JP7318688B2 - 吊り下げ用チェーン - Google Patents

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Description

本発明は、例えば立体駐車場で車両を載置して昇降する昇降台など重量のある被吊下物を吊り下げた状態で、ローラが噛合するスプロケットの回転に基づき長さ方向に移動して被吊下物を昇降させる吊り下げ用チェーンに関する。
従来、例えば特許文献1に記載の吊り下げ用チェーンが知られている。この吊り下げ用チェーンは、そのチェーンの長さ方向に交互に位置するように直列に配置された複数の第1リンクプレートと複数の第2リンクプレートとを備えている。第1リンクプレート及び第2リンクプレートは、それぞれ矩形板状をなし、チェーンの長さ方向で隣り合う互いの端部同士をチェーンの幅方向に重ね合わせた状態で連結ピンにより回動自在に連結されている。
また、この吊り下げ用チェーンの場合、第2リンクプレートは、チェーンの幅方向で、第1リンクプレートの内側に配置される内側第2リンクプレートと、第1リンクプレートの外側に配置される外側第2リンクプレートと、を含んで構成されている。そして、第1リンクプレートと第2リンクプレートとを連結する連結ピンにおいて、チェーンの幅方向で最も内側で対向する内側第2リンクプレート同士の間となる軸部分には、スプロケットと噛合するローラが回転自在に外嵌合されている。
特開2014-47806号公報
特許文献1の吊り下げ用チェーンの場合、ローラが噛合するスプロケットの回転時に、スプロケットの歯底からの反力がローラを介して連結ピンに直接作用し、連結ピンの軸方向の中央部に対して大きな曲げ応力が加わる。そのため、そうした大きな曲げ応力の集中により、連結ピンにおける軸方向の中央部に破断が生じ易いという課題があった。
上記課題を解決する吊り下げ用チェーンは、長さ方向と交差する幅方向に間隔をおいて各々が対をなす複数対の第1リンクプレートと複数対の第2リンクプレートが前記長さ方向に直列に且つ交互に配置された状態で連結ピンにより回動自在に連結され、被吊下物を吊り下げた状態で長さ方向に移動することで前記被吊下物を昇降させる吊り下げ用チェーンであって、前記第2リンクプレートは、前記幅方向で前記第1リンクプレートの外側に配置される外側第2リンクプレートと、前記幅方向で前記第1リンクプレートの内側に配置され且つ前記長さ方向では前記外側第2リンクプレートと同じ位置に配置される内側第2リンクプレートと、を含み、前記内側第2リンクプレートは、その長手方向の両端部に、ブシュ嵌合孔をそれぞれ有し、前記第1リンクプレートと前記第2リンクプレートは、前記長さ方向で隣り合う互いの端部同士を前記幅方向に重ね合わせた状態に配置され、前記幅方向において最も内側で対向する一対の前記内側第2リンクプレートの間には、前記連結ピンを挿通させるブシュが、その両端部を前記ブシュ嵌合孔に対して回転不能に嵌合させた状態で組み付けられ、回転するスプロケットと噛合可能なローラが前記ブシュに対して回転自在に外嵌合される。
この構成によれば、吊り下げ用チェーンが被吊下物を吊り下げている状態で、吊り下げ用チェーンのローラが噛合しているスプロケットが回転したときには、そのローラに対してスプロケットの歯底からの反力が加わる。そして、その反力は、ローラからブシュに伝わり、さらに、そのブシュが嵌合するブシュ嵌合孔を有した内側第2リンクプレートに伝わる。すなわち、ローラの内側でブシュに挿通された連結ピンには、スプロケットの歯底からの反力が直接作用することはない。そのため、連結ピンの軸方向における中央部に対してスプロケットの歯底からの反力に基づく大きな曲げ応力が加わるのを抑制でき、連結ピンにおける軸方向の中央部に破断が生じる虞を低減できる。
上記吊り下げ用チェーンにおいて、前記第1リンクプレートは、その長手方向の両端部に、前記連結ピンが回転可能に挿通されるピン挿通孔をそれぞれ有し、前記外側第2リンクプレートは、その長手方向の両端部に、前記連結ピンの端部が回転不能に嵌合されるピン嵌合孔をそれぞれ有し、前記連結ピンは、その両端部を前記外側第2リンクプレートの前記ピン嵌合孔に対して回転不能に嵌合させた状態で、前記第1リンクプレートの前記ピン挿通孔に対して回転可能に挿通されることが好ましい。
この構成によれば、連結ピンは、その両端部を外側第2リンクプレートのピン嵌合孔に圧入する一方で、その両端部以外の軸部分は、第1リンクプレートのピン挿通孔及びブシュに対してクリアランスを有した所謂遊嵌状態に挿通するだけでよい。したがって、吊り下げ用チェーンの組立時に面倒な連結ピンの圧入作業は、外側第2リンクプレートのピン嵌合孔に対して必要なだけなので、吊り下げ用チェーンの組立作業を簡易にできる。
上記吊り下げ用チェーンにおいて、前記第1リンクプレートと前記第2リンクプレートが前記連結ピンを支点にして回動したとき、前記連結ピンの端部が固定された前記外側第2リンクプレート及び前記ブシュの端部が固定された前記内側第2リンクプレートは一体的に回動し、前記連結ピン及び前記ブシュは、互いの中心軸線が一致した状態で同一方向に一緒に回転することが好ましい。
この構成によれば、第1リンクプレートと第2リンクプレートが連結ピンを支点にして回動したときに、ブシュと連結ピンは、互いの中心軸線が一致した状態で同一方向に一緒に回転するので、ブシュの内周面と連結ピンの外周面が摺動することはない。そのため、連結ピンの外周面に腐食による孔食を抑制するために高耐食性メッキを施している場合には、その連結ピンにおける軸方向の中央部のメッキが剥離する虞を低減できる。
上記吊り下げ用チェーンにおいて、複数枚の前記第1リンクプレートと複数枚の前記第2リンクプレートとが前記長さ方向で隣り合う互いの端部同士を前記幅方向に重ね合わせた状態に配置されて前記連結ピンにより回動自在に連結された場合における前記幅方向での前記第1リンクプレートの板厚の合計と前記第2リンクプレートの板厚の合計は同じであることが好ましい。
この構成によれば、吊り下げ用チェーンの長さ方向に引っ張り荷重が作用した場合に、第1リンクプレートの引っ張り強度と第2リンクプレートの引っ張り強度が釣り合うようにできる。
上記吊り下げ用チェーンにおいて、前記内側第2リンクプレートの前記ブシュ嵌合孔を主ブシュ嵌合孔とし、当該主ブシュ嵌合孔に端部が回転不能に嵌合される前記ブシュを主ブシュとしたとき、前記第1リンクプレートは、その長手方向の両端部に、前記連結ピンを挿通させる副ブシュを回転不能な状態にして嵌合させた副ブシュ嵌合孔をそれぞれ有することが好ましい。
この構成によれば、第1リンクプレートにピン挿通孔を形成した構成の場合に比して、副ブシュの内周面で構成されるピン挿通孔は連結ピンの外周面との摺動による摩耗で孔径が拡大する虞を低減できる。したがって、連結ピンを挿通するピン挿通孔の孔径の拡大に起因するチェーンの延びを抑制できる。
本発明によれば、連結ピンにおける軸方向の中央部に破断を生じ難くできる。
一実施形態の吊り下げ用チェーンにおける長さ方向の中途部分を一部破断にして示す平面図である。 図1における2-2線矢視の正面図である。 吊り下げ用チェーンにより昇降台が昇降される立体駐車場の斜視図である。 本実施形態の吊り下げ用チェーンの要部を一部破断して示す平面図である。 比較例の吊り下げ用チェーンの要部を一部破断して示す平面図である。 変形例の吊り下げ用チェーンの要部を一部破断して示す平面図である。
以下、吊り下げ用チェーンの一実施形態について、図を参照して説明する。
<全体構成>
図1及び図2に示すように、吊り下げ用チェーン11は、複数の第1リンク21と、複数の第2リンク22と、複数の連結ピン23とを含んで構成されている。第1リンク21と第2リンク22は、吊り下げ用チェーン11の長さ方向Xに直列に且つ交互に位置するように配置される。そして、吊り下げ用チェーン11の長さ方向Xで隣り合う第1リンク21と第2リンク22の互いの端部同士が連結ピン23により回動自在に連結されることで、長尺状をなす吊り下げ用チェーン11が構成される。
<立体駐車場>
図3に示すように、こうした吊り下げ用チェーン11は、例えば立体駐車場24で図示略の車両が載置される被吊下物の一例である昇降台25を昇降させるために使用される。立体駐車場24における昇降台25の昇降空間の上方位置には、図3において左右で一対の回転軸26,27が吊り下げ用チェーン11の長さ方向Xと交差する幅方向Yに沿って平行に延びるように設けられている。図3で右側の回転軸26における軸方向で昇降台25の幅寸法と対応する間隔をおいた二箇所には、一対の右側第1スプロケット28が回転軸26と一体回転するように設けられている。
一方、図3で左側の回転軸27における軸方向で昇降台25の幅寸法と対応する間隔をおいた二箇所には、一対の左側第1スプロケット29が回転軸27と一体回転するように設けられている。また、図3で左側の回転軸27における軸方向で一対の左側第1スプロケット29の僅かに内側となる二箇所には、一対の第2スプロケット30が回転軸27と一体回転するように設けられている。さらに、図3で左側の回転軸27における軸方向で一対の第2スプロケット30の間となる一箇所には、第3スプロケット31が回転軸27と一体回転するように設けられている。そして、昇降台25の昇降空間の外側で且つ第3スプロケット31の下方となる箇所には、駆動モータ32が配置されている。駆動モータ32には出力スプロケット33が一体回転するように取り付けられている。そして、出力スプロケット33と第3スプロケット31との間には、無端環状の動力伝達チェーン34が掛装されている。
図3に示すように、右側第1スプロケット28と左側第1スプロケット29の間には、図1に示す吊り下げ用チェーン11と同一構成の第1吊り下げ用チェーン35(11)が掛装されている。第1吊り下げ用チェーン35(11)は、その長さ方向Xの一端が昇降台25に固定された状態で、その長さ方向Xの中途部分が右側第1スプロケット28と左側第1スプロケット29とに亘って上側から巻き掛けるように掛装されている。そして、第1吊り下げ用チェーン35(11)の長さ方向Xの他端は、立体駐車場24において図3で左側の回転軸27よりも左側に位置する図示略の固定部材等に固定されている。
また、図3で左側の回転軸27の軸方向に離れて対をなす第2スプロケット30には、第1吊り下げ用チェーン35(11)と同一構成の第2吊り下げ用チェーン36(11)がそれぞれ掛装されている。第2吊り下げ用チェーン36(11)は、その長さ方向Xの一端が昇降台25に固定された状態で、その長さ方向Xの中途部分が第2スプロケット30に対して上側から巻き掛けるように掛装されている。そして、第2吊り下げ用チェーン36(11)の長さ方向Xの他端は、第1吊り下げ用チェーン35(11)の場合と同様に立体駐車場24において図3で左側の回転軸27よりも左側に位置する図示略の固定部材等に固定されている。
<吊り下げ用チェーン>
図4に示すように、本実施形態の吊り下げ用チェーン11における第1リンク21は、幅方向Yに間隔をおいて対をなす複数の第1リンクプレート41により構成されている。一方、第2リンク22は、同じく幅方向Yに間隔をおいて対をなす複数の第2リンクプレート42により構成されている。換言すると、吊り下げ用チェーン11は、幅方向Yに間隔をおいて各々が対をなす複数対の第1リンクプレート41と複数対の第2リンクプレート42が長さ方向Xに直列に且つ交互に配置された状態で連結ピン23により回動自在に連結されることで構成される。
なお、第1リンクプレート41と第2リンクプレート42は、例えば鋼材等から鍛造、プレス加工等で形成され、各々が吊り下げ用チェーン11の長さ方向Xに沿って延びる略矩形板状をなしている。また、図4は、図1で破断にして示した部分を拡大すると共に、複数本ある連結ピン23のうち任意の1本の連結ピン23により回動自在に連結される関係にある第1リンク21と第2リンク22を抜き出して図示したものである。また、この図4と後述する図5及び図6では、説明の便宜上、連結ピン23を1本ずつしか図示していない。そのため、図4~図6では、第1リンクプレート41と第2リンクプレート42の各々の長手方向の両端部のうちで図示した1本の連結ピン23で連結される一端部とは反対側の他端部の図示内容を単なる薄板の端部を平面視した図示内容に簡略化している。
<第1リンク>
図4に示すように、本実施形態における第1リンク21は、複数枚の一例である4枚の第1リンクプレート41で構成されている。これら4枚の第1リンクプレート41は、幅方向Yに間隔をおいて対向する一対の内側第1リンクプレート41aと、各内側第1リンクプレート41aの外側に重ね合わせた状態に配置される一対の外側第1リンクプレート41bと、を含んで構成される。内側第1リンクプレート41a及び外側第1リンクプレート41bは、各々の長手方向の両端部に、連結ピン23が回転可能に挿通されるピン挿通孔43をそれぞれ有している。
<第2リンク>
一方、本実施形態における第2リンク22は、複数枚の一例である4枚の第2リンクプレート42で構成されている。これら4枚の第2リンクプレート42は、幅方向Yに間隔をおいて対向する一対の内側第2リンクプレート42aと、幅方向Yにおいて各内側第2リンクプレート42aの外側に配置される一対の外側第2リンクプレート42bと、を含んで構成される。外側第2リンクプレート42bは、幅方向Yで外側第1リンクプレート41bの外側に配置される。内側第2リンクプレート42aは、幅方向Yでは内側第1リンクプレート41aの内側に配置され、長さ方向Xでは外側第2リンクプレート42bと同じ位置に配置される。
すなわち、一対の内側第2リンクプレート42aは、幅方向Yで各々が対をなす複数枚の第1リンクプレート41及び複数枚の第2リンクプレート42のうち最も幅方向Yの内側で対向するように配置される。こうした内側第2リンクプレート42aは、その長手方向の両端部に、第1リンクプレート41の長手方向の両端部に形成されたピン挿通孔43よりも大径のブシュ嵌合孔44をそれぞれ有している。
そして、幅方向Yにおいて、一対の内側第2リンクプレート42aの間には、連結ピン23を挿通させるブシュ45が、その両端部をブシュ嵌合孔44に対して回転不能に嵌合させた所謂締まり嵌めの状態で組み付けられている。そのため、ブシュ45は、第1リンクプレート41と第2リンクプレート42が連結ピン23を支点にして回動したとき、その端部を圧入させた内側第2リンクプレート42aと一体的に回動する。ブシュ45は、円筒状をなす部材であって、その外径はブシュ嵌合孔44の孔径に略等しい。そして、このブシュ45に対して、図3に示す立体駐車場24の場合は、右側第1スプロケット28と左側第1スプロケット29と第2スプロケット30の各々と噛合可能なローラ46が、回転自在に外嵌合されている。
一方、一対の外側第2リンクプレート42bは、幅方向Yで各々が対をなす複数枚の第1リンクプレート41及び複数枚の第2リンクプレート42のうち最も幅方向Yの外側に配置される。こうした外側第2リンクプレート42bは、その長手方向の両端部に、連結ピン23の端部が回転不能に嵌合されるピン嵌合孔47をそれぞれ有している。すなわち、連結ピン23は、この外側第2リンクプレート42bのピン嵌合孔47に両端部を回転不能に嵌合させた状態で、その軸方向の端部から中央部に亘る部分を第1リンクプレート41のピン挿通孔43及びブシュ45に挿通させている。
換言すると、連結ピン23は、その端部を外側第2リンクプレート42bのピン嵌合孔47に圧入させた所謂締まり嵌めの状態で、その端部から中央部に亘る部分を第1リンクプレート41のピン挿通孔43に対してクリアランスを有して挿通させている。そのため、連結ピン23は、第1リンクプレート41と第2リンクプレート42が連結ピン23を支点にして回動したとき、その端部を圧入させた外側第2リンクプレート42bとは一体的に回動するが、第1リンクプレート41とは一体的に回動しない構成とされている。なお、本実施形態では、連結ピン23の外周面に、腐食による孔食を抑制するために高耐食性メッキが施されている。
また、図2に示すように、本実施形態では、第2リンクプレート42を構成する内側第2リンクプレート42aと外側第2リンクプレート42bとを比較した場合、内側第2リンクプレート42aの方が外形を少し大きく形成されている。その理由は、相対的に小径のピン嵌合孔47が貫通形成された外側第2リンクプレート42bよりも相対的に大径のブシュ嵌合孔44が端部に貫通形成された内側第2リンクプレート42aの方が引っ張り強度の低下が見込まれるからである。すなわち、本実施形態では、相対的に大径のブシュ嵌合孔44が貫通形成された内側第2リンクプレート42aの引っ張り強度を確保するため、内側第2リンクプレート42aの外形を外側第2リンクプレート42bよりも少し大きく形成している。なお、内側第2リンクプレート42aと外側第2リンクプレート42bとは互いに外形が同じ大きさであってもよい。
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
さて、図3に示す立体駐車場24において、駆動モータ32が駆動されると、動力伝達チェーン34を介して伝達される駆動力に基づき第3スプロケット31が回転するため、この第3スプロケット31と共に左側の回転軸27が一体回転する。すると、その回転軸27と共に左側第1スプロケット29及び第2スプロケット30が一体回転し、これらとローラ46が噛合している第1吊り下げ用チェーン35(11)及び第2吊り下げ用チェーン36(11)が長さ方向Xに移動する。
すると、こうした第1吊り下げ用チェーン35(11)と第2吊り下げ用チェーン36(11)の長さ方向Xへの移動に伴い被吊下物である昇降台25が昇降するようになる。そして、このように吊り下げ用チェーン11が昇降台25を吊り下げている状態で、吊り下げ用チェーン11のローラ46が噛合しているスプロケット29,30が回転したときには、そのローラ46に対してスプロケット29,30の歯底からの反力が加わる。
ここで、図5に示す比較例のように、内側第2リンクプレート42aの長手方向の端部に形成される孔が、ブシュ嵌合孔44ではなく、連結ピン23を回転可能に挿通するピン挿通孔48である場合には、ローラ46は連結ピン23に外嵌合されることになる。そのため、図5に白抜き矢印で示すように、ローラ46にスプロケット29,30の歯底からの反力Pが加わったときには、その反力Pがローラ46を介して連結ピン23に直接作用する。そのため、その反力Pにより連結ピン23の軸方向の中央部には大きな曲げ応力が加わり、図5に二点鎖線で示すように、連結ピン23に撓み変形を生じさせる虞がある。
この点、図4に示すように、本実施形態では、ローラ46にスプロケット29,30の歯底からの反力Pが加わった場合、その反力Pはローラ46からブシュ45に伝わる。そして更に、そのブシュ45の両端部が嵌合するブシュ嵌合孔44を有した一対の内側第2リンクプレート42aに二分割されて伝わる。すなわち、ローラ46の内側でブシュ45に挿通された連結ピン23の軸方向の中央部には、スプロケット29,30の歯底からの反力Pが直接作用することはない。
また、スプロケット29,30が回転して吊り下げ用チェーン11を長さ方向Xに移動させるときには、そのスプロケット29,30に噛合するローラ46も同様に回転する。こうした場合、図5に示す比較例では、回転するローラ46の内周面と連結ピン23における軸方向の中央部の外周面とが摺動し、連結ピン23の外周面に施されているメッキの剥離を招く虞がある。つまり、図5に示す比較例の場合は、連結ピン23に対して大きな曲げ応力が集中すると共にメッキの剥離が生じ易いため、連結ピン23の軸方向の中央部に孔食を起点とした破断を招きやすい。
これに対し、図4に示す本実施形態の場合、スプロケット29,30に噛合するローラ46が回転しても、ローラ46の内周面と摺動する関係にあるのは、ブシュ45の外周面であり、メッキが施された連結ピン23の外周面とは摺動しない。また、図4に示す本実施形態の場合、第1リンクプレート41と第2リンクプレート42が連結ピン23を支点にして回動したとき、内側第2リンクプレート42aと外側第2リンクプレート42bが一体的に回動する。そのため、両端部を外側第2リンクプレート42bのピン嵌合孔47に圧入した連結ピン23と、両端部を内側第2リンクプレート42aのブシュ嵌合孔44に圧入したブシュ45とは、互いの中心軸線が一致した状態で同一方向に一緒に回転することになる。したがって、連結ピン23の外周面とブシュ45の内周面とが摺動することもない。
さらに、本実施形態では、第1リンク21と第2リンク22が連結ピン23を支点として回動するときに、連結ピン23は、その端部が嵌合されるピン嵌合孔47を有した外側第2リンクプレート42bと一体的に回動する。そして、その際に連結ピン23の外周面のうちで他の部材と摺動する箇所は、第1リンクプレート41のピン挿通孔43の内周面と摺動する箇所、すなわち、連結ピン23の軸方向で第1リンクプレート41の板厚に相当する幅狭の箇所だけとなる。そのため、連結ピン23の外周面に腐食による孔食を抑制するために高耐食性メッキを施している場合において、他部材との摺動に起因してメッキの剥離が広範囲で生じる虞を低減できる。
<効果>
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)連結ピン23の軸方向における中央部に対して、ローラ46が噛合するスプロケット29,30の歯底からの反力に基づく大きな曲げ応力が加わることを抑制でき、連結ピン23における軸方向の中央部に破断が生じる虞を低減できる。
(2)連結ピン23は、その両端部を外側第2リンクプレート42bのピン嵌合孔47に圧入する一方で、その両端部以外の軸部分は第1リンクプレート41のピン挿通孔43及びブシュ45に対してクリアランスを有した所謂遊嵌状態に挿通するだけでよい。したがって、吊り下げ用チェーン11の組立時に面倒な連結ピン23の圧入作業は、外側第2リンクプレート42bのピン嵌合孔47に対して必要なだけなので、吊り下げ用チェーン11の組立作業を簡易にできる。
(3)第1リンクプレート41と第2リンクプレート42が連結ピン23を支点にして回動したとき、ブシュ45と連結ピン23は互いの中心軸線が一致した状態で同一方向に一緒に回転するのでブシュ45の内周面と連結ピン23の外周面が摺動することはない。そのため、連結ピン23の外周面に腐食による孔食を抑制するために高耐食性メッキを施している場合には、その連結ピン23における軸方向の中央部のメッキが剥離する虞を低減できる。
(4)各々複数枚の第1リンクプレート41と第2リンクプレート42が長さ方向Xで隣り合う互いの端部同士を幅方向Yに重ね合わせて連結された状態における幅方向Yでの第1リンクプレート41の板厚合計と第2リンクプレート42の板厚合計は同じである。そのため、吊り下げ用チェーン11の長さ方向Xに引っ張り荷重が作用した場合に、第1リンクプレート41の引っ張り強度と第2リンクプレート42の引っ張り強度が釣り合うようにできる。
<変形例>
なお、上記の実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。また、実施形態に含まれる構成と下記変更例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・図6に示す変形例のように、吊り下げ用チェーン11を構成してもよい。すなわち、この変形例では、内側第2リンクプレート42aのブシュ嵌合孔44が主ブシュ嵌合孔とされ、当該主ブシュ嵌合孔であるブシュ嵌合孔44に端部が回転不能に嵌合されるブシュ45が主ブシュとされる。そして、この場合において、第1リンクプレート41は、その長手方向の両端部に、主ブシュ嵌合孔であるブシュ嵌合孔44と略同径の副ブシュ嵌合孔49を有している。そして、その副ブシュ嵌合孔49に対して、内径及び外径が主ブシュであるブシュ45と略等しい副ブシュ50が回転不能な状態で嵌合されている。この構成によれば、第1リンクプレート41にピン挿通孔43を形成した構成の場合に比して、副ブシュ50の内周面で構成されるピン挿通孔43は連結ピン23の外周面との摺動による摩耗で孔径が拡大する虞を低減できる。したがって、連結ピン23を挿通するピン挿通孔43の孔径の拡大に起因する吊り下げ用チェーン11の延びを抑制できる。
・図6に示した変形例では、内側第1リンクプレート41aと外側第1リンクプレート41bの各々に形成された副ブシュ嵌合孔49ごとに副ブシュ50を一つずつ回転不能な状態にして嵌合させる構成でもよい。
・第1リンクプレート41は、幅方向Yで一対となる2枚の構成でもよい。すなわち、その1枚の板厚が内側第1リンクプレート41aの板厚と外側第1リンクプレート41bの板厚との板厚合計に等しい2枚の第1リンクプレート41が幅方向Yで対向する構成でもよい。この場合も、その第1リンクプレート41の板厚合計と第2リンクプレート42の板厚合計が同じであれば、吊り下げ用チェーン11に引っ張り荷重が作用した場合に、第1リンクプレート41の引っ張り強度と第2リンクプレート42の引っ張り強度が釣り合うようにできる。
・第1リンク21を構成する第1リンクプレート41の枚数及び第2リンク22を構成する第2リンクプレート42の枚数は、4枚ずつに限らず、6枚ずつや8枚ずつなど任意の偶数枚ずつでもよい。
・連結ピン23の両端部は、外側第2リンクプレート42bのピン嵌合孔47に対して圧入される所謂締まり嵌め状態で組み付けられなくてもよい。すなわち、外側第2リンクプレート42bの長手方向の両端部に形成したピン挿通孔に対して連結ピン23の端部を挿抜可能な所謂すきま嵌め状態で組み付けるようにしてもよい。
・吊り下げ用チェーン11は、立体駐車場24で昇降台25を吊り下げる用途以外に、例えばフォークリフトにおいて物品を載置して昇降可能なフォークを被吊下物として吊り下げる用途に使用してもよい。
11…吊り下げ用チェーン
21…第1リンク
22…第2リンク
23…連結ピン
24…立体駐車場
25…被吊下物の一例である昇降台
26…回転軸
27…回転軸
28…右側第1スプロケット
29…左側第1スプロケット
30…第2スプロケット
31…第3スプロケット
32…駆動モータ
33…出力スプロケット
34…動力伝達チェーン
35(11)…第1吊り下げ用チェーン
36(11)…第2吊り下げ用チェーン
41…第1リンクプレート
41a…内側第1リンクプレート
41b…外側第1リンクプレート
42…第2リンクプレート
42a…内側第2リンクプレート
42b…外側第2リンクプレート
43…ピン挿通孔
44…主ブシュ嵌合孔の一例であるブシュ嵌合孔
45…主ブシュの一例であるブシュ
46…ローラ
47…ピン嵌合孔
48…ピン挿通孔
49…副ブシュ嵌合孔
50…副ブシュ
P…反力
X…長さ方向
Y…幅方向

Claims (5)

  1. 長さ方向と交差する幅方向に間隔をおいて各々が対をなす複数対の第1リンクプレートと複数対の第2リンクプレートが前記長さ方向に直列に且つ交互に配置された状態で連結ピンにより回動自在に連結され、被吊下物を吊り下げた状態で長さ方向に移動することで前記被吊下物を昇降させる吊り下げ用チェーンであって、
    前記第2リンクプレートは、前記幅方向で前記第1リンクプレートの外側に配置される外側第2リンクプレートと、前記幅方向で前記第1リンクプレートの内側に配置され且つ前記長さ方向では前記外側第2リンクプレートと同じ位置に配置される内側第2リンクプレートと、を含み、
    前記内側第2リンクプレートは、その長手方向の両端部に、ブシュ嵌合孔をそれぞれ有し、
    前記第1リンクプレートと前記第2リンクプレートは、前記長さ方向で隣り合う互いの端部同士を前記幅方向に重ね合わせた状態に配置され、
    前記幅方向において最も内側で対向する一対の前記内側第2リンクプレートの間には、前記連結ピンを挿通させるブシュが、その両端部を前記ブシュ嵌合孔に対して回転不能に嵌合させた状態で組み付けられ、回転するスプロケットと噛合可能なローラが前記ブシュに対して回転自在に外嵌合されることを特徴とする吊り下げ用チェーン。
  2. 前記第1リンクプレートは、その長手方向の両端部に、前記連結ピンが回転可能に挿通されるピン挿通孔をそれぞれ有し、
    前記外側第2リンクプレートは、その長手方向の両端部に、前記連結ピンの端部が回転不能に嵌合されるピン嵌合孔をそれぞれ有し、
    前記連結ピンは、その両端部を前記外側第2リンクプレートの前記ピン嵌合孔に対して回転不能に嵌合させた状態で、前記第1リンクプレートの前記ピン挿通孔に対して回転可能に挿通されることを特徴とする請求項1に記載の吊り下げ用チェーン。
  3. 前記第1リンクプレートと前記第2リンクプレートが前記連結ピンを支点にして回動したとき、前記連結ピンの端部が固定された前記外側第2リンクプレート及び前記ブシュの端部が固定された前記内側第2リンクプレートは一体的に回動し、前記連結ピン及び前記ブシュは、互いの中心軸線が一致した状態で同一方向に一緒に回転することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吊り下げ用チェーン。
  4. 複数枚の前記第1リンクプレートと複数枚の前記第2リンクプレートとが前記長さ方向で隣り合う互いの端部同士を前記幅方向に重ね合わせた状態に配置されて前記連結ピンにより回動自在に連結された場合における前記幅方向での前記第1リンクプレートの板厚の合計と前記第2リンクプレートの板厚の合計は同じであることを特徴とする請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の吊り下げ用チェーン。
  5. 前記内側第2リンクプレートの前記ブシュ嵌合孔を主ブシュ嵌合孔とし、当該主ブシュ嵌合孔に端部が回転不能に嵌合される前記ブシュを主ブシュとしたとき、前記第1リンクプレートは、その長手方向の両端部に、前記連結ピンを挿通させる副ブシュを回転不能な状態にして嵌合させた副ブシュ嵌合孔をそれぞれ有することを特徴とする請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の吊り下げ用チェーン。
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