以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図81を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図4~図7はパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図であり、図8はパチンコ機10の後面図(背面図)である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図2を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図9参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
具体的には、90%~100%の発射強度で発射された球は必ず可変表示装置ユニット80の右側の領域を通過し、40%~50%の発射強度で発射された球は必ず可変表示装置ユニット80の左側の領域を通過するように構成され、50%~60%の発射強度で発射された球は、殆どが可変表示装置ユニット80の左側の領域を通過し、一部が可変表示装置ユニット80の右側の領域を通過する。また、70%~90%の発射強度で発射された球は、殆どが可変表示装置ユニット80の右側の領域を通過し、一部が可変表示装置ユニット80の左側の領域を通過するように構成されている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図9参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図9参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される15R時短大当たり(15R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される5R時短大当たり(5R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない5R通常大当たり(5R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことである。また、「5R通常大当たり」は、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「15R時短大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「5R時短大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「5R通常大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、本実施形態では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
さらに、詳細は後述するが、本実施形態では「時短状態」が終了する条件として、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態では特別図柄の抽選において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA~小当たりC)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図6参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される(図10参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れといった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、3種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。
また、本実施形態で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる動的表示(変動表示)を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(突出する)ように構成されている。詳細は後述するが、電動役物640aが作動状態に可変されることにより、球が第2入球口640に入球可能となる。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態である場合よりも、時短状態である方が短くなるように設定される。これにより、時短状態中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常状態である場合よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが作動状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短状態中を、第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
さらに、本実施形態では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、図2に示したように可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部(殆ど)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
なお、本実施形態では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを保留する機能を有していないが、普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過したことを保留する機能を有する場合は、例えば、合計で最大4回まで保留され、その保留球数を示すための第2図柄保留表示手段を遊技者が視認可能な箇所(例えば、第3図柄表示装置81の一部分)に設けると良い。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過したことを保留する機能を有する場合には、その保留数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37a,37bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図2に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、本実施形態では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図2の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。本実施形態では図2に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
本実施形態では、図2に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、図2に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図2の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図2の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図3を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図3に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図3の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図3参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、詳細については図45を参照して後述するが、本実施形態では、遊技状態において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図3参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図3参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図3に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(本実施形態では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図3に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10は第2入球口640への球の入球を起因(トリガ)として第2特別図柄(特図2)の抽選が実行されるように構成されているが、第2入球口640への球の入球を保留記憶する手段(特図2の抽選を実行する権利を保留記憶する手段)を有していないため、特別図柄の変動が実行されている最中に第2入球口640に球が入球したとしても、入球に応じた賞球(5個)が払い出される特典のみが遊技者に付与される。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)が可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、本実施形態では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図2に戻り説明を続ける。図3を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
また、詳細は図25を参照して後述するが、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部(大当たり種別が大当たりDの大当たり)においても、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成している。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図3~図7を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図3に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図3の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
本実施形態では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており(図25参照)、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図6(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、本実施形態ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、本実施形態では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、本実施形態では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
本実施形態では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、詳細は後述するが、本実施形態では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、本実施形態のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図4を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図4は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図5は、V入賞装置650の断面図である。図5(c)はV入賞装置650の上面図であり、図5(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図5(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図5(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa-La断面図である。図5(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図6を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図6(b)参照)ように構成している。
本実施形態で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図25を参照して後述する開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図6(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、本実施形態では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~小当たりC)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図7を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図7(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。本実施形態の開閉扉650f1は、図7(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図2参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図7(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図7(b)に示した状態へと移行する。図7(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図7(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図2参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本実施形態では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
図8に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図9参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、第1枠ボタン22、第2枠ボタン23などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、第1枠ボタン22、第2枠ボタン23(以下、第1枠ボタン22および第2枠ボタン23の両方を示す場合は枠ボタン22と称す。)からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図8参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図49)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図8参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について図10~図17を参照して説明する。図10(a)および(b)は本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。図10(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄1または特別図柄2)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本第1実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図10(b)を参照して説明をする。図10(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には、小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm2は、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図11(a)参照)。つまり、本実施形態では、小表示領域Dm2を案内表示領域として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤13のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本パチンコ機10では、小表示領域Dm2に表示される案内表示態様が可変する場合に、音声出力装置226を用いた音声案内と、ランプ表示装置227を用いた発光案内とが実行されるように構成されている。ここで、音声出力装置226を用いた音声案内としては「右打ち」を示す音声のように小表示領域Dm2に表示される表示内容を示す音声が出力される。
また、ランプ表示装置227を用いた発光案内としては、例えば、「右打ち」を案内する場合には、発光手段として用いられる複数のLED(図示せず)を左側から右側へと順に点灯させるように発光制御する。このように構成することで遊技盤13に設けられた発光手段の点灯パターンを視認することで遊技盤13のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができる。加えて、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)が切り替わったことを第3図柄表示装置81の表示内容だけではなく、音声案内と発光案内とで遊技者に報知することができるため、遊技方向が切り替わったことを遊技者に即座に気付かせることができる。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm1が形成されている。この小表示領域Dm1は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm1において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm1に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、詳細は後述するが小表示領域Dm1は、第1特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示される特図1変動表示領域Dm1aと、第2特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示される特図2変動表示領域Dm1bとから形成されている(図11(a)参照)。これにより、主表示領域Dmで表示演出が実行されている場合であっても、何れの特別図柄に対応した第3図柄が変動しているのかを遊技者に対して容易に把握させることができる。なお、本パチンコ機10では、特図1変動表示領域Dm1aと、特図2変動表示領域Dm1bと、それぞれ形成する構成を用いているが、これに限ることなく、小表示領域Dm1に1つの変動表示領域を設け、第1特別図柄と第2特別図柄のうち変動表示中の特別図柄のみを表示するように構成しても良い。
主表示領域Dmにおける正面視右下には小表示領域Dm3が形成されている。詳細は後述するが、この小表示領域Dm3は、パチンコ機10の遊技状態が特定の遊技状態(時短状態)である場合に、その時短状態が終了するか否かを示唆するための状況(状態)表示態様Dm3a(図11(a)参照)が表示される領域である。これにより小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aによって、時短状態が終了するタイミングを予測させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
さらに、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図10(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第1実施形態では、第1特別図柄の保留球数の最大値が4個で、第2特別図柄は保留球を確保することが出来ないように設定されているので、副表示領域Dsには、第1特別図柄に対応する保留図柄が最大4個表示される。
なお、本実施形態では、保留球数に対応させて保留図柄の表示態様を可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としても良い。また、保留球数の増減に対応してキャラクタの態様を可変させることで視覚的に保留球数の大小を遊技者に報知するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域Dmにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域Dsに表示されるように構成されており、副表示領域Dsに表示する内容によって、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後(図柄確定期間経過後)に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。このように、1つの特別図柄に対応した抽選結果が停止表示された後に、その停止表示状態を予め定められた所定期間継続させた後に、次の特別図柄変動を開始するように構成することで、遊技者に対して新たな特別図柄の変動が開始されたことを理解させやすくすることができる。なお、本実施形態では、図柄の変動時間経過後に上述した図柄確定期間を必ず設けるように構成しているが、その詳細な説明を省略する。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64或いは第2入球口640に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、第2入球口640のいずれにも入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、第2入球口640のいずれかに対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
図10(b)に示した通り、副表示領域Dsのうち第1表示領域Ds1は、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留図柄を表示する保留表示領域として形成されている。この第1表示領域Ds1には、第1入球口64に球が入賞した際に獲得した入賞情報が記憶された順に(保留記憶されたタイミングが古い順に)、第1保留図柄Dsb、第2保留図柄Dsc、第3保留図柄Dsd、第4保留図柄Dseが表示される。そして、現在実行中の変動に対応した保留図柄が実行中図柄Dsaとして副表示領域Dsの中央位置に表示される。
この第1表示領域Ds1に表示された保留図柄は、実行中の変動表示が終了し、次の変動が開始される場合には、次の変動に対応する保留図柄(図10(b)の正面視で一番右に表示される第1保留図柄Dsb)を消去し、残りの保留図柄(Dsc~Dse)が右方向にシフトして表示される。そして、消去された第1保留図柄Dsbは実行中図柄Dsaとして表示される。これにより、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に報知することができるため、例えば、保留図柄の表示態様を可変させその保留図柄に対応する特別図柄の抽選が大当たりである期待度を高める演出(所謂、先読み演出)を実行した場合において、先読み演出により表示態様を可変させた保留図柄に対応した変動表示が実行されていることを遊技者が容易に認識することができる。
さらに、本実施形態では、第1表示領域Ds1に表示される各保留図柄(第1保留図柄Dsb~第2保留図柄Dse)が新たな特別図柄変動が開始される場合に移動(シフト)する方向(図10(b)視点で右方向)に実行中図柄Dsaを表示するように構成しているため、保留図柄(第1保留図柄Dsb~第2保留図柄Dse)と実行中図柄Dsaとを遊技者が一連の並びで把握することができるため、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に容易に把握させることができる。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球のみ最大4回まで保留可能に構成したが、保留球数の上限値は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口640への入球も所定数を上限に保留可能に構成しても良いし、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値と、第2入球口640への入球に対する保留球数の上限値とを異ならせても良く、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値を第2入球口640への入球に対する保留球数の上限値よりも多くしてもよいし、逆に少なくしてもよい。また、副表示領域Dsにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしても良い。
副表示領域Dsの右側には第2表示領域Ds2が形成されており、主表示領域Dmにて実行される演出(表示演出)の内容を補足するための演出説明が表示される(図11(b)参照)。このように、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される複数の情報、即ち、特別図柄の変動表示に対応した第3図柄の変動表示情報、現在実行されている特別図柄の変動表示に対応する抽選結果が特定の抽選結果(大当たり当選)である期待度を示すための表示演出情報、その表示演出情報の内容を補足する演出説明情報、特別図柄の保留記憶数を示す保留図柄情報、実行中図柄を示す実行中図柄情報等を予め規定されている区画(領域)に表示することで、同時に表示される様々な情報を遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図11~図17を参照して本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される演出内容について説明をする。この第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示に対して、共通して変動表示が行われる。また、第1特別図柄よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して、変動表示されるように構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することがないように構成されている。
しかしながら、本第1実施形態では第2特別図柄は保留球を確保することが出来ないように設定されているので、実質的には、第1特別図柄の保留球が順に消化されるように特別図柄の変動が実行されるものであるが、例えば、新たな特別図柄の変動を開始させるタイミングにおいて、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動可能な状態となる場合、即ち、第1特別図柄の保留球に対応する新たな変動を開始させるタイミングと、第2入球口640に球が入球(始動入賞)するタイミングと、が一致した場合には、第2特別図柄の変動が優先して実行されるように構成している。
これにより、遊技者に有利な抽選を受ける機会(第2特別図柄の抽選を実行する機会)を、それよりも不利な抽選(第1特別図柄の抽選)が実行されることにより失ってしまうことを確実に防止することができる。
第3図柄表示装置81にて実行される表示演出としては、特別図柄の抽選に基づいて成立し得る様々な内容の成立の有無を示唆する演出が実行される。具体的には、特別図柄の抽選によって大当たりに当選したか否かを示唆する大当たり当選示唆演出や、特別図柄の抽選によって大当たりに当選しなかった(外れに当選した)場合の一部であり、大当たりよりも少ない特典(例えば賞球の払出し)を遊技者に付与する小当たりに当選したか否かを示唆する小当たり当選示唆演出や、特別図柄の抽選結果によって遊技状態が遊技者に有利な時短状態へと移行することを示唆するための遊技状態移行示唆演出や、遊技状態として時短状態が設定されている場合において、特別図柄の抽選結果や特別図柄の変動表示に応じて時短状態が終了することを示唆するための時短状態終了示唆演出などが実行される。
また、特別図柄の抽選結果を示唆する演出(大当たり当選示唆演出、小当たり当選示唆演出等)は、第3図柄表示装置81に第3図柄が変動表示されてから停止表示される第3図柄の組み合わせによって抽選結果が報知されるまでの期間(動的表示期間)を用いた演出が実行されるものであり、例えば、動的表示期間中に第3図柄が大当たりに当選したことを示す停止表示態様(例えば、「777」の組み合わせ)のうち、一部の組み合わせのみを停止表示させたリーチ表示態様(例えば、3つの第3図柄のうち2つの第3図柄のみ「77」で停止表示させ、残りの第3図柄を変動させたままの表示態様)を表示し、その後、リーチ表示態様を示した第3図柄を小表示領域Dm1にて表示した状態で、主表示領域Dmにてストーリー性を持たせた演出を実行し、そのストーリーが正しく完結した場合に第3図柄を「777」で停止表示させる演出を実行する。
なお、上述した例では、第3図柄の組み合わせの一部を、抽選結果が当たり(大当たり)であることを示す組み合わせと合致する態様で停止表示させた状態をリーチ表示態様としているが、それ以外の表示態様をリーチ表示態様としても良く、例えば、第3図柄のうちの一部の図柄を、リーチ状態を示すための専用の表示態様で表示したり、第3図柄のうち、一部の組み合わせを、大当たりに当選したことを示す組み合わせでは無く、リーチ状態を示すための専用の表示態様で表示したりしても良い。このようにリーチ状態が成立していることを第3図柄の一部の停止表示態様を確認することで遊技者が把握することができるように構成することで、遊技者に対して大当たりに当選したことに対する期待感を徐々に高めさせることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本パチンコ機10では、特別図柄の抽選結果を示唆する演出として、複数の特別図柄変動を跨いで実行される連続演出を設定可能に構成している。この連続演出は、球が第1入球口64に入球した際に取得した各種カウンタ値(抽選結果)を示すための入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信した際に、その入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動の抽選結果を、その特別図柄変動に対応する変動表示が実行されるまでの期間(対象となる特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動に対応した変動表示が実行される期間)を用いて、遊技者に示唆するための演出である。
このように、対象となる特別図柄の抽選結果を、その対象となる特別図柄よりも前に実行される特別図柄の変動期間を用いて示唆することで、遊技者に対してより長期間の演出を提供することができ演出効果を高めることができる。また、特別図柄の抽選結果(例えば、外れ)を、毎変動強調表示することなく、連続演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲が低下する事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第1実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを示唆するための演出以外に、特別図柄の抽選回数(変動回数)に応じて遊技状態が移行されることを示唆する演出(時短状態終了示唆演出)も実行するように構成されている。この時短状態終了示唆演出は、パチンコ機10の遊技状態が時短状態である場合に継続して実行される演出であり、特別図柄の抽選回数(特別図柄変動が実行される回数)や、特別図柄の抽選結果が特定抽選結果(例えば、小当たり当選)となった回数に応じて時短状態が終了する可能性を示唆するための演出である。
ここで、上述した時短状態終了示唆演出の演出内容について説明をする。本実施形態のパチンコ機10は、図2に示した通り、第2入球口640に電動役物640aが付設されており、電動役物640aの動作状態(可変状態)に応じて第2入球口640に球が入球し難い状態(第1状態)と球が入球し易い状態(第2状態)とが設定されるように構成している。さらに、第2入球口640に球が入球したことに基づいて第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりに当選した場合には、V入賞装置650を開放する小当たり遊技が実行される。V入賞装置650内にはV入賞装置650に入賞した球が通過し得る特定領域として特別排出流路650e2を有しており、球が特別排出流路650e2を通過(流下)したことをVスイッチ650e3が検知した場合に大当たり(2種当たり)が設定されるように構成している。そして、遊技状態として設定される時短状態は、電動役物640aが第2状態(第2入球口640に球が入球し易い状態)へと動作(可変)し易くなる遊技者に有利な遊技状態となるため、時短状態中は第2入球口640に球を入球させる右打ち遊技が行われる。
上述したように遊技者に有利となる時短状態は、終了条件(時短終了条件)が成立した場合に終了するように構成されている。詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄抽選において大当たりに当選した場合、特別図柄抽選に基づく特別図柄変動が所定回数(例えば、100回)実行された場合、特別図柄抽選により所定回数(例えば3回)小当たりに当選した場合の何れかの条件が成立した場合に時短状態が終了する(遊技状態が時短状態から通常状態へと移行する)ように構成している。
このように、複数の時短終了条件を設定可能とすることにより、遊技者に有利な時短状態がどれくらい継続するのかを遊技者に把握させ難くすることができる。一方で、時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件の成立に向けて更新される時短情報(例えば、時短状態中に当選した小当たりの回数を示す情報)を遊技者に何ら示唆(報知)しないと、遊技者に有利な時短状態が急に終了してしまい、遊技者に不満感を与えてしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、時短状態中において、時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件の成立に向けて更新される時短情報(例えば、時短状態中に当選した小当たりの回数を示す情報)を時短状態終了示唆演出として遊技者に示唆(報知)することで、遊技者に対して時短状態が継続して設定される期間を予測させながら遊技を行わせることができるように構成している。これにより、遊技者に有利な時短状態が急に終了してしまい、遊技者に不満感を与えてしまうという問題が発生することを抑制することができる。
加えて、上述した時短終了条件には、遊技者にとって有利な時短終了条件(大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件)と、それ以外の不利な時短終了条件が設定されていることから、時短状態中に実行される時短状態終了示唆演出では、単に時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件の成立に向けて更新される時短情報(例えば、時短状態中に当選した小当たりの回数を示す情報)に基づいた演出を実行するのではなく、成立する時短終了条件や成立し易い時短終了条件が遊技者に有利なものか否かを判別し、その判別結果にも基づいた演出を実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して時短状態が終了するタイミングが近づいているか否かを予測させるだけではなく、遊技者にとって有利な時短終了条件が成立するか否かを予測させることができるため、実行される演出(時短状態終了示唆演出)に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄抽選で小当たりに当選した場合に、複数種類の小当たり遊技が実行されるように構成しており、実行される小当たり遊技に応じて(設定される小当たり種別に応じて)、小当たり遊技中に2種当たりが設定される期待度を異ならせている。そして、上述した時短終了条件のうち、特別図柄抽選で小当たりに所定回数当選したことに基づいて成立する時短終了条件として、小当たり当選時に設定される小当たり種別毎にそれぞれ回数(時短終了条件が成立する当選回数)を設定するように構成している。
このように構成することで、特別図柄の小当たり当選により時短終了条件が成立した場合において、今回成立した時短終了条件が遊技者に有利な時短終了条件(2種当たりし易い小当たり種別が設定されたことにより成立した時短終了条件)なのか、遊技者に不利な時短終了条件(2種当たりし難い小当たり種別が設定されたことにより成立した時短終了条件)なのかを時短状態終了示唆演出により遊技者に示唆(報知)することができる。よって、小当たりに当選したことにより時短終了条件が成立する場合であっても、時短状態終了示唆演出にて実行される演出を遊技者に注視させることができる。
加えて、上述した小当たり種別毎に設定される回数(小当たり種別毎に設定される時短終了条件成立回数)は、各小当たり種別の2種当たり期待度に応じて異なる回数が設定されるように構成している。具体的には、2種当たり期待度の高い小当たり種別(例えば、小当たりA)のほうが、2種当たり期待度の低い小当たり種別(例えば、小当たりC)よりも少ない当選回数で時短終了条件が成立するように構成している。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定された直後に時短状態終了示唆演出にて、特別図柄の小当たり当選に基づいて時短状態が終了する、或いは、時短状態が終了する直前まで時短情報が更新されたことを示す演出が実行された場合に、今回当選した小当たりは2種当たり期待度が高い小当たりなのではと遊技者に予測させることが可能となる。つまり、時短状態終了示唆演出の演出内容と、時短状態が継続している期間とに基づいて遊技者に様々な遊技結果を予測させることができ演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では遊技者にとって有利な時短終了条件として、上述したように大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件と、小当たり遊技のうち2種当たりし易い小当たり種別が設定された場合に成立する時短終了条件を設けているが、これに限ることはなく、複数ある時短終了条件のうち、その時短終了条件が成立した場合に他の時短終了条件が成立した場合よりも遊技者に有利となるもので有れば良い。例えば、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達し、時短終了条件が成立した場合に、それ以降に実行される特別図柄抽選が遊技者に有利となる特別状態が設定される機能を有した遊技機においては、遊技者に有利な時短終了条件を、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)となった場合に成立する時短終了条件とすれば良い。
具体的には、例えば、特別図柄の大当たりに当選し易い特別図柄高確率状態、或いは、それよりも大当たりに当選し難い特別図柄低確率状態の何れかを設定し、普通図柄の当たりに当選し易い普通図柄高確率状態、或いは、それよりも当たりに当選し難い普通図柄低確率状態の何れかを設定することで、設定される複数の遊技状態として、通常状態(特別図柄低確率状態、普通図柄低確率状態)と、確変状態(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態)と、時短状態(特別図柄低確率状態、普通図柄高確率状態)と、潜確状態(特別図柄高確率状態、普通図柄低確率状態)と、の4つの遊技状態を設け、各遊技状態における遊技者の有利度合いとして、少なくとも、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に有利となるように構成する。
そして、確変状態が設定されている状態において、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達し、時短終了条件が成立した場合にのみ、普通図柄高確率状態から普通図柄低確率状態へと移行することで、潜確状態が設定されるように構成する。このように構成することで、確変状態が設定されている状態において大当たりに当選し、その大当たり終了後に潜確状態以外の遊技状態が設定されるよりも、確変状態が設定されている状態で大当たりに当選することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達したことにより時短終了条件が成立し、潜確状態が設定されたほうが遊技者に有利な遊技状態を提供することができる。
なお、上述した例では、遊技状態として遊技者に有利となる潜確状態が設定される条件を、確変状態が設定されている状態で特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を満たした場合のみとすることで、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を、遊技者に有利な時短終了条件としているが、それ以外にも、上述した例の構成に、確変状態が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合のごく一部(例えば、1%)で潜確状態が設定される構成を追加しても良い。
これにより、確変状態が設定されている状態において、特別図柄の大当たりに当選する場合も、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合も、遊技者に有利となる潜確状態を設定し得ることになるが、この場合は、潜確状態が設定され易い時短終了条件のほうが遊技者に有利な時短終了条件となる。
図11~図15を参照して、本実施形態において時短状態終了示唆演出中の第3図柄表示装置81の表示内容について具体的に説明をする。図11(a)は、特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり後に時短状態が設定された場合における表示内容を模式的に示した模式図である。図11(a)に示した通り、時短状態が設定されると、主表示領域Dmに時短状態が設定されたことを示す「ドキドキラッシュ突入」の文字が表示される。この「ドキドキラッシュ」は時短状態が設定されている期間に対応して実行される演出であり、遊技者に現在の遊技状態が時短状態であることを示すための報知態様となる。
そして、小表示領域(案内表示領域)Dm2には時短状態中に実行すべき遊技を案内するために「右打ち」の文字が表示され、時短状態中は右打ち遊技を行うことが報知される。また、ドキドキラッシュ中は小表示領域Dm1にて第3図柄が表示され、主表示領域Dmの中央部では少年を模したキャラクタ801(図12(a)参照)が宝箱802(図12(a)参照)を探す演出が実行される。図11に戻り説明を続ける。主表示領域Dmの小表示領域Dm3には、時短状態が終了するか否かを示唆するための状況(状態)表示態様Dm3aが表示される。この状況(状態)表示態様Dm3aは、現在実行されている特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が大当たりに当選しているか否か、及び、現在実行されている特別図柄変動に基づいて時短状態が終了するか否か、或いは、現在実行されている特別図柄変動に基づいて時短状態が終了する条件に対する情報が更新されたか否かの判別結果に応じて様々な表示態様(図15参照)に可変されるように構成している。
図11(a)では、現在実行されている特別図柄変動が大当たり及び小当たりに当選していないことを示す表示態様「表示態様1」(図15参照)が表示されている。なお、図11(a)に示した表示画面は、大当たり終了後に時短状態が設定された場合であって、大当たり当選時に既に保留記憶されていた第1特別図柄の変動が実行されている状態であるため、小表示領域Dm2のうち特図1変動表示領域Dm1aにて第1特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示され、実行中図柄Dsaとして第1特別図柄に対応した保留図柄の表示態様「丸印」が表示されている。
ここで、大当たり当選時に既に保留記憶されていた第1特別図柄(保留図柄)内に大当たりに当選する保留図柄が存在していた場合の表示画面について図11(b)を参照して説明をする。図11(b)は、大当たり後に時短状態が設定された場合において、大当たりに当選した保留図柄が存在する場合における表示内容を模式的に示した模式図である。図11(b)では、第1保留図柄Dsbに対応する入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれており、小表示領域Dm3には特別図柄当たり(図柄当たり)することを示す表示態様「表示態様3」(図15参照)が状況表示態様Dm3bとして表示される。
そして、第2表示領域Ds2には、状況表示態様Dm3bの内容を示す「期待してね」の文字が表示される。さらに、図11(b)で示した状態は時短状態が設定された直後(時短状態が設定されてから特図1変動が3回実行された後)に大当たりに当選するため、上述した時短状態中に実行されるドキドキラッシュを実行することなく、図11(b)に示した表示画面を維持したまま大当たりに当選するように設定している。このように構成することで、ドキドキラッシュが短期間だけ実行されてしまうことを抑制することができる。
この場合、主表示領域Dmには「ドキドキラッシュ突入?」という通常(図11(a)参照)とは異なる態様の表示画面(時短状態中演出開始画面)が表示される。なお、図11(b)に示した表示画面を、例えば、大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される場合にも表示するように構成すると良い。これにより、大当たり遊技終了後に図11(a)に示した「ドキドキラッシュ突入!!」の表示態様が表示された場合は、時短状態が設定されたことを遊技者に確実に報知することができ、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、大当たり遊技終了後に図11(b)に示した「ドキドキラッシュ突入?」の表示態様が表示された場合は、大当たり遊技終了後に通常状態が設定された、或いは、保留内で大当たりに当選することの何れかであることを遊技者に報知することができ、遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、上述した構成以外にも、大当たり遊技終了後に存在する保留図柄内に大当たりに当選する入賞情報があるか否かを判別する判別手段を設け、その判別手段により大当たりに当選する入賞情報があると判別した場合には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(通常状態或いは時短状態)に関わらず同一の表示態様(例えば、「大チャンス」の文字)を表示するように構成しても良い。さらに、上述した判別手段により判別された大当たり情報を解析し、解析された大当たり情報(先読み大当たり情報)に対応する大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技終了後の表示態様を設定するように構成しても良い。
この場合、例えば、先読み大当たり情報に対応する大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されると判別した場合は、大当たり遊技終了後の表示態様として「ドキドキラッシュ突入!!」の文字(即ち、時短状態に突入したことを報知する表示態様)を表示し、先読み大当たり情報に対応する大当たり遊技の終了後に通常状態が設定されると判別した場合は、大当たり遊技終了後の表示態様として「ドキドキラッシュ突入?」の文字(即ち、時短状態に突入したことを報知しない表示態様)を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、今回の大当たり遊技終了後に存在する保留図柄内に大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合は、今回の大当たり遊技終了後に設定される遊技状態ではなく、保留図柄に含まれる大当たり(次の大当たり)に対応する大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に基づいて今回の大当たり遊技終了後に表示される表示態様を設定することができる。よって、例えば、今回の大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短状態が設定され、その時短状態中に保留図柄に含まれていた大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態よりも遊技者に不利な通常状態が設定される場合には、遊技者に対して時短状態が設定されたことを報知しない表示態様が表示されるため、遊技者に有利な時短状態が短期間で終了してしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、小表示領域Dm3に表示される状況表示態様の表示態様について図15を参照して説明をする。図15は小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aの種別を説明するための模式図である。本実施形態では図15に示した通り、9種類の状況表示態様を小表示領域Dm3に表示することができるように構成されており、変動中の特別図柄の抽選結果(大当たり当選、小当たり当選)や、成立することで時短状態が終了する時短終了条件に対して特別図柄が変動することにより更新される内容(小当たり当選回数、特別図柄変動回数)に応じて状況表示態様が設定され小表示領域Dm3に表示される。
これにより、小表示領域Dm3に表示される状況表示態様を把握することで実行中の特別図柄変動によって時短状態がどのように進行していくのかを遊技者に予測させることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
小表示領域Dm3に表示される状況表示態様について具体的に説明をすると、「表示態様1(1番目の表示態様)」は、「白色の丸印」で表示される(図11(a)参照)表示態様である。この「表示態様1」は、大当たりに当選することなく、且つ、時短状態が終了する条件、及び時短状態が終了する条件に関する内容(例えば、特別図柄変動回数や小当たり当選回数)が所定段階まで更新されていない場合に設定される表示態様である。この「表示態様1」が表示された場合は、今回の特別図柄変動で時短遊技(時短状態)が終了しないことを確認でき、遊技者は安心して次以降の特別図柄変動に期待することができる。
次に、「表示態様2(2番目の表示態様)」は、「黒色の丸印」で表示される表示態様である。この「表示態様2」は、小当たりに当選したことを示し、且つ、時短状態が終了する条件、及び時短状態が終了する条件が所定段階まで更新されていない場合に設定される表示態様である。ここで、本実施形態は上述したように小当たり遊技を契機に大当たり(2種当たり)が設定されるように構成しており、実行される小当たり遊技の内容(当選した小当たりの小当たり種別)に応じて2種当たりが設定される期待度(小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検出する確率)が異なるように構成されている。
この「表示態様2」は、小当たりに当選したことを遊技者に報知するものであるが、当選した小当たりの小当たり種別までを報知するものでは無いため、遊技者は今回当選した小当たりの小当たり種別が2種当たりを設定し易い小当たり種別(例えば、小当たりA)であることを期待しながら遊技を行うことになる。また、小当たりに当選したことにより時短状態の終了条件が更新(所定段階に到達する前段階の範囲で更新)される可能性を感じながら遊技を行うことになるため、緊張感を持たせて遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、上述したように複数の小当たり種別を、2種当たりが設定され易い小当たり種別(小当たりA)と、小当たりAよりも2種当たりが設定され難い小当たり種別(小当たりB、小当たりC)と設定し、小当たり当選に基づいて成立し得る時短状態の終了条件(時短終了条件)として、2種当たりが設定され易い小当たり種別ほど少ない当選回数が設定されるように構成している。つまり、複数の小当たり種別のそれぞれに対して、遊技者への有利具合に応じて時短終了条件を異ならせて設定するように構成しており、遊技者に有利な抽選結果ほど時短終了条件が成立し易くなるように構成している。
よって、例えば、時短状態が設定された直後に「表示態様2」が表示された場合は、全ての小当たり種別の何れかに当選したと予測し、時短状態が設定されて所定期間が経過した後(時短状態中に既に小当たりに複数回当選した後)に「表示態様2」が表示された場合は、時短終了条件として当選回数が多く設定されている小当たり、即ち、2種当たりが設定され難い小当たり種別が設定された小当たりに当選したと予測することができる。このように、小表示領域Dm3に表示される表示態様の種別と、時短状態の経過期間とに基づいて今回の特別図柄の抽選結果を詳細に予測することができるため、遊技者に予測する楽しみを提供することができる。
「表示態様3(3番目の表示態様)」は、「白い丸を用いた太陽印」で表示される表示態様である(図11(b)参照)。この「表示態様3」は、特別図柄の大当たり(図柄当たり)に当選したことを示す表示態様である。これにより、本実施形態のように複数の契機で大当たり(大当たり遊技)が設定される場合において、大当たり(大当たり遊技)が設定された契機を遊技者に分かり易く報知することができる。
「表示態様4(4番目の表示態様)」は、「白い丸の中にチャンスの文字」で表示される表示態様である(図14(a)参照)。この「表示態様4」は、小当たり種別として小当たりB或いは小当たりC(即ち、2種当たりの期待度が低い小当たり)に当選し、且つ、時短状態が終了する条件、及び時短状態が終了する条件が所定段階まで更新される場合に設定される表示態様である。
「表示態様5(5番目の表示態様)」は、「白い丸の中にラストチャンスの文字」で表示される表示態様である(図13(a)参照)。この「表示態様5」は、小当たりに当選し、且つ、時短状態が終了する条件が成立した場合に設定される表示態様である。この「表示態様5」が表示されることにより、遊技者に対して時短条件が終了したことが報知される。
このように構成することで、今回当選した小当たりに対応する小当たり遊技にて2種当たりを獲得しないと時短状態が終了してしまうことを、小当たり遊技が実行されるよりも前の段階(小当たりに当選したことを示す特別図柄が停止表示されるよりも前の段階)にて遊技者に報知することができるため、遊技者に対していつも以上に意欲的に小当たり遊技を行わせることができる。
「表示態様6(6番目の表示態様)」は、「白い丸の中に大ピンチの文字」で表示される表示態様である(図14(b)参照)。この「表示態様6」は、小当たり種別として最も2種当たり期待度が低い小当たりCに当選し、且つ、時短状態が終了する条件が成立した場合に設定される表示態様である。「表示態様6」は、小当たり(小当たりC)に当選したことにより時短状態が終了してしまうことを遊技者に示唆するためのものである。このように、今回の特別図柄変動が時短状態中の再度の時短変動であることを遊技者に示唆することにより、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が急に終了し、遊技者を困惑させてしまう事態が発生することを抑制することができる。
「表示態様7(7番目の表示態様)」は、「白い丸の中に激アツの文字」で表示される表示態様である。この「表示態様7」は、小当たり種別のうち、最も2種当たり期待が高い小当たりAに当選し、且つ、時短状態が終了する条件が成立する場合に設定される表示態様である。
なお、本第1実施形態では、小当たりに当選した場合に成立し得る時短終了条件(当選回数終了条件)として、最も2種当たり期待度が高い小当たりAに対して「1回」が設定される場合があるため、「表示態様7」の説明として、時短状態が終了する条件が成立する場合に設定するものであると説明しているが、これに限ること無く、複数の小当たり種別のうち、最も2種当たり期待度が高い小当たりAに当選したことのみを示すための表示態様として用いても良い。
「表示態様8(8番目の表示態様)」は、「白い丸の中に終了の文字」で表示される表示態様である。この「表示態様8」は、大当たり及び小当たりに当選することなく、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件(変動回数終了条件)を満たした場合に設定される表示態様である。この「表示態様8」を表示することにより、確実に時短状態が終了するタイミングを遊技者に報知することができる。
なお、本第1実施形態では、時短状態が終了する条件として当選回数終了条件と変動回数終了条件とが同一の特別図柄変動(抽選)で成立する場合には、変動回数終了条件が成立したと判別するように構成している。つまり、変動回数終了条件が成立した特別図柄変動において、小当たりAに当選した場合には、小表示領域Dm3に「表示態様8」が表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、時短状態が終了したと思わせた後に、小当たりに当選していたことを報知することができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
「表示態様9(9番目の表示態様)」は、「白い丸の中に?の文字」で表示される表示態様である。この「表示態様9」は、特別図柄の抽選結果や時短状態の更新情報に関わること無く設定される表示態様である。この「表示態様9」は、特別図柄の抽選結果や、時短状態の進捗状況に関わらず、所定の抽選により設定される表示態様である。このように、遊技状態や遊技状況について何ら遊技者に報知し得ない表示態様を設定可能にすることで、遊技者に対して、特別図柄変動が実行される度に、今回の特別図柄変動に関する情報(更新情報)を提供する必要が無くなる。
なお、本第1実施形態では、「表示態様9」を表示することにより、遊技者に対して時短状態中における遊技内容を分かり難くさせる(把握させ難くさせる)ように構成しているが、これ以外にも、小表示領域Dm3に表示態様1~9を表示させるか否かを判別する判別手段を設け、その判別結果に基づいて、表示内容を決定するように構成も良い。
次に、図12を参照して、時短状態中に第3図柄表示装置にて実行されるドキドキラッシュの内容について説明をする。図12(a)は、遊技状態として時短状態が設定されている期間中に実行されるドキドキラッシュの演出内容の一例を示した模式図であって、小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりに当選している第2特別図柄が変動している最中に表示される演出内容の一例を示した模式図である。
図12(a)に示した通り、小表示領域Dm1では、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応する第3図柄が変動表示され、実行中図柄Dsaとして第2特別図柄(特図2)を示す「三角印」が表示されている。この状態は、図11(a)に示した時短状態において保留記憶されている第1特別図柄(特図1)を全て消化した後に(新たに実行される特別図柄の保留記憶が無い状態で)、右打ち遊技によって発射された球が第2入球口640に入球したことを起因(トリガ)に第2特別図柄の変動が開始された場合を示した状態である。
詳細は後述するが、本実施形態では小当たりAが設定される小当たりに1回当選すると時短終了条件(当選回数終了条件)が成立するように構成しているため、今回の特別図柄変動によって、小当たりに当選し、且つ、時短終了条件が成立したことを示す状況(状態)表示態様Dm3aとして、「表示態様5」が表示され、第2表示領域Ds2には、小当たりに当選したことを示唆する「宝箱発見」の文字が表示される。
そして、第2特別図柄の変動時間(動的表示期間)が経過し、第2特別図柄が小当たりを示す図柄で停止表示すると、第3図柄表示装置81の表示画面には図12(b)に示した表示内容が表示される。図12(b)は、図12(a)にて変動表示中の第2特別図柄が停止表示した際における表示内容を模式的に示した模式図である。図12(b)に示した通り、小表示領域Dm1の特図2変動表示領域Dm1bには第2特別図柄の抽選結果(小当たり)を示すための組み合わせ「341」で第3図柄が停止表示され、主表示領域Dmには宝箱802が拡大表示され、第2表示領域Ds2には今後の演出の展開を案内するための「(宝箱の)中身は・・・」の文字が表示される。
この宝箱802は直後に実行される小当たり遊技の遊技結果を示す際に用いられるものであり、小当たり遊技の結果に応じて宝箱802の開放を成功したり、失敗したりする演出が実行される。なお、小当たり遊技の結果に応じて実行される演出の内容については、図13(a)、および図13(b)を参照して後述する。
ここで、図13(a)を参照して、小当たりAが設定された小当たり遊技中に2種当たりを獲得した場合における演出内容について説明をする。図13(a)は、時短状態中に実行された小当たりAが設定された小当たり遊技において2種当たりを獲得した(V入賞した)場合の表示内容を模式的に示した模式図である。図13(a)に示した通り、小当たり遊技中にV入賞した場合(V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下し、Vスイッチ650e3が球を検知した場合)には、宝箱802の開放に成功した演出が実行され、大当たり遊技が設定されることを示すV表示803が表示される。そして、第2表示領域Ds2に大当たり(2種当たり)を獲得したことを示す「大当たり」の文字が表示される。
一方、小当たりAが設定された小当たり遊技中において2種当たりを獲得出来なかった場合は、図13(b)に示した表示画面が表示される。図13(b)は、時短状態中に実行された小当たりAが設定された小当たり遊技において2種当たりを獲得しなかった(V入賞しなかった)場合の表示内容を模式的に示した模式図である。上述したように本実施形態では、小当たりAが設定された小当たりに1回当選することで時短状態の終了条件が成立するように構成されているため、小当たりAの小当たり遊技にてV入賞できなかった場合は、時短状態が終了し通常状態が設定される。
よって、図13(b)に示した通り、小当たりAの小当たり遊技にてV入賞できなかった場合は、宝箱802が爆発した失敗表示態様803が表示され、第2表示領域Ds2に時短状態が終了することを示す「残念、ラッシュ終了」の文字が表示される。この画面が表示された後は、小表示領域Dm2に通常状態に応じた遊技案内として「左打ち」の文字が表示され、通常状態に対応した画面が表示される。
次に、時短状態中に小当たりBが設定された小当たりに当選した場合における演出について図14(a)を参照して説明をする。図14(a)は、時短状態中において小当たりBが設定された小当たりに初めて当選した場合の表示内容を模式的に示した模式図である。詳細は図21(d)を参照して後述するが、本実施形態では時短状態が終了する時短終了条件の1つとして、「小当たりBが設定された小当たりに3回当選」を設定可能に構成している。ここで、時短状態中に小当たりBが設定された小当たりに初めて当選した場合には、図14(a)に示した通り、小表示領域Dm3には表示態様4が表示され、主表示領域Dmに宝箱804が表示される。
この宝箱804は図12(b)に示した宝箱802と表示態様が異ならせてあり、今回当選した小当たりにおける2種当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成している。具体的には、2種当たり期待度が高い小当たり(小当たりA)に当選したほうが、豪華な表示態様の宝箱(宝箱802)が表示され易くなるように構成している。これにより、小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aの表示態様と、主表示領域Dmに表示される宝箱の表示態様とによって遊技者に2種当たり期待度を予測させることができる。
図14(a)の表示画面が表示された後に実行される小当たり遊技(小当たりBに対応する小当たり遊技)において、V入賞した場合は、図13(a)と同様の演出表示画面が表示され(開放される宝箱の表示態様が宝箱804に変更される点のみ相違)、一方、V入賞しなかった場合は、開放した宝箱804の中身が空であることを示す演出表示画面が表示され、その後、図12(a)に示した表示画面が表示され、少年801が再度宝箱を探す演出が実行される。
次に、時短状態中に小当たりCが設定された小当たりに当選した場合における演出について図14(b)を参照して説明をする。図14(b)は、時短状態中において小当たりCが設定された小当たりに5回当選した場合の表示内容を模式的に示した模式図である。詳細は図21(d)を参照して後述するが、本実施形態では時短状態が終了する時短終了条件の1つとして、「小当たりCが設定された小当たりに5回当選」を設定可能に構成している。ここで、時短状態中に小当たりCが設定された小当たりに5回当選した場合には、図14(b)に示した通り、小表示領域Dm3には表示態様6が表示され、主表示領域Dmに宝箱805が表示される。
この宝箱805は、上述した宝箱802,804bと表示態様が異ならせてあり、今回当選した小当たりにおける2種当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成している。具体的には、2種当たり期待度が最も低い小当たり(小当たりC)に当選したほうが、貧相な表示態様の宝箱(宝箱805)が表示され易くなるように構成している。これにより、小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aの表示態様と、主表示領域Dmに表示される宝箱の表示態様とによって遊技者に2種当たり期待度を予測させることができる。
即ち、図14(b)に示した表示画面が表示された場合は、2種当たり期待度が最も低い小当たり(小当たりC)に当選したことにより時短終了条件が成立した可能性が高くなることから、遊技者はこの後に実行される小当たり遊技において、V入賞することを祈りながら遊技を行うことになる。
以上、説明をしたように、本実施形態は時短状態中に実行される特別図柄の抽選(変動)に基づいて成立し得る時短終了条件を複数設定可能に構成しており、設定された複数の時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件が成立するまでの更新状況に基づいて時短状態の状況を遊技者が把握可能な演出(状況(状態)表示態様Dm3aの表示)を実行することができるため、複数の時短終了条件を設定した場合であっても、急に時短状態が終了してしまい遊技者が困惑してしまう事態を抑制することができる。
次に、図16および図17を参照して、本実施形態のパチンコ機10において小当たり遊技中に第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明をする。図16(a)は、小当たり種別として小当たりAが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過した時点で2種当たりの権利を獲得していない場合に表示される表示画面の一例を示した模式図であり、図16(b)は、小当たり種別として小当たりAが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過後に2種当たりの権利を獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。また、図17(a)は、小当たり種別として小当たりB又はCが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過した時点で2種当たりの権利を獲得していない場合に表示される表示画面の一例を示した模式図であり、図17(b)は、小当たり種別として小当たりB又はCが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過後に2種当たりの権利を獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。
本第1実施形態では、小当たり遊技中にV入賞装置650の開閉扉650f1を12回開放させる小当たり遊技を実行するように構成しており、且つ、5回目或いは10回目の開放タイミングにおいて、Vスイッチ650e3が球を検知していない場合に指示コマンドを出力するように構成している(図54のS1609参照)。この指示コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄表示装置81に、V入賞装置650に球を入賞させることを強調して案内する強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるための表示用指示コマンドを設定する。
そして、強調案内表示態様が表示されている状態でVスイッチ650e3が球を検知すると、図16(b)に示した通り、遊技者を祝福するための達成表示態様を表示させるための表示用達成コマンドを設定する。つまり、本実施形態では小当たり遊技が実行されV入賞装置650の開放動作が実行された状態であれば、右打ち遊技を行うことで確実に球がV入賞装置650に入賞するように構成されており、且つ、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球は、Vスイッチ650e3が設けられている特別排出流路650e2へと流下するように構成している。このように構成されているにも関わらず、開閉扉650f1の5回目の開放タイミングにおいてVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、小当たり遊技が開始された場合に第3図柄表示装置81の案内表示領域Dm2(図10(b)参照)に右打ちを案内する表示に気付かずに、左打ち遊技を実行している。或いは、遊技を止めていることが考えられる。
このような場合において、案内表示領域Dm2に表示される右打ちを案内する表示をより強調した表示に可変することで、遊技者に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。さらに、強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるタイミングとして、第3図柄表示装置81に強調案内表示態様が表示されてから右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技で発射された球が小当たり遊技中にV入賞装置650に到達するタイミングとしている。よって、強調案内表示態様Dy1の表示に従って右打ち遊技を実行した遊技者が小当たり遊技中に特別排出流路650e2に球を流下させられない事態を抑制することができる。
さらに、本第1実施形態では、当選した小当たり種別によって、2種当たりとなる期待度が異なるように構成されており、2種当たり期待度の高い小当たり遊技(小当たりA)が実行されている場合と、2種当たり期待度の低い小当たり遊技(小当たりB,C)が実行されている場合とで、5回目、或いは、10回目の開放タイミングにおいて実行される演出表示の内容を異ならせている。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図18を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図37参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図51参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる第1入球口64への入球に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられており、このエリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄保留球実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。なお、本実施形態では第2入球口640への入球を保留して格納する構成、および、スルーゲート67を通過したことを保留して格納する構成を有していないが、それらの構成に対しても、所定数(例えば、4つ)の保留エリア(保留第1~第4エリア)として、特別図柄2保留球格納エリアや普通図柄保留球格納エリアを設けても良い。
続けて、図18を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図37参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図51参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数テーブル202aには、第1特別図柄用の特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄用の特別図柄2乱数テーブル202a2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図20参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図20を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図20(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図20(b)は、特別図柄1乱数テーブル202a1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図20(c)は、特別図柄2乱数テーブル202a2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄1乱数テーブル202a1が参照される。図20(b)に示した通り、特別図柄1乱数テーブル202a1は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄2乱数テーブル202a2が参照される。図20(c)に示した通り、特別図柄2乱数テーブル202a2は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、「5~989」が小当たり判定値として規定されており、「990~999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5~989」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0~4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aの特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄2乱数テーブル202a2に格納されている。このように本実施形態のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図21を参照して第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明をする。
図21(a)は、第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図21(a)に示した通り、本実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202b1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202b2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図21(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202b1について説明をする。図21(b)は特図1大当たり種別選択テーブル202b1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図21(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(時短回数1回)に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(時短回数1回)に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
以上、説明をしたように、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
次に、図21(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202b2について説明をする。図21(c)は特図2大当たり種別選択テーブル202b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図21(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となる。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって最も有利な「大当たりD」が必ず選択されるように構成している。
次に、図21(d)を参照して、大当たり種別毎の時短付与内容について説明する。
本実施形態では、大当たりの種類は4種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、5種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90~99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0~89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、通常状態用と、時短状態用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10の遊技状態が通常状態であるか、その通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、時短状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなると共に、「リーチ外れ」が90~99と狭くなるため、「リーチ外れ」が選択され難くなる。また、特別図柄の低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなると共に、「リーチ外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80~99と広くなる。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことができるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
なお、本実施形態では遊技状態に応じて停止種別の選択比率を変更するために、停止種別選択テーブル(図示せず)として通常状態用と、時短状態用とを設けているが、それ以外の遊技状態に対応させて専用のテーブルを設けても良く、例えば、遊技状態として特別図柄の当たり(大当たり)に当選し易くなる(通常状態よりも当選し易くなる)高確率状態(特別図柄の高確率状態、確変状態)を有している遊技機においては、確変状態用の停止種別選択テーブルを設けても良い。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択テーブル202f(図22参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図22を参照して小当たり種別選択テーブル202fの内容について説明をする。図22は小当たり種別選択テーブル202fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図22に示した通り、小当たり種別選択テーブル202fには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA~小当たりCの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「1~10」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となり、「11~99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時大当たりA)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA~小当たりC)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態として1回の時短遊技(特別図柄の変動が100回或いは、第2特別図柄の変動が1回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(5R時短有大当たり)5R時短1回大当たりが設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態として1回の時短遊技(特別図柄の変動が100回或いは、第2特別図柄の変動が1回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。小当たりCの場合には、小当たりAの場合と同様に大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行されるが、大当たり遊技後には、時短状態が設定されず、通常状態が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容およびその大当たり遊技後に設定される遊技状態を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多く(15R)、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定されるため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されているが、大当たり遊技後に時短状態が設定される。小当たりCは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、且つ、大当たり遊技後に時短状態が設定されないことから、遊技者にとって最も不利な小当たりとして設定される。
なお、本実施形態では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄の変動回数が1回(第1終了条件)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数が合計で100回(第2終了条件)を設定している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行された場合には上述した第2終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に任意の特別図柄(第2特別図柄)を確実に所定回数変動させることができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図51参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図23(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図23(a)を参照して変動パターンテーブル202dの内容について説明をする。図23(a)は変動パターンテーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(a)に示した通り、変動パターンテーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2とが規定されている。詳細については後述するが、本実施形態では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図23(b)は、変動パターンテーブル202dに設けられる通常用変動パターンテーブル202d1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図23(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図23(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140~149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150~179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180~198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30~189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒~180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
ここで、本実施形態では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている状態において右打ち遊技を実行した場合には第2入球口640に球が入球しないように構成されていることから、通常状態中は第1入球口64に球を入球させる遊技、即ち、第1特別図柄の抽選を実行する遊技が行われるように構成されている。このように構成されている通常状態中において第2特別図柄の抽選が実行される場合としては、遊技者が不正に球を第2入球口640に入球させた場合であるため、通常状態における第2特別図柄の変動は長い変動時間を有する変動パターンが選択される。これにより、短期間の間に不正に第2特別図柄の抽選が行われる事態を抑制することができる。なお、通常状態中に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたと判別した場合は、その抽選結果が表示されるまでの期間(180秒間)を用いて、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたことを外部に報知するように構成しても良い。また、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行された場合には、その不正に実行された第2特別図柄の抽選(変動)結果として、外れの抽選(変動)結果を強制的に創出し、表示するように構成しても良い。
図23(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、本実施形態では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図24を参照して変動パターンテーブル202dに設けられた時短用変動パターンテーブル202d2の内容について説明をする。図24は時短用変動パターンテーブル202d2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図24に示した通り、時短用変動パターンテーブル202d2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図24に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1~4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が30秒の中外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161~198」の範囲に変動時間が30秒の中小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の中大当たりが規定されている。
図18に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図37参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、本実施形態では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、第2当たり乱数テーブル202cとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。
このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、本実施形態では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。
上述したように、本実施形態では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図37参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図19(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図19(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターンテーブル202d、時短付与テーブル202e、小当たり種別選択テーブル202f、開放シナリオテーブル202gが少なくとも記憶されている。
尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数テーブル202、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、小当たり種別選択テーブル202fについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。
時短付与テーブル202eは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図52のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図21(d)を参照して時短付与テーブル202eに規定されている内容について説明をする。図21(d)は時短付与テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図21(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。
本実施形態では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりCに当選した回数に応じて成立する第4時短終了条件と、を有している。
図21(d)に示した通り、時短付与テーブル202eには複数の時短終了条件のそれぞれに対応した各種カウンタに設定する値が規定されており、上述した第1時短終了条件として設定する値は時短中カウンタ203kにセットされ、第2時短終了条件として設定する値は小当たりAカウンタ203mにセットされ、第3時短終了条件として設定する値は小当たりBカウンタ203nにセットされ、第4時短終了条件として設定する値は小当たりCカウンタ203pにセットされる。
具体的には、大当たり種別が大当たりA及びBの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203k(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203mに「1」、小当たりBカウンタ203nに「3」、小当たりCカウンタ203pに「5」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203k(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203mに「2」、小当たりBカウンタ203nに「10」、小当たりCカウンタ203pに「50」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、本実施形態では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与テーブル202eの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では時短付与テーブル202eを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与テーブル202eからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与テーブル202eに値を規定するように構成しても良い。
また、本実施形態では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件~第4時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオテーブル202gは、特別図柄の抽選によって大当たり或いは小当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において、可変入賞装置65、或いは、V入賞装置650の開放パターン(各入賞装置に設けられた各種ソレノイドを動作させるパターン)をシナリオ化した開放シナリオが記憶されるデータテーブルであって、当選した大当たりに設定されている大当たり種別、或いは、当選した小当たりに設定されている小当たり種別に対応させて開放シナリオの内容が規定されている。
ここで、図25を参照して、開放シナリオテーブル202gの内容について説明をする。図25は開放シナリオテーブル202gに規定されている内容を模式的に示した模式図である。なお、図25に示した模式的に示した開放シナリオテーブル202gでは同一のシナリオが設定される期間をまとめて記載しているが、実際には、各開放シナリオが設定された時点からの経過期間を計測する計測カウンタを設け、現在設定されている開放シナリオのうち、計測カウンタの計測値に対応して規定されている内容の動作が実行されるように構成しているがその詳細な説明は省略する。
ここで、図25を参照して、開放シナリオテーブル202gの内容について説明をする。図25は開放シナリオテーブル202gに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この開放シナリオテーブル202gは、特別図柄の抽選結果が大当たり或いは小当たりであった場合に実行される特典遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において球が入球可能となる入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)の開放動作を当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて異ならせるための動作データ(開放シナリオ)が規定されている。
このように、当選結果(大当たり或いは小当たり)および当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)や開放動作内容(開放シナリオ)を異ならせることで、特典遊技の有利度合を複数段階設定することができるため、大当たり又は小当たりに当選した後も、遊技者に対してどの種別の当たりに当選したのかを楽しませることができる。
開放シナリオテーブル202gには、当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応して当たり遊技中の開始インターバル期間(当たり遊技が開始されてから最初に入賞装置が開放動作するまでの期間)と、入賞装置の開放動作態様(開放動作される入賞装置の種別、1回の開放動作(ラウンド遊技)の秒数、総開放動作回数(ラウンド数))と、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技間に設定される入賞装置が閉鎖される期間)と、終了インターバル期間(全てのラウンド遊技が終了してから、当たり遊技が終了するまでの期間(新たな特別図柄変動の開始を許容するまでの期間))と、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1あるいは特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替えるための流路ソレノイド650kのオンオフ切替動作態様が、それぞれ規定されている。
具体的には、当選した当たり種別が大当たりAに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「15ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりAの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が15ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に多くの賞球が払い出される大当たり遊技となる。さらに、大当たり種別が大当たりAの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定される大当たりであるため、大当たりAは遊技者にとって最も有利となる特典が付与される大当たりである。
次に、当たり種別が大当たりB,Cに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「5ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりB,Cの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が5ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に対して大当たりAに対応する大当たり遊技の約1/3の賞球が払い出される大当たり遊技となる。また、大当たり種別が大当たりBの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、大当たりCの場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、大当たりBは大当たりAよりも不利で大当たりCよりも有利な特典が付与される大当たりとなる。
当たり種別が大当たりDに対応して、開始インターバル期間として「1秒」が、入賞装置の開放動作態様として「V入賞装置650」を「1ラウンド目」に開放動作し、「可変入賞装置65」を「2~15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技として、1ラウンド目は「0.1秒開放を0.5秒間の開放間インターバルを設けて12回」開放し、2~15ラウンド目は「29秒間継続開放」する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。
つまり、詳細は後述するが、大当たりDの開始インターバル期間と2ラウンド目が実行されるまでの期間(1ラウンド目のラウンド遊技内容(開閉動作態様)、及び、1ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間)に規定されている内容が、後述する小当たり遊技に規定されている内容と同一となるように構成している。このように構成することで、今回実行されている当たり遊技が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを、1ラウンド目が終了するタイミングまで(小当たり遊技であればその小当たり遊技が終了するタイミングまで)遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されていると認識していた遊技者に対して意外性のある当たり遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、大当たりDは第2特別図柄によって大当たりに当選した場合に必ず選択される大当たり種別であり、且つ、第2特別図柄の抽選では殆どが小当たりに当選するように設定されている(図20(c)参照)。よって、遊技状態として時短状態が設定され、第2特別図柄の変動を主に行う期間中は、特別図柄の変動が停止表示された後に何らかの当たり遊技が開始される。この場合において、大当たりに当選した場合も、小当たりに当選した場合も、同一の開放動作から開始される当たり遊技を実行するため、遊技者により何れの当たり(大当たり又は小当たり)に当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、第2特別図柄の抽選においては、大当たりに当選する確率の方が小当たりに当選する場合よりも低くなるように設定されており、又、大当たりDに対応する大当たり遊技の終了後には時短状態が付与されるように設定されている。よって、大当たりに当選した遊技者に対して、小当たりに当選した場合よりも不利な特典が提供されることが無いため、意外性のある遊技(大当たりDに対応した大当たり遊技)を、遊技者に有利な遊技とすることができるため、遊技者をより興奮させることができる。
なお、大当たりDに当選した場合と、各種小当たりに当選した場合とでは、第3図柄表示装置81にて表示される変動表示(変動演出)として同一の演出態様が実行されるようにし、且つ、特別図柄の抽選結果を示す第1図柄表示装置37a,37bの表示態様により遊技者に抽選結果を識別され難くするために、特別図柄の停止表示タイミングと、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の停止表示タイミングを異ならせたり、特別図柄の停止表示タイミングと第3図柄の停止表示タイミングは同期させるが、その停止表示タイミング或いはその前後の期間において、第3図柄の表示をそれ以外の期間よりも遊技者が識別し難くするために、表示態様や表示領域を可変させたり、特別図柄の停止表示タイミングにおいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される演出用の図柄を第3図柄から普通図柄の変動表示に対応させた演出用普通図柄に切り替えたりすると良い。
加えて、当たり遊技が実行された場合に開放動作する入賞装置(V入賞装置650)と第1図柄表示装置37a,37bを離れて配設し、特別図柄の停止表示タイミング(何れかの当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミング)に第3図柄表示装置81にてV入賞装置650を遊技者に注目させる演出表示を実行したり、本実施形態のように第1図柄表示装置37a,37bの表示領域を第3図柄表示装置81の表示領域よりも小さくし、第3図柄よりも第1図柄が視認し難くなるように構成すると良い。これにより、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかを第1図柄表示装置37a,37bの停止表示態様により識別され難くすることができ、当たり遊技中も継続して大当たりに当選したことを期待させることができる。
図25に戻り説明を続ける。当たり種別が小当たりA~Cに対応して規定される内容には、小当たり遊技(1ラウンド遊技)に加え、その小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検知することにより、小当たり遊技終了後に継続して実行される大当たり遊技(2~15ラウンド遊技)の開放シナリオも併せて規定されている。これにより、当選した小当たり種別の小当たり遊技内容と、その小当たり遊技終了後に実行し得る大当たり遊技内容とを確実に対応付けすることができるため、適正な遊技を提供することができる。
具体的には、当たり種別が小当たりAに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2~15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
また、当たり種別が小当たりB,Cに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2~5ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
つまり、小当たりB,Cに対応する小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技は、上述した小当たりAに対応する大当たり遊技よりもラウンド遊技数が少なくなるように設定されている。また、小当たり種別が小当たりBの場合には、対応する大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、小当たりCの場合には、対応する大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、小当たりBは小当たりAよりも不利で小当たりCよりも有利な特典が付与される小当たりとなる。
図18に戻り、説明を続ける。RAM203は、図18に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図51参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図50参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図19(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄1保留球数カウンタ203b、大当たり開始フラグ203c、大当たり中フラグ203d、小当たり種別格納エリア203e、小当たり開始フラグ203f、小当たり中フラグ203g、V通過大当たり種別格納エリア203h、Vフラグ203i、V通過フラグ203j、時短中カウンタ203k、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203p、普図短変動フラグ203q、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、図18に示すように4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に入球したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3、CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、第1特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
そして、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄を保留する機能を有していないため、新たな特別図柄変動を実行可能な状態で球が第2入球口640へ入球(始動入賞)すると、そのタイミングで各カウンタC1~C3、C5、CS1の各値が取得され、その取得されたデータがそのまま特別図柄保留球実行エリアに格納される。
加えて、本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄(第2図柄)を保留する機能も有していないため、新たな普通図柄変動を実行可能な状態で球が普通始動口67を通過すると、そのタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータがそのまま普通図柄保留球実行エリアに格納される。
特別図柄1保留球数カウンタ203bは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203bは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図43のS704参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203bは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図38のS207参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特図1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図38のS208、図43のS705参照)。特図1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特図1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
大当たり開始フラグ203cは、大当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。抽選結果が大当たりと判定されている特別図柄の変動が停止する場合に、大当たり開始フラグ203cがオンに設定される(図38のS216)。大当たり開始フラグ203cがオンであることが判別されて、大当たりの開始タイミングであることが識別されると、オフに設定される(図52のS1603)。なお、大当たり開始フラグ203cは、初期状態ではオフに設定されるものであり、電源断等が発生した場合には、バックアップされて電源断直前の状態が保持されるように構成されている。
大当たり中フラグ203dは、大当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が大当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図38のS216)。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている大当たり種別に対応するラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図52のS1620)。この大当たり中フラグ203dは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり種別格納エリア203eは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図39のS307:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される(図39のS311)。そして、小当たり遊技中においてV入賞装置650の開放数が所定数に到達し(図53のS1707:Yes)、Vフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合(図53のS1708;No)に、格納されている小当たり種別が参照され(図53のS1709)、参照した小当たり種別に対応した指示コマンドが設定される。なお、詳細な説明は省略するが、小当たり種別格納エリア203eに格納された情報(小当たり種別を示すための情報)は、小当たり遊技終了時にクリアされるように構成されている。
小当たり開始フラグ203fは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図40のS404)。小当たり開始フラグ203fがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される(図53のS1703)。この小当たり開始フラグ203fは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203gは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図40のS404)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図53のS1720)。この小当たり中フラグ203gは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過大当たり種別格納エリア203hは、小当たり遊技が実行されている場合に、V入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203hは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図40のS402)。V入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球を検知すると、V通過大当たり種別格納エリア203hに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203iがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203hに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203hは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203iは、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203iがオンであるかを判別し(図53のS1715)、Vフラグ203iがオンであると判別した場合に(図53のS1715:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図53のS1716)。このVフラグ203iは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過フラグ203jは、小当たり遊技中において、Vフラグ203iがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203iがオンに設定されている場合にオンに設定される。本実施形態では、小当たり遊技中においてV入賞装置650に入賞した球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した球に対応したV通過処理(図48参照)においてオンに設定される(図48のS1207)。
そして、V通過処理(図48参照)では、V通過フラグ203jがオンに設定しているか判別し(図48のS1201)、オンに設定していると判別した場合は(図48のS1201:Yes)、V通過処理(図48の参照)のうちS1202~S1208の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にVスイッチ650e3が複数の球を検知した場合であっても、最初に検知した球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
時短中カウンタ203kは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(100)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)にて実行される時短回数更新処理(図42のS219)においてカウンタの値が参照され(図42のS601)、カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合に(図42のS601:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の時短中カウンタ203kの値が0であると判別すると(図42のS604:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図42のS605)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図41のS505)。このように、複数の時短終了条件のうち、時短中カウンタ203kの値を参照した時短終了条件(第1時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、時短中カウンタ203kの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず時短中カウンタ203kの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりAカウンタ203mは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(1)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)の小当たり開始設定処理(図40のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりAであると判別した場合に(図41のS502:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりAカウンタ203mの値が0であると判別すると(図41のS504:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図41のS507)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図42のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりAカウンタ203mの値を参照した時短終了条件(第2時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりAカウンタ203mの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりAカウンタ203mの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりBカウンタ203nは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりBが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(3)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)の小当たり開始設定処理(図40のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBであると判別した場合に(図41のS510:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりBカウンタ203nの値が0であると判別すると(図41のS512:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図41のS507)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図42のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりBカウンタ203nの値を参照した時短終了条件(第3時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりBカウンタ203nの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりBカウンタ203nの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりCカウンタ203pは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりCが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(5)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)の小当たり開始設定処理(図40のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりCであると判別した場合に(図41のS510:No)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりCカウンタ203pの値が0であると判別すると(図41のS514:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図41のS515)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図42のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりCカウンタ203pの値を参照した時短終了条件(第4時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりCカウンタ203pの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりCカウンタ203pの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
普図短変動フラグ203qは、普通図柄(第2図柄)の変動が短変動(3秒間変動)であったことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで普通図柄(第2図柄)の短変動が実行されたことを示すものである。この普図短変動フラグ203qは、普通図柄変動処理(図45のS106参照)において普通図柄の変動時間を設定するタイミングが時短状態中(時短中)であると判別し(図45のS909:Yes)、3秒の変動時間(短変動)が設定された場合にオンに設定され(図45のS911)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過したと判別し(図45のS913)、今回の普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりであると判別した場合(図45のS915:Yes)に参照される(図45のS916)。
ここで、普図短変動フラグ203qがオンに設定されていると判別した場合は(図45のS916:Yes)、現在が時短状態中(時短中)であるかを判別し(図45のS918)、時短状態中(時短中)であると判別した場合は(図45のS918:Yes)、電動役物640aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)が設定される(図45のS919)。なお、普図短変動フラグ203qは、普通図柄変動処理(図45のS106)においてオンに設定されていると判別された後に、オフに設定される(図45のS917)。
このように、普通図柄(第2図柄)の変動開始時(変動時間設定時)における遊技状態と、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過した後の電動役物640a開放動作設定時における遊技状態と、が共に時短状態である場合にのみ電動役物640aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成しているため、複数の遊技状態(通常状態と時短状態)を跨いで実行される普通図柄の変動(抽選)によって、電動役物640aがロング開放することを確実に防止することができ、遊技者に有利な特典(電動役物640aのロング開放)を遊技者に過剰に提供してしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図9に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや、V入賞装置650の開閉扉650f1を開閉駆動するためのV開放口ソレノイドや、V入賞装置650内に設けられた切替部材650hを駆動させるための流路ソレノイド650kや電動役物を駆動するためのソレノイド(その他ソレノイド209z)などからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22や枠ボタン23からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図26(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、状態表示選択テーブル222b、最終状態表示選択テーブル222c、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。なお、変動パターン選択用のカウンタとは、更新の都度(音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ミリ秒間隔で実行される各種カウンタ更新処理(図55のS2111参照)が実行される都度)前回値に1が加算され、最大値(例えば、299)に達した後0に戻るループカウンタで構成されるカウンタである。また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、変動パターン選択用のカウンタ値を、上述した音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行される各種カウンタ更新処理(図55のS2111参照)以外の処理で更新させるように構成しても良く、例えば、音声ランプ制御装置113のメイン処理のうち、前回処理が実行されてから1ミリ秒が経過してない場合に繰り返し処理が実行される期間(例えば、図55のS2114の処理が実行されてからS2115の処理が実行されるまでの間の期間)にカウンタの値を更新する処理を追加しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)において、一部の処理(図55のS2102~S2112の処理)を実行するために費やした期間によって、1ミリ秒中に変動パターン選択用のカウンタの値を更新する処理が実行される回数を不定数(ランダム)にすることができる。よって、音声ランプ制御装置113によって設定され、第3図柄表示装置81の表示画面で表示される表示演出(変動パターン選択222aを用いて選択した変動パターンに対応する演出)の内容に基づいて、音声ランプ制御装置113の制御に対する法則性を遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
状態表示選択テーブル222bは、遊技状態として時短状態が設定されている場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態表示の表示態様(図11の状況(状態)表示態様Dm3a参照)を選択する際に用いられるデータテーブルである。この、状態表示選択テーブル222bは、時短状態が設定されている状態のうち、時短状態が終了する変動(時短状態の最終変動)以外の変動表示に対応した状態表示態様を選択する際に用いられる。
この状態表示選択テーブル222bは、当該変動における大当たり期待度(特別図柄の大当たり抽選に当選する期待度と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり中(小当たり遊技中)に2種当たりが設定される期待度)と、時短状態の更新具合(時短終了条件が成立するか否か、或いは、時短終了条件として設定される各種要素(特別図柄の変動回数、小当たり当選回数等)の更新状況)とに基づいて異なる状態表示態様を選択するように構成している。よって、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm3に表示される状態(状況)表示態様Dm3aの内容を把握することにより、現在設定されている時短状態の状況を遊技者に把握させることができる。
ここで、図27(a)を参照して状態表示選択テーブル222bに規定されている内容について具体的に説明をする。図27(a)は状態表示選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。図27(a)に示した通り、状態表示選択テーブル222bは、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)と、時短下限フラグ223kの設定状況(オンに設定されているか否かの判別結果)と、準終了条件フラグ223mの設定状況(オンに設定されているか否かの判別結果)と、状態演出カウンタ223oの値とに対応させて、様々な状態表示態様が規定されている。
ここで、状態表示選択テーブル222bにて参照される各種フラグ及びカウンタについて簡単に説明をすると、時短下限フラグ223kと準終了条件フラグ223mとは、時短状態が所定期間経過したことを示すためのフラグであって、時短状態が所定期間経過した場合にオンに設定される。この各フラグの設定状況に応じて、即ち、時短状態の経過状況に応じて状態表示態様を異ならせることができる。
時短下限フラグ223kは、時短状態を終了させるための終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいてオンに設定されるものである。即ち、時短状態が設定されてから所定回数(例えば、70回)の特別図柄変動が実行された場合に、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様を異ならせて設定することができる。よって、遊技者に対して特別図柄の変動が実行されることで成立し得る終了条件が近づいていることを示唆することができ、緊張感を持たせて時短状態中の遊技を行わせることができる。また、継続的に設定される時短状態において様々な演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。なお、本実施形態では、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数が所定回数(例えば、70回)に到達した場合に時短下限フラグ223kをオンに設定し、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様を異ならせるようにしているが、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様として様々な表示態様を遊技者に表示するために、例えば、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数が奇数回目と偶数回目とで異なる状態(状況)表示態様Dm3aが表示されるようにしても良いし、時短状態が設定されてから所定期間(例えば、特別図柄が10回変動するまでの期間)のみ、他の期間とは異なる状態(状況)表示態様Dm3aを設定するようにしても良い。
準終了条件フラグ223mは、時短状態を終了させるための終了条件のうち、小当たりに当選した回数(小当たりに当選し、V入賞装置650に対して動作制御を実行した回数)に基づいてオンに設定されるものである。即ち、時短状態が設定されてから小当たりに所定回数(例えば、3回)の当選した場合に、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様を異ならせて設定することができる。よって、遊技者に対して小当たりに当選することで成立し得る終了条件が近づいていることを示唆することができ、緊張感を持たせて時短状態中の遊技を行わせることができる。また、継続的に設定される時短状態において様々な演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
状態演出カウンタ223oは、定期的に「0~99」の値が更新されるループカウンタであり、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて1ミリ秒の間隔で実行される各種カウンタ更新処理(図55のS2111)を実行する度に値が1更新されるように構成している。
次に、図27(a)を参照して、状態表示選択テーブル222bに規定されている内容について具体的に説明をする。図27(a)は、状態表示選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。状態表示選択テーブル222bは、図27(a)に示した通り、当否判定結果と、時短下限フラグ223kと、準終了条件フラグ223mと、状態演出カウンタ223oの値とに対応して実行される演出の状態表示態様(具体的な表示態様の内容は図15参照)が規定されている。
具体的には、当否判定結果が大当たりであって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「50~69」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
さらに、当否判定結果が大当たりであって、時短下限フラグ223kがオフで、準終了条件フラグ223mがオンである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定され、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオフである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
つまり、特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合に、設定されている時短状態の進捗状況に応じて(時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223mの設定状況)に応じて選択される状態表示態様を異ならせることができる。よって、時短状態中に様々な状態表示態様を表示させることができ、演出効果を高めることができる。
また、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mが共にオフに設定されている期間(時短状態の前半期間)と、時短下限フラグ223k或いは準終了条件フラグ223mの何れかがオンに設定されている期間(時短状態の中盤期間)とで状態表示態様として選択され易い表示態様を異ならせることができるため、第3図柄表示装置81の第3表示領域Ds3に表示される状態(状況)表示態様Dm3aを遊技者に把握させることで、時短状態の進捗状況を予測させることができる。
さらに、時短下限フラグ223kがオンに設定され、準終了条件フラグ223mがオフに設定されている場合であって、取得した状態演出カウンタ223oの値が「70~79」の場合には、状態表示態様「4」が設定されるように構成している。この状態表示態様「4」は図15を参照して上述した通り、遊技者に小当たりに当選した旨を示唆するための状態表示態様であるが、本実施形態では、当否判定結果が大当たりである場合、即ち、当否判定が小当たりでは無い場合(小当たり当選よりも遊技者に有利な当否判定結果である場合)にも選択されるように構成している。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、早期に飽きのこない演出を提供することができる。
次に、当否判定結果が小当たりA(複数の小当たり種別のうち、最も2種当たりし易い小当たり遊技が実行される小当たり)であって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~79」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「50~69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
次に、当否判定結果が小当たりAであって、時短下限フラグ223kがオフで、準終了条件フラグ223mがオンである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。時短下限フラグ223kと準終了条件フラグ223mが共にオフである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~79」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
そして、当否判定結果が小当たりB或いはC(複数の小当たり種別のうち、2種当たりし難い小当たり遊技が実行される小当たり)であって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「2」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
さらに、当否判定結果が小当たりB或いはCであって、時短下限フラグ223kがオフで準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「50~69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mが共にオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に状態表示態様「2」が規定され、「50~69」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
上述した通り、本実施形態では、当選した小当たりに設定される小当たり種別に応じて(実行される小当たり遊技中の2種当たり期待度に応じて)異なる状態表示態様が表示されるように構成しているため、時短状態中に表示される状態表示態様を遊技者が把握することにより、時短状態が終了するタイミングを予測させる以外に、現在実行中の特別図柄の変動表示(動的表示)の結果(特別図柄の抽選結果)をも予測させることが可能となる。よって、時短状態中に表示される状態表示態様に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、小当たりAに当選した場合であって、時短下限フラグ223kがオフで、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている場合において、取得した状態演出カウンタ223oの値が「70~79」である場合には、状態表示態様「6」が選択されるように状態表示選択テーブル222bの内容が規定されている。この状態表示態様「6」は、図15に示した通り、小当たり当選に基づいて時短状態が終了することを示唆するための「大ピンチ」の文字が表示される状態表示態様である。この状態表示態様「6」を例外的に小当たりAに当選した場合にも表示することにより、遊技者に意外性のある演出を提供することができると共に、状態表示態様「6」が表示された後に実行される小当たり遊技において、2種当たりを獲得する可能性を高めることができるため、2種当たりの可能性が低い小当たりB或いは小当たりCに当選したことに基づいて状態表示態様「6」が表示された場合であっても、小当たり遊技が終了するまでの間、遊技者に2種当たりへの期待を継続して持たせることができる。
当否判定結果が外れであって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「50~69」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「70~79」の範囲に「3」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
さらに、当否判定結果が外れであって、時短下限フラグ223kがオフで準終了条件フラグ223mがオンである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「70~79」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mが共にオフである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~79」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「80~99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
このように、当否判定結果が外れの場合、即ち、小当たり当選や大当たり当選に基づいて時短終了条件が成立することが無い特別図柄変動が実行される場合には、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている場合には、あたかも小当たりに当選し時短終了条件が成立したのではと遊技者に思わせる状態表示態様が選択されるように構成している。これにより、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている状態、即ち、時短状態が設定されてから所定回数の小当たり遊技が実行された状態において、遊技者に危機感を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている場合に、準終了条件フラグ223mがオフに設定されている場合よりも、小当たりに当選したと思わせる状態表示態様(状態表示態様「2,4~7」)が選択され易く構成されている。このように構成することで、当否判定結果が外れである場合に無用に小当たりに当選した旨を疑似的に示唆する演出が実行されてしまうことを抑制することができる。具体的には、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている状態においては、小当たりに当選した場合に時短の終了条件が成立したと思わせる演出態様(状態表示態様)が選択され易く、準終了条件フラグ223mがオフに設定されている状態においては、小当たりに当選した場合に時短の終了条件が成立したと思わせる演出態様(状態表示態様)が選択され難くなるように構成している。
このように構成されていることから、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている期間中に実行される複数の特別図柄変動に対する状態表示態様の表示態様を一連の流れで設定することができるため、遊技者が時短状態中に実行される遊技に対して違和感を覚えてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、当否判定結果や各種フラグの設定状況に基づくことなく、状態演出カウンタ223oの値に応じて状態表示態様「9」が選択されるように構成している。これにより、遊技者に現在の時短状態の進捗状況を把握させ難くすることができる。さらに、当否判定結果が外れの場合の一部において、状態表示態様「3」が選択されるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81に表示画面に状態表示態様「3」の表示態様が表示された場合には、動的表示中の特別図柄の抽選結果が、大当たりか外れの何れかであることを示唆する演出が実行される。
ここで、本実施形態では、第2特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり、小当たり以外)となる確率が1/100(図20(c)参照)であり、さらに、状態演出カウンタ223oの値が「70~79」、つまり、「0~99」の範囲で更新されるカウンタの値のうちの1/10の範囲において、状態表示態様「3」が表示されるように構成している(第2特別図柄が抽選される場合において、1/1000の確率で抽選結果「外れ」で状態表示態様「3」が選択されるように構成している)。
よって、状態表示態様「3」は殆どが大当たりに当選した場合に表示されるが、外れに当選した場合にも表示される可能性があるため、遊技者に最後まで(特別図柄の抽選結果が停止表示されるまで)ドキドキ感を持たせた遊技を行わせることができる。なお、本実施形態では、現在の時短状態の進捗状況(各時短終了条件が成立するまでの残数)や特別図柄の抽選結果を、遊技者が予測可能となるように複数の状態表示態様が選択されるように構成しているが、現在の時短状態の進捗状況(各時短終了条件が成立するまでの残数)や特別図柄の抽選結果を確実に報知することができる状態表示態様が選択できるように構成しても良い。
また、本実施形態では、時短状態の進捗状況(時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223mの設定状況)及び、状態演出カウンタ223oの値に基づいて、各当否判定結果に対して状態表示態様を異ならせて選択するように構成しているが、それ以外の条件を用いて状態表示態様を選択するように構成しても良く、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対して、遊技者が所定の操作を実行したか否かを判別する操作判別手段を設け、その操作判別手段の判別結果に基づいて、状態表示態様を異ならせて選択するように構成しても良い。さらに、この場合は、操作判別手段により所定の操作を実行したと判別された場合に、現在の時短状態の進捗状況(各時短終了条件が成立するまでの残数)や特別図柄の抽選結果を明確に示す状態表示態様が選択され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者が積極的に操作手段を操作することになり、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
さらに、本実施形態では、時短状態が設定されている状態において、演出設定処理が実行される度に(第3図柄の変動表示を設定する度に)、状態表示選択テーブル222bを用いて状態表示態様を選択するように構成しているが、例えば、継続して時短状態が設定されている間において設定された状態表示態様を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている内容に基づいて新たに設定(選択)する状態表示態様を決定するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に状態表示態様を均等に表示させたり、ランダムで設定された(状態演出カウンタ223oの値に基づいて選択された)状態表示態様が一方に偏っている場合において、残りの時短状態中に設定される状態表示態様を意図的に一方に偏らせたりすることができる。
また、時短状態が繰り返し設定される回数(時短状態中に大当たりに当選(2種当たりが設定)し、その大当たり遊技後に再度時短状態が設定される回数)や、その期間中に獲得した賞球数に応じて選択される状態表示態様を異ならせるように構成しても良い。
次に、図27(b)を参照し、最終状態表示選択テーブル222cの内容について説明をする。図27(b)は、最終状態表示選択テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。この最終状態表示選択テーブル222cは、上述した状態表示選択テーブル222bと同じく、時短状態中に第3表示領域Ds3に表示される状態表示態様を選択するために参照されるデータテーブルである。この最終状態表示選択テーブル222cは、上述した状態表示選択テーブル222bとは異なり、時短状態が終了することとなる特別図柄の変動(特別図柄の変動回数が時短終了条件を満たす変動回数となった場合における特別図柄の変動、或いは、特別図柄の小当たり当選回数が時短終了条件を満たす当選回数となった場合における特別図柄の変動)に対して変動表示(演出表示)を設定する際に参照されるものである。
この最終状態表示選択テーブル222cは、後述する演出設定処理(図63参照)において、時短終了前変動フラグ223nがオンであると判別した場合(図63のS2905:Yes)に参照される(図63のS2907)。この最終状態表示選択テーブル222cに規定されている内容について、図27(b)を参照して具体的に説明すると、当否判定結果が大当たりの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「70~89」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「90~99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。当否判定結果が小当たりAの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「70~89」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「90~99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。
また、当否判定結果が小当たりB或いはCの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「70~89」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「90~99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。当否判定結果が外れの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。
上述した通り、本実施形態では、時短状態が継続して設定される期間中に表示される状態表示態様と、時短状態が終了する場合(時短状態が終了することとなる特別図柄の最終変動表示が行われる場合)に表示される状態表示態様と、を異なるデータテーブルを参照して選択するように構成しているため、時短状態が終了する場合において、あたかも時短状態が継続することを示唆する状態表示態様が表示されてしまうことを確実に防止することができる。
また、上述した通り、大当たりに当選した場合の一部において、状態表示態様「8」が表示されるように構成している。これにより、遊技者に時短状態が終了したと思わせた後に大当たりに当選したことを第3図柄の停止表示で報知することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
なお、上述した通り、外れに当選した場合は、必ず状態表示態様「8」が表示されるように構成している。これにより、遊技者に過度な期待を持たせてしまい、後の遊技結果に対して不満感を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図26(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図26(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、演出カウンタ223e、遊技状態格納エリア223f、時短情報更新エリア223g、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、状態演出カウンタ223o、その他メモリエリア223z、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図57のS2301参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく、なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理(図44のS707)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理(図51参照)にて実行される外部出力処理(図51のS1501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図62のS2114参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図62のS2806参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。
なお、本実施形態では入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア~第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図56のS2208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、特別図柄保留球数カウンタ203aの値を示す情報でも良いし、特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図56のS2202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図62のS2802参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図55参照)のコマンド出力処理(図55のS2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図56のS2205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図62のS2808参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図62のS2810)。
演出カウンタ223eは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図56参照)が実行される毎に更新される。本実施形態では、演出カウンタ223eとして複数のループカウンタ(例えば、0~99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を有しており、各カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。
具体的には、例えば、メイン処理(図56参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。
遊技状態格納エリア223fは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223fに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223fに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、本実施形態では電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(図50参照)にて状態コマンドが設定されるため(図50のS1412)、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223fに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図41のS509、図42のS607、図52のS1616等)。
時短情報更新エリア223gは、時短状態の終了条件と、各終了条件に対する進捗状況(終了条件の対象となる事象(例えば、特別図柄の変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223aに格納される情報(時短状態の終了条件及び進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態(状況)表示態様Dm3aが選択される。この時短情報更新エリア223gは、主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図52のS1504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図52のS1612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図52のS1613)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための終了条件が設定される。
そして、音声ランプ制御装置113の時短更新処理(図60のS2216参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を受信したと判別した場合に(図60のS2604:Yes、図60のS2615:Yes)、受信した更新情報に対応させて現在の時短状況が更新される。
この時短情報更新エリア223g内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223gには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり種別(小当たりA~C)毎の当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)、小当たり当選回数(各小当たり種別の当選回数を合算した合算当選回数)等)に対応して情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。
本実施形態では、この時短情報更新エリア223gに格納されている情報を用いて、複数の終了条件の中から他の終了条件よりも成立し易い終了条件を判別したり、各終了条件が成立するまでの残実行回数を判別したりするように構成している。さらに、時短情報更新エリア223gに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。
また、本実施形態では、時短情報更新エリア223gに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223gに格納するように構成しても良い。
上述した通り、本実施形態では、時短設定情報と、更新情報と、を区分けして記憶(格納)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短設定情報として記憶した情報を直接更新するように構成しても良い。このように構成することで、時短情報更新エリア223gの容量を削減することができる。
仮当たり判定フラグ223hは、特別図柄の抽選(変動)が実行される前の入賞情報(保留記憶されている入賞情報)に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで保留記憶されている入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すものである。この仮当たり判定フラグ223hは、主制御装置110の先読み処理(図44のS707)にて取得された入賞情報コマンドを、音声ランプ制御装置113側で受信した場合に実行される入賞情報関連処理(図57のS2210参照)において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合に(図57のS2305:Yes)、オンに設定される(図57のS2306)。
そして、入賞情報関連処理(図57参照)において参照され(図57のS2303)、オンに設定されていると判別した場合は(図57のS2303:Yes)、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。また、変動表示設定処理(図62のS2114参照)にて実行される演出設定処理(図63のS2804参照)においても参照され(図63のS2903)、オンに設定されていると判別した場合は(図63のS2903:Yes)、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するための処理をスキップするように構成している。
さらに、本実施形態では、大当たり終了時処理(図59参照)において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合にも(図59のS2504:Yes)、仮当たり判定フラグ223hがオンに設定される(図59のS2506)。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報や、大当たり終了時点において保留記憶されている入賞情報の中に、大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合と、大当たり遊技の終了した場合とで入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、それ以外のタイミングとして、例えば、停電等でパチンコ機10の電源がオフとなった後に、主制御装置110の立ち上げ処理(図50参照)において、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている各入賞情報を示すための復帰時入賞情報コマンドを設定し、全て音声ランプ制御装置113へと送信するように構成し、音声ランプ制御装置113側で上述した復帰時入賞情報コマンドを受信した場合に、上述した入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本実施形態では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合や、大当たり遊技が終了した場合に、必ず入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、所定の禁止条件が成立している場合には入賞情報の内容を判別しないように構成しても良い。この場合、所定の禁止条件としては、例えば、パチンコ機10が複数の演出モードを有しており、そのうちの1の演出モードが設定されている場合に成立する演出モード禁止条件や、特別図柄の抽選結果として大当たり以外(外れ)が所定回数(例えば、500回)連続した場合に成立するハマリ中禁止条件や、入賞情報に含まれる大当たり抽選結果(当否判定結果)に基づいて複数の特別図柄変動に跨がって実行される連続演出が実行されている間に成立する連続演出中禁止条件や、その連続演出が終了してからの所定期間(例えば、特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間)の間に成立する多発禁止条件等を設けると良い。
このように構成することで、入賞情報に基づいて事前に判別された内容に応じた演出(所謂、先読み演出)を実行可能な期間と、実行不能な期間とを設定することができるため、遊技者に対して先読み演出が実行されなかった場合であっても大当たりへの期待感を維持することができる。なお、上述した禁止条件が成立している場合に、入賞情報の内容を判別する頻度を低くするように構成しても良いし、禁止条件が成立していない場合に、必ず入賞情報の内容を判別するのでは無く、入賞情報の内容を判別する頻度を高くするように構成しても良い。さらに、上述した禁止条件が成立しているか否かは遊技者に把握されないように構成すると良い。
仮時短情報更新エリア223iは、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に応じて事前に更新させた時短情報(仮時短情報)を一時的に格納するためのデータ領域である。本実施形態では、この仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報を参照して、時短状態が終了するタイミングを事前に判別する。
この仮時短情報更新エリア223iは、上述した時短情報更新エリア223gと同様に主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図52のS1504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図52のS1612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図52のS1613)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に(図60のS2602:Yes)、今回の時短状態を終了させるための終了条件(時短情報)が設定される(図60のS2603)。そして、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図57のS2210参照)において、受信した入賞情報に対応させた更新情報が格納される(図57のS2307)。 仮時短終了フラグ223jは、仮時短情報更新エリア223iに格納された仮時短情報に基づいて時短終了条件が成立したことを示すためのフラグであって、オンに設定された場合に仮時短情報に基づいて時短終了条件が成立したことを示すものである。この仮時短終了フラグ223jは、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図57のS2210参照)において、更新された仮時短情報更新エリア223iの情報(仮時短情報)が時短終了条件を満たしていると判別した場合にオンに設定される(図57のS2309)。
そして、入賞情報関連処理(図57のS2210)において参照され(図57のS2304)、オンに設定されていると判別した場合には(図57のS2304:Yes)、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報によって、時短終了条件が成立する場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
時短下限フラグ223kは、特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。この時短下限フラグ223kは、音声ランプ制御装置113の時短更新処理(図60のS2216)において、時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)のうち、特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数)に対応して設定された終了条件(特別図柄の変動回数が100回)に対して、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数が所定回数(70回)を超えた(時短状態が終了するまでの残時短回数が30回未満となった)と判別した場合に(図60のS2608:Yes)、オンに設定される。そして、音声ランプ制御装置113の演出設定処理(図63のS2804参照)において状態表示選択テーブル222bを用いて状態表示態様を選択する際に参照される(図63のS2906)。そして、残時短回数が0回であると判定した場合(図60のS2612:Yes)、或いは、時短更新処理(図60参照)にて実行される小当たり関連更新処理(図61参照)において、終了条件が成立したと判定した場合(図61のS2706:Yes)に、オフに設定される(図60のS2613、図61のS2708)。
このように、時短終了条件が成立するまでの進行具合に応じてオンに設定されるフラグを設け、そのフラグの設定状況に応じて演出態様を可変させるように構成することで、遊技者に対して、時短終了条件が成立するタイミングを予測させることが可能となる。よって、時短状態の終了タイミングを示唆する演出の演出効果を高めることができる。
なお、本第1実施形態では、時短終了条件が成立するまでの進行具合を2段階で判別するように構成しているが、より多くの段階を設けても良い。この場合、例えば、時短状態が設定されている状態において特別図柄の変動が10回実行される毎にその状態を識別可能なフラグ(カウンタ)を設け、そのフラグ(カウンタ)に応じて演出態様を可変するように構成すれば良い。
準終了条件フラグ223mは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選したこと基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。準終了条件フラグ223mは、時短更新処理(図60参照)にて実行される小当たり関連更新処理(図61参照)において参照され(図61のS2703)、準終了条件フラグ223mがオフであり(図61のS2703:No)、準終了条件が成立したと判別した場合(図61のS2704:Yes)、オンに設定される(図61のS2705)。そして、終了条件が成立したと判別した場合(図61のS2706:Yes)、オフに設定される(図61のS2707)。
時短終了前変動フラグ223nは、時短状態が終了する(時短終了条件が成立する)前の変動が実行されることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態が終了する1つ前の変動が実行されることを示すものである。具体的には、複数設定される時短状態の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて設定される時短終了条件が成立するまでの期間(変動回数)が残り1回となった場合にオンに設定される。この時短終了前変動フラグ223nがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図62参照)を実行することで、当該変動が時短状態の最終変動と判別することが可能となり、時短状態の最終変動に対応した演出を実行することができる。
この時短終了前変動フラグ223nは、時短更新処理(図60参照)において残時短回数が1回であると判定した場合(図60のS2610:Yes)に、オンに設定される(図60のS2611)。そして、残時短回数が0回であると判定した場合(図60のS2612:Yes)、或いは、時短更新処理(図60参照)にて実行される小当たり関連更新処理(図61参照)において、終了条件が成立したと判定した場合(図61のS2706:Yes)に、オフに設定される(図60のS2614、図61のS2709)。また、変動表示設定処理(図62参照)にて実行される演出設定処理(図63参照)において参照され(図63のS2905)、オンに設定されていると判別した場合は(図63のS2905:Yes)、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するために最終状態表示選択テーブル222cを用いる処理(時短状態の最終変動用の処理)を実行し、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(図63のS2905:No)、状態表示選択テーブル222bを用いる処理(時短状態における最終変動以外の変動用の処理)を実行するように構成している。
なお、本実施形態では、時短が終了する前の変動が完了した(実行された)ことを判別するために、時短終了前変動フラグ223nを設定するようにしているが、それ以外にも、例えば、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶可能な構成を設け、保留記憶されている入賞情報に対しても先読み処理(図44参照)を実行するように構成し、その先読み処理の結果を示す入賞コマンドを受信するように構成し、受信した入賞コマンドに基づいて、小当たり当選する第2特別図柄の入賞情報を事前に判別するように構成する。そして、事前判別の結果に基づいて、時短状態の終了条件が成立する小当たり当選が実行される特別図柄変動の前の変動が実行される場合に、時短終了前変動フラグ223nがオンになるような構成を追加しても良い。これにより、複数の時短終了条件を有する遊技機において、確実に時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動を判別することができる。
状態演出カウンタ223oは、音声ランプ制御装置113によって実行される各種演出の演出態様を設定する際に用いられる各種抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図55参照)が実行される毎に1ずつ更新される。状態演出カウンタ223oは、上述した演出カウンタ223eと同一のループカウンタで構成されている。なお、詳細な構成については、上述した演出カウンタ223eと同一であるため省略する。この状態演出カウンタ223oの値は、状態表示選択テーブル222bや最終状態表示選択テーブル222cを用いて、状態表示態様を選択する際に参照される(図63参照)。
このように、特定の規則性(当否判定結果、各種フラグの設定状況)に応じて特定の表示態様を選択する場合において、ランダムに更新される値(状態演出カウンタ223oの値)に基づいて選択される表示態様を更に詳細に区分けするように構成することで、表示態様の多様化を図るとともに、選択される表示態様(第3図柄表示装置81に表示される表示態様)によって現在の遊技状態(時短状態の更新状況)を遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図56参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図8参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図49参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図8参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に図28を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図28は、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図28に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、上述したように通常遊技状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1遊技が実行される。ここで、第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行するように構成されている。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図3を参照して上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、本実施形態では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。
遊技状態として時短遊技状態(時短状態)が設定されると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることができるようになるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。本実施形態では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。
なお、本実施形態では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~C)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。
加えて、本実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)である時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。
また、詳細は後述するが、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。
このように構成された本実施形態のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では図28に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
次に図29および図30を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の小当たり遊技中の流れについて説明をする。図29(a)~(f)は小当たり遊技中の各種構成の流れを模式的に示した図である。図29(a)~(f)に示した通り、主制御装置110の制御処理によって小当たり遊技が実行されると、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81の表示画面に小当たり遊技演出が実行される。そして、小当たり遊技が開始されてからt1(1秒)経過するとV入賞口ソレノイドが予め定められたシナリオに沿って駆動する(図27参照)。また、流路ソレノイド650kは常時OFFに設定されておりV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2へと流下する。特別排出流路650e2を流下した球はV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3により検知され、小当たり遊技が開始されてから1秒後からの17秒間(V有効期間t5)の間にVスイッチ650e3が球を検知することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行され、大当たり遊技が開始されてからオープニング期間t6(2秒)が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技が開始され特定入賞口65が開放される。
このように、本実施形態では、正常に右打ち遊技を実行するだけで小当たり遊技中にV入賞装置650へ球を入賞させることができ、且つ、Vスイッチ650e3に球を検知させることができるように構成している。このように構成することで、たとえ、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が、第2特別図柄の抽選が1回行われたことで終了するように構成したとしても、不都合なく遊技を行わせることができる。また、第2特別図柄の抽選が1回行われたことで時短状態が終了するように構成しているため、例えば、第2特別図柄の抽選で当選した小当たりの種別を識別し、遊技者に不利な小当たり(例えば、小当たり種別が小当たりCの小当たり)に当選した場合に、V入賞装置650へ球を入賞させずに、次の第2特別図柄の抽選を狙う遊技を防止することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図31~図36を参照して、本第1実施形態における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図31は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図64のS4001参照)の終了後に実行される初期化処理(図64のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図36参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図66(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図64のS4003,S4004参照)。
ここで、図32を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図32は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図32(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図32(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図32(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図32(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、図32(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図32(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図31に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図33を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図33は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図33(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図33(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図33に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図33(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図33(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図33(a)~(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図33(a)~(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図31参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図31に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA~Dのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入球口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図34を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図34は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図36の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図36参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図35を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図35は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図35のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図35のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図35の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図35の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図32(a)~(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図64参照)の中でオンに設定される(図64のS4005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図66(b)のS4305参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図66(b)のS4301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図66(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図66(b)のS4309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図67~図75参照)および表示設定処理(図76~図78参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図79(a)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図79(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図80参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図66(b)のS4303参照)の中で、ポインタ更新処理(図78のS6005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図36を参照して、描画リストの詳細について説明する。図36は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図36に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図66(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図76のS6007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図64のS4002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図80参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図80のS6513参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図80のS6514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図81のS6602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図66(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図81のS6602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図37から図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図37は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図38~図43を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図45および図46を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、V入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S108)。その後、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図47及び図48を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図38は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。
ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203dがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203dがオンに設定されている)と判別した場合は(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203dがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、遊技球が第2入球口640へ入球したか否かを判別する(S203)。
遊技球が第2入球口640へ入球したと判別した場合は(S203:Yes)、つまり、特別図柄の大当たり中でもなく、特別図柄の変動中でも無い場合において、第2入球口640へ球が入球した場合、即ち、第2特別図柄の変動(抽選)開始条件が成立した場合は、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を特別図柄保留球実行エリアに格納する(S204)。
次いで、第1図柄表示装置37a,37bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S210)、本処理を終了する。なお、特別図柄変動開始処理については、図39を参照して後述する。
一方、S203の処理において、遊技球が第2入球口640へ入球していないと判別された場合には(S203:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)の値を取得する(S205)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいか判別する(S206)。特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判別された場合には(S206:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0でなければ(S206:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を減算し(S207)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S208)。S208の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S209)。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S211:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、本処理を終了する。
一方、S211の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S211:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S212)。停止表示の設定は、図39を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S210)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、本実施形態では、S212の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、本実施形態では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。
S212の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄変動開始処理(図39のS210参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S213)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S213:Yes)、大当たり種別(大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別)に基づいて、特定入賞口(可変入賞装置)65の開放シナリオを設定し(S214)、その後、大当たりの開始の設定する(S215)。次いで、大当たり開始フラグ203cと大当たり中フラグ203dとをオンに設定し(S216)、時短中カウンタ203kを0に設定して(S217)、S218の処理へ移行する。S218の処理では、停止コマンドを設定し(S218)、本処理を終了する。
つまり、本実施形態では、S217の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した本実施形態のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。
さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。
このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
一方、S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S213:No)、時短回数を更新するための時短回数更新処理を実行し(S219)、その後、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S220)。なお、上述した時短回数更新処理(S219)の詳細な説明は、図42を参照して後述するが、本処理では、複数設定される時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数(特別図柄の抽選回数)に基づいて成立し得る変動回数終了条件に対する情報を更新する処理が実行される。
S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S220:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S221)、上述したS218の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S220:No)、小当たり開始設定処理(S221)をスキップして、S218の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本実施形態の特別図柄変動処理(図38のS104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図38のS203の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は入賞情報を保留記憶する保留記憶手段を持っておらず、且つ、遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。
このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図37参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、本実施形態では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図37参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(本実施形態では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では時短回数を更新する際の処理として、特別図柄の変動回数に応じて成立する変動回数終了条件に関わる処理(時短回数更新処理(S219))を実行した後に、小当たり当選に応じて成立する当選回数終了条件に関わる処理(小当たり開始設定処理(S221))を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄の変動(抽選)において、変動回数終了条件と当選回数終了条件とが成立するような抽選結果が得られた場合に、変動回数終了条件が先に成立し、変動回数終了条件が成立したことに基づいて時短状態が終了することになる。
このように、複数設定される時短終了条件に対して、予め定めた順序で各時短終了条件の成立の有無を判別するように構成することで、複数の時短終了条件が同一の特別図柄変動(抽選)において到達し得る場合にも規則的に時短状態を終了させることができる。
なお、上述した構成を、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後に時短状態を終了し、当選回数終了条件が成立した場合には、その小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成されたパチンコ機10に用いることで、時短状態の終了タイミングを、成立する時短終了条件に応じて異ならせることができる。
具体的には、例えば、小当たりBに当選し、当選回数終了条件が単独で成立した場合には、その小当たりBに対応する小当たり遊技が終了した後に時短状態が終了する。一方で、変動回数終了条件が成立する特別図柄の抽選(変動)にて小当たりBに当選した場合は、変動回数終了条件が優先して成立し、小当たりBに対応する小当たり遊技が開始される前、即ち、特別図柄の抽選結果(小当たりB)を示す特別図柄(第1図柄)の確定表示後に時短状態が終了する。
上述した例では、遊技状態として時短状態が設定されている状態において、小当たりBに当選した特別図柄の抽選(変動)に基づいて、時短状態が終了する場合であっても、成立する時短終了条件に応じて時短状態を終了させるタイミング(小当たり遊技中の時短の有無)を可変させて設定することができるため、遊技者に対して有利な期間の長さを成立する時短終了条件に応じて異ならせることができる。これにより、遊技者にとって有利となる時短終了条件と、不利となる時短終了条件と、を設定することができる。よって、遊技者に対して、時短終了条件が成立しないように期待する遊技に加え、なるべく有利な時短成立条件が成立することを期待する新たな遊技性を提供することができる。
なお、上述した構成を有する遊技機に対して、例えば、小当たり遊技中においても、電動役物640aが開放動作(ロング開放)した場合に入球可能(容易)となる入球口(第2入球口640)に球を入球させられるように、小当たり遊技において開放される特定入賞口(V入賞装置650)よりも上方に第2入球口640を設け、小当たり遊技中に第2入球口640に球を入球させる遊技を行わせるように構成すると良い。
さらに、小当たり遊技の期間(V入賞装置650が開放している期間(1.8S)と、閉鎖している期間)が長い(例えば、60秒)小当たり遊技が実行される小当たり種別を設定可能に構成し、且つ、第2入球口に入球した場合に遊技者に提供される賞球数(例えば5個)よりも、V入賞装置650に入賞した場合に遊技者に提供される賞球数(例えば、3個)の方が少なくなるように構成することで、小当たり遊技中における時短状態の有無によって、遊技結果(遊技によって獲得した球数)を大きく異ならせることができる。このように構成されたパチンコ機10において、上述したように時短の終了タイミングを異ならせる技術を設けることで、より興趣を高めた遊技を遊技者に提供することができる。
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S210)について説明する。図39は、特別図柄変動開始処理(S210)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S210)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動時間)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を取得する(S301)。次に、取得した特別図柄の種別(第1特別図柄或いは第2特別図柄)に対応した第1当たり乱数テーブル202a(特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄2乱数テーブル202a2)に基づいて、抽選結果を取得する(S302)。具体的には、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値と特別図柄1乱数テーブル202a1(図22(b)参照)に格納されている乱数値を比較して大当たりか否かの判別を行い、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値と特別図柄2乱数テーブル202a2(図22(c)参照)に格納されている乱数値を比較して大当たりまたは小当たりの判別を行う。
次いで、抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S303)。抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S303:Yes)、取得した特別図柄の種別に対応した第1当たり種別選択テーブル202bに基づいて、大当たり種別を取得する(S304)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特図1大当たり種別選択テーブル202b1または特図2大当たり種別選択テーブル202b2に格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA~D)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図23(b)または(c)参照)。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判別される判別値を同じとしたが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判別される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判別されるように構成されるため、同一の乱数値を狙う不正遊技が行われたとしても、偏って大当たりが実行されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりと判別される乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判別される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
そして、特別図柄の種別(特別図柄種別)と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定する(S305)。このS305の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA~D)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA~D)が停止種別として設定される。
その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(S306)、S314の処理へ移行する。S306の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図23(b)または図24)。
S314の処理では、S306の処理で決定した変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S314)。次いで、S305の処理で設定された停止種別を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S315)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S315の処理が終わると、本処理を終了し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。
一方、S303の処理において、抽選結果が大当たりではない場合は(S303:No)、次に、抽選結果が小当たりか否かを判別する(S307)。抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S307:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fに基づいて、小当たり種別を取得する(S308)。より具体的には、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値と、小当たり種別選択テーブル202fに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の小当たり(小当たりA~C)のうち、小当たり種別が何であるかを判別する(図22参照)。
次いで、小当たり種別に対応した小当たり時の表示態様を設定する(S309)。その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定する(S310)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図23(b)または図24)。
次いで、S308の処理にて取得した小当たり種別を小当たり種別格納エリア203eに格納し(S311)、その後、上述したS314及びS315の処理を実行し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成しているため、S308およびS309において特別図柄種別を参照する必要が無いが、例えば、第1特別図柄の抽選においても小当たりに当選するように構成した場合は、S308及びS309の処理において、特別図柄種別も参照して小当たり種別を取得し、小当たり時の表示態様を設定するように構成すれば良い。
なお、この場合におけるS314及びS315の処理においては、特別図柄の抽選結果が小当たりであると判定された場合において設定された変動パターン(S310参照)と、停止種別(S309参照)に対応するコマンドが設定される。
抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S307:No)、特別図柄の種別に対応した外れ時の表示態様を設定する(S312)。その後、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定する(S313)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図23(b)または図24)。次いで、上述したS314及びS315の処理を実行し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S221)について説明する。図40は、小当たり開始設定処理(S221)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S221)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA~C)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されるとV入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが本実施形態では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~C)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。
このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
小当たり開始設定処理(S221)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S401)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203hに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S402)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202fに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(15ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(5ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がCであれば、大当たりA(5ラウンド時短有大当たり)であると判別する(図22参照)。つまり、本実施形態では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり(2種当たり)の大当たり遊技の内容と、特別図柄の抽選によって大当たり(1種当たり)に当選した場合に実行される大当たり遊技とで同一の大当たり遊技が実行されるように、2種当たりを獲得した場合に(特定領域を球が通過した場合に)、1種当たりにおいて設定される大当たり種別(大当たりA或いはB)が実行された小当たりの種別に応じて設定されるように構成されている。
このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。
図40に戻り、説明を続ける。S402の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S403)、小当たり開始フラグ203fと小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S404)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S405)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理(S405)は、小当たりに当選した場合に成立し得る時短状態の終了条件である当選回数終了条件に対応する時短情報を更新するための処理と、時短情報を更新したことにより当選回数終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための処理と、を実行するためのものであって、その詳細は図41を参照して後述する。
ここで、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理(S405)について説明する。図41は、小当たり用時短更新処理(S405)の内容を示したフローチャートである。この小当たり用時短更新処理(S405)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の小当たり開始設定処理(図40参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり用時短更新処理(S405)では、まず、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きいかを判別する(S501)。即ち、現在が時短状態であるかを判別する。S501の処理において、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S501:No)、時短状態以外の遊技状態において小当たりに当選した状態であるため、時短情報を更新するために本処理を全てスキップし、本処理を終了する。なお、本実施形態では、時短状態が設定されている状態以外では小当たりに当選することが無いように(第2特別図柄の抽選(変動)が実行されないように)構成しているため、S501の処理にて時短状態が設定されていない状態であると判別した場合に、エラー報知(異常報知)を実行するためのエラーコマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S501の処理において、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きい、即ち、時短状態が設定されている状態であると判別した場合は(S501:Yes)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」であるかを判別する(S502)。ここで、S502の処理では、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS311の処理において小当たり種別格納エリア203eに格納された小当たり種別を読み出して判別を実行する。
S502の処理において、今回の小当たり種別が「小当たりA」であると判別した場合は(S502:Yes)、小当たりAカウンタ203mの値を1減算し(S503)、減算後の小当たりAカウンタ203mの値が0であるかを判別し(S504)、0であると判別した場合は(S504:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりAに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、変動回数終了条件が成立するまでの期間を計測していた時短中カウンタ203kの値を0に設定し(S505)、各種当選回数終了条件を計測していた小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pのそれぞれの値を0に設定し(S506)、遊技状態として通常状態を設定する(S507)。
上述したS505~S507の処理を実行することにより、複数設定される時短終了条件のうち、1つの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件が成立するまでの期間を計測するためのカウンタの値をそれぞれ時短終了条件が成立したことを示す値に設定することができるため、時短終了条件が成立した後に(遊技状態として通常状態が設定された後に)、時短情報を更新するための処理(小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203p、時短中カウンタ203kの値を更新するための処理)が実行されることを確実に防止することができる。よって、不必要な処理が実行されることを抑制できるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短中カウンタ203kの値が0になった時点における小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。
S507の処理を終えると、次に、減算された各小当たりカウンタの値に対応する残時短回数コマンドを設定し(S508)、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509)、本処理を終了する。ここで、S508及びS509で設定されたコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、受信した残時短回数コマンドに基づいて時短情報を管理し、時短状況(時短状態が終了するまでの期間)を示唆(報知)するための状態表示態様を設定する。また、受信した状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を把握する。
一方、S504の処理において、小当たりAカウンタ203mの値が0では無いと判別した場合は(S504:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS505~S507の処理をスキップしてS508の処理へ移行する。
上述したS502の処理に戻り説明を続ける。S502の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」では無い(「小当たりB」、或いは「小当たりC」である)と判別した場合は(S502:No)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」であるかを判別し(S510)、「小当たりB」であると判別した場合は(S510:Yes)、小当たりBカウンタ203nの値を1減算し(S511)、その後、減算した小当たりBカウンタ203nの値が0であるかを判別する(S512)。
S512の処理において、小当たりBカウンタ203nの値が0であると判別した場合は(S512:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりBに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS505の処理へ移行し、時短状態を終了させるための処理を実行する。
一方、S512の処理において、小当たりBカウンタ203nの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S512:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS505~S507の処理をスキップしてS508の処理へ移行する。
S510の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」では無い、即ち、「小当たりC」であると判別した場合は(S510:No)、小当たりCカウンタ223pの値を1減算し(S513)、減算した後の小当たりCカウンタ223pの値が0であるかを判別する(S514)。
S514の処理において、小当たりCカウンタ223pの値が0であると判別した場合は(S514:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりCに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS505~S507と同一の処理を実行するS515~S517を実行し、S508へ移行する。一方で、S514の処理において、小当たりCカウンタ203pの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S514:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了させるためのS515~S517の処理をスキップしてS508の処理へ移行する。
以上説明をした通り、本実施形態では小当たりに当選した特別図柄の変動時間が経過した場合に、その小当たり当選に対応するカウンタの値を減算し、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無を判別するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行される前に当選回数終了条件により時短状態を終了させることが可能となる。よって、変動回数終了条件、当選回数終了条件の何れの時短終了条件が成立した場合であっても、時短状態を終了させるタイミングに大きな差が発生することを防止することができる。
具体的には、本第1実施形態では、変動回数終了条件、即ち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示が終了したタイミングで時短状態が終了するように構成され、当選回数終了条件、即ち、特別図柄の抽選で小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後の、小当たり遊技の開始設定タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、対応する特別図柄の変動が停止した直後に時短状態が終了するように構成している。これにより、今回設定された時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを遊技者に分かり難くすることができる。なお、時短状態が終了したか否かを遊技者が判別するためには、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動時間の長短や、電動役物640aの開放パターンを識別する必要があるが、例えば、本実施形態のように小当たり開始設定時(小当たり遊技が開始される直前)に時短状態を終了するように設定することで、小当たり遊技が開始された直後には時短状態が終了したか否かを判別し難くすることができる。
なお、本実施形態では、複数の時短終了条件のうち、変動回数終了条件と当選回数終了条件との何れの終了条件が成立した場合にも、略同一のタイミング(遊技者が判別困難な程度の時間差を含む概念)で時短状態を終了させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示直後に時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示後に実行される小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中を時短状態とすることができる。
よって、小当たり遊技中は今回の小当たり当選によって時短状態が終了したのか否かを遊技者が判別することができず、小当たり遊技が終了するまで(2種当たりを獲得したか否かの遊技結果が報知されるまで)、時短状態が終了したのか否かを分かり難くすることができる。さらに、本実施形態のように、小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な遊技性を有するパチンコ機10では、小当たり遊技終了後に時短状態が終了したか否かを遊技者に報知するように構成することで、今回の小当たり遊技が時短状態を終了させる小当たり当選に基づくものでは?と予測しながらの遊技を行うことになるため、時短状態中に実行される小当たり遊技に対して常に意欲的に2種当たりを狙わせることができる。
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される時短回数更新処理(S219)について説明する。図42は、時短回数更新処理(S219)を示したフローチャートである。この時短回数更新処理(S219)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。
時短回数更新処理(S219)では、まず、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S601)。S601の処理において、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S601:Yes)、時短中カウンタ203kの値を1減算し(S602)、S603の処理へ移行する。
S603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短中カウンタ203kの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短中カウンタ203kの値が0であるかを判別する(S604)。時短中カウンタ203kの値が0であると判別した場合は(S604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S605)、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203nおよび小当たりCカウンタ203pを0に設定する(S606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
一方、S604の処理において、時短中カウンタ203kの値が0ではないと判別した場合は(S604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。
以上、説明をしたとおり、本実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、時短回数更新処理(図42参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり用時短更新処理(図41参照)により判別されるように構成している。そして、何れの処理において、複数設定される時短終了条件うち、何れかの終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、本実施形態では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。
さらに、本実施形態では、時短終了条件のうち、当選回数終了条件として、各小当たり種別個々の回数が所定数に到達した場合に成立する終了条件を用いているが、これ以外にも、例えば、各小当たり種別が設定された合計回数、即ち、時短状態が継続して設定されている期間中に当選した小当たり回数の総数に対応した当選回数終了条件を設定しても良いし、小当たりBが設定された回数と小当たりCが設定された回数を合算した合算回数が所定回数に到達した場合に成立する当選回数終了条件を設定しても良い。
この場合、小当たりBのみに対応する当選回数終了条件が成立する当選回数(小当たりB終了回数(例えば、3回))と小当たりCのみに対応する当選回数終了条件が成立する当選回数(小当たりC終了回数(例えば、5回))に対して、上述した合算回数を小当たりB終了回数と小当たりC終了回数の和より少なくするのは勿論のこと、小当たりB終了回数と小当たりC終了回数のうち、大きい値(本例の場合では5回)よりも少ないを設定すると良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別に対して、複合的に時短状況を把握しなければ時短状態の終了タイミングを予測することが出来なくなるため、時短状態の終了タイミングを遊技者に把握させ難くすることができる。
次に、始動入賞処理(S105)を説明する。まず、図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図43は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第1入賞口(第1入球口)64への入賞(始動入賞、入球)の有無を判別し、入賞があったと判別した場合、即ち、第1入球口64内に設けられた入球検知スイッチ(図示せず)により、球が検出された場合に(S701:Yes)、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図43,S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口(第1入球口)64に入賞(始動入賞、入球)したか否かを判別する(S701)。ここでは、第1入球口64内に設けられた入球検知スイッチ(図示せず)により、球が検出された状態が繰り返し実行される3回のタイマ割込処理にわたって継続しているか否かを判別することにより、第1入賞口(第1入球口)64への球の入賞(入球)を判別するように構成している。このように、所定期間(タイマ割込処理が3回実行される期間(4ミリ秒間))の間継続して球を検出していると判別した場合のみ球が入賞(入球)したと判別するように構成することで、例えば、球の流れによって発生した微量の電気がノイズとなり瞬間的にセンサ(入球検知スイッチ)がオン(球の通過を検知した状態)となったとしても、そのノイズにより発生した事象(瞬間的なオン)と、球が通過することで発生する事象(所定期間継続するオン)と、を区分けして処理を実行することができる。
なお、所定期間継続して球を検知した場合に、球が入球したと判別する制御を用いる場合には、上述したように、球を検知したと判別される期間が所定期間未満の場合(ノイズによる瞬間的な検知)に加え、所定期間よりも長い上限期間を超える場合も異常が発生したと判別し、球が入賞(入球)したと判別しないように構成すると良い。これにより、不正な操作により、長期間ノイズを発生させたとしても球の入賞(入球)が誤作動してしまうことを抑制することができる。
そして、球が第1入球口64に入賞(入球)したと判別すると(S701:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S702)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S703)。
S703の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満である(3以下である)と判別した場合は(S703:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1加算し(S704)、その演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S705)。
ここで設定された保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S705の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図37参照)のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S706)。尚、S706の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
そして、S707の処理では、先読み処理を実行する(S707)。その後、この処理を終了する。一方、第1入賞口(入球口)64への入賞(入球)が無いと判別した場合(S701:No)、或いは、第1入賞口(入球口)64への入賞(入球)があると判別した場合(S701:Yes)であっても特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満で無い(4である)と判別した場合は(S703:No)、S707の先読み処理へ移行する。
尚、本実施形態では、上述した通り、第1特別図柄の入賞情報(抽選を実行する権利)を、所定数(4)を上限に保留記憶可能に構成し、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶できないように構成しているが、第1特別図柄の入賞情報と、第2特別図柄の入賞情報とを、共に所定数を上限に保留記憶可能にする構成を用いても良い。この場合、図43を参照して上述した処理を第2特別図柄の入賞情報(第2入賞口(入球口)640)に対しても実行するように構成すればよい。
また、第1特別図柄、第2特別図柄の何れも入賞情報を保留記憶可能とする構成を用いる場合は、各特別図柄に対する入賞情報を保留記憶可能な上限数を統一(例えば、4)しても良いし、異なる値を上限数(例えば、第1特別図柄は4、第2特別図柄は2)として設定しても良い。さらに、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)と第2特別図柄の保留球数(保留記憶数)とを合算した値に対して保留記憶可能な上限数を設定するように構成しても良い。
次に、図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図43のS105参照)内の1処理である先読み処理(S707)について説明する。図44は、この先読み処理(S707)を示すフローチャートである。
この先読み処理(図44のS707)では、まず、第1入賞口(入球口)64に新たな入賞(入球)があるかどうかを判別する(S801)。判別の結果、第1入球口64に新たな入賞が無いと判別した場合は(S801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入賞口(入球口)64に新たな入賞があったと判別した場合は(S801:Yes)、特別図柄1乱数テーブル202a1、特図1大当たり種別選択テーブル202b1、及び変動パターンテーブル202d(通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S802)。
次いで、S802の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S803)、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、後述する入賞情報関連処理(図57参照)を実行し、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出の表示態様を設定すると共に、時短状態の進捗を事前に(仮に)更新させる処理を行う。そして、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図45は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図45のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S901)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合は(S901:Yes)、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中では無いと判別した場合は(S901:No)、次に、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)であるかを判別し(S902)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)では無いと判別した場合(S902:No)、即ち、現在が普通図柄の当たり中でも、普通図柄の変動中でも無い状態、つまり、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することが可能な状態であると判別した場合は、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタが格納されているかを判別する(S903)。
S903の処理において、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタが格納されていないと判別した場合、即ち、新たに実行すべき普通図柄の入賞情報が存在していないと判別した場合は(S903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタC4が格納されていると判別した場合は(S903:Yes)、格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S904)。
そして、S904の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄(第2)当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S905)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
次に、S905の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S906)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(S906:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S907)、S909の処理へ移行する。このS907の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
一方、S906の処理において、普通図柄の外れであると判別した場合には(S906:No)、外れ時の表示態様を設定し(S908)、S909の処理へ移行する。このS908の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S909の処理へ移行する。
S907又はS908の処理が終了すると、S909の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判別し(S909)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S909:Yes)、第2図柄表示装置83における普通図柄の変動時間を3秒間に設定し(S910)、次に普図短変動フラグ203qをオンに設定して(S911)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態では無い(通常状態である)と判別した場合は(S909:No)、第2図柄表示装置83における普通図柄の変動時間を30秒間に設定して(S912)、本処理を終了する。
なお、S911の処理でオンに設定された普図短変動フラグ202qは、普通図柄の抽選が実行されたタイミングにおける遊技状態が時短状態であるか否かを一時的に記憶するための構成であって、普通図柄の変動が停止表示され電動役物640aの開放動作を設定する際に参照されるものである。これにより、普通図柄の変動(抽選)開始タイミングと、電動役物640aの開放動作タイミングと、がどの遊技状態であるのかに応じて電動役物640aの開放動作内容を可変することができる。
本実施形態では、普通図柄の変動(抽選)開始(実行)タイミングにおける遊技状態を、専用のフラグを用いて一時的に記憶するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、現在設定されている遊技状態を常に記憶可能な遊技状態記憶手段に、普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に、その普通図柄の抽選が実行された際における遊技状態を一時的に記憶するための記憶領域を設けるように構成しても良い。さらに、通常状態が設定されている期間を常に記憶する手段を設け、その手段に記憶されている期間(通常状態が設定されている期間)と、普通図柄の抽選が行われたタイミングとを比較することにより、普通図柄の抽選が行われたタイミングにおける遊技状態を判別することができるように構成しても良い。つまり、現在設定されている遊技状態を記憶可能な記憶手段と、過去の所定タイミングにおいて設定されていた遊技状態を少なくとも記憶可能な記憶手段を設けた構成であれば良い。
一方、S902の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であると判別した場合は(S902:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S913)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S910の処理またはS911の処理によって予め設定された時間である。
S913の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S913:No)、本処理を終了する。一方、S913の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していると判別すると(S913:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S914)。S914の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S907の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S908の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。なお、第2図柄が停止表示される期間は、第2図柄が変動中であることを示す点滅表示(「○」と「×」との交互表示)における1つの箇所を点灯させる期間よりも長くなるように(確定表示する)構成している。これにより、遊技者に対して第2図柄が停止表示されたことを容易に把握させることができる。
S914の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図51参照)の第2図柄表示更新処理(図51のS1508)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S907処理またはS908の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
S914の処理を終えると、次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図45,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S915)。今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S915:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合は(S915:Yes)、次に、普図短変動フラグ203qがオンに設定されているかを判別する(S916)。
S916の処理において、普図短変動フラグ203qがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S916:No)、電動役物640aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S921)、S920の処理へ移行する。
一方、S916の処理において、普図短変動フラグ203qがオンに設定されていると判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S916:Yes)、普図短変動フラグ203qをオフに設定し(S917)、次いで、現在の遊技状態が時短状態(時短中)であるかを判別する(S918)。
S918の処理において、現在の遊技状態が時短状態でないと判別した場合は(S918:No)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態で、現在の遊技状態(電動役物640aの開放動作を設定するタイミング)が通常状態であるため、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S921)、S920の処理へ移行する。
一方、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S918:Yes)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミング、及び、現在の遊技状態(電動役物640aの開放動作を設定するタイミング)が共に時短状態であるため、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定(電動役物640aのロング開放動作を設定)し(S919)、S920の処理へ移行する。
以上説明をした通り、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が実行されるタイミングと、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの開放動作を設定するタイミングと、が共に時短状態である場合にのみ、電動役物640aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利となる開放動作が設定される条件を厳密に設定することができるため、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態で普通図柄の抽選(変動)が実行されて当たりに当選し、その普通図柄の変動時間(30秒)が終了するまでの間に時短状態が設定されたとしても、電動役物640aの動作としてロング開放が設定されることが無い。また、同様に時短状態が設定されている状態で実行された普通図柄の変動(抽選)において当たりに当選し、その普通図柄の変動が停止するまでの間に遊技状態として通常状態が設定された場合にも電動役物640aのロング開放が設定されることが無い。よって、遊技者に対して過剰に有利な特典(電動役物640aのロング開放)が提供されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技状態として通常状態が設定されている状態において電動役物640aがロング開放することを抑制することができるため、遊技者に有利な特別図柄(第2特別図柄)の抽選が実行され易い期間を時短状態中に制限することができる。なお、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物640aの開放動作を設定するタイミングと、における遊技状態を判別し、各タイミングにおいて設定される遊技状態に基づいて電動役物640aの開放動作内容を設定する構成として、上述した構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物640aの開放動作を設定するタイミングと、が共に通常状態である場合のみ遊技者に不利となる開放動作(図45のS921で設定される開放動作)を設定し(ショート開放を設定し)、それ以外の状態ではロング開放(図45のS919で設定される開放動作)が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されている前後の期間において実行される普通図柄変動に対しても遊技者に有利な特典(ロング開放)を提供することができるため、時短状態を遊技者により有利な状態をすることができる。
このように、遊技状態として時短状態が設定されている間は、通常状態が設定されている場合と比較して、普通図柄の変動時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では大当たり遊技が実行される場合には時短状態が終了するように構成しているため、大当たり遊技中は通常状態となる。一方、小当たり遊技が実行される場合には、時短終了条件が成立しない限り継続して時短状態が設定されるように構成しているため、時短状態が設定されている間に実行される小当たり遊技中は、小当たり遊技においてV入賞装置650が開放し、且つ、電動役物640aがロング開放する期間となり、複数の入賞口(V入賞口650a、第2入球口640)への球の入球が容易となる特定期間となる。
このような構成を用いて例えば、図2に示した遊技盤13の構成に代えて、V入賞装置650の情報に電動役物640a及び第2入球口640を配設し、小当たり遊技中に2つの入賞口(V入賞装置650a、第2入球口640)に球が入球するように構成すると良い、これにより、小当たり遊技中に獲得可能な賞球数を増加させることができ、遊技者により有利な特典を付与することが可能となる。
図45に戻り説明を続ける。S920の処理では、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S920)、本処理を終了する。S920の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図51参照)の電動役物開閉処理(S1506参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S921の処理またはS919の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。
次に、図46のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図46は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。
スルーゲート通過処理(図46,S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(S1001)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理(S101)にわたって検出する。なお、本検出の内容は、上述した始動入賞処理(図43参照)のS701の処理と同様であるため、その詳細な説明を省略する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判別する(S1001:Yes)、第2図柄表示装置83の表示態様が普通図柄変動中であるかを判別し(S1002)、第2図柄表示装置83の表示態様が普通図柄変動中であると判別した場合は(S1002:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1002の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が普通図柄変動中では無いと判別した場合は(S1002:No)、今現在が、普通図柄の当たり中であるかを判別する(S1003)。判別の結果、普通図柄の当たり中であると判別した場合は(S1003:Yes)、そのまま本処理を終了する。普通図柄の当たり中では無いと判別した場合は(S1003:No)、新たな普通図柄の変動(実行)を抽選可能なタイミングであるため、上述したタイマ割込処理(S101)のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、第2図柄保留球実行エリアに格納する(S1004)。その後、本処理を終了する。
次に、図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108)について説明する。図47は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S108)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S1101)。S1101の処理において、球通過センサ650c1がオンでないと判別された場合は(S1101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1101の処理において、球通過センサ650c1がオンであると判別された場合(S1101:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S1102)。
S1102の処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S1102:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1103)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図28参照)。
一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S1102:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S1104)。その後、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S1105)、本処理を終了する。
次に、図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109)について説明する。図48は、V通過処理(S109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S109)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行される処理である。
V通過処理では、まず、V通過フラグ203jがオンであるか否かを判別する(S1201)。S1201の処理において、V通過フラグ203jがオンであると判別された場合は(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S1201の処理において、V通過フラグ203jがオンでないと判別された場合は(S1201:No)、V通過ありか否かを判別する(S1202)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過したか否かを判別する。S1202の処理において、V通過なしと判別された場合は(S1202:No)、そのまま本処理を終了する。
S1202の処理において、V通過ありと判別された場合は(S1202:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S1203)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S1203:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203hに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S1204)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203iをオンに設定する(S1205)。そして、V通過コマンドを設定する(S1206)。
次いで、V通過フラグ203jをオンに設定し(S1207)する。その後、時短中カウンタ203kを0に設定して(S1208)、本処理を終了する。
一方、S1203の処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S1203:No)、エラーコマンドを設定し(S1209)、本処理を終了する。V通過有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S1209の処理においてエラーコマンドが設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
図49は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1301)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するものである。
次に、図50を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図50は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S1401)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1402)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1403)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図8参照)がオンされているか否かを判別し(S1404)、オンされていれば(S1404:Yes)、処理をS1415へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1404:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1405)、記憶されていなければ(S1405:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1415へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1405:Yes)、RAM判定値を算出し(S1406)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1407:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1415へ移行する。なお、図51のS1515の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1415の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1415)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1416,S1417)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1416,S1417)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1416,S1417)を実行する。RAMの初期化処理(S1416,S1417)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1416)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1417)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1410の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1404:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1405:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1407:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1408)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1409)、S1410の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1410の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、時短中カウンタ203kの値を読み出し(S1411)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定する(S1412)。そして、流路ソレノイド209aをオフに設定する(S1413)。その後、割込みを許可して(S1414)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図51を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図51は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1501~S1508の各処理が実行され、その残余時間でS1511,S1512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図51参照)においては、まず、タイマ割込処理(図37参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1501)。具体的には、タイマ割込処理(図37参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図39参照)や始動入賞処理(図43参照)で設定された特図1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S1501)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図52,S1504)で設定されたオープニングコマンド(S1602)、ラウンド数コマンド(S1607)、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S1611)。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1502)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新(S1502)が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1503)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1504)。大当たり制御処理(S1504)では、大当たり状態のラウンド毎に対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。この対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1504)をメイン処理(図51参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図37参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S1505)。小当たり制御処理(S1505)では、開放シナリオに基づいて対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。尚、本実施形態では、小当たり制御処理(S1505)をメイン処理(図51参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図37参照)において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1506)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図45参照)のS920の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS919の処理またはS921の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1507)。第1図柄表示更新処理(S1507)では、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS306、S310またはS312の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理(図51参照)は4m秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S1507)では、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS306、S310またはS312の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS305、S309またはS311の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1508)。第2図柄表示更新処理(S1508)では、普通図柄変動処理(図45参照)のS910の処理またはS911の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1508)では、普通図柄変動処理(図45参照)のS914の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図45参照)のS907の処理またはS908の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1509)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1509:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1510)、既に所定時間が経過していれば(S1510:Yes)、処理をS1501へ移行し、上述したS1501以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1510:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1511,S1512)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1511)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、各カウンタ値が最大値(本実施形態では999、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1502の処理と同一の方法によって実行する(S1512)。
ここで、S1501~S1508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより(S1511)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1509の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1509:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図49のNMI割込処理が実行されたということなので、S1513以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1513)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1514)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1515)、RAM203のアクセスを禁止して(S1516)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1509の処理は、S1501~S1508で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1511とS1512の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1501の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1501の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1401)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1501の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図52のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1504)を説明する。図52は、この大当たり制御処理(S1504)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1504)は、メイン処理(図51参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図52,S1504)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S1601)。具体的には、大当たり開始フラグ203cの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203cは、特別図柄変動処理(図38参照)のS215の処理により大当たりの開始を設定した場合に、オンに設定される(S216)。S1601の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203cがオンであると判別した場合)は(S1601:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1602)、次いで、大当たり開始フラグ203cをオフに設定して(S1603)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングでは無い(大当たり開始フラグ203cがオフに設定されている)と判別した場合には(S1601:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S1604)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203dがオンに設定されている期間が該当する。S1604の処理において、特別図柄の大当たり中では無い(大当たり中フラグ203dがオフである)と判別した場合(S1604:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S1604の処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203dがオンに設定されている)と判別した場合には(S1604:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S1605~S1612)が実行される。
S1604の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S1604:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1605)。このS1605の処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される開放シナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1605:Yes)、開放シナリオテーブル202gに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1606)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1607)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
なお、詳細な説明は省略するが、大当たりが継続して(例えば、複数の大当たり遊技が実行される間の特別図柄変動回数(抽選回数)が50回未満の場合や、大当たり遊技中を挟んで時短状態が繰り返し設定されている期間中に)実行される場合には、音声ランプ制御装置113側にて継続して実行される大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される状態コマンドや変動パターンコマンドに基づいて大当たりが継続して実行されていると判別する期間(連チャン期間)を設定する期間設定手段と、その期間設定手段によって設定された期間中に新たな大当たり遊技が実行された場合に、前に実行された大当たり遊技におけるラウンド遊技数(ラウンド数)に新たな大当たり遊技のラウンド遊技数(ラウンド数)を加算するラウンド数累積手段と、そのラウンド数累積手段により累積されたラウンド累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114に送信し、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81に表示するラウンド累積数表示制御手段と、を有している。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1605:No)、次に、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S1608)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1608の処理において、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1608:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S1608:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1610)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンド(今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。なお、このエンディング演出の開始タイミングおよび後述する終了タイミングについても、大当たりに当選した際に設定される開放シナリオ(図38のS214参照)に基づいて判別するように構成している。
S1610の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1610:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1611)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1610の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1610:No)、S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1612)。S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1612:No)、本処理を終了する。
S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、次に、実行中の大当たり種別が大当たりA~大当たりDの何れであるかを判別する(S1613)。このS1613の処理では設定される大当たり種別を一時的に格納する格納エリア(図示しない)に格納されている大当たり種別が読み出される。
次に、読み出した大当たり種別に基づいて、時短付与テーブル202eを用いて対応する時短終了条件を設定する(S1614)。具体的には、大当たり種別が大当たりA(15R時短有大当たり)または大当たりB(5R時短有り大当たり)の場合は、時短中カウンタ203kに100を、小当たりAカウンタ203mに1を、小当たりBカウンタ203nに3を、小当たりCカウンタpに5を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりD(15R時短有大当たり)の場合は、時短中カウンタ203kに100を、小当たりAカウンタ203mに2を、小当たりBカウンタ203nに10を、小当たりCカウンタpに50を、それぞれ設定する。
なお、大当たり種別が大当たりC(5R時短無大当たり)の場合は、大当たり終了後に時短状態が設定されない大当たり種別であるため、時短中カウンタ203k、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタp、のそれぞれに値(時短終了条件)が設定されない用に構成している。上述したS1614の処理を終えると、次に、S1614の処理にて設定した時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応した情報を示すための時短設定情報コマンドを設定する(S1615)。
ここで設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、時短情報更新エリア223gおよび仮時短情報更新エリア223iに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する(図60のS2603参照)。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)に基づいて更新される時短状態の更新情報に基づいて、時短状態の残回数(残条件)を判別し、その残回数に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。
S1615の処理を終えると、次に、大当たり後に設定される遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1616)、大当たりの終了を設定し(S1617)、大当たり中フラグ203dをオフに設定し(S1618)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定することができるように構成している。さらに、本実施形態では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に比べて、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合のほうが、時短状態の終了条件(時短終了条件)として成立し難い時短終了条件が設定されるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定されている間の右打ち遊技中に、2種当たりでは無く1種当たりに当選した際の付加価値を遊技者に提供することができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)では、同一の時短終了条件が設定されるように構成しているが、それに限ること無く、例えば、大当たり種別が大当たりAの場合のほうが成立し難い時短終了条件を設定するように構成しても良い。また、複数の時短終了条件の一部を大当たりAのほうが成立し易くし、他を大当たりBの方が成立し易くなるように設定しても良い。
さらに、図21(d)に示した通り、本実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に関する変動回数終了条件(時短中カウンタ203kの値に基づいた終了条件)と、特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数に関する当選回数終了条件(各小当たりカウンタの値に基づいた終了条件)と、を設定するように構成している。
加えて、当選回数終了条件として、小当たり当選時に設定される複数の小当たり種別に対応させた終了条件を設定するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達するまでの間に、どの小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行され、あとどれくらいで時短状態が終了するのかを分かり難くすることができる。
なお、本実施形態では、変動回数終了条件として特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の変動回数「100回」のみを設定するように構成しているが、大当たり種別に応じて異なる変動回数終了条件を設定しても良い。また、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数のみを計測する第1特別図柄変動計測手段を設け、その第1特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第1特別図柄変動終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみを計測する第2特別図柄変動計測手段を設け、その第2特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第2特別図柄変動終了条件を設けても良い。
さらに、本実施形態では、当選回数終了条件として各小当たり種別に対応させたカウンタ(小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203p)の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、単に小当たりに当選した回数を合算した値に基づいて成立する時短終了条件を設定しても良いし、複数(3以上)の小当たり種別のうち、所定数(2つ)の小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された回数を合算して計測する手段を設け、その手段の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、小当たり当選時に設定され得る小当たり種別の全てに対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ることなく、小当たり当選時に何回設定されたとしても時短終了条件が成立し得ない小当たり種別として小当たり種別Zを設定可能に構成しても良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選したことを遊技者が把握したとしても、今回の小当たりによって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
加えて、上述した小当たり種別Zを設ける場合には、当選回数終了条件が設定されている小当たり遊技と同一内容の小当たり遊技を実行するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の遊技内容を識別したとしても、今回の小当たり遊技によって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
このように、小当たりに当選したことを判別したり、或いは、小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技の遊技内容を判別したりすることで、つまり、パチンコ機10の遊技内容を判別することで、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を把握困難とすることにより、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を示唆(報知)する演出に対して、遊技者に強い興味を持たせることができる。なお、本実施形態において第3図柄表示装置81で実行される演出の制御内容については、後述する音声ランプ制御装置113の制御処理説明の中で詳細に説明をする。
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1505)を説明する。図53は、この小当たり制御処理(S1505)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1505)は、メイン処理(図51参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理(図53,S1505)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S1701)。具体的には、小当たり開始設定処理(図40参照)のS404の処理により小当たり開始フラグ203fがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S1701の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S1701:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1702)。そして、小当たり開始フラグ203fをオフに設定して(S1703)、本処理を終了する。
一方、S1701の処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S1701:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S1704)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1704の判別は小当たり中フラグ303gがオンに設定されているかを解析することで判別する。S1704の処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S1704:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1704の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S1704:Yes)、S1705の処理を実行する。S1705の処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S1705)。S1705の処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S1705:Yes)、開放シナリオテーブル202gに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1706)、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであるかを判別する(S1707)。
S1707の処理において、今回が5回目又は10回目の開放タイミングでは無いと判別した場合は(S1707:No)、本処理を終了する。一方、S1707の処理で今回が5回目又は10回目の開放タイミングであると判別した場合は(S1707:Yes)、次に、S1708の処理において、Vフラグ203iがオンに設定されているかを判別し(S1708)、オンではない(オフである)と判別した場合には(S1708:No)、小当たり種別格納エリア203eに格納されている小当たり種別を読み出し(S1709)、次いで、読み出した小当たり種別に対応する指示コマンドを設定する(S1710)。
S1710の処理において設定される指示コマンドとしては、例えば、小当たり種別として小当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い小当たり(例えば、小当たりA)と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い小当たり(例えば、小当たりB、C)と、によって第3図柄表示装置81に表示する表示態様を異ならせるための指示コマンドが設定される。
具体的には、小当たり遊技中に2種当たりし易い小当たりAが小当たり種別として設定される場合には、遊技者に対して強制的に右打ち遊技を実行させるための表示態様(図16(a)参照)が設定され、その後、球が特定領域を通過した場合には無事2種当たりを獲得したことを示す表示態様(図16(b)参照)が表示されるように構成している。このように、実行される小当たり遊技における特定領域に球を通過させるための期待度に応じて、指示コマンドが設定された場合の内容を異ならせることで、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。
図53に戻り、説明を続ける。S1711の処理において、現在がV入賞口650aの閉鎖タイミングでは無いと判別した場合には(S1711:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1713)。S1713の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1713:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1714)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1713の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1713:No)、S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1715)。S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1715:No)、本処理を終了する。
S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1715:Yes)、Vフラグ203iがオンに設定されているかを判別し(S1716)、オンに設定されていると判別した場合は(S1716:Yes)、Vフラグ203iの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し(S1717)、大当たり開始フラグ203c、大当たり中フラグ203dをオンに設定し(S1718)、Vフラグ203iをオフに設定し(S1719)、V通過フラグ203jをオフに設定し(S1720)、小当たり中フラグ203gをオフに設定し(S171721)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図54から図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図54を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図54は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2061)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、電源断処理(図55のS2118)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2061)。図55を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図55のS2115:Yes)、S2118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2062の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2062:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2063)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2066の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2063:Yes)、S2064へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2063:No)、S2068へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2063:Yes)、S2064へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2063:No)、S2068へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2062:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2064へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2064の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2064)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2065:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2066)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2065:No)、RAM223の異常を報知して(S2067)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、ランプ表示装置227により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2068の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2068)。電源断フラグはS2118の電源断処理の実行時にオンされる(図55のS2117参照)。つまり、電源断フラグは、S2118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2068の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2068:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2069)、RAM223の初期値を設定した後(S2070)、割込み許可を設定して(S2071)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2068の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2064からS2066の処理を経由してS2068の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2068:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2069をスキップして、処理をS2070へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2070)、割込み許可を設定して(S2071)、メイン処理へ移行する。
なお、S2069のクリア処理をスキップするのは、S2064からS2068の処理を経由してS2068の処理へ至った場合には、S2064の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図55を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図55は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102~S2112の処理を行わずにS2113の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102~S2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2113のコマンド判定処理や、S2114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103~S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、ランプ表示装置227の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22,23(以下、枠ボタン22と称す)が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理(S2110)の後に、各種カウンタ更新処理(S2111)が実行される。この各種カウンタ更新処理は、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた演出カウンタ223eが有する複数のカウンタの値を更新するための処理である。つまり、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ミリ秒毎に各カウンタの値が更新される。ここで、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する複数のカウンタの更新方法について説明をする。
本実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様を設定する際に、複数のカウンタの値を参照するように構成している。このような構成において、例えば、各種カウンタ更新処理(S2111)が実行される毎に全てのカウンタの値を1更新する構成、即ち、各カウンタの更新方法を統一してしまうと、各カウンタの更新具合が同期してしまい、設定される演出態様にランダム性を持たせることが出来なくなるという不具合が生じることから、各カウンタの更新される値が同期しないように構成されている。
各種カウンタ更新処理(S2111)を終えると、次に、演出更新処理(S2112)を実行する。この演出更新処理(S2112)は、現在実行されている演出(既に設定されている変動表示)の内容を演出実行中に可変させるための処理を行うためのものである。
演出更新処理(S2112)の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2113)。このコマンド判定処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次に、S2114の処理へ移行する。S2114の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図62を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理(S2114)を終えると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2117)、電源断処理を実行する(S2118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2116)、RAM223が破壊されていなければ(S2116:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図56を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2113)について説明する。図56は、このコマンド判定処理(S2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図55参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(図56のS2113)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S2202)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2203)、その他コマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図62参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S2205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2206)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図62参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2207)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(S2208)。また、S2208の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S2208の処理の終了後は、上述したS2217の処理を実行し、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入球(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2208の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。尚、S2208の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2207の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2207:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2209)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)入賞情報関連処理を実行する(S2210)。次に、上述したS2117の処理を実行し、メイン処理に戻る。
ここで、入賞情報関連処理(S2210)の内容について、図57を参照して説明をする。図57は、入賞情報関連処理(S2210)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S2210)は、今回受信した入賞情報コマンドに含まれている入賞情報(変動種別)と、現在の遊技状況に基づいて、仮当たり演出を実行するか否かの判定を行うための処理が実行される。
入賞情報関連処理(S2210)が実行されると、まず、RAM223に設けられている遊技状態格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2301)。そして、S2301の処理で読み出した遊技状態は時短中であるかを判別し(S2302)、時短中であると判別した場合には(S2302:Yes)、次に、仮当たり判定フラグ223hがオンであるか判別する(S2303)。S2303の処理において、仮当たり判定フラグ223hがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2303:No)、S2304の処理へ移行し、仮時短終了フラグ223jはオンであるかを判別する(S2304)。S2304の処理において、仮時短終了フラグ223jがオンではない(オフである)と判別した場合には(S2304:No)、S2305の処理に移行し、今回、主制御装置110より受信した入賞情報に当たり情報があるか判別する(S2305)。
一方、上述したS2303の処理において、仮当たり判定フラグ223hはオンであると判別した場合(S2303:Yes)、或いは、S2304の処理において仮時短終了フラグ223jがオンであると判別した場合(S2304:Yes)は、仮当たり演出を実行するか否かの判定処理をスキップして後述するS2311の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、入賞情報関連処理(S2211)において、読み出した遊技状態が時短中である場合にのみ仮当たり演出を実行可能に構成している。よって、時短中である場合にのみ仮当たり演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
また、仮当たり判定フラグ223hがオンである場合、即ち、既に仮当たり演出を実行している場合は、新たな仮当たり演出が設定されないように構成しているため、実行中の仮当たり演出を最後まで遊技者に提供することができる。
次に、仮当たり演出を設定するための処理(S2305~S2311)について説明をする。S2305の処理では、今回、主制御装置110より受信した入賞情報に当たり情報があるか判別する(S2305)。受信した入賞情報が当たりであると判別した場合には(S2305:Yes)、仮当たり判定フラグ223hをオンに設定し(S2306)、仮時短情報更新エリア223iの情報を更新する(S2307)。一方、受信した入賞情報が当たり情報ではないと判別した場合には(S2305:No)、S2306の処理をスキップし、S2307の処理に移行する。
次に、S2307の処理で更新した情報は時短終了条件か判別する(S2308)。時短終了条件であると判別した場合には(S2308:Yes)、仮時短終了フラグ223jをオンに設定する(S2309)。一方、時短の終了条件ではないと判別した場合には(S2308:No)、S2309の処理をスキップし、後述するS2310の処理に移行する。次に、仮時短情報更新エリア223iの情報に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2311)、受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S2311)、本処理を終了する。一方、S2302の処理において、読み出した遊技状態が時短中ではないと判別された場合(S2302:No)、今回受信した入賞情報に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2312)、上述したS2311の処理を実行し、本処理を終了する。
図56に戻り説明を続ける。S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S2209:No)、主制御装置110より当たり関連のコマンドを受信したか判別する(S2211)。当たり関連のコマンドを受信した場合には(S22111:Yes)、当たり関連処理(S2212)を実行し、上述したS2217の処理を実行し、メイン処理に戻る。
ここで、当たり関連処理(S2212)の内容について、図58を参照して説明する。図58は、当たり関連処理(S2212)の内容を示したフローチャートである。当たり関連処理(S2212)は、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は小当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
当たり関連処理(図58のS2212)では、まず、コマンド判定処理(S2113)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2401)。大当たり開始コマンドを受信した場合には(S2401:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S2402)、仮当たり判定フラグ223hをオフに設定し(S2403)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図56参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S2401の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2401:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2404)。ラウンド数コマンドを受信した場合には(S2404:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2405)、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S2404の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2404:No)、大当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2406)。大当たり終了コマンドを受信した場合には(S2406:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S2407)、大当たり終了時処理(S2408)を実行する。大当たり終了時処理(S2408)の詳細については、図59を参照して後述する。
一方、S2406の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2406:No)、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2409)。小当たり開始コマンドを受信した場合には(S2409:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S2410)、本処理を終了する。一方、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2409:No)、小当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2411)。小当たり終了コマンドを受信した場合には(S2411:Yes)、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S2412)、本処理を終了する。
一方、S2411の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2411:No)、V入口通過コマンドを受信したか判別する(S2413)。V入口通過コマンドを受信した場合には(S2413:Yes)、表示用V入口通過コマンドを設定し(S2414)、本処理を終了する。一方、S2413の処理において、V入口通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S2413:No)、V通過コマンドを受信したか判別する(S2415)。V通過コマンドを受信した場合には(S2415:Yes)、V入賞装置650のVスイッチ650e3への入球に基づく演出を示すための表示用V演出コマンドを設定し(S2416)、本処理を終了する。一方、S2415の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S2415:No)、指示コマンドを受信したかどうか判別する(S2417)。指示コマンドを受信した場合には(S2417:Yes)、表示用指示コマンドを設定し(S2418)、本処理を終了する。一方、S2417の処理において、指示コマンドを受信していないと判別した場合には(S2417:No)、そのまま本処理を終了する。
本実施形態では小当たり遊技中にV入賞装置650の開閉扉650f1を12回開放させる小当たり遊技を実行するように構成しており、且つ、5回目或いは10回目の開放タイミングにおいて、Vスイッチ650e3が球を検知していない場合に指示コマンドを出力するように構成している(図54のS1609参照)。この指示コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄表示装置81に、V入賞装置650に球を入賞させることを強調して案内する強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるための表示用指示コマンドを設定する。
そして、強調案内表示態様が表示されている状態でVスイッチ650e3が球を検知すると、図16(b)に示した通り、遊技者を祝福するための達成表示態様を表示させるための表示用達成コマンドを設定する。つまり、本実施形態では小当たり遊技が実行されV入賞装置650の開放動作が実行された状態であれば、右打ち遊技を行うことで確実に球がV入賞装置650に入賞するように構成されており、且つ、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球は、Vスイッチ650e3が設けられている特別排出流路650e2へと流下するように構成している。このように構成されているにも関わらず、開閉扉650f1の5回目の開放タイミングにおいてVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、小当たり遊技が開始された場合に第3図柄表示装置81の案内表示領域Dm2(図10(a)参照)に右打ちを案内する表示に気付かずに、左打ち遊技を実行している。或いは、遊技を止めていることが考えられる。
このような場合において、案内表示領域Dm2に表示される右打ちを案内する表示をより強調した表示に可変することで、遊技者に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。さらに、強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるタイミングとして、第3図柄表示装置81に強調案内表示態様が表示されてから右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技で発射された球が小当たり遊技中にV入賞装置650に到達するタイミングとしている。よって、強調案内表示態様の表示に従って右打ち遊技を実行した遊技者が小当たり遊技中に特別排出流路650e2に球を流下させられない事態を抑制することができる。
ここで、当たり関連処理(S2212)内の一処理である大当たり終了時処理(S2408)について、図59を参照して説明する。図59は、大当たり終了時処理(S2408)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了時処理(図59のS2408)では、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2501)。次に、S2501の処理で読み出した情報が、時短状態であるか判別する(S2502)。読み出した情報が時短状態であると判別した場合には(S2502:Yes)、入賞情報格納エリア223aに格納されている全ての情報の読み出しを実行する(S2503)。一方、S2502の処理において、読み出した情報が、時短状態ではないと判別した場合には(S2502:No)、そのまま本処理を終了する。
S2503の処理を実行した後、次に、S2503の処理において、読み出した情報に当たり情報があるか判別する(S2504)。当たり情報があると判別した場合(S2504:Yes)、表示用連チャンコマンドを設定する(S2505)。次に、仮当たり判定フラグ223hをオンに設定し(S2506)、表示用状態表示コマンドを設定し(S2507)、本処理を終了する。一方、S2504の処理において、読み出した状態に当たり情報がないと判別した場合には(S2504:No)、読み出した状態に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2508)、本処理を終了する。
図56に戻り説明を続ける。S2211の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S2211:No)、次に、停止コマンドを受信したかを判別する(S2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合は(S2213:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S2214)、本処理を終了する。一方、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S2213:No)、時短関連のコマンドを受信したか判別する(S2215)。時短関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S2215:Yes)、時短更新処理(S2216)を実行し、本処理を終了する。時短更新処理(S2216)の詳細については、図60を参照して後述する。一方、S2215の処理において、時短関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S2215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、本処理を終了する。
次に、コマンド判定処理(S2113)内の一処理である時短更新処理(S2216)の内容について、図60を参照して説明をする。図60は、時短更新処理(S2216)の内容を示したフローチャートである。
時短更新処理(S2216)では、まず、今回受信した時短関連情報を解析する(S2601)。次に、S2601の処理において、解析した時短関連情報は、時短設定情報であるか判別する(S2602)。時短関連情報は、時短設定情報であると判別した場合には(S2602:Yes)、時短情報更新エリア223g及び仮時短情報更新エリア223iに時短情報を設定し(S2603)、本処理を終了する。
一方、S2602の処理において、時短関連情報は時短設定情報ではないと判別した場合には(S2602:No)、時短関連情報は変動情報か判別する(S2604)。時短関連情報は変動情報であると判別した場合には(S2604:Yes)、時短情報更新エリア223gの情報を更新する(S2605)。次に、更新後の情報を解析し(S2606)、RAM223に設けられている時短下限フラグ223kはオンであるか判別する(S2607)。時短下限フラグ223kがオフであると判別した場合には(S2607:No)、残時短回数は30回よりも少ないか判別する(S2608)。残時短回数は30回よりも少ないと判別した場合には(S2608:Yes)、時短下限フラグ223kをオンに設定する(S2609)。一方、S2608の処理において残時短回数は30回よりも多いと判別した場合には(S2608:No)、本処理を終了する。尚、S2607の処理において、時短下限フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2607:Yes)、S2608~S2609の処理をスキップして、後述するS2610の処理に移行する。
次に、残時短回数は1回か判別する(S2610)。残時短回数が1回であると判別した場合には(S2610:Yes)、時短終了前変動フラグ223nをオンに設定し(S2611)、本処理を終了する。一方、S2610の処理において、残時短回数は1回ではないと判別した場合には(S2610:No)、残時短回数は0回であるか判別する(S2612)。残時短回数は0回であると判別した場合には(S2612:Yes)、時短下限フラグ223kをオフに設定し(S2613)、時短終了前変動フラグ223nをオフに設定する(S2614)。次に、仮時短終了フラグ223jをオフに設定し(S2615)、本処理を終了する。一方、S2612の処理において、残時短回数は0回ではないと判別した場合には(S2612:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2604の処理において、時短関連情報は変動情報ではないと判別された場合には(S2604:No)、時短関連情報は小当たり情報かどうか判別する(S2616)。時短関連情報は小当たり情報であると判別した場合には(S2616:Yes)、小当たり関連更新処理(S2617)を実行し、本処理を終了する。一方、S2616の処理において、時短関連情報は小当たり情報ではないと判別した場合には(S2616:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、図61を参照して、小当たり関連更新処理(S2617)について説明する。図61は、小当たり関連更新処理(S2617)の内容を示したフローチャートである。
小当たり関連更新処理(図61のS2617)では、まず、時短情報更新エリア223gの情報を更新する(S2701)。次に、更新後の情報を解析し(S2702)、準終了条件フラグ223mはオンであるか判別する(S2703)。準終了条件フラグ223mがオフであると判別した場合には(S2703:No)、準終了条件は成立しているか判別する(S2704)。終了条件が成立していると判別した場合には(S2704:Yes)、準終了条件フラグ223mをオンに設定し(S2705)、本処理を終了する。
一方、S2703の処理において、準終了条件フラグ223mがオンであると判別した場合(S2703:Yes)、或いは、S2704の処理において、準終了条件は成立していないと判別した場合には(S2704:No)、終了条件が成立したか判別する(S2706)。終了条件が成立したと判別した場合には(S2706:Yes)、準終了条件フラグ223mをオフに設定し(S2707)、次に、時短下限フラグ223kをオフに設定する(S2708)。次に、時短終了前変動フラグ223nをオフに設定し(S2709)、仮時短終了フラグ223jをオフに設定し(S2710)、本処理を終了する。一方、S2706の処理において、終了条件が成立していないと判別した場合には(S2706:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114)について説明する。図62は、この変動表示設定処理(S2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図55参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(図62のS2114)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンかを判別する(S2801)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S2801:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2807の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別した場合(S2801:Yes)、変動開始フラグ223cをオフに設定し(S2802)、次いで、コマンド判定処理(図56参照)のS2203の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2803)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を設定するための演出設定処理を実行し(S2804)、その後、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別および、演出設定処理にて設定した状態表示態様に基づいて生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2805)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。S2805の処理を終えると、入賞情報格納エリア223aのデータをシフトし(S2806)、S2807の処理へ移行する。
ここで、S2804の処理において実行される演出設定処理(S2804)の内容について、図63を参照して説明をする。図63は、演出設定処理(S2804)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理(S2804)は、入賞情報関連処理(図57のS2210参照)、仮当たり演出が設定された場合に、今回の変動表示設定処理(図62のS2114)にて設定される変動パターンの仮当たり演出を設定するための処理である。
演出設定処理(S2804)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2901)。次に、S2901の処理において、読み出した情報は時短状態か判別する(S2902)。読み出した情報が時短状態ではないと判別した場合には(S2902:No)、本処理を終了する。一方、読み出した情報が時短状態であると判別した場合には(S2902:Yes)、仮当たり判定フラグ223hはオンであるか判別する(S2903)。仮当たり判定フラグ223hがオンであると判別した場合には(S2903:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Z2903の処理において、仮当たり判定フラグ223hがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2903:No)、時短情報更新エリア223gの情報の読み出しを実行する(S2904)。次に、時短終了前変動フラグ223nはオンであるか判別する(S2905)。時短終了前変動フラグ223nがオフであると判別した場合には(S2905:No)、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223mの設定、当否判定結果、状態演出カウンタ223oの値に基づいて、ROM222に設けられている状態表示選択テーブル222bを用いて、状態表示態様を選択する(S2906)。次に、選択した状態表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S2908)、本処理を終了する。
一方、S2905の処理において、時短終了前変動フラグ223nがオンであると判別した場合には(S2905:Yes)、当否判定結果、状態演出カウンタ223oの値に基づいて、ROM222に設けられている最終状態表示選択テーブルを用いて、状態表示態様を選択する(S2907)。次に、上述したS2908の処理を実行し、本処理を終了する。
図62に戻り説明を続ける。S2801の処理において、変動開始フラグ223cがオフであると判別した場合(S2801:No)、或いは、上述したS2806の処理を実行した後、停止種別選択フラグ223dはオンであるか判別する(S2807)。停止種別選択フラグ223dがオンであると判別した場合には(S2807:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S2808)、抽出した停止種別コマンドを取得する(S2809)。次に、抽出した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S2810)、本処理を終了する。一方、S2807の処理において、停止種別選択フラグ223dはオフであると判別した場合には(S2807:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1制御処理例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図64から図81を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図64を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図64は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S4001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図65を参照して、ブート処理(S4001)について説明する。図65は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S4001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S4101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S4102)。これにより、MPU231は、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S4102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S4102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S4103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S4104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図64のS4001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図64のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S4105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S4001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化させた複雑な演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図65に示すブート処理では、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S4102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S4103~S4105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S4101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S4101及びS4102の処理を含めて複数回繰り返した後、S4103~S4105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S4101及びS4102の処理を行わずに、S4103~S4105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図64の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S4002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S4003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S4003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S4004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S4004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S4005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図79(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図79(a)のS6302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図66(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図66(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図66(b)のS4309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S4005の処理の後、割込許可を設定し(S4006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S4006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図66(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図66(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図66(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図66(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図36参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図66(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4302)を実行し、次いで、表示設定処理(S4303)を実行する。
コマンド判定処理(S4302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図67~図75を参照して後述する。
表示設定処理(S4303)では、コマンド判定処理(S4302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図76~図78を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4304)。このタスク処理では、表示設定処理(S4303)もしくは簡易表示設定処理(S4309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、各種演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4306)。この描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示とから、図38に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図81を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4307)。そして、V割込処理を終了する。S4307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA~D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S4301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図32参照)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4309)を実行して、S4304の処理へ移行する。
次いで、図67~図75を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4302)の詳細について説明する。まず、図67は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図67に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4401)、未処理の新規コマンドがなければ(S4401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S4404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4405)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図68(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S4405)の詳細について説明する。図68(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S4501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4502)。そして、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4503)、ポインタ233fを0に初期化する(S4504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S4504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S4503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図81の説明に戻る。S4404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S4406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4407)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図68(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S4407)の詳細について説明する。図68(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図66(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4603によって設定された停止図柄判別フラグからS4602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図67の説明に戻る。S4406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S4408)、背面画像変更コマンドがあれば(S4408:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S4409)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図69(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S4409)の詳細について説明する。図69(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S6303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4701)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面Bである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図67の説明に戻る。S4408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S4408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4410)、エラーコマンドがあれば(S4410:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4411)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図69(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4411)の詳細について説明する。図69(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4802に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図67の説明に戻る。S4410の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S4412)、当たり関連コマンドがあれば(S4412:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行して(S4413)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図70を参照して、当たり関連コマンド処理(S4413)の詳細について説明する。図70は、当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
当たり関連コマンド処理(図70,S4413)では、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S4901)。S4901の処理において表示用当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S4901:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行し(S4902)、S4903の処理へ移行する。
ここで、図71(a)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S4902)の詳細について説明する。図71(a)は、大当たり開始コマンド処理(S4902)を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理(S4902)は、当たり関連コマンド処理(図70)において、表示用大当たり開始コマンドがあると判別された場合に実行される処理であり、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり開始コマンド処理(S4902)では、まず、コマンドに対応した(例えば、大当たり種別に対応した)大当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5001)。次いで、大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5002)。その後、大当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5003)、ポインタ233fを初期化し(S5004)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5005)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4901の処理において、表示用大当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S4901:No)、S4903の処理へ移行する。S4901またはS4902の処理を終えると、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S4903)。S4903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別された場合は、ラウンド数コマンド処理を実行し(S4904)、S4905の処理へ移行する。
ここで図71(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S4904)の詳細について説明する。図71(b)は、ラウンド数コマンド処理(S4904)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S4904)は、当たり関連コマンド処理(図70)において、表示用ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技中のラウンド数が更新される際の演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
ラウンド数コマンド処理(S4904)では、まず、コマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5102)、ラウンド数表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5103)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5104)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5105)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4903の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別された場合は(S4903:No)、S4905の処理へ移行する。S4903またはS4904の処理を終えると、表示用大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S4905)。S4905の処理において、表示用大当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S4905:Yes)、大当たり終了コマンド処理を実行し(S4906)、S4907の処理へ移行する。
ここで図72(a)を参照して、大当たり終了コマンド処理(S4906)の詳細について説明する。図72(a)は、大当たり終了コマンド処理(S4906)を示すフローチャートである。この大当たり終了コマンド処理(S4906)は、当たり関連コマンド判定処理(図70)において大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり終了コマンド処理(S4906)では、まず、コマンドに対応した大当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5201)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして(S5202)、大当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5203)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5204)、デモ表示フラグと確定表示フラグをオフに設定して(S5205)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4905の処理において、表示用大当たり終了コマンドが無いと判別された場合は(S4905:No)、S4907の処理へ移行する。S4905またはS4906の処理を終えると、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S4907)。S4907の処理において、表示用小当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S4907:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行し(S4908)、S4909の処理へ移行する。
ここで図72(b)を参照して、小当たり開始コマンド処理(S4908)の詳細について説明する。この小当たり開始コマンド処理(S4908)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であり、小当たり遊技の開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり開始コマンド処理(S4908)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5301)。次いで、小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルバッファを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5302)。その後、小当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5303)、ポインタ233fを初期化し(S5304)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5305)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4907の処理において、表示用小当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S4907:No)、S4909の処理へ移行する。S4907またはS4908の処理を終えると、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別する(S4909)。S4909の処理において、小当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S4909:Yes)、小当たり終了コマンド処理を実行し(S4910)、S4911の処理へ移行する。
ここで図73(a)を参照して、小当たり終了コマンド処理(S4910)の詳細について説明する。この小当たり終了コマンド処理(S4910)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり終了コマンド処理(S4910)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5401)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5402)、小当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5403)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5404)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5405)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4909の処理において、表示用小当たり終了コマンドが無いと判別された場合は(S4909:No)、S4911の処理へ移行する。S4909またはS4910の処理を終えると、表示用V入口通過コマンドがあるか否かを判別する(S4911)。S4911の処理において、V入口通過コマンドがあると判別された場合は(S4911:Yes)、V入口通過コマンド処理を実行し(S4912)、S4913の処理へ移行する。
ここで図73(b)を参照して、V入口通過コマンド処理(S4912)の詳細について説明する。このV入口通過コマンド処理(S4912)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、V入口通過コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を遊技球が通過したことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V入口通過コマンド処理(S4912)では、まず、受信したコマンドに対応したV入口通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5502)、V入口通過表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5503)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5504)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5505)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4911の処理において、表示用V入口通過コマンドが無いと判別された場合は(S4911:No)、S4913の処理へ移行する。S4911またはS4912の処理を終えると、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別する(S4913)。S4913の処理において、V演出コマンドがあると判別された場合は(S4913:Yes)、V演出コマンド処理を実行し(S4914)、S4915の処理へ移行する。
ここで図74(a)を参照して、V演出コマンド処理(S4914)の詳細について説明する。このV演出コマンド処理(S4914)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技が付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V演出コマンド処理(S4914)では、まず、受信したコマンドに対応したV演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5602)、V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5603)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5604)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5605)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4913の処理において、表示用V演出コマンドが無いと判別された場合は(S4913:No)、S4915の処理へ移行する。S4913またはS4914の処理を終えると、表示用指示コマンドがあるか否かを判別する(S4915)。S4915の処理において、指示コマンドがあると判別された場合は(S4915:Yes)、指示コマンド処理を実行し(S4916)、本処理を終了する。一方、S4915の処理において、表示用指示コマンドが無いと判別された場合は(S4915:No)、本処理を終了する。
ここで図74(b)を参照して、指示コマンド処理(S4916)の詳細について説明する。この指示コマンド処理(S4916)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、指示コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技が付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
指示コマンド処理(S4916)では、まず、受信したコマンドに対応した指示演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5651)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5652)、指示演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5653)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5654)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5655)、本処理を終了する。
ここで、図67の説明に戻る。S4412の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S4412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、枠ボタン22の押下げに対応する各種演出関連コマンドがあるか否かを判別し(S4414)、各種演出関連コマンドがあれば(S4414:Yes)、演出関連コマンド処理を実行して(S4415)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図75を参照して、演出関連コマンド処理(S4415)の詳細について説明する。図75は、演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した各種演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
演出関連コマンド処理(S4415)では、まず、受信したコマンドに対応した演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5702)、演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5703)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5704)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5705)、本処理を終了する。
図67に戻り、説明を続ける。S4414の処理において、各種演出関連コマンドがないと判別されると(S4414:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4416)、S4401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、再びS4402~S4416の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4401~S4416の処理が繰り返し実行され、S4401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図66(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4309)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図32参照)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図68(a)参照)および停止種別コマンド処理(図68(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図68(a)参照)では、S4501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図76~図78を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4303)の詳細について説明する。図76は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図76に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6002~S6004の処理をスキップし、S6005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S6001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6002)、S6003~S6004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S6003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6004)。
ここで、図77を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図77は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S6101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S6102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図76の説明に戻る。警告画像設定処理(S6004)の後、又は、S6003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6003:No)、次いで、S6005の処理へ移行する。
S6005では、ポインタ更新処理を実行する(S6005)。ここで、図78を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図78は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S6201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6202)。その結果、End情報であれば(S6202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S6203)、デモ用表示データテーブルであれば(S6203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S6203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S6203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S6202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図76に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S6009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S6015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S6009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S6009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S6016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図66(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図79及び図80を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4305)の詳細について説明する。まず、図79(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図79(b)を参照して後述する。
一方、S6301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図80を参照して後述する。
次いで、図79(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6302)について説明する。図79(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6401)、転送指示を送信していれば(S6401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6402)。このS6402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6402:Yes)、S6403の処理へ移行する。また、S6401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6401:No)、S6403の処理へ移行する。
S6403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図66(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図66(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図66(b)のS4309参照)ではなく、コマンド判定処理(図67~図75参照)および表示設定処理(図76~図78参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図80参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図79(a)のS6301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図80を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である通常画像転送設定処理(S6303)について説明する。図80は、この通常画像転送設定処理(S6303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4303)のポインタ更新処理(S6005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6502)、転送データ情報であれば(S6502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S6503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6504)、S6505の処理へ移行する。
また、S6502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6502:No)、S6503及びS6504の処理をスキップして、S6505の処理へ移行する。S6505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6505)、転送指示を設定していれば(S6505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6506)。
このS6506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6506:Yes)、S6507の処理へ移行する。また、S6505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6505:No)、S6507の処理へ移行する。
S6507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6507)、転送開始フラグがオンであれば(S6507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6508)、S6503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S6509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S6509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S6509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S6510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S6511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S6512)、S6513の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S6511の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S6513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6513)。このS6513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6513:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S6515)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送設定処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4306)の詳細について説明する。図81は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示から、図36に示す描画リストを生成する(S6601)。即ち、S6601の処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S6602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S6602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S6603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図66(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第1実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件として、大当たりに当選した場合(図柄当たり、或いは2種当たりを獲得した場合)に設定される時短終了条件(特賞終了条件)と、特別図柄変動が所定回数に到達した場合に設定される時短終了条件(変動回数終了条件)と、特別図柄の抽選で小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合に設定される時短終了条件(当選回数終了条件)とを設定することができるように構成しているため、時短状態が継続して設定される期間(時短状態が終了するタイミング)を遊技者に容易に予測させ難くすることができる。
さらに、本実施形態では、上述した当選回数終了条件が、小当たりに複数回当選した場合に成立するように構成しているため、時短状態中において小当たりに当選する度に遊技者に対して時短状態が終了するのでは?と思わせることができる。加えて、本実施形態では、小当たりに当選した場合に複数の小当たり種別を設定可能にし、且つ、複数の小当たり種別として、当選回数終了条件を設定する小当たり種別と、当選回数終了条件を設定しない小当たり種別とを設けている。これにより、時短状態中に実行される小当たり遊技に基づいて時短状態が終了するタイミングを予測することを困難にすることができる。
なお、上述した通り、当選回数終了条件を設定する小当たり種別と、当選回数終了条件を設定しない小当たり種別を設定する場合には、実行する小当たり遊技(V入賞装置650の開放動作)が同一(遊技者が識別し得ない程度の誤差を含む概念で同一)の内容に対して、当選回数終了条件を設定する小当たり種別と、当選回数終了条件を設定しない小当たり種別を設定するように構成すると良い。これにより、時短状態が終了するタイミングが遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第1実施形態では、当選回数終了条件を設定する小当たり種別を複数設定可能に構成し、各小当たり種別に対して、当選回数終了条件として設定される回数が異なるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の内容を判別することにより、時短状態が終了するタイミングを予測させることができる。
上述した第1実施形態では、時短状態が設定されている場合に実行され易くなる第2特別図柄(特図2)の抽選にて小当たりに当選するように構成し、当選した小当たりに対応した小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合(小当たり遊技により開放されるV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下したことをVスイッチ650e3が検知した場合)には、その小当たり遊技終了後に大当たり(2種当たり)が設定されるように構成している。
なお、上述した2種当たりの設定とは、上述した第1実施形態では、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たり遊技内容)に基づく大当たり遊技を、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したことを条件に実行するように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したことを条件に、実行中の小当たり遊技の種別(小当たり種別)に対応した大当たり種別を読み出し(抽選し)、読み出した(抽選の結果選択された)大当たり種別に対応する大当たり遊技を実行するように構成しても良いし、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したことを条件に大当たりが設定され、所定の抽選の結果に基づいて選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように2種当たりを設定可能に構成した第1実施形態では、当選した小当たり種別に応じて2種当たりが設定される期待度が異なる小当たり遊技が設定され、且つ、小当たり種別毎に時短終了条件(当選回数終了条件)が設定されるように構成している。さらに、2種当たりが設定され易い小当たり遊技(小当たり種別)ほど、当選回数終了条件が成立する回数(当選回数)が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短状態中において小当たりに当選した場合に、2種当たりに当選する可能性と、時短状態が終了してしまう可能性との両方を想定しながら小当たり遊技を実行することになるため、時短状態における遊技性を高めることができる。さらに、2種当たりを獲得し易い小当たり遊技に当選するほど、時短状態が終了し易くなるため、小当たり遊技中の遊技を意欲的に行わせることができる。
なお、本第1実施形態では、小当たり種別のうち、継続して右打ち遊技を行っていれば2種当たりを獲得することができる小当たりAに対して当選回数終了条件が1回となるように設定している(一部例外あり)。このように構成することで、継続して右打ち遊技を行っていない遊技者(適切な遊技を行っていない遊技者)に対してのみ大きなペナルティを与えることができると共に、遊技者に対して時短中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
さらに、上述した第1実施形態では、成立した時短終了条件の種別に応じて、時短状態が終了するタイミングを異ならせるように構成しており、小当たり遊技が実行されている期間において時短状態が継続している場合と、時短状態が終了している場合とを設定可能に構成している。これにより、どの時短終了条件が成立したかによって、遊技結果を異ならせることができるため、遊技者に対して、時短終了条件の成立の有無に加え、成立した時短終了条件の種別までも注視させることができる。
具体的には、変動回数終了条件が成立した特別図柄変動において小当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が停止するタイミング(特別図柄の抽選結果を示す図柄が停止表示されるタイミング)で時短状態が終了し、その後に実行される小当たり遊技中は、通常状態となるのに対し、当選回数終了条件が成立した場合には、その小当たり遊技が実行されるタイミングにて時短状態が終了される。
なお、本第1実施形態では、図2に示した通り、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650を、スルーゲート67および電動役物640aよりも上流側(右打ち遊技により発射された球が流下する流下経路の上流側)に配設しており、小当たり遊技中にスルーゲート67や電動役物640a側へ球が流下し難くなるように構成している。これにより、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングが異なったとしても、遊技者に対して気付かれ難くすることができるため、遊技者に与える違和感を抑えることができる。
さらに、本第1実施形態では、普通図柄の当たりに当選し、電動役物640aの開放動作が設定される時点で時短状態が設定されていれば、電動役物640aの開放動作中に時短状態が終了したとしても、時短状態中の開放動作が継続して実行されるように構成している。よって、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングが異なったとしても、遊技者に対して気付かれ難くすることができるため、遊技者に与える違和感を抑えることができる。
なお、上述した第1実施形態のように、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングが異なってしまうことを分かり難くするのでは無く、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングを大きく異ならせることに特有の遊技性を持たせる場合には、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、その特別図柄の変動が開始するタイミングで時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には、その小当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了させるように構成すると良い。このように構成することで、成立した時短終了条件の種別によって、時短状態が設定される期間を大きく異ならせることが可能となる。
この場合には、上述した第1実施形態とは異なり、V入賞装置650よりも上流側にスルーゲート67および電動役物640aを配設し、小当たり遊技中に時短状態が設定される場合には、多くの球が電動役物640aにより誘導されて入球口(例えば、一般入球口63、第2入球口640)に入球するように構成し、さらに、小当たり遊技により開放動作されるV入賞装置650に入賞するよりも電動役物640aの動作により誘導されて入球する入球口のほうが多くの球を払い出すように構成すると良い。
加えて、時短終了条件として、変動回数終了条件を2回、当選回数終了条件を1回と設定し、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動において、小当たりに当選した場合のみ、小当たり遊技中に多くの球を電動役物640aにより誘導される入球口へ入球されることができるように構成すると良い。このように構成することで、時短状態が設定されている場合に、特定の時短終了条件が成立することを期待させながら遊技を行わせることができ、新たな遊技性を提供することができる。
上述した第1実施形態では、図2を参照して示した通り、小当たりに当選した場合に開放動作されるV入賞装置650を右側領域に配設し、小当たり遊技中に右打ち遊技を行うことでV入賞装置650に球を入賞させ、V入賞装置650に入賞した球が特定領域を通過(Vスイッチ650e3が球を検知)した場合に、2種当たりが設定されるように構成している。さらに、2種当たりとして設定される大当たりの内容(大当たり遊技の内容や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態等)は、特別図柄の抽選結果である小当たりの種別によって設定されるように構成している。
このような遊技性においては、例えば、小当たりに当選した場合に、その抽選結果を第1表示装置37に停止表示される第1図柄の停止表示態様にて識別し、今回の小当たりに対応して設定されている大当たりの内容を判別することで、例えば、遊技者に最も有利ではない大当たりの内容(例えば、大当たり遊技によって得ることができる賞球数(ラウンド遊技数)が他の大当たり遊技より少ない、大当たり遊技終了後に遊技者に不利な遊技状態(例えば、通常状態))が設定される小当たりに当選した場合に、意図的に2種当たりを獲得する行為を行わず、次の小当たり当選を目指すように遊技を行われてしまうという虞があった。
そこで、図2に示した本第1実施形態の遊技盤13の右側領域の構成として、右側遊技を行い発射した球がV入賞装置650に到達するまでの期間が、第1表示装置37に特別図柄の抽選結果を示した停止図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまで(小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な時点まで)の期間よりも長くなるように、右側領域のうち、V入賞装置650の上流側に、球の流下を遅延させる遅延流路を設けると良い。
このように構成することで、第1表示装置37に停止表示される特別図柄の抽選結果を判別してから右打ち遊技を行った場合に、2種当たりを獲得し難くすることができる。よって、2種当たりを獲得するために、特別図柄の抽選結果が停止表示される前から(特別図柄の変動表示中から)継続して右打ち遊技を実行させることができるため、上述したような悪質な遊技が行われることを抑制することができる。
なお、この場合は、全ての小当たりに対して、右側遊技を行い発射した球がV入賞装置650に到達するまでの期間が、第1表示装置37に特別図柄の抽選結果を示した停止図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまで(小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な時点まで)の期間よりも長くなるようにする必要は無く、一部の小当たり遊技(特に、遊技者に有利となる大当たり内容が設定されている小当たり種別)が条件を満たすように実行されていれば良い。
さらに、本第1実施形態では、小当たり遊技中の2種当たり期待度(継続して右打ち遊技を行っている場合において、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性)を、小当たり種別によって異ならせるように構成しており、具体的には、上述したように、当選した小当たり種別に応じて、流路ソレノイド650kの動作パターンを異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技において回動動作されるV入賞口650aの開放タイミングを当選した小当たり種別に応じて異ならせることで、小当たり遊技中の2種当たり期待度(継続して右打ち遊技を行っている場合において、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性)を異ならせる様に構成しても良い。
この場合、例えば、小当たり遊技中の流路ソレノイド650kの動作パターンを小当たり種別に関わらず一定の動作とし、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球が流下する流路が、特定領域を通過する流路(特別排出流路650e2)と連通する第1期間と、それ以外の流路(通常排出流路650e1)と連通する第2期間とが交互に成立する動作パターンを設定し、第1期間と第2期間とが成立するタイミングに対してV入賞口650aの開放タイミングを異ならせるように設定すれば良い。
さらに、特別図柄の抽選結果が外れである場合にも小当たり遊技と同様の演出を実行することにより右打ち遊技を継続させることができる。なお、この場合、特別図柄の抽選にて外れとなった場合において、その外れ種別に応じて特別図柄の確定表示時間、即ち、特別図柄の抽選結果を停止表示する期間を異ならせることにより、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合の一部において、特別図柄の確定表示時間を長くすることができる(次の特別図柄変動が実行されるまでの期間を長くすることができる)。
よって、小当たり遊技に当選した場合以外にも2種当たりを狙わせる遊技を行わせることができる。また、この外れ時の演出(疑似小当たり遊技演出)を上述した遅延部材を用いた遊技盤13を有するパチンコ機10に適用することで、より継続的に右打ち遊技を行わせることができる。
さらに、V入賞装置650aに球が入賞し得ない開放動作(小当たり遊技)が実行される小当たり種別を設定可能にし、その小当たり種別の小当たり(残念小当たり)に当選した場合、即ち、2種当たり期待度が無い小当たり遊技が実行された場合にも、上述した(疑似小当たり遊技演出)を実行するように構成しても良い。
加えて、上述した疑似小当たり遊技演出が実行され得る特別図柄の抽選結果(特定の外れ、残念小当たり)となった回数を計測し、その計測結果に基づいて時短終了条件が成立するように構成しても良い。これにより、疑似小当たり遊技演出が実行された回数に基づいて時短状態を終了させることができるため、今回の小当たり遊技演出が疑似的なものであるのか否かを把握するために、つまり、小当たり遊技演出中にV入賞装置650に球が入賞するか否かを把握するために継続して右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
<第2実施形態>
次に、図82~図105を参照して本パチンコ機10の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、第1特別図柄の抽選においても小当たりに当選し得るように構成した点と、時短状態の終了条件として設定される内容を異ならせた点と、第3図柄表示装置81にて表示される演出表示の内容を異ならせた点で相違する。
上述した第1実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件と、小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件と、を設定可能に構成し、複数の時短終了条件のうち、何れか1の終了条件が成立した場合に時短状態を終了させるように構成した。これにより、時短状態が継続して設定される期間を遊技者に把握させ難くし、時短状態中に緊張感を持たせた遊技を行わせ、飽きの来ない遊技を提供することができるものであった。
さらに、当選回数終了条件として、設定される小当たり種別に応じて異なる条件を設定可能に構成したため、時短状態の終了タイミングをより分かり難くするものであった。加えて、時短状態が設定される大当たりの大当たり種別に応じて、異なる時短終了条件を設定可能に構成しているため、時短状態が終了するタイミングをさらに分かり難くすることができるものであった。
しかしながら、上述した第1実施形態では、遊技の結果に応じて設定される複数の時短終了条件および、時短状態中に更新される時短情報を遊技者が把握し難くするだけであり、予め定められた時短終了条件の何が成立するのかが特別図柄の抽選結果任せになってしまい、遊技者に対して自力で大当たりを獲得したと思わせることが困難であるという問題があった。
これに対して、本第2実施形態のパチンコ機10は、時短状態が設定されている状態において、右打ち遊技を行うか左打ち遊技を行うかを遊技者が任意に選択することができ、且つ、選択した遊技内容(右打ち遊技、左打ち遊技)に応じて、成立し易い時短終了条件を異ならせるように構成している。
このように構成された第2実施形態では、時短状態中の遊技内容を遊技者が選択することができる。よって、遊技者が選択した遊技内容に応じて実行された時短状態中の遊技において、早期に時短終了条件が成立した場合も、長期間時短状態を継続できた場合も、遊技者に対して自力で遊技を行った結果であると思わせることができる。
さらに、本第2実施形態は、上述した第1実施形態同様に2種当たりを獲得可能に構成されており、時短状態中に第1遊技(左打ち遊技)を行った場合と、第2遊技(右打ち遊技)を行った場合とで、時短状態が継続して設定される期間の期待値と、2種当たりを獲得する期待値(特別図柄1変動当たりにおける2種当たり獲得期待値)と、を異ならせるように構成している。
具体的には、第1遊技を行った場合は、時短状態が継続し得る期間が短期間になり易く、且つ、時短状態中に2種当たりを獲得し易い時短遊技が実行され、第2遊技を行った場合は、時短状態が継続し得る期間が長期間(第1遊技に比べて長期間)になり易く、且つ、時短状態中に2種当たりを獲得し難い(第1遊技に比べて獲得し難い)時短遊技が実行されるように構成している。
このように構成することで、遊技者自身の都合に合わせて時短状態中の遊技内容を選択することができるため、長期間遊技を行いたいと考えている遊技者も、短期間しか遊技を行えない遊技者も、不満なく遊技を行うことができる遊技機を提供することができる。なお、時短状態中に異なる遊技性の遊技を行わせるための詳細な内容の説明は後述する。
<第2実施形態における演出内容について>
ここで、図82~図84を参照して、本第2実施形態のパチンコ機10で実行される演出内容について説明をする。まず、図82(a)を参照して、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。図82(a)は、大当たり遊技中のエンディング期間中に表示される表示画面の一例を示す模式図である。なお、表示画面に表示される要素のうち、上述した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図82(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング期間中には主表示領域Dmの中央部に大当たり遊技終了後に設定される時短状態中の遊技方法を案内するための「大当たり後は、好みの遊技を楽しんで下さい」というコメントと、大当たり遊技が終了したことを報知するための「大当たり終了」というコメントが表示される。
そして、副表示領域Dsには、時短状態中に実行可能な第1遊技の内容を示す第1案内表示領域Dm4と、時短状態中に実行可能な第2遊技の内容を示す第2案内表示領域Dm5と、大当たり遊技中に獲得した特典を示すための獲得内容表示領域Dm9と、が形成される。本第2実施形態では、時短状態中に実行可能な第1遊技として左打ち遊技を示す「左打ち」と、時短状態中に左打ち遊技を行った場合の特徴的な遊技性を示す「短時間勝負」とのコメントが第1案内表示領域Dm4に表示される。
また、第2案内表示領域Dm5には、時短状態中に実行可能な第2遊技として右打ち遊技を示す「右打ち」と、時短状態中に右打ち遊技を行った場合の特徴的な遊技性を示す「まったり勝負」とのコメントが第2案内表示領域Dm5に表示される。つまり、本第2実施形態では、時短状態中の遊技方法として、時短状態が短期間で決着する左打ち遊技と、時短状態を長期間楽しむことができる右打ち遊技と、を選択することができる旨を、時短状態が設定される直前(大当たり遊技のエンディング期間中)に表示することができる。よって、時短状態が設定されたタイミングにおいて遊技者に対して任意の遊技方法で遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、第1案内表示領域Dm4と第2案内表示領域Dm5とに第1遊技と第2遊技との大きな相違点のみを文字で表示し、時短状態中における遊技方法を遊技者に選択し易くしているが、それに限ること無く、例えば、第1遊技と第2遊技とで相違する点全てを表示するように構成しても良いし、文字では無く絵で相違点を表示するように構成しても良い。また、図82(a)に示したように、大きな相違点のみを第1案内表示領域Dm4と第2案内表示領域Dm5とに表示し、その表示がされている期間中に第1案内表示領域Dm4或いは第2案内表示領域Dm5を選択することで、詳細な内容が表示されるように構成しても良い。
このように構成することにより、遊技方法により相違する遊技内容を大まかに把握すれば良いと考える遊技者に対しても、遊技方法により相違する遊技内容の詳細を把握したいと考える遊技者に対しても、適切な表示態様を提供することができる。
次に、図82(b)を参照して、時短状態が設定された直後の表示内容について説明をする。図82(b)は、時短状態が設定された直後に表示される表示画面の一例を示した模式図である。図82(b)に示した通り、本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対して、所定数(4個)を上限に第2特別図柄の抽選を保留記憶する機能を有している点で相違しており、第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には、第2特別図柄の保留図柄数(保留球数)を示すための保留図柄が「三角」の印で第1保留図柄Dsf~第4保留図柄Dsiの4個表示されるように構成されている。
この保留図柄は、上述した第1特別図柄の保留図柄(第1保留図柄Dsb~第4保留図柄Dse)と同様に、保留記憶した順(第2特別図柄の抽選を実行する契機となる第2入球口640に球が入球した順)に第1保留図柄Dsfから第4保留図柄Dsiへと、つまり第2表示領域Ds2の左側から右側へと順に表示される。つまり、第1特別図柄の保留図柄(Dsb~Dse)と、第2特別図柄の保留図柄(Dsf~Dsi)は、共に実行中図柄Dsaに向けて、徐々にシフトするように表示されるため、遊技者は、副表示領域Dsに表示される各特別図柄の表示内容から次に実行される特別図柄に対応する保留図柄を容易に把握することができる。
図82(b)に示した通り、時短状態が設定された直後は遊技案内表示領域Dm2に「?」の文字が表示される。これは、遊技者が今回の時短状態を第1遊技(左打ち遊技)で実行するか第2遊技(右打ち遊技)で実行するかを判別していない状態であることを示す表示である。なお、図82(b)に示した表示態様以外でも、時短状態中の遊技方法が確定していないことを示すための表示態様を遊技案内表示領域Dm2に表示すれば良く、例えば、左打ち遊技、右打ち遊技の何れの遊技を行っても良い期間であることを示す「左又は右」の文字を表示しても良い。
なお、詳細は後述するが、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから初めて球が入球した入球口が第1入球口64であるか第2入球口640であるかを判別し、その判別結果に基づいて遊技者が任意に選択した遊技方法を判別するように構成している。よって、時短状態が設定されてから、第1入球口64又は第2入球口640に球が入球するまでの期間は遊技案内表示領域Dm2に「?」の文字が表示される。
さらに、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから所定期間(4秒間)は、図82(b)の表示内容が継続するように構成しており、且つ、その期間中に時短状態が設定される時点で保留記憶されていた入賞情報に対応した特別図柄変動が終了するように変動パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄の保留球内に大当たりに当選する入賞情報が含まれていた場合は、第1遊技、或いは第2遊技を決定表示する前に(遊技案内表示領域Dm2に遊技方法を案内する表示態様が表示される前に)当該大当たりに対応する特別図柄変動を終了させることができる。
よって、遊技者が選択した遊技方法とは異なる側の特別図柄変動により大当たりに当選してしまう事態が発生した場合であっても、遊技者に与える違和感を抑制することができる。
なお、本第2実施形態では、図82(b)に示した通り、時短状態が設定されている期間中における遊技方法を、案内表示領域Dm2に表示する構成としているが、それ以外の表示領域にて現在設定されている遊技方法を表示するように構成しても良い。つまり、大当たり遊技中は、遊技者に対して有利となる遊技方法を案内(指示)するための表示を行う必要があるため、案内表示領域Dm2に表示方法を表示する必要があるが、時短状態が設定されている間は、遊技者が何れの遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)を選択した場合であっても、同等の遊技結果を得ることができるように構成しているため、遊技者に対して有利となる遊技方法を案内(指示)するための案内表示領域Dm2ではなく、現在の遊技方法を表示する別領域にて遊技方法を表示するように構成しても良い。また、案内表示領域Dm2に表示を行う場合には表示態様(例えば、文字の色や形状)を異ならせることで遊技方法を遊技者に案内(指示)している状況と、現在の遊技方法(遊技者が選択している遊技方法)を表示している状況とを区分け可能に構成しても良い。
次に、図83(a)を参照して、時短状態が設定されている状態で、第1遊技(左打ち遊技)を実行している場合の演出内容について説明をする。図83(a)は、第1遊技(左打ち遊技)を実行している場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。図83(a)に示した通り、第1遊技が実行されると、主表示領域Dmの中央部に「くじ引き用の箱」を模した遊技結果表示810が表示され、主表示領域Dmの左下側には第1遊技の遊技内容を遊技者に案内するための遊技内容表示811が表示される。さらに、主表示領域Dmの右下側には第1遊技における時短終了回数を示唆するための残時短回数表示領域Dm10が形成される。
つまり、本第2実施形態のパチンコ機10における第1遊技(時短状態中の左打ち遊技)では、特別図柄の変動(抽選)に応じて、くじ引きが実行され、その結果(1等~外れ)を遊技結果表示810として表示することにより特別図柄の抽選結果を報知するような演出表示が実行される。また、時短中の遊技方法として第1遊技(左打ち遊技)が実行(設定)された場合は、遊技案内表示領域Dm2に第1遊技の遊技方法を示す「左打ち」の文字が表示される。
なお、この遊技案内表示領域Dm2に「左打ち」或いは「右打ち」といった特定の遊技方法(遊技方向)が表示されている場合においては、表示されている遊技方法(遊技方向)とは異なる遊技方法(遊技方向)で遊技を行った場合には、遊技方法(遊技方向)を修正させるためのエラー報知が実行されるように構成している。つまり、時短状態中において第1遊技(左打ち遊技)が行われると確定した以降は、右打ち遊技を行った場合にエラー報知が実行され、時短状態中において第2遊技(右打ち遊技)が行われると確定した以降は、左打ち遊技を行った場合にエラー報知が実行される。また、時短状態中において何れの遊技方法も確定されていない期間中は、左打ち遊技、右打ち遊技の何れの遊技が行われたとしてもエラー報知が実行されることが無いように構成している。
さらに、図83(a)に示した通り、主表示領域Dmの右側に、第1特別図柄の保留数(保留図柄数)を表示する特図1保留数表示領域Dm6と、第2特別図柄の保留数(保留図柄数)を表示する特図2保留数表示領域Dm7と、が形成されるとともに、副表示領域Dsにて現在選択されている遊技方法(左打ち遊技)に対応する特別図柄(第1特別図柄)の保留図柄のみが表示される(第1表示領域Ds1に第1特別図柄の保留球数が表示される)。このように構成することで、遊技者が選択した遊技方法に対応した特別図柄の保留図柄数(保留球数)のみを強調して表示(演出表示)することができる。
また、各特別図柄に対応する実際の保留図柄数(保留球数)は、専用の特図1保留数表示領域Dm6と、特図2保留数表示領域Dm7と、に表示されるように構成しているため、各特別図柄に対する正確な保留図柄数(保留球数)を遊技者に報知することができる。なお、図83(a)に示した模式図では、特図1保留数表示領域Dm6と、特図2保留数表示領域Dm7とに現在の保留数「0」を遊技者が容易に識別できる程度の大きさで表示するように構成しているが、遊技者が意識をしないと識別できない程度の大きさで各特別図柄の保留数を表示したり、保留数を数字以外の識別子で表示したりするように構成すると良い。
そして、図83(a)に示した左打ち遊技に対応した演出表示が実行されると、第1特別図柄の抽選結果に応じた演出結果としてくじ引きの結果が主表示領域Dmに表示されるとともに、時短終了条件に対する各値(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数)の進行具合に基づいて、時短終了回数を示唆するための残時短回数が時短回数表示領域Dm10にて更新表示される。よって、遊技者は、くじ引きの結果と時短回数表示領域Dm10の表示内容とを把握することで時短状態中の遊技を楽しむことができる。
一方、時短状態として、右打ち遊技を選択した場合には、図83(b)に示した通り、少年を模したキャラクタ812が特別図柄の抽選結果を報知するための宝箱813を探す演出が実行されるとともに、副表示領域Dsには選択した遊技方法(右打ち遊技)に対応した特別図柄(第2特別図柄)の保留図柄数(保留球数)が第2表示領域Ds2に表示される。また、案内表示領域Dm2には「右打ち」の文字が表示される。なお、この右打ち遊技を選択した場合に実行される演出の内容については、上述した第1実施形態の演出内容に対して、第2特別図柄の保留図柄を用いた演出が異なるだけであり、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図84を参照して、本第2実施形態のパチンコ機10において時短状態中に右打ち遊技を選択した場合に実行される演出のうち、上述した第1実施形態の演出とは異なる内容について説明をする。図84は時短状態中に右打ち遊技を選択した場合の遊技画面の一例を模式的に示した模式図である。
図84に示した通り、本第2実施形態では、副表示領域Dsに表示される保留図柄に対して時短終了条件の成立の有無、或いは、大当たりを獲得する期待度を表示するように構成しており、図84では、次の特別図柄変動に対応する第1保留図柄Dsfに対して「チャンス」の文字を示した予告表示態様820が、3変動後の特別図柄変動に対応する第3保留図柄Dshに対して「終了」の文字を示した予告表示態様821が表示されている。
この各保留図柄に対して設定される予告表示態様は、後述する保留表示選択テーブル222aaを用いて選択表示されるものである。
このように、保留図柄に対して予告表示態様を表示することにより、遊技者は時短状態が終了する特別図柄変動を予測しながら、その特別図柄変動が実行されるまでに大当たりを獲得しようと意欲的に遊技を行うことになる。また、予告表示態様の内容に基づいて、時短状態が終了しない期間を把握し、安心して特別図柄変動を実行させることも可能となる。
次に、図85を参照して、本第2実施形態における時短状態中の遊技内容について説明をする。図85は、本第2実施形態における時短状態中の遊技内容のうち、大当たり種別として大当たりBが設定された大当たり遊技の終了後に設定される時短状態中の遊技内容を模式的に示した図である。図85に示した通り、本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対して、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るように構成し、且つ、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも2種当たりを獲得し易い小当たり遊技(小当たりAに対応して実行される小当たり遊技)に当選し易いように構成している。
また、本第2実施形態では、上述した第1実施形態と同一の遊技盤13の構成を用いており、時短状態が設定されると、通常状態に比べて第2入球口640に球が入球し易くなるように電動役物640aの開放動作制御が可変される。つまり、時短状態中に第2遊技(右打ち遊技)を実行すると、通常状態よりも多くの球を第2入球口640へ入球させ、第2特別図柄の抽選(変動)を多く実行することができる。一方、時短状態が設定されたとしても第1入球口64への球の入球のし易さは通常状態と何ら変化は無い。
ここで、図85を参照して時短状態中の遊技内容である第1遊技(左打ち遊技)と、第2遊技(右打ち遊技)とを比較しながら説明をする。まず、時短状態中に遊技者が獲得可能な賞球数(第1入球口64、或いは第2入球口640へ球を入球させることで獲得可能な賞球数)について説明をする。この時短状態中のおける賞球数は、第1遊技よりも第2遊技のほうが多くなるように構成されている。そして、時短状態中において第1遊技を行った場合は、通常状態が設定されている場合と同程度の賞球数しか獲得することができず、時短状態中に球(持ち球)が減少していく遊技が実行される。一方で、第2遊技を行った場合は、第2入球口640に多くの球を入球させることが可能となるため、多くの賞球を獲得することができ、結果として時短状態中に球(持ち球)をキープ(維持)する遊技が実行される。
そして、時短状態が継続して設定され得る期間は、第1遊技を行った場合の方が、第2遊技を行った場合よりも短くなるように構成されている。具体的には、複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数が30回となった場合に成立する変動回数終了条件と、第2特別図柄の変動回数が80回となった場合に成立する変動回数終了条件と、を少なくとも有しており、第1遊技を実行する場合には、最大で特別図柄変動30回までしか時短状態が継続して設定されないように構成している。
さらに、時短状態中に実行される特別図柄変動(抽選)1回当たりに対する、大当たり(1種当たり、2種当たり含む)を獲得する期待度は、第1遊技を行った場合の方が、第2遊技を行った場合よりも高くなる(大きくなる)ように構成している。この大当たりを獲得する期待度について説明をすると、本実施形態では、第1特別図柄の抽選(第1遊技を実行する場合に実行される特別図柄の抽選)と、第2特別図柄の抽選(第2遊技を実行する場合に実行される特別図柄の抽選)とで、大当たりに当選する確率(1種当たりに当選する確率)は同一(1/200)となるように構成している。つまり、第1遊技と第2遊技とでは、2種当たりを獲得する期待度を異ならせて構成している。
この点について、詳細に説明をすると、第1遊技中に実行される第1特別図柄の抽選では小当たりに当選する確率が1/10となるように設定され、第2遊技中に実行される第2特別図柄の抽選では小当たりに当選する確率が1/2となるように設定されている。そして、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別の振分けが、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小当たりA:小当たりBが9:1となるように設定されている。つまり、第1遊技によって第1特別図柄の抽選を実行する場合には、1/11の確率で小当たりAが実行されるように構成されている。
一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、1/200の確率で小当たりAが実行されるように構成している。このように、小当たりに当選する確率、及び、小当たり当選時において設定される小当たり種別の振分けを異ならせることで、第1遊技の方が第2遊技よりも、特別図柄1回の変動(抽選)に基づいて、大当たり(1種当たり、2種当たり含む)を獲得する期待度が高くなるように構成している。
さらに、本第2実施形態では第1遊技が実行される場合に成立し易い時短終了条件と、第2遊技が実行される場合に成立し易い時短終了条件とが異なる様に設定されている。具体的には、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに1回当選した場合に成立する時短終了条件が最も成立し易く、次いで、第1特別図柄の変動回数が30回となった場合に成立する時短終了条件、小当たりBに3回当選した場合に成立する時短終了条件の順で成立し難くなるように設定されている。
第2遊技を実行した場合には、小当たりDに20回当選した場合に成立する時短終了条件が最も成立し易く、次いで、第2特別図柄の変動回数が80回となった場合に成立する時短終了条件、小当たりAに1回当選した場合に成立する時短終了条件の順で成立し難くなるように設定されている。
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、大当たり遊技終了後に設定される時短状態中に、遊技者が遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を選択することで、異なる遊技性の遊技を実行することができる。
また、異なる遊技性として、短期間で大当たりを狙う遊技性(第1遊技)と、長期間で大当たりを狙う遊技性(第2遊技)と、を選択することができる。加えて、遊技方法を異ならせるための手法として、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しておき、第1遊技を行った場合と、第2遊技を行った場合とで、異なる時短終了条件が成立し易くなるように構成している。これにより、時短状態が継続して設定される期間を、第1遊技と第2遊技とで異ならせることができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図86~図92を参照して、本第2実施形態における電気的構成の内容について説明をする。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202とRAM203の内容が変更されている点と、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222とRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図86(a)は、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図86(a)に示した通り、本第2実施形態のROM202では、第1当たり乱数テーブル202aに替えて、第1当たり乱数2テーブル202aaを、第1当たり種別選択テーブル202bに替えて、第1当たり種別選択2テーブル202abを、変動パターンテーブル202dに替えて、変動パターン2テーブル202adを、時短付与テーブル202eに替えて、時短付与2テーブル202aeを、小当たり種別選択テーブル202fに替えて小当たり種別選択2テーブル202afを、開放シナリオテーブル202gに替えて、開放シナリオ2テーブル202agを設けた点で上述した第1実施形態と相違している。
第1当たり乱数2テーブル202aaは、上述した第1実施形態の第1当たり乱数テーブル202aに対して、小当たり当選と判別する値(第1当たり乱数カウンタ値C1)を変更した点で相違している。ここで、図87を参照して本第2実施形態における第1当たり乱数2テーブル202aaについて説明をする。
図87(a)は、本第2実施形態における第1当たり乱数2テーブル202aaの内容を模式的に示した模式図である。図87(a)に示した通り、第1当たり乱数2テーブル202aaは、第1特別図柄に対応した特別図柄1乱数2テーブル202aa1と、第2特別図柄に対応した特別図柄2乱数2テーブル202aa2と、を有している。
次に、特別図柄1乱数2テーブル202aa1の内容について、図87(b)を参照して説明をする。図87(b)は、特別図柄1乱数2テーブル202aa1の内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄1乱数2テーブル202aa1は、上述した第1実施形態の特別図柄1乱数テーブル202a1に対して、小当たりと判定する値を追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素についてはその説明を省略する。
図87(b)に示した通り、特別図柄1乱数2テーブル202aaは、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「10~109」が小当たり判定値として規定されている。即ち、特別図柄1乱数2テーブル202aa1を用いて特別図柄の抽選を判定(実行)する場合には(第1特別図柄の抽選を実行する場合には)、1/200の割合で大当たりと判定し、1/10の割合で小当たりと判定するように構成している。
次に、図87(c)を参照して、特別図柄2乱数2テーブル202aa2の内容について説明をする。図87(c)は特別図柄2乱数2テーブル202aa2の内容を模式的に示した模式図である。図87(c)に示した通り、特別図柄2乱数2テーブル202aa2は、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定され、「5~499」が小当たり判定値として規定されている。即ち、特別図柄2乱数2テーブル202aa2を用いて特別図柄の抽選結果を判定(実行)する場合には(第2特別図柄の抽選を実行する場合には)、1/200の割合で大当たりと判定し、1/2の割合で小当たりと判定するように構成している。
以上説明をしたように、本実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行される場合、第2特別図柄の抽選が実行される場合のいずれの場合にも、小当たりに当選し得るように構成している。これにより、時短状態中に第1特別図柄の抽選を実行する第1遊技(左打ち遊技)を実行しても、第2特別図柄の抽選を実行する第2遊技(右打ち遊技)を実行しても、小当たりに当選した回数に基づいて成立する当選回数終了条件を成立させることが可能となる。
また、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率と、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率と、を異ならせて設定することができるため、第1遊技と第2遊技とで当選回数終了条件の成立のし易さを異ならせることができる。よって、第1遊技を実行する場合と第2遊技を実行する場合とで、時短状態を終了のし易さを異ならせた多様な遊技を提供することができる。
図86(a)に戻り、説明を続ける。第1当たり種別選択2テーブル202abは、上述した第1実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bに対して、一部の大当たり種別に対して付与される時短状態の有無を変更した点で相違しており、それ以外の要素は同一である。同一の要素については、その説明を省略する。
ここで、図88(a)~(c)を参照して、第1当たり種別選択2テーブル202abの内容について説明をする。図88(a)は、第1当たり種別選択2テーブル202abの内容を模式的に示した模式図であり、図88(b)は、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図88(c)は、特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図88(a)に示した通り、第1当たり種別選択2テーブル202abは、第1特別図柄に対応した特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1と、第2特別図柄に対応した特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2と、を有しており対応する特別図柄に応じて各種テーブルが使い分けて用いられる。
特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1は、図88(b)に示した通り、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1は、取得した第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0~9」の範囲に、大当たり種別として「大当たりA」が規定され、「10~49」の範囲に、大当たり種別として「大当たりB」が規定され、「50~99」の範囲に、大当たり種別として「大当たりC」が規定されている。
ここで規定されている「大当たりA」は、ラウンド遊技が15ラウンドの大当たり遊技を実行する大当たり種別であり、当選時の遊技状態に関わらず、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。「大当たりB」は、ラウンド遊技が5ラウンドの大当たり種別であり、当選時の遊技状態に関わらず、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。「大当たりC」は、ラウンド遊技が5ラウンドの大当たり種別であり、当選時(設定時)の遊技状態が通常状態である場合は、その大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、当選時(設定時)の遊技状態が時短状態である場合は、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。
以上説明をしたように、本第2実施形態は、大当たり当選時における遊技状態に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように規定される大当たり種別(大当たりC)を有している。これにより、遊技者に対して、大当たり当選の有無と、設定される大当たり種別に加え、当選時の遊技状態まで意識させることができるため、遊技をより複雑にすることができ早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2は、図88(c)に示した通り、取得した第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0~99」の範囲に、大当たり種別として「大当たりD」が規定されている。
図86に戻り説明を続ける。変動パターン2テーブル202adは、上述した第1実施形態の変動パターンテーブル202dに対して、時短状態が設定されている期間中に選択される変動パターンの規定内容を異ならせた点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
ここで、変動パターン2テーブル202adの内容について図89を参照して説明をする。図89(a)は、変動パターン2テーブル202adの内容を模式的に示した模式図であり、図89(b)は変動パターン2テーブル202adが有する時短用変動パターン2テーブル202ad2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。変動パターン2テーブル202adは、図89(a)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照される通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターン2テーブル202ad2と、を有しており、特別図柄の変動パターンを設定する際(特別図柄変動開始処理(図39参照)を実行する際)の遊技状態に応じた変動パターンテーブルを参照して変動パターン(変動時間)を設定するように構成している。
次に、図89(b)を参照して、時短用変動パターン2テーブル202ad2に規定されている内容について説明をする。この時短用変動パターン2テーブル202ad2は、上述した第1実施形態の時短用変動パターンテーブル202dに対して、大当たり終了後(大当たり遊技終了後)から所定回数分の特図変動(特別図柄変動)に対して特定時間が規定されている変動パターン(変動時間)を設定するように構成している点で相違している。
具体的には、大当たり終了後に時短状態が設定される場合において、何れの特別図柄の変動を実行した場合であっても、大当たり終了後の特別図柄変動1~4回の合計時間が一定(3秒)となるように構成している。さらに、本実施形態では、大当たり遊技が終了してから所定期間(4秒間)が経過するまでは、時短状態中に設定される遊技方法を遊技者に選択させるための選択表示(図82(b)参照)を表示するように構成している。
このように構成することで、時短状態に突入した際に既に獲得している保留球(保留図柄)に対応した特別図柄変動を第3図柄表示装置81に選択表示が表示されている期間中に実行し易くすることができるため、時短状態中に選択した遊技方法(例えば、左打ち遊技)により主に実行される特別図柄変動(例えば、第1特別図柄)とは異なる特別図柄(例えば、第2特別図柄)の変動が実行されたとしても、遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
さらに、本第2実施形態では、大当たり終了後の1~4回転の間に当たり(大当たり、小当たり)に当選した場合に設定される変動パターン(変動時間)を、大当たり終了後からの特別図柄の変動回数に応じて異ならせており、大当たり終了後の4回転目の特別図柄の抽選結果を停止表示するタイミングと、3回転目の特別図柄の抽選結果が当たりであること停止表示するタイミングと、2回転目の特別図柄の抽選結果が当たりであることを停止表示するタイミングと、1回転目の特別図柄の抽選結果が当たりであることを停止表示するタイミングとが、全て一定となるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定された場合に表示される選択表示画面(図82(b)参照)を特別図柄の抽選結果に関わらず所定期間(少なくとも3秒)表示することを可能とすると共に、選択表示画面が表示されている期間を用いて多くの保留球に対応した特別図柄抽選(変動)を消化することができる。
さらに、時短状態が設定された直後に当たり(小当たり、大当たり)に当選した場合には、時短状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じて特定の変動パターンが実行されるように構成することで、大当たり終了後から所定期間内(特別図柄の所定変動回数内(1~4回転内))に当たりに当選した場合には、その当選結果を遊技者に報知するタイミング(当たりに当選したことを示す特別図柄(第3図柄)を停止表示するタイミング)が一定になるように構成している。
なお、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから特別図柄の変動が4回実行されるまでの期間に設定される変動パターンを対象に特殊な変動パターンを選択する変動パターンテーブルを用いているが、時短状態が設定されてから特殊な変動パターンが選択される期間については、それ以外の期間を用いても良く、例えば、第1特別図柄の最大保留球数(4個)と、第2特別図柄の最大保留球数(4個)とを合算した数(8個)に対応する特別図柄変動回数(8回)に対して、特殊な変動パターンを選択可能に構成しても良いし、時短状態が設定されてから特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間を対象にしても良い。さらに、本第2実施形態では、当たりに当選した場合において、当たり専用の変動パターンを設定するように構成しているが、当選した当たりの内容に基づいて当たり専用の変動パターンを設定するか否かを判別し、その判別結果に基づいて変動パターンを設定するように構成しても良い。
具体的には、当たりに当選した場合のうち、大当たりに当選した場合と、小当たりAが設定される小当たり(即ち、他の小当たり種別よりも2種当たりを獲得し易い小当たり種別が設定される小当たり)に当選した場合のみ、当たり専用の変動パターンを設定するように構成しても良い。これにより、通常とは異なる変動パターン(変動時間)に基づいた特別図柄変動が実行されていることに気付いた遊技者に対して、大きな期待感を抱かせることができる。
また、図89(b)に示した通り、時短状態が設定されてから5回転目以降(5回転目含む)の特別図柄変動に対して設定される変動パターン(変動時間)として、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも短い変動時間の変動パターンが設定されるように構成している。これにより、時短状態中において継続して特別図柄の変動を実行可能な状態であれば、第1特別図柄を変動させる遊技(第1遊技、左打ち遊技)の方が、特別図柄の抽選(変動)を短い期間で多数実行することができる。
なお、図89(b)では、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターン2テーブル202ad2に規定されている内容として、大当たり終了後からの特図変動回数(特別図柄変動回数)が5回転目以降(5回転目含む)では、特別図柄の抽選結果に対して1種類の変動パターンしか示していないが、実際は、図示しないカウンタ(主制御装置110の制御処理に応じてその値が更新されるループカウンタ)から取得した値に応じて異なる変動時間を有する複数の変動パターンの中から1つを選択するように構成しているがその詳細な説明を省略している。
このように、複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択するように構成されている変動パターンテーブルにおいても、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも短い変動時間の変動パターンが設定され易くなるように構成されている。よって、時短状態中において継続して特別図柄の変動を実行可能な状態であれば、第1特別図柄を変動させる遊技(第1遊技、左打ち遊技)の方が、特別図柄の抽選(変動)を短い期間で多数実行することができる。なお、上述した短い変動時間の変動パターンが設定され易くとは、選択可能な変動パターンの全てにおいて、第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも短い変動時間が設定する場合の他、最も選択され易い変動パターンの変動時間が第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも短くなるように設定したり、全ての変動パターンを設計値通りに設定した場合における1変動当たりの平均変動時間が第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも短くなるように設定したり、第1特別図柄の変動に応じて設定し得る最短の変動時間が第2特別図柄の変動に応じて設定し得る最短の変動時間よりも短くなるように設定したり、する構成も含まれる。即ち、遊技者が実際に時短状態のパチンコ機10を遊技した場合に、単位時間当たりの変動回数が、第1特別図柄の変動を実行する第1遊技(左打ち遊技)のほうが第2特別図柄よりも多くなるように設定されていれば良い。
時短付与2テーブル202aeは、上述した第1実施形態の時短付与テーブル202eに対して、各大当たり種別に対して設定される時短終了条件(各種カウンタに設定する値)を異ならせた点と、時短終了条件となる値を設定するカウンタの種類を変更(増加)した点と、で相違している。それ以外の要素については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、時短付与2テーブル202aeに規定されている内容について、図88(d)を参照して説明をする。図88(d)は時短付与2テーブル202aeの規定内容を模式的に示した模式図である。この時短付与2テーブル202aeは、上述した時短付与テーブル202eに対して、時短中カウンタ203kに替えて特図1カウンタ203adと、特図2カウンタ203aeを、小当たりCカウンタ203pに替えて小当たりDカウンタ203acを設けた点と、各種カウンタに対して設定(付与)する値を異ならせた点で相違している。
本第2実施形態は、上述した通り、時短状態中に遊技性を異ならせた複数の遊技として第1遊技(左打ち遊技)と、第2遊技(右打ち遊技)と、を遊技者に選択させることが可能に構成しており、第1遊技が実行される場合と、第2遊技が実行される場合とで時短状態を終了させる複数の終了条件(時短終了条件)のうち、成立し易い終了条件が異なるように構成している。
具体的には、図88(d)に示した通り、大当たり種別が「大当たりA」の場合は、特図1カウンタ203adの値に「100」、特図2カウンタ203aeの値に「100」、小当たりAカウンタ203mの値に「2」、小当たりBカウンタ203nの値に「100」、小当たりDカウンタ203acの値に「100」を設定するように規定され、大当たり種別が「大当たりB」の場合は、特図1カウンタ203adの値に「30」、特図2カウンタ203aeの値に「80」、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「3」、小当たりDカウンタ203acの値に「20」を設定するように規定されている。
また、大当たり種別が「大当たりC」の場合は、特図1カウンタ203adの値に40」、特図2カウンタ203aeの値に「70」、小当たりAカウンタ203mの値に「2」、小当たりBカウンタ203nの値に「5」、小当たりDカウンタ203acの値に「40」を設定するように規定され、大当たり種別が「大当たりD」の場合は、特図1カウンタ203adの値に「30」、特図2カウンタ203aeの値に「80」、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「3」、小当たりDカウンタ203acの値に「20」を設定するように規定されている。
つまり、「大当たりA」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに2回当選することで(小当たりAカウンタ203mの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、第2遊技を実行した場合には、第2特別図柄の変動回数が100回に到達することで(特図2カウンタ203aeの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となる。
また、「大当たりB」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに1回当選することで(小当たりAカウンタ203mの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、第2遊技を実行した場合には、小当たりDに20回当選することで(小当たりカウンタ203acの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となる。
「大当たりC」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに2回当選することで(小当たりAカウンタ203mの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、第2遊技を実行した場合には、第2特別図柄の変動回数が70回に到達することで(特図2カウンタ203aeの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、「大当たりD」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、上述した「大当たりB」と同一の時短状態(時短終了条件)が設定される。
つまり、時短状態が設定されている状態において、実行される(選択される)遊技方法を異ならせることで(第1遊技(左打ち遊技)と第2遊技(右打ち遊技)とにより)、成立し易い時短終了条件を異ならせることができる。よって、時短状態中の遊技として異なる遊技を遊技者に行わせることができる。
さらに、当選した大当たりの大当たり種別に応じて、時短終了条件(各種カウンタに設定される値)を異ならせるように構成し、時短中に同一の遊技(例えば、右打ち遊技)をした場合に成立し易い時短終了条件を異ならせるように構成している。これにより、遊技者に対して時短状態が終了するタイミングを予測させ難くすることができる。また、今回当選した大当たりの大当たり種別に興味を持たせることができる。
なお、本実施形態では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別として4種類の大当たり種別を設けているが、大当たり種別の数はこれに限ることに無く、5種類以上の大当たり種別を設けても良い。この場合、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の遊技内容(オープニング期間、ラウンド遊技数、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間)が同一の大当たり種別を複数設け、その大当たり種別毎に時短終了条件を異ならせるように構成すると良い。これにより、実行される大当たり遊技の内容に基づいて、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の内容(時短終了条件の内容)を遊技者に把握され難くすることができる。
さらに、本第2実施形態では、図88(d)に示した通り、第1遊技を実行した場合のほうが第2遊技を実行した場合よりも、短い期間で時短終了条件が成立し易いように構成している。これにより、第1遊技のほうが、時短状態が継続して設定される期間(時短期間)を短くすることができる。
加えて、本第2実施形態では、第1遊技を実行したほうが、第2遊技を実行するよりも2種当たりを獲得し易い小当たり(小当たり種別として「小当たりA」が設定される小当たり)に当選し易いように構成している。このように構成することで、第1遊技を、短い時短期間中に2種当たりを狙う遊技性を遊技者に提供する遊技とし、第2遊技を、長い時短期間中に1種当たりを狙う遊技性を遊技者に提供する遊技とすることができる。
よって、時短状態中実行する遊技方法(第1遊技、第2遊技)を遊技者が選択することで、遊技性の異なる遊技を実行することができ、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。また、本第2実施形態では第1遊技と第2遊技とで時短状態中の遊技期間を異ならせているため、遊技可能な期間に応じて遊技者に遊技方法を選択させることができ、様々な遊技者に対して好適な遊技を提供することができる。
さらに、本第2実施形態では、時短状態中に何れの遊技方法を選択した場合であっても、時短状態中の大当たり確率(特別図柄の抽選によって大当たりに当選する確率と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過して大当たりを獲得する確率の合算)を略同一(遊技者が気付かない程度の誤差(例えば10%以下の誤差)を含む)にしているため、どの遊技者に対しても安心して遊技を行わせることができる。
本第2実施形態では、どの大当たり種別が設定された場合であっても、第1遊技と第2遊技とにおいて、遊技者に有利不利が生じ得ないように時短終了条件を設定しているが、それ以外の構成として、例えば、所定の大当たり種別が設定された場合は第1遊技のほうが第2遊技よりも遊技者に有利となるように時短終了条件を設定し、上記所定の大当たり種別以外の特定の大当たり種別が設定された場合は第2遊技のほうが第1遊技よりも遊技者に有利となるように時短終了条件を設定するように構成しても良い。
このように構成することで、設定された大当たり種別(実行された大当たり遊技)に応じて遊技者に有利な遊技方法を設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このように大当たり種別に応じて遊技者に有利な遊技方法(第1遊技、第2遊技)を異ならせるように構成した場合には、全ての大当たり種別を予め定められた振分け率を考慮して設定した場合に、第1遊技を実行した場合と、第2遊技を実行した場合とで遊技者に有利不利が生じ得ないように構成すると良い。これにより、時短状態が設定された場合に、遊技者が常に一方の遊技方法のみを選択してしまう事態を抑制することができる。
加えて、所定期間(例えば、パチンコ機10の電源が投入されてからの期間)の間に設定された大当たり種別(時短状態)を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶された内容(時短履歴)を遊技者に報知(表示)する報知手段を設けても良い。これにより、過去に設定された時短状態に基づいて、今後設定される時短状態を予測し、遊技方法を選択させることができる。また、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81に表示される演出表示(大当たり演出表示)を用いて、遊技者に有利となる遊技方法を示唆する示唆態様を遊技者に報知するように構成しても良い。
図86に戻り説明を続ける。小当たり種別選択2テーブル202afは、上述した第1実施形態の小当たり種別選択テーブル202fに対して、第1特別図柄(特図1)の抽選においても小当たりに当選し得るようにした点と、第2特別図柄(特図2)の抽選において小当たりに当選する確率を異ならせた点と、で相違する。それ以外の要素については同一で有り、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ここで、小当たり種別選択2テーブル202afの内容について図90を参照して説明をする。図90(a)は、小当たり種別選択2テーブル202afの内容を模式的に示した模式図であり、図90(b)は、特図1小当たり種別選択2テーブル202af1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図90(c)は、特図2小当たり種別選択2テーブルaf2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図90(a)に示した通り、小当たり種別選択2テーブル202afは、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行する場合に参照される特図1小当たり種別選択2テーブル202af1と、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行する場合に参照される特図2小当たり種別選択2テーブル202af2と、を有している。
特図1小当たり種別選択2テーブル202af1は、図90(b)に示した通り、取得した小当たり種別カウンタ値C5の値の範囲が「0~89」に、小当たり種別として「小当たりA」が、「90~99」に、小当たり種別として「小当たりB」が規定されている。
ここで、小当たり種別「小当たりA」とは、上述した第1実施形態の「小当たりA」と同一であり、V通過時(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合、2種当たりを獲得した場合)に設定(実行)される大当たりの大当たり種別として「大当たりA」が設定されるものである。「小当たりB」とは、上述した第1実施形態の「小当たりB」と同一であり、V通過時(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合、2種当たりを獲得した場合)に設定(実行)される大当たりの大当たり種別として「大当たりB」が設定されるものである。
また、特別図柄2小当たり種別選択2テーブル202af2は、図90(c)に示した通り、取得した小当たり種別カウンタ値C5の値が「0」に、小当たり種別として「小当たりA」が、「1~99」に、小当たり種別として「小当たりD」が規定されている。
ここで、小当たり種別「小当たりD」とは、複数の小当たり種別の中で最も2種当たり期待度が低い(約5%)小当たり遊技が実行される小当たり種別であり、V通過時(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合、2種当たりを獲得した場合)に設定(実行)される大当たりの大当たり種別として「大当たりB」が設定されるものである。つまり、遊技者にとって、最も不利な小当たりとなる。
開放シナリオ2テーブル202agは、上述した第1実施形態の開放シナリオテーブル202gに対して、小当たりCに対応する開放シナリオに替えて小当たりDに対応する開放シナリオを規定した点で相違し、それ以外は同一である。そして、小当たりDに対応する開放シナリオは、小当たりCに対応する開放シナリオのうち、流路ソレノイド650kのオン期間を短くし、よりV通過(特定領域への球の通過)をし難くした点と、V通過時(2種当たり獲得時)において設定される開放シナリオが15ラウンド分に替えて5ラウンド分にした点と、で相違するのみであるため、詳細な図示を省略する。
次に、図86(b)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を説明する。図86(b)は、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図86(b)に示した通り、本第2実施形態のRAM203では、小当たりCカウンタ203pに替えて小当たりDカウンタ203acを設けた点と、特別図柄2保留球格納エリア203aaと、特別図柄2保留球数カウンタ203abと、特図1カウンタ203adと、特図2カウンタ203aeと、を追加した点で上述した第1実施形態と相違している。
特別図柄2保留球格納エリア203aa、および、特別図柄2保留球数カウンタ203abは、上述した第1実施懈怠の特別図柄1保留球格納エリア203aおよび特別図柄1保留球数カウンタ203bと同一の構成を第2特別図柄に対して設けたものであるため、詳細な説明を省略するが、第2特別図柄の抽選(変動)契機となる第2入球口640へ球が入球した場合、第2特別図柄の抽選(変動)が実行される場合に可変設定されるものである。
小当たりDカウンタ203acは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりDが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理2(図98のS1554)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図98のS1612:Yes)、時短付与2テーブル202aeに規定されている値が設定される(図98のS1653)。
そして、特別図柄変動処理2(図94のS154)の小当たり開始設定処理(図94のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)にて、今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりDであると判別した場合に、カウンタの値が1減算される(図示せず)。減算した後の小当たりDカウンタ203acの値が0であると判別すると、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態を設定する。なお、本第2実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりDカウンタ203acの値を参照した時短終了条件(第5時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりDカウンタ203acの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりDカウンタ203acの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
特図1カウンタ203adは、時短状態が設定されている期間中に実行される第1特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に、時短状態を終了させるための終了条件として設定される第1特別図柄の変動回数に対応した値が設定され、時短状態中に第1特別図柄が変動する毎に設定された値が1減算される。そして、時短状態を終了させるか否かの判別を行う際に参照され、カウンタの値が0である場合に時短状態を終了するための処理が実行される。
特図2カウンタ203aeは、時短状態が設定されている期間中に実行される第2特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に、時短状態を終了させるための終了条件として設定される第2特別図柄の変動回数に対応した値が設定され、時短状態中に第2特別図柄が変動する毎に設定された値が1減算される。そして、時短状態を終了させるか否かの判別を行う際に参照され、カウンタの値が0である場合に時短状態を終了するための処理が実行される。
以上説明をした通り、本第2実施形態では、時短状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)として、第1特別図柄の変動回数や、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設けている。これにより、第1遊技(第1特別図柄のみを変動させる遊技)や、第2遊技(第2特別図柄のみを変動させる遊技)を実行した場合に、それぞれ専用の時短終了条件が成立し得るようにすることができる。
なお、本第2実施形態では、特図1カウンタ203adと特図2カウンタ202aeとを設けることで、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを計測するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、時短状態中に実行される特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数と、第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数)を計測する手段(第1実施形態の時短中カウンタ203kに相当)と、第1特別図柄の変動回数、或いは、第2特別図柄の変動回数の何れかを計測する手段(例えば、特図1カウンタ203ae)と、を有し、合算変動回数から特図1変動回数を減算する処理を実行することで、特図2(第2特別図柄)の変動回数を算出するように構成しても良い。
このように構成することで、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件と、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件と、特別図柄の合算変動回数に基づいて成立する終了条件とを、2つのカウンタを用いて管理することができる。なお、同様の効果を奏するために、本第2実施形態の特図1カウンタ203aeの計測した値(減算した値)と、特図2カウンタ203afの計測した値(減算した値)と、を合算することが合算変動回数を算出するように構成しても良い。
次に、図91及び図92を参照して,本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222およびRAM223の内容について説明をする。本第2実施形態のROM222は、図91(a)に示した通り、上述した第1実施形態におけるROM222(図26(a)参照)に対して、状態表示選択テーブル222bと、最終状態表示選択テーブル222cと、に替えて、保留表示選択テーブル222aaを設けた点で相違している。
また、本第2実施形態のRAM223は、図91(b)に示した通り、上述した第1実施形態におけるRAM223(図26(b)参照)に対して、仮当たり判定フラグ223h、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、を削除し、特別図柄2保留球数カウンタ223aa、右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223ac、時短開始フラグ223ad、時短計時カウンタ223aeを設けた点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図91(a)を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図91(a)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。
保留表示選択テーブル222aaは,時短状態中に獲得した特別図柄の保留球に応じて第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(図84(a)参照)に対して、その保留図柄に対する入賞情報の事前判別結果を遊技者に報知する表示態様(図84(a)参照)を選択する際に参照するものであって、時短状態が終了するか否か(時短終了条件の更新状況)、及び、特別図柄の当否判定結果を遊技者に事前に示唆(報知)するものである。
ここで、図92を参照して、保留表示選択テーブル222aaに規定されている内容について説明をする。図92は、保留表示選択テーブル222aaの内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態にて実行中の特別図柄変動に対して設定した状態表示態様と同様の表示態様を、保留図柄に対して設定する保留態様演出を実行するように構成している(図84参照)。
保留表示選択テーブル222aaは、保留態様演出の表示態様を選択する際に参照されるテーブルであって、仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報(先読み処理の結果に基づいて仮に更新された時短情報)と、取得した状態演出カウンタ223oの値とに基づいて、様々な保留表示態様が規定されている。なお、本保留表示選択テーブル222aaに記載されている保留表示態様を示す値は、上述した第1実施形態の状態表示態様と同一であり、図15を参照して示した表示態様が各値に対応して規定されているものであるため、その詳細な説明を省略する。
保留表示選択テーブル222aaに規定されている内容について具体的に説明をすると、仮時短情報更新エリア223iに格納されている今回の当否判定結果、即ち、今回の処理に対応する入賞情報に含まれる特別図柄の抽選結果が「大当たり」で、今回の処理が実行されるよりも前の段階で、既に仮時短情報更新エリア223iに大当たりを示す情報(既当たり情報)が格納されておらず(既当たり情報「なし」)、時短終了前条件が成立していることを示す終了前情報が格納されている(終了前情報「あり」)場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に保留表示態様「3」が規定され、「70~99」の範囲に保留表示態様「9」が規定されている。
また、今回の当否判定結果が「大当たり」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に保留表示態様「3」が、「50~69」の範囲に保留表示態様「1」が、「70~99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲には保留表示態様を設定しない「-」が、「70~99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
このように、今回保留表示態様を設定する対象となる保留図柄に対応する入賞情報と、既に仮時短情報更新エリア223iに格納されている入賞情報(今回の対象となる入賞情報よりも先に取得した入賞情報)と、に含まれる特別図柄の当否判定結果や、時短状態の進捗具合に応じて、保留表示態様を可変設定することにより、遊技者に対して、特別図柄の抽選結果に加え、時短状態が終了するか否かを事前に示唆することができる。
よって、時短状態が終了する虞のある保留表示態様が表示された場合には、その保留表示態様が表示されるよりも前に、大当たりを獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定可能にすることで、時短状態が継続して設定される期間を分かり難くした遊技機において、突然時短状態が終了してしまうことを抑制することができ、遊技者に不満感を与えてしまう遊技が実行されることを抑制することができる。
次に、今回の当否判定結果が「小当たりA」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「あり」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に保留表示態様「5」が、「50~69」の範囲に保留表示態様「5」が、「70~99」の範囲に「9」が規定され、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に保留表示態様「7」が、「50~69」の範囲に保留表示態様「7」が、「70~99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲には保留表示態様を設定しない「-」が、「70~99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
一方、今回の当否判定結果が「小当たりB,D」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「あり」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に保留表示態様「5」が、「50~69」の範囲に保留表示態様「6」が、「70~99」の範囲に「9」が規定され、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に保留表示態様「2」が、「50~69」の範囲に保留表示態様「4」が、「70~99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲には保留表示態様を設定しない「-」が、「70~99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
今回の当否判定結果が「外れ」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「あり」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~49」の範囲に保留表示態様「1」が、「50~69」の範囲に保留表示態様「4」が、「70~99」の範囲に「9」が規定され、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲に保留表示態様「1」が、「70~99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0~69」の範囲には保留表示態様を設定しない「-」が、「70~99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の状況表示態様と同一の条件に対して同一の表示態様が選択されるように保留表示選択テーブル222aaが記載されている。また、先に獲得した入賞情報に大当たりに当選する情報(当否判定結果)が含まれている場合には、それ以降の保留図柄に対して設定(選択)可能な表示態様を制限する(保留表示態様「9」(図15参照)のみが選択される)ように構成している。よって、複数の保留図柄のそれぞれに対して保留表示態様を選択し表示するように構成した場合に、違和感の無い演出を提供することが出来る。
なお、図92に示した通り、本第2実施形態では、獲得した入賞情報(保留図柄)に対して、高確率で表示態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、保留表示選択テーブル222aaにて選択された保留表示態様を、実際に表示するか否かの判定を行う判定手段と、その判定手段の判定結果に応じて保留図柄の表示態様を可変させるように構成しても良いし、取得した状態演出カウンタ223oの値が、所定範囲(例えば「0~39」)である場合には、保留表示態様が選択されないように構成しても良い。このように構成することにより、保留図柄の表示態様だけで今後の遊技内容(時短状態の修了の有無や、大当たり当選の有無)を容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、獲得した入賞情報(保留図柄)に含まれる情報に関わらず、所定の確率で保留表示態様「9」が選択されるように構成しているため、保留図柄の表示態様だけで今後の遊技内容(時短状態の修了の有無や、大当たり当選の有無)を容易に把握されてしまうことをより抑制することができる。
次に、図91(b)を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図91(b)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。
特別図柄2保留球数カウンタ223aaは、主制御装置110から送信された保留球数コマンドのうち、第2特別図柄に関連するコマンドを受信した場合に、そのコマンドの示す内容に応じて第2特別図柄の保留球数を更新するためのカウンタである。なお、詳細な構成については、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223aの構成に対して対象となるコマンドが変更されている点以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
右打ち中フラグ223abは、遊技者に対して右打ち遊技(第2遊技)を実行させる期間であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、右打ち遊技(第2遊技)を実行させる期間であることを示すものである。この右打ち中フラグ223abは、入賞情報関連処理2(図100のS2251参照)にて実行される遊技状態設定処理(図101(a)のS2351)において、受信した入賞情報が特図1(第1特別図柄)関連の入賞情報では無い(即ち、特図2(第2特別図柄)関連の入賞情報である)と判別した場合に(図101(a)のS3002:No)、オンに設定される。
そして、遊技内容判別処理(図101(b)のS2352)や保留表示設定処理(図102のS2353)において参照され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。
左打ち中フラグ223acは、遊技者に対して右打ち遊技(第2遊技)を実行させる期間であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、左打ち遊技(第1遊技)を実行させる期間であることを示すものである。この左打ち中フラグ223acは、入賞情報関連処理2(図100のS2251参照)にて実行される遊技状態設定処理(図101(a)のS2351)において、受信した入賞情報が特図1(第1特別図柄)関連の入賞情報であると判別した場合に(図101(a)のS3002:Yes)、オンに設定される。
そして、遊技内容判別処理(図101(b)のS2352)や保留表示設定処理(図102のS2353)において参照され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。
上述した通り、本第2実施形態においては、時短状態が設定された際の遊技方法(第1遊技又は第2遊技)を、遊技者が実際に球を発射する方向を調整することにより選択できるように構成している。そして、遊技者が選択した遊技方法を時短状態中の適切な遊技方法と判別し、遊技者が選択していない遊技方法を時短状態中に不適切な遊技方法と判別するように構成している。
なお、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから最初に球が入球した入球口が左打ち領域(左打ち遊技を行った場合に球が流下(通過)し得る領域)に配設された第1入球口64(図2参照)か、或いは右打ち領域(右打ち遊技を行った場合に球が流下(通過)し得る領域)に配設された第2入球口640かを、主制御装置110から送信された入賞コマンドを解析することで判別し、その判別結果に基づいて時短状態中の適切な遊技方法を決定するように構成しているが、時短状態が設定されている状態において、適切な遊技が行われているか否かを判別し、適切な遊技が行われていない場合にはエラー報知を実行できるように構成されていれば良く、本第2実施形態の構成以外の構成を用いても良い。
例えば、遊技者が操作可能な操作手段を設け、大当たり遊技中或いは、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定されてから所定期間(例えば、5秒間)の間に時短状態中の遊技方法を、操作手段を操作させることで選択するように構成し、操作手段により選択された遊技方法に対応した遊技領域を球が通過した場合に適切な遊技方法を設定するように構成しても良い。これにより、より確実に遊技者の所望する遊技方法を適切な遊技方法として設定することができる。
また、時短状態が設定されている間に、遊技者が適切な遊技方法を可変設定できるように構成しても良い。このように構成することで、時短終了条件の更新状況を予測しながら遊技方法を可変させることで、より有利な時短状態となるように遊技者に積極的に選択遊技(遊技方法を設定するための遊技)を行わせることができる。なお、この場合、遊技方法を可変させる旨を、操作手段を操作することにより設定し、遊技方法可変期間中は何れの遊技(第1遊技、第2遊技)が実行されたとしても不適切な遊技として判別しないように構成すると良い。これにより、時短状態中に行われる遊技方法の変更操作を円滑に行わせることができる。
更に、本実施形態では、特定の入球口に球が1個入球した場合に、その球が入球した入球口の種類に応じて適切な遊技方法を設定するように構成しているが、例えば、時短状態が設定されてから所定個数(例えば、2個)の球が入球した入球口の種類に応じて適切な遊技方法を設定するように構成しても良い。これにより、誤操作により所望しない遊技方法に対応する遊技領域に球を発射させてしまい、誤った遊技方法が設定されることを抑制することができる。
時短開始フラグ223adは、遊技状態として時短状態が設定されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで時短状態が設定されたこと示すものである。この時短開始フラグ223adは、後述するコマンド判定処理2(図99のS2163参照)において、時短関連のコマンドを受信したと判別し(図99のS2215:Yes)、さらに、受信した時短関連のコマンドが時短設定情報(時短状態が設定されたことを示す情報)であると判別した場合に(図99のS2252:Yes)、オンに設定される(図99のS2253)。
そして、演出設定処理2(図104のS2851参照)において参照され(図104のS3301)、オンであると判別された場合に後述する時短計時カウンタ223aeの値に4000が設定され(図104のS3302)、フラグがオフに設定される(図104のS3303)。つまり、この時短開始フラグ223adは、音声ランプ制御装置113側で時短状態が設定されたことを判別するために用いられるものであって、オンに設定されている場合にのみ専用の処理(時短状態が設定された場合にのみ実行する処理)を実行するものである。
時短計時カウンタ223aeは、時短状態が設定されてからの経過期間(経過時間)を継続するためのカウンタであって、時短状態が設定された場合に所定の値が設定され、その値を減算することにより、時短状態が設定されてからの経過期間を判別するものである。この時短計時カウンタ223aeには、演出設定処理2(図104のS2851参照)において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別された場合に(図104のS3301:Yes)、4000の値が設定される(S3302)。
次に、図93を参照して、本第2実施形態における遊技の流れについて説明をする。図93は、図28は、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図28に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、上述したように通常遊技状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1遊技が実行される。ここで、第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行するように構成されている。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図3を参照して上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、本実施形態では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。
遊技状態として時短遊技状態(時短状態)が設定されると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることができるようになるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。本実施形態では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。
なお、本実施形態では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~C)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。
加えて、本実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)である時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。
また、詳細は後述するが、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。
このように構成された本実施形態のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では図28に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
<第2実施形態における主制御装置110により実行される制御処理>
第2実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容が変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
ここで、図94~図98を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、特別図柄変動処理(図38参照)を特別図柄変動処理2(図94参照)に変更し、その特別図柄変動処理において実行される時短回数更新処理(図42参照)に代えて時短回数更新処理2(図95参照)を実行し、そして、始動入賞処理(図43参照)を始動入賞処理2(図96参照)に変更し、その始動入賞処理において実行される先読み処理(図44参照)に代えて先読み処理2(図97参照)を実行する点で相違する。更に、大当たり制御処理(図52参照)を大当たり制御処理2(図98参照)に変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図94を参照して特別図柄変動処理2(S154)の内容について説明をする。図94は特別図柄変動処理2(S154)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理2では、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)に対して、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得する点および時短回数更新処理に代えて時短回数更新処理2(図95参照)を実行する点で相違している。
この特別図柄変動処理2(S154)が実行されると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS201およびS202の処理が実行される。S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得し(S251)、取得した特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0より大きいか判別する(S252)。
特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0でなければ(S252:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1減算し(S253)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を示す特別図柄2保留球数コマンドを設定する(S254)。S254の処理により特別図柄2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203aaに格納されたデータをシフトする(S255)。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S252の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判別された場合には(S252:No)、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS206~S210の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS211からS213の処理が実行される。S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S213:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS214からS218の処理を実行し、本処理を終了する。
S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S213:No)、第1実施形態における特別図柄変動処理(図38参照)の時短回数更新処理(図42参照)に代えて、時短回数更新処理2を実行する(S271)。この時短回数更新処理2(S271)は、時短回数更新処理(図42参照)と同様に、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。この時短回数更新処理2(S271)の詳細については、図95を参照して後述する。
時短回数更新処理2(S271)が終了すると、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS220,S221およびS218の処理を実行した後に、本処理を終了する。
次に、図95を参照して特別図柄変動処理2(図94のS154)にて実行される時短回数更新処理2(S271)について説明をする。図95は時短回数更新処理2(S271)の内容を示すフローチャートである。この時短回数更新処理2(S271)は、上述した第1実施形態の時短回数更新処理(図42参照)に対して、第1特別図柄の変動に対しても時短回数を減算し、時短終了条件が成立したかを判別するように変更した点で相違し、それ以外の処理については同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
時短回数更新処理2(S271)が実行されると、上述した第1実施形態の時短回数更新処理(図42参照)と同様にS601およびS602の処理が実行される。S602の処理を終えると、次に今回の変動が特図2の変動であるか判別する(S651)。今回の変動が特図2の変動であると判別された場合は(S651:Yes)、特図2カウンタ203aeの値を1減算し(S652)、S653の処理に移行する。一方、S651の所処理において、今回の変動が特図2の変動でない(即ち、特図1の変動である)と判別された場合は(S651:No)、特図1カウンタ203adの値を1減算し(S654)、S653の処理に移行する。
S653の処理では、各種カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S653)、次いで、時短中カウンタ203k、特図1カウンタ203adおよび特図2カウンタ203aeのいずれかの値が0であるか判別する(S655)。時短中カウンタ203k、特図1カウンタ203adおよび特図2カウンタ203aeのいずれの値も0でないと判別された場合は(S655:No)、本処理を終了する。
一方、S655の処理において、時短中カウンタ203k、特図1カウンタ203adおよび特図2カウンタ203aeのいずれかの値が0であると判別された場合は(S651:Yes)、上述した第1実施形態の時短回数更新処理(図42参照)と同様にS605からS607の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図96を参照して、始動入賞処理2(S155)の内容について説明をする。図96は始動入賞処理2(S155)の内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理2(S155)では、上述した第1実施形態の始動入賞処理(図43参照)に加えて、第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、第2入球口640への始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理が追加されている点、および、先読み処理(図44参照)に代えて、先読み処理2を実行する点で相違している。
始動入賞処理2(S155)が開始されると、まず、上述した第1実施形態の始動入賞処理(図43参照)と同様にS701の処理を実行する。S701の処理において、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701:Yes)、上述したS702およびS703の処理を実行する。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満でなければ(S703:No)、S753の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S701:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満であれば(S703:Yes)、上述したS704からS706の処理を実行する。
S706の処理を終えると、次に、今現在が時短中或いは特別図柄の大当たり中であるか判別する(S751)。今現在が時短中或いは特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S751:Yes)、本処理を終了する。S751の処理において、今現在が時短中および特別図柄の大当たり中でないと判別した場合は(S751:No)、先読み処理2(S752)を実行し、処理をS753へ移行する。
S701の処理において、第1入球口64への入球を検出しなかった場合(S701:No)、第1入球口64への入賞があり、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が最大値である4であった場合(S703:No)、およびS752の処理が終了した場合に実行されるS753の処理では、球が第2入球口640へと入球したか否かを判別する(S753)。このS753の処理では、S701の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入球したと判別されると(S753:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得し(S754)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S755)。
そして、第2入球口640への入球がないか(S753:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が4未満でなければ(S755:No)、先読み処理2(S752)へ移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S753:Yes)、且つ、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が4未満であれば(S755:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1加算する(S756)。そして、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S757)。
ここで設定された特図2保留球数コマンドも、S705の処理において設定された特図1保留球数コマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される前述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223aaに格納する。
S757の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2保留球格納エリア203aaの空き保留エリア(特図2保留第1エリア~特図2保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S758)。なお、S758の処理では、S706の処理と同様に、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を参照し、その値が0であれば、特図2保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば特図2保留第2エリアを、その値が2であれば特図2保留第3エリアを、その値が3であれば特図2保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S758の処理が終了すると、先読み処理2(S752)へ移行し、本処理を終了する。
次に、図97を参照して先読み処理2(S752)の内容について説明をする。図97は、先読み処理2(S752)の内容を示したフローチャートである。本第2実施形態における先読み処理2(S752)は、上述した第1実施形態における先読み処理(図44参照)に対して、第1入球口64に新たな入賞があった場合に参照する第1当たり乱数テーブル202a、特図1大当たり種別選択テーブル202b1、及び変動パターンテーブル202d(通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2)に代えて、第1当たり乱数2テーブル202aa、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1、特図1小当たり種別選択2テーブル202af1、及び変動パターン2テーブル202ad(通常用変動パターンテーブル202ad1または時短用変動パターンテーブル202ad2)を参照する点、第2特別図柄における抽選結果の先読みを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
先読み処理2(S752)が実行されると、まず、上述した第1実施形態における先読み処理(図44参照)と同一のS801の処理を実行する。S801の処理において、第1入球口64に新たな入賞がない場合(S851:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64に新たな入賞があった場合は(S851:Yes)、特別図柄1乱数2テーブルaa1、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1、特図1小当たり種別選択2テーブル202af1、及び変動パターン2テーブル202ad(通常用変動パターンテーブル202ad1または時短用変動パターンテーブル202ad2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S852)。
次いで、S852の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S853)、S854の処理へ移行する。一方、S851の処理において、第1入球口64に新たな入賞がない場合も(S851:No)、S854の処理へ移行する。
S854の処理では、第2入球口640に新たな入賞があるかどうかが判定される(S854)。判定の結果、第2入球口640に新たな入賞がない場合(S854:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2入球口640に新たな入賞があった場合は(S854:Yes)、特別図柄2乱数2テーブルaa2、特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2、特図2小当たり種別選択2テーブル202af2、及び変動パターン2テーブル202ad(通常用変動パターンテーブル202ad1または時短用変動パターンテーブル202ad2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S855)。
次いで、S855の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S856)、本処理を終了する。
次に、図98を参照して、大当たり制御処理2(S1554)の内容について説明をする。図98は大当たり制御処理2(S1554)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理2(S1554)は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるメイン処理(図51参照)の中で、第1実施形態における大当たり制御処理(図52参照)に変えて実行される処理であり、上述した大当たり制御処理(図52参照)に対して、大当たり制御終了時(エンディング演出の終了タイミング)に設定する時短内容(時短終了条件)を異ならせた点で相違している。
大当たり制御処理2(S1554)が開始されると、まず、上述した大当たり制御処理(図52参照)のS1601~S1612と同様の処理を実行し、S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、次いで、大当たり当選時が時短中であるかを判別する(S1651)。大当たり当選時が時短中であると判別された場合は(S1651:Yes)、S1653の処理へ移行する。一方、大当たり当選時が時短中でない(即ち、通常遊技状態である)と判別された場合は(S1651:No)、実行されていた特別遊技が大当たりC(5R時短無大当たり)であったか否かを判別する(S1652)。
大当たり当選時が通常遊技状態であると判別され(S1651:No)、且つ、S1652の処理において大当たりC(5R時短無大当たり)でないと判別された場合(S1613:No)、或いは、S1651の処理において大当たり当選時が時短中であると判別された場合は(S1651:Yes)、各大当たり種別に対応する時短終了条件を時短付与2テーブル202ae(図88(d)参照)に基づいて設定する(S1653)。
一方、大当たり当選時が通常遊技状態であると判別され(S1651:No)、且つ、S1652の処理において大当たりC(5R時短無大当たり)であると判別された場合(S1652:Yes)、或いは、S1653の処理が終了すると、上述した大当たり制御処理(図52参照)のS1617~S1620と同様の処理を実行し、本処理を終了する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図99から図105を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第2実施形態では上述した第1実施形態に対して、コマンド判定処理(図56参照)をコマンド判定処理2(図99参照)に替えた点と、入賞情報関連処理(図57参照)を入賞情報関連処理2(図100参照)に替えた点と、変動表示設定処理(図62参照)を変動表示設定処理2(図103参照)に替えた点と、演出設定処理(図63参照)を演出設定処理2(図104)に替えた点と、各種カウンタ更新処理(図105(a)参照)について詳細な説明を追加した点と、演出更新処理(図105(b)参照)について詳細な説明を追加した点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図99を参照して音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて実行されるコマンド判定処理2(図99のS2163)について説明をする。図99はコマンド判定処理2(S2163)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理2(S2163)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)に対して、主制御装置110から入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理を入賞情報関連処理(図57参照)から入賞情報関連処理2(図100参照)に変更した点と、時短関連のコマンドを受信した場合に実行する処理の内容を変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理2(図99のS2163)が実行されると、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)と同一のS2201~S2209の処理を実行する。S2209の処理において、今回受信したコマンドが入賞情報コマンドであると判別した場合は(S2209:Yes)、入賞情報関連処理2を実行し(S2251)、その後、S2217の処理へ移行する。このS2251の処理で実行される入賞情報関連処理2の内容については、図100を参照して後述する。
一方、S2209の処理において、今回受信したコマンドが入賞情報コマンドでは無いと判別した場合は(S2209:No)、次に、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)と同一のS2211~S2215の処理を実行し、S2215の処理において、今回受信したコマンドが時短関連のコマンドであると判別した場合は(S2215:Yes)、次に、受信した時短関連のコマンドの内容が時短設定情報、即ち、時短状態を新たに設定した場合に主制御装置110から送信される情報であるかを判別する(S2252)。
S2252の処理において、今回受信した情報が時短設定情報であると判別した場合は(S2252:Yes)、時短開始フラグ223adをオンに設定し(S2253)、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報を更新し(S2254)、S2217の処理へ移行する。なお、S2254の処理では、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる情報に基づいて、各種カウンタに時短終了条件となる値が設定される。具体的には、例えば、大当たり種別が大当たりBである大当たり遊技終了のタイミングで送信される時短設定情報を含むコマンド(大当たり制御処理2(図98参照)のS1614で設定された内容に対応した時短情報を示すコマンド)を受信した場合には、時短付与2テーブル202aeを参照して、特図1カウンタ203adの値に「30」、特図2カウンタ203aeの値に「80」、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「3」、小当たりDカウンタ203acの値に「20」を設定する(図88(d)参照)。
図99に戻り説明を続ける。S2254の処理を終えると、次いでS2217の処理を実行し本処理を終了する。一方で、S2252の処理において、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる情報が時短設定情報では無いと判別した場合は(S2252:No)、つまり、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる情報が時短終了条件に対応する時短情報(変動回数や小当たり当選回数)を更新させる(時短終了条件に近づけさせる)情報(時短更新情報)である場合は、既に、時短終了条件に関する情報が設定されており、時短遊技が開始されているため、時短開始フラグをオンに設定するS2253の処理をスキップして、S2254の処理へ移行する。
この場合におけるS2254の処理では、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる複数の情報の中から時短更新情報を読み出し、対象の時短情報を更新させる処理を実行する。また、更新後の時短情報が示す内容が、時短終了条件が成立するまでの残期間が所定期間よりも少ないことを示すものとなる場合は、その旨を時短情報更新エリアに記憶する。
次に、図100を参照して、入賞情報関連処理2(S2251)の内容について説明をする。図100は入賞情報関連処理2(S2251)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理2(S2251)は、上述した第1実施形態の入賞情報関連処理(図57のS2210参照)に対して、入賞情報に基づく時短情報の更新内容を示す表示態様を設定するための処理の内容を異ならせた点と、時短状態中における遊技方法(左打ち遊技(第1遊技)或いは右打ち遊技(第2遊技))を設定するための処理を追加した点とで相違している。それ以外の要素については同一であるため、同一の要素に対しては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
入賞情報関連処理2(S2251)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報(現在設定されている遊技状態を示すための情報)を読み出し(S2301)、読み出した情報が示す遊技状態が時短状態を示す遊技状態であるか(時短中であるか)を判別する(S2302)。S2302の処理によって、現在が時短中では無いと判別した場合は(S2302:No)、上述した第1実施形態の入賞情報関連処理(図57参照)のS2312と同一の処理を実行した後に、S2311の処理へ移行する。
一方、S2302の処理において、現在設定されている遊技状態が時短状態である(時短中である)と判別した場合は(S2302:Yes)、次に遊技状態設定処理を実行する(S2351)。この遊技状態設定処理(S2351)は、今回の時短状態において遊技者が選択した遊技方法が第1遊技(左打ち遊技)、或いは、第2遊技(右打ち遊技)の何れであるかを判別し、時短状態において適切な遊技を設定するための処理を実行するものであり、詳細な内容については、図101(a)を参照して後述する。
S2351の処理を終えると、次に遊技内容判別処理を実行する(S2352)。この遊技内容判別処理(S2352)は、時短状態中に適切な遊技が実行されているかを判別するための処理を実行するものであり、詳細な内容については、図101(b)を参照して後述する。S2352の処理を終えると、続いて保留表示設定処理を実行し(S2353)、その後、S2311の処理へ移行し、本処理を終了する。
保留表示設定処理(S2353)は、今回受信した入賞情報コマンドに対応して表示される保留図柄の表示態様を、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて設定するための処理を実行するものであり、詳細な内容については、図102を参照して後述する。
次に、図101(a)を参照して、入賞情報関連処理2(図得100のS2251)にて実行される遊技状態設定処理(S2351)の内容について説明をする。図101は、遊技状態設定処理(S2351)の内容を示したフローチャートである。この遊技状態設定処理(S2351)では、時短状態が設定されてから最初に受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて、今回の時短状態中に実行される遊技方法(遊技方向)を設定するための処理を実行する。
遊技状態設定処理(図101(a)のS2351)が実行されると、まず、時短開始フラグ223adがオンに設定されているかを判別する(S3001)。この時短開始フラグ223adは、コマンド判定処理2(図99のS2163)において、時短設定情報を受信したと判別した場合(図99のS2252:Yes)、即ち、新たに時短状態が設定された場合にオンに設定されるものである(図99のS2253)。つまり、S3001の処理では、時短状態が設定された直後の状態であるかを判別している。
S3001の処理において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別した場合は(S3001:No)、次に、今回受信した入賞情報が特図1関連(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)であるかを判別し(S3002)、特図1関連であると判別した場合は(S3002:Yes)、時短状態が設定されている状態において、左打ち領域に配設されている第1入球口64に球が入球したことを示しているため、左打ち中フラグ223acをオンに設定し(S3003)、時短開始フラグ223adをオフに設定し(S3004)、本処理を終了する。
一方で、S3002の処理において、今回受信した入賞情報が特図1関連では無い(特図2(第2特別図柄)関連である)と判別した場合は(S3002:No)、時短状態が設定されている状態において、右打ち領域に配設されている第2入球口640に球が入球したことを示しているため、右打ち中フラグ223abをオンに設定し(S3005)、S3004へ移行し、その後本処理を終了する。また、S3001の処理において時短開始フラグ223adがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3001:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから最初の入賞情報コマンドを受信するまでの間は時短開始フラグ223adがオンに設定され、時短開始フラグ223adがオンに設定されている間に第1入球口64、或いは、第2入球口640に球が入球した場合に、その球が入球した入球口が配設されている領域(右打ち領域、左打ち領域)に対して球を発射させる遊技が、時短状態中の適切な遊技となるように設定し、時短開始フラグ223adをオフに設定する。
これにより、時短状態中における遊技方法を設定するタイミングを時短開始フラグ223adがオンに設定されている期間に限定することができる。
次に、図101(b)を参照して、コマンド判定処理2(図99のS2163)の入賞情報関連処理2(図100のS2251)にて実行される遊技内容判別処理(S2352)の内容について説明をする。図101(b)は、遊技内容判別処理(S2352)の内容を示したフローチャートである。この遊技内容判別処理(S2352)では、時短状態中に適正な遊技方法として設定された遊技方法に対して、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が適正な遊技方法に基づく入賞情報であるかを判別し、判別結果に基づいてエラーコマンドを設定するための処理を実行する。
遊技内容判別処理(S2352)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報が特図1関連(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)であるかを判別し(S3101)、特図1関連であると判別した場合は(S3101:Yes)、左打ち中フラグ223acがオンに設定されているかを判別する(S3102)。S3102の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていると判別した場合は(S3102:Yes)、時短状態中の左打ち遊技(第1遊技)が適切な遊技であると設定している状態で(左打ち中フラグ223acがオンの状態で)、左打ち遊技によって発射された球が入球し得る第1入球口64への球の入球を示す入賞コマンドを受信している場合であるため、異常と判別すること無くそのまま本処理を終了する。
一方、S3102の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3102:No)、時短状態中の右打ち遊技(第2遊技)が適切な遊技であると設定している状態で(右打ち中フラグ223abがオンの状態で)、左打ち遊技によって発射された球が入球し得る第1入球口64への球の入球を示す入賞コマンドを受信している場合であるため、適切な遊技が行われていないと判別し、表示用エラーコマンドを設定し(S3104)、本処理を終了する。
また、S3101の処理において、今回受信した入賞情報が特図1関連(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)では無い、即ち、今回受信した入賞情報が特図2関連(第2特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)であると判別した場合は(S3101:No)、次いで、右打ち中フラグ223abがオンに設定されているかを判別し(S3103)、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
一方で、S3103の処理において、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3103:No)、時短状態中の左打ち遊技(第1遊技)が適切な遊技であると設定している状態で(左打ち中フラグ223acがオンの状態で)、右打ち遊技によって発射された球が入球し得る第2入球口640への球の入球を示す入賞コマンドを受信している場合であるため、適切な遊技が行われていないと判別し、表示用エラーコマンドを設定し(S3104)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、図101(a)に示した遊技状態設定処理(S2351)によって、今回の時短状態において適切な遊技方法を設定した後に、入賞コマンドを受信した場合には、図101(b)に示した遊技内容判別処理(S2352)によって、時短状態中の遊技方法が適切か否かを判別することができる。このように構成することで、遊技者が自分の意思で遊技方法(球を発射する方向)を選択可能に構成したとしても、遊技者が選択した遊技方法を適切な遊技方法として設定し、それ以外の遊技方法が実行された場合に異常を示すエラーコマンドを設定することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、本第2実施形態では、入賞情報関連処理2(図100参照)において、遊技状態設定処理(図101(a)参照)を実行した後に、遊技内容判別処理(図101(b)参照)を実行するように構成しているため、右打ち中フラグ223abおよび左打ち中フラグ223acの何れもオンに設定されていない状態で、遊技内容判別処理が実行されることが無いように構成している。よって、図101(b)に示した通り、一方のフラグ(右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223acのうちの一方のフラグ)がオンに設定されていない場合は、他方のフラグ(右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223acのうちの他方のフラグ)がオンに設定されていると判別することができるため、音声ランプ制御装置113の制御処理を簡素化することができる。
なお、本第2実施形態では、遊技状態設定処理(図101(a)参照)において、1回の入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて時短状態における適切な遊技方法を設定する構成としているため、遊技内容判別処理(図101(b)参照)が実行される場合には、既に適切な遊技方法が設定されている(右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223acのうち何れかがオンに設定されている)ことになる。
これに対して、例えば、遊技状態設定処理(図101(a)参照)として、複数回の入賞情報コマンドを受信し、その受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて時短状態における適切な遊技方法を設定する処理を実行する場合には、時短状態が設定されてから所定期間経過するまでは(入賞情報コマンドを所定回数受信するまでは)、その時短状態における適切な遊技方法を設定することが出来ないことになる。このような場合は、遊技方法が未設定の状態を示すためのフラグ(未設定中フラグ)を設け、未設定中フラグがオン、即ち、遊技方法が未設定である場合は、遊技内容判別処理(図101(b)参照)をスキップするように構成すると良い。これにより、遊技方法を決めている最中に実行した遊技(球の発射)に基づいてエラーコマンドが設定されることを抑制することができる。
なお、本第2実施形態では、時短状態中の遊技方法(左打ち遊技(第1遊技)、或いは右打ち遊技(第2遊技))を、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて判別するように構成しているため、遊技方法を判別するために専用の情報を収集する必要が無く、音声ランプ制御装置113の制御処理を簡素化することができるものであるが、これに限ること無く、例えば、左打ち領域を流下する球が確実に通過する領域の球通過を検知する手段と、右打ち領域を流下する球が確実に通過する領域の球通過を検知する手段と、を設け、各手段の球通過の検知結果を収集し、時短状態中の適切な遊技方法を設定するように構成しても良い。このように構成することで、専用の構成を追加する必要があり制御処理が複雑になってしまうが、遊技者の選択した遊技方法を確実に検知することができるため、遊技方法の設定精度を高めることができる。
さらに、遊技者の選択した遊技方法を判別するために、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)の検出結果を用いるように構成しても良い。
次に、図102を参照して、コマンド判定処理2(図99のS2163)の入賞情報関連処理2(図100のS2251)にて実行される保留表示設定処理(S2353)の内容について説明をする。図102は、保留表示設定処理(S2353)の内容を示したフローチャートである。この保留表示設定処理(S2353)では、時短状態中に適正な入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに対応して表示される保留図柄に対して時短状態の更新状況や大当たり遊技が実行される可能性を示唆する保留示唆演出の演出態様を設定する処理を実行する。
保留表示設定処理(S2353)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報コマンドが特図1関連の入賞情報(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)を含むコマンドであるかを判別し(S3201)、特図1関連であると判別した場合は(S3201:Yes)、左打ち中フラグ223acがオンに設定されているかを判別する(S3202)。S3202の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていると判別した場合は(S3202:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応する入賞情報コマンドであるため、後述するS3203~S3206の処理へ移行し、受信した入賞情報コマンドに対する保留図柄を用いて保留示唆演出を実行するための処理を実行する。
一方で、S3202の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3202:No)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応していない入賞情報コマンドであるため(右打ち遊技(第2遊技)を適切な遊技と判別している状態で、第1特別図柄の入賞情報コマンドを受信したため)、S3203~S3206の処理をスキップして本処理を終了する。
同様に、S3201の処理において、今回受信した入賞情報コマンドが特図1関連の入賞情報では無いと判別した場合は(S3201:No)、即ち、特図2(第2特別図柄)関連の入賞情報であると判別した場合は、次いで、右打ち中フラグ223abがオンに設定されているかを判別し(S3207)、オンに設定されていると判別した場合は(S3207:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応する入賞情報コマンドであるため、後述するS3203~S3206の処理へ移行し、受信した入賞情報コマンドに対する保留図柄を用いて保留示唆演出を実行するための処理を実行する。
一方で、S3207の処理において、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3207:No)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応していない入賞情報コマンドであるため(左打ち遊技(第1遊技)を適切な遊技と判別している状態で、第2特別図柄(特図2)の入賞情報コマンドを受信したため)、S3203~S3206の処理をスキップして本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、入賞情報コマンドを受信した場合に、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が、遊技者が選択した遊技方法に対応する入賞情報であるか否かを判別し、遊技者が選択した遊技方法に対応する入賞情報である場合にのみ、その入賞情報コマンドに含まれる入賞情報を用いた演出(保留表示演出)を実行するように構成している。これにより、遊技者が意図しない遊技(例えば、操作ハンドル51の操作を誤ってしまい意図する方向とは異なる方向へ球を発射させてしまう遊技)に対して保留表示演出が実行されることを禁止することができる。
よって、遊技者が自身で選択した遊技方法を継続することにより、遊技者に有利な情報(保留表示演出によって遊技者に提供される情報)を獲得することができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第2実施形態では、遊技者が意図しない遊技(自身で選択した遊技方法とは異なる遊技方法)を行った場合に、保留表示演出を実行しないように構成しているが、遊技者が自身で選択した遊技方法を行った場合に比べて、遊技者が獲得し得る情報が不利となるように構成すれば良く、例えば、保留表示演出の発生頻度を低くしたり、保留表示演出にて表示される表示態様が示す情報の内容を乏しくしたり、事実とは異なる内容の情報を示す表示態様を表示したりしても良い。
図102に戻り説明を続ける。S3203の処理では、今回受信した入賞情報に基づいて仮時短情報更新エリア223iの情報を更新し(S3203)、仮時短情報更新エリア223iの内容に基づいて保留表示選択テーブル222aaを用いて保留表示態様を選択し(S3204)する、そして、選択した保留表示態様を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S3205)、選択した保留表示態様に対応する表示用保留表示コマンドを設定し(S3206)、本処理を終了する。
次に、図103を参照して、本第2実施形態における変動表示設定処理2(S2134)の内容について説明をする。図103は、変動表示設定処理2(S2134)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理2(S2134)は、上述した第1実施形態の変動表示設定処理(図62のS2114参照)に対して、演出設定処理(図63のS2804)を演出設定処理2(図103のS2851参照)に替えた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図104を参照して、本第2実施形態における演出設定処理2(S2851)について説明をする。図104は、演出設定処理2(S2851)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理2(S2851)は、上述した第1実施形態の演出設定処理(S2804)に対して、遊技状態として時短状態が設定されている場合に実行される処理を異ならせた点で相違している。それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、演出設定処理2(S2851)が実行されると、上述した演出設定処理(図63参照)と同一のS2901及びS2902の処理を実行し、S2902の処理において読み出した情報が時短状態を示す情報では無いと判別した場合は(S2902:No)、本処理を終了する。一方、S2902の処理において読み出した情報が時短情報を示す情報であると判別した場合は(S2902:Yes)、次に、時短開始フラグ223adがオンに設定されているかを判別する(S3301)。ここで、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別した場合、即ち、時短状態が設定されてから最初の特別図柄変動に対応する変動表示を設定するタイミングであると判別した場合は(S3301:Yes)、S3302の処理へ移行する。
S3302の処理では、時短計時カウンタ223aeの値に4000を設定し、次いで、時短開始フラグ223adをオフに設定し、表示用遊技選択コマンドを設定しS3304)、本処理を終了する。S3304の処理において設定される表示用遊技選択コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)のコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用遊技選択コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81の表示画面に時短状態中の遊技方法を遊技者に選択させるための遊技選択画面(図82(b)参照)を表示するための制御を実行する。
一方で、S3301の処理において時短開始フラグ223adがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3301:No)、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいかを判別する(S3305)。
時短計時カウンタ233aeは時短状態が設定されてから最初の特別図柄変動に対応する変動表示を設定するタイミングからの所定期間(本実施形態では4秒)を計時するものであり、S3305の処理では、現在のタイミングが上述した所定期間(本実施形態では4秒)を経過したか否かが判別される。
S3305の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいと判別した場合、即ち、時短状態が設定されてから最初の特別図柄変動に対応する変動表示を設定するタイミングから4秒が経過していないと判別した場合は(S3305:Yes)、第3図柄表示装置81の表示画面に遊技方法を選択させるための選択画面(図82(b)参照)を継続して表示する期間中であるため、S3306~S3308の処理をスキップして本処理を終了する。
一方で、S3305の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S3305;No)、今回の変動に対応する入賞情報格納エリアに含まれる保留態様情報を読み出し(S3306)、読み出した保留態様情報に対応する演出態様を設定し(S3307)、選択した演出態様を示す表示用演出コマンドを設定し(S3308)、本処理を終了する。
以上説明をした通り、特別図柄の抽選(変動)に対応した変動表示を設定する際に、入賞情報格納エリア223aに格納された保留態様情報に基づいて当該変動表示に対応する演出態様を設定することができるため、保留態様情報に基づいて第3図柄表示装置81に既に表示されている保留演出表示に関連付けた演出態様の変動表示を実行することができる。よって、関連性を持たせた演出を長期間(特別図柄の変動が複数実行される期間)実行することができ演出効果を高めることができる。
また、保留表示設定処理(図102参照)にて上述した通り、遊技者が選択した遊技方法(第1遊技(左打ち遊技)、或いは第2遊技(右打ち遊技))に対応した入賞情報に対してのみ保留態様情報を設定するように構成しているため、演出設定処理(図104のS2851)が実行された際の対象となる特別図柄変動が、遊技者が選択した遊技方法に対応していない特別図柄変動である場合には、入賞情報格納エリア223aに保留態様情報が設定されていないため、変動表示に対して演出態様を設定することが無い。よって、遊技者が選択した遊技方法に対応した特別図柄変動のみ所定の演出態様を用いた演出表示(図83(a)、(b)参照)を実行することができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
次に、図105(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて実行される各種カウンタ更新処理2(S2161)について説明をする。図105(a)は、各種カウンタ更新処理2(S2161)の内容を示したフローチャートである。この各種カウンタ更新処理2(S2161)は、上述した第1実施形態の各種カウンタ更新処理(S2111)に対して、時短計時カウンタ223aeの値を更新(減算)する処理を追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
各種カウンタ更新処理2(S2161)が実行されると、まず、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいかを判別し(S3401)、0よりも大きいと判別した場合は(S3401:Yes)、時短計時カウンタ223aeの値を1減算し(S3402)、次いで、その他各種カウンタの値を1減算(更新)し(S3403)、本処理を終了する。なお、S3403の処理において更新される各種カウンタの詳細については、上述した第1実施形態の各種カウンタ更新処理と同一であるためその詳細な説明を省略する。
一方、S3401の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S3401:No)、S3402の処理をスキップしてS3403の処理へ移行し、その後本処理を終了する。つまり、時短計時カウンタ223aeの値は、1ミリ秒間隔で実行される各種カウンタ更新処理2(S2161)が実行される毎に1減算(更新)されるものであることから、演出設定処理2(図104のS2851参照)において設定される4000の値は、4秒間の期間を計測するための値となる。
次に、図105(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行される演出更新処理2(S2162)の内容について説明をする。図105(b)は、演出更新処理2(S2162)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理2(S2162)は、上述した第1実施形態の演出更新処理(S2112)に対して、時短状態中における案内表示領域Dm2の表示態様を設定するための処理を追加した点で相違し、その他は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
演出更新処理2(S2162)が実行されると、まず、時短状態が設定されているかを判別し(S3501)、時短状態が設定されていると判別した場合は(S3501:Yes)、次いで、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいかを判別する(S3502)。つまり、時短状態中の特別図柄変動が実行されてから所定期間(4秒)が経過しているかを判別する。
S3502の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S3502:No)、次に、右打ち中フラグ223abがオンに設定されているかを判別し(S3503)、オンに設定されていると判別した場合は(S3503:Yes)、表示用右打ちコマンドを設定し(S3504)、S3508の処理へ移行する。この表示用右打ちコマンドを設定すると、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用右打ちコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される案内表示領域Dm2に「右打ち」の文字を表示し、遊技者に対して右打ち遊技を実行することを案内表示する。
S3503の処理において、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3503:No)、次に、左打ち中フラグ223acがオンに設定されているかを判別し(S3504)、オンに設定されていると判別した場合は(S3505:Yes)、表示用左打ちコマンドを設定し(S3506)、S3508へ移行する。
S3506の処理にて、表示用左打ちコマンドを設定すると、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用左打ちコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される案内表示領域Dm2に「左打ち」の文字を表示し、遊技者に対して左打ち遊技を実行することを案内表示する。
一方、S3505の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S3505;No)は、即ち、時短状態が設定されてから保留記憶されていた特別図柄の変動は実行されたが、第1入球口64や第2入球口640への新たな入球が発生すること無く4秒間が経過した場合は、表示用待機コマンドを設定し(S3507)、S3508の処理へ移行する。S3507の処理において設定された表示用待機コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用待機コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される案内表示領域Dm2に「?」の文字を継続して表示し、遊技者に対して遊技方法を選択させる画面(図82(b)参照)を継続して表示する。
このように構成することで、大当たり遊技が終了した後に、トイレ休憩等で遊技を一旦中断したとしても、遊技を再開し易くすることができる。
以上、説明をした通り、本第2実施形態では、第1特別図柄(特図1)と、第2特別図柄(特図2)とで、異なる時短終了条件を設定し、且つ、遊技者が特図1の抽選を実行する遊技(左打ち遊技)と、特図2の抽選を実行する遊技(右打ち遊技)と、を選択することができるように構成した。
これにより、時短状態が設定されている状態において複数種類の遊技を行わせることができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2実施形態では、時短状態中に特図1の抽選を実行させる遊技(左打ち遊技)を実行した場合には、特図2の抽選を実行させる遊技(右打ち遊技)を実行する場合よりも、時短終了条件が成立し易く、且つ、2種当たりを獲得し易い小当たりに当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して大当たりとなり易いが時短状態が終了し易い遊技と、大当たりとなり難いが時短状態が終了し難い遊技とを選択させることができるため、遊技者自身の都合に応じた遊技を任意に選択させることができる。
なお、本第2実施形態では、時短状態が設定されている状態を有利状態とし、その有利状態において、遊技者に複数種類の遊技を選択させるように構成しているが、それ以外に、も、例えば、確変状態が設定されている遊技状態を有利状態としても良いし、確変状態および時短状態が設定されている場合を有利状態としても良い。
また、本第2実施形態では、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている状態において、その有利状態を終了させる終了条件(例えば、時短終了条件)が成立した場合に、遊技者に不利となる遊技状態(例えば、通常状態)が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、有利状態を終了させる有利状態終了条件が成立した場合に、その有利状態よりも更に有利となる超有利状態へと移行するように構成しても良い。このように構成した場合には、遊技者に対して、有利状態から超有利状態へといち早く移行するように意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、有利状態を終了させる有利状態終了条件として、成立することで有利状態よりも不利な不利状態(例えば、通常状態)が設定される不利終了条件と、有利状態よりも有利な超有利状態(例えば、潜確状態)が設定される有利終了条件と、を設定するように構成しても良いし、選択する遊技方法に応じて、有利状態終了条件の成立のし易さに加え、不利終了条件と有利終了条件との成立のし易さも異ならせるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して有利状態中において選択した遊技方法に応じて、その後の遊技結果を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して自力で遊技を行った感覚を与えることができる。
なお、本第2実施形態では、遊技者が選択する遊技方法が2種類(左打ち遊技、右打ち遊技)の例を示したが、これに限ること無く、3種類以上の遊技方法から任意の遊技方法を選択するように構成しても良い。
<第3実施形態>
次に、図106~図124を参照して本パチンコ機10の第3実施形態について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、V入賞装置650の替わりに第2可変入賞装置1650を設けた点と、第2特別図柄の抽選結果に基づく遊技内容と、を異ならせた点で相違する。
具体的には、上述した第1実施形態では、第2特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した場合に、V入賞装置650を開放する小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球が特定領域を通過した場合に、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行(設定)する2種当たりを有しているが、本第3実施形態では、小当たりに当選した場合に、第2可変入賞装置1650を開放する小当たり遊技が実行されるだけであり、第2可変入賞装置1650内に特定領域を設けていない点で相違する。即ち、本第3実施形態は、上述した第1実施形態とは異なり、2種当たりの遊技性を有していないパチンコ機10を用いている点で相違している。
まず、図106を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図106は、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13を示す正面図である。本第3実施形態のパチンコ機10は、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、V入賞装置650の替わりに第2可変入賞装置1650を設けた点と、電動役物640aの構成を変更した点で相違し、それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第3実施形態のパチンコ機10は、図106に示した通り、可変表示装置ユニット80の右側領域(右打ち領域)を流下した球がスルーゲート67を通過し、その下流側に電動役物640aを付した第2入球口640が設けられている。そして、その下流側には複数の一般入賞口63が設けられている。このように構成されたパチンコ機10では、上述した第1実施形態と同様に、遊技状態として通常状態が設定されている間は可変表示装置ユニット80の左側領域(左打ち領域)に球を流下させる左打ち遊技によって第1入球口64を狙う遊技、即ち、第1特別図柄の抽選が主となる遊技が行われ、遊技状態として時短状態が設定されている間は可変表示装置ユニット80の右側領域(右打ち領域)に球を流下させる右打ち遊技によって第2入球口640を狙う遊技、即ち、第2特別図柄の抽選が主となる遊技が行われるように構成している。
詳細については、第1実施形態で説明したため省略するが、本第2実施形態においても、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となるように構成しているため、右打ち遊技は左打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技となる。
ここで、本第3実施形態のパチンコ機10は図106に示した通り、左打ち遊技によって発射された球が流下し得る左側領域に(可変表示装置ユニット80の下端位置の左方側に)第2可変入賞装置1650が設けられている。この第2可変入賞装置1650は、第2特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技において開放動作が実行されるものである。
尚、詳細は後述するが、本第3実施形態の小当たり遊技では、球が第2可変入賞装置1650に入賞し難い開放動作(開放期間が0.09秒~0.11秒)が実行され、且つ、図106に示した通り、第2可変入賞装置1650を球が到達し難い位置に配設するように構成している。
つまり、複数の特別図柄のうち、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成し、その第2特別図柄の抽選を実行させるために右打ち遊技を行った場合に、球が流下し得ない左打ち領域に第2可変入賞装置1650を設けるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行された場合に、第2可変入賞装置1650に球が入賞し難いように構成している。
以上のように構成された本第3実施形態では、時短状態の終了条件を成立させるためにのみ第2特別図柄の小当たり当選を用いることができる。よって、小当たり当選により実行される小当たり遊技によって遊技者に特典(賞球)が付与されることが無いため、高確率で小当たりに当選するように当選確率を設定したとしても遊技者に過剰に特典を付与してしまう事態を抑制することができる。
さらに、第2可変入賞装置1650が開放される期間を、第2可変入賞装置1650に球が入賞し難い短期間(0.09秒~0.11秒)にしているため、高確率で小当たりに当選するように当選確率を設定したとしても遊技者に過剰に特典を付与してしまう事態を抑制することができる。
また、本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選を行う右打ち遊技にて発射された球が流下する遊技領域(右側領域)とは異なる左側領域に第2可変入賞装置1650を設けているため、右打ち遊技を行っている遊技者に対して第2可変入賞装置1650が開放動作されている(小当たり遊技を実行している)ことに気付かれ難くすることができるため、遊技者に違和感を与えること無く小当たり遊技を実行することができる。
なお、本第3実施形態では図106に示した通り、第2可変入賞装置1650を遊技者が視認できるように構成しているが、それ以外に、例えば、ガラスユニット16と第2可変入賞装置1650との間に装飾部材を設け、遊技者が第2可変入賞装置1650を視認し難くなるように構成しても良い。これにより、より右打ち遊技を行っている遊技者に対して第2可変入賞装置1650が開放動作されている(小当たり遊技を実行している)ことに気付かれ難くすることができるため、遊技者に違和感を与えること無く小当たり遊技を実行することができる。
加えて、第2可変入賞装置1650の近傍に設けた装飾部材に、遊技者に発光状態を視認させるための発光部材(例えば、LED)を設け、小当たり遊技が実行される場合の一部において発光部材を動作(発光)させるように構成すると良い。具体的には、小当たり遊技が実行される条件が成立したことを判別する小当たり判別手段と、その小当たり判別手段により小当たり遊技が実行されると判別した場合に、所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が所定の抽選結果である場合に、発光部材を動作させる制御を実行する発光制御手段とを設けると良い。
このように構成することで、実際に実行される小当たり遊技回数と、遊技者に視認させる(発光部材を動作させる)小当たり遊技回数とに差を設けることができ、実際に小当たり遊技が実行された回数を遊技者に把握され難くすることができる。よって、小当たり遊技が実行された回数(小当たりに当選した回数)に基づいて成立する時短終了条件がいつ成立するのか(時短状態の終了タイミングはいつか)を、遊技者に予測させ難くすることができる。
さらに、上述した発光部材を小当たりに当選していない場合にも発光させる制御を発光制御手段が実行するように構成すると良い。これにより、発光部材が発光した回数のほうが実際に小当たりに当選した回数よりも多くすることができるため、小当たり遊技が実行された回数(小当たりに当選した回数)に基づいて成立する時短終了条件がいつ成立するのか(時短状態の終了タイミングはいつか)を、遊技者に予測させ難くすることができる。
この場合、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄の抽選結果、或いは、保留記憶されている入賞情報に対応する特別図柄の抽選結果として大当たりとなる抽選結果がある場合に発光部材が動作され易くなるように構成すると良い。つまり、小当たり遊技に当選した場合にその旨を報知するために実行される発光動作を、特別図柄の抽選結果に基づいて実行するように構成すると良い。
これにより、発光部材が発光した場合に、遊技者に対して、小当たり遊技が実行されたのか、特別図柄の大当たりに当選するのか、それとも、ただの装飾演出なのかを分かり難くすることができる。さらに、遊技者に対して不利な状態(小当たり遊技の実行)、即ち、遊技者に有利な有利状態(時短状態)を終了させる要因が成立した状態と、遊技者に対して有利な状態(大当たり当選)とで、発光部材を発光させるため、発光部材が発光された後の遊技結果に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、上述した構成を用いた場合においては、発光制御手段が発光部材を発光させるタイミングを、小当たりに当選したタイミング(特別図柄が停止表示したタイミング)や、小当たり遊技が開始されるタイミングや、小当たり遊技中のタイミングや、小当たり遊技終了後のタイミングや、特別図柄の変動が実行されているタイミングなど、様々なタイミングを設定するようにしても良いし、予め定められた所定のタイミングを設定するようにしても良い。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果に基づいて発光制御手段が発光部材を発光させる条件を可変するように構成してもよい。この場合、例えば、予め定めた操作条件(例えば、2秒間に枠ボタン22を10回以上押下する操作(連打操作))が成立した場合には、発光部材の動作回数と小当たり当選回数とが近似するように(予め定めた操作条件が成立していない場合よりも近似するように)発光制御するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して操作手段を積極的に操作させることができ、意欲的に遊技者に参加させることができる。
また、上述した発光部材の発光動作を用いて、例えば、時短終了条件が成立するまでの状況(残りの小当たり当選回数)や、今回当選した小当たりの小当たり種別を遊技者に報知(示唆)するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して発光部材の発光動作内容に興味を持たせることができる。
なお、本第3実施形態では、遊技者に対して小当たり当選の有無を分かり難くすることで、遊技者に有利な遊技状態である時短状態の終了タイミングを分かり難くし、緊張感を持たせた遊技を遊技者に行わせるようにしているが、これに限ること無く、小当たりに当選したことは遊技者に報知するが、当選した小当たりに設定されている小当たり種別を遊技者に報知しないように構成しても良いし、小当たり種別まで遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、小当たりに当選したことを遊技者に報知するために、第3図柄表示装置81にて特定の表示態様を表示(例えば、小当たりに当選したことを遊技者が識別可能な表示態様で第3図柄を停止表示)したり、第2可変入賞装置1650を右打ち領域に設けたりするように構成すると良い。これにより、遊技者に対して時短状態中における小当たり当選回数を容易に把握させることができるため、遊技者に時短状態の終了タイミングを予測させながら遊技を行わせることができる。
<第3実施形態における演出内容について>
次に、図107から図110を参照して、第3実施形態のパチンコ機10において実行される時短状態中の演出について説明をする。図107~図110のそれぞれに記載されている図は、第3図柄表示装置81の表示画面を模式的に示した模式図であり、基本的な構成は上述した第1実施形態と同一であり、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、第2特別図柄の入賞情報も保留記憶可能に構成している点で相違しているため、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される残時短示唆演出(時短状態の残期間を遊技者に示唆するための演出)として、第2特別図柄の保留記憶情報を用いた演出が実行される点で相違する。以下、第1実施形態にて用いられる演出内容と相違する点を中心に本第3実施形態における残時短示唆演出の内容について説明をする。
図107(a)は、時短状態が設定された場合に表示される表示画面を模式的に示した模式図である。図107(a)に示した通り、時短状態が設定されると、時短状態中に実行される演出の内容を説明するための演出開始画面が表示される。本第3実施形態では、時短状態が設定されると、小表示領域Dm11に複数の状況表示態様として第1状況表示態様Dm11a、第2状況表示態様Dm11b、第3状況表示態様Dm11c、第4状況表示態様Dm11dが表示される。
この複数の状況表示態様は、個々の表示態様が複数の時短終了条件の成立具合(時短終了条件が成立するまでの進捗具合)に対応しており、時短終了条件が成立するまでの進捗具合に対応して表示態様が可変するように構成している。具体的には、各状況表示態様として所定長さの導火線を有する爆弾が表示され、時短状態が設定されてから最初の変動が実行された場合に、その導火線に火が付けられる。
そして、各時短終了条件のうち、条件が成立し易い時短終了条件に対応する状況表示態様は、他の状況表示態様よりも導火線の長さが短くなるように表示態様が可変される。このように状況表示態様の表示態様を可変させることで、時短状態が終了するタイミングを第3図柄表示装置81にて実行される演出(残時短示唆演出)によって遊技者に予測させることができるため、遊技者を演出に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、図107(a)に示した通り、演出開始画面(時短開始画面)では、主表示領域Dmの中央部に、残時短示唆演出の内容を遊技者に報知するために「1つでも爆発すると時短終了」の文字と「消化完了で大当たり」の文字が表示される。これにより、小表示領域Dm11に表示される複数の爆弾のうち、1つでも爆発すると時短状態が終了してしまうこと、及び、小表示領域Dm11に表示される複数の爆弾の火を消化できると大当たりになることを容易に把握することができる。
図107(a)に示した状態は、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応した第3図柄が変動表示されている状態、つまり、時短状態中において特別図柄の変動が実行されている状態であるため、小表示領域Dm11に表示される複数の爆弾に火が付いている状態である。なお、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定された状態において特別図柄の変動が開始されない状態(大当たり遊技終了後に特別図柄の変動が開始されない状態)であると判別した場合には、時短状態待機画面として、特別図柄の変動を開始させる残時短示唆演出が実行される旨を表示する画面を表示するように構成しても良い。
時短状態が設定されている状態で遊技を進め、時短終了条件の成立が近づいてくると(特別図柄の変動回数が所定回数に到達、或いは、時短状態中の小当たり当選回数が所定回数に到達すると)、図107(b)に示した通り、小表示領域Dm11にてその旨を示唆(報知)するための合体状況表示態様Dm11zが表示される。図107(b)は、時短状態中における残時短示唆演出中の表示画面を模式的に示した模式図である。
この合体状況表示態様Dm11zは、複数の時短終了条件の進捗状況が終了前条件(例えば、変動回数終了条件として特別図柄の変動回数50が設定されている場合では、特別図柄の変動回数が30に到達した場合、当選回数終了条件として小当たりA当選回数5が設定されている場合では、小当たりA当選回数が3に到達した場合に成立する条件)を満たしている場合に表示されるものである。よって、小表示領域Dm11に合体状況表示態様Dm11zが表示されることで、時短状態がもうすぐ終了してしまうことを遊技者に把握させることができる。
また、複数の時短終了条件の進捗状況が終了前条件を満たしている状態で合体状況表示態様Dm11zを表示することで、時短状態が終了した場合(設定されている複数の時短終了条件のうち、何れかの時短終了条件が成立した場合)において、遊技者に対してどの時短終了条件が成立したことで時短状態が終了したのかを把握させ難くすることができる。つまり、図107(a)に示したように、小表示領域Dm11に各時短終了条件の進捗状況に対応して表示態様が可変する複数の状況表示態様(Dm11a~Dm11d)を表示したままでは、時短状態が終了した際に、いずれかの状況表示態様が爆発する演出を実行する必要があるため、今回成立した時短終了条件が複数の時短終了条件のうちの何れであるかを遊技者に容易に把握されてしまうという問題があった。
このように、今回成立した時短終了条件が複数の時短終了条件のうちの何れであるかを遊技者が容易に把握してしまうことにより、時短状態に移行する際に設定される複数の時短終了条件を容易に予測されてしまい、時短状態が終了するタイミングまで容易に予測されてしまう虞があった。これに対して、本第3実施形態では、複数の時短終了条件に対して終了前条件が成立した場合には、それ移行の各時短終了条件の進捗状況が遊技者に把握されることを防ぐために、合体状況表示態様Dm11zを表示するように構成している。これにより、遊技者に対してどの時短終了条件が成立したことで時短状態が終了したのかを把握させ難くすることができる。
なお、本第3実施形態では、複数の時短終了条件に対して終了前条件が成立した場合にのみ合体状況表示態様Dm11zを表示するように構成しているが、時短終了条件が1つでも終了前条件を満たした場合に合体状況表示態様Dm11zを表示しても良いし、複数の時短終了条件のうち、特定の時短終了条件に対応する値が終了前条件を満たした場合に合体状況表示態様Dm11zを表示するようしても良い。
そして、時短状態が終了する場合には、図108(a)に示した画面が表示される。図108(a)は、時短状態終了時における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した模式図である。図108(a)は、当選回数終了条件の1つに対して時短終了条件が成立した場合の表示画面を示したものであり、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応した第3図柄が小当たりに当選したことを示す「341」の組み合わせで停止表示されるとともに、小表示領域Dm11では、爆弾が爆発した状態を示す表示態様が表示されており、主表示領域Dmの中央部分には時短状態が終了したことを遊技者に報知するための「終了」の文字が表示される。
次に、時短状態が設定される場合における特別な状況に対する残時短示唆演出の演出内容について図108(b)を参照して説明をする。図108(b)は、時短状態が設定された直後に特図1変動が実行された場合における表示画面の一例を示した模式図である。上述した通り、本第3実施形態のパチンコ機10は第1特別図柄の入賞情報を保留記憶する手段を有していることから、通常状態(左打ち遊技中)に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たりに対応する大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合に、保留記憶されている第1特別図柄に対応する特図変動が実行される場合があった。
そして、その中でも、保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合(所謂、保留内連荘)もあった。このように、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中に獲得した特別図柄の入賞情報では無く、時短状態が設定される前に、既に獲得済みの入賞情報に基づいて次の大当たり遊技が実行されてしまう場合には、時短状態中に実行される演出(残時短示唆演出)を実行してしまうと、演出内容と遊技結果とに矛盾が生じてしまい、演出効果を低下させてしまうという問題があった。
そこで、本第3実施形態では、時短状態が設定される場合において保留記憶されている第1特別図柄に対応する入賞情報に大当たりとなる入賞情報があるか否かを判別し、大当たりとなる入賞情報があると判別した場合は、通常の残時短示唆演出(図107(a)参照)を開始(実行)するのではなく、特別な演出(時短中保留内演出)を実行するように構成している。これにより、時短状態中に実行される演出(残時短示唆演出)を実行してしまうと、演出内容と遊技結果とに矛盾が生じてしまい、演出効果を低下させてしまうことを抑制するとともに、大当たり終了後の保留記憶内で再度大当たりに当選するという珍しい状況において特別な演出を実行することで遊技者に対して優越感を与えることができる。
時短中保留内演出が実行されると、図108(b)に示した通り、小表示領域Dm11にて合体状況表示態様Dm11zを表示させると共に、合体状況表示態様Dm11zに「!?」の文字を表示させて、主表示領域Dmの中央部に、通常の残時短示唆演出とは異なる演出が実行されていることを遊技者に示唆するために「何だか様子がおかしいぞ」の文字が表示される。このような表示を行うことで、遊技者に対していつもとは異なる演出が実行されていることを容易に把握させることができる。
また、図108(b)では、上述したように第1特別図柄の変動が実行されている状態であるため、特図1変動表示領域Dm1aにて第1特別図柄に対応した第3図柄が変動表示され、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応した第3図柄が停止表示されている。
なお、図108(b)に示した表示画面を、例えば、時短状態が設定される前に、既に獲得済みの入賞情報に基づいて時短終了条件の何れかが成立すると判別した場合にも実行するように構成しても良い。このように構成することにより、大当たり終了後に図108(b)に示した画面が表示されることで、直ぐに(保留記憶されている入賞情報に対応する特別図柄変動が全て終了するまでに)大当たりに当選するか、或いは、時短状態が終了するかの何れかであることを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して次いで実行される演出内容に興味を持たせることができる。
図108(b)に示した状態から、時短状態が終了する場合には、図108(a)に示した表示画面と同様の表示画面が表示され、時短状態が終了することを遊技者に報知する。一方、図108(b)に示した状態から、大当たりに当選する場合には、図109(a)に示した表示画面が表示される。図109(a)は、図108(b)に示した状態から時間が経過し、第1特別図柄の大当たりに当選したタイミングにおいて表示される表示画面の一例を示した模式図である。
図109(a)に示した通り、時短状態が設定された状態において既に保留記憶されていた第1特別図柄の入賞情報に対応する特図変動にて大当たりに当選すると、特図1変動表示領域Dm1aにて第1特別図柄に対応した第3図柄が大当たりを示す「777」の表示態様で停止表示され、小表示領域Dm11には消火された合体状況表示態様Dm11zが表示される。そして、主表示領域Dmの中央部には大当たりに当選したことを示すための「消火完了」、「大当たり」の文字が表示される。
以上、説明をした通り、本第3実施形態では、大当たり終了後(大当たり終了後の1回転目の特別図柄変動が実行されるタイミング)に時短状態が設定される場合において、保留記憶されている入賞情報の内容を判別し、その判別の結果、大当たりに当選する入賞情報があると判別された場合には、通常の時短状態中の演出(残時短示唆演出)とは異なる特別な演出(時短中保留内演出)を実行するように構成している。
このように構成することで、残時短示唆演出が実行された直後に大当たりに当選してしまい、残時短示唆演出の演出内容と遊技結果とが一致しない状態が発生したり、遊技結果に対応するために強引に残時短示唆演出の演出内容を可変させたりすることを抑制することができ、残時短示唆演出に対する演出効果が低下することを抑制することができる。
次に、時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が確定した場合における残時短示唆演出の演出内容について図109(b)を参照して説明する。図109(b)は、時短状態中において、残時短回数が確定した場合の表示画面の一例を示した模式図である。本第3実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動が実行される場合に成立する変動回数終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に成立する当選回数終了条件と、が複数設定されるように構成し、複数設定された時短終了条件のうちいずれかの終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成することで、遊技者に対して時短状態が継続して設定される期間(時短状態が終了するタイミング)を予測させ難くし、時短状態中の遊技の興趣を向上させるようにしている。
このように複数の時短終了条件を設定した場合であっても、時短状態が終了するまでの期間が確定する場合がある。例えば、時短状態中の遊技が進行し、変動回数終了条件が成立するまでの特別図柄の変動回数が3回で、当選回数終了条件が成立するまでの小当たりの当選回数が5回となった場合には、特別図柄の1回の変動に対して最大で1回しか小当たりに当選しないことから、特別図柄の抽選結果に関わらず、特別図柄の抽選が3回実行されると時短状態が終了することになる。
本第3実施形態では、時短状態が終了するまでの期間(特別図柄の変動回数)が確定した場合には、図109(b)に示した通り、小表示領域Dm11に残りの特別図柄変動回数(図109(b)の例では「3回」)が表示されるように構成されている。このように構成することで、複数の時短終了条件を設定することで時短状態が終了するタイミングを複雑に設定することができる遊技機において、時短状態が終了するタイミングが予め確定された場合には、そのタイミングを遊技者に明確に報知することができるため、時短状態の残り期間を意識した遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態では、時短状態が終了するまでの期間(特別図柄の変動回数)が確定した場合に、小表示領域Dm11に残りの特別図柄変動回数(図109(b)の例では「3回」)が表示されるため、この表示がされている期間は、小当たりに何度当選したとしても小当たりの当選回数に基づいて時短状態が終了することが無い期間となる。よって、遊技者に対して小表示領域Dm11に残りの特別図柄変動回数が表示されている間に多くの小当たりに当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、このような演出表示を上述した第1実施形態や第2実施形態に用いた場合には、小当たりに当選することで2種当たりを獲得する可能性があることから、より意欲的に遊技を行わせることができる。つまり、上述した第1実施形態や第2実施形態では、時短状態中に小当たりに当選すると、2種当たりを獲得するチャンスと、時短状態が終了するピンチとが訪れるように構成されていたが、図109(b)に示したように、時短状態が小当たり当選に基づいて終了することが無い期間(特別図柄の変動回数に基づいて終了することが確定している期間)であることを報知する演出(残期間確定報知演出)を実行することで、残期間確定報知演出が実行されている間は、小当たりに当選した場合に、2種当たりを獲得するチャンスのみ到来することを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して多くの小当たりに当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態では、当選した大当たりに設定される大当たり種別に基づいて異なる時短終了条件が設定されるように構成されており、そのうちの一部では、時短状態が設定されてから所定期間の間は時短終了条件が成立しないように各時短終了条件を設定する場合がある。
本第3実施形態では、上述した時短状態が設定されてから時短終了条件が成立し得ない期間であることを遊技者に報知するための演出を実行可能に構成している。図110(a)は、大当たり種別として大当たりDが設定された大当たり遊技終了後における時短突入時の表示画面を示した模式図である。
詳細は、図113(a)を参照して後述するが、本第3実施形態では大当たりDに基づいて時短状態が設定された場合に、少なくとも特別図柄変動が20回実行されるまでは時短状態が終了しないように時短終了条件が設定される。つまり、時短状態が設定されてから特別図柄変動が20回実行されるまでの期間は、特別図柄の抽選結果に関わらず時短状態が継続する期間になる。
そこで、本第3実施形態では、図110(a)に示した通り、現在が、時短状態が設定されてからの特定期間(特別図柄の抽選結果に関わらず時短状態が継続する期間)であることを遊技者に報知するための演出(無敵演出)が実行される。この無敵演出中は、小表示領域Dm11には火が付いていない爆弾が表示されており、爆弾が爆発しない期間(時短状態が終了することが無い期間)であることを遊技者に報知している。
そして、主表示領域Dmの中央部には無敵演出の残期間を報知するための残期間態様820が表示される。図110(a)に示した模式図では、「導火線に火がつくまであと・・・」の文字と、残期間態様820として「20」が表示される。このように、時短状態が終了することが無い期間を遊技者に示すための演出(無敵演出)を実行することにより、時短状態中において遊技者が安心して遊技を行う期間を提供することができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図111を参照して、第3実施形態における電気的構成について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202の内容、および、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図111は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態では、上述した第1実施形態におけるROM202(図19(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに替えて第1当たり乱数3テーブル202baを、小当たり種別選択テーブル202fに替えて小当たり種別選択3テーブル202bbを、時短付与テーブル202eに替えて時短付与3テーブル202bcを、開放シナリオテーブル202gに替えて開放シナリオ3テーブル202bdを設けた点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図112(a)を参照して、第1当たり乱数3テーブル202baの内容について説明をする。図112(a)は、第1当たり乱数3テーブル202baに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図112(a)に示した通り、第1当たり乱数3テーブル202baには、特別図柄1乱数3テーブル202ba1と、特別図柄2乱数3テーブル202ba2とが規定されている。
次に、図112(b)を参照して、特別図柄1乱数3テーブル202ba1の内容について説明をする。図112(b)は、特別図柄1乱数3テーブル202ba1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄1乱数3テーブル202ba1は、上述した第1実施形態の特別図柄1乱数テーブル202a1(図20(b)参照)と同一の内容が規定されているものであり、その詳細な説明を省略する。
図112(c)は、特別図柄2乱数テーブル202ba2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄2乱数テーブル202ba2は、上述した第1実施形態の特別図柄2乱数テーブル202a2(図20(c)参照)に対して、小当たりと判定される値の範囲を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。具体的には、特別図柄2乱数テーブル202ba2には、取得した第1当たり乱数カウンタ値C1が「5~499」の範囲に小当たり判定値を規定している。
つまり、特別図柄2乱数3テーブル202ba2を用いた本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選を実行する場合に、5/1000(1/200)の確率(割合)で大当たりであると判定し、495/1000の確率(割合)で小当たりであると判定される。即ち、第2特別図柄の抽選が実行されると1/2の確率で大当たり又は小当たりに当選するように構成されている。
なお、大当たりや小当たりと判定される範囲は上述した内容に限ること無く、大当たりと判定される確率よりも、小当たりと判定される確率を低くするように規定しても良いし、大当たりや小当たりと判定される範囲を連続する値で規定するだけでは無く、間を空けて規定するようにしても良い。また、本第3実施形態では、設定される遊技状態に関わらず同一のテーブルを用いて大当たり又は小当たりの判定を実行するように構成しているが、例えば、設定される遊技状態に応じて異なるテーブルを用いて大当たり又は小当たりの判定を実行するように構成しても良い。
具体的には、遊技状態として通常状態が設定されている場合に用いられるテーブルよりも、遊技状態として時短状態が設定されている場合に用いられるテーブルのほうが小当たりと判定される範囲が広くなるように構成すると良い。このように構成することで、時短状態を終了させるために用いられる小当たり当選が、時短状態中に頻繁に発生するように構成したとしても、通常状態において頻繁に発生する事態を抑制することができる。
さらに、図112(a)および図112(b)に示した通り、本第3実施形態では第1特別図柄の抽選によって小当たりに当選することが無く、第2特別図柄の抽選によってのみ小当たりに当選するように構成しているが、第1特別図柄の抽選によっても小当たりに当選するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定された場合に保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報に小当たりに当選する入賞情報がある場合に、即座に時短状態を終了させることができる。このような構成を用いる場合には、例えば、時短状態が即座に終了したほうが遊技者に有利な遊技状態を提供することができる遊技機に用いると良い。
具体的には、遊技状態として、通常状態と時短状態とに加え、特別図柄の抽選の結果、大当たりに当選する確率が低確率状態の遊技状態(通常状態:特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、時短状態:特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)よりも高くなる特別図柄の高確率状態(確変状態:特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態、潜確状態:特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成し、確変状態が設定されている期間中に時短終了条件が成立した場合に、潜確状態が設定されるように構成し、潜確状態が遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成すると良い。
このような遊技機によれば、確変状態が設定されている状態において、時短終了条件が成立することを遊技者に有利とすることができる。よって、興趣に富んだ遊技機を提供することができる。また、このような遊技機において、確変状態が設定された場合に保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報に小当たりに当選する入賞情報がある場合に、即座に確変状態を終了させて潜確状態へと移行させる構成を用いることで、確変状態が設定されるまでに第1特別図柄の入賞情報を上限数(4個)まで記憶させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図113(a)を参照して、小当たり種別選択3テーブル202bbの内容について説明をする。図113(a)は、小当たり種別選択3テーブル202bbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図113(a)に示した通り、小当たり種別選択3テーブル202bbは、上述した第1実施形態の小当たり種別選択テーブル202f(図22参照)に対して、各小当たり種別の内容を異ならせている点で相違し、それ以外、例えば、小当たり種別カウンタ値C5の範囲に対して規定される小当たり種別等は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本第3実施形態は、上述した第1実施形態とは異なり、V入賞装置650を設けておらず、小当たり遊技中において特定領域に球を通過させて大当たり(2種当たり)を獲得する遊技性を有していないため、小当たり種別3テーブル202bbに規定される各小当たり種別には、2種当たり獲得時に設定される大当たり遊技の内容が対応付けられていない点で相違している。
図113(b)は、本第3実施形態における時短付与3テーブル202bcに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図113(b)に示した通り、時短付与3テーブル202bcは、上述した第1実施形態の時短付与テーブル202e(図21(d)参照)に対して、各大当たり種別に対応して設定される時短終了条件の規定内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合には、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、時短中カウンタ203kの値に「100」を、小当たり当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件として、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「10」、小当たりCカウンタ203acの値に「50」が設定されるように規定されている。つまり、大当たりAに対応する大当たり遊技が終了した後には、「特別図柄の変動回数が100回に到達する」、「小当たりA(が設定される小当たり)に1回当選する」、「小当たりB(が設定される小当たり)に10回当選する」、「小当たりC(が設定される小当たり)に50回当選する」の何れかの条件を満たした場合に終了条件が成立する時短状態(以下、時短状態aと称す)が設定される。
また、大当たり種別が大当たりBの場合には、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、時短中カウンタ203kの値に「50」を、小当たり当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件として、小当たりAカウンタ203mの値に「5」、小当たりBカウンタ203nの値に「5」、小当たりCカウンタ203acの値に「25」が設定されるように規定されている。つまり、大当たりBに対応する大当たり遊技が終了した後には、「特別図柄の変動回数が50回に到達する」、「小当たりA(が設定される小当たり)に5回当選する」、「小当たりB(が設定される小当たり)に5回当選する」、「小当たりC(が設定される小当たり)に25回当選する」の何れかの条件を満たした場合に終了条件が成立する時短状態(以下、時短状態bと称す)が設定される。
大当たり種別が大当たりDの場合には、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、時短中カウンタ203kの値に「100」を、小当たり当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件として、小当たりAカウンタ203mの値に「20」、小当たりCカウンタ203acの値に「80」が設定されるように規定されている。つまり、大当たりAに対応する大当たり遊技が終了した後には、「特別図柄の変動回数が100回に到達する」、「小当たりA(が設定される小当たり)に20回当選する」、「小当たりC(が設定される小当たり)に80回当選する」の何れかの条件を満たした場合に終了条件が成立する時短状態(以下、時短状態cと称す)が設定される。
以上説明をした通り、本第3実施形態も上述した各実施形態と同様に、大当たり当選時に設定される大当たり種別に応じて異なる時短終了条件が複数設定され、設定された複数の時短終了条件の何れかが成立した場合に時短状態が終了するように構成しているため、時短状態が終了するタイミングを多様化させることができる。
また、大当たり種別に応じて設定される時短状態(a~c)に応じて、成立し易い時短終了条件と成立を異ならせているため、時短状態中の特別図柄の変動回数に基づいて時短状態が終了する場合と、時短状態中の小当たり当選回数に基づいて時短状態が終了する場合と、を混在させて発生させることができるため、時短状態が終了するパターンを多様化させることができる。
本第3実施形態では、設定される時短状態によって、時短終了条件として設定される項目数を異ならせている。具体的には、時短状態a,bでは小当たりBに当選した場合に成立し得る時短終了条件が設定されているが、時短状態cでは小当たりBに当選した場合に成立し得る時短終了条件が設定されないように構成している。
このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の種別を遊技者に把握されたとしても(当選した小当たりに設定される小当たり種別に対応した第1図柄を停止表示する遊技機において、停止表示された第1図柄を把握することで小当たり遊技の種別を遊技者が把握したとしても)、その小当たり遊技の種別が時短終了条件として設定されているか否を遊技者に把握させ難くすることができるため、時短状態が終了するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
なお、本第3実施形態では、特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、設定し得る全ての小当たり種別(小当たりA~C)に対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これ以外の構成として、例えば、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を追加し(例えば、小当たりX~Z)、追加した小当たり種別に対しては、時短終了条件を設定しないように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態中に小当たりに当選した場合に、時短状態の終了に近づいているのか(時短終了条件に)否かを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者に時短状態が終了するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
また、この場合、時短終了条件が設定される小当たり種別(例えば、小当たりA)と、時短終了条件が設定されない小当たり種別(例えば、小当たりX)とで、実行される小当たり遊技の動作内容が同一(遊技者が識別し得ない程度の誤差を含む)となるように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中の動作内容によって今回の小当たり種別が遊技者に判別されることを抑制することができる。
次に、図114を参照して、本第3実施形態における開放シナリオ3テーブル202bdの内容について説明をする。図114は開放シナリオ3テーブル202bdの内容を模式的に示した模式図である。図114に示した通り、開放シナリオ3テーブル202bdは、上述した開放シナリオテーブル202gの内容に対して、小当たりA~小当たりCに対応して規定される開放シナリオの内容を異ならせた点と、大当たりDに対応して規定される開放シナリオの内容を異ならせた点で相違し、それ以外の要素については同一である。
ここで、開放シナリオ3テーブル202bdの内容のうち、上述した相違点について説明をする。なお、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。本第3実施形態は上述した通り、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技として第2可変入賞装置1650を開放動作する小当たり遊技(第2可変入賞口を開放させる小当たり遊技)を実行するように構成している。さらに、本第3実施形態では小当たり遊技中に第2可変入賞装置1650に球が入賞したとしても2種当たりを獲得することができないように構成している。
よって、開放シナリオ3テーブル202bdの小当たりA~Cに対応して規定される開放シナリオには小当たり遊技に対応した1ラウンド(1R)分の動作内容のみ規定されている。また、図114に示した通り、本第3実施形態では、小当たりA~Cに対応させて、遊技者が識別困難な程度の誤差を設けた開放シナリオが規定されている。
具体的には、小当たりAに対応する開放シナリオでは、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間が0.1秒となる開放動作が実行され、小当たりBに対応する開放シナリオでは、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間が0.11秒となる開放動作が実行され、小当たりCに対応する開放シナリオでは、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間が0.09秒となる開放動作が実行されるように各開放シナリオが規定されている。
このように構成することにより、小当たり種別毎に異なる開放シナリオを規定しながらも、実際に実行される小当たり遊技の内容から今回の小当たり遊技に対応する小当たり種別を把握され難くすることができる。
なお、本第3実施形態では、実行される小当たり遊技の内容から今回の小当たり遊技に対応する小当たり種別を把握され難くするために、各小当たり種別に対応させて、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間を遊技者が識別困難な程度に異ならせた開放シナリオを規定しているが、これ以外にも、小当たり遊技の開始インターバルの期間(0.5秒)や終了インターバルの期間(0.5秒)を遊技者が識別困難な程度に異ならせても良い。また、各小当たり種別に対応して規定される開放シナリオの期間が同一となるように各時間を異ならせても良い。
また、複数の小当たり種別のうち、特定の小当たり種別に対して、他の小当たり種別とは異なる(遊技者が容易に識別可能な程度異なる)開放シナリオを規定するように構成することで、遊技者に対して特定の小当たり種別が設定されたことを識別させるように構成しても良く、この場合、他の小当たり種別とは異なる(遊技者が容易に識別可能な程度異なる)開放シナリオが規定される小当たり種別に対して時短終了条件を設定するように構成すると良い。このように構成することで、実行される小当たり遊技の内容を把握することにより、時短状態が終了するタイミングを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
さらに、複数の小当たり種別に対して同一の開放シナリオを規定しても良く、この場合、小当たり遊技が実行されている間に所定条件が成立したことに基づいて、小当たり種別に応じて異なる演出が実行されるように構成すると良い。ここで、小当たり遊技が実行されている間に設定される所定条件として、例えば、小当たり遊技中に第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口に球が入賞したり、小当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22を操作したりすることで成立する条件を設定すると良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中(所定期間中)に所定条件が成立するように遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、小当たり遊技中に所定条件が成立した際に実行される演出としては、例えば、球が所定領域を通過(入球)した際に発生する音の種類を異ならせた演出や、枠ボタン22を操作したことに基づいて音や光を異ならせた演出に加え、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて異なる演出を実行するように構成しても良い。
次に、図115(a)を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図115(a)は、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態では、第1実施形態におけるROM222(図26(a)参照)に対して、状態表示選択テーブル222b、最終状態表示選択テーブル222cを削除し、時短残期間判別テーブル222baを追加している点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
ここで、図116を参照して、時短残期間判別テーブル222baの内容について説明をする。図116は、時短残期間判別テーブル222baに規定されている内容を示した模式図である。この時短残期間判別テーブル222baは、設定されている時短状態において設定される各種時短終了条件に対して、各種時短終了条件に対応する遊技情報(特別図柄の変動回数、小当たり当選回数)、即ち、時短中カウンタ203kの値、小当たりAカウンタ203mの値、小当たりBカウンタ203nの値、小当たりCカウンタの値を示す時短関連コマンドに基づいて更新した時短情報更新エリア223gに含まれる情報に基づいて、時短状態が一定期間経過したことを判別するためのものである。
この時短残期間判別テーブル222baを参照することで、現在の時短状態を大きく区分けすることができる。そして、その区分けに応じて演出態様を可変させることにより、遊技者に大まかに時短状態の進捗具合を報知することが可能となる。なお、本第3実施形態では、時短状態の進捗具合を2つの段階に判別するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、3段階以上に判別するように構成しても良い。この場合、例えば、時短残期間判別テーブル222baに複数の閾値を規定しておき、該当する閾値に基づいて現在の進捗具合を判別するように構成すると良い。
次に、図115(b)を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本第3実施形態では、上述した第2実施形態に対して、残時短回数確定フラグ223ba、確定変動フラグ223bbを追加している。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
残時短回数確定フラグ223baは、時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が確定したことを示すためのフラグであり、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動回数が確定した場合にオンに設定されるものである。つまり、本第3実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数が所定回数となった場合に成立する変動回数終了条件と、時短状態中に小当たりに当選した回数が所定回数となった場合に成立する当選回数終了条件と、が設定されているため、時短状態が設定されている全期間において、時短状態が終了するまでの残期間を確定させることができないように構成されている。
即ち、例えば、変動回数終了条件として「100」の値が設定され、当選回数終了条件として「2」の値が設定された場合には、特別図柄が100回変動する、或いは、小当たりに2回当選した場合に時短状態が終了することとなるため、小当たりに2回当選するまでの期間が確定しない限り、時短状態の残期間を確定させることができない。一方で、上述した時短終了条件が設定された場合においても、時短状態中の遊技が進行し、特別図柄の変動が98回実行され、小当たりに一度も当選していない状態になると、時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が2回となることが確定する。
このように、時短状態が終了するまでの残期間(特別図柄残変動回数)が確定した場合に、その旨を遊技者に報知する演出を実行することにより、時短状態が急に終了してしまう事態を抑制することができる。さらに、本第3実施形態のように、時短終了条件として、変動回数終了条件と当選回数終了条件とを有する場合には、終了するまでの残期間(特別図柄残変動回数)が確定した場合に、その旨を遊技者に報知する演出を実行することにより、時短状態が終了してしまう危機感を持たせることなく小当たりに当選することを期待させることができる。
この残時短回数確定フラグ223baは、時短残期間判別処理(図123のS3358参照)において、残時短回数が確定したと判別した場合にオンに設定され、演出設定処理3(図122のS2871参照)において参照される(図122のS3356)。そして、この残時短回数確定フラグ223baがオンに設定されていると判別した場合に(図122S3356:Yes)、残時短回数(特別図柄変動回数)を示す表示用時短コマンドを設定する(図122のS3357)。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面の時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が表示される(図109(b)参照)。
なお、本第3実施形態では、時短状態が終了するまでの特別図柄の残変動回数が確定した場合に、その旨を示すためのフラグとして残時短回数確定フラグ223baを設けているが、遊技者に対して時短状態の残期間を報知するための構成であればよく、例えば、時短状態が終了するまでの第1特別図柄の残変動回数が確定したことを示すための特図1残時短回数確定フラグと、時短状態が終了するまでの第2特別図柄の残変動回数が確定したことを示すための特図2残時短回数確定フラグと、を設け、特図1残時短回数確定フラグがオンに設定された場合には第1特別図柄の残変動回数を表示し、特図2残時短回数確定フラグがオンに設定された場合には第2特別図柄の残変動回数を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、時短状態中に第1特別図柄のみを変動(抽選)させる遊技と、第2特別図柄のみを変動(抽選)させる遊技と、が区分けして設定される遊技機において、実際に実行される遊技内容(実際に抽選が行われる特別図柄の種別)に応じた特別図柄の残変動回数を表示させることが可能となる。
確定変動フラグ223bbは、時短状態が設定されてから、時短終了条件が最短で成立するまでの期間が所定期間以上であることを示すためのフラグであって、時短終了条件が成立するまでの特別図柄変動回数が15回以上である場合にオンに設定されるものである。この確定変動フラグ223bbは、時短残期間判別処理(図123のS3358参照)にて実行される確定変動判別処理(図124のS3063参照)において、時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応する値の最小値が15以上であると判別した場合に(図124のS3653:Yes)、その最小値に対応する表示用時短コマンドを設定し(図124のS3654)、オンに設定される(図124のS3655)。
そして、時短終了条件を示す各種カウンタの値を示す値の最小値が15以上では無いと判別した場合に(図124のS3653:No)、最小値を示さない表示用時短コマンドを設定し(図124のS3656)、時短残期間判別処理(図123のS3358参照)において、終了前条件が複数成立した場合に(図124のS3602)、オフに設定される(図123のS3608参照)。
これにより、時短状態が設定されてから、時短終了条件が成立し得ない期間を遊技者に報知することができるようになる。これにより、遊技者に対して、時短状態が設定された直後から時短状態が終了してしまう不安感を持たせてしまうことを抑制することができる。よって、時短状態中において遊技者に安心して(時短状態が終了する心配をさせることなく)遊技を行わせることができる。
なお、本第3実施形態では、時短状態中に設定される全ての時短終了条件に対応して設定される全カウンタの値を参照して確定変動フラグ223bbをオンに設定するか否かの判別を行うように構成しているが、遊技者に対して安心して時短状態中の遊技を行わせることができる期間を判別可能な構成で有れば良く、例えば、現在の時短状態において成立し得る時短終了条件を判別する時短状態判別手段を設け、その時短状態判別手段によって判別された時短終了条件に対応するカウンタの値のみを参照して確定変動フラグ223bbをオンに設定するか否かの判別を行うように構成しても良いし、現在の時短状態において成立し得ない時短終了条件を判別する判別手段を設け、その判別手段によって判別された時短終了条件に対応するカウンタの値のみを排除して確定変動フラグ223bbをオンに設定するか否かの判別を行うように構成しても良い。
<第3実施形態の主制御装置110における制御処理について>
第3実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容が変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
ここで、図118~図120を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、タイマ割込処理(図37参照)をタイマ割込処理3(図118参照)に変更し、そのタイマ割込処理(図37参照)において実行される特別図柄変動処理(図38参照)および始動入賞処理(図43参照)に代えて、特別図柄変動処理3(図119参照)および上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)を実行し、更に、小当たり制御処理を小当たり制御処理3(図120参照)に変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)の内容についても、その詳細な説明を省略する。
まず、図118を参照してタイマ割込処理3の内容について説明をする。図118はタイマ割込処理3の内容を示したフローチャートである。このタイマ割込処理3では、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)に対して、特別図柄変動処理(図38参照)および始動入賞処理(図43参照)に代えて、特別図柄変動処理3(図119参照)および上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)を実行する点、そして、V入口通過処理(図47参照)およびV通過処理(図48参照)を実行しない点で相違している。
このタイマ割込処理3が実行されると、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)と同様にS101~S103の処理が実行される。そして、S103の処理が終了すると、特別図柄変動処理(図38参照)に代えて特別図柄変動処理3を実行する(S174)。特別図柄変動処理3の詳細は、図119を参照して後述する。その後、始動入賞処理(図43参照)に代えて、上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)を実行する(S155)。この始動入賞処理2の詳細は、上述した第2実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
次いで、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)と同様にS106およびS107の処理が実行され、その後、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)のS110の処理と同一のS110の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図119を参照して特別図柄変動処理3(S174)の内容について説明をする。図119は特別図柄変動処理3(S174)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理3では、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)に対して、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得する点および小当たり開始設定処理に代えて小当たりの開始を設定する点で相違している。
この特別図柄変動処理3(S174)が実行されると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS201およびS202の処理が実行される。S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、上述した第2実施形態の特別図柄変動処理2(図94参照)と同一のS251~S255の処理が実行される。S251~S255の処理の詳細は、上述した第2実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S252の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判別された場合には(S252:No)、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)のS206~S210の処理と同一のS206~S210の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS211~S220の処理が実行される。S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S220:Yes)、当選した小当たりに対応して設定された小当たり種別に応じた小当たり用開放シナリオを、開放シナリオ3テーブル202bdを参照して設定する(S271)。次いで、小当たりの開始を設定し(S272)、小当たり開始フラグ203fと小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S273)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S274)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理(S274)は、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される小当たり開始設定処理(図40,S221)において実行される小当たり用時短更新処理(図41,S405)と同一の処理であり、その詳細な説明は省略する。
次に、図120を参照して、小当たり制御処理3(S1555)の内容について説明をする。図120は小当たり制御処理3(S1555)の内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理3(S1555)は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるメイン処理(図51参照)の中で、第1実施形態における小当たり制御処理(図53参照)に変えて実行される処理であり、上述した小当たり制御処理(図53参照)に対して、Vフラグ203iおよびV通過フラグ203jに関連する処理を削除し、小当たり遊技中に動作させる対象をV入賞装置650に替えて第2可変入賞装置1650としている点で相違している。
小当たり制御処理3(S1555)が開始されると、まず、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1701~S1705と同一の処理を実行し、S1705の処理において、第2可変入賞口開放タイミング(第2可変入賞装置1650の入賞口を開放させるタイミング)であると判別した場合には(S1705:Yes)、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1706の処理と同一のS1706の処理を実行し、その後、本処理を終了する。なお、小当たり制御処理3において実行されるS1701~S1706の処理は、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口を開放させる動作を実行するものであり、上述した第1実施形態の小当たり制御処理(図53参照)とは動作対象が異なるが、制御内容が同一であるため同一の符号を付してその説明を省略する。
また、S1705の処理において、第2可変入賞口開放タイミングでなければ(S1705:No)、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1711~S1715と同様の処理を実行する。S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1715:Yes)、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1720の処理と同一のS1720の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
以上のように構成された本第3実施形態のパチンコ機10は、遊技状態として通常状態と時短状態とを設定可能に構成され、通常状態が設定されている期間は左側領域に設けられた第1入球口64に球を入球させ第1特別図柄の抽選を実行する左打ち遊技を行い、第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選し、大当たり遊技が実行された後に時短状態が設定された場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選を実行させるために右打ち遊技が行われる。
第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態である時短状態は、時短状態を終了させるための時短終了条件、即ち、特別図柄の変動回数(抽選回数)に基づいて成立する変動回数終了条件、或いは、第2特別図柄の抽選により小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件の何れかが成立するまで継続して設定される。
そして、当選した大当たりの種別に応じて時短終了条件の内容を異ならせることで、時短状態が終了するタイミング(時短状態が継続して設定される期間)を遊技者が把握し難くなるように構成している。よって、遊技者に対して有利な遊技状態が長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、時短状態が終了し難い時短終了条件が設定された場合であっても、特別図柄の抽選結果によって早期に時短状態を終了させたり、時短状態が終了し易い時短終了条件が設定されたとしても、特別図柄の抽選結果によって長期間時短状態を継続させたりすることができるため、時短状態が予め定められた特定期間設定される遊技機よりも、遊技者に対して有利な遊技状態が長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。
<第3実施形態の音声ランプ制御装置113における制御処理について>
次に、図121から図124を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第3実施形態では上述した第1実施形態に対して、コマンド判定処理(図56参照)をコマンド判定処理3(図121参照)に替えた点と、演出設定処理(図63参照)を演出設定処理3(図122参照)に替えた点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図121を参照して音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて実行されるコマンド判定処理3(図121のS2183)について説明をする。図121はコマンド判定処理3(S2183)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理3(S2183)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)に対して、上述した第2実施形態のコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一の入賞情報関連処理(図100のS2251参照)を実行する点と、時短関連のコマンドを受信した場合に実行する処理の内容を変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(図121のS2183)が実行されると、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)、或いは、第2実施形態のコマンド判定処理2(図99のS2163)の何れかと同一の処理を実行し、その後、S2215の処理において、今回受信したコマンドが時短関連のコマンドであると判別した場合は(S2215:Yes)、次に、時短情報更新エリア223gの内容を更新して、S2217の処理へ移行する。即ち、本第3実施形態では、時短関連のコマンドを受信した場合に、上述した第1実施形態のように対応するフラグやカウンタを可変させる処理を行うのでは無く、受信したコマンドをそのまま記憶する処理が実行される。
そして、時短情報更新エリア223gに格納された情報を用いて、音声ランプ制御装置113側で時短状態を把握するように構成している。なお、本第3実施形態においても、上述した第1実施形態のように時短関連のコマンドを受信した場合に、上述した第1実施形態のように対応するフラグやカウンタを可変させる処理を行うように構成しても良い。
次に、図122を参照して、演出設定処理3(S2871)の処理について説明をする。図122は演出設定処理3(S2871)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理3(S2871)では、時短状態の進捗具合(時短終了条件が成立するまでの状況(残変動回数)や、時短状態が設定されてからの変動回数)に基づいて、時短状態の残期間を示唆するための演出の演出態様が設定される。
演出設定処理3(S2871)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報を読み出し(S2901)、次に、読み出した情報が時短状態であるかを判別する(S2902)。時短状態では無いと判別した場合は(S2902:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合は(S2902:Yes)、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報を読み出し(S3351)、今回の変動(本変動)の特別図柄種別(特図1、或いは、特図2)、抽選結果を変動パターンより抽出し(S3352)、本変動で時短終了条件が成立するかを判別する(S3353)。
S3353の判別の結果、時短終了条件が成立する(した)と判別した場合は(S3353:Yes)、時短終了を示す表示用時短コマンドを設定し(S3355)、本処理を終了する。S3354の処理において、時短終了条件が成立しない(していない)と判別した場合は(S3354:No)、次に、残時短回数確定フラグ223baがオンに設定されているかを判別し(S3356)、オンに設定されていると判別した場合は(S3356:Yes)、残時短回数を示す表示用時短コマンドを設定し(S3357)、本処理を終了する。
そして、S3356の処理において、残時短回数確定フラグ223baがオンに設定されていないと判別した場合は(S3356:No)、図123を参照して後述する時短残期間判別処理を実行し(S3358)、本処理を終了する。
次に、図123を参照して、時短残期間判別処理(S3358)の内容について説明をする。図123は、時短残期間判別処理(S3358)の内容を示したフローチャートである。この時短残期間判別処理(S3358)では、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報、即ち、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて更新される時短情報に応じて、現在の時短状況を判別し、判別結果に基づいた演出態様を設定するための処理が実行される。
時短残期間判別処理(S3358)が実行されると、まず、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報を用いて時短残期間判別テーブル222baに基づいて、時短残期間を判別する(S3601)。そして、判別結果に基づいて、残期間が終了前条件に複数到達しているかを判別し(S3602)、複数到達していない場合は(S3602:No)、確定変動判別処理を実行し(S3063)、本処理を終了する。なお、確定変動判別処理(S3063)の内容については、図124を参照して後述をするが、時短状態が設定された状態において、今回設定された時短終了条件(各種カウンタの値)を判別し、特別図柄の変動(抽選)が実行された場合に必ず時短状態が終了しない期間(特別図柄変動回数)を判定するための処理が実行される。
一方、残期間が終了前条件に複数到達していると判別した場合は(S3602:Yes)、確定変動フラグ223bbがオンに設定されているかを判別し(S3604)、確定変動フラグ223bbがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3604:No)、次に、残時短回数が確定しているかを判別し、残時短回数が確定していない場合は、合体態様を示す表示用時短コマンドを設定し(S3605)、本処理を終了する。S3605の処理において合体態様を示す表示用時短コマンドが設定されると、図107(b)に示したような合体状況表示態様Dm11zが表示される。
これにより、遊技者に対してどの時短終了条件が成立し易い状況なのかを分かり難くさせることができると共に、複数の時短終了条件が成立寸前まで到達している旨を(即ち、時短状態が長く継続している旨を)報知することができる。
S3604の処理において、確定変動フラグ223bbがオンに設定されていると判別した場合は(S3604:Yes)、確定変動フラグ223bbをオフに設定し(S3608)、上述した残時短回数が確定しているかを判別する処理へ移行する。また、S3604の処理において、残時短回数が確定していると判別した場合は、次いで、時短情報更新エリア223gに残時短回数を示す情報を格納し(S3606)、残時短回数を示す表示用時短コマンドを設定し(S3607)、残時短回数確定変動フラグ223bbをオンに設定し(S3608)、本処理を終了する。
ここで、確定変動判別処理(S3063)の内容について、図124を参照して説明をする。図124は確定変動判別処理(S3063)の内容を示したフローチャートである。この確定変動判別処理(S3063)では、上述したように、設定されている時短状態が終了し得ない期間を判定し、その旨を第3図柄表示装置81の表示画面に表示するためのコマンドを設定する処理が実行される。これにより、時短状態がいつ終了するか分かり難い遊技性(時短終了条件を複数有する遊技性)を有する遊技機において、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された表示態様(図110参照)を確認することで安心して遊技を行える期間を把握することができる。
確定変動判別処理(S3063)が実行されると、まず確定変動フラグ223bbがオンに設定されているかを判別し(S3651)、オンに設定されていないと判別した場合は(S3651:No)、時短中カウンタ203k、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pに対応する値を時短情報更新エリア223gから読み出し、その最小値を抽出する(S3652)。
なお、本実施形態では、S3652の処理において、時短情報更新エリア223gに格納されている情報に基づいて、主制御装置110のRAM203が有する上述した各種カウンタの値を判別するように構成しているが、これに限ること無く、上述した主制御装置110のRAM203が有する各種カウンタと同期して可変するカウンタを音声ランプ制御装置113に設け、そのカウンタの値に基づいて判別するように構成しても良い。
S3652の処理において抽出した最小値が確定変動として報知可能な条件値(本実施形態では15以上)であるかを判別し(S3653)、条件値(15)以上であると判別した場合は(S3653:Yes)、次に、最小値を示す表示用時短コマンドを設定し(S3654)、確定変動フラグ223bbをオンに設定し(S3655)、本処理を終了する。
このように構成することで、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数以上である場合にのみ、その旨を遊技者に報知することが可能となるため、確定変動フラグ223bbがオンに設定された場合にのみ第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出態様を遊技者にとって安心して遊技を行わせるための演出態様とすることができる。つまり、例えば、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が1回である場合に、その旨を遊技者に報知してしまい、遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数以上である場合に、その旨を遊技者に報知するための演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に基づいて、遊技者に報知する内容を異ならせても良く、例えば、遊技者が特定の操作を行った場合には、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数未満である場合にも、その旨を報知するように構成しても良いし、遊技者が特別な操作を行った場合には、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数よりも大きな特別回数である場合にのみ、その旨を報知するように構成しても良い。
S3653の処理において、最小値が条件値(15)未満であると判別した場合は(S3653:No)、更新された時短情報に対応した表示用時短コマンドを設定し(S3656)、本処理を終了する。また、S3651の処理において確定変動フラグ223bbがオンに設定されていると判別した場合は(S3651:Yes)、S3652及びS3653の処理をスキップしてS3654の処理へ移行する。
<第4実施形態>
次に、図125~図153を参照して、本第4実施形態ついて説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成している点で相違している。
そして、時短状態として、第1特別図柄の変動時間のほうが、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が選択され易い時短状態(即ち、第2特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、第1特別図柄の変動時間のほうが、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が選択され易い時短状態(即ち、第1特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、を設定可能に構成し、遊技者への有利度合いが異なる遊技状態を時短状態の中に設けた点で相違している。
また、上述した複数の時短状態に対応して異なる演出(時短回数表示)を実行するようにしている点で相違している。
ここで、図125を参照して、本第4実施形態において用いられる遊技盤13の構成について、上述した第1実施形態とは異なる点について説明をする。図125は第4実施形態の遊技機に用いられる遊技盤13の正面図である。図125に示した通り、本実施形態の遊技盤13は、上述した第1実施形態の遊技盤13に対して、右打ち領域の構成を異ならせている点で相違する。なお、本図においては、左打ち遊技を行い発射された球は遊技盤13に示した矢印PA1に沿って左打ち(左側)領域を流下し、右打ち遊技を行い発射された球は遊技盤13に示した矢印PA2に沿って右打ち(右側)領域を流下するように構成している。
図125に示した通り、本実施形態では、可変表示ユニット80の下方には、第1始動口64(左側第1始動口64と以下説明する。)が設けられている。この左側第1始動口64は、遊技球が1球入球可能な大きさの開口部が上面に形成されており、その開口部の対向位置には、釘が2本遊技球の直径より若干広い間隔で配置されている。この釘の傾きを調整することで、左側第1始動口64への遊技遊の入賞率(例えば、250球の遊技球を発射した場合に、左側第1始動口64へ入賞する遊技球の数の割合)を可変させることが可能に構成されている。
また、可変表示ユニット80の右側領域には、第2始動口640と第1始動口64(以下、右側第1始動口64と称す)とがそれぞれ上下に並列して配置されている。第2始動口640は、遊技板60に取り付けられた飾り部材の側面に遊技球が1球入球可能な開口部を有している。その開口部の前面側(対向面)には、第2始動口640に付随する普通電動役物640aが配置されている。この普通電動役物640aは、遊技球3球分程度の長さを有しており、一端側を回動可能に軸支されている。そして、第2図柄が当たりとなることに基づいて、所定回数(本実施形態では、1回または2回)、所定秒数(本実施形態では、0.5秒または1秒)間で遊技球を第2始動口640へ誘導可能となる方向(開口部より離間する方向)に所定角度(本実施形態では、45度)で回動するように構成されている。普通電動役物640aは、ソレノイドにより回動される。なお、通常時(第2図柄の当たり時以外)では、第2始動口640aの開口部を閉塞する状態(垂直方向に起立した状態)に維持される。
また、右側第1始動口64は、第2始動口640の下方に配置されている。そして、普通電動役物640aが開放状態(水平方向側に傾倒した状態)では、右側第1始動口64の開口部に対向する位置に、普通電動役物640aが配置される。このように構成することで、普通電動役物640aが開放状態にあるときには、右側第1始動口64に遊技球が入球し難い状態に構成できる。
なお、本実施形態では、遊技状態が高確率状態(確変状態)と時短遊技状態である場合には、第2図柄が当たりと判定される確率が高くなるように構成されている。また、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、遊技者は可変表示ユニット80の左側を遊技球が通過するように遊技球を発射させて、左側第1始動口64に遊技球を入賞させるように遊技を実行する。そして、第3図柄が当たりとなり、確変遊技または時短遊技に移行すると第2図柄が当たりと判定される確率が上昇することから、スルーゲート67を遊技球が通過すると第2図柄が当たりとなり易く構成されている。そのことより、遊技者は、遊技球を可変表示ユニット80の右側を通過するように発射(右打ち遊技)させて遊技を実行する。この場合には、普通電動役物640aが開放状態となる確率が高くなるので、第2始動口640に入賞し易く構成される一方、右側第1始動口64への入賞は少なくなる。
ここで、本実施形態では、確変遊技状態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄で当選した方が遊技者に有利となるように構成されている。具体的には、第1特別図柄では、大当たりのうち、50%が大当たり遊技後に確変が付与され易い大当たりとなり、残りの50%は大当たり遊技後に時短遊技(低確率遊技状態)が付与されやすい(確変遊技が付与されがたい)大当たりが付与されるように構成されている。
一方、第2特別図柄では、大当たりとなった場合に、100%で大当たり遊技後に確変遊技が付与され易い大当たりが付与されるように構成されている。即ち、第2特別図柄で当選した方が、確変遊技状態が付与され易く構成されている。
また、可変表示ユニット80の右側の流路は、普通電動役物640aが開放状態となると、普通電動役物640aの先端と可変表示ユニット80との間隔は、遊技球が1球以上2球未満の間隔となっている。その間隔を流下した遊技球は、ゲート型の開口部を有したスルーゲート67を通過し易いように、スルーゲート67が配置されている。スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下流側に配置された釘により、右側第1始動口64には入賞し難く構成されている。具体的には、スルーゲート67の出口側(下流側)には、右側第1始動口64の開口部上部に配置された釘により遊技球が右側第1始動口64の開口部側へは流下しない間隔(遊技球1球未満)で構成されており、そのまま、風車を経て下方へ流下するように構成されている。即ち、右側第1始動口64へ入賞する場合には、普通電動役物640aが閉鎖状態(垂直方向に起立した状態)に維持されている場合に限られるように構成されている。
なお、本実施形態では、普通電動役物640aの開放状態では、右側第1始動口64へ入賞しない構成としたが、それに限らず、スルーゲート67の出口から流下した遊技球が右側第1始動口64へ入賞可能な間隔に構成して、割合を低くして、右側第1始動口64へ入賞可能なように構成してもよい。
次に、本第4実施形態において時短状態中における演出態様(第3図柄表示装置にて表示される演出表示態様)の内容について、図126及び図127を参照して説明をする。まず、図126を参照して、設定された時短状態の種別に対応して表示される時短状態突入時の表示画面について説明する。
本第4実施形態では、詳細は後述するが第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に(並行して)変動(抽選)させることが可能にされており、さらに、時短状態中において設定される各特別図柄の変動パターン(変動時間)を異ならせることにより、時短状態中に第1特別図柄の変動が第2特別図柄の変動よりも多く実行され易い第1時短状態と、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動のほうが多く実行され易い第2時短状態と、を設定可能に構成している。
そして、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選するように設定し、小当たりに当選した場合には、上述した第1実施形態と同じく2種当たりを獲得し得るように構成している。また、複数の特別図柄を同時に(並行して)変動(抽選)させることにより、遊技者に有利な抽選結果が同時に発生することが無いように、一方の特別図柄の抽選にて特定の抽選結果(例えば、当たり)に当選した場合には、変動中の他方の特別図柄を、外れを示す停止図柄で強制的に停止表示させるように構成している。
さらに、遊技者に有利となる遊技状態である時短状態を所定回数(例えば、100回)設定した場合には、同時(並んで)に実行される各特別図柄の変動開始タイミングに対応させて時短状態が設定される回数(時短回数)が減算されるように構成している。
つまり、第1特別図柄が主に変動する第1時短状態が設定された場合には、時短終了条件として設定された特別図柄の変動回数に則した時短遊技が行われ易いが、第2特別図柄が主に変動する第2時短状態が設定された場合には、上述したように小当たり当選に基づいて、変動中の第1特別図柄が強制停止されてしまうことから、時短終了条件として設定された特別図柄の変動回数と、実際に実行される遊技回数とに大きな差が生じてしまうという問題があった。
具体的には第1特別図柄と第2特別図柄の合計変動回数が100回に到達することを時短終了条件として設定した場合において第1時短状態が設定された場合には、第1特別図柄の変動(抽選)のみが実行されるように(第2特別図柄の変動時間として長時間(第1特別図柄が100回変動するよりも長い時間)が設定されるように)構成すると、第1時短状態中に約100回の特別図柄変動を実行させることが可能となる(第1特別図柄の抽選結果によって、第2特別図柄を外れで強制停止することが無い)。
これに対して、第1特別図柄と第2特別図柄の合計変動回数が100回に到達することを時短終了条件として設定した場合において第2時短状態が設定された場合には、第2特別図柄の変動(抽選)のみが実行されるように(第1特別図柄の変動時間として長時間(第2特別図柄が100回変動するよりも長い時間)が設定されるように)構成し、且つ、第2特別図柄の抽選において、略1/1の確率(大当たりに当選する確率のみ除く確率)で小当たりに当選するように構成した場合には、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する度に、第1特別図柄の変動を外れで強制停止することになるため、実際に実行される変動回数が約50回となる。
このように、時短終了条件として同一の条件を設定した場合においても、実行される時短遊技の種別において、時短状態が設定されている間に実行される特別図柄の変動回数(強制停止されることの無い変動回数)が異なることになる。このような場合において、設定される時短状態の種別に関わらず、実際に設定された時短回数(例えば、100回)を遊技者に表示してしまうと、遊技者に違和感を与えてしまう時短状態を提供することになるという問題があった。
そこで、本実施形態では、設定される時短状態の種別に応じて、時短状態が設定された場合の表示画面(時短状態突入画面)において、遊技者に対して報知する時短回数(残時短回数)を異ならせるように構成している。これにより、遊技者に違和感を与えてしまう時短状態が提供されることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、設定された時短状態の種別に応じて、遊技者に対して報知する時短回数(残時短回数)を異ならせて表示する構成に加えて、遊技者に報知する残時短回数と、実際の残時短回数が異なった場合に、遊技者に報知する残時短回数を補正する処理を実行するように構成している。
このように構成することで、例えば、第1時短状態が設定されている状態において、遊技途中で一旦遊技を中断することで、第2特別図柄を複数回実行させたり、第2時短状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選結果で大当たり或いは小当たり以外の外れに当選し、変動中の第1特別図柄を強制的に停止させられなかったりした場合においても、遊技者に違和感を与えることなく、報知されている残時短回数を実際の残時短回数と同期させることができる。
具体的には、上述した第2時短状態(時短A)が設定された場合には、図126(a)に示した通り、実際には第1特別図柄と第2特別図柄の合計変動回数が100回に到達することを時短終了条件として設定していたとしても、小当たり当選により特別図柄変動を強制停止させる回数を考慮して残時短回数表示領域Dm10に「50」を表示し、第1時短状態(時短B)が設定された場合には、図126(b)に示した通り、残時短回数表示領域Dm10に「100」が表示される。
これにより、第2時短状態が設定された場合には、遊技者に対してあたかも特別図柄の変動回数が50回の時短終了条件が設定されたと思わせることができる。そして、特別図柄の強制停止により特別図柄の変動回数が更新(減算)されたとしても、その更新(減算)に応じて残時短回数表示領域Dm10に表示されている残時短回数が更新(減算)されず、第2特別図柄の変動回数に応じて残時短回数表示領域Dm10に表示されている残時短回数を更新(減算)するように構成しているため、時短状態が継続して設定される期間(特別図柄変動回数)を遊技者に違和感を与えること無く更新(減算)することができる。
さらに、本第4実施形態では、図126(a)及び(b)に示した通り、時短状態が設定されると、副表示領域Dsに各特別図柄に対応した保留図柄を表示しないように構成している。これにより、時短状態が設定されている間に実際に実行されている特別図柄の変動回数を保留図柄の消化態様によって遊技者に察知されることを抑制することができる。なお、本第4実施形態では、副表示領域Dsに各特別図柄に対応した保留図柄を表示しない代わりに、主表示領域Dmに各特別図柄の保留球数を表示する特図1保留球数表示領域Dm6と、特図2保留球数表示領域Dm7と、を形成しているが、これに限ること無く、第3図柄表示装置81の表示画面では無く、遊技盤13に設けられた装飾部材の一部を用いて各特別図柄の保留球数を発光態様で報知する報知手段を設けても良い。さらに、この報知手段は、上述した各実施形態の構成に用いても良い。
次に、図127を参照して、上述した残時短回数表示領域Dm10に表示される残時短回数を補正する補正演出の内容について説明をする。上述した通り、本第4実施形態では、設定された遊技状態の種別に応じて、時短状態が設定された場合の表示画面(時短状態設定画面)に表示する残時短回数を異ならせるように構成している(図126参照)。この場合において、例えば、第1時短状態が設定されている状態で遊技を一旦中断し、第2特別図柄を複数回実行させたり、第2時短状態が設定されている状態で第2特別図柄の抽選結果が外れとなり第1特別図柄を強制的に停止しなかったりした場合等、通常とは異なる条件で特別図柄の変動が実行された場合に、報知されている残時短回数と実際の残時短回数とが相違してしまう虞があった。
このような場合として、例えば、時短Aが設定され第2特別図柄が主に変動する時短遊技中において、第2特別図柄の抽選結果が外れとなり、第1特別図柄を強制停止させなかった場合、即ち、実際の残時短回数が、報知されている残時短回数に対応する回数よりも多くなった場合には、まず、図127(a)に示した通り、変動表示中に第3図柄を仮停止させ、且つ、主表示領域Dmにて特別図柄の抽選結果を遊技者に報知する際と同一(遊技者が気付きにくい程度の誤差を含む概念)の演出態様を表示させる。つまり、第2特別図柄の変動表示中に、特別図柄の変動が停止したと遊技者に思わせる疑似停止演出を実行し、その疑似停止演出に対応させて、残時短回数表示領域Dm10の表示態様(報知用残時短回数)を更新(減算)し、図127(b)に示した状態となるよう補正演出が実行される。
このように構成することで、遊技者に対して違和感を与えることなく、報知されている残時短回数を実際の残時短回数と同期させることができる。
さらに、本第4実施形態では、詳細な説明は後述するが、この補正演出は特別図柄(第2特別図柄)の変動パターン(変動時間)が所定時間以上(30秒以上)の場合にのみ実行されるように構成している。よって、1回の特別図柄の変動期間中に疑似停止演出を実行したとしても遊技者に違和感を与えることが無い。また、詳細な説明は省略するが、実際の残時短回数が、報知されている残時短回数に対応する回数よりも少ない場合は、複数の特別図柄変動を跨いで残時短回数表示領域Dm10の表示態様(報知用残時短回数)を更新(減算)する演出(複数変動融合演出)を実行すれば良い。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図128~図135を参照して、第4実施形態における電気的構成について説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202及びRAM203の内容、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。
図128(a)は、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数4テーブル202caと、第1当たり種別選択4テーブル202cbと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン4テーブル202cdと、小当たり種別選択4テーブル202ceと、が少なくとも設けられている。
まず、第1当たり乱数4テーブル202caについて図129(a)を参照して説明をする。図129(a)は、第1当たり乱数4テーブル202caの内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数4テーブル202caには、上述した第1実施形態と同様に、第1特別図柄に対応した乱数テーブルと、第2特別図柄に対応した乱数テーブルとが規定されており、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図20(a)参照)に対して、第2特別図柄に対応した特別図柄2乱数テーブル202a2を特別図柄2乱数4テーブル202ca2に代えた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図129(b)を参照して、特別図柄2乱数4テーブル202ca2の内容について説明をする。図129(b)は、特別図柄2乱数4テーブル202ca2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図129(b)に示した通り、この特別図柄2乱数4テーブル202ca2は、上述した特別図柄2乱数テーブル202a2に対して、小当たりと判定される範囲が「5~989」から「5~998」へと変更している点で相違しており、それ以外は同一である。つまり、本第4実施形態における第2特別図柄の抽選では、994/1000の確率で小当たりに当選することになる。
次に、図130(a)を参照し、第1当たり種別選択4テーブル202cbについて説明する。図130(a)は、第1当たり種別選択4テーブル202cbの内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり種別選択4テーブル202cbは、上述した第1当たり種別選択テーブル202b(図21(a)参照)に対して、特図1大当たり種別選択テーブル202b1に代えて特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1を、特図2大当たり種別選択テーブル202b2に代えて特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2を設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1の内容について、図130(b)を参照して説明する。図130(b)は、特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1は、上述した特図1大当たり種別選択テーブル202b1(図21(b)参照)に対して、各大当たり種別に対応する大当たり遊技の内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、を異ならせている。
具体的には、大当たり種別として大当たりAが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短A)が設定され、大当たりBが選択された場合には、大当たり遊技として5ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短A)が設定される。そして、大当たりCが選択された場合には、大当たり遊技として5ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、通常状態が設定される。つまり、大当たり種別として大当たりAと大当たりBは大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりで、大当たりCは大当たり遊技終了後に時短状態が設定されない大当たりである。なお、本第4実施形態では、大当たり遊技終了後に設定され得る時短状態として、複数の時短状態(時短A、時短B)が設定されるように構成している。
詳細な説明は省略するが、時短状態として時短Aが設定された場合は、時短状態中の遊技として第2特別図柄の抽選が主に実行され、時短Bが設定された場合は、時短状態中の遊技として第1特別図柄の抽選が主に実行されるように構成している。このように、設定される時短状態に応じて、時短状態中に主に実行される特別図柄の変動(抽選)を異ならせることにより、時短状態の中に異なる遊技仕様を設定することが可能となる。よって、設定可能な遊技状態の種類以上の遊技仕様を有する遊技機を提供することができるため遊技の興趣を向上させることができる。
次に、特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2の内容について、図130(c)を参照して説明をする。図130(c)は、特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2は、上述した特図2大当たり種別選択テーブル202b2(図21(c)参照)に対して、第1当たり種別カウンタ値C2の取り得る値に対応して規定される大当たり種別の種類を増加した点と、各大当たり種別に対応する大当たり遊技の内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、を異ならせている点で相違している。
具体的には、大当たり種別として、第1当たり種別カウンタ値C2が「0~69」の範囲に大当たりDを規定し、「70~99」の範囲に大当たりEを規定している。そして、大当たり種別として大当たりDが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短A)が設定され、大当たりEが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短B)が設定されるように構成している。
つまり、第2特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定されるように構成され、そのうちの70%で時短Aが30%で時短Bが設定される。ここで、時短状態として時短Aが設定された場合には、再度、第2特別図柄の抽選(変動)を主とした時短遊技を実行することになる。一方で、時短Bが設定された場合には、第1特別図柄の抽選(変動)を主とした時短遊技が実行される。
このように、本実施形態では、通常状態や確変状態において左打ちを行い、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、58%の割合(大当たりB,D)で有利な潜確状態へと移行するように構成されている。そして、潜確状態で右打ちを行い、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、100%の割合(大当たりE~G)で有利な潜確状態をループする構成としている。よって、一旦潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口1640へと入賞させることにより、第2特別図柄の抽選が実行され易く、大当たり確率が高い状態と、第2特別図柄の大当たりとが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、潜確状態へと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図131~図133を参照して、変動パターン4テーブル202cdの詳細について説明する。この変動パターン4テーブル202cdは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図131に示した通り、変動パターン4テーブル202cdには、通常状態において変動パターン(変動時間)を決定するための通常用変動パターンテーブル202cd1と、時短状態において変動パターンを決定するための時短A用変動パターンテーブル202cd2、時短B用変動パターンテーブル202cd3とが少なくとも規定されている。次に、これら各テーブルの具体的な内容について、図132、および図133を参照して説明する。なお、図132、および図133に図示した各テーブルにおいては、変動時間をミリ秒単位で表記しているが、以下の説明では理解を容易にするために、変動時間を秒単位で表記する。
まず、図132を参照して、通常用変動パターンテーブル202cd1について説明する。この通常用変動パターンテーブル202cd1は、遊技状態が通常状態である場合に参照されるテーブルである。図132は、この通常用変動パターンテーブル202cd1の内容を模式的に示した模式図である。図132に示した通り、通常用変動パターンテーブル202cd1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、第1特別図柄(特図1)の抽選で当たり(大当たり)となった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0~50」の範囲に当たりノーマルリーチ(20秒)が対応付けられ、「51~198」の範囲に当たりスーパーリーチ(30秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄(特図1)の抽選で外れの場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~70」の範囲に短外れ(8秒)の変動パターンが対応付けられ、「71~120」の範囲に長外れ(12秒)の変動パターンが対応付けられ、「121~170」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「171~198」の範囲に外れスーパーリーチ(30秒)が対応付けられている。
さらに、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として600秒(10分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)の値に対して当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)の値に対して小当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)の値に対して外れロング変動A(600秒)が対応付けられている。これにより、通常状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回600秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、通常時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図133(a)を参照して、時短A用変動パターンテーブル202cd2の詳細について説明を行う。図133(a)は、時短A用変動パターンテーブル202cd2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短A用変動パターンテーブル202cd2は、時短状態のうち、時短Aが設定されている状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に対応する変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
図133(a)に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して大当たり超ショート変動(1秒)が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄(特図1)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して外れ超ロング変動(60秒)が対応付けて規定されている。
一方で、第2特別図柄(特図2)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して大当たりショート変動(5秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の小当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して小当たりショート変動(5秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して外れショート変動(5秒)が対応付けて規定されている。
次に、図133(b)を参照して、時短B用変動パターンテーブル202cd3の詳細について説明を行う。図133(b)は、時短B用変動パターンテーブル202cd3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短B用変動パターンテーブル202cd3は、時短状態のうち、時短Bが設定されている状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に対応する変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
図133(b)に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して大当たりショート変動(5秒)が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄(特図1)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して外れ超ロング変動(5秒)が対応付けて規定されている。
一方で、第2特別図柄(特図2)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して大当たり超ショート変動(1秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の小当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して小当たりロング変動(60秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0~198)に対して外れロング変動(60秒)が対応付けて規定されている。
次に、図134を参照して、小当たり種別選択4テーブル202ceの詳細について説明する。この小当たり種別選択4テーブル202ceは、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合において、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択4テーブル202ceには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、対応する小当たり種別が規定されている。
図134に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~69」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、上述した第1実施形態の小当たりAと同一の開放パターンの小当たり遊技が実行される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりA」となる乱数値が70個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりA」が決定される割合は70%(70/100)である。
また、小当たり種別カウンタC5の値が「70~99」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に開閉板65f1が0.06秒間×6回開放状態に設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりB」となる乱数値が30個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりB」が決定される割合は30%(30/100)である。
<第4実施形態における主制御装置110の制御処理について>
次に、図137~図151を参照して、本第4実施形態における主制御装置110の制御処理について説明する。本第4実施形態では、上述した各実施形態に対して、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選(変動)を重複して実行可能に構成している点で大きく相違している。
そして、時短状態が設定されている状態において、第1特別図柄の抽選のほうが、第2特別図柄の抽選よりも頻繁に実行される時短状態(第1時短状態)と、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが頻繁に実行される時短状態(第2時短状態)とを設定可能に構成している点で相違している。
本第4実施形態では、遊技者に有利な遊技状態である時短状態として、第1時短状態と、その第1時短状態よりも有利となる第2時短状態とを設定可能に構成しているため、遊技者に対して有利段階の異なる複数の遊技状態を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
まず、図137を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理4(S194)を説明する。図137は、この特別図柄変動処理4(S194)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理4(図137、S194)は、第1入球口64、および第2入球口640への入球に基づいて取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理4(図137、S194)について説明する。
特別図柄変動処理4(図137、S194)では、まず、大当たり遊技中であるか否か(大当たり中フラグ203dがオンであるか否か)を判別し(S7001)、大当たり中である(大当たり中フラグ203dがオンである)と判別した場合には(S7001:Yes)、特別図柄の抽選や変動表示の停止等を設定する必要が無いので、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり中でない(大当たり中フラグ203dがオフである)と判別した場合には(S7001:No)、小当たり遊技中であるか否か(小当たり中フラグ203gがオンであるか否か)を判別する(S7002)。S7002の処理において、小当たり中である(小当たり中フラグ203gがオンである)と判別した場合には(S7002:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、小当たり中でない(小当たり中フラグ203gがオフである)と判別した場合には(S7002:No)、第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判別する(S7003)。
S7003の処理において、第1特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S7003:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S7005)、S7006の処理へ移行する。ここで、第1特別図柄変動停止処理(S7005)では、変動表示中の第1特別図柄の変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す停止図柄を停止表示するための処理と、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、大当たりに対応する停止図柄を停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で強制的に停止表示する処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理(S7005)の詳細については、図142を参照して後述する。
一方、S7003の処理において、第1特別図柄が変動表示中でないと判別した場合には(S7003:No)、特別図柄1保留球格納エリア203aに少なくとも1の保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていることを条件に、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理を実行するための第1特別図柄変動開始処理を実行し(S7004)、処理をS7006へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(S7004)の詳細については、図136~図139を参照して後述する。
第1特別図柄変動開始処理(S7004)、または第1特別図柄変動停止処理(S7005)が実行された後に実行されるS7006の処理では、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判別し(S7006)、第2特別図柄の変動表示中であれば(S7006:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(S7008)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理(S7008)は、第1特別図柄変動停止処理(S7005)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄の停止表示を設定するための処理である。この第2特別図柄変動停止処理(S7008)の詳細については、図148および図149を参照して後述する。
一方、S7006の処理において、第2特別図柄が変動表示中でないと判別した場合には(S7006:No)、第2入球口640への新たな始動入賞を検出したことを条件に、第2特別図柄の抽選を実行して新たな変動表示の開始を設定するための第2特別図柄変動開始処理を実行し(S7007)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S7007)の詳細については、図143~図147を参照して後述する。
以上、説明をした通り、本第4実施形態では、第1特別図柄の変動(抽選)制御と、第2特別図柄の変動(抽選)制御とが独立して実行されるように構成されている。このように構成することで、第1特別図柄の変動(抽選)が実行されているか否かに関わらず、第2特別図柄の変動(抽選)を実行させることができる。よって、特別図柄の抽選を短時間に複数回実行することが可能となり遊技効率を向上させることができる。
また、本第4実施形態では、特別図柄の抽選により大当たり又は小当たりに当選し、その当選に基づいた当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されている間は、新たな特別図柄の変動(抽選)が開始されないように構成している。このように構成することで、当たり遊技を行いながら特別図柄の抽選結果を予測するという煩雑な行為を行う必要が無くなり、当たり遊技中は遊技者を当たり遊技に注目させることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、詳細は後述するが、本第4実施形態では複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、一方の特別図柄が大当たりに当選したことを示す表示態様で停止表示された場合に、変動中の他方の特別図柄を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示させるように構成している。これにより、大当たり遊技中に特別図柄が変動している状態や、一方の特別図柄が大当たりに当選した状態(大当たり遊技中)に他方の特別図柄が大当たりに当選する状態が発生してしまうことを無くすことができるため、より遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第4実施形態では、大当たり遊技中、小当たり遊技中の何れにおいても特別図柄の変動開始処理と、特別図柄の変動停止処理とを実行しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中のみ特別図柄の変動開始処理と、特別図柄の変動停止処理とを実行しないように構成しても良いし、大当たり遊技中でも小当たり遊技中でも特別図柄の変動開始処理と、特別図柄の変動停止処理とを実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の変動(抽選)をより多く実行することができるため、遊技者に対して短期間で遊技を楽しませることができる。
次に、図138を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S7004)について説明する。図138は、この第1特別図柄変動開始処理(S7004)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図138、S7004)では、まず、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を取得し(S7101)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S7102)。S7102の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S7102:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1減算して(S7103)、減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S7104)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S7104の処理が終了すると、次に、特別図柄1保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S7105)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S7105の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S7106)。この第1特別図柄大当たり判定処理(図138、S7106)については、詳しく後述するが、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S7106の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図138、S7107)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)は、第1特別図柄の当否判定結果、および特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(S7108)。この遊技状態更新処理(図138、S7108)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(時短中カウンタ203k)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。S7108の処理が終了すると、本処理を終了する。なお、この遊技状態更新処理の詳細な説明については図141を参照して後述する。
一方、S7102の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判別した場合は(S7102:No)、本処理を終了する。
次に、図139を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図138、S7004)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S7106)について説明する。図139は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S7106)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図139、S7106)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S7201)。次いで、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たり或いは小当たりとなる乱数値の範囲と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S7202)。
そして、S7202で取得した抽選結果が大当たりであるかを判別し(S7203)、抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S7203:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caをオンに設定し(S7204)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S7205)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S7206)、現在の遊技状態に応じた値(例えば、通常状態であれば0で、時短状態であれば1)を当選時状態格納エリア203cfに格納(設定)して(S7207)、本処理を終了する。
一方、S7203の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S7203:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S7208)、その後、本処理を終了する。尚、本実施形態では第1特別図柄の抽選結果として小当たりに当選しないように構成しているため、S7203の処理において大当たりでは無いと判別した場合に(S7203:No)、抽選結果が外れであると判別し、S7208の処理が実行されるように構成しているが、例えば、第1特別図柄の抽選結果として小当たりに当選するように構成する場合は、S7203の処理において大当たりでは無いと判別した場合に(S7203:No)、小当たりに当選しているか否かを判別し、判別結果に応じた処理を実行するように構成すれば良い。この場合、図145を参照して後述する特図2外れ変動処理(図145のS7708参照)に対して、第2特別図柄に替えて第1特別図柄を対象とする点のみ相違した処理を実行すれば良い。
次に、図140を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図138、S7004)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)について説明する。図140はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図140、S7107)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図139、S7106)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S7301)。ここで、大当たりであるか否かの判別は、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンであるか否かで判別する。この大当たりフラグ203caは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)におけるS7204の処理でオンに設定されるものである。
S7301の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(S7301:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)におけるS7201の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択4テーブル202cb(図130参照)より大当たり種別を決定(選択)し(S7302)、S7303の処理へ移行する。
一方、S7301の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ203caがオフである)と判別した場合には(S7301:No)、S7302の処理をスキップして、S7303の処理へ移行する。
S7303の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値を取得する(S7303)。次いで、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131~図133参照)を読み出して(S7304)、S7305の処理へ移行する。ここで、本第4実施形態では、遊技状態として設定可能な時短状態を遊技者に有利な時短A(第1時短状態)と、時短Aよりも遊技者に不利となる時短B(第2時短状態)とを設定可能に構成しているため、設定し得る遊技状態が、通常状態、時短A、時短Bの3種類となるように構成しており、時短中カウンタ203kの値、及び、時短状態格納エリア203cdに格納されている情報に基づいて現在の遊技状態が判別されるように構成されている。
具体的には、時短中カウンタ203kの値が0である場合は現在の遊技状態が通常状態であると判別され、時短中カウンタ203kの値が1以上(0では無い)場合は、現在の遊技状態が時短状態であると判別される。そして、時短状態格納エリア203cdに時短Aを示す情報(例えば、時短状態が設定された大当たり種別を示す情報)が格納されている場合は、現在の遊技状態が時短A(第1時短状態)であると判別され、時短状態格納エリア203cdに時短Bを示す情報(例えば、時短状態が設定された大当たり種別を示す情報)が格納されている場合は、現在の遊技状態が時短B(第2時短状態)であると判別される。
なお、現在の遊技状態を判別する構成としては、本第4実施形態にて用いた構成に限定されるものでは無く、それ以外の構成を用いても良い。例えば、現在設定されている遊技状態を常時更新しながら一時的に格納する遊技状態格納エリアを設け、その遊技状態格納エリアに格納されている情報を用いて現在の遊技状態を判別するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110のMPU201のRAM203の容量を増大させることになるが、現在の遊技状態を確実に判別することができる。さらに、設定可能な遊技状態の種別を増加(例えば、4種類)させた場合においても、容易に現在の遊技状態を判別することが可能となる。
S7305の処理では、読み出した変動パターンテーブル(現在の遊技状態に対応した変動パターンテーブル)から変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(7305)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S7306)。
S7306の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(S7307)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S7308)、本処理を終了する。
次に、図141を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図138参照)の一処理である遊技状態更新処理(S7108)について説明する。図141は、この遊技状態更新処理(S7108)を示すフローチャートである。この遊技状態更新処理(図141のS7108参照)では、時短状態が継続して設定される特別図柄変動回数を減算するための処理が実行される。
つまり、上述した各実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件の更新を、特別図柄の変動を停止するタイミングで実行するように構成しているのに対して、本第4実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件の更新を、特別図柄の変動を開始するタイミングで実行するように構成している。このように構成することで、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動(抽選)を独立して実行可能な処理を用いた場合であっても(特別図柄の変動開始順序と特別図柄の変動停止順序とが入れ替わってしまう場合であっても)、予め定められた特別図柄の変動回数に対応させて適切に時短状態を設定することができる。
遊技状態更新処理(図141参照)が開始されると、まず、時短中カウンタ203kの値が0より大きいか否か、即ち、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別する(S7401)。時短中カウンタ203kの値が0であると判別した場合には(S7401:No)、即ち、現在の遊技状態が時短状態では無いと判別した場合には、S7402、S7403の処理をスキップし、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が0より大きいと判別した場合には(S7401:Yes)、即ち、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には、時短中カウンタ203kの値を1減算して(S7402)、時短中カウンタ203kの値を示す残時短回数コマンドを設定(S7403)した後、本処理を終了する。
ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、残時短回数コマンドを受信すると、その残時短回数コマンドから時短中カウンタ203kの値を抽出し、抽出した値をRAM223の時短情報更新エリア223gに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、時短情報更新エリア223gの値を更新するので、主制御装置110の時短中カウンタ203kの値と同期させながら、その値を更新することができる。
次に、図142を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S7005)について説明する。図142は、この第1特別図柄変動停止処理(S7005)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S7005)では、変動時間が経過した際に第1特別図柄を停止させる処理と、第1特別図柄が大当たりを示す図柄の組み合わせで停止した場合に、変動中の第2特別図柄を、外れを示す図柄の組み合わせで強制的に停止表示させる処理が実行される。
第1特別図柄変動停止処理(図142、S7005)では、まず、第1特別図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判別し(S7501)、終了タイミングであると判別した場合には(S7501:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ203caがオンに設定されているか判別する(S7502)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合には(S7502:Yes)、特図2変動停止フラグ203ccをオンに設定し(S7503)、特図2変動停止フラグ203ccがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S7504)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S7505)。
S7505の処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S7506)、大当たりフラグ203ca、時短中カウンタ203kをリセットする(S7507)。次いで、大当たり開始フラグ203cをオンに設定し(S7508)、大当たり中フラグ203dをオンに設定し(S7509)、S7510の処理へ移行する。
一方、S7502の処理において、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオフに設定されていれば(S7502:No)、S7503~S7509の処理をスキップし、S7510の処理へ移行する。
S7510の処理では、第1特別図柄を確定停止(停止表示)することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(S7510)。その後、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S7511)、本処理を終了する。
一方、S7501の処理において、実行中の第1特別図柄の変動表示の終了タイミングでないと判別した場合には(S7501:No)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(S7512)、本処理を終了する。このS7512の処理が実行されている期間中は第1図柄表示装置37上で特別図柄が変動表示される。
このように、第1特別図柄変動停止処理(S7005)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(S7501:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S7503~S7511)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合に(S7502:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(S7503,S7504)が実行される。
なお、本第4実施形態では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後(大当たり遊技が終了した後)で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。
また、本第4実施形態では、第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)にて当選時状態格納エリア203cfに格納された遊技状態に基づいて、第1特別図柄変動停止処理(図142参照)のS7506の処理にて大当たりシナリオを設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)にて当選時状態格納エリア203cfに格納された遊技状態に基づいて、S7506の処理にて大当たりシナリオを設定するようにしてもよい。
さらに、本第4実施形態では、第1特別図柄(一方)の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、第2特別図柄(他方)を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものでは無く、例えば、一方図柄(例えば、第1特別図柄)の停止図柄を小当たり図柄、即ち、小当たりに当選したことを示す組み合わせの停止図柄で停止表示させる場合に、他方図柄(例えば、第2特別図柄)を外れ図柄で強制的に停止させるように構成しても良いし、一方図柄(例えば、第1特別図柄)の小当たり図柄を停止表示させる時点で、他方図柄(例えば、第2特別図柄)の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、一方図柄(例えば、第1特別図柄)の大当たりが終了した後(大当たり遊技が終了した後)で、他方図柄(例えば、第2特別図柄)の変動表示を再開する構成としてもよい。
また、本第4実施形態や上述した例では、一方の特別図柄が当たりを示す特定の停止図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)で停止表示させる場合に、他方の特別図柄の変動を停止或いは仮停止する構成を説明したが、両者の当たり遊技が同時に実行されないように構成されていれば、それ以外の構成を用いても良く、例えば、一方の特別図柄が当たりを示す停止図柄(例えば、大当たり図柄)で停止表示されたとしても、他方の特別図柄の変動を停止、仮停止させることなく続行させ、一方の特別図柄に基づく当たり遊技(例えば、大当たり遊技)の実行中に、他方の特別図柄が当たりを示す停止図柄(例えば、大当たり図柄)で停止表示された場合に、その他方の特別図柄に基づく当たり遊技(例えば、大当たり遊技)の実行を、一方の当たり遊技が終了するまで待機(延期)させるように構成しても良い。
このように構成することで、遊技者に対して複数の特別図柄の抽選結果を確実に報知することができると共に、複数の当たり遊技が同時に発生してしまい分かり難い遊技を提供してしまうことを抑制することができる。さらに、1つの当たり遊技が終了した後に、続けて他の当たり遊技を開始させることができるため、遊技者に有利な特典(当たり遊技)を連続して提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、このような構成を用いる場合には、一方の当たり遊技中に実行される演出(当たり演出)を用いて、他方の特別図柄において大当たりに当選した(大当たり図柄が停止表示した)ことを遊技者に報知するように構成すると良い。これにより、遊技者は当たり遊技に集中しながらも、他方の特別図柄の抽選結果を把握することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。さらに、一方の当たり遊技中に実行される他方の特別図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)場合には、実行中の当たり演出を用いて外れであることを報知しないように構成すると良い。これにより、特別図柄の抽選結果が遊技者に新たに特典を付与することが無い抽選結果である場合には、現在付与されている特典に対する演出を優先して遊技者に提供することになるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、本第4実施形態では、複数の特別図柄に対して独立(並行)して抽選を行い、その抽選結果として一方の特別図柄が当たり(小当たり、大当たり)を示す停止図柄で停止表示された時点で、他方の特別図柄の変動(抽選)を強制的に外れとする制御を実行するものであるが、それ以外の構成として、例えば、一方の特別図柄の抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)である場合に(抽選結果が当たりである特別図柄の変動が開始された場合に)、それ以降に実行される他方の特別図柄の抽選において、当たりとなる抽選結果を排除した強制抽選(取得した第1当たり乱数カウンタ値C1の全範囲に対して外れが規定されている特殊なテーブルを用いた判定)を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、複数の特別図柄の抽選を独立して実行したとしも、複数の当たり遊技が同時に実行されることを抑制することができる。また、当たりを示す停止図柄が停止表示されたタイミングでは無く、特別図柄の抽選を行ったタイミング(当たりを示す停止図柄が停止表示されることになる変動の開始タイミング)によって、他方の特別図柄に対して強制的な外れ制御を行うことができるため、他方の特別図柄の変動表示中に実行される演出内容と、他方の特別図柄の抽選結果とに矛盾が生じてしまう事態を抑制することができる。
次に、図143を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S7007)について説明する。図143はこの第2特別図柄変動開始処理(S7007)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図143、S7007)では、まず、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されているかを判別する(S7601)。特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されていると判別した場合には(S7601:Yes)、特図2変動停止フラグ203ccをオフに設定し(S7607)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203ccは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に(第1特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す停止図柄(大当たり図柄)で停止表示する際に)、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ203ccがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。
このため、S7601の処理で特図2変動停止フラグ203ccがオンの場合は、変動開始を設定するS7602~S7606の各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。このように構成することで、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示された際に強制的に停止させた第2特別図柄が同一処理内で再度変動を開始してしまうことを防止することができる。なお、本第4実施形態では、図137の特別図柄変動処理4(S194)を参照して説明をした通り、第1特別図柄に関する変動処理を実行した後に、第2特別図柄に係る変動処理を実行するように構成しているため、特図2変動停止フラグ203ccを用いているが、例えば、図137の特別図柄変動処理4(S194)において、第2特別図柄に関する変動処理を実行した後に、第1特別図柄に係る変動処理を実行するように構成した場合には、特図2変動停止フラグ203ccに替えて、特図1変動停止フラグ(対象を第2特別図柄から第1特別図柄に変えたフラグ)を用いるように構成すれば良い。
また、本第4実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して(並行して)変動(抽選)を実行可能に構成し、一方の特別図柄の抽選結果が当たりを示す場合において、遊技者にとって有利となる特別図柄に対する変動処理が先に実行されるように各特別図柄の変動処理(特別図柄変動処理4(図137参照))を規定すると良い。これにより、例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とに保留記憶機能(保留記憶手段)を設け、大当たり遊技終了後に同時(同一処理内)に特別図柄の変動を開始させる場合において、遊技者にとって有利となる特別図柄の抽選結果を優先して取り扱うことが可能となり、遊技者に対して不利な遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。
具体的には、例えば、遊技者に有利な特典(例えば、16ラウンド当たり)を付与し易い第1特別図柄抽選と、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な特典を付与し難い第2特別図柄抽選を独立して実行可能な遊技機において、それぞれの特別図柄の抽選を実行するための権利を、複数個(例えば4個)を上限に記憶可能な記憶手段を設け、大当たり遊技終了後等、各特別図柄の抽選が同時(同一処理)に行われ、各特別図柄の抽選結果として、何れも、変動時間が同一(例えば、30秒)で当たりを示す抽選結果となった場合に、第1特別図柄に関わる処理を優先して実行するように構成することで、第2特別図柄の抽選結果に関わらず、第1特別図柄の当たり遊技(遊技者に有利な特典)を付与することができる。
一方、S7601の処理において、特図2変動停止フラグ203ccがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(S7601:No)、第2入球口640に対する入賞(入球)を検出したか否かを判別する(S7602)。第2入球口640への入賞(入球)を検出していれば(S7602:Yes)、次に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を取得して特別図柄保留球実行エリアに格納し(S7603)、格納した各カウンタ値に基づいて第2特別図柄の大当たり判定を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S7604)。この第2特別図柄大当たり判定処理の詳細については、図144を参照して後述する。
S7604の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果、およびS7603の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S7605)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S7605)の詳細については、図146を参照して後述する。S7605の処理が終了した後は、上述した遊技状態更新処理(図141参照)を実行し(S7606)、本処理を終了する。
一方、S7602の処理において、第2入球口1640に対する入賞を検出していないと判別した場合は(S7602:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第4実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立(並行)して変動(抽選)を実行可能に構成されており、且つ、特別図柄の変動(抽選)が実行される時点で遊技状態を更新する処理(時短回数を減算する処理)を実行するように構成されている。つまり、時短状態が設定されている状態で、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時(同一処理内)に変動(抽選)させる処理を実行する場合には、時短回数が2つ減算されることになる。
ここで、本第4実施形態では、複数の特別図柄を独立(並行)して変動(抽選)する構成を用いているが、第3図柄表示装置81では、遊技状態に応じて一方の特別図柄を主特別図柄とし、あたかも主特別図柄のみを用いた遊技が行われているかのように見せる演出を実行するように構成し(図126参照)、遊技者に分かり易い演出を提供している。しかしながら、このように主特別図柄のみを強調した変動表示を第3図柄表示装置81にて実行している場合であっても、内部的には、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動(抽選)に伴って時短回数が減算されていることから、時短回数の表示態様と、遊技状態の更新状況(内部的な時短回数)とに矛盾が生じてしまう。或いは、主特別図柄のみを強調した変動表示の演出内容に対して時短回数の表示態様の更新内容が矛盾してしまうという問題があった。
このような問題に対して、詳細な内容は後述するが、本第4実施形態では、表示用の時短回数(残時短回数)を主特別図柄の変動(抽選)回数に応じて更新するように表示制御を行い、表示上の時短回数と、実際の時短回数とに差異が生じた場合には、主特別図柄の変動パターンが所定条件(例えば、変動時間が30秒以上)を満たしているかを判別し、所定条件を満たしていると判別した場合に、表示上の時短回数と、実際の時短回数との差を埋めるように表示用時短回数を補正する処理を実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者は第3図柄表示装置81にて実行される主特別図柄に対応して実行される演出に注目しながら遊技を行うだけで、適切な時短状況(残時短回数)を把握することができ、分かり易い遊技を行わせることができる。
次に、図144を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図143、S7007)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S7604)について説明する。図144はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S7604)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(図144、S7604)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)と同様の処理が実行されるので、第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)との相違点について中心に説明する。
第2特別図柄大当たり判定処理(S7604)が実行されると、特別図柄保留球実行エリア(第2特別図柄保留球実行エリア)に格納された各カウンタ値を取得する(S7701)。そして、取得した各カウンタ値と、第1当たり乱数4テーブル202caとに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのS7702の処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を特別図柄保留球実行エリア(第2特別図柄保留球実行エリア)から取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図137参照)と同一の制御が実行される。
S7702の処理が終了すると、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S7703)、大当たりであると判別した場合は(S7703:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS7704~S7707の処理を実行し、本処理を終了する。これらのS7704~S7707の各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図137参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS7204~S7207の各処理と同様の処理が実行される。
一方、S7703の処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S7703:No)、第2特別図柄の小当たり、または外れに対応する停止図柄を設定するための特図2外れ変動処理を実行し(S7708)、本処理を終了する。次に、この特図2外れ変動処理の詳細について、図145を参照して説明する。図145は、この特図2外れ変動処理(S7708)を示すフローチャートである。
特図2外れ変動処理(S7708)では、まず、図144のS7702の処理で取得した抽選結果が第2特別図柄の小当たりであるかを判別し(S7801)、抽選結果が小当たりであれば(S7801:Yes)、小当たりフラグ203cbをオンに設定して(S7802)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S7803)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄としてセットし(S7804)、本処理を終了する。
一方、S7801の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S7801:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S7805)、その後、本処理を終了する。
次に、図146を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図145、S7007)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S7605)について説明する。図146はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S7605)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図146、S7605)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(第2特別図柄実行エリア)から、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S7901)。次いで、第2特別図柄大当たり判定処理(図144、S7604)において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか否か、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S7902)。ここで、大当たりであるか否かの判別は、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ203caは、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図144参照)におけるS7704の処理でオンに設定されるものである。
S7902の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S7902:Yes)、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131~図133参照)を読み出す(S7903)。そして、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図144参照)におけるS7701の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択4テーブル202cb(図131(a)参照)より大当たり種別を決定する(S7904)。
S7904の処理が終了すると、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S7905)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(S7906)。そして、S7908の処理へ移行する。
一方、S7902の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていないと判別された場合には(S7902:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(S7907)を実行し、S7908の処理へ移行する。
S7908の処理では、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(S7908)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(S7909)、その後、本処理を終了する。
次に、図147を参照して、この特図2外れ変動パターン選択処理(S7907)について説明する。図147は、特図2外れ変動パターン選択処理(S7907)の内容を示したフローチャートである。
特図2外れ変動パターン選択処理(図147、S7907)では、まず、第2特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S8001)。ここでは、小当たりフラグ203cbがオンに設定されているか判別する(S8001)。小当たりフラグ203cbがオンであると判別した場合には(S8001:Yes)、第2特別図柄実行エリアから小当たり種別カウンタC5の値を取得する(S8002)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値と小当たり種別選択4テーブル202ce(図134参照)に基づいて、小当たり種別を選択する(S8003)。
次に、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131~図133参照)を読み出し(S8004)、読み出した変動パターン選択テーブルから、変動種別カウンタCS1の値に対応する小当たりの変動パターンを選択する(S8005)。その後、選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(S8006)、本処理を終了する。
一方、S8001の処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S8001:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131~図133参照)を読み出し(S8007)、読み出した変動パターン選択テーブルより、変動種別カウンタCS1の値に対応する外れの変動パターンを選択する(S8008)。その後、選択した外れの変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定し(S8009)、本処理を終了する。
次に、図148を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S7008)について説明する。図148はこの第2特別図柄変動停止処理(S7008)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(S7008)では、まず、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(S8101)。S8101の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(S8101:Yes)、第2特別図柄(特図2)に対して、大当たりフラグ203caがオンに設定されているか判別する(S8103)。第2特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合には(S8103:Yes)、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(S8105)、S8106の処理へ移行する。
次に、S8106以降の処理は、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図140、S7005)のS7505以降の処理に対して、次の点で相違する。S7505およびS7512の処理に対応するS8106およびS8102の処理で、第1特別図柄が第2特別図柄に変更される点と、S7511の処理に対応するS8112の処理で、特図1確定コマンドが特図2確定コマンドに変更される点とでそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
一方、S8101の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(S8101:No)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新し(S8102)、本処理を終了する。また、S8103の処理において、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオフに設定されていれば(S8103:No)、特図2外れ停止処理を実行し(S8104)、本処理を終了する。
次に、図149を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図148、S7008)の一処理である特図2外れ停止処理(S8104)について説明する。図149はこの特図2外れ停止処理(S8104)を示すフローチャートである。
特図2外れ停止処理(図149、S8104)では、まず、小当たりフラグ203cbがオンに設定されているか判別する(S8201)。小当たりフラグ203cbがオンに設定されていると判別した場合には(S8201:Yes)、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S8202)。次いで、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S8203)。
S8203の処理を終えると、選択されている小当たり種別に基づいた小当たりシナリオを設定する(S8204)。その後、小当たりフラグ203cbをオフに設定し(S8205)、小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S8207)。
S8207の処理が終了すると、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S8208)。その後、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(S8209)、本処理を終了する。
一方、S8201の処理において、小当たりフラグ203cbがオフである(即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れである)と判別された場合は(S8201:No)、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S8210)。その後、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S8211)、本処理を終了する。
次に、図150を参照して、本第4実施形態における大当たり制御処理4(S1594)の内容について説明をする。図150は大当たり制御処理4(S1594)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理4(S1594)は、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図52のS1504参照)に対して、エンディング演出の終了タイミング、即ち、大当たり遊技の終了タイミングにおいて実行される処理(大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する処理)の内容を異ならせた点で相違している。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した第1実施形態と本第4実施形態とでは、遊技盤13の構成や主制御内容で相違する箇所があるため、大当たり中において詳細な動作内容が異なる場合もあるが、そのような場合においても処理内容は同一であるとしその詳細な説明を省略する。
まず、大当たり制御処理4(S1594)が実行されると、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図52のS1504参照)と同一のS1601~S1612の処理を実行する。即ち、大当たりが開始されてから大当たりが終了するまでの期間は、大当たり制御処理(図52のS1504参照)と同一の処理が実行される。そして、S1612の処理において、現在がエンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、次に、今回の大当たり種別が大当たりCであるかを判別する(S1691)。
このS1691の処理では、V通過大当たり種別格納エリア203hに格納されている情報や、現在実行されている大当たり種別を一時的に記憶するメモリエリアに格納されている情報に基づいて、今回の大当たり種別を判別する。
S1691の処理において、今回の大当たり種別が大当たりCでは無い(大当たりA,B,Dの何れかである)と判別した場合は(S1691:No)、即ち、今回の大当たり終了後(大当たり遊技終了後)に時短状態が設定されると判別した場合は、次いで、今回の大当たり種別が大当たりDであるかを判別する(S1692)。上述した通り、本第4実施形態では、大当たり種別が大当たりA,Bの場合と、大当たりDの場合とで遊技者に対する有利度合いが異なる時短状態が設定されるように構成されていることから、S1692の処理は、遊技者に有利な時短状態(第1時短状態)を設定するか第1時短状態よりも不利な時短状態(第2時短状態)を設定するかを判別するための処理となる。
S1692の処理において、今回の大当たり種別が大当たりDでは無いと判別した場合は(S1692:No)、時短状態格納エリア223cbに時短A状態を示す情報を格納し(S1693)、S1694の処理へ移行する。一方、S1692の処理において、今回の大当たり種別が大当たりDであると判別した場合は(S1692:Yes)、時短状態格納エリア223cbに時短B状態を示す情報を格納し(S1695)、S1694の処理へ移行する。
ここで時短A状態が設定された場合、即ち、今回の大当たり種別が大当たりA,Bの場合は、時短状態中における特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動パターンを選択する際に、時短A用変動パターンテーブル202cd2(図133(a)参照)が参照され、第1特別図柄の変動(抽選)よりも、第2特別図柄の変動(抽選)が実行され易くなる時短遊技が実行され、時短B状態が設定された場合、即ち、今回の大当たり種別が大当たりDの場合は、時短状態中における特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動パターンを選択する際に、時短B用変動パターンテーブル202cd3(図134(b)参照)が参照され、第1特別図柄の変動(抽選)が、第2特別図柄の変動(抽選)よりも実行され易くなる時短遊技が実行される。
つまり、本第4実施形態では、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照する変動パターンテーブルを時短状態が設定された大当たり種別に応じて設け、時短状態中に実行される第1特別図柄の変動パターン(変動時間)と、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を時短状態が設定された大当たり種別によって異ならせることにより、第2特別図柄が主特別図柄となる時短状態(時短A)と、第1特別図柄が主特別図柄となる時短状態(時短B)とを設定可能に構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利な特典を付与し易くなるように構成している。
このように構成することで、本第4実施形態では、遊技状態として設定される時短状態として、遊技者に不利側の時短状態(時短B)と、遊技者に有利側の時短状態(時短A)とを設定することができる。よって、遊技者に対して有利度合いの異なる複数の遊技状態を設定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、上述した通り、各特別図柄の変動パターン(変動時間)を異ならせるだけで、有利度合いの異なる遊技状態を設定することができるため、有利度合いを異ならせるための特別な構成を用いる必要が無く、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
図150に戻り説明を続ける。S1693、或いはS1695の処理を終えると、次に、時短中カウンタ203kの値に100を設定し(S1694)、設定した遊技状態を音声ランプ制御装置113へ通知するための状態コマンドを設定する(S1696)。その後、上述した大当たり制御処理(図52のS1504参照)と同一のS1617,S1618の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本第4実施形態では、複数の時短状態(時短A、時短B)を設定可能に構成し、何れの時短状態を設定した場合であっても、時短中カウンタ203kの値に100を設定するように構成している。つまり、本第4実施形態における時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する変動回数終了条件のみを設定するように構成しているが、これに限ること無く、上述した各実施形態と同様に、時短終了条件が複数設定された時短状態を設定するように構成しても良い。
さらに、本第4実施形態では、設定された時短状態の種別(時短A、時短B)に関わらず、同一の時短終了条件(時短中カウンタ203kの値に100)を設定するように構成しているが、設定された時短状態の種別に応じて、異なる時短終了条件を設定しても良く、遊技者にとって有利な時短遊技が行われる時短状態が設定されている場合に、有利者にとって不利な時短遊技が行われる時短状態が設定されている場合よりも、成立し難い時短終了条件が設定されるように構成しても良い。
次に、図151を参照して、本第4実施形態における小当たり制御処理4の内容について説明をする。図151は小当たり制御処理4(S1595)の内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理4(図151のS1595参照)は、上述した第1実施形態の小当たり制御処理(図53のS1505参照)に対して、V入賞口の開放タイミングで実行する処理の一部を削除した点で相違し、それ以外は同一の処理を実行する。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理4(図151のS1595)が実行されると、まず、上述した小当たり制御処理(図53のS1505参照)と同一のS1701~S1706の処理を実行し、S1706の処理を終えると、S1707およびS1708の処理をスキップしてS1709、S1710の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1705の処理において、現在がV入賞口開放タイミングでは無いと判別した場合は(S1705:No)、上述した小当たり制御処理(図53のS1505)の処理と同一のS1711~S1721の処理を実行して本処理を終了する。
以上説明をした通り、本第4実施形態は、第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)とが独立(並行)して実行可能な構成(所謂、同時変動構成)と、特別図柄の抽選によって大当たりに当選する1種当たりと、特別図柄の抽選によって小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に大当たりを獲得する2種当たりと、を実行可能な構成(所謂、1種2種混合構成)と、を有している点で、上述した各実施形態と相違している。
そして、時短状態が設定されている遊技状態において、第1特別図柄の変動が主に実行される時短状態(時短B)と、第2特別図柄の変動が主に実行される時短状態(時短A)とを、同時変動において設定される各特別図柄の変動パターン(変動時間)を可変させることで設定可能に構成している。
さらに、第1特別図柄よりも、第2特別図柄のほうが小当たりに当選し易いように構成し、上述した時短Aが設定される時短状態のほうが、時短Bが設定される時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように構成している。また、時短Bが設定される時短状態は、第1特別図柄の変動(抽選)回数が通常状態よりも多くなるように構成している。
つまり、上述した1種2種混合構成を有するパチンコ機10に、上述した同時変動構成を適用し、時短状態中における各特別図柄の変動パターン(変動時間)を、大当たり種別に応じて異ならせるように構成することにより、第2特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技と、第1特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技とを実行することができる。
加えて、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが小当たりに当選し易い(第1特別図柄では小当たり抽選を行わない構成も含む)ように構成することで、時短状態中における時短遊技を、1種当たりと2種当たりの両方を狙うことで遊技者に有利な有利時短状態(第2特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技)と、1種当たりのみを狙う不利時短状態(第1特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技)とを設定することができる。また、不利時短状態が設定された場合であっても、通常状態よりも第1特別図柄の変動(抽選)を実行し易くすることができる。
よって、遊技者に有利な遊技状態として、通常状態よりも2種当たりを獲得し易い遊技状態(時短状態)のみが設定可能な従来の1種2種混合構成を有する遊技機に対して、有利段階の異なる複数の遊技状態を設定し、遊技者に様々な遊技を提供することが可能となり、興趣に富んだ遊技を提供することができる。
以上のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示とされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図152および図153を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。本第4実施形態では、上述した各実施形態に対して、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選(変動)を重複して実行可能に構成(所謂、同時変動構成)している点で大きく相違している。
さらに、本第4実施形態では、時短状態として、第1特別図柄の変動(抽選)を主に実行する時短状態(時短B)と、第2特別図柄の変動(抽選)を主に実行する時短状態(時短A)とを設定可能に構成しており、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される時短回数(表示上の時短回数)を、設定される時短状態に応じて異ならせるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動演出の回数(主特別図柄の変動回数)に応じた時短回数を表示することができる。
具体的には、本第4実施形態は、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選するように構成しており(図129(b)参照)、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に(小当たりを示す小当たり図柄で停止表示した場合に)、第1特別図柄の変動を、外れを示す外れ図柄で強制的に停止表示されるように構成している。
そして、第2特別図柄の抽選が994/1000の割合で小当たりに当選するように構成していることから(図129(b)参照)、時短Aが設定された遊技状態においては、時短回数として100回が設定されたとしも、主特別図柄(第2特別図柄)の変動(抽選)を50回程度しか実行することができない。
よって、時短Aが設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に表示用時短回数として50回を表示するように構成し、主特別図柄(第2特別図柄)の変動(抽選)が実行される毎に表示用時短回数を更新(減算)するように構成している。これにより、実際には時短回数100回が設定され、強制停止される第1特別図柄の変動にも対応して時短回数が減算されていることを遊技者に気付かせること無く、あたかも時短回数として50回が設定されたのではと思わせることができ、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、上述した時短回数表示を行う場合には、例えば、第2特別図柄の抽選によって外れに当選した場合や、第1特別図柄の保留記憶が無くなり第1特別図柄の新たな変動が開始されておらず、第2特別図柄の小当たりに当選した時点(小当たり図柄を停止表示した時点)で第1特別図柄が変動していない場合において、つまり、第2特別図柄の変動を停止させるタイミングで第1特別図柄の変動を停止させることができない事態が発生した場合には、時短状態中に実行可能な第2特別図柄(主特別図柄)の変動回数が表示用時短回数よりも多くなってしまい、第2特別図柄の変動中や、第2特別図柄の変動が行われていない状態で第1特別図柄の変動が停止し、第1特別図柄の新たな変動を開始する場合には、第2特別図柄の変動に関わらず第1特別図柄の変動が実行されるため、時短状態中に実行可能な第2特別図柄(主特別図柄)の変動回数が表示用時短回数よりも少なくなってしまうという問題が発生する。
これに対して、本第4実施形態では、表示用時短回数と実際の時短回数とに所定の誤差が生じた場合に、その誤差を補正するための時短回数補正演出を実行するように構成している(図127参照)。これにより、今回設定された時短状態中に実行される主特別図柄の変動回数(時短状態中に実行される残回数)と、表示用時短回数とに誤差が発生したまま時短状態が終了してしまい、遊技者に違和感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、時短状態中に実行される主特別図柄の変動に応じて表示用時短回数を更新するため、遊技者は第3図柄表示装置81にて表示される変動表示と、時短回数とに注目するだけで安心して時短状態中の遊技を行うことができる。
なお、上述した時短回数の補正演出として、表示用時短回数が実際の時短回数に対して多くなった場合に実行される減算補正演出は、選択された主特別図柄の変動パターンが所定時間(例えば、30秒)以上であるかを判別し、所定時間以上の変動パターンである場合に、1回の特別図柄変動を複数回の特別図柄変動に見せる疑似変動演出(疑似的な変動停止と疑似的な変動を繰り返す変動演出)を実行し、疑似的に変動を停止(仮停止)した時点、或いは、仮停止した状態から変動を再開する時点で表示用時短回数を更新(減算)する演出が実行される。これにより、1回の特別図柄変動中に違和感無く表示用時短回数を減算することができる。
一方で、表示用時短回数が実際の時短回数に対して少なくなった場合に実行される加算補正演出は、選択された主特別図柄の変動パターンが所定時間(例えば、30秒)以上であるかを判別し、所定時間以上の変動パターンである場合に、表示画面上に表示用時短回数が加算されることを示すための加算表示を実行し、表示用時短回数を加算するように構成すれば良い。これにより、遊技者に対して途中で時短回数が加算されたと思わせることができる。
上述した通り、本実施形態では、同一の時短回数が設定される場合であっても、設定される時短状態に応じて、表示される時短回数を異ならせて設定することにより、遊技者に対して違和感を与えること無く時短状態中の遊技を行わせることができる。また、予め表示する時短回数を設定される時短状態に応じて異ならせているため、時短状態中に表示用時短回数を補正する演出を実行する頻度を低下させることができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、時短状態中に表示時短回数を補正する補正演出の演出態様は上述したものに限られず、例えば、主特別図柄の変動表示に対応する演出として、表示用時短回数を複数個減らすことを示すアイテムを表示画面に表示することで、1回の主特別図柄変動において表示用時短回数を複数減算するように構成しても良いし、予め、50よりも少ない回数を表示用時短回数として表示し、減算補正演出の実行頻度を極度に低下させるように構成しても良い。
加えて、加算補正演出の演出態様も上述したものに限られること無く、例えば、表示用時短回数が「1回」となった後に、「?回」を表示し、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者分からなくするように構成しても良いし、主特別図柄変動の抽選において連続して外れに当選していることを事前に把握した場合に、複数の主特別図柄変動を1つの主特別図柄変動に見せるように疑似的な変動を行うように構成し、実際には主特別図柄変動が2回実行されたにも関わらず、表示用時短回数を1回しか減算しないように構成しても良い。
また、表示用時短回数と実際の時短回数とに誤差が生じない場合においても、意図的に、減算補正演出と加算補正演出とを実行するように構成しても良い。これにより、時短状態中に様々な演出を実行することができるため、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。
本第4実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理の内容のうち、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理と相違する点について、図152及び図153を参照して説明をする。まず、図152を参照して、演出設定処理4(S2891)の内容について説明をする。図152は演出設定処理4(S2891)の内容を示したフローチャートである。
この演出設定処理4(S2891)は、上述した第1実施形態の演出設定処理(図63のS2804参照)に対して、一部の処理を上述した第2実施形態の演出設定処理2(図104のS2851参照)に置き換えた点と、設定される時短状態の種別(時短A、時短B)に応じて異なる表示用コマンドを設定する点と、実際の時短回数(残時短回数)に応じて表示用時短回数を補正する処理を追加した点と、で相違する。
演出設定処理4(図152のS2891参照)が実行されると、まず、上述した演出設定処理(図63のS2804参照)と同一のS2901及びS2902の処理を実行し、次いで、上述した演出設定処理2(図104のS2851参照)と同一のS3301の処理を実行する。S3301の処理において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3301:No)、即ち、時短状態が設定されている状態において、最初の特別図柄変動が終了している場合は、演出設定処理2(図104のS2851参照)と同一のS3306~S3308の処理を実行し、その後、表示用時短回数補正処理を実行し(S3376)、本処理を終了する。
この表示用時短回数補正処理(S3376)では、時短状態中に第3図柄表示装置81に表示される表示用時短回数と、実際の時短回数とを判別し、判別結果に所定の誤差が発生した場合に、表示用時短回数の値を補正するための処理が実行される。この表示用時短回数補正処理(S3376)の詳細な内容については、図153を参照して後述する。
一方で、S3301の処理において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別した場合は(S3301:Yes)、現在設定されている時短状態の種別が時短Aであるかを判別し(S3371)、時短Aでは無いと判別した場合は(S3371:No)、表示用時短B開始コマンドを設定し(S3372)、S3374の処理へ移行する。ここで設定された表示用時短B開始コマンドは、上述した他の表示用コマンドと同等にコマンド出力処理により表示制御装置114に向けて出力され、図126(b)に示した表示画面を表示する際に参照される。
一方で、S3371の処理において時短Aであると判別した場合は(S3371:Yes)、表示用時短A開始コマンドを設定し(S3373)、S3374へ移行する。表示用時短A開始コマンドが設定されると、図126(a)に示した表示画面が表示される。
S3374の処理では、時短状態格納エリア223cbに、対応する時短状態(時短種別)を格納し(S3374)、時短開始フラグ223adをオフに設定し(S3375)、本処理を終了する。
次に、図153を参照して、表示用時短回数補正処理(S3376)の内容について説明をする。図153は表示用時短回数補正処理(S3376)の内容を示したフローチャートである。この表示用時短回数補正処理(S3376)では、図127を参照して上述下補正演出処理を実行するか否かの判定が行われる。
表示用時短回数補正処理(S3376)が実行されると、まず、表示用時短回数カウンタCaの値、即ち、表示画面の残時短回数表示領域Dm10に表示されている残時短回数を読み出す(S3701)。この表示用時短回数カウンタCaは、時短Aが設定されている場合、即ち、第2特別図柄の変動(抽選)が主に行われる時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄の変動が実行される毎に更新され、時短Bが設定されている場合、即ち、第1特別図柄の変動(抽選)が主に行われる時短状態が設定されている場合には、第1特別図柄の変動が実行される毎に更新される。
次に、時短情報更新エリア223gに格納されている実際の時短残回数を読み出し(S3702)、S3701の処理で読み出した値と、S3702の処理で読み出した値との差分を算出し(S3703)、S3703の処理において比較した値に差分があるかを判別し(S3704)、差分があると判別した場合は(S3704:Yes)、今回の変動パターンに設定されている変動時間を読み出し(S3705)、読み出した変動時間が所定時間(30秒)以上であるかを判別する(S3706)。
S3706の処理において、30秒以上であると判別した場合は(S3706:Yes)、次に、S3703の処理において算出した差分値に対応する疑似停止回数(疑似停止演出において特別図柄(第3図柄)を仮停止させる回数)を設定し(S3707)、設定した疑似変動回数(疑似停止回数)に対応する補正用変動パターンを決定する(S3708)。そして、表示用時短回数カウンタCaの値を時短情報更新エリアの値に補正し、本処理を終了する。一方で、S3704の処理において、差分なしと判別した場合(S3704:No)、或いは、S3706の処理において、変動時間が30秒以上では無いと判別した場合は(S3706:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1実施形態における第1変形例について>
次に、図154を参照して、第1実施形態の変形例について説明をする。上述した第1実施形態では、図2に示した通り、左打ち遊技を実行することで第1特別図柄の抽選が実行され、右打ち遊技を実行することで第2特別図柄の抽選が実行されるように、左側領域に第1入球口64を配設し、右側領域に第2入球口640を配設する構成を用いていた。そして、第2特別図柄の抽選によって小当たりに当選した場合に、複数の小当たり種別(小当たりA~C)を設定可能にし、時短状態が設定されている状態において小当たりに当選した回数に基づいて、詳しくは、小当たりに当選した差異に設定された小当たり種別の設定回数が所定回数に到達した場合に、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するように構成していた。
これに対して、本変形例では、右打ち遊技を実行することで、第1特別図柄の抽選も第2特別図柄の抽選も実行し得るように構成している点で大きく相違している。このように、時短状態中に実行される右打ち遊技において、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とを実行し得るように構成することで、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄の抽選に基づく特図1終了条件と、第2特別図柄の抽選に基づく特図2終了条件を設定することが可能となる。
よって、時短状態が終了するタイミングを遊技者により把握させ難くすることができるため、遊技内容を容易に予測されてしまうことで単調な遊技となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、図154を参照して、本変形例のパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。なお、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図154に示した通り、本変形例のパチンコ機10は上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、右側領域の構成が相違している。まず、右側領域の上流側に振分部材700を設け、右打ち遊技によって発射された球が振分部材の左側に形成される左側流路701と、右側流路702とに交互に振り分けられる。
左側流路の上流側には、その流下面を形成する可動蓋1500が設けられており、パチンコ機10に電源が投入されると、図示しない可動制御手段によって一定の開閉動作が実行されるように構成されており、可動蓋1500の下方に配設された右側第1入球口64bに球が入球可能な開放状態と、入球困難(不可能)な閉鎖状態とに、位置するように開閉動作が実行される。
具体的には、主制御装置110のメイン処理(図51参照)に4ミリ秒毎に実行される処理として、可動蓋開閉処理を設け、可動蓋開閉処理によって、0.1秒の開放期間と、2~3秒の閉鎖期間とを予め定められたシナリオに沿って繰り返す開閉動作が実行される。このように開閉制御される右側第1入球口64bは、第1入球口64よりも球が入球し難くなるように構成されている。
そして、左側流路701を流下し、可動蓋1500上を流下した球は、左側流路701の屈曲部を流下し、左側流路701の流下端部に設けたスルーゲート67を通過して右側領域の下部領域へと流出する。さらに、左側流路701のスルーゲート67の上方に電動役物640aが侵入し得るように構成されており、電動役物640aが開放動作をした際に、左側流路701を流下する球が第2入球口640へと誘導されるように構成されている。
一方、振分装置700により右側流路702に振り分けられた球は、左側流路701の奥側(図154の視点で奥側)に設けられたワープ路704bの流入口704aへと流入し、右側領域の下部領域へと流出される。ここで、左側流路701の球流出位置と、右側流路702の球流出位置について図154を参照して説明をする。
ここで、常時可動部材1500の動作について詳細に説明をする。この常時可動弁1500は、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて、予め定められたタイミングで開放位置(開放状態)と閉鎖位置(閉鎖状態)とに可変されるように構成されている。具体的には、主制御装置110のメイン処理(図53参照)において4ミリ秒毎に実行される可動部材駆動処理(図示せず)において、ROM203に格納されている可動シナリオに基づいて動作制御されている。この可動シナリオは、常時可動部材1500を0.1秒間開放させ、その後0.8秒間閉鎖させる動作を繰り返し実行するものである。
つまり、本変形例1の遊技盤13では、右打ち遊技にて発射された球が、1.2秒間隔で第1流路701に流入し、常時可動部材1500が配設されている転動面を転動しながら下流方向へと流下していく。この球が第1流路701に流入し、常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングと、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとが合致した場合に球が開放状態の常時可動部材1500を通過して、右第1入球口64bに入球することになる。
常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングは、1.2秒間隔であり、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとは、0.9秒中の0.1秒であるため、両者が合致するタイミングは約15.6秒に一回となる。即ち、右打ち遊技を連続して実行した場合には、1分間に約4発の球が右第1入球口64bに入球することになる。
つまり、大当たり遊技中や時短遊技中といった、右打ち遊技が継続的に実行される遊技状態においては、定期的に右第1入球口64bに球が入球することになるため、大当たり遊技が終了して時短状態に移行した場合に、特図1の保留が無い状態が発生することを防止することができる。また、常時可動弁1500が1回に開放する期間として、遊技者が狙い打ちすることが困難な期間(0.1秒)が設定されているため、遊技状態が通常状態において、左第1入球口64aを狙う左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に不利とすることができる。
具体的に説明をすると、遊技状態が通常状態の場合において、左打ち遊技を行うと、発射された250発の球のうち、左第1入球口64aに約15発が入球するように設計されており、球が入球した場合は5発の賞球が払い出される。また、一般入球口63に約5発が入球するように設計されており、球が入球した場合5個の賞球が払い出される。よって、左打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射させることも考慮すると、約20個の球を左第1入球口64aに入球させることが可能となる。
一方、遊技状態が通常状態の場合において、右打ち遊技を行った場合は、発射された250個の球のうち、右第1入球口64bに約9発が入球するように設計されており、遊技球が1球入球した場合は2発の賞球が払い出される。また、右側領域には一般入球口63が設けられていない。よって右打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射されることを考慮したとしても、約10個の球を右第1入球口64bに入球させることしかできない。従って、遊技状態が通常状態の場合において、遊技者が右打ち遊技を行うことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が通過する遊技領域(右側領域)に一般入賞口63を設けていないが、遊技状態が通常状態において、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利とならない程度の設計思想の基、一般入賞口63を配設してもよい。これにより、時短状態中や大当たり状態中の右打ち遊技において、賞球として払い出される球数を増加させることができる。
次に、本変形例1における遊技盤13の右側領域に配設された構成のうち、スルーゲート67と第2入球口640について、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成との相違点を中心に説明する。
本変形例1では、屈曲部701aを有する第1流路701の下流部にスルーゲート67を配設し、第2流路702の下流部(第5流路704bの下端部)に第2入球口640を配設している。このように構成することで、1.2秒間隔で第2流路702に流入する球の流下速度を低下させることなく第2入球口640に向けて流下させることができる。よって、第2流路702を流下する球の流下間隔を一定にすることができるため、第2流路702内で球が連なってしまい複数の球が同時に第2入球口640に入球されてしまうことを抑制することができる。また、電動役物640aが開放動作されたことに気付かず、第3図柄表示装置81にて電動役物640aが開放していることが報知(図23(b)参照)された場合に、いち早く球を第2入球口640へ入球させることができる。
また、普通図柄の抽選の実行契機となるスルーゲート67と、普通図柄の当たり当選によって動作制御される電動役物640aと、を振分部材700によって振り分けられる異なる流路(第1流路701、第2流路702)に配設したため、振分部材700を何れか一方の流路にのみ球を流下させるように破壊された場合(振り分け機能を無効にした場合)に、第2入球口640に球を入球させ難くすることができる。つまり、振分部材700によって振り分けられる一方の流路にスルーゲート67と、電動役物640aを配設した場合、振分部材700を破壊し、一方の流路にのみ球を流下させる状態を作り出すことで第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことが可能となってしまうが、本変形例の構成を用いることで、不正に第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことを抑制することができる。
このように構成することで、時短状態が設定されている状態において右打ち遊技を行う場合に、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とを実行させることができる。また、遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選を実行させるために第2入球口640を狙って球を発射したとしても、第2入球口640へ入球し得る球の流路である左側流路701に遊技者に不利となる第1特別図柄の抽選を実行させるための右側第1入球口64bを設けているため、第2特別図柄の抽選のみを実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本変形例では、遊技盤13の右側領域に第1特別図柄の抽選の契機となる入球口(左側第1入球口64b)と、第2特別図柄の抽選の契機となる入球口(第2入球口640)と、を設け、右打ち遊技により発射された球が何れかの入球口へ入賞し得るように構成しているが、それ以外の構成として、例えば、遊技盤13の右側領域に、球を左側第1入球口64bへ導く第1誘導路と、第2入球口640へ導く第2誘導路とに交互に振り分ける振分装置を設けても良い。
このように構成することで、右打ち遊技が実行されることで、第1特別図柄の抽選条件と第2特別図柄の抽選条件とを交互に成立させることができるため、遊技者に対して過剰に有利な遊技状態が提供されること(即ち、時短状態中に第2特別図柄の抽選のみ偏って実行されること)と、遊技者に対して過剰に不利な遊技状態が提供されること(即ち、時短状態中に第1特別図柄の抽選のみ偏って実行されること)と、を抑制することができる。
<第2実施形態の第1変形例について>
次に、第2実施形態における第1変形例について、図155および図156を参照して説明する。上述した第2実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づいて成立し得る時短終了条件(特図1終了条件)と、第2特別図柄の抽選に基づいて成立し得る時短終了条件(特図2終了条件)と、を異ならせ、且つ、第1特別図柄の抽選に基づいて2種当たりを獲得する期待度と、第2特別図柄の抽選に基づいて2種当たりを獲得する期待度と、が異なるように構成していた。
具体的には、第1特別図柄の抽選では第2特別図柄の抽選よりも時短状態が終了し易く(時短終了条件が成立し易く)、且つ、2種当たりが獲得し易いように構成していた。そして、図82に示した通り、時短状態が設定された時点で左打ち遊技(第1特別図柄の抽選を行う遊技)と、右打ち遊技(第2特別図柄の抽選を行う遊技)と、の何れかを選択させる演出画面を表示させ、遊技者に所望の遊技を行わせるように構成していた。
これに対して、本第1変形例では、時短状態が設定された状態で一方の遊技(右打ち遊技)を行わせるための演出を実行し、その一方の遊技において時短終了条件が成立する直前の状態(時短終了前条件が成立した状態)であると判別した場合に、他方の遊技(左打ち遊技)を行わせるための演出を実行するように構成している。このように構成することで、実行される演出に沿って遊技を行うこと(遊技方法を可変すること)により、時短状態中の遊技を最大限楽しむことができる。
次に、本変形例の時短状態が設定されている状態における表示画面について、図155および図156を参照して説明をする。図155(a)は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり(上述した第2実施形態では大当たりA,B,D)のエンディング画面の一例を示した模式図であり、図155(b)は、時短状態が設定されている期間中において、右打ち遊技に関する時短終了前条件が成立した場合の表示画面の一例を示した模式図であり、図156(a)は、時短状態が設定されている期間中において、右打ち遊技に関する時短終了前条件が成立した後の表示画面の一例を示した模式図である。なお、各表示画面において、上述した第2実施形態と同一の演出態様を表示する要素に対しては、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図155(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面では、案内表示領域Dm2に「右打ち」と表示するのに加えて、遊技方向指示表示態様Dm20にも「右打ち」を示す表示態様が表示される。ここで、本変形例では、上述した第2実施形態とは異なり、案内表示領域Dm2に、遊技者に遊技を促すための演出表示が表示され、遊技方向指示表示態様Dm20にて、遊技状態に応じた遊技方向を報知するための指示コマンドに対応した表示態様が表示されるように構成している。
つまり、大当たり遊技中、及び、時短状態中は、遊技方向指示表示態様Dm20にて常に「右打ち」を示す表示態様が表示されるように構成している。さらに、大当たり遊技のエンディング画面では、大当たり遊技終了後に右打ち遊技を行わせるために「大当たり終了後はドキドキラッシュ突入右打ちしてね」のコメントが表示される。
そして、時短状態中に右打ち遊技を実行し、第2特別図柄(特図2)の抽選(変動)に基づいて成立し得る時短終了条件が成立する直前となると(特図2時短終了前条件が成立すると)、図155(b)に示した通り、時短状態中の右打ち遊技が終了したことを示す「ドキドキラッシュ終了、引き戻しゾーン突入」のコメントが表示され、案内表示領域Dm2に「左打ち」の文字が表示される。
これにより、遊技者は、右打ち遊技が終了し、左打ち遊技を行うことになる。よって、遊技者に対して、時短状態が終了し、通常状態が設定されたと思わせることができる。なお、実際には、時短状態は終了していないため、遊技方向指示表示態様Dm20には「右打ち」が継続して表示されている。そして、副表示領域Dsの第1表示領域Ds1には、左打ち遊技により獲得可能な第1特別図柄の保留図柄表示Dsb~Dseが表示される。
そして、遊技者が左打ち遊技を開始すると、図156(a)に示した通り、引き戻しゾーン中の演出が実行される。なお、この引き戻しゾーン中の演出は、上述した第2実施形態において、時短状態中に左打ち遊技を行った場合と同一の内容であるためその詳細な説明を省略する。
以上、説明をした通り、本変形例では、図156(b)に示した通り、時短状態が設定されている状態において、複数の時短終了条件の成立具合(進捗具合)を判別し、右打ち遊技を行わせる遊技を行わせたり、左打ち遊技を行わせたりする演出を実行するように構成している。これにより、時短状態中に遊技者に対して様々な遊技を行わせることができるという効果がある。
さらに、本変形例では、時短状態の前半に右打ち遊技、後半に左打ち遊技を行わせるように案内表示領域Dm2に遊技方向を表示するように構成している。これにより、大当たり遊技から継続して右打ち遊技を実行させることができ、且つ、時短状態が終了し、通常状態が設定された場合に継続して左打ち遊技を実行させることができる。よって、遊技方向を可変させる操作が煩雑になることを抑制することができる。
さらに、右打ち遊技にて時短状態が終了する直前の状態となった場合に、即ち、第2特別図柄の変動(抽選)によって更新される情報に基づいて成立する時短終了条件が、成立直前であることを判別した場合に、左打ち遊技を案内する演出を実行するため、現在の状況に応じて時短状態を終了させるための時短終了条件が成立し難い遊技を遊技者に案内することができる。よって、遊技者に対して有利な遊技方法を案内することができる。
また、本変形例を適用する第2実施形態では、図2に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合も、時短状態が設定されている場合も、左打ち遊技により第1入球口64に球が入球する割合が同一となるように構成している。よって、時短状態の後半において左打ち遊技を行わせる「引き戻しゾーン」中を、遊技者に対して時短状態が設定されているのか通常状態が設定されているのかを分かり難くすることができる。
なお、本変形例を適用する第2実施形態では、上述した通り、通常状態よりも時短状態のほうが第1特別図柄の抽選に基づいて2種当たりを獲得し易いように構成している。よって、時短状態が設定されている「引き戻しゾーン」中は、通常状態が設定されている場合に対して、第1特別図柄の抽選(変動)のし易さを同一であるが、その抽選に基づいて2種当たりを獲得し易いため、通常状態よりも有利な遊技状態となる。
よって、通常状態よりも、実際に大当たりが設定され易い(2種当たりを獲得し易い)遊技状態を「引き戻しゾーン」として演出することができるため、演出効果を高めることができる。さらに、右打ち遊技に基づいて時短終了前条件が成立するタイミングは、右打ち遊技の抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)によって異なるため、この「引き戻しゾーン」が実行される期間は不定なものになる。よって、遊技者に対して「引き戻しゾーン」が長期間継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本変形例では、遊技状態に応じて遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様を設定し、遊技状態と、時短終了条件の進捗具合(時短終了前の成立の有無)に応じて、案内表示領域Dm2の表示態様を設定するように構成し、案内表示領域Dm2の表示態様を、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様よりも大きく表示することで遊技者に積極的に遊技方法を案内するようにしているが、これに限ること無く、遊技状態と、時短終了条件の進捗具合(時短終了前の成立の有無)に応じて、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様を可変させるように構成しても良い。なお、この場合は、時短状態中に右打ち遊技(第2特別図柄の抽選(変動)を実行するための遊技)によって時短終了前条件が成立した場合には、その時短終了前条件が成立していない場合よりも、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様が目立たなくなるように可変させると良い。
このように、時短状態が設定されている状態において、時短終了条件の進捗具合(時短終了前の成立の有無)に応じて、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様を第1報知態様から第2報知態様へと可変させることにより、遊技方向指示表示態様Dm20により報知される遊技方向(例えば、右打ち)に従って遊技を実行した場合における有利度合いを遊技者が視覚的に判別することが可能となる。
<第5実施形態について>
次に、図157~図168を参照して、第5実施形態について説明をする。この第5実施形態は遊技者に有利な遊技状態となる時短状態が設定されている場合に、遊技者に遊技方法を選択させる点で上述した第2実施形態と同一である。上述した第2実施形態では、時短状態が設定されている場合に、第1特別図柄(特図1)の抽選を行う遊技(第1遊技)と、第2特別図柄(特図2)の抽選を行う遊技(第2遊技)とを遊技者が選択できるように構成していた(図82参照)。そして、第1遊技を選択した場合には左打ち遊技により第1入球口64を狙うことで特図1の抽選を行い、第2遊技を選択した場合には右打ち遊技により第2入球口640を狙うことで特図2の抽選を行うように構成していた(図2参照)。
そして、時短状態を終了させる時短終了条件として、特図1の抽選により成立し得る条件と特図2の抽選により成立し得る条件とを異ならせ、時短終了条件が成立し易い(時短状態が終了し易い)遊技と、(その遊技より)時短終了条件が成立し難い遊技とを遊技者に選択させることが可能となるように構成していた。
さらに、上述した第2実施形態では、時短終了条件が成立し易い遊技(第1遊技)のほうが、時短終了条件が成立し難い遊技(第2遊技)よりも、1回の特別図柄の抽選において大当たりを獲得する確率、即ち、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり中(小当たり遊技中)に大当たり(2種当たり)を獲得する確率とを合算した確率が高くなるように構成していた。
このように構成された第2実施形態では、時短状態が設定されている場合における遊技方法を遊技者に選択させることにより様々な遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者が選択する遊技方法に応じて、時短状態の終了のし易さ(時短終了条件の成立のし易さ)と、1回の特図抽選に対する大当たり期待度と、を異ならせることができるため、遊技者自身が自分に合った遊技を選択することができ、様々な遊技者に適した遊技を提供することができるものであった。
しかしながら、上述した第2実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に遊技者が選択する遊技方法のうち一方の遊技(第2遊技)は、通常状態よりも入球し易くなる第2入球口640を狙う遊技となるが、他方の遊技(第1遊技)は、入球のし易さが通常状態と同一の第1入球口64を狙う遊技となるため、遊技者に対して、時短状態が設定されたことによる有利感を付与し難いという問題があった。
次に、図157~図168を参照して、第5実施形態について説明をする。この第5実施形態は遊技者に有利な遊技状態となる時短状態が設定されている場合に、遊技者に遊技方法を選択させる点で上述した第2実施形態と同一である。上述した第2実施形態では、時短状態が設定されている場合に、第1特別図柄(特図1)の抽選を行う遊技(第1遊技)と、第2特別図柄(特図2)の抽選を行う遊技(第2遊技)とを遊技者が選択できるように構成していた(図82参照)。そして、第1遊技を選択した場合には左打ち遊技により第1入球口64を狙うことで特図1の抽選を行い、第2遊技を選択した場合には右打ち遊技により第2入球口640を狙うことで特図2の抽選を行うように構成していた(図2参照)。
そして、時短状態を終了させる時短終了条件として、特図1の抽選により成立し得る条件と特図2の抽選により成立し得る条件とを異ならせ、時短終了条件が成立し易い(時短状態が終了し易い)遊技と、(その遊技より)時短終了条件が成立し難い遊技とを遊技者に選択させることが可能となるように構成していた。
さらに、上述した第2実施形態では、時短終了条件が成立し易い遊技(第1遊技)のほうが、時短終了条件が成立し難い遊技(第2遊技)よりも、1回の特別図柄の抽選において大当たりを獲得する確率、即ち、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり中(小当たり遊技中)に大当たり(2種当たり)を獲得する確率とを合算した確率が高くなるように構成していた。
このように構成された第2実施形態では、時短状態が設定されている場合における遊技方法を遊技者に選択させることにより様々な遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者が選択する遊技方法に応じて、時短状態の終了のし易さ(時短終了条件の成立のし易さ)と、1回の特図抽選に対する大当たり期待度と、を異ならせることができるため、遊技者自身が自分に合った遊技を選択することができ、様々な遊技者に適した遊技を提供することができるものであった。
しかしながら、上述した第2実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に遊技者が選択する遊技方法のうち一方の遊技(第2遊技)は、時短状態が設定されることにより、通常状態よりも入球し易くなる第2入球口640を狙う遊技となるが、他方の遊技(第1遊技)は、入球のし易さが通常状態と同一の第1入球口64を狙う遊技となるため、遊技者に対して、時短状態が設定されたことによる有利感を付与し難いという問題があった。つまり、時短状態が設定されたことにより、通常状態よりも特別図柄の変動(抽選)が効率良く行われるようにし、その状態において、異なる遊技性(時短状態の終了のし易さや、1回の特図抽選における大当たり期待度)を提供することができるものでは無かった。
これに対して、本第5実施形態では、上述した第4実施形態と同じく、第1特別図柄(特図1)と、第2特別図柄(特図2)との抽選(変動)を同時に実行可能な構成(所謂、同時変動構成)を有し、遊技状態に応じて設定され得る各特別図柄の変動パターン(変動時間)を可変させることにより、時短状態において異なる遊技性を遊技者が選択できるように構成している。
これにより、時短状態が設定されることで、通常状態よりも特別図柄の変動(抽選)を効率良く行い、且つ、遊技者に異なる遊技性を選択させることが可能な遊技を提供することができるように構成している。
次に、図157を参照して、本第5実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図157は、本第5実施形態のパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図157に示した通り、本第5実施形態のパチンコ機10は、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の遊技領域)の構成と、可変表示装置ユニット80の下方の遊技領域の構成と、を上述した第2実施形態のパチンコ機10(第1実施形態のパチンコ機10と同一)の構成(図2参照)と異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図157に示した通り、本第5実施形態のパチンコ機10は右側領域が大きく2つに区分けされるように形成されており、右打ち遊技により発射された球の勢い、即ち、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)が検出した抵抗値の大きさ(発射強度)に応じて、球が異なる流路を流下するように構成されている。
具体的には、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)が基準量を超えた場合に、発射された球が右側領域を流下するように構成されており、さらに、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)が基準量よりも大きく制限量未満(弱右打ち遊技)の場合には、右側領域の中央に設けられた規制壁(規制部材)900により左右に区分けされた領域のうち、左側の第1右側領域901aに向けて球が発射され、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)が制限量以上で限界量以下(強右打ち遊技)の場合には、規制壁(規制部材)900により左右に区分けされた領域のうち、右側の第2右側領域901bに向けて球が発射されるように構成されている。なお、本第5実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量に応じて発射強度が大きくなるように構成しているが、操作ハンドル51の回動操作量が所定の回動操作量に到達し、発射強度が最大となった以降にも操作ハンドル51を回動操作することができるように構成している。このように構成することで、強右打ち遊技を行う場合において、操作ハンドル51の回動操作範囲の限界まで(上限まで)操作ハンドル51を操作する必要が無くなるため、操作ハンドル51を壊れにくくすることができる。
以下、右打ち遊技において、第1右側領域901aを狙う遊技を弱右打ち遊技と称し、第2右側領域901bを狙う遊技を強右打ち遊技と称す。なお、本第5実施形態では、右打ち遊技の発射強度の大小によって右打ち遊技を複数の遊技に区分けするように構成しているが、それ以外の構成により右打ち遊技を複数の遊技に区分けするように構成しても良く、例えば、発射強度の大小に対して、交互に異なる複数の遊技を繰り返し設定するように構成したり、同一の発射強度で発射した球であっても、球を発射したタイミングや球数に応じて異なる遊技が設定されるように構成し、異なる遊技毎に異なる領域を球が流下するように右側領域を形成するように構成しても良い。
さらに、本第5実施形態では、球の発射強度に応じて右打ち遊技を複数の遊技に区分けしているが、これに限られること無く、左打ち遊技によって発射される球が流下する領域に対して複数の遊技を設定するように構成しても良い。
図157に戻り説明を続ける。弱右打ち遊技により発射された球は、遊技盤13の上方(可変表示装置ユニット80の上方)に植設された複数の釘と可変表示装置ユニット80との間に形成されている開口部に侵入し、第1右側領域901aを流下する。一方、強右打ち遊技により発射された球は、遊技盤13の上方(可変表示装置ユニット80の上方)に植設された複数の釘よりも上方に形成される開口部に侵入し、第2右側領域901bを流下する。
本第5実施形態の遊技盤13には、図157に示した通り、右側領域が複数の右側領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)に区分けされていることを示すための識別子として、魚を模したマーク(第1右側領域表示)910と、カメを模したマーク(第2右側領域表示)911とが各領域の入口近傍に、遊技者が視認可能な態様で(遊技盤13の表面に)貼付されている。このように構成することで、遊技者が所望する遊技(強右打ち遊技、弱右打ち遊技)が実際に行われているか否かを、発射された球の軌跡に貼付されているマークを識別することで容易に判別することができる。
なお、本第5実施形態では、上述した第1右側領域表示910と第2右側領域表示911とを、各領域の入口近傍に1つずつ貼付した構成を用いているが、これに限ること無く、複数貼付しても良い。また、遊技盤13の表面に貼付するのでは無く、遊技盤13の表面を透過性の部材(例えば、アクリル樹脂等)で構成し、その透過性の部材に埋没させるように各マークを取り付けるように構成しても良い。このように構成することで、各マーク(第1右側領域表示910、第2右側領域表示911)に、発射された球が接触することが無くなるため、球と接触することで各マークが剥がれてしまうという問題を抑制することができる。
規制壁900により区画された領域のうち、第1右側領域901aには、第2入球口640が設けられ、第1右側領域901aに侵入した球の殆ど(約95%)が第2入球口640に入球するように構成している。なお、詳細は後述するが、本第5実施形態では、遊技状態として通常状態が設定されている状態において実行される特図2の抽選に対して10分の変動時間が設定されるように構成している。そして、第2入球口640に球が入球した場合に払い出される球数(賞球数)が1個に設定されている。
このように構成することで、通常状態において弱右打ち遊技が実行されたとしても、球が増加すること無く(発射した球数よりも払い出される球数を少なくする)、且つ、第2入球口640への入球率を高めたとしても効率良く特図2抽選が実行されることを抑制することができる。
次に、規制壁900により区画された領域のうち、第2右側領域901bには、スルーゲート67と、右第1入球口964とが配設されている。この右第1入球口964には電動役物964aが付設されている。この電動役物964aは上述した第2実施形態の電動役物640aと同一の動作原理で動作するものであり、スルーゲート67を球が通過することを契機に実行される普図抽選の抽選結果に応じて右第1入球口964に球が入球し易い開放状態と、入球し難い(入球不可能な)閉鎖状態とに可変するものである。なお、詳細な内容については、上述した第2実施形態と同一であるため省略する。
このように、区画された領域毎に異なる入球口を配設することで、時短状態中の遊技内容に応じて異なる特図抽選が実行されるように構成している。尚、詳細は後述するが、本第5実施形態では、遊技状態として時短状態が設定されている状態において実行される特図2の抽選に対して短時間(5~60秒)の変動時間が設定されるように構成している。
よって、時短状態中は特図1の抽選も特図2の抽選も何れも実行可能とすることができるため、遊技者が何れの遊技を選択して遊技を行うことができる。なお、本第5実施形態では、時短状態中に特図1抽選が行われる場合と特図2抽選が行われる場合とで、遊技者に対して異なる抽選結果が付与されるように構成されている。
具体的には、特図1抽選を行った方が特図2抽選を行うよりも時短状態が終了し易くなり、且つ、大当たりに当選した場合に付与される特典(賞球数)が多くなるように構成されている。つまり、時短状態中は、特図1抽選を行った方が特図2抽選を行うよりも、ハイリスクハイリターンな遊技を実行することができる(異なる遊技性の遊技を実行することができる)。このように、遊技者が遊技方法を選択可能とする場合において、選択する遊技状態に応じて異なる遊技性を実行させることで、遊技者に対して意欲的に遊技方法を選択させることができる。
また、選択する遊技方法によって、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が継続する期間(平均的に継続する期間)を異ならせるようにしているため、時短状態を短期間で終了させるか否かを遊技者が選択することができる。よって、遊技者自身の都合に応じた遊技を行うことが可能となる。
さらに、本第5実施形態では、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を短期間(他の遊技方法よりも短期間)で終了させる遊技方法を選択した場合には、その時短状態において大当たりに当選した場合に、他の遊技方法を選択した場合よりも遊技者に大きな特典を付与するように構成している。これにより、時短状態が短期間で終了する遊技方法を選んだとしても遊技者に対して公平に特典を付与することができるため、遊技者に所望の遊技方法を選択させ易くすることができる。
加えて、本第5実施形態では、実行された右打ち遊技が弱右打ち遊技であるか強右打ち遊技であるかを判別可能に構成している。具体的には、規制壁900によって区画された第1右側領域901aには第1通過センサ905aが、第2右側領域901bには第2通過センサ905bが設けられている。
第1通過センサ905a、第2通過センサ905bは、遊技盤13の表面(球流下面)を流下する球を検出するための検出手段であり、球の流下(通過)を非接触状態で検出可能な近接センサで構成されている。この第1通過センサ905a、第2通過センサ905bは各領域を通過する球を確実に検出するために、各領域において通路幅が球1個分以上で球2個分未満(例えば、15mm)となる部位に設けられている。このように各領域を流下する球の流下幅を制限することにより、球の検出精度を高めることができる。また、球を検出するために必要な検出手段の個数を削減することができる。
本第5実施形態では、上述した第1通過センサ905a、第2通過センサ905bとして、その検出領域が遊技盤13の表面(球流下面)となるように遊技盤13に埋没させ、遊技盤13の表面(球流下面)を球が流下することにより生じる静電容量の変化を検出する様式の近接センサを設けているが、それ以外の様式の近接センサを設けても良いし、リミットスイッチ等の接触式検出方式の検出手段を設けても良い。
なお、本第5実施形態では、一方の領域に対応する近接センサが他方の領域を流下する球を検出することを防止するために、各近接センサの検出範囲が重複しないように所定の厚み(例えば、5mm)を有する構成にしているが、これに限ること無く、例えば、近接センサが検出する各種変位(静電容量の変位、磁界の変位)が規制壁900を跨いで影響しないようにする材質で規制壁900を構成するように構成しても良い。
さらに、本第5実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が何れの領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)の何れを通過したかを判別するために、専用の検出手段を設けているが、これに限ること無く、例えば、第1右側領域901a、第2右側領域901bのそれぞれに配設されている入球口へ球が入球したことを示す情報(信号)に基づいて判別しても良い。また、操作ハンドル51の調整量を検出し、その調整量に基づいて弱右打ち遊技、強右打ち遊技を判別するよう構成しても良い。
本第5実施形態では、上述した通り、現在実行されている右打ち遊技が弱右打ち遊技であるか強右打ち遊技であるかを判別するための構成、処理を設けているため、遊技者に対して、現在の遊技方法を報知することができる。
次に、図158および図159を参照して、本第5実施形態における遊技盤13の詳細な構成について説明をする。まず、図158を参照して、遊技盤13の上方部分、即ち、右打ち遊技により発射された球が第1右側領域901aと第2右側領域901bとに振り分けられる箇所の構成について説明をする。図158は、遊技盤13の上方を示した部分拡大図である。図158に示した通り、右打ち遊技によって発射された球は、遊技盤13の頂点部分(図157正面視において、円形に構成される遊技盤13の遊技領域の最上部位分)を通過した位置において、先端釘K1aとレール62との間に形成された開口902bと、その開口902bの下方であって、先端釘K1aと可変表示装置ユニット80との間に形成された開口902aとの何れかに振り分けられるように構成されている。さらに、遊技盤13の上方において形成されている開口902bはその入口幅(円形の遊技領域の中心点と先端釘K1aを通過する直線をレール62まで延伸した場合における先端釘K1aとレール62までの距離)が2センチ、開口902aはその入口幅(円形の遊技領域の中心点と先端釘K1aを通過する直線のうち、可変表示装置ユニット80の外壁と先端釘K1aとの間の距離)が4センチとなるように構成されている。
これは、右打ち遊技のうち強右打ち遊技が行われた場合は、発射された球がレール62に沿って安定して進むのに対して、弱右打ち遊技は球の軌跡を安定させることが困難であることから、強右打ち遊技により発射された球が侵入する開口902bよりも、弱右打ち遊技により発射された球が侵入する開口902aの入口幅を広く形成し、弱右打ち遊技を行い易くするためである。
つまり、開口902aの入口幅を広く形成することで、弱右打ち遊技に該当する操作ハンドル51の回動操作量の範囲を広くすることができるため、遊技者に対して弱右打ち遊技を行い易くすることができる。
また、第1右側領域901aのうち、開口902aの近傍には魚のマーク(第1右側領域表示)910が貼付され、第2右側領域901bのうち、開口902bの近傍にはカメのマーク(第2右側領域表示)911が貼付されている。このように、各開口を通過直後の球(区画された領域に振り分けられた直後の球)が通過する領域に各マークを貼付することで、遊技者に対して、発射された球がどの領域に到達したのかを容易に把握させることができる。
なお、本実施形態では各領域を示すためのマーク(第1右側領域表示、第2右側領域表示)を、第1右側領域901aや第2右側領域901b内に貼付しているが、それに限ること無く、例えば、各開口(902a,902b)を通過する前の球が通過する領域のうち、その領域を通過した球が何れの開口を通過するのかが確定している領域に第1右側領域表示910、第2右側領域表示911を貼付するように構成してもよい。このように、区画された領域内だけで無く、区画された特定の領域に侵入することが確定する球が通過する領域にも各領域を示すためのマーク(第1右側領域表示、第2右側領域表示)を貼付するように構成することで、遊技盤13という限られたスペース内において遊技者が視認し易い位置にマークを貼付し易くすることができる。
次に、図159を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。図159(a)は、可変入賞装置9650aが開放している状態における右側領域の拡大図であり、図159(b)は、可変入賞装置9650aが閉鎖している状態における右側領域の拡大図である。
本第5実施形態は、上述した通り、右打ち遊技中の遊技方法として、第1右側領域901aを狙う弱右打ち遊技と、第2右側領域901bを狙う強右打ち遊技とを遊技者が選択できるように構成し、選択した遊技方法に応じて異なる遊技性の遊技を遊技者に提供するようにしている。
このように構成されたパチンコ機10においては、遊技者が弱右打ち遊技と強右打ち遊技とのうち、所望の遊技方法を選択し、その遊技方法に合わせて操作ハンドル51を調整する必要があった。図158を参照して上述した通り、本第5実施形態では、遊技者にとって調整が難しい弱右打ち遊技に対する操作ハンドル51の調整幅が広くなるように、弱、右打ち遊技の開口902aが、強右打ち遊技の開口902bよりも広くなるように構成し、遊技者が遊技方法を容易に選択できるように構成している。
さらに、図159(a)に示した通り、本第5実施形態では、時短状態が設定されている状態において、何れの遊技(弱右打ち遊技、強右打ち遊技)が行われている場合であっても、その遊技を継続した状態で大当たり遊技を実行することができるように大当たり遊技において開放動作される可変入賞装置9650aを配設している。
これにより、時短状態中に大当たりに当選したとしても、時短状態中に選択した遊技方法を継続することができるため、時短状態と大当たり遊技状態とが繰り返し設定される状態において遊技者に対して煩わしさを感じさせること無く遊技を行わせることができる。
さらに、可変入賞装置9650aは、第1右側領域901aに配設された第2入球口640、第2右側領域901bに配設された第1入球口964よりも上流側に配設されているため、大当たり遊技中において右打ち遊技で発射された球が可変入賞装置9650に入賞する前に各入球口に入球してしまうことが無く、円滑に大当たり遊技を行うことができる。
また、可変入賞装置9650aは、大当たり遊技中以外(開放動作されていない場合)は、図159(b)に示した通り、規制壁900の一部として第1右側領域901aと第2右側領域901bとを区画するように閉鎖状態となるため、時短状態中において各領域を流下する球が異なる領域へ侵入してしまうことを防止することができる。
なお、本第5実施形態では、時短状態中に遊技者が選択した遊技方法を維持した状態で大当たり遊技を実行させることができるように、何れの領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)を流下する球も入賞し得るように可変入賞装置9650を配設しているが、これに限ること無く、右打ち遊技によって発射された球が各領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)に振り分けられるまでに通過する領域に可変入賞装置9650を配設するように構成しても良い。
また、各領域のそれぞれに対応する可変入賞装置を設けるように構成しても良い。具体的には、特図2の抽選が実行される弱右打ち遊技の球が流下する第1右側領域901aに特図2の抽選によって大当たりに当選した場合に開放動作される特図2用可変入賞装置を配設し、特図1の抽選が実行される強右打ち遊技の球が流下する第2右側領域901bに特図1の抽選によって大当たりに当選した場合に開放動作される特図1用可変入賞装置を配設するように構成する。
このように構成することで、時短状態が設定されている状態において何れか一方の遊技(弱右打ち遊技、強右打ち遊技)を行うことで大当たりに当選した場合に、遊技者に対してそのままの遊技方法を継続させたまま大当たり遊技を実行させることができる。また、実行する遊技方法に応じて大当たりに当選した場合に異なる可変入賞装置が開放動作されることになるため、遊技者に対して時短状態が設定されている間の遊技方法を異ならせることにより異なる遊技が実行されることを分かり易くすることができる。
さらに、本第5実施形態では、時短状態が設定されている状態において、特別図柄の変動(抽選)回数が所定回数に到達した場合(変動回数終了条件が成立した場合)、或いは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合(当選回数終了条件が成立した場合)に、時短状態から通常状態へと(遊技者にとって有利な遊技状態から不利な遊技状態へと)移行するように構成されている。なお、この構成については、上述した第2実施形態に対して、各終了条件として設定される値が相違するだけであり、各終了条件が成立しているか否かの判別処理や、各終了条件が成立した場合に実行される遊技状態を移行するための処理は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
加えて、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るようにし、第2特別図柄の抽選では小当たりに当選することが無いように構成することで、第1特別図柄の抽選を実行する遊技(強右打ち遊技)と、第2特別図柄の抽選を実行する遊技(弱右打ち遊技)とで時短状態の終了のし易さを異ならせている。さらに、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合よりも、1回の大当たりにおいて遊技者に付与される特典量(賞球量)が大きくなるように構成しているため、時短状態中における遊技方法を遊技者に意欲的に選択させることができる。
次に、図160を参照して、本第5実施形態に実行される大当たり演出の内容について説明をする。図160(a)は、大当たり(大当たり遊技)が開始された時点における表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図160(b)は、大当たり(大当たり遊技)中における表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
本実施形態では、上述した通り、時短状態が設定されている状態で弱右打ち遊技と強右打ち遊技と遊技者が選択して(操作ハンドル51を操作して)実行することができるように構成しており、更に、時短状態中と同様に右打ち遊技を行うことになる大当たり遊技中に、遊技者が所望する時短遊技に対応した遊技方法が行われているかを演出にて案内することができるように構成している。
つまり、図157に示した通り、本第5実施形態では、時短状態中の遊技方法(時短遊技方法)として、弱右打ち遊技と強右打ち遊技とを実行できるように構成しており、さらに、何れの遊技方法を実行している場合でも、大当たり遊技を実行できるように構成している。このように構成することにより、遊技者が所望する時短状態中の遊技方法に対応した遊技方法を、時短状態が設定される前段階である大当たり遊技が実行されている期間を用いて予め実行することができる。
従って、本第5実施形態のように、操作ハンドル51の操作に基づいて異なる時短遊技方法を実行する場合において、遊技者の所望する時短遊技方法を確実に実行することができる。さらに、本第5実施形態では、大当たり遊技中に実際に実行されている遊技内容(実行遊技格納エリアと同一)と、時短状態中において遊技者が所望する遊技状態とが一致しているかを判別し、その判別結果に基づいた演出を実行するように構成している。これにより、現在の遊技方法(大当たり遊技中の遊技方法)を遊技者に分かり易く把握させることができる。
大当たり遊技を開始すると(大当たりのオープニング期間になると)、案内表示領域Dm2に「右打ち」のコメントが表示される。そして、主表示領域Dmには、今回の大当たり遊技終了後に設定される時短状態において遊技者が所望する遊技方法を選択するための選択画面が表示される。具体的には、主表示領域Dmに、安心モード表示態様851と、チャレンジモード表示態様852とが表示され、各表示態様を定期的に繰り返して指し示す矢印が何れかの表示態様を指し示している状態で枠ボタン22を操作することにより、所望の遊技方法が選択されるように構成している。
この安心モード表示態様851は、時短状態中における弱右打ち遊技、即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行させる遊技を希望する際に選択するものであり、チャレンジモード表示態様852は、時短状態中における強右打ち遊技、即ち、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行させる遊技を希望する際に選択するものである。図160(a)に示した図は、安心モード表示態様851を差し示す矢印853が表示されている状態であり、この状態で操作ボタン22を操作(押下)することで、遊技者が希望する遊技方法を安心モードとして選択することができる。一方、図160(a)では点線で示した矢印854が実線で表示されている状態で枠ボタン22を操作(押下)することで、チャレンジモードを選択することができる。
また、副表示領域Dsには遊技者に対して希望するモードを選択させるためのコメントとして「希望遊技を選んでね」という文字が表示されると共に、選択操作を案内するための枠ボタン22を模した図が表示される。この副表示領域Dsに表示されている表示内容に基づいて遊技者は、大当たり開始時に選択すべき内容を把握して、時短状態中における希望の遊技方法を選択する。ここで選択した遊技方法に対して、大当たり遊技中に実行している遊技方法の判定が行われる。
大当たり遊技中には、図160(b)に示した図が表示される。大当たり遊技中の画面には、案内表示領域Dm2に「右打ち」が継続して表示されると共に、現在のラウンド遊技数がラウンド数表示領域858に表示される。図160(b)の例では、ラウンド遊技が5ラウンド目であることを示す「ROUND5」が表示される。
さらに、主表示領域Dmの右側には、現在の遊技方法が現状遊技表示領域860に表示され、大当たり遊技開始時に選択した希望遊技方法が希望遊技表示領域861に表示される。図160(b)に示した図では、現状遊技表示領域860に「安心モード」を示した表示態様が表示され、希望遊技表示領域861に「チャレンジモード」を示した表示態様が表示されている。即ち、遊技者が希望する遊技方法に対して、実際に実行されている遊技方法が異なる場合における表示内容が表示されており、副表示領域Dsの遊技案内領域859に遊技方法を変更させるために「もっと強く右打ちして」のコメントが表示される。
このように表示態様を構成することにより、実際の遊技方法を、遊技者の希望する遊技方法(時短状態中に実行したい遊技方法)と合致させるための調整を、時短状態が設定される前の大当たり遊技が実行されている期間中に行うことができる。さらに、大当たり遊技中において実行中の遊技方法が、希望する遊技方法と異なる場合には、遊技方法を変更させるための案内表示を大当たり遊技中に表示することができるため、大当たり遊技が実行されている期間中に希望の遊技方法を実行させ易くすることができる。
図160(b)に戻り説明を続ける。大当たり遊技中の表示画面には、さらに、実行中の大当たりが当選した際の遊技方法を示す実行中大当たり履歴855と、安心モード中に大当たりに当選した回数を示す安心モード大当たり履歴856と、チャレンジモード中に大当たりに当選した回数を示すチャレンジモード大当たり履歴857と、が表示される。図160(b)に示した図は、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第1入球口64に球が入球したことを契機に実行された第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選したことを示す「V」の文字が実行中大当たり履歴855として表示されている。
なお、現在実行中の大当たりが、時短状態が設定されている状態において第2入球口640に球が入球したことを契機に実行された第2特別図柄の抽選によって当選した大当たりである場合は、実行中当たり履歴855に「魚のマークを付したV」の文字が表示され、右第1入球口964に球が入球したことを契機に実行された第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合は、実行中当たり履歴855に「カメのマークを付したV」の文字が表示される。これにより、どの遊技状態において大当たりに当選した場合であっても、当選した大当たりの契機を容易に把握することができる。
また、安心モード大当たり履歴856とチャレンジモード大当たり履歴857を設けることにより、当該パチンコ機10で遊技を行う場合に、特に、時短状態中の遊技を行う場合に、どのような遊技を行うかについて過去の遊技履歴を参照することができる。これにより、遊技者に対して有利な遊技方法を予測させることが可能となり、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
本第5実施形態では、過去の遊技履歴として、大当たりに当選した場合において設定されていた遊技方法を累積表示する構成を用いているが、それ以外にも、大当たりの当選の有無に関わらず、過去に選択した遊技方法を累積した値を表示するように構成しても良い。
次に、図161を参照して、本第5実施形態における時短状態中の遊技内容について説明をする。図161は、第5実施形態における時短遊技内容を示した模式図である。図161に示した通り、本第5実施形態では、時短状態中に実行する遊技方法に応じて、異なる遊技が実行される。具体的には、時短状態が設定された状態において、弱右打ち遊技、即ち、第1右側領域901aを狙う遊技が実行された場合には、発射された球の殆どが第2入球口640に入球し、1個の賞球が払い出されるように構成されている。
さらに、第2入球口640に球が入球したことを契機に実行される第2特別図柄の抽選では、小当たりに当選することが無いように設定されており、大当たりに当選した場合には10ラウンドの大当たり遊技が実行されるように設定されている。また、時短状態が設定されている遊技状態では、第1特別図柄の抽選に応じて設定される変動パターンと、第2特別図柄の抽選に応じて設定される変動パターンとで、同程度の変動時間が設定される。
一方、時短状態が設定された状態において、強右打ち遊技、即ち、第2右側領域901bを狙う遊技が実行された場合には、球がスルーゲート67を通過することに基づいて電動役物964aが開放する。そして、電動役物964aが開放動作中している間に右第1入球口964へ球が入球すると、3個の賞球が払い出されるように構成されている。ここで、時短状態が設定されている状態で第2右側領域901bに発射された球の約1/3が右第1入球口964へ入球するように構成されている。よって、本第5実施形態では、時短状態中に右打ち遊技を行った場合には、弱右打ち遊技を行った場合も、強右打ち遊技を行った場合も、持球を維持する程度の賞球を得ることができる(賞球=中)。
さらに、強右打ち遊技によって、実行される第1特別図柄の抽選では、上述した第2特別図柄の抽選とは異なり、小当たりに当選し得るように構成している(当選確率は1/60)。ここで、本第5実施形態では、時短状態を終了させるための条件である時短終了条件として、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、100回)に到達する場合に成立する変動回数終了条件に加え、小当たりに当選した場合にも時短終了条件が成立するように構成している。つまり、時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄の抽選が実行される弱右打ち遊技よりも、第1特別図柄の抽選が実行される強右打ち遊技のほうが、時短状態が終了し易い遊技が行われるように構成されている。
そして、第1特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合には、第2特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合よりも遊技者に付与される特典量(賞球数)が大きい12ラウンドの大当たり遊技が実行されるように構成されている。
このように構成することにより、時短状態中において、特別図柄変動が100回実行されるまで時短状態が設定されるが、大当たりに当選した場合の特典が少ない第2特別図柄の抽選を実行する弱右打ち遊技(安心モード)を行うか、特別図柄変動が100回実行される、或いは、小当たりに当選するまで時短状態が設定される、即ち、弱右打ち遊技よりも時短終了条件を多く設定し、時短状態が終了し易いが、大当たりに当選した場合の特典が多い(12ラウンド大当たり)第1特別図柄の抽選を実行する強右打ち遊技(チャレンジモード)を行うかによって、異なる遊技性を遊技者に提供することができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選しないようにし、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立するように構成しているが、それ以外に上述した各実施形態で説明した時短終了条件を設定しても良い。例えば、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも小当たりに当選するようにし、当選した小当たりに対して設定される小当たり種別が特定な小当たり種別(例えば、小当たりA)である場合にのみ時短終了条件が成立するように構成し、第1特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合のみ上述した特定の小当たり種別(小当たりA)が設定されるように構成しても良い。これにより、小当たりに当選しただけでは時短状態が終了するか否かを判別することができないため、遊技者に対してドキドキ感を提供することができる。
さらに、本第5実施形態では、小当たりに当選した場合に、即ち、小当たりに1回当選した場合に時短終了条件が成立するように構成しているが、時短終了条件が成立する小当たり当選回数として1回以上の値を設定するように構成しても良い。また、小当たりに当選した場合に、複数の小当たり種別を設定可能にし、各小当たり種別に対して異なる時短終了条件を設定するように構成しても良い。
<第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図162及び図163を参照して、本第5実施形態における電気的構成について説明をする。本第5実施形態では、上述した第4実施形態と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動(抽選)するように構成されており、主制御装置110の電気的構成は上述した第4実施形態に対して、各テーブルにおいて設定される値が相違するが、それ以外は同一である。同一の箇所や、単に値が変更されている箇所については、その詳細な説明を省略する。
まず、図162(a)を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のROM202の構成のうち、上述した第4実施形態における主制御装置110のROM202の構成と異なる変動パターン5テーブル202ddの内容について説明をする。図162(a)は、変動パターン5テーブル202ddの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターン5テーブル202ddは、上述した変動パターン4テーブル202cdに対して、時短状態中に参照される変動パターンテーブルの規定内容を異ならせた点で相違している。
図162(a)に示した通り、上述した第4実施形態では、設定される時短状態に応じて(当選した大当たり種別に応じて)、異なる変動パターンテーブルが参照されるように構成し、第1特別図柄が変動し易い時短状態と、第2特別図柄が変動し易い時短状態とを設定可能に構成していたのに対し、本第5実施形態では、時短状態中に参照される変動パターンテーブルとして時短用同時変動パターンテーブル202dd2を規定している点で相違している。
ここで、図162(b)を参照して、時短用同時変動パターンテーブル202dd2に規定されている内容について説明をする。図162(b)は、時短用同時変動パターンテーブル202dd2の内容を模式的に示した模式図である。図162(b)に示した通り、この時短用同時変動パターンテーブル202dd2は、上述した第4実施形態の時短状態中に参照される変動パターンテーブルに比べて、第1特別図柄(特図1)に対応して規定される変動パターンと、第2特別図柄(特図2)に対応して規定される変動パターンと、の何れに設定される変動時間に大きな相違が無い点で異なる。
つまり、上述した第4実施形態では、時短状態が設定されている場合に実行される右打ち遊技において、第1特別図柄(特図1)も、第2特別図柄(特図2)も抽選が実行されるように遊技盤13を構成し、遊技状態として設定される時短状態の種別に応じて、各特別図柄に対して設定される変動時間の長さを異ならせることで主として抽選が実行される特別図柄の種別を可変させるように構成していた。
これに対して、本第5実施形態では、時短状態が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルにおいて、各特別図柄に対して設定される変動時間を同様の長さとし、遊技者が球を発射させる遊技領域を異ならせることで主として抽選が実行される特別図柄の種別を可変させるように構成している点で相違している。
よって、本第5実施形態にて用いられる時短用同時変動パターンテーブル202dd2には、図162(b)に示した通り、特図1、特図2の何れであっても、抽選結果(当否判定結果)が大当たりに対しては変動時間が10秒~60秒の変動パターン(大当たり変動1~3)は規定されており、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては変動時間が10秒~30秒の変動パターン(外れ変動1~3)が規定されている。なお、第1特別図柄の抽選のみ当否判定結果として小当たりと判定され得るように構成しているが、この小当たりに対しては、上述した当否判定結果が外れの場合と同様に10秒~30秒の変動パターン(小当たり変動1~3)が規定されている。これにより、小当たりに当選した変動と外れに当選した変動とで同一の変動時間を設定することができる。
よって、小当たりに当選したことにより時短が終了してしまうことを示唆する演出を、抽選結果(当否判定結果)が外れの場合にもそのまま適用することができる。なお、本第5実施形態では、時短が終了することを示唆する演出(小当たりに当選したことを示唆するための演出)を、当否判定結果が外れの場合と小当たりの場合とで実行するように構成しているが、それ以外にも、例えば、抽選結果(当否判定結果)が小当たりの場合に対して規定される変動時間と、大当たりの場合に対して規定される変動時間と、を同一にし、遊技者に対して大当たり、或いは小当たりの何れかに当選したことを示す演出を実行するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して大当たりに当選し特典を獲得できる状況と小当たりに当選し遊技者に有利な時短状態が終了する状況の何れが付与されるのかを最後まで分かり難くすることができる。
次に、図163を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に規定されている内容について説明をする。図163は本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第5実施形態では、上述した第2実施形態に対して、第1通過カウンタ223daと、第2通過カウンタ223dbと、選択遊技格納エリア223dcと、実行遊技格納エリア223ddと、大当たり情報格納エリア223deと、を追加した点で相違している。
第1通過カウンタ223daは、大当たり遊技中に第1通過センサ905a(図157参照)が検出した球数、即ち、大当たり遊技中に第1右側領域901aを通過した球数をカウントするためのカウンタである。この第1通過カウンタ223daは、音声ランプ制御装置113のメイン処理5(図164参照)において実行される信号入力処理(図166のS2151参照)にて、大当たり中に第1通過センサ905aがオンであると判別した場合に値が1加算される(S3803参照)。また、実行中の遊技方法を判別する際に加算された値が参照される(S3806~S3809参照)。そして、大当たりが終了したと判別した場合に(時短状態が設定された場合に)、値が0にクリア(リセット)される(S3811参照)。
第2通過カウンタ223dbは、上述した第1通過カウンタ223daと同様のカウンタであって、大当たり遊技中に第2通過センサ905b(図157参照)が検出した球数、即ち、大当たり遊技中に第2右側領域901bを通過した球数をカウントするためのカウンタである。この第2通過カウンタ223dbを用いた処理については、上述した第1通過カウンタ223daの対象を第1通過センサ905aから第2通過センサ905bに変更した点で相違するだけであるため、その詳細な説明を省略する。
選択遊技格納エリア223dcは、時短状態中に遊技者が希望する遊技方法を一時的に格納するためのエリアである。この選択遊技格納エリア223dcには、大当たり遊技が開始されてから(大当たり遊技のオープニング期間が設定されてから)の所定期間(10秒間)において設定される遊技選択期間中に選択された遊技方法が格納されるものであり、枠ボタン入力監視・演出処理5(図167のS2157参照)において、枠ボタン22の押下が遊技選択期間であると判別された場合(S3852:Yes)に、ボタン押下に対応した遊技方法が格納される(S3853)。
この選択遊技格納エリア223dcに格納された情報に基づいて、遊技者が時短状態中の遊技方法として所望する遊技方法を判別し、第3図柄表示装置81の表示画面(図160(b)参照)の現状遊技方法の表示態様を設定するように構成している。なお、この選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報は、パチンコ機10の電源がオフされるまで保持するように構成されており、大当たり遊技開始時に表示される選択画面(図160(a)参照)において、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報を矢印が先に指し示すように選択表示態様が形成されるように構成しても良い。
さらに、大当たり遊技開始時に表示される選択画面(図160(a)参照)が表示されている期間中(遊技選択期間中)に遊技者が何れの遊技方法も選択しなかった(遊技選択期間中に枠ボタン22を押下しなかった)場合に、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報(過去の遊技選択期間中に格納した情報)に基づいた遊技方法が自動的に選択されるように構成すると良い。
この場合、選択画面が表示されている遊技選択期間の開始時点と終了時点とで、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報に対応する遊技方法を示す表示態様を矢印が指し示すように遊技選択期間中の演出態様を設定すると良い。このように構成することで、遊技者が遊技方法を選択しない場合であっても、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報を変更しなくても、自動的に何れかの遊技方法が選択されたよう思わせる演出を実行することができる。
実行遊技格納エリア223ddは、実際に実行されている遊技方法を一時的に格納するためのエリアである。この実行遊技格納エリア223ddには、大当たり中(大当たり遊技中)に発射された球が流下する領域に基づいて判別された現在の遊技方法を示す情報が格納されるものであり、音声ランプ制御装置113のメイン処理5(図164参照)において定期的(1ミリ秒毎)に実行される信号入力処理(図166のS2151参照)において、大当たり中(大当たり遊技中)に第1右側領域901aと、第2右側領域901bとを流下した球数に基づいた遊技方法を示す情報が格納される(図166のS3809,S3810)。このように構成することで、発射された球が実際に流下する領域を判別し、その判別結果に基づいて現在の遊技方法を判定することができるため判定精度を高めることができる。
この実行遊技格納エリア223ddに格納された情報は、現在実行中の遊技方法を判別する際に用いられ、大当たり遊技中の表示画面(図160(b))の希望遊技表示領域861に表示する表示態様を設定する際に参照される(図168のS3554)。
大当たり情報格納エリア223deは、大当たりに関連する情報を格納するためのエリアである。この大当たり情報格納エリア223deは、当選した大当たりに関する情報を格納するものであり、当選した大当たりの種別や、大当たり当選時の遊技状態や、大当たりに当選した際の遊技方法を示す情報(例えば、大当たりに当選した抽選の対象となる特別図柄種別)が格納されるものであり、コマンド判定処理5(図165参照)において、主制御装置110から送信されたコマンドが当たり関連のコマンドであると判別された場合に(図165のS2211:Yes)、受信したコマンドに含まれる情報が格納される(図165のS2291)。
<第5実施形態の主制御装置110における制御処理について>
次に、本第5実施形態の主制御装置110の制御処理に内容について説明を行う。本第5実施形態は、上述した第4実施形態の主制御装置110の制御処理と同様の制御処理を実行するものであり、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して(並行して)変動を行えるように構成している。そして、何れか一方の特別図柄の抽選において当たりに当選した場合には(当たりを示す表示態様で特別図柄が停止表示した場合には)、実行中の他方の特別図柄変動を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している。
上述した第4実施形態では、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)、大当たり(2種当たり)を獲得できるよう制御処理を有しているのに対して、本第5実施形態では上述した2種当たりを獲得するための制御処理を有していない点で相違している。
また、上述した第4実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の2つの遊技状態を設定可能に構成しているのに対し、本第5実施形態では、上述した2つの遊技状態に加え、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)とを設定可能に構成している点で相違している。
<第5実施形態の音声ランプ制御装置113における制御処理について>
次に、図164~図168を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置1113の制御処理について説明をする。上述した通り、本第5実施形態では時短状態が設定されている場合における遊技方法を遊技者が選択可能に構成されており、遊技者により操作ハンドル51が操作され、弱右打ち遊技、或いは、強右打ち遊技の何れかが実行される。
時短状態中に実行される弱右打ち遊技、或いは、強右打ち遊技は何れも操作ハンドル51を大きく操作することで球を可変表示装置ユニット80の右側(図157正面視で右側)へと発射する右打ち遊技の遊技方法を詳細に区分けしたものであり、各遊技方法を実行するためには所定の調整精度が求められるものであった。よって、遊技者が所望の遊技方法を実行するためには若干の調整期間と、調整発射(操作量を調整しながら球を発射すること)とを要するものであった。
特に、図157を参照して上述した本第5実施形態のパチンコ機10は、少なくとも、操作ハンドル51の操作量を最大にした場合(操作ハンドル51を一番右まで回動させた場合)が強右打ち遊技に該当する操作量となるように構成しているため、遊技者は強右打ち遊技を容易に実行することができるものであるが、弱右打ち遊技に対しては、操作ハンドル51を右打ち遊技となる程度まで(発射された球が可変表示装置ユニット80の右側領域に到達する程度まで)操作しながらも、強右打ち遊技とならない程度(発射された球が第2右側領域901bを流下しない程度)に調整しなければならず調整期間と調整発射とを必要とするものであった。
よって、上述した第2実施形態にて実行される演出表示(図82(a)参照)のように、大当たり遊技のエンディング画面が表示されるタイミング、即ち、時短状態が設定される直前のタイミングにおいて、遊技者に対して遊技方法を選択させるための演出表示を実行してしまうと、遊技者が所望する遊技方法に向けて操作ハンドル51の操作量を調整している段階で時短状態が設定されてしまい、遊技者が意図しない遊技方法で時短状態中の遊技が実行されてしまい易いという問題があった。
これに対して、本第5実施形態では、大当たり遊技のオープニング画面が表示されるタイミング、即ち、大当たり遊技が開始されるタイミングで、遊技者に対して、その大当たり遊技の終了後に設定される時短状態中の遊技方法を選択させるための演出表示を実行するように構成している。これにより、大当たり遊技が実行される期間を用いて遊技方法を調整することができるため、遊技者が意図しない遊技方法で時短状態中の遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本第5実施形態では、時短状態中の遊技方法として遊技者が選択可能な複数の遊技方法の何れを実行したとしても、大当たり遊技中は同等の特典を獲得することができるように構成しているため、遊技者に不利な状況を与えること無く、大当たり遊技が実行される期間を、時短状態中の遊技方法に向けて操作ハンドル51の操作量を調整する期間として用いることができる。
さらに、本第5実施形態では、希望する時短状態中の遊技方法を遊技者が選択可能に構成し、その遊技者が選択した遊技方法と、大当たり遊技中に実際に実行されている遊技方法とを比較し、その比較結果に基づいて遊技者に対して操作ハンドル51の操作量を案内する表示を行うように構成している。これにより、遊技者が所望する遊技方法に向けて容易に操作ハンドル51の操作量を調整することができる。
また、本第5実施形態では、時短状態中に実行される遊技(弱右打ち遊技、強右打ち遊技)によって、大当たりに当選した場合に付与される特典の量(賞球量)が異なるように構成している。そして、時短状態(確変状態含む)と大当たり遊技とが繰り返して継続する期間、即ち、遊技状態として通常状態(大当たり中除く)が設定されない状態で連続する期間(連チャン期間、有効期間)において大当たりに当選した回数(連チャン回数)を、大当たりに当選した際に実行していた遊技毎に区分けして表示するように構成している。
これにより、遊技者が選択した遊技方法と、大当たりの当選状況(当選回数)と、の関係を目視確認することができるため、次に時短状態が設定される場合における遊技方法を、過去の結果に基づいて選択させることができる。よって、遊技に対して攻略要素を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
図164から図168を用いて示した通り、本第5実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理では、上述した第2実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、メイン処理(図55参照)に代えてメイン処理5(図164参照)を、コマンド判定処理2(図99参照)に代えてコマンド判定処理5(図165参照)を、演出更新処理2(図105(b)参照)に代えて演出更新処理5(図168参照)を、用いている点で相違している。
なお、本第5実施形態では、上述した第2実施形態に対して、主制御装置110の制御処理内容を上述した第4実施形態の主制御装置110の制御処理に代えている点で相違している。よって、主制御装置110の制御処理を代えたことに基づく音声ランプ制御装置113の制御処理については第4実施形態と同一で、それ以外の音声ランプ制御装置113の制御処理については第2実施形態と同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図164を参照して本第5実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113にて実行されるメイン処理5の内容について説明をする。図164はメイン処理5の内容を示したフローチャートである。図164に示した通り、メイン処理5では上述したメイン処理2(図55参照)に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理5(S2197)を、コマンド判定処理2(S2163)に代えてコマンド判定処理5(S2193)を実行し、さらに、信号入力処理(S2151)を追加している点で相違している。
ここで、図165を参照して、コマンド判定処理5(S2193)の内容について説明をする。図165はコマンド判定処理5(S2193)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理5(S2193)は、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)に対して、当たり関連のコマンドを受信した場合に、その受信したコマンドが示す情報を大当たり情報格納エリア223deに格納する点で相違している。
コマンド判定処理5(図165のS2193)が実行されると、まず、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一のS2201~S2209の処理を実行する。そして、S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S2209:Yes)、上述した第2実施形態と同一の入賞情報関連処理2(S2251)を実行し、その後、S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上述した第2実施形態では、上述した入賞情報関連処理2(S2251)において、時短状態中の遊技方法が右打ち遊技であるか、或いは、左打ち遊技であるかを判別し、その判別結果に基づいて演出内容(案内報知用の演出、エラー報知用の演出)を設定するように構成しているが、本第5実施形態では、そのような処理を実行しないように構成している点で相違しているが、その詳細な説明は省略する。
次いで、S2209の処理にて、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(図165のS2209:No)、次に、当たり関連のコマンドを受信したかを判別し(図165のS2211)、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合は(図165のS2211:Yes)、受信した内容(当たり関連のコマンドが示す内容)に応じて大当たり情報格納エリア223deに格納されている情報を更新し(S2291)、その後、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一のS2212,S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上述したS2291の処理において更新される大当たり情報格納エリア223deに格納されている情報としては、例えば、大当たりに当選した回数、大当たりに当選した抽選の契機(大当たりに当選した抽選が行われる契機となった遊技方法)を示すための情報がある。このように大当たりに当選して直ぐに大当たり情報格納エリア223deの内容を更新するように構成することで、大当たり遊技中に過去の大当たりに関する勉強をすることができるという効果がある。
図165に戻り説明を続ける。S2211の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S2211:No)、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一のS2213~S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図166を参照して、信号入力処理(S2151)の内容について説明をする。図166は信号入力処理(S2151)の処理内容を示したフローチャートである。この信号入力処理(S2151)では、遊技盤13に設けられた第1通過センサ905a、第2通過センサ905bが球の通過を検知した場合に、その検知結果に基づいた処理が実行される。具体的には、遊技盤13に設けられた各領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)を通過(流下)する球数をカウントし、その差分値が所定数(例えば、5球)である場合に、多くの球数を検知した領域、即ち、多くの球が流下した領域に対応する遊技方法を実際の遊技方法として判別する処理が実行される。
図166に示した通り、信号入力処理(S2151)が実行されると、まず、現在が大当たり中であるかを判別し(S3801)、大当たり中であると判別した場合は(S3801:Yes)、次に、第1通過センサ905aが球を検知しているかを判別する(S3802)。S3802の処理において、第1通過センサ905aが球を検知していると判別している場合は(S3802:Yes)、第1通過カウンタ223daの値に1を加算し(S3803)、その後S3804の処理へ移行する。一方、S3802の処理において、第1通過センサ905aが球を検知していないと判別した場合は(S3802:No)、S3803の処理をスキップしてS3804の処理へ移行する。
S3804の処理では、第2通過センサ905bが球を検知しているかを判別する(S3804)。第2通過センサ905bが球を検知していると判別した場合は(S3804:Yes)、第2通過カウンタ223dbの値に1を加算し(S3805)、次いでS3806の処理を実行する。一方、S3804の処理において、第2通過センサ905bが球を検知していないと判別した場合は(S3804:No)、S3805の処理をスキップしてS3806の処理へ移行する。
そして、S3806の処理では、第1通過カウンタ223daの値、第2通過カウンタ223dbの値との差分を算出する。即ち、大当たり遊技中に第1右側領域901aを通過した球数(第1通過カウンタ223daの値)と、第2右側領域901bを通過した球数(第2通過カウンタ223dbの値)と、の差分を算出する。
S3806の処理を終えると、次に、第1通過カウンタ223daの値、第2通過カウンタ223dbの値との差分が5以上であるかを判別し(S3807)、差分が5以上であると判別した場合は(S3807:Yes)、第1通過カウンタ223daの値と第2通過カウンタ223dbの値とのうち、第1通過カウンタ223daの値のほうが大きいかを判別する(S3808)。
S3808の処理において、第1通過カウンタ223daの値のほうが大きいと判別した場合は(S3808:Yes)、実行遊技格納エリア223ddに弱右打ち遊技を設定し(S3809)、本処理を終了する。また、S3808の処理において、第1通過カウンタ223daの値のほうが第2通過カウンタ223dbの値よりも大きくない(第2通過カウンタ223dbの値のほうが大きい)と判別した場合は(S3808:No)、実行遊技格納エリア223ddに強右打ち遊技を設定し(S3810)、本処理を終了する。
つまり、本第5実施形態では、大当たり遊技中に発射された球が右側領域のうち、第1右側領域901aを流下した球数と、第2右側領域901bを流下した球数とを計測し、その計測結果に基づいて現在の遊技方法が第1右側領域901aに球を流下させる弱右打ち遊技であるか、第2右側領域901bに球を流下させる強右打ち遊技であるかを判別可能に構成している。
そして、S3809の処理や、S3810の処理によって実行遊技格納エリア223ddに設定された情報(遊技方法)は、図160(b)に示したように、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81の表示画面の現状遊技表示領域860に表示することで遊技者に容易に把握させるように構成している。
なお、本第5実施形態では、第1通過カウンタ223daの値と、第2通過カウンタ223dbの値との差分値が所定量(5球)以上である場合に、現在の遊技方法を設定するように構成している。つまり、大当たり遊技が実行された直後(大当たり遊技中の右打ち遊技によって5球以上の球が発射されていない期間)は、何れの領域に球が発射されたとしても、現在の遊技方法が実行遊技格納エリア223ddに設定されないため、現状遊技表示領域860に遊技方法が表示されないように構成している。
このように構成することにより、大当たり遊技が開始された直後であって、遊技者の右打ち遊技における遊技方法が固定されていない状態(安定していない状態)において表示画面の現在の遊技方法が表示されることを抑制することができる。
さらに、本第5実施形態では、第1通過カウンタ223daの値と、第2通過カウンタ223dbの値との差分値が所定量(5球)に到達するまでは、現在の遊技方法を特定しないように構成している。このように構成することにより、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される現在の遊技方法を示すための表示態様(現状遊技表示領域860に表示される表示態様)が頻繁に切り替わってしまうことを抑制することができる。
図166に戻り説明を続ける。S3811の処理では、現在が大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S3811)。本第5実施形態では、時短状態が設定されたことを示すためのコマンド(現在の遊技状態が時短状態であることを示す内容を含むコマンド)が出力されたと判別した場合、或いは、大当たり遊技中であることを示すコマンドが出力されなくなったと判別した場合に、大当たり終了と判別される。
S3811の処理において、大当たり終了のタイミングであると判別した場合は(S3811:Yes)、大当たり遊技中に加算した第1通過カウンタ223daの値、及び、第2通過カウンタ223dbの値を0にクリアし(S3812)、本処理を終了する。一方で、現在のタイミングが大当たり終了のタイミングでは無いと判別した場合は(S3811:No)、即ち、遊技状態が大当たり中でも、大当たり終了タイミングでも無い場合は、その他信号入力処理を実行し(S3813)、本処理を終了する。
なお、上述したS3813の処理としては、例えば、遊技状態が通常状態である場合(左側領域を狙う左打ち遊技が適切な遊技となる遊技状態が設定されている場合)において、第1通過センサ905a、或いは、第2通過センサ905bが球を検知した場合、即ち、右打ち遊技が行われていることを判別した場合に、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示を実行するための処理や、遊技者が実行する遊技方法に応じて異なる遊技が実行される遊技状態(例えば時短状態)である場合において、第1通過センサ905a、或いは、第2通過センサ905bが球を検知したことに基づいて、実行中の遊技方法を判別し、現状遊技表示領域860に表示するための処理が実行されるように構成している。
また、本第5実施形態では、大当たり遊技が開始されるタイミング(大当たり遊技のオープニング期間中)で、遊技者が所望する時短状態中の遊技方法を選択し、大当たり遊技が実行される期間を用いて、遊技者に遊技方法を可変させるように構成しているが、大当たり遊技が実行される期間を、遊技方法を可変させるための期間として用いることができるものであれば良く、例えば、大当たり遊技が実行される途中段階で遊技方法を選択する演出(図160(a)参照)を実行するように構成しても良い。
次に、図167を参照して、本第5実施形態において実行される枠ボタン入力監視・演出処理5(S2157)の内容について説明をする。図167は枠ボタン入力監視・演出処理5(S2157)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理5(S2157)では、上述した各実施形態のパチンコ機10にて行われる処理に加え、遊技者が所望の遊技方法を選択する遊技選択期間(図160(a)参照)中における枠ボタン22の操作処理を追加した点で相違している。
枠ボタン入力監視・演出処理5(図167のS2157)の処理が実行されると、まず、枠ボタン22の押下を検出しているかを判別し(S3851)、枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合は(S3851:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、S3851の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S3851:Yes)、次に、現在が遊技選択期間であるかを判別する(S3852)。
ここで、詳細な説明は省略するが、本第5実施形態では、コマンド判定処理5(図165のS2193参照)において、当たり関連のコマンドを受信した場合(S2211:Yes)に実行される当たり関連処理(S2212)において、大当たりが開始されてから(大当たりの開始タイミングと判別されてから)の10秒間を遊技選択期間として設定するように構成している。この遊技選択期間は、図示しない期間カウンタの値に10秒に対応する値を設定し、1ミリ秒毎に実行される各種カウンタ更新処理(図164のS2111参照)において、カウンタの値を更新することで10秒間を計測するように構成している。
S3852の処理において、現在が遊技選択期間である(期間カウンタの値が0では無い)と判別した場合は(S3852:Yes)、枠ボタン22に対するボタン押下に対応した遊技方法を選択遊技格納エリア223dcに設定し(S3853)、S3853にて設定された遊技方法、即ち、ボタン押下に対応した遊技方法を示す表示用押下コマンドを設定し(S3855)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用押下コマンドは、音声ランプ制御装置113のコマンド出力処理(図164のS2102参照)によって、表示制御装置114に向けて出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者が選択した遊技方法(時短状態中に実行したい遊技方法)が表示されるように表示制御装置114が制御される。このように構成することで大当たり遊技中に遊技者自身が所望する遊技方法を容易に把握することができる(図160(b)参照)。
また、図160(b)に示した通り、本第5実施形態では、大当たり遊技中に、遊技者自身が所望する遊技方法と、大当たり遊技中に実行されている遊技方法と、をともに表示するように構成しているため、表示画面に表示されている表示内容に基づいて遊技方法を調整する必要があるか否かを容易に把握することができる。
さらに、本第5実施形態では、大当たり遊技中に、遊技者自身が所望する遊技方法と、大当たり遊技中に実行されている遊技方法とが一致していない場合には、実際に実行する遊技方法が、遊技者自身が所望する遊技方法となるように、操作ハンドル51の操作方法を副表示領域Dsの遊技案内領域859に案内(指示)表示するように構成している。これにより、遊技者に対して具体的な調整方法を案内することができるため、遊技者に対して所望の遊技方法を容易に実行させることができる。
図167に戻り説明を続ける。S3852の処理において、現在が遊技選択期間では無いと判別した場合は(S3852:No)、次に、他の操作期間中であるかを判別し(S3854)、他の操作期間中であると判別した場合は(S3854:Yes)、その操作期間に対応するボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S3855)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、その他操作期間としては、例えば、特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動期間の一部や、遊技が実行されていない期間(特別図柄の変動が実行されていない、所謂、デモ期間)が該当し、特別図柄変動期間では、枠ボタン22が操作された場合に(枠ボタン22の押下を検出した場合に)、変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示唆するための演出が実行されるように構成されている。
また、遊技が実行されていない、所謂デモ期間である場合に、枠ボタン22が操作された場合(枠ボタン22の押下を検出した場合)には、パチンコ機10の遊技内容を説明する画面や、本日の遊技履歴が選択表示されるように構成している。このように、枠ボタン22を操作する際の遊技状態や遊技状況に応じて、操作に対する特典(実行される演出)を異ならせることで、遊技者に対して多彩な演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。
次に、図168を参照して、本第5実施形態において実行される演出更新処理5の内容について説明をする。図168は演出更新処理5の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理5は、上述した各実施形態の演出更新処理に対して、大当たり遊技中に表示される表示画面の表示内容を更新する処理を実行する点で相違している。
演出更新処理5が実行されるとまず、現在が大当たり中であるかを判別し(S3551)、大当たり中であると判別した場合に(S3551:Yes)は、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報を読み出し(S3552)、次いで、実行遊技格納エリア223ddに格納されている情報を読み出す。
そして、選択中の遊技方法、実行中の遊技方法に対応する表示用遊技方法コマンドを設定する(S3554)。ここで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のコマンド出力処理(図164のS2102参照)によって、表示制御装置114に向けて出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に各内容に対応する遊技方法を示す表示態様が表示される。
図168に戻り説明を続ける。S3555の処理では、S3552の処理にて読み出した情報(選択遊技方法)と、S3553の処理にて読み出した情報(実行遊技方法)と、の内容が一致しているか否かを判別し(S3555)、一致していると判別した場合は(S3555:Yes)、所望する遊技方法と、現在の遊技方法とが一致している場合であるため、現在の遊技方法を維持させるための表示用指示コマンドを設定し、本処理を終了する。
なお、S3556の処理において、現在の遊技方法を維持させるための表示用指示コマンドが設定された場合には、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の遊技案内領域859に「そのままキープ」のコメントが表示される。これにより、遊技者は現在の遊技法補を維持することで遊技者に有利な有利状態に突入することができる。
一方で、S3555の処理において、選択遊技と実行遊技とが一致しないと判別した場合は、(S3555:No)、現在の遊技方法を変更させるコメントを示すための表示用指示コマンドを設定する(S3557参照)。ここで、例えば、選択遊技がチャレンジモード(強右打ち遊技)で実行遊技が安心モード(弱右打ち遊技)である場合には、遊技方法を変更させるために「もっと強く右打ちして」の文字が遊技案内領域859に表示される。これにより、現在実行中の遊技方法から、所望する遊技方法へと遊技方法を変更する場合において、具体的に実行しなければならない調整内容を容易に把握することができる。
そして、S3551の処理において、現在が大当たり中ではないと判別した場合(S3551:No)、更に、S3556の処理、或いは、S3557の処理を終えると、その他演出更新処理を実行し(S3558)、本処理を終了する。なお、S3558の処理では、上述した各実施形態において実行され得る各種演出更新処理のうち、対応する処理が実行される。
以上、説明をした通り、本第5実施形態では、遊技者が有利な遊技状態である有利状態(確変状態、時短状態)において、第1特別図柄の抽選を実行する第1有利遊技(強右打ち遊技)、或いは、第2特別図柄の抽選を実行する第2有利有利(弱右打ち遊技)の何れかを遊技者が選択できるように構成している。そして、上述した第1有利遊技も、第2有利遊技も、遊技状態として通常状態が設定されている場合よりも特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な有利状態中に、通常状態よりも特別図柄の抽選を実行し易い遊技として複数の有利遊技の中から1つの有利遊技を遊技者が選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者が何れの遊技を選択した場合であっても、通常状態よりも特別図柄の抽選を実行し易くすることができるので、遊技者に遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
本第5実施形態では、遊技者に有利な有利状態中の遊技方法を遊技者が選択できるようにし、遊技者が選択可能な複数の遊技方法に対して、有利状態の終了条件を異ならせるように構成している。具体的には、時短状態(普通図柄の高確率状態)を有利状態とし、その時短状態を終了させる時短終了条件として、特別図柄変動が所定回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件に加え、特別図柄の抽選で小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が所定回数(1回)に到達した場合に成立する当選回数終了条件を設定し、第1特別図柄の抽選のほうが第2特別図柄の抽選よりも、小当たりに当選する確率が高くなるように構成している。
このように構成することにより、第1特別図柄の抽選が実行される第1有利遊技と、第2特別図柄の抽選が実行される第2有利遊技と、で有利状態が終了する確率、即ち、有利状態中に大当たりに当選する確率(継続率)を可変させることができる。
さらに、遊技者が選択可能な複数の有利遊技のうち、有利状態が継続し難い第1有利遊技にて大当たりに当選した場合は、第1有利遊技よりも有利状態が継続し易い第2有利遊技にて大当たりに当選した場合よりも、大当たり遊技中に付与される賞球数が多くなるように大当たり遊技の内容を設定しており、具体的には、第1有利遊技中に大当たりに当選した場合は(第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は)、12ラウンド分の大当たり遊技が実行され、第2有利遊技中に大当たりに当選した場合は(第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は)、10ラウンド分の大当たり遊技が実行されるように構成している。
これにより、遊技者は、有利状態が終了し易いが大当たり当選時の特典が大きい第1有利遊技と、有利状態が第1有利遊技よりも終了し難いが、大当たり当選時の特典が少ない第2有利遊技と、の何れかを選択可能となる。よって、遊技に費やすことができる時間や、現在の調子等の遊技者自身の都合に応じて所望の遊技方法を遊技者に選択させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
本第5実施形態では、有利状態として時短状態を用いているが、これに限ること無く、確変状態を有利状態としても良い。つまり、確変状態が終了する確変終了条件として、変動回数終了条件と、当選回数終了条件と、を設定可能に構成し、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで確変終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成しても良い。このように構成した場合でも、上述した時短状態を有利状態とした場合と同様の効果を奏することができる。
なお、有利状態として確変状態を用いる場合には、確変終了条件が成立した場合に、通常状態が設定される第1確変終了条件と、時短状態が設定される第2確変終了条件と、を予め設定しておき、先に成立した終了条件によって遊技状態の移行先を異ならせるように構成すると良い。この場合、例えば、第1確変終了条件が成立した場合には、確変状態よりも不利となる遊技状態が設定され、第2確変終了条件が成立した場合には、確変状態よりも有利となる遊技状態が設定されるように各遊技状態における遊技性能を構成すると良い。
具体的には、変動回数終了条件が成立した場合に第1確変終了条件が成立し、当選回数終了条件が成立した場合に第2確変終了条件が成立するように構成し、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動が50回に到達した場合に成立する特図1変動回数終了条件と、第2特別図柄の変動が80回に到達した場合に成立する特図2変動回数終了条件と、第1特別図柄、或いは、第2特別図柄の変動回数が合わせて100回に到達した場合に成立する合算変動回数終了条件とを設定するように構成すると良い。
このように構成することで、第1特別図柄の抽選を実行する第1有利遊技と、第2特別図柄の抽選を実行する第2有利遊技とで、さらに遊技仕様を異ならせることができるため、遊技者に遊技方法を選択させる意味合いをより強くすることができる。また、合算変動回数終了条件を設定しているため、遊技者が複数の有利遊技を交互に実行することにより有利状態中の遊技が過剰に実行されることを抑制することができる。
さらに、当選回数終了条件に対しても、第1有利遊技を実行する場合に成立する特図1当選回数終了条件と、第2有利遊技を実行する場合に成立する特図2当選回数終了条件とを異ならせるように設定することで、さらに遊技仕様を異ならせることができる。
第5実施形態では、有利状態(時短状態)の終了条件を、特別図柄の種別に応じて異ならせ、遊技者に対して有利状態中の遊技方法(有利状態中に抽選を実行する特別図柄の種別)を選択させることにより、様々な遊技を遊技者に提供するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たりに当選した際の大当たり種別に応じても時短状態の終了条件を可変させるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対してより多彩な有利状態中の遊技を提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した第5実施形態では、有利状態中に何れの遊技方法を選択した場合であっても、有利状態が設定されている期間中における遊技者に付与される特典量の期待値(つまり、1回の大当たりに当選した場合における特典量(賞球数)を、有利状態が1回設定された場合における有利状態が継続して設定される平均特別図柄変動回数で割った値)が同等となるように設計していたが、上述したように特別図柄の種別に加え、大当たり種別に基づいて有利状態の終了条件を異ならせる構成を用いる場合には、当選した大当たり種別に応じて、第1有利遊技を選択したほうが第2有利遊技を選択するよりも、遊技者に付与される特典量の期待値が大きくなるように構成すると良い。これにより、遊技者が選択した遊技方法によって、後の遊技結果を大きく異ならせることが可能となる。
<第6実施形態>
次に、図169~図177を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第6実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態として、通常状態(特別図柄低確率状態、普通図柄低確率状態)、時短状態(特別図柄低確率状態、普通図柄高確率状態)、確変状態(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態)、潜確状態(特別図柄高確率状態、普通図柄低確率状態)の4つの状態を設定可能に構成され、さらに、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の確変状態、および有利度合いが異なる複数の時短状態をそれぞれ設定可能な構成としている。
また、本第6実施形態では、第1特別図柄の抽選に比較して、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった方が遊技者に対して多くの特典が付与され易くなるよう構成されている。具体的には、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して、より多くの賞球を獲得することができる上に、特別図柄の確変状態に移行する割合が高くなる(後述する確変スイッチ65e3を通過することが可能な大当たり種別が選択され易くなる)ように構成されている。
そして、確変状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)確変状態1と、その確変状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)確変状態2とが設けられている。加えて、時短状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)時短状態1と、その時短状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)時短状態2とが設けられている。
このように、同じ遊技状態が設定されている場合であっても、抽選が行われやすい特別図柄の種別を切り替え可能に構成し、設定されている遊技状態の詳細に応じて獲得できる賞球の量や、確変状態への移行割合を異ならせることで、より有利な状態を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、確変状態1とは、特別図柄高確率状態と、普通図柄高確率状態1(時短状態1)とが複合した状態であり、確変状態2とは、特別図柄高確率状態と、普通図柄高確率状態2(時短状態2)とが複合した状態である。
さらに、詳細は後述するが本第6実施形態では、時短状態中における電動役物701(図170参照)の動作(開放)パターンを複数用意し、設定される電動役物701の動作(開放)パターンに基づいて時短状態中に抽選が実行され易い特別図柄を可変させることができるように構成している。そして、電動役物701(図170参照)の動作(開放)パターンは、当選した大当たり種別に基づいて可変設定されるように構成されている。
このように構成することで、当選した大当たり種別に基づいて、時短状態中に抽選(変動)が実行され易い特別図柄を可変させることができるため、様々な遊技性を遊技者に提供することができる。さらに、本第6実施形態では、上述した各実施形態と同様に、特別図柄の抽選に基づいて時短状態を終了させるための複数の時短状態が成立するように構成している。
具体的には、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数に基づいて成立する特図1変動回数終了条件、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する特図2変動回数終了条件、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した回数に基づいて成立する合算変動回数終了条件、が設定されており、特図1変動回数終了条件として第1特別図柄の変動回数が30回、特図2変動回数終了条件として第2特別図柄の変動回数が100回、合算変動回数終了条件に該当する変動回数として100回が設定されている。
さらに、特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合に成立する当選回数終了条件として、第1特別図柄の抽選によって当選する特図1小当たり(小当たりA)に基づいて成立する特図1当選回数終了条件、第2特別図柄の抽選によって当選する特図2小当たり(小当たりB)に基づいて成立する特図2当選回数終了条件、が設定されており、特図1当選回数終了条件として当選回数2回、特図2当選回数終了条件として当選回数20回が設定されている。
このように構成することで、時短状態中に抽選(変動)が実行される特別図柄の種別に応じて、時短状態が終了し易い遊技(第1特別図柄の抽選(変動)が行われ易い時短遊技)と、時短状態が終了し難い遊技(第2特別図柄の抽選(変動)が行われ易い時短遊技)と、を設定することができる。
なお、本第6実施形態において各特別図柄に対して設定される時短終了条件は、特別図柄の種別によって時短状態の終了のし易さを異ならせるもので有れば良く、上述した各実施形態にて用いた(示した)具体例の何れを採用しても良く、時短状態中における小当たり確率を特別図柄種別で異ならせたり、特別図柄の抽選で当選し得る小当たりに複数の種別を設け、各小当たり種別に対して当選回数終了条件を設定する構成において、特別図柄種別毎に何れかの当選回数終了条件が成立する確率を異ならせたり、するように構成しても良い。
つまり、本第6実施形態では、遊技者に有利な遊技状態である有利状態(時短状態)を終了させるための有利状態終了条件(時短終了条件)を複数設定可能に構成し、設定される有利状態の種別に応じて、有利状態終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成している。そして、有利状態終了条件の成立のし易さが異なる複数の有利状態を、当選した大当たり種別に基づいて移行させるように構成している。
これにより、遊技者に対して複数の大当たり当選を経由させて、様々な有利状態の遊技を行わせることができる。また、本第6実施形態では、通常状態が設定されている状態から大当たりに複数回当選した場合にのみ移行し得る特別有利状態を有しているため、遊技者に対して複数の大当たり当選を経由させて、特別有利状態へ移行するように意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第6実施形態では、遊技者に最も有利となる特別有利状態へと移行する期待度を異ならせた遊技状態(例えば、通常状態と有利状態)を設定するように構成しているため、特別有利状態へと移行する期待度が高い遊技状態(有利状態)が設定されている場合に継続して遊技を行わせ易くすることができ、遊技の稼働を高めさせることができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図169を参照して、第6実施形態における遊技盤13について説明する。図169は、本第6実施形態における遊技盤13の正面図である。図169に示した通り、本第6実施形態では、上述した第1実施形態の遊技盤13(図2参照)に対して、可変表示装置ユニット80の下方側、及び、右側領域の構成が相違している。具体的には、特別図柄の抽選が実行される契機となる入球口として、第1特別図柄の抽選の契機となる第1入球口を2つ(第1入球口64a1、右側第1入球口64a0)と、第2特別図柄の抽選の契機となる第2入球口64bと、を設けた点、即ち、特別図柄の抽選の契機となる入球口を3つ設けた点で相違している。
図169に示した通り、本実施形態では、可変表示装置ユニット80に対して正面視下側に第1入球口64a1が、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に右第2入球口64bが、その右第2入球口64bに対して正面視右側に右第1入球口64a2が設けられている。
第1入球口64a1、および右第1入球口64a2は、いずれも球が入球したことを契機として第1特別図柄の抽選が実行される。即ち、第1入球口64a1と、右第1入球口64a2とは、同一の機能を有した入球口である。一方、右第2入球口64bは、球が入球したことを契機として第2特別図柄の抽選が実行されるため、上述した2種類の入球口とは異なる機能を有した入球口である。
また、図169に示した通り、右第1入球口64a2には、第1作動役物645aが付随して設けられている。この第1作動役物645aは、右第1入球口64a2への球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第1入球口64a2への球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変するように、一対の羽根形状部材で形成されている。この第1作動役物645aは、後述する振分入賞装置700の内部に設けられた第1作動口704へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第1作動役物645aは、球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
同様に、右第2入球口64bには、第2作動役物645bが付随して設けられている。この第2作動役物645bも、右第2入球口64bへの球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第2入球口64bへの球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変するように、一対の羽根形状部材で形成されている。この第2作動役物645bは、振分入賞装置700の内部に設けられた第2作動口707へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第2作動役物645bは、球が右第2入球口に球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
なお、本第6実施形態では、右第1入球口64a2、右第2入球口64bへの球の入球を規制するための規制部材として一対の羽根形状部材で形成した第1作動役物645a、第2作動役物645bとを設けているが、各入球口に対する球の入球のし易さを可変させるものであれば良く、例えば、遊技盤13から突出した突出状態に位置することで入球口への球の入球を規制し、遊技盤13に埋没する埋没状態に位置することで入球口への球の入球を許容するように可変する構成でも良い。また、本第6実施形態では作動役物が閉鎖状態である場合には対応する(その作動役物が付随する)入球口へ球が入球し得ないように構成しているが、完全に入球できない状態まで閉鎖するのでは無く、開放状態よりも球が入球し難くなるように可変すれば良い。
加えて、本第6実施形態では作動役物645を開放状態と閉鎖状態との2つの状態に位置することが可能に構成しているが、3つ以上の状態に可変させるように構成しても良い。また、本第6実施形態では、右第1入球口64a2、右第2入球口64bのそれぞれに対して、作動役物を付随させる構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、1つの作動役物を第1状態に可変させることで一方の入球口に球が入球し易く(他方の入球口より入球し易く)、且つ、他方の入球口に球が入球し難く(一方の入球口より入球し難く)させ、第1状態とは異なる第2状態に可変させることで、上述した第1状態とは逆に、一方の入球口に球が入球し難く(他方の入球口より入球し難く)、且つ、他方の入球口に球が入球し易く(一方の入球口より入球し易く)させるように構成しても良い。これにより、1つの作動役物の動作内容応じて、複数の入球口に対する球の入球具合を可変させることができる。
可変表示装置ユニット80に対して正面視右側には、振分入賞装置700が設けられている。この振分入賞装置700は、内部へと入球した球を第1作動口704、または第2作動口707のいずれかへと振り分ける(入球させる)ための装置である。上述した通り、第1作動口704へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、第2作動口707へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
ここで、振分入賞装置700の詳細について、図170を参照して説明する。図170は、第6実施形態の遊技盤13の右側領域に設けられた振分入賞装置700付近を拡大した正面図である。振分入賞装置700の上面側は、球が流下可能に構成されている。図81に示した通り、振分入賞装置700の上面側は、正面視左下方向へと傾斜しているので、振分入賞装置700の上面に到達した球は、基本的に左下方向へと流下する。また、振分入賞装置700の上面右側には、電動役物701が設けられている。この電動役物701は、振分入賞装置700の内部へと球が入球可能(容易)となる開放状態(没入状態)と、球が入球不可能(困難)となる閉鎖状態(突出状態)とに切り替え可能に構成されている。この電動役物701は、普通図柄の抽選により当たりとなった場合に開放状態に設定される。
電動役物701の下流側は、第1流路703、および第2流路706の2つの流路に分岐している。第1流路703の下流側には、第1作動口704が設けられているので、第1流路703を流下した球は第1作動口704へと入球する。一方、第2流路706の下流側には第2作動口707が設けられているので、第2流路706を流下した球は第2作動口707へと入球する。また、第1流路703と第2流路706とが分岐する位置には、電動役物701を介して振分入賞装置700の内部へと入球した球が流下する流路を切換弁(可変流路)702が設けられている。この切換弁(可変流路)702は、第1流路703へと球を流下させる第1切換状態と、第2流路706へと球を流下させる第2切換状態とに切り換える(スライド変位させる)ことができる。第1切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視左側へとスライド変位することで第2流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第1流路へと進行する。一方、第2切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視右側へとスライド変位することで第1流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第2流路へと進行する。
切換弁(可変流路)702は、基本的に第1切換状態に設定されており、普通図柄の当たりとなってから所定期間(例えば、普通図柄の当たり状態となってから1.5秒後)が経過したことに基づいて、第1切換状態から第2切換状態に切り換えられる。また、第2切換状態に切り換えられてから特定期間(例えば、3秒間)が経過すると、再度第1切換状態に切り替えられる。
第2切換状態の間に球を振分入賞装置700へと入球させることができれば、球を第2作動口707へ向けて流下させることができる。球が第2作動口707へと入球すると、上述した通り第2作動役物645bが開放状態に設定され、右第2入球口64bへと球を入球させることが可能となる。即ち、大当たりとなった場合に特別図柄の確変状態が付与される割合が高い第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、遊技者にとって有利となる。よって、振分入賞装置700へと入球した球の流下方向(第1流路703を流下するか、第2流路707を流下するか)を遊技者に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図170に示した通り、第1作動口704の内部には、第1作動機構705が設けられている。この第1作動口704は、公知の非電動役物で構成されている、即ち、第1作動口704へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを開放状態に切り替えることができる。また、第1作動役物645aが開放状態において、右第1入球口64a2へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを閉鎖状態に切り替えることができる。
一方、第2作動口707の内部には、第2作動機構708が設けられている。この第2作動機構708は、第1作動機構705と同様の構成となっている。即ち、第2作動口707へと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。また、第2作動役物645bが開放状態において、右第2入球口64bへと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを閉鎖状態に切り替えることができる。
このように、振分入賞装置700に対して球を入球させることにより、第1作動口704、または第2作動口707へと球を入球させて、第1作動役物645a、または第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。上述した通り、特別図柄2の抽選で大当たりになると、特別図柄1の抽選よりも有利になるので、球が第1作動口704へと入球するか、第2作動口707へと入球するかに注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、図171を参照して、振分入賞装置700における電動役物701の動作(開放パターン)と、切換弁(可変流路)702の切換動作との対応関係について説明する。図171に示した通り、電動役物701の動作(開放パターン)には、2種類(開放パターンA、および開放パターンB)が設けられている。開放パターンAが設定されると、普通図柄の当たりが開始された直後に比較的長い時間(即ち、1秒間)電動役物701が開放状態に設定された後、1.4秒間閉鎖状態に設定される。そして、0.1秒間の開放状態が設定された後で当たり状態が終了する。1秒間の開放期間において、切換弁(可変流路)702は、第1切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第1作動口704へと振り分けられる。一方、0.1秒の開放期間中は、切換弁(可変流路)702が第2切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第2作動口707へと振り分けられる。しかしながら、0.1秒間の開放期間の間に球を入球させることは困難であるため、多くの場合、開放パターンAが設定されている間に振分装置700へと入球した球は、第1作動口704へと振り分けられ、右第1入球口64a1が開放される。よって、開放パターンAが設定されると、遊技者にとって比較的不利となる。
一方、開放パターンBが設定されると、普通図柄の当たりが開始された直後に極めて短い時間(即ち、0.1秒間)電動役物701が開放状態に設定された後、1.4秒間閉鎖状態に設定される。そして、比較的長い時間(即ち、1秒間)の開放状態が設定された後で当たり状態が終了する。0.1秒の開放期間中は、切換弁(可変流路)702が第1切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第1作動口704へと振り分けられる。しかしながら、上述した通り、0.1秒間という極めて短い開放期間の間に球を入球させることは困難である。一方、1秒間の開放期間において、切換弁(可変流路)702は、第2切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第2作動口707へと振り分けられる。よって、多くの場合、開放パターンBが設定されている間に振分装置700へと入球した球は、第2作動口707へと振り分けられ、右第2入球口64bが開放される。よって、開放パターンBが設定されると、遊技者にとって比較的有利となる。
このように、設定される開放パターンによって遊技者にとっての有利度合いを異ならせることができるので、普通図柄の当たりとなる毎に、開放パターンに興味を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本実施形態では、設定される開放パターンは遊技状態に応じて定められている。即ち、通常状態(非確変非時短状態)、時短状態1、および確変状態1においては、普通図柄の当たりになった場合に、電動役物701の開放パターンとして、開放パターンAが設定される。一方、時短状態2、および確変状態2においては、普通図画の当たりになった場合に開放パターンBが設定される。このため、時短状態2、および確変状態2では、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、遊技者にとって有利となる。一方、時短状態2、および確変状態2においては、第2特別図柄の抽選が実行され難いため、遊技者にとって不利となる。このように、遊技状態に応じて実行され易い特別図柄の種別を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図169に戻って説明を続ける。遊技盤13の右下方には、可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64a1、右第1入球口64a2、又は右第2入球口64bへの入球(入賞)に起因して行われた大当たり抽選により大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
なお、可変入賞装置65の構造については、上述した第1実施形態におけるV入賞装置650(図4~図6参照)と同一であり、第1実施形態において上述した通りであるが、説明の便宜上、図4~図6にて「650」の数値を付した符号に対して、本第6実施形態では「65」の数値を付して説明をする。そして、詳細については省略するが、大当たり中にこの可変入球装置65へと入球した遊技球が、その内部の確変スイッチ65e3(上述した第1実施形態のVスイッチ650e3に代えて用いられるスイッチ)を通過することにより、大当たり終了後に確変状態が付与されるように構成しており、この点において、上述した第1実施形態のV入賞装置650と機能面で異ならせているものである。それ以外の構成、機能は同一であるため、その説明を省略する。
<第6実施形態における電気的構成について>
次に、図173、および図174を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図173は、本第6実施形態における主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図であり、図174(a)は、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図1用選択テーブル202b1の内容を示した図であり、図174(b)は、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図2用選択テーブル202b2の内容を示した図である。なお、特図1用選択テーブル202b1は、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり種別を決定するために参照され、特図2用選択テーブル202b2は、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり種別を決定するために参照される。
まず、図174(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図1用選択テーブル202b1について説明する。図174(a)は、特図1用選択テーブル202b1の規定内容を示した図である。図174(a)に示した通り、特図1用選択テーブル202b1には、第1当たり種別カウンタC2の値毎に、選択される大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、大当たりAが対応付けられている。この大当たりAは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。なお、確変スイッチ65e3を通過可能なパターンとは、例えば、4ラウンドの開始に基づいて確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが5秒間オンに設定される(可変入賞装置65内における確変スイッチ65e3の設けられている流路が開放される)動作パターンである。遊技者は、大当たりにおいて、可変入賞装置65に向けて連続的に球を打ち出すので、5秒間の間に1球以上球を確変スイッチ65e3へと流下させることができる。大当たりにおいて球が確変スイッチ65e3を通過すると、大当たり後に確変状態が付与される。
即ち、大当たり後に確変状態1(特別図柄高確率状態と、普通図柄高確率状態1(時短状態1)とが複合した遊技状態)が付与される。一方、遊技者が大当たり中に球を打ち出さなかった等により、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しないまま大当たりが終了した場合は、大当たり終了後に時短状態1(特別図柄低確率状態、普通図柄高確率状態1)が付与される。大当たりAは、確変状態になり易いものの、付与される確変状態が確変状態1であり、その確変状態中に第2特別図柄の抽選が実行され難いので、確変状態2が付与され易い大当たり種別(大当たりB、大当たりF)に比較して不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10~49」の範囲には、大当たりBが対応付けられている。この大当たりBは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2(普通図柄高確率状態2)が付与される大当たり種別である。大当たりにおいて球が確変スイッチ65e3を通過すると、大当たり後に特別図柄の確変状態2(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態2)が付与される。
即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態と時短状態2とが複合した確変状態2が付与される。一方、遊技者が大当たり中に球を打ち出さなかった等により、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しないまま大当たりが終了した場合は、大当たりBの終了後に時短状態2のみが付与される。大当たりBは、遊技者にとって最も有利な確変状態2へと移行し易いので、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一つである。一方、賞球の面では、第2特別図柄の抽選により大当たりになった場合よりも少ないため、賞球面では不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~94」の範囲には、大当たりCが対応付けられている。この大当たりCは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。なお、確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンとは、例えば、4ラウンドの開始に基づいて確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが0.5秒間オンに設定される(可変入賞装置65内における確変スイッチ65e3の設けられている流路が開放される)動作パターンである。4ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放されたと同時に球を入球させたとしても、0.5秒間の間に確変ソレノイド65kが設けられた流路まで球が到達することはできないので、球が確変ソレノイド65kへと到達する前に流路が閉鎖されてしまう。よって、大当たりCでは、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与されることはない。即ち、大当たりCは、特別図柄の確変状態が付与されない上に、第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態1が付与される大当たり種別であり、更に、賞球数も第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して少ないので、遊技者にとって最も不利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「95~94」の範囲には、大当たりDが対応付けられている。この大当たりDは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。確変状態が付与されず、賞球も第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して少ないが、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態2が付与されるので、大当たりDは、大当たりCに比較すると有利となる。
次に、図174(b)を参照して、特図2用選択テーブル202b2について説明する。図174(b)は、特図2用選択テーブル202b2の規定内容を示した図である。図174(b)に示した通り、特図2用選択テーブル202b2にも、特図1用選択テーブル202b1と同様に、第1当たり種別カウンタC2の値毎に、選択される大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりEが対応付けられている。この大当たりEは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。大当たりEは、確変状態になり易いものの、付与される確変状態が確変状態1であり、その確変状態中に第2特別図柄の抽選が実行され難いので、確変状態2が付与され易い大当たり種別(大当たりB、大当たりF)に比較して大当たり終了後の状態が不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~79」の範囲には、大当たりFが対応付けられている。この大当たりFは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。大当たりFは、遊技者にとって最も有利な確変状態2へと移行し易いので、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一つである。また、賞球の面でも、第1特別図柄の抽選により大当たりになった場合よりも多量の賞球を獲得することができる。よって、大当たりFは、遊技者にとって最も有利な大当たりとなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~84」の範囲には、大当たりGが対応付けられている。この大当たりGは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。よって、大当たりGは、特別図柄の確変状態が付与されない上に、第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態1が付与される大当たり種別なので、大当たり終了後の遊技状態は最も不利となる。一方、賞球の面では第1特別図柄の抽選により大当たりとなるよりも有利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「85~94」の範囲には、大当たりHが対応付けられている。この大当たりHは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。確変状態が付与されないものの、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態2が付与されるので、大当たりHは、大当たりCや大当たりGに比較すると有利となる。また、賞球面でも第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも有利となる。
このように、本実施形態では、多様な大当たり種別が設けられている。各大当たり種別は、ラウンド数や、大当たり後の遊技状態が異なるので、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合に、どの大当たり種別となるかに遊技者を注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるかによって、獲得できる賞球数や、確変スイッチ65e3を通過可能な動作パターンとなる大当たり種別の割合が異なっている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、多くの賞球を獲得できるので、遊技者にとって有利となる。また、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、確変スイッチ65e3を通過可能な動作パターンとなる大当たり種別(大当たりE,F)の割合が80%となっているのに対し、第1特別図柄の抽選では、確変スイッチ65e3を通過可能な動作パターンとなる大当たり種別(大当たりA,B)の割合が50%となっている。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が確変状態になり易い。よって、遊技者に対して第2特別図柄の抽選で大当たりになることを期待させることができるので、実行される抽選が第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した通り、本第6実施形態では、当選した大当たり種別に応じて、普通図柄の高確率状態の種別を可変させるように構成している。具体的には、普通図柄高確率状態1と、普通図柄高確率状態2、とを設定可能に構成している。そして、遊技状態として通常状態に加え、特別図柄の高確率状態に対して普通図柄高確率状態1が設定された確変状態1と、普通図柄高確率状態2が設定された確変状態2と、特別図柄の低確率状態に対して普通図柄高確率状態1が設定された時短状態1と、普通図柄高確率状態2が設定された時短状態2と、の合わせて5種類の遊技状態を設定可能に構成している。
ここで、図172を参照して、本実施形態における遊技状態の移行方法について説明する。図172に示した通り、本第6実施形態では、5つの遊技状態が設けられており、上述した通り、大当たりとなる毎に、その大当たりの終了後に新たに遊技状態が設定される。図172に示した通り、通常状態(非確変非時短状態)において大当たりAになると、基本的に(大当たり中に球の打ち出しを停止しない限りは)、確変状態1へと移行し、大当たりBになると、確変状態2へと移行する。また、大当たりCになると、時短状態1へと移行し、大当たりDになると、時短状態2へと移行する。
また、図172に示した通り、遊技状態が時短状態1(第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態)、および確変状態1(第2特別図柄の抽選が実行され難い確変状態)の場合は、通常状態(非確変非時短状態)と同一の状態移行を行う。なお、図示については省略したが、時短状態1、または確変状態1において、大当たりにならずに時短回数分の特別図柄の抽選が実行されると、通常状態へと移行する。
また、図172に示した通り、遊技状態が時短状態2(第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態)の場合は、大当たりEになると、確変状態1へと移行し、大当たりFになると、最も有利な確変状態2へと移行し、大当たりGになると、時短状態1へと移行し、大当たりHになると、時短状態2へと移行する(時短状態2をループする)。また、図172に示した通り、確変状態2(第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態)においても、時短状態2と同一の状態移行を行う。なお、図示については省略したが、時短状態2、または確変状態2において、大当たりにならずに時短回数分の特別図柄の抽選が実行されると、通常状態へと移行する。
次に、図173を参照して、主制御装置110のRAM203の構成について説明する。RAM203は、図173に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203aa、普通図柄保留球格納エリア203za、特別図柄1保留球数カウンタ203b、特別図柄2保留球数カウンタ203ab、普通図柄保留球数カウンタ203zb、確変カウンタ203zg、確変設定フラグ203zs、確変通過カウンタ203zt1、入賞個数カウンタ203zt2、動作カウンタ203zt3、カウンタ用バッファ203zh、残球タイマフラグ203zt4、残球タイマ203zt5、確変有効フラグ203zt6、確変有効タイマ203zt7、排出個数カウンタ203zt8、時短中カウンタ203zu、時短識別フラグ203zx、大当たりフラグ203zi、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
これらのうち、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203aa、特別図柄1保留球数カウンタ203b、特別図柄2保留球数カウンタ203ab、については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
普通図柄保留球格納エリア203zaは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通入球口67(スルーゲート)を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203zaの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203zbは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203zbは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203zbは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203zaに記憶される。一方、球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203zbの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203zaには新たに何も記憶されない。
確変カウンタ203zgは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変カウンタ203zgの値が0より大きい値であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203zgの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変カウンタ203zgは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入球口(大開放口)65aまたは第2特定入球口650aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に後述する確変フラグ203rがオン、即ち、確変口900aに遊技球が入球して、確変スイッチ(図示せず)により遊技球が検出された場合に、100が設定される。
なお、本第6実施形態では、大当たり遊技中において球が特定領域(確変スイッチ65e3が球を検知するための領域)を流下することにより、その大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される(確変カウンタ203zgに所定の値が設定される)ように構成しているが、これに限ること無く、当選した大当たりの種別に応じてその大当たり遊技終了後に自動的に確変状態が設定されるように構成しても良い。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理では、確変カウンタ203zgの値が参照され、その値が0より大きい値であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203zgの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
カウンタ用バッファ203zhは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
大当たりフラグ203ziは、大当たりの発生有無を示すフラグである。大当たりフラグ203ziがオンになっている場合に、主制御装置110のMPU201が実行する大当たり制御処理により振分入賞装置650または可変入賞装置165が開放状態に設定される大当たり遊技が実行される。
確変設定フラグ203zsは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3に遊技球が通過したか否か(確変スイッチ65e3が大当たり遊技中に遊技球を検出したか否か)により決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203zsがオンに設定される。一方、確変フラグ203rがオンに設定されるのに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203zsは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
確変通過カウンタ203zt1は、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりBでの13ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203zt1と後述する排出個数カウンタ203zt8との合計により第1可変入賞口65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203zt1は、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203zt1は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203zt2は、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203zt2の値)と排出された個数(排出個数カウンタ203zt8と確変通過カウンタ203zt1との合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203zt2の値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203zt3は、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりBでは、13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりCでは13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203zt3には、大当たりBでは、13ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりCでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203zt3の値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203zt3は、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203zt3を設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
残球タイマフラグ203zt4は、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されることで、後述する残球タイマ203zt5が1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203zt5は、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203zt5は、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203zt5の上限値として設定されている。この残球タイマ203zt5の上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、13ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203zsをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203zt6は、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203zt6がオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203zt7は、上述した確変有効フラグ203zt6がオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203zt7により流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203zt7の上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態で、特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203zt8は、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203zt8は、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる。
時短中カウンタ203zuは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203zuは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変状態に設定されない場合には、100回の時短状態に移行する。
時短識別フラグ203zxは、時短状態の種別を識別するためのフラグである。この時短識別フラグ203zxに0が設定されていれば、時短状態1(確変状態1)であることを意味する。なお、時短状態1と同様に第2特別図柄の抽選が実行され難い通常状態においても、この時短識別フラグ203zxが0に設定される。一方、時短識別フラグ203zxに1が設定されている場合には、時短状態2(確変状態2)であることを意味する。普通図柄の当たりとなった場合には、この時短識別フラグ203zxを参照して、電動役物701の開放パターンが設定される。具体的には、時短識別フラグ203zxが0の場合に普通図柄の当たりとなると、開放パターンAが設定されるため、電動役物701の開放期間中に球を振分入賞装置700へと入球させることで第1作動口704へと球が入球し、左第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。
一方、時短識別フラグ203zxが1の場合に普通図柄の当たりとなると、開放パターンBが設定されるため、電動役物701の開放期間中に球を振分入賞装置700へと入球させることで第2作動口707へと球が入球し、左第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。この時短識別フラグ203zxは、大当たりの終了時に、その大当たり後に付与される時短状態に対応する値が設定される。また、普通図柄の時短期間が終了した場合に(即ち、時短中カウンタ203zuが0になった場合に)0が設定される。
なお、通常状態(非確変非時短状態)において時短識別フラグ203zxに0を設定しているのは、非時短状態において遊技盤13の右側方向へと球を打ち出す(所謂右打ち)変則的な遊技方法を抑制するためである。即ち、仮に通常状態において時短識別フラグ203zxが1になる構成とすると、有利な第2特別図柄の抽選を実行させようとして、遊技者が常に右打ちを行う虞がある。通常状態では、普通図柄の当たりとなる確率が低いため、右第2入球口64bへと球を入球させることが困難であるが、大当たりとなった場合に80%の割合で特別図柄の確変状態となるため、大当たりとなった場合におけるメリットが大きくなる。よって、変則的な遊技方法を誘発してしまう可能性がある。
これに対して本実施形態では、通常状態において時短識別フラグ203zxが0になる構成としているため、普通図柄の当たり確率が低い上に、当たりとなっても開放パターンAが設定されるので、遊技者が右打ちを実行するメリットが全くない状態とすることができる。よって、通常状態においては遊技者に対して左打ちを実行させることができるので、変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図175から図177のフローチャートを参照して、本第6実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に保留球を記憶するように構成している点と、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している点と、が相違している。
まず、図175を参照して、本第6実施形態で実行される特別図柄変動処理6(図175のZ104)について説明する。図175は、この特別図柄変動処理6(図175のZ104)の内容を示したフローチャートである。
特別図柄変動処理6(図175のZ104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(Z201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(Z201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(Z201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(Z202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(Z202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(Z203)。
次に、特別図柄における変動表示の保留球の有無を判定する。具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0より大きいか否かを判定し(Z204)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判定された場合は(Z204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいか否かを判定し(Z209)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判定された場合は(Z209:No)、特別図柄における変動表示の保留球は無いと判定され、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0より大きいと判定された場合は(Z204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1減算し(Z205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を示す保留球数コマンドを設定する(Z206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタに格納する。
Z206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203aaに格納されたデータをシフトする(Z207)。Z207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203aaの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する。なお、特別図柄2変動開始処理については、その詳細な説明を省略する。
また、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判定され(Z204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいと判定された場合は(Z209:Yes)、特別図柄1の保留球について、上述した特別図柄2の保留球についての処理と同様の処理を行う。なお、特別図柄1変動開始処理については、その詳細な説明を省略する。
Z202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(Z202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(Z214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(Z214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(Z215)、本処理を終了する。
一方、Z214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(Z214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(Z216)。停止図柄の設定は、特別図柄2変動開始処理(Z208)または、特別図柄1変動開始処理(Z213)によって予め行われる。この特別図柄2変動開始処理または特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄2保留球格納エリア203aaまたは特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄2または特別図柄1の停止図柄が設定される。
Z216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(Z217)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(Z217:Yes)、大当たりフラグ203ziをオンに設定し(Z218)、大当たり開始コマンドを設定し(Z220)、時短中カウンタ203zu、確変カウンタ203zgの値をリセットして(Z271)、Z222の処理へ移行する。
Z218の処理においてオンに設定された大当たりフラグ203ziによって、メイン処理(図51参照)の大当たり制御処理(図52参照)において、大当たり遊技における処理が実行されるようになる。具体的な説明は、上述した第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
また、Z220の処理において設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、第3図柄表示装置81に大当たり開始を示唆する表示が表示され、特別遊技状態へ移行したことを遊技者へ認識させることができる。
一方、Z217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(Z217:No)、上述した第1実施形態と同一の時短回数更新処理(図38のS219参照)を実行し、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件に対して情報の更新を行う。S219の処理を終えると、次に、確変カウンタ203zgの値が0より大きいか否かを判別し(Z223)、確変カウンタ203zgの値が0より大きいと判別した場合は(Z223:Yes)、確変カウンタ203zgの値を1減算して(Z224)、上述した第1実施形態と同一のS220,S221の処理を実行し、Z222へと処理を移行する。一方、確変カウンタ203zgの値が0であると判別した場合は(Z223:No)、Z224の処理をスキップして、S220の処理へ移行する。
Z222の処理では、Z216の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(Z222)。Z222の処理を終えると、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第6実施形態の特別図柄変動処理6においても、上述した第1実施形態と同様に小当たりに当選したかを判別し、小当たりに当選した場合には当選した小当たりに対応した小当たり用時短更新処理(図41参照)が実行される。このように構成することにより、上述した各実施形態と同様に、時短状態(普通図柄の高確率状態)を終了させる条件として、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件(変動回数終了条件)に加え、特別図柄の抽選において小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件(当選回数終了条件)を設定することが可能となる。
よって、時短状態が終了するタイミングを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、本第6実施形態は、大当たり終了後に設定される遊技状態として、普通図柄の高確率状態以外に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している。そして、特別図柄の高確率状態が予め定められた特別図柄の変動回数(確変カウンタzgに設定された値)を上限に設定されるように構成している。このように、遊技者に有利となる遊技状態として、時短状態(普通図柄の高確率状態)以外の遊技状態(確変状態)を設定する場合には、その遊技状態(確変状態)に対して終了条件を設定するように構成しても良い。
この場合、確変状態を終了させる条件として、上述した時短状態を終了させる時短終了条件とは別の確変終了条件を設定するように構成しても良く、例えば、時短終了条件よりも少ない回数の小当たり当選回数を確変終了条件として設定すると良い。
なお、確変終了条件を成立させる起因となる要件と、時短終了条件を成立させる起因となる要件と、を、異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、確変終了条件と時短終了条件とのうち、何れの終了条件が先に成立するのかを遊技者が把握し難くすることができる。よって、例えば、時短終了条件が成立する際に(特別図柄の抽選を実行し易い状態から、し難い状態へと移行する際に)、既に、確変終了条件が成立していたのか否か(特別図柄が大当たりに当選し易い状態から、し難い状態へと移行していたのか否か)を想定させることができる。
以上、説明をしたように、本第6実施形態では、遊技状態として遊技者に有利となる遊技状態として、時短状態(普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、各遊技状態の終了条件として、特別図柄の変動回数が所定回数となった場合に成立する変動回数終了条件(時短状態変動回数終了条件、確変状態変動回数終了条件)に加え、所定の小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合に成立する当選回数終了条件(時短状態当選回数終了条件、確変状態当選回数終了条件)を設定するように構成しているため、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行するか否かだけの遊技性とは異なり、時短状態の終了(時短終了条件の成立)と、確変状態の終了(確変終了条件の成立)と、によって様々な遊技状態へと移行することができる。
よって、遊技者に対して、一方の終了条件(例えば、時短終了条件)を他方の終了条件(例えば、確変終了条件)よりも先に成立させ、一方の終了条件が成立してから他方の終了条件が成立するまでの期間(例えば、潜確期間)を、遊技者に最も有利な遊技期間とするように構成しても良い。これにより、遊技状態の1つである通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態を終了させるための終了条件が成立することを期待させながら遊技を行わせるという新しい遊技性を提供することができる。
さらに、本第6実施形態では、上述した通り、設定される時短状態(普通図柄の高確率状態)に応じて、第1特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)と、第2特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)と、を設定可能に構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選結果が得られやすくなるように構成している。そして、通常状態からは、第1特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)に移行し易く、第1特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)から、第2特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)に移行し易くなるように構成している。
このように構成することにより、大当たり等を介して遊技状態を複数移行させることにより、遊技者により有利な遊技状態が設定されるようにすることができるため、遊技者に対して最も有利な遊技状態で遊技を行うことに期待を持たせることができる。さらに、この場合において、第2特別図柄の抽選が主に実行される確変状態(確変状態2)が設定されている状態において、確変終了条件よりも先に時短終了条件が成立した場合にのみ、遊技者に最も有利な遊技状態へと移行するように構成すると良い。
これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選したことに基づいて遊技者に有利となる遊技状態が設定され、さらに、遊技者に有利となる遊技状態が設定されている状態にて、その遊技状態を終了させるための特定の終了条件が成立した場合に、更に有利な遊技状態へと移行し、特定の終了条件以外が成立した場合には、不利な遊技状態へと移行させることが可能となる。よって、遊技者に対して、常に緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
なお、本第6実施形態にて用いられる、遊技者に有利な遊技状態を終了させるための特定の終了条件や、特定の終了条件以外の終了条件としては、上述した各実施形態にて説明をした様々な終了条件を適用すれば良く、その詳細な説明を省略する。
次に、図176のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理6(Z1105)を説明する。図176は、この大当たり制御処理6(Z1105)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理6(Z1105)は、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理6(Z1105)では、まず、大当たりフラグ203ziがオンであるか否かを判定する(Z1301)。Z1301の処理において、大当たりフラグ203ziがオフであると判別された場合は(Z1301:No)、大当たりの制御を行う必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、Z1301の処理において、大当たりフラグ203ziがオンであると判別した場合には(Z1301:Yes)、次いで、大当たりの開始タイミングであるか否かを判別する(Z1371)。Z1371の処理において大当たりの開始タイミングであると判別された場合は、(Z1371:Yes)、オープニングコマンドを設定して(Z1372)、本処理を終了する。
Z1371の処理において、大当たりの開始タイミングでないと判別した場合には(Z1371:No)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(Z1374)。Z1374の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(Z1374:Yes)、第1特定入賞口64aの開閉動作の設定や、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作の設定を行うために大当たり動作設定処理6を実行し(Z1375)、本処理を終了する。
ここで、大当たり動作設定処理6(Z1375)が実行されると、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を、設定されている開放シナリオから読み込み、読み込んだ開放シナリオ(データ)に基づいて流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの切替動作を設定する。そして、可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作を設定する。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
一方、Z1374の処理において新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合は(Z1374:No)、次いで、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングであるか否かを判別する(Z1376)。
Z1376の処理において、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングであると判別された場合は(Z1376:Yes)、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの状態を切り替えて(Z1377)、本処理を終了する。
一方、Z1376の処理において、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングでないと判別された場合は(Z1376:No)、次いで、エンディング演出の開始タイミングであるか否かを判別する(Z1378)。
Z1378の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合は(Z1378:Yes)、エンディング処理6を実行して(Z1379)、本処理を終了する。このエンディング処理6(Z1379)の詳細については、図177を参照して後述する。
Z1378の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合は(Z1378:No)、入賞処理6を実行し(Z1380)、異常処理6を実行して(Z1381)、本処理を終了する。
入賞処理6(Z1380)が実行されると、まず、ラウンド有効期間であるか判別する。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開閉扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には、入賞個数カウンタ203zt2を1加算して更新すし、入賞個数カウンタ203zt2の値が10以上であるか判別する。
入賞個数カウンタ203zt2の値が10以上であると判別した場合には、今回のラウンド遊技における終了条件が成立している状態であるため、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定し、残球タイマフラグ203zt4をオンに設定する。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されることで、開閉扉65f1が閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
このように、入賞処理6では、大当たり遊技における1回のラウンド遊技中において、ラウンド遊技終了条件が成立しているかを判別する処理が実行される。さらに、大当たり遊技中に適切に確変スイッチ65e3に球が通過したか否かを判別する処理が実行される。具体的には、動作カウンタ203zt3の値が0より大きい値であるか判別し、動作カウンタ203zt3の値が0より大きい値であると判別した場合に、動作カウンタ203zt3の値を-1して更新し、次に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する。
確変スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には、確変通過カウンタ203zt1の値に1加算して更新する。確変設定フラグ203zsをオンに設定する。その後、動作カウンタ203zt3が0であるか判別する。動作カウンタ203zt3が0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定し、確変有効フラグ203zt6をオンに設定し、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203zt6がオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別排出流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
これにより、確変有効タイマ203zt7が上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
次に、異常処理6(S1381)として、不正に確変スイッチ65e3へ遊技球が通過させられていないかを監視する処理が実行される。
次に、図177を参照して、エンディング処理6(図177のZ1379)の詳細について説明する。図177は、このエンディング処理6(Z1379)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理6(Z1379)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(Z4101)。次いで、大当たりフラグ203ziをオフに設定し(Z4102)、確変設定フラグ203zsはオンであるか判別する(Z4103)。Z4103の処理において確変設定フラグ203zsがオンであると判別されると(Z4103:Yes)、確変カウンタ203zgを100に設定する(Z4104)。図示は省略したが、確変カウンタ203zgが100に設定されることに基づいて、確変設定フラグ203zsはオフに設定されるように構成されている。その後、このZ4105の処理へ移行する。
一方、Z4103の処理において、確変設定フラグ203zsがオンでないと判別されると(Z4103:No)、Z4104の処理をスキップしてZ4105の処理へ移行する。
Z4105の処理では、実行されていた大当たり遊技が大当たりA、C、E、Gのいずれかに基づく大当たり遊技であったか否かを判別する(Z4105)。Z4105の処理において大当たりA、C、E、Gのいずれかであったと判別された場合は(Z4105:Yes)、時短識別フラグ203zxに0を設定して(Z4106)、Z4108の処理へ移行する。
一方、Z4105の処理において、大当たりA、C、E、Gのいずれでもなかったと判別された場合は(Z4105:No)、時短識別フラグ203zxに1を設定して(Z4107)、Z4108の処理へ移行する。
Z4106またはZ4107の処理により、時短識別フラグ203zxが0または1に設定されることで、普通図柄変動処理において設定される電動役物の開放パターンが切り替わることになる。Z4106またはZ4107の処理を終えると、時短中カウンタ203zuの値に100を設定して(Z4108)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、時短状態(確変状態)が付与される場合に、大当たり種別により設定される時短状態の種別が異なるように設定される。これにより、その大当たり遊技の後に実行される時短状態では、振分入賞装置700に遊技球が入球した場合に、第1作動口704に入球するか、第2作動口707に入球するかを切り替えることができ、右第1入球口64a2に遊技球を入球させるか、右第2入球口64bに遊技球を入球させるかを大当たり種別により切り替えて設定できるようになる。
よって、時短状態で、第1特別図柄で抽選が実行されるか、第2特別図柄で抽選が実行されるかを切り替えることができる。そして、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選で遊技者に付与される有利さを異ならせて設定しておくことで、大当たり種別により遊技者に与えられる特典の大小を可変できる。なお、本実施形態では、大当たり遊技におけるラウンド数を第1特別図柄と第2特別図柄とで可変させたが、確変割合や、大当たり判定の確率、時短回数、変動時間等を第1特別図柄と第2特別図柄とで変えて設定することで、特典が異なるように設定してもよい。また、本実施形態のような構成とすることで、同じ大当たり確率の確変遊技状態であっても、付与される時短状態の種別によって、時短中(確変中)に変動する特別図柄の種別を切り替えることができ、確変遊技状態における遊技者が受けることができる恩恵を可変できる。よって、複数の付与される特典が異なる確変遊技状態を設定することができる。また、本実施形態では、確変スイッチ65e3に案内される大当たりの種別を第2特別図柄の当たり種別の方が第1特別図柄よりも多く設定したので、複数の確変割合を設定することができる。よって、時短状態により、確変割合を変えることができ、遊技者に新鮮味のある遊技を提供できる。
さらに、本第6実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行される場合と、第2特別図柄の抽選が実行される場合とで、時短状態(確変状態)が終了する条件(終了のし易さ)を異ならせている。よって、第1特別図柄と第2特別図柄との有利具合を可変させることができる。
加えて、上述した第2実施形態や第5実施形態では、遊技者が第1特別図柄の抽選を実行する遊技と、第2特別図柄の抽選を実行する遊技と、選択可能に構成し、遊技者が選択した遊技方法に対応した遊技を行うことができるように構成していた。つまり、所定の遊技状態(時短状態)が設定されている場合に、何れの遊技(第1特別図柄の抽選を実行する遊技、第2特別図柄に抽選を実行する遊技)も実行可能に構成していたのに対して、本第6実施形態では、所定の遊技状態(例えば、時短状態)において、一方の遊技(例えば、第1特別図柄の抽選を実行する遊技)を実行可能な遊技状態(時短状態1)を設定し、その時短状態1が設定されている状態において、所定条件が成立した場合に他方の遊技(例えば、第2特別図柄の抽選を実行する遊技)を実行可能な遊技状態(時短状態2)を設定可能に構成している。このように構成することにより、遊技者に対して、段階的に異なる遊技状態を設定し、提供することができるため、上述した第2実施形態や第5実施形態に対して攻略要素の高い遊技機を提供することができる。
このように構成することで、例えば、時短状態1が設定されている場合に実行される第1特別図柄の抽選において時短状態を終了させる時短終了条件が、第2特別図柄の抽選よりも成立し易くなるように構成する。具体的には、第1特別図柄の変動(抽選)回数が30回となる場合に変動回数終了条件が成立し、第1特別図柄の抽選により小当たりに2回当選した場合に当選回数終了条件が成立するように構成する。
そして、時短状態1が継続して設定されている期間中に、特別図柄の大当たりに当選した場合の一部において、その大当たり終了後(大当たり遊技終了後)に時短状態2(第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)が設定されるように構成する。この第2特別図柄の抽選では上述した通り、時短終了条件が第1特別図柄の抽選よりも成立し難くなるように構成され、具体的には、第2特別図柄の変動(抽選)回数が100回となる場合に変動回数終了条件が成立し、第2特別図柄の抽選により小当たりに20回当選した場合に当選回数終了条件が成立するように構成する。
このように構成することで、一度、時短状態2に到達すると、時短状態1の場合よりも、時短状態が継続し易くなる。よって、遊技者に対して遊技度合いの異なる時短状態を提供することができる。なお、上述した例では、遊技者に有利な有利状態として時短状態を例に示したが、これに限ること無く、確変状態に用いても良いし、確変状態と時短状態とのそれぞれの終了条件を独立して管理し、例えば、特別図柄高確率状態で普通図柄低確率状態である遊技状態(潜確状態)を設定し得るように構成しても良い。
また、本第6実施形態において設定され得る遊技状態の終了条件としては、上述した各実施形態において設定した終了条件、或いは、想定した終了条件の何れを採用しても良いし、複数を組み合わせても良い。
以上説明した通り、第6実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合とで有利度合いを異ならせ、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が遊技者にとって有利になるように構成している。また、本実施形態では、大当たり終了後に付与される時短状態として、時短状態1、および時短状態2の2種類の時短状態を設ける構成としている。時短状態1は、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第1入球口64a2へと球が入球し易くなる)時短状態であり、時短状態2は、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第2入球口64bへと球が入球し易くなる)時短状態である。より詳述すると、時短状態1では、当たりとなった場合に振分入賞装置700の内部における第1作動口704へと入球し易い(第1作動役物645aが開放され易い)タイミングで電動役物701が開放される。よって、時短状態1において右打ちを行うことにより、右第1入球口64a1へと球が入球し易くなるので、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる。一方、時短状態2では、当たりとなった場合に振分入賞装置700の内部における第2作動口707へと入球し易い(第2作動役物645bが開放され易い)タイミングで電動役物701が開放される。よって、時短状態2において右打ちを行うことにより、右第2入球口64bへと球が入球し易くなるので、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる。
また、本実施形態では、可変入賞装置65の内部に確変スイッチ65e3を設ける構成とし、内部の流路を可変させることにより大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過可能(容易)な大当たり種別と、確変スイッチ65e3を球が通過不可能(困難)な大当たり種別とを設けている。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるかによって、確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり種別の割合を可変させることにより、特別図柄の確変状態へと移行する割合を可変させる構成としている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、第1特別図柄の抽選で大当たりになる場合に比較して確変状態に移行し易くなる構成としている。このように構成することで、遊技者に対して第2特別図柄の抽選を実行させたいと思わせることができるので、振分入賞装置700へと入球した球が何れの作動口(第1作動口704、または第2作動口707のいずれか)へ入球するかについてより注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
また、本実施形態では、時短状態と同様に、確変状態にも有利度合いが異なる2種類の状態が設けられている。即ち、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態1と、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態2とが設けられている。確変状態へと移行する割合が、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに応じて異なる上に、付与される確変状態にも有利度合いが異なる複数の確変状態が設けられているので、よりよい状態を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本第6実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが所定の規則性に沿って、何れか一方のみ変動(抽選)が実行されるように構成しているが、上述した第4実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選を独立して実行するような構成を有した遊技機に用いても良い。
本第6実施形態では、設定される時短状態(時短状態1、時短状態2)の種別に応じて、時短状態中に抽選(変動)が実行される特別図柄の種別を完全に分ける構成を用いているが、これに限ること無く、設定される時短状態の種別に応じて、各特別図柄の抽選(変動)頻度を異ならせるように構成しても良い。例えば、時短状態Aが設定されている場合には第1特別図柄の抽選(変動)1回に対して、第2特別図柄の抽選(変動)が2回行われる程度の割合、時短状態Bが設定されている場合には第1特別図柄の抽選(変動)1回に対して、第2特別図柄の抽選(変動)が3回行われる程度の割合、時短状態Cが設定されている場合には第1特別図柄の抽選(変動)のみが実行されるようにし、時短状態Dが設定されている場合には第2特別図柄の抽選(変動)のみが実行されるように構成すれば良い。このように構成することで設定される時短状態に応じて様々な遊技性を遊技者に提供することができる。
上述した第6実施形態に用いたパチンコ機10に代えて、以下のパチンコ機10を用いても良く、通常の遊技状態では第1入球口64a1を狙う遊技(以下、通常遊技と称す)が実行される。第1入球口64a1への球の入球に基づいて実行される抽選(特図1抽選)の結果、大当たりに当選した場合には第2可変入賞装置65が開放される大当たり遊技が実行されるとともに、当選した大当たりの種別に応じて大当たり遊技終了後に特図抽選により大当たりとなる確率が高確率となり、さらに、特図の抽選が受けやすくなる確率変動遊技状態(以下、確変状態)または、大当たりとなる確率は変わらないが、特図の抽選が受けやすくなる時短遊技状態(以下、時短状態)が付与される。
そして、詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10は確変状態中に実質的に特図1の抽選が実行される確変状態1と、実質的に特図2の抽選が実行される確変状態2とが設けられている。また、特図1の抽選に基づく大当たりよりも、特図2の抽選に基づく大当たりのほうが遊技者にとって有利となる(1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、または、大当たり遊技終了後に1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い大当たりに当選しやすい遊技状態に移行しやすい)ように設定されている。
つまり、本パチンコ機10は、遊技者に対して通常遊技よりも有利となる確変状態に確変状態1と、確変状態1よりもさらに有利となる確変状態2とを設けている。これにより、例えば、通常遊技から確変状態へと移行する割合を高くし(確変状態1へ突入しやすくし)、遊技者に通常遊技よりも大当たりしやすい遊技状態(確変状態)を体験させやすくすることで、大当たり遊技中の演出や確変状態中に第3図柄表示装置81にて実行される演出を体験させやすくし遊技を楽しませることを可能としたり、確変状態2へと移行する割合を低くし、確変状態2へと移行した遊技者に優越感を提供させることを可能としたりすることが可能となり、遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本パチンコ機10では時短状態においても上述した確変状態と同様に、時短状態1と時短状態2とを設定可能に構成されており、時短状態1および時短状態2の何れも通常遊技よりも特図抽選を受けやすい遊技状態(特図抽選が実行される入球口に球が入球しやすく、さらに、特図抽選における特図の変動時間として通常遊技状態よりも短い変動時間が設定されやすい遊技状態)が設定されている。さらに、時短状態1は実質的に特図1の抽選が実行され、時短状態2は実質的に特図2の抽選が実行されるように構成されており、時短状態1よりも、時短状態2のほうが遊技者に有利な遊技状態として設定されている。
このようなパチンコ機10を用いる場合には、遊技盤13の構成を次のようにすると良い。即ち、図169を参照して説明をすると、大当たり遊技終了後に遊技状態が確変状態または時短状態へと移行した場合には、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の領域)を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)が実行される。右打ち遊技が実行されると遊技盤13の右側領域へと発射された球が返しゴム69に衝突し、スルーゲート(普通入球口)67またはスルーゲート(普通入球口)67の近傍に植設された釘の間を通過し、振分入賞装置700に向けて流下する。振分入賞装置700に電動役物710が設けられており、電動役物710が開状態になると球が振分入賞装置700に入球可能となるように構成されている。この電動役物710は、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過することに基づいて実行される普通図柄の抽選(普図抽選)の結果が当たりとなる場合に開状態となる。なお、電動役物710には複数の開放パターンが設けられており、球が振分入賞装置700に入球するタイミングが異なるように構成すると良い。
なお、詳細な説明は省略するが、振分入賞装置700内の構成について説明する。振分入賞装置700に設けられた電動役物710が開状態になると振分入賞装置700に球が入球可能となり、振分入賞装置700に入球した球は、切換弁702上に落下する(振分入賞装置700を入球した球が切換弁702に到達するまでの時間が約0.4秒)。この切換弁702は、普図抽選の結果、当たり(普図当たり)に当選したことに基づいて予め定められた動作が実行されるように構成されており、切換弁702の動作位置によって第1流路703又は第2流路706の何れかが球が流下可能な流路として連通するように構成される。なお、図82を参照して上述したが、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)、第2流路706が連通するように切換弁702が動作し、その他の期間は第1流路703が連通するように動作されるように構成すれば良い。
このように、電気的な構成を用いること無く球の動きによって役物を開状態または閉状態へと可変させる機構は、非電動役物と呼ばれる公知な技術である。本実施形態ではこの非電動役物の構成について詳細な説明を省略したが、既に開示されている技術であれば適宜採用すればよい。
一方、振分入賞装置700内の第2流路706を流下し第2作動口707に入球した球は、上述した非電動役物の構成と同様に第2作動機構708の作動により、第2作動役物645bを開状態とする。第2作動役物645bが開状態となることで入球可能となる右第2入球口64bに球が入球することにより、特図1よりも有利に設定された特図2の抽選が実行される。なお、第2作動口707、第2作動機構708および第2作動役物645bとから構成される非電動役物の構成については、上述した第1作動口704、第1作動機構705および第1作動役物645aとから構成される非電動役物の構成と同一であるため詳細な説明は省略する。
なお、上述した切換弁702が所定期間、つまり、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)のみ、第2流路706が連通するようにし、それ以外の期間(普図当たりに当選していない期間も含む)において第1流路703が連通するように動作されるのは、第2流路706を流下することにより開放する第2作動役物645bに球が入球することで遊技者に有利な特図抽選(特図2抽選)が実行されるため、不正な遊技によって特図2抽選が実行されることを防ぐためである。
また、遊技盤13の右側領域の構成としては、振分入賞装置700に入球した球により右第1入球口64a2または右第2入球口64bが入球可能な状態となると、振分入賞装置700に入球せずに遊技盤13の右側領域を流下した球が複数の釘によって誘導され入球可能状態である何れかの入球口へと入球するように構成すると良い。
さらに、振分入賞装置700内には入球した球を第1流路703または第2流路706へと振り分けるための切換弁702が設けられ、この切換弁702は普図当たりに当選した後、1.5秒経過してから3秒間第2流路が連通する位置へと動作されるよう構成されている。この切換弁702の動作制御は、電動役物710の開放パターンとして何れの開放パターンが設定されていたとしても、一定の動作が実行されるように構成されている。
さらに、本第4実施形態では切換弁702の動作制御として、開放パターンAで入球した球が確実に第1流路703へ誘導されるように、開放パターンBで入球した球が確実に第2流路706へ誘導されるように、電動役物701の動作に対して所定期間以上(0.5秒以上)遅らせたタイミングで動作が実行されるよう構成されている。これにより、振分入賞装置700に入球した球を所望の流路へ誘導させることが可能になるとともに、切換弁702が状態を可変させるために行う動作中に球が振分入賞装置700から流下してくることを防ぐことができる。
以上、説明をした別例によれば、大当たり種別に基づいて電役(電動役物)の開放パターンを設定可能に構成し、設定された電役(電動役物)の開放パターンに基づいて特図1が実質的に変動する遊技状態と特図2が実質的に変動する遊技状態とを設定することができる。さらに、特図1抽選にて大当たりに当選した場合よりも、特図2抽選にて大当たりに当選した場合のほうが遊技者に有利な特典(大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、実質的に特図2の抽選が実行される遊技状態へと移行する割合が高い)が付与されるように設定されている。
これにより、時短状態や確変状態をさらに、遊技者に有利な遊技状態(時短状態2、確変状態2)と、有利な遊技状態よりも不利ではあるが通常遊技の状態よりは遊技者に有利な遊技状態である遊技状態(時短状態1、確変状態1)とを設けることが可能となる。従って、パチンコ機10にて実行される遊技に多彩な遊技状態を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
具体的には、通常遊技の状態から時短状態1や確変状態1へと移行する移行割合を高く設定することで、時短状態や確変状態にて実行される演出を遊技者が容易に見ることができるようにしたり、最も遊技者に有利な遊技状態となる確変状態2へと移行する移行割合を低く設定することで、確変状態2へと移行した遊技者に対して優越感を与えるようにしたりすることで遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAと開放パターンBの2種類を設定可能に構成しているが、これに限ること無く開放パターンの種類を3種類以上設定可能に構成してもよい。これにより、より多彩な遊技状態を設定することが可能となる。
また、電役(電動役物)の開放パターンとして第1流路703へ球を誘導する開放パターン(開放パターンA)と、第2流路706へ球を誘導する開放パターン(開放パターンB)とを設定しているが、例えば、第1流路703または第2流路706の何れかに球が誘導されるタイミングで電動役物701が開放する開放パターンを設けても良い。これにより、遊技者は電動役物701に入球した球が何れの流路(第1流路703または第2流路706)に誘導させるのかを楽しむことが可能となり、遊技の興趣を更に向上させることが可能となる。
さらに、振分入賞装置700に入球した球が何れかの作動口(第1作動口704または第2作動口707)に入球するように構成されているが、例えば、振分入賞装置700から再度遊技盤13へと排出される流路を設けたり、各作動口へ入球することなく遊技盤13の裏面に設けた排出口(図示せず)に連通するアウト口へ入球する流路を設けたりしてもよい。このように構成することにより、振分入賞装置700内での球の流れに対して遊技者に興味を持たせることが可能となり、より遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、切換弁702は、当たり遊技が実行されてから予め定められた一定の動作が行われるように構成しているが、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてから常に一定の動作が行われるように構成してもよいし、振分入賞装置700内に入球した球数が所定個数(例えば10個)に到達することで連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
切換弁702を電気的駆動源(図示しないモータ)によって動作制御しているが、例えば、切換部材である切換弁702を球が当接することにより作動し、所定条件(例えば、10球通過)を満たした場合に連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
さらに、切換弁702によって何れかの流路に誘導された球は流路を流下して何れかの作動口へと入球するよう構成されているが、例えば、切換弁702によって何れかの流路に誘導された球を複数の流路に振り分ける振り分け部材を設け、その振り分け部材によって特定の流路に振り分けられた球が対応する作動口へと入球するように構成してもよい。
加えて、振分入賞装置700に入球した球が一定の時間(本実施形態では0.4秒)で切換弁702へと到達するように構成されているが、例えば振分入賞装置700に入球した球が切換弁702へと到達する時間を可変させる(延長させる)手段として、振分入賞装置700に入球した球が切換弁702に到達するまでの期間を異ならせた経路を複数設け、振分入賞装置700に入球した球を何れかの経路に振り分ける振分手段を設けてもよい。これにより、振分入賞装置700に入球した球がどのタイミングで切換弁702に到達するのかを予想しながら遊技を行うことが可能となる遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に上述した別例のパチンコ機10の遊技状態の移行について説明をする。本パチンコ機10は、通常遊技状態と確変状態1(不利確変)と確変状態2(有利確変)と時短状態1(不利時短)と時短状態2(有利時短)とを当選した大当たり種別に基づいて移行させるよう構成されている。
まず、通常遊技状態では特図1の変動が実行される遊技が行われ、大当たりに当選すると50%が確変状態1に移行し、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1に移行し、5%が時短状態2に移行する。
次に、確変状態1では電役開放パターンとして開放パターンAが設定されることから、特図1の変動が実行される遊技が行われる(特図1実質変動)。確変状態1において、大当たりに当選すると50%で確変状態1をループし、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1に移行し、5%が時短状態2に移行する。このように、確変状態1は通常遊技状態と同じく特図1が実質的に変動する遊技状態であるため、大当たり確率が通常遊技状態よりも高く設定される点では異なるが、大当たり当選後の遊技状態の移行先およびその振分は同一である。
確変状態2では電役開放パターンとして開放パターンBが設定されることから、特図2の変動が実行される遊技が行われる(特図2実質変動)。確変状態2において、大当たりに当選すると80%で確変状態2をループし、15%が時短状態2に移行し、5%が時短状態1に移行する。このように、確変状態2は特図2が実質的に変動する遊技状態であり、且つ、大当たり確率が通常遊技状態よりも高く設定される遊技状態であるため、最も遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、時短状態1では電役開放パターンとして開放パターンAが設定されることから、特図1の変動が実行される遊技が行われる(特図1実質変動)。時短状態1において、大当たりに当選すると50%で確変状態1へ移行し、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1をループし、5%が時短状態2に移行する。このように、時短状態1は通常遊技状態と同じく特図1が実質的に変動する遊技状態であるため、特図および普図の変動時間が短縮され、普図当たり時の電動役物701の開放パターンが通常遊技状態に対して異なるが、大当たり当選後の遊技状態の移行先およびその振分は同一である。
時短状態2では電役開放パターンとして開放パターンBが設定されることから、特図2の変動が実行される遊技が行われる(特図2実質変動)。時短状態2において、大当たりに当選すると80%で確変状態2へ移行し、15%が時短状態2をループし、5%が時短状態1に移行する。このように、時短状態2は特図2が実質的に変動する遊技状態であり、且つ、大当たりに当選した場合に遊技者に最も有利となる確変状態2へと移行する確率が通常遊技状態の2.5倍以上に設定される遊技状態である(所謂、引き戻しゾーン)。このような遊技状態を設けることで、遊技者に対して通常の遊技状態よりも最も有利な遊技状態(確変状態2)に移行する可能性を高くし、意欲的に遊技を行わせることを可能とすることができるという効果がある。
なお、各遊技状態における大当たり後の遊技状態移行先および移行振分率については、これに限ること無く適宜設定すればよい。例えば、通常遊技状態から移行する時短状態を、時短状態2のみとしてもよい。これにより、通常遊技状態で大当たりに当選したにも関わらず確変状態に移行できなかった遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、本実施形態では確変状態が次回大当たりまで継続し、時短状態として遊技状態に関わらず10回の時短が付与される構成にしているが、例えば、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
<第7実施形態>
次に、図178から図195を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、大当たりに当選せずに第1回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が実行された場合に成立する第1の終了条件(変動回数終了条件)と、大当たりに当選せずに小当たりに第2回数(例えば、5回)当選したことに基づいて成立する第2の終了条件(当選回数終了条件)と、が少なくとも設定されるように構成し、複数の時短終了条件のうち、何れか1の終了条件が成立した場合に時短状態を終了させるように構成していた。更に、当選回数終了条件として、小当たりの種別毎に異なる回数となるように構成することで、時短状態が終了するタイミングを予測し難い遊技性を実現する構成としていた。また、第1実施形態におけるパチンコ機10では、小当たりに当選した時点における遊技状態によらず、小当たり遊技の実行中にV入賞を発生させた(V入賞スイッチ650e3を遊技球が通過した)場合に開始される大当たりの有利度合いが共通となるように構成されていた。
これに対して、本第7実施形態のパチンコ機10では、時短状態の終了条件は1種類とする代わりに、時短状態の終了条件を成立させるか否かを遊技者が選択することが可能に構成した。より具体的には、小当たりに当選した場合に、V入賞装置650に代えて設けられているV入賞装置6500へと遊技球を入球させて大当たり遊技を実行させるか、遊技球を入球させずに残時短回数を減少させるかを遊技者が選択可能に構成した。そして、時短状態の間に大当たりに当選した場合と、時短状態が終了してから大当たりに当選した場合とで、遊技者にとっての有利度合いが異なるように構成した。即ち、時短状態終了後の通常状態において大当たりになった方が、遊技者に有利な種別の大当たり(大当たり終了後に時短状態が付与される種別の大当たり)に当選し易くなるように構成した。これにより、時短状態において小当たりに当選する毎に、V入賞装置6500へと遊技球を入球させるか否かを遊技者が選択する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図178を参照して、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図178は、本第7実施形態における遊技盤13の正面図である。図178に示した通り、本第7実施形態における遊技盤13は、第1実施形態における遊技盤13に対して、第1実施形態におけるV入賞装置650と同様に、小当たりに当選した場合に所定期間遊技球が入球可能な状態に設定されるV入賞装置6500が盤面左側に設けられている。なお、V入賞装置6500を左側に配置したのは、本第7実施形態では、時短状態において小当たり遊技の実行中にV入賞を発生させるか、させないかを遊技者に選択させる遊技性だからである。即ち、V入賞装置6500を時短状態において遊技球を発射する方向(即ち、遊技盤13の右側)に設ける構成とした場合、小当たり時にV入賞を発生させないという選択をしようと遊技者が思ったとしても、右打ちにより既に発射していた遊技球がV入賞装置6500へと遊技球が入球して遊技者の意に反してV入賞が発生してしまう可能性がある。よって、本第7実施形態では、V入賞装置6500を盤面左側に設ける構成とし、時短状態において敢えて遊技方法を変更しなければ(即ち、右打ち遊技から左打ち遊技に切り替えなければ)、V入賞が発生し得ない(発生困難となる)ように構成している。これにより、小当たり遊技においてV入賞を発生させたくないと考える遊技者に対して、確実に、V入賞を発生させずに小当たり遊技を終了させることができる。
この第7実施形態におけるV入賞装置6500は、その内部にVスイッチ6500e3が設けられている。Vスイッチ6500e3は、第1実施形態におけるVスイッチ650e3と同様に、遊技球が通過することにより大当たりが開始されるように構成されている。即ち、V入賞装置6500が入球可能な状態に設定される小当たり遊技において、遊技球がV入賞装置6500へと入球してVスイッチ6500e3を通過したことに基づいて、大当たり遊技が開始される。なお、本第7実施形態では、V入賞装置6500へと入球した全ての遊技球がVスイッチ6500e3を通過するように、V入賞装置6500の内部機構が構成されている。即ち、第7実施形態におけるV入賞装置6500の内部には、第1実施形態のV入賞装置650における通常排出流路650e1や切替部材650h等に相当する構成が一切設けられておらず、入球した全ての遊技球が特別排出流路6500e2を流下してV入賞スイッチ6500e3を通過した後、外部へと排出されるように構成されている。このため、小当たり遊技においては、少なくとも1の遊技球がV入賞装置6500へと入球することで大当たりが確定するので、小当たり遊技の遊技性をシンプル、且つ、分かり易いものにすることができる。よって、遊技者に理解し易い遊技性を実現することができる。なお、詳細については後述するが、本第7実施形態では、小当たりに当選した場合に、遊技者が連続して左打ちを行うことによりV入賞装置6500へ向けて遊技球を発射するだけで、10個以上の遊技球がV入賞口6500aへと入球するように構成している。このため、小当たりに当選した場合に、大当たりを開始させたいと希望する遊技者に対して容易にV入賞スイッチ6500e3を通過させて大当たりを開始させることができる。なお、1の小当たり遊技において複数の遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過したとしても、最初にV入賞スイッチ6500e3を通過した1の遊技球のみが大当たりの開始判定に用いられ、後続の遊技球に関しては大当たりの実行可否に何ら影響を与えることはない。つまり、1の小当たり遊技において複数の遊技球がV入賞装置6500へと入球して複数の遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過したとしても、1回の大当たりのみが実行される(大当たりとなる権利を1の小当たりで複数獲得することはない)ように構成されている。このため、実質的に、小当たり遊技においてV入賞装置6500へと入球する遊技球の個数に対する大当たりの実行契機となる遊技球の個数の割合は1/10以下となる。
また、図178に示した通り、本第7実施形態の遊技盤13では、第1実施形態における第2入球口640に代えて、第2入球口6400が盤面右側に設けられている。この第2入球口6400は、図178に示した通り、電動役物6400aが付随して設けられており、通常時は電動役物6400aが第2入球口6400を閉鎖しているため、第2入球口6400へと遊技球が入球困難な状態を形成する一方で、普通図柄の抽選で当たりになると、所定期間(例えば、0.2秒間×1回、または2秒間×2回)電動役物6400aが開放されて、第2入球口6400へと入球可能な状態を形成する。更に、図178に示した通り、本第7実施形態では、スルーゲート67が盤面右側における上流側に設けられている(移動されている)。これにより、右打ちを行った場合に、発射した遊技球がスルーゲート67へと到達するまでの距離が短くなるため、より早期に普通図柄の抽選を実行させ易くなる。
ここで、図179を参照して、本第7実施形態におけるV入賞装置6500の詳細について説明する。図179は、本第7実施形態におけるV入賞装置6500の上面図である。図179に示した通り、本第7実施形態におけるV入賞装置6500の開閉扉6500f1は、閉鎖された状態において、その上面を複数の遊技球が通過可能な流路を形成可能に構成されている。より具体的には、開閉扉6500f1の上面には、遊技球が正面視左側から右側へ向けて遊技球を流下させることが可能な流路が形成されていると共に、当該流路を流下する遊技球の流下を妨げるための凸部6500fa~6500feが設けられている。開閉扉6500f1の上面を流下する遊技球は、各凸部6500fa~6500feによって流下を妨げられるので、各凸部6500fa~6500feの外周に沿って開閉扉6500f1上を流下する。つまり開閉扉6500f1上には、各凸部6500fa~6500feによってつづら折り状の流路が形成されることになる。このため、各凸部6500fa~6500feが設けられていない場合(即ち、遊技球が開閉扉6500f1上を正面視右方向から左方向へと直線的に流下可能な場合)に比較して、開閉扉6500f1の上面を流下しきるまでに要する期間を長くすることができる。言い換えれば、左打ち遊技によってV入賞装置6500に向けて遊技球を連続的に発射し続けた場合に、開閉扉6500f1に対して複数の遊技球が同時に流下した状態になり易くなるように構成している。このため、小当たりとなって開閉扉6500f1が開放された場合に、開放時点で開閉扉6500f1の上面を流下中であった複数の遊技球を開閉扉6500f1の開放直後にV入賞装置6500の内部へと落下させることができる。これにより、1の小当たり遊技においてより多くの遊技球を入球させることが可能となるため、小当たりに当選した場合に、大当たりを開始させたい(V入賞装置6500へと遊技球を入球させてV入賞スイッチ6500e3を通過させたい)と考える遊技者に対して、容易にV入賞装置6500へと少なくとも1の遊技球を入球させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図180を参照して、本第7実施形態において小当たりに当選した場合に設定される開閉扉6500f1の開放パターンについて説明する。本第7実施形態では、開閉扉6500f1の開放パターンとして、1種類の開放パターンのみが規定されている。より具体的には、図180に示した通り、小当たり遊技が開始されてから3秒間の間、開閉扉6500f1が閉鎖状態に維持され、3秒経過時点で開閉扉6500f1が開放される。3秒間の閉鎖期間の間に連続して左打ちを行うことにより、5個前後の遊技球を開閉扉6500f1の上面に到達させることができるので、開閉扉6500f1が開放状態に切り替わった(可変した)直後に、開閉扉6500f1の上面に到達していた遊技球をV入賞装置6500内へと入球させることができる。
図180に示した通り、開放状態は0.6秒間の間継続し、0.6秒経過時点(小当たり開始から3.6秒経過時点)で開閉扉6500f1が閉鎖される。以降は、図180に示した通り、3秒間の閉鎖状態(左打ちにより開閉扉6500f1の上面に遊技球を複数到達させる(貯める)ことができる期間)と、0.6秒間の開放状態(開閉扉6500f1の上面に到達していた遊技球をV入賞装置6500内部に誘導する期間)と、が最大2回繰り返されて、合計3回目の開放状態が終了することで小当たり遊技が終了される。なお、小当たりにおける上限の入賞個数である10個以上の遊技球の入球が検出された場合は、その検出時点で小当たり遊技が終了される。小当たり遊技が終了されるまでに遊技球がV入賞装置6500へと入球すると、V入賞スイッチ6500e3を通過して、小当たり遊技の終了後に大当たりが開始される。このように、本第7実施形態では、V入賞装置6500における開閉扉6500f1の上面構造と、小当たりの開放パターンとの組合せにより、1の小当たり遊技においてより多くの遊技球を入球させることが可能となっている。より詳述すると、本第7実施形態のように、開放期間を3回に分けて0.6秒間ずつ設定するのでなく、単に小当たり遊技の開始直後から1.8秒間(0.6秒×3)の開放状態を設定する構成にすると、その開放期間の間に3個程度の遊技球しか発射することができないため、遊技球が1個もV入賞装置6500に入球しない可能性がある。つまり、大当たりを開始させたいと希望して小当たり遊技の間、左打ちを行ったにもかかわらず、大当たりを開始させることができなくなってしまうため、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう可能性がある。これに対して本第7実施形態では、1の小当たり遊技において複数の遊技球を容易にV入賞装置6500へと入球させることができるように構成しているため、大当たりを開始させたいと希望して小当たり遊技の間右打ちを実行した遊技者に対して、容易にV入賞装置6500へと遊技球を入球させて大当たりを開始させることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図181、および図182を参照して、本第7実施形態における時短状態の間に特徴的な演出について説明する。ここで、本第7実施形態における時短状態では、上述した第1実施形態における時短状態と同様に、特別図柄の抽選が実行される毎に、当該特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出(変動パターン演出)の一環として、少年のキャラクタ801が宝箱を探す演出が実行される。そして、抽選結果が小当たり(若しくは大当たり)であれば、宝箱を発見する演出が実行され、小当たり遊技の実行中にV入賞装置6500へと遊技球が入球して小当たり終了後に大当たり(2種当たり)の開始が確定した場合には、宝箱802の開放に成功する演出が実行されて、宝箱802の中から大当たり遊技が設定されることを示すV表示803が出現する演出(図13(a)参照)が実行される。一方、小当たり遊技の実行中に遊技者が左打ちを行わなかった等により、小当たり遊技の実行中にV入賞装置6500へと遊技球が入球しなかった(大当たりの開始条件が成立しなかった)場合には、少年のキャラクタ801が宝箱802を開けずに通過する演出が実行される。
加えて、本第7実施形態では、電動役物6400aが開放され易くなる(第2入球口6400へと入球し易くなる)時短状態において、右打ちにより第2入球口6400へと遊技球が入球して第2特別図柄の保留球が増加する毎に、鍵を獲得する演出が実行される。この鍵を獲得する(貯める)演出の詳細について、図181(a),(b)を参照して説明する。なお、小表示領域Dm1,Dm2の表示内容については、上述した第1実施形態と同様であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図181(a)に示した通り、本第7実施形態における時短状態では、少年のキャラクタ801の上方に、残りの時短回数を示すための表示領域HR6が形成される。図181(a)では、残りの時短回数が10回である場合を例示しており、「残り10回」という文字が表示領域HR6の内部に表示されている。なお、本第7実施形態では、大当たり終了後に時短状態が設定される場合、その時短回数として10回が必ず設定されるように構成されている。つまり、図181(a)は、時短大当たりの終了直後の表示内容を示した図である。本第7実施形態において、大当たり終了後に時短状態に移行すると、少年のキャラクタ801の右側に、4つの表示領域HR1~HR4が形成される。これら4つの表示領域には、第2入球口6400へと遊技球が入球して保留球が増加する毎に、当該保留球に応じた態様の鍵の画像が表示される。また、図181(a)に示した通り、副表示領域Dsに対して、「右打ちで鍵を貯めるんだ!!」との文字が表示された表示領域HR5が形成される。これらの表示態様により、遊技者に対して右打ちを行うことで表示領域HR1~HR4に対して鍵が貯まっていくということを容易に理解させることができる。
図181(b)は、時短状態において第2入球口6400へと遊技球が入球した場合における表示態様を示した図である。図181(b)に示した通り、第2入球口6400へと遊技球が入球すると、表示領域HR4に対して鍵を模した画像が表示される。これにより、第2入球口6400への入球と鍵の表示とがリンクしていることを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、この鍵の画像には、複数の態様が設けられている。詳細については後述するが、本第7実施形態では、鍵の態様により、V入賞を発生させた場合(V入賞装置6500へと遊技球を入球させた場合)における有利度合いを遊技者に示唆可能に構成している。即ち、V入賞を発生させた場合に、当該V入賞に基づく大当たり終了後に時短状態が付与される期待度を、鍵の画像の表示態様によって遊技者に示唆する構成としている。より具体的には、図181(b)に示した態様(通常の態様)の鍵の他、期待度が高い態様として、通常の態様よりも大きい鍵の態様や、期待度が低い太陽として、通常の態様よりもボロボロの態様等が設けられている。これらの鍵の表示態様に応じて、遊技者に対してV入賞を発生させるか否かを選択させる遊技性を実現することができる。
なお、上述した通り、本第7実施形態では、時短状態の間に当選した小当たりにおいてV入賞が発生した場合に実行される大当たりよりも、通常状態において当選した小当たりでV入賞が発生した場合に実行される大当たりの方が、時短状態が付与される割合が高くなるように構成している。そして、本第7実施形態では、第2特別図柄の抽選でのみ、小当たりに当選し得る構成としている。つまり、通常状態において小当たりに当選する場合としては、時短状態の間に保留され、且つ、時短状態の終了後に抽選に用いられる第2特別図柄の保留球で小当たりに当選する場合である。よって、本第7実施形態における時短状態では、時短状態の間に小当たりに当選した場合にも右打ちを継続することで、盤面左側に設けられているV入賞装置6500への入球を回避しつつ保留を貯め続け、保留がより多く貯まった状態で時短回数を終了させて(即ち、通常状態に移行させて)第2特別図柄の保留球を消化する遊技方法を行った方が時短状態の期待度が高くなる。このため、時短状態の間は、鍵の態様からV入賞を発生させた場合に開始される大当たりの種別(時短状態が付与されるか否か)を推測して、時短状態が付与される大当たりが開始されると推測しない限りはV入賞を回避するという、極めて異質、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、時短状態において、保留球数をなるべく多く(即ち、上限個数である4個に)保っておきたいと遊技者に思わせることができるので、時短状態の間により積極的に右打ちを行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図182(a)を参照して、時短状態の間に小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81の表示態様について説明する。図182(a)に示した通り、時短状態において小当たりに当選すると、少年のキャラクタ801が、「DANGER」という文字が記載されたボロボロの見た目の宝箱802を発見する演出が実行される。時短状態の間は、宝箱の見た目がボロボロに設定されることにより、宝箱802を開けない方が良いのではないかと思わせることができる。即ち、時短状態中にV入賞を発生させて大当たりになると、時短状態が付与される割合が低いことを遊技者に示唆することができる。
また、主表示領域Dmの下部には、「選べ」という文字が表示された横長略長方形形状の表示領域HR7が形成され、副表示領域Dsの左半分に対して、「鍵を使用!!」という文字と、「左打ち」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域HR8が形成され、右半分に対して、「鍵を温存!!」という文字と、「右打ち」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域HR9が形成される。更に、表示領域HR4の左側に、右向きの矢印(即ち、表示領域HR4の方向を向いた矢印)を模した矢印画像YGが表示される。この矢印画像YGにより、現在表示されている宝箱802に対して使用可能な鍵が、表示領域HR4に表示されている鍵であるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。これらの表示内容により、遊技者に対して、左打ちを行うことで表示領域HR4に表示されている鍵を用いて宝箱802を開く(つまり、V入賞を発生させて大当たりを開始させることができる一方、右打ちを継続することで宝箱802を開けずに放置する(つまり、V入賞を発生させずに小当たり遊技を終了させる)ことができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、鍵の態様等に応じて、左打ちを行って大当たりを開始させて時短状態を狙うか、右打ちを継続して小当たり遊技を終了させるかを選択させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、遊技者が右打ちを継続したことにより使用されなかった鍵は、小当たり終了時に消滅する。
図182(b)は、第2特別図柄の保留球が存在する状態で時短状態が終了して通常状態へと移行した際に、第2特別図柄の保留球に基づく抽選で小当たりとなった場合における表示態様を示した図である。図182(b)に示した通り、時短状態終了後の通常状態において小当たりに当選した場合は、少年のキャラクタ801が輝いた見た目の態様の宝箱802を発見する演出が実行される。時短状態の間に小当たりになった場合(ボロボロの態様の宝箱802が表示される場合)よりも豪華な見た目の態様に設定されることにより、宝箱802を開けるべきであるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。即ち、時短状態を抜けた(時短状態が終了した)後の通常状態においてV入賞を発生させて大当たりになると、大当たり終了後に時短状態が付与される可能性が高いということを遊技者に示唆することができる。また、図182(b)に示した通り、副表示領域Dsに対して、「左打ちでストックした鍵を使え!!」という文字が表示された横長略長方形形状の表示領域HR5が形成される。これらの表示内容により、時短状態を抜けた(時短回数が経過して通常状態に移行した)後で小当たりになった場合は、V入賞を発生させるために左打ちを行うべきであるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第7実施形態では、時短状態において当選した小当たり遊技の実行中にV入賞を発生させることにより大当たり(2種当たり)が開始された場合よりも、通常状態において当選した小当たり遊技の実行中にV入賞を発生させることにより2種当たりが開始された場合の方が、大当たり終了後に時短状態が付与される割合が高くなるように構成している。そして、時短状態の間は、演出態様(鍵の画像の表示態様)により、V入賞を発生させた場合に時短状態が付与される期待度を示唆可能に構成した。これにより、時短状態において小当たりに当選した場合に、敢えてV入賞を発生させずに小当たりを終了させるか、V入賞を発生させて大当たりを開始させるかを選択させるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。
なお、本第7実施形態では、時短状態の間と、時短状態が終了した後の通常状態(第2特別図柄の保留球が存在する状態)とで、演出態様を異ならせ、時短状態が終了した後の通常状態では小当たりに当選した場合に左打ち(即ち、V入賞)を行うように促す(示唆する)演出態様を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態が終了していなくても、第2特別図柄の保留球数が最大になり次第、左打ち(V入賞)を促す演出を実行する構成としてもよい。保留球が最大であれば、例え大当たり終了後に時短状態が付与されなくても(即ち、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定されたとしても)、大当たり終了後の通常状態において第2特別図柄の保留球によって小当たりとなる期待度が高くなる(即ち、時短状態が付与される割合が高い通常状態において2種大当たりを開始させることができる期待度が高くなる)ので、遊技者にとって有利となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第7実施形態では、時短状態の間に小当たりに当選した場合に、副表示領域Dsにおいて、V入賞を発生させる(鍵を使用する)ための遊技方法(左打ち)と、V入賞を回避する(鍵を使用しない)ための遊技方法(右打ち)と、の両方を主として文字により遊技者に示唆するように構成していたが(図182(a)参照)、これに限られるものではない。主表示領域Dmにおいて表示される画像によっても、それぞれの遊技方法(V入賞を発生および回避させるための遊技方法)を遊技者に示唆するように構成しても良い。より具体的には、例えば、表示領域HR1~HR4および矢印画像YGを主表示領域Dmにおける左側に移動させると共に、表示領域HR1~HR4と同様の横長略長方形形状の4つの表示領域(表示領域HRR1~HRR4)および矢印画像YGと同様の矢印を模した画像(矢印画像YG2)を設ける構成としてもよい。そして、左側の表示領域HR1~HR4に対しては、上記第7実施形態と同様に、宝箱802を開放するための鍵の画像を表示させると共に、右側の表示領域HRR1~HRR4に対しては、宝箱802を爆破するための爆弾を模した画像を表示させる構成としてもよい。そして、矢印画像YGを表示領域HR4に向けた左向きの矢印で構成すると共に、矢印画像YG12を、右側の表示領域HRR1~HRR4のうち最も下側の表示領域HRR4に表示された爆弾の画像に向けた右向きの矢印で構成してもよい。このように構成することで、右向きの矢印を模した矢印画像YG2の指示に従って右打ちを行えば、爆弾によって宝箱802を爆破することで小当たりを終了させる(V入賞を回避する)ことができるということを遊技者に容易に理解させることができる。一方、左向きの矢印を模した矢印画像YGの指示に従って左打ちを行えば、表示領域HR4に表示されている鍵を用いて宝箱802を開ける(V入賞を発生させる)ことができるということを遊技者に容易に理解させることができる。即ち、矢印画像YGおよび矢印画像YG2の役割として、実行中の小当たり演出において使用するアイテム(鍵、および爆弾)を示すための役割と、当該アイテムを使用するための遊技者の遊技方法(遊技球の発射方向)を示すための役割という異なる複数の役割を担わせることができる。よって、遊技者に理解し易い表示態様を実現しつつ、且つ、表示要素を効率的に使用することが可能となるため、より好適な演出態様を実現することができる。
<第7実施形態における電気的構成>
次に、図183(a)を参照して、本第7実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図183(a)は、本第7実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図183(a)に示した通り、本第7実施形態におけるROM202の構成は、第1実施形態におけるROM202の構成(図19(a)参照)に対して、小当たり種別選択テーブル202fと、開放シナリオテーブル202gと、が削除されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、時短付与テーブル202eの規定内容が一部変更となっている点で相違している。
まず、図184(a),(b)を参照して、本第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202aの詳細について説明する。図示については省略したが、本第7実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第1実施形態における第1当たり乱数テーブル202a(図21(a)参照)と同様に、第1特別図柄の抽選に用いるための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄の抽選に用いるための特別図柄2乱数テーブル202a2との2種類が規定されている。まず、図184(a)を参照して、本第7実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1の規定内容について説明する。
図184(a)は、本第7実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1の規定内容を示した図である。この特別図柄1乱数テーブル202a1は、第1実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1と同様に、第1特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されている。より具体的には、図184(a)に示した通り、本第7実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1には、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として、「0~9」が対応付けて規定されている。よって、第1特別図柄の抽選において、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~9」のいずれかの値である場合に大当たりと判定される一方で、「0~9」のいずれの値でもない(「10~999」のいずれかの値である)場合に外れと判定される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個のカウンタ値(乱数値)のうち、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)が「0~9」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は1/100(10/1000)である。なお、本第7実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1には、第1実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1と同様に、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が規定されていない。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される(小当たりに当選する)確率は0である。
次に、図184(b)を参照して、本第7実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2の詳細について説明する。この特別図柄2乱数テーブル202a2は、第1実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2と同様に、第2特別図柄の抽選において、大当たり、および小当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されている。より具体的には、図184(b)に示した通り、本第7実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2には、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)の範囲として、「0~9」が対応付けて規定され、小当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)の範囲として、「10~989」が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個のカウンタ値(乱数値)のうち、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)が「0~9」の10個であり、小当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)が「10~989」の980個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は1/100(10/1000)であり、小当たりと判定される確率は98/100(980/1000)である。即ち、本第7実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、ほぼ(98/100の確率で)、小当たりに当選するように構成されている。よって、時短状態において、ほぼ毎回の特別図柄の抽選で小当たりに当選するため、V入賞を発生させるか否かを遊技者に選択させる遊技性をより多く楽しませることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図184(c)を参照して、本第7実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの規定内容について説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、第1実施形態における第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄の当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC4の値の範囲が規定されているデータテーブルである。普通図柄の抽選が実行された場合は、この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている乱数値(カウンタ値)と、第2当たり乱数カウンタC4の値とが比較されて、普通図柄の当たりか否かの抽選が実行される。
図184(c)は、本第7実施形態における第2当たり乱数カウンタC4の規定内容を示した図である。図184(c)に示した通り、本第7実施形態における第2当たり乱数テーブル202cには、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)と、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)と、が規定されている。より具体的には、図184(c)に示した通り、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「5~204」の200個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の当たりと判定される乱数値が200個なので、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりとなる確率は1/1.2(200/240)である。
また、図184(c)に示した通り、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0」のみが規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の当たりと判定される乱数値が1個なので、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりとなる確率は1/240である。
このように、本第7実施形態では、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりとなる確率を極めて低確率に設定している。よって、普通図柄の当たりとなって第2入球口6400へと遊技球が入球することを期待して、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。なお、本第7実施形態では、第1実施形態と同様に、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の抽選で当たりになったとしても、電動役物6400aが極めて短時間(0.2秒間×1回)しか開放されないように構成している。これにより、通常状態の間に右打ちを行っても、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が低い上に、たとえ当たりになったとしてもほとんど第2入球口6400へと遊技球を入球させることができないため、左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させて、第1特別図柄の抽選で大当たりとなることを目指して遊技を行った方がマシである(右打ちを行っても割に合わない)と遊技者に思わせることができる。よって、通常状態の間に右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図185(a)を参照して、本第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bと同様に、大当たりに当選した場合の大当たり種別を特定(決定)するために参照されるデータテーブルである。図185(a)は、この第1当たり種別選択テーブル202bの構成を示したブロック図である。
図185(a)に示した通り、本第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、特別図柄の抽選で大当たりとなった(所謂、「直当たり」が発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するための直当たり用テーブル202be1と、V入賞が発生したことに基づいて大当たりとなった場合に大当たり種別を特定(決定)するためのV当たり用テーブル202be2と、が規定されている。まず、図185(b)を参照して、直当たり用テーブル202be1の詳細について説明する。
図185(b)は、直当たり用テーブル202be1の規定内容を示した図である。図185(b)に示した通り、本第7実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなった(直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA7」、および「大当たりB7」の2種類の大当たり種別が設けられている。「大当たりA7」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、通常状態において当選した場合に大当たり終了後に時短回数が10回の時短状態が付与される大当たり種別である。一方、「大当たりB7」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、通常状態において当選した場合に大当たり終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。よって、通常状態においては、「大当たりA7」の方が、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりB7」よりも遊技者に有利となる。なお、時短状態においては、いずれの大当たりに当選したとしても大当たり終了後に有利な時短状態が設定されるように構成している。これは、時短状態に移行した後、比較的早い段階で直当たりが発生してしまうと、当該時短状態において、本第7実施形態における特徴的な遊技性であるV入賞を発生させるか、発生させないかを選択する遊技性を十分に楽しむことができなくなってしまうため、当該直当たり後も必ず時短状態に移行する構成とすることで、遊技者に対して確実に時短状態における遊技を楽しませる趣旨である。言い換えれば、時短状態における遊技を十分に楽しむことができずに通常状態へと移行してしまい、遊技者をがっかりさせてしまうことを防止するために、時短状態中の直当たり後は必ず時短状態となるように構成している。
なお、直当たりが発生した場合は、その直当たりの契機となった特別図柄の種別(第1特別図柄の抽選による大当たりであるか、第2特別図柄の抽選による大当たりであるか)とは無関係に、第1当たり種別カウンタC2の値のみに応じて「大当たりA7」と「大当たりB7」とのいずれかが特定される。より具体的には、図185(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA7」が対応付けて規定され、「50~99」の範囲に対して、「大当たりB7」が対応付けて規定されている。つまり、「大当たりA7」と、「大当たりB7」とに、それぞれ第1当たり種別カウンタC2の値が50個ずつ対応付けられている。このため、直当たりが発生した場合に「大当たりA7」が特定される割合と、「大当たりB7」が特定される割合とは半々(いずれも50%)である。
次に、図185(b)を参照して、V当たり用テーブル202be2の詳細について説明する。このV当たり用テーブル202be2は、上述した通り、小当たり遊技においてV入賞が発生した(遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過した)ことに基づいて実行される大当たりの種別を特定(選択)するためのデータが規定されたデータテーブルである。図185(b)は、このV当たり用テーブル202be2の規定内容を示した図である。図185(b)に示した通り、V当たり用テーブル202be2には、「大当たりC7」、「大当たりD7」、「大当たりE7」、および「大当たりF7」の4種類の大当たり種別が規定されている。
図185(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対しては、「大当たりC7」が対応付けて規定されている。この「大当たりC7」は、大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、当選した時点の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりC7」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も遊技者に有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりC7」が決定(選択)される確率(割合)は1/100(1%)である。
また、図185(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「1~4」の範囲に対して、「大当たりD7」が対応付けて規定されている。この「大当たりD7」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、通常状態において当選した場合に、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される一方で、時短状態において当選した場合に、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に不利な通常状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD7」は、「大当たりC7」に次いでラウンド数が多く、且つ、通常状態において当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりC7」に次いで有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が4個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりD7」が決定(選択)される確率(割合)は4/100(4%)である。
また、図185(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「5~29」の範囲に対して、「大当たりE7」が対応付けて規定されている。この「大当たりE7」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、通常状態において当選した場合に、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される一方で、時短状態において当選した場合に、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に不利な通常状態に設定される大当たり種別である。即ち、「大当たりC7」や「大当たりD7」よりもラウンド数の面で不利となり、且つ、大当たり終了後の遊技状態が「大当たりD7」と同一になる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が25個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりE7」が決定(選択)される確率(割合)は25/100(25%)である。
また、図185(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「30~99」の範囲に対して、「大当たりF7」が対応付けて規定されている。この「大当たりF7」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に不利な通常状態に設定される大当たり種別である。即ち、ラウンド数が最も少ない上に、遊技状態の面でも不利となるため、遊技者にとって最も不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が70個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりF7」が決定(選択)される確率(割合)は70/100(70%)である。
このように、本第7実施形態では、時短中にV入賞が発生して大当たりに当選すると、振り分けが1%の「大当たりC7」に当選しなければ大当たり終了後に有利な時短状態が設定されることはない。これに対し、時短状態が終了した後の通常状態において第2特別図柄の保留球で小当たりに当選し、V入賞を発生させた場合は、「大当たりC7」(振り分け1%)、「大当たりD7」(振り分け4%)、および「大当たりE7」(振り分け25%)のいずれかに当選することで、大当たり終了後に有利な時短状態が設定される構成としている。つまり、30%の割合で時短状態が設定されるように構成されている。よって、時短状態よりも、通常状態においてV入賞を発生させた方が有利な時短状態となる可能性が高くなるため、時短状態が終了する(時短回数が経過する)までの間、小当たりに当選してもV入賞を発生させないように右打ちを継続するという特殊な遊技方法を行った場合に有利度合いが高くなるように構成することができる。なお、通常状態へと移行した場合でも、V入賞に基づく大当たりの30%の割合でしか時短状態が設定されない(過半数が通常状態に設定される)というのは、一見、時短状態に移行させることが難しいかのように思われる。しかしながら、時短状態が終了するまでの間、右打ちを継続していれば、ほとんどの場合、第2特別図柄の保留球が4個貯まった状態で通常状態へと移行させることができ、且つ、第2特別図柄の抽選ではほぼ(98%の割合で)小当たりに当選する。つまり、ほぼ、V入賞に基づく大当たりのチャンスが4回与えられることとなる。4回以内に30%の割合の「大当たりC7」~「大当たりE7」のいずれかに当選する確率は約76%(4回全て「大当たりF7」となる確率が70%×70%×70%×70%=24%)であるため、比較的高い割合で、再度、時短状態に移行させることができる。よって、遊技者に対して、保留を最大まで貯めた状態で時短状態を終了させたいと思わせることができる。
なお、保留が最大まで貯まった状態となり次第、V入賞を発生させたとしても、ほぼ(99%の割合で)、大当たり終了後に通常状態が設定される。つまり、時短回数が0になるまでV入賞を回避した場合と同様に、時短状態に移行させるための4回のチャンスが与えられる上に、時短回数が0になるまでV入賞を回避するよりも大当たり1回分得になるため、遊技者の遊技方法に対する選択肢の幅を広げることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図186(a)を参照して、本第7実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、大当たり終了後の時短回数を、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するために参照されるデータテーブルである。大当たり終了時には、この時短付与テーブル202eが参照されて、時短中カウンタ203kの値が設定される。時短中カウンタ203kの値は、特別図柄の抽選が実行されて変動停止される毎に1ずつ減算される。この時短中カウンタ203kの値が1以上の間は時短状態となり、右打ちにより第2入球口6400へと遊技球が入球し易くなる有利な状態を形成する一方で、値が0になると不利な通常状態へと移行する。
図186(a)は、この時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。図186(a)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりA7」に対しては、時短付与回数として「10回」が対応付けて規定され、時短状態で当選した「大当たりA7」に対しても、時短付与回数として「10回」が対応付けて規定されている。このため、「大当たりA7」に当選した場合は、遊技状態によらず大当たり終了後に遊技者に有利な時短状態が設定される。
また、図186(a)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりB7」に対しては、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定されている一方で、時短状態で当選した「大当たりB7」に対しては、時短付与回数として「10回」が対応付けて規定されている。このため、通常状態において直当たりが発生して「大当たりB7」が決定されると、遊技者に不利な通常状態に移行する一方、時短状態において直当たりが発生して「大当たりB7」が決定されると、遊技者に有利な時短状態に移行する。また、図186(a)に示した通り、通常状態、および時短状態で当選した「大当たりC7」に対しては、いずれも時短付与回数として「10回」が対応付けて規定されている。このため、小当たりにおいてV入賞が発生して「大当たりC7」が決定されると、遊技状態によらず大当たり終了後に有利な時短状態へと移行する。
また、図186(a)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりD7」に対しては、時短付与回数として「10回」が対応付けて規定されている一方で、時短状態で当選した「大当たりE7」に対しては、時短付与回数として0回が対応付けて規定されている。また、「大当たりE7」に関しても、同一の時短回数が対応付けて規定されている。このため、通常状態では、小当たりにおいてV入賞が発生して「大当たりD7」、「大当たりE7」のどちらかが決定されると、大当たり終了後が有利な時短状態に設定される。一方、時状態においてこれらの大当たり種別が決定されると、大当たり終了後が不利な通常状態に設定される。更に、図186(a)に示した通り、「大当たりF7」に対しては、遊技状態によらず、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定されている。よって、通常状態でも、時短状態でも、「大当たりF7」に当選すると不利な通常状態が設定されるため、遊技者に不利となる。
なお、本第7実施形態では、特別図柄の種別によらず、特別図柄の抽選が実行される毎に時短回数(即ち、時短中カウンタ203kの値)が1ずつ減算されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄と、第2特別図柄とに対して別々の時短回数を設定可能に構成してもよい。この場合に、時短状態へと移行する場合は、第1特別図柄の時短回数を例えば5回に設定し、第2特別図柄の時短回数を10回に設定する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態へと移行した時点における第1特別図柄の保留球数とは無関係に、時短状態の間に第2特別図柄の抽選を最大10回実行させることができる。即ち、第1特別図柄の保留球が存在する状態で「大当たりA7」に当選した場合等、時短状態に移行した時点で第1特別図柄の保留球が存在して、大当たり終了直後に保留されていた第1特別図柄の抽選が実行された場合でも、時短状態の間に実行することができる第2特別図柄の抽選回数が減ってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して、小当たりにおいてV入賞を発生させるか否かを選択させる遊技性をより楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、本第7実施形態における変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。なお、本第7実施形態における変動パターンテーブル202dの構成は、第1実施形態における変動パターンテーブル202d(図23(a)参照)の構成と同一であり、第1実施形態における変動パターンテーブル202dに対して、通常用変動パターンテーブル202d1の規定内容と、時短用変動パターンテーブル202d2の規定内容と、が一部変更となっている点のみが相違している。なお、第7実施形態における通常用変動パターンテーブル202d1は、第1実施形態における通常用変動パターンテーブル202d1(図23(b)参照)に対して、第1特別図柄の変動パターンも、第2特別図柄の変動パターンも共通化され、第1実施形態における第1特別図柄の変動パターンに統一される(第2特別図柄の抽選で180秒のロング変動が設定されない)ように構成されている点でのみ相違するため、図示および詳細な説明については省略する。なお、本第7実施形態における通常状態において、第2特別図柄の抽選が実行された場合にロング変動が行われないように構成しているのは、上述した通り、時短状態を終了させて通常状態において第2特別図柄の抽選を実行させるという遊技方法を遊技者が選択し得る構成としたためである。つまり、遊技者が時短状態中に当選した小当たりにおいてV入賞を回避し、時短状態を終了させた後で、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、長い変動時間が設定されてしまうと、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を損ねてしまう可能性があるため、これを防止する趣旨である。
次に、時短用変動パターンテーブル202d2の詳細について、図186(b)を参照して説明する。図186(b)は、本第7実施形態における時短用変動パターンテーブル202dの規定内容を示した図である。図186(b)に示した通り、本第7実施形態における時短用変動パターンテーブル202dには、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
より具体的には、図186(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が1秒の短外れが対応付けて規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒のノーマルリーチが対応付けて規定されている。よって、時短状態の間に第1特別図柄の抽選が実行されると、非常に短い時間で変動が終了するため、第1特別図柄の保留球が残った状態で時短状態へと移行した場合に、小当たりに当選し得ない(即ち、小当たりにおいてV入賞を発生させるか、回避するかを選択する遊技性の遊技を行うことができない)第1特別図柄の抽選を短い期間で終わらせることができる。
また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」、または「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。即ち、通常状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合(通常用変動パターンテーブル202d1(図23(b)参照)が参照されて第1特別図柄の変動パターンが決定される場合)に比較して、抽選結果が大当たりにならなかった場合の変動時間が短くなるように構成している。これにより、時短状態の間の遊技をスピーディーに行わせる(消化させる)ことができるので、時短状態における遊技が冗長となってしまうことを抑制することができる。
また、図186(b)に示した通り、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。即ち、時短状態の間に第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合についても、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に比較して短い変動時間が設定されるように構成している。これにより、時短状態における遊技が冗長となってしまうことをより確実に抑制することができる。
次に、図183(b)を参照して、本第7実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成について説明する。図183(b)は、本第7実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図183(b)に示した通り、本第7実施形態におけるRAM203の構成は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図19(b)参照)に対して、特別図柄2保留球格納エリア203a2と、特別図柄2保留球数カウンタ203b2と、普通図柄保留球格納エリア203eaと、普通図柄保留球数カウンタ203ebと、当選時状態格納エリア203ecと、が追加されている点で相違している。また、第1実施形態のRAM203における小当たりAカウンタ203mと、小当たりBカウンタ203nと、小当たりCカウンタ203pと、普図短変動フラグ203qと、が削除されている点でも相違している。
特別図柄2保留球格納エリア203a2は、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2特別図柄に対応する記憶エリアであることのみ相違する。より具体的には、球が第2入球口6400へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、特別図柄2保留球格納エリア203a2を構成する4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄2保留球格納エリア203a2の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球数カウンタ203b2は、遊技球が第2入球口6400に入賞したことに基づく保留球をカウントするカウンタであり、その他の構成については、特別図柄1保留球数カウンタ203bと同一であるのでその詳細な説明は省略する。
なお、これらの特別図柄2保留球格納エリア203a2、および特別図柄2保留球数カウンタ203b2は、第1実施形態において搭載されていなかった第2特別図柄の保留記憶を搭載するために追加している。
普通図柄保留球格納エリア203eaは、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203a2と同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、遊技球がスルーゲート67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203a2と同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203eaの保留第1エリアに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄の抽選を実行するための実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに格納(記憶)された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203a2の場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203ebは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)は、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図191のS1013参照)。一方、遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値が最大値の4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図191のS1012:No参照)。また、この普通図柄保留球数カウンタ203ebのカウンタ値は、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図190のS933参照)。
当選時状態格納エリア203ecは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(即ち、時短中カウンタ203kの値が0であれば)、この当選時状態格納エリア203ecに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態であれば(即ち、時短中カウンタ203kの値が1以上であれば)、この当選時状態格納エリア203ecに、時短状態を示す情報として「01H」が格納される。この当選時状態格納エリア203ecに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態(即ち、時短回数)を設定する際に参照される(図192のS1621参照)。
次に、図187を参照して、本第7実施形態における各状態の移行方法について説明する。ここで、本第7実施形態には、2つの遊技状態が設けられている。即ち、普通図柄の通常状態が設定される通常遊技状態(通常状態)と、普通図柄の時短状態が設定される時短遊技状態(時短状態)と、の2種類の遊技状態が設けられている。加えて、通常遊技状態では、時短状態終了直後の第2特別図柄の保留球が存在する通常遊技状態と、第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態と、で有利度合いが大きく異なるように構成されている。即ち、第2特別図柄の保留球が1つでも存在すれば、ほぼ(99%の割合で)小当たり若しくは大当たりに当選するため、第2特別図柄の保留球が存在しない場合に比較して極めて有利な状態を形成する。以降の説明では、説明の簡略化のため、第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態のことを、「通常モード」と称し、第2特別図柄の保留球が存在する通常遊技状態のことを、時短状態中に貯めた(ストックした)第2特別図柄の保留球を使用して遊技を行うという意味で「ストック開放モード」と称し、時短遊技状態のことを、時短状態中にV入賞を発生させて大当たりを実行させる遊技性と、小当たり中にV入賞を回避して「ストック開放モード」へと移行させる遊技性とのどちらかを選択(セレクト)して遊技を行うという意味で「セレクトモード」と称する。
まず、図187の上方を参照して、通常モード(第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態)から他の状態(モード)への移行方法について説明する。図187の上部に示した通り、通常モードから他のモードへは、特別図柄の抽選で大当たりとなった(直当たりした)場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図187の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する「大当たりA7」になると、大当たり終了後のモードが有利なセレクトモード(時短遊技状態)に設定される。これに対し、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する「大当たりB7」になると、大当たり終了後のモードが再度、遊技者に不利な通常モードに設定される(通常モードをループする)。このため、通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で「大当たりA7」に当選することを期待して遊技を行わせることができる。
また、図187の中段に示した通り、セレクトモード(時短遊技状態)においては、小当たりに当選してV入賞が発生することで大当たりとなった場合、および時短回数が経過(終了)した場合に他のモードへと移行する可能性がある。より具体的には、図187の中段に示した通り、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、V入賞を発生させることで2種当たり(V当たり)に当選し、大当たり種別として大当たりD7~F7のいずれかになった場合、大当たり終了後に通常モード、若しくはストック開放モードのどちらかへと移行する。即ち、大当たりD7~F7の終了時点で第2特別図柄の保留球数が0であれば、大当たり終了後に通常モードへと移行する一方で、大当たりD7~F7の終了時点で第2特別図柄の保留球数が1以上であれば、大当たり終了後にストック開放モードへと移行する。また、時短回数が経過(終了)した場合についても同様に、時短回数が経過した時点で第2特別図柄の保留球数が0であれば通常モードへと移行する一方で、時短回数が経過した時点で第2特別図柄の保留球数が1以上であればストック開放モードへと移行する。このため、時短状態においては、第2特別図柄の保留球数が0にならないように注意して遊技を行わせることができる。つまり,第2入球口6400へとより多くの遊技球が入球するように、積極的に右打ちを行わせることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、図187の中段に示した通り、直当たりが発生した場合、および、2種当たりに当選して振り分けが1%の大当たりC7が決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、セレクトモードに設定される。
また、図187の下部に示した通り、ストック開放モードにおいては、大当たり(直当たり、およびV当たり)に当選した場合に、他のモードへと移行する可能性がある。より具体的には、図187の下部に示した通り、直当たりとなって、大当たりA7が決定された場合には、大当たり終了後に有利なセレクトモードへと移行する。また、直当たりとなって、大当たりB7が決定され、且つ、大当たり終了時点で第2特別図柄の保留球が0であれば、大当たり終了後に通常モードへと移行する。更に、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生して2種当たり(V当たり)となり、大当たりC7~E7のいずれかが決定された場合には、大当たり終了後のモードがセレクトモードに設定される。また、2種当たり(V当たり)の当たり種別として、大当たりF7が決定され、当該大当たりF7の終了時点で第2特別図柄の保留球が存在しない場合には、大当たり終了後に不利な通常モードに移行する。これに対し、大当たりB7若しくは大当たりF7となって、且つ、大当たり終了時に第2特別図柄の保留球が1個以上存在する場合は、大当たり終了後のモードが再度ストック開放モードとなる。
このように、本第7実施形態では、大当たり種別と、大当たり終了時点(若しくは時短回数経過時点)の第2特別図柄の保留球数と、に応じて遊技者にとっての有利度合いが異なる3つのモードのうち何れかのモードに移行する構成としている。よって、多彩なモード移行を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第7実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図188から図192のフローチャートを参照して、本第7実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。なお、本第7実施形態では、第1実施形態に対して、第2特別図柄の保留記憶機能が追加されているので、始動入賞処理(図43参照)についても内容が変更となっているが、既に上述した第2実施形態(本第7実施形態と同様に、第2特別図柄の保留記憶機能を有している実施形態)における始動入賞処理2(図96参照)と同様の変形を施しているのみであるため、ここでは本第7実施形態における始動入賞処理の詳細な説明については省略する。まず、図188を参照して、本第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188のS121)について説明する。この特別図柄変動処理7(S121)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図38,S104参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図38参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示の設定を行うための処理である。
この第7実施形態における特別図柄変動処理7(S121)のうち、S201,S202,S206~S218,S220の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図38,S104参照)のS201,S202,S206~S218,S220の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第7実施形態における特別図柄変動処理7(S121)では、S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でないと判別した場合に(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S231)。
次に、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)が0より大きいか否かを判定し(S232)、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)が0であると判定した場合には(S232:No)、S206の処理へ移行する。一方、S232の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)が0より大きい値であると判定された場合は(S232:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)を1減算し(S233)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値を示す保留球数コマンドを設定する(S234)。
S234の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203a2に格納されたデータをシフトする(S235)。S235の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203a2の保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S210の処理へ移行する。
また、本第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)では、S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S213:No)、次いで、時短中カウンタ203kの値が0より大きいか否かを判別し(S236)、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合は(S236:Yes)、時短中カウンタ203kの値を1減算し(S237)、S220の処理へ移行する。これに対し、S236の処理において、時短中カウンタ203kの値が0であると判別した場合は(S236:No)、S237の処理をスキップし、S220の処理へ移行する。
S220の処理では、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S220)。今回の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S220:Yes)、第1実施形態における小当たり開始設定処理(図40参照)に代えて、小当たり開始設定処理7を実行し(S238)、S218の処理へ移行する。この小当たり開始設定処理7の詳細については、図189を参照して後述する。一方、S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S220:No)、S238の処理をスキップし、S218の処理へ移行する。
次に、図189を参照して、本第7実施形態で実行される小当たり開始設定処理7(図189のS238)について説明する。この小当たり開始設定処理7(図189のS238)は、第1実施形態における小当たり開始設定処理(図40,S221参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における小当たり開始設定処理と同様に、小当たり遊技の開始を設定するための処理である。
この第7実施形態における小当たり開始設定処理7(S238)のうち、S401およびS404の各処理では、それぞれ第1実施形態における小当たり開始設定処理(図40,S221参照)のS401およびS404の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における小当たり開始設定処理7(S238)では、S401の処理が終了すると、次に、第1当たり種別選択テーブル202bのV当たり用テーブル202be2(図185(c)参照)を参照して特定された大当たり種別を示すデータを、V通過大当たり種別格納エリア203hに格納し(S411)、小当たりの開始を設定して(S412)、処理をS404へと移行する。
次に、図190を参照して、本第7実施形態で実行される普通図柄変動処理7(図190のS122)について説明する。この普通図柄変動処理7(図190のS122)は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図45,S106参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における普通図柄変動処理(図45参照)と同様に、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、第2入球口6400に付随する電動役物6400aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この第7実施形態における普通図柄変動処理7(S122)のうち、S901,S902,S906~S910およびS912~920の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図45,S106参照)のS901,S902,S906~S910およびS912~920の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における普通図柄変動処理7(S122)では、S902の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S902:No)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S931)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S932)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が0であれば(S932:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が0でなければ(S932:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)を1減算する(S933)。
S933の処理が終了すると、次いで、普通図柄保留球格納エリア203eaに格納されたデータをシフトする(S934)。S934の処理では、普通図柄保留球格納エリア203eaの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203eaの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S935)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S936)。なお、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、時短中カウンタ203kの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態であると判定する一方で、時短中カウンタ203kの値が0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S936の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S936:Yes)、S936の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得し(S937)、処理をS906へと移行する。なお、S937の処理では、具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図184(c)参照)。
一方、S936の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S936:No)、次いで、S935の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得し(S938)、処理をS906へと移行する。S938の処理では、具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「1~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図184(c)参照)。
次に、図191を参照して、本第7実施形態におけるスルーゲート通過処理7(図191のS123)について説明する。このスルーゲート通過処理7(図191のS123)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図46,S107参照)に代えて実行される処理であり、スルーゲート67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し普通図柄保留球格納エリア203eaに格納するための処理である。
この第7実施形態におけるスルーゲート通過処理7(S123)のうち、S1001の処理では、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図46,S107参照)のS1001の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態におけるスルーゲート通過処理7(S123)では、S1001の処理において、遊技球が普通入球口67を通過したと判別した場合(S1001:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1011)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が4よりも小さい値であるか否かを判別し(S1012)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が4(即ち、上限値)であれば(S1012:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が4より小さいと判別した場合は(S1012:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)を1加算し(S1013)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203eaに格納し(S1014)、その後、本処理を終了する。
次に、図192を参照して、本第7実施形態における大当たり制御処理7(図192のS1521)について説明する。この大当たり制御処理7(図192のS1521)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図52,S1504参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における大当たり制御処理(図52参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種設定を行うための処理である。
この第7実施形態における大当たり制御処理7(S1521)のうち、S1601~S1612,S1615~S1618の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図52,S1504参照)のS1601~S1612,S1615~S1618の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における大当たり制御処理7(S1521)では、S1612の処理において、エンディング演出(エンディング期間)の終了タイミングであると判別した場合に(S1612:Yes)、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203ecのデータとに対応する時短回数を時短付与テーブル202e(図186(a)参照)から読み出し(S1621)、読み出した時短回数を時短中カウンタ203kのカウンタ値に設定して(S1622)、S1615の処理へ移行する。
<第7実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図193から図195のフローチャートを参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置1113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。まず、図193を参照して、本第7実施形態で実行される入賞情報関連処理7(図193のS2221)について説明する。この入賞情報関連処理7(図193のS2221)は、第1実施形態における入賞情報関連処理(図57、S2210参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における入賞情報関連処理(図57参照)と同様に、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第7実施形態における入賞情報関連処理7(S2221)のうち、S2301,S2302,S2311およびS2312の各処理では、それぞれ第1実施形態における入賞情報関連処理(図57,S2210参照)のS2301,S2302,S2311およびS2312の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第7実施形態における入賞情報関連処理7(S2221)では、S2302の処理において、読み出した遊技状態が時短状態であると判別した場合に(S2302:Yes)、次いで、受信した入賞情報コマンドが第2特別図柄の入賞情報を示すコマンドであるか否かを判別する(S2321)。S2321の処理において、第2特別図柄の入賞情報を示すコマンドであると判別した場合は(S2321:Yes)、入賞情報コマンドにより通知された抽選結果に応じた鍵の態様を特定し(S2322)、特定した態様の鍵画像の表示を設定して(S2324)、2311の処理へ移行する。一方、S2321の処理において、今回受信した入賞情報コマンドが第2特別図柄の入賞情報を示すコマンドではないと判別した場合は(S2321:No)、S2322およびS2324の処理をスキップし、S2311の処理へ移行する。
次に、図194を参照して、本第7実施形態における当たり関連処理7(図194のS2222)について説明する。この当たり関連処理7(図194のS2222)は、第1実施形態における当たり関連処理(図58,S2212参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における当たり関連処理(図58参照)と同様に、主制御装置110から当たりに関連するコマンドを受信した場合に、当該受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第7実施形態における当たり関連処理7(S2222)のうち、S2401~S2409およびS2411~S2418の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図58,S2212参照)のS2401~S2409およびS2411~S2418の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における当たり関連処理7(S2222)では、S2409の処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S2409:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行し(S2421)、その後、本処理を終了する。この小当たり開始コマンド処理(S2421)の詳細について、図195を参照して説明する。
図195は、上述した小当たり開始コマンド処理(S2421)を示すフローチャートである。この小当たり開始コマンド処理(S2421)では、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報を読み出して(S3901)、次に、読み出した情報が時短状態を示す情報であるか否かを判別する(S3902)。S3902の処理において、読み出した情報が時短状態を示す情報であると判別した場合は(S3902:Yes)、セレクトモード用の小当たり演出(図182(a)参照)の開始を設定し(S3903)、その後本処理を終了する。
一方、S3902の処理において、読み出した情報が時短状態を示す情報ではないと判別した(通常状態を示す情報であると判別した)場合は(S3902:No)、ストック開放モード用の小当たり演出(図182(b)参照)の開始を設定し(S3904)、その後本処理を終了する。
この小当たり開始コマンド処理(図195参照)を実行することにより、通常状態における小当たり当選であるか、時短状態における小当たり当選であるかに応じて小当たり演出を異ならせることができるので、遊技者に対して演出態様から、V入賞を発生させるか否かを選択させる遊技性を実現することができる。
以上説明した通り、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、有利な時短状態において大当たりになるよりも、不利な通常状態において大当たりになった方が、大当たり終了後の遊技状態として遊技者に有利な時短遊技状態が設定され易くなるように構成している。即ち、時短状態中に実行され易い第2特別図柄の抽選において高確率で小当たりに当選するように構成し、小当たりにおいてV入賞を発生させて大当たりを開始させた場合に時短状態が付与される割合を、時短状態中の小当たりよりも通常状態中の小当たりの方が高くなるように構成している。つまり、時短状態となる可能性が低くなるリスクを承知で、時短状態において小当たりに当選し次第左打ちによりV入賞を発生させて大当たりを実行させるという第1の遊技方法と、時短状態を終了させるまでに時間及び持ち球を要してしまうリスクを承知で、第2特別図柄の保留球を多く保ったまま時短状態を終了させ、時短状態終了後の小当たりでV入賞を発生させるという第2の遊技方法と、を遊技者に選択させることができる。
ここで、一般的な遊技機においては、有利状態(例えば、時短状態)において大当たりになった場合の有利度合いは、不利状態(例えば、通常状態)において大当たりになった場合の有利度合い以上となる仕様が通常であるので、有利状態へと移行した場合には、当該有利状態の間に大当たりとなることを強く期待して遊技者が遊技を行う場合がほとんどである。このため、有利状態が終了して不利状態へと移行した場合に、遊技者を落胆させてしまい、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
これに対して本第7実施形態では、有利な時短状態が終了してから実行される第2特別図柄の抽選の方が時短状態に移行する期待度が高くなるように構成しているため、遊技者に対して、時短状態を終了させてから第2特別図柄の保留球で大当たりに当選させたいと考えさせることができる。即ち、時短状態において小当たりとなった場合に、左打ちによりV入賞させて大当たりに当選させるという選択肢の他に、時短中の小当たりではV入賞を回避することで意図的に通常状態へと移行させるという選択肢を遊技者に与えることができる。よって、故意に大当たりを回避するという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技方法を選択肢の1つとして与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第7実施形態では、第2特別図柄の抽選でほぼ小当たりに当選する(98/100)ように構成していたが、小当たり確率は任意に定めてもよい。例えば、1/4で小当たりとなるように構成してもよい。このように構成した場合、通常状態へと移行させてから小当たりでV入賞を狙おうとしても、第2特別図柄の保留で小当たりに当選しない可能性も高くなるため、時短状態の間において小当たりとなり次第、V入賞を発生させて大当たりを実行させるという遊技方法をより多くの遊技者に選択させることができる。なお、小当たり確率を低くする代わりに、通常状態において2種当たりとなった場合における時短付与割合を高くする(例えば、80%にする)ことでバランスをとってもよい。また、小当たり確率を下げる(1/4にする)のに代えて、小当たりにおいて左打ちを行った場合にV入賞が発生する割合を下げる(例えば、小当たり4回に1回程度しかV入賞が発生しないようにする)構成としてもよい。これにより、時短状態を終了させるという遊技方法をより多くの遊技者に選択させることができる。
本第7実施形態では、時短状態の間にV入賞が発生してV当たりに当選した場合に、時短回数によらず、99%の割合で大当たり終了後の遊技状態が不利な通常状態に設定されるように構成していた。即ち、時短状態が設定されてから時短回数が経過する(特定条件が成立する)までの間は、時短回数経過後(特定条件成立後)よりもV当たりに当選した場合の有利度合いが低くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態においても、V当たりに当選した場合に時短状態が付与される割合が高くなる(例えば、通常状態においてV当たりに当選した場合と同様の30%)状況が発生し得るように構成しても良い。より具体的には、例えば、時短状態における後半(例えば、最後の3回の特別図柄の抽選)において小当たりに当選し、当該小当たりにおいてV入賞が発生してV当たりとなった場合には、通常状態と同様に比較的高い割合で時短状態が付与されるように構成してもよい。また、逆に、時短状態における前半(例えば、最初の2回の特別図柄の抽選)において小当たりに当選し、当該小当たりにおいてV入賞が発生してV当たりとなった場合には、通常状態と同様に、比較的高い割合で時短状態が付与されるように構成してもよい。
本第7実施形態では、第2特別図柄の抽選でのみ小当たりに当選し得る構成としていたが、これに限られず、第1特別図柄の抽選でも比較的低確率(例えば、1/200)で小当たりに当選する構成としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄の抽選が実行された場合にも小当たりに当選することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第7実施形態では、時短状態に移行した場合に、抽選が実行された特別図柄の種別によらず、合計で10回の特別図柄の抽選が実行された時点で時短状態が終了するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の種別毎に、別々の時短回数を設定する(例えば、第1特別図柄5回、第2特別図柄10回)ように構成してもよい。つまり、時短状態に移行した時点における第1特別図柄の保留球の個数によらず、時短状態が終了するまでの第2特別図柄の抽選回数が毎回同一となるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態において、V入賞を発生させるか、させないかを選択する遊技性の回数を毎回同一にすることができる。
本第7実施形態では、時短状態の間と、時短状態が終了した後の通常状態(第2特別図柄の保留球が存在する状態)とで、演出態様を異ならせ、時短状態が終了した後の通常状態では小当たりに当選した場合に左打ち(即ち、V入賞)を行うように促す(示唆する)演出態様を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態が終了していなくても、第2特別図柄の保留球数が最大になり次第、左打ち(V入賞)を促す演出を実行する構成としてもよい。保留球が最大であれば、例え大当たり終了後に時短状態が付与されなくても(即ち、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定されたとしても)、大当たり終了後の通常状態において第2特別図柄の保留球によって小当たりとなる期待度が高くなる(即ち、時短状態が付与される割合が高い通常状態において2種大当たりを開始させることができる期待度が高くなる)ので、遊技者にとって有利となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第7実施形態では、時短状態の間に小当たりに当選した場合に、副表示領域Dsにおいて、V入賞を発生させる(鍵を使用する)ための遊技方法(左打ち)と、V入賞を回避する(鍵を使用しない)ための遊技方法(右打ち)と、の両方を主として文字により遊技者に示唆するように構成していたが(図182(a)参照)、これに限られるものではない。主表示領域Dmにおいて表示される画像によっても、それぞれの遊技方法(V入賞を発生および回避させるための遊技方法)を遊技者に示唆するように構成しても良い。より具体的には、例えば、表示領域HR1~HR4および矢印画像YGを主表示領域Dmにおける左側に移動させると共に、表示領域HR1~HR4と同様の横長略長方形形状の4つの表示領域(表示領域HRR1~HRR4)および矢印画像YGと同様の矢印を模した画像(矢印画像YG2)を設ける構成としてもよい。そして、左側の表示領域HR1~HR4に対しては、上記第7実施形態と同様に、宝箱802を開放するための鍵の画像を表示させると共に、右側の表示領域HRR1~HRR4に対しては、宝箱802を爆破するための爆弾を模した画像を表示させる構成としてもよい。そして、矢印画像YGを表示領域HR4に向けた左向きの矢印で構成すると共に、矢印画像YG12を、右側の表示領域HRR1~HRR4のうち最も下側の表示領域HRR4に表示された爆弾の画像に向けた右向きの矢印で構成してもよい。このように構成することで、右向きの矢印を模した矢印画像YG2の指示に従って右打ちを行えば、爆弾によって宝箱802を爆破することで小当たりを終了させる(V入賞を回避する)ことができるということを遊技者に容易に理解させることができる。一方、左向きの矢印を模した矢印画像YGの指示に従って左打ちを行えば、表示領域HR4に表示されている鍵を用いて宝箱802を開ける(V入賞を発生させる)ことができるということを遊技者に容易に理解させることができる。即ち、矢印画像YGおよび矢印画像YG2の役割として、実行中の小当たり演出において使用するアイテム(鍵、および爆弾)を示すための役割と、当該アイテムを使用するための遊技者の遊技方法(遊技球の発射方向)を示すための役割という異なる複数の役割を担わせることができる。よって、遊技者に理解し易い表示態様を実現しつつ、且つ、表示要素を効率的に使用することが可能となるため、より好適な演出態様を実現することができる。
本第7実施形態では、通常状態と、時短状態と、の2種類の遊技状態のみを設ける構成とし、時短状態においてV当たりに当選した場合よりも、通常状態においてV当たりに当選した場合の方が有利な時短状態が付与される割合が高くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、これらの2種類の遊技状態に加えて、所謂確変状態や潜確状態を設ける構成とし、確変状態よりも潜確状態の方が大当たりとなった場合の有利度合いを高くしたり、確変状態よりも時短状態の方が大当たりとなった場合の有利度合いを高くしたりしてもよい。このように構成することで、より多彩な状態移行を実現しつつ、比較的不利な状態において大当たりとなることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第8実施形態>
次に、図196から図214を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第7実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者に有利な時短状態において、右打ちを行った場合に、ほぼ第2特別図柄の抽選のみが実行されるように構成していた。
これに対して本第8実施形態では、有利な時短状態において、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選との両方が実行され得る構成とし、更に、第1特別図柄の抽選が実行された場合よりも、第2特別図柄の抽選が実行された場合の方が、時短状態が終了し易くなるように構成した。より具体的には、第1特別図柄の抽選回数による時短終了条件(第1特別図柄の時短回数)よりも、第2特別図柄の抽選回数による時短終了条件(第2特別図柄の時短回数)の方が、回数が少なくなるように構成した。一方で、第2特別図柄の抽選の方が第1特別図柄の抽選よりも小当たり確率が高くなるように構成しているため、1回の抽選に対する大当たり期待度(直当たりとV当たりとの合計の期待度)は、第2特別図柄の抽選の方が高くなるように構成した。これにより、第2特別図柄の抽選を優先的に実行させると、大当たり期待度が高くなるが、時短状態が早期に終了し易いという遊技性になる一方で、第1特別図柄の抽選を優先的に実行させると、大当たり期待度が低くなるが、時短状態をより長い時間楽しむことができる遊技性となる。よって、遊技者毎の好みに合わせた遊技性を選択させることができる。
また、本第8実施形態では、第2特別図柄の抽選よりも、第1特別図柄の抽選の方が優先して実行されるように構成しているので、時短状態において右打ちを実行し続けた場合、まず、時短状態の終了条件が成立し難く(時短回数が多い)、大当たり期待度が低い第1特別図柄の抽選が連続して実行された後において、大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行される。つまり、有利な時短状態における後半(および終了後の第2特別図柄の保留消化時)の方が、大当たり期待度が高くなるという、極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第8実施形態におけるパチンコ機10が、第7実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第7実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図196を参照して、本第8実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図196に示した通り、本第8実施形態では、V入賞装置6500が遊技盤13における盤面右側(右打ちにより発射された遊技球が入球可能となる位置)に設けられている(移動されている)点で相違している。なお、このV入賞装置6500の構造や開放パターン等は、上述した第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。つまり、本第8実施形態では、第7実施形態と同様に、小当たり遊技の実行中にV入賞装置6500へと遊技球を発射するだけで、ほぼ、V入賞が発生してV当たりに当選する構成としている。言い換えれば、小当たりに当選することと、大当たり当選とがほぼイコールになる仕様としている。また、第2入球口6400が削除され、代わりに、遊技盤13の盤面右側に第6実施形態における遊技盤13(図169参照)にも設けられていた振分入賞装置700、右第1入球口64a2、および右第2入球口64bが設けられている点で相違している。振分入賞装置700、右第1入球口64a2、および右第2入球口64bについては、第6実施形態において図170等を参照して説明しているため、ここではその詳細な説明については省略する。
なお、詳細については後述するが、本第8実施形態では、普通図柄の当たりとして第1作動口704へと遊技球が入球し易くなる期間(切換弁702が第1切換状態に切り換わっている期間)に電動役物701が開放される当たり種別(普図当たりA8)と、第2作動高704へと遊技球が入球し易くなる期間(切換弁702が第2切換状態に切り換わっている期間)に電動役物702が開放される当たり種別(普図当たりB8)と、が少なくとも設けられている。そして、時短状態において普通図柄の当たりになると、80%が普図当たりA8となり、20%が普図当たりB8となるように構成している。つまり、時短状態においては、右第2入球口64bよりも、右第1入球口64a2の方が開放される頻度(機会)が多くなるように構成している。このように構成することで、遊技者が時短状態において継続的に右打ちを行い続けた場合に、第1特別図柄の抽選をより優先的に実行させることができる。つまり、右打ちを行い続けるという比較的単純な遊技方法を行うだけで、先に期待度の低い第1特別図柄の抽選を集中的に実行させた後で、期待度の高い第2特別図柄の抽選を実行させることができる。よって、時短状態に移行した後において、先に大当たり期待度の低い(直当たりでしか大当たりに当選し得ない)状態で比較的長い期間(特別図柄の抽選が96回実行されるまでの間)遊技を行わせてから、大当たり期待度の高い(直当たり、V当たりの両方が発生し得る)状態で比較的短い期間遊技を行わせることができる。よって、96回の第1特別図柄の抽選で当たりにならなくても、より期待度が高い第2特別図柄の抽選が後に控えているという安心感を遊技者に抱かせながら遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図197、および図198を参照して、本第8実施形態における時短状態中の特徴的な演出について説明する。上述した通り、本第8実施形態では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで小当たり確率を異ならせることにより、V入賞による大当たりの発生率(V当たりに当選する確率)を可変させ、実質的に第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が大当たりとなる期待度が高くなるように構成した。更に、本第8実施形態では、第1特別図柄の時短回数よりも、第2特別図柄の時短回数の方が少なくなるように構成し、期待度が高い第2特別図柄の抽選ばかりを実行すると、有利な時短状態が比較的早期に終了し易くなり、第1特別図柄の抽選ばかりを実行すると、時短状態を比較的長く楽しめるように構成した。本第8実施形態では、この仕様(第1特別図柄の抽選は大当たり期待度が低く、且つ、時短状態が終了し難くなる一方で、第2特別図柄の抽選は大当たり期待度が高く、且つ、時短状態が終了し易くなる仕様)を演出によって遊技者に示唆する構成としている。
図197(a)は、本第8実施形態における時短状態の間の表示態様を示した図である。ここで、本第8実施形態における時短状態でも、主として、上述した第1実施形態や第7実施形態と同様の変動パターン演出が実行される。即ち、特別図柄の抽選が実行される毎に、当該特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出(変動パターン演出)の一環として、少年のキャラクタ801が宝箱を探す演出が実行される。そして、抽選結果が小当たり(若しくは大当たり)であれば、宝箱を発見する演出が実行され、小当たり遊技の実行中にV入賞装置6500へと遊技球が入球して小当たり終了後に大当たり(2種当たり)の開始が確定した場合には、宝箱802の開放に成功する演出が実行されて、宝箱802の中から大当たり遊技が設定されることを示すV表示803が出現する演出(図13(a)参照)が実行される。
加えて、本第8実施形態では、図197(a)に示した通り、副表示領域Dsにおける第1表示領域Ds1には、第1特別図柄の保留図柄と、第2特別図柄の保留図柄とが最大で4個ずつ表示される。図197(a)は、第1特別図柄の保留球3個と、第2特別図柄の保留球0個とが表示された状態を示した図である。第1特別図柄の保留球は、第1表示領域Ds1における上側に略円形形状で表示され、第2特別図柄の保留球は、第1表示領域Ds1における下側に略正三角形形状で表示される。この形状の違いにより、遊技者に対して第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを容易に見分けさせることができる。また、図197(a)に示した通り、副表示領域Dsの中央には、実行中の変動表示における特別図柄の種別を示すための実行中図柄Dsaが表示される。なお、図197(a)の例では、第1特別図柄に対応する図柄である、略円形形状で、内部に「並」という文字が表示された図柄が表示されている状態(即ち、第1特別図柄の抽選が実行されている状態)を図示している。更に、図197(a)に示した通り、副表示領域Dsにおける右側に形成されている第2表示領域Ds2に対しては、「右打ちで「並」保留消化」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して時短状態において右打ちを行うことで第1特別図柄の保留球が消化され易く構成されている(第1特別図柄の抽選の方が、第2特別図柄の抽選よりも優先して実行されるように構成されている)ことを容易に理解させることができる。
また、図197(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央上部に対しては、横長略長方形形状の表示領域HR10が形成される。この表示領域HR10の内部には、第1特別図柄の残りの時短回数と、第2特別図柄の残りの時短回数とが表示される。図197(a)の例では、第1特別図柄の時短回数が残り94回、第2特別図柄の抽選回数が残り4回である状況を図示している。より具体的には、図197(a)に示した通り、表示領域HR10の上方に、第1特別図柄に対応する保留図柄(略円形形状で、内部に「並」という文字が表示された図柄)を模した画像の右側に、「残り94回」という文字が表示されている。また、表示領域HR10の中央に、第2特別図柄に対応する保留図柄(略正三角形形状で、内部に「熱」という文字が表示された図柄)を模した画像の右側に、「残り4回」という文字が表示されている。更に、表示領域HR10の下方には、「どちらかが0になるとRUSH終了!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して特別図柄毎の時短回数(時短終了条件)を容易に理解させることができる。
図197(b)は、時短状態において、最初に右第2入球口64bに対する始動入賞を検出した場合における表示態様を示した図である。図197(b)に示した通り、第2入球口64bへと遊技球が入球して第2特別図柄の保留球が増加すると、副表示領域Dsの第1表示領域Ds1に対して、第2特別図柄の保留図柄(略正三角形形状で、「熱」という文字が付された図柄)が表示される。パチンコ機等の遊技機において、「熱」という文字は大当たり期待度が高いことを示唆する文字の一種として一般的に用いられるので、第1特別図柄の保留図柄に表示された「並」という文字と、第2特別図柄の保留図柄に表示された「熱」という文字とを比較することで、第2特別図柄の抽選の方が大当たりの期待度が高いということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
更に、図197(b)に示した通り、第2特別図柄の保留球が1以上存在する場合には、第2表示領域Ds2に対して、「左打ちで「熱」保留消化!?」という文字が追加して表示される。これにより、遊技者に対して、第1特別図柄の保留球を消化するか、第2特別図柄の保留を消化するかを発射方向によって選択させることができる。よって、遊技者毎の好みに合わせた遊技方法で遊技を行わせることができるので、幅広い遊技者の好みに適合した遊技機を提供することができる。具体的には、例えば、期待度の低い第1特別図柄の抽選を実行させるよりも、期待度が高い第2特別図柄の抽選を実行させたいと考える遊技者に対しては、右第2入球口64bに対する始動入賞を検出して、第2特別図柄の保留図柄が増加する毎に左打ち(若しくは発射停止)を行って第2特別図柄の抽選を実行させる遊技方法(第2特別図柄の時短回数を先に経過させる遊技方法)を選択させることができる。また、期待度の高い第2特別図柄の抽選を後に取っておきたいと考える遊技者に対しては、時短状態の間、右打ちを継続して実行することにより第1特別図柄の抽選を優先的に実行させつつ、第2特別図柄の保留球を増加させる(第1特別図柄の時短回数を先に経過させてから第2特別図柄の保留球数分、期待度が高い抽選を実行させる)遊技方法を選択させることができる。加えて、例えば、第1特別図柄の時短回数が終了する直前まで(例えば、第1特別図柄の時短回数が残り1回となるまで)、右打ちを継続して第1特別図柄の抽選を優先的に実行させた後で、保留球数が上限(即ち、4個)まで貯まっているであろう第2特別図柄の抽選を4回実行させ、4回目の第2特別図柄の変動表示が実行されている間に右打ちによって第1特別図柄、および第2特別図柄の保留球を可能な限り増加させ、時短終了後に保留球に基づく抽選を実行させるという遊技方法を選択させることもできる。更に、第2特別図柄の時短回数が終了する直前(例えば、第1特別図柄の時短回数が残り1回となるまで)、第2特別図柄の始動入賞が発生する毎に第2特別図柄の抽選を実行させ(即ち、左打ち、若しくは発射停止を行わせ)、第2特別図柄の時短回数が残り1回となった時点で第1特別図柄の抽選が優先的に実行されるように右打ちを継続して実行して第1特別図柄の時短回数を先に経過させる遊技方法を選択させることもできる。この場合、時短状態の間に実行される3回分の第2特別図柄の抽選と、その3回の第2特別図柄の抽選が終了してから第1特別図柄の時短回数が終了するまでの間に貯まった第2特別図柄の保留球(ほぼ上限である4まで貯まる可能性大)とで、期待度が高い第2特別図柄の抽選を少なくとも7回実行させることができるので、大当たりに当選する可能性をより高めることができる。このように、遊技者の遊技方法に応じて大当たり期待度や期間長が異なる様々な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、第1特別図柄の保留図柄の表示態様と、第2特別図柄の保留図柄の表示態様と、を異ならせることで、第2特別図柄の抽選の方が、第1特別図柄の抽選よりも大当たり期待度が高い(小当たりに当選し易い)ということを遊技者が直感的に理解し易くなるように構成していたが、これに加えて、始動入賞時の先読み結果に応じて、特別図柄の種別(第1特別図柄の保留図柄であるか、第2特別図柄の保留図柄であるか)を遊技者が把握可能な範囲で保留図柄の表示態様を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、保留図柄の色を大当たり期待度に応じて異ならせる構成としてもよい。即ち、先読み結果に応じて、大当たり期待度が低い順に白、青、緑、赤のいずれかの色に変化させることが可能に構成してもよい。これにより、特別図柄の種別だけでなく、保留図柄の色も加味して、右打ちにより第1特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させるか、左打ち(若しくは発射停止)により第2特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させるかを遊技者に選択させることができるので、遊技性の幅をより広げることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、これに加えて、時短状態の間に特別図柄の抽選で大当たりになった(直当たりが発生した)場合に、所定の割合(例えば、20%の割合)で大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される(時短無大当たりが決定される)ように構成し、保留図柄として、時短無し大当たりに当選している可能性が高くなる(時短無し大当たりの場合に選択され易くなり、外れや時短有大当たりの場合に選択され難くなる)特別な態様(例えば、爆弾を模した保留図柄)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄の保留図柄が特別な態様(爆弾を模した態様)に変更された場合に、当該保留球に対応する始動入賞が発生するよりも前に第2特別図柄の保留球を消化させて大当たりを目指していれば良かった、等と遊技者に思考させることができる。よって、特に、時短状態の間、単に連続して右打ちを行い続ける遊技方法を選択した遊技者に対して、次回の時短状態においては、第2特別図柄の保留球を先に消化する遊技方法にも挑戦してみようと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。また、特別な態様(爆弾を模した態様)に変更されて、且つ、当該保留球に基づく抽選結果が単なる外れで報知された場合に、何ら有利な結果が報知されていないにもかかわらず遊技者を安心させることができるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、第2特別図柄の保留図柄が特別な態様(爆弾を模した態様)に変更された場合には、当該特別な態様に対応する保留球が消化されないように第1特別図柄の抽選(第2特別図柄よりも優先的に実行される抽選)を実行させて、大当たりに当選することをめざさすことができる。よって、保留図柄の態様に応じて遊技方法を異ならせる遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図198(a)を参照して、いずれかの時短終了条件が成立した後(第1特別図柄、若しくは第2特別図柄の時短回数の経過後)における表示態様について説明する。図198(a)は、時短状態の終了時点における表示態様を示した図である。この図198(a)の例では、第2特別図柄の時短回数を経過させて時短状態が終了した場合を図示している。また、時短終了時に第1特別図柄の保留球4個と、第2特別図柄の保留球1個と、が保留された状態を図示している。図198(a)に示した通り、時短状態が終了すると、表示領域HR10に対して、第1特別図柄に対応する保留図柄を模した画像の右側に、「残り1回」という文字が表示され、第2特別図柄に対応する保留図柄を模した画像の右側に、「残り0回」という文字が表示される。更に、表示領域HR10の下方には、「RUSH終了・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の時短回数が0になったことにより時短状態(RUSH)が終了したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、小表示領域Ds2において「右打ち」という文字が消される。これにより、時短状態が終了し、右打ちしても始動入賞が発生し難いにもかかわらず遊技者が右打ちを継続してしまって遊技者に損をさせてしまうことを抑制することができる。
更に、図198(a)に示した通り、時短状態の終了時には、副表示領域Dsにおける左端の第1表示領域Ds1に、保留球数を示す数字(第1特別図柄の保留球数を示す「4」、および第2特別図柄の保留球数を示す「1」)が小さく表示される。即ち、時短状態の間に比較して、保留図柄が簡素、且つ、目立ち難い態様で表示される。そして、副表示領域Dsにおける第2表示領域Ds2には、「RUSH終了・・・」という文字が、保留球数よりも目立つ(大きい)態様で表示される。これにより、時短状態(RUSH)が終了したという印象を遊技者に対してより強く抱かせることができる。なお、この時短状態(RUSH)が終了したことを示す時短終了画面は、時短状態が終了した時点で保留されていた保留球に基づく抽選が全て終了するまでの間表示され続ける。この時短終了画面の表示中に保留球で大当たり若しくは小当たりに当選した場合は、専用の演出(復活演出)が実行される。この復活演出について、図198(b)を参照して説明する。
次に、図198(b)を参照して、時短状態が終了した時点において保留されていた保留球に基づく抽選で、時短状態終了後に大当たり若しくは小当たりとなった場合における表示態様について説明する。図198(b)に示した通り、時短終了画面の表示中に大当たりに当選した場合、「7」の数字を模した3つの図柄が、表示領域HR10の背面側から、表示領域HR10を突き破って出現する見た目の比較的短時間(例えば、0.2秒間)の演出(復活演出)が実行される。また、第2表示領域Ds2に対して、大当たり若しくは小当たりに当選したことを示す「BONUS確定!!」という文字が表示される。この復活演出が実行されることにより、時短状態が終了したと思い込んでいた遊技者に対して、より大きな驚きと、喜びとを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この復活演出において表示された図柄、および「BONUS確定!!」という文字は、大当たり若しくは小当たりの開始まで表示され続けるように構成している。このため、本第8実施形態では、時短状態が終了してから、少なくとも全ての保留球が消化されるまでの間、抽選回数によらず、変動時間が極めて短く(0.1秒間)なるように構成している。これにより、復活演出の終了時の画面(3つの「7」図柄、および「BONUS確定!!」の文字)が長い期間に渡って表示され続けてしまい、遊技が冗長となってしまうことを抑制することができる。
次に、図199を参照して、時短状態の終了時点で保留されている保留球の中に大当たり、若しくは小当たりが存在する場合における演出態様の経時変化について説明する。まず、図199(a)を参照して、時短状態における最後の変動表示が開始されてから5秒以内に小当たりに対応する保留球が保留された場合の演出態様の経時変化について説明する。ここで、この5秒間という期間は、キャラクタ801が宝箱802を探す演出において、宝箱802を発見するまでの間の期間である。特別図柄の抽選結果が外れであれば、発見した宝箱802の中身が空っぽである演出が実行され、当たり(大当たり若しくは小当たり)であれば、発見した宝箱802の中からV表示803が出現する演出が実行される。即ち、5秒以内(宝箱802を開く前)であれば、保留球の内容に応じて演出結果を違和感無く書き換える(変動開始時に、宝箱802の中身が空っぽである演出が設定されていたとしても、宝箱802の中からV表示803が出現する演出に変更する)ことが可能となる。つまり、図199(a)は、外れに対応する演出が開始された後で、演出結果を書き換えることが可能な期間内(変動開始後5秒以内)に、小当たりに対応する保留球を検出して演出を書き換える場合の演出態様の経時変化を示した図である。
図199(a)に示した通り、時短状態における最後の変動表示(図199(a)の例では、第2特別図柄の外れ変動表示)が開始されると、5秒間の間、少年のキャラクタ801が宝箱802を探す演出が実行される。この最後の変動が終了するまでは時短状態が継続するため、遊技者が右打ちを行うことにより電動役物701が開放されて第1作動口704や第2作動口702へと遊技球が入球するため、右第1入球口64a2や右第2入球口64bへと遊技球が入球可能となる。図199(a)の例では、5秒間が経過するまでに始動入賞を3回検出し、2回が外れで1回が小当たりである場合を図示している。
図199(a)に示した通り、時短状態における最後の変動表示が外れで、且つ、変動開始後5秒以内に小当たりに対応する始動入賞を検出した場合、5秒間の間にキャラクタ801が宝箱802を探す演出を実行した後に、5秒経過から10秒経過までの間で、キャラクタ801が発見た宝箱802の中からV表示803が出現する演出が実行される。このV表示803が表示された状態は、小当たりに対応する変動表示が終了するまでの間継続し、小当たり変動(および小当たり図柄の停止表示期間)が経過することで、小当たりのオープニング演出が開始される。なお、上述した通り、時短状態終了後の保留球に基づく変動表示は、抽選結果によらず0.1秒間の超短変動(変動時間0.1秒、停止表示時間0.1秒)が設定されるため、時短状態における最後の変動表示が終了してから小当たりが開始されるまでの期間を極めて短時間(図199(a)の例では0.6秒間)とすることができる。よって、V表示803の表示期間が伸びた(時短状態の最後の変動が終了した後も表示され続けた)としても、遊技者に対して違和感を抱かせることを抑制することができる。
また、図199(b)は、時短状態における最後の変動表示が開始されてから5秒経過時以降に小当たりとなる保留球を検出した場合の演出態様の経時変化を示した図である。この図199(b)の例では、変動開始後5秒以内に第1特別図柄の外れに対応する保留球が保留された後、5秒経過時以降に第2特別図柄の小当たりに対応する保留球が保留された場合を例示している。図199(b)に示した通り、5秒経過時以降に小当たりとなった場合は、10秒間の外れ変動の変動時間において、キャラクタ801が宝箱802を探す演出を5秒間で実行し、その後、発見した宝箱802の中身が空である演出が4秒間で実行され、変動開始後9秒経過時から表示態様が時短終了表示(図198(a)参照)に切り替わる。時短終了表示は、変動終了タイミングである変動開始後10秒経過時まで1秒間の間継続し、変動停止後に復活演出(図198(b)参照)が実行される。この復活演出により当たり(大当たり若しくは小当たり)を示す同一の数字を模した3つの図柄が表示されると、その図柄表示は小当たりの開始タイミングまで維持される。このように、宝箱802の中身を確認する演出が開始された後で当たり(大当たり若しくは小当たり)の保留球を検出した場合に、演出態様を無理矢理書き換えずに復活演出によって当たりを報知する構成とすることにより、遊技者に対して演出内容に違和感を抱かせてしまうことを抑制しつつ、当たりとなったことに対する大きな喜びを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第8実施形態における電気的構成>
次に、図200(a)を参照して、本第8実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図200(a)は、本第8実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図200(a)に示した通り、本第8実施形態におけるROM202の構成は、第7実施形態におけるROM202の構成に対して、普図当たり種別選択テーブル202afが追加されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、時短付与テーブル202eの規定内容が一部変更となっている点でも相違している。
まず、図200(b),(c)を参照して、本第8実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1、および特別図柄2乱数テーブル202a2の規定内容について説明する。図示については省略したが、本第8実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第1実施形態や第7実施形態における第1当たり乱数テーブル202a(図21(a)参照)と同様に、第1特別図柄の抽選に用いるための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄の抽選に用いるための特別図柄2乱数テーブル202a2との2種類が規定されている。まず、図200(b)を参照して、本第8実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1の規定内容について説明する。
図200(b)は、本第8実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1の規定内容を示した図である。この特別図柄1乱数テーブル202a1は、上述した第7実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1(図184(a)参照)と同様に、第1特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されている。より具体的には、図200(b)に示した通り、本第8実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1には、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として、「0~3」が対応付けて規定されている。よって、第1特別図柄の抽選において、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~3」のいずれかの値である場合に大当たりと判定される一方で、「0~3」のいずれの値でもない(「4~999」のいずれかの値である)場合に外れと判定される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個のカウンタ値(乱数値)のうち、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)が「0~3」の4個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は1/250(4/1000)である。また、本第8実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1には、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が規定されていない。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される(小当たりに当選する)確率は0である。従って、第1特別図柄の抽選では、直当たりのみが発生し得る(小当たり当選に基づくV当たりが発生し得ない)ように構成されているため、大当たり期待度は第2特別図柄の抽選に比較して低くなる。
次に、図200(c)を参照して、本第8実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2の詳細について説明する。この特別図柄2乱数テーブル202a2は、第7実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2(図184(b)参照)と同様に、第2特別図柄の抽選において、大当たり、および小当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されている。より具体的には、図200(c)に示した通り、本第8実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2には、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)の範囲として、「0~3」が対応付けて規定され、小当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)の範囲として、「4~230」が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個のカウンタ値(乱数値)のうち、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)が「0~3」の4個であり、小当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)が「4~230」の226個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は1/250(4/1000)であり、小当たりと判定される確率は1/4.4(226/1000)である。また、本第8実施形態では、第7実施形態と同様に、小当たりに当選した場合にV入賞装置6500を狙って遊技球を発射し続けるだけで10個程度の遊技球をV入賞装置6500へと入球させることができるので、小当たりの当選は、大当たり当選とほぼ同義である。よって、第2特別図柄の抽選が実行されると、1/250の確率で直当たりが発生する上に、1/4.4で小当たりに当選し、ほぼ確実にV当たりが発生するので、第1特別図柄の抽選に比較して大当たり期待度が大きくアップする。よって、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、遊技者に対して大当たりとなることをより強く期待させることができる。
次に、図201(a)を参照して、本第8実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bと同様に、大当たりに当選した場合の大当たり種別を特定(決定)するために参照されるデータテーブルである。図200(a)は、この第1当たり種別選択テーブル202bの構成を示したブロック図である。
図200(a)に示した通り、本第8実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(第1特別図柄の直当たりが発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するための第1直当たり用テーブル202bf1と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった(第2特別図柄の直当たりが発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するための第2直当たり用テーブル202bf2と、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生したことに基づいて大当たりとなった(V当たりが発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するためのV当たり用テーブル202bf3と、が規定されている。まず、図200(b)を参照して、特1直当たり用テーブル202bf1の詳細について説明する。
図201(b)は、特1直当たり用テーブル202bf1の規定内容を示した図である。図201(b)に示した通り、本第8実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(第1特別図柄の直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA8」、および「大当たりB8」の2種類の大当たり種別が設けられている。「大当たりA8」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、通常状態において当選した場合に大当たり終了後に時短状態が付与される大当たり種別である。一方、「大当たりB8」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、通常状態において当選した場合に大当たり終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。よって、通常状態においては、「大当たりA8」の方が、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりB8」よりも遊技者に有利となる。なお、時短状態においては、いずれの大当たりに当選したとしても大当たり終了後に有利な時短状態が設定されるように構成している。これにより、時短状態において大当たり期待度が低い第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したにもかかわらず、不利な通常状態へと移行して遊技者をがっかりさせてしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図201(c)を参照して、特2直当たり用テーブル202bf2の詳細について説明する。図201(c)は、特2直当たり用テーブル202bf2の規定内容を示した図である。図201(c)に示した通り、本第8実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった(第2特別図柄の直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりC8」のみが設けられている(全ての第1当たり種別カウンタC2の値に対して「大当たりC8」が対応付けられている)。「大当たりC8」は、大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、通常状態において当選した場合に大当たり終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。よって、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、有利な時短状態へと移行する可能性が0であるため、遊技者にとって不利となる。よって、通常時に右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることを狙う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。なお、時短状態において「大当たりC7」に当選した場合は、大当たり終了後に有利な時短状態が設定されるように構成している。これにより、時短状態において確率が低い直当たりに当選したにもかかわらず、不利な通常状態へと移行して遊技者をがっかりさせてしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図201(d)を参照して、V当たり用テーブル202bf3の詳細について説明する。このV当たり用テーブル202bf3は、上述した通り、小当たり遊技においてV入賞が発生した(遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過した)ことに基づいて実行される大当たりの種別を特定(選択)するためのデータが規定されたデータテーブルである。図201(d)は、このV当たり用テーブル202bf3の規定内容を示した図である。図201(d)に示した通り、V当たり用テーブル202bf3には、「大当たりD8」、「大当たりE8」、「大当たりF8」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図201(d)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「0~39」の範囲に対しては、「大当たりD8」が対応付けて規定されている。この「大当たりD8」は、大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、当選した時点の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD8」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も遊技者に有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が40個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりD8」が決定(選択)される確率(割合)は40/100(40%)である。
また、図201(d)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「40~59」の範囲に対して、「大当たりE8」が対応付けて規定されている。この「大当たりE8」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりE8」は、「大当たりD8」に次いでラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりD8」に次いで有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が20個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりE8」が決定(選択)される確率(割合)は20/100(20%)である。
また、図201(d)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「60~99」の範囲に対して、「大当たりF8」が対応付けて規定されている。この「大当たりF8」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、「大当たりD8」や「大当たりE8」よりもラウンド数の面で不利となるが、大当たり終了後の遊技状態の面では同等となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が40個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりF8」が決定(選択)される確率(割合)は40/100(40%)である。
このように、本第8実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、V当たりが発生すると、当選時の遊技状態によらず、必ず大当たり終了後に時短状態が設定される構成としている。加えて、第2特別図柄の抽選が実行された場合、1/4.4という直当たりに比較して極めて高い確率で小当たり(=V当たり)に当選する構成としている。よって、時短状態(および通常状態への移行後に時短状態中に貯められた第2特別図柄の保留球を消化している間)において、第2特別図柄の抽選が実行される毎に時短状態が再度付与されることに対する期待感を高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図202(a)を参照して、本第8実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。図202(a)は、この時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。図202(a)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりA8」に対しては、第1特別図柄の時短付与回数(第1特別図柄の時短回数を示すための特1用時短中カウンタ203k1の値)として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数(第2特別図柄の時短回数を示すための特2用時短中カウンタ203k2の値)として「4回」が対応付けて規定されている。また、時短状態で当選した「大当たりA8」に対しても、同一の時短付与回数が対応付けて規定されている。このため、「大当たりA8」に当選した場合は、遊技状態によらず大当たり終了後に遊技者に有利な時短状態が設定される。
また、図202(a)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりB8」に対しては、第1特別図柄、および第2特別図柄の時短付与回数として共に「0回」が対応付けて規定されている一方で、時短状態で当選した「大当たりB8」に対しては、第1特別図柄の時短付与回数として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数として「4回」が対応付けて規定されている。このため、通常状態において第1特別図柄の直当たりが発生して「大当たりB8」が決定されると、遊技者に不利な通常状態に移行する一方、時短状態において第1特別図柄の直当たりが発生して「大当たりB8」が決定されると、遊技者に有利な時短状態に移行する。また、「大当たりC8」についても同様に、通常状態で当選した「大当たりC8」に対しては、第1特別図柄、および第2特別図柄の時短付与回数として共に「0回」が対応付けて規定されている一方で、時短状態で当選した「大当たりC8」に対しては、第1特別図柄の時短付与回数として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数として「4回」が対応付けて規定されている。このため、通常状態において第1特別図柄の直当たりが発生して「大当たりC8」が決定されると、遊技者に不利な通常状態に移行する一方、時短状態において第1特別図柄の直当たりが発生して「大当たりC8」が決定されると、遊技者に有利な時短状態に移行する。
また、図202(a)に示した通り、「大当たりD8」~「大当たりF8」に対しては、当選時の遊技状態にかかわらず、第1特別図柄の時短付与回数として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数として「4回」が対応付けて規定されている。このため、時短状態、および時短状態終了後の保留消化中に第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、V当たりが発生した場合には、当該V当たりの終了後に必ず時短状態が付与される。よって、小当たり確率が高い(1/4.4)第2特別図柄の抽選が実行されると、遊技者に対してV当たりの期待度を高めることができるのみならず、時短状態となることに対する期待度も高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図202(b)を参照して、普図当たり種別選択テーブル202faの詳細について説明する。この普図当たり種別選択テーブル202faは、普通図柄の当たりとなった場合に、その当たり種別を特定(決定)するために参照されるデータテーブルである。図202(b)は、この普図当たり種別選択テーブル202faの規定内容を示した図である。図202(b)に示した通り、本第8実施形態における普図当たり種別選択テーブル202faには、2種類の普図当たり種別が規定されている。具体的には、「普図当たりA8」と、「普図当たりB8」と、の2種類の当たり種別が規定されている。「普図当たりA8」は、普通図柄の通常状態において当選すると、普図当たりの開始直後に0.2秒間×1回のみ電動役物701が開放される開放パターンが設定される一方で、普通図柄の時短状態において当選すると、開放パターンA(図171参照)が設定される普図当たり種別である。上述した通り、切替弁702は、普通図柄の開始後1.4秒間の間、第1流路703へと球を流下させる第1切換状態に固定されているので、通常状態において普通図柄の当たりとなって「普図当たりA」に当選した場合、0.2秒間の開放期間の間に遊技球を振分装置700へとほぼ入球させることが困難となる上に、振分装置700へと遊技球が入球したとしても、当該入球した遊技球が第1作動口704へと入球して右第1入球口64a2が開放される。よって、通常時に右打ちにより振分装置700を狙って遊技球を発射する変則的な遊技方法を行ったとしても、振分装置700へと遊技球が入球しにくい上に、入球したとしても第1特別図柄の抽選しか実行させることができないため、変則的な遊技方法に対するメリットを無くすることができる。よって、通常状態の間に右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。一方、第6実施形態の説明でも上述した通り、開放パターンAが設定されると、振分装置700に遊技球が入球し易くなり、且つ、入球した遊技球が、ほぼ、第1作動口704へと入球する。
また、「普図当たりB8」は、普通図柄の通常状態において当選すると、普図当たりの開始直後に0.2秒間×1回のみ電動役物701が開放される開放パターンが設定される一方で、普通図柄の時短状態において当選すると、開放パターンB(図171参照)が設定される普図当たり種別である。このため、通常状態において「普図当たりB8」に当選すると、「普図当たりA8」と同様に、振分装置700へと入球困難な上に、入球しても、ほぼ第1作動口704にしか遊技球が入球しない開放パターンが設定される。これに対し、時短状態において「普図当たりB8」に当選すると、振分装置700に遊技球が入球し易くなり、且つ、入球した遊技球が、ほぼ、第2作動口707へと入球するので、有利な(即ち、大当たり期待度が高い)第2特別図柄の抽選契機となる右第2入球口64bが開放される。よって、「普図当たりA8」よりも、「普図当たりB8」の方が有利な普図当たり種別であると言える。
図202(b)に示した通り、普図当たり種別を決定するための第2当たり種別カウンタC6の値が「0~79」の範囲に対しては、普図当たり種別として「普図当たりA8」が対応付けて規定されている。第2当たり種別カウンタC6の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「普図当たりA8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~79」の80個であるので、普通図柄の当たりとなった場合に「普図当たりA8」が決定される確率は4/5(80/100)である。
また、図202(b)に示した通り、第2当たり種別カウンタC6の値が「80~99」の範囲に対しては、普図当たり種別として「普図当たりB8」が対応付けて規定されている。第2当たり種別カウンタC6の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「普図当たりB8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「80~99」の20個であるので、普通図柄の当たりとなった場合に「普図当たりB8」が決定される確率は1/5(20/100)である。
このように、本第8実施形態では、時短状態において普通図柄の抽選が実行されて当たりになると、80%の割合で右第1入球口64a2が開放され易い「普図当たりA8」が決定(選択)され、20%の割合で右第2入球口64bが開放され易い「普図当たりB8」が決定(選択)されるように構成している。このように構成することで、時短回数が多く、且つ、優先的に抽選が実行される第1特別図柄の抽選をより優先的に実行させることができるので、時短状態の開始後、すぐに第2特別図柄の抽選ばかりが実行されてしまい、先に第1特別図柄の抽選を実行させてから後半で第2特別図柄の抽選を実行させたいと遊技者が希望しているにもかかわらず、時短状態が比較的短い期間で終了してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。
次に、図203を参照して、本第8実施形態における各状態の移行方法について説明する。ここで、本第8実施形態には、第7実施形態と同様に、2つの遊技状態が設けられている。即ち、普通図柄の通常状態が設定される通常遊技状態(通常状態)と、普通図柄の時短状態が設定される時短遊技状態(時短状態)と、の2種類の遊技状態が設けられている。加えて、通常遊技状態では、時短状態終了直後の第2特別図柄の保留球が存在する通常遊技状態と、第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態と、で有利度合いが大きく異なるように構成されている。即ち、第2特別図柄の保留球が1つでも存在すれば、1/4.4の確率で小当たりとなってV当たりに当選し、V当たり終了後に再度時短状態が必ず設定されるため、第2特別図柄の保留球が存在しない場合に比較して極めて有利な状態を形成する。以降の説明では、説明の簡略化のため、第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態のことを、「通常モード」と称し、第2特別図柄の抽選が実行され得る時短遊技状態、および第2特別図柄の保留球が存在する通常遊技状態のことを、それぞれ大当たりとなる期待度が高いという意味で、「チャンスモードA」、「チャンスモードB」と称する。
まず、図203の上方を参照して、通常モード(第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態)から他の状態(モード)への移行方法について説明する。図203の上部に示した通り、通常モードから他のモードへは、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(直当たりした)場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図203の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する「大当たりA8」になると、大当たり終了後のモードが有利なチャンスモードA(時短遊技状態)に設定される。これに対し、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する「大当たりB8」になると、大当たり終了後のモードが再度、遊技者に不利な通常モードに設定される(通常モードをループする)。このため、通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で「大当たりA8」に当選することを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図203の中央部分を参照して、チャンスモードA(時短遊技状態)から他の状態(モード)への移行方法について説明する。図203の中央部分に示した通り、チャンスモードAからの他のモードへは、時短回数が経過した場合にのみ、移行する可能性がある。より具体的には、時短回数が経過した(時短遊技状態へ以降後、第1特別図柄の抽選が96回終了するか、または第2特別図柄の抽選が4回終了した)時点で、第2特別図柄の保留球が存在する場合は、チャンスモードBへと移行する。一方、時短回数が経過した時点で第2特別図柄の保留球が存在しない場合は、遊技者にとって不利な通常モードへと移行する。なお、チャンスモードAにおいて時短回数の経過時点で第2特別図柄の保留球が存在しない場合としては、例えば、第2特別図柄の保留球が4つ貯まった時点で左打ち(若しくは発射停止)を行い、4回目の第2特別図柄の変動表示(即ち、時短状態における最後の変動表示)の実行中に右打ちにより第2特別図柄の保留球を貯めようとしたが、「普図当たりA8」ばかりに偏って当選し、第2特別図柄の保留球が増加しなかった場合である。また、他のケースとしては、例えば、チャンスモードAへの移行直後に連続して「普図当たりB8」に当選し、第1特別図柄の抽選が実行されずに第2特別図柄の抽選が4回連続で実行されてしまった場合等である。
一方、図203の中央部分に示した通り、チャンスモードAにおいて直当たり、若しくは小当たり当選に基づくV当たりが発生した場合には、大当たり種別に関係なく、必ず大当たり終了後のモードが遊技者に有利なチャンスモードAに設定される。これにより、チャンスモードAにおいて特別図柄の抽選で直当たり若しくは小当たりに当選した場合に、遊技者を喜ばせることができる。
次に、図203の下部を参照して、チャンスモードB(第2特別図柄の保留球が存在する通常遊技状態)から他のモードへの移行方法について説明する。図203の下部に示した通り、チャンスモードBから他の状態(モード)へは、大当たりに当選した場合の他、第2特別柄の保留球を全て消化した場合にも他の状態(モード)へと移行する。具体的には、図203に示した通り、直当たりが発生し、当該直当たりの大当たり種別が、第1特別図柄の直当たりの50%の割合で決定される「大当たりA8」であった場合、大当たり終了後に遊技者に有利なチャンスモードAへと移行する。また、第2特別図柄の抽選で小当たりとなってV当たりに当選した場合も、大当たり終了後に遊技者に有利なチャンスモードAへと移行する。
これに対し、第1特別図柄の直当たりが発生した場合に50%の割合で決定される「大当たりB8」、および第2特別図柄の直当たりが発生した場合に100%の割合で決定される「大当たりC8」のどちらかに当選し、更に、大当たり終了時点における第2特別図柄の保留球が0であれば、大当たり終了後の状態(モード)が遊技者に不利な通常モードに設定される。また、第2特別図柄の保留球を全て消化した(チャンスモードBへ移行後の第2特別図柄の抽選が全て外れになった)場合にも、通常モードへと移行する。これに対し、「大当たりB8」または「大当たりC8」の終了時点で第2特別図柄の保留球が0になっていない(1以上の)場合は、大当たり終了後の状態(モード)が再度チャンスモードBとなる。
このように、本第8実施形態では、大当たり等を契機として、3種類の状態間を行き来するように構成しているので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
次に、図204を参照して、本第8実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成について説明する。図204は、本第8実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図で有ある。図204に示した通り、本第8実施形態におけるRAM223は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図26(b)参照)に対して、最終変動フラグ223faと、最終演出設定済フラグ223fbと、当たり演出フラグ223fcと、が追加されている点で相違している。
最終変動フラグ223faは、時短状態における最後の変動表示の実行中であるか否かを示すフラグである。この最終変動フラグ223faがオンであれば、時短状態における最後の変動表示の実行中であることを示し、オフであれば、時短状態における最後の変動表示の実行中ではないことを示す。この最終変動フラグ223faは、時短状態における最後の変動が開始された時点でオンに設定され、時短回数が0になった時点(即ち、時短状態における最後の変動表示が終了した時点)でオフに設定される(図213のS2622参照)。
最終演出設定済フラグ223fbは、時短状態の最後の変動表示において、宝箱802を発見した後の演出の種別(変動開始後5秒経過以降の演出態様)を既に設定済みであるか否かを示すフラグである。この最終演出設定済フラグ223fbがオンであれば、演出種別を決定済みであることを意味し、オフであれば、演出種別を未決定であることを意味する。最終変動の実行中に当たりの保留球を検出した(大当たり若しくは小当たりの始動入賞を検出した)場合は、この最終演出設定済フラグ223fbの状態と、後述する当たり演出フラグ223fcの状態とに応じて、復活演出(図198(b)参照)により当たりを報知するか否かが判別させる。
当たり演出フラグ223fcは、時短状態における最後の変動演出の演出態様として、当たりを示す演出態様(即ち、宝箱802からV表示803が出現する演出態様)、若しくは復活演出(図198(b)参照)を設定したか否かを示すためのフラグである。この当たり演出フラグ223fcがオンであれば、当たりを示す演出態様、若しくは復活演出の実行中であることを意味し、オフであれば、外れを示す演出態様の実行中、若しくは時短状態における最後の変動表示の実行中ではないことを意味する。この当たり演出フラグ223fcは、当たりを示す演出態様を設定した場合(図209のS3516参照)、若しくは復活演出の開始を設定した場合(図211のS2326参照)にオンに設定され、時短状態(および保留消化中)における演出態様が終了した場合にオフに設定される。
<第8実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図205から図207のフローチャートを参照して、本第8実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図205を参照して、本第8実施形態における特別図柄変動処理8(図205のS131)について説明する。この特別図柄変動処理8(S131)は、第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188,S121参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示の設定を行うための処理である。
この第8実施形態における別図柄変動処理8(S131)のうち、S201,S202,S206~S218,S220,S231~S235およびS238の各処理では、それぞれ第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188,S121参照)のS201,S202,S206~S218,S220,S231~S235およびS238の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第8実施形態における特別図柄変動処理8(S131)では、S206の処理と、S232の処理との順序が入れ替わっている。即ち、先にS206の処理により特別図柄1保留球数カウンタbの値(N1)の値を判別して、値が0である場合にのみ(S206:No)、S232の処理を実行する構成としている。即ち、第1特別図柄の保留球が1以上の場合は、第2特別図柄の抽選が開始されない仕様(第2特別図柄の抽選よりも、第1特別図柄の抽選の方が優先的に実行される仕様)を採用している。
また、本第8実施形態における特別図柄変動処理8(図205参照)では、S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別した場合に(S213:No)、時短回数を更新するための時短回数更新処理8を実行して(S241)、S220の処理へ移行する。この時短回数更新処理8(S241)の詳細について、図206を参照して説明する。図206は、この時短回数更新処理8(S241)を示すフローチャートである。
この時短回数更新処理8(図206参照)は、第1実施形態における時短回数更新処理(図42,S219参照)と同様に、普通図柄の時短回数を更新するための処理である。なお、本第8実施形態では、時短中カウンタ203kとして、第1特別図柄の時短回数を示すための特1用時短中カウンタ203k1と、第2特別図柄の時短回数を示すための特2用時短中カウンタ203k2と、が設けられている。本第8実施形態における時短回数更新処理8(図206参照)では、特別図柄の種別に応じて対応する時短中カウンタの値を更新する。
この第8実施形態における時短回数更新処理8(S241)のうち、S601,S604およびS607の各処理では、それぞれ第1実施形態における時短回数更新処理(図42,S219参照)のS601,S604およびS607の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における時短回数更新処理8(S241)が実行されると、まず、現在が第1特別図柄の変動停止タイミングであるか否かを判別する(S611)。S611の処理において、現在が第1特別図柄の変動停止タイミングであると判別した場合は(S611:Yes)、次に、特1用時短中カウンタ203k1の値が0より大きいか否かを判別する(S612)。S612の処理において、特1用時短中カウンタ203k1の値が0であると判別した場合は(S612:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S612の処理において、特1用時短中カウンタ203k1の値が0ではないと判別した場合は(S612:Yes)、特1用時短中カウンタ203k1の値を1減算し(S613)、減算後の特1用時短中カウンタ203k1の値を示す残時短回数コマンドを設定して(S614)、S604の処理へ移行する。
一方、S611の処理において、現在が第1特別図柄の変動停止タイミングではないと判別した場合は(S611:No)、今回の変動停止が第2特別図柄の変動停止タイミングであることを意味するため、次に、特2用時短中カウンタ203k2の値が0より大きいか否かを判別する(S615)。S615の処理において、特2用時短中カウンタ203k2の値が0であると判別した場合は(S615:No)そのまま本処理を終了する。一方、S615の処理において、特2用時短中カウンタ203k2の値が0ではないと判別した場合は(S615:Yes)、特2用時短中カウンタ203kの値を1減算し(S616)、更新後の特2用時短中カウンタ203k2の値を示す残時短回数コマンドを設定して(S617)、S604の処理へ移行する。
また、本第8実施形態における時短回数更新処理8(図206参照)では、S604の処理において、時短中カウンタ203kの値が0になった(即ち、特1用時短中カウンタ203k1の値、若しくは特2用時短中カウンタ203k2の値が0になった)と判別した場合に(S604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S618)、特1用時短中カウンタ203k1、特2用時短中カウンタ203k2の値を0に設定して(S619)、処理をS607へと移行する。
この時短回数更新処理8(図206参照)を実行することにより、変動停止された特別図柄の種別に応じて、第1特別図柄の時短回数と、第2特別図柄の時短回数とを正確に更新することができる。
次に、図207を参照して、本第8実施形態で実行される普通図柄変動処理8(S132)について説明する。この普通図柄変動処理8(S132)は、第7実施形態における普通図柄変動処理7(図190,S122参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態における普通図柄変動処理7(図190参照)と同様に、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、振分装置700における電動役物701の開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この第8実施形態における普通図柄変動処理8(図207参照)のうち、S901,S902,S906~S910,S912~915,S920およびS931~S938の各処理では、それぞれ第7実施形態における普通図柄変動処理7(図190,S122参照)のS901,S902,S906~S910,S912~915,S920およびS931~S938の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における普通図柄変動処理8(図207参照)では、S915の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に(S915:Yes)、次いで、普図当たり種別選択テーブル202fa(図202(b)参照)を参照して現在の遊技状態に応じた開放パターンを特定し(S941)、処理をS920へと移行する。
この普通図柄変動処理8(図207参照)を実行することにより、普通図柄の当たりとなった場合に、80%の割合で普図当たりA8を決定し、20%の割合で普図当たりB8を決定することができるので、時短状態において右打ちを行った場合に、右第2入球口64bよりも、右第1入球口64a2の方が開放され易く構成することができる。よって、実質的な大当たり期待度が低い第1特別図柄の抽選をより優先的に実行させることができるので、時短状態における後半に期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第8実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図208から図214のフローチャートを参照して、本第8実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図208を参照して、本第8実施形態におけるメイン処理8(図208)について説明する。このメイン処理8は、第7実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図55参照)に代えて実行される処理である。
この第8実施形態におけるメイン処理8(図208参照)では、第7実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図55参照)に対して、演出更新処理(S2112)に代えて演出更新処理8(S2121)を実行する点、コマンド判定処理(S2113)に代えてコマンド判定処理8(S2122)を実行する点、および変動表示設定処理(S2114)に代えて変動表示設定処理8(S2123)を実行する点のみが相違している。まず、図209を参照して、上述した演出更新処理8(S2121)の詳細について説明する。
図209は、演出更新処理8(S2121)を示すフローチャートである。この演出更新処理8(S2121)は、メイン処理8(図208参照)の中で、第7実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(S2112参照)に代えて実行される処理であり、変動パターン演出(変動表示演出)の進行状況等に応じて演出態様を更新するための処理である。
この演出更新処理8(S2121)では、まず、最終変動フラグ223faがオンであるか否かを判別し(S3511)、最終変動フラグ223faがオフであると判別した場合は(S3511:No)、そのまま本処理を終了する。一方、最終変動フラグ223faがオンであると判別した場合は(S3511:Yes)、時短状態における最後の変動表示の実行中であることを意味するため、次に、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか(時短状態の最後の変動表示において、宝箱802を発見した後の演出の種別を決定済みであるか)否かを判別する(S3512)。S3512の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオフである(時短状態における最後の演出を決定していない)と判別した場合は(S3512:No)、次に、現在が今回の変動開始から5秒が経過したタイミングであるか否かを判別する(S3513)。S3513の処理において、現在が今回の変動開始から5秒が経過したタイミングであると判別した場合は(S3513:Yes)、次に、保留内に大当たり又は小当たりがあるか否かを判別する(S3514)。保留内に大当たり又は小当たりがあると判別した場合は(S3514:Yes)、宝箱からVが出現する演出の開始を設定し(S3515)、当たり演出フラグ223fcをオンに設定して(S3516)、S3519の処理へ移行する。
一方、S3514の処理において、保留内に大当たり又は小当たりがないと判別した場合は(S3514:No)、宝箱の中身が空っぽの演出の開始を設定し(S3517)、当たり演出フラグ223fcをオフに設定して(S3518)、S3519の処理へ移行する。S3519の処理では、最終演出設定済フラグ223fbをオンに設定し(S3519)、本処理を終了する。
これらに対し、S3512の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合(S3512:Yes)、およびS3513の処理において、現在が今回の変動開始から5秒が経過したタイミングではないと判別した場合は(S3513:No)、時短状態における最後の変動表示における演出態様を決定する必要がないため、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理8(図209参照)を実行することにより、時短状態における最後の変動表示が開始されてから、5秒経過するまでの間に貯まった保留球の先読み結果も加味して、時短状態における最後の変動表示(および保留球に基づく変動表示)における変動時間において実行される演出態様を設定することができる。
次に、図210を参照して、本第8実施形態で実行されるコマンド判定処理8(S2122)について説明する。このコマンド判定処理8(S2122)は、第7実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図56参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態におけるコマンド判定処理(図56参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第8実施形態におけるコマンド判定処理8(S2122)では、上述した第7実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図56参照)に対して、入賞情報関連処理(S2210)に代えて入賞情報関連処理8(S2231)を実行する点、第3図柄の停止表示を設定するS2214の処理に代えて停止コマンド処理(S2232)を実行する点、時短更新処理(S2216)に代えて時短更新処理8(S2233)を実行する点でのみ相違している。まず、図211を参照して、上述した入賞情報関連処理8(S2231)について説明する。この入賞情報関連処理8(S2231)は、第7実施形態(および第1実施形態)における入賞情報関連処理(図57,S2210参照)と同様に、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に応じた制御を実行するための処理である。
この第8実施形態における入賞情報関連処理8(S2231)のうち、S2311およびS2312の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第1実施形態)における入賞情報関連処理(図57,S2210参照)のS2311およびS2312の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における入賞情報関連処理8(S2231)では、まず、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか否かを判別し(S2321)、最終演出設定済フラグ223fbがオフであると判別した場合は(S2321:No)、S2312の処理へ移行する。一方、S2321の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合は(S2321:Yes)、次に、当たり演出フラグ203fcがオンであるか(即ち、時短状態における最後の変動表示の演出態様として、当たり若しくは小当たりを示す演出態様が設定されているか)否かを判別する(S2322)。S2322の処理において、当たり演出フラグ203fcがオンであると判別した場合は(S2322:Yes)、S2312の処理へ移行する。
一方、S2322の処理において、当たり演出フラグ203fcがオフであると判別した場合は(S2322:No)、次に、受信した入賞情報が高速消化期間(即ち、時短状態終了後の、抽選結果によらず0.1秒の変動時間が設定される期間)内に消化される入賞情報であるか否かを判別する(S2323)。S2323の処理において、受信した入賞情報が高速消化期間内に消化される入賞情報ではないと判別した場合は(S2323:No)、S2312の処理へ移行する。一方、受信した入賞情報が高速消化期間内に消化される入賞情報であると判別した場合は(S2323:Yes)、次に、受信した入賞情報が大当たり又は小当たりに対応する入賞情報であるか否かを判別し(S23234)、受信した入賞情報が大当たり又は小当たりに対する入賞情報ではないと判別した場合は(S2324:No)、S2312の処理へ移行する。一方、受信した入賞情報が大当たり又は小当たりに対応する入賞情報であると判別した場合は(S2324:Yes)、復活演出(図198(b)参照)の実行を設定し(S2325)、当たり演出フラグ223fcをオンに設定して(S2326)、S2311の処理へ移行する。なお、S2325の処理では、時短状態における最終変動の実行中であれば、最終変動の終了に基づいて復活演出が開始されるように設定する一方、時短状態の最終変動が終了した後であれば、復活演出を即座に開始するように設定する。
この入賞情報関連処理8(図211参照)を実行することにより、外れの最終演出を設定した後で大当たり又は小当たりに対応する入賞情報を検出した場合に、復活演出により違和感なく遊技者に対して当該大当たり又は小当たりを報知することができるので、より好適に演出態様を設定することができる。
次に、図212を参照して、上述した停止コマンド処理(S2232)の詳細について説明する。図212は、この停止コマンド処理(S2232)を示すフローチャートである。この停止コマンド処理(S2232)は、コマンド判定処理8の中の1処理であり、主制御装置110から受信した停止コマンドに応じた制御を行うための処理である。
この停止コマンド処理(図212参照)では、まず、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか否かを判別し(S9001)、最終演出設定済フラグ223fbがオフであると判別した場合は(S9001:No)、処理をS9007へと移行する。一方、S9001の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合は(S9001:Yes)、次に、当たり演出フラグ223fcがオンであるか否かを判別する(S9002)。S9002の処理において、当たり演出フラグ223fcがオンであると判別した場合は(S9002:Yes)、次に、今回受信した停止コマンドが、当たり又は小当たり図柄に対応する停止コマンドであるかを判別し(S9004)、当たり又は小当たり図柄に対応する停止コマンドでない(外れに対応する停止コマンドである)と判別した場合は(S9004:No)、そのまま本処理を終了する。一方、当たり又は小当たり図柄に対応する停止コマンドを受信したと判別した場合は(S9004:Yes)、S9005の処理へ移行する。
S9005の処理では、最終演出の終了を設定し(S9005)、最終演出設定済フラグ223fbおよび当たり演出フラグ223fcをオフに設定して(S9006)、処理をS9007へと移行する。
一方、S9002の処理において、当たり演出フラグ223fcがオフであると判別した場合は(S9002:No)、次に、保留球数が1以上であるか否かを判別する(S9003)。保留球数が1以上であると判別した場合は(S9003:Yes)、そのまま本処理を終了する。保留球数が0であると判別した場合は(S9003:No)、S9005,S9006の各処理を実行して、S9007の処理へ移行する。S9007の処理では、受信した停止コマンドに対応する第3図柄の停止表示を設定して(S9007)、本処理を終了する。
次に、図213を参照して、本第8実施形態における時短更新処理(S2233)の詳細について説明する。図213は、この時短更新処理8(S2233)を示すフローチャートである。この時短更新処理8(S2233)は、上述した通り、コマンド判定処理8(図210,S2122参照)の中で、第7実施形態(および第1実施形態)における時短更新処理(図60参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態(および第1実施形態)における時短更新処理(図60参照)と同様に、音声ランプ制御装置113において把握している時短回数を実際の時短回数に同期して更新するための処理である。
この時短更新処理8(図213参照)では、まず、受信したコマンドが、時短回数が0になったことを示すコマンドであるか否かを判別する(S2621)。S2621の処理において、受信したコマンドが、時短回数が0になったことを示すコマンドであると判別した場合は(S2621:Yes)、時短状態における最後の変動表示の終了タイミングであることを意味するため、最終変動フラグ223faをオフに設定し(S2622)、S2623の処理へ移行する。一方、受信したコマンドが、時短回数が0になったことを示すコマンドではないと判別した場合は(S2621:No)、S2622の処理をスキップし、S2623の処理へ移行する。
S2623の処理では、通知された時短関連情報に応じて時短情報更新エリア223gのデータと、時短回数の表示設定とを更新し(S2623)、本処理を終了する。この時短更新処理8(図213参照)を実行することにより、実際の時短回数と音声ランプ制御装置113が把握する時短回数とを一致させることができる。
次に、図214を参照して、本第8実施形態における演出設定処理8(S2821)の詳細について説明する。ここで、この演出設定処理8は、本第8実施形態における変動表示設定処理8(S2123)において、第7実施形態(および第1実施形態)における演出設定処理(図63参照)に代えて実行される処理である。なお、本第8実施形態における変動表示設定処理8(S2123)と、第7実施形態における変動表示設定処理(図62参照)との相違点は、この演出設定処理8(S2821)が実行される点のみであるため、変動表示設定処理8(S2123)の図示については省略している。
図214は、この演出設定処理8(S2821)を示すフローチャートである。この演出設定処理8(S2821)は、第7実施形態(および第1実施形態)における演出設定処理(図63参照)と同様に、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン(変動時間)に応じて、詳細な変動表示態様を決定(設定)するための処理である。
この演出設定処理8(S2821)では、まず、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか否かを判別する(S2911)。S2911の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオフであると判別した場合は(S2911:No)、抽選結果に応じた変動パターン演出の演出態様を設定し(S2912)、その後、本処理を終了する。一方、S2911の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合は(S2911:Yes)、次に、当たり演出フラグ223fcがオンであるか否かを判別する(S2913)。S2913の処理において、当たり演出フラグ223fcがオンであると判別した場合は(S2913:Yes)、S2917の処理へ移行する。
一方、S2913の処理において、当たり演出フラグ223fcがオフであると判別した場合は(S2913:No)、次に、入賞情報格納エリア223aのデータに当たり又は小当たりが含まれているか否かを判別し(S2914)、入賞情報格納エリア223aのデータに当たり又は小当たりが含まれていないと判別した場合は(S2914:No)、S2917の処理へ移行する。S2917の処理では、変動開始時点の表示態様の表示継続を設定し(S2917)、その後、本処理を終了する。
一方、S2914の処理において、入賞情報格納エリア223aのデータに当たり又は小当たりが含まれていると判別した場合は(S2914:Yes)、復活演出(図198(b)参照)の開始を設定し(S2915)、当たり演出フラグ223fcをオンに設定して(S2916)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者に有利な時短状態において、第1特別図柄の抽選条件(始動入賞)と、第2特別図柄の抽選条件(始動入賞)との両方が成立し得るように構成した上で、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利となり易い(実質的に大当たりに当選する可能性が高くなる)ように構成した。そして、第1の遊技方法(連続して右打ちを行い続ける遊技方法)を選択することで、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる一方で、第1の遊技方法とは異なる第2の遊技方法(右第2入球口64bへと遊技球が入球する毎に左打ち若しくは発射停止を行う遊技方法)を選択することで、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成することで、遊技者に対して大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選を実行させるタイミングを任意に選択させることが可能に構成した。これにより、遊技者毎の趣向に合った遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
加えて、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態(遊技者に有利な状態)の終了条件を複数設ける構成とし、第1特別図柄の抽選が実行された場合よりも、第2特別図柄の抽選が実行された場合の方が、時短状態が終了され易くなるように構成した。より具体的には、時短状態が終了される抽選回数(時短回数)を第1特別図柄と、第2特別図柄とで異ならせる構成とし、第1特別図柄の時短回数(96回)よりも、第2特別図柄の時短回数(4回)の方が少なくなるように構成した。このように構成することで、有利な(即ち、大当たり期待度が高い)第2特別図柄の抽選を優先的に実行させる遊技方法を続けてしまうと、第1特別図柄の抽選を優先的に実行させた場合に比較して短い期間で時短状態が終了してしまう可能性が高くなるため、大当たり期待度の低い第1特別図柄の抽選を第1特別図柄の時短回数内である程度(例えば、95回)実行させてから、第2特別図柄の抽選を実行させるという遊技方法を遊技者の選択肢の1つにすることができる。また、逆に、比較的短時間で時短状態の結果(大当たりとなるか、時短状態が終了するか)を知りたいと考える遊技者に対しては、第1特別図柄の時短回数が損になることを承知の上で、第2特別図柄の抽選を優先的に実行させる遊技方法を選択させることができる。このように、遊技者毎に趣向に応じて、第2特別図柄の抽選を実行させるタイミング等を選択させる自由度の高い遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第8実施形態では、第1特別図柄の抽選の方が第2特別図柄の抽選よりも優先的に実行されるように制御する(第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが存在する場合に、第1特別図柄の保留球が優先的に実行エリアに移動されて抽選に用いられる)構成としている。このように構成することで、時短状態中に継続して右打ちを行うという比較的単純な遊技方法を実践するだけで、第1特別図柄の時短回数分の第1特別図柄の抽選を実行させつつ、第2特別図柄の保留球を貯めることができる。そして、第1特別図柄の時短回数が0になった時点で、ほぼ、第2特別図柄の保留球数を上限である4まで貯めて、当該上限個数の第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選(即ち、大当たり期待度の高い抽選)を実行させることができる。つまり、時短状態が開始されてから第1条件が成立するまでの間(第1特別図柄の時短回数が消化されるまでの間)は、大当たり期待度が低くなり、第1条件の成立後、第2条件が成立するまで(第2特別図柄の保留球がなくなるまで)の間は、大当たり期待度が高くなる遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、特定の大当たり(例えば、確変大当たり)に当選すると、大当たり終了後に、まず、遊技者に有利な第1遊技状態(例えば、確変状態)が所定の抽選回数を上限として設定され、当該所定の抽選回数内に大当たりに当選しなかった場合に、遊技者に有利な第2遊技状態(例えば、時短状態)が設定される遊技機が知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、第1遊技状態の方が第2遊技状態よりも有利度合いが高くなるのが通常であったため、第1遊技状態が終了してしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して本第8実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者に有利な時短状態が設定されてから第1条件が成立するまでの間は、大当たり期待度が低い(即ち、遊技者にとっての有利度合いが低い)第1特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成し、第1条件の成立後、第2条件が成立するまでの間は大当たり期待度が高い(即ち、遊技者にとっての有利度合いが高い)第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成した。言い換えれば、有利な時短状態に移行した場合に、まず、有利度合いが低い状態を経て、有利度合いが高い状態に移行するように構成している。このように構成することで、第1条件が成立するまでの間に大当たりに当選しなかったとしても、より大当たり期待度が高い状態が後に控えていることに対する安心感を遊技者に抱かせることができるので、第1条件が成立した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第8実施形態では、遊技者に有利な時短状態へと移行した後において、第2特別図柄の時短回数が終了する直前まで(第2特別図柄の抽選が3回実行されるまで)第2特別図柄の抽選を優先的に実行させた後で、継続的に右打ちを実行することで第1特別図柄の時短回数を先に終了させ、その後、第1特別図柄の時短回数を経過させるまでの間に貯まった第2特別図柄の保留球を消化させる遊技方法を実行することにより、時短状態、および時短状態が終了して時短状態中に貯まった保留球も全て消化されるまでの間に実行される第2特別図柄の抽選回数が多く(7回に)なり易くなるように構成することができる。つまり、時短状態に移行してから特定条件が成立する(第2特別図柄の時短回数が残り1になる)までの間、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように左打ち(若しくは発射停止)を実行し、特定条件の成立後に、右打ちを継続する遊技方法が遊技者にとって最も有利になるという、極めて特殊、且つ、斬新な仕様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、第1特別図柄の時短回数が第2特別図柄の時短回数よりも多くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の時短回数と第2特別図柄の時短回数とを同一の回数(例えば、共に4回)にしてもよい。このように構成することで、期待度の低い第1特別図柄の抽選が実行される期間を短くすることができるので、時短状態中における遊技が冗長となってしまうことを抑制することができる。また、例えば、第1特別図柄の時短回数を、第2特別図柄の時短回数よりも少なく(例えば、3回に)設定してもよい。このように構成した場合、右第2入球口64bへと十分に(保留上限個数まで)遊技球を入球させるよりも前に第1特別図柄の時短回数が経過する可能性が比較的高くなるので、右第2入球口64bへと遊技球が入球するだけで遊技者に対して喜びを抱かせることができる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、普通図柄の当たりとなった場合に20%の割合で普図当たりB8に当選する(右第2入球口64bへと入球可能な状態となる)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、普図当たりBに当選する確率を低く(例えば、1/50に)してもよい。このように構成することで、時短状態において第2特別図柄の保留球が貯まり難くなるように構成できるので、第2特別図柄の保留球が貯まった時点で遊技者を喜ばせることができる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態>
次に、図215から図219を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第8実施形態におけるパチンコ機10では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなってV当たりが発生した場合に、当該V当たりの契機となった小当たりが有利な時短状態の間に当選したものであるか、不利な通常状態の間に当選したものであるかによらず、V当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定される構成としていた。
これに対して本第9実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態の間にV当たりが発生した場合よりも、通常状態の間にV当たりが発生した場合の方が、時短状態が設定される割合が高くなるように構成した。このように構成することで、時短状態の間は第2特別図柄の抽選が実行されないように継続的に右打ちを行い続けて大当たり期待度が低い第1特別図柄の抽選を実行させつつ、第2特別図柄の保留球を増加させ、時短状態が終了した後で、第2特別図柄の保留球に基づく抽選でV当たりを目指すという遊技方法を行わせることができる。つまり、時短状態が設定された場合に、大当たり期待度の低い状態を経て、大当たり期待度が高い状態へと移行させる斬新な遊技性をより確実に実現することができる。
また、上述した第8実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態の間に普通図柄の当たりとなった場合に、右第1入球口64a2が開放され易くなる(第1作動口704に入球し易くなる)開放パターンの普図当たり種別(普図当たりA8)の割合の方が、右第2入球口64bが開放され易くなる(第2作動口707に入球し易くなる)開放パターンの普図当たり種別(普図当たりB8)よりも高い割合で決定されるように構成していた。これにより、時短状態において右打ちを継続して実行し続けた場合に、第1特別図柄の抽選条件(始動入賞)がより多く成立するように構成していた。
これに対して本第9実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態へと移行してから第1期間(例えば、180秒間)が経過するまでの間は、普通図柄の当たりになっても第1作動口704にしか遊技球が入球しないように構成し、第1期間が経過してから第2期間(例えば、360秒間)が経過するまでの間のみ、第1作動口704にも第2作動口707にも遊技球が入球し得るように構成した。このように構成することで、時短状態が開始されてから第1期間が経過するまでの間は、第1特別図柄の抽選のみを実行させると共に、第1特別図柄の保留球のみを増加させることができるので、時短状態の開始直後に第2作動口707へと遊技球が連続して入球して第2特別図柄の時短回数が比較的短時間で経過してしまい、時短状態が早期に終了してしまうことをより確実に防止することができる。
この第9実施形態におけるパチンコ機10が、第8実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図215を参照して、本第9実施形態における振分装置700(図170参照)の切換弁702の切換パターンについて説明する。ここで、上述した第8実施形態における切換弁702は、普通図柄の当たりが開始されたことを契機として、特定の切換パターンで第1流路703が通過可能となる第1切換状態と、第2流路706が通過可能となる第2切換状態と、が切り換えられるように構成されていた(図171参照)。これに対して本第9実施形態における切換弁702は、普通図柄の当たり期間とは無関係に、大当たりの終了(若しくはパチンコ機10の初期化)に基づいて、予め定められた特定の切換パターンで切換動作が開始されるように構成されている。図215は、この切換弁702の切換パターンを示した図である。
図215に示した通り、本第9実施形態における切換弁702は、大当たりの終了を契機として、180秒間の間、第1切換状態に維持される切換態様(第1切換態様)が設定される。この第1切換態様が設定されている間に普通図柄の当たりとなって電動役物701が開放され、振分装置700へと遊技球が入球すると、遊技球は第1作動口704へと誘導されて(流下して)、右第1入球口64a2が開放される。よって、時短状態、且つ、第1切換態様が設定されている間に右打ちを行い続けると、右第1入球口64a2にばかり遊技球が入球して第1特別図柄の抽選に偏って実行されると共に、第1特別図柄の保留球のみを貯めることができる。
また、図215に示した通り、第1切換態様に設定される180秒間が経過すると、1秒間の第2切換状態と、3秒間の第1切換状態と、が周期的に繰り返される切換態様(第2切換態様)が、180秒間の間(つまり、切換パターンが開始されてから180秒経過後、360秒間が経過するまでの間)設定される。つまり、第2切換態様が設定されている間は、切換弁702が第1切換状態に設定される期間の割合が3/4、第2切換状態に設定される期間の割合が1/4となる。この第2切換態様が設定されている間に右打ちを行い続けると、普通図柄の当たりとなって振分装置700へと入球した遊技球のうち、およそ1/4の割合の遊技球が第2作動口707へと入球し、3/4の割合の遊技球が第1作動口704へと入球する。よって、第2切換態様が設定されている間に右打ちを実行し続けると、右第2入球口64bよりも、右第1入球口64a2の方が高い割合で遊技球が入球する。このため、この第2切換態様が設定されている間は、第1特別図柄の抽選を優先的に実行させつつ、第2特別図柄の保留球を増加させていくことができる。なお、第2切換態様が設定される180秒間の間、4秒に1秒の割合で第2切換状態に切り換わる(第2切換状態が45回設定される)ので、継続して右打ちを行い続けることにより、ほぼ、4個以上の遊技球を右第2入球口64bへと入球させることができる。つまり、第2切換状態の間に継続的に右打ちを行い続けるだけで、容易に第2特別図柄の保留球を上限個数(4個)分貯めることができる。
更に、図215に示した通り、切換パターンの開始後360秒間が経過した後、3600秒間が経過するまでの間は、切換弁702が第1切換状態に維持される切換態様(第3切換態様)が設定される。この第3切換態様が設定されている間は、第1切換態様が設定されている間と同様に、右第1入球口64a2へのみ遊技球が入球するため、特別図柄の抽選を第1特別図柄の抽選に偏重させることができる。これらの第1切換態様、第2切換態様、および第3切換態様が切換弁702の切換パターンの最小単位であり、以降は最小単位の切換パターンが終了する毎に、切換パターンが最初から繰り返し実行される。
なお、時短状態における外れの変動時間は平均4秒程度であるため、第1特別図柄の時短回数が経過するまでの期間は、約384秒(4秒×96回)を要する。即ち、第3切換態様が設定されている間に第1特別図柄の時短回数が経過するため、時短状態が終了して、第2特別図柄の保留球が消化されている間は、第2特別図柄の保留球が増加する可能性を0にすることができる。よって、毎回の時短状態において、大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選回数を統一することができるので、1回の時短状態における大当たり期待度を均一化することができる。
ここで、仮に、第8実施形態と同様に、普図当たり種別に応じて振分装置700へと入球した遊技球が誘導され易い作動口を異ならせる構成とした場合、特に、時短状態が終了する直前に「普図当たりB8」に当選して電動役物701が開放され、当該開放が第2特別図柄の保留球を用いた少なくとも1の抽選が開始されるまで継続した場合、当該第2特別図柄の変動表示の実行中に振分装置700へと遊技球が入球して、時短状態が終了した後にもかかわらず第2特別図柄の保留球が増加してしまう可能性がある。即ち、普通図柄の当たりとなるタイミングおよび普図当たり種別によって、1の時短状態において大当たりに当選する可能性が著しく上下してしまう虞がある。
これに対して本第9実施形態では、時短状態の終了前後(即ち、大当たり終了後384秒前後)において、第3切換態様が設定され易くなるように構成しているので、たとえ、時短状態の終了直前に普通図柄の当たりに当選し、当該当たりに基づく電動役物701の開放期間が第2特別図柄の保留球を少なくとも1個消費した後まで継続したとしても、時短状態の終了後に第2特別図柄の保留球が増加することを抑制することができる。即ち、たとえタイミング良く普通図柄の当たりとなり、更に、タイミング良く振分装置700へと遊技球を入球させることができたとしても、期待度の低い第1特別図柄の保留球を増加させることしかできないように構成することができる。これにより、1の時短状態における大当たり期待度を均一化することができる。
<第9実施形態における電気的構成>
次に、図216を参照して、本第9実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。ここで、本第9実施形態におけるROM202は、第8実施形態におけるROM202の構成(図200(a)参照)に対して、時短付与テーブル202eの規定内容が変更されている点で相違している。また、第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている大当たり種別として、第8実施形態における大当たりA8~F8に代えて、大当たりA9~F9が規定されている点で相違している。なお、大当たりA9~F9は、ラウンド数や対応付けられている乱数値(第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値の範囲)等が、それぞれ大当たりA8~F8と全く同一となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
図216を参照して、第9実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。図216は、本第9実施形態における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。図216に示した通り、通常状態で当選した「大当たりA9」に対しては、第1特別図柄の時短付与回数(第1特別図柄の時短回数を示すための特1用時短中カウンタ203k1の値)として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数(第2特別図柄の時短回数を示すための特2用時短中カウンタ203k2の値)として「4回」が対応付けて規定されている。また、時短状態で当選した「大当たりA9」に対しても、同一の時短付与回数が対応付けて規定されている。このため、「大当たりA9」に当選した場合は、遊技状態によらず大当たり終了後に遊技者に有利な時短状態が設定される。
また、図216に示した通り、通常状態で当選した「大当たりB9」に対しては、第1特別図柄、および第2特別図柄の時短付与回数として共に「0回」が対応付けて規定されている一方で、時短状態で当選した「大当たりB9」に対しては、第1特別図柄の時短付与回数として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数として「4回」が対応付けて規定されている。このため、通常状態において第1特別図柄の直当たりが発生して「大当たりB9」が決定されると、遊技者に不利な通常状態に移行する一方、時短状態において第1特別図柄の直当たりが発生して「大当たりB9」が決定されると、遊技者に有利な時短状態に移行する。
また、図216に示した通り、「大当たりC9」に対しては、大当たり当選時の遊技状態が通常状態、および時短状態のどちらであっても、第1特別図柄の時短付与回数として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数として「4回」が対応付けて規定されている。このため、第2特別図柄の直当たりが発生して「大当たりC9」が決定されると、遊技状態によらず、遊技者に有利な時短状態に移行する。
また、図202(a)に示した通り、通常状態において当選した「大当たりD9」~「大当たりF9」に対しては、第1特別図柄の時短付与回数として「96回」、第2特別図柄の時短付与回数として「4回」が対応付けて規定されている一方で、時短状態で当選した「大当たりD9」~「大当たりF9」に対しては、第1特別図柄、および第2特別図柄の時短付与回数として共に「0回」が対応付けて規定されている。このため、時短状態において第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりに当選した場合は、V入賞を発生させてV当たりに当選させてしまうと、必ず不利な通常状態が設定されてしまう一方で、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりに当選した場合は、V入賞を発生させてV当たりに当選させることにより、必ず有利な時短状態が設定される。よって、時短状態の間は、第2特別図柄の抽選が実行されないように継続的に右打ちを実行しつつ第2特別図柄の保留球を上限個数分まで貯め、時短状態が終了した後で第2特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させる遊技方法を実践することにより遊技者に有利になるという、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図217を参照して、本第9実施形態における各状態の移行方法について説明する。ここで、本第9実施形態は、第8実施形態と同様に、3つのモード(通常モード、チャンスモードA、およびチャンスモードB)が設けられている。まず、図217の上方を参照して、通常モード(第2特別図柄の保留球が存在しない通常遊技状態)から他の状態(モード)への移行方法について説明する。図217の上部に示した通り、通常モードから他のモードへは、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(直当たりした)場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図217の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する「大当たりA9」になると、大当たり終了後のモードが有利なチャンスモードA(時短遊技状態)に設定される。これに対し、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する「大当たりB9」になると、大当たり終了後のモードが再度、遊技者に不利な通常モードに設定される(通常モードをループする)。このため、通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で「大当たりA9」に当選することを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図217の中央部分を参照して、チャンスモードA(時短遊技状態)から他の状態(モード)への移行方法について説明する。図217の中央部分に示した通り、チャンスモードAからの他のモードへは、大当たりに当選した場合の他、時短回数が経過した場合にも、移行する可能性がある。より具体的には、チャンスモードAにおいて第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、V入賞が発生することによりV当たりに当選すると、大当たり終了後に不利な通常モードへと移行する。また、チャンスモードAにおいて時短回数が経過した(時短遊技状態へ以降後、第1特別図柄の抽選が96回終了するか、または第2特別図柄の抽選が4回終了した)時点で、第2特別図柄の保留球が存在する場合は、チャンスモードBへと移行する。
一方、図203の中央部分に示した通り、チャンスモードAにおいて直当たりが発生した場合には、大当たり種別に関係なく、必ず大当たり終了後のモードが遊技者に有利なチャンスモードAに設定される(チャンスモードAをループする)。これにより、チャンスモードAにおいては、小当たりに当選する(即ち、V当たりが発生する)可能性が無く、且つ、直当たりに当選する可能性がある第1特別図柄の抽選を実行させることにより直当たりが発生することを遊技者に期待させる遊技性を実現することができる。つまり、大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選よりも、大当たり期待度が低い第1特別図柄の抽選を優先的に実行させたいと思わせる斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図217の下部を参照して、チャンスモードB(第2特別図柄の保留球が存在する通常遊技状態)から他のモードへの移行方法について説明する。図217の下部に示した通り、チャンスモードBから他の状態(モード)へは、大当たりに当選した場合の他、第2特別柄の保留球を全て消化した場合にも他の状態(モード)へと移行する。具体的には、図217に示した通り、直当たりが発生し、当該直当たりの大当たり種別が、第1特別図柄の直当たりの50%の割合で決定される「大当たりA9」であった場合、および第2特別図柄の直当たりの100%の割合で決定される「大当たりC9」であった場合に、当該大当たり終了後に遊技者に有利なチャンスモードAへと移行する。また、第2特別図柄の抽選で小当たりとなってV当たりに当選した場合も、大当たり終了後に遊技者に有利なチャンスモードAへと移行する。
これに対し、第1特別図柄の直当たりが発生した場合に50%の割合で決定される「大当たりB8」に当選し、更に、大当たり終了時点における第2特別図柄の保留球が0であれば、大当たり終了後の状態(モード)が遊技者に不利な通常モードに設定される。また、第2特別図柄の保留球を全て消化した(チャンスモードBへ移行後の第2特別図柄の抽選が全て外れになった)場合にも、通常モードへと移行する。これに対し、「大当たりB8」または「大当たりC8」の終了時点で第2特別図柄の保留球が0になっていない(1以上の)場合は、大当たり終了後の状態(モード)が再度チャンスモードBとなる。このため、チャンスモードBにおいては、直当たりよりも第2特別図柄の抽選で小当たりになる(即ち、V当たりに当選する)ことを期待して遊技を行わせることができる。よって、チャンスモードAが終了するまでは、第2特別図柄の抽選が実行されないように継続して右打ちを実行して第1特別図柄の時短回数を経過させ、チャンスモードBに移行した後は、第2特別図柄の抽選で小当たりとなることを期待させることができるという、特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第9実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図218および図219のフローチャートを参照して、本第9実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図218を参照して、本第9実施形態における立ち上げ処理9について説明する。この立ち上げ処理9は、第8実施形態(および第1実施形態)における立ち上げ処理(図50参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態(および第1実施形態)における立ち上げ処理(図50参照)と同様に、電源投入に基づいてパチンコ機10の初期設定を行うために実行される処理である。
この第9実施形態における立ち上げ処理9(図218参照)のうち、S1401~S1417の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図50参照)のS1401~S1417の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における立ち上げ処理9(図218参照)では、S1417の処理が終了すると、次いで、切換弁702の切換パターン(図215参照)の開始を設定し(S1421)、S1410の処理へ移行する。
次に、図219を参照して、本第9実施形態における大当たり制御処理9(S1521)の詳細について説明する。この大当たり制御処理9(S1521)は、第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図52,S1504参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図52参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種の設定を行うための処理である。
この第9実施形態における大当たり制御処理9(S1521)のうち、S1601~S1612およびS1615~S1618の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図52,S1504参照)のS1601~S1612およびS1615~S1618の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第9実施形態における大当たり制御処理9(S1521)では、S1617の処理が終了すると、次いで、切換弁702の切換パターン(図215参照)の開始を設定し(S1623)、S1618の処理へ移行する。
これらの立ち上げ処理9(図218参照)、および大当たり制御処理9(図219参照)を実行することにより、パチンコ機10の初期化時、および大当たり終了時に切換弁702の切換パターンを初期化することができるので、時短状態において、第2特別図柄の保留球が増加する機会を大当たり終了後180秒経過時から360秒経過時までの間に限定することができる。よって、時短状態の終了直後に振分装置700へと遊技球が入球したとしても、右第2入球口64bが開放されること(時短状態の終了間際に普通図柄の当たりが開始され、時短状態終了直後に第2特別図柄の保留球に基づく抽選が開始されてから振分装置700へと入球した遊技球が第2作動口707に誘導されること)を抑制することができるので、時短状態終了後の通常状態における第2特別図柄の抽選回数を最大4回に固定化することができる。よって、1の時短状態における大当たり期待度を均一化することができる。
以上説明した通り、本第9実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者に有利な時短状態において、第1特別図柄の抽選条件(始動入賞)と、第2特別図柄の抽選条件(始動入賞)との両方が成立し得るように構成した上で、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利となり易い(実質的に大当たりに当選する可能性が高くなる)ように構成した。そして、時短状態において第2特別図柄の抽選で当たりになると、遊技者に不利な通常状態へと移行する可能性が高くなる(確率が低い直当たりが発生すれば時短状態へと移行するが、確率が高い小当たりに基づくV当たりが発生すると通常状態へと移行する)一方で、通常状態において第2特別図柄の抽選で当たりになると、遊技者に有利な時短状態へと移行する可能性が高くなるように構成した。即ち、時短状態へ移行した後、特定条件が成立する(時短状態が終了する)までの間は、第1特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて大当たりになった方が、第2特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて大当たりになるよりも遊技者に有利となり易くなる一方で、特定条件が成立した後(時短状態が終了した後)においては、第2特別図柄の抽選に基づいて大当たりになった方が、第1特別図柄の抽選に基づいて大当たりになった場合よりも遊技者に有利となるように構成した。このように構成することで、特定条件の成立前後において、遊技者が抽選を実行させたいと考える特別図柄の種別を異ならせることができるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。即ち、特定条件が成立するまでの間は、第1特別図柄の抽選を途切れることなく実行させつつ第2特別図柄の保留球が増加するような遊技方法(即ち、連続して右打ちを行い続ける遊技方法)を実行させ、特定条件の成立後においては、第2特別図柄の保留球に基づく抽選が実行され易くなる遊技方法(即ち、第2特別図柄の保留球がなくなるまで発射停止する遊技方法)を実行させることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
加えて、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態において第2特別図柄の保留球が増加する可能性がある期間を特定期間内(大当たり終了後180秒経過時点から360秒経過時点まで)に限定する構成としている。言い換えれば、時短状態の終了前後において、普通図柄の当たりの発生有無とは無関係に、右第2入球口64bへと遊技球が入球困難な状態を形成することが可能に構成した。このように構成することで、時短状態終了後の通常状態における第2特別図柄の抽選回数を最大4回に固定化することができる。よって、1の時短状態における大当たり期待度を均一化することができる。
本第9実施形態では、時短状態の間にV当たりに当選するよりも、通常状態においてV当たりに当選した場合の方が有利になるように構成することで、時短回数内は第1特別図柄の抽選を実行させ、時短回数が経過した通常状態において第2特別図柄の保留球を消化する遊技方法を行わせる構成としていたが、これに限られるものではない。逆に、時短回数内でV当たりに当選した場合の方が、時短状態終了後の第2特別図柄の保留球で小当たりに当選してV当たりに当選した場合の方が有利になるように構成してもよい。このように構成することで、時短回数内で第2特別図柄の抽選が実行された場合に、遊技者に対してV入賞を発生させようと思わせることができるので、遊技の自由度を向上させることができる。
本第9実施形態では、切換弁702を、大当たり終了を契機として固定の切換パターンで切換動作させ、第2特別図柄の保留球を貯められる期間を大当たり終了後180秒経過時から360秒経過時までに限る構成としていたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の保留球を貯められる期間は任意に定めてもよい。また、切換弁702の切換パターンは固定化する必要はなく、例えば、大当たり種別に応じて異なる切換パターンを設定する構成としてもよい。即ち、時短状態中に第2特別図柄の保留球を貯めることが可能となる切換パターンが設定される時短大当たりと、第2特別図柄の保留球を貯めることが不可能(困難)となる切換パターンが設定される時短大当たりと、を設ける構成としてもよい。
本第9実施形態では、切換弁702を、大当たり終了を契機として固定の切換パターンで切換動作させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、上述した第8実施形態等の制御を採用してもよい。即ち、普通図柄の当たり開始を契機として固定の切換パターンで切換動作を行わせ、電動役物701の開放パターンを普図当たり種別に応じて異ならせる制御を採用してもよい。また、逆に、本第9実施形態における切換弁702の切換制御を、上述した第8実施形態に採用してもよい。
本第9実施形態では、大当たり終了を契機として固定の切換パターンで切換動作させ、時短終了前後に切換弁702が第1切換状態に設定されている可能性が高くなるように構成することで、時短終了直後に振分装置700へと入球した遊技球が第2作動口707へと入球して右第2入球口64bが開放され、通常状態に移行した後で第2特別図柄の保留球が増加することを抑制する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態の最後の変動表示の確定表示時間として、時短状態中に普通図柄の当たりとなった場合に設定される普図当たりの当たり期間(2.5秒間)よりも長い期間(例えば、5秒間)を設定すると共に、変動時間の終了時点で時短状態を終了させる(最後の変動表示の確定表示期間は時短状態が既に終了しているように制御する)構成としてもよい。このように構成することで、確定表示の直前に普通図柄の当たりが開始されたとしても、確定表示期間の間に普通図柄の当たりを終了させることができるので、通常状態において第2特別図柄の抽選が1以上開始されてから(即ち、第2特別図柄の保留球が減ってから)、右第2入球口64bへと遊技球が入球することを確実に抑制することができる。
本第9実施形態では、大当たり終了後(およびパチンコ機10の初期化後)の経過時間に応じて切換態様(第1~第3切換態様)を可変させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短回数に応じて切換態様を可変させるように構成してもよい。より具体的には、例えば、時短回数が残り80回以上残っている間は、第1切換態様(右第2入球口64bへと遊技球を入球させることが困難となる切換態様)が設定されるように構成し、時短回数が残り80回未満で、且つ、残り20回以上の範囲内においては、第2切換態様(右第2入球口64bへと遊技球を入球させることが可能となる切換態様)が設定されるように構成し、時短回数が20回未満の場合は、第3切換態様(右第2入球口64bへと遊技球を入球させることが困難となる切換態様)が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態において短い変動時間(例えば、3秒間)ばかりが選択され、300秒程度で時短状態が終了したとしても、時短状態の終了直後で、且つ、第2特別図柄の保留球が1個以上消化された時点において右第2入球口64bへと遊技球が入球することをより確実に防止することができる。
本第9実施形態では、切換弁702を、大当たりの終了(およびパチンコ機10の初期化)を契機として開始される予め定められた特定の切換パターン(図215参照)で切換動作させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの開始を契機として、特定の切換パターンの切換動作を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、大当たり遊技に要した時間によって、第2切換態様が設定されるタイミングを異ならせることができるので、大当たり終了後、比較的短い時間で第2切換態様が設定されたり、時短状態の終了間際においても第2切換態様が継続していたり、といった事象を発生させることができる。よって、大当たり中の遊技の進行状況に応じて遊技者の有利度合いを可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第9実施形態では、切換弁702を、大当たり種別によらず、大当たりの終了(およびパチンコ機10の初期化)を契機として開始される予め定められた特定の切換パターン(図215参照)で切換動作させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて大当たり終了後に設定される切換パターンを異ならせてもよい。より具体的には、例えば、直当たりに当選した場合は、図215に示した切換パターンで切換弁702の状態を切り換えるように構成する一方で、V当たりに当選した場合は切換弁702が第2切換状態に設定されない(若しくは設定される期間が短い)切換パターン(第2切換パターン)を設定するように構成してもよい。このように構成することで、時短状態の間に直当たりに当選した場合における有利度合いを高めることができるので、直当たりに当選することをより強く期待して遊技を行わせることができる。また、例えば、第1特別図柄の直当たりに当選した場合は、図215に示した切換パターンで切換弁702が切り換えられるように構成する一方で、第2特別図柄の直当たり若しくはV当たりでは第2切換パターンが設定されるように構成してもよい。
<第10実施形態>
次に、図220から図248を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第7実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態として、遊技者にとって不利な通常状態、および有利な時短状態の2種類の遊技状態を設ける構成とし、更に、第2特別図柄の保留球の有無によって通常状態の有利度合いが大幅に可変するように構成する構成としていた。
これに対して本第10実施形態では、遊技状態として、遊技者にとって不利な通常状態、および遊技者にとって比較的有利な時短状態に加えて、遊技者にとって不利な潜確状態、および遊技者にとって最も有利な確変状態を設ける構成とした。即ち、通常状態、および時短状態に加えて、通常状態よりも大当たり確率が高いが、電動役物64raが開放され難く特別図柄の抽選が実行され難い潜確状態と、大当たり確率が高く、且つ、電動役物64raが開放され易い有利な確変状態と、が設けられている。更に、本第10実施形態では、大当たりに当選した場合に高い割合(90%の割合)で、大当たり終了後の特別図柄の高確率状態(潜確状態、または確変状態)に設定される構成とする代わりに、特別図柄の高確率状態の連続回数に上限回数(例えば、11回)を設ける構成とした。これにより、大当たり終了後の遊技状態を予測し難くすることができるので、奥深い遊技性を実現することができる。
また、本第10実施形態では、普通図柄の時短状態において、右打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選条件と第2特別図柄の抽選条件との両方が成立し得るように構成した上で、第1特別図柄の抽選に基づく第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく第2特別図柄の変動表示と、を同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示されるように構成した。これにより、大当たり遊技の実行中に、他方の変動表示が大当たりで確定表示され、大当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
更に、本第10実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態、および潜確状態において大当たりに当選し、大当たり終了後の遊技状態が確変状態、若しくは時短状態に設定されたとしても、これらの有利状態は、ほぼ、大当たり終了後所定回数(例えば、8回)の特別図柄の抽選が実行されることで終了するように構成する一方で、普通図柄の時短状態が設定される確変状態、若しくは時短状態において大当たりに当選した場合は、次の大当たりまで継続する確変状態、若しくは、大当たり終了後100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する時短状態が設定される構成とした。即ち、通常状態、および潜確状態においては、まず、普通図柄の時短状態が所定回数(8回)付与される大当たりに当選させ、且つ、当該8回以内の抽選で大当たりに当選させることにより、次回の大当たりまで継続する確変状態、若しくは大当たり終了後100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する時短状態に移行させることができるように構成した。次回の大当たりまで継続する確変状態に移行すれば、次の大当たりを、必ず普通図柄の時短状態が設定された状態で当選させることができるので、次の大当たり終了後も、次回の大当たりまで継続する確変状態、若しくは大当たり終了後100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する時短状態となる。よって、遊技者にとって最も有利な状態を形成する。また、100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する時短状態においても、100回以内に大当たりに当選させることができれば、次回の大当たりまで継続する確変状態、若しくは大当たり終了後100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する時短状態となるため、有利な状態となる期待度が比較的高い状態を形成する。
また、本第10実施形態では、次回の大当たりまで継続する確変状態へと移行し、90%の割合で当選する確変大当たりに当選し続けて確変状態と大当たりとが繰り返され、特別図柄の確変状態の上限回数(確変リミット回数)に到達した場合に、確変大当たりに当選したか、通常大当たりに当選したかにかかわらず、時短回数が100回の時短状態(即ち、確変状態よりも相対的に不利な状態)が設定されるかわりに、時短回数内で大当たりに当選した(所謂、引き戻しが発生した)場合に、有利な大当たり種別(ラウンド数が多い大当たり)となる割合が確変状態中に大当たりに当選した場合よりも高くなり易くなるように構成した。より具体的には、第1特別図柄の大当たりよりも、第2特別図柄の大当たりの方が、有利度合いが低い大当たり種別の割合(少ないラウンド数の選択割合)が高くなるように構成した上で、確変リミット回数に到達したことにより設定された時短状態では、第2特別図柄の抽選頻度が著しく低くなるように構成した。即ち、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間が、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間に対して、著しく長くなる(例えば、抽選結果によらず、一律600秒に設定される)ように構成し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されている間に、第1特別図柄の抽選を複数回実行させることが可能に構成した。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する割合が高くなるように構成した。これにより、確変リミット回数に到達した場合に、大当たりを引き戻すことをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第10実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第7実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第7実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図220を参照して、本第10実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図220は、本第10実施形態における遊技盤13の盤面構成を示した図である。図220に示した通り、本第10実施形態における遊技盤13は、第7実施形態における遊技盤13の盤面構成(図178参照)に対して、V入賞装置6500が削除されている点、第2入球口6400が設けられていた位置に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として、右第1入球口64rが設けられている点、および盤面右側に第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として、第2入球口6450が設けられている点で相違する。なお、V入賞装置6500が削除されているのは、本第10実施形態では、特別図柄の抽選で外れ若しくは大当たりのどちらか一方にのみ当選する仕様を採用しており、小当たりが設けられていないためである。
次に、図221を参照して、本第10実施形態における第3図柄表示装置81において実行する特徴的な演出について説明する。上述した通り、本第10実施形態では、普通図柄の時短状態が設定されている間に大当たりに当選すると、大当たり終了後、必ず普通図柄の時短状態が付与されるように構成した。即ち、基本的に確変大当たりに当選した場合は、次回の大当たりまで継続する確変状態が設定され、通常大当たりに当選するか、確変リミット回数に到達した場合は、100回の特別図柄の抽選が実行されるまで継続する時短状態が設定されるように構成されている。本第10実施形態では、普通図柄の時短状態が設定されている間に大当たりに当選した場合に、当該大当たりの終了後に設定された遊技状態が時短状態であるか確変状態であるかを明確に報知せず、演出態様によって示唆するように構成している。この演出態様による示唆の一例について、図221(a),(b)を参照して説明する。
図221(a)は、確変状態が設定されている期待度が比較的高いことを示す表示態様の一例を示した図である。図221(a)に示した通り、確変状態が設定されている期待度が高いことを示す表示態様が設定されると、主表示領域Dmにおいてキャラクタ801が、多くの樹木が生い茂る森林の中で宝箱802を探す演出が展開される。これに加えて、副表示領域Dsにおける第2表示領域Ds2に対して「森林エリア」という文字が表示される。この森林エリアに対応する表示態様は、時短状態が設定されている場合よりも、確変状態が設定されている場合に選択される割合が高くなるように構成されている。
これに対し、図221(b)は、確変状態の期待度が相対的に低い(時短状態の可能性が高い)ことを示す表示態様の一例を示した図である。図221(b)に示した通り、確変状態の期待度が低いことを示す表示態様が設定されると、主表示領域Dmにおいてキャラクタ801が、荒れ果てた荒野の中で宝箱802を探す演出が展開される。これに加えて、副表示領域Dsにおける第2表示領域Ds2に対して「荒野エリア」という文字が表示される。この荒野エリアに対応する表示態様は、確変状態が設定されている場合よりも、時短状態が設定されている場合に選択される割合が高くなるように構成されている。
なお、本第10実施形態では、上述した森林エリア、および荒野エリアの演出態様に加え、実行された時点で確変状態が設定されていることが確定する天空エリアの演出態様(キャラクタ801が雲海の中で宝箱802を探す演出)が設けられている。更に、本第10実施形態では、新たな変動パターン演出(変動表示)が開始される毎に、表示態様の変更可否の抽選を実行する構成としている。これにより、期待度が低い荒野エリアの演出態様が設定されたとしても、変動表示が実行される毎に、確変状態の期待度が高まる演出態様に変更されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第10実施形態における電気的構成>
次に、図222(a)を参照して、本第10実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図222(a)は、本第10実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図222(a)に示した通り、本第10実施形態におけるROM202は、上述した第7実施形態におけるROM202の構成(図183(a)参照)に対して、変動パターンシナリオテーブル202gaが追加されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、時短付与テーブル202eの構成が一部変更となっている点でも相違している。
まず、図223(a)を参照して、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図223(a)は、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図223(a)に示した通り、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の高確率状態(確変状態)において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、が規定されている。
具体的には、図223(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~24」の25個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~24」の25個であるので、確変状態や潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、1/40(25/1000)である。
また、図223(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~6」の7個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~6」の7個であるので、通常状態や時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/143(7/1000)である。
このように、本第10実施形態では、特別図柄の高確率状態と、特別図柄の低確率状態とで、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率が大きく異なるように構成している。よって、遊技にメリハリを付けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図223(b)を参照して、本第10実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図223(b)は、本第10実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの構成を示したブロック図である。図223(b)に示した通り、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202bには、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に大当たり種別を決定(選択)するための特1当たり用テーブル202bf1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に大当たり種別を決定(選択)するための特2当たり用テーブル202bf2と、が少なくとも規定されている。まず、図224(a)を参照して、特1当たり用テーブル202bg1の詳細について説明する。
図224(a)は、本第10実施形態における特1当たり用テーブル202bg1の規定内容を示した図である。図224(a)に示した通り、本第10実施形態における特1当たり用テーブル202bg1には、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA10」~「大当たりH10」の8種類の大当たり種別が規定されている。「大当たりA10」~「大当たりC10」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりD10」~「大当たりF10」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりG10」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。更に、「大当たりH10」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。なお、普通図柄の時短状態が付与されるか否かについては、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とに応じて異なるように構成されている。
図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~5」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA10」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~5」の6個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA10」が決定(選択)される割合は6%(6/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「6~46」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB10」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「6~46」の41個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりB10」が決定(選択)される割合は41%(41/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「47~66」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC10」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「47~66」の20個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC10」が決定(選択)される割合は20%(20/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「67」に対しては、大当たり種別として「大当たりD10」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりD10」が決定(選択)される割合は1%(1/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「68,69」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりE10」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が2個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりE10」が決定(選択)される割合は2%(2/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~89」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりF10」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「70~89」の20個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりF10」が決定(選択)される割合は20%(20/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~92」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりG10」(9ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が3個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりG10」が決定(選択)される割合は3%(3/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「93~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりH10」(3ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が7個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりH10」が決定(選択)される割合は7%(7/100)である。
このように、本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、90%の割合(「大当たりA10」~「大当たりF10」の何れかとなった場合)で確変大当たりとなり、10%の割合(「大当たりG10」、「大当たりH10」の何れかとなった場合)で通常大当たりに当選する構成としている。また、70%の割合でラウンド数が9ラウンドの大当たりが決定され、30%の割合でラウンド数が3ラウンドの大当たりが決定されるように構成している。
次に、図224(b)を参照して、特2当たり用テーブル202g2の詳細について説明する。この特2当たり用テーブル202g2は、上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、当たり種別を決定するためのデータテーブルである。図224(b)に示した通り、本第10実施形態では、第2特別図柄の当たり種別として、「大当たりI10」~「大当たりL10」の4個の大当たり種別が設けられている。「大当たりA10」~「大当たりC10」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりD10」~「大当たりF10」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。「大当たりI10」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりJ10」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりK10」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。更に、「大当たりL10」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。
図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~26」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりI10」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~26」の27個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりI10」が決定(選択)される割合は27%(27/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「27~89」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりJ10」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「27~89」の53個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりJ10」が決定(選択)される割合は53%(53/100)である。
また、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~92」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりK10」(9ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりK10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「90~92」の3個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりK10」が決定(選択)される割合は3%(3/100)である。
更に、図224(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「93~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりL10」(3ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりL10」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「93~99」の7個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりL10」が決定(選択)される割合は7%(7/100)である。
このように、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に、90%の割合(「大当たりI10」、「大当たりJ10」の何れかとなった場合)で確変大当たりとなり、10%の割合(「大当たりK10」、「大当たりL10」の何れかとなった場合)で通常大当たりに当選する構成としている。また、30%の割合でラウンド数が9ラウンドの大当たりが決定され、70%の割合でラウンド数が3ラウンドの大当たりが決定されるように構成している。つまり、ラウンド数の面では、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合の方が第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも有利となる。
次に、図225(a)を参照して、本第10実施形態における変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202dは、第7実施形態における変動パターンテーブル202dと同様に、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)に応じて、特別図柄あの変動時間を決定するためのデータが規定されたデータテーブルである。図225(a)は、本第10実施形態における変動パターンテーブル202dの構成を示したブロック図である。
図225(a)に示した通り、本第10実施形態における変動パターンテーブル202dは、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において変動パターン(変動時間)を決定(選択)するための通常用テーブル202dg1と、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において変動パターン(変動時間)を決定(選択)するための時短用テーブル202dg2と、確変リミット回数に到達した状態において変動パターン(変動時間)を決定(選択)するためのリミット到達時用テーブル202dg3と、で少なくとも構成されている。まず、図225(b)を参照して、通常用テーブル202dg1の詳細について説明する。
図225(b)は、通常用テーブル202dg1の規定内容を示した図である。図225(b)に示した通り、本第10実施形態における通常用テーブル202dg1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。より具体的には、図225(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動時間が7秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に対して、変動時間が10秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に対して、変動時間が30秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「180~198」の範囲に対して、変動時間が60秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図225(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動時間が30秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に対して、変動時間が60秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に対して、変動時間が90秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
これに対して、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が600秒の超ロング外れが対応付けて規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が600秒の超ロング当たりが対応付けて規定されている。よって、通常状態や潜確状態において右打ちを行って第2入球口6450へと遊技球を入球させたとしても、600秒おきにしか特別図柄の抽選を実行させることができないため、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を行った場合の遊技効率を著しく悪化させることができる。よって、通常状態や潜確状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図226(a)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの1つである時短用テーブル202dg2の詳細について説明する。この時短用テーブル202dg2は、上述した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図226(a)は、この時短用テーブル202dg2の規定内容を示した図である。
図226(a)に示した通り、時短用テーブル202dg2には、特別図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値の範囲と、が対応付けて規定されている。即ち、時短状態や確変状態においては、基本的に(確変リミット回数に到達した場合以外は)、特別図柄の種別とは無関係に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンが決定されるように構成している。これは、本第10実施形態における普通図柄の時短状態では、右打ちを行うことにより右第1入球口64rにも、第2入球口6450にも頻繁に遊技球が入球するため、一方の特別図柄の抽選が偏って実行されることがないようにするためである。
図226(a)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。即ち、通常用テーブル202dg1(図225(b)参照)を参照して外れの変動パターンを決定する場合に比較して、短い変動時間が決定され易くなるように構成されている。これにより、普通図柄の時短状態が設定される確変状態や時短状態における遊技を効率良く行わせることができる。
また、図226(a)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。つまり、抽選結果が当たりとなった場合にも、通常用テーブル202dg1(図225(b)参照)を用いて変動パターンを決定する場合に比較して、短い変動時間が決定され易くなるように構成している。
次に、図226(b)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの1つであるリミット到達時用テーブル202dg3の詳細について説明する。このリミット到達時用テーブル202dg3は、上述した通り、確変リミット回数に到達した後に設定される時短状態の間に、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。図226(b)は、この時短用テーブル202dg2の規定内容を示した図である。
図226(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)の場合は、時短用テーブル202dg2(図226(a)参照)と同一の振り分けで各変動パターンが選択される。これに対して、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が600秒の超ロング外れが対応付けて規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が600秒の超ロング当たりが対応付けて規定されている。よって、確変リミット回数に到達した後の時短状態において右打ちを行うと、第2特別図柄の超ロング変動が実行されている間に、第1特別図柄の抽選を集中的に実行させることができる。ここで、上述した通り、第1特別図柄の大当たりは、第2特別図柄の大当たりよりも有利な大当たり種別(ラウンド数が多い大当たり)が決定され易く構成されているので、時短回数内に第1特別図柄の抽選で大当たりとなることをより強く期待させることができる。
次に、図227を参照して、本第10実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、第7実施形態における時短付与テーブル202eと同様に、大当たり終了後の時短回数を、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するために参照されるデータテーブルである。図227は,時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図227に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりA10(9ラウンド確変大当たり)、大当たりD10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、当該確変大当たりが確変リミット到達前の当たりであれば次回の大当たりまで継続する時短回数が付与される一方で、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、8回の時短回数が設定される。よって、確変リミット回数の到達よりも前に大当たりA10又は大当たりD10に当選すれば、次回の大当たりまで継続する確変状態(最も有利な遊技状態)が設定される一方で、確変リミット回数に到達した場合には、特別図柄の低確率状態、且つ、8回の時短状態が設定されるのみであるため、確変リミット回数に到達しているか否かに応じて、遊技者の有利度合いが大きく可変する。なお、次回の大当たりまで継続する時短回数としては、例えば、65536回等の、大当たり確率に対して十分に多い回数(時短回数内に大当たりに必ず当選すると見なすことが可能な回数)が設定される。
また、図227に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりA10(9ラウンド確変大当たり)、大当たりD10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、当該確変大当たりが確変リミット到達前の当たりであれば次回の大当たりまで継続する時短状態が付与される一方で、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、100回の時短回数が設定される。よって、確変リミット回数に到達していた場合でも、持ち球を減らさずに特別図柄の抽選を100回実行させることができるので、大当たりを引き戻すことに対する期待感を抱かせることができる。なお、上述した通り、本第10実施形態では、リミット回数に到達したか否か(確変状態であるか時短状態であるか)を遊技者に明確に報知しないように構成している。このため、実際には確変リミット回数に到達して時短状態が設定されていたとしても、遊技者に対して確変状態を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図227に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりB10(9ラウンド確変大当たり)、大当たりE10(3ラウンド確変大当たり)、および大当たりI10(9ラウンド確変大当たり)に対しては、確変リミット到達前の当たりであっても、確変リミット回数に到達していても、8回の時短回数が付与される。つまり、リミット到達前であれば、大当たり終了後8回の特別図柄の抽選が終了するまでの間確変状態となり、9回目以降は潜確状態となる。一方、リミット回数に到達していれば、大当たり終了後8回の特別図柄の抽選が終了するまでの間時短状態となり、9回目以降は通常状態となる。一方、図227に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりB10(9ラウンド確変大当たり)、大当たりE10(3ラウンド確変大当たり)、および大当たりI10(9ラウンド確変大当たり)に対しては、大当たりA10や大当たりD10と同一の時短付与回数が対応付けられている。つまり、確変リミット回数到達前の当たりに対して、次回の大当たりまで継続する時短回数が対応付けて規定され、確変リミット回数到達後の当たりに対して、100回の時短回数が対応付けて規定されている。よって、大当たりB10,E10,I10は、通常状態、若しくは潜確状態において確変リミット回数に未到達の状態で当選した場合に、大当たり終了後の遊技状態の面で大当たりA10,D10よりも不利となり、その他の状況で当選した場合(確変状態、時短状態で当選した場合、確変リミット回数に到達した場合)には、大当たりA10,D10と同一の遊技状態が設定される。
また、図227に示した通り、通常状態において当選した大当たりC10(9ラウンド確変大当たり)、および大当たりF10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、時短回数として8回が対応付けて規定されている。なお、通常状態で確変大当たりに当選した場合は必ず確変リミット回数に未到達となるため、確変リミット回数到達時の時短付与回数は規定されていない(確変リミット回数に到達し得ないため、規定する必要がない)。また、潜確状態において当選した大当たりC10,F10に対しては、確変リミット到達前の当たりであっても、確変リミット回数に到達していても、時短回数として0回が対応付けて規定されている。つまり、潜確状態において大当たりC10,F10に当選した場合、普通図柄の時短状態が1回も付与されないため、遊技者にとって極めて不利となる。一方、図227に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりC10(9ラウンド確変大当たり)、および大当たりF10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、大当たりA10,B10,D10,E10,I10と同一の時短付与回数が対応付けられている。つまり、確変リミット回数到達前の当たりに対して、次回の大当たりまで継続する時短回数が対応付けて規定され、確変リミット回数到達後の当たりに対して、100回の時短回数が対応付けて規定されている。
また、図227に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりG10(9ラウンド通常大当たり)、大当たりH10(3ラウンド通常大当たり)、大当たりK10(9ラウンド通常大当たり)、および大当たりL10(3ラウンド通常大当たり)に対しては、時短回数として8回が対応付けて規定されている。なお、通常大当たりに当選した場合は確変リミット回数に到達し得ないため、確変リミット回数到達時の時短付与回数は規定されていない(規定する必要がない)。一方、図227に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりG10,H10,K10,L10に対しては、時短付与回数として100回が対応付けられている。つまり、大当たりG10,H10,K10,L10に当選した場合、次回の大当たりまで継続する時短付与回数が設定され得ない分、大当たりA10~F10,H10~J10よりも不利となる。
また、図227に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりJ10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、確変リミット回数に到達したか否かによらず、時短回数として0回が対応付けて規定されている。よって、大当たりJ10は、ラウンド数が少ない上に、時短状態も付与されないため、通常状態や潜確状態において当選した場合に、遊技者にとって不利な大当たり種別となる。一方、図227に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりJ10に対しては、当該確変大当たりが確変リミット到達前の当たりであれば次回の大当たりまで継続する時短状態が付与される一方で、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、100回の時短回数が設定される。
このように、本第10実施形態では、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、確変リミット回数に到達したか否かと、に応じて、大当たり終了後に付与される時短回数を異ならせて構成している。これにより、大当たり終了後の遊技状態を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図228を参照して、変動パターンシナリオテーブル202gaの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202gaは、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターンテーブルの種別との対応関係(変動パターンシナリオ)を選択するために参照されるデータテーブルである。図228に示した通り、本第10実施形態における変動パターンシナリオテーブル202gaには、大当たり種別、大当たり当選時の遊技状態、およびリミット到達の有無に対応付けて、大当たり終了後に設定される変動パターンシナリオが規定されている。具体的には、図228に示した通り、大当たり種別が大当たりA10,D10、確変リミット回数に未到達の状況に対しては、特別図柄の抽選回数によらず、時短用テーブル202dg2が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。よって、大当たりA10,D10の終了後は、次に大当たりとなるまで、特別図柄の抽選が実行される毎に、時短用テーブル202dg2が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される。これは、大当たりA10,D10のいずれかに当選した場合、次に大当たりとなるまで継続する確変状態が設定されるためである。
また、図228に示した通り、通常状態、若しくは潜確状態において、確変リミット回数に到達する前に大当たりB10,E10,I10に当選した場合は、大当たり終了後、8回の抽選が実行されるまでの間、時短用テーブル202dg2が参照され、9回以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、普通図柄の通常状態が設定されている状態において、確変リミット回数内で大当たりB10,E10,I10のいずれかに当選した場合、時短回数が8回の確変状態が設定されるためである。一方、時短状態、若しくは確変状態において、確変リミット回数に到達する前に大当たりB10,E10,I10に当選した場合は、大当たり終了後の抽選回数によらず、時短用テーブル202gd2が参照されて変動パターンが決定される変動パターンシナリオが設定される。これは、普通図柄の時短状態が設定されている状態において大当たりB10,E10,I10のいずれかに当選した場合、次に大当たりとなるまで継続する確変状態が設定されるためである。
また、図228に示した通り、通常状態において、確変リミット回数に到達する前に大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合は、大当たり終了後、8回の抽選が実行されるまでの間、時短用テーブル202dg2が参照され、9回以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、通常状態において、確変リミット回数内で大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合、時短回数が8回の確変状態が設定されるためである。また、潜確状態において、確変リミット回数に到達する前に大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合は、大当たり終了後の抽選回数によらず、通常用テーブル202dg1が参照されて変動パターンが決定される変動パターンシナリオが設定される。これは、潜確状態において、確変リミット回数内で大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定されるためである。一方、時短状態、若しくは確変状態において、確変リミット回数に到達する前に大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合は、大当たり終了後の抽選回数によらず、時短用テーブル202gd2が参照されて変動パターンが決定される変動パターンシナリオが設定される。これは、普通図柄の時短状態が設定されている状態において大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合、次に大当たりとなるまで継続する確変状態が設定されるためである。
図228に示した通り、通常状態、若しくは潜確状態において、大当たりG10,H10,K10,L10のいずれかに当選した場合は、大当たり終了後、8回の抽選が実行されるまでの間、時短用テーブル202dg2が参照され、9回以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、普通図柄の通常状態が設定されている間に大当たりG10,H10,K10,L10のいずれかに当選した場合、時短回数が8回の時短状態が設定されるためである。一方、時短状態、若しくは確変状態において、確変リミット回数に到達する前に大当たりG10,H10,K10,L10に当選した場合は、大当たり終了後、100回の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、時短用テーブル202dg2が参照され、101回目以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、普通図柄の時短状態が設定されている状態において大当たりG10,H10,K10,L10のいずれかに当選した場合、時短回数が100回の時短状態が設定されるためである。
一方、潜確状態において大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選し、且つ、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合、大当たり終了後の抽選回数によらず、通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、潜確状態が設定されている間に大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定されるためである。また、確変状態において大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選し、且つ、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合、大当たり終了後、100回の抽選が実行されるまでの間、リミット到達時用テーブル202dg3が参照され、101回以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、確変状態が設定されている間に大当たりC10,F10,J10のいずれかに当選した場合、時短回数が100回の時短状態が設定されるためである。
これに対し、潜確状態において大当たりC10,F10,J10以外の確変大当たりに当選し、且つ、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合、大当たり終了後、8回の抽選が実行されるまでの間、時短用テーブル202dg2が参照され、9回以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、潜確状態が設定されている間に大当たりC10,F10,J10以外の確変大当たりに当選した場合、時短回数が8回の時短状態が設定されるためである。また、確変状態において大当たりC10,F10,J10以外の確変大当たりに当選し、且つ、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合、大当たり終了後、100回の抽選が実行されるまでの間、リミット到達時用テーブル202dg3が参照され、101回以降の抽選では通常用テーブル202dg1が参照される変動パターンシナリオが設定される。これは、確変状態が設定されている間に大当たりC10,F10,J10以外の確変大当たりに当選した場合、時短回数が100回の時短状態が設定されるためである。
このように、本第10実施形態では、確変状態において確変大当たりに当選し、且つ、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合に、大当たり終了後に設定される時短状態において、リミット到達時用テーブル202dg3を参照して変動パターンを決定する構成としている。即ち、右打ちを行った場合に第1特別図柄の抽選に偏重して実行され易くなるテーブルが参照されるように構成している。つまり、時短回数内で大当たりに当選した場合に、有利な大当たり種別(ラウンド数が多い大当たり)に当選する割合が高くなるように構成している。このように構成することで、確変リミット回数に到達して、確変大当たりに当選していたにもかかわらず、確変状態に比較して不利な(有利度合いが低い)時短状態が設定されてしまったとしても、遊技者が落胆してしまうことを抑制し、時短回数内で大当たりに当選することを強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図229を参照して、本第10実施形態における状態の移行方法について説明する。ここで、本第10実施形態では、上述した通り、有利者に不利な通常状態および潜確状態、遊技者に有利な時短状態および確変状態の4つの遊技状態が設けられている。更に、本第10実施形態では、確変状態として、時短回数が8回の確変状態と、次の大当たり当選まで継続する確変状態と、の2種類が設けられている。また、時短状態として、時短回数が8回の時短状態と、時短回数が100回の時短状態と、の2種類が設けられている。以降の説明では、簡略化のため、遊技者に不利な通常状態、および潜確状態をそれぞれ通常モードA、および通常モードBと称し、時短回数が少ない(8回の)時短状態、および確変状態をそれぞれチャンスモードA、およびチャンスモードBと称し、時短回数が多い(100回の)時短状態を引き戻しモードと称し、次に大当たりとなるまで継続する確変状態(実質的に連荘が確定する状態)を連荘モードと称する。まず、図229の上部左側を参照して、通常モードAにおけるモード移行方法について説明する。
図229の上部左側に示した通り、通常モードAにおいては、大当たりに当選した場合にのみ、他のモードへと移行する可能性がある。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に7%の割合で決定される大当たりA10,D10のどちらかに当選した場合に、大当たり終了後のモードが遊技者に有利な連荘モードに設定される。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に83%の割合で決定される大当たりB10,C10,E10,F10の何れかに当選した場合に、大当たり終了後のモードがチャンスモードBに設定される。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりG10,H10のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。このように、通常モードAにおいて大当たりに当選した場合、必ず普通図柄の時短状態が少なくとも8回付与されるので、当該時短回数内に再度大当たりに当選させることにより、連荘モードへと移行させることを期待させることができる。また、通常モードAにおいて大当たりになると、主として(83%という高い割合で)大当たりB10,C10,E10,F10の何れかに当選し、チャンスモードBへと移行する。つまり、特別図柄の高確率状態で8回の抽選を受けることができる場合がほとんどであるので、連荘モードへの移行をより強く期待させることができる。
次に、図229の上部右側を参照して、通常モードBにおけるモード移行の方法について説明する。図229の上部右側に示した通り、通常モードにおいては、大当たりに当選した場合にのみ、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に7%の割合で決定される大当たりA10,D10のどちらかに当選した場合に、大当たり終了後のモードが遊技者に有利な連荘モードに設定される。なお、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に43%の割合で決定される大当たりB10,E10のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードBに設定される。なお、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりG10,H10のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。一方で、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に40%の割合で決定される大当たりC10,F10のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードが、再度、通常モードBに設定される。即ち、普通図柄の時短状態が付与されない不利な状態が設定される。なお、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードが通常モードAに設定される。つまり、確変リミット回数に到達した場合も、しなかった場合も、時短状態が付与されることはない。このように、通常モードBにおいて大当たりに当選した場合、60%の割合でしか普通図柄の時短状態が付与されないため、大当たり終了後の遊技状態の面では、通常モードAよりも通常モードBの方が不利となる。しかしながら、通常モードBにおいては、大当たり確率が3倍以上にアップしているため、大当たり確率の面では通常モードBの方が有利となる。
次に、図229の中央左側を参照して、チャンスモードAにおけるモード移行方法について説明する。図229の中央左側に示した通り、チャンスモードAにおいては、大当たりに当選した場合の他、時短回数が終了した場合にも、他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図229の中央左側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA10~F10,I10,J10)に当選すると、大当たり終了後のモードが遊技者に最も有利な連荘モードに設定される。一方、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG10,H10,K10,L10)に当選すると、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。これらに対し、チャンスモードAにおいて時短回数が経過する(特別図柄の抽選が8回連続して外れになる)と、遊技者に不利な通常モードAへと移行する。このため、チャンスモードAにおいては、時短回数8回の間に大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図229の中央右側を参照して、チャンスモードBにおけるモード移行方法について説明する。図229の中央左側に示した通り、チャンスモードBにおいては、チャンスモードAと同様に、大当たりに当選した場合、および時短回数が終了した場合に他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図229の中央右側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA10~F10,I10,J10)に当選すると、大当たり終了後のモードが遊技者に最も有利な連荘モードに設定される。なお、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。一方、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG10,H10,K10,L10)に当選すると、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。これらに対し、チャンスモードBにおいて時短回数が経過する(特別図柄の抽選が8回連続して外れになる)と、遊技者に不利な通常モードBへと移行する。このため、チャンスモードBにおいても、チャンスモードAと同様に、時短回数8回の間に大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図229の下部左側を参照して、引き戻しモードにおけるモード移行方法について説明する。図229の下部左側に示した通り、引き戻しモードにおいては、チャンスモードA,Bと同様に、大当たりに当選した場合、および時短回数が終了した場合に他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図229の下部左側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA10~F10,I10,J10)に当選すると、大当たり終了後のモードが遊技者に最も有利な連荘モードに設定される。一方、引き戻しモードにおいて時短回数が経過する(特別図柄の抽選が100回連続して外れになる)と、遊技者に不利な通常モードAへと移行する。これらに対して、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG10,H10,K10,L10)に当選すると、大当たり終了後のモードが再度引き戻しモードに設定される(引き戻しモードをループする)。
次に、図229の下部右側を参照して、連荘モードにおけるモード移行方法について説明する。図229の下部右側に示した通り、連荘モードにおいては、大当たりに当選した場合にのみ、他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図229の下部右側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG10,H10,K10,L10)に当選すると、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。これに対して、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA10~F10,I10,J10)に当選すると、大当たり終了後のモードが再度、遊技者に最も有利な連荘モードに設定される(連荘モードをループする)。なお、確変大当たりに当選して、確変リミット回数に到達した場合には、大当たり終了後に引き戻しモードが設定される。
このように、本第10実施形態では、遊技者にとって有利な連荘モードへと移行させるためには、基本的に、8回の時短回数が設定されるチャンスモードA,Bに移行させた上で、8回という比較的少ない時短回数の範囲内で大当たりに当選させる必要がある。しかしながら、一旦連荘モードへと移行してしまえば、90%という高い割合で連荘モードと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成するので、連荘モードへと移行した場合に、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
次に、図222(b)を参照して、本第10実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成について説明する。図222(b)は、本第10実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図222(b)に示した通り、本第10実施形態におけるRAM222は、第7実施形態におけるRAM203の構成(図183(b)参照)に対して、確変フラグ203ga、リミットカウンタ203gb、変動パターンシナリオ格納エリア203gc、特図1大当たりフラグ203gd、特図2大当たりフラグ203ge、特図1変動時間カウンタ203gf、特図2変動時間カウンタ203gg、特図2変動停止フラグ203gh、およびリミット到達フラグ203giが追加されている点で相違している。また、本第10実施形態では、小当たりが搭載されていないことにより、小当たり種別格納エリア203e、小当たり開始フラグ203f、小当たり中フラグ203g、V通過大当たり種別格納エリア203h、Vフラグ203i、V通過フラグ203jが削除されている点でも相違している。
確変フラグ203gaは、特別図柄の高確率状態が設定されているか否かを示すフラグである。この確変フラグ203gaがオンであれば、特別図柄の高確率状態に設定されていることを示し、オフであれば、特別図柄の低確率状態に設定されていることを示す。つまり、確変フラグ203gaがオンに設定されている場合は、遊技状態として、確変状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:高確率状態)、或いは、潜確状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:低確率状態)の何れかが設定されていることになる。この確変フラグ203gaは、初期状態がオフに設定されていると共に、大当たりを示す特別図柄の停止時にオフに設定される(図239のS1877、図244のS1977参照)。一方、この確変フラグ203gaは、確変大当たりに当選し、且つ、確変リミット回数に到達していない場合に、当該確変大当たりの終了時にオンに設定される(図246のS1676参照)。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す図柄が停止表示されると、オフに設定される(図38のS806参照)。つまり、本第10実施形態では、一旦確変フラグ203gaがオンに設定されると、次に大当たりに当選するまでの間、確変フラグ203gaがオフに設定されることがないので、確変大当たりに当選した場合、大当たり終了後に設定される特別図柄の高確率状態は、パチンコ機10の設定が初期化されない限り(RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入されない限り)、必ず次に大当たりに当選するまでの間継続するように構成されている。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が次に大当たりに当選するまで継続するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の高確率状態を終了させるための特図高確終了条件として、特別図柄の高確率状態(特図高確状態)が設定されてからの特別図柄変動回数(特図変動回数)が予め定められた所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、特別図柄の高確率状態を終了させるように構成してもよい。この場合、確変フラグ203gaに代えて、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行させるまでの残りの抽選回数をカウントするための確変カウンタを設けておけばよい。
さらに、特図高確終了条件を複数用意し、例えば、特図高確状態における第1特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図1高確終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図2高確終了条件や、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、小当たりに当選する抽選結果)である場合に成立し得る抽選終了条件といった様々な特図高確終了条件を容易し、いずれかの特図高確終了条件が成立した場合に特別図柄の高確率状態を終了させるように構成してもよい。
リミットカウンタ203gbは、確変リミット回数をカウントするためのカウンタである。確変大当たりの終了時に、このリミットカウンタ203gbの値が11未満であれば、確変リミット回数に未到達であることを示すため、大当たり終了後の状態が特別図柄の高確率状態に設定される。一方、確変大当たりの終了時に、このリミットカウンタ203gbの値が11であれば、確変リミット回数に到達したことを示すため、大当たり終了後の状態が特別図柄の低確率状態に設定される。このリミットカウンタ203gbは、初期値が0に設定されており、確変大当たりに当選する毎に、当該確変大当たりの終了時に値が1ずつ加算されて更新される(図246のS1674参照)。また、このリミットカウンタ203gbは、確変大当たりの終了時に確変リミットに到達した(カウンタ値が11に更新された)と判別された場合、および通常大当たりの終了時に値が0にリセットされる(図246のS1672参照)。
変動パターンシナリオ格納エリア203gcは、変動パターンシナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。特別図柄の変動開始時には、この変動パターンシナリオ格納エリア203gcに格納されているデータが示す変動パターンシナリオと、大当たり終了後の変動回数とに応じて、変動パターン(変動時間)を決定するための変動パターンテーブルが読み出される。この変動パターンシナリオ格納エリア203gcには、大当たり終了時に、変動パターンシナリオテーブル202gaを参照して決定された変動パターンシナリオに対応するデータが格納される(図246のS1683参照)。
特図1大当たりフラグ203gdは、第1特別図柄の抽選(第1入球口64、または右第1入球口64rへの始動入賞に基づく抽選)で大当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図235のS1816参照)。この特図1大当たりフラグ203gdは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図239のS1877)。この特図1大当たりフラグ203hがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図239のS1875参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との両方で大当たりに当選した場合に、重複して大当たりが開始されてしまう不具合を防止できる。
特図2大当たりフラグ203geは、第2特別図柄の大当たり変動中であることを示すフラグである。この特図2大当たりフラグ203geは、第2特別図柄の抽選(第2入球口6450への始動入賞に基づく抽選)で大当たりとなった場合にオンに設定される(図241のS1926参照)。この特図2大当たりフラグ203geは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図244のS1977参照)。この特図2大当たりフラグ203geがオンの状態で、且つ、第1特別図柄の変動表示が実行中の場合に、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図244のS1974参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との両方で大当たりに当選した場合に、重複して大当たりが開始されてしまう不具合を防止できる。
特図1変動時間カウンタ203gf、および特図2変動時間カウンタ203ggは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのカウンタであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間カウンタ203gf、および特図2変動時間カウンタ203ggのカウンタ値に応じて、各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される。
特図2変動停止フラグ203ghは、第1特別図柄の変動が大当たりの停止図柄で停止表示(確定表示)されてから、大当たりを開始させるまでの間の期間であることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203ghがオンに設定されている間は、第2特別図柄の変動表示の実行が回避される(図240のS1902:Yes参照)。この特図2変動停止フラグ203ghは、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる場合にオンに設定され(図239のS1873参照)、第2特別図柄の変動表示を実行するための処理を回避した場合にオフに設定される(図240のS1902参照)。
リミット到達フラグ203giは、確変リミット回数に到達したか否かを示すフラグである。このリミット到達フラグ203giがオンであれば、確変リミット回数に到達した(11回連続で確変大当たりに当選した)ことを意味し、オフであれば、確変リミット回数に未到達であることを意味する。このリミット到達フラグ203giは、初期状態がオフに設定されており、大当たり終了時にリミットカウンタ203gbのカウンタ値が確変リミット回数である11に更新されたことに基づいてオンに設定される(図246のS1677参照)。また、このリミット到達フラグ203giは、大当たりの開始時(大当たりを示す第1図柄の停止表示を設定する際)にオフに設定される(図239のS1877、図244のS1977参照)。
次に、図230(a)を参照して、本第10実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図230(a)は、本第10実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図230(a)に示した通り、本第10実施形態におけるROM222は、第7実施形態(および第1実施形態)におけるROM222の構成(図26(a)参照)に対して、最終状態表示選択テーブル222cが削除されている点、および背面モード抽選テーブル222gaが追加されている点で相違している。背面モード抽選テーブル222gaは、連荘モード、および引き戻しモードにおいて、確変状態(連荘モード)が設定されている期待度を示す背面モード(演出態様)を抽選するためのデータが規定されているデータテーブルである。この背面モード抽選テーブル222gaの詳細について、図231を参照して説明する。
図231は、この背面モード抽選テーブル222gaの規定内容を示した図である。図231に示した通り、この背面モード抽選テーブル222gaには、背面モードを変更すると判定される演出抽選カウンタの値が、現在の遊技状態と、現在設定されている背面モードの種別と、の組合せ毎に規定されている。具体的には、遊技状態が確変状態で、且つ、現在設定されている背面モードが荒野エリア(確変状態の期待度が低い背面モード)である場合は、演出カウンタ223eが「0~9」の範囲に対して、森林モードが対応付けて規定されている。よって、確変状態で、且つ、荒野エリアが設定されている場合、特別図柄の抽選が実行される毎に、1/10(10/100)の確率で確変期待度が高い森林エリアへと移行させると判定される。なお、天空エリアの背面モードについては、演出カウンタ223eの値が対応付けられていないので、荒野エリアから一足飛びに天空エリアへと移行する可能性は無い。
また、遊技状態が確変状態で、且つ、現在設定されている背面モードが森林エリア(確変状態の期待度が比較的高い背面モード)である場合は、演出カウンタ223eが「0~2」の範囲に対して、荒野モードが対応付けて規定され、「5」に対して天空モードが対応付けて規定されている。よって、確変状態で、且つ、森林エリアが設定されている場合、特別図柄の抽選が実行される毎に、3/100の確率で確変期待度が低い荒野エリアへと移行させると判定され、1/100の確率で確変状態が確定する天空エリアへと移行させると判定される。更に、図231に示した通り、確変状態において天空エリアが設定された状態においては、他の背面モードへの移行抽選が行われない。よって、最も喜ばしい背面モードである天空エリアをより長く継続させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、大当たり終了後に確変状態、若しくは時短状態が設定された場合、最初の背面モードは必ず荒野エリアに設定される。つまり、天空エリアに背面モードを移行させるためには、まず、荒野エリアで1/10の確率の森林エリアへの移行抽選を突破した上で、森林エリアにおいて荒野エリアへと転落するよりも前に、1/100の確率の天空エリアへの移行抽選を突破する必要がある。即ち、確変状態であっても、天空エリアへと移行させることは比較的困難であるため、天空エリアへと移行した場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、図231に示した通り、通常大当たりに当選したことに基づいて設定された時短状態において、背面モードとして荒野エリア(確変状態の期待度が低い背面モード)が設定されている場合には、演出カウンタ223eの値が「0~4」の範囲であれば、森林エリアへと移行される。即ち、1/20(5/100)の確率で確変期待度が高い森林エリアへと移行される。一方、森林エリアが設定されている場合には、演出カウンタ223eの値が「0~14」の範囲であれば、荒野エリアへと移行(転落)する。つまり、確変状態が設定されている場合に比較して、荒野エリアから森林エリアへと移行する確率が低くなり、且つ、森林エリアから荒野エリアへと移行(転落)する確率が高くなるように構成されている。つまり、荒野エリアが設定される割合(滞在比率)が高くなるように構成されているので、背面モードから現在の遊技状態を推測する遊技性を実現することができる。
また、図231に示した通り、確変リミット回数に到達したことに基づいて設定された時短状態において、背面モードとして荒野エリア(確変状態の期待度が低い背面モード)が設定されている場合には、演出カウンタ223eの値が「0~19」の範囲であれば、森林エリアへと移行される。即ち、1/5(20/100)の確率で確変期待度が高い森林エリアへと移行される。一方、森林エリアが設定されている場合には、演出カウンタ223eの値が「0」の範囲であれば、荒野エリアへと移行(転落)する。つまり、確変リミット回数に到達して設定された時短状態では、森林エリアに設定される可能性が最も高くなるように構成されている。よって、通常大当たりに基づく時短状態よりもチャンスであることを遊技者に対して推測させることができる。
次に、図230(b)を参照して、本第10実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図230(b)は、本第10実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図230(b)に示した通り、本第10実施形態におけるRAM223の構成は、第7実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図26(b)参照)に対して、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、時短下限フラグ223j、順終了条件フラグ223k、時短終了前変動フラグ223m、状態演出カウンタ223nが削除されている点で相違している。
<第10実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図232から図246のフローチャートを参照して、本第10実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。まず、図232を参照して、本第10実施形態におけるタイマ割込処理10について説明する。このタイマ割込処理10は、第7実施形態(および第1実施形態)におけるタイマ割込処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態(および第1実施形態)におけるタイマ割込処理(図37参照)と同様に、2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
この第10実施形態におけるタイマ割込処理10のうち、S101,S102,S105~S107,S110およびS111の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第1実施形態)におけるタイマ割込処理(図37参照)のS101,S102,S105~S107,S110およびS111の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第10実施形態におけるタイマ割込処理10(図232参照)では、S102の処理を実行後、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行し(S141)、次いで、第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)に代えて特別図柄変動処理10を実行し(S142)、S105~S107、S110およびS111の処理を実行した後、本処理を終了する。
次に、図233を参照して、本第10実施形態における特別図柄変動処理10(S142)の詳細について説明する。この特別図柄変動処理10(S142)は、第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄の変動表示に関する各種設定を行うための処理である。図233は、この特別図柄変動処理10(S142)の内容を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理10(S142)が実行されると、まず、現在が大当たり中であるかを判別し(S281)、大当たり中であると判別した場合は(S281:Yes)、変動表示に関する設定を行う可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S281の処理において、現在が大当たり中ではないと判別した場合は(S281:No)、次いで、特図1変動時間カウンタ203gfの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(S282)、特図1変動時間カウンタ203gfの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S282:No)、第1特別図柄変動開始処理(S283)を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するS287の処理に移行する。この第1特別図柄変動開始処理(S283)の詳細については、図234を参照して後述する。
一方、S282の処理において、特図1変動時間カウンタ203gfの値が0よりも大きい(第1特別図柄の変動表示中である)と判別した場合は(S282:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理(S284)を実行する。詳細については図238を参照して後述するが、この第1特別図柄変動実行中処理(S284)は、特図1変動中の処理を実行するものである。第1特別図柄変動実行中処理(S284)が終了すると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図1変動時間カウンタ203gfが0であるか)を判別し(S285)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S285:Yes)、第1特別図柄変動停止処理(S286)を実行して、その後、S287の処理へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理(S286)の詳細については、図239を参照して後述する。一方、S285の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S285:No)、S286の処理をスキップして、S287の処理へと移行する。
S287~S291の各処理では、特図1に対して実行したS282~S286の各処理と同様の処理が実行される。S287の処理が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203ggの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(S287)、特図2変動時間カウンタ203ggの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S287:No)、第2特別図柄変動開始処理(S288)を実行し、その後、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S288)の詳細については、図240を参照して後述する。
一方、S287の処理において、特図2変動時間カウンタ203ggの値が0よりも大きいと判別した場合は(S287:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理(S289)を実行する。詳細については図243を参照して後述するが、この第2特別図柄変動実行中処理(S289)は、特図2変動中の処理を実行するものである。
第2特別図柄変動実行中処理(S289)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図2変動時間カウンタ203ggが0であるか)を判別し(S290)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S290:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S291)を実行して、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理(S291)の詳細については、図244を参照して後述する。一方、S292の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S290:No)、S291の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図234を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図233のS142)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S283)について説明する。図234は、この第1特別図柄変動開始処理(S283)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(S283)では、まず、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を取得し(S1801)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S1802)。S1802の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S1802:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1減算して(S1803)、減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S1804)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S1804の処理が終了すると、次に、特別図柄1保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S1805)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S1805の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S1806)。この第1特別図柄大当たり判定処理(S1806)については、図235を参照して、詳しく後述するが、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S1806の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図236参照)。詳細については図236を参照して後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S1807)は、第1特別図柄の当否判定結果、および特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(S1807)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(S1808)。この遊技状態更新処理(S1808)は、詳細については図237を参照して後述するが、パチンコ機10の状態を示す、確変フラグ203gaの状態、時短中カウンタ203kの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。S1808の処理が終了すると、本処理を終了する。
一方、S1802の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判別した場合は(S1802:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図235を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図234のS283)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S1806)について説明する。図235は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S1806)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(S1806)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S1811)。次いで、確変フラグ203gaがオンに設定されているか判別する(S1812)。即ち、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)であるか否かを判別する。確変フラグ203gaがオンである(即ち、特別図柄の確変状態である)と判別した場合には(S1812:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図223(a)参照)に規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S1813)。一方、S1812の処理において、確変フラグ203gaがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S1812:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図223(a)参照)に規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その抽選結果を取得する(S1814)。
そして、S1813またはS1814で取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(S1815)、抽選結果が大当たりであれば(S1815:Yes)、特図1大当たりフラグ203gdをオンに設定し(S1816)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S1817)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S1818)、現在の遊技状態に応じたデータを当選時状態格納エリア203ecに格納して(S1819)、本処理を終了する。
一方、S1815の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S1815:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S1820)、その後、本処理を終了する。
次に、図236を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図234のS283)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S1807)について説明する。図236はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S1807)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図236のS1807)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図235のS1806)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されたか否かを判別する(S1821)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、特図1大当たりフラグ203gdがオンであるか否かで判別される。この特図1大当たりフラグ203gdは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)におけるS1816の処理でオンに設定されるものである。
S1821の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されている(特図1大当たりフラグ203gdがオンに設定されている)と判別した場合には(S1821:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)におけるS1811の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択テーブル202b(図224(a)参照)より大当たり種別を決定し(S1822)、S1823の処理へ移行する。
一方、S1821の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、特図1大当たりフラグ203gdがオフである)と判別した場合には(S1821:No)、S1822の処理をスキップして、S1823の処理へ移行する。
S1823の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(S1823)。次いで、変動パターンシナリオ格納エリア203203gcに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオ(図228参照)を特定し、当該特定した変動パターンシナリオにおける現在の変動回数(抽選回数)に対応付けられている変動パターンテーブルを読み出す(S1824)。S1824の処理が終了すると、次いで、読み出した変動パターンテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S1825)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S1826)。
S1826の処理を終えると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S1827)、次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S1828)、S1825の処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図1変動時間カウンタ203gfにセットして(S1829)、本処理を終了する。
次に、図237を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図234参照)の一処理である遊技状態更新処理(S1808)について説明する。図237は、この遊技状態更新処理(S1808)を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10では遊技状態を設定するための条件である確変フラグ203gaの状態と、時短中カウンタ203kの値とのうち、時短中カウンタ203kの値のみを特別図柄の変動開始時に更新するために、第1特別図柄変動開始処理(図234参照)の一処理である遊技状態更新処理(図237参照)において、時短中カウンタ203kの値を更新する処理を実行するように構成している。
そして、詳細は後述するがオンに設定されている確変フラグ203gaは、大当たり変動が終了し、大当たりを示す特別図柄が停止表示された場合(大当たり遊技が実行される場合)にオフに設定されるように構成している。
つまり、遊技状態を設定する際に参照される2つの条件要素(確変フラグ203gaの状態、時短中カウンタ203kの値)のうち、1の条件要素を特別図柄の変動開始時に更新し、他の条件要素を特別図柄の変動停止時に更新可能とすることにより、2つの条件要素を組み合わせて設定される遊技状態を多様化し易くすることができる。
遊技状態更新処理(図237参照)が開始されると、まず、時短中カウンタ203kの値が0より大きいか否かを判別する(S1831)。時短中カウンタ203kの値が0であると判別した場合には(S1831:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が0より大きいと判別した場合には(S1831:Yes)、時短中カウンタ203kの値を1減算して(S1832)、時短中カウンタ203kの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S1833)。次に、減算後の時短中カウンタ203kの値が0になったか否か判別し(S1834)、0になったと判別した場合には(S1834:Yes)、次いで確変フラグ203gaがオンに設定されているか判別する(S1835)。ここで、確変フラグ203gaがオンに設定されていると判別した場合には(S1835:No)、時短遊技が付与されていない確変状態(即ち、潜確状態)であるため、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(S1836)、本処理を終了する。一方、S1835の処理において、確変フラグ203gaがオンに設定されていないと判別した場合には(S1835:No)、通常状態であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S1837)、本処理を終了する。一方、S1834の処理において、時短中カウンタ203kの値が0ではないと判別した場合には(S1834:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が次に特別図柄の大当たりに当選するまでの間(大当たりを示す組み合わせで特別図柄が停止表示されるまでの間)継続して設定されるように構成しているが、これ以外に例えば、確変フラグ203gaに代えて確変カウンタを設け、特別図柄の変動が実行される毎に確変カウンタの値を減算し、確変カウンタの値が0となった場合に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成しても良い。
このような構成を用いる場合は、図237を参照して示した遊技状態更新処理(S1808)を特図変動開始時遊技状態更新処理とし、これとは別に特別図柄の変動表示が終了したタイミングで確変カウンタの値を更新する特図変動停止時遊技状態更新処理を設けることで、特別図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理と、普通図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理とを異なるタイミングで実行させることができる。
次に、図238を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図233のS142参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理(S284)の内容について説明をする。図238は、第1特別図柄変動実行中処理(S284)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(S284)が実行されると、まず、特図1変動時間カウンタ203gfを1減算して更新し(S1851)、次に、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1852)、本処理を終了する。
次に、図239を参照して、特別図柄変動処理(図233のS142)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S286)について説明する。図239はこの第1特別図柄変動停止処理(S286)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(S286)では、まず、特図1大当たりフラグ203gdがオンに設定されているか(即ち、第1特別図柄を大当たり図柄で停止させるタイミングであるか)判別する(S1871)。S1871の処理において、特図1大当たりフラグ203gdがオンに設定されていると判別した場合には(S1871:Yes)、次いで、特図2変動時間カウンタ203ggの値が1以上の値であるか(即ち、第2特別図柄の変動表示の実行中である可)を判別する(S1872)。S1872の処理において、特図2変動時間カウンタ203ggの値が1以上の値である(第2特別図柄が変動表示中である)と判別した場合には(S1872:Yes)、特図2変動停止フラグ203ghをオンに設定し(S1873)、特図2変動停止フラグ203ghの停止を示す特図2変動停止コマンドを設定する(S1874)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S1875)。
S1875の処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりの開始を設定し(S1876)、現在の遊技状態に応じて当選時状態格納エリア203ecのデータを更新する(S1878)。次いで、特図1大当たりフラグ203gd、特図2大当たりフラグ203ge、確変フラグ203ga、時短中カウンタ203kおよびリミット到達フラグ203giを全てリセットし(S1878)、大当たり中フラグ203dをオンに設定して(S1879)、S1880の処理へ移行する。
一方、S1871の処理において、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203gdがオフに設定されている場合と(S1871:Yes)、S1872の処理において、特図2変動時間カウンタ203ggの値が0であると判別した場合には(S1872:No)、S1873~S1879の処理をスキップし、S1880の処理へ移行する。
S1880の処理では、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(S1880)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S1881)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄変動停止処理(S288)では、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S1873~S1879)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合には(S1872:No)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に外れ図柄で停止させる処理(S1875)が実行される。
なお、本第1実施形態では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。また、本実施形態では、第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)にて当選時状態格納エリア203ecに格納された遊技状態に基づいて、S1876の処理にて大当たりの開始を設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)にて当選時状態格納エリア203ecに格納された遊技状態に基づいて、S1876の処理にて大当たりの開始を設定するようにしてもよい。
次に、図240を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図233)において実行される第2特別図柄変動開始処理(S288)の内容について説明をする。図240は、第2特別図柄変動開始処理(S288)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(S288)では、特図2の変動を開始するための処理が実行される。尚、図234~図239を参照して上述した第1特別図柄の変動に関する処理に対して、変動の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと図柄の対象を異ならせただけである要素については、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動開始処理(S290)では、まず、特図2変動停止フラグ203ghがオンに設定されているかを判別する(S1901)。特図2変動停止フラグ203ghがオンに設定されていると判別した場合には(S1901:Yes)、特図2変動停止フラグ203ghをオフに設定し(S1902)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203ghは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ203ghがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。このため、S1901の処理で特図2変動停止フラグ203ghがオンの場合は、変動開始を設定するS1903~S1910の各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。
一方、S1901の処理において、特図2変動停止フラグ203ghがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(S1901:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)を取得し(S1903)、取得した特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)が0より大きい値であるか判別する(S1904)。S1904の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)が0より大きいと判別した場合には(S1904:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)を1減算して(S1905)、減算後の特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S1906)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値を更新するので、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値と同期させながら、その値を更新することができる。
S1906の処理が終了すると、次に、特別図柄2保留球格納エリア203a2のデータを一つ前のデータにシフトする(S1907)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S1907の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S1908)。詳細については図241を参照して後述するが、この第2特別図柄大当たり判定処理(S1908)は、特別図柄2保留球格納エリア203a2の実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S1908の処理が終了すると、次に、第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図242参照)。詳細については後述するが、この第2特別図柄変動パターン選択処理(S1909)は、第2特別図柄の当否判定結果、および特別図柄2保留球格納エリア203a2の実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第2特別図柄変動パターン選択処理(S1909)が終了すると、次いで、上記した遊技状態更新処理を実行する(S1910(S1808))。S1910の処理が終了すると、本処理を終了する。一方、S1904の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203b2の値(N2)が0であると判別した場合は(S1904:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図241を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図240のS290)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S1908)について説明する。図241はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S1908)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(S1908)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)と同様の処理が実行されるので、ここでは主として、第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)との相違点について説明する。
第2特別図柄大当たり判定処理(S1908)が実行されると、第2特別図柄実行エリアに格納された各カウンタ値を取得する(S1921)。そして、取得した各カウンタ値と、確変フラグ203gaの状態とに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのS1922~S1924の処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を第2特別図柄実行エリアから取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)と同一の制御が実行される。
S1923、またはS1924の処理が終了すると、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S1925)、大当たりであると判別した場合は(S1925:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS1926~S1929の処理を実行し、本処理を終了する。これらのS1926~S1929の各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図235参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS1816~S1819の各処理と同様の処理が実行される。
一方、S1925の処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S1925:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S1820)、本処理を終了する。
次に、図242を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図240のS288参照)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S1909)について説明する。図242はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S1909)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図242のS1909)では、上述した第1特別図柄変動パターン選択処理(図236参照)と第1特別図柄の変動に関する処理に対して、変動の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと図柄の対象を異ならせただけであるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図243を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図233のS142参照)内の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S289)の内容について説明をする。図243は、第2特別図柄変動実行中処理(S289)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(S289)では、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(S289)が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203ggを1減算して更新し(S1951)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新して(S1952)、本処理を終了する。
次に、図244を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理(S291)の内容について説明をする。図244は、第2特別図柄変動停止処理(S291)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S291)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものである。
第2特別図柄変動停止処理(S291)では、上述した第1特別図柄変動停止処理(図239参照)に対して、変動の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと図柄の対象を異ならせただけであるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図245を参照して、本第10実施形態における大当たり制御処理10(S1531)の詳細について説明する。この大当たり制御処理10(S1531)は、第7実施形態における大当たり制御処理7(図192参照)に代えて実行される処理である。この第10実施形態における大当たり制御処理10(S1531)のうち、S1601~S1612の各処理では、それぞれ第7実施形態における大当たり制御処理7(図192参照)のS1601~S1612の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第10実施形態における大当たり制御処理10(S1531)では、S1612の処理において、エンディング期間(エンディング演出)の終了タイミングであると判別した場合に(S1612)、今回の大当たり遊技の終了を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1631)、その後、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S1631)の詳細について、図246を参照して説明する。
図246は、この大当たり終了処理(S1631)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S1631)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。この大当たり終了処理(S1631)では、まず、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別し(S1671)、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S1671:Yes)、リミットカウンタ203gbの値に1を加算する(S1674)。次いで、S1674の処理による加算後のリミットカウンタ203gbの値が11であるか否かを判別し(S1675)、加算後のリミットカウンタ203gbの値が11であると判別した場合は(S1675:Yes)、リミット到達フラグ203giをオンに設定して(S1677)、S1672の処理へ移行する。
一方、S1675の処理において、加算後のリミットカウンタ203gbの値が11ではない(10以下の値である)と判別した場合は(S1675:No)、確変フラグ203gaをオンに設定し(S1676)、S1678の処理へ移行する。
これに対し、1671の処理において今回の大当たりが確変大当たりではない(通常大当たりである)と判別した場合には(S1671:No)、S1674~S1677の処理をスキップし、S1672の処理に移行する。S1672の処理では、リミットカウンタ203gbの値を0に設定し(S1672)、確変フラグ203gaをオフに設定して(S1673)、S1678の処理へ移行する。
S1678の処理では、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203ecのデータと、リミット到達フラグ203giの状態と、に対応する時短回数を時短付与テーブル202e(図225参照)から読み出して(S1678)、その読み出した時短回数を時短中カウンタ203kのカウンタ値として設定する(S1679)。次いで、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定して(S1680)、大当たり後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定する(S1681)。
次に、実行中の大当たり種別と当選時状態格納エリア203ecのデータと、リミット到達フラグ203giの状態と、に対応する変動パターンシナリオを特定し(S1682)、特定した変動パターンシナリオを示すデータを変動パターンシナリオ格納エリア203gcに格納する(S1683)。次いで、大当たりの終了を設定すると共に(S1684)、大当たり中フラグ203dをオフに設定して(S1685)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理を実行することにより、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別と、確変リミット回数の到達有無と、に応じて適切に遊技状態を設定することができる。
<第10実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図247および図248のフローチャートを参照して、本第10実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図247を参照して、本第10実施形態における変動表示設定処理10(S2141)について説明する。この変動表示設定処理10(S2141)は、第7実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図62,S2114参照)に代えて実行される処理である。
この第10実施形態における変動表示設定処理10(S2141)では、上述した第7実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図62、S2114参照)に対して、演出設定処理(S8004)に代えて演出設定処理10(S2831)を実行する点で相違しており、それ以外は同一の処理が実行されるためその詳細な説明を省略する。
次に、図248を参照して、本第10実施形態で実行される演出設定処理10(S2831)について説明する。図248は、この演出設定処理10(S2831)を示すフローチャートである。この演出設定処理10(S2831)は、本第10実施形態で実行される変動表示設定処理10(図247,S2141参照)の中で実行される処理である。
演出設定処理10(S2831)では、まず、現在実行中の変動表示が大当たりの変動パターンであるか否かを判別する(S2921)。S2921の処理において、現在実行中の変動表示が大当たりの変動パターンであると判別した場合は(S2921:Yes)、変動表示態様として、大当たり用の変動表示態様を選択し(S2922)、その後、本処理を終了する。
一方、現在の変動が大当たりの変動パターンではないと判別した場合は(S2921:No)、次いで、現在の遊技状態が確変状態又は時短状態であるか否かを判別する(S2923)。S2923の処理において、現在の遊技状態が確変状態又は時短状態ではないと判別した場合は(S2923:No)、S2928の処理へ移行する。一方、S2923の処理において、現在の遊技状態が確変状態又は時短状態であると判別した場合は(S2923:Yes)、背面モード抽選テーブル222ga(図231参照)を読み出して(S2924)、現在の遊技状態と、リミット到達状態か否かと、に応じて背面モードを抽選し(S2925)、次いで、背面モードを変更すると抽選されたか否かを判別する(S2926)。背面モードを変更しない場合は(S2926:No)、S2928の処理へ移行する。
一方、背面モードを変更すると判別した場合は(S2926:Yes)、変更後の背面モードに対応する表示用背面画像変更コマンド設定し(S2927)、S2928の処理へ移行する。
S2928の処理では、変動表示態様として、外れ用の変動表示態様を選択し(S2928)、その後、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第10実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者に不利な通常モードA,B(通常状態、潜確状態)、有利な連荘モードへと移行する可能性が高くなるチャンスモードA,B(時短回数が8回の時短状態、確変状態)、遊技者に最も有利な連荘モード(次の大当たりまで継続する確変状態)、および遊技者にとって比較的有利な引き戻しモード(時短回数が100回の時短状態)の6つのモードを設ける構成とし、通常モードA,Bにおいて大当たりに当選した場合は、チャンスモードA,Bのどちらかへと移行する場合がほとんどとなる(直接連荘モードへと移行する可能性が低くなる)ように構成した。つまり、チャンスモードA,Bのどちらかにおいて大当たりに当選させなければ(即ち、チャンスモードA,Bへ移行後、8回以内の特別図柄の抽選で大当たりに当選しなければ)、遊技者に有利な連荘モードへと移行させることが困難となるように構成した。これにより、連荘モードへと移行しただけで、遊技者に対して達成感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。加えて、本第10実施形態では、連荘モードにおいて大当たりとなった場合に高い割合で(90%の割合で当選する確変大当たりとなった場合に)大当たり終了後に再度、連荘モードが設定されるように構成し、低い割合(10%の割合)の通常大当たりに当選した場合や、確変リミット回数に到達した場合にも、直接不利な状態に転落せずに、必ず引き戻しモードへと移行するように構成した。そして、引き戻しモードにおいて大当たりに当選した場合は、連荘モードで大当たりに当選した場合と同様に、連荘モード、若しくは引き戻しモードにのみ移行する(復帰する)ように構成した。言い換えれば、引き戻しモードにおいて時短回数内に大当たりに当選する限り、不利な遊技状態へと移行する可能性がないため、連荘モードへと移行した場合における有利度合いをより高くすることができる。よって、連荘モードへと移行した場合における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第10実施形態では、連荘モード(次回の大当たりまで継続する確変状態)へと移行し、90%の割合で当選する確変大当たりに当選し続けて連荘モードと大当たりとが繰り返され、特別図柄の確変状態の上限回数(確変リミット回数)に到達した場合に、確変大当たりに当選したか、通常大当たりに当選したかにかかわらず、引き戻しモードが設定されるかわりに、時短回数(100回)内で大当たりに当選した(所謂、引き戻しが発生した)場合に、有利な大当たり種別(ラウンド数が多い大当たり)となる割合が確変状態中に大当たりに当選した場合よりも高くなり易くなるように構成した。より具体的には、第1特別図柄の大当たりよりも、第2特別図柄の大当たりの方が、有利度合いが低い大当たり種別の割合(少ないラウンド数の選択割合)が高くなるように構成した上で、確変リミット回数に到達したことにより設定された引き戻しモードでは、第2特別図柄の抽選頻度が著しく低くなるように構成した。即ち、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間が、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間に対して、著しく長くなる(例えば、抽選結果によらず、一律600秒に設定される)ように構成し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されている間に、第1特別図柄の抽選を複数回実行させることが可能に構成した。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する割合が高くなるように構成した。これにより、確変リミット回数に到達した場合に、大当たりを引き戻すことをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第10実施形態では、確変リミット回数に到達して時短状態(引き戻しモード)が設定された場合にのみ、当該引き戻しモードの間、比較的有利な第1特別図柄の抽選に偏重して実行される状態を形成する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、連荘モードにおいて通常大当たりに当選することで大当たり終了後に引き戻しモードが設定された場合にも、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(リミット到達時用テーブル202dg3が参照されて変動パターンが決定される)ように構成してもよい。このように構成することで、毎回の引き戻しモードで引き戻しが発生することをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第10実施形態では、連荘モードへと移行した場合に、次に大当たりとなるまで連荘モードが必ず継続するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、連荘モードにおいて特別図柄の抽選条件が成立する毎に、特別図柄の低確率状態(引き戻しモード、若しくは通常モードA)へと移行(転落)させるか否かの抽選(転落抽選)を実行する仕様を採用してもよい。この場合において、大当たり終了後、100回以内に特別図柄の低確率状態へと転落させると判別した場合は、合計100回の抽選が終了するまで引き戻しモードとなるように設定する一方、100回以降に転落させると判別した場合は、通常モードAを設定するように構成してもよい。更に、この場合において、転落抽選により引き戻しモードに転落させる場合、設定された引き戻しモードの間、有利な第1特別図柄の抽選に偏重して実行されるように構成してもよい。このように構成することで、引き戻しモードに転落した後において、引き戻しが発生することをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第10実施形態の変形例>
次に、図249から図252を参照して、上述した第10実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、連荘モードにおいて大当たりと連荘モードとが繰り返されて確変リミット回数に到達し、引き戻しモードが設定された場合に、有利な(即ち、大当たりに当選した場合に有利な大当たり種別が決定され易い)第1特別図柄の抽選ばかりが実行され易くなるように構成することで、引き戻しモードの間に大当たりに当選させたいと遊技者に強く意識させることが可能に構成した。
これに対して本変形例では、確変リミット回数に到達したことに基づいて設定された引き戻しモードにおいて、時短回数内に大当たりに当選させることができずに通常モードA(通常状態)へと移行(転落)してしまった場合に、当該通常モードAにおいて大当たりに当選することで通常よりも連荘モードへと移行する割合が高くなる特別な状態を形成する構成とした。これにより、引き戻しモードから通常モードAへと移行した後においても、遊技を継続しようと思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
まず、図249を参照して、本変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図249は、本変形例における遊技盤13の盤面構成を示した図である。図249に示した通り、本変形例における遊技盤13の盤面構成は、上述した第10実施形態における遊技盤13(図220参照)の盤面構成に対して、第1入球口64に代えて、振分入賞装置750が設けられている点、右第1入球口64rに代えて、第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口としての右第2入球口6400rが設けられている点、および第2入球口6450が削除されている点で相違している。振分入賞装置750は、上部の開口部750aを介して振分入賞装置750の内部へと流入した遊技球を、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口の1種である中央第1入球口64cと、第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口の1種である中央第2入球口6400cとのどちらか一方へと振り分けることが可能に構成されている。即ち、開口部750aを介して振り分け入賞装置750の内部へと流入した遊技球は、開口部750aの直下に設けられている振分部材750bに受け止められて、中央第1入球口64cと、中央第2入球口6400cと、のどちらかへ向けて流下させる。なお、振分部材750bは、正面視右側に傾いた状態(図249参照)と、正面視左側に傾いた状態と、に可変可能に構成されており、正面視右側に傾いた状態においては、開口部750aから流入した遊技球を振分部材750bの左側部分で受け止めて、その受け止めた遊技球の重さによって反時計回りに回動して正面視左側に傾いた状態に切り替わる結果、振分部材750bに受け止められていた遊技球が正面視左下側に配置されている中央第1入球口64cに向けて落下される。一方、不利w3開け部材750bが正面視左側に傾いた状態においては、開口部750aから流入した遊技球を振分部材750bの右側部分で受け止めて、その受け止めた遊技球の重さによって時計回りに回動して正面視右側に傾いた状態に切り替わる結果、振分部材750bに受け止められていた遊技球が正面視右下側に配置されている中央第2入球口6400cに向けて落下される。つまり、開口部750aに遊技球が入球する毎に、振分部材750bが遊技球を受け止めて、中央第1入球口64cと中央第2入球口6400cとに交互に流下させるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選をより効率良く実行させることができる。
<第10実施形態の変形例における電気的構成>
次に、図250を参照して、本第10実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。ここで、本変形例では、上述した第10実施形態におけるROM202の構成(図222(a)参照)に対して、変動パターンテーブル202d、時短付与テーブル202e、および変動パターンシナリオテーブル202gaの規定内容が一部変更となっているのみである。よって、ROM202の構成についての図示は省略している。
まず、図250を参照して、本変形例における変動パターンテーブル202dを構成する通常用テーブル202dg1の詳細について説明する。この通常用テーブル202dg1は、上述した第10実施形態における通常用テーブル202dg1(図225(b)参照)と同様に、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選の抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を決定(選択)するためのデータが規定されたデータテーブルである。図250(a)は、この通常用テーブル202dg1の規定内容を示した図である。
図250(a)に示した通り、本変形例における通常用テーブル202dg1は、図柄種別によらず、第10実施形態における通常用テーブル202dg1(図225(b)参照)の第1特別図柄の振り分けと同一の振り分けで、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。つまり、本変形例では、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、第1特別図柄の抽選が実行された場合と同様に比較的短い変動時間が選択され易くなる(600秒の超ロング変動が選択され得ない)ように構成している。これは、図249を参照して上述した通り、本変形例では、第10実施形態における第1入球口64(第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口)が設けられていた位置に、振分装置750(中央第1入球口64cと中央第2入球口6400cとに遊技球を交互に入賞させる構成)が設けられており、普通図柄の通常状態において通常の遊技方法(左打ち)を行うことにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが並列して(同時に)実行され易くなるように構成されているためである。即ち、変則的な遊技方法(普通図柄の通常状態において右打ちを行う遊技方法)を行わなくても、第2特別図柄の抽選が実行されるように構成されているため、遊技効率の向上を目的として、第2特別図柄の変動時間を第10実施形態よりも短く構成している。
次に、図250(b)を参照して、本変形例におけるリミット到達時用テーブル202dg3の詳細について説明する。このリミット到達時用テーブル202dg3は、第10実施形態におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図226(b)参照)と同様に、確変リミット回数に到達して、確変大当たりに当選したにもかかわらず強制的に大当たり終了後が特別図柄の低確率状態に設定された場合に、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定(選択)するために参照される可能性があるデータテーブルである。
図250(b)は、このリミット到達時用テーブル202dg3の規定内容を示した図である。図250(b)に示した通り、本変形例におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図250(b)参照)は、上述した第10実施形態におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図226(b)参照)に対して、抽選結果毎の変動種別カウンタCS1の値の範囲と選択(決定)される変動パターン(変動時間)との対応関係が、第1特別図柄と第2特別図柄とで真逆になっている点で飲み相違している。つまり、上述した第10実施形態におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図226(b)参照)の第1特別図柄における対応関係が、本変形例におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図250(b)参照)では第2特別図柄の対応関係となっている。また、上述した第10実施形態におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図226(b)参照)の第2特別図柄における対応関係が、本変形例におけるリミット到達時用テーブル202dg3(図250(b)参照)では第1特別図柄の対応関係となっている。よって、本変形例では、リミット到達時用テーブル202dg3(図250(b)参照)を参照して変動パターンを決定すると、第1特別図柄の変動時間として、抽選結果によらず600秒という極めて長い変動時間が必ず設定される一方で、第2特別図柄の変動時間として、比較的短い変動時間(3秒~30秒)が設定される。これにより、リミット到達時用テーブル202dg3が参照される期間(確変リミット回数に到達し、且つ、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が101回以降)においては、左打ちにより振分入賞装置750を狙って遊技球を発射した場合に、第1特別図柄の抽選が600秒おきにしか実行されなくなる一方で、第2特別図柄の抽選を比較的頻繁に行わせることができる。つまり、大当たりに当選した場合に有利な大当たり種別(次回の大当たりまで継続する確変状態が付与される大当たり種別)が決定され易い有利な第2特別図柄の抽選に偏重させることができるので、他の条件(パチンコ機10が初期化された場合や通常大当たりに当選した場合)で移行した通常状態よりも有利度合いが高い特別な通常状態(特別状態)を形成することができる。よって、特別状態の間、遊技を継続したいと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図251を参照して、本変形例における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、第10実施形態における時短付与テーブル202eと同様に、大当たり終了時に、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて時短回数を設定する(時短中カウンタ203kのカウンタ値を設定する)際に参照されるデータテーブルである。図251は、本変形例における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図251に示した通り、本変形例における時短付与テーブル202e(図251参照)は、上述した第10実施形態における時短付与テーブル202eの規定内容(図227参照)に対して、第2特別図柄の大当たりの一部(大当たりI10,J10)の時短付与回数が変更となっている点で相違している。より具体的には、図251に示した通り、通常状態において当選した大当たりI10(9ラウンド確変大当たり)については、確変リミット回数に未到達の大当たりに対して次回大当たりまで継続する時短回数(例えば、65536回)が対応付けて規定され、確変リミット回数に到達後の大当たりに対して、8回の時短回数が対応付けて規定されている。また、潜確状態において当選した大当たりI10に対しては、確変リミット到達前の当たりであっても、確変リミット回数に到達していても、時短回数として8回が対応付けて規定されている。一方、図251に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりI10(9ラウンド確変大当たり)に対しては、他の確変大当たりと同一の時短付与回数が対応付けられている。つまり、確変リミット回数到達前の当たりに対して、次回の大当たりまで継続する時短回数が対応付けて規定され、確変リミット回数到達後の当たりに対して、100回の時短回数が対応付けて規定されている。
また、大当たりJ10の時短付与回数に関しては、大当たりC10、および大当たりF10と同一の時短回数が対応付けて規定されている。即ち、通常状態において当選した大当たりJ10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、時短回数として8回が対応付けて規定されている。また、潜確状態において当選した大当たりJ10に対しては、確変リミット到達前の当たりであっても、確変リミット回数に到達していても、時短回数として0回が対応付けて規定されている。つまり、潜確状態において大当たりJ10に当選した場合、普通図柄の時短状態が1回も付与されないため、遊技者にとって極めて不利となる。一方、図251に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりJ10(3ラウンド確変大当たり)に対しては、他の確変大当たりと同一の時短付与回数が対応付けられている。つまり、確変リミット回数到達前の当たりに対して、次回の大当たりまで継続する時短回数が対応付けて規定され、確変リミット回数到達後の当たりに対して、100回の時短回数が対応付けて規定されている。
このように、本変形例では、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりI10,J10)に当選した場合における有利度合いを、第10実施形態よりも高くする構成としている。即ち、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、27%の割合(大当たりI10に当選した場合)で、実質的に次に大当たりとなるまで継続する時短回数が設定され(即ち、直接連荘モードに移行し)、73%の割合(大当たりJ10~L10に当選した場合)で、8回の時短回数が設定される(即ち、チャンスモードA,Bのどちらかに移行する)ように構成した。つまり、通常状態においては、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり終了後に直接連荘モードへと移行する割合(大当たりA10,D10のどちらかに当選する割合である7%)よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになって連荘モードへと移行する割合の方が4倍近く高くなるように構成している。このため、通常状態においては、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。また、リミット到達時用テーブル202dg3(図250参照)が参照されて変動パターンが選択される特別状態に移行した場合に、連荘モードへと直接移行する可能性がより高まるので、特別状態に移行した場合における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図252を参照して、本変形例における変動パターンシナリオテーブル202gaの詳細について説明する。本変形例における変動パターンシナリオテーブル202gaは、第10実施形態における変動パターンシナリオテーブル202ga(図228参照)と同様に、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターンテーブルの種別との対応関係(変動パターンシナリオ)を選択するために参照されるデータテーブルである。図252は、この変動パターンシナリオテーブル202gaの規定内容を示した図である。
図252に示した通り、本変形例では、第10実施形態における変動パターンシナリオテーブル202ga(図228参照)に対して、確変リミット回数に到達した場合に設定される変動パターンシナリオが一部変更となっている点でのみ相違している。より具体的には、確変状態において確変大当たりに当選し、且つ、当該大当たりによって確変リミット回数に到達した場合、大当たり終了後、100回の抽選が実行されるまでの間、時短用テーブル202dg2が参照され、101回以降の抽選ではリミット到達時用テーブル202dg3が参照される変動パターンシナリオが設定される。つまり、連荘状態と大当たりとの繰り返しによって確変リミット回数に到達して引き戻しモードが設定され、且つ、当該引き戻しモード(時短回数が100回の時短状態)の間に大当たりに当選させることができなかった場合、その後の通常状態においては、特別図柄の抽選が実行される毎に、リミット到達時用テーブル202dg3が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される。従って、比較的有利な(大当たりに当選した場合に、連荘モードへと直接移行する割合が高い)第2特別図柄の抽選に偏重して実行させることができるので、引き戻しモードが終了した後も、遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
以上説明した通り、第10実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、連荘モードと大当たりとの繰り返しによって確変リミット回数に到達し、引き戻しモードが設定され、且つ、当該引き戻しモードの間に大当たりに当選させることができずに遊技者に不利な通常モードAへと移行した場合に、大当たりに当選することで連荘モードへと移行する割合が高くなる特別状態を設定する構成とした。即ち、不利な(通常状態において大当たりに当選しても連荘モードが設定され難い)第1特別図柄の抽選がほとんど実行されなくなり、有利な(通常状態において大当たりに当選すると連荘モードが設定される割合が高い)第2特別図柄の抽選に偏重させて抽選を実行させることが可能となる状態を形成する構成とした。これにより、特別状態へと移行した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、確変状態や、時短状態等の遊技者に有利な遊技状態が設けられているものが一般的に知られている。係る従来型の遊技機の中には、一旦有利な遊技状態に移行すると、有利な遊技状態と大当たりとが比較的高い割合で繰り返されるものが存在し、有利な遊技状態へと移行した場合における遊技者の興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態が終了して不利な遊技状態(例えば、通常状態)が設定されてしまった場合に、不利な遊技状態における遊技を継続しようと思わせることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して本変形例では、引き戻しモードの終了後に特別状態(リミット到達時用テーブル202dg3が参照されて変動パターンが決定される状態)が設定された場合には、不利な通常状態における遊技を継続しようと思わせることができるので、有利な遊技状態が終了した後も、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本変形例では、確変リミット回数に到達して引き戻しモードが設定される場合にのみ、当該引き戻しモードの終了後に特別状態を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、連荘モードにおいて通常大当たりに当選することで大当たり終了後に引き戻しモードが設定された場合にも、引き戻しモード終了後の通常モードA(通常状態)を特別状態に設定する構成としてもよい。このように構成することで、引き戻しモードが終了した場合には、必ず特別状態が設定される構成とすることができるので、引き戻しモードが終了した場合における遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことをより確実に防止(抑制)することができる。
本変形例では、確変リミット回数に到達したことに基づく引き戻しモードが終了した後の通常モードAでは、大当たりに当選するまでリミット到達時用テーブル202dg3が参照されて変動パターンを決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、引き戻し終了後、特定回数(100回)の抽選が終了するまでの間に限り、リミット到達時用テーブル202dg3を参照して変動パターンを決定する構成としてもよい。このように構成することで、引き戻しモードが終了した後で、所謂ハマりが発生してしまった場合に、遊技者がヤメ時を見失ってしまうことを防止し、特定回数の抽選が終了した時点で一旦遊技を辞めるかどうかの決断を行わせることができる。
本変形例では、引き戻しモードが終了して通常モードAに移行した場合にのみ、有利な第2特別図柄の抽選に偏重させることができる有利な状態を形成する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常モードAや通常モードBにおいて特定回数(例えば、200回)以上の特別図柄の抽選に渡って連続して外れとなった場合にも、第1特別図柄の変動時間が極めて長くなる(600秒)有利な状態を形成する構成としてもよい。このように構成することで、所謂ハマりが発生したとしても、遊技に対するモチベーションが低下し難く構成できる。
<第11実施形態>
次に、図253から図272を参照して、第11実施形態について説明をする。上述した第7実施形態では、有利な時短状態において大当たりになるよりも、不利な通常状態において大当たりになった方が、大当たり終了後の遊技状態として遊技者に有利な時短遊技状態が設定され易くなるように構成するために、時短状態中に実行され易い第2特別図柄の抽選において高確率で小当たりに当選するように構成し、小当たりにおいてV入賞を発生させて大当たりを開始させた場合に時短状態が付与される割合を、時短状態中の小当たりよりも通常状態中の小当たりの方が高くなるように構成していた。
これに対して、本第11実施形態では、遊技者に有利となる時短状態中に第2特別図柄の保留球(特図2保留球)を獲得可能な有利期間と、その有利期間よりも獲得困難な不利期間とを設定可能に構成し、且つ、不利期間が有利期間よりも先に設定されるように構成している。そして、時短状態の不利期間中に大当たり遊技が実行される場合よりも、時短状態の有利期間中に大当たり遊技が実行された場合のほうが、大当たり遊技の終了後に実行される遊技が遊技者に有利となり易くなるように構成している。即ち、遊技者に有利となる時短状態が設定されてから特定条件が成立するまで(有利期間が設定されるまで)の間に大当たり遊技を実行させるよりも、特定条件が成立してから(有利期間が設定されてから)大当たり遊技を実行させたほうが、遊技者に有利となる(大当たり遊技終了後に特図2保留球を用いた第2特別図柄抽選を実行し易くなる)ように構成している。
また、時短状態中の大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技後に時短状態が設定される場合よりも、通常状態中に大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技後に時短状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い時短状態を設定することで、時短状態中に大当たり遊技を実行する場合よりも、時短状態中に確保した特図2保留球を用いて、通常状態中に大当たり遊技を実行させた場合のほうが、遊技者に有利となるように構成している。
このように構成することで、いち早く大当たり遊技を実行させる(特図2保留球を確保していない、或いは、少量の特図2保留球しか確保していない状態で大当たり遊技を実行させる)という第1の遊技方法(不利期間中に実行された小当たり遊技にてV入賞させる遊技方法)と、時短状態を終了させるまでに時間及び持ち球を要してしまうリスクを承知で、第2特別図柄の保留球を多く保ったまま時短状態を終了させ、時短状態終了後の小当たりでV入賞を発生させるという第2の遊技方法と、を遊技者に選択させることができる。
また、上述した第8実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設け、さらに、遊技者が実行する遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)に応じて、複数の時短終了条件(特図1終了条件、特図2終了条件)のうち成立し易い時短終了条件を異ならせるように構成していた。そして、各時短終了条件が成立する直前の状態(時短終了前条件が成立した状態)であるかを判別し、一の時短終了条件に対して時短終了前条件が成立したと判別された場合に、時短終了前条件が成立した一の時短終了条件よりも他の時短終了条件が成立し易い遊技方法で遊技を行わせるための演出(遊技方法案内演出)を実行するように構成していた。
つまり、上述した第8実施形態では、時短状態中の遊技を遊技者に最大限に楽しませるために(時短状態中の遊技期間を長くするために)、複数の時短終了条件のうち、一の時短終了条件を成立させるための要素(例えば、第2特別図柄の変動回数)のみが更新され、他の時短終了条件を成立させるための要素(例えば、第1特別図柄の変動回数)が全く更新されていない状態で、時短状態が終了してしまうことを抑制するように構成していた。
さらに、上述した第8実施形態では、第2特別図柄の抽選権利を最大で4個保留記憶可能に構成しており、第2特別図柄の抽選権利を保留記憶させた状態で時短状態を終了させることにより、時短状態終了後に設定される通常状態中において、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選を実行できるように構成していた。つまり、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数を最大限に増やしながら、且つ、第2特別図柄の抽選権利をより多く保留記憶させた状態で時短状態を終了させることが可能な演出を実行するように構成していた。
これに対して、本第11実施形態では、上述した第7実施形態と同様に、時短状態が設定された場合に、時短状態以外の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている場合よりも抽選権利を取得し易くすることができる第2特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選より優先して実行されるように構成している。そして、時短状態中に実行される特別図柄の抽選回数が所定回数(10回)に到達した場合に時短状態が終了するように構成している。また、本第11実施形態では、第2特別図柄の保留球数(第2特別図柄抽選が実行される時点で保留記憶されている第2特別図柄の抽選権利の保留記憶数)と、時短状態が終了するまで(時短状態中の特別図柄の抽選回数が10回に到達するまで)の特別図柄の残抽選回数(残時短回数)とに基づいて、時短状態中に実行される第2特別図柄の変動パターンとして、異なる変動パターン(変動時間)が選択されるように構成し、時短状態中に選択される第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に応じて、時短終了時点における特図2保留球数の獲得期待度を異ならせるように構成している。即ち、時短状態中の特図2保留球数増減タイミングに基づいて、時短状態の終了時点における特図2保留球数を多くし易くしたり、少なくし易くしたりすることができるように構成している。
より具体的には、時短状態の最後半期間(例えば、時短9回目、10回目)で実行される特別図柄変動(特図2変動)の変動時間の長さとして、特図2変動中に特図2保留球を獲得することが困難となる極端に短い変動時間(例えば、0.1秒)や、特図2保留球数を容易に獲得することが可能な長い変動時間(例えば、20秒)を、特図2保留球数に応じて選択するように構成している。
さらに、時短状態中において、遊技者が右打ち遊技を継続して実行する場合よりも、一時的に右打ち遊技を中断した場合のほうが、時短状態の終了時点における特図2保留球数が多くなり易くなるように構成している。具体的には、特定の時短回数目(例えば、時短8回目)の特図2変動中に特図2保留球数を上限数(4個)にした場合に、残りの時短回数に対応する特図2変動の変動時間が何れも極端に短い変動時間(例えば、0.1秒)となるように構成している。
このように構成することで、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、単に右打ち遊技を継続して実行するのでは無く、右打ち遊技の実行の有無も考えさせながら遊技を行わせることができる。即ち、遊技を実行しないほうが有利になるという斬新な遊技性を提供することができる。
加えて、本第11実施形態では、時短状態中において、遊技者に有利となる遊技方法を遊技者に案内可能な案内演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、実行されている案内演出の演出内容に従った遊技を行わせるという遊技者の技量が求められる遊技を行わせることができるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して過剰に不利な遊技が行わせてしまうことを抑制することができる。
本第11実施形態は、上述した第7実施形態、及び8実施形態に対して、遊技盤13の構成の一部と、第3図柄表示装置81の表示面で実行される演出内容の一部と、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成の一部を変更した点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図253を参照して、本第11実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図253は、本第11実施形態における遊技盤13の正面図である。図253に示した通り、本第11実施形態における遊技盤13は、第7実施形態における遊技盤13(図178参照)に対して、V入賞装置6500の配置位置を盤面左側から盤面右側へと変更した点と、スルーゲート67の配置位置をV入賞装置6500の下方位置へと変更した点と、第1可変入賞装置65の配置位置を盤面中央下方位置から、盤面左側へと変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第11実施形態では、可変表示ユニット80の左側の遊技領域(左側領域)を流下した遊技球のほうが、可変表示ユニット80の右側の遊技領域(右側領域)を流下した遊技球よりも入賞し易い位置に第1入球口64と、第1可変入賞装置65が配設されており、右側領域を流下した遊技球のほうが、左側領域を流下した遊技球よりも入賞し易い位置にV入賞装置6500、スルーゲート67、電動役物6400aが付随する第2入球口6400が配設されている。
つまり、本第11実施形態では、通常状態が設定されている場合と、大当たり遊技が実行されている場合は、主として左側領域に遊技球を流下させる左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となり、時短状態が設定されている場合と、小当たり遊技が実行されている場合は、主として右側領域に遊技球を流下させる右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる。
次に、図253を参照して、本第11実施形態のパチンコ機10における右側領域の盤面構成について説明をする。本第11実施形態のパチンコ機10では、右側領域の上方位置にV入賞装置6500が配設されており、遊技盤13に植設された釘によって、右打ち遊技によって発射された遊技球のほぼ全てがV入賞装置6500の開閉扉6400f1の上面を上流側から下流側(図253の視点で左側から右側)へと流下するように、V入賞装置6500の左側端部に向けて誘導される。
また、上述した第7実施形態にて説明をした通り、V入賞装置6500の開閉扉6500f1は、閉鎖された状態において、その上面に複数の遊技球が通過可能な流路が形成されるように構成している(図179参照)。よって、小当たり遊技が実行されている状態で右打ち遊技を行うことで、小当たり遊技中にV入賞装置6500へと遊技球を確実に入賞させることができる。
V入賞装置6500の開閉扉6500f1が閉鎖している状態(小当たり遊技が実行されていない状態)において、右側領域を流下する遊技球は、閉鎖状態である開閉扉6500f1の上面を通過し、上述した第7実施形態と同様に、スルーゲート67を通過し、電動役物640aへと到達する流路と、スルーゲート67を通過すること無くアウト口66に向けて流下する流路とに振り分けられるように構成している。
本第11実施形態では、上述した第7実施形態と同様に、遊技状態として時短状態が設定されると、第2入球口6400に付随する電動役物6400aが開放し易くなるため、右打ち遊技によって第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口6400へと遊技球を入球させる遊技が行われる。
以上、説明をした通り、本第11実施形態では、時短状態中に実行される右打ち遊技にて、球が最初にV入賞装置6500に到達するように構成している。よって、時短状態中に小当たり遊技が実行された場合に、その小当たり遊技期間中におけるスルーゲート67への球の通過や、第2入球口6400への入球を抑制することができる。これにより、時短状態中における第2特別図柄の保留記憶数の増加具合を、時短状態中の第2特別図柄変動の変動時間を異ならせることで管理することができる。
なお、本第11実施形態では、スルーゲート67、及び、第2入球口6400がV入賞装置6500の下方に配設することで、小当たり遊技中に第2入球口6400へと遊技球が入球することを抑制しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技中も遊技球がスルーゲート67を通過可能に構成し、スルーゲート67を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄の抽選で当たり当選したとしても、開放動作される電動役物6400aが付随する第2入球口6400へと遊技球が到達し得ないように構成しても良い。この場合、小当たり遊技期間中にスルーゲート67へと遊技球を通過させることが可能となるため、普通図柄の保留記憶が小当たり遊技中に枯渇してしまい、時短状態中の遊技が円滑に実行できなくなる事態を抑制することができる。
また、スルーゲート67のみをV入賞装置6500の下方に配設し、電動役物6400aが付随する第2入球口6400をV入賞装置6500の上方に配設するように構成しても良い。この場合、第2入球口6400を右側領域の上流側に配設することが可能となるため、時短状態中に第2入球口6400へと円滑に遊技球を入球させることができ、時短状態中の遊技をスムーズに実行させることができる。
ここで、時短状態が設定されている状態における遊技内容について、第7実施形態と異なる点について簡単に説明をする。本第11実施形態では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選に対して設定(選択)される変動パターン(変動時間)を、時短状態における特別図柄の抽選回数(残時短回数)や、第2特別図柄の保留記憶数に基づいて異ならせるように構成しており、第2特別図柄の保留記憶を確保し難い変動パターン(変動時間が短い変動パターン)と、第2特別図柄の保留記憶を確保し易い変動パターン(変動時間が長い変動パターン)と、を設定(選択)可能に構成している。
そして、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選に対して設定(選択)される変動パターン(変動時間)によって、時短状態が終了した時点で多くの第2特別図柄の保留記憶を確保可能な状態と、確保困難な状態と、を現出させることが可能となるように構成している。さらに、時短状態中に右打ち遊技を継続して実行するよりも、特定のタイミングで右打ち遊技を中断させたほうが、時短状態の終了時点での第2特別図柄の保留記憶数を多くし易くできるように構成している。このように構成することで、時短状態中における遊技方法を遊技者が任意に選択することにより、時短状態終了後に実行される遊技の有利度合い(保留記憶された第2特別図柄抽選の実行回数)を可変させることができるため、時短状態中の遊技を遊技者に意欲的に行わせることができる。
また、本第11実施形態では、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、時短状態中に特別図柄(第2特別図柄)の抽選が6回実行されるまでの期間)が、その所定期間が経過した後の期間(時短状態中の7回~10回目の特別図柄(第2特別図柄)抽選が実行される期間)よりも、第2特別図柄の保留記憶を確保し難い不利期間となるように構成している。言い換えれば、時短状態が設定されてからの所定期間よりも、その所定期間が経過した後の期間のほうが、第2特別図柄の保留記憶を確保し易い有利期間となるように構成している。
このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合に、当選時の時短回数によって第2特別図柄の保留球数の確保状況を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、小当たり当選した時点において確保している第2特別図柄の保留球数に応じて、小当たり遊技中にV入賞を発生させるための遊技を行うか否かを選択させることができる。
つまり、時短状態中に小当たり当選し、その小当たり遊技中に遊技球をV入賞させたことに基づいて実行される大当たり遊技(V大当たり)の終了後に通常状態が設定される場合には、遊技者に有利な第2特別図柄の保留記憶を新たに獲得することができないため、時短状態中に確保していた第2特別図柄の保留記憶数分のみ第2特別図柄の抽選が実行される。よって、時短状態中に第2特別図柄の保留記憶をより多く確保した状態でV入賞させることが遊技者に有利な遊技となる。
しかしながら、本第11実施形態では、時短状態が設定されてからの前半期間を、第2特別図柄の保留記憶が確保し難い不利期間とし、後半期間を、第2特別図柄の保留記憶が確保し易い(不利期間よりは確保し易い)有利期間としているため、時短状態が設定された直後において小当たり当選した場合に、第2特別図柄の保留記憶数に関わらず早急に大当たり(V大当たり)を目指す遊技を実行するか、時短状態中に遊技球をV入賞させることができないリスクを負いながら第2特別図柄の保留記憶を確保するために有利期間(後半期間)となるまで遊技球をV入賞させない遊技を実行するかを、遊技者に選択させることができる。よって、遊技者が選択した遊技方法によって、後の遊技結果を大きく異ならせることができる。
さらに、本第11実施形態では、上述した時短状態の後半期間(有利期間)において、第2特別図柄の保留記憶数に応じて、選択される第2特別図柄変動の変動パターンを異ならせるように構成している。そして、選択される第2特別図柄変動の変動パターンによって、時短状態の終了時点における第2特別図柄の保留記憶数の獲得期待度を異ならせるように構成している。より、具体的には、時短状態が設定されてから9回転目の第2特別図柄変動が実行されるタイミングで第2特別図柄の保留記憶数が上限(4)である場合には、時短状態の終了時点における第2特別図柄の保留記憶数が少なくなり、時短状態が設定されてから9回転目の第2特別図柄変動が実行されるタイミングで第2特別図柄の保留記憶数が特定数(3)である場合には、時短状態の終了時点における第2特別図柄の保留記憶数が多くなり易くなるように構成している。
つまり、時短状態中に継続して右打ち遊技を実行する場合よりも、右打ち遊技を一時的に中断し、第2特別図柄の保留記憶数が上限数では無い特定数となるように調整することで、時短状態の終了時点における第2特別図柄の保留記憶数を多くし易くすることができるように構成している。このように構成することで、時短状態中において遊技者が実行する遊技方法に応じて、時短状態が終了した場合における有利度合い、即ち、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が終了した場合において、その時短状態の終了後に実行される遊技の有利度合いを異ならせることができるため、時短状態中の遊技を遊技者に意欲的に行わせることができる。
また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、時短状態中に遊技球がV入賞したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に再度時短状態が設定される場合に、その時短状態(再時短状態)を終了させるための終了条件として、第1特別図柄の抽選が1回実行された場合に成立する時短終了条件(特図1時短終了条件)を設定している。そして、図253に示した通り、大当たり遊技中に実行される遊技方法(左打ち遊技)によって、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64へと遊技球が入球し得るように構成している。
このように構成することで、時短状態中に第2特別図柄の保留記憶を確保出来ていない状態で遊技球をV入賞させた場合には、例え、その大当たり遊技の終了後に再度時短状態が設定される場合であっても、第2特別図柄の抽選が実行される前に、第1特別図柄の抽選が実行され、特図1時短終了条件が成立するため瞬時に時短状態が終了してしまうことになる。
一方、時短状態中に第2特別図柄の保留記憶を確保した状態で遊技球をV入賞させた場合は、その大当たり遊技の終了後に再度時短状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選よりも優先して第2特別図柄の抽選が実行されるため、第1特別図柄の保留記憶を確保していない状態で時短状態(再時短状態)が設定される場合よりも、特図1時短終了条件が成立し難くすることができる。
また、時短状態中にV入賞させること無く、第2特別図柄の保留記憶数を上限まで確保した状態で時短状態を終了させ、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選(時短状態中に確保した保留記憶に基づく抽選)で小当たり当選し、その小当たり遊技中に遊技球をV入賞させたことに基づいて実行される大当たり遊技(V当たり)の終了後に時短状態が設定される場合、即ち、通常状態中に実行される大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合には、上述した特図1時短終了条件が設定されないように構成している。
つまり、本第11実施形態では、時短状態が設定されてからの所定期間内にV当たりを実行させた場合は、所定期間経過後にV当たりを実行させた場合よりも遊技者に不利となるように構成し、さらに、時短状態が設定されてからの所定期間内にV当たりを実行させる場合よりも、第2特別図柄の保留記憶数を上限まで確保した状態で時短状態を終了させたほうが遊技者に有利となるように構成している。
このように構成することで、時短状態中において遊技者が選択した遊技方法によって、後の遊技結果を大きく異ならせることができるため遊技の興趣を向上させることができる。
<第11実施形態における演出内容について>
次に、図254から図258を参照して、本第11実施形態のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、時短状態が設定されている場合に実行される時短演出の演出内容について説明をする。尚、本第11実施形態では、上述した第7実施形態のパチンコ機10で実行される時短演出の演出内容に対して、時短回数(残時短回数)と、第2特別図柄の保留記憶数(特図2保留球数)と、実行される第2特別図柄変動の変動時間と、に基づいた演出態様を設定する点で相違し、それ以外は同一である。同一の演出態様(表示態様)については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第11実施形態では、上述した通り、時短状態中に実行される遊技の内容に応じて、後に実行される遊技の有利度合いが大きく可変するように構成しているため、遊技者に対して時短状態中にどのような遊技を行うかを選択させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、本実施形態では、遊技者に対して、後に実行される遊技の有利度合いを高くするための遊技方法を案内するための案内演出を実行可能に構成している。これにより、実行される案内演出の演出態様によって、遊技者に有利となる遊技が実行されることを目指す遊技を把握し易くすることができる。また、把握した遊技内容に従った遊技を実際に実行するための技量が問われることになるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
本第11実施形態では、上述した第7実施形態と同様に、時短状態が設定されると、少年を模したキャラクタ801が鍵を集める時短演出が実行される。詳細な説明は後述するが、本第11実施形態では、時短状態の前半期間(時短状態が設定されてから1回目~6回目までの特別図柄変動(第2特別図柄変動)が実行される期間)中は、変動時間が極端に短い超短変動パターン(変動時間0.1秒)が選択され、特図2保留球数を増加させ難くするように構成している。図示は省略しているが、この前半期間中は、時短状態中の演出内容を説明するための表示態様(時短状態が設定された場合に表示される表示態様)が継続して表示される。そして、時短状態の前半期間が経過し後半期間(7回目以降の特別図柄変動が実行される期間)になると、遊技者に時短状態中に実行させる遊技方法を案内するための各種表示態様が表示される。
ここでは、時短状態の後半期間中に表示され得る表示態様(演出内容)について詳細に説明をする。図254(a)は、時短状態が設定されてから7回目の特別図柄変動(第2特別図柄変動)として、ミドル変動(10秒変動)が実行されている場合に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図である。図254(a)に示した通り、本第11実施形態では、上述した第7実施形態にて実行される時短演出(図181参照)に対して一部の表示態様を変更した時短演出(案内演出)が実行される。
図254(a)に示した例は、7回目の第2特別図柄変動が10秒変動している状態であって、特図2保留球を1つ確保している状態で表示され得る表示態様を示したものであり、表示領域HR6の内部には、残りの時短回数が3回であることを示す「残り3回」という文字が表示されている。そして、少年のキャラクタ801の右側に、4つの表示領域HR1~HR4が形成される。これら4つの表示領域には、第2入球口6400へと遊技球が入球して保留球が増加する毎に、当該保留球に応じた態様の鍵の画像が表示される。また、図181(a)に示した通り、副表示領域Dsに対して、「右打ちで鍵を貯めるんだ!!」との文字が表示された表示領域HR5が形成される。これらの表示態様により、遊技者に対して右打ちを行うことで表示領域HR1~HR4に対して鍵が貯まっていくということを容易に理解させることができる。
図254(a)に示した図では、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留球)を1つ確保している状態であることを示す表示態様として、表示領域HR4の内部に特図2保留球に対応して表示される表示態様である「鍵」のアイコンが表示されている。その後、10秒間のミドル変動中に、特図2保留球を上限(4個)まで確保すると、図254(b)に示した表示態様が表示される。図254(b)は、時短7回目のミドル変動(10秒変動)中に、特図2保留球を上限数(4個)までGET(確保)した場合に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。
図254(b)に示した通り、第2特別図柄変動の実行中に特図2保留球数が上限に達すると、それ以上、右打ち遊技を実行したとしても、新たな特図2保留球を確保することができない状態であるため、副表示領域Dsに対して、「鍵を4つGET!!しばらく休憩」との文字が表示された表示領域HR5が形成される。そして、表示領域HR1~HR4には、現在の特図2保留球数が上限(4)であることを示すために「鍵」のアイコンが各領域にそれぞれ表示される。また、図254(a)では「右打ち」が表示されていた案内表示領域Dm2の表示態様として「右打ち」の表示が遊技者に見難い表示態様へと可変表示される。これらの表示態様により、特図2保留球を上限値まで確保したことを遊技者に分かり易く理解させると共に、これ以上右打ち遊技を実行する必要が無い状態であることを容易に理解させることができる。
尚、図254(b)に図示した例では、案内表示領域Dm2の「右打ち」表示を見難くすることで、遊技者に対して右打ち遊技を行う必要が無いことを報知しているが、これに限ること無く、例えば、案内表示領域Dm2の大きさを小さくしたり、案内表示領域Dm2とは別の表示領域に「右打ち」を表示したり、「右打ち」という文字表示よりも遊技者に分かり難い表示態様(例えば、マーク表示)で「右打ち」を報知するように構成しても良い。このように、主として右打ち遊技が実行される時短状態中において、遊技者に分かり易い右打ち案内表示(図254(a)参照)と、その右打ち案内表示よりも遊技者に分かり難い表示態様と、を切り替えて表示するように構成することで、現在が時短状態であることを遊技者に理解させた上で、右打ち遊技を実行する必要が無い状態であることを遊技者に把握させることができる。また、右打ち遊技を案内するための表示態様そのものを表示しない(非表示にする)ように構成しても良い。
次に、図255を参照して、時短8回目の第2特別図柄変動が実行されている間に表示される演出内容について説明をする。図255(a)は、時短8回目のミドル変動(10秒変動)中であって、特図2保留球数が特定数(3個)である場合の表示態様を模式的に示した模式図であり、図255(b)は、時短8回目のミドル変動(10秒変動)中であって、特図2保留球数が特定数(3個)未満(1個)である場合の表示態様を模式的に示した模式図である。
詳細は後述するが、本第11実施形態では、時短8回目の第2特別図柄変動が停止表示された時点における特図2保留球数が特定数(3個)である場合に、時短10回目の第2特別図柄変動として長時間変動が選択され易くなるように構成している。よって、時短7回目のミドル変動中に特図2保留球数が上限値に到達した場合は、図254(b)に示した休憩表示を継続させた休憩表示(図255(a)参照)が表示される。一方で、時短7回目の第2特別図柄変動中に特図2保留球を上限まで獲得することができなかった場合は、図255(b)に示した通り、2回目の特図2保留球獲得チャンスの表示態様が表示される。
図254(a)では、今回の第2特別図柄変動の実行中に新たな特図2保留球を獲得することを抑制するための表示態様として、主表示領域Dmに「しばらくお待ち下さい」と表示され、副表示領域Dsに「遊技休憩中」の文字が表示される表示領域HR5が形成される。そして、案内表示領域Dm2には、遊技を中断させることを案内する「STOP」の文字が表示される。これら表示態様により、遊技者に対して現在が新たな特図2保留球を獲得してはいけない状態であることを容易に把握させることができる。
また、特図2保留球数を示すための表示領域HR1~HR4のうち、4個目の特図2保留球に対応する「鍵」のアイコンが表示され得る表示領域HR1を非表示にすることで、あたかも、現在の特図2保留球数(3個)が、獲得可能な特図2保留球数の上限値であると思わせることができ、視覚的に右打ち遊技を行わなくても良い状態であると遊技者に思わせることができる。
さらに、主表示領域Dmに、残時短回数が「2回」であることを示すための表示領域HR6を、図254(b)に示した表示領域HR6よりも小さく形成している。これにより、図254(b)に示した表示態様から、図255(a)に示した表示態様へと第3図柄表示装置81の表示内容が移行する際に、時短回数が更新されたことを遊技者に分かり難くすることができる。なお、図255(a)で示した表示例とは異ならせ、表示領域HR6を非表示にしても良いし、表示領域HR6に「残り?回」と表示しても良い。このように構成することで、遊技者が残時短回数を把握させ難くすることができるため、実行中の演出内容にのみ注視させ易くすることができる。加えて、この場合、表示領域HR1~HR4に表示される特図2保留球数を示す表示態様を可変させ、特図2保留球数に対応させた数の表示態様が表示されないように構成しても良い。これにより、遊技者に対して特図2保留球数の増減具合を把握され難くすることができるため、実行中の演出内容にのみ注視させ易くすることができる。
図255(b)は、特図2保留球数が3個となるまで第2入球口6400に遊技球を入球させることを案内する案内演出が実行されている状態の表示画面であって、副表示領域Dsに「右打ちで鍵を3個貯めろ!!4個はダメ!!」と表示される表示領域HR5が形成されている。そして、表示領域HR1~HR4のうち、4個目の特図2保留球に対応する表示領域HR1には、4個目の特図2保留球を獲得してはいけない状態であることを視覚的に報知する「DANGER」の文字が表示されている。
詳細は後述するが、本実施形態では、時短7回目の第2特別図柄変動の実行中において特図2保留球数が上限となった場合、或いは、時短8回目の第2特別図柄変動の実行中において特図2保留球数が3個となった場合に、時短状態の終了時点における特図2保留球数が最も多くなり易くなるように構成している。一方で、時短8回目の第2特別図柄変動の実行中において特図2保留球数が上限(4個)となった場合には、時短状態の終了時点における特図2保留球数が少なくなり易くなるように構成している。
よって、図255(a)、及び(b)に示した通り、時短8回目の第2特別図柄変動として、ミドル変動(10秒変動)が実行される場合には、変動開始時における特図2保留球数に応じて演出内容を異ならせることで、遊技者に有利となる遊技方法を案内することができる。また、図254(b)に示した通り、時短7回目の第2特別図柄変動の実行中において特図2保留球数が上限となった場合には、時短7回目の第2特別図柄変動中から遊技者に対して右打ち遊技を中断させる案内態様を表示するように構成しているため、右打ち遊技を中断させる案内を時短8回目の第2特別図柄変動の開始タイミングから実行する場合に比べて、時短8回目の第2特別図柄変動の開始タイミングにて右側領域に存在する遊技球の数を減少させることができる。よって、時短8回目の第2特別図柄変動の実行中において特図2保留球数が上限(4個)となり難くすることができる。
次に、図256を参照して、時短10回目(時短状態の最終変動)にてロング変動(20秒変動)が実行されている間に表示される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。本実施形態では、特図2保留球数が2個の状態で時短10回目の第2特別図柄変動が実行されると(時短10回目の第2特別図柄変動が開始された時点では特図2保留球数が1個)、その第2特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が20秒のロング変動が選択される。そして、そのロング変動中に、特図2保留球を上限まで獲得させるための演出が実行される。さらに、案内表示領域Dm2の表示態様として、時短状態中の他のタイミングよりも右打ち遊技を強調して案内する強調表示態様(図では、2重の枠線で表示)が表示される。
図256に示した例では、表示領域HR6には、時短状態の最終変動であることを示す「ラスト」の文字が表示され、副表示領域Dsには「右打ちで宝を集めろ」と表示された表示領域HR5が形成される。そして、本変動中に獲得した特図2保留球は、時短状態が終了した後、即ち、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に用いられることが確定しているため、特図2保留球数を示すための表示態様として、図254(a)に示した表示態様(「鍵」のアイコン)とは異ならせた表示態様として「宝」のアイコンが表示されている。このように、特図2保留球数を示すための表示態様を可変させることにより、遊技者に対して、保留記憶されている特図2保留球の有利度合いが異なることを理解させることができる。
なお、本実施形態では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利となるように構成しているため、具体的には、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて大当たり遊技(V当たり)が実行される場合よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて大当たり遊技(V当たり)が実行される場合のほうが、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された際の時短終了条件として、成立し難い時短終了条件が設定されるように構成している。よって、時短状態中に用いられる特図2保留球を示す表示態様(鍵)よりも、通常状態中に用いられる特図2保留球を示す表示態様(宝)のほうが、視覚的に価値のある表示態様としている。このように、実際の有利度合いと、表示態様が示す価値とを対応付けることにより、遊技者に視覚的に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図257を参照して、時短状態中における特図2保留球数が遊技者に不利となる保留球数となった場合に表示される表示内容について説明をする。図257(a)は、時短8回目のミドル変動(10秒変動)中に、特図2保留球数が上限(4個)となった場合に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図255(b)を参照して上述した通り、時短8回目のミドル変動(10秒変動)中に、鍵を3個貯める演出が実行される。ここで、遊技者が右打ち遊技の操作を誤ってしまい、鍵を4個貯めてしまった(特図2保留球数が4個になってしまった)場合には、図257(a)に示した通り、主制御装置110の中央部に爆弾を模したアイコン890が表示され、残時短回数を示す表示領域HR6には、残時短回数を遊技者が把握し難い表示態様として「残り?回」が表示されている。そして、副表示領域Dsには、時短状態がいつ終了するのか、及び、現在の特図2保留球数がいくつであるのかを遊技者が把握し難い演出モードである「DANGERゾーン」に突入したことを示す「DANGERゾーン突入!!」と表示された表示領域HR5が形成される。
図257(a)に示した通り、DANGERゾーンが設定されると、残時短回数と、特図2保留球数とが表示面に表示されなくなる。詳細は後述するが、時短8回目の特図2変動中に特図2保留球数が上限となった場合は、時短9回目、及び時短10回目の第2特別図柄変動の変動パターンとして、超短変動パターン(変動時間0.1秒)が選択され、時短10回目の第2特別図柄変動中に新たな特図2保留球を獲得できない(し難い)ように構成している。このように、一度DANGERゾーンが設定されてしまうと、時短状態の終了時点における特図2保留球数が少なくなってしまう不利状態となる。このような表示態様を表示することにより、遊技者に対して実行した遊技方法が誤った遊技方法であったことを分かり易く報知することで、次回の遊技にて適正な遊技方法で遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第11実施形態では、遊技者に不利となる不利状態を時短状態の後半期間に設けるために、第2特別図柄の変動時間として超短変動パターン(0.1秒)を選択可能に構成している。そして、第2特別図柄の変動時間として超短変動パターン(0.1秒)を実行することにより、第2特別図柄の変動期間中に特図2保留球を獲得し難くするように構成している。この場合、変動期間中に特図2保留球を獲得することを困難にすることは可能だが、その超短変動時間のみを用いて第2特別図柄の抽選結果を遊技者に報知することが困難となるという問題があった。
それに対して、本実施形態では、時短状態の後半期間において、DANGERゾーンが設定された場合には、図257(a)に示した通り、爆弾を模したアイコン890を表示させておき、いつ爆発するか分からない状況を予め表示しておき、例えば、図257(b)に示したように、超短変動パターンが設定される第2特別図柄変動にて小当たりに当選した場合は、爆弾を模したアイコン890を爆発させ、小当たり当選を示した「V」の文字891を表示させるように構成している。このように構成することで、既に爆弾を模したアイコン890が表示されている状態から爆弾を爆発させた表示態様を表示するだけで第2特別図柄の抽選結果を表示することができる。よって、変動時間が短く設定されている第2特別図柄変動であっても、遊技者に分かり易く抽選結果を報知することができる。
なお、図示は省略しているが、超短変動パターンが設定されている第2特別図柄変動の抽選結果が外れである場合には、その第2特別図柄が停止表示されたとしても、爆弾を模したアイコン890を継続して表示させるように構成している。これにより、第2特別図柄の抽選結果が外れであることを遊技者に示すために第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示態様(爆弾のアイコン)を可変表示することが無いため、煩わしい演出が実行されてしまうことを抑制することができる。また、DANGERゾーンが設定された状態で時短状態の最終変動が停止表示される場合には、図257(b)に示したように、爆弾が爆発する表示態様が表示され、確保している特図2保留球数を示す表示態様が表示されるように構成している。このように構成することで、DANGERゾーンが設定されると最終的に(小当たり、或いは大当たりに当選した場合、或いは、時短状態が終了した場合に)爆弾が爆発する表示態様が表示される。よって、遊技者に対して、爆弾が爆発した際にどの表示態様(当たりを示す表示態様、或いは、時短状態の終了を示す表示態様)が表示されるのかについて興味を持たせることができ、最後まで演出を楽しませることができる。
なお、DANGERゾーンは、時短状態が終了した時点で多くの特図2保留球を確保し難い状態となった場合に設定されるものであるため、このDANGERゾーン中は、小当たり当選した場合に、遊技球をV入賞させたほうが遊技者に有利となり易い状態である。よって、図257(b)に示した通り、DANGERゾーン中に小当たり当選した場合には、遊技者に対してV入賞を狙わせる遊技(右打ち遊技)行わせるための表示態様として、案内表示領域Dm2には「右打ち」が強調表示され、副表示領域Dsには「小当たりVを狙え」と表示された表示領域HR5が形成される。
本実施形態では、上述した通りDANGERゾーン中に特図2保留球数や残時短回数が表示されないように構成しているが、これに限ること無く、時短状態中に通常表示される表示態様(例えば、図254(a)参照)よりも遊技者が判別困難な表示態様で特図2保留球数や残時短回数を表示するように構成しても良い。また、遊技者が操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作を実行することにより、DANGERゾーン中であっても、特図2保留球数や残時短回数を具体的に報知可能な表示態様を表示させるように構成しても良い。
最後に、図258を参照して、時短状態中であって、特図2保留球数が0個の状態で小当たり当選した場合に表示される表示内容について説明をする。図258は、時短状態中に特図2保留球数が0個の状態で小当たり当選した場合に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図である。上述した通り、本第11実施形態では、時短状態が設定されており、且つ、特図2保留球数が0個の状態でV当たり(大当たり遊技)を実行した場合には、その大当たり遊技の終了後に再度時短状態が設定されたとしても、第1特別図柄変動の実行により即座に時短状態が終了してしまうように構成している。よって、時短状態が設定されており、且つ、特図2保留球数が0個の状態で小当たり当選した場合には、V入賞を狙う遊技を実行するか、今回の小当たり遊技でV入賞を狙わずに、残りの時短期間中に特図2保留球を獲得しながら、次の小当たり当選を目指す遊技を実行するのかを遊技者に選択させることになる。
この場合、図258に示した通り、時短状態であって特図2保留球数が0の状態で小当たりに当選すると、主表示領域Dmの下部には、「選べ」という文字が表示された横長略長方形形状の表示領域HR7が形成され、副表示領域Dsの左半分に対して、「鍵を貯めたい」という文字と、「STOP」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域が形成され、右半分に対して、「大当たりさせたい」という文字と、「右打ち」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域が形成される。そして、案内表示領域Dm2は、遊技者に遊技方法を選択させるための期間であることを示すために、案内表示態様が非表示となっている。更に、表示領域HR4の左側に、右向きの矢印(即ち、表示領域HR4の方向を向いた矢印)を模した矢印画像YGが表示される。この矢印画像YGにより、現在が時短状態中であることを遊技者に把握させることができる。これらの表示内容により、遊技者に対して、遊技を中断(STOP)させることで、V入賞を発生させずに小当たり遊技を終了させるか、右打ち遊技を行うことで、V入賞を発生させて大当たりを開始させるかを選択させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、右打ち遊技を行わないための遊技方法の案内として、遊技球の発射を中断させることを示す「STOP」を用いているが、これ以外の遊技方法を案内しても良く、例えば、小当たり遊技中に遊技球がV入賞し得ない遊技方法として「左打ち」を案内するように構成しても良い。また、本実施形態では、小当たり遊技の開始時において特図2保留球数を判別し、0個である場合に、図258に示した表示態様を表示し、遊技者に遊技方法を選択させるように構成しているが、これに加え、例えば、小当たり遊技中に特図2保留球数が増加したか(小当たり遊技中に第2入球口6400に遊技球が入球したか)を判別し、その判別結果に基づいて、小当たり遊技中の表示態様を可変させるように構成しても良い。
この場合、例えば、小当たり遊技中に特図2保留球数が上限値に到達した場合は、その状態でV入賞を発生させて大当たり遊技を開始させることが遊技者に最も有利な状況となるため、強制的に右打ち遊技を実行させる表示態様(例えば、主表示領域Dmの中央部に最強調案内表示態様として大きな「右打ち」の文字を表示させる表示態様)を表示するように構成し、副表示領域Dsに、今V入賞を発生させると最も有利な遊技が実行されることを示す「スーパーチャンス」の文字を表示させるように構成すれば良い。また、特図2保留球数が上限値未満の範囲で増加した場合には、その増加量と、残時短回数とに基づいて、今回の小当たり遊技中にV入賞をさせたほうが良いか否かを予測し、その予測結果に基づいて右打ち遊技を案内させる表示態様の強調具合を可変表示(例えば、「STOP」を案内する表示領域に対して、徐々に「右打ち」を案内する表示領域の大きさが大きくなるように可変表示)させるように構成すれば良い。このように構成することで、小当たり遊技中における遊技状況の変化に応じた表示態様が小当たり遊技中に実行されるため、遊技者を、小当たり遊技中の遊技に注目させることができる。
また、この場合、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技に複数の種別を設定しておき、設定される小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に開閉扉6500f1が閉鎖する期間の長さを異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、実行される小当たり遊技の種別に応じて、小当たり遊技中に第2入球口6400へと遊技球を入球させる期待度を可変させることができる。つまり、図253に示した通り、時短状態で実行される小当たり遊技中に開閉扉6500f1の閉鎖期間が長く設定された場合には、右打ち遊技により右側領域を流下した遊技球がスルーゲート67、或いは、第2入球口6400へと到達し易くすることができるため、小当たり遊技中に特図2保留球数を獲得し易くすることができる。
さらに、複数の小当たり種別のうち、特定の小当たり種別に対応する小当たり遊技として、小当たり遊技が実行された直後に第1期間(1秒)の開放期間が設定され、その後、10秒間の閉鎖期間を経て、第2期間(0.5秒)の開放期間が設定される小当たり遊技を実行するように構成し、小当たり遊技の終了条件として遊技球がV入賞装置6500に2個入賞した場合に小当たり遊技が終了する入賞数終了条件を設定するように構成すると良い。この場合、小当たり遊技中に右打ち遊技を継続して実行した場合には、第1期間中に2個以上の遊技球がV入賞装置6500へと入賞し、小当たり遊技が終了するのに対して、第1期間中の右打ち遊技を中断することにより、10秒間の閉鎖期間が設定され、その閉鎖期間中に特図2保留球を獲得した上で、第2期間中にV入賞装置6500へと遊技球を入賞させることができる。つまり、小当たり遊技の実行中においても、遊技者が選択する遊技方法に応じて、後の遊技における有利度合いを可変させることができる。
また、上述した特定の小当たり種別を設ける場合には、今回実行される小当たり遊技が特定の小当たり種別に対応する小当たり遊技であるかを遊技者に分かり難くさせるために、例えば、第1期間(1秒)の開放期間が設定され、その後、0.2秒の閉鎖期間を経て小当たり遊技が終了する小当たり種別を設けると良い。このように構成することで、今回実行される小当たり遊技が右打ち遊技を中断させたほうが良い小当たり遊技であるか否かを、小当たり遊技の開放動作内容(小当たり遊技が実行されてから所定期間が経過するまでの開放動作内容)に応じて容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、この場合、実行される小当たり遊技の種別(小当たり種別)を遊技者に示唆可能な示唆演出や、小当たり遊技中における遊技方法(右打ち継続、右打ち中断)を案内するための案内演出を、小当たり遊技中に実行するように構成しても良い。
<第11実施形態における電気構成>
次に、図259から図261を参照して、本第11実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明をする。まず、図259(a)を参照して、本第11実施形態における特別図柄2乱数テーブル202ha2について説明をする。図259(a)は、本第11実施形態における特別図柄2乱数テーブル202ha2の構成を示したブロック図である。図259(a)に示した通り、本第11実施形態における特別図柄2乱数テーブル202ha2は、第7実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2(図184(b)参照)に対して、小当たり判定値として規定されている第1当たり乱数カウンタC1の範囲を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。具体的には、図259(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たり当選する判定値として「10~259」の範囲が規定されている。本実施形態では第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値の範囲が「0~999」であるため、本第11実施形態では、第2特別図柄抽選が実行された場合に、約1/4の確率で小当たり当選するように構成している。
図259(b)は、時短付与テーブル202hbの内容を模式的に示した模式図である。この時短付与テーブル202hbは、上述した時短付与テーブル202e(図186(a)参照)に対して、当選時の遊技状態が時短状態である場合に設定される時短付与回数(時短終了条件)を変更した点と、時短状態中に大当たりD11に当選した場合と、大当たりE11に当選した場合に、その大当たり遊技終了後に時短状態を設定するように変更した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、大当たり種別については、説明の便宜上一部名称を変更しているが、実質同一の内容であるためその詳細な説明を省略する。
図259(b)に示した通り、「大当たりA11」、及び「大当たりB11」に当選した場合は、上述した第7実施形態の「大当たりA7」、及び「大当たりB7」に当選した場合と同一の時短付与回数が設定されるため、詳細な説明を省略する。
次に「大当たりC11」に対しては、大当たり遊技が実行される際の遊技状態が通常状態である場合には時短付与回数として「10回」が対応付けて規定され、大当たり遊技が実行される際の遊技状態が通常状態である場合には、時短付与回数として「10回」、或いは、「特図1(第1特別図柄)の変動1回」が対応付けて規定されている。つまり、「大当たりC11」が決定された場合は、遊技状態によらず大当たり終了後に遊技者に有利な時短状態が設定される。そして、時短状態中に「大当たりC11」に当選した場合には、時短状態中に特別図柄変動が10回実行された場合、或いは、第1特別図柄変動が1回実行された場合に、時短終了条件が成立し、時短状態が終了するように規定されている。
このように構成することで、時短状態中にV入賞が発生し「大当たりC11」が設定された状態で特図2保留球数が0個である場合は、左打ち遊技が実行される大当たり遊技中に第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を高確率で獲得するため、大当たり遊技の終了後に、第2特別図柄の抽選よりも非優先で実行される第1特別図柄の抽選が実行されることになる。よって、「特図1(第1特別図柄)の変動1回」と規定された時短終了条件が成立し、即座に時短状態が終了することになる。
詳細は後述するが、本実施形態では、上述した第7実施形態と同様に、特別図柄変動が停止表示(確定表示)された時点で時短終了条件が成立したかを判別するように構成しているが、時短状態中における1回転目の第1特別図柄変動の変動パターンとして超短変動パターン(変動時間0.1秒)が選択されるように構成しているため、時短状態中にV入賞が発生し「大当たりC11」が設定された状態で特図2保留球数が0個である場合は、実質、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合と同一の遊技結果となる。
一方、時短状態中にV入賞が発生し「大当たりC11」が設定された状態で特図2保留球数が4個である場合は、時短状態が設定された後に、第1特別図柄の抽選よりも優先して第2特別図柄の抽選が実行され、且つ、第2特別図柄の抽選が4回実行される間に、新たな特図2保留球を獲得することで、「特図1(第1特別図柄)の変動1回」よりも、「10回」の時短終了条件が成立し易くすることができる。
このように、時短状態が設定された時点における第2特別図柄の保留記憶数(特図2保留球数)に応じて、成立し易い時短終了条件を可変させることにより、当選時の遊技状態と設定される大当たり種別とが同一の場合であっても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を実質的に異ならせることができ、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
「大当たりD11」、及び「大当たりE11」についても、上述した「大当たりC11」と同一の時短付与回数(時短終了条件)が設定されるため、詳細な説明を省略する。また、「大当たりF11」については、大当たり遊技が実行される際の遊技状態に応じて時短付与の有無を異ならせており、具体的には、大当たり遊技が実行される際の遊技状態が通常状態である場合には、時短付与回数として「10回」が対応付けて規定されている。一方、大当たり遊技が実行される際の遊技状態が時短状態である場合には、時短付与回数として「0回」、即ち、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されず、通常状態が設定されるように規定されている。このように、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を、設定された大当たり種別と、大当たり種別が設定された際の遊技状態と、の組合せに結果に基づいて時点状態の有無を切り替え可能に構成することで、遊技状態を設定する際のバリエーションを多様に設けることができ、遊技の興趣を向上させることが出来る。
なお、本実施形態では、「大当たりC11」,「大当たりD11」,「大当たりE11」の何れも同一の時短付与回数(時短終了条件)を設定しているが、これに限ること無く、例えば、「大当たりD11」に対して、「10回」、或いは「特図1(第1特別図柄)の変動3回」と規定し、時短状態中にV入賞が発生し「大当たりD11」が設定された状態で特図2保留球数が0個である場合に、「大当たりC11」が設定された場合よりも、時短状態が終了し難くするように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中であって、特図2保留球数が0個の状態で小当たり当選した際に、設定される大当たり種別によって、V入賞させたほうが良い場合と、V入賞させないほうが良い場合と、を設けることができる。よって、時短状態中であって、特図2保留球数が0個の状態で小当たり当選した際に何れの遊技を選択するのかを遊技者に決定させる重要度をより高めることができる。
また、この場合、結果として今回設定される大当たり種別を示唆することになる演出を実行するように構成すると良い。これにより、実行される演出を遊技者が注視することになるため演出効果を高めることができる。
次に、図260及び図261を参照して、本第11実施形態における変動パターンテーブル202dのうち、上述した第7実施形態の変動パターンテーブルと相違する点について説明をする。まず、図260を参照して通常状態中に参照される通常用変動パターンテーブル202dh1に規定されている内容について説明をする。図260は、通常用変動パターンテーブル202dh1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図260に示した通り、通常用変動パターンテーブル202dh1は、上述した第7実施形態(第1実施形態)おける変動パターンテーブル202d(図23(a)参照)の構成に対して、第2特別図柄(特図2)の変動パターンとして選択される変動パターンを異ならせている点で相違し、それ以外が同一である。具体的には、通常状態中に実行される第2特別図柄変動では、抽選結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して、変動時間が10秒間の「ショート変動」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「180~198」の範囲に対して、変動時間が30秒間の「ミドル変動」が対応付けて規定されている。
つまり、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄変動が実行される場合としては、特図2保留球を確保した状態で通常状態が設定された場合が主となる。そして、この状態では、上述した各実施形態と同様に、専用の演出(引き戻し演出)が実行されるように構成しているため、選択される第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を極力固定するように構成している。これにより、通常状態が設定された状態において確保している特図2保留球数(最大で4個)を用いた引き戻し演出の演出期間を予め特定し、複数の第2特別図柄の変動期間を跨いだ一連の演出として引き戻し演出を実行(設定)し易くすることができる。
次に、図261を参照して、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターンテーブル202dh2に規定されている内容について説明をする。図261は、時短用変動パターンテーブル202dh2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短用変動パターンテーブル202dh2は、上述した第7実施形態における時短用変動パターンテーブル202d2(図186(b)参照)に対して、時短1回目に実行される第1特別図柄変動に対して選択される変動パターンと、第2特別図柄変動に対して選択される変動パターンを変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については詳細な説明を省略する。
具体的には、図261に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、時短変動回数が「1」である場合、即ち、時短1回目の特別図柄変動として特図1変動が実行される場合は、特図1保留球数や抽選結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.1秒の超短変動が対応付けて規定されている。よって、時短状態の1回転目に第1特別図柄の抽選が実行されると、非常に短い時間で変動が終了する。そして、時短状態の終了条件(時短終了条件)として、「特図1(第1特別図柄)の変動1回」が設定されている場合(図259(b)参照)には、超短変動の特図1変動が終了した時点で時短状態が終了する。これにより、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される条件が成立した場合であっても、実質、通常状態が設定されたこととすることができる。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、時短変動回数が「2~」である場合は、上述した第7実施形態の時短変動パターンテーブル202d2(図186(b)参照)と同一の変動パターンが選択されるように規定されているため、その詳細な説明を省略する。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、時短変動回数が「1~6」である場合は、特図2保留球数や抽選結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.1秒の超短変動が対応付けて規定されている。これにより、時短変動回数が6回に到達するまでの期間(時短状態の前半期間)では、特図2保留球数を増加させ難い状態で、特図2抽選が実行されることになる。よって、時短状態の前半期間において小当たり当選した場合には、特図2保留球を確保していない状態で小当たり遊技が実行され易くなり、図258に示した表示画面が表示され、遊技者に対して、V入賞を狙うか、小当たり遊技にてV入賞させず(小当たり遊技をパンクさせて)、時短状態の後半期間を実行するかを選択させることになる。
次いで、時短変動回数が「7,8」であり、抽選結果が外れである場合は、特図2保留球数に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が0.1秒間の「超短変動」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~198」の範囲に対して、変動時間が10秒間の「ミドル変動」が対応付けて規定されている。つまり、時短7回目の変動が特図2変動である場合は、約3/4の確率でミドル変動が選択され、約1/4の確率で超短変動が選択されることになる。また、抽選結果が「大当たり、或いは小当たり」である場合は、特図2保留球数に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒のミドル変動が対応付けて規定されている。
ここで、ミドル変動が選択された場合は、図254(a)に示した通り、特図2保留球数を獲得させるための演出態様が表示される。一方、超短変動が選択された場合は、図254(a)に示した演出態様が標示されること無く、時短8回目の変動が実行される。
また、時短8回目の変動が特図2変動である場合にも、上述した時短7回目と同一の確率で変動パターンが選択されるように構成しており、時短7回目と時短8回目とが、共に抽選結果が外れであって、且つ、超短変動が選択される確率が約3.5%となるように構成している。よって、時短状態が設定された場合において、約3.5%の割合で、時短7回目、8回目で特図2保留球数を獲得するチャンスを得ることが出来ない残念時短状態が設定されることになる。
一方、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球数を上限まで獲得した場合は、時短8回目の特図2変動としてミドル変動が選択された場合には、図255(a)に示した演出態様が表示され、新たな特図2保留球数を獲得することを抑制する遊技方法が案内される。つまり、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球数を上限まで獲得した場合は、時短8回目が超短変動である場合のほうが、時短8回目の特図2変動中に誤って新たな特図2保留球数を獲得する事態が起きにくくなるため、遊技者に有利な変動パターンとなる。
また、時短7回目の特図2変動中(ミドル変動中)に特図2保留球数を上限まで獲得できなかった場合や、時短7回目の特図2変動として超短変動パターンが選択された場合には、時短8回目の特図2変動がミドル変動である場合に、図255(b)に示した演出態様が表示される。
最後に、時短変動回数が「9,10」であり、特図2保留球数が「0,2,3」の場合は、抽選結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.1秒の超短変動が対応付けて規定されており、特図2保留球数が「1」の場合は、抽選結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒のロング変動が対応付けて規定されている。つまり、時短変動回数が「10」、即ち、時短状態のラスト変動の変動パターンを選択する際の特図2保留球数が「1」である場合にのみ、時短状態のラスト変動がロング変動(20秒変動)となり、特図2保留球を上限まで獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。
また、時短変動回数が「9」、即ち、時短状態のラスト変動の1回前(ラスト前変動)の変動パターンを選択する際の特図2保留球数が「1」である場合にも、ロング変動(20秒変動)となるように構成している。この場合は、ラスト前変動にて、特図2保留球を上限まで獲得させて、時短状態の終了時に特図2保留球数が3個となる状態を確実に確保する遊技を行うか、ラスト前変動にて、特図2保留球を1個のみ獲得することで、ラスト変動にて再度ロング変動が実行されることを目指す遊技を行うかを遊技者に選択させることができる。
加えて、上述した通り、本実施形態では、時短状態が設定されている期間中に継続して右打ち遊技を実行してしまうと、時短状態が終了した時点において確保可能な特図2保留球数が少なくなり易くなるように構成している。よって、特図2保留球を確保しないで時短状態中の遊技が実行される虞があった。そこで、特図2保留球を確保しない状態で時短9回目の特図2変動が実行された場合には超短変動が選択され、次いで、時短10回目の特図2変動でも超短変動が選択され易くなるように構成している。これにより、意図的に特図2保留球を確保しない遊技が実行されることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、時短状態が設定されてから所定期間の間(時短変動回数が「1~6」の第2特別図柄変動が実行される間)、第2特別図柄抽選の結果、及び、獲得している特図2保留球数に関わらず、0.1秒の変動時間が設定(選択)されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短変動回数が「1」の場合、即ち、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動(第2特別図柄変動)のみ、上述した超短変動パターン(変動時間0.1秒)よりも変動時間が長い微短変動パターン(変動時間3秒)が選択されるように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、時短状態中に大当たり遊技が実行され、特図2保留球数を確保している状態で、大当たり遊技の終了後に再度時短状態(再時短状態)が設定される場合、即ち、時短付与回数(時短終了条件)として、「10回」或いは「特図1変動1回」が設定される場合において、第1特別図柄変動(特図1変動)よりも優先して実行される獲得済みの特図2保留球数分の第2特別図柄変動(特図2変動)が、瞬時に終了してしまい、特図1変動が実行されることにより時短状態が終了してしまうことを抑制することができる。
この場合、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動(第2特別図柄変動)の変動時間、即ち、微短変動パターンとして規定される変動時間としては、時短状態中(普通図柄の高確率状態中)に実行される普通図柄変動の変動パターン(変動時間)よりも長い変動時間を規定し、当該第2特別図柄変動が実行されている間に、時短状態中の普図当たり遊技を実行させ易くするように構成すると良い。これにより、時短状態が設定されてから時短状態が終了するまでの期間内にて、新たな特図保留を獲得し易くすることができる。さらに、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動(第2特別図柄変動)を微短変動(例えば、3秒変動)とすることにより、時短回数1回目の特別図柄変動中(特図2変動中)にて、複数個の特図2保留を獲得する虞がある。このように構成された場合であっても、時短回数が「2~6」の間は、第2特別図柄変動が超短変動パターンで実行されるため、時短1回目の特図2変動中に、保留記憶を複数個獲得した場合であっても、時短回数が「7」に到達した場合には獲得済みの特図2保留球数を減少(0)させることができる。
次に、図262を参照して、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成について説明をする。図262は、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図262に示した通り、本第11実施形態のRAM223は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図26(b)参照)に対して、特別図柄2保留球数カウンタ223b2、獲得演出設定済フラグ223ha、第2獲得演出設定済フラグ223hb、第3獲得演出設定済フラグ223hc、MAX獲得フラグ223hd、デンジャーフラグ223he、遊技待機中フラグ223hfを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、特別図柄2保留球数カウンタ223b2は、上述した第2実施形態における特別図柄2保留球数カウンタ223aaと同一内容のものであって、主制御装置110から送信された保留球数コマンドのうち、第2特別図柄に関連するコマンドを受信した場合に、そのコマンドの示す内容に応じて第2特別図柄の保留球数を更新するためのカウンタであるため、その詳細な説明を省略する。
獲得演出設定済フラグ223haは、図254(a)に示した演出(第1保留獲得演出)が実行されていることを示すためのフラグであって、第1保留獲得演出が実行されている場合にオンに設定され、第1保留獲得演出中に特図2保留球数が上限数(4個)に到達し、第1保留獲得演出が終了した場合にオフに設定されるものである。具体的には、演出設定処理11(図271のS2891参照)において実行される第1演出設定処理(図272のS2988参照)において、時短7回目の変動がミドル変動であると判別した場合(図272のS9102:Yes)にオンに設定され(図272のS9105参照)、入賞情報関連処理11(図265のS2295参照)において実行される特図2入賞処理(図266のS2396参照)にて、設定状況が参照される(図266のS8001参照)。
そして、入賞後に特図2保留球数が4個であると判別した場合に(図266のS8002参照)、オフに設定される。さらに、図256に示した演出(最終保留獲得演出)が実行されている期間中もオンに設定される(図273のS9208参照)。また、獲得演出設定済フラグ223haがオンに設定されたまま、時短状態の最終変動が停止表示された場合(時短状態中に大当たり遊技が実行される場合)にもオフに設定される(図270のS8204参照)。つまり、この獲得演出設定済フラグ223haがオンに設定されている場合は、特図2保留球数が上限数に到達するまでの特図2保留球数の増加が遊技者に有利となる期間であることを示すものである。
第2獲得演出設定済フラグ223hbは、図255(b)に示した演出(第2保留獲得演出)が実行されていることを示すためのフラグであって、第2保留獲得演出が実行されている場合にオンに設定され、第2保留獲得演出中に特図2保留球数が上限数(4個)に到達し、第2保留獲得演出が終了した場合にオフに設定されるものである。具体的には、演出設定処理11(図271のS2891参照)において実行される第1演出設定処理(図272のS2988参照)において、時短8回目の特図変動がミドル変動であると判別した場合(図272のS9107:Yes)であって、後述するMAX獲得フラグ223hdがオンに設定されていないと判別した場合(図272のS9108:Yes)、即ち、時短7回目の特図変動中に特図2保留球数を上限数(4個)まで獲得することができなかった場合にオンに設定され(図272のS9113参照)、入賞情報関連処理11(図265のS2295参照)において実行される特図2入賞処理(図266のS2396参照)にて、設定状況が参照される(図266のS8008参照)。
そして、入賞後の特図2保留球数に応じて様々な演出態様が設定され(図266のS8013~S8016参照)、最終的に入賞後の特図2保留球数が4個であると判別した場合に(図266のS8009:Yes)、オフに設定される(図266のS8012参照)。つまり、この第2獲得演出設定済フラグ223hbがオンに設定されている場合は、特図2保留球数が3個に到達するまでの特図2保留球数の増加が遊技者に有利となる期間であり、特図2保留球数が4個に到達した場合に遊技者に不利となる期間であることを示すものである。また、第2獲得演出設定済フラグ223hbがオンに設定されたまま、時短状態の最終変動が停止表示された場合(時短状態中に大当たり遊技が実行される場合)にもオフに設定される(図270のS8204参照)。
第3獲得演出設定済フラグ223hcは、時短9回目の特図変動がロング変動である場合に実行される演出(第3保留獲得演出)が実行されていることを示すためのフラグであって、第3保留獲得演出が実行されている場合にオンに設定され、第3保留獲得演出中に特図2保留球数が1個増加した場合にオフに設定されるものである。具体的には、演出設定処理11(図271のS2891参照)において実行される第2演出設定処理(図273のS2989参照)において、時短9回目の特図変動がロング変動であると判別した場合(図273のS9202:Yes)、にオンに設定され(図273のS9204参照)、入賞情報関連処理11(図265のS2295参照)の特図2入賞処理(図266のS2396参照)にて実行される終了前期間中処理(図267のS8021参照)にて、設定状況が参照される(図267のS8101参照)。そして、第3獲得演出設定済フラグ223hcがオンに設定されている場合(図267のS8101:Yes)、即ち、第3保留獲得演出中に特図2保留球数が1個増加した場合に、オフに設定される(図267のS8104参照)。また、第3獲得演出設定済フラグ223hcがオンに設定されたまま、時短状態の最終変動が停止表示された場合(時短状態中に大当たり遊技が実行される場合)にもオフに設定される(図270のS8204参照)。
MAX獲得フラグ223hdは、図254(b)にて示した演出(MAX獲得演出)が実行されていることを示すためのフラグであって、図254(a)に示した第1保留獲得演出中に特図2保留球数が上限数に到達し、遊技待機を示す表示態様(図254(b)参照)が表示されている場合にオンに設定され、時短8回目の特図変動に対応する演出態様を設定する際に参照され、時短8回目の特図変動に対応する演出態様を設定した後にオフに設定されるものである(図272のS9110参照)。
このMAX獲得フラグ223hdを設けることにより、時短7回目の特図変動中に特図2保留球数が上限数に到達し、右打ち遊技を中断させる案内報知を実行した場合に、その案内報知を時短8回目の特図変動に跨がって継続表示させることができる。
デンジャーフラグ223heは、時短状態中において、特図2保留球数が過剰に増加してしまい、時短状態の終了時に特図2保留球数を多く確保することができない状態であることを示すためのフラグであって、第2保留獲得演出(図255(b)参照)が実行されている状態で特図2保留球数が4個に到達したと判別した場合(図266のS8009:Yes)や、遊技待機中演出(図255(a)参照)が実行されている状態で新たな特図2保留球を獲得したと判別した場合(図266のS8017:Yes)にオンに設定される。
このデンジャーフラグ223heがオンに設定されている間は、デンジャー演出(図257(a)参照)が実行され、遊技者に対して時短状態が終了するまでの残時短期間や、確保している特図2保留球数を分かり難い演出態様が表示される。上述した通り、時短状態の時短終了前期間(時短9回目、時短10回目)では、適正な数の特図2保留球数(1個)以外の特図2保留球数が存在する場合において、特図2変動の変動時間として超短変動(0.1秒)が設定され易くなるように時短用変動パターンテーブル202dh2が規定されている。よって、デンジャー演出を実行することにより、時短終了前期間に該当する複数回の特図2変動が短期間で消化されたとしても、遊技者に違和感を覚えさせることを抑制することができる。
また、デンジャーフラグ223heがオンに設定されている状態は、時短状態が終了した場合に多くの特図2保留球数を確保することが困難な状態であることから、小当たり当選した場合に、遊技者に対してV入賞させる遊技を案内する案内演出(図257(b)参照)が実行されるように構成している。このように構成することで、例え、特図2保留球数が少ない状態であったとしても、残りの時短期間内に多くの特図2保留球数を確保し難い状態である場合には、遊技者にV入賞させるか否かを選択させる選択演出(図258参照)では無く、V入賞させることを案内する案内演出(図257(b)参照)を実行することができ、遊技者が極度に不利な遊技を選択してしまうことを抑制することができる。
遊技待機中フラグ223hfは、図255(a)に示した演出(遊技待機中演出)が実行されていることを示すためのフラグであって、時短7回目の特図変動中に実行される第1保留獲得演出(図254(a)参照)中に特図2保留球数が上限数(4個)に到達し、図254(b)にて示した演出(MAX獲得演出)が実行された状態で、時短8回目の特図変動がミドル変動(10秒変動)で実行される場合にオンに設定される(図272のS9111参照)。そして、特図2入賞処理(図266のS2396参照)にて参照され(図266のS8017参照)、遊技待機中フラグ223hfがオンに設定されている状態(図266のS8017:Yes)、即ち、遊技待機中演出が実行されている状態で特図2入賞が発生した場合の表示態様が設定され(図266のS8018参照)、その後、オフに設定される(図266のS8020参照)。
以上、説明をした通り、本第11実施形態では、時短状態中に実行される各種演出態様を設定するために、時短状態中の特図変動回数(特別図柄の変動回数)と、特図保留球数(特図2保留球数)と、選択された変動パターンと、に基づいて、各種フラグを設定するように構成し、各種フラグの設定状況に基づいて、特図2保留球数を増加させて良い状態であるか、増加させてはいけない状態であるかを遊技者に案内するための表示態様を設定するように構成している。さらに、特図2保留球数を増加させて良い状態である場合には、遊技者に有利となる特図2保留球数の増加量の範囲(許容範囲)を遊技者に案内するための表示態様を設定するように構成している。これにより、時短状態中に実行すべき最適な遊技方法を遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図263を参照して、本第11実施形態における時短状態中の特図2保留球数の推移について説明をする。図263は、時短状態における残時短回数と特図2保留数(特図2保留球数)と特図2変動時間の関係を示す図である。
図263に示した通り、本実施形態では、時短状態を残時短回数が10~5(時短1~6回目)の時短正常期間、残時短回数が4、或いは3(時短7回目、或いは8回目)の時短終了準備期間、残時短回数が2、或いは1(時短9回目、或いは10回目)の時短終了前期間と、3つの期間に区分けし、各期間に対して、第2特別図柄の変動時間(特図2変動時間)として異なる変動時間を選択可能とするように時短用変動パターンテーブル202dh2が規定されている。
加えて、各期間において特図2変動時間を選択する場合に、特図2保留球数が参照され、確保している特図2保留球数に応じて異なる特図2変動時間が選択されるように構成している。そして、時短状態中の各期間に対して選択された特図2変動時間の長さに応じて、特図2変動中に新たな特図2保留球を獲得し易い状態と、獲得し難い状態とを現出させることができるように構成している。
また、特図2保留球を獲得し易い状態が現出した場合(例えば、長時間の変動時間が選択された特図2変動の実行中)において、特図2保留球を獲得したほうが最終的に遊技者に有利となる場合と、不利になる場合とを設けるように構成している。このように構成することで、時短状態中の遊技を実行している遊技者に対して、特図2保留球を獲得し易い状態であるか否か、特図2保留球を獲得して良い状態であるか否かを予測させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本第11実施形態では、時短状態が終了し、通常状態が設定された後に実行される引き戻し遊技(確保している特図2保留球に基づく第2特別図柄抽選)が遊技者に有利となるように、即ち、時短状態が終了した時点における特図2保留球数がより多くなるように、時短状態中の遊技方法を案内する様々な案内演出(図254~図258参照)を実行するように構成している。これにより、遊技者に時短状態中の遊技を分かり易く報知することができる。
図263に示した通り、時短正常期間中は、0.1秒の変動時間が設定される超短変動パターンで特図2変動が実行される。この0.1秒は、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間よりも短い時間であり、且つ、本実施形態では、1回の普図当たり遊技にて第2入球口6400に1個の遊技球が入球した場合に、普図当たり遊技が終了するように構成しているため、この時短正常期間中は、特図2保留球数を確保すること無く、第2特別図柄抽選が実行される。なお、1回の普図当たり遊技中において、複数の遊技球が連なって第2入球口6400に入球する場合もあるが、この場合も、複数回の第2特別変動が短時間で実行されるため、特図2保留球数を確保した状態を維持しながら時短正常期間中の遊技が実行されることが無い。
そして、時短正常期間が経過し、時短終了準備期間へと移行すると、約3/4の確率でミドル変動(10秒変動)が選択され、約1/4の確率で超短変動(0.1秒)が選択される。残時短回数が4(時短7回目)の特図2変動でミドル変動が選択された場合は、図254(a)に示した保留球を貯めさせる演出(貯めろ演出)が実行される。そして、この「貯めろ演出」の実行中に特図2保留球数を上限(4個)まで貯めた場合(特図2保留MAXとなった場合)は、次に実行される特図2変動(残時短回数が3(時短8回目)の特図変動)にて、図255(a)に示した新たな特図2保留球を獲得させない待機演出が実行される。
この待機演出中の演出態様(案内内容)に従い、新たな特図2保留球を獲得すること無く、時短8回目の特図変動が終了すると、時短終了前期間へと移行し、時短9回目に0.1秒変動が実行され、時短10回目に20秒のロング変動が実行される。この時短10回目のロング変動中は、遊技者に対して特図2保留球数を上限まで獲得させることを促す演出(図258参照)が実行される。よって、図263(a)に示した流れでは、時短状態の終了時に多くの特図2保留球数を確保し易い流れとなる。
一方、時短8回目の特図2変動中に待機演出が実行されている場合であって、遊技者が誤って新たな特図2保留球を獲得してしまった場合や、時短7回目の特図2変動中に実行される貯めろ演出中に特図2保留球数を上限まで獲得することができなかった場合や、時短7回目の特図2変動として超短変動パターンが選択された場合は、時短8回目の特図2変動中にて、図255(b)に示した特図2保留球数が特定数(3個)になるまで特図2保留球を貯めさせる貯めろ演出(第2貯めろ演出)が実行される。そして、この第2貯めろ演出中に特図2保留球数を3個にした場合(時短8回目の特図変動停止時における特図2保留球数が3個の場合)は、上述した図263(a)と同一の流れで時短終了前期間の演出が実行される。
また、この第2貯めろ演出中に特図2保留球数を4個まで増加させた場合(時短8回目の特図変動停止時における特図2保留球数が4個の場合)は、図263(b)に示した通り、時短9回目、時短10回目、即ち、時短終了前期間中に実行される全ての特図2変動に対して、0.1秒の超短変動が実行されてしまい、時短状態の終了時の特図2保留球数獲得期待度が低い(時短終了時の特図2保留球数の期待値が約2個となる)遊技の流れとなる。
さらに、この第2貯めろ演出中に特図2保留球数が2個になった場合(時短8回目の特図変動停止時における特図2保留球数が2個の場合)は、時短9回目の特図2変動としてロング変動が実行される。そして、時短9回目のロング変動中に、特図2保留球数を上限まで獲得した場合は、図263(c)に示した通り、時短10回目の特図2変動として0.1秒の超短変動が実行されるため、時短状態の終了時の特図2保留球数獲得期待度が中となる(時短終了時の特図2保留球数の期待値が約3個となる)遊技の流れとなる。
ここで、時短9回目のロング変動中に、特図2保留球を1個のみ獲得した場合は、続く時短10回目の特図2変動においても、ロング変動が実行されるため、図263(a)と同様に時短状態の終了時に多くの特図2保留球数を確保し易い流れとなる(図263(d))。
また、時短状態において、意図的に特図2保留球数を貯めない遊技、具体的には、電動役物6400aが開放するタイミングを図って、少数(1個)の遊技球を発射させる遊技(止め打ち)を行った場合は、図263(e)に示した通り、時短終了準備期間、時短終了前期間においても、0.1秒の超短変動で特図2変動が実行されるため、時短状態の終了時の特図2保留球数獲得期待度が最も低い(時短終了時の特図2保留球数が約0個となる)遊技の流れとなる。
以上、説明をした通り、本第11実施形態では、時短状態の前半期間に不利期間(特図2保留球を獲得し難い期間)を設定し、後半期間に有利期間(特図2保留球数を獲得し易い期間)を設定可能に構成している。よって、前半期間中に当選した小当たりに基づいて大当たり遊技を実行させる場合よりも、後半期間中に当選した小当たりに基づいて大当たり遊技を実行させる場合のほうが、遊技者に有利な遊技状況を設定し易くすることができる。
また、有利期間中においても、継続して右打ち遊技を実行するよりも、所定期間の間、右打ち遊技を中断した場合(所定の発射間隔を空けて右打ち遊技を実行した場合)のほうが遊技者に有利となるように構成している。よって、時短状態を遊技している遊技者に対して、右打ち遊技を中断させるという斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、残時短回数(時短回数)に対応した特定数の特図2保留球数を獲得することで、時短終了時(大当たり遊技終了時)に実行される引き戻し遊技として遊技者に有利な引き戻し遊技を実行させることができるように構成しているため、遊技者に対して特図2保留球を獲得するタイミングに興味を持たせることができ遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、残時短回数(時短回数)に対応した特定数の特図2保留球数を獲得できなかった場合であっても、再度、残時短回数(時短回数)に対応した特定数の特図2保留球数を獲得させる機会を提供可能に構成しているため、時短状態が終了するまで継続して遊技者に意欲的な遊技を行わせることができる。
<第11実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、本第11実施形態における主制御装置110の制御処理の内容について説明をする。本第11実施形態の主制御装置110では、上述した第7実施形態と同様の制御処理が実行され、各種処理において参照されるデータテーブル(図259~図261参照)の構成を変更した点と、小当たり当選時に実行される小当たり遊技の動作内容(開閉扉6500f1の開放動作パターン)を変更したで相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、本実施形態における小当たり遊技時の動作内容(開閉扉6500f1の開放動作パターン)について説明をする。本第11実施形態における開閉扉6500f1の開放パターンは、上述した第7実施形態における開閉扉6500f1の開放パターン(図180参照)に対して、小当たり遊技中の閉鎖期間が短くなるように構成しており、小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置6500よりも下流側へと流下し難くなるように構成している。具体的には、小当たり遊技が開始されてから0.1秒の閉鎖期間と、0.6秒の開放期間を1セットとした開放動作が3回繰り返される開放パターンで小当たり遊技が実行される。
閉鎖期間としてセットされる0.1秒は、閉鎖状態中の開閉扉6500f1の上面に形成される球流路を遊技球が通過するのに要する期間よりも短い期間であるため、小当たり遊技の閉鎖期間中に遊技球が開閉扉6500f1に到達した場合であっても、開閉扉6500f1の上面を通過するよりも前に開閉扉6500f1が開放状態となりV入賞装置6500へと入賞させることができる。
なお、小当たり遊技の開放パターンを複数種類容易しておき、当選した小当たりに対して設定される小当たり種別や、当選時の遊技状態において、実行される開放パターンを異ならせても良い。また、本実施形態では、小当たり遊技中にV入賞装置6500へと遊技球が入賞した場合に、その入賞した遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過して、小当たり遊技の終了後に大当たりが開始されるように構成している、即ち、小当たり遊技中にV入賞装置6500へと1個でも遊技球を入賞させれば大当たりが開始されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、V入賞装置6500内に複数の経路と、V入賞装置6500内を流下する遊技球を上述した複数の経路のうち、いずれかの経路へと振り分ける振分部材と、を設け、遊技球が特定の経路を流下した場合にのみV入賞スイッチ6500e3を通過し得るように構成しても良い。
また、この場合、小当たり遊技として開閉扉6500f1を複数回開放させる開放パターンを設定し、その複数の開放のうち、特定の開放時のみ遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過可能となるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行された場合に、V入賞装置6500に遊技球を入賞させ、賞球のみを獲得する遊技と、V入賞装置6500に遊技球を入賞させ、賞球と大当たりを獲得する遊技と、を遊技者がV入賞装置6500へと遊技球を入賞させるタイミングを切り替えるだけで実行することができる。
さらに、本第11実施形態では、小当たり遊技中に特図2保留球数が増加し得ないように、小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置6500の下流側へと流下するのを抑制する開放パターンで小当たり遊技を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特定の小当たり遊技が実行された場合に、小当たり遊技中に開閉扉6500f1が閉鎖状態となる閉鎖期間が他の小当たり遊技よりも長くなるように構成しても良い。これにより、特定の小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技中に特図2保留球数を増加させ易くすることができる。よって、特図2保留球数が0の状態で小当たり遊技が実行された場合であっても、特図2保留球数を増加させるチャンスを残すことができるため、最後まで遊技者に期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
<第11実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図264~図273を参照して、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理の内容について説明をする。本第11実施形態では、上述した第7実施形態(第1実施形態)に対して、コマンド判定処理(図56のS2113参照)に代えてコマンド判定処理11(図264のS2195参照)を、入賞情報関連処理(図57のS2210参照)に代えて入賞情報関連処理11(図265のS2295参照)を、当たり関連処理(図57のS2212参照)に代えて当たり関連処理11(図264のS2296参照)を、演出設定処理(図63のS2804参照)に代えて演出設定処理11(図271のS2891参照)を実行し、停止コマンド処理11(図270のS2291参照)を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図264を参照して、コマンド判定処理11(S2195)の内容について説明をする。図264は、コマンド判定処理11(S2195)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理11(S2195)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113参照)に代えてに代えて実行される処理であり、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113参照)に対して、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に(S2209:Yes)、入賞情報関連処理11を実行し(S2295)、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合に(S2211:Yes)、当たり関連処理11を実行し(S2296)、停止コマンドを受信したと判別した場合に(S2213:Yes)、停止コマンド処理を実行する(S2297)点で相違する。また、上述した第1実施形態に対して、本第11実施形態では、第2特別図柄の抽選権利を保留記憶可能に構成しているため、保留球数コマンドを受信したと判別した場合に(S2207)、受信した保留球数コマンドが示す特別図柄種別に対応した保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223b2)に受信した保留球数コマンドに含まれる情報を格納する処理を実行する点で相違する。それ以外は同一であるため詳細な説明を省略する。
次に、図265を参照して、本第11実施形態で実行される入賞情報関連処理11(図265のS2295)について説明する。この入賞情報関連処理11(図265のS2295)は、第1実施形態における入賞情報関連処理(図57,S2210参照)に代えて実行される処理であり、時短状態中に第2特別図柄の入賞情報コマンドを受信した場合に、実行中の各種演出(図254~図258参照)の演出態様を可変させるための制御が実行されるものである。
入賞情報関連処理11(S2295)が実行されると、まず、上述した第1実施形態における入賞情報関連処理(図57,S2210参照)と同一のS2301,S2302の処理を実行する。そして、S2302の処理で時短状態中(時短中)では無いと判別した場合は(S2302:No)、第1実施形態における入賞情報関連処理(図57,S2210参照)と同一のS2312の処理、及び、S2311の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2302の処理で時短状態中(時短中)であると判別した場合は(S2302:Yes)、次に、今回受信した入賞情報コマンドに第2特別図柄の入賞情報が含まれているかを判別し(S2395)、第2特別図柄の入賞情報が含まれていると判別した場合は(S2395:Yes)、特図2入賞処理を実行し(S2396)、S2311の処理を実行し、本処理を終了する。S2395の処理において、第2特別図柄の入賞情報が含まれていない(第1特別図柄の入賞情報のみが含まれている)と判別した場合は(S2395:No)、S2396の処理をスキップして、S2311の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図266を参照して、入賞情報関連処理11(図265のS2295)にて実行される特図2入賞処理(図266のS2396)について説明をする。図266は、特図2入賞処理(図266のS2396)の内容を示したフローチャートである。この特図2入賞処理(図266のS2396)は、時短状態中に第2特別図柄の入賞情報を受信した場合に実行される処理であって、実行中の各種演出(図254~図258参照)の演出態様を、新たに特図2保留球を獲得したことに基づいて可変させるための処理が実行される。
特図2入賞処理(図266のS2396)が実行されると、まず、獲得演出設定済フラグ223haがオンに設定されているかを判別し(S8001)、オンに設定されていると判別した場合は(S8001:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する保留球数コマンドを受信したことにより、特図2保留球数(第2特別図柄の保留記憶数)が4(上限数)となったかを判別する(S8002)。S8002の処理において、特図2保留球数が4(上限数)であると判別した場合は(S8002:Yes)、保留MAXを示す表示態様を設定し(S8003)、遊技待機を示す表示態様を設定し(S8004)、MAX獲得フラグ223hdをオンに設定し、獲得演出設定済フラグ223haをオフに設定し(S8006)、後述するS8022の処理へ移行し、本処理を終了する。
一方、S8002の処理において、特図2保留球数が4(上限数)では無いと判別した場合は(S8002:No)、保留数増加を示す表示態様を設定し(S8007)、S8022の処理へ移行する。
一方、S8001の処理で、獲得演出設定済フラグ223haがオンに設定されていないと判別した場合は(S8001:No)、次いで、第2獲得演出設定済フラグ223hbがオンに設定されているかを判別し(S8008)、オンに設定されていると判別した場合は(S8008:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する保留球数コマンドを受信したことにより、特図2保留球数(第2特別図柄の保留記憶数)が4(上限数)となったかを判別する(S8009)。
特図2保留球数(第2特別図柄の保留記憶数)が4(上限数)であると判別した場合は(S8009:Yes)、保留数過剰増加を示す表示態様を設定し(S8010)、デンジャーフラグ223heをオンに設定し(S8011)、第2獲得演出設定済フラグ223hbをオフに設定し、S8022の処理へ移行する。S8009の処理で特図2保留球数(第2特別図柄の保留記憶数)が4(上限数)では無いと判別した場合は、次に、特図2保留球数(第2特別図柄の保留記憶数)が3(特定数)であるかを判別し(S8013)、3(特定数)であると判別した場合は(S8013:Yes)、適正保留数を示す表示態様を設定し(S8014)、遊技待機を示す表示態様を設定し(S8015)、S8022の処理へ移行する。
また、S8013の処理において、特図2保留球数(第2特別図柄の保留記憶数)が3(特定数)では無いと判別した場合は、保留数増加を示す表示態様を設定し(S8016)、S8022の処理へ移行する。S8008の処理において、第2獲得演出設定済フラグ223hbがオンに設定されていないと判別した場合は(S8008:No)、遊技待機中フラグ223hfがオンに設定されているかを判別し(S8017)、オンに設定されていると判別した場合は(S8017:Yes)、保留数過剰増加を示す表示態様を設定し(S8018)、デンジャーフラグ223heをオンに設定し(S8019)、遊技待機中フラグ223hfをオフに設定し(S8020)、S8022の処理へ移行する。
S8017の処理において、遊技待機中フラグ223hfがオンに設定されていないと判別した場合は(S8017:No)、次に、終了前期間設定処理を実行し(S8021)、その後、受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S8022)、本処理を終了する。
次に、図267を参照して、特図2入賞処理(図266のS2396参照)にて実行される終了前期間中処理(図267のS8021参照)の内容について説明をする。図267は終了前期間中処理(図267のS8021参照)の内容を示したフローチャートである。この終了前期間中処理(図267のS8021参照)が実行されると、まず、第3獲得演出設定済フラグ223hcがオンに設定されているかを判別し(S8101)、オンに設定されていると判別した場合は(S7101:Yes)、訂正保留数を示す表示態様を設定し(S8102)、遊技待機を示す表示態様を設定し(S8103)、第3獲得演出設定済フラグ223hcをオフに設定し、本処理を終了する。一方、S8101の処理において、第3獲得演出設定済フラグ223hcがオンに設定されていないと判別した場合は(S8101:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図268を参照して、大当たり終了時処理11(S2498)の内容について説明をする。図268は、大当たり終了時処理11(S2498)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了時処理11(S2498)は、コマンド判定処理11(図264のS2195参照)の当たり関連処理11(図264のS2296)において実行される制御処理であって、大当たり遊技の終了タイミングにおける演出態様を設定するための処理が実行されるものである。
大当たり終了時処理11(S2498)が実行されると、まず。遊技状態格納エリア(223f)に格納されている情報を読み出し(S2501)、読み出した情報に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態であるかを判別する(S2502)。そして、時短状態では無いと判別した場合は(S2502:No)、そのまま本処理を終了する。
S2502の処理において、時短状態であると判別した場合は(S2502:Yes)、次に、特別図柄2保留球数カウンタ223b2のカウンタ値に基づいて、特図2保留(第2特別図柄の保留記憶)があるか、即ち、特図2保留球を確保している状態であるかを判別し(S2591)、特図2保留球を確保している状態であると判別した場合は(S2591;Yes)、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されることを示すための表示用コマンドを設定し(S2592)、本処理を終了する。
一方で、S2591の処理において、特図2保留球を確保していないと判別した場合は(S2591:Yes)、入賞情報格納エリア223aに格納されている次変動の特図1情報(第1特別図柄の保留エリア1に格納されている入賞情報)を読み出し(S2593)、読み出した特図1情報に当たり情報(大当たり当選することを示す情報)が含まれているかを判別する(S2594)。そして、当たり情報が含まれていないと判別した場合は(S2954:No)、大当たり終了画面の表示期間を0.1秒延長させる表示用コマンドを設定し(S2595)、本処理を終了する。また、S2594の処理において、当たり情報があると判別した場合、即ち、直後に実行される第1特別図柄変動で大当たり当選すると判別した場合は(S2594:Yes)、大当たり連荘画像を示すための表示用コマンドを設定し(S2596)、本処理を終了する。
次に、図269を参照して、小当たり開始コマンド処理11(S2491)の内容について説明をする。図269は、小当たり開始コマンド処理11(S2491)の内容を示したフローチャートである。この小当たり開始コマンド処理11(S2491)は、コマンド判定処理11(図264のS2195参照)の当たり関連処理11(図264のS2296)において実行される制御処理であって、小当たり遊技の開始タイミングにおける演出態様を設定するための処理が実行される。
小当たり開始コマンド処理11(S2491)が実行されると、まず。遊技状態格納エリア(223f)に格納されている情報を読み出し(S3901)、読み出した情報に基づいて現在の遊技状態が時短状態であるかを判別する(S3902)。そして、時短状態では無いと判別した場合は(S3902:No)、小当たり演出の開始を設定し(S3977)、本処理を終了する。
S3902の処理において、時短状態であると判別した場合は(S3902:Yes)、デンジャーフラグ223heがオンに設定されているかを判別し(S3991)、オンに設定されていると班別した場合は(S3991:Yes)、今回の小当たり遊技中に遊技球をV入賞させる(小当たりVを狙わせる)ための表示態様を設定し(S3994)、S3997の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S3991の処理において、デンジャーフラグ223heがオンに設定されていないと班別した場合は(S3991:No)、次に、特別図柄2保留球数カウンタ223b2に格納されている保留球数(特図2保留球数)を読み出し(S3992)、特図2保留球数が4(上限数)であるかを判別する(S3993)。S3993の処理において特図2保留球数が4(上限数)であると判別した場合、即ち、今回の小当たり遊技にて大当たり遊技を発生させた場合に、その大当たり遊技の終了後に4回(上限回数)の第2特別図柄抽選を実行可能な状態であると判別した場合に(S3993:Yes)、小当たりVを狙わせるための表示態様を設定し(S3994)、S3997の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S3993の処理において、特図2保留球数が4では無いと判別した場合は(S3993:No)、次いで特図2保留球数が0であるかを判別し(S3995)、0であると判別した場合は(S3995:Yes)、小当たり中の遊技を遊技者に選択させるための表示態様(図258参照)を設定し(S3996)、S3997の処理を実行し、本処理を終了する。S3995の処理にて特図2保留球数が0では無い、即ち、特図2保留球数が1~3であると判別した場合は(S3995:No)、S3997の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図270を参照して、停止コマンド処理11(S2291)の内容について説明をする。図270は、停止コマンド処理11(S2291)の内容を示したフローチャートである。この停止コマンド処理11(S2291)は、主制御装置110から特別図柄変動を停止表示したことを示すための停止コマンドを受信した場合に実行されるものであって、特別図柄変動の停止タイミングに基づいて設定される各種演出態様を設定するための処理が実行される。
停止コマンド処理11(S2291)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア(223f)に格納されている情報を読み出し(S8201)、読み出した情報に基づいて現在の遊技状態が時短状態であるかを判別する(S8202)。そして、時短状態では無いと判別した場合は(S8202:No)、受信した停止コマンドに対応する第3図柄の停止表示態様を設定し(S8211)、本処理を終了する。
一方、S8202の処理で時短状態であると判別した場合は(S8202:Yes)、次に、今回の変動停止が時短状態の最終変動であるかを判別する(S8203)。S8203の判別は、時短情報更新エリア223gに格納されている更新情報(時短回数、残時短回数)に基づいて今回の変動停止が時短状態の最終変動であるかが判別される。
ここで、時短最終変動であると判別した場合は(S8203:Yes)、時短状態が終了するタイミングであるため、時短状態中の各種演出を実行するために設定していた各種フラグ(獲得演出設定済フラグ223ha、第2獲得演出設定済フラグ223hb、第3獲得演出設定済フラグ223hc、MAX獲得フラグ223hd、デンジャーフラグ223he、遊技待機中フラグ223hf)を全てオフに設定し(S8204)、S8205の処理へ移行する。一方、S8203の処理において、時短最終変動では無いと判別した場合は(S8203)、次に、今回の変動が大当たり、又は小当たり変動であるかを判別し(S8206)、今回の変動が大当たり、又は小当たり変動では無い(外れ変動)であると判別した場合は(S8206:No)、S8211の処理を実行し、本処理を終了する。S8206の処理において、今回の変動が大当たり、又は小当たり変動であると判別した場合は(S8206:Yes)、S8205の処理へ移行する。
S8205の処理では、特別図柄2保留球数カウンタ223b2に格納されている保留球数(特図2保留球数)を読み出し(S8205)、特図2保留球数が4(上限数)であるかを判別する(S8207)。S8207の処理において特図2保留球数が4(上限数)であると判別した場合、即ち、時短状態の終了後に4回(上限回数)の第2特別図柄抽選を実行可能な状態であると判別した場合は(S8207:Yes)、時短状態終了後の遊技(引き戻し遊技)として、遊技者に有利な有利遊技が実行されることを示すための表示態様を設定し(S8208)、S8211の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S8207の処理において、特図2保留球数が4では無いと判別した場合は(S8207:No)、次いで特図2保留球数が0であるかを判別し(S8209)、0であると判別した場合は(S8209:Yes)、時短状態終了後の遊技(引き戻し遊技)として、遊技者に不利な不利遊技が実行される(引き戻し遊技が実行されない)ことを示すための表示態様を設定し(S8210)、S8211の処理を実行し、本処理を終了する。S8209の処理にて特図2保留球数が0では無い、即ち、特図2保留球数が1~3であると判別した場合は(S8209:No)、S8211の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図271を参照して、演出設定処理11(S2891)の内容について説明をする。図271は、演出設定処理11(S2891)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理11(S2891)は、上述した第1実施形態の演出設定処理(図63のS2804参照)に代えて実行されるものであって、時短状態における特図変動回数(時短回数)に応じて異なる演出態様を設定するための処理が実行される。
演出設定処理11(S2891)が実行されると、まず、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し(S2981)、時短状態では無いと判別した場合は(S2981:No)、変動表示態様として、抽選結果に対応する通常状態用の変動表示態様を選択し(S2982)、本処理を終了する。S2981の処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S2981:Yes)、今回実行される特別図柄変動が第2特別図柄変動(特図2変動)であるかを判別し(S2983)、特図2変動では無い(第1特別図柄変動である)と判別した場合(S2983:No)は、変動表示態様として、抽選結果に対応する特図1時短状態用の変動表示態様を選択し(S2984)、本処理を終了する。
一方、S2983の処理において、特図2変動であると判別した場合は(S2983:yes)、次いで、今回の特別図柄変動が時短1~6回目(時短状態の前半期間に実行される特図2変動)であるかを判別し(S2985)、時短1~6回目であると判別した場合は(S2985:Yes)、変動表示態様として、抽選結果に対応する特図2時短状態用の変動表示態様を選択し(S2986)、本処理を終了する。
S2983の処理において、時短1~6回目の特図2変動では無いと判別した場合は(S2983:No)、次に、今回の特図2変動が時短7回目、或いは8回目(時短状態の後半期間のうち、時短終了準備期間に実行される特図2変動)であるかを判別し(S2987)、今回の特図2変動が時短7回目、或いは8回目(時短状態の後半期間のうち、時短終了準備期間に実行される特図2変動)であると判別した場合は(S2987:Yes)、第1演出設定処理を実行し(S2988)、S2986の処理を実行し、本処理を終了する。
S2987の処理において、今回の特図2変動が時短7回目、或いは8回目(時短状態の後半期間のうち、時短終了準備期間に実行される特図2変動)では無いと判別した場合、即ち、今回の特図2変動が時短9回目、或いは10回目(時短状態の後半期間のうち、時短終了前期間に実行される特図2変動)であると判別した場合は(S2987:No)、第2演出設定処理を実行し(S2989)、S2986の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図272を参照して、演出設定処理11(図271のS2891参照)にて実行される第1演出設定処理(S2988)の内容について説明をする。図272は、第1演出設定処理(S2988)の内容を示したフローチャートである。この第1演出設定処理(S2988)は、時短7回目、或いは8回目(時短状態の後半期間のうち、時短終了準備期間)に実行される特図2変動に対する演出態様を設定するための処理を実行するものである。
第1演出設定処理(S2988)が実行されると、まず、今回の特図2変動が時短7回転目の特図変動であるかを判別し(S9101)、時短7回転目の特図変動であると判別した場合は(S9101:Yes)、選択された変動パターンがミドル変動であるかを判別する(S9102)。そして、ミドル変動では無い(超短変動パターンである)と判別した場合は(S9102:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S9102の処理でミドル変動であると判別した場合は(S9102:Yes)、次いで、特図2保留球数が4(上限数)であるかを判別し(S9103)、4(上限数)では無いと判別した場合は(S9103:No)、特図2保留の獲得を促す演出態様を設定し(S9104)、獲得演出設定済フラグ223haをオンに設定し(S9105)、本処理を終了する。また、S9103の処理において、特図2保留球数が4(上限数)では無いと判別した場合は(S9103:No)、S9104の処理をスキップしてS9105の処理へ移行する。
S9101の処理において、今回の特図2変動が時短7回転目の特図変動では無いと判別した場合は(S9101:No)、次いで、今回の特図2変動が時短8回転目の特図変動であるかを判別し(S9106)、今回の特図2変動が時短8回転目の特図変動であると判別した場合は(S9106:Yes)、選択された変動パターンがミドル変動であるかを判別する(S9107)。そして、ミドル変動では無い(超短変動パターンである)と判別した場合は(S9107:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、9107の処理で、選択された変動パターンがミドル変動であると判別した場合は(S9107:Yes)、次に、MAX獲得フラグ223hdがオンに設定されているかを判別し(S9108)、MAX獲得フラグ223hdがオンに設定されていないと班別した場合は(S9108:No)、特図2保留球数を3個にすることを促す演出態様を設定し(S9112)、第2獲得演出設定済フラグ223hbをオンに設定し(S9113)、本処理を終了する。
S9108の処理で、MAX獲得フラグ223hdがオンに設定されていると班別した場合は(S9108:Yes)、遊技待機を示すための演出態様を設定し(S9109)、MAX獲得フラグ223hdをオフに設定し(S9110)、遊技待機中フラグ223hfをオンに設定し(S9111)、本処理を終了する。
次に、図273を参照して、演出設定処理11(図271のS2891参照)にて実行される第2演出設定処理(S2989)の内容について説明をする。図273は、第2演出設定処理(S2989)の内容を示したフローチャートである。この第2演出設定処理(S2989)は、時短9回目、或いは10回目(時短状態の後半期間のうち、時短終了前期間)に実行される特図2変動に対する演出態様を設定するための処理を実行するものである。
第2演出設定処理(S2989)が実行されると、まず、今回の特図2変動が時短9回転目の特図変動であるかを判別し(S9201)、時短9回転目の特図変動であると判別した場合は(S9201:Yes)、選択された変動パターンがロング変動であるかを判別する(S9202)。そして、ロング変動では無い(超短変動パターンである)と判別した場合は(S9202:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S9202の処理でロング変動であると判別した場合は(S9202:Yes)、次いで、特図2保留の1個のみ増加させることを促す演出態様を設定し(S9203)、第2獲得演出設定済フラグ223hcをオンに設定し(S9204)、本処理を終了する。
一方、S9201の処理において、今回の特図2変動が時短9回転目の特図変動では無いと判別した場合は(S9201:No)、次いで、今回の特図2変動が時短10回転目の特図変動(ラスト変動)であるかを判別し(S9205)、今回の特図2変動が時短10回転目の特図変動(ラスト変動)であると判別した場合は(S9205:Yes)、選択された変動パターンがロング変動であるかを判別する(S9206)。そして、ロング変動では無い(超短変動パターンである)と判別した場合は(S9206:No)、そのまま本処理を終了する。
S9206の処理において、ロング変動であると判別した場合は(S9206:Yes)、特図2保留の獲得を促す演出態様を設定し(S9207)、獲得演出設定済フラグ223haをオンに設定し(S9208)、本処理を終了する。
以上、説明をしたとおり、本第11実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定されている期間として、少なくとも特定条件(特図2保留の獲得)が成立し難い不利期間が、特定条件が成立し易い有利期間よりも先に設定されるように構成し、時短状態内の有利期間が設定されるよりも前に大当たり遊技が実行される場合よりも、有利期間が設定されてから大当たり遊技が実行される場合のほうが遊技者に有利となるように構成している。
また、時短状態中に主に(優先して)実行される第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に、遊技球をV入賞させることで大当たり遊技を実行させることが可能に構成している。つまり、時短状態中のどのタイミングで大当たり遊技を実行させるかを、小当たり遊技中に遊技球をV入賞させるか否かを、遊技者に選択させることができるように構成している。
このように構成することで、時短状態の不利期間中に小当たり遊技が実行された場合に、遊技者に対して、時短状態中に確実に大当たり遊技を実行させるために、不利期間中に実行された小当たり遊技であっても遊技球をV入賞させるための遊技を行うか、有利期間が設定された以降で大当たり遊技を実行させるために遊技球をV入賞させない遊技を行うかを選択させるという新しい遊技性を提供することができる。
なお、本実施形態では、時短状態が設定された場合に、所定の不利期間と、有利期間とが必ず設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の設定契機となる大当たり遊技に対して設定される大当たり種別の種類や当選時の遊技状態に応じて、不利期間のみ設定される時短状態や、有利期間のみ設定される時短状態を設定可能に構成しても良い。
また、本実施形態では、時短状態を、1回の不利期間(時短1~6回目の特図変動期間)と、1回の有利期間(時短7~10回目の特図変動期間)とで形成しているが、これに限ること無く、不利期間と有利期間とが交互に設定されるように構成しても良い。さらに、大当たり当選を契機にすること無く時短状態が設定される場合、例えば、遊技状態として、普通図柄の確率状態と、特別図柄の確率状態と、を共に可変可能に構成し、4種類の遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)とを設定可能に構成したパチンコ機10であって、確変状態が設定されている場合に、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる(転落させる)転落条件が成立したことに基づいて時短状態が設定される場合と、大当たり当選を契機に時短状態が設定される場合とで、不利期間と有利期間の設定内容を可変するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、時短状態の有利期間内に、特図2保留球数を獲得し易い第1状態と、その第1状態よりも特図2保留球数を獲得し難い第2状態と、を設定可能に構成し、有利期間中の特図2変動が実行される時点における特図2保留球数に基づいて特図2保留球数を獲得し易い第1状態と、その第1状態よりも特図2保留球数を獲得し難い第2状態と、を可変設定するように構成している。
これにより、時短状態中(有利期間中)において、どのタイミングで特図2保留球数を何個獲得するかの遊技結果に基づいて、時短状態中における特図2保留球数の獲得のし易さ(時短終了時点における特図2保留球数)を可変させることができるため、遊技者に対して特図2保留球の獲得タイミングという新しい要素を含んだ斬新な遊技を提供することができる。
なお、上述した通り、本実施形態では、上述した第1状態と第2状態とが、予め定められた特定の設定方法で設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の設定契機となる大当たり遊技に対して設定される大当たり種別の種類や当選時の遊技状態に応じて、第1状態と第2状態との設定方法(設定条件)を異ならせても良い。このように構成することで、遊技者に対してどのタイミングでどの遊技方法に基づく遊技を実行すれば良いかを予測させ難くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、1回の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の抽選結果や、選択された1の特別図柄変動(特図2変動)の変動パターンに基づいて第1状態、第2状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、所定期間内(例えば、特別図柄変動が5回実行されるまでの期間内)に実行(設定)された特別図柄抽選の抽選結果や、選択された特別図柄の変動パターンとを複合的に判別して第1状態、第2状態を設定するように構成しても良い。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を設け、その操作手段に対する遊技者の操作内容に基づいて、第1状態、第2状態を設定するように構成しても良い。
さらに、本第11実施形態では、時短状態中における遊技者が遊技方法を選択する際に参考となる案内演出を実行可能に構成し、遊技者に対して過剰に不利な時短遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、遊技者に遊技方法を選択させるタイミングが到来した場合に、第3図柄表示装置81の表示面を用いて案内演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者に遊技方法を選択させる期間であることのみを案内する案内演出を実行しても良いし、遊技者が選択可能な選択しとして、複数の選択肢を表示するが、どの遊技方法が遊技者に有利となる遊技方法であるかを遊技者に分かり難く報知するように構成しても良い。また、遊技者が選択した遊技方法にて遊技が行われたことを契機に今回選択した遊技方法が正しい遊技方法であるか否かを示唆するための示唆演出を実行するように構成しても良い。
また、本第11実施形態では、特別図柄の変動開始タイミング、或いは第2特別図柄の入賞コマンドを受信したタイミングで図254~図258を参照して上述した各種案内演出の演出態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、前変動の変動停止タイミングで案内演出の演出態様を構成しても良い。つまり、第3図柄表示装置81の表示面に表示される案内演出を視認した後に、案内演出の演出態様に応じた遊技方法で遊技を実行した場合に、適正な遊技方法で遊技が実行できるタイミングであれば、どのタイミングで案内演出の演出態様を可変させても良い。
さらに、時短状態中に発生し得る様々な遊技パターン(時短回数と特図2保留球数とを組み合わせたパターン)に対して設定される適正な遊技方法を複数表示可能に構成し、現状の遊技パターンを遊技者が判別した上で、適正な遊技方法を選択して実行するように構成しても良い。この場合、現在実行中の遊技パターンを遊技者に分かり易く報知可能な第1報知態様(例えば、時短回数と、特図2保留球数と、を数値で表示する態様)と、その第1報知態様よりも遊技者に分かり難い第2報知態様(例えば、時短回数と、特図2保留球数とのうち何れか一方のみを数字で表示する態様や、時短回数や特図2保留球数に応じたマークを表示する態様)とを表示可能に構成し、成立している表示条件(例えば、枠ボタン22に対する遊技者の操作結果に応じて成立する条件や、特別図柄の抽選結果に基づいて成立する条件)に基づいて表示させる報知態様を決定するように構成すると良い。このように構成することで、現状の遊技パターンを遊技者に予測させるという新たな楽しみを提供することができる。
上述した第11実施形態では、時短状態が設定されている状態であって、特図2保留球を容易に獲得可能な期間(有利期間)中に、特図2保留球を上限まで獲得すると遊技者に有利となり易い第1期間と、特図2保留球数を特定数(例えば3個)を上限に獲得すると遊技者に有利となり易い第2期間と、特図2保留球数を1個のみ獲得すると遊技者に有利となり易い第3期間と、を設定可能に構成している。これにより、有利期間が設定されている期間中であっても、無用に特図2保留球数を増加させるのでは無く、任意の数まで特図2保留球数を増加させるための遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、時短状態中の第2特別図柄の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルが1つであるため、上述した第1期間、第2期間、第3期間の設定規則が固定されているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中の第2特別図柄の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを複数設け、上述した第1期間、第2期間、第3期間の設定規則を複数設けるように構成しても良い。
また、本実施形態では、実行される第2特別図柄変動の実行期間毎に上述した第1期間、第2期間、第3期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、複数回の特別図柄変動に跨がって上述した第1期間、第2期間、第3期間を設定するように構成しても良いし、時短状態が設定されてからの経過時間に基づいて上述した第1期間、第2期間、第3期間を設定するように構成しても良い。
上述した第11実施形態では、時短状態が設定された場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて残時短回数を報知するように構成しているが、残時短回数を表示しないように構成しても良いし、残時短回数を抽象的に表示するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中の特図2変動の変動パターンとして超短変動パターンが設定されたとしても、残時短回数の表示が急速に減少することが無くなるため遊技者に違和感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、上述した第11実施形態では、特別図柄変動(特図2変動)が実行される場合において、選択された変動パターンに基づいて案内演出の演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる情報(先読み情報)に基づいて、選択される変動パターンや抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出態様を設定するように構成しても良い。これにより、例えば、超短変動パターンが選択される特別図柄抽選が当たり当選している場合に、超短変動(0.1秒)期間に加え、その特別図柄変動(特図2変動)よりも前に実行される特別図柄変動(特図2変動)の変動期間を用いて当たり当選を遊技者に示すための演出態様を設定することができるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
なお、本第11実施形態では、時短状態が終了した後に実行される引き戻し遊技(通常状態中における第2特別図柄抽選)として、遊技者に有利な有利引き戻し遊技を実行させるための時短状態中の遊技方法を遊技者に案内するための各種案内演出が時短状態中に必ず実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に特定の実行条件が成立した場合にのみ、上述した各種案内演出を実行させるように構成しても良い。この場合、例えば、時短7回目又は8回目が該当する時短終了準備期間中の特図変動が実行された際に、特図2保留球数を新たに獲得したほうが良い状態であるか否かを遊技者が判別困難な初期演出を実行し、その初期演出が実行されている間に実行される遊技方法に応じて、実行中の初期演出を、上述した案内演出へと可変させるように構成しても良く、具体的には、初期演出が実行されてから、特図2保留球数を新たに獲得するまでの期間の長さが所定期間よりも長い場合に、案内演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、時短状態中の遊技方法(右打ち遊技による遊技球の発射間隔)に応じて、案内演出の実行のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して時短状態中の遊技方法を選択させる楽しさをより増大させることができる。
また、本第11実施形態では、時短状態中の遊技方法(右打ち遊技の有無)を、時短状態中に実行される特別図柄変動(特図2変動)毎に設定するように構成しているが、これに限ること無く、複数回の特別図柄変動(特図2変動)に対して設定するように構成しても良いし、一の特別図柄変動(特図2変動)に対して、前半期間は右打ち遊技を促し、後半期間は右打ち遊技の禁止を促すように遊技方法を設定しても良い。
<第11実施形態における演出変形例について>
次に、第11実施形態のパチンコ機10の時短状態中に実行される演出の変形例について、上述した図263に示した流れに基づいて説明をする。上述した第11実施形態では、時短状態中に実行される演出として、時短変動回数と、特図2保留球数とに基づいて、特定数の特図2保留球を新たに獲得させる貯めろ演出(例えば、図254(a)参照)を実行するように構成し、その貯めろ演出中に、新たに特図2保留球を特定数獲得した場合に、所定期間の間、特図2保留球をそれ以上獲得させないようにする待機演出(例えば、図254(b)参照)を実行するように構成していた。
より具体的には、上述した貯めろ演出は、特別図柄変動(特図2変動)が実行される場合において、今回実行される特図2変動の変動時間が所定時間(例えば、10秒)以上の変動パターンであって、現在獲得している特図2保留球数よりも特図2保留球数を多くしたほうが遊技者に有利となる場合に実行されるように構成しており、その貯めろ演出が実行されている状態で、新たな特図2保留球を獲得した場合に、獲得後の特図2保留球数が遊技者に有利となる特図2保留球数であるかを判別し、遊技者に有利となる特図2保留球数であると判別した場合に、時短状態の最終変動が実行されるまで新たな特図2保留球を獲得させないようにする待機演出を実行するように構成していた。さらに、その待機演出が実行されている状態で、新たな特図2保留球を獲得した場合には、過剰に特図2保留球を獲得したと判別し、今回の時短状態が遊技者に不利となることを示すDANGER演出を実行するように構成していた。
そして、上述した待機演出、或いは、DANGER演出が時短状態の終了タイミングまで継続して実行されるように構成し、時短状態の終了時点で獲得している特図2保留球数に基づいて通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に対応させた引き戻し演出を実行するように構成していた。
これに対して、本演出変形例では、特図2保留球を獲得した状態で獲得した特図2保留球に含まれる入賞情報を先読みし(事前判別し)、その事前判別結果に基づいた演出を実行するように構成している。このように構成することで、待機演出中に実行される特図2抽選の抽選結果(事前判別結果)に対応させた演出を実行することができる。
次に、本演出変形例の演出内容について説明をする。まず、図263(a)の流れに対応させて実行される演出の内容について説明をする。図263(a)に示した通り、時短7回目(残時短回数4回)の特図2変動としてミドル変動(10秒変動)が設定(選択)された場合には、上述した第11実施形態と同一の特図2保留球数を上限(4個)まで貯めさせるための案内演出(貯めろ演出)を実行する。
そして、案内演出(貯めろ演出)を、時短7回目の特図2変動が停止表示されるまで、或いは、特図2保留球数が上限に到達するまで実行する。ここで、特図2保留球数が上限に到達した場合には、予め定められた期間の待機演出を実行する。本演出変形例では、待機演出として遊技者が操作ハンドル51から積極的に手を離すような演出が実行される。具体的には、パチンコ機10に設けられた複数の装飾部材、具体的には、人間の手のひらのサイズよりも大きく離間した位置に設けられた複数の装飾部材を同時に触らせる演出(タッチ演出)として、第3図柄表示装置81の表示面に「装飾部材をタッチし続けて」の文字と、遊技者にタッチさせる装飾部材を模したアイコンが表示されるタッチ演出が実行される。
上述した装飾部材には、遊技者が触れていることを検知可能な検知手段(タッチセンサ)が設けられており、上述したタッチ演出が実行されている期間中において検知手段の検知結果に応じて演出態様を可変させる操作演出が実行されるように構成されている。具体的には、操作演出の演出態様として、まず初期表示態様が表示され、その後、検知手段が遊技者の操作を検知している期間の長さ、及び、獲得済みの特図2保留球に対する先読み結果に基づいて、操作演出の演出態様が可変されるように構成している。
なお、この場合、先読み結果として特定の先読み結果(大当たり)があると判別した場合に、遊技者が複数の装飾部材を所定期間以上触れていると判別した場合に、その先読み結果に対応する特図2変動が実行されるよりも前に遊技者に報知するように構成されている。このように構成することで、後に実行される遊技の結果(保留記憶されている特図2保留に対応する遊技結果)を、いち早く把握するために遊技者に対して積極的に装飾部材を所定期間以上触らせることができる。よって、待機演出が実行されている期間に遊技者が操作ハンドル51を操作し難くなるため、待機演出中に過剰に特図2保留球を獲得してしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、本演出変形例では、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球を獲得した場合、次に実行される特図2変動(時短8回目の特図2変動)の変動パターン(変動時間)が超短変動パターン(変動時間0.1秒)であるかミドル変動(変動時間10秒)であるかを先読み(事前判別)し、例えば、時短8回目の特図2変動が0.1秒である場合は、特図2保留球数が上限に到達してから第1期間(例えば、5秒)の待機演出を実行し、時短8回目の特図2変動が10秒である場合は、特図2保留球数が上限に到達してから第2期間(例えば、15秒)の待機演出を実行するように構成している。なお、待機演出の実行期間として設定される期間は、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球を最短期間で上限数に到達させた場合に実行される待機演出の終了タイミングが時短状態の最終変動期間と重複する長さであれば良い。
このように、後に実行される特図2変動の変動パターンを先読みし、その先読み結果に基づいて実行する待機演出の演出期間を設定することにより、待機演出の対象期間内に実行される特別図柄変動(特図2変動)が実行される毎に待機演出を設定する必要が無くなるため、演出設定に関する処理負荷を軽減することができる。
また、予め定められた期間の待機演出を実行することにより、例えば、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球を早期に上限まで到達させたほうが、早期に上限まで到達させることができなかった場合よりも待機演出の終了タイミングを早くすることができる。よって、時短状態の最終変動中に実行される貯めろ演出(図256参照)の実行タイミングを早くすることができ、時短状態の最終変動中に特図2保留球を上限数まで獲得する遊技を、余裕を持たせて実行させることができる。
さらに、例えば、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球を上限数まで獲得した場合において、先読み結果として、最後に獲得した特図2保留球に対応する入賞情報に当たり情報(小当たり、大当たり)が含まれていると事前判別した場合には、通常の待機演出とは異なる特殊待機演出を実行するように構成している。具体的には、上述したタッチ演出、及び操作演出の演出結果として、遊技者に最も有利な遊技が時短状態の終了後に実行されることを事前に報知する演出が実行される。
つまり、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球を上限数まで獲得した場合において、最後に獲得した特図2保留球は、時短状態が終了した時点で次に実行される第2特別図柄抽選、即ち、時短状態から通常状態へと移行した後、最初に実行される第2特別図柄抽選に用いられる特図2保留球になる。つまり、特殊待機演出が実行された場合には、通常状態中に第2特別図柄抽選で当たり当選するという遊技者に最も有利な遊技が実行されることを遊技者が事前に把握することができる。よって、遊技者は特殊待機演出が実行されることを期待しながら意欲的にタッチ演出を実行することになるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができると共に、タッチ演出に参加することで操作ハンドル51から手を離させ易くすることができるため、待機演出が実行されている期間中に新たな特図2保留球を獲得してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、例えば、待機演出が実行されている際中の特図2変動、具体的には、図263(a)に示した遊技の流れのうち、時短9回目の特図2変動にて小当たり当選すると事前判別された場合は、待機演出に代えて特殊選択演出が実行される。この特殊選択演出では、図258に示したような遊技者に対して小当たり遊技中にV入賞を狙う遊技を行うか、小当たり遊技中にV入賞を狙わない遊技を行うかを選択させる演出が実行される。この特殊選択演出の演出態様は、時短9回目の特図2変動に対応する特図2保留球以外の特図2保留球に対する事前判別結果に基づいて異なる演出態様が設定されるように構成しており、例えば、時短7回目の特図2変動中に特図2保留球数が上限に到達した場合であって、最後に獲得した特図2保留球に対する事前判別結果が当たり(小当たり)である場合には、時短9回目の特図2変動で当選する小当たりに基づく小当たり遊技中にV入賞を狙わないほうが有利となることを示す特殊選択演出態様が設定され、他の特図2保留球に対する事前判別結果に当たり当選を示す事前判別結果が無い場合は、遊技者に何れの遊技を実行するのかを任意に選択させる特殊選択演出態様が設定される。このように構成することで、過度に不利な遊技を遊技者が選択してしまうことを抑制することができるため、遊技者が不利な遊技を選択してしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した第11実施形態では、過剰に特図2保留球を獲得した場合に、図257に示した通り、時短状態の残期間(残時短期間)を用いて、DANGER演出を実行するように構成していた。そして、時短状態が終了するタイミングでDANGER演出を終了させ、確保している特図2保留球数を報知し、引き戻し演出を実行するように構成していた。
これに対して、本演出変形例では、過剰に特図2保留球を獲得した場合には、通常状態が設定された後に実行される第2特別図柄変動(時短状態中に獲得した特図2保留球を用いた第2特別図柄変動)の変動期間も用いたDANGER演出が実行されるように構成している。つまり、DANGER演出の終了タイミングを上述した第11実施形態とは異ならせている。これにより、DANGER演出が終了した場合には、通常状態における第1特別図柄抽選を実行させる遊技が実行されることになる。このように構成することで、DANGER演出が実行された場合には、時短状態中に特図2保留球を大量に獲得する機会が付与され難く、且つ、引き戻し演出も実行されないことになるため、遊技者に対して不利な遊技状況であることを報知することができる。また、通常状態が設定された後に実行される第2特別図柄変動の変動時間も用いてDANGER演出を実行することができるため、DANGER演出が実行されてから時短状態の終了タイミングが到来するまでの期間が極端に短い場合、例えば、図263(b)に示した遊技の流れにおいて、時短8回目の特図2変動の終了間際に特図2保留球数を上限数にしてしまった場合において、DANGER演出が一瞬で終了してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、上述したDANGER演出の演出期間は、DANGER演出が実行されてから時短状態が終了するまでの残期間と、通常状態が設定された後に実行される第2特別図柄変動の実行期間の全期間を用いる必要は無く、例えば、通常状態が設定された後に実行される第2特別図柄変動の実行回数が2回以上である場合には、通常状態が設定された後に実行される1回目の第2特別図柄変動の停止表示タイミングに対応させてDANGER演出を終了し、DANGER演出の演出結果として引き戻し演出が実行されることを示す表示態様を表示させ、その後、引き戻し演出を実行するように構成しても良い。
なお、本演出変形例のように、時短状態中の残期間と、通常状態が設定された後に実行される第2特別図柄変動の実行期間と、を用いて一連の演出を実行する構成を、待機演出に用いても良い。この場合、待機演出の演出態様(少なくとも待機演出に含まれる一部の演出態様)を待機演出が実行されている期間の長さに応じて可変させるように構成し、待機演出の実行期間が長ければ長いほど遊技者に有利な遊技結果となるように構成しても良い。
<第11実施形態の変形例について>
次に、上述した第11実施形態の変形例、具体的には、第11実施形態の技術思想を上述した第11実施形態に記載されている技術に適用した場合の例について説明をする。上述した第8実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設け、さらに、遊技者が実行する遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)に応じて、複数の時短終了条件(特図1終了条件、特図2終了条件)のうち成立し易い時短終了条件を異ならせるように構成していた。そして、各時短終了条件が成立する直前の状態(時短終了前条件が成立した状態)であるかを判別し、一の時短終了条件に対して時短終了前条件が成立したと判別された場合に、時短終了前条件が成立した一の時短終了条件よりも他の時短終了条件が成立し易い遊技方法で遊技を行わせるための演出(遊技方法案内演出)を実行するように構成していた。
つまり、上述した第8実施形態では、時短状態中の遊技を遊技者に最大限に楽しませるために(時短状態中の遊技期間を長くするために)、複数の時短終了条件のうち、一の時短終了条件を成立させるための要素(例えば、第2特別図柄の変動回数)のみが更新され、他の時短終了条件を成立させるための要素(例えば、第1特別図柄の変動回数)が全く更新されていない状態で、時短状態が終了してしまうことを抑制するように構成していた。
さらに、上述した第8実施形態では、第2特別図柄の抽選権利を最大で4個保留記憶可能に構成しており、第2特別図柄の抽選権利を保留記憶させた状態で時短状態を終了させることにより、時短状態終了後に設定される通常状態中において、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選を実行できるように構成していた。つまり、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数を最大限に増やしながら、且つ、第2特別図柄の抽選権利をより多く保留記憶させた状態で時短状態を終了させることが可能な演出を実行するように構成していた。
これに対して、本第11実施形態の変形例では、時短状態が設定された場合に、時短状態以外の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている場合よりも抽選権利を取得し易い第2特別図柄に対してのみ時短終了条件(特図2終了条件)を設定し、時短状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数(変動回数)が、所定回数(例えば、100回)に到達した場合に特図2終了条件が成立し、時短状態が終了するように構成している点、及び、第2特別図柄抽選を、第1特別図柄抽選よりも優先して実行するように構成している点で上述した第8実施形態と相違している。なお、第2特別図柄抽選を第1特別図柄抽選よりも優先して実行するための具体的な制御内容については、上述した第1実施形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。
また、本変形例では、第2特別図柄の保留球数(第2特別図柄抽選が実行される時点で保留記憶されている第2特別図柄の抽選権利の保留記憶数)と、特図2終了条件が成立するまでの特別図柄の残抽選回数(残時短回数)とに基づいて、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間を異ならせて選択可能に構成している。
具体的には、時短状態が設定されてから残時短回数が5回に到達するまでは、第2特別図柄の変動時間として、上述した第8実施形態と同一の変動パターンテーブルに基づいて短時間の変動パターン(短変動パターンA)が選択されるように構成し、残時短回数が5~3回であって、第2特別図柄の保留球数が2個以上の場合には、上述した短変動パターンAとして選択され得る変動時間よりも長い変動時間の変動パターン(中変動パターン(例えば、10~20秒))が選択され、第2特別図柄の保留球数が1個の場合には、上述した短変動パターンAが選択され、第2特別図柄の保留球数が0個の場合には、上述した短変動パターンAよりも短い変動時間の変動パターン(超短変動パターン(例えば、0.1秒))が選択されるように構成している。
そして、残時短回数が2回、又は1回(時短状態の最終変動)であって、第2特別図柄の保留球数が0,2,3個の場合には、上述した超短変動パターン(0.1秒)が選択され、第2特別図柄の保留球数が1個の場合には、上述した中変動パターンよりも長い変動時間の変動パターン(長変動パターン(例えば、30秒))が選択されるように構成している。このように構成することで、時短状態の終了時点における第2特別図柄の保留記憶数を時短状態中に実行される遊技方法によって異ならせることが可能となる。
ここで、本変形例における時短状態中の遊技内容について説明をする。本変形例では、上述した第8実施形態と同様に、時短状態が設定された場合には、右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選を実行させる遊技方法が遊技者に最も有利な有利方法となるように構成している。
時短状態中に右打ち遊技を継続して実行している間は、第2特別図柄の抽選が実行される間隔よりも、第2特別図柄の抽選権利が取得される間隔のほうが短くなるように、時短状態中(普通図柄の高確率状態中)に実行される普通図柄変動の変動時間や、普図当たり遊技の実行期間や、第2特別図柄変動の変動時間や、遊技盤13に配設される各種装置の配置間隔が設定されている。これにより、時短状態中に継続して右打ち遊技を実行した場合には、第2特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)を維持しながら時短状態の最終変動に向けて遊技が実行されることになる。
以降、時短状態中の遊技の流れについて説明をする際に、時短状態が設定されてから残時短回数が5回に到達するまでの期間を時短正常期間、残時短回数が5~3回の期間を時短終了準備期間、残時短回数が2回、又は1回(時短状態の最終変動)の期間を時短終了前期間と称して説明をする。
上述した通り、第2特別図柄の保留球数が上限値(4個)を維持しながら時短状態中の遊技を実行した場合には、時短終了前期間において超短変動パターン(0.1秒)が選択されることになる。よって、時短状態が終了した時点(時短状態中の特図最終変動が停止表示された時点)における第2特別図柄の保留球数が少なくなり易い。具体的には、第2特別図柄の保留球数が上限値(4個)の状態で、残時短回数が「2」(時短状態の99回転目)の第2特別図柄変動が超短変動パターンで実行され、第2特別図柄の保留球数が3個に減少した状態で、残時短回数が「1」(時短状態の100回転目)の第2特別図柄変動が超短変動パターンで実行される。よって、時短終了時点における第2特別図柄の保留球数が2個となる。
このように、第2特別図柄の保留球数が所定数(4個)の状態で、時短終了前期間に突入すると、時短終了前期間中に実行される2回の第2特別図柄に対して超短変動パターンが設定されるため、第2特別図柄の保留球を新たに獲得することが困難となる。
一方、時短状態中における右打ち遊技を一時的に中断し、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数を4個以外にした場合には、第2特別図柄の保留球数が4個の場合に比べて、時短終了時点における第2特別図柄の保留球数が多くなり易くなるように時短終了前期間中の第2特別図柄変動に対して変動時間が設定される。
例えば、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数が3個の場合は、残時短回数が「2」(時短状態の99回転目)の第2特別図柄変動が超短変動パターンで実行され、第2特別図柄の保留球数が2個に減少した状態で、残時短回数が「1」(時短状態の100回転目)の第2特別図柄変動が長変動パターンで実行される。よって、時短状態の最終変動を長時間実行することができるため、その最終変動中に第2特別図柄の保留球を新たに獲得し易くすることができる。また、本変形例では、長変動パターンとして30秒の変動時間が選択されるように構成しており、時短状態中に右打ち遊技を30秒間実行することにより、第2特別図柄の保留球を新たに3個以上獲得できるように構成されているため、長変動パターンが選択された時短最終変動中に右打ち遊技を継続するだけで時短終了時点における第2特別図柄の保留球数を容易に上限値(4個)にすることができる。
次に、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数が2個の場合は、残時短回数が「2」(時短状態の99回転目)の第2特別図柄変動が長変動パターンで実行されると、その第2特別図柄変動中に右打ち遊技を継続することで第2特別図柄の保留球数を一旦、上限値(4個)にすることができる。そして、第2特別図柄の保留球数を上限値(4個)にした状態で、残時短回数が「1」(時短状態の100回転目)の第2特別図柄変動が超短変動パターンで実行される。よって、時短終了時点における第2特別図柄の保留球数を3個にすることができる。つまり、時短状態中に右打ち遊技を継続して実行している場合よりも時短終了時点における第2特別図柄の保留球数を多くし易くすることができる。
また、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数が1個の場合、即ち、第2特別図柄の保留球数が0個の状態で、新たな第2特別図柄の保留球を獲得し、残時短回数が「2」(時短状態の99回転目)の第2特別図柄変動が実行される場合は、その第2特別図柄変動の変動パターンとして超短変動パターンが選択される。同様に、第2特別図柄の保留球数が1個の状態で残時短回数が「1」(時短状態の100回転目)の第2特別図柄変動が実行される場合は、その第2特別図柄変動の変動パターンとして超短変動パターンで実行される。つまり、第2特別図柄の保留球数を所定数(2個)よりも少なくした状態で時短終了前期間に突入させた場合には、第2特別図柄の保留球数を新たに獲得する機会を与えること無く時短状態が終了することになる。
以上、説明をした通り、本変形例では、時短状態における時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数に応じて、時短終了時点における第2特別図柄の保留球の獲得期待値を異ならせることができるため、遊技者に対して時短中の遊技方法を選択する楽しみを提供することができる。
また、本変形例では、時短状態中に継続して右打ち遊技を実行する場合よりも、一時的に右打ち遊技を中断する、或いは、通常の右打ち遊技以外の遊技(左打ち遊技)を実行するほうが、時短状態が終了した後の期間において、遊技者に有利な遊技を提供し易くすることができるように構成しているため、時短状態を遊技している遊技者に対して、遊技方法を変更する楽しみを提供することができる。
さらに、本変形例では、時短状態中に実行される右打ち遊技を必要以上に中断した場合には、時短状態が終了した後の期間において遊技者に提供される特典(通常状態中における第2特別図柄抽選の実行)が、時短状態中に継続して右打ち遊技を実行した場合よりも、少なくなるように構成している。よって、時短状態を遊技している遊技者に対して、遊技方法を変更するだけでは無く、遊技方法を変更する期間の長さまで考えながら遊技を行わせることができる。よって、時短状態中の遊技に対してより興味を持たせることができる。
加えて、本変形例では、時短状態中の期間であって、時短終了前期間(残時短回数が2回、又は1回(時短状態の最終変動)の期間)よりも前の時短終了準備期間(残時短回数が5~3回の期間)も、時短正常期間(残時短回数が5回になるまでの期間)とは異なる変動パターンが選択されるように構成しており、この時短終了準備期間中に実行される第2特別図柄変動の変動時間に応じて、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数を遊技者が遊技方法を選択することにより任意に変更することができるように構成している。
具体的には、時短終了準備期間において第2特別図柄の保留球数が「3個、或いは4個」である場合には、時短正常期間中に選択される短変動パターンよりも変動時間が長い中変動パターンが選択され易く構成しており、時短状態中に継続して右打ち遊技を実行した場合に、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数が上限(4個)となり易くなるように構成している。また、時短終了準備期間において第2特別図柄の保留球数が「1個、或いは、2個」である場合には、時短正常期間中に選択され得る範囲内で変動パターンが選択されるように構成しており、時短終了前期間に突入する際の第2特別図柄の保留球数が「0個」の場合には、短変動パターンよりも短い超短変動パターンが選択されるように構成している。
つまり、上述した中変動パターンが選択されることにより、右打ち遊技が継続して実行される場合には、時短終了前期間の突入時に保留記憶されている第2特別図柄の保留球数が上限値(4個)になり易くしている。これにより、継続して右打ち遊技を行ったにも関わらず、第2特別図柄の保留球を新たに獲得すること無く、時短終了前期間に突入することを抑制することができる。よって、時短状態中に実行する遊技方法の内容に応じた特典が付与され易くすることができる。
また、本変形例では、時短終了準備期間に突入した際の第2特別図柄の保留球数が0個の場合は、第2特別図柄の変動パターンとして、超短変動パターン(0.1秒)が選択されるように構成している。よって、第2特別図柄の保留球数が上限値(4個)の状態で時短終了前期間に突入することを抑制するために、必要以上に右打ち遊技を中断させながら時短状態中の遊技を実行した場合、即ち、時短状態中に第2特別図柄の保留球数を増加させないように、第2特別図柄変動が実行されている間は右打ち遊技を行わず、第2特別図柄変動が停止した後に右打ち遊技を行う遊技方法(所謂、止め打ち遊技)が行われることを抑制することができる。
また、詳細な説明は省略するが、本変形例では、時短状態中に第3図柄表示装置81の表示面にて実行される時短演出として、時短正常期間中に実行される第1時短演出態様と、時短終了準備期間中に実行される第2時短演出態様と、時短終了前期間中に実行される第3時短演出態様と、を設定可能に構成している。ここで、本変形例特有の演出態様について説明をする。
以上、説明をした通り、本変形例では、第2特別図柄の保留球数と、時短状態の残時短回数とに基づいて、選択される第2特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を異ならせることにより、時短終了時点で獲得している第2特別図柄の保留球数の期待値を異ならせるように構成することで、時短状態から通常状態へと移行した後に実行される遊技の有利度合いを異ならせるように構成している。つまり、時短状態中において遊技者が選択した遊技方法に応じて、後に実行される遊技の有利度合いを変更することができるように構成している。よって、遊技者に対して時短状態中の遊技を意欲的に行わせることができる。
また、上述した通り、本変形例では、第2特別図柄の保留球数を容易に増加させることが可能な期間(長変動パターンが設定された第2特別図柄変動が実行されている期間)が設定された場合に、第2特別図柄の保留球数を増加させたほうが良い場合と、増加させないほうが良い場合とが、時短状態の残時短回数に応じて生じるように構成している。よって、遊技者に対して、第2特別図柄の保留球数を容易に増加させることが可能な期間(容易期間)が到来した場合に、第2特別図柄の保留球数を増加させるか否かを選択させる楽しみを提供することができる。
なお、本変形例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数が特定回数(100回)に到達した場合に成立する時短終了条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態を設定する契機となった大当たり当選において設定される大当たり種別に応じて、時短終了条件が異なるように構成しても良く、例えば、特別図柄の変動回数が50回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定される大当たり種別や、75回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定される大当たり種別や、1回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定される大当たり種別を設けても良い。
この場合、時短状態の継続期間を遊技者に予測させ難くすることができるため、遊技者が、容易期間中に第2特別図柄の保留球数を増加させるか否かを、残時短回数に基づいて判別し難くすることができる。
また、本変形例では、上述した通り、時短終了条件として特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、特定の当たりや、特定の外れ)となった場合に成立する時短終了条件(抽選結果終了条件)を設け、残時短回数に関わらず強制的に時短状態が終了するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がどのタイミングで終了するのかを遊技者に予測させ難くすることができるため、遊技者に対して時短状態が終了した時点において第2特別図柄の保留球数を多く確保するための遊技方法を考えながら時短状態の遊技を実行させることができる。
加えて、本変形例では、第2特別図柄の保留球数と、時短状態の残時短回数とに基づいて、選択される第2特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を異ならせることにより、時短終了時点で獲得している第2特別図柄の保留球数の期待値を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の残時短回数と、第2特別図柄抽選の結果とに基づいて、第2特別図柄変動の変動パターンを選択するように構成しても良いし、第2特別図柄の保留球数と、時短状態の残時短回数と、第2特別図柄の抽選結果とに基づいて、第2特別図柄変動の変動パターンを選択するように構成しても良い。このように、第2特別図柄変動の変動パターンを選択する際に、第2特別図柄の抽選結果を参照するように構成することで、例えば、時短状態が終了する直前の期間である時短終了前期間中は、第2特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、小当たり)である場合以外は超短変動パターンが選択され、特定の抽選結果(例えば、小当たり)である場合のみ超短変動パターンよりも長い変動時間が設定される長変動パターンが選択されるように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態中の特定期間(時短終了前期間)における第2特別図柄抽選の結果に基づいて、遊技者に有利な第1有利期間(時短状態が設定されている期間)の後に到来する第2有利期間(通常状態中に実行される第2特別図柄の保留消化期間)の有利度合い(第2特別図柄の保留球数)を異ならせることができる。よって、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選が、第1有利期間中の有利度合いと、第2有利期間中の有利度合いとに影響を与えることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、本変形例では、時短状態中の期間として、時短正常期間(時短1~95回)、時短終了準備期間(時短96~98回)、時短終了前期間(時短99,100回)を設定し、設定された各期間に応じて異なる変動パターンが選択されるように、特図変動回数(時短状態中の特図変動回数)に応じて、選択対象となる変動パターンを異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態が設定される大当たりに当選した際に設定される大当たり種別に応じて、上述した各期間の長さ(範囲)を異ならせても良い。
さらに、時短状態が設定された時点では、時短状態の全期間を時短正常期間として設定しておき、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選が特定の抽選結果(例えば、小当たり)に当選した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される第2特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンとして、所定期間の間(例えば、特図変動5回転の間)、特殊変動パターンが選択され得る特殊変動パターンテーブルを用いるように構成し、その特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンが選択される場合に、上述した超短変動パターンや長変動パターンが選択され得るように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の抽選結果と、特定の抽選結果となるタイミングとに応じて、遊技者に有利な第1有利期間(時短状態が設定されている期間)の後に到来する第2有利期間(通常状態中に実行される第2特別図柄の保留消化期間)の有利度合い(第2特別図柄の保留球数)を異ならせることができる。よって、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選が、第1有利期間中の有利度合いと、第2有利期間中の有利度合いとに影響を与えることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
<第11実施形態の変形例における演出内容について>
次に、第11実施形態の変形例において実行される複数の演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。上述した通り、本変形例では、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定された場合に、その時短状態中に実行する遊技方法に応じて、時短状態(第1期間)が終了した後の所定期間(第2期間)に実行される遊技の有利度合いを異ならせることができるように構成している。そして、時短状態中(第1期間中)において、第2期間中の遊技を遊技者により有利に実行させるための遊技方法を案内(示唆)するための演出を実行するように構成している。このように構成することで、時短状態中の遊技を遊技者に分かり易く案内することができる。
具体的には、時短状態が設定されている場合において、時短終了条件が成立するまでの残時短回数を計測する計測手段と、その計測手段の計測結果に基づいて、現在の時短状況が時短正常期間、時短終了準備期間、時短終了前期間の何れであるかを判別する期間判別手段と、期間判別手段の判別結果に対応する演出態様を設定する演出態様設定手段と、を有しており、演出態様設定手段により設定された演出態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示することで、時短状態中の状況を遊技者が把握可能に構成している。
さらに、計測手段の計測結果と、第2特別図柄の保留記憶数を記憶する記憶手段の記憶内容とに基づいて、時短終了条件が成立するまでに選択され得る変動パターンを予め予測する予測手段を設ける。
そして、予測手段によって、時短終了条件が成立するまで超短変動パターンのみが選択されると予測された場合、例えば、時短終了準備期間の最終変動(残時短回数が3回の場合に実行される第2特別図柄変動)が実行される時点で第2特別図柄の保留球数が4個ある場合は、その最終変動中に第2特別図柄の保留球を新たに獲得するか否かに関わらず、残りの時短変動(時短状態中に実行される2回分の第2特別図柄変動)が、超短変動パターンで実行されることが確定しているため、今回の最終変動を含む3回分の第2特別図柄変動の抽選結果(先読み結果)に基づいた複合演出態様を設定する。そして、時短終了条件が成立するまでの期間、即ち、時短終了準備期間の最終変動が開始されてから、時短終了前期間の最終変動(時短状態の最終変動)が停止表示するまでの期間を用いて複合演出態様に用いた複合演出を実行する。
このように複合演出を実行することにより、第2特別図柄の保留球数を新たに獲得させることを困難とするために超短変動パターンを設定可能に構成した場合において、その超短変動パターンが選択された第2特別図柄変動の抽選結果を、複数の第2特別図柄変動の変動期間を用いて遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、今回実行される第2特別図柄変動の変動パターンを判別する変動パターン判別手段により、今回実行される第2特別図柄変動の変動パターンが長変動パターンであると判別した場合は、記憶手段に記憶されている第2特別図柄の保留球数と、計測手段の計測結果(残時短回数)とに基づいて、第2特別図柄の保留球数を増加させたほうが遊技者に有利な状況であるか否かを判別する状況判別手段を有しており、その状況判別手段の判別結果に基づいた演出態様を設定し、現在の状況を遊技者に案内する案内演出を実行するように構成している。
この案内演出では、長時間の変動時間が設定されている第2特別図柄変動が実行されている(容易期間中である)ことを遊技者に案内するための第1案内態様と、遊技者に対して、右打ち遊技を継続させる継続遊技、或いは、右打ち遊技を中断させる(左打ち遊技を実行させる)切替遊技の何れかの遊技方法を案内するための第2案内態様と、を少なくとも含む表示態様で演出が実行される。
なお、この案内演出に変えて、上述した第1案内態様と、遊技者に継続遊技、或いは切替遊技の何れかを実行させる特殊案内態様を表示可能な特殊案内演出を実行し、容易期間の経過後に、容易期間中の遊技者の遊技内容と、上述した第2案内態様の内容に基づいて、遊技結果を示す結果態様を表示するように構成しても良い。この場合は、容易期間中において第2特別図柄の保留球数を容易に増加させることが可能な期間であることを遊技者に報知しながら、第2特別図柄の保留球数を増加させたほうが良いか否かを遊技者に分かり難くする演出が実行される。よって、遊技者に対して演出内容を把握しならが遊技方法を選択させるという遊技性を提供することができる。
また、上述した第11実施形態、及び第11実施形態の変形例とは別の技術構成として、例えば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選と、を重複して実行可能に構成し、第1特別図柄の抽選で小当たり当選し、その小当たり当選を示す特別図柄が停止表示された場合に、実行中の第2特別図柄変動を強制的に外れで停止表示させるように構成したパチンコ機10であって、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定された場合に、第2特別図柄の変動回数が所定回数となった場合に時短状態が終了するように構成したパチンコ機10において、時短状態が設定された時点で第1特別図柄の保留球を獲得しており、第2特別図柄の保留球を獲得していない場合は、第1特別図柄の保留球が0になるまで(第1特別図柄変動が実行されなくなるまで)、第2特別図柄の保留球を獲得するための遊技(時短遊技)を実行させないようにする案内演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、第1特別図柄の抽選結果に基づいて強制的に外れで停止表示される第2特別図柄変動の数を抑制することができるため、時短状態中に第2特別図柄の変動回数が無駄に更新されてしまうことを抑制することができる。つまり、遊技者に有利な有利状態(時短状態)が設定された場合において、第2特別図柄の保留球を獲得するための遊技を中断したほうが遊技者に有利な遊技を提供することができる。
また、上述した第11実施形態、及び、第11実施形態の変形例では、遊技者に有利となる有利状態として時短状態を用いた例を説明したが、これに限ること無く、例えば、確変状態を有利状態としても良い。また、複数の段階を経て特典を獲得可能な遊技性を有する遊技機においては、複数の段階のうち、特定段階まで到達した状態、即ち、初期状態よりも特典が獲得し易い状態を有利状態すれば良い。
上述した各実施形態では、複数の時短終了条件を設定し、複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数が特定の変動回数となった場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、変動回数終了条件が成立した場合と、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、当選回数終了条件が成立した場合とで、異なるタイミングで時短状態を通常状態へと移行させることができるように構成した。
この構成を用いて、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動を開始することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行し、当選回数終了条件が成立した場合には、小当たり遊技が終了することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように制御される遊技機を設けると良い。
これにより、成立する時短終了条件によって、同一の特別図柄の変動に基づいて時短状態が終了する場合であっても、特別図柄の変動時間と、小当たり遊技が実行される時間とを合算した範囲で時短状態が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、成立した時短終了条件の種別についても興味を持たせることができる。さらに、成立する時短終了条件によっては、遊技者に対して少量の特典を付与する小当たり遊技中にも、電動役物640aを作動させ球を入球口へと入球させ易くすることで、小当たり遊技を遊技者にとってより有利な遊技状態とすることが可能となる。
加えて、小当たり遊技が実行される期間を異ならせた複数の小当たり種別を設け、当選回数終了条件が成立した場合であっても、当選回数終了条件が成立した小当たり種別に応じて遊技者に付与される特典を異ならせるようにすると良い。これにより、成立した時短終了条件の種別だけでは無く、時短終了条件のより詳細な内容について遊技者に興味を持たせることができる。
また、この場合、当選回数終了条件が成立した場合であっても、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態を終了させる場合と、小当たり遊技が終了するタイミングで時短状態を終了させる場合とが混在するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してどのタイミングで時短状態が終了するかを分かり難くすることができる。さらに、上述した実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、小当たりに当選したことに基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、を別々に実行する構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選(変動)に応じて更新される時短情報を一元的に管理し、成立した時短終了条件に基づいて時短状態を終了させるタイミングを設定する構成を用いても良い。
<第12実施形態>
次に、図274から図293を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第7実施形態におけるパチンコ機10では、有利な遊技状態(時短状態)の間に大当たりに当選した場合よりも、有利な遊技状態が終了した後の不利な遊技状態(通常状態)において大当たりに当選した方が有利となる(大当たり後に時短状態が設定される割合が高くなる)ように構成した上で、有利な遊技状態(時短状態)の終了タイミングを遊技者に選択させることが可能に構成した。
これに対して本第12実施形態におけるパチンコ機10では、比較的有利な遊技状態(潜確状態、確変状態)の間に大当たりに当選した方が有利になる(大当たり終了後に有利な確変状態が設定される)状況と、有利な遊技状態の間に大当たりに当選するよりも、有利な遊技状態が終了した後の不利な遊技状態において大当たりに当選した方が有利になる状況と、が成立するように構成した。このように構成することで、遊技状態だけでなく、状況にも応じて大当たりに当選することを期待するか、外れとなることを期待するかを異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
なお、上述した第7実施形態では、遊技者にとって不利な遊技状態として通常状態を設けると共に、遊技者にとって有利な遊技状態として時短状態を設ける構成としていたが、本第12実施形態では、これらの2種類の遊技状態に加えて、右打ちを行っても第2入球口6400へと遊技球を入球させ難く、且つ、大当たり確率が高い潜確状態と、右打ちを行うことで第2入球口6400へと遊技球を入球させ易くなり、且つ、大当たり確率が高くなる確変状態と、の4種類の遊技状態が設けられている。
この第12実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第7実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第7実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図274を参照して、本第12実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図274は、本第12実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図274に示した通り、本第12実施形態における遊技盤13は、第7実施形態における遊技盤13に対して、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の流路に設けられていたV入賞装置6500が削除されている点、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路に対して、第2入球口6400に代えて第2入球口6450が設けられている点、第2入球口6450に対して正面視下方に第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64bが設けられている点、可変入賞装置65が右第1入球口64bの正面視下方に移動されている点で相違している。
盤面右側に右第1入球口64bが設けられていることにより、大当たり中や普通図柄の時短状態が設定される遊技状態において右打ちを行った場合、右第1入球口64bへも遊技球が入球するため、右打ちを継続して行っているだけで第1特別図柄の保留球を増加させることができる。なお、右打ちにより発射された遊技球が右第1入球口64bへと入球する割合(例えば、20球に1球の割合)は、左打ちにより発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合よりも低くなる(例えば、40球に1球の割合)ように構成されている。よって、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)では、左打ちにより遊技を行わせることができる。また、可変入賞装置65が盤面右側に移動されていることにより、大当たり遊技の実行中に賞球を獲得したいと考える遊技者に対して右打ちを行わせることができる。これにより、大当たり遊技の実行中に右第1入球口64bにも遊技球を入球させることができる。
次に、本第12実施形態における遊技の流れについて簡単に説明する。本第12実施形態では、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に潜確状態(潜確状態A)へと移行する。潜確状態では、右打ちを行っても第2入球口6450へと遊技球を入球させることができない(電動役物6450aが開放され難い)ため、第1特別図柄の抽選を実行させる必要がある。潜確状態は特別図柄の変動表示が3回実行されると終了されて通常状態へと戻ってしまうため、潜確状態へと移行した後、3回以内の抽選で大当たりに当選することを目指す必要がある。潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(時短回数1回)に設定される。上述した通り、大当たり中に右打ちを行うと右第1入球口64bにも遊技球が入球して第1特別図柄の保留球が貯まるため、この確変状態においては基本的に第1特別図柄の抽選が実行される。
確変状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定され、第1特別図柄の抽選で外れとなった場合も、時短回数が0になって特別図柄の高確率状態のみが残るため、潜確状態に移行する。確変状態後に設定される潜確状態では、確変状態の間に右打ちにより貯められた第2特別図柄の保留球が消化される。潜確状態の間に第2特別図柄の抽選で大当たりになると、潜確状態をループしてしまう一方で、第2特別図柄の保留球を1以上所持したままで確変回数を経過させることができれば、第2特別図柄の保留球を所持したままで通常状態へと移行させることができる。本第12実施形態では、潜確状態以外の遊技状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、時短回数が34回の確変状態に設定される(なお、特別図柄の高確率状態自体は3回で終了するが、時短状態は34回の抽選が終了するまで維持される)。つまり、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することができて初めて、34回という比較的多い時短回数の時短状態を獲得することができ、持ち球を減らすことなく複数回の特別図柄の抽選を実行させることができる有利な状態を形成する。本第12実施形態では、この時短回数が34回の時短状態が付与されることを1つの目標として遊技者に対して遊技を行わせることができる。
次に、図275から図278を参照して、本第12実施形態における特徴的な演出態様について説明する。ここで、本第12実施形態には、大別して3種類の演出モードが設けられている。即ち、通常の演出モードが設定される通常モード(主として通常状態における演出モード)と、通常状態において大当たりに当選したことに基づいて潜確状態が設定されてから時短回数が34回の確変状態が付与されるまで、若しくは第2特別図柄の保留球が0の状態の通常状態に戻るまでの間における演出モードであるチャンスモードと、時短回数が34回の確変状態が設定されてから時短回数が経過するまでの間における演出モードである連荘モードと、の3種類が設けられている。ここでは、チャンスモードにおける演出態様について説明する。
図275(a)は、通常モード(第2特別図柄の保留球が存在しない通常状態)において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、潜確状態への移行が確定した場合における大当たりのエンディング期間中の表示態様の一例を示した図である。図275(a)に示した通り、通常モード(通常状態)において当選した第1特別図柄の大当たりのエンディング期間では、主表示領域Dmに対して、冒険者を模したキャラクタ801と、怪獣を模したキャラクタ811とが対峙する表示態様が表示される。加えて、主表示領域Dmにおける上部に形成される表示領域HR6に対して、「チャンスモード突入!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、遊技者に対してチャンスモードへと突入することを容易に理解させることができる。
また、図275(a)に示した通り、副表示領域Dsにおける左側には第1特別図柄の保留球数、および第2特別図柄の保留球数を表示するための第1表示領域Ds1が形成される。この第1表示領域Ds1には、上側に第1特別図柄の保留球数を示す数字が表示され、下側に第2特別図柄の保留球数を示す数字が表示される。図275(a)では、大当たり中に右打ちによって右第1入球口64bへと遊技球が入球した結果、エンディング期間において第1特別図柄の保留球が2個貯まった状態となっている状況を例示している。更に、第1表示領域Ds1の右側には、「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示された第2表示領域Ds2が形成される。これらの表示内容により、敵(怪獣を模したキャラクタ811)を倒すことができれば有利なRUSH(連荘モード)へと移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図275(b)を参照して、チャンスモードに移行した後における演出態様について説明する。ここで、上述した通り、本第12実施形態では、チャンスモードにおいて大別して3つの条件を順番に達成(クリア)することにより、有利な連荘モードへと移行させることができる。即ち、第1の条件として、潜確状態の間に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、第2の条件として、潜確状態中の当たり後に設定される確変状態、および確変状態後の潜確状態において実行される特別図柄の抽選で連続して外れとなることで第2特別図柄の保留球を1以上所持したまま通常状態へと移行させ、第3の条件として、第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりとなることによって、当該第2特別図柄の
大当たり後に連荘モードが設定される。即ち、時短回数が34回の確変状態が設定され、以降は時短回数内に第2特別図柄の抽選で大当たりとなる毎に再度、時短回数が34回の確変状態が設定される極めて有利な状態を形成する。本第12実施形態では、チャンスモードにおける演出態様として、これらの第1~第3の条件を順番に達成することができたか否かを報知する3種類の演出(部位破壊チャンス演出、回避ターン演出、および攻撃ターン演出)を順番に実行する構成としている。
なお、本第12実施形態では、特別図柄の高確率状態における大当たり確率が約1/3.4、特別図柄の低確率状態における大当たり確率が約1/30.3に設定されているので、34回の時短回数(そのうち前半3回は特別図柄の高確率状態、後半31回は特別図柄の低確率状態)の間に比較的高い割合(約88%の割合)で第2特別図柄の大当たりに当選させることができる。よって、一旦連荘モードへと移行すると、高い割合(約88%の割合)で第2特別図柄の大当たりと連荘モードとが繰り返される極めて有利な状態を形成するので、連荘モードへと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。
図275(b)は、チャンスモードにおいて上述した第1の条件を達成した(潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した)か否かを遊技者に報知するための部位破壊チャンス演出の演出態様の一例を示した図である。この部位破壊チャンス演出では、怪獣を模したキャラクタ811の角を破壊することに成功することで第1の条件の達成(潜確状態において大当たりに当選したこと)を遊技者に報知する演出が実行される。図275(b)に示した通り、部位破壊チャンス演出が開始されると、表示領域HR6に対して、「角に攻撃を当てて破壊するんだ!!」という文字が表示される。なお、この文字は部位破壊チャンスの開始時に一定時間(例えば、5秒間)のみ表示され、一定時間が経過した後は、「部位破壊チャンス」という文字と、潜確状態が終了するまでの残りの抽選回数を示す文字(例えば、「残り3回」等)とが表示される表示内容に切り替わる。また、主表示領域Dmにおける右上側には、第1特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示される特図1変動表示領域Dm1aと、第2特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示される特図2変動表示領域Dm1bと、で構成される小表示領域Dmが形成される。
更に、小表示領域Dm1の下方には、チャンスモードにおいて達成すべき残りの条件(チャンスモードの段階)を示唆する画像を表示するための表示領域HR11が形成される。より具体的には、図275(b)に示した通り、表示領域HR11には、横長略長方形形状の「部位破壊チャンス」という文字が付された画像HR11aと、「回避ターン」という文字が付された画像HR11bと、「攻撃ターン」という文字が付された画像HR11cと、の3つの画像が表示されると共に、画像HR11aから画像HR11bへと向いた矢印を模した画像と、画像HR11bから画像HR11cへと向いた矢印を模した画像と、現在達成しようとしている条件(チャンスモードの段階)を示唆するための矢印を模した画像YG1と、が表示される。図275(b)は、部位破壊チャンスの開始時における表示態様であるため、矢印を模した画像YG1は、「部位破壊チャンス」という文字が付された画像HR11aを指し示す位置に表示されている。この表示領域HR11の表示内容によって、チャンスモードにおいて達成すべき条件を遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。
図276(a)は、チャンスモードにおいて部位破壊チャンスに成功した場合(即ち、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合)の表示態様を示した図である。図276(a)に示した通り、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、冒険者を模したキャラクタ801が怪獣を模したキャラクタ811の角に攻撃を行って角を折る(破壊する)演出が実行される。また、キャラクタ801の左上に対して、「成功」という文字が付された表示領域HR12が形成される。これらの表示内容により、遊技者に対して潜確状態において大当たりとなり、チャンスモードにおいて達成すべき3つの条件のうち第1の条件を達成したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、部位破壊演出の実行中(潜確状態)に第1特別図柄の大当たりに当選しなかった場合は、怪獣のキャラクタ811によって冒険者のキャラクタ801が攻撃され、敗北する演出によってチャンスモードの終了が報知される。これにより、チャンスモードが終了したことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図276(b)は、チャンスモードにおいて部位破壊チャンスに成功し、回避ターンに突入した(潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり後の遊技状態が確変状態に設定された)場合における表示態様の一例を示した図である。回避ターン演出では、怪獣を模したキャラクタ811が仕掛ける攻撃を全て回避することにより第2の条件の達成(第2特別図柄の保留球を1以上所持したまま通常状態へと移行すること)を報知する演出が実行される。図276(b)に示した通り、回避ターンに突入(時短回数が1回の確変状態に移行)すると、表示領域HR6に対して、「回避ターン突入!!右打ちして回避力を上げろ!!」という文字が表示される。また、怪獣を模したキャラクタ811が角を破壊されたダメージでもがいている表示態様に設定されると共に、キャラクタ801がオーラを纏った(周囲が発光した)表示態様に設定される。加えて、キャラクタ801の右側に、5段階のゲージを模したゲージ画像KGが表示される。詳細については後述するが、このゲージ画像は、キャラクタ801の回避力が高くなる程ゲージが上昇していき、5段階目までゲージが上昇することにより回避ターンの突破(第2の条件の達成)が確定するように構成されている。言い換えれば、ゲージの上昇具合によって、回避ターンを突破する(確変状態の間に貯めた第2特別図柄の保留球を1以上残した状態で通常状態に移行する)期待度を示唆(報知)可能に構成している。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、回避ターン突入時は普通図柄の時短状態に設定されるため、主表示領域Dmにおける左上側に「右打ち」という文字が表示された小表示領域Dm2が形成される。これにより、時短回数が1回の確変状態の間により確実に遊技者に右打ちを行わせて第2特別図柄の保留球を貯めさせることができる。
図277(a),(b)は、回避ターンにおける1回目の特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球を獲得する毎に実行される回避率報知演出の演出態様を示した図である。図277(a)は、4個目の第2特別図柄の保留球が貯まったことに基づいて回避率が100%になったことが報知された場合の演出態様を示している。回避率100%を示す演出では、表示領域HR6の文字が「回避力UP!!回避率100%!」という文字に設定されると共に、ゲージ画像KGのゲージが5段階目(最大段階)まで上昇する。また、キャラクタ801の纏うオーラ(周囲の発光)の量が比較的大きくなる。これらの表示態様の変化によって、回避ターンを突破することができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図277(b)は、回避率が60%になったことを示す態様の回避率報知演出の演出態様を示している。回避率60%を示す演出では、表示領域HR6の文字が「回避力UP!!回避率60%!」という文字に設定されると共に、ゲージ画像KGのゲージが3段階目(3/5段階)まで上昇する。また、キャラクタ801の纏うオーラ(周囲の発光)の量が、回避ターン突入時よりも大きく、且つ、回避率100%の場合よりも少ない量に設定される。これらの表示態様により、回避ターンを突破できるか否かが未確定であることを遊技者に認識させることができるので、その後の演出の推移(キャラクタ811の攻撃を全て避けきることができるのか否か)に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第12実施形態では、第2特別図柄の始動入賞を検出する毎に、保留内に大当たりが含まれているか否か等を判別して、その判別結果に応じて回避率を決定する構成としている。そして、第2特別図柄の保留球が3個以上存在し、且つ、大当たりが含まれていない場合にのみ、回避率が100%に上昇する演出態様の実行を許容する構成としている。つまり、保留内に大当たりが存在しない場合にのみ実行される特別な態様の演出が設けられている。言い換えれば、保留内に大当たり(遊技者にとって有利となる抽選結果)が存在するか否かを判別して、大当たりがある場合にのみ特別な演出(所謂、プレミアム演出)の実行を許容するという、一般的な遊技機の動作とは真逆の斬新な演出動作を実現することができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、確変状態の間に遊技者が右打ちを行わなかった等により、第2特別図柄の保留球が貯まらなかった場合は、変動終了時に回避ターン演出が終了されて部位破壊チャンス演出に戻るように構成されている。即ち、怪獣のキャラクタ811の破壊されていた部位が再生する演出が実行されて、部位破壊チャンス演出への移行が報知されるように構成している。これにより、第2特別図柄の保留球が存在せず、連荘モードへと移行する可能性が無いにもかかわらず無駄に回避ターン演出が進行してしまうことを抑制することができる。
図278(a)は、回避ターン演出において、回避率が報知された後における演出態様を示した図である。図278(a)に示した通り、回避率が報知された後は、怪獣のキャラクタ811が尾によって冒険者のキャラクタ801を攻撃する演出が変動毎に実行される。全ての攻撃を回避することができれば、攻撃ターンへの移行が報知される。なお、回避ターン演出の開始後2回目以降の特別図柄の抽選は潜確状態において行われるため、右打ちを遊技者に指示するための文字が表示される小表示領域Dm2は消去される。
図278(b)は、攻撃ターンへと移行した(第2特別図柄の保留球が1個以上存在する状態で通常状態へと移行した)場合における演出態様(表示態様)を示した図である。攻撃ターンでは、図278(b)に示した通り、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811に対して剣による攻撃を仕掛ける演出が実行される。この攻撃ターンにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになると、冒険者のキャラクタ801の攻撃によって怪獣のキャラクタ811を倒すことに成功する演出が実行されて、連荘モード(RUSH)への移行が報知される。一方、第2特別図柄の保留球に基づく抽選が全て外れとなった場合には、怪獣のキャラクタ811に反撃されて敗北し、通常モードへの移行(転落)が報知される演出が実行される。よって、演出内容を確認するだけで、連荘モードへと移行するか否かを遊技者に対して容易に理解させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
<第12実施形態における電気的構成>
次に、図279(a)を参照して、本第12実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図279(a)は、本第12実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図279(a)に示した通り、本第12実施形態におけるROM202は、上述した第7実施形態におけるROM202の構成(図183(a)参照)に対して、変動パターンシナリオテーブル202gaが追加されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、変動パターンテーブル202d、時短付与テーブル202eの規定内容が一部変更となっている点でも相違している。
まず、図280(a)を参照して、本第12実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図280(a)は、本第12実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図280(a)に示した通り、本第12実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の高確率状態(確変状態)において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、が規定されている。
具体的には、図280(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~32」の33個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~32」の33個であるので、通常状態や時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/30.3(33/1000)である。
また、図280(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~294」の295個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~294」の295個であるので、確変状態や潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/3.4(295/1000)である。
このように、本第12実施形態では、特別図柄の高確率状態と、特別図柄の低確率状態とで、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率が大きく異なるように構成している。よって、遊技にメリハリを付けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図280(b)を参照して、本第12実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bと同様に、大当たりに当選した場合の大当たり種別を特定(決定)するために参照されるデータテーブルである。図280(b)は、この第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。
図280(b)に示した通り、本第12実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA12」のみが設けられている。つまり、第1当たり種別カウンタC2の取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲に対して、「大当たりA12」が対応付けて規定されている(第1特別図柄の抽選で大当たりになると、100%の割合で「大当たりA12」が選択(決定)される)。この「大当たりA12」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後に確変回数が3回の特別図柄の確変状態が付与される大当たり種別(4R確変大当たり)である。なお、時短回数については、当選時の遊技状態に応じて0回、1回、34回のいずれかの回数が設定される。より具体的には、通常状態や確変状態において「大当たりA12」に当選すると、時短回数が0回に設定され(即ち、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定され)、潜確状態において「大当たりA12」に当選すると、時短回数が1回に設定され(即ち、大当たり終了後の遊技状態が時短回数1回の確変状態に設定され)、時短状態において「大当たりA12」に当選すると、時短回数が34回に設定される(即ち、大当たり終了後の遊技状態が時短回数34回の確変状態に設定される)。
また、図280(b)に示した通り、本第12実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりB12」~「大当たりD12」の3種類の大当たり種別が設けられている。図280(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「0~19」の範囲に対しては、「大当たりB12」が対応付けて規定されている。この「大当たりB12」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に確変回数が3回の特別図柄の確変状態が付与される大当たり種別である。この「大当たりB12」は、第12実施形態における大当たり種別の中で最もラウンド数が多い大当たり種別であるため、ラウンド数の面では遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。なお、大当たり終了後の遊技状態(時短回数)に関しては、当選時の遊技状態に左右される。即ち、潜確状態以外の遊技状態において当選すると、時短回数として34回が設定される一方で、潜確状態において当選すると、時短回数として0回が設定される。よって、潜確状態以外の遊技状態で当選した場合に、遊技状態の面で最も有利となり、潜確状態において当選すると、遊技状態の面で不利になる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が20個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりB12」が決定(選択)される確率(割合)は20/100(20%)である。
また、図280(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「20~49」の範囲に対しては、「大当たりC12」が対応付けて規定されている。この「大当たりC12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に確変回数が3回の特別図柄の確変状態が付与される大当たり種別である。よって、「大当たりC12」は、ラウンド数の面で「大当たりB12」に次いで有利な大当たり種別である。なお、大当たり終了後の遊技状態(時短回数)に関しては、「大当たりB12」と同一であるため、潜確状態以外の遊技状態で当選した場合に、遊技状態の面で最も有利となり、潜確状態において当選すると、遊技状態の面で不利になる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が30個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC12」が決定(選択)される確率(割合)は30/100(30%)である。
また、図280(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「50~99」の範囲に対しては、「大当たりD12」が対応付けて規定されている。この「大当たりD12」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後に確変回数が3回の特別図柄の確変状態が付与される大当たり種別である。よって、「大当たりD12」は、ラウンド数の面で最も不利な大当たり種別である。なお、大当たり終了後の遊技状態(時短回数)に関しては、「大当たりB12」や「大当たりC12」と同一であるため、潜確状態以外の遊技状態で当選した場合に、遊技状態の面で最も有利となり、潜確状態において当選すると、遊技状態の面で不利になる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が50個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりD12」が決定(選択)される確率(割合)は50/100(50%)である。
次に、図280(c)を参照して、本第12実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、第7実施形態における時短付与テーブル202eと同様に、大当たり終了後の時短回数を、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するために参照されるデータテーブルである。大当たり終了時には、この時短付与テーブル202eが参照されて、時短中カウンタ203kの値が設定される。
図280(c)は、この時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。図280(c)に示した通り、通常状態および確変状態で当選した「大当たりA12」に対しては、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定され、時短状態で当選した「大当たりA12」に対しては、時短付与回数として「34回」が対応付けて規定されている。一方、潜確状態で当選した「大当たりA12」に対しては、時短付与回数として「1回」が対応付けて規定されている。「大当たりA12」に当選すると確変回数として3回が設定されるため、通常状態や潜確状態において「大当たりA12」に当選すると、大当たり終了後3回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、潜確状態となり、3回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、時短状態において「大当たりA12」に当選すると、大当たり終了後3回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、4回目から34回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、34回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、潜確状態において「大当たりA12」に当選すると、大当たり終了後1回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、2回目および3回目の特別図柄の抽選に渡って潜確状態となり、3回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。
また、図280(c)に示した通り、潜確状態以外の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)で当選した「大当たりB12」~「大当たりD12」(第2特別図柄の大当たり)に対しては、時短付与回数として「34回」が対応付けて規定され、潜確状態で当選した「大当たりB12」~「大当たりD12」に対しては、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定されている。「大当たりB12」~「大当たりD12」のいずれかに当選した場合も、確変回数として3回が設定されるため、潜確状態以外の遊技状態において「大当たりB12」~「大当たりD12」のいずれかに当選すると、大当たり終了後3回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、4回目から34回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、34回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、潜確状態において「大当たりB12」~「大当たりD12」のいずれかに当選すると、大当たり終了後3回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、潜確状態となり、3回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。
このように、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別と、に応じて付与される時短回数が可変するので、大当たりに当選した場合に、大当たり種別のみならず、大当たり当選時の遊技状態にも注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図281を参照して、本第12実施形態における変動パターンシナリオテーブル202gaの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202gaは、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターンテーブルの種別との対応関係(変動パターンシナリオ)を選択するために参照されるデータテーブルである。なお、本第12実施形態では、変動パターンテーブルとして、主に通常モードにおいて参照される通常用テーブル202id1、主に連荘モードにおいて参照される確変・時短用テーブル202id2、主にチャンスモードにおいて参照されるチャンスモード用テーブル202id3の3種類の変動パターンテーブルが設けられており、変動開始時に、これら3つのテーブルのうち1のテーブルが変動パターンシナリオに応じて決定される。なお、通常用テーブル202id1の規定内容は、上述した第7実施形態における通常用変動パターンテーブル202d1と同一であり、確変・時短用テーブル202id2の規定内容は、上述した第7実施形態における時短用変動パターンテーブル202d2と同一である。また、チャンスモード用テーブル202id3の詳細については、図282を参照して後述する。
図281に示した通り、本第12実施形態における変動パターンシナリオテーブル202gaには、前回当選した大当たりの種別、および大当たり当選時の遊技状態に対応付けて、大当たり終了後に設定される変動パターンシナリオが規定されている。具体的には、図281に示した通り、時短状態以外の遊技状態において大当たりA12に当選したという状況に対しては、大当たり終了後1回~3回目の特別図柄の抽選においてチャンスモード用テーブル202id3が参照され、大当たり終了後4回目および5回目の第1特別図柄の抽選において通常用テーブル202id1が参照される一方で第2特別図柄の抽選においてチャンスモード用テーブル202id3が参照され、大当り終了後6回目以降の特別図柄の抽選において通常用テーブル202id1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
また、図281に示した通り、時短状態において大当たりA12に当選したという状況に対しては、大当たり終了後1回~34回目の特別図柄の抽選において確変・時短用テーブル202id2が参照され、大当たり終了後35回以降の特別図柄の抽選において通常用テーブル202id1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
一方、図281に示した通り、潜確状態以外の遊技状態において大当たりB12~D12のいずれかに当選したという状況に対しては、大当たり終了後1回~34回目の特別図柄の抽選において確変・時短用テーブル202id2が参照され、大当たり終了後35回目以降の以降の特別図柄の抽選において通常用テーブル202id1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
更に、図281に示した通り、潜確状態において大当たりB12~D12のいずれかに当選したという状況に対しては、大当たり終了後1回~3回目の特別図柄の抽選においてチャンスモード用テーブル202id3が参照され、大当たり終了後4回目および5回目の第1特別図柄の抽選において通常用テーブル202id1が参照される一方で第2特別図柄の抽選においてチャンスモード用テーブル202id3が参照され、大当り終了後6回目以降の特別図柄の抽選において通常用テーブル202id1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
このように、変動パターンシナリオテーブル202gaに変動パターンシナリオを予め規定しておくことによって、変動パターンを選択する際の処理負荷を軽減させることができる。
次に、図282を参照して、本第12実施形態における変動パターンテーブル202dを構成するテーブルの一種であるチャンスモード用テーブル202id3の詳細について説明する。図282に示した通り、チャンスモード用テーブル202id3には、特別図柄の種別、特別図柄の抽選結果、大当たり終了後の変動回数、および第2特別図柄の保留球数等に対応付けて、変動パターンが規定されている。より具体的には、図282に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の外れ特殊変動Aが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の当たり特殊変動Aが規定されている。一方、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が2回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の外れ特殊変動Bが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の当たり特殊変動Bが規定されている。このため、チャンスモードにおいて第1特別図柄の抽選が実行されると、抽選結果によらず、大当たり終了後の変動回数のみに応じて、変動時間が20秒若しくは10秒の変動パターンが選択される。
このように構成することで、チャンスモードにおける変動時間を第1特別図柄の抽選結果によらず一定化することができる。即ち、部位破壊チャンス演出の変動回数毎の演出期間や、回避ターン演出における演出期間等を固定化することができる。よって、上記各演出の演出態様として、演出期間が共通の演出態様のみを用意しておけばよいため、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。なお、変動回数が1回の場合にのみ、変動時間を長くしているのは、部位破壊チャンス開始時や、回避ターン演出開始時における遊技性の説明を行う期間を確保するためである。これにより、遊技者にとってより解り易い遊技を提供することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
一方、図282に示した通り、図柄種別が第2特別図柄、抽選結果が「外れ」である場合は、変動回数が1回、第2特別図柄の保留球数が2以下の範囲内に対して、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動時間が0.1秒間の外れ特殊変動Cが対応付けて規定されている一方で、第2特別図柄の保留球が3に対して、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動時間が20秒間の外れ特殊変動Aが対応付けて規定されている。また、変動回数が2回、第2特別図柄の保留球数が1以下の範囲に対して、変動時間が0.1秒間の外れ特殊変動Cが対応付けられている一方で、第2特別図柄の保留級数が2以上の範囲に対して、変動時間が10秒間の外れ特殊変動Bが対応付けて規定されている。また、変動回数が3回、第2特別図柄の保留球数が0に対して、変動時間が0.1秒間の外れ特殊変動Cが対応付けられている一方で、第2特別図柄の保留級数が1以上の範囲に対して、変動時間が10秒間の外れ特殊変動Bが対応付けて規定されている。更に、変動回数が4回以上の範囲に対しては、第2特別図柄の保留球数によらず、変動時間が10秒間の外れ特殊変動Bが対応付けて規定されている。なお、抽選結果が「大当たり」の場合についても、第2特別図柄の保留球数と、変動時間との対応関係については同一である。
このため、チャンスモードにおいては、大当たり終了後の変動回数が3回以内であれば、確変回数の残回数よりも第2特別図柄の保留球数が多い場合に限り、変動時間が10秒若しくは20秒という比較的長い変動時間が設定され、確変回数の残回数が第2特別図柄の保留球数以下である場合には、極めて短い変動時間に設定される。よって、回避ターンにおいて第2特別図柄の大当たりに当選する等して、潜確状態における残りの確変回数が第2特別図柄の保留球数未満となってしまった場合(即ち、潜確状態を消化したとしても通常状態まで第2特別図柄の保留球を維持することが不可能であり、連荘モードへと移行する可能性がない場合)には、無駄に長い変動時間を設定せずに、より早期に第2特別図柄の保留球を消化させることができる。一方、第2特別図柄の保留球が残りの確変回数よりも多い場合には、20秒間または10秒間という比較的長い変動時間を設定することができるので、主として第2特別図柄の抽選が実行される回避ターン演出の実行中における演出期間を固定化することができる。よって、回避ターン演出の演出態様として、演出期間が共通の演出態様のみを用意しておけばよいため、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。
次に、図279(b)を参照して、本第12実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図279(b)は、本第12実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図279(b)に示した通り、本第12実施形態におけるRAM203は、上述した第7実施形態におけるRAM203の構成(図183(b)参照)に対して、確変カウンタ203iaと、変動パターンシナリオ格納エリア203ibと、が追加されている点で相違している。また、小当たり種別格納エリア203eと、小当たり開始フラグ203fと、小当たり中フラグ203gと、V通過大当たり種別格納エリア203hと、Vフラグ203iと、V通過フラグ203jと、が削除されている点でも相違している。これらの削除に関しては、本第12実施形態において第7実施形態におけるV入賞装置6500が削除されていると共に特別図柄の小当たり抽選結果を削除したことに起因するものである。つまり、本第12実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選しない限り、大当たり遊技が実行されない(V入賞に基づく大当たりが存在しない)仕様を採用している。
確変カウンタ203iaは、特別図柄の確変状態(高確率状態)の回数(期間)をカウントするためのカウンタであり、カウンタ値が1以上であれば特別図柄の確変状態(大当たり確率約1/3.4)であることを意味する一方で、カウンタ値が0であれば特別図柄の低確率状態(大当たり確率約1/30.3)であることを意味する。なお、本第12実施形態では、大当たり終了後に必ず確変カウンタ203iaの値に3が設定される(図289のS1641参照)ように構成されている。つまり、大当たり種別によらず、大当たり終了後3回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、特別図柄の確変状態に設定され、大当たり終了後3回の特別図柄の抽選が終了した後は特別図柄の低確率状態となるように構成されている。
変動パターンシナリオ格納エリア203ibは、変動パターンシナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。特別図柄の変動開始時には、この変動パターンシナリオ格納エリア203ibに格納されているデータが示す変動パターンシナリオと、大当たり終了後の変動回数とに応じて、変動パターン(変動時間)を決定するための変動パターンテーブルが読み出される。この変動パターンシナリオ格納エリア203ibには、大当たり終了時に、変動パターンシナリオテーブル202gaを参照して決定された変動パターンシナリオに対応するデータが格納される。
次に、図283および図284を参照して、本第12実施形態における状態の移行方法について説明する。まず、図283を参照して、チャンスモードにおける状態の移行方法について説明する。ここで、図示については省略したが、チャンスモードへは、通常モード(通常状態)において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に必ず移行する。以降は、便宜上、通常モードにおける通常状態(主として第1特別図柄の抽選が実行される通常状態)のことを通常状態Aと称する。
図283に示した通り、チャンスモードは、4種類の状態で構成されている。即ち、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、主として左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する潜確状態Aと、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、主として大当たり中に貯まった第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の抽選が実行される確変状態Aと、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、主として確変状態Aの間に貯めた第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選が実行される潜確状態Bと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、主として確変状態Aの間に貯めた第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選が実行される通常状態Bと、の4種類の状態で構成されている。
潜確状態Aにおいては、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、確変回数(ST回数)を経過させた(確変回数に渡る特別図柄の抽選が全て外れとなった)場合に他の状態へと移行する可能性がある。即ち、特別図柄の高確率状態が設定される潜確状態Aにおいて、第1特別図柄の抽選で1/3.4の確率の大当たりに当選すると、当該大当たり終了後の状態が確変状態Aに設定される。これに対して、図283に示した通り、潜確状態Aにおいて大当たりに当選せずに確変回数(ST回数)が経過した場合には、通常モード(通常状態A)へと移行する。なお、この潜確状態Aの間は、チャンスモードにおける第1の条件を達成できる(潜確状態Aにおいて大当たりに当選する)か否かを示唆する演出である部位破壊チャンス演出(図275(b)、図276(a)参照)が実行される。この部位破壊チャンス演出において部位破壊に成功する割合(潜確状態Aの確変回数(3回)の間に約1/3.4の大当たりに当選する)割合は、約65%である。よって、潜確状態Aへと移行した場合に、およそ3回に2回の割合で部位破壊チャンス演出を成功させることができる。
また、図283に示した通り、確変状態A(大当たり中に貯まった第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の抽選が実行される確変状態)においては、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合と、大当たりに当選せずに時短回数を経過させた場合とで、他の状態へと移行する可能性がある。より具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、第2特別図柄の保留球が1つも貯まっていなければ、大当たり終了後に潜確状態Aに移行する一方で、第2特別図柄の保留球が1以上存在する場合、および時短回数1回を経過させた(大当たり終了後1回目の特別図柄の抽選で外れになった)場合には、大当たり終了後に潜確状態Bに移行する。
また、図283に示した通り、潜確状態B(確変状態Aの間に貯めた第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選が実行される潜確状態)においては特別図柄の抽選で大当たりとなるか、確変回数を経過した場合に他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり終了時点で第2特別図柄の保留球が0である場合は、大当たり終了後に潜確状態Aへと移行する。また、潜確状態において確変回数(ST回数)を経過させた場合、第2特別図柄の保留球が1以上存在すれば、通常状態Bへと移行し、第2特別図柄の保留球数が0であれば、通常状態A(通常モード)へと移行する。これに対し、潜確状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、当該大当たりの終了時点で第2特別図柄の保留球が1以上存在する場合は、大当たり終了後に潜確状態Bへと移行する。なお、この場合、大当たり前の潜確状態Bにおいて第2特別図柄の保留が1個以上消費されている(保留球数が3以下となっている)一方で、潜確状態Bが新たに設定されると確変回数が3回に戻ってしまうため、第2特別図柄の保留球を1以上所持した状態で通常状態に移行させることは不可能となる。よって、潜確状態Bにおいては、第2特別図柄の大当たりに当選しないことを願いながら遊技を行うという斬新な遊技性を実現することができる。なお、確変状態A、および潜確状態Bにおいては、チャンスモードにおける第2の条件を達成できる(第2特別図柄の保留球を1個以上所持して通常状態へと移行させる)か否かを示唆する演出である回避ターン演出(図276(b)、図277、図278(a)参照)が実行される。なお、回避ターン演出の1回目の特別図柄の抽選結果(確変状態Aにおける特別図柄の抽選結果)は、回避ターン演出の突破割合(第2の条件の達成割合)に影響を与えるものではない。回避ターン演出の実行中においては、確変状態Aの間に右打ちを行って第2特別図柄の保留球を上限値(4個)まで貯めること、および潜確状態Bへと移行した後の残りの確変回数(2回)分の抽選で外れとなることが、回避ターン演出の突破率に大きく影響を及ぼす。回避ターン演出において怪獣のキャラクタ811の攻撃を全て回避することに成功する(第2の条件を達成する)割合(潜確状態Bにおいて実行される2回の第2特別図柄の抽選が両方外れとなる割合)は、約49.7%である。
また、図283に示した通り、通常状態Bにおいては、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に他の状態に移行する。具体的には、図283に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に連荘モードへと移行する。一方、通常状態Bにおいて、第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選が全て外れとなった場合には、通常状態A(通常モード)へと移行する。よって、通常状態Bにおいて大当たりに当選するか、外れとなるかがその後の展開に大きな影響を及ぼすため、第2特別図柄の大当たりに当選することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、通常状態Bにおいては、チャンスモードにおける第3の条件を達成できる(通常状態において第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選する)か否かを示唆する演出である攻撃ターン演出(図278(b)参照)が実行される。攻撃ターン演出が開始されるまでに、少なくとも2個の第2特別図柄の保留球が消費されている(通常状態Bへと移行するためには、潜確状態Bにおける2回の抽選で外れとなる必要がある)ので、攻撃ターン演出において第2特別図柄の抽選は最大で2回のみ実行され得るように構成されている。よって、攻撃ターン演出において怪獣のキャラクタ811を倒すことに成功する割合(通常状態Bにおいて2回の抽選で約1/30.3の大当たりに当選する割合)は、約6.5%である。
このため、チャンスモードから連荘モードへと移行する(1のチャンスモードにおいて第1から第3の条件を全て達成する)期待度は、およそ2.1%(65%×49.7%×6.5%)となる。通常モードからチャンスモードへと移行する確率(第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率)は1/30.3であるので、通常モードから連荘モードへと移行する期待度は、およそ1/1446(1/30.3×2.1%)となる。このように、本第12実施形態では、大当たり確率自体は他の実施形態よりも大幅に高くする(高確率状態1/3.4、低確率状態1/30.3)代わりに、有利な連荘モードへの移行割合を低くしている。つまり、チャンスモードには頻繁に移行する代わりに、連荘モードへと移行することを困難に構成しているので、ひとまずチャンスモードに移行するまで遊技を行ってみよう、と遊技者に思わせることができる。また、運良く連荘モードへと移行した場合には、遊技者の興趣を極めて向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本第12実施形態では、連荘モードまで移行させることができなくても、チャンスモードにおいてある程度の賞球(出球)を獲得することができる。即ち、チャンスモードに移行するためには、まず、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する必要があるため、チャンスモードに移行した時点で大当たりA12の4ラウンド分の賞球を獲得することができる。加えて、チャンスモードにおける潜確状態Aや確変状態Aにおいて大当たりになることで、大当たりA12の4ラウンド分の賞球を獲得することができるし、潜確状態Bにおいて大当たりになった場合は、4ラウンド、8ラウンド、若しくは16ラウンド分の賞球を獲得することができる。よって、連荘モードに移行させることができなかったとしても、ある程度の満足感を遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第12実施形態では、チャンスモードへと移行すると、まず、潜確状態AにおいてST回数(3回)の間に大当たりになることを強く期待して遊技を行わせることができる。そして、潜確状態Aにおいて遊技者の期待通りに大当たりとなった場合は、続く確変状態Aにおいて第2特別図柄の保留球を上限まで貯めた上で、前半の2個の第2特別図柄の保留球が共に外れに対応する保留球で、後半2個の第2特別図柄の保留球のうちどちらかが大当たりに対応する保留球となることを期待させることができる。また、第2特別図柄の保留球を貯めた後は、ST回数が終了するまで特別図柄の抽選で外れ続けることを期待させながら遊技を行わせることができる。そして、遊技者の期待通りにST回数を終了させることができて、通常状態Bへと移行した後においては、確変状態Aの間に貯めておいた第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりになることを強く期待させながら遊技を行わせることができる。つまり、遊技状態に応じて、大当たりに当選することを願わせたり、外れとなって他の遊技状態に移行することを願わせたりすることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図284を参照して、連荘モードにおける状態の移行方法について説明する。図284に示した通り、連荘モードは3つの状態で構成されている。即ち、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、主として右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する確変状態Bと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、主として右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する時短状態と、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、主として確変状態Bや時短状態において貯まった第1特別図柄および第2特別図柄の保留球に基づく抽選が実行される通常状態Cと、の3種類の状態で構成されている。
図284に示した通り、確変状態Bでは、確変回数(ST回数)を経過させた場合にのみ、他の状態へと移行する可能性がある。即ち、確変状態Bにおいて確変回数(ST回数)を経過させると、大当たり終了後に時短状態に移行する。これに対し、確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態Bに設定される。よって、確変状態Bにおいては、確変回数の範囲内で大当たりに当選することを期待させる遊技性を実現することができる。
また、図284に示した通り、時短状態では、時短回数を経過させた場合、および第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、他の状態へと移行する可能性がある。即ち、時短状態において時短回数(31回)を経過させると、通常状態Cへと移行する一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に確変状態Bへと移行する。よって、時短回数内で大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。
また、図284に示した通り、通常状態Cでは、全ての保留球に基づく抽選が外れとなった場合、および保留球に基づく抽選で大当たりに当選した場合に、他の状態に移行する可能性がある。具体的には、図284に示した通り、全ての保留球に基づく抽選が外れになると、通常状態A(通常モード)へと移行する一方で、第1特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に潜確状態A(チャンスモード)へと移行する。また、第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に確変状態Bへと移行する。
まとめると、連荘モードにおいては、確変状態B、時短状態、および通常状態Cのいずれかにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになることで、大当たり終了後に再度、連荘モード(確変状態B)に移行させることができる。確変状態B(確変回数3回)、時短状態(時短回数31回)、および通常状態C(第2特別図柄の保留球数最大4個)の全ての抽選が外れとなる可能性は約9.5%であるため、連荘モードの範囲内で再度大当たりとなる可能性は約90.5%である。従って、一旦連荘モードへと移行すると、連荘モードと大当たりとを90.5%の割合で繰り返す極めて有利な状態を形成する。よって、連荘モードへと移行した場合に遊技者の興趣をより向上させることができる。
なお、大当たり終了後に設定される確変回数や時短回数は、本第12実施形態の回数に限定されるものではなく、任意に増減させてよい。具体的には例えば、確変回数を2回に設定してもよい。このように構成することで、潜確状態Bにおける抽選回数が1回減る一方で、通常状態Bまで移行させることができた場合における第2特別図柄の抽選回数が1回増加するので、確変状態Aまで移行した状況における連荘モードへの移行期待度を高めることができる。また、特別図柄の低確率状態や確変状態における大当たり確率に関しても、本形態に限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、低確率状態における大当たり確率を高くするほど、通常状態Bにおいて大当たりに当選し易くなるため、連荘モードへと移行し易くすることができる。また、特別図柄の確変状態における大当たり確率を高くするほど、確変状態Aへは移行し易くなるものの、通常状態Bへと移行し難くなるように構成できる。
本第12実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA12のみを設ける構成としていた。即ち、通常状態や確変状態において当選すると時短回数が0回に設定される一方で、潜確状態において当選すると時短回数として1回が付与され、時短状態において当選すると時短回数として34回が付与される大当たり種別のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態に加え、通常状態、確変状態、および潜確状態も時短回数として34回が付与される大当たり種別(特図1特殊大当たり)を設ける構成としてもよい。即ち、当選した時点の遊技状態によらず、有利な連荘モードへと移行する大当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態によらず、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に連荘モードへの移行を期待させることができる。また、例えば、大当たり終了後の確変回数が0回に設定される大当たり種別を設けてもよい。このように構成することで、必ず確変状態が付与されるわけではないという緊張感を遊技者に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図285(a)を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図285(a)は、本第12実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図285(a)に示した通り、本第12実施形態におけるROM222は、上述した第7実施形態におけるROM222の構成(図26(a)参照)に対して、回避率選択テーブル222iaが追加されている点でのみ相違している。回避率選択テーブル222iaは、回避ターン演出の実行中に表示される回避率を選択する際(図276(b)、図277参照)に参照されるデータテーブルである。なお、回避率は、回避ターン演出の演出期間である確変状態A、および潜確状態Bのうち、確変状態Aにおいて第2特別図柄の保留球が増加する(第2特別図柄の始動入賞を検出する)毎に更新される(上昇する)可能性がある。回避率選択テーブル222iaの詳細について、図286を参照して説明する。
図286は、回避率選択テーブル222iaの規定内容を示した図である。図286に示した通り、この回避率選択テーブル222iaは、第2特別図柄の保留球数枚に、選択され得る演出態様(回避率)が、演出カウンタ223eの値の範囲に対応付けて規定されている。具体的には、図286に示した通り、1個目の第2特別図柄の保留球(始動入賞)を検出した場合には、演出カウンタ223eの取り得る全範囲に対して、回避率が0%から20%に上昇する演出態様が対応付けて規定されている。このため、回避ターン演出が開始されてから最初に第2特別図柄の保留球を検出した場合、必ず回避率が20%に上昇する演出が実行される。
また、図286に示した通り、2個目の第2特別図柄の保留球(始動入賞)を検出した場合には、演出カウンタ223eの取り得る全範囲に対して、回避率が20%から40%に上昇する演出態様が対応付けて規定されている。このため、回避ターン演出の開始後、2個目の第2特別図柄の保留球を検出した場合、必ず回避率が40%に上昇する演出が実行される。
一方、図286に示した通り、3個目の第2特別図柄の保留球を検出した場合には、第2特別図柄の保留球のうち1個目若しくは2個目の保留内に当たり保留が含まれているか否かに応じて、演出態様の選択割合が可変するように構成されている。具体的には、図286に示した通り、3個目の第2特別図柄の保留球を検出した時点において、1個目若しくは2個目の保留のどちらかに当たりが存在する(即ち、通常状態Bへと移行することができないことが確定している)場合には、演出カウンタ223eの値が「0~98」の範囲に対して、回避率が40%から60%に上昇する演出態様が対応付けて規定され、「99」に対して、回避率が40%から80%に上昇する演出が対応付けて規定されている。即ち、通常状態Bへと移行し得ない場合は、3個目の第2特別図柄の保留球を検出しても、99%の割合で回避率が60%までしか上昇せず、1%の割合でのみ、回避率が80%まで上昇する。
一方、3個目の第2特別図柄の保留球を検出した時点において、1個目および2個目の保留球がいずれも外れである(即ち、通常状態Bへと移行することが確定している)場合には、演出カウンタ223eの値が「0~49」の範囲に対して、回避率が40%から60%に上昇する演出態様が対応付けて規定され、「50~97」の範囲に対して、回避率が40%から80%に上昇する演出態様が対応付けて規定され、「98,99」の範囲に対して、回避率が40%から100%に上昇する演出態様が対応付けて規定されている。即ち、通常状態Bへと移行する場合は、3個目の第2特別図柄の保留球を検出した場合に、50%の割合で回避率が60%まで上昇し、48%の割合で回避率が80%まで上昇し、2%の割合で回避率が100%まで上昇する。つまり、通常状態Bへと移行し得ない場合に比較して、回避率60%に上昇する演出態様の選択割合が低下すると共に、回避率80%に上昇する演出態様の選択割合が増加する。また、回避率100%(保留内に当たりが含まれていないことが確定する演出態様)が選択され得るように構成されている。これにより、回避率が上昇する程通常状態Bへと移行する可能性が高まるので、遊技者に対してより高い回避率に上昇することを期待させることができる。
また、図286に示した通り、4個目の第2特別図柄の保留球を検出した場合には、第2特別図柄の保留球のうち1個目若しくは2個目の保留内に当たり保留が含まれているか否かと、保留球を検出した時点における演出態様(回避率)と、に応じて、演出態様の選択割合が可変するように構成されている。具体的には、図286に示した通り、回避率が60%の状態で4つめの第2特別図柄の保留球を検出し、保留内(1個目若しくは2個目の保留球)に当たりが含まれている場合には、演出カウンタ223eの値が「0~94」の範囲に対して、回避率が60%のまま維持される演出態様が対応付けて規定され、「95~99」の範囲に対して、回避率が60%から80%まで上昇する演出態様が対応付けて規定されている。これに対し、1個目および2個目の保留球がどちらも外れの場合は、演出カウンタ223eの値が「0~24」の範囲に対して、回避率が60%のまま維持される演出態様が対応付けて規定され、「25~98」の範囲に対して、回避率が60%から80%に上昇する演出態様が対応付けて規定され、「99」に対して、回避率が60%から100%に上昇する演出態様が対応付けて規定されている。
また、図286に示した通り、回避率が80%の状態で4個目の第2特別図柄の保留球を検出し、保留内(1個目若しくは2個目の保留球)に当たりが含まれている場合には、演出カウンタ223eの値が「0~99」の範囲に対して、回避率が80%のまま維持される演出態様が対応付けて規定されている。これに対し、1個目および2個目の保留球がどちらも外れの場合は、演出カウンタ223eの値が「0~89」の範囲に対して、回避率が80%のまま維持される演出態様が対応付けて規定され、「90~99」の範囲に対して、回避率が80%から100%に上昇する演出態様が対応付けて規定されている。更に、図286に示した通り、回避率100%の状態で4個目の第2特別図柄の保留球を検出した場合は、演出カウンタ223eの取り得る全範囲に対して、回避率が100%のまま維持される演出態様が対応付けて規定されている。
このように、本第12実施形態では、第2特別図柄の保留球を獲得する毎に、回避ターンを突破するか否かの期待度を示唆する演出(回避率を更新する演出)を実行する構成としている。即ち、確変回数に渡って連続して外れとなり、第2特別図柄の保留球を所持したまま通常状態Bへと移行する期待度を報知する演出を実行可能に構成している。これにより、当たり保留が存在しない方が遊技者にとって有利になることを示唆するという斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図285(b)を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図285(b)は、本第12実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図285(b)に示した通り、本第12実施形態におけるRAM223は、上述した第7実施形態におけるRAM223の構成(図26(b)参照)に対して、回避率格納エリア223iaが追加されている点で相違している。また、時短情報更新エリア223g、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、状態演出カウンタ223oが削除されている点でも相違している。
回避率格納エリア223iaは、回避ターン演出において表示される回避率を示すデータを格納しておくための記憶領域である。この回避率格納エリア223iaは、初期値として回避率0%を示すデータが設定されており、回避ターン演出の実行中に第2特別図柄の保留球を検出し、回避率が更新される毎に、更新後の回避率に対応するデータに更新される(図291のS2336参照)。
<第12実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図287から図289を参照して、本第12実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図287を参照して、本第12実施形態における特別図柄変動処理12(S161)の詳細について説明する。この特別図柄変動処理12(S161)は、第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示の設定を行うための処理である。
この第12実施形態における特別図柄変動処理12(図287参照)のうち、S201,S202,S206~S209,S211~S216,S218,S231~S237の各処理では、それぞれ第7実施形態における特別図柄変動処理7(図188参照)のS201,S202,S206~S209,S211~S216,S218,S231~S237の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第12実施形態における特別図柄変動処理12(図287参照)では、S209、またはS235の処理が終了すると、第7実施形態における特別図柄変動開始処理_(S210)に代えて、特別図柄変動開始処理12(S261)を実行して、本処理を終了する。この特別図柄変動開始処理12(S261)の詳細については、図288を参照して後述する。
また、本第12実施形態における特別図柄変動処理12(S161)では、S216の処理が終了すると、次に、時短中カウンタ203kの値と、確変カウンタ203iaの値と、を共に0にリセットし(S262)、S218の処理に移行する。さらに、本第12実施形態における特別図柄変動処理12(図287参照)では、S236の処理において、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判定したか(S236:No)、またはS237の処理が終了した場合に、確変カウンタ203iaの値が0より大きいか否かを判別して(S263)、確変カウンタ203iaの値が0より大きい値であると判別したした場合には(S263:Yes)、確変カウンタ203iaの値を1減算し(S264)、S218の処理に移行する。一方、S263の処理において、確変カウンタ203iaの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S263:No)、S264の処理をスキップして、S218の処理に移行する。
次に、図288を参照して、本第12実施形態における特別図柄変動処理12(図287参照)内の一処理である特別図柄変動開始処理12(図288のS261)の詳細について説明する。この特別図柄変動開始処理12(S261)は、第7実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図39参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図39参照)と同様に、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを設定するための処理である。この第12実施形態における特別図柄変動開始処理12(図288参照)のうち、S301,S303,S305,S312,S314、およびS315の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図39参照)のS301,S303,S305,S312,S314、およびS315の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第12実施形態における特別図柄変動開始処理12(図288参照)では、S301の処理が終了すると、次いで、確変カウンタ203iaの値が0より大きい値(1以上の値)であるか(即ち、特別図柄の確変状態であるか)否かを判定し(S321)、確変カウンタ203iaの値が0より大きい値であると判定した場合には(S321:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図280(a)参照)に規定されている当たり乱数と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(S322)、S303の処理に移行する。一方、S321の処理において、確変カウンタ203iaの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判定した場合には(S321:No)、特別図柄の低確率状態であることを意味するので、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図280(a)参照)に規定されている当たり乱数と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(S323)、S303の処理に移行する。
また、本第12実施形態における特別図柄変動開始処理12(図288参照)では、S303の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S303:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202b(図280(b)参照)を参照して今回の大当たり種別を特定し(S324)、特別図柄種別と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定する(S305)。次に、変動パターンシナリオ格納エリア203ibに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオ(今回設定されている変動パターンシナリオ)と、変動回数とに応じて、変動パターンを選択するために参照する変動パターンテーブルを変動パターンテーブル202dに規定されている3つのテーブルの中から特定する(S325)。そして、特定した変動パターンテーブルから、変動種別カウンタCS1の値と、保留球数と、変動回数とに対応する当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S314の処理に移行する。
また、本第12実施形態における特別図柄変動開始処理12(図288参照)では、S312の処理が終了すると、次いで、変動パターンシナリオ格納エリア203ibに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオと、大当たり終了後の変動回数とに対応する変動パターンテーブルを、変動パターンテーブル202dに規定されている3つのテーブルの中から特定する(S327)。次に、特定した変動パターンテーブルから、変動種別カウンタCS1の値と、保留球数と、変動回数とに対応する外れ時の変動パターンを決定し(S328)、S314の処理に移行する。
この第12実施形態における特別図柄変動開始処理12(図288参照)を実行することにより、大当たり終了後に設定された変動パターンシナリオに応じた変動パターンを選択して設定することができる。
次に、図289を参照して、本第12実施形態における大当たり制御処理12(S1541)の詳細について説明する。この大当たり制御処理12(S1541)は、第7実施形態における大当たり制御処理7(図192参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態における大当たり制御処理7(図192参照)と同様に、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aの開閉制御を実行するための処理である。
この第12実施形態における大当たり制御処理12(図289参照)のうち、S1601~S1612,S1616~S1618,S1621、およびS1622の各処理では、第7実施形態における大当たり制御処理7(図192のS1521参照)のS1601~S1612,S1616~S1618,S1621、およびS1622の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第12実施形態における大当たり制御処理12(図289参照)では、S1612の処理において、エンディング期間の終了タイミングであると判別した場合に(S1612:Yes)、確変カウンタ203iaの値を3に設定して(S1641)、処理をS1621へと移行する。この大当たり制御処理12(図289参照)を実行することにより、毎回の大当たり終了後に3回の特別図柄の高確率状態を設定することができる。
<第12実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図290から図293を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図290を参照して、本第12実施形態におけるコマンド判定処理12(S2171)の詳細について説明する。図290は、本第12実施形態におけるコマンド判定処理12(S2171)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理12(S2171)は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図56参照)に代えて実行される処理であり、上述した第7実施形態におけるコマンド判定処理(図56参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第12実施形態におけるコマンド判定処理12(図290参照)では、第7実施形態におけるコマンド判定処理に対して、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に(S2209:Yes)、入賞情報関連処理12(S2241)を実行する点で相違する。また、S2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合に(S2213:No)、状態コマンドを受信したか判別し(S2242)、状態コマンドを受信したと判別した場合には(S2242:Yes)、状態コマンド処理12(S2243)を実行してS2217の処理へと移行する一方、S2242の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S2242:No)、S2243の処理をスキップしてS2217の処理に移行する点で相違する。これらの入賞情報関連処理12(S2241)、および状態コマンド処理12(S2243)の詳細については、それぞれ図291、および図292を参照して後述する。
次に、図291を参照して、上述した入賞情報関連処理12(S2241)の詳細について説明する。この入賞情報関連処理12(S2241)は、第7実施形態における入賞情報関連処理7(図193参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態における入賞情報関連処理7(図193参照)と同様に、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第12実施形態における入賞情報関連処理12(S2241)では、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されているデータを参照して現在の遊技状態を特定し(S2331)、次いで、S2331の処理において特定した遊技状態は、確変状態A、および潜確状態Bのどちらかであるか否かを判別する(S2332)。S2332の処理において、現在の遊技状態が確変状態A、潜確状態Bのどちらでもないと判別した場合には(S2332:No)、処理をS2312へと移行する。一方、S2332の処理において、現在の遊技状態が確変状態A、および潜確状態Bのどちらかであると判別した場合には(S2332:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドが、第2特別図柄の入賞情報であるかを判別する(S2333)。S2333の処理において、第2特別図柄の入賞情報であると判別した場合は(S2333:Yes)、回避率選択テーブル222ia(図286参照)の読み出しを実行する(S2334)。
S2334の処理が終了すると、次に、演出カウンタ223eの値と、回避率格納エリア223iaのデータと、今回の入賞情報が示す抽選結果と、に応じて演出態様(回避率)を決定し(S2335)、回避率格納エリア223iaのデータを今回決定した回避率に対応するデータに更新して(S2336)、S2311の処理に移行する。一方、S2333の処理において、今回受信した入賞情報コマンドが、第2特別図柄の入賞情報ではないと判別した場合には(S2333:No)、S2334~S2336の処理をスキップし、上述したS2311の処理に移行する。
この入賞情報関連処理12(図291参照)を実行することにより、回避ターン演出(図276(b)参照)において、潜確状態Bにおける2回の確変回数をスルーさせることができる期待度(第2特別図柄の抽選で残りの確変回数に渡って連続して外れになる期待度)を報知することができる。
次に、図292を参照して、上述した状態コマンド処理12(S2243)の詳細について説明する。この状態コマンド処理12(S2243)は、主制御装置110から受信した状態コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この状態コマンド処理12(図292参照)では、まず、今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドであるか否かを判別する(S5801)。S5801の処理において、受信したコマンドが通常状態を示すコマンドであると判別した場合には(S5801:Yes)、遊技状態格納エリア223fに潜確状態Bを示すデータが格納されているかを判別し(S5802)、遊技状態格納エリア223fに格納されているデータが潜確状態Bを示すデータであると判別した場合には(S5802:Yes)、遊技状態格納エリア223fに通常状態Bを示すデータを格納して(S5803)、本処理を終了する。
一方、S5802の処理において、遊技状態格納エリア223fに格納されているデータが潜確状態Bを示すデータではないと判別した場合には(S5802:No)、次に、遊技状態格納エリア223fに時短状態を示すデータが格納されているか否かを判別する(S5804)。S5804の処理において、遊技状態格納エリア223fに格納されているデータが、時短状態を示すデータであると判別した場合には(S5804:Yes)、遊技状態格納エリア223fに通常状態Cを示すデータを格納し(S5805)、本処理を終了する。一方、S5804の処理において、遊技状態格納エリア223fに時短状態を示すデータが格納されていないと判別した場合には(S5804:No)、遊技状態格納エリア223fに通常状態Aを示すデータを格納し(S5806)、本処理を終了する。
また、S5801の処理において、今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドではないと判別した場合には(S5801:No)、次いで、今回受信した状態コマンドが潜確状態を示すコマンドであるか判別する(S5807)。S5807の処理において、今回受信したコマンドが潜確状態を示すコマンドであると判別した場合には(S5807:Yes)、遊技状態格納エリア223fに確変状態Aを示すデータが格納されているか判別し(S5808)、確変状態Aを示すデータが格納されていると判別した場合には(S5808:Yes)、遊技状態格納エリア223fに潜確状態Bを示すデータを格納して(S5809)、本処理を終了する。一方、S5808の処理において、遊技状態格納エリア223fに格納されているデータが確変状態Aを示すデータではないと判別した場合には(S5808:No)、遊技状態格納エリア223fに潜確状態Aを示すデータを格納し(S5810)、本処理を終了する。
一方、S5807の処理において、今回受信した状態コマンドが潜確状態を示すコマンドではないと判別した場合には(S5807:No)、今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドであるか判別する(S5811)。S5811の処理において、今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドであると判別した場合には(S5811:Yes)、遊技状態格納エリア223fに通常状態Bを示すデータが格納されているか判別し(S5812)、通常状態Bを示すデータが格納されていると判別した場合には(S5812:Yes)、遊技状態格納エリア223fに確変状態Bを示すデータを格納して(S5813)、本処理を終了する。これに対し、S5812の処理において、遊技状態格納エリア223fに通常状態Bを示すデータが格納されていないと判別した場合には(S5812:No)、遊技状態格納エリア223fに確変状態Aを示すデータを格納し(S5814)、本処理を終了する。
また、S5811の処理において、今回受信したコマンドが確変状態を示すコマンドではないと判別した場合には(S5811:No)、今回受信したコマンドが時短状態を示すコマンドであることを意味するため、遊技状態格納エリア223fに対して時短状態を示すデータを格納し(S5815)、本処理を終了する。
この状態コマンド処理12(図292参照)を実行することにより、遊技状態格納エリア223fのデータを状態コマンドに応じて正確に更新することができる。
次に、図293を参照して、本第12実施形態における演出設定処理12(S2841)の詳細について説明する。この演出設定処理12(S2841)は、第7実施形態(および第1実施形態)における演出設定処理(図63参照)に代えて実行される処理であり、第7実施形態(および第1実施形態)における演出設定処理と同様に、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドにより通知された変動時間内で実行する変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。
演出設定処理12(図293のS2841)では、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報を参照して遊技状態を特定し(S2931)、次いで、特定した遊技状態が潜確状態Aであるか否かを判別する(S2932)。S2932の処理において、特定した遊技状態が潜確状態Aであると判別した場合には(S2932:Yes)、特別図柄の抽選結果に応じて部位破壊チャンス演出の演出態様を設定し(S2933)、本処理を終了する。即ち、抽選結果が大当たりであれば、部位破壊に成功する演出態様を設定する一方で、抽選結果が外れであれば、部位破壊に失敗する演出態様を設定する。
一方、S2932の処理において、遊技状態が潜確状態Aではないと判別した場合には(S2932:No)、遊技状態格納エリア223fのデータから特定された遊技状態が確変状態Aであるか否かを判別する(S2934)。S2934の処理において、特定した遊技状態が確変状態Aであると判別した場合には(S2934:Yes)、特別図柄の抽選結果(当否)に応じて回避ターン突入演出の演出態様を設定し(S2935)、本処理を終了する。
一方、S2934の処理において、遊技状態格納エリア223fのデータから特定された遊技状態が確変状態Aではないと判別した場合は(S2934:No)、次いで、遊技状態は潜確状態Bであるか判別する(S2936)。S2936の処理において、特定した遊技状態が潜確状態Bであると判別した場合には(S2936:Yes)、特別図柄の抽選結果に応じて回避ターン演出の演出態様を設定し(S2937)、本処理を終了する。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れであれば、怪獣のキャラクタ811の攻撃を冒険者のキャラクタ801が回避する態様の演出を設定し、特別図柄の抽選結果が大当たりであれば、冒険者801が怪獣のキャラクタ811の攻撃を避けきれずに当たってしまう態様の演出を設定する。
また、S2936の処理において、遊技状態が潜確状態Bではないと判別した場合には(S2936:No)、遊技状態が通常状態Bであるか否かを判別し(S2938)、遊技状態が通常状態Bであると判別した場合には(S2938:Yes)、特別図柄の抽選結果に応じて攻撃ターン演出の演出態様を設定し(S2939)、本処理を終了する。具体的には、特別図柄の抽選結果が大当たりであれば、怪獣のキャラクタ811へと攻撃を加えて討伐することに成功する態様の演出を設定する一方で、外れであれば、怪獣811の討伐に失敗する態様の演出が実行される。また、S2938の処理において、遊技状態が通常状態Bではないと判別した場合には(S2938:No)、遊技状態が通常状態Aであることを意味するため、抽出した変動パターンに応じて演出態様を設定し(S2940)、本処理を終了する。
この演出設定処理12(図293参照)を実行することにより、遊技状態に応じた演出態様を好適に設定することができる。
以上説明した通り、第12実施形態におけるパチンコ機10では、比較的有利な遊技状態(潜確状態、確変状態)の間に大当たりに当選した方が有利になる(大当たり終了後に有利な確変状態が設定される)状況と、有利な遊技状態の間に大当たりに当選するよりも、有利な遊技状態が終了した後の不利な遊技状態において大当たりに当選した方が有利になる状況と、が成立するように構成した。このように構成することで、遊技状態だけでなく、状況にも応じて大当たりに当選することを期待するか、外れとなることを期待するかを異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第12実施形態では、大当たりに当選することにより不利となる有利状態(潜確状態B)において、確変回数に渡って外れとなることに対する期待度を、潜確状態Bへと移行するよりも前の確変状態Aにおいて遊技者に示唆する演出を実行可能に構成している。即ち、外れが連続することで遊技者に有利となるかのような態様の先読み演出を実行可能に構成している。このように構成することで、従来型の遊技機における当たり保留が含まれている期待度を報知する演出とは大きく異なる斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第12実施形態では、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり変動中に右打ちを行って第2特別図柄の保留球を上限値(4個)まで貯めていれば、大きなデメリットが生じないように構成していた。即ち、潜確状態Bにおいて大当たりに当選した場合に比較して、大当たりに当選した場合におけるデメリットが少なくなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態Aにおいて大当たりに当選した場合についても、遊技者にとって不利益となり得るように構成してもよい。より具体的には、例えば、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で外れとなった場合には変動時間を変えずに(上述した第12実施形態と同様に20秒間とし)、大当たりに当選した場合に、変動時間が短くなる(例えば、0.1秒間)ように構成してもよい。このように構成することで、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で外れとなった場合には、外れの変動表示が開始されてから第1特別図柄の変動表示が終了して時短状態が終了するまでの20秒間の間に、右打ちによって容易に第2特別図柄の保留球を貯めることができる一方、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動開始後、即座(0.1秒経過時)に時短状態が終了されて大当たりが開始されてしまい、第2特別図柄の保留球を貯めることが不可能(困難)となる。つまり、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後が潜確状態B(第2特別図柄の保留球が存在する潜確状態)ではなく、潜確状態A(第2特別図柄の保留球が存在しない潜確状態)に移行させることができるので、確変状態A、および潜確状態Bの2種類の遊技状態に渡る3回の特別図柄の抽選で連続して外れとなることを願わせる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第12実施形態では、回避ターン演出において、回避ターンを突破することができるか否かを示す演出(冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811の攻撃を特定回数回避することで回避ターンの突破が報知される演出)を実行する構成としていたが、これに加えて、回避ターン演出の実行中において、攻撃ターン演出の突破期待度(通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなる期待度)を報知可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、確変状態Aにおいて、第1特別図柄の変動表示中に貯まった第2特別図柄の保留球の抽選結果を判別して、確変状態Aが終了した後の潜確状態Bにおいて消化される2個の第2特別図柄の保留球(時間的に古い順に2個の保留球)が外れで、且つ、通常状態Bにおいて消化される第2特別図柄の保留球の中に大当たりが存在すると判別した場合に、低い確率(例えば、1/10の確率)で、通常とは異なる特別な演出(所謂、プレミア演出)を実行する構成としてもよい。これにより、回避ターン演出の実行中にプレミア演出が出現した時点で、回避ターンの突破のみならず、連荘モードへの移行まで確定するため、プレミア演出が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができる。また、プレミア演出の出現率を低くしておくことにより、プレミア演出を伴わずに回避ターンを突破した場合においても、攻撃ターンを突破することに対する期待感を失わせることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第12実施形態では、比較的有利な(大当たり確率が高い)潜確状態Bで大当たりに当選するよりも、比較的不利な(大当たり確率が低い)通常状態Bで大当たりに当選した方が、連荘モードに移行する割合が高くなるように構成することで、有利な状態よりも不利な状態で大当たりに当選した方が有利となる遊技性を成立させていたが、これに限られるものではない。例えば、持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができる有利な連荘モードにおいて大当たりになるよりも、不利な通常モードにおいて大当たりになった方が、ラウンド数が多い大当たり遊技が実行され易く構成することにより、有利な状態よりも不利な状態で大当たりになった方が、有利度合いが高くなる要素が発生する遊技性を実現してもよい。
本第12実施形態では、大当たりに当選した場合に、大当たり種別や特別図柄の種別、当選時の遊技状態等によらず、必ず、大当たり終了後に確変回数が3回の特別図柄の確変状態が設定されるように構成していたが、大当たりに当選した際の条件に応じて、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が設定される割合を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が設定される割合が高くなり、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合が高くなるように構成してもよい。つまり、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合や、連荘モードにおいて大当たりに当選した場合は、高い割合で特別図柄の低確率状態が付与される(時短回数が34回の時短状態のみが付与される)ように構成してもよい。このように構成することで、連荘モードは、ほぼ、時短回数が34回の時短状態となるため、連荘モードにおいて大当たりに当選した場合よりも、通常モードにおいて大当たりに当選した場合の方が、大当たり終了後に付与される確変回数の面では有利になる。つまり、有利な状態である連荘モードで大当たりになるよりも、不利な状態である通常モードで大当たりになった方が一部の要素が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
本第12実施形態では、部位破壊チャンス演出(図275、図276(a)参照)において、怪獣のキャラクタ811の角を破壊しようとする演出が実行されて、破壊に成功することで第1特別図柄の大当たりとなったことを報知するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、爪を破壊しようとする演出や、牙を破壊しようとする演出、尾を破壊しようとする演出等、バリエーションを持たせてもよい。この場合において、破壊しようとする部位によって大当たりとなる期待度を異ならせてもよい。具体的には、例えば、尾、爪、牙、角の順番に大当たり期待度が高くなっていくように構成してもよい。このように構成することで、冒険者のキャラクタ801が破壊しようとする部位にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、この場合において、部位破壊チャンス演出において破壊した部位に応じて、その後の回避ターン演出や攻撃ターン演出における展開を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、回避ターン演出において、怪獣のキャラクタ811の攻撃方法として、尾を用いた攻撃だけでなく、爪を用いた攻撃、牙を用いた攻撃、角を用いた攻撃も行われ得るように構成した上で、部位破壊チャンス演出において破壊済みの部位を用いて攻撃を行った場合の方が、破壊されていない部位によって攻撃を行った場合よりも、回避する期待度が高くなるように構成してもよい。即ち、怪獣811が攻撃する際のモーション(前動作)から、破壊されている部位を用いた攻撃を行おうとしているか否かを判別することで、回避に成功する期待度を予測するという遊技性を実現することができる。また、攻撃ターン演出についても同様に、冒険者のキャラクタ801が攻撃を加えようとする部位にバリエーションを持たせ、既に破壊されている部位の種別と、攻撃を加えようとしている部位との組み合わせによって、怪獣のキャラクタ811を倒す期待度を示唆するように構成してもよい。より具体的には、例えば、破壊されている部位に攻撃を加えようとする演出が実行された場合の方が、破壊されていない部位に攻撃を加える場合よりも、怪獣のキャラクタ811を倒す期待度が高くなるように構成してもよい。
本第12実施形態では、通常状態Bにおいて第2特別図柄の大当たりに当選すると、必ず怪獣のキャラクタ811を倒すことに成功する演出が実行されて、連荘モードへの移行が報知されるように構成していたが、第2特別図柄の大当たりに当選した時点で保留されている各保留球の先読み結果に応じて、演出態様を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、第2特別図柄の大当たりに当選した時点において、第2特別図柄の保留球が0個であり、且つ、第1特別図柄の保留球のうち時間的に最も古い保留球(最初に消化される保留球)が大当たりに対応する保留球である場合は、怪獣のキャラクタ811を倒すことができずに、回避ターン演出に再突入する態様の演出を実行してもよい。連荘モードへの移行時に第1特別図柄の保留球のみが存在し、且つ、最初に消化される第1特別図柄の保留球が大当たりに対応する保留球である場合、確変状態Bへと移行するのと同時に第1特別図柄の大当たり変動が開始されてしまうため、確変状態において大当たりに当選することが確定する。即ち、潜確状態Bへと移行する(第1特別図柄の大当たり変動中に右打ちを行って第2特別図柄の保留球を貯めなかった場合には潜確状態Aへと移行する)ことが確定してしまうため、連荘モードへの移行を報知してしまうと、すぐに第1特別図柄の大当たりとなって連荘モードが終了されてしまうため、遊技者をがっかりさせてしまう虞がある。これに対し、連荘モードへの移行直後に第1特別図柄の大当たりとなることが確定している場合は、回避ターン演出に戻る演出態様としておけば、遊技者を過剰にがっかりさせてしまうことを抑制することができる。なお、確変状態Bにおける第1特別図柄の大当たり変動中に遊技者が右打ちを行わなかった(第2特別図柄の保留球を貯めなかった)、若しくは右打ちを行ったにもかかわらず通常状態Bにおいて抽選を実行させることができる個数の第2特別図柄の保留球を貯めることができなかった(保留球が2個以下しか貯まらなかった)場合は、怪獣のキャラクタ811の破壊された部位が再生する演出が実行されて、部位破壊チャンス演出に戻ることが報知されるように構成してもよい。このように構成することで、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選を実行させることができる可能性が0であるにもかかわらず回避ターン演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
本第12実施形態では、大当たり遊技の実行中に賞球を獲得するための大入賞口として、特定入賞口65aのみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、盤面左側(左打ちにより発射された遊技球が入球可能となり、右打ちにより発射された遊技球が入球困難となる位置)にも大入賞口を設ける構成としてもよい。そして、大2特別図柄の大当たりとなった場合に、盤面右側の大入賞口と左側の大入賞口とを交互に、且つ、開放期間及びインターバル期間が比較的短くなるように制御することで、大当たり中に右打ちを行い続けた場合と、左打ちを行い続けた場合とで獲得可能な賞球数がほぼ同等となるように構成してもよい。そして、潜確状態Bにおいて第2特別図柄の大当たりとなった場合には、大当たり遊技の実行中に左打ちを継続して行うことを報知する一方で、連荘モードにおいて第2特別図柄の大当たりとなった場合は、右打ちを継続して行うことを報知する構成としてもよい。このように構成することで、潜確状態Bにおいて右打ちにより発射された遊技球が第2入球口6450へと入球し、第2特別図柄の保留球が増加してしまうことを防止できる。つまり、回避ターン演出において失敗が報知されたにもかかわらず、通常モードBまで第2特別図柄の保留球を維持可能になってしまう不具合をより確実に抑制することができる。
<第13実施形態>
次に、図294から図308を参照して、第13実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第12実施形態におけるパチンコ機10では、有利な(大当たり確率が高い)潜確状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合よりも、不利な(大当たり確率が低い)通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の方が、遊技者にとって有利となるように構成していた。即ち、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することにより、遊技者にとって最も有利な連荘モードへと移行するように構成していた。つまり、有利な連荘モードへと移行させるためには、有利な遊技状態よりも不利な遊技状態において大当たりに当選する必要があるという斬新な遊技性を実現していた。
これに対して第13実施形態におけるパチンコ機10では、有利な連荘モードとして比較的有利度合いが低い連荘モードAと、比較的有利度合いが高い連荘モードBと、の2種類を設ける構成とし、これらの2種類のモードでは、第12実施形態における連荘モードと同様に、複数の遊技状態を順番に遷移する(確変状態、時短状態、および通常状態の順で推移する)ように構成している。そして、各モードにおいては、比較的有利な(即ち、大当たり確率が高い)確変状態の間に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、有利度合いが低い連荘モードAに設定される一方で、比較的不利な(即ち、大当たり確率が低い)時短状態や通常状態の間に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、有利度合いが高い連荘モードBが設定されるように構成した。つまり、本第13実施形態におけるパチンコ機10では、連荘モードにおいて、有利な遊技状態よりも不利な遊技状態において大当たりに当選した方が、有利度合が高くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現する構成としている。
この第13実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第12実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第12実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第12実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図294、および図295を参照して、本第13実施形態における特徴的な演出態様について説明する。まず、図294(a)を参照して、有利度合いが低い連荘モードAを構成する遊技状態である時短状態Aの間の演出態様について説明する。ここで、連荘モードAでは、大当たり終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態に設定され、その後、4回の特別図柄の抽選に渡って時短状態に設定され、その後が通常状態に設定されるモードである。上述した通り、本第13実施形態では、連荘モードAにおける確変状態で大当たりに当選するよりも、時短状態において大当たりに当選した方が遊技者に有利となる。即ち、有利度合が高い連荘モードBに移行(昇格)する。本第13実施形態では、この連荘モードAにおける4回の時短状態(時短状態A)において大当たりに当選するか否かを示す演出(最終決戦演出)を実行する構成としている。
図294(a)は、本第13実施形態における最終決戦演出の演出態様を示した図である。図294(a)に示した通り、最終決戦演出が実行されると、主表示領域Dmに対して、冒険者を模したキャラクタ801と、怪獣を模したキャラクタ811とが表示される。また、主表示領域Dmの上部に形成される表示領域HR6に対して、「最終決戦突入!!」という文字と、残りの時短回数を示す文字(例えば、「残り4回」という文字)と、が表示される。また、主表示領域Dmの右下には、現在の状態を示す文字を表示するための表示領域HR20が形成される。図294(a)では、連荘モードAを示す「RUSH中」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「敵を倒せば超RUSH昇格!?」という文字が表示される。これらの表示態様により、時短回数内に敵を倒すことができればより有利な超RUSH(連荘モードB)へと移行することを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図294(b)を参照して、連荘モードBの時短状態(時短状態B)において実行される超最終決戦演出について説明する。この超最終決戦演出は、最終決戦演出と同様に、敵を倒すことで連荘モードBに移行することを示す演出である。ここで、連荘モードBでは、大当たり終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態に設定され、その後、39回の特別図柄の抽選に渡って時短状態に設定され、その後が通常状態に設定されるモードである。つまり、連荘モードBは、連荘モードAに比較して、時短状態の回数が35回多い有利なモードを形成する。なお、本第13実施形態では、特別図柄の高確率状態の間に大当たりに当選する確率が1/20であり、低確率状態の間に大当たりに当選する確率が1/40に設定されている。よって、連荘モードBにおける時短状態(時短状態B)の35回の間に大当たりに当選する割合は約58.8%となる。即ち、連荘モードAにおける最終決戦演出に比較して大幅に敵に勝利する(第2特別図柄の抽選で大当たりとなる)可能性が高くなるため、超最終決戦演出は、遊技者にとって期待度のより高い演出となる。
図294(b)は、超最終決戦演出の演出態様を示した図である。図294(b)に示した通り、超最終決戦演出では、キャラクタ801が、最終決戦演出における敵キャラクター811よりも身体のサイズが小さく、角や爪も有していない見た目(即ち、弱そうな(勝ちやすそうな)見た目)の怪獣を模したキャラクタ821と対峙する演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「超最終決戦突入!!」という文字と、残りの時短回数を示す文字(例えば、「残り39回」という文字)と、が表示される。また、表示領域HR20に対して、連荘モードBを示す「超RUSH中」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「敵を倒せば超RUSH継続!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、時短回数内で大当たりに当選することで大当たり終了後も再度超RUSH(連荘モードB)に設定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図295を参照して、連荘モードB(超RUSH)における確変状態(確変状態B)の間の演出態様について説明する。ここで、連荘モードBにおいては、確変状態の間に大当たりに当選すると、有利度合が低い連荘モードAへと移行してしまう。よって、確変状態においては、あたかも大当たりになると不利になるかのような態様の演出が実行される。具体的には、図295(a)に示した通り、冒険者を模したキャラクタ801の前方から岩IGが転がり落ちてくる態様の演出が実行されると共に、副表示領域Dsに対して、「岩に当たるとノーマルRUSHに降格!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、岩IGに冒険者801が当たってしまうと遊技者に不利となってしまう(連荘モードAに移行してしまう)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図295(b)は、確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合における表示態様の一例を示した図である。図295(b)に示した通り、確変状態Bにおいて大当たりに当選すると、冒険者801が岩IGに衝突して吹き飛ばされる演出が実行されると共に、特図2変動表示領域Dm1bにおいて大当たり図柄が揃うことにより大当たり当選が報知される。また、副表示領域Dsに対して「ノーマルRUSH降格!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、連荘モードBから連荘モードAへと降格してしまったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
本第13実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA13のみを設ける構成としていた。即ち、通常状態や確変状態において当選すると時短回数が0回に設定される一方で、潜確状態において当選すると時短回数として1回が付与され、時短状態において当選すると時短回数として34回が付与される大当たり種別のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態に加え、通常状態、確変状態、および潜確状態も時短回数として34回が付与される大当たり種別(特図1特殊大当たり)を設ける構成としてもよい。即ち、当選した時点の遊技状態によらず、有利な連荘モードへと移行する大当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態によらず、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に連荘モードへの移行を期待させることができる。また、例えば、大当たり終了後の確変回数が0回に設定される大当たり種別を設けてもよい。このように構成することで、必ず確変状態が付与されるわけではないという緊張感を遊技者に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第13実施形態における電気的構成>
次に、図296から図298を参照して、本第13実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第13実施形態におけるROM202は、上述した第12実施形態におけるROM202の構成(図279(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202a、時短付与テーブル202e、変動パターンテーブル202d、変動パターンシナリオテーブル202gaの構成が一部変更となっている。まず、図296(a)を参照して、本第13実施形態におけるROM202に設けられている第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図296(a)は、本第13実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図296(a)に示した通り、本第13実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、第12実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の高確率状態(確変状態)において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、が規定されている。
具体的には、図296(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~24」の25個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~24」の25個であるので、通常状態や時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、1/40(25/1000)である。
また、図296(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~49」の50個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~49」の50個であるので、確変状態や潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、1/20(50/1000)である。
次に、図296(b)を参照して、本第13実施形態におけるROM202に設けられている時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、第12実施形態における時短付与テーブル202eと同様に、大当たり終了後の時短回数を、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するために参照されるデータテーブルである。なお、本第13実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、第12実施形態における大当たりA12と同一の4ラウンド確変大当たりである大当たりA13のみが設けられている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、それぞれ第12実施形態における大当たりB12~D12と同一の16ラウンド、8ラウンド、および4ラウンド確変大当たりである大当たりB13~D13が設けられている。なお、大当たり終了後の確変回数については、第12実施形態における3回から20回へと増加されている。これは、特別図柄の確変状態における大当たり確率が第12実施形態から低下したことに対するバランスを取る趣旨である。
図296(b)に示した通り、通常状態および時短状態で当選した「大当たりA13」に対しては、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定され、潜確状態および確変状態で当選した「大当たりA13」に対しては、時短付与回数として「24回」が対応付けて規定されている。「大当たりA13」に当選すると確変回数として20回が設定されるため、通常状態や時短状態において「大当たりA13」に当選すると、大当たり終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、潜確状態となり、20回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、確変状態や潜確状態において「大当たりA13」に当選すると、大当たり終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、21回目から24回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、24回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。
また、図296(b)に示した通り、確変状態以外の遊技状態(通常状態、時短状態、潜確状態)で当選した「大当たりB13」~「大当たりD13」(第2特別図柄の大当たり)に対しては、時短付与回数として「59回」が対応付けて規定され、確変状態で当選した「大当たりB13」~「大当たりD13」に対しては、時短付与回数として「24回」が対応付けて規定されている。「大当たりB13」~「大当たりD13」のいずれかに当選した場合も、確変回数として20回が設定されるため、確変状態以外の遊技状態において「大当たりB13」~「大当たりD13」のいずれかに当選すると、大当たり終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、21回目から59回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、59回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、潜確状態において「大当たりB13」~「大当たりD13」のいずれかに当選すると、大当たり終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、21回目から24回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、24回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。
次に、本第13実施形態におけるROM202に設けられている変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。図296(c)は、本第13実施形態における変動パターンテーブル202dの構成を示したブロック図である。図296(c)に示した通り、本第13実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常状態、および潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターンを選択する際に参照される通常・潜確用テーブル202di1と、時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターンを選択する際に参照される時短用テーブル202di2と、確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターンを選択する際に参照される確変用テーブル202di3と、の3つのデータテーブルで構成されている。まず、図297(a)を参照して、通常・潜確用テーブル202di1の詳細について説明する。
図297(a)は、通常・潜確用テーブル202di1の規定内容を示した図である。図297(a)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140~149」の範囲に変動時間が10秒の長外れが対応付けて規定され、「150~179」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチが対応付けて規定され、「180~198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチが対応付けて規定され、「30~189」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に変動時間が90秒のスペシャルリーチが対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.1秒の超短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.1秒の長短当たりが規定されている。第2特別図柄の変動時間を極めて短い0.1秒間に固定化しているのは、主として、連荘モードAや連荘モードBにおいて時短状態から通常状態へと移行した際に、時短状態の間に貯めていた第2特別図柄の保留球を高速で消化させるためである。即ち、上述した第8実施形態と同様に、時短状態の最後の変動表示の変動時間の間に第2特別図柄の保留球に基づく抽選結果まで報知する演出(図199参照)を実行したとしても、遊技者に対して違和感を抱かせてしまう可能性を低くするためである。
次に、図297(b)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの一種である時短用テーブル202di2の詳細について説明する。図297(b)は、この時短用テーブル202di2の規定内容を示した図である。図297(b)に示した通り、この時短用テーブル202di2には、特別図柄の種別によらず、「外れ」の抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1が取り得る全範囲に対して、変動時間が5秒の外れ特殊変動のみが対応付けて規定されている。また、「大当たり」の抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1が取り得る全範囲に対して、変動時間が5秒の当たり特殊変動のみが対応付けて規定されている。このため、時短状態の間に特別図柄の抽選が実行されると、必ず変動時間が5秒間に設定される。よって、最終決戦演出(図294(a)参照)や超最終決戦演出(図294(b)参照)における演出期間を固定化することができる。よって、変動パターン演出の演出態様として、5秒間の演出のみを設けておけばよいので、表示制御装置114における記憶容量を削減することができる。
次に、図298(a)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの一種である確変用テーブル202di3の詳細について説明する。図298(a)は、確変用テーブル202di3の規定内容を示した図である。図298(a)に示した通り、抽選結果が「外れ」である場合は、図柄種別によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。即ち、通常状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合(通常・潜確用テーブル202di1(図297(a)参照)が参照されて第1特別図柄の変動パターンが決定される場合)に比較して、抽選結果が大当たりにならなかった場合の変動時間が短くなるように構成している。これにより、確変状態の間の遊技をスピーディーに行わせる(消化させる)ことができるので、確変状態における遊技が冗長となってしまうことを抑制することができる。
また、図298(a)に示した通り、抽選結果が「大当たり」である場合は、図柄種別によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。即ち、確変状態の間に特別図柄の抽選で大当たりになった場合についても、通常状態や潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に比較して短い変動時間が設定されるように構成している。これにより、確変状態における遊技が冗長となってしまうことをより確実に抑制することができる。
次に、図298(b)を参照して、本第13実施形態におけるROM202を構成するデータテーブルの一種である変動パターンシナリオテーブル202gaの詳細について説明する。図298(b)は、この変動パターンシナリオテーブル202gaの規定内容を示した図である。この変動パターンシナリオテーブル202gaは、第12実施形態における変動パターンシナリオテーブル202gaと同様に、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターンテーブルの種別との対応関係(変動パターンシナリオ)を選択するために参照されるデータテーブルである。
図298(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA13であり、当選時の遊技状態が通常状態、若しくは時短状態であるという状況に対しては、特別図柄の抽選回数によらず、通常・潜確用テーブル202di1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。よって、通常状態、若しくは時短状態において大当たりA13に当選した場合は、次に大当たりとなるまで、特別図柄の抽選が実行される毎に、通常・潜確用テーブル202di1が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される。
また、図298(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA13であり、当選時の遊技状態が潜確状態、若しくは確変状態であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~20回の範囲において確変用テーブル202di3が参照され、21~24回の範囲において時短用テーブル202di2が参照され、25回以降は通常・潜確用テーブル202di1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
また、図298(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB13~D13のいずれか(第2特別図柄の大当たり)であり、当選時の遊技状態が確変状態以外の遊技状態であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~20回の範囲において確変用テーブル202di3が参照され、21~59回の範囲において時短用テーブル202di2が参照され、60回以降は通常・潜確用テーブル202di1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
更に、図298(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB13~D13のいずれか(第2特別図柄の大当たり)であり、当選時の遊技状態が確変状態であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~20回の範囲において確変用テーブル202di3が参照され、21~24回の範囲において時短用テーブル202di2が参照され、25回以降は通常・潜確用テーブル202di1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
この変動パターンシナリオテーブル202gaを参照して変動パターンシナリオを予め設定しておくことにより、特別図柄の抽選時においていずれの変動パターンテーブルを選択するかを判別する処理を省略することができるので、特別図柄の抽選を実行する際の処理負荷を軽減させることができる。
次に、図299、から図301を参照して、本第13実施形態における状態の移行方法について説明する。ここで、本第13実施形態は、通常モード、チャンスモード、連荘モードA、および連荘モードBの4つのモード(状態)間を推移するように構成されている。まず、図299を参照して、連荘モード以外のモードにおける状態の移行方法について説明する。
図299に示した通り、通常モードは、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する通常状態Aのみによって構成されている。また、チャンスモードは、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する潜確状態Aのみによって構成されている。
図299に示した通り、通常状態Aから他の状態へは、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に移行する可能性がある。具体的には、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態Aに設定される。即ち、通常モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりA13に当選すると、時短回数0回、確変回数20回が設定されることにより、チャンスモード(潜確状態A)に移行する。
また、図299に示した通り、潜確状態Aから他の状態へは、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合、および確変回数(ST回数)が経過した場合にに移行する可能性がある。具体的には、潜確状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後に必ず連荘モードAに移行する。即ち、チャンスモードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりA13に当選すると、時短回数24回、確変回数20回が設定されることにより、連荘モードA(確変状態A)に移行する。一方、潜確状態Aにおいて確変回数(ST回数)の間(特別図柄の抽選が20回終了するまでの間)に大当たりに当選しなかった場合は、通常状態Aに移行する。潜確状態Aにおける大当たり確率は1/20であるので、20回以内の特別図柄の抽選で大当たりに当選する割合はおよそ64.2%である。よって、チャンスモードから連荘モードAへと移行する割合は、第12実施形態においてチャンスモードから連荘モードへと移行する割合(約2.1%)に比べると大幅に高くなっている。よって、比較的頻繁に有利なモードへと移行させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図300を参照して、連荘モードAにおける状態の移行方法について説明する。図300に示した通り、連荘モードAは、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する確変状態Aと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する時短状態Aと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、連荘モードAの間に貯まった第1および第2特別図柄の保留球を消化することで遊技を進行する通常状態Bと、の3つの遊技状態で構成されている。
図300に示した通り、確変状態Aから他の状態には、確変回数を経過させた場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図300に示した通り、確変状態Aにおいて、確変回数である20回の特別図柄の抽選に渡って連続して外れとなることで、確変回数(ST回数)が経過して、時短状態Aへと移行する。これに対して、確変状態Aの間に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の状態が再度、確変状態Aに設定される。
また、図300に示した通り、時短状態Aから他の状態には、時短回数を経過させた場合、および特別図柄の抽選で大当たりになった場合に移行する可能性がある。具体的には、図300に示した通り、時短状態Aにおいて4回の時短回数に渡る特別図柄の抽選が全て外れになると、通常状態Bへと移行する。これに対して、4回の時短回数の範囲内で第2特別図柄の大当たりに当選すると、連荘モードAよりも有利度合いが高い連荘モードBへと移行する。
更に、図300に示した通り、通常状態Bから他の状態には、保留球が全て消化された場合、および大当たりに当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図300に示した通り、通常状態Bにおいて全ての保留球に基づく特別図柄の抽選が外れとなった場合、通常モード(通常状態A)へと移行する。これに対し、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に連荘モードBへと移行する。また、第1特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後にチャンスモードへと移行する。
このように、連荘モードAでは、有利な確変状態Aの間に大当たりに当選することで確変状態Aをループし、時短状態Aや通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することで、より有利度合いが高い連荘モードBへと移行するため、遊技者にとって比較的有利な状態を形成する。なお、確変状態Aに設定される20回の間に大当たりに当選する(連荘モードAをループする)割合は約64.2%であり、時短状態A、若しくは通常状態Bにおいて大当たりに当選する(連荘モードBに昇格する)割合は約18.3%である。よって、一旦連荘モードAに移行すると、約70.7%(64.2%+35.8%×18.3%)の割合で連荘モードAをループ、若しくは連荘モードBへと昇格する(大当たりとなって再度有利な状態が設定される)。また、大当たり確率が高い確変状態Aにおいて大当たりになるよりも、大当たり確率が低い時短状態Aや通常状態Bにおいて大当たりになった方が有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、大当たり当選期待度が低いものの大当たりに当選した場合の恩恵が大きい時短状態Aや通常状態Bを、大当たり当選期待度が高い確変状態Aの終了後に設定する構成とすることで、確変状態Aにおいて確変回数を経過させてしまったとしても、大当たり期待度が高い状態をスルーしてしまったことに対する失望感を軽減させることができる。
次に、図301を参照して、連荘モードBにおける状態の移行方法について説明する。図301に示した通り、連荘モードBは、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する確変状態Bと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する時短状態Bと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、連荘モードBの間に貯まった第1および第2特別図柄の保留球を消化することで遊技を進行する通常状態Cと、の3つの遊技状態で構成されている。
図301に示した通り、確変状態Bから他の状態には、確変回数を経過させた場合、および特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に移行する可能性がある。即ち、図301に示した通り、確変状態Bにおいて、確変回数である20回の特別図柄の抽選に渡って連続して外れとなることで、確変回数(ST回数)が経過して、時短状態Bへと移行する。また、確変状態Bの間に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の状態が連荘モードAに設定される。
また、図301に示した通り、時短状態Bから他の状態には、時短回数を経過させた場合、および特別図柄の抽選で大当たりになった場合に移行する可能性がある。具体的には、図301に示した通り、時短状態Bにおいて39回の時短回数に渡る特別図柄の抽選が全て外れになると、通常状態Cへと移行する。これに対して、39回の時短回数の範囲内で第2特別図柄の大当たりに当選すると、確変状態Bへと移行する。即ち、連荘モードBをループする。
更に、図301に示した通り、通常状態Cから他の状態には、保留球が全て消化された場合、および大当たりに当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図301に示した通り、通常状態Cにおいて全ての保留球に基づく特別図柄の抽選が外れとなった場合、通常モード(通常状態A)へと移行する。これに対し、通常状態Cにおいて第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に確変状態Bへと移行する(連荘モードBをループする)。また、第1特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後にチャンスモードへと移行する。
このように、連荘モードBでは、有利な確変状態Bの間に大当たりに当選することで連荘モードAへと降格してしまう一方で、時短状態Bや通常状態Cにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することで、有利度合いが高い連荘モードBをループするため、確変回数を経過した後で大当たりに当選して欲しいと願わせる極めて斬新な遊技性を実現することができる。なお、確変状態Bに設定される20回の間に大当たりに当選する(連荘モードAに降格する)割合は約64.2%であり、時短状態B、若しくは通常状態Cにおいて第2特別図柄の大当たりに当選する(連荘モードBをループする)割合は約66.3%である。よって、連荘モードBにおいては、約87.9%(64.2%+35.8%×66.3%)の割合で大当たりに当選し、且つ、連荘モードA若しくは連荘モードBが設定される極めて有利な状態を形成する。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
このように、連荘モードBにおいては、時短状態へと移行した後における時短回数が連荘モードAよりも大幅に多くなっているため、有利な確変状態で大当たりにならなくても、時短状態へと移行した後で大当たりに当選させることが十分可能であるとの印象を遊技者に抱かせることができる。よって、連荘モードBにおいては、確変状態Bの間は大当たりとならずにやり過ごして、時短状態となってから大当たりに当選させたいと遊技者に思わせることができる。言い換えれば、より有利な確変状態Bにおいて大当たりに当選することよりも、その後に設定される比較的有利度合いが低い時短状態Bにおいて大当たりに当選することをより強く期待させる斬新な遊技性を実現することができる。また、有利な確変状態Bにおいて確変回数(ST回数)が経過して時短状態に移行した場合に、遊技者を落胆させるどころか、むしろ、連荘モードAへと転落してしまう危機を乗り切ったとの印象を抱かせて、遊技者を喜ばせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図302を参照して、本第13実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図302は、本第13実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図302に示した通り、本第13実施形態におけるRAM223は、上述した第12実施形態におけるRAM223の構成(図285(b)参照)に対して、最終変動フラグ223faと、最終演出設定済フラグ223fbと、当たり演出フラグ223fcと、が設けられている点で相違している。また、回避率格納エリア223iaが削除されている点でも相違している。
最終変動フラグ223faは、時短状態における最後の変動表示の実行中であるか否かを示すフラグである。この最終変動フラグ223faがオンであれば、時短状態における最後の変動表示の実行中であることを示し、オフであれば、時短状態における最後の変動表示の実行中ではないことを示す。この最終変動フラグ223faは、時短状態における最後の変動が開始された時点でオンに設定され、時短回数が0になった時点(即ち、時短状態における最後の変動表示が終了した時点)でオフに設定される(図307のS9006参照)。
最終演出設定済フラグ223fbは、時短状態の最後の変動表示において、演出結果(怪獣を模したキャラクタ811(連荘モードA)若しくはキャラクタ821(連荘モードB)とのバトルの結果)を既に設定済みであるか否かを示すフラグである。この最終演出設定済フラグ223fbがオンであれば、演出種別を決定済みであることを意味し、オフであれば、演出種別を未決定であることを意味する。最終変動の実行中に当たりの保留球を検出した(大当たりの始動入賞を検出した)場合は、この最終演出設定済フラグ223fbの状態と、後述する当たり演出フラグ223fcの状態とに応じて、復活演出により当たりを報知するか否かが判別させる。なお、復活演出としては、第8実施形態と同様に、第2特別図柄の保留球の高速(0.1秒間)変動中に短時間で当たりを報知することができる態様の演出(図198(b)参照)が実行される。
当たり演出フラグ223fcは、時短状態における最後の変動演出の演出態様として、当たりを示す演出態様(怪獣を模したキャラクタ811(連荘モードA)若しくはキャラクタ821(連荘モードB)とのバトルに勝利する演出態様)、若しくは復活演出を設定したか否かを示すためのフラグである。この当たり演出フラグ223fcがオンであれば、当たりを示す演出態様、若しくは復活演出の実行中であることを意味し、オフであれば、外れを示す演出態様の実行中、若しくは時短状態における最後の変動表示の実行中ではないことを意味する。この当たり演出フラグ223fcは、当たりを示す演出態様を設定した場合(図308のS2916参照)、若しくは復活演出の開始を設定した場合(図306のS2326参照)にオンに設定され、時短状態(および保留消化中)における演出態様が終了した場合にオフに設定される。
<第13実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図303を参照して、本第13実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明をする。ここで、本第13実施形態では、上述した第12実施形態に対して、大当たり制御処理12(図289参照)に代えて大当たり制御処理13(S1545)を実行する点でのみ相違する。ここではこの大当たり制御処理13(S1545)の詳細のみについて説明を行う。
図303は、上述した大当たり制御処理13(図303参照)を示したフローチャートである。この第13実施形態における大当たり制御処理13(図303参照)のうち、S1601~S1612,S1616~S1618,S1621、およびS1622の各処理では、それぞれ第12実施形態における大当たり制御処理12(図289参照)のS1601~S1612,S1616~S1618,S1621、およびS1622の各処理と同一の処理が実行される。また、本第13実施形態における大当たり制御処理13(図303参照)では、S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1612:Yes)、確変カウンタ203iaの値に20を設定し(S1645)、処理をS1621へと移行する。即ち、本第13実施形態では、大当たり終了後に特別図柄の抽選が20回終了するまでの間、特別図柄の確変状態に設定される。
<第13実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図304から図308を参照して、本第13実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図304を参照して、本第13実施形態における演出更新処理13(S2175)の詳細について説明する。図304は、本第13実施形態における演出更新処理13(S2175)を示すフローチャートである。この演出更新処理13(S2175)は、第12実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(S2112)に代えて実行される処理であり、変動パターン演出(変動表示演出)の進行状況等に応じて演出態様を更新するための処理である。
この第13実施形態における演出更新処理13(S2175)では、まず、最終変動フラグ223faがオンであるか否かを判別し(S3511)、最終変動フラグ223faがオンではない(オフである)と判別した場合には(S3511:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3511の処理において、最終変動フラグ223faがオンであると判別した場合は(S3511:Yes)、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか否かを判別する(S3512)。S3512の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合には(S3512:Yes)、追加で演出を設定する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S3512の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンではない(オフである)と判別した場合には(S3512:No)、変動開始から2秒が経過したタイミングであるか否かを判別する(S3521)。変動開始から2秒が経過したタイミングではないと判別した場合には(S3521:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3521の処理において、変動開始から2秒が経過したタイミングであると判別した場合には(S3521:Yes)、保留内に大当たりがあるかどうか判別し(S3514)、保留内に大当たりがあると判別した場合には(S3514:Yes)、敵に勝利する態様の演出を設定する(S3522)。次いで、当たり演出フラグ223fcをオンに設定し(S3516)、処理をS3519へと移行する。一方、S3514の処理において、保留内に大当たりがないと判別した場合には(S3514:No)、敵に敗北する態様の演出を設定し(S3523)、当たり演出フラグ223fcをオフに設定して(S3518)、処理をS3519へと移行する。S3516、またはS3518の処理が終了した後に実行されるS3519の処理では、最終演出設定済フラグ223fbをオンに設定して(S3519)、本処理を終了する。
次に、図305を参照して、本第13実施形態におけるコマンド判定処理13(S2176)の詳細について説明する。図305は、コマンド判定処理13(S2176)を示したフローチャートである。この第13実施形態におけるコマンド判定処理13(S2176)は、上述した第12実施形態におけるコマンド判定処理12(図290参照)に代えて実行される処理である。この第13実施形態におけるコマンド判定処理13のうち、S2201~S2209,S2211,S2213,S2242,S2217、およびS2222の各処理では、それぞれ第12実施形態におけるコマンド判定処理12(図290参照)のS2201~S2209,S2211,S2213,S2242,S2217、およびS2222の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第13実施形態におけるコマンド判定処理13(図305参照)では、S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に、第12実施形態における入賞情報関連処理12(S2241)に代えて入賞情報関連処理13を実行し(S2261)、本処理を終了する。この入賞情報関連処理13(S2261)の詳細については、図306を参照して後述する。
また、本第13実施形態におけるコマンド判定処理13(図305参照)では、S2242の処理において、停止コマンドを受信したと判別した場合に(S2242:Yes)、停止コマンド処理13を実行して(S2262)、本処理を終了する。この停止コマンド処理13(S2262)の詳細については、図307を参照して後述する。
また、本第13実施形態におけるコマンド判定処理13(図305参照)では、S2215の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S2215)、第12実施形態における状態コマンド処理12(S2243)に代えて、状態コマンド処理13を実行し(S2263)、本処理を終了する。
次に、図306を参照して、本第13実施形態における入賞情報関連処理13(S2261)の詳細について説明する。図306は、入賞情報関連処理13(S2261)を示すフローチャートである。本第13実施形態における入賞情報関連処理13(S2261)は、上述した第12実施形態における入賞情報関連処理12(図291参照)に代えて実行される処理である。この第13実施形態における入賞情報関連処理13(S2261)のうち、S2311、およびS2312の各処理では、それぞれ第12実施形態における入賞情報関連処理12(図291参照)のS2311、およびS2312の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第13実施形態における入賞情報関連処理13(S2261)が実行されると、まず、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか否かを判別し(S2321)、最終演出設定済フラグ223fbがオンではないと判別した場合には(S2321:No)、処理をS2312へと移行する。一方、S2321の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合には(S2321:Yes)、当たり演出フラグ223fcがオンであるか判別し(S2322)、当たり演出フラグ223fcがオンであると判別した場合には(S2322:Yes)、処理をS2312へと移行する。
一方、S2322の処理において当たり演出フラグ223fcがオンではない(オフである)と判別した場合には(S2322:No)、今回受信した入賞情報コマンドが第2特別図柄の大当たりに対応する入賞情報であるか否かを判別する(S2341)。S2341の処理において、第2特別図柄の大当たりに対応する入賞情報ではないと判別した場合には(S2341:No)、処理をS2312の処理に移行する。一方、S2341の処理において、受信した入賞情報コマンドが、第2特別図柄の大当たりに対応する入賞情報であると判別した場合には(S2341:Yes)、復活演出の実行を設定し(S2325)、当たり演出フラグ223fcをオンに設定して(S2326)、処理をS2311へと移行する。
次に、図307を参照して、本第13実施形態における停止コマンド処理13(S2262)の詳細について説明する。図307は、停止コマンド処理13(S2262)を示すフローチャートである。この停止コマンド処理13(S2262)は、コマンド判定処理13(図305のS2176参照)において、停止コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理である。
この停止コマンド処理13(S2262)では、まず、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか判別し(S9001)、最終演出設定済フラグ223fbがオンではない(オフである)と判別した場合には(S9001:No)、第3図柄の停止表示を設定し(S9007)、本処理を終了する。一方、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合には(S9001:Yes)、次に、当たり演出フラグ223fcがオンであるか判別する(S9002)。S9002の処理において、当たり演出フラグ223fcがオンであると判別した場合には(S9002:Yes)、当たり図柄を停止するか判別する(S9011)。当たり図柄を停止しないと判別した場合には(S9011:No)、S9007の処理へと移行する。
一方、S9011の処理において当たり図柄を停止すると判別した場合には(S9011:Yes)、最終演出の終了を設定し(S9005)、最終演出設定済フラグ223fb、当たり演出フラグ223fcを全てオフに設定して(S9006)、処理をS9007へと移行する。また、S9002の処理において、当たり演出フラグ223fcがオンではないと判別した判別した場合には(S9002:No)、第2特別図柄の保留球数が1以上であるか否かを判別し(S9012)、第2特別図柄の保留球数が1以上ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S9012:No)、処理をS9005へと移行する。これに対し、S9012の処理において、第2特別図柄の保留球数が1以上であると判別した場合には(S9012:Yes)、処理をS9007へと移行する。
次に、図308を参照して、本第13実施形態における演出設定処理13(S2845)の詳細について説明する。図308は、演出設定処理13(S2845)を示すフローチャートである。この第13実施形態における演出設定処理13(S2845)は、上述した第12実施形態における演出設定処理12(図293のS2841参照)に代えて実行される処理であり、第12実施形態における演出設定処理12(図293参照)と同様に、変動パターンコマンドにより通知された変動時間における変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。
この演出設定処理13(S2845)では、まず、最終演出設定済フラグ223fbがオンであるか判別する(S2911)。S2911の処理において、最終演出設定済フラグ223fbがオンではないと判別した場合には(S2911:No)、遊技状態と抽選結果とに応じた変動パターン演出の演出態様を設定し(S2951)、本処理を終了する。一方、最終演出設定済フラグ223fbがオンであると判別した場合には(S2911:Yes)、当たり演出フラグ223fcがオンであるか否かを判別する(S2913)。S2913の処理において、当たり演出フラグ223fcがオンであると判別した場合には(S2913:Yes)、変動開始時点の表示態様の表示継続を設定し(S2917)、本処理を終了する。一方、当たり演出フラグ223fcがオンではないと判別した場合には(S2913:No)、S2952の処理に移行する。
S2952の処理では、第2特別図柄の保留に当たりが含まれているか否かを判別する(S2952)。第2特別図柄の保留に当たりが含まれていると判別した場合には(S2952:Yes)、復活演出の開始を設定し(S2915)、当たり演出フラグ223fcをオンに設定し(S2916)、本処理を終了する。一方、S2952の処理において、第2特別図柄の保留に当たりが含まれていないと判別した場合には(S2952:No)、処理をS2917へと移行する。
以上説明した通り、本第13実施形態におけるパチンコ機10では、有利な状態として、比較的有利度合いが低い連荘モードAと、比較的有利度合いが高い連荘モードBとの2種類の有利状態を設ける構成とし、これらの各モードの構成として、比較的大当たり確率が高い確変状態と、比較的大当たり確率が低い時短状態と、大当たり確率が低い上に第2入球口6450へと遊技球を入球させることが困難な通常状態と、の3つの遊技状態で構成した。そして、大当たり確率が高い確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、大当たり確率が低い時短状態や通常状態において大当たりに当選した場合の方が、遊技者にとって有利になるように構成した。即ち、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に比較的有利度合いの低い連荘モードAへと移行するのに対し、時短状態や通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、大当たり終了後に比較的有利度合いの高い連荘モードBへと移行するように構成した。このように構成することで、有利な確変状態において大当たりとならずに、確変状態が終了した後で移行する時短状態や通常状態において大当たりに当選することを期待して遊技を行うという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第13実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA13のみを設ける構成としていた。即ち、通常状態や時短状態において当選すると時短回数が0回に設定される一方で、潜確状態や確変において当選すると時短回数として24回が付与される大当たり種別のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、当選した時点の遊技状態とは無関係に、時短回数として24回が付与される大当たり種別を設ける構成としてもよい。即ち、通常モードにおいて当選したとしても、連荘モードAへと直接移行する大当たり種別を設ける構成としてもよい。更に、例えば、当選した遊技状態とは無関係に、時短回数として59回が付与される大当たり種別(最も有利な連荘モードBへと直接移行する大当たり種別)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態によらず、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に連荘モードAや連荘モードBへの移行を期待させることができる。また、例えば、大当たり終了後の確変回数が0回に設定される大当たり種別を設けてもよい。このように構成することで、必ず確変状態が付与されるわけではないという緊張感を遊技者に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第13実施形態では、比較的有利な(大当たり確率が高い)確変状態Aや確変状態Bで大当たりに当選するよりも、比較的不利な(大当たり確率が低い)時短状態Aや時短状態Bで大当たりに当選した方が、大当たり終了後に連荘モードBに移行する割合が高くなるように構成することで、有利な状態よりも不利な状態で大当たりに当選した方が有利となる遊技性を成立させていたが、これに限られるものではない。例えば、持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができる(普通図柄の時短状態が設定される)有利な連荘モードAや連荘モードBにおいて大当たりになるよりも、不利な(普通図柄の通常状態が設定される)通常モードやチャンスモードにおいて大当たりになった方が、ラウンド数が多い大当たり遊技が実行され易く構成することにより、有利な状態よりも不利な状態で大当たりになった方が、有利度合いが高くなる要素が発生する遊技性を実現してもよい。つまり、第1特別図柄の大当たりの方が、第2特別図柄の大当たりよりもラウンド数が多い大当たり種別が選択され易くなるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第13実施形態では、大当たりに当選した場合に、大当たり種別や特別図柄の種別、当選時の遊技状態等によらず、必ず、大当たり終了後に確変回数が20回の特別図柄の確変状態が設定されるように構成していたが、大当たりに当選した際の条件に応じて、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が設定される割合を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が設定される割合が高くなり、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合が高くなるように構成してもよい。つまり、連荘モードAや連荘モードBにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、高い割合で特別図柄の低確率状態が付与される(時短回数が24回、若しくは59回の時短状態のみが付与される)ように構成してもよい。より具体的には、確変状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、ほぼ、時短回数が24回の時短状態のみが設定され、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、ほぼ、時短回数が59回の時短状態のみが設定されるように構成してもよい。また、時短回数が59回の時短状態において第2特別図柄の大当たりに当選すると、ほぼ、時短回数が59回の時短状態のみが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、連荘モードにおいて大当たりに当選した場合よりも、通常モードやチャンスモードにおいて大当たりに当選した場合の方が、大当たり終了後に付与される確変回数の面では有利になる。つまり、有利な状態である連荘モードで大当たりになるよりも、不利な状態である通常モードやチャンスモードで大当たりになった方が一部の要素が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<第14実施形態>
次に、図309から図315を参照して、第14実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第12実施形態におけるパチンコ機10では、比較的有利な遊技状態において大当たりに当選せず、且つ、その後に移行する比較的不利な遊技状態において大当たりに当選することにより、遊技者にとって最も有利な連荘モードへと移行することが可能に構成していた。
これに対して本第14実施形態では、所定条件下において、特定回数の特別図柄の抽選に渡って連続して大当たりに当選した場合にのみ、有利な連荘モードへと移行することが可能となるように構成した。即ち、大当たりの連続が途切れてしまった場合に、連荘モードへ移行する可能性も絶たれてしまうという斬新な遊技性を実現している。
この第14実施形態におけるパチンコ機10が、第12実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第12実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第12実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図309を参照して、本第14実施形態における特徴的な演出態様について説明する。ここで、詳細については図313を参照して後述するが、本第14実施形態では、チャンスモードに移行した場合に、チャンスモードが終了するよりも前に特定回数(最大3回)の特別図柄の抽選に渡って連続して大当たりに当選することで、有利な連荘モードへと移行するように構成している。より具体的には、チャンスモードを構成する潜確状態で大当たりに当選すると時短回数が1回の確変状態(確変状態A)が設定され、大当たり消化中に貯められた第1特別図柄の保留球に基づく抽選で確変状態Aの間に再度大当たりに当選すると、大当たり終了後に再度確変状態Aが設定され、この再度設定された確変状態Aにおいて、前回の確変状態Aの間に右打ちを行うことで貯めておいた第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりに当選することで、連荘モードへと移行する構成としている。ここでは、チャンスモードにおいて特定回数の抽選に渡って連続して大当たりに当選するか否かを示唆するための連撃演出の演出態様について説明する。
図309(a)は、チャンスモードにおける潜確状態において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に表示される演出態様(連撃演出の演出態様)を示した図である。図309(a)に示した通り、潜確状態において大当たりに当選すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ801が、怪獣のキャラクタ811に対して剣による斬撃を仕掛ける演出が実行されると共に、キャラクタ801の上方に、「1連撃」という文字が表示された表示領域HR12が形成される。また、主表示領域Dmにおける上側の表示領域HR6に対して、「連撃を決めろ!!3連撃で撃破!?」という文字が表示される。また、主表示領域Dmの右下側の表示領域HR20に対して、「チャンスモード」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsの第1表示領域Ds2に対して、「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、敵である怪獣のキャラクタ811に対して、3回連続で攻撃(斬撃)に成功する(3連撃に成功する)ことで、有利な連荘モード(RUSH)へと移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図309(b)は、潜確状態における大当たり後に設定される時短回数が1回限定の確変状態(確変状態A)において、再度大当たりに当選した場合における演出態様を示した図である。潜確状態における大当たりの次の特別図柄の抽選でも大当たりに当選した場合は、冒険者のキャラクタ801が追加で怪獣のキャラクタ811に対して斬撃を加えることにより、斬撃の軌跡がクロスする表示態様に更新される。また、表示領域HR12の文字が「2連撃」に更新される。これらの表示内容により、3連撃のうち2連撃まで達成することができたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、2連撃目に成功して、大当たり終了後に再度確変状態Aが設定され、当該確変状態Aの1回の時短回数の間において、前回(2連撃目)の確変状態Aの間に貯めておいた第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選で再度大当たりに当選した場合は、3連撃目の斬撃を怪獣のキャラクタ811に放つことで怪獣のキャラクタの討伐に成功する演出が実行されて、連荘モード(RUSH)への移行が報知される。このように、複数の遊技状態および大当たり状態をまたいで一連の演出(連撃演出)を実行する構成とすることにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第14実施形態における電気的構成>
次に、図310から図312を参照して、本第14実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第14実施形態におけるROM202は、上述した第12実施形態におけるROM202の構成(図279(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202a、時短付与テーブル202e、変動パターンテーブル202d、および変動パターンシナリオテーブル202gaの構成が一部変更となっている。まず、図310(a)を参照して、本第14実施形態におけるROM202に設けられている第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明を行う。図310(a)は、本第14実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図310(a)に示した通り、本第14実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、第12実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の高確率状態(確変状態)において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、が規定されている。
具体的には、図310(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~24」の25個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~24」の25個であるので、通常状態や時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、1/40(25/1000)である。
また、図310(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~226」の227個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「0~226」の227個であるので、確変状態や潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/4.4(227/1000)である。
次に、図310(b)を参照して、本第14実施形態におけるROM202に設けられている時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、第12実施形態における時短付与テーブル202eと同様に、大当たり終了後の時短回数を、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するために参照されるデータテーブルである。なお、本第14実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、第12実施形態における大当たりA12と同一の4ラウンド確変大当たりである大当たりA14のみが設けられている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、それぞれ第12実施形態における大当たりB12~D12と同一の16ラウンド、8ラウンド、および4ラウンド確変大当たりである大当たりB14~D14が設けられている。なお、大当たり終了後の確変回数については、第12実施形態における3回から4回へと増加されている。これは、特別図柄の確変状態における大当たり確率が第12実施形態から低下したことに対するバランスを取る趣旨である。
図310(b)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりA14」に対しては、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定され、時短状態で当選した「大当たりA14」に対しては、時短付与回数として「39回」が対応付けて規定され、潜確状態および確変状態で当選した「大当たりA14」に対しては、時短付与回数として「1回」が対応付けて規定されている。「大当たりA14」に当選すると確変回数として4回が設定されるため、通常状態において「大当たりA14」に当選すると、大当たり終了後4回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、潜確状態となり、4回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、時短状態において「大当たりA14」に当選すると、大当たり終了後4回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、5回目から39回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、39回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。更に、確変状態や潜確状態において「大当たりA14」に当選すると、大当たり終了後1回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、1回目から4回目の特別図柄の抽選に渡って潜確状態となり、4回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。
また、図310(b)に示した通り、通常状態で当選した「大当たりB14」~「大当たりD14」(第2特別図柄の大当たり)に対しては、時短付与回数として「0回」が対応付けて規定され、時短状態、および確変状態で当選した「大当たりB14」~「大当たりD14」(第2特別図柄の大当たり)に対しては、時短付与回数として「39回」が対応付けて規定され、潜確状態で当選した「大当たりB14」~「大当たりD14」に対しては、時短付与回数として「1回」が対応付けて規定されている。「大当たりB14」~「大当たりD14」のいずれかに当選した場合も、確変回数として4回が設定されるため、通常状態において「大当たりB14」~「大当たりD14」のいずれかに当選すると、大当たり終了後4回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、潜確状態となり、4回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。また、時短状態若しくは確変状態において「大当たりB14」~「大当たりD14」のいずれかに当選すると、大当たり終了後4回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、5回目から39回目の特別図柄の抽選に渡って時短状態となり、39回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。更に、潜確状態において「大当たりB14」~「大当たりD14」のいずれかに当選すると、大当たり終了後1回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、確変状態となり、1回目から4回目の特別図柄の抽選に渡って潜確状態となり、4回の特別図柄の抽選が終了すると、通常状態となる。
次に、本第14実施形態におけるROM202に設けられている変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。図310(c)は、本第14実施形態における変動パターンテーブル202dの構成を示したブロック図である。図310(c)に示した通り、本第14実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常モードにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターンを選択する際に参照される通常モード用テーブル202dj1と、チャンスモードにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターンを選択する際に参照されるチャンスモード用テーブル202dj2と、連荘モードにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターンを選択する際に参照される連荘モード用テーブル202dj3と、の3つのデータテーブルで構成されている。まず、図311(a)を参照して、通常モード用テーブル202dj1の詳細について説明する。
図311(a)は、通常モード用テーブル202dj1の規定内容を示した図である。図311(a)に示した通り、本第14実施形態における通常用テーブル202dj1では、図柄種別によらず、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140~149」の範囲に変動時間が10秒の長外れが対応付けて規定され、「150~179」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチが対応付けて規定され、「180~198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチが対応付けて規定されている。
また、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチが対応付けて規定され、「30~189」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に変動時間が90秒のスペシャルリーチが対応付けて規定されている。
次に、図311(b)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの一種であるチャンスモード用テーブル202dj2の詳細について説明する。図311(b)は、このチャンスモード用テーブル202dj2の規定内容を示した図である。図311(b)に示した通り、このチャンスモード用テーブル202dj2には、特別図柄の種別によらず、「外れ」の抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1が取り得る全範囲に変動時間が10秒の外れ特殊変動のみが対応付けて規定されている。また、「大当たり」の抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1が取り得る全範囲に変動時間が5秒の当たり特殊変動のみが対応付けて規定されている。このため、時短状態の間に特別図柄の抽選が実行されると、外れの場合は必ず変動時間が10秒間に設定され、当たりの場合は変動時間が必ず5秒間に設定される。なお、当たりの場合と外れの場合とで変動時間を異ならせているのは、本第13実施形態では、大当たりのオープニング期間も用いて連撃演出を実行する構成としているためである。即ち、大当たり期間の一部も用いて連撃演出を実行することにより、当たり遊技の間に連撃が途切れてしまったかのように遊技者に感じさせてしまうことを抑制する趣旨である。なお、連荘モード用テーブル202dj3については、第12実施形態における確変・時短用テーブル202id2と同一の内容であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図312を参照して、本第14実施形態におけるROM202を構成するデータテーブルの一種である変動パターンシナリオテーブル202gaの詳細について説明を行う。図312は、この変動パターンシナリオテーブル202gaの規定内容を示した図である。この変動パターンシナリオテーブル202gaは、第12実施形態における変動パターンシナリオテーブル202gaと同様に、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターンテーブルの種別との対応関係(変動パターンシナリオ)を選択するために参照されるデータテーブルである。
図312に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA14であり、当選時の遊技状態が時短状態以外の遊技状態(通常状態、潜確状態、または確変状態)であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~4回の範囲においてチャンスモード用テーブル202dj2が参照され、5回以降は通常モード用テーブル202dj1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
また、図312に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA14であり、当選時の遊技状態が時短状態であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~39回の範囲において連荘モード用テーブル202dj3が参照され、40回以降は通常モード用テーブル202dj1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
また、図312に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB14~D14のいずれか(第2特別図柄の大当たり)であり、当選時の遊技状態が通常状態、または潜確状態であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~4回の範囲においてチャンスモード用テーブル202dj2が参照され、5回以降は通常モード用テーブル202dj1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
更に、図312に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB14~D14のいずれか(第2特別図柄の大当たり)であり、当選時の遊技状態が時短状態、または確変状態であるという状況に対しては、大当たり後の特別図柄の抽選回数が1~39回の範囲において連荘モード用テーブル202dj3が参照され、40回以降は通常モード用テーブル202dj1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
この変動パターンシナリオテーブル202gaを参照して変動パターンシナリオを予め設定しておくことにより、特別図柄の抽選時においていずれの変動パターンテーブルを選択するかを判別する処理を省略することができるので、特別図柄の抽選を実行する際の処理負荷を軽減させることができる。
次に、図313を参照して、本第14実施形態における状態の移行方法について説明する。図313は、通常モード以外のモードにおける状態の移行方法を示した図である。なお、通常モード(通常状態)に関しては、単に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に必ずチャンスモード(潜確状態)へと移行し、その他の方法では他の状態に移行し得ないという単純な状態移行方法となる。
図313に示した通り、チャンスモードは、2種類の遊技状態によって構成されている。具体的には、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定され、基本的に左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する潜確状態と、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、第1特別図柄若しくは第2特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させることで遊技を進行する確変状態Aと、の2種類の遊技状態で構成されている。
図313に示した通り、潜確状態から他の状態には、特別図柄の抽選で大当たりになった場合、および確変回数を経過させた場合に移行する可能性がある。具体的には、潜確状態において確変回数(ST回数)の4回が経過すると、通常状態(通常モード)へと移行する。一方、潜確状態における確変回数の範囲内で大当たりに当選すると、大当たり終了後に確変状態A(時短回数が1回の確変状態)へと移行する。
また、図313に示した通り、チャンスモードにおける確変状態Aから他の状態へは、時短回数を経過させた(時短回数の間の特別図柄の抽選が全て外れになった)場合、および大当たりに当選した場合に移行する可能性がある。具体的には、確変状態Aにおいて時短回数の間に実行される特別図柄の抽選が外れとなった場合、潜確状態へと移行する。一方、確変状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の状態が遊技者に有利な連荘モードに設定される。これに対して、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態Aに設定される。
ここで、確変状態Aへと移行するためには、まず、第2入球口6450へと遊技球が入球し難い潜確状態において大当たりに当選する必要があるため、チャンスモードにおいて最初に移行した確変状態A(初回の確変状態A)においては、第2特別図柄の保留球を所持していない可能性が高い。一方、潜確状態において大当たりに当選し、大当たり中に右打ちを行うと右第1入球口64bにも遊技球が入球するため、初回の確変状態Aにおいては、第1特別図柄の保留球を1個以上所持している可能性が高い。このため、初回の確変状態Aでは、第1特別図柄の抽選が実行される。よって、初回の確変状態Aにおいて大当たりに当選したとしても、再度確変状態Aに設定される(連荘モードへと移行させることができない)。一方で、初回の確変状態Aにおいて小表示領域Dm2の表示内容に従って右打ちを行っていれば、初回の確変状態Aにおける第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間に第2特別図柄の保留球を獲得することができる。そして、本第14実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選を優先的に実行させる構成としているため、初回の確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したことに基づいて再度設定された確変状態A(2回目の確変状態A)では、第2特別図柄の抽選を実行させることができる。この第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することにより、大当たり終了後に遊技者に有利な連荘モードへと移行させることができる。即ち、チャンスモードにおいては、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、初回の確変状態Aにおいて実行される1回の第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、更に、2回目の確変状態Aにおいて実行される1回の第2特別図柄の抽選で大当たりに当選しなければ、連荘モードへと移行させることができない。言い換えれば、チャンスモードにおいて3回連続で大当たりに当選しなければ、連荘モードへと移行しないように構成している。よって、大当たりに当選するタイミングによって有利度合いが劇的に変化する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図313に示した通り、連荘モードは、2種類の遊技状態によって構成されている。具体的には、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、基本的に右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する確変状態Bと、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定され、基本的に右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する時短状態と、の2種類の遊技状態で構成されている。
図313に示した通り、確変状態Bから他の状態には、確変回数(ST回数)が経過した場合にのみ、移行する可能性がある。具体的には、確変回数(4回)が経過すると、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態に切り替わることで、時短状態となる。これに対し、確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後に再度、確変状態Bが設定される。即ち、連荘モードが設定される。よって、確変状態Bにおいては、確変回数(ST回数)が経過するよりも前に大当たりに当選した方が遊技者にとって有利となる。
また、図313に示した通り、時短状態から他の状態には、時短回数を経過した場合、および第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に移行する可能性がある。より具体的には、時短回数(35回)が経過すると、普通図柄の時短状態が終了されて通常状態(通常モード)に移行する。これに対し、時短回数が経過するよりも前に第2特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後の状態が確変状態Bに設定される。よって、時短状態においても、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することを期待させる遊技性を実現することができる。
次に、図314を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図314は、RAM223の構成を示したブロック図である。図314に示した通り、本第14実施形態におけるRAM223は、上述した第12実施形態におけるRAM223の構成(図285(b)参照)に対して、連撃カウンタ223jaが追加されている点、および回避率格納エリア223iaが削除されている点で相違している。
連撃カウンタ223jaは、連撃演出(図309参照)における連撃回数をカウントするためのカウンタである。この連撃カウンタ223jaは、チャンスモードにおいて大当たりが連続する毎に値が1ずつ加算されて更新され(図315のS2955,S2962参照)、大当たりの連続が途切れた(特別図柄の抽選で外れになった)場合に値が0にリセットされる(図315のS2961参照)。
<第14実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図315を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明をする。本第14実施形態では、上述した第12実施形態に対して、演出設定処理12(図293参照)に代えて演出設定処理14(S2861)を実行する点でのみ相違している。この演出設定処理14の詳細について、図315を参照して説明する。図315は、演出設定処理14(S2861)を示したフローチャートである。
演出設定処理14(S2861)では、まず、遊技状態格納エリア223fのデータを参照して遊技状態を特定する(S2951)。次に、S2951の処理において特定した遊技状態が潜確状態であるか否かを判別し(S2952)、潜確状態であると判別した場合は(S2952:Yes)、今回開始させる変動表示が、大当たり変動であるか否かを判別する(S2953)。S2953の処理において、大当たり変動であると判別した場合には(S2953:Yes)、連撃演出の開始(図309(a)参照)を設定し(S2954)、連撃カウンタ223jaの値に1を設定して(S2955)、本処理を終了する。一方、S2953の処理において、今回の変動表示が大当たり変動ではないと判別した場合には(S2953:No)、外れ用の演出態様を設定して(S2956)、本処理を終了する。
一方、S2952の処理において、遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合には(S2952:No)、次いで、遊技状態が確変状態Aであるか否かを判別する(S2957)。S2957の処理において、遊技状態が確変状態Aではないと判別した場合には(S2957:No)、遊技状態と抽選結果とに応じた変動パターン演出の演出態様を設定し(S2958)、本処理を終了する。一方、S2957の処理において、遊技状態が確変状態Aであると判別した場合には(S2957:Yes)、S2959の処理に移行する。
S2959の処理では、今回の変動が大当たり変動であるか否かを判別し(S2959)、大当たり変動ではないと判別した場合には(S2959:No)、外れ用の演出態様を設定し(S2960)、連撃カウンタ223jaの値を0にリセットして(S2961)、本処理を終了する。一方、S2959の処理において今回の変動が大当たり変動であると判別した場合には(S2959:Yes)、連撃カウンタ223jaの値に1を加算して更新し(S2962)、今回の大当たりが第1特別図柄の大当たり変動であるか否かを判別する(S2963)。S2963の処理において、今回の大当たり変動が第1特別図柄の大当たり変動であると判別した場合には(S2963:Yes)、S2962の処理で更新した連撃カウンタ223jaの値に対応する連撃演出を設定し(S2964)、本処理を終了する。一方、今回の大当たり変動が第1特別図柄の大当たり変動ではない(第2特別図柄の大当たり変動である)と判別した場合には(S2963:No)、敵を撃破する態様の連撃演出を設定し(S2965)、本処理を終了する。この演出設定処理14(図315参照)を実行することで、連撃演出の連撃数を正確に更新することができる。
以上説明した通り、本第14実施形態におけるパチンコ機10では、チャンスモードに移行してからチャンスモードが終了する(通常モードに転落する)までの間に、特定回数(3回)の特別図柄の抽選に渡って連続して大当たりに当選することにより、遊技者にとって有利な連荘モードへと移行し易くなるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するタイミングによって展開(有利度合い)を左右するという、斬新な遊技性を実現することができる。即ち、1のチャンスモードにおいて同一回数(例えば、5回)の大当たりに当選したとしても、抽選結果が大当たりと外れとを交互に繰り返した後で4回連続で外れになった場合には、チャンスモードにおいて計14回の特別図柄の抽選を実行させても連荘モードへと移行させることができない一方で、3回の外れと1回の大当たりとを3回繰り返した後で、その後更に2回連続で大当たりに当選した場合には、チャンスモードにおいて14回の特別図柄の抽選を実行させた後で連荘モードへと移行させることができる。つまり、チャンスモードにおいて全く同じ抽選回数、および大当たり回数になったとしても、連荘モードへと移行する場合と、しない場合とを設けることができるので、大当たり当選のタイミングによって有利度合いを大幅に異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第14実施形態では、チャンスモードへと移行した後で3回の特別図柄の抽選に渡って連続して大当たりに当選した場合に、有利な連荘モードへと移行し易くなるように構成していたが、連荘モードへと移行させるために必要となる連荘回数は3回に限られるものではなく、任意に定めてもよい。具体的には、例えば、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになることで高い割合で連荘モードへと移行するように構成することにより、チャンスモードにおいて2回連続で大当たりになることで連荘モードへと移行し易くなる遊技性を実現することができる。これにより、連荘モードへと移行させることが比較的容易となるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、逆に、大当たりの連続回数を多くするように構成すれば、連荘モードへと移行させることに対する困難性が上昇するため、連荘モードへと移行させることができた場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。なお、大当たりの連続回数を増加させる方法としては、例えば、確変リミット回数を特定回数(例えば、5回)に設定した上で、通常状態、および潜確状態において大当たりに当選すると、大当たり終了後に確変回数が1回の潜確状態へと移行し、潜確状態において特別図柄の抽選で外れになった場合に通常状態へと移行するように構成してもよい。そして、潜確状態の連続回数が確変リミット回数に到達した場合に、時短状態が付与されるように構成してもよい。そして、時短回数内に大当たり当選した場合は、大当たり終了後に再度普通図柄の時短状態に設定される(確変リミット回数内では確変回数が1回の確変状態の後で時短状態へと移行し、確変リミット回数に到達した場合は大当たり終了後直接時短状態へと移行する)ように構成してもよい。この場合において、例えば、低確率状態における大当たり確率を1/20、高確率状態における大当たり確率を1/2、時短回数を20回に設定しておけば、通常状態において1/20の大当たりに当選した後、5回連続で潜確状態における1/2の大当たりに当選することにより、有利な連荘モードへと移行させることができる。つまり、通常状態から考えると、1/640の確率(1/20×1/2×1/2×1/2×1/2×1/2)で連荘モードへと移行するため、大当たり確率としては比較的高いものの、連荘モードへと移行させることが比較的困難な遊技性となる。一方で、一旦時短回数が設定されると、連荘モードにおいて確変リミット回数に到達していない状況で大当たりに当選した場合は、1回の確変状態の後で19回の時短状態が設定され、確変リミット回数に到達している状況で大当たりに当選した場合は、20回の時短状態が設定されるので、前者の場合は大当たりに当選する割合が約82%、後者の場合でも約64%と、非常に高い割合で大当たりと連荘モードとを繰り返す有利な状態を形成する。よって、連荘モードへと移行した場合における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、確変リミット回数を異ならせることで、連荘モードへと移行させるために必要な大当たりの連続回数を任意に設定することができる。
本第14実施形態では、確変状態Aにおける時短回数を1回に限る構成としていたが、これに限られるものではなく、任意に定めてもよい。つまり、チャンスモードにおいて、1度大当たりに当選してから、大当たり終了後に設定される遊技状態(確変状態A)が終了するよりも前に大当たりに当選するという動作を2回繰り返すことで連荘モードへと移行するように構成してもよい。このように構成することで、大当たりが特定回数(3回)の特別図柄の抽選に渡って連続した場合にのみ連荘モードへと移行する場合よりも、連荘モードへの移行し易さを向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第14実施形態では、チャンスモードにおいて潜確状態で第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、確変状態Aで第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、更に、確変状態Aで第2特別図柄の抽選で大当たりとなることにより連荘モードへと移行可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになると通常モードへと移行してしまう一方で、確変状態Aにおいて1以上の第2特別図柄の保留球を所持した状態で第2特別図柄の抽選で外れとなって潜確状態へと移行し、潜確状態において第2特別図柄の保留球に基づく抽選(判別)で大当たりに当選することにより連荘モードへと移行可能に構成してもよい。このように構成することで、同一の確変状態Aにもかかわらず、大当たりに当選した方が有利になる場合と、大当たりに当選しない方が有利になる場合とを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第15実施形態>
次に、図316から図335を参照して、第15実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成し、時短状態として、第1特別図柄の変動時間よりも、第2特別図柄の変動時間の方が短い時間に設定され易い時短状態(即ち、第2特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、第1特別図柄の変動時間のほうが、第2特別図柄の変動時間よりも短い時間に設定され易い時短状態(即ち、第1特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、設ける構成としていた。
これに対して第15実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態における第1特別図柄の変動時間が、必ず第2特別図柄の変動時間よりも長くなるように構成した。そして、第2特別図柄の抽選が実行されると、必ず大当たり若しくは小当たりのどちらかに当選するように構成し、第2特別図柄の小当たりになると、ほぼ確実にV入賞を発生させて大当たりに当選させることが可能となるように構成している。即ち、第2特別図柄の抽選が実行されると、ほぼ大当たりとなることが確定するように構成している。一方で、本第15実施形態では、第4実施形態におけるパチンコ機10に比較して、普通図柄の時短状態において第2入球口6450に付随する電動役物が開放され難くなるように構成している。具体的には、普通図柄の当たりに当選した場合における変動時間として、40秒という比較的長い変動時間が設定されるように構成し、更に、時短状態における時短回数を1回に設定している。つまり、時短状態の間に普通図柄の当たりになったとしても、普通図柄の当たり変動が終了するよりも前に時短状態が終了する可能性が高くなるように構成している。そして、普通図柄の通常状態において普通図柄の当たりが開始された場合には、遊技球を入球させることが極めて困難となる(0.2秒間のみ開放される)開閉パターンで電動役物6450aが開閉されるように構成している。このため、本第15実施形態では、時短状態の間に再度大当たりに当選させるためには、時短状態が開始されるよりも前に普通図柄の当たりに当選し、時短状態の間に当り変動の変動時間を経過させる必要がある。つまり、時短状態が付与される大当たり遊技の実行期間中に普通図柄の当たりに当選することにより、大当たり終了後の時短状態において普通図柄の当たりを開始させて、当該普通図柄の当たり遊技中に遊技球を第2入球口6450へと入球させることができる。言い換えれば、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりに当選することにより、次の大当たりが確定するという、極めて斬新な遊技性を実現している。
この第15実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図316を参照して、本第15実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図316は、本第15実施形態における遊技盤13の正面図である。図316に示した通り、本第15実施形態における遊技盤13では、可変入賞装置65の位置が左方向に移動されている。即ち、右打ちにより発射された遊技球が可変入賞装置65へと入球し得なくなるように構成されている。つまり、本第15実施形態では、可変入賞装置65へと遊技球を入球させるためには、左打ちにより遊技球を発射する必要がある。本第15実施形態における可変入賞装置65は、所定の大当たり(第2特別図柄の直当たり、若しくはV当たり)における一部のラウンドで開放され、ラウンド開始から30秒が経過するか、10個以上の遊技球の入球を検出した場合に閉鎖される。
また、図316に示した通り、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路の構成が第4実施形態から変更となっている。より具体的には、図316に示した通り、可変表示装置ユニット80における上流側にスルーゲート67が移動されており、スルーゲート67の下流に第2入球口6450が設けられている。そして、第2入球口6450に対して正面視下方に第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64bが設けられ、これらの下流側にV入賞装置650が設けられている。これらのスルーゲート67、第2入球口6450、右第1入球口64b、およびV入賞装置650は、全て、右打ちを行った遊技球のみが入球し得るように構成されている。なお、本第15実施形態におけるV入賞装置650は、小当たり遊技の実行中のみならず、大当たり遊技における所定のラウンドでも開放され得るように構成している。即ち、本第15実施形態におけるV入賞装置650は、小当たり遊技においてV入賞の有無によって大当たりを抽選するための抽選装置としての役割と、大当たり遊技において賞球を払い出す契機となる大入賞口としての役割とを兼用している。なお、本第15実施形態におけるV入賞装置650は、全ての大当たりにおける残りのラウンド数が6ラウンド以下のラウンドにおいて開放される。このV入賞装置650は、ラウンドの開始から0.5秒間が経過するか、10個の遊技球が入球することにより閉鎖される。0.5秒間の間に10個の遊技球を入球させることは不可能(困難)であるため、大当たりにおける後半6ラウンドを0.5秒間で終了させることができる。詳細については後述するが、これは、特定入賞口65aが開放される最後のラウンドが終了してから(または、大当たりのオープニング期間が開始されてから)、大当たりのエンディング期間が終了するまでの期間を丁度40秒間に調節するためである。
なお、第1実施形態等において既に説明したが、V入賞装置650の開閉扉650f1の上面には、遊技球の流下を遅延させるための遅延機構が形成されている(図7参照)。このため、オープニング期間やインターバル期間の間に右打ちを行うことにより、次のラウンド開始時に複数の遊技球が開閉扉650f1の上面を流下中の状態にすることができる。これにより、ラウンドが開始されて開閉扉650f1が開放されるのとほぼ同時に、開閉扉650f1の上面を流下中だった複数の遊技球をV入賞装置650へと入球させることができる。よって、大当たりの各ラウンドにおいて比較的短い開放期間(0.5秒間)が設定されたとしても、各ラウンドにおいてある程度(5個前後)の遊技球をV入賞装置650へと入球させることができる。よって、V入賞装置650の開閉扉650f1が開放されるラウンド(大当たりの後半6ラウンド)の有利度合いが低くなり過ぎてしまうことを抑制することができる。
また、盤面右側に右第1入球口64bが設けられていることにより、大当たり中や普通図柄の時短状態が設定される遊技状態において右打ちを行った場合、右第1入球口64bへも遊技球が入球するため、右打ちを継続して行っているだけで第1特別図柄の保留球を増加させることができる。なお、右打ちにより発射された遊技球が右第1入球口64bへと入球する割合(例えば、20球に1球の割合)は、左打ちにより発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合よりも低くなる(例えば、40球に1球の割合)ように構成されている。よって、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態)では、左打ちにより遊技を行わせることができる。また、V入賞装置650が盤面右側に設けられていることにより、大当たり遊技の実行中に賞球を獲得したいと考える遊技者に対して右打ちを行わせることができる。これにより、大当たり遊技の実行中に右第1入球口64にも遊技球を入球させることができる。このため、大当たり終了後に時短状態が付与される場合は、時短状態に移行したと同時に、大当たり遊技中に保留された第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の抽選を開始させることができる。
ここで、本第15実施形態では、時短状態における第1特別図柄の変動時間を40秒間に固定化している。そして、上述した通り、時短状態の時短回数は1回に固定化されており、且つ、普通図柄の当たりとなった場合における普通図柄の変動時間が40秒間に設定されるように構成している。よって、時短状態が開始された直後に右打ちにより発射された遊技球がスルーゲート67を通過して普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりが開始されるよりも前に第1特別図柄の変動(時短状態における1回目(最後)の変動)が終了するため、普通図柄の当たりの開始が通常状態に移行した後となる。つまり、時短状態の間に普通図柄の当たりに当選したとしても、第2入球口6450へと遊技球を入球させることが困難となる。よって、時短状態へと移行するよりも前の大当たり遊技中に普通図柄の当たりに当選させて、時短状態中に電動役物6450aを開放させることを目指すという斬新な遊技性を実現することができる。なお、本第15実施形態では、第1特別図柄の大当たり遊技の期間も40秒間に固定化されるように制御している。このため、第1特別図柄の大当たりの実行期間中に普通図柄の当たりとなった場合は、確実に、大当たり終了後の時短状態の間に普通図柄の当たりを開始させることができる。つまり、大当たり中に普通図柄の当たりとなることで、実質的に次回の大当たりが確定する(大当たり又は小当たりが確定する第2入球口6450へと遊技球を容易に入球させることができる)という斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図317から図319を参照して、本第15実施形態における特徴的な演出態様について説明する。まず、図317(a)を参照して、本第15実施形態における第1特別図柄の大当たり遊技中において実行されるストックタイム演出について説明する。上述した通り、本第15実施形態では、第1特別図柄の大当たり遊技の実行期間、大当たりが終了してから時短状態が終了するまでの間の期間(第1特別図柄の変動時間)、および普通図柄の当たり時における普通図柄の変動時間を、全て40秒間に固定化する構成とすることで、大当たり中に普通図柄の当たりとなった場合にのみ、時短状態中に普通図柄の当たり遊技が開始されることで電動役物6450aに対して比較的長い開放期間(2秒間×2回)が設定され、第2入球口6450へと遊技球を入球させることが可能となるように構成している。そして、第2入球口6450へと遊技球を入球させて第2特別図柄の抽選が実行されると、実質的に大当たりが確定するように構成している。つまり、大当たり遊技の実行期間中に普通図柄の当たりに当選した場合に、実質的に大当たりが確定するように構成している。このため、本第15実施形態では、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりに当選したか否かを示唆することが可能な興趣演出(ストックタイム演出)を実行する構成としている。
図317(a)は、第1特別図柄の大当たり遊技中に実行されるストックタイム演出の演出態様(表示態様)を示した図である。図317(a)に示した通り、ストックタイム演出では、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ801が鍵を集める(ストックする)演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上方の表示領域HR6に対して、「ストックタイム」という文字と、ストックタイム(大当たり)が終了するまでの残り時間を示す文字(例えば、「残り35:00」という文字)が表示される。更に、主表示領域Dmにおける右側には、冒険者のキャラクタ801が獲得した鍵を表示するための4つの表示領域HR1~HR4が形成される。加えて、復表示領域Dsに対して、「右打ちで鍵を貯めwるんだ!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、継続して右打ちを行うことにより鍵を集めることができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第15実施形態では、4つの鍵を獲得可能に構成されており、獲得されたそれぞれの鍵が各表示領域HR1~HR4に1つずつ表示される。ここで、鍵は時間経過に応じて獲得されるように構成されており、大当たり開始後(ストックタイム演出開始後)5秒経過時、15秒経過時、25秒経過時、および35秒経過時にそれぞれ1つずつ獲得される。この鍵の表示態様によって、大当たり中に普通図柄の当たりに当選したか否かの期待度(普通図柄の当たり変動の実行中であるか否か)を示唆可能に構成されている。つまり、ストックタイム開始後5秒経過時、15秒経過時、25秒経過時、35秒経過時にそれぞれ普通図柄の当たり変動中であるか否かを判別して、当該判別結果に応じて獲得される鍵の態様を選択するように構成されている。これにより、遊技者に対して鍵の態様に注目して遊技を行わせることができるので、大当たり遊技の実行中における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
次に、図317(b)、および図318を参照して、本第15実施形態における時短状態中の演出態様について説明する。まず、図317(b)を参照して、時短状態が開始された直後における演出態様(第3図柄表示装置81の表示態様)について説明する。図317(b)に示した通り、大当たり終了後に時短状態に移行すると、大当たり遊技の実行中に貯めた4つの鍵を使用して扉TGの突破に挑戦する演出が実行される。より具体的には、図317(b)に示した通り、冒険者のキャラクタ801が扉TGを発見する演出が実行されると共に、表示領域HR6に対して、「ストックした鍵で扉を突破するんだ!!」という文字が表示される。また、使用する鍵を遊技者に示すための矢印を模した矢印画像YG2が表示領域HR1~HR4のいずれかの左側に表示される。図317(b)では、表示領域HR1の左側に矢印画像YG2が表示された状態を例示している。また、副表示領域Dsに対して、「扉突破でボーナス確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、直前の大当たり(ストックタイム演出)において集めた4つの鍵を用いて扉を突破することができれば大当たりになるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、この扉突破演出では、基本的に、鍵1個当たり10秒間の演出期間で扉TGの突破に成功するか否かの演出が実行される。即ち、鍵を4つ使い切るのに40秒間(時短状態が終了するまでの期間)を要するように構成されている。これにより、時短状態が終了するまでの40秒間を効率よく使用して演出を実行することができる。
次に、図318(a)を参照して、時短状態中に普通図柄の当たりが開始される場合における表示態様について説明する。図318(a)に示した通り、直前の大当たりの実行期間中に普通図柄の当たりとなったことにより、時短状態中に普通図柄の当たり変動時間が経過して普通図柄の当たりが開始される場合は、鍵を使用することで扉TGが開放される演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「突破成功!!右打ちでボーナスをGETしろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、普通図柄の当たりに当選して第2入球口6450が開放されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図318(b)は、右打ちにより第2入球口6450へと遊技球を入球させて小当たりに当選し、当該小当たり遊技において開放されたV入賞装置650へと遊技球を入球させた(V入賞を発生させた)場合における表示態様の一例を示した図である。図318(b)に示した通り、時短状態においてV入賞が発生すると、開放された扉TGの奥から同一の数字を模した図柄(例えば、「3」を模した図柄)が3つ揃ってせり出してくる演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり(V当たり)に当選したということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、第2特別図柄の小当たりとなった時点で、第2特別図柄が小当たり図柄で停止表示されると共に、第1特別図柄が外れ図柄で強制停止される。よって、小当たり当選の時点で、特図1変動表示領域Dm1aには、外れを示す第3図柄(例えば、「3」,「6」,「2」)が停止表示され、特図2変動表示領域Dm1bには、小当たり図柄を示す第3図柄(例えば、「3」,「4」,「1」)が停止表示された状態となる。
次に、図319を参照して、時短状態中にV当たり(または第2特別図柄の直当たり)に当選した場合における表示態様について説明する。ここで、V当たりになると、前半のラウンド(残りのラウンド数が6ラウンドになるまで)の間、可変入賞装置65の特定入賞口65aが開放され、後半のラウンド(残りのラウンド数が6ラウンド以下のラウンド)ではV入賞装置650が開放されるように構成されている。図319は、V当たりの前半における表示態様を示した図である。
V当たりの前半(残りのラウンド数が6ラウンドになるまでのラウンド)では、盤面左側に設けられている可変入賞装置65の特定入賞口65aが開放される。よって、図319に示した通り、小表示領域Dm2には、遊技者に対して左打ちにより可変入賞装置65に向けて遊技球を発射させるために、「左打ち」という文字が表示される。また、冒険者のキャラクタ801が財宝の詰まった宝箱802を発見して歓喜する演出が実行される。そして、表示領域HR6に対して、「右打ちまで残り4R」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス」という文字が表示される。これらの表示内容により、左打ちによって特定入賞口65aへと遊技球を入球させることで多量の賞球を獲得することができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、V当たりの後半に突入する(残りのラウンド数が6ラウンドになる)と、第1特別図柄の大当たりと同様に、ストックタイム演出が実行され、各ラウンドでV入賞装置650が開放される。この後半6ラウンドの間に普通図柄の当たりに当選することにより、再度、時短状態中に電動役物6450aが開放されることにより実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させることができる。
このように、V当たり(または第2特別図柄の直当たり)に当選した場合には、前半において特定入賞口65aが最大30秒間開放されるため、左打ちを行うだけで毎ラウンドで容易に10個の遊技球を特定入賞口65aへと入球させることができる。よって、大当たりの前半において、多量の賞球を獲得させることができる。また、大当たりの前半において左打ちにより大当たり遊技を進行させる構成にすることで、スルーゲート67を遊技球が通過することを抑制することができる。つまり、40秒間固定のストックタイム演出の開始タイミングよりも前に普通図柄の当たり変動が開始されてしまう(ストックタイム演出中に普通図柄の当たりが開始されてしまう)ことを抑制することができる。つまり、無駄に普通図柄の当たりに当選してしまい、当該無駄な当たり変動の変動時間と、ストックタイム演出の演出期間とが重複する期間において、普通図柄の抽選が実行されない無駄な状況が発生してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。
次に、図320を参照して、第1特別図柄の大当たりにおいて開閉扉650f1に設定される開閉パターンについて説明する。図320は、開閉扉650f1の開閉動作の計時変化を示した図である。図320に示した通り、第1特別図柄の大当たりが開始されると、まず、3秒間のオープニング期間が設定され、その後、1ラウンド目の開始と共に開閉扉650f1が開放される。この開放状態は0.5秒間の間維持され、0.5秒経過時に閉鎖される。なお、0.5秒間が経過する前に10個の遊技球がV入賞装置650へと入球した場合には、開閉扉650f1が閉鎖されるが、0.5秒間で10個の遊技球を入球させることはほぼ不可能(困難)であるため、ほぼ全ての場合、0.5秒間が経過した時点で開閉扉650f1が閉鎖される。
図320に示した通り、1ラウンド目が終了すると、4.5秒間のインターバル期間を経て、2ラウンド目の開始と共に再度、開閉扉650f1が0.5秒間開放される。以降は、6ラウンドが終了するまでの間、0.5秒間の開放(ラウンド期間)と、4.5秒間の閉鎖(インターバル期間)とが繰り返され、6ラウンド目が終了すると、11.5秒間のエンディング期間が設定される。このエンディング期間が終了すると、大当たりが終了して時短状態に移行する。よって、第1特別図柄の大当たり期間は、毎回40秒間(オープニング3秒+0.5秒×6ラウンド+4.5秒×インターバル5回+エンディング11.5秒)に固定化される。これにより、第1特別図柄の大当たり中に普通図柄の当たりに当選し、40秒間の変動時間が設定された場合に、確実に、大当たりが終了した後の時短状態において普通図柄の当たりを開始させることができる。よって、大当たり中に普通図柄の当たりに当選することで実質的に次の大当たりが確定するという極めて斬新な遊技性を毎回の大当たりで確実に成立させることができる。
なお、第2特別図柄の直当たりや、V当たりにおいては、8ラウンド~14ラウンドのラウンド数が設定される。このうち、後半の6ラウンドでは、開閉扉650f1に対して第1特別図柄の大当たりと全く同一の開閉パターンが設定される。これにより、第2特別図柄の直当たりやV当たりにおいても、後半の6ラウンドにおいて、普通図柄の当たりに当選することで実質的に次の大当たりが確定する遊技性を確実に成立させることができる。
次に、図321を参照して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合における遊技の流れについて説明する。まず、図321(a)を参照して、大当たり中に普通図柄の当たりに当選しなかった場合における遊技の流れについて説明する。図321(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、第1特別図柄の大当たりが開始されると、当該第1特別図柄の大当たりが40秒間の固定期間で実行される。この第1特別図柄の大当たりの間は、演出態様として40秒間の演出期間のストックタイム演出(図317(a)参照)が実行される。そして、大当たりが終了して時短状態に突入すると、図321に示した通り、大当たり中に貯められた第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示が開始される。この第1特別図柄の変動時間は40秒間に固定化され、更に、時短状態は特別図柄の抽選が1回で終了されるので、時短状態は40秒間で終了する。
この40秒間の時短状態の間は、扉突破演出(図317(b)参照)が実行される。即ち、図321に示した通り、鍵を選択して扉TGの突破に挑む5秒間の演出と、扉TGの突破に失敗したことを報知する5秒間の演出表示態様とが4回(鍵4個分)繰り返されて、時短状態の終了と共に扉突破演出が終了される。このように、4回の演出に分けて普通図柄の当たりの有無を報知する構成としたことにより、時短状態中に複数回の特別図柄の変動表示が実行されたかのように遊技者に感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図321(b)を参照して、大当たり中に普通図柄の当たりに当選した場合における遊技の流れについて説明する。図321(b)は、大当たりの開始から18秒経過時に普通図柄の当たりに当選した場合の遊技の流れを示した図である。図321(b)に示した通り、大当たり開始後18秒経過時に普通図柄の当たりになると、40秒後である時短状態の開始から18秒経過時点で普通図柄の当たりが開始される。この場合、演出態様としては、1個目の鍵を選択して扉TGの突破に挑む5秒間の演出と、扉TGの突破に失敗したことを報知する5秒間の演出表示態様と、2個目の鍵を選択して扉TGの突破に挑む5秒間の演出と、扉TGの突破に成功したことを示す演出表示態様とが実行されて、普通図柄の当たり開始が報知される。つまり、時短状態が開始してから15秒が経過した直後に、扉TGが開放された様子(図318(a)参照)が表示される。これにより、電動役物6450aが開放されるよりも前に第2入球口6450を狙って遊技球を発射させることができるので、普通図柄の当たり期間中に確実に第2入球口6450へと遊技球を入球させることができる。
第2入球口6450へと遊技球が入球して第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりに当選してV入賞装置650の開閉扉650f1が開放され、遊技球をV入賞装置650へと入球させる(V入賞を発生させる)と、V当たりが開始される。このV当たりでは、大当たりの前半(残り7ラウンドまで)と、後半6ラウンドとで異なる演出態様が実行される。即ち、図321に示した通り、残り7ラウンドまではボーナス演出(図319参照)が実行され、残り6ラウンドになるとストックタイム演出が実行される。これにより、1の大当たりにおける前半では左打ちにより多量の賞球を獲得する遊技性を実現し、後半6ラウンドでは右打ちにより比較的少ない賞球を獲得しつつ普通図柄の当たりを目指す遊技性を実現することができる。即ち、1の大当たりの途中で異なる遊技性に切り替えることができるので、大当たり遊技の興趣をより向上させることができる。
なお、本第15実施形態では、ストックタイム演出中に普通図柄の当たりになったとしても、時短状態において実際に普通図柄の当たりが開始される直前まで当たりとなったことを報知しない(鍵の態様による示唆に留める)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり演出として、スルーゲート67を遊技球が通過した際の抽選で普通図柄の当たりに当選した場合に、即座に、普通図柄の当たりとなったことを報知するように構成してもよい。即ち、実質的に次の大当たりが確定しているということを遊技者が容易に理解できる態様の演出を、普通図柄の抽選で当たりに当選した時点において実行してもよい。このように構成することで、大当たり遊技の実行中における遊技者の興趣をより向上させることができる。
<第15実施形態における電気的構成>
次に、図322(a)を参照して、本第15実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図322(a)は、本第15実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図322(a)に示した通り、本第15実施形態におけるROM202は、上述した第4実施形態におけるROM202の構成(図128(a)参照)に対して、第1当たり乱数4テーブル202caに代えて第1当たり乱数テーブル202aが設けられている点、第1当たり種別選択4テーブル202cbに代えて第1当たり種別選択テーブル202bが設けられている点、変動パターン4テーブル202cdに代えて変動パターンテーブル202dが設けられている点、大当たり動作テーブル202ka、および普図変動パターンテーブル202kbが追加されている点、および第2当たり乱数テーブル202cの構成が一部変更となっている点で相違している。
まず、本第15実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。ここで、本第15実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第4実施形態における第1当たり乱数4テーブル202caと同様に、第1特別図柄の抽選において参照されるデータテーブル(特別図柄1乱数テーブル202a1)と、第2特別図柄の抽選において参照されるデータテーブル(特別図柄2乱数テーブル202a2)と、の2種類のデータテーブルで構成されている。まず、図323(a)を参照して、本第15実施形態における第1当たり乱数テーブル202aを構成する特別図柄1乱数テーブル202a1の詳細について説明する。
図323(a)は、特別図柄1乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図323(a)に示した通り、本第15実施形態における特別図柄1乱数テーブル202a1には、第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~3」の4つの乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が4個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/250(4/1000)である。
次に、図323(b)を参照して、第2特別図柄の抽選において参照される特別図柄2乱数テーブル202a2の詳細について説明する。図323(b)は、この特別図柄2乱数テーブル202a2の規定内容を示した図である。図323(b)に示した通り、本第15実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2には、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~3」の4つの乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「4~999」の996個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数、および小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ4個、および996個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/250(4/1000)であり、小当たりとなる確率は249/250(996/1000)である。つまり、本第15実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行されると、大当たり、若しくは小当たりのどちらかに当選する。そして、上述した通り、本第15実施形態における小当たりは、小当たり遊技中に継続的に右打ちを行うだけで容易にV入賞装置650へと遊技球を入球させてV入賞を発生させることができるように構成されている。言い換えれば、本実施形態における小当たりは、当選した時点で実質的にV入賞が確定するように構成されているので、本第15実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行されるだけで直当たり、若しくはV当たりが実質的に確定する。これにより、第2特別図柄の抽選が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。
このように、本第15実施形態では、通常状態においては左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで、1/250の確率の大当たりに当選することを期待させる遊技性となる一方で、時短状態においては、普通図柄の当たりとなって時短状態中に電動役物6450aが開放され、第2入球口6450へと遊技球が入球するだけで、実質的に大当たりが確定する遊技性となる。よって、遊技状態毎の有利度合いの差を大きくすることができるので、時短状態へと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図323(c)を参照して、本第15実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、第4実施形態における第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄の状態(普通図柄の通常状態、時短状態)毎に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図323(c)は、本第15実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。
図323(c)に示した通り、本第15実施形態における第2当たり乱数テーブル202cでは、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「5~204」の200個の乱数値が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が200個なので、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりとなる確率は1/1.2(200/240)である。
一方、図323(c)に示した通り、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「5~34」の30個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が30個なので、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりとなる確率は1/8(30/240)である。なお、上述した通り、本第15実施形態では、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりに当選した場合にのみ、大当たり終了後の時短状態において普通図柄の当たりを開始させることが可能に構成され、且つ、普通図柄の当たりが時短状態中に開始されることにより、実質的に大当たりが確定するように構成されている。そして、大当たり遊技の実行期間中は、普通図柄の低確率状態に設定される。このため、大当たり遊技中は、普通図柄の抽選が実行される毎に、実質的に1/8の確率で次の大当たりが確定するという斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図324(a)を参照して、本第15実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、上述した第4実施形態における第1当たり種別選択4テーブル202cbと同様に、大当たりに当選した場合に大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図324(a)は、本第15実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの構成を示したブロック図である。
図324(a)に示した通り、本第15実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、特別図柄の抽選で大当たりとなった(所謂、「直当たり」が発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するための直当たり用テーブル202bk1と、V入賞(小当たり遊技の実行中におけるV入賞装置650への入球)が発生したことに基づいて大当たりとなった場合に大当たり種別を特定(決定)するためのV当たり用テーブル202bk2と、が規定されている。まず、図324(b)を参照して、直当たり用テーブル202bk1の詳細について説明する。
図324(b)は、直当たり用テーブル202bk1の規定内容を示した図である。図324(b)に示した通り、本第15実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(第1特別図柄の直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の取り得る全範囲に対して、「大当たりA15」が対応付けて規定されている。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった(第2特別図柄の直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の取り得る全範囲に対して、「大当たりB15」が対応付けて規定されている。「大当たりA15」は、大当たりのラウンド数が6ラウンドであり、大当たり終了後に時短回数が1回の時短状態が付与される大当たり種別である。一方、「大当たりB15」は、大当たりのラウンド数が14ラウンドであり、大当たり終了後に時短回数が1回の時短状態が付与される大当たり種別である。よって、第1特別図柄の抽選で直当たりになるよりも、第2特別図柄の抽選で直当たりになった方がラウンド数の面で遊技者に有利となる。
なお、大当たりA15では、大当たりの全ラウンドにおいてV入賞装置650の開閉扉650f1が0.5秒間開放されると共に、大当たり開始から終了までの40秒間に渡ってストックタイム演出(図317(a)参照)が実行される。一方、大当たりB15では、大当たりの1~8ラウンドにおいて可変入賞装置65の特定入賞口65aが開放され、9~14ラウンドにおいてV入賞装置650の開閉扉650f1が開放される。特定入賞口65aが開放される前半8ラウンドが終了するまでの間は、ボーナス演出(図319参照)が実行され、8ラウンド終了時点で大当たり演出がストックタイム演出に切り替わる。よって、第1特別図柄の直当たりに当選した場合も、第2特別図柄の直当たりに当選した場合も、普通図柄の当たりとなることで次回の大当たり(大当たりの連チャン)が確定する遊技性を楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図324(c)を参照して、V当たり用テーブル202bk2の詳細について説明する。このV当たり用テーブル202bk2は、上述した通り、小当たり遊技においてV入賞が発生した(遊技球がV入賞装置650に入賞した)ことに基づいて実行される大当たりの種別を特定(選択)するためのデータが規定されたデータテーブルである。図324(c)は、このV当たり用テーブル202bk2の規定内容を示した図である。図324(c)に示した通り、V当たり用テーブル202bk2には、「大当たりC15」、「大当たりD15」、および「大当たりE15」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図324(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0~49」に対しては、「大当たりC15」が対応付けて規定されている。この「大当たりC15」は、大当たりのラウンド数が14ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数が1回の時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりC15」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も遊技者に有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC15」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が50個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりC15」が決定(選択)される割合は50%(50/100)である。
また、図324(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「50~69」の範囲に対して、「大当たりD15」が対応付けて規定されている。この「大当たりD15」は、大当たりのラウンド数が12ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数が1回の時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD15」は、「大当たりB15」や「大当たりC15」に次いでラウンド数が多く、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりB15」や「大当たりC15」に次いで有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD15」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が20個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりD15」が決定(選択)される確率(割合)は20%(20/100)である。
また、図324(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「70~99」の範囲に対して、「大当たりE15」が対応付けて規定されている。この「大当たりE15」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数が1回の時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりE15」は、最もラウンド数が少ない「大当たりA15」(第1特別図柄の直当たり)よりはラウンド数が多いが、V当たりの中では最もラウンド数が少ない(有利度合いが低い)大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE15」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が30個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりE15」が決定(選択)される確率(割合)は30%(30/100)である。
なお、「大当たりC15」~「大当たりE15」のいずれかに当選した場合も、「大当たりB15」(第2特別図柄の直当たり)に当選した場合と同様に、残りのラウンド数が6ラウンドになるまでは、特定入賞口65aが開放され、残り6ラウンド以下の場合にはV入賞装置650の開閉扉650f1が開放される。これに合わせて、大当たりの前半(残りのラウンド数が6ラウンドになるまで)の間は大当たり演出としてボーナス演出(図319参照)が実行され、残りのラウンド数が6ラウンドになった時点でストックタイム演出(図317(a)参照)に切り替えられる。これにより、V当たりに当選した場合も、大当たりの前半では左打ちによって多量の賞球を獲得する遊技性とし、後半6ラウンドにおいて普通図柄の当たりとなることで次の大当たりが確定する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図325(a)を参照して、本第15実施形態における変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。図325(a)は、本第15実施形態における変動パターンテーブル202dの構成を示したブロック図である。図325(a)に示した通り、本第15実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常状態(普通図柄の低確率状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に参照される通常用テーブル202dk1と、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に参照される時短用テーブル202dk2と、で少なくとも構成されている。ここで、通常用テーブル202dk1に関しては、第4実施形態における通常用変動パターンテーブル202cd1(図132参照)に対して、第2特別図柄の変動時間が変更されているのみである。より具体的には、第2特別図柄の変動時間は、後述する時短用テーブル202dk2を参照した場合と全く同一の変動パターン(変動時間)が選択される。よって、ここでは図示および詳細な説明については省略する。
次に、図325(b)を参照して、上述した時短用テーブル202dk2の詳細について説明する。図325(b)は、時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図である。図325(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が40秒間の外れ時短用変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が40秒間の当たり時短用変動が対応付けて規定されている。このため、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合には、抽選結果によらず、40秒間の変動時間が設定される。なお、上述した通り、本第15実施形態では、大当たり中に右打ちを行うことで、ほぼ、右第1入球口64bへと1個以上の遊技球が入球して第1特別図柄の保留球が貯まるように構成されているので、時短状態へと移行したと同時に第1特別図柄の40秒間の変動表示が実行される。そして、時短状態は特別図柄の抽選が1回実行されることにより終了するため、時短状態中における第1特別図柄の変動時間を40秒間に固定化することにより、時短状態を40秒間に固定化することができる。これにより、大当たりの残りラウンドが6ラウンドになってから大当たりが終了するまでの間(ストックタイム演出(図317(a)参照)の実行期間)の40秒間に普通図柄の当たりとなって40秒間の変動時間が設定された場合に、確実に、時短状態の間に普通図柄の当たりを開始させることができる。
また、図325(b)に示した通り、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ(小当たり)」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が1秒間の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が5秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。このため、時短状態において第2特別図柄の抽選が実行された場合には、1秒間、若しくは5秒間という比較的短い変動時間が設定される。これにより、普通図柄の当たり変動が終了してから大当たりが開始されるまでの期間を短くすることができる。なお、小当たり当選時の変動時間を、大当たり(直当たり)当選時の変動時間よりも短くしているのは、小当たり当選時は更に右打ちを行ってV入賞装置650へと遊技球を入球させなければ大当たり(V当たり)を開始させることができないため、そのタイムラグ分を加味して小当たり当選時と大当たり当選時とで同様の期間で大当たりが開始されるように構成する趣旨である。なお、上述した通り、第2特別図柄の変動時間は、通常状態(普通図柄の低確率状態)においても同一の時間が設定される。このため、普通図柄の当たりの開始タイミングが時短状態の終了間際(第1特別図柄の変動終了間際)となり、第2入球口6450への入球が通常状態へと移行した後であったとしても、時短状態中に第2入球口6450へと入球させて第2特別図柄の抽選が実行された場合と同様に、比較的短い変動時間を設定することができる。よって、大当たり中に普通図柄の当たりに当選させることができたにもかかわらず、第2特別図柄の変動時間としてロング変動が設定されてしまい、大当たりの開始までに長い時間を要してしまうという不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
次に、図326(a)を参照して、本第15実施形態におけるROM202を構成するデータテーブルの一種である大当たり動作テーブル202kaの詳細について説明する。この大当たり動作テーブル202kaは、大当たり種別毎の各大入賞口(可変入賞装置65、V入賞装置650)の動作や各ラウンド終了後に設定されるインターバル期間等が規定されているデータテーブルである。大当たり遊技の実行中は、この大当たり動作テーブル202kaと、大当たり種別とに応じて、開放させる大入賞口の種別やラウンド終了後のインターバル期間等が設定される。
図326(a)に示した通り、大当たりA15に対しては、V入賞装置650の開放ラウンドとして1~6ラウンド、開放期間として最大0.5秒間、インターバル期間として全ラウンド4.5秒間が対応付けて規定されている。これにより、大当たりA15に当選した場合に、大当たりの各ラウンドにおいてV入賞装置650の開閉扉650f1を0.5秒間開放させた後で、4.5秒間のインターバル期間を設定することができる。このため、大当たりA15を、毎回40秒間で終了させることができる。
また、図326(a)に示した通り、大当たりB15、大当たりC15に対しては、可変入賞装置65の開放ラウンドとして1~8ラウンド、開放期間として最大30秒間が規定されていると共に、V入賞装置650の開放ラウンドとして9~14ラウンド、開放期間として最大0.5秒間が対応付けて規定されている。また、インターバル期間として、8ラウンド終了後のインターバル期間が3秒間、8ラウンド以外のラウンド終了後のインターバル期間が4.5秒間と規定されている。つまり、V入賞装置650が開放される最初のラウンド(9ラウンド)が開始される前のインターバル期間の長さを、大当たりのオープニング期間と同一の長さにすることができる。これにより、大当たりの8ラウンドが終了してから大当たりが終了するまでの期間を40秒間に固定化することができる。よって、大当たりの8ラウンドが終了した後で、普通図柄の当たりに当選した場合に、当該当たりを確実に大当たり終了後の時短状態中に開始させることができる。よって、大当たり中に普通図柄の当たりに当選した場合に、実質的に次の大当たりが確定するという斬新な遊技性を実現することができる。
また、図326(a)に示した通り、大当たりD15に対しては、可変入賞装置65の開放ラウンドとして1~6ラウンド、開放期間として最大30秒間が規定されていると共に、V入賞装置650の開放ラウンドとして7~12ラウンド、開放期間として最大0.5秒間が対応付けて規定されている。また、インターバル期間として、6ラウンド終了後のインターバル期間が3秒間、6ラウンド以外のラウンド終了後のインターバル期間が4.5秒間と規定されている。つまり、V入賞装置650が開放される最初のラウンド(7ラウンド)が開始される前のインターバル期間の長さを、大当たりのオープニング期間と同一の長さにすることができる。これにより、大当たりの6ラウンドが終了してから大当たりが終了するまでの期間を40秒間に固定化することができる。よって、大当たりの6ラウンドが終了した後で、普通図柄の当たりに当選した場合に、当該当たりを確実に大当たり終了後の時短状態中に開始させることができる。よって、大当たり中に普通図柄の当たりに当選した場合に、実質的に次の大当たりが確定するという斬新な遊技性を実現することができる。
また、図326(a)に示した通り、大当たりE15に対しては、可変入賞装置65の開放ラウンドとして1,2ラウンド、開放期間として最大30秒間が規定されていると共に、V入賞装置650の開放ラウンドとして3~8ラウンド、開放期間として最大0.5秒間が対応付けて規定されている。また、インターバル期間として、2ラウンド終了後のインターバル期間が3秒間、2ラウンド以外のラウンド終了後のインターバル期間が4.5秒間と規定されている。つまり、V入賞装置650が開放される最初のラウンド(3ラウンド)が開始される前のインターバル期間の長さを、大当たりのオープニング期間と同一の長さにすることができる。これにより、大当たりの2ラウンドが終了してから大当たりが終了するまでの期間を40秒間に固定化することができる。よって、大当たりの2ラウンドが終了した後で、普通図柄の当たりに当選した場合に、当該当たりを確実に大当たり終了後の時短状態中に開始させることができる。よって、大当たり中に普通図柄の当たりに当選した場合に、実質的に次の大当たりが確定するという斬新な遊技性を実現することができる。
このように、本第15実施形態では、全ての大当たり種別において、残りのラウンド数が6ラウンドになってから大当たりが終了するまでの期間を40秒間に固定化すると共に、残りのラウンド数が7ラウンド以上残っている間は左打ち(スルーゲート67へと遊技球を通過させることが困難な発射方法)により遊技球を入球させることができる特定入賞口65aを開放する一方で、残りのラウンド数が6ラウンド以下の範囲では右打ち(スルーゲート67へと遊技球を通過させること可能な発射方法)により遊技球を入球させることができるV入賞装置650を開放する構成としている。これにより、残りのラウンド数が6ラウンド以下の範囲において、普通図柄の当たりとなることを願って遊技を行う遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図326(b)を参照して、本第15実施形態におけるROM202を構成するデータテーブルの一種である普図変動パターンテーブル202kbの詳細について説明する。この普図変動パターンテーブル202kbは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の抽選結果に応じて普通図柄の変動時間を設定するために参照されるデータテーブルである。図326(b)に示した通り、この普図変動パターンテーブル202kbには、普通図柄の抽選結果毎に、普通図柄の変動パターン(変動時間)が対応付けて規定されている。具体的には、図326(b)に示した通り、普通図柄の抽選結果「外れ」に対しては、変動時間が5秒間の普図外れショート変動が対応付けて規定されている。一方で、普通図柄の抽選結果「当たり」に対しては、変動時間が40秒間の普図当たりロング変動が対応付けて規定されている。これにより、普通図柄の抽選で外れになった場合は、5秒間の変動時間が設定される一方で、普通図柄の抽選で当たりになった場合は40秒間の変動時間が設定される。このため、ストックタイム演出の実行中においては、最大で8回(演出期間40秒間/外れ変動時間5秒間)の普通図柄の抽選を実行させることができる。上述した通り、普通図柄の低確率状態に設定される大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりとなる確率は1/8であるため、8回以内の普通図柄の抽選で普通図柄の当たりに当選する割合は、約65.6%である。このため1の大当たりにおいて、65.6%の割合で次回の大当たりが確定する。なお、8回の抽選を実行させる(ストックタイム演出の開始と同時に1回目の普通図柄の抽選を実行させる)ことはほぼ不可能であるため、実際には7回の普通図柄の抽選を実行させるのがせいぜいである。7回以内の普通図柄の抽選で普通図柄の当たりに当選する割合は、約60.7%である。このため、いずれにしても、大当たり遊技の実行中に6割超の割合で次回の大当たりが確定するという極めて斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図322(b)を参照して、本第15実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図322(b)は、本第15実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図322(b)に示した通り、本第15実施形態におけるRAM203は、上述した第4実施形態におけるRAM203の構成(図128(b)参照)に対して、普通図柄保留球格納エリア203eaと、普通図柄保留球数カウンタ203ebとが追加されている点で相違している。即ち、普通図柄の保留記憶機能が追加されている点で相違している。また、時短状態格納エリア203cdと、残時短回数カウンタ203ceと、当選時状態格納エリア203cfと、が削除されている点でも相違している。
普通図柄保留球格納エリア203eaは、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203a2と同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、遊技球がスルーゲート67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203a2と同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203eaの保留第1エリアに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄の抽選を実行するための実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに格納(記憶)された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203a2の場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203ebは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)は、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図330のS1023参照)。一方、遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203ebの値が最大値の4であれば、普通図柄保留球格納エリア203eaには新たに何も記憶されない(図330のS1022:No参照)。また、この普通図柄保留球数カウンタ203ebのカウンタ値は、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図329のS953参照)。
次に、図327(a)を参照して、本第15実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図327(a)は、本第15実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図327(a)に示した通り、本第15実施形態におけるROM222は、上述した第4実施形態におけるROM222の構成(図135参照)に対して、鍵態様選択テーブル222kaが追加されている点でのみ相違している。この鍵態様選択テーブル222kaは、ストックタイム演出(図317(a)参照)の実行中において、演出開始から規定時間(5秒、15秒、25秒、および35秒)が経過した際に獲得される鍵の態様を選択するために参照されるデータテーブルである。この鍵態様選択テーブル222kaの詳細について、図328を参照して説明する。
図328は、鍵態様選択テーブル222kaの規定内容を示した図である。図328に示した通り、この鍵態様選択テーブル222kaには、普通図柄の当たり変動の実行中であるか否かに応じて、演出態様と、演出カウンタ223fの値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図328に示した通り、普通図柄の当たり変動中という状況に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して通常の鍵を獲得する態様の演出が対応付けて規定され、「50~84」の範囲に対して、通常の鍵に比べて巨大な鍵を獲得する演出が対応付けて規定され、「85~98」の範囲に対して、輝く鍵を獲得する態様の演出が対応付けて規定され、「99」に対して、虹色の鍵を獲得する態様の演出が対応付けて規定されている。
これに対して、図328に示した通り、普通図柄の当たり変動中ではない状況(普通図柄の外れ変動中や、普通図柄の変動停止状態中など)に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して通常の鍵を獲得する態様の演出が対応付けて規定され、「90~97」の範囲に対して、通常の鍵に比べて巨大な鍵を獲得する演出が対応付けて規定され、「98,99」の範囲に対して、輝く鍵を獲得する態様の演出が対応付けて規定されている。また、虹色の鍵を獲得する態様の演出は対応付けられていない。このため、虹色の鍵を獲得する態様の演出が実行された時点で、普通図柄の当たり変動中であることが確定するため、大当たり終了後の時短状態中に電動役物6450aが開放される(右打ちするだけで実質的に大当たり確定の第2特別図柄の抽選を実行させることができる)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、巨大な鍵や輝く鍵は、普通図柄の当たり変動の実行中の方が選択され易いので、これらの演出態様が実行された場合に、時短状態の間に電動役物6450aが開放されることに対する期待感を向上させることができる。よって、ストックタイム演出の実行中において、鍵を獲得する演出が実行される毎に、鍵の態様に注目して遊技を行わせることができるので、ストックタイム演出の実行中における遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、図327(b)を参照して、本第15実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図327(b)は、本第15実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図327(b)に示した通り、本第15実施形態におけるRAM223は、上述した第4実施形態におけるRAM223の構成(図135(b)参照)に対して、普図入賞情報格納エリア223kaと、ストックタイム中カウンタ223kbと、が追加されている点で相違している。また、時短開始フラグ223adと、表示用時短回数カウンタ223caと、時短状態格納エリア223cbと、が削除されている点でも相違している。
普図入賞情報格納エリア223kaは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、普通図柄の入賞情報がそれぞれ格納される。この普図入賞情報格納エリア223kaに格納される情報により、実行中の普通図柄の抽選結果や、普通図柄の保留球の抽選結果等を音声ランプ制御装置113側で把握することができる。この普図入賞情報格納エリア223kaには、主制御装置110から普図入賞情報コマンドを受信する毎に、コマンドにより通知された普図入賞情報が第1エリアから順に格納されていく。この普図入賞情報格納エリア223kaを参照することで、普通図柄の抽選結果を音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができるので、ストックタイム演出(図317(a)参照)において、時短状態に移行した後で普通図柄の当たりが開始される期待度をより正確に報知(示唆)することができる。
ストックタイム中カウンタ223kbは、ストックタイム演出の残りの演出期間をカウントするためのカウンタである。このストックタイム中カウンタ223kbは、初期値が0に設定されており、ストックタイム演出の開始タイミングになると、40秒間に対応するカウンタ値が設定される(図334(a)のS9302、図334(b)のS9403参照)。ストックタイム演出の実行中は、このストックタイム中カウンタ223kbの値によって経過時間が判別され、新たな鍵を獲得する演出の実行タイミングであるか否かが判断される(図332のS3534)。
<第15実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図329から図331のフローチャートを参照して、本第15実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図329を参照して、本第15実施形態における普通図柄変動処理15(図329参照)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理15(図329参照)は、第4実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図45参照)に代えて実行される処理であり、第4実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図45参照)と同様に、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、第2入球口6450に付随する電動役物6450aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この第15実施形態における普通図柄変動処理15(図329参照)のうち、S901,S902,S906~S908,S913~915、およびS918~921の各処理では、それぞれ第4実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図45参照)のS901,S902,S906~S908,S913~915およびS918~921の各処理と同一の処理が実行される。また、本第15実施形態における普通図柄変動処理15(図329参照)では、S902の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)ではないと判別した場合に(S902:No)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)を取得し(S951)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が0より大きい値であるか判別する(S952)。S952の処理において、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が0であると判別した場合は(S952:No)、普通図柄の変動表示を開始させることができないため、そのまま本処理を終了する。一方、S952の処理において、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S952:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)を1減算して更新する(S953)。
S953の処理が終了すると、次いで、普通図柄保留球格納エリア203eaに格納されたデータをシフトする(S954)。S954の処理では、普通図柄保留球格納エリア203eaの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203eaの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S955)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S956)。S956の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S956:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得し(S957)、処理をS906へと移行する。一方、S956の処理において、現在が普通図柄の時短状態ではないと判定した場合は(S956:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得し(S958)、処理をS906へと移行する。
また、本第15実施形態における普通図柄変動処理15(図329参照)では、S907、またはS908の処理が終了すると、次いで、普図変動パターンテーブル202kb(図326(b)参照)を参照して普図抽選結果に応じた変動時間を設定し(S959)、本処理を終了する。具体的には、普通図柄の当たりであれば、40秒の変動時間を設定する一方で、普通図柄の外れであれば、5秒間の変動時間を設定する。
この普通図柄変動処理15(図329参照)を実行することで、普通図柄の当たりに当選した場合に、必ず40秒間の変動時間を設定することができる。よって、大当たりの残りのラウンド数が6ラウンドになってから大当たりが終了するまでの40秒間の間に普通図柄の当たりとなった場合に、時短状態へと移行してから、当該時短状態の間に普通図柄の当たりを開始させて、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口6450を比較的長い時間開放させることができる。よって、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになることで大当たりが確定するという、極めて斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図330を参照して、本第15実施形態におけるスルーゲート通過処理15(S123)の詳細について説明する。このスルーゲート通過処理15(S123)は、第4実施形態(および第1実施形態)におけるスルーゲート通過処理(図46参照)に代えて実行される処理である。
この第15実施形態におけるスルーゲート通過処理15(S123)では、S1001の処理において、遊技球が普通入球口67を通過したと判別した場合に(S1001:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得して(S1021)、当該取得した普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が4よりも小さい値であるか否かを判別する(S1022)。S1022の処理において、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が4(即ち、上限値)であると判別した場合は(S1022:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1022の処理において、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)が4より小さい値であると判別した場合は(S1022:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ebの値(M)を1加算し(S1023)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203eaに格納する(S1024)。次いで、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と第2当たり乱数テーブル202c(図323(c)参照)とを参照して普通図柄の抽選結果を事前に取得し(S1025)、当該取得した抽選結果を示す普図入賞情報コマンドを設定して(S1026)、本処理を終了する。
次に、図331を参照して、本第15実施形態における大当たり制御処理15(S1594)について説明する。この大当たり制御処理15(S1594)は、第4実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理4(図150参照)に代えて実行される処理である。
この第15実施形態における大当たり制御処理15(S1594)のうち、S1601~S1612,S1617、およびS1618の各処理では、それぞれ第4実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理4(図150,S1594参照)のS1601~S1612,S1617、およびS1618の各処理と同一の処理が実行される。また、本第15実施形態における大当たり制御処理15(S1594)では、S1609の処理が終了すると、大当たりのラウンドが終了したことを示すためのラウンド終了コマンドを設定して(S1661)、本処理を終了する。このラウンド終了コマンドにより、音声ランプ制御装置113に対して大当たりの各ラウンドの終了タイミングを把握させることができる。
また、本第15実施形態における大当たり制御処理15(図331参照)では、S1612の処理において、現在がエンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1612:Yes)、時短中カウンタ203kの値に1を設定し(S1662)、設定した遊技状態に対応する状態コマンドを設定して(S1696)、処理をS1617へと移行する。
<第15実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図332から図335を参照して、本第15実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図332を参照して、本第15実施形態における演出更新処理15(S21001)の詳細について説明する。この演出更新処理15(S21001)は、第4実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図55参照)の中の一処理である演出更新処理(図55,S2112参照)に代えて実行される処理である。
この演出更新処理15(S21001)が実行されると、まず、現在が大当たり中であるかを判別し(S3531)、大当たり中ではないと判別した場合には(S3531:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S21001の処理において、現在が大当たり遊技の実行中であると判別した場合には(S3531:Yes)、ストックタイム中カウンタ223kbの値が0より大きい値か判別し(S3532)、ストックタイム中カウンタ223kbの値が0である場合は(S3532:No)、ストックタイム演出(図317(a)参照)の実行中ではない(即ち、ボーナス演出(図319参照)の実行中である)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3532の処理において、ストックタイム中カウンタ223kbの値が0より大きい値であると判別した場合は(S3532:Yes)、ストックタイム中カウンタ223kbの値を1減算し(S3533)、鍵獲得演出の開始タイミングであるか(即ち、ストックタイム演出の開始後、5秒、15秒、25秒、または35秒経過時であるか)を判別する(S3534)。S3534の処理において、鍵獲得演出の開始タイミングではないと判別した場合は(S3534:No)、そのまま本処理を終了する。一方、鍵獲得演出の開始タイミングである(ストックタイム演出の開始後、5秒、15秒、25秒、または35秒経過時のいずれかである)と判別した場合は(S3534:Yes)、鍵態様選択テーブル222ka(図328参照)と演出カウンタ223fの値とを参照して鍵獲得演出の演出態様を設定し(S3535)、本処理を終了する。
この演出更新処理15(図332参照)を実行することにより、大当たり遊技の実行中に、表示領域HR1~HR4に対して表示させる鍵の態様により、普通図柄の当たりに当選している期待度を遊技者に対して示唆することができる。よって、より期待度が高い態様の鍵が表示されることを期待しながら大当たり(ストックタイム演出)の実行中における遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図333を参照して、本第15実施形態における当たり関連処理15(S2261)の詳細について説明する。この当たり関連処理15(S2261)は、第4実施形態(および第1実施形態)における当たり関連処理(図58参照)に代えて実行される処理であり、主制御装置110から受信した当たりに関連するコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第15実施形態における当たり関連処理15(S2261)のうち、S2401,S2404~S2407およびS2409~S2416の各処理では、それぞれ第4実施形態(および第1実施形態)における当たり関連処理(図58参照)のS2401,S2404~S2407およびS2409~S2416の各処理と同一の処理が実行される。また、本第15実施形態における当たり関連処理15(S2261)では、S2401の処理において、大当たり開始コマンドを受信したか判別し(S2401)、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S2401:Yes)、大当たりの開始を設定するための大当たり開始処理を実行し(S2431)、本処理を終了する。この大当たり開始処理(S2431)の詳細については、図334(a)を参照して後述する。
また、本第15実施形態における当たり関連処理15(図333参照)では、S2404の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合に(S2404:No)、次いで、ラウンド終了コマンドを受信したか否かを判別する(S2432)。S2432の処理において、ラウンド終了コマンドを受信したと判別した場合は(S2432:Yes)、大当たりの各ラウンドが終了した際の設定を行うためのラウンド終了時処理を実行し(S2433)、本処理を終了する。このラウンド終了時処理(S2433)の詳細については、図334(b)を参照して後述する。一方、S2432の処理において、ラウンド終了コマンドを受信していないと判別した場合は(S2432:No)、S2406の処理へ移行する。
また、本第15実施形態における当たり関連処理15(S2261)では、S2407の処理が終了すると、第4実施形態(および第1実施形態)における大当たり終了時処理(図59参照)に代えて大当たり終了時処理15を実行し(S2434)、本処理を終了する。この大当たり終了時処理15の詳細については、図335を参照して後述する。
次に、図334を参照して、当たり関連処理15(図333、S2261)の一処理である大当たり開始処理(S2431)の詳細について説明する。図334(a)は、この大当たり開始処理(S2431)を示すフローチャートである。大当たり開始処理(S2431)では、まず、今回開始される大当たりの種別が大当たりA15であるか否かを判別し(S9301)、大当たりA15であると判別した場合は(S9301:Yes)、ストックタイム中カウンタ223kbに40秒に対応するカウンタ値を設定することによりストックタイム演出(図317(a)参照)の開始を設定し(S9302)、表示用大当たり開始コマンドを設定して(S9303)、本処理を終了する。一方、S9301の処理において、今回の大当たり種別が大当たりA15でないと判別した場合は(S9301:No)、S9302の処理をスキップし、S9303の処理に移行する。
この大当たり開始処理(図334(a)参照)を実行することにより、大当たりA15(最初からストックタイム演出が実行される大当たり種別)であるか否かに応じて、大当たり開始時の演出態様を可変させることができる。よって、大当たり遊技中の演出を好適に設定することができる。
次に、図334(b)を参照して、上述したラウンド終了時処理(S2433)の詳細について説明する。図334(b)は、このラウンド終了時処理(S2433)を示すフローチャートである。本第15実施形態におけるラウンド終了時処理(S2433)では、まず、ストックタイム中カウンタ223kbの値が0であるか否かを判別し(S9401)、ストックタイム中カウンタ223kbの値が0でないと判別した場合は(S9401:No)、ストックタイム演出が既に設定されているため、そのまま本処理を終了する。
一方、S9401の処理において、ストックタイム中カウンタ223kbの値が0であると判別した場合は(S9401:Yes)、次いで、ストックタイムの開始タイミングであるか判別し(S9402)、ストックタイム演出の開始タイミングではないと判別した場合は(S9402:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ストックタイムの開始タイミングであると判別した場合は(S9402:Yes)ストックタイム中カウンタ223kbに40秒に対応するカウンタ値を設定することでストックタイム演出(図317(a)参照)の開始を設定して(S9403)、本処理を終了する。
次に、図335を参照して、本第15実施形態における当たり関連処理15(図333、S2261)の一処理である大当たり終了時処理15(S2434)について説明する。この大当たり終了時処理15(S2434)は、第4実施形態(および第1実施形態)における大当たり終了時処理(図59参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了時の各種設定を行うための処理である。
本第15実施形態における大当たり終了時処理15(S2434)では、まず、普通図柄の当たり変動中であるか判別し(S2511)、普通図柄の当たり変動中でない場合は(S2511:No)、4つの鍵を全て使用するも扉TGの突破に失敗する40秒間の演出態様を設定し(S2512)、本処理を終了する。
これに対し、S2511の処理において、普通図柄の当たり変動中であると判別した場合は(S2511:Yes)、次に、普通図柄の残変動時間が5秒より長いか否かを判別する(S2513)。S2513の処理において、普通図柄の残変動時間が5秒以下であると判別した場合は(S2513:No)、扉が即座に開放する演出態様を設定し(S2514)、本処理を終了する。一方、S2513の処理において、普通図柄の残変動時間が5秒よりも長いと判別した場合は(S2513:Yes)、次いで、普通図柄の残変動時間が15秒よりも長いか否かを判別する(S2515)。
S2515の処理において、普通図柄の残変動時間が15秒以下であると判別した場合は(S2515:No)、1つ目の鍵を使用して扉TGの突破に成功する演出態様を設定し(S2516)、本処理を終了する。一方、普通図柄の残変動時間が15秒よりも長いと判別した場合は(S2515:Yes)、次いで、普通図柄の残変動時間が25秒より長いか否かを判別する(S2517)。
S2517の処理において、普通図柄の残変動時間が25秒以下であると判別した場合は、(S2517:No)、2つ目の鍵を使用して扉TGの突破に成功する演出態様を設定し(S2518)、本処理を終了する。一方、普通図柄の残変動時間が25秒よりも長いと判別した場合は、(S2517:Yes)、普通図柄の残変動時間が35秒よりも長いか否かを判別する(S2519)。
S2519の処理において、普通図柄の残変動時間が35秒以下であると判別した場合は(S2519:No)、3つ目の鍵を使用して扉TGの突破に成功する演出態様を設定し(S2520)、本処理を終了する。一方、普通図柄の残変動時間が35秒よりも長いと判別した場合は(S2519:Yes)、4つ目の鍵を使用して扉TGの突破に成功する演出態様を設定し(S2521)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第15実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技において残りのラウンド数が特定のラウンド数(6ラウンド)以下となってから大当たりが終了するまでの期間と、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合に設定される第1特別図柄の変動時間と、普通図柄の当たりに当選した場合に設定される普通図柄の変動時間と、が全て共通の特定期間(40秒間)に設定されるように構成した。更に、本第15実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、実質的に大当たりが確定するように構成し、普通図柄の時短状態中に普通図柄の当たりが開始されることで、第2入球口6450へと容易に入球可能となる開放パターンで電動役物6450aが開放される一方で、普通図柄の通常状態中に普通図柄の当たりが開始された場合は、第2入球口6450へと遊技球を入球させることが不可能(困難)となる開放パターンで電動役物6450aが開放されるように構成した。このように構成することで、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになることで、実質的に次回の大当たりが確定するという極めて斬新な遊技性を実現することができる。また、有利な時短状態の間に普通図柄の抽選で当たりになっても、遊技者にとってほとんどメリットがないという、従来型の遊技機とは大きく異なる斬新な挙動を実現することができる。つまり、大当たり遊技の実行中に普通図柄の抽選で当たりになった方が、有利な時短状態の間に普通図柄の抽選で当たりになるよりも遊技者に有利になるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第15実施形態では、上述した第4実施形態をベースとしているため、第4実施形態と同様に第2特別図柄の保留記憶機能を有さない構成としていたが、これに限られず、第2特別図柄の保留記憶機能を搭載させてもよい。このように構成することで、時短状態の間に普通図柄の当たりが開始されて、電動役物6450aが開放された場合に、第2入球口6450へと遊技球を入球させるほど(即ち、第2特別図柄の保留球を増加させるほど)、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を多く実行させることができる。即ち、1の普通図柄の当たりに基づいて複数の大当たりを確定させることが可能となる更に射幸性が高い遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第15実施形態では、大当たり遊技において残りのラウンド数が特定のラウンド数(6ラウンド)以下となってから大当たりが終了するまでの期間と、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合に設定される第1特別図柄の変動時間と、普通図柄の当たりに当選した場合に設定される普通図柄の変動時間と、が全て40秒間に設定されるように構成したが、必ずしも共通期間は40秒間に限られるものではなく、任意に定めることができる。共通期間を長くすることにより、大当たり遊技の実行期間が増加するため、大当たり遊技の実行中に実行させることが可能な普通図柄の抽選回数も増加させることができる。よって、より普通図柄の当たりに当選し易くなるように構成できる。また、共通期間を短くすることにより、大当たり中に普通図柄の当たりに当選してから、普通図柄の当たりが開始されるまでの期間を短くすることができるので、大当たりが終了してから第2入球口6450が開放されるまでの間、遊技者が退屈してしまうことを抑制することができる。
本第15実施形態では、時短状態における第1特別図柄の変動時間を40秒に固定化する構成としていたが、これに限られるものではなく、普通図柄の当たりとなった場合における普通図柄の変動時間(40秒)以上の長さであれば任意に定めてもよい。第1特別図柄の変動時間を長くしたとしても、大当たりの残りのラウンド数が6ラウンド以下となってから大当たりが終了するまでの間に普通図柄の当たりに当選することで、時短状態の間に普通図柄の当たりを開始させることができる。よって、大当たり遊技の実行中に次の大当たりが確定する斬新な遊技性を実現することができる。
本第15実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に(重複して)変動表示可能な同時変動仕様を採用していたが、これに限られるものではない。例えば、1の特別図柄の変動表示のみを実行可能な仕様を採用する代わりに、第2特別図柄の保留記憶機能を搭載する構成としてもよい。このように構成したとしても、普通図柄の当たりが時短状態中に開始されて右打ちを行った場合に、第2入球口6450へと遊技球を入球させて第2特別図柄の保留球を獲得することができるので、時短状態の開始とほぼ同時に開始された第1特別図柄の変動表示が終了してから第2特別図柄の保留球に基づく変動表示を開始させることができる。よって、この場合も、大当たり遊技の実行中に次の大当たりが確定する斬新な遊技性を実現することができる。
本第15実施形態では、大当たり遊技における残りのラウンド数が6ラウンド以下の状況下において普通図柄の当たりとなった場合に、大当たり終了後に再度大当たりに当選することが実質的に確定するように構成していたが、大当たり終了後に再度大当たりに当選することを確定させる方法はこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技の実行中にも特別図柄の抽選を実行可能に構成し、大当たり遊技の実行中に特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たりの終了に基づいて、再度、大当たり遊技を開始させるように構成してもよい。また、例えば、大当たり遊技の実行中に保留内に大当たりの抽選結果に対応する保留球が含まれているか否かを判別し、大当たりの抽選結果に対応する保留球が存在する場合に、大当たり終了後に再度大当たりとなることを示唆する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第15実施形態では、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになると、普通図柄の時短状態の間に普通図柄の当たりが開始され易くなって電動役物6450aが比較的長時間開放され易くなる(第2入球口6450へと遊技球を入球させ易くなる)一方で、時短状態の間に普通図柄の当たりになると、当該時短状態が終了した後で普通図柄の当たりが開始され易くなるため、電動役物6450aが比較的短時間開放され易くなってしまう(第2入球口6450へと遊技球を入球させることが困難になる)ように構成することで、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになった方が、時短状態において普通図柄の当たりになるよりも有利になるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の変動時間を短く(例えば、1秒間)して、大当たり遊技および時短状態の間に普通図柄の抽選が実行された場合に、ほぼ、同一の状態において普通図柄の変動が終了するように構成した上で、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになると、大当たり遊技の実行中に第2入球口6450へと遊技球が入球し易くなる一方で、有利な時短状態において普通図柄の当たりになると、第2入球口6450へと遊技球が入球し難くなるように電動役物6450aが開閉制御されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、電動役物6450aを、第2入球口6450とは異なる入球口(例えば、右第1入球口64b)に付随して設ける構成とし、電動役物6450aが開放されている間は、第2入球口6450へと遊技球が入球し得ない(電動役物6450aによって開放されている他の入球口にばかり遊技球が入球する)一方で、電動役物6450aが閉鎖されている間は第2入球口6450へと遊技球が入球可能となる(電動役物6450aおよび他の入球口に妨げられない)ように、電動役物6450a、および第2入球口6450の配置や機構を設定してもよい。このように構成することで、有利な時短状態において普通図柄の当たりに頻繁に当選し、電動役物6450aが絶えず開放されるほど、第2入球口6450へと入球し難くなる一方で、大当たり遊技中は、普通図柄の当たりになり難く、普通図柄の当たりになったとしても電動役物6450aが短時間しか開放されないため、第2入球口6450へと遊技球を比較的容易に入球させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合、第2特別図柄の保留記憶機能を設けておくことで、大当たり中に保留しておいた第2特別図柄の抽選を大当たり終了後に実行させることが可能となり、上述した第16実施形態と同様の挙動を実現することができる。
本第15実施形態では、単に大当たり遊技のラウンド数が6ラウンド以下となってから大当たりが終了するまでの間、遊技者に対して右打ちを報知するように構成していたが、これに加えて、ラウンド数が7ラウンド以上残存している状態で右打ちを行った場合に、右打ちを辞めさせることを強く警告する所定の警告演出を実行するように構成してもよいい。このように構成することで、大当たりのラウンド数が6ラウンド以下となる直前に普通図柄の当たり変動が開始されてしまい、6ラウンド以下となった後においてほとんど普通図柄の抽選を実行させることができなくなってしまうことを抑制できるので、遊技者が損をしてしまうことを防止することができる。また、同様の理由から、通常状態において右打ちを行った場合にも、警告演出を実行するように構成してもよい。これにより、第1特別図柄の大当たり変動の終了直前に普通図柄の当たり変動が開始されてしまい、第1特別図柄の大当たり遊技(大当たりA15)が実行されている間、普通図柄の抽選を実行させることがほとんどできなくなってしまうことを抑制することができる。
本第15実施形態では、普通図柄の外れとなった場合における変動時間を5秒間に固定化する構成としていたが、これに限られるものではなく、変動時間が異なる複数の中から変動時間を抽選に寄り選択するように構成してもよい。このように構成することで、外れとなった場合により短い変動時間が選択されることを遊技者に期待させる遊技性を実現することができる。また、普通図柄の保留球数に応じて外れ時の変動時間を異ならせ、所定の保留球数(例えば、4個や0個)では変動時間が長くなる、若しくは短くなるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の保留球数が所定の保留球数になることを避けたいと思わせたり、逆に、所定の保留球数に維持したいと思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第16実施形態>
次に、図336から図353を参照して、第16実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成し、時短状態として、第1特別図柄の変動時間よりも、第2特別図柄の変動時間の方が短い時間に設定され易い時短状態(即ち、第2特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、第1特別図柄の変動時間のほうが、第2特別図柄の変動時間よりも短い時間に設定され易い時短状態(即ち、第1特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、設ける構成としていた。
これに対して本第16実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態における第1特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(300秒)が設定されるように構成した。つまり、時短状態においては、第2特別図柄の抽選に偏らせて特別図柄の抽選を実行可能に構成している。また、本第16実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり又は小当たりが開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を中断する(変動時間の計時を中断する)ように構成し、他方の大当たり又は小当たりが終了することにより、中断されていた変動表示を再開する(変動時間の計時を再開する)ように構成している。更に、本第16実施形態では、時短状態が開始された後で、第1特別図柄の変動表示が1回終了するか、若しくは第2特別図柄の変動表示が99回終了することにより時短状態が終了するように構成した。つまり、第1特別図柄のロング変動(300秒)の間に第2特別図柄の抽選で小当たり若しくは大当たりに当選したとしても、小当たり若しくは大当たりの終了後は、小当たり若しくは大当たり開始時における残変動時間から第1特別図柄の変動表示が再開される。言い換えれば、大当たりに当選したか否かにかかわらず、時短状態における第2特別図柄の抽選回数が多くなる程、時短状態が終了するまでの残りの期間が短くなっていくので、第1特別図柄の変動時間である300秒間の間にどれだけ第2特別図柄の抽選で大当たりに当選させるかが出球量に直結する斬新な遊技性を実現することができる。
この第16実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図336を参照して、本第16実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図336は、本第16実施形態における遊技盤13の正面図である。図336に示した通り、本第16実施形態における遊技盤13では、可変入賞装置65の位置が右方向に移動されている。即ち、左打ちにより発射された遊技球が可変入賞装置65へと入球し得なくなるように構成されている。つまり、本第16実施形態では、可変入賞装置65へと遊技球を入球させるためには、右打ちにより遊技球を発射する必要がある。本第16実施形態における可変入賞装置65は、大当たりの全てのラウンドにおいて、ラウンド開始から30秒が経過するか、10個以上の遊技球の入球を検出するまでの間、開放される。
また、図336に示した通り、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路の構成が第4実施形態から変更となっている。より具体的には、図336に示した通り、可変表示装置ユニット80における上流側にスルーゲート67が移動されており、スルーゲート67の下流に第2入球口6450が設けられている。そして、第2入球口6450に対して正面視下方に第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64bが設けられ、これらの下流側にV入賞装置650が設けられている。これらのスルーゲート67、第2入球口6450、右第1入球口64b、およびV入賞装置650は、全て、右打ちを行った遊技球のみが入球し得るように構成されている。なお、本第16実施形態におけるV入賞装置650は、上述した第7実施形態におけるV入賞装置6500(図179、図180参照)と同様に、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に遊技球を入球させてV入賞を発生させることが可能に構成されている。よって、第2入球口6450に付随する電動役物6450aが開放され易くなる(第2入球口6450に遊技球が入球し易くなる)時短状態においては、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合だけでなく、小当たりに当選した場合にも実質的に大当たり(V当たり)が確定する。
また、盤面右側に右第1入球口64bが設けられていることにより、大当たり中や普通図柄の時短状態が設定される遊技状態において右打ちを行った場合、右第1入球口64bへも遊技球が入球するため、右打ちを継続して行っているだけで第1特別図柄の保留球を増加させることができる。よって、時短状態の開始と同時に第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示を開始させることができる。なお、右打ちにより発射された遊技球が右第1入球口64bへと入球する割合(例えば、20球に1球の割合)は、左打ちにより発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合よりも低くなる(例えば、40球に1球の割合)ように構成されている。よって、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態)では、左打ちにより遊技を行わせることができる。
次に、図337および図338を参照して、本第16実施形態の時短状態において実行される特徴的な演出について説明する。ここで、上述した通り、本第16実施形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成しており、時短状態においては、第1特別図柄の変動表示が1回終了することで時短状態の終了条件が成立して通常状態へと移行する構成としている。即ち、時短状態が設定された後における経過時間が長くなる程、第1特別図柄の変動時間が減算(消費)されていって時短状態の終了が近づいてくるように構成している。本第16実施形態では、この時短状態の終了までの期間を示す演出を実行可能に構成している。
図337(a)は、時短状態における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図337(a)に示した通り、本第16実施形態における時短状態では、主表示領域Dmの中央付近において、比較的広い表示範囲で(即ち、遊技者にとって比較的視認し易い態様で)第2特別図柄の変動表示を実行し、主表示領域Dmの右上に形成されている第1表示領域Dm1において、比較的狭い表示範囲で(即ち、遊技者にとって比較的視認し難い態様で)第1特別図柄の変動表示を実行する構成としている。これは、上述した通り、本第16実施形態では、第1特別図柄の変動時間が300秒間に設定される一方で、第2特別図柄の変動時間が3秒間に設定されるので、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されるためである。
また、主表示領域Dmにおける上方に形成される表示領域HR6に対して、「連チャン期待度99%OVER」という文字が表示される。即ち、時短状態が終了するまでの間に再度大当たりに当選する可能性を示唆する表示態様が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、時短状態が終了するまでの残り時間(第1特別図柄の残りの変動時間)を示す文字(例えば、「ラッシュ終了まで残り298:01」という文字)が表示される。これらの表示内容により、時短状態が終了するまでにどれだけの期間が残されているのか、および、残り時間の間に大当たりに当選する期待度はどの程度あるのかを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第16実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に大当たり若しくは小当たりとなる(即ち、直当たりまたはV当たりに当選する)確率が1/20に設定されている。そして、第2特別図柄の抽選が実行される毎に、変動時間が3秒間に設定される。言い換えれば、時短状態が終了するまでの残り時間を3秒で割った値が、残りの変動時間内で実行可能な第2特別図柄の抽選回数となる。本第16実施形態では、この残りの変動時間(時短期間)内で実行可能な第2特別図柄の抽選回数と、大当たり若しくは小当たりとなる確率と、を加味して、残りの時短期間内で再度大当たり(直当たりまたはV当たり)に当選する実質的な期待値を表示領域HR6に表示させる斬新な演出態様を実現している。
図337(b)は、時間の経過により連チャン期待度が低下した際の表示態様を示した図である。図337(b)に示した通り、時短状態が開始されてから30秒間が経過し、残りの第1特別図柄の変動時間(時短状態が終了するまでの残り時間)が270秒まで減少すると、表示領域HR6に表示されている連チャン期待度が「99%OVER」から「95%OVER」に減少する。なお、240秒の間に実行させることができる第2特別図柄の抽選は90回であり、90回以内の第2特別図柄の抽選で1/20の大当たり若しくは小当たりに当選する期待値は約99.0%である。つまり、期待度が99%を下回るぎりぎりの時間で、99%よりも低い期待度(95%OVER)に更新するように構成している。これにより、パチンコ機10の実際の挙動と、表示される連チャン期待度とを一致させることができるので、表示内容と実際の挙動とが乖離してしまい、遊技者に対してホールやパチンコ機10に不信感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、図338を参照して、本第16実施形態における時短状態の間に第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合の演出態様の一例について説明する。図338に示した通り、小当たりに当選すると、主表示領域Dmにおいて同一の数字を模した第3図柄が3つ揃って表示される演出が実行されると共に、表示領域HR6、および副表示領域Dsの残り時間を表示させている部分に対して、それぞれ「LOCK」というプレートが付された鎖を模した鎖画像LG1,LG2が絡みつく演出が実行される。また、時短状態の終了までの残り時間の減算も小当たりの開始と同時に停止される。これらの表示内容により、小当たり遊技の実行中は、期待度(時短状態の残り時間)が減少されないということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、小当たり中にV入賞を発生させたことにより実行されるV当たりが終了すると、表示領域HR6および副表示領域Dsに対して絡みついていた鎖画像LG1,LG2が外れる演出が実行され、第1特別図柄の変動表示が再開されると共に、時短状態の残り時間や連チャン期待度の減算が再開される。また、第2特別図柄の直当たりに当選した場合も、同様にして、大当たり(直当たり)が開始されてから終了されるまでの間、表示領域HR6および副表示領域Dsに対して鎖画像LG1,LG2が絡みつく表示態様に設定されて、時短終了までの残り時間、および連チャン率の減少が停止される。
このように構成することで、なるべく時間をかけずに第2特別図柄の当たりになることを強く期待させるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第16実施形態における電気的構成>
次に、図339(a)を参照して、本第16実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図339(a)は、本第16実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図339(a)に示した通り、本第16実施形態におけるROM202は、上述した第4実施形態におけるROM202の構成(図128(a)参照)に対して、第1当たり乱数4テーブル202caに代えて第1当たり乱数テーブル202aが設けられている点、第1当たり種別選択4テーブル202cbに代えて第1当たり種別選択テーブル202bが設けられている点、変動パターン4テーブル202cdに代えて変動パターンテーブル202dが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cの構成が一部変更となっている点、および小当たり種別選択4テーブル202ceが削除されている点で相違している。
まず、本第16実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。ここで、本第16実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第4実施形態における第1当たり乱数4テーブル202caと同様に、第1特別図柄の抽選において参照されるデータテーブル(特別図柄1乱数テーブル202a1)と、第2特別図柄の抽選において参照されるデータテーブル(特別図柄2乱数テーブル202a2)と、の2種類のデータテーブルで構成されている。ここで、特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2とでは、小当たりと判定される乱数値の範囲が規定されているか否かのみが相違している。より具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2とでは、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として同一の値が規定されており、特別図柄2乱数テーブル202a2にのみ、小当たりと判定される乱数値が対応付けて規定されている(第1特別図柄の抽選で小当たりに当選することはない)。よって、ここでは特別図柄2乱数テーブル202a2の説明のみを行い、特別図柄1乱数テーブル202a1の図示及び説明については省略する。
図340(a)は、特別図柄2乱数テーブル202a2の規定内容を示した図である。図340(a)に示した通り、本第16実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2には、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~3」の4つの乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「4~49」の46個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数、および小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ4個、および46個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/250(4/1000)であり、小当たりとなる確率は23/500(46/1000)である。第2特別図柄の小当たりに当選すると、必ず、右打ちするだけで容易にV入賞を発生させることができる開閉パターンの小当たり遊技が実行されるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合も、実質的に大当たり(V当たり)が確定する。よって、第2特別図柄の抽選が実行されると、実質的に1/20(50/1000)の確率で大当たりに当選する。
次に、図340(b)を参照して、本第16実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、第4実施形態における第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄の状態(普通図柄の通常状態、時短状態)毎に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図340(b)は、本第16実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。
図340(b)に示した通り、本第16実施形態における第2当たり乱数テーブル202cでは、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「5~204」の200個の乱数値が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が200個なので、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりとなる確率は1/1.2(200/240)である。
一方、図340(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0」のみが対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が1個なので、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりとなる確率は1/240である。よって、通常状態においては、普通図柄の当たり確率が極めて低くなるので、通常時に右打ちを行うことにより第2入球口6450へと入球させようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に本第16実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、上述した第4実施形態における第1当たり種別選択4テーブル202cbと同様に、大当たりに当選した場合に大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。本第16実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bは、特別図柄の抽選で大当たりとなった(所謂、「直当たり」が発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するための直当たり用テーブル202bm1と、V入賞(小当たり遊技の実行中におけるV入賞装置650への入球)が発生したことに基づいて大当たりとなった場合に大当たり種別を特定(決定)するためのV当たり用テーブル202bm2と、で構成されている。まず、図340(c)を参照して、直当たり用テーブル202bm1の詳細について説明する。
図340(c)は、直当たり用テーブル202bm1の規定内容を示した図である。図340(c)に示した通り、本第16実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(第1特別図柄の直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA16」と、「大当たりB16」と、の2種類の大当たり種別が設けられている。より具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA16」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して「大当たりB16」が対応付けて規定されている。「大当たりA16」と、「大当たりB16」とは、共にラウンド数が4ラウンドであるが、「大当たりA16」は、大当たり終了後に遊技者に有利な時短状態が付与される一方、「大当たりB16」は、大当たり終了後が遊技者に不利な通常状態に設定される。このため、「大当たりA16」は、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりB16」よりも有利な大当たり種別である。
一方、図340(c)に示した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった(第2特別図柄の直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の取り得る全範囲に対して、「大当たりC16」が対応付けて規定されている。「大当たりC16」は、大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、大当たり終了後に有利な時短状態が付与される大当たり種別である。よって、ラウンド数の面でも、大当たり終了後の遊技状態の面でも、最も有利な大当たり種別の一つである。
次に、図340(d)を参照して、V当たり用テーブル202bm2の詳細について説明する。このV当たり用テーブル202bm2は、上述した通り、小当たり遊技においてV入賞が発生した(遊技球がV入賞装置650に入賞した)ことに基づいて実行される大当たりの種別を特定(選択)するためのデータが規定されたデータテーブルである。図340(d)は、このV当たり用テーブル202bm2の規定内容を示した図である。図340(d)に示した通り、V当たり用テーブル202bm2には、「大当たりD16」、「大当たりE16」、および「大当たりF16」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図340(d)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対しては、「大当たりD16」が対応付けて規定されている。この「大当たりD16」は、大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD16」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も遊技者に有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりD16」が決定(選択)される割合は1%(1/100)である。
また、図340(d)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「1~14」の範囲に対して、「大当たりE16」が対応付けて規定されている。この「大当たりE16」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりE16」は、「大当たりC16」や「大当たりD16」に次いでラウンド数が多く、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりC16」や「大当たりD16」に次いで有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が14個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりE16」が決定(選択)される確率(割合)は14%(14/100)である。
また、図340(d)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「15~99」の範囲に対して、「大当たりF16」が対応付けて規定されている。この「大当たりF16」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりF16」は、最もラウンド数が少ないが、大当たり終了後の遊技状態は有利になるので、遊技状態の面では「大当たりB16」よりも有利となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が85個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりF16」が決定(選択)される確率(割合)は85%(85/100)である。
このように、本第16実施形態では、V当たりとなった場合に比較的高い割合でラウンド数が少ない(2ラウンドの)「大当たりF16」が選択されるように構成している。これは、時短状態へと移行してからの第2特別図柄の抽選結果によらず、時短状態に設定されているトータルの期間が300秒に達するまで通常状態に移行することが無いため、一度時短状態に移行すると、5回程度の大当たりを見込める(300秒間の間に第2特別図柄の抽選を100回程度実行でき、1回の第2特別図柄の抽選あたり1/20で大当たりとなる)ためである。よって、ラウンド数が多い大当たりの割合を高くしてしまうと、遊技者にとって過剰に有利となってしまうため、本第16実施形態では、2ラウンド大当たりである「大当たりF16」の割合を高く構成している。
次に、本第16実施形態における変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。本第16実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常状態(普通図柄の低確率状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に参照される通常用テーブル202dm1と、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に参照される時短用テーブル202dm2と、で少なくとも構成されている。ここで、通常用テーブル202dm1に関しては、第4実施形態における通常用変動パターンテーブル202cd1(図132参照)と同一の規定内容であるため、ここでは図示および詳細な説明については省略する。
次に、図341を参照して、変動パターンテーブル202dを構成する時短用テーブル202dm2の詳細について説明する。図341は、時短用テーブル202dm2の規定内容を示した図である。図341に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の外れ時短用変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり時短用変動が対応付けて規定されている。このため、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合には、抽選結果によらず、300秒間という非常に長い変動時間が設定される。なお、上述した通り、本第16実施形態では、大当たり中に右打ちを行うことで、ほぼ、右第1入球口64bへと1個以上の遊技球が入球して第1特別図柄の保留球が貯まるように構成されているので、時短状態へと移行したと同時に第1特別図柄の300秒間の変動表示が実行される。そして、時短状態は、ほぼ、第1特別図柄の変動表示が1回終了するまで継続する。つまり、時短状態へと最初に突入してから時短状態におけるトータルの期間(途中で当選した小当たりや大当たりの実行期間を除いた期間)が300秒となるまで時短状態が継続するので、300秒が経過するまでの間に、より多く第2特別図柄の抽選で小当たり若しくは大当たりに当選することを期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図341に示した通り、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ(小当たり)」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。このため、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合には、1秒間、若しくは5秒間という比較的短い変動時間が設定される。これにより、第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間に、約100回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。よって、一度時短状態が設定された場合に、複数回の大当たりを期待させることができる。
なお、本第16実施形態では、第2特別図柄の変動時間を3秒間に固定化する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、所定の割合で長い変動時間(例えば、10秒間)や、より短い変動時間(例えば、1秒間)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の当否だけでなく、設定される変動時間自体にも注目して遊技を行わせることができる。なお、この場合は、連チャン率の表示を、平均の第2特別図柄の変動時間を用いて算出すればよい。
本第16実施形態では、時短状態において第1特別図柄の変動表示が終了することで時短状態が終了するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選で特定の抽選結果(例えば、小当たり)となった回数が1回となった場合に時短状態が終了するように構成してもよい。より具体的には、第1特別図柄の抽選で比較的高確率(例えば、90%の割合)で小当たりに当選するように構成し、残りの10%が大当たり若しくは外れとなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態において第1特別図柄の抽選が終了したとしても、外れであれば時短状態の終了条件が成立しないため、約10%の割合で時短状態を300秒間上乗せさせるという更に斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図339(b)を参照して、本第16実施形態における主制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図339(b)は、RAM203の構成を示したブロック図である。図339(b)に示した通り、本第16実施形態におけるRAM203は、上述した第4実施形態におけるRAM203の構成(図128(b)参照)に対して、特図1変動時間カウンタ203maと、特図2変動時間カウンタ203mbと、特図1仮停止フラグ203mcと、特図2仮停止フラグ203mdと、が追加されている点で相違している。また、時短状態格納エリア203cdと、残時短回数カウンタ203ceと、が削除されている点でも相違している。
特図1変動時間カウンタ203ma、および特図2変動時間カウンタ203mbは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのカウンタであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間カウンタ203ma、および特図2変動時間カウンタ203mbのカウンタ値に応じて、各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される。
特図1仮停止フラグ203mc、および特図2仮停止フラグ203mdは、それぞれ他方の特別図柄の抽選で大当たり若しくは小当たり図柄が確定表示(停止表示)されて大当たり若しくは小当たり遊技が開始されることにより、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が仮停止状態に設定されていることを示すためのフラグである。これらの特図1仮停止フラグ203mc、および特図2仮停止フラグ203mdがオンに設定されている間は、それぞれ特図1変動時間カウンタ203ma、および特図2変動時間カウンタ203mbの更新が中断される。これにより、大当たり若しくは小当たり遊技の実行中に、変動時間が経過して大当たり若しくは小当たりが重複して開始されてしまうことを抑制することができる。
次に、図342(a)を参照して、本第16実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図342(a)は、本第16実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図342(a)に示した通り、本第16実施形態におけるROM222は、上述した第4実施形態におけるROM222の構成(図135(a)参照)に対して、連チャン期待度更新テーブル222maが追加されている点で相違している。この連チャン期待度更新テーブル222maの詳細について、図343を参照して説明する。
図343は、連チャン期待度更新テーブル222maの規定内容を示した図である。この連チャン期待度更新テーブル222maは、時短状態において表示領域HR6に対して表示される「連チャン期待度」の数値を、時短状態の残り時間(第1特別図柄の残変動時間)に応じて更新するために参照されるデータテーブルである。図343に示した通り、この連チャン期待度更新テーブル222maには、時短状態が終了するまでの残り時間(残時短期間T)の値の範囲毎に、表示させる連チャン期待度の数値が対応付けて規定されている。
具体的には、残時短期間Tが270秒よりも多い場合には、連チャン期待度の表示として「99%OVER」が対応付けて規定されている。このため、残時短期間が270秒よりも多い場合には、連チャン期待度の表示が「99%OVER」に維持される。同様に、図343に示した通り、残時短期間Tが270秒以下で、且つ、180秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「95%OVER」が対応付けて規定され、180秒以下、且つ、140秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「90%OVER」が対応付けて規定され、140秒以下、且つ、120秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「85%OVER」が対応付けて規定され、120秒以下、且つ、100秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「80%OVER」が対応付けて規定されている。また、残時短期間Tが100秒以下、且つ、80秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「70%OVER」が対応付けて規定され、80秒以下、且つ、60秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「60%OVER」が対応付けて規定され、60秒以下、且つ、50秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「50%OVER」が対応付けて規定され、50秒以下、且つ、30秒よりも多い場合は、連チャン期待度として「40%OVER」が対応付けて規定されている。一方、残時短期間Tが30秒以下の範囲に対しては、「???」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、残時短期間Tの値が減少するにつれて、連チャン期待度の表示を減少させていくことができるので、常に、実際の期待度を確認しながら遊技を行う遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、各期待度は、第2特別図柄の抽選で小当たり若しくは大当たりとなる確率(1/20)と、残りの時短期間の間に実行することが可能な第2特別図柄の抽選回数とから算出される小当たり若しくは大当たりに1回以上当選する割合の下限値を示している。つまり、実際に大当たりとなる割合よりも低めの期待度を示している。これにより、表示されている期待度よりも高い割合で大当たりに当選しているかのように遊技者に対して感じさせることができるので、時短状態における遊技をストレスなく楽しませることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図342(b)を参照して、本第16実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図342(b)は、本第16実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図342(b)に示した通り、本第16実施形態におけるRAM223は、上述した第4実施形態におけるRAM223の構成(図135(b)参照)に対して、残時短期間カウンタ223maが追加されている点で相違している。また、時短開始フラグ223ad、表示用時短回数カウンタ223ca、時短状態格納エリア223cbが削除されている点でも相違している。
残時短期間カウンタ223maは、時短状態が終了するまでの残り時間をカウントするためのカウンタである。この残時短期間カウンタ223maには、時短状態において第1特別図柄の変動表示が開始される際に、300秒に対応するカウンタ値が設定される(図353のS2863参照)。時短状態の間は、この残時短期間カウンタ223maの値に応じて、残りの時短期間が判別されて、表示領域HR6に表示される連チャン期待度の更新や、残時短期間の表示の更新等が行われる。
<第16実施形態における主制御装置110の制御処理について>
次に、図344から図351を参照して、本第16実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図344を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理16(S19001)を説明する。この特別図柄変動処理16(S19001)は、第4実施形態における特別図柄変動処理4(図137参照)に代えて実行される処理であり、第4実施形態における特別図柄変動処理4(図137参照)と同様に、第1入球口64、および第2入球口640への入球に基づいて取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。
この第16実施形態における特別図柄変動処理16(S19001)のうち、S7001、およびS7002の各処理では、それぞれ第4実施形態における特別図柄変動処理4(図137参照)のS7001、およびS7002の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第16実施形態における特別図柄変動処理16(S19001)では、S7002の処理において、小当たり中ではない(小当たり中フラグ203gがオフである)と判別した場合は(S7002:No)、次いで、特図1仮停止フラグ203mcがオンであるか否かを判別し(S7011)、特図1仮停止フラグ203mcがオンであると判別した場合には(S7011:Yes)、特図1仮停止フラグ203mcをオフにして(S7012)、第1特別図柄の変動表示の実行期間中であるか否かを判別する(S7003)。このS7003の処理では、特図1変動時間カウンタ203maの値が1以上であれば、第1特別図柄の変動表示の実行中であると判別する。
S7003の処理において、第1特別図柄の変動表示中ではない(特図1変動時間カウンタ203maの値が0である)と判別した場合には(S7003:No)、第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1特別図柄変動開始処理16を実行し(S7013)、S7015の処理へ移行する。この第1特別図柄変動開始処理16(S7013)の詳細については、図345を参照して後述する。
これに対し、S7011の処理において、特図1仮停止フラグ203mcがオンでない(特図1仮停止フラグ203mcがオフである)と判別した場合(S7011:No)、およびS7003の処理において、第1特別図柄の変動表示の実行中である(特図1変動時間カウンタ203maの値が1以上である)と判別した場合には(S7003:Yes)、第1特別図柄の変動停止を設定するための第1特別図柄変動停止処理16を実行し(S7014)、S7015の処理へ移行する。この第1特別図柄変動停止処理16(S7014)の詳細については、図347を参照して後述する。
第1特別図柄変動開始処理16(S7013)、または第1特別図柄変動停止処理16(S7014)が実行された後に実行されるS7015の処理では、特図2仮停止フラグ203mdがオンであるか否かを判別する(S7015)。S7015の処理において、特図2仮停止フラグ203mdがオンであると判別した場合には(S7015:Yes)、特図2仮停止フラグ203mdをオフにし(S7016)、第2特別図柄の変動表示の実行中であるか否かを判別する(S7006)。S7006の処理において、第2特別図柄の変動表示の実行中でない(特図2変動時間カウンタ203mbの値が0である)と判別した場合には(S7006:No)、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2特別図柄変動開始処理16を実行し(S7017)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理16(S7017)の詳細については、図348を参照して後述する。
これに対し、S7015の処理において、特図2仮停止フラグ203mdがオンでない(特図2仮停止フラグ203mdがオフである)と判別した場合(S7015:No)、およびS7006の処理において、第2特別図柄変動中であると判別した場合には(S7006:Yes)、第2特別図柄変動停止処理16を実行し(S7018)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理16(S7018)の詳細については、図350を参照して後述する。
この特別図柄変動処理16(図344参照)を実行することにより、一方の特別図柄の大当たり若しくは小当たりが開始されたことに基づいて仮停止(中断)された他方の特別図柄の変動表示を再開させることができる。
次に、図345を参照して、特別図柄変動処理16(図344参照)の一処理である第1特別図柄変動開始処理16(S7013)について説明する。図345は、この第1特別図柄変動開始処理16(S7013)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理16(図344参照)は、上述した第4実施形態における第1特別図柄変動開始処理(図138参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄の変動表示の開始を設定するための処理である。
この第16実施形態における第1特別図柄変動開始処理16(S7013)のうち、S7101~S7106の各処理では、それぞれ第4実施形態における第1特別図柄変動開始処理(図138参照)のS7101~S7106の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における第1特別図柄変動開始処理16(S7013)では、S7106の処理が終了すると、次に、第4実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図140参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)を実行し、本処理を終了する。この第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)の詳細について、図346を参照して説明する。
図346はこの第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)を示すフローチャートである。この第16実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)のうち、S7301~S7308の各処理では、それぞれ第4実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図140参照)のS7301~S7308の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)では、S7308の処理が終了すると、次に、特図1変動時間カウンタ203maに対して、今回の変動時間に対応するカウンタ値を設定し(S7311)、本処理を終了する。
次に、図347を参照して、特別図柄変動処理16(図344参照)の中の一処理である第1特別図柄変動停止処理16(S7014)について説明する。図347は、この第1特別図柄変動停止処理16(S7014)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理16(S7014)は、第4実施形態における第1特別図柄変動停止処理(図142参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄の変動時間を監視して、特別図柄の変動時間が経過した場合に停止図柄を設定するための処理である。
この第16実施形態における第1特別図柄変動停止処理16(S7014)のうち、S7501,S7502、およびS7506~S7512の各処理では、それぞれ第4実施形態における第1特別図柄変動停止処理(図142参照)のS7501,S7502、およびS7506~S7512の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における第1特別図柄変動停止処理16(S7014)では、S7502の処理において、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合に(S7502:Yes)、特図2仮停止フラグ203mdをオンに設定し(S7521)、特図2仮停止フラグ203mdがオンになったことを示す特図2仮停止コマンドを設定する(S7522)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を仮停止し(S7523)、S7506の処理へ移行する。これにより、第2特別図柄の変動表示が実行中であった場合に、第1特別図柄の大当たりの間、第2特別図柄の変動表示を仮停止(中断)させることができるので、大当たり遊技の実行中に第2特別図柄の変動時間が経過して第2特別図柄の大当たり図柄や小当たり図柄が停止表示され、大当たり又は小当たりが重複して実行されてしまう不具合を抑制することができる。
また、本第16実施形態における第1特別図柄変動停止処理16(図347参照)では、S7502の処理において、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203caがオフに設定されていると判別した場合に(S7502:No)、上述した遊技状態更新処理(図141参照)を実行して(S7108)、S7510の処理へ移行する。即ち、上述した第4実施形態では、遊技状態更新処理(図141参照)を変動開始時(第1特別図柄変動開始処理(図138参照)のS7108の処理時、および第2特別図柄変動開始処理(図143参照)のS7606の処理時)に実行する構成としていたが、本第16実施形態では、特別図柄の変動停止時に遊技状態更新処理(図141参照)を実行する構成としている。これにより、時短状態に移行後、1回目の第1特別図柄の変動表示が終了するか、99回の第2特別図柄の変動表示が終了するまでの間、時短状態を継続させることができる。
次に、図348を参照して、特別図柄変動処理16(図344)の一処理である第2特別図柄変動開始処理16(S7017)について説明する。図348は、この第2特別図柄変動開始処理16(S7017)を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理16(S7017)は、上述した第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理(図143参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄の変動表示の開始を設定するための処理である。
この第16実施形態における第2特別図柄変動開始処理16(S7017)のうち、S7602~S7604の各処理では、それぞれ第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理(図143参照)のS7602~S7604の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における第2特別図柄変動開始処理16(S7017)では、まず、特図2仮停止フラグ203mdがオンであるか否かを判別する。即ち、第2特別図柄の変動表示が仮停止されている(中断されている)か否かを判別して、特図2仮停止フラグ203mdがオンに設定されていると判別した場合は(S7611:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S7611の処理において、特図2仮停止フラグ203mdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S7611:No)、処理をS7602へと移行する。また、本第16実施形態における第2特別図柄変動開始処理16(図348参照)では、S7604の処理が終了すると、第4実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図146参照)に代えて、第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)を実行し、本処理を終了する。この第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)の詳細については、図349を参照して後述する。
次に、図349を参照して、第2特別図柄変動開始処理16(図348)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)について説明する。図349はこの第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)は、第4実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図146参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第16実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)のうち、S7901~S7909の各処理では、それぞれ第4実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図146参照)のS7901~S7909の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7612)では、S7901~S7909の処理が終了すると、次に、特図1変動時間カウンタ203maに今回の変動時間に対応するカウンタ値を設定し(S7911)、本処理を終了する。
次に、図350を参照して、特別図柄変動処理16(図344、S19001)の一処理である第2特別図柄変動停止処理16(S7018)について説明する。図350は、この第2特別図柄変動停止処理16(S7018)を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理16(S7018)は、第4実施形態における第2特別図柄変動停止処理(図148参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄の変動時間を監視して、特別図柄の変動時間が経過した場合に停止図柄を設定するための処理である。
この第16実施形態における第2特別図柄変動停止処理16(S7018)のうち、S8101~S8103、およびS8107~S8112の各処理では、それぞれ第4実施形態における第2特別図柄変動停止処理(図148参照)のS8101~S8103、およびS8107~S8112の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における第2特別図柄変動停止処理16(S7018)では、S8103の処理において、第2特別図柄の大当たりフラグ203caがオンに設定されていれば(S8103:No)、第4実施形態における特図2外れ停止処理(図149参照)に代えて特図2外れ停止処理16(S8121)を実行し、本処理を終了する。この特図2外れ停止処理16(S8121)の詳細については、図351を参照して後述する。
また、本第16実施形態における第2特別図柄変動停止処理16(図350参照)では、S8103の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合には(S8103:Yes)、特図1仮停止フラグ203mcをオンに設定し(S8122)、特図1仮停止フラグ203mcがオンになったことを示す特図1仮停止コマンドを設定する(S8123)。次いで、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を仮停止し(S8124)、S8107の処理へ移行する。これにより、第2特別図柄の大当たり遊技中は、第1特別図柄の変動表示を仮停止(中断)させておくことができるので、大当たり遊技中に第1特別図柄の変動時間が経過して、第1特別図柄の大当たりが開始されてしまい、大当たりが重複して実行される不具合を抑制することができる。
次に、図351を参照して、第2特別図柄変動停止処理16(図350)の中の一処理である特図2外れ停止処理16(S8121)について説明する。図351はこの特図2外れ停止処理16(S8121)を示すフローチャートである。この第2特別図柄外れ停止処理16(S8121)は、第4実施形態における第2特別図柄外れ停止処理(図149参照)に代えて実行され、第2特別図柄の外れ図柄若しくは小当たり図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第16実施形態における特図2外れ停止処理16(S8121)のうち、S8201、およびS8204~S8211の各処理では、それぞれ第4実施形態における特図2外れ停止処理(図149参照)のS8201、およびS8204~S8211の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16実施形態における特図2外れ停止処理16(S8121)では、S8201の処理において、小当たりフラグ203cbがオンに設定されていると判別した場合に(S8201:Yes)、特図1仮停止フラグ203mcをオンに設定し(S8221)、特図1仮停止コマンドを設定し(S8222)、次いで、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を仮停止して(S8223)、処理をS8204へと移行する。これにより、第2特別図柄の小当たり遊技の実行期間中は、第1特別図柄の変動表示を仮停止(中断)させておくことができるので、小当たり遊技の実行中に第1特別図柄の大当たりが開始されてしまう不具合を抑制することができる。
また、本第16実施形態における特図2外れ停止処理16(図351参照)では、S8209、またはS8211の処理が終了すると、遊技状態更新処理16(図141参照)を実行して(S7606)、本処理を終了する。これにより、時短回数の更新タイミングを変動停止時に設定することができる。
<第16実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図352、および図353のフローチャートを参照して、本第16実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図352を参照して、本第16実施形態における演出更新処理16(S21011)について説明する。この演出更新処理16(S21011)は、第4実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(図55のS2112参照)に代えて実行される処理であり、変動表示演出(変動パターン演出)の実行中における演出態様を更新するための処理である。
この第16実施形態における演出更新処理16(S21011)が実行されると、まず、残時短期間カウンタ223maの値が0より大きいか判別する(S3541)。残時短期間カウンタ223maの値が0であると判別された場合には(S3541:No)、時短状態中ではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S3541の処理において、残時短期間カウンタ223maの値が0より大きい値であると判別した場合は(S3541:Yes)、時短状態中であり、第1特別図柄の変動表示演出の実行中であることを意味するので、残時短期間カウンタ223maの値を更新し(S3542)、次いで、連チャン期待度更新テーブル222ma(図343参照)を読み出す(S3543)。次いで、読み出した連チャン期待度更新テーブル222maを参照して、現在設定されている連チャン期待度(表示領域HR6に表示されている連チャン期待度)が、更新後の残時短期間カウンタ223maの値から特定される残時短期間(T)に対応する連チャン期待度となっているか否かを判別する(S3544)。S3544の処理において、現在設定されている連チャン期待度が、更新後の残時短期間(T)に対応した期待度であると判別された場合は(S3544:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3544の処理において、現在の連チャン期待度は更新後の残時短期間に対応した期待度でないと判別した場合は(S3544:No)、表示領域HR6に表示されている連チャン期待度の表示を、更新後の残時短期間(T)に対応する期待度に更新し(S3545)、本処理を終了する。
この演出更新処理16(図352参照)を実行することにより、時短状態において第1時間の経過に伴って特別図柄の変動時間(残時短期間)が減少していくのにつれて、連チャン期待度の表示を減少させて行くことができるので、遊技者に対して期待度が下がりきるよりも前に第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりに当選させたいと願わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図353を参照して、本第16実施形態における変動表示設定処理16(S21012)について説明する。この変動表示設定処理16(S21012)は、第4実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図62参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄の変動開始時において、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン演出の演出態様を設定するための処理である。この第16実施形態における変動表示設定処理16(S21012)のうち、S2801~S2803、およびS2805~S2810の各処理では、それぞれ第4実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図62参照)のS2801~S2803、およびS2805~S2810の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第16実施形態における変動表示設定処理16(図353参照)では、S2803の処理が終了すると、次いで、変動パターンに応じた演出態様を決定して(S2861)、S2805の処理へと移行する。また、本第16実施形態における変動表示設定処理16(図353参照)では、S2806の処理が終了すると、次いで、時短状態中の特図1変動か否かを判別し(S2862)、時短状態中の特図1変動であると判別した場合には(S2862:Yes)、残時短期間カウンタ223maに300秒に対応するカウンタ値を設定して(S2863)、S2807の処理へ移行する。一方、S2862の処理において、時短状態中の特図1変動でないと判別した場合には(S2862:No)、S2863の処理をスキップして、S2807の処理へ移行する。
この変動表示設定処理16(図353参照)を実行することにより、時短状態において第1特別図柄の変動表示の開始に合わせて残時短期間カウンタ223maのカウンタ値を設定することができる。
以上説明した通り、本第16実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態における第1特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(300秒)が設定されるように構成した。つまり、時短状態においては、第2特別図柄の抽選に偏らせて特別図柄の抽選を実行可能に構成している。また、本第16実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり又は小当たりが開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を中断する(変動時間の計時を中断する)ように構成し、他方の大当たり又は小当たりが終了することにより、中断されていた変動表示を再開する(変動時間の計時を再開する)ように構成している。更に、本第16実施形態では、時短状態が開始された後で、第1特別図柄の変動表示が1回終了するか、若しくは第2特別図柄の変動表示が99回終了することにより時短状態が終了するように構成した。つまり、第1特別図柄のロング変動(300秒)の間に第2特別図柄の抽選で小当たり若しくは大当たりに当選したとしても、小当たり若しくは大当たりの終了後は、小当たり若しくは大当たり開始時における残変動時間から第1特別図柄の変動表示が再開される。言い換えれば、大当たりに当選したか否かにかかわらず、時短状態における第2特別図柄の抽選回数が多くなる程、時短状態が終了するまでの残りの期間が短くなっていくので、第1特別図柄の変動時間である300秒間の間にどれだけ第2特別図柄の抽選で大当たりに当選させるかが出球量に直結する斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第16実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態において、第3図柄表示装置81において時短状態が終了するまでの間に1回以上大当たりに当選する期待度(連チャン期待度)を表示させる演出を実行する構成としている。そして、この期待度の表示を、残時短期間が減少するにつれて減少させていくように構成している。これにより、常に、実際の期待度を確認しながら遊技を行う遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、各期待度は、第2特別図柄の抽選で小当たり若しくは大当たりとなる確率(1/20)と、残りの時短期間の間に実行することが可能な第2特別図柄の抽選回数とから算出される小当たり若しくは大当たりに1回以上当選する割合の下限値を示している。つまり、実際に大当たりとなる割合よりも低めの期待度を示している。これにより、表示されている期待度よりも高い割合で大当たりに当選しているかのように遊技者に対して感じさせることができるので、時短状態における遊技をストレスなく楽しませることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第16実施形態では、時短状態における第1特別図柄の変動時間を300秒間に固定化する構成としていたが、これに限られるものではなく、任意に定めることができる。また、必ずしも変動時間を1通りに固定化する必要は無く、複数の候補から抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態が開始された場合に、なるべく長い変動時間が選択されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第16実施形態では、時短状態において第1特別図柄の変動表示が1回終了することで時短状態が終了するように構成していたが、これに限られるものではなく、時短状態の終了条件は任意に定めることができる。例えば、第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選し得るように構成した上で、時短状態の終了条件として、第1特別図柄の小当たりが1回終了するか、特別図柄の変動表示が第1特別図柄と第2特別図柄との合計で100回終了した場合に時短状態が終了するように構成してもよい。つまり、時短状態において第1特別図柄の変動表示が終了したとしても、小当たりとならなかった(外れとなった)場合には、時短状態が終了されずに継続するように構成してもよい。この場合、第1特別図柄の抽選で外れとなる確率を例えば1/10にしておくことにより、時短状態の間に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選しなかったとしても、外れになることで時短状態が再度継続するように構成することができる。よって、第1特別図柄の変動表示の残り期間(時短状態の残り期間)だけでなく、第1特別図柄の抽選結果にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この場合において、時短状態において第1特別図柄の変動時間が終了しても時短状態が終了されない場合には、特別な演出態様を実行してもよい。より具体的には、例えば、残りの時短期間の表示が減算されない態様の演出としたり、小当たり当選時と同様に鎖画像LG1,LG2によって残りの時短期間や連チャン期待度が時短突入時から変更されないことを報知したりしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動終了時、若しくは変動中に、1回分の第1特別図柄の変動時間である300秒を、残りの時短期間の表示に対して上乗せする演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態における有利度合いが少なくとも倍になったことを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、これらの演出は、時短状態において開始された第1特別図柄の変動表示が、時短大当たりに対応する変動表示であった場合にも実行してもよい。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第17実施形態>
次に、図354から図395を参照して、第17実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第16実施形態におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成し、時短状態における第1特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(300秒)が設定されるように構成した。つまり、時短状態においては、第2特別図柄の抽選に偏らせて特別図柄の抽選を実行可能に構成している。また、本第16実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり又は小当たりが開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を中断する(変動時間の計時を中断する)ように構成し、他方の大当たり又は小当たりが終了することにより、中断されていた変動表示を再開する(変動時間の計時を再開する)ように構成している。更に、本第16実施形態では、時短状態が開始された後で、第1特別図柄の変動表示が1回終了するか、若しくは第2特別図柄の変動表示が99回終了することにより時短状態が終了するように構成していた。
これに対して本第17実施形態におけるパチンコ機10では、上述した第16実施形態と同様に、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成した上で、遊技状態として4つの遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)を設定可能にし、設定されている遊技状態に応じて抽選(変動)が実行され易い特別図柄の種別を異ならせるように構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように構成し、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。
また、第2特別図柄抽選で小当たり当選し得るように構成したうえで、潜確状態が設定されている場合には、他の遊技状態が設定されている場合よりも、小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技中に賞球を獲得し易くなるように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて、抽選が実行され易い特別図柄の種別を可変させることが可能になると共に、特定の遊技状態(潜確状態)が設定される場合にのみ、小当たり遊技によって賞球を獲得し易くすることができるため、設定される遊技状態に応じて異なる遊技性の遊技を遊技者に提供することができる。
さらに、本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選し、その大当たり遊技終了後に再度、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)が設定される回数(確変連続回数)に上限(リミット回数)を設けるように構成している。このように構成することで、特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、時短状態)よりも、遊技者に有利となる特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態(確変状態、潜確状態)が連続して設定されてしまうことにより、遊技者に過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
ここで、上述した各実施形態において用いられる従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選によって大当たり当選した場合、大当たり遊技終了後に、遊技者に対する有利度合いを異ならせた複数の遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)の中から1の遊技状態を設定するように構成しており、予め規定された割合で各遊技状態を決定するように構成している。よって、大当たり遊技終了後に所定の割合(例えば、65%)で遊技者に有利な遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)である確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能なパチンコ機10であれば、65%の割合が選択され続けることにより、確変状態を連続して設定してしまい、遊技者に過剰に有利な遊技を実行させてしまうという問題があった。また、遊技者に有利な遊技状態が連続して設定され難くするために、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態が設定される割合を低くした場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が設定され難くなることから、特に、遊技者に不利な遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)で遊技を行っている遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第17実施形態では、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態が連続して設定される回数(確変連続回数)に上限を設けることができるため、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態が設定される割合を高く設定したとしても、遊技者に有利な遊技状態が連続して設定されてしまい、遊技者に過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、特に、遊技者に不利な遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)で遊技を行っている遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態が連続して設定された回数(確変連続回数)が上限回数(リミット回数)に到達した場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(特別図柄の高確率状態)が設定される大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に、遊技者に不利な遊技状態(特別図柄の低確率状態)が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に同一の大当たり種別が設定された場合であっても、特定条件の成立の有無(リミット回数到達の有無)に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることができるため、遊技者にバリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本第17実施形態では、特別図柄抽選により大当たり当選したこと、及び、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたことを遊技者に容易に判別されないようにするための演出を実行可能に構成している。このように構成することで、現状の確変連続回数を遊技者が判別し難くなるため、どのタイミングでリミット回数に到達したのかを分かり難くすることができる。
本第17実施形態では、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)を設定可能に構成しており、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において所定の終了条件(時短終了条件)が成立した場合に普通図柄の高確率状態を普通図柄の低確率状態へと移行させるように構成している。そして、大当たり種別に応じて異なる時短終了条件が設定されるように構成している。具体的には、第1特別図柄の変動表示が1回終了した場合に成立する第1時短終了条件と、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合算して変動表示が100回終了した場合に成立する第2時短終了条件との両方が設定される場合と、何れか一方のみが設定される場合と、を設けるように構成している。
さらに、本第17実施形態では、第1時短終了条件が成立し易い遊技状態と、第2時短終了条件が成立し易い遊技状態と、を設定可能に構成している。このように構成することにより、同一の時短終了条件(第1時短終了条件、第2時短終了条件)が設定された場合において、時短終了条件をいち早く成立させることにより、普通図柄の低確率状態が設定された遊技状態(例えば、潜確状態)を遊技者に遊技させたり、時短終了条件を成立させ難くすることにより、普通図柄の高確率状態が設定された遊技状態(例えば、時短状態)での遊技を遊技者に長期間実行させたりすることが可能となる。
また、本第17実施形態では、第1時短終了条件の成立契機となる第1特別図柄の変動時間を異ならせることにより、第1時短終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成している。そして、時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となる状態(例えば、確変状態が設定されている状態)と、時短終了条件が成立しないほうが遊技者に有利となる状態(例えば、時短状態が設定されている状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、現在設定されている遊技状態を判別し、時短終了条件が成立したほうが良いか、成立しない方が良いかを予測させながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となるパチンコ機10や、時短終了条件が成立しないほうが遊技者に有利となるパチンコ機10のように、時短終了条件の成立の有無に対して明確な有利性が規定されているものに対して、本第17実施形態では、状況に応じて時短終了条件の成立の有無に対する有利性が切り替わるため、時短終了条件が成立すること、或いは、時短終了条件が成立しないことに対して遊技者を一喜一憂させることができる。
この第17実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第16実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第16実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第16実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図354を参照して、本第17実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図354は、本第17実施形態における遊技盤13の正面図である。図354に示した通り、本第17実施形態における遊技盤13では、上述した第16実施形態における遊技盤13(図336参照)に対して、遊技盤13上に形成される遊技領域(発射された遊技球が通過可能な領域)のうち、可変表示ユニット80の右側(図354正面視点で右側)に形成される右側領域の構成を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。なお、同一の要素に対しては同一の符号を付し、その説明を省略する。
ここで、遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。遊技盤13の右側領域には、球が1個通過可能な約15ミリ幅の流路として、上流側から第1流路ry1,第2流路ry2、第3流路ry3が形成されている。そして、第1流路ry1には、球が入球することにより第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64zと、第1流路ry1を流下する球が右第1入球口64zへと入球することを規制する規制蓋64zfと、が設けられている。この規制蓋64zfは、第1流路ry1を流下する遊技球が右第1入球口64zへと入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球困難となる閉鎖状態と、に可変可能な部材であり、第1流路ry1を流下した遊技球が規制蓋64zfに到達した時点において規制蓋64zfが閉鎖状態である場合は、規制蓋64zfの上面に形成された流路を転動しながら第1流路ry1の下流方向へと流下するように構成している。なお、本実施形態では、規制蓋64zfの上面を遊技球が通過するのに要する時間が0.1秒となるように構成している。
この規制蓋64zfは、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて、予め定められたタイミングで開放位置(開放状態)と閉鎖位置(閉鎖状態)とに可変される常時可変部材として構成されている。具体的には、主制御装置110のメイン処理(図51参照)において4ミリ秒毎に実行される可変部材駆動処理(図示せず)において、ROM203に格納されている可動シナリオに基づいて動作制御されている。本第17実施形態では、規制蓋64zfを開閉動作させるための可動シナリオとして、0.1秒間開放させ、その後1.2秒間閉鎖させる可動シナリオが規定されており、この可動シナリオに基づく動作制御が繰り返し実行されるように構成している。
つまり、第17実施形態の遊技盤13では、操作ハンドル51の操作に基づいて0.6秒間隔で右打ち遊技にて発射された球が、0.6秒間隔で第1流路ry1に流入し、規制蓋64zfが配設されている転動面を転動しながら下流方向へと流下していく。この遊技球が第1流路ry1に流入し、規制蓋64zf上を転動(または、規制蓋64zf上に落下)するタイミングと、規制蓋64zfが開放状態となるタイミングとが合致した場合に球が開放状態の規制蓋64zf、右第1入球口64zに入球することになる。
上述した通り、右打ち遊技によって発射された遊技球が規制蓋64zfに到達するタイミングは、0.6秒間隔であり、規制蓋64zfが開放状態となるタイミングは、1.3秒中の0.1秒であることから、規制蓋64zfが開放状態となる時点で遊技球が規制蓋64zfの上面に存在するタイミングは78秒中の1秒間となる。また、規制蓋64zfが開放状態となる期間が0.1秒であることから、規制蓋64zfが開放状態となってから0.1秒が経過するまでの間に規制蓋64zfへと到達する遊技球は、第1流路ry1を流下する遊技球のうち、0.1秒間の間に規制蓋64zfへと到達し得る位置を流下する遊技球となる。つまり、遊技者が継続して右打ち遊技を行った場合において、規制蓋64zfが開放状態となり、さらに、その開放状態中の規制蓋64zfを遊技球が通過可能なタイミングは、38秒間中の1秒間となる。即ち、右打ち遊技を連続して実行した場合には、1分間に約2発の球が右第1入球口64zに入球することになる。
つまり、本実施形態では、遊技状態が通常状態の場合において、左打ち遊技を行うと、発射された250発の球のうち、第1入球口64に約15発が入球するように設計されており、球が入球した場合は5発の賞球が払い出される。また、一般入球口63に約5発が入球するように設計されており、球が入球した場合5個の賞球が払い出される。よって、左打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射させることも考慮すると、約20個の球を第1入球口64に入球させることが可能となるのに対して、遊技状態が通常状態の場合において、右打ち遊技を行った場合は、発射された250個の球のうち、右第1入球口64zに約5発が入球するように設計されており、遊技球が入球した場合は2発の賞球が払い出される。また、右側領域には一般入球口63が設けられていない。よって右打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射されることを考慮したとしても、約6個の球を右第1入球口64zに入球させることしかできない。
よって、本実施形態におけるパチンコ機10は、通常状態が設定されている状態において(設定されている遊技状態に関わらず)、右打ち遊技を行っても左打ち遊技を行っても、第1特別図柄抽選の抽選契機となる始動口(第1入球口64、或いは、右第1入球口64z)へと遊技球を入球させることが可能に構成されているが、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも効率良く第1特別図柄の抽選契機を成立させることができるように構成している。従って、通常状態が設定されている場合においては、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技方法となる。
なお、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が通過する遊技領域(右側領域)に一般入球口63を設けていないが、遊技状態が通常状態において、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利とならない程度の設計思想の基、一般入球口63を配設してもよい。これにより、時短状態中や大当たり状態中の右打ち遊技において、賞球として払い出される球数を増加させることができる。
第1流路ry1のうち、規制蓋64zfよりも下流側の位置には、スルーゲート67が配設されている。このスルーゲート67は、上述した各実施形態と同一のものであり、遊技球がスルーゲート67を通過したことを基づいて普通図柄抽選の抽選契機が成立するように構成されている。なお、スルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄抽選の内容や、詳細な処理の流れについては上述した各実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
次いで、スルーゲート67を通過した球が流下する箇所には、V入賞装置1650が配設されている。このV入賞装置1650は、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技中に可変動作される可変入球手段として構成されている。V入賞装置1650が、大当たり遊技中のみ遊技球が入賞可能となるように構成されており、大当たり遊技が実行されると開閉扉1650fが開放状態、或いは閉鎖状態へと可変動作される。
開閉扉1650fは、閉鎖状態中においてその上面が第1流路ry1の下流側の流路となるように構成されており、大当たり遊技中以外においてV入賞装置1650へと到達した遊技球は、閉鎖状態中の開閉扉1650fの上面を転動し、第1流路ry1の最下流右端部と連通する第2流路ry2に向けて流下するように構成している。
ここで、V入賞装置1650が可変動作される大当たり遊技が実行されると、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技として開閉扉1650fが最大で30秒間開放状態となる大当たり遊技が実行される。上述した通り、本第17実施形態のパチンコ機10は、右打ち遊技によって右側領域を流下する遊技球は、その全てが第1流路ry1に流入するように構成されており、1分間に2発程度が入球する右第1入球口64zへと入球しなかった遊技球の全てがV入賞装置1650へと到達するように構成している。
よって、V入賞装置1650が可変動作される大当たり遊技が実行された場合には、遊技者は右打ち遊技を実行するだけで無駄無くV入賞装置1650へと遊技球を入球させることができる。
次に、V入賞装置1650の構成について説明をする。このV入賞装置1650は、上述した第1実施形態のV入賞装置650(図4から図7参照)と同一の要素で構成されているためその詳細な説明を省略する。上述した第1実施形態では、特別図柄抽選において小当たり当選した場合にV入賞装置650が開放動作されるように構成され、さらに、その小当たり遊技中においてV入賞装置650の内部(V入賞装置650に入賞した遊技球が通過可能な位置)に設けられた特定領域(Vスイッチ650e3)を遊技球が通過したことに基づいて、大当たり遊技を実行するように構成しているのに対して、本第17実施形態では、大当たり遊技中にV入賞装置1650が開放動作されるように構成されている点で相違している。つまり、V入賞装置1650を開放動作させる条件が相違している。
また、本第17実施形態では、V入賞装置1650の内部(V入賞装置1650に入賞した遊技球が通過可能な位置)に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過したことに基づいて、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成されている点で相違している。つまり、特定領域を遊技球が通過したことに基づいて遊技者に付与される特典の種別が相違している。さらに、本第17実施形態では大当たり遊技中にV入賞装置1650が開放動作されるように構成していることから、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中におけるV入賞装置1650の動作シナリオも相違している。
つまり、本第17実施形態のパチンコ機10が有するV入賞装置1650は、上述した第1実施形態のパチンコ機10が有するV入賞装置650と同一(同様)の構造ではあるが、その構造の動作制御内容(当たり動作パターン)、及び、V入賞装置650に入賞した遊技球の検知結果に基づいて実行される制御内容(特典種別)が相違している。この相違点については、図365を参照して後述する。尚、説明の便宜上、V入賞装置1650の内部構造を説明する際には、上述した第1実施形態のパチンコ機10が有するV入賞装置650の内部構造に対して付された各種符号(大符号(650)+小符号)に対して、大符号を650から1650へと変更した符号を用いて説明をするが、具体的な構造については同一であるためその詳細な説明を省略する。
図354に戻り説明を続ける。V入賞装置1650を通過した遊技球は、第1流路ry1と連通する第2流路ry2を流下し、第2入球口640へと到達する。この第2入球口640は、第2球流路ry2の転動面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、球が1個入球する毎に、賞球として1個の球が払い出されるように構成している。また、上述した各実施形態と同様に、第2入球口640への球の入球が第2特別図柄の抽選(変動)のトリガとなるように構成している。この第2入球口640の開口部は、電動役物640aにより覆われており、その電動役物640aを球が入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球が困難(不可能)となる閉鎖状態とに可変制御することにより、球の入球のし易さを異ならせることができるように構成している。
第2入球口640の開口部を電動役物640aが覆っている状態(閉鎖状態)では、第2球流路ry2を流下した球は、電動役物640a上を通過し、第2流路ry2の下流側へと流下するように構成している。つまり、第2流路ry2のうち、第2入球口640よりも下流側へと流下する球は、第2入球口640に入球しなかった(出来なかった)球ということになる。
なお、第2入球口640に付随する電動役物640aは、上述した各実施形態と同様に普通図柄抽選にて当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技において開放状態へと可変されるように構成しており、その処理内容は上述した各実施形態と同一であるため、本実施形態ではその詳細な内容についての説明を省略する。
第2流路ry2のうち、第2入球口640よりも下流側を流下する球は、第2流路ry2と連通する第3流路ry3に流入し、可変入賞装置2650に到達する。この可変入賞装置2650は、特定入賞口2650aと、その特定入賞口2650aの開口部を覆うための開閉扉2650fとから構成されている。
特定入賞口2650aは、第3流路ry3の転動面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、球が1個入球する毎に、賞球として15個の球が払い出されるように構成している。
この可変入賞装置2650は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の一部、或いは、特別図柄(第2特別図柄)の抽選において小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技中に開放動作するものであり、開閉扉2650fを予め定められた開放シナリオで開放させることにより、球が入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球困難(不可能)な閉鎖状態とに可変制御される。
開閉扉2650fが特定入賞口2650aを閉鎖している閉鎖状態では、第3流路ry3を流下した球は開閉扉2650fの上面を通過し、アウト口66に向けて流下するように構成している。この開閉扉2650fの上面(球通路面)は、球の流下を遅延させるための遅延手段が設けられており、球が開閉扉2650f上を通過するために1秒を要するように構成している。この遅延手段を設けることにより、より小さなスペースで必要な球通過時間を確保することができる。詳細な説明は省略するが本第17実施形態では遅延手段として、摩擦抵抗の高い(他の転動面よりも摩擦抵抗の高い)転動面となるように、開閉扉2650fの上面に球が乗り越え可能な凹凸部を形成している。
なお、遅延手段としては、球通路面の構造を工夫することで球遅延通路(例えば、球経路がつづら折り状になる通路)を形成したり、球通路面の材質を工夫することで球遅延通路を形成したり、球が所定区間を通過するための通過時間を遅らせたりするものであれば何でも良い。
さらに、左打ち遊技(可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)を狙う遊技)によって発射された球が上述した各流路(ry1~ry3)に設けられた各入賞口(入球口)に入球してしまうことを規制するための規制部材(規制手段)として、遊技盤13の下方(第1入球口64の下方、および右方)に釘を植設している。このように構成することで、右打ち遊技と左打ち遊技とで異なる遊技を遊技者に提供することができるため、遊技者に対して飽きの来ない(飽き難い)遊技を提供することができる。
次に、本第17実施形態において右打ち遊技をした場合における球流れ内容と、設定されている遊技状態との関係について図355を参照して説明をする。図355(a)は、遊技状態として時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている状態における球流れを模式的に示した模式図であり、図355(b)は、遊技状態として潜確状態が設定されている状態における球流れを模式的に示した模式図である。
本第17実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として、普通図柄の低確率状態である通常状態と潜確状態、普通図柄の高確率状態である時短状態と確変状態の4つの遊技状態を設定可能に構成している。そして、普通図柄の確率状態に関わらず高確率で普通図柄抽選に当たり当選するように構成している。一方で、普通図柄の確率状態に応じて普通図柄抽選の変動時間と普図当たり遊技における電動役物640aの開放パターンを異ならせるように構成している。さらに、設定される遊技状態に応じて第2特別図柄抽選の変動時間を異ならせるように構成している。
このように遊技状態に応じて普通図柄変動時間、普図当たり内容、特別図柄変動時間を異ならせることにより、右打ち遊技の遊技結果を設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成している。簡単に説明をすると、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、第2入球口640に遊技球を容易に入球させることが可能であるが、第2特別図柄抽選の変動時間として長時間の変動時間(例えば10分)が設定され易くなるため、右打ち遊技を実行したとしても第2特別図柄抽選を効率良く実行することができない。
遊技状態として時短状態が設定されている場合には、第2入球口640に遊技球を容易に入球させることが可能であり、さらに、第2特別図柄抽選の変動時間として短時間の変動時間(例えば3秒)が設定され易くなるため、右打ち遊技を実行した場合に、効率良く第2特別図柄抽選を実行することができる。しかし、普図当たり遊技によって頻繁に電動役物640aが開放状態となるように構成しているため、右側領域を流下する遊技球が第3流路ry3へと流入し難くなり、第2特別図柄抽選の抽選結果が小当たりとなる小当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置2650の特定入賞口2650aに遊技球が入球し難い状態となる。なお、この時短状態は、上述した通常状態よりも第2特別図柄抽選を効率良く実行させることができる分、遊技者に有利な遊技状態となる。
遊技状態として確変状態が設定されている場合には、上述した時短状態と同一内容で普通図柄抽選及び普図当たり遊技が実行されるため、第2特別図柄抽選の抽選結果が小当たりとなる小当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置2650の特定入賞口2650aに遊技球が入球し難い状態となる。なお、確変状態中は特別図柄の高確率状態が設定され、時短状態中は特別図柄の低確率状態が設定されているため、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高くなる分、遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、遊技状態として潜確状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選の変動時間は、上述した時短状態と同様の変動時間(例えば、3秒)が設定され易く、且つ、電動役物640aが開放状態となる頻度が上述した時短状態よりも低くなるように構成している。よって、時短状態が設定されている場合よりも、右側領域を流下する遊技球が第3流路ry3へと流入し易くなり、小当たり遊技中に可変入賞装置2650の特定入賞口2650aへと遊技球を入球させ易くすることができる状態となる。
上述した通り、本第17実施形態におけるパチンコ機10では、右打ち遊技を実行する際の遊技状態として、潜確状態が設定されている場合が、第2特別図柄抽選を効率良く実行させ易く、且つ、小当たり遊技中に賞球を獲得し易い最も有利な遊技状態となり、次に有利な遊技状態が、小当たり遊技中に賞球を獲得し難いが、第2特別図柄を効率良く実行させ易い確変状態となり、次に有利な遊技状態が、確変状態と同一の頻度で第2特別図柄抽選を実行可能であり、且つ、確変状態よりも第2特別図柄抽選の大当たり確率が低い時短状態となる。そして、時短状態と同一の大当たり確率(低確率)で特別図柄抽選が実行され、且つ、第2特別図柄抽選が実行され難い通常状態が最も遊技者に不利な遊技状態となる。
図355(a)に示した通り、第17実施形態の遊技盤13には、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間(スルーゲート67を通過した球が第2入球口640に到達するまでに要する時間)が0.5秒となるように構成している。また、第2入球口640を覆う電動役物640a上の球通過時間(電動役物640aの上流端から下流端まで球が通過(流下)するのみ要する時間)が1秒となるように構成している。
詳細な説明は後述するが、本第17実施形態では、遊技状態として普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)が設定されている場合には、普通図柄の変動時間が0.1秒~0.4秒、即ち、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間よりも短い時間が設定されるように構成している。さらに、普通図柄の抽選にて当たりに当選した場合には、0.2秒の開放動作を0.8秒の閉鎖期間を挟んで2回実行するように構成している。つまり、球が電動役物640a上を通過する時間(1秒)よりも短い閉鎖期間が設定される開放動作を実行するように構成している。
よって、図355(a)に示した通り、遊技状態として時短状態が設定されている場合に右打ち遊技をすると、殆どの球が第2入球口640へ入球することになる。さらに、第17実施形態では、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間(0.5秒)の半分未満の時間で普通図柄の変動時間が設定されるため、普通図柄の抽選の結果が外れとなる抽選が1回行われたとしても、次の抽選において当たりに当選することにより、外れの抽選の起因となった球を第2入球口640へ入球させることができる。
一方、遊技状態として普通図柄の低確率状態(通常状態、潜確状態)が設定されている場合には、普通図柄の変動時間が3~5秒、即ち、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間(0.5秒)よりも長い時間が設定されるように構成している。さらに、普通図柄の抽選にて普図当たりに当選した場合には、0.04秒の開放動作を1回実行するように構成している。
よって、図355(b)に示した通り、遊技状態として潜確状態が設定されている場合に右打ち遊技をすると、殆どの球が第2入球口640へ入球することなく、可変入賞装置2650(第3流路ry3)へ向けて球が流下することになる。このように構成することで、普通図柄の低確率状態では、普通図柄の高確率状態よりも、小当たり遊技中に球を可変入賞装置2650の特定入賞口2650aへと入賞させ易くすることができる。
なお、本第17実施形態では電動役物640a上を球が通過する時間が1秒となるように構成しており、且つ、球が0.6秒に1発発射されるように構成していることから、継続して右打ち遊技を行うことで、常に、1個の球が電動役物640a上に滞在するように構成している。
このように構成することで、普通図柄の抽選で普図当たりに当選した場合において、電動役物640aの開放期間が短い普図当たり遊技(開放期間が0.04秒の普図当たり遊技)を実行した場合であっても、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を確実に入球させることができる。よって、右打ち遊技を実行する遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態)において、第2特別図柄の抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第17実施形態では、遊技状態として4つの遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)を設定可能に構成し、そのうち3つの遊技状態(時短状態、確変状態、潜確状態)を、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態としている。そして、第2特別図柄の抽選が実行され易い3つの遊技状態のうち、特定の遊技状態(潜確状態)のみ、他の遊技状態(時短状態、確変状態)よりも小当たり遊技中に付与される特典量が大きくなる構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選が実行され易く、且つ、小当たり遊技中に特典が付与され易い第1遊技状態(潜確状態)と、その第1遊技状態よりも小当たり遊技中に付与される特典量を少なくし、且つ、第1遊技状態よりも第2特別図柄の抽選が実行され易い第2遊技状態(時短状態、確変状態)を設定することができる。
よって、遊技者に対して異なる有利状況を付与可能な遊技状態を設定することで、多彩な遊技を提供することができ遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
さらに、上述した第2遊技状態を、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し易い遊技状態(確変状態)と、その確変状態よりも大当たりに当選し難い遊技状態(時短状態)とに分けて設定することができるため、遊技者に対してより多彩な遊技を提供することができ遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
また、詳細な説明は後述するが、本第17実施形態では、設定される大当たり種別に応じて時短終了条件の成立のし易さを異ならせた確変状態を設定可能に構成している。つまり、大当たり遊技終了後に、時短終了条件が成立し易い確変状態(第1確変状態)と、時短終了条件が成立し難い確変状態(第2確変状態)と、を設定可能に構成している。そして、何れの確変状態が設定されている場合であっても、時短終了条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。
よって、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合において、確変状態よりも遊技者に有利となる潜確状態へと遊技状態が早期に移行し易い第1確変状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本第17実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定される回数(確変連続回数)に上限(リミット回数)を設けており、リミット回数に到達した場合には、確変状態が設定される大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態)が設定されるように構成している。つまり、特別図柄の高確率状態が連続して設定されてしまうと、特別図柄抽選で大当たり当選し易い遊技状態を過剰に継続させてしまうため、リミット回数に到達した場合には、特別図柄の高確率状態が設定される大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技終了後に強制的に特別図柄の低確率状態が設定されるように構成している。よって、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別が設定された状態でリミット回数に到達した場合には時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。
この場合、リミット回数到達の有無に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることができるが、設定される大当たり種別が同一であることから、普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための時短終了条件は同一となる。ここで、遊技状態として確変状態が設定されている場合は、時短終了条件が成立することにより、確変状態(時短終了条件成立前の遊技状態)よりも、遊技者に有利となる潜確状態(時短終了条件成立後の遊技状態)へと移行させることができるため、時短終了条件が早期に成立したほうが遊技者に有利となる遊技性であるのに対して、リミット回数に到達した場合に設定される時短状態では、時短終了条件が成立することにより、時短状態(時短終了条件成立前の遊技状態)よりも、遊技者に不利となる通常状態(時短終了条件成立後の遊技状態)へと移行することになるため、時短終了条件が早期に成立してしまうことで遊技者に不利な状況を提供してしまうことになる。
これに対して、本第17実施形態では、時短終了条件として特別図柄抽選の回数(特別図柄変動の回数)に基づいて成立する時短終了条件を複数設定するように構成し、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、時短終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成している。このように構成することで、同一の時短終了条件が設定された場合であっても、設定される遊技状態に応じて時短終了条件の成立のし易さを異ならせることができるため、例えば、特定の大当たり種別に当選したことに基づいて確変状態が設定された場合において、時短終了条件を成立し易くすることで潜確状態へと移行させ易くしながらも、特定の大当たり種別に当選し、且つリミット回数に到達したことに基づいて時短状態が設定された場合には時短終了条件を成立させ難くすることで通常状態へと移行させ難くすることができる。
<第17実施形態における演出内容について>
次に、図356から図362を参照して、本第17実施形態において実行される特徴的な演出について説明する。ここで、上述した通り、本第17実施形態では、時短状態と確変状態と潜確状態が設定されている状態、即ち、通常状態以外の遊技状態が設定されている状態は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となるように構成している。そして、潜確状態が設定されている場合は、小当たり遊技によって賞球を獲得可能な遊技(RUSH遊技)が実行可能となるため、遊技者に潜確状態中であることを分かり易く報知するための演出(RUSH演出)が実行されるように構成している。さらに、時短状態が設定されている場合と、確変状態(確変B状態)が設定されている場合、即ち、小当たり遊技が実行された場合であっても、その小当たり遊技中に可変入賞装置2650へと球を入賞させることができない(潜確状態中よりも入賞させ難い)場合では、同一の演出(遊技者が識別困難な程度の相違点を有する演出を含む概念)としてチャレンジ演出が実行されるように構成している。
このように、時短状態中と確変状態中とで同一の演出が実行されるように構成することで、右打ち遊技が継続する右打ち遊技期間(有利期間)のうち、小当たり遊技において賞球を獲得することができない(賞球を獲得し難い)確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定された回数を遊技者に分かり難くすることができる。これにより、どのタイミングでリミット回数に到達したのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
まず、図356を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に表示される表示画面の一例について説明をする。図356(a)は、確変A大当たりに対応する大当たり遊技におけるエンディング期間に表示される表示態様の一例であって、第1特別図柄の保留球を獲得しており、且つ、獲得している第1特別図柄の保留球に対応する抽選結果が外れである場合に表示されるRUSH突入を示すための表示態様の一例を示す図であり、図356(b)は、時短大当たり、確変B大当たり、確変A大当たりの一部にて実行される大当たり遊技におけるエンディング期間に表示される表示態様の一例であって、大当たり遊技終了後にチャレンジ演出(チャレンジモード)が実行されることを示す表示態様の一例を示した図である。
上述した通り、本第17実施形態では、大当たり遊技の終了後にRUSH遊技を実行させる場合であっても、大当たり遊技終了後に直接潜確状態を設定するのでは無く、一旦、確変状態を設定した後に、短時間(0.5秒)で時短終了条件を成立させる(第1特別図柄変動を停止表示実行させる)ことで潜確状態を設定するように構成している。つまり、大当たり遊技の終了後に必ず普通図柄の高確率状態が設定されるように構成している。このように構成することで、大当たり当選回数がリミット回数に到達し、大当たり遊技終了後に設定される特別図柄の確率状態として低確率状態が強制的に設定される場合において、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)では無く、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することが可能となるため、リミット回数に到達した場合において設定される遊技状態として少しでも遊技者に有利な遊技状態(時短状態)を設定することができ、遊技者の遊技意欲が一気に低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第17実施形態では、確変A大当たり当選に基づいて設定される遊技状態に対して、時短終了条件の1つとして、第1特別図柄変動が1回実行された(停止表示された)場合に成立する第1時短終了条件を規定している。そして、確変A大当たり後に確変状態が設定された場合には、1回目の第1特別図柄変動の変動時間として短時間(0.5秒)の変動時間が設定され易くなるように構成し、確変A大当たり後に時短状態が設定された場合には、1回目の第1特別図柄変動の変動時間として長時間(300秒)の変動時間が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、同一の大当たり種別が設定された場合において、普通図柄の高確率状態が継続する期間の長さを異ならせることができる。また、本第17実施形態では、第1特別図柄が変動している期間中にも第2特別図柄抽選を実行可能に構成しているため、第1特別図柄の変動期間を異ならせることにより、普通図柄の高確率状態中における特別図柄抽選の実行回数(第2特別図柄抽選の実行回数)を異ならせることができる。
図356(a)に示した一例は、第1特別図柄抽選で大当たり当選しない(外れ当選する)保留球を獲得している状態、即ち、大当たり遊技終了後に、第1特別図柄の外れ変動(0.5秒)が実行されることが確定している状態であるため、大当たり遊技のエンディング画面として、主表示領域Dmの中央付近にウサギを模したキャラクタ851が遊技者を祝福する表示態様で表示され、その上方には「おめでとう」の文字が表示される。
そして、主表示領域Dmの左上には小表示領域Dm2が形成され、遊技者に対して有利となる遊技方法(右打ち遊技、又は左打ち遊技)を報知するように構成している。即ち、本第17実施形態では、小表示領域Dm2に表示される表示態様が、遊技者に有利となる遊技方法を表示するための案内表示態様となる。
主表示領域Dmの右上には、右打ち遊技期間(有利期間)中に獲得した賞球数を示すための小表示領域Dm10が形成され、右打ち遊技期間中に獲得した賞球数に対応させて表示態様が更新(可変)するように構成している。図356(a)に示した一例では、右打ち遊技期間として最初に実行された大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応する「720pt」が表示されている。即ち、本第17実施形態では、小表示領域Dm10に表示される表示態様が、遊技者に有利な遊技状態が継続している期間(有利期間)中に獲得した特典の量(内容)を示すための獲得表示態様となる。
この獲得表示態様は、右打ち遊技が継続する期間、即ち、遊技状態として通常状態が設定されるまでの期間において累積表示されるように構成しており、遊技状態として通常状態が設定される場合において、有利期間が終了する旨を示す表示態様(例えば、有利期間中に獲得した特典の量や、大当たり回数、特別図柄抽選の実行回数等)として表示され、その後、0にクリアされる。なお、本実施形態では、1回の有利期間内において遊技者が獲得した特典の量(賞球数)を示すための表示態様を小表示領域Dm10に表示するように構成しているが、これに限ること無く、1回の有利期間内において実行された当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の回数を示すための表示態様や、有利期間中に実行された特別図柄抽選の回数を示すための表示態様や、有利期間中の経過時間を示すための表示態様を表示するように構成しても良い。
また、複数の有利期間を跨いで獲得表示態様を累積表示するように構成しても良いし、1回の有利期間において獲得表示態様を累積する期間を複数に分けても良い。加えて、本第17実施形態では、有利期間中に獲得した全ての賞球を対象に獲得表示態様を更新(可変)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、有利期間中に獲得した賞球種別毎に、例えば、大当たり遊技中に獲得した賞球の累積数と、それ以外で獲得した賞球の累積数と、を遊技者が識別可能な表示態様で獲得表示態様を表示するように構成しても良い。このように構成することで、有利期間中において何を契機にどの程度の賞球を獲得したのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
このように、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されていることを示すRUSH演出を実行することにより、遊技者に対してRUSH遊技が実行されることを、潜確状態が設定されるよりも前に報知することができるため分かり易い演出を提供することができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、特別図柄抽選によって確変A大当たりに当選した場合において、様々なタイミングで第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)を判別(先読み)する処理が実行されるように構成している。具体的には、確変A大当たりに当選した特別図柄が変動するタイミング、確変A大当たりの大当たり遊技が実行されるタイミング、確変A大当たりの大当たり遊技が終了するタイミングにて特図1保留を獲得している状態か否か、或いは、獲得している特図1保留のうち、次に実行される(大当たり遊技終了後に実行される)第1特別図柄変動に対応する特図1保留が有する入賞情報に含まれる抽選結果(先読み結果)が大当たり当選か否かを判別するように構成している。
このように、様々なタイミングで特図1保留の獲得状況及び先読み結果を判別することにより、例えば、確変A大当たりに当選した特別図柄が変動するタイミングにて、次の第1特別図柄変動(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動)が外れ当選(0.5秒変動)であると判別(事前判別)した場合には、確変A大当たりに当選している特別図柄変動(確変A大当たり変動)に対する変動表示演出にて、大当たり遊技終了後にRUSH遊技が実行される旨を示唆する演出(例えば、この変動で大当たりすればRUSH確定!!のコメント表示)が実行され易くなり、確変A大当たりに当選した特別図柄が変動するタイミングにて、特図1保留を獲得していない場合、即ち、大当たり遊技終了後に第1特別図柄の短変動(0.5秒変動)が実行されることが確定していない場合は、大当たり遊技が終了した後、直ぐ(0.5秒後)に、RUSH遊技が実行されることが確定していないため、大当たり遊技終了後にRUSH遊技が実行される旨を示唆する演出(例えば、この変動で大当たりすればRUSH確定!!のコメント表示)が実行されないようにすることができる。
また、確変A大当たりに当選した特別図柄が変動するタイミングにて、特図1保留を獲得していない場合であっても、大当たり遊技の開始タイミングや終了タイミングにおいて新たな特図1保留を獲得したことが判別されることで、大当たり遊技終了後にRUSH遊技が実行される演出を、大当たり遊技期間中や、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)にて実行することが可能となる。このように構成することで、確変A大当たりに当選した特別図柄が変動するタイミングにて特図1保留を獲得していない場合であっても、大当たり遊技が終了するまでの期間において新たな特図1保留を獲得することにより、RUSH遊技が実行される旨を示唆する示唆演出を実行させることが可能となるため、遊技者に対して示唆演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、特図1保留を獲得している、或いは、新たに獲得したと判別した場合に、獲得している特図1保留の先読み結果に基づいた演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、獲得している特図1保留の先読み結果に基づいて大当たり遊技終了直後(0.5秒後)にRUSH遊技が実行されることが確定した場合に、RUSH遊技が実行される旨を示唆する示唆演出を実行可能な状態であることを示すフラグ(実行可能フラグ)をオンに設定し、その実行可能フラグがオンに設定されている間に演出の実行条件が成立した場合に、上述した示唆演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、特図1保留に関する情報を判別するタイミングとは異ならせたタイミングで示唆演出を容易に実行することができる。また、示唆演出を複数の実行タイミングで容易に実行させることができる。ここで、演出の実行条件としては、例えば、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が実行されたことを判別可能な操作判別手段と、を設け、操作判別手段が所定の操作が実行されたことを判別した場合に、演出の実行条件が成立するように構成したり、実行可能フラグがオンに設定されている間に、遊技盤13に設けられた所定領域(スルーゲート、第2入球口640、アウト口66等)を通過した通過球数、或いは、所定領域を遊技球が通過したことに基づいて払い出された賞球数が所定数(通過球数の場合は20球、賞球数の場合は100球)に到達したことを契機に演出の実行条件が成立するように構成しても良い。このように、遊技者が実行する遊技の結果に応じて示唆演出を実行するための実行条件が成立し得るため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、演出の実行条件としては、実行可能フラグがオンに設定されてから所定時間が経過した場合に成立する実行条件や、実行可能フラグがオンに設定された後に実行される大当たり遊技のラウンド数が所定数(例えば、3ラウンド)に到達した場合に成立する実行条件を設けても良い。このように、実行可能フラグがオンに設定されてからの経過期間に基づいて示唆演出が実行されるように構成することで、遊技者に対していち早く実行可能フラグをオンに設定させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、示唆演出を実行させることが可能な状態において演出実行抽選を行い、演出実行抽選の結果に当選した場合に示唆演出を実行させるように構成しても良く、この場合、演出実行抽選を独立した1の抽選手段によって実行しても良いし、普通図柄抽選のように別の用途に用いられる抽選手段の抽選結果を参照するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、特図1保留の有無、及び、獲得済の特図1保留に含まれる入賞情報を判別する特図1保留判別タイミングを、上述した3つのタイミングに固定しているが、これに限ること無く、特図1保留判別タイミングを可変可能(例えば、特定ラウンドの開始タイミングを特図1保留判別タイミングとした場合において、特定ラウンドとするラウンド数を可変させる)に構成しても良いし、複数の特図1保留判別タイミングのうち、実際に特図1保留判別を実行するタイミングを決定する決定手段を設けても良い。
上述した通り、どのタイミングで特図1保留判別が実行されるかを遊技者に分かり難くすることで、特図1保留を獲得していない状態で大当たり遊技が実行された場合において、新たな特図1保留を獲得した場合に示唆演出が実行されなかったとしても、確変A大当たり以外の大当たり種別で大当たり当選しているのか、確変A大当たりであるが示唆演出の実行条件が成立していない状態であるのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、大当たり遊技が終了するまで(大当たり遊技が終了してから0.5秒が経過するまで)RUSH遊技が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
また、上述した演出の実行条件を、特図1保留の有無に関わらず成立可能に構成し、演出の実行条件が成立した場合における特図1保留の有無によって実行する演出の種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、特図1保留を獲得している場合には、示唆演出を実行するように構成し、特図1保留を獲得していない場合には、現在の確変連続回数を示唆する演出を実行するように構成しても良い。このように、特図1保留の獲得タイミングと、演出の実行条件の成立タイミングとの時系列的な前後関係に応じて異なる種別の演出を実行可能にすることで、遊技者に対して、予測され難い演出を容易に実行することができる。
また、特別図柄抽選の結果を示すための変動表示演出として、上述した各実施形態と同様に複数の図柄(第3図柄)を用いた変動表示演出を実行する場合には、その変動表示演出の演出態様を可変させることにより、大当たり遊技終了直後(0.5秒後)に、RUSH遊技が実行されることを示唆するための示唆演出を実行するように構成しても良い。つまり、特別図柄抽選の結果と、特図1保留の有無、及び、獲得済みの特図1保留のうち、次に実行される(大当たり遊技終了後に最初に実行される)第1特別図柄変動に対応する特図1保留が有する入賞情報に含まれる抽選結果(先読み結果)と、に基づいて変動表示演出の演出態様を決定可能に構成しても良く、例えば、確変A大当たりに当選した場合において、大当たり遊技の終了直後にRUSH遊技が実行されることが確定している場合には、変動表示演出の演出結果として、大当たり当選したことを、大当たり遊技の終了直後にRUSH遊技が実行されることを示す特別表示態様(例えば「777」)を停止表示させるように構成し、確変A大当たりに当選した場合において、大当たり遊技の終了直後にRUSH遊技が実行されることが確定していない場合は、上述した特別表示態様以外の表示態様であって、設定される大当たり種別に関わらず、大当たり当選したことのみを示す通常表示態様(例えば、「666」)を停止表示させるように構成すると良い。また、確変A大当たりに当選した場合のほうが、他の種別の大当たりに当選した場合よりも表示され易い有利表示態様(例えば、「555」)を停止表示させるように構成しても良いし、確変A大当たりに当選した場合のほうが、他の種別の大当たりに当選した場合よりも表示され難い不利表示態様(例えば、「222」)を停止表示させるように構成しても良い。
このように、特別図柄抽選の結果(大当たり当選の有無)と、当選した大当たりに設定される大当たり種別と、特図1保留の状況と、に基づいて、変動表示演出の表示態様を設定可能に構成することで、上述した通常表示態様や、有利表示態様で第3図柄が停止表示された場合において、特図1保留の有無に応じて確変A大当たりの当選期待度を異ならせることができるという斬新な演出を提供することができる。
また、この場合、変動表示演出として、特別図柄の変動期間(例えば、90秒)のうち、残変動期間が所定期間(例えば、10秒)になった時点で特図1保留の有無、及び、先読み結果を判別する処理を実行するように構成し、特別図柄変動の開始タイミングと、判別結果が異なった場合、例えば、特別図柄変動の開始タイミングでは特図1保留が0であった場合であって、特別図柄の残変動期間が所定期間になったタイミングで抽選結果が外れであることを示す特図1保留を1個獲得していることが判別された場合(大当たり遊技の終了直後にRUSH遊技が実行されることが確定した場合)には、残変動期間を用いて、第3図柄の停止表示態様を可変させる(昇格させる)昇格演出を実行するように構成しても良い。
なお、この場合は、従来型のパチンコ機10にて用いられる確変昇格演出、即ち、実際に当選している大当たり種別に対応する表示態様以外の表示態様で第3図柄を停止表示させ、その後、実際に当選している大当たり種別に対応する表示態様へと可変(昇格)させる演出と、融合させて昇格演出を実行させても良いし、確変昇格演出と、昇格演出との実行タイミングを異ならせ、先に確変昇格演出を実行させて確変A状態である可能性を高めた上で、昇格演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、第3図柄の停止表示態様を複数段階に渡って可変表示させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、上述した演出態様の例では、第3図柄の停止表示態様を用いて、RUSH遊技の実行期待度を示す演出態様を説明したが、これに限ること無く、RUSH遊技が実行される(大当たり遊技の終了直後にRUSH遊技が実行される)ことを示すための専用の図柄(キャラクタ)を第3図柄表示装置81の表示面に表示可能に構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示態様の色や大きさを可変させることにより、RUSH遊技の実行期待度を示唆するための示唆演出を実行するように構成しても良い。
次に、大当たり遊技終了後にチャレンジモード(チャレンジ演出)が実行されることを示すための表示態様の一例を、図356(b)を参照して説明をする。なお、図356(b)では、副表示領域Dsの特1保留表示領域Ds1aと特2保留表示領域Ds1b、及び、特1変動表示領域Ds3aと、特2変動表示領域Ds3bの記載を省略している。図356(b)に示した通り、大当たり遊技終了後にチャレンジモード(チャレンジ演出)が実行される条件が成立した場合には、主表示領域Dmの中央付近にて右方向へと走る態様でキャラクタ851が表示され、副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には大当たり遊技の終了後にチャレンジモード(チャレンジ演出)が実行されることを案内するための案内表示態様として「チャレンジモード突入!!」のコメントが表示される。それ以外は、上述した図356(a)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図356(b)に示したエンディング画面は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりと、確変B状態が設定される大当たり、即ち、大当たり遊技終了後に、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合計変動回数が100回に到達するまで時短終了条件が成立しない大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後に必ず表示されるように構成している。これにより、図356(b)に示したエンディング画面が表示された場合には、遊技者に対してチャレンジモードが設定されることを分かり易く報知することができると共に、何れの遊技状態(時短状態、確変B状態)が設定されるのかを判別し難くすることができる。
さらに、本実施形態では、確変B状態よりも時短終了条件が成立し易い確変A状態において、大当たり遊技終了後に即座に時短終了条件が成立することが確定していない場合には、図356(a)に示したエンディング画面では無く、図356(b)に示したエンディング画面が表示されるように構成している。
ここで、図356(b)に示したエンディング画面、即ち、大当たり遊技終了後にチャレンジモード(チャレンジ演出)が実行されることを示唆する表示態様がエンディング画面に表示される場合のうち、確変A状態が設定される場合について詳細に説明をする。大当たり遊技終了後に確変A状態が設定される場合において図356(b)に示したエンディング画面が表示される場合は、大当たり遊技終了時点において、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を獲得していない場合、或いは、大当たり遊技終了後に実行される1回目の第1特別図柄変動として、時短大当たり、或いは、確変B大当たりに当選することを示す第1特別図柄変動が実行される場合である。つまり、大当たり遊技終了後に設定される確変状態において時短終了条件が早期に成立することが確定していない場合である。この場合において、図356(a)に示したエンディング画面を表示してしまうと、大当たり遊技終了後に設定された確変状態が潜確状態へと移行し得ない状態、即ち、確変状態が設定された後、第1特別図柄変動が実行されず、時短終了条件が成立しない状態が継続するにも関わらずRUSH遊技が実行されることを遊技者に報知することになり、遊技者を困惑させてしまう虞がある。そこで本第17実施形態では、大当たり遊技終了後に時短終了条件が成立し易い確変状態(確変A状態)が設定される大当たり遊技のエンディング画面において、早期に時短終了条件が成立することが確定していない場合には、確変A大当たりに基づく大当たり遊技のエンディング画面であってもチャレンジモードが設定されることを示す表示態様が表示される。
このように、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中に特定条件が成立することにより、早期に潜確状態へと移行するように規定された大当たり種別(確変A大当たり)を有するパチンコ機10において、大当たり遊技が終了するまでに、特定条件が成立することが確定しているか否かを判別し、特定条件が成立することが確定している場合には、潜確状態が設定されるまでの間(例えば、大当たり遊技の開始時、大当たり遊技中、大当たり終了時、確変状態中)に、潜確状態が設定されることを事前に報知し、特定条件が成立することが確定していない場合には、確変状態が設定されることのみを事前に報知するように構成することで、大当たり遊技終了後に実行される遊技の内容を遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図357を参照して、大当たり遊技終了後にRUSH演出が実行される場合における演出内容について説明をする。図357(a)は、大当たり遊技終了後に確変状態が0.5秒間設定され、その後、潜確状態へと移行する場合における確変状態中の表示態様の一例を示した図である。図357(a)に示した通り、実際には確変状態が設定されている期間ではあるが、潜確状態が設定されていることを示すための演出態様(RUSH演出)が表示されている。このように構成することで、短期間で遊技状態が複数切り替わる場合において設定されている遊技状態に対応した演出を実行することにより遊技者に分かり難い演出、即ち、短期間で演出態様が切り替わってしまう演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
図357(a)に示した通り、RUSH演出が実行されると、主表示領域Dmの中央付近において宝箱852が表示される。この宝箱852は、RUSH遊技中における遊技結果(特別図柄抽選の結果や、RUSH演出の結果)を遊技者に報知する際に用いられるものであって、特別図柄抽選の結果を示す場合や、RUSH演出が所定条件を満たした場合に宝箱852が開き、宝箱852の中から結果表示態様852aが表示されるように構成している(図357(b)参照)。
RUSH演出中は第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの左側に特1保留表示領域Ds1aと特2保留表示領域Ds1bとが形成され、特1保留表示領域Ds1aには現在獲得している第1特別図柄の保留球数に対応する値が表示され、特2保留表示領域Ds1bには現在獲得している第2特別図柄の保留球数に対応する値が表示されるように構成しており、図357(a)に示した一例では、何れの特別図柄も保留球を獲得していないことを示す「0」が表示されている。
副表示領域Dsの中央には第2表示領域Ds2が形成されている。この第2表示領域Ds2は、実行中の演出内容や設定されている遊技状態を案内するための案内表示領域として用いられる領域であって、図357(a)では、RUSH演出が実行されていることを示す「RUSH中」の文字が表示されている。これにより、遊技者に対してRUSH遊技が実行されていることを分かり易く報知することができる。
副表示領域Dsの右側には、特1変動表示領域Ds3aと、特2変動表示領域Ds3bとが形成され、特1変動表示領域Ds3aには第1特別図柄変動に対応する第3図柄変動が表示され、特2変動表示領域Ds3bには第2特別図柄変動に対応する第3図柄変動が表示されるように構成しており、図357(a)に示した一例では、第1特別図柄が変動表示中であることを示すために、特1変動表示領域Ds3aには第3図柄が変動表示していることを示す表示態様「下方向の矢印」が表示され、第2特別図柄が変動表示されていないことを示すために、特2変動表示領域Ds3bには第3図柄が変動表示していないことを示す表示態様「-」が表示されている。
次に、図357(b)を参照して、RUSH遊技中に実行されるRUSH演出の演出内容について説明をする。図357(b)は、RUSH演出中の表示態様の一例を示した図である。本第17実施形態では、潜確状態が設定されると小当たり遊技によって賞球を獲得し易いRUSH遊技が実行される。RUSH演出は、RUSH遊技中の遊技結果を遊技者に報知するための演出であって、例えば、RUSH遊技中において第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて小当たり遊技が実行され可変入賞装置2650の特定入賞口2650aに球が入賞し、15球の賞球が払い出された場合には、図357(b)に示した通り、宝箱852が開放し、結果表示態様852aとして、15球の賞球を獲得したことを示す「+15」が表示される。
図357(b)に示した一例は、上述した図357(a)に示した状態から1回目の小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に15球の賞球を獲得した時点における表示態様を示したものであるため、小表示領域Dm10には、図357(a)に示した「720Pt」に対して、有利期間における累積賞球数が15球増加したことを示す「735pt」へと更新された獲得表示態様が表示され、特2変動表示領域Ds3bには、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことを示すための第3図柄の停止表示態様である「341」が表示されている。
なお、図357(b)に示した一例では、第1特別図柄変動が変動表示されていない状態で第2特別図柄が小当たり当選した場合を示しているため、特1変動表示領域Ds3aには、前回実行された第1特別図柄抽選の抽選結果を示す表示態様で第3図柄が停止表示されているが、例えば、第1特別図柄変動の実行中に第2特別図柄が小当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合、即ち、第1特別図柄変動の実行中に小当たり遊技が実行される場合には、実行中の第1特別図柄変動が仮停止していることを示す表示態様(例えば、第3図柄を若干揺動させて表示させる表示態様に加え、「仮停止中」の文字を表示する表示態様)で第3図柄が表示される。これにより、一方の特別図柄抽選に基づいて小当たり遊技が実行されることによって、実行中の他方の特別図柄変動が仮停止していることを分かり易く報知することができる。
次に、図358(a)を参照して、RUSH演出中に実行されるスーパーRUSH演出の内容について説明をする。図358(a)は、スーパーRUSH演出中に表示される表示態様の一例を示した図である。このスーパーRUSH演出は、RUSH演出中において、特定条件が成立した場合に実行される演出であって、本第17実施形態では、第2特別図柄の保留球内に小当たり当選を示す入賞情報が所定個数(4個)ある場合、或いは、大当たり遊技終了後に再度RUSH遊技が実行可能な特定種別の大当たり(大当たりE17)に当選することを示す入賞情報がある場合に特定条件が成立するように構成している。
つまり、スーパーRUSH演出は、RUSH遊技(RUSH演出)が終了することが無い期間を遊技者に報知するための演出である。このように構成することで、スーパーRUSH演出中は、遊技者に安心してRUSH遊技を行わせることができる。
スーパーRUSH演出が実行されると、図358(a)に示した通り、副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には、スーパーRUSH演出が開始されたことを示すための「スーパーRUSH突入!!」の文字が表示されると共に、主表示領域Dmに表示された宝箱852の中から第2結果表示態様852bとして、スーパーRUSH突入を示す「R」の表示態様が表示され、主表示領域Dmの右上にスーパーRUSH演出が実行された回数を示すための突入回数表示態様として小表示領域Dm11に「R×1」が表示される。なお、本第17実施形態では、スーパーRUSH演出の突入契機として、大当たり遊技終了後に再度RUSH遊技が実行可能な特定種別の大当たり(大当たりE17)に当選することを示す入賞情報がある場合に加え、第2特別図柄の保留球内に小当たり当選を示す入賞情報が所定個数(4個)ある場合を設定している。
つまり、今後実行される第2特別図柄抽選にて4回連続して小当たり当選する状況でもスーパーRUSH演出が実行されるように構成している。このように構成することで、スーパーRUSH演出が実行され易くすることができ、演出効果を高めることができる。また、小当たり遊技が連続して実行される(可変入賞装置2650が連続して開放動作される)期間においてスーパーRUSH演出が実行されるため、小当たり遊技が複数回実行されているのか、大当たり遊技が実行されているのかを遊技者に把握させ難くすることができる。なお、本第17実施形態では、RUSH演出中の表示画面において、第3図柄を変動表示させる表示領域(特1変動表示領域Ds3a、特2変動表示領域Ds3b)が、他の演出が実行されている場合における表示画面(例えば、図337参照)よりも小さくなるように構成し、遊技者に対して、新たな特別図柄変動が実行されたか否かを把握させ難くするように構成している。よって、スーパーRUSH演出中において、小当たり当選する特別図柄変動が複数回実行されたのか、大当たり当選する特別図柄変動が実行されたのかを分かり難くすることができるため、演出効果をより高めることができる。
スーパーRUSH演出中は、図358(b)に示した通り、宝箱852の表示態様が通常のRUSH演出中(図357(b)参照)に対して、豪華な表示態様となる。これにより、遊技者に対して現在の状況が有利な状況であることを視覚的に把握させ易くすることができる。そして、副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には現在がスーパーRUSH演出中であることを示すための「~スーパーRUSH中~」の文字が表示される。
次に、RUSH演出中における大当たり報知演出の演出内容について説明をする。本第17実施形態では、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別(確変大当たり)と、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別(時短大当たり)と、のうち何れかの大当たり種別が設定されるように構成している。さらに、確変大当たりの種別として、時短終了条件が成立し易い確変A大当たりと、確変A大当たりよりも時短終了条件が成立し難い確変B大当たりと、を設定可能に構成している。
そして、確変A大当たりが設定された場合には、大当たり遊技終了後に0.5秒の第1特別図柄変動を経て潜確状態(RUSH遊技)へと移行する遊技が実行されるように構成している。図356(a)に示した通り、確変A大当たりが設定された場合には、直後に潜確状態が設定されるため、大当たり遊技終了後から(実際には確変状態が設定されている時点から)RUSH演出が実行されるように構成している。つまり、RUSH演出中において第2特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別として確変A大当たりが設定される場合には、大当たり遊技を介してRUSH演出が継続して実行されるように構成している。
図359(a)は、RUSH演出中において、大当たり遊技終了後にRUSH演出(RUSH遊技)が継続する大当たりに当選した場合に表示される表示態様の一例を示した図である。図359(a)に示した通り、大当たり種別として確変A大当たりが設定される大当たりに当選した場合には、宝箱852が開き、結果表示態様852aとして、大当たり遊技終了後にRUSH演出(RUSH遊技)が継続することを示すための「V」の表示態様が表示されると共に、主表示領域Dmの中央上方には大当たり当選を示すための「大当たり」の文字が表示される。また、主表示領域Dmの右上には小表示領域Dm12が形成され、その小表示領域Dm12に、有利期間中に確変A大当たりに当選した回数を示すための確変当選回数表示態様として「V×1」が表示される。図359(a)に示した時点は、第2特別図柄抽選で大当たり当選した時点を示すものであるため、特2変動表示領域Ds3bには、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示すための表示態様「555」で第3図柄が停止表示されていると共に、特1変動表示領域Ds3aには、第2特別図柄変動が大当たり当選を示す表示態様で停止表示されたことに基づいて、実行中の第1特別図柄変動が外れを示す表示態様で強制停止されたことを示す表示態様「バツ印」で第3図柄が停止表示されている。
本第17実施形態では、有利期間中(確変状態、潜確状態、時短状態)に実行される演出として、上述したRUSH演出に加え、チャレンジ演出を実行可能に構成している。このチャレンジ演出は、遊技状態として確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とにおいて実行可能に構成されている。このように、有利期間中に確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで同一の演出(チャレンジ演出)を実行することにより、遊技者に対して、確変状態が設定されているのか時短状態が設定されているのかを把握させ難くすることができる。
また、上述した通り、本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変状態)が連続して設定される回数に上限を設けており、確変大当たりが5回連続で設定されると(リミット回数に到達すると)、5回目の確変大当たりに対応する大当たり遊技の終了後には、確変状態に対して特別図柄の高確率状態を低確率状態へと強制的に切り替えた時短状態が設定されるように構成している。このように、特定の遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態)が所定回数連続して設定される場合において、強制的に特定の遊技状態以外の遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態)が設定されるように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
ここで、リミット回数の到達の有無、或いは、リミット回数に到達するまでの残大当たり回数を遊技者が把握可能な演出を実行する場合には、リミット回数に到達し得る回数目の大当たり当選において、確変大当たりに当選した場合も時短大当たりに当選した場合も、何れにおいても大当たり遊技終了後には時短状態が設定されることになるため、リミット回数が近づくほど遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第17実施形態では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態である場合の一部と、時短状態が設定される場合において実行される演出(チャレンジ演出)の内容を統一化することにより、遊技者に対して、確変状態が連続して設定されている回数を把握させ難くしている。このように構成することで、遊技者に対してリミット回数の到達の有無、或いは、リミット回数に到達するまでの残大当たり回数を把握させ難くすることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
図359(b)は、RUSH演出中において、大当たり遊技終了後にチャレンジ演出が実行される大当たり(確変B大当たり、時短大当たり)に当選した場合に表示される表示態様の一例を示した図である。図359(b)に示した通り、大当たり種別として確変B大当たり、又は時短大当たりが設定される大当たりに当選した場合には、宝箱852が開き、結果表示態様852aとして、大当たり遊技終了後にチャレンジ演出が実行されることを示すための「チャレンジ」の表示態様が表示されると共に、主表示領域Dmの中央上方には大当たり当選を示すための「チャレンジ大当たり」の文字が表示される。図359(b)に示した時点は、第2特別図柄抽選で大当たり当選した時点を示すものであるため、特2変動表示領域Ds3bには、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示すための表示態様「444」で第3図柄が停止表示されていると共に、特1変動表示領域Ds3aには、第2特別図柄変動が大当たり当選を示す表示態様で停止表示されたことに基づいて、実行中の第1特別図柄変動が外れを示す表示態様で強制停止されたことを示す表示態様「バツ印」で第3図柄が停止表示されている。
次に、図360及び図361を参照して、有利期間中に実行されるチャレンジ演出の内容について説明をする。本第17実施形態では、大当たり遊技の終了後に即座にRUSH遊技が実行されることが確定している場合には、大当たり遊技の終了後にRUSH演出(図357参照)が実行されるが、大当たり遊技の終了後に即座にRUSH遊技が実行されることが確定していない場合、即ち、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合、或いは、大当たり遊技終了後に成立し難い時短終了条件が規定される確変状態(確変B大当たりに基づいて設定される確変状態)が設定される場合、大当たり遊技終了後に成立し易い時短終了条件が既定される確変状態(確変A大当たりに基づいて設定される確変状態)が設定される場合であって、大当たり遊技終了までに時短終了条件を成立させるための成立要素を獲得していない場合において、チャレンジ演出が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して現在設定されている遊技状態が何であるかを予測させ難くすることができる。
図360(a)に示した通り、チャレンジ演出が実行されると、主表示領域Dmの中央付近ではキャラクタ851が左から右へと走る態様で表示され、その上方にチャレンジ演出が実行されていることを示すための「チャレンジモード中」の文字が表示される。そして、表示領域HR20には、チャレンジ演出の演出期間を示唆するための期間表示態様として「残り時間300秒」が表示される。この期間表示態様は、時間経過に応じて残り時間が減算表示されるカウントダウン表示となる。
そして、副表示領域Dsの小表示領域Ds2にはチャレンジ演出中の遊技内容を示すための案内表示態様として「時間内に宝を見つけろ」のコメントが表示される。
詳細は後述するが、本第17実施形態では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている間にチャレンジ演出が実行されるように構成しており、普通図柄の高確率状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄変動が1回実行される(停止表示される)ことで成立する特定時短終了条件と、第1特別図柄変動回数と第2特別図柄変動回数との合算数が100回に到達した場合に成立する通常時短終了条件と、が大当たり当選した大当たり種別に応じて付与(設定)されるように構成している。
よって、チャレンジ演出の演出期間は、上述した特定時短終了条件、或いは通常時短終了条件が成立するまでの期間となる。ここで、チャレンジ演出が実行される場合には、第1特別図柄の変動時間として300秒が設定され易くなり、第2特別図柄の変動時間として3秒が設定され易くなるように構成している。よって、特定時短終了条件、或いは通常時短終了条件の何れが成立する場合においても、チャレンジ演出が実行されてから300秒が経過するタイミング付近で何れかの時短終了条件が成立し、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行する(チャレンジ演出が終了)するように構成している。
このように、実際には特別図柄変動の回数に基づいて成立する時短終了条件として内容の異なる複数の時短終了条件が設定される場合において、正常に遊技を実行した場合に、各時短終了条件が成立し得るタイミングに時間差が生じ難くなるように構成し、各時短終了条件が成立するまでの特別図柄変動回数を示す演出態様では無く、各時短終了条件が成立し得るタイミングまでの残期間を示す演出態様を設定することにより、遊技者に対して何れの時短終了条件が設定されたのかを分かり難くすることができる。また、異なる時短終了条件が設定された場合におけるチャレンジ演出の演出態様を共通化することができるため、演出データの容量を削減することができる。
次に、図360(b)を参照して、チャレンジ演出中において残期間が無くなった場合に表示される表示態様の一例について説明をする。図360(b)は、チャレンジ演出(チャレンジモード)の延長中画面の一例を示した図である。上述した通り、本第17実施形態では、特定時短終了条件が成立するまでの期間(300秒)を、チャレンジ演出の残期間として表示領域HR20に表示させている。ここで、時短終了条件として特定時短終了条件では無く、通常時短終了条件のみが設定されている場合には、300秒のカウントダウン表示が0秒になった時点において時短終了条件が成立していない場合が発生する。つまり、チャレンジ演出中において遊技者が継続して右打ち遊技を行っている場合には、3秒の変動時間で第2特別図柄変動が連続して実行されるため、チャレンジ演出が実行されてから300秒が経過するまでに通常時短終了条件が成立し、チャレンジ演出を終了させることができるが、チャレンジ演出の実行中に遊技を一旦止めた場合などは、300秒のカウントダウン表示が0秒になった時点において通常時短終了条件(特図変動合計100回)が成立していない場合がある。
この場合は、図360(b)に示した通り、チャレンジモード延長中の文字を表示させ、表示領域HR20には残期間が不明であることを示す「???」を表示させた延長演出が実行される。この延長演出中は、岩を模したアイコン853がキャラクタ851を襲う態様で演出が実行される。そして、副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には「つかまったら終了」のコメントが表示される。
このように構成することで、遊技者に対してチャレンジモード演出が実行されてから300秒が経過したにも関わらず、チャレンジ演出が終了しない(普通図柄の高確率状態中の遊技が終了しない)状態であることを分かり易く報知することができる。また、チャレンジ演出(普通図柄の高確率状態中の遊技)が延長されたと思わせることができ演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、表示領域HR20に表示された残期間が0秒に到達した時点で時短終了条件が成立していない場合において、延長演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、表示領域HR20に表示された残期間が0秒に到達した時点において、時短終了条件が成立するまでの要素(残変動回数)を判別し、残変動回数が所定回数(例えば、30回)以上である場合には、チャレンジ演出の残期間を、特別図柄の残変動回数で示すように演出態様を切り替えても良い。このように構成することで、延長演出が長時間実行されてしまい、遊技者に分かり易い演出を提供することを抑制することができる。
なお、図示は省略したが、表示領域HR20に表示された残期間が0秒に到達するよりも前に、通常時短終了条件が成立し、チャレンジ演出(普通図柄の高確率状態中の遊技)が終了と判別した場合には、表示領域HR20に表示された残期間を減算させる速度を速めて、通常時短終了条件が成立するタイミングに合わせて表示領域HR20に表示された残期間が0秒になるように表示制御を実行しても良いし、残期間が0秒に到達する前に、強制的にチャレンジ演出を終了させても良い。また、特定時短終了条件が成立するのに要する期間(300秒)に対して、通常時短終了条件が成立するまでに要する最短期間(特図変動回数が合計で100回に到達するまでの最短期間)が若干長くなるように構成することで、表示領域HR20に表示された残期間が0秒に到達するよりも前に通常時短終了条件が成立し得ないように構成しても良い。
次に、図361を参照して、チャレンジ演出の終了画面について説明をする。図361(a)は、チャレンジ演出が終了し、通常状態へと移行する場合、即ち、時短状態が設定されている場合におけるチャレンジ演出の終了画面の一例を示した図である。図361(a)に示した通り、チャレンジ演出の終了後に通常状態が設定される場合には、表示領域Dm2にて通常状態における遊技方法を案内する「左打ち」が表示され、主表示領域Dmの中央付近ではアイコン853にキャラクタ851が捕まった態様(潰された態様)の演出が実行される。そして、上方には、今回の有利期間(右打ち遊技を継続して実行した期間)の遊技結果を示す結果表示態様として、有利期間中に獲得した賞球数に対応する情報として「1550pt」、スーパーRUSH演出が実行された回数を示す情報として「R×1獲得」が表示される。
一方、確変状態が設定されている場合において、チャレンジ演出が終了すると、即ち、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)にて普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行すると、遊技状態として潜確状態が設定され、RUSH遊技が実行されることになる。図361(b)は、チャレンジ演出が終了し、RUSH演出が実行される場合の表示画面の一例を示した図である。
図361(b)に示した通り、チャレンジ演出中の表示されていた表示態様が破壊され、主表示領域Dmの中央付近にてRUSH遊技(RUSH演出)が実行されることを示す「RUSH」の文字が表示される復活演出が実行される。
上述した通り、本実施形態では、設定されている遊技状態に応じて、チャレンジ演出の終了後(普通図柄の高確率状態の終了後)に移行する遊技状態が異なるように構成しており、チャレンジ演出が終了するタイミングにおいて、移行後の遊技状態を示唆(報知)するように構成している。よって、チャレンジ演出の終了間際であっても、遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、特定時短終了条件を成立させる第1特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、300秒の変動時間が経過した後に大当たり遊技が実行されることになる。この場合は、図361(b)に示した演出態様に対して主表示領域Dmの中央付近に表示される文字を「RUSH」から「大当たり」へと切り替えた演出態様で復活演出が実行される。
この復活演出は、実行直後には、主表示領域Dmの全面にヒビが入る演出が実行され、その後、表示面が破壊される破壊態様が表示された後に、図361(b)に示した「RUSH」の文字が表示されるように構成されている。即ち、復活演出が実行されることを示唆する示唆態様(ヒビ態様)、復活演出が実行されたことを示す報知態様(破壊態様)、復活演出の内容を示す結果態様(RUSH態様)が時間差で表示されるように構成している。よって、復活演出が実行されたことを示す報知態様(破壊態様)が実行された場合には、遊技者に対して、RUSH遊技が実行されるか大当たり遊技が実行されるかの2択を楽しませることができる。
なお、復活演出の示唆態様が表示された後に、図361(a)に示した終了画面を表示するように構成しても良い。
次に、図362を参照して、チャレンジ演出が実行される場合(普通図柄の高確率状態が設定される)において、第1特別図柄変動が特定の大当たりに当選した大当たり変動である場合に実行される特定演出である裏チャレンジ演出について説明をする。
本第17実施形態では、上述したとおり、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを同時に(並行して)実行可能に構成しており、大当たり当選を示す表示態様で一方の特別図柄変動が停止表示された場合に、実行中の他方の特別図柄変動が外れを示す表示態様で強制的に停止表示され、強制的に停止表示された特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を破棄するように構成している。つまり、一方の特別図柄抽選にて遊技者に有利な大当たりに当選した場合において、その大当たり変動中に、他方の特別図柄抽選で遊技者に不利な大当たりに当選し、且つ、不利な大当たり当選を示す特別図柄変動が先に停止表示された場合には、有利な大当たりに当選した情報が破棄されることになる。
そこで、本第17実施形態では、チャレンジ演出中に実行される第1特別図柄変動(ロング変動)が遊技者に有利な大当たりに当選している大当たり変動である場合の一部において、遊技者に対して第2特別図柄抽選を実行させることを抑制させる裏チャレンジ演出を実行するように構成している。この裏チャレンジ演出を実行することにより、遊技者に有利な大当たりに当選している大当たり変動中の第1特別図柄変動が停止表示されるまでの期間中に、積極的に第2特別図柄抽選を実行し、遊技者に不利な大当たり(例えば、時短大当たり)に当選したことにより、第1特別図柄変動の大当たり当選が破棄されてしまうことを抑制することができる。
図362(a)は、裏チャレンジ演出が開始された場合の表示態様の一例を示した図である。図362(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央付近では、図360(b)に示した演出態様と同一のアイコン853にキャラクタ851がおいかけられている態様の演出が実行される。そして、上方には、現在が裏チャレンジ演出中であることを示す「裏チャレンジモード中」の文字が表示され、副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には「100秒逃げ切れ」の文字が表示される。
本実施形態では、裏チャレンジ演出の実行条件が成立する第1特別図柄の変動時間として100秒が設定されるように構成しているため、表示領域HR20には実行中の第1特別図柄変動の残期間である「100秒」がカウントダウン表示される。さらに、表示領域HR21が左上に形成され、アイコン853を模した画像が、第2特別図柄の保留数(特図2保留数)に対応した数で表示される。
そして、裏チャレンジ演出中は、第2特別図柄抽選の結果が停止表示される毎に、アイコン853がキャラクタ851に襲いかかる演出が実行される。第2特別図柄抽選の結果が外れである場合には、キャラクタ851がアイコン853から逃げ切る(飛び越える)演出が実行され裏チャレンジ演出が継続し、第2特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる時短大当たりである場合には、キャラクタ851がアイコン853に潰される演出が実行され裏チャレンジ演出が終了し、遊技者に不利な大当たり遊技が実行されることを示す演出が実行される。
このように、第2特別図柄抽選の結果が停止表示される毎にアイコン853が消費され、且つ、特図2保留を獲得する毎に、表示領域HR21にアイコン853を模した画像が追加表示されるように構成しているため、遊技者に対して、特図2保留を獲得しないほうが裏チャレンジ演出を成功させ易い(残期間を0秒にし易い)と思わせることができる。
よって、裏チャレンジ演出を実行することにより、遊技者に対して右打ち遊技を抑制させることができ、遊技者に有利となる大当たり当選が破棄され難くすることができる。
なお、表示領域HR21に表示される画像の表示態様は、各特図2保留に含まれる入賞情報に基づいて可変させるように構成しても良く、例えば、時短大当たりに対応する入賞情報が含まれている特図2保留に対応する画像として、通常のアイコン853を模した画像とは異なる画像(例えば、岩の大きさが2倍の画像)が用いられ易くなるように構成し、実行中の第1特別図柄変動の抽選結果よりも、遊技者に有利となる抽選結果を示す入賞情報が含まれる特図2保留に対応する画像には、宝箱を模した画像が表示され易くなるように構成しても良い。
そして、裏チャレンジ演出が成功すると(残期間を0秒に到達すると)、図362(b)に示した通り、裏チャレンジ演出に成功したことを示す態様で主表示領域Dmにて演出が実行されると共に、特1変動表示領域Ds3aにて遊技者に有利な大当たりに当選したことを示す「777」が表示される。
以上、説明をした通り、本第17実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される場合において、長時間変動が実行され易い第1特別図柄の変動期間中に、多くの第2特別図柄抽選を実行させることを促す演出(チャレンジ演出)と、第2特別図柄抽選の実行を抑制させる演出(裏チャレンジ演出)と、を実行中の第1特別図柄変動の抽選結果に応じて実行するように構成しているため、遊技者が損をすることの無い遊技方法を分かり易く提供することができる。
次に、図363を参照して、本第17実施形態における遊技の流れについて説明をする。図363は、本第17実施形態における遊技の流れを模式的に示した模式図である。まず、パチンコ機10の初期状態(RAMクリアされた状態)では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されており、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行させる遊技が行われる。なお、この通常状態中においても右打ち遊技を行うことで、第1特別図柄抽選、及び、第2特別図柄抽選を実行させることは可能だが、上述したとおり、通常状態中は左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となるように設計されているため、実質、第1特別図柄(特図1)を抽選させる左打ち遊技が行われる。
第1特別図柄抽選では、大当たり抽選(大当たり確率1/200)が実行される。ここで、大当たりAに当選した場合(選択割合10%)は、特図1保留(第1特別図柄の保留記憶)の有無、及び、次に実行される第1特別図柄抽選(大当たり遊技終了後最初に実行される第1特別図柄抽選)の結果を判別し、特図1保留があって、且つ、次に実行される第1特別図柄抽選(大当たり遊技終了後最初に実行される第1特別図柄抽選)の結果が、外れである場合には、RUSH遊技が実行されることを示すラッシュモードへと移行する。
この場合、大当たり遊技のエンディング画面にて図356(a)に示した表示画面が表示され、確変A状態中(短時間(0.5秒)の第1特別図柄変動中)は、図357(a)に示した表示画面が表示される。そして、第1特別図柄変動が1回実行された場合に成立する時短終了条件(第1時短終了条件)が成立すると、確変A状態から潜確状態へと移行し、図357(b)に示した表示画面が表示されRUSH遊技が実行される。この潜確状態は、右打ち遊技によって、第2特別図柄抽選を実行させ易い(通常状態よりも実行させ易い)遊技状態であって、且つ、第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に最も遊技球を可変入賞装置2650へと到達させ易い遊技状態である。よって、潜確状態中は、大当たり当選に基づいて遊技状態が可変されるまでの間、小当たり遊技によって賞球を獲得する遊技が実行される。
潜確状態中における第2特別図柄抽選では、大当たり抽選(1/50)と、大当たり抽選で外れた場合の一部(1/1.5)にて小当たり当選する抽選が実行される。つまり、大当たり当選(1/50)するまでの間、小当たり当選(1/1.5)を目指す遊技が実行される。なお、小当たり当選した場合には、遊技状態が移行することが無いように構成している。よって、遊技者に対して、潜確状態が終了することを恐れること無く小当たり遊技を実行させることができる。
第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、80%の割合で、再度、潜確状態へと移行し易い大当たり(大当たりD,E)が選択されるように構成しており、上述した第1特別図柄抽選における大当たりA当選時と同様に、特図1保留(第1特別図柄の保留記憶)の有無、及び、次に実行される第1特別図柄抽選(大当たり遊技終了後最初に実行される第1特別図柄抽選)の結果を判別し、特図1保留があって、且つ、次に実行される第1特別図柄抽選(大当たり遊技終了後最初に実行される第1特別図柄抽選)の結果が、外れである場合には、RUSH遊技が実行されることを示すラッシュモードへと移行する。
一方、通常状態において大当たりAに当選し、特図1保留が無い場合、或いは、特別図柄抽選で大当たりB又は大当たりCに当選している場合、及び、潜確状態にて大当たりD,Eに当選し、特図1保留が無い場合、或いは、特別図柄抽選で大当たりB又は大当たりCに当選している場合には、チャレンジ演出が実行されるチャレンジモードへと移行する。
このチャレンジモードは、遊技状態が時短状態、又は確変状態が設定されている状態であって、潜確状態への移行が確定していない場合に移行する演出モードである。つまり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりC,Hに当選した場合と、大当たり遊技終了後に確変状態として、時短終了条件が成立し難い確変状態(確変B状態)が設定される大当たりB,F,Gに当選した場合と、大当たり遊技終了後に確変状態として、時短終了条件が成立し易い確変状態(確変A状態)が設定される大当たりA,D,Eに当選した場合であって、第1時短終了条件が成立することが確定していない状態(特図1保留が無い状態、大当たり遊技終了後に最初に実行される第1特別図柄抽選が大当たり当選である場合)において、移行し得る演出モードである。
ここで、チャレンジモードへと移行する場合には、大当たり遊技のエンディング画面にて図356(b)に示した表示画面が表示される。そして、第1特別図柄変動が開始されると同時に、図360(a)の表示画面が表示される。なお、確変A状態が設定されている場合であって、特図1保留を獲得していないためチャレンジモードへと移行している場合には、第2特別図柄抽選が実行されたとしても図356(b)に示した表示画面が継続して表示され、第1特別図柄変動が外れ変動で実行されたことに基づいて、図361(b)に示した表示画面が表示されて、RUSHモードへと移行する演出が実行される。
また、確変B状態が設定されている場合には、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算数が100に到達した場合に成立する第2時短終了条件が設定されているため、その第2時短終了条件が成立したことに基づいて、図361(b)に示した表示画面が表示されて、RUSHモードへと移行する演出が実行される。
そして、時短状態が設定されている場合には、上述した第2時短終了条件が設定されており、第2時短終了条件が成立したことに基づいて、図361(a)に示した表示画面が表示されて、通常状態へと移行する演出が実行される。
本実施形態では、上述した通り、異なる遊技状態が設定された場合であっても、同一の演出態様を設定させるように構成しているため、遊技者に対して、遊技状態を分かり難くすることができる。さらに、同一の遊技状態(確変A状態)が設定された場合であっても、その遊技状態中における遊技条件の成立の有無に応じて、異なる演出態様を設定するように構成しているため、遊技者に対して、遊技状態をより分かり難くすることができる。
また、本実施形態では、同一の遊技状態(確変A状態)が設定された場合であっても、その遊技状態中における遊技条件(特図1保留の有無)の成立の有無に応じて、設定された遊技状態(確変A状態)から次の遊技状態への移行のし易さを異ならせている。よって、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別だけでは無く、その他の遊技条件(特図1保留の有無)にも応じて遊技状態の移行具合を可変させることができるため、斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、確変A状態から移行し得る潜確状態が遊技者に最も有利な遊技状態としているため、同一の遊技状態(確変A状態)が設定された場合であっても、その遊技状態中における遊技条件(特図1保留の有無)の成立の有無に応じて、設定された遊技状態(確変A状態)から次の遊技状態への移行のし易さを異ならせることにより、遊技者の有利度合いを異ならせるようにしている。よって、確変A状態から潜確状態へと移行し易い状態か否かについて遊技者が注視することになる。そこで、本実施形態では、確変A状態から潜確状態への移行のし易さに応じて、確変A状態が設定されている状態における演出態様を異ならせており、潜確状態へと移行し易い場合には確変A状態が設定されている(確変A大当たり中も含む)時点から潜確状態が設定されることを示す演出態様(RUSHモード)を表示し、潜確状態へと移行し難い場合には確変A状態が設定されている(確変A大当たり中も含む)時点からチャレンジモードを表示するように構成している。これにより、遊技者に対して確変A状態から潜確状態へと移行し易い状態か否かを分かり易く報知することができる。
また、本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)が設定されている状態で大当たり当選し、再度、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)が設定される回数(確変連続回数)がリミット回数(5回)に到達した場合に、特別図柄の低確率状態を強制的に設定するリミット機能を有している。ここで、本実施形態では、大当たり遊技終了後に、遊技者に最も有利となる潜確状態が設定されること無く、確変状態を介して潜確状態へと移行するように構成している。よって、リミット回数に到達した場合において、特別図柄の低確率状態を強制的に設定されたとしても、通常状態が設定されること無く、時短状態が設定されることになる。
なお、上述した通り、確変状態、及び時短状態中も、潜確状態と同様に右打ち遊技によって第2特別図柄抽選を実行させる遊技が実行される。そして、潜確状態と同様の変動時間で第2特別図柄抽選が実行される。しかしながら、図355を参照して上述した通り、確変状態、及び時短状態中は、小当たり遊技が実行されたとしても、潜確状態に比べて賞球を獲得させ難くなるため、潜確状態よりも不利な遊技状態となる。
<第17実施形態における電気的構成>
次に、図364(a)を参照して、本第17実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図364(a)は、本第17実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図364(a)に示した通り、本第17実施形態におけるROM202は、上述した第16実施形態におけるROM202の構成(図339(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数17テーブル202naが設けられている点、第1当たり種別選択テーブル202bに代えて第1当たり種別選択17テーブル202nbが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数17テーブル202ncが設けられている点、変動パターンテーブル202dに代えて変動パターン17テーブル202ndが設けられている点、時短付与17テーブル202ne、変動パターンシナリオ17テーブル202nf、当たり動作17テーブル202ngを追加した点で相違している。
まず、本第17実施形態における第1当たり乱数17テーブル202naの詳細について説明する。ここで、本第17実施形態における第1当たり乱数17テーブル202naは、第16実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、第1特別図柄の抽選において参照されるデータテーブル(特別図柄1乱数17テーブル202na1)と、第2特別図柄の抽選において参照されるデータテーブル(特別図柄2乱数17テーブル202na2)と、の2種類のデータテーブルで構成されている。ここで、特別図柄1乱数17テーブル202na1と、特別図柄2乱数17テーブル202na2とでは、小当たりと判定される乱数値の範囲が規定されているか否かのみが相違している。より具体的には、特別図柄1乱数17テーブル202na1と、特別図柄2乱数17テーブル202na2とでは、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として同一の値が規定されており、特別図柄2乱数17テーブル202na2にのみ、小当たりと判定される乱数値が対応付けて規定されている(第1特別図柄の抽選で小当たりに当選することはない)。
図364(b)は、特別図柄1乱数17テーブル202na1の規定内容を示した図である。図364(b)に示した通り、本第17実施形態における特別図柄1乱数17テーブル202na1には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合において第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~4」の5個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、特別図柄の高確率状態が設定されている場合において第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~19」の20個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、第1特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数は、特別図柄の低確率状態では5個、高確率状態では20個であるので、特別図柄の低確率状態にて第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/200(5/1000)であり、特別図柄の高確率状態にて第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/50(20/1000)である。なお、上述した通り、本第17実施形態では、第1特別図柄抽選によって小当たり当選することはない。
図364(c)は、特別図柄2乱数17テーブル202na2の規定内容を示した図である。図364(c)に示した通り、本第17実施形態における特別図柄2乱数17テーブル202na2には、上述した特別図柄1乱数17テーブル202na1と同一内容で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が規定されており、さらに、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「20~672」の653個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。よって、小当たりとなる確率は約1/1.5(653/1000)である。つまり、本第17実施形態では、第2特別図柄抽選が実行されることにより高確率で小当たり当選することになる。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、可変入賞装置2650(図354参照)が開放動作される小当たり遊技が実行される。
本第17実施形態では、図363を参照して説明をした通り、時短状態、確変状態、潜確状態の3つの遊技状態が設定されている場合において、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となるように構成している。さらに、図355を参照して上述した通り、時短状態、確変状態が設定されている状態では、小当たり遊技が実行されたとしても可変入賞装置2650へと球が到達し難くなるように構成している。
このように構成することで、高確率で小当たり当選するように特別図柄2乱数17テーブル202na2の内容を規定したとしても、主として第2特別図柄抽選が実行される遊技状態が設定されている場合において、小当たり遊技中に賞球を獲得し易い遊技状態(潜確状態)と、小当たり遊技中に賞球を獲得し難い遊技状態(時短状態、確変状態)と、を設けることができるため、遊技者に過剰に賞球を提供してしまうことを抑制することができる。また、遊技者に対して、第1特別図柄抽選を実行させて大当たり当選を目指す遊技、第2特別図柄抽選を実行させて大当たり当選を目指す遊技、第2特別図柄抽選を実行させ大当たり当選を目指しながら小当たり遊技によって賞球を獲得させる遊技と、複数の遊技を実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図364(d)を参照して、本第17実施形態における第2当たり乱数17テーブル202ncの詳細について説明する。この第2当たり乱数17テーブル202ncは、第16実施形態における第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄の状態(普通図柄の低確率状態(通常状態)、高確率状態(時短状態))毎に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図364(d)は、本第17実施形態における第2当たり乱数17テーブル202ncの規定内容を示した図である。
図364(d)に示した通り、本第17実施形態における第2当たり乱数17テーブル202ncでは、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~235」の範囲が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が236個なので、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりとなる確率は236/240である。よって、普通図柄の低確率状態においても、普通図柄の当たり確率が極めて高くなるので、普通図柄の低確率状態時に右打ち遊技を行うことにより第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることができる。これにより、普通図柄の低確率状態が設定される潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)中においても第2特別図柄抽選を主とした遊技を行わせることができる。
なお、本第17実施形態では、上述した通り、普通図柄の低確率状態中においても高確率で普通図柄抽選が当たり当選するように構成しているため、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中に右打ち遊技を実行した場合でも、第2入球口640に容易に遊技球を入球させることが可能となる。しかしながら、通常状態が設定されている状態において第2特別図柄抽選が実行される場合には上述した第4実施形態と同様に長時間(10分間)の変動時間が設定されるように構成し、且つ、第2入球口640に遊技球が入球した場合に払い出される賞球数が1個となるように構成しているため、通常状態中において変則的に右打ち遊技が実行されることを抑制することができる。
一方、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~238」の239個の乱数値が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~239」の240個の乱数値のうち、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が239個なので、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりとなる確率は239/240である。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態では、殆どの普通図柄抽選の結果が当たり当選となるため、普通図柄抽選が実行される毎に普図当たり遊技(電動役物640aを開放動作させる遊技)を実行させることができる。よって、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において、右打ち遊技にて発射された遊技球が可変入賞装置2650へと到達することをより抑制することができる。
なお、図355を参照して上述した通り、本第17実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、小当たり遊技が実行された場合であっても、遊技球が可変入賞装置2650へと入賞することが無いように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の高確率状態における当たり確率を若干下げる(例えば、1/1.2)ことにより、普通図柄抽選が連続して外れる可能性を高めることで、普通図柄の高確率状態が設定されている状態であっても、遊技球が可変入賞装置2650へと到達し得るように構成しても良い。これにより、抽選に外れ続けたほうが、当たり続けるよりも遊技者に有利(小当たり遊技中に賞球を獲得し易くする)な状況を創出することができるという斬新な遊技性を提供することができる。
次に本第17実施形態における第1当たり種別選択17テーブル202nbの詳細について説明する。この第1当たり種別選択17テーブル202nbは、上述した第16実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bと同様に、大当たりに当選した場合に大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。
図365(a)は、第1当たり種別選択17テーブル202nbの規定内容を示した図である。図365(a)に示した通り、本第17実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA17」と、「大当たりB17」と、「大当たりC17」との3種類の大当たり種別が設けられている。より具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対して、「大当たりA17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~19」の範囲に対して「大当たりB17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~99」の範囲に対して「大当たりC17」が対応付けて規定されている。「大当たりA17」~「大当たりC17」は、共にラウンド数が6ラウンドであるが、「大当たりA17」は、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な確変状態であって、且つ、時短終了条件が成立し易い確変A状態が付与され、「大当たりB17」は、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な確変状態であって、且つ、時短終了条件が成立し難い確変B状態が付与され、「大当たりC17」は、大当たり遊技終了後に、確変状態よりは遊技者に不利となる時短状態が付与される。なお、各大当たり種別に対して規定される時短終了条件の詳細な内容については、時短付与17テーブル202ne(図368参照)を用いて後述する。
本第17実施形態では、潜確状態が遊技者に最も有利な遊技状態となることから、確変状態が設定され、且つ、時短終了条件が成立し易い「大当たりA17」が、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりB17」、「大当たりC17」よりも有利な大当たり種別となる。
また、「大当たりB17」は、「大当たりA17」よりも時短終了条件が成立し難いが、時短終了条件が成立した場合には、遊技者に有利な遊技状態である潜確状態が設定されるため、潜確状態へと移行し得ない「大当たりC17」よりも有利な大当たり種別となる。
なお、本第17実施形態では、潜確状態が遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成しているため、時短終了条件が成立し易い「大当たりA17」を最も有利な大当たり種別としているが、例えば、普通図柄の高確率状態が継続したほうが(時短終了条件が成立し難いほうが)遊技者に有利となる遊技性を有するパチンコ機10においては、「大当たりA17」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。また、特別図柄抽選で大当たり当選し易いか否かの観点で見た場合には、「大当たりA17」と「大当たりB17」とは同一の有利度合いとなり、「大当たりC17」のみが不利な大当たり種別となる。
一方、図365(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりD17」と、「大当たりE17」と、「大当たりF17」と、「大当たりG17」と、「大当たりH17」との5種類の大当たり種別が設けられている。より具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりD17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~79」の範囲に対して「大当たりE17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「80,81」の範囲に対して「大当たりF17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「82~89」の範囲に対して「大当たりG17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して「大当たりH17」が対応付けて規定されている。「大当たりD17」と、「大当たりF17」は、大当たり遊技のラウンド数として16ラウンド(R)が規定され、「大当たりE17」と、「大当たりG17」と、「大当たりH17」は、大当たり遊技のラウンド数として4ラウンド(R)が規定されている。よって、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得し得る賞球数)の観点で見た場合には、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る大当たり種別の中で「大当たりD17」と、「大当たりF17」が、他の大当たり種別よりも有利な大当たり種別となる。
さらに、「大当たりD17」と、「大当たりE17」は、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な確変状態であって、且つ、時短終了条件が成立し易い確変A状態が付与され、「大当たりF17」と、「大当たりG17」は、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な確変状態であって、且つ、時短終了条件が成立し難い確変B状態が付与され、「大当たりH17」は、大当たり遊技終了後に、確変状態よりは遊技者に不利となる時短状態が付与される。なお、各大当たり種別に対して規定される時短終了条件の詳細な内容については、時短付与17テーブル202ne(図368参照)を用いて後述する。
本第17実施形態では、潜確状態が遊技者に最も有利な遊技状態となることから、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る大当たり種別の中では、確変状態が設定され、且つ、時短終了条件が成立し易い「大当たりD17」と、「大当たりE17」が、大当たり終了後の遊技状態の面で最も有利な大当たり種別となる。
上述した通り、第17実施形態では、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、ラウンド数の異なる大当たり遊技を実行可能に構成し、16ラウンドの大当たり遊技が実行される場合には、必ず確変状態が設定されるように構成している。このように実行される大当たり遊技のラウンド数によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に予測させることが可能に構成することで、大当たり遊技中に実行されるラウンド数に対して、賞球が多くなることと、遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
さらに、本第17実施形態では、確変状態が連続して設定される回数に上限(リミット回数)を設けており、16ラウンドの大当たり遊技が実行されることにより、遊技者は大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを判別することができるため、確変状態が連続して設定される回数を予測することが可能となる。また、16ラウンドの大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技終了後に時短終了条件が設定され易い確変A状態と、時短終了条件が設定され難い確変B状態と、が設定され得るように構成しており、確変A状態が設定される割合と、確変B状態が設定される割合とが5:2となるように構成している。よって、16ラウンドの大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技中に多くの賞球を獲得できると共に、確変A状態が設定され易くなることから、大当たり当選した場合において、16ラウンドの大当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
一方、4ラウンドの大当たり遊技が実行される場合は、大当たり遊技の終了後に、確変A状態、確変B状態、時短状態の何れも設定され得るように構成している。よって、右打ち遊技を継続して実行する期間(有利期間)中に第2特別図柄抽選で大当たり当選し、4ラウンドの大当たり遊技が実行された場合には、確変状態が設定されているか否かを遊技者に判別させ難くすることができる。また、本第17実施形態では、確変状態が連続して設定される回数に上限(リミット回数)を設けているため、有利期間中に4ラウンドの大当たり遊技が実行されることで、確変状態が連続して設定される回数を分かり難くすることができるため、有利期間中において、常に確変状態が設定されることを期待させながら大当たりを目指して遊技を行わせることができる。
次に、当たり動作17テーブル202ngの詳細について説明する。この当たり動作17テーブル202ngは、上述した第15実施形態における大当たり動作テーブル202kaと同様に、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)にて実行される当たり遊技の動作内容が規定されているものであって、当たり種別毎の各大入賞口(可変入賞装置2650、V入賞装置1650)の動作や、オープニング期間、各ラウンド終了後に設定されるインターバル期間、エンディング期間等が規定されているデータテーブルである。当たり遊技の実行中は、この当たり動作17テーブル202ngと、大当たり種別とに応じて、開放させる大入賞口の種別やラウンド終了後のインターバル期間等が設定される。なお、当たり動作17テーブル202ngに規定されている内容のうち、図365(b)に示していない各内容については、上述した大当たり動作テーブル202ka(図326(a)参照)と同一であり、その詳細な図示と説明を省略する。
図365(b)に示した通り、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される大当たり種別である「大当たりA17」と、「大当たりB17」に対しては、V入賞装置1650の開放ラウンドとして1~6ラウンド、オープニング期間として0.5秒が規定されている。また、1ラウンド目のラウンド遊技が、V入賞装置1650に入賞した遊技球がV入賞装置1650内の特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過し得るように、切替部材1650hを作動させるための開放シナリオが規定されている。
また、図365(a)に示した通り、「大当たりC17」に対しては、上述した「大当たりA17」と、「大当たりB17」に対して規定される内容に対して、オープニング期間を0.5秒から3.5秒へと変更しただけの当たり動作が規定されている。そして、「大当たりC17」に対応付けて規定される当たり動作内容に基づいて大当たり遊技が実行される場合には、1ラウンド目のラウンド遊技中においてV入賞装置1650へと入賞した遊技球がV入賞装置1650内の特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過し得ないように構成している。
つまり、切替部材1650hは、大当たり遊技が実行された(オープニング期間が設定された)ことを契機に開放シナリオに基づいて作動するように構成しており、オープニング期間が設定されてから、3秒が経過するまでの間にV入賞装置1650へと入賞した遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過し得るよう開放シナリオが規定されている。よって、オープニング期間として3.5秒が規定されている「大当たりC17」に対応する当たり動作が実行された場合には、大当たり遊技中に(Vラウンド中に)、遊技球を特定領域(確変スイッチ1650e3)へと通過させることが不可能(困難)となり、特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球を通過させた場合に付与される特典(特別図柄の高確率状態)が設定されることが無い。
このように構成することで、大当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させることに基づいて、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を付与するように構成したパチンコ機10において、大当たり種別に応じて大当たり遊技のオープニング期間の長さを可変させるだけで、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過させ易い大当たり遊技と、通過させ難い大当たり遊技とを容易に設定することができる。
なお、本第17実施形態では、遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)へと到達し易い第1状態と、到達し難い第2状態とに可変可能な可変手段(切替部材1650h)を、大当たり遊技が実行された(オープニング期間が設定された)ことを契機に予め定められた規則に従って(規定されている開放シナリオに基づいて)動作制御するように構成し、大当たり遊技のオープニング期間の長さを異ならせることにより、大当たり遊技中における遊技球の特定領域への到達割合(通過のさせ易さ)を可変するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、可変手段を動作制御させる契機を大当たり遊技の開始では無く、ラウンド遊技の開始タイミング、或いは、ラウンド遊技の終了タイミングを契機に可変手段の動作制御を開始しても良いし、パチンコ機10に電源が投入されたと判別したことを契機に動作制御を開始しても良い。
また、本第17実施形態では、大当たり遊技の1ラウンド目がVラウンド遊技となるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の特定ラウンドがVラウンドとなるように開放シナリオを規定しても良いし、1回の大当たり遊技中にVラウンド遊技が複数回実行されるように構成しても良い。
図365(b)に示した通り、第2特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される大当たり種別である「大当たりD17」と、「大当たりF17」に対しては、V入賞装置1650の開放ラウンドとして1~16ラウンド、オープニング期間として0.5秒が規定されている。また、1ラウンド目のラウンド遊技が、V入賞装置1650に入賞した遊技球がV入賞装置1650内の特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過し得るように、切替部材1650hを作動させるための開放シナリオが規定されている。
次に、第2特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される大当たり種別である「大当たりE17」と、「大当たりG17」に対しては、V入賞装置1650の開放ラウンドとして1,2ラウンド、可変入賞装置2650の開放ラウンドとして3,4ラウンドが、オープニング期間として0.5秒が規定されている。そして、2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバル期間と、3ラウンド目と4ラウンド目の間のインターバル期間として3秒が規定されている。
よって、「大当たりE17」と、「大当たりG17」に対応する大当たり遊技が実行された場合には、まず、V入賞装置1650が開放されるラウンド遊技が2ラウンド分実行され、その後、可変入賞装置2650が開放されるラウンド遊技が2ラウンド分実行される。ここで、V入賞装置1650が開放されるラウンド遊技は、上述した各当たり動作と同様に、最大30秒間の開放期間が規定されており、可変入賞装置2650が開放されるラウンド遊技は、小当たり遊技のラウンド遊技と同一の最大で0.5秒の開放期間が規定されている。
つまり、「大当たりE17」と、「大当たりG17」に対応する大当たり遊技が実行された場合には、見た目上は、2ラウンドの大当たり遊技が実行された後に、第2特別図柄変動の変動時間(3秒)と同一時間のインターバル期間を介して小当たり遊技と同一の当たり遊技が2回実行されることになる。よって、どのタイミングで大当たり遊技が開始され、どのタイミングで大当たり遊技が終了したのかを遊技者に分かり難くすることができると共に、V入賞装置1650が開放動作されるラウンド遊技が実行された後に、3秒のインターバル期間を経て小当たり遊技と同一の当たり動作(0.5秒開放)で可変入賞装置2650が開放動作されるため、大当たり遊技の終了後に、RUSH遊技が実行されたと思わせることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第17実施形態では、「大当たりE17」と、「大当たりG17」に対応する大当たり遊技が実行された場合において、大当たり遊技中に実行される演出(大当たり演出)の演出期間が、大当たり遊技の開始タイミングから2ラウンド目の終了タイミングまでとなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで大当たり遊技が終了しているのかを分かり難くすることができる。さらに、上述した各実施形態と同様に、大当たり遊技が実行されている期間中は、普通図柄の低確率状態が設定されるため、潜確状態と同様に、可変入賞装置2650へと遊技球を到達させ易い状態となる。よって、大当たり遊技中において小当たり遊技と同様の動作パターンで可変入賞装置2650を開放動作させた場合に、遊技球を可変入賞装置2650へと入賞させることができるため、遊技者に対して大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されたのではと思わせ易くすることができる。
また、第2特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される大当たり種別である「大当たりH17」に対しては、V入賞装置1650の開放ラウンドとして3,4ラウンド、可変入賞装置2650の開放ラウンドとして1,2ラウンドが規定され、オープニング期間として0.5秒が規定されている。そして、1ラウンド目と2ラウンド目の間のインターバル期間と、2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバル期間として3秒が規定されている。
よって、「大当たりH17」に対応する大当たり遊技が実行された場合には、まず、可変入賞装置2650が開放されるラウンド遊技が2ラウンド分実行され、その後、V入賞装置1650が開放されるラウンド遊技が2ラウンド分実行される。ここで、V入賞装置1650が開放されるラウンド遊技は、上述した各当たり動作と同様に、最大30秒間の開放期間が規定されており、可変入賞装置2650が開放されるラウンド遊技は、小当たり遊技のラウンド遊技と同一の最大で0.5秒の開放期間が規定されている。
つまり、「大当たりH17」に対応する大当たり遊技が実行された場合には、見た目上は、第2特別図柄変動の変動時間(3秒)と同一時間のインターバル期間を介して小当たり遊技と同一の当たり遊技が2回実行された後に、2ラウンドの大当たり遊技が実行されたることになる。よって、どのタイミングで大当たり遊技が開始され、どのタイミングで大当たり遊技が終了したのかを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第17実施形態では、「大当たりH17」に対応する大当たり遊技が実行された場合において、大当たり遊技中に実行される演出(大当たり演出)の演出期間が、大当たり遊技の3ラウンド目開始タイミングから大当たり遊技の終了タイミングまでとなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで大当たり遊技が終了しているのかを分かり難くすることができる。さらに、上述した各実施形態と同様に、大当たり遊技が実行されている期間中は、普通図柄の低確率状態が設定されるため、潜確状態と同様に、可変入賞装置2650へと遊技球を到達させ易い状態となる。よって、大当たり遊技中において小当たり遊技と同様の動作パターンで可変入賞装置2650を開放動作させた場合に、遊技球を可変入賞装置2650へと入賞させることができるため、遊技者に対して大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されたのではと思わせ易くすることができる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、4ラウンドの大当たり遊技が実行される大当たり種別が決定された場合には、実質2ラウンド分の大当たり遊技が実行されるように構成している。そして、大当たり遊技中に遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過させ易い大当たり(確変大当たり)遊技では、大当たり遊技の1,2ラウンド目にV入賞装置1650を開放させるラウンド遊技を実行し、大当たり遊技中に遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過させ難い大当たり(時短大当たり)遊技では、大当たり遊技の3,4ラウンド目にV入賞装置1650を開放させるラウンド遊技を実行するように構成している。このように構成することで、全ての大当たり遊技に対して、切替部材1650hの開放シナリオとして共通の開放シナリオを設定することが可能となる。
最後に、第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合には、可変入賞装置2650の開放期間として最大で0.5秒の開放期間が規定されている。
なお、本実施形態では、大当たり遊技のラウンド遊技のうち、可変入賞装置2650を開放させるラウンド遊技の内容が小当たり遊技と同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、1回のラウンド遊技において、小当たり遊技複数回分(2回分)の開放動作を実行させるように構成しても良い。この場合、1のラウンド遊技中に、0.5秒の開放期間を設定し、その後、3秒間の閉鎖期間を経て、再度0.5秒間の開放期間を設定するように構成すれば良い。これにより、大当たり遊技の1のラウンド遊技が実行されている期間内に、第2特別図柄変動(3秒)後に小当たり遊技が実行される場合と同一の態様で可変入賞装置2650を複数回開放させることが可能となるため、遊技者に対して、現在が大当たり遊技中であるか否かをより判別させ難くすることができる。
また、本第17実施形態では、大当たり遊技中において可変入賞装置2650が連続して開放動作される場合に、3秒の間隔が空くように、即ち、第2特別図柄変動が1回実行された後に小当たり遊技が実行される場合と同一の間隔を開けて可変入賞装置2650を開放させるようにインターバル期間を設定しているが、これに限ること無く、例えば、6秒の間隔が空くようにインターバル期間を設定した当たり動作を規定しても良い。
つまり、外れ当選した第2特別図柄変動を挟んで2回の小当たり遊技が実行される場合と同一の間隔を空けるようにインターバル期間を規定しても良い。このように構成することで、V入賞装置1650が開放動作されるラウンド遊技の終了後、或いは、V入賞装置1650が開放動作されるラウンド遊技の前において第2特別図柄抽選で外れ当選(外れ確率約1/3)した場合に、現在が大当たり遊技中である(6秒間のインターバル期間が設定されている)と遊技者に思わせることができる。よって、小当たり遊技によって賞球を獲得可能な潜確状態において、第2特別図柄抽選の結果が外れであることに対しても遊技者に興味を持たせることができる。
また、本実施形態では大当たり遊技中に可変入賞装置2650を開放させる開放期間と、小当たり遊技中に可変入賞装置2650を開放させる開放期間とが同一期間(0.5秒)となるように構成しているが、これに限ること無く、開放期間を異ならせるように構成しても良く、大当たり遊技中に可変入賞装置2650を開放させる開放期間を長く(例えば、0.6秒)したり、短くしたり(例えば、0.3秒)しても良い。このように構成することで、可変入賞装置2650の開放期間の長さに対して遊技者に違和感を与えることができる。
なお、大当たり遊技の一部として可変入賞装置2650を開放させる場合と、小当たり遊技として可変入賞装置2650を開放させる場合とで若干の相違点を設けることで、その相違点に気付いた遊技者に対してのみ今回の可変入賞装置2650の開放動作が大当たり遊技に基づくものか小当たり遊技に基づくものかを判別可能にする技術としては、上述した可変入賞装置2650の開放期間の長さを異ならせる技術以外でも良く、例えば、可変入賞装置2650が開放動作される際に遊技者が気付き難い表示態様(報知態様)による演出を実行したり、大当たり遊技中であることを示すための識別情報を遊技者が気付き難い態様で表示したりするように構成しても良い。
次に、図366及び図367を参照して、変動パターン17テーブル202ndを構成する各種テーブルの詳細について説明をする。本第17実施形態では、設定されている遊技状態に応じて、異なるデータテーブルを参照して変動パターンを選択するように構成しており、変動パターン17テーブル202ndは、具体的には、通常状態が設定されている場合に参照される通常用17テーブル202nd1、時短状態、及び、確変B状態が設定されている場合に参照される時短・確変B用17テーブル202nd2、確変A状態が設定されている場合に参照される確変A用17テーブル202nd3、潜確状態が設定されている場合に参照される潜確用17テーブル202nd4、確変状態が連続して設定される回数がリミット回数(到達)に到達し、大当たり遊技終了後に強制的に時短状態が設定された場合に参照されるリミット用17テーブル202nd5とから構成されている。
なお、通常状態が設定されている場合に参照される通常用17テーブル202nd1の規定内容は、上述した第4実施形態における変動パターン4テーブル202cd(図131参照)の通常用変動パターンテーブル202cd1(図132参照)と同一であるため、その図示及び詳細な説明を省略する。
まず、時短・確変B用17テーブル202nd2の詳細について説明する。図366(a)は、時短・確変B用17テーブル202nd2の規定内容を示した図である。図366(a)に示した通り、時短・確変B用17テーブル202nd2には、第1特別図柄に対して決定される変動時間のほうが、第2特別図柄に対して決定される変動時間よりも長くなり易くなるように各変動パターンが規定されている。即ち、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを同時に(並行して)実行可能な本第17実施形態においては、時短状態、及び確変B状態が設定されている場合には、実質、第2特別図柄抽選が主として実行される。
具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の外れ時短用長変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」の場合は、設定される大当たり種別に応じて、異なる変動パターンが選択され得るように構成しており、「大当たりA17」に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~98」の範囲に対して変動時間が100秒間の当たり時短用変動が対応付けて規定され、「99~198」の範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり時短用長変動が対応付けて規定されている。一方、「大当たりB17、及び大当たりC17」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり時短用長変動が対応付けて規定されている。
このため、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合には、高確率で300秒間という非常に長い変動時間が設定される。なお、上述した通り、本第17実施形態では、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、ほぼ、右第1入球口64zへと1個以上の遊技球が入球して第1特別図柄の保留球が貯まるように構成されているので、時短状態へと移行したと同時に第1特別図柄の300秒間の変動表示が実行され易くなる。そして、時短状態、及び、確変B状態では、時短終了条件として、第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定されるため、時短状態、及び、確変B状態においては、実質、第2特別図柄変動のみを実行させて遊技を行うことができる。
本第17実施形態では、上述した通り、時短状態が設定された場合と、確変B状態が設定された場合とで、同一の変動パターンテーブルを参照して変動パターンが決定されると共に、第3図柄表示装置81にて実行される演出表示も同一の演出態様(チャレンジ演出)が実行されるように構成している。よって、現在の遊技状態が時短状態であるか確変状態であるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
図360(a)を参照して上述した通り、チャレンジ演出が実行されると、チャレンジ演出の残期間として「300秒」が表示され、時間経過に応じて残期間が減少していく演出が実行されるように構成している。この「300秒」は、第1特別図柄の変動時間として高確率で決定される変動時間(300秒)に対応させた値である。
また、遊技者に有利な大当たり、即ち、大当たり遊技終了後に確変A状態が設定される「大当たりA17」に当選した場合には、他の抽選結果よりも短い変動時間である「100秒」が決定されるように構成している。この100秒の変動時間が決定された場合には、図362(a)を参照して上述した裏チャレンジ演出が実行される。
図366(a)に示した通り、図柄種別が第2特別図柄(特図2)に対しては、抽選結果が「外れ(小当たり含む)」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。
つまり、時短状態、及び、確変B状態が設定されている場合には、1回の第1特別図柄変動(300秒)が実行されている期間中に最大で100回の第2特別図柄抽選が実行可能となるように変動時間が3秒に固定されている。このように構成することで、チャレンジ演出の残期間として第1特別図柄の変動時間に対応させて「300秒」を示す演出を実行した場合に、その「300秒」が経過するタイミングに合わせて100回の第2特別図柄抽選を終了させることが可能となる。よって、実際には特別図柄の変動回数が100回に到達したことに基づいて時短終了条件が成立する遊技状態であるが、遊技者には、時間経過によって時短終了条件が成立する遊技状態であると思わせることができるため、意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図366(b)を参照して、確変A用17テーブル202nd3の詳細について説明する。図366(b)は、確変A用17テーブル202nd3の規定内容を示した図である。この確変A用17テーブル202nd3は、確変A状態が設定されている場合において変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。図366(b)に示した通り、確変A用17テーブル202nd3には、第1特別図柄に対して決定される変動時間のほうが、第2特別図柄に対して決定される変動時間よりも短くなり易くなるように各変動パターンが規定されている。即ち、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを同時に(並行して)実行可能な本第17実施形態においては、確変A状態が設定されている場合には、第1特別図柄変動が先に終了するように構成している。
ここで、確変A状態は、確変B状態よりも成立し易い時短終了条件が設定されるものであり、確変B状態において設定される時短終了条件(通常時短終了条件)に加え、第1特別図柄変動が1回実行された場合(停止表示された場合)に成立する特定時短終了条件が設定されている。
よって、大当たり遊技終了後に確変A状態が設定された場合には、大当たり遊技中に獲得した第1特別図柄の保留球(特図1保留球)、即ち、大当たり遊技中に実行された右打ち遊技によって発射された遊技球が右第1入球口64zに入球することにより獲得した特図1保留球に基づいて、即座に第1特別図柄変動が実行され、0.5秒後に停止表示されることにより、特定時短終了条件が成立し、潜確状態へと移行することになる。よって、遊技者に対しては、あたかも大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されたと思わせる遊技を提供することが可能となる。
本第17実施形態では、大当たり遊技終了後に確変A状態が設定される状態であって、且つ、特図1保留球を獲得している場合には、図357(a)に示した通り、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出(チャレンジ演出)を実行するのでは無く、潜確状態が設定されることを示す演出(RUSH演出)を実行するように構成している。このように構成することで、0.5秒間のみ確変状態が設定されることを遊技者に報知してしまい、分かり難い報知態様で演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が0.5秒間の外れ確変用短変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」の場合は、設定される大当たり種別に応じて、異なる変動パターンが選択され得るように構成しており、「大当たりA17」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が0.5秒間の当たり確変用短変動が対応付けて規定され、「大当たりB17、及び大当たりC17」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり確変用長変動が対応付けて規定されている。
つまり、確変A状態が設定された後に実行される1回目の第1特別図柄抽選の結果が外れの場合、或いは、再度確変A状態が設定される大当たり(大当たりA17)である場合には、0.5秒間の短変動を実行させるように構成している。そして、1回目の第1特別図柄抽選の結果が外れの場合は、0.5秒経過後に潜確状態へと移行する。また、1回目の第1特別図柄抽選の結果が大当たりA17である場合には、大当たり遊技終了後に連続して大当たり遊技が実行され、その後、再度確変A状態が設定される。なお、この場合、確変A状態が設定された後に実行される1回目の第1特別図柄抽選の結果が大当たりA17であることを、確変A状態が設定されるよりも前の時点、即ち、1回目の確変A大当たりが終了するよりも前に判別した場合には、1回目の確変A大当たりと、2回目の確変A大当たりとを跨ぐように大当たり演出(連荘大当たり演出)を実行するように構成しても良い。
このように、連荘大当たり演出を実行するように構成した場合も、0.5秒間のみ確変状態が設定されることを遊技者に報知してしまい、分かり難い報知態様で演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、確変A状態が設定された後に実行される1回目の第1特別図柄抽選の結果が、大当たりA17以外の大当たりである場合、即ち、大当たり遊技終了後に確変B状態、或いは、時短状態が設定される大当たりに当選した場合には、300秒の変動時間が決定される。これにより、確変A状態が設定された場合に特定時短終了条件が成立し難くすることができる。この場合、時短状態や確変B状態が設定された場合と同一の演出態様(チャレンジ演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、確変A状態が設定されたにも関わらず、1回目の第1特別図柄抽選の結果が、大当たりA17以外の大当たり(大当たりB17,C17)に当選している場合において、第1特別図柄の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されることを抑制することができる。また、時短状態や確変B状態が設定された場合と同一の演出態様(チャレンジ演出)を実行するように構成しているため、遊技者に対して、確変A状態が設定されたことを分かり難くすることができる。なお、図366(b)に示した通り、図柄種別が第2特別図柄(特図2)に対しては、抽選結果が「外れ(小当たり含む)」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。
次に、図367(a)を参照して、潜確用17テーブル202nd4の詳細について説明する。図367(a)は、潜確用17テーブル202nd4の規定内容を示した図である。この潜確用17テーブル202nd4は、潜確状態が設定されている場合において変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。図367(a)に示した通り、潜確用17テーブル202nd4には、第1特別図柄に対して決定される変動時間のほうが、第2特別図柄に対して決定される変動時間よりも長くなるように各変動パターンが規定されている。即ち、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを同時に(並行して)実行可能な本第17実施形態においては、潜確状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選のほうが、第1特別図柄抽選よりも実行され易くなる。
ここで、確変A状態は、確変B状態よりも成立し易い時短終了条件が設定されるものであり、確変B状態において設定される時短終了条件(通常時短終了条件)に加え、第1特別図柄変動が1回実行された場合(停止表示された場合)に成立する特定時短終了条件が設定されている。
具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の外れ潜確用変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり潜確用変動が対応付けて規定されている。
一方、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ(小当たり含む)」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」の場合は、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中の賞球を獲得し易い遊技状態である潜確状態中に、実質、第2特別図柄抽選のみが実行される遊技性を提供することができる。
次に、図367(b)を参照して、リミット用17テーブル202nd5の詳細について説明する。図367(b)は、リミット用17テーブル202nd5の規定内容を示した図である。このリミット用17テーブル202nd5は、確変状態が連続して設定される回数がリミット回数(5回)に到達したことに基づいて時短状態が設定された場合において変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。図367(b)に示した通り、リミット用17テーブル202nd5には、上述した時短・確変B用17テーブル202nd2と同一の変動パターン種別が、選択割合の一部を異ならせた内容で規定されている。
具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の外れ用長変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」の場合は、設定される大当たり種別に応じて、異なる変動パターンが選択され得るように構成しており、「大当たりA17」に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して変動時間が100秒間の当たり用変動が対応付けて規定され、「150~198」の範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり用長変動が対応付けて規定されている。一方、「大当たりB17、及び大当たりC17」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が300秒間の当たり用変動が対応付けて規定されている。
一方、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ(小当たり含む)」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」の場合は、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。
このリミット用17テーブル202nd5が参照される状況は、確変状態が設定される大当たり(確変A大当たり、確変B大当たり)に当選し、その当選によりリミット回数に到達した場合である。上述した通り、本第17実施形態では、確変A大当たりに当選した場合には、通常の時短終了条件に加え特定時短終了条件が設定されるように構成し、確変A状態が設定された場合には、第1特別図柄変動の変動時間として短時間の変動時間(0.5秒)が決定されるように構成することで、確変A状態を即座に潜確状態へと移行させるように構成していた。そして、確変A大当たりに当選した際にリミット回数に到達した場合には、第1特別図柄変動の変動時間として長時間の変動時間(100秒或いは300秒)が決定されるように構成している。よって、確変A大当たりに当選した場合において、特定条件が成立していない場合(リミット回数に到達していない場合)は、即座に確変状態を終了させ(普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させ)、特定条件が成立している場合(リミット回数に到達した場合)は、確変状態が終了させ難くすることが可能となる。
また、時短・確変B用17テーブル202nd2に対して、大当たりA17に当選した場合に、変動時間が100秒間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、100秒間の変動パターンに基づく変動演出が実行された場合において、リミット回数に到達した状態(時短状態が設定されている状態)にて大当たり当選したのでは?と、遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
なお、本第17実施形態では、時短状態が設定されている場合、確変状態が設定されている場合とで、なるべく同一の変動パターンが決定されるように構成により、決定された変動パターンに基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測されてしまうことを抑制することができる。
次に、時短付与17テーブル202neの詳細について説明をする。図368は、本第17実施形態における時短付与17テーブル202neの規定内容を模式的に示した図である。この時短付与17テーブル202neは、大当たり種別に応じて設定される時短終了条件が予め規定されているデータテーブルであって、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理(図382参照)において、時短終了条件を設定する際に参照される。
図368に示した通り、時短付与17テーブル202neには、大当たり種別と、リミット到達の有無に応じて、時短終了条件(時短付与回数)が規定されている。具体的には、大当たり種別が「大当たりA17」、「大当たりD17」、「大当たりE17」に対して、即ち、大当たり遊技終了後に確変A状態が設定される大当たり種別に対しては、時短終了条件として、第1特別図柄変動が1回実行された場合(停止表示された場合)に成立する特定時短終了条件と、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算数が100回に到達した場合に成立する通常時短終了条件と、が規定されている。
本第17実施形態では、複数の時短終了条件が設定された場合には、何れか1の時短終了条件が成立した場合に、時短状態(普通図柄の高確率状態)が終了するように構成している。即ち、通常時短終了条件に加え、特定時短終了条件が設定される大当たり種別は、通常時短終了条件のみ設定される大当たり種別よりも、時短終了条件が成立し易い大当たり種別となる。
また、大当たり種別が「大当たりB17」、「大当たりF17」、「大当たりG17」に対して、即ち、大当たり遊技終了後に確変B状態が設定される大当たり種別に対しては、時短終了条件として、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算数が100回に到達した場合に成立する通常時短終了条件が規定されている。
本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態は、特別図柄抽選にて大当たり当選するまで継続するように構成しているため、確変B状態が設定された場合には、通常時短終了条件が成立することで、潜確状態へと移行することになる。しかしながら、上述した特定時短終了条件を有する確変A状態では、最短で第1特別図柄変動1回(0.5秒)で時短終了条件が成立するのに対して、確変B状態では、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算数が100回に到達した場合に時短終了条件が成立するため、確変A状態よりも時短終了条件が成立し難い(潜確状態へと移行し難い)確変状態となる。
さらに、大当たり種別が「大当たりC17」、「大当たりH17」に対して、即ち、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別に対しては、時短終了条件として、上述した通常時短終了条件のみが規定されている。なお、時短状態が設定されている状態で時短終了条件が成立した場合には、通常状態へと移行することになる。
上述した通り、本第17実施形態では、確変B状態と、時短状態とで時短終了条件が同一となるように構成している。よって、確変B状態が設定されているか時短状態が設定されているかを、時短終了条件が成立するまでの過程によって遊技者に判別されてしまうことを抑制することができる。そして、時短終了条件が成立した場合には、確変B状態が設定されている場合は潜確状態へ移行し、時短状態が設定されている場合は通常状態へと移行するように構成しているため、遊技者に対して、時短終了条件が成立する際の遊技内容に興味を持たせることができる。
さらに、特定時短終了条件が設定される大当たり種別(「大当たりA17」、「大当たりD17」、「大当たりE17」)に当選した場合であっても、設定される遊技状態や、特別図柄抽選の結果に応じて、特定時短終了条件の成立のし易さを、第1特別図柄の変動時間を可変させることで異ならせるように構成している。具体的には、特定時短終了条件が設定される大当たり種別に当選し、確変A状態が設定される場合には、特定時短終了条件を早期に成立させるために第1特別図柄の変動時間として短い変動時間(0.5秒)を決定し易くし、特定時短終了条件が設定される大当たり種別に当選した際にリミット回数に到達したことに基づいて時短状態が設定された場合には、特定時短終了条件が成立し難くなる(通常時短終了条件よりも成立し難くなる)ように、第1特別図柄の変動時間として長い変動時間(300秒)を決定し易くするように構成している。
このように構成することで、特定の遊技状態(特別図柄の高確率状態)が設定される大当たりに連続して所定回数(リミット回数)当選した場合に、大当たり遊技終了後に特定の遊技状態よりも遊技者に不利となる不利遊技状態(特別図柄の低確率状態)を強制的に設定するリミット機能を有するパチンコ機10において、リミット回数に到達する前に設定される遊技状態と、リミット回数に到達した後に設定される遊技状態とで、時短終了条件が成立したほうが有利になる遊技状態と、時短終了条件が成立しないほうが有利になる遊技状態が切り替わる場合であっても、大当たり種別に対して規定される時短終了条件を、リミット到達前と、リミット到達後とで可変させること無く、有利者に有利となる時短終了条件を設定することができる。
なお、本第17実施形態では、特定の大当たり種別に当選した場合であって、リミット回数に到達する前に設定される遊技状態では時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となり、リミット回数に到達した後に設定される遊技状態では時短終了条件が成立しないほうが遊技者に有利となるように構成しているが、これに限ること無く、特定の大当たり種別に当選した場合であって、リミット回数に到達する前に設定される遊技状態では時短終了条件が成立しないほうが遊技者に有利となり、リミット回数に到達した後に設定される遊技状態では時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となるように構成してもよい。
また、本第17実施形態では、遊技者に有利となる期間が長くなるように、時短終了条件の成立のし易さを可変させているが、これに限ること無く、遊技者に有利となる期間が短くなるように時短終了条件の成立のし易さを可変させても良い。
さらに、本第17実施形態では、時短終了条件として、特定時短終了条件(第1特別図柄変動1回)と、通常時短終了条件(第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算数が100回)と、を設定可能に構成しているが、これ以外の時短終了条件を設定しても良く、例えば、特別図柄抽選で特定の外れ当選(小当たり含む)となった場合、或いは、その外れ当選(小当たり含む)回数が所定回数となった場合に成立する時短終了条件を設定可能に構成しても良いし、上述した各実施形態において用いられる各種時短終了条件の何れか、又は全てを設定可能に構成しても良い。
次に、図369を参照して、変動パターンシナリオ17テーブル202nfの詳細について説明をする。図369は、変動パターンシナリオ17テーブル202nfの規定内容を示した図である。この変動パターンシナリオ17テーブル202nfには、当選した大当たり種別(設定される遊技状態)、リミット到達の有無に応じて、時短終了条件が成立する前に参照する変動パターンテーブルと、時短終了条件が成立した後に参照する変動パターンテーブルと、が規定されている。
具体的には、リミット到達前であって、大当たり種別が「大当たりA17」、「大当たりD17」、「大当たりE17」である場合には、時短終了条件の成立前は確変A用17テーブル202nd3が参照され、時短終了条件の成立後は潜確用17テーブル202nd4が参照されるよう変動パターンシナリオが規定されており、リミット到達前であって、大当たり種別が「大当たりB17」、「大当たりF17」、「大当たりG17」である場合には、時短終了条件の成立前は時短・確変B用17テーブル202nd2が参照され、時短終了条件の成立後は潜確用17テーブル202nd4が参照されるよう変動パターンシナリオが規定されており、リミット到達前であって、大当たり種別が「大当たりC17」、「大当たりH17」である場合には、時短終了条件の成立前は時短・確変B用17テーブル202nd2が参照され、時短終了条件の成立後は通常用17テーブル202nd1が参照されるよう変動パターンシナリオが規定されている。
一方、リミット到達後であって、大当たり種別が「大当たりA17」、「大当たりD17」、「大当たりE17」である場合には、時短終了条件の成立前はリミット用17テーブル202nd5が参照され、時短終了条件の成立後は通常用17テーブル202nd1が参照されるよう変動パターンシナリオが規定され、リミット到達後であって、大当たり種別が「大当たりA17」、「大当たりD17」、「大当たりE17」以外である場合には、時短終了条件の成立前は時短・確変B用17テーブル202nd2が参照され、時短終了条件の成立後は通常用17テーブル202nd1が参照されるよう変動パターンシナリオが規定されている。
このように、リミット到達の有無、時短終了条件の成立の有無に応じて、各大当たり種別に対して参照させる変動パターンテーブルを予め規定したデータテーブルを設けることにより、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを状態に応じて好適に決定することができる。
次に、図370を参照して、本第17実施形態における主制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図370は、RAM203の構成を示したブロック図である。図370に示した通り、本第17実施形態におけるRAM203は、上述した第16実施形態におけるRAM203の構成(図339(b)参照)に対して、特別図柄2保留球格納エリア203a2、特別図柄2保留球数カウンタ203b2、リミットカウンタ203na、リミット到達フラグ203nb、確変フラグ203nc、変動パターンシナリオ格納エリア203nd、遊技状態格納エリア203ne、特図1減算フラグ203nf、時短終了待機フラグ203ng、特図2減算フラグ203nh、特図1大当たりフラグ203ni、特図2大当たりフラグ203nj、確変設定フラグ203zs、確変通過カウンタ203zt1、入賞個数カウンタ203zt2、動作カウンタ203zt3、残球タイマフラグ203zt4、残球タイマ203zt5、確変有効フラグ203zt6、確変有効タイマ203zt7、排出個数カウンタ203zt8と、が追加されている点で相違している。また、小当たり種別格納エリア203e、V通過大当たり種別格納エリア203h、Vフラグ203i、V通過フラグ203j、普図短変動フラグ203q、大当たりフラグ203caが削除されている点でも相違している。
リミットカウンタ203naは、特別図柄抽選で連続して確変大当たり(確変A大当たり、確変B大当たり)に当選した回数を計測するためのカウンタであって、確変大当たりに当選した場合に、値が1加算される。具体的には、大当たり終了処理17(図382参照)において、確変設定フラグ203zsがオンに設定されていると判別した場合、即ち、大当たり遊技中にV入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球が通過した場合に(図382のS17101:Yes)、値が1加算される(図382のS17103参照)。そして、確変大当たりが連続して実行された回数がリミット回数(5回)に到達しているかを判別する際に参照される(図382のS17105)。また、大当たり終了処理17(図382参照)において、確変設定フラグ203zsがオンに設定されていないと判別した場合は(図382のS17101:No)、連続して確変状態が設定されない場合であるため、リミットカウンタ203naの値が0にリセットされる(図382のS17102参照)。また、リミットカウンタ203naの値がリミット回数(5回)に到達したと判別された場合も(図382のS17105:Yes)、リミットカウンタ203naの値が0にリセットされる(図382のS17102参照)。
本第17実施形態では、大当たり遊技中にV入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球が通過した場合に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるように構成しているため、リミットカウンタ203naの値を更新する処理を大当たり終了処理17(図382参照)にて実行するように構成しているが、これ以外のタイミングでリミットカウンタ203naの値を更新する処理を実行しても良く、例えば、V入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球が通過したかを判別する入賞処理(図383参照)にて、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過したことを判別した場合(図383のS1490:Yes)に、リミットカウンタ203naの値を更新するように構成しても良い。
また、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に決定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるか否かが確定するパチンコ機10であれば、リミットカウンタ203naの値を更新する処理を、大当たり遊技の開始タイミングや、大当たり当選を示す特別図柄変動を実行させるタイミングや、当該特別図柄変動を停止表示させるタイミングで実行するように構成しても良い。
このように、実際に遊技状態が設定されるよりも前の段階でリミットカウンタ203naの値を更新する処理を実行することにより、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に確定することが可能となる。よって、確定した遊技状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することにより、リミット到達の有無に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が可変する場合であっても、実際に設定される遊技状態に対応する演出態様(特別図柄変動に対応する第3図柄の変動表示演出の演出態様や、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の演出態様)を実行し易くすることができる。
なお、本実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態)が設定された場合には、次回の大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態が継続するように構成している。よって、大当たり遊技が実行される毎に、リミットカウンタ203naの値を更新する処理を実行するだけで良いが、例えば、特別図柄の高確率状態が大当たり遊技終了後から特別図柄変動が80回実行されるまでの所定期間のみ設定される仕様のパチンコ機10や、特別図柄の高確率状態が設定された場合に、所定条件が成立する毎に、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための移行抽選を実行する仕様のパチンコ機10のように、大当たり当選を介することなく、特別図柄の高確率状態が終了してしまう遊技性を有するパチンコ機10であれば、大当たり遊技当選時における遊技状態を判別する処理を実行し、大当たり遊技当選時に特別図柄の高確率状態が設定されている場合のみ、リミットカウンタ203naの値を更新するか否かに関する処理を実行し、大当たり遊技当選時に特別図柄の高確率状態が設定されていない場合には、リミットカウンタ203naの値を0にリセットする処理を実行するように構成すれば良い。
また、本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変状態)が過剰に連続して設定されることを抑制するためにリミット機能を設けているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の高確率状態(時短状態)が過剰に連続して設定されることを抑制するためにリミット機能を設けても良い。この場合は、大当たり当選時において普通図柄の高確率状態が設定されていたかを判別する処理と、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定されるかを判別する処理と、を設け、大当たり遊技の前後で普通図柄の高確率状態が設定される(されていた)場合に、リミットカウンタ203naの値を更新するように構成すれば良い。
リミット到達フラグ203nbは、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定される回数が上限数(リミット回数)に到達したことを示すためのフラグであって、上限数(リミット回数)に到達した場合にオンに設定されるものである。このリミット到達フラグ203nbは、大当たり終了時処理(図382のS1693参照)において、確変大当たりが連続して実行された回数がリミット回数(5回)に到達していると判別した場合に(図382のS17105:Yes)オンに設定され、リミット到達フラグ203nbの設定状況(オン、オフ)に応じて、時短付与回数及び変動パターンシナリオが決定される(図382のS17108,S17112参照)。そして、次回の大当たり当選時(大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示されるタイミング)にてオフに設定される(図376のS1890参照)。
確変フラグ203ncは、特別図柄の高確率状態が設定されているか否かを示すフラグである。この確変フラグ203ncがオンであれば、特別図柄の高確率状態に設定されていることを示し、オフであれば、特別図柄の低確率状態に設定されていることを示す。つまり、確変フラグ203ncがオンに設定されている場合は、遊技状態として、確変状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:高確率状態)、或いは、潜確状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:低確率状態)の何れかが設定されていることになる。この確変フラグ203ncは、初期状態がオフに設定されていると共に、大当たりを示す特別図柄の停止時にオフに設定される(図376のS1890、図380のS1986参照)。一方、この確変フラグ203ncは、大当たり遊技中に確変設定フラグ203zsがオンに設定され、且つ、確変リミット回数に到達していない場合に、オンに設定される(図382のS17106参照)。つまり、本第17実施形態では、一旦確変フラグ203ncがオンに設定されると、次に大当たりに当選するまでの間、確変フラグ203ncがオフに設定されることがないので、確変大当たりに当選した場合、大当たり終了後に設定される特別図柄の高確率状態は、パチンコ機10の設定が初期化されない限り(RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入されない限り)、必ず次に大当たりに当選するまでの間継続するように構成されている。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が次に大当たりに当選するまで継続するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の高確率状態を終了させるための特図高確終了条件として、特別図柄の高確率状態(特図高確状態)が設定されてからの特別図柄変動回数(特図変動回数)が予め定められた所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、特別図柄の高確率状態を終了させるように構成してもよい。この場合、確変フラグ203ncに代えて、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行させるまでの残りの抽選回数をカウントするための確変カウンタを設けておけばよい。
さらに、特図高確終了条件を複数用意し、例えば、特図高確状態における第1特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図1高確終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図2高確終了条件や、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、小当たりに当選する抽選結果)である場合に成立し得る抽選終了条件といった様々な特図高確終了条件を容易し、いずれかの特図高確終了条件が成立した場合に特別図柄の高確率状態を終了させるように構成してもよい。
変動パターンシナリオ格納エリア203ndは、変動パターンシナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。特別図柄の変動開始時には、この変動パターンシナリオ格納エリア203ndに格納されているデータが示す変動パターンシナリオに応じて、変動パターン(変動時間)を決定するための変動パターンテーブルが読み出される。この変動パターンシナリオ格納エリア203ndには、大当たり終了時に、変動パターンシナリオテーブル202nfを参照して決定された変動パターンシナリオに対応するデータが格納される(図382のS17113参照)。
遊技状態格納エリア203neは、確変フラグ203ncの設定状況、及び、時短中カウンタ203kの値とに応じて可変する遊技状態を記憶するための記憶領域である。この遊技状態格納エリア203neに格納された情報は、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。よって、復電時(電源投入時)において、遊技状態を電源断直前の状態へと容易に復元させることができる。また、この遊技状態格納エリア203neは、現在設定されている遊技状態だけでは無く、過去に設定された遊技状態や、過去にカウントされたリミットカウンタ203naの値といった遊技履歴を記憶可能な記憶領域も有している。このように構成することで、パチンコ機10に対して不正な遊技が実行された場合において、不正遊技による被害を遡って解析することが可能となる。なお、大当たり確率の値を複数段階に設定可能な設定機能を有するパチンコ機10を用いる場合には、現在の設定されている設定値や、過去に設定された設定値を記憶可能な記憶領域を設けても良い。
特図1減算フラグ203nfは、第1特別図柄の変動において、変動停止時に時短中カウンタ203kの値を減算するべき変動であるか否かを示すフラグである。この特図1減算フラグ203nfは、第1特別図柄変動開始処理17(図373のS7055参照)において、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合に(図373のS7122:Yes)、オンに設定され(図373のS7123)、第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058参照)にて実行される時短更新処理(図377のS1893参照)にて、特図1減算フラグ203nfがオンであると判別した場合に(図377のS17001:Yes)、時短中カウンタ203kの値を減算してから(S17002参照)、オフに設定される(S17003参照)。
なお、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058参照)において、オフに設定される(図376のS1890参照)。また同様に、第2特別図柄の抽選において、大当たりに当選した場合には、第2特別図柄変動停止処理17(図380のS7063参照)において、オフに設定される(図380のS1986参照)。
このように構成することで、例えば、上述した第16実施形態のように、一方の特別図柄抽選(例えば、第2特別図柄抽選)にて大当たり当選した場合に、実行中の他方の特別図柄変動を中断(仮停止)させる仕様を有するパチンコ機10であれば、仮停止していた第1特別図柄の変動が再開した場合に、その変動が停止表示される時点では特図1減算フラグ203nfがオフに設定されているため、残時間回数が更新(減算)され無いように構成することができる。
時短終了待機フラグ203ngは、時短状態の終了条件が成立する特図変動が開始されたことを示すフラグである。具体的には、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その普通図柄の高確率状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄変動が1回実行された場合に成立する特定時短終了条件と、第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数との合算回数が100回に到達した場合に成立する通常時短終了条件と、を設定可能に構成している。時短終了待機フラグ203ngは、この時短終了条件が成立し得る特別図柄変動が開始される場合にオンに設定される。
そして、時短終了待機フラグ203ngがオンに設定されている状態で、時短終了条件が成立し得る特別図柄変動が停止表示された場合にオフに設定される。また、新たな特別図柄変動が開始される場合に、時短終了待機フラグ203ngがオンに設定されているかが判別され、オンに設定されていると判別された場合、即ち、時短終了条件が成立し得る特別図柄変動(例えば、100回目の特別図柄変動)が実行中のタイミングで、101回目の特別図柄変動が実行される場合には、101回目の特別図柄変動が実行されるよりも前(特別図柄抽選が実行されるよりも前)に、時短状態の終了条件を成立させる処理が実行される。このように構成することで、時短終了待機フラグ203ngがオンに設定されている状態(即ち、待機状態)である場合において、何れかの時短終了タイミングが到来した場合に、各タイミングに応じて確実に時短終了処理を実行させることができる。
特図2減算フラグ203nhは、第2特別図柄の変動において、変動停止時に時短中カウンタ203kの値を減算するべき変動であるか否かを示すためのフラグである、この特図2減算フラグ203nhは、第2特別図柄変動開始処理17(図378のS7060参照)において、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値であるかを判別し(図378のS7640参照)、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値である(即ち、時短中である)と判別した場合に(S7640:Yes)、オンに設定される(図378のS7641参照)。そして、特図2外れ停止処理の時短更新処理にて参照され、オンである場合には、時短中カウンタ203kの値を減算し、特図2減算フラグ203nhをオフに設定する。また、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058参照)にてオフに設定され(図376のS1890参照)、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第2特別図柄変動停止処理17(図380のS7063参照)にてオフに設定される(図380のS1986参照)。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選において、大当たりに当選した場合に、第2特別図柄が変動している場合には、その変動を外れで強制停止するよう構成している。上述したように、第1特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合には、この特図2減算フラグ203nhがオフに設定されるよう構成しているため、その外れで強制停止した変動の停止時には、時短カウンタ203kの値を更新する処理をスキップすることができる。よって、処理負荷を軽減することが出来る。
特図1大当たりフラグ203niは、第1特別図柄の抽選(第1入球口64、または右第1入球口64zへの始動入賞に基づく抽選)の結果が大当たりであることを示すためのフラグであって、抽選結果が大当たりである場合にオンに設定されるものである。この特図1大当たりフラグ203niは、第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照)にて大当たりであると判定された場合にオンに設定され(図374のS1816参照)、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図376のS1890)。この特図1大当たりフラグ203niがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図376のS1875参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との両方で大当たりに当選した場合に、重複して大当たり遊技が開始されてしまう不具合を防止できる。
特図2大当たりフラグ203njは、第2特別図柄の大当たり変動中であることを示すフラグである。この特図2大当たりフラグ203njは、第2特別図柄の抽選(第2入球口640への始動入賞に基づく抽選)で大当たりとなった場合にオンに設定される(図379のS1926参照)。この特図2大当たりフラグ203njは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図380のS1986参照)。この特図2大当たりフラグ203njがオンの状態で、且つ、第1特別図柄の変動表示が実行中の場合に、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図380のS1974参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との両方で大当たりに当選した場合に、重複して大当たりが開始されてしまう不具合を防止できる。
確変設定フラグ203zsは、大当たり遊技後に特別図柄の高確率状態を設定させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、特別図柄の高確率状態が設定されるか否かは、大当たり遊技中にV入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)を球が入球(通過)したか否かにより決定される。ここで、大当たり遊技中にこの確変スイッチ1650e3を球が入球(通過)したこと(以下、V入賞と称す)を検出すると、確変設定フラグ203zsがオンに設定される(図383のS1492参照)。一方、この確変設定フラグ203zsは、大当たり遊技の終了時に参照され(図382のS17101参照)、オンに設定されていると判別した場合において、リミットカウンタ203naの値を更新した後に、オフに設定される(図382のS17104参照)。なお、この確変設定フラグ203zsは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203zsがオンに設定されている場合には、確変スイッチに電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203zsを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ1650e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203zt1が0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203zsのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203zt1は、大当たり遊技中の1つのラウンド(本制御例では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチ1650e3を通過した(特定領域を流下した)球の数を計数するためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203zt1の値と後述する排出個数カウンタ203zt8の値との合計値によりV入賞装置1650のV入賞口1650aに入賞した球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203zt1は、確変スイッチ1650e3を球が通過した(V入賞した)場合に1ずつ加算されて更新される。また、V入賞装置1650に入賞した球の数と排出個数が一致するか否かの判定処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203zt1は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203zt2は、大当たり遊技における1つのラウンドでV入賞装置1650のC入賞口1650aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタであり、V入賞口1650aへの入賞が検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、V入賞装置1650に入賞した個数(入賞個数カウンタ203zt2の値)と排出された個数(排出個数カウンタ203zt8と確変通過カウンタ203zt1との合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203zt2の値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203zt3は、大当たり遊技中に可変制御されるV入賞装置1650の各種装置(開閉扉1650f、切替部材1650h)の動作時間を計時(カウント)するためのものであって、具体的には、流路ソレノイド(確変ソレノイド)1650kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、当たり動作17テーブル202ngに規定されている各種動作シナリオを参照し、大当たり遊技の開始(オープニング期間の開始)に基づいて流路ソレノイド1650kが2秒間オンに設定される。動作カウンタ203zt3には、切替部材1650hの動作時間を示す値として2秒間に対応するカウンタ値が設定される。そして、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203zt3の値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド1650kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203zt3は、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203zt3を設定して流路ソレノイド1650kを制御することで、確変スイッチ1650e3への入賞を大当たり種別に応じて制御できる。
また、動作カウンタ202zt3には、V入賞装置1650の開閉扉1650fや、可変入賞装置2650の開閉扉2650fの動作時間を計時するためのカウンタ値も計測可能に構成されており、当たり動作17テーブル202ngに規定されている各種動作シナリオに対応する値が各カウンタに設定され、そのカウンタ値の更新内容に基づいて各種装置の動作制御が実行される。これにより、大当たり遊技中における各種入賞装置の動作制御を一元的に実行することができる。
残球タイマフラグ203zt4は、1のラウンドが終了し、V入賞口1650aが閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203zt5が1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203zt5は、V入賞装置1650のV入賞口1650aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、V入賞装置1650内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203zt5は、予め設定されている1のラウンドが終了してV入賞装置1650のV入賞口1650aが閉鎖した場合に、V入賞装置1650に入賞した球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、V入賞装置1650に入賞した球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203zt5の上限値として設定されている。この残球タイマ203zt5の上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、V入賞装置1650への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、V入賞装置1650内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203zsをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203zt6は、切替部材1650hが球を特定領域(確変スイッチ1650e3)へと振り分け不可能な配置に切り替わった後に、遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過した場合(V入賞した場合)に、その通過(V入賞)を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203zt6がオンに設定されている場合には、特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203zt7は、上述した確変有効フラグ203zt7がオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203zt7により切替部材1650hが特定領域(確変スイッチ1650e3)を球が流下不可能な配置に切り替わった後に、確変スイッチ1650e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本制御例では、切替部材1650hに到達した球が確変スイッチ1650e3を通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203zt7の上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過(V入賞)しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に球を特定領域(確変スイッチ1650e3)に入球(V入賞)させたり、確変スイッチ1650e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203zt8は、1のラウンドでV入賞装置1650から排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203zt8は、V入賞装置1650に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる。
次に、図371を参照して、本第17実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図371は、本第17実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図371に示した通り、本第17実施形態におけるRAM223は、上述した第16実施形態におけるRAM222の構成(図342(b)参照)に対して、スーパーRUSH開始フラグ223naと、スーパーRUSH中フラグ223nbと、スーパーRUSHカウンタ223ncと、準リミットフラグ223ndと、復活フラグ223neと、チャレンジ演出フラグ223nfと、遊技状態格納エリア223ngと、開始遅延フラグ223nhと、が追加されている点で相違している。
スーパーRUSH開始フラグ223naは、スーパーRUSH演出を実行可能な条件が成立したことを示すためのフラグであって、スーパーRUSH演出を実行可能な条件が成立した場合にオンに設定されるものである。本第17実施形態は、潜確状態が設定されると、小当たり遊技中に賞球を獲得し易いRUSH遊技が実行されるように構成しており、RUSH遊技中であることを遊技者に報知するためのRUSH演出(図357(b)参照)が実行されるように構成している。そして、RUSH遊技中において、獲得済みの第2特別図柄の保留球(特図2保留)に含まれる入賞情報に、小当たり当選する入賞情報が4個格納されている場合、或いは、遊技者に有利な大当たりである大当たりE17に当選することを示す入賞情報が格納されている場合に、RUSH遊技中において、より有利な期間が設定されることを示すためのスーパーRUSH演出が実行されるように構成している。
つまり、スーパーRUSH演出が実行された場合には、その後、連続して小当たり遊技が実行され、単位期間当たりに獲得可能な賞球数が多くなる期間、或いは、大当たり遊技の終了後に再度潜確状態が設定され易い大当たりに当選し得る期間が到来することを遊技者に報知することになる。逆を言えば、スーパーRUSH演出の実行期間中は、第2特別図柄抽選によって、遊技者に不利となる大当たり(例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりH17)に当選することが無いことを遊技者に報知することになる。
このような演出期間を設定することにより、遊技者に対して安心してRUSH遊技を実行させる期間を設けることができる。
このスーパーRUSH開始フラグ223naは、コマンド判定処理17(図385のS12113参照)において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に(S2209:Yes)実行される入賞情報関連処理17(図386のS12201参照)において、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報の中に小当たり当選を示す情報(入賞情報)が4個あると判別した場合(図386のS2374:Yes)、或いは、大当たりE17に当選することを示す情報(入賞情報)が含まれていると判別した場合(図386のS2375:Yes)に、オンに設定される(図386のS2376)。そして、第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための演出設定処理17(図393のS12861参照)において、スーパーRUSH開始フラグ223naの設定状態が判別され(図393のS12703)、オンに設定されていると判別した場合に(図393のS12703:Yes)、オフに設定され(図393のS12704)、その後、スーパーRUSH演出を実行するための表示用コマンドが設定される(図393のS12707)。
スーパーRUSH中フラグ223nbは、スーパーRUSH演出が実行されている期間を示すためのフラグであって、スーパーRUSH演出が実行される(設定される)と、オンに設定され、スーパーRUSH演出が終了するとオフに設定されるものである。このスーパーRUSH中フラグ223nbがオンに設定されている間は、新たなスーパーRUSH演出を設定するための処理が実行されないように、入賞情報関連処理17(図386のS12201参照)において、スーパーRUSH中フラグ223nbの設定状態が参照される。
なお、本第17実施形態では、スーパーRUSH演出の実行条件が成立した場合には、当該スーパーRUSH演出が終了するまで、新たなスーパーRUSH演出が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、スーパーRUSH演出中において新たに獲得した入賞情報が小当たり当選することを示す情報を含んでいる場合には、新たに獲得した入賞情報に対応する特別図柄変動の変動期間までスーパーRUSH演出を継続するように構成しても良い。このように、一度設定されたスーパーRUSH演出の演出期間を、スーパーRUSH演出の実行中に延長させることができるように構成することで、遊技者に対してスーパーRUSH演出が継続する期間の長さを分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
また、本第17実施形態では、単位期間当たりに多くの賞球を獲得可能であって、且つ、潜確状態が終了することのない期間が到来することを、スーパーRUSH演出を用いて遊技者に報知するように構成しているが、これに限らず、たとえば、潜確状態が終了することの無い期間のみを示す期間演出を実行するように構成しても良いし、潜確状態が終了することの無い(終了させ難い)大当たりに当選したことのみを示す期間演出を実行するように構成しても良い。さらに、RUSH演出期間中において、潜確状態が終了する大当たりに当選することを示唆する期間演出を実行するように構成しても良いし、大当たり種別に関わらず、何らかの大当たりに当選する可能性が高いことを示唆する期間演出を実行するように構成しても良い。このように様々な期間演出を実行することにより、RUSH演出が実行される期間中(潜確状態中)において、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
本第17実施形態では、上述したスーパーRUSH演出の実行条件が成立した場合に、必ずスーパーRUSH演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、スーパーRUSH演出の実行条件が成立している状態において所定の演出実行抽選を実行可能に構成し、その演出実行抽選の抽選結果が特定の抽選結果である場合に、スーパーRUSH演出を実行するように構成しても良い。また、リミット回数に到達するまでの残大当たり回数(例えば、後述する準リミットフラグ223ndの設定状況)に応じて、スーパーRUSH演出の実行条件を可変させても良いし、潜確状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じてスーパーRUSH演出の実行条件を可変させても良い。さらに、実行中の第1特別図柄変動(ロング変動)の抽選結果や、残変動時間に応じて、第2特別図柄抽選に基づいて成立するスーパーRUSH演出の実行条件を可変させても良い。このように実行条件を様々な要素に基づいて可変させることにより、どのタイミングでスーパーRUSH演出が実行されるのかを遊技者に予測させ難くすることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
スーパーRUSHカウンタ223ncは、実行中のスーパーRUSH演出が終了するまでの期間を計測するためのカウンタであって、スーパーRUSH演出を実行する(設定する)際に、スーパーRUSH演出の対象となる特別図柄変動(第2特別図柄変動)の回数に対応する値が設定される。そして、スーパーRUSH演出中に第2特別図柄変動が実行される毎にカウンタ値が1減算され、カウンタ値が0になった場合にスーパーRUSH演出を終了させるように構成している。また、スーパーRUSH演出中に大当たり当選した場合、即ち、スーパーRUSH演出の実行条件である大当たりE17に当選した場合にもスーパーRUSHカウンタ223ncの値が0にクリアされる。
準リミットフラグ223ndは、連続して確変状態(特別図柄の高確率状態)が設定された回数が所定数(リミット回数(5回)の1つ前の回数)に到達したことを示すためのフラグであって、所定数(リミット回数(5回)の1つ前の回数)に到達した場合にオンに設定され、オンに設定されている状態で、リミット回数に到達した場合、或いは、確変状態(特別図柄の高確率状態)が設定されない大当たり遊技が実行された場合にオフに設定される。
本第17実施形態では、大当たり遊技中の遊技内容に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定するか否かが決定するため、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定された回数がリミット回数に到達したかを示すための情報(リミット到達情報)が主制御装置110から出力されるタイミングが大当たり遊技終了時となる。よって、リミット回数に到達し得る大当たり当選に対応する第3図柄変動の変動表示演出の演出態様を、主制御装置110から出力されるリミット到達情報に基づいて設定することができないという問題があった。そこで、大当たり遊技が終了するタイミングで出力される情報(状態コマンド)に、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定された回数(確変連続回数)を示すための情報を少なくとも含ませるように構成し、その連続回数を示す情報に基づいて、次回の大当たりにてリミット回数に到達し得る状態であるかを音声ランプ制御装置113側で判別可能に構成している。
このように構成することで、例えば、準リミットフラグ223ndがオンに設定されている状態において、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに、確変大当たりに当選する情報が含まれている場合であっても、対応する第3図柄の変動表示演出の演出態様として、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される(され易い)大当たり(確変A大当たり)に当選することを示唆(報知)する演出態様(図359(a)参照)が決定されることを禁止することができる。
なお、本第17実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定された回数(確変連続回数)がリミット回数の1つ前の回数である場合に、準リミットフラグ223ndをオンに設定し、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出態様を、準リミットフラグ223ndの設定状況に応じて可変させるように構成しているが、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定された回数(確変連続回数)に対して、より詳細に演出態様を可変させるように構成しても良く、例えば、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて確変連続回数を記憶可能な記憶手段を音声ランプ制御装置113に設け、確変連続回数が少ない(例えば、1回)状態で潜確状態が設定された場合には、リミット回数に到達するまでの期間(大当たり回数)が長いことを示唆する専用演出を実行しても良いし、確変連続回数に関わらず実行可能な特定演出の実行頻度を確変連続回数に応じて可変させるように構成しても良い。
このように、記憶手段に記憶されている確変連続回数に応じて実行される演出態様、或いは、特定演出の実行頻度を可変させることにより、遊技者に対して現在設定されている確変連続回数を予測させる楽しみを提供することができる。よって、遊技者の予測内容と、実際の確変連続回数とが相違することにより、意外性のある遊技が実行される(例えば、リミット回数に到達したと予測した大当たりの終了後に潜確状態が設定される遊技が実行される)可能性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第17実施形態では、確変連続回数に応じて演出態様を可変させる技術思想を有しているが、それとは逆に、確変連続回数が0回の状態、即ち、時短状態が設定されている状態を遊技者に示唆可能な時短状態中示唆演出を実行可能に構成しても良い。この場合、現在設定されている遊技状態が時短状態であることを示唆する時短状態示唆演出を実行可能にし、特別図柄の大当たり変動中、或いは、第2特別図柄の保留内に大当たり当選する入賞情報が含まれている場合に、それ以外の場合よりも、時短状態示唆演出が実行され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、今回の大当たりが遊技者に不利な大当たりとならないことを遊技者に予測させることが可能となる。加えて、確変連続回数がリミット回数に到達するまでの最大期間(確変大当たりに5回連続で当選するまでの期間)においてRUSH遊技が実行され得る状態であることを遊技者に予測させることができるため、意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆可能な設定中遊技状態示唆演出や、過去に設定されていた遊技状態、或いは、確変連続回数を遊技者に示唆可能な過去状態示唆演出を実行可能に構成しても良い。ここで、過去状態示唆演出としては、例えば、潜確状態が設定されている状態において、2回前の大当たり当選時の遊技状態が確変連続回数がリミット回数の1つ前の状態(準リミットフラグ223ndがオンに設定されている状態)であったことを示す演出態様で過去状態示唆演出を実行可能に構成すると良い。このような過去状態示唆演出を実行することにより、2回前の大当たり当選によって、一旦、時短状態が設定され(確変連続回数がリセットされ)、その後、1回前の大当たり当選によって確変状態が設定されたことを予測することが可能となる。
このように、確変連続回数にリミット回数を設けたパチンコ機10では、過去に設定されていた遊技状態(確変連続回数)を遊技者に報知(示唆)することで、現在の遊技状態(確変連続回数)と、今後の遊技展開(後、何回連続で確変状態を設定可能か)と、を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に興味を持たせた演出を実行することができる。
復活フラグ223neは、特定の特別図柄変動に対応する第3図柄変動が停止表示された場合に復活演出を実行することを示すためのフラグであって、特定の特別図柄変動に対応する第3図柄変動が実行される際にオンに設定され、第3図柄変動が停止表示される毎に設定状況が判別され、オンに設定されている状態で第3図柄変動が停止表示された場合に復活演出が実行される。
本実施形態では、確変状態、或いは時短状態が設定される場合において、第1特別図柄の変動時間として300秒の変動時間が設定され易く構成しており、その300秒の第1特別図柄変動の期間中に第2特別図柄変動を複数回実行させる遊技が実行されるように構成している。そして、確変状態、或いは、時短状態が設定されている場合には、確変状態が設定されているか時短状態が設定されているかを遊技者に判別させ難くするために共通の演出(チャレンジ演出)が実行されるように構成している。そして、図360(a)に示した通り、チャレンジ演出が実行される場合には、表示領域HR20にて、300秒のカウントダウン表示が実行されるように構成している。
ここで、チャレンジ演出中に実行されている第1特別図柄変動の変動時間として、大当たりA17に当選している場合の一部において、100秒間の変動時間が設定されるように構成している。この100秒の変動時間が設定される場合であっても、チャレンジ演出としては表示領域HR20には300秒のカウントダウン表示が表示される。よって、チャレンジ演出が実行された場合には、今回実行されている第1特別図柄変動の変動時間が100秒であるか300秒であるかを遊技者が判別することができない。
復活フラグ223neは、第1特別図柄変動の変動時間として、100秒の変動時間が設定された場合にオンに設定されるものであり、100秒の変動時間が設定されている場合には、第1特別図柄変動が開始されてから100秒経過後、即ち、チャレンジ演出において表示領域HR20にて実行されるカウントダウン表示が200秒を表示している時点で第1特別図柄変動が停止表示される。そして、第1特別図柄の変動停止時に復活フラグ223neがオンに設定されている場合には、図361(b)と同様に、チャレンジ演出を示す表示態様が破壊される演出が実行され、その後、大当たり遊技(確変A大当たり)が実行されるように構成している。
このように構成することで、チャレンジ演出が実行される時点では、遊技者に対して実行中の第1特別図柄変動の変動時間(抽選結果)を報知すること無く、設定された第1特別図柄の変動時間が経過した時点において、遊技者に第1特別図柄変動の抽選結果を報知することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
チャレンジ演出フラグ223nfは、潜確状態中において、第2特別図柄抽選で確変A状態が設定される大当たり(大当たりD17、大当たりE17)に当選した場合であって、大当たり遊技終了後に設定される確変A状態中に早期に時短終了条件が成立することが確定していないことを示すためのフラグである。
本第17実施形態では、確変A状態が設定されている状態で、第1特別図柄変動が1回実行される(停止表示される)と、時短終了条件が成立し、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。そして、確変A状態が設定されている状態では、第1特別図柄の変動時間として短時間の変動時間(0.5秒変動)が設定され易くなるように構成している。
なお、確変A状態が設定されている場合には、時短付与17テーブル202ne(図368参照)に示した通り、時短終了条件として、第1特別図柄変動が1回実行された(停止表示された)場合に成立する特定時短終了条件と、第1特別図柄変動回数と第2特別図柄変動回数との合算数が100回に到達した場合に成立する通常時短終了条件と、が設定されるように構成しており、確変A状態中に第2特別図柄変動を実行させた場合には、通常時短終了条件が成立するまでは、時短終了条件が成立しない。
また、確変A状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄抽選の結果が、遊技者に不利となる大当たり(大当たりB17、大当たりC17)に当選している場合には、上述した短時間(0.5秒)の変動時間が設定されてしまうと、遊技者に不利な大当たり遊技が即座に実行されてしまうため、300秒の変動時間が設定される(図366(b)参照)。
そして、確変A状態が設定される場合において、早期に時短終了条件が成立することが確定している場合、即ち、第1特別図柄抽選の結果が、遊技者に不利となる大当たり(大当たりB17、大当たりC17)以外の第1特別図柄変動が実行されることが確定している場合(特図1保留を獲得している場合)には、大当たり遊技終了後にRUSH遊技が実行されることを示唆するための演出(RUSH演出)を実行可能に構成し、確変A状態が設定される場合において、早期に時短終了条件が成立することが確定していない場合、即ち、第1特別図柄抽選の結果が、遊技者に不利となる大当たり(大当たりB17、大当たりC17)となる第1特別図柄変動が実行される場合、或いは、特図1保留を獲得していない場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示唆するための演出(チャレンジ演出)を実行可能に構成している。
チャレンジ演出フラグ223nfは、潜確状態中において、第2特別図柄抽選で確変A状態が設定される大当たり(大当たりD17、大当たりE17)に当選した場合であって、大当たり遊技終了後に設定される確変A状態中に早期に時短終了条件が成立することが確定していない場合にオンに設定される。そして、確変A状態が設定される大当たり(大当たりD17、大当たりE17)が実行される場合、及び、当該大当たりが終了する場合に参照される。
即ち、第2特別図柄抽選で確変A状態が設定される大当たり(大当たりD17、大当たりE17)に当選した時点において特図1保留を獲得していないため、チャレンジ演出フラグ223nfがオンに設定された場合には、特別図柄変動中、及び、大当たり遊技中に新たな特図1保留を獲得する可能性があり、新たに獲得した特図1保留に含まれる入賞情報によって、確変A状態が設定される場合において、早期に時短終了条件が成立することが確定する場合があるため、確変A状態が設定されるまでの間、早期に時短終了条件が成立するか否かが判別される。
ここで、確変A状態が設定された場合には、早期に時短終了条件が成立することが確定した場合には、チャレンジ演出フラグ223nfをオフに設定し、大当たり遊技終了後にRUSH遊技が実行されることを示唆するための演出(RUSH演出)を設定するための処理が実行される。よって、確変A状態が設定された後の遊技展開に対応した演出を適正に実行することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
遊技状態格納エリア223ngは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223ngに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223ngに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、本実施形態では電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理にて状態コマンドが設定されるため、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223ngに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される。
開始遅延フラグ223nhは、大当たり遊技が実行されたことを示すための大当たり遊技演出の開始タイミングを遅らせていることを示すためのフラグであって、大当たり遊技の実行タイミング(開始タイミング)にて、大当たり遊技演出を実行させない場合(遅延させる場合)にオンに設定される。そして、大当たり遊技が、大当たり遊技演出の遅延開始タイミング(3ラウンド目の開始タイミング)に到達した場合に、開始遅延フラグ223nhの設定状況が判別され、オンに設定されている場合には、大当たり遊技演出の遅延開始タイミングにて大当たり遊技演出が実行され、その後、オフに設定される。
図365(b)を参照して上述した通り、本第17実施形態では、大当たり遊技の一部において、V入賞装置1650と可変入賞装置2650との両方を用いた大当たり遊技が実行されるように当たり動作17テーブル202ngに当たり動作が規定されている。具体的には、大当たり種別として大当たりE17、大当たりG17が設定された場合に実行される大当たり遊技、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり遊技では、1ラウンド目と2ラウンド目にV入賞装置1650を開放動作させるラウンド遊技が実行され、3ラウンド目と4ラウンド目に可変入賞装置2650を開放動作させるラウンド遊技が実行されるように当たり動作が規定されており、大当たり種別として大当たりH17が設定された場合に実行される大当たり遊技、即ち、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技では、1ラウンド目と2ラウンド目に可変入賞装置2650を開放動作させるラウンド遊技が実行され、3ラウンド目と4ラウンド目にV入賞装置1650を開放動作させるラウンド遊技が実行されるように当たり動作が規定されている。
つまり、大当たり種別に関わらず、大当たり遊技が開始された時点から大当たり遊技演出を開始してしまうと、大当たり遊技の開放パターンと、大当たり遊技演出の開始タイミングとに基づいて、実行中の大当たり遊技に対応する大当たり種別を遊技者が容易に判別できてしまうという問題があった。
そこで、本第17実施形態では、大当たり遊技の開始タイミングでは無く、大当たり遊技にてV入賞装置1650が開放動作されるタイミングに合わせて、大当たり遊技演出を実行させるように構成している。このように構成することで、大当たり種別として大当たりE17、大当たりG17が設定された場合に実行される大当たり遊技と、大当たり種別として大当たりH17が設定された場合に実行される大当たり遊技との何れの大当たり遊技が実行された場合であっても、大当たり遊技演出の開始タイミングと、V入賞装置1650の開放動作タイミングとを同期させることができ、遊技者に大当たり種別を容易に判別させ難くすることができる。
<第17実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図372から図384のフローチャートを参照して、本第17実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。
まず、図372を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理17(S191)を説明する。図372は、この特別図柄変動処理17(S191)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理17(図372のS191)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理17(図372のS191)について説明する。
特別図柄変動処理17(図372のS191)では、まず、大当たり遊技中(大当たり中)、或いは小当たり遊技中(小当たり中)であるかを判別する(S7051)。ここでは、遊技状態格納エリア203neに記憶されている情報に基づいて現在が大当たり遊技中(大当たり中)、或いは小当たり遊技中(小当たり中)であるかが判別される。
S7051の処理において、大当たり中又は小当たり中であると判別した場合には(S7051:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203mcがオンに設定されているかを判別し(S7052)、オンに設定されていると判別した場合は(S7052:Yes)、仮停止されている特図(本実施形態では第1特別図柄(特図1))に対応する第1図柄表示装置83の表示を更新し(S7053)、本処理を終了する。一方、S7052の処理において、特図1仮停止フラグ203mcがオンに設定されていないと判別した場合は(S7052:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、特図1仮停止フラグ203mcは、第2特別図柄が小当たり当選を示す表示態様で停止表示(確定表示)される場合にオンに設定されるものである。本実施形態では、小当たり遊技が実行されている間は、特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(特図変動表示)に設定されている変動時間が更新(減算)されないように構成しており、その期間は、第1図柄表示装置37にて第1特別図柄の変動表示が仮停止されていることを示すための仮停止表示態様が表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、小当たり遊技の開始に伴って実行中であった第1特別図柄の変動表示が仮停止していることを報知することができるため、実行中の第1特別図柄変動が消滅してしまったと遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、第1特別図柄の変動表示が仮停止中であることを示すための表示態様としては、例えば、通常の変動表示中であることを示すための表示態様(例えば、0.2秒間隔で点灯、消灯を繰り返す点滅表示態様)と同一の表示態様でも良いし、変動表示中であることを示すための表示態様よりも点滅間隔が遅い表示態様(例えば、0.5秒間隔で点灯、消灯を繰り替える点滅表示態様)を用いても良い。さらに、第1図柄表示装置37の表示態様として複数色の表示態様を表示可能に構成している場合は、仮停止中である場合にのみ表示され得る専用色を用いた点滅表示態様を用いても良い。
一方、S7051の処理において、現在が大当たり中、或いは小当たり中では無いと判別した場合には(S7051:No)、特図1変動時間カウンタ203maの値が0よりも大きいか、即ち、第1特別図柄が変動表示中であるかを判別する(S7054)。第1特別図柄の変動表示中である(特図1変動時間カウンタ203maの値が0よりも大きい)と判別した場合には(S7054:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理17を実行する(S7056)。
この第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)では、第1特別図柄が変動している期間中に第1図柄表示装置83に表示されている特別図柄の変動表示態様を可変(更新)するための処理が実行される。そして、S7056の処理を終えると、次に、第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)にて更新された特図1変動時間カウンタ203maの値が0であるかを判別し(S7057)、S7057の処理にて特図1変動時間カウンタ203maが0であると判別した場合は(S7057:Yes)、第1特別図柄変動停止処理17を実行し(S7058)、後述するS7059の処理へ移行する。
第1特別図柄変動停止処理17(S7058)では、変動表示中の第1特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄変動停止処理17(S7058)では、第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、実行中の第2特別図柄を、強制的に外れを示す表示態様で停止表示させる処理が実行される。さらに、実行中の第2特別図柄が大当たりに当選している場合にはその大当たりに関する情報を消去するための処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理17(S7058)の詳細については、図376を参照して後述する。また、S7057の処理にて特図1変動時間カウンタ203maが0では無いと判別した場合は(S7057:No)、S7058の処理をスキップしてS7059の処理へ移行する。
一方、S7054の処理において特図1変動時間カウンタ203maが0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S7054:No)、即ち、現在が特図1変動中では無いと判別した場合は、次に、第1特別図柄変動開始処理17を実行する(S7055)。この第1特別図柄変動開始処理17(S7055)では、第1特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための処理が行われるものであり、新たな抽選(変動)を実行可能な状態であるかの判別と、新たな抽選(変動)を実行可能な状態である場合には、新たな抽選(変動)を行う処理が実行される。この第1特別図柄変動開始処理17(S7055)については、図373から図374を参照して詳しく後述する。
第1特別図柄変動開始処理17(S7055)を実行した後、S7057の処理で特図1の変動中であると判別(S7057:No)した後、或いは、第1特別図柄変動停止処理17(S7058)を実行した後には、次に、第2特別図柄に関する変動処理(S7059~S7063)を実行する。
まず、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0よりも大きいかを判別する(S7059)。即ち、現在が第2特別図柄(特図2)の変動表示中であるかを判別する。S7059の処理において特図2変動時間カウンタ203mbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S7059:No)、現在が特図2変動中では無い場合であるため、次に、第2特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための第2特別図柄変動開始処理17を実行し(S7060)、本処理を終了する。
第2特別図柄変動開始処理17(S7060)では、特別図柄2保留球格納エリア203a2に保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。また、第2特別図柄変動開始処理17(S7060)では、抽選結果が大当たり(または小当たり)となる場合には、大当たりフラグ203ca(または小当たりフラグ203cb)をオンに設定する。
一方で、S7059の処理において、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0よりも大きい、即ち、現在が特図2変動中であると判別した場合は(S7059:Yes)、次に、第2特別図柄変動実行中処理17を実行する(S7061)。この第2特別図柄変動実行中処理17(S7061)の内容については、上述した第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)と同様の内容の処理を、処理対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更して実行するものであるため、その詳細な説明は省略する。
そして、第2特別図柄変動実行中処理17(S7061)を終えると、現在の特図2変動時間カウンタ203mbの値が0であるかを判別し(S7062)、0であると判別した場合は(S7062:Yes)、第2特別図柄変動停止処理17を実行し(S7063)、その後本処理を終了する。一方、S7062の処理において特図2変動時間カウンタ203mbの値が0では無いと判別した場合は(S7062:No)、S7063の処理をスキップして本処理を終了する。
第2特別図柄変動停止処理17(S7063)については、図380を参照して後述するが、第1特別図柄変動停止処理17(S7058)と同様に、変動表示中の第2特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第2特別図柄変動停止処理17(S7063)では、第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、実行中の第1特別図柄変動を、強制的に外れを示す表示態様で停止表示させる処理が実行される。さらに、実行中の第2特別図柄が大当たりに当選している場合にはその大当たりに関する情報を消去するための処理が実行される。加えて、本実施形態では第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るように構成していることから、第2特別図柄の抽選結果が大当たりでは無い場合に、小当たり或いは、外れに対応した処理が実行される。
以上、図372を参照して説明をした通り、本実施形態では第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に(並行して)実行可能な構成において、1回の特別図柄変動処理内で第1特別図柄に関する変動処理(S7054~S7058)と、第2特別図柄に関する変動処理(S7059~S7063)と、を実行するように構成している。よって、各特別図柄に対して新たな抽選(変動)の実行が可能となった場合に遅滞なく変動処理を実行することができ、円滑な遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、1回の特別図柄変動処理において、第1特別図柄に関する変動処理を第2特別図柄に関する変動処理よりも先に(優先して)実行するように構成している。このように、各特別図柄の処理順位を明確に設定することにより、たとえ、第1特別図柄の変動停止タイミングと第2特別図柄の変動停止タイミングとが同一となったとしても、優先して第1特別図柄の変動停止処理が実行されることになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄に関する変動処理を、第2特別図柄に関する変動処理よりも優先して実行するように構成しているが、これに限ること無く、第2特別図柄に関する変動処理を、第1特別図柄に関する変動処理よりも優先して実行するように構成してもよい。
また、設定されている遊技状態において遊技者に有利となる抽選が実行される特別図柄種別に対する変動処理を優先して実行するように構成しても良く、設定される遊技状態に応じて遊技者に有利となる抽選が実行される特別図柄種別が切り替わるパチンコ機10であれば、変動処理を実行する特別図柄種別の順番を切り替える手段を設けると良い。このように構成することで、遊技者に有利となる抽選の抽選結果が、遊技者に不利となる抽選結果によって消滅(破棄)されてしまうことを抑制することができる。
次に、図373を参照して、特別図柄変動処理17(図372のS191)の一処理である第1特別図柄変動開始処理17(S7055)について説明する。図373は、この第1特別図柄変動開始処理17(S7055)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理17(図373、S7055)では、まず、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を取得し(S7101)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S7102)。S7102の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S7102:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1減算して(S7103)、減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S7104)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S7104の処理が終了すると、次に、特別図柄1保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S7105)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S7105の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理17を実行する(S7121)。この第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121)については、詳しく後述するが、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値と設定されている遊技状態とに基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S7121の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理16を実行する。この第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)は、第1特別図柄の当否判定結果、および特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)が終了すると、次いで、時短中カウンタ203kの値が0より大きいか判別する(S7122)。時短中カウンタ203kの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S7122:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S7122:Yes)、特図1減算フラグ203nfをオンに設定し(S7123)、S7124の処理に移行する。
S7124の処理では、時短中カウンタ203kの値が1であるか判別する(S7124)。時短中カウンタ203kの値が1ではないと判別した場合には(S7124:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が1であると判別した場合には(S7124:Yes)、時短終了待機フラグ203ngをオンに設定し(S7125)、本処理を終了する。
次に、図374を参照して、第1特別図柄変動開始処理17(図373のS7055)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理17(S7121)について説明する。図374は、この第1特別図柄大当たり判定処理17(S7121)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアのデータを取得する(S1811)。そして、時短の終了条件が成立し待機している状態であるか、即ち、第2特別図柄の抽選で時短の最終変動が実行されている状態であるか否かを判別するために、時短終了待機フラグ203ngがオンに設定されているかを判別する(S1871)。時短終了待機フラグ203ngがオンである(即ち、第2特別図柄が時短の最終変動中である)と判別した場合には(S1871:Yes)、今回設定されている時短状態の期間は終了しているため、遊技状態格納エリア203neに通常状態を設定し(S1872)、時短終了待機フラグ203ngと特図2減算フラグ203nhをオフに設定する(S1873)。次に、時短中カウンタ203kの値を0に設定し(S1874)、遊技状態が通常状態に切り替わったことを示す状態コマンドを設定し(S1875)、S1812の処理に移行する。一方、S1871の処理において、時短終了待機フラグ203ngがオンではないと判別した場合(S1871:No)、時短状態の最終変動が実行されている状態ではないため、S1872~S1875の処理をスキップし、S1812の処理に移行する。
このように、時短状態の終了を待機している状態(他方の特別図柄で時短状態の最終変動が開始されている状態)である場合には、特別図柄の抽選結果を取得する前に、遊技状態を通常状態に設定することで、時短遊技状態が終了しているにも関わらず、時短状態の最終変動が実行されている特別図柄の変動が終了するまで、他方の特別図柄で時短遊技状態に基づく遊技を実行してしまうという不具合をなくすことが出来る。よって、適正な遊技を遊技者に提供することができる。
S1871またはS1875の処理を終えると、次に、確変フラグ203ncがオンであるか判別する(S1812)。確変フラグ203ncがオンであると判別した場合には(S1812:Yes)、高確率時用の特別図柄1乱数17テーブル202na1(図364(b)参照)に基づいて、抽選結果を取得し(S1813)、S1815の処理に移行する。一方、S1812の処理において、確変フラグ203ncがオンではないと判別した場合には(S1812:No)、低確率時用の特別図柄1乱数17テーブル202na1(図364(b)参照)に基づいて、抽選結果を取得し(S1814)、S1815の処理に移行する。
S1815の処理では、S1813、或いは、S1814の処理で取得した抽選結果が大当たりであるか判別する(S1815)。取得した抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S1815:Yes)、第1特別図柄の大当たり当選を示すように特図1大当たりフラグ203niをオンに設定する(S1816)。次に、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S1817)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットする(S1818)。そして、現在の遊技状態を示す値を、当選時状態格納エリア203cfに格納し(S1819)、本処理を終了する。一方、S1815の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S1815:No)、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S1820)、本処理を終了する。
次に、図375を参照して、特別図柄変動処理17(図372のS191)の一処理である第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)について説明をする。図375は第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)では、実行中の特別図柄変動の変動時間を更新するための処理と、第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選したことにより中断された特別図柄変動を再開するための処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理17(S7056)では、まず、特図1仮停止フラグ203mcがオンに設定されているかを判別する(S7141)。この特図1仮停止フラグ203mcは第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にオンに設定されるものである。本実施形態では、一方の特別図柄にて小当たりに当選した時点で、他方の特別図柄が変動表示中である場合には、その他方の特別図柄変動を所定期間(小当たり当選から小当たり遊技が終了するまでの期間)中断し、所定期間経過後(小当たり遊技終了後)に再度他方の特別図柄変動を再開させるように構成している。
このように構成することで、一方の小当たり遊技中に他方の特別図柄変動が終了してしまい、遊技者に分かり難い遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。さらに、一方の特別図柄抽選で小当たり遊技に当選したことに基づいて、他方の特別図柄抽選の抽選結果が破棄されることが無いため、例えば、小当たりに当選したことによって、大当たり当選となる抽選結果(小当たり当選よりも遊技者に有利となる抽選結果)が破棄されてしまう事態が発生することを禁止(抑制)することができる。
S7141の処理において、特図1仮停止フラグ203mcがオンに設定されていると判別した場合は(S7141:Yes)、特図1変動再開コマンドを設定し(S7142)、特図1仮停止フラグ203mcをオフに設定し(S7143)、特図1変動時間カウンタ203maの値を1減算し(S7144)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(S7145)、本処理を終了する。
本実施形態では、2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図37参照)にて実行される特別図柄変動処理17(図372のS191参照)内で、第1特別図柄変動実行中処理17(図372のS7056参照)を実行するように構成しており、その第1特別図柄変動実行中処理17(図375のS7056参照)内で特図1変動時間カウンタ203maの値を更新(1減算)するように構成している。よって、例えば、第1特別図柄の変動時間として30秒の変動時間が設定された場合には、特図1変動時間カウンタ203maの値として「15000」が設定され、2ミリ秒毎に値が1減算されるように構成している。
一方、S7141の処理において特図1仮停止フラグ203mcがオンに設定されていないと判別した場合(S7141:No)、即ち、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選していないと判別した場合は、S7142,S7143の処理をスキップして、上述したS7144とS7145との処理を実行し本処理を終了する。
次に、図376を参照して、本第17実施形態における特別図柄変動処理17(図372のS191)の一処理である第1特別図柄変動停止処理17(S7058)について説明する。図376はこの第1特別図柄変動停止処理17(S7058)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理17(S7058)は、現在が特図1変動時間カウンタ203maの値が「0」であると判別した場合、即ち、第1特別図柄(特図1)の変動時間が経過した場合に実行される処理である。
第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058)を実行すると、まず、特図1大当たりフラグ203niがオンに設定されているかを判別する(S1871)。特図1大当たりフラグ203niがオンに設定されていると判別した場合には(S1871:Yes)、次に、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0より大きいか、即ち、特図2が変動中であるか判別する(S1872)。特図2変動時間カウンタ203mbの値が、0より大きい値であると判別した場合には(S1872:Yes)、S1873の処理に移行する。一方、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S1872:No)、S1873~S1875の処理とS1885~S1888の処理をスキップし、S1889の処理に移行する。
S1872の処理において、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1872:Yes)、特図2変動停止フラグ203ccをオンに設定し(S1873)、特図2変動停止フラグ203ccがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S1874)。
次に、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S1875)、特図2変動時間カウンタ203mbの値を0に設定する(S1885)。これにより、第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、実行中の第2特別図柄(特図2)の変動表示を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示(確定表示)することができる。
S1885の処理を終えると、次に、特図2大当たりフラグ203njがオンに設定されているかを判別し(S1886)、特図2大当たりフラグ203njがオンに設定されている(即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選している)と判別した場合は(S1886:Yes)、上述したS1875の処理にて強制的に外れで停止表示された第2特別図柄に対して第2特別図柄の抽選結果を適応させるために、特図2大当たりフラグ203njをオフに設定し(S1887)、特図2大当たりに対する記憶情報を削除し(S1888)、S1889の処理へ移行する。一方で、S1886の処理において、特図2大当たりフラグ203njがオフに設定されている(即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選していない)と判別した場合は(S1886:No)、S1887,S1888の処理をスキップして、S1889の処理へ移行する。
S1889の処理では、まず、今回の特別図柄変動で当選した大当たりシナリオを設定し(S1889)、次いで、特図1大当たりフラグ203ni、特図1減算フラグ203nf、特図2減算フラグ203nh、時短終了待機フラグ203ng、確変フラグ203nc、リミット到達フラグ203nbをオフに設定し、時短中カウンタ203kの値をリセットする(S1890)。そして、大当たり開始フラグ203cと大当たり中フラグ203dとをオンに設定する(S1891)。
そして、遊技状態格納エリア203neに現在の遊技状態が大当たり中(大当たり遊技中)であることを示す情報を記憶する(S1892)。遊技状態格納エリア203neは、抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、時短状態)と、当たり遊技に関する遊技状態(大当たり中、小当たり中)とを分けて記憶することができるように構成しており、S1892の処理を実行することにより、大当たり当選したタイミングにおける抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、時短状態)と、大当たり中であることを示す遊技状態とが記憶される。このように構成することで、大当たり遊技終了時点で、大当たりに当選したタイミングで設定されていた遊技状態を判別することができる。
S1892の処理を終えると、次に、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定し(S1880)、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S1881)、本処理を終了する。
一方、S1871の処理において、特図1大当たりフラグ203niがオンに設定されていないと判別した場合には(S1871:No)、時短更新処理(S1893)を実行し、上述したS1880の処理に移行する。時短更新処理(S1893)の詳細な説明については、図377を参照し後述する。
このように、第1特別図柄変動停止処理17(S7058)では、第1特別図柄の抽選(第1抽選遊技)結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S1880~S1881)が実行される。また、今回の抽選結果が大当たりである場合には(S1871:Yes)、変動中の第2特別図柄が、抽選結果が外れとなるように強制的に停止表示される(S1875)。このように、一方の特別図柄を、大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)させる処理において、変動中の他方の特別図柄を強制的に停止させる処理を実行するように構成することで、同時に実行される複数の特別図柄変動に対して適正な処理を実行することができる。
つまり、本実施形態のパチンコ機10のように、第1特別図柄に関する変動処理と、第2特別図柄に関する変動処理とを順に実行する構成において、第1特別図柄の抽選結果に基づいて実行される第2特別図柄の変動処理(強制停止処理)を、第1特別図柄に関する変動処理内で実行することにより、第2特別図柄に関する変動処理が実行されていないタイミングで第2特別図柄を強制停止することができるため、第2特別図柄に関する処理が重複してしまうことを防ぐことができスムーズに処理を実行することができる。
なお、本実施形態では一方の特別図柄が大当たりを示す図柄で停止表示したタイミングで他方の特別図柄を、外れを示す図柄で強制的に停止させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、一方の特別図柄が大当たりに当選したと判別した場合、即ち、第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121)において今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合(図374のS1815:Yes)に、他方の特別図柄の変動を強制的に外れ図柄で停止させるように構成しても良い。この場合、強制的に外れ停止された他方の特別図柄に対して、一方の特別図柄の大当たり変動が終了するまでの期間、大当たりに当選することのない特殊変動を実行させるように構成すると良い。このように構成することで、一方の特別図柄で大当たりに当選した際に強制的に他方の特別図柄変動を停止させたことを遊技者が気づき難くすることができる。よって、他方の特別図柄変動が強制的に停止表示されたことを判別し、大当たり当選の有無を遊技者が把握してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一方の特別図柄が大当たりを示す図柄で停止表示した場合に、実行中の他方の特別図柄変動に対する抽選結果を破棄するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、一方の特別図柄に基づく大当たり遊技が終了するまでの間、他方の特別図柄変動を中断し、大当たり遊技終了後に中断中の特別図柄変動を再開させるように構成しても良い。これにより、遊技者が実行した抽選遊技の遊技結果が破棄されることにより遊技者がパチンコ機10に不信感を持ってしまうことを抑制することができる。
加えて、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、実行中の他方の特別図柄変動を制御する場合に、実行中の他方の特別図柄の抽選結果に応じて変動制御内容を異ならせるように構成しても良く、例えば、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示したタイミングで、第2特別図柄の抽選が外れであることを示すための変動(外れ変動)中である場合には、その抽選結果を破棄し、且つ、その外れ変動を強制停止させる強制停止処理を実行し、第2特別図柄の抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)であることを示すための変動(当たり変動)中である場合には、第1特別図柄の大当たり遊技が終了した後に、第2特別図柄の変動が再開できるように中断処理を実行するように構成しても良い。
この場合、第1特別図柄の大当たり遊技が終了した後に、新たな第2特別図柄変動が実行されるのか、中断中の第2特別図柄変動が再開されるのかについて遊技者に興味を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、このような構成を用いた場合は、第1特別図柄の大当たり遊技中における第2特別図柄の状況(中断中か否か)を遊技者に示唆するための示唆演出を実行するように構成すると良い。
次に、図377を参照して、本第17実施形態における第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058参照)の一処理である時短更新処理(S1893)について説明する。図377はこの時短更新処理(S1893)の内容を示すフローチャートである。この時短更新処理(S1893)では、遊技状態が時短状態である場合に、特別図柄の変動停止時に時短中カウンタ203kの値を更新し、終了条件が満たされる場合には、遊技状態を通常状態へと移行する処理を実行する。なお、後述する説明では、第1特別図柄の変動が停止される場合の処理について説明するが、対象が第2特別図柄である場合にも同様の処理を実行する。
時短更新処理(S1893)が実行されると、まず、特図1減算フラグ203nfがオンであるかどうか、即ち、今回実行されている特別図柄の変動が、時短遊技中に変動を開始したものであるかどうかを判別する(S17001)。特図1減算フラグ203nfがオンではある、即ち、時短遊技中に変動を開始していると判別した場合には(S17001:Yes)、時短中カウンタ203kの値を減算する(S17002)。そして、特図1減算フラグ203nfをオフに設定し(S17003)、S17004の処理に移行する。一方、S17001の処理において、特図1減算フラグ203nfがオンではないと判別した場合には(S17001:No)、時短状態の更新の契機となる変動停止ではないため、S17002~S17006の処理をスキップし、S17007の処理へと移行する。
上述したように、特別図柄の変動開始時に、遊技状態が時短状態である場合には、対応する図柄種別の減算フラグをオンに設定することで変動停止時に、時短中カウンタ203kの値を減算することができる。よって、時短遊技状態の最終変動が停止するまで時短遊技状態を設定することが出来る。このように構成することで、遊技者にとって有利となる時短遊技状態を、最大限長い期間として提供することができる。
また、上述したように、本実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、第1特別図柄の変動を仮停止し、小当たり遊技が終了するまでの期間は変動を再開しないよう構成している。そして、その小当たり遊技中にV入賞が発生し、大当たりが付与され、その大当たり遊技終了後に、仮停止していた第1特別図柄の変動が再開する。さらに、大当たり遊技が開始される前に特図1減算フラグ203nfをオフに設定するため(図376のS1890参照)、仮停止していた変動が再開し停止する場合には、特図1減算フラグ203nfがオフであるため、時短中カウンタ203kの値が減算されない。即ち、V入賞による大当たり遊技終了後の仮停止していた特別図柄の変動停止時には残時短回数が減算されないように構成している。このように構成することで、大当たり種別により設定された時短の規定期間に加えて、仮停止していた特図の残変動時間も時短遊技が設定されるため、遊技者にとって有利な期間となる時短状態を最大限長い期間となるよう設定することができる。よって、遊技の興趣が向上する。
S17004の処理では、時短終了待機フラグ203ngがオンであるか判別する(S17004)。時短終了待機フラグ203ngがオンであると判別した場合(S17004:Yes)、即ち、今回の特別図柄の変動が時短の最終変動であり、また、第2特別図柄(他方の特別図柄)において、時短の最終変動から次の変動が開始されていない状態である場合には、遊技状態を通常状態へと移行するタイミングであるため、時短終了待機フラグ203ngをオフに設定し(S17005)、遊技状態格納エリア203neに通常状態を設定する(S17006)。そして、S17007の処理へ移行する。
一方、S17004の処理において、時短終了待機フラグ203ngがオンではないと判別した場合には(S17004:No)、時短遊技の最終変動が実行されていない状態、即ち、時短状態が継続している状態であるため、上述したS17005~S17006の処理をスキップし、S17007の処理に移行する。このように、同時変動タイプの遊技機において、時短遊技の最終変動となる変動の停止時に、他方の特別図柄で時短遊技状態の規定回数を超えた変動(最終変動から次の変動)が実行されていないかを判別し、実行されていない場合には、遊技状態を移行させる。このように構成することで違和感のない遊技を遊技者に対し提供することができる。
S17001、S17004、S17006のいずれかの処理が終了するとS17007の処理に移行する。S17007の処理では、時短中カウンタ203kの値と遊技状態とを示すコマンドを設定し(S17007)、本処理を終了する。
次に、図378を参照して、本第17実施形態における特別図柄変動処理17(図372のS191)の一処理である第2特別図柄変動開始処理17(S7060)について説明する。図378はこの第2特別図柄変動開始処理17(S7060)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理17(S7060)が実行されると、まず、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されているかを判別する(S7631)。即ち、本処理が実行される直前に(同一の特別図柄変動処理17(図372のS191参照)内で)実行された第1特別図柄の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照))にて大当たりに当選したか否かを判別する。
S7631の処理において、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されていると判別した場合は(S7631:Yes)、第2特別図柄の変動を開始するための各種処理をスキップし、特図2変動停止フラグ203ccをオフに設定し(S7632)、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、特図2変動停止フラグ203ccを用いることで、第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照)において、第1特別図柄を大当たり図柄で停止表示すると共に、第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させた後に、新たな第2特別図柄変動が実行されることを禁止している。これにより、第1特別図柄に関する変動処理内で第2特別図柄を強制的に停止表示させたとしても不具合が生じること無く制御処理を実行することができる。
本実施形態では、S7631の処理において特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されていると判別すると(S7631:Yes)、特図2変動停止フラグ203ccをオフに設定するように構成しているため、特図2変動停止フラグ203ccを設定することで、第2特別図柄変動開始処理17(図378のS7060)を1回だけスキップすることができるように構成している。
これは、第2特別図柄変動開始処理17(S7060)が実行される直前に(同一の特別図柄変動処理17(図372のS191参照)内で)実行された第1特別図柄の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照))にて大当たりに当選した場合のみ、直後に実行される第2特別図柄変動開始処理17(図378のS7060)をスキップすれば、その後、第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照)にて設定された大当たり情報(大当たりシナリオ)に基づいて大当たり遊技が開始され、特別図柄変動処理17(図372のS191参照)のS7051の処理によって、大当たり遊技が終了するまで、第2特別図柄変動開始処理17(図372のS7060)が実行されないように構成されているためである。
このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の変動処理をスキップする処理を簡素化することができるため、主制御装置110にて実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(大当たり当選)である場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示(外れ図柄で停止表示)させ、一方の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技が実行されるまで、他方の特別図柄の新たな変動(抽選)が実行されないようにするために特図2変動停止フラグ203ccを設定し他方の特別図柄の変動処理を1回スキップさせる構成を用いているが、これ以外の構成を用いても良い。
つまり、一方の特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(大当たり当選)である場合に、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了するまで、他方の特別図柄抽選(変動)で大当たりに当選しないように構成すれば良く、例えば、主制御装置110のメイン処理(図51参照)にて大当たり遊技を実行するための大当たり制御処理17(図381のS1581参照)が実行される場合に、特図2変動停止フラグ203ccをオフに設定するように構成しても良い。
このように構成することで、特図2変動停止フラグ203ccをオンにするタイミングを第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されるタイミングよりも前に設定したとしても、大当たり遊技が実行されるまで新たな第2特別図柄の変動(抽選)が実行されることを禁止することができる。
また、本実施形態では、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動開始処理17(図378のS7060参照)が実行された場合に、第2特別図柄の変動処理をスキップする、即ち、新たな変動を開始しない(第2特別図柄を停止させたままにする)ように構成しているが、これに限ること無く、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されている場合専用の第2特別図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
この場合、大当たりに当選しない特殊抽選を用いて第2特別図柄の抽選を行い、その特殊抽選の結果に基づいて決定した変動パターンに対応する期間、第2特別図柄の変動表示を実行するように構成しても良いし、第2特別図柄の抽選を実行すること無く、第1特別図柄の大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されるまでの期間、大当たり遊技中の特定タイミングに到達するまでの期間、或いは、大当たり遊技が終了するまでの期間、第2特別図柄を変動表示するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、特別図柄変動を強制停止させたことを分かり難くすることができる。
なお、上述した各特別図柄に関する変動処理の内容は、その内容を示すコマンドを設定することにより、適宜、音声ランプ制御装置113側へと出力されるように構成されており、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される第3図柄、第4図柄の変動表示を上述した第1図柄表示装置37に表示される各特別図柄の表示態様と同期させることができるように構成しているが、第1図柄表示装置37に表示される第2特別図柄を強制停止させている間、第2特別図柄が強制的に停止表示されたことを示すコマンドを音声ランプ制御装置113側で受信した場合に、第3図柄表示装置81にて変動表示される第2特別図柄に対応する第3図柄、或いは、第4図柄を用いて、強制停止中の変動演出を実行するように構成しても良い。
このように、遊技者が視認し易い第3図柄表示装置81に特別図柄の変動表示と同期させて変動表示される各図柄(第3図柄、第4図柄)を用いて、実際の第2特別図柄が強制停止中に変動演出を実行するように構成した場合であっても、遊技者に対して、特別図柄変動を強制停止させたことを分かり難くすることができる。
S7631の処理において、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されていない、即ち、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されていないと判別した場合は(S7631:No)は、S7633~S7639の処理を実行し、後述するS7640の処理へ移行する。このS7633~S7639の処理は、上記した第1特別図柄変動開始処理17(図373のS7055)のS7101~S7105,S7111,S7121までの各処理に対して、特別図柄1保留球数カウンタ203b、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、特別図柄1保留球格納エリア203a、第1特別図柄大当たり判定処理17(S7121)、第1特別図柄変動パターン選択処理16(S7111)を、第2特別図柄保留球数カウンタ203b2、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203a2、第2特別図柄大当たり判定処理17(S7638)、第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7639)に変更した点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
さらに、第2特別図柄変動パターン選択処理16(S7639)を実行した後、S7640~S7643の処理を実行し、本処理を終了する。このS7640~S7643の処理は、上述した第1特別図柄変動開始処理17(図373のS7055)のS7122~S7125までの各処理に対して、特図1減算フラグ203nfを特図2減算フラグ203nhに変更した点を除いては同一であるのでその説明は省略する。
上述したように、本実施形態では、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動が同時に実行される遊技機であるため、両方の特別図柄の変動開始時に、同一の処理を実行することで他方の特別図柄において、残時短回数が減算されないなどの不具合を防止することが出来る。
次に、図379を参照して、本第17実施形態における第2特別図柄変動開始処理17(図378のS7060)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理17(S7638)について説明する。図379は、第2特別図柄大当たり判定処理17(S7638)を示すフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理17(S7638)は、上述した第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121)に対して、対象となる特別図柄の種別を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更し、その他、一部処理を追加したものである。
第2特別図柄大当たり判定処理17(図379参照)では、上記した第1特別図柄大当たり判定処理17(図374参照)に対して、次の点で相違する。即ち、S1811の処理に対応するS1921の処理で、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアを、特別図柄2保留球格納エリア203a2の実行エリアに変更した点と、S1871~S1875の処理に対応するS1971~S1975の処理とS1812~S1819の処理に対応するS1922~S1929の処理の対象を特図1(第1特別図柄)から特図2(第2特別図柄)に変更した点と、特別図柄の抽選結果が外れである場合に実行される処理を変更した点で相違する。その他の点は同一であるので、その説明は省略する。
第2特別図柄大当たり判定処理17(図379のS7638)において、今回の抽選が大当たりでは無いと判別した場合は(S1925:No)、特図2外れ変動処理17を実行し(S1930(S7708))、本処理を終了する。
この特図2外れ変動処理17(S1930(S7708))は、第2特別図柄の抽選結果が大当たり以外、即ち、小当たり、或いは外れである場合に実行される処理であり、上述した第4実施形態における特図2外れ変動処理(図145のS7708)と同様の処理が実行され、抽選結果が小当たりである場合は、小当たり当選に対応する処理が実行される。
次に、図380を参照して、本第17実施形態における特別図柄変動処理17(図372のS191)の一処理である第2特別図柄変動停止処理17(S7063)について説明する。図380はこの第2特別図柄変動停止処理17(S7063)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動停止処理17(S7063)では、上記した第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058参照)に対して、処理の対象を第1特別図柄から第2特別図柄に変更した点と、抽選結果が大当たり以外である場合に実行される処理の内容を変更した点と、他方の特別図柄の変動を停止させるためのフラグを設定する処理とを省略した点で相違する。
即ち、第1特別図柄変動停止処理17(図376のS7058参照)におけるS1871~S1875,S1880,S1811,S1885~S1892の処理対象を第2特別図柄に変更した点(S1971~S1974,S1979~S1988の各処理)と、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合に(S1971:No)、上述した第16実施形態における特図2外れ停止処理16(図351のS8121)と同一の処理を実行する点と、でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図381のフローチャートを参照して、本第17実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理17(S1581)を説明する。図381は、この大当たり制御処理17(S1581)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理17(S1581)は、メイン処理(図51参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a又はV入賞装置1650のV入賞口1650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理17(図381のS1581)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S1601)。具体的には、大当たり開始フラグ203cの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203cは、第1特別図柄変動停止処理17(図376参照)のS1891の処理、或いは、第2特別図柄変動停止処理17(図380参照)のS1987の処理においてオンに設定される。S1601の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203cがオンであると判別した場合)は(S1601:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1602)、次いで、大当たり開始フラグ203cをオフに設定して(S1603)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングでは無い(大当たり開始フラグ203cがオフに設定されている)と判別した場合には(S1601:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S1604)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203dがオンに設定されている期間が該当する。S1604の処理において、特別図柄の大当たり中では無い(大当たり中フラグ203dがオフである)と判別した場合(S1604:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S1604の処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203dがオンに設定されている)と判別した場合には(S1604:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S1605~S1612,S1691~S1695)が実行される。
S1604の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S1604:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1605)。このS1605の処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される大当たりシナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1605:Yes)、当たり動作17テーブル202ngに基づき、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a、又は、V入賞装置1650のV入賞口1650a)を開放し(S1606)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1607)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
一方、S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1605:No)、次に、切替動作のタイミングであるか判別する(S1691:Yes)。切替動作のタイミングであると判別した場合には(S1691)、確変ソレノイドの状態を切り替え(S1692)、本処理を終了する。
一方、S1691の処理において、切替動作のタイミングではないと判別した場合には(S1691:No)、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a、又は、V入賞装置1650のV入賞口1650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S1608)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a、又は、V入賞装置1650のV入賞口1650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置2650又はV入賞装置1650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1608の処理において、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a、又は、V入賞装置1650のV入賞口1650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1608:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a、又は、V入賞装置1650のV入賞口1650a)を閉鎖して(S1609)、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置2650の特定入賞口2650a、又は、V入賞装置1650のV入賞口1650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S1608:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1610)。エンディング演出の開始タイミングは、大当たり種別に応じたラウンド(今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。なお、このエンディング演出の開始タイミングおよび後述する終了タイミングについても、大当たりに当選した際に設定される大当たりシナリオ(図376のS1889、或いは、図380のS1985参照)に基づいて判別するように構成している。
S1610の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1610:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1611)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1610の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1610:No)、S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1612)。エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、大当たり終了処理17を実行し(S1693)、本処理を終了する。
ここで、図382を参照して、本第17実施形態における大当たり制御処理17(図381のS1581)の一処理である大当たり終了処理17(S1693)について説明する。図382は、この大当たり終了処理17(S1693)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理17(S1693)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。この大当たり終了処理(S1693)では、まず、確変設定フラグ203zsがオンであるか判別する(S17101)。確変設定フラグ203zsがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S17101:No)、リミットカウンタ203naの値を0に設定し(S17102)、後述するS17108の処理に移行する。
一方、確変設定フラグ203zsがオンであると判別した場合には(S17101:Yes)、リミットカウンタ203naの値に1を加算する(S17103)。次いで、確変設定フラグ203zsをオフに設定し(S17104)、S17103の処理による加算後のリミットカウンタ203naの値が5であるか否かを判別し(S17105)、加算後のリミットカウンタ203naの値が5であると判別した場合は(S17105:Yes)、リミット到達フラグ203nbをオンに設定して(S17107)、上述したS17102の処理へ移行する。
一方、S17105の処理において、加算後のリミットカウンタ203naの値が5ではない(4以下の値である)と判別した場合は(S17105:No)、確変フラグ203ncをオンに設定し(S17106)、S17108の処理へ移行する。
S17108の処理では、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203cfのデータと、リミット到達フラグ203nbの状態と、に対応する時短回数を時短付与17テーブル202ne(図368参照)から読み出して(S17108)、その読み出した時短回数を時短中カウンタ203kのカウンタ値として設定する(S17109)。次いで、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定して(S17110)、大当たり後の遊技状態とリミットカウンタ203naの値とに対応する状態コマンドを設定する(S17111)。
次に、実行中の大当たり種別と当選時状態格納エリア203cfのデータと、リミット到達フラグ203nbの状態と、に対応する変動パターンシナリオを特定し(S17112)、特定した変動パターンシナリオを示すデータを変動パターンシナリオ格納エリア203ndに格納する(S17113)。次いで、大当たりの終了を設定すると共に(S17114)、大当たり中フラグ203dをオフに設定して(S17115)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理17(S1693)を実行することにより、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別と、確変リミット回数の到達有無と、に応じて適切に遊技状態を設定することができる。
図381に戻り説明を続ける。S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングではないと判別した場合には(S1612:No)、入賞処理17(S1694)を実行する。
ここで、図383を参照して、本第17実施形態における大当たり制御処理17(S1581)の一処理である入賞処理17(S1694)について詳細に説明する。図383は、この入賞処理17(S1694)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理17(S1694)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1481)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉165f1、或いは開放扉1650f1の開放状態からインターバル期間(0.5秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1481:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1481:Yes)、V入賞口(特定入賞口)1650aの球検知スイッチ1650c1を通過したかを判別する。V入賞口(特定入賞口)1650aの球検知スイッチ1650c1を通過したと判別した場合には(S1482:Yes)、入賞個数カウンタ203zt2の値に1を加算して更新する(S1483)。その後、S1484の処理を実行する。一方、球検知スイッチ1650c1を通過していないと判別した場合には(S1482:No)、S1483の処理をスキップして、S1484の処理を実行する。
S1484の処理では、入賞個数カウンタ203zt2の値が10以上であるか判別する(S1484)。入賞個数カウンタ203zt2の値が10以上であると判別した場合には(S1484:Yes)、V入賞口1650aの開閉扉1650fの閉鎖を設定する(S1486)。その後、残球タイマフラグ203zt4をオンに設定し(S1487)、S1488の処理を実行する。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されることで、開閉扉1650fが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1484の処理において、入賞個数カウンタ203zt2の値が10未満であると判別した場合には(S1484:No)、ラウンド時間が経過したか判別する(S1485)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1485:Yes)、S1486の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1485:No)、S1488の処理を実行する。
S1488の処理では、動作カウンタ203zt3の値が0より大きい値であるか判別し(S1488)、動作カウンタ203zt3の値が0より大きい値であると判別した場合には(S1488:Yes)、動作カウンタ203zt3の値を1減算して更新する(S1489)。次いで、確変スイッチ1650e3を球が通過したか判別し(S1490)、確変スイッチ1650e3を球が通過したと判別した場合には(S1490:Yes)、確変通過カウンタ203zt1の値に1加算して更新し(S1491)、確変設定フラグ203zsをオンに設定して(S1492)、処理をS1493へと移行する。
一方、S1490の処理において、確変スイッチ1650e3を球が通過していないと判別した場合には(S1490:No)、S1491,S1492の各処理をスキップして、処理をS1493へと移行する。S1493の処理では、動作カウンタ203zt3が0であるか判別し(S1493)、動作カウンタ203zt3が0であると判別した場合には(S1493:Yes)、流路ソレノイド1650kをオフに設定し(S1494)、確変有効フラグ203zt6をオンに設定し(S1495)、その後、本処理を終了する。一方、S1493の処理において、動作カウンタ203zt3が0でないと判別した場合は(S1493:No)、S1494,S1495の各処理をスキップして、本処理を終了する。S1495の処理において確変有効フラグ203zt6がオンに設定されることで、切替部材1650hが切り替えられた後も、特別排出流路1650e2に残存している球が確変スイッチ1650e3を通過した場合には、特別図柄の高確率状態が設定されるように制御することができる。
一方、S1488の処理において、動作カウンタ203zt3が0であると判別した場合には(S1488:No)、確変有効フラグ203zt6がオンであるか判別する(S1496)。確変有効フラグ203zt6がオフであると判別した場合には(S1496:No)、この処理を終了する。また、S1496の処理で確変有効フラグ203zt6がオンであると判別した場合には(S1496:Yes)、確変有効タイマ203zt7の値に1を加算して更新する(S1497)。
そして、更新後の確変有効タイマ203zt7の値が上限値(本制御例では、1.2s)に到達しているかを判別する(S1498)。確変有効タイマ203zt7が上限値であると判別した場合には(S1498:Yes)、確変有効フラグ203zt6をオフに設定し(S1499)、確変有効タイマ203zt7を初期値である0にリセットする(S1500)。その後、この処理を終了する。S1498の処理において、確変有効タイマ203zt7が上限値でないと判別した場合には(S1498:No)、S1490の処理へ移行する。
これにより、確変有効タイマ203zt7が上限値に到達するまでの間、確変スイッチ1650e3を球が通過したか否かを判別することができるため、球はけの時間を考慮して特別図柄の高確率状態を設定することができる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ1650e3に球を通過させて特別図柄の高確率状態が付与されることを抑制できる。
図381に戻り説明を続ける。入賞処理17(S1694)を実行し、次いで、異常処理17(S1695)を実行し、本処理を終了する。
次に、図384を参照して、本第17実施形態における大当たり制御処理17(図381のS1581参照)の一処理である異常処理17(S1695)について、図384を参照して、詳細を説明する。図384は、この異常処理17(S1695)の内容を示したフローチャートである。この異常処理17(S1695)は、不正に確変スイッチ1650e3を通過させられていないかを監視するための処理である。
異常処理17(S1695)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1581)。ラウンド有効期間外である場合には(S1581:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1581:Yes)、球排出口スイッチ(排出確認スイッチ)1650e4を球が通過したか判別する(S1582)。球排出口スイッチ(排出確認スイッチ)1650e4を球が通過したと判別した場合には(S1582:Yes)、排出個数カウンタ203zt8の値を1加算して更新する(S1583)。その後、S1584の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ(排出確認スイッチ)1650e4を球が通過していないと判別した場合には(S1582:No)、S1584の処理を実行する。
S1584の処理では、残球タイマフラグ203zt4がオンであるか判別する(S1584)。残球タイマフラグ203zt4がオフであると判別した場合には(S1584:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203zt4がオンであると判別した場合には(S1584:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203zt5を1加算して更新する(S1585)。残球タイマ203zt5は上限値(本制御例では、3秒)が経過したか判別する(S1586)。上限値でないと判別した場合には(S1586:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1586:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203zt1と排出個数カウンタ203zt8との合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203zt2の値)とが一致するか判別する(S1587)。
一致すると判別した場合には(S1587:Yes)、S1589の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1587:No)、エラーコマンドを設定する(S1588)。その後、S1589の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、V入賞装置1650内に不正に遊技球を残存させて、確変スイッチ1650e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S1589の処理では、残球タイマフラグ203zt4をオフに設定し(S1589)、残球タイマ203zt5を初期値である0にリセットする(S1590)。その後、入賞個数カウンタ203zt2、排出個数カウンタ203zt8、確変通過カウンタ203zt1が初期値にそれぞれリセットされ(S1591)、その後、この処理を終了する。
<第17実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図385を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理17(S12113)について説明する。図385は、このコマンド判定処理17(S12113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理17(S12113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図55参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理17(図385のS12113)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S2202)、受信したコマンドから変動パターンを抽出し(S2203)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S2205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出し(S2206)、また、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2207)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223bあるいは特別図柄2保留球数カウンタ223c)に格納する(S2208)。S2208の処理の終了後は、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入球(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2208の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。尚、S2208の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2207の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2207:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2209)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)、入賞情報関連処理17を実行する(S12201)。S12201の処理の終了後は、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
ここで、入賞情報関連処理17(S12201)の内容について、図386を参照して説明をする。図386は、入賞情報関連処理17(S12201)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理17(S12201)は、今回受信した入賞情報コマンドに含まれている入賞情報(変動種別)と、現在の遊技状況に基づいて、仮当たり演出を実行するか否かの判定を行うための処理が実行される。
入賞情報関連処理17(S12201)が実行されると、まず、RAM223に設けられている遊技状態格納エリア223ngに格納されている情報の読み出しを実行する(S2301)。そして、S2301の処理で読み出した遊技状態は潜確中であるかを判別し(S2371)、潜確中であると判別した場合には(S2371:Yes)、次に、第2特別図柄の入賞情報であるか判別する(S2321)。S2321の処理において、第2特別図柄の入賞情報であると判別した場合は(S2321:Yes)、スーパーRUSH中フラグ223nbがオンであるか否かを判別する(S2372)。
S2372の処理において、スーパーRUSH中フラグ223nbがオンであると判別した場合は(S2372:Yes)、後述するS2311の処理へ移行する。一方、上述したS2372の処理において、スーパーRUSH中フラグ223nbがオンでない(オフである)と判別した場合は(S2372:No)、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報を読み出し(S2373)、次に、小当たり当選を示す情報数は4個であるかを判別する(S2374)。
S2374の処理において、小当たり当選を示す情報数が4個ではないと判別した場合は(S2374:No)、大当たりE17があるかを判別する(S2375)。S2375の処理において、大当たりE17がないと判別した場合は(S2375:No)、受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S2311)、本処理を終了する。一方、S2374の処理において、小当たり当選を示す情報数が4個であると判別した場合(S2374:Yes)、あるいはS2375の処理において、大当たりE17があると判別した場合は(S2375:Yes)、スーパーRUSH開始フラグ223naをオンに設定し(S2376)、上述したS2311の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2371の処理において、読み出した遊技状態が潜確中でないと判別した場合(S2371:No)、あるいはS2321の処理において、第2特別図柄の入賞情報ではないと判別した場合は(S2321:No)、今回受信した入賞情報に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2312)、上述したS2311の処理を実行し、本処理を終了する。
図385に戻り説明を続ける。S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S2209:No)、主制御装置110より当たり関連のコマンドを受信したか判別する(S2211)。当たり関連のコマンドを受信した場合には(S2211:Yes)、当たり関連処理17(S12202)を実行し、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
ここで、当たり関連処理17(S12202)の内容について、図387を参照して説明する。図387は、当たり関連処理17(S12202)の内容を示したフローチャートである。当たり関連処理17(S12202)は、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は小当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
当たり関連処理17(図387のS12202)では、まず、コマンド判定処理17(S12113)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2401)。大当たり開始コマンドを受信した場合には(S2401:Yes)、潜確状態中であるかを判別し(S12301)、潜確状態中でないと判別した場合には(S12301:No)、大当たり開始処理17を実行し(S12302)、本処理を終了する。
ここで、大当たり開始処理17(S12302)の内容について、図388を参照して説明をする。図388は、大当たり開始処理17(S12302)の内容を示したフローチャートである。
大当たり開始処理17(S12302)が実行されると、まず、大当たり当選時は通常状態であるか判別する(S12401)。S12401の処理において、大当たり当選時は通常状態であると判別した場合には(S12401:Yes)、対応する表示用大当たり開始コマンドを設定し(S12410)、本処理を終了する。一方、大当たり当選時は通常状態でないと判別した場合には(S12401:No)、次いで、大当たりD17又はF17であるか判別する(S12402)。S12402の処理において、大当たりD17又はF17ではないと判別した場合には(S12401:No)、チャレンジモードを示す表示用大当たり開始コマンドを設定し(S12409)、本処理を終了する。
一方、S12402の処理において、大当たりD17又はF17であると判別した場合には(S12402:Yes)、次いで、チャレンジ演出フラグ223nfがオンであるか判別する(S12403)。S12403の処理において、チャレンジ演出フラグ223nfがオンであると判別した場合は(S12403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が1以上であるかを判別する(S12404)。
S12404の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が1以上でない(0である)と判別した場合は(S12404:No)、上述したS12409の処理を実行し、本処理を終了する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が1以上であると判別した場合は(S12404:Yes)、入賞情報格納エリア223aより次回の特図抽選の結果を判定し(S12405)、大当たりB17又はC17であるか判別する(S12406)。
S12406の処理において、大当たりB17又はC17であると判別した場合は(S12406:Yes)、上述したS12409の処理を実行し、本処理を終了する。一方、大当たりB17又はC17でないと判別した場合は(S12406:No)、チャレンジ演出フラグ223nfをオフに設定し(S12407)、RUSHモードを示す表示用大当たり開始コマンドを設定し(S12408)、本処理を終了する。
一方、S12403の処理において、チャレンジ演出フラグ223nfがオンではない(オフである)と判別した場合は(S12403:No)、S12404~S12407の処理をスキップし、S12408の処理へと移行する。
図387に戻り説明を続ける。S12301の処理において、潜確状態中であると判別した場合には(S12301:Yes)、次いで、大当たりH17であるかを判別する(S12303)。そして、大当たりH17であると判別した場合には(S12303:Yes)、開始遅延フラグ223nhをオンに設定し(S12304)、本処理を終了する。一方、S12303の処理において、大当たりH17でないと判別した場合には(S12303:No)、上述したS12302の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2401の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2401:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2404)。ラウンド数コマンドを受信した場合には(S2404:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行し(S12305)、本処理を終了する。
ここで、ラウンド数コマンド処理(S12305)の内容について、図389を参照して説明をする。図389は、ラウンド数コマンド処理(S12305)の内容を示したフローチャートである。
ラウンド数コマンド処理(S12305)が実行されると、まず、開始遅延フラグ223nhがオンであるか判別する(S12431)。S12431の処理において、開始遅延フラグ223nhがオンであると判別した場合は(S12431:Yes)、次いで、3ラウンド目であるか判別し(S12432)、3ラウンド目ではないと判別した場合は(S12432:No)、本処理を終了する。一方、S12432の処理において、3ラウンド目であると判別した場合は(S12432:Yes)、チャレンジモードを示す表示用大当たり開始コマンドを設定し(S12433)、開始遅延フラグ223nhをオフに設定し(S12343)、本処理を終了する。
一方、S12431の処理において、開始遅延フラグ223nhがオンではない(オフである)と判別した場合は(S12431:No)、次いで、潜確状態中であるか判別する(S12435)。そして、潜確状態中であると判別した場合は(S12435:Yes)、大当たりE17又はG17であるか判別し(S12436)、大当たりE17又はG17でないと判別した場合は(S12436:No)、本処理を終了する。一方、S12436の処理において、大当たりE17又はG17であると判別した場合は(S12436:Yes)、次いで、3ラウンド目であるか判別する(S12437)。
S12437の処理において、3ラウンド目ではないと判別した場合は(S12437:No)、本処理を終了する。一方、3ラウンド目であると判別した場合は(S12437:Yes)、チャレンジモード突入を示す表示用コマンドを設定し(S12438)、本処理を終了する。
一方、上述したS12435の処理において、潜確状態中ではないと判別した場合は(S12435:No)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S12439)、本処理を終了する。
図387に戻り説明を続ける。S2404の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2404:No)、大当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2406)。大当たり終了コマンドを受信した場合には(S2406:Yes)、大当たり終了時処理17(S12306)を実行する。
ここで、大当たり終了時処理17(S12306)の内容について、図390を参照して説明をする。図390は、大当たり終了時処理17(S12306)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了時処理17(S12306)が実行されると、まず、大当たり演出がチャレンジ演出であるか判別する(S12451)。大当たり演出がチャレンジ演出であると判別した場合は(S12451:Yes)、次いで、チャレンジ演出フラグ223nfがオンであるか判別する(S12452)。そして、チャレンジ演出フラグ223nfがオンではない(オフである)と判別した場合は(S12452:No)、チャレンジモード突入を示す表示用コマンドを設定し(S12458)、本処理を終了する。
一方、S12452の処理において、チャレンジ演出フラグ223nfがオンであると判別した場合は(S12452:Yes)、チャレンジ演出フラグ223nfをオフに設定し(S12453)、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が1以上であるか判別する(S12454)。
S12454の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が1以上ではない(0である)と判別した場合は(S12454:No)、上述したS12458の処理を実行し、本処理を終了する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が1以上であると判別した場合は(S12454:Yes)、入賞情報格納エリア223aより次回の特図抽選の結果を判定し(S12455)、次いで、判定結果が大当たりB17又はC17であるかを判別する(S12456)。
そして、判定結果が大当たりB17又はC17であると判別した場合は(S12456:Yes)、上述したS12458の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S12456の処理において、判定結果が大当たりB17又はC17ではないと判別した場合は(S12456:No)、RUSH突入を示す表示用コマンドを設定し(S12457)、本処理を終了する。
S12451の処理において、大当たり演出はチャレンジ演出でないと判別した場合は(S12451:No)、次いで、RUSH演出であるかを判別する(S12459)。そして、RUSH演出であると判別した場合は、(S12459:Yes)、上述したS12457の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S12459の処理において、RUSH演出ではないと判別した場合は、(S12459:No)、対応する状態を表す表示用コマンドを設定し(S12460)、本処理を終了する。
図387に戻り説明を続ける。S2406の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2406:No)、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2409)。小当たり開始コマンドを受信した場合には(S2409:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S2410)、本処理を終了する。一方、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2409:No)、小当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2411)。小当たり終了コマンドを受信した場合には(S2411:Yes)、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S2412)、本処理を終了する。
一方、S2411の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2411:No)、賞球コマンドであるか判別する(S12310)。賞球コマンドである場合には(S12310:Yes)、表示用賞球コマンドを設定し(S12311)、本処理を終了する。一方、S12310の処理において、賞球コマンドでないと判別した場合には(S12310:No)、そのまま本処理を終了する。
図385に戻り説明を続ける。S2211の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S2211:No)、次に、停止コマンドを受信したかを判別する(S2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合は(S2213:Yes)、停止時処理17の処理を実行し(S12203)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
ここで、停止時処理17(S12203)の内容について、図391を参照して説明をする。図391は、停止時処理17(S12203)の内容を示したフローチャートである。
停止時処理17(S12203)が実行されると、まず、復活フラグ223neがオンであるか判別する(S12501)。復活フラグ223neがオンであると判別した場合には(S12501:Yes)、表示用復活コマンドを設定し(S12502)、次いで、復活フラグ223neをオフに設定する(S12503)。そして、第3図柄の停止表示を設定し(S12504)、本処理を終了する。
一方、S12501の処理において、復活フラグ223neがオンではない(オフである)と判別した場合には(S12501:No)、S12502の処理をスキップし、S12503およびS12504の処理を実行した後、本処理を終了する。
図385に戻り説明を続ける。S2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S2213:No)、時短関連のコマンドを受信したか判別する(S2215)。時短関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S2215:Yes)、時短更新処理(S2216)を実行し、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。なお、時短更新処理(S2216)の内容は、上述した時短更新処理(図56参照)のS2216の処理と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
一方、S2215の処理において、時短関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S2215:No)、状態コマンドを受信したか判別する(S12204)。状態コマンドを受信したと判別した場合日は(S12204:Yes)、状態コマンド処理17を実行し(S12205)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。
ここで、状態コマンド処理17(S12205)の内容について、図392を参照して説明をする。図392は、状態コマンド処理17(S12205)の内容を示したフローチャートである。
状態コマンド処理17(S12205)が実行されると、まず、遊技状態を示すコマンドであるか判別し(S12601)、遊技状態を示すコマンドであると判別した場合は(S12601:Yes)、遊技状態格納エリア223ngに対応する遊技状態を格納し(S12602)、次いで、通常状態へ移行するかを判別する(S12603)。
S12603の処理において、通常状態へ移行しないと判別した場合は(S12603:No)、その他情報に対応する処理を実行し(S12608)、本処理を終了する。一方、通常状態へ移行すると判別した場合は(S12603:Yes)、終了画面を示す表示用コマンドを設定し(S12604)、上述したS12608の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S12601の処理において、遊技状態を示すコマンドではないと判別した場合は(S12601:No)、リミット関連コマンド、即ち、確変状態の設定回数(確変連続回数)を示すための情報であるか判別し(S12605)、リミット関連コマンドであると判別した場合には(S12605:Yes)、次いで、受信したコマンドが示す確変連続回数は、リミット回数(5)より1少ないか(4であるか)を判別する(S12606)。受信したコマンドが示す確変連続回数が、リミット回数より2以上少ないと判別した場合は(S12606:No)、上述したS12608の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S12606の処理において、受信したコマンドが示す確変連続回数が、リミット回数より1少ないと判別した場合は(S12606:Yes)、準リミットフラグ223ndをオンに設定し(S12607)、上述したS12608の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S12605の処理において、リミット関連コマンドではないと判別した場合には(S12605:No)、上述したS12608の処理を実行し、本処理を終了する。
図385に戻り説明を続ける。S12204の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S12204:No)、上述したS2217の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図393を参照して、第17実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図62、S2114参照)の一処理である演出設定処理17(S12861)について説明する。図393は、この演出設定処理17(S12861)を示したフローチャートである。
演出設定処理17(S12861)では、まず、遊技状態格納エリア223ngのデータを参照して遊技状態を特定し(S12701)、遊技状態が潜確状態であるか判別する(S12702)。遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合には(S12702:No)、第2演出設定処理を実行し(S12713)、本処理を終了する。第2演出設定処理(S12713)の詳細については、図394を参照して後述する。
一方、S12702の処理において、遊技状態が潜確状態であると判別した場合には(S12702:Yes)、次いで、スーパーRUSH開始フラグ223naがオンであるかを判別する(S12703)。スーパーRUSH開始フラグ223naがオンであると判別した場合には(S12703:Yes)、スーパーRUSH開始フラグ223naをオフに設定し(S12704)、スーパーRUSH中フラグ223nbをオンに設定する(S12705)。次いで、スーパーRUSHカウンタ223ncの値に4をセットし(S12706)、スーパーRUSHを示すための表示用コマンドを設定し(S12707)、上述したS12713の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S12703の処理において、スーパーRUSH開始フラグ223naがオンでない(オフである)と判別した場合には(S12703:No)、スーパーRUSHカウンタ223ncの値が0より大きい値であるか判別する(S12708)。スーパーRUSHカウンタ223ncの値が0より大きい値でない(0である)と判別した場合は(S12708:No)、上述したS12713の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S12708の処理において、スーパーRUSHカウンタ223ncの値が0より大きい値であると判別した場合は(S12708:Yes)、スーパーRUSHカウンタ223ncの値を1減算し(S12709)、減算後の値が0であるか判別する(S12710)。
減算後の値が0ではないと判別した場合には(S12710:No)、上述したS12713の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S12710の処理において、減算後の値が0であると判別した場合には(S12710:Yes)、スーパーRUSH中フラグ223nbをオフに設定し(S12711)、次いで、通常RUSHを示すための表示用コマンドを設定する(S12712)。その後、上述したS12713の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、演出設定処理17(S12861)内の一処理である第2演出設定処理(S12713)について、図394を参照して説明する。図394は、第2演出設定処理(S12713)の内容を示したフローチャートである。
第2演出設定処理(S12713)では、まず、遊技状態が通常状態であるかを判別する(S12751)。遊技状態が通常状態であると判別した場合には(S12751:Yes)、遊技状態と抽選結果とに応じた変動パターン演出の演出態様を設定し(S12752)、本処理を終了する。一方、S12751の処理において、遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S12751:No)、準リミットフラグ223ndがオンであるかを判別する(S12753)。
S12753の処理において、準リミットフラグ223ndがオンであると判別した場合には(S12753:Yes)、次いで、大当たり変動であるかを判別し(S12754)、大当たり変動であると判別した場合には(S12754:Yes)、チャレンジモード当たりに対応する変動パターンの演出態様を設定する(S12755)。そして、準リミットフラグ223ndをオフに設定し(S12756)、S12757の処理へ移行する。一方、S12754の処理において、大当たり変動ではないと判別した場合には(S12754:No)、そのままS12757の処理へと移行する。
一方、S12753の処理において、準リミットフラグ223ndがオンでない(オフである)と判別した場合には(S12753:No)、大当たりD17又はF17であるか判別する(S12757)。S12757の処理において、大当たりD17又はF17ではないと判別した場合には(S12757:No)、第3演出設定処理を実行し(S12763)、本処理を終了する。第3演出設定処理(S12763)の詳細については、図395を参照して後述する。
一方、S12757の処理において、大当たりD17又はF17であると判別した場合には(S12757:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が0以上であるか判別する(S12758)。特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が0以上であると判別した場合は(S12758:Yes)、次いで、次回の特図1抽選が大当たりB17又はC17であるかを判別する(S12759)。
S12759の処理において、次回の特図1抽選が大当たりB17又はC17であると判別した場合(S12759:Yes)あるいはS12758の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が0以上でない(0である)と判別した場合は(S12758:No)は、チャレンジ演出フラグ223nfをオンに設定する(S12760)。そして、チャレンジモード当たりに対応する変動パターンの演出態様を設定し(S12761)、上述したS12763の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S12759の処理において、次回の特図1抽選が大当たりB17又はC17ではないと判別した場合(S12759:No)、RUSHモード当たりに対応する変動パターンの演出態様を設定し(S12762)、上述したS12763の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、第2演出設定処理(S12713)内の一処理である第3演出設定処理(S12763)について、図395を参照して説明する。図395は、第3演出設定処理(S12763)の内容を示したフローチャートである。
第3演出設定処理(S12763)では、まず、遊技状態が潜確状態であるかを判別し(S12781)、遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合は(S12781:No)、特図1変動であるかを判別する(S12782)。そして、特図1変動であると判別した場合には(S12782:Yes)、変動時間が0.5秒であるかを判別する(S12783)。S12783の処理において、変動時間が0.5秒であると判別した場合は(S12783:Yes)、本処理を終了する。
一方、S12781の処理において、遊技状態が潜確状態であると判別した場合(S12781:Yes)、あるいはS12782の処理において、特図1変動ではないと判別した場合は(S12782:No)、遊技状態と抽選結果とに応じた変動パターン演出の演出態様を設定し(S12786)、本処理を終了する。
一方、S12783の処理において、変動時間が0.5秒ではないと判別した場合は(S12783:No)、変動時間が100秒であるかを判別し(S12784)、変動時間が100秒であると判別した場合は(S12784:Yes)、復活フラグ223neをオンに設定し(S12785)、上述したS12786の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S12784の処理において、変動時間が100秒でないと判別した場合は(S12784:No)、そのまま上述したS12786の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選し、その大当たり遊技終了後に再度、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)が設定される回数(確変連続回数)に上限(リミット回数)を設けるように構成している。このように構成することで、特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、時短状態)よりも、遊技者に有利となる特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態(確変状態、潜確状態)が連続して設定されてしまうことにより、遊技者に過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第17実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されることに対して上限を設けるように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態が設定されることに対して上限を設けるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態、及び普通図柄の高確率状態との何れも設定される回数に上限を設けるように構成しても良い。
この場合、例えば、特別図柄の高確率状態に対するリミット回数を5回に設定し、普通図柄の高確率状態に対するリミット回数を4回、即ち、特別図柄に対して設定されるリミット回数よりも少ないリミット回数を設定した場合には、例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を可変させること無く(確変状態が継続するように)連続して4回当選した場合には、特別図柄に対するリミット回数よりも先に普通図柄に対するリミット回数に到達することになるため、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されることになる。よって、特別図柄に対するリミット回数に到達するよりも前に、潜確状態(RUSH遊技)が実行され易い期間を設定することが可能となる。
さらに、この場合、特別図柄に対するリミット回数に到達するよりも前に、潜確状態が設定された場合には、特別図柄の連続回数は更新されるが、普通図柄の低確率状態が設定されるため、普通図柄の連続回数は0にリセットされる。よって、特別図柄がリミット回数に先に到達し得るため、普通図柄に対するリミット回数の到達に基づいて潜確状態が設定され難くすることができる。このように構成することでも、上述した第17実施形態のように、同一の大当たり(確変B大当たり)に当選した場合に、特定条件(普通図柄に対するリミット回数の到達)の有無に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることができる。
また、上述した第17実施形態では、大当たり遊技終了後に確変A状態が設定され、且つ、その確変A状態が短期間(0.5秒)で潜確状態へと移行することが確定している場合には、大当たり遊技が終了するよりも前のタイミングで、遊技者に対して、確変状態(確変A状態)では無く、潜確状態へと移行することを報知するように構成している。つまり、現在の遊技状態から移行する次の遊技状態では無く、次の次に設定される遊技状態を遊技者に報知するように構成している。よって、遊技者に対して、今後実行される遊技の内容を分かり易く報知することができる。さらに、現在の遊技状態から移行する次の遊技状態を報知しないように構成しているため、次の遊技状態と、次の次の遊技状態とが同時に報知されてしまうことで遊技者に分かり難い報知態様が提供されてしまうことを抑制することができる。加えて、次の遊技状態と、次の次の遊技状態とのうち、遊技者に有利となる遊技状態を遊技者に報知するように構成している。よって、報知態様の内容によって遊技者を一喜一憂させることができる。また、次の遊技状態と、次の次の遊技状態のうち、その遊技状態が継続する期間が長くなり易い遊技状態を遊技者に報知するように構成している。よって、遊技者に分かり易い遊技性を提供することができる。
<第17実施形態の変形例について>
次に、図396及び図397を参照して、第17実施形態の変形例について説明をする。上述した第17実施形態では、確変B状態或いは時短状態が設定される場合に実行される第1特別図柄抽選の結果が外れである場合に、300秒の変動時間が設定されるように構成し、確変B状態或いは時短状態が300秒間継続するように構成していた。
これに対して、本変形例では、確変B状態或いは時短状態が設定される場合に実行される第1特別図柄抽選の結果が外れである場合に設定される変動時間として、長さの異なる変動時間の中から1の変動時間を設定可能に構成している点で相違している。
このように構成することで、確変B状態或いは時短状態が設定される場合における第1特別図柄変動の実行のされ易さを可変させることができるため、例えば、特定時短終了条件が設定された場合において、特定時短終了条件の成立のし易さを異ならせることができ、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)中に実行される特別図柄抽選の回数を増減させることができる。
まず、図396を参照して、本変形例における演出内容について説明をする。図396(a)は、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)に実行されるチャレンジ演出中の表示態様に一例を示した図である。なお、上述した第17実施形態におけるチャレンジ演出の表示態様と同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
図396(a)に示した通り、本変形例では、表示領域HR20に表示される残り時間が、実際に設定された第1特別図柄の変動時間として表示している点で上述した第17実施形態と相違している。そして、特定時短終了条件が設定されている遊技状態におけるチャレンジ演出が実行されている場合は、表示領域HR20に表示される残り時間が0秒となった場合、即ち、第1特別図柄変動が停止表示された場合に、特定時短終了条件が成立しチャレンジ演出が終了する。このチャレンジ演出の終了時における演出は、上述した第17実施形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。
そして、通常時短終了条件のみが成立している遊技状態におけるチャレンジ演出である場合には、図396(b)に示した通り、次に実行される第1特別図柄変動の変動時間に対応する秒数が表示領域HR20に上乗せされる上乗せ演出が実行される。図396(b)は、チャレンジ演出中に上乗せ演出が実行された場合の表示態様の一例を示した図である。図396(b)では、通常時短終了条件のみが成立している遊技状態におけるチャレンジ演出において実行中の第1特別図柄変動が外れであって、次に実行される第1特別図柄変動の変動時間が60秒である場合の上乗せ演出を示している。
具体的には、主表示領域Dmの中央付近に宝箱852が表示され、その中から結果表示態様852aとして「+60秒」が表示され、表示領域HR20に表示される残り時間が「90秒」に増加する上乗せ演出が実行される。
このように、通常時短終了条件のみが成立している遊技状態、即ち、第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数との合算数が100回に到達する場合に成立する時短終了条件のみが成立している場合であって、第1特別図柄変動の変動時間が300秒よりも短い変動時間である場合には、普通図柄の高確率状態中に第1特別図柄変動が複数回実行されることになる。この場合において、チャレンジ演出の残期間が延長するように上乗せ演出を実行することにより、遊技者に対して普通図柄の高確率状態を示すチャレンジ演出の演出期間が途中で延長されたと思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図396(b)に示した例では、チャレンジ演出における1回目の第1特別図柄変動(変動時間120秒)が停止表示されるよりも前、即ち、残期間が30秒の時点で、次に実行される第1特別図柄変動の変動時間を上乗せ演出に用いている。つまり、特図1保留に含まれる入賞情報に基づいて、第1特別図柄の変動時間を先読みし、通常時短終了条件が成立するよりも前に次の第1特別図柄変動が実行されることが確定した場合に上乗せ演出を実行するように構成している。
このように構成することで、第1特別図柄変動の停止、或いは開始タイミングと、上乗せ演出の実行タイミングと、を異ならせることができるため、何を契機に上乗せ演出が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、特定時短終了条件が成立している遊技状態におけるチャレンジ演出、即ち、第1特別図柄変動が1回終了した時点で時短終了条件が成立するチャレンジ演出においても、図396(b)に示した上乗せ演出を実行可能に構成すると良く、この場合、1回目の第1特別図柄変動の変動時間よりも少ない値を表示領域HR20に表示し、表示領域HR20に表示される表示態様が所定条件を満たした場合(残り時間が30秒を示した場合)に、残りの変動時間を示す値を上乗せ演出で表示するように構成すると良い。これにより、上乗せ演出の有無によって、現在設定されている時短終了条件の種別が特定され、結果的に、現在設定されている遊技状態を特定されてしまうことを抑制することができる。
次に、図397を参照して、本変形例における電気的構成のうち、上述した第17実施形態とは異なる内容について説明をする。本変形例では、上述した第17実施形態に対して、時短状態、及び確変B状態において参照される時短・確変B用17テーブル202nd2と、リミット用17テーブル202nd5とに規定されている内容の一部を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
図397(a)は、本変形例における時短・確変B用17テーブル202nd2の規定内容を示した図であり、図397(b)は、本変形例におけるリミット用17テーブル202nd5の規定内容を示した図である。図397(a),(b)に示した通り、上述した第17実施形態に対して、第1特別図柄抽選の結果が外れである場合に設定される変動パターンの種別を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~98」の範囲に対して変動時間が300秒間の外れ時短用変動Aが対応付けて規定され、「99~149」の範囲に対して変動時間が120秒間の外れ時短用変動Bが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~197」の範囲に対して変動時間が60秒間の外れ時短用変動Cが対応付けて規定され、「198」に対して変動時間が1秒間の外れ時短用変動Dが対応付けて規定されている。なお、上述した規定内容は、時短・確変B用17テーブル202nd2及びリミット用17テーブル202nd5で同一である。
以上、説明をした通り、本変形例では、時短状態が設定される場合、確変B状態が設定される場合、及び、リミット回数に到達し強制的に時短状態が設定される場合において実行される第1特別図柄変動の変動パターンとして、外れ当選している場合に、様々な変動時間(10秒、60秒、120秒、300秒)を設定することができる。これにより、例えば、時短状態が設定されている場合には、長い変動時間が設定されたほうが遊技者に有利となり、確変状態が設定されている場合、より具体的には、特定時短終了条件が設定されている確変状態が設定されている場合には、短い変動時間が設定されたほうが遊技者に有利とすることができる。
このように構成することで、時短終了条件を成立させるための特別図柄変動の変動時間を異ならせることにより、時短終了条件が成立するまでの期間の長さを可変させることができるため、その時短終了条件が成立するまでの期間の長さによって、普通図柄の高確率状態中における実質的な特別図柄抽選の実行回数を可変させることができる。
なお、上述した構成に限ること無く、例えば、確変A状態が設定されている場合に参照される確変A用17テーブル202nd3を、本変形例のように、第1特別図柄変動の変動パターンとして、外れ当選している場合に、様々な変動時間(10秒、60秒、120秒、300秒)が設定されるように規定しても良い。このように構成することで、確変A状態が設定された場合における潜確状態への移行タイミングを異ならせることが可能となる。
つまり、上述した第17実施形態では、確変A状態が設定された状態にて、第1特別図柄抽選で外れ当選した第1特別図柄変動が実行される場合には、必ず0.5秒変動が実行されるように構成していた。そして、この0.5秒変動は、確変A状態中に実行される第2特別図柄変動の最短変動時間よりも短い変動時間となるように構成していたため、大当たり遊技終了後に第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とが同時に変動を開始した場合において、必ず、先に第1特別図柄変動が停止することになるように構成していた。よって、確変A状態中に第2特別図柄変動が停止表示してしまい、遊技球を入賞させ難い小当たり遊技が実行され難くするように構成していた。
一方、確変A状態が設定されている場合に参照される確変A用17テーブル202nd3を、本変形例のように、第1特別図柄変動の変動パターンとして、外れ当選している場合に、様々な変動時間(0.5秒、10秒、60秒、120秒、300秒)が設定されるように規定することで、確変A状態が継続し得る長さを異ならせることにより、確変A状態中に実行される第2特別図柄変動の変動回数を異ならせることができる。また、この場合、例えば、確変A状態が設定された場合であって、1回目の第1特別図柄変動の変動時間として、所定期間以上(例えば、120秒以上)が設定された場合には、上述したチャレンジモード(チャレンジ演出)が実行されるように構成し、1回目の第1特別図柄変動が停止表示されたタイミングに合わせて、復活演出(図361(b)参照)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対しては確変A状態が設定されていることを判別させ難い演出(チャレンジ演出)を実行しながらも、所定期間(120秒)が経過することでRUSH遊技が開始されるため意外性のある遊技を提供することができる。また、チャレンジモード(チャレンジ演出)は、時短状態が設定される場合にも実行される演出であることから、即ち、チャレンジモード(チャレンジ演出)が実行されている期間中に第2特別図柄変動を実行したほうが良い遊技状態と、実行しないほうが良い遊技状態とを設けることができるため、例えば、チャレンジモード(チャレンジ演出)が実行された場合に、実行中の第1特別図柄変動が停止表示されるまで、新たな第2特別図柄変動を実行させない遊技が実行されることを抑制することができる。
また、確変A状態が設定された場合であって、1回目の第1特別図柄変動の変動時間として、所定期間未満(例えば、120秒未満)で第2所定期間以上(例えば、10秒以上)が設定された場合には、現在の遊技状態が確変A状態であるか、時短状態であるか、確変B状態であるか、を分かり難くする演出(チャレンジ準備演出)を実行するように構成しても良い。具体的には、チャレンジ演出中の表示画面(図360参照)と同様にキャラクタ851が走る態様で表示され、表示領域HR20にはカウントダウン表示では無く「準備中」の文字を表示させ、副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には現在がチャレンジ準備演出中であることを示す「チャレンジ準備中」のコメントが表示される演出を実行するように構成すれば良い。つまり、チャレンジ演出とは異なり、時間経過に基づいて残期間が減算表示されるカウントダウン表示を、時短終了条件を成立させることとなり得る第1特別図柄変動が開始されたことに基づいて表示しないように構成すれば良い。このように構成することで、カウントダウン表示が0になるまで新たな特別図柄変動を実行させない遊技を行われ難くすることができる。
さらに、このチャレンジ準備演出中において実行される第2特別図柄変動の変動回数、または、第2入球口640への入球数に応じて、チャレンジ準備演出の演出態様の少なくとも一部が可変するように構成し、その可変内容に応じて設定されている遊技状態を遊技者が把握可能となるように構成しても良い。このように構成することで、チャレンジ準備演出中において、新たな特別図柄変動を実行させない遊技を行われ難くすることができる。
さらに、上述した第17実施形態、及び、第17実施形態の変形例では、確変A状態が設定される場合にのみ、時短終了条件が成立し易い特定時短終了条件(第1時短終了条件)を設定するように構成しているが、これに限ること無く、確変B状態が設定される場合の一部、或いは全部、及び、時短状態が設定される場合の一部、或いは全部に対しても、特定時短終了条件(第1時短終了条件)が設定され得るように、時短付与17テーブル202ne(図368参照)の規定内容を設定しても良い。このように構成することで、チャレンジ演出が実行される期間(普通図柄の高確率状態が継続する期間)の長さを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、上述した第17実施形態、及び、第17実施形態の変形例では、時短終了条件として、成立のし易さを異ならせた2種類の時短終了条件(第1時短終了条件、第2時短終了条件)を設けているが、成立のし易さを異ならせた時短終了条件を3種類以上有するように構成しても良く、この場合、例えば、第1特別図柄変動が実行される回数が2回に到達した場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄抽選で特定の抽選結果(特定の小当たり)となった回数が所定回数(2回)に到達した場合に成立する時短終了条件を設けるように構成すると良い。これにより、チャレンジ演出中において、遊技を実行したほうが(第2特別図柄抽選を実行したほうが)時短終了条件が成立し易い場合を設けることができるため、チャレンジ演出中において、新たな特別図柄変動を実行させない遊技を行われ難くすることができる。
加えて、チャレンジ演出中に実行される演出の演出態様を可変させることで、現在設定されている時短終了条件の一部、或いは、全部を遊技者に示唆、或いは、報知可能に構成しても良く、例えば、上述した第1実施形態のように、時短終了条件を成立させるための要素(変動回数や当選回数)の更新の有無を、特別図柄抽選の抽選結果や、設定されている遊技状態と関連させて遊技者に報知するように構成しても良い。これにより、チャレンジ演出中に現在設定されている遊技状態、及び時短終了条件を予測しながら、特別図柄抽選を積極的に実行する遊技、或いは、実行しない遊技を選択しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
<第17実施形態の盤面変形例について>
次に、図398を参照して、上述した第17実施形態の遊技盤13の構成(図354参照)の変形例について説明をする。上述した第17実施形態では、当たり遊技が実行される場合に開放動作される入賞装置として、V入賞装置1650と可変入賞装置2650とを有していた。そして、小当たり遊技では可変入賞装置2650を開放動作させ、大当たり遊技では、V入賞装置1650或いは可変入賞装置2650を開放動作させるように構成していた。
よって、V入賞装置1650の開放動作の有無に基づいて、大当たり遊技が実行されたか小当たり遊技が実行されたかを分かり易いという問題があった。これに対して、本盤面変形例では、当たり遊技が実行される場合に開放動作される入賞装置を1種類に変更した点で相違し、それ以外は同一である。
図398は、本盤面変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図398に示した通り、本盤面変形例の遊技盤13は、上述した第17実施形態の遊技盤13に対して、可変入賞装置2650を削除し、可変入賞装置2650が設けられていた箇所にV入賞装置1650を移設した点で相違している。そして、本盤面変形例では、小当たり遊技が実行された場合も、大当たり遊技が実行された場合も、V入賞装置1650が開放動作されるように構成している。このように構成することで、開放動作される入賞装置の種別によって、大当たり遊技が実行されているか小当たり遊技が実行されているかを遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、詳細な説明は省略するが、本盤面変形例におけるV入賞装置1650は、切替部材1650hを動作させるための開放シナリオを小当たり遊技が実行される場合と、大当たり遊技が実行される場合とで共通化しているが、遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過した場合に遊技者に特典(特別図柄の高確率状態)が付与されるのは、大当たり遊技中に遊技球が特定領域(確変スイッチ1650e3)を通過した場合だけであるため、小当たり遊技中にV入賞装置1650を開放動作させたとしても円滑に当たり遊技を実行させることができる。
なお、小当たり遊技によってV入賞装置1650を開放動作する場合には、切替部材1650hを開放動作させ無いように構成しても良い。
<第18実施形態>
次に、図399から図414を参照して、第18実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第17実施形態におけるパチンコ機10では、有利な潜確状態へと移行した場合に、右打ちを行い続けるだけで、大当たりに当選するまでの間、第2特別図柄の抽選で頻繁に小当たり遊技が実行されて小当たりによる賞球を頻繁に獲得可能となる結果、大当たりとなるまでの間、持ち球を増加させていくことが可能に構成した。つまり、大当たりに当選するまでの抽選回数が多くなる程、小当たりの出球によって増加させることで持ち球も増加し易くなるため、大当たりに当選しないことを期待させるという斬新な遊技性を実現していた。
これに対して第18実施形態におけるパチンコ機10では、有利な(通常状態よりも大当たり確率が高い)潜確状態において右打ち遊技を行った場合には、第17実施形態と同様に、大当たりに当選するまでの間、可変入賞装置2650へと遊技球を入球させて賞球を得る機会が与えられる小当たりに頻繁に当選するが、大当たりに当選した時点で小当たりによる賞球獲得の機会が終了される上に不利な大当たり種別(5ラウンド通常大当たり)が決定される割合が高くなる(決定され易くなる)遊技性となる一方で、左打ち遊技を行った場合には、特別図柄の抽選を実行させるために消費する持ち球(大当たりに当選するまでの間に消費する持ち球)が比較的多くなり易いが、大当たり当選時により多くの賞球を獲得し易くなる(大当たり自体のラウンド数が多くなり易い上に、大当たり変動中に右打ちを行うことで小当たりによる賞球も獲得できる)遊技性となるように構成した。
つまり、潜確状態において右打ち遊技を行うと、第2入球口640に付随する電動役物640aが頻繁に開放されて第2特別図柄の抽選が実行され、高確率(99%の割合)で小当たりとなって賞球を獲得する機会を得ることができる結果、右打ちを行い続けた場合における発射球数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易くなるという有利な状況が成立するが、大当たりに当選することによって有利な状況が終了され易くなる。このため、有利な潜確状態において右打ち遊技を行った場合には、大当たりに当選しないで小当たりにばかり当選するほど払い出される賞球数も多くなっていくため、1の潜確状態において獲得できる賞球数が多くなるという遊技性(大当たりに当選しない方が有利となる遊技性)を実現することができる。
一方で、潜確状態において左打ち遊技を行うと、通常状態と同様の割合(例えば、16個に1個の割合)で第1入球口64へと遊技球が入球するため、大当たりに当選するまではどんどん持ち球が減っていってしまうが、大当たりに当選した場合に、大当たり変動の間、右打ちによって第2特別図柄の抽選を実行させることにより賞球を獲得する機会を複数回得た上で大当たり遊技を開始させることができる上に、大当たり終了後の遊技状態として、有利な潜確状態となる割合が比較的高くなる。このため、有利な潜確状態において左打ち遊技を行った場合には、大当たりに当選するまでの抽選回数が少ないほど(潜確状態が設定された後で、より早期に大当たりに当選するほど)、持ち球の消費個数を抑えることができるので、より多く持ち球を増加させる(潜確状態が開始されてから第1特別図柄の大当たりが終了するまでの間に払い出される賞球の個数と消費する持ち球の個数との差分をより多くする)ことができるという遊技性(大当たりに早期に当選する方が有利となる遊技性)を実現することができる。
なお、本第18実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを平行して(同時に)実行することが可能な同時変動方式を採用しており、且つ、一方の特別図柄の抽選が大当たりとなった場合には、大当たり変動の間、他方の特別図柄の抽選で大当たりとなることが規制され(大当たりとなるカウンタ値に基づく抽選が実行されたとしても、強制的に抽選結果が外れに設定され)、一方の特別図柄の変動表示の実行中に他方の特別図柄が大当たり図柄で停止表示された場合は変動中の特別図柄が外れ図柄で強制停止されるように制御する構成としている。このため、特に、潜確状態において左打ち遊技によって第1特別図柄の大当たりに当選した場合、当該大当たりを示すための第1特別図柄の変動表示中に右打ちを行って第2特別図柄の抽選を実行させることで、大当たりに当選することなく、高確率で小当たりとなる遊技を実行させることができる。つまり、第1特別図柄の大当たり変動中に、不利な(有利度合いが低い)第2特別図柄の大当たりに当選し、且つ、第1特別図柄の大当たり図柄よりも先に第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示され、有利な第1特別図柄の大当たり変動が外れで強制停止されてしまうことを防止(抑制)することができる。言い換えれば、左打ち遊技によって第1特別図柄の大当たりに当選した場合には、当該第1特別図柄の大当たりが開始されるまでの間(大当たり変動の間)、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で小当たりとなって賞球を獲得する機会を得ることができる有利な状態を形成する。
ここで、従来より、有利な遊技状態において特別図柄の抽選が実行されると、高確率で小当たりに当選し、大当たりに当選しなくても高確率で当選する小当たりに当選し続けることにより、賞球を多量に獲得することができる仕様の遊技機が広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機では、大当たりに当選するまでの抽選回数が多くなる程、より多くの小当たり遊技を実行させることが可能となるため、特別図柄の抽選で大当たりにならないほど(所謂、ハマるほど)、1回の有利な遊技状態においてより多くの賞球を獲得することが可能となる。しかしながら、係る従来型の遊技機では、少ない抽選回数で大当たりに当選するほど、小当たりによる賞球を獲得する機会が少なくなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうという問題点があった。
これに対して本第18実施形態では、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、当該第1特別図柄の大当たり変動が実行されている間、右打ちを行うことにより、高確率で小当たりとなり、且つ、大当たりに当選する可能性が無い(大当たりとなる乱数値(カウンタ値)に基づいて抽選が実行されても外れの抽選結果に書き換えられる)第2特別図柄の抽選を実行させることができる。更に、本第18実施形態では、潜確状態における第1特別図柄の大当たり変動の変動時間として、180秒~300秒のいずれかが設定される一方で、潜確状態における第2特別図柄の変動時間が3秒間に固定化される構成としている。これにより、第1特別図柄の大当たり変動中に継続して右打ちを行い続けることで、最低でも60回(180秒/3秒)、最大で100回(300秒/3秒)の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。つまり、有利な潜確状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始された(特定条件が成立した)後で継続して右打ちを行うだけで、高確率で小当たりに当選する有利な第2特別図柄の抽選(有利遊技)を少なくとも60回(特定回数)実行させることが可能となる。よって、潜確状態において左打ち遊技を行ったことにより第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり自体で賞球を獲得できることに加え、有利な第2特別図柄の抽選を特定回数(60回)以上実行することが可能となったということも遊技者に認識させることができるので、より大きな喜びと満足感とを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第18実施形態におけるパチンコ機10が、第17実施形態におけるパチンコ機10に対して構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第17実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第17実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図399を参照して、本第18実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図399は、本第18実施形態における遊技盤13の正面図である。図399に示した通り、遊技盤13の右側領域に、遊技球が流下(通過)可能な第1流路ry1が設けられており、その第1流路ry1へと流入した遊技球がほぼ確実に通過する位置にスルーゲート67が設けられている。また、スルーゲート67の下流側には、大当たり遊技の実行中に開閉される大入賞口としてのV入賞装置1650が設けられている。このV入賞装置1650の機構は、第17実施形態におけるV入賞装置1650と同一であり、開閉扉1650fが閉鎖されている間は、当該閉鎖されている開閉扉1650fの上面を遊技球が通過可能となる一方で、開閉扉1650fが開放されている間は、到達した遊技球がV入賞装置1650の内部へと誘導される(開口部から落下する)ように構成されている。大当たり遊技の実行中にV入賞装置1650の内部に設けられている特定領域(確変スイッチ1650e3、図示せず)を遊技球が通過した場合に、大当たり終了後の状態が特別図柄の確変状態に設定される一方で、大当たり遊技の実行中に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が1個も通過しなかった場合は、大当たり終了後の状態が特別図柄の低確率状態に設定される。
このV入賞装置1650は、遊技球が入球する毎に15個の賞球が払い出される大入賞口として構成され、大当たりの各ラウンドにおいて、開閉扉1650fが開放された後は、10個以上の遊技球の入球を検出するか、開放から30秒間が経過することにより閉鎖されて当該ラウンドが終了させる。また、V入賞装置1650の内部には、確変スイッチ1650e3を通過可能な流路(特別排出流路1650e2)と、確変スイッチ1650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路1650e1)と、のどちらかへと流下させる(振り分ける)ことが可能な切替部材1650hが設けられており、この切替部材1650hを、大当たり開始を契機として予め定められた特定の(大当たり種別によらない固定の)切替パターンで切り替えるように構成されている。一方で、V入賞装置1650を閉鎖および開放する開閉扉1650fについては、大当たりの各ラウンドにおいて、大当たり種別毎に予め定められている開放タイミングで開放するように構成している。つまり、確変大当たりでは、確変スイッチ1650e3を通過可能な開放タイミング(切替部材1650hが特別排出流路1650e2側に切り替えられている間に遊技球を切替部材1650hへと到達させることが可能な開放タイミング)を開閉扉1650fに設定する一方で、通常大当たりでは、確変スイッチ1650e3を通過困難な開放タイミング(切替部材1650hが通常排出流路1650e1側に切り替えられている間にのみ遊技球を切替部材1650hへと到達させることが可能となる開放タイミング)を開閉扉1650fに設定するように構成することで、確変大当たりと通常大当たりとを実現し、大当たり終了後の遊技状態を決定する構成としている。より具体的には、例えば、切替部材1650hは、大当たりの1ラウンド目の開始から3秒間の間特別排出流路1650e2側へと切り替わった状態となり、残りの期間は通常排出流路1650e1側へと切り替わった状態となるように切替パターンが設定される。そして、確変大当たりの場合は、1ラウンド目の開始直後に開閉扉1650fが開放される開放タイミングが設定される一方で、通常大当たりの場合は、1ラウンド目の開始後3.5秒間が経過した後で開閉扉1650fが開放される開放タイミングが設定される。これにより、通常大当たりにおいて特別排出流路1650e2へと遊技球を流下させることを物理的に抑制することができる。よって、大当たり遊技の実行中に確変スイッチ1650e3を通過するか否かに応じて、有利な特別図柄の確変状態が設定されるか否かを異ならせることができるので、大当たり遊技の実行中における遊技に対する興趣を向上させることができる。
図399に戻って説明を続ける。V入賞装置1650の下流側に形成されている第2流路ry2には、第2入球口640が設けられている。この第2入球口640は、第2経路ry2の球流下面の一部を切り欠くように形成された(正面視上方に向けた)開口部を有しており、遊技球が1個入球する毎に、賞球として1個の球が払い出されるように構成されている。また、遊技球の入球を契機として第2特別図柄の抽選(変動)のトリガとなる始動入賞口の1つとして構成されている。この第2入球口640の開口部は、通常時は第2入球口640に付随して設けられている電動役物640aにより覆われることで閉鎖されている。電動役物640aは、普通図柄の当たりとなった場合に、開口部へと遊技球が入球困難(不可能)な閉鎖状態から、所定期間(0.04秒間)に限り、遊技球が入球可能な開放状態と可変するように制御される。
なお、電動役物640aの上面は、遊技球の流下を遅延させるための遅延手段が設けられており、遊技球が電動役物640aの上面における右端側に到達してから電動役物640aの上面を転動して左端側に到達するまでに1秒を要するように構成している。そして、遊技球の発射間隔は最短で0.6秒間に1個ずつ発射可能に構成されている。つまり、最短の発射間隔(0.6秒間隔)で右打ち遊技を行った場合、1の遊技球が電動役物640aの上面を通過している1秒間の間に、当該通過している遊技球よりも後に発射された少なくとも1の遊技球を電動役物640aへと到達させることができる。言い換えれば、最短の発射間隔で右打ち遊技を行うことにより、電動役物640aが閉鎖されている間は、少なくとも1の遊技球が電動役物640aの上面を通過中の状態とすることができる。よって、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放期間として、0.04秒間という極めて短い期間を設定したとしても、開放時点において電動役物640aの上面を通過中の1以上の遊技球を、確実に開口部へ向けて落下させて第2入球口640へと入球させることができる。
第2流路ry2を通過した(電動役物640aの閉鎖中に電動役物640aを通過した)遊技球は、第2流路ry2の下流側に設けられている第3流路ry3に流入する。この第3流路ry3へと流入した遊技球は、可変入賞装置2650に到達する。この可変入賞装置2650は、特定入賞口2650aと、特定入賞口2650aの開口部を覆うための開閉扉2650fとから構成され、特定入賞口2650aは、第3流路ry3の流下面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、遊技球が1個入球する毎に、賞球として10個の球が払い出されるように構成されている。
この可変入賞装置2650は、特別図柄(第2特別図柄)の抽選において小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技中に開閉扉2650fが所定の開放パターンで開閉制御されることにより、遊技球が入球可能な開放状態を一時的に形成するものである。開閉扉2650fが特定入賞口2650aを閉鎖している閉鎖状態では、第3流路ry3を流下した球は開閉扉2650fの上面を転動することで通過し、アウト口66に向けて流下する。この開閉扉2650fの上面(球通路面)は、遊技球の流下を遅延させるための遅延手段が設けられており、遊技球が開閉扉2650f上を通過するために1秒を要するように構成している。この遅延手段を設けることにより、より小さなスペースで必要な球通過時間を確保することができる。詳細な説明は省略するが本第18実施形態では遅延手段として、摩擦抵抗の高い(第3流路ry3の他の球通路面よりも摩擦抵抗の高い)球通路となるように、開閉扉2650fの上面に球が乗り越え可能な凹凸部を形成している。
なお、遅延手段としては、遊技球が所定区間を通過するための所定時間以上(例えば、1秒間以上)とすることが可能な構成であればよく、例えば、球経路がつづら折り状になる通路を形成したり、球通路面の材質をゴム等の摩擦係数の高い物質によって形成してもよい。
さらに、左打ち遊技(可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)を狙う遊技)によって発射された球が上述した第1流路ry1~第3流路ry3に設けられている各入賞口(入球口)に入球してしまうことを規制するための規制部材(規制手段)として、遊技盤13の下方(第1入球口64の下方、および右方)に釘を植設している。このように構成することで、右打ち遊技と左打ち遊技とで異なる遊技を遊技者に提供することができるため、遊技者に対して飽きの来ない(飽き難い)遊技を提供することができる。
なお、本第18実施形態では、普通図柄の抽選が実行された場合における普通図柄の変動時間として3秒~5秒間の変動時間が設定されるため、最短の発射間隔で連続して右打ちを行い続けたとしても、3秒~5秒間隔で0.04秒間のみ電動役物640aが開放される動作となる。言い換えれば、大当たり以外の状態において右打ちされた遊技球の一部は普通図柄の当たりに基づく電動役物640aの0.04秒間の開放期間の間に第2入球口640へと入球し、残りの遊技球は可変入賞装置2650へと到達する。よって、有利な潜確状態においては、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されると共に、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、電動役物640aの上面を通過して可変入賞装置2650へと到達した遊技球を特定入賞口2650aへと入球させて賞球を獲得することができる。
図399に戻って説明を続ける。図399に示した通り、可変入賞装置80に対して正面視左側の流路(主として左打ちにより発射された遊技球が流下する流路)における上流側に対して魚のマーク910が貼付されていると共に、可変入賞装置80に対して正面視右側の流路(主として右打ちにより発射された遊技球が流下する流路)における上流側に対してカメのマーク911が貼付されている。このように、各流路の上流側に各マークを貼付することで、遊技者に対して、発射された遊技球がいずれの流路に流入したのかを容易に把握させることができる。
次に、図400から図403を参照して、本第18実施形態における特徴的な演出態様について説明する。まず、図400(a)を参照して、本第18実施形態における特徴的な演出態様の1つである遊技方法選択演出の演出態様について説明する。この遊技方法選択演出は、有利な潜確状態における遊技方法を、潜確状態へと移行するよりも前(大当たり終了後に潜確状態へと移行する大当たりのエンディング期間中)に遊技者に対して選択させるための演出である。図400(a)は、この遊技方法選択演出の実行中における表示態様の一例を示した図である。
ここで、本第18実施形態では、上述した通り、潜確状態において右打ち遊技を行った場合と、左打ち遊技を行った場合とでメリットおよびデメリットが異なる遊技性の遊技を提供可能に構成している。即ち、潜確状態において右打ち遊技を行うと、大当たりとなるまでに頻繁に小当たりに当選して持ち球を増加させることができる代わりに、大当たりに当選した場合に獲得可能な賞球数が少なく、且つ、大当たり終了後が不利な通常状態に設定され易くなる遊技性(大当たりに当選しないでハマり続けた方が有利となる遊技性)となる。一方、潜確状態において左打ちを行うと、大当たりとなるまでに比較的多くの持ち球を消費する(不利な通常状態で遊技を行う場合と同程度の持ち球を消費する)代わりに第1特別図柄の大当たりに当選した後は、大当たり変動中に特定回数(60回)以上の第2特別図柄の抽選を実行させて小当たりによる賞球を多量に獲得した上で、大当たりの賞球も獲得できる遊技性(大当たりに早期に当選する方が有利となる遊技性)となる。そこで、本第18実施形態では、潜確状態において右打ち遊技を行うか、左打ち遊技を行うかを選択させるための遊技方法選択演出を、潜確状態が開始されるよりも前に実行する構成としている。これにより、遊技者に対して予め潜確状態における遊技方法を決定させることができるので、潜確状態へと移行した後で、いずれの遊技方法を選べばよいか迷わせてしまうことを抑制することができる。
図400(a)に示した通り、大当たり終了後に潜確状態へと移行する種別の大当たり(潜確大当たり)におけるエンディング期間において遊技方法選択演出が実行されると、主表示領域Dmの上部に対して、「大当たり終了後の遊技方法を決めてね!!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmの下部左側、および下部右側には、それぞれ横長略長方形形状の表示領域HR30、および表示領域HR31が形成される。図400(a)に示した通り、表示領域HR30には、「左打ち遊技」という文字と、「引き強ルート」という文字と、「早引きでチャンス!!」という文字とが表示される。また、これらの文字の下方に実線で示された上向きの矢印を模した矢印画像YG1が表示されると共に、表示領域HR30内の右上部分には、遊技盤13の盤面に貼付されている魚のマーク910を模した画像が表示される。これらの表示内容により、魚のマーク910を狙って左打ち遊技を行う遊技方法を選択した場合、早く大当たりに当選する方が有利になる遊技性になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図400(a)に示した通り、表示領域HR31には、「右打ち遊技」という文字と、「引き弱ルート」という文字と、「ハマるほどチャンス!!」という文字とが表示される。また、これらの文字の下方に破線で示された上向きの矢印を模した矢印画像YG2が表示されると共に、表示領域HR31内の右上部分には、遊技盤13の盤面に貼付されているカメのマーク911を模した画像が表示される。これらの表示内容により、カメのマーク911を狙って右打ち遊技を行う遊技方法を選択した場合、大当たりに当選せずにハマった方が有利になる遊技性になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR30に表示されている矢印画像YG1が実線で表示されているのに対し、表示領域31に表示されている矢印画像YG2が破線で表示されていることから、現在選択されている遊技方法が表示領域HR30の表示内容によって示されている遊技方法(左打ち遊技による遊技方法)であるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図400(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面のうち、副表示領域Dsに対しては、その左端に上側に対して、第1特別図柄の保留球数を示す数字を表示するための表示領域Ds1aが形成され、左端下部に対して、第2特別図柄の保留球数を示す数字を表示するための表示領域Ds1bが形成される。更に、これらの表示領域Ds1a,Ds1bの右側に対して、「PUSHで選択」という文字と、枠ボタン22を模した画像と、が表示される。これらの表示内容により、枠ボタン22を押下する毎に矢印画像YG1,YG2のどちらが実線で表示されるのか(表示領域HR30の表示内容により示されている遊技方法と表示領域HR31の表示内容により示されている遊技方法とのどちらが選択された状態とするのか)を切り替えることができるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。潜確状態に移行した後は、遊技方法選択演出において遊技者が選択した遊技方法に応じて異なる演出態様の演出が実行される。なお、以降は、説明の便宜上、表示領域HR30の表示内容により示されている遊技方法(左打ち遊技)を選択した状態のことを第1選択状態と称し、表示領域HR31の表示内容により示されている遊技方法(右打ち遊技)を選択した状態のことを第2選択状態と称する。
次に、図400(b)を参照して、遊技者が遊技方法選択演出(図400(a)参照)において左打ち遊技(第1の遊技方法)を選択した状態(左打ち遊技)で潜確状態へと移行した場合における第3図柄表示装置81の表示態様について説明する。図400(b)に示した通り、遊技者が第1の遊技方法を選択した状態(第1選択状態)においては、案内表示領域Dm2に対して、魚のマーク910を模した画像と、「を狙ってね!」という文字と、が表示される。つまり、魚のマーク910を狙って遊技球を発射すること(左打ち遊技を行うこと)を促す内容が表示される。これにより、遊技方法選択演出(図400(a)参照)において選択した遊技方法を、案内表示領域Dm2を視認するだけで容易に確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
ここで、案内表示領域Dm2に対して明確に「左打ち」と表示させずに、魚のマーク910を狙って遊技球を発射することを促す表示により間接的に左打ちを勧める表示態様に留めているのは、左打ちを行った場合、少なくとも大当たりに当選するまでの間は右打ちよりも不利になる(持ち球が減る)ため、不利な遊技方法を明確に報知していると認識されることを抑制する趣旨である。
なお、第1選択状態において案内表示領域Dm2に対して明確に「左打ち」と表示させてもよい。このように構成することで、遊技者が自己の選択した遊技方法をより明確に理解することができる。
また、図400(b)に示した通り、主表示領域Dmの右上部分には、横長略長方形形状の2つの表示領域Dm40,Dm41が縦に並べて表示される。上側の表示領域Dm40には、遊技者が選択した遊技方法を示す文字が表示され、下側の表示領域Dm41には、大当たり終了後に実行された特別図柄の抽選回数を示す文字が表示される。図400(b)では、表示領域Dm40に対して、左打ち遊技(第1選択状態)を示す「引き強ルート」という文字が表示され、表示領域Dm41に対して、特別図柄の抽選回数が15回目であることを示す「15回転」という文字が表示された場合を例示している。これらの表示内容により、自己が選択した遊技方法、および選択した遊技方法において実行された特別図柄の抽選回数を容易に確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。なお、表示領域Dm41には、選択されている遊技方法に対応する特別図柄の抽選回数の回数のみが表示されるように構成されている。つまり、第1選択状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選が実行されたとしても、表示領域Dm41の表示内容が更新されないように構成されている。これにより、選択した遊技方法とは異なる遊技方法で遊技を行ってしまったとしても、表示領域Dm41の表示内容が更新されないことにより、遊技方法の誤りを容易に遊技者に気付かせることができる。
また、図400(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央部分の表示領域Ds2には、宝箱を模した宝箱画像852が表示される。第1選択状態においては、この宝箱画像852の中から出てくるものに応じて大当たりの当選可否を報知する構成としている。よって、単に宝箱画像852の中身に注目しておけば大当たりか否かを判別することができるので、遊技者にとって分かり易い遊技性を提供することができる。また、副表示領域Dsにおける中央部分には、「大当たり当選を目指せ」という文字が表示される。これにより、大当たりに当選することを目指して遊技を行えば良いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、副表示領域Dsの右端に表示される表示領域Ds3a,Ds3bにおいて、それぞれ第1特別図柄の変動表示、および第2特別図柄の変動表示が実行されるように構成している。これにより、第1特別図柄の抽選結果および第2特別図柄の抽選結果を容易に確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図401および図402を参照して、第1選択状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり変動が開始された後における演出態様について説明する。ここで、上述した通り、第1選択状態(潜確状態において左打ち遊技を選択した場合)においては、左打ちによって第1特別図柄の大当たりに当選すると、当該第1特別図柄の大当たり変動の実行中に連続して右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させて小当たり遊技を頻繁に実行させることができる。具体的には、潜確状態における第1特別図柄の大当たり変動時間として、180秒~300秒間という長い変動時間が必ず設定される構成とすることで、第1特別図柄の大当たり変動の実行中に最低でも60回程度は第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となるように構成している。第2特別図柄の抽選1回につき99%の割合で小当たりに当選するので、最低の変動時間(180秒間)が設定されたとしても、59回前後の小当たり当選を見込むことができ、最長の変動時間(300秒間)が設定された場合には99回前後の小当たり当選を見込むことができる。よって、大当たりに当選してから実際に大当たりが開始されるまでの間に、59回分~99回分程度の小当たりによる賞球を獲得することができる。本第18実施形態では、小当たり1回あたり特定入賞口2650aに対して平均1.1個の遊技球が入球し、可変入賞装置2650への1の入球に対して15個の賞球が払い出される(付与される)ように構成されているので、大当たりが開始されるまでの間に、980個~1630個の賞球の払い出しを見込むことができる。なお、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動中は、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選することがないため、遊技者が打ち出しを停止しない限り、ほぼ、第1特別図柄の大当たり変動時間に応じた回数(60回~100回)の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。つまり、第1特別図柄の大当たり変動が開始された時点で、大当たり変動が終了するまでの間に最低でも約1000個の賞球の払い出しを受けることが確定するという斬新な遊技性を実現することができる。
更に、本第18実施形態における第1特別図柄の大当たりは、ラウンド数が10ラウンド、または16ラウンドのどちらかしか設けられていない(比較的多いラウンド数の大当たりのみが設けられている)ため、大当たり自体でも大量の賞球の払い出しを受けることができる。具体的には、10ラウンドの大当たりで1500個、16ラウンドの大当たりで2400個の賞球の払い出しを受けることができるので、大当たり変動の開始から大当たり終了までの間に、小当たりと大当たりの賞球の合計で、最低でも2480個前後、最大で4030個前後の賞球の払い出しを受けることができる。よって、潜確状態において1回第1特別図柄の大当たりに当選するだけで、大量の払い出しを受けることができるので、第1選択状態において第1特別図柄の大当たりに当選した場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図401(a)は、第1選択状態(潜確状態において遊技者が左打ち遊技を選択した場合)において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した際の表示態様(ストックRUSH突入演出)の一例を示した図である。図401(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり変動の開始と共に、案内表示領域Dm2の表示内容が「右打ち」という文字に切り替えられる。また、主表示領域Dmに対して、「ストックRUSH突入!!」という文字が表示されると共に、宝箱画像852の中から大当たり変動が開始され、最低でも2400個の払い出しを受ける権利を得た(ストックした)ことを遊技者に報知するための結果表示態様852aが出現する演出が実行される。このストック表示852aは、図401(a)に示した通り、「ストック2400」という文字が付されている。更に、副表示領域Dsの表示領域Ds2に対して、「右打ち開始!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり変動が開始され、右打ちを行うだけで2400個の賞球の払い出しを受けることができる状態に移行したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。ここで、本第18実施形態では、大当たりの変動時間と、大当たりのラウンド数とに応じて、1の第1特別図柄の大当たり当選に基づいて2480個~4030個の賞球の払い出しを受けることができるが、ストックRUSH突入演出では、一律「ストック2400」という文字が付された結果表示態様852aを表示させるように構成している。つまり、実際の払い出しよりも少なめの払い出し個数を示唆する文字を表示させる構成としている。そして、2400個よりも多い払い出しを受けることが可能な変動時間の大当たり変動若しくはラウンド数の大当たりである場合は、所定の契機で、大当たり終了までに払い出される賞球数の最低保証数の表示を増加させるように構成されている。これにより、2480個前後しか払い出しを受けることができない変動時間およびラウンド数の組み合わせだったとしても、より多くの払い出し個数が報知されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図401(a)に示した通り、表示領域Dm41の直下に、大当たり当選までの変動回数に応じたコメントを表示するための横長略長方形形状の表示領域Dm42が形成される。この表示領域Dm42に表示されるコメントは、大当たり当選までの変動回数(第1特別図柄の抽選回数)が少ないほど遊技者を称える内容に設定される一方で、大当たり当選までの変動回数が多い程、遊技者に対して残念感を抱かせ易い内容が設定される。図401(a)の例では、比較的早い段階(大当たり終了後、20回目の第1特別図柄の抽選)で大当たりに当選したことを称える内容のコメントとして、「よくできました」というコメントが表示されている場合を例示している。
なお、当選までの変動回数が多いか少ないかの判断は、潜確状態(特別図柄の高確率状態)における大当たり確率(大当たりに当選するまでの平均の抽選回数)に応じて行っている。本第18実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり確率を1/100(低確率状態では1/200)に設定しているため、大当たりに当選するまでの平均の抽選回数は100回である。更に、本第18実施形態では、第1選択状態において平均の抽選回数(100回)で第1特別図柄の大当たりに当選した場合と、第2選択状態において平均の抽選回数で第2特別図柄の大当たりに当選した場合とで、潜確状態が開始されてから通常状態に移行するまでの間に増加させることができる持ち球の個数(払い出された賞球数から発射された遊技球の個数を差し引いた遊技球の純増数)が同等(例えば、純増数の差分が1割以下)となるように構成している。このため、大当たりまでの抽選回数が100回よりも多くなると、第1選択状態(左打ち遊技)よりも第2選択状態(右打ち遊技)の方が遊技球の純増数が多くなり易くなり(有利となり易くなり)、大当たりまでの抽選回数が100回よりも少なくなると、第2選択状態よりも第1選択状態の方が遊技球の純増数が多くなり易くなる(有利となり易くなる)。第1選択状態では、第1特別図柄の大当たりに当選するまでは、特別図柄の抽選が1回実行されるまでに平均で約16個の持ち球を消費する一方で、第2選択状態では、特別図柄の抽選が1回実行される毎に平均で約15個ずつ持ち球を増加させることができるためである。
これらの実情を勘案して、本第18実施形態では、第1特別図柄の大当たりに当選した抽選回数が平均(100回)前後(75回~125回)であれば平均的な運の良さ(所謂、「引き」(ヒキ)が平均的)であると判断し、表示領域Dm42に対して「可も無く不可も無く」というコメントを表示させる。また、平均よりやや少なければ(大当たりまでの抽選回数が50回~74回であれば)比較的運が良い(引きが強い)と判断し、表示領域Dm42に対して「まあまあ」というコメントを表示させ、平均の半分未満であれば(大当たりまでの抽選回数が10回~49回であれば)非常に運が良い(引きが強い)と判断し、表示領域Dm42に対して「よくできました」というコメントを表示させ、9回以内という極めて少ない抽選回数で大当たりに当選した場合は、極めて運が良い(引きが強い)と判断し、表示領域Dm42に対して「素晴らしい」というコメントを表示させる。
一方、第1特別図柄の大当たりに当選した抽選回数が平均よりやや多ければ(大当たりまでの抽選回数が126回~150回であれば)、若干運が悪い(引きが悪い)と判断して、表示領域Dm42に対して「次は頑張ろう」というコメントを表示させ、平均の抽選回数の1.5倍を上回った場合(大当たりまでの抽選回数が151回~200回の場合)は、かなり運が悪い(引きが悪い)と判断して、表示領域Dm42に対して「残念!!」というコメントを表示させ、平均の抽選回数の2倍以上の場合(大当たりまでの抽選回数が200回を上回った場合)は、極めて運が悪い(引きが悪い)と判断して、表示領域Dm42に対して「次は引き弱ルートの方がいいかも・・・?」というコメントを表示させる。
このように、第1特別図柄の大当たりに当選した際の抽選回数に応じて表示領域Dm42に表示させるコメントを可変させることにより、遊技者がどの程度の運の良さであるのかをコメントから推測することができるので、次回以降の潜確状態において、第1選択状態(左打ち遊技)を選択するのか、第2選択状態(右打ち遊技)を選択するのかの判断要素の1つとして用いることができる。つまり、遊技方法選択演出(図400(a)参照)において、前回の潜確状態での大当たり当選時に表示領域Dm42に表示されたコメントを加味して、遊技方法を選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第18実施形態では、表示領域Dm42に対して、大当たり当選時の抽選回数に応じたコメントを表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1選択状態において大当たりに当選しないまま所定の抽選回数(例えば、100回や150回)に到達した場合に、持ち球を消費しすぎていると判断して、右打ちにより持ち球を増加させること(遊技方法を変更すること)を勧める(示唆する)コメントを表示させるように構成してもよい。具体的には、例えば、「右打ちすれば持ち球を補充できるよ!」というコメントを表示させてもよい。このように構成することで、潜確状態に移行する時点で遊技者が所持している持ち球を、第1選択状態において大当たりに当選できないまま全て消費してしまうことを抑制することができる。よって、有利な潜確状態において持ち球が尽きてしまい、有利な状態と分かっていながら遊技を辞めざるを得ない状況が発生してしまうことを抑制することができる。なお、右打ちを勧める(示唆する)コメントを表示させるタイミングはこれに限られるものではない。例えば、上皿17に貯留されている遊技球の個数を検出(判別)可能に構成し、所定数以下になった場合にコメントを表示させてもよい。また、潜確状態において最初に球貸しボタン42が操作(押下)された(即ち、潜確状態に移行する前の大当たりによる賞球を使い尽くした可能性が高い)ことを検出した場合にコメントを表示させてもよいし、度数表示部41に表示される度数(残額情報)が0になったことを検出した場合にコメントを表示させてもよい。これにより、潜確状態において持ち球を完全に使い尽くしてしまい、遊技を続行することが不可能となってしまうことを抑制することができる。
次に、図401(b)を参照して、大当たり変動の実行中に実行されるストックRUSH演出の演出態様について説明する。図401(b)は、ストックRUSH演出の実行中における表示態様の一例を示した図である。図401(b)に示した通り、ストックRUSH演出の実行中は、主表示領域Dmにおいて、連なって並べられた宝箱画像852を第2特別図柄の変動表示が実行される毎に1つ1つ開けようとする演出が実行される。より具体的には、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、小当たり遊技中に可変入賞装置2650への入球を検出すると(即ち、15個の賞球を払い出す条件(契機)が成立した場合に)、宝箱画像852の中から「+15」という文字が付された結果表示態様852aが出現する演出が実行される。これにより、小当たりの賞球払い出しに同期して演出が実行されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図401(b)に示した通り、表示領域Dm40の下方には、横長略長方形形状の表示領域Dm43が形成される。この表示領域Dm43には、現状既に獲得済みの賞球数の表示と、大当たりが終了するまでの間に獲得できる賞球数の下限値(払い出し個数の最低保証数)を示す表示と、がそれぞれ左上および右下に表示される。図401(b)では、現状既に獲得済みの賞球数として15個に対応する「15pt」という文字が表示され、大当たりが終了するまでの間の払い出し個数の最低保証数として2400個に対応する「2400pt」という文字が表示されている状態を例示している。これらの表示内容により、残りどれだけの払い出しを受けることができるのかを容易に確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図402を参照して、ストックRUSH演出において実行される上乗せ演出について説明する。図402は、上乗せ演出が実行された場合における表示態様の一例を示した図である。ここで、上述した通り、本第18実施形態では、ストックRUSHの開始時(第1特別図柄の大当たり変動の開始時)において、変動時間(実行可能な第2特別図柄の変動回数)や変動終了後に実行される大当たりのラウンド数によらず、一律2400個の最低保証数を一旦報知する構成としている。このため、2400個よりも多い個数の賞球の払い出しを受けることが可能な場合は、予め定められている所定契機で、最低保証数の表示を更新する(300ptや600ptを加算する)上乗せ演出を実行することにより、大当たりが終了するまでの間に実際の払い出し個数に即した最低保証数に近づけていく構成としている。より具体的には、第1特別図柄の大当たり変動中における賞球の払い出し個数が特定個数(例えば、900個や1200個)となった時点で、この上乗せ演出を実行可能に構成している。
図402に示した通り、上乗せ演出が発生すると、主表示領域Dmにおいて、宝箱画像852の中から、上乗せされる最低保証数(pt数)を示す文字が付された結果表示態様852aが出現する演出が実行される。図402の例では、「+600pt」という文字が付された結果表示態様852aが出現した場合を例示している。更に、図402に示した通り、副表示領域Dsの中央部分に対して、「保証UP!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり終了までに獲得可能な賞球数の最低ライン(最低保証数)が多くなったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図403を参照して、第2選択状態における演出態様について説明する。第2選択状態では、第1選択状態におけるストックRUSH中の演出態様(図401(b)参照)と類似した演出が実行される。具体的には、図403(a)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、「RUSH中」という文字が表示されると共に、第2特別図柄の変動表示毎に1の宝箱画像852を開けようとする演出が実行される。
一方、図403(a)に示した通り、本第18実施形態における第2選択状態では、案内表示領域Dm2に対して、カメのマーク911を模した画像と、「を狙ってね!」という文字とが表示される。つまり、カメのマーク911を狙って遊技球を発射すること(右打ち遊技を行うこと)を促す内容が表示される。これにより、遊技方法選択演出(図400(a)参照)において選択した遊技方法を、案内表示領域Dm2を視認するだけで容易に確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
ここで、案内表示領域Dm2に対して明確に「右打ち」と表示させずに、カメのマーク911を狙って遊技球を発射することを促す表示により間接的に右打ちを勧める表示態様に留めているのは、右打ちを行った場合、大当たりに早期に当選してしまうと遊技者に不利となってしまう(獲得できる賞球数が減ってしまう)ため、不利な遊技方法を明確に報知していると認識されることを抑制する趣旨である。
なお、第1選択状態において案内表示領域Dm2に対して明確に「右打ち」と表示させてもよい。このように構成することで、遊技者が自己の選択した遊技方法をより明確に理解することができる。
また、図403(a)に示した通り、表示領域Dm40には、第2選択状態を示す「引き弱ルート」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsの中央部分には、「外れを引き続けろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりにならない方が有利になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図403(b)は、第2選択状態において大当たりに当選した場合の表示態様を示した図である。図403(b)に示した通り、第2選択状態において大当たりに当選すると、宝箱画像852から、「×」の記号が付された結果表示態様852aが出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsの中央部分に、「終了!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の大当たりに当選して小当たり遊技が頻繁に実行される状態が途切れてしまったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、第2特別図柄の大当たりは、第2特別図柄の大当たりに比較して潜確大当たりの割合が低い(40%の割合に設定されている)ため、不利な通常状態が設定されてしまう可能性があるということも遊技者に対して理解させることができる。
また、図403(b)に示した通り、表示領域Dm42に対して、大当たり当選までの変動回数に応じたコメントが表示される。この表示領域Dm42に表示されるコメントは、大当たり当選までの変動回数(第2特別図柄の抽選回数)が多いほど遊技者を称える内容に設定される一方で、大当たり当選までの変動回数が少ない程、遊技者に対して残念感を抱かせ易い内容が設定される。図403(b)の例では、比較的早い段階(大当たり終了後、19回目の第2特別図柄の抽選)で大当たりに当選してしまい、遊技者にとって比較的残念な結果に終わってしまったことを示す「残念!!」というコメントが表示されている場合を例示している。
なお、当選までの変動回数と、表示領域Dm42に対して表示されるコメントとの対応関係は、第1選択状態と逆の対応関係となっている。上述した通り、大当たりまでの抽選回数が100回よりも多くなると、第1選択状態(左打ち遊技)よりも第2選択状態(右打ち遊技)の方が遊技球の純増数が多くなり易くなり(有利となり易くなり)、大当たりまでの抽選回数が100回よりも少なくなると、第2選択状態よりも第1選択状態の方が遊技球の純増数が多くなり易くなる(有利となり易くなる)ように構成されているためである。具体的には、大当たりに当選した抽選回数が平均(100回)前後(75回~125回)であれば、表示領域Dm42に対して「可も無く不可も無く」というコメントを表示させ、平均よりやや少なければ(大当たりまでの抽選回数が50回~74回であれば)、表示領域Dm42に対して「次は頑張ろう」というコメントを表示させ、平均の半分未満であれば(大当たりまでの抽選回数が10回~49回であれば)、表示領域Dm42に対して「残念!!」というコメントを表示させ、9回以内という極めて少ない抽選回数で大当たりに当選した場合は、表示領域Dm42に対して「次は引き弱ルートの方がいいかも・・・?」というコメントを表示させる。
一方、第1特別図柄の大当たりに当選した抽選回数が平均よりやや多ければ(大当たりまでの抽選回数が126回~150回であれば)、表示領域Dm42に対して「まあまあ」というコメントを表示させ、平均の抽選回数の1.5倍を上回った場合(大当たりまでの抽選回数が151回~200回の場合)は、表示領域Dm42に対して「よくできました」というコメントを表示させ、平均の抽選回数の2倍以上の場合(大当たりまでの抽選回数が200回を上回った場合)は、表示領域Dm42に対して「素晴らしい」というコメントを表示させる。
このように、第2特別図柄の大当たりに当選した際の抽選回数に応じて表示領域Dm42に表示させるコメントを可変させることにより、遊技者がどの程度の運の良さ(引きの弱さ)であるのかをコメントから推測することができるので、次回以降の潜確状態において、第1選択状態(左打ち遊技)を選択するのか、第2選択状態(右打ち遊技)を選択するのかの判断要素の1つとして用いることができる。つまり、遊技方法選択演出(図400(a)参照)において、前回の潜確状態での大当たり当選時に表示領域Dm42に表示されたコメントを加味して、遊技方法を選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第18実施形態における電気的構成>
次に、図404、および図405を参照して、本第18実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第18実施形態におけるROM202の構成は、第17実施形態におけるROM202の構成(図364(a)参照)に対して、第1当たり乱数17テーブル202naに代えて第1当たり乱数18テーブル202oaが設けられている点、第1当たり種別選択17テーブル202nbに代えて第1当たり種別選択18テーブル202obが設けられている点、変動パターン17テーブル202ndに代えて変動パターン18テーブル202noが設けられている点、当たり動作17テーブル202ngに代えて当たり動作18テーブル202ogが設けられている点である。その他の構成については、上述した第17実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
まず、図404(a)を参照して、本第18実施形態における第1当たり乱数18テーブル202oaの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第18実施形態における第1当たり乱数18テーブル202oaは、第1特別図柄の抽選(当否判定)を行う際に参照される特別図柄1乱数18テーブル202oa1と、第2特別図柄の抽選(当否判定)を行う際に参照される特別図柄2乱数18テーブル202oa2と、で少なくとも構成されている。このうち、特別図柄1乱数18テーブル202oa1の規定内容は、上述した第17実施形態における特別図柄1乱数17テーブル202na1(図364(b)参照)の規定内容と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図404(a)は、本第18実施形態における特別図柄2乱数18テーブル202oa2の規定内容を示した図である。図404(a)に示した通り、この特別図柄2乱数18テーブル202oa2には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲)として、「0~4」の5個の判定値が対応付けて規定されている。また、特別図柄の高確率状態における大当たり判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲)として、「0~9」の10個の判定値が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の低確率状態において第2特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は1/200(5/1000)であり、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される確率は1/100(10/1000)である。
更に、図404(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される判定値(カウンタ値)として、特別図柄の状態(低確率状態であるか、高確率状態であるか)によらず、「10~998」の989個の判定値が対応付けて規定されている。よって、第2特別図柄の抽選が実行された場合に小当たりと判定される確率は989/1000(約99%)である。
このように、本第18実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、ほぼ(約99%の割合で)、小当たりに当選するように構成している。これにより、潜確状態において右打ちを行った場合に、ほぼ、抽選が実行される毎に小当たりに当選して賞球を獲得する機会を与えることができるので、潜確状態へと移行した場合における遊技者の興趣を向上させることができる。
次に、図404(b)を参照して、本第18実施形態における第1当たり種別選択18テーブル202obの詳細について説明する。図404(b)は、本第18実施形態における第1当たり種別選択18テーブル202obの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択18テーブル202obは、第17実施形態における第1当たり種別選択17テーブル202nbと同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。
図404(b)に示した通り、本第18実施形態における第1当たり種別選択18テーブル202obには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA18」~「大当たりD18」の4つの大当たり種別のそれぞれに対して、第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けて規定されている。より具体的には、図404(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA18」が対応付けて規定されている。この「大当たりA18」は、ラウンド数が全ての大当たり種別の中で最も多い16ラウンドに設定され、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利な潜確状態に設定される大当たり種別である。よって、「大当たりA18」は、ラウンド数(獲得可能な賞球数)の面でも、大当たり終了後の遊技状態の面でも遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る0~99の100個の乱数値のうち、「大当たりA18」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~19」の20個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA18」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、図404(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~64」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB18」が対応付けて規定されている。この「大当たりB18」は、ラウンド数が10ラウンドに設定され、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利な潜確状態に設定される大当たり種別である。よって、「大当たりB18」は、ラウンド数の面では「大当たりA18」よりも劣るものの、大当たり終了後の遊技状態の面では遊技者にとって有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る0~99の100個の乱数値のうち、「大当たりB18」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「20~64」の45個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB18」が決定される割合は45%(45/100)である。
また、図404(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC18」が対応付けて規定されている。この「大当たりC18」は、ラウンド数が16ラウンドに設定され、且つ、大当たり終了後の遊技状態が不利な通常状態に設定される大当たり種別である。よって、「大当たりC18」は、ラウンド数(獲得可能な賞球数)の面では最も有利となるものの、大当たり終了後の遊技状態の面では遊技者に不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る0~99の100個の乱数値のうち、「大当たりC18」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「65~89」の25個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC18」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、図404(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD18」が対応付けて規定されている。この「大当たりD18」は、ラウンド数が10ラウンドに設定され、且つ、大当たり終了後の遊技状態が不利な通常状態に設定される大当たり種別である。よって、「大当たりD18」は、ラウンド数の面でも、大当たり終了後の遊技状態の面でも、第1特別図柄の大当たりの中で最も不利となる大当たり種別である。なお、第2特別図柄の大当たりは一律でラウンド数が5ラウンドに設定されるため、第2特別図柄の大当たりよりは賞球数の面で有利となる。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る0~99の100個の乱数値のうち、「大当たりD18」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「90~99」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD18」が決定される割合は10%(10/100)である。
一方で、図404(b)に示した通り、本第18実施形態における第1当たり種別選択18テーブル202obには、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりE18」、および「大当たりF18」の2つの大当たり種別のそれぞれに対して、第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けて規定されている。より具体的には、図404(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE18」が対応付けて規定されている。この「大当たりE18」は、ラウンド数が全ての大当たり種別の中で最も少ない5ラウンドに設定され、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利な潜確状態に設定される大当たり種別である。よって、「大当たりE18」は、ラウンド数(獲得可能な賞球数)の面では遊技者にとって最も不利となるが、大当たり終了後の遊技状態の面では遊技者にとって有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る0~99の100個の乱数値のうち、「大当たりE18」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~39」の40個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE18」が決定される割合は40%(40/100)である。
また、図404(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「40~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF18」が対応付けて規定されている。この「大当たりF18」は、ラウンド数が全ての大当たり種別の中で最も少ない5ラウンドに設定され、且つ、大当たり終了後の遊技状態が不利な通常状態に設定される大当たり種別である。よって、「大当たりF18」は、ラウンド数(獲得可能な賞球数)の面でも、大当たり終了後の遊技状態の面でも、遊技者にとって最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る0~99の100個の乱数値のうち、「大当たりF18」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「40~99」の60個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF18」が決定される割合は60%(60/100)である。
このように、本第18実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、ラウンド数として10ラウンド若しくは16ラウンドが設定される上に、有利な潜確状態が設定される割合も65%と比較的高くなる一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、ラウンド数が5ラウンドになる上に、潜確状態の割合も比較的低い40%となるため、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合の方が、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも有利になり易いと言える。
次に、図404(c)を参照して、本第18実施形態における当たり動作18テーブル202ogの詳細について説明する。この当たり動作18テーブル202ogは、大当たり遊技中の動作を大当たり種別毎に設定するために参照されるデータテーブルである。図404(c)は、この当たり動作18テーブル202ogの規定内容を示した図である。
図404(c)に示した通り、当たり種別として、潜確大当たりである「大当たりA18」、「大当たりB18」、および「大当たりE18」に対しては、オープニング期間が4秒間で、大当たりの毎ラウンドにおいてV入賞装置1650が開放される当たり動作が対応付けて規定されている。また、1ラウンド目において、V入賞装置1650の開閉扉1650fが遅延期間なく即座に開放される開放パターンが設定される。切替部材1650hは、上述した通り、1ラウンド目の開始と共に特別排出流路1650e2側へと3秒間切り替わり、残りの期間は通常排出流路1650e1側へと切り替わった状態となるように切替パターンが設定される。よって、1ラウンド目の開始と共に開閉扉1650fを開放することにより、特別排出流路1650e2側へと遊技球を流下させることができる期間において遊技球を切替部材1650hへと到達させて、確変スイッチ1650e3を容易に通過させることができる。
これに対し、当たり種別として「大当たりC18」、「大当たりD18」、および「大当たりF18」(通常大当たり)に対しては、オープニング期間が0.5秒間で、大当たりの毎ラウンドにおいてV入賞装置1650が開放される当たり動作が対応付けて規定されている。また、1ラウンド目において、V入賞装置1650の開閉扉1650fが3.5秒間の遅延期間を経て開放される開放パターンが設定される。つまり、切替部材1650hが通常排出流路1650e1側へと切り替わった後で開閉扉1650fを開放する開放パターンが設定される。これにより、通常大当たりとなった場合に特別排出流路1650e2へと遊技球が振り分けられて確変スイッチ1650e3を通過することを抑制することができる。
なお、大当たりが開始されてから最初に開閉扉1650fが開放されるまでの期間を、大当たり種別によらず4秒間に固定化する構成としている。つまり、確変大当たりの場合は、オープニング期間である4秒間が経過した時点で開閉扉1650fが開放される一方で、通常大当たりについても、オープニング期間である0.5秒間、および遅延期間である3.5秒間が経過した時点(4秒が経過した時点)で開閉扉1650fが開放されるように構成している。これにより、開閉扉1650fの開閉動作から確変大当たりであるか否かを見抜くことを困難にすることができるので、通常大当たりに当選していたとしても、確変大当たりであることに対する期待感をより長く抱かせ続けることができる。
また、図404(c)に示した通り、小当たりにおいては、0.5秒間の小当たりオープニング期間を経て、可変入賞装置2650が開放される開放動作が設定される。
次に、図405を参照して、本第18実施形態における変動パターン18テーブル202odの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第18実施形態における変動パターン18テーブル202odは、通常状態において変動パターンを選択するために参照される通常用18テーブル202od1と、潜確状態において変動パターンを選択するために参照される潜確用18テーブル202od2と、の2種類のデータテーブルで少なくとも構成されている。まず、図405(a)を参照して、本第18実施形態における通常用18テーブル202od1の詳細について説明する。
図405(a)は、本第18実施形態における通常用18テーブル202od1の規定内容を示した図である。この通常用18テーブル202od1のうち、第1特別図柄(特図1)の各変動パターン種別と変動種別カウンタCS1の値の範囲との対応関係については、上述した第17実施形態(および第4実施形態)における通常用変動パターンテーブル202cd1(図132参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
一方、本第18実施形態における通常用18テーブル202od1のうち、第2特別図柄の変動パターンとしては、抽選結果が外れ(小当たり含む)の場合、変動種別カウンタCS1が取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲(0~198)に対して、変動パターンとして、変動時間が600秒の外れロング変動が対応付けて規定されている。よって、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を行った場合に、600秒に1回しか特別図柄の抽選が実行されないため、遊技効率を極めて悪化させることができる。よって、小当たりの賞球を得ようとする等の目的により、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図405(a)に示した通り、第2特別図柄の大当たり変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が3秒間の当たりショート変動が対応付けて規定されている。大当たりの変動時間を3秒間という比較的短い時間にしているのは、本第18実施形態では、一方の特別図柄の大当たり変動の間、他方の特別図柄の抽選で大当たりにならないように規制(制限)する制御を採用しているためである。即ち、通常状態における第2特別図柄の大当たり変動を、外れ変動と同様に600秒にしてしまうと、発射方向を誤った等により悪意なく通常状態において一時的に右打ちを行ってしまい、第2特別図柄の抽選が実行されて大当たりに当選してしまった場合、600秒間という長い期間、第1特別図柄の抽選を実行させても大当たりにならない極めて不利な状況を形成することとなる。しかも、第2特別図柄の大当たりは、第2特別図柄の大当たりよりも不利になり易い(不利な通常状態が設定され易い)ため、遊技者にとって過剰に不利となってしまう虞がある。そこで、本第18実施形態では、通常状態において第2特別図柄の大当たりに当選してしまった場合、3秒間という短い変動時間を設定することで、第1特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりになり得ない不利な期間を最低限に抑える構成としている。これにより、遊技者にとって過剰に不利となることを抑制することができる。
次に、図405(b)を参照して、本第18実施形態における潜確用18テーブル202od2の詳細について説明する。図405(b)は、この潜確用18テーブル202od2の規定内容を示した図である。図405(b)に示した通り、潜確状態においては、第1特別図柄の外れに対して、変動種別カウンタCS1が取り得る値の全範囲に対して、変動時間が0.5秒間の外れ潜確用変動が対応付けて規定されている。よって、第1特別図柄の抽選が実行されても、外れの場合は極めて短い変動時間(0.5秒)が設定されるため、基本的に潜確状態中に第1特別図柄の保留球が貯まることはない。
ここで、仮に、第1特別図柄の外れ変動として長い変動時間(例えば、30秒や60秒等)が選択され得るように構成した場合、長い外れ変動の間に第1特別図柄の保留が貯まり、その中に当たり保留が含まれるという事象が発生し得る。この状況において、外れの長時間の変動の間、手持ちぶさたとなった遊技者が、右打ちにより小当たりの賞球を獲得しようと思い立って右打ちを行う可能性がある。この場合に第2特別図柄の抽選で大当たりになってしまい、且つ、先に第2特別図柄の大当たり変動が実行されてその大当たり変動の実行中に当たりの第1特別図柄の保留球に基づく抽選が実行されると、強制的に外れの抽選結果に書き換えられてしまう(第1特別図柄の当たりが無効となってしまう)。よって、遊技者にとって大幅な損になってしまう。これを防止するために、本第18実施形態では、第1特別図柄の保留がほぼ貯まらない変動時間を設定する構成とし、第1特別図柄の大当たりが無効となってしまうことを抑制している。
また、そもそも、本第18実施形態では、第1選択状態において第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり変動の開始と同時にストックRUSH突入を報知して遊技者にすぐに右打ちを開始させるように構成している。言い換えれば、潜確状態においては変動開始時にストックRUSH突入が報知されなかった時点で、外れ変動であることが確定する仕様となっている。このため、変動開始直後に遊技者に外れを確信させたにもかかわらず、無駄に長い時間第1特別図柄が変動されてしまい、次の第1特別図柄の抽選を早期に実行させたいと考える遊技者をいらいらさせてしまうことを抑制するべく、第1特別図柄の外れの変動時間を極めて短い0.5秒間にしている。これにより、第1選択状態を選択した遊技者がストレスを抱き難くすることができる。
図405(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が180秒の当たり潜確用変動1が対応付けて規定され、「100~169」の範囲に対して、変動時間が240秒の当たり潜確用変動2が対応付けて規定され、「170~198」の範囲に対して、変動時間が300秒の当たり潜確用変動3が対応付けて規定されている。このため、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、約50%の割合で180秒間の変動時間が設定され、約35%の割合で240秒間の変動時間が設定され、約15%の割合で300秒間の変動時間が設定される。
更に、図405(b)に示した通り、潜確状態における第2特別図柄の変動時間としては、抽選結果および変動種別カウンタCS1の値によらず、一律で3秒間の変動パターン(外れショート変動、もしくは当たりショート変動)が設定されるように構成している。このため、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなって180秒間の変動時間が設定された場合には、約60回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。また、240秒間の変動時間が設定された場合には、約80回の第2特別図柄の抽選を実行させることができ、300秒間の変動時間が設定された場合には、約100回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。つまり、有利な潜確状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始された(特定条件が成立した)後で継続して右打ちを行うだけで、高確率(約99%の割合)で小当たりに当選する有利な第2特別図柄の抽選(有利遊技)を少なくとも60回(特定回数)、最大で100回実行させることが可能となる。よって、潜確状態において左打ち遊技を行ったことにより第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり自体で賞球を獲得できることに加え、有利な第2特別図柄の抽選を特定回数(60回)以上実行して特定回数に近い回数の小当たりによる賞球を獲得することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、本第18実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。ここで、本第18実施形態におけるROM222は、上述した第17実施形態(および第16実施形態)におけるROM222の構成(図342(a)参照)に対して、ストックRUSHの間に実行される上乗せ演出の上乗せptを選択するために参照される上乗せpt選択テーブル222oaが追加されている点でのみ相違する。この上乗せpt選択テーブル222oaの詳細について、図406(a)を参照して説明する。
図406(a)は、上乗せpt選択テーブル222oaの規定内容を示した図である。図406(a)に示した通り、上乗せpt選択テーブル222oaには、大当たり種別と、大当たり変動の変動時間との組み合わせ毎に、上乗せpt数が対応付けて規定されている。ここで、本第18実施形態では、ストックRUSHに突入してから(即ち、第1特別図柄の大当たり変動が開始されてから)当該大当たり変動が終了して大当たりが開始されるまでの間に所定契機が成立する毎にこの上乗せpt選択テーブル222oaを参照して上乗せ演出の実行可否を判定する構成としている。より具体的には、小当たりによる賞球の払い出しが1200個以上(賞球カウンタ223oaの値が1200以上)の範囲にある場合に、賞球の払い出し個数が300の倍数となる(賞球カウンタ223oaの値が300の倍数となる)毎に、この上乗せpt選択テーブル222oaを参照して上乗せptを決定する構成としている。
図406(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりA18,C18のいずれか(16ラウンド大当たり)であって、大当たり変動の変動時間が180秒間、または240秒間である場合は、賞球カウンタ223oaの値(払い出し個数)「1200」、および「1500」に対して、上乗せptとして「+600pt」が対応付けて規定されている。また、賞球カウンタ223oaの値が「1500」以降に関しては、賞球カウンタ223oaの値が300増加する毎に、上乗せptとして「+300pt」が対応付けて規定されている。よって、大当たりA18や大当たりC18に当選し、180秒若しくは240秒の大当たり変動が実行された場合には、大当たり変動中に賞球の払い出しが1200個となった時点で「+600pt」の上乗せ演出が実行される(最低保証数が2400ptから3000ptに増加する)。大当たりA18やC18(16ラウンド大当たり)では、大当たりの賞球のみで2400個の払い出しを受けることができるので、ストックRUSH突入時に表示される最低保証数である2400ptに600ptを上乗せしたところで、現状までに払い出されている賞球数(1200個)と、大当たりによる賞球(2400個)との合計(3600個)を上回ることはない。よって、大当たり終了時における払い出し個数の表示が最低保証数の表示を下回らない範囲で上乗せ演出を実行することができる。また、払い出し個数が1500個になった時点で「+600pt」の上乗せ演出が実行され(最低保証数が3000ptから3600ptに増加し)、払い出し個数が1800個になった時点で「+300pt」の上乗せ演出が実行される(最低保証数が3600ptから3900ptに増加する)。この場合も、実際に払い出される個数よりも少ない最低保証数を報知することになるので、大当たり終了までの払い出し個数が最低保証数を下回ることを抑制することができる。
なお、180秒の変動時間では最大で60回、240秒の変動時間では最大で80回の第2特別図柄の抽選を実行することができる。このうち、小当たりに当選する割合は約99%であるので、180秒の変動時間では平均59回、240秒の変動時間では平均79回の小当たり遊技を実行させることができる。そして、上述した通り、1の小当たり遊技において可変入賞装置2650に対する平均の入賞個数は1.1個であるため、1回の小当たり遊技において払い出される賞球数は平均16.5個(15個×1.1)となる。よって、180秒の変動時間では、払い出し個数の平均が約980個、240秒の変動時間では払い出し個数の平均が約1300個となる。つまり、180秒間の変動時間の間に1200個以上の払い出しを達成するには、平均値(1.1個)以上に可変入賞装置2650へと遊技球を入球させる必要がある(小当たり1回あたり1.4個程度)。また、240秒間の変動時間の間に1500個以上の払い出しを達成するにも、平均値(1.1個)以上に可変入賞装置2650へと遊技球を入球させる必要がある(小当たり1回あたり1.3個程度)。よって、上乗せ演出が実行された場合に、平均よりも多くの個数の遊技球を可変入賞装置2650へと入球させることができた可能性があるということを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図406(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりA18,C18のいずれか(16ラウンド大当たり)であって、大当たり変動の変動時間が300秒間である場合は、賞球カウンタ223oaの値(払い出し個数)「1200」以上の範囲に対して、上乗せptとして一律「+300pt」が対応付けて規定されている。よって、大当たりA18や大当たりC18に当選し、300秒の大当たり変動が実行された場合には、大当たり変動中に賞球の払い出しが1200個以上、且つ、300の倍数となる毎に、「+300pt」の上乗せ演出が実行される(最低保証数が300ptずつ増加する)。上述した通り、大当たりA18やC18(16ラウンド大当たり)では、大当たりの賞球のみで2400個の払い出しを受けることができるので、大当たり開始前の払い出し個数が1200個以上の範囲において払い出しが300個増加する毎に300ptを上乗せしたところで、大当たり終了時における払い出し個数の表示が最低保証数の表示を下回ることはない。よって、上乗せ演出を好適に実行することができる。
また、図406(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりB18,D18のいずれか(10ラウンド大当たり)であって、大当たりの変動時間が180秒若しくは240秒である場合は、大当たり種別が大当たりA18,C18のいずれか(16ラウンド大当たり)であって、大当たり変動の変動時間が300秒間であると同一の態様で上乗せ演出が実行される。つまり、大当たり変動中に賞球の払い出しが1200個以上、且つ、300の倍数となる毎に、「+300pt」の上乗せ演出が実行される(最低保証数が300ptずつ増加する)。大当たりB18やD18(10ラウンド大当たり)では、大当たりの賞球のみで1500個の払い出しを受けることができるので、例えば、大当たり変動中に1200個の払い出しを達成している場合は、大当たり終了までにトータルで2700個の賞球の払い出しが確定していると言える。よって、払い出し個数が1200個の状況で最低保証数に300ptを加算した(最低保証数を2700ptに増加させた)としても、大当たり終了までに最低保証数以上の払い出しを実現することができる。変動中に1500個や1800個の払い出しを達成して「+300pt」の上乗せを行った場合についても同様である。よって、大当たり終了までの払い出しが最低保証数を下回ることを抑制できる好適な上乗せ演出を実行することができる。
また、図406(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりB18,D18のいずれか(10ラウンド大当たり)であって、大当たりの変動時間が300秒である場合は、賞球カウンタ223oaの値「1200」に対して、上乗せptとして「+600pt」が対応付けて規定されている。一方で、賞球カウンタ223oaの値「1500」には上乗せptが対応付けられていない。また、賞球カウンタ223oaの値が「1500」以降においては、賞球カウンタ223oaの値が300増加する毎に、「+300pt」の上乗せptが対応付けられている。よって、10ラウンド大当たりで、且つ、300秒の変動時間が選択された場合は、払い出し個数(賞球カウンタ223oaのカウンタ値)が1200になった時点で、「+600pt」の上乗せ演出が実行され(最低保証数が2400ptから3000ptに増加し)、払い出し個数が1800以上となった場合には、払い出し個数が300増加する毎に「+300pt」の上乗せ演出が実行される(最低保証数に300ptずつ加算される)。ここで、10ラウンド大当たりの大当たりにおける払い出し個数は1500個であり、1200個の払い出しを達成した時点では、2700個(1500個+1200個)の払い出しまでしか確定していないが、1200個の払い出しを達成した時点で最低保証数として3000ptを表示させる構成としている。これは、300秒の変動時間の間の平均の払い出し個数が約1630個となるように設計されており、大当たりの払い出し個数(1500個)を加味すると、最低保証数の表示を十分に上回るように構成されているからである。これにより、上乗せ演出をより好適に実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、図406(a)に示した通り、1200個の払い出しを達成した時点における上乗せptは、16ラウンド大当たり、且つ、変動時間が180秒または240秒の場合と、10ラウンド大当たり、且つ、変動時間が300秒の場合とで共通(+600pt)となっている。これにより、1200個の払い出しを達成した時点で+600ptの上乗せが発生した場合は、大当たりが16ラウンドであるか、或いは変動時間が最も長い300秒であるかのどちらかであることが確定する(最も不利な組み合わせ(10ラウンド、変動時間180秒)ではないことが確定する)ため、遊技者を安心させることができる。また、16ラウンド大当たり、且つ、変動時間が300秒の場合と、10ラウンド大当たり、且つ、変動時間が180秒または240秒の場合とで、上乗せ演出の態様が共通(払い出し個数300個毎に+300ptの上乗せが発生する態様)となっている。このため、この300個毎に+300ptの上乗せが発生する態様の上乗せ演出が実行された場合に、最も有利な組み合わせ(16ラウンド、変動時間300秒)が選択されていることを遊技者に期待させることができる。よって、上乗せ演出が発生することだけでなく、上乗せ演出において加算されるpt数にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、大当たり開始時点において、表示されている最低保証数と、大当たり終了までに獲得可能なトータルの賞球数(変動終了までに払い出された賞球数と、大当たりで獲得可能な賞球数(10ラウンドで1500個、16ラウンドで2400個)との和)との差分を判別して、100以上の差が生じている場合は最低保証数に上乗せを行うように構成している。これにより、大当たり変動の実行中に最低保証数を少なく表示しすぎたとしても、大当たり開始時に帳尻を合わせることができる。よって、大当たり終了時点において、払い出し個数と最低保証数とをおおまかに合わせることができるので、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図406(b)を参照して、本第18実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図406(b)は、本第18実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図406(b)に示した通り、本第18実施形態におけるRAM223は、上述した第17実施形態におけるRAM223の構成(図371参照)に対して、選択遊技格納エリア223dcと、賞球カウンタ223oaと、保証表示格納エリア223obと、ストックRUSHフラグ223ocと、RUSH種別格納エリア223odと、特1変動回数カウンタ223oeと、特2変動回数カウンタ223ofと、遊技状態格納エリア223ogと、が追加されている点で相違している。また、時短情報更新エリア223gと、残時短期間カウンタ223maと、スーパーRUSH開始フラグ223naと、スーパーRUSH中フラグ223nbと、スーパーRUSHカウンタ223ncと、準リミットフラグ223ndと、復活フラグ223neと、チャレンジ演出フラグ223nfと、遊技状態格納エリア223ngと、開始遅延フラグ223nhと、が削除されている点でも相違している。
選択遊技格納エリア223dcは、遊技方法選択演出(図400(a)参照)において遊技者が選択した潜確状態の間における遊技方法に対応するデータを一時的に格納しておくための記憶領域である。この選択遊技格納エリア223dcには、潜確大当たりの終了時点において選択されている遊技方法に対応するデータが格納される。潜確状態の間は、この選択遊技格納エリア223dcに格納されているデータに対応する演出態様が実行される。
賞球カウンタ223oaは、潜確状態において払い出された賞球の個数をカウントするためのカウンタである。第1選択状態において大当たりに当選した後(ストックRUSH突入後)は、表示領域Dm43に対して、この賞球カウンタ223oaの値に応じたpt数が表示される(図412のS12403参照)。また、ストックRUSHの実行中は、この賞球カウンタ223oaの値に応じて、上乗せ演出の実行可否を判別される(図411のS12802、図412のS12405,S12406参照)。
保証表示格納エリア223obは、ストックRUSHの間において、表示領域Dm43に対して表示させている賞球の払い出し個数の最低保証数を示すデータを格納しておくための記憶領域である。ストックRUSHの間は、この保証表示格納エリア223obのデータに応じた最低保証数が表示される。また、上乗せ演出(図402参照)が実行された場合は、上乗せ演出によって報知されたpt数に対応するデータがこの保証表示格納エリア223obに加算される。
ストックRUSHフラグ223ocは、ストックRUSHの実行中であるか否かを示すためのフラグであり、オンであればストックRUSHの実行中であることを示し、オフであればストックRUSHの実行中ではないことを示す。このストックRUSHフラグ223ocは、潜確状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始される際にオンに設定され(図413のS12709参照)、大当たり終了時にオフに設定される(図410のS12352参照)。このストックRUSHフラグ223ocによって、ストックRUSHの実行中であるか否かが判別される。
RUSH種別格納エリア223odは、ストックRUSHの種別(大当たり変動の変動時間、および変動終了後に実行される大当たり種別)を示すデータを格納しておくための記憶領域である。このRUSH種別格納エリア223odは、潜確状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始される際に、開始させる変動表示の変動時間に対応するデータ、および変動時間経過後に実行される大当たり種別に応じたデータが格納され(図413のS12708参照)、大当たり終了時にデータがクリア(リセット)される(図410のS12352参照)。上乗せ演出の実行契機(払い出し個数が1200以上、且つ、300の倍数となったタイミング、および大当たり開始時)において、このRUSH種別格納エリア223odに格納されているデータと、上述した上乗せpt選択テーブル222oa(図406(a)参照)の規定内容とに応じて、上乗せ演出を行う場合の上乗せptが決定される。
特1変動回数カウンタ223oe、および特2変動回数カウンタ223ofは、それぞれ潜確状態において実行された第1特別図柄の変動回数、および第2特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。これらの特1変動回数カウンタ223oe、および特2変動回数カウンタ223ofは、それぞれ潜確状態において第1特別図柄の変動表示、および第2特別図柄の変動表示を開始させる際に値が1ずつ加算される(図414のS12804,S12808)。第1選択状態においては、大当たりに当選するまでの間、表示領域Dm41に対して特1変動回数カウンタ223oeの値に対応する回転数が表示され、第2選択状態においては、大当たりに当選するまでの間、特2変動回数カウンタ223ofの値に対応する回転数が表示される。また、大当たり当選時は、選択状態の種別に応じたカウンタの値に基づいて、表示領域Dm42に表示されるコメントが決定される(図413のS12705,S12710参照)。
遊技状態格納エリア223ogは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223ogに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
次に、図407を参照して、潜確状態における遊技内容について説明する。図407は、潜確状態における左打ち遊技(第1選択状態)と、右打ち遊技(第2選択状態)と、のそれぞれの特色を対比させて示した図である。図407に示した通り、潜確状態において左打ち遊技を行う遊技方法は、遊技名称として「引き強ルート」という名称が付けられており、第3図柄表示装置81においてもこの名称が表示される。「引き強ルート」の遊技では、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせることにより遊技を進行する。この場合、大当たりに当選すると、10ラウンド若しくは16ラウンドという比較的多いラウンド数の大当たり遊技が実行される上に、大当たり終了後に比較的高い割合(65%)で再度有利な潜確状態が設定される。更に、第1特別図柄の大当たり変動の実行中は、右打ちを行うことにより、頻繁に小当たり遊技が実行されることにより、大当たりの出球に加え、小当たりによる出球も得ることができる極めて有利な状態を形成する。これらにより、大当たりに当選してから、大当たりが終了するまでの間、継続して右打ちを行い続けるだけで、小当たりの払い出し、および大当たりの払い出しの合計で、最低でも2400個を上回る多量の賞球を容易に獲得する(払い出させる)ことができる。よって、「引き強ルート」における遊技では、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、遊技者の興趣をより向上させることができる。一方で、「引き強ルート」の遊技では、大当たりに当選するまでの間、左打ちにより不利な通常状態と同様の割合でしか第1入球口64へと遊技球を入球させることができないため、特別図柄の抽選を1回実行させるために、平均で約16個の持ち球を消費することとなる。よって、第1特別図柄の外れが連続するほど(大当たりが引けないほど)、持ち球の消費数が嵩んでいくというデメリットが存在する。これにより、主として、すぐに大当たりに当選する(大当たりの引きが強い)自信がある遊技者が、この引き強ルートの遊技を選択することとなる。
これに対して、右打ち遊技を行う遊技方法は、遊技名称として「引き弱ルート」という名称が付けられており、第3図柄表示装置81においてもこの名称が表示される。「引き弱ルート」の遊技では、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることにより遊技を進行する。この場合、第2特別図柄の抽選が実行される毎に、約99%の割合で小当たりに当選して、可変入賞装置2650への入賞に基づく賞球を獲得することが可能となる。これにより、第2特別図柄の変動表示が実行される毎に、平均16.5個の払い出しを受けることができる有利な状態を形成する。一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選しても、5ラウンドという比較的少ないラウンド数の大当たり遊技しか実行されない上に、大当たり終了後に比較的高い割合(60%)で不利な通常状態が設定されてしまう。よって、引き弱ルートの遊技においては、大当たりに当選しない(大当たりの引きが弱い)ほど有利になる遊技性を実現することができる。
この引き弱ルートの遊技においては、潜確状態へと移行した後、比較的短い期間(および少ない発射球数)ですぐに小当たり遊技が実行されて払い出しを受けることができるため、潜確状態へと移行してからすぐに小当たりによって持ち球を増加させていくことができる。なお、右打ちにより発射される遊技球の数を加味すると、平均で第2特別図柄の抽選1回あたり15個ずつ持ち球を増加させることができる。一方で、引き弱ルートの遊技におけるデメリットとしては、大当たりに当選するのが早ければ早いほど、小当たりによる賞球の払い出しを受ける機会が少なくなってしまう(小当たり遊技による獲得出球に下限が存在しない)点が上げられる。このため、主として大当たりを引かない(大当たりの引きが弱い)自信がある遊技者が、この引き弱ルートの遊技を選択することとなる。
まとめると、引き強ルートの遊技では、まず、左打ちによって大当たりに当選することを期待しながら遊技を行わせることができる。この際、外れの回数が多くなる程遊技者の持ち球がより多く消費され易くなるため、より少ない消費球数で第1特別図柄の大当たりとなることを期待させながら遊技を行わせることができる。即ち、少ない抽選回数で第1特別図柄の大当たりに当選することや、左打ちにより発射された遊技球がなるべく多く第1入球口64へと入球することを期待させながら遊技を行わせることができる。また、引き強ルートの遊技において第1特別図柄の大当たりに当選したこと(ストックRUSH突入)が報知された場合は、多量(2400個以上)の賞球の払い出しを受けられることが確定したということに対して、大きな満足感を抱かせることができる。一方で、引き強ルートの遊技において、なかなか大当たりに当選しない期間が長く続いたり、左打ちにより発射した遊技球が第1入球口64へとあまり入球しなかったりした場合は、引き弱ルートの遊技に切り替えた方がよいのではないか、といった感情を遊技者に抱かせることができる。
一方で、引き弱ルートの遊技では、右打ちを行うことにより、潜確大当たりの終了直後から持ち球を増加させつつ大当たりを待つ遊技性となるため、持ち球を減少させる虞がないことに対する安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。一方で、大当たりに当選することで有利な潜確状態が終了されてしまう可能性が高くなるので、大当たりに当選しないことを期待させながら遊技を行わせることもできる。また、遊技者の経験や直感等により、そろそろ大当たりに当選しそうな気がするといった感情を抱いた場合には、引き強ルートに切り替えて遊技を行うことも視野に入れて遊技を行わせることができる。
このように、本第18実施形態では、引き強ルートの遊技と、引き弱ルートの遊技とを選択させることが可能に構成し、選択した遊技方法に応じてメリット、デメリットの異なる遊技性を実現可能に構成した。これにより、遊技者毎の好みに合った遊技性を遊技者自信に選択させることができるので、幅広い遊技者の好みに合わせた遊技性を提供することができる。また、本第18実施形態では、遊技方法を選択した後も、発射方向を切り替えるだけで容易に他方の遊技方法の遊技に切り替えることができるので、遊技方法を選択した後における状況や感情の変化によって、他方の遊技方法に切り替えたいと遊技者が思った場合に、その希望を容易に叶えることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。また、引き強ルートの遊技を行った場合も、引き弱ルートの遊技を行った場合も、潜確状態へと移行してから潜確状態が終了するまでの間に発射されるトータルの遊技球の個数よりも、払い出されるトータルの賞球数の方が多くなるように設計されているため、いずれの遊技方法を選択したとしても、遊技者が損をすることを抑制することができる。よって、遊技者に対して遊技方法を安心して選択させることができる。なお、トータルの払出個数が多くなるのは設計上の話であり、運が悪ければ発射した遊技球の個数の方が払い出される賞球数よりも多くなる可能性がある(例えば、引き強ルートにおいて第1特別図柄の大当たりになかなか当選しなかった場合等)。この意味で、いずれの遊技方法も、発射される遊技球の個数よりも払い出される賞球数の個数の方が多くなり易く構成されていると言い換えることもできる。
<第18実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図408、および図409のフローチャートを参照して、本第18実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図408を参照して、本第18実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理18(S7131)の詳細について説明する。図408は、この第1特別図柄大当たり判定処理18(S7131)の内容を示したフローチャートである。本第18実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理18(S7131)は、上述した第17実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理17(図374参照)に対して、時短状態の最終変動に関する処理(S1871~S1875)を実行しない点と第2特別図柄が大当たり変動を実行している場合の処理とが相違する。その他の点については、同一の処理を実行するため、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本第18実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理18(図408参照)では、S1815の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S1815:Yes)、次いで、特図2大当たりフラグ203njがオンに設定されているか判別する(S1876)。S1876の処理において、特図2大当たりフラグ203njがオンであると判別した場合には(S1876:Yes)、処理をS1820へと移行して、第1特別図柄の抽選結果を強制的に外れに書き換える(大当たりを無効とする)。一方、S1876の処理において、特図2大当たりフラグ203njがオンではないと判別した場合には(S1876:No)、処理をS1816の処理に移行する。
この第1特別図柄大当たり判定処理18(図408参照)を実行することにより、第2特別図柄の大当たり変動の実行中に第1特別図柄の抽選が実行されたとしても、大当たりに当選することを制限(抑制)することができる。
次に、図409を参照して、本第18実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄大当たり判定処理18(S7648)について説明する。図409は、本第18実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理18(S7648)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理18(S7648)は、上述した第17実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理17(図379参照)に対して、時短状態の最終変動に関する処理(S1971~S1975)の処理を実行しない点と第1特別図柄が大当たり変動を実行している場合の処理とが相違する。その他の点については、同一の処理を実行するため、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本第18実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理18(図409参照)では、S1925の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S1925:Yes)、次いで、特図1大当たりフラグ203niがオンに設定されているか判別する(S1976)。S1976の処理において、特図1大当たりフラグ203niがオンであると判別した場合には(S1976:Yes)、処理をS1930へと移行して、第2特別図柄の抽選結果を強制的に外れに書き換える(大当たりを無効とする)。一方、S1976の処理において、特図1大当たりフラグ203niがオンではないと判別した場合には(S1976:No)、処理をS1926の処理に移行する。
この第2特別図柄大当たり判定処理18(図409参照)を実行することにより、第1特別図柄の大当たり変動の実行中に第2特別図柄の抽選が実行されたとしても、大当たりに当選することを制限(抑制)することができる。よって、特に、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たりが開始されるまでの大当たり変動中に右打ちを行い続けることで、第2特別図柄の大当たりに当選することなく、高確率で小当たりに当選して賞球を獲得する機会を与えられる遊技を楽しませることができる。
<第18実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図410~図414を参照して、本第18実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図410を参照して、本第18実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり関連処理18(S12252)の詳細について説明する。図410は、この当たり関連処理18(S12252)を示したフローチャートである。この第18実施形態における当たり関連処理18(S12252)は、上述した第17実施形態における当たり関連処理17(図387参照)と同様に、主制御装置110から受信した当たり関連のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第18実施形態における当たり関連処理18(図410参照)のうち、S2401,S2404,S2406,S2409~S2412,S12305、およびS12306の各処理では、上述した第17実施形態における当たり関連処理17(図387参照)のS2401,S2404,S2406,S2409~S2412,S12305、およびS12306の各処理と同一の処理が実行される。
この当たり関連処理18(S12252)では、S2401の処理において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に(S2401:Yes)、大当たり開始時における各種設定を行うための大当たり開始時処理18を実行して(S12351)、本処理を終了する。この大当たり開始時処理18(S12351)の詳細については、図411を参照して後述する。
また、本第18実施形態における大当たり開始時処理18(図410参照)では、S12306の処理が終了すると、次に、賞球カウンタ223oa、保証表示格納エリア223ob、ストックRUSHフラグ223oc、RUSH種別格納エリア223od、特図1変動回数カウンタ223oe、特図2変動回数カウンタ223ofを全てリセットし(S12352)、本処理を終了する。
また、本第18実施形態における当たり関連処理18(図410参照)では、S12310の処理において、賞球コマンドを受信したと判別した場合に(S12310:Yes)、賞球コマンドにより通知された賞球数に応じた制御を行うための賞球処理18(S12353)を実行して、本処理を終了する。この賞球処理18(S12353)の詳細については、図412を参照して後述する。
次に、図411を参照して、上述した大当たり開始時処理18(S12351)の詳細について説明する。図411は、この大当たり開始時処理18(S12351)を示したフローチャートである。この大当たり開始時処理18(S12351)は、上述した通り、大当たり開始時における各種設定を行うための処理である。
この大当たり開始時処理18(図411参照)が実行されると、まず、ストックRUSHフラグ223ocがオンであるか(即ち、ストックRUSHの実行中であるか)否かを判別し(S12801)、ストックRUSHフラグ223ocがオンであると判別した場合は(S12801:Yes)、次いで、賞球カウンタ223oaの値(A)と、保証表示格納エリア223obに格納されているデータにより特定される最低保証数の表示値(B)とを読み出す(S12802)。
次に、今回開始される大当たりのラウンド数に150を掛けた値(C)を算出し(S12803)、AにCを加算してBを減算した値を算出する(S12804)。この値は、最低保証数の表示値を、これから開始される大当たりで払い出される賞球数によってどれだけ上回るかを示す数値である。S12804の処理が終了すると、次いで、S12804の処理で算出した値が100以上であるか否かを判別し(S12805)、100以上であると判別した場合は(S12805:Yes)、S12804の処理において算出した値の一の位と十の位とを切り捨てた値を上乗せptとして特定し(S12806)、特定した上乗せptの上乗せを報知する態様の上乗せ演出(図402参照)の実行を設定して(S12807)、処理をS12808へと移行する。これに対し、S12801の処理においてストックRUSHフラグ223ocがオフである(即ち、ストックRUSH中の大当たりではない)と判別した場合(S12801:No)、およびS12805の処理において、S12804の処理で算出した値が100未満である(即ち、これから開始される大当たりの払い出し個数を加味すると、ほぼ、現在表示されている最低保証数とトータルの払い出し個数が同程度になる)と判別した場合は(S12805:No)、上乗せ演出(図402参照)を実行する必要がないことを意味するため、S12808へと移行する。S12808の処理では、表示用大当たり開始コマンドを設定して(S12808)、本処理を終了する。
この大当たり開始時処理18(図411参照)を実行することにより、大当たり開始時において、大当たり中に獲得可能な賞球数を加味して、最低保証数の表示値を実際の払い出し個数に近づけておくことができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図412を参照して、上述した賞球処理18(S12353)について説明する。図412は、賞球処理18(S12353)の内容を示したフローチャートである。この賞球処理18(S12353)は、上述した通り、賞球コマンドにより通知された賞球数に応じた制御を行うための処理である。
賞球処理18(S12353)では、まず、ストックRUSHフラグ223ocがオンであるか否かを判別し(S12401)、ストックRUSHフラグ223ocがオフであると判別した場合は(S12401:No)、その他賞球に対応した表示用コマンドを設定し(S12411)、本処理を終了する。一方、S12401の処理において、ストックRUSHフラグ223ocがオンであると判別した場合は(S12401:Yes)、ストックRUSHの実行中であることを意味するため、賞球コマンドにより通知された賞球数を賞球カウンタ223oaの値に加算することで更新し(S12402)、次に、更新後の賞球カウンタ223oaの値に合わせて、第3図柄表示装置81の表示領域Dm43(S12403)の払い出し個数の表示値を更新するための表示用コマンドを設定する。
次に、現在が大当たり遊技の実行中であるか否かを判別し(S12404)、大当たり遊技の実行中であれば(S12404:Yes)、上乗せ演出を実行する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S12404の処理において現在が大当たり遊技の実行中でないと判別した場合は(S12404:No)、次いで、S12402の処理による更新後の賞球カウンタ223oaの値が1200以上であるか否かを判別し(S12405)、1200未満であれば(S12405:No)、上乗せ演出を実行する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。これに対し、S12405の処理において、賞球カウンタ223oaの値が1200以上であると判別した場合は(S12405:Yes)、賞球カウンタ223oaの値が300の倍数であるか否かを判別し(S12406)、300の倍数でないと判別した場合は(S12406:No)、上乗せ演出を実行する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S12406の処理において、賞球カウンタ223oaの値が300の倍数であると判別した場合は(S12406:Yes)、上乗せpt選択テーブル222oa(図406(a)参照)を読み出して(S12407)、読み出したテーブルから、現在の賞球カウンタ223oaの値と、今回の大当たり種別と、現在設定されている大当たり変動の変動時間と、に応じた上乗せptを特定する(S12408)。なお、今回の大当たり種別や、現在設定されている大当たり変動の変動時間は、RUSH種別格納エリア223odのデータを参照することで特定される。S12408の処理が終了すると、S12408の処理による特定結果が、上乗せを行う特定結果であったか否かを判別し(S12409)、上乗せを行う特定結果であれば(S12409:Yes)、S12408の処理で特定した上乗せptを最低保証数の表示値に上乗せする態様の上乗せ演出の実行を設定して(S12410)、本処理を終了する。これに対し、S12409の処理において、上乗せを行わない特定結果であると判別した場合は(S12409:No)、S12410の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この賞球処理18(図412参照)を実行することにより、大当たり変動の実行中における払い出し個数が特定条件を満たす(1200個以上で、且つ、300の倍数になる)毎に、上乗せ演出の実行可否を判定することができる。
次に、図413を参照して、本第18実施形態における演出設定処理18(S12891)の詳細について説明する。図413は、演出設定処理18(S12891)を示すフローチャートである。
この演出設定処理18(S12891)では、まず、遊技状態格納エリア223ogのデータを参照して、現在の遊技状態を特定する(S12701)。次に、S12701の処理で特定した遊技状態は、潜確状態であるか否かを判別する(S12702)。S12702の処理において、遊技状態は潜確状態ではない(通常状態である)と判別した場合には(S12702:No)、特定した遊技状態と抽選結果とに応じた変動パターン演出の演出態様を設定し(S12712)、本処理を終了する。
一方、S12702の処理において、遊技状態は潜確状態であると判別した場合には(S12702:Yes)、次いで、特1変動回数カウンタ223oe、または特2変動回数カウンタ223ofのうち、今回特別図柄の変動表示を実行する特別図柄の種別に対応するカウンタ値を更新するための変動回数更新処理(S12703)を実行し、S12704の処理に移行する。ここで、図414を参照して、この変動回数更新処理(S12703)の詳細について説明する。図414は、変動回数更新処理(S12703)を示したフローチャートである。
この変動回数更新処理(図414参照)では、まず、選択遊技格納エリア223dcのデータを読み出して、読み出したデータに対応する遊技方法(遊技者が選択中の遊技方法)を特定する(S12801)。次に、S12801の処理において特定された遊技方法が、左打ち遊技(引き強ルートの遊技)であるか否かを判別し(S12802)、左打ち遊技であると判別した場合には(S12802:Yes)、今回実行する変動表示が第1特別図柄の変動表示であるか否かを判別する(S12803)。S12803の処理において、今回の変動が第1特別図柄の変動表示ではないと判別した場合は(S12803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の変動が第1特別図柄の変動表示であると判別した場合には(S12803:Yes)、特図1変動回数カウンタ223ofの値に1を加算して更新し(S12804)、次に、S12804の処理において更新した特図1変動回数カウンタ223ofの値を示すための表示用コマンドを設定して(S12805)、本処理を終了する。
一方、S12802の処理において、選択中の遊技方法が左打ち遊技ではないと判別した場合には(S12802:No)、選択中の遊技方法は右打ち遊技であるか判別する(S12806)。選択中の遊技方法が右打ち遊技ではないと判別した場合には(S12806:No)、そのまま本処理を終了する。一方、選択中の遊技方法が右打ち遊技であると判別した場合には(S12806:Yes)、次に、今回開始させる変動表示が、第2特別図柄の変動表示であるか否かを判別する(S12807)。今回の変動が第2特別図柄の変動表示ではないと判別した場合には(S12807:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S12807の処理において、今回の変動表示が第2特別図柄の変動表示であると判別した場合には(S12807:Yes)、特図2変動回数カウンタ223ogの値に1を加算して更新し(S12808)、次に、S12808の処理において更新した特図2変動回数カウンタ223ogの値を示すための表示用コマンドを設定して(S12809)、本処理を終了する。
この変動回数更新処理を実行することにより、遊技者が選択している遊技方法に対応する特別図柄の変動表示の実行に合わせて、表示領域Dm41に表示される回転数(変動回数)の表示を更新することができる。
図413に戻り説明を続ける。変動回数更新処理(S12703)が終了すると、次に、今回開始する変動表示が、第1特別図柄の大当たり変動であるか否かを判別し(S12704)、今回の変動が第1特別図柄の大当たり変動であると判別した場合には(S12704:Yes)、特1変動回数カウンタ223oeの値に対応するコメントを特定して(S12705)、その特定したコメントが表示領域Dm42に表示される態様のストックRUSH突入演出(図401(a)参照)の実行を設定する(S12706)。次いで、保証表示格納エリア223obに対して2400ptに対応するデータを格納し(S12707)、今回の大当たり種別と、開始させる第1特別図柄の大当たり変動の変動時間と、に応じたデータをRUSH種別格納エリア223odに格納する(S12708)。次いで、ストックRUSHフラグ223ocをオンに設定することでストックRUSHに突入したことを示して(S12709)、本処理を終了する。
一方、S12704の処理において、今回開始する変動表示が、第1特別図柄の大当たり変動ではないと判別した場合は(S12704:No)、次いで、今回開始する変動表示が、第2特別図柄の大当たり変動であるか否かを判別し(S12709)、第2特別図柄の大当たり変動ではないと判別した場合は(S12709:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、今回の変動表示が第2特別図柄の大当たり変動であると判別した場合は(S12709:Yes)、特2変動回数カウンタ223ofに対応するコメントを特定して(S12710)、その特定したコメントが表示領域Dm42に表示される態様のRUSH終了演出(図403(b)参照)の実行を設定し(S12711)、本処理を終了する。
この演出設定処理18(図413参照)を実行することにより、潜確状態中に第1特別図柄の大当たりに当選した場合は、ストックRUSH突入演出を実行することができる一方で、第2特別図柄の大当たりに当選した場合は、RUSH終了演出を実行することができる。
以上説明した通り、本第18実施形態におけるパチンコ機10では、有利な(通常状態よりも大当たり確率が高い)潜確状態における遊技方法として、遊技性(メリット、デメリット)の異なる複数(2種類)の遊技方法(引き強ルートの遊技、引き弱ルートの遊技)のうち1の遊技方法を選択して遊技を行うことが可能に構成している。引き弱ルートの遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、大当たりに当選するまでの間、可変入賞装置2650へと遊技球を入球させて賞球を得る機会が与えられる小当たりに頻繁に当選する(発射した遊技球の個数に対する払い出される賞球の個数の比が大きい値になり易い)が、大当たりに当選した時点で小当たりによる賞球獲得の機会が終了される上に不利な大当たり種別(5ラウンド通常大当たり)が決定される割合が高くなる(決定され易くなる)遊技性となる一方で、引き強ルートの遊技(左打ち遊技)を行った場合には、特別図柄の抽選を実行させるために消費する持ち球(大当たりに当選するまでの間に消費する持ち球)が比較的多くなり易い(発射した遊技球の個数に対する払い出される賞球の個数の比が小さい値になり易い)が、大当たりに当選すると、大当たり変動中に右打ちを行うことで小当たり遊技を頻繁に実行させて賞球を獲得可能となる上に、大当たり自体の賞球数も比較的多くなる大当たり種別が選択されることにより、多量の賞球の払い出しを受けることが可能となる遊技性を実現した。つまり、引き弱ルートの遊技では、大当たりに当選しないで小当たりにより多く当選した方が有利になる(大当たりの引きが弱い方が有利になる)遊技性となる一方で、引き強ルートの遊技では、大当たりに早期に当選するほど持ち球の消費を抑えられるため遊技になる(大当たりの引きが強い方が有利になる)遊技性となる。これにより、各遊技方法のメリットおよびデメリットを加味して遊技方法を選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、引き強ルートの遊技を行った場合も、引き弱ルートの遊技を行った場合も、潜確状態へと移行してから潜確状態が終了するまでの間に発射されるトータルの遊技球の個数よりも、払い出されるトータルの賞球数の方が多くなるように設計されているため、いずれの遊技方法を選択したとしても、遊技者が損をすることを抑制することができる。よって、遊技者に対して遊技方法を安心して選択させることができる。
なお、本第18実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを平行して(同時に)実行することが可能な同時変動方式を採用しており、且つ、一方の特別図柄の抽選が大当たりとなった場合には、大当たり変動の間、他方の特別図柄の抽選で大当たりとなることが規制され(大当たりとなるカウンタ値に基づく抽選が実行されたとしても、強制的に抽選結果が外れに設定され)、一方の特別図柄の変動表示の実行中に他方の特別図柄が大当たり図柄で停止表示された場合は変動中の特別図柄が外れ図柄で強制停止されるように制御する構成としている。このため、特に、潜確状態において左打ち遊技によって第1特別図柄の大当たりに当選した場合、当該大当たりを示すための第1特別図柄の変動表示中に右打ちを行って第2特別図柄の抽選を実行させた場合に、大当たりに当選することなく、高確率で小当たりとなる遊技を実行させることができる。つまり、第1特別図柄の大当たり変動中に、不利な(有利度合いが低い)第2特別図柄の大当たりに当選し、且つ、第1特別図柄の大当たり図柄よりも先に第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示され、有利な第1特別図柄の大当たり変動が外れで強制停止されてしまうことを防止(抑制)することができる。言い換えれば、左打ち遊技によって第1特別図柄の大当たりに当選した場合には、当該第1特別図柄の大当たりが開始されるまでの間(大当たり変動の間)、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で小当たりとなって賞球を獲得する機会を得ることができる有利な状態を形成する。
ここで、従来より、有利な遊技状態において特別図柄の抽選が実行されると、高確率で小当たりに当選し、大当たりに当選しなくても高確率で当選する小当たりに当選し続けることにより、賞球を多量に獲得することができる仕様の遊技機が広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機では、大当たりに当選するまでの抽選回数が多くなる程、より多くの小当たり遊技を実行させることが可能となるため、特別図柄の抽選で大当たりにならないほど(所謂、ハマるほど)、1回の有利な遊技状態においてより多くの賞球を獲得することが可能となる。しかしながら、係る従来型の遊技機では、少ない抽選回数で大当たりに当選するほど、小当たりによる賞球を獲得する機会が少なくなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうという問題点があった。
これに対して本第18実施形態では、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、当該第1特別図柄の大当たり変動が実行されている間、右打ちを行うことにより、高確率で小当たりとなり、且つ、大当たりに当選する可能性が無い(大当たりとなる乱数値(カウンタ値)に基づいて抽選が実行されても外れの抽選結果に書き換えられる)第2特別図柄の抽選を実行させることができる。更に、本第18実施形態では、潜確状態における第1特別図柄の大当たり変動の変動時間として、180秒~300秒のいずれかが設定される一方で、潜確状態における第2特別図柄の変動時間が3秒間に固定化される構成としている。これにより、第1特別図柄の大当たり変動中に継続して右打ちを行い続けることで、最低でも60回(180秒/30秒)、最大で100回(300秒/3秒)の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。つまり、有利な潜確状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始された(特定条件が成立した)後で継続して右打ちを行うだけで、高確率で小当たりに当選する有利な第2特別図柄の抽選(有利遊技)を少なくとも60回(特定回数)実行させることが可能となる。よって、潜確状態において左打ち遊技を行ったことにより第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり自体で賞球を獲得できることに加え、有利な第2特別図柄の抽選を特定回数(60回)以上実行することが可能となったということも遊技者に認識させることができるので、より大きな喜びと満足感とを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第18実施形態では、有利な潜確状態において引き強ルートの遊技(左打ち遊技)を行っている状況において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したことを特定条件の成立として、大当たり変動の変動時間が終了するまでの間、右打ちを行って第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で小当たりとなって賞球を獲得することができる有利な状態(ストックRUSH)を形成する構成としていたが、ストックRUSHに移行する条件は第1特別図柄の大当たり変動の開始に限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選することに代えて、又は加えて、小当たりに当選したことを特定条件の成立として、当該小当たりの変動期間の間、ストックRUSHを形成する構成としてもよい。即ち、一方の特別図柄の大当たり変動中だけでなく、小当たり変動中においても、他方の特別図柄の抽選で大当たりとなることが規制される(当たりに対応する乱数値に基づく抽選が実行されたとしても強制的に抽選結果を外れに書き換える)ように構成した上で、第1特別図柄の小当たり変動の変動時間として、第2特別図柄の小当たり(および外れ)変動が複数回実行できる長さの変動時間(例えば、60秒)を設定する構成としてもよい。このように構成することで、小当たり変動の間、不利な第2特別図柄の大当たりに当選する心配なく、小当たり遊技による出球によって持ち球を増加させていくことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、第1特別図柄の小当たりが終了したとしても、遊技状態が変更される可能性がない(潜確状態のまま維持される)ので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に比較すると払い出される賞球数は少なくなるものの、有利な潜確状態が終了されない安心感を抱きながら遊技を行わせることができる。よって、引き強ルートの遊技を行っている場合において、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選することをより強く期待して遊技を行わせることができる。また、ストックRUSH(小当たり確率が高い有利な第2特別図柄の抽選を特定回数(60回~100回)確実に実行させることが可能となる有利な状態)に移行させる特定条件は、第1特別図柄の抽選結果(第1特別図柄の大当たり当選や小当たり当選)に限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選が特定回数(例えば、100回)連続して外れとなったことを特定条件の成立として、ストックRUSHに移行する構成としてもよい。このように構成することで、外れが連続するほど遊技者を喜ばせることができる斬新な遊技性を実現することができる。
本第18実施形態では、引き強ルートの遊技(左打ち遊技)において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合にのみ、ストックRUSHへの突入を報知することで右打ちを行わせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の外れの変動時間として、比較的長い変動時間(例えば、60秒や90秒)が選択され得るように構成した上で、第1特別図柄の保留内に潜確大当たりが含まれている場合に、先読みにより大当たり保留に基づく抽選が実行されるまでの期間を特定して、特定した期間が経過する5秒前まで右打ちを報知し続ける構成としてもよい。この場合、右打ちにより第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性はあるが、第2特別図柄の変動時間は一律3秒間であるため、5秒前に右打ちを辞めさせておけば、第2特別図柄の大当たり変動と第1特別図柄の大当たり保留に基づく抽選とが重複することを抑制することができる。また、第1特別図柄の大当たり保留に基づく抽選が実行されるよりも前に、第2特別図柄の抽選で通常大当たりに当選したとしても、その後に第1特別図柄の大当たり保留に基づいて潜確状態へと復帰させることができる。よって、第1特別図柄の保留内に潜確大当たりが含まれている状況で、右打ちを行った場合、大当たりにならなかった場合も、大当たりになった場合も、遊技者が損をしてしまう(潜確大当たりが無効になってしまう)ことを抑制することができる。
本第18実施形態では、潜確状態において、遊技方法に応じてメリット、デメリットがそれぞれ異なる遊技性を実現する構成としていた。即ち、遊技者の有利度合いに関連する第1要素として、潜確状態へと移行してから大当たりが終了するまでの間に払い出される賞球数を遊技方法に応じて可変すると共に、第2要素として、大当たりに当選するまでの間において特別図柄の抽選を1回実行させるのに要する持ち球の個数を可変する構成としていた。即ち、引き強ルートの遊技を、引き弱ルートの遊技に対して第1要素を有利とする代わりに、第2要素を不利としているが、第1要素、および第2要素は上記に限られるものではない。例えば、大当たり確率や時短回数、大当たりに当選した場合に設定される遊技状態等を第1要素や第2要素としてもよい。より具体的には、例えば、第17実施形態のように、遊技状態として確変状態や時短状態を設ける構成とし、通常状態において特定の種別の大当たりが実行され、当該特定の種別の大当たり遊技中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過する(V入賞が発生する)ことで、大当たり終了後の遊技状態が、次回の大当たりまで継続する確変状態となる一方で、確変スイッチ1650e3を通過しなかった(V入賞が発生しなかった)場合に、大当たり終了後100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する時短状態となるように構成してもよい。そして、確変状態において大当たりになると、V入賞が発生することで確変状態となる大当たりの割合の方が、確変状態よりも有利な潜確状態となる大当たりの割合よりも高くなる一方で、時短状態の間に大当たりになると、V入賞が発生することで潜確状態となる大当たりの割合の方が、確変状態となる大当たりの割合よりも高くなるように構成してもよい。このように構成した場合、通常状態における特定の種別の大当たりの実行中において、V入賞を発生させるべく右打ちを行った場合、確変状態へと移行することにより、大当たり確率は高くなるが大当たりに当選した場合に有利な潜確状態が設定され難くなる遊技性を実現することができる。一方で、特定の種別の大当たりの実行中において、V入賞が発生しないように左打ち(若しくは発射停止)を行った場合は、時短状態へと移行することにより、大当たり確率は低くなるが大当たりに当選した場合に有利な潜確状態が設定され易くなる遊技性を実現することができる。つまり、大当たり中に右打ち遊技を行うことで、第1要素として、大当たり確率が高くなる(有利になる)代わりに、第2要素として、大当たりに当選した場合に有利な潜確状態が設定される割合が低くなる(不利になる)遊技性を実現することができる。また、大当たり中に左打ち遊技(若しくは発射停止)を行うことで、第1要素として、大当たり確率が低くなる(不利になる)代わりに、第2要素として、大当たりに当選した場合に有利な潜確状態が設定される割合が高くなる(有利になる)遊技性を実現することができる。これにより、特定の種別の大当たり遊技の実行中に、V入賞を発生させるかさせないかに応じて、その後の遊技性を切り替える斬新な動作を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、遊技方法に応じてメリット、デメリットがそれぞれ異なる遊技性を実現する構成の変形例として、例えば、時短状態と通常状態との2種類の遊技状態とを設け、特別図柄の抽選による大当たり(直当たり)と小当たりにおいてV入賞が発生したことに基づく大当たり(V当たり)とを設ける構成(所謂、1種2種混合機の仕様)において、小当たり遊技においてV入賞を発生させた場合と、V入賞が発生しなかった場合とで、メリット、デメリットがそれぞれ異なる遊技性となるように構成してもよい。より具体的には、例えば、時短状態においてV当たりになるよりも、直当たりになった方が大当たり終了後に時短状態が付与される割合が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態において小当たりに当選した場合に、V入賞させるべくV入賞装置を狙って遊技球を発射する遊技方法を実行すると、V当たりに当選して賞球を得られる一方で、不利な通常状態が設定される可能性が高くなる遊技性を実現することができる。一方で、時短状態において小当たりに当選した場合に、V入賞が発生しないように発射停止する(若しくはV入賞装置とは異なる方向へ遊技球を発射する)遊技方法を実行する(即ち、時短状態において直当たりの大当たりのみを実行させる遊技方法を実行する)と、大当たりに当選した場合の時短付与割合は高くなるが、時短状態の間に大当たりに当選する可能性が低くなるという遊技性を実現することができる。これにより、時短状態において小当たりに当選した際の遊技方法を選択させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、その他の例として、通常状態において左打ちを行って第1特別図柄の遊技を行わせる遊技方法を実行した場合には、大当たり時の確変割合が高くなるかわりに持ち球がより早く減り易くなる一方で、通常状態において右打ちを行って第2特別図柄の遊技を行わせる遊技方法を実行した場合には、大当たり時の確変割合が低くなるかわりにラウンド数が多い大当たりとなる割合が高くなり、且つ、持ち球の減少スピードが左打ち遊技よりも緩やかになるように構成してもよい。
本第18実施形態では、大当たりのラウンド数として、第1特別図柄の大当たりの場合は10ラウンドまたは16ラウンドのどちらかが設定され、第2特別図柄の大当たりの場合は必ず5ラウンドが設定される構成としていたが、これに限られるものではなく、ラウンド数は任意に設定することができる。また、潜確大当たりの割合についても同様に、任意に定めることができる。即ち、第1の遊技方法(引き強ルートの遊技方法)と第2の遊技方法(引き弱ルートの遊技方法)とでメリット、デメリットがそれぞれ異なる遊技性を実現することができる範囲で任意に設定することができる。
本第18実施形態では、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1特別図柄の大当たり変動が開始されると、当該大当たり変動の変動時間と、その後の大当たり遊技の実行期間とに渡ってストックRUSH演出(図401参照)を実行し続ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり変動の変動期間における演出態様と、大当たり遊技の実行期間における演出態様とを、異なる演出態様に設定してもよい。具体的には、例えば、大当たり変動の変動時間の間はストックRUSH演出を実行し、大当たり変動の変動時間が経過した段階で、大当たりとなることを報知する演出を実行し、以降は大当たり用の演出態様(大当たり演出)が実行されるように構成してもよい。この場合において、第1特別図柄の大当たり変動の開始時に、残りの変動時間をカウントダウンしていく演出を実行してもよい。つまり、第17実施形態におけるチャレンジモード演出(図360(a)参照)のように、主表示領域Dmに対して演出が終了する(大当たりが開始される)までの残りの時間を表示させてもよい。更に、この場合に、ストックRUSHの開始時に表示させる残り時間として、最も短い変動時間に対応する残り時間(180秒)を表示させる構成とし、240秒や300秒の変動時間が設定されていた場合には、残り時間の表示が0となった時点で、残り時間を上乗せする演出を実行する構成としてもよい。即ち、変動時間が240秒の場合は、60秒が上乗せされる演出を実行し、変動時間が300秒の場合は、120秒が上乗せされる(若しくは、60秒が2回に分けて上乗せされる)ように構成してもよい。一方で、変動時間が180秒の場合は、最初に表示される180秒の残り時間が経過すると共に大当たりの開始を報知してもよい。このように構成することで、残り時間が経過した段階で残り時間を上乗せ表示されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第18実施形態では、潜確状態において右打ちを行った場合に頻繁に小当たり遊技が実行されて賞球を多量に獲得することが可能となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、小当たりを廃止し、単純に大当たりによって払い出される賞球数と、大当たり当選までに消費する持ち球数との差分が、引き強ルートと引き弱ルートとで略同一(誤差が一割以下)となる仕様としてもよい。具体的には、例えば、上述した第17実施形態のように、特別図柄の確変状態が設定される遊技状態(潜確状態)の連続回数に上限(リミット)回数を設ける構成とし、リミット回数(例えば、5回)に到達した時点で、潜確大当たりでも強制的に大当たり終了後の遊技状態が通常状態となるように構成してもよい。そして、引き強ルートにおいて主として実行される第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、ほぼ(例えば、95%の割合や100%の割合)潜確大当たりとなるように構成してもよい。このように構成することで、引き強ルートの遊技(左打ち遊技)を行った場合における遊技性を、通常状態に移行するまでに5回大当たりに当選することが確定する遊技性とすることができるので、安心して左打ち遊技を行わせることができると共に、リミット回数分(5回)の大当たりを楽しむことができるという期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第18実施形態では、潜確状態へと移行してから通常状態へと移行するまでの間のトータルの純増球数(払い出されるトータルの賞球数から発射されるトータルの遊技球数を引いた球数)の平均値が引き強ルートの遊技と引き弱ルートの遊技とで略同一となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態が開始されてから1の大当たりが終了するまでの間の純増球数を略同一に構成してもよい。つまり、上述した第18実施形態における仕様に対して、大当たりの平均ラウンド数を調節することや、第1特別図柄の大当たり変動の変動時間を伸ばすこと、特別図柄の確変状態における大当たり確率を上昇させること等により、1の大当たりが終了するまでの間における引き強ルートの遊技時の純増球数の平均値と、引き弱ルートの遊技時の純増球数の平均値と、を略同一に構成してもよい。また、この場合において、大当たり終了後に潜確状態が設定される割合を、第1特別図柄の大当たりと第2特別図柄の大当たりとで共通(例えば、50%の割合)となるように構成してもよい。このように構成することで、大当たり終了後に潜確状態が設定される毎に、遊技方法を異ならせるという選択も遊技者が行い易くすることができるので、定期的にあるいはランダムに異なる遊技方法に変更して遊技を行いたいと希望する遊技者の希望に即した遊技性を実現することができる。
<第19実施形態>
次に、図415から図419を参照して、第19実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第16実施形態におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成し、時短状態における第1特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(300秒)が設定されるように構成した。つまり、時短状態においては、第2特別図柄の抽選に偏らせて特別図柄の抽選を実行可能に構成している。また、第16実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり又は小当たりが開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を中断する(変動時間の計時を中断する)ように構成し、他方の大当たり又は小当たりが終了することにより、中断されていた変動表示を再開する(変動時間の計時を再開する)ように構成している。
更に、上述した第16実施形態では、時短状態が開始された後で、第1特別図柄の変動表示が1回終了するか、若しくは第2特別図柄の変動表示が99回終了することにより時短状態が終了するように構成した。つまり、第1特別図柄のロング変動(300秒)の間に第2特別図柄の抽選で小当たり若しくは大当たりに当選したとしても、小当たり若しくは大当たりの終了後は、小当たり若しくは大当たり開始時における残変動時間から第1特別図柄の変動表示が再開される。言い換えれば、大当たりに当選したか否かにかかわらず、時短状態における第2特別図柄の抽選回数が多くなる程、時短状態が終了するまでの残りの期間が短くなっていくので、第1特別図柄の変動時間である300秒間の間にどれだけ第2特別図柄の抽選で大当たりに当選させるかが出球量に直結する斬新な遊技性を実現することができるように構成していた。
しかしながら、上述した第16実施形態では、時短状態において一度設定した第1特別図柄の変動時間が増加することが無いため、時短状態中の遊技が進行し、第1特別図柄の変動時間の残期間が少なくなった場合に、時短状態の残期間内に実行し得る当たり回数の上限を予測できてしまい、遊技意欲が低下してしまう虞があった。
これに対して本第19実施形態におけるパチンコ機10では、上述した第16実施形態と同様に、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成した上で、第2特別図柄の抽選で当選する小当たりに種別を設け、当選した小当たり種別に基づいて、変動表示中の第1特別図柄の変動を中断(変動時間の計時を中断)、或いは、破棄(外れ図柄で強制停止)させるよう構成している。具体的には、第2特別図柄の抽選で当選する小当たり種別として、小当たりA、小当たりBの2種類を設け、小当たりAに当選した場合には、変動表示中の第1特別図柄の変動を中断(変動時間の計時を中断)し、小当たりBに当選した場合には、変動表示中の第1特別図柄の変動を破棄(外れ図柄で強制停止)するよう構成している。
このように構成することで、時短遊技中は、第1特別図柄の変動時間内にいかに第2特別図柄の抽選において大当たり、或いは、小当たりに当選するかを期待しながら遊技を実行するという遊技性に加え、小当たりBに当選し、実行中の第1特別図柄変動が破棄されることにより、時短状態の期間を延長(再セット)させるという遊技性を遊技者に提供することができ、時短状態の残期間が少なくなった場合であっても、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
この第19実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第16実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第16実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第16実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図415を参照して、本第19実施形態における時短遊技状態中に実行される特徴的な演出について説明する。図415は、時短状態中に小当たりBに当選した場合の演出態様の一例を示した図である。上述した通り、第16実施形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成しており、時短状態においては、第1特別図柄の変動表示が1回終了することで時短状態の終了条件が成立して通常状態へと移行する構成としている。即ち、時短状態が設定された後における経過時間が長くなる程、第1特別図柄の変動時間が減算(消費)されていって時短状態の終了が近づいてくるように構成している。
本第19実施形態では、第16実施形態と同様にこの時短状態の終了までの期間を示す演出を実行可能に構成している。さらに、上述したように、本第19実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりBに当選した場合には、実行されている第1特別図柄の変動(抽選)が破棄され、その小当たりによるV当たり遊技終了後、新たに第1特別図柄の変動が開始される。即ち、小当たりBに当選するまでに、減算されていた第1特別図柄の変動時間はリセットされ、新たな第1特別図柄の変動時間(本実施形態では300秒)が時短終了までの期間を示す演出として表示されるよう構成している。
図415に示した通り、時短状態中に小当たりBに当選した場合には、主表示領域Dmの中央に図柄「555」が表示され、小当たりに当選したことを示している。また、副表示領域Dsには「ボーナス確定!!」の文字が表示され、遊技者に小当たりに当選したことを分かり易く示している。そして、小当たりBに当選したことで、主表示領域Dmにおける上方に形成される表示領域HR6に表示されている「連チャン期待度95%オーバー」という時短状態が終了するまでの間に再度大当たりに当選する可能性を示唆する表示態様と、副表示領域Dsに表示されている時短状態が終了するまでの残り時間(第1特別図柄の残りの変動時間)を示す文字「203:32」とに対し、「リセット!!」というプレートが付された鎖を模した鎖画像LG1,LG2がそれぞれ絡みつく演出が実行される。
このように構成することで、減算されていた時短状態が終了するまでの期間(第1特別図柄の残りの変動時間)がリセットされることを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態では、小当たりBに当選し、第1特別図柄の変動が破棄され、時短状態の残り時間がリセットされたことを、鎖を模した鎖画像LG1,LG2がそれぞれ絡みつく演出を実行することで遊技者に示唆するよう構成したが、これに限られるものではない。例えば、小当たりBに当選した場合には、時計を持ったキャラが時間を増やす演出などキャラクタを用いた演出で時短遊技状態の残り時間がリセットされることを示唆する演出を実行しても良い。このように構成することで多様な遊技性を遊技者に提供することができる。
また、小当たりBに当選した場合に、その小当たりによるV当たり遊技終了後、新たな第1特別図柄の変動が実行される前に残り時間を示す「300:00」が表示されるよう構成したが、これに限ることなく、第2特別図柄の複数回の変動演出を用いて、時短状態の残り時間が、複数回加算され、「300:00」が表示されるよう構成しても良い。このように段階的に時短遊技の残時間表示が増えることで、遊技者はより残時間が増えないかどうか期待しながら遊技を実行することができる。
更に、本第19実施形態では、上述した第16実施形態と同様に、時短遊技中の第1特別図柄の変動時間を「300秒」となるよう構成したが、これに限られるものではなく、「300秒」以外の変動時間を実行するよう構成しても良い。このように構成する場合、300秒の変動時間以外に、300秒よりも短い変動時間(例えば、100秒)と300秒よりも長い変動時間(例えば、500秒)とを設定可能に構成するとよい。このように、変動時間を、短い変動と長い変動とを設定可能に構成することで、選ばれた変動時間が短い場合には、遊技者にとって不利な状態となり、長い変動時間が選ばれた場合には、遊技者にとって有利な状態となるため、同じ時短状態でも遊技状態に差を付けることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、実行中の第1特別図柄変動が破棄されることを示すための演出を実行する場合において、その演出態様を、破棄される第1特別図柄変動の抽選結果は残変動時間に応じて異ならせても良く、例えば、抽選結果が大当たりである場合や、残変動時間が長い場合、具体的には、次に実行される(当たり遊技終了後に実行される)第1特別図柄変動の変動時間の長さよりも長い残変動時間である場合には、実行中の第1特別図柄変動が破棄されることが遊技者に有利では無いことを示す演出態様を決定し、抽選結果が外れである場合や、残変動時間が短い場合、具体的には、次に実行される(当たり遊技終了後に実行される)第1特別図柄変動の変動時間の長さよりも短い残変動時間である場合や、予め定められた特定時間(例えば、10)よりも短い残変動時間である場合には、実行中の第1特別図柄変動が破棄されることが遊技者に有利であることを示す演出態様を決定するように構成すると良い。これにより、実行中の第1特別図柄変動が破棄されることが遊技者にとって有利であるか否かを分かり易く報知することができる。
さらに、図415に示した例では、小当たり当選した時点で、実行中の第1特別図柄変動が破棄されたことを遊技者に報知する演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、実行中の第1特別図柄変動が破棄される小当たり(小当たりB)に当選した場合も、上述した第16実施形態の図338に示したように実行中の第1特別図柄変動が中断されることを示す演出を実行し、当たり遊技終了後において、時短状態の残り時間を加算する上乗せ演出を実行するように構成しても良い。
この場合、第1特別図柄変動の残期間を記憶する手段と、第3図柄表示装置81の表示面の副表示領域Dsに表示されている残期間表示内容を記憶する手段を設け、その差分に対応する値を上乗せ表示可能な値として決定し、所定の表示条件(例えば、特別図柄の変動回数が特定回数に到達した場合に成立する表示条件や、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて成立する表示条件)が成立した場合に、上乗せ表示を実行するように構成すると良い。このように構成することで、小当たりBに当選したタイミング以外で時短状態の残期間を増加(延長)させることができるため、遊技者に対してどのタイミングで時短状態の残期間が増加するのかを分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本第19実施形態のように、時短状態の期間を最初に設定した期間(300秒)よりも長くすることが可能な構成を用いる場合には、時短状態の残期間だけでは無く、時短状態の経過期間の長さを遊技者に報知するように構成しても良い。これにより、時短状態中にどの程度時短期間を増加(延長)させたのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
加えて、上述した第16実施形態や本第19実施形態のように、時短状態中において第2特別図柄抽選で当たり当選した場合に、実行中の第1特別図柄変動の残期間の減算を中断し、当たり遊技終了後に、中断した残期間に対する減算を再開する構成を用いた場合において、再開後の残期間、即ち、当たり遊技終了後に設定される時短状態の残期間が、所定期間未満、具体的には、第2特別図柄変動として設定される変動時間よりも短い場合には、当たり遊技終了後に時短状態が設定されないことを示す表示態様を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、当たり遊技終了後に一時的に時短状態を示す演出が実行されたにも関わらず、第2特別図柄抽選の結果が表示されること無く、時短状態が終了してしまい、遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、時短状態中において第2特別図柄抽選で当たり当選した時点における第1特別図柄の残変動時間を判別し、その判別結果が、所定条件を満たした場合、具体的には、時短状態中に第2特別図柄変動として設定される変動時間よりも短い場合には、今回の当たり当選が時短状態中における最後の当たり当選であることを遊技者に示す演出を実行するように構成すると良い。これにより、当たり当選を契機に時短状態が終了したと思わせることができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第19実施形態における電気的構成>
次に、本第19実施形態における電気的構成について説明をする。本第19実施形態では、主制御装置110内に設けられているROM202の構成のうち、第16実施形態における特別図柄2乱数テーブル202a2に代えて、特別図柄2乱数テーブル202pa2を設けている点で相違している。
ここで、図416を参照して、本第19実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202に設けられている特別図柄2乱数テーブル202pa2の詳細について説明する。図416は、特別図柄2乱数テーブル202pa2の規定内容を示した図である。図416に示した通り、本第19実施形態における特別図柄2乱数テーブル202pa2には、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~3」の4つの乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりAと判定される乱数値(カウンタ値)として、「4~45」の42個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。そして、小当たりBと判定される乱数値(カウンタ値)として、「46~49」の4個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。この小当たりBは、詳細は後述するが、時短遊技中において、第1特別図柄の抽選を破棄することができるため、遊技者にとって有利な小当たりとなる。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、第2特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数、および小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ4個、および46個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/250(4/1000)であり、小当たりとなる確率は23/500(46/1000)である。第2特別図柄の小当たりに当選すると、必ず、右打ちするだけで容易にV入賞を発生させることができる開閉パターンの小当たり遊技が実行されるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合も、実質的に大当たり(V当たり)が確定する。よって、第2特別図柄の抽選が実行されると、実質的に1/20(50/1000)の確率で大当たりに当選する。
<第19実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図417から図418を参照して、本第19実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。本第19実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理は、上述した第16実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理に対して、特図2外れ停止処理16(図351のS8121参照)に代えて、特図2外れ停止処理19(図471のS8181参照)を実行する点、変動破棄処理(図418のS8282)の処理を追加する点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
まず、図417を参照して、本第19実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特図2外れ停止処理19(S8181)について説明する。図417は、特図2外れ停止処理19(S8181)の内容を示したフローチャートである。本第19実施形態における特図2外れ停止処理19(S8181)は、上述した第16実施形態の特図2外れ停止処理16(図351のS8121)に対して、小当たりBに当選した場合に、変動破棄処理を実行する点で相違する。その他の処理については、同一であるため同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
特図2外れ停止処理19(S8181)では、まず、S8201の処理において、小当たりフラグ203cbがオンであると判別した場合に(S8201:Yes)、当選した小当たり種別が小当たりBであるか判別する(S8281)。小当たりBであると判別した場合には(S8281:Yes)、変動破棄処理(S8282)を実行し、S8204の処理に移行する。一方、S8281の処理において、当選した小当たり種別が小当たりBではない(即ち、小当たりAである)と判別した場合には(S8281:No)、第1特別図柄の変動を仮停止するため、S8221の処理に移行する。
次に、図418を参照して、本第19実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特図2外れ停止処理19(S8181)内の一処理である変動破棄処理(S8282)について説明する。図418は、変動破棄処理(S8282)の内容を示したフローチャートである。変動破棄処理(S8282)では、第2特別図柄の抽選において、小当たりBに当選したことを示す表示態様で第2特別図柄変動が停止表示された場合に、実行中の第1特別図柄の変動を、外れを示す表示態様で強制停止させ、且つ、強制停止された第1特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を破棄するための処理が実行される。
変動破棄処理(S8282)では、まず、特図1変動時間カウンタ203maの値が0より大きいか、即ち、特図1が変動中であるか判別する(S8283)。特図1変動時間カウンタ203maの値が、0より大きい値であると判別した場合には(S8283:Yes)、S8284の処理に移行する。一方、特図1変動時間カウンタ203mbの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S8283:No)、そのまま本処理を終了する。
S8283の処理において、特図1変動時間カウンタ203maの値が0より大きい値であると判別した場合には(S8283:Yes)、特図1変動の停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S8284)。
次に、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S8285)、特図1変動時間カウンタ203maの値を0に設定する(S8286)。これにより、第2特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、実行中の第1特別図柄(特図2)の変動表示を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示(確定表示)することができる。
S8286の処理を終えると、次に、特図1に対する大当たりフラグ203caがオンに設定されているかを判別し(S8287)、特図1に対する大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合は(S8287:Yes)、上述したS8284の処理にて強制的に外れで停止表示された第1特別図柄に対して第1特別図柄の抽選結果を適応させるために、特図1に対する大当たりフラグ203caをオフに設定し(S8288)、特図1大当たりに対する記憶情報を削除し(S8289)、破棄コマンドを設定し(S8290)、本処理を終了する。一方、S8287の処理において、特図1に対する大当たりフラグ203cがオフに設定されていると判別した場合は(S8287:No)、S8288~S8290の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
<第19実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図419を参照して、本第19実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第19実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、上述した第16実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、コマンド判定処理(図56のS2113参照)に代えてコマンド判定処理19(図419のS2194参照)を実行する点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図419を参照して、本第19実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理19(S2194)について説明する。図419は、コマンド判定処理19(S2194)の内容を示したフローチャートである。本第19実施形態におけるコマンド判定処理19(S2194)は、上述した第16実施形態におけるコマンド判定処理(図56のS2113参照)に対して、破棄コマンドを受信した場合の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、同一であるため同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
コマンド判定処理19(S2194)では、S2215の処理において、時短関連のコマンドを受信していないと判別した場合に(S2215:No)、破棄コマンドを受信したか判別する(S2295)。破棄コマンドを受信したと判別した場合には(S2295:Yes)、残期間表示をリセットすることを示すための表示用コマンドを設定し(S2296)、本処理を終了する。ここで設定された表示用コマンドは、メイン処理(図55参照)内のコマンド出力処理(図55のS2102参照)によって、表示制御装置114に向けて出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に第1特別図柄の変動が破棄されたことを示す表示態様(図415参照)が表示される。一方、S2295の処理において破棄コマンドを受信していないと判別した場合には(S2295:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第19実施形態では、一方の特別図柄抽選にて小当たり当選したことを示す表示態様で特別図柄が停止表示された場合において、実行中の特別図柄変動を中断させる小当たり(小当たりA)と、破棄させる小当たり(小当たりB)と、を設けている。そして、時短状態中において、第2特別図柄抽選で小当たりBに当選したことに基づいて、実行中の第1特別図柄変動を破棄させることにより、時短状態の残期間を増加(延長)することができるように構成している。
よって、時短遊技中は、第1特別図柄の変動時間内にいかに第2特別図柄の抽選において大当たり、或いは、小当たりに当選するかを期待しながら遊技を実行するという遊技性に加え、小当たりBに当選し、実行中の第1特別図柄変動が破棄されることにより、時短状態の期間を延長(再セット)させるという遊技性を遊技者に提供することができ、時短状態の残期間が少なくなった場合であっても、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第19実施形態では、実行中の第1特別図柄変動を破棄させる破棄条件として、特定の小当たり種別(小当たりB)の小当たり当選を設けているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選したことに基づいて破棄条件が成立するように構成しても良い。
さらに、本第19実施形態では、時短状態中に設定される第1特別図柄変動に対する変動時間(300秒)を固定しているが、これに限ること無く、様々な長さの変動時間を設定可能に構成しても良い。この場合、例えば、時短状態中に設定される第1特別図柄変動の変動時間として、超短変動時間(20秒)、短変動時間(50秒)、中変動時間(100秒)、長変動時間(300秒)の何れかを設定可能に構成し、さらに、次に実行される(当たり遊技終了後に実行される)第1特別図柄変動の変動時間の長さを、特図1保留に含まれる入賞情報に基づいて判別可能に構成し、実行中の変動時間の残期間と、次に実行される第1特別図柄変動の変動時間の長さとに基づいて、実行中の第1特別図柄変動を中断したほうが有利な期間であるか、破棄したほうが有利な期間であるかを判定可能な手段を設け、その判定結果に応じた演出として、実行中の第1特別図柄変動が中断されたほうが有利な中断有利ゾーンと、破棄されたほうが有利な破棄有利ゾーンと、を報知可能なゾーン演出を実行するように構成すると良い。これにより、当たり当選したタイミングに応じて、遊技者に対する有利度合が異なることを分かり易く報知することができる。
加えて、時短状態中において当たり当選した場合に、まず、当たり当選することを遊技者に報知(示唆)した後に、第1特別図柄変動が中断されるか否か(破棄されるか否か)を示唆する示唆演出を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して、当否抽選の結果以外の判定結果(小当たり種別)に対しても興味を持たせることができる。
また、上述した第17実施形態の構成に、上述した第16実施形態の構成、即ち、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり遊技が開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を中断する(変動時間の計時を中断する)構成を組み合わせた特定実施形態を用いても良い。この特定実施形態について以下に説明をする。
上述した第17実施形態では、確変B状態が設定された場合には、時短終了条件として、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算数が所定数(100回)に到達した場合に成立する第2時短終了条件が設定されるように構成し(図368参照)、第2時短終了条件が成立した場合には、確変B状態が潜確状態へと移行し、RUSH遊技が実行されるように構成していた。また、時短状態が設定された場合にも、上述した第2時短終了条件が設定され、第2時短終了条件が成立した場合には、時短状態が通常状態へと移行するように構成していた(図363参照)。また、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり遊技が開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を破棄する(変動時間の計時をクリアする)ように構成していた。
このように構成された第17実施形態では、確変B状態が設定され、時短終了条件が成立していない状況で、再度確変B大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後に、新たに時短終了条件が成立されるため、例えば、時短終了条件が成立し得る第1特別図柄変動中(例えば、100回目の特別図柄変動中)において、第2特別図柄抽選で確変B大当たりに当選した場合に、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
そこで、特定実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり遊技が開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を破棄する(変動時間の計時をクリアする)ような構成に代えて上述した第16実施形態と同様の、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり遊技が開始された場合に、変動表示中の特別図柄の変動を中断する(変動時間の計時を中断する)構成を設けている点で第17実施形態と相違している。また、確変B状態、或いは、時短状態が設定される場合においても、第1特別図柄変動が1回実行されたことに基づいて成立する時短終了条件(第1時短終了条件)を設定可能に構成している点でも上述した第17実施形態と相違している。それ以外の要素については、第17実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
このように構成された本特定実施形態では、例えば、時短B状態が設定された状態で実行される第1特別図柄変動の変動時間として300秒が設定された場合において、その300秒が経過するまでに、確変B大当たりに当選した場合には、確変B大当たり遊技が開始されるタイミング(確変B大当たりに当選したことを示す特別図柄が停止表示されたタイミング)で中断された第1特別図柄変動の残変動時間の長さが、確変B大当たり遊技終了後に設定される確変B状態の時短終了条件となる。
つまり、第1特別図柄変動を中断させるタイミングに応じて、大当たり遊技終了後に確変B状態、或いは、時短状態が設定された場合における時短終了条件の長さを異ならせることができる。このように構成することで、時短終了条件の成立のし易さを異ならせるために、複数種類の時短終了条件を予め規定しておき、各時短終了条件に応じた大当たり種別を複数設けること無く、時短終了条件の成立のし易さを容易に異ならせることができる。
また、遊技者に対して、大当たり当選するタイミングにも注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となる遊技状態(確変状態)と、時短終了条件が成立しないほうが遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)と、が存在し、且つ、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出態様(チャレンジ演出)で演出を実行するように構成しているため、遊技者に対して、時短終了条件の成立のし易さと、現在の遊技状態と、に興味を持たせることができる。
なお、この特定実施形態におけるチャレンジ演出中の表示画面は、上述した第17実施形態とほぼ同一であって、大当たり当選に基づいて変動表示中の特別図柄の変動が中断された場合に、主表示領域DmのHR20(図360(a)参照)に表示されているカウントダウン表示が中断を示す表示態様(例えば、カウントダウンを停止した値の上に「中断中」の文字を付加した表示態様)で表示され、その中断中のカウントダウン表示の表示態様が、大当たり遊技中も継続して表示され、大当たり遊技終了後に、カウントダウン表示が再開されることを示す表示態様を表示した後に、カウントダウン表示を再開する点で相違するのみである。
なお、本特定実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が実行中という状況において、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たり遊技が開始された場合に、中断される変動表示中の特別図柄変動が、時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動であるかを判別する手段を有しており、時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動である場合と、時短終了条件を成立させ得ない特別図柄変動である場合とで、カウントダウン表示の表示態様を異ならせることが可能に構成している。具体的には、カウントダウン表示の表示色として3色(青、赤、虹)を設定可能に構成しており、時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動である場合のほうが、時短終了条件を成立させ得ない特別図柄変動である場合よりも、赤色、及び、虹色が設定され易くなるように構成している。一方、時短終了条件を成立させ得ない特別図柄変動である場合には、時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動である場合よりも、青色が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、カウントダウン表示の表示色に応じて実行中の特別図柄変動が時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動であるか否かを遊技者に予測させ易くすることができる。
また、この場合、カウントダウン表示が中断したタイミングにおいて、より精度を高めて時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動か否かを遊技者に報知するように構成しても良いし、中断したカウントダウン表示が、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態にて再開された場合においてより精度を高めて時短終了条件を成立させ得る特別図柄変動か否かを遊技者に報知するように構成しても良い。
また、上述した特定実施形態では、上述した第17実施形態と同様にカウントダウン表示を行うことにより、実行中の第1特別図柄変動の残期間を予測可能に構成しているが、カウントダウン表示される残期間と、第1特別図柄変動の残変動時間と、が合致する場合と、合致しない場合とを設けても良いし、カウントダウン表示自体を行わず、チャレンジ演出の演出態様(例えば、背景の色)によって、時短終了条件が成立し得るまでの残期間の長さを遊技者に予測可能に報知しても良い。
さらに、大当たり当選したことを示す表示態様(第3図柄の停止表示態様や大当たりの文字)を、当選した大当たりに設定される大当たり種別と、時短終了条件が成立し得るまでの残期間と、に応じて決定するように構成しても良く、例えば、第2特別図柄抽選で確変B大当たりに当選した場合において、大当たり変動の変動時間と、現時点における第1特別図柄変動の残変動時間とに基づいて、大当たり変動停止時における第1特別図柄変動の残変動時間を算出し、その算出結果が有利条件(残変動時間が3秒以内)を満たしている場合には、確変A大当たりを示す第3図柄の停止表示態様と識別困難な態様で第3図柄を停止表示させ、算出結果が不利条件(残変動時間が250秒以上)を満たしている場合には、時短大当たりを示す第3図柄の停止表示態様と識別困難な態様で第3図柄を停止表示させるように構成しても良い。
一方、例えば、第2特別図柄抽選で時短大当たりに当選した場合において、大当たり変動の変動時間と、現時点における第1特別図柄変動の残変動時間とに基づいて、大当たり変動停止時における第1特別図柄変動の残変動時間を算出し、その算出結果が第2不利条件(残変動時間が3秒以内)を満たしている場合には、通常大当たりを示す第3図柄の停止表示態様と識別困難な態様で第3図柄を停止表示させ、算出結果が有利条件(残変動時間が250秒以上)を満たしている場合には、時短大当たりを示す第3図柄の停止表示態様と識別困難な態様で第3図柄を停止表示させるように構成しても良い。
また、大当たり変動中や大当たり遊技中に表示される表示態様(例えば、大当たり開始のコメント)を可変させることにより、大当たり遊技終了後における時短終了条件の成立のし易さと、時短終了条件が成立した場合における有利度合いと、関連付けた遊技情報を遊技者に報知するように構成しても良く、この遊技情報としては、時短終了条件が成立し易く、且つ、時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを示す遊技情報、時短終了条件が成立し易く、且つ、時短終了条件が成立したほうが遊技者に不利となる遊技状態が設定されることを示す遊技情報、時短終了条件が成立し難く、且つ、時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを示す遊技情報、時短終了条件が成立し難く、且つ、時短終了条件が成立したほうが遊技者に不利となる遊技状態が設定されることを示す遊技情報と、少なくとも、4つの段階に分けた遊技情報を遊技者に報知可能に構成すると良い。これにより、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を、遊技者の有利度合いに対応させた複合的な情報として提供することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
さらに、本特定実施形態において、実行中の第1特別図柄変動が、大当たり当選しているか否かの判別結果も上述した各種演出の演出態様を可変させるための要素として用いても良く、例えば、大当たり遊技終了後に、時短終了条件が成立し易く(残変動時間が短く)、且つ、時短終了条件が成立したほうが遊技者に不利となる遊技状態(時短状態)が設定される場合において、中断されていた第1特別図柄変動が遊技者に有利となる大当たり(確変A大当たり)に当選している場合には、遊技者に報知する遊技情報として、時短終了条件が成立し易く(残変動時間が短く)、且つ、時短終了条件が成立したほうが遊技者に有利となる(確変A大当たりに当選する)遊技状態であることを示す遊技情報として遊技者に提供するように構成すると良い。これにより、より複合的な情報を遊技者に提供することができる。
<第20実施形態>
次に、図420から図426を参照して、第20実施形態について説明をする。本第20実施形態では、上述した第17実施形態に対して、V入賞装置1650と可変入賞装置2650との両方を用いて実行される大当たり遊技、即ち、大当たりE17、大当たりG17、大当たりH17に対応して実行される大当たり遊技の動作内容を異ならせた点と、大当たり遊技に基づいて実行される大当たり遊技演出の実行期間を設定するための処理内容を異ならせた点で相違している。それ以外は上述した第17実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した第17実施形態では、図365(b)に示した当たり動作17テーブル202ngに示した通り、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりE17、大当たりG17に対応する動作内容として、大当たり遊技の1,2ラウンド目にV入賞装置1650を開放動作させ、大当たり遊技の3,4ラウンド目に可変入賞装置2650を開放動作させる動作内容が規定されており、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりH17に対応する動作内容として、大当たり遊技の1,2ラウンド目に可変入賞装置2650を開放動作させ、大当たり遊技の3,4ラウンド目にV入賞装置1650を開放動作させる動作内容が規定されていた。
これにより、遊技者に対して潜確状態中に上述した大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技の一部として実行される可変入賞装置2650の開放動作を、小当たり遊技が実行されたと思わせることができ、見た目上、大当たり遊技としてV入賞装置1650が2ラウンド開放動作される大当たり遊技(2ラウンド大当たり遊技)が実行されているように思わせることができ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりE17、大当たりG17に対応する大当たり遊技が実行されたのか、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりH17に対応する大当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることができるものであった。
しかしながら、上述した第17実施形態では、V入賞装置1650が開放動作された後の遊技状況によって、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されたのか、潜確状態が設定されたのかを即座に遊技者に判別されてしまい、遊技意欲が一気に低下してしまう虞があった。
つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりE17、大当たりG17に対応する大当たり遊技が実行された場合には、V入賞装置1650を開放動作させる1,2ラウンド目の後に、可変入賞装置2650を開放動作させる3,4ラウンド目の大当たり遊技が実行されると共に、その後も、潜確状態が設定され、引き続き可変入賞装置2650へと球を入賞させることが可能な状況が継続し得るのに対して、大当たりH17に対応する大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後、即ち、4ラウンド目の開放動作が終了した後に時短状態が終了してしまい、その後、小当たり遊技が実行されたとしても、可変入賞装置2650へと遊技球を入球させることができない状況となるものであった。
よって、V入賞装置1650の開放動作を大当たり遊技と思わせるように演出を実行したとしても、そのV入賞装置1650を開放動作させた後に実行される可変入賞装置2650の開放動作(大当たり遊技の一部、或いは、小当たり遊技)における球の入賞具合によって直ぐに設定されている遊技状態が判別されるものであった。
これに対して、本第20実施形態では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりE20、大当たりG20に対応する大当たり遊技の動作内容として、大当たり遊技の1,2ラウンド目に可変入賞装置2650を開放動作させ、大当たり遊技の3,4ラウンド目にV入賞装置1650を開放動作させる動作内容を規定し、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりH20に対応する大当たり遊技の動作内容として、大当たり遊技の1,2ラウンド目にV入賞装置1650を開放動作させ、大当たり遊技の3,4ラウンド目に可変入賞装置2650を開放動作させる動作内容を規定している。
このように構成することで、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される大当たり遊技が実行される場合において、遊技者に対して大当たり遊技と思わせるV入賞装置1650の開放動作が実行された後に、可変入賞装置2650が2ラウンド分開放動作されるため、遊技者に対して潜確状態が設定されたのではと思わせることができる。よって、V入賞装置1650の開放動作が終了した後も、所定期間の間、遊技者に対して、大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が設定されたのか、遊技者に不利な遊技状態(時短状態)が設定されたのかを把握させ難くすることができる。
さらに、本第20実施形態では、V入賞装置1650が開放動作されるタイミングに合わせて大当たり演出の開始画面(図359参照)を表示し、V入賞装置1650の開放動作が終了した後に、可変入賞装置2650が所定回数(2回)開放動作され得る期間が経過するタイミングに合わせて大当たり演出の終了画面(図356参照)を表示するように構成している。
つまり、実際の大当たり遊技の実行期間と、大当たり演出の実行期間とを異ならせるように構成し、異なる動作態様で開放動作される大当たり遊技の種別に対して、大当たり遊技の一部の動作と、小当たり遊技の動作とを含めて、大当たり演出の実行期間中に、同様の動作態様の開放動作が実行され得るように構成している。このように構成することで、異なる動作態様で開放動作される大当たり遊技が実行される場合において、大当たり遊技の動作態様に基づいて、実行されている大当たり遊技の種別を遊技者に判別され難くすることができる。
次に、図422を参照して、大当たりE20に当選した場合と、大当たりH20に当選した場合とで実行される大当たり遊技の流れと実行される演出の内容について説明をする。図422(a)は、大当たりE20に当選した場合の流れを示したタイミングチャートで、図422(b)は、大当たりH20に当選した場合の流れを示したタイミングチャートである。なお、上述した第17実施形態と同一の流れの箇所については、その詳細な説明を省略する。
図422(a)に示した通り、大当たりE20に当選した場合には、1,2ラウンド目に可変入賞装置2650が開放動作するラウンド遊技が実行される。このラウンド遊技の動作内容は、小当たり遊技の動作内容と同一である。また、1ラウンド目と2ラウンド目との間のインターバル期間として、第2特別図柄変動の変動時間である3秒が設定されている。よって、大当たりE20の大当たり遊技が実行された場合には、あたかも、第2特別図柄抽選で2回連続小当たり当選したかのような動作内容で可変入賞装置2650が開放動作される。また、この時点では大当たり演出が実行されず、RUSH演出(RUSHモード演出)が継続して実行される。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技終了後にも3秒のインターバル期間が設定され、3ラウンド目のラウンド遊技としてV入賞装置1650が開放動作されるラウンド遊技が実行されると共に、大当たり遊技演出が実行される。そして、4ラウンド目のラウンド遊技の終了後に、潜確状態が設定され、引き続き、第2特別図柄抽選に基づく小当たり遊技が実行される。そして、2回目の小当たり遊技の終了タイミングにて大当たり遊技演出が終了する。つまり、大当たり遊技演出が実行されている期間中には、最初にV入賞装置1650が2回開放動作され、次いで、可変入賞装置2650が2回開放動作されることになる。
一方、図422(b)に示した通り、大当たりH20に当選した場合には、1,2ラウンド目にV入賞装置1650が開放動作するラウンド遊技が実行される。その後、第2特別図柄変動の変動時間である3秒のインターバル期間を経て、3,4ラウンド目に可変入賞装置2650が開放動作される。この3,4ラウンド目に可変入賞装置2650が開放動作、及び、インターバル期間は、上述した大当たりE17に当選した場合に実行される大当たり遊技の可変入賞装置2650の開放動作と同様に、あたかも、第2特別図柄抽選で2回連続小当たり当選したかのような動作内容で可変入賞装置2650が開放動作される。この大当たりE20に当選した場合の大当たり遊技では、大当たり遊技期間と同一の期間に大当たり遊技演出が実行される。つまり、大当たり遊技演出が実行されている期間中には、最初にV入賞装置1650が2回開放動作され、次いで、可変入賞装置2650が2回開放動作されることになる。
このように構成することで、大当たり遊技演出の実行期間中におけるV入賞装置1650及び可変入賞装置2650の動作順序及び動作内容を同様にすることができるため、遊技者に対してどの大当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることができる。
さらに、時短状態が設定される大当たり遊技(大当たりH20)が実行された場合にも、V入賞装置1650が開放動作された後に、可変入賞装置2650へと球を入球させることが可能な態様(普通図柄の低確率状態が設定されている大当たり遊技中)で可変入賞装置2650を開放させることができるため、あたかも、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されたのではと遊技者に思わせることができる。
また、本実施形態では、大当たり遊技終了後において潜確状態が設定された場合であって、大当たり遊技演出が継続している最中に、第2特別図柄抽選で外れ当選した場合には、その時点で潜確状態が設定されていることを示すRUSH演出(RUSHモード演出)を実行するように構成している。つまり、図422(b)に示した通り、時短状態が設定される大当たり遊技では、V入賞装置1650の開放動作の後に、必ず、可変入賞装置2650が所定間隔(特図2変動時間の間隔)を開けて実行されるように規定されているため、その間隔で小当たり遊技が実行されなかった時点で、いち早く、潜確状態が設定されていることを演出で報知するように構成している。これにより、遊技者に対して外れ当選を期待させるといった斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本実施形態では、V入賞装置1650の開放動作が実行される前後に、第2特別図柄にて小当たり当選することを前提とした態様(即ち、3秒間隔で可変入賞装置2650が開放動作される態様)に合わせた開放動作を規定しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の動作内容として、第2特別図柄抽選で連続して外れ当選した場合にのみ創出される可変入賞装置2650が開放されない期間(例えば、6秒間又は9秒間)に対応させてインターバル期間やオープニング期間やエンディング期間を設定するように構成しても良い。
このように構成することで、小当たり遊技が実行されない期間が所定期間継続した場合に、大当たり遊技に当選したのではと遊技者に思わせることができる。
また、RUSH遊技中(潜確状態中)における第2特別図柄変動の変動時間として複数の変動時間を設定可能にし、例えば、基準変動時間を3秒と設定している場合には、長変動時間として、6秒や9秒の変動時間を設定可能に構成しても良い。これにより、大当たり遊技のオープニング期間が設定されているのか、第2特別図柄抽選で外れに連続して当選したのか、第2特別図柄の長変動が実行されているのかを遊技者に分かり難くすることができるため、RUSH遊技中における各入賞装置の開放動作タイミングにより注視させることができる。
さらに、この場合、第2特別図柄の長変動中に第2特別図柄抽選で外れ当選した場合と同一の演出態様で変動表示演出が実行されるように構成すると良い。これにより、大当たり遊技のオープニング期間が設定されているのか、第2特別図柄抽選で外れに連続して当選したのか、第2特別図柄の長変動が実行されているのかを遊技者に分かり難くすることができる。
<第20実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図423~図426を参照して、本第20実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第20実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、上述した第17実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、当たり関連処理17(図387のS12202参照)に代えて当たり関連処理20(図423のS12292参照)、大当たり終了時処理17(図390のS12306参照)に代えて大当たり終了時処理20(図424のS12356参照)、演出設定処理17(図393のS12861参照)に代えて演出設定処理20(図426のS12891参照)を実行する点、小当たり終了時処理(図425のS12352)を追加する点で相違する。その他の処理については、同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図423を参照して、本第20実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり関連処理20(S12292)について説明する。図423は、当たり関連処理20(S12292)の内容を示したフローチャートである。本第20実施形態における当たり関連処理20(S12292)は、上述した第17実施形態における当たり関連処理17(図387のS12202参照)に対して、開始遅延フラグ223nhをオンに設定するための大当たり種別を異ならせている点と、ラウンド数コマンド、大当たり終了コマンド、および小当たり終了コマンドを受信した場合の処理を異ならせている点で相違する。その他の処理については、同一であるため同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
当たり関連処理20(S12292)では、まず、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2401)。大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S2401:Yes)、次に、現在の遊技状態が潜確状態中であるか判別する(S12301)。現在の遊技状態が、潜確状態であると判別した場合には(S12301:Yes)、今回当選した大当たり種別が、大当たりE20、或いは、大当たりG20であるか判別する(S12351)。この大当たりE20、大当たりG20は大当たり遊技終了後に、確変A状態よりも時短終了条件が成立し難い確変B状態が設定される。
S12351の処理において、今回の大当たり種別が、大当たりE20、或いは、大当たりG20であると判別した場合には(S12351:Yes)、開始遅延フラグ223nhをオンに設定し(S12304)、本処理を終了する。この開始遅延フラグ223nhは、大当たり終了時処理20(図424のS12356参照)のS12481の処理において参照され、この開始遅延フラグ223nhがオンに設定されている場合には、大当たり演出を継続するための処理が実行される。
一方、S12301の処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合(S12301:No)、或いは、S12351の処理において、今回当選した大当たり種別が、大当たりE20、或いは、大当たりG20ではないと判別した場合には(S12351:No)、上述した大当たり開始処理(S12302)を実行し、本処理を終了する。
また、本第20実施形態における当たり関連処理20(図423参照)では、S2404の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合に(S2404:Yes)、次いで、開始遅延フラグ223nhがオンであるか否かを判別し(S12431)、開始遅延フラグ223nhがオフであると判別した場合は(S12431:No)、処理をS2405へと移行する。これに対し、S12431の処理において、開始遅延フラグ223nhがオンであると判別した場合は(S12431:Yes)、次いで、今回受信したラウンド数コマンドが3ラウンド目を示すコマンドであるか否かを判別し(S12432)、3ラウンド目を示すコマンドであると判別した場合は(S12432:Yes)、チャレンジモードへ移行する大当たりに対応する大当たり演出を実行させるための表示用大当たり開始コマンドを設定して(S12433)、本処理を終了する。一方、S12432の処理において、今回受信したラウンド数コマンドが3ラウンド目を示すコマンドではないと判別した場合は(S12432:No)、S12433の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。このS12431~S12433の各処理を実行することにより、大当たりE20,G20の大当たり演出を大当たりの3ラウンド目(V入賞装置1650が開放されるラウンド)から開始させることができる。つまり、見た目上、大当たりH20(1ラウンド目、2ラウンド目でV入賞装置1650が開放される大当たり)と同様の動作および演出になるように構成することができるので、確変大当たりであるか、時短大当たりであるかを遊技者に対して区別し難く構成することができる。よって、たとえ不利な大当たりH20(時短大当たり)に当選していたとしても、確変大当たりであることをより長く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第20実施形態における当たり関連処理20(図423参照)では、S2406の処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S2406:Yes)、大当たり終了時処理20(S12356)を実行し、本処理を終了する。ここで、図424を参照して、本第20実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり関連処理20(図423のS12292参照)内の一処理である大当たり終了時処理20(S12356)について説明する。図424は、大当たり終了時処理20(S12356)の内容を示したフローチャートである。本第20実施形態における大当たり終了時処理20(S12356)は、上述した第17実施形態における大当たり終了時処理17(図390のS12306参照)に対して、実行している大当たり遊技の大当たり種別に基づいて、大当たり演出の継続を設定するための処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、同一であるため同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
大当たり終了時処理20(S12356)では、まず、開始遅延フラグ223nhがオンに設定されているか判別する(S12481)。開始遅延フラグ223nhがオンであると判別した場合には(S12481:Yes)、開始遅延フラグ223nhをオフに設定し(S12482)、次に、大当たり演出継続フラグ223qbをオンに設定し(S12483)、そのまま本処理を終了する。一方、S12481の処理において、開始遅延フラグ223nhがオンではないと判別した場合には(S12481:No)、上述したS12451~S12455の処理を実行する。S12455の処理が終了すると、次いで、今回終了する大当たりが大当たりB20,C20のどちらかであるか否かを判別し(S12484)、大当たりB20,C20のどちらかであると判別した場合は(S12484:Yes)、処理をS12458へと移行する。これに対し、今回終了する大当たりが大当たりB20,C20のいずれでもないと判別した場合は(S12484:No)、処理をS12457へと移行する。
図423に戻り、説明を続ける。S2406の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2406:No)、上述したS2409~S2411の処理を実行する。そして、S2411の処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S2411:Yes)、小当たり終了時処理を実行し(S12352)、そのまま本処理を終了する。小当たり終了時処理(S12352)の詳細な説明については、図425を参照して後述する。一方、S2411の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2411:No)、上述したS12310,S12311の処理を実行し、そのまま本処理を終了する。
次に、図425を参照して、本第20実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり関連処理20(図423のS12292参照)内の一処理である小当たり終了時処理(S12352)について説明する。図425は、小当たり終了時処理(S12352)の内容を示したフローチャートである。この小当たり終了時処理は、大当たりE20、或いは、大当たりG20の大当たり遊技終了後に当選した小当たりの回数をカウントし、所定値となった場合に、ラッシュモードに突入することを示す表示用コマンドを設定するための処理である。
小当たり終了時処理(S12352)では、まず、小当たり回数カウンタ223qqの値が0より大きいか判別する(S12371)。小当たり回数カウンタ223qqの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S12371:No)、大当たり演出継続フラグ223qbがオンに設定されているか判別する(S12372)。大当たり演出継続フラグ223qbがオンではないと判別した場合には(S12372:No)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり演出継続フラグ223qbがオンに設定されていると判別した場合には(S12372:Yes)、小当たり回数カウンタの値に1をセットし(S12373)、本処理を終了する。
一方、S12371の処理において、小当たり回数カウンタ223qqの値が0より大きい値であると判別した場合には(S12371:Yes)、小当たり回数カウンタ223qqの値を1減算し(S12374)、次に、小当たり回数カウンタ223qqの値は0であるか判別する(S12375)。小当たり回数カウンタ223qqの値が0であると判別した場合には(S12375:Yes)、大当たり演出継続の終了タイミングであるため、ラッシュモード突入を示す表示用コマンドを設定し(S12376)、大当たり演出継続フラグ223qbをオフに設定し(S12377)、そのまま本処理を終了する。一方、S12375の処理において、小当たり回数カウンタ223qqの値が0ではないと判別した場合には(S12375:No)、S12376~S12377の処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図426を参照して、本第20実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出設定処理20(S12891)について説明する。図426は、演出設定処理20(S12891)の内容を示したフローチャートである。本第20実施形態における演出設定処理20(S12891)は、上述した第17実施形態における演出設定処理17(図393のS12861参照)に対して、大当たり演出の継続中に、第2特別図柄の外れ変動の演出を設定するための処理(S12893~S12897)が追加されている点で相違する。その他の処理については、同一であるため同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
演出設定処理20(S12891)では、まず、上述したS12701の処理を実行した後、大当たり演出継続フラグ223qbがオンに設定されているか判別する(S12893)。大当たり演出継続フラグ223qbがオンに設定されていると判別した場合には(S12893:Yes)、今回実行する特別図柄の変動が、第2特別図柄の外れ変動であるか判別する(S12894)。今回実行する特別図柄の変動が、第2特別図柄の外れ変動であると判別した場合には(S12894:Yes)、RUSH突入を示すための表示用コマンドを設定し(S12895)、大当たり演出継続フラグ223qbをオフに設定する(S12896)。そして、小当たり回数カウンタ223qqの値を0にリセットし(S12897)、本処理を終了する。
一方、S12893の処理において、大当たり演出継続フラグ223qbがオンに設定されていないと判別した場合には(S12893:No)、上述したS12702~S12713の処理を実行し、本処理を終了する。
<主制御装置における制御内容の別例>
上述した各実施形態のうち、第6実施形態及び第17実施形態では、特別図柄の確率状態として、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率となる高確率状態と、その高確率状態よりも大当たり当選する確率が低確率となる低確率状態と、を設定可能なパチンコ機10について説明をした。
さらに、上述した第6実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されてから特別図柄変動回数が所定回数(100回)実行されると、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行する制御内容を有するパチンコ機10を説明し、第17実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されてから次の大当たりに当選するまでの期間、特別図柄の高確率状態が継続する制御内容を有するパチンコ機10について説明した。
特別図柄の高確率状態を継続させるための制御内容(特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための制御内容)としては、上述した2つの制御内容以外の制御内容を用いても良い。
ここで、図427から図429を参照して、上述した第17実施形態に対して主制御装置110における制御内容を異ならせた別例について説明する。本別例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されると、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための抽選(所謂、転落抽選)を実行可能に構成し、転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変状態から時短状態へと移行させるように構成している。つまり、上述した第17実施形態では、確変状態が設定されると、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで(大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示されるまで)確変状態が継続するように構成していたが、本別例では、特別図柄抽選で大当たり当選するまでに転落抽選に当選してしまうと、その時点で確変状態が終了してしまうように構成している。
このように構成することで、有利遊技状態が設定されている期間において実行される示唆演出によって確変状態が設定されていると把握した場合であっても、いつまで確変状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができるため、実行される示唆演出の内容をより注視させることができる。
また、上述した第17実施形態では、確変状態が設定された場合に、時短終了条件が成立することで潜確状態へと移行するように構成している。つまり、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで(大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示されるまで)確変状態が継続するように構成された第17実施形態では、確変状態中に大当たり当選することなく時短終了条件が成立するまで特別図柄抽選を実行させることにより、遊技者に有利となる潜確状態へと移行するように構成していた。
これに対して、本別例では、時短終了条件が成立するよりも前に転落抽選に当選した場合には、時短終了条件が成立した場合に、通常状態へと移行することになる。このように構成することで、確変状態が設定された場合であっても、転落抽選の当選の有無に応じて、時短終了条件が成立した後の遊技性を大きく異ならせることができる。
<本別例の電気的構成について>
次に、図427を参照して、本別例の電気的構成について説明をする。本別例は、上述した第17実施形態に対して、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる抽選(転落抽選)を実行可能に構成している点で大きく相違しており、転落抽選を実行するための構成を追加した点で相違している。
まず、図427(a)を参照して、本別例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図427(a)は、本別例のパチンコ機10のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図427(a)に示した通り、本別例のROM202は、上述した第17実施形態のROM202に対して、新たに転落抽選テーブル202nhを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
転落抽選テーブル202nhは、後述する転落抽選カウンタCd1の判定値が記憶されているデータテーブルである。第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球した際(始動入賞の際)に取得された転落抽選カウンタCd1の値が、転落抽選テーブル202nhに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の低確率状態へと移行するように(転落するように)設定される。
ここで、図427(b)を参照して、転落抽選テーブル202nhの内容について説明をする。図427(b)は、転落抽選テーブル202nhの内容を模式的に示した模式図である。図427(b)に示したとおり、転落抽選テーブル202nhには、特別図柄の確変状態において転落と判定される判定値として、「0,1」の2つの判定値が規定されている。ここで、転落抽選カウンタCd1は、「0~999」の範囲で値が更新されるループカウンタである。転落抽選カウンタCd1の取り得る1000個の値のうち、転落と判定される判定値が2個存在するので、特別図柄の確変状態において、転落する(特別図柄の低確率状態へと移行する)確率は、1/500となる。
なお、本別例における転落抽選テーブル202nhには、特別図柄の確変状態において転落か否かを判定するための判定値(特別図柄の確変状態用の判定値)のみが規定されており、特別図柄の低確率状態用の判定値は規定されていない。既に特別図柄の低確率状態となっている場合において、特別図柄の低確率状態へと移行させるか否かを判定するのは処理の無駄だからである。
本別例では、この転落抽選テーブル202nhと、定期的に更新される転落抽選カウンタCd1とが比較されて、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行させる(転落させる)か否かが判定される。即ち、有利遊技状態のうち、最も遊技者に有利な有利状態である確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)から、有利遊技状態の1つではあるが、確変状態よりは遊技者に不利となる時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行するタイミングをランダムにすることができる。よって、遊技者に対して、確変状態がなるべく長く継続するように期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本別例では、確変状態が設定された場合には、転落抽選に当選し無い限り、次の大当たり当選まで確変状態が継続するように構成しているが、例えば、上述した第6実施形態のように、特別図柄の高確率状態の最大継続期間(50回)が確変カウンタ203iの値によって規定されるように構成しても良い。
本別例では、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)するか否かが抽選(判定)されていたが、他の状態へと移行することを抽選(判定)してもよい。例えば、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するか否かを、変動毎に実行される抽選により判別してもよい。これにより、有利遊技状態がいつまで続くのかをランダムとすることができるので、変動毎に有利遊技状態が継続することを願って遊技を行わせることができる。また、例えば、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行するか否かを抽選可能に構成してもよい。
さらに、本別例では、上述した転落抽選を特別図柄抽選が行われる毎に実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選が実行される特別図柄の種別に応じて、転落抽選の実行のし易さを異ならせても良く、例えば、普通図柄の高確率状態中に主として実行される第2特別図柄抽選が行われる場合のほうが、第1特別図柄抽選が行われる場合よりも転落抽選が実行され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が行われることに基づいて実行された転落抽選によって特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行してしまい、遊技者に有利な遊技を行わせ難くなることを抑制することができる。
また、転落抽選の実行タイミングにて、転落抽選の実行回数を決定する回数決定手段を設け、転落抽選の実行契機が成立した場合に実行される転落抽選の回数を異ならせるように構成しても良い。この場合、回数決定手段により決定される回数の範囲を「0~5」とし、その平均値が1回となるように設計すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選が実行される回数と、転落抽選が実行される回数とを乖離させることができるため、どのタイミングで特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するのかをより分かり難くすることができる。なお、この場合、回数決定手段により決定された回数(転落抽選の実行回数)を、示唆可能な示唆手段を設け、遊技者に対して、転落し易い期間(回数決定手段により複数回が決定された期間)と、転落し難い期間(回数決定手段により0回が決定された期間)と、を示唆可能に構成すると良い。これにより、示唆手段による示唆内容に基づいて、転落の有無を予測しながら遊技を行うことができる。
さらに、本別例では、特別図柄抽選の実行を転落抽選の実行契機としているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄抽選が実行される場合に転落抽選を実行するように構成しても良いし、遊技盤13に設けられた特定の入賞口(例えば、一般入球口63)に球が入球した場合に転落抽選を実行するように構成しても良い。
<別例における制御処理内容について>
次に、図428及び図429を参照して、本別例における主制御装置110のMPU201が実行する制御処理内容のうち、上述した第17実施形態とは異なる点について説明をする。本第17実施形態のパチンコ機10は、上述した通り転落抽選の機能を有している点で上述した第17実施形態のパチンコ機10とは相違しており、この相違点に関する制御内容が相違している。具体的には、第1特別図柄大当たり判定処理17と、第2特別図柄大当たり判定処理17との内容が相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図428を参照して、第1特別図柄大当たり判定処理17(図428のS7126参照)の内容について説明をする。図428は、第1特別図柄大当たり判定処理17(図428のS7126参照)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄大当たり判定処理17(図428のS7126参照)が実行されると、上述した第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照)と同一のS1811~S1812の処理を実行し、S1812の処理において確変フラグ203ncがオンに設定されていると判別した場合に(S1812:Yes)、取得した転落抽選カウンタCd1の値と、転落抽選テーブル202nhに規定されている値とを比較し(S1876)、転落抽選に当選したか否かを判別する(S1877)。
転落抽選に当選したと判別した場合は(S1877:Yes)、確変フラグをオフに設定し(S1878)、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行したことを示すための転落コマンドを設定し(S1879)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理17(図374のS7121参照)のS1813~S1820の処理と同様の処理であるS1880,S1815~S1820の各処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1877の処理において、転落抽選に当選していないと判別した場合は(S1877:No)、S1878,S1879の各処理をスキップして、処理をS1880へと移行する。更に、S1812の処理において、確変フラグ203ncがオフであると判別した場合は(S1812:No)、S1876~S1879の各処理をスキップして、処理をS1880へと移行する。
次に、図429を参照して、第2特別図柄大当たり判定処理17(図429のS7644参照)の内容について説明をする。図429は、第2特別図柄大当たり判定処理17(図429のS7644参照)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理17(図429のS7644参照)が実行されると、上述した第2特別図柄大当たり判定処理17(図379のS7638参照)と同一のS1921~S1922の処理を実行し、S1922の処理において確変フラグ203ncがオンに設定されていると判別した場合に(S1922:Yes)、取得した転落抽選カウンタCd1の値と、転落抽選テーブル202nhに規定されている値とを比較し(S1976)、転落抽選に当選したか否かを判別する(S1977)。
転落抽選に当選したと判別した場合は(S1977:Yes)、確変フラグ203ncをオフに設定し(S1978)、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行したことを示すための転落コマンドを設定し(S1979)、上述した第2特別図柄大当たり判定処理17(図379参照)のS1923~S1930の処理と同様の処理であるS1980,S1925~S1930の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1977の処理において、転落抽選に当選していないと判別した場合は(S1977:No)、S1978,S1979の各処理をスキップして、処理をS1980へと移行する。更に、S1922の処理において、確変フラグ203ncがオフであると判別した場合は(S1922:No)、S1976~S1979の各処理をスキップして、処理をS1980へと移行する。
以上、説明をした通り、本別例では、特別図柄抽選の実行条件が成立した状態において、実際に特別図柄抽選を実行する前に、転落抽選を実行するように構成している。このように構成することで、転落抽選の抽選結果に応じた特別図柄抽選を即座に実行することができるため、遊技者に対して公正な遊技を提供することができる。
なお、転落抽選の実行タイミングと、特別図柄抽選の実行タイミングとを、本別例とは異ならせるように構成しても良く、例えば、特別図柄抽選を実行した後に、転落抽選を実行するように構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄抽選が実行され、その直後に転落抽選が実行されることになるため、特別図柄の高確率状態で実行された特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでに(特別図柄変動が停止表示されるまでに)、転落抽選に当選し特別図柄の低確率状態が設定される事象が発生することになる。このような状態が発生した場合には、例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて、現在実行中の特別図柄変動が、特別図柄抽選が高確率状態で実行された最後の変動となり、次回の特別図柄抽選が特別図柄の低確率状態で実行される旨を示すための転落報知演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して実行中の特別図柄変動の結果をより注視させることができる。
また、本別例では、転落抽選に当選すると、次に特別図柄抽選が実行されるよりも前に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、転落抽選に当選した場合に、特別図柄の高確率状態が継続する回数を2以上減算(確変カウンタ203iの値を2以上減算)したり、特別図柄の高確率状態中に実行され得る特別図柄抽選の残回数を所定回数(例えば、2回)にしたりするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、転落抽選に当選したことにより、遊技者に最も有利となる遊技状態(確変状態)がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くさせることができるため、緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
本別例では、転落抽選にて当選しなかった場合、即ち、特別図柄の高確率状態が継続した場合にて、その旨を遊技者に示唆、或いは報知するための演出を実行しないことで、特別図柄の高確率状態が継続する期間(継続している期間)を遊技者に分かり難く構成しているが、これに限ること無く、転落抽選にて当選しなかった場合の一部において、その旨を遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、例えば、転落抽選テーブル202nhに、当選(転落)と判定される転落抽選カウンタCd1の値だけでは無く、特定外れと判定される値(例えば、998,999)を規定しておき、当該値と判定した場合に、特定外れを示すコマンドを設定することで、遊技者に対して転落抽選の結果が特定外れであることを示すための演出を実行するように構成しても良いし、転落抽選の抽選結果が外れであることを示すためのコマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で転落抽選の抽選結果が外れであることを示すためのコマンドを受信した場合に、転落抽選の抽選結果が外れであることを示す演出を実行するか否かの抽選を行い、その抽選で演出を実行すると判別した場合に外れ演出を実行するように構成しても良い。
<第21実施形態>
次いで、図430から図446を参照して、第21実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第6実施形態におけるパチンコ機10では、確変状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)確変状態1と、その確変状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)確変状態2と、の有利度合いが異なる2種類の確変状態を設けると共に、時短状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)時短状態1と、その時短状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)時短状態2と、の有利度合いが異なる2種類の時短状態を設ける構成としていた。言い換えれば、右打ちにより遊技を進行する比較的有利な遊技状態として、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態と、比較的有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態と、を設ける構成としていた。
これに対して本第21実施形態におけるパチンコ機10では、右打ちにより遊技を進行する比較的有利な遊技状態(即ち、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態)として、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態、および時短状態の2種類の遊技状態のみを設ける代わりに、左打ちにより遊技を進行する比較的不利な遊技状態(即ち、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態)として、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(通常状態)と、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選と、が交互に実行され易い(即ち、有利な第2特別図柄の抽選が通常状態よりも実行され易い)遊技状態(潜確状態)と、の2種類の遊技状態を設ける構成としている。通常状態では、特別図柄の低確率状態に設定される上に、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選ばかりが実行されるため、不利になる一方、潜確状態では、特別図柄の高確率状態に設定されることで大当たりに当選し易くなる上に、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が比較的実行され易くなるため、遊技者にとって有利となる。よって、左打ちにより遊技を進行する遊技状態にメリハリをつけることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、左打ちにより遊技を進行する比較的有利度合いが低い遊技状態と、右打ちにより遊技を進行する比較的有利度合いが高い遊技状態と、を設ける構成とし、大当たり当選等の特定契機の成立に基づいて、有利度合いが低い遊技状態から有利度合いが高い遊技状態へと移行するものが広く一般的に知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが低い遊技状態が長く続いてしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうという問題点があった。
これに対して本第21実施形態では、左打ちにより遊技を進行する遊技状態として、左打ちを行うことでほぼ第1特別図柄の抽選のみが実行される通常状態と、左打ちを行うことで第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ交互に実行される潜確状態と、の2種類の遊技状態を設ける構成としている。これにより、左打ちにより遊技を進行する不利な遊技状態において、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。よって、不利な遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第21実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第6実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図430を参照して、本第21実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図430は、本第21実施形態における遊技盤13の正面図である。図430に示した通り、本第21実施形態における遊技盤13では、第6実施形態における振分装置700、振分装置700の第1作動口704へと遊技球が入球したことに基づいて開放される右第1入球口64a2、および振分装置700の第2作動口707へと遊技球が入球したことに基づいて開放される右第2入球口64bが削除されている点で相違する。
また、本第21実施形態における遊技盤13では、図430に示した通り、遊技盤13の中央下部に、第6実施形態における第1入球口64a1に代えて、遊技球を複数の入球口(左第1入球口64l、右第1入球口64r、および第2入球口1640)の何れかへと振り分けることが可能な振分装置1750が設けられている点で相違する。また、第2入球口1640には、通常時は遊技盤13の内側に収納され、普通図柄の当たりとなった場合に所定期間、正面視手前側へと突出動作を行うことが可能な横長略長方形形状の普通電動役物1640aが付随して設けられている点でも第6実施形態と相違する。なお、この普通電動役物1640aは、遊技盤13に対して正面視手前側に突出した状態において、上面を遊技球が転動可能に構成されている。普通電動役物1640aの上面を転動する遊技球は、第2入球口1640の入球面へと誘導される。一方、普通電動役物1640aが遊技盤13の内部に収納されている状態(埋没している状態)においては、遊技球が第2入球口1640へと誘導されないため、第2入球口1640へと入球困難な状態を形成する。
更に、図430に示した通り、本第21実施形態における遊技盤13では、普通図柄の抽選の契機となるスルーゲートとして、中央スルーゲート67cと、右スルーゲート67rと、の2つのスルーゲートが設けられている。より具体的には、図430に示した通り、振分装置1750の内部に中央スルーゲート67cが設けられていると共に、可変入賞装置65の正面視左側に右スルーゲート67rが設けられている点でも第6実施形態と相違する。
また、振分装置1750の正面視右側には、振分装置1750へと入球せずに右側へと跳ね返された遊技球が振分装置1750の右第1入球口64rや第2入球口1640へと入球することを抑制し、アウト口66uへと誘導するための領域が形成されている。詳細については後述するが、本第21実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が有利度合いが高く構成され、潜確状態において振分装置1750へと入球した遊技球の一部が第2入球口1640へと入球して第2特別図柄の抽選が実行され得る一方で、通常状態においては振分装置1750へと入球しても第2入球口1640へと入球し得ないように構成している。このため、通常状態において振分装置1750へと入球しなかった遊技球が第2入球口1640へとイレギュラー入賞することを防止すべく、アウト口66uによって振分装置1750の右側へと流下した遊技球を全てパチンコ機10の外部へと排出する構成としている。これにより、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され得る潜確状態の優位性をより確実に通常状態よりも高めることができる。
ここで、図431を参照して、本第21実施形態における振分装置1750の詳細について説明を行う。図431(a)は、普通電動役物1640aが遊技盤13に埋没した(収納された)状態(第2入球口1640へと遊技球が入球困難な状態)となっている場合における振分装置1750付近の拡大正面図であり、図431(b)は、普通電動役物1640aが遊技盤13に対して正面視手前側に突出した状態(第2入球口1640へと遊技球が誘導される状態)となっている場合における振分装置1750付近の拡大正面図である。
図431(a)に示した通り、振分装置1750は、その上面に、遊技球が通過可能な幅で構成された開口部1750aと、その開口部1750aを介して振分装置1750の内部へと入球した遊技球を、正面視右側若しくは左側のどちらかへと振り分ける振分部材1750bと、その振分部材1750bによって正面視左側へと振り分けられた遊技球が流下可能な左誘導流路1750cと、その左誘導流路1750cを流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球口64lと、振分部材1750bによって正面視右側に振り分けられた遊技球が流下可能な右誘導流路1750dと、その右誘導流路1750dを流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている右第1入球口64rおよび第2入球口1640と、その第2入球口1640に付随して設けられ、遊技球を第2入球口1640へと誘導する突出状態と遊技球が第2入球口1640へと入球困難となる埋没状態(収納状態)とに可変可能(変位可能)な普通電動役物1640aと、で構成されている。
右第1入球口64rおよび左第1入球口64lは、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として構成され、第2入球口1640は、比較的有利度合いが高い第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として構成される。より具体的には、第1特別図柄の抽選は第2特別図柄の抽選よりも、大当たりに当選した場合にラウンド数が少ない大当たりとなる割合が高くなるように構成されている上に、確変大当たりの割合が低くなるように構成されているため、第2特別図柄の抽選の方が有利度合いが高くなる。
図431(a)に示した通り、振分部材1750bは、正面視右側に設けられ、遊技球を受け止め可能な右受け止め部1750brと、正面視左側に設けられ、遊技球を受け止め可能な左受け止め部1750blと、振分部材1750bの回転動作の回転軸である回転軸1750bcと、で少なくとも構成されている。この振分部材1750bは、回転軸1750bcを回転軸として、正面視右側に傾倒した状態(配置)と、正面視左側に傾倒した状態(配置)と、に可変可能(変位可能)に構成されている。図431(a)は、正面視右側に傾倒した状態(配置)に変位している状況を例示している。この振分部材1750bは、正面視右側に傾倒した状態において、開口部1750aの直下に左受け止め部1750blが配置される(開口部1750aを通過した遊技球が左受け止め部1750blによって受け止められる)一方で、正面視左側に傾倒した状態において、開口部1750aの直下に右受け止め部1750brが配置される(開口部1750aを通過した遊技球が右受け止め部1750brによって受け止められる)。
振分部材1750bが正面視右側に傾倒した状態において左受け止め部1750blによって遊技球が受け止められると、遊技球の重みによって振分部材1750bが回転軸1750bcを回転軸として反時計回りに回動し、振分部材1750bが正面視左側に傾倒した状態に可変(変位)すると共に、左受け止め部1750blによって受け止められていた遊技球が左誘導流路1750cへと落下する。一方、振分部材1750bが正面視左側に傾倒した状態において右受け止め部1750brによって遊技球が受け止められると、遊技球の重みによって振分部材1750bが回転軸1750bcを回転軸として時計回りに回動し、振分部材1750bが正面視右側に傾倒した状態に可変(変位)すると共に、右受け止め部1750brによって受け止められていた遊技球が右誘導流路1750dへと落下する。言い換えれば、振分部材1750bは、遊技球を右受け止め部1750brと左受け止め部1750blとによって交互に受け止めて、右誘導流路1750dと左誘導流路1750cとに交互に誘導する。つまり、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、左誘導流路1750cと右誘導流路1750dとに交互に振り分けられる。
なお、通常状態において右誘導流路1750dを流下した遊技球は、埋没状態の普通電動役物1640aへと到達し、そのまま普通電動役物1640aを通過して右第1入球口64rへと入球する(図431(a)参照)。より具体的には、右誘導流路1750dに設けられている中央スルーゲート67cを遊技球が通過したことに基づく普通図柄の抽選で当たりになると、中央スルーゲート67cの通過を検出してから0.4秒後に普通電動役物1640aが埋没状態から突出状態に可変(変位)する。一方、中央スルーゲート67cを通過した遊技球は、0.2秒前後で普通電動役物1640aへと到達する。このため、中央スルーゲート67cを通過した遊技球は、普通電動役物1640aが突出位置に可変するよりも前に普通電動役物1640aを通過しきってしまい、右第1入球口64rへと入球する(図431(a)参照)。なお、普通図柄の当たりは比較的短時間(中央スルーゲート67cの通過から0.9秒程度)で終了するため、短い間隔で遊技球が連続して振分装置1750へと入球したとしても、中央スルーゲート67cを通過した遊技球の次の遊技球が左誘導流路1750cへと振り分けられている間に普通図柄の当たりが終了する。よって、遊技球が短い間隔で振分装置1750へと連続して入球したとしても、後続の遊技球が普通電動役物1640aの突出期間の間に普通電動役物1640aへと到達することはない。従って、通常状態においては、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、右第1入球口64rと左第1入球口64lとに遊技球が交互に入球する。
また、潜確状態において右誘導流路1750dを流下した遊技球は、突出状態の普通電動役物1640aへと到達し、その突出状態の普通電動役物1640aが形成する傾斜に誘導されて、第2入球口1640へと入球する(図431(b)参照)。より具体的には、潜確状態においては、右誘導流路1750dに設けられている中央スルーゲート67cを遊技球が通過したことに基づく普通図柄の抽選で当たりになると、中央スルーゲート67cの通過を検出してから0.12秒後に普通電動役物1640aが埋没状態から突出状態に可変(変位)する。この突出状態は0.5間維持される。一方で、上述した通り、中央スルーゲート67cを通過した遊技球は0.2秒程度で普通電動役物1640aへと到達するため、ほぼ、突出状態の普通電動役物1640aの上面に衝突し、その突出状態の普通電動役物1640aが成す正面視右上から左下に向けて下る向きの傾斜に沿って第2入球口1640の入球面へと誘導される。従って、潜確状態においては、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、第2入球口1640と左第1入球口64lとに遊技球が交互に入球する。
なお、図431(b)に示した通り、振分装置1750の右側に設けられている右スルーゲート67rを通過した遊技球も、潜確状態においては普通電動役物1640aが突出状態に設定されている間に普通電動役物1640aの上面へと到達可能に構成されている。しかしながら、潜確状態や通常状態等の普通図柄の通常状態が設定される遊技状態においては、普通図柄の当たりとなった場合に普通電動役物1640aが突出状態に設定される期間(第2入球口1640へと入球可能となる期間)が比較的短く(例えば、0.5秒間)、普通電動役物1640aの右側へと落下した遊技球が第2入球口1640へと到達するのに要する期間(例えば、1秒間)より前に普通電動役物1640aが埋没状態へと戻ってしまう。従って、潜確状態において右打ちを行って右スルーゲート67rを通過させることで第2入球口1640のみに遊技球を入球させるという変則的な遊技方法が成立することはないので、有利度合いが低い潜確状態において、遊技者に対してより確実に左打ちにより遊技を進行させることができる。
一方、確変状態や時短状態においては、普通図柄の当たりとなった場合に普通電動役物1640aが突出状態に設定される期間は比較的長い期間(例えば、2秒間)が設定されるので、右打ちにより右スルーゲート67rを通過した遊技球を、突出状態の普通電動役物1640aの上面を転動させて第2入球口1640へと入球(誘導)させることができる。よって、有利な確変状態や時短状態においては、右打ちにより発射された遊技球の多くを第2入球口1640へと入球させることができるので、左打ちを行う場合に比較して、持ち球を減らさずに有利な第2特別図柄の抽選を連続して実行させることができる有利な状態を形成する。従って、時短状態や確変状態へと移行した場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第21実施形態では、普通図柄の通常状態(低確率状態)が設定される通常状態と潜確状態とで、普通図柄の当たりに当選してから普通電動役物1640aが開放されるまでの期間(普通電動役物1640aの可動(変位)の態様)を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選が実行され易い左打ち遊技状態(通常状態)と、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易い左打ち遊技状態(潜確状態)と、を形成する構成としている。これにより、遊技者にとって不利な左打ち遊技状態において遊技のバリエーションを増加させることができるので、不利な左打ち遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第21実施形態では、通常状態を第1特別図柄の抽選ばかりが実行される左打ち遊技状態として構成する一方で、潜確状態を第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される左打ち遊技状態として構成していたが、これに限られるものではない。例えば、逆に、通常状態を第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される左打ち遊技状態として構成してもよい。このように構成することで、通常状態では、大当たり確率が低いものの、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技性となる一方で、潜確状態では、大当たり確率が高いものの、有利な第2特別図柄の抽選が実行され難い遊技性を実現することができる。つまり、通常状態と潜確状態とで、互いに異なるメリットおよびデメリットを設けることができるので、これらの遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図432を参照して、本第21実施形態における遊技状態間の移行方法について説明する。図432に示した通り、本第21実施形態においては、4つの遊技状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図432の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の通常状態とに設定される潜確状態(図432の中段参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図432の下部左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態(図432の下部右側参照)と、の4つの遊技状態が設けられている。ここで、上述した通り、通常状態は、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、潜確状態は、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とを交互に実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、確変状態および時短状態は、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。
図432の上段に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図432の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に5%の割合で当選する大当たりA21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な確変状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に30%の割合で当選する大当たりB21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的不利な(即ち、左打ち遊技状態である)潜確状態に設定される。更に、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりC21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な時短状態に設定される。つまり、通常状態において大当たりに当選すると、70%の割合で右打ち遊技状態へと移行し、30%の割合で通常状態よりも比較的有利な左打ち遊技状態である潜確状態へと移行するため、いずれにしても、大当たりに当選することで遊技者に有利となる。よって、大当たりに当選した時点で遊技者をより大きく喜ばせることができる。
また、図432の中段に示した通り、潜確状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図432の中段に示した通り、潜確状態において大当たりに当選した場合のうち、実質的に35%の割合で当選する大当たりA21,D21,E21のいずれかに当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な確変状態に設定される。なお、実質的な割合とは、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に(均等に)実行されることを加味した割合のことであり、第1特別図柄の大当たりの大当たり種別の振り分けと、第2特別図柄の大当たり種別の振り分けとの平均を取った値のことを指す。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりA21に当選する割合である5%と、第2特別図柄の抽選で大当たりD21,E21に当選する割合である65%と、の平均の割合(70%/2)である35%を、潜確状態における実質的な確変状態への移行割合として表記している。同様に、潜確状態において大当たりに当選した場合のうち、実質的に50%の割合で当選する大当たりC21,F21のいずれかに当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な時短状態に設定される。これらに対し、潜確状態において実質的に15%の割合で当選する大当たりB21に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定される。つまり、潜確状態において大当たりに当選すると、実質的に85%の割合で右打ち遊技状態へと移行する上に、最も有利な確変状態への移行割合も通常状態よりも30%高くなるため、大当たりに当選した場合における遊技者の期待感をより高めることができる。
また、図432の下段左側に示した通り、確変状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図432の下段左側に示した通り、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりF21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。一方で、確変状態において第2特別図柄の抽選で65%の割合で当選する大当たりD21,E21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、遊技者にとって最も有利な確変状態に設定される。つまり、確変状態において大当たりに当選すると、65%の割合で再度、最も有利な確変状態が設定されるので、最も有利な確変状態と大当たりとが65%の割合で繰り返される(ループする)極めて有利な状態を形成する。よって、確変状態へと移行することにより、遊技者の遊技に対する興趣を大幅に向上させることができる。
また、図432の下段右側に示した通り、時短状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および時短回数が経過した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図432の下段右側に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりD21,E21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な確変状態に設定される。また、時短状態において時短回数(30回、または100回)が経過した場合は、遊技者にとって最も不利な通常状態へと移行する。これらに対し、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりF21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態に設定される。つまり、時短状態において大当たりに当選すると、65%の割合で最も有利な確変状態が設定される一方で、時短回数が経過してしまうと遊技者にとって最も不利な通常状態が設定されてしまうため、確変状態に比較すると有利度合いが低くなる。
このように、本第21実施形態では、不利な左打ち遊技状態として、通常状態と潜確状態とを設けると共に、有利な右打ち遊技状態として、確変状態と時短状態とを設ける構成としている。これら4つの遊技状態を大当たり等を契機として行き来するように構成することで、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図433を参照して、本第21実施形態における特徴的な演出態様について説明する。図433は、本第21実施形態における潜確状態の間の変動表示態様を示した図である。より具体的には、図433(a)が、第1特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示態様を示した図であり、図433(b)が、第2特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示態様を示した図である。
図433(a)に示した通り、潜確状態において、第1特別図柄に対応する第3図柄には、「並」という文字が付された補助図柄(「並」図柄)が第3図柄における右下部分に付随して表示される。一方、図433(b)に示した通り、潜確状態において、第2特別図柄に対応する第3図柄には、「熱」という文字が付された補助図柄(「熱」図柄)が第3図柄における右下部分に付随して表示される。「熱」という文字は、特に遊技機業界において一般的に、有利になる期待度が高いという意味で用いられる。よって、「並」図柄が付随する第3図柄の変動表示(図433(a)参照)よりも、「熱」図柄が付随する第3図柄の変動表示(図433(b)参照)の方が有利度合いが高いと言うことを遊技者に対して直感的に容易に理解させることができる。
また、副表示領域Dsにおいて、第1特別図柄に対応する保留図柄として、「並」という文字が付された略円形形状の「並」保留図柄が上側に表示されると共に、第2特別図柄に対応する保留図柄として、「熱」という文字が付された略正三角形形状の「熱」保留図柄が下側に表示される。これらの表示態様により、第1特別図柄の保留図柄であるか第2特別図柄の保留図柄であるかを遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第21実施形態における電気的構成>
次に、図434(a)を参照して、本第21実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図434(a)は、本第21実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図434(a)に示した通り、本第21実施形態におけるROM202の構成は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図19(a)参照)に対して、小当たり種別選択テーブル202fと、開放シナリオテーブル202gと、が削除されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、時短付与テーブル202eの規定内容が一部変更となっている点、普図開放パターンテーブル202raが追加されている点で相違している。
普図開放パターンテーブル202raは、普通図柄の当たりに当選した場合に普通電動役物1640aの開放パターンを選択するために参照されるデータテーブルである。詳細については図438(b)を参照して後述するが、この普図開放パターンテーブル202raには、普通図柄の当たりに基づく普通電動役物1640aの開放パターンが遊技状態に対応付けて規定されている。
まず、図435(a)を参照して、本第21実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の当たりとなる乱数値(カウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図435(a)は、本第21実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。
図435(a)に示した通り、本第21実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~7」の8個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、「0~19」の20個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が、特別図柄の低確率状態において8個、高確率状態において20個であるので、特別図柄の低確率状態にて特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/125(8/1000)であり、特別図柄の高確率状態にて第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/50(20/1000)である。なお、本第21実施形態では、小当たりに対応する抽選結果が設けられていないため、小当たりに対応する乱数値は規定されていない。
次に、図435(b)を参照して、本第21実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図435(b)は、本第21実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりに当選した際に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。
図435(b)に示した通り、本第21実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA21」~「大当たりC21」の3種類の大当たり種別が規定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりD21」~「大当たりF21」の3種類の大当たり種別が規定されている。より具体的には、図435(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA21」が対応付けて規定されている。この「大当たりA21」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりA21」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりA21」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA21」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~4」の5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA21」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図435(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~34」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB21」が対応付けて規定されている。この「大当たりB21」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりB21」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。つまり、遊技者に不利な左打ち遊技状態に設定される。よって、「大当たりB21」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって比較的有利度合いが低い大当たり種別である。一方、大当たりのラウンド数の面では第1特別図柄の大当たりのうち最も有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB21」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「5~34」の30個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりB21」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、図435(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC21」が対応付けて規定されている。この「大当たりC21」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。この「大当たりC21」の終了後は、基本的に(奇跡的に確変スイッチ65e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、遊技者にとって有利な右打ち遊技状態に設定される。よって、「大当たりC21」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって比較的有利度合いが高い大当たり種別である。一方、大当たりのラウンド数の面では第1特別図柄の大当たりの中で最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC21」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「35~99」の65個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりC21」が決定される割合は65%(65/100)である。
なお、「大当たりA21」と「大当たりC21」とでラウンド数を共通(2ラウンド)としているのは、大当たり終了後の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを分かり難くすることにより遊技者の興趣向上を図るためである。即ち、「大当たりA21」若しくは「大当たりC21」になると、いずれも2ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり終了後が右打ち遊技状態(確変状態若しくは時短状態)に移行する。つまり、パチンコ機10の見た目(普通電動役物1640aの動作態様等)から区別することが不可能な大当たり確率のみが異なる2種類の遊技状態のいずれかに移行する。よって、たとえ比較的有利度合いが低い時短状態が設定されたとしても、有利な確変状態が設定されていることに期待して遊技を行わせることができる。よって、決定される割合が比較的高い「大当たりC21」に当選して時短状態が設定されたとしても、当該時短状態の時短回数(30回)が経過するまでの間、「大当たりA21」に当選して最も有利な確変状態が設定されている可能性があると遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
ここで、本第21実施形態では、左打ち遊技状態において当選した大当たり終了後に時短状態若しくは確変状態が設定された場合には、特別図柄の抽選が30回終了するまでの間(即ち、時短状態が設定された場合に当該時短状態が終了する抽選回数までの間)、右打ち遊技状態であることを示すための共通の演出態様を設定し、30回の特別図柄の抽選が終了したことに基づいて、遊技状態を報知する構成としている。即ち、大当たり終了後に時短状態が設定されていれば、30回の特別図柄の抽選が終了したことを契機として、通常状態への移行(時短回数の経過)を報知する一方で、大当たり終了後に確変状態が設定されていれば、30回の特別図柄の抽選が終了したことを契機として、次の大当たりまで継続する確変状態であることを報知する構成としている。このように構成することで、たとえ時短状態が設定されていたとしても、時短回数が経過するまでの間、確変状態が設定されているかもしれないという期待感を遊技者に対して持続的に抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりD21」が対応付けて規定されている。この「大当たりD21」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりD21」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりD21」は、大当たり終了後の遊技状態の面でも、ラウンド数の面でも、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD21」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~49」の50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりD21」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~64」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりE21」が対応付けて規定されている。この「大当たりE21」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりE21」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりE21」は、大当たり終了後の遊技状態の面で「大当たりA21」や「大当たりD21」と同様に最も有利となり、ラウンド数の面では、「大当たりD21」に次いで有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE21」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「50~64」の15個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりE21」が決定される割合は15%(15/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりF21」が対応付けて規定されている。この「大当たりF21」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりE21」の終了後は基本的に(奇跡的に確変スイッチ65e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりF21」は、大当たり終了後の遊技状態の面で「大当たりA21」、「大当たりD21」、「大当たりE21」よりも有利度合いが低い大当たり種別である。また、ラウンド数の面では、「大当たりD21」に次いで有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりF21」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「65~99」の35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりF21」が決定される割合は35%(35/100)である。
このように、本第21実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選しても、極めて低い割合(5%の割合)でしか有利な確変状態へと移行しないように構成されている一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、過半数(65%の割合)が確変状態へと移行するように構成されている。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、2ラウンド若しくは4ラウンドという比較的少ないラウンド数の大当たりにしか当選し得ないのに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、8ラウンド若しくは16ラウンドという比較的多いラウンド数の大当たりに当選するように構成されている。このように構成することで、右打ちにより第2特別図柄の抽選ばかりが実行され易くなる右打ち遊技状態(時短状態、確変状態)へと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。また、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易く構成されている潜確状態において、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選で大当たりになることを強く期待して遊技を行わせることができる。即ち、「並」図柄が付された第3図柄の変動表示(図433(a)参照)よりも、「熱」図柄が付された第3図柄の変動表示(図433(b)参照)で大当たりが報知されることを強く期待して遊技を行わせることができる。言い換えれば、潜確状態において、「並」図柄で大当たり期待度が高い演出(例えば、スーパーリーチ演出)が実行された場合に、大当たりにならないことを期待させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、潜確状態における遊技に対する興趣を極めて向上させることができる。
次に、図435(c)を参照して、本第21実施形態における第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の当たりとなる乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が、普通図柄の状態毎に規定されているデータテーブルである。図435(c)は、この第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。
図435(c)に示した通り、普通図柄の高確率状態(時短状態)に対しては、普通図柄の当たりとなる乱数値(カウンタ値)として、「0~239」の240個の乱数値が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4が取り得る「0~239」の240個の乱数値全てが当たりとなる乱数値として規定されているので、普通図柄の時短状態(高確率状態)において普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりとなる割合は100%(240/240)である。
これに対して、図435(c)に示した通り、普通図柄の低確率状態(通常状態)に対しては、普通図柄の当たりとなる乱数値(カウンタ値)として、「1~239」の239個の乱数値が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4が取り得る「0~239」の240個の乱数値(カウンタ値)のうち、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値の個数が「1~239」の239個なので、普通図柄の通常状態(低確率状態)において普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりとなる割合は99.6%(239/240)である。即ち、普通図柄の低確率状態においても、当たりとなる乱数値の個数が1個しか変わらないため、ほぼ、普通図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の当たりに当選するように構成されている。
このように、本第21実施形態では、普通図柄の低確率状態(通常状態)においても、普通図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ、普通図柄の当たりに当選するように構成している。これにより、普通図柄の通常状態が設定される潜確状態において、振分装置1750によって左誘導流路1750dへと遊技球が振り分けられて中央スルーゲート67cを通過する毎に、普通図柄の当たりとなって遊技球を第2入球口1640へと誘導することができる。よって、潜確状態において、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、左第1入球口64lと第2入球口1640とに遊技球を交互に入球させることができる。よって、潜確状態において、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とを交互に実行させることができる。
次に、図436(a)を参照して、本第21実施形態における変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、特別図柄の抽選結果を示すための変動パターンを選択するために参照されるデータテーブルである。図436(a)に示した通り、本第21実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常状態において変動パターンを選択する際に参照される通常用テーブル202rd1と、潜確状態において変動パターンを選択する際に参照される潜確用テーブル202rd2と、右打ち遊技状態(確変状態および時短状態)において変動パターンを選択する際に参照される時短・確変用テーブル202rd3と、で少なくとも構成されている。まず、図436(b)を参照して、上述した通常用テーブル202rd1の詳細について説明する。
図436(b)は、本第21実施形態における変動パターンテーブル202dをデータテーブルの1つである通常用テーブル202rd1の規定内容を示した図である。図436(b)に示した通り、本第21実施形態における通常用テーブル202rd1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。より具体的には、図436(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動時間が7秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に対して、変動時間が10秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に対して、変動時間が30秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「180~198」の範囲に対して、変動時間が60秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図436(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動時間が30秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に対して、変動時間が60秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に対して、変動時間が90秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
これに対して、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒の超ロング外れが対応付けて規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒の超ロング当たりが対応付けて規定されている。よって、通常状態において右打ちを行って第2入球口1640へと遊技球を入球させようとする変則的な遊技方法が行われたとしても、最短で180秒おきにしか特別図柄の抽選を実行させることができない上に、そもそも普通図柄の通常状態において右打ちを行った場合に第2入球口1640へと遊技球を入球させることも困難であるため、右打ちによる遊技効率を著しく悪化させることができる。よって、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図437(a)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの1つである潜確用テーブル202rd2の詳細について説明する。この潜確用テーブル202rd2は、上述した通り、潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図437(a)は、この潜確用テーブル202rd2の規定内容を示した図である。
図437(a)に示した通り、潜確用テーブル202rd2には、特別図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値の範囲と、が対応付けて規定されている。即ち、潜確状態においては、特別図柄の種別とは無関係に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンが決定されるように構成している。これは、本第21実施形態における潜確状態では、左打ちを行って振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、左第1入球口64lと第2入球口1640とに交互に遊技球が入球して第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行されるためである。
図437(a)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動時間が7秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に対して、変動時間が10秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に対して、変動時間が30秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「180~198」の範囲に対して、変動時間が60秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図437(a)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動時間が30秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に対して、変動時間が60秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に対して、変動時間が90秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
このように、潜確状態では、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかによらず、特別図柄の抽選結果と変動種別カウンタCS1の値とのみに応じて変動パターンを選択(決定)するように構成している。よって、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に行われる潜確状態において、遊技効率が悪化することを抑制することができる。
次に、図437(b)を参照して、変動パターンテーブル202dを構成するデータテーブルの1つである時短・確変用テーブル202rd3の詳細について説明する。この時短・確変用テーブル202rd3は、上述した通り、右打ち遊技状態(時短状態、確変状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図437(b)は、この時短・確変用テーブル202rd3の規定内容を示した図である。
図437(b)に示した通り、時短・確変用テーブル202rd3には、特別図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値の範囲と、が対応付けて規定されている。即ち、右打ち遊技状態においても、潜確状態と同様に、特別図柄の種別とは無関係に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンが決定されるように構成している。これは、第1特別図柄の保留球が残存している状態で右打ち遊技状態へと移行した場合に、第1特別図柄の変動時間として長い変動時間が設定されてしまうと、右打ちを行っても第2特別図柄の抽選がなかなか(即ち、第1特別図柄の保留球が0になるまで)開始されなくなってしまい、遊技者を苛立たせてしまう可能性があるため、これを抑制する趣旨である。
図437(b)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図437(b)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
このように、右打ち遊技状態では、全体的に変動時間が短くなると共に、短い変動時間が選択される割合が高くなるように構成されている。よって、右打ち遊技状態における遊技をより効率良く進行させることができる。
次に、図438(a)を参照して、本第21実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、大当たり終了時に時短回数を設定する際に参照されるデータテーブルである。図438(a)は、この時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図438(a)に示した通り、本第21実施形態における時短付与テーブル202eは、大当たり種別と、大当たり当選時の時短有無(当選時が普通図柄の時短状態であるか通常状態であるか)と、大当たり中のV入賞の有無と、に対応付けて、設定される時短回数が規定されている。
具体的には、図438(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりA21,D21,E21である場合には、大当たり当選時の普通図柄の状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりA21,D21,E21では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、65535回の時短状態が設定される。つまり、大当たりA21,D21,E21に当選した場合は、遊技状態によらず、次に大当たりに当選するまで継続する確変状態が設定されることが実質的に確定する。よって、これらの大当たりは、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利となる。
また、図438(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりB21(4ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時が普通図柄の通常状態(時短無し状態)であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、大当たり中のV入賞の発生有無によらず、時短回数として0回が設定される。即ち、通常状態や潜確状態において大当たりB21に当選すると、V入賞が発生した場合は潜確状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は不利な通常状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりB21では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、0回の時短状態が設定される。つまり、左打ち遊技状態(通常状態や潜確状態)において大当たりに当選すると、次に大当たりに当選するまで継続する潜確状態が設定されることが実質的に確定する。なお、大当たりB21においてV入賞を検出しなかった場合に設定される時短回数を0回にしているのは、左打ち遊技状態である潜確状態へと移行するよりも、大当たり確率は低いものの右打ちにより遊技を進行可能な時短状態へと移行した方がましだと考えて、大当たりB21の実行中に故意に発射停止する等して確変スイッチ65e3へと遊技球を通過させない変則的な遊技方法が行われることを抑制する趣旨である。
一方、図438(a)に示した通り、大当たりB21に当選した際の普通図柄の状態が普通図柄の時短状態(時短有り状態)であれば、大当たりA21,D21,E21に当選した場合と同様に、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として65535回が設定され、V入賞が検出されなければ、時短回数として100回が設定される。よって、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、65535回の時短状態が設定される。
また、図438(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりC21,F21である場合には、大当たり当選時の普通図柄の状態が普通図柄の通常状態(時短無し状態)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として0回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として30回が設定される。これに対して、大当たり当選時の普通図柄の状態が普通図柄の時短状態(時短有り状態)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として0回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。上述した通り、大当たりC21,F21は、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的に、V入賞が発生することはなく、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、30回若しくは100回の時短回数の時短状態が設定される。即ち、左打ち遊技状態において大当たりC21,F21に当選すると、基本的に、時短回数が30回の時短状態が設定され、右打ち遊技状態において大当たりC21,F21に当選すると、基本的に、時短回数が100回の時短状態が設定される。上述した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/125であるため、時短回数30回の間に大当たりに当選する割合は、約21.4%である一方、時短回数100回の間に大当たりに当選する割合は、約55.2%である。
なお、大当たりC21,F21に当選してV入賞を検出した場合に、時短回数として0回を設定するのは、何らかの不正行為が行われなければ、大当たりC21,F21においてV入賞を発生させることが困難であるためである。大当たりC21,F21においてV入賞が発生した場合に、時短回数を0回に設定することで不利な左打ち遊技状態の1種である潜確状態へと移行させることにより、不正行為を犯してまでV入賞を発生させるメリットを無くすことができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
次に、図438(b)を参照して、本第21実施形態における普図開放パターンテーブル202raの詳細について説明する。この普図開放パターンテーブル202raは、上述した通り、普通図柄の当たりに当選した場合に普通電動役物1640aの出没パターン(変位パターン)を設定するために参照されるデータテーブルである。図438(b)は、この普図開放パターンテーブル202raの規定内容を示した図である。
図438(b)に示した通り、通常状態において普通図柄の抽選で当たりになると、普通電動役物1640aの変位パターン(第2入球口1640の開放パターン)として、普通図柄の当たり開始と共に0.3秒間のオープニング期間が設定され、オープニング期間の経過後に普通電動役物1640aが0.5秒間突出し(第2入球口1640が開放され)、0.5秒間が経過すると0.02秒間のエンディング期間が設定された後、普通図柄の当たり遊技が終了される。一方、潜確状態において普通図柄の抽選で当たりになると、普通図柄の当たり開始と共に0.02秒間のオープニング期間が設定され、オープニング期間の経過後に普通電動役物1640aが0.5秒間突出し(第2入球口1640が開放され)、0.5秒間が経過すると0.02秒間のエンディング期間が設定された後、普通図柄の当たり遊技が終了される。つまり、普通図柄の通常状態(左打ち遊技状態)が設定される通常状態と潜確状態とでは、普通電動役物1640aの変位パターンとして、普通図柄の当たり開始時に設定されるオープニング期間の長さのみが異なって構成されている。
一方、図438(b)に示した通り、右打ち遊技状態である時短状態、および確変状態において普通図柄の当たりになると、普通電動役物1640aの変位パターン(第2入球口1640の開放パターン)として、普通図柄の当たり開始と共に0.02秒間のオープニング期間が設定され、オープニング期間の経過後に普通電動役物1640aが2秒間突出し(第2入球口1640が開放され)、2秒間が経過すると0.02秒間のエンディング期間が設定された後、普通図柄の当たり遊技が終了される。つまり、左打ち遊技状態に比較して、普通電動役物1640aの突出期間(第2入球口1640の開放期間)が長くなる。これにより、右打ち遊技状態では、右打ちされて右スルーゲート67rを通過した遊技球が第2入球口1640へと誘導されるのに十分な期間、普通電動役物1640aを突出させておくことができるので、第2入球口1640へと多くの遊技球が入球して第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態を形成することができる。
次に、図439を参照して、左打ち遊技状態における普通電動役物1640aの動作態様(変位態様)の詳細について説明する。図439(a)は、通常状態における普通電動役物1640aの動作態様の経時変化を示した図であり、図439(b)は、潜確状態における普通電動役物1640aの動作態様の経時変化を示した図である。図439(a)に示した通り、通常状態において遊技球が中央スルーゲート67cを通過して普通図柄の抽選で当たりに当選すると、普通図柄の変動表示が0.1秒間実行された後、通常状態に対応する普通電動役物1640aの動作パターン(図438(b)参照)が設定される。即ち、0.3秒間のオープニング期間が設定された後、0.5秒間の間、普通電動役物1640aが突出位置に変位する動作態様で普通電動役物1640が変位する。これらにより、中央スルーゲート67cを遊技球が通過してから0.4秒間が経過するまでの間、普通電動役物1640aが没入位置に維持され、0.4秒経過時から0.9秒経過時までの0.5秒間の間、普通電動役物1640aが突出位置に変位され、0.9秒経過時点で再度没入位置に変位する動作パターンとなる。これに対して上述した通り、中央スルーゲート67cを通過した遊技球が普通電動役物1640aへと到達するまでに要する期間は0.2秒程度であるため、普通電動役物1640aが突出位置に変位するよりも前に普通電動役物1640aを通過してしまう。よって、中央スルーゲート67cを通過した遊技球は、第2入球口1640へと入球することが困難(不可能)となり、中央スルーゲート67cの直下に配置されている右第1入球口64rへと入球する。このため、通常状態においては、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、遊技球が右第1入球口67rと左第1入球口67lとに交互に入球する結果、ほぼ、第1特別図柄の抽選のみが実行される。
一方、図439(b)に示した通り、通常状態において遊技球が中央スルーゲート67cを通過して普通図柄の抽選で当たりに当選すると、普通図柄の変動表示が0.1秒間実行された後、通常状態に対応する普通電動役物1640aの動作パターン(図438(b)参照)が設定される。即ち、0.02秒間のオープニング期間が設定された後、0.5秒間の間、普通電動役物1640aが突出位置に変位する動作態様で普通電動役物1640が変位する。これらにより、中央スルーゲート67cを遊技球が通過してから0.12秒間が経過するまでの間、普通電動役物1640aが没入位置に維持され、0.12秒経過時から0.62秒経過時までの0.5秒間の間、普通電動役物1640aが突出位置に変位され、0.62秒経過時点で再度没入位置に変位する動作パターンとなる。これに対して上述した通り、中央スルーゲート67cを通過した遊技球が普通電動役物1640aへと到達するまでに要する期間は0.2秒程度であるため、普通電動役物1640aが突出位置に変位した直後(約0.1秒後)に遊技球が普通電動役物1640aの上面に到達する。これにより、普通電動役物1640aに到達した遊技球は、突出位置に配置されている普通電動役物1640aが形成する正面視右上方向から左下方向に向かって下る向きの傾斜に沿って、正面視左下方向へと転動し、普通電動役物1640aの左側に設けられている第2入球口1640へと入球する。このため、潜確状態においては、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、遊技球が第2入球口1640と左第1入球口67lとに交互に入球する結果、ほぼ、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される。
このように、本第21実施形態では、普通図柄の通常状態(低確率状態)が設定される通常状態と潜確状態とで、普通図柄の当たりに当選してから普通電動役物1640aが開放されるまでの期間(普通電動役物1640aの可動(変位)の態様)を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選が実行され易い左打ち遊技状態(通常状態)と、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易い左打ち遊技状態(潜確状態)と、を形成する構成としている。これにより、遊技者にとって不利な左打ち遊技状態において遊技のバリエーションを増加させることができるので、不利な左打ち遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第21実施形態では、普通図柄の当たり時のオープニング期間のみを通常状態と潜確状態とで異ならせることにより、通常状態では中央スルーゲート67rを通過した遊技球がほぼ右第1入球口64rへと入球する一方で、潜確状態では中央スルーゲート67rを通過した遊技球がほぼ第2入球口1640へと入球するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の当たり時の普通電動役物1640の動作パターン(変位パターン)は共通(例えば、第21実施形態における潜確状態の変位パターン)とし、普通図柄の変動時間を通常状態と潜確状態とで異ならせる(例えば、通常状態では0.38秒間、潜確状態では0.1秒間)ことにより、本第21実施形態と同一の挙動を実現してもよい。このように構成することで、普通電動役物1640aの動作パターンを少なくすることができるので、普図開放パターンテーブル202raのデータ量を削減することができる。よって、ROM202の記憶容量を削減することができる。
本第21実施形態では、通常状態を第1特別図柄の抽選ばかりが実行される左打ち遊技状態として構成する一方で、潜確状態を第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される左打ち遊技状態として構成していたが、これに限られるものではない。例えば、逆に、通常状態を第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される左打ち遊技状態として構成してもよい。このように構成することで、通常状態では、大当たり確率が低いものの、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技性となる一方で、潜確状態では、大当たり確率が高いものの、有利な第2特別図柄の抽選が実行され難い遊技性を実現することができる。つまり、通常状態と潜確状態とで、互いに異なるメリットおよびデメリットを設けることができるので、これらの遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図434(b)を参照して、本第21実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図434(b)は、本第21実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図434(b)に示した通り、本第21実施形態におけるRAM203は、上述した第6実施形態におけるRAM203の構成(図173参照)に対して、確変カウンタ203zg、時短識別フラグ203zxが削除されている点で相違している。また、確変フラグ203ra、および入賞順格納エリア203rbが追加されている点でも相違している。
確変フラグ203raは、特別図柄の高確率状態が設定されているか否かを示すフラグである。この確変フラグ203raがオンであれば、特別図柄の高確率状態に設定されていることを示し、オフであれば、特別図柄の低確率状態に設定されていることを示す。つまり、確変フラグ203raがオンに設定されている場合は、遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態)、或いは、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の通常状態)の何れかが設定されていることになる。この確変フラグ203raは、初期状態がオフに設定されていると共に、大当たりを示す特別図柄の変動停止時にオフに設定される(図440のZ285参照)。一方、この確変フラグ203raは、大当たり遊技の間に確変スイッチ65e3を遊技球が通過したことを検出した場合に、当該大当たり遊技の終了時にオンに設定される(図444のZ4104参照)。つまり、本第21実施形態では、一旦確変フラグ203raがオンに設定されると、次に大当たりに当選するまでの間、確変フラグ203raがオフに設定されることがないので、パチンコ機10の設定が初期化されない限り(RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入されない限り)、必ず次に大当たりに当選するまでの間継続するように構成されている。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が次に大当たりに当選するまで継続するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の高確率状態を終了させるための特図高確終了条件として、特別図柄の高確率状態(特図高確状態)が設定されてからの特別図柄変動回数(特図変動回数)が予め定められた所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、特別図柄の高確率状態を終了させるように構成してもよい。この場合、確変フラグ203raに代えて、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行させるまでの残りの抽選回数をカウントするための確変カウンタを設けておけばよい。
入賞順格納エリア203rbは、保留されている各保留球について、始動入賞を検出した順番を示すデータを格納しておくための記憶領域である。ここで、本第21実施形態では、特別図柄の抽選を実行する際は、特別図柄の種別によらず、始動入賞を検出した時期が古い保留球から順番に行うように構成している。つまり、上述した第6実施形態等のように、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との両方が保留されている状況において、第2特別図柄の保留球に基づく特別図柄の抽選を優先的に行うのではなく、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを完全に同列に扱って、始動入賞の時期のみに応じて抽選に用いる保留球を選択する構成としている。このため、この入賞順格納エリア203rbに対して、各保留球が始動入賞を検出した順番を示すデータ(入賞準データ)を格納しておき、特別図柄の抽選条件が成立した際は、この入賞順データが示す順番に応じて特別図柄の抽選に用いる保留球を決定する構成としている(図440のZ282参照)。この入賞順格納エリア203rbには、1バイト(8ビット)の記憶領域が割り当てられており、保留球が増加する毎に、下位バイトから順番に、第1特別図柄の保留球を示す「0」、または第2特別図柄の保留球を示す「1」のどちらかのデータを設定していく(図442のS711参照)。特別図柄の抽選を実行する際は、合計の保留球数に対応するビットのデータを読み出して(図440のZ282参照)、「0」が読み出された場合には第1特別図柄の保留球のうち時間的に最も古い保留球(特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種カウンタ値)を用いて特別図柄の抽選を実行する一方で(図440のZ283:No参照)、「1」が読み出された場合には、第2特別図柄の保留球のうち時間的に最も古い保留球(特別図柄2保留球格納エリア203aaの保留第1エリアに格納されている各種カウンタ値)を用いて特別図柄の抽選を実行する(図440のZ283:Yes参照)。特別図柄の抽選を実行した後は、今回の特別図柄の抽選においていずれの特別図柄の保留球を用いるかの判別を行ったビットのデータを「0」に初期化する(図441のS337参照)。これらの制御によって、複数の保留球が保留されている状況において、特別図柄の種別によらず、始動入賞を検出した順番に特別図柄の抽選を実行することができるので、特に、潜確状態において、より確実に、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易い状況を形成することができる。
<第21実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図440から図444を参照して、本第21実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図440を参照して、本第21実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理21(S161)について説明する。図440は、特別図柄変動処理21(S161)の内容を示したフローチャートである。本第21実施形態における特別図柄変動処理21(S161)は、上述した第6実施形態の特別図柄変動処理6(図175参照)に代えて実行される処理であり、上述した第6実施形態における特別図柄変動処理6(図175参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける特別図柄の変動表示に関する各種設定を行うための処理である。
この特別図柄変動処理21(図440参照)のうち、Z201~Z203,Z205~Z207,Z210~Z212,Z214~218,Z220、およびZ222の各処理では、それぞれ第6実施形態の特別図柄変動処理6(図175のZ104)のZ201~Z203,Z205~Z207,Z210~Z212,Z214~218,Z220、およびZ222の各処理と同一の処理を実行するため、その詳細については省略する。
また、図440に示した通り、本第21実施形態における特別図柄変動処理21(S161)では、Z203の処理を実行後、第1特別図柄、若しくは第2特別図柄の保留球が存在するか否かを判別し(Z281)、保留球が存在しないと判別した場合は(Z281:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Z281の処理において、保留球が存在すると判別した場合は(Z281:Yes)、次いで、入賞順格納エリア203rbのデータを参照して今回新たに特別図柄の抽選を行う特別図柄の種別を特定する(Z282)。そして、Z282の処理において特定された特別図柄の種別が第2特別図柄(特図2)であるか否かを判別し(Z283)、抽選を行う特別図柄の種別が第2特別図柄であると判別した場合は(Z283:Yes)、Z205~Z207の処理を実行し、Z284の処理へ移行する。一方、Z283の処理において、抽選を行う特別図柄の種別が第2特別図柄ではない(第1特別図柄である)と判別した場合は(Z283:No)、Z210~Z212の処理を実行し、Z284の処理へ移行する。
Z284の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理21を実行し(Z284)、その後、本処理を終了する。この特別図柄変動開始処理21(Z284)の詳細については図441を参照して後述する。
また、本第21実施形態における特別図柄変動処理21(図440参照)では、Z220の処理が終了すると、次いで、時短中カウンタ203zuの値を0にリセットすると共に、確変フラグ203raの状態をオフにリセットして、処理をZ222へと移行する。また、本第21実施形態における特別図柄変動処理21(図440参照)では、Z217の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(Z217:No)、次いで、時短中カウンタ203zuの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Z286)、時短中カウンタ203zuの値が0より大きい値であれば(Z286:Yes)、時短中カウンタ203zuの値を1減算して更新し(Z287)、処理をZ222へと移行する。一方、Z286の処理において、時短中カウンタ203zuの値が0であると判別した場合は(Z286:No)、Z287の処理をスキップして、処理をZ222へと移行する。
次に、図441を参照して、本第21実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理21(Z284)について説明する。図441は、特別図柄変動開始処理21(Z284)を示したフローチャートである。本第21実施形態における特別図柄変動開始処理21(Z284)は、特別図柄変動処理21(図440参照)の中で実行される処理であり、特別図柄の抽選を行って、当該抽選の抽選結果に応じた変動パターンの開始を設定するための処理である。
この特別図柄変動開始処理21(Z284)のうち、S301,S303,S305,S312,S314およびS315の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)の特別図柄変動開始処理(図39のS210)のS301,S303,S305,S312,S314およびS315の各処理と同一の処理が実行されるため、ここではその詳細については省略する。
また、本第21実施形態における特別図柄変動開始処理21(図441参照)では、S301の処理が終了すると、次に、確変フラグ203raがオンであるか否かを判別し(S331)、確変フラグ203raがオンであると判別した場合は(S331:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図435(a)参照)に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(S332)、処理をS303へと移行する。なお、S332の処理では、具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図435(a)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第1当たり種別カウンタC1の値が「0~19」の範囲にあれば、特別図柄の当たりであると判定し、「20~999」の範囲にあれば、特別図柄の外れであると判定する(図435(a)参照)。
一方、S331の処理において、確変フラグ203raがオフであると判別した場合は(S331:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図435(a)参照)に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(S333)、処理をS303へと移行する。なお、S333の処理では、具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図435(a)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第1当たり種別カウンタC1の値が「0~7」の範囲にあれば、特別図柄の当たりであると判定し、「8~999」の範囲にあれば、特別図柄の外れであると判定する(図435(a)参照)。
また、本第21実施形態における特別図柄変動開始処理21(図441参照)では、S303の処理において抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S303:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202b(図435(b)参照)に基づいて、今回の大当たり種別を特定する(S334)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図435(b)参照)に格納されている乱数値とを比較し、第1特別図柄と第2特別図柄それぞれに3種類ずつある大当たり(大当たりA21、B21,C21,D21,E21,F21)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図435(b)参照)。
そして、特別図柄の種別(特別図柄種別)と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定する(S305)。このS305の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA21、B21,C21,D21,E21,F21)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA21、B21,C21,D21,E21,F21)が停止種別として設定される。
その後、現在の遊技状態と変動種別カウンタCS1の値に基づいて当たり時の変動パターンを決定し(S335)、S314の処理へ移行する。S335の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用テーブル202rd1、潜確用テーブル202rd2および時短・確変用テーブル202rd3のうち現在の遊技状態に応じた変動パターンテーブルとを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図436(b)、図437(a),(b)参照)。
また、本第21実施形態における特別図柄変動開始処理21(図441参照)では、S312の処理が終了すると、現在の遊技状態と変動種別カウンタCS1の値とに応じて外れ時の変動パターンを決定する(S336)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S335の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用テーブル202rd1、潜確用テーブル202rd2および時短・確変用テーブル202rd3のうち現在の遊技状態に応じた変動パターンテーブルとを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図436(b)、図437(a),(b)参照)。
また、本第21実施形態における特別図柄変動開始処理21(図441参照)では、S315の処理が終了すると、入賞順格納エリア203rbのデータを更新し(S337)、本処理を終了する。
次に、図442を参照して、本第21実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理21(S162)について説明する。図442は、始動入賞処理21(S162)の内容を示したフローチャートである。本第21実施形態における始動入賞処理21(S162)は、上述した第6実施形態(および第1実施形態)の始動入賞処理(図43参照)に代えて実行する処理である。
この始動入賞処理21(S162)のうち、S701~S707の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)の始動入賞処理(図43のS105)のS701~S707の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21実施形態における始動入賞処理21(図442参照)では、S706の処理を実行後、入賞順格納エリア203rbのデータを更新し(S711)、処理をS707へと移行する。また、本第21実施形態における始動入賞処理21(図442参照)では、S701の処理において、球が第1入賞口へ入賞していないと判別した場合(S701:No)、S703の処理で第1特別図柄の保留球数が4であると判別した場合(S703:No)、およびS707の処理が終了した場合に、次いで、球が第2入賞口(入球口)1640へと入球したか否かを判別する(S712)。このS712の処理では、第2入賞口(入球口)1640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入賞口(入球口)1640に入球したと判別されると(S712:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得し(S713)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S714)。
そして、第2入賞口(入球口)1640への入球がないか(S712:No)、或いは、第2入賞口(入球口)1640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が4未満でなければ(S714:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2入賞口(入球口)1640への入賞があり(S712:Yes)、且つ、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が4未満であれば(S714:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1加算する(S715)。そして、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S716)。
ここで設定された特図2保留球数コマンドも、S705の処理において設定された特図1保留球数コマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるのメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223aaに格納する。
S716の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2保留球格納エリア203aaの空き保留エリア(特図2保留第1エリア~特図2保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S717)。なお、S717の処理では、S706の処理と同様に、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を参照し、その値が0であれば、特図2保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば特図2保留第2エリアを、その値が2であれば特図2保留第3エリアを、その値が3であれば特図2保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。S717の処理が終了すると、入賞順格納エリア203rbのデータを更新し(S718)、S707の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図443を参照して、本第21実施形態における普通図柄変動処理21(S163)について説明する。この普通図柄変動処理21(S163)は、第6実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図45参照)に代えて実行される処理であり、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、第2入球口1640に付随する普通電動役物1640aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この第21実施形態における普通図柄変動処理21(図443参照)のうち、S901,S902,S904,S906~S908,S913~915、およびS920の各処理では、それぞれ第6実施形態における普通図柄変動処理(図45参照)のS901,S902,S904,S906~S908,S913~915、およびS920の各処理と同一の処理が実行される。
また、図443に示した通り、普通図柄変動処理21(S163)では、S902の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S902:No)、普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S961)。次に、取得した普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(M)が0よりも大きい値であるか否かを判別し(S962)、普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(M)が0であると判別した場合は(S962:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S962の処理において、普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(M)が0より大きい値であると判別した場合は(S962:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(M)を1減算する(S963)。
S963の処理が終了すると、次いで、普通図柄保留球格納エリア203zaに格納されたデータをシフトする(S964)。S964の処理では、普通図柄保留球格納エリア203zaの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203zaの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S904)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S965)。なお、本第21実施形態におけるパチンコ機10では、時短中カウンタ203zuの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態であると判定する一方で、時短中カウンタ203zuの値が0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S965の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S965:Yes)、S904の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図435(c)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得し(S966)、処理をS906へと移行する。なお、S966の処理では、具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図435(c)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0~239」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定する(図435(c)参照)。
一方、S965の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S965:No)、次いで、S904の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図435(c)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得し(S967)、処理をS906へと移行する。S967の処理では、具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図435(c)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「1~239」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0」であれば、普通図柄の外れであると判定する(図435(c)参照)。即ち、本第21実施形態では、普通図柄の低確率状態(通常状態)であっても、普通図柄の抽選が実行されると高確率(239/240の確率)で普通図柄の当たりに当選するように構成されている。これにより、普通図柄の通常状態に設定される通常状態や潜確状態において中央スルーゲート67cを遊技球が通過する毎に、ほぼ普通図柄の当たりになるため、潜確状態においては、中央スルーゲート67cを通過した遊技球を普通電動役物1640aが突出状態の間に普通電動役物1640aの上面へと到達させて第2入球口1640へと入球させることができる。つまり、潜確状態においては、振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、左第1入球口64lと、第2入球口1640とに交互に遊技球を入球させることができる。従って、不利な左打ち遊技状態である通常状態および潜確状態の遊技性を大きく異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図444を参照して、本第21実施形態で実行されるエンディング処理21(Z1391)について説明する。このエンディング処理21(Z1391)は、第6実施形態におけるエンディング処理6(図177参照)に代えて実行される処理である。
この第21実施形態におけるエンディング処理21(Z1391)のうち、Z4101~Z4104の各処理では、それぞれ第6実施形態におけるエンディング処理6(図177,Z1379)のZ4101~Z4104の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21実施形態におけるエンディング処理21(Z1391)では、Z4103およびZ4104の処理を実行後に、時短付与テーブル202e(図438(a)参照)を読み出して(Z4111)、その読み出した時間付与テーブル202eから今回の大当たり種別と大当たり当選時の遊技状態とに応じた時短回数を特定し(Z4112)、時短回数カウンタにZ4112の処理において特定した時短回数を設定して(Z4113)、本処理を終了する。このエンディング処理21(図444参照)を実行することにより、大当たり種別や当選時の遊技状態等に応じて正確に遊技状態を設定することができる。
<第21実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図445、および図446を参照して、本第21実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第21実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、上述した第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、入賞情報関連処理(図57参照)に代えて入賞情報関連処理21(図445参照)を実行する点と、演出設定処理(図63参照)に代えて演出設定処理21(図446参照)を実行する点とで相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
まず、図445を参照して、本第21実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される入賞情報関連処理21(S18101)について説明する。この入賞情報関連処理21(S18101)は、第6実施形態(および第1実施形態)における入賞情報関連処理(図57参照)に代えて実行される処理である。
この第21実施形態における入賞情報関連処理21(S18101)のうち、S2301,S2311、およびS2312の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)における入賞情報関連処理(図57参照)のS2301,S2311、およびS2312の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21実施形態における入賞情報関連処理21(S18101)では、S2301の処理を実行後、S2301の処理で読み出した遊技状態は潜確状態であるかを判別し(S2361)、潜確状態であると判別した場合には(S2361:Yes)、次に、今回受信した入賞情報コマンドが第1特別図柄に対応する入賞情報(特図1の入賞情報)を示すコマンドであるか否かを判別する(S2362)。S2362の処理において、第1特別図柄の入賞情報に対応するコマンドであると判別した場合は(S2363:Yes)、第1特別図柄の保留図柄を示す「並」保留に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2363)、処理をS2311へと移行する。一方、S2362の処理において、第1特別図柄(特図1)の入賞情報ではないと判別した場合は(S2363:No)、第2特別図柄の保留図柄を示す「熱」保留に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2364)、処理をS2311へと移行する。また、S2361の処理において、読み出した遊技状態が潜確状態ではないと判別された場合(S2361:No)、処理をS2312へと移行する。
この入賞情報関連処理21(図445参照)を実行することにより、潜確状態において有利度合が高い第2特別図柄の保留球が増加した場合に、「熱」保留を増加させ、有利度合が低い第1特別図柄の保留球が増加した場合に、「並」保留を増加させることができるので、保留図柄の表示態様から、遊技者に対して容易に保留球の種別を理解させることができる。
次に、図446を参照して、本第21実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出設定処理21(S2841)について説明する。この演出設定処理21(S2841)は、第6実施形態(および第1実施形態)における演出設定処理(図63参照)に代えて実行される処理であり、変動表示演出(変動パターン演出)の演出態様を設定するための処理である。
この第21実施形態における演出設定処理21(S2841)のうち、S2901の処理では、第6実施形態における演出設定処理(図63,S2804参照)のS2901の処理と同一の処理が実行される。
また、本第21実施形態における演出設定処理21(S2841)では、S2901の処理が終了すると、次いで、S2901の処理において潜確状態に対応する情報を読み出したか否かを判別する(S2971)。S2971の処理において、潜確状態に対応する情報を読み出していないと判別した場合は(S2971:No)、次いで、遊技状態と特図種別とに応じた変動表示態様を選択し(S2975)、本処理を終了する。
一方、S2971の処理において、潜確状態に対応する情報を読み出したと判別した場合は(S2971:Yes)、次いで、今回受信した変動パターンコマンドが第1特別図柄(特図1)に対応する変動パターンコマンドであるか否かを判別する(S2972)。S2972の処理において、第1特別図柄(特図1)の変動パターンコマンドを受信したと判別した場合は(S2972:Yes)、「並」図柄が付随する第3図柄の変動表示態様を選択し(S2973)、その後、本処理を終了する。一方、S2972の処理において、第1特別図柄(特図1)に対応する変動パターンコマンドでを受信していない(第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドを受信した)と判別した場合は(S2972:No)、「熱」図柄が付随する第3図柄の変動表示態様を選択し(S2974)、本処理を終了する。
この演出設定処理21(図446参照)を実行することにより、潜確状態において、第1特別図柄に対応する第3図柄の変動表示を行う際は、第3図柄に対して「並」図柄を付随させて表示する一方で、第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示を行う際は、第3図柄に対して「熱」図柄を付随させて表示することができる。よって、有利度合が低い第1特別図柄に対応する変動表示演出が実行されているのか、有利度合が高い第2特別図柄に対応する変動表示演出が実行されているのかを遊技者に対して容易に理解させることができる。
以上説明した通り、本第21実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の通常状態(低確率状態)が設定される通常状態と潜確状態とで、左打ちにより遊技を進行した場合における有利度合いを異ならせる構成とした。即ち、通常状態では、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選ばかりが実行される一方で、潜確状態では、第1特別図柄の抽選と、第1特別図柄の抽選よりも有利度合いが高い第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易くなるように構成した。より具体的には、普通図柄の当たりに当選してから普通電動役物1640aが開放されるまでの期間(普通電動役物1640aの可動(変位)の態様)を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選が実行され易い左打ち遊技状態(通常状態)と、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易い左打ち遊技状態(潜確状態)と、を形成する構成とした。これにより、遊技者にとって不利な左打ち遊技状態において遊技のバリエーションを増加させることができるので、不利な左打ち遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、左打ちにより遊技を進行する比較的有利度合いが低い遊技状態と、右打ちにより遊技を進行する比較的有利度合いが高い遊技状態と、を設ける構成とし、大当たり当選等の特定契機の成立に基づいて、有利度合いが低い遊技状態から有利度合いが高い遊技状態へと移行するものが広く一般的に知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが低い遊技状態が長く続いてしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうという問題点があった。
これに対して本第21実施形態では、左打ちにより遊技を進行する遊技状態として、左打ちを行うことでほぼ第1特別図柄の抽選のみが実行される通常状態と、左打ちを行うことで第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ交互に実行される潜確状態と、の2種類の遊技状態を設ける構成としている。これにより、左打ちにより遊技を進行する不利な遊技状態において、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。よって、不利な遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第21実施形態では、普通図柄の当たり時のオープニング期間のみを通常状態と潜確状態とで異ならせることにより、通常状態では中央スルーゲート67rを通過した遊技球がほぼ右第1入球口64rへと入球する一方で、潜確状態では中央スルーゲート67rを通過した遊技球がほぼ第2入球口1640へと入球するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の当たり時の普通電動役物1640の動作パターン(変位パターン)は共通(例えば、第21実施形態における潜確状態の変位パターン)とし、普通図柄の変動時間を通常状態と潜確状態とで異ならせる(例えば、通常状態では0.38秒間、潜確状態では0.1秒間)ことにより、本第21実施形態と同一の挙動を実現してもよい。このように構成することで、普通電動役物1640aの動作パターンを少なくすることができるので、普図開放パターンテーブル202raのデータ量を削減することができる。よって、ROM202の記憶容量を削減することができる。
本第21実施形態では、通常状態を第1特別図柄の抽選ばかりが実行される左打ち遊技状態として構成する一方で、潜確状態を第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される左打ち遊技状態として構成していたが、これに限られるものではない。例えば、逆に、通常状態を第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行される左打ち遊技状態として構成してもよい。このように構成することで、通常状態では、大当たり確率が低いものの、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技性となる一方で、潜確状態では、大当たり確率が高いものの、有利な第2特別図柄の抽選が実行され難い遊技性を実現することができる。つまり、通常状態と潜確状態とで、互いに異なるメリットおよびデメリットを設けることができるので、これらの遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。この仕様において、大当たり終了後の遊技状態が最も不利な潜確状態に設定される場合は、大当たりの遊技におけるインターバル期間等の右打ちを行っても賞球を獲得できない期間の間に、遊技者に対して左打ちを促す演出を実行することにより、第2特別図柄の保留球を貯めさせる構成としてもよい。つまり、大当たりに当選してから潜確状態が設定されるまでの間に、振分装置1750へと遊技球を入球させることを促す演出を実行してもよい。大当たり遊技中は、パチンコ機10の初期状態(通常状態)と同一の状態に設定されるため、通常状態を左第1入球口64lと第2入球口1640とに交互に入球し易い遊技状態に設定することで、大当たり遊技の実行中も振分装置1750へと遊技球が入球する毎に、左第1入球口64lと第2入球口1640とに交互に振り分けられ易い状態を形成する。よって、係る状況下において、大当たり遊技中に左打ちを報知する構成とすることにより、大当たり遊技の間に第2入球口1640へと遊技球を入球させて第2特別図柄の保留球を貯めさせることができる。このため、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選ばかりが実行される(振分装置1750へと遊技球を入球させても左第1入球口64lと右第1入球口64rとのどちらかにしか入球しない)潜確状態へと移行するよりも前に、有利度合いが高い第2特別図柄の保留球を貯めておくことができる。よって、潜確状態へと移行した後で消化される第2特別図柄の保留球で大当たりとなって有利な確変状態へと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、通常状態へと移行する場合や第2特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態、確変状態へと移行する場合は、左打ちを促す演出を実行してもよいし、しなくてもよい。通常状態、時短状態、確変状態においては、大当たり遊技の実行中と同等かそれ以上に第2入球口1640へと遊技球が入球するため、大当たり遊技の実行中に左打ちを促す演出を行わないことで、大当たり遊技中の無駄球を低減させることができる。また、左打ちを促す演出を実行する場合には、例えば、大当たり終了後の遊技状態を報知するよりも前に実行するのが効果的である。つまり、大当たり終了後の遊技状態を報知するタイミングを例えば大当たりのエンディング期間に設定しておき、大当たりの各ラウンド間のインターバル演出において、左打ちを行うか行わないかを遊技者に選択させる演出を実行する構成とする。この場合、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態になりそうだと予想した遊技者に対して左打ちを選択させる一方で、潜確状態以外の遊技状態になると予想した遊技者に対して、左打ちを行わないという選択をさせることができる。よって、大当たり終了後の遊技状態を予測して、その予測結果に応じた遊技方法(左打ちを行うか行わないか)を選択させるという新たな遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第21実施形態では、通常状態と潜確状態とで、遊技球が中央スルーゲート67cを通過してから普通電動役物1640aが開放されるまでに要する期間を異ならせることにより、左打ち遊技を行うと第1特別図柄の抽選ばかりが実行される状態(通常状態)と、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に行われ易くなる状態(潜確状態)と、を形成する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1の遊技状態において、遊技球が中央スルーゲート67cを通過してから普通電動役物1640aが開放されるまでに要する期間を状況に応じて異ならせることにより、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される状態と、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に行われ易くなる状態と、を形成する構成としてもよい。より具体的には、例えば、一部の通常大当たりに当選して時短状態へと移行し、時短回数が経過した場合に、第2入球口1640へと入球し易くなるオープニング期間が設定される通常状態Aを形成するように構成し、その他の通常大当たりに当選して時短回数が経過した場合や、パチンコ機10が初期化された場合には、第2入球口1640へと誘導され得ないオープニング期間が設定される通常状態Bを形成するように構成してもよい。このように構成することで、潜確状態を廃止することができる。また、例えば、通常状態が設定されてから特定の抽選回数(例えば、300回)が終了するまでは第2入球口1640へと誘導され得ないオープニング期間が設定される通常状態Bが設定され、特定の抽選回数が終了した後においては、第2入球口1640へと入球し易くなるオープニング期間が設定される通常状態Aが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、特定の抽選回数が近くなってきた場合に、特定の抽選回数まで遊技を継続しようと思わせることができるし、特定の抽選回数を超えた場合に、当たりになるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第21実施形態では、通常状態と潜確状態とで、遊技球が中央スルーゲート67cを通過してから普通電動役物1640aが開放されるまでに要する期間を異ならせることにより、通常状態では中央スルーゲート67cを通過した遊技球が第2入球口1640へと誘導され得なくなる一方で、潜確状態では中央スルーゲート67cを通過した遊技球のほとんどが普通電動役物1640aによって第2入球口1640へと誘導される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常状態と潜確状態とで遊技球が中央スルーゲート67cを通過してから普通電動役物1640aが開放されるまでに要する期間を共通とし、通常状態でも潜確状態でも中央スルーゲート67cを通過した遊技球のほとんどが普通電動役物1640aによって第2入球口1640へと誘導されるように構成してもよい。そして、上述した第17実施形態等のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを重複して実行可能な同時変動方式を採用し、通常状態では第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間に対して極端に長くなる(例えば、1時間等)一方で、潜確状態では第1特別図柄と第2特別図柄との変動時間が共通となるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の当たりとなった際に、通常状態と潜確状態とで共通の制御を行えばよくなるので、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、同時変動方式を採用する場合は、中央スルーゲート67cや右第1入球口64rを廃止して、単純に右誘導流路1750dを流下した大部分の遊技球が入球可能な位置(第21実施形態において右第1入球口64rが設けられている位置)に、普通電動役物1640aが付随しない第2入球口1640を設ける構成としてもよい。このように構成することで、振分装置1750の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減によりパチンコ機10の原価を低減させることができる。更に、同時変動方式を採用する場合において、異なる遊技状態(通常状態と潜確状態)で異なる変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択するのではなく、1の遊技状態において参照する変動パターンテーブルを異ならせる場合を設けることにより、有利度合い(第2入球口1640への入球し易さ)が異なる複数の状態を形成する構成としてもよい。より具体的には、例えば、一部の通常大当たりに当選して時短状態へと移行し、時短回数が経過した場合に、第2特別図柄の変動時間が短くなる(第1特別図柄の変動時間と同等になる)変動パターンテーブルが参照される通常状態Aが設定されるように構成し、その他の通常大当たりに当選して時短回数が経過した場合や、パチンコ機10が初期化された場合には、第2特別図柄の変動時間が著しく長くなる変動パターンテーブルが参照される通常状態Bが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、潜確状態を廃止することができる。また、例えば、通常状態が設定されてから特定の抽選回数(例えば、300回)が終了するまでは第2特別図柄の変動時間が著しく長くなる変動パターンテーブルが参照される通常状態Bが設定され、特定の抽選回数が終了した後においては、第2特別図柄の変動時間が短くなる(第1特別図柄の変動時間と同等になる)変動パターンテーブルが参照される通常状態Aが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、特定の抽選回数が近くなってきた場合に、特定の抽選回数まで遊技を継続しようと思わせることができるし、特定の抽選回数を超えた場合に、当たりになるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第21実施形態では、普通図柄の通常状態(低確率状態)においても、普通図柄の抽選が実行されると、ほぼ(99.6%の割合で)普通図柄の当たりとなるように構成していたが、普通図柄の当たり確率はこれに限られるものではない。例えば、普通図柄の通常状態における普通図柄の当たり確率を1/2にすることにより、潜確状態において左打ちを行って振分装置1750へと入球した遊技球の1/4(右誘導流路1750dに誘導された遊技球のうち1/2)が第2入球口1640へと誘導されるように構成することができる。また、例えば、普通図柄の当たり確率を1/4にすることにより、潜確状態において左打ちを行って振分装置1750へと入球した遊技球の1/4(右誘導流路1750dに誘導された遊技球のうち1/2)が第2入球口1640へと誘導されるように構成することができる。よって、普通図柄の当たり確率を可変させることで潜確状態において第2特別図柄の抽選が実行される割合を異ならせることができるので、設計の自由度を向上させることができる。
本第21実施形態では、確変状態に移行すると、当該確変状態が実質的に次の大当たりまで継続するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態において予め定められた抽選回数(ST回数)に渡って連続して外れとなった場合に、確変状態が終了されて通常状態に変更されるように構成してもよい。このように構成することで、潜確状態や確変状態へと移行した場合に、特定回数内に大当たりに当選することを強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第21実施形態では、通常状態において大当たりC21に当選した場合に、時短回数が30回の時短状態に移行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短回数が0回に設定されて通常状態をループする構成としてもよい。つまり、通常状態において大当たりに当選すると、高い割合で通常状態をループし、相対的に低い割合で当選する確変大当たりに当選した場合にのみ、有利な確変状態、若しくは相対的に有利度合いが高い左打ち遊技状態である潜確状態へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、潜確状態へと移行しただけでも遊技者を喜ばせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第21実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に確変大当たりが決定される割合と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に確変大当たりが決定される割合とを異ならせる構成としていたが、これに限られるものではなく、確変割合を共通化してもよい。この場合において、第1特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合は、高い割合(例えば、確変大当たりの80%の割合や100%の割合)で時短回数が0回に設定されて潜確状態に設定される一方で、第2特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合は、高い割合(例えば、確変大当たりの80%の割合や100%の割合)で時短回数が65535回に設定されて実質的に次回の大当たりまで継続する確変状態に設定されるように構成してもよい。また、この場合において、確変大当たりとなる割合自体も高くして(例えば、大当たりに当選した場合の90%の割合)、且つ、上述した第17実施形態等と同様に確変リミット回数を設定する構成としてもよい。このように構成することで、通常状態において大当たりに当選すると、比較的高い割合で潜確状態へと移行させることができ、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりになると比較的高い割合で最も有利な確変状態へと移行する一方で、潜確状態において第1特別図柄の抽選でばかり大当たりに当選してしまうと、比較的高い割合で潜確状態をループしてしまって、確変リミット回数までの残り回数を無駄に消費してしまうゲーム性となるため、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選するか第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するかが上述した第21実施形態以上に重要となる遊技性を実現することができる。つまり、確変状態に移行した時点における確変リミット回数までの残り回数が、潜確状態をループした回数によって可変するので、確変状態において大当たりとなる回数の上限が潜確状態における遊技内容によって可変する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第21実施形態では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ交互に実行される(交互に実行され易い)潜確状態において、全ての図柄列(右図柄列、中図柄列、および左図柄列)の第3図柄に「並」図柄が付随して表示されている場合に有利度合いが低い第1特別図柄の変動パターン演出(変動表示演出)であることを示す一方で、「熱」図柄が付随して表示されている場合に有利度合いが高い第2特別図柄の変動パターン演出であることを示す構成としていたが、必ず全ての図柄に対して同一の付随図柄を表示させる必要はない。例えば、所定条件下で、一部または全部の図柄列に対して変動中の特別図柄の種別とは異なる付随図柄が付随される変動表示態様や、一部または全部の図柄列に対して付随図柄が付随されない変動表示態様を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、抽選結果に応じて、付随図柄の表示個数や付随図柄の種別を可変させる構成とし、例えば、不利な第1特別図柄の抽選で比較的有利な抽選結果となる(例えば、大当たりA21や大当たりB21に当選する)場合には、一部または全部の付随図柄が「並」図柄に代えて「熱」図柄に設定される変動表示態様(または一部または全部の図柄列に付随図柄が付随されない変動表示態様)に比較的高い割合で設定し、比較的不利な抽選結果となる場合には、比較的低い割合で一部または全部の付随図柄が「並」図柄に代えて「熱」図柄に設定される変動表示態様(または一部または全部の図柄列に付随図柄が付随されない変動表示態様)に設定するように構成してもよい。この場合において、「熱」図柄の個数が増える(若しくは付随図柄が付随されない図柄列が増える)ほど遊技者にとって有利な抽選結果となる期待度が高くなるように構成し、第1特別図柄に対応する変動表示演出において全ての付随図柄が「熱」図柄に変更され、且つ、大当たりが報知された場合には、遊技者にとって最も有利な大当たりA21が確定するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の抽選で外れとなった場合には極めて低確率(例えば、外れ時の1/300)でしか全ての付随図柄が「熱」図柄に変更される演出が選択されないように構成してもよい。このように構成することで、全ての付随図柄が「熱」図柄に変更される演出態様が開始された時点で、大当たりA21となって確変状態へと移行することに対する期待感を向上させることができる。よって、特に、潜確状態において有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行されている間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。また、同様にして、第2特別図柄の抽選で「並」図柄の個数が増える(若しくは付随図柄が付随されない図柄列が増える)ほど遊技者にとって不利な抽選結果(例えば、大当たりF21)となる可能性が高くなるように構成してもよい。このようにこうせいすることで、第2特別図柄の抽選で「並」図柄の個数がより多く表示された場合や付随図柄が付随されていない第3図柄の個数がより多く表示された場合において、抽選結果が外れとなることを強く願いながら遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第21実施形態では、潜確状態よりも通常状態の方が普通図柄の当たりとなってから普通電動役物1640aが開放されるまでの期間を長くすることにより、通常状態においては普通電動役物1640aが突出状態に変位している間に遊技球を到達させることが困難に構成する一方で、潜確状態においては普通電動役物1640aが突出状態に変位している間に遊技球を到達可能に構成していたが、これに限られるものではない。逆に、右誘導流路1750dを通過するまで(中央スルーゲート67cを通過してから右誘導流路1750dを通過しきるまで)に比較的長い期間を要するように構成した上で、普通電動役物1640aが開放されるまでの期間が長い場合に突出状態に変位している普通電動役物1640aへと到達可能に構成してもよい。具体的には、例えば、中央スルーゲート67cを通過してから右誘導流路1750dの下端に到達するまでの間に2秒間を要するように、中央スルーゲート67cの下方に遅延機構(例えば、つづら折りの経路等)を設ける構成とし、通常状態においては、中央スルーゲート67cを通過してから0.5秒経過時点で普通電動役物1640aが1秒間開放されるように制御する一方で、潜確状態においては、中央スルーゲート67cを通過してから1.5秒経過時点で普通電動役物1640aが1秒開放されるように構成してもよい。このように構成した場合も、上述した第21実施形態と同様に、潜確状態でのみ第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行され易くなる動作を実現することができる。また、通常状態の方が早く普通図柄の当たりが終了するように構成することにより、通常状態において複数(例えば、3個)の遊技球が連なって振分装置1750へと入球し、最初の遊技球が中央スルーゲート67cを通過したとしても、最初の遊技球すら普通電動役物1640aの突出状態において普通電動役物1640aへと到達困難に構成することができるので、後続の遊技球が突出状態の普通電動役物1640aへと到達することをより確実に防止することができる。
<第21実施形態の変形例>
次いで、上述した第21実施形態の変形例について説明する。上述した第21実施形態では、右第1入球口64rの左上側に第2入球口1640を設ける構成とし、普通電動役物1640aを、第2入球口1640に向けて右上方向から左下方向に下る向きの傾斜を形成する構成としていた。これに対して本変形例では、第2入球口1640の配置および普通電動役物1640の機構を変更することにより、振分装置1750の構造の簡素化を図っている。
また、上述した第21実施形態では、単純に潜確状態が設定されている間にのみ、付随図柄(「熱」図柄または「並」図柄)を第3図柄に付随させて表示させることにより、第1特別図柄の変動表示が実行されているのか、第2特別図柄の変動表示が実行されているのかを識別可能に構成していた。
これに対して本変形例では、潜確状態に移行する前や、潜確状態が終了した後においても、所定回数の抽選に渡って付随図柄を表示させる構成としている。このように構成することで、期待度の異なる付随図柄の表示をより長い期間実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
まず、図498を参照して、本変形例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図498は、本変形例における遊技盤13の正面図である。図498に示した通り、本変形例における遊技盤13は、上述した第21実施形態における遊技盤13(図430参照)に対して、振分装置1750の周辺構造が変更となっている点でのみ相違している。具体的には、図498に示した通り、第2入球口1640の配置が振分装置1750の右下方向(右第1入球口64rに対して正面視右側)に移動されていると共に、第1入球口64lが左誘導流路1750cの直下に移動されている点で相違している。また、第21実施形態における普通電動役物1640aに代えて、第2入球口1640の左右に一対の普通電動役物1640al,1640arが付随して設けられている点でも相違している。本変形例の第2入球口1640、および第2入球口1640に付随する普通電動役物1640aの詳細について、図499を参照して説明する。なお、左第1入球口64lの配置を移動すると共に、左第1入球口64lの周辺に設けられていた釘を削除したのは、単に第2入球口1640の配置を移動したことにより左誘導流路1750cの真下のスペースが空いたため、左誘導流路1750cから自由落下した遊技球がそのまま入球可能となる位置に移動することで振分装置1750の構成をより簡素化する趣旨である。
図499は、本変形例における第2入球口1640の周辺を示した拡大正面図である。図499では、普通電動役物1640al,1640arが突出状態に設定されている場合を示した図である。図499に示した通り、第2入球口1640の左側に設けられている普通電動役物1640alが突出状態に設定されている状況において、普通電動役物1640alは、第2入球口1640へと遊技球を誘導可能な左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜を形成する。また、図499に示した通り、普通電動役物1640alは、突出状態において、右第1入球口64rの上方を塞ぐため、突出状態の間に誘導流路1750dを流下した遊技球は、普通電動役物1640alによって右第1入球口64rへの入球が妨げられると共に、普通電動役物1640alの形成する傾斜によって第2入球口1640へと誘導される。
また、図499に示した通り、普通電動役物1640arは、突出状態となることにより第2入球口1640へと遊技球を誘導可能な右上方向から左下方向へと下る向きの傾斜を形成する。この普通電動役物1640arのうち、第2入球口1640側とは逆側の端部は、右スルーゲート67rの下方まで伸びているため、突出状態において、右打ちされた遊技球を受け止めて第2入球口1640へと誘導することが可能に構成されている。一方、この一組の普通電動役物1640al,1640arが没入状態に設定されている間は、右第1入球口64rの上方が開放されるため、没入状態の間に右誘導流路1750dを通過した遊技球は、上述した第21実施形態と同様に右第1入球口64rへと入球する。また、没入状態の間に右打ちされた遊技球は、普通電動役物1640arに受け止められることがないため、第21実施形態と同様に、アウト口66へ向けて流下する。なお、普通図柄の当たりに当選した際の普通電動役物1640al,1640arの動作パターン(変位パターン)については、第21実施形態における普通電動役物1640と同一の動作が両方の普通電動役物1640al,1640arに対して設定される。よって、通常状態において左打ちを行った場合は、第21実施形態と同様に、振分装置1750へと入球した遊技球が左第1入球口64lと右第1入球口64rとに交互に入球することにより、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選ばかりが実行される不利な遊技状態を形成する。一方、潜確状態において左打ちを行った場合は、第21実施形態と同様に、振分装置1750へと入球した遊技球が左第1入球口64lと第2入球口1640とに交互に入球することにより、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選と有利度合いが高い第2特別図柄の抽選とが交互に実行される比較的有利な遊技状態を形成する。更に、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において右打ちを行った場合には、普通電動役物1640arによって第2入球口1640へと遊技球が誘導されるため、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選ばかりが実行される極めて有利な遊技状態を形成する。
次に、図500を参照して、本変形例における遊技状態間の移行方法について説明する。図500に示した通り、本変形例においては、第21実施形態と同様に、4つの遊技状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図500の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の通常状態とに設定される潜確状態(図500の中段参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図500の下部左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態(図500の下部右側参照)と、の4つの遊技状態が設けられている。ここで、確変状態および時短状態における状態移行方法については、上述した第21実施形態と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
図500の上段に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図500の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に5%の割合で当選する大当たりA21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な確変状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に60%の割合で当選する大当たりB21に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的不利な(即ち、左打ち遊技状態である)潜確状態に設定される。一方、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりC21に当選すると、上述した第21実施形態とは異なり、大当たり終了後の遊技状態が再度、不利な通常状態に設定される。このため、本変形例では、潜確状態への移行割合が増加している点では第21実施形態よりも有利度合いが高くなっているが、通常大当たりとなった際に最も不利な通常状態をループしてしまうという点では有利度合いが低くなっている。
また、図500の中段に示した通り、潜確状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図500の中段に示した通り、潜確状態において大当たりに当選した場合のうち、実質的に35%の割合(第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが交互に実行されることを加味した割合)で当選する大当たりA21,D21,E21のいずれかに当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な確変状態に設定される。同様に、潜確状態において大当たりに当選した場合のうち、実質的に17.5%の割合で当選する大当たりC21に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が最も不利な通常状態に設定され、潜確状態において大当たりに当選した場合のうち、実質的に17.5%の割合で当選する大当たりF21に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な時短状態に設定される。これらに対し、潜確状態において実質的に30%の割合で当選する大当たりB21に当選した場合は、第21実施形態と同様に、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定される。
なお、本変形例では、大当たりB21および大当たりC21を、極めて短時間(例えば、1秒間)で終了され、右打ちしてもほぼ賞球を獲得することができない大当たり遊技で構成している。つまり、遊技者が大当たりに当選したことを認識し難くなるように構成している。これにより、通常状態において大当たりB21に当選した場合に、あたかも直接潜確状態へと移行したかのように思わせることができる。また、潜確状態において大当たりC21に当選した場合は、あたかも直接通常状態へと移行したかのように思わせることができる。また、特定入賞口65aへと遊技球を入球させることが不可能(困難)な確変大当たり、通常大当たりを設ける構成としたことに伴って、本変形例では、確変スイッチ65e3が廃止されている。即ち、大当たり種別に応じて、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が設定されるか、特別図柄の低確率状態が設定されるかが予め定められている構成としている。これにより、遊技球を入球させることが困難な確変大当たり、通常大当たりを設けることができる。
次に、図501から図503を参照して、本変形例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図501を参照して、本変形例における通常状態から潜確状態へと移行する際の演出態様について説明する。本変形例では、通常状態において大当たりB21に当選して潜確状態へと移行する場合に、左図柄列および中図柄列に奇数の同一の数字を模した第3図柄が停止表示され、右図柄列に左図柄列および中図柄列とは異なる奇数の数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出(変動パターン演出)が実行されるように構成している。つまり、外れを報知しているかのような表示態様の演出が実行される。そして、短時間(例えば、1秒間)で終了する大当たり遊技の間も、当たり変動において停止表示された停止図柄がそのまま表示され続ける。図501(a)の例では、左図柄列LDおよび中図柄列CDに「3」の数字を模した第3図柄が停止表示され、右図柄列RDに「5」の数字を模した第3図柄が停止表示された場合を例示している。また、潜確状態へと移行する場合は、表示領域HR6に対して、「チャンスゾーン突入!!」という文字が表示される。これらの表示態様により、あたかも特別図柄の抽選で外れとなったのを契機として、何らかの有利度合いが高い状態に移行したかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本変形例では、副表示領域Dsに対して、実行中の変動表示に対応する保留図柄を示すための実行図柄表示領域Ds0、および変動が保留されている保留図柄を表示させるための第1~第8保留図柄表示領域Ds1~Ds8が横に並べて表示される。これにより、次に実行される保留図柄を遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、大当たりB21の終了タイミングになり、潜確状態が設定されると、図501(b)に示した通り、副表示領域Dsの各保留図柄表示領域Ds1~Ds8に表示されていた各保留図柄が擬似的に「熱」保留図柄、および「並」保留図柄に変更される演出が実行される。通常状態においては、第1特別図柄の保留図柄しか保留されないため、潜確状態への移行直後に単純に潜確状態の表示態様に設定しようとすると、本来であれば、全ての保留図柄が低期待度を示す「並」保留図柄に設定されてしまうはずである。これに対して本変形例では、潜確状態への移行時点において既に保留されている保留図柄を擬似的に、「熱」保留図柄と「並」保留図柄とが交互に並んだ表示態様に設定することにより、遊技者に対して潜確状態への移行直後から期待度が異なる保留球を交互に消化できる遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この変更に当たっては、振分部材1750bの配置を加味して「熱」保留図柄および「並」保留図柄の並び順を設定する構成としている。即ち、振分部材1750bが右側に傾倒した状態であれば、次に振分装置1750に入球する遊技球は左第1入球口64lへと振り分けられるので、時間的に最も新しい保留球に対応する保留図柄を「熱」保留図柄に設定すると共に、「熱」保留図柄と「並」保留図柄とが交互に表示されるように設定する(図501(b)参照)。一方で、振分部材1750bが左側に傾倒した状態であれば、次に振分装置1750に入球する遊技球は第2入球口1640へと振り分けられるので、時間的に最も新しい保留球に対応する保留図柄を「並」保留図柄に設定すると共に、「熱」保留図柄と「並」保留図柄とが交互に表示されるように設定する。これにより、通常状態の間に保留された保留図柄と、潜確状態において追加して保留された保留図柄と、が共存する場合であっても、確実に、「熱」保留図柄と「並」保留図柄とが交互に表示されるように設定することができる。
なお、潜確状態へと移行する時点において、保留内に確変状態への移行に対応する保留球(大当たりA21)が含まれている場合に限り、振分部材1750bの配置を加味せずに、大当たりA21に対応する保留図柄を「熱」保留図柄に設定し、「熱」保留図柄と「並」保留図柄とが交互に表示されるように設定する構成としている。これにより、潜確状態に移行する前に保留された保留図柄においても、「熱」保留図柄の方が遊技者にとって有利となる期待度を高く構成することができるので、「熱」保留図柄の価値を共通化することができる。
次に、図502を参照して、潜確状態の間における表示態様について説明する。図502(a)は、本変形例における潜確状態の間の基本的な表示態様である。図502(a)に示した通り、潜確状態においては、第21実施形態と同様に、第1特別図柄に対応する変動パターン演出において、第3図柄に対して「並」図柄が付随して表示され(図502(a)参照)、第2特別図柄に対応する変動パターン演出において、第3図柄に対して「熱」図柄が付随して表示される。これにより、第21実施形態と同様に、遊技者に対して期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行されているのか、期待度が低い第1特別図柄の抽選が実行されているのかを容易に理解させることができる。
一方、図502(b)は、潜確状態において所定条件下で設定される秘匿状態を示した図である。この秘匿状態では、図502(b)に示した通り、付随図柄や保留図柄が全て「?」の文字が付された態様(「?」図柄、「?」保留図柄)に変更される。これにより、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかを遊技者に対して把握困難にすることができる。また、図502(b)に示した通り、秘匿状態に移行すると、表示領域HR6に対して「チャンスゾーン終了のピンチ!?」という文字が表示される。この秘匿状態は、大当たりC21(通常状態へ移行する大当たり)に対応する始動入賞を検出した場合、および外れに対応する始動入賞を検出した場合の一部(例えば、1/20)で設定される状態であり、潜確状態から通常状態へと転落してしまう可能性があることを示す状態である。秘匿状態において付随図柄の種別(属性)を秘匿する構成とすることにより、いずれの保留が危険であるのかを分かり難くすることができる。よって、秘匿状態が終了されるまで、遊技者に対して緊張感を持続的に抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、秘匿状態が設定されている間は、新たに始動入賞を検出して保留球が増加したとしても、当該保留球に対応する保留図柄が「?」保留図柄に変更される。秘匿状態自体は、秘匿状態の設定契機となる始動入賞に基づく特別図柄の抽選が実行されて当該抽選に基づく変動表示が終了することで終了される。
図503(a)は、秘匿状態が終了され、且つ、潜確状態が継続した(秘匿状態の設定契機が単に外れ時の抽選に当選した場合だった)場合における表示態様の一例を示した図である。潜確状態が継続する場合は、図503(a)に示した通り、単なる外れの組合せで第3図柄が停止表示されると共に、「?」保留図柄が特別図柄の種別を示す態様に復帰される。即ち、第1特別図柄の保留図柄が「並」図柄に復帰されると共に、第2特別図柄の保留図柄が「熱」図柄に復帰される。これにより、潜確状態が継続したということに対する安堵感を遊技者に対して抱かせることができる。なお、潜確状態が終了する(通常状態が設定される)場合は、左図柄列および中図柄列に偶数の同一の数字を模した第3図柄が停止表示され、右図柄列に左図柄列および中図柄列とは異なる偶数の数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出(変動パターン演出)が実行されるように構成している。図503(b)では、左図柄列および中図柄列に「2」を模した第3図柄が停止表示され、右図柄列に「6」の数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行された場合を例示している。つまり、潜確状態(チャンスゾーン)が設定される場合と真逆の出目法則(数字の偶奇が真逆の関係)に設定される。これにより、チャンスゾーンへの移行およびチャンスゾーンの終了を遊技者に対して容易に理解させることができる。また、図503(b)に示した通り、チャンスゾーンの終了時には、保留図柄が擬似的に通常状態に対応する表示態様に設定される。これにより、チャンスゾーンの終了を報知するタイミングと、通常状態に対応する保留図柄態様に設定するタイミングとを共通化することができる。よって、遊技者にとって分かり易い演出態様を設定することができる。
<第21実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図505から図507を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図504を参照して、本変形例における入賞情報関連処理21A(S18101)について説明する。この入賞情報関連処理21A(S18101)は、上述した第21実施形態における入賞情報関連処理21(図445参照)に変えて実行される処理であり、入賞情報関連処理21(図445参照)と同様に、入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に応じた制御を行うための処理である。
この第21実施形態の変形例における入賞情報関連処理21A(図504参照)のうち、S2301,S2311、およびS2312の各処理では、それぞれ上述した第21実施形態における入賞情報関連処理21(図445参照)のS2301,S2311、およびS2312の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における入賞情報関連処理21A(図504参照)では、S2301の処理が終了すると、次に、付随図柄が表示された状態であることを示すための付随図柄表示フラグがオンであるか否かを判別して(S2381)、オフであると判別した場合は(S2381:No)、付随図柄を表示させる遊技状態ではないことを意味するので、処理をS2312へと移行する。一方、S2381の処理において、付随図柄表示フラグがオンであると判別した場合は(S2381:Yes)、潜確状態等の、付随図柄を表示させる遊技状態であることを意味するので、次いで、秘匿状態が終了するまでの残りの変動回数を示すための秘匿カウンタの値が0より大きい値あるか否かを判別する(S2382)。
S2382の処理において、秘匿カウンタの値が0より大きい値である(即ち、秘匿状態に設定されている)と判別した場合は(S2382:Yes)、秘匿保留図柄(「?」保留図柄)に対応する表示用入賞情報コマンドを設定して(S2383)、今回の入賞情報が大当たりに対応する入賞情報であるか否かを判別する(S2384)。S2384の処理において、大当たりに対応する入賞情報であると判別した場合は(S2384:Yes)、秘匿状態を継続させる変動回数を示す秘匿カウンタの値に対して、現在の保留球数を上書きして(S2385)、処理をS2311へと移行する。一方、S2384の処理において、今回の入賞情報が大当たりに対応する入賞情報ではないと判別した場合は(S2384:No)、S2385の処理をスキップして、処理をS2311へと移行する。つまり、秘匿状態が設定されている間に大当たりに対応する入賞情報を追加で検出した場合には、その大当たり変動まで秘匿状態が延長される。これにより、秘匿状態が長く継続している場合に、大当たりとなることを期待して遊技を行わせることができる。
また、本変形例における入賞情報関連処理21A(図504参照)では、S2382の処理において、秘匿カウンタの値が0である(即ち、秘匿状態が設定されていない)と判別した場合は(S2382:No)、秘匿状態の設定可否を抽選するための秘匿抽選処理を実行して(S2386)、処理をS2311へと移行する。この秘匿抽選処理(S2386)の詳細について、図505を参照して説明する。
図505は、秘匿抽選処理(S2386参照)を示したフローチャートである。秘匿抽選処理(S2385)が実行されると、まず、今回の入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が大当たりC21に対応する入賞情報であるか否かを判別し(S17901)、大当たりC21に対応する入賞情報であると判別した場合は(S17901:Yes)、全保留図柄を秘匿保留図柄(「?」保留図柄)に変更するための表示用コマンドを設定して(S17902)、秘匿カウンタに現在の保留球数を設定し(S17903)、本処理を終了する。
一方、S17901の処理において、今回の入賞情報が大当たりC21ではないと判別した場合は(S17901)、次いで、今回の入賞情報を含む各入賞情報の中に大当たりに対応する入賞情報があるか否かを判別し(S17902)、大当たりに対応する入賞情報が含まれると判別した場合は(S17902:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対して、S17902の処理において、入賞情報内に大当たりが含まれないと判別した場合は(S17902:No)、秘匿状態に設定するか否かの抽選を実行し(S17905)、秘匿状態に設定する抽選結果となったか否かを判別する(S17906)。S17906の処理において、秘匿状態に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S17906:Yes)、処理をS17902へと移行して秘匿状態を設定する。
一方で、S17906の処理において秘匿状態に設定する抽選結果とならなかった場合には(S17906:No)、特別図柄の種別と、特別図柄の種別と付随図柄および保留図柄の種別とを逆転させることを示す逆順フラグの状態と、に応じた保留図柄を示すための表示用入賞情報コマンドを設定して(S17907)、本処理を終了する。
次いで、図506を参照して、本変形例における大当たり終了時処理A(S2408)について説明する。この大当たり終了時処理A(S2408)は、上述した第21実施形態(および第1実施形態)における大当たり終了処理(図59参照)と同様に、大当たり終了時における各種の設定を行うための処理である。
この第21実施形態の変形例における大当たり終了時処理A(図506参照)では、まず、遊技状態格納エリア223fのデータを読み出して(S2501)、読み出したデータが潜確状態を示すデータであるか否かを判別する(S2531)。S2531の処理において、潜確状態に対応するデータを読み出していないと判別した場合は(S2531:Yes)、次いで、秘匿カウンタの値が0より大きい値であるか否か判別し(S2532)、値が0であると判別した場合は(S2532:No)、大当たり終了後の遊技状態に応じた保留図柄の表示態様を設定して(S2533)、本処理を終了する。なお、大当たり終了後が通常状態であれば、保留図柄が全て白丸で示される保留図柄に設定される一方で、他の遊技状態では、第2特別図柄の保留図柄が「並」保留図柄で示され、第2特別図柄の保留図柄が「熱」保留図柄で示される表示態様に設定される。一方、S2532の処理において、秘匿カウンタの値が0より大きい値である(即ち、秘匿状態である)と判別した場合は(S2532:Yes)、次いで、保留球数分の保留図柄を秘匿保留図柄(「?」保留図柄)に設定して(S2534)、本処理を終了する。
これに対して、S2531処理において、潜確状態に対応するデータを読み出したと判別した場合は(S2531:Yes)、付随図柄表示フラグがオンであるか否かを判別して(S2537)、オンであると判別した場合は、潜確状態をループしたことを意味し、既に付随図柄の表示が設定されていることを意味するため、そのまま本処理を終了する。これに対し、S2535の処理において、付随図柄表示フラグがオフであると判別した場合は(S2535:Yes)、入賞情報格納エリア223aに格納されている全てのデータを読み出して(S2536)、入賞情報内に大当たりA21に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S2537)。S2537の処理において、大当たりA21が含まれていると判別した場合は(S2537:Yes)、振分部材1750bの配置を示す振分状態フラグの状態に応じて通常状態において保留された保留図柄の表示態様を「熱」保留と「並」保留の交互表示に設定し(S2538)、処理をS2542へと移行する。一方、S2537の処理において、入賞情報内に大当たりA21に対応するデータが含まれていると判別した場合は(S2537:Yes)、大当たりA21に対応する保留図柄が「熱」図柄となるように各保留図柄の交互表示を設定し(S2539)、振分部材1750bの配置と逆の対応関係を設定したか否かを振分状態フラグの状態に応じて判別する(S2540)。S2540の処理において、振分部材1750bの配置と逆の対応関係を設定したと判別した場合は(S2540:Yes)、対応関係を逆転させて表示させていることを示す逆順フラグをオンに設定し(S2541)、処理をS2542へと移行する。一方、S2540の処理において、振分部材1750bの配置に応じた対応関係を設定したと判別した場合は(S2540:No)、S2541の処理をスキップして、処理をS2542へと移行する。S2542の処理では、付随図柄表示フラグをオンに設定して、本処理を終了する。
次に、本変形例における演出設定処理21A(S2841)の詳細について説明する。この演出設定処理21A(S2841)は、上述した第21実施形態における演出設定処理(図446参照)と同様に、変動表示演出の変動表示態様を設定するための処理である。この演出設定処理21A(S2841)では、秘匿カウンタの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S2991)、0より大きい値であると判別した場合は(S2991:Yes)、秘匿カウンタの値を1減算して更新し(S2992)、減算後の秘匿カウンタの値が0であるか否かを判別する(S2993)。S2993の処理において、減算後の秘匿カウンタの値が0になっていないと判別した場合は、秘匿図柄が付随する第3図柄の変動表示を設定して(S2994)、本処理を終了する。一方、S2993の処理において、減算後の秘匿カウンタの値が0であると判別した場合は(S2993:Yes)、変動停止時に振分状態フラグの状態に応じた付随図柄態様に設定される変動表示態様を設定して(S2995)、本処理を終了する。
また、S2991の処理において、秘匿カウンタの値が0であると判別した場合は(S2991:No)、次いで、付随図柄表示フラグがオンであるか否かを判別して(S2996)、付随図柄表示フラグがオフであれば(S2996:No)、遊技状態と特別図柄の種別とに応じた変動表示態様を選択して(S2975)、本処理を終了する。一方、S2996の処理において、付随図柄表示フラグがオンであると判別した場合は(S2996:Yes)、第1特別図柄の変動パターンを受信したか否かを判別し(S2997)、第1特別図柄の変動パターンコマンドを受信していれば(S2997:Yes)、「並」図柄が付随する第3図柄の変動表示態様を設定する一方で(S2998)、第1特別図柄の変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S2997:No)、「熱」図柄が付随する第3図柄の変動表示を設定して(S2999)、本処理を終了する。
以上説明した通り、第21実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、第2入球口1640の配置及び普通電動役物の構造を変更することにより、振分装置1750の構造をコンパクト化している。加えて、本変形例では、付随図柄の表示期間を第21実施形態よりも長くする構成としているので、付随図柄の種別によって期待度を推測する遊技性をより長い期間に渡って提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上述した第21実施形態およびその変形例では、潜確状態における保留図柄の態様を第1特別図柄と第2特別図柄とで異ならせることにより、第1特別図柄の保留球であるか、第2特別図柄の保留球であるかを区別可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、保留図柄の背面の態様(背面画像)を異ならせることで第1特別図柄の保留図柄と第2特別図柄の保留図柄とを区別可能に構成してもよい。
<第22実施形態>
次に、図447から図469を参照して、第22実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第17実施形態におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成した上で、遊技状態として4つの遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)を設定可能にし、設定されている遊技状態に応じて抽選(変動)が実行され易い特別図柄の種別を異ならせるように構成していた。具体的には、左打ち遊技状態である通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように構成し、右打ち遊技状態である時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成していた。つまり、左打ち遊技状態では第1特別図柄の抽選ばかりが実行される一方で、右打ち遊技状態では第2特別図柄の抽選ばかりが実行されるように構成していた。
これに対して本第22実施形態におけるパチンコ機10では、右打ち遊技状態として、第2特別図柄の抽選の実行され易さが異なる複数の遊技状態を設ける構成としている。即ち、第2特別図柄の抽選よりも第1特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(時短状態、確変状態)と、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(潜確状態)と、を設ける構成としている。このように構成することで、右打ち遊技状態における遊技状態毎の有利度合いをより大きく異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第22実施形態におけるパチンコ機10では、特定の遊技状態(例えば、潜確状態)へと移行したことを契機として、特定回数(例えば、2回)の大当たり遊技に当選するまで有利な右打ち遊技状態が継続し易くなる(不利な左打ち遊技状態へと移行し得ない)極めて有利な状態を形成可能に構成している。このように構成することで、特定の遊技状態へと移行した時点で特定回数の大当たりに当選することが実質的に確定することを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第22実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第17実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第17実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第17実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図447を参照して、本第22実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図447は、本第22実施形態における遊技盤13の正面図である。図447に示した通り、本第22実施形態では、主として、遊技盤13における右側の構成が第17実施形態から大きく変更されている。より具体的には、図447に示した通り、遊技盤13の右側において、スルーゲート67が上流側に移動されている。また、スルーゲート67の下流側には、多数の遊技釘が配置されると共に、第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64rが設けられている。また、図447に示した通り、右第1入球口64rには、右第1入球口64rを開閉可能な普通電動役物64raが付随して設けられている。この普通電動役物64raは、スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づく普通図柄の抽選で普通図柄の当たりとなった場合に、所定期間(例えば、0.2秒間、若しくは1秒間)開放される。
更に、図447に示した通り、右第1入球口64rの下流側には、大当たりの各ラウンドで開放される可変入賞装置1650が配置されている。加えて、可変入賞装置1650の正面視左側(可変入賞装置1650が閉鎖されている間に可変入賞装置1650を通過した遊技球が到達可能な位置)には、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口1640が設けられている。なお、本第22実施形態では、小当たり抽選結果が設けられていないため、可変入賞装置2650は削除されている。
この盤面構成により、本第22実施形態では、普通電動役物64raが開放され易い普通図柄の時短状態が設定される遊技状態においては、右打ちを行うことにより右第1入球口64rへと頻繁に遊技球が入球することに加え、第2入球口1640にも遊技球が入球する。そして、本第22実施形態においては、普通図柄の時短状態が設定される確変状態や時短状態では、第2特別図柄の変動時間が、第1特別図柄の変動時間に対して大幅に長くなる。加えて、本第22実施形態では、第17実施形態と同様に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時並行して実行可能に構成されている。これにより、確変状態や時短状態においては、第2特別図柄が長時間変動している間に、第1特別図柄の抽選ばかりが頻繁に実行されるという挙動を実現することができる。
一方、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態においては、右打ちを行っても普通電動役物64raがほとんど開放されない(普通図柄の当たりに当選し難い)ため、右第1入球口64rにはほとんど遊技球が入球せず、第2入球口1640にばかり遊技球が入球する。ここで、本第22実施形態では、普通図柄の通常状態が設定される通常状態および潜確状態のうち、通常状態においては第2特別図柄の変動時間が著しく長くなる一方で、潜確状態においては、第2特別図柄の変動時間が比較的短くなるように構成している。つまり、通常状態においては、右打ちを行ったとしても右第1入球口64rへと遊技球をほとんど入球させることができない上に、第2入球口1640へと遊技球を入球させたとしても、第2特別図柄の抽選が極めて長い時間間隔で実行されるため、遊技効率が悪化する。よって、左打ちにより遊技を進行させることができる。一方で、潜確状態においては、第2特別図柄の変動時間が短くなるため、右打ちを行うことにより頻繁に第2入球口1640へと入球して第2特別図柄の抽選が実行される。よって、右打ちにより遊技を進行させることができる。
なお、本第22実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、必ず、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過可能となる期間(Vラウンド)において可変入賞装置1650の開閉扉1650fが開放される開放パターンが設定される。つまり、大当たり遊技の実行中に可変入賞装置1650に向けて遊技球を発射し続ける(右打ちし続ける)だけで確変スイッチ1650e3を遊技球が通過して大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される大当たりが必ず実行される。そして、本第22実施形態では、特別図柄の確変状態が、次回の大当たりまで継続するように構成している。このため、右打ちにより第2特別図柄の抽選ばかりが実行される潜確状態へと移行すると、次の大当たりまで右打ち遊技状態が継続する(次回の大当たりが実質的に確定する)のみならず、次の大当たり終了後にも右打ち遊技状態が設定されること、および次の大当たり終了後の右打ち遊技状態も大当たりに当選するまで継続することが確定する。言い換えれば、潜確状態へと移行することにより、次回および次々回の2回分の大当たりが実質的に確定することになるため、潜確状態へと移行した時点で、遊技者に対してより大きな満足感と安心感とを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図448を参照して、本第22実施形態における遊技状態間の移行方法について説明する。図448に示した通り、本第22実施形態においては、4つの遊技状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図448の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の通常状態とに設定される潜確状態(図448の中段左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態(図448の中段右側参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図448の下段参照)と、の4つの遊技状態が設けられている。ここで、上述した通り、通常状態は、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、潜確状態は、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、確変状態および時短状態は、右打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。
図448の上段に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図448の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりA22に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりB22に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な時短状態に設定される。つまり、通常状態において大当たりに当選すると、かならず右打ち遊技状態に移行するため、いずれにしても、大当たりに当選することで遊技者に有利となる。よって、大当たりに当選した時点で遊技者をより喜ばせることができる。
また、図448の中段左側に示した通り、潜確状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図448の中段左側に示した通り、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりD22に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。これに対し、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりC22に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。つまり、右打ち遊技状態である潜確状態においては、大当たりに当選すると、同一の遊技状態をループするか、右打ち状態である確変状態に移行するか、のどちらかとなるので、次の大当たり終了後の遊技状態も右打ち遊技状態となることが実質的に確定する。つまり、潜確状態へと移行した時点で、右打ち遊技状態を維持したまま、少なくとも2回の大当たりに当選することができるということが実質的に確定する。よって、潜確状態へと移行した時点で、遊技者に対してより大きな満足感と安心感とを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図448の中段右側に示した通り、時短状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および時短回数が経過した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図448の中段右側に示した通り、時短状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりA22に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態に設定される。これに対し、時短状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりB22に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、遊技者にとって比較的有利な時短状態に設定される。これに対して、時短状態において設定されている時短回数の間に大当たりに当選しなかった場合は、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態に切り替わる結果、遊技状態が通常状態に設定される。つまり、右打ち遊技状態の一種である時短状態においては、大当たりに当選すると、同一の遊技状態をループするか、最も有利な潜確状態に移行するか、のどちらかとなる一方で、時短回数内に大当たりに当選しなければ遊技者にとって不利な通常状態へと移行してしまうため、時短回数内に大当たりに当選することを強く望みながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図448の下段に示した通り、確変状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図448の下段に示した通り、確変状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりA22に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態に設定される。また、確変状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりB22に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な時短状態に設定される。つまり、確変状態では、大当たりA22に当選することでより有利な潜確状態へと移行する一方で、大当たりB22に当選してしまうと、確変状態よりも有利度合いが低い時短状態へと移行してしまう。よって、大当たりA22に当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
まとめると、本第22実施形態においては、左打ち遊技状態である通常状態において、まず、大当たりに当選することを期待して左打ち遊技を実行する。そして、大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA22であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。そして、大当たりA22に当選して遊技者にとって最も有利な潜確状態が設定された場合には、遊技者に対して大きな安心感と満足感とを抱かせることができる一方で、大当たりB22に当選した場合は、大当たり終了後に設定される時短状態の間に再度大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。また、潜確状態においては、大当たりに当選したとしても、大当たり中に遊技球を発射しない等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、有利度合いが低い時短状態へと移行することが無いため、安心感を抱きながら遊技を行わせることができる。また、大当たりに当選した場合には、潜確状態をループする大当たりC22に当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
潜確状態において大当たりD22に当選し、確変状態に移行した場合は、次の大当たりまで右打ち遊技状態が継続するという安心感はあるものの、大当たりに当選した場合の過半数(65%)が大当たりB22となって有利度合いが低い時短状態に設定されてしまう。よって、大当たりB22に当選して欲しくないという緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。そして、確変状態において大当たりA22となって有利な潜確状態へと移行(復帰)した場合には、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。これに対し、大当たりB22に当選して時短状態が設定された場合には、時短回数の間に再度大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。そして、狙い通りに時短回数内に大当たりに当選し、大当たりA22となって潜確状態へと移行した場合は、より大きな満足感を遊技者に抱かせることができる一方で、大当たりB22に当選した場合は、もう一度時短回数内に大当たりに当選させようと思わせることができる。一方、時短回数が経過してしまった場合は、また一から大当たりを目指そうと思わせることができる。
このように、本第22実施形態では、遊技者に有利な打ち遊技状態の一種である潜確状態へと移行することにより、少なくとも2回の大当たりに当選するまでの間右打ち遊技状態が継続することが実質的に確定するように構成しているので、潜確状態へと移行した時点で遊技者の興趣を大幅に向上させることができる。
なお、本第22実施形態では、確変状態や時短状態において大当たりに当選した場合に、潜確状態と時短状態とのいずれかが設定されるように構成していたが、これに限られるものではなく、確変状態が設定される振り分けを設けてもよい。より具体的には、例えば、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に所定の割合(例えば、10%の割合)で、時短回数が65535回に設定される確変大当たりに当選するように構成してもよい。このように構成することで、より複雑な状態移行を実現することができるので、より奥深いゲーム性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図449から図452を参照して、本第22実施形態における特徴的な興趣演出について説明する。上述した通り、本第22実施形態では、潜確状態へと移行することにより、2回の大当たりに当選するまで右打ち遊技状態が継続する(し易い)極めて有利な状況を形成する。このため、本第22実施形態では、潜確状態へと移行するか否か、および潜確状態から確変状態へと移行(転落)するか否かを大当たり遊技中に実行される演出態様によって示唆可能に構成している。
まず、図449を参照して、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、当該大当たり遊技中に第3図柄表示装置81において表示される表示演出の演出態様の一例について説明する。図449(a)は、通常状態において当選した大当たりの1ラウンド目における表示態様を示した図である。
図449(a)に示した通り、通常状態において大当たりに当選すると、大当たりの1ラウンド目において、主表示領域Dmに対して、剣と盾とを所持した冒険者を模したキャラクタ(冒険者のキャラクタ)801と、宝箱802を抱えた怪獣を模したキャラクタ(怪獣のキャラクタ)811とが睨み合う表示態様が表示される。また、冒険者のキャラクタ801と怪獣のキャラクタ811との上方に形成される横長略長方形形状の表示領域HR6に対して、「敵を倒せ!!」という文字が表示される。加えて、副表示領域Dsに対して「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、敵である怪獣のキャラクタ811を冒険者のキャラクタ801が倒すことにより、有利な潜確状態(RUSH状態)へと移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第22実施形態では、特別図柄の確変状態に設定される右打ち遊技状態(潜確状態、または確変状態)のことを、まとめて「RUSH」と称している。一方で、図示については省略したが、特別図柄の低確率状態に設定される右打ち遊技状態(時短状態)のことを、「チャンスタイム」と称している。つまり、「RUSH」への突入が報知された場合には、次に大当たりに当選するまで右打ち状態が継続する一方で、「チャンスタイム」が報知された場合には、時短回数の経過により右打ち状態が終了されてしまう(不利な通常状態に移行してしまう)ように構成されている。これにより、遊技者に対して、右打ち状態の種別を容易に理解させることができる。
図449(b)は、大当たり演出において敵である怪獣のキャラクタ811を冒険者のキャラクタ801が倒すことに成功した(当選した大当たり種別が大当たりA22だった)場合における表示態様の一例を示した図である。図449(b)に示した通り、敵である怪獣のキャラクタ811を倒すことに成功すると、表示領域HR6に対して、「勝利!!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「RUSH突入確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して大当たり終了後に有利な潜確状態(RUSH状態)へと移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
怪獣のキャラクタ811を倒す演出が実行された後は、図450(a)に示した通り、怪獣のキャラクタ811が所持していた宝箱802の中から薬液が封入された丸底フラスコ(超人薬)802aを発見する演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「超人薬GET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり終了後の状態がRUSH状態に設定されることに加えてさらなる付加価値を獲得したかのような印象を遊技者に対して抱かせることができる。なお、この超人薬802aを所持している間は、怪獣のキャラクタ811とのバトルでの勝利が確定する。よって、今回の大当たりだけでなく、少なくとも次回の大当たりにおいてもバトルに勝利してRUSH状態が設定されるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される場合は、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811に敗北する演出が実行されると共に、チャンスタイムへの突入が報知される。
図450(b)に示した通り、大当たり演出において超人薬802aを獲得する演出が実行された後で移行するRUSH状態においては、主表示領域Dmにおける右下に形成される表示領域Dm3に対して超人薬802aが表示される。この表示内容により、超人薬802aを所持しているか否かを遊技者が容易に確認(視認)することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
図451、および図452は、超人薬802aを所持している状況(潜確状態)において大当たりに当選した場合に実行される大当たり演出の演出態様の一例を示した図である。本第22実施形態においては、超人薬802aを所持している場合において、超人薬802aを冒険者のキャラクタ801が服用してパワーアップを果たした後に怪獣のキャラクタ811とバトルする演出態様と、超人薬802aを使用せずに(温存したまま)怪獣のキャラクタ811とバトルする演出態様と、のどちらかが実行されるように構成されている。まず、図451を参照して、超人薬802aを服用する場合の演出態様について説明する。
図451(a)に示した通り、超人薬802aを所持した状態で大当たりに当選し、超人薬802aを服用する演出態様が選択されると、冒険者のキャラクタ801が超人薬802aを服用する演出態様が設定されると共に、表示領域HR6に対して「超人薬を使用!!」という文字が表示される。また、表示領域Dm3に表示されていた超人薬802aが消去される。更に、副表示領域Dsに対して、「勝利確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容によって、少なくとも大当たり終了後にRUSH状態が設定されることは確定しているということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
冒険者のキャラクタ801が超人薬802aを服用した後は、図451(b)に示した通り、超人薬802aの効果で冒険者のキャラクタ801の腕の筋肉が膨張し、その筋肉が膨張した腕によって怪獣のキャラクタ811を殴打することにより怪獣のキャラクタ811を遠方へと吹き飛ばす演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「勝利!!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「RUSH突入確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して大当たり終了後の遊技状態がRUSH状態(潜確状態、または確変状態)となることを容易に理解させることができる。なお、大当たり終了後の遊技状態が確変状態である場合には、必ず、怪獣のキャラクタ811が残した宝箱802の中身が空っぽである演出が実行される。一方、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態である場合には、宝箱802の中身が空っぽである演出と、宝箱802の中から新たな超人薬802aを獲得する演出とのどちらかが実行される。つまり、潜確状態において大当たりに当選し、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される場合には、必ずしも超人薬802aを獲得する演出(次回の大当たり終了後もRUSH状態となることを予め報知する演出)が実行されるわけではない。このように、超人薬802aを所持していない場合でも、潜確状態が設定されている可能性があるように構成することで、超人薬802aを獲得せずにRUSH状態の突入のみが報知された場合であっても、実は潜確状態が設定されているということを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
一方、図452は、超人薬802aを所持した状態で大当たりに当選し、超人薬802aを温存する演出態様が選択された場合は、超人薬802aを使用せずに、そのまま怪獣811とのバトルに移行する。また、表示領域HR6に対して、「超人薬温存!!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、超人薬802aを使用する演出が実行された場合(図451(a)参照)と同様に、「勝利確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、超人薬802aを所持した状態を維持したまま、RUSH状態に移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。言い換えれば、怪獣のキャラクタ811を倒して宝箱802の中身を確認する演出が実行されるよりも前に、潜確状態へと移行することを察知させることができる。よって、超人薬802aを所持した状態で開始された大当たり演出における興趣をより向上させることができる。
なお、図示については省略したが、確変状態(超人薬802aを所持していない状態)において大当たりB22に当選し、時短状態が設定される場合には、怪獣のキャラクタ811に敗北する演出が実行されて、チャンスタイムへの移行が報知される。また、図示については省略したが、確変大当たりにおいて遊技者が遊技球の発射を行わなかった等によりV入賞が発生しなかった場合には、Vラウンドの終了時に、次回大当たりまで継続する有利状態へと移行する権利を失ったことを報知する演出が実行される。より具体的には、例えば、倒したはずの怪獣のキャラクタ811が復活して冒険者のキャラクタ801が敗北する演出が実行されて、チャンスタイムへの移行が報知される。これにより、V入賞が発生しなかったことに起因して有利状態へ移行する権利を失ったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第22実施形態の電気的構成>
次に、図453(a)を参照して、本第22実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図453(a)は、本第22実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図453(a)に示した通り、本第22実施形態におけるROM202は、上述した第17実施形態におけるROM202の構成(図364(a)参照)に対して、変動パターンシナリオ17テーブル202nfが削除されている点で相違する。また、第1当たり乱数17テーブル202naに代えて第1当たり乱数テーブル202aが設けられ、第1当たり種別選択17テーブル202nbに代えて第1当たり種別選択テーブル202bが設けられ、第2当たり乱数17テーブル202ncに代えて第2当たり乱数テーブル202cが設けられ、変動パターン17テーブル202ndに代えて変動パターンテーブル202dが設けられ、時短付与17テーブル202neに代えて時短付与テーブル202eが設けられている点で相違する。
まず、図453(b)を参照して、本第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図453(b)は、本第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図453(b)に示した通り、本第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~7」の8個の乱数値(カウンタ値)が規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~19」の20個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1が取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態および高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ8個および20個であるので、特別図柄の低確率状態にて特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/125(8/1000)であり、特別図柄の高確率状態にて第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/50(20/1000)である。なお、本第22実施形態では、小当たりに対応する抽選結果が設けられていないため、小当たりに対応する乱数値は規定されていない。
次に、図454(a)を参照して、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図454(a)は、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりに当選した際に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。
図454(a)に示した通り、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA22」,「大当たりB22」の2種類の大当たり種別が規定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC22」,「大当たりD22」の2種類の大当たり種別が規定されている。より具体的には、図454(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~34」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA22」が対応付けて規定されている。この「大当たりA22」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりA22」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。よって、「大当たりA22」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA22」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~34」の35個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA22」が決定される割合は35%(35/100)である。
また、図454(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB22」が対応付けて規定されている。この「大当たりB22」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。この「大当たりB22」の終了後は、基本的に(奇跡的に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、潜確状態よりも有利度合いが低い遊技状態に設定される。よって、「大当たりB22」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって比較的有利度合いが低い大当たり種別である。一方、大当たりのラウンド数の面では第1特別図柄の大当たりの中で最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB22」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「35~99」の65個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりB22」が決定される割合は65%(65/100)である。
一方、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~34」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC22」が対応付けて規定されている。この「大当たりC22」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりC22」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、遊技者に最も有利な潜確状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。よって、「大当たりC22」は、大当たり終了後の遊技状態の面でも、ラウンド数の面でも、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC22」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~34」の35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりC22」が決定される割合は35%(35/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりD22」が対応付けて規定されている。この「大当たりD22」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりD22」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態よりは有利度合いが低く、時短状態よりは有利度合いが高い確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりD22」は、大当たり終了後の遊技状態の面で「大当たりA22」や「大当たりC22」よりは有利度合いが低くなるが、「大当たりB22」よりも有利度合いが高くなる。また、ラウンド数の面では「大当たりC22」と並んで最も有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD22」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「35~99」の65個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりD22」が決定される割合は65%(65/100)である。
このように、本第22実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、必ず特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成している。これにより、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される潜確状態の優位性を高めることができるので、潜確状態へと移行した場合における遊技者の興趣を大きく向上させることができる。
次に、図454(b)を参照して、本第22実施形態における第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の当たりとなる乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が、普通図柄の状態毎に規定されているデータテーブルである。図454(b)は、この第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。
図454(b)に示した通り、普通図柄の高確率状態(時短状態)に対しては、普通図柄の当たりとなる乱数値(カウンタ値)として、「0~239」の240個の乱数値が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4が取り得る「0~239」の240個の乱数値全てが当たりとなる乱数値として規定されているので、普通図柄の時短状態(高確率状態)において普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりとなる割合は100%(240/240)である。
これに対して、図454(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態(通常状態)に対しては、普通図柄の当たりとなる乱数値(カウンタ値)として、「0」のみが対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4が取り得る「0~239」の240個の乱数値(カウンタ値)のうち、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値の個数が「0」の1個のみなので、普通図柄の通常状態(低確率状態)において普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりとなる割合は約0.4%(1/240)である。よって、普通図柄の通常状態が設定される通常状態や潜確状態においては、ほぼ、普通電動役物64raが開放されることはないため、右打ちにより発射された遊技球は第2入球口1640へと入球する。
次に、図455を参照して、本第22実施形態における変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、特別図柄の抽選結果を示すための変動パターンを選択するために参照されるデータテーブルである。ここで、図示については省略したが、本第22実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常状態において変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202sd1と、潜確状態において変動パターンを選択するために参照される潜確用テーブル202sd2と、時短状態および確変状態において変動パターンを選択するために参照される時短・確変用テーブル202sd3と、の3つのデータテーブルで構成されている。即ち、上述した第21実施形態における変動パターンテーブル202d(図436(a)参照)と同一の構成となっている。加えて、本第22実施形態における通常用テーブル202sd1は、上述した第21実施形態における通常用テーブル202rd1(図436(b)参照)と全く同一の規定内容となっている。即ち、第2特別図柄の抽選が実行されると、その抽選結果によらず180秒の極めて長い変動時間が設定されるように構成されている。
次に、図455(a)を参照して、上述した潜確用テーブル202sd2の詳細について説明する。図455(a)は、潜確用テーブル202sd2の規定内容を示した図である。この潜確用テーブル202sd2には、特別図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値の範囲と、が対応付けて規定されている。即ち、潜確状態においては、特別図柄の種別とは無関係に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンが決定されるように構成している。図455(a)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図455(a)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
このように、潜確状態では、全体的に変動時間が短くなると共に、短い変動時間が選択される割合が高くなるように構成されている。よって、右打ちを行った場合における遊技をより効率良く進行させることができる。
次に、図455(b)を参照して、本第22実施形態における変動パターンテーブル202dをデータテーブルの1つである時短・確変用テーブル202sd3の詳細について説明する。図455(b)は、この時短・確変用テーブル202sd3の規定内容を示した図である。図455(b)に示した通り、本第22実施形態における時短・確変用テーブル202sd3には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。より具体的には、図455(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図455(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
これに対して、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒の外れロング変動が対応付けて規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒の当たりロング変動が対応付けて規定されている。よって、時短状態や確変状態において右打ちを行った場合に、右第1入球口64rにも第2入球口1640にも頻繁に遊技球が入球するものの、第2特別図柄に対してはロング変動が設定されるため、第2特別図柄が比較的長い期間、変動表示を行っている間に、第1特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができる。よって、時短状態や確変状態を、実質的に第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態として構成することができる。
次に、図456を参照して、本第22実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、大当たり終了時に時短回数を設定する際に参照されるデータテーブルである。図456は、この第22実施形態における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図456に示した通り、本第22実施形態における時短付与テーブル202eは、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり中のV入賞の有無と、に対応付けて、設定される時短回数が規定されている。具体的には、図456に示した通り、大当たり種別が大当たりA22(4ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出していれば、時短回数として0回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりA22では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、普通図柄の通常状態が設定される。つまり、大当たりA22に当選した場合は、遊技状態によらず、次に大当たりに当選するまで継続する潜確状態が設定されることが実質的に確定する。よって、大当たりA22は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利となる。
また、図456に示した通り、大当たり種別が大当たりB22(4ラウンド通常大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として50回が設定される。上述した通り、大当たりB22は、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的に、V入賞が発生することはなく、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、50回の時短回数の時短状態が設定される。即ち、大当たりB22に当選すると、基本的に、時短回数が50回の時短状態が設定される。上述した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/125であるため、時短回数50回の間に大当たりに当選する割合は、約33%である。
なお、大当たりB22に当選してV入賞を検出した場合に、時短回数として65535回を設定するのは、何らかの不正行為が行われなければ、大当たりB22においてV入賞を発生させることが困難であるためである。大当たりB22においてV入賞が発生した場合に、時短回数を65535回に設定して潜確状態よりも有利度合いが低い確変状態に移行させることにより、不正行為を犯してまでV入賞を発生させるメリットを低減することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
また、図456に示した通り、大当たり種別が大当たりC22(8ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として0回が設定される。これに対し、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(時短状態、確変状態、潜確状態のいずれか)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として0回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりC22では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定される。つまり、通常状態において大当たりC22に当選すると、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態で大当たりC22に当選すると、遊技者にとって最も有利な潜確状態が設定される。なお、通常状態のみ、有利度合いが低い遊技状態を設定する構成としているのは、通常状態では、基本的に左打ちにより遊技を進行する遊技状態であり、この基本を破って故意に右打ちするという変則的な遊技方法で遊技を行わない限り、第2入球口1640へと入球して大当たりC22に当選し得ないからである。通常状態において大当たりC22に当選した際の有利度合いを低減しておくことにより、通常状態の間に右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図456に示した通り、大当たり種別が大当たりD22(8ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりD22では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定される。つまり、大当たりD22に当選すると、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される。
次に、図457を参照して、本第22実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図457は、本第22実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図457に示した通り、本第22実施形態におけるRAM203は、上述した第17実施形態におけるRAM203の構成(図370参照)に対して、小当たり開始フラグ203fと、小当たり中フラグ203gと、小当たりフラグ203cbと、特図1仮停止フラグ203mcと、特図2仮停止フラグ203mdと、リミットカウンタ203naと、リミット到達フラグ203nbと、変動パターンシナリオ格納エリア203ndと、特図1減算フラグ203nfと、時短終了待機フラグ203ngと、特図2減算フラグ203nhと、が削除されている点で相違している。これらの構成の削除は、本第22実施形態において小当たり遊技、確変リミット回数等の使用を削除したことに伴うものである。
次に、図458(a)を参照して、本第22実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図458(a)は、本第22実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図458(a)に示した通り、本第22実施形態におけるROM222は、上述した第17実施形態(および第16実施形態)におけるROM222の構成(図342(a)参照)に対して、連チャン期待度更新テーブル222maが削除されている点で相違している。また、当たり演出選択テーブル222saが追加されている点でも相違している。
当たり演出選択テーブル222saは、大当たり開始時に、大当たり中の演出態様を遊技状態や当選した大当たりの種別等に応じて決定する際に参照されるデータテーブルである。この当たり演出選択テーブル222saの詳細について、図459を参照して説明する。
図459は、本第22実施形態における当たり演出選択テーブル222saの規定内容を示した図である。図459に示した通り、本第22実施形態における当たり演出選択テーブル222saには、大当たり種別、大当たり当選時の遊技状態、および大当たり当選時点における超人薬802aの状況(超人薬802aを所持しているか否か)毎に、演出カウンタ223eの値と、大当たり演出の演出態様とが対応付けて規定されている。より具体的には、図459に示した通り、超人薬802aを所持していない状況で、且つ、大当たりA22に当選した場合、大当たり当選時の遊技状態が通常状態または時短状態であれば、演出カウンタ223eの取り得る全範囲(0~99の範囲)に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利した上で超人薬802aを獲得する演出態様(図449(b)、図450(a)参照)が対応付けられている。このため、通常状態および時短状態においてにおいて大当たりA22に当選すると、必ず怪獣のキャラクタ811を倒して超人薬802aを獲得する演出(勝利+超人薬演出)が実行される。一方、大当たり当選時の遊技状態が確変状態または潜確状態であれば、演出カウンタ223eの値が「0~49」の範囲に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利するが超人薬802aは獲得できない演出態様(勝利のみ演出)が対応付けて規定され、演出カウンタ223eの値が「50~99」の範囲に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利した上で超人薬802aを獲得する演出態様(勝利+超人薬演出)が対応付けて規定されている。よって、確変状態や潜確状態において大当たりA22に当選した場合は、勝利のみ演出と勝利+超人薬演出とが半々の割合で選択される。
また、図459に示した通り、超人薬802aを所持していない状況で、且つ、大当たりB22に当選した場合、大当たり当選時の遊技状態によらず、演出カウンタ223eの取り得る全範囲(0~99の範囲)に対して、怪獣のキャラクタ811に敗北する演出態様(敗北演出)が対応付けられている。このため、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される(大当たり終了後にチャンスタイムに突入する)大当たりB22に当選した場合は、必ず冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811に敗北する演出が実行される。
また、図459に示した通り、超人薬802aを所持していない状況で、且つ、大当たりC22に当選した場合、大当たり当選時の遊技状態が通常状態または時短状態であれば、演出カウンタ223eの取り得る全範囲(0~99の範囲)に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利するが超人薬802aは獲得できない演出態様(勝利のみ演出)が対応付けられている。一方で、大当たり当選時の遊技状態が確変状態または潜確状態であれば、演出カウンタ223eの値が「0~74」の範囲に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利するが超人薬802aは獲得できない演出態様(勝利のみ演出)が対応付けて規定され、演出カウンタ223eの値が「75~99」の範囲に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利した上で超人薬802aを獲得する演出態様(勝利+超人薬演出)が対応付けて規定されている。このため、確変状態や潜確状態において大当たりC22に当選し、潜確状態への移行が確定したとしても、25%の割合でしか超人薬802aを獲得する演出が実行されず、75%の割合で勝利のみ演出が実行される。よって、RUSH状態(潜確状態、または確変状態)において勝利のみ演出が実行されたとしても、潜確状態が設定されていることに対する期待感を維持させることができる。
また、図459に示した通り、超人薬802aを所持していない状況で、且つ、大当たりD22に当選した場合、大当たり当選時の遊技状態によらず、演出カウンタ223eの取り得る全範囲(0~99の範囲)に対して、怪獣のキャラクタ811に勝利するが超人薬802aは獲得できない演出態様(勝利のみ演出)が対応付けて規定されている。これは、大当たりD22の終了後に設定されるRUSH状態は確変状態であり、潜確状態に対応する「勝利+超人薬」演出を実行してしまうと実際の遊技状態と矛盾してしまうためである。
一方で、図459に示した通り、超人薬802aを所持している状態(即ち、潜確状態の一部)において大当たりC22に当選した場合、演出カウンタ223eの値が「0~29」の範囲に対して、超人薬802aを使用(服用)して怪獣のキャラクタ811を倒した後、超人薬802aを新たに入手する演出(超人薬使用+超人薬獲得演出)が対応付けて規定され、演出カウンタ223eの値が「30~89」の範囲に対して、超人薬802aを使用して怪獣のキャラクタ811を倒すが新たな超人薬802aを入手することはできない演出(超人薬使用のみ演出)が対応付けて規定され、演出カウンタ223eの値が「90~99」の範囲に対して、超人薬802aを温存したまま怪獣のキャラクタ811を討伐する演出(超人薬温存演出)が対応付けて規定されている。よって、超人薬802aを所持した状態で大当たりC22に当選すると、30%の割合で超人薬使用+超人薬獲得演出が実行され、60%の割合で超人薬使用のみ演出が実行され、10%の割合で超人薬温存演出が実行される。つまり、超人薬802aを所持している状況において大当たり終了後に最も有利な潜確状態へと移行する大当たりC22に当選した場合についても、過半数(60%の割合)が、超人薬使用のみ演出に設定されるため潜確状態が確定報知されない。よって、超人薬使用のみ演出が実行されたとしても、潜確状態が設定されていることに対する期待感を損なわずに遊技を継続させることができる。
また、図459に示した通り、超人薬802aを所持している状態において大当たりD22に当選した場合は、演出カウンタ223eの取り得る全範囲(0~99の範囲)に対して、超人薬使用のみ演出が対応付けられている。よって、超人薬を所持している状況下において大当たりD22に当選した場合は、必ず超人薬使用のみ演出が実行される。
次に、図458(b)を参照して、本第22実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図458(b)は、本第22実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図458(b)に示した通り、本第22実施形態におけるRAM223は、上述した第17実施形態におけるRAM223の構成に対して、時短情報更新エリア223gと、残時短期間カウンタ223maと、スーパーRUSH開始フラグ223naと、スーパーRUSH中フラグ223nbと、スーパーRUSHカウンタ223ncと、準リミットフラグ223neと、チャレンジ演出フラグ223nfと、開始遅延フラグ223nhと、が削除されている点で相違している。また、超人薬フラグ223saが追加されている点でも相違している。
超人薬フラグ223saは、超人薬802aを所持しているか否かを示すためのフラグであり、オンであれば超人薬802aを所持していることを示す一方で、オフであれば超人薬802aを所持していないことを示す。この超人薬フラグ223saは、初期状態がオフに設定されており、大当たり演出として超人薬802aを獲得する演出が設定された場合にオンに設定される一方で(図469のS12415参照)、超人薬802aを使用するのみの演出が設定された場合にオフに設定される(図469のS12417参照)。上述した当たり演出選択テーブル222sa(図459参照)を参照して大当たり演出を決定する際は、この超人薬フラグ223saの状態を読み出して、超人薬802aを所持している状態であるか否かを判別して、その判別結果と遊技状態と大当たり種別とに応じて演出態様を決定する。
<第22実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図460から図468を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図460を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理22(S181)について説明する。図460は、特別図柄変動処理22(S181)の内容を示したフローチャートである。本第22実施形態における特別図柄変動処理22(S181)は、上述した第17実施形態の特別図柄変動処理17(図372,S191)に代えて実行する処理であり、第17実施形態における特別図柄変動処理17(図372参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける特別図柄の変動表示に関する各種設定を行うための処理である。
この特別図柄変動処理22(図460参照)のうち、S7054,S7057,S7059、およびS7062の各処理では、それぞれ第17実施形態の特別図柄変動処理17(図372)のS7054,S7057,S7059、およびS7062の各処理と同一の処理を実行するため、その詳細については省略する。
また、図460に示した通り、特別図柄変動処理22(図460参照)が実行されると、まず、大当たり遊技中(大当たり中)であるかを判別する(S7071)。ここでは、遊技状態格納エリア203neに記憶されている情報に基づいて現在が大当たり遊技中(大当たり中)であるかが判別される。S7071の処理において、大当たり中であると判別した場合には(S7071:Yes)、そのまま本処理を終了する。
また、本第22実施形態における特別図柄変動処理22(図460参照)では、S7054の処理において特図1変動時間カウンタ203maが0よりも大きくない(0である)と判別した場合(S7054:No)、即ち、現在が特図1変動中では無いと判別した場合に、次いで、第1特別図柄変動開始処理22を実行し(S7072)、処理をS7059へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理22(S7072)では、第1特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための処理が行われるものであり、新たな抽選(変動)を実行可能な状態であるかの判別と、新たな抽選(変動)を実行可能な状態である場合には、新たな抽選(変動)を行う処理が実行される。この第1特別図柄変動開始処理22(S7072)については、図461から図463を参照して後述する。
また、本第22実施形態における特別図柄変動処理22(図460参照)では、S7054の処理において、特図1変動時間カウンタ203maの値が0よりも大きい値である(第1特別図柄の変動表示中である)と判別した場合に(S7054:Yes)、次いで、特図1変動時間カウンタ203maの値を減算して更新し(S7073)、第1図柄表示装置37a,37bにおける第1特別図柄の表示態様を更新する(S7074)。S7074の処理が終了すると、次いで、S7073の処理による減算後の特図1変動時間カウンタ203maの値が0であるかを判別し(S7057)、特図1変動時間カウンタ203maが0であると判別した場合は(S7057:Yes)、第1特別図柄変動停止処理22を実行して(S7075)、S7059の処理へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理22(S7075)では、変動表示中の第1特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理22(S7075)の詳細については、図464を参照して後述する。また、S7057の処理において、特図1変動時間カウンタ203maの値が0ではないと判別した場合は(S7057:No)、S7075の処理をスキップしてS7059の処理へ移行する。
また、本第22実施形態における特別図柄変動処理22(図460参照)では、S7059の処理において、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S7059:No)、現在が特図2変動中ではない場合であるため、次に、第2特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための第2特別図柄変動開始処理22を実行し(S7076)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理22(S7076)の詳細については、図465および図466を参照して後述する。
一方で、S7059の処理において、特図2変動時間カウンタ203mbの値が0よりも大きい、即ち、現在が特図2変動中であると判別した場合は(S7059:Yes)、次いで、特図2変動時間カウンタ203mbの値を減算して更新し(S7077)、第1図柄表示装置37a,37bの第2特別図柄の表示態様を更新する(S7078)。S7078の処理が終了すると、次いで、S7077の処理による更新後の特図2変動時間カウンタ203mbの値が0であるかを判別し(S7062)、0であると判別した場合は(S7062:Yes)、第2特別図柄の変動停止を設定するための第2特別図柄変動停止処理22を実行し(S7079)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理22(S7079)の詳細については、図467を参照して後述する。一方、S7062の処理において特図2変動時間カウンタ203mbの値が0ではないと判別した場合は(S7062:No)、S7079の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図461を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理22(S7072)について説明する。図461は、第1特別図柄変動開始処理22(S7072)の内容を示したフローチャートである。本第22実施形態における第1特別図柄変動開始処理22(S7072)は、上述した第17実施形態の第1特別図柄変動開始処理17(図373参照)に代えて実行する処理である。
この第1特別図柄変動開始処理22(図461参照)のうち、S7101~S7105、およびS7111の各処理では、それぞれ第17実施形態の第1特別図柄変動開始処理17(図373参照)のS7101~S7105、およびS7111の各処理と同一の処理を実行するため、その詳細については省略する。
また、本第22実施形態における第1特別図柄変動開始処理22(S7072)では、S7105の処理を実行後、第1特別図柄の抽選(大当たり判定)を行うための第1特別図柄大当たり判定処理22を実行し(S7131)、S7111の処理へ移行する。この第1特別図柄大当たり判定処理22(S7131)の詳細については図462を参照して後述する。
また、本第22実施形態における第1特別図柄変動開始処理22(図461参照)では、S7111の処理が終了すると、次いで、時短回数を更新するための時短更新処理22を実行し(S7132)、本処理を終了する。この時短更新処理22(S7132)の詳細については図463を参照して後述する。
次に、図462を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理22(S7131)について説明する。図462は、第1特別図柄大当たり判定処理22(S7131)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄大当たり判定処理22(S7131)は、第1特別図柄変動開始処理22(図461参照)の中で、第17実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理17(図374参照)に代えて実行される処理であり、第17実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理17(図374参照)と同様に、特別図柄の抽選(大当たり判定)を実行するための処理である。
この第22実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理22(S7131)では、第17実施形態の第1特別図柄大当たり判定処理17(図374参照)に対して、S1871~S1875の処理が削除されている点でのみ相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図463を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される時短更新処理22(S7132)について説明する。図463は、時短更新処理22(S7132)の内容を示したフローチャートである。この第22実施形態における時短更新処理22(S7132)は、第1特別図柄変動開始処理22(図461参照)の中で、第17実施形態の時短更新処理(図377参照)に代えて実行される処理であり、普通図柄の時短状態が設定されている場合において、時短回数(時短中カウンタ203kの値)を更新するために実行される処理である。
この時短更新処理22(S7132)では、まず、時短中カウンタ203kの値が0より大きいか判別し(S17011)、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S17011:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S17011の処理において、時短中カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S17011:Yes)、時短中カウンタ203kの値を1減算し(S17012)、時短中カウンタ203kの値と時短中カウンタ203kの値を減算後の遊技状態とを示す状態コマンドを設定し(S17007)、本処理を終了する。
次に、図464を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄変動停止処理22(S7075)について説明する。図464は、第1特別図柄変動停止処理22(S7075)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理22(S7075)は、上述した第17実施形態の第1特別図柄変動停止処理17(図376参照)に代えて実行する処理であり、第1特別図柄の変動停止を設定するために実行される処理である。
この第1特別図柄変動停止処理22(S7075)では、第17実施形態の第1特別図柄変動停止処理17(図376参照)に対して、時短更新処理(S1893)を行わないという点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。つまり、本第22実施形態では、特別図柄の変動停止時ではなく、特別図柄の変動開始時に時短回数を更新する構成としている。
次に、図465を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理22(S7076)について説明する。図465は、第2特別図柄変動開始処理22(S7076)の内容を示したフローチャートである。本第22実施形態における第2特別図柄変動開始処理22(S7076)は、上述した第17実施形態の第2特別図柄変動開始処理17(図378参照)に代えて実行する処理である。
この第2特別図柄変動開始処理22(S7076)のうち、S7631~S7637、およびS7639の各処理では、それぞれ第17実施形態の第2特別図柄変動開始処理17(図378参照)のS7631~S7637、およびS7639の各処理と同一の処理を実行するため、その詳細な説明については省略する。
また、本第22実施形態における第2特別図柄変動開始処理22(図465参照)では、S7637の処理を実行後、第2特別図柄大当たり判定処理22を実行し(S7651)、S7639の処理へ移行する。この第2特別図柄大当たり判定処理22(S7651)の詳細については図466を参照して後述する。また、本第22実施形態における第2特別図柄変動開始処理22(図465参照)では、S7639の処理を実行後、時短更新処理22を実行して(S7652)、本処理を終了する。この時短更新処理22(S7652)は、第1特別図柄変動開始処理22(図461参照)の中で実行される時短更新処理22(S7132)と全く同一の処理である(図463参照)。
次に、図466を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第2特別図柄大当たり判定処理22(S7651)について説明する。図466は、第2特別図柄大当たり判定処理22(S7651)の内容を示したフローチャートである。本第22実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理22(S7651)は、第2特別図柄変動開始処理22(図465参照)の中で、第17実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理17(図379参照)に代えて実行される処理であり、第17実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理17(図379参照)と同様に、第2特別図柄の抽選(大当たり判定)を実行するための処理である。
この第22実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理22(S7651)では、第17実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理17(図379参照)に対して、S1971~S1975の処理が削除されている点、およびS1925の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S1925:No)、特図2外れ変動処理17(S1930)の代わりに第1図柄表示装置に第1特別図柄の外れ図柄をセットする処理(S1935)を実行する点でのみ相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図467を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理22(S7079)について説明する。図467は、第2特別図柄変動停止処理22(S7079)の内容を示したフローチャートである。本第22実施形態における第2特別図柄変動停止処理22(S7079)は、上述した第17実施形態の第2特別図柄変動停止処理17(図380参照)に代えて実行する処理であり、第2特別図柄変動停止処理17(図380参照)と同様に、第2特別図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第22実施形態における第2特別図柄変動停止処理22(S7079)では、第17実施形態における第2特別図柄変動停止処理17(図380参照)に対して、特図2外れ停止処理16(S8121)が削除されている点、およびS1971の処理において特図2大当たりフラグ203njがオフであると判別した場合に(S1971:No)、処理をS1979へと移行する点でのみ相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図468を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり終了処理22(S13001)について説明する。図468は、大当たり終了処理22(S13001)の内容を示したフローチャートである。本第22実施形態における大当たり終了処理22(S13001)は、上述した第17実施形態の大当たり終了処理17(図382参照)に代えて、実行される処理であり、第17実施形態における大当たり終了処理17(図382参照)と同様に、大当たり終了時の各種設定を行うための処理である。
この大当たり終了処理22(S13001)のうち、S17101,S17106,S17109,S17110,S17114、およびS17115の各処理では、それぞれ第17実施形態の大当たり終了処理17(図382,S1693)のS17101,S17106,S17109,S17110,S17114、およびS17115の各処理と同一の処理を実行するためその詳細な説明を省略する。
また、本第22実施形態における大当たり終了処理22(S13001)では、S17101の処理において、確変設定フラグ203zsがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S17101:No)、S17121の処理に移行する。一方、確変設定フラグ203zsがオンであると判別した場合には(S17101:Yes)、S17106の処理を実行し、S17121の処理に移行する。
S17121の処理では、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203cfのデータとに対応する時短回数を時短付与テーブル202e(図456参照)から読み出す(S17121)。次いで、S17109およびS17110の処理を実行後、大当たり後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S17122)、S17114の処理へ移行する。この大当たり終了処理22(図468参照)を実行することにより、大当たり終了後の遊技状態を大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態等に応じて正確に設定することができるので、図432に示す状態移行を確実に実現することができる。
<第22実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図469を参照して、本第22実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第22実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、上述した第17実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、大当たり開始処理17(図388参照)に代えて大当たり開始処理22(S12321)を実行する点でのみ相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。この大当たり開始処理22(S12321)の詳細について、図469を参照して説明する。図469は、大当たり開始処理22(S12321)の内容を示したフローチャートである。
図469に示した通り、本第22実施形態における大当たり開始処理22(S12321)では、まず、遊技状態格納エリア223fのデータに応じて大当たり当選時の遊技状態を特定し(S12411)、特定した遊技状態と、今回の大当たり種別と、超人薬フラグ223saの状態とに応じて、当たり演出の演出態様を決定する(S12412)。次いで、S12412の処理で特定した演出態様の当たり演出の実行を設定し(S12413)、超人薬獲得演出(図450(a)参照)を設定したか否かを判別する(S12414)。S12414の処理において、超人薬獲得演出(図450(a)参照)を設定したと判別した場合は(S12414:Yes)、超人薬フラグ223saをオンに設定し(S12415)、本処理を終了する。
一方、S12414の処理において、超人薬獲得演出(図450(a)参照)を設定していないと判別した場合は(S12414:No)、次いで、超人薬使用演出(図451(a)参照)を設定したか否かを判別する(S12416)。超人薬使用演出(図451(a)参照)を設定したと判別した場合は(S12416;Yes)、超人薬フラグ223saをオフに設定し(S12417)、その後本処理を終了する。一方、超人薬使用演出(図451(a)参照)を設定していないと判別した場合は(S12416:No)、そのまま本処理を終了する。
この大当たり開始処理22(図469参照)を実行することにより、大当たり演出として設定した演出の演出態様に応じて超人薬フラグ223saの状態を更新することができるので、超人薬802aの状況を正確に把握することができる。よって、超人薬802aを所持していないにもかかわらず超人薬使用演出(図451(a)参照)が実行されてしまったり、超人薬802aを所持しているにもかかわらず超人薬使用演出(図451(a)参照)を伴わない超人薬獲得演出(図450(a)参照)が実行されてしまう等の矛盾が生じてしまうことを抑制することができる。
以上説明した通り、第22実施形態におけるパチンコ機10では、右打ち遊技状態として、第2特別図柄の抽選の実行され易さが異なる複数の遊技状態を設ける構成としている。即ち、第2特別図柄の抽選よりも第1特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(時短状態、確変状態)と、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(潜確状態)と、を設ける構成としている。そして、特定の遊技状態(潜確状態)へと移行したことを契機として、特定回数(2回)の大当たり遊技に当選するまで有利な右打ち遊技状態が継続し易くなる(不利な左打ち遊技状態へと移行し得ない)極めて有利な状態を形成可能に構成している。このように構成することで、特定の遊技状態へと移行した時点で特定回数の大当たりに当選することが実質的に確定することを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第22実施形態では、大当たり演出として特定の演出態様(超人薬802aを獲得する演出、若しくは超人薬802aを温存する演出)が実行された場合に、遊技者にとって有利な遊技状態(次回の大当たりまで継続する右打ち遊技状態)が設定されることのみならず、設定される有利な遊技状態において大当たりに当選した後も、再度有利な遊技状態が設定されること(有利な遊技状態が1回分ストックされていること)が確定する構成としている。つまり、特定の演出態様が実行された時点で、大当たりに当選するよりも前に、少なくとも2回の大当たり当選が実質的に確定するということを遊技者に対して理解させることができるので、特定の演出態様が実行された時点で、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第22実施形態では、超人薬802aを獲得する演出や超人薬802aを温存する演出(次回当選する大当たりの終了後に、次の大当たりまで継続する右打ち遊技状態が設定されることを示唆する演出)を、大当たり中の演出態様として実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりA22や大当たりC22(大当たり終了後に潜確状態が設定される大当たり)に当選したことを示すための大当たり変動の変動演出として、超人薬802aを獲得する演出を実行してもよい。言い換えれば、大当たり変動中に、大当たりに当選すること、大当たり終了後にRUSH状態に突入することに加え、次のRUSH状態において大当たりに当選した場合に、再度RUSH状態が設定されることまで濃厚となる(確定する)演出態様を設ける構成としてもよい。このように構成することで、変動表示中の演出態様により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第23実施形態>
次に、図470から図474を参照して、第23実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第22実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態へと移行したことを契機として、少なくとも大当たりに2回当選するまでの間、右打ち遊技状態が継続する極めて有利な状況を形成するように構成していた。
これに対して第23実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態へと移行したことを契機として、少なくとも大当たりに3回当選するまでの間、右打ち遊技状態が継続するより有利な状況を形成可能に構成している。これにより、潜確状態へと移行した場合における優位性をより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第23実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第22実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第22実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第22実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図470を参照して、本第23実施形態における遊技状態の移行方法について説明する。図470に示した通り、本第23実施形態では、5つの遊技状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図470の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の通常状態とに設定される潜確状態(図470の中段左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態(図470の中段右側参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態A(図470の下段左側参照)と、同じく特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態B(図470の下段右側参照)と、の5つの遊技状態が設けられている。ここで、上述した第22実施形態と同様に、通常状態は、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、潜確状態は、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。一方、時短状態は、第22実施形態と異なり、右打ちを行うことにより実質的に第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態として構成される。また、確変状態Aは、右打ちを行うことにより、実質的に第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態として構成され、確変状態Bは、右打ちを行うことにより実質的に第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態として構成している。確変状態Aと確変状態Bとで実質的に変動される特別図柄を異ならせる方法としては、確変状態Aにおいては第1特別図柄の変動時間を極端に長くする一方で、確変状態Bにおいては第2特別図柄の変動時間を極端に長くすることにより実現している。即ち、普通図柄の時短状態が設定される各遊技状態(時短状態、確変状態A、確変状態B)においては、上述した第22実施形態と同様に、右打ちを行うことにより右第1入球口64rにも第2入球口1640にも頻繁に入球する。よって、第1特別図柄の変動時間を長くすることにより、第2特別図柄の抽選ばかりを実行させることができるし、第2特別図柄の変動時間を長くすることにより、第1特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる。この方法を用いて、本第23実施形態では、普通図柄の時短状態に設定される各遊技状態において、実質的に抽選が実行される特別図柄の種別を異ならせている。
図470の上段に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図470の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりA23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりB23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な時短状態に設定される。つまり、通常状態において大当たりに当選すると、かならず右打ち遊技状態に移行するため、いずれにしても、大当たりに当選することで遊技者に有利となる。よって、大当たりに当選した時点で遊技者をより喜ばせることができる。
また、図470の中段左側に示した通り、潜確状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図470の中段左側に示した通り、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりD23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。これに対し、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりC23に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。つまり、右打ち遊技状態である潜確状態においては、大当たりに当選すると、同一の遊技状態をループするか、右打ち状態である確変状態Aに移行するか、のどちらかとなるので、次の大当たり終了後の遊技状態も右打ち遊技状態となることが実質的に確定する。よって、潜確状態へと移行した時点で、遊技者に対してより大きな満足感と安心感とを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図470の中段右側に示した通り、時短状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および時短回数が経過した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図470の中段右側に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなると、大当たり種別によらず、100%の割合で、時短状態よりも比較的有利度合いが高い確変状態Bへと移行する。これに対して、時短状態において設定されている時短回数の間に大当たりに当選しなかった場合は、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態に切り替わる結果、遊技状態が通常状態に設定される。つまり、右打ち遊技状態の一種である時短状態においては、大当たりに当選すると、より有利な確変状態Bへと移行する一方で、時短回数内に大当たりに当選しなければ遊技者にとって不利な通常状態へと移行してしまうため、時短回数内に大当たりに当選することを強く望みながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図470の下段左側に示した通り、確変状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図470の下段左側に示した通り、確変状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりC23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態に設定される。また、確変状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりD23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Bに設定される。この確変状態Bは、次の大当たりまで継続する右打ち遊技状態の一種であるものの、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の抽選ばかりが実行されるため、確変状態Aよりも有利度合いが低くなる。つまり、確変状態Aでは、大当たりC23に当選しても、大当たりD23に当選しても、大当たり終了後の遊技状態が、次回の大当たりまで継続する右打ち遊技状態(潜確状態、若しくは確変状態B)に設定されるので、遊技者にとって極めて有利となる。
また、図470の下段右側に示した通り、確変状態Bから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図470の下段右側に示した通り、確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりA23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態に設定される。また、確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で当選する大当たりB23に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。よって、確変状態Bでは、大当たりに当選したとしても過半数(65%)が、有利度合いが最も低い右打ち遊技状態である時短状態へと移行する上に、運良く振り分けが35%の大当たりA23に当選することができたとしても、最も有利な潜確状態ではなく、確変状態Aへと移行する。よって、確変状態Bは、特別図柄の確変状態が設定される3つの遊技状態(潜確状態、確変状態A、確変状態B)の中で、最も有利度合いが低い遊技状態となる。
まとめると、本第23実施形態においては、左打ち遊技状態である通常状態において、まず、大当たりに当選することを期待して左打ち遊技を実行する。そして、大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA23であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。そして、大当たりA23に当選して遊技者にとって最も有利な潜確状態が設定された場合には、遊技者に対して大きな安心感と満足感とを抱かせることができる一方で、大当たりB23に当選した場合は、大当たり終了後に設定される時短状態の間に再度大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。また、潜確状態においては、大当たりに当選したとしても、大当たり中に遊技球を発射しない等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、有利度合いが低い時短状態へと移行することが無いため、安心感を抱きながら遊技を行わせることができる。そして、潜確状態において大当たりに当選した場合には、潜確状態をループする大当たりC23に当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
潜確状態において大当たりD23に当選し、確変状態Aに移行した場合も、次の大当たりまで右打ち遊技状態が継続する上に、次の大当たり終了後も、次回の大当たりまで継続する右打ち状態が設定されるため、大当たりに当選するまでの間、安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。また、確変状態Aにおいて大当たりに当選した場合は、潜確状態へと移行する大当たりC23が決定されることをより強く期待して遊技を行わせることができる。
確変状態Aにおいて大当たりD23に当選し、確変状態Bに移行した場合は、次に大当たりに当選するまでの間右打ち遊技状態が継続するという安心感があるものの、大当たり当選時は過半数(65%)が大当たりB23となって有利度合いが低い時短状態に設定されてしまう。よって、大当たりB23に当選して欲しくないという緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。そして、確変状態Bにおいて大当たりA23となって有利な確変状態Aへと移行(復帰)した場合には、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。これに対し、大当たりB23に当選して時短状態が設定された場合には、時短回数の間に再度大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。そして、狙い通りに時短回数内に大当たりに当選し、確変状態Bへと復帰した場合は、より大きな満足感を遊技者に抱かせることができる一方で、時短回数が経過してしまった場合は、また一から大当たりを目指そうと思わせることができる。
このように、本第23実施形態では、潜確状態へと移行した場合に、潜確状態、確変状態A、および確変状態Bの3つの遊技状態で少なくとも1回ずつ大当たりに当選することができるように構成している。つまり、潜確状態へと移行した時点で、少なくとも3回の大当たりに当選することが実質的に確定するという、極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をこれまでになく向上させることができる。
次に、図471を参照して、本第23実施形態における特徴的な演出態様について説明する。図471(a)は、本第23実施形態において確変状態(確変状態A、若しくは確変状態B)が設定されている間に第3図柄表示装置81に対して表示される表示態様を示した図である。図471に示した通り、確変状態においては、主表示領域Dmにおける比較的広い範囲において、特別図柄の抽選が実行され易い側(短い変動時間が設定され易い側)の特別図柄(確変状態Aであれば第2特別図柄、確変状態Bであれば第1特別図柄)に対応する第3図柄の変動表示が実行されると共に、主表示領域Dmにおける比較的狭い範囲(右下部分に設けられている小領域Dm4内)において、特別図柄の抽選が実行され難い側(ロング変動が設定される側)の特別図柄(確変状態Aであれば第1特別図柄、確変状態Bであれば第2特別図柄)に対応する第3図柄の変動表示が実行される。言い換えれば、特別図柄の抽選が実行され易い側の特別図柄に対応する第3図柄の変動表示を、実行され難い側の特別図柄に対応する第3図柄の変動表示よりも目立たせる(視認し易くする)構成としている。これにより、遊技者は遊技状態によらず、単に視認し易い表示態様の第3図柄の変動表示に注目しているだけで、特別図柄の抽選結果を把握することができるので、遊技者にとって分かり易い遊技を提供することができる。
また、図471(a)に示した通り、副表示領域Dsにおける左側には、特別図柄の抽選が実行され易い側の特別図柄(確変状態Aであれば第2特別図柄、確変状態Bであれば第1特別図柄)に対応する保留図柄が比較的広い表示範囲(小領域Ds1)で表示されると共に、副表示領域Dsにおける右下部分には、特別図柄の抽選が実行され難い側の特別図柄(確変状態Aであれば第1特別図柄、確変状態Bであれば第2特別図柄)に対応する保留図柄が比較的狭い表示範囲(第3表示領域Ds3)で表示される。つまり、特別図柄の抽選が実行され易い側の特別図柄に対応する保留図柄を、実行され難い側の特別図柄に対応する保留図柄よりも目立たせる(視認し易くする)構成としているので、視認し易く表示されている保留図柄を確認するだけで、実行され易い特別図柄の保留球の状況を把握することができる。よって、遊技者にとってより分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第23実施形態では、確変状態(確変状態Aまたは確変状態B)において、第1特別図柄に対応する第3図柄および保留図柄であるか、第2特別図柄に対応する第3図柄および保留図柄であるかは見た目から把握困難となるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態が第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Aであるのか、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bであるのかを遊技者に認識困難とすることができる。より具体的には、確変状態Aも確変状態Bも、右打ちを行うことにより右第1入球口64rと第2入球口1640とに頻繁に遊技球が入球するため、どちらへの入球を契機に各表示領域において変動表示が開始されたか、および保留図柄が増加されたのかを正確に把握することが比較的困難となる。係る状況下において、第1特別図柄に対応する第3図柄および保留図柄であるか第2特別図柄に対応する第3図柄および保留図柄であるのかを明示しない構成とすることにより、有利度合いが比較的高い(少なくとも2回の大当たりが実質的に確定する)確変状態Aであるのか、有利度合いが比較的低い(次回の大当たりのみが確定する)確変状態Bであるのかを遊技者に把握困難に構成することができる。これにより、有利度合いが低い確変状態Bが設定されている場合であっても、有利度合いが高い確変状態が設定されていることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、確変状態Aに移行する場合は、上述した第22実施形態における潜確状態へと移行する場合と同様に、大当たり遊技の実行中に超人薬802aを獲得する演出が実行される可能性がある。つまり、次の大当たり終了後に、次回の大当たりまで継続する右打ち遊技状態が設定される(少なくとも2回の大当たり当選が実質的に確定する)ことを示唆する演出が実行される可能性がある。よって、超人薬802aが獲得されて第3表示領域Ds3に対して表示されている間は、確変状態A(若しくはより有利な潜確状態)であることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図471(b)を参照して潜確状態における表示態様の一例について説明する。図471(b)に示した通り、潜確状態においては、第3表示領域Dm3に対して、超人薬802aの画像の右側に、「×2」という文字が出現する可能性がある。つまり、超人薬802aを2個所持していることを示す表示内容が表示される可能性がある。上述した通り、超人薬802aは、大当たりにおいて怪獣のキャラクタ811とのバトルに勝利することが濃厚となる(確定する)演出態様(表示態様)である。つまり、次の大当たりの終了後に、次回の大当たりまで継続する右打ち遊技状態(潜確状態、確変状態A、または確変状態Bのいずれか)が設定されることを意味する表示態様(演出態様)である。よって、超人薬802aを2個所持しているということは、少なくとも2回の大当たりに渡って、怪獣のキャラクタ811に勝利することが濃厚となる(確定する)ことを意味するため、少なくとも3回の大当たりに当選することが確定するということを遊技者に対して認識させることができる。よって、超人薬802aを2個所持している表示態様が設定された場合に、遊技者の遊技に対する興趣を著しく向上させることができる。
なお、本第23実施形態では、超人薬802aを2個所持した状態(潜確状態)において大当たりC23に当選して潜確状態をループしたとしても、超人薬802aを1個使用し、新たな超人薬802aを獲得しない演出態様(超人薬802aが1個減少する演出態様)が実行される可能性がある。また、超人薬802aを1個所持した状態(確変状態Aまたは潜確状態)において大当たりC23に当選して潜確状態が設定されたとしても、超人薬802aを温存して怪獣のキャラクタ811を倒し、新たな超人薬802aを獲得しない演出態様(超人薬802aの個数が変わらない演出態様)や、超人薬802aを1個使用し、新たな超人薬802aを獲得しない演出態様(超人薬802aが1個減少する演出態様)が実行される可能性がある。つまり、潜確状態に移行しても必ず超人薬802aを2個所持した状態となるわけではないし、確変状態Aに移行しても必ず超人薬802aを1個所持した状態となるわけではない。言い換えれば、潜確状態においては、超人薬802aの所持個数が0~2個のいずれにも設定され得るし、確変状態Aにおいては、超人薬802aの所持個数が0個および1個のどちらにも設定され得るように構成している。一方、確変状態Bにおいては、必ず超人薬802aの所持個数が0個(第3表示領域Dm3に超人薬802aが表示されない態様)に設定される。これらにより、超人薬802aの所持個数が0個であっても、潜確状態や確変状態Aに設定されていることを期待して遊技を行わせることができる。また、超人薬802aの所持個数が1個であっても、潜確状態に設定されていることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、潜確状態においては、右第1入球口64rへと遊技球を入球させることが困難となる(普通電動役物64raが開放され難くなる)ため、当該仕様を知っている遊技者であれば、普通電動役物64raの動作態様を確認することで潜確状態であるか、確変状態であるかを区別することが可能となる。逆に、言えば、当該仕様を知らない遊技者は、第3図柄表示装置81の演出態様により遊技状態を推測するしかないので、超人薬802aの所持個数から遊技状態を推測する遊技性をより楽しませることができる。
<第23実施形態の電気的構成>
次に、図472から図474を参照して、本第23実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第23実施形態におけるROM202は、上述した第22実施形態におけるROM202の構成(図453(a)参照)に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容と、時短付与テーブル202eの規定内容と、変動パターンテーブル202dの規定内容と、が一部変更となっている点で相違している。また、大当たり終了後の遊技状態と、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、に応じて、参照する変動パターンテーブルの種別を選択するために参照されるデータテーブルである変動パターンシナリオテーブル202taが追加されている点でも相違している。
まず、図472(a)を参照して、本第23実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図472(a)は、本第23実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりに当選した際に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。
図472(a)に示した通り、本第23実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA23」,「大当たりB23」の2種類の大当たり種別が規定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC23」,「大当たりD23」の2種類の大当たり種別が規定されている。より具体的には、図472(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~34」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA23」が対応付けて規定されている。この「大当たりA23」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりA23」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。よって、「大当たりA23」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA23」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~34」の35個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA23」が決定される割合は35%(35/100)である。
また、図472(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB23」が対応付けて規定されている。この「大当たりB23」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。この「大当たりB23」の終了後は、基本的に(奇跡的に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、潜確状態よりも有利度合いが低い遊技状態に設定される。よって、「大当たりB23」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって比較的有利度合いが低い大当たり種別である。一方、大当たりのラウンド数の面では第1特別図柄の大当たりの中で最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB23」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「35~99」の65個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりB23」が決定される割合は65%(65/100)である。
一方、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~34」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC23」が対応付けて規定されている。この「大当たりC23」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりC23」の終了後は潜確状態、および確変状態Bに設定される可能性がある。即ち、潜確状態または確変状態Aにおいて「大当たりC23」に当選し、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定され、時短状態において「大当たりC23」に当選し、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Bに設定される。つまり、右打ち遊技状態において「大当たりC23」に当選すると、当選時の遊技状態の有利度合い以上の有利度合いの遊技状態が設定されるため、「大当たりC23」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者に有利な大当たり種別である。なお、レアなケースではあるが、実質的に第1特別図柄の抽選ばかりが実行される通常状態において第2特別図柄の抽選で「大当たりC23」に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Bに設定される。また、実質的に第1特別図柄の抽選が実行される確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で「大当たりC23」に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC23」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~34」の35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりC23」が決定される割合は35%(35/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりD23」が対応付けて規定されている。この「大当たりD23」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりD23」の終了後は、確変状態A、および確変状態Bに設定される可能性がある。即ち、潜確状態において「大当たりD23」に当選し、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定され、確変状態Aや時短状態において「大当たりD23」に当選し、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Bに設定される。つまり、時短状態以外の遊技状態においては、「大当たりD23」に当選すると、有利度合いが低い右打ち遊技状態へと移行してしまうため、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりC23」よりも遊技者に不利となる。なお、レアなケースではあるが、実質的に第1特別図柄の抽選ばかりが実行される通常状態や確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で「大当たりD23」に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Bに設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD22」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「35~99」の65個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりD22」が決定される割合は65%(65/100)である。
このように、本第23実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、必ず特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成している。これにより、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される潜確状態、確変状態Aの優位性を高めることができるので、潜確状態や確変状態Aへと移行した場合における遊技者の興趣を大きく向上させることができる。
次に、図472(b)を参照して、本第23実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、大当たり終了時に時短回数を設定する際に参照されるデータテーブルである。図472(b)は、この第23実施形態における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図472(b)に示した通り、本第23実施形態における時短付与テーブル202eは、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり中のV入賞の有無と、に対応付けて、設定される時短回数が規定されている。具体的には、図472(b)に示した通り、大当たり種別が大当たりA23(4ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態が通常状態または潜確状態であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することにより時短回数として0回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。一方、大当たり当選時の遊技状態が時短状態または確変状態であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することにより時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりA23では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定される。つまり、通常状態や潜確状態において大当たりA23に当選した場合は、次に大当たりに当選するまで継続する潜確状態が設定されることが実質的に確定する。一方、時短状態や確変状態において大当たりA23に当選した場合は、次に大当たりに当選するまで継続する確変状態が設定されることが実質的に確定する。
また、図472(b)に示した通り、大当たり種別が大当たりB23(4ラウンド通常大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として50回が設定される。上述した通り、大当たりB23は、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的に、V入賞が発生することはなく、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、50回の時短回数の時短状態が設定される。即ち、大当たりB23に当選すると、基本的に、時短回数が50回の時短状態が設定される。上述した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/125であるため、時短回数50回の間に大当たりに当選する割合は、約33%である。
なお、大当たりB23に当選してV入賞を検出した場合に、時短回数として65535回を設定するのは、何らかの不正行為が行われなければ、大当たりB23においてV入賞を発生させることが困難であるためである。大当たりB23においてV入賞が発生した場合に、時短回数を65535回に設定して潜確状態よりも有利度合いが低い確変状態に移行させることにより、不正行為を犯してまでV入賞を発生させるメリットを低減することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
また、図472(b)に示した通り、大当たり種別が大当たりC23(8ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態が通常状態または時短状態であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。これに対し、大当たり当選時の遊技状態が確変状態または潜確状態であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として0回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりC23では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定される。つまり、通常状態や時短状態において大当たりC23に当選すると、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される一方で、確変状態や潜確状態で大当たりC23に当選すると、遊技者にとって最も有利な潜確状態が設定される。
また、図472(b)に示した通り、大当たり種別が大当たりD23(8ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりD22では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定される。つまり、大当たりD22に当選すると、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される。
次に、図473(a)を参照して、本第23実施形態における変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202dは、特別図柄の抽選結果を示すための変動パターンを選択するために参照されるデータテーブルである。図473(a)は、本第23実施形態における変動パターンテーブル202dの構成を示したブロック図である。図473(a)に示した通り、本第23実施形態における変動パターンテーブル202dは、上述した第22実施形態における変動パターンテーブル202dに対して、時短・確変用テーブル202sd3に代えて、実質特図1遊技用テーブル202td3および実質特図2遊技用テーブル202td4が設けられている点でのみ相違している。実質特図1遊技用テーブル202td3は、実質的に第1特別図柄の抽選ばかりが実行される確変状態Bにおいて変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであり、実質特図2遊技用テーブル202td4は、実質的に第2特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態、確変状態Aにおいて変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルである。
まず、図473(b)を参照して、上述した実質特図1遊技用テーブル202td3の詳細について説明する。図473(b)は、実質特図1遊技用テーブル202td3の規定内容を示した図である。この実質特図1遊技用テーブル202td3には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。より具体的には、図473(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒間の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が5秒間の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
また、図473(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が10秒の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~194」の範囲に対して、変動時間が15秒の「スーパーリーチ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、変動時間が30秒の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
これに対して、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒の外れロング変動が対応付けて規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒の当たりロング変動が対応付けて規定されている。よって、この実質特図1遊技用テーブル202td3が参照される確変状態Bにおいて右打ちを行った場合に、右第1入球口64rにも第2入球口1640にも頻繁に遊技球が入球するものの、第2特別図柄に対してはロング変動が設定されるため、第2特別図柄が比較的長い期間、変動表示を行っている間に、第1特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができる。よって、確変状態Bを、実質的に第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態として構成することができる。
また、図示については省略したが、実質特図2遊技用テーブル202td4の規定内容は、第1特別図柄と第2特別図柄とで変動パターンの振り分けが実質特図1遊技用テーブル202td3と単純に逆になっているのみである。つまり、第2特別図柄の変動パターンとして3秒~30秒の変動パターンが選択され得るようにデータが規定されているのに対し、第1特別図柄の変動パターンとして、180秒のロング変動のみが選択されるように構成している。これにより、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照される確変状態Aや時短状態において右打ちを行った場合に、右第1入球口64rにも第2入球口1640にも頻繁に遊技球が入球するものの、第1特別図柄に対してはロング変動が設定されるため、第1特別図柄が比較的長い期間、変動表示を行っている間に、第2特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができる。よって、確変状態Aや時短状態を、実質的に第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態として構成することができる。
次に、図474を参照して、上述した変動パターンシナリオテーブル202taの詳細について説明する。図474に示した通り、この変動パターンシナリオテーブル202taは、現在設定されている遊技状態と、前回の大当たり種別と、その前回の大当たりに当選した際の遊技状態と、の組合せに対して、変動パターンを選択するためのデータテーブルの種別(通常用テーブル202sd1、潜確用テーブル202sd2、実質特図1遊技用テーブル202td3、実質特図2遊技用テーブル202td4のいずれか)が対応付けて規定されている。
より具体的には、図474に示した通り、通常状態に対しては、前回の大当たり種別および前回の大当たり当選時の遊技状態によらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、通常用テーブル202sd1が対応付けて規定されている。よって、通常状態において特別図柄の抽選条件が成立した場合には、必ず、通常用テーブル202sd1が参照されて変動パターンが選択される。また、時短状態に対しては、前回の大当たり種別および前回の大当たり当選時の遊技状態によらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。よって、時短状態において特別図柄の抽選条件が成立した場合には、必ず、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される。更に、潜確状態に対しては、前回の大当たり種別および前回の大当たり当選時の遊技状態によらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、潜確用テーブル202sd2が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において特別図柄の抽選条件が成立した場合には、必ず、潜確用テーブル202sd2が参照されて変動パターンが選択される。
一方で、確変状態においては、前回の大当たり種別や前回の大当たり当選時の遊技状態に応じて、参照される変動パターンテーブルの種別が異なって構成されている。より具体的には、図474に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA23、且つ、前回の大当たり当選時の遊技状態が時短状態という条件に対しては、実質特図1遊技用テーブル202td3が対応付けて規定されている。よって、時短状態において第1特別図柄の抽選で大当たりA23に当選して設定された確変状態においては、実質特図1遊技用テーブル202td3が参照されて変動パターンが選択される。即ち、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bを形成する。一方、前回の大当たり種別が大当たりA23、且つ、前回の大当たり当選時の遊技状態が時短状態以外という条件に対しては、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。よって、時短状態以外の遊技状態において第1特別図柄の抽選で大当たりA23に当選して設定された確変状態においては、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される。即ち、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Aを形成する。
また、図474に示した通り、確変状態において、前回の大当たり種別が大当たりB23という状況に対しては、前回の大当たり当選時の遊技状態とは無関係に、実質特図1遊技用テーブル202td3が対応付けて規定されている。よって、通常大当たりである大当たりB23に当選したにもかかわらず確変状態が設定された場合(即ち、不正に確変スイッチ1650e3に遊技球を通過させた可能性が高い場合)においては、実質特図1遊技用テーブル202td3が参照されて変動パターンが選択される。つまり、特別図柄の確変状態に設定される遊技状態のうち最も有利度合いが低い確変状態Bを形成するので、不正行為のメリットを低減することにより、不正行為に対する抑制を図ることができる。
また、図474に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりC23、且つ、前回の大当たり当選時の遊技状態が通常状態または時短状態という条件に対しては、実質特図1遊技用テーブル202td3が対応付けて規定されている。よって、通常状態または時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりC23に当選して設定された確変状態においては、実質特図1遊技用テーブル202td3が参照されて変動パターンが選択される。即ち、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bを形成する。一方、前回の大当たり種別が大当たりC23、且つ、前回の大当たり当選時の遊技状態が潜確状態または確変状態という条件に対しては、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。よって、潜確状態または確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりC23に当選して設定された確変状態においては、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される。即ち、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Aを形成する。
なお、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりC23に当選した場合に確変状態Bに移行させるのは、左打ちにより遊技を進行すべき通常状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選を無理矢理実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図る趣旨である。即ち、最も有利な潜確状態や比較的有利な確変状態Aに移行し得ない構成とすることで、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法によるメリットを低減することができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図474に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりD23、且つ、前回の大当たり当選時の遊技状態が潜確状態という条件に対しては、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりD23に当選して設定された確変状態においては、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される。即ち、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Aを形成する。一方、前回の大当たり種別が大当たりD23、且つ、前回の大当たり当選時の遊技状態が潜確状態以外の遊技状態という条件に対しては、実質特図1遊技用テーブル202td3が対応付けて規定されている。よって、潜確状態以外の遊技状態において第2特別図柄の抽選で大当たりD23に当選して設定された確変状態においては、実質特図1遊技用テーブル202td3が参照されて変動パターンが選択される。即ち、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bを形成する。
このように、本第23実施形態では、確変状態に移行した場合に、当該確変状態へと移行する経緯(前回の大当たり種別や前回大当たり当選時の遊技状態)に応じて異なる変動パターンテーブルが参照されるように構成している。これにより、確変状態として、有利度合いが異なる複数の状態を設けることができる。即ち、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Aと、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bとを形成することができる。
以上説明した通り、本第23実施形態におけるパチンコ機10では、特定の遊技状態(潜確状態)へと移行したことを契機として、少なくとも大当たりに特定回数(3回)当選するまでの間、右打ち遊技状態が継続するより有利な状況を形成可能に構成している。より具体的には、本第23実施形態では、右打ち遊技状態として、第2特別図柄の抽選が実行され易い潜確状態、確変状態A、および時短状態と、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bと、の4種類の遊技状態を設ける構成としている。そして、潜確状態および確変状態A,Bは、次に大当たりとなるまで継続する(他の遊技状態に変更されることがない)ように構成しているので、潜確状態、確変状態A、および確変状態Bでは、実質的に次の大当たり当選が確定している(確約されている)状態となるように構成している。更に、本第23実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、必ず特別図柄の確変状態が設定されるように構成し、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合にのみ、特別図柄の低確率状態が設定され得るように構成している。言い換えれば、第2特別図柄の抽選が実行される確変状態Aや潜確状態は、次の大当たりが確定するのみならず、次の大当たり終了後の遊技状態として次回の大当たりまで継続する右打ち遊技状態(確変状態A、確変状態B、潜確状態のいずれか)が設定されることも確定する。そして、潜確状態で大当たりになると、右打ち遊技状態のうち潜確状態または確変状態Aのどちらかが設定される構成とし、確変状態Aにおいて大当たりになると、右打ち遊技状態のうち潜確状態または確変状態Bのどちらかが設定される構成とした。これらの構成により、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に移行すると、少なくとも確変状態Aおよび確変状態Bを経由しなければ時短状態に移行することが無いため、潜確状態、確変状態A、および確変状態Bのそれぞれで少なくとも1回ずつ大当たりに当選することができる。よって、潜確状態に移行した時点で最低でもあと3回の大当たりに当選するという、極めて興趣性の高いゲーム性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第23実施形態では、確変状態Aや時短状態において、第1特別図柄の変動時間を一律に180秒とすることで第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態を形成し、確変状態Bでは、第2特別図柄の変動時間を一律に180秒とすることで第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態を形成する構成としていたが、これに限られるものではなく、変動時間は任意に定めることができる。例えば、抽選が実行され難い側の特別図柄の変動時間として10時間や100時間等の、実質的に抽選結果を確認することが不可能となるような変動時間を設定してもよい。このように構成したとしても、抽選が実行され易い側の特別図柄の抽選が当たりとなって当たり図柄が停止表示されると、抽選が実行され難い側の特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制的に停止表示される(抽選結果が破棄される)ので、遊技に対して影響を与えることなく、より確実に、抽選が実行され易い側の特別図柄ばかりを変動表示させることができる。なお、この場合において、時短状態においては、抽選が実行され難い側の特別図柄の変動時間を比較的短い変動時間に設定してもよい。時短状態では、時短回数が経過することで(即ち、大当たりに当選することなく)通常状態へと移行する可能性があるため、この通常状態への移行の際に、第1特別図柄の変動表示の実行中である場合、残りの変動時間が経過するまで遊技が不可能となってしまう虞がある。よって、時短状態においては、10時間等の抽選結果を確認することが不可能な変動時間では無く、300秒等の比較的短い変動時間を設定することにより、時短回数が経過してから長い期間、遊技が不可能となってしまう不具合を抑制することができる。また、時短状態において抽選が実行され易い特別図柄の種別を第1特別図柄に設定した上で、時短状態における第2特別図柄の変動時間を10時間や100時間等の実質的に抽選結果を確認することが困難となる時間に設定してもよい。この場合は、通常状態に移行した後、即座に第1特別図柄の抽選を実行させることができるので、通常状態の遊技に一切影響を与えることなく、抽選が実行され難い側の特別図柄の抽選をより実行され難く構成することができる。
本第23実施形態では、確変状態Bで大当たりに当選した場合に、右打ち遊技状態が終了され得る時短状態へと移行する構成としていたが、確変状態Bで大当たりに当選した場合にも、必ず、次に大当たりとなるまで継続する右打ち遊技状態が設定されるように構成してもよい。つまり、本第23実施形態では、潜確状態へと移行した時点で、潜確状態、確変状態A、および確変状態Bの3つの遊技状態で少なくとも1回大当たりに当選する構成とすることで、潜確状態に移行した時点で3回の大当たりが実質的に確定する構成としていたが、4回の大当たりが確定するように構成してもよい。より具体的には、右打ち遊技状態として、第2特別図柄の変動時間が比較的短くなる(実質特図2遊技用テーブル202td4が参照される)通常状態Bを設け、確変状態Bにおいて通常大当たり(大当たりB23)に当選した場合は、時短状態ではなく通常状態Bへと移行する構成としてもよい。そして、通常状態Bにおいて大当たりに当選した場合の一部で、通常状態若しくは時短状態へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、潜確状態に移行した場合における遊技者の興趣を著しく向上させることができる。
本第23実施形態では、確変状態Aと確変状態Bとが見分け難くなるように、表示態様を共通化する構成としていたが、これに代えて、または加えて、確変状態Aと時短状態とが見分け難くなるように表示態様を共通化する構成としてもよい。つまり、右打ちにより普通電動役物raが頻繁に開放され、且つ、実質的に第2特別図柄の抽選ばかりが実行される挙動となる2種類の遊技状態(つまり、普通電動役物の動作態様や特別図柄の変動開始タイミング等から区別することが不可能(困難)な状態)を共通の演出態様に設定することにより、大当たりが少なくとも2回確定している状態であるか、時短回数の経過で通常状態へと移行してしまう状態であるのかを遊技者に認識困難とすることができる。逆に言えば、共通の演出態様が設定されている間に50回の抽選回数を突破(時短状態が設定される場合における時短回数)が経過した時点で、2回の大当たりが少なくとも控えているということを遊技者に対して容易に理解させることができるので、共通の演出態様が設定された場合において、特に、大当たり終了後の抽選回数が50回に近づくにつれて、遊技者の期待感をより大きく高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第23実施形態では、特別図柄の確変状態が次の大当たりまで継続するように構成していたが、特定回数の抽選で特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行する構成とすることにより、新たな遊技性が生じる。具体的には、例えば、大当たり終了時に設定される特別図柄の確変状態の継続回数(特別図柄の抽選回数)を40回に設定する一方で、時短回数を50回に設定することにより、40回以内に大当たりに当選できなければ時短状態に設定されてしまう遊技性を実現することができる。更に、大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定される場合に、時短回数にバリエーションを持たせる構成とすることにより、先に特別図柄の確変状態が終了して(低確率状態に移行して)、普通図柄の時短状態のみが継続する(確変状態Aや確変状態Bから時短状態に直接移行する)状況や、先に普通図柄の時短状態が終了して(普通図柄の通常状態に移行して)、特別図柄の確変状態のみが継続する(確変状態Aや確変状態Bから潜確状態に直接移行する)状況や、確変回数が終了すると同時に時短回数が終了して通常状態に直接移行する状況等、様々な状況を成立させることができる。よって、確変状態Aや確変状態Bが設定された場合に、確変状態の間に大当たりに当選することや、先に普通図柄の時短状態のみが終了して潜確状態に移行すること等、遊技者毎の好みに応じた状態移行を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第22実施形態および第23実施形態では、大当たり演出中にのみ超人薬802aの所持数が増減する演出を実行するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態や第23実施形態における確変状態Aにおいても、超人薬802aの所持数が増加する演出を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、潜確状態や確変状態Aにおいて、超人薬802aの表示個数が実際に保証されている残りの有利状態(次回大当たりまで継続する右打ち遊技状態)の回数よりも少ない場合に、特別図柄の抽選が実行される毎に、所定の確率(例えば、1/50の確率)で超人薬802aを獲得する演出を実行してもよい。このように構成することで、大当たり中に超人薬802aを獲得する演出が実行されなかったとしても、右打ち遊技状態へと移行した後で超人薬802aが追加されることに期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、この場合において、抽選結果に応じて超人薬802aを獲得する確率を異ならせてもよい。具体的には、例えば、抽選結果が大当たりとなった場合(若しくは保留内に大当たりが含まれると先読みにより判別した場合)の方が、外れの場合(若しくは保留内に大当たりが含まれていないと先読みにより判別した場合)よりも超人薬802aを獲得する演出の実行確率を高くする(例えば、大当たりの場合に1/3の確率、外れの場合に1/50の確率に設定する)ように構成してもよい。このように構成することで、変動演出として超人薬802aを獲得する演出が実行された場合に、大当たりとなることにも期待させることができる。また、逆に、大当たりの場合(若しくは保留内に大当たりが含まれると先読みにより判別した場合)には超人薬802aを獲得する演出が実行され難くなるように構成してもよい。このように構成することで、超人薬802aを獲得する演出を伴わずに大当たり期待度が比較的高い演出(例えば、リーチ演出)が実行された場合に、当該期待度が比較的高い演出に対する期待感を損ね難くすることができる。また、潜確状態や確変状態Aにおいて、超人薬802aの表示個数が実際に保証されている残りの有利状態(次回大当たりまで継続する右打ち遊技状態)の回数に一致している場合においても、所定条件下で、超人薬802aを追加で獲得する演出を実行してもよい。より具体的には、例えば、有利状態をループする種別の大当たり(例えば、第22実施形態における潜確状態中の大当たりC22)や、有利状態の保証回数が増加する種別の大当たり(例えば、第22実施形態における確変状態中の大当たりA22)に対応する始動入賞を新たに検出したと先読みによって判別した場合に、当該判別の時点から当たり変動が終了するまでの間において、超人薬802aを獲得する演出を設定する構成としてもよい。このように構成することで、より多くの個数の超人薬802aを表示させることが可能となるため、多い個数の超人薬802aが表示されるほど、遊技者を喜ばせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第22実施形態および第23実施形態では、大当たり終了後に有利状態(次回大当たりまで継続する右打ち遊技状態)が設定される保証数(ストック数)を、超人薬802aの所持数によって示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、超人薬802aによって、時短状態(大当たりに当選することなく終了される可能性がある右打ち遊技状態)に移行するまでの残りの大当たり回数を示唆する構成としてもよい。この場合、超人薬802aの個数を1個多く表示させることが可能となるので、より多い個数の超人薬802aを獲得し得る。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第22実施形態および第23実施形態では、大当たり終了後に有利状態(次回大当たりまで継続する右打ち遊技状態)が設定される最低保証回数を上限として、超人薬802aの表示個数を設定する構成としていたが、最低保証回数を超えて超人薬802aを獲得する演出を実行可能に構成してもよい。この場合において、右打ち遊技状態の間に超人薬802aを使用する演出を実行することにより、次の大当たりが開始されるまで(即ち、次に大当たりに当選する右打ち遊技状態の間)に、最低保証回数にあわせ込む構成としてもよい。超人薬802aを使用する方法としては、例えば、冒険者のキャラクタ801の進行方向に橋が架かっていない川や谷等が出現し、超人薬802aで身体能力を向上させることにより川や谷を飛び越える演出を実行する、等が挙げられる。
上述した第22実施形態、および第23実施形態では、冒険者のキャラクタ801と怪獣のキャラクタ811とがバトルする演出を、大当たりの1ラウンド目から開始するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、確変大当たりの場合に確変スイッチ1650e3が通過可能となるラウンドが終了した次のラウンドや、大当たりのエンディング期間においてバトルする演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、確変大当たりにもかかわらずV入賞が発生しなかったり、通常大当たりにもかかわらずV入賞が発生したようなイレギュラーな自体が発生した場合に、当該イレギュラーな自体を反映した演出内容を設定することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
<第24実施形態>
次に、図475から図487を参照して、第24実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第23実施形態では、確変状態として、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Aと、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態Bと、の2種類を設ける構成とすることで、5種類の遊技状態を実現し、より奥深く斬新な遊技性を実現する構成としていた。
これに対して本第24実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Aと、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Bとを設ける構成とした。即ち、有利度合いが低い時短状態Aと、有利度合いが高い時短状態Bと、の2種類の時短状態を設ける構成とした。そして、時短状態Bは、時短状態Aよりも移行させることが困難になるように構成した。より具体的には、時短状態Aは、通常大当たりに当選するだけで移行するように構成されている一方で、時短状態B移行させるためには、まず、確変状態へと移行させて、その確変状態において確変大当たりに当選することを繰り返し、確変状態の連続設定回数(確変リミット回数)が予め定められた上限値(5回)に到達した状態で更に確変大当たりに当選することにより、確変状態が設定される代わりに時短状態Bが設定されるように構成している。このように構成することで、移行させることが困難な時短状態Bへと移行した場合に遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。なお、本第24実施形態では、第1特別図柄の大当たりとなった場合に10%の割合で確変大当たりとなり90%の割合で通常大当たりとなる一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には90%の割合で確変大当たりとなり10%の割合で通常大当たりとなるように構成している。よって、第1特別図柄の抽選が実行され易い通常状態や時短状態Aにおいて確変状態へと移行させること自体がそもそも困難となる。よって、確変状態へと移行するだけでも遊技者に対して比較的大きな喜びを抱かせることができる。
この第24実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第23実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第23実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第23実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図475を参照して、本第24実施形態における遊技状態の移行方法について説明する。図475に示した通り、本第24実施形態には、4つの遊技状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図475の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図475の中段左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態A(図475の中段右側参照)と、同じく特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態B(図475の下段左側参照)と、の4つの遊技状態が設けられている。ここで、通常状態は、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。一方、確変状態は、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、時短状態Aは、右打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態であり、時短状態Bは、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。時短状態Aと時短状態Bとで実行され易い特別図柄の種別を異ならせる方法は、上述した第23実施形態と同様であり、参照される変動パターンテーブルを異ならせることによって実現している。
図475の上段に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図475の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で当選する大当たりA24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって有利な確変状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で当選する大当たりB24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態よりも有利度合いが低い右打ち遊技状態である時短状態Aに設定される。つまり、通常状態において大当たりに当選した場合に、直接確変状態へと移行するケースは稀(10%の割合)であり、ほとんどの場合、時短状態Aへと移行する。
また、図475の中央右側に示した通り、時短状態Aから他の状態へは、大当たりに当選した場合の他、時短回数が経過した場合にも移行する。より具体的には、図475の中段右側に示した通り、時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で当選する大当たりA24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が有利な確変状態に設定される。一方、時短状態Aにおいて設定された時短回数の間に大当たりに当選できずに時短回数が経過した場合は、遊技状態が通常状態に設定される。これらに対して、時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で当選する大当たりB24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Aに設定される。このため、時短状態Aにおける遊技では、時短状態の間に大当たりに当選し続けて、10%の割合の大当たりA24を目指すという、いわば「数打ちゃ当たる」の精神で遊技に臨ませることができる。なお、本第24実施形態では、大当たりB24に当選すると、時短回数として100回が設定される。一方で、本第24実施形態における特別図柄の大当たり確率は約1/71.4であるため、100回以内(時短回数以内)に特別図柄の抽選で再度大当たりに当選する割合は約75.6%である。よって、時短状態の間に4回前後の大当たり当選を見込めるため、その4回の間に10%の割合の大当たりA24に当選することを期待する遊技性を実現することができる。
また、図475の中段左側に示した通り、確変状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図475の中段左側に示した通り、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で当選する大当たりC24または大当たりD24(即ち、確変大当たり)に当選し、且つ、確変リミット回数に到達していれば、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。また、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で当選する大当たりE24に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利度合いが低い時短状態Aに設定される。これに対し、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で当選する大当たりC24または大当たりD24(即ち、確変大当たり)に当選し、且つ、確変リミット回数に到達していなければ、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態に設定される(確変状態をループする)。このため、確変状態では、大当たりになる毎に高い割合で確変状態がループするので、現実的な割合で確変リミット回数に到達する。より具体的には、5回の大当たりに渡って連続して90%の割合の確変大当たりに当選することで時短状態Bへと移行するので、確変状態に移行した場合において確変リミット回数に到達して時短状態Bが設定される割合は約59%(90%の5乗)である。
更に、図475の下段に示した通り、時短状態Bから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合の他、時短回数が経過した場合にも移行する。より具体的には、図475の下段に示した通り、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で当選する大当たりC24,D24(確変大当たり)に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が有利な確変状態に設定される。また、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で当選する大当たりE24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が、比較的有利度合いが低い時短状態Aに設定される。一方、時短状態Bにおいて設定された時短回数の間に大当たりに当選できずに時短回数が経過した場合は、遊技状態が通常状態に設定される。このため、時短状態Bにおける遊技では、時短回数内に大当たりに当選することにより、ほぼ確変状態へと復帰するため、時短回数内に大当たりとなることを強く期待させる遊技性を実現することができる。時短状態Bに移行した時点で確変リミット回数がリセットされているため、確変状態へと復帰することにより、大当たりと確変状態とが90%の割合でループする極めて有利な状態を、再度楽しませることができる。なお、時短状態Bが設定される場合、必ず時短回数として100回が設定される。よって、上述した通り、100回の時短回数の間に約75.6%の割合で大当たりに当選し、そのうち90%の割合で確変状態へと移行する。つまり、時短状態Bは、約68%(75.6%×90%)の割合で確変状態へと移行するので、時短状態Aに比較して極めて有利な状態である。
次に、図476から図479を参照して、本第24実施形態における特徴的な演出態様について説明する。まず図476を参照して、通常状態、および時短状態Aにおいて大当たりに当選した場合に第3図柄表示装置81において実行される演出態様の一例について説明する。図476(a)に示した通り、通常状態、および時短状態Aにおいて大当たりに当選すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ801が、洞窟の中を探索する演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「敵を探せ!!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「敵発見でバトルRUSH突入!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、敵である怪獣のキャラクタ811を発見すれば遊技者にとって有利な展開になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。これらの表示内容が表示された後は、洞窟内における右側の通路に設けられている右側扉RGと、左側の通路に設けられている左側扉LGとのどちらかを冒険者のキャラクタ801が選択し、その選択したいずれかの扉を開く演出が実行される。本第24実施形態では、冒険者のキャラクタ801が選択した扉から怪獣のキャラクタ811が出現することにより、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(バトルRUSH)に設定されることを示唆(報知)し、怪獣のキャラクタ811が出現しなかった場合は、確変状態が設定されない(時短状態Aが設定される)ことを示唆(報知)する構成としている。
図476(b)は、冒険者のキャラクタ801が選択した扉の中から怪獣のキャラクタ811が出現した場合(即ち、確変状態に移行する場合)の表示態様を示した図である。怪獣のキャラクタ811を発見する演出が実行されると、扉から怪獣のキャラクタ811が飛び出す表示態様が設定されると共に、表示領域HR6に対して、「発見!!」という文字が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「バトルRUSH確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり終了後に確変状態(バトルRUSH)へと移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図477および図478を参照して、確変状態で大当たりに当選した場合における演出態様について説明する。上述した通り、確変状態においては、確変リミット回数の範囲内において、確変状態と大当たりとが90%の割合でループする極めて有利な遊技状態を形成する。よって、確変状態において大当たりになった場合は、確変状態が継続するか否か、および確変リミット回数に到達するまでの残り回数を大当たり演出によって遊技者に示唆する構成としている。
具体的には、図477(a)に示した通り、確変状態において大当たりに当選すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811からの攻撃を盾で受け止める演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「攻撃に耐えろ!!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「耐え切ればバトルRUSH継続!?」という文字が表示される。これらの表示態様により、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811からの攻撃に耐えることで、大当たり終了後に再度、確変状態(バトルRUSH)が設定されるということを容易に理解させることができる。また、図477(a)に示した通り、冒険者のキャラクタ801の左側には、盾の耐久度を示す耐久度ゲージTGが表示される。本第24実施形態では、この耐久度ゲージTGのゲージ数によって、確変リミット回数に到達するまでの残り回数を示唆している。
図477(b)は、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811の攻撃に耐え切った場合における表示態様の一例を示した図である。図477(b)に示した通り、怪獣のキャラクタ811の攻撃に耐え切ると、表示領域HR6に対して、「成功!!」という文字が表示されると共に、耐久度ゲージTGのゲージ数が1ゲージ減少される演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「バトルRUSH継続!!」という文字が表示される。これらの表示態様により、大当たり終了後に有利な確変状態が設定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、耐久度ゲージTGのゲージ数が1ゲージ減ることにより、確変リミット回数までの残り回数が1減ったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
一方、図478(a)は、確変状態において通常大当たり(大当たりE24)に当選し、確変状態と大当たりとの繰り返しが終了される(大当たり終了後に時短状態Aが設定される)場合の表示態様を示した図である。図478(a)に示した通り、確変状態において大当たりE24に当選した場合は、怪獣のキャラクタ811の攻撃に耐え切れずに盾が破壊されてしまう演出が実行されると共に、耐久度ゲージTGのゲージ数が一気に0になる演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「残念・・」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「バトルRUSH終了・・・」という文字が表示される。これらの表示態様により、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定されてしまうということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図478(b)は、確変リミット回数に到達した場合における大当たり遊技中の演出態様の一例を示した図である。図478(b)に示した通り、確変リミット回数に到達した(確変状態中の確変大当たり当選が5回繰り返された)場合には、怪獣のキャラクタ811から受ける攻撃に耐え切る演出が実行された後、怪獣のキャラクタ811が撤退する演出が実行される。また、耐久度ゲージTGのゲージ数が残り1ゲージに更新される。また、表示領域HR6に対して、「敵、一時撤退!!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「耐久度UPゾーン突入!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、確変状態とは異なる有利な状況に移行する(即ち、時短状態Bに移行する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図479を参照して、時短状態B(耐久度UPゾーン)における表示態様について説明する。この時短状態Bでは、例えば、怪獣のキャラクタ811の攻撃を受け続けて耐久度が低下した盾SGを修理する演出が展開される。より具体的には、図479(a)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、第2特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄(右図柄RD、中図柄CD、左図柄LD)の変動表示態様が表示されると共に、第3図柄の背面側において、冒険者のキャラクタ801が傷ついた盾SGをトンカチにって修理する演出が実行される。また、表示領域HR6には、残りの時短回数が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「盾を修理するんだ!!」という文字が表示される。
そして、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、図479(b)に示した通り、盾SGの修理に成功して耐久度ゲージTGのゲージ数が最大値まで回復する演出が実行されると共に、同一の数字を模した第3図柄が揃って停止表示される。また、副表示領域Dsに対して、「修理成功!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、盾によって怪獣のキャラクタ811の攻撃を耐える演出態様が展開されるバトルRUSHの準備ができたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、時短状態Bにおける大当たり演出でも、通常状態や時短状態Aにおける大当たり演出と同様に、洞窟内で怪獣のキャラクタ811を探す演出態様(図476参照)が実行される。ただし、時短状態Bにおいては、大当たり当選時に90%という極めて高い割合で確変大当たりとなるため、通常状態や時短状態Aに比較して、大幅にバトルRUSHに突入する(確変状態が設定される)期待度が高くなる。よって、時短状態Bにおいては、大当たりに当選した時点で、バトルRUSHに突入する期待感を大きく高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、時短状態Bにおいて時短回数が経過して通常状態へと移行する場合は、盾SGの修理に失敗する演出が実行されて、時短状態Bの終了が報知される。
このように、本第24実施形態では、確変大当たりに当選して怪獣のキャラクタ811を発見してから、時短状態Aへと移行するまでの間において、ストーリー性のある一連の演出態様を実行する構成としている。即ち、確変状態と確変大当たりとが繰り返されている(ループしている)間は、確変状態への移行時に発見した怪獣のキャラクタ811の攻撃を耐え切ることができるか否かによって、確変状態がループするか時短状態Aに移行してしまう(転落してしまう)かを報知する演出態様が実行され、確変状態において確変大当たりに当選し、確変リミット回数に到達した後は、怪獣のキャラクタ811とのバトルにより傷ついた盾SGを修理する演出が実行され、盾SGの修理に成功することで大当たり当選が報知され、大当たり中に再度、怪獣のキャラクタ811を発見することで、確変状態へと再突入することを示す。よって、確変状態、および確変状態において確変リミット回数到達後に設定される時短状態Bにおいて、ストーリー性のある一連の演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第24実施形態における電気的構成>
次に、図480(a)を参照して、本第24実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図480(a)は、本第24実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図480(a)に示した通り、本第24実施形態におけるROM202は、上述した第23実施形態におけるROM202の構成に対して、第1当たり乱数テーブル202aの規定内容と、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容と、時短付与テーブル202eの規定内容と、変動パターンシナリオテーブル202taの規定内容と、が一部変更となっている点で相違している。
まず、図480(b)を参照して、本第24実施形態における第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図480(b)は、この第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図480(b)に示した通り、本第24実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~13」の14個の乱数値(カウンタ値)が規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~14」の15個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1が取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態および高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ14個および15個であるので、特別図柄の低確率状態にて特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は約1/71.4(14/1000)であり、特別図柄の高確率状態にて第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は約1/66.7(15/1000)である。
次に、図480(c)を参照して、本第24実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図480(c)は、本第24実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりに当選した際に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。
図480(a)に示した通り、本第24実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA24」,「大当たりB24」の2種類の大当たり種別が規定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC24」~「大当たりE24」の3種類の大当たり種別が規定されている。より具体的には、図480(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA24」が対応付けて規定されている。この「大当たりA24」は、大当たりのラウンド数が1ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりA24」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変状態に設定される。よって、「大当たりA24」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利な大当たり種別であるが、ラウンド数が1ラウンドしか無いため、払い出される賞球数の面では有利度合いが低い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA24」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~9」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA24」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図480(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB24」が対応付けて規定されている。この「大当たりB24」は、大当たりのラウンド数が1ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。この「大当たりB24」の終了後は、基本的に(奇跡的に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態A(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、確変状態よりも大幅に有利度合いが低い遊技状態に設定される。よって、「大当たりB24」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって比較的有利度合いが低い大当たり種別である。加えて、大当たりのラウンド数の面でも最も有利度合いが低い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB24」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「10~99」の90個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりB24」が決定される割合は90%(90/100)である。
一方、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC24」が対応付けて規定されている。この「大当たりC24」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりC24」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、遊技者に最も有利な確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。よって、「大当たりC24」は、大当たり終了後の遊技状態の面でも、ラウンド数の面でも、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC24」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~24」の25個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりC24」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~89」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりD24」が対応付けて規定されている。この「大当たりD24」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりD24」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過していれば)、遊技者に有利な確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりD24」は、大当たり終了後の遊技状態の面で最も有利度合いが高くなる。また、ラウンド数の面では「大当たりC24」の次に遊技者に有利となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD24」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「25~89」の65個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりD24」が決定される割合は65%(65/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりE24」が対応付けて規定されている。この「大当たりE24」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ1650e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉1650f1が開閉される種別の大当たりである。この「大当たりE24」の終了後は、基本的に(奇跡的に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態A(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、確変状態よりも大幅に有利度合いが低い遊技状態に設定される。よって、「大当たりE24」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利度合いが低い大当たり種別である。加えて、大当たりのラウンド数の面でも第2特別図柄の大当たりの中では最も有利度合いが低い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE24」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「90~99」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりD24」が決定される割合は10%(10/100)である。
このように、本第24実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりになっても90%の割合で有利度合いが低い時短状態Aが設定されてしまう一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、90%の割合で有利な確変状態が設定されるように構成している。これにより、第1特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(通常状態、時短状態A)と、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(確変状態、時短状態A)との有利度合いの差を大きくすることができるので、確変状態や時短状態Bへと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図481を参照して、本第24実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、大当たり終了時に時短回数を設定する際に参照されるデータテーブルである。図481は、この第24実施形態における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図481に示した通り、本第24実施形態における時短付与テーブル202eは、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり中のV入賞の有無および確変リミット回数到達有無と、に対応付けて、設定される時短回数が規定されている。具体的には、図481に示した通り、大当たり種別が大当たりA24(1ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することにより時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、V入賞を検出し、且つ、確変リミット回数に到達していれば、時短回数として100回が設定される。
また、図481に示した通り、大当たり種別が大当たりB24(1ラウンド通常大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出していれば、リミット回数に到達したか否かによらず時短回数として0回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。上述した通り、大当たりB24は、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的に、V入賞が発生することはなく、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の時短回数の時短状態Aが設定される。即ち、大当たりB24に当選すると、基本的に、時短回数が100回の時短状態Aが設定される。上述した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は約1/71.4であるため、時短回数100回の間に大当たりに当選する割合は、約75.6%である。
なお、大当たりB24に当選してV入賞を検出した場合に、時短回数として0回を設定するのは、何らかの不正行為が行われなければ、大当たりB24においてV入賞を発生させることが困難であるためである。大当たりB24においてV入賞が発生した場合に、時短回数を0回に設定して潜確状態に移行させることにより、大当たり確率は通常状態よりも高いものの、通常状態と同様に左打ちにより主として第1特別図柄の抽選により遊技を進行する必要がある不利な状態が設定されるため、不正行為を犯してまでV入賞を発生させるメリットを低減することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。なお、潜確状態は、不正行為によって通常大当たりにもかかわらずV入賞を発生させた場合にのみ移行する遊技状態である。つまり、本第24実施形態における潜確状態は、ペナルティー状態という位置付けである。
また、図481に示した通り、大当たり種別が大当たりC24(4ラウンド確変大当たり)、または大当たりD24(2ラウンド確変大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態が通常状態(またはペナルティー状態である潜確状態)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出していてもしていなくても、時短回数として0回が設定される。これに対し、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(確変状態、時短状態A、または時短状態B)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりC24,D24では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定される。つまり、通常状態や潜確状態において大当たりC24,D24に当選すると、実質的に次の大当たりまで継続する潜確状態が設定される一方で、確変状態や時短状態で大当たりC24,D24に当選すると、遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される。なお、左打ち遊技状態である通常状態や潜確状態において大当たりC24,D24に当選した場合に時短回数を0回に設定する構成としているのは、左打ち遊技状態にもかかわらず右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図るためである。つまり、左打ち遊技状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選を実行させた場合に、時短回数として0回が設定され、ペナルティー状態である潜確状態(V入賞発生時)、または通常状態(V入賞非発生時)に移行する構成とすることにより、左打ち遊技状態において右打ちを行った場合のメリットを無くすことができる。よって、左打ち遊技状態において右打ちにより遊技を進行する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図481に示した通り、大当たり種別が大当たりE24(2ラウンド通常大当たり)である場合には、大当たり当選時の遊技状態が通常状態(またはペナルティー状態である潜確状態)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出していてもしていなくても、時短回数として0回が設定される。これは、大当たりC24,D24に当選した場合と同様に、左打ち遊技状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図る趣旨である。これに対し、大当たり当選時の遊技状態が確変状態、時短状態A、または時短状態Bであれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ1650e3の通過)を検出することで時短回数として65535回(リミット非到達時)または100回(リミット到達時)が設定される。一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として50回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりE24では、確変スイッチ1650e3を通過可能な期間において開閉扉1650f1が開放されないため、V入賞が発生することは基本的になく、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。よって、大当たりE24は、第2特別図柄の大当たり種別の中で、大当たり終了後の遊技状態の面で最も不利となる。
次に、図482を参照して、本第24実施形態における変動パターンシナリオテーブル202taの詳細について説明する。図482に示した通り、この変動パターンシナリオテーブル202taは、現在設定されている遊技状態と、前回の大当たりに当選した際の確変リミット回数到達有無と、の組合せに対して、変動パターンを選択するためのデータテーブルの種別(通常用テーブル202sd1、実質特図1遊技用テーブル202td3、実質特図2遊技用テーブル202td4のいずれか)が対応付けて規定されている。
より具体的には、図482に示した通り、通常状態(およびペナルティー状態である潜確状態)に対しては、前回の大当たり当選時にリミットに到達したか否かによらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、通常用テーブル202sd1が対応付けて規定されている。よって、通常状態およびペナルティー状態である潜確状態において特別図柄の抽選条件が成立した場合には、必ず、通常用テーブル202sd1が参照されて変動パターンが選択される。
また、時短状態に対しては、前回の大当たり当選時に確変リミット回数に到達していたという状況に対しては、変動パターンテーブルの種別として、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けられている。一方、前回の大当たり当選時に確変リミット回数に到達していなかったという状況に対しては、変動パターンテーブルの種別として、実質特図1遊技用テーブル202td3が対応付けられている。このため、確変リミット回数に到達して設定される時短状態は、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Bとなる一方で、確変リミット回数に到達せずに設定される時短状態は、第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Aとなる。
また、図482に示した通り、確変状態に対しては、前回の大当たり当選時にリミットに到達したか否かによらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。よって、確変状態において特別図柄の抽選条件が成立した場合には、必ず、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される。
このように、本第24実施形態では、確変リミット回数に到達して設定された時短状態であるか、通常大当たりを契機として設定された時短状態であるかに応じて、変動パターンテーブルを異ならせることにより、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態Aと、第2特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態Bと、の有利度合いが異なる時短状態を形成する構成としている。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図483を参照して、本第24実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図483は、本第24実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図483に示した通り、本第24実施形態におけるRAM203は、上述した第23実施形態(および第22実施形態)におけるRAM203の構成(図457参照)に対して、リミットカウンタ203naと、リミット到達フラグ203nbと、変動パターンシナリオ格納エリア203ndと、が追加されている点で相違している。
リミットカウンタ203naは、特別図柄抽選で連続して確変大当たりに当選した回数を計測するためのカウンタであって、確変大当たりに当選した場合に、値が1加算される。具体的には、大当たり終了処理24(図485参照)において、確変設定フラグ203zsがオンに設定されていると判別した場合(即ち、大当たり遊技中にV入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球が通過した場合)に、値が1加算される(図485のS17103参照)。そして、確変大当たりが連続して実行された回数がリミット回数(5回)に到達しているかを判別する際に参照される(図485のS17105参照)。また、大当たり終了処理24(図485参照)において、確変設定フラグ203zsがオンに設定されていないと判別した場合は(図485のS17101:No)、連続して確変状態が設定されない場合であるため、リミットカウンタ203naの値が0にリセットされる(図485のS17102参照)。また、リミットカウンタ203naの値がリミット回数(5回)に到達したと判別された場合も(図485のS17105:Yes)、リミットカウンタ203naの値が0にリセットされる(図485のS17102参照)。
なお、本第24実施形態では、大当たり遊技中にV入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球が通過した場合に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるように構成しているため、リミットカウンタ203naの値を更新する処理を大当たり終了処理24(図485参照)にて実行するように構成しているが、これ以外のタイミングでリミットカウンタ203naの値を更新する処理を実行しても良く、例えば、V入賞装置1650内に設けられた特定領域(確変スイッチ1650e3)へと遊技球が通過したかを判別する入賞処理にて、確変スイッチ1650e3を遊技球が通過したことを判別した場合に、リミットカウンタ203naの値を更新するように構成しても良い。また、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に決定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるか否かが確定するパチンコ機10であれば、リミットカウンタ203naの値を更新する処理を、大当たり遊技の開始タイミングや、大当たり当選を示す特別図柄変動を実行させるタイミングや、当該特別図柄変動を停止表示させるタイミングで実行するように構成しても良い。
このように、実際に遊技状態が設定されるよりも前の段階でリミットカウンタ203naの値を更新する処理を実行することにより、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に確定することが可能となる。よって、確定した遊技状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することにより、リミット到達の有無に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が可変する場合であっても、実際に設定される遊技状態に対応する演出態様(特別図柄変動に対応する第3図柄の変動表示演出の演出態様や、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の演出態様)を実行し易くすることができる。
なお、本実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態)が設定された場合には、次回の大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態が継続するように構成している。よって、大当たり遊技が実行される毎に、リミットカウンタ203naの値を更新する処理を実行するだけで良いが、例えば、特別図柄の高確率状態が大当たり遊技終了後から特別図柄変動が80回実行されるまでの所定期間のみ設定される仕様のパチンコ機10や、特別図柄の高確率状態が設定された場合に、所定条件が成立する毎に、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための移行抽選を実行する仕様のパチンコ機10のように、大当たり当選を介することなく、特別図柄の高確率状態が終了してしまう遊技性を有するパチンコ機10であれば、大当たり遊技当選時における遊技状態を判別する処理を実行し、大当たり遊技当選時に特別図柄の高確率状態が設定されている場合のみ、リミットカウンタ203naの値を更新するか否かに関する処理を実行し、大当たり遊技当選時に特別図柄の高確率状態が設定されていない場合には、リミットカウンタ203naの値を0にリセットする処理を実行するように構成すれば良い。
また、本第24実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変状態)が過剰に連続して設定されることを抑制するためにリミット機能を設けているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の高確率状態(時短状態)が過剰に連続して設定されることを抑制するためにリミット機能を設けても良い。この場合は、大当たり当選時において普通図柄の高確率状態が設定されていたかを判別する処理と、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定されるかを判別する処理と、を設け、大当たり遊技の前後で普通図柄の高確率状態が設定される(されていた)場合に、リミットカウンタ203naの値を更新するように構成すれば良い。
リミット到達フラグ203nbは、確変状態(特別図柄の高確率状態)が連続して設定される回数が上限数(確変リミット回数)に到達したことを示すためのフラグであって、上限数(リミット回数)に到達した場合にオンに設定されるものである。このリミット到達フラグ203nbは、大当たり終了時処理24(図485参照)において、確変大当たりが連続して実行された回数がリミット回数(5回)に到達していると判別した場合に(図485のS17105:Yes)オンに設定され、リミット到達フラグ203nbの設定状況(オン、オフ)に応じて、時短付与回数及び変動パターンシナリオが決定される(図485のS17108,S17131参照)。そして、大当たり当選時(大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示されるタイミング)にオフに設定される。
変動パターンシナリオ格納エリア203ndは、変動パターンシナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。特別図柄の変動開始時には、この変動パターンシナリオ格納エリア203ndに格納されているデータが示す変動パターンシナリオに応じて、変動パターン(変動時間)を決定するための変動パターンテーブルが読み出される。この変動パターンシナリオ格納エリア203ndには、大当たり終了時に、変動パターンシナリオテーブル202taを参照して決定された変動パターンシナリオに対応するデータが格納される(図485のS17113参照)。
次に、図484を参照して、本第24実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図484は、本第24実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図484に示した通り、本第24実施形態におけるRAM223は、上述した第23実施形態(および第22実施形態)におけるRAM223の構成(図458参照)に対して、超人薬フラグ223saが削除されている点で相違している。また、従リミットカウンタ223uaが追加されている点でも相違している。
従リミットカウンタ223uaは、音声ランプ制御装置113側で確変状態の連続回数をカウントするためのカウンタであり、主制御装置110から通知されるリミットカウンタ203uaの値を示すリミット回数コマンドを受信する毎に、主制御装置110のリミットカウンタ203uaの値に同期して更新される。この従リミットカウンタ223uaにより、確変状態の連続回数を音声ランプ制御装置113側でも正確に把握することができる。
<第24実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図485を参照して、本第24実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第24実施形態では、上述した第23実施形態(および第22実施形態)に対して、大当たり終了処理22(図468参照)に代えて、大当たり終了処理24(S13011)を実行する点でのみ相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。図485は、この第24実施形態における大当たり終了処理24(S13011)の内容を示したフローチャートである。本第24実施形態における大当たり終了処理24(S13011)は、上述した第22実施形態の大当たり終了処理22(図468参照)と同様に、大当たり終了時における各種設定を行うための処理である。
この大当たり終了処理24(S13011)のうち、S17101,S17106,S17109,S17110,S17114、およびS17115の各処理では、それぞれ第23実施形態(および第22実施形態)の大当たり終了処理22(図468,S13001)のS17101,S17106,S17109,S17110,S17114、およびS17115の各処理と同一の処理を実行するためその詳細な説明を省略する。
また、本第24実施形態における大当たり終了処理24(S13011)では、S17101の処理において、確変設定フラグ203zsがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合に(S17101:No)、リミットカウンタ203naの値を0に設定して(S17102)、S17108の処理へと移行する。即ち、確変リミット回数をリセットする処理を行う。
また、本第24実施形態における大当たり終了処理24(図485参照)では、S17101の処理において、確変設定フラグ203zsがオンであると判別した場合に(S17101:Yes)、リミットカウンタ203naの値に1を加算して更新し(S17103)、次いで、確変設定フラグ203zsをオフに設定する(S17104)。S17104の処理が終了すると、次いで、S17103の処理による加算後のリミットカウンタ203naの値が5であるか(即ち、確変リミット回数に到達したか)否かを判別し(S17105)、加算後のリミットカウンタ203naの値が5である(即ち、確変リミット回数に到達した)と判別した場合は(S17105:Yes)、リミット到達フラグ203nbをオンに設定して(S17107)、上述したS17102の処理へ移行する。即ち、確変フラグ203ncをオンにするS17106の処理が実行されないため、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。一方、S17105の処理において、加算後のリミットカウンタ203naの値が5ではない(4以下の値である)と判別した場合は(S17105:No)、確変フラグ203ncをオンに設定し(S17106)、S17108の処理へ移行する。
S17108の処理では、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203cfのデータと、リミット到達フラグ203nbの状態と、に対応する時短回数を時短付与テーブル202e(図481参照)から読み出して(S17108)、次いで、S17109およびS17110の処理を実行し、大当たり後の遊技状態とリミットカウンタ203naの値とに対応する状態コマンドを設定する(S17111)。
次に、大当たり終了後の遊技状態と、リミット到達フラグ203nbの状態とに応じて変動パターンシナリオを特定し(S17131)、特定した変動パターンシナリオを示すデータを変動パターンシナリオ格納エリア203ndに格納する(S17113)。次いで、リミットカウンタ203naの値を示すリミット回数コマンドを設定し(S17132)、S17114およびS17115の処理を実行後、本処理を終了する。
この大当たり終了処理24(図485参照)を実行することにより、確変設定フラグ203zsの状態(大当たり遊技の実行中に確変スイッチ1650e3を通過したか否か)に応じて、リミットカウンタ203naの値を更新することができるので、確変リミット回数に到達したか否かを正確に判別することができる。よって、確変リミット回数に到達した場合に、確実に、有利な時短状態Bを設定することができる。
<第24実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図486、及び図487を参照して、本第24実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第24実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、上述した第23実施形態(および第22実施形態)における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、大当たり開始処理22(図469参照)に代えて大当たり開始処理24(S12341)を実行する点と、大当たり終了時処理17(図390参照)に代えて大当たり終了時処理24(S12342)を実行する点とで相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
まず、図486を参照して、本第24実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり開始処理24(S12341)について説明する。図486は、大当たり開始処理24(S12341)の内容を示したフローチャートである。この第24実施形態における大当たり開始処理24(S12341)は、上述した第23実施形態(および第22実施形態)の大当たり開始処理22(図469参照)に代えて実行される処理であり、大当たり遊技の間に実行する演出態様を設定するための処理である。
この大当たり開始処理24(S12341)のうち、S12411の処理では、第23実施形態(および第22実施形態)の大当たり開始処理22(図469参照)のS12411の処理と同一の処理を実行するためその詳細な説明を省略する。
また、本第24実施形態における大当たり開始処理24(S12341)では、S12411の処理が終了すると、次に、S12411の処理で特定した遊技状態が確変状態であるか否かを判別する(S12421)。S12421の処理において特定した遊技状態が確変状態ではないと判別した場合は(S12421:No)、遊技状態と大当たり種別とに応じた大当たり演出態様を設定し(S12422)、本処理を終了する。一方、S12421の処理において特定した遊技状態が確変状態であると判別した場合は(S12421:Yes)、次いで、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別し(S12423)、今回の大当たりが確変大当たりではないと判別した場合は(S12423:No)、怪獣のキャラクタ811に敗北する演出態様を設定して(S12424)、本処理を終了する。一方、S12423の処理において、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S12423:Yes)、従リミットカウンタ223uaの値を読み出し(S12425)、読み出した従リミットカウンタ223uaの値が4であるか否かを判別する(S12426)。
S12426の処理において、読み出した従リミットカウンタ223uaの値が4ではないと判別した場合は(S12426:No)、耐久度が1ゲージ減少する演出態様を設定し(S12427)、本処理を終了する。一方、読み出した従リミットカウンタ223uaの値が4であると判別した場合は(S12426:Yes)、怪獣のキャラクタ811が一時撤退する演出態様(図478(b)参照)を設定し(S12428)、本処理を終了する。なお、従リミットカウンタ223uaが4であるか否かによって演出態様を切り替えているのは、主制御装置110側においてリミットカウンタ203naを更新するタイミングが大当たり終了時であり、本大当たり開始処理24(図486参照)の実行時点では更新前の状態だからである。つまり、主制御装置110においてリミットカウンタ203naの値が5に更新される(確変リミット回数に到達して時短状態Bが設定される)場合は、確変大当たりに当選して、且つ、当該確変大当たり開始時においてリミットカウンタ203na(および従リミットカウンタ223ua)の値が4である場合となるため、この条件を満たす(大当たり終了時に確変リミット回数に到達する)場合は大当たり開始時に怪獣のキャラクタ811が一時撤退する演出態様(図478(b)参照)を設定する一方で、条件を満たさない場合は耐久度が1ゲージ減少する演出態様を設定するように構成している。このように構成することで、実際に確変リミット回数に到達するよりも前に、時短状態Bが設定されることを遊技者に対して報知(示唆)することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図487を参照して、本第24実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり終了時処理24(S12342)について説明する。図487は、大当たり終了時処理24(S12342)の内容を示したフローチャートである。本第24実施形態における大当たり終了時処理24(S12342)は、上述した第23実施形態(および第17実施形態)の大当たり終了時処理17(図390参照)に代えて実行される処理である。
大当たり終了時処理24(S12342)では、まず、大当たり演出が怪獣のキャラクタ811の発見に失敗する演出態様であるか否かを判別する(S12461)。大当たり演出が怪獣のキャラクタ811の発見に失敗する演出態様であると判別した場合は(S12461:Yes)、後述するS12464の処理へ移行する。一方、S12461の処理において、大当たり演出が怪獣のキャラクタ811の発見に失敗する演出態様ではないと判別した場合は(S12461:No)、次いで、大当たり演出が怪獣のキャラクタ811に敗北する演出態様であるか否かを判別する(S12462)。大当たり演出が怪獣のキャラクタ811に敗北する演出態様であると判別した場合は(S12462:Yes)、後述するS12464の処理へ移行する。一方、S12462の処理において、大当たり演出が怪獣のキャラクタ811に敗北する演出態様ではないと判別した場合は(S12462:No)、大当たり演出の演出結果に応じたモードへの移行の報知を設定し(S12463)、本処理を終了する。
S12464の処理では、従リミットカウンタ223uaの値が0より大きいか否かを判別する(S12464)。S12464の処理において、従リミットカウンタ223uaの値が0であると判別した場合は(S12464:No)、そのまま本処理を終了する。一方、従リミットカウンタ223uaの値が0より大きいと判別した場合は(S12464:Yes)、通常大当たりに当選したにもかかわらず、奇跡的に(運よく)大当たり遊技の実行中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過し、大当たり終了後の遊技状態が確変状態、若しくは時短状態Bに設定されることを意味する。つまり、大当たり開始時に通常大当たりを想定して設定した演出態様(怪獣のキャラクタ811の発見に失敗する演出態様、若しくは怪獣のキャラクタ811に敗北する演出態様)と、実際に設定される遊技状態(確変状態、若しくは時短状態B)とに齟齬が生じた状態となる。このため、演出結果との齟齬を解消するため、復活演出を設定して有利な遊技状態への移行を報知する。具体的には、まず、従リミットカウンタ223uaの値が5であるか否かを判別し(S12465)、従リミットカウンタ223uaの値が5であると判別した場合は(S12465:Yes)、復活演出により修理モード突入の報知を設定し(S12466)、本処理を終了する。一方、S12465の処理において、従リミットカウンタ223uaの値が5ではないと判別した場合は(S12465:No)、復活演出によりバトルRUSH突入の報知を設定し(S12467)、その後、本処理を終了する。
この大当たり終了時処理24(図487参照)を実行することにより、通常大当たりに当選したにもかかわらず大当たり終了後の遊技状態が有利な遊技状態(確変状態若しくは時短状態B)に設定されるという状況が発生した場合に、復活演出により有利な遊技状態への移行を報知することができる。よって、演出態様と実際に設定される遊技状態とに矛盾が生じてしまうことを抑制できるので、演出態様をより好適に設定することができる。
以上説明した通り、本第24実施形態におけるパチンコ機10では、特定の遊技状態が設定された場合に、当該特定の遊技状態が設定された経緯に応じて特定の遊技状態の有利度合いを異ならせる構成としている。即ち、通常大当たりに当選して大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定された場合は、有利度合いが比較的低くなる時短状態Aを形成する一方で、確変大当たりに当選して大当たり中に確変スイッチ1650e3を遊技球が通過し、且つ、確変リミット回数に到達していたことによって大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定された場合は、有利度合いが比較的高い時短状態Bを形成する構成としていた。より具体的には、時短状態Aにおいては、右打ちにより有利度合いが低い第1特別図柄の抽選ばかりが実行されるように制御する一方で、時短状態Bにおいては、右打ちにより有利度合いが高い第2特別図柄の抽選ばかりが実行されるように制御する構成としている。このように構成することで、比較的移行させることが困難な時短状態Bへと移行した場合に遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、従来より、所定の設定条件が成立する毎に、有利度合いの異なる複数の遊技状態のうち1の遊技状態を設定するものが広く一般的に知られている。より具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される通常状態、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される時短状態、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態、および特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される確変状態の中から1の遊技状態を設定するものが知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機においては、特別図柄の状態(高確率状態若しくは低確率状態)、および普通図柄の状態(通常状態若しくは時短状態)の組合せの数しか異なる遊技状態を設けることができないため、遊技性を多様化させることが困難になるという問題点があった。
これに対して本第24実施形態におけるパチンコ機10では、特定の遊技状態(時短状態)が設定される契機に応じて、特定の遊技状態の有利度合いを異ならせることが可能に構成されているので、有利度合いが異なる遊技状態をより多く形成することができる。よって、遊技性を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第24実施形態では、時短状態Aと時短状態Bとで、有利度合が低い第1特別図柄の抽選が実行され易いか、有利度合が高い第2特別図柄の抽選が実行され易いかを切り替えることにより、有利度合いを可変させる構成としていたが、有利度合いを可変させる方法はこれに限られるものではない。これに代えて、または加えて、例えば、時短状態Bでは、時短状態Aよりも時短回数が多くなるように構成することで有利度合いを可変させてもよい。また、例えば、時短状態Bの方が遊技効率が良くなる(平均の変動時間が短くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、設計の自由度を高めることができる。
<第24実施形態の第1の変形例>
次に、図488から図491を参照して、上述した第24実施形態の第1の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第24実施形態では、時短状態として、有利度合いが異なる複数の時短状態(時短状態A、および時短状態B)を設ける構成とし、時短状態Bは、移行させることが最も困難な遊技状態で構成され、且つ、時短状態Aよりも有利となるように構成していた。しかしながら、有利度合いの面では確変状態の方が有利度合いが高くなる(有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い状態が次の大当たりまで継続する上に特別図柄の抽選で大当たりとなる確率も高くなる)ため、時短状態Bが設定されるよりも、時短状態Bにおいて確変大当たりに当選した場合の方が遊技者に対してより大きな喜びを与える構成となっていた。
これに対して本第1の変形例では、時短状態Bへと移行した時点で、次に大当たりに当選するまで右打ち遊技状態が継続することが確定する構成とした。つまり、時短状態Bにおいて時短回数が経過した場合に移行する通常状態を、右打ち遊技状態(通常状態B)として構成した。加えて、本第1の変形例では、通常状態Bへと移行した場合に、通常大当たりに当選したとしても時短状態Aへと移行せずに時短状態Bに移行するように構成した。これにより、時短状態Bにおいて時短回数が経過した場合に、遊技者に対してより大きな喜びを抱かせることができる。
この第24実施形態の第1の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第24実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110内のROM202の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、上述した第24実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第24実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図488を参照して、本第1の変形例におけるパチンコ機10の各状態間の移行方法について説明する。図488に示した通り、本第1の変形例には、5つの状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態A(図488の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図488の中段左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態A(図488の中段右側参照)と、同じく特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態B(図488の下段左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態B(図488の下段右側参照)と、の5つの状態が設けられている。ここで、通常状態Aは、上述した第24実施形態における通常状態と同一の状態であり、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。一方、通常状態Bは、通常状態Aとは異なり、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態である。通常状態Aと通常状態Bとで実行され易い特別図柄の種別を異ならせる方法は、上述した時短状態Aおよび時短状態Bと同様であり、参照される変動パターンテーブルを異ならせることによって実現している。なお、本第1の変形例では、第24実施形態に対して、通常状態の名称が通常状態Aに変更されている点、時短状態Bにおいて時短回数を経過した場合に設定される遊技状態が変更されている点、および通常状態Bが追加されている点でのみ相違する。よって、ここでは時短状態B、および通常状態Bにおける状態移行の方法についてのみを説明する。
図488に示した通り、時短状態Bにおいて時短回数が経過すると、通常状態Bへと移行する。この通常状態Bは、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される遊技状態であるが、右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態を形成する。この通常状態Bにおいては、大当たりに当選した場合にのみ他の状態へと移行する可能性がある。即ち、図488に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりC24,D24のどちらかになると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。一方、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりE24になると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。つまり、通常状態Bでは、大当たりに当選することで有利な確変状態へと移行するか、若しくは有利度合いが高い時短状態Bへと移行するので、大当たり終了後の遊技状態の面で確変状態や時短状態Bよりも有利になる。よって、時短状態Bにおいて時短回数が経過した場合に、遊技者に対してより大きな喜びを抱かせることができる。また、時短状態Bにおいて大当たりに当選するよりも、時短回数が経過することを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図489を参照して、本第1の変形例における特徴的な演出態様について説明する。図489(a)は、本第1の変形例における時短状態Bの間の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図であり、図489(b)は、本第1の変形例における通常状態Bの間の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図489(a)に示した通り、時短状態Bにおいて、表示領域HR6に対して、「無限修理ゾーンまで残り10回」という文字が表示される。つまり、特別図柄の抽選が特定回数(10回)実行されることで遊技者にとって有利になるということを示唆する文字が表示される。この「無限修理ゾーン」とは、有利な通常状態Bを示している。つまり、10回という回数は、時短回数が経過するまでの残りの抽選回数を示している。この表示内容により、表示されている時短回数が経過することで遊技者に有利になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図489(b)は、通常状態Bにおける表示態様を示した図である。図489(b)に示した通り、時短状態Bにおいて時短回数が経過したことに基づいて設定された通常状態Bでは、表示領域HR6に対して、「修理完了まで継続!?」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「無限修理ゾーン」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選する(盾の修理に成功する)までの間、有利な右打ち遊技状態が継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第24実施形態の第1の変形例における電気的構成>
次に、図490、および図491を参照して、本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第1の変形例におけるROM202は、上述した第24実施形態におけるROM202の構成に対して、時短付与テーブル202eの規定内容、および変動パターンシナリオテーブル202taの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違している。まず、図490を参照して、本第1の変形例における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。図490は、本第1の変形例における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図490に示した通り、本第1の変形例における時短付与テーブル202eは、上述した第24実施形態における時短付与テーブル202e(図481参照)に対して、大当たりA24,C24~E24に当選し、且つ、確変リミット回数に到達した場合に設定される時短回数が100回から10回に変更となっている点でのみ相違している。つまり、本第1の変形例では、上述した第24実施形態よりも時短状態Bにおける時短回数が少なく設定される。これにより、時短状態Bにおいて時短回数が経過し易くなるので、有利な通常状態Bへと移行し易く構成することができる。よって、時短状態Bへと移行した場合に遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。
次に、図491を参照して、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202taの詳細について説明する。図491に示した通り、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202taは、前回の大当たり終了後に設定された遊技状態と、大当たり当選時の確変リミット回数到達有無と、大当たり終了後に実行された特別図柄の抽選回数と、に対応付けて、変動パターンを決定するために参照される変動パターンテーブルが規定されている。具体的には、図491に示した通り、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(およびペナルティー状態である潜確状態)である場合、前回の大当たり当選時にリミットに到達したか否か、および特別図柄の抽選回数によらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、通常用テーブル202sd1が対応付けて規定されている。よって、大当たり終了後に通常状態およびペナルティー状態である潜確状態が設定された場合には、次に大当たりに当選するまで、必ず、通常用テーブル202sd1が参照されて変動パターンが選択される。
また、大当たり終了後の遊技状態が時短状態であり、前回の大当たり当選時に確変リミット回数に到達していたという状況に対しては、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数によらず、変動パターンテーブルの種別として、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けられている。一方、前回の大当たり当選時に確変リミット回数に到達していなかったという状況に対しては、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲に対して実質特図1遊技用テーブル202td3が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100回以降の範囲に対して通常用テーブル202sd1が対応付けて規定されている。このため、確変リミット回数に到達して設定される時短状態、および時短回数経過後の通常状態は、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態B、および通常状態Bとなる。一方、確変リミット回数に到達せずに設定される時短状態、および時短回数経過後の通常状態は、第1特別図柄の抽選が実行され易い(第2特別図柄の抽選が実行され難い)時短状態A、および通常状態Aとなる。
また、図491に示した通り、大当たり終了後の遊技状態が確変状態である場合、前回の大当たり当選時にリミットに到達したか否か、および大当たり終了後の特別図柄の抽選回数によらず、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの種別として、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。よって、確変状態において特別図柄の抽選条件が成立した場合には、必ず、実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される。
このように、本第24実施形態では、確変リミット回数に到達して設定された時短状態であるか、通常大当たりを契機として設定された時短状態であるかに応じて、変動パターンテーブルを異ならせることにより、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態Aと、第2特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態Bと、の有利度合いが異なる時短状態を形成する構成としている。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、時短状態Aにおいて時短回数が経過したことを契機として設定された通常状態であるか、時短状態Bにおいて時短回数が経過したことを契機として設定された通常状態であるかに応じて変動パターンテーブルを異ならせることにより、右打ちしても特別図柄の抽選がほとんど実行されない(遊技効率が極めて悪化する)ため、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する必要がある通常状態Aと、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される有利な通常状態Bと、を形成する構成としている。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
以上説明した通り、第24実施形態の第1の変形例では、移行させることが極めて困難な時短状態Bへと移行した場合に、比較的少ない時短回数が設定されて、当該少ない時短回数を経過させることで大当たり当選時の遊技状態の面で最も有利となる(有利な確変状態若しくは有利度合いが高い時短状態Bのどちらかが設定される)通常状態Bへと移行する構成としている。つまり、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合であっても、90%という高い割合で確変状態が設定される上に、時短回数を経過させることで、更に有利度合いが高くなる(大当たり当選時に有利度合いが低い時短状態Aが設定される可能性が無くなる)通常状態Bが設定されるように構成した。このように構成することで、時短状態Bへと移行した時点で遊技者に対してより大きな喜びを与えることができると共に、時短状態Bにおいて、時短回数内に大当たりに当選するよりも、時短回数を経過させることをより強く期待して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を著しく向上させることができる。
なお、上述した第24実施形態、およびその第1の変形例では、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合の有利度合いを、確変状態と同一の有利度合いに設定していたが、これに限られるものではない。例えば、上述した第17実施形態のように、第2入球口640が閉鎖されている間にのみ到達可能な位置に小当たり当選で開放される特定入賞口2650aを設ける構成とし、普通図柄の時短状態では、特定入賞口2650aに到達した全ての遊技球が第2入球口640へと入球する一方で、普通図柄の通常状態では、特定入賞口2650aに到達した遊技球の一部が第2入球口640へと入球し、残りが可変入賞装置2650へと流下する盤面構成(図354参照)としてもよい。そして、普通図柄の通常状態が設定される通常状態と潜確状態とのうち、通常状態では第2特別図柄の変動時間が極端に長くなる(例えば、1時間等)一方で、潜確状態では第2特別図柄の変動時間が短くなる(例えば、平均10秒等)ように構成してもよい。つまり、上述した第17実施形態等と同様に、潜確状態においては、右打ちを行い続けることで第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されるだけでなく、頻繁に小当たりに当選して特定入賞口2650aへと遊技球が入球することによる賞球の払い出しを受けることも可能となるように構成することで、大当たりとならなくても賞球をどんどん獲得できる極めて有利な遊技状態を形成する構成としてもよい。そして、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合にのみ、時短回数として0回が設定されて潜確状態へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、時短状態Bに移行した場合に、大当たりに当選することをより強く願って遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を著しく向上させることができる。この変形例について、図492から図497を参照して詳しく説明する。
<第24実施形態の第2の変形例>
次に、図492から図497を参照して、第24実施形態に対して第17実施形態の仕様を組み合わせた第2の変形例について説明する。上述した第24実施形態、およびその第1の変形例におけるパチンコ機10では、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合と、有利な確変状態において大当たりに当選した場合とで、有利度合いが共通となる(大当たり終了後の遊技状態の振り分けが共通となる)ように構成されていた。このため、確変状態から時短状態Bへと移行したとしても、その違いを遊技者が体感しにくくなるため、時短状態Bにおける遊技者の興趣を大きく向上させ難くなっていた。
これに対して本第2の変形例におけるパチンコ機10では、確変状態よりも遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)を設ける構成とし、当該潜確状態へは、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合にのみ移行し得るように構成した。このように構成することで、時短状態Bに移行した場合に、当該時短状態Bの間に大当たりに当選することをより強く願って遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を著しく向上させることができる。なお、潜確状態を確変状態よりも有利にする方法としては、上述した第17実施形態と同様であり、潜確状態において右打ち遊技を行った場合にのみ、大当たりに当選するまでの間、可変入賞装置2650へと遊技球を入球させて賞球を得る機会が与えられる小当たりに頻繁に当選する方法を採用している。このため、確変状態においては、単に持ち球をあまり減らさずに次の大当たりまで遊技を継続することができるに過ぎない遊技となる一方で、潜確状態においては、可変入賞装置2650への入球機会が頻繁に与えられることにより大当たりに当選しなくても多量の賞球を獲得し得る極めて有利な遊技状態を形成する。
この第24実施形態の第2の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第24実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が上述した第17実施形態における遊技盤13に類似する盤面構成に変更となっている点、第17実施形態と同様に、第2特別図柄の抽選において高確率(約65%の割合)で小当たりの抽選結果となるように変更した点、主制御装置110に設けられているROM202の構成が一部変更となっている点である。
まず、図492を参照して、本第2の変形例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図492は、本第2の変形例における遊技盤13の正面図である。図492に示した通り、本第2の変形例における遊技盤13の盤面構成は、第17実施形態における遊技盤13(図354参照)に類似する構成となっている。より具体的には、図492に示した通り、第17実施形態における遊技盤13(図354参照)に対して、遊技盤13の正面視右側の流路に設けられていた右第1入球口64z、および右第1入球口64zへと入球することを規制する規制蓋64zfが削除されている点でのみ相違している。
この盤面構成により、本第2の変形例のパチンコ機10において右打ちを行うと、上述した第17実施形態のパチンコ機10において右打ちを行った場合と同様の遊技性を実現することができる。即ち、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態である確変状態や時短状態Bにおいて右打ちを行うと、高確率(239/240)で普通図柄の当たりに当選して普通電動役物640aが頻繁に開放される。このため、第2入球口640に遊技球を容易に入球させることが可能であり、さらに、第2特別図柄抽選の変動時間として短時間の変動時間が設定され易くなる(実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される)ため、右打ち遊技を実行した場合に、効率良く第2特別図柄抽選を実行することができる。しかしながら、第17実施形態と同様に、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態においては、普通図柄の変動時間が短くなる(3~5秒→0.1~0.4秒)と共に、普通電動役物640aの開放時間が長くなる(0.04秒→0.2秒×2回)ため、普図当たり遊技によって頻繁に普通電動役物640aが開放状態となり、右側領域を流下する遊技球が第3流路ry3へと流入し難くなる。この結果、第2特別図柄抽選の抽選結果が小当たりとなる小当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置2650の特定入賞口2650aに遊技球が入球し難い遊技状態を形成する。この結果、右打ちされた遊技球のほぼ全てが、入球を検出する毎に1個の賞球が付与される始動入賞口として構成される第2入球口640へと入球するので、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態においては、発射された遊技球の個数と払い出される賞球の個数とが略同一となる。これにより、普通図柄の時短状態に設定される確変状態や時短状態Bは、右打ちにより持ち球を減らさずに第2特別図柄の抽選を効率良く実行可能となり、遊技者に有利な遊技状態を形成する。
なお、時短状態Aにおいては、第2特別図柄の変動時間が著しく長くなる変動パターンテーブル(通常用テーブル202sd1)を参照して変動パターン(変動時間)を選択するように制御されるため、右打ちを行ったとしても第2特別図柄の抽選が著しく長い時間間隔でしか行われなくなる。よって、本第2の変形例における時短状態Aは、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する左打ち遊技状態を形成する。言い換えれば、本第2の変形例における時短状態Aは、遊技者にとって不利な左打ち遊技状態を形成する。
また、遊技状態として潜確状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選の変動時間は、上述した確変状態や時短状態Bと同様の変動時間が設定され易くなる(実質特図2遊技用テーブル202td4が参照されて変動パターンが選択される)。一方、潜確状態では、普通図柄の通常状態に設定されるため、普通図柄の変動時間が長くなり、普通図柄の当たり当選時の普通電動役物640aの開放時間も短くなる。これにより、潜確状態では、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態よりも、右側領域を流下する遊技球が第3流路ry3へと流入し易くなり、小当たり遊技中に可変入賞装置2650の特定入賞口2650aへと遊技球を入球させ易くすることができる状態となる。なお、普通図柄の当たり確率や普通図柄の変動時間、普通電動役物640aの開放時間や普通電動役物640aの上面の構造等は全て上述した第17実施形態におけるパチンコ機10と同一になっているので、潜確状態においても、第2入球口640へと頻繁に遊技球を入球させることができる。つまり、第17実施形態と同様に、潜確状態において右打ち遊技を実行すると、第2特別図柄抽選を効率良く実行させることができる上に、小当たり遊技中に特定入賞口2650aへと遊技球を入球させ易くなる(特定入賞口2650aへの入球に基づく賞球の払い出しを頻繁に受けることができる)ので、大当たりに当選するまで頻繁に賞球を獲得することができる。つまり、大当たり確率が高く、且つ、大当たりに当選しなくても多量の賞球を獲得し得る極めて有利な遊技状態を形成する。
次に、図493を参照して、本第2の変形例における状態の各状態間の移行方法について説明する。図493に示した通り、本第2の変形例には、5つの状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図493の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図493の中段左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態A(図493の中段右側参照)と、同じく特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態B(図493の下段左側参照)と、特別図柄の高確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される潜確状態(図493の下段右側参照)と、の5つの状態が設けられている。ここで、時短状態Aは、上述した第24実施形態における時短状態Aと異なり、特別図柄の抽選条件が成立した場合に通常状態と同様に通常用テーブル202sd1を参照して変動パターンを選択するように制御されるため、右打ちを行ってもほとんど第2特別図柄の抽選を実行させることができない。つまり、第2特別図柄の変動時間が著しく長くなり、右打ちを行うと遊技効率が極めて悪くなる不利な状況を形成する。よって、本第2の変形例における時短状態Aは、左打ちにより遊技を行う必要がある不利な遊技状態を形成する。通常状態と時短状態Aとは、大当たり確率が同一であり、変動パターン(変動時間)も同じ変動パターンテーブル(通常用テーブル202sd1)が参照されて選択されるので、有利度合いが略同一となる。つまり、通常状態と時短状態Aとは遊技者に不利な左打ち遊技状態を形成する。また、潜確状態は、上述した通り、右打ち遊技を行うことで頻繁に第2特別図柄の抽選が実行される上に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、特定入賞口2650aへと遊技球を容易に入球させることができる最も有利な遊技状態を形成する。
なお、本第2の変形例では、通常状態、時短状態A、および確変状態における他の状態への移行方法が、上述した第24実施形態と全く同一となっている。従って、ここでは、時短状態B、および新に追加された潜確状態における状態の移行方法についてのみ説明を行う。
図493の下段左側に示した通り、時短状態Bにおいて時短回数が経過した場合は、上述した第24実施形態と同様に最も不利な通常状態へと移行する。また、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合の10%の割合で決定される大当たりE24に当選した場合も、第24実施形態と同様に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定される。これに対して、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合の90%の割合で決定される大当たりC24,D24のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって極めて有利な潜確状態に設定される。つまり、本第2の変形例においては、確変状態で大当たりに当選すると、第24実施形態と同様に90%という高い割合で確変状態をループする一方で、確変リミット回数に到達したことに基づいて移行する時短状態Bにおいて大当たりに当選すると、90%という高い割合で確変状態よりも有利度合いが高い(遊技者にとって最も有利な)潜確状態へと移行する。このため、時短状態Bにおいては、時短回数内に大当たりになると、最も有利な潜確状態に移行する一方で、時短回数が経過してしまうと、最も不利な通常状態に移行してしまうので、時短回数内に大当たりに当選することを強く願って遊技を行う遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図493の下段右側に示した通り、潜確状態から他の状態には、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に65%の割合で決定される大当たりD24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定され、10%の割合で決定される大当たりE24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に不利な時短状態Aに設定される。これらに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に25%の割合で決定される大当たりC24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定される(潜確状態をループする)。つまり、最も有利な潜確状態をループする振り分けが25%設定されている分、大当たり終了後の遊技状態の面で確変状態よりも有利になる。
このように、本第2の変形例では、確変リミット回数に到達することでのみ設定される時短状態Bにおいて大当たりに当選すると、高確率で遊技者にとって最も有利な潜確状態へと移行する構成とした。この潜確状態では、大当たりに当選しなくても、小当たり遊技によって賞球を頻繁に獲得することができるので、次に大当たりとなるまで断続的に賞球を増加させるという興趣性の高い遊技を実現することができる。よって、時短状態Bに移行した場合、および時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合に、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図494、および図495を参照して、本第2の変形例における特徴的な演出態様について説明する。先ず、図494を参照して、本第2の変形例における時短状態中の演出態様について説明する。図494(a)に示した通り、本第2の変形例における時短状態Bでは、上述した第24実施形態における盾SGを修理する演出に代えて、時短状態Bに移行することを示す大当たり演出(図478(b)参照)において、撤退した怪獣のキャラクタ811を追跡する演出が実行される。より具体的には、図494(a)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、第3図柄の変動表示が実行されると共に、冒険者のキャラクタ801が逃走した怪獣のキャラクタ811を走って追いかける演出態様が表示される。また、表示領域HR6に対して、「敵を見失うな!!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「追跡ゾーン」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して敵である怪獣のキャラクタ811を見失わない限り時短状態Bが継続するというということを容易に理解させることができる。以降の説明では、この怪獣のキャラクタ811を追跡する演出のことを、「追跡ゾーン演出」と称する。この追跡ゾーン演出では、怪獣のキャラクタ811を見失わずに怪獣のキャラクタ811の巣(本拠地)を発見することができれば大当たりに加えて潜確状態への移行が確定する演出態様で構成されている。
図494(b)は、時短状態Bにおいて確変大当たりに当選した場合の演出態様の一例を示した図である。図494(b)に示した通り、時短状態Bにおいて確変大当たりに当選し、潜確状態への移行が確定すると、主表示領域Dmにおいて、同一の数字(例えば、「7」)が付された第3図柄が確定表示されるタイミングで、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811の逃げた先に怪獣のキャラクタ811を含む多数の敵が生息する洞窟DGを発見する演出が実行される。また、表示領域HR6に対して、「敵の巣発見!!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「プレミアムバトルRUSH確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、「バトルRUSH」(確変状態)よりも有利度合いが高い状態に移行したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、「プレミアムバトルRUSH」は、潜確状態を意味する演出上の名称であり、右打ちにより小当たりに頻繁に当選して特定入賞口2650aが開放されると共に、その開放された特定入賞口2650aへと頻繁に遊技球を入球させて賞球の払い出しを受けることができる極めて有利な状態である。この潜確状態(プレミアムバトルRUSH)中における演出態様については、図495を参照して後述する。
なお、図示については省略したが、時短状態Bにおいて時短回数が経過した場合、および通常大当たりに当選した場合は、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811を見失ってしまう演出が実行されて、通常状態への移行若しくは通常大当たりの当選が報知される。なお、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811を見失うまでの演出の流れとしては、例えば、怪獣のキャラクタ811が谷や川等を飛び越えて逃走する演出が実行され、冒険者のキャラクタ801も怪獣のキャラクタ811に倣って谷若しくは川を飛び越えようとするが、飛び越えきれずに谷若しくは川に落ちてしまい、怪獣のキャラクタ811を追跡不能となってしまう演出が実行される。なお、時短状態Bにおいて時短回数が残っており、且つ、大当たりに当選していない状況においても、所定の割合で怪獣のキャラクタ811が谷や川を飛び越えて逃走する演出が実行されるように構成されている。つまり、外れに対応する変動表示演出の一種として、冒険者のキャラクタ801が怪獣のキャラクタ811を追跡不能となる演出態様の前半(一部)が実行される演出が実行され、且つ、冒険者のキャラクタ801も谷若しくは川の飛び越えに成功することにより追跡を継続する演出が実行される。このように構成することで、怪獣のキャラクタ811が谷若しくは川を飛び越えた時点では、通常大当たりや時短回数の経過が確定しないので、冒険者のキャラクタ801が谷若しくは川に落下しないことを願って遊技を行わせることができる。即ち、演出の最後まで時短状態Bが終了されないことを期待しながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図495(a)を参照して、本第2の変形例における潜確状態中の表示態様について説明する。図495(a)は、潜確状態において小当たりに当選した場合の表示態様を示した図である。図495(a)に示した通り、潜確状態において第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、主表示領域Dmにおいて、奇数の互いに異なる数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行されると共に、大量の敵が生息する洞窟DGから1のザコ敵のキャラクタZEが1体出現して、その出現したザコ敵ZEを冒険者のキャラクタ801が剣による攻撃で倒す演出が実行される。また、表示領域HR6に対しては、「討伐数×5」という文字が表示される。この討伐数は、1の潜確状態においてザコ敵ZEを倒した数を示しており、図495(a)では5回目の小当たりに当選して5体目のザコ敵ZEを倒したことにより、「×5」という討伐数が表示された状況を例示している。表示領域HR6に表示される討伐数は、ザコ敵ZEを1体討伐する毎に1ずつ加算表示される。これにより、1の潜確状態において小当たりに当選した回数を遊技者に対して容易に理解させることができるので、遊技者に対して、自己が今回の潜確状態においてどれだけの利益(小当たりによる賞球)を獲得することができたかを、大まかに把握させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。更に、副表示領域Dsに対して、「ボス敵が出現するまで倒しまくれ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ボス敵である怪獣のキャラクタ811が再度出現するまでの間、ザコ敵ZEを倒す毎に小当たり遊技が実行されて賞球を得ることができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図495(b)を参照して、潜確状態の間に大当たりC24に当選した場合における大当たり演出の一例について説明する。ここで、上述した通り、潜確状態において大当たりC24に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定される。そこで、本第2の変形例では、潜確状態中に大当たりC24に当選した場合に、潜確状態が大当たりによって一旦終了されていることを遊技者に認識させ難くなるような演出態様を設定する構成としている。より具体的には、図495(b)に示した通り、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間の間に、主表示領域Dmにおいて、小当たり変動と同様の演出態様を実行する構成としている。即ち、奇数の互いに異なる数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行されると共に、ザコ敵ZEを1体討伐する演出が実行される。なお、小当たり変動とは異なり、小領域Dm1に対して、大当たり種別を示す大当たり図柄(第4図柄)が表示される。加えて、副表示領域Dsに対して、「無敵ゾーン」という文字と、「終了まで残り2体」という文字とが表示される。「無敵ゾーン」という文字により、遊技者に対して、ボス敵である怪獣のキャラクタ811が出現して他の遊技状態に変更される可能性が無いということを遊技者に対して直感的に分かり易く表現することができる。また、終了までの残りの討伐数を示す文字は、大当たりのラウンド数を示している。これらの表示内容により、残りの討伐数を消化するまでは右打ちにより賞球を得続けることができる有利な状況が継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第2の変形例では、「無敵ゾーン」を、大当たりC24の実行期間にリンクさせていたが、これに限られるものではない。例えば、保留内に大当たりC24が含まれていると先読みによって判別したことに基づいて、(他の大当たりが大当たりC24よりも先の保留に存在しないことを条件として)、無敵ゾーンの表示態様に切り替えるように構成してもよい。また、大当たりC24の終了後も、先読み結果に応じて無敵ゾーンを継続させるか否かを判別する構成としてもよい。より具体的には、例えば、外れ変動が実行されるまで無敵ゾーンを継続させてもよいし、大当たり終了後に特別図柄の抽選が実行される毎に、所定の割合(例えば、50%の割合)で無敵ゾーンを終了させる構成としてもよい。このように構成することで、無敵ゾーンの表示態様をより長く継続させることができるので、他の遊技状態へと移行し得ないことに対する安心感をより長く遊技者に与え続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第24実施形態の第2の変形例における電気的構成>
次に、図496、および図497を参照して、本第2の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第2の変形例におけるROM202は、上述した第24実施形態におけるROM202の構成に対して、時短付与テーブル202eの規定内容、および変動パターンシナリオテーブル202taの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違している。まず、図496を参照して、本第2の変形例における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。図496は、本第2の変形例における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図496に示した通り、本第2の変形例における時短付与テーブル202eは、上述した第24実施形態における時短付与テーブル202e(図481参照)に対して、大当たりB24,C24,D24に当選した場合に付与される時短回数が一部変更となっている点で相違している。その他の大当たり種別(大当たりA24,E24)に当選した場合に設定される時短回数については、上述した第24実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。
図496に示した通り、大当たりB24に当選し、V入賞を検出した場合は、当選時の遊技状態によらず、確変リミット回数に到達していなければ時短回数として65535回が設定される。一方で、他の場合(V入賞を検出し、確変リミット回数に到達した場合、およびV入賞を検出しなかった場合)については、第24実施形態と同様である。
また、図496に示した通り、通常状態において大当たりC24に当選した場合に、V入賞を検出し、且つ、当該大当たりにおいて確変リミット回数に到達していなければ、時短回数として65535回が設定される。一方で、V入賞を検出しなかった場合には、時短回数として100回が設定される。大当たりC24は、大当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで、ほぼ、V入賞が発生する大当たり種別(確変大当たり)であるので、通常状態において大当たりC24に当選すると、基本的に、時短回数として65535回が設定されて、大当たり終了後の遊技状態が実質的に次回の大当たりまで継続する確変状態に設定される。上述した第24実施形態では、潜確状態を不利な遊技状態として構成し、通常状態において通常の遊技(左打ち遊技)を行っていれば当選しないはずの大当たりC24に当選した場合に、変則的な遊技方法に対するペナルティーとして潜確状態へと移行させる構成としていたが、本第2の変形例では、潜確状態を最も有利な状態として形成したため、潜確状態へと移行させる代わりに確変状態へと移行させる構成としている。
また、時短状態および潜確状態において大当たりC24に当選した場合に、V入賞を検出し、且つ、当該大当たりにおいて確変リミット回数に到達していなければ、時短回数として0回が設定される。一方で、V入賞を検出し、且つ、確変リミット回数に到達していた場合や、V入賞を検出しなかった場合には、時短回数として100回が設定される。大当たりC24は、大当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで、ほぼ、V入賞が発生する大当たり種別(確変大当たり)であるので、時短状態や潜確状態において大当たりC24に当選すると、基本的に、時短回数として0回が設定されて、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。なお、確変状態において大当たりC24に当選した場合に設定される時短回数は、上述した第24実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
また、図496に示した通り、通常状態において大当たりD24に当選した場合に、V入賞を検出し、且つ、当該大当たりにおいて確変リミット回数に到達していなければ、時短回数として65535回が設定される。一方で、V入賞を検出しなかった場合には、時短回数として0回が設定される。大当たりD24は、大当たりC24と同様に大当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで、ほぼ、V入賞が発生する大当たり種別(確変大当たり)であるので、通常状態において大当たりC24に当選すると、基本的に、時短回数として65535回が設定されて、大当たり終了後の遊技状態が実質的に次回の大当たりまで継続する確変状態に設定される。上述した第24実施形態では、潜確状態を不利な遊技状態として構成し、通常状態において通常の遊技(左打ち遊技)を行っていれば当選しないはずの大当たりD24に当選した場合に、変則的な遊技方法に対するペナルティーとして潜確状態へと移行させる構成としていたが、本第2の変形例では、潜確状態を最も有利な状態として形成したため、潜確状態へと移行させる代わりに確変状態へと移行させる構成としている。
また、時短状態において大当たりD24に当選した場合に、V入賞を検出し、且つ、当該大当たりにおいて確変リミット回数に到達していなければ、時短回数として0回が設定される。一方で、V入賞を検出し、且つ、確変リミット回数に到達していた場合や、V入賞を検出しなかった場合には、時短回数として100回が設定される。大当たりD24は、大当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで、ほぼ、V入賞が発生する大当たり種別(確変大当たり)であるので、時短状態や潜確状態において大当たりD24に当選すると、基本的に、時短回数として0回が設定されて、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。なお、確変状態および潜確状態において大当たりD24に当選した場合に設定される時短回数は、上述した第24実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
次に、図497を参照して、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202taの詳細について説明する。図497に示した通り、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202taは、上述した第24実施形態における変動パターンシナリオテーブル202ta(図482参照)に対して、時短状態および潜確状態に対応する規定内容が変更となっている点で相違している。より具体的には、時短状態で、且つ、前回の大当たりにおいて確変リミット回数に到達していない(通常大当たりに当選したことに基づく時短状態である)という状況(即ち、時短状態A)に対しては、通常用テーブル202sd1が対応付けて規定されている。また、潜確状態に対しては、実質特図2遊技用テーブル202td4が対応付けて規定されている。従って、時短状態Aにおいては、第24実施形態と異なり、右打ちを行っても第2特別図柄の変動時間が著しく長くなるため、右打ちによる遊技効率が極めて悪化する(遊技者に不利になる)。よって、本第2の変形例における時短状態Aは、左打ちにより遊技を進行する必要がある不利な遊技状態を形成する。また、本第2の変形例における潜確状態は、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される有利な状態を形成する。更に、上述した通り、小当たり遊技において特定入賞口2650aへと遊技球を到達させることが可能となる普通電動役物640aの開放パターンおよび普通図柄の変動時間が設定されるので、右打ちを行っているだけで多量の賞球を獲得し得る有利な遊技状態を形成する。よって、潜確状態へと移行することを最終目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、通常状態、確変状態、および時短状態、且つ、前回の大当たり当選時に確変リミット回数に到達した場合(即ち、時短状態B)における規定内容は上述した第24実施形態における変動パターンシナリオテーブル202taと同一であるため、その詳細な説明については省略する。
以上説明した通り、第24実施形態の第2の変形例では、確変状態よりも遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)を設ける構成とし、当該潜確状態へは、時短状態Bにおいて大当たりに当選した場合にのみ移行し得るように構成した。このように構成することで、時短状態Bに移行した場合に、当該時短状態Bの間に大当たりに当選することをより強く願って遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を著しく向上させることができる。
なお、本第2の変形例では、時短状態Aと時短状態Bとの2種類の時短状態を形成する構成としていたが、単に時短状態Bのみを設ける構成としてもよい。つまり、通常大当たりに当選した場合は、時短回数が0回に設定されるように構成することで直接通常状態へと移行するように構成し、確変大当たりに当選して確変リミット回数に到達した場合にのみ時短回数(100回)が設定されて時短状態Bが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、変動パターンシナリオテーブル202taを簡素化することができるので、ROM202のデータ容量を削減することができる。
上述した第24実施形態、およびその各種変形例では、確変リミット回数に到達した場合にのみ時短状態Bが設定され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合に、所定の割合(例えば、2%の割合)で時短状態Bが設定されるように構成してもよいし、第2特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合に、所定の割合(例えば、2%の割合)で時短状態Bが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、有利度合いが高い時短状態Bが設定される可能性を高めることができるので、通常大当たりに当選した場合に、遊技者に対して時短状態Bを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第2の変形例では、潜確状態に移行した場合に、必ず、右打ち遊技によって特定入賞口2650aへと頻繁に入球する極めて有利な遊技状態を形成する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより第2入球口640には頻繁に入球するものの、特定入賞口2650aには到達し難い普通電動役物640aの開放制御が実行される潜確状態Aと、右打ちにより第2入球口640にも特定入賞口2650aにも頻繁に入球する有利な潜確状態Bとを設ける構成としてもよい。より具体的には、上述した第21実施形態のように、普通図柄の通常状態における普通図柄の当たりのオープニング期間を状態に応じて異ならせ、例えば、大当たりD24になったことを契機として設定された潜確状態(潜確状態A)では、短いオープニング期間(例えば、0.04秒)が設定される一方で、大当たりC24になったことを契機として設定された潜確状態(潜確状態B)では、長いオープニング期間(例えば、2秒)が設定されるように構成してもよい。即ち、普通図柄の変動時間を短くする(例えば、0.3秒)と共に、普通図柄の開放時間を長くして(例えば、0.2秒)、普通図柄のオープニング期間が長くなければ特定入賞口2650aへと到達し得ないように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態を変えずにより多様な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第24実施形態、およびその各種変形例では、第1特別図柄の抽選で当たりとなった場合に確変大当たりとなる割合を10%とする一方で、第2特別図柄の抽選で当たりとなった場合に確変大当たりとなる割合を90%とする構成としていたが、これに限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、第2特別図柄の抽選で当たりとなった場合に確変大当たりとなる割合を100%にしてもよい。このように構成することで、通常状態若しくは時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に、確変リミット回数分の大当たり当選が実質的に確定するため、時短状態Bへの移行も実質的に確定する遊技性を実現することができる。つまり、上述した第22実施形態や第23実施形態と同様の遊技性(特定の遊技状態が設定された場合に、予め定められた特定回数の大当たり当選が実質的に確約される遊技性)を追加することができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、確変リミット回数についても自由に増減させてもよい。つまり、確変状態へと移行した際に実質的に確約される大当たり当選回数を任意に設定してもよい。確変リミット回数を多くすることにより、遊技者の利益をより多くすることができるし、逆に、少なく設定することにより、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎることを抑制することができる。
上述した第24実施形態、およびその各種変形例では、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される場合において、時短回数および時短状態の種別(時短状態Aであるか時短状態Bであるか)を、大当たり種別や、確変リミット回数到達の有無、大当たり当選時の遊技状態等に応じて決定する構成としていたが、大当たり終了後の時短状態の種別を設定する方法はこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別毎に、時短状態Aが設定されるか、時短状態Bが設定されるかを予め定めておく構成としてもよい。より具体的には、通常大当たりに当選して大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定された場合には、一律で時短状態Aに設定する一方で、確変大当たり(大当たりA24,C24,D24)に当選して大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定された場合には、一律で時短状態Bに設定するように構成してもよい。このように構成することで、単に大当たり終了後の遊技状態として時短状態を設定する際に、その設定の契機となった大当たり種別を参照して変動パターンシナリオ(実質特図1遊技用テーブル202td3を参照するシナリオ、または実質特図2遊技用テーブル202td4を参照するシナリオ)を設定するという単純な制御を行えば良いため、変動パターンシナリオテーブル202tを削減することができる。よって、ROM202の記憶容量を削減することができる。なお、この方法を採用した場合、確変大当たりにおいて確変スイッチ1650e3を通過可能な期間の間に遊技球の発射を故意に停止する等の変則的な遊技方法を行った場合に、容易に大当たり終了後の遊技状態を時短状態Bへと移行させることが可能となる。このため、時短状態Bに対して確変状態よりも有利度合いが高い要素を設ける場合には、上述した第24実施形態およびその各種変形例のように、確変大当たりの終了時の遊技状態として時短状態が設定される場合に、その時短状態に設定される経緯(V入賞を検出しなかったことにより時短状態が設定されるのか、確変リミット回数に到達したことにより時短状態が設定されるのか)に応じて、時短状態の種別を異ならせる制御を採用することが望ましい。これにより、確変大当たりに当選した場合に、故意にV入賞を回避する変則的な遊技方法により時短状態Bへと移行させようとする行為が成立しなくなるように構成できるので、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
上述した第24実施形態、およびその各種変形例では、確変リミット回数に到達した場合にのみ、時短状態Bが設定されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態Aにおいて大当たりに当選せずに予め定められた第1回数(例えば、99回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、予め定められた第2回数(例えば、1回)の特別図柄の抽選に渡って時短状態Bに切り替わるように変動パターンシナリオを構成してもよい。つまり、大当たり終了後の抽選回数に応じて、変動パターンを決定するために実質特図1遊技用テーブル202td3を参照する抽選回数の範囲と、実質特図2遊技用テーブル202td4を参照する抽選回数の範囲とを変動パターンシナリオテーブル202tに予め規定しておく構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Aに移行した場合に、時短状態Bに切り替わるまで特別図柄の抽選で外れ続けることを期待させることができると共に、時短状態Bに切り替わった後において、当たりに当選することを期待させることができるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、第2回数の間に右打ちを行うことで第2特別図柄の保留球を貯めることができるので、時短状態Bに移行してから当該時短状態Bの間に貯まった全ての第2特別図柄の抽選が終了するまでの間の第2特別図柄の抽選回数は第2回数(例えば、1回)+保留球数(例えば、4回)である。また、逆に、大当たり終了後の遊技状態として時短状態Bが設定された後において、時短回数内で時短状態Aに切り替わるように、変動パターンシナリオを構成してもよい。このように構成することで、時短状態Bに移行した場合において、時短状態Aに切り替わる抽選回数の間に大当たりとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第22実施形態から第24実施形態のパチンコ機10では、同時変動方式として、一方の特別図柄が変動表示中に、他方の特別図柄が大当たりで停止表示された場合に、変動表示中の特別図柄を外れ図柄で停止表示させる方式を採用していたが、これに限られるものではない。例えば、一方の特別図柄が変動表示中に、他方の特別図柄が大当たりで停止表示された場合に、変動表示中の特別図柄の変動時間の減算を大当たりが終了するまでの間中断する方式を採用してもよい。このように構成することで、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易い右打ち遊技状態においても、不利な第1特別図柄の抽選で大当たりになる可能性を高くすることができるし、不利な第1特別図柄の抽選が実行され易い右打ち遊技状態においても、有利な第2特別図柄の抽選で大当たりになる可能性を高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第22実施形態から第24実施形態のパチンコ機10では、同時変動方式として、一方の特別図柄が変動表示中に、他方の特別図柄が大当たりで停止表示された場合にのみ、変動表示中の特別図柄を外れ図柄で停止表示させる方式を採用していたが、これに加えて、小当たりの抽選結果を設けて、小当たり図柄が停止表示された場合にも他方の特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させるように構成してもよい。また、小当たり当選時に開放される可変入賞装置は、遊技球がほぼ入球不可能な位置に設ける構成とし、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも高確率(例えば、1/2)で小当たりに当選するように構成してもよい。このように構成することで、長い変動時間が設定される側の特別図柄の変動表示中に、ほぼ、他方の特別図柄の抽選で小当たりに当選して長い変動時間の側の特別図柄を外れで強制停止させることができるので、より確実に、遊技状態に応じた種別(抽選が実行され易い側)の特別図柄の抽選のみを実行させることができる。
<第25実施形態>
次いで、図508から図519を参照して、第25実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第21実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)と潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)とで、普通図柄の当たりにおけるオープニング期間を異ならせることにより、通常状態において左誘導流路1750dを流下した遊技球は没入状態の普通電動役物1640aを通過して左第1入球口64lへと入球する(誘導される)一方で、潜確状態において左誘導流路1750dを流下した遊技球は突出状態の普通電動役物1640aの上面に落下して普通電動役物1640aの形成する傾斜によって第2入球口1640へと誘導されるように構成していた。これにより、通常状態において左打ちを行い続けると、振分装置1750によって遊技球が右第1入球口64rと左第1入球口64lとに交互に振り分けられる一方で、潜確状態において左打ちを行い続けると、振分装置1750によって遊技球が右第1入球口64rと第2入球口1640とに交互に振り分けられる挙動を実現することで、不利な左打ち遊技状態において、遊技状態に応じて有利な第2特別図柄の抽選割合を大きく異ならせ、遊技性を異ならせる構成としていた。
これに対して第25実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13における正面視右側に対して、入球した遊技球を左誘導流路1755cと右誘導流路1755dとに交互に振り分ける振分装置1755を設ける構成とし、通常状態(および大当たり遊技中)において右誘導流路1755dを流下した遊技球は大当たり遊技中に入球可能となる可変入賞装置65へと誘導される一方で、潜確状態において右誘導流路1755dを流下した遊技球は普通電動役物1645aによって第2入球口1645へと誘導されるように構成した。また、通常状態および潜確状態のいずれにおいても、左誘導流路1755cを流下した遊技球は、小当たりの実行中に入球可能となる小当たり用入賞装置2655へと誘導されるように構成した。また、第25実施形態におけるパチンコ機10では、上述した第17実施形態等と同様に、潜確状態において第2特別図柄の抽選において高確率(例えば、約98%の割合)で小当たりに当選する構成とした。これらにより、潜確状態において右打ちを行うと、遊技球が第2入球口1645と小当たり用入賞装置2655とに交互に振り分けられる結果、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されて小当たり用入賞装置2655の特定入賞口2655aが頻繁に開放されると共に、当該頻繁に開放される特定入賞口2655aへと遊技球を高頻度で入球させることができるので、潜確状態を、右打ちを行い続けるだけで、大当たりに当選しなくても多量の賞球を獲得し得る極めて有利な遊技状態として構成することが可能に構成した。一方で、通常状態において右打ちを行った場合は、右誘導流路2655dを流下した遊技球が第2入球口1645へと誘導されないため、入球困難(不可能)な状態に設定されている可変入賞装置65と、入球困難な状態に設定されている小当たり用入賞装置2655と、に交互に振り分けられる挙動となる。即ち、通常状態において右打ちを行うと、第2入球口1645にも小当たり用入賞装置2655にも遊技球を入球させることができずに、右打ちにより発射されたほぼ全ての遊技球が遊技盤13の最下方のアウト口66を介してパチンコ機10の外部へと排出されることとなる。このため、普通図柄の通常状態(低確率状態)が設定される通常状態と潜確状態とで、遊技性をより大きく異ならせることが可能となるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
ここで、従来より、特別図柄の種別(第1特別図柄であるか第2特別図柄であるか)に応じて小当たりとなる確率(割合)を異ならせ、潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)においては、小当たり確率が高い特別図柄(第2特別図柄)の抽選が実行され易くなる上に、小当たり当選に基づいて開放される特定入賞口へと遊技球が入球し易くなるように制御することで大当たりに当選しなくても多量の賞球を獲得し得る有利な遊技状態を形成する仕様の遊技機が知られている。係る従来型の遊技機では、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態を最も有利な状態としていることにより、同じく普通図柄の通常状態に設定される通常状態においても、小当たり確率が高い特別図柄の抽選条件が成立し易くなってしまう(第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口へと遊技球が入球し易くなってしまう)ため、通常状態において小当たりによる利益を獲得困難として遊技者に不利な遊技状態を形成するために、小当たり確率が高い特別図柄の抽選結果を示すための図柄の変動時間を著しく長くするという形で対策を施すのが一般的であった。また、通常状態において第2特別図柄の変動表示が実行されてしまった場合に、特別図柄の抽選が全く実行不可能な状況が著しく長い時間続いてしまうことを抑制すべく、小当たり確率が低い(不利な)第1特別図柄の変動表示と、小当たり確率が高い(有利な)第2特別図柄の変動表示とを重複して(同時に)実行可能に構成することにより、不利な通常状態において著しく変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が開始されてしまったとしても、当該第2特別図柄の変動表示中に不利な第1特別図柄の抽選を開始させることが可能に構成するものが一般的であった。しかしながら、かかる従来型の遊技機では、通常状態において第2特別図柄の変動時間が長くなるとしても、潜確状態と同様に第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口には入球し易くなるため、第2特別図柄の変動表示が途切れないように適宜第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口へと遊技球を発射しつつ、第1特別図柄の抽選も実行させることで抽選効率を向上させるという変則的な遊技方法が行われてしまう問題点があった。また、通常状態において第2特別図柄の変動表示を実行させた後で遊技者が遊技を辞めようと思ったとしても、第2特別図柄の変動表示が実行されている状況下においては遊技を辞めにくいため、遊技を辞めるために、著しく長い第2特別図柄の変動時間の間待たなければならないという問題点もあった。
これに対して本第25実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態と潜確状態とで普通図柄の当たり時のオープニング期間を異ならせることにより、潜確状態では第2入球口1645へと遊技球が頻繁に入球する一方で、通常状態ではそもそも第2入球口1645へと遊技球が入球しない(入球困難となる)ように構成している。つまり、通常状態では、小当たり確率が高い第2特別図柄の抽選条件がそもそも成立しないように構成しているため、通常状態において第2特別図柄の変動時間を長くする必要も、同時変動方式を採用する必要もない。よって、通常状態において右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法が根本的に成立し得ないように構成できると共に、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されて著しく長い変動時間が設定され、遊技を辞めにくくなってしまうという状況も成立し得なくなるように構成することができる。
この第25実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第21実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第21実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第21実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図508を参照して、本第25実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図508は、本第25実施形態における遊技盤13の正面図である。図508に示した通り、本第25実施形態における遊技盤13では、第21実施形態における振分装置1750が設けられていた位置に対して、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口である第1入球口64が設けられている。また、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路に対して、振分装置1755と、第2入球口1645と、小当たり用入賞装置2655と、が追加されている点で相違している。振分装置1755は、流入した遊技球を左誘導流路1755cと右誘導流路1755dとに交互に振り分けるように構成されている。左誘導流路1755cに振り分けられた遊技球は、左誘導流路1755cおよび右誘導流路1755dの下流をカバーするように配設されている普通電動役物1645aが没入状態にある(第2入球口1645が閉鎖されている)場合は、遊技球が小当たり用入賞装置2655へ向けて落下する一方で、普通電動役物1645aが突出状態にある(第2入球口1645が開放されている)場合は、普通電動役物1645aが形成する傾斜によって第2入球口1645に向けて誘導される。これに対し、右誘導流路1755dに振り分けられた遊技球は、普通電動役物1645aが没入状態にある場合は、遊技球が可変入賞装置65に向けて落下する一方で、普通電動役物1645aが突出状態にある場合は、普通電動役物1645aが形成する傾斜によって第2入球口1645に向けて誘導される。この第25実施形態における振分装置1755の詳細について、図509から図511を参照して説明する。
図509は、振分装置1755の入り口部分における遊技球の流下経路を示した図である。図509(a)に示した通り、振分装置1755の入り口部分には、遊技盤13の手前側へ突出することで振分装置1755への遊技球の入球を妨げる突出位置と、奥側へ没入することで遊技球の通過を許容する没入位置とに変位可能な変位部材1755eが設けられている。図509(a)は、変位部材1755eが突出位置に配置されている状態を示した図である。変位部材1755eは、1秒周期で0.1秒間没入位置に変位する動作を繰り返すように動作制御される。即ち、パチンコ機10に対して電源が投入されている間突出位置に0.9秒間変位され、没入位置に0.1秒間変位される動作を繰り返すように構成されている。この変位部材1755eは、振分装置1755の内部へと遊技球が1秒間隔でしか流入しないように制限するために設けられている。詳細については後述するが、遊技球の流入間隔を1秒間隔に制限することにより、通常状態において、第2入球口1645へと遊技球が入球することをより確実に防止できると共に、潜確状態において、より確実に、第2入球口1645と小当たり用入賞装置2655とに交互に遊技球を流下させることができる。
図509(a)に示した通り、変位部材1755eは、振分装置1755の入り口部分(開口部)において、遊技球の直径未満の深さの位置に配置されている。このため、図509(a)に示した通り、変位部材1755eが突出位置に変位している間に遊技球が振分装置1755の入り口部分へと到達すると、変位部材1755eの上面に遊技球が停留された状態となる。また、後続の遊技球は変位部材1755eの上面に停留された遊技球に衝突することにより、振分装置1755の開口部の右側にこぼれて振分装置1755の脇から遊技盤13の下方へと流下したり、振分装置1755の開口部の左側の遊技釘の上方等に停留されたりする。
図509(b)に示した通り、遊技球が上面に停留された状態で変位部材1755eが突出位置から没入位置へと変位すると、没入位置に変位している0.1秒間の間に、停留されていた遊技球が変位部材1755eを通過して振分装置1755の内部へと流入する。なお、没入位置に変位する0.1秒間という期間は、1個の遊技球のみ落下により通過可能な長さの期間である。つまり、1の没入位置への変位期間の間に複数の遊技球が振分装置1755の内部へと流入することがないように没入位置に変位する期間の長さが設定されている。これにより、図509(c)に示した通り、1の遊技球が変位部材1755eを通過しきった直後に変位部材1755eが突出位置へと再び変位する。よって、振分装置1755への遊技球の入球は最短でも1秒おきとなるように制限される。
次に、図510を参照して、振分装置1755へと入球した遊技球の流下経路について説明する。図510(a)は、普通電動役物1645aが没入状態に設定されている場合の遊技球の流下経路を示し、図510(b)は、普通電動役物1645aが突出状態に設定されている場合の遊技球の流下経路を示す。図510に示した通り、変位手段1755eを通過して振分装置1755の内部へと流入した遊技球は、まず、スルーゲート67を通過してから振分部材1755bに到達する。この振分部材1755bは、上述した第21実施形態における振分部材1750bと同様の構造であるため、ここではその詳細な説明については省略するが、到達した遊技球を左誘導流路1755cと右誘導流路1755dとに交互に振り分けることが可能に構成されている。
図510(a)に示した通り、普通電動役物1645aが没入状態に設定されている状態で振分部材1755bによって左誘導流路1755cへと振り分けられた遊技球は、左誘導流路1755cを通過した後で、小当たり用入賞装置2655へと落下する。この落下時点において小当たり用入賞装置2655の特定入賞口2655aが開放されていれば、そのまま特定入賞口2655aへと入球して予め定められた個数(例えば、10個)の賞球が払い出される。これに対し、小当たり用入賞装置2655の特定入賞口2655aが開閉扉2655fによって閉鎖されていた場合は、遊技球が開閉扉2655fの上面に落下して、開閉扉2655fの上面が形成する正面視左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜によって右下方向へと転動し、小当たり用入賞装置2655から落下して可変入賞装置65へと流下する。一方、振分部材1755bによって右誘導流路1755dへと振り分けられた遊技球は、右誘導流路1755dを通過して可変入賞装置65の方向へと落下する。
一方、図510(b)に示した通り、普通電動役物1645aが突出状態に設定されている状態で振分部材1755bによって左誘導流路1755cへと振り分けられた遊技球は、普通電動役物1645aが形成する傾斜のうち左側(普通電動役物1645aの上面が形成する経路における上流側)に落下し、普通電動役物1645aにより第2入球口1645へ向けて流下する(誘導される)。これに対し、右誘導流路1755dへと振り分けられた遊技球は、普通電動役物1645aが形成する傾斜のうち右側(普通電動役物1645aの上面が形成する経路における下流側)に落下し、普通電動役物1645aにより第2入球口1645へ向けて流下する(誘導される)。ここで、左誘導流路1755cを流下した遊技球が突出状態の普通電動役物1645aに落下するのは、基本的に、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態である確変状態および時短状態に限られる。普通図柄の時短状態に設定される確変状態や時短状態においては、上述した第21実施形態と同様に、ほぼ、普通電動役物1645aが突出状態に可変された状態となる。よって、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(確変状態、時短状態)においては、普通電動役物1645aが形成する経路における上流側に落下した遊技球も、下流側に落下した遊技球も、基本的に第2入球口1645へと入球する。
なお、図510(a)に示した通り、左誘導流路1755cはつづら折り形状の流路となっている一方で、右誘導流路1755dは直線的な流路となっている。このため、左誘導流路1755cに振り分けられた遊技球が左誘導流路1755cを通過して普通電動役物1645aへと到達するまでに要する期間は、右誘導流路1755dに振り分けられた遊技球が右誘導流路1755dを通過して普通電動役物1645aへと到達するまでに要する期間よりも長くなる。より具体的には、左誘導流路1755cを通過するのに要する期間は約1秒間となるのに対し、右誘導流路1755dを通過するのに要する期間は約0.2秒間となるように各流路が構成されている。詳細については図511を参照して後述するが、左誘導流路1755cと右誘導流路1755dとで流下期間を異ならせることにより、通常状態においては、左誘導流路1755cを流下した遊技球も右誘導流路1755dを流下した遊技球も没入状態の普通電動役物1645aの手前側を通過する(通過し易くなる)ように構成している。また、潜確状態においては、左誘導流路1755cを流下した遊技球が没入状態の普通電動役物1645aの手前側を通過する一方で、右誘導流路1755dを流下した遊技球が突出状態の普通電動役物1645aの上面に落下して第2入球口1645へと誘導され易くなるように構成している。これにより、通常状態においては右打ちを行っても第2入球口1645へと遊技球を入球させることが不可能(困難)となる一方で、潜確状態においては右打ちにより第2入球口1645へと頻繁に遊技球を入球させることができるようになる。
次に、図511を参照して、本第25実施形態における左打ち遊技状態における普通電動役物1645aの動作態様(変位態様)の詳細について説明する。図511(a)は、通常状態における普通電動役物1645aの動作態様の経時変化を示した図であり、図511(b)は、潜確状態における普通電動役物1645aの動作態様の経時変化を示した図である。図511(a)に示した通り、通常状態において遊技球がスルーゲート67を通過して普通図柄の抽選で当たりに当選すると、上述した第21実施形態における普通電動役物1640aと同様に、普通図柄の変動表示が0.1秒間実行された後、通常状態に対応する普通電動役物1645aの動作パターン(図438(b)参照)が設定される。即ち、0.3秒間のオープニング期間が設定された後、0.5秒間の間、普通電動役物1640aが突出位置に変位する動作態様で普通電動役物1645aが変位する。これらにより、スルーゲート67を遊技球が通過してから0.4秒間が経過するまでの間、普通電動役物1645aが没入位置に維持され、0.4秒経過時から0.9秒経過時までの0.5秒間の間、普通電動役物1645aが突出位置に変位され、0.9秒経過時点で再度没入位置に変位する動作パターンとなる。これに対して上述した通り、スルーゲート67を通過した遊技球が左誘導流路1755cに振り分けられて普通電動役物1645aへと到達するまでに要する期間は1秒程度であり、右誘導流路1755dに振り分けられて普通電動役物1645aへと到達するまでに要する期間は0.2秒程度である。よって、通常状態において振分装置1755へと流入し、スルーゲート67を通過した後で振分部材1755bによって左誘導流路1755cに振り分けられた遊技球は、図511(a)に示した通り、普通図柄の当たりが終了するタイミング(スルーゲート67の通過から0.9秒経過時)よりも後で普通電動役物1645aに到達し、没入状態の普通電動役物1645aの手前側を通過して小当たり用入賞装置2655に向けて落下する。また、通常状態において振分装置1755へと流入し、スルーゲート67を通過した後で振分部材1755bによって右誘導流路1755dに振り分けられた遊技球は、図511(a)に示した通り、普通電動役物1645aが突出状態に可変(変位)するタイミング(スルーゲート67の通過から0.4秒経過時)よりも前に普通電動役物1645aに到達し、没入状態の普通電動役物1645aの手前側を通過して、可変入賞装置65に向けて落下する。
なお、上述した通り、振分装置1755の入り口部分には、1秒周期で0.1秒間没入位置に変位する変位部材1755eが設けられており、振分装置1755の内部へと流入する遊技球が1秒間あたり1個以下となるように制限する構成としている。これにより、通常状態において右打ちを行い続けたとしても、1秒おきにしかスルーゲート67を遊技球が通過しないため、遊技球が普通電動役物1645aを通過するタイミングが、図511(a)に図示したタイミングからずれることは皆無である。即ち、複数の遊技球が連続して振分装置1755の内部へと流入することがないため、左誘導流路1755cを遊技球が通過している間に右誘導流路1755dにも遊技球が振り分けられたり、逆に、右誘導流路1755dを遊技球が通過している間に左誘導流路1755cにも遊技球が振り分けられたりすることを抑制することができる。よって、通常状態において右打ちにより発射されて振分装置1755へと流入した全ての遊技球が第2入球口1645へと入球することを防止(抑制)することができるので、通常状態において第2入球口1645へと遊技球を入球させることで有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を実行させるという変則的な遊技方法が根本的に成立し得ないように構成することができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図511(b)に示した通り、潜確状態において遊技球がスルーゲート67を通過して普通図柄の抽選で当たりに当選すると、上述した第21実施形態における普通電動役物1640aと同様に、普通図柄の変動表示が0.1秒間実行された後、潜確状態に対応する普通電動役物1645aの動作パターン(図438(b)参照)が設定される。即ち、0.02秒間のオープニング期間が設定された後、0.5秒間の間、普通電動役物1640aが突出位置に変位する動作態様で普通電動役物1645aが変位する。これらにより、スルーゲート67を遊技球が通過してから0.12秒間が経過するまでの間、普通電動役物1645aが没入位置に維持され、0.12秒経過時から0.62秒経過時までの0.5秒間の間、普通電動役物1645aが突出位置に変位され、0.62秒経過時点で再度没入位置に変位する動作パターンとなる。これに対して上述した通り、スルーゲート67を通過した遊技球が左誘導流路1755cに振り分けられて普通電動役物1645aへと到達するまでに要する期間は1秒程度であり、右誘導流路1755dに振り分けられて普通電動役物1645aへと到達するまでに要する期間は0.2秒程度である。よって、潜確状態において振分装置1755へと流入し、スルーゲート67を通過した後で振分部材1755bによって左誘導流路1755cに振り分けられた遊技球は、図511(b)に示した通り、普通図柄の当たりが終了するタイミング(スルーゲート67の通過から0.62秒経過時)よりも後で普通電動役物1645aに到達し、没入状態の普通電動役物1645aの手前側を通過して小当たり用入賞装置2655に向けて落下する。また、潜確状態において振分装置1755へと流入し、スルーゲート67を通過した後で振分部材1755bによって右誘導流路1755dに振り分けられた遊技球は、図511(b)に示した通り、普通電動役物1645aが突出状態に可変(変位)している間に普通電動役物1645aに到達し、突出状態の普通電動役物1645aの上面が形成する傾斜に誘導されて第2入球口1645へと入球する。これにより、本第25実施形態における潜確状態では、遊技球を振分装置1755に向けて発射し続けることにより、振分装置1755によって第2入球口1645と小当たり用入賞装置2655とに遊技球が交互に振り分けられる。ここで上述した通り、本第25実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行されると高い割合(98%の割合)で小当たりに当選して小当たり用入賞装置2655の特定入賞口2655aが開放される。よって、潜確状態において右打ちを行い続けることにより、右誘導流路1755dに振り分けられた遊技球が第2入球口1645へと頻繁に入球することで高頻度で小当たり遊技が実行されて特定入賞口2655aが開放されると共に、当該開放された特定入賞口2655aへと左誘導流路1755cに振り分けられた遊技球が頻繁に入球することにより大当たりに当選しなくても多量の賞球の払い出しを受けることができる極めて有利な状態を形成する。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図示については省略したが、普通図柄の時短状態が設定される確変状態や時短状態においては、普通図柄の当たり時に2秒間の間普通電動役物1645aが突出状態に可変(変位)されるようになるため、右打ちを行い続けた場合、普通電動役物1645aが0.14秒間(普通図柄の変動時間、普通図柄の当たり時のオープニング期間、エンディング期間の合計)の没入状態と2秒間の突出状態とを繰り返す動作となる。このため、振分装置1755へと流入した遊技球のほとんどが突出状態の普通電動役物1645aによって第2入球口1645へと誘導され、10球に1球程度の遊技球が、普通電動役物1645aが没入状態に可変されている間に普通電動役物1645aを通過する。ここで、図508に示した通り、普通電動役物1645aと小当たり用入賞装置2655との間には、小当たり用入賞装置2655への入球を抑制するための遊技釘が配設されている。より具体的には、図508に示した通り、普通電動役物1645aの左端から遊技球の直径2個分程度右側における下方に対して、3つの遊技釘によって左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜が形成されている。この傾斜によって、左誘導流路1755cを通過して普通電動役物1645aの上面に落下した遊技球が小当たり用入賞装置2655へと落下し得る位置を狭めている。つまり、左誘導流路1755cを通過して普通電動役物1645aの上面に落下してから0.1秒程度の間に普通電動役物2655が開放された場合にのみ小当たり用入賞装置2655に遊技球が到達し、それ以外の場合には遊技釘の上方若しくは遊技釘よりも下流まで流下した後で普通電動役物2655が開放されて可変入賞装置65へと誘導されるようになる。これにより、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態において、小当たり用入賞装置2655に到達し得る遊技球の個数を極めて少なくする(例えば、振分装置1755へと入球した遊技球の1/60)ことができるので、確変状態や時短状態において小当たり用入賞装置2655へと遊技球が頻繁に入球して遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。より具体的には、普通図柄の時短状態において右打ちを行い続けた場合に、払い出される賞球の個数が発射される遊技球の個数以下となる(遊技のベースが100%以下となる)ように構成されている。
次に、図512を参照して、本第25実施形態における遊技状態間の移行方法について説明する。図512に示した通り、本第25実施形態においては、4つの遊技状態が設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態と普通図柄の通常状態とに設定される通常状態(図512の上部参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の時短状態とに設定される確変状態(図512の中段参照)と、特別図柄の高確率(確変)状態と普通図柄の通常状態とに設定される潜確状態(図512の下部左側参照)と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とに設定される時短状態(図512の下部右側参照)と、の4つの遊技状態が設けられている。ここで、上述した通り、通常状態は、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態(左打ち遊技状態)であり、潜確状態、確変状態および時短状態は、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する遊技状態(右打ち遊技状態)である。
なお、上述した通り、潜確状態では、右打ちにより振分装置1755へと流入した遊技球が第2入球口1645と小当たり用入賞装置2655とに交互に振り分けられるため、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されて高確率で小当たりに当選すると共に、当該小当たり当選に基づいて開放された特定入賞口2655aへと頻繁に遊技球が入球する。即ち、次に大当たりに当選するまでの間、特定入賞口2655aへの入球に基づく所定量の賞球(例えば、10個)の払い出しを高頻度で受けることができる有利な遊技状態を形成する。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、他の右打ち遊技状態(時短状態、確変状態)については、振分装置1755へと流入した遊技球のほとんどが第2入球口1645へと入球するので、右打ちを行い続けることにより効率良く第2特別図柄の抽選を実行させることができるが、小当たり用入賞装置2655へと遊技球が極めて到達し難くなるため、単に持ち球をあまり減らさずに有利な(当たりとなった場合に確変大当たりの割合が高い)第2特別図柄の抽選を実行させることができる有利な状態を形成するに留まる。
図512の上段に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図512の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に5%の割合で当選する大当たりA25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に45%の割合で当選する大当たりB25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な(即ち、右打ち遊技状態である)確変状態に設定される。更に、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する大当たりC25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が、右打ち遊技状態の中では最も有利度合いが低い時短状態に設定される。つまり、通常状態において大当たりに当選すると、必ずいずれかの右打ち遊技状態へと移行するため、いずれにしても、大当たりに当選することで遊技者に有利となる。よって、通常状態においては、大当たりに当選した時点で遊技者をより大きく喜ばせることができる。
また、図512の中段に示した通り、確変状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および時短回数が終了した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図512の中段に示した通り、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する大当たりD25に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態に設定される。また、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりF25に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利度合いが低い右打ち遊技状態である時短状態に設定される。また、確変状態において時短回数が終了(経過)した場合には、遊技者にとって最も有利な潜確状態へと移行する。これに対し、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に15%の割合で当選する大当たりE25に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態に設定される。なお、大当たりF25に当選したことに基づいて設定される確変状態は、時短回数が100回に設定される。このため、大当たりF25が終了した後で、特別図柄の抽選で100回連続して外れ(小当たり)となった場合に、普通図柄の時短状態が終了されて(時短回数が経過して)潜確状態に移行する。一方で、他の種別の大当たりが終了した後で設定される確変状態は、時短回数が65535回に設定されるため、実質的に次の大当たりまで継続する。このように、確変状態で大当たりに当選すると、50%の割合で最も有利な潜確状態へと移行するので、大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。
また、図512の下段左側に示した通り、潜確状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図512の下段左側に示した通り、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に15%の割合で当選する大当たりE25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定され、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりF25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。これに対して、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する大当たりD25に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。このため、本第25実施形態における潜確状態は、大当たりに当選するまでの間、高頻度で小当たり用入賞口2655の特定入賞口2655aへと遊技球が入球して頻繁に賞球が払い出される上に、大当たりに当選した場合に50%の割合で再度潜確状態が設定される(潜確状態をループする)極めて有利な遊技状態を形成する。よって、潜確状態へと移行した場合に、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図512の下段右側に示した通り、時短状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および時短回数が経過した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図512の下段右側に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で当選する大当たりD25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定され、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に15%の割合で当選する大当たりE25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される。また、時短状態において時短回数(100回)が経過した場合は、遊技者にとって最も不利な通常状態へと移行する。これらに対し、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に35%の割合で当選する大当たりF25に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態に設定される。つまり、時短状態において大当たりに当選すると、65%の割合でより有利な遊技状態(確変状態、または潜確状態)が設定される一方で、時短回数が経過してしまうと遊技者にとって最も不利な通常状態が設定されてしまうため、時短状態は、確変状態に比較して有利度合いが低くなる。
このように、本第25実施形態では、不利な左打ち遊技状態として、通常状態を設けると共に、有利な右打ち遊技状態として、確変状態、潜確状態、および時短状態とを設ける構成としている。これら4つの遊技状態を大当たり等を契機として行き来するように構成することで、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第25実施形態における電気的構成>
次に、図513を参照して、本第25実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図513は、本第25実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図513に示した通り、本第25実施形態におけるRAM203の構成は、上述した第21実施形態におけるRAM203の構成(図434(b)参照)に対して、入賞順格納エリア203rbが削除されている点、および小当たりフラグ203uaが追加されている点で相違している。入賞順格納エリア203rbが削除されているのは、本第25実施形態では、第2特別図柄の抽選を第1特別図柄の抽選よりも優先して実行する優先変動方式を採用したためである。これにより、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが共に1個以上存在する状況下において特別図柄の変動表示が終了して新たな特別図柄の抽選契機が成立した場合には、第2特別図柄の保留球が優先的に用いられて特別図柄の抽選が実行される。
小当たりフラグ203uaは、小当たり遊技の実行中であることを示すためのフラグである。この小当たりフラグ203uaがオンであれば、小当たり遊技の実行中であることを示し、オフであれば、小当たり遊技の実行中ではないことを示す。この小当たりフラグ203uaは、初期状態がオフに設定されており、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、小当たり遊技の開始を設定する際にオンに設定され(図518のS18104参照)、小当たり遊技の終了タイミング(小当たりのエンディング期間の終了タイミング)となった際にオフに設定される(図519のS1740参照)。
次に、図514から図516を参照して、本第25実施形態におけるROM202の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第25実施形態におけるROM202は、上述した第21実施形態におけるROM202の構成(図434(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、変動パターンテーブル202d、および時短付与テーブル202eの構成が一部変更となっている点で相違している。
まず、図514(a)を参照して、本第25実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第25実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄の抽選を実行する際に参照される特別図柄1乱数テーブル202ua1と、第2特別図柄の抽選を実行する際に参照される特別図柄2乱数テーブル202ua2と、の2種類のデータテーブルで少なくとも構成されている。まず、図514(a)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202ua1の詳細について説明する。
図514(a)は、特別図柄1乱数テーブル202ua1の規定内容を示した図である。図514(a)に示した通り、特別図柄1乱数テーブル202ua1に対しては、特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が特別図柄の状態(特別図柄の確変状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか)毎に規定されている。より具体的には、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~3」の4つの乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が4個であるので、特別図柄の低確率状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/250(4/1000)である。
一方、図514(a)に示した通り、特別図柄の確変状態(高確率状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~19」の20個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が20個であるので、特別図柄の低確率状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/50(20/1000)である。なお、図514(a)に示した通り、特別図柄1乱数テーブル202ua1には、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)は規定されていない。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選する可能性は無い。
次に、図514(b)を参照して、上述した特別図柄2乱数テーブル202ua2の詳細について説明する。この特別図柄2乱数テーブル202ua2は、上述した通り、第2特別図柄の抽選を実行するために参照されるデータテーブルである。図514(b)に示した通り、特別図柄2乱数テーブル202ua2に対しては、特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が特別図柄の状態(特別図柄の確変状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか)毎に規定されているのに加えて、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)も規定されている。なお、特別図柄の低確率状態、および特別図柄の確変状態(高確率状態)において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)については、特別図柄1乱数テーブル202ua1と同一の値が規定されているため、その詳細な説明については省略する。また、図514(b)に示した通り、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「20~998」の979個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が20個であるので、特別図柄の低確率状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は979/1000である。即ち、第2特別図柄の抽選が実行された場合、特別図柄の低確率状態であるか、確変状態であるかによらず、約98%という極めて高い割合(大当たり確率に比較して圧倒的に高い確率)で小当たりに当選するように構成されている。このため、右打ちにより第2入球口1645へと遊技球が入球し易い右打ち遊技状態(確変状態、潜確状態、時短状態)においては、高頻度(第2特別図柄の抽選が実行される毎に979/1000の確率)で小当たり遊技が実行されて特定入賞口2655aが開放される。これにより、右打ちにより振分装置1755の内部へ流入した遊技球が第2入球口1645と小当たり用入賞装置2655とに交互に振り分けられる潜確状態においては、小当たり遊技の実行中に頻繁に遊技球が特定入賞口2655aへと入球し、高頻度で賞球の払い出しを受けることが可能となる極めて有利な遊技状態を形成する。一方、確変状態や時短状態では、電動役物1645aが没入状態に可変(変位)し難くなる(2秒間の突出状態と0.14秒間の没入状態とを繰り返し易くなる)ため、左誘導流路1755cを流下した遊技球が突出状態に可変(変位)されている電動役物1645aに妨げられ易くなり、小当たり用入賞装置2655へと到達し難くなる。このため、確変状態や時短状態では、小当たり遊技は頻繁に実行されるものの、特定入賞口2655へと遊技球を入球させることがほとんどできなくなるので、単に、持ち球をあまり減らさずに(左打ちを行うよりも効率良く)特別図柄の抽選を実行させることが可能となる比較的有利な(通常状態よりは有利度合いが高いが潜確状態よりも有利度合いが低い)遊技状態を形成する。
次に、図514(c)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図514(c)は、本第25実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図514(c)に示した通り、本第25実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA25」と、「大当たりB25」と、「大当たりC25」との3種類の大当たり種別が設けられている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりD25」~「大当たりF25」の3種類の大当たり種別が規定されている。より具体的には、図435(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA25」が対応付けて規定されている。この「大当たりA25」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりA25」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。よって、「大当たりA25」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA25」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~4」の5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA25」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図514(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~49」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB25」が対応付けて規定されている。この「大当たりB25」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりB25」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、遊技者に有利な右打ち遊技状態に設定される。よって、「大当たりB25」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって比較的有利度合いが高い大当たり種別である。一方、大当たりのラウンド数の面では第1特別図柄の大当たりのうち最も有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB25」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「5~49」の45個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりB25」が決定される割合は45%(45/100)である。
また、図514(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC25」が対応付けて規定されている。この「大当たりC25」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。この「大当たりC25」の終了後は、基本的に(奇跡的に確変スイッチ65e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。つまり、右打ち遊技状態の中で最も有利度合いが低い遊技状態に設定される。よって、「大当たりC25」は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利度合いが低い大当たり種別である上に、大当たりのラウンド数の面でも第1特別図柄の大当たりの中で最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC25」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「50~99」の50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりC25」が決定される割合は50%(50/100)である。
一方、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりD25」が対応付けて規定されている。この「大当たりD25」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりD25」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な潜確状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の通常状態)に設定される。よって、「大当たりD25」は、大当たり終了後の遊技状態の面でも、ラウンド数の面でも、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD25」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「0~49」の50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりD21」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~64」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりE25」が対応付けて規定されている。この「大当たりE25」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりE25」の終了後は基本的に(即ち、実行期間中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過していれば)、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって有利な確変状態(特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりE25」は、大当たり終了後の遊技状態の面で「大当たりA25」や「大当たりD25」と同様に最も有利となり、ラウンド数の面では、「大当たりD25」に次いで有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE25」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「50~64」の15個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりE25」が決定される割合は15%(15/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりF25」が対応付けて規定されている。この「大当たりF25」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過困難な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される種別の大当たりである。また、「大当たりE25」の終了後は基本的に(奇跡的に確変スイッチ65e3を遊技球が通過しない限り)、時短状態(特別図柄の低確率状態、および普通図柄の時短状態)に設定される。よって、「大当たりF25」は、大当たり終了後の遊技状態の面で「大当たりA25」、「大当たりB25」、「大当たりD25」、「大当たりE25」よりも有利度合いが低い大当たり種別である。また、ラウンド数の面では、「大当たりD25」に次いで有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりF25」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が「65~99」の35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりF25」が決定される割合は35%(35/100)である。
このように、本第25実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選しても、極めて低い割合(5%の割合)でしか有利な潜確状態へと移行しないように構成されている一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、50%の割合で潜確状態へと移行するように構成されている。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、2ラウンド若しくは4ラウンドという比較的少ないラウンド数の大当たりにしか当選し得ないのに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、8ラウンド若しくは16ラウンドという比較的多いラウンド数の大当たりに当選するように構成されている。このように構成することで、右打ちにより第2特別図柄の抽選ばかりが実行され易くなる右打ち遊技状態(時短状態、確変状態)へと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図515を参照して、本第25実施形態における変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202dは、上述した第21実施形態における変動パターンテーブル202dと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図515(a)は、この変動パターンテーブル202dの構成を示したブロック図である。
図515(a)に示した通り、本第25実施形態における変動パターンテーブル202dは、通常状態において変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202ud1と、通常状態以外の遊技状態(確変状態、潜確状態、時短状態)において変動パターンを選択するために参照される通常以外用テーブル202ud2と、で少なくとも構成されている。なお、通常用テーブル202ud1については、第21実施形態における通常用テーブル202rd1(図436(b)参照)に対して、第2特別図柄に対する規定内容が第1特別図柄に対する規定内容と共通化されている点でのみ相違するため、その図示および詳細な説明については省略する。
図515(b)は、上述した通常以外用テーブル202ud2の規定内容を示した図である。図515(b)に示した通り、本第25実施形態における通常以外用テーブル202ud2の規定内容は、上述した第21実施形態における時短・確変用テーブル202rd3(図437(b)参照)の規定内容と同一である。よって、時短状態、確変状態に加え、潜確状態においても同一の選択割合で変動パターンが選択される。これによって、右打ち遊技状態である確変状態、潜確状態、および時短状態では、通常状態よりも変動時間が短くなるため、効率良く遊技を実行することができるようになる。
次に、図516を参照して、本第25実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eは、第21実施形態における時短付与テーブル202eと同様に、大当たり終了時に時短回数を設定する際に参照されるデータテーブルである。図516は、この時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。
図516に示した通り、本第25実施形態における時短付与テーブル202eは、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり中のV入賞の有無と、に対応付けて、設定される時短回数が規定されている。
具体的には、図516に示した通り、大当たり種別が大当たりA25である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として0回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、上述した通り、大当たり種別が大当たりA25では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、時短回数が0回に設定される結果、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。つまり、大当たりA25に当選した場合は、遊技状態によらず、次に大当たりに当選するまで継続する潜確状態が設定されることが実質的に確定する。よって、大当たりA25は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利となる。
また、図516に示した通り、大当たり種別が大当たりB25である場合には、大当たり当選時が通常状態であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ時短回数として100回が設定される。即ち、通常状態において大当たりB25に当選すると、V入賞が発生した場合は確変状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は有利度合いが低い時短状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりB25では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、65535回の時短状態が設定される。
一方、図516に示した通り、大当たりB25に当選した際の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(右打ち遊技状態)であれば、大当たりA25に当選した場合と同様に、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として0回が設定され、V入賞が検出されなければ、時短回数として100回が設定される。よって、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、0回の時短状態が設定されることによって、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。
また、図516に示した通り、大当たり種別が大当たりC25である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。上述した通り、大当たりC25は、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的に、V入賞が発生することはなく、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の時短回数の時短状態が設定される。
また、図516に示した通り、大当たり種別が大当たりD25である場合には、大当たり当選時が通常状態であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ時短回数として0回が設定される。即ち、通常状態において大当たりD25に当選すると、V入賞が発生した場合は確変状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は最も不利な通常状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりD25では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、65535回の時短状態が設定される。
一方、図516に示した通り、大当たりD25に当選した際の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(右打ち遊技状態)であれば、大当たりA25に当選した場合と同様に、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として0回が設定され、V入賞が検出されなければ、時短回数として100回が設定される。よって、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、0回の時短状態が設定されることによって、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。
また、図516に示した通り、大当たり種別が大当たりE25である場合には、大当たり当選時が通常状態であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ時短回数として0回が設定される。即ち、通常状態において大当たりE25に当選すると、V入賞が発生した場合は確変状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は最も不利な通常状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりE25では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、65535回の時短状態が設定される。
一方、図516に示した通り、大当たりE25に当選した際の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(右打ち遊技状態)であれば、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出した場合も、V入賞を検出しなかった場合も、時短回数として100回が設定される。よって、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、100回の時短状態が設定されることによって、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される。また、大当たりE25の終了後に設定された確変状態において100回連続で特別図柄の抽選で外れ(小当たり)になると、遊技者に最も有利な潜確状態へと移行する。このため、大当たり終了後が普通図柄の時短状態に設定されたとしても、確変状態の可能性も時短状態の可能性もあるため、時短回数の経過が報知された場合に、潜確状態へと移行すること(前回の大当たり終了後に設定された遊技状態が確変状態だったこと)を期待して遊技を行わせることができる。
また、図516に示した通り、大当たり種別が大当たりF25である場合には、大当たり当選時が通常状態であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ時短回数として0回が設定される。即ち、通常状態において大当たりF25に当選すると、V入賞が発生した場合は確変状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は最も不利な通常状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりF25では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的にV入賞は発生せず、特別図柄の低確率状態に設定されると共に、0回の時短状態が設定されることにより、大当たり終了後の遊技状態が最も不利な通常状態に設定される。
一方、図516に示した通り、大当たりF25に当選した際の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(右打ち遊技状態)であれば、大当たりC25に当選した場合と同様に、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として65535回が設定され、V入賞が検出されなければ、時短回数として100回が設定される。よって、基本的に特別図柄の低確率状態に設定されると共に、100回の時短状態が設定されることによって、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって有利度合いが低い右打ち遊技状態である時短状態に設定される。
なお、第2特別図柄の大当たり種別である大当たりD25~大当たりF25に当選した場合に、一律で、V入賞が発生した場合に実質的に次回の大当たりまで継続する確変状態を設定する一方で、V入賞が発生しなかった場合に通常状態を設定するように構成しているのは、第2特別図柄の抽選が実行され難い左打ち遊技状態(通常状態)において第2入球口1645への入球を狙って右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図るためである。即ち、左打ち遊技状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、確変大当たり(大当たりD25,E25)となった場合に、最も有利な潜確状態に移行する可能性をなくすことができる上に、通常大当たり(大当たりF25)となった場合に、時短状態を介することなく直接最も不利な通常状態が設定されるように構成できる。このため、左打ち遊技状態(通常状態)において第2特別図柄の抽選を実行させるよりも、第1特別図柄の抽選を実行させた方がましである(潜確状態へと直接移行する可能性がある上に、通常大当たりに当選したとしても100回の時短回数が付与される)と思わせることができるので、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
なお、上述した通り、本第25実施形態では、普通図柄の当たりのオープニング期間を遊技状態に応じて異ならせることにより、そもそも、通常状態において右打ちを行って右誘導流路1755dに振り分けられた遊技球が第2入球口1645へと入球不可能(困難)となるように構成している。このため、通常状態において右打ちを行ったとしても、第2入球口1645へと遊技球が入球することがほとんどなく、打ち出した遊技球が無駄になってしまう可能性が極めて高い上に、奇跡的に第2入球口1645へと遊技球を入球させて、且つ、運良く大当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態の面で第1特別図柄の大当たりよりも有利度合いが低くなってしまうため、遊技者に対して通常状態において第2特別図柄の抽選を実行させたくない(右打ちを行いたくない)と思わせることができる。よって、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第25実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図517から図519を参照して、本第25実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図517を参照して、本第25実施形態における特別図柄変動処理25(S185)の詳細について説明する。この特別図柄変動処理25(S185)は、上述した第21実施形態における特別図柄変動処理21(図440参照)に代えて実行される処理であり、第21実施形態における特別図柄変動処理21(図440参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける特別図柄の変動表示に関する各種設定を行うための処理である。
この特別図柄変動処理25(図517参照)のうち、Z202,Z203,Z205~Z207,Z210~Z212,Z214~218,Z220、Z222、およびZ284の各処理では、それぞれ第21実施形態の特別図柄変動処理21(図440参照)のZ202,Z203,Z205~Z207,Z210~Z212,Z214~218,Z220、Z222、およびZ284の各処理と同一の処理が実行される。
また、図517に示した通り、本第25実施形態における特別図柄変動処理25(図517参照)が開始されると、まず、現在が大当たり遊技若しくは小当たり遊技の実行中であるか否かを判別し(Z291)、大当たり遊技若しくは小当たり遊技の実行中であれば(Z291:Yes)、本処理を終了する。一方で、Z291の処理において、大当たり遊技の実行中でも小当たり遊技の実行中でもないと判別した場合は(Z291:No)、処理をZ202へと移行する。このZ291の処理は、第2特別図柄の抽選結果に小当たり抽選結果を追加したことに伴う変更であり、大当たり遊技の実行中に加え、小当たり遊技の実行中においても特別図柄の変動表示が開始されることを抑制するための処理である。
また、図517に示した通り、本第25実施形態における特別図柄変動処理25(図517参照)では、Z203の処理が終了すると、Z203の処理において読み出した特別図柄2保留球数カウンタ203abの値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(Z204)、0より大きい値であると判別した場合は(Z204:Yes)、処理をZ205へと移行する一方で、0であると判別した場合は(Z204:No)、処理をZ210へと移行する。
また、図517に示した通り、本第25実施形態における特別図柄変動処理25(図517参照)では、Z220の処理が終了すると、時短中カウンタ203zuの値を0にリセットすると共に、確変フラグ203raをオフにリセットして(Z292)、処理をZ222へと移行する。更に、本第25実施形態における特別図柄変動処理25(図517参照)では、Z217の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合(Z217:No)、外れに対応する各種制御を実行するための外れ時処理25(Z293)を実行して、処理をZ222へと移行する。この外れ時処理25(Z293)の詳細について、図518を参照して説明する。
図518は、上述した外れ時処理(Z293)を示したフローチャートである。この外れ時処理25(Z293)は、外れ(小当たり含む)の抽選結果を示す特別図柄の停止表示を設定する際に実行される制御処理である。図518に示した通り、この外れ時処理(Z293)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S18101)、今回の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S18101:Yes)、時短中カウンタ203zuの値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別して(S18102)、0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S18102:Yes)、時短中カウンタ203zuの値を1減算して(S18103)、本処理を終了する。一方で、S18102の処理において、時短中カウンタ203zuの値が0であると判別した場合は(S18102:No)、S18103の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
一方で、S18101の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S18101:Yes)、小当たりフラグ203uaをオンに設定し(S18104)、小当たりの開始を設定して(S18105)、本処理を終了する。この外れ時処理25(図518参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には時短中カウンタ203zuの値を更新せずに小当たり遊技を開始させることができる一方で、外れの場合には時短中カウンタ203zuの値を更新することができる。なお、抽選結果が小当たりの場合は、小当たり遊技の終了時に時短中カウンタ203zuの値が更新される。これにより、普通図柄の時短状態が設定される時短状態や時短回数が100回の確変状態において、時短回数内の最後の第2特別図柄の抽選が小当たりとなった場合に、小当たり遊技の開始(小当たり図柄の停止)と共に普通図柄の時短状態が終了されて小当たり用入賞装置2655へと遊技球が到達可能となる(特定入賞口2655aへと入球可能となる)ことを抑制することができる。
次に、図519を参照して、本第25実施形態における小当たり制御処理25の詳細について説明する。この小当たり制御処理25(S1505)は、上述した第1実施形態における小当たり制御処理(図53参照)と同様に、小当たり遊技の実行期間中における各種制御を行うための処理である。なお、本第25実施形態のベースである第21実施形態においては、小当たり抽選結果が規定されていなかったため、この小当たり制御処理25(S1541)に相当する処理が存在していない。このため、本第25実施形態における小当たり制御処理25(S1541)の説明では、第1実施形態における小当たり制御処理(図53参照)との比較による説明を行う。
図519は、この小当たり制御処理25(図519参照)を示したフローチャートである。この小当たり制御処理25(図519参照)のうち、S1701,S1702,S1704の各処理では、それぞれ第1実施形態における小当たり制御処理(図53参照)のS1701,S1702,S1704の各処理と同一の処理が実行される。また、本第25実施形態における小当たり制御処理25(図519参照)では、S1704の処理において、現在が小当たり遊技の実行中であると判別した場合(S1704:Yes)、次いで、小当たり遊技における特定入賞口2655aの開放タイミングであるか否かを判別し(S1731)、特定入賞口2655aの開放タイミングであれば(S1731:Yes)、特定入賞口2655aの開放を設定して(S1732)、本処理を終了する。
一方で、S1731の処理において、特定入賞口2655aの開放タイミングではないと判別した場合は(S1731:No)、次いで、特定入賞口2655aの閉鎖条件が成立したか否かを判別し(S1733)、特定入賞口2655aの閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1733:Yes)、特定入賞口2655aを閉鎖して(S1734)、本処理を終了する。これに対し、S1733の処理において、特定入賞口2655aの閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1733:No)、次いで、小当たり遊技におけるエンディング期間の開始タイミングであるか否かを判別し(S1735)、エンディング期間の開始タイミングであれば(S1735:Yes)、小当たり用のエンディングコマンドを設定して(S1736)、本処理を終了する。
これに対して、S1735の処理において、小当たり遊技のエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1735:No)、小当たり遊技のエンディング期間の終了タイミングであるか否かを判別し(S1737)、小当たり遊技のエンディング期間の終了タイミング出ないと判別した場合は(S1737:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S1737の処理において、小当たり遊技のエンディング期間の終了タイミングであると判別した場合は(S1737:Yes)、時短中カウンタ203zuの値が0より大きい値であるか否かを判別する(S1738)。S1738の処理において、時短中カウンタ203zuの値が0より大きい値であると判別した場合は(S1738:Yes)、時短中カウンタ203zuの値を1減算して更新し(S1739)、処理をS1740へと移行する。一方で、S1738の処理において、時短中カウンタ203zuの値が0であると判別した場合は(S1738:No)、S1739の処理をスキップして、処理をS1740へと移行する。S1740の処理では、小当たりフラグ203uaをオフに設定することにより小当たり遊技を終了させて(S1740)、本処理を終了する。
この小当たり制御処理25(図519参照)を実行することにより、小当たり遊技における特定入賞口2655aの開閉動作等を正確に設定することができると共に、小当たり終了時に時短中カウンタ203zuの値を更新することができる。
以上説明した通り、本第25実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13における正面視右側に対して、入球した遊技球を左誘導流路1755cと右誘導流路1755dとに交互に振り分ける振分装置1755を設ける構成とし、通常状態(および大当たり遊技中)において右誘導流路1755dを流下した遊技球は普通電動役物1645aが没入状態に可変(変位)している間にのみ普通電動役物1645aへと到達する(到達し易くなる)一方で、潜確状態において右誘導流路1755dを流下した遊技球は普通電動役物1645aが突出状態に可変(変位)している間に普通電動役物1645aの上面へと到達可能となるように普通電動役物1645aを可変(変位)制御することにより、通常状態においては右打ちを行っても第2特別図柄の抽選を実行させることが極めて困難となる一方で、潜確状態では容易に第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となるように構成した。更に、本第25実施形態では、通常状態においても潜確状態においても、左誘導流路1755cを流下した遊技球が没入状態に可変されている普通電動役物1645aを通過して小当たり用入賞装置2655へと到達するように普通電動役物1645aを可変(変位)制御するように構成した。これにより、潜確状態においては、右打ちにより振分装置1755へと流入した遊技球が第2入球口1645と小当たり用入賞装置2655とに交互に振り分けられる動作を実現することができるので、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されて小当たり用入賞装置2655の特定入賞口2655aが頻繁に開放されると共に、当該頻繁に開放される特定入賞口2655aへと遊技球を高頻度で入球させることができる。これにより、潜確状態を、右打ちを行い続けるだけで、大当たりに当選しなくても多量の賞球を獲得し得る極めて有利な遊技状態として構成することが可能に構成した。一方で、通常状態において右打ちを行った場合は、右誘導流路2655dを流下した遊技球が第2入球口1645へと誘導されないため、入球困難(不可能)な状態に設定されている可変入賞装置65と、入球困難な状態に設定されている小当たり用入賞装置2655と、に交互に振り分けられる挙動となる。即ち、通常状態において右打ちを行うと、第2入球口1645にも小当たり用入賞装置2655にも遊技球を入球させることができずに、右打ちにより発射されたほぼ全ての遊技球が遊技盤13の最下方のアウト口66を介してパチンコ機10の外部へと排出されることとなる。このため、普通図柄の通常状態(低確率状態)が設定される通常状態と潜確状態とで、遊技性をより大きく異ならせることが可能となるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
ここで、従来より、特別図柄の種別(第1特別図柄であるか第2特別図柄であるか)に応じて小当たりとなる確率(割合)を異ならせ、潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)においては、小当たり確率が高い特別図柄(第2特別図柄)の抽選が実行され易くなる上に、小当たり当選に基づいて開放される特定入賞口へと遊技球が入球し易くなるように制御することで大当たりに当選しなくても多量の賞球を獲得し得る有利な遊技状態を形成する仕様の遊技機が知られている。係る従来型の遊技機では、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態を最も有利な状態としていることにより、同じく普通図柄の通常状態に設定される通常状態においても、小当たり確率が高い特別図柄の抽選条件が成立し易くなってしまう(第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口へと遊技球が入球し易くなってしまう)ため、通常状態において小当たりによる利益を獲得困難として遊技者に不利な遊技状態を形成するために、小当たり確率が高い特別図柄の抽選結果を示すための図柄の変動時間を著しく長くするという形で対策を施すのが一般的であった。また、通常状態において第2特別図柄の変動表示が実行されてしまった場合に、特別図柄の抽選が全く実行不可能な状況が著しく長い時間続いてしまうことを抑制すべく、小当たり確率が低い(不利な)第1特別図柄の変動表示と、小当たり確率が高い(有利な)第2特別図柄の変動表示とを重複して(同時に)実行可能に構成することにより、不利な通常状態において著しく変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が開始されてしまったとしても、当該第2特別図柄の変動表示中に不利な第1特別図柄の抽選を開始させることが可能に構成するものが一般的であった。しかしながら、かかる従来型の遊技機では、通常状態において第2特別図柄の変動時間が長くなるとしても、潜確状態と同様に第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口には入球し易くなるため、第2特別図柄の変動表示が途切れないように適宜第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口へと遊技球を発射しつつ、第1特別図柄の抽選も実行させることで抽選効率を向上させるという変則的な遊技方法が行われてしまう問題点があった。また、通常状態において第2特別図柄の変動表示を実行させた後で遊技者が遊技を辞めようと思ったとしても、第2特別図柄の変動表示が実行されている状況下においては遊技を辞めにくいため、遊技を辞めるために、著しく長い第2特別図柄の変動時間の間待たなければならないという問題点もあった。
これに対して本第25実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態と潜確状態とで普通図柄の当たり時のオープニング期間を異ならせることにより、潜確状態では第2入球口1645へと遊技球が頻繁に入球する一方で、通常状態ではそもそも第2入球口1645へと遊技球が入球しない(入球困難となる)ように構成している。つまり、通常状態では、小当たり確率が高い第2特別図柄の抽選条件がそもそも成立しないように構成しているため、通常状態において第2特別図柄の変動時間を長くする必要も、同時変動方式を採用する必要もない。よって、通常状態において右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法が根本的に成立し得ないように構成できると共に、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されて著しく長い変動時間が設定され、遊技を辞め難くなってしまうという状況も成立し得なくなるように構成することができる。
また、本第25実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態において、振分装置1755へと流入した遊技球が左誘導流路1755cへと振り分けられた場合は、没入状態の普通電動役物1645aへと必ず到達する(到達し易くなる)一方で、右誘導流路1755dへと振り分けられた場合は、突出状態の普通電動役物1645aへと必ず到達する(到達し易くなる)ように普通電動役物1645aを可変(変位)制御する構成としている。言い換えれば、同一の可変部材(普通電動役物1645a)へと遊技球を誘導するための複数の流路(左誘導流路1755c、右誘導流路1755d)のいずれへと振り分けられたかによって、突出状態の可変部材へと到達し易くなる(第2入球口1645へと入球し易くなる)か、没入状態の可変部材へと到達し易くなる(第2入球口1645へと入球し難くなる)かが可変するという斬新な球流れを実現することができる。よって、潜確状態において右打ちにより発射された遊技球の進行方向に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第25実施形態では、普通図柄の当たり時のオープニング期間を通常状態と潜確状態とで異ならせることにより、通常状態ではスルーゲート67を通過した遊技球が第2入球口1645へと入球困難となる一方で、潜確状態では第2入球口1645へと入球容易となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の変動時間を通常状態と潜確状態とで異ならせることにより、通常状態と潜確状態とで第2入球口1645への入球し易さを異ならせてもよいし、普通図柄の当たり時の普通電動役物1645aの可変(変位)パターンを異ならせることにより、通常状態と潜確状態とで第2入球口1645への入球し易さを異ならせてもよい。
本第25実施形態では、潜確状態において振分装置1755によって左誘導流路1755cへと振り分けられた遊技球は突出状態の普通電動役物1645aへと到達し難くなる一方で、右誘導流路1755dへえと振り分けられた遊技球は突出状態の普通電動役物1645aへと到達可能となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、可変入賞装置65の内部における切替部材65hよりも上流側に、流下期間が異なる複数の経路と、その複数の経路のいずれかに遊技球をランダムに(または所定の振り分け規則に従って)振り分ける振分部材とを設け、流下期間に応じてV入賞率が可変するように構成してもよい。より具体的には、例えば、切替部材65hへと到達するまでに1秒間を要する流路と、0.2秒間で切替部材65hへと到達する流路とを設ける一方で、切替部材65hを、例えば大当たり開始後1秒が経過するまでは0.1秒毎に通常排出流路65e1へと誘導する配置と特別排出流路65e2へと誘導する配置とが切り替わる一方で、1秒経過後は、Vラウンドが終了するまで特別排出流路65e2へと誘導する配置に固定化されるように構成してもよい。このように構成した場合、流下期間が短い流路に振り分けられると、特別排出流路65e3に振り分けられて確変スイッチ65e3を通過する割合が約50%となる一方で、流下期間が長い流路に振り分けられると、ほぼ、特別排出流路65e2に振り分けられて確変スイッチ65e3を通過するので、遊技球が通過する流路に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、逆に、流下期間が短い流路の方がV入賞率が高くなるように構成しても当然良い。更に、上述した第8実施形態等のように、小当たりに当選してV入賞が発生した場合に大当たり遊技が実行される仕様(所謂、一種二種混合機や二種の仕様)において、V入賞口の上流側にこれらの構成を設けてもよい。このように構成した場合、大当たりの期待度(V入賞の発生期待度)が振り分けられる流路に応じて可変する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第25実施形態では、潜確状態において右打ちされた遊技球が振分装置1755内の振分部材1755bによって、左誘導流路1755cへと振り分けられた場合には、突出状態に配置(可変)された普通電動役物1645aへと到達困難となる(第2入球口1645へと入球困難となる)一方で、右誘導流路1755dへと振り分けられた場合には、突出状態に配置(可変)された普通電動役物1645aへと到達可能になる(第2入球口1645へと入球可能となる)ように構成していたが、第2入球口1645への入球し易さを異ならせるのに代えて、他の入球口への入球し易さを異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、アウト口や一般入賞口への入球し易さを、遊技球が流下する流路に応じて異ならせる構成としてもよい。これにより、設計の幅を広げることができる。
本第25実施形態では、振分装置1755によって右誘導流路1755cと左誘導流路1755dとに遊技球を振り分ける構成とし、通常状態では右誘導流路1755cを流下した遊技球が没入状態の普通電動役物1645aを通過する一方で、潜確状態では突出状態の普通電動役物1645aによって第2入球口1645へと誘導されるように構成することにより、潜確状態では第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される一方で、通常状態では右打ちを行っても第2特別図柄の抽選が実行され得ないように構成していたが、振分装置1755を必ずしも設ける必要はない。振分部材1755bや左誘導流路1755cを削除すると共に、没入状態の普通電動役物1645aを通過した全ての遊技球が到達可能な位置に小当たり用入賞装置2655を移動させてもよい。そして、通常状態においてはスルーゲート67を通過した遊技球が必ず没入状態の普通電動役物1645aを通過する一方で、潜確状態では、第1の割合(例えば、35%の割合)で突出状態の普通電動役物1645aへと到達可能となるオープニング期間が設定され、第2の割合(例えば、65%の割合)で没入状態の普通電動役物1645aを通過し易いオープニング期間(通常状態と共通のオープニング期間)が設定されるように構成してもよい。このように構成した場合も、潜確状態において右打ちを行った場合にのみ、小当たり用入賞装置2655の開放期間において特定入賞口2655aへと遊技球を入球させることができる遊技性を実現することができる。
<第26実施形態>
次に、図520から図525を参照して、第26実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第25実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態において右打ちを行っても、第2入球口1645へとほぼ遊技球が入球しない一方で、潜確状態において右打ちを行った場合は、振分装置1755へと流入した遊技球の2球に1球は第2入球口1645へと入球するように普通電動役物1645aを制御する(普通図柄の当たり時のオープニング期間を遊技状態に応じて可変させる)構成としていた。これにより、通常状態では左打ちにより比較的不利な遊技を行わせる一方で、潜確状態では右打ちにより第2特別図柄の抽選を効率良く実行させることができる上に特定入賞口2655へと頻繁に遊技球を入球させて多量の賞球を獲得し得る極めて有利な遊技状態を形成することができるように構成していた。更に、通常状態と潜確状態とで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に設定される遊技状態を異ならせ、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、有利度合いが低い遊技状態の設定割合がより高くなるように構成することにより、通常状態において第2特別図柄の抽選を実行させようとして右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図っていた。
これに対して第26実施形態では、通常状態において当選した大当たりにおいてV入賞が発生した(確変スイッチ65e3を遊技球が通過した)場合にのみ、確変状態へと移行するように構成し、確変状態を、遊技者にとって不利となる遊技状態として構成した。より具体的には、確変状態において大当たりに当選した場合、大当たり種別によらず、大当たりのVラウンド(確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能となるラウンド)の間に遊技球を特定入賞口65aへと到達させることが非常に困難となるように構成することにより、確変状態の有利度合いを低くし、通常状態において第2特別図柄の抽選を実行させるべきではないという認識を遊技者に対してより強く印象づけることが可能に構成した。これにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
この第26実施形態におけるパチンコ機10が、第25実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第21実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第25実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図520を参照して、本第26実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図520は、本第26実施形態における遊技盤13の正面図である。図520に示した通り、本第26実施形態における遊技盤133は、第25実施形態における遊技盤13(図508参照)に対して、振分装置1755と可変入賞装置65との間に迂回路URが設けられている点、振分装置1755の正面視右側に右アウト口66rが設けられている点で相違している。
右アウト口66rは、右打ちされて振分装置1755へと流入できずに振分装置1755の右側の釘の隙間から振分装置1755の右側のスペースへと流下した全ての遊技球をパチンコ機10の外部へと排出するために設けられている。ここで、第25実施形態では、振分装置1755の右側のスペースは、可変入賞装置65へと向かう流路と繋がっていたため(図508参照)、振分装置1755の右側のスペースへとこぼれた遊技球は基本的に可変入賞装置65へと到達するように構成していた。これに対して本第26実施形態では、振分装置1755の右側のスペースにこぼれた遊技球が全て右アウト口66rを介してパチンコ機10の外部へと排出されてしまうため、遊技球を可変入賞装置65へと到達させるためには、振分装置1755の内部へと遊技球を進入させて、且つ、振分装置1755により左誘導流路1755c、または右誘導流路1755dを通過した遊技球が第2入球口1645や小当たり用入賞装置2655を通過させ必要がある。しかしながら、上述した第25実施形態と同様に、普通図柄の時短状態に設定される確変状態においては、普通電動役物1645aが没入状態に可変(変位)する期間が短くなるため、振分装置1755へと流入した遊技球のほとんどが第2入球口1645へと入球する結果となる。よって、確変状態が継続している間に可変入賞装置65へと遊技球を到達させることが極めて困難となる。
加えて、本第26実施形態では、図520に示した通り、振分装置1755と可変入賞装置65との間に迂回路URを設ける構成としているため、没入状態の普通電動役物1645aを通過した遊技球が可変入賞装置65へと到達するまでに要する期間を長期化させる(遊技球の流下速度を遅延させる)構成としている。即ち、没入状態に可変している普通電動役物1645aを通過した遊技球が可変入賞装置65へと到達するまで2秒程度を要するように構成している。これに対して、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合において、1ラウンド目(確変スイッチ65e3が通過可能となるラウンド、Vラウンド)の間に特定入賞口65aが開放される(確変スイッチ65e3へと遊技球を流下させることが可能となる)期間は大当たりの開始から2秒経過時までとなる。これにより、大当たり図柄が停止表示されて大当たり遊技が開始され、普通図柄の時短状態が終了されたとしても、その後に普通電動役物1645aを通過した遊技球を確変スイッチ65e3へと到達させることが事実上不可能(困難)となるように構成することができるので、確変状態における遊技者の有利度合いをより低くすることができる。よって、通常状態において右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させようとする変則的な遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
次に、図521を参照して、大当たり種別毎の可変入賞装置65における各部(切替部材65h、および開閉扉65f)の動作態様について説明する。図521に示した通り、切替部材65hは、大当たりの開始から0.5秒が経過するまでの間、通常排出流路65e1側(非Vルート側)に維持され、その後、0.5秒経過時から4.5秒経過時までの間、特別排出流路65e2側(Vルート側)に切り替えられ、4.5秒経過時点で再度、通常排出流路65e1側へと切り替えられ、以降は大当たり終了まで状態(配置)が維持されるように構成されている。この切り替え動作は、大当たり種別等に無関係に、全ての大当たりに対して毎回設定される動作である。このため、大当たり種別によらず、大当たり遊技の開始から0.5秒経過時から4.5秒経過時までの4秒間の間に切替部材65hへと遊技球を到達させることができれば、遊技球が特別排出流路65e2へと振り分けられて確変スイッチ65e3を通過することにより、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される。
一方で、図521に示した通り、第1特別図柄の確変大当たり(大当たりA26,B26)に当選した場合の1ラウンド目における開閉扉65f(特定入賞口65a)の開閉パターンとしては、0.5秒間のオープニング期間の間、閉鎖状態に維持された後で、3.5秒間の間(即ち、大当たり開始から4秒間が経過するまで)開放状態に切り替えられ、大当たりの開始から4秒経過時に閉鎖される開閉パターンが設定される。即ち、オープニング期間が0.5秒間で開放期間が3.5秒間の開放パターンが設定される。そして、以降は、2ラウンド目が開始されるまでインターバル期間(2秒間)となり、開閉扉65fが閉鎖状態に維持される。このため、第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA26,B26)に当選した場合は、大当たりのオープニング期間が開始されてから右打ちを開始したとしても、開閉扉65fが開閉状態に設定されている間に容易に遊技球を開放されている特定入賞口65aへと到達させることができる(大当たり開始後2秒程度で特定入賞口65aへと遊技球を入球させることができる)。よって、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に、大当たり開始後に右打ちを行い続けるだけで、容易に、確変スイッチ65e3を通過させて特別図柄の確変状態を設定させることができる。
また、図521に示した通り、第2特別図柄の確変大当たり(大当たりD26,E26)に当選した場合の1ラウンド目における開閉扉65fの開閉動作(開閉パターン)は、遊技状態に応じてオープニング期間の長さのみが異なって構成されている。具体的には、図521に示した通り、時短状態以外の遊技状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合は、オープニング期間が0.5秒間に設定され、1ラウンド目の開放期間が1.5秒間の開放パターンが設定される。これにより、確変状態においては、大当たり変動中から右打ちを行い続けていたとしても、ほぼ、大当たりのオープニング期間が開始されて普通図柄の時短状態が終了された後でスルーゲート67を通過した遊技球しか、普通電動役物1645aを超えて迂回路URへと遊技球を到達させることができない。そして、電動役物1645aを通過した遊技球が迂回路URを流下して可変入賞装置65まで到達するのに2秒程度の期間を要するため、ほぼ(オープニング期間の開始時に、丁度普通図柄の当たりが終了した状態となっており、且つ、普通電動役物1645aに遊技球が到達した状態となっていない限り)、1ラウンド目の特定入賞口65aの開放期間中に遊技球を特定入賞口65aへと入球させて確変スイッチ65e2を通過させることができない。よって、確変状態において確変大当たりに当選したとしても、特別図柄の確変状態へとほとんど移行させることができないため、遊技者に対して不利となる。これにより、確変状態を不利な遊技状態の1種として構成することができる。
一方で、図521に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりD26,E26)に当選した場合は、オープニング期間の長さが2.5秒間に設定され、1ラウンド目の開放期間が1.5秒間の開放パターンが設定される。これにより、時短状態においては、大当たりに当選してオープニング期間が開始されてから(普通図柄の時短状態が終了されてから)右打ちにより発射された遊技球を、開放期間の間に容易に特定入賞口65aへと入球させることができる。よって、時短状態においては、確変大当たりにおいて確変スイッチ65e3に対して遊技球を通過させることができる。
このように、本第26実施形態では、確変状態を、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合にのみ移行するペナルティー状態のような位置づけとし、確変状態中に確変大当たりに当選したとしても、確変スイッチ65e3が通過可能となる大当たりの1ラウンド目において特定入賞口65aへと遊技球を入球させることが極めて困難となるように構成した。これにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
なお、本第26実施形態では、確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合におけるオープニング期間と、通常状態におけるオープニング期間とを共通の期間(0.5秒間)に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さをより短く(例えば、0.02秒間に)してもよい。このように構成することで、通常状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選を実行させ、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たりの開始前から(例えば、当たり図柄の停止表示を確認した瞬間から)右打ちを開始したとしても、迂回路URの流下期間が経過するよりも前に1ラウンド目が終了するように構成してもよい。このように構成することで、通常状態において第2特別図柄の抽選を実行する変則的な遊技方法を行った場合に、たとえ大当たりに当選したとしても、不利な通常状態をループする可能性が高くなる極めて不利な状況が発生し易く構成することができるので、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図522を参照して、本第26実施形態における特徴的な演出態様について説明する。図522は、ペナルティー状態のような位置づけである確変状態における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図522(a)に示した通り、確変状態が設定された場合、基本的には、通常状態と同様の表示態様が表示される。即ち、右打ちを促す表示態様等が表示されないため、遊技者に対して左打ちを行った方がよいと思わせることができる。
図522(b)は、確変状態において右打ちを行って運良く若しくは不正行為等により不正に第2入球口1645へと遊技球が入球した場合における表示態様の一例を示した図である。図522(b)に示した通り、確変状態において第2入球口1645への遊技球の入球を検出した場合は、小表示領域Dm2に対して、「左打ち」という文字が表示されると共に、第2入球口1645への入球により増加した第2特別図柄の保留図柄として、「寒」という文字が付された略三角形形状の保留図柄が表示される。また、第2特別図柄の保留図柄が存在する間は、第2表示領域Ds2に対して、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると遊技者にとって不利になることを示唆する表示態様が表示される。即ち、図522(b)に示した通り、第2特別図柄の保留図柄を示す画像と、その画像の右側に、「で当たるとピンチ!?」という文字と、が表示される。これらの表示態様により、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまうと、遊技者にとって不利な状況となってしまうということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第26実施形態では、確変状態において第2特別図柄の保留球が増加した場合に、遊技者にとって不利であることを暗示する態様の保留図柄(「寒」という文字が付された保留図柄)を表示すると共に、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると遊技者にとって好ましくない状況が発生することを示唆する表示態様を表示させるように構成していたが、通常状態においても同様の表示態様を採用してもよい。このように構成することで、通常状態において右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させようとする変則的な遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
<第26実施形態における電気的構成>
次に、図523(a)を参照して、本第26実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図523(a)は、本第26実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図523(a)に示した通り、本第26実施形態におけるROM202は、第25実施形態(および第21実施形態)におけるROM202の構成(図434(a)参照)に対して、オープニング選択テーブル202vaが追加されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、時短付与テーブル202eの規定内容が一部変更となっている点でも相違している。
まず、図523(b),(c)を参照して、本第26実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図523(b)は、本第26実施形態における第1当たり乱数テーブル202aを構成する特別図柄1乱数テーブル202va1の規定内容を示した図であり、図523(c)は、特別図柄2乱数テーブル202ca2の規定内容を示した図である。まず、図523(b)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202va1の詳細について説明する。
図523(b)は、本第26実施形態において、第1特別図柄の抽選を実行する際に参照される特別図柄1乱数テーブル202va1の規定内容を示した図である。図523(b)に示した通り、本第26実施形態における特別図柄1乱数テーブル202va1は、上述した第25実施形態における特別図柄1乱数テーブル202ua1(図514(a)参照)に対して、特別図柄の確変状態(高確率状態)における判定値が異なっている点でのみ相違している。より具体的には、特別図柄の確変状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~24」の25個の乱数値が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の確変状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、1/40(25/1000)の確率で大当たりに当選する。即ち、第25実施形態における大当たり確率(1/50)よりも高い確率で大当たりに当選する。
また、図523(c)に図示した特別図柄2乱数テーブル202va2は、本第26実施形態において第2特別図柄の抽選を行う際に参照されるデータテーブルである。の規定内容を示した図である。図523(c)に示した通り、本第26実施形態における特別図柄2乱数テーブル202va2は、上述した第25実施形態における特別図柄2乱数テーブル202ua2(図514(b)参照)に対して、特別図柄の確変状態(高確率状態)における判定値、および小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が変更となっている点で相違している。より具体的には、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、特別図柄1乱数テーブル202va1と同様に「0~24」の25個の乱数値が対応付けて規定されていると共に、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「25~358」の334個の乱数値が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の確変状態(高確率状態)において第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/40であり、小当たりとなる確率は約1/3(334/1000)である。このように、本第26実施形態では、第25実施形態に比較して特別図柄の確変状態における大当たり確率が高くなると共に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率が低くなるように構成されている。これは、第25実施形態では、通常状態において確変大当たりに当選した場合に、確変状態へと移行する割合が高かったのに対して、本第26実施形態では、確変状態をペナルティー状態として規定したことにより、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなった場合に必ず最も有利な潜確状態へと直接移行するため、潜確状態における有利度合いを高くしすぎると、遊技者にとって過剰に有利となってしまう虞がある。そこで、本第26実施形態では、特別図柄の確変状態における大当たり確率を高くすることにより、潜確状態が長く続き難くなるように構成したのに加え、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率を低くすることにより、特定入賞口2655が開放され難くなるように構成した。これにより、1の潜確状態において遊技者が小当たり当選によって獲得できる賞球数の平均値を少なくすることができるので、潜確状態において遊技者に過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
次に、図524(a)を参照して、本第26実施形態における時短付与テーブル202eの詳細について説明する。図524(a)は、本第26実施形態における時短付与テーブル202eの規定内容を示した図である。図524(a)に示した通り、本第26実施形態における時短付与テーブル202eは、図524(a)に示した通り、本第26実施形態における時短付与テーブル202eは、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり中のV入賞の有無と、に対応付けて、設定される時短回数が規定されている。ここで、本第26実施形態における大当たりA26~大当たりF26は、それぞれ第25実施形態における大当たりA25~F25に相当する大当たり種別であり、ラウンド数や確変状態に設定され得る種別であるか否か等が同一となる。
図524(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりA26、またはB26である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として0回が設定され、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。なお、大当たり種別が大当たりA26,B26では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、時短回数が0回に設定される結果、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。つまり、大当たりA26,B26に当選した場合は、遊技状態によらず、次に大当たりに当選するまで継続する潜確状態が設定されることが実質的に確定する。よって、大当たりA26,B26は、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利となる。
また、図524(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりC26である場合には、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として65535回が設定される一方で、V入賞を検出していなければ、時短回数として100回が設定される。上述した通り、大当たりC26は、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的に、V入賞が発生することはなく、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の時短回数の時短状態が設定される。
また、図524(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりD26,E26である場合には、大当たり当選時が通常状態、または確変状態であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ時短回数として0回が設定される。即ち、通常状態において大当たりD26,E26に当選すると、V入賞が発生した場合は確変状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は最も不利な通常状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりD26,E26では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されるため、通常状態において大当たりD26,E26に当選した場合は、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、65535回の時短状態が設定される。一方、確変状態において大当たりD26,E26に当選した場合は、大当たりの開始から2秒経過時点でVラウンド(1ラウンド目)が終了してしまうため、ほとんどの場合、迂回路URを通過して可変入賞装置65へと遊技球が到達するよりも前に1ラウンド目が終了されてしまう。よって、確変状態において大当たりD26,E26に当選した場合は、ほぼ、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に不利な通常状態に設定される。
一方、図524(a)に示した通り、大当たりD26,E26に当選した際の遊技状態が潜確状態又は時短状態であれば、大当たりA26,B26に当選した場合と同様に、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として0回が設定され、V入賞が検出されなければ、時短回数として100回が設定される。よって、大当たり遊技中に遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法で遊技を行わない限り、V入賞が発生して特別図柄の確変状態に設定されると共に、0回の時短状態が設定されることによって、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な潜確状態に設定される。
また、図524(a)に示した通り、大当たり種別が大当たりF26である場合には、大当たり当選時が通常状態または確変状態であり、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出していれば、時短回数として65535回が設定され、V入賞を検出していなければ時短回数として0回が設定される。即ち、通常状態または確変状態において大当たりF26に当選すると、V入賞が発生した場合は確変状態へと移行し、V入賞が発生しなかった場合は最も不利な通常状態へと移行する。なお、上述した通り、大当たりF26では、確変スイッチ65e3を通過可能な期間において開閉扉65f1が開放されない(閉鎖されたままの状態となる)ため、基本的にV入賞は発生せず、特別図柄の低確率状態に設定されると共に、0回の時短状態が設定されることにより、大当たり終了後の遊技状態が最も不利な通常状態に設定される。
一方、図524(a)に示した通り、大当たりF26に当選した際の遊技状態が潜確状態又は時短状態であれば、大当たりC26に当選した場合と同様に、大当たり中にV入賞(確変スイッチ65e3の通過)を検出することにより、時短回数として65535回が設定され、V入賞が検出されなければ、時短回数として100回が設定される。よって、基本的に特別図柄の低確率状態に設定されると共に、100回の時短状態が設定されることによって、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって有利度合いが低い右打ち遊技状態である時短状態に設定される。
なお、第2特別図柄の大当たり種別である大当たりD26~大当たりF26に当選した場合に、一律で、V入賞が発生した場合に実質的に次回の大当たりまで継続する確変状態を設定する一方で、V入賞が発生しなかった場合に通常状態を設定するように構成しているのは、第2特別図柄の抽選が実行され難い左打ち遊技状態(通常状態)において第2入球口1645への入球を狙って右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図るためである。即ち、左打ち遊技状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、確変大当たり(大当たりD26,E26)となった場合に、ペナルティー状態としての位置づけである確変状態へと移行させることができる上に、通常大当たり(大当たりF26)となった場合に、時短状態を介することなく直接最も不利な通常状態が設定されるように構成できる。このため、左打ち遊技状態(通常状態)において第2特別図柄の抽選を実行させるよりも、第1特別図柄の抽選を実行させた方がましである(潜確状態へと直接移行する可能性がある上に、通常大当たりに当選したとしても100回の時短回数が付与される)と思わせることができるので、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図524(b)を参照して、本第26実施形態におけるオープニング選択テーブル202vaの詳細について説明する。このオープニング選択テーブル202vaは、大当たり当選時に設定するオープニング期間を選択するためのデータが規定されているデータテーブルである。図524(b)に示した通り、このオープニング選択テーブル202vaには、大当たり種別および大当たり当選時の遊技状態毎に、大当たり開始時に設定するオープニング期間が対応付けて規定されている。具体的には、図524(b)に示した通り、大当たりA26,B26に対しては、遊技状態によらず、0.5秒間のオープニング期間が対応付けて規定されている。また、大当たりC26,F26に対しては、遊技状態によらず、0.1秒間のオープニング期間が対応付けて規定されている。
これに対して、大当たりD26,F26に対しては、時短状態以外の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)に対して0.5秒間のオープニング期間が対応付けて規定されている一方で、時短状態に対して2.5秒間のオープニング期間が対応付けて規定されている。これにより、時短状態以外の遊技状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりになると、0.5秒間のインターバル期間の後で1.5秒間の間特定入賞口65aが開放される開放パターンが設定される一方で、時短状態においては、2.5秒間のインターバル期間の後で1.5秒間の間特定入賞口65aが開放される開放パターンが設定される。これにより、特に確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、迂回路URによって右打ちされた遊技球の流下期間が2秒間以上に遅延されるため、大当たりの開始から2秒以内に特定入賞口65aへと遊技球を入球させることが極めて困難になる。よって、確変状態をペナルティー状態としての位置づけにすることができるので、確変状態に移行する可能性がある遊技方法を行わないように遊技を行わせることができる。即ち、通常状態において第2特別図柄の抽選を実行させようとして右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第26実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図525を参照して、本第26実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。図525は、本第26実施形態における大当たり制御処理26(Z1111)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理26(Z1111)は、上述した第25実施形態(および第6実施形態)における大当たり制御処理6(図176参照)に代えて実行される処理であり、第6実施形態における大当たり制御処理6(図176参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を行うための処理である。
この第26実施形態における大当たり制御処理26(図525参照)のうち、Z1301,Z1371,Z1372,Z1374~Z1381の各処理では、それぞれ第25実施形態(および第6実施形態)における大当たり制御処理6(図176参照)のZ1301,Z1371,Z1372,Z1374~Z1381の各処理と同一の処理が実行される。また、本第26実施形態における大当たり制御処理26(図525参照)では、Z1371の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別された場合に(Z1371:Yes)、オープニング選択テーブル202va(図524(b)参照)から大当たり種別と大当たり当選時の遊技状態とに対応するオープニング期間を選択し(Z1391)、その選択したオープニング期間を設定して(Z1392)、処理をZ1372へと移行する。この大当たり制御処理26(図525参照)を実行することにより、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて適切にオープニング期間を設定することができる。
以上説明した通り、本第26実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態において当選した大当たりにおいてV入賞が発生した(確変スイッチ65e3を遊技球が通過した)場合にのみ、確変状態へと移行するように構成し、確変状態を、遊技者にとって不利となる遊技状態(ペナルティー状態)として構成した。より具体的には、確変状態において大当たりに当選した場合、大当たり種別によらず、大当たりのVラウンド(確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能となるラウンド)の間に遊技球を特定入賞口65aへと到達させることが非常に困難となるように構成することにより、確変状態の有利度合いを低くし、通常状態において第2特別図柄の抽選を実行させるべきではないという認識を遊技者に対してより強く印象づけることが可能に構成した。より具体的には、確変状態が継続している間、右打ちにより発射された遊技球が第2入球口1645(および右アウト口66r)にばかり入球してしまい、迂回路URへと到達することがほぼ不可能となる(大当たりが開始されて普通図柄の時短状態が終了した後でしか没入状態の普通電動役物1645aを通過して迂回路URへと到達することができない)ように構成した。言い換えれば、第2入球口1645へと入球させることがペナルティーとなるかのように構成する斬新な遊技性を実現することができる。これにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
なお、本第26実施形態では、確変状態において確変大当たりに当選したとしても、Vラウンド(1ラウンド目)において特定入賞口65aへと遊技球を入球させることが困難となるように、確変大当たりのオープニング期間や1ラウンド目の開放期間の長さ、右打ちした場合の流路の流下時間等を設定する構成とすることで、確変状態をペナルティー状態的な位置づけとしていたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の当たり時の普通電動役物1645aの開閉動作を変更して、時短状態においては第2入球口1645へと遊技球が頻繁に入球するが、確変状態においては遊技球がほぼ第2入球口1645へと入球しないように構成してもよい。より具体的には、例えば、振分装置1755に対する遊技球の入球間隔(変位部材1755eの変位動作の周期)を1.5秒間隔に変更した上で、普通図柄の普通図柄のオープニング期間が経過した後で、普通電動役物1645aが0.5秒間の開放と、0.2秒間の閉鎖と、0.4秒間の開放と、を行うように構成してもよい。そして、確変状態における普通図柄の変動時間およびオープニング期間は通常状態と同じ期間(変動時間が0.1秒、オープニング期間が0.3秒)とし、時短状態における変動時間およびオープニング期間は潜確状態と同じ期間(変動時間が0.1秒、オープニング期間が0.02秒)となるように構成してもよい。この場合、図533に示した通り、確変状態においては左誘導流路1755cを流下した遊技球も右誘導流路1755dを流下した遊技球も突出状態に変位(可変)している普通電動役物1645aへと到達することが不可能となる一方で、時短状態においては、左誘導流路1755cを流下した遊技球も右誘導流路1755dを流下した遊技球も突出状態に変位(可変)している普通電動役物1645aへと到達するように構成できる。この場合、右誘導流路1755dを流下した遊技球は第2入球口1645へと入球する一方で、左誘導流路1755cを流下した遊技球は遊技球の流下速度等によって、第2入球口1645まで到達するか、到達するよりも前に普通電動役物1645aが没入状態に変位(可変)して可変入賞装置65の方向へと流下するかのどちらかとなる。いずれにしても、突出状態の普通電動役物1645aの上面をある程度転動することによって、小当たり用入賞装置2655へと流下可能な範囲を越えるため、時短状態において特定入賞口2655aへと遊技球を入球させることは困難となる。よって、潜確状態が最も有利な遊技状態であるという位置づけを崩さずに、確変状態をペナルティー状態として構成することができる。
本第26実施形態では、ペナルティー状態である確変状態へと移行した場合に、第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選したとしても、確変スイッチ65e3を通過可能な期間に特定入賞口65aへと遊技球が入球困難となるように構成する(ほぼ通常状態が設定されるように構成する)ことで、確変状態を遊技者にとって不利な遊技状態としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合、容易に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させることが可能となる代わりに、不利な確変状態がループするように構成してもよい。この場合において、右打ちを行うことにより、持ち球が減っていくように右打ち用の流路の盤面構成や第2特別図柄の大当たりのラウンド数等を調節してもよい。このように構成することで、確変状態へと移行した場合に右打ちを行うと、大当たりに当選したとしても持ち球がどんどん減っていく不利な遊技状態を形成することができる。
本第26実施形態では、確変状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に、当該確変大当たりのVラウンドの間に遊技球を特定入賞口65aへと入球させることが困難となるように構成することで、確変状態を、他の遊技状態よりも不利となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に、Vラウンドの間に特定入賞口65aへと入球させることが困難となるように構成してもよい。より具体的には、例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たりとなった場合に、大当たりのオープニング期間を極めて短く(例えば、0.02秒)し、Vラウンドが早期に終了する(大当たりが報知されてから右打ちしても間に合わないようにする)構成としてもよい。このように構成することで、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第26実施形態の変形例>
次に、図526を参照して、上述した第26実施形態の変形例について説明する。上述した第26実施形態では、第25実施形態のように、振分装置1755を用いて潜確状態を最も有利な遊技状態として構成する仕様において、通常状態における右打ち遊技を抑制できる技術思想について説明した。しかしながら、第26実施形態における技術思想は、潜確状態においてのみ、小当たり遊技による賞球を頻繁に獲得可能となる他のより一般的な仕様の遊技機に対しても適用することができる。より具体的には、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において右打ちを行った場合に、遊技状態によらず第2入球口640へと頻繁に遊技球が入球する代わりに、通常状態においては第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるように構成することで、通常状態では第2特別図柄の抽選が実行され難くなる一方で潜確状態では第2特別図柄の抽選が実行されて頻繁に小当たりに当選する仕様の遊技機(例えば、第17実施形態や第24実施形態)についても適用可能である。
図526は、第24実施形態におけるパチンコ機10と第26実施形態におけるパチンコ機10とを組み合わせた場合の遊技盤13の盤面構成を示した図である。図526に示した通り、本変形例における遊技盤13では、スルーゲート67の下流に第2入球口640が設けられ、その下流側に小当たり用入賞装置2650が設けられ、その小当たり用入賞装置2650の下流側に可変入賞装置1650が設けられている。
この盤面構成の場合、既に第17実施形態や第24実施形態において上述した通り、時短状態や確変状態においては、右打ちされたほぼ全ての遊技球が第2入球口640へと入球するため、小当たり用入賞装置2650へと遊技球が到達することは不可能(困難)となる一方で、通常状態や潜確状態では、右打ちされた遊技球の一部が第2入球口640へと入球し、他の遊技球が普通電動役物640aの閉鎖期間の間に普通電動役物640aを乗り越えて小当たり用入賞装置2650や可変入賞装置65へと到達可能となる。
ただし、上述した第26実施形態と同様に、小当たり用入賞装置2650と可変入賞装置1650との間には迂回した(つづら折り形状の)流路が組まれているため、普通電動役物640aの閉鎖期間中に第2入球口640を通過した遊技球が可変入賞装置65へと到達するまでには約2秒程度を要する。よって、確変状態における確変大当たりの開始からVラウンド(1ラウンド目)の終了までの期間を2秒以下に設定することによって、確変状態において大当たりに当選した場合に、大当たり種別によらず、特別図柄の確変状態へと移行し難い遊技状態を形成することができる。これにより、確変状態を、第26実施形態と同様に、右打ちを行った場合に大当たりに当選しても特別図柄の確変状態に極めて設定され難い遊技者に不利な遊技状態として形成することができる。
なお、上述した第25実施形態、第26実施形態およびその変形例では、振分部材1755bによって振分装置1755へと流入した遊技球を左誘導流路1755cと右誘導流路1755dとに交互に振り分けるように構成していたが、これに限られるものではない。左誘導流路1755cよりも右誘導流路1755dに振り分けられる頻度が高くなるように構成してもよいし、右誘導流路1755dよりも左誘導流路1755cに振り分けられる頻度が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、特に、潜確状態における有利度合いを可変させることができる。よって、設計の自由度をより向上させることができる。
<第27実施形態>
次に、図527から図532を参照して、第27実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第25実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態において振分装置1755によって普通電動役物1645aの上流側(左誘導流路1755c)に振り分けられた遊技球が小当たり用入賞装置2655へと落下する一方で、振分装置1755によって普通電動役物1645aの下流側(右誘導流路1755d)に振り分けられた遊技球が第2入球口1645へと入球するように構成することで、潜確状態が最も有利となる斬新な遊技性を実現する構成としていた。
これに対して本第27実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり中に遊技球が入球可能となる入賞装置として、右可変入賞装置6550と左可変入賞装置6560との2種類を設ける構成とし、左可変入賞装置6560の内部に設けられている左特別領域6560Lと、右通常領域6560Rとの2種類の領域のうち、左特別領域6560Lへと遊技球が入球した場合に、確変スイッチを通過可能となるように構成している。また、左可変入賞装置6560Lには、第25実施形態における切替部材65hに相当する構成が設けられていない。つまり、左可変入賞装置6560Lが入球可能な状態(開閉扉6560f1が開放されている状態)においては、左特別領域6560L、および右通常領域6560Rのいずれも遊技球が入球可能な状態(上方が開放された状態)となる。よって、左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1が開放される2ラウンド目において、左特別領域6560Lの上方から左特定入賞装置6560へと入球した遊技球は、基本的に左特別領域6560Lへと入球する一方で、右通常領域6560Rの上方から左特定入賞装置6560へと入球した遊技球は、基本的に右通常領域6560Rへと入球する。言い換えれば、左特定入賞装置6560へと遊技球が入球する際の入球位置に応じて入球する領域が可変する(大当たり終了後に特別図柄の確変状態に移行するか否かが可変する)ので、左特定入賞装置6560が入球可能な状態に設定される2ラウンド目において、遊技球の入球位置に注目して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。
この第27実施形態におけるパチンコ機10が、第25実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第25実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第25実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図527を参照して、本第27実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図527は、遊技盤13の正面図である。図527に示した通り、本第27実施形態における第2入球口640は、第1入球口64に対して正面視右側に設けられており、電動役物640aが付随して設けられている。この電動役物640aは、通常時は閉鎖されており、普通図柄の当たりとなった場合に所定期間開放されて、第2入球口640へと入球し易い状態を一時的に形成する。また、図527に示した通り、本第27実施形態では、普通入球口(スルーゲート)67が、可変表示装置ユニット80の右側の流路に設けられている。よって、右打ちを行うだけで、スルーゲート67へも第2入球口640へも遊技球を到達させることができるので、普通図柄の時短状態が設定されている間は、右打ちにより遊技球を発射し続けるだけで、スルーゲート67を通過させることも、電動役物640aの開放期間中に第2入球口640へと入球させることも可能となる。これにより、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、図527に示した通り、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設けられている流路(右打ち用流路)の下流には、第25実施形態における可変入賞装置65に代えて、2種類の可変入賞装置(右可変入賞装置6550、および左可変入賞装置6560)が設けられている。これら2種類の可変入賞装置は、左右方向に並べて配置されている。即ち、正面視右側に右可変入賞装置6550が設けられており、正面視左側に左可変入賞装置6560が設けられている。右可変入賞装置6550は、大当たりの2ラウンド目以外のラウンドにおいて開閉板6550bが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、右特定入賞口6550aへと遊技球が入球可能な開放状態を形成する。この右特定入賞口6550aは、遊技球が入球すると10個の賞球が払い出される入賞口の1種である。また、右特定入賞口6550aが閉鎖されている間は、右特定入賞口6550aを閉鎖する開閉板6550bの上面が、遊技球を流下させることが可能な流路を形成する。即ち、右特定入賞口6550aが閉鎖状態に設定されている間(開閉板6550bが閉鎖されている間)に右可変入賞装置6550へと到達した遊技球は、開閉板6550bの上面を転動して、左可変入賞装置6560の方向へと流下する。
一方、左可変入賞装置6560は、大当たりの2ラウンド目において開閉扉6560f1が大当たり種別に応じた開閉パターンで開閉される。開閉扉6560f1が開放されている間は、左特定入賞口6560aへと入球可能な開放状態を形成する。また、左特定入賞口6560aが閉鎖されている間は、左特定入賞口6560aを閉鎖する開閉扉6560f1の上面が、遊技球を流下させることが可能な流路を形成する。開閉扉6560f1が閉鎖されている状態において、開閉扉6560f1の上面を通過した遊技球は、第2入球口640や、アウト口66等が設けられている領域(遊技盤13の下方領域)へと落下する。
なお、上述した通り、左特定入賞口6560aへと入球した遊技球は、左特定領域6560Lと、右通常領域6560Rとのいずれかに入球する。上述した通り、左特定領域6560Lへと入球した遊技球は、確変スイッチ(図示せず)を通過するので、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が設定される。一方、右通常領域6560Rへと入球した遊技球は、確変スイッチを通過せずにそのままパチンコ機10の外部へと排出される。右打ち用流路の下流に2種類の特定入賞口を設ける構成とすることにより、大当たり遊技の実行中においては、単に右打ちを継続するだけで、右特定入賞口6550aの開放期間に右特定入賞口6550aへと遊技球を入球させることが可能になると共に、左特定入賞口6560aの開放期間に左特定入賞口6560aへと遊技球を入球させることが可能になる。よって、大当たり遊技の実行中における遊技者の利便性を向上させることができる。
図527に示した通り、右打ち用流路は、多数の釘によって、流下した遊技球が右可変入賞装置6550の右方(上流側)に誘導され易くなるように構成されている。言い換えれば、右打ち用流路を流下した遊技球が右可変入賞装置6550を介さずに直接左可変入賞装置6560へと到達することが困難になる盤面構成となっている。即ち、右可変入賞装置6550の開閉板6560bが閉鎖されている間に、開閉板6560bの上面を通過した遊技球のみが右可変入賞装置6560へと到達可能に構成されている。このため、右特定入賞口6550aが開放されるラウンド(大当たりの2ラウンド目以外のラウンド)においては、右打ちされた遊技球が開放されている右特定入賞口6550aへと入球するので、左可変入賞装置6560へと遊技球が到達することはない。
大当たり遊技の実行中において左可変入賞装置6560まで遊技球が到達する可能性があるのは、右特定入賞口6550aが閉鎖状態に維持されるラウンド間のインターバル期間、および左可変入賞装置6560が開放される2ラウンドの間のみである。なお、詳細については後述するが、本第27実施形態では、2ラウンド目が開始されてから左可変入賞装置6560へと到達した遊技球は、ほぼ、右通常領域6560Rへと入球する。左特定領域6560Lへと入球する可能性があるのは、インターバル期間等の、右特定入賞口6550aと左特定入賞口6560aとが共に閉鎖状態となっている期間において、開閉扉6560f1が閉鎖状態の間に開閉扉6560f1の上面に形成された流路まで遊技球が到達し、開閉扉6560f1の上面の流路を半分以上流下した段階で開閉扉6560f1が開放された場合である。つまり、開閉扉6560f1が閉鎖されている間に左特定領域6560Lの上方まで進行した状態で開閉扉6560f1が開放された場合である。この場合は、遊技球がほぼ真下に落下することにより、左特定領域6560Lへと入球する。この左可変入賞装置6560の詳細について、図528、および図529を参照して説明する。
まず、図528を参照して、開閉扉6560f1の上面の構造について説明する。図528(a)は、開閉扉6560f1が閉鎖された状態における左可変入賞装置6560の正面斜視図であり、図528(b)は、開閉扉6560f1が開放された状態における可変入賞装置6560の正面斜視図である。
図528(a)に示した通り、開閉扉6560f1の上面には、遊技球の進行方向を制限する(流下を妨げる)ために設けられている凸部6560f1a~6560f1cが設けられている。開閉扉6560f1の上面を流下する遊技球は、各凸部6560f1a~6560f1cによって進行方向が限定される(流下が妨げられる)ので、各凸部6560f1a~6560f1cの外周に沿って開閉扉6560f1上を流下する。
ここで、図529(a)を参照して、左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1の上面における遊技球の流下経路の詳細について説明する。図529(a)は、開閉扉6560f1が閉鎖された状態における開閉扉6560f1の上面図である。この図529(a)の例では、2個の遊技球が開閉扉6560f1の上面を流下中である場合を例示している。図529(a)に示した通り、開閉扉6560f1の上面に対して正面視右側から左側に向けて入射してきた遊技球は、凸部6560f1aによって進行方向を遮られる結果、凸部6560f1aの外周に沿って迂回する。即ち、進行方向が正面視左方向から正面視奥方向に可変される。そして、凸部6560f1aの外周に沿って凸部6560f1aの左側に回り込んだ遊技球は、次に、凸部6560f1bによって進行方向を遮られる結果、凸部6560f1bの外周に沿って迂回し、凸部6560f1bの左側に回り込む。凸部6560f1bの左側に回り込んだ遊技球は、更に、凸部6560f1cによって進行方向を遮られる結果、凸部6560f1cの外周に沿って迂回し、凸部6560f1cの左側へと回り込んで、開閉扉6560f1の左方へと流下する。
このように、開閉扉6560f1の上面には、各凸部6560f1a~6560f1cによってつづら折り状の流路が形成されている。これにより、各凸部6560f1a~6560f1cが設けられていない場合(即ち、遊技球が開閉扉6560f1上を正面視右方向から左方向へと直線的に流下可能な場合)に比較して、開閉扉6560f1の上面を流下しきるまでに要する期間を長くすることができる。よって、1ラウンド目が終了した後のインターバル期間において、右打ちされた遊技球が短時間で左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1の上面を通過してしまう(無駄球が生じてしまう)ことを抑制することができる。言い換えれば、1ラウンド終了後のインターバル期間において右打ちされたほぼ全ての遊技球を、2ラウンドの開始時に左特定入賞口6560aへと入球可能となる位置(開閉扉6560f1の上面の流路上、若しくは左可変入賞装置6560の手前の流路)に配置させることができるので、2ラウンド目の開始時に、効率良く遊技球を左特定入賞口6560aへと入球させることができる。
図528(a)に戻って説明を続ける。図528(a)に示した通り、左可変入賞装置6560の内部には、遊技球が入球可能な2つの領域(左特定領域6560L、右通常領域6560R)が左右方向に並べて設けられており、これらの2つの領域の境界には、一方の領域へと入球した遊技球が他方の領域へと移動することを妨げるための中央突起部6560Cが設けられている。この中央突起部6560Cが設けられていることにより、左特定領域6560Lへと入球した遊技球が確変スイッチ(図示せず)を通過せずに右通常領域6560Rへと移動してしまったり、逆に、右通常領域6560Rへと入球した遊技球が左特定領域6560Lへと移動して確変スイッチを通過してしまったりすることを防止することができる。よって、遊技球が入球した位置に応じて確変スイッチを通過するか否かを確実に遊技者に判別させることができるので、大当たりの2ラウンド目において、左可変入賞装置6560に対する遊技球の入球位置に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図528(b)は、開閉扉6560f1が開放された状態を示した図である。図528(b)に示した通り、開閉扉6560f1は、正面視手前側から正面視奥側に向けてスライド動作し、遊技盤13に設けられている開口部を介して遊技盤13の内側に収納される。これにより、左特定入賞口6560aが開放された状態となる。つまり、左特定領域6560Lの上方と、右通常領域6560Rの上方とが開放された状態となる。これにより、左可変入賞装置6560の右側から流下してきた遊技球が左特定入賞口6560aに入球可能となる。なお、図528(b)に示した通り、左可変入賞装置6560の内部において、左特定領域6560Lよりも、右通常領域6560Rの方が右側に設けられているので、開閉扉6560f1が開放された後で右側から左特定入賞口6560aへと入球したほぼ全ての遊技球は、右通常領域6560Rへと入球する。遊技球が左特定領域6560Lへと入球するのは、開閉扉6560f1上において、凸部6560f1bよりも下流側(即ち、開閉扉6560f1における左特別領域6560Lの上方)まで遊技球が到達した状態で開閉扉6560f1が開放された場合である。
ここで、開閉扉6560f1の上面に遊技球が乗っている状態で開閉扉6560f1が開放状態に設定された場合における遊技球の流下方向について、図529(b)を参照して説明する。図529(b)は、開閉扉6560f1の上面に遊技球が乗っている状態で開閉扉6560f1が開放された場合における開閉扉6560f1の上面図である。図529(b)に示した通り、開閉扉6560f1における右半分を流下中であった遊技球は、直接、又は中央突起部6560Cの右側の斜面(右斜面RS)を介して、右通常領域6560Rへと落下する。一方、開閉扉6560f1における左半分を流下中であった遊技球は、直接、又は中央突起部6560Cの左側の斜面(左斜面LS)を介して、左特定領域6560Lへと落下する。左特定領域6560Lへと落下した遊技球は、確変スイッチを通過するので、大当たり終了後に遊技者に有利な特別図柄の確変状態が付与される。なお、凸部6560f1bが、開閉扉6560f1における左右方向の略中央位置となるように配置されている。即ち、凸部6560f1bを通過しているか否かに応じて、開閉扉6560f1が開放された場合に落下する領域が可変する構成としている。これにより、遊技者に対して開閉扉6560f1の上面を流下する遊技球が凸部6560f1を通過したか否かにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、開閉扉6560f1が正面視奥側へとスライド移動することにより開放される場合に、開閉扉6560f1を収納するための開口部の高さは、遊技球の直径に対して十分に低いので、開閉扉6560f1のスライド移動が開始される時点で開閉扉6560f1の上面を流下中であった遊技球が開閉扉6560f1と共に遊技盤13の内部に収納されてしまうことを抑制できる。よって、開閉扉6560f1が遊技盤13の内部へとスライド移動した場合に、開閉扉6560f1の上面に乗っていた遊技球を特定入賞口6560aへと落下させることができる。
また、図示については省略したが、左特定領域6560Lと、右通常領域6560Rとには、それぞれ遊技球を排出可能な排出口が設けられており、左特定領域6560L側に設けられている排出口に対して確変スイッチが設けられている。このように、排出口を共通とせず、領域毎に排出口を設ける構成することで、左可変入賞装置6560の内部へと入球した遊技球をよりスムーズに排出させることができる。言い換えれば、左可変入賞装置6560の内部の遊技球が排出されるまでに時間がかかってしまい、2ラウンド目がいつまでも終了されないという不具合が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、本第27実施形態では、左可変入賞装置6560の内部に、開閉扉6560f1が開放状態に設定されている間、常時上方が開放されている2種類の領域(左特定領域6560L、右通常領域6560R)を設ける構成とし、インターバル期間の長さによって、左特定領域6560Lへと入球可能となるか否かを可変させる構成としている。
ここで、大当たり中に可変入賞装置の内部の特定領域に遊技球が入球することで、大当たり終了後に有利な確変状態が付与される遊技機としては、第25実施形態におけるパチンコ機10のように、可変入賞装置の内部に遊技球の進行方向を振り分けるための振分部材を設けているものが一般的に知られている。即ち、振分部材を大当たり中に特定の可変パターンで可変動作させ、確変大当たりにおいては、振分部材により特定領域へと振り分けられる期間に可変入賞装置を入球可能状態に設定する一方で、通常大当たりにおいては、振分部材により特定領域とは異なる領域へと振り分けられる期間にのみ可変入賞装置を入球可能状態に設定することで、特定領域へと入球可能となる大当たりと、入球不可能となる大当たりとを区別する仕様が一般的に知られている。しかしながら、本仕様を採用すると、可変入賞装置の開閉扉の開閉制御に加え、可変入賞装置の内部の振分部材の可変制御も大当たり遊技の実行中に行わなければならないため、大当たり遊技の実行中における処理負荷が増大するという問題点があった。また、振分部材を設けず、可変入賞装置へと入球した全ての遊技球を特定領域に入球させる仕様も知られているが、本仕様では、通常大当たりとなった場合に、可変入賞装置へと遊技球を入球させないように開閉制御を実行する(例えば、極めてわずかな時間(例えば、0.01秒)のみ開閉扉を開放させる)必要があるため、通常大当たりにおいて、大当たり遊技において獲得可能な賞球数が少なくなってしまうという問題点がある。
これに対して本第27実施形態では、左可変入賞装置6560の内部において、左特定領域6560Lと、右特定領域6560Rとを単に左右方向に並べて配置しているにすぎず、左特定入賞口6560aへと入球した遊技球を何れかの領域に振り分けるための何らの機構も設けられていない。即ち、左特定入賞口6560aへと入球する際の入球位置(右特定入賞口6560aの右半分の入球面から入球するか、左半分の入球面から入球するか)のみに依存して、遊技球が左特定領域6560Lへと入球するか、右通常領域6560Rへと入球するかが可変する構成となっている。これにより、大当たりの2ラウンド目(Vラウンド)においては、単に開閉扉6560f1の開閉制御のみを実行すればよいので、Vラウンドにおける処理負荷を軽減することができる。また、本第27実施形態では、一旦左特定入賞口6560aが開放されると、左特定入賞口6560aにおける右側からしか遊技球が入球できなくなる構成となっているので、通常大当たりにおいて、2ラウンド目に左特定入賞口6560aを長い期間開放させても、左特定領域6560Lへと遊技球が入球してしまうことを防止することができる。つまり、通常大当たりにおいても、多く(10個前後)の遊技球を左特定入賞口6560aへと入賞させて当該入賞に基づく賞球を獲得させることができるので、通常大当たりにおいて獲得可能な賞球数をより多くすることができる。よって、通常大当たりになったとしても、賞球面で遊技者を満足させることができる。
なお、本第27実施形態では、1ラウンド目が終了してから2ラウンド目が開始するまでの間のインターバル期間として、大当たり種別に応じて複数(2種類)の種類が設けられている。即ち、比較的長い(4秒間の)インターバル期間と、比較的短い(0.5秒間の)インターバル期間とが設けられている。上述した通り、1ラウンドの間は、基本的に右打ちされた全ての遊技球が右特定入賞口6550aへと入球(入賞)する(左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1の上面に到達不可能となる)ので、1ラウンド終了後のインターバル期間となって(即ち、右特定入賞口6550aが閉鎖されて)、開閉板6550bの上面を通過可能になった後でなければ開閉扉6560f1の上面に遊技球を到達させることができない。右打ちされた遊技球が右可変入賞装置6550へと到達するまでには、1秒前後の期間を要するので、1ラウンド目の終了前1秒前後、および1ラウンド終了後のインターバル期間の間に右打ちされた遊技球のみが、閉鎖状態の開閉板6550bの上面を通過して、閉鎖状態の開閉扉6560f1の上面まで到達する可能性がある。しかしながら、短いインターバル期間(0.5秒間)が設定された場合は、開閉板6550bを通過して閉鎖状態の開閉扉6560f1の上面まで遊技球が到達するよりも前にインターバル期間が終了して(即ち、2ラウンド目が開始されて)、開閉扉6560f1が開放されてしまう。この場合、2ラウンド目において、左特定入賞口6560aに対して右側からしか遊技球を入球させることができなくなる。よって、右通常領域6560Rにのみ遊技球が入球することにより、確変スイッチを通過させることができなくなるので、遊技者にとって有利な確変状態が付与されない(不利な低確率状態が付与される)。
これに対して、長いインターバル期間(4秒間)が設定された場合には、インターバル期間の間に遊技球を右打ちし続けるだけで、閉鎖期間の間に開閉扉6560f1の上面の経路の下流側(左特別領域6560Lの上方)まで遊技球を到達させることができるので、2ラウンド目の開始と共に、開閉扉6560f1の上面を転動していた遊技球を直下の領域に落下させることができる。つまり、容易に左特別領域6560Lへと遊技球を入球させることが可能となるので、大当たり終了後に有利な特別図柄の確変状態に移行させることができる。
なお、本第27実施形態では、開閉扉6560f1の上面に3つの凸部6560f1a~6560f1cを設けることにより、凸部6560f1a~6560f1cを遊技球が迂回する構成とし、遊技球が開閉扉6560f1を通過する通過期間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、凸部6560f1a~6560f1cを設けるのに代えて、または加えて、開閉扉6560f1の上面の材質を、他の部分(遊技盤13の表面や左可変入賞装置6560の内面等)よりも摩擦係数が大きい材質(例えば、弾性体等)で構成したり、遊技球が転動し難くなる加工を施したり(例えば、表面に凹凸を設ける等)してもよい。
本第27実施形態では、1ラウンドが終了した後のインターバル期間の長さとして、0.5秒間と4秒間との2種類のみを設ける構成としていた。即ち、連続して右打ちを行い続けたとしても、左特定入賞口6560aの閉鎖期間の間に開閉扉6560f1の上面における左特定領域6560Lの上方まで遊技球が到達し得ない期間と、インターバル期間が開始されてから遊技球を発射し出したとしても、左特定領域6560Lの上方まで余裕を持って到達させることが可能となる期間との2種類のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりが開始されてから2ラウンドが開始されるまでの間、連続して右打ちを行っていたとしても、左特定入賞口6560aの閉鎖期間の間に左特定領域6560Lの上方まで遊技球が到達するか否かは運(遊技球が右打ち用流路を流下する際の経路)次第となるような長さのインターバル期間(例えば、2.5秒間)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、運次第で左特別領域6560Lへと遊技球が入球するか否かが可変する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図530を参照して、本第27実施形態における大当たり遊技の実行中に第3図柄表示装置81に表示される特徴的な表示演出(Vラウンド示唆演出)について説明する。本第27実施形態では、上述した通り、大当たりの2ラウンド目(Vラウンド)に左特定入賞口6560aが開放される時点において、開閉扉6560f1の上面における左半分(左特定領域6560Lの上方)まで遊技球が進行していなければ、開閉扉6560f1の開放期間中に左特定領域6560Lへと遊技球を入球させることが不可能(困難)となるように構成されている。即ち、2ラウンド(Vラウンド)が開始される前のインターバル期間から遊技球を右打ちし続けていなければ、左特定領域6560Lへと遊技球を入球させる機会が失われてしまう構成となっている。
このため、パチンコ機10での遊技に慣れていない遊技者が遊技を行った場合には、インターバル期間中に遊技球を打ち出さずに2ラウンド(Vラウンド)が開始されるのを待ってしまい、インターバル期間の長短とは無関係に、左特定領域6560Lへと遊技球を入球させる(確変スイッチを通過させる)ことができなくなってしまう虞がある。よって、本第27実施形態では、1ラウンド目の間から、左可変入賞装置6560の開閉板6560f1の左半分の範囲(左特定領域6560Lの上方)に対して遊技球を到達させるように促す演出(Vラウンド示唆演出)を実行する構成としている。このように構成することで、遊技者がインターバル期間の間、遊技球を発射せずに待機してしまうことを防止できるので、左特別領域6560Lへと入球させ易いインターバル期間(4秒間のインターバル期間)が設定された場合に、当該インターバル期間の間右打ちを行わせて2ラウンド(Vラウンド)の開始までに開閉扉6560f1の上面における左半分まで遊技球を到達させることができる。よって、パチンコ機10の遊技になれていない初心者が遊技を行っている場合でも、遊技者に損させてしまうことを抑制できる。
図530は、大当たりの1ラウンド目から1ラウンド終了後のインターバル期間にかけて表示されるVラウンド示唆演出の表示態様の一例を示した図である。図530に示した通り、Vラウンド示唆演出が実行されると、主表示領域Dmの中央部分に、「次のラウンドの開始までにCAHNCEに到達させろ!!」という文字と、左可変入賞装置6560の模式図と、左可変入賞装置6560の左側を指す矢印の画像とが表示された表示領域HR10が形成される。また、左可変入賞装置6560の模式図において、左半分には「CHANCE」という文字が表示される一方で、右半分には「NG」という文字が表示される。これらの表示内容により、次のラウンド(Vラウンド)が開始させるまでの間に、左可変入賞装置6560の左半分まで遊技球を到達させることができれば、何らかの特典があるということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。よって、2ラウンド目が開始されるまでの間、遊技者に対して積極的に遊技球を右打ちさせることができるので、遊技者が損をしてしまう(長いインターバル期間が設定されたにもかかわらず左特定領域6560Lへと遊技球を入球させることができなくなってしまう)ことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
<第27実施形態における電気的構成>
次いで、図531を参照して、本第27実施形態における主制御装置110のROMに設けられている第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。なお、主制御装置110のROM202におけるその他(第1当たり種別選択テーブル202b以外)の構成については、第25実施形態から変更されていないため、ここではその詳細な説明については省略する。
図531に示した通り、本第27実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、6種類の大当たり種別が規定されている。具体的には、第1特別図柄の大当たりとして、大当たりA27~C27の3種類の大当たり種別が規定されていると共に、第2特別図柄の大当たりとして、大当たりD27~F27の3種類の大当たり種別が規定されている。
図531に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、「大当たりA27」が対応付けられて規定されている(図531の202b1参照)。この「大当たりA27」は、ラウンド数が16ラウンドであり、2ラウンド(Vラウンド)の直前の(1ラウンド終了後の)インターバル期間として、比較的長い4秒間のインターバル期間が設定される大当たり種別である。1ラウンドの終了後に4秒間のインターバル期間が設定されると、上述した通り、インターバル期間の間に右打ちをし続けるだけで左特定領域6560Lへと入球させることが可能となる位置まで到達させることができる。よって、「大当たりA27」は、Vラウンド示唆演出(図530参照)に従って1ラウンドのラウンド期間から2ラウンドの開始までの間、連続して遊技球を右打ちすることにより、大当たり終了後に確変状態が付与される大当たり種別(確変大当たりの1種)である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA27」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA27」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりA27」は、ラウンド数が最も多く、且つ、左特定領域6560Lへと容易に入球させることが可能なインターバル期間が設定される大当たり種別であるので、遊技者にとって最も有利な大当たり種別の1種である。
また、図531に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~59」の範囲には、「大当たりB27」が対応付けられて規定されている(図531の202b2参照)。この「大当たりB27」は、ラウンド数が5ラウンドであり、「大当たりA27」と同様に、左特定領域6560Lへと容易に入球させることが可能なインターバル期間(4秒間のインターバル期間)が設定される大当たり種別(5ラウンド確変大当たり)である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB27」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB27」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりB27」は、ラウンド数が最も少ないため、獲得できる賞球数の面では最も不利となるが、Vラウンド示唆演出に従って右打ちを行うだけで大当たり終了後に有利な確変状態が付与されるので、大当たり終了後の有利状態の面では最も有利な大当たり種別の1種となる。
また、図531に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~99」の範囲には、「大当たりC27」が対応付けられて規定されている(図531の202b3参照)。この「大当たりC27」は、ラウンド数が5ラウンドであり、2ラウンド(Vラウンド)の直前の(1ラウンド終了後の)インターバル期間として、比較的短い0.5秒間のインターバル期間が設定される大当たり種別である。上述した通り、1ラウンドが終了して開閉板6550bが閉鎖され、左特定入賞装置6560へと遊技球が到達可能となってから0.5秒間の間に左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1における左半分(左特定領域6560Lの上方)まで遊技球を到達させることは不可能(困難)であるため、「大当たりC27」は、大当たり終了後に確変状態が付与されない(付与される可能性が極めて低い)大当たり種別(通常大当たりの1種)である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC27」となるカウンタ値は40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC27」が決定される割合は40%(40/100)である。この「大当たりC27」は、ラウンド数が最も少なく、更に、大当たり終了後の遊技状態も不利な特別図柄の低確率状態となるので、遊技者にとって最も不利な大当たり種別である。
また、図531に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲には、「大当たりD27」が対応付けられて規定されている(図531の202b4参照)。この「大当たりD27」は、ラウンド数が16ラウンドであり、「大当たりA27」や「大当たりB27」と同様に、左特定領域6560Lへと容易に入球させることが可能なインターバル期間(4秒間のインターバル期間)が設定される大当たり種別(16ラウンド確変大当たり)である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD27」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD27」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりD27」は、ラウンド数が最も多く、大当たり終了後の遊技状態も有利な確変状態となるので、遊技者にとって最も有利な大当たり種別の1種である。
また、図531に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~59」の範囲には、「大当たりE27」が対応付けられて規定されている(図531の202b5参照)。この「大当たりE27」は、ラウンド数が10ラウンドであり、「大当たりD27」と同様に、左特定領域6560Lへと容易に入球させることが可能なインターバル期間(4秒間のインターバル期間)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE27」となるカウンタ値は55個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE27」が決定される割合は55%(55/100)である。この「大当たりE27」は、賞球面で「大当たりA27」や「大当たりD27」(16ラウンド大当たり)よりも不利となり、「大当たりB27」や「大当たりC27」(5ラウンド大当たり)よりも有利となる。また、大当たり終了後は基本的に有利な確変状態となるので、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者にとって最も有利な大当たり種別の1種である。
また、図531に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~99」の範囲には、「大当たりF27」が対応付けられて規定されている(図531の202b6参照)。この「大当たりF27」は、ラウンド数が10ラウンドであり、「大当たりC27」と同様に、左特定領域6560Lへと遊技球を入球させることが困難なインターバル期間(0.5秒間のインターバル期間)が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF7」となるカウンタ値は40個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF7」が決定される割合は40%(40/100)である。この「大当たりF27」は、「大当たりE27」と同様に、賞球面で「大当たりA27」や「大当たりD27」(16ラウンド大当たり)よりも不利となり、「大当たりB27」や「大当たりC27」(5ラウンド大当たり)よりも有利となる。また、大当たり終了後の遊技状態は、ほぼ特別図柄の通常状態となるので、大当たり終了後の遊技状態の面では、遊技者にとって最も不利な大当たり種別の1種である。
<第27実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図532を参照して、本第27実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される制御処理を説明する。ここで、本第27実施形態では、第25実施形態(および第6実施形態)における大当たり動作設定処理6に代えて大当たり動作設定処理27(Z1381)を実行する点でのみ相違している。この大当たり動作設定処理27(Z1381)の詳細について、図532を参照して説明する。この大当たり動作設定処理27(Z1381)は、各特定入賞口(右特定入賞口6550a、左特定入賞口6560a)の開閉動作を設定するための処理である。この第27実施形態における大当たり動作設定処理27(Z1381)では、まず、2ラウンド(Vラウンド)の開始タイミングであるか否かを判別し、2ラウンドの開始タイミングである(即ち、左特定入賞口6560aが開放されるタイミングである)と判別した場合は(S4111:Yes)、左特定入賞口6560aの開閉シナリオを読み出す(S4112)。ここで、本第27実施形態では、通常大当たりと、確変大当たりとで、開閉扉6560f1の開放パターン(開閉シナリオ)を異ならせている。より具体的には、通常大当たり(大当たりC27,F27)の場合には、2ラウンドの開始と共に開閉扉6560f1が開放状態に設定され、当該開放状態が所定時間(30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入賞するまで)の間維持される開放パターン(開閉シナリオ)が設定される。一方、確変大当たり(大当たりA27,B27,C27,D27)の場合には、2ラウンドの開始と共に開閉扉6560f1が開放され、以降は1秒間の開放期間と3秒間の閉鎖期間とが最大で3回繰り返される開放パターン(開放シナリオ)が設定される。
確変大当たりと通常大当たりとで開放シナリオを異ならせているのは、確変大当たりにおいて、1ラウンド終了後のインターバル期間中に遊技球を発射しなかった(インターバル期間の間に開閉扉6560f1における左半分の領域まで遊技球を到達させることができなかった)遊技者に対する救済を図るためである。即ち、2ラウンドの間、遊技球を右打ちし続けることにより、3秒間の閉鎖期間の間に開閉扉6560aの上面における左半分(左特定領域6560Lの上方)に遊技球を到達させることが可能となる。よって、3秒間の閉鎖期間の後に設定される1秒間の開放期間において、開閉扉6560f1の上面における左半分に到達していた遊技球を、左特定領域6560Lへと落下させることができる。つまり、左特定領域6560Lへと入球させることが可能となる位置(開閉扉6560f1の上面における左半分)に遊技球を送り込む機会を、2ラウンド(Vラウンド)のラウンド期間中も与えることができるので、確変大当たりにおいて、より確実に左特定領域6560Lへと遊技球を入球させることができる。よって、確変大当たりにもかかわらず左特定領域6560Lへと遊技球を入球させることができなくなり、遊技者が損をしてしまうという事態が発生することをより確実に防止することができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
S4112の処理が終了すると、大当たり種別に対応する開閉シナリオの開始を設定して(S4113)、処理をS4115へと移行する。一方、S4111の処理において、今回の開始するラウンドが2ラウンド(Vラウンド)ではないと判別した場合は(S4111:No)、右特定入賞口6550aの開放を設定して(S4114)、処理をS4115へと移行する。S4115の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S4115)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理27(図532参照)を実行することにより、大当たり種別、およびラウンド数に応じた開放動作を設定することができる。
以上説明した通り、本第27実施形態では、右打ち用流路において、右可変入賞装置6550の下流側に左可変入賞装置6560を配置し、右可変入賞装置6560の開閉板6550bが閉鎖されている間にのみ、右打ちされた遊技球が左可変入賞装置6560まで到達可能となるように構成している。そして、左可変入賞装置6560の内部における左側には、入球した遊技球が確変スイッチを通過可能(容易)となる左特定領域6560Lが設けられている一方で、右側には確変スイッチを通過不可能(困難)となる右通常領域6560Rとが設けられており、1の大当たりにおいて確変スイッチを遊技球が通過した場合にのみ、大当たり終了後に遊技者に有利な確変状態が付与される構成としている。これらの2つの領域は、左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1が開放状態に設定されている間、常時上方が開放された状態となるため、左特定入賞口6560aに対する遊技球の入球位置に応じて、確変状態が付与されるか否かが可変するように構成されている。即ち、遊技球が左特定入賞口6560aにおける左半分に入球した場合には、左特定領域6560Lへと入球する一方で、右半分に入球した場合には、右通常領域6560Rへと入球する。ここで、右打ち用流路を流下して右可変入賞装置6550を通過した遊技球は、左可変入賞装置6560に対して右側から到達するため、左可変入賞装置6560の開閉扉6560が開放された後で左可変入賞装置6560に到達した遊技球は、左特定入賞口6560aにおける右側に入球して、右通常領域6560aへと入球する。左特定領域6560Lへと入球する可能性があるのは、インターバル期間等の、右特定入賞口6550aと左特定入賞口6560aとが共に閉鎖状態となっている期間において、開閉扉6560f1が閉鎖状態の間に開閉扉6560f1の上面に形成された流路まで遊技球が到達し、開閉扉6560f1の上面の流路を半分以上流下した段階で開閉扉6560f1が開放された場合である。つまり、開閉扉6560f1が閉鎖されている間に左特定領域6560Lの上方まで進行した状態で開閉扉6560f1が開放された場合である。この場合は、遊技球がほぼ真下に落下することにより、左特定領域6560Lへと入球する。本第27実施形態では、1ラウンドの終了に伴って右可変入賞装置6550の開閉板6550bが閉鎖され、左可変入賞装置6560へと到達可能となってから、2ラウンド(Vラウンド)が開始されて開閉扉6560f1が開放されるまでのインターバル期間として、開閉扉6560f1の左半分まで到達可能な期間と、左半分まで到達し得ない期間とが設けられている。確変大当たりにおいては、1ラウンド終了後のインターバル期間として、開閉扉6560f1の左半分まで到達可能な4秒間のインターバル期間を設定する一方で、通常大当たりにおいては、開閉扉6560f1の左半分まで到達し得ない0.5秒間のインターバル期間を設定する構成としている。
ここで、大当たり中に可変入賞装置の内部の特定領域に遊技球が入球することで、大当たり終了後に有利な確変状態が付与される遊技機としては、第25実施形態におけるパチンコ機10のように、可変入賞装置の内部に遊技球の進行方向を振り分けるための振分部材を設けているものが一般的に知られている。即ち、振分部材を大当たり中に特定の可変パターンで可変動作させ、確変大当たりにおいては、振分部材により特定領域へと振り分けられる期間に可変入賞装置を入球可能状態に設定する一方で、通常大当たりにおいては、振分部材により特定領域とは異なる領域へと振り分けられる期間にのみ可変入賞装置を入球可能状態に設定することで、特定領域へと入球可能となる大当たりと、入球不可能となる大当たりとを区別する仕様が一般的に知られている。しかしながら、本仕様を採用すると、可変入賞装置の開閉扉の開閉制御に加え、可変入賞装置の内部の振分部材の可変制御も大当たり遊技の実行中に行わなければならないため、大当たり遊技の実行中における処理負荷が増大するという問題点があった。また、振分部材を設けず、可変入賞装置へと入球した全ての遊技球を特定領域に入球させる仕様も知られているが、本仕様では、通常大当たりとなった場合に、可変入賞装置へと遊技球を入球させないように開閉制御を実行する(例えば、極めてわずかな時間(例えば、0.01秒)のみ開閉扉を開放させる)必要があるため、通常大当たりにおいて、大当たり遊技において獲得可能な賞球数が少なくなってしまうという問題点がある。
これに対して本第27実施形態では、左可変入賞装置6560の内部において、左特定領域6560Lと、右特定領域6560Rとを単に左右方向に並べて配置しているにすぎず、左特定入賞口6560aへと入球した遊技球を何れかの領域に振り分けるための何らの機構も設けられていない。即ち、左特定入賞口6560aへと入球する際の入球位置(右特定入賞口6560aの右半分の入球面から入球するか、左半分の入球面から入球するか)のみに依存して、遊技球が左特定領域6560Lへと入球するか、右通常領域6560Rへと入球するかが可変する構成となっている。これにより、大当たりの2ラウンド目(Vラウンド)においては、単に開閉扉6560f1の開閉制御のみを実行すればよいので、Vラウンドにおける処理負荷を軽減することができる。また、本第27実施形態では、一旦左特定入賞口6560aが開放されると、左特定入賞口6560aにおける右側からしか遊技球が入球できなくなる構成となっているので、通常大当たりにおいて、2ラウンド目に左特定入賞口6560aを長い期間開放させても、左特定領域6560Lへと遊技球が入球してしまうことを防止することができる。つまり、通常大当たりにおいても、多く(10個前後)の遊技球を左特定入賞口6560aへと入賞させて当該入賞に基づく賞球を獲得させることができるので、通常大当たりにおいて獲得可能な賞球数をより多くすることができる。よって、通常大当たりになったとしても、賞球面で遊技者を満足させることができる。
なお、本第27実施形態では、大当たりの2ラウンド目にのみ、左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1が開放されるように構成したが、これに限られるものではない。直前のラウンドで右可変入賞装置6550が開放されるラウンドであれば、任意のラウンドで左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1を開放してもよい。また、左可変入賞装置6560の開閉扉6560f1を開放するラウンドの数は1のラウンドに限られるものではなく、複数のラウンドで開閉扉6560f1を開放する構成としてもよい。これにより、パチンコ機10の設計の自由度を向上させることができる。
本第27実施形態では、開閉扉6560f1が開放された状態で左可変入賞装置6560へと到達した遊技球は、ほぼ確実に右通常領域6560Rへと入球する構成としていたが、これに限られるものではない。遊技球の勢いや流下方向、左特定入賞口6560aへの入射角等によっては、開閉扉6560f1が開放されてから左可変入賞装置6560へと到達した遊技球も左特定領域6560Lへと入球し得る構成としてもよい。この場合において、左可変入賞装置6560と右可変入賞装置6550との間の経路に、接触した遊技球が跳ね易くなる突起等を設ける構成とし、跳ねた状態で左可変入賞装置6560の右上方向から左特定入賞口6560aへと入射してきた遊技球のみが、左特定領域6560Lへと入球し得るように構成してもよい。このように構成することで、開閉扉6560f1が開放されている間も、遊技球の左特定入賞口6560aに対する入球位置(左側に入球するか、右側に入球するか)により注目させることができるので、Vラウンドにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第27実施形態では、左可変入賞装置6560の内部に左特定領域6560Lと、右通常領域6560Rとを設ける構成とし、左特定領域6560Lへと遊技球が入球した場合にのみ、遊技球が確変スイッチを通過可能となる構成としていたが、右通常領域6560Rは必ずしも設ける必要はない。例えば、左可変入賞装置6560の内部に入球した遊技球は、必ず確変スイッチを通過するように構成した上で、Vラウンドにおける開閉扉6560f1の開放時間を極めて短くする(例えば、0.2秒間にする)構成としてもよい。つまり、Vラウンドの開始時に開閉扉6560f1の上面に形成されている流路上に遊技球が乗っている場合に、開閉扉6560f1の開放と同時に上面に乗っていた遊技球が左特定入賞口6560aへと入球して確変スイッチを通過する一方で、Vラウンドの開始時に開閉扉6560f1の上面に遊技球が乗っていなければ、ほぼ、Vラウンド中に遊技球を右特定入賞口6560aへと入球させることが不可能となるように構成してもよい。そして、1ラウンド終了後のインターバル期間として、1ラウンドから2ラウンド(Vラウンド)の開始まで継続して右打ちを行い続けたとしても、2ラウンド(Vラウンド)の開始までに開閉扉6560f1まで遊技球を到達させることが困難となる長さのインターバル期間(例えば、0.1秒)と、開閉扉6560f1の上面に遊技球を到達させることが可能となるインターバル期間(例えば、2秒間)とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、左特定入賞口6560aへと遊技球が入球することで大当たり終了後に確変状態に移行することが確定するという、極めてシンプルな遊技性を実現することができるので、より分かり易い遊技性を提供することができる。
本第27実施形態では、確変大当たりとなった場合に開閉扉6560f1の左半分から遊技球を入球させることが可能となる一方で、通常大当たりとなった場合には、遊技球が左可変入賞装置6560の右側からしか入賞しないように構成することで、確変スイッチを通過するか否かを異ならせる構成としていた。即ち、遊技球の左特定入賞口6560aに対する入球位置に応じて確変スイッチを通過するか否かが可変する構成としていたが、入球位置に応じて可変させる対象はこれに限られるものではない。例えば、左特定入賞口6560aの左半分を装飾体等によって遮蔽して遊技者から見え難くした上で、左特定入賞口6560aへと入球した全ての遊技球が確変スイッチを通過する構成としてもよい。そして、左特定入賞口6560aの開放期間を短く(例えば、0.5秒間)としてもよい。即ち、開閉扉6560f1の左半分まで達した遊技球が左特定入賞口6560aへと入球したか否かが遊技者に分かり難くなる一方で、左半分よりも手前側を遊技球が流下している場合には、左特定入賞口6560aへと入球したか否かが容易に視認できる構成としてもよい。このように構成することで、遊技球が左半分を超えた場合には、確変スイッチを通過したか否かが分かり難くなるので、確変状態に対する期待感をより長く遊技者に抱かせ続けることができる遊技性を実現できる一方、左半分に到達していない場合には、確変状態に移行するか否かが即座に理解できる遊技性を実現することができる。
本第27実施形態では、左可変入賞装置6560の上流側に右可変入賞装置6550を設ける構成とすることで、大当たり中において左可変入賞装置6560へと遊技球が到達可能となる期間を限定する構成としていたが、左可変入賞装置6560へと到達可能となる期間を限定するための構成はこれに限られるものではない。例えば、左可変入賞装置6560の上流側に第2入球口640を設ける構成としてもよい。即ち、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放している間は、右打ちされた遊技球が第2入球口6400へと入球することにより左可変入賞装置6560へと到達不可能に構成してもよい。このように構成することで、Vラウンドの直前のインターバル期間中に電動役物640aが開放されると、インターバル期間中に第2入球口640にばかり入賞してしまうため、閉鎖されている状態の開閉扉6560f1の上面に遊技球を進行させて、左半分まで到達させることが困難になる。よって、Vラウンドの直前のインターバル期間において、普通図柄の当たりにならないことを願わせるという斬新な遊技性を実現することができる。また、例えば、右打ち用流路において、左可変入賞装置6560へと向かう流路と、左可変入賞装置6560とは異なる方向へと向かう流路とのどちらかに振り分ける振分部材を設ける構成とし、大当たり種別に応じて左可変入賞装置6560へと向かう流路へと振り分けられる期間を可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、1ラウンド終了後のインターバル期間を大当たり種別によらず共通とし、通常大当たりでは、インターバル期間が終了するまで左可変入賞装置6560へと向かう流路に振り分けられないように振分部材を動作制御する一方で、確変大当たりでは、インターバル期間の開始と共に、左可変入賞装置6560へと向かう流路に振り分けられるように振分部材を動作制御する構成としてもよい。
本第27実施形態では、インターバル期間の間に右可変入賞装置6550と左可変入賞装置6560との間の経路へと到達した遊技球が開閉扉6560f1の左半分へと到達するか否かに応じて、Vラウンドが開始された後で左特定領域6560Lへと遊技球が入球するか否かが可変する構成としていた。即ち、左可変入賞装置6560へと遊技球が到達可能となり、且つ、左特定入賞口6560aへと入球不可能となる期間が経過した直後に、左可変入賞装置6560へと遊技球が到達可能で、且つ、左特定入賞口6560aへと入球可能な期間が設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左可変入賞装置6560へと遊技球が到達可能となり、且つ、左特定入賞口6560aへと入球不可能となる期間(第1期間)が経過した後で、当該第1期間の間に左可変入賞装置へと向かった遊技球以外が左可変入賞装置6560へと到達不可能となる期間(第2期間)が設定される構成としてもよい。そして、第2期間の経過後に、左可変入賞装置6560へと遊技球が到達可能で、且つ、左特定入賞口6560aへと入球可能な期間(第3期間)が設定される構成としてもよい。より具体的には、例えば、右可変入賞装置6550と左可変入賞装置6560との間の経路の長さをより長くすると共に、Vラウンドを3ラウンド目以降としてもよい。つまり、Vラウンドの2ラウンド前のラウンドが終了した後に設定されるインターバル期間の間に右可変入賞装置6550を通過した遊技球が、Vラウンドの開始前後で左可変入賞装置6560へと到達する構成としてもよい。この場合において、大当たり種別に応じてインターバル期間を可変させる方法のほか、Vラウンドの前のラウンドのラウンド期間の長さ(第2期間の長さ)を可変させることにより、左特定領域6560Lへと入球可能な大当たり種別と、到達困難な大当たり種別とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技球が左特定領域6560Lへと入球するか否かが分からない期間(左特定領域6560Lへの入球に対する期待感を持続させることができる期間)を、より長くすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第27実施形態では、左可変入賞装置6560の上流側に右可変入賞装置6550を設ける構成とし、Vラウンドの直前インターバル期間を可変させることにより、Vラウンド開始直後における左特定入賞口6560aに対する遊技球の入球位置を可変させる構成としていた。即ち、長い(4秒間の)インターバル期間が設定された場合には、Vラウンド開始時に、左特定入賞口6560aの左半分側から遊技球が入球し易くなる一方で、短い(0.5秒間の)インターバル期間が設定された場合には、Vラウンド開始時に、左特定入賞口6560aの右半分側から遊技球が入球し易くなる(左半分側に遊技球が入球不可能となる)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、内部に特定領域(大当たり中に遊技球が入球することで大当たり終了後に確変状態が付与される領域)が設けられている可変入賞装置を複数(例えば、第1可変入賞装置と、第2可変入賞装置との2種類)設ける構成とし、第1可変入賞装置を上流側(右側)、第2可変入賞装置を下流側(左側)に配置する構成とする。そして、Vラウンド中に第1可変入賞装置へと入賞し易い大当たり種別と、第2可変入賞装置へと入賞し易い大当たり種別とを設ける構成としてもよい。また、この場合において、第1可変入賞装置と、第2可変入賞装置とで特定領域に対する入球率を異ならせる構成にすると、より効果的である。より具体的には、例えば、第1可変入賞装置の内部に入球した遊技球は、20%の割合で特定領域へと入球するのに対し、第2可変入賞装置の内部に入球した遊技球は、80%の割合で特定領域へと入球する構成としてもよい。このように構成することで、Vラウンドにおいて遊技球が入球する可変入賞装置の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第27実施形態では、Vラウンドを大当たりの2ラウンド目に固定化する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて1ラウンド目以外のあらゆるラウンドがVラウンドとなる可能性があるように構成してもよい。このように構成した上で、Vラウンドとなるよりも前に設定される各ラウンドのうち、Vラウンドの直前のラウンドを少なくとも含む一部又は全部のラウンドで、次のラウンドがVラウンドとなる期待度を示唆する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、いつVラウンドが開始されるかを遊技者に分かり難くすることができるので、大当たり遊技の実行中において、遊技者に緊張感を保って遊技を行わせることができる。
本第27実施形態では、Vラウンドの直前のインターバル期間として、インターバル期間中に開閉扉6560f1の上面における左側まで到達可能な長さの期間と、インターバル期間中に左可変入賞装置6560へと到達困難な長さの期間とを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変大当たりの一部又は全部で、より長い(例えば、10秒間の)インターバル期間を設定する構成としてもよい。即ち、インターバル期間の途中から右打ちを開始したとしても、Vラウンドの開始時までに開閉扉6560f1の左側に十分に遊技球を到達させることが可能な長さのインターバル期間を設定する構成としてもよい。また、この場合において、インターバル期間の前半(例えば、最初の4秒間)で遊技者の発射状況を判断して、遊技球を発射していなければ、右打ちを強く促す警告演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者がVラウンドの直前のインターバル期間の間に右打ちを行わずにVラウンドの開始まで待機してしまい、確変大当たりにもかかわらず大当たり終了後が低確率状態となってしまうことを抑制できる。
本第27実施形態では、確変大当たりでは、Vラウンドの直前のインターバル期間として4秒間が設定されると共に、Vラウンドにおける開閉扉6560f1の開放パターンとして、Vラウンドの開始と共に開閉扉6560f1が開放され、以降は1秒間の開放期間と3秒間の閉鎖期間とが最大で3回繰り返される開放パターン(開放シナリオ)が設定される構成としていたが、確変大当たりにおけるインターバル期間、および開放パターンはこれに限られるものではない。例えば、確変大当たりの一部では、インターバル期間を0.5秒間に設定する構成としてもよい。このように構成したとしても、Vラウンド中の3秒間の閉鎖期間の間に右打ちをし続けることにより、開閉扉6560f1の上面における左側まで遊技球を到達させることができるので、その後の1秒間の開放期間において遊技球を左特定領域6560Lへと入球させることができる。よって、短いインターバル期間により、遊技者に対していったんは通常大当たりに当選したかと思わせておいて、左特定領域6560Lへと入球可能となる逆転パターンを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、通常大当たりにおける開放パターンとして、確変大当たり時の開放パターンに類似するが、左特定領域6560Lへと入球不可能な開放パターンを設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、通常大当たりとなった場合の一部で、1秒間の開放期間と、1.5秒間の開放期間とが最大で3回繰り返される開放パターンが設定される構成としてもよい。このように構成することで、Vラウンド中に開閉扉6560f1が1秒間で閉鎖されたとしても、確変大当たりが確定しないので、3秒間に渡って閉鎖されることを強く願ってVラウンド中の遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるものである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22,23を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したことで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
上述した第6、第8、および第9実施形態では、振分装置700の内部に右第1入球口64a2を開放させるための第1作動口704と、右第2入球口64bを開放させるための第2作動口707と、を設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、振分装置700の内部に直接右第1入球口64a2と、右第2入球口64bとを設ける構成としてもよい。つまり、第1作動口704に代えて右第1入球口64a2を設けると共に、第2作動口707に代えて右第2入球口64bを設ける構成としてもよい。このように構成することで、第1作動口704、第2作動口707、第1作動役物645a、および第2作動役物645bを削除することができるので、盤面構成を簡素化することができる。よって、パチンコ機10の部品点数を削減できるので、原価率を低減することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64、或いは第2入球口640への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域(遊技領域)を異ならせるように構成しているが、これに限られること無く、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しても良い。また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
大当たり種別の振り分け(割合)や、大当たり終了後の時短回数や確変回数(ST回数)、大当たり確率や小当たり確率、普通図柄の当たり確率、各入賞口への入賞に対する賞球数や、確変リミット回数等の遊技の仕様に関する数値(確率)は、上記各実施形態の数値に限定されるものではなく、各実施形態の趣旨を変更しない範囲で任意に変更することができる。有利な大当たり種別の割合を高くしたり、時短回数やST回数を多くしたり、大当たり確率や小当たり確率を高くしたり、賞球数を多くしたり、確変リミット回数を多くすることで、遊技者の有利度合いをより高めることができる。また、逆に、有利な大当たり種別の割合を低くしたり、時短回数やST回数を少なくしたり、大当たり確率や小当たり確率を低くしたり、賞球数を少なくしたり、確変リミット回数を少なくすることで、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
さらに、複数段階の設定を設定可能なパチンコ機10においては、設定されている設定値に基づいて、主制御装置110にて変動パターンを選択する際に参照される変動パターン選択テーブル202bの種別を異ならせたり、音声ランプ制御装置113にて第3図柄の変動パターン(変動演出)を選択する際に参照される変動パターン選択テーブル222aの種別を異ならせたり、変動演出として実行される詳細な演出態様を選択する際に参照される各種選択テーブルの種別を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、実行される変動演出の内容に応じて、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、遊技者が興味を持つ変動演出を実行することができる。
また、操作演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルを、パチンコ機10に設定されている設定値に基づいて異ならせる場合には、操作演出の演出態様として、設定されている設定値を示唆するための「設定示唆」の演出態様を、各設定値に対して用いられる各データテーブルで選択割合が同一となるように規定しておき、「設定示唆」の演出態様で実行される操作演出の演出内容を、各設定値に応じて異ならせるように構成し、その他の演出態様の選択割合を設定値に応じて可変させるように構成すると良い。このように構成することで、設定値を直接示唆する「設定示唆」の操作演出が実行された場合には、その演出内容を、それ以外の操作演出が実行された場合には、各演出態様の選択割合を、複合的に把握することにより、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、実行される様々な操作演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した通り、操作演出における各演出態様の選択割合は、設定されている遊技状態に応じても異ならせるように構成しているため、例えば、遊技者に不利となる設定「1」から遊技者に有利となる設定「6」までの6段階で設定値を設定可能なパチンコ機10において、設定「1」~「3」が設定されており、且つ、遊技者に有利な第1遊技状態(確変状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合と、設定「4」~「6」が設定されており、且つ、第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態(時短状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合とを同一にすることで、遊技者に不利となる設定値が設定されているパチンコ機10を遊技している遊技者に対しても、遊技者に有利となる設定値が設定されているのではと思わせることができる。
このように、パチンコ機10に設定されている設定値と、その他の遊技状況(大当たりの抽選結果、設定されている遊技状態、選択された変動パターン(変動時間))とに基づいて演出態様の選択割合を可変させるように構成することで、パチンコ機10に設定されている設定値を遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(小当たり当選で時短終了)
判別条件が成立した場合に所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に第1判別結果とは異なる第2判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を設定する終了条件設定手段と、を有し、前記終了条件設定手段は、前記動的表示実行手段により前記動的表示が所定回数実行されたことに基づいて成立する第1終了条件と、前記判別手段の判別結果が前記第1判別結果であることに基づいて成立し得る第2終了条件と、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果であることに基づいて成立し得る第3終了条件と、を少なくとも設定可能に構成されるものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、実行される特典遊技の種別によって予め定められた所定期間(所定回数)の間、時短遊技が実行されるものであるため、時短遊技が実行される期間を遊技者に容易に把握されてしまい、時短遊技が継続するか否かに注目させながら遊技を行わせることが難しく、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、遊技者に有利な第2遊技状態を終了させるための終了条件を複数設定することができるため、遊技者に対して第2遊技状態が継続して設定される期間を予測させ難くすることができ、遊技が単調になることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2遊技状態が継続して設定されている期間中に、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果となる回数が所定数に到達した場合に、前記第3終了条件が成立するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に小特典遊技が実行される回数によって、第2遊技状態を終了させることができるため、第2遊技状態中の判別手段の判別結果に対して遊技者を注視させることができる。
また、第2遊技状態中に過剰に小特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
遊技機A2において、前記判別手段は、前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果も判別するものであり、前記小特典遊技実行手段は、前記判別手段の判別結果が前記第3判別結果である場合にも前記小特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3終了条件が成立し得ない小特典遊技を実行することが可能となることから、第2遊技状態中に実行された小特典遊技の回数を把握するだけでは、第2遊技状態が継続して設定される期間を予測させ難くすることができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A2またはA3において、前記判別手段は、前記第2判別結果として、前記小特典遊技実行手段に第1小特典遊技を実行させる特定第2判別結果と、前記小特典遊技実行手段に前記第1小特典遊技とは異なる第2小特典遊技を実行させる前記特定第2判別結果とは異なる特別第2判別結果とを少なくとも判別するものであり、前記特定第2判別結果と判別された回数が第1所定回数となった場合、或いは、前記特別第2判別結果と判別された回数が前記第1所定回数とは異なる第2所定回数となった場合に、前記第3終了条件が成立するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2またはA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、小特典遊技の種別に応じて異なる回数の終了条件を設定することができるため、第2遊技状態中に実行された小特典遊技の回数を把握するだけでは、第2遊技状態が継続して設定される期間を予測させ難くすることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A4において、前記小特典遊技が実行される場合に、遊技球が入球し難い第1状態から入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過した場合にも前記特典遊技を実行するものであり、前記小特典遊技実行手段により前記第1小特典遊技が実行された場合と、前記第2小特典遊技が実行された場合とで、前記特定領域への遊技球の通過し易さを異ならせたものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機A実行される小特典遊技の種別に応じて、第2遊技状態が終了する可能性と、特典遊技を実行させる可能性と、を異ならせることができるため、実行される小特典遊技の内容に対して遊技者を注視させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(特1遊技と特2遊技で異なる時短終了条件)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、遊技球が入球可能な前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球し、所定の第1判別条件が成立した場合に所定の第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球し、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に所定の第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を複数設定可能な終了条件設定手段と、を有し、前記終了条件設定手段は、複数の前記終了条件として、前記第1判別が実行されるよりも前記第2判別が実行される場合に成立し易い第1終了条件と、前記第2判別が実行されるよりも前記第1判別が実行される場合に成立し易い第2終了条件と、を少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217766号公報)。さらに、上記した遊技機は、遊技の抽選として特別図柄の抽選を実行するものであり、且つ、特別図柄を2種類設けることにより、様々な遊技の抽選を実行可能とするものであった。しかしながら、上記した遊技機は、時短遊技中に実行される特別図柄の抽選回数が所定回数に到達した場合に時短状態を終了させるものであるため、時短状態中に抽選が実行される特別図柄の種別に関わらず同一の条件で時短状態が終了することになる。よって、時短状態の遊技が単調となりやすいという不具合があった。また、時短状態中に実行される抽選の内容は、抽選される特別図柄の種別に応じて異ならせてはいるが、時短状態が終了するか否かの遊技結果については、抽選される特別図柄の種別に関わらず同一であるため、時短状態が継続する期間と、時短状態中に抽選が実行される特別図柄の種別とに、関連性を持たせることができず、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、第1判別を実行する場合と第2判別を実行する場合とで第2遊技状態を終了させるための終了条件を異ならせることが可能となる。よって、第2遊技状態中にどの判別が実行されるのかを遊技者に注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機B1において、前記判別手段の判別結果が第2判別結果である場合に前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段を有し、前記終了条件設定手段は、少なくとも前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果である場合に成立し得る判別結果終了条件と、前記動的表示実行手段により前記動的表示が実行されたことに基づいて成立し得る動的表示終了条件と、を設定するものであり、前記判別手段は、前記第1判別が実行されるよりも前記第2判別が実行されるほうが前記第2判別結果と判別し易いものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別が実行されるよりも第2判別が実行されるほうが、第2遊技状態を終了させるための終了条件のうちの1つが成立し易くなるため、第2遊技状態中に何れの判別が実行され、且つ、その判別結果が何であったのかを遊技者が気にすることになる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B2において、前記終了条件設定手段は、前記第1終了条件として前記判別結果終了条件を設定し、前記第2終了条件として前記動的表示終了条件を設定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別が実行されるほうが、第2判別が実行されるよりも、判別結果終了条件が成立し易くなる。つまり、第2判別のほうが第2判別結果となり易いにも関わらず、判別結果終了条件が成立し難いことになる。よって、第2判別結果となったのが第1判別なのか第2判別なのかを遊技者が注視することになるため、飽きの来ない遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果である場合に、前記第2判別結果の種別として複数の第2判別結果種別から1の第2判別結果種別を決定する第2判別結果種別決定手段を有し、前記終了条件設定手段は、前記判別結果終了条件として前記第2判別結果種別決定手段により決定される第2判別結果種別毎に異なる終了条件を設定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別結果種別に基づいて異なる終了条件を設定することができるため、終了条件が成立するタイミングを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、今後の遊技を予測させる楽しみを高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記第2判別結果種別決定手段は、前記第1判別の判別結果が前記第2判別結果となった場合と、前記第2判別の判別結果が前記第2判別結果となった場合とで、異なる第2判別結果種別を決定可能とするものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第1判別と第2判別とで異なる第2判別結果種別を決定することができるため、第1判別と第2判別とで、判別結果終了条件の成立のし易さを容易に異ならせることができるという効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、前記終了条件設定手段は、前記動的表示終了条件として前記第1判別に基づく前記動的表示が実行された場合に成立し得る第1動的表示終了条件と、前記第2判別に基づく前記動的表示が実行された場合に成立し得る第2動的表示終了条件と、を設定するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態を終了させるための終了条件を異ならせることが可能となる。よって、第2遊技状態中にどの判別が実行されるのかを遊技者に注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記動的表示終了条件は、前記動的表示が実行された動的表示回数が所定回数となった場合に終了条件が成立するものであり、前記終了条件設定手段は、前記第1動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、前記第2動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、を異ならせて設定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、第2動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、を異ならせることができるため、第2遊技状態が設定されている場合において、第1判別が実行される遊技と、第2判別が実行される遊技とで、第2遊技状態の終了のし易さを異ならせることができるため、多様な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B7において、前記終了条件設定手段は、前記第1判別に基づいて実行された第1動的表示回数と、前記第2判別に基づいて実行された第2動的表示回数と、を合算させた合算動的表示回数が上限回数に到達した場合に成立する上限動的表示終了条件を設定するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示回数と、第2動的表示回数と、を合算させた合算動的表示回数が上限に到達した場合にも、第2遊技状態を終了させるため、第2遊技状態中に第1判別と第2判別とが過剰に実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に適正な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B8において、所定の移行条件が成立した場合に、前記判別手段の判別結果が前記第1判別結果となり易い有利状態を特定期間設定する有利状態設定手段を有し、前記所定の移行条件は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態を設定する場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定するタイミングに合わせて、有利状態を設定することができるため、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機B9において、前記有利状態が設定されている前記特定期間中に前記第1遊技状態が設定された場合に、遊技者に有利な特別状態を設定する特別状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態が設定されている期間中に、第2遊技状態が終了した場合に、特別状態が設定される。これにより、第2遊技状態が終了するタイミングに応じて異なる遊技状態を設定することが可能となる。加えて、特定期間という所定期間内に第2遊技状態を終了させることで特別状態が設定されるように構成しているため、遊技者に有利な第2遊技状態を積極的に終わらせるという斬新な遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
なお、特定期間としては、第2遊技状態が設定されたタイミングから所定の終了条件が成立するまでの期間を設定するようにしても良いし、第2遊技状態が設定されている状態において、特定の成立条件を満たした場合から所定の終了条件が成立するまでの期間を設定するように構成しても良い。
<特徴C群>(残時短期間演出)
判別条件が成立した場合に所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を複数設定可能な終了条件設定手段と、その終了条件設定手段により設定された複数の前記終了条件のうち、成立し易い終了条件を判別する終了条件判別手段と、前記第2遊技状態が継続して設定される期間を示唆するための示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、その示唆演出実行手段により実行される前記示唆演出の演出態様を設定する示唆演出態様設定手段と、を有し、前記示唆演出態様設定手段は、前記終了条件判別手段により判別された前記終了条件に基づいて前記示唆演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、実行される特典遊技の種別によって予め定められた所定期間(所定回数)の間、時短遊技が実行されるものであるため、時短遊技が実行される期間を遊技者に容易に把握されてしまい、時短遊技が継続するか否かに注目させながら遊技を行わせることが難しく、遊技が単調となりやすいという不具合があった。そこで、本出願人は、時短遊技を終了させるための条件を複数設けることで、時短遊技が継続して設定される期間を遊技者に分かり難くさせる遊技機の開発を行った。この遊技機では、時短遊技を終了させるための終了条件が複数存在することから、時短遊技が行われる残期間を遊技者に報知し難く、遊技者に分かり難い遊技を提供してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者に分かり易い遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、第2遊技状態を終了させるための終了条件が複数設定されている場合であっても、その中で成立し易い終了条件に基づいて示唆演出を設定することができるため、第2遊技状態が継続して設定される期間を遊技者が把握し易くすることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記終了条件判別手段は、前記第2遊技状態中における前記判別手段の実行内容に基づいて前記成立し易い終了条件を判別するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実際に判別手段の実行内容に基づいて成立し易い終了条件を判別しているため、判別精度を高めることができるという効果がある。
遊技機C2において、前記第2遊技状態が継続して設定されている期間に実行される前記判別手段の実行内容に基づいて所定の遊技情報を更新する更新手段を有し、前記終了条件設定手段は、前記複数の終了条件として、前記更新手段により第1遊技情報が更新される場合に成立し得る第1終了条件と、前記更新手段により前記第1遊技情報とは異なる第2遊技情報が更新される場合に成立し得る第2終了条件と、を少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段が実行されることにより成立し得る複数の遊技情報に対して終了条件を設定しているため、第2遊技状態が終了するか否かを判別手段の実行内容に基づいて把握し難くすることができる。よって、遊技者を示唆演出に注視させることができ演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記第1終了条件は、前記第1遊技情報の更新回数が第1回数となった場合に成立するものであり、前記第2終了条件は、前記第2遊技情報の更新回数が第2回数となった場合に成立するものであり、前記更新手段により更新された前記遊技情報に基づいて、前記第1終了条件が成立するまでの第1残更新数と、前記第2終了条件が成立するまでの第2残更新数と、を判別する残更新数判別手段を有し、前記終了条件判別手段は、前記残更新数判別手段の判別結果に応じて前記成立し易い終了条件を判別するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、各終了条件が成立するまでの残回数に基づいて成立し易い終了条件を判別しているため、示唆演出の演出態様の精度を高めることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記残更新数判別手段により判別された前記第1残更新数、或いは、前記第2残更新数が所定の終了前条件を満たしているかを判別する終了前条件判別を有し、前記示唆演出態様設定手段は、前記終了前条件判別手段の判別結果に基づいて前記示唆演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了前条件判別手段により終了前条件を満たしているか否かに応じて示唆演出の演出態様を設定することができるため、示唆演出の演出態様によって遊技者に対して終了条件が成立するまでの残回数を予測させることができるという効果がある。
遊技機C5において、前記示唆演出態様設定手段は、前記終了前条件判別手段の判別により、複数の前記終了前条件が成立していると判別した場合に、特定の示唆演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了前条件が成立した場合に特定の示唆演出態様を設定することができるため、遊技者に対して時短状態の残期間を予測させることが可能となる。よって、遊技者に対して予測する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されてからの第1期間を設定する第1期間設定手段を有し、前記示唆演出態様設定手段は、前記第1期間設定手段により前記第1期間が設定されている状態で前記終了条件が成立する場合には、特別示唆演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利な第2遊技状態が設定されてから所定期間内に終了条件が成立した場合には特別示唆演出態様が設定されるため、終了条件が成立したタイミングに応じた演出態様を設定することができる。よって、遊技者に対して終了条件が成立するタイミングを意識させることで演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機C7において、前記第1期間設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから前記判別手段により実行される前記判別の回数が所定回数となるまで前記第1期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段により実行される判別の回数が所定回数となるまで第1期間が設定されるため、第1期間が設定されている状態を遊技者が把握し易くなる。よって、遊技者に対して第1期間が設定されている間に終了条件が成立するか否かを楽しませることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C7またはC8において、前記第1期間設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてからの経過時間が所定時間となるまで前記第1期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C7またはC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定されてからの経過時間が所定時間内である場合に第1期間が設定されるため、第1期間内に終了条件を成立させるために意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴D群>(1種2種で通常時短)
第1判別条件が成立した場合に判別を行う第1判別手段と、その第1判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技が終了した後に、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件が成立し易くなる特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段と、前記第2判別条件が成立した場合に判別を行う第2判別手段と、その第2判別手段による判別の結果として第2判別結果を示す識別情報が前記表示手段に表示された場合に、遊技球が入球し難い第1状態から入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過した場合にも前記特典遊技を実行するものであり、前記特定遊技状態設定手段は、前記第2判別条件が成立し易い第1特定遊技状態と、その第1特定遊技状態よりも前記第2判別条件が成立し難い第2特定遊技状態と、を少なくとも設定可能なものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合、或いは、遊技の当否抽選が当たり以外の場合において、実行され得る所定遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217766号公報)。さらに、遊技機の遊技状態として上述した特典遊技が実行され易い遊技状態を設定可能にするものがある。上記した遊技機は、遊技者に有利な遊技状態と、それ以外の遊技状態の2つの遊技状態を設定するものであり、遊技者に有利な遊技状態を段階的に複数設定することができないため、遊技が単調となりやすいという問題があった。上記した遊技機において、遊技が単調となることを抑制し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、特定遊技状態中に第2判別条件の成立のし易さを異ならせた遊技状態を設定することができるため、遊技が単調になることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記第1判別手段による判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2判別手段による判別結果を示すための第2識別情報とを表示可能な表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報を所定の第1期間動的表示させる第1動的表示手段と、前記表示手段に前記第2識別情報を所定の第2期間動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段により実行される前記第1識別情報の第1動的表示期間を設定する第1動的表示期間設定手段と、前記第2動的表示手段により実行される前記第2識別情報の第2動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、を有し、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間に、前記第2動的表示手段により前記第2識別情報を動的表示させることが可能に構成され、前記表示手段に、前記第1識別情報が前記第1判別結果を示すための第1表示態様で停止表示されたことに応じて前記特定遊技状態が設定され、前記第2識別情報が前記第2判別結果を示すための第2表示態様で停止表示されたことに応じて前記可変入球手段が前記第2状態へと可変されるものであり、前記特定遊技状態設定手段は前記第1動的表示期間設定手段により設定される第1動的表示期間、或いは、前記第2動的表示期間設定手段により設定される前記第2動的表示期間を異ならせることにより、前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とを設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技状態中における第1動的表示期間と第2動的表示期間とを異ならせることにより、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを設定可能としているため、特定遊技状態中に第2判別条件の成立のし易さを異ならせた遊技状態を容易に設定することができるという効果がある。
遊技機D2において、前記第2動的表示期間設定手段は、前記第2特定遊技状態が設定されている場合よりも前記第1特定遊技状態が設定されている場合のほうが短い第2動的表示期間を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間を短くすることで第2判別手段による判別を実行させ易くすることができるため、遊技状態を容易に設定することができるという効果がある。
遊技機D2またはD3において、前記第2判別手段は、前記第1判別結果も判別可能に構成され、前記第2動的表示期間設定手段は、前記第2特定遊技状態中に前記第2判別手段の判別結果が前記第1判別結果である場合には、前記第1判別結果以外の判別結果である場合よりも短い第2動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2またはD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別手段の判別結果が第1判別結果である場合は、他の判別結果よりも短い動的表示期間が設定されるため、特典遊技を実行させ易くすることができるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、前記第1動的表示期間設定手段は、前記第1特定遊技状態が設定されている場合よりも前記第2特定遊技状態が設定されている場合のほうが短い第1動的表示期間を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定遊技状態が設定されている場合よりも第2特定遊技状態が設定されている場合のほうが短い第1動的表示期間を設定され易くなるため、遊技状態を容易に設定することができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第1動的表示期間設定手段は、前記第1特定状態中に前記第1判別手段の判別結果が前記第1判別結果である場合には、前記第1判別結果以外の判別結果である場合よりも短い第1動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定状態中に第1判別結果である場合には、第1判別結果以外の判別結果である場合よりも短い第1動的表示期間が設定される。これにより、遊技者に有利な判別結果であることを遊技者に即座に報知することができる。よって、遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D2からD6のいずれかにおいて、所定の第1取得条件が成立した場合に、第1入球情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得した前記第1入球情報を、前記第1判別条件が成立するまでの間、第1所定数を上限に複数記憶可能な第1記憶手段と、所定の第2取得条件が成立した場合に、第2入球情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得した前記第2入球情報を、前記第2判別条件が成立するまでの間、第2所定数を上限に複数記憶可能な第2記憶手段と、を有し、前記第1特定遊技状態が設定されている状態において実行される最初の第2判別手段の判別結果が第2判別結果である場合には、前記第1特定遊技状態が設定されている状態において実行される最初の第1判別手段の判別結果を示すための前記第1動的表示期間よりも短い動的表示期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D2からD6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定遊技状態が設定されている状態において最初に実行される第2判別手段の判別結果が第2判別結果である場合には、第1特定遊技状態が設定されている状態において最初に実行される第1判別手段の判別結果を示すための第1動的表示期間よりも短い動的表示期間が設定される。これにより、第1記憶手段と第2記憶手段とが共に入球情報を記憶している状態で第1特定遊技状態が設定されたとしても、遊技者に有利となる第2判別手段の第2判別結果を即座に遊技者に報知することができる。よって、遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴E群>(時短中の小当たり当選時の電サポ制御)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を複数設定可能な終了条件設定手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、複数の前記終了条件のうち成立した終了条件に応じて前記第1遊技状態を設定するタイミングを異ならせるものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、時短遊技を終了させるタイミングが同一であるため、時短遊技が終了したか否かを遊技者に即座に把握されてしまうため、遊技が単調になり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上させる遊技を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、成立した終了条件の種別に基づいて第1遊技状態を設定するタイミングを異ならせることができるため、終了条件が成立した場合にその種別に対しても遊技者に興味を持たせることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記判別手段の判別結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に、前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段を有し、前記終了条件設定手段は、少なくとも、前記動的表示が実行された場合に成立し得る第1終了条件と、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果である場合に成立し得る第2終了条件と、を設定するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1終了条件が成立したと判別された場合には、対応する前記動的表示が終了し、前記識別情報が停止表示されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定し、前記第2終了条件が成立したと判別された場合には、対応する前記小特典遊技が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、成立した終了条件の内容に応じて第1遊技状態を設定するため、違和感の無い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機E2において、前記第1終了条件と、前記第2終了条件と、のうち何れか終了条件が成立したかを判別する終了条件判別手段を有し、前記終了条件判別手段は、前記第2終了条件よりも前記第1終了条件を優先して判別するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段により実行される1回の判別によって、複数の終了条件が成立した場合には、第1終了条件が優先して判別される。よって、第2終了条件が成立することに基づいて第1遊技状態が設定される状況を発生し難くすることができ、特別感を遊技者に提供することができるという効果がある。
なお、遊技機E3の構成を用いる場合には、第2終了条件が成立することに基づいて第1遊技状態が設定される場合には、第1終了条件が成立することに基づいて第1遊技状態を設定する場合よりも遊技者に有利となるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して終了条件が成立したか否かだけではなく、成立する終了条件に対しても注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E3において、前記終了条件判別手段は、前記判別手段により1の判別が実行される場合に前記第1終了条件が成立するかの判別を行い、前記第1終了条件が成立しないと判別した場合に、前記第2終了条件が成立するかの判別を行うものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、各終了条件の成立の有無について判別を行うタイミングを異ならせているため、第1終了条件の成立の有無を第2終了条件の成立の有無よりも確実に優先した判別することができるという効果がある。
遊技機E2からE4のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果の場合に、実行される前記小特典遊技の種別を決定する遊技種別決定手段を有し、前記遊技種別決定手段は、前記小特典遊技が実行される期間が異なる複数の種別のうち、1の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、実行される期間が異なる小特典遊技を実行することができる。よって、第2遊技状態が終了するタイミングを小特典遊技中の遊技期間を跨いで大きく異ならせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることが出来るという効果がある。
遊技機E5において、遊技球が入球し易い第1状態と、その第1状態よりも入球し難い第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段の状態を可変制御する可変制御手段と、を有し、前記小特典遊技実行手段は、前記小特典遊技として前記可変入球手段が前記第1状態となるように前記可変制御手段による可変制御を実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1終了条件が成立して第1遊技状態が設定される場合と、第2終了条件が成立して第1遊技状態が設定される場合とで、遊技者に対する有利度合いを大きく異ならせることができる。よって、遊技者に対して成立した終了条件の種別と、実行される小特典遊技の種別と、の両方に注視させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることが出来るという効果がある。
遊技機E6において、前記小特典遊技の種別は、前記小特典遊技中における前記可変入球手段が前記第2状態となる期間の長さを異ならせるものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定される小特典遊技の種別に応じて、小特典遊技として遊技者に付与される特典量も可変することになるため、実行される小特典遊技の種別を遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機E7において、前記小特典遊技の種別は、前記小特典遊技中における前記可変入球手段が前記第1状態となる期間の長さが同一である複数の種別を有するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、小特典遊技として遊技者に付与可能な特典量を同一に設定した複数の小特典遊技に対して、小特典遊技の実行期間を異ならせることにより、第2遊技状態が設定される期間の長さを異ならせることができるという効果がある。
<特徴F群>(複数の時短遊技を遊技者が選択)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球した場合に取得可能な第1取得情報を取得したことに基づいて第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球した場合に取得可能な第2取得情報を取得したことに基づいて第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記有利遊技状態が設定されている場合に、前記第1判別を実行させるための第1有利遊技と、その第1遊技とは異なり、前記第2判別を実行させるための第2有利遊技と、を遊技者が選択可能な選択手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217766号公報)。このような遊技機は、上述した時短遊技を実行する場合に、通常とは異なる遊技領域に向けて遊技球を発射させる遊技を遊技者に行わせるように構成されていた。上記した遊技機は、遊技者に有利な遊技状態である時短遊技中に通常とは異なる遊技方法を実行させることで特別感を提供することができるものであったが、予め定められた遊技方法を遊技者に行わせるだけのものであるため、遊技が単調になり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上させる遊技を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、成立した終了条件の種別に基づいて第1遊技状態を設定するタイミングを異ならせることができるため、終了条件が成立した場合にその種別に対しても遊技者に興味を持たせることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1によれば、遊技者に有利となる有利遊技状態において、遊技者が遊技方法を選択することができるため、遊技者に対して多彩な遊技を提供することが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記第1有利遊技によって実行される前記特典遊技は、前記第2有利遊技によって実行される前記特典遊技よりも、遊技者に有利なものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F1またはF2において、前記第2有利遊技は、前記第1有利遊技よりも前記有利遊技状態が継続し易いものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な遊技領域と、発射強度を可変可能であり、前記遊技領域へと遊技球を到達させることが可能な発射手段と、を有し、流下可能な第1遊技領域と、前記一の発射強度とは異なる所定の発射強度で発射された遊技球が流下可能な前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域とを有し、前記第1遊技領域に前記第1入球手段を設け、前記第2遊技領域に前記第2入球手段を設け、前記選択手段は、前記発射手段の発射強度を可変させるものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4において、前記特典遊技が実行される場合に前記発射手段で発射された遊技球が入球可能となる可変入球手段を有し、前記可変入球手段は、前記第1遊技領域を流下する遊技球も前記第2遊技領域を流下する遊技球も入球可能に構成されるものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F4またはF5において、前記有利状態が設定されている場合に前記第1入球手段よりも入球し易くなる第3入球手段を有し、前記第3入球手段に遊技球が入球し、前記第1判別条件が成立した場合にも前記第1判別が実行されるものであり、前記第1有利遊技とは、前記第3入球手段へ遊技球を入球させる遊技であることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6において、前記第1入球手段は、前記遊技領域のうち、前記第1遊技領域と、前記第2遊技領域とは異なる第3遊技領域に設けられるものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F5からF7のいずれかにおいて、前記第1遊技領域を流下する遊技球を検出するための第1検出手段と、前記第2遊技領域を流下する遊技球を検出するための第2検出手段と、前記第1検出手段の検出結果と、前記第2検出手段の検出結果とに基づいて、現在の選択されている有利遊技の種別を判別する実行遊技判別手段と、その実行遊技判別手段の判別結果を示すための情報を遊技者に報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8において、前記報知手段は、前記特典遊技が実行されている間に報知を行うものであることを特徴とする遊技機F9。
<特徴G群>(義風タイプで異なる時短転落条件)
遊技球が入球可能となる開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を開放条件の成立に基づいて、前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路と前記第2流路との一方に振分可能な振分手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路に振分易い第1振分状態と前記第2流路に振分易い第2振分状態とを設定する振分状態設定手段と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第1入球手段と、前記第2流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記可変制御手段により前記可変入球手段を前記開放状態に可変させ易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記開放状態に可変させ難い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段による前記第1判別の実行、或いは前記第2判別手段による前記第2判別の実行、に基づいて遊技状態を設定するものであり、前記第1遊技状態が設定されている場合においては、前記第1判別を実行するほうが前記第2判別を実行するよりも、前記第2遊技状態が設定され易くなるものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003-265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、第1判別を実行するほうが第2判別を実行するよりも、第2遊技状態が設定され難くすることができるので、第1遊技状態が設定されている場合において、第1判別が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1において、前記第1判別手段が特定の第1判別結果となった場合に第1特典遊技を実行し、前記第2判別手段が特定の第2判別結果となった場合に前記第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合における遊技状態に応じて前記振分状態設定手段により前記第1振分状態と前記第2振分状態とに設定される設定割合を可変する割合可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となった場合における遊技状態に応じて、第1振分状態と第2振分状態とのいずれかに設定される割合が可変されるので、判別結果だけでなく遊技状態によって、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機G2において、前記遊技状態として、複数の遊技状態が設定されており、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となったことに基づいて、前記複数の遊技状態より1の遊技状態を選択して設定する選択設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となったことに基づいて選択設定手段により1の遊技状態が選択して設定されるので、判別結果だけでなく設定される遊技状態にも興味を持たせて興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な第2可変入球手段と、その第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、特定領域に入球するか否かを期待させる遊技を行うことができ遊技を多様にできるという効果がある。
遊技機G4において、前記特典付与手段により付与される特典は、前記特定の第1判別結果と判別される確率または前記特定の第2判別結果と判別される確率を所定条件が成立するまで高く設定するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果と判別される確率を可変できるので、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機G1かG3のいずれかにおいて、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合に、特定条件の成立に基づいて終了条件が成立するまで、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率を通常よりも高く設定する特別状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、終了条件が成立してしまうか否かを遊技者に心配させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴H群>(有利状態に移行後、特定条件が成立するよりも前に当たりとなるよりも、特定条件の成立後に当たりとなった方が有利となる遊技性)
所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1状態を設定する第1状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記第1状態が設定されてから当該第1状態の間に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間において、予め定められた特定条件が成立するよりも前に前記特典遊技が実行された場合と、前記特定条件が成立した後で前記特典遊技が実行された場合とで、遊技者にとっての有利度合いが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の状態が設定されている間、遊技者の有利度合いは一定となるので、同一の遊技状態が設定されている間における遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難くなってしまう虞がある。
これに対して遊技機H1によれば、特典遊技が実行された場合に、特定条件が成立する前の実行であるか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記第1状態が設定されてから予め定められた第1回数の前記判別手段による判別が終了するまでの間に前記特典遊技が実行されなかった場合に、前記第1状態よりも不利な第2状態を設定する第2状態設定手段を備え、前記特定条件は、前記第1状態が設定された後、前記第1回数以下の第2回数の前記判別手段による判別が終了するまでの間に前記特典遊技が実行されなかった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1状態において実行された判別の回数に応じて特典遊技の有利度合いが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H2において、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、少なくとも前記判別手段による判別に用いられるまでの間記憶することが可能な記憶手段を備え、前記第2状態は、前記第1状態よりも、前記判別情報取得手段による前記判別情報の取得が困難となるように構成されているものであり、前記特定条件は、前記第1状態が設定された後、前記第1回数の前記判別手段による判別が終了するまでの間に前記特典遊技が実行されなかった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、第1状態が終了するまでの間に実行される判別と、第2状態に設定された時点で記憶手段に記憶されている判別情報に基づく判別と、で特典遊技が実行された場合の有利度合いが可変するので、第2状態に設定された時点において記憶手段に記憶されている判別情報の個数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H3において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、所定の取得条件は、前記第1入球手段と前記第2入球手段との少なくとも一方へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記第2状態は、前記第1状態よりも、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変し難くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、第1状態であるか、第2状態であるかに応じて異なる入球手段へと遊技球が入球し易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になったことに基づいて、前記第2可変手段が所定期間、前記第4位置から前記第3位置に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第3入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている特定領域と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4のいずれかが奏する効果に加え、可変遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H5において、遊技者の操作に応じて、遊技球を第1方向とその第1方向とは異なる第2方向とを少なくとも含む複数の方向のうちいずれかの方向へと発射可能な発射手段を備え、前記所定の取得条件は、少なくとも前記第1状態において、前記第1方向へと遊技球が発射されるよりも、前記第2方向へと遊技球が発射された場合の方が成立し易くなるように構成されているものであり、前記第3入球手段は、前記第2方向へと発射された遊技球よりも、前記第1方向へと発射された遊技球の方が入球し易くなる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、第1状態において第1方向へと遊技球を発射している間に可変遊技が実行された場合に、第1方向へと発射されていた遊技球がそのまま第3入球手段の特定領域へと入球することを抑制することができるので、第1状態において、特定領域へと遊技球を入球させるために発射方向を第2方向へと変更するか、第1方向へと遊技球を発射し続けることにより特定領域へと遊技球を入球させずに可変遊技を終了させるかを遊技者に選択させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH6のいずれかにおいて、前記第1状態設定手段は、前記第1状態が設定されてから当該第1状態の間に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間において、前記特定条件が成立するよりも前に前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技が終了した後の状態として第1の割合で前記第1状態を設定し、前記特定条件が成立した後で前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技が終了した後の状態として前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第1状態を設定するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1からH6のいずれかにおいて、特定条件が成立した後で特典遊技が実行された場合の方が、有利な第1状態が設定される割合が高くなるので、特定条件が成立した後で特典遊技が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H7において、前記第1状態設定手段は、前記2状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技が終了した後の状態として前記第1の割合よりも高い第3の割合で前記第1状態を設定するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H7の奏する効果に加え、不利な第2状態の方が、特定条件が成立する前の第1状態よりも、有利な第1状態が設定される割合が高くなるので、第2状態が過剰に不利となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴I群>(時短中に、期待度が高い特2抽選を実行させるタイミングを遊技者に選択させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、第1の遊技方法で遊技を行うことにより前記特典遊技が実行され難くなり、且つ、前記特定条件が成立し難くなり、前記第1の遊技方法とは異なる第2の遊技方法で遊技を行うことにより、前記第1の遊技方法で遊技を行った場合よりも前記特典遊技が実行され易くなり、且つ、前記特定条件が成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の遊技状態が設定されている間において、同一の遊技方法により遊技を行わなければ遊技者にとって不利益となる可能性があるため、同一の遊技状態が設定されている間、当該遊技状態に対応する遊技方法を実行し続けなくてはならなかった。よって、遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となってしまう虞がある。
これに対して遊技機I1によれば、第1の遊技方法で遊技を行うか、第2の遊技方法で遊技を行うかによって遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I1において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されるものであり、前記第1判別手段は、前記第2判別手段の判別よりも、判別が実行された場合に前記特典遊技が実行され難くなり、且つ、前記特定条件が成立し難くなるように構成されているものであり、前記第1の遊技方法は、前記第2判別手段の判別よりも、前記第1判別手段の判別の方が実行され易くなる遊技方法で構成され、前記第2の遊技方法は、前記第1判別手段の判別よりも、前記第2判別手段の判別の方が実行され易くなる遊技方法で構成されていることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、判別が実行される判別手段の種別によって、第1遊技状態における遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機I2において、前記特定条件は、前記第1遊技状態が設定されてから前記特典遊技が実行されずに予め定められた第1回数の前記第1判別手段の判別が実行されたことに基づいて成立し、前記第2遊技状態が設定されてから前記特典遊技が実行されずに前記第1回数よりも少ない第2回数の前記第2判別手段の判別が実行されたことに基づいて成立するように構成されているものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、第1判別手段の判別回数と、第2判別手段の判別回数と、に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I2又はI3において、遊技球を発射することが可能な発射手段と、その発射手段によって予め定められた特定方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記特定方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得可能な第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、を備え、前記第1判別手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行するものであり、前記第2判別手段は、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2又はI3の奏する効果に加え、第1遊技状態においては、特定方向へと遊技球を発射することにより、第1判別手段の判別と、第2判別手段の判別と、の両方を実行させることが可能となるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機I4において、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、予め定められた第1の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第1記憶手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、予め定められた第2の情報数を上限として、前記第2判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第2記憶手段と、を備え、前記第2判別手段は、前記第1記憶手段に1以上の前記判別情報が記憶されている場合に、判別の実行が抑制されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、第1遊技状態において、判別が実行されても特定条件が成立し難い第1判別手段の判別を優先的に実行させることができるので、第1遊技状態が長く継続し易くなるように構成することができる。よって、遊技者に対してより長い期間、第1遊技状態を楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
遊技機I5において、前記第2の遊技方法は、前記第2記憶手段に対して1以上の前記判別情報が記憶されている場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記判別情報が判別に用いられるまで遊技球の発射が抑制されるように遊技を行う遊技方法であることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、第2の遊技方法を行うことにより、第1判別手段の判別を実行させ難くすることができるので、特典遊技が実行され易くすることができる。よって、毎回の判別に対して、より高い期待感を遊技者に抱かせることができるという効果がある。
遊技機I4からI6のいずれかにおいて、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第1入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な第1可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記特定方向に発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、その通過手段を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられている第3入球手段と、前記通過手段を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第3入球手段とは異なる第4入球手段と、前記通過手段を通過した遊技球を前記第3入球手段と、前記第4入球手段と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、前記特定方向に発射された遊技球が前記通過手段を通過可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が前記通過手段を通過困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて前記可変手段が所定期間、前記第6位置から前記第5位置へと可変するように制御する可変制御手段と、を備え、前記第1可変手段は、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2位置から前記第1位置へと可変するように構成されているものであり、前記第2可変手段は、前記第4入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第4位置から前記第3位置へと可変するように構成されているものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I4からI6のいずれかが奏する効果に加え、通過手段を通過した遊技球が振分手段によって振り分けられる入球手段の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機I7において、前記可変条件は、前記第2遊技状態よりも、前記第1遊技状態の方が成立し易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I7の奏する効果に加え、第1遊技状態において、通過手段を遊技球が通過し易くなるので、より効率良く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I7又はI8において、前記第1遊技状態は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第4入球手段よりも前記第3入球手段へと振り分けられ易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I7又はI8の奏する効果に加え、通過手段を遊技球が通過した場合に、第2入球手段よりも第1入球手段が入球可能となる可能性を高くすることができるので、第1判別手段の判別がより実行され易く構成することができるという効果がある。
遊技機I2からI9のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて成立し得る所定の実行条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段を備え、前記第2判別手段は、前記第1判別手段よりも、判別結果が前記第2の判別結果となる確率が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I2からI9のいずれかが奏する効果に加え、第2判別手段の判別が実行された場合に、特定の判別結果だけでなく、第2の判別結果になることも期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機I10において、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難となる第2状態と、に可変可能に構成され、遊技球が入球可能な特定領域が設けられている可変入球手段と、前記判別手段の判別結果が前記第2の判別結果になったことに基づいて、前記可変入球手段が所定期間、前記第2状態から前記第1状態に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記実行条件は、前記可変入球手段へと入球した遊技球が前記特定領域に入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、遊技機I10の奏する効果に加え、可変遊技が実行された場合に特定領域へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴J群>(有利状態中よりも有利状態終了後の方が大当たり期待度が高くなる遊技性)
第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて、前記第1の判別よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2の判別を実行する第2判別手段と、を有した遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第1の判別条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態において前記設定条件が成立して前記第2遊技状態が設定された場合に、予め定められた特定条件が成立していれば、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易い第1状態を形成するように構成されているものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態から不利な遊技状態に移行した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
これに対して遊技機J1によれば、不利な第2遊技状態が設定されたとしても、第1状態が形成されている間は有利な第2の判別条件が成立し易くなるので、第1状態が形成された場合における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記遊技機は、前記第1遊技状態において前記設定条件が成立して前記第2遊技状態が設定された場合に、予め定められた特定条件が成立していなければ、前記第1状態よりも前記第2の判別条件が成立し難い第2状態を形成するように構成されているものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定された時点における特定条件の成立有無に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1又はJ2において、前記第1判別手段の判別結果と、前記第2判別手段の判別結果とのうちどちらかが予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段を備え、前記第1判別手段は、予め定められた第1の確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであり、前記第2判別手段は、前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、有利な第1遊技状態が終了した後においても、特定条件が成立するまでの間は特定の判別結果となる確率が高いので、少なくとも特定条件が成立するまでの間、特典遊技に対する期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記遊技機は、前記第1状態において予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、遊技状態の変更を伴わずに、前記第1状態よりも前記第2の判別条件が成立し難い第2状態を形成するように構成されているものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、第2遊技状態として、有利度合いの異なる複数の状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別手段の判別に用いるための第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別手段の判別に用いるための第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記第1判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまでの間記憶することが可能な第1記憶手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第2判別手段の判別に用いられるまでの間記憶することが可能な第2記憶手段と、を備え、前記第1判別手段は、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1判別情報を用いて前記第1の判別を実行するものであり、前記第2判別手段は、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2判別情報を用いて前記第2の判別を実行するものであり、前記第1の判別は、前記第2の判別よりも優先して実行されるように構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記第1入球手段と前記第2入球手段との両方に遊技球が入球し得るように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記第2入球手段に少なくとも遊技球が入球し難くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4のいずれかが奏する効果に加え、第1判別手段の判別の方が優先して実行されるので、第1遊技状態の終了時において、第2記憶手段に対して第2判別情報がより多く記憶された状態にすることができるという効果がある。
遊技機J5において、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第1入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変され易くなるように構成されているものであり、前記第1状態は、前記第2遊技状態が設定され、且つ、前記第2記憶手段に対して少なくとも1の前記第2判別情報が記憶された状態で構成されているものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、第2判別手段の判別が優先的に実行されている間に、第2記憶手段に対してより多くの第2判別情報を記憶させることができるので、第2遊技状態が設定された場合に、より確実に第1状態を形成することができるという効果がある。
遊技機J6において、遊技球が入球可能な第3入球手段を備え、前記第1判別情報取得手段は、前記第1入球手段と前記第3入球手段とのうち少なくとも一方へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別情報を取得するものであり、前記第2遊技状態は、前記第1入球手段よりも前記第3入球手段へと遊技球が入球し易くなり、前記第2入球手段よりも前記第3入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、遊技状態に応じて入球し易い入球手段を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第4入球手段と、その第4入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になったことに基づいて、前記第2可変手段が所定期間、前記第4位置から前記第3位置に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第4入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている特定領域と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J1からJ7のいずれかが奏する効果に加え、可変遊技が実行された場合に特定領域へと遊技球が入球することを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴K群>(有利状態の終了直後に保留が増加することを抑制する)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、第1の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変され難い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、少なくとも前記可変手段が前記第2の設定条件の成立前後に跨がって前記第1位置へと可変した状態となる場合に、前記入球手段へと遊技球が入球し難くなるように制御可能な制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が所定の結果である場合に特典遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の遊技状態を設定可能にし、遊技者にとって有利な遊技状態が設定されている場合に抽選を実行し易くするものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、有利な遊技状態から不利な遊技状態へと切り替わるタイミングによっては、不利な遊技状態が設定されているにも関わらず、有利な遊技状態と同様に抽選を実行することが可能な状況が発生してしまい、不利な遊技状態における特典遊技の期待度を均一化することができないという問題があった。
これに対して遊技機K1によれば、第2の設定条件の成立直後に入球手段へと遊技球が入球することを抑制することができるので、1の第1遊技状態における特典遊技の期待度を均一化することができるという効果がある。
遊技機K1において、遊技球が入球可能な第2入球手段を備え、前記制御手段は、少なくとも前記可変手段が前記第2の設定条件の成立前後に跨がって前記第1位置へと可変した状態となる場合に、前記入球手段よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、第2の設定条件の成立直後に入球手段へと遊技球が入球することをより確実に抑制できるという効果がある。
遊技機K2において、前記判別情報取得手段は、前記入球手段と前記第2入球手段との少なくとも一方に遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報を取得するものであり、前記判別手段は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて取得された前記判別情報を用いて判別を実行する場合よりも、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて取得された前記判別情報を用いて判別を実行する場合の方が、前記特定の判別結果となる確率が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、特定の判別結果になり易い有利な判別が、第2遊技状態に設定された後も多く実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機K2又はK3において、前記可変手段が前記第1位置に配置されている場合に遊技球が流入可能となり、前記可変手段が前記第2位置に配置されている場合に流入困難となる位置に設けられている特定流路と、その特定流路を流下した遊技球を前記入球手段と、前記第2入球手段と、のいずれかに振り分ける振分手段と、を備え、前記制御手段は、少なくとも前記第2の設定条件が成立した後の所定期間において、前記振分手段によって遊技球が前記第2入球手段へと振り分けられ易くなるように前記振分手段を制御するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K2又はK3の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定された後で入球手段へと遊技球が振り分けられることを確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機K4において、前記制御手段は、前記振分手段に到達した遊技球が前記入球手段へと振り分けられる第1振分状態と、前記第2入球手段へと振り分けられる第2振分状態とが、予め定められた特定の切替パターンで切り替わるように前記振分手段を制御するものであり、前記特定の切替パターンは、前記所定期間において、前記第2振分状態に設定される期間の割合が前記第1振分状態に設定される期間の割合よりも高くなり易く構成され、前記第1遊技状態が設定されてから前記第2の設定条件が成立するまでの間における少なくとも一部の期間において、前記所定期間よりも前記第1振分状態に設定される期間の割合が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、第1遊技状態において、振分手段の振分状態に応じて入球手段に対する入球し易さを異ならせることができるので、振分手段の状態に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K5において、前記制御手段は、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて前記特定の切替パターンで前記振分手段を制御するものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、第1状態が設定された場合に、毎回特定の切換パターンを設定するという単純な制御を実行すればよいため、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴L群>(確変状態中に当たるよりも、引き戻し時短中に当たった方が、有利度合いが高くなる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記遊技機は、前記第3遊技状態よりも、前記第2遊技状態において予め定められた第1条件が成立している間の方が、有利度合いに関する所定の要素の有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。また、係る従来型の遊技機の中には、有利な第1遊技状態(例えば、確変状態)から最も不利な第2遊技状態(例えば、通常状態)へと直接移行させずに、第1遊技状態と第2遊技状態との中間の有利度合いの第3遊技状態(例えば、時短状態)へと移行させ、その第3遊技状態において当たりにならなかった場合にのみ、第1遊技状態へと移行させるものも存在する。
しかしながら、係る仕様の遊技機においても、第2遊技状態へと移行した時点で有利度合いが低下してしまうため、遊技に対するモチベーションの低下を根本的に抑制することは困難であった。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となる虞があった。
これに対して遊技機L1によれば、第1条件が成立している間においては、有利度合いが低い第2遊技状態の方が、所定の要素の有利度合いが高くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L2において、前記遊技機は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記第1条件が成立している間に前記特定の判別結果になった場合の方が有利になり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L1又はL2において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記遊技機は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果になるよりも、前記特定条件の成立に基づいて設定された前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合の方が、前記所定の要素の有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1又はL2の奏する効果に加え、第3遊技状態において、特定条件が成立しないように期待しながら遊技を行わせることができると共に、特定条件が成立して第2遊技状態が設定された場合に所定の要素の有利度合いが高くなるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機L3において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において前記特定条件が成立した場合と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立した場合と、で前記第2遊技状態を設定することが可能に構成されているものであり、前記遊技機は、前記第2条件が成立したことに基づいて設定された前記第2遊技状態よりも、前記特定条件が成立したことに基づいて設定された前記第2遊技状態の方が、前記所定の要素の有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、同一の第2遊技状態でも、有利度合いを異ならせることができるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機L3又はL4において、前記特定条件は、第1特定条件と、その第1特定条件よりも異なる第2特定条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記遊技機は、前記第3遊技状態よりも、前記第1特定条件の成立に基づいて設定された前記第2遊技状態の方が、前記所定の要素の有利度合いが高くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L3又はL4の奏する効果に加え、第3遊技状態において、第2特定条件が成立するよりも、第1特定条件が成立することをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L5において、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となって前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定されたことを前記第2特定条件の成立として、当該第1特典遊技の終了後の遊技状態を前記第2遊技状態に設定するものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L5によれば、第3遊技状態において第1特典遊技が決定されると、不利な第2遊技状態が設定される上に、所定の要素の有利度合いも低くなるため、第3遊技状態において特定の判別結果となった場合に、第1特典遊技が決定されないことを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L6において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となって前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定された場合に、当該第2特典遊技の終了後の遊技状態を前記第3遊技状態に設定することが可能に構成されているものであり、前記遊技機は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となって前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定された場合に、予め定められた特定の設定条件が成立していれば、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されるように制御する制御手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記制御手段により前記第2遊技状態が設定されるように制御されたことを前記第1特定条件の成立として、前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L6の奏する効果に加え、第3遊技状態において第2特典遊技が決定されると、有利な第3遊技状態が設定されるか、第2遊技状態が設定されたとしても所定の要素の有利度合いが高くなるか、のどちらかであるため、第3遊技状態において特定の判別結果となった場合に、第2特典遊技が決定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L7において、前記特定の設定条件は、予め定められた特定回数に渡って連続して前記第2特典遊技が決定されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、特定回数に渡って第2特典遊技が決定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L5又はL6において、前記第3遊技状態において、前記判別条件の成立に基づいて第2判別を行う第2判別手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことを前記第2特定条件の成立として、前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、遊技機L5又はL6の奏する効果に加え、第3遊技状態において第1の判別結果となって有利度合いが低い第2遊技状態が設定されてしまった場合における遊技者の失望感を緩和することができるという効果がある。
遊技機L9において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態が設定されてから予め定められた第1回数の判別が終了するよりも前に、前記第2判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて前記第2遊技状態を設定し、前記第3遊技状態が設定されてから予め定められた第1回数の判別が終了した後で、前記第2判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機L10。
遊技機L10によれば、遊技機L9の奏する効果に加え、第3遊技状態において少ない判別回数で第1の判別結果となってしまった場合における遊技者の失望感を緩和することができるという効果がある。
<特徴M群>(引き戻し時短が終了した後にチャンスゾーン)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも有利度合いが高い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記種別決定手段により第1の割合で前記第2特典遊技が決定される第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態において前記設定条件が成立して他の遊技状態が設定されたことに基づいて、予め定められた特定条件が成立するまでの間、前記第2特典遊技が前記第1の割合よりも高い割合で決定され易くなる特別状態となるように制御する状態制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合に、有利な遊技状態で遊技ができたことにより遊技者を満足させてしまい、遊技を継続しようと思わせ難くなってしまうという問題点があった。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利な第1遊技状態(例えば、確変状態)から最も不利な第2遊技状態(例えば、通常状態)へと直接移行させずに、第1遊技状態と第2遊技状態との中間の有利度合いの第3遊技状態(例えば、時短状態)へと移行させ、その第3遊技状態において当たりにならなかった場合にのみ、第1遊技状態へと移行させるものも存在する。
しかしながら、係る仕様の遊技機においても、第2遊技状態が終了した時点で遊技に満足してしまう可能性があるため、第2遊技状態から第1遊技状態へと移行した後における遊技者のモチベーションを維持することが困難になってしまうという問題点があった。よって、第1遊技状態へと移行した後における遊技機の稼働率を向上させることが困難になるという問題点があった。
これに対して遊技機M1によれば、有利な第2遊技状態から他の遊技状態に移行した場合に特別状態が設定されるので、特別状態の間、遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機M1において、前記状態制御手段は、前記第2状態において前記設定条件が成立して前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて、前記特定条件が成立するまでの間、前記特別状態となるように制御するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、有利な第2遊技状態から有利度合いが低い第1遊技状態へと移行した場合に、特別状態となるので、第2遊技状態が終了した時点で遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制できる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機M1又はM2において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記種別決定手段は、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合の方が、前記第2特典遊技を決定し易く構成されているものであり、前記状態制御手段は、前記特別状態として、前記第1判別手段の判別が、前記第2判別手段の判別よりも実行され難くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、特別状態の間は、第2判別手段の判別が実行され易くなるので、当該特別状態の間に特定の判別結果となることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M3において、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1方向に発射された遊技球が入球困難となり、且つ、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能となる位置に設けられている第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得可能な第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段と、前記第3入球手段と、のうち少なくとも一方に遊技球が入球したことに基づいて前記前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、を備え、前記第1判別手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行するものであり、前記第2判別手段は、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行するものであり、前記可変手段は、前記第1遊技状態よりも、前記第2遊技状態の方が前記第2位置から前記第1位置に可変され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、特別状態が設定されていない第2遊技状態であっても、第2判別手段による判別を実行させることができるので、第2判別手段の判別で特定の判別結果になることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M3又はM4において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成される動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を備え、前記状態制御手段は、前記特別状態として、前記第1動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、前記第2動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間よりも長い期間となり易くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M3又はM4の奏する効果に加え、特別状態においては、第1判別手段の判別が実行された場合に長い動的表示期間が設定され易くなるので、当該長い動的表示期間の間に第2判別手段による判別を複数回実行させることができる。よって、第2判別手段の判別によって特定の判別結果となる可能性を高くすることができるという効果がある。
遊技機M5において、前記動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記識別情報の動的表示と、前記第2動的表示手段による前記識別情報の動的表示と、を重複して行うことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、第1判別手段の判別と、第2判別手段の判別と、をより効率良く実行させることができるという効果がある。
遊技機M1からM6のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定するものであり、前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態において特定の設定条件が成立したことに基づいて前記遊技状態設定手段により設定されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M1からM6のいずれかが奏する効果に加え、有利な第3遊技状態が終了して第2遊技状態に設定され、更に第2遊技状態まで終了されて不利な第1遊技状態に移行してしまった場合に、特別状態を形成することで遊技者の失望感を緩和することができるという効果がある。
遊技機M1からM7のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから前記特典遊技が実行されずに予め定められた特定回数の前記判別手段の判別が終了したことを前記設定条件の成立として、他の遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機M8。
遊技機M8によれば、遊技機M1からM7のいずれかが奏する効果に加え、有利な第2遊技状態において特典遊技が実行されずに他の遊技状態に移行してしまった場合における遊技者の失望感を緩和させることができるという効果がある。
<特徴N群>(有利状態中に、第1の発射間隔で遊技球を発射するよりも、第1の発射間隔よりも長い第2の発射間隔で遊技球を発射した方が有利になり易い遊技性)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じて遊技球を発射することが可能な発射手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者にとって不利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、前記遊技機は、前記第2遊技状態において、少なくとも予め定められた特定条件が成立している間、前記発射手段により第1の発射間隔で遊技球が発射され易くなる第1の操作内容で前記操作手段を操作するよりも、前記第1の発射間隔よりも長い発射間隔で遊技球が発射され易くなる第2の操作内容で前記操作手段を操作した場合の方が有利となり易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機N1。
遊技機N1によれば、発射間隔が長い方が有利になるという、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の判別情報を取得することが可能な判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記特定条件が成立している間、前記第1の操作内容で前記操作手段を操作するよりも、前記第2の操作内容で前記操作手段を操作した場合の方が、前記第2遊技状態において取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間における前記判別手段の判別回数が多くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、発射間隔が長い方が判別手段の判別回数が多くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機N2において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報を取得することが可能な第2判別情報取得手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な記憶手段と、を備え、前記判別手段は、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する第1判別手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別手段の判別よりも有利な判別結果になり易く構成されているものであり、前記遊技機は、前記特定条件が成立している間、前記第1の操作内容で前記操作手段を操作するよりも、前記第2の操作内容で前記操作手段を操作した場合の方が、前記第2遊技状態において取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間における前記第1判別手段の判別回数が多くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、有利度合いが高い第1判別手段の判別回数を、特定条件が成立している間の操作内容に応じて可変させることができるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機N3において、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも優先して実行されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、有利度合いの低い第2判別手段の判別の方が優先的に実行されるので、第2判別手段の判別回数を多くしたいとより強く希望させることができるという効果がある。
遊技機N3又はN4において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において、前記特典遊技が実行されずに予め定められた第1回数の前記第1判別手段の判別が終了したことに基づいて前記第1遊技状態を設定するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において、前記特典遊技が実行されずに前記第1回数よりも多い第2回数の前記第2判別手段の判別が終了したことに基づいて前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N3又はN4の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定される条件を、第1判別手段の判別回数と、第2判別手段の判別回数とで異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N2からN5のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、を備え、前記第2の操作内容は、前記識別情報の動的表示が実行されていない状態で遊技球が前記入球手段に入球するように遊技球が発射され易くなる操作内容で構成されていることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N2からN5のいずれかが奏する効果に加え、第2の操作内容を行うことにより、動的表示が実行されていない期間が生じ易くなるため、有利な第2遊技状態に設定されている期間が長くなり易く構成することができる。よって、より長い期間第2遊技状態を楽しませることができるという効果がある。
遊技機N1からN6のいずれかにおいて、前記発射手段は、前記操作手段に対する操作内容に応じて、予め定められた特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を発射することが可能に構成されているものであり、前記第1の操作内容の操作は、前記発射手段により前記特定の発射間隔で遊技球が発射され易くなる操作内容で構成されていることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N1からN6のいずれかが奏する効果に加え、第1の操作内容の操作は、最短の発射間隔で遊技球を発射するという比較的単純な操作で構成されているので、遊技者の技量に関係なく、容易に行うことができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴O群>(有利状態に移行後、特定条件が成立するよりも前に当たりとなるよりも、特定条件の成立後に当たりとなった方が有利となる遊技性)
所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態が設定されてから当該第1遊技状態の間に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間において、予め定められた特定条件が成立するよりも前に前記特定の判別結果になった場合と、前記特定条件が成立した後で前記特定の判別結果になった場合とで、遊技者にとっての有利度合いが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の状態が設定されている間、遊技者の有利度合いは一定となるので、同一の遊技状態が設定されている間における遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難くなってしまう虞がある。
これに対して遊技機O1によれば、特定の判別結果となった場合に、特定条件が成立する前であるか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記第1遊技状態が設定されてから当該第1遊技状態の間に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間において、予め定められた特定条件が成立するよりも前に前記特定の判別結果になった場合よりも、前記特定条件が成立した後で前記特定の判別結果になった場合の方が遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、第1遊技状態へと移行した場合に、特定条件が成立した後で特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1又はO2において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されてから、予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して、前記特定の判別結果とは異なる第2判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1又はO2の奏する効果に加え、第1遊技状態において、特定回数の判別が終了するまでに特定の判別結果となることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O3において、前記特定条件は、前記第1遊技状態が設定されてから、前記特定回数以下の第2回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記第2判別結果となったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、第1遊技状態において実行された判別の回数に応じて特典遊技の有利度合いが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機O4において、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、少なくとも前記判別手段による判別に用いられるまでの間記憶することが可能な記憶手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記判別情報取得手段による前記判別情報の取得が困難となるように構成されているものであり、前記特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後、前記特定回数の前記判別手段による判別に渡って連続して前記第2判別結果となったことに基づいて場合に成立するものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第1遊技状態が終了するまでの間に実行される判別と、第2遊技状態に設定された時点で記憶手段に記憶されている判別情報に基づく判別と、で特典遊技が実行された場合の有利度合いが可変するので、第2遊技状態に設定された時点において記憶手段に記憶されている判別情報の個数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴P群>(時短中に、期待度が高い特2抽選を実行させるタイミングを遊技者に選択させる)
所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは有利度合いが異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、第1の遊技方法で遊技を行うことにより前記特定条件が成立し難くなり、前記第1の遊技方法とは異なる第2の遊技方法で遊技を行うことにより、前記第1の遊技方法で遊技を行うよりも前記特定条件が成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の遊技状態が設定されている間において、同一の遊技方法により遊技を行わなければ遊技者にとって不利益となる可能性があるため、同一の遊技状態が設定されている間、当該遊技状態に対応する遊技方法を実行し続けなくてはならなかった。よって、遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となってしまう虞がある。
これに対して遊技機P1によれば、第1の遊技方法で遊技を行うか、第2の遊技方法で遊技を行うかによって遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第1の遊技方法で遊技を行うことにより前記特典遊技が実行され難くなり、且つ、前記特定条件が成立し難くなり、前記第2の遊技方法で遊技を行うことにより、前記第1の遊技方法で遊技を行うよりも、前記特典遊技が実行され易くなり、且つ、前記特定条件が成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、第1の遊技方法で遊技を行うか、第2の遊技方法で遊技を行うかによって遊技性をより異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P2において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されるものであり、前記第1判別手段は、前記第2判別手段の判別よりも、判別が実行された場合に前記特典遊技が実行され難くなり、且つ、前記特定条件が成立し難くなるように構成されているものであり、前記第1の遊技方法は、前記第2判別手段の判別よりも、前記第1判別手段の判別の方が実行され易くなる遊技方法で構成され、前記第2の遊技方法は、前記第1判別手段の判別よりも、前記第2判別手段の判別の方が実行され易くなる遊技方法で構成されていることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、判別が実行される判別手段の種別によって、第1遊技状態における遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機P3において、前記特定条件は、前記第1遊技状態が設定されてから前記特典遊技が実行されずに予め定められた第1回数の前記第1判別手段の判別が実行されたことに基づいて成立し、前記第2遊技状態が設定されてから前記特典遊技が実行されずに前記第1回数よりも少ない第2回数の前記第2判別手段の判別が実行されたことに基づいて成立するように構成されているものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、第1判別手段の判別回数と、第2判別手段の判別回数と、に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機P3又はP4において、遊技球を発射することが可能な発射手段と、その発射手段によって予め定められた特定方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記特定方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得可能な第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、を備え、前記第1判別手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行するものであり、前記第2判別手段は、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行するものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P3又はP4の奏する効果に加え、第1遊技状態においては、特定方向へと遊技球を発射することにより、第1判別手段の判別と、第2判別手段の判別と、の両方を実行させることが可能となるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴Q群>(有利な遊技状態で大当たりに当選するよりも、不利な遊技状態で大当たりに当選した方が、有利度合いが高くなる)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になった方が、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合よりも有利になり易く構成されていることを特徴とする遊技機Q1。
遊技機Q1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えたものであり、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になった方が、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合よりも有利になり易く構成されている。
これにより、有利度合いが低い遊技状態において特定の判別結果となることをより強く願わせるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記特典遊技の実行とは少なくとも異なる特定の設定条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記特典遊技の実行とは少なくとも異なる特定の設定条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能に構成されているので、有利な第2遊技状態において特定の判別結果となるよりも、特定の設定条件が成立することをより強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機Q1又はQ2において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になった場合の方が有利になり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になった場合の方が有利になり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になった場合の方が有利になり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になった場合の方が有利になり易く構成されているものである。
これにより、遊技状態に応じて異なる判別手段の判別で特定の判別結果となることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q3において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の判別に用いるための第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2の判別に用いるための第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、少なくとも前記第1遊技状態において、前記第2入球手段へと遊技球が入球し難くなる第1制御により前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1判別情報取得手段によって前記第1判別情報が取得されたことに基づいて成立するものであり、前記第2の判別条件は、前記第2判別情報取得手段によって前記第2判別情報が取得されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の判別に用いるための第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2の判別に用いるための第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、少なくとも前記第1遊技状態において、前記第2入球手段へと遊技球が入球し難くなる第1制御により前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1判別情報取得手段によって前記第1判別情報が取得されたことに基づいて成立するものであり、前記第2の判別条件は、前記第2判別情報取得手段によって前記第2判別情報が取得されたことに基づいて成立するものである。
これにより、第1遊技状態において第2判別情報記憶手段に対して第2判別情報が記憶され難く構成できるので、第1遊技状態において第2判別手段による判別が多く実行されてしまい、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機Q4において、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を、予め定められた特定の情報数を上限として、前記第2判別手段の判別に用いられるまで記憶しておくことが可能な判別情報記憶手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1制御により前記可変手段が可変制御されるものであり、前記第3遊技状態は、前記第1制御よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2制御により前記可変手段が可変制御されるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において予め定められた第1回数の前記判別手段の判別に渡って前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定し、前記第2遊技状態において予め定められた第2回数の前記判別手段の判別に渡って前記外れ判別結果になったことに基づいて、前記第1遊技状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を、予め定められた特定の情報数を上限として、前記第2判別手段の判別に用いられるまで記憶しておくことが可能な判別情報記憶手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1制御により前記可変手段が可変制御されるものであり、前記第3遊技状態は、前記第1制御よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2制御により前記可変手段が可変制御されるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において予め定められた第1回数の前記判別手段の判別に渡って前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定し、前記第2遊技状態において予め定められた第2回数の前記判別手段の判別に渡って前記外れ判別結果になったことに基づいて、前記第1遊技状態を設定することが可能に構成されている。
これにより、第3遊技状態において第2判別情報記憶手段に記憶させておいた第2判別情報に基づく判別で、第2遊技状態では外れ判別結果となることを願わせる一方で、第2遊技状態が終了した後に設定される第1遊技状態では特定の判別結果となることを願わせるという、極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機Q5において、前記特定の情報数は、前記第1回数と前記第2回数との和よりも多い数で構成されていることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q5の奏する効果に加え、前記特定の情報数は、前記第1回数と前記第2回数との和よりも多い数で構成されているので、第2遊技状態において第2回数の第2判別手段の判別に渡って外れ判別結果になることにより、ほぼ確実に、第1遊技状態において少なくとも1回の第2判別手段の判別を実行させることができるという効果がある。
遊技機Q3からQ6のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特定の状態を設定することが可能な特定状態設定手段を備え、前記特定の状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されているものであり、前記特定状態設定手段は、前記特定の状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定の状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q3からQ6のいずれかが奏する効果に加え、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特定の状態を設定することが可能な特定状態設定手段を備え、前記特定の状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されているものであり、前記特定状態設定手段は、前記特定の状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定の状態を設定することが可能に構成されている。
これにより、特定の状態の有利度合いをより高くすることができるので、特定の状態が設定された場合における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q7において、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に前記特定状態設定手段により前記特定の状態が設定され難く構成されていることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q7の奏する効果に加え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に前記特定状態設定手段により前記特定の状態が設定され難く構成されているので、第1遊技状態において第2判別手段の判別結果が特定の判別結果になって欲しいと遊技者に強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴R群>(有利な遊技状態において当たらないことを示唆する先読み演出)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、第1の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記第2の設定条件の成立し易さを示唆可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機R1。
遊技機R1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えたものであり、第1の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記第2の設定条件の成立し易さを示唆可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備える。
これにより、比較的有利度合いが低い第2遊技状態が設定されるか否かを示唆するという斬新な演出を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1において、所定の取得条件の成立に基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた判別が実行されるまでの間、予め定められた特定の情報数を上限として記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記判別情報に応じて、当該判別情報を用いた前記判別手段の判別が実行されるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定することが可能な特定手段と、を備え、前記第2の設定条件は、前記第1遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて成立するものであり、前記特定演出実行手段は、前記特定手段によって特定された判別結果に応じた演出態様の前記特定演出を、前記特定回数の判別が終了するよりも前に実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、所定の取得条件の成立に基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた判別が実行されるまでの間、予め定められた特定の情報数を上限として記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記判別情報に応じて、当該判別情報を用いた前記判別手段の判別が実行されるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定することが可能な特定手段と、を備え、前記第2の設定条件は、前記第1遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて成立するものであり、前記特定演出実行手段は、前記特定手段によって特定された判別結果に応じた演出態様の前記特定演出を、前記特定回数の判別が終了するよりも前に実行可能に構成されている。
これにより、特定回数の判別に渡って連続して外れ判別結果となる期待度を予め示唆するという極めて斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機R1又はR2において、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合の方が、遊技者にとって有利となり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合の方が、遊技者にとって有利となり易く構成されているので、有利度合いが高い第1遊技状態において特定の判別結果とならずに、有利度合いが低い第2遊技状態において特定の判別結果となることを期待させるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機R3において、第3の設定条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態よりも前記所定の取得条件が成立し易い第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第1の設定条件は、前記第3遊技状態において成立し得るように構成されているものであり、前記第3遊技状態の間に取得されて前記記憶手段に記憶された前記判別情報を用いて、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合の方が遊技者にとって有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、前記第1遊技状態よりも前記所定の取得条件が成立し易い第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第1の設定条件は、前記第3遊技状態において成立し得るように構成されているものであり、前記第3遊技状態の間に取得されて前記記憶手段に記憶された前記判別情報を用いて、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果になった場合の方が遊技者にとって有利となり易く構成されている。
これにより、第3遊技状態において前記所定の取得条件がより多く成立することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R3又はR4において、前記特定演出実行手段は、前記特定手段によって特定された判別結果に応じて、前記第2の設定条件が成立するよりも前に、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となることを示唆する内容の前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R3又はR4の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、前記特定手段によって特定された判別結果に応じて、前記第2の設定条件が成立するよりも前に、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となることを示唆する内容の前記特定演出を実行可能に構成されているので、特定演出の内容に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R2からR5のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記判別手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記記憶手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた前記第1判別手段による判別が実行されるまでの間記憶可能な第1記憶手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた前記第2判別手段による判別が実行されるまでの間記憶可能な第2記憶手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段は、前記第1判別手段の判別よりも優先的に判別を実行可能に構成されているものであり、前記特定手段は、前記第2記憶手段に記憶されている前記判別情報に応じて、当該判別情報を用いた前記第2判別手段の判別が実行されるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R2からR5のいずれかが奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記判別手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記記憶手段は、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた前記第1判別手段による判別が実行されるまでの間記憶可能な第1記憶手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた前記第2判別手段による判別が実行されるまでの間記憶可能な第2記憶手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段は、前記第1判別手段の判別よりも優先的に判別を実行可能に構成されているものであり、前記特定手段は、前記第2記憶手段に記憶されている前記判別情報に応じて、当該判別情報を用いた前記第2判別手段の判別が実行されるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定することが可能に構成されているものである。
これにより、特定演出により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機R6において、前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1制御と、その第1制御よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第2制御と、を少なくとも含む複数の制御で前記可変手段を可変制御することが可能な可変制御手段と、第3の設定条件の成立に基づいて、前記可変制御手段により前記第1制御で前記可変手段が可変制御される第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態とは、前記可変制御手段により前記第2制御で前記可変手段が可変制御されるように構成されているものであり、前記第1の設定条件は、前記第3遊技状態において成立し得るように構成されているものであり、前記第1遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合の方が遊技者にとって有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R6の奏する効果に加え、前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1制御と、その第1制御よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第2制御と、を少なくとも含む複数の制御で前記可変手段を可変制御することが可能な可変制御手段と、第3の設定条件の成立に基づいて、前記可変制御手段により前記第1制御で前記可変手段が可変制御される第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態とは、前記可変制御手段により前記第2制御で前記可変手段が可変制御されるように構成されているものであり、前記第1の設定条件は、前記第3遊技状態において成立し得るように構成されているものであり、前記第1遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になるよりも、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合の方が遊技者にとって有利となり易く構成されている。
これにより、可変制御手段の制御内容に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機R7において、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特定の状態を設定することが可能な特定状態設定手段を備え、前記特定の状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されているものであり、前記特定状態設定手段は、前記特定の状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定の状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R7の奏する効果に加え、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特定の状態を設定することが可能な特定状態設定手段を備え、前記特定の状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されているものであり、前記特定状態設定手段は、前記特定の状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定の状態を設定することが可能に構成されている。
これにより、特定の状態が設定されることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R8において、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に前記特定状態設定手段により前記特定の状態が設定され難く構成されていることを特徴とする遊技機R9。
遊技機R9によれば、遊技機R8の奏する効果に加え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に前記特定状態設定手段により前記特定の状態が設定され難く構成されているので、第2遊技状態において第2判別手段の判別結果が特定の判別結果となることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴S群>(特定回数の抽選に渡って連続して大当たりに当選することで有利な遊技状態に移行し易くなる)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定されてからその設定された遊技状態の間に前記特定の判別結果になることを予め定められた特定回数の前記特典遊技の終了後の遊技状態に渡って連続して繰り返すことにより、連続回数が前記特定回数未満の場合よりも、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機S1。
遊技機S1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えたものであり、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定されてからその設定された遊技状態の間に前記特定の判別結果になることを予め定められた特定回数の前記特典遊技の終了後の遊技状態に渡って連続して繰り返すことにより、連続回数が前記特定回数未満の場合よりも、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され易くなるように構成されている。
これにより、特典遊技が終了した後で、他の遊技状態に移行する前に特定の判別結果となることを強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1において、前記遊技機は、予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果となった場合に、前記特定の判別結果の連続回数が前記特定回数未満の場合よりも、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、前記遊技機は、予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果となった場合に、前記特定の判別結果の連続回数が前記特定回数未満の場合よりも、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され易くなるように構成されているので、特定の判別結果が連続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機S1又はS2において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技機は、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態が設定され易くなり、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態が設定され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1又はS2の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技機は、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態が設定され易くなり、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態が設定され易くなるように構成されている。
これにより、特典遊技が実行された後の遊技状態が第2遊技状態に設定された場合に、続けて特定の判別結果となることを強く期待させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S3において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記第1判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態を設定し易くなり、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態を設定し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記第1判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態を設定し易くなり、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態を設定し易くなるように構成されている。
これにより、第2遊技状態において、第2判別手段の判別で特定の判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機S4において、第1方向へと発射した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる位置に設けられている第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段の判別に用いるための第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段の判別に用いるための第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記第1判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第1判別情報記憶手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第2判別情報記憶手段と、を備え、前記特典遊技は、前記第1方向へと遊技球を発射することで遊技者に有利となるように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、少なくとも前記特典遊技の実行中よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S4の奏する効果に加え、第1方向へと発射した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる位置に設けられている第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段の判別に用いるための第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段の判別に用いるための第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記第1判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第1判別情報記憶手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第2判別情報記憶手段と、を備え、前記特典遊技は、前記第1方向へと遊技球を発射することで遊技者に有利となるように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、少なくとも前記特典遊技の実行中よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されている。
これにより、最初に特典遊技の終了後における遊技状態として第2遊技状態が設定されると、まず、第1判別情報に基づく判別を開始させることができるので、第2遊技状態が設定されたとしても、第1判別手段の判別結果が特定の判別結果となり、更に再度設定された第2遊技状態において第2判別手段の判別結果が特定の判別結果とならなければ有利な第1遊技状態へと移行しないように構成できるので、第1遊技状態へと移行した場合における遊技者の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機S5において、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなり、前記第3遊技状態と前記特典遊技の実行中とで前記第2入球手段へと遊技球が入球し難くなるように前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、遊技機S5の奏する効果に加え、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2遊技状態において、前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなり、前記第3遊技状態と前記特典遊技の実行中とで前記第2入球手段へと遊技球が入球し難くなるように前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備える。
これにより、可変手段の可変制御に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機S1からS6のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S1からS6の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態を設定可能に構成されているので、第1遊技状態において特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴T群>(大当たり遊技の実行中に特定条件が成立することで連荘が確定する)
予め定められた特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、所定の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する判別手段と、前記特典遊技の実行中に前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、前記特典遊技の終了後に前記特定条件が成立し易くなるように制御する特定条件制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機T1。
遊技機T1によれば、予め定められた特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、所定の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する判別手段と、前記特典遊技の実行中に前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、前記特典遊技の終了後に前記特定条件が成立し易くなるように制御する特定条件制御手段と、を備える。
これにより、特典遊技の実行中に判別手段の判別結果が特定の判別結果になることを期待させることができるので、特典遊技の実行中における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1において、前記所定の判別条件は、前記特典遊技が実行されているか否かによらず成立し得るものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、前記所定の判別条件は、前記特典遊技が実行されているか否かによらず成立し得るものであるので、特典遊技の実行中以外の状態でも特定の判別結果となることを期待させることができるという効果がある。
遊技機T2において、特定条件制御手段は、前記特典遊技が実行されていない状態で前記特定の判別結果となるよりも、前記特典遊技の実行中に前記特定の判別結果になった場合の方が、前記特定条件が成立し易くなるように制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T2の奏する効果に加え、特定条件制御手段は、前記特典遊技が実行されていない状態で前記特定の判別結果となるよりも、前記特典遊技の実行中に前記特定の判別結果になった場合の方が、前記特定条件が成立し易くなるように制御可能に構成されているので、特典遊技の実行中に特定の判別結果となることをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1からT3のいずれかにおいて、前記判別手段によって判別が実行されたことに基づいて、当該判別の判別結果に応じて、当該判別の判別結果を示すまでの判別期間を設定することが可能に構成され、少なくとも前記特定の判別結果を示すまでの前記判別期間として、前記特典遊技の終了よりも後に経過し易くなる長さの判別期間を設定することが可能な判別期間設定手段を備えることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T2によれば、遊技機T1からT3のいずれかが奏する効果に加え、前記判別手段によって判別が実行されたことに基づいて、当該判別の判別結果に応じて、当該判別の判別結果を示すまでの判別期間を設定することが可能に構成され、少なくとも前記特定の判別結果を示すまでの前記判別期間として、前記特典遊技の終了よりも後に経過し易くなる長さの判別期間を設定することが可能な判別期間設定手段を備える。
これにより、特典遊技の実行中に特定の判別結果となった場合に、特典遊技の実行中に特定条件が成立してしまい、重複して特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機T1からT4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記特定条件は、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立可能に構成されているものであり、前記特定条件制御手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T4によれば、遊技機T1からT4のいずれかが奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記特定条件は、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立可能に構成されているものであり、前記特定条件制御手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させることが可能に構成されている。
これにより、可変手段の可変動作に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T5において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別とは異なる特定の判別を実行する特定判別手段と、遊技球が入球可能となる第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記特定判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行する第1特典遊技実行手段と、前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2の判別結果となる確率は、前記第1の判別結果となる確率よりも高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機T6。
遊技機T6によれば、遊技機T5の奏する効果に加え、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別とは異なる特定の判別を実行する特定判別手段と、遊技球が入球可能となる第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記特定判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行する第1特典遊技実行手段と、前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2の判別結果となる確率は、前記第1の判別結果となる確率よりも高くなるように構成されている。
これにより、特定判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T6において、前記特定判別手段は、前記第1の判別結果と、前記第2の判別結果と、のどちらかの判別結果となるように構成されていることを特徴とする遊技機T7。
遊技機T7によれば、遊技機T6の奏する効果に加え、前記特定判別手段は、前記第1の判別結果と、前記第2の判別結果と、のどちらかの判別結果となるように構成されているので、特定判別手段が実行された時点で特典遊技が実質的に確定するため、可変手段が第1位置へと可変されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機T5からT7のいずれかにおいて、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を備え、前記特定条件制御手段は、前記第1遊技状態の間に前記特定の判別結果が示されたことに基づいて、前記入球手段へと遊技球を入球させることが困難となる第1可変パターンで前記可変手段を可変させ、前記第2遊技状態の間に前記特定の判別結果が示されたことに基づいて、前記第1可変パターンよりも前記入球手段へと遊技球を入球させることが容易となる第2可変パターンで前記可変手段を可変させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機T8。
遊技機T8によれば、遊技機T5からT7のいずれかが奏する効果に加え、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を備え、前記特定条件制御手段は、前記第1遊技状態の間に前記特定の判別結果が示されたことに基づいて、前記入球手段へと遊技球を入球させることが困難となる第1可変パターンで前記可変手段を可変させ、前記第2遊技状態の間に前記特定の判別結果が示されたことに基づいて、前記第1可変パターンよりも前記入球手段へと遊技球を入球させることが容易となる第2可変パターンで前記可変手段を可変させることが可能に構成されている。
これにより、第2遊技状態の間に特定の判別結果が示されることを強く期待させることができるという効果がある。
<特徴U群>(時短中に普図当たりに当選するよりも、大当たり中に普図当たりに当選した方が有利になる)
第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、の第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が第2の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第2判別手段による前記第2の判別が実行されたことに基づいて、次に前記第2の判別を実行することが可能となるまでの間における前記可変手段の可変態様として、前記入球手段へと遊技球が入球し難い第1可変態様と、その第1可変態様よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易い第2可変態様と、を少なくとも含む複数のうち1の可変態様で前記可変手段を可変させることが可能な可変制御手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記特定の遊技状態よりも、前記特典遊技の実行中の方が、前記第2の判別が実行された場合に前記可変制御手段により前記第2可変態様で前記可変手段が可変され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機U1。
遊技機U1によれば、第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、の第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えたものであり、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が第2の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第2判別手段による前記第2の判別が実行されたことに基づいて、次に前記第2の判別を実行することが可能となるまでの間における前記可変手段の可変態様として、前記入球手段へと遊技球が入球し難い第1可変態様と、その第1可変態様よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易い第2可変態様と、を少なくとも含む複数のうち1の可変態様で前記可変手段を可変させることが可能な可変制御手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記特定の遊技状態よりも、前記特典遊技の実行中の方が、前記第2の判別が実行された場合に前記可変制御手段により前記第2可変態様で前記可変手段が可変され易くなるように構成されている。
これにより、特定の遊技状態よりも、特典遊技の実行中に第2判別手段の判別が実行されることを遊技者に期待させるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができきるという効果がある。
遊技機U1において、前記特定の遊技状態は、前記特典遊技の実行中よりも、前記第2判別手段による判別が実行された場合に前記第2の判別結果となる確率が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、前記特定の遊技状態は、前記特典遊技の実行中よりも、前記第2判別手段による判別が実行された場合に前記第2の判別結果となる確率が高くなるように構成されているので、第2遊技状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機U1又はU2において、前記可変制御手段は、前記特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立している状態で前記第2の判別結果となった場合に、前記特典遊技が終了した後で前記可変遊技が開始され易くなるように前記可変手段を可変制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機U3。
遊技機U3によれば、遊技機U1又はU2の奏する効果に加え、前記可変制御手段は、前記特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立している状態で前記第2の判別結果となった場合に、前記特典遊技が終了した後で前記可変遊技が開始され易くなるように前記可変手段を可変制御可能に構成されているので、特典遊技の実行期間と可変遊技の実行期間とが重複してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機U3において、前記第2判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を、設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技において前記特定条件が成立してから前記特典遊技が終了するまでの期間が予め定められた特定期間となるように前記特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記動的表示期間設定手段は、前記第2の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間として、前記特定期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U4の奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を、設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技において前記特定条件が成立してから前記特典遊技が終了するまでの期間が予め定められた特定期間となるように前記特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記動的表示期間設定手段は、前記第2の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間として、前記特定期間を設定可能に構成されている。
これにより、特典遊技において特定条件の成立後に特定の判別結果となった場合に、確実に、特典遊技が終了してから可変遊技を開始させることができるという効果がある。
遊技機U5において、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定された場合に、当該設定された特定の遊技状態が少なくとも前記特定期間以上継続し易くなるように制御する期間制御手段を備えることを特徴とする遊技機U6。
遊技機U6によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定された場合に、当該設定された特定の遊技状態が少なくとも前記特定期間以上継続し易くなるように制御する期間制御手段を備えるので、特典遊技において特定条件の成立後に特定の判別結果となった場合に、確実に、特定の遊技状態の間に可変遊技を開始させることができるという効果がある。
遊技機U6において、前記期間制御手段は、前記特定の遊技状態が前記特定期間が経過した時点で終了し易くなるように制御可能に構成されているものであり、前記可変制御手段は、前記特定の遊技状態の間に前記可変遊技が開始された場合に、前記可変手段が予め定められた第1期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変するように可変制御し、前記特定の遊技状態の終了後に前記可変遊技が開始された場合に、前記可変手段が前記第1期間よりも短い第2期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変するように可変制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機U7。
遊技機U7によれば、遊技機U6の奏する効果に加え、前記期間制御手段は、前記特定の遊技状態が前記特定期間が経過した時点で終了し易くなるように制御可能に構成されているものであり、前記可変制御手段は、前記特定の遊技状態の間に前記可変遊技が開始された場合に、前記可変手段が予め定められた第1期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変するように可変制御し、前記特定の遊技状態の終了後に前記可変遊技が開始された場合に、前記可変手段が前記第1期間よりも短い第2期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変するように可変制御することが可能に構成されている。
これにより、特定の遊技状態の間に可変遊技が開始されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機U1からU7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第3の判別を実行する第3判別手段と、その第3判別手段の判別結果が予め定められた第3の判別結果となったことに基づいて前記可変入球手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記第3判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記第3判別手段は、前記第1の判別結果となる確率よりも、前記第3の判別結果となる確率の方が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機U8。
遊技機U8によれば、遊技機U1からU7の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第3の判別を実行する第3判別手段と、その第3判別手段の判別結果が予め定められた第3の判別結果となったことに基づいて前記可変入球手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記第3判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記第3判別手段は、前記第1の判別結果となる確率よりも、前記第3の判別結果となる確率の方が高くなるように構成されている。
これにより、第3判別手段の判別が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機U8において、前記第3判別手段は、前記第1の判別結果と、前記第3の判別結果と、のどちらかになるように構成されていることを特徴とする遊技機U9。
遊技機U9によれば、遊技機U8の奏する効果に加え、前記第3判別手段は、前記第1の判別結果と、前記第3の判別結果と、のどちらかになるように構成されているので、第3判別手段が実行された時点で特典遊技の実行が実質的に確定する。よって、第3判別手段の判別が実行されるか否かにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴V群>(当たりに当選した際の変動時間に応じて、当たり終了後の時短回数が可変する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態が設定される契機となった前記特典遊技が実行される際の前記動的表示期間に応じて、遊技者にとっての有利度合いが可変され得るように構成されていることを特徴とする遊技機V1。
遊技機V1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態が設定される契機となった前記特典遊技が実行される際の前記動的表示期間に応じて、遊技者にとっての有利度合いが可変され得るように構成されている。
これにより、特典遊技が実行される際の動的表示期間に応じて有利度合いが可変するという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V1において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記動的表示手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記特典遊技が実行される際の前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間に応じて、遊技者にとっての有利度合いが可変されるように構成されていることを特徴とする遊技機V2。
遊技機V2によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記動的表示手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記特典遊技が実行される際の前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間に応じて、遊技者にとっての有利度合いが可変されるように構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示における動的表示期間に注目して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機V2において、前記第1識別情報の動的表示の実行中に前記特定の判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示が終了したことに基づいて、少なくとも前記特典遊技が終了するまでの間、前記第1識別情報の動的表示を中断させることが可能な中断手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記第1識別情報の動的表示が終了した場合、および前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の前記第2識別情報の動的表示が終了した場合に、前記第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機V3。
遊技機V3によれば、遊技機V2の奏する効果に加え、前記第1識別情報の動的表示の実行中に前記特定の判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示が終了したことに基づいて、少なくとも前記特典遊技が終了するまでの間、前記第1識別情報の動的表示を中断させることが可能な中断手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記第1識別情報の動的表示が終了した場合、および前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の前記第2識別情報の動的表示が終了した場合に、前記第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態を設定することが可能に構成されている。
これにより、第1遊技状態の間に第2判別手段の判別で特定の判別結果になったとしても、第1識別情報の動的表示における動的表示期間がリセットされずに残りの動的表示期間の第1識別情報の動的表示が特典遊技の終了後に再開されるので、第1識別情報の動的表示の実行中により多くの回数第2判別手段の判別を実行させて特典遊技をより多く実行させたいと願わせる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機V3において、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって特定方向へと発射された遊技球が入球可能となる位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の判別に用いるための第1判別情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記第1判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第1判別情報記憶手段と、を備え、前記特典遊技は、前記特定方向へと遊技球を発射することで遊技者に対して所定の特典を付与し得るように構成されていることを特徴とする遊技機V4。
遊技機V4によれば、遊技機V3の奏する効果に加え、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって特定方向へと発射された遊技球が入球可能となる位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の判別に用いるための第1判別情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記第1判別情報を、所定の情報数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な第1判別情報記憶手段と、を備え、前記特典遊技は、前記特定方向へと遊技球を発射することで遊技者に対して所定の特典を付与し得るように構成されている。
これにより、特典遊技の実行中に第1判別情報記憶手段に対して第1判別情報を記憶させることができるので、第1遊技状態に設定されると共に第1識別情報の動的表示を開始させることができるという効果がある。
遊技機V3又はV4において、前記動的表示期間決定手段は、前記第1遊技状態において、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、短い動的表示期間を設定し易く構成されていることを特徴とする遊技機V5。
遊技機V5によれば、遊技機V3又はV4の奏する効果に加え、前記動的表示期間決定手段は、前記第1遊技状態において、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、短い動的表示期間を設定し易く構成されているので、第1遊技状態において、第1識別情報の動的表示が実行されている間に1又は複数回の第2判別手段の判別を実行させることができる。よって、第1遊技状態において特定の判別結果となるチャンスを確実に与えることができるという効果がある。
遊技機V3からV6のいずれかにおいて、前記第1遊技状態において、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の残り期間に対応する遊技者の有利度合いを示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機V7。
遊技機V7によれば、遊技機V3からV6のいずれかが奏する効果に加え、前記第1遊技状態において、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の残り期間に対応する遊技者の有利度合いを示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段を備えるので、特定演出により有利度合いを容易に確認することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機V7において、前記特定演出は、前記第1識別情報の動的表示における前記動的表示期間の残り期間で実行し得る前記第2識別情報の動的表示の回数と、前記特定の判別結果となる確率と、に少なくとも応じた演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機V8。
遊技機V8よれば、遊技機V7の奏する効果に加え、前記特定演出は、前記第1識別情報の動的表示における前記動的表示期間の残り期間で実行し得る前記第2識別情報の動的表示の回数と、前記特定の判別結果となる確率と、に少なくとも応じた演出態様で構成されているので、特定演出により有利度合いを正確に示唆することができるという効果がある。
<特徴W群>(当たって欲しい遊技状態と、当たって欲しくない遊技状態とが予め定められた順序で設定される)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となるよりも、前記特定の判別結果とならない方が遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態の終了後に設定され易く構成され、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった方が、前記特定の判別結果とならない場合よりも遊技者に有利となり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機W1。
遊技機W1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となるよりも、前記特定の判別結果とならない方が遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態の終了後に設定され易く構成され、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった方が、前記特定の判別結果とならない場合よりも遊技者に有利となり易く構成されているものである。
これにより、特定の判別結果とならない方が有利な第1遊技状態の後で特定の判別結果となった方が有利な第2遊技状態が設定されるので、特定の判別結果となるタイミングによって有利度合いが変わる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機W2。
遊技機W2によれば、遊技機W1の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能に構成されているので、外れ判別結果が連続することを期待するという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1又はW2において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態が設定されたことを契機として、予め定められた特定の順序で前記複数の遊技状態が設定され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機W3。
遊技機W3によれば、遊技機W1又はW2の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態が設定されたことを契機として、予め定められた特定の順序で前記複数の遊技状態が設定され易くなるように構成されている。
これにより、第3遊技状態が設定されたことを契機に遊技状態が特定の順序で設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W3において、前記第3遊技状態は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった方が、前記特定の判別結果とならない場合よりも遊技者に有利となり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機W4。
遊技機W4によれば、遊技機W3の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった方が、前記特定の判別結果とならない場合よりも遊技者に有利となり易く構成されているものであるので、第3遊技状態において、特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機W1からW4のいずれかにおいて、所定の取得条件の成立に基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記第2遊技状態は、当該第2遊技状態において前記判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いた判別で前記特定の判別結果となった場合よりも、前記第2遊技状態が設定されるよりも前に前記判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いた判別で前記特定の判別結果となった方が遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機W5。
遊技機W5によれば、遊技機W1からW4のいずれかが奏する効果に加え、所定の取得条件の成立に基づいて前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記第2遊技状態は、当該第2遊技状態において前記判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いた判別で前記特定の判別結果となった場合よりも、前記第2遊技状態が設定されるよりも前に前記判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いた判別で前記特定の判別結果となった方が遊技者に有利となり易く構成されている。
これにより、第2遊技状態が設定されるよりも前に記憶された判別情報であるか、第2遊技状態に設定されてから記憶された判別情報であるかによって、特定の判別結果となった場合における有利度合いが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W5において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記判別情報取得手段は、第1の取得条件の成立に基づいて前記第1判別手段の判別に用いる第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第1の取得条件とは異なる第2の取得条件の成立に基づいて前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2遊技状態は、当該第2遊技状態が設定されるよりも前に前記判別情報記憶手段に記憶された前記第2判別情報を用いた判別で前記特定の判別結果となることで遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機W6。
遊技機W6によれば、遊技機W5の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記判別情報取得手段は、第1の取得条件の成立に基づいて前記第1判別手段の判別に用いる第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第1の取得条件とは異なる第2の取得条件の成立に基づいて前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2遊技状態は、当該第2遊技状態が設定されるよりも前に前記判別情報記憶手段に記憶された前記第2判別情報を用いた判別で前記特定の判別結果となることで遊技者に有利となり易く構成されている。
これにより、第2遊技状態において第2判別手段の判別結果が特定の判別結果となることをつよく期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W6において、前記第2遊技状態は、前記第2の取得条件よりも、前記第1の取得条件の方が成立し易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機W7。
遊技機W7によれば、遊技機W6の奏する効果に加え、前記第2遊技状態は、前記第2の取得条件よりも、前記第1の取得条件の方が成立し易くなるように構成されているので、第2遊技状態が設定されるよりも前に第2判別情報を予め記憶しておいて、第2遊技状態となってから特定の判別結果となることにより有利になるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W6又はW7において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、その可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記第1の取得条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立可能に構成されているものであり、前記第2の取得条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となるように前記可変手段が可変制御されるように構成されていることを特徴とする遊技機W8。
遊技機W8によれば、遊技機W6又はW7の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、その可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記第1の取得条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立可能に構成されているものであり、前記第2の取得条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となるように前記可変手段が可変制御されるように構成されている。
これにより、第2遊技状態となった場合に第2入球手段へと遊技球が入球することが困難になるので、第2遊技状態が設定されるよりも前に予め第2入球手段へと遊技球を入球させて第2判別情報を記憶させておき、当該記憶させておいた第2判別情報に基づく判別を第2遊技状態が設定されてから実行させて特定の判別結果となることにより有利になるという、極めて斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機W4において、前記第1遊技状態は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果とならない場合よりも、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて設定され易く構成されていることを特徴とする遊技機W9。
遊技機W9によれば、遊技機W4の奏する効果に加え、前記第1遊技状態は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果とならない場合よりも、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて設定され易く構成されているので、第3遊技状態において特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機W9において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態と、第4遊技状態と、遊技者にとって最も有利な第5遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記第4遊技状態は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて設定されるものであり、前記第1遊技状態は、前記第4遊技状態において予め定められた第1回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となることで設定されるものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態において予め定められた第2回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となることで設定されるものであり、前記第5遊技状態は、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機W10。
遊技機W10によれば、遊技機W9の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態と、第4遊技状態と、遊技者にとって最も有利な第5遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記第4遊技状態は、前記第3遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて設定されるものであり、前記第1遊技状態は、前記第4遊技状態において予め定められた第1回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となることで設定されるものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態において予め定められた第2回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となることで設定されるものであり、前記第5遊技状態は、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて設定されるものである。
これにより、遊技状態に応じて特定の判別結果となった方が有利になる状況と、特定の判別結果にならない方が有利になる状況とを切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W10において、前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態と同一の遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機W11。
遊技機W11によれば、前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態と同一の遊技状態で構成されているので、同一の遊技状態にもかかわらず、特定の判別結果となることで有利になる場合と、特定の判別結果にならないことで有利になる場合とを設けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴AA群>(リミッタ到達前に特定の大当たりになるよりも、リミッタ到達後に特定の大当たりになった方が時短期間が長くなり易い)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段によって実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する特典遊技種別決定手段と、前記特典遊技が終了した後の状態として、遊技者に有利な特定状態を少なくとも含む複数の中から1の状態を設定する状態設定手段と、前記特定状態が設定されたことに基づいて、遊技者の有利度合いに関する特定要素の種別を、第1の有利度合いに対応する第1特定要素と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2特定要素と、を少なくとも含む複数のうち1の種別に設定する種別決定手段と、を備え、前記種別決定手段は、前記特定状態において予め定められた特定条件が成立している状況で前記第2特典遊技が実行されるよりも、前記特定条件が成立していない状況で前記第2特典遊技が実行された場合の方が、前記第1特定要素を決定し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機AA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2001-038007号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、状態毎の有利度合いが固定化されており、同一の状態が続く限り同じ有利度合いが続いてしまうため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機AA1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段によって実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する特典遊技種別決定手段と、前記特典遊技が終了した後の状態として、遊技者に有利な特定状態を少なくとも含む複数の中から1の状態を設定する状態設定手段と、前記特定状態が設定されたことに基づいて、遊技者の有利度合いに関する特定要素の種別を、第1の有利度合いに対応する第1特定要素と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2特定要素と、を少なくとも含む複数のうち1の種別に設定する種別決定手段と、を備え、前記種別決定手段は、前記特定状態において予め定められた特定条件が成立している状況で前記第2特典遊技が実行されるよりも、前記特定条件が成立していない状況で前記第2特典遊技が実行された場合の方が、前記第1特定要素を決定し易くなるように構成されている。
これにより、第2特典遊技が実行された際の特定条件の成立有無によって有利度合いを異ならせることができるので、特定条件の成立有無に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA1において、前記種別決定手段によって前記第1特定要素が設定されるよりも、前記第2特定要素が設定された場合の方が、前記特定状態が終了するまでの間に実行される判別の回数が多くなり易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、前記種別決定手段によって前記第1特定要素が設定されるよりも、前記第2特定要素が設定された場合の方が、前記特定状態が終了するまでの間に実行される判別の回数が多くなり易くなるように構成されているので、特定条件が成立している状況で第2特典遊技が実行されることに期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA1又はAA2において、前記特定の判別結果となる確率として、第1確率と、その第1確率よりも高い第2確率と、を少なくとも含む複数のうち1の確率を設定することが可能な確率設定手段を備え、前記特定条件は、予め定められた特定回数の前記特典遊技に渡って連続して、前記第2確率が設定されている間に実行されたことに基づいて成立し得る条件で構成されていることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA1又はAA2の奏する効果に加え、前記特定の判別結果となる確率として、第1確率と、その第1確率よりも高い第2確率と、を少なくとも含む複数のうち1の確率を設定することが可能な確率設定手段を備え、前記特定条件は、予め定められた特定回数の前記特典遊技に渡って連続して、前記第2確率が設定されている間に実行されたことに基づいて成立し得る条件で構成されている。
これにより、第2確率が設定されている間に特典遊技が連続して実行された回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA1からAA3のいずれかにおいて、前記種別決定手段は、前記第1特定要素として、前記特定状態が終了されるまでの期間の長さを予め定められた第1期間に決定し、前記第2特定要素として、前記特定状態が終了されるまでの期間の長さを前記第1期間よりも長い第2期間に決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA1からAA3のいずれかにおいて、前記種別決定手段は、前記第1特定要素として、前記特定状態が終了されるまでの期間の長さを予め定められた第1期間に決定し、前記第2特定要素として、前記特定状態が終了されるまでの期間の長さを前記第1期間よりも長い第2期間に決定することが可能に構成されているので、第2期間が決定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA4において、前記特典遊技種別決定手段によって前記第2特典遊技が決定されたことに基づいて、当該第2特典遊技が前記特定条件の成立下で実行されたか否かとは少なくとも無関係に、前記第2特典遊技が終了した後に設定される前記特定状態の終了条件として予め定められた共通の終了条件を設定する終了条件設定手段を備えることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA4の奏する効果に加え、前記特典遊技種別決定手段によって前記第2特典遊技が決定されたことに基づいて、当該第2特典遊技が前記特定条件の成立下で実行されたか否かとは少なくとも無関係に、前記第2特典遊技が終了した後に設定される前記特定状態の終了条件として予め定められた共通の終了条件を設定する終了条件設定手段を備えるので、特定状態の終了条件として、特定条件の成立有無とは無関係に共通の終了条件を設定しているにもかかわらず、特定条件が成立していない状況下で第2特典遊技が実行された場合の方が特定状態の有利度合いが高くなるという極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA5において、前記共通の終了条件は、前記特定状態において予め定められた第1条件が成立したことに基づいて成立する第1終了条件と、前記第1条件とは異なる第2条件が予め定められた特定回数成立したことに基づいて成立する第2終了条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記種別決定手段は、前記第1条件が成立したことに基づいて、前記第1終了条件を成立させるまでの期間として前記第1期間と前記第2期間とを少なくとも含む複数のうち1の期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA5の奏する効果に加え、前記共通の終了条件は、前記特定状態において予め定められた第1条件が成立したことに基づいて成立する第1終了条件と、前記第1条件とは異なる第2条件が予め定められた特定回数成立したことに基づいて成立する第2終了条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記種別決定手段は、前記第1条件が成立したことに基づいて、前記第1終了条件を成立させるまでの期間として前記第1期間と前記第2期間とを少なくとも含む複数のうち1の期間を設定可能に構成されている。
これにより、第1終了条件を成立させるまでの期間の長短を異ならせることで特定状態の有利度合いを異ならせることができるという効果がある。
遊技機AA6において、前記判別手段は、第1判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1終了条件は、前記特定状態が設定された後で前記第1判別手段の判別結果が1回示されたことに基づいて成立し得るものであり、前記第2終了条件は、前記特定状態が設定された後で前記第2判別手段の判別結果が前記特定回数示されたことに基づいて成立し得るものであり、前記種別決定手段は、前記第1判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第1判別手段の判別結果が示されるまでの期間として、前記第1期間と前記第2期間とを少なくとも含む複数のうち1の期間を決定可能に構成されていることを特徴とする遊技機AA7。
遊技機AA7によれば、遊技機AA6の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1終了条件は、前記特定状態が設定された後で前記第1判別手段の判別結果が1回示されたことに基づいて成立し得るものであり、前記第2終了条件は、前記特定状態が設定された後で前記第2判別手段の判別結果が前記特定回数示されたことに基づいて成立し得るものであり、前記種別決定手段は、前記第1判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第1判別手段の判別結果が示されるまでの期間として、前記第1期間と前記第2期間とを少なくとも含む複数のうち1の期間を決定可能に構成されている。
これにより、特定状態において、第1判別手段の判別結果が示されないことを期待する斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機AA7において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1識別情報が動的表示されている間に前記第2識別情報の動的表示を開始させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機AA8。
遊技機AA8によれば、遊技機AA7の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1識別情報が動的表示されている間に前記第2識別情報の動的表示を開始させることが可能に構成されている。
これにより、判別手段の判別をより効率良く実行させることができるという効果がある。
<特徴AB群>(小当たりRUSH直行大当たりで特定条件が成立した場合に、引き戻し時短と区別し難い演出を実行する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態より1の遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技の実行が終了した後で前記第1遊技状態が設定され易い第1特典遊技と、前記第2遊技状態が設定され易い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の特典遊技の種別より1の前記特典遊技の種別を決定することが可能な特典遊技種別決定手段と、前記第1特典遊技が決定されたことに基づいて、前記第1特典遊技が終了した後に実行される演出態様として第1演出態様を実行させることが可能な第1演出態様実行手段と、前記第2特典遊技が決定され、予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第2特典遊技が終了した後における演出態様を、前記第1演出態様で実行される演出態様と区別し難い演出態様が含まれる第2演出態様を実行させることが可能な第2演出態様実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機AB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態から不利な遊技状態に移行した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
これに対して遊技機AB1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態より1の遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技の実行が終了した後で前記第1遊技状態が設定され易い第1特典遊技と、前記第2遊技状態が設定され易い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の特典遊技の種別より1の前記特典遊技の種別を決定することが可能な特典遊技種別決定手段と、前記第1特典遊技が決定されたことに基づいて、前記第1特典遊技が終了した後に実行される演出態様として第1演出態様を実行させることが可能な第1演出態様実行手段と、前記第2特典遊技が決定され、予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第2特典遊技が終了した後における演出態様を、前記第1演出態様で実行される演出態様と区別し難い演出態様が含まれる第2演出態様を実行させることが可能な第2演出態様実行手段と、を備える。
これにより、第2遊技状態よりも不利な第1遊技状態が設定される第1特典遊技が実行された場合にも、その後に実行される第1演出態様として第2特典遊技が実行された場合に実行される第2演出態様と区別し難い演出態様が含まれているので、第1遊技状態が設定されている場合にも第2遊技状態が設定されていると遊技者に期待させることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AB1において、前記遊技状態設定手段は、前記特定条件が成立していない状態で前記第2特典遊技が終了するよりも、前記特定条件が成立している状態で前記第2特典遊技が終了する場合の方が、前記第2遊技状態を設定し難く構成されていることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記特定条件が成立していない状態で前記第2特典遊技が終了するよりも、前記特定条件が成立している状態で前記第2特典遊技が終了する場合の方が、前記第2遊技状態を設定し難く構成されているので、第1演出態様若しくは第2演出態様が実行された場合に、第1遊技状態が設定されるか、少なくとも第2遊技状態が設定され難いということを遊技者に対して容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機AB2において、前記第2演出態様が実行される遊技状態は、少なくとも前記第1遊技状態が実行される遊技状態とは異なって構成されていることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB1からAB3のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも不利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記特典遊技種別決定手段は、前記第1特典遊技と、前記第2特典遊技と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定される第3特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定可能に構成されているものであり、前記第1演出態様実行手段は、前記第1特典遊技および前記第3特典遊技が終了した後における演出態様として、前記第1演出態様を実行させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB1からAB3のいずれかが奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも不利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記特典遊技種別決定手段は、前記第1特典遊技と、前記第2特典遊技と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定される第3特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定可能に構成されているものであり、前記第1演出態様実行手段は、前記第1特典遊技および前記第3特典遊技が終了した後における演出態様として、前記第1演出態様を実行させることが可能に構成されている。
これにより、第1演出態様若しくは第1演出態様と区別し難い第2演出態様が実行された場合に、第1特典遊技と第2特典遊技と第3特典遊技とのいずれが終了したのかを遊技者に分かり難くすることができるので、第1特典遊技や第2特典遊技が実行されていたとしても、第2特典遊技が実行されていたことを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AB1からAB4のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1判別を実行可能な第1判別手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから前記第1判別が第1回数実行されるか、前記第2判別が前記第1回数よりも多い第2回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1からAB4のいずれかが奏する効果に加え、前記判別手段は、第1判別を実行可能な第1判別手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから前記第1判別が第1回数実行されるか、前記第2判別が前記第1回数よりも多い第2回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定することが可能に構成されているものである。
これにより、第1判別と第2判別とで第2遊技状態から第1遊技状態へと切替えられる期間が異なるので、第1判別が実行される場合と、第2判別が実行される場合とで遊技者の興趣を異ならせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AB5において、前記第1判別手段と前記第2判別手段とは、前記第1判別と前記第2判別とを同時に実行することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AB6。
遊技機AB5によれば、遊技機AB5の奏する効果に加え、前記第1判別手段と前記第2判別手段とは、前記第1判別と前記第2判別とを同時に実行することが可能に構成されているので、遊技効率を向上させることができるという効果がある。
遊技機AB5又はAB6において、前記第1判別を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させた後に前記第1判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、前記第2判別を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させた後に前記第2判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有し、前記第1動的表示手段は、前記第2遊技状態が設定されている場合には、前記第2識別情報が動的表示される期間よりも長い期間で前記第1識別情報を動的表示させ易く構成されているものであることを特徴とする遊技機AB7。
遊技機AB7によれば、遊技機AB5又はAB6の奏する効果に加え、前記第1判別を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させた後に前記第1判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、前記第2判別を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させた後に前記第2判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有し、前記第1動的表示手段は、前記第2遊技状態が設定されている場合には、前記第2識別情報が動的表示される期間よりも長い期間で前記第1識別情報を動的表示させ易く構成されているものである。
これにより、第2遊技状態が設定されている場合には、第1識別情報の動的表示期間が第2識別情報の動的表示期間よりも長く設定され易いので、第2遊技状態中の第2判別が実行される回数を多くすることができるという効果がある。
遊技機AB5からAB7のいずれかにおいて、前記第1演出態様と前記第2演出態様とに共通して含まれる演出は、設定されている遊技状態が前記第1遊技状態であるか前記第2遊技状態であるかが識別困難とする演出で構成されており、前記遊技機は、前記第2遊技状態が設定されていることを示す第3演出態様を実行させることが可能な第3演出態様実行手段を有し、前記第3演出態様実行手段は、前記第2遊技状態が設定された後に、停止表示された後に前記第1特典遊技が実行されることとなる前記第1識別情報とは異なる第1判別結果を示すための第1識別情報が実行されたことに基づいて前記第3演出態様を実行させるものであることを特徴とする遊技機AB8。
遊技機AB8によれば、遊技機AB5からAB7のいずれかの奏する効果に加え、前記第1演出態様と前記第2演出態様とに共通して含まれる演出は、設定されている遊技状態が前記第1遊技状態であるか前記第2遊技状態であるかが識別困難とする演出で構成されており、前記遊技機は、前記第2遊技状態が設定されていることを示す第3演出態様を実行させることが可能な第3演出態様実行手段を有し、前記第3演出態様実行手段は、前記第2遊技状態が設定された後に、停止表示された後に前記第1特典遊技が実行されることとなる前記第1識別情報とは異なる第1判別結果を示すための第1識別情報が実行されたことに基づいて前記第3演出態様を実行させるものである。
これにより、第2遊技状態が設定された後に、直ぐに第1特典遊技が実行され、第1遊技状態へと切替えられる場合にも第2演出態様が実行されることで、短期間に第2遊技状態が終了したことを遊技者が識別困難となり、遊技の興趣が低下してしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴AC群>(有利状態が設定された後に、所定契機で有利状態の有利度合いを可変させる)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定された後で予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態が設定される期間を可変して設定可能な可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機AC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態から不利な遊技状態に移行した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
これに対して遊技機AC1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定された後で予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態が設定される期間を可変して設定可能な可変手段と、を備える。
これにより、特定の遊技状態が設定された後に特定条件が成立したことに基づいて特定の遊技状態が設定される期間が可変するので、特定の遊技状態が設定される期間を多様にすることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC1において、前記特定条件は、前記特典遊技の開始とは少なくとも異なる条件で構成されていることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、前記特定条件は、前記特典遊技の開始とは少なくとも異なる条件で構成されているので、特典遊技が実行されてもいないのに特定の遊技状態が設定される期間を可変させることができるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機AC1又はAC2において、前記可変手段は、前記特定の遊技状態が設定される期間を、前記特定の遊技状態の間に第1回数の判別を実行することが可能な第1期間と、第1回数よりも多い第2回数の判別を実行することが可能な第2期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間に可変可能に構成されていることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、前記可変手段は、前記特定の遊技状態が設定される期間を、前記特定の遊技状態の間に第1回数の判別を実行することが可能な第1期間と、第1回数よりも多い第2回数の判別を実行することが可能な第2期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間に可変可能に構成されている。
これにより、特定条件が成立した場合に、第2期間に可変されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AC1からAC3のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1判別を実行可能な第1判別手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1判別の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させた後で前記第1判別の判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、前記第2判別の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させた後で前記第2判別の判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記特定の遊技状態が設定された後で前記第1判別の判別結果を示す前記第1識別情報が第1回数停止表示されるか、前記第2判別の判別結果を示す前記第2識別情報が前記第1回数よりも多い第2回数停止表示されたことに基づいて、前記特定の遊技状態とは異なる遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機AC4。
遊技機AC4によれば、遊技機AC1からAC3のいずれかが奏する効果に加え、前記判別手段は、第1判別を実行可能な第1判別手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1判別の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させた後で前記第1判別の判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、前記第2判別の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させた後で前記第2判別の判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記特定の遊技状態が設定された後で前記第1判別の判別結果を示す前記第1識別情報が第1回数停止表示されるか、前記第2判別の判別結果を示す前記第2識別情報が前記第1回数よりも多い第2回数停止表示されたことに基づいて、前記特定の遊技状態とは異なる遊技状態を設定するものである。
これにより、第1判別が実行される場合と第2判別が実行される場合とで特定の遊技状態から他の遊技状態に切り替えられるまでの期間が異なるので、実行される判別の種別によって興趣を異ならせて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AC4において、前記可変手段は、前記第1回数内における少なくとも1の前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を可変して設定するものであることを特徴とする遊技機AC5。
遊技機AC5によれば、前記可変手段は、前記第1回数内における少なくとも1の前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を可変して設定するものであるので、第1識別情報が第1回数停止表示されるまでの期間を可変させることができる。つまり、特定の遊技状態から他の遊技状態に切り替えられるまでの期間を可変させることができるので、他の遊技状態に切り替えられるまでに実行可能な第2判別の回数も可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC4又はAC5において、前記第1識別情報と前記第2識別情報とは同時に動的表示可能に構成されており、前記第1動的表示手段は、前記特定の遊技状態が設定されている場合に、前記第1識別情報の動的表示期間を前記第2識別情報の動的表示期間よりも長くし易く構成されているものであることを特徴とする遊技機AC6。
遊技機AC6によれば、遊技機AC4又はAC5の奏する効果に加え、前記第1識別情報と前記第2識別情報とは同時に動的表示可能に構成されており、前記第1動的表示手段は、前記特定の遊技状態が設定されている場合に、前記第1識別情報の動的表示期間を前記第2識別情報の動的表示期間よりも長くし易く構成されているものである。
これにより、特定の遊技状態が設定されている場合に第1識別情報の動的表示期間が長くなることで、特定の遊技状態から他の遊技状態へと切替えられる期間を長くすることができ、特定の遊技状態が設定される期間を長くすることができるという効果がある。
遊技機AC4からAC6のいずれかにおいて、前記第2判別は、前記第1判別よりも遊技者に有利となる判別を実行し易く構成されており、前記特定の遊技状態が設定された場合に、前記第2判別が実行され易く設定されるものであることを特徴とする遊技機AC7。
遊技機AC7によれば、遊技機AC4からAC6のいずれかが奏する効果に加え、前記第2判別は、前記第1判別よりも遊技者に有利となる判別を実行し易く構成されており、前記特定の遊技状態が設定された場合に、前記第2判別が実行され易く設定されるものである。
これにより、特定の遊技状態が設定されることを期待させて遊技を実行させることで、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴AD群>(遊技者に有利となり易い有利遊技を実行可能な特定の遊技状態に移行した場合に、特定回数の有利遊技が終了するまで遊技状態が維持される)
所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において特定の実行条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利となり易い有利遊技を実行する有利遊技実行手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、他の遊技状態が設定されるまでに前記有利遊技を予め定められた特定回数に渡って実行させ易くなるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機AD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2001-038007号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利な状態が設定されたとしても、当たり遊技が実行されることで一旦有利な状態が途切れてしまうため、有利な状態において早期に当たり遊技が実行されるほど、有利な状態における遊技の興趣を向上させ難くなる可能性があるという問題点があった。
また、係る従来型の遊技機の中には、抽選の結果が特定の抽選結果となった場合に、遊技状態の変更を伴わずに特定の入賞口を所定期間開放させるものも存在する。この従来型の遊技機では、当たり遊技が実行されることなく特定の抽選結果になり続けるほど、特定の入賞口への入球機会が多くなるため、遊技者に有利となる。逆に言えば、早期に当たり遊技が実行されるほど、特定の入賞口への入球機会を損してしまったかのような印象を遊技者に抱かせることとなるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させにくいという問題点があった。
これに対して遊技機AD1によれば、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において特定の実行条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利となり易い有利遊技を実行する有利遊技実行手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、他の遊技状態が設定されるまでに前記有利遊技を予め定められた特定回数に渡って実行させ易くなるように制御する制御手段と、を備える。
これにより、特定の遊技状態において特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AD1において、前記有利遊技において予め定められた第1の遊技結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも遊技者に不利な不利遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、前記有利遊技において予め定められた第1の遊技結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも遊技者に不利な不利遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されている。
これにより、特定の遊技状態において第1の遊技結果になった場合に、再度特定の遊技状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AD2において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記有利遊技において前記第1の遊技結果とは異なる第2の遊技結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記可変遊技は、当該可変遊技の実行が終了した後も、前記第2の遊技結果となった時点の遊技状態が維持されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD2の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記有利遊技において前記第1の遊技結果とは異なる第2の遊技結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記可変遊技は、当該可変遊技の実行が終了した後も、前記第2の遊技結果となった時点の遊技状態が維持されるように構成されているものである。
これにより、可変遊技が実行されると、遊技状態が特定の遊技状態に維持されたまま所定の特典が付与される機会を得られるのに対し、特典遊技が実行されると、不利な不利遊技状態が設定されてしまう可能性があるため、第1の遊技結果よりも第2の遊技結果となることにより強く期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。
遊技機AD3において、前記制御手段は、前記特定条件が成立した後に実行された前記有利遊技において前記第1の遊技結果となることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機AD4。
遊技機AD4によれば、遊技機AD3の奏する効果に加え、前記制御手段は、前記特定条件が成立した後に実行された前記有利遊技において前記第1の遊技結果となることを抑制可能に構成されているので、特定条件が成立した後は、第1の遊技結果となって不利遊技状態が設定されてしまうことに対する不安感を遊技者に抱かせてしまうことを抑制できる。よって、特定回数の有利遊技においてより多くの回数第2の遊技結果となって可変遊技が実行されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AD4において、前記特定の遊技状態は、前記特定条件が成立した後で予め定められた特定期間が経過したことに基づいて他の遊技状態に設定されるように構成されているものであり、前記特定期間は、前記特定回数の前記有利遊技を実行することが可能となる長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機AD5。
遊技機AD5によれば、遊技機AD4の奏する効果に加え、前記特定の遊技状態は、前記特定条件が成立した後で予め定められた特定期間が経過したことに基づいて他の遊技状態に設定されるように構成されているものであり、前記特定期間は、前記特定回数の前記有利遊技を実行することが可能となる長さの期間で構成されている。
これにより、特定期間の間は、有利遊技が実行されても第1の遊技結果となる心配がないため、安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AD5において、前記特定の遊技状態において前記特定の実行条件とは異なる第1の実行条件の成立に基づいて、前記有利遊技とは異なる第1遊技を実行する第1遊技実行手段と、前記第1遊技の実行期間として、予め定められた複数の異なる長さの実行期間うち1の実行期間を設定する実行期間設定手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記第1遊技において前記第1の遊技結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記実行期間設定手段は、前記第1の遊技結果に対応する前記第1遊技の実行期間として前記特定期間を設定可能に構成されているものであり、前記制御手段は、少なくとも前記第1の遊技結果に対応する前記第1遊技の実行期間の間に実行された前記有利遊技において前記第1の遊技結果となることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機AD6。
遊技機AD6によれば、遊技機AD5の奏する効果に加え、前記特定の遊技状態において前記特定の実行条件とは異なる第1の実行条件の成立に基づいて、前記有利遊技とは異なる第1遊技を実行する第1遊技実行手段と、前記第1遊技の実行期間として、予め定められた複数の異なる長さの実行期間うち1の実行期間を設定する実行期間設定手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記第1遊技において前記第1の遊技結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記実行期間設定手段は、前記第1の遊技結果に対応する前記第1遊技の実行期間として前記特定期間を設定可能に構成されているものであり、前記制御手段は、少なくとも前記第1の遊技結果に対応する前記第1遊技の実行期間の間に実行された前記有利遊技において前記第1の遊技結果となることを抑制可能に構成されている第1遊技において第1の遊技結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AD6において、前記有利遊技実行手段は、前記第1遊技の実行中であるか否かによらず、前記有利遊技を実行可能に構成されているものであり、前記第1遊技実行手段は、前記有利遊技の実行中であるか否かによらず、前記第1遊技を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機AD7。
遊技機AD7によれば、遊技機AD6の奏する効果に加え、前記有利遊技実行手段は、前記第1遊技の実行中であるか否かによらず、前記有利遊技を実行可能に構成されているものであり、前記第1遊技実行手段は、前記有利遊技の実行中であるか否かによらず、前記第1遊技を実行可能に構成されている。
これにより、有利遊技と第1遊技とを重複して実行することができるので、有利遊技および第1遊技を効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機AD3からAD7のいずれかにおいて、前記有利遊技において前記第2の遊技結果となる割合は、前記第1の遊技結果となる割合よりも高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機AD8。
遊技機AD8によれば、遊技機AD3からAD7のいずれかが奏する効果に加え、前記有利遊技において前記第2の遊技結果となる割合は、前記第1の遊技結果となる割合よりも高くなるように構成されているので、特定の遊技状態をより長く継続し易くすることができるという効果がある。
遊技機AD8において、前記有利遊技実行手段は、1の有利遊技において、前記第1の遊技結果と、前記第2の遊技結果と、前記第1の遊技結果とも前記第2の遊技結果とも異なる外れ遊技結果と、のうちいずれか1の遊技結果となるように構成されているものであり、前記第2の遊技結果となる割合は、前記外れ遊技結果となる割合よりも高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機AD9。
遊技機AD9によれば、遊技機AD8の奏する効果に加え、前記有利遊技実行手段は、1の有利遊技において、前記第1の遊技結果と、前記第2の遊技結果と、前記第1の遊技結果とも前記第2の遊技結果とも異なる外れ遊技結果と、のうちいずれか1の遊技結果となるように構成されているものであり、前記第2の遊技結果となる割合は、前記外れ遊技結果となる割合よりも高くなるように構成されている。
これにより、有利遊技が実行されると、第2の遊技結果となる割合が最も高くなるので、特定の遊技状態において可変遊技をより多く実行させることができる。よって、特定の遊技状態における有利度合いをより高くすることができるという効果がある。
<特徴AE群>(有利状態において第1の遊技方法で遊技を行った場合と、第2の遊技方法で遊技を行った場合と、で遊技性を可変させる)
第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも遊技球を発射可能な発射手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記特定の遊技状態は、遊技者の有利度合いに関連する第1要素と、その第1要素とは異なる第2要素と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1要素は、前記特定の遊技状態の間に前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合の方が、有利度合いが高くなり易く構成されているものであり、前記第2要素は、前記特定の遊技状態の間に前記第2方向へと遊技球を発射するよりも、前記第1方向へと遊技球を発射した場合の方が、有利度合いが高くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機AE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2001-038007号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技方法が状態毎に固定されているため、各状態における遊技が単調になってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機AE1によれば、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも遊技球を発射可能な発射手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記特定の遊技状態は、遊技者の有利度合いに関連する第1要素と、その第1要素とは異なる第2要素と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1要素は、前記特定の遊技状態の間に前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合の方が、有利度合いが高くなり易く構成されているものであり、前記第2要素は、前記特定の遊技状態の間に前記第2方向へと遊技球を発射するよりも、前記第1方向へと遊技球を発射した場合の方が、有利度合いが高くなり易く構成されているものである。
これにより、第1方向へと遊技球を発射した場合に、第2要素の有利度合いが高くなる一方で第1要素の遊技度合いが低くなり、第2方向へと遊技球を発射した場合に、第1要素の有利度合いが高くなる一方で第2要素の遊技度合いが低くなるので、遊技球の発射方向に応じて遊技性を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AE1において、前記遊技状態設定手段は、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも不利な不利遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも不利な不利遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているので、有利度合いが高い特定の遊技状態において、発射方向に応じて異なる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AE1又はAE2において、前記第2方向へと発射された遊技球が入球可能となり、前記第1方向へと発射された遊技球が入球困難となる位置に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて遊技者に有利となる第1の特典が付与される入球手段を備えることを特徴とする遊技機AE3。
遊技機AE3によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、前記第2方向へと発射された遊技球が入球可能となり、前記第1方向へと発射された遊技球が入球困難となる位置に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて遊技者に有利となる第1の特典が付与される入球手段を備えるので、第1の特典を獲得したいと考える遊技者に対して、第2要素が不利になることを加味しても、第2方向へと遊技球を発射したいと思わせることができるし、第2要素を重視する遊技者に対しては、第1の特典の獲得を諦めて第1方向へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の趣向に応じた遊技方法を選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AE1からAE3のいずれかにおいて、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、所定の付与条件の成立に基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記特典付与手段によって前記所定の特典が付与され易い特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1要素は、前記特定の遊技状態となってから当該特定の遊技状態の間に実行された前記特典遊技が終了するまでの間に前記特典付与手段によって付与される前記所定の特典の量で構成されていることを特徴とする遊技機AE4。
遊技機AE4によれば、遊技機AE1からAE3のいずれかの奏する効果に加え、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、所定の付与条件の成立に基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記特典付与手段によって前記所定の特典が付与され易い特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1要素は、前記特定の遊技状態となってから当該特定の遊技状態の間に実行された前記特典遊技が終了するまでの間に前記特典付与手段によって付与される前記所定の特典の量で構成されている。
これにより、付与される所定の特典の量を重要視する遊技者に対して、第2方向へと遊技球を発射するという選択を行わせ、第2要素を重要視する遊技者に対して、第1方向へと遊技球を発射するという選択を行わせることができる。よって、遊技者の趣向に応じた遊技方法を選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AE4において、前記付与手段は、前記所定の特典として、所定個数の遊技球を払い出すことが可能に構成されているものであり、前記特定の遊技状態が終了するまで前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合と、前記特定の遊技状態が終了するまで前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合とで、共に、発射される遊技球の個数よりも前記付与手段により払い出される遊技球の個数の方が多くなり易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機AE5。
遊技機AE5によれば、遊技機AE4の奏する効果に加え、第1方向へ遊技球を発射した場合も、第2方向へ遊技球を発射した場合も、遊技者が損をし難くなるように構成されているので、第1方向へと遊技球を発射するか、第2方向へと遊技球を発射するかを安心して選択させることができるという効果がある。
遊技機AE5において、前記特定の遊技状態が終了するまで前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記付与手段によって払い出される遊技球の個数の平均値と発射される遊技球の個数の平均値との差分は、前記特定の遊技状態が終了するまで前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記付与手段によって払い出される遊技球の個数の平均値と発射される遊技球の個数の平均値との差分に対して1割以下の差となるように構成されていることを特徴とする遊技機AE6。
遊技機AE6によれば、遊技機AE5の奏する効果に加え、前記特定の遊技状態が終了するまで前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記付与手段によって払い出される遊技球の個数の平均値と発射される遊技球の個数の平均値との差分は、前記特定の遊技状態が終了するまで前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記付与手段によって払い出される遊技球の個数の平均値と発射される遊技球の個数の平均値との差分に対して1割以下の差となるように構成されているので、第1方向へと遊技球を発射した場合も、第2方向へと遊技球を発射した場合も、遊技者の利益の期待値を略同一とすることができる。よって、より安心して遊技球を発射する方向を選択させることができるという効果がある。
遊技機AE5又はAE6において、前記第2要素は、前記特定の判別結果となるまでに前記発射手段によって発射される遊技球の個数に対する前記付与手段によって払い出される遊技球の個数の比率で構成されていることを特徴とする遊技機AE7。
遊技機AE7によれば、遊技機AE5又はAE6の奏する効果に加え、前記第2要素は、前記特定の判別結果となるまでに前記発射手段によって発射される遊技球の個数に対する前記付与手段によって払い出される遊技球の個数の比率で構成されているので、特定の判別結果となるまでに発射手段によって発射される遊技球の個数に対する付与手段によって払い出される遊技球の個数の比率を重視する遊技者に対して、第1方向へと遊技球を発射させることができるという効果がある。
<特徴AF群>(特定の種別の大当たりに当選した場合に、大当たり開始後特定期間が経過してから大当たり演出を実行する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、前記第1特典遊技の実行が開始されたことに基づいて特定演出を実行する第1特定演出実行手段と、前記第2特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて前記特定演出を実行する第2特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機AF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、大当たり遊技における演出態様が単調となる場合があるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機AF1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、前記第1特典遊技の実行が開始されたことに基づいて特定演出を実行する第1特定演出実行手段と、前記第2特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて前記特定演出を実行する第2特定演出実行手段と、を備える。
これにより、特典遊技の種別に応じて特定演出の実行タイミングを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AF1において、前記特定演出は、前記特典遊技が実行されていることを遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成されていることを特徴とする遊技機AF2。
遊技機AF2によれば、遊技機AF1の奏する効果に加え、前記特定演出は、前記特典遊技が実行されていることを遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成されているので、特典遊技の種別に応じて、特典遊技が実行されていることを遊技者に示唆するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AF1又はAF2において、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、前記識別情報の動的表示期間の間に第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2特典遊技の実行中において、少なくとも前記特定条件が成立するよりも前の所定期間の間、前記第1演出と区別し難い態様の第2演出を実行する第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機AF3。
遊技機AF3によれば、遊技機AF1又はAF2の奏する効果に加え、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、前記識別情報の動的表示期間の間に第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2特典遊技の実行中において、少なくとも前記特定条件が成立するよりも前の所定期間の間、前記第1演出と区別し難い態様の第2演出を実行する第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備える。
これにより、第2特典遊技が開始されてから特定条件が成立するまでの間、特典遊技が実行されていることを遊技者に認識され難くすることができるという効果がある。
遊技機AF1からAF3のいずれかにおいて、前記第2特定演出実行手段は、前記特典遊技が終了した後も予め定められた第1条件が成立するまで前記特定演出を継続させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機AF4。
遊技機AF4によれば、遊技機AF1からAF3の何れかが奏する効果に加え、前記第2特定演出実行手段は、前記特典遊技が終了した後も予め定められた第1条件が成立するまで前記特定演出を継続させることが可能に構成されているので、第2特典遊技が終了した後も、特典遊技が継続しているかのように思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AF1からAF4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記特典遊技の実行中に前記可変手段を所定の可変動作で可変させる可変制御手段と、を備え、前記可変制御手段は、前記第1特典遊技が開始されてから前記可変手段が前記第1位置へと特定回数可変するまでの間の前記可変手段の可変動作と、前記第2特典遊技において前記特定条件が成立してから当該特定条件が成立した後で前記可変手段が前記第1位置へと前記特定回数可変するまでの間の前記可変手段の可変動作と、が区別困難となるように前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AF5。
遊技機AF5によれば、遊技機AF1からAF4の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記特典遊技の実行中に前記可変手段を所定の可変動作で可変させる可変制御手段と、を備え、前記可変制御手段は、前記第1特典遊技が開始されてから前記可変手段が前記第1位置へと特定回数可変するまでの間の前記可変手段の可変動作と、前記第2特典遊技において前記特定条件が成立してから当該特定条件が成立した後で前記可変手段が前記第1位置へと前記特定回数可変するまでの間の前記可変手段の可変動作と、が区別困難となるように前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものである。
これにより、第1特典遊技が開始されて特定演出が実行されたのか、第2特典遊技の実行中に特定条件が成立して特定演出が実行されたのかをより分かり難くすることができるという効果がある。
遊技機AF5において、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段を備え、前記可変制御手段は、前記第1特典遊技が開始されてから終了するまでの間の前記可変手段の可変動作と、前記第2特典遊技において前記特定条件が成立してから当該第2特典遊技が終了した後で予め定められた第1回数の可変遊技が終了するまでの間の前記可変手段の可変動作と、が区別困難となるように前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであり、前記第2特定演出実行手段は、前記第2特典遊技が終了した後も前記第1回数の可変遊技が終了するまで前記特定演出を継続させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機AF6。
遊技機AF6によれば、遊技機AF5の奏する効果に加え、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段を備え、前記可変制御手段は、前記第1特典遊技が開始されてから終了するまでの間の前記可変手段の可変動作と、前記第2特典遊技において前記特定条件が成立してから当該第2特典遊技が終了した後で予め定められた第1回数の可変遊技が終了するまでの間の前記可変手段の可変動作と、が区別困難となるように前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであり、前記第2特定演出実行手段は、前記第2特典遊技が終了した後も前記第1回数の可変遊技が終了するまで前記特定演出を継続させることが可能に構成されている。
これにより、第1特典遊技が実行されているのか、第2特典遊技の実行中若しくは終了後であるのかをより分かり難くすることができるという効果がある。
遊技機AF6において、前記第2特定演出実行手段は、前記第2特典遊技の終了後、前記第1回数以内の前記判別手段の判別で前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記特定演出の実行を終了することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機AF7。
遊技機AF7によれば、遊技機AF6の奏する効果に加え、前記第2特定演出実行手段は、前記第2特典遊技の終了後、前記第1回数以内の前記判別手段の判別で前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記特定演出の実行を終了することが可能に構成されているので、第1回数以内に外れ判別結果となって特定演出の実行が終了された場合に、第2特典遊技が実行されていたということを遊技者に対して理解させることができるという効果がある。
遊技機AF1からAF7のいずれかにおいて、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1特典遊技は、前記第2特典遊技よりも、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態を設定され易く構成されていることを特徴とする遊技機AF8。
遊技機AF8によれば、遊技機AF1からAF7のいずれかが奏する効果に加え、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1特典遊技は、前記第2特典遊技よりも、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態を設定され易く構成されている。
これにより、第2特典遊技が実行され得た場合の方が有利な第2遊技状態が設定され易いので、特定演出の実行タイミング等に注目することで第1特典遊技が実行されたか第2特典遊技が実行されたかを推測する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴AG群>(特定の大当たりで付与されている時短期間を条件に応じて異ならせる)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の状態として、遊技者に有利な特定状態を少なくとも含む複数の中から1の状態を設定する状態設定手段と、前記特定状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて前記特定状態を終了させる特定状態終了手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記特定条件の成立し易さを可変させる可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機AG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2001-038007号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、状態毎の有利度合いが固定化されており、同一の状態が続く限り同じ有利度合いが続いてしまうため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機AG1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の状態として、遊技者に有利な特定状態を少なくとも含む複数の中から1の状態を設定する状態設定手段と、前記特定状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて前記特定状態を終了させる特定状態終了手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記特定条件の成立し易さを可変させる可変手段と、を備える。
これにより、可変手段によってより特定条件が成立し難くなるように可変されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AG1において、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技が終了した後の状態として前記特定状態が設定される第1特典遊技と、前記特定状態とは異なる第2状態が設定される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段とを備え、前記可変手段は、前記第1特典遊技の終了後に設定される前記特定状態において、前記特定条件の成立し易さを可変可能に構成されていることを特徴とする遊技機AG2。
遊技機AG2によれば、遊技機AG1の奏する効果に加え、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技が終了した後の状態として前記特定状態が設定される第1特典遊技と、前記特定状態とは異なる第2状態が設定される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段とを備え、前記可変手段は、前記第1特典遊技の終了後に設定される前記特定状態において、前記特定条件の成立し易さを可変可能に構成されている。
これにより、第1特典遊技が実行された場合に、特定条件の成立し易さに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AG2において、前記可変手段は、前記特定状態が設定される期間として、前記特定条件が成立し易い第1期間と、その第1期間よりも前記特定条件が成立し難い第2期間と、を少なくとも含む複数の期間のうち1の期間に可変可能に構成されているものであり、予め定められた第1の状況において前記第1特典遊技が実行された場合に、前記第2期間よりも第1期間に可変する割合が高くなり、前記第1の状況とは異なる第2の状況において前記第1特典遊技が実行された場合に、前記第1期間よりも前記第2期間に可変する割合が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機AG3。
遊技機AG3によれば、遊技機AG2の奏する効果に加え、前記可変手段は、前記特定状態が設定される期間として、前記特定条件が成立し易い第1期間と、その第1期間よりも前記特定条件が成立し難い第2期間と、を少なくとも含む複数の期間のうち1の期間に可変可能に構成されているものであり、予め定められた第1の状況において前記第1特典遊技が実行された場合に、前記第2期間よりも第1期間に可変する割合が高くなり、前記第1の状況とは異なる第2の状況において前記第1特典遊技が実行された場合に、前記第1期間よりも前記第2期間に可変する割合が高くなるように構成されている。
これにより、第2期間が設定され易い第2の状況において第1特典遊技が実行されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機AG3において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定条件は、前記特定の状態が設定された後で予め定められた第1回数の前記第1判別が実行されたことに基づいて成立するものであり、前記可変手段は、前記第1回数の前記第1判別が終了するまでの期間を可変可能に構成されていることを特徴とする遊技機AG4。
遊技機AG4によれば、遊技機AG3の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定条件は、前記特定の状態が設定された後で予め定められた第1回数の前記第1判別が実行されたことに基づいて成立するものであり、前記可変手段は、前記第1回数の前記第1判別が終了するまでの期間を可変可能に構成されている。
これにより、可変手段によって可変される期間に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AG4において、前記第2判別手段は、前記第1判別の実行中に前記第2判別を開始させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機G5。
遊技機AG5によれば、遊技機AG4の奏する効果に加え、前記第2判別手段は、前記第1判別の実行中に前記第2判別を開始させることが可能に構成されているので、第2判別を効率良く実行させることができるという効果がある。
<特徴BA群>(特1ばかり回る左打ち状態と、特1、特2が交互に回る左打ち状態と、を設ける)
第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果、または前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利であって前記第2遊技状態よりも前記第2判別条件が成立し易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球することで遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012-217
766号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、時短遊技が設定されている状態と、時短遊技が設定されていない状態とで、有利度合いが大きく異なるため、時短遊技が設定されていない状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることが困難となる虞があった。
これに対して遊技機BA1によれば、第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果、または前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利であって前記第2遊技状態よりも前記第2判別条件が成立し易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備える。
これにより、有利者に不利な遊技状態として、第2判別条件の成立し易さが異なる複数の遊技状態が設けられているため、不利な遊技状態が設定されている状況における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1において、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、遊技機BA1の奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されているので、第2判別手段の判別が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1又はBA2において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数の発射方向のうちいずれかへと発射可能な発射手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる第1制御と、その第1制御よりも前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し難くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうちいずれか1の制御を設定可能な制御設定手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とは、少なくとも前記第2制御が設定される遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA1又はBA2の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数の発射方向のうちいずれかへと発射可能な発射手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる第1制御と、その第1制御よりも前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し難くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうちいずれか1の制御を設定可能な制御設定手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とは、少なくとも前記第2制御が設定される遊技状態で構成されている。
これにより、第2入球手段へと入球し難い制御が設定されているにもかかわらず第2判別条件の成立し易さが可変するという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA3において、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第1方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA3の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第1方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる遊技状態で構成されているので、第3遊技状態において遊技球を第1方向に発射させることができるという効果がある。
遊技機BA3又はBA4において、前記第1入球手段は、第1の第1入球手段と、第2の第1入球手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1方向へと発射された遊技球が流下可能な位置に設けられている特定流路と、その特定流路を流下した遊技球を前記第1の第1入球手段へと流下させることが可能な第1流路と、前記第2の第1入球手段へと流下させることが可能な第2流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、前記第2流路を流下した遊技球が前記第2の第1入球手段へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2の第1入球手段へと入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、を備え、前記変位手段は、前記第2位置に変位している状態において、到達した遊技球を前記第2入球手段へと誘導可能に構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が前記第2位置に変位している前記変位手段へと到達し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BA5。
遊技機BA5によれば、遊技機BA3又はBA4の奏する効果に加え、第3遊技状態においては、第2流路へと振り分けられた遊技球が第2入球手段へと入球し易くなるので、振分手段によって第1流路に振り分けられるか第2流路に振り分けられるかにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BA5において、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて前記変位手段が所定の変位パターンで変位するように制御する変位制御手段と、を備え、前記変位制御手段は、前記第2遊技状態において前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果となってから前記変位手段が最初に前記第1位置に変位するまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記変位手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易い第1変位パターンで前記変位手段を制御し易くなり、前記第3遊技状態において前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果となってから前記変位手段が最初に前記第1位置に変位するまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易い第2変位パターンで前記変位手段を制御し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BA6。
遊技機BA6によれば、遊技機BA5の奏する効果に加え、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて前記変位手段が所定の変位パターンで変位するように制御する変位制御手段と、を備え、前記変位制御手段は、前記第2遊技状態において前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果となってから前記変位手段が最初に前記第1位置に変位するまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記変位手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易い第1変位パターンで前記変位手段を制御し易くなり、前記第3遊技状態において前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果となってから前記変位手段が最初に前記第1位置に変位するまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易い第2変位パターンで前記変位手段を制御し易くなるように構成されている。
これにより、通過判別手段の判別結果が第1の判別結果となってから変位手段が第1位置に変位するまでの期間を遊技状態に応じて異ならせるという比較的単純な制御によって遊技状態毎の第2入球手段への入球し易さを異ならせることができるので、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機BA6において、前記通過判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記変位制御手段は、前記通過判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となった場合に、前記動的表示期間が経過した後で特定の待機期間が経過してから前記変位手段を所定期間、前記第1位置へと変位させるものであり、前記第2遊技状態は、前記動的表示期間と前記特定の待機期間との和が、前記第1の判別結果となった場合に、前記通過手段を通過した遊技球が前記変位手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易く構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記動的表示期間と前記特定の待機期間との和が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機BA7。
遊技機BA7によれば、遊技機BA6の奏する効果に加え、前記通過判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記変位制御手段は、前記通過判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となった場合に、前記動的表示期間が経過した後で特定の待機期間が経過してから前記変位手段を所定期間、前記第1位置へと変位させるものであり、前記第2遊技状態は、前記動的表示期間と前記特定の待機期間との和が、前記第1の判別結果となった場合に、前記通過手段を通過した遊技球が前記変位手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易く構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記動的表示期間と前記特定の待機期間との和が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易く構成されている。
これにより、動的表示期間と特定の待機期間との和を可変させることで遊技状態毎の第2入球手段への入球し易さを異ならせることができるという効果がある。
遊技機BA7において、前記動的表示期間設定手段は、前記第2遊技状態と第3遊技状態とで予め定められた共通の動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機BA8。
遊技機BA8によれば、遊技機BA7の奏する効果に加え、前記動的表示期間設定手段は、前記第2遊技状態と第3遊技状態とで予め定められた共通の動的表示期間を設定するものであるので、第2遊技状態と第3遊技状態とで特定の待機期間のみを異ならせることにより第2入球手段への入球し易さを異ならせることができる。よって、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴BB群>(右打ち状態として、特定回数の大当たり連荘が確定する状態と、次回の大当たりのみ確定する状態とを設ける)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第2遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の特典遊技が実行されるまで、前記第1遊技状態が少なくとも設定され難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、当たり遊技の終了後における遊技状態が有利度合いの高い遊技状態に設定されたとしても、その有利度合いが高い遊技状態において当たりとなった場合にいずれの遊技状態に設定されるかについては当たりになるまで決定されないため、有利度合いが高い遊技状態が設定されたとしても、遊技者に対して安心感を抱かせながら遊技を行わせることが困難であった。
これに対して遊技機BB1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第2遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の特典遊技が実行されるまで、前記第1遊技状態が少なくとも設定され難くなるように構成されている。
これにより、第2遊技状態が一旦設定されると、特定回数の特典遊技が実行されるまで有利度合いが低い第1遊技状態が設定され難くなるので、第2遊技状態が設定された時点で遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BB1において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記判別手段により予め定められた第1回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記判別手段により予め定められた第1回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態を設定可能に構成されているので、第1遊技状態において、第1回数の判別が実行されるよりも前に特定の判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BB1又はBB2において、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記判別手段の判別で前記特定の判別結果となるまで同一の遊技状態が維持され易く構成されていることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1又はBB2の奏する効果に加え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記判別手段の判別で前記特定の判別結果となるまで同一の遊技状態が維持され易く構成されているので、第2遊技状態に移行した時点で、実質的に次の特典遊技が確定する。よって、第2遊技状態に移行した際の遊技者の喜びをより大きくすることができるという効果がある。
遊技機BB1からBB3のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1の判別条件よりも前記第2の判別条件の方が成立し易くなるように構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技の終了後の遊技状態として予め定められた特定の割合で前記第1遊技状態を設定し、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の割合よりも低い割合で前記第1遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BB4。
遊技機BB4によれば、遊技機BB1からBB3のいずれかが奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1の判別条件よりも前記第2の判別条件の方が成立し易くなるように構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技の終了後の遊技状態として予め定められた特定の割合で前記第1遊技状態を設定し、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の割合よりも低い割合で前記第1遊技状態を設定可能に構成されているものである。
これにより、第1判別手段の判別よりも、第2判別手段の判別で特定の判別結果となることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BB4において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技終了後の遊技状態として前記第2遊技状態と前記第1遊技状態よりも有利な第4遊技状態とのどちらかに設定可能に構成されているものであり、前記第4遊技状態は、前記第2の判別条件よりも、前記第1の判別条件の方が成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BB5。
遊技機BB5によれば、遊技機BB4の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技終了後の遊技状態として前記第2遊技状態と前記第1遊技状態よりも有利な第4遊技状態とのどちらかに設定可能に構成されているものであり、前記第4遊技状態は、前記第2の判別条件よりも、前記第1の判別条件の方が成立し易くなるように構成されている。
これにより、第4遊技状態では、遊技者に有利となるものの第1判別手段の判別が実行され易いので、第2遊技状態となることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BB4において、前記遊技状態設定手段は、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技終了後の遊技状態として前記第2遊技状態と前記第1遊技状態よりも有利な第4遊技状態とのどちらかに設定可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて設定される前記第4遊技状態は、前記第1の判別条件よりも、前記第2の判別条件の方が成立し易くなるように構成されているものであり、前記第4遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて設定される前記第4遊技状態は、前記第2の判別条件よりも、前記第1の判別条件の方が成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BB6。
遊技機BB6によれば、遊技機BB4の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技終了後の遊技状態として前記第2遊技状態と前記第1遊技状態よりも有利な第4遊技状態とのどちらかに設定可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて設定される前記第4遊技状態は、前記第1の判別条件よりも、前記第2の判別条件の方が成立し易くなるように構成されているものであり、前記第4遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて設定される前記第4遊技状態は、前記第2の判別条件よりも、前記第1の判別条件の方が成立し易くなるように構成されている。
これにより、第2遊技状態において特定の判別結果となったか、第4遊技状態において特定の判別結果となったかに応じて、第4遊技状態において判別が実行され易い判別手段の種別を異ならせることができるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BB4からBB6のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示する第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示する第2動的表示手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第2動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第1動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、前記動的表示期間設定手段によって長い動的表示期間が設定され易く構成されていることを特徴とする遊技機BB7。
遊技機BB7によれば、遊技機BB4からBB6のいずれかが奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示する第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示する第2動的表示手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第2動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第1動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、前記動的表示期間設定手段によって長い動的表示期間が設定され易く構成されている。
これにより、第2遊技状態においては、第2判別手段の判別を、第1判別手段の判別よりも頻繁に行わせることができるので、第2遊技状態の優位性をより高めることができるという効果がある。
遊技機BB7において、前記第1動的表示手段により前記識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2動的表示手段により前記識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機BB8。
遊技機BB8によれば、遊技機BB7の奏する効果に加え、前記第1動的表示手段により前記識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2動的表示手段により前記識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第2判別手段の判別をより効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機BB8において、前記第2動的表示手段により前記識別情報の動的表示が行われている間に、前記第3動的表示手段により前記識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機BB9。
遊技機BB9によれば、遊技機BB8の奏する効果に加え、前記第2動的表示手段により前記識別情報の動的表示が行われている間に、前記第3動的表示手段により前記識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第1判別手段の判別をより効率良く実行することができるという効果がある。
<特徴BC群>(特定回数の当たりに当選した後で設定される遊技状態を、特定回数の当たりに当選するよりも前に示唆する演出)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、予め定められた特定回数の前記特典遊技が実行された後の遊技状態として前記遊技状態設定手段によって設定される遊技状態を示唆可能な特定演出を、前記判別手段の判別で前記特定の判別結果となるよりも少なくとも前に実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機BC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技後に設定される遊技状態を、遊技状態が設定されるよりも前に予め示唆する演出を実行することで遊技者の興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、当たりに当選しなければ当たり後の遊技状態が確定しないのが通常であるため、遊技状態を予め示唆する演出の実行タイミングが限られてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機BC1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、予め定められた特定回数の前記特典遊技が実行された後の遊技状態として前記遊技状態設定手段によって設定される遊技状態を示唆可能な特定演出を、前記判別手段の判別で前記特定の判別結果となるよりも少なくとも前に実行可能な特定演出実行手段と、を備える。
これにより、特定回数の特典遊技が実行された後の遊技状態を予め示唆することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1において、前記特定演出の種別として、前記特定回数の前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され得ることを示唆可能な第1種別と、前記第1遊技状態が設定され難いことを示唆可能な第2種別と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定可能な演出種別決定手段を備えることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、前記特定演出の種別として、前記特定回数の前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され得ることを示唆可能な第1種別と、前記第1遊技状態が設定され難いことを示唆可能な第2種別と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定可能な演出種別決定手段を備えるので、第2種別の特定演出が実行された場合に、特定回数の特典遊技の実効が終了した後の遊技状態が有利である可能性が高まるため、特定回数の特典遊技が実行されるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機BC2において、前記第2種別は、前記特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され難くなることを示唆可能な演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC2の奏する効果に加え、前記第2種別は、前記特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され難くなることを示唆可能な演出態様で構成されているので、第2種別の特定演出が実行された場合に、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができるという効果がある。
遊技機BC3において、前記特定演出実行手段は、前記第2種別の前記特定演出として、予め定められた第1特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され難くなることを示唆可能な第1演出態様と、前記第1特定回数よりも多い第2特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され難くなることを示唆可能な第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC4。
遊技機BC4によれば、遊技機BC3の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、前記第2種別の前記特定演出として、予め定められた第1特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され難くなることを示唆可能な第1演出態様と、前記第1特定回数よりも多い第2特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定され難くなることを示唆可能な第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を実行可能に構成されているので、第2演出態様の特定演出が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BC1からBC4のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段は、少なくとも前記特典遊技の実行中における演出として、当該実行中の前記特典遊技が終了した後で実行される前記特定回数の前記特典遊技の終了後の遊技状態を示唆可能な前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC5。
遊技機BC5によれば、遊技機BC1からBC4のいずれかが奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、少なくとも前記特典遊技の実行中における演出として、当該実行中の前記特典遊技が終了した後で実行される前記特定回数の前記特典遊技の終了後の遊技状態を示唆可能な前記特定演出を実行可能に構成されているので、特典遊技の実行中の演出として特定演出を実行することができる。よって、特典遊技の実行中における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BC1からBC5のいずれかにおいて、前記第2遊技状態は、当該第2遊技状態が設定された後で前記特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定され難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BC6。
遊技機BC6によれば、遊技機BC1からBC6のいずれかが奏する効果に加え、前記第2遊技状態は、当該第2遊技状態が設定された後で前記特定回数の前記特典遊技が実行されるまで前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定され難くなるように構成されているので、第2遊技状態が設定された際に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BC6において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定された後、前記特定回数の前記特典遊技が実行されるまで、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とのどちらかを設定するように構成されていることを特徴とする遊技機BC7。
遊技機BC7によれば、遊技機BC6の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定された後、前記特定回数の前記特典遊技が実行されるまで、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とのどちらかを設定するように構成されている。
これにより、第2遊技状態が一旦設定されると、特定回数の特典遊技が実行されるまで有利度合いが低い第1遊技状態が設定されなくなるので、第2遊技状態が設定されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機BC7において、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とは、前記特典遊技が実行されるまで他の遊技状態に変更され難く構成されていることを特徴とする遊技機BC8。
遊技機BC8によれば、遊技機BC7の奏する効果に加え、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とは、前記特典遊技が実行されるまで他の遊技状態に変更され難く構成されているので、第2遊技状態や第3遊技状態では、実質的に次の特典遊技が確定する。よって、第2遊技状態や第3遊技状態へと移行した時点で遊技者に対して安心感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機BC8において、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態に設定された後で予め定められた第1回数の前記判別手段の判別に渡って前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第4遊技状態に変更されるように構成されていることを特徴とする遊技機BC9。
遊技機BC9によれば、遊技機BC8の奏する効果に加え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態に設定された後で予め定められた第1回数の前記判別手段の判別に渡って前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第4遊技状態に変更されるように構成されているので、第1遊技状態が設定された場合に、第1回数の判別が行われるまでに特定の判別結果となることを強く願いながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴BD群>(リミット到達後の時短状態とリミット到達前の時短状態とで有利度合いを可変させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記特定の遊技状態の有利度合いとして、第1の有利度合いと、その第1の有利度合いよりも有利度合いが高い第2の有利度合いと、を少なくとも含む複数の有利度合いのうち1の有利度合いに設定する有利度合い設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
具体的には、時短状態の有無および確変機能の作動有無の組合せによって、最大4種類の有利度合いが異なる遊技状態の中から1の遊技状態を設定するものが知られている。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の遊技状態における有利度合いは共通であるため、同じ遊技状態が長く設定され続けることにより、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機BD1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記特定の遊技状態の有利度合いとして、第1の有利度合いと、その第1の有利度合いよりも有利度合いが高い第2の有利度合いと、を少なくとも含む複数の有利度合いのうち1の有利度合いに設定する有利度合い設定手段と、を備える。
これにより、特定の遊技状態の有利度合いを異ならせることができるので、第2の有利度合いが設定されることをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD1において、前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いが設定されているか前記第2の有利度合いが設定されているかによらず、前記特定の遊技状態が設定された後で予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って前記特定の判別結果となったことに基づいて終了されるように構成されていることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いが設定されているか前記第2の有利度合いが設定されているかによらず、前記特定の遊技状態が設定された後で予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って前記特定の判別結果となったことに基づいて終了されるように構成されているので、特定の遊技状態となってから特定回数の判別が実行されるよりも前に特定の判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BD1又はBD2において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段を備え、前記有利度合い設定手段は、前記第1特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される場合に前記第1の有利度合いに設定し、前記第2特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される場合に前記第2の有利度合いに設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD1又はBD2の奏する効果に加え、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段を備え、前記有利度合い設定手段は、前記第1特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される場合に前記第1の有利度合いに設定し、前記第2特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される場合に前記第2の有利度合いに設定することが可能に構成されている。
これにより、第1特典遊技が決定されることをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD3において、前記遊技状態設定手段は、前記第2特典遊技の終了後の遊技状態として、予め定められた特定条件が成立している場合に前記特定の遊技状態を設定し、前記特定条件が成立していない場合に前記特定の遊技状態よりも遊技者に有利な第1遊技状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BD4。
遊技機BD4によれば、遊技機BD3の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第2特典遊技の終了後の遊技状態として、予め定められた特定条件が成立している場合に前記特定の遊技状態を設定し、前記特定条件が成立していない場合に前記特定の遊技状態よりも遊技者に有利な第1遊技状態を設定することが可能に構成されているので、第2特典遊技が決定された場合に、特定条件が成立していないことに期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD4において、前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球し、前記特定条件が成立している場合に前記特定の遊技状態を設定し、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球し、前記特定条件が成立していない場合に前記第1遊技状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BD5。
遊技機BD5によれば、遊技機BD4の奏する効果に加え、前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球し、前記特定条件が成立している場合に前記特定の遊技状態を設定し、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球し、前記特定条件が成立していない場合に前記第1遊技状態を設定することが可能に構成されている。
これにより、第2特典遊技の実行中に可変入球手段へと入球することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BD5において、前記遊技状態設定手段は、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に前記特定の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球せずに設定された前記特定の遊技状態の有利度合いを前記第1の有利度合いに設定するものであることを特徴とする遊技機BD6。
遊技機BD6によれば、遊技機BD5の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に前記特定の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第2特典遊技の実行中に前記可変入球手段へと遊技球が入球せずに設定された前記特定の遊技状態の有利度合いを前記第1の有利度合いに設定するものである。
これにより、第2特典遊技において遊技球を可変入球手段へと入球させることができなかった場合、有利度合が低い第1の有利度合いに設定される特定の遊技状態に設定されてしまうため、第2特典遊技において遊技球が可変入球手段へと入球することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BD4からBD6のいずれかにおいて、前記特定条件は、予め定められた特定回数の前記特典遊技に渡って連続して前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて成立するように構成されていることを特徴とする遊技機BD7。
遊技機BD7によれば、遊技機BD4からBD6のいずれかが奏する効果に加え、前記特定条件は、予め定められた特定回数の前記特典遊技に渡って連続して前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて成立するように構成されているので、第2遊技状態が連続した回数に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BD1からBD7のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BD8。
遊技機BD8によれば、遊技機BD1からBD8のいずれかが奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されている。
これにより、第1の有利度合いに設定されるか、第2の有利度合いに設定されるかによって、有利度合が異なる判別が実行され易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD8において、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、予め定められた特定割合で前記特定の遊技状態よりも有利な第1遊技状態を設定し、前記第2判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記特定割合よりも高い割合で前記第2遊技状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BD9。
遊技機BD9によれば、遊技機BD8の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、予め定められた特定割合で前記特定の遊技状態よりも有利な第1遊技状態を設定し、前記第2判別手段の判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記特定割合よりも高い割合で前記第2遊技状態を設定することが可能に構成されているので、第2判別手段の判別で特定の判別結果となることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴BE群>(少なくとも特定回数の大当たりに当選しなければ移行し得ない遊技状態)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において1の前記特典遊技が実行された後における前記特典遊技の実行回数が予め定められた特定回数未満の場合よりも、前記特定回数以上の場合の方が前記第2遊技状態を設定し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にし、様々な状態において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
また、係る従来型の遊技機では、各遊技状態の設定割合に差をつけ、有利度合いが高いものの滅多に設定されない遊技状態や、比較的設定され易いが有利度合いが低い遊技状態、等を設けることにより、滅多に設定されない遊技状態が設定されることを一つの目的として遊技性を行わせることにより興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、滅多に設定されない遊技状態であっても、運が良ければ少ない当たり当選回数で設定され得る構成となっているので、運が良い遊技者が滅多に設定されない遊技状態を設定させるという目的をすぐに達成してしまい、遊技に対するモチベーションを失ってしまう可能性があった。
これに対して遊技機BE1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において1の前記特典遊技が実行された後における前記特典遊技の実行回数が予め定められた特定回数未満の場合よりも、前記特定回数以上の場合の方が前記第2遊技状態を設定し易くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態が設定された後における特典遊技の実行回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE1において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された後における前記特典遊技の実行回数が前記特定回数未満の場合よりも、前記特定回数以上の場合の方が前記第2遊技状態を設定し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された後における前記特典遊技の実行回数が前記特定回数未満の場合よりも、前記特定回数以上の場合の方が前記第2遊技状態を設定し易くなるように構成されている。
これにより、特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BE2において、前記第3遊技状態は、前記判別手段の判別が実行された場合に予め定められた第1確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記判別手段の判別が実行された場合に前記第1確率よりも低い第2確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BE3。
遊技機BE3によれば、遊技機BE2の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記判別手段の判別が実行された場合に予め定められた第1確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記判別手段の判別が実行された場合に前記第1確率よりも低い第2確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものである。
これにより、第3遊技状態となった場合に、少ない判別回数で特定の判別結果となり易くなるので、第3遊技状態の優位性をより高めることができる。よって、第3遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BE2又はBE3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1特典遊技は、少なくとも前記第1遊技状態において実行された場合に前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定されるように構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特定回数の前記特典遊技に渡って連続して前記第1特典遊技が実行された場合に少なくとも前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機BE4。
遊技機BE4によれば、遊技機BE2又はBE3の奏する効果に加え、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1特典遊技は、少なくとも前記第1遊技状態において実行された場合に前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定されるように構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特定回数の前記特典遊技に渡って連続して前記第1特典遊技が実行された場合に少なくとも前記第2遊技状態を設定するものである。
これにより、第1特典遊技の連続回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE4において、前記第2遊技状態の有利度合いを第1の有利度合いと、その第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いと、を少なくとも含む複数のうち1の有利度合いに設定する有利度合い設定手段を備え、前記種別決定手段は、前記第1特典遊技と、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態が設定される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定可能に構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第2特典遊技の実行が終了した後に設定される前記第2遊技状態の有利度合いを前記第1の有利度合いに設定し、前記第1特典遊技の実行が終了した後に設定される前記第2遊技状態の有利度合いを前記第2の有利度合いに設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BE5。
遊技機BE5によれば、遊技機BE4の奏する効果に加え、前記第2遊技状態の有利度合いを第1の有利度合いと、その第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いと、を少なくとも含む複数のうち1の有利度合いに設定する有利度合い設定手段を備え、前記種別決定手段は、前記第1特典遊技と、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態が設定される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定可能に構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第2特典遊技の実行が終了した後に設定される前記第2遊技状態の有利度合いを前記第1の有利度合いに設定し、前記第1特典遊技の実行が終了した後に設定される前記第2遊技状態の有利度合いを前記第2の有利度合いに設定することが可能に構成されている。
これにより、第1特典遊技が特定回数連続しなければ第2の有利度合いの第2遊技状態が設定されないため、第2の有利度合いの第2遊技状態が設定された場合に、遊技者に対して大きな達成感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機BE5において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者にとって有利となり易く構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第2の有利度合いとして前記第1の判別条件よりも前記第2の判別条件の方が成立し易くなるように設定し、前記第1の有利度合いとして、前記第1の有利度合いが設定された場合よりも前記第2の判別条件が成立し難くなるように設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BE6。
遊技機BE6によれば、遊技機BE5の奏する効果に加え、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者にとって有利となり易く構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第2の有利度合いとして前記第1の判別条件よりも前記第2の判別条件の方が成立し易くなるように設定し、前記第1の有利度合いとして、前記第1の有利度合いが設定された場合よりも前記第2の判別条件が成立し難くなるように設定することが可能に構成されている。
これにより、第1の有利度合いに設定されるか、第2の有利度合いに設定されるかによって、有利度合が異なる判別が実行され易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE6において、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する第1動的表示期間設定手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、を備え、前記第1の有利度合いが設定された前記第2遊技状態は、前記第1動的表示期間設定手段により設定される前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第2動的表示期間設定手段により設定される前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、長い期間が設定され易く構成されているものであり、前記第2の有利度合いが設定された前記第2遊技状態は、前記第2動的表示期間設定手段により設定される前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第1動的表示期間設定手段により設定される前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、長い期間が設定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機BE7。
遊技機BE7によれば、遊技機BE6の奏する効果に加え、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する第1動的表示期間設定手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、を備え、前記第1の有利度合いが設定された前記第2遊技状態は、前記第1動的表示期間設定手段により設定される前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第2動的表示期間設定手段により設定される前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、長い期間が設定され易く構成されているものであり、前記第2の有利度合いが設定された前記第2遊技状態は、前記第2動的表示期間設定手段により設定される前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、前記第1動的表示期間設定手段により設定される前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の方が、長い期間が設定され易く構成されているものである。
これにより、第1の有利度合いが設定されている状況において第2識別情報の動的表示が実行される間隔を長くすることができるので、相対的に第1識別情報の動的表示をより多く実行させることが可能になると共に、第2の有利度合いが設定されている状況において第1識別情報の動的表示が実行される間隔を長くすることができるので、相対的に第2識別情報の動的表示をより多く実行させることが可能になる。よって、第1の有利度合いが設定されている場合に、確実に第1判別手段の判別が実行され易くなるように構成できると共に、第2の有利度合いが設定されている場合に、確実に第2判別手段の判別が実行され易くなるように構成できるという効果がある。
遊技機BE7において、前記第1動的表示手段は、前記第2識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始させることが可能に構成されているものであり、前記第2動的表示手段は、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BE8。
遊技機BE8によれば、遊技機BE7の奏する効果に加え、前記第1動的表示手段は、前記第2識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始させることが可能に構成されているものであり、記第2動的表示手段は、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始させることが可能に構成されているものである。
これにより、第1判別手段および第2判別手段の判別をより効率よく実行することができるという効果がある。
<特徴BF群>(特1始動口へと振り分けられる状態において特2始動口へのイレギュラー入賞を抑制する)
遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記特定流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定流路を流下した遊技球が前記第2入球手段よりも前記第1入球手段へと入球し易くなる第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記特定流路を流下した遊技球が前記第2入球手段へと入球することを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機BF1。
遊技機BF1によれば、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記特定流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定流路を流下した遊技球が前記第2入球手段よりも前記第1入球手段へと入球し易くなる第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記特定流路を流下した遊技球が前記第2入球手段へと入球することを抑制する抑制手段と、を備える。
これにより、第1遊技状態と第2遊技状態とで第2入球手段への入球し易さを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1において、前記第1入球手段および前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2入球手段への入球に基づく判別で前記特定の判別結果となった方が、前記第1入球手段への入球に基づく判別で前記特定の判別結果となった場合よりも遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機BF2。
遊技機BF2によれば、遊技機BF1の奏する効果に加え、前記第1入球手段および前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2入球手段への入球に基づく判別で前記特定の判別結果となった方が、前記第1入球手段への入球に基づく判別で前記特定の判別結果となった場合よりも遊技者に有利となり易く構成されている。
これにより、第2入球手段へと遊技球が入球することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BF1又はBF2において、前記特定流路を流下した遊技球を前記第1入球手段へと誘導可能な第1位置と、前記第2入球手段へと誘導可能な第2位置と、に可変する可変手段を備え、前記抑制手段は、前記第1遊技状態において前記特定流路を流下した遊技球が前記第1位置に可変した前記可変手段に到達し難くなるように前記可変手段を可変制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機BF3。
遊技機BF3によれば、遊技機BF1又はBF2の奏する効果に加え、前記特定流路を流下した遊技球を前記第1入球手段へと誘導可能な第1位置と、前記第2入球手段へと誘導可能な第2位置と、に可変する可変手段を備え、前記抑制手段は、前記第1遊技状態において前記特定流路を流下した遊技球が前記第1位置に可変した前記可変手段に到達し難くなるように前記可変手段を可変制御可能に構成されている。
これにより、第1遊技状態において第2入球手段へと入球することを確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機BF3において、前記特定流路を流下した遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第1位置から前記第2位置へと可変させる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記抑制手段は、前記第1遊技状態において前記第1の判別結果となってから前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変するまでの期間を、前記遊技球が前記通過手段を通過してから前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易い期間に設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BF4。
遊技機BF4によれば、遊技機BF3の奏する効果に加え、前記特定流路を流下した遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第1位置から前記第2位置へと可変させる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記抑制手段は、前記第1遊技状態において前記第1の判別結果となってから前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変するまでの期間を、前記遊技球が前記通過手段を通過してから前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易い期間に設定可能に構成されている。
これにより、第1遊技状態において第2入球手段へと遊技球が入球することをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機BF4において、前記第2遊技状態において前記第1の判別結果となってから前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変するまでの期間を、前記遊技球が前記通過手段を通過してから前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易い期間に設定する手段を備えることを特徴とする遊技機BF5。
遊技機BF5によれば、遊技機BF4の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2入球手段へと遊技球を入球し易く構成することができるという効果がある。
<特徴BG群>(特1ばかり回る左打ち状態と、特1、特2が交互に回る左打ち状態と、を設ける)
特定の発射強度で発射された遊技球が少なくとも入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球困難となるように制御される第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなるように制御される第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BG1。
遊技機BG1によれば、特定の発射強度で発射された遊技球が少なくとも入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球困難となるように制御される第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなるように制御される第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備える。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG1において、前記第2入球手段は、前記特定の発射強度とは異なる第1の発射強度で発射された遊技球が入球し得る位置に設けられているものであり、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とは、前記第1の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球困難となるように制御されるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなるように制御される第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、前記第2入球手段は、前記特定の発射強度とは異なる第1の発射強度で発射された遊技球が入球し得る位置に設けられているものであり、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とは、前記第1の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球困難となるように制御されるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1の発射強度で発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなるように制御される第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されている。
これにより、遊技状態に応じて異なる発射強度で遊技球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG1又はBG2において、前記特定の発射強度で発射された遊技球が到達可能な位置に設けられ、到達した遊技球が前記第2入球手段へと入球可能となる第1位置と、到達した遊技球が前記第2入球手段へと入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段を備え、前記第1遊技状態は、前記可変手段が前記第1位置に可変している間に遊技球を到達させることが困難となるように前記可変手段が制御されるものであり、前記第2遊技状態は、前記可変手段が前記第1位置に可変している間に遊技球を到達させることが前記第1遊技状態よりも容易となるように前記可変手段が制御されるものであることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、遊技機BG1又はBG2の奏する効果に加え、第1遊技状態においては可変手段によって物理的に第2入球手段への入球を抑制することができるという効果がある。
遊技機BG3において、前記特定の発射強度で発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え、前記可変手段は、前記通過手段を通過した遊技球のみが到達可能な位置に設けられているものであり、前記第1遊技状態は、前記特定の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易い期間となるように制御されるものであり、前記第2遊技状態は、前記特定の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易い期間となるように制御されるものであることを特徴とする遊技機BG4。
遊技機BG4によれば、遊技機BG3の奏する効果に加え、前記特定の発射強度で発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え、前記可変手段は、前記通過手段を通過した遊技球のみが到達可能な位置に設けられているものであり、前記第1遊技状態は、前記特定の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも長くなり易い期間となるように制御されるものであり、前記第2遊技状態は、前記特定の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が、前記通過手段を通過した遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間よりも短くなり易い期間となるように制御されるものである。
これにより、第1遊技状態において第2入球手段へと遊技球が入球することをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機BG4において、前記可変手段は、前記特定の発射強度で発射され、且つ、前記通過手段を通過しなかった遊技球が到達困難となるように構成されていることを特徴とする遊技機BG5。
遊技機BG5によれば、遊技機BG4の奏する効果に加え、前記可変手段は、前記特定の発射強度で発射され、且つ、前記通過手段を通過しなかった遊技球が到達困難となるように構成されているので、通過手段を介さずに第2入球手段へと入球することを抑制することができるという効果がある。
<特徴BH群>(サポ無し状態として、右打ちしても特2入賞しない通常状態と、右打ちすることで特2入賞する潜確状態とがある)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、遊技球が前記第1入球手段へと入球可能となり前記第2入球手段へと入球困難となる第1方向と、前記第2入球手段へと入球可能となり前記第1入球手段へと入球困難となる第2方向と、を少なくとも含む複数の方向へと遊技球を発射可能な発射手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、特定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により制御される前記所定の可変パターンとして、1の可変パターンの間に前記可変手段が予め定められた第1期間に渡って前記第1位置に可変される第1可変パターンと、前記可変手段が前記第1期間とは異なる長さの第2期間に渡って前記第1位置に可変される第2可変パターンと、を少なくとも含む複数のうち1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定の可変条件が成立した場合に前記可変パターン決定手段により予め定められた特定の割合で前記第1可変パターンが決定される第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利であって前記特定の割合で前記第1可変パターンが決定される第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記可変パターン決定手段により前記第2可変パターンが決定され易い第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BH1。
遊技機BH1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、遊技球が前記第1入球手段へと入球可能となり前記第2入球手段へと入球困難となる第1方向と、前記第2入球手段へと入球可能となり前記第1入球手段へと入球困難となる第2方向と、を少なくとも含む複数の方向へと遊技球を発射可能な発射手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、特定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により制御される前記所定の可変パターンとして、1の可変パターンの間に前記可変手段が予め定められた第1期間に渡って前記第1位置に可変される第1可変パターンと、前記可変手段が前記第1期間とは異なる長さの第2期間に渡って前記第1位置に可変される第2可変パターンと、を少なくとも含む複数のうち1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定の可変条件が成立した場合に前記可変パターン決定手段により予め定められた特定の割合で前記第1可変パターンが決定される第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利であって前記特定の割合で前記第1可変パターンが決定される第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記可変パターン決定手段により前記第2可変パターンが決定され易い第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備える。
これにより、遊技状態設定手段によって設定される遊技状態に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BH1において、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなるように構成されているので、第1遊技状態と第2遊技状態とで、特定の可変条件が成立した場合に同一の第1可変パターンが決定されるにもかかわらず、第2入球手段への入球し易さを異ならせることができる斬新な遊技性を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BH2において、前記第1期間は、前記第2期間よりも短い長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH2の奏する効果に加え、前記第1期間は、前記第2期間よりも短い長さの期間で構成されているので、第2遊技状態では第1位置へと可変される期間を最低限としつつ第2入球手段へと遊技球を入球させることができるという効果がある。
遊技機BH1からBH3のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、を備え、前記特定の可変条件は、前記通過判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機BH4。
遊技機BH4によれば、遊技機BH1からBH3のいずれかが奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、を備え、前記特定の可変条件は、前記通過判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立するものである。
これにより、通過判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることがでるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BH4において、可変制御手段は、前記第1遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、予め定められた第3期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させ、前記第2遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第3期間とは異なる長さの第4期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであり、前記第3期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと前記第1期間の間に到達することが困難となる長さの期間で構成されているものであり、前記第4期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと前記第1期間の間に到達することが前記第3期間よりも容易となる長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH4の奏する効果に加え、可変制御手段は、前記第1遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、予め定められた第3期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させ、前記第2遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第3期間とは異なる長さの第4期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであり、前記第3期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと前記第1期間の間に到達することが困難となる長さの期間で構成されているものであり、前記第4期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと前記第1期間の間に到達することが前記第3期間よりも容易となる長さの期間で構成されている。
これにより、第1可変パターンで可変手段を可変させるまでの期間を異ならせることで、第1遊技状態と第2遊技状態とで第2入球手段への入球し易さを異ならせることができるという効果がある。
遊技機BH5において、前記第1遊技状態において、前記通過手段を通過しなかった遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達することを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機BH6。
遊技機BH6によれば、遊技機BH5の奏する効果に加え、前記第1遊技状態において、前記通過手段を通過しなかった遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達することを抑制する抑制手段を備えるので、通過手段を通過しなかった遊技球が第1位置に可変されている可変手段へと到達することを確実に抑制できるという効果がある。
遊技機BH5又はBH6において、前記通過手段を通過した遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記通過手段を通過した遊技球を前記第1流路と前記第2流路とのどちらかへと振り分ける振分手段と、を備え、前記可変手段は、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられているものであり、前記第1遊技状態は、前記第1流路へと振り分けられた遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達可能となり、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達困難となるように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1流路へと振り分けられた遊技球も前記第2流路へと振り分けられた遊技球も前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達困難となるように構成されていることを特徴とする遊技機BH7。
遊技機BH7によれば、遊技機BH5又はBH6の奏する効果に加え、前記通過手段を通過した遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記通過手段を通過した遊技球を前記第1流路と前記第2流路とのどちらかへと振り分ける振分手段と、を備え、前記可変手段は、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられているものであり、前記第1遊技状態は、前記第1流路へと振り分けられた遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達可能となり、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達困難となるように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1流路へと振り分けられた遊技球も前記第2流路へと振り分けられた遊技球も前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達困難となるように構成されている。
これにより、振分手段によって振り分けられる流路に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BH7において、前記第3遊技状態は、前記第1流路に振り分けられた遊技球も前記第2流路に振り分けられた遊技球も前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機BH8。
遊技機BH8によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記第1流路に振り分けられた遊技球も前記第2流路に振り分けられた遊技球も前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達可能となるように構成されているので、第3遊技状態では、第2入球手段へとより多くの遊技球を入球させることができるという効果がある。
遊技機BH5からBH8のいずれかにおいて、少なくとも前記第1遊技状態において、前記通過手段を所定の遊技球が通過してから当該所定の遊技球の通過に基づく前記第1可変パターンの可変が終了するまでの間に他の遊技球が前記通過手段を通過することを規制可能な規制手段を備えることを特徴とする遊技機BH9。
遊技機BH9によれば、遊技機BH5からBH8のいずれかが奏する効果に加え、少なくとも前記第1遊技状態において、前記通過手段を所定の遊技球が通過してから当該所定の遊技球の通過に基づく前記第1可変パターンの可変が終了するまでの間に他の遊技球が前記通過手段を通過することを規制可能な規制手段を備えるので、第1遊技状態において第2入球手段へと遊技球が入球することをより確実に抑制することができるという効果がある。
<特徴BI群>(同時変動を用いない小当たりRUSBH)
第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて前記第1の判別よりも有利度合いが高い第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果、または前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易くなる第2遊技状態と、その前記第2遊技状態よりも前記特典付与手段によって前記所定の特典が付与され易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第2の判別条件は、少なくとも前記第1の判別条件が成立してから当該第1の判別条件の成立に基づく前記第1判別手段の判別結果が遊技者に示されるまでの間は成立し得ないように構成されていることを特徴とする遊技機BI1。
遊技機BI1によれば、第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて前記第1の判別よりも有利度合いが高い第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果、または前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易くなる第2遊技状態と、その前記第2遊技状態よりも前記特典付与手段によって前記所定の特典が付与され易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第2の判別条件は、少なくとも前記第1の判別条件が成立してから当該第1の判別条件の成立に基づく前記第1判別手段の判別結果が遊技者に示されるまでの間は成立し得ないように構成されている。
これにより、所定の特典が付与され易い第3遊技状態が設定されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BI1において、前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易く構成されていることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、遊技機BI1の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の判別条件が成立し易く構成されているので、第3遊技状態において、第2判別手段の判別を効率良く実行させることができるという効果がある。
遊技機BI1又はBI2において、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、遊技機BI1又はBI2の奏する効果に加え、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備える。
これにより、第2判別手段の判別結果により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2判別手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、特定の可変条件の成立に基づいて、前記第2可変手段を所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により制御される前記所定の可変パターンとして、1の可変パターンの間に前記第2可変手段が予め定められた第1期間に渡って前記第1位置に可変される第1可変パターンと、前記第2可変手段が前記第1期間とは異なる長さの第2期間に渡って前記第1位置に可変される第2可変パターンと、を少なくとも含む複数のうち1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得る条件で構成されているものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得る条件で構成されているものであり、前記第1遊技状態と前記第3遊技状態とは、前記可変パターン設定手段により前記第2可変パターンよりも前記第1可変パターンの方が決定され易くなるように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記可変パターン設定手段により前記第1可変パターンよりも前記第2可変パターンの方が決定され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BI4。
遊技機BI4によれば、遊技機BI1からBI3の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2判別手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、特定の可変条件の成立に基づいて、前記第2可変手段を所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により制御される前記所定の可変パターンとして、1の可変パターンの間に前記第2可変手段が予め定められた第1期間に渡って前記第1位置に可変される第1可変パターンと、前記第2可変手段が前記第1期間とは異なる長さの第2期間に渡って前記第1位置に可変される第2可変パターンと、を少なくとも含む複数のうち1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得る条件で構成されているものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得る条件で構成されているものであり、前記第1遊技状態と前記第3遊技状態とは、前記可変パターン設定手段により前記第2可変パターンよりも前記第1可変パターンの方が決定され易くなるように構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記可変パターン設定手段により前記第1可変パターンよりも前記第2可変パターンの方が決定され易くなるように構成されている。
これにより、遊技状態に応じて決定され易い可変パターンを異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BI4において、前記第1期間は、前記第2期間よりも短い長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機BI5。
遊技機BI5によれば、遊技機BI4の奏する効果に加え、前記第1期間は、前記第2期間よりも短い長さの期間で構成されているので、第3遊技状態において、第1位置への可変手段の可変期間が短いにもかかわらず効率よく第2入球手段へと遊技球を入球させることができる。これにより、遊技者の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BI4又はBI5において、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、を備え、前記特定の可変条件は、前記通過判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機BI6。
遊技機BI6によれば、遊技機BI4又はBI5の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、を備え、前記特定の可変条件は、前記通過判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて成立するものである。
これにより、通過判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BI6において、前記可変制御手段は、前記第1遊技状態で前記第1の判別結果となった場合に、予め定められた第3期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させ、前記第3遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第3期間とは異なる長さの第4期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであり、前記第3期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記第2可変手段へと前記第1期間の間に到達することが困難となる長さの期間で構成されているものであり、前記第4期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記第2可変手段へと前記第1期間の間に到達することが前記第3期間よりも容易となる長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機BI7。
遊技機BI7によれば、遊技機BI6の奏する効果に加え、前記可変制御手段は、前記第1遊技状態で前記第1の判別結果となった場合に、予め定められた第3期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させ、前記第3遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第3期間とは異なる長さの第4期間が経過してから前記第1可変パターンで前記可変手段を可変させることが可能に構成されているものであり、前記第3期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記第2可変手段へと前記第1期間の間に到達することが困難となる長さの期間で構成されているものであり、前記第4期間は、前記通過手段を通過した遊技球が前記第1位置に可変されている前記第2可変手段へと前記第1期間の間に到達することが前記第3期間よりも容易となる長さの期間で構成されている。
これにより、第1可変パターンで可変手段を可変させるまでの期間を異ならせることにより、第2入球手段へと入球し易い遊技状態と、入球し難い遊技状態とを形成することができるという効果がある。
遊技機BI1からBI7のいずれかにおいて、前記第1の判別条件は、少なくとも前記第2の判別条件が成立してから当該第1判別条件の成立に基づく前記第1判別手段の判別結果が遊技者に示されるまでの間は成立し得ないように構成されていることを特徴とする遊技機BI8。
遊技機BI8によれば、遊技機BI1からBI7のいずれかが奏する効果に加え、前記第1の判別条件は、少なくとも前記第2の判別条件が成立してから当該第1判別条件の成立に基づく前記第1判別手段の判別結果が遊技者に示されるまでの間は成立し得ないように構成されているので、第1判別手段の判別と第2判別手段の判別とが重複して実行されることを確実に抑制することができるという効果がある。
<特徴BJ群>(サポ有り状態中に当たるとV入賞率が悪くなる)
特定方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により実行される制御として、前記可変手段が予め定められた第1期間の間前記第2位置から前記第1位置へと可変される第1制御と、前記可変手段が前記第1期間よりも長い第2期間の間前記第2位置から前記第1位置へと可変される第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を決定する制御決定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記制御決定手段により前記第1制御が決定され易い第1制御状態と、その第1状態よりも前記制御決定手段により前記第2制御が決定され易い第2制御状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する制御状態設定手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、遊技球が入球可能な第1可変状態と、その第1可変状態よりも遊技球が入球困難となる第2可変状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が所定期間、前記第2可変状態から前記第1可変状態へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている特定領域と、前記可変遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記可変遊技の実行が終了した後における遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態に設定する有利遊技状態設定手段と、を備え、前記第1制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合と、前記第2制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合とで、前記特定領域の通過し易さが可変するように構成されていることを特徴とする遊技機BJ1。
遊技機BJ1によれば、特定方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により実行される制御として、前記可変手段が予め定められた第1期間の間前記第2位置から前記第1位置へと可変される第1制御と、前記可変手段が前記第1期間よりも長い第2期間の間前記第2位置から前記第1位置へと可変される第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を決定する制御決定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記制御決定手段により前記第1制御が決定され易い第1制御状態と、その第1状態よりも前記制御決定手段により前記第2制御が決定され易い第2制御状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する制御状態設定手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、遊技球が入球可能な第1可変状態と、その第1可変状態よりも遊技球が入球困難となる第2可変状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が所定期間、前記第2可変状態から前記第1可変状態へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている特定領域と、前記可変遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記可変遊技の実行が終了した後における遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態に設定する有利遊技状態設定手段と、を備え、前記第1制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合と、前記第2制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合とで、前記特定領域の通過し易さが可変するように構成されている。
これにより、特定領域を遊技球が通過することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ1において、前記第1制御状態の間に前記特定の判別結果となるよりも、前記第2制御状態の間に前記特定の判別結果となった方が、前記可変遊技の実行中に遊技球が前記特定領域を通過し難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BJ2。
遊技機BJ2によれば、遊技機BJ1の奏する効果に加え、前記第1制御状態の間に前記特定の判別結果となるよりも、前記第2制御状態の間に前記特定の判別結果となった方が、前記可変遊技の実行中に遊技球が前記特定領域を通過し難くなるように構成されているので、第2制御状態で特定の判別結果となった方が有利遊技状態に設定され難くなるという斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機BJ1又はBJ2において、前記可変遊技の種別として、前記特定領域を遊技球が通過可能となる第1可変遊技と、その第1可変遊技よりも前記特定領域を遊技球が通過困難となる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合と、前記第2制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合とで、少なくとも前記第1可変遊技における前記特定領域の通過し易さが可変するように構成されていることを特徴とする遊技機BJ3。
遊技機BJ3によれば、遊技機BJ1又はBJ2の奏する効果に加え、前記可変遊技の種別として、前記特定領域を遊技球が通過可能となる第1可変遊技と、その第1可変遊技よりも前記特定領域を遊技球が通過困難となる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合と、前記第2制御状態の間に前記特定の判別結果となった場合とで、少なくとも前記第1可変遊技における前記特定領域の通過し易さが可変するように構成されている。
これにより、種別決定手段によって第1可変遊技が決定されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BJ3において、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、流入した遊技球を前記特定領域へと流下させる第1流路と、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、流入した遊技球を前記特定領域を通過し得ない方向へと流下させる第2流路と、前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1流路へと振り分ける第1振分状態と、前記第2流路へと振り分ける第2振分状態と、に可変可能な振分手段と、前記可変遊技が実行されたことに基づいて、前記第1振分状態と前記第2振分状態とを予め定められた特定の切替パターンで切り替える切替制御手段と、を備え、前記第1可変遊技は、前記可変入球手段が前記第1可変状態に可変されている間に前記可変入球手段へと入球した遊技球が前記第1振分状態の前記振分手段へと到達可能となるように構成されているものであり、前記第2可変遊技は、前記可変入球手段が前記第1可変状態に可変されている間に前記可変入球手段へと入球した遊技球が前記第1振分状態の前記振分手段へと到達困難となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ4。
遊技機BJ4によれば、遊技機BJ3の奏する効果に加え、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、流入した遊技球を前記特定領域へと流下させる第1流路と、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、流入した遊技球を前記特定領域を通過し得ない方向へと流下させる第2流路と、前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1流路へと振り分ける第1振分状態と、前記第2流路へと振り分ける第2振分状態と、に可変可能な振分手段と、前記可変遊技が実行されたことに基づいて、前記第1振分状態と前記第2振分状態とを予め定められた特定の切替パターンで切り替える切替制御手段と、を備え、前記第1可変遊技は、前記可変入球手段が前記第1可変状態に可変されている間に前記可変入球手段へと入球した遊技球が前記第1振分状態の前記振分手段へと到達可能となるように構成されているものであり、前記第2可変遊技は、前記可変入球手段が前記第1可変状態に可変されている間に前記可変入球手段へと入球した遊技球が前記第1振分状態の前記振分手段へと到達困難となるように構成されているものである。
これにより、第1可変遊技が決定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BJ3又はBJ4において、前記第1可変遊技が開始されてから前記特定領域を遊技球が通過可能となる期間が終了するまでの期間は、前記入球手段へと入球せずに前記可変手段を通過した遊技球が前記可変入球手段へと到達するのに要する期間の長さ以下になり易く構成されていることを特徴とする遊技機BJ5。
遊技機BJ5によれば、遊技機BJ3又はBJ4の奏する効果に加え、前記第1可変遊技が開始されてから前記特定領域を遊技球が通過可能となる期間が終了するまでの期間は、前記入球手段へと入球せずに前記可変手段を通過した遊技球が前記可変入球手段へと到達するのに要する期間の長さ以下になり易く構成されているので、第2制御状態の間に特定の判別結果となった場合に、より確実に特定領域を遊技球が通過することを抑制することができるという効果がある。
遊技機BJ5において、前記可変手段を通過した遊技球を前記可変入球手段へと流下させる特定流路と、その特定流路を流下する遊技球の流下期間を、前記第1可変遊技が開始されてから前記特定領域を遊技球が通過可能となる期間が終了するまでの期間よりも長くなるように長期化する長期化手段と、を備えることを特徴とする遊技機BJ6。
遊技機BJ6によれば、遊技機BJ5の奏する効果に加え、前記可変手段を通過した遊技球を前記可変入球手段へと流下させる特定流路と、その特定流路を流下する遊技球の流下期間を、前記第1可変遊技が開始されてから前記特定領域を遊技球が通過可能となる期間が終了するまでの期間よりも長くなるように長期化する長期化手段と、を備える。
これにより、遊技球が可変入球手段へと到達するまでの流下期間を物理的に長くすることができるので、第2制御状態において特定の判別結果となった場合に遊技球が特定領域を通過することをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機BJ5又はBJ6において、前記特定方向へと発射された遊技球が流下可能に構成され、流入した遊技球を前記可変手段へ向けて流下させることが可能な第3流路と、前記特定方向へと発射された遊技球が流下可能に構成され、流下した遊技球を前記可変手段へと到達し得ない方向へと流下させることが可能な第4流路と、前記第4流路を流下した遊技球が前記可変入球手段へと到達することを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機BJ7。
遊技機BJ7によれば、遊技機BJ5又はBJ6の奏する効果に加え、前記特定方向へと発射された遊技球が流下可能に構成され、流入した遊技球を前記可変手段へ向けて流下させることが可能な第3流路と、前記特定方向へと発射された遊技球が流下可能に構成され、流下した遊技球を前記可変手段へと到達し得ない方向へと流下させることが可能な第4流路と、前記第4流路を流下した遊技球が前記可変入球手段へと到達することを抑制する抑制手段と、を備える。
これにより、第4流路へと流入した遊技球が可変入球手段へと流入することを抑制できるので、第2制御状態において特定の判別結果となった場合に、可変手段を通過せずに可変入球手段へと遊技球が到達してしまうことを抑制できる。よって、第2制御状態においてより確実に特定領域を遊技球が通過することを抑制することができるという効果がある。
<特徴BK群>(振分手段に振り分けられる方向によって、入球可能状態の電チューに到達し易くなるか、入球困難状態の電チューに到達し易くなるかが可変する)
遊技球を第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数のうち1の流路に振り分ける振分手段と、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられている入球手段と、を備え、少なくとも予め定められた特定条件が成立している間に前記第1流路を流下した遊技球は、前記第2流路を流下した遊技球よりも、前記第2入球手段へと到達し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BK1。
遊技機BK1によれば、遊技球を第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数のうち1の流路に振り分ける振分手段と、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられている入球手段と、を備え、少なくとも予め定められた特定条件が成立している間に前記第1流路を流下した遊技球は、前記第2流路を流下した遊技球よりも、前記第2入球手段へと到達し易くなるように構成されている。
これにより、第1流路を流下するか第2流路を流下するかによって、第1位置に可変している可変手段へと到達し易くなるか否かが変わるので、遊技球が流下する流路に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BK1において、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段を備え、前記特定条件が成立している間に前記第1流路を流下した遊技球は、前記第2流路を流下した遊技球よりも、前記第1位置に可変した状態の前記可変手段へと到達し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BK2。
遊技機BK2によれば、遊技機BK1の奏する効果に加え、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段を備え、前記特定条件が成立している間に前記第1流路を流下した遊技球は、前記第2流路を流下した遊技球よりも、前記第1位置に可変した状態の前記可変手段へと到達し易くなるように構成されている。
これにより、可変手段の状態に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BK2において、所定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが前記第1位置に可変している前記可変手段へと到達困難となるように構成されているものであり、前記特定条件は、前記第2遊技状態が設定された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機BK3。
遊技機BK3によれば、遊技機BK2の奏する効果に加え、所定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが前記第1位置に可変している前記可変手段へと到達困難となるように構成されているものであり、前記特定条件は、前記第2遊技状態が設定された場合に成立するものである。
これにより、第2遊技状態が設定されることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BK3において、前記遊技状態設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも有利であって前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが前記第1位置に可変している前記可変手段へと到達可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機BK4。
遊技機BK4によれば、遊技機BK3の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも有利であって前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記第1流路を流下した遊技球と前記第2流路を流下した遊技球とが前記第1位置に可変している前記可変手段へと到達可能となるように構成されている。
これにより、第3遊技状態においては、より多くの遊技球を第1位置に可変している可変手段へと到達させることができるので、入球手段へとより効率良く遊技球を入球させることができるという効果がある。
遊技機BK4において、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技の種別として、前記可変手段が予め定められた第1期間の間前記第1位置に可変される第1可変遊技と、前記可変手段が前記第1期間よりも長い第2期間の間前記第1位置に可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する可変遊技種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とは、前記可変遊技種別決定手段により前記第2可変遊技よりも前記第1可変遊技が決定され易く構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記可変遊技種別決定手段により前記第1可変遊技よりも前記第2可変遊技が決定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機BK5。
遊技機BK5によれば、遊技機BK4の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技の種別として、前記可変手段が予め定められた第1期間の間前記第1位置に可変される第1可変遊技と、前記可変手段が前記第1期間よりも長い第2期間の間前記第1位置に可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する可変遊技種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とは、前記可変遊技種別決定手段により前記第2可変遊技よりも前記第1可変遊技が決定され易く構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記可変遊技種別決定手段により前記第1可変遊技よりも前記第2可変遊技が決定され易く構成されているものである。
これにより、遊技状態に応じて異なる種別の可変遊技を実行することができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機BK5において、前記振分手段は、前記通過手段を通過した遊技球が到達可能な位置に設けられているものであり、前記可変遊技実行手段は、前記第1遊技状態において前記第1可変遊技が決定された場合に、予め定められた第3期間が経過してから前記可変手段を前記第1位置に可変させ、前記第2遊技状態において前記第1可変遊技が決定された場合に、前記第3期間とは異なる第4期間が経過してから前記可変手段を前記第1位置に可変させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BK6。
遊技機BK6によれば、遊技機BK5の奏する効果に加え、前記振分手段は、前記通過手段を通過した遊技球が到達可能な位置に設けられているものであり、前記可変遊技実行手段は、前記第1遊技状態において前記第1可変遊技が決定された場合に、予め定められた第3期間が経過してから前記可変手段を前記第1位置に可変させ、前記第2遊技状態において前記第1可変遊技が決定された場合に、前記第3期間とは異なる第4期間が経過してから前記可変手段を前記第1位置に可変させることが可能に構成されているので、可変遊技において可変手段が第1位置に可変するまでの期間を異ならせるだけで入球手段への入球し易さを異ならせることができるという効果がある。
遊技機BK6において、前記通過手段を通過して前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間は、前記第3期間よりも長くなり易くなり、前記第4期間よりも短くなり易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BK7。
遊技機BK7によれば、遊技機BK6の奏する効果に加え、前記通過手段を通過して前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間は、前記第3期間よりも長くなり易くなり、前記第4期間よりも短くなり易くなるように構成されているので、第1遊技状態において第1流路に振り分けられた遊技球が第1位置に可変された可変手段へと到達することを確実に防止できるという効果がある。
遊技機BK7において、前記通過手段を通過して前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間は、前記第3期間と前記第1期間との和よりも短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機BK8。
遊技機BK8によれば、遊技機BK7の奏する効果に加え、前記通過手段を通過して前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記可変手段に到達するまでに要する期間は、前記第3期間と前記第1期間との和よりも短くなり易く構成されているので、第2遊技状態において第1流路に振り分けられた遊技球が第1位置に可変された可変手段へとより到達し易くすることができるという効果がある。
<特徴BL群>(上面を流下可能な可変部材の上流側から遊技球を落下させる状態と、下流側から遊技球を落下させる状態とが切り替わる)
第1方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記第1流路とは異なる流路であって前記第1方向に発射された遊技球が流下可能な第2流路と、その第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、前記第1方向に発射された遊技球が前記第1流路と前記第2流路とに流入可能となる第1位置と、前記第1方向に発射された遊技球を前記第1流路の方向とも前記第2流路の方向とも異なる第2方向へと流下させることが可能な特定経路の少なくとも一部を形成する第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記特定経路は、当該特定経路に含まれる第1範囲を遊技球が流下している間に前記可変手段が前記第1位置へと可変することで遊技球を前記第1流路へと流下させ、前記特定経路における前記第1範囲よりも下流側の第2範囲を遊技球が流下している間に前記可変手段が前記第1位置へと可変することで遊技球を前記第2流路へと流下させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BL1。
遊技機BL1によれば、第1方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、前記第1流路とは異なる流路であって前記第1方向に発射された遊技球が流下可能な第2流路と、その第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、前記第1方向に発射された遊技球が前記第1流路と前記第2流路とに流入可能となる第1位置と、前記第1方向に発射された遊技球を前記第1流路の方向とも前記第2流路の方向とも異なる第2方向へと流下させることが可能な特定経路の少なくとも一部を形成する第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記特定経路は、当該特定経路に含まれる第1範囲を遊技球が流下している間に前記可変手段が前記第1位置へと可変することで遊技球を前記第1流路へと流下させ、前記特定経路における前記第1範囲よりも下流側の第2範囲を遊技球が流下している間に前記可変手段が前記第1位置へと可変することで遊技球を前記第2流路へと流下させることが可能に構成されている。
これにより、第1流路を流下するか第2流路を流下するかによって異なる入球手段へと到達するため、遊技球が流下する流路に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL1において、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段を所定期間、前記第1位置から前記第2位置へと可変させる可変制御手段と、前記特定経路を流下した遊技球が入球可能な第3入球手段と、を備えることを特徴とする遊技機BL2。
遊技機BL2によれば、遊技機BL1の奏する効果に加え、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段を所定期間、前記第1位置から前記第2位置へと可変させる可変制御手段と、前記特定経路を流下した遊技球が入球可能な第3入球手段と、を備える。
これにより、可変手段が第2位置に可変されている間に特定経路を流下した遊技球を第1入球手段とも第2入球手段とも異なる第3入球手段へと入球させることができるので、遊技者に対して遊技球の流下経路により注目して遊技を行わせることができきる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BL2において、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する特定判別手段と、その特定判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機BL3。
遊技機BL3によれば、遊技機BL2の奏する効果に加え、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する特定判別手段と、その特定判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
これにより、特定判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BL3において、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記特典遊技の実行中に前記第2可変手段を所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機BL4。
遊技機BL4によれば、遊技機BL3の奏する効果に加え、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記特典遊技の実行中に前記第2可変手段を所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、を備える。
これにより、第2可変手段の可変位置に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BL3又はBL4において、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、前記特定判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第3可変手段が所定期間、前記第6位置から前記第5位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機BL5。
遊技機BL5によれば、遊技機BL3又はBL4の奏する効果に加え、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、前記特定判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第3可変手段が所定期間、前記第6位置から前記第5位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備える。
これにより、特定判別手段の判別結果に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BL1からBL5のいずれかにおいて、前記第1方向へと発射された遊技球を、流入した遊技球を前記第1範囲へと流下させることが可能な第3流路と、流入した遊技球を前記第2範囲へと流下させることが可能な第4流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段を備えることを特徴とする遊技機BL6。
遊技機BL6によれば、遊技機BL1からBL5の奏する効果に加え、前記第1方向へと発射された遊技球を、流入した遊技球を前記第1範囲へと流下させることが可能な第3流路と、流入した遊技球を前記第2範囲へと流下させることが可能な第4流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段を備えるので、振分手段により振り分けられる流路に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL6において、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第1流路に振り分けられた遊技球と前記第2流路に振り分けられた遊技球とが前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなる第1遊技状態と、前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記第2位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなり、前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機BL7。
遊技機BL7によれば、遊技機BL6の奏する効果に加え、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第1流路に振り分けられた遊技球と前記第2流路に振り分けられた遊技球とが前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなる第1遊技状態と、前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記第2位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなり、前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第1位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えるので、遊技状態設定手段によって設定される遊技状態に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BL7において、前記遊技状態設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1流路に振り分けられた遊技球と前記第2流路に振り分けられた遊技球とが前記第2位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BL8。
遊技機BL8によれば、遊技機BL7の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1流路に振り分けられた遊技球と前記第2流路に振り分けられた遊技球とが前記第2位置に可変されている前記可変手段へと到達し易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているので、遊技状態設定手段によって設定される遊技状態をより多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機γ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機γ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機γ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たりが実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、通常よりも抽選が行われ易くなる時短遊技を所定期間設定することにより、興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果、または前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利であって前記第2遊技状態よりも前記第2判別条件が成立し易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数の発射方向のうちいずれかへと発射可能な発射手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる第1制御と、その第1制御よりも前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し難くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうちいずれか1の制御を設定可能な制御設定手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とは、少なくとも前記第2制御が設定される遊技状態で構成されている。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第1方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる遊技状態で構成されている。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想3又は4記載の遊技機において、前記第1入球手段は、第1の第1入球手段と、第2の第1入球手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1方向へと発射された遊技球が流下可能な位置に設けられている特定流路と、その特定流路を流下した遊技球を前記第1の第1入球手段へと流下させることが可能な第1流路と、前記第2の第1入球手段へと流下させることが可能な第2流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、前記第2流路を流下した遊技球が前記第2の第1入球手段へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2の第1入球手段へと入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、を備え、前記変位手段は、前記第2位置に変位している状態において、到達した遊技球を前記第2入球手段へと誘導可能に構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が前記第2位置に変位している前記変位手段へと到達し易くなるように構成されている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果、または前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利であって前記第2遊技状態よりも前記第2判別条件が成立し易くなる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備える。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されているので、第2遊技状態よりも第3遊技状態の有利度合いを高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数の発射方向のうちいずれかへと発射可能な発射手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる第1制御と、その第1制御よりも前記第2方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し難くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうちいずれか1の制御を設定可能な制御設定手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とは、少なくとも前記第2制御が設定される遊技状態で構成されている。
これにより、第2遊技状態と第3遊技状態とで、第2入球手段へと入球し難い第2制御が共通して設定されているにもかかわらず、第2の判別条件の成立し易さが可変するという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第1方向へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと入球し易くなる遊技状態で構成されているので、第3遊技状態において遊技球を第1方向に発射させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想3又は4記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第1入球手段は、第1の第1入球手段と、第2の第1入球手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1方向へと発射された遊技球が流下可能な位置に設けられている特定流路と、その特定流路を流下した遊技球を前記第1の第1入球手段へと流下させることが可能な第1流路と、前記第2の第1入球手段へと流下させることが可能な第2流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、前記第2流路を流下した遊技球が前記第2の第1入球手段へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2の第1入球手段へと入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、を備え、前記変位手段は、前記第2位置に変位している状態において、到達した遊技球を前記第2入球手段へと誘導可能に構成されているものであり、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2流路へと振り分けられた遊技球が前記第2位置に変位している前記変位手段へと到達し易くなるように構成されている。
これにより、第3遊技状態においては、第2流路へと振り分けられた遊技球が第2入球手段へと入球し易くなるので、振分手段によって第1流路に振り分けられるか第2流路に振り分けられるかにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。