以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。各図において共通の構成には、同一の符号を付している。
図1は、本発明の第1実施形態における振動体験システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、振動体験システム1は、制御装置100と、振動体験装置200とを備える。
制御装置100は、通信部11と、記憶部12と、情報生成部13と、入力部14と、制御部15とを備える。
通信部11は、無線通信又は有線通信により、情報の送信及び受信が可能なインターフェースを含む。通信部11は、例えば、振動体験装置200との間で、情報の送信及び受信が可能である。
記憶部12は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置等の記憶装置を含んで構成され、種々の情報及び種々のプログラムを記憶する。具体的には、記憶部12は、情報生成部13が後述する処理を実行するためのプログラムを記憶する。また、記憶部12は、制御部15が後述する制御を実行するためのプログラムを記憶する。
また、記憶部12は、建物の構造情報を記憶する。構造情報は、例えば、建物の合計階層の情報、建物の固有周期の情報、柱、梁、壁、床等の部材情報、建物全体の減衰率を含む。構造情報は、例えば、木造、鉄骨造などの構造躯体の情報を含んでもよい。
また、記憶部12は、情報生成部13によって後述するように生成された建物振動情報を記憶する。建物振動情報は、地上及び地中を含むある位置を振動源とする振動が発生した場合に、この振動に基づき、地上の所定の位置(以下、「所定地点」と記載する。)の直上の建物で発生することが予測される振動に関する情報である。換言すれば、建物振動情報は、地震などの所定の振動情報に対する建物の時刻歴応答を含む。時刻歴応答は、例えば、時系列で示された、地上階(例えば1階)に対する上層階(例えば2階)の層間変形角及び層間変位、各階の応答速度、各階の応答加速度などを含む。なお、上述の所定地点とは、実在の所定地点に限られず、仮想の所定地点であってもよい。
情報生成部13は、各種情報に基づいて建物振動情報を生成する。また、情報生成部13は、生成した建物振動情報を記憶部12に記憶させる。情報生成部13が建物振動情報を生成するために用いられる各種情報は、通信部11によって受信されてもよいし、予め記憶部12に記憶されていてもよいし、入力部14によって受け付けられてもよい。
なお、情報生成部13は、実在の所定地点で取得された測定情報に基づいて、その実在の所定地点に建てられた所定の建物についての建物振動情報を生成してもよい。具体的には、情報生成部13は、所定地点で取得された測定情報に基づいて、当該所定地点での地盤の深さごとの振動波の伝播速度に関する情報(以下、「振動波速度構造」と記載する。)を算出する。振動波のうちのS波(横波)は、地震動等の振動に与える影響が特に大きい。よって、振動波速度構造は、S波速度構造であることが好ましい。
そして、情報生成部13は、所定地点での地盤の振動波速度構造に基づいて、当該所定地点で予測される振動情報を生成する。所定地点で予測される振動情報は、地上及び地中を含むある位置を振動源とする振動が発生した場合に、この振動に基づき所定地点で発生することが予測される振動情報である。所定地点で予測される振動情報は、例えば、地中のある位置を震源とする地震が発生した場合に、所定地点でどのような地震動として伝播するかを示す情報である。振動情報としては、例えば、平面座標系又は立体座標系における、各座標成分の振動の大きさの時刻歴を示す情報(変位情報)や、この変位情報の時間変化を示す速度情報や、この速度情報の時間変化を示す加速度情報など、が挙げられる。
情報生成部13は、所定地点直下の工学的基盤で予測される地震動情報と、前述のように算出した所定地点での地盤の振動波速度構造と、に基づいて、振動情報を生成する。具体的に、情報生成部13は、所定地点での地盤の振動波速度構造に基づいて、工学的基盤よりも表層に位置する地盤(以下、「表層地盤」と記載する。)の地盤増幅率を算出する。表層地盤の地盤増幅率は、表層地盤によって振動が増幅される度合いを示すための指標である。その後、情報生成部13は、所定地点直下の工学的基盤で予測される地震動情報と、上記算出した表層地盤の地盤増幅率と、に基づいて、所定地点で予測される振動情報を高い精度で生成することができる。
情報生成部13は、振動情報を生成すると、この振動情報と、複数の異なる建物それぞれの構造情報とに基づいて、複数の建物振動情報を生成する。
具体的には、情報生成部13は、振動情報と第1建物の構造情報とに基づいて、第1建物についての建物振動情報である第1建物振動情報を生成する。また、情報生成部13は、振動情報と第2建物の構造情報とに基づいて、第2建物についての建物振動情報である第2建物振動情報を生成する。第1建物は、例えば、鋼材の柱梁により構成された軸組架構を有する鉄骨造であり、同一の振動に対して第2建物より層間変形角が小さく、鉄骨造の中では耐震性能の高い建物である。第2建物は、例えば、木材の柱梁により構成された軸組架構を有する木造の中では耐震性能の低い建物である。なお、本例では、情報生成部13が第1建物及び第2建物それぞれの構造情報に基づいて第1建物振動情報及び第2建物振動情報を生成したが、情報生成部13は、3つ以上の建物の構造情報それぞれに基づいて建物振動情報を生成してもよい。
なお、振動体験システム1は、情報生成部13を備えなくてもよい。このような構成において、記憶部12は、予め生成されている建物振動情報を記憶してもよい。この場合、建物振動情報は、他の装置において生成されてから、入力部14によって受け付けられてもよいし、通信部11によって受信されてもよい。なお、このような構成においても、以降の各機能部においては、記憶部12によって記憶された、予め生成されている建物振動情報を用いて以降の処理を行う。
入力部14は、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力デバイスによって構成され、運用者等による入力を受け付ける。
入力部14は、振動体験システム1の運用者等によって入力された建物識別情報を受け付ける。建物識別情報は、記憶部22に記憶されている建物振動情報に関する建物を識別するための情報であり、本例では第1建物及び第2建物のいずれかを識別するための情報である。また、入力部14は、振動体験システム1の運用者等によって入力された、振動発生装置20の動作開始を指示するための動作開始情報を受け付ける。
制御部15は、記憶部12に記憶された種々の情報及び種々のプログラムのうち、所定の情報及び所定のプログラムを読み込むことで所定の機能を実現するプロセッサを含む。制御部15は、入力部14によって建物識別情報が受け付けられると、当該建物識別情報で識別される建物に対応する建物振動情報を記憶部12から抽出し、振動発生装置20及び映像出力装置30に送信するよう通信部11を制御する。例えば、制御部15は、入力部14によって建物識別情報として第1建物が受け付けられると第1建物振動情報を記憶部12から抽出し、振動発生装置20及び映像出力装置30に送信するよう通信部11を制御する。制御部15は、入力部14によって建物識別情報として第2建物が受け付けられると第2建物振動情報を記憶部12から抽出し、振動発生装置20及び映像出力装置30に送信するよう通信部11を制御する。
また、制御部15は、入力部14によって開始指示情報が受け付けられると、当該開始指示情報を振動発生装置20及び映像出力装置30に送信するよう通信部11を制御する。
振動体験装置200は、建物振動情報で示される建物の変動をユーザUに体験させるための装置である。具体的には、振動体験装置200は、制御装置100によって受け付けられた建物識別情報で識別される建物に対応する建物振動情報に基づいて、建物の倒壊に対応する変動として、動作の発生及び映像の出力の少なくとも一方を行う。上記動作は、振動体験装置200が有する部材を動作させることであり、動作には、例えば、振動、状態の変化(転倒、落下等)が含まれる。映像は、建物の倒壊に対応する映像である。振動体験装置200は、振動発生装置20と、映像出力装置30と、照明装置40と、駆動装置50とを備える。なお、映像出力装置30には、上述した建物の倒壊に対応する映像のみならず、例えば、振動している建物内で視認されると想定される映像などの予測振動映像を出力可能である。振動している建物内で視認されると想定される映像には、例えば、建物内で什器等が移動する様子を模擬したコンピュータグラフィックス(CG)による映像などが挙げられる。
振動発生装置20は、通信部21と、記憶部22と、可動部23と、制御部24と、を備える。
通信部21は、無線通信又は有線通信により、情報の送信及び受信が可能なインターフェースを含む。通信部21は、例えば、制御装置100の通信部11との間で、情報の送信及び受信が可能である。具体的には、通信部21は、制御装置100の通信部11から建物振動情報を受信する。また、通信部21は、制御装置100の通信部11から開始指示情報を受信する。
記憶部22は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置等の記憶装置を含んで構成され、種々の情報及び種々のプログラムを記憶する。具体的に、記憶部22は、制御部24が建物振動情報に基づいて可動部23を動作させるための動作プログラムを記憶する。記憶部22は、通信部21が制御装置100から受信した建物振動情報を記憶する。
可動部23は、例えばユーザUが着座することが可能な部材を含んで構成され、制御部24が発生させる動作により変動する。図2に示すように、本例の可動部23は、4つのクローラ231と、台座232と、椅子233と、を備える。
本例の4つのクローラ231それぞれは、台座232を下側から支持している。4つのクローラ231それぞれは、制御部24を構成するモータ等の回転駆動によって、当該クローラ231の延在方向の両側に向かって台座232を移動制御することができる。4つのクローラ231は、本例の振動発生装置20の左右方向Aに沿って延在し、前後方向Bにおいて互いに離間した位置に配置された2つのクローラ231と、本例の振動発生装置20の前後方向Bに沿って延在し、左右方向Aにおいて互いに離間した位置に配置された2つのクローラ231と、で構成されている。これら4つのクローラ231によって、振動発生装置20は床面Fの平面上を全方向に自由に移動可能である。そのため、振動発生装置20は、床面Fの平面上を自由に振動して、予測振動を発生させることができる。
台座232は、クローラ231に取付けられた任意の形状の台座であり、本例では略直方体状の形状である。椅子233は、ユーザUが着座することが可能な部材であり、台座232の上側に固定されている。椅子233は、4つのクローラ231によって台座232が移動すると、台座232と一体的に移動する。椅子233には、ユーザUが着座可能である。なお、可動部23は、台座232を有さずに、クローラ231によって椅子233が移動するように構成されてもよい。
制御部24は、モータ等を含んで構成され、動作プログラムを読み込むことで動作可能である。制御部24は、通信部31が開始指示情報を受信すると、通信部31によって受信された建物振動情報に基づいて、可動部23を動作させる。
具体的には、制御部24は、建物振動情報の時刻歴応答(例えば、層間変形角や応答加速度など)が閾値に達する時点より前までは、時刻歴応答に対応する予測振動を発生させる。すなわち、制御部24は、時刻歴応答に対応して可動部23を振動させる。制御部24は、例えば、平面内の任意の方向に可動部23を振動させてもよいし、立体的に可動部23を振動させてもよい。また、制御部24は、建物振動情報の時刻歴応答がいずれかの時点で閾値に達する場合、予測振動の発生中における、時刻歴応答が所定の閾値に達した時点で、建物の倒壊に対応する変動としての動作を発生させる。時刻歴応答が閾値に達した時点は、建物が倒壊する時点に対応する。
具体的には、制御部24は、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達するか否かを判定する。制御部24は、応答が閾値に達すると判定した場合、応答が閾値に達する時点で振動を停止する。そして、制御部24は、予測振動の発生中における、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点で予測振動を停止すると、可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる。例えば、制御部24は、可動部23に含まれる椅子233の背もたれを倒したり、椅子233を傾けたりする。制御部24は、可動部23を落下させてもよい。
また、制御部24は、予測振動の発生中における、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点で、照明装置40に消灯させるための消灯信号を送信するよう通信部21を制御してもよい。また、制御部24は、予測振動の発生中における、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点で、駆動装置50を駆動させるための駆動制御信号を送信するよう通信部21を制御してもよい。
映像出力装置30は、制御装置100により送信された建物振動情報に基づいて、予測振動映像、及び、倒壊に対応する映像、を表示する。映像出力装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、を備える。
通信部31は、無線通信又は有線通信により、情報の送信及び受信が可能なインターフェースを含む。通信部31は、例えば、制御装置100の通信部11との間で、情報の送信及び受信が可能である。具体的には、通信部31は、制御装置100の通信部11から、建物振動情報を受信する。また、通信部31は、制御装置100から、開始指示情報を受信する。
記憶部32は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置等の記憶装置を含んで構成され、種々の情報及び種々のプログラムを記憶する。具体的に、記憶部32は、制御部33が表示部34に映像を出力するための表示プログラムを記憶する。
制御部33は、記憶部32に記憶された種々の情報及び種々のプログラムのうち、所定の情報及び所定のプログラムを読み込むことで所定の機能を実現するプロセッサを含む。
具体的には、制御部33は、通信部31が開始指示情報を受信すると、通信部31によって受信した建物振動情報に対応する予測振動映像を、振動発生装置20の予測振動と同期をとって表示部34に出力する。
振動発生装置20が発生させる予測振動と、映像出力装置30が出力する予測振動映像と、を同期させる手法としては、複数の情報の出力を同期させる任意の手法を用いることができる。例えば、振動発生装置20及び映像出力装置30が受信可能な赤外線等の同期信号を発生可能な同期信号発生装置を用いて、同期させてもよい。或いは、例えば、振動発生装置20及び映像出力装置30を共通する1つの装置で構成し、当該装置内で同期制御させてもよい。
また、制御部33は、建物識別情報で識別された建物に対応する建物振動情報に基づいて、建物の倒壊に対応する映像を出力する。具体的には、制御部33は、建物振動情報の時刻歴応答(例えば、層間変形角や応答加速度など)がいずれかの時点で閾値に達した場合、予測振動映像の出力中であっても、建物の倒壊に対応する映像を出力する。建物の倒壊に対応する映像は、例えば、ブラックアウト映像、ノイズ映像等によって構成される異常映像である。ブラックアウト映像は、例えば、略全体が黒色である映像である。ただし、ブラックアウト映像の略全体の色は黒に限られず、他の色であってもよい。ノイズ映像は、映像出力信号の乱れによって生じる映像に類似した映像である。また、制御部33は、建物の倒壊に対応する映像として、異常映像を出力し、その後に、倒壊した建物の内部又は外部の光景を示す映像を出力してもよい。
ここで、予測振動映像に示される建物の内部の光景は、建物の倒壊に対応する時点より前において建物の上層階の光景であることが好ましい。建物の倒壊前において建物内の揺れは、1階よりも上層階での方が大きく、このため、揺れの大きい上層階の光景を示す予測振動映像が出力されることにより、ユーザUはより高い臨場感で地盤の揺れを体験することができる。また、建物の倒壊に対応する映像として示される建物内の光景は、建物の倒壊に対応する時点又はそれより後において、建物の1階の光景であることが好ましい。建物が倒壊すると、1階の柱、壁等が倒れることが多いが、上層階の柱、壁等が倒れることは少ない。そのため、建物の倒壊前後において1階の光景の変化は、上層階の光景の変化より大きい。したがって、制御部33が1階の光景を示す映像を出力することによって、ユーザUは、倒壊による建物内の状況をより高い臨場感で認識することができる。つまり、制御部33は、建物の倒壊に対応する映像として出力する建物の階層を1階とすることが好ましく、予測振動映像として出力する建物の階層を1階よりも上階である上層階とすることが特に好ましい。
制御部33は、予測振動映像と共に、制御装置100の入力部14によって受け付けられた建物識別情報で識別される建物に対応する建物振動情報の時刻歴応答(例えば上層階の層間変形角、速度、応答加速度等)を表示部34に出力してもよい。制御部33は、建物振動情報の時刻歴応答(例えば層間変形角、速度、応答加速度等の統計値(例えば、平均値、最大値、最小値、中央値等))を算出して、当該統計値を表示部34に出力してもよい。
制御部33は、建物振動情報に基づく建物の内部の予測振動映像を時刻歴応答が所定の閾値に達する時点まで表示部34に出力すると共に、時刻歴応答が所定の閾値に達するまでの時間を予測振動映像と共に表示部34に出力してもよい。つまり、制御部33は、建物振動情報に基づく予測振動映像の出力中に、建物の倒壊までの時間を予測振動映像と共に出力してもよい。
表示部34は、例えばディスプレイ又はプロジェクタを含んで構成される。図2に示すように、表示部34は、3Dディスプレイを有する、ユーザUの視界を覆うように装着可能なヘッドマウントディスプレイである。表示部34は、ヘッドマウントディスプレイではなく、複数人によって視認可能なスクリーンディスプレイであってもよい。本実施形態では、振動体験装置200は、複数の振動発生装置20を備えてもよく、複数の振動発生装置20の一部がヘッドマウントディスプレイとしての表示部34を有し、残りの一部がスクリーンディスプレイとしての表示部34を有してもよい。
表示部34は、上述したように、制御部33から入力された予測振動映像及び建物の倒壊に対応する映像を表示する。また、表示部34は、制御部33から入力された、建物振動情報の時刻歴応答(例えば層間変形角、変位、速度、応答加速度など)を表示してもよい。表示部34は、制御部33から入力された、建物振動情報に基づく統計情報を表示してもよい。表示部34は、時刻歴応答(例えば層間変形角、変位、速度、応答加速度等)を、予測振動映像の表示中に時間の経過と共に変化するグラフで示してもよい。表示部34は、時刻歴応答(例えば層間変形角、変位、速度、応答加速度等)を、予測振動映像の表示中に時間の経過と共に変化する数値で示してもよい。
照明装置40は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、照明部44とを備える。
通信部41は、無線通信又は有線通信により、情報の送信及び受信が可能なインターフェースを含む。通信部41は、例えば、振動発生装置20の通信部21との間で、情報の送信及び受信が可能である。具体的には、通信部41は、振動発生装置20の通信部21から消灯信号を受信する。
記憶部42は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置等の記憶装置を含んで構成され、種々の情報及び種々のプログラムを記憶する。具体的に、記憶部42は、制御部43が照明部44に照明を制御するための制御プログラムを記憶する。
制御部43は、記憶部42に記憶された種々の情報及び種々のプログラムのうち、所定の情報及び所定のプログラムを読み込むことで所定の機能を実現するプロセッサを含む。
具体的には、制御部43は、通信部41が振動発生装置20の通信部21から消灯信号を受信すると、照明部44を消灯させる。上述したように振動発生装置20の制御部24は、予測振動の発生中における、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点で、照明装置40に消灯させるための消灯信号を送信するよう通信部21を制御すると共に、可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる。したがって、照明装置40は、可動部23の少なくとも一部が変化するタイミングで照明部44を消灯することになる。制御部43は、照明部44を点灯させるときの照度を制御してもよい。例えば、制御部43は、時刻に応じて照度を制御してもよい。
これにより、建物振動情報に時刻歴応答が閾値に達する時点で、可動部23の少なくとも一部の状態が変化してユーザに衝撃を与えると同時に、照明部44が消灯される。したがって、振動体験システム1は、建物の倒壊による衝撃と、停電とを疑似的にユーザに体験させることができる。
駆動装置50は、囲繞部材6を駆動する。囲繞部材6は、振動体験装置200が配置されている空間を囲繞する。囲繞部材6は、床面部61と、壁面部62と、天井部63とを有する。
床面部61は、上に振動発生装置20が載置されている平面状の床であり、前述した床面Fに相当する。壁面部62は、振動発生装置20の側方、後方、前方のいずれか1つ以上に配置されている略鉛直方向に延在する平面状の壁である。図2に示す例では、壁面部62は、振動発生装置20の側方及び後方に配置されているが、前方にも配置されてよい。天井部63は、振動発生装置20の上方に配置されている略水平方向に延在する平面状の天井である。
床面部61及び壁面部62は、固定して配置される。そのため、振動発生装置20の可動部23が水平方向に振動すると、可動部23と壁面部62との間隔は変動する。このため、可動部23に着座したユーザUが可動部23の振動に伴って振動し、壁面部62とユーザUとの間隔が変化する。これにより、ユーザUは壁面が自身に対して迫ってくる感覚を受け、高い臨場感で地震を疑似体験することができる。
床面部61には、可動部23が振動する方向に沿って長さを示す目盛りMが付されている。なお、図2においては、目盛りMは、左右方向Aに付されているが、前後方向Bに付されてもよいし、他の任意の方向に付されてもよい。これにより、例えば、可動部23の振動を見学する見学者は、振動の程度を定量的に認識することができる。特に、制御部24が、複数の異なる建物にそれぞれ対応する複数の建物振動情報に基づく予測振動をそれぞれ発生させた場合、見学者は、それぞれの建物における予測振動に伴う可動部23の変位を目盛りMで定量的に認識することができる。したがって、見学者は、複数の異なる建物の内部での揺れの度合いを定量的に比較することができる。
駆動装置50は、通信部51と、記憶部52と、駆動部53とを含む。
通信部51は、無線通信又は有線通信により、情報の送信及び受信が可能なインターフェースを含む。通信部51は、例えば、振動発生装置20の通信部21との間で、情報の送信及び受信が可能である。具体的には、通信部51は、振動発生装置20の通信部21から駆動制御信号を受信する。
記憶部52は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置等の記憶装置を含んで構成され、種々の情報及び種々のプログラムを記憶する。具体的に、記憶部52は、駆動部53が囲繞部材6を駆動するための駆動プログラムを記憶する。
駆動部53は、囲繞部材6を駆動する。具体的には、通信部51が振動発生装置20の通信部21から駆動制御信号を受信すると、駆動部53は、囲繞部材6を駆動する。例えば、駆動部53は、壁面部62及び天井部63の少なくとも一部を傾けてもよい。駆動部53は、天井部63の少なくとも一部を鉛直下方に変位させてもよい。これにより、可動部23に着座するユーザは、建物が倒壊したときに壁、天井等が崩れたり落下したりする状況に類似した状況を体験することができ、より高い臨場感で地震を疑似体験することができる。
上述したように振動発生装置20の制御部24は、建物振動情報の時刻歴応答が所定の閾値に達した時点で、照明装置40に消灯させるための消灯信号を送信するよう通信部21を制御すると共に、可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる。したがって、駆動装置50は、可動部23の少なくとも一部が変化するタイミングで囲繞部材6を駆動することになる。したがって、振動体験システム1は、建物の倒壊による衝撃と、壁面の崩壊とを疑似的にユーザに体験させることができる。
図3は、第1実施形態における振動体験システム1の動作例を示すシーケンス図である。制御装置100は、入力部14が建物識別情報及び開始指示情報を受け付けると、以降の動作を開始する。なお、動作の開始において、照明装置40の制御部43は、照明部44を点灯させている。
制御部15は、入力部14によって入力された建物識別情報に対応する建物振動情報を記憶部12から抽出する(ステップS11)
制御部15は、記憶部12から抽出された建物振動情報を振動発生装置20に送信する(ステップS12)。
制御部15は、記憶部12から抽出された建物振動情報を映像出力装置30に送信する(ステップS13)。ステップS12及びステップS13の処理は任意の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。
ステップS12で建物振動情報が送信されると、振動発生装置20の通信部21が建物振動情報を受信し、制御部24は、建物振動情報に基づいて動作を発生させる(ステップS14)。
ここで、図4を参照して、ステップS14における動作の発生について詳細に説明する。
まず、制御部24は、建物振動情報の時刻歴応答(例えば、層間変形角、応答加速度等)に基づいて予測振動を発生させる(ステップS141)。
制御部24は、建物振動情報の時刻歴応答がいずれかの時点で閾値に達するか否かを判定する(ステップS142)。
ステップS142で、建物振動情報の時刻歴応答がいずれの時点でも閾値に達しないと判定すると、制御部24は、建物振動情報に時刻歴の最後に示された応答まで継続して予測振動を発生させ、処理を終了する(ステップS143)。
ステップS142で、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達すると判定されると、制御部24は、予測振動の発生中における、時刻歴応答が閾値に達する時点になったか否かを判定する(ステップS144)。
ステップ144で、応答が閾値に達する時点になったと判定されると、制御部24は、予測振動の発生を停止する(ステップS145)
ステップS145で、予測振動の発生が停止されると、制御部24は、建物の倒壊に対応する動作を発生させる(ステップS146)。具体的には、制御部24は、可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる。
ここで、図3に戻って、ステップS13で建物振動情報が送信されると、制御部33が建物振動情報に対応する建物の内部での、予測振動に同期した予測振動映像を表示部34に出力し、表示部34が予測振動映像を表示する(ステップS15)。
次に、図5を参照して、ステップS15における映像の表示について詳細に説明する。
まず、制御部33は、建物振動情報に基づいて予測振動映像を出力する(ステップS151)。
制御部33は、建物振動情報の時刻歴応答がいずれかの時点で閾値に達するか否かを判定する(ステップS152)。
ステップS152で、建物振動情報の時刻歴応答がいずれの時点でも閾値に達しないと判定すると、制御部33は、建物振動情報に時刻歴で最後に示される応答まで継続して予測振動映像を出力し、処理を終了する(ステップS153)。
ステップS152で、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達すると判定されると、制御部33は、予測振動映像の出力中に、応答が閾値に達する時点になったか否かを判定する(ステップS154)。
ステップ154で、応答が閾値に達する時点になったと判定されると、制御部24は、異常映像を、建物の倒壊に対応する映像として出力する(ステップS155)。
ステップS154で異常映像が出力された後、制御部24は、更に、建物の倒壊に対応する映像として、建物が倒壊した場合の建物の内部又は外部の光景を示す映像を出力する(ステップS156)。
ここで、図3に戻って、ステップ154で、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点になったと判定されると、制御部24は、照明装置40に消灯信号を送信するよう通信部21を制御する(ステップS16)。
また、ステップ164で、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点になったと判定されると、制御部24は、駆動装置50に駆動制御信号を送信するよう通信部21を制御する(ステップS17)。
ステップS16で消灯信号が送信されると、照明装置40の通信部41が消灯信号を受信し、制御部43が照明部44を消灯する(ステップS18)。
ステップS17で駆動制御信号が送信されると、駆動装置50の通信部51が駆動制御信号を受信し、駆動部53が囲繞部材6を駆動する(ステップS19)。
以上、第1実施形態によれば、振動体験システム1は、複数の異なる建物それぞれの構造情報に基づいて生成された、所定の振動情報に対する複数の建物振動情報のうち、建物識別情報で識別された建物に対応する建物振動情報に基づいて、建物の倒壊に対応した建物の変動をユーザに体験させる。そのため、振動体験システム1は、各建物に対応する建物識別情報を入力することによって、構造情報の異なる複数の建物それぞれの倒壊における変動の程度、倒壊に関する情報(倒壊の有無、倒壊までの時間等)をユーザUに認識させることができる。したがって、振動体験システム1は、倒壊に至る可能性のある地震発生時を考慮して居住環境を検討することをユーザUに促すことに寄与し、これにより、ユーザUの防災意識の向上を図ることが可能となる。
また、振動体験システム1は、建物振動情報に基づいて予測振動を発生させ、建物振動情報の時刻歴応答が所定の閾値に達した時点で、建物の倒壊に対応する変動としての動作を発生させる。このため、振動体験システム1は、地震発生時において振動中に建物が倒壊するタイミングに対応して建物の倒壊による衝撃をユーザに認識させることができる。したがって、振動体験システム1は、ユーザにより現実に則した体験をさせることができる。
また、振動体験システム1は、建物振動情報に基づいて予測振動映像を出力し、建物振動情報の時刻歴応答が所定の閾値に達した時点で、建物の倒壊に対応する映像を出力する。このため、振動体験システム1は、地震発生時において振動中に建物が倒壊するタイミングに対応して建物の倒壊に対応する予測振動映像をユーザに視認させることができる。したがって、振動体験システム1は、ユーザに地震発生から倒壊に至るまでのより現実に則した体験をさせることができる。
また、振動体験システム1は、建物の倒壊に対応する映像として異常映像を出力する。このため、振動体験システム1は、建物が倒壊するタイミングに対応してユーザに全体が黒色である映像を視認させ、これにより、建物の倒壊における衝撃をユーザUに強く認識させることができる。
また、振動体験システム1は、建物の倒壊に対応する映像として、異常映像を出力し、異常映像を出力した後、倒壊した前記建物の内部又は外部の光景を示す映像を出力する。このため、振動体験システム1は、倒壊後の建物の内部の状況をユーザUに認識させることができる。
また、振動体験システム1は、建物識別情報で識別された建物に対応する建物振動情報を予測振動映像と共に出力する。このため、振動体験システム1は、ユーザUに、建物の振動の度合いを感覚的に認識させると共に、建物振動情報により定量的に認識させることができる。
また、振動体験システム1は、建物識別情報で識別された建物に対応する建物振動情報を出力し、さらに、建物識別情報で識別された建物に対応しない建物振動情報を出力する。このため、振動体験システム1は、一の建物の振動を体験しつつ、当該建物の振動の度合いを定量的に認識すると同時に、他の建物の振動の度合いを認識することができる。これにより、振動体験システム1は、ユーザUに異なる建物における揺れの度合いの違いを認識させることができる。
振動体験システム1は、複数の異なる建物の構造情報に基づいて生成した建物振動情報に基づいて、順次、それぞれの建物の倒壊に対応した建物の変動をユーザに体験させてもよい。これにより、振動体験システム1は、建物の構造による倒壊の有無、倒壊に至るまでの時間等をユーザに認識させることができる。したがって、振動体験システム1は、ユーザUの防災意識を高めることに寄与することができる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態の振動体験システム1について説明する。第2実施形態の振動体験システム1は、第1実施形態の振動体験システム1と同様に、制御装置100と、振動体験装置200とを備える。第2実施形態の制御装置100は、第1実施形態の制御装置100と同様に、通信部11と、記憶部12と、情報生成部13と、入力部14と、制御部15とを備える。振動体験装置200は、第1実施形態の振動体験装置200と同様に、振動発生装置20と、映像出力装置30と、照明装置40と、駆動装置50とを備える。振動発生装置20は、第1実施形態の振動発生装置20と同様に、通信部21と、記憶部22と、可動部23と、制御部24と、を備える。映像出力装置30は、第1実施形態の映像出力装置30と同様に、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、を備える。照明装置40は、第1実施形態の照明装置40と同様に、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、照明部44とを備える。駆動装置50は、第1実施形態の駆動装置50と同様に、通信部51と、記憶部52と、駆動部53とを含む。
以降、第2の実施形態における第1の実施形態と異なる点について説明する。第2の実施形態における第1の実施形態と同様の点については説明を省略する。
制御装置100の制御部15は、建物識別情報で識別された建物に対応する建物振動情報に基づいて、建物の倒壊に対応した建物の変動をユーザに体験させるための制御信号を生成する。制御信号は、追って詳細に説明する変動制御信号、映像出力信号、消灯信号、及び駆動制御信号を含む。
具体的には、制御部15は、建物振動情報に基づいて可動部23を動作させるための変動制御信号を生成する。変動制御信号は、振動発生装置20の制御部24に可動部23を動作させるための信号である。そして、通信部11が、制御部15によって生成された変動制御信号を振動発生装置20に送信する。さらに、振動発生装置20の制御部24は、変動制御信号に基づいて可動部23を制御する。可動部23の制御の詳細については第1の実施形態と同様である。
制御装置100の制御部15は、建物振動情報に基づいて映像出力信号を生成する。映像出力信号は、映像出力装置30の制御部33に映像を表示部34に出力させるための信号である。そして、通信部11が、制御部15によって生成された映像出力信号を映像出力装置30に送信する。さらに、映像出力装置30の制御部33は、映像出力信号に基づく映像を表示部34に出力する。表示部34は、制御部33から入力された映像を表示させる。映像の表示の詳細については第1の実施形態と同様である。
制御装置100の制御部15は、変動制御信号に基づいて可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる処理と同期をとって制御部43に照明部44を消灯させるための消灯信号を生成する。そして、通信部11は、制御部15によって生成された消灯信号を照明装置40に送信する。さらに、照明装置40の制御部43は、通信部41が消灯信号を受信すると、照明部44を消灯する。
制御装置100の制御部15は、変動制御信号に基づいて可動部23少なくとも一部の状態を変化させる処理と同期をとって駆動部53に囲繞部材6を駆動させるための駆動制御信号を生成する。そして、通信部11は、制御部15によって生成された駆動制御信号を駆動装置50に送信する。さらに、駆動装置50の駆動部53は、通信部51が駆動制御信号を受信すると、囲繞部材6を駆動する。囲繞部材6の駆動の詳細については第1の実施形態と同様である。
図6は、第2実施形態における振動体験システム1の動作例を示すシーケンス図である。制御装置100は、入力部14が建物識別情報及び開始指示情報を受け付けると、以降の動作を開始する。
制御部15は、入力部14によって入力された建物識別情報に対応する建物振動情報を記憶部12から抽出する(ステップS31)。
制御部15は、入力部14によって入力された建物識別情報に対応する建物振動情報に基づいて変動制御信号を生成する(ステップS32)。
制御部15は、入力部14によって入力された建物識別情報に対応する建物振動情報に基づいて、映像出力信号を生成する(ステップS33)。
制御部15は、変動制御信号に基づいて、振動発生装置20が可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる処理と同期をとって照明部44を消灯させるための消灯信号を生成する(ステップS34)。
制御部15は、変動制御信号に基づいて、振動発生装置20が可動部23の少なくとも一部の状態を変化させる処理と同期をとって駆動部53に囲繞部材6を駆動させるための駆動制御信号を生成する(ステップS35)。
ステップS32で変動制御信号が生成されると、制御部15は、変動制御信号を振動発生装置20に送信するよう通信部11を制御する(ステップS36)。
ステップS33で映像出力信号が生成されると、制御部15は、映像出力信号を映像出力装置30に送信するよう通信部11を制御する(ステップS37)。
ステップS34で消灯信号が生成されると、制御部15は、消灯信号を照明装置40に送信するよう通信部11を制御する(ステップS38)。
ステップS35で駆動制御信号が生成されると、制御部15は、駆動制御信号を駆動装置50に送信するよう通信部11を制御する(ステップS39)。
ステップS36で変動制御信号が送信されると、振動発生装置20の通信部21が変動制御信号を受信し、制御部24が変動制御信号に基づいて可動部23を動作させる(ステップS40)。
ステップS37で映像出力信号が送信されると、振動発生装置20の通信部21が映像出力信号を受信し、制御部24が映像出力信号に基づいて映像を表示部34に出力する(ステップS41)。
ステップS38で消灯信号が送信されると、照明装置40の通信部41が消灯信号を受信し、制御部43が照明部44を消灯する(ステップS42)。
ステップS39で駆動制御信号が送信されると、駆動装置50の通信部51が駆動制御信号を受信し、駆動部53が囲繞部材6を駆動する(ステップS43)。
以上、本発明の第2実施形態によれば、制御装置100は、建物識別情報で識別された建物に対応する建物振動情報に基づいて、建物の倒壊に対応した建物の変動をユーザに体験させるための制御信号を生成する。そのため、制御装置100は、各建物に対応する建物識別情報を入力することによって、複数の異なる建物のそれぞれの倒壊における変動の程度、倒壊に関する情報(倒壊の有無、倒壊までの時間等)をユーザUに認識させることができる。したがって、制御装置100はユーザUに対しては倒壊に至る可能性のある地震発生時を考慮して居住環境を検討することを促すことに寄与し、これにより、ユーザUの防災意識の向上を図ることが可能となる。
本発明は、上述した各実施形態で特定された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
また、上述した実施形態において、記憶部12は、複数の建物の構造情報を記憶するとしたが、この限りではない。記憶部12は構造情報を記憶せず、例えば、通信部11が構造情報を受信してもよいし、入力部14が構造情報を受け付けてもよい。
また、上述した実施形態において、振動発生装置20が消灯信号及び駆動制御信号をそれぞれ照明装置40及び駆動装置50に送信するとしたが、この限りではない。例えば、振動発生装置20は消灯信号及び駆動制御信号を送信しなくてもよい。このような構成において、映像出力装置30は、建物振動情報の時刻歴応答が閾値に達する時点になったと判定すると、消灯信号及び駆動制御信号をそれぞれ照明装置40及び駆動装置50に送信する。これにより、上述した実施形態と同様に、照明装置40の制御部43は消灯信号に基づいて照明部44を消灯し、駆動装置50の駆動部53は囲繞部材6を駆動する。
また、上述した実施形態において、制御部15は、入力部14によって建物識別情報が受け付けられると、受け付けられた建物識別情報と、複数の建物振動情報を振動発生装置20及び映像出力装置30に送信するよう通信部11を制御してもよい。このような構成において、振動発生装置20は、建物識別情報に対応する建物振動情報に基づいて可動部23を動作させる。映像出力装置30は、建物識別情報に対応する建物振動情報に基づいて映像を表示部34に出力する。さらに、映像出力装置30は、建物識別情報に対応する建物振動情報の応答履歴を予測振動映像と共に表示してもよいし、建物識別情報に対応しない建物振動情報の応答履歴をさらに表示してもよい。
また、上述した実施形態の振動体験システム1は、振動発生装置20の動作と同期させながら、予測振動が発生した場合に想定される建物内における音声を出力する音声出力装置を、更に備えていてもよい。これにより、振動体験システム1は、変動の体験の臨場感をより一層高めることができる。
また、上述した実施形態の振動体験システム1の振動発生装置20及び映像出力装置30のうち少なくとも1つは、制御装置100との間で、通信による情報の送受信が可能ではない構成であってもよい。その場合、制御装置100に記憶されている建物振動情報を、USBメモリやCD-R等の可搬性記憶媒体に格納して、振動発生装置20及び映像出力装置30のうち少なくとも1つに読み込ませる構成とすることができる。