JP7318298B2 - ポリエステルフィルムおよびこれを用いた偏光板、画像表示装置 - Google Patents

ポリエステルフィルムおよびこれを用いた偏光板、画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステルフィルムおよびこれを用いた偏光板、画像表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)といった画像表示装置に使用される偏光板は、通常ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着させた偏光子を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構成であり、偏光子保護フィルムとしては通常トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。近年、画像表示装置の薄型化に伴い、偏光板の薄層化が求められるようになっている。しかし、このために保護フィルムとして用いられているTACフィルムの厚みを薄くすると、充分な機械強度を得ることが出来ず、また透湿性が悪化するという問題が発生する。また、TACフィルムは非常に高価であり、安価な代替素材としてポリエステルフィルムが提案されている(特許文献1~4)。
偏光子の片側に複屈折性を有する配向ポリエステルフィルムを配した場合、バックライトユニット、または、偏光子から出射した直線偏光はポリエステルフィルムを通過する際に偏光状態が変化する。透過した光は配向ポリエステルフィルムの複屈折と厚さの積であるリタデーションに特有の干渉色を示す。そのため、光源として冷陰極管や熱陰極管など不連続な発光スペクトルを用いると、波長によって異なる透過光強度を示し、虹状の色斑となる(参照:第15回マイクロオプティカルカンファレンス予稿集、第30~31項)。
特許文献1~3では、ポリエステルとして共重合ポリエステルを用いることで、リタデーションを小さくする対策がなされている。しかし、これらの検討では延伸処理によってポリエステルフィルムに配向が付与されており、リタデーションの低減が不十分なため、虹斑を完全になくすことはできなかった。
特許文献4~5では、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用い、MDとTDの延伸比および延伸後の熱処理温度を特定の範囲とすることで、リタデーションを小さくする対策がなされている。また、特許文献6では、最表層にポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを、内部の層にポリエステルとして共重合ポリエステルを用い、延伸後の熱処理で共重合ポリエステルの層のみを融解緩和させることで、リタデーションを小さくする対策がなされている。しかし、これらの検討においても尚、リタデーションの低減は不十分であり、虹斑を完全になくすことはできなかった。
特開2002-116320号公報 特開2004-219620号公報 特開2004-205773号公報 特開2017-227899号公報 特開2017-227900号公報 WO2016/147767号公報
延伸を伴わずにポリエステルフィルムを製膜することで、TACフィルムと同様に3次元的に等方な無配向状態とし、虹斑を抑制する検討が考えられる。しかしながら、そのような検討においては、透明性と耐熱性を両立することができず、実用性を著しく欠いたものであった。例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂のような結晶化速度の小さいポリエステル樹脂においては、加熱した場合に無配向の分子鎖が粗大な球晶を生成し白化することから、耐熱性の付与を目的とした熱処理を行うことが困難である。一方、ポリブチレンテレフタレート系樹脂のような結晶化速度の大きいポリエステル樹脂においては、加熱した場合でも微細な結晶が生成するため透明性は維持されるものの、ガラス転移温度が低いため耐熱性が不十分である。
本発明の目的は、実質的に無配向状態で製膜されながら透明性と耐熱性を両立可能であり、虹斑の発生を高度に抑制可能なポリエステルフィルムを提供することである。
さらに、偏光板の構成部材である偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを、広色域化対応の画像表示装置に使用した場合や、薄膜化した場合にも、虹斑の発生を抑制でき、視認性に優れた画像表示装置、偏光板、偏光子保護フィルムを提供することを目的とする。
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層とポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層を交互に積層して形成されたポリエステルフィルムであって、下記の(1)から(4)を満たすことを特徴とするポリエステルフィルム。
(1)Hazeが4.0%以下である
(2)次式で表される、ATR-FTIR法で測定したポリエステルフィルムの結晶構造パラメータが1.50以上である
(結晶構造パラメータ)=(1340cm-1における吸光度)/(1320cm-1における吸光度)
(3)X線回折で測定した(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
(4)X線回折で測定した(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
項2.
偏光子の少なくとも一方の面に、項1に記載のポリエステルフィルムが偏光子保護フィルムとして積層された偏光板。
項3.
項2に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
本発明のポリエステルフィルムであれば、実質的に無配向状態で製膜されながら透明性と耐熱性を両立しており、虹斑の発生を高度に抑制することができる。特に、本発明のポリエステルフィルムは、光学的性質に優れることから、偏光子保護フィルムを始めとした光学フィルムとして好適に使用することができる。
本発明によれば、偏光板の構成部材である偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを、広色域化対応の液晶表示装置に使用した場合や、薄膜化した場合にも、虹斑の発生を抑制でき、視認性が改善された画像表示装置、偏光板、偏光子保護フィルムを提供することができる。
1.ポリエステルフィルム
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層とポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層を交互に積層して形成される。積層構造を形成することにより、前記ポリエステルフィルムの製膜工程において耐熱性付与を目的に熱処理を行った際に、結晶化速度の大きいポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層が先に微結晶化して結晶界面を形成するため、隣接するポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層における粗大な球晶の成長を抑制し、良好な透明性を維持することが可能になる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層の厚みを低減し球晶成長を効果的に抑制する観点から、層数の下限は500層が好ましく、より好ましい下限値は1000層であり、更に好ましい下限値は1500層であり、より更に好ましい下限値は2000層である。同様の理由から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚みの上限は100nmが好ましく、より好ましい上限値は50nmであり、更に好ましい上限値は30nmであり、より更に好ましい上限値は20nmである。一方、層数の増大に伴い効果が飽和するほか、積層精度が損なわれ十分な効果が得られなくなる可能性があることから、上限は100000層が好ましい。同様の理由から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚みの下限は2nmが好ましい。ここでポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚みは、下記の式で表される。
(ポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚み)=((ポリエステルフィルムの厚み)/(理論積層数))×(ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比/0.50)
(ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比)=(ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量(kg/h))/(両成分の吐出量総和(kg/h))
ここで、理論積層数とは、積層流体を形成するためにメルトラインに設置されたスタティックミキサー、多層フィードブロックや多層マニホールドの構成から、溶融したポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂が流路設計の通りに分割および積層されたと仮定した場合に、理論的に予想される積層数を指す。ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比は、良好な耐熱性を確保する観点から、0.50以上が好ましく、より好ましくは0.55以上であり、更に好ましくは0.60以上であり、より更に好ましくは0.65以上である。一方の樹脂成分の吐出量比が著しく大きい場合、積層精度が損なわれ十分な効果が得られなくなる可能性があることから、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比の上限は0.95が好ましい。同様の理由から、本発明のポリエステルフィルム中に占めるポリエチレンテレフタレート系樹脂の重量比は、良好な耐熱性を確保する観点から、0.50以上であることが好ましく、より好ましくは0.55以上であり、更に好ましくは0.60以上であり、上限は0.95が好ましい。
なお、本明細書において、wt%は質量%と同義であり、重量比は質量比と同義である。
本発明のポリエステルフィルムは、Hazeが4.0%以下であることが、光学フィルムとして良好な視認性を確保する観点から好ましい。ポリエステルフィルムのHazeは3.0%以下が好ましく、より好ましくは2.0%以下であり、更に好ましくは1.5%以下であり、より更に好ましくは1.0%以下である。下限は0.0%が好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム中に占めるポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶量の比率の指標である結晶構造パラメータが1.50以上であることが、良好な耐熱性を確保する観点から好ましい。結晶構造パラメータは1.50以上が好ましく、より好ましくは1.70以上であり、より好ましくは1.90以上であり、更に好ましくは2.10以上であり、より更に好ましくは2.30以上である。結晶構造パラメータの値が大きくなりすぎると、ポリエステルフィルムが脆くなり加工適性が損なわれることから、上限は5.00が好ましい。
ポリエステルフィルムの結晶構造パラメータは、下記の(1)式で表される。
(結晶構造パラメータ)=(1340cm-1における吸光度)/(1320cm-1における吸光度)・・・(1)
上記(1)式で、1340cm-1における吸光度および1320cm-1における吸光度は、FTS 60A/896(バリアン社)といった市販のフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光法(ATR-FTIR)により求められる。本発明のポリエステルフィルムの赤外吸収スペクトルにおいて、1340cm-1における吸光度はポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶化度に相関し、1320cm-1における吸光度はポリブチレンテレフタレート系樹脂の結晶化度に相関する。尚、1320cm-1における吸光度とは、丁度1320cm-1における吸光度を必ずしも意味するものではなく、1320cm-1付近(1315cm-1~1325cm-1)に観察されるピークトップの吸光度を示しており、明確なピークトップが観察されない場合には、1320cm-1における吸光度を読み取ることができる。同様に、1340cm-1における吸光度とは、丁度1340cm-1における吸光度を必ずしも意味するものではなく、1340cm-1付近(1337cm-1~1343cm-1)に観察されるピークトップの吸光度を示しており、明確なピークトップが観察されない場合には、1340cm-1における吸光度を読み取ることができる。測定方法の詳細は実施例で後述する。
ポリエステルフィルム中のポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂における配向分布は、分子鎖中のベンゼン環にほぼ垂直な方向に面法線を有する結晶面である(100)面の配向分布を指標として評価できる。(100)面の進相軸-ND面内および遅相軸-ND面内における配向度パラメータは、RINT2500(株式会社リガク)といった市販のX線回折装置を用いて、広角X線回折測定により得られた回折強度プロファイルから得られるパラメータであり、次式により定義される。
((100)面の配向度パラメータ)=((100)面によるX線回折強度)/(非晶成分によるX線回折強度)
((100)面によるX線回折強度)=(2θ100-1≦2θ≦2θ100+1におけるX線回折強度の平均値)
(非晶成分によるX線回折強度)=(2θAMO-1≦2θ≦2θAMO+1におけるX線回折強度の平均値)
但し、2θ(度):回折角、2θ100(度):23.0≦2θ≦27.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ、2θAMO(度):19.0≦2θ≦21.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ
本発明のポリエステルフィルムを偏光子保護フィルムとして用いる場合、結晶化度を高め良好な耐熱性を確保する観点、及び、配向分布の3次元等方性を高め、虹斑を効果的に抑制する観点から、X線回折で測定した(100)面の配向度パラメータが、遅相軸-ND面内および進相軸-ND面内のいずれについても1.00以上であることが好ましい。(100)面の配向度パラメータは、遅相軸-ND面内および進相軸-ND面内のいずれについても1.00以上が好ましく、より好ましくは1.10であり、より好ましくは1.20以上であり、更に好ましくは1.30以上であり、より更に好ましくは1.40以上である。一方、(100)面の配向度パラメータの値が大きくなりすぎると、ポリエステルフィルムが脆くなり加工適性が損なわれるため、遅相軸-ND面内および進相軸-ND面内のいずれについても、(100)面の配向度パラメータの上限は2.00が好ましい。なお、サンプルの遅相軸方向は、MOA-6004型分子配向計(王子計測機器株式会社)といった市販の分子配向計を用いて求めることができる。測定方法の詳細は実施例で後述する。なお、NDは、normal directionの略であり、ポリエステルフィルムの面法線方向を指す。
本発明のポリエステルフィルムは、動的粘弾性測定(DMA)で測定したtanδのピークトップ温度が95℃以上であることが、良好な耐熱性を確保する観点から好ましい。tanδのピークトップ温度は95℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上であり、より好ましくは105℃以上であり、更に好ましくは110℃以上であり、より更に好ましくは115℃以上である。tanδのピークトップ温度が高くなりすぎると、ポリエステルフィルムが脆くなり加工適性が損なわれることから、上限は160℃以下が好ましい。なお、tanδのピークトップ温度は、DMA Q800(TA Instruments社)といった市販の動的粘弾性測定装置を用いて測定できる。
本発明のポリエステルフィルムは、偏光子保護フィルムとして用いられる場合、300nm以下のリタデーションを有することが好ましい。リタデーションが300nmより大きいと、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色を呈し、良好な視認性を確保することができない。好ましいリタデーションの上限値は300nm、次に好ましい上限値は250nm、より好ましい上限値は200nm、更に好ましい上限値は150nm、より更に好ましい上限値は100nmである。下限は0nmが好ましい。なお、明細書において、単にリタデーションと記載する場合は、面内リタデーションのことをいう。面内リタデーションとは、面内複屈折ΔNxy(=|nx-ny|)にフィルム厚さdを掛けて得られる量である。ここで、nx、nyはそれぞれ遅相軸、進相軸方向の屈折率である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、偏光子保護フィルムとして用いられる場合、特定範囲のリタデーションを有することに加え、300nm以下の厚さ方向リタデーションを有することが好ましい。厚さ方向リタデーションが300nmより大きいと、偏光子保護フィルムとして用いた場合、リタデーションが前記好ましい範囲を満たす場合でも、斜め方向から観察した時に強い干渉色を呈し、良好な視認性を確保することができない。好ましい厚さ方向リタデーションの上限値は300nm、次に好ましい上限値は250nm、より好ましい上限値は200nm、更に好ましい上限値は150nm、より更に好ましい上限値は100nmである。下限は0nmが好ましい。尚、厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|nx-nz|)、△Nyz(=|ny-nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメータである。ここで、nx、nyはそれぞれ遅相軸、進相軸方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率である。
なお、本発明のリタデーションおよび厚さ方向リタデーションは、フィルムにおける3軸方向の屈折率とフィルム厚みを測定して求めることもできるし、KOBRA-21ADH(王子計測機器株式会社)といった市販の自動複屈折測定装置を用いて求めることもできる。リタデーション及び厚さ方向リタデーションの測定波長は589nmである。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂を交互に500層以上積層することによって製造することができる。以下、製造方法の一例を詳細に説明する。第一の押出機より供給されたポリエチレンテレフタレート系樹脂の溶融流体と、第二の押出機より供給されたポリブチレンテレフタレート系樹脂の溶融流体と、からなる積層数500以上の積層流体を形成し、これをダイスから吐出し、回転する冷却ロールに接触させることで、多層無配向ポリエステルフィルムを得る。これを加熱炉へ搬送しガラス転移温度以上の温度において熱処理を施すことで、本発明のポリエステルフィルムを得る。リタデーションおよび厚さ方向リタデーションを抑制する観点から、本発明のポリエステルフィルムは、延伸工程を伴わず製膜されることが好ましいが、実質的に配向を付与しない程度の延伸処理を行っても構わない。
本発明における積層流体を形成する方法は特に限定されないが、メルトラインに設置されたスタティックミキサー、多層フィードブロックおよび多層マニホールドのいずれか1種または2種以上に、溶融した樹脂組成物を通過させることが好ましく、設備の簡便さや保守性の面から、スタティックミキサーおよび/または多層フィードブロックがより好ましい。また、シート幅方向の均一性の面から、矩形のメルトラインを有するものがより好ましく、矩形のメルトラインを有するスタティックミキサーまたは多層フィードブロックを用いることが更に好ましい。
ポリエステルフィルムを構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂は、モノマーユニットの85モル%以上がエチレンテレフタレートであることが好ましい。エチレンテレフタレート単位は90モル%以上が好ましく、より好ましくは95モル%以上である。なお、共重合成分としては、公知の酸成分、グリコール成分を含んでもよい。ポリエチレンテレフタレート系樹脂として、特に好ましいものは、ホモポリマーであるポリエチレンテレフタレートである。
これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れる。ポリエチレンテレフタレートは、熱処理によって容易に耐熱性を向上させることができ、最も好適な素材である。
ポリエステルフィルムを構成するポリブチレンテレフタレート系樹脂は、モノマーユニットの85モル%以上がブチレンテレフタレートであることが好ましい。ブチレンテレフタレート単位は90モル%以上が好ましく、より好ましくは95モル%以上である。なお、共重合成分としては、公知の酸成分、グリコール成分を含んでもよい。ポリブチレンテレフタレート系樹脂として、特に好ましいものは、ホモポリマーであるポリブチレンテレフタレートである。
これらの樹脂は結晶化速度が大きく、ガラス状態で熱処理した場合に粗大球晶を形成しづらいため、透明性に優れる。ポリブチレンテレフタレートは、とりわけ結晶化速度が大きく、ガラス状態で熱処理した場合に透明性を維持可能なことに加え、ポリエチレンテレフタレート系樹脂と積層した場合、熱処理時に結晶界面を形成することでポリエチレンテレフタレート系樹脂層における粗大球晶の生成を抑制可能であり、最も好適な素材である。
また、本発明のポリエステルフィルムを偏光子保護フィルムとして用いる場合、ヨウ素色素などの光学機能性色素の劣化を抑制することを目的として、前記ポリエステルフィルムの波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。なお、本発明における透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U-3500型)を用いて測定することができる。
本発明のポリエステルフィルムの波長380nmの透過率を20%以下にするためには、紫外線吸収剤の種類、濃度、及びフィルムの厚みを適宜調節することが望ましい。本発明で使用される紫外線吸収剤は公知の物質である。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系等、及びその組み合わせが挙げられるが本発明の規定する吸光度の範囲であれば特に限定されない。しかし、耐久性の観点からはベンゾトアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、より紫外線吸収効果を改善することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤としては例えば2-[2'-ヒドロキシ-5' -(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2' -ヒドロキシ-5' -(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2' -ヒドロキシ-5' -(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、2,2'-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノールなどが挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては例えば2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンズオキサジノン-4-オン)、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-ブチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-フェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オンなどが挙げられる。しかし特にこれらに限定されるものではない。
また、紫外線吸収剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、触媒以外の各種の添加剤を含有させることも好ましい様態である。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはポリエステルフィルム実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
また、本発明におけるポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を配合する方法としては、公知の方法を組み合わせて採用し得るが、例えば予め混練押出機を用い、乾燥させた紫外線吸収剤とポリマー原料とをブレンドしマスターバッチを作製しておき、フィルム製膜時に所定の該マスターバッチとポリマー原料を混合する方法などによって配合することができる。紫外線吸収剤は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂のいずれか一方のみに添加してもよく、両方に添加してもよい。
この時マスターバッチの紫外線吸収剤濃度は紫外線吸収剤を均一に分散させ、且つ経済的に配合するために5~30質量%の濃度にするのが好ましい。マスターバッチを作製する条件としては混練押出機を用い、押し出し温度を各原料の融点以上とすることが好ましいが、紫外線吸収剤の減量やマスターバッチの粘度低下を抑制する観点から、ポリエチレンテレフタレート系原料では290℃以下の温度で1~15分間で押し出すのが好ましく、ポリブチレンテレフタレート系原料では260℃以下の温度で1~15分間で押し出すのが好ましい。押し出し温度1分以下では紫外線吸収剤の均一な混合が困難となるおそれがある。この時、必要に応じて安定剤、色調調整剤、帯電防止剤を添加しても良い。
なお、本発明では、光学欠点の原因となる、原料のポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂中に含まれている異物を除去するため、溶融押し出しの際に高精度濾過を行うことが好ましい。溶融樹脂の高精度濾過に用いる濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやすい。
さらに、本発明のポリエステルフィルムには、偏光子との接着性を良好にするためにコロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施したりすることも可能である。
本発明のポリエステルフィルムを偏光子保護フィルムとして用いる場合、偏光子との接着性を改良するために、本発明のフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリアクリル樹脂の少なくとも1種類を主成分とする易接着層を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは易接着層を構成する固形成分のうち50質量%以上である成分をいう。本発明の易接着層の形成に用いる塗布液は、水溶性又は水分散性の共重合ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂の内、少なくとも1種を含む水性塗布液が好ましい。これらの塗布液としては、例えば、特許第3567927号公報、特許第3589232号公報、特許第3589233号公報、特許第3900191号公報、特許第4150982号公報等に開示された水溶性又は水分散性共重合ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、ポリウレタン樹脂溶液等が挙げられる。
易接着層を形成する方法としては、例えば、前記塗布液を熱処理前の多層無配向ポリエステルフィルムの片面または両面に塗布した後、加熱炉中での熱処理工程において100~150℃で乾燥する方法が挙げられる。最終的な易接着層の塗布量は、0.05~0.20g/mに管理することが好ましい。塗布量が0.05g/m未満であると、得られる偏光子との接着性が不十分となる場合がある。一方、塗布量が0.20g/mを超えると、耐ブロッキング性が低下する場合がある。ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設ける場合は、両面の易接着層の塗布量は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立して上記範囲内で設定することができる。
易接着層には易滑性を付与するために粒子を添加することが好ましい。微粒子の平均粒径は2μm以下の粒子を用いることが好ましい。粒子の平均粒径が2μmを超えると、粒子が被覆層から脱落しやすくなる。易接着層に含有させる粒子としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、リン酸カルシウム、雲母、ヘクトライト、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等の無機粒子や、スチレン系、アクリル系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、シリコーン系等の有機ポリマー系粒子等が挙げられる。これらは、単独で易接着層に添加されてもよく、2種以上を組合せて添加することもできる。
また、塗布液を塗布する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
なお、上記の粒子の平均粒径の測定は下記方法により行う。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2~5mmとなるような倍率で、300~500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは任意であるが、10~300μmの範囲が好ましく、より好ましくは20~200μmの範囲である。厚みが10μmを下回ると、フィルムが裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下するおそれがある。特に好ましい厚みの下限は30μmである。一方、偏光子保護フィルムとして用いる場合の厚みの上限は、300μmを超えると偏光板の厚みが厚くなりすぎてしまい好ましくない。偏光子保護フィルムとしての実用性の観点から、厚みの上限は120μmが好ましく、より好ましくは100μm以下、さらにより好ましくは80μm以下、さらにより好ましくは65μm以下、さらにより好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは55μm以下である。一般に、薄膜化の観点から、偏光子保護フィルムの厚みは30~65μmの範囲とすることが好ましい。
2.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に偏光子保護フィルムを貼り合わせた構造を有し、少なくとも一方の偏光子保護フィルムが前述した本発明のポリエステルフィルムであることが好ましい。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着したものがあげられる。本発明に用いられる偏光板には、写り込み防止やギラツキ抑制、キズ抑制などを目的として、種々のハードコートを表面に塗布することも好ましい様態である。
3.画像表示装置
画像表示装置には、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、QLEDディスプレイなど、画像表示装置の内部に偏光板を含むものが含まれる。
4.液晶表示装置
一般に、液晶パネルは、バックライト光源に対向する側から画像を表示する側(視認側)に向かう順に、後面モジュール、液晶セルおよび前面モジュールから構成されている。後面モジュールおよび前面モジュールは、一般に、透明基板と、その液晶セル側表面に形成された透明導電膜と、その反対側に配置された偏光板とから構成されている。ここで、偏光板は、後面モジュールでは、バックライト光源に対向する側に配置され、前面モジュールでは、画像を表示する側(視認側)に配置されている。
本発明の液晶表示装置は少なくとも、バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを構成部材とする。また、これら以外の他の構成、例えばカラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルムなどを適宜有しても構わない。前記2つの偏光板のうち、少なくとも一方の偏光板が前述した本発明の偏光板であることが好ましい。
バックライトの構成としては、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であっても構わない。
液晶表示装置のバックライト光源としては、特に限定されないが、蛍光体方式の白色LEDが好ましい。すなわち化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体やテルビウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体等がある。
また、バックライト光源としては、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満、及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有する白色光源も好ましい。例えば、量子ドット技術を利用した白色光源、励起光によりR(赤)、G(緑)の領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍光体と青色LEDを用いた蛍光体方式の白色LED光源、3波長方式の白色LED光源、赤色レーザーを組み合わせた白色LED光源、その他、例えば組成式がKSiF:Mn4+であるフッ化物蛍光体(「KSF」ともいう)等と青色LEDを用いた白色LED光源等が挙げられる。これらは、広色域対応の液晶表示装置のバックライト光源として注目されているものである。
本発明の偏光子保護フィルムの液晶表示装置内における配置は特に限定されないが、入射光側(光源側)に配される偏光板と、液晶セルと、出射光側(視認側)に配される偏光板とを有する液晶表示装置の場合、入射光側に配される偏光板の入射光側の偏光子保護フィルム、および/または出射光側に配される偏光板の射出光側の偏光子保護フィルムが本発明のポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムであることが好ましい。特に好ましい態様は、出射光側に配される偏光板の射出光側の偏光子保護フィルムを本発明のポリエステルフィルムとする態様である。液晶セル側に配される偏光子保護フィルムは、液晶セルの駆動モードにより求められる光学特性が異なるが、液晶セルの視野角特性を向上させる観点から、一般的にはTACフィルムやアクリルフィルム、ノルボルネン系フィルムに代表されるような、低複屈折かつ波長分散性がフラットないし逆波長分散性のフィルムを用いることが好ましい。但し、安価品など視野角特性への要求が低い場合には、本発明のポリエステルフィルムを偏光子保護フィルムとして液晶セル側に配しても構わない。
5.有機ELディスプレイおよびQLEDディスプレイ
有機EL素子は、当該技術分野において知られる有機EL素子を適宜選択して使用することができる。有機EL素子の使用は、広視野角、高コントラスト、及び高速応答である点で好ましい。有機EL素子は、典型的には、透明基板上に透明電極である陽極、有機発光層、及び金属電極である陰極をこの順で積層した構造を有する発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)である。有機ELセルは、陽極と陰極との間に電圧が印加されたときに、陽極から注入されたホール(正孔)と陰極から注入された電子とが有機発光層中で再結合することによって発光する。
前記透明基板としては、任意の透明基板を採用し得る。例えば、透明基板は、ガラス基板、セラミックス基板、半導体基板、金属基板、及びプラスチック基板から成る群より選択され得る。具体的なプラスチック基板としては、従来から使用される透明樹脂フィルムを挙げることができる。透明基板は、必要に応じて、表面処理層が設けられていても良い。表面処理層としては、例えば、透湿防止層、ガスバリア層、ハードコート層、アンダーコート層等を挙げることができる。
陽極及び陰極を構成する材料は、金属、酸化金属、合金、電気伝導性化合物、これらの混合物等を挙げることができる。陽極を構成するより具体的な材料としては、金、銀、クロム、ニッケル、ヨウ化銅、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、酸化亜鉛等の導電性透明材料が挙げられる。陰極を構成するより具体的な材料としては、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、セシウム、銀、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、及びリチウム-アルミニウム合金等が挙げられる。
陽極及び陰極の厚みは、陽極及び陰極を構成する材料に応じて、任意に設定することができる。陽極の厚みは、例えば、10nm~200nm、好ましくは10nm~100nmの範囲から適宜設定することができる。陰極の厚みは、例えば、10nm~1000nmであり、好ましくは10nm~200nmの範囲から適宜設定することができる。
有機発光層は、電圧印加時に、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。上記有機発光層は、有機発光材料を含み、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。積層構造の場合、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。上記有機発光層の厚みは、任意であり、例えば、3nm~3μmの範囲で適宜設定することができる。
有機発光層に使用される有機発光材料は、任意の発光材料から適宜選択することができる。具体的には、4,4’-(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル等のオレフィン系発光材料;9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10-ビス(9,9-ジメチルフルオレニル)アントラセン、9,10-(4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル)アントラセン、9,10’-ビス(2-ビフェニリル)-9,9’-ビスアントラセン、9,10、9’、10’-テトラフェニル-2,2’-ビアントリル、1,4-ビス(9-フェニル-10-アントラセン)ベンゼン等のアントラセン系発光材料;2,7,2’,7’-テトラキス(2,2-ジフェニルビニル)スピロビフルオレン等のスピロ系発光材料;4,4’-ジカルバゾルビフェニル、1,3-ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料;1,3,5-トリピレニンベンゼン等のピレン系発光材料等から成る群から適宜選択することができる。
有機EL素子は、上記基材上の陽極、有機発光層、及び陰極で構成される有機EL素子を外気から遮断するために、有機EL素子を覆うように形成される封止部材を備えていても良い。封止部材を備えることにより、外気中の水分及び酸素によって有機発光層の発光特性の劣化を防止することができる。
有機EL素子は、任意の部材(例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、及び/又は電子輸送層)を任意の適切な位置に更に備えていても良い。
画像表示セルとして有機ELセルを用いる場合、その視認側に偏光板を有することが好ましい。有機発光層の厚みが10nm程度と薄いために、外光が金属電極で反射して再び視認側へ出射され、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える場合がある。このような外光の鏡面反射を遮蔽するために、有機ELセルの視認側には、偏光板を設け、更に有機ELセルと前記偏光板との間に1/4波長板を設けることが好ましい。視認側偏光板と1/4波長板との組合せによって円偏光板を構成することにより、有機ELセルの金属電極で鏡面反射した外光が、円偏光板で遮蔽されるため、画像表示装置の視認性の低下を抑制することができる。また。1/4波長板の有機EL素子側又は偏光子側に、さらに1/2波長板等を積層してもよい。好ましくは、1/4波長板の有機EL素子側に、1/2波長板等を互いの光軸に傾きを設けて積層したものであり、特開平10-68816や特開2017-97379に開示されている。
偏光板としては、前述した偏光板を用いることができ、偏光子の視認側に本発明のポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムが積層されていることが好ましい。偏光子の光源側にポリエステルフィルムを配する場合は、円偏光板による外光の遮蔽効果を低下させてしまう場合があるが、安価品など視認性への要求が低い場合には、本発明のポリエステルフィルムを配しても構わない。
また、QLEDディスプレイは、電気を加えたとき量子ドットが自ら発光することを利用している点で有機ELと類似しており、次世代ディスプレイとして注目されているものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)Haze
JIS-K-7136:2000に準ずる方法で、ヘイズメーター(日本電色社製、NDH2000)を用いて、試料中の異なる箇所3ヶ所について測定し、その平均値をHaze(%)とした。
(2)ポリエステルフィルム中の結晶構造パラメータ
ポリエステルフィルム中の結晶構造パラメータは、前記(1)式で表され、フーリエ変換赤外分光光度計(バリアン社製、FTS 60A/896)を用いて、全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光法(ATR-FTIR)により得られた1340cm-1における吸光度A1340および1320cm-1における吸光度A1320の値から算出される。ATR-FTIR測定は、光学系に偏光子を挿入せずに行い、ATRプリズムにダイヤモンド結晶を用いて、入射角度を45度として行った。積算回数はサンプル、バックグラウンドともに64回とし、波数分解能を4cm-1、測定波数範囲を650~4000cm-1として測定を行った。ATR-FTIR測定により得られた赤外吸収スペクトルは、試料への侵入深さが波数によって異なりベースラインが湾曲するため、得られた赤外吸収スペクトルは、各波数ν(cm-1)における吸光度に、測定範囲内の最大波数νmax(cm-1)と各波数ν(cm-1)の比νmax/νを乗じることで補正した。補正後の赤外吸収スペクトルにおいて、1340.271cm-1における吸光度をA1340、1320.986cm-1における吸光度をA1320として採用した。ここで吸光度とは、ベースライン補正後の赤外吸収スペクトルにおける、該当波数での吸収強度の絶対値を指す。
(3)(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータ
(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータは、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT2500)を用いて、広角X線回折測定により得られた遅相軸-ND面内における回折強度プロファイルから、次式により定義される。
((100)面の配向度パラメータ)=((100)面によるX線回折強度)/(非晶成分によるX線回折強度)
((100)面によるX線回折強度)=(2θ100-1≦2θ≦2θ100+1におけるX線回折強度の平均値)
(非晶成分によるX線回折強度)=(2θAMO-1≦2θ≦2θAMO+1におけるX線回折強度の平均値)
但し、2θ(度):回折角、2θ100(度):23.0≦2θ≦27.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ、2θAMO(度):19.0≦2θ≦21.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ
測定はRINT2500に回転試料台を取り付け、θ/2θ光学系の透過法により行った。サンプルは遅相軸方向を長手として短辺1cm、長辺2cmの矩形状に切り出し、合計厚みが200±100μmとなるよう適宜重ね合わせて、遅相軸方向がβ=0度および180度方向と一致し、かつθ=0度のときX線入射方向とサンプル厚み方向が一致するよう、回転試料台に取り付けた。測定には管電圧=40kV、管電流=200mAを印加したCuKα線を用い、X線発生装置と試料の間には1mmφコリメーターを挿入した。回転試料台をβ=0度に移動させた状態において、制御対象をθ/2θとし、測定方法=FT、開始位置=10.000度、終了位置=40.000度、ステップ幅=0.050度、計数時間=2.0secとして、検出器としてシンチレーションカウンターを用いて測定した。検出器前には、縦制限スリット:2度、横制限スリット:1/2度およびNiフィルターを設置した。測定した回折プロファイルF(2θ)について、2θ=10.0度および40.0度での回折強度を結ぶ直線G(2θ)をベースラインとして差し引き、得られた回折プロファイルH(2θ)=F(2θ)-G(2θ)を用いて、(100)面の配向度パラメータを算出した。なお、サンプルの遅相軸方向は、分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)により求めた。
(4)(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータ
(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータは、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT2500)を用いて、広角X線回折測定により得られた進相軸-ND面内における回折強度プロファイルから、次式により定義される。
((100)面の配向度パラメータ)=(2θ100-1≦2θ≦2θ100+1におけるX線回折強度の平均値)/(2θAMO-1≦2θ≦2θAMO+1におけるX線回折強度の平均値)
但し、2θ(度):回折角、2θ100(度):23.0≦2θ≦27.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ、2θAMO(度):19.0≦2θ≦21.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ
測定はRINT2500に回転試料台を取り付け、θ/2θ光学系の透過法により行った。サンプルは遅相軸方向を長手として短辺1cm、長辺2cmの矩形状に切り出し、合計厚みが200±100μmとなるよう適宜重ね合わせて、遅相軸方向がβ=0度および180度方向と一致し、かつθ=0度のときX線入射方向とサンプル厚み方向が一致するよう、回転試料台に取り付けた。測定には管電圧=40kV、管電流=200mAを印加したCuKα線を用い、X線発生装置と試料の間には1mmφコリメーターを挿入した。回転試料台をβ=0度に移動させた状態において、制御対象をθ/2θとし、測定方法=FT、開始位置=10.000度、終了位置=40.000度、ステップ幅=0.050度、計数時間=2.0secとして、検出器としてシンチレーションカウンターを用いて測定した。検出器前には、縦制限スリット:2度、横制限スリット:1/2度およびNiフィルターを設置した。測定した回折プロファイルF(2θ)について、2θ=10.0度および40.0度での回折強度を結ぶ直線G(2θ)をベースラインとして差し引き、得られた回折プロファイルH(2θ)=F(2θ)-G(2θ)を用いて、(100)面の配向度パラメータを算出した。なお、サンプルの遅相軸方向は、分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)により求めた。
(5)リタデーション(Re)および厚さ方向リタデーション(Rth)
リタデーションRe(nm)および厚さ方向リタデーションRth(nm)は、市販の自動複屈折測定装置(シンテック株式会社製、OPTIPRO standard)を用いて、以下の方法により求めた。サンプルから任意の方向に沿って4cm×3cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。サンプルを試料台に取り付け、Broad Rthモードを用いて、Dispersion Mode=Single、Wave Start=589nm、Axis Search=ON、Incident Angle=40、Slope Axis=Fast Axisとして測定した。Sample conditionのd[um]には、電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定したサンプル厚み(μm)を入力し、Nは1.57とした。
(6)透明性
黒色のフェルトマット上にポリエステルフィルムを設置し、明室内での外観観察を行うことで、透明性について以下のように判定した。
○ : 視感上透明であり、白化は認識できなかった。
× : フィルムが白化していることが視認された。
(7)虹斑観察
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に後述する方法で作成したポリエステルフィルムを偏光子の吸収軸とフィルムの遅相軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面に市販のTACフィルムを貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板で、市販の液晶表示装置(東芝社製のREGZA 43J10X)に元々存在した入射光側および出射光側の偏光板を置き換えた。なお、偏光板の吸収軸が、元々液晶表示装置に貼付されていた偏光板の吸収軸方向と一致するように、TACフィルム側を接着面として偏光板を置き換えた。前記液晶表示装置は、励起光を出射する光源とKSF蛍光体を含むバックライト光源を有する。この液晶表示装置のバックライト光源の発光スペクトルを、浜松ホトニクス製 マルチチャンネル分光器 PMA-12を用いて測定したところ、448nm、533nm、630nm付近にピークトップを有する発光スペクトルが観察され、各ピークトップの半値幅は2nm~49nmであった。なお、スペクトル測定の際の露光時間は20msecとした。
このようにして作製した液晶表示装置に白画像を表示させ、ディスプレイの正面、および、斜め方向から目視観察を行って、虹斑の発生について、以下のように判定した。なお、観察角度は、ディスプレイの画面の中心から法線方向(垂直)に引いた線と、ディスプレイ中心と観察時の眼の位置とを結ぶ線とのなす角とした。
◎ : 観察角度0~60度の範囲で、虹斑は観察されなかった。
○ : 観察角度0~60度の範囲で、一部薄い虹斑が観察された。
× : 観察角度0~60度の範囲で、明確に虹斑が観察された。
- : 曇価が高く、評価に適さないと判断した。
(8)耐熱性
耐熱性の指標である、tanδのピークトップ温度は、DMA Q800(TA Instruments社)により求めた。測定条件の詳細は、ModeをDMA Multi-Frequency - Strain、TestをTemp Ramp/Freq Sweep、ClampをTension:Film、Sample Shapeをrectangular(l,w,t)、Amplitudeを60μm、Preload forceを0.0100N、Force trackを125%、Soak timeを5.00min、Start temperatureを30℃、Final temperatureを250℃、Ramp rateを5℃/minとした。測定サンプルは40mm×5mmの矩形状に切り抜き、チャック間距離が20±0.2mmとなるようにサンプルを取り付けた。サンプル長手方向を遅相軸方向に平行とした場合、進相軸方向に平行とした場合のそれぞれについて測定を行い、各測定で得られたtanδのピークトップ温度の平均値について、以下のように判定した。
◎ : tanδのピークトップ温度の平均値が、105℃以上であった。
○ : tanδのピークトップ温度の平均値が、95℃以上105℃未満であった。
× : tanδのピークトップ温度の平均値が、95℃未満であった。
(製造例1-ポリエチレンテレフタレート樹脂)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。
(製造例2-接着性改質塗布液の調整)
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5-スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n-ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、接着性改質塗布液を得た。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂のペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)して押出機1に供給し、280℃で溶融させた。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、NV5020)のペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)して押出機2に供給し、260℃で溶融させた。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて積層した後、分割・積層回数10の多層フィードブロック(ノードソンEDI製マルチプライヤー)を通過させて多層化した。溶融積層体を口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化しフィルム状に成形した。このとき、各押出機の吐出量比が押出機1:押出機2=80:20となるよう調整した。
次いで、リバースロール法により前記フィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように、上記接着性改質塗布液を塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
この塗布層を形成した未熱処理フィルムを加熱炉内に導き、温度130℃の熱風ゾーンで180秒間の熱処理を行うことで、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=70:30とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=60:40とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=50:50とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂のペレット80質量部とポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、NV5020)のペレット20質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)して押出機1に供給し、280℃で溶融させた。ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過した後、単層で口金よりシート状にして押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化しフィルム状に成形した。
次いで、リバースロール法により前記フィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように、上記接着性改質塗布液を塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
この塗布層を形成した未熱処理フィルムを加熱炉内に導き、温度130℃の熱風ゾーンで180秒間の熱処理を行うことで、厚み40μm、理論積層数1層のポリエステルフィルムを得た。
(比較例2)
加熱炉内での熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=20:80とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
(比較例4)
多層フィードブロックの分割・積層回数を4回とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数33層のポリエステルフィルムを得た。
(比較例5)
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=80:20に保ったまま吐出量を増大させた以外は実施例1と同様の方法で得た未熱処理フィルムを、75℃に設定したロール群で予熱した後、105℃に設定したロール群で加熱しながら、縦方向に3.3倍となるよう延伸した。次に、このフィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度120℃の熱風ゾーンで4.0倍となるよう延伸した。更に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度220℃の熱風ゾーンで10秒間の熱処理を行うことで、厚み40μm、理論積層数2049層の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
本発明のポリエステルフィルムおよびこれを用いた偏光板、画像表示装置であれば、画像表示装置の広色域化によるバックライト光源の波長スペクトルの多様化や、偏光子保護フィルムの薄膜化した場合でも、虹斑を抑制することができる。

Claims (3)

  1. ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層とポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層を交互に積層して形成されたポリエステルフィルムを含む偏光子保護フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが下記の(1)から(4)を満たすことを特徴とする、偏光子保護フィルム
    (1)Hazeが4.0%以下である
    (2)次式で表される、ATR-FTIR法で測定したポリエステルフィルムの結晶構造パラメータが1.50以上である
    (結晶構造パラメータ)=(1340cm-1における吸光度)/(1320cm-1における吸光度)
    (3)X線回折で測定した(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
    (4)X線回折で測定した(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
  2. 偏光子の少なくとも一方の面に、請求項1に記載の偏光子保護フィルムが積層された偏光板。
  3. 請求項2に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
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