JP2020017940A - 時刻同期方式、通信機器、時刻同期方法 - Google Patents

時刻同期方式、通信機器、時刻同期方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伝送時間の変動の影響を抑えて時刻同期の精度の向上を図る。【解決手段】ネットワーク上のノード間にパケットを往復させ、パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と事前に求められた最小の平均値との時間差の絶対値を算出する(S13)。算出された絶対値を閾値と比較して絶対値が同期判定よりも小さければ測定情報と判定し、1回目の測定情報と2回目の測定情報とを取得する(S14〜S18)。この1回目の測定情報と2回目の測定情報とを加算した加算結果を同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする(S20)。【選択図】図3

Description

本発明は、PTP(Precision Time Protocol)に準拠した時刻同期方式、通信機器、時刻同期方法に関する。
「PTP」による時刻同期は、装置(ノード)間で時刻を配信することにより各ノードの時刻を同期させている。ここでは「PTP」パケットを往復させることで、ネットワーク上のグランドマスタークロック(以下、「GM」とする。)などの基準時計と各装置の時計との時間差を算出し、算出された時間差に基づき時刻を補正する。このパケットの送受信タイミングの測定をハードウェアにより実施することで高精度が可能である。
「PTP」の時刻同期は、例えばロボット間の時刻同期や継電器の時刻同期などに利用されている。特許文献1を一例に説明すれば、ターゲットを複数ロボットでトラッキングする際の時刻同期に「PTP」が利用されている。具体的には、まず複数ロボット群の各マスター装置を「GM」に時刻同期させ、つぎに時刻同期後のマスター装置に各ロボット群のスレーブ装置を時刻同期させている。
特開2014−211851
前述のように「PTP」の時刻同期の際、ネットワーク上の装置は「GM」と「PTP」パケットを往復させる通信を実行する。この往復の時間差に基づき正しい時間を算出して時刻を補正するが、これは往路と復路の伝送時間が等しいことを前提条件とする。
ここで「PTP」対応の通信機器がネットワークに使用されていれば、伝送時間の変動は補正されるものの、PTP未対応の通信機器では伝送時間の遅延した変動の「1/2」が測定誤差とされる。この誤差は時刻の進みの方向と時刻の遅れの方向にそれぞれ現れるため、当該誤差の幅は伝送時間の差異に等しい。したがって、PTP対応の通信機器により前記誤差が補正されれば、時刻は正確となる。
しかしながら、「PTP」対応の通信機器のみでネットワークを構築できるとは限らず、通常は「PTP」未対応の通信機器の存在を想定して時計を調整している。この時計の調整方法としては、サーボ制御(「PID」制御)がよく使用されている。
すなわち、時計の調整にて誤差を含んだ制御を行うと大きく変動してしまうため、サーボ制御による「PID」制御の「P(比例)」を小さくして大きな外乱とならないようにする。これは時間をかけて平均化しているのと同じであり、時計調整に時間がかかるのが欠点である。また、「PTP」パケットの往路と帰路とで伝送時間の分布が不均一であれば、正しい時刻からずれた時刻となってしまう。
したがって、サーボ制御では、現在の時計の精度を算定することは困難であり、またサーボ制御のパラメータが適切だとしても正しい時間との誤差は最大変動の「1/2」とするしかない。そうすると、正しい時刻に設定する観点からすれば、単純なサーボ制御では無理があり、特に高精度を要求されるシステムでは問題が生じるおそれがある。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、伝送時間の変動の影響を抑えて時刻同期の精度の向上を図ることを解決課題としている。
(1)本発明の一態様は、ネットワーク上のノード間でパケットを往復させて、各ノードの時刻を同期させる時刻同期の方式であって、
前記ノードが、前記パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と、事前に求められた最小の前記平均値との時間差の絶対値を算出し、
算出された前記絶対値を閾値と比較し、前記絶対値が前記同期判定よりも小さければ測定情報と判定し、
1回目の前記測定情報と2回目の前記測定情報とを加算した加算結果を前記同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする。
(2)本発明の他の態様は、ネットワーク上でパケットを往復させて時刻を同期させる通信機器であって、
前記パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と、事前に求められた最小の前記平均値との時間差の絶対値を算出し、
算出された前記絶対値を閾値と比較し、前記絶対値が前記同期判定よりも小さければ測定情報と判定し、
1回目の前記測定情報と2回目の前記測定情報とを加算した加算結果を前記同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする。
(3)本発明のさらに他の態様は、ネットワーク上の各ノード間でパケットを往復させて、各ノードの時刻を同期させる時刻同期の方法であって、
前記パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と、事前に求められた最小の前記平均値との時間差の絶対値を算出する絶対値算出ステップと、
算出された前記絶対値を閾値と比較し、前記絶対値が前記同期判定よりも小さければ測定情報と判定する測定情報判定ステップと、
1回目の前記測定情報と2回目の前記測定情報とを加算した加算結果を前記同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする推定精度算出ステップと、を有する。
本発明によれば、伝送時間の変動の影響を抑えて時刻同期の精度の向上を図ることができる。
(a)はPTPハブのみで機器間を中継したネットワーク構成図、(b)は(a)のPTPハブ間を通常ハブで中継したネットワーク構成図。 実施例1の起動時の処理を示すフローチャート。 同 時刻同期の全体処理を示すフローチャート。 図3のS15の詳細を示すフローチャート。 図3のS17(HYBRID方式)の詳細を示すフローチャート。 図3のS21の詳細を示すフローチャート。 強制失敗カウントによる時刻同期精度への影響抑制を示す説明図。 閾値設定による時刻同期の精度向上を示す説明図。 図3のS17の他例(LINER方式)を示すフローチャート。 (a)はVLAN二重化におけるPTPハブ接続を示すネットワーク構成図、(b)はPTPハブを経由したVLAN二重化におけるPTPハブ接続を示すネットワーク構成図。 実施例2の起動時の処理を示すフローチャート。 同 時刻同期の全体処理を示すフローチャート。 図12のS85の詳細を示すフローチャート。 図12のS87(HYBRID方式)の詳細を示すフローチャート。 図12のS95の詳細を示すフローチャート。 図13のS105および図14のS125の詳細を示すフローチャート。 図15のS144の詳細を示すフローチャート。 図12のS87の他例(LINER方式)を示すフローチャート。 (a)はPTPハブのみの単一VLANの接続構成図、(b)はPTPハブ間を冗長化した通常ハブを経由した単一VLANの接続構成図、(c)は(b)の構成図における異常発生を示す図。 (a)はVLAN二重化におけるPTPハブの接続構成図、(b)は冗長化した通常ハブを経由したVLAN二重化のPTPハブの接続構成図、(c)は(b)の接続構成図における異常発生を示す図。 閾値設定による時刻同期の精度向上を示す説明図。
以下、本発明の実施形態を説明する。ここで本発明は、ネットワーク上のノード間でパケットを往復させ、各ノードの時刻を同期させるPTPの時刻同期を主な実施形態とする。
(1)PTPは、利用環境をLANに制限することで高精度な時刻同期を得るために作られた比較的新しいプロトコルであり、PTPの仕様はIEEE1588として定められている。
このPTPでは、前述のように「GM」が高精度な時刻の配信を行い、配信された時刻をスレーブが受け取る。具体的には「GM」が、スレーブに「Syncメッセージ(同期メッセージ)」を送信した時刻をt1とする。
つぎにスレーブが、前記メッセージを受信した時刻をt2とする。また、スレーブが、「GM」に「Delay_reqメッセージ(遅延要求メッセージ)」を送信した時刻をt3とする。
この「Delay_reqメッセージ」を「GM」が受信すれば、受信時刻をt4とする。また、「GM」は、時刻t4を含む「Delay_Respメッセージ(遅延応答メッセージ)」をスレーブに送信する。ここまでを「PTP」パケットの1ステップとする。
ここで伝送時間「T1(往路)」と伝送時間「T2(復路)」とが同じであれば、スレーブ装置と「GM」との時間差は、「時間差={(t2−t1)−(t4−t3)}/2」で算出される。算出された時間差を使ってスレーブ装置の時刻補正が行われる。なお、オプションとして時刻t1を含む「Follow_upメッセージ」を「GM」からスレーブに送信してもよい。この場合にスレーブは、そのメッセージから時刻t1を抽出することができる。
このようなPTPによれば、ネットワークインターフェースチップの「MAC」や「PHY」に実装されたハードウェアタイムスタンプ機能を使って、マイクロ秒RMS以下のタイムスタンプ精度を実現することができる。
(2)現在、PTPのプロトコルには2バージョンが存在する。このうち「Version1」では大規模な展開を行うためにセグメントを区切る「Boundary Clock(BC)」が用意されている。一方、「Version2」では遅延管理機能を持つスイッチングハブ「Transparent Clock(TC)」が用意され、より柔軟で精度の高い展開が可能となっている。
ここでPTPハブは、PTPに準拠したL2スイッチングハブ(L2スイッチ)の態様をなす通信機器(ネットワーク機器)に関し、前記PTP機能(TC)を備えている。このPTPハブは、「GM」と高精度の時刻同期が可能であり、さらにPTPハブ同士を接続した場合にPTPハブ間でPTPパケットを交換してPTPハブ群から自動的にマスターを選出し、該マスターのPTPハブの時刻に他のPTPハブを時刻同期させることもできる。
このときマスターとなったPTPハブは、時刻同期を維持するために他のPTPハブに対して一定周期でPTPパケットを送信する。また、すべてのPTPハブは、オリジナル機能としてPTPハブ内部の状態情報(PTP情報パケット)を一定時間ごとにPTP以外の周辺に通知することもできる。
(3)PTPハブは、IEEE1588の時刻同期方式として一般的に使用されているサーボ(SERVO)制御方式だけでなく、時刻同期の際に2回の測定から時刻補正の調整量を算出するLINER方式の機能も実装することができる。
このLINER方式は、サーボ制御方式と比較して時刻同期を高速化かつ正確化することができるものの、PTPハブ同士を接続したネットワークを想定している。
したがって、PTPハブ間にPTP機能を持たない通常のスイッチングハブ(以下、通常ハブとする。)を中継したときには、通常ハブにおいて送信中のパケットが送信完了するまでの待ち時間と、通常ハブがパケットを転送処理する時間が必要となる。
この両時間は変動しており、「数μsec〜数十μsec」の変動となる場合が生じ、これにより時刻同期が安定せず、精度を維持できないおそれがある。この実施形態は、主にPTPハブと通常ハブとが混在した場合の時刻同期精度の品質向上を図っている。なお、各実施例で使用される主な用語の定義は次のとおりとする。
(A)Meanpath:まず、マスターのPTPハブの送信ポートからスレーブのPTPハブの受信ポートまでの経過時間を求め、求めた経過時間から通過した全てのPTPハブ内の経過時間を除いた時間、即ちマスター・スレーブ間(往路)の伝送時間T1を算出する。つぎにスレーブ・マスター間(復路)の伝送時間T2を同様に算出し、それぞれ算出された伝送時間T1,T2の平均値を「Meanpath」とする。
(B)機器固有の遅延変動幅:つぎにスイッチングハブにおいてパケットの転送にかかる時間は、伝送速度およびパケットサイズが同じでも変動しており、その変動幅を機器固有の遅延変動幅という。この遅延変動幅の値は、使用する通信機器により異なるため、機器固有の値となる。
≪実施例1≫
図1〜図10に基づき実施例1を説明する。
(1)ネットワーク構成
図1に基づきネットワーク構成例を説明する。図1(a)(b)中の1a〜6aはPTPハブを示している。
具体的には図1(a)は、機器1c〜6c間をPTPハブ1a〜6aのみで機中継したネットワーク構成を示している。ここではマスターのPTPハブ2aにスレーブのPTPハブ1a,3aがダイレクトに接続され、さらにPTPハブ3aを介してPTPハブ4a〜6aが接続されている。
また、図1(b)は、機器1c〜6cの接続されたPTPハブ1a〜6a間を通常ハブ1b〜5bで接続したネットワーク構成を示している。ここではマスターのPTPハブ2aとスレーブのPTPハブ1a,3aとの間を通常ハブ1b,2bで中継し、さらにスレーブのPTPハブ3a〜5b間をそれぞれ通常ハブ4b,5bで中継している。
ここでは前記各PTPハブ1a〜6aは、それぞれ機器1c〜6cまたは他のPTPハブ1a〜6aに転送する機能(受信したPTPパケットは透過機能を使用)が有効に設定されている。一方、通常ハブ1b〜6bは、前記PTP機能を持たないため、パケットの転送のみを実行する。以下、各実施例に基づき具体的な処理内容を説明する。なお、各実施例で使用される主な用語の定義は次のとおりとする。
(2)全体処理
図3に基づき実施例1の全体処理を説明する。ここでは主に図1(b)のネットワーク構成、即ちPTPハブ1a〜6a間を通常ハブ1b〜5bで中継させた場合の時刻同期方式への適用例を説明する。この場合の時刻同期方式を「HYBRID方式」と呼ぶ。
このときPTPハブ1a〜6aについては、図2の起動時処理が済んでいるものとする。この起動時処理は、PTPハブ1a〜6aを起動した状態において、PTPハブ1a〜6aの設定コマンドを使って、外部から「Meanpath」保存数D1,強制失敗カウントD2,機器固有遅延変動幅D3,時刻同期方式(HYBRID方式 OR LINER方式)D4を入力して初期設定ファイルF1に保存しておくものとする(S01)。
これによりPTPハブ1a〜6aは、次回起動時に初期設定ファイルF1を読み込んで、前記各データD1〜D4を内部データとしてセットする(S02)。また、PTPハブ1a〜6aは、保存された「Meanpath」D5の測定値,「Meanpath」の最小値(以下、最小「Meanpath」D6とする。),データ保存禁止フラグF2をクリアする(S03)。この起動時処理の完了を前提に実施例1の処理が実行される。以下、具体的な処理内容を説明する。
S11,S12:処理が開始されると、時刻同期の処理方式D4を確認する。この処理方式D4は、メーカの初期設定やユーザの設定などにより事前にPTPハブ1a〜6aに設定されているものとする。
前記確認の結果、処理方式D4が「HYBRID方式」以外の場合には従来のPTPハブの処理を実行し(S12)、S21の「Meanpath」保存処理を経て処理を終了する。一方、処理方式D4が「HYBRID方式」の場合にはS13以降の処理に進む。
S13:まず、今回の時刻同期で送受信されたPTPパケットについて「Meanpath」を算出し、さらに最小「Meanpath」D6を読み込む。
つぎに今回算出した「Meanpath」と最小「Meanpath」と差を算出し、その絶対値を保存する。すなわち、(今回の「Meanpath」−最小「Meanpath」)の絶対値を求め、その結果を「Meanpath差異(以下、MP差異)」D7として保存する。なお、最小「Meanpath」の値は、随時更新されるものとし、また初期値に固定値を用いてもよい。
S14〜S17:1回目の測定か否かを確認する(S14)。ここではS13の「Meanpath」の算出が1回目か否か確認される。この確認の結果、1回目であればS15の1回目測定時処理を経てS18に進む一方、S14の確認の結果、1回目でなければS16に進む。
すなわち、S16ではS13の「Meanpath」の算出が2回目か否か確認される。この確認の結果、2回目であればS17の2回目測定時処理を経てS18に進む一方、2回目でなければS21の「Meanpath」保存処理を経て終了する。
S18:2回目の測定が完了しているか否かが確認される。すなわち、S13の「Meanpath」の算出が2回完了しているか否かが確認される。この確認の結果、完了していればS19に進む一方、完了していなければS21の「Meanpath」保存処理を経て終了する。
S19〜S21:まず、従来のPTPハブの処理、即ち水晶の傾きの計算を実行する(S19)。ここではマスターとスレーブとが内部時計として使用する水晶発振器の時間単位の誤差を水晶の傾きとして算出する。
つぎに1回目の測定情報(1回目測定のMP差異D7−1)と2回目の測定情報(2回目測定のMP差異D7−2)とを加算し、加算結果を推定精度D8として保存し(S20)、S21の「Meanpath」保存処理を経て終了する。
なお、「Meanpath」の値は、測定誤差として推定精度D8と比較判定され、推定精度D8が測定誤差よりも大きくなければ「Meanpath」が時刻補正に使用される一方、大きくなければ時刻補正に使用されない。
(3)1回目測定時処理
図4に基づきS15の1回目測定時処理、即ちS14で1回目の測定と確認された後の処理内容の詳細を説明する。
S31:処理が開始されると推定精度D8の絶対値に機器固有遅延変動幅D3を加算し、加算後に1/2を乗じた値を同期判定値D9として保存する。なお、S20の算出前の推定精度には初期値として固定値を用いてもよい。
S32,S33:S31の同期判定値D9を閾値としてS13のMP差異D7と比較し、「同期判定値D9>MP差異D7」が成立するか否かを判定する(S32)。この判定の結果、成立すればMP差異D7を1回目測定MP差異D7−1として保存する(S33)。一方。成立しなければ判定異常としてS34に進む。
S34,S35:推定精度にPTPハブ1a〜6aの内部時計に使用する水晶の傾き相当の時間を加算する(S34)。
ここでPTP時刻同期は、前述のようにマスターとスレーブとが内部時計として使用する水晶発振器の時間単位の誤差を、毎回水晶の傾きとして算出し、これを正確に補正することにより高精度の時刻同期が可能なっている。
ところが、その水晶の傾きが算出できない場合もあり、そのときに代用する水晶の傾きの概算値を水晶の傾き相当の値(時間)と呼ぶ。例えば経験値として「120nsec」の値などを用いることができる。なお、S34の処理の後、データ保存禁止フラグF2を立てて(S35)、処理を終了する。
(4)2回目測定時処理
図5に基づきS17の2回目測定時処理、即ちS16で2回目の測定と確認された後の処理内容の詳細を説明する。
S41,S42:処理が開始されると、S31と同様に推定精度D8の絶対値に機器固有遅延変動幅D3を加算し、加算後に1/2を乗じた値を同期判定値D9として保存する(S41)。また、S32と同様にS41の同期判定値D9とMP差異D7とを比較し、「同期判定値D9>MP差異D7」が成立するか否かを判定する(S42)。この判定の結果、成立すればS43〜S45に進む一方、成立しなければ異常判定としてS46〜S48に進む。
S43〜S45:現在の失敗カウンタD10の値(S42の異常判定の回数)が、強制失敗カウントD2の値を越えているか否か確認する(S43)。この確認の結果、越えていなければS46に進む一方、越えていればMP差異D7を2回目測定MP差異D7−2として保存し(S44)、失敗カウンタD10の値をクリアして(S45)、処理を終了する。
S46〜S48:まず、今回の異常判定(S42)を失敗カウンタD10の値に反映させるため、失敗カウンタD10の値を「+1」加算する(S46)。つぎにS34と同様に推定精度にPTPハブ1a〜6aの内部時計に使用する水晶の傾き相当の時間を加算し(S47)、その後にデータ保存禁止フラグF2を立てて処理を終了する。
(5)「Meanpath」保存処理
図6に基づきS21の「Meanpath」保存処理を説明する。まず、処理が開始されるとデータ保存禁止か否か、即ちデータ保存禁止フラグF2が立っているか否かを確認する(S51)。
この確認の結果、データ保存禁止であればデータ保存禁止フラグF2をクリアして(S52)処理を終了する。つぎに確認の結果、データ保存禁止でなければ今回の「Meanpath」を最新「Meanpath」の20個として保存する(S53)。ここで保存された20個の最新「Meanpath」を保存データD5と呼ぶ。なお、保存データD5中から最小「Meanpath」D6が選択され(S54)、次回以降のPTPパケットの送受信時にS13の処理に用いられる。
(6)強制失敗カウントによる時刻同期精度への影響抑制
図7に基づきS43の強制失敗カウントD2による効果、即ちPTPの時刻同期精度への影響を説明する。図7中の円柱群Sのそれぞれは、PTPハブのみを使用した場合(例えば図1(a)のネットワーク構成)の「Meanpath」の値を示している。
ここでは1回目の測定と2回目の測定とは、共に安定した値S1,S2を示し、式1の計算により高精度に水晶の傾きを算出することができる。
式1:水晶の傾き=(2回目「Meanpath」−1回目「Meanpath」)/1回目と2回目との経過時間
しかしながら、例えば図1(b)に示すように、PTPハブ間に通常ハブを中継した場合の「Meanpath」は、図7中の奇数の星形(a1,a3,a5,a7,a9,a11,a13,a15,a17,a19)と、偶数の星形(a2,a4,a6,a8,a10,a12,a14,a16,a18,a20)とを結んだ矢印P1〜P10(上向きは正,下向きは負)の変動幅、即ち水晶の傾きとなり、大きな誤差を与えて時刻同期が不安定となるおそれがある。
この矢印P1〜P10の変動を抑制するため、図7中のX1に示す1回目の測定後は10回分の測定間隔をおいて2回目の測定を行う。すなわち、強制失敗カウントD2の値が「10」に設定され、S46に示すように、1回目の測定後は失敗カウンタD10を「+1」加算する。そして、S43に示すように、失敗カウンタ10が強制失敗カウントD2の値を越えたときを2回目の測定とする。
ただし、1回目の測定および2回目の測定と判定されるためには、S42の判定式をクリアしていなければならない。一方、S42の判定式をクリアしてもS43の条件が成立しなければ、失敗カウンタD10が加算されるにすぎない。
言い換えれば2回目の測定とする否かについて、強制的に10回連続で不採用として少なくとも10回分の測定間隔の時間を空けている。したがって、1回目の測定から10回の測定後に最初に判定式をクリアしたときに2回目の測定の条件が満たされる。なお、強制的に時間を空ければよいので、1回目の測定と2回目の測定との判定にS42の判定式以外の方法を用いてもよい。
図7中のX2は、1回目の測定から10回の測定後にS43の判定式が成立した2回目の測定値を示している。また、図7中の矢印Qは、2回目の測定値X2の誤差を示している。ここで式1を計算すると10回分の測定時間が経過したことで含まれる誤差を「1/10」に抑えることができ、時刻同期の変動幅が小さく正確性が向上する。
このS43の対策は、通常ハブによる誤差と比較して自装置(PTPハブ)の水晶の周波数の方が高いので、誤差の大きい測定値に基づき頻繁に調整するよりも、時間をかけて誤差の少ない測定値を選別し、さらに測定間隔を広げることにより水晶の傾きに含まれる誤差を小さくして時刻同期の安定と高精度化を実現させることができる。なお、1回目の測定と2回目の測定との間で空ける測定間隔は、10回でなくともよく、水晶の周波数安定度やネットワーク構成などによるため可変とする。
(7)閾値設定による時刻同期の精度向上
図8に基づきS32,S42の効果、即ち同期判定値D9を設けたことによる時刻同期の精度向上を説明する。この図8中のW(W1,W2)は、閾値として設定された同期判定値D9を示している。
ここで図8中の円柱群Sのそれぞれは、図7と同じくPTPハブのみを使用した場合(例えば図1(a)のネットワーク構成)の「Meanpath」の値を示している。ここではPTPのトランスペアレント機能(TC)により補正され、マスター・スレーブ間の「Meanpath」は伝送ケーブル長だけの時間となるので正確性が向上する。
しかしながら、例えば図1(b)に示すように、PTPハブ間を通常ハブで中継した場合には、通常ハブの送信中のパケットが完了するのを待つ時間分だけ遅延時間が発生する。この遅延時間は、パケットサイズやタイミングなどにより変動する。
その結果、マスター・スレーブ間の「Meanpath」には、通常ハブによる待ち時間が含まれ、図8中の「星形a0〜星形a10」,「星形a11〜星形a23」に示すように、大きく変動し、時刻が大きく暴れて不正確になる。
ただし、「Meanpath」の値は、大きく変動しているものの、「a0,a2,a7,a10」のように誤差の少ない値も存在している。そこで閾値Wを設定し、S33,S42の判定式が成立した場合のみ1回目の測定値(MP差異)と2回目の測定値(MP差異)とに用いることとした(S32,S42,S33,S44)。
例えば「a0」のMP差異(V1)は、閾値W1よりも小さいため、第1回目の測定値X1として採用される。ここで「星形a2」および「星形a7」のMP差異は、閾値W1よりも小さくなるものの、「星形a0」からS43の強制失敗カウントD2(ここでは8回とする)の測定間隔を越えないため、失敗カウンタD10を「1」加算するだけで(S46)、2回目の測定値X2に採用されない。一方、「a10」のMP差異(V2)は、閾値W1よりも小さく、かつ強制失敗カウントD2の測定間隔を越えているため、2回目の測定値X2に採用される。
このとき図8中の「V1+V2」が通常ハブにより発生した遅延であり、時間差は最悪値で「C=(V1+V2+機器固有遅延変動幅V3)/2]となる。そこで次回処理の閾値W2は、この値Cを基準に開始する。すなわち、現在の精度よりも誤差を含む測定値を採用しないようにして徐々に精度を高くする方向に調整している。
そして、次回処理時に「星形a11」および「星形a12」のMP差異は、閾値W2より小さくないため、1回目の測定値X1に採用されない。ここでは「星形a13」のMP差異(V11)が、閾値W2よりも小さいため、1回目の測定値X1に採用される。また、「星形a23」のMP差異(V12)は、閾値W2より小さく、かつ「星形a13」から強制失敗カウントD2の測定間隔を越えているため、2回目の測定値X2に採用される。
ここでS32,S42の判定式が不成立のとき推定精度D8に水晶の傾き相当を算出する理由を説明する。すなわち、通常ハブに含まれる遅延は、伝送状態とタイミングにより変化するため、閾値Wにより適用されない状態が長時間になると自装置(PTPハブ)の内部時計が同期している保障がなくなるおそれがある。
そこで閾値Wを時間の経過としても加算し、時間が経過すれば誤差の大きい測定値を適用するようにする。ここで加算する値は、水晶の安定度を考慮した値とする。なお、閾値Wは、基本的には(今回の「Meanpath」−最小「Meanpath」)の平均値に(機器固有遅延変動幅/2)を加算した値から求められ、失敗カウンタD10の値毎に計算される。
このように(A)S43の強制失敗カウントD2による測定間隔の拡張,(B)S33,S42の判定式を併用することで次の効果が得られる。すなわち、処理(A)の強制失敗カウントD2によれば、無駄な変動を抑制することができ、抑制された値に基づき処理(B)の判定式に使用する閾値Wが算出される。
ここで算出された閾値WによりMP差異が絞り込まれ無駄な変動がさらに抑制される。これにより前回よりも狭い閾値Wが算出され、MP差異がさらに絞り込まれる。この処理(A)(B)を繰り返すことにより、PTPハブ間を通常ハブで中継した場合などの遅延変動を有する環境でも、高精度で安定した時刻同期を維持することができる。
(8)LINER方式等
実施例1の処理内容は、図1(a)のネットワーク構成、即ち機器1c〜6c間をPTPハブ1a〜6aのみで中継した場合にも適用することができる。この場合の時刻同期方式を「LINER方式」と呼ぶ。
ここでは全体処理(S11〜S21)と、第1回目測定時処理(S31〜S35)と、「Meanpath」保存処理(S51〜S54)とは、「HYBRID」方式と同様に実行される。ただし、S11の時刻同期方式の確認の際は、「HYBRID」方式と「LINER方式」のいずれの方式でもS13以降に進むものとする。
また、S17の第2回測定時処理としては、図9に示す第2回測定時処理(S61〜S65)を実行する。
ここでS61,S62はS41,S42と同様な処理を実行し、S63〜S65はS44、S47,S48と同様な処理を実行するものの、S43,S45,S46の処理が省略される。すなわち、PTPハブのみを使用した場合の「Meanpath」は、図7に示すように、1回目と2回目ともに安定した測定値となるため、強制失敗カウントD2による測定間隔は必要ない。
ここではS61,S62において、S41,S42と同様に同期判定値D9に基づく判定式によりMP差異を絞り込んでいるため、通常よりも高精度で安定した時刻同期の効果が得られる。
なお、本実施例の処理内容は、図1(a)(b)のネットワーク構成だけでなく、例えば図10に示すVLAN二重化接続の場合にも適用することができる。この場合、図10(a)に示すPTPハブ1a〜6aのVLAN二重化接続には「LINER方式」を適用し、図10(b)に示す通常ハブ1b−1,1b−2〜5b−1,5b−2を経由したVLAN二重化におけるPTPハブ接続には「HYBRID」方式が適用される。
≪実施例2≫
図11〜図21に基づき実施例2を説明する。この実施例2の処理内容は、実施例1と同じく「HYBRID方式」と「LINNER方式」のいずれにも適用することができる。
(1)ネットワーク構成
図19および図20に基づきネットワーク構成例を説明する。ここで図19(a)は、機器1c〜4c間をPTPハブ1a〜4aで中継した単一VLANのネットワーク構成を示している。また、図20(a)は、機器1c〜8c間をPTPハブ1a〜4aで中継したVLAN二重化のネットワーク構成を示している。この図19(a)および図20(a)のネットワーク構成の場合には「LINNER方式」が適用される。
図19(b)は、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)などの冗長化機能を備えた通常ハブ1b〜4bを経由したPTPハブ1a〜4aの接続構成を示している。
この場合にはPTPハブ1a〜4aと、PTP機能を持たないRSTPなどの冗長化機能を備えた通常ハブ1b〜4b(冗長化ハブ)とにより機器1c〜4c間が中継されるネットワーク構成からなり、「HYBRID方式」が適用される。
この冗長化ハブ1b〜4bは、RSTPなどの冗長化機能を使用し、主にループ構成(1ポートがブロッキングする)をPTPハブ1a〜4a間に構成する。ここで図19(b)は単一VLANのタイプを示し、図20(b)のネットワーク構成のようにVLAN二重化のタイプにも「HYBRID方式」が適用される。
このとき図20(b)に示すように、PTPハブ1a〜4aのネットワーク構成がVLAN二重化されている場合にスレーブ状態のPTPハブ2a〜4aはマスター状態のPTPハブ1aのVLAN(V1,V2)の一方でPTPパケットを往復させる。ところが、回線断などの理由によりPTPパケットのマスター・スレーブ間の往復が一方のVANから他方のVLANに切り替わる場合があり、これをマスターVLAN切替と呼ぶ。
(2)全体処理
図12に基づき実施例2の全体処理を説明する。以下では図19(b)および図20(b)などの「HYBRID方式」への適用例を説明する。
ここではPTPハブ1a〜4aについては図11の起動時処理が済んでいるものとする。すなわち、PTPハブ1a〜4aを起動した状態において、PTPハブ1a〜4aの設定コマンドを使って、以下の情報(A)〜(D)を入力して初期設定ファイルF1−1に保存しておくものとする(S71)。
(A)冗長化切替判定回数C1
(B)マスターVLAN切替判定回数(以下、M−VLAN切替判定回数とする。)C2
(C)マスター・スレーブ間オフセット有効範囲(以下、M−S間OS有効範囲とする。)D11
(D)マスターVLAN切替処理有効回数(以下、M−VLAN切替処理有効回数とする。)C3
これによりPTPハブ1a〜4aは、次回起動時に初期設定ファイルF1−1を読み込んで、前記情報(A)〜(D)を内部データとしてセットする(S72)。また、PTPハブ1a〜4aは、保存された前記情報(A)〜(D)の値をクリアして初期化する(S73)。
この起動時処理の完了を前提に実施例2の処理が実行される。以下、具体的な処理内容を説明する。
S80:処理が開始されると、VLAN切替判定処理(VLAN切替)が実行される。ここではM−VLAN切替発生時にマスターVLAN切替発生フラグ(以下、M−VLAN切替発生フラグとする。)をセットして立てる。
S81〜S84,S86:実施例1のS11〜S14,S16と同じ処理を実行する。
S85:図13の第1回目測定時処理を実行する
S87:図14の第2回目測定時処理を実行する。
S88〜S90:実施例1のS18〜S20と同様な処理を実行する。
S91:M−VLAN切替発生フラグF3が立っているか否かを確認する。この確認の結果、M−VLAN切替フラグF3が立っていればS92に進む一方、立っていなければS95に進む。
S92〜S94:M−VLAN切替処理回数C6に「1」を加算する(S92)。その後にM−VLAN切替処理有効回数C3を参照し、S92の加算後のM−VLAN切替処理回数C6がM−VLAN切替処理有効回数C3を越えているか否かを確認する(S93)。
この確認の結果、M−VLAN切替処理有効回数C3を越えていなければS95に進む一方、越えていればS94に進む。すなわち、M−VLAN切替発生フラグF3およびM−VLAN切替処理回数C6をクリアし、S95に進む。
S95:図15の「Meanpath」保存処理を実行し、終了する。
(3)1回目測定時処理
図13に基づきS85の1回目測定時処理、即ちS84で1回目の測定と確認された後の処理内容の詳細を説明する。
S101:処理が開始されるとS101が実行される。ここでは実施例1のS31と同様な処理を実行する。
S102:M−VLAN切替発生フラグF3を確認し、該フラグF3が立っていればS103に進む一方、立っていなければS105の冗長化切替判定を実行する。
S103:マスター・スレーブ間の伝送速度のオフセット値を算出する。ここで算出されたオフセット値をM−S間OS値D12と呼ぶ。
S104〜S107:S103で算出されたM−S間OS値が、M−S間OS値有効範囲D11を越えているか否かを確認する。この確認の結果、越えていればS105の冗長化切替判定を実行する一方、越えていなければS106,S107に進む。すなわち、冗長化切替判定回数C1をクリアした(S106)後、さらにM−VLAN切替回数C5をクリアし(S107)、S108に進む。
S108〜S111:実施例1のS32〜S35と同様な処理を実行し、終了する。
(4)2回目測定時処理
図14に基づきS87の2回目測定時処理、即ちS86で2回目の測定と確認された後の処理内容の詳細を説明する。ここでは第1回目測定時処理(S85)と同様な処理(S122〜S125,S129,S130)が、実施例1の第2回目測定時処理(S17)に加えられている。
S121:処理が開始されるとS121が実行される。ここでは実施例1のS41と同様な処理を実行する。
S122〜S125:S102〜S105と同様な処理を実行する。
S126〜S128:実施例1のS46〜S48と同様な処理を実行する。
S129,S130:S106,S107と同様な処理を実行する。
S131〜S134:実施例1のS42〜S45と同様な処理を実行し、終了する。
(5)Meanpath保存処理
図15に基づきS95の「Meanpath」保存処理の詳細を説明する。
S141〜S143:処理が開始されるとS141〜S143が実行される。ここでは実施例1のS51〜S54と同様な処理を実行する。
S144:図17に基づき後述する。
S145:実施例1のS52と同様な処理を実行し、終了する。
(5)冗長化切替判定処理
図16に基づきS105,S125の冗長化切替判定処理の詳細を説明する。
S151:処理が開始されるとM−VLAN切替発生フラグが立っているか否かを確認する。確認の結果、M−VAN切替発生フラグF3が立っていればS152に進む一方、立っていなければS153に進む。
S152:M−VLAN切替回数C5に「1」を加算する。
S153:今回使用したマスター・スレーブ間の「Meanpath」D13が、補正用「Meanpath」D14よりも大きいか否かを確認する。確認の結果、大きければS154に進む一方、大きくなければS155に進む。
S154:今回使用したマスター・スレーブ間の「Meanpath」D13を補正用「Meanpath」D14として保存する。
S155:冗長化切替回数に「1」を加算し、終了する。
(6)冗長化切替時処理
図17に基づきS144の冗長化切替時処理の詳細を説明する。
S161:処理が開始されるとM−VLAN切替回数C5が、M−VLAN切替処理有効回数C3を越えているか否かを確認する。確認の結果、越えていればS162に進む一方、越えていなければS165に進む。
S162〜S164:補正用「Meanpath(補正用同期判定値)」D14を最小「Meanpath(最小同期判定値)」D6とする(S162)。その後、保存「Meanpath」D5のすべてを補正用「Meanpath」D14に書き換える(S163)。また、M−VLAN切替回数C5をクリアする(S164)。
S165:冗長化切替回数C4が、冗長化切替判定回数C1を越えているか否かを確認する。確認の結果、越えていればS166に進む一方、越えていなければ処理を終了する。
S166,S167:補正用「Meanpath(補正用同期判定値)」D14を最小「Meanpath(最小同期判定値)」D6とする(S166)。その後、保存「Meanpath」D5のすべてを補正用「Meanpath」D14に書き換える(S167)。
S168,S169:推定精度D8を冗長化切替判定回数に応じた水晶の傾き分だけ戻し(S168)、その後に冗長化切替回数C4をクリアし(S168)、終了する。
(7)冗長化切替時における時刻同期精度への影響抑制
実施例1の処理によれば、同期判定値をS32、S42の判定式(同期判定値>Meanpth差異)での絞り込みを継続し、ある程度の絞り込みが完了すると一定幅の同期判定値で安定する。ところが、VLANの冗長化切替発生時やマスターVLAN切替時などへの対応が不十分なおそれがあった。
(A)まず、図19(b)に基づき単体VLANでの冗長化切替発生例を説明する。この図19(b)のネットワーク構成によれば、PTPハブ1a〜4a間に冗長化ハブ1b〜4bでループが構成されている。ここではハブ1bと接続するハブ3b側のポートがループ防止のため、ブロッキング状態となっている。
このときスレーブ状態のPTPハブ2aとマスター状態のPTPハブ1aとは、ハブ1,2を経由してPTPパケットを交換している。ところが、図19(c)に示すように、ハブ1,2間の回線が断線したような事態の場合にはハブ3bのブロッキングポートが開放される。これにより冗長化切替が発生し、PTPハブ1a,2a間が瞬時にハブ1b〜ハブ4bを経由したルートに経路変更される。
このときハブ1b〜4bは、PTPパケットにタイムスタンプ加算による時刻補正ができないため、前記経路変更による通過するハブの変動は直接マスター・スレーブ間の「Meanpth」の変化として現れ、同期判定値より極端に大きくなる。
その結果、同期判定の異常(S32,S42の判定式不成立)が長時間継続したり、マスター・スレーブ間のオフセットを補正する値が実際のずれよりも大きな値となるなど最終的に時刻同期のずれ幅が大きくなる現象が生じるおそれがある。
(B)この事態を図21に基づき説明する。ここでは「星形a16」の測定後にPTPハブ1a〜4a間のハブ1b〜4bに冗長化切替が発生し、マスター・スレーブ間の「Meanpath」が大きくなるため、「星形a17」から「星形a23」までの「Meanpath」S2が急減に上昇している。
その結果、最小「Meanpath」S1と実際の最小「Meanpath」S2とに大きな差(矢印Eと矢印Fとの差)が発生する。この場合には閾値W2を大幅に超えているため、前記判定式を満たすには相当の時間が必要となる。
(C)このとき通常、図19(c)の状態が生じた場合にPTPハブ1a〜4a側では、ハブ1b〜4bの冗長化機能による切替発生を認識できない。そこで、実施例2においては、PTPハブ1a〜4aが前記切替発生時に発生する大きな変動を捉え、それをトリガーとして前記判定式の不成立が一定回数(冗長化切替判定回数)を越えて連続して不成立か否かを監視し、監視中に保存された補正用「Meanpath」(S154)を最小「Meanpath」S2および保存「Meanpath」として保存する(S166,S167)。これにより前記切替発生時に正しい時刻補正が実行され、すばやく前記判定式を成立させることが可能となる。
(D)つぎに図20(b)に基づきマスターVLAN切替時にシームレスな動作が要求されるVLAN二重化への応用例、即ち冗長化ハブ1b〜4bを経由したVLAN二重化のネットワーク構成(系統構成)への適用例を説明する。
ここではVLAN1においてハブ3bと接続するハブ1bのポートがブロッキング状態である一方、VLAN2においてハブ6と接続するハブ5のポートがブロッキング状態となっている。また、マスター状態のPTPハブ1aとスリーブ状態のPTPハブ2aとは、マスターLANのVLAN1を使用し、ハブ1b,2bを経由してPTPパケットを交換する。
ここで図20(c)に示すように、VLAN1に所属するハブ1bの2箇所が回線断したことを想定する。このときハブ2bは数秒後にマスターLANがVLAN1からVLAN2に切り替わったことを認識し、瞬時にハブ5b,7b,8b、6bを経由した経路に切り替える。
この経路変更が発した場合には、図19(b)の単体VLAN時と同様に経路変更によるマスター・スレーブ間の「Meanpath」の変化として現れ、最終的に時刻同期が大きくずれてしまうなどの現象が発生する。
特にVLAN間の経路変更をともなうため、単体VLAN以上の大きな変動が発生し、マスター・スレーブ間のオフセット値にも一時的に影響を与える。そうすると前述した単一VLAN時の冗長化切替対策だけでは不十分なおそれがある。
ここでは監視タイミングにマスターVLAN切替を追加することで冗長化切替時の経路変更タイミングの的確な把握を図る。すなわち、マスター・スレーブ間のオフセット値が有効範囲を越えた場合(S103,S124)、経路上の処理が不安定なため、S161に示すように、切替有効回数を越えるまで1回目の測定値(D7−1)および2回目測定(D7−2)に採用しない。切替有効回数を越えた後の最小「Meanpath」と保存「Meanpath」に対して、冗長化切替時処理と同様の処理(S163,S164)を行う。
これにより不安液な状態での時刻同期の補正値実行による正常な値からの遊離が排除でき、以前の通常ハブ(1b,2b)を経由した場合に近い速さで前記判定式の成立が可能となる。なお、冗長化切替判定回数C1,M−VLAN切替有効回数C3は、メーカの初期設定のままでもよく、ユーザ側で適宜に変更できるものとする。
(8)LINER方式
実施例2の処理内容も、図19(a)および図20(a)に示す「LINER方式」のネットワーク構成、即ち機器1c〜4c/1c〜6c間をPTPハブ1a〜4aのみで中継した場合にも適用することができる。
ここでは全体処理(S80〜S95)と、第1回目測定時処理(S101〜S111)と、「Meanpath」保存処理(S141〜S145)と、冗長化切替判定処理(S151〜S155)と、冗長化切替時処理(S161〜S169)とは「HYBRID」方式と同様に実行される。
ただし、実施例1と同じく、S81の時刻同期方式の確認の際は、「HYBRID」方式と「LINER方式」のいずれの方式でもS83以降に進むものとする。また、S87の第2回測定時処理としては、図18に示す第2回測定時処理(S171〜S181)を実行する。
ここでS171〜S177はS121〜S125,S127,S128と同様な処理を実行し、S178〜S181はS129〜S131,S133と同様な処理を実行し、実施例1と同じ理由によりS126〜S128,S132,S134の処理が省略される。
1a〜6a…PTPハブ
1b〜5b…通常ハブ
1c…12c…機器

Claims (8)

  1. ネットワーク上のノード間でパケットを往復させて、各ノードの時刻を同期させる時刻同期の方式であって、
    前記ノードが、前記パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と、事前に求められた最小の前記平均値との時間差の絶対値を算出し、
    算出された前記絶対値を閾値と比較し、前記絶対値が閾値よりも小さければ測定情報と判定し、
    1回目の前記測定情報と2回目の前記測定情報とを加算した加算結果を前記同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする
    ことを特徴とする時刻同期方式。
  2. 前記推定精度を順次に算出し、算出された推定精度に基づき次回の前記閾値を算出することを特徴とする請求項1記載の時刻同期判定方式。
  3. 前記各測定情報の測定間隔には、事前に設定された間隔が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の時刻同期方式。
  4. 前記絶対値が事前に定められた回数に亘って連続して前記閾値よりも小さくなければ、
    前記閾値の値を前記絶対値に基づき設定することを特徴とする請求項2または3記載の時刻同期方式。
  5. 前記各絶対値を保存し、
    前記保存された前記絶対値群の最小値を前記閾値に設定することを特徴とする請求項4記載の時刻同期方式。
  6. 前記ノード間の往復時間の差分が有効範囲を越えた場合には事前に定められた回数分を前記測定値として採用しない
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の時刻同期方式。
  7. ネットワーク上でパケットを往復させて時刻を同期させる通信機器であって、
    前記パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と、事前に求められた最小の前記平均値との時間差の絶対値を算出し、
    算出された前記絶対値を閾値と比較し、前記絶対値が前記閾値よりも小さければ測定情報と判定し、
    1回目の前記測定情報と2回目の前記測定情報とを加算した加算結果を前記同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする
    ことを特徴とする通信機器。
  8. ネットワーク上の各ノード間でパケットを往復させて、各ノードの時刻を同期させる時刻同期の方法であって、
    前記パケットの往路と復路の伝送時間の平均値と、事前に求められた最小の前記平均値との時間差の絶対値を算出する絶対値算出ステップと、
    算出された前記絶対値を閾値と比較し、前記絶対値が前記閾値よりも小さければ測定情報と判定する測定情報判定ステップと、
    1回目の前記測定情報と2回目の前記測定情報とを加算した加算結果を前記同期時の補正調整量を判定するための推定精度とする推定精度算出ステップと、
    を有することを特徴とする時刻同期方法。
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