搬するのに要する時間や、伝送経路上のスイッチ装置104により時刻同期パケットが転送されるのに要する時間等も含む。一例として、時刻同期情報は、Syncメッセージの送信時刻、Syncメッセージ中継時の遅延時間が加算されるCorrectionField値、Peer to Peer Delay MechanismやRequest-Response Mechanismにより得られるマスタ-スレーブ間の伝搬遅延時間等を含む。このような時刻同期情報を学習用データとして用いることにより、学習済モデルの精度(学習済モデルによるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻推定精度)を高めることができる。特に、上記のような情報は、時間的に変化することが多いため、時系列のデータとして学習に用いることでさらなる精度向上も期待できる。
なお、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報の一部(伝送遅延時間等)を学習用データの入力データとして用いてもよい。基本的には、マスタ装置101(グランドマスタ)に関する障害に備えて、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101の時刻を算出するものであるが、マスタ装置101の時刻同期情報も、マスタ装置101の時刻に関連することから、マスタ装置101の時刻同期情報の一部(伝送遅延時間等)も学習に用いてもよい。
モデル生成部502の学習アルゴリズムには、公知の教師あり学習アルゴリズムを採用可能である。教師あり学習とは、入力と結果(ラベル)のデータとの組を学習装置に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する方法をいう。一例として、学習アルゴリズムにニューラルネットワークモデルを用いる場合について説明する。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンを含む入力層、複数のニューロンを含む中間層(隠れ層)、及び複数のニューロンを含む出力層から構成される。中間層は、1層でもよいし、2層以上であってもよい。
例えば、図7に示されるような3層のニューラルネットワークの場合、入力層410(X1-X3)に複数の入力値が入力されると、入力層410の出力に重みW1(w11-w16)を乗算した値が中間層411(Y1-Y2)に与えられる。次いで、中間層411の出力に重みW2(w21-w26)を乗算した値が出力層412(Z1-Z3)に与えられ、出力層412から複数の出力値が出力される。この出力値は、重みW1,W2の値によって変わる。
本実施の形態1では、ニューラルネットワークは、学習データ取得部501によって取得される、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報とマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻とを含む学習用データを用いて、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を学習する。より詳しくは、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報が入力層に与えられ、出力層からの出力がマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻(教師データ)に近づくように、重みW1,W2が調整される。
なお、モデル生成部502において用いられる学習アルゴリズムは、上記のようなニューラルネットワークモデルのアルゴリズムに限定されるものではなく、例えば、特徴量の抽出も行なう深層学習(Deep Learning)アルゴリズムや、遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクタマシン等のアルゴリズムを採用することも可能である。
モデル生成部502は、以上のような学習を実行することにより、学習済モデルを生成する。そして、モデル生成部502により生成された学習済モデルは、学習済モデル記憶部403(図6)に記憶される。
図8を参照して、同期時刻推論部206のモデル学習部401により実行される処理の手順の一例について説明する。モデル学習部401は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報と、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報とを同期制御部204から取得する(ステップS10)。なお、同期制御部204からの両時刻同期情報の取得タイミングは、同時であってもよいし、異なっていてもよい。
次いで、モデル学習部401は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報とマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻とを関連付けて学習用データを生成する(ステップS20)。上記のように、データの関連付けは、取得時刻が互いに近いものとしてもよいし、IEEE Std 1588-2008で規定されているsequenceIdを用いてもよい。
そして、モデル学習部401は、ステップS20において生成された学習用データを用いて、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するための学習処理を実行する(ステップS30)。具体的には、モデル学習部401は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を入力データとし、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を教師データとして、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するためのモデルを生成する。
学習処理が実行されると、モデル学習部401は、生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部403に記憶する(ステップS40)。
なお、この図8に示される一連の処理は、例えばマスタ装置との同期周期で時刻同期情報が取得される毎に繰り返し実行してもよいし、所定期間における時系列の時刻同期情報に基づいて学習を行なう場合には、その所定期間が経過する毎に実行してもよい。
次に、図5に示した推論部402について説明する。図9には、推論部402の構成の一例が示されている。推論部402は、推論データ取得部601と、推論制御部602とを含む。推論データ取得部601は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を同期制御部204から取得する。推論データ取得部601は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)との同期周期で時刻同期情報を取得してもよいし、所定期間の間に取得される時系列データとして時刻同期情報を取得してもよい。
推論制御部602は、モデル学習部401により生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部403から取得し、その学習済モデルを用いてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定する。具体的には、推論制御部602は、推論データ取得部601により取得されたマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を学習済モデルに入力し、学習済モデルの出力をマスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻として同期制御部204へ出力する。
図10を参照して、同期時刻推論部206の推論部402により実行される処理の手順の一例について説明する。推論部402は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推論するためのマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を同期制御部204から取得する(ステップS110)。なお、同期制御部204から取得される時刻同期情報は、例えばマスタ装置103との同期周期毎に取得されるものであってもよいし、所定期間における時系列の時刻同期情報であってもよい。
次いで、推論部402は、モデル学習部401により生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部403から取得し、ステップS110により取得されたマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を学習済モデルに入力する(ステップS120)。そして、推論部402は、学習済モデルを用いて、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定する推論処理を実行し、学習済モデルの出力結果をマスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻として同期制御部204へ出力する(ステップS130)。
これにより、時刻同期装置200がマスタ装置101(グランドマスタ)から時刻同期パケットを受信できない場合であっても、時刻同期装置200は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻に相当する時刻に継続して同期することができる。
なお、この図10に示される一連の処理は、例えばマスタ装置103との同期周期で時刻同期情報が取得される毎に繰り返し実行してもよいし、所定期間における時系列の時刻同期情報に基づいて推論を行なう場合には、その所定期間毎に実行してもよい。
次に、図11を参照して、同期制御部204により実行される時刻同期制御の処理手順の一例について説明する。同期制御部204は、各マスタ装置と時刻同期パケットを送受信することによって、各マスタ装置の時刻同期情報を取得する(ステップS210)。そして、同期制御部204は、ステップS210においてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報を取得できたか否かを判定する(ステップS220)。
マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報を取得できているときは(ステップS220においてYES)、同期制御部204は、時刻同期装置200をマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻に同期させる(ステップS230)。そして、同期制御部204は、取得されたマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を同期時刻推論部206へ通知する(ステップS240)。なお、このマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻は、同期時刻推論部206において、学習処理の教師データとして用いられる。
他方、ステップS220において、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報を取得できていないと判定されたときは(ステップS220においてNO)、同期制御部204は、マスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻を同期時刻推論部206から取得する(ステップS250)。そして、同期制御部204は、時刻同期装置200を、同期時刻推論部206から取得されたマスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻に同期させる(ステップS260)。
なお、上記において特に説明されていないが、ステップS220においてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報を取得できたか否かの判定結果に拘わらず、同期制御部204は、取得されたマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を同期時刻推論部206へ送信する。
なお、時刻同期システム10に複数のマスタ装置103(サブグランドマスタ)が設けられている場合、モデル生成部502(図6)は、複数のマスタ装置103(サブグランドマスタ)から取得される時刻同期情報を含む学習用データを用いて1つのモデルを生成してもよいし、マスタ装置103(サブグランドマスタ)毎に、取得される時刻同期情報からモデルを生成してもよい。
この場合、例えば、推論結果に対する信頼度も含めて学習を行ない、その信頼度に基づいてモデルを選択するようにしてもよい。なお、信頼度については、例えば、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報から得られる時刻と、推定されたマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻との差分に基づいて信頼度を算出し、入力データと信頼度との関係についても学習することにより、入力データから信頼度を推定することも可能である。
なお、モデル学習部401は、同一エリアで使用される複数のネットワークを構成する装置から収集される学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数のネットワークを構成する装置から収集される学習用データを用いて、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を学習してもよい。
また、ある時刻同期装置200における学習装置を、別のネットワークの時刻同期装置200に適用し、そのネットワークにおける時刻同期装置200として、マスタ装置(グランドマスタ)の時刻を再学習して更新するようにしてもよい。
また、上記では、時刻同期装置200のモデル生成部502で生成された学習済モデルを用いてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を出力するものとしたが、時刻同期装置200から学習済モデルを取得し、その学習済モデルを用いてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を出力するようにしてもよい。
また、上記では、同期時刻推論部206は、時刻同期装置200が時刻同期の際に用いるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を学習するために使用されるが、同期時刻推論部206は、時刻同期装置200とは別個の装置に設けられてもよい。同期時刻推論部206は、クラウドサーバ上に存在してもよいし、学習処理及び推論処理の一部をクラウドサーバや別個の装置に設けてもよい。
以上のように、この実施の形態1においては、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するための学習処理が実行される。そして、生成された学習済モデルを用いて、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報からマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻が推定され、マスタ装置101からマスタ装置103への切替が発生した場合には、その推定されたマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻に従って時刻同期が行なわれる。したがって、この実施の形態1によれば、マスタ装置101からマスタ装置103への切替が発生しても、切替に伴なう同期精度の劣化を抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、単にマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻だけでなく、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報(時刻配信に伴なう遅延時間等を含む情報)を学習及び推論に用いるので、学習済モデルの精度(学習済モデルによるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻推定精度)を高めることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、マスタ装置101(グランドマスタ)又はマスタ装置101との間の伝送経路に障害が発生した場合に、障害が発生した時点から、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を用いてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻推定が行なわれる。しかしながら、その時点から学習は行なわれなくなるため、時間の経過とともに、推論部402によるマスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻が、マスタ装置101(グランドマスタ)が本来配信していたであろう時刻と乖離する可能性がある。
実施の形態1では、マスタ装置101(グランドマスタ)又はマスタ装置101との間の伝送経路に障害が発生した場合に、障害が発生した時点から、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を用いてマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻推定が行なわれる。しかしながら、その時点から学習は行なわれなくなるため、時間の経過とともに、推論部402によるマスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻が、マスタ装置101(グランドマスタ)が本来配信していたであろう時刻と乖離する可能性がある。
そこで、マスタ装置103(サブグランドマスタ)が複数存在する場合において、この実施の形態2では、マスタ装置101(グランドマスタ)又は伝送経路に障害が発生した場合に、ネットワークを構成する装置間のマスタ-スレーブ関係が再構成され、複数のマスタ装置103(サブグランドマスタ)の中から新たにグランドマスタが再選出される。そして、その他の装置は、選出されたマスタ装置(グランドマスタ)に同期する。
なお、新たにグランドマスタを再選出する条件としては、例えば、マスタ装置101(グランドマスタ)から時刻同期パケットを所定時間受信しない場合(障害が発生した場合)としてもよいし、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報から推定される同期時刻の信頼度が所定レベルを下回った場合等としてもよい。また、新たにグランドマスタを再選出する方法としては、IEEE Std 1588-2008に規定されるBMCアルゴリズムを用いることができる。
実施の形態3.
この実施の形態3では、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報から推定されるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻の信頼度が算出される。また、算出された信頼度を学習用データに取り込んで、信頼度を推定するための学習処理が実行され、学習済モデルを用いて信頼度が推定される。
この実施の形態3では、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報から推定されるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻の信頼度が算出される。また、算出された信頼度を学習用データに取り込んで、信頼度を推定するための学習処理が実行され、学習済モデルを用いて信頼度が推定される。
図12から図15を参照して、実施の形態3における同期時刻推論部について説明する。図12には、同期時刻推論部206Aの構成の一例が示されている。この同期時刻推論部206Aは、図5に示した同期時刻推論部206の構成において、信頼度算出部404をさらに含み、モデル学習部401及び推論部402に代えてそれぞれモデル学習部401A及び推論部402Aを含む。
図13を参照して、信頼度算出部404について説明する。信頼度算出部404は、同期制御部204から受けるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報と、推論部402Aによりマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報から推定されたマスタ装置101の時刻とを用いて、推定されたマスタ装置101の時刻の信頼度を算出する。
例えば、信頼度算出部404は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報と、推論部402Aにより推定されたマスタ装置101の時刻との差分に基づいて、上記信頼度を算出する。或いは、モデル学習部401Aにおける学習処理の実行時に更新される重み係数の変動量は、学習が進んで推定同期時刻の精度が高まるほど小さくなるため、モデル学習部401Aの重み係数の変動量に基づいて信頼度を算出してもよい。
図14には、モデル学習部401Aの構成の一例が示されている。モデル学習部401Aは、学習データ取得部501Aと、モデル生成部502Aとを含む。学習データ取得部501Aは、図6で説明した学習データ取得部501が有する機能に加えて、推定同期時刻の信頼度情報を信頼度算出部404から取得し、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報と推定同期時刻の信頼度情報とを関連付けた学習用データを生成する。学習用データの関連付けや生成タイミングについては、実施の形態1と同じである。
モデル生成部502Aは、学習データ取得部501Aによって取得される学習用データを用いて、実施の形態1と同様の学習処理を実行し、学習済モデルを生成する。また、これとは別に、モデル生成部502Aは、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報から、推定同期時刻の信頼度を推定するための学習処理を実行し、学習済モデルを生成する。なお、信頼度算出部404において、モデル学習部401Aの重み係数の変動量に基づいて信頼度を算出する場合には、モデル生成部502Aは、学習処理の実行時に更新される重み係数の変動量を信頼度算出部404へ出力する。
図15には、推論部402Aの構成の一例が示されている。推論部402Aは、推論データ取得部601と、推論制御部602Aとを含む。推論データ取得部601は、図9で説明したとおりである。
推論制御部602Aは、モデル学習部401Aにより生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部403から取得し、その学習済モデルを用いて、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻を推定するとともに、その推定された時刻の信頼度を推定する。具体的には、推論制御部602Aは、推論データ取得部601により取得されたマスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報を学習済モデルに入力し、学習済モデルの出力をマスタ装置101(グランドマスタ)の推定時刻及びその推定時刻の信頼度として同期制御部204へ出力する。
同期制御部204は、マスタ装置101(グランドマスタ)の時刻同期情報が取得できていないときは、推論制御部602Aにより推定されたマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻と、その推定された時刻の信頼度とを推論制御部602A(同期時刻推論部206A)から取得する。
同期制御部204は、取得したマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻の信頼度が所定の基準を下回る場合には、実施の形態2に例示したように、複数のマスタ装置103(サブグランドマスタ)の中から新たにグランドマスタを再選出する処理を実行してもよい。或いは、同期制御部204は、マスタ装置103(サブグランドマスタ)毎に推定される信頼度のうち、信頼度が最も高い時刻に従って時刻同期を行なってもよい。
以上のように、この実施の形態3では、マスタ装置103(サブグランドマスタ)の時刻同期情報から推定されるマスタ装置101(グランドマスタ)の時刻の信頼度が算出される。したがって、この実施の形態3によれば、例えば、信頼度が基準を下回る場合に、新たにグランドマスタを再選出したり、信頼度が最も高い時刻に従って時刻同期を行なったりすることができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本開示の時刻同期システム10は、例えば、FA(Factory Automation)ネットワーク、基地局用ネットワーク、車載ネットワーク等に利用することができる。
10 時刻同期システム、101 マスタ装置(グランドマスタ)、102 スレーブ装置、103 マスタ装置(サブグランドマスタ)、104 スイッチ装置、111 CPU、112 I/F装置、113 RAM、114 ROM、115 バス、200 時刻同期装置、201 ネットワークインタフェース部、202 タイムスタンプ処理部、203 プロトコルスタック処理部、204 同期制御部、205 クロック制御部、206,206A 同期時刻推論部、210 ネットワーク、301 ローカルクロック、302 マスタクロック、401,401A モデル学習部、402,402A 推論部、403 学習済モデル記憶部、404 信頼度算出部、410 入力層、411 中間層、412 出力層、501,501A 学習データ取得部、502,502A モデル生成部、601 推論データ取得部、602,602A 推論制御部。
Claims (13)
- ネットワークを通じて時刻を配信する第1及び第2のマスタ装置と、
前記第1のマスタ装置の時刻同期情報と前記第2のマスタ装置の時刻とを含む学習用データを用いて、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報から前記第2のマスタ装置の時刻を推定するための学習処理を実行する学習部と、
前記学習処理により得られる学習済モデルを用いて、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報から前記第2のマスタ装置の時刻を推定する推論部と、
前記第2のマスタ装置から前記時刻が取得される場合には、その取得された時刻に従って時刻同期を行ない、前記第2のマスタ装置から前記時刻が取得されない場合には、前記推論部により推定される時刻に従って時刻同期を行なうスレーブ装置とを備える、時刻同期システム。 - 前記時刻同期情報は、前記第1のマスタ装置の時刻、及び前記第1のマスタ装置からの前記ネットワークを通じた時刻配信に伴なう遅延時間に関する情報を含む、請求項1に記載の時刻同期システム。
- 前記学習部及び前記推論部は、前記スレーブ装置に設けられる、請求項1又は請求項2に記載の時刻同期システム。
- 前記第2のマスタ装置の時刻同期情報と、前記推論部により推定された前記第2のマスタ装置の時刻とから、推定された前記第2のマスタ装置の時刻の信頼度を算出する信頼度算出部をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の時刻同期システム。
- 前記学習用データは、前記信頼度算出部により算出される前記信頼度をさらに含み、
前記学習部は、前記学習用データを用いて学習処理を実行することにより、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報から前記信頼度を推定するための学習済モデルを生成する、請求項4に記載の時刻同期システム。 - 前記推論部は、前記学習済モデルを用いて、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報から前記信頼度をさらに推定する、請求項5に記載の時刻同期システム。
- 前記スレーブ装置は、前記第2のマスタ装置から前記時刻が取得されない場合に、前記推論部により推定される前記信頼度が基準よりも低いときは、前記第2のマスタ装置に代わるマスタ装置を再選定する処理を実行する、請求項6に記載の時刻同期システム。
- 前記第1のマスタ装置が複数設けられている場合に、
前記推論部は、前記第1のマスタ装置毎に前記信頼度を推定し、
前記スレーブ装置は、前記第2のマスタ装置から前記時刻が取得されない場合に、前記信頼度が最も高い時刻に従って時刻同期を行なう、請求項6に記載の時刻同期システム。 - ネットワークを通じて時刻を配信する第1及び第2のマスタ装置の各々の時刻同期情報から、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報と前記第2のマスタ装置の時刻とを含む学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて学習処理を実行することにより、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報から前記第2のマスタ装置の時刻を推定するための学習済モデルを生成するモデル生成部とを備える、学習装置。 - 前記第1のマスタ装置の時刻同期情報は、前記第1のマスタ装置の時刻、及び前記第1のマスタ装置からの前記ネットワークを通じた時刻配信に伴なう遅延時間に関する情報を含む、請求項9に記載の学習装置。
- ネットワークを通じて時刻を配信する第1のマスタ装置の時刻同期情報を取得するデータ取得部と、
前記第1のマスタ装置の時刻同期情報から、ネットワークを通じて時刻を配信する第2のマスタ装置の時刻を推定するため学習済モデルを用いて、前記データ取得部により取得される時刻同期情報から前記第2のマスタ装置の時刻を推定する推論制御部とを備え、
前記学習済モデルは、前記第1のマスタ装置の時刻同期情報と前記第2のマスタ装置の時刻とを含む学習用データを用いて学習されたモデルである、推論装置。 - 前記第1のマスタ装置の時刻同期情報は、前記第1のマスタ装置の時刻、及び前記第1のマスタ装置からの前記ネットワークを通じた時刻配信に伴なう遅延時間に関する情報を含む、請求項11に記載の推論装置。
- 請求項11又は請求項12に記載の推論装置と、
前記第2のマスタ装置から前記時刻が取得される場合には、その取得された時刻に従って時刻同期を行ない、前記第2のマスタ装置から前記時刻が取得されない場合には、前記推論装置により推定される時刻に従って時刻同期を行なう同期制御部とを備える、時刻同期装置。
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