JP7312624B2 - 吸収性物品の構成材料の分離回収方法 - Google Patents

吸収性物品の構成材料の分離回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸収性物品の構成材料の分離回収方法、及び吸収性物品の構成材料の分離回収装置に関する。
従来、使い捨ておむつ等の吸収性物品を使用した後の廃棄物の処理方法として、ドライプロセス及びウェットプロセスが知られている。
ドライプロセスは、処理に水を用いない方法であり、使用済みの吸収性物品を、例えば、焼却処理したり、埋立て処理したり、乾燥ののち固形燃料にしたりする処理方法である。ドライプロセスとしては、例えば、特許文献1に記載された吸水材の焼却処理方法が知られている。特許文献1に記載された焼却処理方法は、使い捨ておむつ等の吸水した吸水材を冷凍固化させた後、粉砕し、得られた粉砕物を焼却することを特徴としている。
ウェットプロセスは、処理に水を用いる方法であり、使用済みの吸収性物品を構成材料ごとに分離回収し、該構成材料を再利用する際等に使用される。ウェットプロセスとしては、例えば、特許文献2に記載された方法が知られている。特許文献2に記載された方法は、使用済みの吸収性物品を水で膨潤させる前処理工程と、膨潤した該吸収性物品に物理的な衝撃を与えて、該吸収性物品を、少なくとも、該吸収性物品が有する表面シート又は裏面シートの構成材料であるフィルムと、該吸収性物品が有する吸収体の構成材料である吸収性材料とに分解する分解工程と、分解されたフィルムと吸収性材料とを分離する分離工程とを備えている。
特開平4-177014号公報 特開2018-171589号公報
近年、吸収性物品の廃棄物の処理において生じるCOやごみを削減することや、該廃棄物を再利用することで該廃棄物に付加価値を付与することが望まれている。
しかし、特許文献1に記載された焼却処理方法では、吸収性物品の廃棄物を焼却してしまうため、該吸収性物品の構成材料を回収し、再利用することができない。
特許文献2に記載された方法は、吸収性物品の構成材料を分離回収することは可能である。しかし、特許文献2に記載された方法では、吸収性物品を水で膨潤させているので、回収された吸収性物品の構成材料を再利用するためには、該構成材料を乾燥させるのに莫大なエネルギーが必要となる。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る、吸収性物品の構成材料の分離回収方法を提供することにある。
本発明は、吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、前記凍結工程後に、前記吸収性物品に衝撃を与え、該吸収性物品を破砕する破砕工程と、前記破砕工程後に、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明は、吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、前記吸収性物品を粗く破砕する粗破砕工程と、前記粗破砕工程後に、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、前記凍結工程後に、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明は、吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、前記凍結工程後に、前記吸収性物品を切断する切断工程と、前記切断工程後に、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離する材料分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明は、吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収装置であって、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結部と、前記吸収性物品に衝撃を与え、該吸収性物品を破砕する破砕部と、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離部とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明は、吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収装置であって、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結部と、前記凍結工程後に、前記吸収性物品を切断する切断部と、前記切断工程後に、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離する材料分離部とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、吸収性物品の構成材料を簡便に分離回収することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の構成材料の分離回収方法が適用される吸収性物品の一例を示す斜視図である。 図2は、本発明の吸収性物品の構成材料の分離回収方法の第1実施態様を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の吸収性物品の構成材料の分離回収方法の第2実施態様を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の吸収性物品の構成材料の分離回収方法の第3実施態様を説明するフローチャートである。 図5(a)は、本発明の実施例の分離回収方法を実施した後の篩を上側から見た図であり、図5(b)は、比較例の分離回収方法を実施した後の篩を上側から見た図である。
以下、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明する。
本発明の分離回収方法は、吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離回収する方法である。吸収性物品は、主として尿、経血、おりもの等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。排泄物としては、身体から排泄される体液の他に、糞便等が挙げられる。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。吸収性物品は、典型的には、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。吸収性物品はさらに、その具体的な用途に応じた各種部材を具備していても良い。そのような部材は当業者に公知である。
本発明の分離回収方法が適用される対象の吸収性物品は単一の吸収性物品でもよいが、好ましくは複数の吸収性物品である。該吸収性物品の一例である吸収性物品1を図1に示す。吸収性物品1は、使用済みの吸収性物品である。使用済みの吸収性物品は、着用者が排泄した尿等の排泄物を吸収した後の吸収性物品を意味し、該吸収性物品中、特に吸収体中に水分を含んでいる。吸収性物品1としては、例えば、介護施設や保育施設、家庭が廃棄した使用済みの吸収性物品を用いることができる。吸収性物品1は、吸収性材料を有する吸収体4と表面シート2と裏面シート3とを含んでいる。吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に介在配置されており、表面シート2と裏面シート3とは、接着剤等により周縁部が互いに接合されている。接着剤としては、例えば、ホットメルト型の接着剤等が挙げられる。
また、吸収性物品1は、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、その長手方向の中央部に股下部Aを有し、該股下部Aの前後に延在する両部位のうちの一方の部位である背側部Bの両側縁部にファスニングテープ5を有し、他方の部位である腹側部Cの非肌対向面(着用時に着用者の肌側とは反対側に向く面)に、ファスニングテープ5を止着するランディングゾーン6が設けられている。
本発明の分離回収方法が適用される対象の吸収性物品は、いわゆるパンツ型のおむつであってもよい。パンツ型のおむつは、典型的には、その長手方向の中央部に股下部を有し、該股下部の前後に延在する両部位のうちの一方の部位である背側部の両側部と、他方の部位である腹側部の両側部とが互いに接合されて、一対のサイドシール部、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部が形成されている。
また本発明の分離回収方法が適用される対象の吸収性物品は、いわゆるナプキンやパッド、パンティライナーであってもよい。ナプキンは、典型的には、その長手方向の中央部に股下部を有し、該股下部の前後に延在する背側部と、他方の部位である腹側部とが形成されている。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4及び他の構成材料としてはそれぞれ、従来の吸収性物品に用いられているものが挙げられる。例えば、表面シート2としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収体4としては吸収性材料をティッシュペーパー等で包んだものを用いることができる。
吸収体4を形成する吸収性材料としては、従来、吸収性物品用の吸収体に用いられている各種の吸収性材料が挙げられ、特に制限はない。吸収性材料としては、例えば、セルロース系繊維や、親水化処理された合成繊維、親水化処理されていない合成繊維等の繊維材料、高吸収性ポリマー等が挙げられる。セルロース系繊維としては、木材パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース繊維等が挙げられる。合成繊維の素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。高吸収性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。
尚、図1に示す展開型の吸収性物品1では、ファスニングテープ5は、背側部Bの両側縁部それぞれに、設けられている。ファスニングテープ5は、背側部Bの幅方向の両側部に存するサイドフラップ部11に固定されている。サイドフラップ部11は、吸収体4の両側縁よりもおむつ幅方向外方に延出する部分であり、立体ギャザー7形成用のシートと裏面シート3との積層体からなる。
次に、本発明の分離回収方法の好ましい第1実施態様について説明する。図2に、第1実施態様の分離回収方法のフローチャートを示す。第1実施態様の分離回収方法は、凍結工程S1と破砕工程S2と分離工程S3とをこの順で備える。第1実施態様においては、吸収性物品1として、使用済みの吸収性物品を用いている。
また第1実施態様の分離回収方法が適用される対象の吸収性物品は、展開型やパンツ型等の形態、使用済みであるか又は未使用であるか等の状態、大きさ等が異なる複数の吸収性物品の集合体であってもよい。すなわち、第1実施態様の分離回収方法は、単一品種の吸収性物品に適用することも可能であるが、介護施設等からの収集や家庭からの大規模収集により集められた吸収性物品の混在物に適用することも可能である。
凍結工程S1においては、吸収性物品1中の水分を凍結させる。凍結工程S1は、後続する破砕工程S2において吸収性物品1、特に吸収体4を破砕し易くするために行う。凍結工程S1において吸収性物品1中の水分を凍結させることにより、凍結する前に比して、吸収性物品1中の水分を含む部位、特に吸収体4の衝撃強度を低下させることができるため、破砕工程S2において衝撃を与えたときに該吸収性物品1中の水分を含む部位、特に吸収体4を破砕し易くすることができる。吸収性物品1は、使用済みであるため、表面シート2や裏面シート3よりも、吸収体4中に水分を多く含んでいる。したがって、吸収性物品1中の水分を凍結させると、表面シート2や裏面シート3の衝撃強度はあまり低下しないが、吸収体4の衝撃強度は大きく低下する。凍結工程S1を経た吸収性物品1では、表面シート2や裏面シート3よりも、吸収体4の方が、衝撃強度が低くなっており、より細かく破砕され易くなっている。
凍結工程S1は、吸収性物品1を低温条件下に置くことにより行うことができる。低温条件とは、吸収性物品1中の水分を凍結させることができる条件を意味する。例えば、1気圧において0℃以下である。吸収性物品1が吸収した尿等、身体から排泄された体液には塩が含まれているため、吸収性物品1中の水分を確実に凍結させる観点から、凍結工程S1は、好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下で行う。
吸収性物品1が水分を含んでいない場合であっても、表面シート2と裏面シート3とを接合している接着剤の種類によっては、凍結工程S1において冷却することにより該接着剤の接着力が低下する場合がある。このような接着剤としては、例えば、加熱溶融して使用するホットメルト接着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤は通常、ベースポリマー、粘着付与剤及び可塑剤を含有する。ベースポリマーの具体例としては、アクリル系、シリコーン系又はゴム系、オレフィン系のポリマー等が挙げられる。前記アクリル系のポリマーとしては、例えば、主成分を2-エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、シアノアクリレート、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル等とするビニルモノマーの(共)重合体(エチレン酢酸ビニル共重合体など)からなるものを例示できる。前記シリコーン系のポリマーとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンポリマー重合体を例示できる。前記ゴム系のポリマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)を例示できる。接着剤の接着力が低下することにより、破砕工程S2において衝撃を与えた際に、表面シート2と裏面シート3とが解離し易くなり、両シート2,3の接合部が剥がれて、両シート2,3の間から吸収体4を取り出すことができる状態になり易い。
破砕工程S2においては、吸収性物品1に衝撃を与え、吸収性物品1を破砕する。破砕工程S2は、吸収性物品1を破砕し、吸収性物品1の構成材料及びその小片が混じった破砕混合物を得るために行う。該破砕混合物には、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片や、吸収体4に由来する吸収性材料の塊等が含まれている。第1実施態様において、吸収体4に由来する吸収性材料の塊には排泄物が含まれている。
破砕工程S2は、例えば、いわゆる破砕機や粉砕機等を用いて行うことができる。破砕機や粉砕機としては、圧縮型破砕機、打撃型破砕機、摩砕型破砕機、せん断型破砕機、及びこれらを複合化した装置等が挙げられる。圧縮型破砕機は、対象物を圧縮することにより破砕する装置であり、例えば、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー等が挙げられる。打撃型破砕機は、ハンマーや衝撃板等を対象物に衝突させ、対象物に打撃を与えることにより破砕する装置であり、例えば、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、チェーンクラッシャー、ハンマーミル、スタンプミル、ピンミル等が挙げられる。摩砕型破砕機は、対象物を摩砕することにより破砕する装置であり、例えば、ボールミル、ロッドミル、ローラーミル、リングミル、自生粉砕機、ジェットミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、アトライター、ビーズミル等が挙げられる。せん断型破砕機は、対象物をせん断することにより破砕する装置であり、例えば、カッターミル、一軸破砕機、二軸破砕機等が挙げられる。
凍結工程S1を経た吸収性物品1においては、特に吸収体4が割れ易くなっているため、破砕工程S2では、表面シート2や裏面シート3よりも、吸収体4の方がより小さな小片へと破砕される。したがって、表面シート2又は裏面シート3が破砕されて生じるシート片よりも、吸収体4が破砕されて生じる吸収性材料の塊の方が小さい。
破砕工程S2後に得られる、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片は、目開きが、吸収体に使用されるパルプの標準的な長さである2mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、さらに後続する分離工程S3において分離速度を向上するため、目開きが5mmの篩を通過できない大きさであることがより好ましく、10mmの篩を通過できない大きさであることが更に好ましく、さらに20mmの篩を通過できない大きさであることがより更に好ましい。
破砕工程S2後に得られる、吸収性材料の塊は、目開きが2mmの篩を通過できる大きさであることが好ましく、目開きが5mmの篩を通過できる大きさであることがより好ましく、10mmの篩を通過できる大きさであることが更に好ましく、20mmの篩を通過できる大きさであることがより更に好ましい。
第1実施態様では、破砕工程S2において、表面シート2及び裏面シート3の間から、吸収性材料を取り出すことができる状態にすることが好ましい。通常、吸収性物品1においては、吸収体4は、周縁部が互いに接合された表面シート2及び裏面シート3の間に介在配置されている。したがって、吸収性物品1に衝撃を与え、吸収体4が細かく破砕されたとしても、表面シート2及び裏面シート3が破断しておらず、更に表面シート2及び裏面シート3の接合が維持されている場合、表面シート2及び裏面シート3との間の空間が密封されたままとなり、両シート2,3の間から吸収性材料を取り出すことができず、後続の分離工程S3において、両シート2,3と吸収性材料とを分離することができない。そこで、破砕工程S2においては、表面シート2又は裏面シート3を破断させる、若しくは、表面シート2及び裏面シート3の接合を破壊することにより、表面シート2及び裏面シート3の間から、吸収性材料を取り出すことができる状態にすることが好ましい。
分離工程S3においては、破砕工程S2により得られた前記の破砕混合物から、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とを分離する。分離工程S3は、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とを別々に回収できるようにするために行う。第1実施態様では、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料の塊とはその大きさが異なっているため、両者を分離する方法として、その大きさにより分離する方法を使用することができる。第1実施態様では、前記の破砕混合物を篩にかけて前記シート片と吸収性材料とを分離する。篩の目開きの大きさは、前記の破砕混合物に含まれる前記シート片、吸収性材料の塊との大きさに応じて適宜選択することができる。
第1実施態様では、分離工程S3にて分離された、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と吸収性材料とを回収する。ここで、回収するとは、例えば、分離された前記シート片と吸収性材料とを、分離した場所においてそれぞれ容器に収容したり、それぞれ別々の場所へ移動させたりすることを意味する。前記シート片を回収する方法及び吸収性材料を回収する方法としては、各種公知の方法を用いることができる。例えば、前記シート片及び吸収性材料を、それぞれ容器に収容してもよい。また例えば分離工程S3において、篩の下にベルトコンベア等を配置し、前記シート片を篩の上に、吸収性材料を該ベルトコンベアの上にそれぞれ分離した後に、該ベルトコンベアを駆動させて、該ベルトコンベア上に集められた吸収性材料等を別の場所に移動させてもよい。
別々に回収された前記シート片及び吸収性材料は、それぞれに応じた後処理を施すことが好ましい。
前記シート片に施される後処理としては、例えば、一般的な廃棄処理である埋め立て及び単純焼却等に加え、リサイクル処理が挙げられる。リサイクル処理は、廃棄物を再利用することで該廃棄物に付加価値を付与するために行う。前記シート片に施されるリサイクル処理としては、固形化し、固形燃料、高炉還元剤、コークス代替剤等にする処理、油化によりケミカル素材へ変化させる処理、洗浄し、プラスチックやプラスチックペレット等を製造する処理等が挙げられる。
吸収性材料に施される後処理としては、例えば、一般的な廃棄処理である埋め立て及び単純焼却等に加え、リサイクル処理が挙げられる。吸収性材料は、繊維材料と高吸収性ポリマーとに更に分離し、それぞれ、リサイクル処理を施すことが好ましい。繊維材料に施すリサイクル処理としては、バイオマスへ変化させる処理、糖化させケミカル素材へ変化させる処理、洗浄し、壁紙や新聞、段ボール、トイレットペーパー等に使用される繊維素材へ変化させる処理等が挙げられる。高吸収性ポリマーに施すリサイクル処理としては、洗浄し、土嚢や簡易トイレ等に使用される高吸収性ポリマーへ変化させる処理等が挙げられる。
第1実施態様の分離回収方法は、吸収性物品1を水に浸す必要がないため、吸収性物品1及びその構成材料を乾燥させる必要がなく、吸収性物品1の構成材料の分離回収に必要な工程数又はエネルギー量を少なくすることができる。また凍結し、低温であるため、分離回収工程において、臭気を抑えることができる。
また、第1実施態様では、凍結工程S1を行うことにより、吸収体4の衝撃強度が、表面シート2や裏面シート3に由来するシート片の衝撃強度よりも大きく低下する。したがって、破砕工程S2において、吸収性物品1に衝撃を与えたときに、吸収体4が、表面シート2や裏面シート3に比して、より小さな小片へと破砕される。破砕工程S2後に得られる、吸収体4に由来する吸収性材料の塊と、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片とは、その大きさが大きく異なるため、表面シート2や裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とを、例えば篩にかける等の簡便な方法により分離することができる。
また、第1実施態様では、吸収体4中の水分を凍結させていることにより、破砕工程S2において吸収性物品1を破砕したときに、吸収性材料が表面シート2や裏面シート3に付着し難くなっている。これにより、分離工程S3において表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と吸収性材料とが分離し難くなってしまうことを防ぐことが可能となる。
このように、第1実施態様の分離回収方法によれば、吸収性物品の構成材料を簡便に分離回収することができる。
また、第1実施態様では、凍結工程S1より前に、粗破砕工程S4を有していることが好ましい。粗破砕工程S4は、吸収性物品1を破砕工程S2よりも粗く破砕する工程である。粗破砕工程S4は、吸収性物品1を粗く破砕することで吸収体4の表面積を増やし、該吸収体4を凍結し易くするために行う。粗破砕工程S4は、破砕工程S2よりも、処理時間が短い又は吸収性物品1に与える衝撃が小さい、あるいはその両方であることが好ましい。粗破砕工程S4は、破砕工程S2と同様に、吸収性物品1に衝撃を与えることで吸収性物品1を破砕することができる。粗破砕工程S4と破砕工程S2とで、衝撃の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
粗破砕工程S4においては、表面シート2及び裏面シート3の間から、吸収性材料や排泄物を取り出すことができる状態にすることが好ましい。
粗破砕工程S4後に得られる、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片は、目開きが5mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、目開きが10mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、目開きが20mmの篩を通過できない大きさであることがより好ましい。
粗破砕工程S4後に得られる、吸収性材料の塊は、目開きが5mmの篩を通過できる大きさであることが好ましく、目開きが10mmの篩を通過できる大きさであることが好ましく、目開きが20mmの篩を通過できる大きさであることがより好ましい。
凍結工程S1より前に粗破砕工程S4を行うことにより、吸収体4の表面積を増加させ、凍結工程S1において該吸収体4中の水分を凍結し易くすることができる。また、粗破砕工程S4により吸収性物品1を予め粗く破砕しておくことにより、破砕工程S2にかかる時間を短くすることもできる。
また第1実施態様では、凍結工程S1後の工程、即ち破砕工程S2及び分離工程S3の何れか一方又は両方を、吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行うことが好ましい。これにより、凍結工程S1後の工程において、水分を介して吸収性材料が表面シート2や裏面シート3等に付着し、分離工程S3において表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と吸収性材料とが分離し難くなってしまうことを防ぐことが可能となる。破砕工程S2及び分離工程S3の両方を、吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行うことがより好ましい。吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度は、1気圧において、好ましくは0℃以下であり、より好ましくは-5℃以下であり、更に好ましくは-10℃以下であり、より更に好ましくは-20℃以下である。
また第1実施態様では、分離工程S3を、破砕工程S2により得られた破砕混合物に振動を与えながら行うことが好ましい。具体的には、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とに振動を与えながら分離することが好ましい。これにより、前記破砕混合物が塊となっていたとしても、該破砕混合物をほぐしながら分離することができるので、前記シート片と吸収性材料とを正確に分離することができる。また、振動を与えることにより、水分が凍結し破砕され易くなっている吸収性材料の塊を、更に小さい小片へと破砕することができる。したがって、前記シート片及び吸収性材料の塊の大きさの差をより大きくすることができるため、前記シート片と吸収性材料とをより容易に分離することができるようになる。
次に、本発明の好ましい第2及び第3実施態様の分離回収方法について説明する。第2及び第3実施態様については、第1実施態様と異なる点についてのみ説明する。第2及び第3実施態様について特に説明しない点は、第1実施態様と同様であり、第1実施態様についての説明が適宜適用される。
まず、第2実施態様の分離回収方法について説明する。
図3に、第2実施態様の分離回収方法のフローチャートを示す。第2実施態様の分離回収方法は、粗破砕工程S4と凍結工程S1と分離工程S3とをこの順で備える。粗破砕工程S4、凍結工程S1及び分離工程S3は、第1実施態様における粗破砕工程S4、凍結工程S1及び分離工程S3と同様にして行うことができる。
第2実施態様においては、まず粗破砕工程S4を行い、吸収性物品1を粗く破砕する。次に、凍結工程S1を行い、吸収性物品1中の水分を凍結させる。その後、分離工程S3を行い、表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離して回収する。第2実施態様においては、第1実施態様と異なり、凍結工程S1の後に、破砕工程S2を行わない。
第2実施態様では、粗破砕工程S4により、吸収体4の表面積が増加し、該吸収体4中の水分が凍結し易くなっている。また、凍結工程S1により、吸収体4中の水分が凍結し、吸収性材料が表面シート2や裏面シート3に付着し難くなっている。したがって、第2実施態様の分離回収方法においても、第1実施態様と同様に、表面シート2や裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とを、例えば篩にかける等の簡便な方法により分離回収することができる。
第2実施態様では、分離工程S3において、前記シート片と吸収性材料とに振動を与えながら分離することが好ましい。これにより、水分が凍結し、衝撃強度が低下した吸収体4をより細かな小片へと破砕することができるため、前記シート片と、吸収体4に由来する吸収性材料の塊との大きさをより大きく異ならせることが可能となり、前記シート片と吸収性材料とをより簡便に分離回収することができる。
次に、本発明の第3実施態様の分離回収方法について説明する。
図4に、第3実施態様の分離回収方法のフローチャートを示す。第3実施態様の分離回収方法は、凍結工程S1と切断工程S5と材料分離工程S6とをこの順で備える。凍結工程S1は、第1実施態様における凍結工程S1と同様にして行うことができる。
凍結工程S1においては、吸収性物品1中の水分を凍結させるため、吸収体4における濡れた部分は水分が凍結し塊となるが、吸収体4における乾いた部分は塊とはならない。吸収体4における濡れた部分においては、吸収性材料は吸水しており、吸収体4における乾いた部分においては、吸収性材料は吸水していない。凍結工程S1後の吸収性物品1において、吸水していない吸収性材料は塊となっておらず、吸水した吸収性材料に比して、嵩密度や大きさが小さい。
切断工程S5においては、吸収性物品1を切断する。切断工程S5は、後続する材料分離工程S6において、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離できるようにするために行う。切断工程S5は、例えば、切断装置を用いて行うことができる。切断装置としては、シェアカット装置、スコアカット装置、レザーカット装置、レーザー溶断装置、ウォータージェット切断機、アブレシブジェット加工機及びこれらを複合化した装置等が挙げられる。
切断工程S5においては、表面シート2及び裏面シート3の間から、吸収性材料を取り出すことができる状態となるように吸収性物品1を切断する。吸収性物品1を切断する方向は、例えば、吸収性物品1を幅方向及び長手方向の何れか一方又は両方に沿う方向であってもよいし、幅方向及び長手方向とは無関係な方向であってもよい。また、一か所のみを切断してもよいし、複数箇所を切断してもよい。
切断工程S5後に得られる、吸収性物品1の切断片は、未使用で吸水していない状態のパルプや高吸収性ポリマーより目開きを広くする必要があり、目開きが5mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、目開きが10mmの篩を通過できない大きさであることがより好ましく、20mmの篩を通過できない大きさであることが更に好ましい。
材料分離工程S6においては、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離する。材料分離工程S6は、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを別々に回収できるようにするために行う。第3実施態様では、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とは、上述のように、嵩密度や大きさが異なっているため、両者を分離する方法として、嵩密度又は大きさの差を利用して分離する方法を使用することができる。
嵩密度の差を利用して分離する方法としては、例えば、切断工程S5にて切断された吸収性物品1に空気流を当て、相対的に嵩密度の小さい吸水していない吸収性材料を、相対的に嵩密度の大きい吸水した吸収性材料とは別の場所へ移動させる方法を使用することができる。
大きさの差を利用して分離する方法としては、例えば、切断工程S5にて切断された吸収性物品1に振動を与えながら篩にかける方法を使用することができる。
第3実施態様では、材料分離工程S6にて分離した吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを別々に回収する。吸水していない吸収性材料を回収する方法及び吸水した吸収性材料を回収する方法としては、第1実施態様における、シート片を回収する方法及び吸収性材料を回収する方法と同様の方法を使用することができる。
使用済みの吸収性物品1において、吸水していない吸収性材料は排泄物を吸収していない未使用の吸収性材料であり、吸水した吸収性材料は排泄物を吸収した使用済みの吸収性材料である。第3実施態様の分離回収方法においては、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離して回収することにより、未使用の吸収性材料と使用済みの吸収性材料とを分離して回収することができる。
このように、第3実施態様の分離回収方法によれば、吸収性物品の構成材料を簡便に分離回収することができる。
回収した未使用の吸収性材料は、例えば、猫砂の構成材料として再利用したり、吸収性物品の構成材料として再利用したりしてもよい。
第3実施態様では、材料分離工程S6において、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離するに際し、吸水していない吸収性材料と、表面シート又は裏面シートに由来するシート片とも分離することが好ましい。これにより、未使用の吸収性材料と、シート片とを分離して回収することが可能となる。吸水していない吸収性材料と、シート片とを分離する場合、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料及びシート片とに分離してもよいし、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とシート片との三者に分離してもよい。
回収した使用済みの吸収性材料及びシート片に、第1又は第2実施態様の分離回収方法を適用して、吸収性材料とシート片とを分離して回収してもよい。
第3実施態様においては、凍結工程S1後の工程、即ち切断工程S5及び材料分離工程S6の何れか一方又は両方を、吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行うことが好ましい。これにより、凍結工程S1後の工程において、吸水した吸収性材料中の水分が凍結した状態を維持することができ、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離し易い状態に維持することが可能となる。切断工程S5及び材料分離工程S6の両方を、吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行うことがより好ましい。
第3実施態様においては、回収した吸水していない吸収性材料を、繊維材料と高吸収性ポリマーとに更に分離してもよい。吸水していない吸収性材料を繊維材料と高吸収性ポリマーとに分離する方法としては、嵩密度の差を利用して分離する方法等が挙げられる。嵩密度の差を利用して分離する方法としては、例えば、吸水していない吸収性材料に空気流を当て、相対的に嵩密度の小さい繊維材料を、相対的に嵩密度の大きい高吸収性ポリマーとは別の場所へ移動させる方法を使用することができる。
次に、本発明の分離回収装置について説明する。本発明の分離回収装置の好ましい第1実施形態は、上述した第1実施態様の分離回収方法を行うことができる分離回収装置である。第1実施形態の分離回収装置は、吸収性材料を有する吸収体4と表面シート2と裏面シート3とを含む吸収性物品1から該吸収性物品1の構成材料を分離回収する、吸収性物品1の構成材料の分離回収装置である。
第1実施形態の分離回収装置は、凍結部と、破砕部と、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とを分離する分離部とを、該装置の上流から下流に向かってこの順で備える。また本実施形態の分離回収装置は、凍結部よりも上流に、吸収性物品を粗く破砕する粗破砕部を有していることが好ましい。また、第1実施形態の分離回収装置において、各部は、それぞれ独立していてもよいし、ベルトコンベア等からなる搬送部により連結され、連続していてもよい。
凍結部は、吸収性物品1中の水分を凍結させることができるように構成されている。具体的には、凍結部は、上述した凍結工程S1を行うことができる凍結装置を備えていることが好ましい。凍結装置としては、例えば、液体冷媒に浸す装置、固体冷媒に接触させる装置、冷風を吹きかける装置、及びこれらを複合化した装置等が挙げられる。液体冷媒に浸す装置としては、液体冷媒、例えば、ブライン(塩溶液やアルコール等)、液化ガス(液体窒素、液体炭酸ガス等)に漬けて凍結させる、ブライン冷凍機等が挙げられる。固体冷媒に接触させる装置としては、金属板を内部あるいは外部から冷却物質で冷やし、その金属板で挟むことで凍結させる、コンタクト冷凍機等が挙げられる。冷風を吹きかける装置としては、冷却した空気で凍結させる、エアブラスト冷凍機や、超低温で沸騰した液化ガスを噴き付けて凍結させる、液化ガス冷凍機等が挙げられる。
破砕部は、吸収性物品1に衝撃を与え、吸収性物品1を破砕することができるように構成されている。具体的には、破砕部は、上述した破砕工程S2を行うことができる破砕装置を備えていることが好ましい。破砕装置としては、例えば、いわゆる破砕機や粉砕機等を用いて行うことができる。破砕機や粉砕機としては、圧縮型破砕機、打撃型破砕機、摩砕型破砕機、せん断型破砕機、及びこれらを複合化した装置等が挙げられる。圧縮型破砕機は、対象物を圧縮することにより破砕する装置であり、例えば、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー等が挙げられる。打撃型破砕機は、ハンマーや衝撃板等を対象物に衝突させ、対象物に打撃を与えることにより破砕する装置であり、例えば、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、チェーンクラッシャー、ハンマーミル、スタンプミル、ピンミル等が挙げられる。摩砕型破砕機は、対象物を摩砕することにより破砕する装置であり、例えば、ボールミル、ロッドミル、ローラーミル、リングミル、自生粉砕機、ジェットミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、アトライター、ビーズミル等が挙げられる。せん断型破砕機は、対象物をせん断することにより破砕する装置であり、例えば、カッターミル、一軸破砕機、二軸破砕機等が挙げられる。
分離部は、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料とを分離することができるように構成されている。具体的には、分離部は、上述した分離工程S3を行うことができる分離装置を備えていることが好ましい。分離装置としては、例えば、スクリーンやフィルターを利用した装置、気流を利用した装置、重力を利用した装置、振動を利用した装置、ローラーを利用した装置、及びこれらを複合化した装置等が挙げられる。スクリーンやフィルターを利用した装置は、スクリーンやフィルターの目の大きさにより分離する装置で、例えば、篩、フィルター、スクリーン等が挙げられる。気流を利用した装置は、空気や液体等の流体で比重や形状ごとに分離する装置で、例えば、メッシュセパレーター、旋回ふるい装置、ケージセパレーター、スクリュープレスコレクター、エヤーセパレーター、スクリュープレスセパレーター、ダストコレクター、ジェットセパレーター等が挙げられる。重力を利用した装置は、比重や形状により落下速度や沈降を利用して分離する装置で、例えば、水比重分離、重液分離、液体窒素比重分離、液化炭酸ガス比重分離、気中落下分離等が挙げられる。振動を利用した装置は、振動により分離を促進させる装置で、例えば、振動ふるい機、ジャイロシフター、円型振動ふるい、ユーラススクリーン、バリスティックセパレーター等が挙げられる。ローラーを利用した装置は、ローラーの大きさの違いによる隙間の差で分離する装置で、例えば、粒径選別機等が挙げられる。複合化された分離装置としては、フィルター分離と気流分離と振動分離を組み合わせたバリオセパレーター等が挙げられる。
また破砕部及び分離部の何れか一方又は両方は、冷却手段を有していることが好ましい。冷却手段としては、破砕部又は分離部の温度を、吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度に維持することができるものを用いることができる。そのような冷却手段としては、例えば、液体冷媒に浸したまま破砕部又は分離する方法、固体冷媒に接触させたまま破砕部又は分離する方法、冷風を吹きかけたまま破砕部又は分離する方法、及びこれらを複合化した方法等を行うことができる装置が挙げられる。液体冷媒に浸したまま破砕部又は分離する方法は、液体冷媒、例えば、ブライン(塩溶液やアルコール等)、液化ガス(液体窒素、液体炭酸ガス等)に漬けて凍結した状態を維持させ破砕部又は分離する方法等が挙げられる。固体冷媒に接触させる方法は、破砕機又は分離機の金属板を内部あるいは外部から冷却物質で冷やし、その金属板で破砕部又は分離することで凍結した状態を維持させる方法等が挙げられる。冷風を吹きかける方法は、冷却した空気を破砕機又は分離機に吹き付ける、または冷却した空気を破砕機又は分離機に供給し、凍結した状態を維持させる方法や、超低温で沸騰した液化ガスを破砕機又は分離機に吹き付ける、または超低温で沸騰した液化ガスを破砕機又は分離機に供給し、凍結した状態を維持させる方法等が挙げられる。
次に、本発明の分離回収装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。第2実施形態について特に説明しない点は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第2実施形態の分離回収装置は、凍結部と、切断部と、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離する材料分離部とを、該装置の上流から下流に向かってこの順で備える。第2実施形態の分離回収装置においても、各部は、それぞれ独立していてもよいし、ベルトコンベア等からなる搬送部により連結され、連続していてもよい。
凍結部としては、第1実施形態の分離回収装置に係る凍結部と同様のものを使用することができる。
切断部は、吸収性物品1を切断することができるように構成されている。具体的には、切断部は、上述した切断工程S5を行うことができる切断装置を備えていることが好ましい。切断装置としては、上述した切断装置と同様のものが挙げられる。
材料分離部は、吸水していない吸収性材料と吸水した吸収性材料とを分離することができるように構成されている。具体的には、材料分離部は、上述した材料分離工程S6を行うことができる材料分離装置を備えていることが好ましい、材料分離装置としては、第1実施形態の分離回収装置に係る分離装置と同様のものを使用することができる。
また切断部及び材料分離部の何れか一方又は両方は、冷却手段を有していることが好ましい。冷却手段としては、切断部又は材料分離部の温度を、吸収性物品1中の水分が凍結した状態を維持できる温度に維持することができるものを用いることができる。そのような冷却手段としては、第1実施形態の分離回収装置に係る冷却手段と同様のものを用いることができる。
また、第2実施形態の分離回収装置は、材料分離部の下流に、未使用材料分離部を備えていてもよい。未使用材料分離部は、材料分離部により回収した吸水していない吸収性材料を、繊維材料と高吸収性ポリマーとに更に分離することができるように構成されている。未使用材料分離部は、吸水していない吸収性材料を、繊維材料と高吸収性ポリマーとに更に分離することができる未使用材料分離装置を備えていることが好ましい。そのような未使用材料分離装置としては、第1実施形態の分離回収装置に係る分離装置と同様のものを使用することができる。
また、材料分離部は、吸水していない吸収性材料と、吸水した吸収性材料及び前記シート片とを分離するように構成されていてもよい。この場合、第2実施形態の分離回収装置は、材料分離部の下流に、第1実施形態の分離回収装置に係る破砕部及び分離部をこの順で備えていてもよい。破砕部は、材料分離部において回収された吸水した吸収性材料及び前記シート片を破砕するように構成されていることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づいて説明したが、本発明は上記実施態様に限定されない。
例えば、第1実施態様では、分離工程S3において、篩を用いていたが、これに代えて、吸収性物品1の破砕混合物に気流を当て、大きさの小さい吸収性材料の塊を別の場所に移動させることにより、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と吸収性材料とを分離してもよい。
また、第1及び第2実施形態のように、吸収性物品1が排泄物を含んでいる場合、分離工程S3においては、表面シート2又は裏面シート3に由来するシート片と、吸収性材料及び排泄物とを分離することが好ましい。これにより、排泄物を含まないシート片と、吸収性材料及び排泄物とを分離回収することが可能となる。シート片と、吸収性材料及び排泄物とを分離する場合、シート片と、吸収性材料及び排泄物の混合物とに分離してもよいし、シート片と吸収性材料と排泄物との三者に分離してもよい。
吸収性物品1が排泄物を含むものである場合、回収された吸収性材料及び排泄物は、繊維材料と高吸収性ポリマーと排泄物とに更に分離し、それぞれ、リサイクル処理を施すことが好ましい。排泄物に施すリサイクル処理としては、発酵させ肥料へ利用すること等が挙げられる。
本発明は更に以下の付記を開示する。
<1>
吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、
前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、
前記凍結工程後に、前記吸収性物品に衝撃を与え、該吸収性物品を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程後に、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<2>
前記凍結工程よりも前に、前記吸収性物品を粗く破砕する粗破砕工程を有している、前記<1>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<3>
前記破砕工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、請前記<1>又は前記<2>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<4>
前記分離工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、前記<1>~前記<3>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<5>
前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる前記温度は、1気圧において、好ましくは0℃以下であり、より好ましくは-5℃以下であり、更に好ましくは-10℃以下であり、より更に好ましくは-20℃以下である、前記<3>又は前記<4>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<6>
前記分離工程においては、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とに振動を与えながら分離する、前記<1>~前記<5>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<7>
吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、
前記吸収性物品を粗く破砕する粗破砕工程と、
前記粗破砕工程後に、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、
前記凍結工程後に、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<8>
前記吸収性物品は、排泄物を含む使用済みの吸収性物品を含んでおり、
前記分離工程においては、前記シート片と、前記吸収性材料及び前記排泄物とを分離する、前記<1>~前記<7>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<9>
前記凍結工程は、前記吸収性物品を低温条件下に置くことにより行う、前記<1>~前記<8>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<10>
前記凍結工程は、好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下で行う、前記<1>~前記<9>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<11>
前記破砕工程は、破砕機又は粉砕機を用いて行う、前記<1>~前記<10>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<12>
前記破砕工程は、圧縮型破砕機、打撃型破砕機、摩砕型破砕機、せん断型破砕機、又はこれらが複合化された装置を用いて行う、前記<1>~前記<10>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<13>
前記破砕工程後に得られる、前記シート片は、2mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、目開きが5mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、10mmの篩を通過できない大きさであることが好ましく、さらに20mmの篩を通過できない大きさであることがより好ましい、前記<1>~前記<12>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<14>
破砕工程S2後に得られる、前記吸収性材料の塊は、目開きが2mmの篩を通過できる大きさであることが好ましく、目開きが5mmの篩を通過できる大きさであることが好ましく、10mmの篩を通過できる大きさであることが好ましく、20mmの篩を通過できる大きさであることがより好ましい、前記<1>~前記<13>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<15>
吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、
前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、
前記凍結工程後に、前記吸収性物品を切断する切断工程と、
前記切断工程後に、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離する材料分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<16>
前記材料分離工程においては、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離するに際し、吸水していない前記吸収性材料と、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片とも分離する、前記<15>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<17>
前記切断工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、前記<15>又は前記<16>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<18>
前記材料分離工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、前記<15>~前記<17>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<19>
前記材料分離工程において、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを、嵩密度又は大きさの差を利用して分離する、前記<15>~前記<18>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
<20>
吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収装置であって、
前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結部と、
前記吸収性物品に衝撃を与え、該吸収性物品を破砕する破砕部と、
前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離部とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<21>
前記凍結部は、液体冷媒に浸す装置、固体冷媒に接触させる装置、冷風を吹きかける装置、又はこれらが複合化された装置を備えている、前記<20>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<22>
前記破砕部は、破砕機又は粉砕機を備えている、前記<20>又は前記<21>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<23>
前記破砕部は、圧縮型破砕機、打撃型破砕機、摩砕型破砕機、せん断型破砕機、及びこれらを複合化した装置を備えている、前記<20>~前記<22>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<24>
前記破砕部及び前記分離部の何れか一方又は両方は、冷却手段を有している、前記<20>~前記<23>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<25>
前記冷却手段は、前記破砕部又は前記分離部の温度を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度に維持することができるようになっている、前記<20>~前記<24>の何れか1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<26>
前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる前記温度は、1気圧において、好ましくは0℃以下であり、より好ましくは-5℃以下であり、更に好ましくは-10℃以下であり、より更に好ましくは-20℃以下である、前記<25>に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
<27>
吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収装置であって、
前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結部と、
前記凍結工程後に、前記吸収性物品を切断する切断部と、
前記切断工程後に、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離する材料分離部とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
以下、実施例を基に本発明を更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
吸収性物品として、メリーズテープおむつMサイズ(花王株式会社)を用いた。吸収性物品の、股下部の中央部の肌対向面側(着用時に着用者の肌側に向く面)に160gの人工尿を吸収させた後、常温で10分間放置した。人工尿の組成は、尿素1.940質量%、塩化ナトリウム0.795質量%、硫酸マグネシウム0.110質量%、塩化カルシウム0.062質量%、硫酸カリウム0.197質量%、赤色2号(染料)0.010質量%、水(約96.88質量%)及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(約0.07質量%)の組成を有する混合物を、表面張力を53±1mN/m(23℃)に調整したものである。人工尿を吸収させ、常温で10分間放置した後の吸収性物品を、あらかじめ-25℃に設定したフリーザー(アズワン社製、ポータブル低温冷凍冷蔵庫、型番:SC-DF25、ナビス品番:1-8757-01)に投入し、3時間冷凍した。その後、吸収性物品をフリーザーから取り出し、吸収性物品の中央部の中心から長手方向の両端側に2.5cm離れた部分を幅方向に沿って切断し、長手方向の長さが5cmの矩形片を切り出した。該矩形片を長手方向の中央部で切断し、2つのサンプル片を得た。2つのサンプル片をクラッシャー(大阪ケミカル社製、ワンダークラッシャー、形式:WC-3、ナビス品番:1-3380-01)に投入し、回転数メモリ3で、10秒間破砕した。破砕したサンプル片を、目開き22.8mmの篩(アズワン社製、ISO3301-1/JIS Z-8801ステンレスふるい200Φ×60)上に載せて振とうして、吸収性物品の構成材料を、該篩を通過できるものとできないものとに分離した。
(実施例2)
前記実施例1の破砕したサンプル片を、目開き11.4mmの篩(アズワン社製、ISO3301-1/JIS Z-8801ステンレスふるい200Φ×60)上に載せて振とうして、吸収性物品の構成材料を、該篩を通過できるものとできないものとに分離した。
(比較例1)
人工尿を吸収させ、常温で放置した後の吸収性物品を、フリーザーに投入せずに、常温で4時間放置した後に切断した以外は、実施例1と同様にした。
(評価)
図5に、実施例1及び比較例1の方法により吸収性物品の構成材料を分離した後の篩を上側から見た状態を示す。
実施例1の方法により分離した場合、図5(a)に示すように、篩の上には、表面シート又は裏面シートに由来するシート片のみが存在しており、前記シート片と吸収性材料とを分離して回収することができることが分かる。また実施例2も同様であった。
比較例1の方法では、図5(b)に示すように、篩の上には、表面シート又は裏面シートに由来するシート片のみならず、人工尿を吸収し赤色に着色された吸収性材料も存在している。また、図5(b)においては、前記シート片に吸収性材料が付着している部分も見られる。したがって、比較例1の方法では、前記シート片と吸収性材料とを分離できていないことが分かる。
実施例1,2及び比較例1の結果から、本発明の第1実施態様の分離回収方法は、簡便な方法でありながら、吸収性物品の構成材料を正確に分離回収することができることが分かる。
(実施例3)
実施例1と同様に、メリーズテープおむつMサイズ(花王株式会社)に160gの人工尿を吸収させた後、常温で10分間放置した。人工尿を吸収させ、常温で10分間放置した後の吸収性物品を、あらかじめ-20℃に設定したフリーザー(アズワン社製、ポータブル低温冷凍冷蔵庫、型番:SC-DF25、ナビス品番:1-8757-01)に投入し、4時間冷凍した。その後、吸収性物品をフリーザーから取り出し、吸収性物品を切断して複数のサンプルを得た。吸収性物品は、各サンプルが5cm角となるように切断した。得られたサンプルを、目開き22.8mmの篩(アズワン社製、ISO3301-1/JIS Z-8801ステンレスふるい200Φ×60)上に載せて振とうして、吸収性物品の構成材料を、該篩を通過できるものとできないものとに分離した。
(比較例2)
人工尿を吸収させ、常温で放置した後の吸収性物品を、フリーザーに投入せずに、常温で4時間放置した後切断した以外は、実施例3と同様にした。
(評価)
実施例3の方法により分離した場合、篩の上には、吸水した吸収性材料及び表面シート又は裏面シートに由来するシート片が存在しており、篩の下には、吸水していない吸収性材料のみが存在しており、吸水していない吸収性材料と、吸水した吸収性材料及び前記シート片とを分離して回収することができることが分かった。
比較例2の方法では、篩の上には、表面シート又は裏面シートに由来するシート片と、一部シート片に付着した吸水した吸収性材料が存在しており、篩の下には、大半の吸水した吸収性材料と吸水していない吸収性材料が存在していた。したがって、比較例2の方法では、吸水した吸収性材料と吸水していない吸収性材料とを分離できていないことが分かった。
実施例3及び比較例2の結果から、本発明の第3実施態様の分離回収方法は、簡便な方法でありながら、吸収性物品の構成材料を正確に分離回収することができることが分かる。
1 吸収性物品
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
S1 凍結工程
S2 破砕工程
S3 分離工程
S4 粗破砕工程
S5 切断工程
S6 材料分離工程

Claims (11)

  1. 吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、
    前記吸収性物品を粗く破砕する粗破砕工程と、
    前記粗破砕工程後に、前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、
    前記凍結工程後に、前記吸収性物品に衝撃を与え、該吸収性物品を破砕する破砕工程と、
    前記破砕工程後に、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とを分離する分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  2. 前記破砕工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、請求項1に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  3. 前記分離工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、請求項1又は2に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  4. 前記分離工程においては、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片と、前記吸収性材料とに振動を与えながら分離する、請求項1~3の何れか1項に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  5. 前記吸収性物品は、排泄物を含む使用済みの吸収性物品を含んでおり、
    前記分離工程においては、前記シート片と、前記吸収性材料及び前記排泄物とを分離する、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  6. 吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収方法であって、
    前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結工程と、
    前記凍結工程後に、前記吸収性物品を切断する切断工程と、
    前記切断工程後に、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離する材料分離工程とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  7. 前記材料分離工程においては、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離するに際し、吸水していない前記吸収性材料と、前記表面シート又は前記裏面シートに由来するシート片とも分離する、請求項6に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  8. 前記切断工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、請求項6又は7に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  9. 前記材料分離工程を、前記吸収性物品中の水分が凍結した状態を維持できる温度で行う、請求項6~8の何れか1項に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  10. 前記材料分離工程において、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを、嵩密度又は大きさの差を利用して分離する、請求項6~9の何れか1項に記載の吸収性物品の構成材料の分離回収方法。
  11. 吸収性材料を有する吸収体と表面シートと裏面シートとを含む吸収性物品から該吸収性物品の構成材料を分離して回収する、吸収性物品の構成材料の分離回収装置であって、
    前記吸収性物品中の水分を凍結させる凍結部と、
    前記凍結部で凍結した後に、前記吸収性物品を切断する切断部と、
    前記切断部で切断した後に、吸水していない前記吸収性材料と吸水した前記吸収性材料とを分離する材料分離部とを備える、吸収性物品の構成材料の分離回収装置。
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