JP7323558B2 - 縫合糸クリップ - Google Patents

Description

本出願は、参照によってその全体的開示が組み込まれる、２０１８年７月２日出願の米国特許出願第６２／６９３，２７２号の利益を主張する。関連する縫合糸クリップならびに縫合糸クリップ展開装置およびその方法を説明する（２０１６年７月３０日出願の米国特許出願公開第２０１６／０１８３９３７号として公開された）米国特許出願第１４／７５７，９３８号の全体的開示は、すべての目的に合わせて参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。本出願はまた、２０１５年９月２９日出願の米国特許出願第１４／８６８，７４１号、２０１４年１１月１７日出願の米国特許出願第１４／５４３，２４０号、米国特許第９，０１７，３４７号、米国特許第９，４９８，２０２号、２０１４年６月１８日出願の米国特許出願第１４／３０７，６９４号、２０１４年７月１１日出願の米国特許出願第１４／３２９，７９７号、２０１５年１２月１０日出願の米国特許出願第１４／９６５，３２３号、および２０１５年３月１６日出願の米国特許出願第１４／６５８，５７５にも関連し、全文献は、すべての目的に合わせて参照によって本明細書に全体的に組み込まれる。

本開示は、縫合糸クリップならびに縫合糸クリップを使用して縫合糸を固定するための装置および方法に関する。

縫合糸は、組織の近接および組織の結紮などのさまざまな手術目的のために使用されている。縫合糸を配置するとき、使用される縫合糸材料のストランドは、通常、一方の端部に取り付けられた針を有し、この針は、近接させるか、または結紮される組織を通り抜け（ループ状に囲み）、それによってステッチを形成する。ステッチは、次いで、適切に引っ張られ、縫合糸ループの２つの自由端部、すなわち針端部および非針端部が結ばれて、ステッチ内に所望の引張力を保持する。開腹手術中に縫合糸内に結び目を形成することは、時間はかかるが簡単なことであるが、内視鏡手術中に縫合糸内に結び目を形成するには、２人の手術医が複数ステッププロセスにおいて協働することが必要となる可能性があり、この複数ステッププロセスは、複数の器具を用いて、針および縫合糸を前後に通して縫合糸の結び目を作るように実施される。

縫合糸ロッキング装置は、結び目を作る必要性を解消して、手術処置を高速化することができる。縫合糸クリップ、保持器、またはロックが、縫合糸の結び目の代わりに使用されて、縫合糸端部が組織内に入り組織を通り抜けることを防止し、縫合処置中に縫合糸材料に対してかけられた引張力を維持する。

クリップを使用して縫合糸を固定する方法を使用するとき、クリップを縫合線に沿って対象の領域まで進め、次いでクリップが縫合糸を所定の場所に固定するようにクリップを縫合糸に係合させることによって、クリップを送達することができる。クリップをこうして固定した状態で、余分な縫合糸を切り、患者から取り出すことができる。しかし、処置中の複数の縫合糸クリップの展開は、非常に時間がかかり、失敗無く達成することが難しく、引張がクリップごとにばらつく傾向があり得る。

装置を停止させて再装填する必要無く、いくつかの連続する縫合糸クリップを縫合糸上に展開するために、複合縫合糸クリップ展開システムが使用可能であり、開発されてきた。そのような装置はまた、固定された縫合糸に確実に一定の引張を加えることもできる。いくつかの展開装置では、いくつかの縫合糸クリップが、共通レールに沿って装着される。各クリップは、２つの対向するタブを含む内部開口部を含むことができ、この２つのタブは撓んで開いて、レールを開口部に通して配置することを可能にし、それによってタブが押し開かれた状態でレール周りに縫合糸クリップを装着することが可能になる。各クリップがレールから縫合糸上に展開される度に、タブは、弾性的に撓んで閉じ、縫合糸を挟み、組織を通って引き戻されないように縫合糸を固定する。

しかし、レール上に装着された縫合糸クリップがレール上で位置ずれする可能性があり、それによってレールから展開されたとき、縫合糸クリップは不発に終わる。その結果、展開装置は詰まる可能性があり、および／またはその結果、クリップは意図した通りに縫合糸を適切に固定しない可能性がある。

米国特許出願第１４／７５７，９３８号 米国特許出願公開第２０１６／０１８３９３７号 米国特許出願第１４／８６８，７４１号 米国特許出願第１４／５４３，２４０号 米国特許第９，０１７，３４７号 米国特許第９，４９８，２０２号 米国特許出願第１４／３０７，６９４号 米国特許出願第１４／３２９，７９７号 米国特許出願第１４／９６５，３２３号 米国特許出願第１４／６５８，５７５号 米国特許第６，６２６，９３０号 米国特許第７，０９４，２４４号 米国特許第７，０８３，６２８号 米国特許第７，３８１，２１０号 米国特許出願公開第２００７／０００５０７９号 米国特許出願公開第２０１３／０１６５９５３号

本明細書では改良された縫合糸クリップが開示され、この縫合糸クリップは、段付きスロットを含み、段付きスロットは、展開装置のレール上にクリップを配向するのを助け、縫合糸クリップを、使用中にレールに沿って摺動している間適切に位置合わせして維持して、送達デバイスの機能不全を回避する。段付きスロットは、ブラケット面を作り出し、このブラケット面は、クリップが装着されるレールの表面と界接し、それにより、ブラケット面は、クリップがレールに対して傾く、または回転する、またはシフトする自由を防止するか、または制限する。開示する縫合糸クリップはまた、丸みのある、平滑な縫合糸係合縁も含み、この縫合糸係合縁は、微粒子物質がクリップから離れ、患者に有害となるリスクを低減する。開示する縫合糸クリップにより、縫合糸固定プロセスは、より信頼高く、より安全でより高速になる。

１つまたは複数の縫合糸を固定するための例示的な縫合糸クリップは、環状外側本体を有する全体的にディスク形状の本体と、環状外側本体の第１の側部から内方向に径方向に延びる第１のタブと、環状外側本体の第２の対向する側部から内方向に径方向に延びる第２のタブと、縫合糸クリップの厚さを貫通し、環状外側本体を第１のタブおよび第２のタブの側面から分離する第１のスロットおよび第２のスロットと、第１のタブと第２のタブとの間で縫合糸クリップの厚さを貫通し、第１および第２のスロットを連結する縫合糸係合スロットであって、第１のタブと第２のタブとの間に１つまたは複数の縫合糸を受け入れ、保持するようにサイズ設定される、縫合糸係合スロットとを備え、第１および第２のスロットは、クリップ展開装置のレール上に縫合糸クリップを位置合わせするように構成された段付き部分を含む。段付き部分は、縫合糸係合スロットの両側に位置することができ、段付き部分は、第１のスロット内の２つの段付き部分と、第２のスロット内の２つの段付き部分とを含むことができる。段付き部分は、環状外側本体から内方向に延びる段を画定することができ、段付き部分は、第１および第２のタブの側面内にくぼみを画定することができる。段付き部分は、クリップ展開装置のレールの幅寸法に対応する距離だけ離間させることができ、縫合糸クリップは、クリップ展開装置のレール上に装着されるように構成される。第１および第２のスロットは、段付き部分間を延びるまっすぐな部分を含むことができる。第１および第２のタブは、弾性的に変形するように構成することができ、それによって縫合糸係合スロットのサイズを増大させて、縫合糸クリップ展開装置のレールが第１のタブと第２のタブとの間で縫合糸クリップを通り抜けることを可能にする。いくつかの実施形態では、第１および第２のスロットは、拡大された円形部分内で終端することができ、この円形部分は、第１および第２のタブが環状外側本体と接合するところに位置し、それにより、拡大された円形部分間を延びるヒンジ軸に沿って環状外側本体に対して第１および第２のタブが弾性的に変形するとき、拡大された円形部分は応力集中を低減する。いくつかの実施形態では、２つのタブの対向する縫合糸係合面は、レールに接触し、これに沿って摺動する丸みのある縁を含む。いくつかの実施形態では、レールは、レールと縫合糸クリップとの間の摩擦を低減するコーティングまたは潤滑剤を含む。

開示する技術の特徴および利点のさらなる理解は、以下の詳細な説明を考慮することで明らかになろう。

例示的な縫合糸クリップの斜視図である。 展開装置のレール上に装着された、図１の縫合糸クリップのいくつかを示す図である。 図２のレールの断面図である。 いくつかの縫合糸クリップがレール上で位置ずれし得る望ましくない様子を示す図である。 事前位置合わせ特徴を有する別の例示的な縫合糸クリップの平面図である。 位置合わせしてレール上に装着された図５の縫合糸クリップのいくつかを示す図である。 セクション７－７で切り取られた、図６の装填されたレールの断面図である。 レール上に装着された図１の縫合糸クリップの斜視図である。 レール上に装着された図５の縫合糸クリップの斜視図である。 鋭利な係合縁を有する例示的な縫合糸クリップタブが傷付けられ得る様子を示す図である。 丸みのある係合縁を有する例示的な縫合糸クリップタブを示す図である。

本明細書では、改良された縫合糸クリップ、ならびに縫合糸を縫合糸クリップで固定するための関連する装置および方法が開示される。図１は、例示的な縫合糸クリップ１０を示し、図２は、展開装置（類似のクリップオンレールシステムを使用する例示的な展開装置については米国特許出願公開第２０１６／０１８３９３７号を参照されたい）のレールまたはマンドレル２０上に装着されたクリップ１０のいくつかを示す。開示する縫合糸クリップおよび関連する送達デバイスを使用できる処置に関する追加の情報を使用することができ、例示的な縫合糸クリップおよび縫合糸クリップ送達装置に関する他の情報は、参照によってその全内容が本明細書に明示的に組み込まれる次の参照文献において開示されている：米国特許第６，６２６，９３０号、米国特許第７，０９４，２４４号、米国特許第７，０８３，６２８号および米国特許第７，３８１，２１０号、ならびに米国特許出願公開第２００７／０００５０７９号および米国特許出願公開第２０１３／０１６５９５３号。

図３は、レール２０の例示的な断面プロファイルであり、クリップ展開プロセス中に縫合糸を受け入れることができる中空の中央領域を示す。レール２０を含む送達装置には、縫合糸クリップを装填することができ、この送達装置を使用して、たとえば心臓内のプロテーゼ装置の埋め込み中、装填された縫合糸クリップを連続的に１つまたは複数の縫合糸上に展開することができる。開示する縫合糸クリップを使用して単一の縫合糸を固定することができ、またはこれを使用して複数の縫合糸または縫合糸セグメントを同時に固定することができる。

クリップ１０は、全体的にディスク形状であり、環状外側本体と、クリップを貫通するスロット１４および１６によって画定された２つの対向するタブ１２とを含む。スロット１４は、２つのタブ１２の対向する縁間にあり、クリップを縫合糸上に固定するためにクリップが縫合糸に係合するところである。

本明細書において開示する縫合糸クリップのいずれも、弾性的に変形可能な材料を含むことができ、この材料により、対向するタブを面外方向に撓ませ、互いから離し、レールがタブ間でクリップを通り抜けるのに十分なスペースを２つのタブ間に開くことが可能になり、これは図２、図４、および図６～図９に示す。本明細書において開示する縫合糸クリップのいずれも、たとえば、ニッケルチタン合金、形状記憶合金、ステンレス鋼、チタン、さまざまなプラスチック、および他の生物学的に適合した材料を含むさまざまな材料から作製することができる。例示的な縫合糸クリップは、ニチノールなどの形状記憶材料および／または擬弾性材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、縫合糸クリップは、ニチノール（たとえば、約５４．５～５７重量パーセントのニッケルと、酸素、炭素、および水素の（それぞれ約０．０５％未満の）残留量を除いて、残りを占めるチタンとの合金の状態）、または別の形状記憶材料および／または擬弾性材料から形成することができ、このとき縫合糸クリップは、クリップがオーステナイト状態時（たとえば、体温において全体的に応力がかからないとき）に閉位置（たとえば図１および５に示す平坦位置）をとるように形成される。ニチノールは、特定の用途に合わせるために選択されたオーステナイト最終温度を有することができる。たとえば、摂氏約－５度から約＋１５度のオーステナイト最終温度が、選択され得る。

本明細書において開示する縫合糸クリップのいずれも、２つ以上の材料の層を含むことができ、これらの層は、クリップの厚さ寸法に積み重ねられる。各層は、異なる材料を含むことができる。クリップの外面は、いくつかの実施形態ではコーティングを含むことができる。クリップの厚さおよび／またはクリップの直径は、任意のサイズのものであることができ、目的の縫合糸を適切に固定するのに必要とされる力、クリップの材料、縫合糸が通り抜ける組織および／または他の要因に基づいて選択され得る。同様に、対向するタブ１１２間のスロット１１４の間隔および長さは、固定される縫合糸のサイズおよび材料に基づいて、また各クリップによって固定される縫合糸の数（１本、２本、３本など）に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、縫合糸係合スロット１１４は、ジグザグ部分または湾曲部分を含むなど、直線でなくてもよく、それによってスロットの中央内に縫合糸を含むのを助けることができる。

縫合糸クリップは、縫合糸クリップが図４および図６に示すようにレール上に装着されたときにクリップの縫合糸係合タブおよび環状外側本体にかけられる応力などの、十分な応力にかけられたときにマルテンサイト状態となる材料から形成され得る。そのような実施形態では、レールは、係合タブに応力を加えて、タブ間の開口部内にレールを受け入れるのに十分な広さでタブを開かせる。応力がかけられた材料は、係合タブが環状外側本体と接合するところに曲がり材料を含んで、そのマルテンサイト状態に強制される。展開中、レールが摺動して最も遠位のクリップ内から出たときのように応力が除去されたとき、材料は、そのオーステナイト状態に戻り、それにより、環状外側本体および係合タブはその平坦な形状をとる。

図４および図８に示すように、クリップ１０は、時に、レール２０上で位置ずれする可能性がある。たとえば、図４では、クリップ２２は、レールおよび他のクリップに対してシフトして位置ずれし得る。たとえば、縫合糸クリップ内のスロット１６の平滑な丸みのある形状は、クリップを位置ずれさせるほどレール周りで回転させ得る。この位置ずれは、クリップをレール上に装填する間の手動の誤操作、クリップがデバイス内に装填される間の展開装置にかかる衝撃、またはレールが展開中にクリップを通って摺動される間にクリップにかかる不均一な力などのさまざまな原因によって引き起こされ得る。どのような原因であれ、位置ずれしたクリップは、縫合糸上に適切に展開できず、および／または展開装置を詰まらせ得る。これにより、手術を完了するのに必要な時間の増大を招く可能性があり、および／またはクリップが縫合糸を固定できずに患者に有害となるリスクを増大させる可能性がある。

図５は、例示的な縫合糸クリップ１００の平面図であり、この縫合糸クリップは、縫合糸クリップをレール２０などのレール上に適切に配向したまま保つのを助けるレール位置合わせ特徴を含み、それによって縫合糸クリップが位置ずれし、縫合糸上に適切に展開できなくなるリスクを低減する。クリップ１００は、環状外側本体１０２と、外側本体から内方向に延びる２つの対向する縫合糸係合タブ１１２とを備える。クリップ１００は、タブ１１２間に画定された縫合糸係合スロット１１４と、スロット１１４の両端に配置され、タブ１１２の側面を外側本体１０２から分離する２つの横方向スロット１１６とを有する。横方向スロット１１６のそれぞれは、縫合糸係合スロット１１４の各側に１つずつ、２つの段１１８を含む。段１１８は、タブ１１２内に内方向に径方向に短い距離だけ延びるスロット１１６の部分である。スロット１１６はまた、２つの段１１８間を延びる全体的にまっすぐな部分１２０も含む。部分１２０はまた、湾曲するか、または部分的に湾曲することもできる。スロット１１６の端部には逃がし開口部１２２（ｒｅｌｉｅｆ ｏｐｅｎｉｎｇ）が存在し、この逃がし開口部は、タブ１１２がレール上に装着されている間に曲げられたときの応力集中を低減することができる。クリップ１００は、対向する切欠部１２４を含むこともでき、この切欠部は、クリップを把持する、装填する、および／または送達デバイスに対して操作するのを助けることができる。

図６、図７、および図９は、レール２０上に装着されたクリップ１００を示す。クリップ１００がレール上に装着されると、タブは、外側本体１０２に対して面外方向に撓み、このとき撓みは、基本的には、タブが外側本体と接合し、タブの幅が最も狭いところである逃がし開口部１２２間を延びるヒンジ軸に沿って起こっている。外側本体１０２はまた、図６で分かるように反対方向にも少しだけ撓むことができ、ここではタブ１１２は右に延びており、外側本体はわずかに左に撓んでいる。

レール２０上に装着されたとき、クリップ１００は、タブ１１２の縁１２６によってレールにかけられた対抗するクランプ力によって保持される。これらのクランプ力は、タブが図５に示す閉鎖中立位置に向かって互いに閉じて戻ろうとするときの、装着された構成にあるクリップの弾性変形によって生成される。これらの同じ力により、レールから展開された後、タブ１１２間に配置された縫合糸上をタブがクランプすることが可能になる。

レール２０上に装着されたとき、クリップ１００はまた、スロット段１１８の表面１３０およびスロット部分１２０の壁によってレールに対して位置合わせして保持される。表面１３０は、レール２０と接触し、クリップがレールに対して傾斜し、シフトすることを制限して、クリップ２２を有する図４に示すタイプなどの位置ずれを防止することができる。表面１３０は、横方向スロット１１６のそれぞれに２つずつ、４つ存在することができる。対向する表面１３０の各対間の距離は、レール２０のサイズに合うように選択され得る。同様に、スロット部分１２０の壁間の距離も、レールのサイズに合うように選択され得る。クリップの部分１２０および１３０は一緒になって、レール２０を抱え、クリップをレール上に適切な位置合わせで維持するように作用することができる。

クリップ１００の特徴１１８、１２０、および１３０は、組立て中、クリップを適切な位置合わせでレール上に装着するのを助けることができ、クリップがレール上に装着された後に不意にシフトして位置ずれするか、または弛緩して位置ずれするのを防止するのを助けることができ、および／または使用中、送達デバイスが作動されるとき、およびその後のそれぞれのクリップが手術処置中に展開されるために（例示的な展開装置および方法については米国特許出願公開第２０１６／０１８３９３７号を参照されたい）クリップ１００が段階的にレールの長さに沿って長手方向に摺動させられるときにクリップを適切な位置合わせで維持するのを助けることができる。

図１０および図１１は、２つの異なる縫合糸クリップの縫合糸係合縁上の詳細図を示す。図１０は、（縫合糸クリップ１０上で見ることができるような）鋭利で角度のある例示的な縫合糸係合縁２００を示す。そのような縫合糸係合縁は、問題となる可能性があり、その理由は、鋭利な縁は縫合糸を切断するか、または傷付ける可能性があり、また、鋭利な縁は、塑性的により変形しやすく、傷付けられやすくなり、微粒子物質が縫合糸クリップから離れ、患者に有害となる可能性があるためである。対照として、図１１は、（縫合糸クリップ１００上に見ることができるような）例示的な縫合糸係合縁３００を示し、この縫合糸係合縁は、丸みがあり、平滑であり、それによって縁が傷付けられる、縫合糸が縁によって傷付けられる、離れた微粒子が患者に有害となるなどのリスクを低減／解消する。クリップ１００の丸みのある縁１２６はまた、図６のように、縁１２６がレール２０の側部と接触し、これに沿って摺動するときに損傷から保護する。

縫合糸クリップ１００は、たとえば、各タブ１１２上に２つずつ、４つの縫合糸係合縁を含むことができる。各タブ１１２は、クリップの各側に１つのそのような縁を有することができ、それにより、クリップは、クリップの厚さの中央を貫通してスライスする平面周りで対称的となる。クリップはまた、スロット１１４に沿ってクリップの幅を切り開き、切欠部１２４間の直交幅を切り開く平面周りでも対称的であり得る。このようにして、クリップは、図７に示すようにレール２０に対して配向される限り、任意の配向（たとえば、１８０度ひっくり返されるおよび／または１８０度回転される）で使用され得る。これにより、クリップの偶発的な装填の失敗が防止される。

開示する技術のいくつかの実施形態では、展開装置のレールおよび／または縫合糸クリップは、縫合糸クリップとレールとの間の摩擦を低減するコーティングまたは潤滑剤を含むことができ、それによってクリップをレール上に装填し、レールから展開することをより容易にすることができ、クリップがレール上を移動するときの削れおよび微粒子の発生を低減することができる。レールおよび／または縫合糸クリップは、固体材料のコーティングおよび／または乾燥潤滑剤および湿潤潤滑剤を含む粘性潤滑剤を含むことができる。例示的なコーティング／潤滑剤材料は、ＰＴＦＥ（たとえば、コネッチカット州、ニューブリテン、ＭｉｃｒｏＣａｒｅ Ｍｅｄｉｃａｌ社のＤＵＲＡＧＬＩＤＥ乾燥ＰＴＦＥ潤滑剤）、またはグラファイトおよび二硫化モリブデンなどの他の乾燥潤滑剤；グリースおよび他の石油系潤滑剤；ポリマー系潤滑剤、たとえばシリコーン潤滑剤；金メッキなどの金属材料、および物理気相成長または化学気相成長によって付加される他の材料（たとえば、ＣＶＤダイアモンドまたはダイアモンド様フィルム）；およびその組み合わせを含むことができる。

この説明の目的のために、本開示の実施形態の特定の態様、利点、および新規の特徴が、本明細書において説明される。開示する縫合糸クリップ、装置、方法、およびシステムは、いかなる形でも限定するものとして解釈されてはならない。その代わり、本開示は、開示するさまざまな実施形態のすべての新規かつ非自明の特徴および態様を、単独で、ならびにさまざまな互いの組み合わせおよび副組み合わせにおいて対象とする。方法、装置、およびシステムは、いかなる特有の態様または特徴またはその組み合わせにも限定されず、開示する実施形態は、任意の１つまたは複数の特有の利点の存在または問題の解決を必要としない。

本発明の特定の態様、実施形態、または例を併用して説明する特徴、特性、材料、化合物、整数、またはグループは、これに不適合でない限り、本明細書に説明する任意の他の態様、実施形態または例に適用可能であると理解されるものとする。（添付の特許請求の範囲、要約、および図を含む）本明細書に開示する特徴のすべて、および／またはそのように開示する任意の方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および／またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である場合を除き、任意の組み合わせで組み合わせられてよい。本発明は、いかなる前述の実施形態の詳細にも制限されない。本発明は、（添付の特許請求の範囲、要約、および図を含む）本明細書に開示する特徴の任意の新規の１つ、または任意の新規の組み合わせまで、またはそのように開示する任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規の１つまたは任意の新規の組み合わせまで及ぶ。

開示する方法の一部の動作が、提示の便宜上特定の連続的な順序で説明されるが、説明のこうした形は、特定の順序付けが特有の言葉によって必要とされない限り、再構成を包含することを理解されたい。たとえば、連続的に説明する動作は、一部の場合、再構成されるか、または同時に実行されてもよい。さらに、簡単にするために、添付の図は、開示する方法および装置を他の方法および装置と併用できるさまざまな方法を示さないこともある。

本明細書では、用語「１つ（ａ）」、「１つ（ａｎ）」および「少なくとも１つ」は、明記する要素の１つまたは複数を包含する。特定の要素の２つが存在する場合、これらの要素の１つも存在し、したがって「１つの」要素が存在する。複数（「ａ ｐｌｕｒａｌｉｔｙ ｏｆ」および「ｐｌｕｒａｌ」）という用語は、明記する要素の２つ以上を意味する。本明細書では、要素のリストのうちの最後の２つの間に使用される「および／または」という用語は、あげられた要素の任意の１つまたは複数を意味する。たとえば、「Ａ、Ｂ、および／またはＣ」という語句は、「Ａ」、「Ｂ」、「Ｃ」、「ＡおよびＢ」、「ＡおよびＣ」、「ＢおよびＣ」、または「Ａ、Ｂ、およびＣ」を意味する。本明細書では、「結合される」という用語は、通常、物理的に結合されるか、またはリンクされることを意味し、特有の逆の言葉が無い限り、結合された要素間の中間要素の存在を排除しない。

本開示の原理を適用することができる数多くの可能な実施形態を鑑みて、例示する実施形態は好ましい例にすぎず、本開示の範囲を限定するものとしてとらえてはならないことを認識されたい。そうではなく、本開示の範囲は、少なくとも以下の特許請求の範囲と同じ広さである。したがって、以下の特許請求の範囲内に入るすべてが、特許請求される。

７ セクション
１０ 縫合糸クリップ
１２ タブ
１４、１６ スロット
２０ レール
２２ クリップ
１００ 縫合糸クリップ
１０２ 環状外側本体
１１２ 縫合糸係合タブ
１１４ 縫合糸係合スロット
１１６ 横方向スロット
１１８ 段
１２０ まっすぐな部分
１２２ 逃がし開口部
１２４ 切欠部
１２６ 縁
１３０ 表面
２００ 縫合糸係合縁
３００ 縫合糸係合縁

Claims (15)

1. １つまたは複数の縫合糸を固定するための縫合糸クリップであって、
   環状外側本体を有する全体的にディスク形状の本体と、
   前記環状外側本体の第１の側部から内方向に径方向に延びる第１のタブと、
   前記環状外側本体の第２の、対向する側部から内方向に径方向に延びる第２のタブと、
   前記縫合糸クリップの厚さを貫通し、前記環状外側本体を前記第１のタブおよび第２のタブの側面から分離する第１のスロットおよび第２のスロットと、
   前記第１のタブと前記第２のタブとの間で前記縫合糸クリップの厚さを貫通し、前記第１および第２のスロットを連結する縫合糸係合スロットであって、前記第１のタブと第２のタブとの間に１つまたは複数の縫合糸を受け入れ、保持するようにサイズ設定される、縫合糸係合スロットとを備え、
   前記第１および第２のスロットは、クリップ展開装置のレールの矩形断面形状に対して前記縫合糸クリップを位置合わせするように構成された段付き部分を含む、縫合糸クリップ。
2. 前記段付き部分が、前記縫合糸係合スロットの両側に位置する、請求項１に記載の縫合糸クリップ。
3. 前記段付き部分が、前記第１のスロット内の２つの段付き部分と、前記第２のスロット内の２つの段付き部分とを含む、請求項１または請求項２に記載の縫合糸クリップ。
4. 前記段付き部分が、前記環状外側本体から内方向に延びる段を画定する、請求項１から３のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
5. 前記段付き部分が、前記第１および第２のタブの側面内にくぼみを画定する、請求項１から４のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
6. 前記段付き部分は、前記縫合糸クリップが装着されるように構成されているクリップ展開装置のレールの幅寸法に対応する距離だけ離間されている、請求項１から５のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
7. 前記第１および第２のスロットが、前記段付き部分間を延びるまっすぐな部分を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
8. 前記第１および第２のタブが、弾性的に変形するように構成され、それによって前記縫合糸係合スロットのサイズを増大させて、縫合糸クリップ展開装置のレールが前記第１のタブと第２のタブとの間で前記縫合糸クリップを通り抜けることを可能にする、請求項１から７のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
9. 前記第１および第２のスロットは、前記第１および第２のタブが前記環状外側本体と接合するところに位置する拡大された円形部分内で終端し、それにより、前記拡大された円形部分間を延びるヒンジ軸に沿って前記環状外側本体に対して前記第１および第２のタブが弾性的に変形するとき、前記拡大された円形部分は応力集中を低減する、請求項１から８のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
10. 前記第１および第２のタブが、対向する縫合糸係合面を含み、前記縫合糸係合面は、丸みのある縁を含む、請求項１から９のいずれか一項に記載の縫合糸クリップ。
11. 縫合糸クリップ展開システムであって、
    矩形の断面形状を有するレールと、
    前記レール上に装着された縫合糸クリップであって、
    前記レール周りに配置された環状外側本体を有する全体的にディスク形状の本体と、
    前記環状外側本体の第１の側部から内方向に径方向に延び、前記レールの第１の側部と接触する第１のタブと、
    前記環状外側本体の第２の、対向する側部から内方向に径方向に延び、前記レールの前記第１の側部とは反対の前記レールの第２の側部と接触する第２のタブと、
    前記縫合糸クリップの厚さを貫通し、前記環状外側本体を前記第１のタブおよび第２のタブの側面から分離する第１のスロットおよび第２のスロットであって、それにより、前記第１および第２のタブは、その間に前記レールを受け入れるように変形することができる、第１のスロットおよび第２のスロットとを備え、
    前記第１および第２のスロットは、前記レールの矩形断面形状に対して前記縫合糸クリップを位置合わせするように構成された段付き部分を含む、縫合糸クリップとを備える、縫合糸クリップ展開システム。
12. 前記第１のスロットが、前記段付き部分のうちの２つの間を延び、前記レールの第３の側部に隣接して配置されたまっすぐな部分を含み、前記第２のスロットが、前記段付き部分のうちの２つの間を延び、前記レールの前記第３の側部とは反対の、前記レールの第４の側部に隣接して配置されたまっすぐな部分を含む、請求項１１に記載のシステム。
13. 前記段付き部分は、前記環状外側本体から内方向に延び、前記レールの前記第１および第２の側部と接触し、それにより前記縫合糸クリップが前記レールの長手方向軸に垂直にシフトすることを制限する段を含む、請求項１１または請求項１２に記載のシステム。
14. 前記第１および第２のタブが、対向するレール係合面を含み、前記レール係合面は、丸みのある縁を含む、請求項１１から１３のいずれか一項に記載のシステム。
15. 前記レールが、前記レールと前記縫合糸クリップとの間の摩擦を低減するコーティングまたは潤滑剤を含む、請求項１１から１４のいずれか一項に記載のシステム。

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