以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置および接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態)
以下、実施の形態について図1から図5を用いて説明する。
[ユニットシステムの全体構成]
まず、実施の形態に係るユニットシステム1の全体構成について図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係るユニットシステム1の一例を示す図である。図1には、ユニットシステム1の他に、管理システム40および各種設備システムが示されている。なお、管理システム40および各種設備システムがユニットシステム1に含まれていてもよい。図1において、構成要素間を繋ぐ実線は信号の送受信が行われる通信線を示し、構成要素間を繋ぐ破線は電力の供給が行われる電力線を示す。
ユニットシステム1は、施設に設けられた設備システムを制御するためのシステムであり、当該施設として例えば数フロアからなる大規模な施設(ビル等)に適用される。なお、ユニットシステム1は、ビル等に限らず、戸建て、アパート等の集合住宅、または、工場等に適用されてもよい。さらには、ユニットシステム1は、複数の施設にわたって適用されてもよい。
ユニットシステム1は、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニットを備える。本実施の形態では、ユニットシステム1は、複数の通信ユニット30a~30cを備える。ここでは、3つの通信ユニット30a~30cを示して説明するが、施設の規模等に応じて、ユニットシステム1は、4つ以上(例えば100個等)の通信ユニットを備え得る。なお、ユニットシステム1が備える通信ユニットを総称して通信ユニット30とも呼ぶ。
制御ユニット10は、施設に設けられた設備システムを制御するための装置であり、ユニットシステム1は、例えば1つの制御ユニット10を備える。なお、制御ユニット10は、設備システムの制御だけでなく、管理および監視等を行ってもよい。具体的には、制御ユニット10は、設備システムが正常に動作しているかを監視したり、設備システムの交換時期の管理を行ったりしてもよい。
制御ユニット10は、電源ユニット20および通信ユニット30と別体に設けられる。例えば、制御ユニット10は制御ユニット10として1つの筺体を有し、電源ユニット20は電源ユニット20として1つの筺体を有し、通信ユニット30は通信ユニット30として1つの筺体を有することで、それぞれが別体に設けられる。
詳細は後述する図2で説明するが、制御ユニット10は、電源ユニット20、通信ユニット30、管理システム40および設備システムと接続または通信するためのインタフェースを備える。当該インタフェースは、例えば、コネクタ、通信回路またはアンテナ等により実現され、制御ユニット10は、このようなインタフェースによって機能の拡張を行うことが可能となっている。
電源ユニット20は、制御ユニット10および通信ユニット30に電力を供給する装置である。電源ユニット20の詳細については、後述する図3で説明する。
通信ユニット30は、設備システムと制御ユニット10との通信のための装置である。例えば、大規模な施設には様々なメーカーの設備が設けられており、メーカーごとに異なる通信規格が用いられる場合がある。また、大規模な施設には、様々な種類(例えば、照明器具、空調機器等の種類)の設備が設けられており、種類ごとに異なる通信規格が用いられる場合がある。例えば、RS485、RS232C、BACnet(Building Automation and Control Networking protocol)、その他メーカー独自の通信規格が各設備システムに用いられ得る。
例えば、通信ユニット30aおよび30bに接続される設備システムとして、スイッチ52、照明制御端末53およびリレー54、ならびに、スイッチ55、照明制御端末56およびリレー57には、メーカー独自の通信規格が用いられる。また、通信ユニット30aおよび30bと制御ユニット10との通信には、例えばRS422が用いられる。つまり、通信ユニット30aおよび30bは、制御ユニット10と通信ユニット30aおよび30bとの間の通信規格(RS422)、および、設備システムと通信ユニット30aおよび30bとの間の通信規格(メーカー独自の通信規格)のように、互いに通信規格の異なるネットワークを接続するためのネットワークノードとしての機能を有する。
また、例えば、通信ユニット30cに接続される設備システムとして、空調制御端末58にはRS485が用いられる。また、通信ユニット30cと制御ユニット10との通信には、例えばイーサネット(登録商標)が用いられる。つまり、通信ユニット30cは、制御ユニット10と通信ユニット30cとの間の通信規格(イーサネット(登録商標))、および、設備システムと通信ユニット30cとの間の通信規格(RS485)のように、互いに通信規格の異なるネットワークを接続するためのネットワークノードとしての機能を有する。
また、例えば、通信ユニット30は、制御ユニット10を介さずに電源ユニット20から電力供給を受けるように構成されている。具体的には、図1の電源ユニット20と制御ユニット10および通信ユニット30とを繋ぐ破線で示されるように、制御ユニット10および通信ユニット30a~30cへそれぞれ異なる電力線を介して、電源ユニット20において変換された直流電力が供給される。
例えば、通信ユニット30aは、施設における特定の領域(第1領域と呼ぶ)に設けられた複数の照明器具を制御ユニット10に制御させるために、制御ユニット10と第1領域における設備システムとの通信の中継を行う。例えば、通信ユニット30bは、施設における特定の領域(第2領域と呼ぶ)に設けられた複数の照明器具を制御ユニット10に制御させるために、制御ユニット10と第2領域における設備システムとの通信の中継を行う。例えば、通信ユニット30cは、施設における特定の領域(第3領域と呼ぶ)に設けられた複数の空調機器を制御ユニット10に制御させるために、制御ユニット10と第3領域における設備システムとの通信の中継を行う。
なお、第1領域または第2領域と第3領域とは少なくとも一部が重複していてもよい。また、第1領域、第2領域および第3領域は、それぞれ複数のフロアにわたる領域であってもよい。
通信ユニット30の詳細については、後述する図4で説明する。
設備システムは、施設に設けられる照明器具もしくは空調機器等に関連する設備、または、施設に設けられる設備の電力計測に関連する機器等である。ここでは、設備システムの一例として、電力計測装置50、空調制御端末51および58、スイッチ52および55、照明制御端末53および56、ならびに、リレー54および57を示している。
電力計測装置50は、施設に設けられる各設備の消費電力を計測する装置であり、例えば、電力計測機能を有する分電盤等である。電力計測装置50は、定期的に、もしくは、制御ユニット10からの要求に応じて、計測した電力情報を制御ユニットに送信する。
空調制御端末51および58は、施設に設けられる空調機器を制御するためのコントローラであり、空調機器と有線または無線により接続される。例えば、空調制御端末51は、施設における特定のフロア(第4領域と呼ぶ)に設けられた複数(例えば数10台)の空調機器を制御する。なお、第1領域または第2領域と第4領域とは少なくとも一部が重複していてもよい。また、第4領域は、複数のフロアにわたる領域であってもよい。また、例えば、空調制御端末58は、第3領域に設けられた複数(例えば数10台)の空調機器を制御する。
スイッチ52および55は、施設に設けられる照明器具を制御するためのスイッチである。例えば、スイッチ52は、第1領域に設けられた複数(例えば数100台)の照明器具を制御する。また、例えば、スイッチ55は、第2領域に設けられた複数(例えば数100台)の照明器具を制御する。例えば、施設を利用するユーザがスイッチ52および55を操作することで、施設に設けられる照明器具が制御される。例えば、スイッチ52および55は、それぞれ複数のボタンを有し、各ボタンには特定の照明器具が対応付けられている。例えば、ユーザが特定の照明器具が対応付けられたボタンを操作することで、当該特定の照明器具のオン、オフまたは調光制御が可能となる。
照明制御端末53および56は、施設に設けられる照明器具を制御するためのコントローラであり、照明器具と有線または無線により接続される。例えば、照明制御端末53は、第1領域に設けられた複数の照明器具を制御する。また、例えば、照明制御端末56は、第2領域に設けられた複数の照明器具を制御する。例えば、照明制御端末53および56は、スケジュールに応じて照明器具を制御する。また、例えば、照明制御端末53および56は、施設に設けられたセンサ(人感センサ等)のセンシング結果に応じて照明器具を制御する。例えば、照明制御端末53および56は、特定のセンサによる人が存在することを示すセンシング結果に応じて、当該特定のセンサに対応する照明器具をオンし、また、特定のセンサによる人が存在しないことを示すセンシング結果に応じて、当該特定のセンサに対応する照明器具をオフする。
リレー54および57は、施設に設けられる照明器具への電力供給のオンおよびオフを切り替えるスイッチである。例えば、リレー54は、第1領域に設けられた複数の照明器具への電力供給のオンおよびオフを切り替える。また、例えば、リレー57は、第2領域に設けられた複数の照明器具への電力供給のオンおよびオフを切り替える。リレー54および57は、制御ユニット10からの指示に応じて照明器具への電力供給のオンおよびオフを切り替える。
通信ユニット30aには、スイッチ52、照明制御端末53およびリレー54が接続され、スイッチ52、照明制御端末53およびリレー54によって、第1領域における複数の照明器具が制御される。なお、通信ユニット30aには、複数のスイッチ52、複数の照明制御端末53または複数のリレー54が接続されてもよく、また、その他の設備が接続されてもよい。例えば、スイッチ52が操作されることで、通信ユニット30aにスイッチ52への操作内容(例えば、照明器具のオン、オフまたは調光制御等の操作内容)に応じた操作情報が送信され、通信ユニット30aは当該操作情報を制御ユニット10に送信する。そして、制御ユニット10は、通信ユニット30aおよび照明制御端末53を介して第1領域における操作された照明器具を当該操作情報に基づいて制御する。また、制御ユニット10は、予め定められたスケジュールに応じて、通信ユニット30aおよび照明制御端末53を介して第1領域に設けられた複数の照明器具のオン、オフまたは調光制御等を行う。また、照明制御端末53は、第1領域に設けられたセンサのセンシング結果を受信し、通信ユニット30aを介して制御ユニット10に当該センシング結果を送信する。そして、制御ユニット10は、通信ユニット30aおよび照明制御端末53を介して第1領域に設けられた複数の照明器具を当該センシング結果に基づいて制御する。
通信ユニット30bには、スイッチ55、照明制御端末56およびリレー57が接続され、スイッチ55、照明制御端末56およびリレー57によって、第2領域における複数の照明器具が制御される。なお、通信ユニット30bには、複数のスイッチ55、複数の照明制御端末56または複数のリレー57が接続されてもよく、また、その他の設備が接続されてもよい。例えば、スイッチ55が操作されることで、通信ユニット30bにスイッチ55への操作内容に応じた操作情報が送信され、通信ユニット30bは当該操作情報を制御ユニット10に送信する。そして、制御ユニット10は、通信ユニット30bおよび照明制御端末56を介して第2領域における操作された照明器具を当該操作情報に基づいて制御する。また、制御ユニット10は、予め定められたスケジュールに応じて、通信ユニット30bおよび照明制御端末56を介して第2領域に設けられた複数の照明器具のオン、オフまたは調光制御等を行う。また、照明制御端末56は、第2領域に設けられたセンサのセンシング結果を受信し、通信ユニット30bを介して制御ユニット10に当該センシング結果を送信する。そして、制御ユニット10は、通信ユニット30bおよび照明制御端末56を介して第2領域に設けられた複数の照明器具を当該センシング結果に基づいて制御する。
通信ユニット30cには、空調制御端末58が接続され、空調制御端末58によって、第3領域における複数の空調機器が制御される。例えば、各空調機器を個別に制御するためのリモートコントローラまたはスイッチ等が操作されることで、空調制御端末58に操作内容(例えば、空調機器のオン、オフまたは設定温度の変更等の操作内容)に応じた操作情報が送信され、空調制御端末58は、通信ユニット30cを介して制御ユニット10に当該操作情報を送信する。そして、制御ユニット10は、通信ユニット30cおよび空調制御端末58を介して第3領域に設けられた複数の空調機器を当該操作情報に基づいて制御する。
なお、空調制御端末51については、制御ユニット10と空調制御端末51との間の通信に通信ユニット30を介していないこと以外は空調制御端末58と同様の制御が行われる。
管理システム40は、例えば、制御ユニット10が制御する設備システムが設けられる施設の管理室等に設置されたコンピュータまたはサーバ装置等である。例えば、管理システム40は、制御ユニット10を介して電力計測装置50が計測した電力情報を取得する。これにより、施設の管理者等は、施設の電力の使用状況等を管理システム40によって確認できる。また、施設の管理者等は、施設に設けられた空調機器または照明器具に対して、特殊な動作をさせたいときに、管理システム40から制御ユニット10に対して当該特殊な動作をさせるように制御することができる。例えば、第1領域において使用しない照明器具がある場合に当該照明器具への電力供給をオフしたいときには、管理システム40から制御ユニット10に対してリレー54を制御させて、当該照明器具への電力供給をオフすることができる。
[制御ユニットの構成]
次に、制御ユニット10の構成について、図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態に係る制御ユニット10の一例を示す構成図である。
制御ユニット10は、第1IF(インタフェース)、第2IF12、第3IF、第4IF14、制御部15およびメモリ16を備える。本実施の形態では、制御ユニット10は、複数の第1IF11a~11nおよび複数の第3IF13a~13nを備える。なお、制御ユニット10が備える第1IFを総称して第1IF11とも呼び、第3IFを総称して第3IF13とも呼ぶ。なお、第1IF11a~11nのように、符号の末尾にaからnを用いているのは、第1IF11がaからnまでの14台存在していることを示しているわけではなく、2以上の任意の数の第1IF11が存在していることを示している。第3IF13および後述する図3で説明する電源ユニット20が備える電源IFについても同様である。
制御ユニット10は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ16、通信用または電力供給用のインタフェースとして第1IF11、第2IF12、第3IF13および第4IF14を含むコンピュータである。メモリ16は、ROM、RAM等であり、プロセッサにより実行される制御プログラム(コンピュータプログラム)を記憶することができる。なお、制御ユニット10は、1つのメモリを有していてもよく、また、複数のメモリを有していてもよく、ここでは、1つまたは複数のメモリをメモリ16として示している。
プロセッサが制御プログラムに従って動作することにより、プロセッサが有する機能構成要素である制御部15が実現される。また、プロセッサが制御プログラムに従って動作することにより、各インタフェース(第1IF11、第2IF12、第3IF13および第4IF14)を制御する処理が行われる。
第1IF11は、設備システムと制御ユニット10との通信のための通信ユニット30と接続されるインタフェースである。第1IF11は、例えば、通信回路およびコネクタ等により実現される。第1IF11のコネクタには、例えば、有線ケーブルが接続される。例えば、通信ユニット30aおよび30bと接続される第1IF11の通信回路およびコネクタは、RS422に対応したものとなっている。また、例えば、通信ユニット30cと接続される第1IF11の通信回路およびコネクタは、イーサネット(登録商標)に対応したものとなっている。なお、複数の第1IF11a~11nには、その他の通信規格に対応したインタフェースが含まれていてもよい。
第2IF12は、制御ユニット10および通信ユニット30に電力を供給する電源ユニット20と接続されるインタフェースであり、電源ユニット20から電力の供給を受けるためのインタフェースである。第2IF12は、例えば、コネクタ等により実現される。第2IF12のコネクタには、例えば、有線ケーブルが接続される。例えば、第2IF12を介して供給された電力は、制御ユニット10のプロセッサ等を動作させるために用いられる。
第3IF13は、通信ユニット30を介して通信する設備システムと異なる別の設備システムと通信するためのインタフェースである。例えば、通信ユニット30を介して通信する設備システムは、スイッチ52および55、照明制御端末53および56、リレー54および57、ならびに、空調制御端末58であり、当該別の設備システムは、電力計測装置50および空調制御端末51である。つまり、制御ユニット10は、通信ユニット30を介さずに直接設備システムと通信する機能も有する。第3IF13は、例えば、通信回路およびコネクタ等により実現される。第3IF13のコネクタには、例えば、有線ケーブルが接続される。例えば、電力計測装置50と接続される第3IF13の通信回路およびコネクタは、RS485に対応したものとなっている。また、例えば、空調制御端末51と接続される第3IF13の通信回路およびコネクタは、RS232Cに対応したものとなっている。なお、複数の第3IF13a~13nには、その他の通信規格に対応したインタフェースが含まれていてもよい。
第4IF14は、設備システムの管理を行う管理システム40と通信するためのインタフェースである。第4IF14は、例えば、通信回路およびコネクタ等により実現される。第4IF14のコネクタには、例えば、有線ケーブルが接続される。例えば、第4IF14の通信回路およびコネクタは、イーサネット(登録商標)に対応したものとなっている。第4IF14は、その他の通信規格に対応していてもよい。
なお、第1IF11を用いた制御ユニット10と通信ユニット30との通信、第3IF13を用いた制御ユニット10と設備システムとの通信、および、第4IF14を用いた制御ユニット10と管理システム40との通信は、有線により行われたが、無線により行われてもよい。この場合、第1IF11、第3IF13および第4IF14には、アンテナが含まれていてもよい。
また、第1IF11は、第1IF11に接続される通信ユニット30に適用された通信規格に応じて、例えば、プロセッサにより実行される制御プログラム(ソフトウェア)の書き換え等がされることで、対応可能な通信規格が変更可能なように構成されていてもよい。同じように、第3IF13は、第3IF13に接続される設備システムに適用された通信規格に応じて、例えば、プロセッサにより実行される制御プログラム(ソフトウェア)の書き換え等がされることで、対応可能な通信規格が変更可能なように構成されていてもよい。
制御部15は、施設に設けられた設備システムを制御するための機能構成要素であり、上述したように例えばプロセッサにより実現される。例えば、制御部15は、第1IF11を介して通信ユニット30に接続された設備システムを制御し、第3IF13に接続された設備システムを制御する。また、制御部15は、設備システムから取得した情報をメモリ16に記憶し、メモリ16に記憶された情報を第4IF14を介して管理システム40に送信する。
[電源ユニットの構成]
次に、電源ユニット20の構成について、図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係る電源ユニット20の一例を示す構成図である。
電源ユニット20は、電源IFおよび変換部22を備える。本実施の形態では、電源ユニット20は、複数の電源IF21a~21nを備える。なお、電源ユニット20が備える電源IFを総称して電源IF21とも呼ぶ。
電源IF21は、制御ユニット10および通信ユニット30に電力を供給するためのインタフェースである。電源IF21は、例えば、コネクタ等により実現される。電源IF21のコネクタには、例えば、有線ケーブルが接続される。電源ユニット20が複数の電源IF21a~21nを備えていることで、上述したように、制御ユニット10および通信ユニット30a~30cへそれぞれ異なる電力線(例えば有線ケーブル)を介して、電力を供給することができる。
変換部22は、交流電力を直流電力に変換するための回路であり、例えば、AC/DCコンバータ等により実現される。例えば、電源ユニット20は、交流の商用電源に接続され、変換部22は、商用電源の交流電力を直流電力に変換する。制御ユニット10および通信ユニット30には、電源IF21を介して当該直流電力が供給される。
[通信ユニットの構成]
次に、通信ユニット30の構成について、図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態に係る通信ユニット30の一例を示す構成図である。
通信ユニット30は、第1通信IF31、第2通信IF32、電源IF33、通信部34、制御部35およびメモリ36を備える。
通信ユニット30は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ36、通信用または電力供給用のインタフェースとして第1通信IF31、第2通信IF32および電源IF33を含むコンピュータである。メモリ36は、ROM、RAM等であり、プロセッサにより実行される制御プログラム(コンピュータプログラム)を記憶することができる。なお、通信ユニット30は、1つのメモリを有していてもよく、また、複数のメモリを有していてもよく、ここでは、1つまたは複数のメモリをメモリ36として示している。
プロセッサが制御プログラムに従って動作することにより、プロセッサが有する機能構成要素である通信部34および制御部35が実現される。また、プロセッサが制御プログラムに従って動作することにより、各インタフェース(第1通信IF31、第2通信IF32および電源IF33)を制御する処理が行われる。
第1通信IF31は、制御ユニット10との通信のためのインタフェースである。第1通信IF31は、例えば、通信回路およびコネクタ等により実現される。第1通信IF31のコネクタには、例えば、一端が制御ユニット10の第1IF11に接続される有線ケーブルが接続される。
第2通信IF32は、設備システムとの通信のためのインタフェースである。第2通信IF32は、例えば、通信回路およびコネクタ等により実現される。第2通信IF32のコネクタには、例えば、設備システムに接続される有線ケーブルが接続される。
電源IF33は、電源ユニット20から電力の供給を受けるためのインタフェースである。電源IF33は、例えば、コネクタ等により実現される。電源IF33のコネクタには、例えば、一端が電源ユニット20の電源IF21に接続される有線ケーブルが接続される。例えば、電源IF33を介して供給された電力は、通信ユニット30のプロセッサ等を動作させるために用いられる。
なお、第1通信IF31を用いた制御ユニット10と通信ユニット30との通信、第2通信IF32を用いた通信ユニット30と設備システムとの通信は、有線により行われたが、無線により行われてもよい。この場合、第1通信IF31および第2通信IF32には、アンテナが含まれていてもよい。
通信部34は、制御ユニット10および設備システムとの通信を制御するための機能構成要素であり、上述したように例えばプロセッサにより実現される。具体的には、通信部34は、電流および電圧の少なくとも一方の変化を用いた通信方式により、設備システムと制御ユニット10との通信を行う。電流または電圧の変化とは、例えば、電流または電圧のHighおよびLowの経時的変化である。このような通信方式は一般的なものであるため説明は省略する。なお、通信部34は電流および電圧の両方の変化を用いた通信方式により、上記通信を行ってもよい。
制御部35は、制御ユニット10の代わりに設備システムを制御するための機能構成要素であり、上述したように例えばプロセッサにより実現される。通信ユニット30がこのような機能を有する理由について以下説明する。
空調機器および照明器具等に関連する設備システムで取り扱われる情報(例えば、上記操作情報または上記センシング結果等)は、上述したようにいったん制御ユニット10に送信され、制御ユニット10から設備システムの制御が行われる。つまり、制御ユニット10が中心となって設備システムの制御を行う。したがって、制御ユニット10が故障等した場合、全ての設備システムの制御が行えなくなり得る。そこで、制御ユニット10が故障等した場合の対策のために、通信ユニット30は制御部35を備える。制御部35(通信ユニット30)は、例えば、第1動作モードおよび第2動作モードにより設備システムを制御する。
第1動作モードは、制御ユニット10からの信号に基づいて設備システムを制御するモードである。つまり、第1動作モードは、制御ユニット10が故障等していない際に、制御ユニット10が中心となって設備システムを制御するモードである。
第2動作モードは、制御ユニット10からの信号が通信ユニット30に届かないときに、制御ユニット10からの信号に基づかずに設備システムを制御するモードである。つまり、第2動作モードは、制御ユニット10が故障等しており、制御ユニット10からの信号が通信ユニット30に届かない場合には、通信ユニット30自体が制御ユニット10の代わりとなって設備システムを制御するモードである。例えば、制御ユニット10が故障した場合、通信ユニット30aは、スイッチ52および照明制御端末53からの信号(例えば、上記操作情報または上記センシング結果等)に基づいて、スイッチ52および照明制御端末53に対応付けられた照明器具等を制御する。同じように、制御ユニット10が故障した場合、通信ユニット30bは、スイッチ55および照明制御端末56からの信号に基づいて、スイッチ55および照明制御端末56に対応付けられた照明器具等を制御する。同じように、制御ユニット10が故障した場合、通信ユニット30cは、空調制御端末58からの信号に基づいて、空調制御端末58に対応付けられた空調機器等を制御する。
[配置例]
次に、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニット30の配置例について、図5を用いて説明する。
図5は、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニット30の配置例を模式的に示す図である。図5では、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニット30をそれぞれ模式的に直方体で示している。また、図5では、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニット30を接続する配線の図示を省略している。
例えば、制御ユニット10は、通信ユニット30と電源ユニット20との間に配置される。例えば、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニット30は、レール60に着脱自在に嵌って、図5の紙面の左右をスライド可能となるような形状をしている。例えば、制御ユニット10には、数多くの通信ユニット30が接続され得るため、制御ユニット10と通信ユニット30は、隣接して配置されることが好ましい。制御ユニット10と通信ユニット30との配線が短くなってノイズの影響を抑制でき、数多くの通信ユニット30についての通信品質を改善できるためである。
[効果等]
以上説明したように、制御ユニット10は、施設に設けられた設備システムを制御するための制御ユニットである。制御ユニット10は、設備システムと制御ユニット10との通信のための通信ユニット30と接続される第1IF11と、制御ユニット10および通信ユニット30に電力を供給する電源ユニット20と接続される第2IF12と、を備える。制御ユニット10は、電源ユニット20および通信ユニット30と別体に設けられる。
これによれば、制御ユニット10は、施設における特定の設備システムと通信するための機能を有していなくても、当該特定の設備システムと通信するための通信ユニット30を第1IF11に接続することで、当該特定の設備システムの制御を行うことができるようになる。つまり、ユーザが制御ユニット10に制御を行わせたいと考える設備システムと通信するための通信ユニット30を第1IF11に接続するだけで、設備システムの制御を行うための機能の拡張を柔軟に行うことができる。
また、制御ユニット10が複数の第1IF11を備え、複数の第1IF11のそれぞれに通信ユニット30が接続される場合に、1つの通信ユニット30を介して制御される設備システムに故障等が発生したときでも、当該1つの通信ユニット30を介して制御される設備システムのメンテナンス等を、他の通信ユニット30を介して制御される設備システムに影響を与えずに行うことができる。通信ユニット30は、第1IF11に接続されて制御ユニット10の機能を拡張するものであることから、拡張した機能をメンテナンス等のために一時的に切り離すことも容易にできるためである。
また、制御ユニット10は、さらに、通信ユニット30を介して通信する設備システムと異なる別の設備システムと通信するための第3IF13を備えていてもよい。
これによれば、制御ユニット10は、通信ユニット30を介さず、設備システムの制御を直接行うこともできる。したがって、設備システムの制御を行うための機能の拡張をより柔軟に行うことができる。
また、制御ユニット10は、さらに、設備システムの管理を行う管理システム40と通信するための第4IF14を備えていてもよい。
これによれば、例えば、制御ユニット10が制御する設備システムが設けられる施設の管理室に設置されたコンピュータまたはサーバ装置である管理システム40から遠隔に設備システムの管理を行うことができる。
また、ユニットシステム1は、制御ユニット10と、電源ユニット20と、通信ユニット30と、を備える。
これによれば、設備システムの制御を行うための機能の拡張を柔軟に行うことができるユニットシステム1を提供できる。
また、電源ユニット20は、交流電力を直流電力に変換する変換部を備えていてもよい。
一般的に、直流電力で動作する設備システムが多いため、交流電力は直流電力に変換された後に使用されることが多い。本態様では、制御ユニット10および通信ユニット30のそれぞれに交流電力を直流電力に変換する変換部を設ける必要がなく、電源ユニット20において変換された直流電力を制御ユニット10および通信ユニット30に供給できる。これにより、システム全体の小型化、低コスト化が可能となる。
また、通信ユニット30は、電流および電圧の少なくとも一方の変化を用いた通信方式により、設備システムと制御ユニット10との通信を行う通信部を備えていてもよい。
例えば、電流および電圧の両方の変化を用いた通信方式により、情報の伝送および電力の供給の両方を1つの通信線(電力線)により同時に行うことができる。これにより、システム全体の小型化、低コスト化が可能となる。
また、通信ユニット30は、制御ユニット10を介さずに電源ユニット20から電力供給を受けるように構成されていてもよい。
例えば、通信ユニット30が制御ユニット10を介して電源ユニット20から電力供給を受ける場合には、制御ユニット10への電力供給が停止されることで、通信ユニット30も電力供給を受けられなくなる。これに対して本態様では、通信ユニット30が制御ユニット10を介さず電源ユニット20から電力供給を直接受けるため、制御ユニット10への電力供給が停止されても、通信ユニット30は電力供給を受けることができる。これにより、システムの保守およびメンテナンスを行いやすくなる。
また、通信ユニット30は、第1動作モードおよび第2動作モードにより設備システムを制御し、第1動作モードは、制御ユニット10からの信号に基づいて設備システムを制御するモードであり、第2動作モードは、制御ユニット10からの信号が通信ユニット30に届かないときに、制御ユニット10からの信号に基づかずに設備システムを制御するモードであってもよい。
これによれば、制御ユニット10が故障等したために、制御ユニット10からの信号が通信ユニット30に届かない場合であっても、通信ユニット30は、第2動作モードによって制御ユニット10の代わりに自身が設備システムを制御できる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る制御ユニット10およびユニットシステム1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、制御ユニット10は、第3IF13を備えたが、備えていなくてもよい。つまり、制御ユニット10は、通信ユニット30を介さずに設備システムと直接通信する機能を有していてなくてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、制御ユニット10は、第4IF14を備えたが、備えていなくてもよい。つまり、制御ユニット10は、管理システム40と通信する機能を有していなくてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、ユニットシステム1は、制御ユニット10、電源ユニット20および通信ユニット30を備えたが、これに限らない。例えば、ユニットシステム1は、制御ユニット10と、電源ユニット20と、を備え、通信ユニット30を備えていなくてもよい。また、例えば、ユニットシステム1は、制御ユニット10と、通信ユニット30と、を備え、電源ユニット20を備えていなくてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、電源ユニット20は、交流電力を直流電力に変換する変換部を備えていたが、備えていなくてもよい。例えば、制御ユニット10および通信ユニット30がそれぞれ変換部を備えていてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、通信ユニット30は、電流および電圧の少なくとも一方の変化を用いた通信方式により、設備システムと制御ユニット10との通信を行う通信部を備えていたが、これに限らない。例えば、当該通信部はその他の通信方式により、設備システムと制御ユニット10との通信を行ってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、通信ユニット30は、制御ユニット10を介さずに電源ユニット20から電力供給を受けるように構成されていたが、制御ユニット10を介して電源ユニット20から電力供給を受けるように構成されていてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、通信ユニット30は、第1動作モードおよび第2動作モードにより設備システムを制御したが、第2動作モードにより設備システムを制御しなくてもよい。例えば、通信ユニット30は、第1動作モードのみにより設備システムを制御してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、スイッチ52および55は、照明器具のオン、オフまたは調光制御等に用いられたが、空調機器のオン、オフまたは設定温度の変更等に用いられてもよい。
また、本発明は、制御ユニット10およびユニットシステム1として実現できるだけでなく、制御ユニット10およびユニットシステム1を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む通知方法として実現できる。
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
また、上記実施の形態の制御ユニット10およびユニットシステム1に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
また、上記実施の形態の制御ユニット10およびユニットシステム1に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、制御ユニット10およびユニットシステム1に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。