以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
図1は、非破壊検査判定業務管理システム1の一例を示す全体図である。非破壊検査判定業務管理システム1は、溶接現場10の各所に設けられた溶接箇所11の非破壊検査に係る画像データに基づいて溶接の欠陥の有無を判定する判定業務を依頼する依頼者40と、その判定常務を請け負う判定士50(請負者)との間でビジネスマッチングを実現するとともに、判定業務に係る各種のデータ(画像データ、欠陥判定データ等)をプールするためのシステムである。
非破壊検査判定業務管理システム1は、その主要な構成要素として、非破壊検査判定データ管理装置2、データベース装置3、依頼者端末装置4、及び、判定士端末装置5を備える。非破壊検査判定業務管理システム1を構成する各装置は、有線又は無線の通信網8に接続されて、各種のデータを相互に送受信可能に構成される。特に、非破壊検査判定データ管理装置2と、依頼者端末装置4及び判定士端末装置5との間は、通信網8の一部として、インターネット経由にて接続される。なお、非破壊検査判定業務管理システム1を構成する各装置の数、配置及び接続方法は、図1の例に限られない。
溶接現場10は、例えば、天然ガスプラント、石油精製プラント、化学処理プラント、発電プラント、製鉄プラント等のプラント施設や、タンカー、貨物船、客船等の船舶や、鉄道のレール等のインフラ設備を建設(建造)する現場である。溶接現場10では、溶接工程及び非破壊検査工程を請け負う複数のサブコントラクタ(請負業者)にそれぞれ所属する溶接士や撮像作業者等の作業者が、元請業者の現場管理者による工程管理下にて溶接工程及び非破壊検査工程に伴う各種の作業を実施する。なお、溶接現場10は、上記のような建設物が新設される場合だけでなく、改修される場合も含まれる。また、溶接現場10は、溶接箇所11が各所に設けられる現場であれば、上記の建設物の例に限られない。
溶接箇所11は、例えば、溶接現場10となるプラントや船舶等の設計図の一部として作成されるスプール図に表される。溶接箇所11は、溶接現場10において、任意の流体が流通する配管同士を溶接する箇所、配管と配管継手部材(例えば、フランジ、エルボ、ティー等)とを溶接する箇所、又は、配管継手部材同士を溶接する箇所である。なお、溶接箇所11は、部材同士を溶接する箇所であれば上記の例に限られない。
溶接工程は、溶接士が溶接機6を用いて、溶接箇所11毎に定められた溶接条件に従って実施される作業工程である。本実施形態では、溶接工程は、アーク溶接を用いる場合を中心に説明するが、ガス溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗圧接等の任意の溶接方法を用いてもよい。
溶接工程における溶接条件としては、例えば、溶接箇所11の口径、肉厚、材質(母材)、継手形状、溶接材料、予熱、溶接後熱処理、シールドガス、電気特性(溶接電流、溶接電圧等)、溶接方法(溶接速度、溶接方向、溶接角度、アークタイム)等が定められる。溶接条件は、例えば、溶接工程の施工指示書等により溶接箇所11毎に定められ、溶接条件の一部の情報は、スプール図に表される。そして、溶接条件に従って実施された溶接工程における溶接実施記録として、例えば、溶接機6の動作状態が記録された溶接機動作データ、及び、溶接箇所11の予熱状態が記録された予熱データ等が取得される。
非破壊検査工程は、撮像作業者が検査機7を用いて、溶接工程が実施された溶接箇所11に放射線(X線、γ線等)を照射し、その溶接箇所11を透過した放射線の強度を画像データとして撮像する撮像工程と、判定士50が判定士端末装置5を用いて、判定業務に係る溶接箇所11の画像データに基づいて溶接箇所11における溶接の欠陥の有無を判定する画像判定工程とからなる。溶接の欠陥は、例えば、ブローホール、ピット、割れ、アンダーカット、オーバーラップ等の欠陥種に分類され、その大きさ、深さ又は形状が許容範囲を超える場合、「欠陥有り」(不合格)と判定され、そうでない場合、「欠陥無し」(合格)と判定される。画像判定工程では、溶接箇所11の画像データに基づいて溶接の欠陥の有無が判定された結果(欠陥判定結果)を示す欠陥判定データが取得される。
判定業務は、例えば、サブコントラクタ(請負業者)や元請業者等の依頼者40からの依頼に対して、複数の判定士50のうちその依頼を請け負う判定士50が請負者50aとして選択されて、依頼者40と請負者50aとの間で判定業務の契約が成立した上で遂行される。判定業務の契約では、例えば、当該判定業務において判定対象とする1又は複数の溶接箇所11(以下、「判定溶接箇所11a」という)が特定されるとともに、契約金額、契約形態(固定給、歩合給、固定給と歩合給との組み合わせ等)、及び、判定業務遂行期限等を含む契約条件が決定される。
非破壊検査判定データ管理装置2は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図6参照)で構成される。非破壊検査判定データ管理装置2は、他の装置からのデータベース装置3に対するアクセスを制御し、データベース装置3に記憶された判定業務に係る各種のデータ(画像データ、欠陥判定データ等)を管理する。非破壊検査判定データ管理装置2の詳細は後述する。
データベース装置3は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図6参照)で構成される。データベース装置3は、判定業務に係る各種のデータを記憶する第1乃至第3のデータベース31~33を備える。第1乃至第3のデータベース31~33の詳細は後述する。
依頼者端末装置4は、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図6参照)等で構成され、判定業務の依頼者40により使用される。依頼者端末装置4は、入力画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、アプリやブラウザ等の表示画面を介して各種の情報を表示する。依頼者端末装置4は、依頼者40が判定業務を判定士50に依頼する際に、当該判定業務に係る溶接箇所11の画像データをインターネット経由で非破壊検査判定データ管理装置2に送信するとともに、判定業務の遂行結果として、欠陥判定データを非破壊検査判定データ管理装置2から受信する。
また、依頼者端末装置4は、依頼者40が管理する又は請け負う溶接現場10に設けられた溶接箇所毎に、溶接条件、溶接工程にて取得された溶接実施記録及び撮像工程にて取得された撮像実施記録を記憶する工程実施記録記憶部41と、判定士50との間で判定業務の契約が成立したことを示す契約情報を記憶する契約情報記憶部42とを備える。工程実施記録記憶部41には、各溶接箇所11にて溶接工程が実施されることで、溶接実施記録として、溶接実施日時、溶接士ID、予熱データ、溶接機動作データ等が随時登録されとともに、各溶接箇所11にて撮像工程が実施されることで、撮像実施記録として、撮像日時、撮像作業者ID、画像データ等が随時登録される。そのため、工程実施記録記憶部41は、溶接現場ID、図面番号及び溶接箇所番号により特定される溶接箇所11毎にレコードを有し、各レコードには、溶接条件、溶接実施記録、及び、撮像実施記録が登録される。
判定士端末装置5は、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図6参照)等で構成され、溶接現場10とは異なる場所で判定業務を遂行する判定士50により使用される。判定士端末装置5は、依頼者端末装置4と同様に、入力画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、アプリやブラウザ等の表示画面を介して各種の情報を表示する。判定士端末装置5は、判定業務に係る溶接箇所11の画像データをインターネット経由で非破壊検査判定データ管理装置2から受信し、表示画面に表示するとともに、判定士50による欠陥判定結果を示す欠陥判定データを非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
また、判定士端末装置5は、依頼者40との間で判定業務の契約が成立したことを示す契約情報を記憶する契約情報記憶部51を備える。
(第1乃至第3のデータベース31~33の構成)
図2は、第1のデータベース31の一例を示すデータ構成図である。第1のデータベース31は、溶接現場ID、図面番号及び溶接箇所番号により特定される判定溶接箇所11a毎にレコードを有し、各レコードには、溶接条件、溶接実施記録、撮像実施記録、及び、欠陥推論データが登録される。
溶接条件は、そのフィールドとして、口径、肉厚、材質(母材)、継手形状、溶接材料、予熱、溶接後熱処理、シールドガス、溶接電流、溶接電圧、溶接速度、溶接方向、溶接角度、及び、アークタイムを有する。溶接実施記録は、そのフィールドとして、溶接実施日時、予熱データ、及び、溶接機動作データを有する。撮像実施記録は、そのフィールドとして、撮像実施日時、及び、画像データを有する。画像データは、1つの溶接箇所11に対して1又は複数の画像を含む。
図3は、第2のデータベース32の一例を示すデータ構成図である。第2のデータベース32は、依頼者40に関する依頼者情報が登録される依頼者テーブル32Aと、判定士50に関する判定士情報が登録される判定士テーブル32Bと、判定業務テーブル32Cとから構成される。
依頼者テーブル32Aは、依頼者IDにより特定される依頼者40毎にレコードを有し、各レコードには、氏名、所属先、及び、連絡先が登録される。
判定士テーブル32Bは、判定士IDにより特定される判定士50毎にレコードを有し、各レコードには、判定士プロフィール、及び、判定士希望契約条件が登録される。判定士プロフィールは、そのフィールドとして、氏名、所属先、及び、連絡先、保有資格、経験、欠陥判定傾向、及び、判定一致傾向を有する。判定士希望契約条件は、そのフィールドとして、契約金額、及び、契約形態を有する。
判定業務テーブル32Cは、判定業務IDにより特定される判定業務毎にレコードを有し、各レコードには、依頼者ID、判定溶接箇所11a、契約日時、請負者ID、及び、契約条件が登録される。判定溶接箇所11aは、判定業務において判定対象とする1又は複数の溶接箇所11を特定するためのフィールドとして、溶接現場ID、図面番号、及び、溶接箇所番号を有する。判定業務が、複数の溶接箇所11を判定対象とする場合には、判定溶接箇所11aのフィールドにて、複数の溶接箇所11が特定される。請負者IDは、判定業務の請負者50aとして選択された判定士50を判定士IDにより特定する識別情報である。契約条件は、そのフィールドとして、判定業務遂行期限、契約金額、及び、契約形態を有する。
図4は、第3のデータベース33の一例を示すデータ構成図である。第3のデータベース33は、溶接現場ID、図面番号及び溶接箇所番号により特定される判定溶接箇所11a毎にレコードを有し、各レコードには、判定実施日時、判定士ID、及び、欠陥判定データを有する。
欠陥判定データは、溶接の欠陥の有無(「欠陥有り」又は「欠陥無し」)とともに、「欠陥有り」の場合には、その欠陥の詳細な状況を示す欠陥詳細状況をさらに含む。欠陥詳細状況は、そのフィールドとして、例えば、画像データ上の位置を示す欠陥位置、欠陥種、大きさ、及び、深さを有する。なお、1つの画像データに対して複数の欠陥が撮像されている場合には、欠陥判定データは、欠陥毎に欠陥詳細状況をそれぞれ含む。
なお、第1乃至第3のデータベース31~33のデータ構成は、上記の例に限られず適宜変更してもよく、上記のフィールドの一部が省略されてもよいし、上記以外のフィールドが追加されてもよい。また、第1乃至第3のデータベース31~33は、例えば、第1のデータベース31と第3のデータベース33とが統合された構成を採用してもよいし、4つ以上のデータベースに分割された構成を採用してもよい。さらに、第1乃至第3のデータベース31~33は、依頼者30毎に用意されてもよいし、溶接現場毎に用意されてもよい。
(非破壊検査判定データ管理装置2の構成)
図5は、非破壊検査判定データ管理装置2の一例を示すブロック図である。非破壊検査判定データ管理装置2は、プロセッサ等により構成される制御部20と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリ等により構成される記憶部21と、通信網8との通信インターフェースである通信部22と、キーボード、マウス等により構成される入力部23と、ディスプレイ等により構成される表示部24とを備える。なお、入力部23及び表示部24は省略されてもよい。
記憶部21には、非破壊検査判定データ管理プログラム210が記憶される。なお、記憶部21には、第1乃至第3のデータベース31~33の一部又は全部が記憶されてもよい。
制御部20は、記憶部21に記憶された非破壊検査判定データ管理プログラム210を実行することにより、図5に示すように、第1のデータベース登録部201、第2のデータベース登録部202、第3のデータベース登録部203、データ処理部204、契約支援部205、及び、判定業務支援部206として機能する。制御部20の各部の詳細は後述する。
第1のデータベース登録部201は、判定溶接箇所11a毎に、溶接条件、溶接工程における溶接実施記録、及び、撮像工程における撮像実施記録を関連付けて第1のデータベース31に登録する。なお、第1のデータベース登録部201は、少なくとも画像データを登録するものであればよい。
第2のデータベース登録部202は、依頼者40毎に、依頼者情報として、氏名、所属先、及び、連絡先を関連付けて第2のデータベース32(依頼者テーブル32A)に登録する。第2のデータベース登録部202は、判定士50毎に、判定士情報として、判定士プロフィール、及び、判定士希望契約条件を関連付けて第2のデータベース32(判定士テーブル32B)に登録する。なお、第2のデータベース登録部202は、判定士情報として、少なくとも保有資格を含む判定士プロフィールを登録するものであればよい。第2のデータベース登録部202は、判定業務毎に、依頼者ID、判定溶接箇所11a、契約日時、請負者ID、及び、契約条件を関連付けて第2のデータベース32(判定業務テーブル32C)に登録する。なお、判定業務が、複数の溶接箇所11を判定対象とする場合には、第2のデータベース登録部202は、判定溶接箇所11aに対して複数組の溶接現場ID、図面番号及び溶接箇所番号を登録する。
第3のデータベース登録部203は、判定溶接箇所11a毎に、判定工程における判定実施記録として、判定実施日時、判定士ID、及び、欠陥判定データを第3のデータベース33に登録する。なお、第3のデータベース登録部203は、少なくとも欠陥判定データを登録するものであればよい。
データ処理部204は、第1乃至第3のデータベース31~33に登録された情報に基づいて、所定の処理を行う。データ処理部204は、所定の処理を行う各部として、判定士抽出部204A、アクセス制御部204B、欠陥判定分析部204C、機械学習部204D、欠陥推論部204E、及び、判定一致分析部204Fを備える。なお、データ処理部204の各部204A~204Fの詳細は後述する。
契約支援部205は、データ処理部204と連携し、例えば、判定業務の契約用ウェブサイトを介して判定業務の依頼及び契約を支援するための各種の処理を行う。判定業務支援部206は、データ処理部204と連携し、例えば、判定業務の遂行用ウェブサイトを介して判定業務の遂行を支援するための各種の処理を行う。その際、契約支援部205及び判定業務支援部206は、依頼者テーブル32Aに登録済みの依頼者40、及び、判定士テーブル32Bに登録済みの判定士50に対して上記のウェブサイトへのログインを許可することで、依頼者端末装置4及び判定士端末装置5との間で各種の情報をインターネット経由で送受信する。
なお、制御部20が備える各部の機能は、1つの装置(本実施形態の非破壊検査判定データ管理装置2)で実現されることに代えて、各部の機能が複数の装置に分散されることで複数の装置で実現されてもよい。
図6は、非破壊検査判定業務管理システム1の各装置を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
非破壊検査判定データ管理装置2、データベース装置3、依頼者端末装置4、及び、判定士端末装置5の各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。コンピュータ900は、図6に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1の通信網8と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)等のハードウエアで実現するものでもよい。
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。
以下、非破壊検査判定データ管理装置2の各部(非破壊検査判定データ管理プログラム210により実行される非破壊検査判定データ管理方法の各ステップ)と、非破壊検査判定業務管理システム1による一連の動作について、図7乃至図23を参照して説明する。ここでは、第2のデータベース32には、第2のデータベース32(依頼者テーブル32Aの各レコード)に対して複数の依頼者40に関する依頼者情報が、第2のデータベース登録部202により登録済みであり、第2のデータベース32(判定士テーブル32Bの各レコード)に対して複数の判定士50に関する判定士情報が、第2のデータベース登録部202により登録済みであるものとして説明する。なお、第2のデータベース32(依頼者テーブル32A及び判定士テーブル32B)に登録済みの情報は、適宜編集(追加、変更又は削除)されてもよい。
(1)判定業務の依頼及び契約
図7及び図8は、判定業務の依頼及び契約に関する契約支援処理の一例を示すフローチャートである。図7及び図8では、契約支援部205が、判定士抽出部204Aと連携して、依頼者40が判定士50に判定業務を依頼し、依頼者40と判定士50との間で判定業務の契約を成立する手続きを支援する場合の動作について説明する。
まず、ステップS101にて、依頼者40が依頼者端末装置4を用いて、判定業務の契約用ウェブサイトにアクセスすると、依頼者端末装置4は、その依頼者40を特定する依頼者IDを非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
次に、ステップS102にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、その依頼者IDを受信すると、契約支援部205は、その依頼者IDが依頼者テーブル32Aに登録済みであるか否かに応じて、契約用ウェブサイトへのログインを許可するか否かを判定する。その結果、契約支援部205が、ログインを許可すると判定した場合(ステップS102:Yes)、ステップS103にて、判定業務の依頼を入力するためのウェブページ情報を依頼者端末装置4に送信し、ステップS110に進む。一方、契約支援部205が、ログインを許可しないと判定した場合(ステップS102:No)、ステップS104にて、その旨を依頼者端末装置4に送信し、エラー終了する。
次に、ステップS110にて、依頼者端末装置4は、非破壊検査判定データ管理装置2からウェブページ情報を受信すると、そのウェブページ情報に基づく判定業務依頼画面43を表示する。
図9は、判定業務依頼画面43の一例を示す図である。判定業務依頼画面43は、依頼者40が判定士プロフィールとして希望する依頼者希望判定士条件(保有資格、経験等)を入力する入力欄430と、依頼者40が契約の条件として希望する依頼者希望契約条件(判定業務遂行期限、契約金額、契約形態等)を入力する入力欄431と、判定溶接箇所11aを入力する入力欄432と、入力欄430~432に入力された依頼内容で判定業務を依頼する判定業務依頼ボタン433とを備える。
判定溶接箇所11aの入力欄432には、例えば、工程実施記録記憶部41の参照先であるデータベース参照先と、工程実施記録記憶部41に登録された溶接現場ID、図面番号及び溶接箇所番号とがリスト形式で指定されることで、判定対象とする1又は複数の溶接箇所11が入力される。
次に、ステップS111にて、依頼者40が、判定業務依頼画面43において、入力欄430~432に判定業務の依頼内容を入力し、判定業務依頼ボタン433を押下する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく判定業務依頼情報を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。その際、依頼者端末装置4は、工程実施記録記憶部41から入力欄432で指定された判定溶接箇所11aに対応するレコードの情報(溶接条件、溶接実施記録、及び、撮像実施記録)を取得することで、判定業務依頼情報には、依頼者ID、依頼者希望判定士条件、依頼者希望契約条件、判定溶接箇所11a、並びに、判定溶接箇所11aにおける溶接条件、溶接実施記録、及び、撮像実施記録(画像データを含む)が含まれる。
次に、ステップS112にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、依頼者端末装置4から判定業務依頼情報を受信すると、第2のデータベース登録部202は、その判定業務依頼情報に対して新たな判定業務IDを割り振るとともに、その判定業務IDに関連付けて、依頼者ID、及び、判定溶接箇所11aを第2のデータベース32(判定業務テーブル32C)に登録する。そして、ステップS113にて、第1のデータベース登録部201は、その判定業務依頼情報に含まれる判定溶接箇所11aに関連付けて、当該判定溶接箇所11aにおける溶接条件、溶接実施記録、及び、撮像実施記録(画像データを含む)を第1のデータベース31に登録する。
次に、ステップS114にて、判定士抽出部204Aは、判定業務依頼情報に含まれる依頼者希望判定士条件及び依頼者希望契約条件を受け付けて、判定士テーブル32Bに登録された判定士50のうち、当該依頼者希望判定士条件及び当該依頼者希望契約条件に合致する判定士50の候補を抽出する。例えば、依頼者希望判定士条件が、図9に示すように、保有資格「RTレベル3」及び経験「3年以上」と指定された場合には、判定士抽出部204Aは、判定士テーブル32Bに登録された各判定士50の判定士プロフィールにおける保有資格及び経験をそれぞれ参照し、上記の条件を満たす判定士50を抽出する。また、依頼者希望契約条件が、図9に示すように、契約金額「X,XX円/件」及び契約形態「歩合給」と指定された場合には、判定士抽出部204Aは、判定士テーブル32Bに登録された各判定士50の判定士希望契約条件における契約金額及び契約形態をそれぞれ参照し、上記の条件を満たす判定士50を抽出する。
次に、ステップS115にて、契約支援部205は、判定士抽出部204Aにより抽出された判定士50の候補を表示するためのウェブページ情報を依頼者端末装置4に送信する。そして、ステップS120にて、依頼者端末装置4は、非破壊検査判定データ管理装置2からウェブページ情報を受信すると、そのウェブページ情報に基づく候補判定士画面44Aを表示する。
図10は、候補判定士画面44Aの一例を示す図である。候補判定士画面44Aは、依頼者40により指定された依頼者希望判定士条件及び依頼者希望契約条件を表示する表示欄440、441と、判定士抽出部204Aにより抽出された判定士50の候補を表示する表示欄442と、表示欄442に表示された判定士50の候補のうち依頼者40が請負者50aとして希望する判定士50を選択するための選択枠443と、選択枠443により選択された判定士50に判定業務の契約を申請する判定業務契約申請ボタン444と、判定業務の依頼内容を再入力するための依頼再入力ボタン445と、判定士50の特徴として欠陥判定傾向を分析するための欠陥判定分析ボタン446と、判定士50の特徴として判定一致傾向を分析するための判定一致分析ボタン447とを備える。図10に示す候補判定士画面44Aには、4人の判定士50が、判定士抽出部204Aにより判定士50の候補として抽出されて、リスト形式にて表示されている。なお、欠陥判定分析ボタン446及び判定一致分析ボタン447が押下された場合の動作の詳細は後述する。
次に、ステップS121にて、依頼者40が、候補判定士画面44Aにおいて、選択枠443により判定士50の候補を選択し、判定業務契約申請ボタン444を押下する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく希望判定士情報を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。希望判定士情報には、例えば、依頼者40により選択された判定士50の候補を示す判定士IDが含まれる。
次に、ステップS122にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、依頼者端末装置4から希望判定士情報を受信すると、契約支援部205は、その希望判定士情報に含まれる判定士IDにより特定される判定士50の判定士端末装置5に判定業務契約申請通知を送信する。判定業務契約申請通知は、例えば、判定士50の連絡先宛てに電子メール形式又はグループウェアのメッセージ形式で送信される。判定業務契約申請通知には、例えば、ステップS112で受信した判定業務依頼情報に基づく依頼者40の氏名及び所属先、依頼者希望契約条件、並びに、判定溶接箇所11aの件数等が含まれる。
次に、ステップS130にて、判定士端末装置5が、非破壊検査判定データ管理装置2から判定業務契約申請通知を受信すると、その判定業務契約申請通知からアクセス可能なウェブページ情報に基づく判定業務契約申請画面52を表示する。
図11は、判定業務契約申請画面52の一例を示す図である。判定業務契約申請画面52は、依頼者40の氏名及び所属先を表示する表示欄520と、依頼者希望契約条件を表示する表示欄521と、判定業務の依頼を承諾する承諾ボタン522と、判定業務の依頼を拒否する拒否ボタン523とを備える。
次に、ステップS131にて、判定士50が、判定業務契約申請画面52において、承諾ボタン522を押下する承諾操作を行うと、判定士端末装置5は、その承諾操作に基づく契約承諾情報を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
次に、ステップS132にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、判定士端末装置5から契約承諾情報を受信すると、第2のデータベース登録部202は、ステップS112で割り振った判定業務IDに関連付けて、契約承諾情報の受信日時を、第2のデータベース32(判定業務テーブル32C)の契約日時に登録するとともに、ステップS121で受信した判定士選択情報に含まれる判定士IDを、第2のデータベース32(判定業務テーブル32C)の請負者IDに登録する。また、第2のデータベース登録部202は、ステップS112で受信した判定業務依頼情報に含まれる依頼者希望契約条件を、第2のデータベース32(判定業務テーブル32C)の契約条件に登録する。
次に、ステップS133にて、契約支援部205は、判定業務の契約が成立したことを示す契約情報を、依頼者端末装置4及び判定士端末装置5にそれぞれ送信する。契約情報には、例えば、判定業務ID、依頼者ID、契約日時、請負者ID、及び、契約条件が含まれる。
そして、ステップS134、S135にて、依頼者端末装置4及び判定士端末装置5は、非破壊検査判定データ管理装置2から契約情報をそれぞれ受信すると、その契約情報を依頼者端末装置4の契約情報記憶部42及び判定士端末装置5の契約情報記憶部51にそれぞれ記憶し、一連の処理を終了する。なお、図11に示す判定業務契約申請画面52において、拒否ボタン523が押下された場合には、その旨が依頼者端末装置4に通知されて、依頼者40は、例えば、他の判定士50を選択したり、判定業務の依頼内容を再入力したりすればよい。
以上のようにして、契約支援部205が、判定士抽出部204Aと連携して、依頼者40が判定士50に判定業務を依頼し、依頼者40と判定士50との間で判定業務の契約を成立する手続きを支援する。その際、判定士抽出部204Aが、例えば、図9に示す判定業務依頼画面43を介して判定業務の依頼者40が依頼者希望判定士条件及び判定士希望契約条件を受け付けて、第2のデータベースに登録された判定士50のうち当該依頼者希望判定士条件及び当該依頼者希望契約条件に合致する判定士50を抽出する。これにより、依頼者40は、自己の希望に合致する判定士50に対して判定業務を依頼することができる。
(2)判定業務の遂行
図12及び図13は、判定業務の遂行に関する判定業務支援処理の一例を示すフローチャートである。図12及び図13では、判定業務支援部206が、アクセス制御部204Bと連携して、請負者50aによる判定業務の遂行を支援し、その判定業務の遂行結果を依頼者40に提供する場合の動作について説明する。
まず、ステップS201にて、請負者50aが判定士端末装置5を用いて、判定業務の遂行用ウェブサイトにアクセスすると、判定士端末装置5は、その請負者50aを特定する請負者ID(判定士ID)を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
次に、ステップS202にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、その請負者IDを受信すると、判定業務支援部206は、その請負者IDが判定士テーブル32Bに登録済みであるか否かに応じて、遂行用ウェブサイトへのログインを許可するか否かを判定する。その結果、判定業務支援部206が、ログインを許可すると判定した場合(ステップS202:Yes)、ステップS203にて、請負者50aが請け負っている判定業務の開始を指示するためのウェブページ情報を判定士端末装置5に送信し、ステップS210に進む。一方、判定業務支援部206が、ログインを許可しないと判定した場合(ステップS202:No)、ステップS204にて、その旨を判定士端末装置5に送信し、エラー処理を終了する。
次に、ステップS210にて、判定士端末装置5は、非破壊検査判定データ管理装置2からウェブページ情報を受信すると、そのウェブページ情報に基づく判定業務開始画面53を表示する。
図14は、判定業務開始画面53の一例を示す図である。判定業務開始画面53は、請負者50aが契約済みの判定業務を表示する表示欄530と、表示欄530に表示された判定業務のうち請負者50aが開始を指示する判定業務を選択するための選択枠531と、選択枠531により選択された判定業務の開始を指示する判定業務開始ボタン532とを備える。
次に、ステップS211にて、請負者50aが、判定業務開始画面53において、選択枠531により開始を指示する判定業務を選択し、判定業務開始ボタン532を押下する入力操作を行うと、判定士端末装置5は、請負者50aにより開始が指示された判定業務に係る契約情報を契約情報記憶部42から読み出して、当該契約情報を含む判定業務開始通知を生成し、非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
次に、ステップS212にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、判定士端末装置5から判定業務開始通知を受信すると、アクセス制御部204Bは、その判定業務開始通知に含まれる契約情報に基づいて、第1のデータベース31に登録された画像データのうち、契約情報の判定業務IDにより特定される判定業務に係る判定溶接箇所11aの画像データにインターネット経由でアクセスすることを請負者50aに許可する。判定業務に係る判定溶接箇所11aの画像データは、第2のデータベース32(判定業務テーブル32C)において契約情報の判定業務IDに関連付けられた1又は複数の判定溶接箇所11aが特定され、さらに第1のデータベース31において当該判定溶接箇所11aに関連付けられた1又は複数の画像データが特定されたものである。
次に、ステップS213にて、判定業務支援部206は、アクセス制御部204Bによりアクセスが許可された画像データを表示するためのウェブページ情報を判定士端末装置5に送信する。なお、第1のデータベース31に、図5に示すように、判定溶接箇所11aに関連付けて溶接条件及び溶接実施記録がさらに登録されている場合には、アクセス制御部204Bは、請負者50aが画像データだけでなく溶接条件及び溶接実施記録の少なくとも一方についてもインターネット経由でアクセスすることを請負者50aに許可してもよい。その場合、判定業務支援部206は、アクセス制御部204Bによりアクセスが許可された画像データ並びに溶接条件及び溶接実施記録の少なくとも一方を表示するためのウェブページ情報を判定士端末装置5に送信するようにしてもよい。
次に、ステップS220にて、判定士端末装置5は、非破壊検査判定データ管理装置2からウェブページ情報を受信すると、そのウェブページ情報に基づく判定結果入力画面54Aを表示する。
図15は、判定結果入力画面54Aの一例を示す図である。判定結果入力画面54Aは、判定業務に係る画像データを表示する画像表示領域540Aと、判定溶接箇所11aを特定する溶接現場ID、図面番号及び溶接箇所番号を表示する表示欄541と、溶接条件を表示する表示欄542と、溶接実施記録を表示する表示欄543と、請負者50aが「欠陥無し」と判定した場合にその旨を指示する第1の欠陥判定指示ボタン544Aと、請負者50aが「欠陥有り」と判定した場合にその旨を指示する第2の欠陥判定指示ボタン544Bと、請負者50aが「欠陥有り」と判定した場合に欠陥詳細状況を入力する入力欄545と、判定業務の終了を指示する判定業務終了ボタン546とを備える。
次に、ステップS221にて、請負者50aが、判定結果入力画面54Aにおいて、画像表示領域540Aに表示された各判定溶接箇所11aの画像データを目視確認し、各判定溶接箇所11aの画像データに対する欠陥判定結果を第1及び第2の欠陥判定指示ボタン544A、544B並びに入力欄545にて指示し、判定業務終了ボタン546を押下する入力操作を行うと、判定士端末装置5は、その入力操作に基づく欠陥判定データを非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
次に、ステップS222にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、判定士端末装置5から欠陥判定データを受信すると、第3のデータベース登録部203は、その欠陥判定データを判定溶接箇所11aに関連付けて第3のデータベース33に登録する。その際、第3のデータベース登録部203は、その欠陥判定データの受信日時を、第3のデータベース33の判定日時に登録するとともに、S201で受信した請負者ID(判定士ID)を、第3のデータベース33の判定士IDに登録する。判定業務が、複数の溶接箇所11を判定対象とする場合には、第3のデータベース登録部203は、判定溶接箇所11a毎に、判定日時、請負者ID(判定士ID)、及び、欠陥判定データを第3のデータベース33に登録する。
なお、後述するように、第3のデータベース33に登録された欠陥判定データは、依頼者40による確認を受ける場合がある。この際、欠陥判定データに含まれる少なくとも1つの欠陥判定結果は、依頼者40の別の判定士によってチェックされる。このチェックにより両者の判定に差異があると判明すると、請負者50aは、欠陥判定を再度行って欠陥判定データを改めて入力する。そして、第3のデータベース33には、請負者50aによる最終的な欠陥判定データが登録されることになる。また、第3のデータベース33には、請負者50aによる最終的な欠陥判定結果とともに、依頼者40の別の判定士による欠陥判定結果が登録されてもよい。
そして、ステップS223にて、判定業務支援部206が、判定業務の終了を確認すると、ステップS212で受信した判定業務開始通知に含まれる契約情報の依頼者IDにより特定される依頼者40の依頼者端末装置4に判定業務終了通知を送信する。判定業務終了通知は、例えば、依頼者40の連絡先宛てに電子メール形式又はグループウェアのメッセージ形式で送信される。判定業務終了通知には、例えば、ステップS212で受信した判定業務開始通知に含まれる契約情報等が含まれる。
次に、ステップS230にて、依頼者端末装置4が、非破壊検査判定データ管理装置2から判定業務終了通知を受信し、その判定業務終了通知に対する応答として、判定結果確認要求を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。判定結果確認要求には、例えば、判定業務開始通知に含まれる契約情報、又は、契約情報記憶部42に記憶された契約情報が含まれる。
そして、ステップS231にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、依頼者端末装置4から判定結果確認要求を受信すると、アクセス制御部204Bは、その判定結果確認要求に含まれる契約情報に基づいて、第3のデータベース33に登録された欠陥判定データのうち、契約情報の判定業務IDにより特定される判定業務に係る欠陥判定データにインターネット経由でアクセスすることを依頼者40に許可する。
次に、ステップS232にて、判定業務支援部206は、アクセス制御部204Bによりアクセスが許可された欠陥判定データを表示するためのウェブページ情報を依頼者端末装置4に送信する。そして、ステップS240にて、依頼者端末装置4が、非破壊検査判定データ管理装置2からウェブページ情報を受信すると、そのウェブページ情報に基づく判定結果確認画面45を表示する。
図16は、判定結果確認画面45の一例を示す図である。判定結果確認画面45は、請負者50aの氏名及び所属先を表示する表示欄450と、契約条件を表示する表示欄451と、欠陥判定結果の概要を表示する表示欄452と、欠陥判定結果の詳細を表示する表示欄453と、欠陥判定結果を示す欠陥判定データを依頼者端末装置4にダウンロードするためのダウンロードボタン454と、依頼者40が欠陥判定結果の確認を完了した旨を指示する確認完了ボタン455とを備える。なお、請負者50aに関する表示欄450と、契約条件に関する表示欄451は、例えば、依頼者端末装置4を使用する依頼者40の属性(所属部署等)に応じて適宜省略されてもよい。
次に、ステップS241にて、依頼者40が、判定結果確認画面45において、表示欄453に表示された各判定溶接箇所11aの欠陥判定結果を確認し、確認完了ボタン455を押下する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく判定結果確認通知を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。そして、ステップS242にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、依頼者端末装置4から判定結果確認通知を受信すると、判定業務支援部206は、判定業務の契約条件に基づいて、請負者50aに対する決済処理を実行し、一連の処理を終了する。
以上のようにして、判定業務支援部206が、アクセス制御部204Bと連携して、請負者50aによる判定業務の遂行を支援し、その判定業務の遂行結果を依頼者40に提供する。その際、アクセス制御部204Bが、第2のデータベース32に登録された判定士50のうち判定業務の請負者50aとして選択された判定士50と判定業務の契約が成立したことを示す契約情報に基づいて、第1のデータベース31に登録された画像データのうち当該判定業務に係る画像データにインターネット経由でアクセスすることを請負者50aに許可する。そのため、請負者50aは、判定業務に係る画像データにインターネット経由でアクセスすることができるため、溶接現場10に赴くことなく、遠隔地にて判定業務を遂行することができる。また、判定業務の依頼者40は、判定士50の確保が容易となり、判定士50の駐在費用を削減することができる。これにより、判定士50の作業性向上、及び、判定業務の依頼者40の負担軽減を図ることができる。
(3)判定士の欠陥判定傾向の分析
欠陥判定分析部204Cは、第3のデータベース33に登録された判定士ID及び欠陥判定データに基づいて、判定士50を分析軸として、判定士50が判定溶接箇所11aにおける溶接の欠陥の有無を判定したときの傾向を示す欠陥判定傾向を分析する欠陥判定分析処理を行う。その際、欠陥判定分析部204Cは、所定の分析条件を受け付けて、その分析条件に従って統計処理することで、欠陥判定傾向を分析する。なお、欠陥判定分析部204Cは、第1のデータベース31に登録された溶接条件及び溶接実施記録をさらに参照し、欠陥判定傾向を分析するようにしてもよい。
欠陥判定傾向を表す統計指標値は、例えば、判定士50が画像判定工程を実施した判定溶接箇所11aの総件数を分母としたときに、判定士50が「欠陥有り」と判定した判定溶接箇所11aの件数を分子として算出される欠陥有り判定比率でもよいし、判定士50が「欠陥無し」と判定した判定溶接箇所11aの件数を分子として算出される欠陥無し判定比率でもよい。また、欠陥判定傾向は、欠陥種のうちの特定の欠陥種に対しての欠陥有り判定比率又は欠陥無し判定比率でもよい。
分析条件は、上記の統計指標値の他に、例えば、分析対象範囲と、分析軸とが指定される。
分析対象範囲は、第3のデータベース33に登録された各レコードのうち、分析対象とするレコードの範囲を指定する。分析対象範囲は、例えば、時間(例えば、過去1週間、1か月、1年等)により指定され、欠陥判定分析部204Cは、その指定された時間に合致する判定日時が登録されたレコードを分析対象として抽出する。また、分析対象範囲は、例えば、欠陥種により指定され、欠陥判定分析部204Cは、その指定された欠陥種に合致する欠陥判定データが登録されたレコードを分析対象として抽出する。なお、分析対象範囲は、第1のデータベース31に登録された溶接条件及び溶接実施記録により指定されてもよい。
分析軸は、判定士50に加えて、例えば、時間(例えば、1日単位、1週間単位、1か月単位)により指定され、欠陥判定分析部204Cは、その指定された時間を分析軸として、欠陥判定傾向を分析する。また、分析軸は、判定士50に加えて、例えば、欠陥種により指定され、欠陥判定分析部204Cは、その指定された欠陥種を分析軸として、欠陥判定傾向を分析する。なお、分析軸は、判定士50に加えて、第1のデータベース31に登録された溶接条件及び溶接実施記録により指定されてもよい。
図17は、欠陥判定分析処理の一例を示すフローチャートである。図17では、欠陥判定分析部204Cが、図8のステップS120で表示された候補判定士画面44A(図10参照)の欠陥判定分析ボタン446が押下されて、依頼者端末装置4から欠陥判定分析処理における分析条件を受け付けて、その分析条件に従って欠陥判定傾向を分析する場合の動作について説明する。
まず、ステップS301にて、依頼者40が、候補判定士画面44A(図10参照)において、欠陥判定分析ボタン446を押下する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく分析条件入力画面を表示する。
次に、ステップS302にて、依頼者40が、分析条件入力画面において分析条件を指定し、分析実行を開始する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく欠陥判定分析処理の分析条件を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。
次に、ステップS310にて、非破壊検査判定データ管理装置2が、依頼者端末装置4から欠陥判定分析処理の分析条件を受信すると、欠陥判定分析部204Cは、その分析条件に従って、欠陥判定傾向を分析する。具体的には、欠陥判定分析部204Cは、第3のデータベース33から、分析条件として指定された分析対象範囲に合致するレコードを抽出する。そして、欠陥判定分析部204Cは、その抽出したレコードを、分析条件として指定された統計指標値及び分析軸に従って統計処理することで、欠陥判定傾向の分析結果を導出する。
次に、ステップS311にて、契約支援部205は、その欠陥判定傾向の分析結果を表示するためのウェブページを依頼者端末装置4に送信する。そして、ステップS320にて、依頼者端末装置4は、分析条件に対する応答として、非破壊検査判定データ管理装置2からウェブページ情報を受信すると、そのウェブページ情報に基づく候補判定士画面を表示する。
以上のようにして、欠陥判定分析部204Cにより第3のデータベース33に登録された情報に基づいて欠陥判定傾向が分析される。欠陥判定傾向の分析結果が、例えば、候補判定士画面に表示された場合、依頼者40は、その分析結果を、判定業務を依頼する判定士50を選択するときの参考情報として利用することができる。なお、欠陥判定傾向の分析の一例として、第3のデータベース33に請負者50aによる欠陥判定結果と依頼者40の別の判定士による欠陥判定結果が登録されている場合、これらの欠陥判定結果を用いて分析することが考えられる。この例によれば、請負者50a毎に欠陥の見逃しに関する傾向について分析することが可能となる。
(4)学習モデルを用いた溶接の欠陥の推論
図18は、機械学習処理及び欠陥推論処理の一例を示す概要図である。
機械学習部204Dは、学習モデル25に学習データを複数組入力することで、入力データと教師データとの相関関係を学習モデル25に機械学習させる機械学習処理を行う。学習データは、共通の判定溶接箇所11aに対して、第1のデータベース31に登録された画像データを入力データとし、第3のデータベース33に登録された欠陥判定データを教師データとして対応付けることで構成される。
学習モデル25は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(ディープラーニングを含む)で構成される。学習モデル25の入力層は、画像データに含まれる各画素の画素値が入力され、学習モデル25の出力層は、その画像データに対する欠陥推論データを出力する。学習モデル25は、例えば、溶接の欠陥の有無を判定した推論結果(二値分類)を欠陥推論データとして出力するものでもよいし、溶接の欠陥の有無とともに欠陥種を判定した推論結果(多値分類)を欠陥推論データとして出力するものでもよい。また、1つの画像データに対して複数の欠陥が撮像されている場合には、学習モデル25は、欠陥毎の位置と欠陥種を判定した推論結果を欠陥推論データとして出力するものでもよい。
機械学習部204Dは、学習データを構成する入力データを、学習モデル25の入力層に入力する。そして、学習モデル25の出力層から出力された欠陥推論データと、当該学習データを構成する教師データとを比較する誤差関数を用いて、誤差関数の評価値が小さくなるように、各層の間に対応付けられた重みパラメータを調整する。機械学習部204Dは、複数組の学習データを用いて上記の操作を反復し、所定の学習終了条件が満たされたときの重みパラメータを、学習済みの学習モデル25として、例えば、記憶部21に記憶する。
欠陥推論部204Eは、推論対象とする溶接箇所11における画像データを入力データとして学習モデル25(重みパラメータが調整済み)に入力することで、当該溶接箇所11における溶接の欠陥の有無を推論し、欠陥推論データを出力する欠陥推論処理を行う。推論対象とする溶接箇所11は、第1のデータベース31において画像データが登録されたレコードに対応する判定溶接箇所11aである。そのため、欠陥推論処理は、撮像工程が実施された後の任意のタイミングにて行われる。
図19は、欠陥推論処理の一例を示すフローチャートである。図19では、欠陥推論部204Eが、図7のステップS113の後に続けて欠陥推論処理を行う場合の動作について説明する。
まず、ステップS401にて、欠陥推論部204Eは、図7のステップS112で受信した判定業務依頼情報に含まれる判定溶接箇所11aにおける撮像実施記録の画像データを、推論対象の溶接箇所11の画像データとして取得する。
次に、ステップS402にて、欠陥推論部204Eは、その推論対象とする溶接箇所11における画像データを学習モデル25の入力層に入力し、その学習モデル25の出力層から欠陥推論データを出力させる。そして、ステップS410にて、欠陥推論部204Eは、学習モデル25から出力された欠陥推論データを第1のデータベース31に登録し、一連の処理を終了する。なお、判定業務依頼情報が、複数の判定溶接箇所11aにおける複数の画像データを含む場合には、各画像データに対して欠陥推論処理がそれぞれ行われる。
上記のようにして第1のデータベース31に登録された欠陥推論データは、請負者50aが判定業務を遂行する際の支援情報として用いられる。具体的には、図12のステップS212にて、アクセス制御部204Bは、契約情報に基づいて、画像データだけでなく欠陥推論データについてもインターネット経由でアクセスすることを請負者50aに許可し、ステップS213にて、判定業務支援部206は、アクセス制御部204Bによりアクセスが許可された画像データ及び欠陥推論データを表示するためのウェブページ情報を判定士端末装置5に送信することで、ステップS220にて、判定士端末装置5は、そのウェブページ情報に基づく判定結果入力画面54Bを表示する。
図20は、欠陥推論処理による欠陥推論データを含む判定結果入力画面54Bの一例を示す図である。判定結果入力画面54Bは、欠陥推論部204Eにより判定溶接箇所11aの画像データに対して溶接の欠陥の有無が推論された推論結果を示す推論結果データを、当該画像データに重畳させて表示する画像表示領域540Bを備える。図20に示す判定結果入力画面54Bには、推論結果として「割れ」の欠陥有りと推論された位置に、欠陥発生マーク547が表示されている。その他の表示内容は、図15に示す判定結果入力画面54Aと同様である。なお、推論結果と異なる判定結果が、請負者50aにより入力された場合には、機械学習部204Dは、その画像データと、その判定結果を示す欠陥判定データとから構成される学習データを、学習モデル25の再学習に用いるようにしてもよい。
以上のようにして、機械学習部204Dが、画像データと溶接の欠陥の有無との相関関係を学習モデル25に機械学習させて、欠陥推論部204Eが当該学習モデル25を用いることにより、判定溶接箇所11aの画像データに対する溶接の欠陥の有無が推論される。溶接の欠陥の有無の推論結果が、例えば、判定結果入力画面54Bに表示された場合、判定士50は、その推論結果を、溶接の欠陥の有無を判定するときの参考情報として利用することができるため、検査品質の向上を図ることができる。
(5)判定一致傾向の分析
判定一致分析部204Fは、第1のデータベース31に登録された欠陥推論データと、第3のデータベース33に登録された判定士ID及び判定士が最終判定した欠陥判定データとに基づいて、その判定に差異がある場合は、判定士が最終判定したデータを正解として機械学習部204Dに送る。機械学習部204Dは、そのデータを用いて再学習を行って欠陥推論部204Eの精度向上を図る。また、判定一致分析部204Fは、判定士50を分析軸として、欠陥推論データと欠陥判定データとが一致する傾向を示す判定一致傾向を分析する判定一致分析処理を行う。その際、判定一致分析部204Fは、所定の分析条件を受け付けて、その分析条件に従って統計処理することで、判定一致傾向を分析する。
判定一致傾向を表す統計指標値は、例えば、欠陥推論データを基準として、欠陥判定データが欠陥推論データに一致した比率として算出されてもよいし、欠陥判定データを基準として、欠陥推論データが欠陥判定データに一致した比率として算出されてもよい。
分析条件は、上記の統計指標値の他に、例えば、分析対象範囲と、分析軸とが指定される。なお、分析対象範囲及び分析軸の指定は、欠陥判定傾向と同様のため、説明を省略する。
図21は、判定一致分析処理の一例を示すフローチャートである。図21では、判定一致分析部204Fが、図8のステップS120で表示された候補判定士画面44A(図10参照)の判定一致分析ボタン447が押下されて、依頼者端末装置4から判定一致分析処理における分析条件を受け付けて、その分析条件に従って判定一致傾向を分析する場合の動作について説明する。
まず、ステップS501にて、依頼者40が、候補判定士画面44A(図10参照)において、判定一致分析ボタン447を押下する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく分析条件入力画面46を表示する。
図22は、分析条件入力画面46の一例を示す図である。分析条件入力画面46は、判定一致分析部204Fが判定一致傾向を分析する際の分析条件を指定するための入力欄460~462と、判定一致傾向の分析を指示する分析実行ボタン463とを備える。図22に示す分析条件入力画面46では、統計指標値の入力欄460にて「欠陥推論データ基準の一致率」が指定され、分析対象範囲の入力欄461にて、「過去3か月」が指定され、分析軸の入力欄462にて、「判定士単位」に加えて、「1か月単位」が指定されている。
次に、ステップS502にて、依頼者40が、分析条件入力画面46において、入力欄460~462にて分析条件を指定し、分析実行ボタン463を押下する入力操作を行うと、依頼者端末装置4は、その入力操作に基づく判定一致分析処理の分析条件を非破壊検査判定データ管理装置2に送信する。そして、ステップS510にて、判定一致分析部204Fは、その分析条件に従って、判定一致傾向を分析し、ステップS511にて、契約支援部205は、その判定一致傾向の分析結果を表示するためのウェブページを依頼者端末装置4に送信する。次に、ステップS520にて、依頼者端末装置4は、そのウェブページ情報に基づく候補判定士画面44Bを表示する。
図23は、判定一致分析処理による判定一致傾向の分析結果を含む候補判定士画面44Bの一例を示す図である。候補判定士画面44Bは、判定一致分析部204Fが、判定士抽出部204Aにより抽出された判定士50の候補毎に判定一致傾向を分析した分析結果を表示する表示欄442を備える。その他の表示内容は、図10に示す候補判定士画面44Aと同様である。
図23に示す候補判定士画面44Bは、分析条件が、図22に示すように指定された場合に表示される画面である。そのため、表示欄442には、「判定士単位」及び「1か月単位」という2つの分析軸により「欠陥推論データ基準の一致率」が算出された結果が表形式で表示されている。なお、候補判定士画面44Bは、判定一致分析部204Fによる分析結果を、表形式に代えて、所定のグラフ形式(円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ等)で表示してもよい。また、候補判定士画面44Bは、判定一致分析ボタン447が押下されて、分析条件が変更された場合には、変更後の分析条件に基づく分析結果を表示するようにしてもよい。依頼者40が、候補判定士画面44Bにおいて、判定業務契約申請ボタン444を押下した場合、依頼者端末装置4は、図10に示す候補判定士画面44Aと同様に、図8のステップS121に進むため、ステップS121以降の説明は省略する。
以上のようにして、判定一致分析部204Fにより第1のデータベース31及び第3のデータベース33に登録された情報に基づいて判定一致傾向が分析される。判定一致傾向の分析結果が、例えば、候補判定士画面44Bに表示された場合、依頼者40は、その分析結果を、判定業務を依頼する判定士50を選択するときの参考情報として利用することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、データ処理部204は、図5に示すように、各部204A~202Fを備えるものとして説明したが、各部204A~202Fのうち一部だけを備えるものでもよい。また、データ処理部204の各部204A~204Fがそれぞれ実行する処理を示すフローチャートにおいて、各ステップの実行順序を適宜入れ替えてもよいし、一部のステップを省略してもよい。
また、上記実施形態では、画像データは、検査機7により生成されたものとして説明した。これに対し、画像データは、溶接箇所11の透過放射線が撮像されたフィルムを、例えば、スキャナ等の画像読取装置によりスキャンすることで生成されたものでもCRであってもよい。
また、上記実施形態では、契約情報は、図7及び図8に示す契約支援処理において、非破壊検査判定データ管理装置2の契約支援部205により生成されるものとして説明した。これに対し、契約情報は、例えば、非破壊検査判定データ管理装置2以外の装置やシステムにより生成されたものでもよいし、判定業務の契約が成立したことを示す情報であれば他の方法により生成されたものでもよい。
また、上記実施形態では、判定業務は、1人の判定士50が請け負うものとして説明した。これに対し、判定業務は、複数の判定士が請け負うようにしてもよいし、判定士50の所属先である事業者が請け負うようにしてもよい。その場合、判定士抽出部204Aは、依頼者希望判定士条件として、例えば、判定士50の希望人数を受け付けて、その希望人数を満たすように、判定士50又は事業者(所属先)の候補を抽出するようにすればよい。また、判定士50の勤務時間は同じ時間帯である必要はなく、24時間を有効活用できるように、判定士50又は事業者(所属先)の候補を抽出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、判定士抽出部204Aは、依頼者希望判定士条件として、図9の判定業務依頼画面43の入力欄430に示すように、保有資格及び経験を受け付けるものとして説明した。これに対し、判定士抽出部204Aは、依頼者希望判定士条件として、欠陥判定傾向又は判定一致傾向を受け付けて、当該欠陥判定傾向又は当該判定一致傾向に合致する判定士50の候補を抽出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、契約支援部205は、図8のステップS122にて、判定士抽出部204Aにより抽出された判定士50の候補のうち、依頼者40により選択された判定士50宛てに判定業務契約申請通知を送信するものとして説明した。これに対し、契約支援部205は、ステップS115のウェブページ情報の送信を省略し、判定士抽出部204Aにより抽出された判定士50の候補のうち、例えば、依頼者希望判定士条件及び依頼者希望契約条件に最も合致する判定士50を選択し、その判定士50宛てに判定業務契約申請通知を送信するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、判定業務を依頼する判定士50を選択するときの参考情報として、欠陥判定分析部204Cによる欠陥判定傾向や判定一致分析部204Fによる判定一致傾向について説明した。これに対し、上記のような参考情報として利用可能な判定士50を評価する評価項目には、例えば、判定業務の品質に関する評価項目、判定業務の生産性に関する評価項目、及び、判定業務の依頼者40からのフィードバックに関する評価項目等が挙げられる。各評価項目に必要な情報は、第1乃至第3のデータベース31~33に適宜登録されることで、データ処理部204は、上記のいずれかの評価項目に基づいて、判定士50を評価する判定士評価部を備えるようにしてもよい。
判定業務の品質に関する評価項目は、例えば、欠陥判定データが示す判定士50の判定結果に対して、依頼者40(請負業者や元請業者)によるダブルチェック又はトリプルチェックを実施したときに、判定士50の判定結果と、請負業者の判定結果及び元請業者の少なくとも一方とが一致するか比率に基づくものである。判定業務の生産性に関する評価項目は、例えば、未実施の判定業務に係る判定溶接箇所11aの総件数(バックログ件数)、判定業務を実施した判定日時から判定業務遂行期限までの余裕期間、又は、判定業務遂行期限の遵守率等に基づくものである。フィードバックに関する評価項目は、例えば、判定結果確認画面45に、判定士50に対するフィードバック入力欄(コメント欄や5段階評価等)を設けることで、依頼者40により入力された肯定的又は否定的なフィードバックに基づくものである。なお、フィードバックに関する評価項目は、依頼者40が請負業者である場合には、請負業者と元請業者とにより構築された他のシステムを介して元請業者によるフィードバックが取得されることで、元請業者によるフィードバックに基づくものでもよい。