JP7312089B2 - 計測装置 - Google Patents
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Description
図1は、牽引車1および搭降載器材115の概略斜視図である。牽引車1は、無人自動走行車である。牽引車1は、カメラ30、LiDAR(Light Detection and Ranging, Laser Imaging Detection and Ranging)31を備えている。カメラ30は、マーカM1、M2等を検出・計測する等の用途に用いられる。LiDAR31は、目標物の位置および姿勢を計測するためのセンサである。本実施例では、LiDAR31は2D-LiDARであり、レーザを移動平面(地面)に平行に1ライン走査する。LiDAR31の走査高さは、図1の点線で示すLiDAR観測点LPに示すように、搭降載器材115の側面が計測できる高さに設定されている。搭降載器材115は、コンテナを航空機101に搭降載する器材である。搭降載器材115の詳細については、後述する。
図2に、牽引車1のブロック図を示す。牽引車1は、制御部10、前輪28、後輪29、カメラ30、LiDAR31、エンコーダ40、を備える。
本明細書で説明する技術は、航空機101へコンテナ(貨物)を搭降載するためのガイドレス無人牽引車の軌道生成に関する技術である。具体例を図3に示す。図3は、航空機101の前方から牽引車1が接近する場合(すなわち航空機101に貨物を積み込む場合)を示す図である。
事前準備として、搭降載器材115の外形形状を示す外形モデルデータを用意し、外形モデル記憶部20に記憶させておく必要がある。これは、LiDARデータに基づいて搭降載器材115の位置および姿勢を推定するステップ(S40)において、レーザ観測による点群と外形モデルデータによる点群とを、ICP(Iterative Closest Point)マッチングにより重ね合わせるためである。外形モデルデータを作成する方法は、様々であって良い。例えば、CADなどの設計情報から3次元点群データを生成する方法、3次元計測器を用いて実車を計測し直接データを生成する方法、カメラ観測からデータを生成する方法(例:SfM(Structure from Motion)、などが挙げられる。
図5~図8を用いて、搭降載器材115の位置および姿勢の推定方法を説明する。本説明例では図6に示すように、時刻tにおける移動点MP1から時刻t+2における移動点MP3へ、牽引車1が移動する場合の処理内容を説明する。図6において、車体基準座標VC1~VC3は、時刻t~t+2の各々における牽引車1の位置および姿勢(向き)を示している。車体基準座標VC1およびVC2の原点は、牽引車1の代表位置(本実施例では、後輪接地点の中央)を示している。カメラ基準座標CC1~CC3は、時刻t~t+2の各々におけるカメラ30の位置および姿勢(向き)を示している。視野角VAは、カメラ30の撮影可能な角度範囲である。LiDAR基準座標LC1~LC3は、時刻t~t+2の各々におけるLiDAR31の位置および姿勢(向き)を示している。
搭降載器材115に貼り付けられたマーカをカメラで撮像することで搭降載器材115の位置や姿勢を認識する技術では、一般的に、搭降載器材115の奥行方向の位置や、ヨー方向やピッチ方向の回転姿勢を正確に求めることが困難である。よって、ドリーを搭降載器材115に横付けする際に、意図しない衝突等が発生してしまう場合がある。本明細書の技術では、搭降載器材115に貼付されたマーカの位置および姿勢をカメラ30を用いて推定するとともに、搭降載器材115の位置および姿勢をLiDAR31を用いて推定する。図7を用いて説明したように、カメラ30による測定の誤差分布の異方性と、LiDAR31による測定の誤差分布の異方性とは、直交する関係にあるため、誤差分布の補完関係が成立している。そして、カメラノードCNからみたマーカノードの位置および姿勢を示すアークCAに対して、カメラ30による測定の誤差分布に基づく第1の重みを与える。また、LiDARノードLNからみた搭降載器材ノードHNの位置および姿勢を示すアークLAに対して、LiDAR31による測定の誤差分布に基づく第2の重みを与える。これにより、補完関係にある誤差分布を用いてグラフ構造を最適化することができる。搭降載器材115の位置・姿勢を高精度に推定することができるため、ドリーを搭降載器材115に確実に横付けすることが可能となる。
実施例2は、無人フォークリフトへの本技術の適用例である。実施例2の技術の目的は、物流倉庫内の荷を無人フォークリフトに荷役させるため、荷物の乗ったパレットの位置および姿勢を正確に計測することにある。図9に、実施例2に係る物流倉庫内の様子を示す。物流倉庫では、パレットPL1~PL6に載せられた荷物(例:段ボール箱)が、固定ラック上に配置されている。パレットPL1~PL6の各々には、その正面中央部にマーカM11~M16が貼付されている。マーカM11~M16は、パレットの中央に正確に印刷されており、パレットとの位置関係が既定されている。
実施例2のフォークリフト201の例においても、実施例1の図5~図8で説明した位置姿勢推定処理を用いることができる。このとき、実施例1の説明において、「牽引車1」を「フォークリフト201」に読み替え、「搭降載器材115」を「パレットPL」に読み替え、「搭降載器材ノードHN」を「パレットノードPN」に読み替えればよい。
図9に示すように、パレットPL1~PL3が同一高さに隙間なく並べられている場合がある。この場合、LiDAR231による観測点LP2(図9点線)は、概ね長い直線状となるため、パレットPL1~PL3の各々の境界を特定することは困難である。また、観測点LP2に示すように、レーザビームをパレットPL1~PL3の側面に正確に走査させることは困難である。よってLiDAR231単独では、荷役対象となるパレットPL1~PL3の正確な位置および姿勢を計測できない。一方、カメラ230によるマーカM11~M13の観測では、パレットPL1~PL3の中心位置を特定することは可能である。しかし前述したように、カメラ230に対する奥行方向の距離や、パレットのヨー角を正確に特定することは困難である。この困難性は、遠方から観測する場合やパレット正面から観測する場合において、顕著となる。よってカメラ230単独では、荷役対象となるパレットPL1~PL3の正確な位置および姿勢を計測できない。
グラフ構造データ生成処理(S60)では、以下に示すように、様々な態様のグラフ構造データを生成することができる。グラフ構造データの態様は、推定結果の要求精度やセンサの精度、計算時間などを総合的に考慮して決定することができる。第1の態様として、図8に示すように、過去(時刻t)から現在(時刻t+2)までの全てのノードおよびアークを用いて、グラフ構造データを作成してもよい。第2の態様として、車体(移動体)ノードを含まないグラフ構造データを用いてもよい。この場合、例えば図8のグラフ構造データの例では、車体ノードVN1~VN3、アークVLA1~VLA3、VCA1~VCA3、VVA1およびVVA2を省略することができる。
第3の態様として、1の時刻の1つの移動点(例:最新の観測結果)におけるセンサノードを備えるグラフ構造データを作成してもよい。例えば、時刻tにおいては、移動点MP1(図8参照)における3つのセンサノード(VN1、CN1、LN1)を備えたグラフ構造データを作成してもよい。また、時刻t+1においては、移動点MP2における3つのセンサノード(VN2、CN2、LN2)を備えたグラフ構造データを作成してもよい。
Claims (4)
- マーカが配置されている対象物を撮像可能なカメラと、レーザを用いて前記対象物の位置を検出可能なレーザセンサと、を備えた計測装置であって、
前記カメラを用いて前記マーカを撮像した画像に基づいて、前記マーカの位置および姿勢を推定する第1推定部と、
前記カメラによる前記マーカの位置および姿勢の誤差を示す第1誤差情報を取得する第1取得部であって、
前記第1誤差情報は、前記カメラの光軸方向の誤差が、前記カメラの光軸方向に対して略垂直な方向の誤差に比して大きいという誤差分布の異方性を有している、前記第1取得部と、
前記レーザセンサを用いて前記対象物を測定した結果に基づいて、前記対象物の位置および姿勢を推定する第2推定部と、
前記第2推定部で推定された前記対象物の位置および姿勢の誤差を示す第2誤差情報を取得する第2取得部であって、
前記第2誤差情報は、前記レーザのスキャン方向の誤差が、前記レーザの照射方向の誤差に比して大きいという誤差分布の異方性を有している、前記第2取得部と、
前記第1推定部で推定した前記マーカの位置および姿勢と、前記第2推定部で推定した前記対象物の位置および姿勢と、前記第1誤差情報と、前記第2誤差情報と、に基づいて前記対象物の位置および姿勢を補正する補正部と、
を備える計測装置。 - 前記第2推定部は、前記対象物の外形形状を示す外形データによって表される外形モデルであって予め用意された前記外形モデルを、前記レーザセンサによる計測データに対して位置合わせを行うことで、前記対象物の位置および姿勢を推定する、請求項1に記載の計測装置。
- 前記外形モデルは、前記マーカとの相対的な位置および姿勢を示すマーカデータを備えており、
前記第2推定部は、前記第1推定部で推定された前記マーカの位置と、前記マーカデータが示す前記マーカの位置が一致するように、前記外形モデルの初期位置を定める、請求項2に記載の計測装置。 - 前記補正部は、
前記カメラの位置および姿勢を示すカメラノード、
前記レーザセンサの位置および姿勢を示すセンサノード、
前記第1推定部で推定した前記マーカの位置および姿勢を示すマーカノード、
前記第2推定部で推定した前記対象物の位置および姿勢を示す対象物ノード、
の間の相対的位置関係を規定する複数のアークを備えるグラフ構造データを生成するグラフ構造データ生成部をさらに備え、
前記グラフ構造データ生成部は、前記第1誤差情報に基づく第1の重みと、前記第2誤差情報に基づく第2の重みとを、前記複数のアークに付与し、
前記補正部は、生成した前記グラフ構造データを、前記複数のアークから算出される誤差関数の和が最小となるように最適化することで、前記対象物の位置および姿勢の推定値を補正する、請求項1~3の何れか1項に記載の計測装置。
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