JP7313681B2 - 中空筒状体、及び中空筒状体の製造方法 - Google Patents

中空筒状体、及び中空筒状体の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属線材を螺旋状且つ多層状に巻き付けることにより形成される中空筒状体に関する。
金属線材が螺旋状且つ多層状に巻き付けられた中空筒状体は、様々な分野において活用されている。このような中空筒状体の活用事例として、例えば自動車に搭載されるエアバッグ用のインフレータ内に組み込まれるフィルタを挙げることができる。
自動車に搭載されるエアバッグは、自動車の衝突を検知するセンサと、自動車の衝突時にガス発生剤を燃焼させてガスを発生させるインフレータと、発生したガスにより展開するバッグとを備える。上記インフレータには、ガス発生剤の燃焼により発生した固体残渣を取り除くと共に、ガスを冷却するフィルタが組み込まれる。
特許文献1に記載のエアバッグインフレーター用フィルタは、断面が真円形状の金属線を圧延して、断面長方形状に加工した金属線材を所定の角度、及び所定のピッチにて螺旋状、且つ多層状に巻き付けて、任意で焼結をすることにより形成される。特許文献1には、このエアバッグインフレーター用フィルタが、爆発的に発生した燃焼ガスの衝撃に耐える剛性を有することが記載されている。
特開2001-171472公報
特許文献1に記載のインフレータにおいては、ガス発生剤はフィルタの中空部内に配置されるため、燃焼ガスは主としてフィルタの外径方向に圧力を加える。しかし、ガス発生剤とフィルタとが軸方向に配置された構成のインフレータ(図1参照)においては、フィルタは外径方向よりも軸方向への圧力をより大きく受ける。このように、軸方向に加わる荷重に耐えられる強度を有した中空筒状体が求められている。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、軸方向の強度を向上させた中空筒状体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、金属線材が螺旋状、且つ多層状に巻き付けられており、隣接する線材層を構成する前記金属線材同士が径方向に固定的に接触した交差部と、前記金属線材の長手方向に沿って隣接して離間配置された2つの前記交差部間に位置する非交差部とが形成された中空筒状部材を変形させて得られる中空筒状体であって、少なくとも一部の前記非交差部は、該非交差部の長手方向の両隣に位置する前記交差部とは異なる線材層に進入しており、該非交差部が属する線材層とは異なる線材層に属する前記金属線材と軸方向に接触するように変形されていることを特徴とする。
本発明によれば、軸方向における強度を向上させた中空筒状体を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る中空筒状体が搭載されるインフレータの概略構成例を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る中空筒状体をX線CT写真で示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は部分拡大図であり、(c)は部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る中空筒状体の前駆体を示す模式的斜視図である。 前駆体内で金属線材が交差する部分を拡大して示した模式図である。 (a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る中空筒状体の製造工程を示すフローチャートである。 前駆体の製造装置の一例を示す模式図である。 前駆体の製造装置の他の例を示す模式図である。 圧縮成形型の一例を示す斜視図である。 (a)、(b)は、図8に示す圧縮成形用型を用いて前駆体を圧縮する様子を示す模式的縦断面図である。 参考例に係る中空筒状部材をX線CT写真で示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は部分拡大図であり、(c)は部分拡大縦断面図である。 軸方向圧縮試験の結果を示す図である。 圧力損失測定の結果を示す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本発明の一実施形態に係る中空筒状体は、様々な分野において使用される。例えば、中空筒状体は、各種の流体から異物を除去するフィルタとして使用される。或いは、中空筒状体は、消音材として、又は熱交換部材として、使用される。なお、上記中空筒状体の使用事例は一例である。中空筒状体は、上記以外の分野において、上記事例とは異なる目的で使用される場合もある。
以下の説明において、層番号を示す補助符号n、mは正の整数である。
〔シリンダ型インフレータの概略構成〕
本発明の一実施形態に係る中空筒状体は、例えば、自動車用エアバッグ装置のインフレータを構成するフィルタとして使用される。
図1は、本発明の一実施形態に係る中空筒状体がフィルタとして搭載されるインフレータの概略構成例を示す縦断面図である。
インフレータ200は、円筒状のハウジング201と、ハウジング201の軸方向の一端部に取り付けられた点火器203と、ハウジング201の軸方向の他端側に取り付けられたディフューザ215とを備える。
ハウジング201の中空部内には燃焼室205が形成されており、燃焼室205にはガス発生剤207が充填されている。ハウジング201の軸方向他端寄りの燃焼室205内には、軸方向一端面が閉塞した有底筒状のカップ部材209が配置されている。カップ部材209の周方向側面には、ガス発生剤207が発生させた燃焼ガスを通過させるガス通過孔211が多数貫通形成されている。なお、ガス通過孔211はガス発生剤207の通過を禁止する大きさに設定されている。カップ部材209の軸方向の他端面には、ディフューザ215の中空内部と連通する開口部213が形成されている。
ディフューザ215は、軸方向一端面が開口し、他端面(底面217a)が閉塞したケース217と、ケース217内に収容された中空筒状体10と、を備える。ケース217の周方向側面には、燃焼ガスを外部に放出すガス放出孔219が形成されている。中空筒状体10は、ガス発生剤207の燃焼により発生した高熱の燃焼ガスを冷却する手段として機能すると共に、燃焼ガスの発生に伴って生じる燃焼残渣を捕捉するフィルタ手段として機能する。
インフレータ200の動作概要は以下の通りである。
点火器203が作動して、燃焼室205内のガス発生剤207に着火する。ガス発生剤207が燃焼して燃焼ガスが発生する。燃焼ガスは、カップ部材209のガス通過孔211及び開口部213を介してディフューザ215側に進入する(図中矢印A1、A2方向)。開口部213から中空筒状体10の中空部11内に進入した燃焼ガスは、ケース217の底面217aに衝突した後、中空筒状体10内部を外径方向に移動してガス放出孔219から外部に排出される(図中矢印A3方向)。外部に排出された燃焼ガスは最終的にバッグを膨張させる。
中空筒状体10の軸方向両端、及び外周面は、ケース217によって密着して支持されており、軸方向への移動が禁止されている。しかし、ガス発生剤207の燃焼により、中空筒状体10は軸方向と外径方向に多大な圧力を受けるため、中空筒状体10はこの圧力に耐えうる強度を有している必要がある。図1に示すシリンダ型のインフレータ200において、燃焼ガスはハウジング201からディフューザ215に向かって移動する過程で中空筒状体10の軸方向に向けて特に強大な圧力を加える。シリンダ型のインフレータにフィルタとして搭載される中空筒状体10では、特に軸方向の強度を高める必要がある。
〔中空筒状体の概略構成〕
図2は、本発明の一実施形態に係る中空筒状体をX線CT写真で示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は部分拡大図であり、(c)は(b)のB-B断面図である。なお、図中、丸で囲まれた部分は、各図で対応する箇所である。また、本図は、線径φ0.6mmの金属素線(丸線)を30%圧延して厚さ0.42mmとした金属線材20を用いた例である。また、軸方向長が50mmの前駆体を軸方向に圧縮して軸方向長が25mmの中空筒状体10としたものである。
本発明の一実施形態に係る中空筒状体10は、金属線材20が螺旋状、且つ多層状に巻き付けられており、隣接する線材層を構成する金属線材20、20同士が径方向に固定的に接触した交差部22と、各層を構成する金属線材20の長手方向に沿って隣接して離間配置された2つの交差部22、22間に位置する非交差部23とが形成された前駆体30(図3、図4参照)を軸方向に圧縮変形させることにより得られる。中空筒状体10において、少なくとも一部の非交差部23(金属線材20n-2m)は、該非交差部23の長手方向の両隣に位置する交差部22、22とは径方向位置が異なる線材層に進入(没入)しており、該非交差部23が属する線材層(線材層Ln-2m)とは異なる線材層(線材層Ln)に属する金属線材20nと軸方向に接触するように変形されていることを特徴とする。なお、符号20や符号Lに付した補助符号n、n-2mは、線材層Lの番号又は位置を示す。金属線材20nは、この金属線材20が線材層Lnに属することを示す。
この中空筒状体10は多孔性であり、液体や気体等の各種の流体中から特定の大きさを超える不要な物質等を除去するフィルタとして使用できる。中空筒状体10は、各種の流体が中空筒状体10に形成された各孔を通過する過程で、通過する流体を冷却する冷却手段として使用できる。また、この中空筒状体10は、消音材、熱交換部材等として使用できる。
中空筒状体10は、線材層が重なり合う方向に、即ち、中空筒状体の径方向に流体が通過する流路を形成する。流体は、中空筒状体の内径側から外径側に通過させても、外径側から内径側に通過させてもよい。ここで径方向とは厳密な意味の直径方向(半径方向)ではなく、軸方向、周方向に対して、概ね径方向という意味である。
中空筒状体10の大きさ(軸方向寸法、直径、厚さ等)は、中空筒状体10が搭載される装置の構造や大きさ等に応じて適宜決定される。
以下では、先に中空筒状体10の製造方法及び装置について説明し、中空筒状体の各種の特徴については後述する。
〔前駆体の外観構成〕
図3は、本発明の一実施形態に係る中空筒状体の前駆体を示す模式的斜視図である。
本発明の一実施形態に係る中空筒状体10に加工される前駆体(中空筒状部材)30は、少なくとも一本の金属線材20を、軸方向(図中上下方向)に対して一定の傾斜角度θを有して螺旋状に、且つ多層状に巻き付けることにより形成される。ここで同じ方向に巻き付けられている個々の層(径方向位置が異なる層)を線材層L1、L2・・・と称する。各線材層L1、L2・・・を構成する金属線材は、正面視で前駆体30の軸方向に対して傾斜した同一方向へ延びており、また隣接する各線材層を構成する金属線材は互いに交差する方向に延びている(平行していない)。
図3中における最外層の線材層Lnを構成する金属線材20n(厚みを図示省略)の延びる方向は実線矢印で示した方向であり、その直ぐ内側の線材層Ln-1を構成する金属線材20n-1の延びる方向は破線矢印で示した方向である。また、線材層Ln-1の直ぐ内側の線材層Ln-2を構成する金属線材20n-2の伸びる方向は、金属線材20nと同じく実線矢印で示した方向である。
前駆体30は、金属線材20を軸方向に対して一定の傾斜角度にて螺旋状に巻付けることにより形成した一つの線材層(例えば、線材層L1)と、一つの線材層L1の外周側に重ねて、且つ該一つの線材層L1を構成する金属線材とは異なる傾斜角度にて螺旋状に金属線材を巻付けることにより形成される他の線材層(例えば、線材層L2)と、を有する。一つの線材層L1とこれと隣接する他の線材層L2を夫々構成する金属線材同士は軸方向とは非平行であり、且つ互いに交差するように構成されている。
なお、一つの線材層を構成する金属線材の軸方向に対する傾斜角度が一つの線材層中で変化するように構成してもよい。
前駆体30の材料となる金属の種類としては、鉄、軟鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅合金などを挙げることができ、中でもオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)が好適である。上記金属を使用する場合は、中空筒状体10の製造工程中に焼結工程を含んでもよい。
中空筒状体10の製造工程に焼結工程を含まない場合は、上記金属材料に加えて、焼結が困難な金属材料を前駆体30の材料として使用できる。例えば、前駆体30の材料としてチタン、アルミニウム、マグネシウム等も使用することができる。
また、前駆体30に使用される金属線材の太さ及び断面形状は、最終製品である中空筒状体10の大きさ、中空筒状体がそのフィルタ機能により除去する物質、圧力損失等に応じて適宜決定される。
前駆体30には、例えば横断面が概略真円形状の金属素線を圧延して所定の横断面形状に加工した金属線材が使用される。例えば、金属線材には、所定の圧延率となるように金属素線を径方向に潰した平圧延線を用いてもよいし、横断面が異形となるように金属素線を圧延(以下「異形圧延」と称する)した異形線を用いてもよい。
なお、異形とは一般に、「普通とは違う怪しい形・姿をしていること」と定義されるが、ここで異形とは、断面形状が全長に亘って円形、楕円形、多角形等の規則的な形状を有している金属線材に対して、金属線材の断面形状が長手方向全長に亘って不規則な形状、例えばW字状、U字状、J字状、L字状、X字状、~状等々を有したものを広く含むものである。また、金属線材の断面形状、外形が、金属線材の長手方向全長に亘って一定でなく、長手方向の位置によって異なる断面形状、外形を有している構成も異形に含むものである。
図4は、前駆体内で金属線材が交差する部分を拡大して示した模式図である。なお、本図には、金属線材が平圧延線の場合を示している。
前駆体30において、隣接する線材層LnとLn-1、Ln-1とLn-2、・・・を夫々構成する金属線材20nと20n-1、20n-1と20n-2、20n-2と・・・が互いに交差する方向に延びることにより、隣接する線材層Lを構成する金属線材20同士が重なった交差部22(オーバーラップ部)が前駆体30内に複数個形成される。交差部22においては、重なった金属線材20同士が接触している。
以下では、金属線材20の長手方向に隣接する交差部22と交差部22との間にある金属線材部分を非交差部23(非オーバーラップ部)と呼ぶ。即ち、交差部22と非交差部23は金属線材20の長手方向に沿って交互に現れる。非交差部23は隣接する他の線材層を構成する金属線材20とは接触しておらず、前駆体30が軸方向に圧縮変形されたときに、捩れ変形、各種方向への湾曲変形が可能である。
前駆体30において、線材層Lnを構成する金属線材20n上に形成された交差部22と非交差部23は、線材層Lnに属する。
前駆体30において、一の線材層Lを構成する金属線材20は軸方向に離間して配置されている。これにより、各線材層L内には、金属線材20に沿って伸びる螺旋状の螺旋空間S(Sn、Sn-1、Sn-2・・・)が形成される。螺旋空間Sは、軸方向に隣接する金属線材20の間に形成される。
螺旋空間Snの長手方向に沿って螺旋空間Snと同方向に延びる金属線材20n-2、20n-4…の少なくとも1つは、螺旋空間Snと径方向に重なっている。螺旋空間Snと径方向に重なる金属線材20n-2、20n-4…の少なくとも一部が、金属線材20nに対して満たす条件について、金属線材20n-2の例により説明すれば、以下の通りである。
即ち、金属線材20n-2と金属線材20nとの短手方向における離隔tは、金属線材20n-2の非交差部23が変形して螺旋空間Sn内に進入したときに、該非交差部23が金属線材20nに対して軸方向強度を向上可能な所定の押圧力で軸方向に接触するように設定されている。なお、上記離隔tは、金属線材20n-2を線材層Lnの法線方向(前駆体30の径方向)から線材層Lnに投影した場合に、投影された金属線材20n-2と金属線材20nとの短手方向における離隔として示される。
〔中空筒状体の製造方法〕
図5(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る中空筒状体の製造工程を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る中空筒状体10の製造工程は、金属素線を圧延して金属線材を形成する圧延工程(ステップS1)と、金属線材を螺旋状且つ多層状に巻き付けて中空筒状の前駆体30を形成する線材巻付工程(ステップS2)と、前駆体30を軸方向に圧縮して中空筒状体10を形成する圧縮工程(ステップS3)と、を含む。圧縮工程を経て中空筒状体10は完成する。圧縮工程では、交差部22を構成する金属線材20、20同士が固定的に接触した前駆体30(図3参照)を軸方向に圧縮する。
なお、中空筒状体10の製造工程には、互いに接触した金属線材20、20同士を拡散接合させる焼結工程(ステップS4)を任意で含んでもよい。焼結工程は、図5(b)に示すように、圧縮工程の前に実施されてもよい。この場合、交差部22が接合された前駆体30が得られる。或いは、焼結工程は、図5(c)に示すように、圧縮工程の後に実施されてもよい。図5(b)の圧縮工程の後、更に焼結工程が実施されてもよい。
<圧延・線材巻付工程~製造装置1>
圧延工程(ステップS1)及び線材巻付工程(ステップS2)について、これらの工程にて使用される前駆体30の製造装置と共に説明する。
図6は、前駆体の製造装置の一例を示す模式図である。この装置は金属素線21から中空筒状の前駆体30を作製するものである。
製造装置100Aは、不図示のボビンから供給される金属素線21を圧延する圧延装置110と、圧延により断面形状が変形した後の金属素線(以下「金属線材20」という)に対して長手方向へ所定の張力を与えるテンションユニット120と、金属線材20を心棒131に巻付けて前駆体を形成する巻付装置130と、を概略備える。また、金属線材20の搬送経路上には、金属線材をガイドしつつ搬送する複数の搬送ローラ140が配置されている。
圧延装置110は、ステップS1の圧延工程を実施する装置である。巻付装置130は、ステップS2の線材巻付工程を実施する装置である。
圧延装置110は対向配置されて回転する2つの円柱状の圧延ローラ111a、111bを備える。圧延ローラ111aと圧延ローラ111bの表面(対向面)同士が接触する部分は、金属素線21を間に挟んで所望の形状に変形させる加圧部112を構成している。圧延装置110は所定の温度及び圧力下で金属素線21を加圧部112にて塑性変形させることにより、所定の断面形状を有する金属線材20を得る。圧延は冷間圧延でも熱間圧延でもよい。なお、ボビンから供給される金属素線21の横断面形状は、通常は円形状である。
圧延ローラ111a、111bは、横断面形状が円形の金属素線21(丸線)を、横断面が概略長円形状又は概略矩形状の金属線材20であるいわゆる「平圧延線」に加工する手段でもよい。或いは、圧延ローラ111a、111bの何れか一方、又は双方の表面には、金属素線を所望の断面形状に圧延加工するための凸部、又は/及び、凹部が形成されていてもよい。この場合、金属素線は、加圧部112を通過する際にこれらの凸部や凹部により圧延されて塑性変形して異形の断面形状を備えた金属線材に加工される。
テンションユニット120は、所定位置に回転自在な状態で固定配置された固定ローラ121と、固定ローラ121に対して接近又は離間移動し、且つ回転自在な可動ローラ122とを有する。固定ローラ121に対して可動ローラ122を接近また離間移動させることにより、固定ローラ121及び可動ローラ122に巻き掛けられて搬送される金属線材20に対して所定の張力を与える。
巻付装置130は、一定方向に所定速度にて回転する心棒131と、心棒131の軸方向(図中紙面と直交する方向)に所定速度にて往復移動して金属線材20をガイドするガイド部材132と、を備える。心棒131は概略円柱状又は円筒状であり、一般的にステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などの金属から形成される。
前駆体30を作製するには、心棒131の適所に金属線材20の一端を係止し、金属線材20に対してテンションユニット120にて所定の張力を与えた状態にて、心棒131をその軸線を中心として一定方向に一定速度で回転させると共に、ガイド部材132によって金属線材20を心棒131の軸方向に往復移動させる。この動作により、金属線材20は心棒131の外周に螺旋状、且つ多層状に巻付けられる。また、隣接する線材層を構成する金属線材同士が互いに交差して網目を形成する。
例えば、心棒131の外周に直接巻き付けられる第1の線材層では、各金属線材が図3において心棒の軸方向に対して所定角度θだけ傾斜した状態で時計回り方向へ巻き付けられているとすると、第1の線材層の外周に巻き付けられる第2の線材層を構成する金属線材は、心棒の軸方向に対して所定角度θだけ傾斜した状態で反時計回り方向に巻き付けられる。第2の線材層の外周に巻き付けられる第3の線材層を構成する金属線材は、心棒の軸方向に対して所定角度θだけ傾斜した状態で時計回り方向へ巻き付けられる。以下、順次繰り返される。
金属線材20を所定回数(所定の層数)巻付けた後、心棒131の回転を停止させる。その後、金属線材20を切断し、切断された端部をスポット溶接等により巻付けを完了した金属線材の適所に接合して心棒131から取り外すことにより、中空筒状の前駆体30を得る。
心棒131の軸方向に対する金属線材20の角度(巻付け角度)、及び軸方向に隣接する金属線材20同士の間隔(ピッチ)は、心棒131の回転速度とガイド部材132の移動速度との比率を適宜調節することにより変更することができる。金属素線21の直径とその圧延形状、金属線材20の巻付け角度、ピッチ、巻付け回数を適宜変更することにより、中空筒状体10を通過する流体の圧力損失を適切な値に制御することができる。
<圧延・線材巻付工程~製造装置2>
図7は、前駆体の製造装置100Bの他の構成例を示す模式図である。製造装置100Bは、金属素線21の搬送経路上に複数の圧延装置110(110A、110B)を備え、金属素線21に対して複数回の圧延を実施することができる。
製造装置100B内に複数の圧延装置を配置する場合、圧延装置110A、110B間に、任意でバッファユニット150を挿入してもよい。バッファユニット150は、所定位置に回転自在な状態で軸心を位置固定された固定ローラ151と、固定ローラ151に対して接近又は離間移動する回転自在な可動ローラ152とを有する。固定ローラ151と可動ローラ152には、前段の圧延装置110Aにより圧延された後の金属素線が巻き掛けられる。固定ローラ151に対して可動ローラ152を接近また離間移動させることにより、バッファユニット150は圧延装置110Aと巻付装置130との間の同期を取り、或いは圧延装置110A、110B間の加工速度差を吸収する。
複数回の圧延を実施する場合、各圧延装置110A、110Bによる金属素線21の圧延方向は、同一方向としてもよいし、異なる方向としてもよい。
金属素線に対して複数回の圧延を実施する場合、圧延1回の場合よりも更に複雑な外面形状の金属線材を得ることができる。また、複数回の圧延を実施することにより、金属線材の形状を安定させることができるという効果も得られる。
<圧縮工程~圧縮成形用型>
圧縮工程(ステップS3)について、この工程にて使用される圧縮成形用型の構成と共に説明する。
図8は、圧縮成形用型の一例を示す斜視図である。
圧縮成形用型300は、成形対象の前駆体30を収容する圧縮空間311を備えたキャビティ310(雌型)と、前駆体30を押圧する押型320(コア、雄型)とを備える。
キャビティ310は、円筒状の外筒313と、外筒313の軸方向に沿って外筒313の中空部内に突出した円柱状の柱状体315と、外筒313の軸方向の一端面を閉止する底板317とを備える。外筒313は軸方向両端部が開口した中空体であり、柱状体315と底板317とは一体化されている。外筒313と柱状体315と底板317とによって形成される円筒状の空間が、前駆体30及び押型320を受け容れる圧縮空間311である。
押型320は、軸方向に貫通する中空の挿通部321を備えた円筒体である。押型320の軸方向一端部が、キャビティ310の軸方向他端開口から圧縮空間311内に挿入される際に、前駆体30の中空部31(図3参照)内にはその軸方向他端開口から柱状体315が挿入される。
図9(a)、(b)は、図8に示す圧縮成形用型を用いて前駆体を圧縮する様子を示す模式的縦断面図である。
図9(a)に示すように、円筒状の前駆体30は、まず圧縮成形用型300の圧縮空間311内に収容される(図中矢印C1方向)。外筒313の内形状は、前駆体30の外形状と略同一か、ややこれよりも大きくなるように設定されている。柱状体315の外形状は、前駆体30の内形状と略同一か、ややこれよりも小さくなるように作製されている。外筒313の内面と柱状体315の外面の少なくとも一方が、圧縮空間311内で前駆体30を位置決めする機能を果たす。
図9(b)に示すように、押型320によって前駆体30を軸方向(図中矢印C2方向)に圧縮することにより中空筒状体10が作製される。前駆体30の内形状と外形状は、圧縮される過程で圧縮空間311の形状に応じて変形する。
<焼結工程>
図6及び図7に示した製造装置100A、100Bにより作成された前駆体30、又は図8及び図9に示した圧縮成形用型300により圧縮された後の中空筒状体は、高温で焼結されてもよい(図5(b)、(c)に示すステップS4)。焼結する際の温度は、金属線の種類、太さ、巻付け回数、ピッチ、巻き付け角度などにより異なるが、500~1500度(℃)の範囲で行うものとする。この中でも1100~1201度の範囲が好適である。
焼結は、圧延の際に生じた金属線材の内部歪を緩和し、かつ、金属線材の重なり合う部分を接合することを目的として行う。焼結は所定温度に設定された電気炉内で実施するのが好ましく、焼結時間は、金属線材の種類、太さ、巻き付け回数、巻き付け密度、ピッチ、焼結温度により変わるが、30~80分の範囲で選ぶのが好ましい。焼結は空気中で行うこともできるが、真空中や金属線材を脆化させたり化学反応を生起するおそれのない不活性ガス中で行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンなどをあげることができるが、中でも窒素ガスが好適である。
図5(b)に示すように、圧縮工程の前に実施する焼結工程は、前駆体30中の交差部22(図4参照)を原子レベルで接合(固定)し、非交差部23の変形を促進する。
図5(c)に示すように、圧縮工程の後に実施する焼結工程は、圧縮変形後に接触した金属線材20同士を原子レベルで接合するので、最終製品となる中空筒状体10の強度が更に向上する。
〔中空筒状体の特徴〕
以上のようにして作製される中空筒状体の特徴について、参考例と比較しながら図2に基づき詳細に説明する。
<参考例>
図10は、参考例に係る中空筒状部材をX線CT写真で示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は部分拡大図であり、(c)は(b)のD-D断面図である。なお、図中、丸で囲まれた部分は、各図で対応する箇所である。
本図に示す参考例40は、線径φ0.4mmの金属素線を圧延率50%(厚さ0.2mm)となるように圧延した金属線材を、螺旋状且つ多層状に巻き付けて中空円筒状に形成したものである。参考例40は圧縮工程(ステップS3)を経ていないため、金属線材20は軸方向、径方向、周方向の何れの方向にも整列している。非交差部23は湾曲変形、捩れ変形等しておらず、非交差部は他の線材層へ進入していない。
なお、前駆体30中の金属線材も、図10に示す参考例40と同様に整列した状態である。
<交差部における接触状態の維持>
図2に示す中空筒状体10、及び図3に示す前駆体30は、隣接する線材層を構成する金属線材同士が径方向に固定的に接触した交差部22を有する。金属線材20、20同士が交差部22において接触した状態は、圧縮工程の前後において維持される。言い換えれば、金属線材20に対する交差部22の長手方向位置は、圧縮工程の前後において維持される。また、中空筒状体10の製造方法においては、交差部22における金属線材同士の接触状態が圧縮工程の前後において維持されるように、制御される。
ステップS3の圧縮工程前に焼結工程が実施されない製造方法の場合、金属線材20の線材巻付工程(ステップS2)においてテンションユニット120から金属線材20に付与される張力は、圧縮工程の前後において、金属線材20の長手方向に対する交差部22の位置が維持できる程度、即ち、交差部22において金属線材20同士が滑らない(又はずれない)程度の摩擦力を発揮できる大きさに設定される。金属線材20は、上記張力に対して自身の形状を保持できる長手方向強度を有する。交差部22において金属線材20、20同士は面接触しており、上記摩擦力を発揮する。
ステップS3の圧縮工程前に焼結工程が実施される製造方法の場合、交差部22は焼結により接合されるため、金属線材20の線材巻付工程において金属線材20に付与される張力は、焼結工程が実施されない製造方法に比べて小さくしてもよい。しかし、交差部22を確実に接合するために、交差部22において金属線材20、20同士は面接触していることが望ましい。交差部22は焼結により接合されるため、前駆体30の軸方向圧縮の前後において、金属線材20の長手方向に対する交差部22の位置は維持される。
交差部22においては、金属線材20同士の接触した状態が圧縮工程の前後で維持される。そのため、圧縮工程において非交差部23の変形、具体的には湾曲変形や捩れ変形等が促進される。
前駆体30中の非交差部23においては、金属線材20同士が接触していないから、圧縮工程における非交差部23の前駆体30からの変形量は交差部22の変形量よりも大きい。なお、変形量は、金属線材20の径方向・軸方向への移動量、捩れ量等を総合的に考慮した指標として示すことが可能である。
交差部の数量と交差部22同士の相対的な位置関係は、圧縮工程の前後で維持される。従って、交差部22においては、中空筒状体10の径方向における層構造(層構成)が圧縮工程の前後で維持される。また、前駆体30に形成された孔(網目)の数量と孔(網目)同士の相対的な位置関係は、圧縮工程の前後で維持される。
<内外径の変化>
前駆体30を軸方向に圧縮することにより、隣接する交差部22間の距離が短縮されるため、非交差部23が外径方向又は内径方向に突出するように変形する。図2に示すような非交差部23の変形により、前駆体30の外径と内径の少なくとも一方が変化する。
但し、交差部22における変形が制限されているため、中空筒状体10の外径がある一定範囲を超えて拡径すること、又は内径がある一定範囲を超えて縮径することはない。
交差部22における変形は、交差部22が固定的であるために制限される。
交差部22における変形は、前駆体30がその軸線を中心とするねじれ変形に対して大きな抵抗力を有するために制限される。即ち、前駆体30は、S巻きの金属線材20n、20n-2…(第一の方向に螺旋状に巻き付けられた金属線材)とZ巻きの金属線材20n-1、20n-3…(第一の方向とは反対の第二の方向に螺旋状に巻き付けられた金属線材)とが径方向に順次積層された構成を有する。S巻きの金属線材とZ巻きの金属線材は、前駆体30の軸線を中心としたねじれ変形を互いに抑制し合う。このため、圧縮工程における交差部22の周方向移動と径方向移動は抑制される。
また、圧縮工程では圧縮成形用型300を使用するため、中空筒状体10の外径の拡径と内径の縮径は、圧縮成形用型300の圧縮空間311の大きさによっても制限される。
<軸方向接触部の形成による強度向上>
中空筒状体10は、金属線材20、20同士が軸方向に接触した軸方向接触部24を有する。
軸方向接触部24は、圧縮工程により変形した非交差部23の少なくとも一部が、該非交差部23の長手方向の両隣に位置する交差部22、22とは異なる線材層に属する金属線材20(交差部22又は非交差部23)に対して軸方向に接触することにより形成される。軸方向接触部24は、圧縮工程において変形した非交差部23同士により、又は、圧縮工程において変形した非交差部23と交差部22とにより形成される。なお、圧縮工程の前後において、交差部22を構成する金属線材20同士の角度が、軸方向接触部24を形成可能な範囲内で変化することは許容される。
軸方向接触部24においては、金属線材20、20同士が、中空筒状体10の軸方向強度を向上可能な所定の押圧力で接触する。このような軸方向接触部24を形成することにより、中空筒状体10の軸方向強度が向上する。
非交差部23の径方向位置(又は図3に示す中空筒状体10の中心軸Axからの距離)が、該非交差部23の長手方向の両隣に位置する交差部22の径方向位置と異なる場合に、上記非交差部23が、自身が属する線材層とは異なる線材層に進入していると判断される。「自身が属する線材層」とは、非交差部23の長手方向の両隣に位置する交差部22、22が属する線材層のことである。
例えば、軸方向接触部24は以下のように形成される。圧縮工程において、まず、少なくとも一部の非交差部23を、該非交差部23の長手方向の両隣に位置する交差部22、22とは異なる線材層Lに進入するように、外径側又は内径側に変形させる。そして、変形した非交差部23の更に少なくとも一部を、自身が属する線材層とは異なる線材層に属する金属線材20と軸方向に所定の押圧力にて接触するように変形させる。
中空筒状体10において、金属線材20、20同士は交差部22、及び軸方向接触部24において接触する。中空筒状体10において金属線材同士が接触する部分の総面積には、交差部22における接触面積と、軸方向接触部24における接触面積とが含まれる。本実施形態においては、軸方向接触部24が形成されたことにより、中空筒状体10において金属線材同士が接触する部分の総面積が増大したので、中空筒状体10の強度が、特に軸方向において向上する。
<軸方向に接触する金属線材同士の関係>
軸方向接触部24は、巻き付け方向が同方向の金属線材20同士によって形成される。即ち、最外の線材層をLnとした場合、線材層Lnを構成する金属線材に対しては、線材層Ln-2、線材層Ln-4…を構成する金属線材が軸方向に接触して、線材層Lnを構成する金属線材との間で軸方向接触部24を形成する。
中空筒状体10において、軸方向接触部24の数は、内径側から外径側に向かうに連れて増大する。金属線材20の長手方向に隣接する交差部22同士の間隔は、内径側よりも外径側の方が大きい。外径側に位置する非交差部23の方が、内径側に位置する非交差部23よりも、変形により他の線材層Lに進入しやすく、軸方向接触部24が形成されやすい。
<多孔性状の均一性>
図3に示すように、前駆体30は、連続する一本の金属線材20を心棒131(図6、図7参照)の軸線に対して所定角度θだけ傾斜させて螺旋状に巻き付けることにより形成されている。前駆体30の径方向(肉厚内)には複数の孔(網目)が均一に形成される。言い換えれば、前駆体30は、径方向(線材層の重なる方向)に均一な多孔性状(又は、均一な網目構造)を有する(図4参照)。
上述の通り、前駆体30に形成された交差部22の数量は圧縮工程の前後で変化しない。また、前駆体30に形成された交差部22同士の相対的な位置関係は、圧縮工程の前後で維持される。前駆体30に形成された孔(網目)の数量及び相対的な位置関係も、圧縮工程の前後で維持される。従って、中空筒状体10は径方向(肉厚内)に均一な多孔性状を有する。
<前駆体と圧縮成形用型のサイズ>
前駆体30と圧縮成形用型300との間の隙間は、非交差部23を所望の形状に変形させうるように設定される。圧縮成形用型300は、前駆体30との間で、前駆体30の外径の拡大と内径の縮小の少なくとも一方を実行可能な隙間を有した形状に設定される。
例えば、図9に示す圧縮成形用型300は、柱状体315の外径が前駆体30の内径と略同一に設定されている。ここでいう「略同一」とは、圧縮成形用型300の圧縮空間311内に前駆体30を挿入可能となる程度の隙間の存在を許容するが、前駆体30の径サイズを積極的に変化させることを意図していないことを意味する。
その一方で、外筒313の内径は前駆体30の外径よりも大きく設定されており、圧縮工程において前駆体30の外径が外筒313の内形状に応じて、ある程度拡径するように意図されている。外筒313は前駆体30との間で前駆体30の外径を拡径可能な隙間を有している。
なお、圧縮成形用型300と前駆体30の内外径の関係を上記と逆にして、前駆体30の内径を縮小変形させるようにしてもよい。
<金属素線の圧延率又は圧延形状>
金属素線21の圧延率(又は圧延形状)は、前駆体30の圧縮によって金属線材20同士が軸方向に所定の圧力で接触可能となるように設定される。
金属線材20として平圧延線を用いる場合、その圧延率は、20~80%、特に20~50%とすることが好ましい。
また、金属線材20として異形線を用いる場合、金属線材20の幅と厚さの比率は、20~40%の範囲で圧延された平圧延線の幅と厚さの比率と同等となるように設定される。なお、金属線材20の幅と厚さは、図4に示した通りである。
〔効果〕
本実施形態に係る中空筒状体10においては、長手方向の両隣に位置する交差部22、22と同一の線材層L内に位置していた非交差部23が、変形により他の線材層に属する金属線材20と軸方向に接触している。そのため、中空筒状体10は、軸方向における強度が向上している。
中空筒状体10の軸方向強度は、圧縮工程において前駆体30を軸方向に圧縮することにより向上させることができる。従って、焼結が困難な金属材料を用いた中空筒状体の軸方向強度を向上させることができる。
従来、金属線材が螺旋状且つ多層状に巻き付けられた円筒部材には、剛性を高めるために焼結処理が施されることがあった。本実施形態によれば、焼結処理を実施しなくても、中空筒状体の軸方向の強度を向上させることができるので、焼結工程の省略によるコスト削減や製造時間の短縮を図れる。
〔変形実施形態〕
上記実施形態においては、円筒状(軸方向と直交する横断面形状が真円状)の中空筒状体を得る場合示したが、本発明は上記形状以外の中空筒状体を得る場合にも適用可能である。具体的には、本発明は、楕円筒状、角筒状、星型筒状(横断面形状が楕円状、矩形状、星形状)等、様々な横断面形状を有する中空筒状体を得る場合にも適用できる。
例えば、横断面形状が凸図形状の心棒(例:楕円柱状や角柱状等の心棒)に対して金属線材を螺旋状且つ多層状に巻き付けることによって凸図形状の横断面形状を有する中空筒状の前駆体を得るようにしてもよい。或いは、適当な形状の心棒に対して金属線材を螺旋状且つ多層状に巻き付けると共に、心棒から取り外した中空筒状の部材を径方向に押圧して成形することによって、星形状等の所望の横断面形状を有する中空筒状の前駆体を得るようにしてもよい。これらの場合、圧縮工程にて使用される圧縮成形用型には、前駆体の形状に応じた形状の圧縮空間を有するものが使用される。
また、本発明は、内外径が軸方向に一定の中空筒状体の他、内外径が軸方向に変化するテーパー形状(例:錘状、錘台状)の中空筒状体にも適用できる。本発明は、少なくとも軸方向の一端部に、外径方向に突出したフランジ部を備えた中空筒状体にも適用できる。本発明は、少なくとも軸方向の一端面が閉塞した有底筒状の中空筒状体にも適用できる。
摩擦力を利用して交差部22を固定的に維持するために、金属線材20に対して、金属線材20同士が径方向に接触する面の一方又は双方に、刻み目(ローレット目)を付ける加工を施してもよい。このような加工は、圧延装置110により行うことが可能である。
また、交差部22を固定的に維持するために、ローラ溶接等を用いて金属線材20、20同士を固着させてもよい。
〔試験結果1〕
軸方向圧縮試験と圧力損失測定を実施するため、中空円筒状の試験体1と中空円筒状の比較例1とを夫々5個ずつ作製した。
試験体1と比較例1には、SUS304、線径φ0.6mmの金属素線(丸線)を30%圧延して厚さ0.42mmとした金属線材を用いた。試験体1と比較例1は、内径8mm、外径18.1mm、軸方向長35mmの中空円筒形状であり、その重量は19gである。お、試験体1と比較例1に形成された交差部の数量は同数である。また、金属線材の巻き付け時に金属線材に付与した張力は、試験体1と比較例1とで同一である。
試験体1は、本発明の実施形態に係る方法にて作成された中空筒状体である。即ち、試験体1は、上記金属線材を螺旋状且つ多層状に巻き付けることにより軸方向長55mmの円筒状の前駆体30を作製した後、圧縮工程(ステップS3)において、軸方向長35mmの円筒形状となるように前駆体30を軸方向に圧縮成形したものである。
比較例1は、上記金属線材を螺旋状且つ多層状に巻き付けて上記円筒形状となるようにしたものである。比較例1は圧縮工程を経ていない。比較例1のような円筒部材の外観は使用する金属素線の線径、圧延率、金属線材の巻き付け角度、及び軸方向における金属線材の離隔等により変わるが、試験に使用した比較例の線材層の状態は概ね図10に示された参考例と同様である。
なお、試験体1と比較例1には焼結処理は施されていない。
以下の試験結果には、試験体1と比較例1の夫々の平均値を示している。
<軸方向圧縮試験>
図11は、軸方向圧縮試験の結果を示す図である。図11(a)は変位と荷重との関係を示す表であり、(b)は変位-荷重曲線である。
軸方向圧縮試験においては、試験体1と比較例1の夫々に対して軸方向への圧縮荷重を加えた場合の軸方向への変位量を測定した。
図11からわかるように、変位6mm以上では、試験体1は比較例1に比べて約2倍程度の軸方向強度を有していることがわかった。
<圧力損失測定>
図12は、圧力損失測定の結果を示す図である。図12(a)は体積流量と圧力損失との関係を示す表であり、(b)はその関係を示したグラフである。
図12からわかるように、試験体1と比較例1とでは、圧力損失に大きな差異は見られなかった。
試験体1と比較例1とでは交差部の数量が同一であり、試験体1では交差部同士の相対的な位置関係が圧縮後も維持されている。従って、試験体1と比較例1の肉厚内において金属線材同士が交差することにより形成される孔(網目)の数量は、試験体1と比較例1とで同じである。このような理由から、試験体1と比較例1との間で圧力損失に大きな差が生じなかったものと考えられる。
<結論>
以上のように、本実施形態によれば、中空筒状の前駆体30を軸方向に圧縮することにより、軸方向への圧縮が行われていない円筒部材と内外径、重量、交差部の数、及び圧力損失を同一又は同等としながら、軸方向強度を向上させた中空筒状体を得られる。即ち、本実施形態によれば、形状、機能、及び原材料コストが同一でありながら、軸方向強度を向上させた中空筒状体を得ることができる。
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本実施態様に係る中空筒状体10は、金属線材20が螺旋状、且つ多層状に巻き付けられており、隣接する線材層Lを構成する金属線材同士が径方向に固定的に接触した交差部22と、金属線材の長手方向に沿って隣接して離間配置された2つの交差部間に位置する非交差部23とが形成された中空筒状部材(前駆体30)を変形させて得られる。
本態様に係る中空筒状体において、少なくとも一部の非交差部は、該非交差部の長手方向の両隣に位置する交差部とは異なる線材層に進入しており、該非交差部が属する線材層とは異なる線材層に属する金属線材と軸方向に接触するように変形されていることを特徴とする。
交差部においては、金属線材同士が固定的に接触しているため、交差部における金属線材の変形は制限されている。ここに言う固定的とは、交差部を構成する金属線材同士が分離可能な場合と分離不能な場合の双方を含む。分離可能とは例えば金属線材同士が摩擦力によりその移動が制限されている場合であり、分離不能とは例えば交差部が焼結等により一体化されている場合である。交差部が固定的であるため、主として交差部間にある非交差部が中空筒状部材の変形に応じて変形する。
本実施態様においては、長手方向の両隣に位置する交差部と同一の線材層に属する非交差部が、他の線材層に属する金属線材と軸方向に接触している。このように、本実施形態においては、異なる線材層を構成する金属線材同士を軸方向に接触させたので、中空筒状体の軸方向における強度が向上する。
<第二の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10において、交差部22における金属線材20同士の接触状態は変形の前後において維持されていることを特徴とする。
本態様において、中空筒状部材(前駆体30)に形成された交差部は、金属線材同士が接触した状態を、中空筒状部材の変形の前後で維持する。即ち、交差部を形成する金属線材同士は、金属線材の長手方向に対する交差部の位置が中空筒状部材の変形の前後で移動しないように、互いに拘束されている。但し、交差部における金属線材同士の交差角度が中空筒状部材の変形に応じて変化することは、異なる線材層を構成する金属線材同士が軸方向に接触する限りにおいて許容される。
本態様によれば、中空筒状部材の変形の前後において、交差部における金属線材同士の接触状態が維持されることから、中空筒状部材の変形に応じた非交差部の変形が促進される。
<第三の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10において、異なる線材層Lを構成する金属線材20同士が軸方向に接触した軸方向接触部24の数は、内径側から外径側に向かうに連れて増大することを特徴とする。
金属線材の長手方向に隣接する交差部同士の間隔は、内径側よりも外径側の方が大きい。従って、外径側に位置する非交差部の方が、内径側に位置する非交差部よりも、変形により他の線材層に進入しやすく、軸方向接触部が形成されやすい。
<第四の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10において、異なる線材層Lを構成する金属線材20同士が軸方向に接触した軸方向接触部24は、巻き付け方向が同方向の金属線材同士により形成されていることを特徴とする。
本態様においては、螺旋空間S内に、この螺旋空間と同方向に伸び、且つ該螺旋空間が属する線材層とは異なる線材層を構成する金属線材を進入させる。これにより、異なる線材層を構成する金属線材同士を軸方向に接触させて中空筒状体の軸方向強度を向上させる。
<第五の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10の製造方法は、金属線材20を、螺旋状、且つ多層状に巻き付けて、隣接する線材層Lを構成する金属線材同士が径方向に接触した交差部22と、金属線材の長手方向に沿って隣接して離間配置された2つの交差部間に位置する非交差部23とが形成された中空筒状部材(前駆体30)を形成する線材巻付工程(ステップS2)と、交差部を構成する金属線材同士が固定的に接触した中空筒状部材を軸方向に圧縮する圧縮工程(ステップS3)と、を含む。
圧縮工程では、少なくとも一部の非交差部23を、該非交差部の長手方向の両隣に位置する交差部22とは異なる線材層に属する金属線材と軸方向に接触するように変形させることを特徴とする。
中空筒状部材(前駆体30)に形成される交差部は、第一の実施態様に示したように、金属線材同士の摩擦力を利用して固定的に構成したものでもよいし、圧縮工程の前に実施する焼結等により金属線材同士を一体化することによって固定的に構成したものでもよい。
仮に、焼結工程(ステップS4)を経ずに中空筒状体を作製する場合は、焼結工程を省略することによって、中空筒状体の製造コストが低減され、製造時間が短縮される。また、軸方向の強度を向上させた中空筒状体を、焼結が困難な金属によって作製することが可能である。
本態様によれば、異なる線材層を構成する金属線材同士を軸方向に接触させたので、中空筒状体の軸方向における強度が向上する。
<第六の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10の製造方法において、圧縮工程(ステップS3)では、少なくとも一部の非交差部23が該非交差部の長手方向の両隣に位置する交差部22とは異なる線材層Lに進入するように変形させることを特徴とする。
本態様においては、非交差部を該非交差部が属する線材層とは異なる線材層に進入するように変形させて、異なる線材層を構成する金属線材20同士を軸方向に接触させたので、中空筒状体の軸方向における強度が向上する。
<第七の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10の製造方法の線材巻付工程(ステップS2)において金属線材20に付与される張力は、圧縮工程(ステップS3)の前後において、金属線材同士が交差部22において接触した状態を維持できる大きさに設定されることを特徴とする。
本態様における中空筒状部材(前駆体30)に形成される交差部は、金属線材同士の摩擦力を利用して固定的に構成される。中空筒状体の製造工程中に焼結工程(ステップS4)を含まなくても、軸方向における強度を向上させた中空筒状体を得ることができる。焼結工程を省略すれば、中空筒状体の製造コストが低減され、製造時間が短縮されるという効果を得られる。また、焼結が困難な金属から、軸方向の強度を向上させた中空筒状体を作製することが可能である。
<第八の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10の製造方法において、中空筒状部材(前駆体30)からの変形量は、交差部22よりも非交差部23の方が大きいことを特徴とする。
中空筒状体は、中空筒状部材の圧縮変形時に変形が制限される交差部と、中空筒状部材の圧縮変形によって大きく変形可能な非交差部とを有する。非交差部は変形による中空筒状体の性状改変に大きく寄与する。本態様においては非交差部を変形させることによって、異なる線材層Lを構成する金属線材同士が軸方向に接触した軸方向接触部24を形成する。軸方向接触部を形成することによって中空筒状体の軸方向強度を向上させている。
<第九の実施態様>
本態様に係る中空筒状体10の製造方法の圧縮工程(ステップS3)において中空筒状部材(前駆体30)を成形する圧縮成形用型300は、中空筒状部材の外径の拡大と内径の縮小の少なくとも一方を実行可能な形状を有することを特徴とする。
即ち、圧縮成形用型は、中空筒状部材との間で、中空筒状部材の外径の拡大と内径の縮小の少なくとも一方を実行可能な隙間を有している。圧縮成形用型は、単に内外径の変化量を制御するだけではなく、非交差部23の変形態様を制御する手段として機能する。
本態様によれば、非交差部の変形態様を適宜に制御して、所望の性状を有する中空筒状部材を得ることができる。
L…線材層、S…螺旋空間、10…中空筒状体、11…中空部、20…金属線材、21…金属素線、22…交差部、23…非交差部、24…軸方向接触部、30…前駆体(中空筒状部材)、31…中空部、40…参考例、100…製造装置、110…圧延装置、111a、111b…圧延ローラ、112…加圧部、120…テンションユニット、121…固定ローラ、122…可動ローラ、130…巻付装置、131…心棒、132…ガイド部材、140…搬送ローラ、150…バッファユニット、151…固定ローラ、152…可動ローラ、200…ガス発生器、201…ハウジング、203…点火器、205…燃焼室、207…ガス発生剤、209…カップ部材、211…ガス通過孔、213…開口部、215…ディフューザ、217…ケース、217a…底面、219…ガス放出孔、300…圧縮成形用型、310…キャビティ、311…圧縮空間、313…外筒、315…柱状体、317…底板、320…押型、321…挿通部

Claims (9)

  1. 金属線材が螺旋状、且つ多層状に巻き付けられており、隣接する線材層を構成する前記金属線材同士が径方向に固定的に接触した交差部と、前記金属線材の長手方向に沿って隣接して離間配置された2つの前記交差部間に位置する非交差部とが形成された中空筒状部材を変形させて得られる中空筒状体であって、
    少なくとも一部の前記非交差部は、該非交差部の長手方向の両隣に位置する前記交差部とは異なる線材層に進入しており、該非交差部が属する線材層とは異なる線材層に属する前記金属線材と軸方向に接触するように変形されていることを特徴とする中空筒状体。
  2. 前記交差部における金属線材同士の接触状態は前記変形の前後において維持されていることを特徴とする請求項1に記載の中空筒状体。
  3. 異なる前記線材層を構成する前記金属線材同士が軸方向に接触した軸方向接触部の数は、内径側から外径側に向かうに連れて増大することを特徴とする請求項1又は2に記載の中空筒状体。
  4. 異なる前記線材層を構成する前記金属線材同士が軸方向に接触した軸方向接触部は、巻き付け方向が同方向の前記金属線材同士により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の中空筒状体。
  5. 金属線材を、螺旋状、且つ多層状に巻き付けて、隣接する線材層を構成する前記金属線材同士が径方向に接触した交差部と、前記金属線材の長手方向に沿って隣接して離間配置された2つの前記交差部間に位置する非交差部とが形成された中空筒状部材を形成する線材巻付工程と、
    前記交差部を構成する前記金属線材同士が固定的に接触した前記中空筒状部材を軸方向に圧縮する圧縮工程と、を含み、
    前記圧縮工程では、少なくとも一部の前記非交差部を、該非交差部の長手方向の両隣に位置する前記交差部とは異なる線材層に属する前記金属線材と軸方向に接触するように変形させることを特徴とする中空筒状体の製造方法。
  6. 前記圧縮工程では、少なくとも一部の前記非交差部が該非交差部の長手方向の両隣に位置する前記交差部とは異なる線材層に進入するように変形させることを特徴とする請求項5に記載の中空筒状体の製造方法。
  7. 前記線材巻付工程において前記金属線材に付与される張力は、前記圧縮工程の前後において、前記金属線材同士が前記交差部において接触した状態を維持できる大きさに設定されることを特徴とする請求項5又は6に記載の中空筒状体の製造方法。
  8. 前記中空筒状部材からの変形量は、前記交差部よりも前記非交差部の方が大きいことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の中空筒状体の製造方法。
  9. 前記圧縮工程において前記中空筒状部材を成形する圧縮成形用型は、前記中空筒状部材の外径の拡大と内径の縮小の少なくとも一方を実行可能な形状を有することを特徴とする請求項5乃至8の何れか一項に記載の中空筒状体の製造方法。
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