以下、本発明を実施するための形態の一例として、表示装置及び表示装置が行う表示方法について図面を参照しながら説明する。
<表示装置の処理の概略>
図1は、表示装置2が会合データを表示する処理の概略を説明する図である。図1に示すように、ICカード50にはユーザが参加した会合の会合IDが記憶されている。また、ユーザが会合中に表示装置2に表示した表示データは、会合の終了時などに、会合IDに対応付けて表示装置2が記憶している。
したがって、ユーザがICカード50を表示装置2の近距離通信回路219にかざすだけで、ICカード50に記憶されている会合IDを表示装置2が取得できる。表示装置2は会合IDで特定される会合の会合データを読み出して、会合データに含まれる表示データの少なくとも一部を表示する。したがって、ユーザは、ICカード50を表示装置2にかざすだけで前回の続きから会合を再開できる。また、ユーザ認証も必要ない。また、多数の会合の中から対象の会合を検索したり、再開する会合データの記憶場所(フォルダ、URL)をユーザが指定したりする操作が不要となり、参加者が会議室に入ってから会合を開始するまでの時間を短縮することができる。
<用語について>
会合とは相談や討議などのために人々が寄り集まることをいう。会合には会議、集会、打合せ、勉強会、授業、セミナー、発表会など種々の態様がある。
会合を再開するとは、会合で使用された表示データを表示することをいう。また、表示される表示データは最終ページ又は会合の終了ボタンが押下された時に表示されていたページであるとよい。
表示データは、会合中に表示装置2に表示されたデータである。例えば、ストローク、又は、PCから取得した映像をキャプチャしたキャプチャ画像であり、ページ単位に保存されている場合がある。
<システムの概要>
図2は、本実施形態の画像処理システム1の全体構成図である。なお、図2では、説明を簡略化するために、2台の表示装置2a,2b及びこれに付随する電子ペン4a,4b等を示しているだけであって、3台以上の表示装置2や電子ペン等を利用してもよい。
図2に示されているように、画像処理システム1は、複数の表示装置2a,2b、複数の電子ペン4a,4b、USBメモリ5a,5b、ノートPC6a,6b(Personal Computer)、テレビ(ビデオ)会議端末7a,7b、及びPC8を有する。また、表示装置2a,2b、及びPC8は、通信ネットワーク9を介して通信可能に接続されている。更に、複数の表示装置2a,2bには、それぞれディスプレイ3a,3bが設けられている
また、表示装置2aには、電子ペン4aによって生じたイベント(ディスプレイ3aに電子ペン4aのペン先、又は、電子ペン4aのペン尻のタッチ)による描画された画像を、ディスプレイ3aに表示させることができる。なお、電子ペン4aだけでなく、ユーザの指を含む手Ha等によって生じたイベント(拡大、縮小、ページめくり等のジェスチャ)に基づいて、ディスプレイ3a上に表示されている画像を変更させることもできる。
また、表示装置2aには、USBメモリ5aが接続可能であり、表示装置2aはUSBメモリ5aからPDF等の電子ファイルを読み出したり、表示装置2aはUSBメモリ5aに電子ファイルを記録したりすることができる。また、表示装置2aには、DisplayPort、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標。High-Definition Multimedia Interface)及びVGA(Video Graphics Array)等の規格による通信が可能なケーブル10a1を介して、ノートPC6aが接続されている。そして、表示装置2aは、ディスプレイ3aに対する接触によってイベントを発生させ、このイベント情報を、マウスやキーボード等の入力装置からのイベントと同様に処理する。同じく、表示装置2aには、上記規格による通信が可能なケーブル10a2を介して、テレビ(ビデオ)会議端末7aが接続されている。なお、ノートPC6a、及びテレビ会議端末7aは、Bluetooth(登録商標)等の各種無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、表示装置2aと通信してもよい。
一方、表示装置2bが設置されている他の拠点では、上記と同様に、ディスプレイ3bを備えた表示装置2b、電子ペン4b、USBメモリ5b、ノートPC6b、テレビ会議端末7b、ケーブル10b1、ケーブル10b2が利用される。更に、ユーザの手Hb等によって生じたイベントに基づいて、ディスプレイ3b上に表示されている画像を変更させることもできる。
これにより、一の拠点で表示装置2aのディスプレイ3a上に描画された画像は、他の拠点で表示装置2bのディスプレイ3b上にも表示され、逆に他の拠点で表示装置2bのディスプレイ3b上に描画された画像は、一の拠点で表示装置2aのディスプレイ3a上に表示される。このように、画像処理システム1では、遠隔地において同じ画像を共有する遠隔共有処理を行うことができるため、遠隔地での会合等に用いると、非常に便利である。
なお、以下では、複数の表示装置2のうち任意の表示装置2を示す場合には「表示装置2」と示す。複数のディスプレイ3a、3bのうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ3」と示す。複数の電子ペン4a、4bのうち任意の電子ペンを示す場合には「電子ペン4」と示す。複数のUSBメモリ5a、5bのうち任意のUSBメモリを示す場合には「USBメモリ5」と示す。複数のノートPC6a、6bのうち任意のノートPCを示す場合には「ノートPC6」と示す。複数のテレビ会議端末7a、7bのうち任意のテレビ会議端末を示す場合には「テレビ会議端末7」と示す。また、複数のユーザの手のうち任意の手を示す場合には「手H」と示す。複数のケーブル10a1、10a2、10b1、10b2のうち任意のケーブルを示す場合には「ケーブル10」と示す。
また、本実施形態では、表示装置2の一例として電子黒板を説明するが、これに限るものではなく、表示装置2の他の例として、電子看板(デジタルサイネージ)、スポーツや天気予報等で利用されるテレストレータ、又は、遠隔画像(映像)診断装置等であってもよい。PCなどの汎用的な情報処理装置がアプリを実行して表示装置2として利用される場合もある。また、情報処理端末の一例として、ノートPC6を説明するが、これに限るものではなく、情報処理端末の他の例として、デスクトップ型PCやタブレット型PC、PDA、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、ゲーム機等の画像フレームを供給可能な端末であってもよい。更に、通信ネットワークには、インターネット、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網等が含まれる。また、本実施形態では、記録媒体の一例として、USBメモリを説明するが、これに限るものではなく、記録媒体の他の例として、SDカード等の各種記録メディアであってもよい。
また、通信ネットワーク9には、データサーバ70と認証サーバ99が接続されている。データサーバ70は、会合データを記憶しておく情報処理装置である。データサーバ70は複数の表示装置2に対し共通に設けられており、ユーザがどの表示装置2からログインしても、このユーザのICカード50に記憶されている会合IDに対応付けられている会合データを表示装置2に提供できる。データサーバ70を利用する実施例については後述する。
認証サーバ99はユーザを認証して、認証成功時にはユーザIDとユーザの権限情報等を表示装置2に送信する。権限情報は、ユーザが表示装置2で行うことができる操作などを制限している。なお、認証サーバ99(又はその機能)は表示装置2内に存在してもよい。
認証サーバ99の一例としてLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバがある。LDAPは、ネットワーク機器や利用者などの情報を管理するディレクトリサービスへ接続するためのプロトコルである。ディレクトリサービスとは、ネットワークに存在するさまざまな情報を一元的に管理し、検索などの機能を提供するサービスである。クライアント(本実施形態では表示装置2)は、TCPの389番ポート(デフォルトのポート番号)を使用してLDAPサーバに接続し、属性(社内名簿であれば部署や個人名など)で構成されるエントリ(関連する属性のまとまり)の検索、追加、削除、修正といった操作を行う。
例えば、複数サービスのユーザIDとパスワードが1人のユーザIDの属性としてまとめて登録されていれば、各サービスはLDAPサーバのみを参照して認証作業ができるようになる。管理者も、一元的に情報を管理できることから、サービスそれぞれのディレクトリでユーザ情報を変更するといった手間を削減できる。LDAPサーバには、OpenLDAPなどのオープンソフトウェア、及び、マイクロソフト社のActive Directory(登録商標)を代表とする商用ソフトウェアなどがある。
<ハードウェア構成例>
図3は、表示装置2のハードウェア構成図である。図3に示されているように、表示装置2は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM202(Read Only Memory)、RAM203(Random Access Memory)、SSD204(Solid State Drive)、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F206(Interface)を備えている。
これらのうち、CPU201は、表示装置2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、表示装置2用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークI/F205は、通信ネットワーク9との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリ5(Universal Serial Bus)、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
また、表示装置2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのノートPC6から入力される映像情報を静止画又は動画としてディスプレイ3に表示させる。GPU212(Graphics Processing Unit)は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ3等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。本実施形態ではICカードリーダ/ライタである。電源スイッチ222は、表示装置2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ3の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
更に、表示装置2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図3に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン4のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペン4の部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<<データサーバ、認証サーバ>>
図4は、データサーバ70又は認証サーバ99のハードウェア構成図である。ここでは、データサーバ70のハードウェア構成について説明する。図4に示されているように、データサーバ70はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505(Hard Disk Drive)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
これらのうち、CPU501は、データサーバ70全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Reader) 等のCPU501が最初に実行するプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク9を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光学記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、光学記憶媒体はCD、DVD又はBlu-Rayなどである。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
<<ICカード>>
図5は、ICカード50のハードウェア構成例を示す図である。ICカード50は情報処理装置の機能を有している。ICカード50は、ICチップに実装されたデータ制御回路51、変復調回路52、及びメモリ53を有し、また、アンテナ54を有している。データ制御回路51では例えばFelica(登録商標。JIS X 6319-4規格に準拠) OSが動作しており、データ制御回路51は変復調回路52が受信した会合IDをメモリ53に記憶し、メモリ53から読み出した会合IDを変復調回路52に渡す。変復調回路52は、近距離通信回路219との間で送受信するデータについて、ASK変調でマンチェスタ(Manchester)符号化を行う。メモリ53は不揮発メモリであり、例えばFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等である。なお、OSはFelica(登録商標)に限られない。
ICカード50は近距離通信回路219が発生している磁界に入るとアンテナ54が電磁誘導により電力を作ってICチップに供給することで、近距離通信回路219とNFC通信を実行し、メモリ53に対してデータの書き込みや読み出しを行う。
なお、ICカード50は単体のICカード50だけでなく、ICカード機能を有する情報処理装置でもよい。例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はPDA(Personal Digital Computer)でもよい。
<機能について>
図6は、表示装置2及びICカード50の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
<<表示装置>>
表示装置2は、接触位置検出部21、表示制御部22、近距離通信部23、ネットワーク通信部24、会合識別情報生成部25、会合データ保存処理部26、会合データ取得部27、及び、操作受付部28、を有している。表示装置2が有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
接触位置検出部21はタッチパネルに接触した電子ペン4又は手Hの座標を検出する。表示制御部22は接触位置検出部21が検出した座標を連結したストロークをディスプレイ3に表示する。また、ノートPC6が表示中の映像を静止画又は動画として表示する。また、電子ペン4の色等を受け付ける操作メニューや、ストロークと映像をキャプチャして得た背景画像を表示する。
近距離通信部23はFelica(登録商標)等のICカード50と無線通信によりデータの送受信を行う。例えば、ICカード50からカードの識別情報を受信して、少なくとも会合IDをICカード50に送信する。また、ICカード50に記憶されている会合IDを受信する。
ネットワーク通信部24は通信ネットワーク9に接続して、後述の実施例においてデータサーバ70等と各種のデータの送受信を行う。例えば、会合データを送受信する。
会合識別情報生成部25は会合を開催するごとに、重複しない会合IDを生成する。会合を開催するとは、電源オン、ユーザのログイン、又は、明示的なユーザの指示(操作)などをいう。例えば、ユーザがICカード50をかざしてログインした場合、会合IDを生成する。
会合データ保存処理部26は、会合に関する会合データを会合データ記憶部301に保存する処理を行う。例えば、会合の終了時、会合中に定期的に、又は、ユーザ操作のタイミングなどに会合データを記憶する。
会合データ取得部27は近距離通信部23がICカード50から受信した会合IDで会合データ記憶部301を検索して、同じ会合IDの会合データを取得する。操作受付部28は、表示装置2に対するユーザによる種々の操作を受け付ける。
また、表示装置2は、図3に示されたSSD204又はRAM203等を実体とする記憶部29を有している。記憶部29には、会合データ記憶部301が構築される。表1に会合データ記憶部301に記憶される会合データを示す。
表1は、会合データ記憶部301に記憶されている会合データの一例を示す。会合データは、会合ID、表示データ、及び、最終ページ番号を対応付けて保持している。会合IDは会合を特定又は識別する識別情報である。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。以下のIDについても同様である。会合識別情報生成部25が生成したものである。表示データは、ユーザが手書きしたストローク、又は、ノートPC6から取得した映像をキャプチャしたキャプチャ画像等をページ単位に保存したデータである。最終ページ番号は、会合の終了時に表示装置2が表示していたページ番号である。
<<ICカード>>
ICカード50は、近距離通信部61、会合識別情報書込部62、及び、会合識別情報読出部63を有している。ICカード50が有するこれら各機能部は、図5に示された各構成要素のいずれかが、メモリ53に記憶されているプログラムに従ったデータ制御回路51からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
近距離通信部61はFelica(登録商標)等で表示装置2と無線通信によりデータの送受信を行う。表示装置2の近距離通信回路219からコマンドを受信し、近距離通信回路219へレスポンスを返す。例えば、表示装置2にICカード50の識別情報(後述するカードID)を送信したり、会合IDを表示装置2から受信したりする。また、会合識別情報記憶部401に記憶している会合IDを表示装置2に送信する。
会合識別情報書込部62は近距離通信回路219から会合IDの書き込みコマンドを受信すると、会合識別情報記憶部401に書き込む。会合識別情報読出部63は近距離通信回路219から会合IDの読み出しコマンドを受信すると、この読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ渡して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合IDを読み出して、近距離通信部61へ送出する。近距離通信部61はこの会合IDを読み出しコマンドに対するレスポンスに含めて表示装置2に送信する。
また、ICカード50は、図5に示されたメモリ53を実体とする記憶部69を有している。記憶部69には会合識別情報記憶部401が構築されている。表2に会合識別情報記憶部401に記憶される会合情報を示す。
表2は、会合識別情報記憶部401に記憶されている会合情報の一例を示す。表2の会合情報は、過去にユーザが参加した会合の会合IDのリストである。カードIDはICカード50の識別情報である。例えばカード番号でよい。カード番号に限らず、ICカード50の記憶領域に、ICカードリーダなどがICカード50を識別する情報を書き込みすることで、ICカード50が識別されてもよい。カードIDを含めICカード50を識別する情報をカードの識別情報という。
<画面遷移の一例>
図7は、会合の開始から終了までに表示装置2が表示する画面例を示す。
図7(a)に示すように、会合の開始前、表示装置2は会合の開始ボタン311をディスプレイ3の右隅等に表示している。ユーザが会合の開始ボタン311を押下すると、図7(b)に示すように、表示装置2はログイン画面320をディスプレイ3に表示する。ログイン画面320には「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312が表示されている。
ICカード50に再開したい会合の会合IDが記憶されている場合、ユーザはICカード50を近距離通信回路219にかざす。ICカード50に再開したい会合の会合IDが記憶されていない場合、ユーザはメッセージ312を消去する操作(キャンセルボタン313の押下)を行う。
ICカード50に再開したい会合IDが記憶されていない場合を説明する。ユーザはキャンセルボタン313を押下する。すると、表示装置2の会合識別情報生成部25は会合IDを採番して、この会合IDをRAM203に記憶する。これにより、会合が開催され、図7(c)に示すように、ユーザがストロークなどを手書きできる。会合中、ディスプレイ3の右下には会合の終了ボタン315が表示される。
ユーザが会合を終了する場合、会合の終了ボタン315を押下する。すると、表示装置2の会合データ保存処理部26は、表示データ(会合中に保存した手書きデータやキャプチャ画像、及び、表示中の手書きデータやキャプチャ画像)を会合IDに対応付けて会合データ記憶部301に保存する。
次に、図7(d)に示すように、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する。ユーザが、ICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はRAM203に記憶していた会合ID(例えば、12398)を書き込みコマンドに含めてICカード50へ送信する。
ICカード50の近距離通信部61はこの書き込みコマンドを受信すると、この書き込みコマンドを会合識別情報書込部62へ渡して、会合識別情報書込部62が書き込みコマンドに含まれた会合IDを会合識別情報記憶部401に記憶させる(書き込む)。
次に、ICカード50に再開したい会合IDが記憶されている場合を説明する。図8(a)は図7(b)と同じものである。ユーザが、ICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23は会合IDの読み出しコマンドをICカード50に送信する。ICカード50の近距離通信部61が読み出しコマンドを受信すると、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合ID(例えば、12398)を読み出して、近距離通信部61へ送出する。近距離通信部61はこの会合IDを読み出しコマンドに対するレスポンスに含めて表示装置2に送信する。
表示装置2の会合データ取得部27は会合データ記憶部301から会合IDに対応付けられている会合データを取得する。図8(b)に示すように、表示装置2の表示制御部22は会合データに含まれる表示データをディスプレイ3に表示する。この時、表示データに複数のページが含まれる場合は、会合の終了時に最後に開いていたページを表示するとよい。これにより、ユーザは会合を再開しやすくなる。ただし、最初のページを表示してもよい。
<動作手順>
図9は、会合IDを保存していない場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図9ではICカード50に再開したい会合IDが記憶されていない場合を説明する。
S1:表示装置2の操作受付部28は会合の開始ボタン311の押下を検出する。表示制御部22がログイン画面320をディスプレイ3に表示する。
S2:ユーザがキャンセルボタン313を押下することで、表示装置2の操作受付部28が押下を受け付け、表示制御部22はログイン画面320を消去する。また、表示制御部22は開始ボタン311を終了ボタン315に切り替える。
S3:会合識別情報生成部25は会合IDを採番して、RAM203に記憶させておく。
S4:次に、ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざす。表示装置2の近距離通信部23は会合IDを含む書き込みコマンドをICカード50に送信する。これにより、ICカード50の近距離通信部61が書き込みコマンドを受信して、会合識別情報書込部62が会合IDを会合識別情報記憶部401に書き込む。なお、会合IDの保存タイミングはICカード50が近距離通信回路219と通信できる間であればいつでもよい。
S5:ユーザは会合を行って手書きデータ等をディスプレイ3に表示させる。会合が終了すると、ユーザが会合の終了ボタン315を押下する。表示装置2の操作受付部28は会合の終了ボタン315の押下を受け付ける。
S6:会合データ保存処理部26は会合データを会合IDに対応付けて会合データ記憶部301に保存する。終了ボタン315が押下された時に表示装置2が表示していたページ番号も保存するとよい。
図10は、ユーザが会合を再開する場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図10ではICカード50に再開したい会合IDが記憶されている場合を説明する。
S11:表示装置2の操作受付部28は会合の開始ボタン311の押下を検出する。表示制御部22がログイン画面320をディスプレイ3に表示する。
S12:次に、ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざす。表示装置2の近距離通信部23は会合IDの読み出しコマンドをICカード50に送信する。ICカード50の近距離通信部61は会合IDの読み出しコマンドを受信し、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401に記憶されている会合IDを読み出し、近距離通信部61が表示装置2に送信する。表示装置2の近距離通信部23が会合IDを受信する。
S13:表示装置2の会合データ取得部27はICカード50から受信した会合IDで会合データ記憶部301を検索する。ここでは同じ会合IDに対応付けられた会合データが見つかったものとする。
S14:表示装置2の会合データ取得部27は会合データ記憶部301から会合IDに対応付けられた会合データに含まれる表示データを取得する。
S15:表示装置2の表示制御部22は表示データをディスプレイ3に表示する。会合データに終了ボタン315が押下された時に表示装置2が表示していたページ番号が含まれる場合は、このページ番号の表示データを表示する。
なお、ICカード50に複数の会合IDが記憶されており、表示装置2が複数の会合IDを受信した場合については後述する。
このように、ユーザがICカード50をかざすか否かに応じて、会合IDを生成するか、会合データを表示するかを切り替えることができる。
図11は、表示装置2が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。
表示装置2の操作受付部28は、会合の開始ボタン311が押下されたか否かを判断する(S21)。会合の開始ボタン311が押下された場合、表示制御部22はICカード50をかざすメッセージ312(ログイン画面320)をディスプレイ3に表示する(S22)。
近距離通信部23はICカード50を検出できるか否かを判断する(S23)。通信が可能であればICカード50が検出される。
ICカード50が検出された場合、近距離通信部23はICカード50から会合IDを取得する(S24)。
次に、会合データ取得部27は読み取った会合IDが会合データ記憶部301に記憶されているか否かを判断する(S25)。会合IDが記憶されていない場合、表示装置2は会合データを表示できないので図11の処理は終了する。
会合IDが記憶されている場合、会合データ取得部27は会合データ記憶部301から会合データを取得し、表示制御部22が会合データをディスプレイ3に表示する(S26)。
ステップS23でICカード50が検出されない場合、例えば、キャンセルボタン313が押下された場合、会合識別情報生成部25は重複しない会合IDを採番する(S27)。
会合中、表示装置2は、ストロークデータをディスプレイ3に表示するなど、会合で使用される処理を提供する(S28)。
そして、会合の終了ボタン315が押下されると(S29)、会合データ保存処理部26は会合データを会合IDに対応付けて会合データ記憶部301に保存する(S30)。
表示制御部22はICカード50に会合IDを記憶させるため、ICカード50をかざす旨のメッセージ312をディスプレイ3に表示する(S31)。
近距離通信部23はICカード50を検出できるか否かを判断する(S32)。ICカード50が検出された場合、近距離通信部23は会合IDをICカード50に送信する(S33)。
なお、ICカード50の会合識別情報記憶部401に複数の会合IDが記憶されている場合、ICカード50は会合IDの読み出しコマンドを受信すると、会合識別情報記憶部401から複数の会合IDを読み出して、これらの会合IDをレスポンスに含めて表示装置2に送信する。
表示装置2は複数の会合IDを受信すると、それぞれを会合データ記憶部301に記憶されている会合IDと照合する。そして、同じ会合IDがあると、表示装置2はこの会合IDと対応付けて記憶されている会合データを会合データ記憶部301から読み出して、会合データのリストをディスプレイ3に表示する。
ユーザはリストの中から再開したい会合ID(例えば、値=77236)を選択すると、表示装置2の会合データ取得部27はこの会合IDと対応付けて記憶されている表示データを会合データ記憶部301から読み出して、ディスプレイ3に表示する。このようにして、複数の会合IDがICカード50に記憶されていても、再開したい会合の会合データを表示できる。
なお、本実施例では表示装置2が内部に会合データを記憶しているが、会合データは表示装置2が接続できるネットワーク上(サーバやネットワークストレージ等)にあってもよい。
<主な効果>
以上のように、ユーザがICカード50を表示装置2にかざすだけで、ICカード50に記憶されている会合IDを表示装置2が取得できる。表示装置2は会合IDで特定される会合の会合データを取得して表示する。したがって、ユーザは、ICカード50を表示装置2にかざすだけで前回の続きから会合を再開できる。また、ユーザ認証も必要ない。また、多数の会合の中から対象の会合を検索したり、再開する会合データの記憶場所(フォルダ、URL)をユーザが指定したりする操作が不要となり、参加者が会議室に入ってから会合を開始するまでの時間を短縮することができる。
本実施例では、会合IDの代わりに会議名で会合データを特定する画像処理システム1について説明する。会議名とは、会合の名称であり主にアルファベット、数字、又は記号を含む文字列である。会合で議論される議題などに基づいてユーザにより設定される。
本実施例においては、上記の実施例にて説明した図3~図5のハードウェア構成図、及び、図6に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。
しかしながら、本実施例の会合データ取得部27は、近距離通信部23がICカード50から受信した会議名を会合データ記憶部301から検索して、一致する会議名の会合データを取得する。また、本実施例の会合データ保存処理部26は会議名と表示データを会合データ記憶部301に記憶させる。
表3は、本実施例の会合データ記憶部301に記憶されている会合データの一例を示す。会合データは会議名に対応づけられた表示データ及び最終ページ番号を有している。
表4は、本実施例の会合識別情報記憶部401に記憶されている会合情報の一例を示す。表4の会合情報は会議名のリストである。
<画面遷移例>
図12は、会合の開始時における表示装置2の画面の表示例を示す図である。図12(a)はログイン画面320であり、「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312を表示するまでは図7と同様でよい。
ICカード50に再開したい会議名が記憶されている場合は、ユーザはICカード50を近距離通信回路219にかざす。ICカード50に再開したい会議名が記憶されていない場合、ユーザはキャンセルボタン313を押下する。
ICカード50に再開したい会議名が記憶されていないため、ユーザがキャンセルボタン313を押下した。この場合、図12(b)に示すように、表示装置2はディスプレイ3に会議名の入力画面330を表示する。
ユーザが会議名を入力すると、表示装置2の操作受付部28は入力された会議名をRAM203に記憶する。そして、ユーザが会合を実行して、会合を終了する時、ディスプレイ3に表示されている会合の終了ボタン315を押下する。
表示装置2の会合データ保存処理部26は会議名を含む会合データを会合データ記憶部301に記憶させる。そして、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図12(c))。
ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はRAM203に記憶しておいた会議名を書き込みコマンドに含めてICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61はこの書き込みコマンドを受信すると、書き込みコマンドを会合識別情報書込部62へ送出して、会合識別情報書込部62が書き込みコマンドに含まれた会議名(例えば、「営業定例」)を会合識別情報記憶部401に書き込む。以上のようにして、ICカード50は会議名を記憶し、表示装置2は会議名に対応付けられた会合データを記憶する。
なお、ICカード50は会合識別情報記憶部401に記憶する会議名の重複を回避してもよい。ICカード50の近距離通信部61が会議名の書き込みコマンドを受信した場合、会合識別情報読出部63へ会議名の読み出しコマンドを渡して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会議名を読み出して近距離通信部61へ送出する。
そして、近距離通信部61は会合識別情報記憶部401から読み出した会議名と先に受信した会議名の書き込みコマンドに含まれた会議名を比較して、一致している場合は、会議名の書き込みコマンドを会合識別情報書込部62へ送出しない。この時、近距離通信部61は会議名が既に存在していることを表すコードをレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。こうすることで、ユーザは再度、重複しない会議名を入力できる。
次に、ICカード50に再開したい会議名が記憶されている場合を説明する。ユーザは会議名=「営業定例」の会合を再開するためにディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を押下する。図12(a)に示すように表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312を表示する。ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23は会議名の読み出しコマンドをICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61は読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ送出して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会議名=「営業定例」を読み出す。
そして、ICカード50の近距離通信部61はこの会議名をレスポンスに含めて表示装置2に送信する。表示装置2の近距離通信部23はこのレスポンスを受信すると、会合データ取得部27はこのレスポンスに含まれている会議名と会合データ記憶部301に記憶されている会議名とを照合する。そして、同じ会議名があると、会合データ取得部27はこの会議名と対応付けて記憶された会合データを会合データ記憶部301から読み出して、表示データをディスプレイ3に表示する。このようにして、会議名=「営業定例」の会合が再開される。
<動作手順>
図13は、会合IDを保存していない場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図13の説明では主に図9との相違を説明する。図13に示すように、ステップS3で表示装置2の操作受付部28は会議名を受け付ける。会合IDが会議名に変わった以外は図9と同じ流れになる。
図14は、ユーザが会合を再開する場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図14の説明では主に図10との相違を説明する。図14に示すように、会合IDが会議名に変わった以外は図10と同じ流れになる。
図15は、表示装置2が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。図15の説明では主に図11との相違を説明する。図15ではステップS27-2で、表示制御部22が入力画面330を表示し、操作受付部28が会議名の入力を受け付ける。これ以外は、会合IDが会議名に変わり図11と同じ流れになる。
<主な効果>
以上説明したように、実施例1の効果に加え、本実施例ではICカード50が記憶する会議名に対応付けられている会合データを表示装置2が表示できる。
本実施例では、会合を終了する際に、会合IDに加えて会議室IDも表示装置2がICカード50に記憶させる画像処理システム1について説明する。会議室IDは会議室を特定又は識別するための識別情報である。また、会議室とは会合が行われる場所である。
本実施例においては、上記の実施例にて説明した図3~図5のハードウェア構成図、及び、図6に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。
しかしながら、本実施例の会合データ取得部27は、近距離通信部23がICカード50から受信した会合IDと会議室IDを会合データ記憶部301から検索して、これらが共に一致する会合データを取得する。また、本実施例の会合データ保存処理部26は、会合IDと共に会議室IDを会合データ記憶部301に記憶させる。なお、記憶部29には表示装置2が設置されている会議室の会議室IDが予め管理者などにより登録されている。
表5は、本実施例の会合データ記憶部301に記憶されている会合データの一例を示す。会合データは会合ID、会議室ID、表示データ及び最終ページ番号の各項目を対応付けて有している。会議室IDは会議室を識別する識別情報であり、会議室名でもよい。
表6は、本実施例の会合識別情報記憶部401に記憶されている会合情報の一例を示す。表6の会合情報には会合IDと会議室IDが対応付けられている。
<画面遷移例>
画面遷移については実施例1の図7,図8と同様になる。また、ICカード50をかざさずに会合を開始する場合の流れは実施例1,2と同様である。
ユーザは会合を実行して、会合を終了する時に、ディスプレイ3に表示されている会合の終了ボタン315を押下する(図7(c))。すると、表示装置2の会合データ保存処理部26は、表示データを会合IDと会議室IDに対応付けて会合データ記憶部301に記憶させる。
そして、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図7(d))。ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はRAM203に記憶していた会合IDと記憶部29に記憶されている会議室IDを書き込みコマンドに含めてICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61は書き込みコマンドを受信すると、書き込みコマンドを会合識別情報書込部62へ送出して、会合識別情報書込部62が書き込みコマンドに含まれた会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)を会合識別情報記憶部401に書き込む。
その後、ユーザが会議室ID=Aの会議室で会合ID=12398の会合を再開するためにディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を選択すると(図7(a))、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図8(a))。ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23は会合IDと会議室IDの読み出しコマンドをICカード50へ送信する。
ICカード50の近距離通信部61は読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ送出して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)を読み出す。そして、ICカード50の近距離通信部61はこの会合IDと会議室IDをレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。
表示装置2の近距離通信部23がこのレスポンスを受信すると、会合データ取得部27はこのレスポンスに含まれている会合IDと会議室IDと会合データ記憶部301に記憶されている会合IDと会議室IDとを照合する。そして、レスポンスに含まれる会合ID及び会議室IDに対応付けられている表示データを会合データ記憶部301から読み出して、表示制御部22がディスプレイ3に表示する(図8(b))。このようにして、会議室ID=A、会合ID=12398の会合が再開される。
なお、会合ID又は会議室IDの一方でも一致するものがない場合は、表示データはディスプレイ3に表示されず、会合は再開されない。
<動作手順>
図16は、会合IDと会議室IDを保存していない場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図16の説明では主に図9との相違を説明する。図16に示すように、会合IDに加え、会議室IDがICカード50と会合データ記憶部301に記憶される以外は図9と同じ流れになる。
図17は、ユーザが会合を再開する場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図17の説明では主に図10との相違を説明する。図17に示すように、会合IDと会議室IDで会合データ記憶部301が検索される以外は図10と同じ流れになる。
図18は、表示装置2が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。図18の説明では主に図11との相違を説明する。図18に示すように、会合IDに加え会議室IDが記憶される以外は図11と同じ流れになる。
<主な効果>
以上説明したように、本実施例ではICカード50が記憶する会合IDと会議室IDに対応付けられている会合データを表示装置2が表示できる。したがって、ユーザは表示装置2が設置されている会議室で開催された会合のみを再開できる。
<変形例>
複数の会議室でユーザが過去に会合した場合は以下のようになる。ユーザは会議室Aで会合を行い、会合を終了する時に、会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)をICカード50に記憶する。ユーザはまた、会議室Bで会合を行い、会合を終了する時に、会合ID(値=5463)と会議室ID(値=B)をICカード50に記憶する。このようにして、ICカード50には、会合IDと会議室IDのペアが2個記憶されている。
その後、ユーザは会議室ID=Aの会議室で会合ID=12398の会合を再開するためにディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を押下すると、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する。ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23は会合IDと会議室IDの読み出しコマンドをICカード50へ送信する。
ICカード50の近距離通信部61は読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ渡して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)、及び、会合ID(値=5463)と会議室ID(値=B)を読み出す。そして、ICカード50の近距離通信部61はこれらの会合IDと会議室IDをレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。
表示装置2の近距離通信部23がこのレスポンスを受信すると、会合データ取得部27はこのレスポンスに含まれている会合ID及び会議室IDを、会合データ記憶部301に記憶されている会合ID及び会議室IDと照合する。ユーザが使用する表示装置2は会議室Aに設置されているため、会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)のペアは一致するものが会合データ記憶部301にある。しかし、会合ID(値=5463)と会議室ID(値=B)のペアは一致するものがない。
表示装置2は会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)のペアを優先してディスプレイ3に表示し、続いて、会合ID(値=5463)と会議室ID(値=B)のペアをディスプレイ3に表示する。
図19は、ディスプレイ3に表示された会議室IDと会合IDの一例を示す。この図19は図8(a)の次に表示される。ユーザが会合ID(値=12398)と会議室ID(値=A)のペアを選択すると、表示装置2の会合データ取得部27はこれらの会合ID及び会議室IDと対応付けて記憶された表示データを会合データ記憶部301から読み出して、ディスプレイ3に表示する。このようにして、会議室ID=A、会合ID=12398の会合が再開される。
なお、ユーザが会合ID(値=5463)と会議室ID(値=B)のペアを選択した場合は、表示データがディスプレイ3に表示されず、会合は再開されない。表示装置2は会合データを記憶していないためである。表示装置2は会合データを記憶していない旨のメッセージを表示するとよい。
本実施例では、ICカード50に所有者のユーザIDが記憶されており、このユーザIDも利用して会合データを表示する画像処理システム1について説明する。
本実施例においては、上記の実施例にて説明した図3~図5のハードウェア構成図を援用できるものとして説明する。
<機能について>
図20は、表示装置2、及びICカード50の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。図20の説明では主に図6との相違を説明する。
表示装置2は新たにユーザ識別情報照合部31を有し、記憶部29にはユーザ識別情報記憶部302を有している。ユーザ識別情報照合部31はICカード50から送信されたユーザIDをユーザ識別情報記憶部302に記憶されているユーザIDと照合する。ユーザ識別情報記憶部302には、表示装置2を使用するユーザのユーザIDが管理者等により予め設定されている。
また、ICカード50は新たにユーザ識別情報読出部64とユーザ識別情報書込部65を有している。ユーザは予めユーザID402(以下、符号は省略する)をICカード50に記憶させておく。例えば、ICカードリーダ/ライタを自分のPCに接続して、ICカード50用のアプリケーションソフトウェアを利用して、ユーザIDをICカード50に記憶させる。ユーザ識別情報書込部65はユーザIDを記憶部69に書き込む。ユーザ識別情報読出部64は、記憶部69のユーザIDを読み出す。
表7は、本実施例の会合データ記憶部301に記憶されている会合データの一例を示す。会合データは会合ID及びユーザIDに対応づけられた表示データを有している。ユーザIDはユーザを識別する識別情報である。
表8は、本実施例の会合識別情報記憶部401に記憶されている会合情報の一例を示す。表8の会合情報は会合IDのリストである。また、記憶部69にはユーザIDが記憶されている。
<画面遷移例>
画面遷移については実施例1の図7,図8と同様になる。また、ICカード50をかざさずに会合を開始する場合の流れは実施例1,2と同様である。
ユーザは会合を実行して、会合を終了する時に、ディスプレイ3に表示されている会合の終了ボタン315を押下する(図7(c))。すると、表示装置2の会合データ保存処理部26は、表示データを会合IDとユーザIDに対応付けて会合データ記憶部301に記憶させる。このユーザIDは会合の開始時に認証を兼ねてICカード50から読み取られている。
そして、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図7(d))。ユーザはICカード50に会合IDを記憶させる。
その後、ユーザは会合を開始するためにディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を選択すると、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図8(a))。ユーザはICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23は会合IDの読み出しコマンドをICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61は読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ送出して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合IDを読み出す。複数の会合IDが記憶されている場合には、複数の会合IDを読み出す。
近距離通信部61はまた、同じ読み出しコマンドをユーザ識別情報読出部64へ送出して、ユーザ識別情報読出部64が記憶部69からユーザID(値=458723)を読み出す。そして、ICカード50の近距離通信部61はこの会合IDとユーザIDをレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。表示装置2の近距離通信部23がこのレスポンスを受信すると、会合データ取得部27はこのレスポンスに含まれている会合IDと会合データ記憶部301に記憶された会合IDとを照合する。また、ユーザ識別情報照合部31はこのレスポンスに含まれているユーザIDとユーザ識別情報記憶部302に記憶されているユーザIDとを照合する。
ICカード50から受信した会合IDとユーザIDがそれぞれ会合データ記憶部301とユーザ識別情報記憶部302に記憶されていた場合、表示制御部22はユーザIDと表示データのリストをディスプレイ3に表示する。
なお、表示装置2は受信した会合IDと一致した、会合データ記憶部301に記憶されている会合IDに対応付けて記憶されたユーザIDと表示データも表示する。この表示例を図21に示す。こうすることで、異なるユーザが保存した会合データも表示できる。
図21は、ディスプレイ3に表示された表示データのリストの一例である。リスト表示なので表示データは縮小して表示される。図21には示していないが、表示データ「あいう」は会合ID=12398に対応しており、他の表示データも他の会合IDに対応している。
<動作手順>
図22は、会合IDを保存していない場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図22の説明では主に図9との相違を説明する。図22に示すように、ステップS4-2では、ユーザIDが表示装置2に送信される。また、ステップS6では会合IDとユーザIDに対応付けられて表示データが保存される。
図23は、ユーザが会合を再開する場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。図23の説明では主に図10との相違を説明する。図23に示すように、ステップS12では会合IDに加え、ユーザIDが表示装置2に送信される。ステップS13では会合IDとユーザIDで会合データ記憶部301が検索される。ステップS13-2では、表示制御部22が図21に示した表示データのリストを表示する。ステップS13-3では、操作受付部28は表示データの選択を受け付ける。ステップS14では、会合データ取得部27が選択された表示データを会合データ記憶部301からユーザID及び会合IDを検索キーにして取得する。ステップS15では表示制御部22がディスプレイ3に表示データを表示する。
図24は、表示装置2が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。図24は会合の開始時の処理を示す。図24の説明では主に図11との相違を説明する。ステップS41~S43の処理は図11のステップS21~S23の処理と同じである。
ICカード50が検出された場合、近距離通信部23はICカード50から会合IDとユーザIDを取得する(S44)。
次に、会合データ取得部27は読み取った会合IDとユーザIDに対応付けた表示データが会合データ記憶部301に記憶されているか否かを判断する(S45)。記憶されていない場合、表示装置2は会合データを表示できないので図24の処理は終了する。
会合IDとユーザIDに対応付けて会合データが記憶されている場合、会合データ取得部27は会合データ記憶部301から会合データを取得し、ユーザIDと表示データの一覧を表示する(S46)。
操作受付部28はユーザによる会合データの選択を受け付けた場合(S47)、表示制御部22がディスプレイ3に選択された表示データを表示する(S48)。
<主な効果>
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、会合IDとユーザIDに対応付けられた会合データを表示することができる。
本実施例では、会合IDに加えて、会合の開催日時も表示装置2がICカード50に記憶させる画像処理システム1について説明する。
本実施例においては、上記の実施例にて説明した図3~図5のハードウェア構成図、及び、図6に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。しかしながら、本実施例の会合データ取得部27は、ユーザが入力した会合の日時で会合データ記憶部301から会合データを検索して、一致する会合データを取得する。
表9は、本実施例の会合データ記憶部301に記憶されている会合データの一例を示す。会合データは会合ID及び開催日時に対応づけられた表示データ、並びに、最終ページ番号を有している。開催日時は会合の開始時刻である。終了時刻、又は、開始時刻と終了時刻を保持してもよい。
表10は、本実施例の会合識別情報記憶部401に記憶されている会合情報の一例を示す。表10の会合情報には会合IDと開催日時が対応付けられている。
<<画面の遷移例>>
画面の遷移は実施例1の図7、図8と同様でよい。ユーザが会合を開始するために、表示装置2のディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を選択すると(図7(a))、表示装置2の会合識別情報生成部25は会合IDを生成して、この会合IDを開催日時と一緒にRAM203に記憶する。
そして、ユーザが会合を実行して、会合を終了する時に、ディスプレイ3に表示された会合の終了ボタン315を選択する(図7(d))。すると、表示装置2の会合データ保存処理部26は、表示データを会合IDと開催日時に対応付けて会合データ記憶部301に記憶する。そして、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図7(d))。
ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はRAM203に記憶していた会合IDと開催日時を書き込みコマンドに含めてICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61はこの書き込みコマンドを受信すると、この書き込みコマンドを会合識別情報書込部62へ送出して、会合識別情報書込部62がこの書き込みコマンドに含まれた会合IDと開催日時を会合識別情報記憶部401に書き込む。
なお、複数の会合で上記の動作が行われると、ICカード50には会合IDと開催日時とのペアが複数個記憶される。
その後、ユーザが会合を開始するためにディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を選択すると、表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図8(a))。
ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23は会合IDの読み出しコマンドをICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61は読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ送出して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合IDと開催日時のペアを記憶されているだけ全て読み出す。そして、ICカード50の近距離通信部61はこれらの会合IDと開催日時をレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。
表示装置2の近距離通信部23がこのレスポンスを受信すると、会合データ取得部27はこのレスポンスに含まれている会合IDと会合データ記憶部301に記憶されている会合IDとを照合する。そして、値が同じ会合IDがあると、表示装置2の表示制御部22は開催日時の入力画面330をディスプレイ3に表示する。
図25は、ディスプレイ3に表示された会合の日時の入力画面330の一例である。開催日時の入力画面330は、曜日欄331、開始時刻欄332、及び、終了時刻欄333を有している。ユーザが例えば水曜日、13時55分~14時10分と入力すると、操作受付部28が受け付け、表示装置2の会合データ取得部27はICカード50から受信し、会合データ記憶部301に記憶されている会合IDと一致する会合IDで、かつ、開催日時が前記と一致するものをディスプレイ3に表示する。
図26は、ディスプレイ3に表示された会合データのリストの一覧画面340を示す。図26(a)には図25で入力された検索条件を満たす会合データの会合ID、開催日時、及び、表示データ(縮小)が表示されている。
なお、図26(b)に示すように、表示装置2はICカード50から受信し、会合データ記憶部301に記憶された会合IDと一致する会合データであれば表示してもよい。図26(b)の2行目の会合データは開催日時が検索条件を満たしていないが、会合IDが一致したため表示されている。
ユーザが図26(a)又は(b)に表示された会合ID(値=12398)を選択すると、表示装置2はこの会合IDと対応付けて記憶されている表示データを会合データ記憶部301から読み出して、ディスプレイ3に表示する。このようにして、会合ID=12398の会合が再開される。
<動作手順>
図27は、会合IDを保存していない場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。
S101:表示装置2の操作受付部28は会合の開始ボタン311の押下を検出する。表示制御部22がログイン画面320をディスプレイ3に表示する。
S102:ユーザがキャンセルボタン313を押下することで、表示装置2の操作受付部28が押下を受け付け、表示制御部22はログイン画面320を消去する。また、開始ボタン311を終了ボタン315に切り替える。
S103:表示装置2の会合識別情報生成部25は会合IDを生成して、この会合IDを開催日時(例えば現在時刻)と一緒にRAM203に記憶する。
S104:そして、ユーザが会合を実行して、会合を終了する時に、ディスプレイ3に表示された会合の終了ボタン315を選択するので、操作受付部28は終了ボタン315の押下を受け付ける。
S105:表示装置2の会合データ保存処理部26は、表示データを会合IDと開催日時に対応付けて会合データ記憶部301に記憶する。
S106:表示装置2は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する。
S107:ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はRAM203に記憶していた会合IDと開催日時を書き込みコマンドに含めてICカード50へ送信する。ICカード50は会合IDと開催日時を保存する。
図28は、ユーザが会合を再開する場合の、会合の開始時における表示装置2の処理の流れを説明するシーケンス図の一例である。
S201:表示装置2の操作受付部28は会合の開始ボタン311の押下を検出する。表示制御部22がログイン画面320をディスプレイ3に表示する。
S202:次に、ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざす。表示装置2の近距離通信部23は会合IDと開催日時の読み出しコマンドをICカード50に送信する。ICカード50の近距離通信部61は保存している会合IDと開催日時を表示装置2に送信する。
S203:表示装置2の近距離通信部23がこのレスポンス(会合IDと開催日時)を受信すると、会合データ取得部27はこのレスポンスに含まれている会合IDと会合データ記憶部301に記憶されている会合IDとを照合する。
S204:そして、値が同じ会合IDがあると、表示装置2の表示制御部22は開催日時の入力画面330をディスプレイ3に表示する。
S205:ユーザが開催日時を入力すると、操作受付部28が受け付ける。
S206:会合データ取得部27は受け付けた開催日時で会合データ記憶部301の会合データを検索する。
S207:表示制御部22は検索に適合した会合データのリストをディスプレイ3に表示する。
S208:ユーザが会合データを選択すると、操作受付部28が受け付けて、会合データ取得部27が会合IDで特定される会合データを会合データ記憶部301から取得して表示データをディスプレイ3に表示する。
図29は、表示装置2が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。図29は会合の開始時の処理を示す。図29の説明では主に図11との相違を説明する。ステップS51~S53の処理は図11のステップS21~S23の処理と同じである。
ICカード50が検出された場合、近距離通信部23はICカード50から会合IDと開催日時を取得する(S54)。ユーザが入力画面330から開催日時を入力する場合、ICカード50は開催日時を送信しなくてもよい。
次に、会合データ取得部27は読み取った会合IDが会合データ記憶部301に記憶されているか否かを判断する(S55)。記憶されていない場合、表示装置2は会合データを表示できないので図29の処理は終了する。
会合IDが記憶されている場合、表示制御部22は開催日時の入力画面330をディスプレイ3に表示する(S56)。
操作受付部28は、開催日時が入力されたか否かを判断する(S57)。入力された場合、会合データ取得部27は、ICカード50から取得した会合IDが対応付けられており、かつ、入力された開催日時を満たす会合データを会合データ記憶部301から取得し、表示制御部22が会合データの一覧をディスプレイ3に表示する(S58)。
操作受付部28は、会合データが選択されたか否かを判断する(S59)。選択された場合、会合データ取得部27は、選択された会合データを会合データ記憶部301から取得し、表示制御部22が表示データを表示する(S60)。
なお、本実施例では、開催日時がユーザにより入力されているが、別の例として、入力を省くこともできる。この場合、表示装置2はICカード50から会合IDと開催日時を受信すると、この開催日時に開始された会合データのリストを現在から遡る時間順でディスプレイ3に表示する。
<主な効果>
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、開催日時により検索された会合データを表示できる。
本実施例では、会合データをデータサーバ70で記憶する画像処理システム1について説明する。
<概略構成>
図30は、本実施例の画像処理システム1の全体的な構成例を示す図である。会議室Aの表示装置2Aには近距離通信回路219Aが接続されており、会議室Bの表示装置2Bには近距離通信回路219Bが接続されている。
認証サーバ99には表示装置2を利用するユーザのユーザIDとパスワードが登録されており、表示装置2から送られて来るユーザIDとパスワードが、予め登録されているユーザIDとパスワードと一致するか否か判断する(認証)する。データサーバ70は会合ID、及び、表示データ等を保存する。
<機能について>
図31は、表示装置2、ICカード50、及び、データサーバ70の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。なお、ICカード50については実施例4の図20と同じでよいが、記憶部69にはパスワード403(以下、符号は省略する)が記憶される。
<<データサーバ>>
データサーバ70は通信部71、会合識別情報生成部25、及び、会合データ取得部27を有している。データサーバ70が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
通信部71は、通信ネットワーク9に接続して、表示装置2等と各種のデータの送受信を行う。例えば、会合データを送受信する。通信部71は受信した会合データを会合データ記憶部301に記憶させる。
会合データ取得部27は、会合IDで特定される会合データを会合データ記憶部301から取得する。
また、データサーバ70は、図4に示されたHD504又はRAM503等に構築された会合データ記憶部301を有している。会合データ記憶部301に記憶される会合データの構成は表1と同じでよい。
<<表示装置>>
表示装置2は、図6に示した機能のうち、会合識別情報生成部25、会合データ取得部27、及び、会合データ記憶部301がなく、ユーザ情報確認部32及び判断部33が追加されている。ユーザ情報確認部32はICカード50から読み取ったユーザIDとパスワードを認証サーバ99に送信して、認証サーバ99から受信する認証結果が成功である場合はそのユーザに対して表示装置2の使用を許可し、認証結果が失敗である場合はそのユーザに対して表示装置2の使用を許可しない。このような処理を認証という。また、認証成功によりユーザは表示装置2のリソースを使用することができる。認証行為をログインという場合もある。
判断部33は、ICカード50から送信された会合IDがゼロかどうかを判断する。ゼロの場合は、ICカード50に会合IDが保存されていないことを表す。
なお、ネットワーク通信部24は、HTTP等の通信プロトコルを使用して認証サーバ99及びデータサーバ70に対してリクエストを送信し、レスポンスを受信する。
<動作手順>
図32は、ICカード50、表示装置2、及び、データサーバ70の処理を説明するシーケンス図の一例である。なお、画面の遷移は実施例1の図7、図8と同様でよい。
S301:表示装置2は、会合の開始ボタン311をディスプレイ3の右隅に表示している(図7(a))。ユーザが会合の開始ボタン311を選択すると、操作受付部28が受け付けて、表示装置2の表示制御部22は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(図7(b))。
S302:ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はユーザ情報の読み出しコマンドをICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61はこの読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドをユーザ識別情報読出部64へ渡して、ユーザ識別情報読出部64が記憶部69からユーザIDとパスワードを読み出す。そして、ICカード50の近距離通信部61はこのユーザIDとパスワードをレスポンスに含めて表示装置2に送信する。
S303:表示装置2の近距離通信部23はまた、会合IDの読み出しコマンドをICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61はこの読み出しコマンドを受信すると、この読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ送出して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合IDを読み出す。そして、ICカード50の近距離通信部61はこの会合IDをレスポンスに含めて表示装置2に送信する。なお、会合識別情報記憶部401に会合IDが1つも記憶されていない場合は、ICカード50の近距離通信部61は会合IDにゼロの値をセットする。
S304:表示装置2のユーザ情報確認部32はユーザ情報の読み出しコマンドに対するレスポンスに含まれているユーザIDとパスワードを認証サーバ99に送信する。
S305:認証サーバ99はこれを受信すると、受信したユーザIDとパスワードがHD504に登録されているか否かを判断して、一致したユーザIDとパスワードがある場合は認証成功の情報を、ない場合は認証失敗の情報を表示装置2へ送信する。表示装置2の表示制御部22は認証失敗の情報を受信した場合は、「本装置を利用できません」というメッセージをディスプレイ3に表示して、ログイン画面320に戻る。
S306:表示装置2は認証成功の情報を受信すると、判断部33はICカード50から受信した会合IDの値がゼロか否かを判断する。
S307:会合IDの値がゼロの場合、表示装置2のネットワーク通信部24は会合IDの生成要求をデータサーバ70へ送信する。
S308:データサーバ70の通信部71は生成要求を受信して、会合識別情報生成部25が会合IDを生成し、この会合IDをレスポンスに含めて通信部71が表示装置2へ送信する。データサーバ70の会合識別情報生成部25は、この会合IDを会合データ記憶部301に記憶させる。
S309:表示装置2のネットワーク通信部24はデータサーバ70から受信した会合IDをRAM203に記憶する。そして、ユーザが会合を実行する。
S310:ユーザが会合を終了する場合、ディスプレイ3に表示された会合の終了ボタン315を押下する。操作受付部28は押下を受け付ける。
S311:表示装置2のネットワーク通信部24は、会合で使用した表示データを会合IDと共に会合データ保存要求に含めてデータサーバ70へ送信する。
S312:データサーバ70の通信部71は会合データ保存要求を受信すると、表示データを会合IDに対応付けて会合データ記憶部301に記憶させる。
S313:また、データサーバ70の通信部71は、保存成功のレスポンスを表示装置2へ送信する。
S314:表示装置2のネットワーク通信部24がこのレスポンスを受信すると、表示制御部22は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する。ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23はRAM203に記憶していた会合IDを書き込みコマンドに含めてICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61は書き込みコマンドを受信すると、書き込みコマンドを会合識別情報書込部62へ送出して、会合識別情報書込部62が書き込みコマンドに含まれた会合IDを会合識別情報記憶部401に書き込む。
図33は、表示装置2の処理の手順を示すフローチャート図の一例である。表示装置2の操作受付部28は、会合の開始ボタン311が押下されたか否かを判断する(S61)。会合の開始ボタン311が押下された場合、表示制御部22はICカード50をかざすメッセージをディスプレイ3に表示する(S62)。
近距離通信部23はICカード50を検出できるか否かを判断する(S63)。通信が可能であればICカード50が検出される。
ICカード50が検出された場合、近距離通信部23はICカード50からユーザIDを取得する(S64)。また、近距離通信部23はICカード50から会合IDを取得する(S65)。
表示装置2のネットワーク通信部24はユーザIDとパスワードを認証サーバ99に送信する(S66)。
ネットワーク通信部24は認証サーバ99から認証成功を受信したか否かを判断する(S67)。認証失敗を受信した場合は図33の処理は終了する。
次に、判断部33はICカード50から受信した会合IDの値がゼロか否かを判断する(S68)。
会合IDがゼロである場合、ネットワーク通信部24は会合ID生成要求をデータサーバ70へ送信する(S69)。データサーバ70は会合ID生成要求を受信すると、会合識別情報生成部25が会合IDを生成して、会合ID生成要求に対するレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。
表示装置2のネットワーク通信部24はこのレスポンスを受信すると、RAM203に会合IDを記憶する(S70)。
会合IDがゼロでない場合、ネットワーク通信部24はこの会合IDを含めた会合データ取得要求をデータサーバ70へ送信する(S71)。データサーバ70は会合データ取得要求を受信すると、会合データ取得部27が会合データ記憶部301から取得した会合IDに対応付けられている表示データを、会合データ取得要求に対するレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。
表示装置2のネットワーク通信部24はこのレスポンスを受信すると、表示制御部22が表示データ等をディスプレイ3に表示する(S72)。
そして、ユーザが会合を実行して(S73)、会合を終了する時に、ディスプレイ3に表示された会合の終了ボタン315を押下する(S74)。操作受付部28は操作を受け付ける。
表示装置2の会合データ保存処理部26はネットワーク通信部24を介して、会合で使用した表示データを会合IDと共に会合データ保存要求に含めてデータサーバ70へ送信する(S75)。データサーバ70は会合データ保存要求を受信すると、表示データを会合IDに対応付けて会合データ記憶部301に記憶して、表示装置2へ保存成功のレスポンスを返す。
判断部33はステップS65で取得した会合IDがゼロか否かを判断する(S76)。ゼロでない場合、会合IDは記憶済みなので処理は終了する。
会合IDがゼロの場合、表示装置2の表示制御部22は、「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する(S77)。
表示装置2の近距離通信部23はICカード50を検出すると(S78)、会合IDをICカード50に送信する(S79)。これにより、ゼロでない会合IDがICカード50に記憶される。
図34は、ユーザが会合を再開する場合のICカード50、表示装置2、及び、データサーバ70の処理を説明するシーケンス図の一例である。
S401:ユーザは会合を再開するためにディスプレイ3に表示された会合の開始ボタン311を押下する。操作受付部28は開始ボタン311の押下を受け付ける。
S402:表示装置2の表示制御部22は「ICカードをかざして下さい」というメッセージ312をディスプレイ3に表示する。
S403:ユーザがICカード50を近距離通信回路219にかざすと、表示装置2の近距離通信部23が会合IDの読み出しコマンドをICカード50へ送信する。ICカード50の近距離通信部61はこの読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドを会合識別情報読出部63へ送出して、会合識別情報読出部63が会合識別情報記憶部401から会合ID(値=12398)を読み出す。
S404:そして、ICカード50の近距離通信部61はこの会合IDをレスポンスに含めて表示装置2に送信する。
S405:表示装置2の近距離通信部23がこのレスポンスを受信すると、受信した会合IDをネットワーク通信部24へ送出する。ネットワーク通信部24は会合IDを会合データ取得要求に含めてデータサーバ70へ送信する。
S406:データサーバ70の会合データ取得部27は会合データ取得要求に含まれている会合IDに対応付けられている表示データを会合データ記憶部301から取得して、会合データをレスポンスに含めて表示装置2へ送信する。
S407:表示装置2のネットワーク通信部24は会合データを受信すると、表示制御部22が表示データをディスプレイ3に表示する。このようにして、会合ID=12398の会合が再開される。
なお、本実施例では、会合IDに表示データが対応付けられているが、実施例1~5で説明した会合識別情報を表示データに対応付けてよい。すなわち、実施例2の会議名に対応付けてもよいし、実施例3の会合IDと会議室IDに対応付けてもよいし、実施例5の会合の開催日時に対応付けていてもよい。また、実施例4のユーザ識別情報記憶部302をデータサーバ70が有していて、データサーバ70がユーザを確認してもよい。
<主な効果>
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、データサーバ70に接続されている表示装置2であれば、ユーザが会合を行った表示装置2でなくても会合データを表示できる。
本実施例では画像を投影することで表示する表示装置2について説明する。プロジェクターのように映像を投影する表示装置2の場合も近距離通信回路219が表示装置2に接続されているか、又は、表示装置2と近距離通信回路219が無線通信できるようになっている。
<<表示装置の構成の別の例1>>
本実施形態の表示装置2は大型のタッチパネルを有するものとして説明されているが、表示装置2はタッチパネルを有するものに限られない。
図35は、表示装置2の他の構成例を示す図である。図35では、通常のホワイトボード413の上辺にプロジェクター411が設置されている。このプロジェクター411が表示装置2に相当する。通常のホワイトボード413とは、タッチパネルと一体のフラットパネルディスプレイではなく、ユーザがマーカーで直接、手書きするホワイトボードである。なお、ホワイトボードは黒板でもよく、映像を投影するだけの広さの平面であればよい。
プロジェクター411は超短焦点の光学系を有しており、10cm程度から歪みの少ない映像をホワイトボード413に投影できる。この映像は、無線又は有線で接続されたPC400から送信されてもよいし、プロジェクター411が記憶していてもよい。
ユーザは専用の電子ペン2501を使ってホワイトボード413に手書きする。電子ペン2501は、ユーザが手書きのためにホワイトボード413に押しつけるとスイッチがONになり発光する発光部を例えば先端部に有している。光の波長は近赤外や赤外なのでユーザの目には見えない。プロジェクター411はカメラを有しており、発光部を撮像して画像を解析し電子ペン2501の方向を特定する。また、電子ペン2501は発光と共に音波を発信しており、プロジェクター411は音波の到達時間により距離を算出する。方向と距離により電子ペン2501の位置を特定できる。電子ペン2501の位置にはストロークが描画(投影)される。
プロジェクター411はメニュー430を投影するので、ユーザが電子ペン2501でボタンを押下すると、プロジェクター411が電子ペン2501の位置とスイッチのON信号により押下されたボタンを特定する。例えば、保存ボタン431が押下されると、ユーザが手書きしたストローク(座標の集合)がプロジェクター411で保存される。プロジェクター411は、予め定められたサーバ412又はUSBメモリ5等に手書き情報を保存する。手書き情報はページごとに保存されている。画像データではなく座標のまま保存されるので、ユーザが再編集することができる。ただし、本実施形態では操作コマンドを手書きで呼び出せるのでメニュー430は表示されなくてもよい。
<<表示装置の構成の別の例2>>
図36は、表示装置の他の構成例を示す図である。図36の例では、表示装置として、端末装置600、画像投影装置700A、及び、ペン動作検出装置810を有する。
端末装置600は、画像投影装置700A及びペン動作検出装置810と有線で接続されている。画像投影装置700Aは、端末装置600により入力された画像データをスクリーン800に投影させる。
ペン動作検出装置810は、電子ペン820と通信を行っており、スクリーン800の近傍における電子ペン820の動作を検出する。具体的には、電子ペン820は、スクリーン800上において、電子ペン820が示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820によって入力されるストローク画像の画像データを生成し、画像投影装置700Aによってストローク画像をスクリーン800に描画させる。
また、端末装置600は、画像投影装置700Aに投影させている背景画像と、電子ペン820によって入力されたストローク画像とを合成した重畳画像を示す重畳画像データを生成する。
<<表示装置の構成の別の例3>>
図37は、表示装置の構成例を示す図である。図37の例では、表示装置として、端末装置600とディスプレイ800Aと、ペン動作検出装置810とを有する。
ペン動作検出装置810は、ディスプレイ800Aの近傍に配置され、ディスプレイ800A上に、電子ペン820Aが示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。なお、図37の例では、電子ペン820Aは、端末装置600によってUSBコネクタを介して充電されても良い。
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820Aによって入力されるストローク画像の画像データを生成し、ディスプレイ800Aに表示させる。
<<表示装置の構成の別の例4>>
図38は、表示装置の構成例を示す図である。図38の例では、表示装置として、端末装置600と、画像投影装置700Aとを有する。
端末装置600は、電子ペン820Bと無線通信(Bluetooth(登録商標)等)を行って、スクリーン800上において電子ペン820Bが示す点の座標情報を受信する。そして、端末装置600は、受信した座標情報に基づき、電子ペン820Bにより入力されるストローク画像の画像データを生成し、画像投影装置700Aにストローク画像を投影させる。
また、端末装置600は、画像投影装置700Aに投影させている背景画像と、電子ペン820によって入力されたストローク画像とを合成した重畳画像を示す重畳画像データを生成する。
以上のように、上記した各実施形態は、様々なシステム構成において適用することができる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態では、電子黒板として使用できる表示装置を説明したが、表示装置は画像を表示できればよく、例えばデジタルサイネージなどでもよい。
また、本実施形態では電子黒板を一例として説明したが、タッチパネルを有する情報処理装置であれば好適に適用できる。電子黒板と同様の機能を有する装置を、電子ホワイトボード、電子情報ボード、インタラクティブボードなどともいう。タッチパネルを搭載した情報処理装置としては、例えば、PJ(Projector:プロジェクター)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
また、本実施形態ではペン先の座標をタッチパネルで検知する方法でペンの座標を検出したが、ペン先の座標を超音波により検出してもよい。ペンは発光と共に超音波を発信しており、表示装置2は超音波の到達時間により距離を算出する。方向と距離によりペンの位置を特定できる。ペンの軌跡をストロークとしてプロジェクターが描画(投影)する。
また、図6などの構成例は、表示装置2による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。表示装置2の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。