JP7313343B2 - 端末及び通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムにおけるユーザ装置及び基地局装置に関する。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、システム容量の更なる大容量化、データ伝送速度の更なる高速化、無線区間における更なる低遅延化等を実現するために、5GあるいはNR(New Radio)と呼ばれる無線通信方式(以下、当該無線通信方式を「5G」あるいは「NR」という。)の検討が進んでいる。5Gでは、10Gbps以上のスループットを実現しつつ無線区間の遅延を1ms以下にするという要求条件を満たすために、様々な無線技術の検討が行われている。
NRにおいては、ミリ波を用いた無線通信が検討されており、LTE(Long Term Evolution)よりも更に高い周波数帯までの幅広い周波数を使用することが想定されている。特に、高周波数帯では伝搬ロスが増大することから、当該伝搬ロスを補うために、ビーム幅の狭いビームフォーミングを適用することが検討されている(例えば非特許文献1)。
また、NRシステムでは、LTEシステムにおけるデュアルコネクティビティと同様に、LTEシステムの基地局装置(eNB)とNRシステムの基地局装置(gNB)との間でデータを分割し、これらの基地局装置によってデータを同時送受信する、LTE-NRデュアルコネクティビティ又はマルチRAT(Multi Radio Access Technology)デュアルコネクティビティと呼ばれる技術の導入が検討されている(例えば非特許文献2)。
また、NRシステムでは、SUL(Supplementary uplink)の導入が検討されている。通常のULとSULの2つのキャリアを切り替えて、いずれかのキャリアでUL送信を行う技術である(例えば非特許文献3)。一例として、通常のULは高周波数帯、SULは低周波数帯に割り当てられる。
3GPP TS 38.211 V15.1.0(2018-03) 3GPP TS 37.340 V15.1.0(2018-03) 3GPP TS 38.300 V15.1.0(2018-03)
NRのランダムアクセスにおいて、キャリアアグリゲーションの場合、2つのULキャリアが使用される場合、又はデュアルコネクティビティの場合に、PRACH(Physical random access channel)の送信電力と、他のチャネルの送信電力との合計が最大送信電力に達している場合、ランダムアクセスプリアンブルの送信電力が適切に設定されないことがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ユーザ装置がランダムアクセスを行うとき、適切な送信電力をランダムアクセスプリアンブルに設定することを目的とする。
開示の技術によれば、複数の上りリンクキャリアを用いて第1の基地局及び第2の基地局と通信を行う端末であって、前記第1の基地局はLTEのセルを提供し、前記第2の基地局はNRのシングルセルを提供し、前記第2の基地局は、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアを介して前記端末と通信を行い、各上りキャリアにおけるランダムアクセスチャネル送信に割り当てる送信電力を制御する制御部と、前記送信電力に基づいて、ランダムアクセスチャネルを送信する送信部と、を有し、前記制御部は、前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力の合計が最大送信電力を超えるため、前記複数の上りリンクキャリアの優先順位に基づいて、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアのうちいずれかのランダムアクセスチャネルを送信しない場合、当該送信しないランダムアクセスチャネルの電力ランピングに使用するカウンタを一時停止することを示す情報を物理レイヤから上位レイヤに通知する、端末、が提供される。
開示の技術によれば、ユーザ装置がランダムアクセスを行うとき、適切な送信電力をランダムアクセスプリアンブルに設定することができる。
本発明の実施の形態における無線通信システムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるランダムアクセス手順の例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるプリアンブル送信手順の例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるプリアンブル送信電力の例(1)を説明するための図である。 本発明の実施の形態におけるプリアンブル送信電力の例(2)を説明するための図である。 本発明の実施の形態における基地局装置100の機能構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるユーザ装置200の機能構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態における基地局装置100又はユーザ装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE-Advanced、及び、LTE-Advanced以降の方式(例:NR)を含む広い意味を有するものとする。
また、以下で説明する本発明の実施の形態では、既存のLTEで使用されているSS(Synchronization Signal)、PSS(Primary SS)、SSS(Secondary SS)、PBCH(Physical broadcast channel)、PRACH(Physical RACH)等の用語を使用している。これは記載の便宜上のためであり、これらと同様の信号、機能等が他の名称で呼ばれてもよい。
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。また、以下の説明において、送信ビームを用いて信号を送信することは、プリコーディングベクトルが乗算された(プリコーディングベクトルでプリコードされた)信号を送信することとしてもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、所定の重みベクトルを受信した信号に乗算することとしてもよい。また、送信ビームを用いて信号を送信することは、特定のアンテナポートで信号を送信することと表現されてもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、特定のアンテナポートで信号を受信することと表現されてもよい。アンテナポートとは、3GPPの規格で定義されている論理アンテナポート又は物理アンテナポートを指す。
なお、送信ビーム及び受信ビームの形成方法は、上記の方法に限られない。例えば、複数アンテナを備える基地局装置100又はユーザ装置200において、それぞれのアンテナの角度を変える方法を用いてもよいし、プリコーディングベクトルを用いる方法とアンテナの角度を変える方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、異なるアンテナパネルを切り替えて利用してもよいし、複数のアンテナパネルを合わせて使う方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。また、例えば、高周波数帯において、複数の互いに異なる送信ビームが使用されてもよい。複数の送信ビームが使用されることを、マルチビーム運用といい、ひとつの送信ビームが使用されることを、シングルビーム運用という。
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)又は規定されることであってもよいし、基地局装置100又はユーザ装置200から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
図1は、本発明の実施の形態における通信システムを説明するための図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、図1に示されるように、基地局装置100及びユーザ装置200を含む。図1には、基地局装置100が2つ、ユーザ装置200が1つ示されているが、これは例であり、さらに多数であってもよい。
基地局装置100は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置200と無線通信を行う通信装置である。例えば、図1に示されるように、基地局装置100Aは、LTEセルを提供し、基地局装置100Bは、NRセルを提供する(以下、それぞれを区別しない場合「基地局装置100」という。)。基地局装置100AをeNB、基地局装置100BをgNBと呼んでもよい。
基地局装置100Bは、1つ以上のNRセルを提供し、ユーザ装置200とNRによる無線通信を行う通信装置である。基地局装置100Bは、NRによる通信をユーザ装置200と行うとき、デュアルコネクティビティ(DC:Dual connectivity)を用いて、基地局装置100Aと基地局装置100Bとが並行してユーザ装置200と通信してもよい。基地局装置100B及びユーザ装置200はいずれも、ビームフォーミングを行って信号の送受信を行ってもよい。
ユーザ装置200は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置であり、基地局装置100A又は基地局装置100Bに無線接続し、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。初期アクセス時又は無線接続復帰時等において、ユーザ装置200は、ランダムアクセスのプリアンブル信号を基地局装置100に送信してランダムアクセス手順を開始する。当該ランダムアクセスは、基地局装置100から受信したPBCHによる報知情報に加え、PDSCH(Physical downlink shared channel)による報知情報に基づいて行われる。ユーザ装置200は、基地局装置100Aから取得した情報に基づいて基地局装置100Bに接続を開始することが可能である。また、ユーザ装置200は、基地局装置100Aと接続せずに、基地局装置100Bから取得した情報に基づいて基地局装置100Bに接続を開始してもよい。
なお、基地局装置100AがNRセルを提供して、NR-NRのデュアルコネクティビティでユーザ装置200と基地局装置100A及び基地局装置100Bが通信を行ってもよい。また、スタンドアロン形態として、ユーザ装置200は、1つの基地局装置100とNRセルを介して通信を行ってもよい。また、基地局装置100は、キャリアアグリゲーションによって複数のキャリアを介してユーザ装置200と通信を行ってもよい。また、基地局装置100は、SUL(Supplementary uplink)を用いて、シングルセルの2つのUL(Uplink)キャリアを介してユーザ装置200と通信を行ってもよい。
ここで、キャリアアグリゲーションの場合、シングルセルの2つのULキャリアを用いる場合、又はデュアルコネクティビティの場合等の複数のULキャリアを用いる場合、各ULキャリアで送信されるPUSCH(Physical uplink shared channel)、PUCCH(Physical uplink control channel)、PRACH(Physical random access channel)、SRS(Sounding reference signal)等のある送信期間における合計送信電力が、ユーザ装置200の当該送信期間における最大送信電力を超えていたとき、セルの種類を考慮した各チャネルの送信に優先順位を付与して、合計送信電力が最大送信電力を超えないようにすることが規定されている。なお、「シングルセルの2つのULキャリアを用いる」とは、例えば、通常のULとSULの2つのULキャリアを使用する場合である。
ユーザ装置200の最大送信電力は、予めユーザ装置200ごとに仕様等で規定されてもよいし、ネットワークからユーザ装置200に通知されてもよい。最大送信電力に基づいた「当該期間の最大送信電力」についても、仕様等で規定されてもよいし、ネットワークからの通知に基づいてユーザ装置200で定められてもよい。
上記のキャリアアグリゲーション又は2つのULキャリアは、デュアルコネクティビティのときのプライマリセルグループ(PCG:Primary cell group)側に含まれてもよいし、セカンダリセルグループ(SCG:Secondary cell group)側に含まれてもよい。
上記の優先順位の付与は、LTE-NR、NR-NR等のデュアルコネクティビティの場合、PCellとPSCellとにおいて適用されてもよく、プライマリセルグループ又はセカンダリセルグループ内のPCellとSCellとにおいて適用されてもよい。
図2は、本発明の実施の形態におけるランダムアクセス手順の例を説明するためのフローチャートである。図2は、ランダムアクセス手順の一例を示す図である。基地局装置100は、PSS、SSS及びPBCHを、ユーザ装置200に送信する。PBCHには、システム情報の一部が含まれる。なお、ランダムアクセス手順開始時に、送信カウンタは「1」が設定される。
ステップS11において、ユーザ装置200は、基地局装置100から受信したランダムアクセス手順を実行するためのリソース、すなわち、周波数領域及び時間領域で特定されるRACHリソース及びプリアンブルフォーマット等を特定する情報に基づいて、ランダムアクセスに使用するリソースを選択する。続いて、ユーザ装置200は、選択されたリソースを使用してランダムアクセスプリアンブルを送信する(S12)。ランダムアクセスプリアンブルの送信電力設定については後述する。
ステップS13において、基地局装置100は、ランダムアクセスレスポンスをユーザ装置200に送信する。ランダムアクセスレスポンスは、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答であり、PDCCHにてRA-RNTI(Random Access - Radio Network Temporary Identifier)宛てに送信され、当該PDCCHによってスケジューリングされるPDSCHは、少なくともランダムアクセスプリアンブルの識別子、タイミングアライメント、初期上りリンクグラント及びテンポラリC-RNTI(Temporary Cell - Radio Network Temporary Identifier)を含む。ランダムアクセスレスポンスがユーザ装置200において受信された場合(S13のYES)、ステップS14に進み、ランダムアクセスレスポンスがユーザ装置200において受信されなかった場合(S13のNO)、ステップS16に進む。
ステップS14において、ユーザ装置200は、ランダムアクセスレスポンスに含まれる上りリンクグラントに基づいて、上りリンク送信を行う。上りリンク送信において、少なくともRRC(Radio Resource Control)接続要求、NAS(Non-Access Stratum)UE(User Equipment)識別子が送信される。続いて、基地局装置100からユーザ装置200に、衝突解決(Contention resolution)に使用されるメッセージがPDCCHにてテンポラリC-RNTI又はC-RNTI宛てに送信され、当該PDCCHによってスケジューリングされるPDSCHは、少なくともRRC接続確立のための制御情報及びステップS14でユーザ装置200から送信された所定のMAC(Medium Access Control)制御要素を含む。当該MAC制御要素は、衝突解決に用いられる。なお、衝突解決(ステップS14)は、衝突型ランダムアクセス手順が実行されるときに行われ、非衝突型ランダムアクセス手順が実行されるときには行われなくてよい。ユーザ装置200は、当該MAC制御要素がステップS14で送信したデータの一部又は全部と合致した場合(S14のYES)、ステップS15に進み、合致しなかった場合(S14のNO)、ステップS16に進む。
ステップS15において、ユーザ装置200は、ランダムアクセスが成功したとみなし、テンポラリC-RNTIを使用している場合はテンポラリC-RNTIをC-RNTIとして、ランダムアクセス手順を終了する。
ステップS16において、ユーザ装置200は、送信カウンタが通知されるか予め規定される上限を超えたか否か判定する。上限を超えている場合(S16のYES)、ステップS17に進み、上限を超えていない場合(S16のNO)、ステップS18に進む。
ステップS17において、ユーザ装置200は、ランダムアクセスが失敗したとみなし、ランダムアクセス手順を終了する。一方、ステップS18において、ユーザ装置200は、送信カウンタを1増やして、ランダムアクセスプリアンブルを再送するためにステップS11に戻り、再度ランダムアクセスリソースの選択を行う。
図3は、本発明の実施の形態におけるプリアンブル送信手順の例を説明するためのフローチャートである。図3において、図2に示されるステップS12のランダムアクセスプリアンブル送信について詳細を説明する。なお、ランダムアクセス手順開始時に、ランピングカウンタは「1」が設定される。
ステップS121において、ユーザ装置200は、送信カウンタが2以上であるか否か判定する。すなわち、ランダムアクセスプリアンブルの送信が2度目以降であるか否かが判定される。送信カウンタが2以上である場合(S121のYES)、ステップS122に進み、送信カウンタが2未満である場合(S121のNO)、ステップS125に進む。
ステップS122において、ユーザ装置200は、PHYレイヤからMACレイヤへの「ランピングカウンタ一時停止通知」が発行されていないか否かを判定する。発行されていない場合(S122のYES)、ステップS123に進み、発行されている場合(S122のNO)、ステップS125に進む。
ステップS123において、ユーザ装置200は、前回プリアンブル送信時に使用したSS blockから変更がないか否かを判定する。変更がない場合(S123のYES)、ステップS124に進み、変更がある場合(S123のNO)、ステップS125に進む。
ステップS124において、ユーザ装置200は、ランピングカウンタを1増やす。
ステップS125において、ユーザ装置200は、ランピングカウンタ及びランピングステップ値に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの送信電力を算出する。ここで、ランピングカウンタから1を減じた値に、ランピングステップ値を乗じて得られる値に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの送信電力は算出されてもよい。すなわち、初回のランダムアクセスプリアンブル送信時は、ランピングによる送信電力の増加は行われず、2回目以降、ランピングステップ値ずつ送信電力が増加される。続いて、ユーザ装置200は、算出された送信電力でランダムアクセスプリアンブルを送信する(S126)。
ここで、キャリアアグリゲーションの場合、シングルセルの2つのULキャリアを用いる場合、又はデュアルコネクティビティの場合等の複数のULキャリアを用いる場合、PUSCH、PUCCH、PRACH、SRS等のある送信期間における合計送信電力が、ユーザ装置200の当該送信期間における最大送信電力を超えていたとき、各チャネルの送信に優先順位を付与して、合計送信電力が最大送信電力を超えないように制御するケースを以下、「ケースA」という。「ケースA」が発生した場合、優先順位が低いチャネルの送信電力が下げられるか又は送信しない制御が行われる。例えば、PCell以外におけるPRACH送信は、PCellにおけるPRACH又はPUCCH送信より、優先順位が低くてもよい。PCell以外におけるPRACH送信と、PCellにおけるPRACH又はPUCCH送信との送信期間がオーバラップした場合、PCell以外におけるPRACH送信電力が制限される、もしくはPRACH送信が行われなくてもよい。なお、複数のULキャリアを用いる場合、各ULキャリアにおける送信に優先順位が付与されている場合、合計最大電力によらずに、いずれかのULキャリアで送信されるPRACHの送信電力が下げられるか又は送信しない制御が行われてもよい。すなわち、「ケースA」に、「複数のULキャリアを用いる場合、各ULキャリアにおける送信に優先順位が付与されている」場合が含まれてもよい。
「ケースA」によってPRACHの送信電力が制限されるか送信自体が行われなかったときであっても、上位レイヤにおいては、PRACH送信がトリガされたことでMAC(Media Access Control)レイヤにおけるカウンタPREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTERが1インクリメントされる。しかしながら、次回のPRACH再送時には、「ケースA」が発生しないか、発生しても電力制限が少ない可能性がある。PRACHの送信電力が制限されるか送信自体が行われなかったため実際には送信されていないPRACHの送信電力をベースとして電力ランピングが行われ、必要以上に送信電力が上昇するため、周囲への干渉が大きくなる可能性がある。
また、PRACH送信を行ったことで、MACレイヤにおけるカウンタPREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERも1インクリメントされる。ユーザ装置200は当該カウンタに基づいて基地局装置100から通知された最大再送回数しかPRACHを再送しないため、例えば、常に「ケースA」によってPRACHの送信電力が制限されるか送信自体が行われなかった場合であっても、最大再送回数に達する可能性がある。再度ランダムアクセス手順が開始されるには、プリアンブル再送より時間を要するためランダムアクセスに係る遅延が大きくなる可能性がある。
そこで、NR-PRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信するときの主にステップS125における新たな電力制御の手順を図4及び図5で説明する。
図4は、本発明の実施の形態におけるプリアンブル送信電力の例(1)を説明するための図である。「ケースA」によって、PRACHの送信電力がドロップされた状態で、ユーザ装置200がNR-PRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信した場合、ユーザ装置200は、NR-PRACHでのランダムアクセスプリアンブル再送時の電力ランピングを行わない。
図4に示されるように、n回目のプリアンブル送信において、算出されたn回目のプリアンブルの送信電力から、実際に送信された送信電力が「ケースA」によって下げられたとする。ここで、n回目のプリアンブル送信が失敗したとき、n+1回目のプリアンブル送信において、電力ランピングは行われず、n回目プリアンブル送信時に算出された送信電力で、プリアンブルを送信してもよい。
「ケースA」によって、PRACHの送信電力が制限されている状態でユーザ装置200がプリアンブルを送信した場合、又はPRACHの送信自体が行われなかった場合、図3に示されるステップS122において参照されるPHYレイヤからMACレイヤへの「ランピングカウンタ一時停止通知」が発行されることにより、電力ランピングが行われない動作が実現されてもよい。
また、「ケースA」によって、PRACHの送信電力が制限されている状態でプリアンブルを送信した場合、又はPRACHの送信自体が行われなかった場合、PRACHの送信電力が制限されているか否かを示す情報が、MACレイヤに通知されることにより、電力ランピングのスキップが実現されてもよい。例えば、PRACHの送信電力が制限されているか否かを示す情報は、PHYレイヤからMACレイヤに通知されてもよい。
さらに、「ケースA」によって、PRACHの送信電力が制限された状態でプリアンブルを送信したとき、又はPRACHの送信自体が行われなかったとき、ユーザ装置200は、送信カウンタを1増加させなくてもよい。送信カウンタを1増加させない動作は、「ランピングカウンタ一時停止通知」と共にPHYレイヤからMACレイヤに通知されてもよいし、「ランピングカウンタ一時停止通知」とは別途「送信カウンタ一時停止通知」がPHYレイヤからMACレイヤに通知されてもよい。
図5は、本発明の実施の形態におけるプリアンブル送信電力の例(2)を説明するための図である。「ケースA」によって、PRACHの送信電力がドロップされた状態で、ユーザ装置200がPRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信した場合、、又はPRACHの送信自体が行われなかった場合、ユーザ装置200は、PRACHでのランダムアクセスプリアンブル再送時の電力ランピングに係るランピングステップ値を変更してもよい。
図5に示されるように、n回目のプリアンブル送信において、算出されたn回目のプリアンブルの送信電力から、実際に送信された送信電力が「ケースA」によって下げられたとする。ここで、n回目のプリアンブル送信が失敗したとき、n+1回目のプリアンブル送信において、図5に示されるように通常の電力ランピングステップ値とは異なる調整された電力ランピングステップ値が適用された送信電力で、ユーザ装置200はプリアンブルを送信してもよい。
例えば、上記の調整された電力ランピングステップ値は、通常の電力ランピングステップ値とは別途ユーザ装置200に通知されてもよいし、予め規定されてもよい。通知又は規定される調整された電力ランピングステップ値は、通所の電力ランピングステップ値に基づく相対値が通知又は規定されてもよい。また、上記の調整された電力ランピングステップ値は、PRACHの送信電力が制限されてドロップされた値に基づいて、通知又は規定されてもよい。例えば、PRACHの送信電力がXdBドロップされていた場合、Xの値に基づいて、調整された電力ランピングステップ値が決定されてもよい。例えば、Xが大きいほど調整された電力ランピングステップ値を小さくし、Xが小さいほど調整された電力ランピングステップ値を大きくしてもよい。また、例えば、PRACHの送信電力がドロップされて、PRACHがYdBmで送信されたとき、Yの値に基づいて、調整された電力ランピングステップ値が決定されてもよい。例えば、Yが小さいほど調整された電力ランピングステップ値を小さくし、Yが大きいほど調整された電力ランピングステップ値を大きくしてもよい。
「ケースA」によって、PRACHの送信電力がドロップされた状態で、ユーザ装置200がPRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信し、かつ、ドロップされて実際に送信に適用される送信電力値が所定の閾値よりも小さい場合、ユーザ装置200は、PRACHでのランダムアクセスプリアンブル再送時の電力ランピングを行わないか又は電力ランピングに係るランピングステップ値を変更してもよい。なお、実際に送信に適用される送信電力値に適用される閾値は、電力の絶対値で指定されてもよいし、ユーザ装置200におけるパスロス推定値に基づいて、さらに閾値が調整されてもよい。例えば、パスロス推定値が大きい場合は閾値を大きくして、パスロス推定値が小さい場合は閾値を小さくしてもよい。
また、「ケースA」によって、PRACHの送信電力がドロップされた状態で、ユーザ装置200がPRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信し、かつ、送信電力がドロップされる量が所定の閾値よりも大きい場合、ユーザ装置200は、PRACHでのランダムアクセスプリアンブル再送時の電力ランピングを行わないか又は電力ランピングに係るランピングステップ値を変更してもよい。なお、送信電力がドロップされる量に適用する閾値は、電力の相対値で指定されてもよいし、ユーザ装置200におけるパスロス推定値に基づいて、さらに閾値が調整されてもよい。例えば、パスロス推定値が大きい場合は閾値を大きくして、パスロス推定値が小さい場合は閾値を小さくしてもよい。
また、「ケースA」によって、PRACHの送信電力がドロップされた状態において、ユーザ装置200のPHYレイヤはPRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信しなくてもよい。PHYレイヤは、PRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信しないことを示す情報をMACレイヤに通知してもよい。
さらに、「ケースA」によって、PRACHの送信電力がドロップされる状態において、ドロップされて実際に送信に適用される送信電力値が所定の閾値よりも小さい場合、又は送信電力がドロップされる量が所定の閾値よりも大きい場合、ユーザ装置200のPHYレイヤは、PRACHでランダムアクセスプリアンブルを送信しなくてもよい。
上述の実施例により、「ケースA」すなわちキャリアアグリゲーションの場合、シングルセルの2つのULキャリアを用いる場合、又はデュアルコネクティビティの場合等の複数のULキャリアを用いる場合、PUSCH、PUCCH、PRACH、SRS等のある送信期間における合計送信電力が、ユーザ装置200の当該送信期間における最大送信電力を超えていたとき、各チャネルの送信に優先順位を付与して、合計送信電力が最大送信電力を超えないように制御するケースによって、PRACHの送信電力が制限されているか送信されない場合に、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を適切に制御することができる。また、「ケースA」によってPRACHの送信電力が制限されている場合又はPRACHの送信自体が行われなかった場合に、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を、電力ランピングを行わないことにより適切に制御することができる。「ケースA」によってPRACHの送信電力が制限されている場合又はPRACHの送信自体が行われなかった場合に、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を、電力ランピングステップ値をPRACHの送信電力が制限される値に応じて調整することで適切に制御することができる。
すなわち、ユーザ装置がランダムアクセスを行うとき、適切な送信電力をランダムアクセスプリアンブルに設定することができる。
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置100及びユーザ装置200の機能構成例を説明する。基地局装置100及びユーザ装置200は上述した実施例を実施する機能を含む。ただし、基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
<基地局装置100>
図6は、基地局装置100の機能構成の一例を示す図である。図6に示されるように、基地局装置100は、送信部110と、受信部120と、設定情報管理部130と、初期アクセス設定部140とを有する。図6に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部110は、ユーザ装置200側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置200から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置200へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号等を送信する機能を有する。また、例えば、送信部110は、ユーザ装置200に初期アクセスに使用される情報を含む報知情報又はULスケジューリングを送信し、受信部120は、ユーザ装置200からRACHプリアンブルを受信する機能を有する。
設定情報管理部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置200に送信する各種の設定情報を格納する。設定情報の内容は、例えば、初期アクセスの送受信パラメータに係る情報等である。
初期アクセス設定部140は、実施例において説明したように、ユーザ装置200に初期アクセスに使用される情報を通知し、ユーザ装置200から送信されるランダムアクセスプリアンブル受信時の処理、ランダムアクセスレスポンスの送信等を実行する。
<ユーザ装置200>
図7は、ユーザ装置200の機能構成の一例を示す図である。図7に示されるように、ユーザ装置200は、送信部210と、受信部220と、設定情報管理部230と、初期アクセス制御部240とを有する。図7に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置100から送信されるNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、NR-PRACH、NR-PUSCH等を基地局装置100に送信する機能を有する。
設定情報管理部230は、受信部220により基地局装置100又はユーザ装置200から受信した各種の設定情報を格納する。また、設定情報管理部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、初期アクセスの送受信パラメータに係る情報等である。
初期アクセス制御部240は、実施例において説明したように、ユーザ装置200から基地局装置100に送信する初期アクセスに係るプリアンブル及びメッセージを生成する。また、初期アクセス制御部240は、初期アクセスに係るプリアンブルの送信電力を制御する。初期アクセス制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、初期アクセス制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
(ハードウェア構成)
上述の本発明の実施の形態の説明に用いた機能構成図(図6及び図7)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、例えば、本発明の一実施の形態における基地局装置100及びユーザ装置200はいずれも、本発明の実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8は、本発明の実施の形態に係る基地局装置100又はユーザ装置200である無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局装置100及びユーザ装置200のハードウェア構成は、図に示した1001~1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局装置100及びユーザ装置200における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、補助記憶装置1003及び/又は通信装置1004から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図6に示した基地局装置100の送信部110、受信部120、設定情報管理部130、初期アクセス設定部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図7に示したユーザ装置200の送信部210と、受信部220と、設定情報管理部230、初期アクセス制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び/又は補助記憶装置1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、基地局装置100の送信部110及び受信部120は、通信装置1004で実現されてもよい。また、ユーザ装置200の送信部210及び受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、複数の上りリンクキャリアで上りリンク送信を基地局装置に行う送信部と、前記複数の上りリンクキャリアにおける上りリンク送信各々に優先順位が付与されている場合に、前記複数の上りリンクキャリアのいずれかで送信されるランダムアクセスチャネルの送信電力値を変更する制御部とを有し、前記送信部が、前記制御部によってランダムアクセスチャネルの送信電力値が変更されたランダムアクセスプリアンブルの送信に失敗し、ランダムアクセスプリアンブルを再送するとき、前記制御部が、再送されるランダムアクセスプリアンブルの送信電力制御を通常の送信電力制御から変更するユーザ装置が提供される。
上記の構成により、キャリアアグリゲーションの場合、シングルセルの2つのULキャリアを用いる場合、又はデュアルコネクティビティの場合等の複数のULキャリアを用いる場合、PUSCH、PUCCH、PRACH、SRS等の送信に優先順位が付与されていてPRACHの送信電力が制限されているか送信されない場合に、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を適切に制御することができる。すなわち、ユーザ装置がランダムアクセスを行うとき、適切な送信電力をランダムアクセスプリアンブルに設定することができる。
前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力値の合計値が所定の最大電力値を超える場合に、前記複数の上りリンクキャリアのいずれかで送信されるランダムアクセスチャネルの送信電力値を変更してもよい。当該構成により、キャリアアグリゲーションの場合、シングルセルの2つのULキャリアを用いる場合、又はデュアルコネクティビティの場合等の複数のULキャリアを用いる場合、PUSCH、PUCCH、PRACH、SRS等のある送信期間における合計送信電力が、ユーザ装置200の当該送信期間における最大送信電力を超えていたとき、各チャネルの送信に優先順位を付与して、合計送信電力が最大送信電力を超えないように制御するケースによって、PRACHの送信電力が制限されているか送信されない場合に、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を適切に制御することができる。すなわち、ユーザ装置がランダムアクセスを行うとき、適切な送信電力をランダムアクセスプリアンブルに設定することができる。
前記制御部は、再送されるランダムアクセスプリアンブルの送信電力を上昇させなくてもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を、電力ランピングを行わないことにより適切に制御することができる。
前記制御部によってランダムアクセスチャネルの上り送信電力が変更されたランダムアクセスプリアンブルの送信に失敗したとき、ランダムアクセスプリアンブルの送信カウンタを増加させなくてもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を、電力ランピングを行わないことにより適切に制御することができる。
前記制御部は、通常の電力ランピングステップ値とは異なる電力ランピングステップ値を使用して、再送されるランダムアクセスプリアンブルの送信電力値を決定してもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を、電力ランピングステップ値をPRACHの送信電力が制限される値に応じて調整することで適切に制御することができる。
前記異なる電力ランピングステップ値は、前記制御部によって変更されるランダムアクセスチャネルの送信電力値が低下された幅又は低下された後の送信電力値に基づいて決定されてもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を、電力ランピングステップ値をPRACHの送信電力が制限される値に応じて調整することで適切に制御することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、複数の上りリンクキャリアで上りリンク送信をユーザ装置から受信する受信部と、前記複数の上りリンクキャリアにおける上りリンク送信各々に優先順位が付与されている場合に、前記ユーザ装置がランダムアクセスチャネルの上り送信電力が変更されたランダムアクセスプリアンブルの送信に失敗し、前記ユーザ装置から再送されたランダムアクセスプリアンブルを受信する設定部と、前記再送されたランダムアクセスプリアンブルに適用される通常の電力ランピングステップ値とは異なる電力ランピングステップ値を示す情報を前記ユーザ装置に送信する送信部とを有する基地局装置が提供される。
上記の構成により、キャリアアグリゲーションの場合、シングルセルの2つのULキャリアを用いる場合、又はデュアルコネクティビティの場合等の複数のULキャリアを用いる場合、PUSCH、PUCCH、PRACH、SRS等の送信に優先順位が付与されていてPRACHの送信電力が制限されているか送信されない場合に、ユーザ装置200は、ランダムアクセスを行うときに送信するランダムアクセスプリアンブルの送信電力を適切に制御することができる。すなわち、ユーザ装置がランダムアクセスを行うとき、適切な送信電力をランダムアクセスプリアンブルに設定することができる。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置100及びユーザ装置200は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置100が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置200が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局装置100によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置100を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置200との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置100及び/又は基地局装置100以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置100以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
ユーザ装置200は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局装置100は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、gNB、ベースステーション(Base Station)、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
なお、本発明の実施の形態において、初期アクセス制御部240は、制御部の一例である。初期アクセス設定部140は、設定部の一例である。LTEは、第1のRATの一例である。NRは、第2のRATの一例である。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
100 基地局装置
110 送信部
120 受信部
130 設定情報管理部
140 初期アクセス設定部
200 ユーザ装置
210 送信部
220 受信部
230 設定情報管理部
240 初期アクセス制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置

Claims (5)

  1. 複数の上りリンクキャリアを用いて第1の基地局及び第2の基地局と通信を行う端末であって、前記第1の基地局はLTEのセルを提供し、前記第2の基地局はNRのシングルセルを提供し、前記第2の基地局は、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアを介して前記端末と通信を行い、
    各上りキャリアにおけるランダムアクセスチャネル送信に割り当てる送信電力を制御する制御部と、
    前記送信電力に基づいて、ランダムアクセスチャネルを送信する送信部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力の合計が最大送信電力を超えるため、前記複数の上りリンクキャリアの優先順位に基づいて、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアのうちいずれかのランダムアクセスチャネルを送信しない場合、当該送信しないランダムアクセスチャネルの電力ランピングに使用するカウンタを一時停止することを示す情報を物理レイヤから上位レイヤに通知する、
    端末。
  2. 前記制御部は、前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力の合計が最大送信電力を超える場合、前記複数の上りリンクキャリアのうち、優先順位の低い上りリンクキャリアにおいて前記ランダムアクセスチャネルを送信しないように制御する、
    請求項1記載の端末。
  3. 複数の上りリンクキャリアを用いて第1の基地局及び第2の基地局と通信を行う端末であって、前記第1の基地局はLTEのセルを提供し、前記第2の基地局はNRのシングルセルを提供し、前記第2の基地局は、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアを介して前記端末と通信を行い、
    各上りキャリアにおけるランダムアクセスチャネル送信に割り当てる送信電力を制御する制御部と、
    前記送信電力に基づいて、前記ランダムアクセスチャネルを送信する送信部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力の合計が最大送信電力を超えるため、前記複数の上りリンクキャリアの優先順位に基づいて、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアのうちいずれかのランダムアクセスチャネルの前記送信電力を低減した場合、当該送信電力を低減したランダムアクセスチャネルの電力ランピングに使用するカウンタを一時停止することを示す情報を物理レイヤから上位レイヤに通知する、
    端末。
  4. 前記制御部は、前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力の合計が最大送信電力を超える場合、前記複数の上りリンクキャリアのうち、優先順位の低い上りリンクキャリアにおいて前記ランダムアクセスチャネルの前記送信電力を低減する制御を行う、
    請求項記載の端末。
  5. 複数の上りリンクキャリアを用いて第1の基地局及び第2の基地局と通信を行う端末の通信方法であって、前記第1の基地局はLTEのセルを提供し、前記第2の基地局はNRのシングルセルを提供し、前記第2の基地局は、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアを介して前記端末と通信を行い、
    各上りキャリアにおけるランダムアクセスチャネル送信に割り当てる送信電力を制御する制御ステップと、
    前記送信電力に基づいて、前記ランダムアクセスチャネルを送信する送信ステップと、
    を有し、
    前記制御ステップにおいて、前記複数の上りリンクキャリアにおける送信電力の合計が最大送信電力を超えるため、前記複数の上りキャリアの優先順位に基づいて、前記シングルセルの2つの上りリンクキャリアのいずれかのランダムアクセスチャネルを送信しない場合、当該送信しないランダムアクセスチャネルの電力ランピングに使用するカウンタを一時停止することを示す情報を物理レイヤから上位レイヤに通知する、
    通信方法。
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