JP7317637B2 - 電鋳金型製造方法 - Google Patents
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を有することを特徴とする電鋳金型製造方法。
図1に示した流路基板1は、電鋳金型を用いて樹脂部材により製造されたものである。
以下、前記流路基板1の製造に用いる本発明の電鋳金型製造方法について説明する。
図2は、本発明の一実施形態の電鋳金型製造方法を説明するための図で、(a)~(e)は、電鋳金型を製造するための母基板を成す第一基板の製造過程を工程毎に示したものである。
ここまでの工程は、前記した第一基板の工程と同様の工程が採用され、第二基板6が形成される。
尚、第一金属層5は、例えば、Au/Cr、Au/Ti、又はCr/Ti等の材質であり、金属接合層8は、例えば、Au又はAuSn等の材料から選択される。
本工程においては、接合手段として金属接合を例に説明したが、これに限定されず、接着剤を用いた接合手段であってもよい。その場合は、第二基板6の金属接合層8は必要ないため、金属接合層形成工程は不要になる。
本工程では、第二基板6の前記接合面と対向する面を研磨し、第一基板3の凹部3aと第二基板6の凹部6aが対向配置されることで形成された凹部空間の一部を露出するよう、研磨処理を施し第二基板6の表面に開口部6bを形成する。この時、研磨によって一部が開口状態になる凹部6a内面には金属層等は設けられていない構成となる。
第二基板6の開口部6bを形成した面上に第二金属層9を形成する。第二金属層9は、例えば、Au/Cr、Au/Ti、又はCr/Ti等の材質を適宜選択して使用でき、蒸着、スパッタ等の手法で成膜することができる。
前記第一基板3と前記第二基板6との接合面に位置する第一金属層5と、第二基板6の開口部6b形成面上に形成された第二金属層9をメッキシード層とし、これらに給電し、電解メッキ手法によりメッキ成長させる。これにより前記凹部空間をメッキ充填し、この凹部空間と連なる第二基板6の開口部6bを含む第二基板6の表面上において一定の厚みを確保して金属メッキ形状部10が形成される。この金属メッキ形状部10は、凹部空間内部から第二基板6の表面上に連通する金属メッキ形状部である。この時、第二基板6の凹部内面にはシード層となる金属層が形成されていないので、第一基板3の凹部3aに形成された第一金属層5、凹部の底部から徐々に上方の開口部側へメッキが成長していくことで、凹部空間内に空隙等を生ずることなく、隈なく充填できる。
前記第一基板3と第二基板6は、シリコン基板で構成しているため、エッチング溶液を用いてすべて溶解除去する。また、メッキシード層として用いた金属層は、AuやCrを用いているので、これらも適宜溶解液を選択して溶解除去することで最終的に金属メッキ形状部10のみを露出することができる。
このようにして残った金属メッキ形状部10が、流路基板を製造するための電鋳金型として完成する。
完成した電鋳金型を用いれば、図1に例示した断面視円形状の流路を有する流路基板を容易に形成することができる。
図5は、本発明の他の実施形態の電鋳金型製造方法を説明するための図で、(a)~(e)は、電鋳金型を製造するための母基板を成す第一基板の製造過程を工程毎に示したものである。
第二基板14の貫通孔14aは、一方の面の開口幅が対向面の開口幅よりも広く形成される。
尚、第一金属層13は、例えば、Au/Cr、Au/Ti、又はCr/Ti等の材質であり、金属接合層16は、例えば、Au又はAuSn等の材料から選択される。
本工程においては、接合手段として金属接合を例に説明したが、接着剤を用いた接合手段も採用できる。その場合は、第二基板14の金属接合層16は必要ないため、金属接合層形成工程は不要になる。
前記第一基板11と前記第二基板14との接合面に位置する第一金属層13と、第二基板14の貫通孔14aの開口部が狭い方の面上に形成された第二金属層17をメッキシード層とし、これらに給電し、電解メッキ手法によりメッキ成長させる。これにより前記凹部空間をメッキ充填し、この凹部空間と連なる第二基板14の開口部を含む第二基板14の表面上において一定の厚みとなるようにして金属メッキ形状部18が形成される。この金属メッキ形状部18は、凹部空間内部から第二基板14の表面上に連通する金属メッキ形状部である。この時、第二基板6の凹部内面にはシード層となる金属層が形成されていないので、第一基板11の凹部11aに形成された第一金属層13、凹部11aの底部から徐々に上方の開口部側へメッキが成長していき、凹部空間内に空隙等を生ずることなく、隈なく充填できる。
前記第一基板11と第二基板14は、シリコン基板で構成しているため、エッチング溶液を用いてすべて溶解除去する。また、メッキシード層として用いた金属層は、AuやCrを用いているので、これらも適宜溶解液を選択して溶解除去することで最終的に金属メッキ形状部18のみを露出することができる。
このようにして残った金属メッキ形状部18が、流路基板を製造するための電鋳金型として完成する。
完成した電鋳金型を用いれば、図1に例示した断面視略円形状の流路を有する流路基板を容易に形成することができる。
2 流路
3 第一基板
3a 凹部
4 レジストマスク
5 第一金属層
6 第二基板
6a 凹部
6b 開口部
7 レジストマスク
8 金属接合層
9 第二金属層
10 金属メッキ形状部
11 第一基板
11a 凹部
12 レジストマスク
12a 開口部
13 第一金属層
14 第二基板
14a 貫通孔
15 レジストマスク
15a 開口部
16 金属接合層
17 第二金属層
18 金属メッキ形状部
Claims (15)
- 第一基板に凹部を形成し、前記第一基板の凹部内面を含む凹部形成面上に第一金属層を形成する工程と、
第二基板に凹部を形成する工程と、
前記第一基板の凹部と前記第二基板の凹部を対向配置し、前記第一基板と前記第二基板を接合する工程と、
前記第二基板の前記第一基板との接合面と対向する面を研磨し、前記第一基板の凹部と前記第二基板の凹部が対向配置されることで形成された凹部空間の一部を露出するよう前記第二基板に開口部を形成する工程と、
前記第二基板の開口部形成面上に第二金属層を形成する工程と、
前記第一基板に形成された第一金属層と、前記第二基板の開口部形成面上に形成された第二金属層とをメッキシード層として第一金属層上及び第二金属層上にメッキを施し、前記第一金属層上に形成され前記凹部空間の内部を充填するメッキ金属と、前記第二金属層上に形成されるメッキ金属とが前記開口部を介して接続された金属メッキ形状部を形成する工程と、
前記第一基板及び前記第二基板を除去し、前記金属メッキ形状部のみを露出させる工程と、
を有することを特徴とする電鋳金型製造方法。 - 前記第一基板及び前記第二基板は、シリコン基板であり、前記第一基板の凹部と前記第二基板の凹部は、エッチング手法により形成されることを特徴とする請求項1に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一基板の凹部と前記第二基板の凹部は、断面視略半円形状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一金属層と前記第二金属層は、メッキシード層であり、Au/Cr、Au/Ti、又はCr/Tiから成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一基板と第二基板の接合工程において、前記第二基板の凹部内面を除く凹部形成面上に、前記第一基板と前記第二基板とを接合するための接合金属層を形成し、前記第一基板の前記第一金属層と前記第二基板の前記接合金属層を介して前記第一基板と前記第二基板とを接合することを特徴とする1、2、3又は4に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記接合金属層は、Au又はAuSnから成ることを特徴とする請求項5に記載の電鋳金型製造方法。
- 第一基板に凹部を形成し、前記第一基板の凹部内面を含む凹部形成面上に第一金属層を形成する工程と、
第二基板に貫通孔を形成する工程と、
前記第一基板の凹部と前記第二基板の貫通孔を対向配置し凹部空間を形成した状態で、前記第一基板と前記第二基板を接合する工程と、
前記第二基板の前記第一基板との接合面と対向する面上に第二金属層を形成する工程と、
前記第一基板に形成された第一金属層と、前記第二基板の第二金属層とをメッキシード層として前記第一金属層上及び前記第二金属層上にメッキを施し、前記第一金属層上に形成され前記凹部空間を充填するメッキ金属と、前記第二金属層上に形成されるメッキ金属とが前記貫通孔を介して接続された金属メッキ形状部を形成する工程と、
前記第一基板及び前記第二基板を除去し、前記金属メッキ形状部のみを露出させる工程と、
を有することを特徴とする電鋳金型製造方法。 - 前記第二基板の貫通孔は一方の面の開口幅が対向面の開口幅よりも広く形成されており、前記貫通孔の広い開口幅が、前記第一基板の凹部の開口幅と同等の幅を有しており、各々が対向配置されることを特徴とする請求項7に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一基板は、シリコン基板であり、前記凹部はエッチング手法により形成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第二基板は、シリコン基板であり、前記貫通孔はエッチング手法により形成されることを特徴とする請求項7、8又は9に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一基板に形成される凹部は、断面視略半円形状に形成されることを特徴とする請求項7、8、9又は10に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第二基板に形成される貫通孔は、前記第一基板との前記接合面の方向に向かって広がる断面視略テーパー状に形成されることを特徴とする請求項7~11のいずれか一項に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一金属層と前記第二金属層は、メッキシード層であり、Au/Cr、Au/Ti、又はCr/Tiから成ることを特徴とする請求項7~12のいずれか一項に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記第一基板と前記第二基板を接合する工程において、前記第二基板の貫通孔内面を除き、前記第二金属層が形成された面と対向する面上に金属接合層を形成し、当該金属接合層を介して前記第一基板と前記第二基板を接合することを特徴とする請求項7~13のいずれか一項に記載の電鋳金型製造方法。
- 前記金属接合層は、Au又はAuSnから成ることを特徴とする請求項14に記載の電鋳金型製造方法。
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