JP7317067B2 - 知財情報を用いた俯瞰図の作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特許等の知財に関連する情報を用いて、企業(例えば知財の出願人や権利者など)や技術(例えばIPCやFIなど)の分布及び相互の関連などを俯瞰することができる俯瞰図を作成する方法に関する。とりわけ、企業や技術の分布及び関係性について今までにない気付きを得るのに好適な俯瞰図を作成する方法に関する。
近年、経営戦略を策定するための手法としてIPランドスケープが注目されている。IPランドスケープとは、平成28年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書によると「自社、競合他社、市場の研究開発、経営戦略等の動向及び個別特許等の技術情報を含み、自社の市場ポジションについて現状の俯瞰・将来の展望等を示すもの」である。
IPランドスケープは、先進的な企業では以前から活用されてきた手法だが、近年のIoT技術やビッグデータ技術、AI技術、ロボティクス技術などの発達により、異なる領域の技術や産業間の敷居が低くなり、自社の隣接業界が増加・複雑化したことや、データ処理の高速化、高機能化により、今までにない分析手法の採用が可能となったことなどにより、一層の注目を集めるようになっている。
このよう状況のなか、様々なIPランドスケープ手法や、IPランドスケープのためのツールが開発されている。
特許6794584公報 特開2019-152939公報 特許6370434公報
特許文献1には、特許戦略チャートの図示方法であって、実施態様及び特許請求の範囲と実施態様に関連する製品情報を反映させて、特許請求の範囲に対する実施態様の包含関係及び/ 又は関連性を示す特許戦略チャートの図示方法が開示されている。
特許文献2には、開発規模に準じた出願の伸びのあった出願人や特許分類、キーワード等の分析対象データを、開発規模に関係なく漏れなく表示し、視覚的な発見を容易にすることが可能な特許マップ作成表示装置が開示されている。
特許文献3には、特許情報についての言及はないものの企業グループ・事業属性共起マトリックスを用いて、コサイン類似度などにより、企業間の類似性を判断し、企業の分布及び相互の関連などを俯瞰するシステムが開示されている。
特許文献1および特許文献2においては、企業(例えば知財の出願人や権利者など)や技術(例えばIPCやFIなど)の分布及び相互の関連などを俯瞰することができる俯瞰図が一切開示されていない。また、特許文献3においては特許等の知財情報を用いた企業や技術の俯瞰図については一切開示されていない。
また、上記の文献以外について、特許情報から企業や技術の俯瞰図を作成する方法を開示する文献は多数存在するものの、それは特許情報を整理したに過ぎない、いわゆる特許MAPである。これら特許MAPは企業ごと技術ごとの現在の特許の出願、保有状況を把握する用途には便利だが、将来の経営戦略を策定するための分析手法としては十分ではなく、より高度な分析手法の開発が課題となっていた。
以上のような課題を解決するために、本発明は、技術俯瞰図を作成する方法であって、特定の特許(出願中特許、出願後登録前消滅特許、存続中特許、登録後消滅特許、出願中実用新案登録、出願後登録前消滅実用新案登録、存続中実用新案登録、登録後消滅実用新案登録のいずれか一以上を含むものをいう。日本国の権利に限定されない。以下同じ。)に付与されている特許分類情報と、その特定の特許の権利者(出願人、現在の権利者、過去の権利者のいずれか一以上を含むものをいう。以下同じ。)とを、関連付けたデータセットをデータセット保持部に記録するデータセット記録ステップと、前記データセットにて権利者に関連付けられている特許分類情報に基づいて、その権利者が保有する技術の分布を示す技術分布情報を取得する技術分布情報取得ステップと、各権利者どうしの技術分布情報の共通度を示す値又は類似度を示す値のいずれかを基準として権利者どうしを関連付ける関連付ステップと、各権利者をノードとし各権利者どうしの関連付けをエッジとし、エッジによる各ノードの結合の状態から、各ノードを相対的に関連度が高いと推定されるグループに分割するクラスタリングステップと、ノード、エッジ、クラスタリング結果をグラフ形式で表示する表示ステップと、からなる技術俯瞰図作成方法。などを提案する。
具体的に本発明で作成される俯瞰図の特徴をあげると、まず、本俯瞰図は公的に体系化され整備された特許分類情報などを用いて描画されるため、正確かつ客観的な企業間の分布および関連性を示すことができる(ただし、必要に応じて独自に作成した分類を使用してもよい)。また、本俯瞰図は多数の企業を対象に、各企業が保有する技術分布又は技術分布の特徴から各企業間の関連付けを行うため、多数の企業間の技術的関連性を網羅的かつ俯瞰的に把握できる。さらに、本俯瞰図は企業をノード、企業間の関連をエッジとしたグラフ形式で企業分布を作成し、これをモジュラリティなどのエッジの結合状態(企業間の関係性)を示す指標などによりクラスタを作成する。よって、直接的に関係する隣接企業だけでなく間接的に関係する隣接企業(隣接の隣接など)も適切にグループ分けし、産業界の全体像を体系的に把握できる。したがって、本俯瞰図によれば従来にない企業間の分布および関連性を発見できる可能性が高く、本発明は将来の経営戦略を策定するために極めて有用といえる。
実施形態1のフロー図 実施形態2のフロー図 実施形態3のフロー図 実施形態4のフロー図 実施形態5のフロー図 ハードウェア図 本発明に係る数式1 本発明に係る数式2 本発明に係る数式3 本発明に係る数式4 本発明に係る数式5 本発明に係る数式6 本発明に係る数式7 本発明に係る数式8 本発明に係る数式9 本発明に係る数式10 本発明に係る数式11 本発明に係る数式12 本発明に係る数式13 本発明に係るデータセットの例 本発明に係る技術分布の例1 本発明に係る技術分布の例2 本発明に係る関連付けの例1 本発明に係る関連付けの例2 本発明に係る技術俯瞰図の例1 本発明に係る技術俯瞰図の例2 本発明に係る技術俯瞰図の例3
以下、本発明の各実施形態について図面と共に説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、最も基本的な実施形態であり、すべての請求項に関係するが、特に請求項1に対応する。実施形態2は、主に請求項2に対応する。実施形態3は、主に請求項3および請求項4に対応する。実施形態4は、主に請求項5に対応する。実施形態5は、主に請求項6に対応する。実施形態6は、主に請求項7に対応する。実施形態7は、主に請求項8に対応する。実施形態8は、主に請求項9に対応する。ただし、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
<実施形態1>
実施形態1においては、本件発明のもっとも基本的な実施形態について述べる。本実施形態のステップの概要は図1に示すとおりである。以下、各ステップについて説明する。
「データセット記録ステップ」は特定の特許に付与されている特許分類情報と、その特定の特許の権利者とを、関連付けたデータセットをデータセット保持部に記録する。
「特定の特許」とは出願中特許、出願後登録前消滅特許、存続中特許、登録後消滅特許、出願中実用新案登録、出願後登録前消滅実用新案登録、存続中実用新案登録、登録後消滅実用新案登録のいずれか一以上を含むものをいう。よって、例えば現在生存中の権利である出願中特許と存続中特許を対象としてもよいし、登録実績のある権利である存続中特許、登録後消滅特許を対象としてもよい。もちろん、出願後登録前消滅特許を技術開発の動向を示すものとして対象に加えることもできる。これらの点は実用新案登録についても同様である。もちろん、そのほかの組み合わせも目的に応じて自由に採用することができる。
「特許分類情報」とは、代表的にはIPC、FI、Fターム、USPC(米国特許分類)、ECLA(欧州特許分類)、CPC(共通特許分類)など公的に体系化されて付される特許分類情報を指すが、これに限られない。企業内で使用される独自分類や、情報ベンダーが作成した独自分類による情報であってもよい。また、例えば請求項中に使用される語句の統計情報などから独自の分類を作成して使用してもよい。すなわち、ここでいう特許分類とは、特許を分類する情報すべてを指すものである。
また、上記特許分類情報は、必ずしも分類コードなどをそのまま使用した情報には限定されない。例えばIPCの上1桁(セクション)や、IPCの上3桁(クラス)などで区切ったコードをしてよい。また、区切りの基準もセクション、クラス、サブクラスなどの分類定義上の桁数に限定されるものでもない。また、桁数ではなく、IPCに定義された階層概念による同階層のコードを用いてもよい。また、ある技術分野にはIPC上3桁を用い、別の技術分野にはIPC上4桁を用いるなどしてもよい。
また、特許分類情報は元のコードの外観的な形式を維持している必要がないことは当然である。たとえばデータ圧縮のために、IPCを数値などのキーの形式に変換してもよい。また、IPCを次元とし、次元圧縮した場合など、もとの特許分類に係る情報がその特徴を維持して残る場合も同様である。これらの点は当業者が適宜実装すべきものである。
「権利者」とは、上記特定の特許の出願人、現在の権利者、過去の権利者のいずれか一以上を含むものをいう。よって、例えば出願中特許については出願人、存続中特許であれば現在の権利者を対象とするなどしてよい。また、必要に応じて過去の権利者を対象としてもよい。
また、上記の権利者とは、公報や原簿に記載の名義に限定されない。例えば、公報や原簿に記載の名義を名寄せした名寄せ先の権利者であってもかまわない。また、子会社の名義を親会社の名義に変換するなどしてもよいし、企業が属する企業グループ名に変換するなどしてもよい。権利が共有である場合は、それぞれの権利者の特許として集計してもよいし、共有者全員で1名義としてもよい。すなわち、ここでいう権利者とは特許の形式的/実質的な権利者を幅広く指すものである。なお、権利者情報が権利者の名称でなく権利者コードや、名寄せした企業の企業コード(EDIコードなど)であって良いことは当然である。
「特定の特許に付与されている特許分類情報とその特定の特許の権利者とを関連付けたデータセット」とは、例えばX列目が権利者情報で、Y列目が特許分類情報であるようなCSVファイルを指す。もちろん、CSV形式以外にもTSV形式やエクセル形式でもよいし、リレーショナルデータベース形式でもよいし、XML形式であってもよい。特許分類情報とその特定の特許の権利者とを紐づけたものであればその形式は問わない。たとえば、図20はエクセル形式のファイルの内容の一部である(特許番号、権利者名称はダミーに変換している)。
また、図21は権利者ごとIPCごとに特許を集計したエクセル形式のファイルの内容の一部である(権利者名称はダミーに変換している)。本ステップでは、この図21に示されたデータのように権利者ごとIPCごとにあらかじめ集計をしたファイルを読み込んでもよい。もちろん、特許分類情報データと、権利者情報データとを別々に保持し、さらに紐づけのためのデータファイルを保持することによって、両者を関連付ける形式とした複数のファイルを読み込んでもよい。実質的に特許分類情報と権利者とが関連付けられるのであれば、実際のデータ形式は当業者による設計事項に過ぎない。
「データセット保持部」とはデータセットを記録する装置や記録媒体などである。このデータセット保持部は代表的にはメモリやHDなどの電気/磁気記録媒体であるが、これに限らない。なお、ここでいうデータセットを記録する、とは長期的な記録である必要はなく、後のステップのための一時的な計算のための記録であってかまわない。
「技術分布情報取得ステップ」は、前記データセットにて権利者に関連付けられている特許分類情報に基づいて、その権利者が保有する技術の分布を示す技術分布情報を取得する。
「技術分布情報」とは、その権利者が保有する技術の分布を示すものであり、権利者ごとの特許に付された特許分類の統計情報である。これは単純な集計情報であって良いし、また、集計情報に強調、標準化などの処理をしたものであって良い。単純な例を挙げると、ある権利者A社が特許1と特許2を保有しており、特許1にIPC「H01M 10/02」と「A01B 1/14」が付与されており、特許2にIPC「H01M 10/02」と「A01D 29/00」が付与されていた場合、A社と関連付けられたIPCおよびその集計値は「H01M 10/02」が2、「A01B 1/14」が1、「A01D 29/00」が1となる。これを技術分布情報としてよい。なお、これは説明のための単純の例であり、実際には図21のようになる。
また、技術分布情報は、権利者ごとの特許に付された特許分類の集計情報を、出現割合、出願回数が一定以上の特許分類に限定することより、ノイズを除去した技術の分布情報であって良い。また、出現割合、出現回数の平均値や標準偏差を用いて数値を標準化してもよい。さらには、出現割合、出現回数を、例えばN乗ずることにより、出現割合、出現回数の高いものをより強調するようにしてもよい。当業者はこのような統計上の特徴の標準化や強調を任意に適用してよい。例えば、図22は出現回数が400回以上の特許分類情報のみに絞り込んだものを技術分布情報としている。
「関連付ステップ」は、各権利者どうしの技術分布情報の共通度を示す値又は類似度を示す値のいずれかを基準として権利者どうしを関連付ける。
「技術分布情報の共通度を示す値」とは、例えば、A社とB社の共通度であれば、A社とB社の技術分布に共通する特許分類情報の数や割合などが挙げられる。具体的には、もっとも単純な方法としてA社とB社の技術分布において、2つのIPCが共通している場合、AB間の共通度を示す値は2とする、などの方法が考えられる。なお、この際に強調や標準化を行ったあとの技術分布情報を用いてよいことは当然である。また、この共通度を示す値は後のステップでエッジウェイトとして使用されるが、ウェイトなしで計算を行いたい場合などは、共通度が一定以上ならば1、一定未満ならば0とするなどとしてもよい。
また、「技術分布情報の類似度を示す値」とは例えば、コサイン類似度や集合演算による類似度、確率分布の乖離度に基づく値などである。これらの類似度の計算方法の詳細は別の実施形態に記載する。
上記の通りに各権利者どうしを関連付けた結果は、例えば正方行列で表現できる。図23がその例である。この図23では、例えばA社(行)とB社(列)の交差する要素に、13が記載されているが、この13がA社とB社の間の共通度である。
「クラスタリングステップ」は各権利者をノードとし各権利者どうしの関連付けをエッジとし、エッジによる各ノードの結合の状態から、各ノードを相対的に関連度が高いと推定されるグループに分割する。
「ノード」とは、いわゆるグラフ理論におけるノード(接点)である。「エッジ」とは同様にグラフ理論におけるエッジ(辺)である。よって、「エッジによる各ノードの結合の状態」とは各ノードの繋がりの状態である。エッジウェイトを考慮する場合は、ウェイトも考慮した繋がりの状態を指す。ただし、これらの用語は厳密なグラフ理論の定義に縛られるものではなく、ネットワーク構造を表現する接点と辺を描画するものは本件発明の範囲である。
「エッジによる各ノードの結合の状態から、各ノードを相対的に関連度が高いと推定」する方法には、例えばモジュラリティ指標Qを用いる手法がある。モジュラリティ指標Qは、ネットワークの与えられた分割に対して、「グループ内のノード同士が繋がるリンクの割合」から「リンクがランダムに配置された場合の期待値」を引いた値として定義される。モジュラリティQは当業者に周知された指標であるが、念のために式を示すと以下の通りである。
Figure 0007317067000001
なお、上記モジュラリティの式は、エッジウェイトを考慮していないが、下記の式のようにエッジウェイトを考慮する式を用いてもよい。
Figure 0007317067000002
また、エッジウェイトを考慮しない式を用いる場合でも、任意のウェイト以下のエッジをないものとして(ウェイトゼロとして)計算することなどにより、ウェイトの違いをある程度反映したクラスタリングを行ってもよい。
上記のモジュラリティ指標Qが高いほど、グループ内のノードどうしのリンクが相対的に多い状態となるように(つまり、各ノードの関連度が相対的に高くなるように)、グループ分けできているということができる。よって、本実施形態ではQが高くなるようにグループ分割(クラスタリング)を行う。なお、念のため注記しておくと、「グループ分割」を行うとは、グループ分けが行われた状態にする処理を広く指しており、例えば下記の貪欲法などのアルゴリズムによるクラスタリングを除外するものではない。
モジュラリティ指標Qを用いたクラスタリングのアルゴリズムもまた当業者にとって周知のものであるが、いくつかの例を概説しておく。例えば、全ノードが個々に別々のクラスタである状態から、クラスタと別のクラスタを併合していく貪欲法がある。これは併合するクラスタを選択する基準にモジュラリティ指標Qを用いるもので、併合後のQがより大きくなるクラスタから随時併合する方法である。また、逆に全ノードを1のクラスタとして、そこからモジュラリティ指標Qを基準として随時分割していく方法もある。クラスタリングにおけるモジュラリティ指標Qの最大化はNP問題であるので、近似解を求めるためアルゴリズムは、当業者から随時提案されている。本発明にはどのようなアルゴリズムを適用してもよい。
なお、「各ノードを相対的に関連度が高いと推定される」における「推定される」とは、上記のように、計算処理によって求められた解が近似解であってもよいことを指している。すなわち、厳密解を得るまで延々と計算を続ける必要はなく途中で打ち切ってもよいということである。ただし、求められた解が厳密解である場合を除外するものではないし、厳密解を求めるようなクラスタリング処理を否定するものでない。n回目とn+1回目の演算における収束目的対象の収束率が所定の範囲に入る場合等に推定されるとしてよい。例えば、前記差分となる収束率が1%から20%程度としてもよい。
上記のクラスタリングの特徴は、ノード間の類似情報ではなく、各ノード間にエッジを引いた後に、ノード間のエッジの結合の状態からクラスタを作る点に特徴がある。よって、本発明では、各ノード間の類似情報ではなく、各ノードのエッジの結合の状態から関連度を推定する方法はすべて採用できる。この特徴により、本発明は直接的に関係する隣接企業だけでなく間接的に関係する隣接企業(隣接の隣接など)も適切にグループ分けし、産業界の全体像を体系的に把握できるという大きなメリットがあるのである。
なお、ノード間のエッジの結合の状態を評価するのに、モジュラリティ指標Q以外の指標を用いてもよい。例えばスピングラス法がある。この方法では、1.同じコミュニティに所属するノードどうしがつながっていたらプラス、2.同じコミュニティに所属するノードどうしがつながっていなかったらマイナス、3.違うコミュニティに所属するノードどうしがつながっていたらマイナス、4.違うコミュニティに所属するノードどうしがつながっていなかったらプラスの4つの要素を組み合わせてスコアリングする。
また、ランダムウォーク法がある。この方法では、ノード間をランダムにエッジを選んで移動したと仮定した場合におけるグループ化法で、例えば、より長くとどまるノードの範囲をグループとみなす。
また、一つのノードが複数のグループに属することを許すクラスタリング方法も使用することができる。これには、例えばクリーク(すべてのノードが相互に結合しているノード郡)を1グループとみなす方法などがある。
また、クラスタリングのより単純な方法として、全ノードを1のクラスタとして、媒介中心性の高いエッジから切断していき、グループを作るという方法もある。なお、媒介中心性は、あるノード(またはエッジ)が、各2ノード間の全最短路のうちどれだけ多くの経路に含まれているか、を示すものであり以下の式で定義できる。この式はノードの媒介中心性についての式だが、「ノードiを通るもの」を「エッジiを通るもの」とすることで、エッジの媒介中心性を計算できる。
Figure 0007317067000003
なお、これらクラスタリングの手法は多数あり、例えばigraphなどのライブラリを使用することで比較的簡単に実装できる。
「表示ステップ」はノード、エッジ、クラスタリング結果をグラフ形式で表示する。例えば図25である。図25はモノクロだが、実際には各ノードエッジに色がついており、それぞれの色ごとに別のクラスタを構成している。
ノード/エッジの描画には、例えばFruchterman-Reingold、ForceAtlas2などのレイアウトアルゴリズムを用いるのが好適である。なお、本発明はノード/エッジのレイアウトアルゴリズムには何らの制限を課すものではなく、したがって、当業者は描画に際してどのようなアルゴリズムを使ってもよい。念のため、上記の2つアルゴリズムの式を示すと以下の通りである。Fruchterman-Reingoldの式は以下の通りである。
Figure 0007317067000004
ForceAtlas2の式は以下の通りである。なお、式中のkは使用者が設定する係数である。
Figure 0007317067000005
実際の描画方法についても概説しておく。上記の2つの式では、引力と斥力をもとめている。引力はエッジで接続されているノードどうしに働く。一方斥力はエッジで接続されていないノードどうしに働く。そして、引力はノード間の位置を近づけるように作用し、斥力はノード間の位置を遠ざけるように作用する。よって、各ノード間の位置関係がこれら二つの作用による最も適切な位置になるべく近づくように位置を調整する。具体的には、適切な回数ノード位置の調整を繰り返し、最も評価値の良いパターンを採用する。これにはシミュレーテッドアニーリングなどの手法を用いることが多い。詳細なアルゴリズムは、当業者にとって周知のものであるし、本件発明の必須要件でもないため、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
他にもグラフ可視化(レイアウト)には例えば、ForceAtlas、OpenOrdなどのアルゴリズムが使用できる。当業者はこれらのアルゴリズムを適宜使用してよい。
以上の構成を有する本実施形態によって、正確かつ客観的な企業間の分布および関連性を示す技術俯瞰図を作成できる。また、この俯瞰図によれば多数の企業間の技術的関連性を網羅的かつ俯瞰的に把握できる。さらに、直接的に関係する隣接企業だけでなく間接的に関係する隣接企業(隣接の隣接など)も適切にグループ分けし、産業界の全体像を体系的に把握できる。したがって、本俯瞰図によれば従来にない企業間の分布および関連性を発見できる可能性が高く、本発明は将来の経営戦略を策定するために極めて有用といえる。
<実施形態2>
実施形態2は、基本的に実施形態1と同様であるが、ノードを当該特許に付与された特許分類情報の一つ(主軸特許分類情報)とし、同時に使用される技術による特許分類情報どうしの関係を俯瞰する技術俯瞰図を作成する点に特徴がある。本実施形態のステップの概要は図2に示すとおりである。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
本実施形態では「技術データセット記録ステップ」にて、特定の特許に付与された特許分類情報のうち、当該特許の一の特許分類情報を主軸特許分類情報とし、当該主軸特許分類情報と当該特許の特許分類情報とを関連付けたデータセットをデータセット保持部に記録する。
「主軸特許分類情報」とは代表的には筆頭IPCであるが、これに限らない。例えばIPCの上3桁(クラス)を特許分類情報として使用する場合は、最も多く付されたIPCの上3桁(クラス)を主軸として採用しもよい。具体的には、一つの特許に5つのIPCが付されていてうち3つのIPCのクラスがA01であり、残り二つのIPCのクラスがB01であった場合、A01を採用するなどである。
このようにして作成される技術俯瞰図はノードが主軸特許分類となる。また、主軸特許分類間で一緒に使用される技術の共通度(または類似度)がエッジとなる。これはすなわち、実施形態1において、権利者がノードであったが、本実施形態では主軸特許分類がノードになるということである。図26がその例である。
以上の構成を有する本実施形態によって、主軸特許分類情報と共に使用される技術の分布および関連性を示す技術俯瞰図を作成できる。また、この俯瞰図によれば多数の主軸特許分類間の技術的関連性を網羅的かつ俯瞰的に把握できる。さらに、直接的に関係する隣接主軸特許分類だけでなく間接的に関係する隣接主軸特許分類(隣接の隣接など)も適切にグループ分けし、産業界の特許技術の全体像を体系的に把握できる。したがって、本俯瞰図によれば従来にない技術間の関連性を発見できる可能性が高く、本発明は将来の経営戦略を策定するために極めて有用といえる。
<実施形態3>
実施形態3は、基本的に実施形態1と同様であるが、各ノード間のエッジを引く基準としたノード間の前記共通度を示す値又は前記類似度を示す値が、相対的に大きいノードどうしにノード類似関係を示すノード類似識別情報を関連付けるノード類似識別情報関連付けステップを有し、当該ノード類似識別情報をノード、エッジ、クラスタリング結果に加え、「ノード類似表示サブステップ」にて表示する点に特徴がある。また、「集約ステップ」にて、当該ノード類似識別情報に基づいて複数のノードを集約できる点に特徴がある。本実施形態のステップの概要は図3および図4に示すとおりである。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
本実施形態は、「ノード類似識別情報関連付けステップ」にて、権利者の保有する技術が共通/類似する度合いが大きい権利者どうしをグループにする。ここでは、グループを作る方法の例を説明する(共通度、類似度の計算方法は別の実施形態で説明する。)。
もっとも簡単なグループを作る方法の例は、完全に権利者の保有する技術(すべての技術または保有割合の高い特徴的な技術)が完全に共通する権利者同士を1グループとする方法である。この方法は単純であるがグループ化の条件が厳しいため、グループができない可能性もある。
他のグループを作る方法として、グループ内の権利者間の共通度や平均類似度がなるべく大きくなるようにグループ化する方法がある。具体的には、共通する特許分類数や、後述するコサイン類似度や集合演算による類似度、権利者どうしの確率分布の乖離度から得られる値が、互いに一定の値以上になる権利者間でグループを作成する方法である。この方法によれば、上記一定の値を調整することにより、グループ数を任意に調整できて便利である。また、一定の値を指定するのでなく、相対的に相互の類似度が上位となる(または上位となるように推定される)ノードの組み合わせから順次グループ化してもよい。
なお、上記のグループ化を行うために用いる共通度を示す値又は前記類似度を示す値は、エッジを引くための値と同じ計算方法による値を採用する必要はない。例えば上記のグループ化は共通度を示す値で行い、エッジを引くための権利者間の関連付けは類似度を示す値で行うなどしてもよい。
「ノード類似表示サブステップ」では上記ノード類似識別情報を技術俯瞰図上に表示する。例えば類似するノードに同じ記号を付する表示方法などがある。
また、「集約ステップ」では、グループ化した権利者は集約して表示することができる。複数の権利者を1つのノードにまとめて表示してもよいし、複数のノードを円のような表示で囲むようにしてもよい。このようにすることでグラフの見やすさが大きく向上する。この「集約ステップ」は「表示ステップ」にてグラフを表示した後に実施する構成であってよい。この場合、すでに表示されている集約前の複数のノードを、集約状態にして再表示するような機能になる。また、「集約ステップ」を「表示ステップ」の前に実施しておき、あらかじめ複数のノードを集約した状態で表示するようにしてもよい。もちろん、集約のタイミングをユーザが任意に設定、指定できるようにしてよい。なお、ノードを集約した場合は、集約した各ノードのエッジ、エッジウェイトを合計し、再度、クラスタリング処理を実行する構成としてもよい。
以上の構成を有する本実施形態によって、権利者(ノード)が、大量に存在する場合でも類似のノードを集約することによって、技術俯瞰図を見やすくすることができ、より有効な分析ができるようになる。
<実施形態4>
実施形態4は、基本的に実施形態1と同様であるが、権利者どうしの関連付けに、各技術分布情報における分布の数及び/又は分布の割合が任意の値以上となる特許分類情報を用いる点に特徴がある。本実施形態のステップの概要は図1に示すとおりである(実施形態1に同じ)。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
本実施形態における技術分布情報は、例えば権利者ごとの特許に付された特許分類の集計情報を割合に置き換えて、当該割合が任意の値以上となる特許分類情報を関連付けに用いることが好適である。また、任意の値をこえた特許分類情報について、すべて重みを均一(例えば「1」)にしたうえで集計し、ノードを関連付けることが好適である。また、当該任意の値は使用者によって調整可能とするのが良い。
例えば、上記構成の実施例について、A社、B社、C社の技術分布において、「H01M 10/02」がA社とB社の2社については10%の割合で分布しており、C社については1%の割合で分布していたとする(その他の技術分布については省略)。
上記任意の値が10%以上であった場合、A社、B社の2社が均等な重みで関連付けられることになる。これは、企業にとって重要な技術のみに注目し、重要でない技術を捨象して相互の関連付けがなされたといえる。対して、上記任意の値が1%以上であった場合は、A社、B社、C社の3社が均等な重みで関連付けられることになる。この場合は、1%の特許分類も10%の特許分類も関連付けでは「1」として同列に扱われるので、C社にとってはそれほど重要ではない技術(例えば周辺技術)が強調されて関連付けがなされたことになる。このように関連付けに用いる技術の重要度を変化させることで、様々な技術俯瞰図を作成することができる。
<実施形態5>
実施形態5は、基本的に実施形態1と同様であるが、権利者どうしの関連付けに用いる値が集合演算である点に特徴がある。具体的には、権利者を集合とし、権利者に関連付けられている特許分類情報を集合の要素として集合演算で計算される権利者どうしの類似度を使用する点に特徴がある。具体的な集合演算の方法として以下のものがあげられる。本実施形態のステップの概要は図1に示すとおりである(実施形態1に同じ)。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
具体的な集合演算の方法として以下のものがあげられる。例えば以下のJaccard係数の式は以下の通りである。
Figure 0007317067000006
Dice係数の式は以下の通りである。
Figure 0007317067000007
Simpson係数の式は以下の通りである。
Figure 0007317067000008
以上の構成を有する本実施形態によって、集合演算という観点から技術俯瞰図を作成することができる。
<実施形態6>
実施形態6は、基本的に実施形態1と同様であるが、権利者どうしの関連付けに用いる値がベクトル特徴量を用いた類似度である点に特徴がある。具体的には、権利者に関連付けられている特許分類情報に基づいた値をベクトル特徴量として計算される権利者どうしの類似度である点に特徴がある。具体的なベクトル演算の方法として以下のものがあげられる。本実施形態のステップの概要は図1に示すとおりである(実施形態1に同じ)。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
ベクトル特徴量を用いた類似度の一例としてコサイン類似度を説明する。コサイン類似度とは、ベクトル同士の成す角度の近さを表現する指標である。コサイン類似度の計算式を示すと以下の通りである。なお、各ノードのベクトルは権利者に関連付けられた各特許分類を各次元とし、各特許分類の登場回数などを各次元への大きさとすることで得られる。
Figure 0007317067000009
コサイン類似度によって作成した権利者同士の関係付けのマトリクスが図24である。
以上の構成を有する本実施形態によって、ベクトル特徴量という観点から技術俯瞰図を作成することができる。
<実施形態7>
実施形態7は、基本的に実施形態1と同様であるが、権利者どうしの関連付けに用いる値が確率分布の乖離度による値である点に特徴がある。具体的には、前記関連付ステップにおける前記類似度を示す値が、権利者に関連付けられている特許分類情報の出現頻度の分布を確率分布とした、権利者どうしの確率分布の乖離度から得られる値を使用する点に特徴がある。具体的な確率分布演算の方法として以下のものがあげられる。本実施形態のステップの概要は図1に示すとおりである(実施形態1に同じ)。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
権利者どうしの確率分布の乖離度とは、例えばKLダイバージェンスがある。KLダイバージェンスの式は以下の通りである。なお、確率分布は例えば各権利者における特許分類の登場割合を使用すればよい。
Figure 0007317067000010
また、KLダイバージェンスを使いやすくした指標としてJSダイバージェンスがある。
Figure 0007317067000011
なお、上記の式で得られる値はいずれも両者が類似するほど値が小さくなるので、逆数をとるなどの調整が必要である。以上の構成を有する本実施形態によって、確率分布の乖離度という観点から技術俯瞰図を作成することができる。
<実施形態8>
実施形態8は、基本的に実施形態1と同様であるが、各ノードどうしの関連付けに寄与した特許分類情報を識別するための特許分類寄与情報を前記ノード、前記エッジ又は前記クラスタリング結果に付与するラベル付与ステップをさらに有する点に特徴がある。さらに、各ノードどうしの関連付けに寄与した特許分類の中でも、エッジの結合の状態から作成されたクラスタの中での影響が大きい特許分類情報を識別するのが好ましい。以下、本実施形態のステップの概要は図5に示すとおりである。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
「ラベル付与ステップ」における「各ノードどうしの関連付けに寄与した特許分類」とは、すなわち関連付ステップにおいて、関連付けに用いる値へ影響した特許分類であり、ノード間に共通する特許分類である。ノード間に共通する特許分類が複数ある場合は、よりコミュニティ形成に対する影響度が大きいと考えられる特許分類を選んでもよい。ここでいう影響度に採用できる値として、一例として、TF-IDFにおける単語をサブクラスに置き換え、文書をクラスタに置き換えて算出されるスコア(以下、SF-ICFという)がある。
まず、TF-IDFについて概説する。TF-IDFとは、ある文書におけるある単語の重要度を評価する指標であり、TF(ある文書中においてある単語が出現する割合)とIDF(ある単語が登場する文書が全文書にしめる割合)から求められる。TFはある文書におけるある単語の重要度を示しており、IDFはその単語の一般的な出現頻度を示しているといえる。
Figure 0007317067000012
すなわち、TF-IDFではより多く出現する単語ほどその文書にとって重要であり、また、一般的な出現頻度の低いにもかかわらず、その文書に出現している単語ほど重要であると評価される。
そして前述の通り、TF-IDFにおける単語をサブクラスに置き換え、文書をクラスタに置き換えて算出されるスコアがSF-ICFである。具体的には以下の式であらわすことができる。
Figure 0007317067000013
すなわち、SF-ICFでは、より多く出現するサブクラスほどそのクラスタにとって重要であり、また、一般的な出現頻度が低いにもかかわらず、そのクラスタに出現しているサブクラスほど重要であると評価される。
なお、SF-ICFでは、サブクラスを使用しているが、サブクラスより上位または下位の特許分類を用いても問題はない。また、クラスタを実施形態3にて作成したグループなどに置き換えて使用することもできる。
実際にラベルを付与したのが図27である。ただし、飲み物、調味料などと記載されているのがラベルだが、これはIPCをわかりやすく書き換えたラベルを使用している。
以上の構成を有する本実施形態によって、ノード間のエッジがどのような特許分類に起因して引かれているのか、また、クラスタの形成にどのような特許分類影響しているのか、を知ることができる。これにより、例えば同じクラスタに属する権利者Aと権利者Bとが、どのような技術を持っているのか知ることができ、より効果的に技術俯瞰図を分析できるようになる。特に、クラスタリングステップにてエッジの結合の状態から作成したクラスタと、実施形態3で説明したグループの比較を行うことなども可能となり、異なる視点からのグループ比較ができ、より高度な分析が可能となる。
最後に、本発明に係る方法をコンピュータに実行させる場合のハードウェア及びソフトウェア構成の一例を示す(図6)。本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的にはハードウェアとしては、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)および各種の入出力装置などがあげられる。
また、ソフトウェアとしては、各種OS、リレーショナルデータベースやXMLデータベース、ファイルデータベースなどのデータベース、C#やPythonなどで実装したプログラムや描画コンポーネントなどを組み合わせて実現してよいものである。また、ステップの一部を既知のソフトウェアで実行してもよい。さらにはこれらのプログラムは、いずれもモジュール化された複数のプログラムとして実現してもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて1のプログラムとして実現しても良い。
図6では不揮発性メモリに記録された各プログラムおよび各データが、メインメモリに読み込まれて演算処理がなされること、およびメインメモリ上でなされた演算結果が不揮発性メモリに記録され得ることを示している(簡易化した図である)。ただし、これはあくまでも一例であり、具体的な実装方法は当業者が適宜選択しうるところである。本発明は図6のハードウェア図の構成に限定されるものではない。本発明は複数のシステムによって構成しもよいし、一部をプログラムで実行せず、手動で操作してもよいものである。
以上のような各種の構成を有する本発明によって、正確かつ客観的な企業間の分布および関連性を示す技術俯瞰図を作成できる。また、この俯瞰図によれば多数の企業間の技術的関連性を網羅的かつ俯瞰的に把握できる。さらに、直接的に関係する隣接企業だけでなく間接的に関係する隣接企業(隣接の隣接など)も適切にグループ分けし、産業界の全体像を体系的に把握できる。したがって、本俯瞰図によれば従来にない企業間の分布および関連性を発見できる可能性が高く、本発明は将来の経営戦略を策定するために極めて有用といえる。

Claims (10)

  1. コンピュータにより各ステップを実行する技術俯瞰図を作成する方法であって、
    特定の特許(出願中特許、出願後登録前消滅特許、存続中特許、登録後消滅特許、出願中実用新案登録、出願後登録前消滅実用新案登録、存続中実用新案登録、登録後消滅実用新案登録のいずれか一以上を含むものをいう。日本国の権利に限定されない。以下同じ。)に付与されている特許分類情報と、その特定の特許の権利者(出願人、現在の権利者、過去の権利者のいずれか一以上を含むものをいう。以下同じ。)とを、関連付けたデータセットをデータセット保持部に記録するデータセット記録ステップと、
    前記データセットにて権利者に関連付けられている特許分類情報に基づいて、その権利者が保有する技術の分布を示す技術分布情報を取得する技術分布情報取得ステップと、
    各権利者どうしの技術分布情報の共通度を示す値又は類似度を示す値のいずれかを基準として権利者どうしを関連付ける関連付ステップと、
    各権利者をノードとし各権利者どうしの関連付けをエッジとし、エッジによる各ノードの結合の状態から、各ノードを相対的に関連度が高いと推定されるグループに分割するクラスタリングステップと、
    ノード、エッジ、クラスタリング結果をグラフ形式で表示する表示ステップと、
    からなる技術俯瞰図作成方法。
  2. コンピュータにより各ステップを実行する技術俯瞰図を作成する方法であって、
    特定の特許に付与された特許分類情報のうち、当該特許の一の特許分類情報を主軸特許分類情報とし、当該主軸特許分類情報と当該特許の特許分類情報とを関連付けたデータセットをデータセット保持部に記録する技術データセット記録ステップと、
    前記データセットにて主軸特許分類情報に関連付けられている特許分類情報に基づいて、前記主軸特許分類情報と同時に使用される技術の分布を示す特許技術分布情報を取得する特許技術分布情報取得ステップと、
    各主軸特許分類情報どうしの特許技術分布情報の共通度を示す値又は類似度を示す値のいずれかを基準として、主軸特許分類情報どうしを関連付ける関連付ステップと、
    各主軸特許分類情報をノードとし、各主軸特許分類情報どうしの関連付けをエッジとして、エッジによる各ノードの結合の状態から、各ノードを相対的に関連度が高いと推定されるグループに分割するクラスタリングステップと、
    ノード、エッジ、クラスタリング結果をグラフ形式で表示する表示ステップと、
    からなる技術俯瞰図作成方法。


  3. 各ノード間のエッジを引く基準としたノード間の前記共通度を示す値又は前記類似度を示す値が、任意の値以上である及び/又は相対的に大きい値であるノードどうしにノード類似関係を示すノード類似識別情報を関連付けるノード類似識別情報関連付けステップをさらに有し、
    前記表示ステップは、ノード、エッジ、クラスタリング結果に加え、関連付けられたノード類似識別情報を表示するノード類似表示サブステップをさらに有することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の技術俯瞰図作成方法。
  4. 同一又は/及び類似の前記ノード類似識別情報が関連付けられたノードを集約する集約ステップをさらに有することを特徴とする、請求項3に記載の技術俯瞰図作成方法。
  5. 前記関連付ステップにおける前記共通度を示す値が、権利者(または主軸特許情報)に関連付けられている特許分類情報のうち、その分布の数及び/又は分布の割合が任意の値以上である特許分類情報による権利者(または主軸特許情報)どうしの共通度であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の技術俯瞰図作成方法
  6. 前記関連付ステップにおける前記類似度を示す値が、権利者(または主軸特許情報)を集合とし、権利者(または主軸特許情報)に関連付けられている特許分類情報を集合の要素として集合演算で計算される権利者(または主軸特許情報)どうしの類似度であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の技術俯瞰図作成方法
  7. 前記関連付ステップにおける前記類似度を示す値が、権利者(または主軸特許情報)に関連付けられている特許分類情報に基づいた値をベクトル特徴量として計算される権利者(または主軸特許情報)どうしの類似度であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の技術俯瞰図作成方法
  8. 前記関連付ステップにおける前記類似度を示す値が、権利者(または主軸特許情報)に関連付けられている特許分類情報の出現頻度の分布を確率分布とした、権利者(または主軸特許情報)どうしの確率分布の乖離度から得られる値であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の技術俯瞰図作成方法
  9. 各ノードどうしの関連付けに寄与した特許分類情報を識別するための特許分類寄与情報を前記ノード、前記エッジ又は/及び前記クラスタリング結果に付与するラベル付与ステップをさらに有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか一に記載の技術俯瞰図作成方法
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一に記載の技術俯瞰図作成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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