JP7324726B2 - メッシュモデル生成装置及びメッシュモデル生成方法 - Google Patents
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地盤は自然が作り出したものであり、複雑な地層構成をしている。このため、地盤の形状モデルを解析可能な状態の要素に分割するのが難しい。そこで、地層構成を配慮しつつ地盤の形状モデルを解析可能な要素に分割する作業は、コンピュータに組み込まれたソフトウェアを用いてユーザが行うことが一般的である。しかしながら、このような複雑で大規模な地盤の形状モデルのメッシュ分割には、膨大な時間と労力がかかる。機械系の構造体を対象として、モデルを自動的にメッシュ分割する技術はあるが、地盤のような複雑な不整形な層境界で構成される形状をメッシュ分割するのに適した技術はないのが現状である。
しかし、四面体要素(三角形要素)は、例えば六面体要素(四角形要素)等と比べて解析精度が悪いという問題がある。これは、六面体要素や四角形要素によりメッシュ分割した場合には要素間の境界が略水平及び略鉛直となるのに対し、四面体要素や三角形要素によりメッシュ分割した場合には境界が水平及び鉛直とはならず、斜め方向となるからである。地盤に対して地震応答解析を行う場合は、主にせん断波、粗密波を鉛直方向に一様に入射する問題を扱うため、要素の切れ目が斜め方向となる四面体要素や三角形要素においては波動が鉛直方向に一様に伝搬し難い。また、地盤材料の非線形性によって、六面体要素や四角形要素においては横方向に一様にせん断剛性が減少し減衰定数が増加するが、四面体要素や三角形要素においては横方向にせん断剛性と減衰定数が不連続となる。
解析精度を上げるために、四面体要素や三角形要素を用いたうえで、メッシュを生成するときのメッシュサイズを十分に小さくする方法があるが、解析モデル全体での節点数や要素数が膨大となり、解析プログラムの実行時間が非常に長くなったり、解析処理を行うコンピュータシステムの負荷が過大となるという問題がある。
したがって、解析精度向上のため、できるだけ六面体要素や四角形要素を多く用いるのが望ましい。
既に説明したように、解析精度向上のためには、六面体要素をできるだけ多く用いることが望ましい。しかしながら、特許文献1に開示された構成では、複雑な曲面状の地層境界で構成された地盤をメッシュ分割する際に、六面体要素で分割した領域同士の間の領域を、四面体要素で分割している。このため、解析精度が悪い四面体要素が多くなる。
また、特許文献2には、メッシュ化対象の形状モデルを複数のブロックに分割し、これら各ブロックを、隣接するブロック間で節点および結線の配置が一致するようにメッシュ化し、メッシュ化後の各ブロックを組み合わせることにより、大規模な形状モデルに対応するメッシュモデルを生成する構成が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示された構成では、各ブロックのメッシュ分割方法は、ブロック間の節点および結線の配置を一致させる必要があるため、自動分割が可能な四面体要素に限られる。
特許文献3には、各地層に対して領域をはみ出さないように六面体要素を配置した後、六面体要素の形成されていない領域に面する六面体要素を2倍サイズの六面体要素に置換し、四面体メッシュ生成対象領域内に四面体要素を配置する構成が開示されている。
しかしながら、特許文献3に開示された構成では、六面体要素で分割した領域同士の間の領域は、四面体要素で分割する必要がある。このため、解析精度が悪い四面体要素が多くなる。
このように、特許文献1~3においては、四面体要素が多くなるため、十分な解析精度が得られない場合がある。解析精度をより向上することが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のメッシュモデル生成装置は、地質構造を2次元または3次元の形状モデルで表現した地盤をメッシュ分割して2次元または3次元のメッシュモデルを生成するメッシュモデル生成装置であって、前記地盤を2次元の四角形要素、または3次元の六面体要素に、グリッド状にメッシュ分割する第1のメッシュ分割手段と、前記四角形要素または前記六面体要素の辺と、前記地盤の地層境界との交差の有無を判定し、交差する場合には、交差位置に節点を追加する、節点設定手段と、前記地層境界と交差する前記四角形要素または前記六面体要素を、前記節点間を結ぶ線または面を挟んだ両側に分割して、複数の分割要素を生成する第2のメッシュ分割手段と、複数の前記分割要素の各々を、辺数が4以下、または面数が6以下の基礎要素に更に分割し、当該基礎要素の頂点の各々に節点を設定する、基礎要素分割手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、第1のメッシュ分割手段により、地盤を2次元の四角形要素、または3次元の六面体要素に分割した後、四角形要素または六面体要素の辺と、地層境界とが交差する場合には、交差位置に追加した節点間を結ぶ線または面で分割し、複数の分割要素を生成する。このように地盤をグリッド状にメッシュ分割して得られた四角形要素または六面体要素に地層境界が含まれる場合に、四角形要素または六面体要素は、地層境界に沿って分割される。生成された複数の分割要素のそれぞれは、単一の地層で形成されることとなる。
このようにして生成された複数の分割要素のそれぞれを、辺数が4以下、または面数が6以下の基礎要素に更に分割することで、基礎要素の頂点の各々に節点が設定される。これにより得られた基礎要素は、2次元モデルの場合は辺数が4以下の、すなわち四角形要素または三角形要素となり、3次元モデルの場合は面数が6以下の、すなわち六面体要素、五面体要素、または四面体要素となる。
したがって、このような構成によれば、地層境界が交差する四角形要素または六面体要素のみが、三角形要素または四面体要素を含む基礎要素に分割され、それ以外は原形を維持して分割されない構成とすることができるため、四角形要素または六面体要素を多く有するメッシュモデルを生成することができる。これにより、地盤を解析する際の解析精度が高いメッシュモデルを生成可能なメッシュモデル生成装置を提供することが可能となる。
このような構成によれば、四角形要素または六面体要素の深さ方向の辺上の地盤の地層境界の深度位置に深さ方向節点を設定し、四角形要素または六面体要素の水平方向の辺と地層境界との交差位置に水平方向節点を追加することで、地層境界が複雑に傾斜している場合であっても、分割要素を適切に生成することができる。
このような構成によれば、分割パターン記憶部に分割パターンを登録しておくことで、各分割要素を解析に有効な形状の基礎要素に、効率的に分割することができる。したがって、解析精度を高めることが可能となる。
このような構成によれば、地盤を解析する際の解析精度が高いメッシュモデルを生成可能なメッシュモデル生成方法を提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明によるメッシュモデル生成装置及びメッシュモデル生成方法を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係るメッシュモデル生成装置の機能的な構成を示すブロック図を図1に示す。図1のメッシュモデル生成装置によりメッシュモデルが生成される地盤の形状モデルである3次元モデルの一例を図2に示す。図2の3次元モデルをグリッド状にメッシュ分割した状態を図3に示す。図1のメッシュモデル生成装置により生成されたメッシュモデルの一例を図4に示す。
図1に示されるメッシュモデル生成装置1は、3次元モデルとして表現された地盤Gをメッシュ分割し、地震応答解析等を行うためのメッシュモデルを生成する。メッシュモデル生成装置1は、コンピュータ装置であり、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、記憶装置等を備えたハードウェアと、予め設定されたコンピュータプログラムとが協働することで、メッシュモデル生成装置1としての所要の機能を発揮する。メッシュモデル生成装置1は、記憶部2と、モデル生成部3と、を機能的に備えている。
記憶部2は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、メモリ等をはじめとする各種の記憶装置等からなる。記憶部2は、地盤形状モデル記憶部21と、分割パターン記憶部22と、を備えている。地盤形状モデル記憶部21は、外部から入力される、解析対象となる範囲の地盤Gの形状モデルである3次元モデルM10のデータを記憶している。分割パターン記憶部22は、後に説明するような分割要素E2を単位要素E3に分割する分割パターンのデータを記憶している。
地層境界Geが位置する部分に設定された六面体要素E1において、六面体要素E1の頂点位置が地層境界Geの深度位置と一致する場合、その頂点位置でメッシュ分割することができる。これに対し、図5に示すように、六面体要素E1の頂点位置が地層境界Geの深度位置と一致しない場合、地層境界Geが六面体要素E1の内部に位置していることとなる。この場合、後に説明するように六面体要素E1を地層境界Geに沿った面で分割するが、これに備え、節点設定手段32により、六面体要素E1に対して節点Pを設定する。
節点設定手段32は、第1のメッシュ分割手段31で生成した六面体要素E1の辺Sと、地層境界Geとの交差の有無を判定し、六面体要素E1の辺Sと地層境界Geとが交差している場合には、交差位置に節点Pを追加する処理を行う。節点設定手段32は、深さ方向節点設定手段32Aと、水平方向節点設定手段32Bと、を有している。深さ方向節点設定手段32Aは、六面体要素E1の深さ方向Dvの辺Svと地層境界Geとが交差している場合に、六面体要素E1の深さ方向Dvの辺Sv上の、地盤Gの地層境界Geの深度位置(辺Svと地層境界Geとの交差位置)に、深さ方向節点Pvを設定する処理を行う。水平方向節点設定手段32Bは、六面体要素E1の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差の有無を判定し、水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとが交差する場合には、水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差位置に水平方向節点Phを追加する処理を行う。
第2のメッシュ分割手段33は、節点設定手段32により、図5に示すように、地層境界Geと交差する六面体要素E1の辺Sに節点Pが追加された場合に、図6に示すように、その六面体要素E1を、節点P間を結ぶ面Fsを挟んだ両側に分割して、複数の分割要素E2を生成する処理を行う。
基礎要素分割手段34は、図7に示すように、第2のメッシュ分割手段33によって生成された複数の分割要素E2の各々の面数が、7以上の多面体である場合、または辺数が5以上の多角形の表面を有する六面体である場合に、各分割要素E2を、面数が6以下で、各表面の辺数が4以下の多角形となる基礎要素E3に更に分割し、基礎要素E3の頂点の各々に節点Pを設定する処理を行う。ここで、基礎要素E3の各々は、四面体、五面体、または各表面が四角形の六面体である。基礎要素分割手段34は、分割要素E2を、分割パターン記憶部22に記憶された分割パターンに基づき、基礎要素E3に更に分割する処理を行う。
分割パターン記憶部22には、様々な形状の分割要素E2の各々と、組み合わせて当該分割要素E2を実現することができるような、複数の基礎要素モデルTの組み合わせとが、互いに対応付けられており、この対応付けが分割要素E2の分割パターンとして記憶されている。
基礎要素分割手段34は、地層境界Geが六面体要素E1のどの辺Sと交差しているかを判定して、これによって分割要素E2の形状を特定する。そして、基礎要素分割手段34は、各分割要素E2に対し、当該分割要素E2に対応する分割パターンを分割パターン記憶部22から取得して、取得した分割パターンに従って、分割要素E2内に、当該分割パターンとして登録された複数の基礎要素モデルTを当てはめる。
そのうえで、基礎要素分割手段34は、分割要素E2内に当てはめられた複数の基礎要素モデルT間の境界に沿って分割要素E2を分割することで、複数の基礎要素E3を生成する。
図7~図12に示すように、分割パターン記憶部22に記憶された複数種の分割パターンは、各分割要素E2を基礎要素E3に分割できるように、複数の基礎要素モデルTを組み合わせることで設定されている。また、各基礎要素モデルTは、予め有限要素法の解析プログラムで効果的に解析可能な形状に分割した要素群として用意されている。基礎要素モデルTは、四角形面で形成された六面体要素、三角柱、四角錐等である五面体要素、三角錐である四面体要素を用いて形成されている。基礎要素E3は、これらの基礎要素モデルTを、回転、反転させたもの等が含まれる。
基礎要素分割手段34は、分割した基礎要素E3の頂点の各々に節点Pを設定する。
図13は、本実施形態に係るメッシュモデル生成方法の流れを示すフローチャートである。
図13に示すように、本実施形態におけるメッシュモデル生成方法では、まず、地盤形状モデル記憶部21に記憶されている地盤Gの3次元モデルM10のデータを呼び出し、第1のメッシュ分割手段31により、図3に示すように、解析対象となる範囲の地盤Gの3次元モデルM10を、3次元の六面体要素に、グリッド状にメッシュ分割してグリッド分割モデルM11を生成することで、複数の六面体要素E1を生成する(ステップS1)。
次に、節点設定手段32は、ステップS1で生成した各六面体要素E1について、六面体要素E1の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差の有無を確認する(ステップS5)。続いて、節点設定手段32は、ステップS5における確認の結果、六面体要素E1の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとが交差しているか否かを判定する(ステップS6)。その結果、六面体要素E1の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとが交差していなければ、ステップS8に進む。六面体要素E1の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとが交差していた場合、節点設定手段32は、水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差位置に水平方向節点Phを追加する(ステップS7)。
一方、地層境界Geと交差していた六面体要素E1については、第2のメッシュ分割手段33と基礎要素分割手段34により、地層境界Geとの交差の状況から六面体要素E1を更に複数の分割要素E2や基礎要素E3に分割する。これには、まず、第2のメッシュ分割手段33は、地層境界Geと交差する六面体要素E1の辺Sに節点Pが追加された場合に、その六面体要素E1を、節点P間を結ぶ面Fsを挟んだ両側に分割して、複数の分割要素E2を生成する。
モデル生成部3は、上記のようにして生成した、六面体要素E1、分割要素E2、及び基礎要素E3のそれぞれについて、地表面Gfよりも下側にあるかどうかを確認する(ステップS13)。ステップS13における確認の結果、六面体要素E1、分割要素E2、及び基礎要素E3のそれぞれについて、地表面Gfよりも下側にあるか否かを判定する(ステップS14)。その結果、地表面Gf寄りも下側にないと判定された六面体要素E1、分割要素E2、及び基礎要素E3を消去する(ステップS15)。これにより、図4に示すようなメッシュモデルM12が生成される。
上述したようなメッシュモデル生成装置1は、地質構造を3次元の形状モデルM10で表現した地盤Gをメッシュ分割して3次元のメッシュモデルM12を生成するメッシュモデル生成装置1であって、地盤Gを3次元の六面体要素E1に、グリッド状にメッシュ分割する第1のメッシュ分割手段31と、六面体要素E1の辺Sと地盤Gの地層境界Geとの交差の有無を判定し、交差する場合には、交差位置に節点Pを追加する節点設定手段32と、地層境界Geと交差する六面体要素E1を、節点P間を結ぶ面Fsを挟んだ両側に分割して、複数の分割要素E2を生成する第2のメッシュ分割手段33と、複数の分割要素E2の各々を面数が6以下の基礎要素E3に更に分割し、基礎要素E3の頂点の各々に節点Pを設定する基礎要素分割手段34と、を備える。
このような構成によれば、第1のメッシュ分割手段31により、地盤Gを3次元の六面体要素E1に分割した後、六面体要素E1の辺Sと、地層境界Geとが交差する場合には、交差位置に節点Pを追加し、地層境界Geと交差する六面体要素E1を、節点P間を結ぶ面Fsで分割し、複数の分割要素E2を生成する。このように地盤Gをグリッド状にメッシュ分割して得られた六面体要素E1に地層境界Geが含まれる場合に、六面体要素E1は、地層境界Geに沿って分割される。生成された複数の分割要素E2のそれぞれは、単一の地層で形成されることとなる。
このようにして生成された複数の分割要素E2のそれぞれを、面数が6以下の基礎要素E3に更に分割することで、基礎要素E3の頂点の各々に節点Pが設定される。これにより得られた基礎要素E3は、面数が6以下の、すなわち六面体要素、五面体要素、または四面体要素となる。
したがって、このような構成によれば、地層境界Geが交差する六面体要素E1のみが四面体要素を含む基礎要素E3に分割され、それ以外は原形を維持して分割されない構成とすることができるため、六面体要素E1を多く有するメッシュモデルM12を生成することができる。これにより、地盤Gを解析する際の解析精度が高いメッシュモデルM12を生成可能なメッシュモデル生成装置1を提供することが可能となる。
このような構成によれば、六面体要素E1の深さ方向Dvの辺Sv上の地盤Gの地層境界Geの深度位置に深さ方向節点Pvを設定し、六面体要素E1の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差位置に水平方向節点Phを追加することで、地層境界Geが複雑に傾斜している場合であっても、分割要素E2を適切に生成することができる。
このような構成によれば、分割パターン記憶部22に分割パターンを登録しておくことで、各分割要素E2を解析に有効な形状の基礎要素E3に、効率的に分割することができる。したがって、解析精度を高めることが可能となる。
このような構成によれば、地盤Gを解析する際の解析精度が高いメッシュモデルM12を生成可能なメッシュモデル生成方法を提供することが可能となる。
なお、本発明のメッシュモデル生成装置及びメッシュモデル生成方法は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、地盤Gを3次元モデルM10としてメッシュモデルM12を生成するようにしたが、これに限らない。
図14は、図1のメッシュモデル生成装置でメッシュモデルを生成するための、地盤の2次元モデルの一例を示す図である。図15は、内部に地層境界が位置している四角形体要素の一例を示す図である。
図1に示したメッシュモデル生成装置1で、2次元モデルM21として表現された地盤Gをメッシュ分割してメッシュモデルを生成する場合、第1のメッシュ分割手段31では、図14に示されるように、地盤Gを2次元の四角形要素E11に、グリッド状にメッシュ分割する。節点設定手段32は、四角形要素E11の辺Sと、地層境界Geとの交差の有無を判定し、交差する場合には、図15に示すように、交差位置に節点Pを追加する。
より詳細には、深さ方向節点設定手段32Aは、四角形要素E11の深さ方向Dvの辺Svと地層境界Geとが交差している場合に、四角形要素E11の深さ方向Dvの辺Sv上の、地盤Gの地層境界Geの深度位置(辺Svと地層境界Geとの交差位置)に、深さ方向節点Pvを設定する処理を行う。水平方向節点設定手段32Bは、四角形要素E11の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差の有無を判定し、水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとが交差する場合には、水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差位置に水平方向節点Phを追加する処理を行う。
第2のメッシュ分割手段33は、地層境界Geと交差する四角形要素E11を、節点P間を結ぶ線Lを挟んだ両側に分割して、複数の分割要素E12を生成する。
生成された複数の分割要素E12のうちの少なくとも一つにおいて、辺数が4より大きい場合(五角形以上)、基礎要素分割手段34は、図16に示すように、分割要素E12を辺数が4以下の基礎要素E13に更に分割し、基礎要素E13の頂点の各々に節点Pを設定する。複数の基礎要素E13の各々は、地盤Gが2次元モデルM21の場合には三角形または四角形である。
分割パターン記憶部22には、分割要素E12を複数の基礎要素E13へと分割する分割パターンが記憶されている。基礎要素分割手段34は、分割要素E12を、分割パターン記憶部22に記憶された分割パターンを構成する複数の基礎要素モデルTに基づき、基礎要素E13に更に分割する。
このような構成によれば、第1のメッシュ分割手段31により、地盤Gを2次元の四角形要素E11に分割した後、四角形要素E11の辺Sと、地層境界Geとが交差する場合には、交差位置に節点Pを追加し、地層境界Geと交差する四角形要素E11を、節点P間を結ぶ線Lで分割し、複数の分割要素E12を生成する。このように地盤Gをグリッド状にメッシュ分割して得られた四角形要素E11に地層境界Geが含まれる場合に、四角形要素E11は、地層境界Geに沿って分割される。生成された複数の分割要素E12のそれぞれは、単一の地層で形成されることとなる。
このようにして生成された複数の分割要素E12のそれぞれを、辺数が4以下の基礎要素E13に更に分割することで、基礎要素E13の頂点の各々に節点Pが設定される。これにより得られた基礎要素E13は、辺数が4以下の、すなわち四角形要素または三角形要素となる。
したがって、このような構成によれば、地層境界Geが交差する四角形要素E11のみが三角形要素を含む基礎要素E13に分割され、それ以外は原形を維持して分割されない構成とすることができるため、四角形要素E11を多く有するメッシュモデルを生成することができる。これにより、地盤Gを解析する際の解析精度が高いメッシュモデルを生成可能なメッシュモデル生成装置1を提供することが可能となる。
このような構成によれば、四角形要素E11の深さ方向Dvの辺Sv上の地盤Gの地層境界Geの深度位置に深さ方向節点Pvを設定し、四角形要素E11の水平方向Dhの辺Shと地層境界Geとの交差位置に水平方向節点Phを追加することで、地層境界Geが複雑に傾斜している場合であっても、分割要素E12を適切に生成することができる。
このような構成によれば、分割パターン記憶部22に分割パターンを登録しておくことで、各分割要素E12を解析に有効な形状の基礎要素E13に、効率的に分割することができる。したがって、解析精度を高めることが可能となる。
このような構成によれば、地盤Gを解析する際の解析精度が高いメッシュモデルを生成可能なメッシュモデル生成方法を提供することが可能となる。
例えば、図17に示すように、薄層Gtが存在するような地盤Gでは、1つの六面体要素E1(または四角形要素E11)に2つ以上の地層境界Geが交差する場合がある。1つの六面体要素E1の厚さよりも薄いような薄層Gtについては、地盤Gの挙動への影響は非常に小さいと考えられる。更に、薄い偏平な要素は、解析精度に悪い影響を及ぼす可能性もあることから、無視することが適当であると考えられる。
このため、例えば、図17に示すように、2つ以上の地層境界Geを1つに集約してもよい。このとき、集約後の節点Pbの座標は、集約前の複数の節点Paの座標の平均値としてもよい。
上記のようなメッシュモデル生成装置及びメッシュモデル生成方法は、このような形状の要素を含んでいる場合であっても、節点設定手段32と、第2のメッシュ分割手段33と、基礎要素分割手段34において既に説明したような要領で対応可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
図23に示すような平面位置で地盤Gの調査を実施し、複数位置でのボーリングデータを得た。
各位置でのボーリングで得られた地層情報は、図24の通りである。本実施例では、各ボーリング位置と各ボーリング位置での各地層の上端深度を用いて、逆距離加重法によってボーリング間の地層の上端深度を補間した。その結果、図25に示すように、地層の上端深度の情報が得られた。
このような地盤の3次元モデルを図26に示す。主な解析の対象となる中央部は密なグリッドとし、中央部から離れた地点は計算時間短縮や記憶領域の節約のために疎なグリッドとした。
このような3次元モデルについて、上記実施形態で示したメッシュモデル生成方法により、地盤をメッシュ分割して、図27に示すようなメッシュモデルが生成された。
22 分割パターン記憶部 G 地盤
31 第1のメッシュ分割手段 G1~G3 地層
32 節点設定手段 Ge 地層境界
32A 深さ方向節点設定手段 M10 3次元モデル(形状モデル)
32B 水平方向節点設定手段 M12 メッシュモデル
33 第2のメッシュ分割手段 M21 2次元モデル(形状モデル)
34 基礎要素分割手段 L 線
Dh 水平方向 P 節点
Dv 深さ方向 Ph 水平方向節点
E1 六面体要素 Pv 深さ方向節点
E11 四角形要素 S 辺
E2、E12 分割要素 Sh 水平方向の辺
E3、E13 基礎要素 Sv 深さ方向の辺
Claims (4)
- 地質構造を2次元または3次元の形状モデルで表現した地盤をメッシュ分割して2次元または3次元のメッシュモデルを生成するメッシュモデル生成装置であって、
前記地盤を2次元の四角形要素、または3次元の六面体要素に、グリッド状にメッシュ分割する第1のメッシュ分割手段と、
前記四角形要素または前記六面体要素の辺と、前記地盤の地層境界との交差の有無を判定し、交差する場合には、交差位置に節点を追加する、節点設定手段と、
前記地層境界と交差する前記四角形要素または前記六面体要素を、前記節点間を結ぶ線または面を挟んだ両側に分割して、複数の分割要素を生成する第2のメッシュ分割手段と、
複数の前記分割要素の各々を、辺数が4以下、または面数が6以下の基礎要素に更に分割し、当該基礎要素の頂点の各々に節点を設定する、基礎要素分割手段と、
を備えることを特徴とするメッシュモデル生成装置。 - 前記節点設定手段は、
前記四角形要素または前記六面体要素の深さ方向の辺上の、前記地盤の地層境界の深度位置に、深さ方向節点を設定する、深さ方向節点設定手段と、
前記四角形要素または前記六面体要素の水平方向の辺と、前記地層境界との交差の有無を判定し、交差する場合には、交差位置に水平方向節点を追加する、水平方向節点設定手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のメッシュモデル生成装置。 - 複数の前記基礎要素の各々は、前記地盤が2次元モデルの場合には三角形または四角形であり、前記地盤が3次元モデルの場合には四面体、五面体、または各表面が四角形の六面体であり、
前記分割要素を複数の基礎要素へと分割する分割パターンを記憶した、分割パターン記憶部を更に備え、
前記基礎要素分割手段は、前記分割要素を、前記分割パターン記憶部に記憶された前記分割パターンに基づき、新たな前記基礎要素に更に分割する、請求項1または2に記載のメッシュモデル生成装置。 - 地質構造を2次元または3次元の形状モデルで表現した地盤をメッシュ分割して2次元または3次元のメッシュモデルを生成するメッシュモデル生成方法であって、
前記地盤を2次元の四角形要素、または3次元の六面体要素に、グリッド状にメッシュ分割し、
前記四角形要素または前記六面体要素の辺と、前記地盤の地層境界との交差の有無を判定し、交差する場合には、交差位置に節点を追加し、
前記地層境界と交差する前記四角形要素または前記六面体要素を、前記節点間を結ぶ線または面を挟んだ両側に分割して、複数の分割要素を生成し、
複数の前記分割要素の各々を、辺数が4以下、または面数が6以下の基礎要素に更に分割し、当該基礎要素の頂点の各々に節点を設定する、メッシュモデル生成方法。
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