JP7324649B2 - 回転工具及びドライバドリル - Google Patents
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Description
また、特許文献1では、動作モードとして、震動ドリルモードと、ドリルモードと、クラッチモードとが選択可能となっている。クラッチモードは、3段目のインターナルギヤを回転可能に設けてそのインターナルギヤを押圧するコイルバネの軸長をクラッチリングの操作で変化させることで、スピンドルへの所定トルクでインターナルギヤを空転させてクラッチが作動(回転伝達を遮断)する構造となっている。
一方、クラッチ機構としては、上記機械式の他、コントローラがモータの出力トルク(モータ電流や回転数)を監視し、その出力トルクが所定値以上となった場合にコントローラがモータの回転を停止させる電子式(電子クラッチ)も知られている。
しかし、電子クラッチの場合、クラッチモードか否かを電気的に検出する必要がある上、変速モードによってギヤ比が異なるため、低速/高速どちらのギヤ比になっているかを検出しないと、ギヤ比の差分だけクラッチ作動トルクに差が生じてしまう。そこで、クラッチモード及び変速モードを検出するために、速度切替レバーやチェンジリングの近傍にこれらの切替位置を検出するセンサを設けることが考えられるが、センサの追加によってハウジング全体が径方向や上下方向に大きくなったりしてコンパクト化を阻害してしまう。
モータと、
モータにより駆動される遊星歯車と、
遊星歯車と噛み合い、軸方向に前後移動可能な変速用の内歯歯車と、
遊星歯車と噛み合い、前後方向に延びる太陽歯車と、
太陽歯車により回転駆動され、前後方向に延びる出力軸と、
内歯歯車を前後移動操作する速度切替部材と、
速度切替部材に設けられた永久磁石と、
永久磁石を検知することで内歯歯車の前後移動を検知可能な磁気センサと、を含み、
磁気センサは、太陽歯車の下方に配置されており、
永久磁石と磁気センサとの間には、遊星歯車、内歯歯車、太陽歯車、速度切替部材を収容する樹脂製のギヤケースが配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、モータを制御するコントローラを有し、磁気センサは、コネクタを介してコントローラに接続されており、コントローラは、磁気センサの検知により、モータの制御を変更可能であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、ドライバドリルであって、
モータと、
モータにより回転駆動されて前後方向に延びる出力軸と、を有し、
トルクにかかわらず出力軸の回転を維持させるドリルモードと、出力軸の回転を所定のトルクで遮断させるクラッチモードとを含む少なくとも2つの動作モードが、出力軸を中心としたモード切替部材の回転操作によって選択可能で、
2つの動作モードのどちらであるかを検知するためのセンサと被検知部とが設けられると共に、センサは、出力軸の所定の半径方向でモード切替部材よりも外側に配置され、被検知部は、半径方向でセンサよりも内側を通る同心円上でモード切替部材へ直接又は間接的に設けられて、モード切替部材の回転操作に伴う被検知部の移動をセンサが検知することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、2つの動作モードの他に、震動ドリルモードが選択可能であり、センサは、ドリルモードと震動ドリルモードとを一方の動作モードとして検知し、クラッチモードを他方の動作モードとして検知することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3の構成において、モータを制御するコントローラを有し、センサは、コネクタを介してコントローラに接続されており、コントローラは、センサの検知により、モータの制御を変更可能であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3の構成において、モータと出力軸との間には、減速機構が配置されると共に、減速機構を収容するアルミニウム製のギヤケースが設けられて、ギヤケースは、外側に大径筒部、内側に小径筒部を同心円上に備えた二重筒形状を有しており、
出力軸の径方向外側に小径筒部が位置し、小径筒部と大径筒部との間に被検知部が位置し、大径筒部の径方向外側にセンサが位置していることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3の構成において、被検知部は、永久磁石であり、保持部材に形成されて下向きに開口する凹み部に保持されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項3の構成において、センサの下方には、出力軸付近を照射可能なライトが配置され、ライトの下方には、トリガが配置されていることを特徴とする。
図1は、回転工具及びドライバドリルの一例を示す震動ドライバドリルの斜視図、図2は側面図、図3は正面図、図4は中央縦断面図である。
(震動ドライバドリルの全体説明)
震動ドライバドリル1は、本体2とハンドル3とを備える。本体2は、前後方向に延びる。ハンドル3は、本体2の下側から突出する。本体2とハンドル3とは、左右何れかの方向から見ると、T字状である。本体2の前端には、ドリルチャック4が設けられる。ドリルチャック4の先端は、ビットを把持可能である。
ハンドル3の下端には、電源となるバッテリーパック5が装着されている。震動ドライバドリル1のハウジングは、本体ハウジング6とリヤカバー7とを含む。本体ハウジング6には、本体2の筒状の後半部分とハンドル3とが連設される。リヤカバー7は、キャップ状である。リヤカバー7は、本体ハウジング6の後部に、図示しないネジによって後方から組み付けられる。本体ハウジング6は、左右の半割ハウジング6a,6bを有する。この半割ハウジング6a,6bは、左右方向に延びる複数のネジ8,8・・を用いて固定される。
ハンドル3の下端には、バッテリー装着部31が形成される。このバッテリー装着部31には、バッテリーパック5が前方からスライド装着される。バッテリー装着部31には、図示しない端子台が設けられる。この端子台には、バッテリーパック5が電気的に接続される。バッテリー装着部31の内部で端子台の上方には、コントローラ32が収容されている。このコントローラ32は、制御回路基板を備える。制御回路基板には、ブラシレスモータ9の制御用のマイコンや、スイッチング素子等が搭載される。
表示部33aと操作部33bとの間には、LEDの光を表示可能なランプ部が配置される。ランプ部は、上記のクラッチ作動トルクを設定可能な状態では、LEDが点滅する。また、電子クラッチが作動した際には、LEDが点灯する。
操作表示パネル33を含むバッテリー装着部31の上面は、前方へ行くに従って上昇する勾配が付されている。この前上がり傾斜により、作業者がハンドル3の後側から操作表示パネル33を見やすくなっている。
このギヤアッセンブリ25は、第2ギヤケース41が本体ハウジング6に複数のネジ46,46・・(図1,3)によって前方からネジ止めされることで、本体ハウジング6に固定される。回転軸19の前端は、ブラケット板47を貫通する。ブラケット板47は、軸受48を保持する。回転軸19の前部は、軸受48により回転可能に支持される。回転軸19の前端には、ピニオン49が固定されている。なお、第2ギヤケース41の大径筒部43内には、結合リング54が保持される。この結合リング54の内側にはギヤ部54A(図6)が形成される。
3つの遊星ギヤ53Aは、ピニオン49とインターナルギヤ51Aに噛み合う。キャリア52Aは、3つの遊星ギヤ53Aを支持する。キャリア52Aの前部には、太陽歯車52A1が形成されている。また、キャリア52Aの後部の外周には、ギヤ部52A2が形成されている。
3つの遊星ギヤ53Bは、太陽歯車52A1とインターナルギヤ51Bに噛み合う。インターナルギヤ51Bは、第1ギヤケース40内で、前後方向へ移動可能となっている。キャリア52Bは、3つの遊星ギヤ53Bを支持する。キャリア52Bの前部には、太陽歯車52B1が設けられている。なお、インターナルギヤ51Bは、前進位置では、結合リング54のギヤ部54Aと噛合可能となっている。
4つの遊星ギヤ53Cは、太陽歯車52B1とインターナルギヤ51Cと噛み合う。キャリア52Cは、4つの遊星ギヤ53Cを支持する。
インターナルギヤ51Bの後半部には、速度切替リング55が外装される。この速度切替リング55は、第1ギヤケース40内で回転規制された状態で前後移動可能である。インターナルギヤ51Bと速度切替リング55は、複数の結合ピン56,56によって前後方向で一体に結合されている。
この速度切替リング55と一体的に、上方へ連結片57が突設される。この連結片57は、速度切替レバー58に、前後のコイルバネ59,59を介して連結される。この構成により、速度切替レバー58は、本体ハウジング6の上面で前後へスライド可能となる。
この速度切替レバー58が前方に移動すると、連結片57(及び速度切替リング55)が前方に移動する。速度切替リング55が前方に移動すると、インターナルギヤ51Bが前方に移動する。
上記した構造により、変速機構が構成されている。
逆に速度切替レバー58を前方へスライドさせると、図6に示すように、速度切替リング55が前方に移動する。速度切替リング55が前方に移動すると、インターナルギヤ51Bは前方に移動する。このインターナルギヤ51Bの前方への移動により、ギヤ52Aとの噛み合いが外れる。すると、インターナルギヤ51Bは、2段目の遊星ギヤ53Bとの噛合を保ったまま結合リング64のギヤ部54Aに噛合して回転規制される。よって、2段目の減速が機能する低速モード(1速)となる。
コントローラ32は、コイル14に流れる電流値を取得し、センサ回路基板17の回転検出素子によりロータ11の回転数を取得している。この電流値及び回転数により、出力トルクを推定している。推定された出力トルクが、後述するクラッチ作動トルク以上となった場合に、ブラシレスモータ9の回転を停止させる電子クラッチ機能が実行される。なお、この回転の停止は、コイル14への通電を停止することにより行われる。この電子クラッチを作動させる際、コントローラ32は、速度位置検出基板61から得られる高速/低速モードの判別結果に基づいて、何れのモードでもクラッチ作動トルクが等しくなる部分が生じるようにギヤ比の差分を補正している。
クラッチ作動トルクは、バッテリー装着部31の前端に設けられたダイヤル65の回転操作により設定可能となっている。図7に示すように、ロッド66が、コントローラ32の前方で、半割ハウジング6a,6bによって左右方向に保持される。ロッド66は、ダイヤル65を貫通する。ダイヤル65は、ロッド66により正逆何れの方向へも360度以上回転可能に支持される。ダイヤル65は、外周に軸方向へ延びる凹凸形状を付した筒状体である。ダイヤル65の前側及び上側は、バッテリー装着部31から露出している。ダイヤル65が隠れる本体ハウジング6の外面には、図4に示すように、ダイヤルの周面と対向する円弧状の凹み6cが形成されている。
ロッド66は、半割ハウジング6a,6bの対向面にそれぞれ形成された支持凹部67,67によって左右両端が保持される。ダイヤル65の右側には、筒マグネット68が配置される。ロッド66は、筒マグネット68を貫通している。この筒マグネット68の左部は、図8に示すように、ダイヤル65の右端面に設けた右側凹部69の内周側に配置される。筒マグネット68は、切欠き68aを有する。この切欠き68aは、右側凹部69に設けた突起69aに係合する。切欠き68aを突起69aに係合した状態で、筒マグネット68は、ダイヤル65から軸方向にずれた位置で、ダイヤル65に接着剤により固定される。
カム70の左側で、コイルバネ73がロッド66に貫通される。コイルバネ73は、カム70が支持凹部67に回り止めされた状態で、カム70を右側に付勢する。この付勢により、カム70が、ダイヤル65の左端面に設けた左側凹部74に挿入されている。カム70の右部には、カム面70aが形成される。左側凹部74の左部には、カム面74aが形成されている。カム面70a及びカム面74aは、コイルバネ73の付勢力により接触する。よって、ダイヤル65を回転操作すると、回転規制されるカム70との間でカム面70a,74a同士が係合することで、ダイヤル65にはクリック感が生じる。
コントローラ32は、図9(A)に示すように、サブ制御基板34を備えている。サブ制御基板34は、ダイヤル65の後方で前後左右に延びている。サブ制御基板34は、コントローラ32の制御回路基板及び操作表示パネル33と電気的に接続されている。サブ制御基板34の上面において、筒マグネット68と対向する位置には、ホール素子等の磁気センサ35が設けられている。磁気センサ35は、筒マグネット68の回転による磁界の変化を検出する。コントローラ32は、検出した磁界の変化に基づいてダイヤル65の回転方向及び回転角度を取得する。この回転方向及び回転角度により決定されるクラッチ設定段数に対して予め設定されたトルクを、電子クラッチを作動させるクラッチ作動トルクとしてブラシレスモータ9の回転を停止させる。
図10(A)~図10(F)を参照し、高速モードでのクラッチ作動トルクは点線で示し、低速モードでのクラッチ作動トルクは実線で示される。
図10(A)の例では、グラフ中の点線は、高速モードでのクラッチ設定段数と、クラッチ作動トルクとの関係を示している。また、グラフ中の実線は、低速モードでのクラッチ設定段数と、クラッチ作動トルクとの関係を示している。他の図10(B)から図10(F)においても、点線/実線は、それぞれ高速モード/低速モードに対応している。
図10(A)では、低速/高速モード何れにおいても1-21段ではクラッチ作動トルクの大きさが同じとなるように、クラッチ設定段数が決定されている。すなわち、クラッチ設定段数が1のときの低速でのクラッチ作動トルクTL1と、クラッチ設定段数が1のときの高速でのクラッチ作動トルクTH1とは同一である。また、クラッチ設定段数が21のときの低速でのクラッチ作動トルクTL21と、クラッチ設定段数が21のときの高速でのクラッチ作動トルクTH21とは同一である。その間のクラッチ段数が2から20の間でも同一である。
実線で示す低速モードでは、点線で示す高速モードよりも22-41段までさらに設定段数が多くなっている。このため、クラッチ設定段数が41のときの低速でのクラッチ作動トルクTL41は、高速でのクラッチ作動トルクの最大値であるTH21よりも大きくなっている。
低速モードにおける22-41段でのトルクの上昇勾配は、低速モードにおける1-21段での上昇勾配よりも大きく設定されている。この上昇勾配の設定により、低速モードにおいて、クラッチ段数が41段であっても、高いトルクが選択可能となる。すなわち、同じクラッチ設定段数の違いが20であっても、(TL41-TL21)>(TL21-TL1)の関係となっている。なお、各モードでのダイヤル65の回転操作によるクラッチ設定段数は、操作表示パネル33の表示部33aに表示される。
図10(A)のように構成すると、作業者が、低速と高速とを切り替えた際に、1-21段の間に作動トルクが変化しないため、混乱することがない。また、高いトルクが必要な際には、低速の22-41段を使用すればよい。
図10(B)の例では、低速モードにおける、1-41段のクラッチ作動トルクの勾配は、図10(A)と同じである。また、図10(B)の例では、高速モードにおける、1-21段のクラッチ作動トルクの勾配は、図10(A)と同じである。図10(B)の例では、高速モードにおいて、1-21段のクラッチ作動トルクの勾配を変えずに、22段-41段まで選択可能としている。すなわち、TL1とTH1とは同じであり、TL21とTH21とは同じである。(TH41-TH21)=(TH21-TH1)である。TL41>TH41である。当然、低速モードと高速モードとで勾配が異なるので、(TL41-TL21)>(TL21-TL1)となっている。
但し、図10(A)(C)の設定では、低速モードで選択できる段数が高速モードにない。このため、図10(A)(C)では、低速-高速間で切り替えた際のトルク設定として、低速/高速モード間で互いに対応する段数をそれぞれ保存しておく対応が考えられる。例えば図10(A)では、低速22-41段をそれぞれ高速1-21段と一対一で対応させて低速-高速間での切替を行うことが考えられる。
また、別案として、高速の上限を超えている低速の段数から高速に切り替えると、常に高速の最大トルクの段数に戻るようにする対応も考えられる。例えば図10(A)では、低速22段以上から高速へ切り替えると常に高速21段にすることが考えられる。
その他、図10(E)に示すように、低速モードの1-21段と高速モードの1-21段とを同じ段数でもトルクの設定範囲が異なるように(ここでは高速21段と低速1段とを同じトルクとして同じ上昇勾配としている)してもよい。ここで、TL1=TH21である。また、(TL21-TL1)=(TH21-TH1)の関係となっている。
また、図10(F)に示すように、低速モードと高速モードとをそれぞれ1-41段としてもトルクの設定範囲が異なるようにする。これと共に、低速モードの上昇勾配を途中から大きくして低速モードでのトルクの設定範囲をより大きくすることもできる。すなわち、(TH41-TH21)=(TH21-TH1)である。また、(TL41-TL21)>(TL21-TL1)である。当然、TL41>TH41であり、TL21>TH21であり、TL1=TH1である。
また、ダイヤル65の左側凹部74は、小径部75の先端よりも奥側へ形成される。これにより、カム70は、ダイヤル65と半割ハウジング6aとに跨がる格好で配置される。よって、ダイヤル65とカム70との間に粉塵が侵入しにくくなる。粉塵が侵入しにくくなるので、カム面70a及びカム面74aが摩耗するおそれが低減される。
モード切替リング42は、第2ギヤケース41の小径筒部44へ回転可能に装着される。モード切替リング42の回転操作により、震動ドリルモード、ドリルモード、クラッチモード(ドライバモード)がそれぞれ選択可能となっている。震動ドリルモードは、スピンドル26が回転しながら軸方向に震動するものである。ドリルモードは、スピンドル26が回転のみ行うものである。クラッチモード(ドライバモード)は、ダイヤル65で設定したクラッチ作動トルクに達したら、モータを停止するものである。
以下、各動作モードの切替構造について説明する。
ロックカム81は、図11にも示すように、筒状のロックリング82内で回転可能に設けられる。このロックリング82の外側には、3つの爪82a,82a・・が形成されている。3つの爪82a,82a・・は、小径筒部44に係合する。これにより、ロックリング82は、小径筒部44に対して回転規制される。
三段目のキャリア52Cの前面には、図示しない複数の爪が設けられる。この複数の爪は、一対の係合部83,83と係合する。この係合により、キャリア52Cから、スピンドル26に回転が伝達される。そして、ブラシレスモータ9の停止状態でビットの着脱のためにドリルチャック4を回転させる際には、爪の間に設けた一対の楔ピン85,85がロックカム81の側面の面取部とロックリング82との間に噛み込むことでスピンドル26の回転をロックする構造となっている。
このため、コイルバネ86によって、スピンドル26は、前方に付勢されている。この付勢力によって、第1カムと共に止め輪87が、前軸受80Aに当接する前進位置に移動している。小径筒部44の前面には、前方から4本のネジ88,88・・によって円盤状の止め板89が固定されている。この止め板89の後面は、モード切替リング42の前面に接触している。これにより、モード切替リング42は、小径筒部44に対して、前方に外れない。止め板89の外周には複数(3つ)の凹部90,90・・が形成される。モード切替リング42の前端内面には、リーフスプリング91が固定されている。リーフスプリング91の内径側に延びる凸部91Aが、凹部90に弾性係止してクリック作用を生じさせる。
小径筒部44内で後軸受80Bの前側には、受けリング97が配置される。この受けリング97は、Cリング96を用いて、第2ギヤケース41に対して、軸方向移動規制・回転規制されている。受けリング97の前面には、複数のスチールボール98,98・・が配置される。複数のスチールボール98,98・・・の前面には、リング状の受けワッシャー99が配置される。この受けワッシャー99は、第2カム93の後面に当接する。第2カム93は、段部94と受けワッシャー99との間で前後移動を規制された状態で回転可能に保持される。
そして、震動切替リング100は、それぞれカム突起102、規制突起103及び係合爪105を1つずつ有する3つの正面視円弧状の分割体100A~100Cに分割されている。
6本の押圧ロッド110は、ワッシャー111の周方向に沿って均等に配置される。震動切替リング100の分割体100Aの後方には、2本の押圧ロッド110が配置される。分割体100Bの後方には、他の2本の押圧ロッド110が配置される。分割体100Cの後方には、他の2本の押圧ロッド110が配置される。
押圧ロッド110の外周側には、コイルバネ112が設けられる。コイルバネ112の後端は、受け孔44aに嵌合される。またコイルバネ112の前端は、押圧ロッド110の前端に設けた大径の頭部110aに係合する。
よって、各押圧ロッド110は、コイルバネ112により前方に付勢される。頭部110aは、ワッシャー111を前方側に押圧する。ワッシャー111は、震動切替リング100を前方側に付勢する。震動切替リング100は、カムリング106を前方に付勢している。これによりカムリング106は、止め板89に当接する。
リング溝101内のカム突起102にカム溝108が嵌合するカムリング106の周方向位置では、震動切替リング100は前進する。震動切替リング100の前進位置では、係合爪105が第2カム93の噛み合い突起95に係合される。この係合により、第2カム93の回転は規制される。
カム突起102からカム溝108が外れるカムリング106の周方向の位置では、震動切替リング100は、後退する。震動切替リング100の後退位置では、係合爪105が後方に移動する。このため、係合爪105が、噛み合い突起95と係合しないこととなる。これにより、第2カム93の回転規制は解除される。
震動切替リング100が、3つに分割されることで、小径筒部44への組み付けが径方向外側から容易に行える。
また、震動切替リング100は、横断面U字状であり、カムリング106の後部が断面U字状の中に配置されることになる。このように、震動切替リング100とカムリング106を、径方向でオーバーラップさせている。このため、震動切替リング100とカムリング106の軸方向の寸法がコンパクトとなる。
クラッチリング115の下面には、後向きに延びる突出部117が形成される。突出部117の下面には凹み部117Aが形成されている。この凹み部117Aには、図5,6,11に示すようにマグネット(永久磁石)118が埋め込まれている。
マグネット118の下方側で、ライト30の上方には、磁気センサ120(例えばホールIC)が配置されている。なお、マグネット118と磁気センサ120の間には、第2ギヤケース41の下側部分が配置されている。
本体ハウジング6は、リブ64を有する。このリブ64は、クラッチ検出基板119を前後方向に支持している。このクラッチ検出基板119の上面には、上記した磁気センサ120(例えばホールIC)が搭載されている。
また、速度位置検出基板61は、4本のリード線(図6では束ねた状態のリード線L2として示す)の一端が接続される。この4本のリード線は、+(プラス)線,-(マイナス)線,第1信号線,第2信号線である。第1信号線は、磁気センサ120からの信号を伝達する。第2信号線は、磁気センサ62の信号を伝達する。また、この4本のリード線は、コネクタ121に接続される。このコネクタ121は、ブラシレスモータ9の下方に配置されている。
以上のようなリード線L1~L3の構成により、仮に、クラッチ検出基板119又は速度位置検出基板61が破損した場合には、コネクタ121を外すことができる。コネクタ121を外した後に、新しいクラッチ検出基板119又は速度位置検出基板61に取り換えることができる。このような構成により、クラッチ検出基板119,速度位置検出基板61及びコントローラ32を一体的に取り換える必要がなくなる。
まず、モード切替リング42を正面視で最も左回転させた回転位置とする。この回転位置では、カムリング106のカム溝108にカム突起102が嵌合するため、震動切替リング100は前進している。係合爪105は、第2カム93の噛み合い突起95の間に位置される。このため、震動切替リング100は、第2カム93の回転を規制する。
この状態で、作業者がトリガ28を引く。すると、ロータ11が回転することで、スピンドル26が回転する。このスピンドル26が回転した状態で、ドリルチャック4に取り付けたビットを、作業者が被加工材に押し付ける。すると、ドリルチャック4が後方へ移動し、ドリルチャック4と共にスピンドル26が後方へ移動する。よって、スピンドル26と共に第1カム92が後退することになる。なお、スピンドル26は、ロックリング82にスプライン結合しているために、前後動が許容されている。
このときクラッチリング115は、図12に二点鎖線で示すように、突出部117及びマグネット118を磁気センサ120から周方向左側へ離間させた回転位置Aとなっている。この回転位置Aでは、コントローラ32は、スピンドル26への負荷にかかわらず電子クラッチを作動させない。すなわち、コイル14への通電を止めることはせず、コイル14への通電を継続する。
このとき、クラッチリング115は、図12の回転位置から約30度回転されることになる。図12に実線で示すように、突出部117及びマグネット118が配置される。すなわち、マグネット118を磁気センサ120の真上に位置させた回転位置Bとなる。この回転位置Bでは、第2カム93が回転するため、第1カム面92aと第2カム面93a同士で係合したとしても震動が発生しない。
ここで、ダイヤル65の回転操作によって選択される段数に基づいて決定されるクラッチ作動トルクで、コントローラ32が電子クラッチを作動さることになる。すなわち、所定のクラッチ作動トルクで、ブラシレスモータ9の回転を停止させるクラッチモードとなる。
以上の如く構成された震動ドライバドリル1においては、作業者がトリガ28を押し込み操作してスイッチ27をONさせる。スイッチ27がONされることにより、コントローラ32のマイコンが、6つの各スイッチング素子をON/OFFし、コイル14への通電を開始する。コイル14の通電により、ステータ10に磁界が発生する。この磁界により、ロータ11の永久磁石20が引き付け・反発し、ロータ11が回転する。
センサ回路基板17の回転検出素子は、永久磁石20の位置を示す回転検出信号を出力する。この出力により、ロータ11の回転状態を取得する。コントローラ32のマイコンは、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のON/OFFを制御する。このスイッチング素子のON/OFFにより、ステータ10の各相のコイル14に対し順番に電流が流れる。これにより、ロータ11は回転を続け、ロータ11の回転により回転軸19が回転する。この回転軸19の回転によりピニオン49が回転し、ピニオン49の回転は、減速機構50を介してスピンドル26を回転させる。よって、ドリルチャック4に把持したビットにより、選択した動作モードでの使用が可能となる。
一方、モード切替リング42によってクラッチモード又はドリルモードを選択していると、前述のように震動切替リング100は後退位置にある。よって、第2カム93の回転規制を解除している(第2カムは回転可能な)ため、被加工材に押し込まれて後退したスピンドル26と共に回転する第1カム92が第2カム93と共に回転する。すなわち、震動は発生しない。
そして、クラッチモードでは、前述のように変速機構において速度切替リング55で選択した低速/高速モードの何れかを検出する。この検出結果により、速度位置検出基板61を介してコントローラ32が検出する。検出した速度に応じて図10で設定されたクラッチ作動トルクで、ブラシレスモータ9と共にスピンドル26の回転を停止させることになる。
上記形態の震動ドライバドリル1では、ブラシレスモータ9(モータ)を備える。また、ブラシレスモータ9により駆動される遊星ギヤ53B(遊星歯車)を備える。また、遊星ギヤ53Bと噛み合い、軸方向に前後移動可能な変速用のインターナルギヤ51B(内歯歯車)を備える。また、遊星ギヤ53Bと噛み合うキャリア52A(太陽歯車)を備える。また、キャリア52Aにより回転駆動されるスピンドル26(出力軸)を備える。そして、インターナルギヤ51Bの前後移動を検知可能な磁気センサ62(センサ)を、キャリア52Aの径方向下側に配置している。
これらの構成により、インターナルギヤ51Bの径方向下側のスペースを利用して磁気センサ62(速度位置検出基板61)を配置することができる。よって、電子クラッチを採用しても変速モードをコンパクトな構成で検出可能となる。
また、磁気センサ62は、第1ギヤケース40の下方に配置されている。この第1ギヤケース40の下方は、本体ハウジング6内におけるデッドスペースDS(図6)になっている。磁気センサ62は、このデッドスペースDSに配置されることになる。よって、磁気センサ62を、DS以外、例えば、本体ハウジング6の上側に置くのに比べ、本体ハウジング6がコンパクトになる。
また、速度位置検出基板61からの速度位置検出信号は、スイッチ27よりも下方に設けられるコントローラ32が受け取ることになる。仮に、磁気センサ62を本体ハウジング6の上側に置くと、信号を伝達するためのリード線が長くなってしまうことになる。すなわち、磁気センサ62が、例えば第1ギヤケース40の上側に配置されるのに比べ、リード線を短くできる。
マグネット60は、第1ギヤケース40の内部に配置されている。このため、マグネット60が第1ギヤケースの外部に配置される場合に比べ、マグネット60に、鉄粉などが付着することが少なくなる。特に、マグネット60(永久磁石)と磁気センサ62との間に樹脂製の第1ギヤケース40(ギヤケース)が配置される。よって、磁気センサ62の検知に影響を及ぼさない。磁気センサ62はコネクタ121を介してコントローラ32に接続されてブラシレスモータ9の制御を変更するので、磁気センサ62とコントローラ32とを一体的に取り換える必要がなくなる。
これらの構成により、スピンドル26の径方向外側のスペースを利用してマグネット118と磁気センサ120(クラッチ検出基板119)とを配置することができる。よって、電子クラッチを採用してもクラッチモードをコンパクトな構成で検出可能となる。
仮に、マグネット118の後方側に磁気センサ120が置かれる場合には、その前後方向の長さが大きくなる。しかし、マグネット118の下方側に、磁気センサ120が配置されているので、前後方向のコンパクト化が図られている。
磁気センサ120は、コネクタ121を介してコントローラ32に接続されて、コントローラ32は、磁気センサ120の検知により、ブラシレスモータ9の制御を変更可能である。よって、磁気センサ120とコントローラ32とを一体的に取り換える必要がなくなる。
磁気センサ120とマグネット118との間には、アルミニウム製の第2ギヤケース41(ギヤケース)が配置される。よって、磁気センサ120の検知に影響を与えずに剛性を確保できる。
被検知部をマグネット118(永久磁石)として、クラッチリング115(保持部材)に形成されて下向きに開口する凹み部117Aに保持している。よって、マグネット118を検知しやすい位置に配置できる。
磁気センサ120の下方には、ドリルチャック4付近を照射可能なライト30が配置され、ライト30の下方には、トリガ28が配置されている。よって、作業箇所を確実に照射できる。
また、クラッチリングを省略してモード切替リングに直接マグネットを設けてもよい。減速機構の段数も上記形態に限らず、変速に係る前後移動可能なインターナルギヤを他の段としてもよい。
さらに、マグネット及び磁気センサによる検知に限らない。接触式のセンサであってもかまわない。非接触の場合には、検知可能であれば光電式等のセンサ及び被検知部も採用できる。
そして、変速機構における磁気センサの配置に係る発明は、上記形態の震動ドライバドリルに限らず、ドライバドリルやドリル等、変速機構を備えた回転工具であれば適用可能である。アングル工具でも差し支えない。
また、クラッチモードにおける磁気センサの配置に係る発明も、上記形態の震動ドライバドリルに限らず、震動機構を備えないドライバドリルやアングル工具であっても適用可能である。
上記形態の震動ドライバドリル1では、ブラシレスモータ9(モータ)を備える。また、ブラシレスモータ9の回転により回転駆動されるスピンドル26(出力軸)を備える。また、ブラシレスモータ9とスピンドル26との間に、スピンドル26の回転速度を低速モードと高速モードとに切替可能な変速機構を備える。また、スピンドル26に加わるトルクが所定のクラッチ作動トルクに達するとブラシレスモータ9の回転を停止させるコントローラ32(制御手段)を備える。また、コントローラ32へクラッチ作動トルクの設定を所定の大小範囲内で指示可能なダイヤル65(トルク指示手段)を備える。
そして、コントローラ32では、大小範囲の各値とクラッチ作動トルクとの関係を、例えば図10(A)に示すように、1-21段(値が低い領域)では低速モードと高速モードとでクラッチ作動トルクの変化が同じとなるようにそれぞれ設定している。また、22-41段(値が低い領域以外の他の領域)では、低速モードの方が高速モードよりも高いクラッチ作動トルクとなるように設定している。
特にここでは、コントローラ32における低速モードでのクラッチ作動トルクは、1-21段よりも22-41段の方が大きな上昇勾配で設定されている。よって、広範囲のトルク設定が可能となり、使い勝手の向上に繋がる。
また、図10(A)(C)に示すように、クラッチ設定段数が大きい領域(ここでは22段以上)では、低速モードのみクラッチ設定段数を選択可能として、当該大きい領域では、低速モードの方が高速モードよりも高いクラッチ作動トルクとなるようにしている。よって、低速モードでの高いクラッチ作動トルクが確実に選択できる。
これらの構成により、低速モードでも高速モードよりも高いクラッチ作動トルクの選択が可能となる。
図10(C)では、高速モードの第2のトルク設定段数(1-21段)を、低速モードの第1のトルク設定段数(1-41段)よりも小さくし、低速モードにおいては、第2のトルク設定段数(1-21段)の間におけるクラッチ作動トルクの勾配を、第2のトルク設定段数から第1のトルク設定段数の間(22-81段)におけるクラッチ作動トルクの勾配と同じ設定としている。よって、クラッチ設定段数とクラッチ作動トルクとが比例して変化し、使いやすくなる。
特に、図10(B)では、高速モードにおいて、トルク設定段数が大きい領域(22-41段)におけるクラッチ作動トルクの勾配と、トルク設定段数が小さい領域(1-21段)におけるクラッチ作動トルクの勾配とを同じとして、低速モードにおいて、トルク設定段数が大きい領域(22-41段)におけるクラッチ作動トルクの勾配を、トルク設定段数が小さい領域(1-21段)におけるクラッチ作動トルクの勾配よりも大きくなるようにそれぞれ設定している。よって、同じ設定段数でも段数が大きくなるとクラッチ作動トルクの違いが出る。
特に、図10(D)では、高速モードにおいて、トルク設定段数が大きい領域(22-41段)においては、クラッチ作動トルクの勾配をゼロとし、低速モードにおいて、トルク設定段数が大きい領域(22-41段)におけるクラッチ作動トルクの勾配と、トルク設定段数が小さい領域(1-21段)におけるクラッチ作動トルクの勾配とが同じとなるようにそれぞれ設定している。よって、同じ設定段数でも段数が大きくなるとクラッチ作動トルクの違いが出る。
特に、図10(E)では、低速モードにおけるトルク設定段数の最小段数(1段)におけるクラッチ作動トルクを、高速モードにおけるトルク設定段数の最大段数(21段)におけるクラッチ作動トルクと同じに設定している。よって、同じ設定段数でもクラッチ作動トルクの違いが大きくなる。
特に、図10(F)では、低速モード及び高速モードにおけるトルク設定段数の最小段数(1段)におけるクラッチ作動トルクを同じとして、トルク設定段数が大きくなると、そのクラッチ作動トルクの違いが大きくなるように設定している。よって、トルク設定段数が大きい領域では速度ごとのクラッチ作動トルクの変化が大きくなる。
また、ダイヤルをハンドルの上側に設ける等、他の場所に配置しても差し支えない。ダイヤル自体の構造も、ロッドをなくしてダイヤルの両端へ軸部を一体に設けてハウジングに支持させることもできる。カムと筒マグネットとは左右逆に配置してもよい。カムと筒マグネットを上下方向に並べて配置してもよい。カムやコイルバネをなくして板バネ等でクリック感を生じさせてもよい。筒マグネットをなくしてダイヤルに直接マグネットを埋め込んでもよい。
また、ダイヤルに限らない。例えば操作表示パネルに設けたボタンの押し操作により数値を変更可能とする等、他の入力方式も採用できる。
そして、クラッチ作動トルクに設定に係る発明は、震動ドライバドリルに限らず、震動機構を備えないドライバドリルにも適用可能である。
上記形態の震動ドライバドリル1では、本体ハウジング6(ハウジング)を備える。また、本体ハウジング6内に収容されるブラシレスモータ9(モータ)を備える。また、ブラシレスモータ9の回転により回転駆動されるスピンドル26(出力軸)を備える。また、ブラシレスモータ9の回転制御を変更するために軸方向の両端が本体ハウジング6へ回転可能に支持されて回転操作可能なダイヤル65を備える。そして、本体ハウジング6とダイヤル65との間に、軸方向の両端からの粉塵の侵入を抑制するための小径部75及び被り部76(抑制手段)が設けられている。
これらの構成により、電子クラッチの設定用のダイヤル65を設けても良好な操作性と耐久性とが維持可能となる。
また、小径部75を筒状としてその内側に、ダイヤル65の回転時に係合してクリック感を生じさせるカム70(カム部材)を、本体ハウジング6とダイヤル65との間に跨がって配置している。よって、カム70の外周でも隙間が屈曲するラビリンス構造となり、粉塵の侵入抑制により効果的となる。
筒マグネット68は、ダイヤル65に対して、軸方向においてずれた位置に配置されている。よって、筒マグネット68に鉄粉等が吸着しても、ダイヤル65の回転操作には支障を与えない。
ダイヤル65は、回転方向の一方向側と他方向側とにそれぞれ360度以上回転可能である。よって、クラッチ作動トルクの設定操作が容易に行える。
ダイヤル65は、その表面に凹凸形状を有しており、ダイヤル65の横断面方向で本体ハウジング6には、ダイヤル65の周面と対向する円弧状の凹み6cが形成されている。よって、ダイヤル65と凹み6cとの隙間に異物が侵入しても、ダイヤル65の回転操作に伴って排出されやすくなる。
これらの構成により、クリック感を生じさせるカム70をコイルバネ73によって常時ダイヤル65に係合させることができる。よって、電子クラッチの設定用のダイヤル65を設けても良好な操作性や耐久性を維持することができる。
また、ダイヤルやロッド、カム等に係る変更は、クラッチ作動トルクの設定に係る発明の変更例で説明したものと同様に可能である。
さらに、ダイヤルの操作性に係る発明は、上記形態の震動ドライバドリルに限らず、震動機構を備えないドライバドリル等の他の電動工具にも適用可能である。他の電動工具の例としては、マルチツールやグラインダ、レシプロソーなどがある。電子クラッチの設定用のダイヤルにも限定されない。
Claims (8)
- モータと、
前記モータにより駆動される遊星歯車と、
前記遊星歯車と噛み合い、軸方向に前後移動可能な変速用の内歯歯車と、
前記遊星歯車と噛み合い、前後方向に延びる太陽歯車と、
前記太陽歯車により回転駆動され、前後方向に延びる出力軸と、
前記内歯歯車を前後移動操作する速度切替部材と、
前記速度切替部材に設けられた永久磁石と、
前記永久磁石を検知することで前記内歯歯車の前後移動を検知可能な磁気センサと、を含み、
前記磁気センサは、前記太陽歯車の下方に配置されており、
前記永久磁石と前記磁気センサとの間には、前記遊星歯車、前記内歯歯車、前記太陽歯車、前記速度切替部材を収容する樹脂製のギヤケースが配置される回転工具。 - 前記モータを制御するコントローラを有し、
前記磁気センサは、コネクタを介して前記コントローラに接続されており、
前記コントローラは、前記磁気センサの検知により、前記モータの制御を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。 - モータと、
前記モータにより回転駆動されて前後方向に延びる出力軸と、を有し、
トルクにかかわらず前記出力軸の回転を維持させるドリルモードと、前記出力軸の回転を所定のトルクで遮断させるクラッチモードとを含む少なくとも2つの動作モードが、前記出力軸を中心としたモード切替部材の回転操作によって選択可能で、
前記2つの動作モードのどちらであるかを検知するためのセンサと被検知部とが設けられると共に、前記センサは、前記出力軸の所定の半径方向で前記モード切替部材よりも外側に配置され、前記被検知部は、前記半径方向で前記センサよりも内側を通る同心円上で前記モード切替部材へ直接又は間接的に設けられて、前記モード切替部材の回転操作に伴う前記被検知部の移動を前記センサが検知するドライバドリル。 - 前記2つの動作モードの他に、震動ドリルモードが選択可能であり、
前記センサは、前記ドリルモードと前記震動ドリルモードとを一方の動作モードとして検知し、前記クラッチモードを他方の動作モードとして検知することを特徴とする請求項3に記載のドライバドリル。 - 前記モータを制御するコントローラを有し、
前記センサは、コネクタを介して前記コントローラに接続されており、
前記コントローラは、前記センサの検知により、前記モータの制御を変更可能であることを特徴とする請求項3に記載のドライバドリル。 - 前記モータと前記出力軸との間には、減速機構が配置されると共に、前記減速機構を収容するアルミニウム製のギヤケースが設けられて、前記ギヤケースは、外側に大径筒部、内側に小径筒部を同心円上に備えた二重筒形状を有しており、
前記出力軸の径方向外側に前記小径筒部が位置し、前記小径筒部と前記大径筒部との間に前記被検知部が位置し、前記大径筒部の径方向外側に前記センサが位置していることを特徴とする請求項3に記載のドライバドリル。 - 前記被検知部は、永久磁石であり、
保持部材に形成されて下向きに開口する凹み部に保持されることを特徴とする請求項3に記載のドライバドリル。 - 前記センサの下方には、前記出力軸付近を照射可能なライトが配置され、
前記ライトの下方には、トリガが配置されていることを特徴とする請求項3に記載のドライバドリル。
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