以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、ある実施の形態に係るクライオポンプ10を概略的に示す。
クライオポンプ10は、例えばイオン注入装置、スパッタリング装置、蒸着装置、またはその他の真空プロセス装置の真空チャンバに取り付けられて、真空チャンバ内部の真空度を所望の真空プロセスに要求されるレベルまで高めるために使用される。クライオポンプ10は、排気されるべき気体を真空チャンバから受け入れるためのクライオポンプ吸気口(以下では単に「吸気口」ともいう)12を有する。吸気口12を通じて気体がクライオポンプ10の内部空間14に進入する。
なお以下では、クライオポンプ10の構成要素の位置関係をわかりやすく表すために、「軸方向」、「径方向」との用語を使用することがある。クライオポンプ10の軸方向は吸気口12を通る方向(すなわち、図において中心軸Cに沿う方向)を表し、径方向は吸気口12に沿う方向(中心軸Cに垂直な平面における第1の方向)を表す。便宜上、軸方向に関して吸気口12に相対的に近いことを「上」、相対的に遠いことを「下」と呼ぶことがある。つまり、クライオポンプ10の底部から相対的に遠いことを「上」、相対的に近いことを「下」と呼ぶことがある。径方向に関しては、吸気口12の中心(図において中心軸C)に近いことを「内」、吸気口12の周縁に近いことを「外」と呼ぶことがある。なお、こうした表現はクライオポンプ10が真空チャンバに取り付けられたときの配置とは関係しない。例えば、クライオポンプ10は鉛直方向に吸気口12を下向きにして真空チャンバに取り付けられてもよい。
また、軸方向を囲む方向を「周方向」と呼ぶことがある。周方向は、吸気口12に沿う第2の方向(中心軸Cに垂直な平面における第2の方向)であり、径方向に直交する接線方向である。
クライオポンプ10は、冷凍機16、第1段クライオパネル18、第2段クライオパネルアセンブリ20、及び、クライオポンプハウジング70を備える。第1段クライオパネル18は、高温クライオパネル部または100K部とも称されうる。第2段クライオパネルアセンブリ20は、低温クライオパネル部または10K部とも称されうる。
冷凍機16は、例えばギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)などの極低温冷凍機である。冷凍機16は、二段式の冷凍機である。そのため、冷凍機16は、第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24を備える。冷凍機16は、第1冷却ステージ22を第1冷却温度に冷却し、第2冷却ステージ24を第2冷却温度に冷却するよう構成されている。第2冷却温度は第1冷却温度よりも低温である。例えば、第1冷却ステージ22は65K~120K程度、好ましくは80K~100Kに冷却され、第2冷却ステージ24は10K~20K程度に冷却される。第1冷却ステージ22および第2冷却ステージ24はそれぞれ、高温冷却ステージおよび低温冷却ステージと称してもよい。
また、冷凍機16は、第2冷却ステージ24を第1冷却ステージ22に構造的に支持するとともに第1冷却ステージ22を冷凍機16の室温部26に構造的に支持する冷凍機構造部21を備える。そのため冷凍機構造部21は、径方向に沿って同軸に延在する第1シリンダ23及び第2シリンダ25を備える。第1シリンダ23は、冷凍機16の室温部26を第1冷却ステージ22に接続する。第2シリンダ25は、第1冷却ステージ22を第2冷却ステージ24に接続する。室温部26、第1シリンダ23、第1冷却ステージ22、第2シリンダ25、及び第2冷却ステージ24は、この順に直線状に一列に並ぶ。
第1シリンダ23及び第2シリンダ25それぞれの内部には第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサ(図示せず)が往復動可能に配設されている。第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサにはそれぞれ第1蓄冷器及び第2蓄冷器(図示せず)が組み込まれている。また、室温部26は、第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサを往復動させるための駆動機構(図示せず)を有する。駆動機構は、冷凍機16の内部への作動気体(例えばヘリウム)の供給と排出を周期的に繰り返すよう作動気体の流路を切り替える流路切替機構を含む。
冷凍機16は、作動気体の圧縮機(図示せず)に接続されている。冷凍機16は、圧縮機により加圧された作動気体を内部で膨張させて第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24を冷却する。膨張した作動気体は圧縮機に回収され再び加圧される。冷凍機16は、作動気体の給排とこれに同期した第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサの往復動とを含む熱力学的サイクル(例えばGMサイクルなどの冷凍サイクル)を繰り返すことによって寒冷を発生させる。
図示されるクライオポンプ10は、いわゆる横型のクライオポンプである。横型のクライオポンプとは一般に、冷凍機16がクライオポンプ10の中心軸Cに交差する(通常は直交する)よう配設されているクライオポンプである。
第1段クライオパネル18は、放射シールド30と入口クライオパネル32とを備え、第2段クライオパネルアセンブリ20を包囲する。第1段クライオパネル18は、クライオポンプ10の外部またはクライオポンプハウジング70からの輻射熱から第2段クライオパネルアセンブリ20を保護するための極低温表面を提供する。第1段クライオパネル18は第1冷却ステージ22に熱的に結合されている。よって第1段クライオパネル18は第1冷却温度に冷却される。第1段クライオパネル18は第2段クライオパネルアセンブリ20との間に隙間を有しており、第1段クライオパネル18は第2段クライオパネルアセンブリ20と接触していない。第1段クライオパネル18はクライオポンプハウジング70とも接触していない。
放射シールド30は、クライオポンプハウジング70の輻射熱から第2段クライオパネルアセンブリ20を保護するために設けられている。放射シールド30は、吸気口12から軸方向に筒状(例えば円筒状)に延在する。放射シールド30は、クライオポンプハウジング70と第2段クライオパネルアセンブリ20との間にあり、第2段クライオパネルアセンブリ20を囲む。放射シールド30は、クライオポンプ10の外部から内部空間14に気体を受け入れるためのシールド主開口34を有する。シールド主開口34は、吸気口12に位置する。
放射シールド30は、シールド主開口34を定めるシールド前端36と、シールド主開口34と反対側に位置するシールド底部38と、シールド前端36をシールド底部38に接続するシールド側部40と、を備える。シールド側部40は、軸方向にシールド前端36からシールド主開口34と反対側へと延在し、周方向に第2冷却ステージ24を包囲するよう延在する。
シールド側部40は、冷凍機構造部21が挿入されるシールド側部開口44を有する。シールド側部開口44を通じて放射シールド30の外から第2冷却ステージ24及び第2シリンダ25が放射シールド30の中に挿入される。シールド側部開口44は、シールド側部40に形成された取付穴であり、例えば円形である。第1冷却ステージ22は放射シールド30の外に配置されている。
シールド側部40は、冷凍機16の取付座46を備える。取付座46は、第1冷却ステージ22を放射シールド30に取り付けるための平坦部分であり、放射シールド30の外から見てわずかに窪んでいる。取付座46は、シールド側部開口44の外周を形成する。第1冷却ステージ22が取付座46に取り付けられることによって、放射シールド30が第1冷却ステージ22に熱的に結合されている。
このように放射シールド30を第1冷却ステージ22に直接取り付けることに代えて、ある実施形態においては、放射シールド30は、追加の伝熱部材を介して第1冷却ステージ22に熱的に結合されていてもよい。伝熱部材は、例えば、両端にフランジを有する中空の短筒であってもよい。伝熱部材は、その一端のフランジにより取付座46に固定され、他端のフランジにより第1冷却ステージ22に固定されてもよい。伝熱部材は、冷凍機構造部21を囲んで第1冷却ステージ22から放射シールド30に延在してもよい。シールド側部40は、こうした伝熱部材を含んでもよい。
図示される実施形態においては、放射シールド30は一体の筒状に構成されている。これに代えて、放射シールド30は、複数のパーツにより全体として筒状の形状をなすように構成されていてもよい。これら複数のパーツは互いに間隙を有して配設されていてもよい。例えば、放射シールド30は軸方向に2つの部分に分割されていてもよい。
入口クライオパネル32は、クライオポンプ10の外部の熱源(例えば、クライオポンプ10が取り付けられる真空チャンバ内の熱源)からの輻射熱から第2段クライオパネルアセンブリ20を保護するために、吸気口12(またはシールド主開口34、以下同様)に設けられている。また、入口クライオパネル32の冷却温度で凝縮する気体(例えば水分)がその表面に捕捉される。
入口クライオパネル32は、吸気口12において第2段クライオパネルアセンブリ20に対応する場所に配置されている。入口クライオパネル32は、吸気口12の開口面積の中心部分を占有し、放射シールド30との間に環状(例えば円環状)の開放領域51を形成する。軸方向に見たときの入口クライオパネル32の形状は、例えば円盤状である。入口クライオパネル32の径は、比較的小さく、例えば、第2段クライオパネルアセンブリ20の径より小さい。入口クライオパネル32は、吸気口12の開口面積の多くとも1/3、または多くとも1/4を占めてもよい。このようにして、開放領域51は、吸気口12の開口面積の少なくとも2/3、または少なくとも3/4を占めてもよい。
入口クライオパネル32は、入口クライオパネル取付部材33を介してシールド前端36に取り付けられる。図1に示されるように、入口クライオパネル取付部材33は、シールド主開口34の直径に沿ってシールド前端36に架け渡された直線状の部材である。こうして入口クライオパネル32は放射シールド30に固定され、放射シールド30に熱的に結合されている。入口クライオパネル32は第2段クライオパネルアセンブリ20に近接しているが、接触はしていない。また、入口クライオパネル取付部材33は、開放領域51を周方向に分割している。開放領域51は、複数(例えば2つ)の円弧状領域からなる。入口クライオパネル取付部材33は、十字状またはその他の形状を有してもよい。
入口クライオパネル32は、吸気口12の中心部に配置されている。入口クライオパネル32の中心は、中心軸C上に位置する。ただし、入口クライオパネル32の中心は、中心軸Cからいくらか外れて位置してもよく、その場合にも、入口クライオパネル32は、吸気口12の中心部に配置されているとみなされうる。入口クライオパネル32は、中心軸Cに垂直に配置されている。また、軸方向に関しては、入口クライオパネル32は、シールド前端36よりも若干上方に配置されていてもよい。あるいは、入口クライオパネル32は、シールド前端36と軸方向にほぼ同じ高さ、またはシールド前端36よりも軸方向に若干下方に配置されてもよい。
第2段クライオパネルアセンブリ20は、クライオポンプ10の内部空間14の中心部に設けられている。第2段クライオパネルアセンブリ20は、上部構造20aと下部構造20bとを備える。第2段クライオパネルアセンブリ20は、軸方向に配列された複数の吸着クライオパネル60を備える。複数の吸着クライオパネル60は軸方向に互いに間隔をあけて配列されている。
第2段クライオパネルアセンブリ20の上部構造20aは、複数の上部クライオパネル60aと、複数の伝熱体(伝熱スペーサともいう)62と、を備える。複数の上部クライオパネル60aは、軸方向において入口クライオパネル32と第2冷却ステージ24との間に配置されている。複数の伝熱体62は、軸方向に柱状に配列されている。複数の上部クライオパネル60aおよび複数の伝熱体62は、吸気口12と第2冷却ステージ24との間で軸方向に交互に積み重ねられている。上部クライオパネル60aと伝熱体62の中心はともに中心軸C上に位置する。こうして上部構造20aは、第2冷却ステージ24に対し軸方向上方に配置されている。上部構造20aは、銅(例えば純銅)などの高熱伝導金属材料で形成された伝熱ブロック63を介して第2冷却ステージ24に固定され、第2冷却ステージ24に熱的に結合されている。よって、上部構造20aは第2冷却温度に冷却される。
第2段クライオパネルアセンブリ20の下部構造20bは、複数の下部クライオパネル60bと、第2段クライオパネル取付部材64と、を備える。複数の下部クライオパネル60bは、軸方向において第2冷却ステージ24とシールド底部38との間に配置されている。第2段クライオパネル取付部材64は、第2冷却ステージ24から軸方向に下方に向けて延びている。複数の下部クライオパネル60bは、第2段クライオパネル取付部材64を介して第2冷却ステージ24に取り付けられている。こうして、下部構造20bは、第2冷却ステージ24に熱的に結合され、第2冷却温度に冷却される。
第2段クライオパネルアセンブリ20においては、少なくとも一部の表面に吸着領域66が形成されている。吸着領域66は非凝縮性気体(例えば水素)を吸着により捕捉するために設けられている。吸着領域66は例えば吸着材(例えば活性炭)をクライオパネル表面に接着することにより形成される。
複数の吸着クライオパネル60のうち少なくとも1つ(例えば、複数の上部クライオパネル60aの各々、及び/または、複数の下部クライオパネル60bのうち少なくとも1つ)は、露出領域68と非露出領域69とを備える。あるクライオパネルについて、露出領域68は、吸気口12を通じて被排気気体が直線的に到達可能なクライオパネル上の場所を指し、非露出領域69は、吸気口12を通じて被排気気体が直線的に到達不能な場所を指す。したがって、吸気口12を向くクライオパネルの前面は、露出領域68と非露出領域69に区分けされうる。吸気口12とは反対側、すなわちシールド底部38を向くクライオパネルの背面は、非露出領域69となる。
あるクライオパネルの前面における露出領域68と非露出領域69との境界は、シールド前端36の内周縁(吸気口フランジ72の内周縁でもよい)からそのクライオパネルの直上のクライオパネルの外周縁に向かう視線を考慮して定められてもよい。この視線を延長すると、視線はそのクライオパネルの前面に交点を形成する。視線をシールド前端36の全周にわたって走査すると、交点はクライオパネルの前面に軌跡を描く。軌跡の内側の領域は直上のクライオパネルの陰となり、吸気口12を通じてクライオポンプ10の外から見えない。軌跡の外側の領域は吸気口12を通じてクライオポンプ10の外から見える。このように、視線を用いて露出領域68と非露出領域69との境界を定めることができる。
例として、図1には、第1視線74aと第2視線74bを破線で示す。第1視線74aは、下から2番目の上部クライオパネル60aの外周端へとシールド前端36から引かれ、最も下方の上部クライオパネル60aと交差している。よって、最も下方の上部クライオパネル60aの前面において第1視線74aより径方向外側の領域は、露出領域68となり、第1視線74aより径方向内側の領域は、非露出領域69となる。第2視線74bは、最も下方の上部クライオパネル60aの外周端へとシールド前端36から引かれ、最も上方の下部クライオパネル60bと交差している。よって、最も上方の下部クライオパネル60bの前面において第2視線74bより径方向外側の領域は、露出領域68となり、第2視線74bより径方向内側の領域は、非露出領域69となる。
一例として、複数の上部クライオパネル60aのうち軸方向に入口クライオパネル32に最も近接する1つ又は複数の上部クライオパネル60aは、平板(例えば円盤状)であり、中心軸Cに垂直に配置されている。残りの上部クライオパネル60aは、逆円錐台状であり、円形の底面が中心軸Cに垂直に配置されている。
上部クライオパネル60aうち入口クライオパネル32に最も近接するもの(すなわち、軸方向に入口クライオパネル32の直下に位置する上部クライオパネル60a、トップクライオパネル61とも呼ばれる)は、入口クライオパネル32より径が大きい。ただし、トップクライオパネル61の径は、入口クライオパネル32の径と等しくてもよいし、それより小さくてもよい。トップクライオパネル61は入口クライオパネル32は直接対向しており、トップクライオパネル61と入口クライオパネル32の間には、他のクライオパネルは存在しない。
複数の上部クライオパネル60aは、軸方向に下方に向かうにつれて徐々に径が大きくなっている。また、逆円錐台状の上部クライオパネル60aは、入れ子状に配置されている。より上方の上部クライオパネル60aの下部が、その下方に隣接する上部クライオパネル60aの中の逆円錐台状空間に入り込んでいる。
個々の伝熱体62は、円柱形状を有する。伝熱体62は、比較的短い円柱形状とされ、伝熱体62の径より軸方向高さが小さくてもよい。吸着クライオパネル60などのクライオパネルは一般に、銅(例えば純銅)などの高熱伝導金属材料で形成され、必要とされる場合、表面がニッケルなどの金属層で被覆されている。これに対して、伝熱体62は、クライオパネルとは異なる材料で形成されてもよい。伝熱体62は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金などの、吸着クライオパネル60よりも熱伝導率は低いが密度の小さい金属材料で形成されてもよい。このようにすれば、伝熱体62の熱伝導性と軽量化をある程度両立でき、第2段クライオパネルアセンブリ20の冷却時間の短縮に役立つ。
下部クライオパネル60bは、平板であり、例えば円盤状である。下部クライオパネル60bは、上部クライオパネル60aよりも大径である。ただし、下部クライオパネル60bには第2段クライオパネル取付部材64への取付のために、外周の一部分から中心部へと切欠部(例えば、図4に示される切欠部82)が形成されていてもよい。
なお、第2段クライオパネルアセンブリ20の具体的構成は上述のものに限られない。上部構造20aは、任意の枚数の上部クライオパネル60aを有してもよい。上部クライオパネル60aは、平板、円錐状、またはその他の形状を有してもよい。同様に、下部構造20bは、任意の枚数の下部クライオパネル60bを有してもよい。下部クライオパネル60bは、平板、円錐状、またはその他の形状を有してもよい。
吸着領域66は、吸気口12から見えないように、上方に隣接する吸着クライオパネル60の陰となる場所に形成されていてもよい。すなわち、吸着領域66は、非露出領域69に配置されている。例えば、吸着領域66は吸着クライオパネル60の下面の全域に形成されている。吸着領域66は、下部クライオパネル60bの上面に形成されていてもよい。また、図1においては簡明化のために図示を省略しているが、吸着領域66は、上部クライオパネル60aの下面(背面)にも形成されている。必要に応じて、吸着領域66は、上部クライオパネル60aの上面に形成されてもよい。
吸着領域66においては、多数の活性炭の粒が吸着クライオパネル60の表面に密に並べられた状態で不規則な配列で接着されている。活性炭の粒は例えば円柱形状に成形されている。なお吸着材の形状は円柱形状でなくてもよく、例えば球状やその他の成形された形状、あるいは不定形状であってもよい。吸着材のパネル上での配列は規則的配列であっても不規則な配列であってもよい。
また、第2段クライオパネルアセンブリ20の少なくとも一部の表面には凝縮性気体を凝縮により捕捉するための凝縮領域が形成されている。露出領域68は、凝縮領域として働くことができる。凝縮領域は例えば、クライオパネル表面上で吸着材の欠落した区域であり、クライオパネル基材表面例えば金属面が露出されている。吸着クライオパネル60(例えば、上部クライオパネル60a)の上面、または上面外周部、または下面外周部は、凝縮領域であってもよい。
トップクライオパネル61は、上面および下面の両方の全体が凝縮領域であってもよい。すなわち、トップクライオパネル61は、吸着領域66を有しなくてもよい。このように、第2段クライオパネルアセンブリ20において吸着領域66を有しないクライオパネルは、凝縮クライオパネルと称されてもよい。例えば、上部構造20aは、少なくとも1つの凝縮クライオパネル(例えば、トップクライオパネル61)を備えてもよい。
クライオポンプハウジング70は、第1段クライオパネル18、第2段クライオパネルアセンブリ20、及び冷凍機16を収容するクライオポンプ10の筐体であり、内部空間14の真空気密を保持するよう構成されている真空容器である。クライオポンプハウジング70は、第1段クライオパネル18及び冷凍機構造部21を非接触に包含する。クライオポンプハウジング70は、冷凍機16の室温部26に取り付けられている。
クライオポンプハウジング70の前端によって、吸気口12が画定されている。クライオポンプハウジング70は、その前端から径方向外側に向けて延びている吸気口フランジ72を備える。吸気口フランジ72は、クライオポンプハウジング70の全周にわたって設けられている。クライオポンプ10は、吸気口フランジ72を用いて真空排気対象の真空チャンバに取り付けられる。
上述のように、第2段クライオパネルアセンブリ20は、多数の吸着クライオパネル60(すなわち、複数の上部クライオパネル60aおよび下部クライオパネル60b)を有するので、非凝縮性気体について高い排気性能をもつ。例えば、第2段クライオパネルアセンブリ20は、水素ガスを高い排気速度で排気することができる。
複数の吸着クライオパネル60の各々は、クライオポンプ10の外部から視認不能である部位に吸着領域66を備える。よって、第2段クライオパネルアセンブリ20は、吸着領域66の全部またはその大半がクライオポンプ10の外部から完全に見えないように構成されている。クライオポンプ10は、吸着材非露出型のクライオポンプと呼ぶこともできる。
ところで、クライオポンプに蓄積された気体は通常、再生処理により実質的に完全に排出され、再生完了時にはクライオポンプは仕様上の排気性能に回復される。しかし、吸着材がクライオポンプの外から見えるように配置された吸着材露出型のクライオポンプでは、蓄積された気体のうち一部の成分は再生処理を経ても吸着材に残留する割合が比較的高い。
例えば、イオン注入装置の真空排気用に設置されているクライオポンプにおいては、吸着材としての活性炭に粘着性の物質が付着することが観察された。この粘着性物質は再生処理を経ても完全に除去することが困難であった。この粘着性物質は、処理対象基板に被覆されるフォトレジストから排出される有機系のアウトガスに起因すると考えられる。またはイオン注入処理でドーパントガスつまり原料ガスとして使用される毒性ガスに起因する可能性もある。イオン注入処理におけるその他の副生成ガスに起因する可能性も考えられる。これらのガスが複合的に関係して粘着性物質が生成されている可能性もある。
イオン注入処理では、クライオポンプの排気する気体の大半は水素ガスであり得る。水素ガスは再生により実質的に完全に外部に排出される。難再生気体は微量であれば、1回のクライオポンピング処理においてクライオポンプの排気性能に難再生気体が与える影響は軽微である。しかし、吸着材露出型のクライオポンプでは、クライオポンピング処理と再生処理とを反復するうちに、難再生気体は徐々に吸着材に蓄積され、排気性能を低下させていく可能性がある。排気性能が許容範囲を下回ったときには、例えば吸着材またはそれとともにクライオパネルの交換、または吸着材への化学的な難再生気体除去処理を含むメンテナンス作業が必要となる。
難再生気体はほぼ例外なく凝縮性気体である。外部からクライオポンプ10へと向けて飛来する凝縮性気体の分子は、入口クライオパネル32の周囲の開放領域を通過して、放射シールド30または第2段クライオパネルアセンブリ20の外周の凝縮領域に直線的経路で到達し、それらの表面に捕捉される。難再生気体は凝縮領域に堆積される。上述のようにクライオポンプ10は吸着材非露出型であり、吸着領域66が非露出領域69に配置されているから、難再生気体から吸着領域66は保護される。
その反面、露出領域68は、難再生気体によって汚染されうる。汚染された吸着クライオパネル60は、クライオポンプ10のメンテナンスの際に、クライオポンプ10から分解され洗浄されることを必要としうる。吸着領域66に設けられた活性炭などの吸着材は難再生気体に汚染されていないので、再利用可能と考えられる。洗浄されたクライオパネルは、再利用可能な場合には、再び組み立てられ使用される。しかし、洗浄の方法によっては、吸着領域66の吸着機能が失われうる。その場合、洗浄後の吸着クライオパネル60は再利用できないので、廃棄されなければならない。
そこで、露出領域68は、取り外し可能な保護面76で被覆されている。取り外し可能な保護面76は、少なくとも1つの吸着クライオパネル60の露出領域68に設けられている。取り外し可能な保護面76は、複数の吸着クライオパネル60の各々に設けられていてもよい。取り外し可能な保護面76は、種々の例示的な構成が考えられ、それらを以下に説明する。
図2は、図1に示されるクライオポンプ10に使用されうる例示的なクライオパネルの概略斜視図である。図示されるクライオパネルは、第2段クライオパネルアセンブリ20に使用されうるクライオパネルであり、トップクライオパネル61である。ただし、図示されるクライオパネルは、第2段クライオパネルアセンブリ20に使用される他の吸着クライオパネル60であってもよい。
トップクライオパネル61は、第1のクライオパネル基材78aと、第2のクライオパネル基材78bとを備える。これらクライオパネル基材78a、78bは、同じ材料(例えば金属材料)で形成され、同じ形状を有する。クライオパネル基材78a、78bは、例えば、銅(例えば純銅)などの高熱伝導金属材料で形成され、必要とされる場合、表面がニッケルなどの金属層で被覆されている。したがって、クライオパネル基材78a、78b自体は、非凝縮性気体を吸着不能である。トップクライオパネル61が非凝縮性気体を吸着可能とするために、図示されていないが、第1のクライオパネル基材78aは、その裏面(下面)に吸着材が設けられていてもよい。あるいは、第1のクライオパネル基材78aには吸着材が設けられていなくてもよく、その場合、トップクライオパネル61が非凝縮性気体を吸着しない。クライオパネル基材78a、78bは、例えば、円板状である。なお、クライオパネル基材78a、78bは、円錐状またはその他の形状であってもよい。
第2のクライオパネル基材78bが、取り外し可能な保護面76を提供するように第1のクライオパネル基材78aに取り外し可能に装着されている。第2のクライオパネル基材78bは、その裏面が第1のクライオパネル基材78aの前面と接触し、第1のクライオパネル基材78aの前面の全体を覆うようにして、第1のクライオパネル基材78aに取り外し可能に取り付けられている。第2のクライオパネル基材78bの前面が、保護面76として使用される。
また、第2のクライオパネル基材78bは、第1のクライオパネル基材78aに熱的に結合され、第1のクライオパネル基材78aとともに冷却される。これらクライオパネル基材78a、78b間に良好な熱接触があるようにして、第2のクライオパネル基材78bは、ボルトなどの取り外し可能な締結部材、剥離可能な接着剤など適宜の取り外し可能な取付方法によって第1のクライオパネル基材78aに取り付けられている。
第1のクライオパネル基材78aは、典型的に使用されるクライオパネルに相当する。図2に示される実施の形態では、第1のクライオパネル基材78aに第2のクライオパネル基材78bが重ね合わされている。このようにして追加された第2のクライオパネル基材78bが取り外し可能な保護面76を提供する。
第2のクライオパネル基材78bは、非凝縮性気体を吸着不能とするので、吸着領域すなわち吸着材を有しない。そのため、製造工程において、吸着材をクライオパネル基材に取り付ける工程を要しない。これに対して、そうした吸着材取付工程を要する吸着クライオパネル60は、製造にコストがかかる。よって、第2のクライオパネル基材78bは、比較的安価に提供することができる。
また、第2のクライオパネル基材78bは、典型的にクライオパネルに使用される第1のクライオパネル基材78aと同等に設計されているから、クライオポンプ10における使用に要求される熱的性能、機械的強度、およびそのほかの必要な条件を満たす。よって、第2のクライオパネル基材78bは、クライオポンプ10の設計者にとって容易に利用可能である。
第2のクライオパネル基材78bは第1のクライオパネル基材78aと同様に第2冷却温度に冷却されているから、第2のクライオパネル基材78b上の保護面76には難再生気体が凝縮し、汚染されうる。しかし、第1のクライオパネル基材78aについては、保護面76によって汚染は防止または緩和される。汚染が無いかまたは程度が軽ければ、クライオポンプ10のメンテナンスの際に分解や洗浄などの煩雑な作業を行うことなく、トップクライオパネル61を再利用することができる。第2のクライオパネル基材78bは、吸着材を有しないから、洗浄すれば再利用できる。あるいは、上述のように第2のクライオパネル基材78bは比較的安価であるから、使用済みのクライオパネル基材78bは廃棄し、新たなクライオパネル基材78bと交換しても、コスト面での影響は小さい。
なお、使用済みのクライオパネル基材78bが取り外された後、新たなクライオパネル基材78bが第1のクライオパネル基材78aに装着されなくてもよい。この場合、保護面76が第1のクライオパネル基材78aに提供されないから、以降のクライオポンプ10の運転中に、第1のクライオパネル基材78aの前面は汚染されうる。次回のメンテナンスにおいて第1のクライオパネル基材78aを新たなものと交換しなければならないかもしれない。しかし、第1のクライオパネル基材78a上の吸着材にも寿命があるので、第1のクライオパネル基材78aの汚染の有無にかかわらず、いずれは吸着材とともに第1のクライオパネル基材78aの交換を要することになる。したがって、新たなクライオパネル基材78bを装着するか否かは、クライオパネル基材78bのコストや吸着材の寿命を考慮して決定されてもよい。
図3は、図1に示されるクライオポンプ10に使用されうる別の例示的なクライオパネルの概略斜視図である。図示されるクライオパネルは、第2段クライオパネルアセンブリ20に使用されうるクライオパネルであり、上部クライオパネル60aである。ただし、図示されるクライオパネルは、第2段クライオパネルアセンブリ20に使用される他の吸着クライオパネル60であってもよい。
上部クライオパネル60aは、図1を参照して説明したように、例えば逆円錐状の形状を有する。上部クライオパネル60aの前面は、外周部に露出領域68を有し、露出領域68の内側に非露出領域69を有する。非露出領域69には吸着材が設けられうるが、図示の簡明化のために、図3では図示を省略する。
上部クライオパネル60a(または吸着クライオパネル60)は、取り外し可能な保護面76を提供するように露出領域68を被覆する保護層80を備える。非露出領域69には、保護層80は設けられていない。保護面76として機能する保護層80の表面は、難再生気体に対して耐腐食性を有する材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂またはその他の樹脂、あるいは、アルミニウムまたは銅などの金属で形成されていてもよい。よって、保護層80は、そうした樹脂材料または金属材料の表面を有する粘着テープまたは剥離可能に接着された保護フィルムであってもよい。保護層80は、上部クライオパネル60aのクライオパネル基材に接着され、それにより熱的に結合され、同じ冷却温度に冷却される。
保護層80は、露出領域68に設置され、第2冷却温度に冷却されているから、保護面76には難再生気体が凝縮し、汚染されうる。保護層80は上部クライオパネル60aに剥離可能に接着されているから、クライオポンプ10のメンテナンスの際に保護層80を剥がすことによって、上部クライオパネル60aから汚染物質を取り除くことができる。メンテナンスの際に分解や洗浄などの煩雑な作業を行うことなく、上部クライオパネル60aの再利用が可能となりうる。
図4は、図1に示されるクライオポンプ10に使用されうるさらに別の例示的なクライオパネルの概略上面図である。図示されるクライオパネルは、第2段クライオパネルアセンブリ20に使用されうるクライオパネルであり、下部クライオパネル60bである。ただし、図示されるクライオパネルは、第2段クライオパネルアセンブリ20に使用される他の吸着クライオパネル60であってもよい。
下部クライオパネル60bは、図1を参照して説明したように、例えば円板状の形状を有する。ただし、下部クライオパネル60bには第2段クライオパネル取付部材64への取付のために、外周の一部分から中心部へと切欠部82が形成されている。下部クライオパネル60bの前面は、外周部に露出領域68を有し、露出領域68の内側に非露出領域69を有する。非露出領域69には吸着材としての粒状の活性炭84が貼り付けられている。
下部クライオパネル60b(または吸着クライオパネル60)は、取り外し可能な保護面76を提供するように露出領域68に剥離可能に接着された樹脂製または金属製の保護層80を備える。保護層80は、下部クライオパネル60bのクライオパネル基材に接着され、それにより熱的に結合され、同じ冷却温度に冷却される。
保護層80は、露出領域68に設置され、第2冷却温度に冷却されているから、保護面76には難再生気体が凝縮し、汚染されうる。保護層80は下部クライオパネル60bに剥離可能に接着されているから、クライオポンプ10のメンテナンスの際に保護層80を剥がすことによって、下部クライオパネル60bから汚染物質を取り除くことができる。メンテナンスの際に分解や洗浄などの煩雑な作業を行うことなく、下部クライオパネル60bの再利用が可能となりうる。
なお、使用済みの保護層80が剥がされた後、新たな保護層80が吸着クライオパネル60に貼り付けられてもよいし、貼り付けられなくてもよい。新たな保護層80を装着するか否かは、保護層80のコストや吸着クライオパネル60上の吸着材の寿命を考慮して決定されてもよい。
あるいは、複数の保護層80が露出領域68に積層されていてもよい。このようにすれば、使用済みの保護層80が剥がされたとき、その直下の新たな保護層80が露出され使用可能となる。
上記の構成のクライオポンプ10の動作を以下に説明する。クライオポンプ10の作動に際しては、まずその作動前に他の適当な粗引きポンプで真空チャンバ内部を1Pa程度にまで粗引きする。その後、クライオポンプ10を作動させる。冷凍機16の駆動により第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24がそれぞれ第1冷却温度及び第2冷却温度に冷却される。よって、これらに熱的に結合されている第1段クライオパネル18、第2段クライオパネルアセンブリ20もそれぞれ第1冷却温度及び第2冷却温度に冷却される。
入口クライオパネル32は、真空チャンバからクライオポンプ10に向かって飛来する気体を冷却する。入口クライオパネル32の表面には、第1冷却温度で蒸気圧が充分に低い(例えば10-8Pa以下の)気体が凝縮する。この気体は、第1種気体と称されてもよい。第1種気体は例えば水蒸気である。こうして、入口クライオパネル32は、第1種気体を排気することができる。第1冷却温度で蒸気圧が充分に低くない気体の一部は、吸気口12から内部空間14へと進入する。あるいは、気体の他の一部は、入口クライオパネル32で反射され、内部空間14に進入しない。
内部空間14に進入した気体は、第2段クライオパネルアセンブリ20によって冷却される。吸着クライオパネル60の凝縮領域の表面には、第2冷却温度で蒸気圧が充分に低い(例えば10-8Pa以下の)気体が凝縮する。この気体は、第2種気体と称されてもよい。第2種気体は例えば窒素(N2)、アルゴン(Ar)である。こうして、第2段クライオパネルアセンブリ20は、第2種気体を排気することができる。
第2冷却温度で蒸気圧が充分に低くない気体は、吸着クライオパネル60の吸着領域66に吸着される。この気体は、第3種気体と称されてもよい。第3種気体は例えば水素(H2)である。こうして、第2段クライオパネルアセンブリ20は、第3種気体を排気することができる。したがって、クライオポンプ10は、種々の気体を凝縮または吸着により排気し、真空チャンバの真空度を所望のレベルに到達させることができる。
実施の形態に係るクライオポンプ10によると、露出領域68は、取り外し可能な保護面76で被覆されている。第2段クライオパネルアセンブリ20と同様に第2冷却温度に冷却されているから、難再生気体は保護面76上に凝縮される。保護面76には難再生気体が付着して汚染されうるが、保護面76は取り外すことができる。保護面76を取り外すことによって、保護面76で覆われていた清浄な面が露出される。あるいは、新たな保護面76を取り付けることによって、露出領域68は再び保護される。したがって、クライオポンプ10は、メンテナンスの際に、難再生気体などの付着物を除去するために第2段クライオパネルアセンブリ20を分解し洗浄する必要がない。こうした取り外し可能な保護面76が設けられていないクライオポンプに比べて、クライオポンプ10のメンテナンスを容易に行うことができる。
とくに、上述のようにクライオポンプ10は吸着材非露出型であり、吸着領域66が非露出領域69に配置されているから、難再生気体から吸着領域66は保護される。したがって、保護面76の取り外しまたは交換によって難再生気体が除去されれば、第2段クライオパネルアセンブリ20は再利用可能である。このように、クライオポンプ10は吸着材非露出型である場合、とくに、クライオポンプ10のメンテナンスを容易に行うことができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態では、非露出領域69に保護層80が設けられていない場合を例に挙げて説明したが、これは本発明に必須ではない。ある実施の形態においては、非露出領域69の少なくとも一部(例えば、非露出領域69において吸着領域66の外側の部分)が取り外し可能な保護面76で被覆されていてもよい。例えば、非露出領域69において、活性炭などの吸着材が貼り付けられていない領域に保護層80が剥離可能に接着されてもよい。
上記の説明においては横型のクライオポンプを例示したが、本発明は、縦型その他のクライオポンプにも適用可能である。なお、縦型のクライオポンプとは、冷凍機16がクライオポンプ10の中心軸Cに沿って配設されているクライオポンプをいう。また、クライオパネルの配置や形状、数などクライオポンプの内部構成は、上述の特定の実施形態には限られない。種々の公知の構成を適宜採用することができる。