JP7314503B2 - 液吐出装置、液吐出ヘッド、分注装置、及び液吐出方法 - Google Patents
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Description
例えば、離れた位置の二箇所に焦点合わせが可能なCCDセンサにより、装置本体に付された基準マークと、液吐出ヘッドに付されたアライメントマークとを撮像して液吐出ヘッドの位置決めを行うアライメント装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、中央に吐出口が形成された膜状部材を、膜状部材下面の周縁部にリング状に配置された圧電素子により変形させ、膜状部材の上面に収容されている液の液圧を利用して、液を吐出口から吐出する液滴吐出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
着脱可能に備えられ、少なくとも一部が透明であって液を収容可能な液収容部と、装着状態を確認するためのマークとを有する液吐出ヘッドと、
前記透明な液収容部により視認可能な、前記液収容部に収容された前記液の液面と、前記マークとを撮像可能な撮像部と、
を有する。
本発明は、従来の液吐出装置の液吐出ヘッドを着脱可能にしても、液吐出ヘッドを装着したときに液吐出ヘッドの装着位置がずれてしまい、吐出位置の精度が維持できない場合があるという知見に基づくものである。
このように、本発明の液吐出ヘッドは、簡易な構造で吐出位置及び吐出量を安定させることができる。
これにより、本発明の液吐出ヘッドは、1つの撮像部で液の液面及びマークの両方を撮像することができ、部材を少なくすることができる。
本発明の液吐出方法は本発明の液吐出装置により好適に行うことができ、撮像工程は撮像部により好適に行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
つまり、本発明の液吐出装置は、本発明の液吐出方法を実施することと同義である。そのため、本発明の液吐出装置に関する説明を通じて、本発明の液吐出方法の詳細についても明らかにする。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
(液吐出装置)
第1の実施形態における液吐出装置10は、液吐出ヘッド100と、撮像部301と、ヘッド検知センサ401と、制御部とを有する(図6A参照)。
<液吐出ヘッド>
図1Aは、第1の実施形態における液吐出ヘッドを示す概略図である。
図1Aに示すように、液吐出ヘッド100は、液収容部としての液収容容器101と、圧電素子103と、吐出口105が形成されている膜状部材104と、ヘッド筐体106と、ヘッドを駆動するためのヘッド駆動部500とを有する。図1Aでは、膜状部材104、圧電素子103、及び液収容容器101により、液としての細胞懸濁液102が収容されている状態を示している。また、細胞懸濁液102には、細胞が含有されている。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、圧電素子103を基準にすると、液収容容器101側を上側、膜状部材104側を下側とする。また、圧電素子103を基準にすると、液収容容器101側の面を上面、膜状部材104側の面を下面とする。
液収容部としての液収容容器101は、本実施形態では、透明な材質でできた円筒状の容器であり、細胞懸濁液102を収容する。
また、液収容容器101は、液収容容器101内を大気に開放する開口部を上部に有しており、細胞懸濁液102中に混入した気泡を開口部から排出可能としている。
なお、本実施形態では、液収容容器の形状を円筒状としたが、これに限ることはない。
なお、本実施形態では、圧電素子の大きさを上記のようにしたが、これに限ることなく、適宜目的に応じて選択するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、液収容容器の材質をポリカーボネートとしたが、これに限ることなく、例えば、金属、樹脂、シリコン、セラミックなどとしてもよいが、液面が撮像部により撮像できるように、少なくとも一部がポリカーボネート、アクリルなどの透明な樹脂や透明なガラスにする。
なお、本実施形態では、液収容容器が収容する細胞懸濁液の量を120μLとしたが、これに限ることなく、例えば、1μL以上1mL以下としてもよい。特に、細胞懸濁液のように高価な液を使用する際には、少量の液量を吐出できることが好ましいため、1μL以上200μL以下とすることが好ましい。
変位部としての圧電素子103は、吐出口105から吐出させる細胞懸濁液102を収容する側、即ち膜状部材104の上面側に形成されている。
圧電素子103は、本実施形態では、一対の電極を備えている。圧電素子103は、一対の電極に電圧を印加されることにより、逆圧電効果で図1A中の横方向に収縮応力を発生させる。すると、圧電素子103は、下面に配置されている膜状部材104を曲げ、吐出口105の位置を変位させることにより、細胞懸濁液102を吐出口105から吐出させることができる。
なお、本実施形態では、圧電素子の平面形状を円環状としたが、これに限ることなく、例えば、膜状部材の形状や吐出口の位置に合わせるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、圧電素子の大きさを、外径がφ20m、内径がφ4mmとしたが、これに限ることなく、適宜目的に応じて選択するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、圧電素子の材質をジルコン酸チタン酸鉛としたが、これに限ることなく、例えば、ビスマス鉄酸化物、ニオブ酸金属物、チタン酸バリウム、又はこれらの材料に金属や異なる酸化物を加えたものなどとしてもよい。これらの中でも、高い逆圧電効果を得られる点で、ジルコン酸チタン酸鉛が好ましい。
膜状部としての膜状部材104は、本実施形態では、圧電素子103の下面に固定されている。
なお、本実施形態では、膜状部材の平面形状を略真円状としたが、これに限ることなく、例えば、楕円状、多角形などとしてもよい。
また、平面形状とは、膜状部材を平面視したときの形状を意味する。
なお、吐出口105についての詳細は後述する。
なお、本実施形態では、膜状部材の大きさをφ20mmで平均厚みが0.05mmとしたが、これに限ることなく、適宜目的に応じて選択するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、膜状部材の材質をステンレス鋼としたが、これに限ることなく、ある程度の硬さを有する材質とすることが好ましい。膜状部材の材質がある程度の硬さを有すると、膜状部材が簡単に振動せず、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが容易になる点で有利である。
親水性の高い材料としては、例えば、金属材料、セラミック(金属酸化物)などが挙げられる。また、疎水性が高い材料としては、例えば、フッ素樹脂などが挙げられる。
金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられる。
セラミックとしては、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。
吐出口105は、液収容容器101が収容する細胞懸濁液102を吐出する口(孔)であり、本実施形態では、膜状部材104の上面と下面とを貫通する貫通孔として形成されている。
なお、吐出口としては、その配列数、配列態様、間隔(ピッチ)、開口形状、開口の大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、本実施形態では吐出口の開口形状を真円状としたが、これに限ることなく、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
なお、本実施形態では、吐出口の直径をφ0.08mmとしたが、これに限ることなく、例えば、液に粒子を含む場合には、粒子が吐出口に詰まることを避けるため、粒子の平均径の2倍以上とすることが好ましい。具体的には、粒子が動物細胞、特にヒトの細胞である場合には、ヒトの細胞の平均径は5μm以上50μm以下であるため、吐出口の平均径は、使用する細胞に合わせて10μm以上100μm以下とすることが好ましい。一方で、吐出する液滴が大きくなり過ぎると、微小液滴を形成するという目的の達成が困難となるため、吐出口の平均径は、200μm以下であることが好ましい。したがって、吐出口の平均径は、10μm以上200μm以下がより好ましい。
<<ヘッド筐体>>
ヘッド筐体106は、液収容容器101を収容する。ヘッド筐体106の下面には、圧電素子103が固定されている。
また、ヘッド筐体106の一部には、液収容容器101内に充填された細胞懸濁液102の液面付近を側面から撮像部301で撮像できるように開口部108が設けられている。
さらに、ヘッド筐体106の開口部108近傍における表面には、図4Aに示すようなアライメントマーク107aが付されている。
吐出口105から吐出させる液は、本実施形態では、細胞懸濁液102である。また、細胞懸濁液102に含まれる細胞は、ヒト由来の細胞である。これにより、液吐出ヘッド100は、薬効や化粧品の評価用組織体を形成することができる。
細胞懸濁液の溶媒は、本実施形態では水であるが、これに限定されることはない。
細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、生細胞が好ましい。
細胞周期とは、細胞が増えるとき、細胞分裂が生じ、細胞分裂で生じた細胞(娘細胞)が再び細胞分裂を行う細胞(母細胞)となって新しい娘細胞を生み出す過程を意味する。
液滴の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上150μm以下が好ましい。液滴の直径が25μm以上であると、内包する粒子の直径が適正となり、適用できる粒子の種類が多くなる。また、液滴の直径が150μm以下であると、液滴の吐出が安定する。
液滴の液量は、例えば、液滴の画像から液滴の大きさを求め、液量を算出する方法などにより測定することができる。
図1Bに示すヘッド筐体106bのように、ヘッド筐体106aよりも低背化し、液収容容器101よりも低くすることで開口部を設ける必要をなくすようにしてもよい。
ヘッド駆動部500は、本実施形態では、吐出波形(吐出信号)を圧電素子103に入力し、圧電素子103を駆動させる。
図2は、第1の実施形態における液吐出ヘッドが細胞懸濁液を吐出する動作を示す説明図である。
図2に示すように、ヘッド駆動部500が圧電素子103に吐出波形を入力し、圧電素子103が収縮して膜状部材104が屈曲すると、吐出口105の位置が変位することにより、液収容容器101の細胞懸濁液を、細胞201を含む液滴200として吐出させる。
図3Aは、第1の実施形態において、液吐出ヘッドを液吐出装置に装着する前の状態を示す説明図である。図3Bは、第1の実施形態において、液吐出ヘッドを液吐出装置に装着した後の状態を示す説明図である。
図3A及び図3Bに示すように、液吐出ヘッド100は、液吐出装置10の支持体302に対して着脱可能である。また、支持体302上に固定された撮像部301は、開口部108から視認できる細胞懸濁液102の液面、及び、ヘッド筐体106の開口部108近傍の表面に付されたアライメントマーク107aの両方を側面から撮像できるように配置されている。
なお、アライメントマーク107aの形状は、本実施例では、図4Aのように十字形状としたが、これに限ることなく、水平方向と垂直方向の基準線が交差したような形状が好ましく、例えば、図4Bに示すようなL字形状としてもよい。アライメントマークの形状をL字形状とすると、液吐出ヘッドを上下反転させて設置させた場合も検知できる点で有利である。
撮像部301は、図3A及び図3Bに示すように、細胞懸濁液の液面、及び、ヘッド筐体106の表面に付されているアライメントマーク107aの両方を撮像できるように支持体302に配置されている。また、撮像部301は、細胞懸濁液の液面及びアライメントマーク107aのいずれかに焦点を調整することができる。
撮像部301は、液吐出ヘッド100の着脱前後で、ヘッド筐体106の表面に付されたアライメントマーク107aに合うような焦点位置に変化させて撮像する。
なお、本実施形態では、撮像部を2つの光学系を備えるCCDイメージセンサとしたが、これに限ることはない。撮像部としては、例えば、2つ以上の光学系を備えていてもよく、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサでもよく、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどとしてもよい。
図5は、第1の実施形態における液吐出ヘッドに付されているマークの撮像により、液吐出ヘッドの装着後の位置ずれ量を示す説明図である。
図5に示すように、液吐出装置は、液吐出ヘッドの脱離前に撮像したアライメントマーク位置(図5中点線)に対する、再装着時に撮像したアライメントマーク位置(図5中実線)の水平方向の位置ずれ量Xp及び垂直方向の位置ずれ量Ypの検出が可能となる。検出された位置ずれ量Xp、Ypにより液吐出ヘッド100のアライメント調整量がわかるため、例えば、図示しないアライメント調整用の手動ステージなどにより容易に調整が可能となる。
なお、位置ずれ量Xp、Ypのほか、アライメントマークの見え方により、回転及び傾きなどについても検出することができる。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、液吐出装置全体の動作を制御するための制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
図6A及び図6Bに示すように、ヘッド検知センサ401は、光学センサであり、液吐出ヘッド100の有無、即ち液吐出ヘッド100が支持体302に対し、装着された状態か脱離している状態かを検知できるように支持体302に配置されている。
ヘッド検知センサ401は、液吐出ヘッド100に反射した光を検出することにより、液吐出ヘッド100が装着されている状態か脱離している状態であるかを検知できる。
なお、本実施形態では、ヘッド検知センサを光学センサとしたが、これに限ることなく、例えば、近接センサ、メカニカルスイッチなどとしてもよい。
図7に示すように、液吐出装置10の電源ON時において、まず、ヘッド検知センサ401は、液吐出ヘッド100が既に装着されているか否かを検知する(S101)。
液吐出装置10の電源ON時において、液吐出ヘッド100が既に装着されている場合には、着脱の履歴が不明であるため、手動又は自動でアライメント調整を行うようにする(S103)。
また、液吐出装置10の電源ON時において、液吐出ヘッド100が未装着の場合には、ヘッド検知センサ401が液吐出ヘッド100の装着を検知したときに(S102)、手動又は自動でアライメント調整を行うようにする(S103)。なお、このとき、脱離前の撮像画像が存在しない場合には、基準となる撮像画像に基づき、アライメント調整を行うようにしてもよい。
ヘッド検知センサ401が液吐出ヘッド100の脱離を検知し、その後ヘッド検知センサ401が液吐出ヘッド100の再装着を検知したときに(S105)、再度アライメント調整を行うようにする(S106)。
なお、本実施形態の変形例では、ヘッド検知センサを用いて液吐出ヘッドのアライメント調整を行うようにしたが、これに限ることはない。例えば、液吐出装置が異常動作をした場合など、予期せぬ外力が液吐出ヘッドに印加されるとアライメントがずれてしまうおそれがある。このため、液吐出装置が異常や警告などを通知した場合には、ヘッド検知センサによる液吐出ヘッドの着脱が検知されていなくてもアライメント調整を行うようにしてもよい。
図8に示すように、液吐出装置10は、撮像部301が液収容容器101内の細胞懸濁液102の液面を撮像することにより、細胞懸濁液102の液面の高さ(水頭)を検知することができる。これにより、液吐出装置10は、細胞懸濁液102の液面の高さが低くなることによる不吐出が発生する前に、ユーザへの警告の通知や細胞懸濁液の供給を行うことが可能となる。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、液収容容器101の上面から細胞懸濁液102の液面付近までを撮像できるように撮像部301が配置されているため、液吐出装置10は、液滴吐出前の液収容容器101上端から液面までの距離Hpを検出できる。液滴の連続吐出によって変動する液収容容器101の上端から液面までの距離Hp’を所定の時間間隔で検出することで、次式、ΔHp=Hp’-Hp、より液面高さ変動ΔHpを求めることができる。
以上のように、撮像部301の焦点位置を少なくとも3つ可変させることで液収容容器101と細胞懸濁液102の組合せによらず、液面高さを正確に検出することが可能となる。
図10に示すように、液滴吐出中に(S201)、液面高さの検出を行い(S202)、液面高さ変動ΔHpが閾値以上か否かを判定する(S203)。液面高さ変動ΔHpが閾値よりも小さい場合には、継続して液滴吐出を行う(S201へ戻る)。液面高さ変動ΔHpが閾値よりも大きい場合には、不吐出が発生する懸念があるため液滴吐出動作を停止し(S204)、例えば、タッチパネルやモニタなどにアラート表示を行い(S205)、ユーザに液収容容器101への細胞懸濁液102の補給を促す。
図11に示すように、液滴吐出中に(S301)、液面高さの検出を行い(S302)、液面高さ変動ΔHpが閾値以上か否かを判定する(S303)。液面高さ変動ΔHpが閾値よりも小さい場合には、継続して液滴吐出を行う(S301へ戻る)。液面高さ変動ΔHpが閾値よりも大きい場合には、液滴吐出動作を停止し(S304)、液収容容器101への細胞懸濁液102の自動供給を行う(S305)。
チップ601の許容容量は、本実施形態では、液面高さ変動ΔHpの閾値から求められる液量変動の閾値よりも大きな容量である。これにより、送液部600は、タンク700から細胞懸濁液102を吸引した際に細胞懸濁液102がチップ601内に収容され、液収容容器に排出した際に送液部600内に細胞懸濁液102が浸入することを防止できる。
また、細胞懸濁液102中の細胞201の種類が変更された際にチップ601を交換することで細胞のコンタミネーションの発生を抑制することが可能である。
分注装置としては、本発明の液吐出装置10と、液吐出装置10が吐出した液を収容する被着対象物とを有し、更に必要に応じて制御部、その他の手段を有してもよい。
被着対象物は、液吐出装置の液吐出ヘッドから吐出された液滴が着滴する複数の凹部が形成された部材である。
被着対象物としては、吐出された液滴が付着することができれば、その材質、形状、大きさ、構造などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被着対象物の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミックス、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックスなどで形成されたものが好適に挙げられる。
被着対象物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、板状、プレート状などが好ましい。
被着対象物の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であっても複数層構造であっても構わない。
被着対象物に設ける凹部の数は、複数であり、2つ以上が好ましく、5つ以上がより好ましく、50以上が更に好ましい。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、記録手段、培養手段、加熱手段、攪拌手段、洗浄手段などを有することが好ましい。
第2の実施形態では、第1の実施形態における細胞懸濁液の自動供給機能に加えて、液収容容器の細胞懸濁液を撹拌する機能を有するようにした。
図13に示すように、液滴吐出中に(S401)、液面高さの検出を行い(S402)、液面高さ変動ΔHpが閾値以上か否かを判定する(S403)。液面高さ変動ΔHpが閾値よりも小さい場合には、継続して液滴吐出を行う(S401へ戻る)。液面高さ変動ΔHpが閾値よりも大きい場合には、液収容容器101への細胞懸濁液102の自動供給を行う(S404)。
図14Aに示すように、第2の実施形態における液吐出ヘッド100は、第1のポンプ600a及び第2のポンプ600bと、第1の流路610a及び第2の流路610bとを有する。
第1のポンプ600a及び第2のポンプ600bとしては、例えば、シリンジタイプやプランジャータイプの電動ポンプなどの定量液量を吸引、保持、及び排出が可能なポンプなどが挙げられる。
なお、シリコーンゴムチューブの内径及び長さは、特に制限はなく、適宜選定することができる。また、第1の流路610a及び第2の流路610bは交換可能であり、長さや内径を調整することにより容量を変更することができる。
第1の流路610a及び第2の流路610bの液収容容器101に対する排出口の中心軸は、吐出口105の中心軸(膜状部材104の法線方向)に対して傾斜配置されている。
第1の流路610a及び第2の流路610bは、液収容容器101に対する排出口の中心軸を延伸させると、膜状部材104と振動部材103により形成される隅部を通過する、又は隅部よりもやや吐出口105側を通過するように配置する。これにより、第2の実施形態における液吐出ヘッド100による細胞懸濁液102の撹拌を効率的に行うことができる点で有利である。
図14Bに示すように、本実施形態の液吐出ヘッド100を静置すると、液収容容器101の底部に細胞201が沈降し、堆積した状態となる。この状態のまま、ヘッド駆動部500から吐出波形を入力し液滴吐出動作を行うと、吐出口105近傍に細胞201が凝集しているため、吐出口105内に凝集した細胞201が詰まってしまい、吐出ができない「不吐出」が発生するおそれがある。また、吐出できたとしても、最初のほうに吐出した液滴内には大量の細胞201が含まれた状態で吐出され、液滴内に含まれる細胞201の数が徐々に減少するため、液滴内の細胞201の含有量に経時で大きなばらつきが発生してしまう。
第1のポンプ600aの排出動作と同じようなタイミングで、第2のポンプ600bは吸引動作を行い、第2の流路610b内を負圧状態とすることで、液収容容器101内の細胞懸濁液102を一定量吸引し、保持する。
また、第1のポンプ600a及び第2のポンプ600bの吸引速度、排出速度、吸引液量、及び排出液量はそれぞれ、液収容容器101内の細胞201を均一分散させるためには、第1のポンプ600a及び第2のポンプ600bで同じ値であることが好ましい。
また、液収容容器101内の細胞懸濁液102の液量が多い場合や細胞懸濁液102中に含まれる細胞201の粒径が大きい場合、細胞の含有濃度が高い場合などは細胞を均一に分散させるためには、第1のポンプ600a及び第2のポンプ600bの撹拌液量、吸引速度、又は排出速度は大きい方がよい。一方、含有される細胞201が動物細胞などの衝撃によりダメージを受けてしまうような細胞の場合には極力、撹拌液量、吸引速度、又は排出速度は小さく、撹拌の頻度も少ない方が好ましい。
また、上述のとおり、図14Bのように、細胞201が完全に沈降した状態から細胞を再分散させる場合と、分散した状態の細胞201の沈降を抑制する場合では必要な撹拌液量、吸引速度、又は排出速度は異なり、前者の方が大きな撹拌液量、吸引速度、又は排出速度が必要である。
以上のように、細胞懸濁液102の量や細胞201の種類あるいは濃度、沈降の状態などにより必要な撹拌液量、吸引速度、又は排出速度が変化するため、撹拌液量、吸引速度、又は排出速度は切替可能であることが好ましい。
図16に示すように、液吐出ヘッド100により形成される吐出液滴量Mjは吐出口105の径により決定される。
ここで、Aは液収容容器11の内側の断面積であり、例えば、液収容容器1の内側形状が半径rの円断面形状の場合は、次式、A=πr2、により算出される。α部分については、液収容容器101上方からの細胞懸濁液102の揮発などによる吐出以外の液量の減少による。
撮像部301を用いた液面高さ検出方法によれば、吐出口105より吐出された細胞懸濁液102だけではなく、先述の揮発などによる影響も含めた液面高さ変動ΔHpが検出可能であるため、上式により、より正確な液収容容器101内の細胞懸濁液102の液量変化ΔSを検出することが可能である。算出されたΔSを図19のΔS1として送液部600a、600bの排出量Sの補正値として加算することにより、吐出により変化した液量だけでなく、揮発などによって液量が変化した場合においても液面高さを一定に維持することが可能である。
また、液吐出ヘッド100着脱時には、ヘッド表面に設けられたアライメントマークに焦点位置を合わせ、基準位置に対するアライメントマーク位置のずれ量を定量的に検出可能となるため、着脱の都度、液滴200の着弾位置調整が不要となる。
<1> 着脱可能に備えられ、少なくとも一部が透明であって液を収容可能な液収容部と、装着状態を確認するためのマークとを有する液吐出ヘッドと、
前記透明な液収容部により視認可能な、前記液収容部に収容された前記液の液面と、前記マークとを撮像可能な撮像部と、
を有することを特徴とする液吐出装置である。
<2> 前記液が粒子を含有する前記<1>に記載の液吐出装置である。
<3> 前記粒子が細胞である前記<2>に記載の液吐出装置である。
<4> 前記撮像部が、前記液の液面及び前記マークの両方を撮像できるように配置され、前記液の液面及び前記マークのいずれかに焦点を調整する前記<1>から<3>のいずれかに記載の液吐出装置である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の液吐出装置に用いられる液吐出ヘッドであって、
着脱可能に備えられ、少なくとも一部が透明であって液を収容可能な液収容部と、装着状態を確認するためのマークとを有することを特徴とする液吐出ヘッドである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の液吐出装置と、
前記液吐出装置が吐出した液を収容する被着対象物と、
を有することを特徴とする分注装置である。
<7> 着脱可能に備えられ、少なくとも一部が透明であって液を収容可能な液収容部と、装着状態を確認するためのマークとを有する液吐出ヘッドを用いて、
前記透明な液収容部により視認可能な、前記液収容部に収容された前記液の液面と、前記マークとを撮像する撮像工程を含むことを特徴とする液吐出方法である。
<8> 前記撮像工程が、前記液の液面及び前記マークの両方を撮像できるように配置され、前記液の液面及び前記マークのいずれかに焦点を調整する処理を含む前記<7>に記載の液吐出方法である。
100 液吐出ヘッド
101 液収容容器
103 圧電素子
104 膜状部材
105 吐出口
106、106b ヘッド筐体
107a、107b アライメントマーク(マーク)
108 開口部
200 細胞懸濁液
201 細胞
301 撮像部
302 支持体
401 光学センサ
500 ヘッド駆動部
600 送液部
600a 第1のポンプ
600b 第2のポンプ
601 チップ
610a 第1の流路
610b 第2の流路
700 タンク
Claims (4)
- 着脱可能に備えられ、少なくとも一部が透明であって液を収容可能な液収容部と、装着状態を確認するためのマークとを有する液吐出ヘッドと、
前記透明な液収容部により視認可能な、前記液収容部に収容された前記液の液面と、前記マークとを撮像可能な撮像部と、
を有し、
液吐出前の液面と撮像された前記液の液面との高さの差ΔHpが、閾値よりも大きい場合に液吐出動作を停止し、液収容への液の自動供給を行うことを特徴とする液吐出装置。 - 前記撮像部が、前記液の液面及び前記マークの両方を撮像できるように配置され、前記液の液面及び前記マークのいずれかに焦点を調整する請求項1に記載の液吐出装置。
- 請求項1から2のいずれかに記載の液吐出装置と、
前記液吐出装置が吐出した液を収容する被着対象物と、
を有することを特徴とする分注装置。 - 着脱可能に備えられ、少なくとも一部が透明であって液を収容可能な液収容部と、装着状態を確認するためのマークとを有する液吐出ヘッドを用いて、
前記透明な液収容部により視認可能な、前記液収容部に収容された前記液の液面と、前記マークとを撮像する撮像工程、および
液吐出前の液面と撮像された前記液の液面との高さの差ΔHpが、閾値よりも大きい場合に液吐出動作を停止し、液収容への液の自動供給を行う液自動供給工程を含むことを特徴とする液吐出方法。
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