JP7309439B2 - ポンプ据付構造及びポンプ傾き調整方法 - Google Patents
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Description
従来の特許文献1に記載の技術では、傾き調整を行うために、一旦、クレーン等でポンプを吊り上げ、テーパライナやスペーサを挿入する作業を行う必要があり、やはり作業が大がかりであると共に費用も大幅にかかってしまう不都合があった。
また、特許文献2に記載の技術では、球面凹部からなるベースプレートと、このベースプレートに対応した形状の据付プレートとを設置する必要があり、これら特殊な形状の2つのプレートと、縦移動部材及び横移動部材の2つの移動機構とを設ける必要があり、構造が複雑化してコストが大幅に増大してしまう問題があった。
すなわち、このポンプ据付構造では、複数の高さ調整用ボルトが、周方向に等間隔で配置されているので、周方向でバランス良く傾き調整を行うことが可能になる。
すなわち、このポンプ据付構造では、スペーサが、水密ゴムよりも半径方向外側に配されているので、傾き調整後に水密ゴムが邪魔せず半径方向外側から容易にスペーサを挿入することができる。
すなわち、このポンプ据付構造では、水密ゴムが、フランジ部とポンプベースとの間に挟み込まれた主水密部と、据付孔の半径方向内方に突出しフランジ部にゴム固定用ボルトで固定されたフランジ部側水密部と、据付孔の内周面に沿って突出した内周面側水密部とを有しているので、主水密部だけでなく、フランジ部側水密部と内周面側水密部とが、フランジ部及び据付孔の内周面に密着することで、より高いシール性を得ることができる。
すなわち、このポンプ据付構造では、シール調整機構が、雌ねじ孔に螺着されシール部材を直接又は中間部材を介してポンプベースに押し付ける押付用ボルトを備えているので、シール部材によってさらに高いシール性を得ることができると共に、押付用ボルトによってシール部材のポンプベースへの押し付け量を変えることでシール性を調整することができる。
すなわち、このポンプ傾き調整方法では、締結解除後に複数の高さ調整用ボルトを回動して上下させることで立軸ポンプの傾きを調整した後、フランジ部とポンプベースとの隙間にスペーサを挿入するので、立軸ポンプをクレーン等で据付孔から引き上げる必要が無く、傾き調整とスペーサ設置とを容易に行うことができ、作業性に優れている。
すなわち、このポンプ傾き調整方法では、傾き調整工程で、高さ調整用ボルトの上下を水密ゴムの必要圧縮率(つぶし率)の許容値の範囲内で行うので、水密ゴムの破損を防ぎ、水密ゴムの機能を保持した状態で傾き調整を行うことができる。
すなわち、本発明のポンプ据付構造及びポンプ傾き調整方法によれば、複数のフランジ側雌ねじ孔のうち一部に螺着されフランジ側雌ねじ孔を貫通して下端がポンプベースの上面に当接可能な複数の高さ調整用ボルトと、フランジ部とポンプベースとの隙間に挿入されたスペーサとにより、立軸ポンプの傾きを容易に調整することができると共にポンプベースとの間隔を安定して維持することができる。
したがって、本発明のポンプ据付構造及びポンプ傾き調整方法では、簡易な構造で傾き調整が容易であり、作業時間及び設備コストの低減を図ることが可能であり、地震等によってポンプが傾いた場合でも、迅速に復旧することができる。
複数の高さ調整用ボルト7は、ジャッキボルトであり、図2に示すように、周方向に等間隔で配置されている。
本実施形態では、高さ調整用ボルト7と締結用ボルト5とが周方向に交互に配されている。
上記スペーサ8は、水密ゴム6よりも半径方向外側に配されている。
スペーサ8は、金属板で形成されたソールプレートである。
上記ケーシング10の上部には、吐出エルボ11が接続されている。
上記フランジ部3は、据付プレートであって、ケーシング10と吐出エルボ11との接続部分に設けられている。
複数の取付用雌ねじ孔4aには、ベース取付ボルト9がそれぞれ螺着されて挿通され、各ベース取付ボルト9の先端部が据付床2にまでねじ込まれることで、ポンプベース4は据付床2に固定されている。
本実施形態のポンプ傾き調整方法は、複数の締結用ボルト5を緩める締結解除工程と、締結解除工程後に複数の高さ調整用ボルト7を回動して上下させることで立軸ポンプ1の傾きを調整する傾き調整工程と、調整後にフランジ部3とポンプベース4との隙間にスペーサ8を挿入するスペーサ設置工程と、スペーサ設置工程後に、緩めた締結用ボルト5を締め付ける再締結工程とを有している。
なお、ポンプベース4及びフランジ部3には、機械加工面を設けておき、精密水準器により水平度を管理し、傾きを測定する。
さらに、緩めていた締結用ボルト5を再度締め付けて傾き調整した状態でフランジ部3とポンプベース4とを固定する。なお、この締結前後に、高さ調整用ボルト7を取り外しても構わない。
本実施形態では、水密ゴム6として例えば線径がφ35mmの大口径型Oリングを使用し、つぶし率の許容値を大きくとることで、地盤沈下による立軸ポンプ1の傾きを補正することが可能である。
また、フランジ部3とポンプベース4との隙間に挿入されたスペーサ8を備えているので、傾き調整後の高さ調整用ボルト7の下方突出量によって空いたフランジ部3とポンプベース4との隙間に応じたスペーサ8をこの隙間に挿入することで、フランジ部3とポンプベース4との間隔を安定して維持することができる。
さらに、スペーサ8が、水密ゴム6よりも半径方向外側に配されているので、傾き調整後に水密ゴム6が邪魔せず半径方向外側から容易にスペーサ8を挿入することができる。
また、第2実施形態では、シール部材26Cによるシール性を調整可能なシール調整機構29を備えている点でも第1実施形態と異なる。
水密ゴム26Aは、断面円形状の部分から半径方向内方に向けて突出した部分が上下に設けられ、半径方向内方に向けて断面V字状に開口した形状とされている。
また、水密ゴム26Bは、フランジ部3とポンプベース4との間に挟み込まれた主水密部26aと、据付孔2aの半径方向内方に突出しフランジ部3にゴム固定用ボルト27Aで固定されたフランジ部側水密部26bと、据付孔2aの内周面に沿って突出した内周面側水密部26cとを有している。
また、フランジ部3には、複数のボルト用孔26dの位置に対応して複数の固定用雌ねじ穴3bが形成されている。
すなわち、水密ゴム26Bは、ボルト用孔26dに挿通され固定用雌ねじ穴3bに螺着された複数のゴム固定用ボルト27Aによりフランジ部3の下面に固定されている。
上記シール調整機構29は、フランジ部3のシール部材26Cの直上に形成された雌ねじ孔3dと、雌ねじ孔3dに螺着されシール部材26Cを直接又は中間部材25を介してポンプベース4に押し付ける押付用ボルト27Bとを備えている。
上記中間部材25は、金属製等の環状リングである。なお、この中間部材25を用いずに、押付用ボルト27Bで直接シール部材26Cを押し付けても構わない。
なお、水密ゴム26Aは、半径方向内方に向けて突出した部分を上下に有しているので、これらがフランジ部3とポンプベース4とに密着することで、単に断面円形状又は断面楕円形状の水密ゴムに比べて、より高いシール性を得ることができる。
Claims (7)
- 据付床に形成された据付孔から吊り下げ状態で立軸ポンプを設置したポンプ据付構造であって、
前記据付孔の外周部の床面に固定されたポンプベースと、
前記立軸ポンプの上部に設けられ前記据付孔よりも外径が大きく設定されて前記ポンプベース上に設置されるフランジ部と、
前記フランジ部に複数形成されたフランジ側雌ねじ孔と、
前記ポンプベースに複数形成されたベース側雌ねじ孔と、
複数の前記フランジ側雌ねじ孔のうち一部に螺着され前記フランジ側雌ねじ孔を貫通して下部が前記ベース側雌ねじ孔に螺着された複数の締結用ボルトと、
前記フランジ部と前記ポンプベースとの間に挟み込まれた水密ゴムと、
複数の前記フランジ側雌ねじ孔のうち一部に螺着され前記フランジ側雌ねじ孔を貫通して下端が前記ポンプベースの上面に当接可能な複数の高さ調整用ボルトと、
前記フランジ部と前記ポンプベースとの隙間に挿入された金属板のスペーサとを備え、
複数の前記高さ調整用ボルトと複数の前記締結用ボルトとが、前記フランジ部の同じ周方向に並んで配され、
前記スペーサが、前記周方向において並んだ複数の前記高さ調整用ボルトの間に挿入されていることを特徴とするポンプ据付構造。 - 請求項1に記載のポンプ据付構造において、
複数の前記高さ調整用ボルトが、前記周方向に等間隔で配置されていることを特徴とするポンプ据付構造。 - 請求項1又は2に記載のポンプ据付構造において、
前記スペーサが、前記水密ゴムよりも半径方向外側に配されていることを特徴とするポンプ据付構造。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のポンプ据付構造において、
前記水密ゴムが、円環状に形成され、
前記フランジ部と前記ポンプベースとの間に挟み込まれた主水密部と、
前記据付孔の半径方向内方に突出し前記フランジ部にゴム固定用ボルトで固定されたフランジ部側水密部と、
前記据付孔の内周面に沿って突出した内周面側水密部とを有していることを特徴とするポンプ据付構造。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のポンプ据付構造において、
前記フランジ部と前記ポンプベースとの間に配置されたシール部材と、
前記シール部材によるシール性を調整可能なシール調整機構とを備え、
前記シール調整機構が、前記フランジ部の前記シール部材の直上に形成された雌ねじ孔と、
前記雌ねじ孔に螺着され前記シール部材を直接又は中間部材を介して前記ポンプベースに押し付ける押付用ボルトとを備えていることを特徴とするポンプ据付構造。 - 据付床に形成された据付孔から吊り下げ状態で設置した立軸ポンプの傾きを調整するポンプ傾き調整方法であって、
前記立軸ポンプが請求項1から5のいずれか一項のポンプ据付構造により前記据付床に設置されており、
複数の前記締結用ボルトを緩める締結解除工程と、
前記締結解除工程後に複数の前記高さ調整用ボルトを回動して上下させることで前記立軸ポンプの傾きを調整する傾き調整工程と、
前記調整後に前記フランジ部と前記ポンプベースとの隙間に前記スペーサを挿入するスペーサ設置工程と、
前記スペーサ設置工程後に、緩めた前記締結用ボルトを締め付ける再締結工程とを有し、
複数の前記高さ調整用ボルトと複数の前記締結用ボルトとを、前記フランジ部の同じ周方向に並んで配し、
前記スペーサ設置工程で、前記スペーサを、前記周方向において並んだ複数の前記高さ調整用ボルトの間に挿入することを特徴とするポンプ傾き調整方法。 - 請求項6に記載のポンプ傾き調整方法において、
前記傾き調整工程で、前記高さ調整用ボルトの上下を前記水密ゴムの必要圧縮率の許容値の範囲内で行うことを特徴とするポンプ傾き調整方法。
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