JP7309112B2 - 海苔網の干出作業支援システム - Google Patents

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Description

本発明は支柱方式の海苔養殖において、その海苔網を海水面から空中へ浮上させて乾燥する干出作業の支援システムに関する。
一般に海苔の養殖上、その海苔網を種付け後の育苗時に、海水へ長時間浸漬させておくと、海水中の雑菌や珪藻などが付着して、未だ抗菌力の弱い海苔芽が死滅してしまうため、その雑菌や珪藻などを殺し、病気にかかり難くすべく、海苔網を1日にほぼ2回干出作業する必要がある。
ここに、「干出」とは潮の干満を利用して、海苔網を海水面から空中へ浮上させ、所謂天日干し(乾燥)することであり、支柱方式の海苔養殖では海苔網の吊り綱を、海底から立設した支柱の途中へ取り付ける高さ位置の上げ下げによって行われているが、干潮時間は毎日異なり、従って海苔網の干出時間も毎日異なるため、常に同じ適度な乾燥状態を安定良く得ることは、至難の業である。
他の海藻に比して、乾燥には強い海苔芽であっても、海の生物であるため、乾燥し過ぎると、負傷した状態となり、成長が鈍化するほか、赤っぽく変色し、品質の低下を招くことになるからである。
そこで、海苔養殖業者は天文潮位(平常潮位)と自己の経験や知見などに基づき、干出するタイミングと必要な一定時間を予測して、図11に示す如く、上記支柱に対する海苔網の取付高さ(O-O)を位置決めしている通例であるが、その経験が乏しかったり、異常潮位(黒潮流路の蛇行など)やその他の気候変動が起こったりすると、その実際の(異常)潮位(図11の実線参照)と天文潮位(同図の点線参照)とが極めて大きく相違して、その予測決定した取付高さ(O-O)ではもはや海苔網の干出時間が無くなり、適正な乾燥状態を得られないのである。
この点、特許文献1には机上での理想的な海苔網管理システムが記載されている。つまり、この海苔網管理システムは「海苔を養殖するための海苔網が浸かっている海水の周辺情報を取得する取得手段と、前記周辺情報を分析する分析手段と、前記分析された結果に応じて、前記海苔網を海水から引き揚げる引揚手段とを備えた」構成である。
特許第6560834号公報
ところが、上記特許文献1の海苔網管理システムに具備された周辺情報の取得装置(20)は、各種センサーから成り、海上を浮遊するブイに設置されているため、そのセンサーレンズを定期的に洗浄するなどの面倒なメンテナンスが必要となり、その時間や労力を省くと、高精度の検知データを取得することができず、管理システムの信頼性が低下することになる。
また、取得する海水の周辺情報に、潮位の高低変化や干出時間は含まれておらず、その取得した周辺情報から海水の状態を分析して、予め設定された干出時間か否かを判定しなければならず、そのための海苔管理装置(10)としても取得モジュール(14)のほかに、分析モジュール(15)と判定モジュール(16)が必要となり、海苔管理プログラム(100)も複雑化する。
更に、海苔状態取得装置(40)としてカメラを搭載したドローンが採用されているため、強風により飛行させることができないなどという運行上の制約を受けやすい。
それにもまして、海苔網(33)の引揚手段である海苔網装置(30)が、一対の支柱(31)に設置された駆動部(32)を備え、その駆動部(32)の制御モーターによって、海苔網(33)を自動機械的に引き揚げ又は降下させるようになっているため、その海苔網(33)の1つずつに必要な機構として余りにも複雑・大型化し、1養殖業者の管理する海苔網が複数あることに徴し、そのイニシャルコストや運用費などが著しく高価となり、現実的ではない。塩害に晒される海水中へ、駆動部(32)を設置する必要があることからも、容易に普及しないと考えられる。
本発明はこのような諸問題の解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では海底に立設された支柱の途中へ、吊り綱により取り付けられた海苔網を、海水面から空中へ浮上させる海苔養殖業者の干出作業支援システムであって、
上記海苔網が浸かっている環境の海水情報を取得する観測装置と、
その観測装置から取得した上記海水情報の無線送信を受信するウェブサーバと、
そのウェブサーバにインターネットを介して接続された海苔養殖業者のユーザー通信端末とから成り、
上記観測装置は、潮位の高低変化に応じて上記海苔網の支柱に沿い移動することにより、その海苔網の取付高さを基準としてオン/オフ出力信号が切り替わるフロートスイッチを備え、
そのフロートスイッチが潮位の低下により海水面から上記海苔網の浮上した干出状態となった時に出力するオン信号又はオフ信号を上記海水情報として、その観測装置から上記ウェブサーバへ無線送信すると共に、
上記ユーザー通信端末からウェブサーバにアクセスして、そのウェブサーバに記憶されている上記海水情報である海苔網が干出状態となった始めから終わりまでの一定時間を参照することにより、海苔養殖業者が上記支柱に対する海苔網の取付高さを設定又は調整することを特徴とする。
また、請求項2では海底に立設された支柱の途中へ、吊り綱により取り付けられた海苔網を、海水面から空中へ浮上させる海苔養殖業者の干出作業支援システムであって、
上記海苔網が浸かっている環境の海水情報を取得する観測装置と、
その観測装置から取得した上記海水情報の無線送信を受信するウェブサーバと、
そのウェブサーバにインターネットを介して接続された海苔養殖業者のユーザー通信端末とから成り、
上記観測装置は、潮位の経時的な高低変化を測定する水圧センサーを備え、
その水圧センサーが潮位の高低差と、その潮位の低下により海水面から上記海苔網の浮上した干出状態となった時間とを測定し、その水圧センサーの測定値を上記海水情報として、その観測装置から上記ウェブサーバへ無線送信すると共に、
上記ユーザー通信端末からウェブサーバにアクセスして、そのウェブサーバに記憶されている上記海水情報である潮位の高低差と海苔網が干出状態となった始めから終わりまでの一定時間とを参照することにより、海苔養殖業者が上記支柱に対する海苔網の取付高さを設定又は調整することを特徴とする。

請求項3では観測装置が海苔網の海水情報を取得するフロートスイッチ又は水圧センサーのほかに、その海苔網における海苔の状態情報を取得するネットワークカメラも備えていることを特徴とする。
更に、請求項4では観測装置が海苔網の支柱における海苔網の取付位置よりも高い位置へ、締結バンドや締結綱、その他の締結具を介して、着脱自在に取り付け固定されていることを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、冒頭の図11に基づいて説明した従来のような海苔網の干出時間が無くなる事態の発生を予防することができ、そのために海苔網の海水情報を取得する観測装置としても、潮位の高低変化に応じて海苔網の支柱に沿い移動することにより、その海苔網の取付高さを基準としてオン/オフ出力信号が切り替わるフロートスイッチを採用しているため、普及しやすい安価な干出作業支援システムとして提供することができ、冒頭の特許文献1に記載されている海苔網管理システムのような膨大な費用を必要としない。
つまり、海苔養殖業者としては天文潮位と自己の経験などに基づき、海苔網の干出するタイミングと必要な一定時間を予測して、その海苔網を支柱の予測高さ位置へ取り付けた状態において、上記観測装置により実際の潮位変化を観測すれば良く、そうすればそのフロートスイッチが潮位の低下により海水面から海苔網の浮上した干出状態となった時に出力するオン信号又はオフ信号を上記海水情報として、その観測装置から海苔養殖支援センターなどのウェブサーバへ無線送信し、そのウェブサーバに記憶・保管されることになる。
そのため、海苔養殖業者のユーザー通信端末からウェブサーバにアクセスして、その記憶されている上記海水情報である海苔網が干出状態となった始めから終わりまでの一定時間を閲覧・参照する。
そして、上記観測装置のフロートスイッチによる実際の観測データが、例えば前日(24時間)のそれとして、その海苔網の予測高さにおける干出時間と延いては乾燥状態に過不足がある結果であった場合、当日には上記予測高さを改正高さとして、必要・充分な干出時間と乾燥状態を確保できるように、その支柱に対する海苔網の取付高さを高く又は低く調整(設定し直し)するようになっている。
その結果、異常潮位の悪影響を受けることなく、毎日ほぼ同じ必要な干出時間を確保することができ、常に一定の適正な乾燥状態を得られるのであり、観測データの蓄積によって上記予測高さと改正高さとの合致する確率(的中率)も高まる。
他方、請求項2の構成によれば、観測装置が上記フロートスイッチに代わる水圧センサーを具備しており、その水圧センサーはフロートスイッチと同じく潮位の低下によって海水面から海苔網の浮上した干出状態となった時間を知得できるばかりでなく、潮位の高低差も測定し、その測定値を目視可能な観測データとして取得するため、請求項1の上記効果を達成できることは勿論、支柱に対する海苔網の取付高さをその予測高さから改正高さへ調整する(付け変える)に当たり、その作業をますます容易・正確に行える効果もある。
何れにしても、支柱に対する海苔網の取付高さにつき、その養殖業者による予測決定の所謂はずれを極力防止することができ、毎回ほぼ同じ干出時間を得られるため、上記支柱に沿う海苔網の上げ下げ調整作業のみならず、その海苔網に付着した汚れや珪藻などの洗い落とし作業、海苔網に酸処理を施す作業、海苔の成育状態を確認する作業なども、その干出時間中での計画的にしっかり行えるのである。
また、請求項3の構成を採用するならば、ネットワークカメラが撮影した画像を海苔の状態情報として、これもユーザー通信端末から閲覧することにより、その海苔網における海苔の成育状態を判定・確認することに役立てることができる。
更に、請求項4の構成を採用するならば、観測装置が海苔網の支柱へ着脱自在に取り付け固定されているため、その保守・点検や交換を便利良く行える効果がある。
本発明の第1実施形態に係る海苔網の干出作業支援システムを示すブロック図である。 図1に示した上記干出作業支援システムの動作シーケンス図である。 海苔網の張設状態を示す概略斜面図である。 海苔網の支柱に対する観測装置の取付状態を示す側面図である。 同じく海苔網の支柱に対するフロートスイッチの取付状態を示す一部破断の側面図である。 上記フロートスイッチにおけるON/OFF信号の出力グラフである。 支柱に対する海苔網取付状態の変形実施形態を示す図5に対応する一部破断の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る海苔網の干出作業支援システムを示す図1に対応するブロック図である。 図8に示した上記干出作業支援システムの動作シーケンス図である。 水圧センサーによる潮位変化の測定グラフである。 異常潮位に起因して海苔網の干出時間が無くなる関係事態を示す説明グラフである。
以下、図面に基いて本発明の実施形態を詳述する。図1はその第1実施形態に係る海苔網の干出作業支援システムを示すブロック図であり、図2はその干出作業支援システムの動作シーケンス図である。
上記海苔網の干出作業支援システムは図1のように、海苔網(N)が浸かっている環境の海水情報を取得する観測装置(A)と、その観測装置(A)とモバイル回線を介して無線通信するウェブサーバ(管理サーバ)(W)と、そのウェブサーバ(W)に通信ネットワーク(インターネット)を介して接続されたユーザー通信端末(U)とから構成されており、海苔養殖業者が行う海苔網(N)の干出作業を支援する。
上記海苔網(N)はその概略的な張設状態を示す図3や図4、5から明白なように、水深の浅い海苔養殖現場の海底から立設された支柱(11)の途中へ、一定長さの吊り綱(12)によって取り付けられている。その海苔網(N)の周辺部から一体的に派出する吊り綱(12)の先端部が、支柱(11)に締結されているので、その締結部を上げ下げすることによって、支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さが設定又は調整されることとなる。
上記支柱(11)の各個は一定太さ(例えば直径:約50mm)の繊維強化樹脂(FRP)桿から成り、その多数が所要間隔を保って点在分布する起立状態にある。
そして、上記海苔網(N)の海水情報を取得するための観測装置(A)が、図4に抽出して示す如く、その多数分布する支柱(11)の任意な1本における海苔網(N)の取付位置よりも高い位置、望ましくは海の満潮時でも海水中へ沈没しない高さ位置に架設されている。
その観測装置(A)は図1、4から明白なように、潮位の高低変化に応じて移動(昇降)することにより、海苔網(N)の取付高さを基準としてオン/オフ出力信号が切り替わるフロートスイッチ(レベルスイッチ)(S)と、上記海苔網(N)における海苔(図示省略)の状態を撮影して、その状態情報(画像)を取得するネットワークカメラ(13)と、そのフロートスイッチ(S)のオン/オフ出力信号を海苔網(N)の海水情報とし、ネットワークカメラ(13)の撮影した画像を海苔の状態情報として、その何れの情報も上記ウェブサーバ(W)へ無線送信する通信部(14)と、その通信部(14)やフロートスイッチ(S)、ネットワークカメラ(13)を制御する制御部(電子回路基板)(15)とを備えている。
その観測装置(A)の制御部(15)によって制御されるフロートスイッチ(S)が上記海苔網(N)の海水情報を、同じくネットワークカメラ(13)が上記海苔の状態情報を各々取得し、これらの情報を連続して又は好ましくは電力消費を抑えるために、一定時間(例えば約30分や1時間)毎の自動間歇的に通信部(14)からウェブサーバ(W)へ送信するようになっている、
(16)は上記制御部(15)とその電源のバッテリ(図示省略)を内蔵した制御ボックスであって、言うまでもなく防水・防錆処理されており、上記支柱(11)へ布製のバンドや綱などの締結具(17)によって取り付け固定されている。
また、(18)は上記ネットワークカメラ(13)の取付台であり、これも別個なバンドや綱などの締結具(19)によって、支柱(11)へ取り付け固定されている。(20)は上記バッテリを自然(太陽)エネルギーによって充電するためのソーラーパネルであり、これもバンドや綱などの締結具(21)を介して、支柱(11)へ取り付け固定されている。
その場合、上記制御ボックス(16)とネットワークカメラ(13)並びにソーラーパネル(20)は、すべて別個独立して支柱(11)へ着脱自在に取り付けられるようになっているため、その保守・点検や交換などに便利である。
更に、上記フロートスイッチ(S)は図5に抽出して示す如く、ステム(22)に内蔵設置されたリードスイッチ(23)と、マグネット(24)を内蔵したフロート(25)とから成り、そのフロート(25)が潮位の高低変化に応じて上下方向へ移動(昇降)し、上記リードスイッチ(23)がマグネット(24)によってオン/オフ出力信号の切り替えを行うようになっている。
つまり、上記支柱(11)の途中に取り付けられている海苔網(N)が潮位の上昇により、海水面から沈下して浸漬状態となった時に、フロートスイッチ(S)がオン信号を出力するとすれば、潮位の低下により海水面から海苔網(N)の浮上した干出状態となった時に、同じくフロートスイッチ(S)がオフ信号を出力するようになっているのである。その海苔網(N)の干出状態となった時、フロートスイッチ(S)は上記ステム(22)に沿って自重により下降し、そのステム(22)の下限ストッパー(26)に受け止められる。
(27)は上記フロートスイッチ(S)を吊り下げる取付ブラケットであって、アングル形状をなし、その横板片(27x)にステム(22)の上端ネジ軸部(22a)が締結ナット(28)を介して固定されていると共に、同じくブラケット(27)の縦板片(27y)が上記海苔網(N)の支柱(11)へ、締結綱や締結紐などの締結具(29)によって取り付け固定されている。(30)は水密用のOリング、(31)は上記リードスイッチ(23)のリード線であり、上記制御ボックス(16)内にある制御部(15)と電気的に接続されていることは言うまでもない。
上記海苔養殖現場にある観測装置(A)と無線通信するウェブサーバ(管理サーバ)(W)は、海苔養殖支援センターや地方自治体の担当部署などに設置されており、図1のブロック図に示すような制御部(32)として、CPUやRAM、ROMなどを備えているほか、観測装置(A)から上記海水情報と海苔の状態情報を受信する通信部(33)と、これらの情報を蓄積・保管する記憶部(34)も具備している。
また、上記海苔養殖業者の使用するユーザー通信端末(U)は、パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのモバイル、その他の通信ネットワーク(インターネット)を介して上記ウェブサーバ(W)と通信できる機器であれば足り、図1のようなCPUやRAM、ROMなどの制御部(35)と、上記ウェブサーバ(W)と通信ネットワーク(インターネット)を介して接続された通信部(36)と、上記観測装置(A)のフロートスイッチ(S)が取得した上記海苔網(N)の海水情報や、同じくネットワークカメラ(13)が取得した海苔の状態情報(画像)などの表示部(観測データ出力部)(37)とを備えている。
上記第1実施形態に係る海苔網(N)の干出作業支援システムを利用するに当っては、海苔養殖業者が天文潮位と自己の経験や知見などに基づき、海苔網(N)の干出するタイミングと必要な一定時間を予測して、その支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さを図6の細い実線で示す予測高さ(O-O)として位置決めし、支柱(11)の途中へ取り付けた状態において、その養殖現場の上記観測装置(A)により実際の潮位変化を観測する。予測決定の言わば当り/はずれを確認するために、その実証的な観測を行うのである。
即ち、観測装置(A)の上記フロートスイッチ(S)は潮位の上昇により海水面から海苔網(N)の沈下した浸漬状態となった時に、オン/オフ信号の何れか一方(例えばオン信号)を出力し、潮位の低下により海水面から海苔網(N)の浮上した干出状態となった時に、残る他方の信号(例えばオフ信号)を出力し、そのフロートスイッチ(S)の1日(24時間)に4回切り替わる出力信号が、海苔網(N)の環境をなす海水情報として、図2の動作シーケンス図に示す如く、上記観測装置(A)の通信部(14)から海苔養殖支援センターなどのウェブサーバ(W)へ無線送信され、そのウェブサーバ(W)の記憶部(34)に記憶・保管されることとなる。
そのため、海苔養殖業者としては各自所持するパソコンや各種モバイル端末などのユーザー通信端末(U)から上記ウェブサーバ(W)へアクセスして、そのウェブサーバ(W)に記憶されている上記海水情報(フロートスイッチの上記信号出力表示)である海苔網(N)が干出状態となった始めから終りまでの一定時間を閲覧・参照するのである。
そして、その観測装置(A)のフロートスイッチ(S)による実際の観測データが、前日(24時間)のそれとして、上記海苔網(N)の予測高さ(O-O)における干出時間が未だ短く(少なく)、乾燥不足となる結果が判明した場合、その海苔網(N)の取付高さを当日には図6の太い実線で示す改正高さ(H-H)として、支柱(11)の上記予測高さ(O-O)よりも或る程度上げた高い位置へ、海苔網(N)を取り付け調整する(付け変える)ことにより、その海苔網(N)の干出時間を長く(多く)確保して、必要・充分な乾燥状態を得られるように設定し直すのである。
その場合、上記フロートスイッチ(S)の出力は2値のオン/オフ信号であるため、図6の正弦波ではなく、鎖線で示す矩形波のグラフとなり、潮位の高低差までは不明であるとしても、干出時間が始まる時刻から終わる時刻までの一定経過時間は判明する結果、この観測データに基いて海苔網(N)の乾燥に必要な一定時間を長く(多く)又は短く(少なく)調整することは容易に行えることである。
また、支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さについて、図6では前日の低い予測高さ(O-O)から、当日の高い改正高さ(H-H)まで設定又は調整する場合を説示したが、逆に予測高さ(O-O)では海苔網(N)の干出時間が長く(多く)、乾燥し過ぎる結果として、その高い予測高さ(O-O)から低い改正高さ(H-H)まで設定又は調整する場合には、その海苔網(N)を支柱(11)の予測高さ(O-O)よりも下げた低い位置へ、取り付け調整すれば(付け変えれば)良い。
前日の予測高さ(O-O)において、予測判断どおりの干出時間と乾燥状態を得られることが判明した場合には、その予測高さ(O-O)をそのまま改正高さ(H-H)として、支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さを変更することなく、そのままで当日の干出作業や網洗い作業(海苔網に付着した汚れや珪藻などの洗い落とし作業)を行えば良い。
更に、上記第1実施形態では海苔網(N)の周辺部から一体的に派出する吊り綱(12)の先端部を、直接支柱(11)に締結している関係上、その支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さを図6の低い予測高さ(O-O)から、高い改正高さ(H-H)まで調整したり(付け変えたり)、逆に高い予測高さ(O-O)から低い改正高さ(H-H)まで調整したり(付け変えたり)する作業として、上記支柱(11)に対する吊り綱(12)の締結部を上げ下げしているが、図5に対応する図7の変形実施形態を示す構成を採用しても良い。
つまり、その図7から明白なように、上記吊り綱(12)の先端部を直接支柱(11)に締結せず、その支柱(11)に沿って移動(昇降)する浮動リング(38)へ、言わば間接的に取り付けて、その浮動リング(38)を特別な取付綱(39)により、上記支柱(11)へ吊り下げ状態に締結して、その支柱(11)に対する取付綱(39)の締結部を上げ下げするか、又はその取付綱(39)の作用長さ(浮動リングの吊り下げ長さ)を長短調整するかして、支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さを調整することができる。
その図7の構成を採用する場合、フロートスイッチ(S)を吊り下げるための取付ブラケット(27)は、上記浮動リング(38)へ固定ボルト(40)とその締結ナット(41)などにより取り付けて、そのフロートスイッチ(S)のフロート(25)を浮動リング(38)と同じく、潮位の変化に応じて移動し得る状態に保てば良い。その図7の変形実施形態におけるその他の構成は図5の上記第1実施形態と実質的に同じであるため、
図7に図5と同じ符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
次に、図8~10は図1、2、6と対応する本発明の第2実施形態を示しており、この第2実施形態に係る海苔網(N)の干出作業支援システムではその観測装置(A)が、上記第1実施形態のフロートスイッチ(S)に代る水圧センサー(42)を具備している。
その水圧センサー(42)は図4に併せて示す如く、上記観測装置(A)の制御ボックス(16)内にある制御部(15)と電気的に接続配線されており、海水面から沈下した水中にあって、潮位の経時的な高低変化を測定する。水圧センサー(42)が図10のように潮位の高低差と、その潮位の低下により海水面から上記海苔網(N)の浮上した干出時間とを測定し、その水圧センサー(42)の測定値が海苔網(N)の海水情報となっている。
そこで、その第2実施形態に係る干出作業支援システムの利用に当っても、海苔養殖業者としてはやはり天文潮位と自己の経験などに基づき、海苔網(N)の干出するタイミングと必要な一定時間を予測して、その支柱(11)に対する海苔網(N)の取付高さを図10の細い実線で示す予測高さ(O-O)に位置決めし、支柱(11)の途中へ取り付けた状態において、その養殖現場の上記観測装置(A)により実際の潮位変化を観測する。
その観測装置(A)の上記水圧センサー(42)は図10のように潮位の高低差と、その潮位の低下により海水面から上記海苔網(N)の浮上した干出時間とを測定し、その水圧センサー(42)の測定値(潮位の数値は平均値である)が海苔網(N)の海水情報として、図9の動作シーケンス図に示す如く、上記観測装置(A)の通信部(14)から海苔養殖支援センターなどのウェブサーバ(W)へ無線送信され、そのウェブサーバ(W)の記憶部(34)に記憶・保管されることになる。
そのため、海苔養殖業者は各自所持するユーザー通信端末(U)から上記ウェブサーバ(W)へアクセスして、そのウェブサーバ(W)の記憶部(34)に記憶されている上記海水情報(水圧センサーの測定値)である潮位の高低差と、海苔網(N)が干出状態となった始めから終わりまでの一定時間を閲覧・参照するのである。
そして、その観測装置(A)の水圧センサー(42)による実際の観測データが、前日(24時間)のそれとして、上記海苔網(N)の予測高さ(O-O)における干出時間が未だ短く(少なく)、乾燥不足になることが判明した場合、その海苔網(N)の取付高さを当日には図10の太い実線で示す改正高さ(H-H)として、支柱(11)の上記予測高さ(O-O)よりも或る程度上げた高い位置へ、海苔網(N)を取り付け調整する(付け変える)ことにより、その海苔網(N)の干出時間を長く(多く)確保して、必要・充分な乾燥状態を得られるように設定し直すのである。
その場合、水圧センサー(42)は上記第1実施形態のフロートスイッチ(S)と同じく、海苔網(N)の干出時間が始まる時刻から終わる時刻までの一定経過時間を知得するばかりでなく、潮位の高低差も図10に例示する正弦波形と測定数値のような目視できる観測データとして判明するため、この観測データに基いて上記海苔網(N)の予測高さ(O-O)から改正高さ(H-H)まで高く上げる程度と、その程度によって確保できる干出時間を、明確に判断し得るのであり、その干出時間の具体的な調整がますます容易となる。
図8~10の第2実施形態におけるその他の構成とその利用法は、図1~6の上記第1実施形態並びにその図7の変形実施形態と実質的に同一であるため、その図8~10に図1~7と同じ符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を割愛する。
上記第1、2実施形態の何れにあっても、観測装置(A)のフロートスイッチ(S)又は水圧センサー(42)により、海苔網(N)が海水面から浮上した干出状態になったことを、海苔網(N)の海水情報として取得し、その観測装置(A)からウェブサーバ(W)へ無線送信するようになっているが、観測装置(A)のネットワークカメラ(13)により撮影した海苔の画像を、上記海苔網(N)における海苔の状態情報として、これもウェブサーバ(W)へ無線送信し、その状態情報の閲覧により海苔の健全な成育状態の確認に役立てても良い。
また、海苔網(N)の海水情報としても潮位の高低変化のみならず、水温センサーによって検知した水温や、大気照度センサーによって取得した大気照度などを加えることができる。尚、その水温センサーが夏季に海水面から浮上した時、これによって検知される温度は急上昇し、上記水圧センサーも海水面から浮上した時に、その検知される水圧が無くなるため、これらの時に海苔網(N)が海水面から浮上した干出状態になったものとみなすことにより、その水温センサーや水圧センサーを上記第1実施形態のフロートスイッチ(S)に代わるオン/オフスイッチとして採用してもさしつかえない。
(11)・・・・・・・・・支柱
(12)・・・・・・・・・吊り綱
(13)・・・・・・・・・ネットワークカメラ
(14)(33)(36)・通信部
(15)(32)(35)・制御部
(16)・・・・・・・・・制御ボックス
(17)・・・・・・・・・締結具
(18)・・・・・・・・・カメラ用取付台
(19)(21)(29)・締結具
(20)・・・・・・・・・ソーラーパネル
(22)・・・・・・・・・ステム
(23)・・・・・・・・・リードスイッチ
(24)・・・・・・・・・マグネット
(25)・・・・・・・・・フロート
(26)・・・・・・・・・下限ストッパー
(27)・・・・・・・・・取付ブラケット
(28)・・・・・・・・・締結ナット
(31)・・・・・・・・・リード線
(34)・・・・・・・・・記憶部
(37)・・・・・・・・・表示部(画像出力部)
(38)・・・・・・・・・浮動リング
(39)・・・・・・・・・取付網
(40)・・・・・・・・・固定ボルト
(41)・・・・・・・・・締結ナット
(42)・・・・・・・・・水圧センサー
(A)・・・・・・・・・・観測装置
(H-H)・・・・・・・・海苔網の改正高さ
(N)・・・・・・・・・・海苔網
(O-O)・・・・・・・・海苔網の予測高さ
(S)・・・・・・・・・・フロートスイッチ
(U)・・・・・・・・・・ユーザー通信端末
(W)・・・・・・・・・・ウェブサーバ

Claims (4)

  1. 海底に立設された支柱の途中へ、吊り綱により取り付けられた海苔網を、海水面から空中へ浮上させる海苔養殖業者の干出作業支援システムであって、
    上記海苔網が浸かっている環境の海水情報を取得する観測装置と、
    その観測装置から取得した上記海水情報の無線送信を受信するウェブサーバと、
    そのウェブサーバにインターネットを介して接続された海苔養殖業者のユーザー通信端末とから成り、
    上記観測装置は、潮位の高低変化に応じて上記海苔網の支柱に沿い移動することにより、その海苔網の取付高さを基準としてオン/オフ出力信号が切り替わるフロートスイッチを備え、
    そのフロートスイッチが潮位の低下により海水面から上記海苔網の浮上した干出状態となった時に出力するオン信号又はオフ信号を上記海水情報として、その観測装置から上記ウェブサーバへ無線送信すると共に、
    上記ユーザー通信端末からウェブサーバにアクセスして、そのウェブサーバに記憶されている上記海水情報である海苔網が干出状態となった始めから終わりまでの一定時間を参照することにより、海苔養殖業者が上記支柱に対する海苔網の取付高さを設定又は調整することを特徴とする海苔網の干出作業支援システム。
  2. 海底に立設された支柱の途中へ、吊り綱により取り付けられた海苔網を、海水面から空中へ浮上させる海苔養殖業者の干出作業支援システムであって、
    上記海苔網が浸かっている環境の海水情報を取得する観測装置と、
    その観測装置から取得した上記海水情報の無線送信を受信するウェブサーバと、
    そのウェブサーバにインターネットを介して接続された海苔養殖業者のユーザー通信端末とから成り、
    上記観測装置は、潮位の経時的な高低変化を測定する水圧センサーを備え、
    その水圧センサーが潮位の高低差と、その潮位の低下により海水面から上記海苔網の浮上した干出状態となった時間とを測定し、その水圧センサーの測定値を上記海水情報として、その観測装置から上記ウェブサーバへ無線送信すると共に、
    上記ユーザー通信端末からウェブサーバにアクセスして、そのウェブサーバに記憶されている上記海水情報である潮位の高低差と海苔網が干出状態となった始めから終わりまでの一定時間とを参照することにより、海苔養殖業者が上記支柱に対する海苔網の取付高さを設定又は調整することを特徴とする海苔網の干出作業支援システム。
  3. 観測装置は海苔網の海水情報を取得するフロートスイッチ又は水圧センサーのほかに、その海苔網における海苔の状態情報を取得するネットワークカメラも備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の海苔網の干出作業支援システム。
  4. 観測装置は海苔網の支柱における海苔網の取付位置よりも高い位置へ、締結バンドや締結綱、その他の締結具を介して、着脱自在に取り付け固定されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の海苔網の干出作業支援システム。
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