JP7318298B2 - ポリエステルフィルムおよびこれを用いた偏光板、画像表示装置 - Google Patents
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Description
さらに、偏光板の構成部材である偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを、広色域化対応の画像表示装置に使用した場合や、薄膜化した場合にも、虹斑の発生を抑制でき、視認性に優れた画像表示装置、偏光板、偏光子保護フィルムを提供することを目的とする。
項1.
ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層とポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層を交互に積層して形成されたポリエステルフィルムであって、下記の(1)から(4)を満たすことを特徴とするポリエステルフィルム。
(1)Hazeが4.0%以下である
(2)次式で表される、ATR-FTIR法で測定したポリエステルフィルムの結晶構造パラメータが1.50以上である
(結晶構造パラメータ)=(1340cm-1における吸光度)/(1320cm-1における吸光度)
(3)X線回折で測定した(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
(4)X線回折で測定した(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
項2.
偏光子の少なくとも一方の面に、項1に記載のポリエステルフィルムが偏光子保護フィルムとして積層された偏光板。
項3.
項2に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
本発明によれば、偏光板の構成部材である偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを、広色域化対応の液晶表示装置に使用した場合や、薄膜化した場合にも、虹斑の発生を抑制でき、視認性が改善された画像表示装置、偏光板、偏光子保護フィルムを提供することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層とポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層を交互に積層して形成される。積層構造を形成することにより、前記ポリエステルフィルムの製膜工程において耐熱性付与を目的に熱処理を行った際に、結晶化速度の大きいポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層が先に微結晶化して結晶界面を形成するため、隣接するポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層における粗大な球晶の成長を抑制し、良好な透明性を維持することが可能になる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層の厚みを低減し球晶成長を効果的に抑制する観点から、層数の下限は500層が好ましく、より好ましい下限値は1000層であり、更に好ましい下限値は1500層であり、より更に好ましい下限値は2000層である。同様の理由から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚みの上限は100nmが好ましく、より好ましい上限値は50nmであり、更に好ましい上限値は30nmであり、より更に好ましい上限値は20nmである。一方、層数の増大に伴い効果が飽和するほか、積層精度が損なわれ十分な効果が得られなくなる可能性があることから、上限は100000層が好ましい。同様の理由から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚みの下限は2nmが好ましい。ここでポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚みは、下記の式で表される。
(ポリエチレンテレフタレート系樹脂層の厚み)=((ポリエステルフィルムの厚み)/(理論積層数))×(ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比/0.50)
(ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比)=(ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量(kg/h))/(両成分の吐出量総和(kg/h))
ここで、理論積層数とは、積層流体を形成するためにメルトラインに設置されたスタティックミキサー、多層フィードブロックや多層マニホールドの構成から、溶融したポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂が流路設計の通りに分割および積層されたと仮定した場合に、理論的に予想される積層数を指す。ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比は、良好な耐熱性を確保する観点から、0.50以上が好ましく、より好ましくは0.55以上であり、更に好ましくは0.60以上であり、より更に好ましくは0.65以上である。一方の樹脂成分の吐出量比が著しく大きい場合、積層精度が損なわれ十分な効果が得られなくなる可能性があることから、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成分の吐出量比の上限は0.95が好ましい。同様の理由から、本発明のポリエステルフィルム中に占めるポリエチレンテレフタレート系樹脂の重量比は、良好な耐熱性を確保する観点から、0.50以上であることが好ましく、より好ましくは0.55以上であり、更に好ましくは0.60以上であり、上限は0.95が好ましい。
なお、本明細書において、wt%は質量%と同義であり、重量比は質量比と同義である。
(結晶構造パラメータ)=(1340cm-1における吸光度)/(1320cm-1における吸光度)・・・(1)
上記(1)式で、1340cm-1における吸光度および1320cm-1における吸光度は、FTS 60A/896(バリアン社)といった市販のフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光法(ATR-FTIR)により求められる。本発明のポリエステルフィルムの赤外吸収スペクトルにおいて、1340cm-1における吸光度はポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶化度に相関し、1320cm-1における吸光度はポリブチレンテレフタレート系樹脂の結晶化度に相関する。尚、1320cm-1における吸光度とは、丁度1320cm-1における吸光度を必ずしも意味するものではなく、1320cm-1付近(1315cm-1~1325cm-1)に観察されるピークトップの吸光度を示しており、明確なピークトップが観察されない場合には、1320cm-1における吸光度を読み取ることができる。同様に、1340cm-1における吸光度とは、丁度1340cm-1における吸光度を必ずしも意味するものではなく、1340cm-1付近(1337cm-1~1343cm-1)に観察されるピークトップの吸光度を示しており、明確なピークトップが観察されない場合には、1340cm-1における吸光度を読み取ることができる。測定方法の詳細は実施例で後述する。
((100)面の配向度パラメータ)=((100)面によるX線回折強度)/(非晶成分によるX線回折強度)
((100)面によるX線回折強度)=(2θ100-1≦2θ≦2θ100+1におけるX線回折強度の平均値)
(非晶成分によるX線回折強度)=(2θAMO-1≦2θ≦2θAMO+1におけるX線回折強度の平均値)
但し、2θ(度):回折角、2θ100(度):23.0≦2θ≦27.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ、2θAMO(度):19.0≦2θ≦21.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ
これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れる。ポリエチレンテレフタレートは、熱処理によって容易に耐熱性を向上させることができ、最も好適な素材である。
これらの樹脂は結晶化速度が大きく、ガラス状態で熱処理した場合に粗大球晶を形成しづらいため、透明性に優れる。ポリブチレンテレフタレートは、とりわけ結晶化速度が大きく、ガラス状態で熱処理した場合に透明性を維持可能なことに加え、ポリエチレンテレフタレート系樹脂と積層した場合、熱処理時に結晶界面を形成することでポリエチレンテレフタレート系樹脂層における粗大球晶の生成を抑制可能であり、最も好適な素材である。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2~5mmとなるような倍率で、300~500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に偏光子保護フィルムを貼り合わせた構造を有し、少なくとも一方の偏光子保護フィルムが前述した本発明のポリエステルフィルムであることが好ましい。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着したものがあげられる。本発明に用いられる偏光板には、写り込み防止やギラツキ抑制、キズ抑制などを目的として、種々のハードコートを表面に塗布することも好ましい様態である。
画像表示装置には、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、QLEDディスプレイなど、画像表示装置の内部に偏光板を含むものが含まれる。
一般に、液晶パネルは、バックライト光源に対向する側から画像を表示する側(視認側)に向かう順に、後面モジュール、液晶セルおよび前面モジュールから構成されている。後面モジュールおよび前面モジュールは、一般に、透明基板と、その液晶セル側表面に形成された透明導電膜と、その反対側に配置された偏光板とから構成されている。ここで、偏光板は、後面モジュールでは、バックライト光源に対向する側に配置され、前面モジュールでは、画像を表示する側(視認側)に配置されている。
有機EL素子は、当該技術分野において知られる有機EL素子を適宜選択して使用することができる。有機EL素子の使用は、広視野角、高コントラスト、及び高速応答である点で好ましい。有機EL素子は、典型的には、透明基板上に透明電極である陽極、有機発光層、及び金属電極である陰極をこの順で積層した構造を有する発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)である。有機ELセルは、陽極と陰極との間に電圧が印加されたときに、陽極から注入されたホール(正孔)と陰極から注入された電子とが有機発光層中で再結合することによって発光する。
偏光板としては、前述した偏光板を用いることができ、偏光子の視認側に本発明のポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムが積層されていることが好ましい。偏光子の光源側にポリエステルフィルムを配する場合は、円偏光板による外光の遮蔽効果を低下させてしまう場合があるが、安価品など視認性への要求が低い場合には、本発明のポリエステルフィルムを配しても構わない。
JIS-K-7136:2000に準ずる方法で、ヘイズメーター(日本電色社製、NDH2000)を用いて、試料中の異なる箇所3ヶ所について測定し、その平均値をHaze(%)とした。
ポリエステルフィルム中の結晶構造パラメータは、前記(1)式で表され、フーリエ変換赤外分光光度計(バリアン社製、FTS 60A/896)を用いて、全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光法(ATR-FTIR)により得られた1340cm-1における吸光度A1340および1320cm-1における吸光度A1320の値から算出される。ATR-FTIR測定は、光学系に偏光子を挿入せずに行い、ATRプリズムにダイヤモンド結晶を用いて、入射角度を45度として行った。積算回数はサンプル、バックグラウンドともに64回とし、波数分解能を4cm-1、測定波数範囲を650~4000cm-1として測定を行った。ATR-FTIR測定により得られた赤外吸収スペクトルは、試料への侵入深さが波数によって異なりベースラインが湾曲するため、得られた赤外吸収スペクトルは、各波数ν(cm-1)における吸光度に、測定範囲内の最大波数νmax(cm-1)と各波数ν(cm-1)の比νmax/νを乗じることで補正した。補正後の赤外吸収スペクトルにおいて、1340.271cm-1における吸光度をA1340、1320.986cm-1における吸光度をA1320として採用した。ここで吸光度とは、ベースライン補正後の赤外吸収スペクトルにおける、該当波数での吸収強度の絶対値を指す。
(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータは、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT2500)を用いて、広角X線回折測定により得られた遅相軸-ND面内における回折強度プロファイルから、次式により定義される。
((100)面の配向度パラメータ)=((100)面によるX線回折強度)/(非晶成分によるX線回折強度)
((100)面によるX線回折強度)=(2θ100-1≦2θ≦2θ100+1におけるX線回折強度の平均値)
(非晶成分によるX線回折強度)=(2θAMO-1≦2θ≦2θAMO+1におけるX線回折強度の平均値)
但し、2θ(度):回折角、2θ100(度):23.0≦2θ≦27.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ、2θAMO(度):19.0≦2θ≦21.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ
測定はRINT2500に回転試料台を取り付け、θ/2θ光学系の透過法により行った。サンプルは遅相軸方向を長手として短辺1cm、長辺2cmの矩形状に切り出し、合計厚みが200±100μmとなるよう適宜重ね合わせて、遅相軸方向がβ=0度および180度方向と一致し、かつθ=0度のときX線入射方向とサンプル厚み方向が一致するよう、回転試料台に取り付けた。測定には管電圧=40kV、管電流=200mAを印加したCuKα線を用い、X線発生装置と試料の間には1mmφコリメーターを挿入した。回転試料台をβ=0度に移動させた状態において、制御対象をθ/2θとし、測定方法=FT、開始位置=10.000度、終了位置=40.000度、ステップ幅=0.050度、計数時間=2.0secとして、検出器としてシンチレーションカウンターを用いて測定した。検出器前には、縦制限スリット:2度、横制限スリット:1/2度およびNiフィルターを設置した。測定した回折プロファイルF(2θ)について、2θ=10.0度および40.0度での回折強度を結ぶ直線G(2θ)をベースラインとして差し引き、得られた回折プロファイルH(2θ)=F(2θ)-G(2θ)を用いて、(100)面の配向度パラメータを算出した。なお、サンプルの遅相軸方向は、分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)により求めた。
(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータは、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT2500)を用いて、広角X線回折測定により得られた進相軸-ND面内における回折強度プロファイルから、次式により定義される。
((100)面の配向度パラメータ)=(2θ100-1≦2θ≦2θ100+1におけるX線回折強度の平均値)/(2θAMO-1≦2θ≦2θAMO+1におけるX線回折強度の平均値)
但し、2θ(度):回折角、2θ100(度):23.0≦2θ≦27.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ、2θAMO(度):19.0≦2θ≦21.0の範囲でX線回折強度が最大となるときの2θ
測定はRINT2500に回転試料台を取り付け、θ/2θ光学系の透過法により行った。サンプルは遅相軸方向を長手として短辺1cm、長辺2cmの矩形状に切り出し、合計厚みが200±100μmとなるよう適宜重ね合わせて、遅相軸方向がβ=0度および180度方向と一致し、かつθ=0度のときX線入射方向とサンプル厚み方向が一致するよう、回転試料台に取り付けた。測定には管電圧=40kV、管電流=200mAを印加したCuKα線を用い、X線発生装置と試料の間には1mmφコリメーターを挿入した。回転試料台をβ=0度に移動させた状態において、制御対象をθ/2θとし、測定方法=FT、開始位置=10.000度、終了位置=40.000度、ステップ幅=0.050度、計数時間=2.0secとして、検出器としてシンチレーションカウンターを用いて測定した。検出器前には、縦制限スリット:2度、横制限スリット:1/2度およびNiフィルターを設置した。測定した回折プロファイルF(2θ)について、2θ=10.0度および40.0度での回折強度を結ぶ直線G(2θ)をベースラインとして差し引き、得られた回折プロファイルH(2θ)=F(2θ)-G(2θ)を用いて、(100)面の配向度パラメータを算出した。なお、サンプルの遅相軸方向は、分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)により求めた。
リタデーションRe(nm)および厚さ方向リタデーションRth(nm)は、市販の自動複屈折測定装置(シンテック株式会社製、OPTIPRO standard)を用いて、以下の方法により求めた。サンプルから任意の方向に沿って4cm×3cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。サンプルを試料台に取り付け、Broad Rthモードを用いて、Dispersion Mode=Single、Wave Start=589nm、Axis Search=ON、Incident Angle=40、Slope Axis=Fast Axisとして測定した。Sample conditionのd[um]には、電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定したサンプル厚み(μm)を入力し、Nは1.57とした。
黒色のフェルトマット上にポリエステルフィルムを設置し、明室内での外観観察を行うことで、透明性について以下のように判定した。
○ : 視感上透明であり、白化は認識できなかった。
× : フィルムが白化していることが視認された。
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に後述する方法で作成したポリエステルフィルムを偏光子の吸収軸とフィルムの遅相軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面に市販のTACフィルムを貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板で、市販の液晶表示装置(東芝社製のREGZA 43J10X)に元々存在した入射光側および出射光側の偏光板を置き換えた。なお、偏光板の吸収軸が、元々液晶表示装置に貼付されていた偏光板の吸収軸方向と一致するように、TACフィルム側を接着面として偏光板を置き換えた。前記液晶表示装置は、励起光を出射する光源とKSF蛍光体を含むバックライト光源を有する。この液晶表示装置のバックライト光源の発光スペクトルを、浜松ホトニクス製 マルチチャンネル分光器 PMA-12を用いて測定したところ、448nm、533nm、630nm付近にピークトップを有する発光スペクトルが観察され、各ピークトップの半値幅は2nm~49nmであった。なお、スペクトル測定の際の露光時間は20msecとした。
このようにして作製した液晶表示装置に白画像を表示させ、ディスプレイの正面、および、斜め方向から目視観察を行って、虹斑の発生について、以下のように判定した。なお、観察角度は、ディスプレイの画面の中心から法線方向(垂直)に引いた線と、ディスプレイ中心と観察時の眼の位置とを結ぶ線とのなす角とした。
◎ : 観察角度0~60度の範囲で、虹斑は観察されなかった。
○ : 観察角度0~60度の範囲で、一部薄い虹斑が観察された。
× : 観察角度0~60度の範囲で、明確に虹斑が観察された。
- : 曇価が高く、評価に適さないと判断した。
耐熱性の指標である、tanδのピークトップ温度は、DMA Q800(TA Instruments社)により求めた。測定条件の詳細は、ModeをDMA Multi-Frequency - Strain、TestをTemp Ramp/Freq Sweep、ClampをTension:Film、Sample Shapeをrectangular(l,w,t)、Amplitudeを60μm、Preload forceを0.0100N、Force trackを125%、Soak timeを5.00min、Start temperatureを30℃、Final temperatureを250℃、Ramp rateを5℃/minとした。測定サンプルは40mm×5mmの矩形状に切り抜き、チャック間距離が20±0.2mmとなるようにサンプルを取り付けた。サンプル長手方向を遅相軸方向に平行とした場合、進相軸方向に平行とした場合のそれぞれについて測定を行い、各測定で得られたtanδのピークトップ温度の平均値について、以下のように判定した。
◎ : tanδのピークトップ温度の平均値が、105℃以上であった。
○ : tanδのピークトップ温度の平均値が、95℃以上105℃未満であった。
× : tanδのピークトップ温度の平均値が、95℃未満であった。
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5-スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n-ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、接着性改質塗布液を得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂のペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)して押出機1に供給し、280℃で溶融させた。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、NV5020)のペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)して押出機2に供給し、260℃で溶融させた。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて積層した後、分割・積層回数10の多層フィードブロック(ノードソンEDI製マルチプライヤー)を通過させて多層化した。溶融積層体を口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化しフィルム状に成形した。このとき、各押出機の吐出量比が押出機1:押出機2=80:20となるよう調整した。
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=70:30とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=60:40とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=50:50とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂のペレット80質量部とポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、NV5020)のペレット20質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)して押出機1に供給し、280℃で溶融させた。ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過した後、単層で口金よりシート状にして押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化しフィルム状に成形した。
加熱炉内での熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=20:80とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数2049層のポリエステルフィルムを得た。
多層フィードブロックの分割・積層回数を4回とした以外は実施例1と同様にして、厚み40μm、理論積層数33層のポリエステルフィルムを得た。
各押出機の吐出量比を押出機1:押出機2=80:20に保ったまま吐出量を増大させた以外は実施例1と同様の方法で得た未熱処理フィルムを、75℃に設定したロール群で予熱した後、105℃に設定したロール群で加熱しながら、縦方向に3.3倍となるよう延伸した。次に、このフィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度120℃の熱風ゾーンで4.0倍となるよう延伸した。更に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度220℃の熱風ゾーンで10秒間の熱処理を行うことで、厚み40μm、理論積層数2049層の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
Claims (3)
- ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる層とポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる層を交互に積層して形成されたポリエステルフィルムを含む偏光子保護フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが下記の(1)から(4)を満たすことを特徴とする、偏光子保護フィルム。
(1)Hazeが4.0%以下である
(2)次式で表される、ATR-FTIR法で測定したポリエステルフィルムの結晶構造パラメータが1.50以上である
(結晶構造パラメータ)=(1340cm-1における吸光度)/(1320cm-1における吸光度)
(3)X線回折で測定した(100)面の遅相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である
(4)X線回折で測定した(100)面の進相軸-ND面内における配向度パラメータが1.00以上である - 偏光子の少なくとも一方の面に、請求項1に記載の偏光子保護フィルムが積層された偏光板。
- 請求項2に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
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