JP7308492B2 - 温室効果ガス排出量管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、温室効果ガス排出量管理方法に関する。
燃料及び電力等の使用に伴う事業者の温室効果ガス排出量について、SCOPE1排出量(自社の直接排出)及びSCOPE2排出量(自社の間接排出)を対象とした報告制度が普及し、SCOPE1及びSCOPE2における排出量の算定や削減努力は進展してきている。
非特許文献1には、事業者によって排出される温室効果ガスの更なる削減をめざして、SCOPE1及びSCOPE2以外の排出量として、SCOPE3排出量、すなわち、他の関連する事業者などのサプライチェーン(原料調達、製造、物流、販売、廃棄等の一連の流れ全体)の排出量を算定することについて提言がなされている。
「サプライチェーン排出量算定の考え方」、環境省、2017年11月
しかしながら、非特許文献1に開示の技術は、SCOPE3に関する温室効果ガス排出量の算定方法等について開示がなされているものの、各事業者、特に企業や自治体などにおいて、排出量算定のために膨大なデータ回収と入力を行い、排出量を算定し、算定結果を管理することは非常に多くの手間と時間が費やされている。特に、GHG排出量管理領域において、算定対象となる排出量のSCOPEが拡がりをましている点、SCOPE毎に排出量算定の根拠となるデータが多岐に渡る点、また、事業者毎にデータの管理方法も異なる点等から、先端技術導入による業務効率化が遅れている。
そこで、本発明は、事業者による温室効果ガス排出量の算定等のGHG排出量管理領域において、先端技術を活用することにより、業務工数を削減して排出量管理を効率的に実現する方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態による、温室効果ガス排出量の管理方法であって、事業者端末より請求書情報の画像データ受け付け、前記画像データを機械学習により解析することにより、前記エネルギーの使用量に関する情報を抽出前記使用量に関する情報に基づいて、温室効果ガス排出量を算出する。
本発明によれば、事業者による温室効果ガス排出量の算定等の管理を効率的に実現する方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量管理システムを説明する図である。 温室効果ガス排出量管理システムを構成する管理端末の機能ブロック図である。 温室効果ガス排出量管理システムを構成する事業者端末の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態による事業者データの詳細を説明する図である。 本発明の第1の実施形態による請求書情報の詳細を説明する図である。 本発明の第1の実施形態によるトランザクション情報の一例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態によるトランザクション情報の他の例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量の算出処理の一例を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量の変化の原因予測処理の一例を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量のトランザクション処理の一例を示すフローチャート図である。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による温室効果ガス排出量の管理システム(以下単に「システム」という)は、以下のような構成を備える。
[項目1]
温室効果ガス排出量の管理方法であって、
事業者端末より請求書情報の画像データ受け付け、
前記画像データを機械学習により解析することにより、前記エネルギーの使用量に関する情報を抽出し、
前記使用量に関する情報に基づいて、温室効果ガス排出量を算出する方法。
[項目2]
前記請求書情報は、エネルギーの使用量に関する情報を含む、項目1に記載の管理方法。
[項目3]
前記請求書情報は、前記事業者端末に係る事業者の活動に関連する他の事業者のエネルギーの使用量に関する情報を含む、項目1に記載の管理方法。
[項目4]
前記算出した温室効果ガス排出量に基づいて、機械学習により、排出量の増減の原因を予測し、前記予測された原因をレポートとして生成する、項目1に記載の管理方法。
[項目5]
前記機械学習は、少なくとも、天気、気温、製品の需要及び/または工場の稼働、店舗若しくは工場の営業若しくは稼働時間、装置若しくは設備の変更、ソフトウェアによる施策、節電行為、燃料の転換、エネルギーのメニュー変更、出張若しくは通勤量の変化、及び自家発電の発電量からなる因子のいずれかまたは複数を入力データとして学習することを含む、項目1に記載の管理方法。
[項目6]
前記算出された排出量に関する情報をトランザクション情報としてブロックチェーンに記録する、項目1に記載の管理方法。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態によるシステムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量の管理システムを説明する図である。
図1に示されるように、本実施形態における排出量管理システム1において、管理者端末100と複数の事業者端末200A、200Bとが、通信ネットワークNWを介して相互に接続する。
例えば、管理端末100は、事業者端末200A、200Bから、事業者に関する基本情報、温室効果ガス(例えば、CO2)排出量を算定するための入力情報(例えば、請求書情報の画像データ)を受信する。
また、管理端末100は、受信した、請求書情報の画像データを機械学習により解析し、画像データに含まれる請求書情報の必要項目を抽出し、温室効果ガスの排出量を算定する。また、管理端末100は、算定した、時系列による温室効果ガス排出量の変化(例えば、増減)を機械学習により分析し、変化の原因を予測する。
さらに、管理端末100は、ウォレットを有しており、パブリックブロックチェーンネットワークNWに接続する。管理端末100は、上記所定期間毎の温室効果ガス排出量に関する情報を基に、SHA256または他のハッシュ関数を用いて単一のハッシュ値を生成し、トランザクション情報としてブロックチェーン・ネットワークに記録する。ブロックチェーン・ネットワーク上で、トランザクション情報、直前のブロックに記録されたハッシュ値及びノードにより採掘されたナンス値を基に、本ブロックが生成され、直前のブロックに続いて記録され、ブロックチェーンが形成される。ここで、上記ハッシュ生成、及び/またはトランザクション情報のブロックチェーンへの記録を管理端末100でなく、他の端末を介して行うこともできる。この場合、管理端末100は、他の端末に対し、マッチング処理で算出した温室効果ガス排出量を送信する。さらに、管理端末100は、温室効果ガス排出量に関する情報を、スマートコントラクトとしてブロックチェーン・ネットワークに記録することができる。スマートコントラクトを用いることで、上記排出量に関する情報を基に、他の事業者との間の排出量取引に関する契約を、第三者を介さずに自動生成し、承認及び実行をすることができる。また、スマートコントラクトにより、各事業者が、管理端末を介することなく、トランザクション情報を参照することが可能となり、サービス利便性が高まり、運用コストも軽減される。
ここで、パブリックブロックチェーンは、上述の通り、取引の承認を特定の管理者ではなく、不特定多数のノードやマイナーが行うため、プライベートブロックチェーンと比較して、データのより高い非改ざん性と耐障害性を担保することができ、よって、取引の安全性が担保されることから、本実施形態において電力取引を記録する先としてパブリックブロックチェーンであることが好ましい。代表的なパブリックブロックチェーンとして、Bitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)等が挙げられるが、例えば、Ethereumは、パブリックブロックチェーンの中でも、非改ざん性、信頼性がより高い。
また、管理端末100は、温室効果ガス排出量に関する情報を識別子等により関連づけ、ノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token(以下、「NFT」))として、ブロックチェーン・ネットワークに記録することができる。NFTは、例えば、ブロックチェーン・ネットワークのプラットフォームであるEtheriumの「ERC721」という規格で発行されるトークンであって、ブロックチェーン・ネットワークに記録されるデータの単位であり、非代替性の性格を有する。NFTはブロックチェーン上にスマートコントラクトとともに記録され、追跡可能であるため、温室効果ガス排出量を管理する事業者情報等の詳細及び履歴を含む取引情報を証明することができる。
図2は、排出量管理システムを構成する管理端末の機能ブロック図である。
通信部110は、ネットワークNWを介して外部の端末と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、事業者に関連する各種データを格納する、事業者データ格納部121、及び学習データ及び学習データをAI(人口知能)が学習した学習モデルを格納する、AIモデル格納部122を有する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120または管理端末100外に構築されていてもよい。
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、管理端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、事業者端末200等外部の端末からの情報を受け付ける情報受付部131、事業者端末より受信した、請求書情報等の画像データを解析し、温室効果ガス排出量を算定する、画像解析部132、画像データを解析し、抽出された請求書情報に含まれる情報を基に算定された温室効果ガス排出量の時系列的な変化の原因を解析する、原因解析部133、温室効果ガス排出量に関する情報を所定期間分で纏めてハッシュ値を生成し、ブロックチェーン・ネットワークにトランザクション情報として記録する処理を行う、トランザクション処理部134、及び、所定期間毎に、事業者に対して、温室効果ガス排出量及び排出量の変化の原因分析の結果を出力するための、レポートデータを生成し、送信する、レポート生成部135を有する。
また、図示しないが、制御部130は、画像生成部を有し、事業者端末200等外部の端末のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザインターフェースの所定の領域に配置することで、ユーザインターフェースに表示される情報を生成する。画像生成部に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
また、管理端末100は、さらに、ブロックチェーン・ネットワークに対しトランザクション情報を記録するために必要な(図示しない)ウォレットを有する。なお、本ウォレットは管理端末100外部に有することもできる。
図3は、排出量管理システムを構成する事業者端末の機能ブロック図である。
事業者端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
通信部210は、ネットワークNWを介して管理端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
表示操作部220は、事業者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、事業者端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、事業者端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である事業者端末200により実行される。
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、管理端末100との通信内容を一時的に記憶している。
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、事業者端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
図4は、本発明の第1の実施形態による事業者データの詳細を説明する図である。
図4に示す事業者データ1000は、事業者端末200を介して事業者から取得した、事業者に関連する各種データを格納する。図4において、説明の便宜上、一事業者(事業者ID「10001」で識別される事業者)の例を示すが、複数の事業者の情報を格納することができる。事業者に関連する各種データとして、例えば、事業者の基本情報(例えば、事業者の法人名、ユーザ名、住所、業種、連絡先、メールアドレス、事業所名、関連会社名、サプライチェーン上で関連する事業者名等)、入力情報(例えば、請求書情報の画像データ等)、分析情報(例えば、画像データから抽出された請求書、温室効果ガス排出量、温室効果ガス排出量の変化の原因予測等に関する情報)、カスタマー情報(例えば、カスタマーID、ブロックチェーンアドレス等)、及びオフセットレポート情報(例えば、TXID、NFTID等)を含むことができる。
図8は、本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量の算出処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、ステップS101の処理として、管理端末100の制御部130の情報取得部131は、事業者端末200から、ネットワークNWを介して、事業者側で収集した、請求書情報を含む画像データを取得する。事業者は、事業者端末200を介して、請求書、領収書、伝票等(本実施形態において、これらを総称して「請求書」という)をPDF、Excel、JPG等のファイル形式(本実施形態において、これらを総称して「画像データ」という)で、管理端末100に対してアップロードする。情報取得部131が取得した画像データは、記憶部120の事業者データ格納部121に入力情報として格納される。
続いて、ステップS102の処理として、管理端末100の制御部130の画像解析部132は、前ステップにおいて取得した画像データを、機械学習により解析する。ここで、画像解析に際しては、いわゆるOCRという手法を用い、管理端末100の制御部130の画像解析部132は、記憶部120のAIモデル格納部122に格納された、事前に、複数の様々な様式の請求書の画像データを学習することにより生成された学習モデルにより、画像データからテキストを認識し、構造化された文字列のデータとして請求書情報に含まれる項目を抽出する。ここで、画像解析に際しては、APIにより連携する、管理端末100以外の事業者により提供される画像解析エンジン(OCRエンジン等)を用いることもできる。
画像解析について、例えば、図5に示すように、請求書情報が含まれる画像データからテキストを認識し、抽出することにより行われる。図5に示すように、請求書情報として、請求書に含まれる様々な項目が挙げられるが、例えば、電気料金の内訳名、内訳毎の金額(円)、契約電力(kW)、内訳毎の電力使用量(kWh)、合計金額(円)、日付(年月)等の項目が挙げられる。本例では、電気料金の請求書内訳を例示するが、電気のほか、ガス、燃料を含めたその他エネルギーの使用量に関する料金の請求書であってもよいし、その他、例えば、出張費の交通費の領収書、雇用者の通勤費の領収書、貨物業者との取引に伴う請求書、廃棄事業者との取引に伴う請求書の内訳であってもよい。画像解析部132は、これら請求書情報の画像データを解析することで請求書情報に含まれる金額情報、下記活動量情報等をテキストとして抽出することができる。抽出された請求書情報は、記憶部120の事業者データ格納部121に分析情報として格納される。このように、機械学習による画像解析により、事業者が手入力等により請求書情報を入力することなく、温室効果ガス排出量を算定するために膨大かつ必要な情報を画像データとして取得することができ、かつ、精度の高い画像認識により、温室効果ガス排出量の算定に必要な情報を正確に抽出することができるので、温室効果ガス排出量の算定の効率化及び高精度化を実現することができる。
次に、ステップS103において、制御部130の画像解析部132は、画像データから抽出された請求書情報に基づいて温室効果ガス排出量を算定する。ここで、温室効果ガス排出量は、SCOPE1、SCOPE2及びSCOPE3に分類され、SCOPE1は、事業者自らにより温室効果ガスの直接排出(例えば、燃料の燃焼や工業プロセスに伴う排出)、SCOPE2は、他社から事業者に供給された電気、熱、ガス等の使用に伴う間接排出、さらに、SCOPE3は、GHGプロトコルが発行した組織のサプライチェーン全体の排出量の算定基準であり、事業者のサプライチェーン(原料調達、製造、物流、販売、廃棄等の一連の流れ全体)の排出量をいう。SCOPE3は、さらに、15のカテゴリ(1)購入した製品/サービス、2)資本財、3)SCOPE1及びSCOPE2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動、4)輸送、配送(上流)、5)事業から出る廃棄物、6)出張、7)雇用者の通勤、8)リース資産(上流)、9)輸送、配送(下流)、10)販売した製品の加工、11)販売した製品の使用、12)販売した製品の廃棄、13)リース資産(下流)、14)フランチャイズ、15)投資)に分類される。ここで、温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)を含まれるが、本実施形態においてはCO2を例に説明する。
また、温室効果ガスの排出量は、事業者の電気の使用量、貨物の輸送量、廃棄物の処理量、各種取引金額を活動量として定義し、活動量に、排出原単位として、電気1kWh使用当たりのCO2排出量、貨物輸送量1トン当たりのCO2排出量、廃棄物の焼却1トン当たりのCO2排出量を乗算することで算定される。温室効果ガスの排出量は、上記SCOPE1、SCOPE2、SCOPE3(SCOPE3については15のカテゴリ別)別に、算定され、合計の排出量がサプライチェーン排出量として算定される。
本実施形態において、画像解析部132は、SCOPE1、SCOPE2及びSCOPE3別(SCOPE3についてはさらにカテゴリ別に)に、関連する請求書情報を抽出し、請求書情報のうち、例えば、電力使用量kWhを基に、上記計算方法を基に排出量を算定する。算定された排出量は、記憶部120の事業者データ格納部121に分析情報として格納される。
続いて、ステップS104の処理として、制御部130のレポート生成部135は、上記算定された排出量に関する情報を基に、SCOPE別(SCOPE3についてはさらにカテゴリ別)に、時系列での排出量の内訳を示す、可視化されたレポートを生成する。
図9は、本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量の変化の原因予測処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、ステップS201の処理として、管理端末100の制御部130の原因解析部133は、図8のステップS103で算定した、事業者の温室効果ガスの排出量に関する情報を参照する。ここで、温室効果ガスの排出量については、SCOPE別(SCOPE3についてはさらにカテゴリ別)の排出量を参照する。また、原因解析部133は、温室効果ガスの排出量について、同じ事業者の過去の排出量データを参照することで、排出量の変化(増減)を確認することができる。上記のように、排出量は、記憶部120の事業者データ格納部121に、分析情報として格納されている。
続いて、ステップS202の処理として、原因解析部133は、上記参照した排出量に関する情報と基に、機械学習により排出量の変化の原因を解析し、予測する。ここで、原因解析に際しては、管理端末100の制御部130の原因解析部133は、上記参照した排出量の情報、排出量の変化(増減)に影響を与える因子、及び、記憶部120のAIモデル格納部122に格納された、事前に、排出量の変化(増減)に影響を与える因子に関するデータを学習することにより生成された学習モデルにより、SCOPE別の(SCOPE3についてはさらにカテゴリ別の)排出量の変化の原因予測を行う。
ここで、出量の変化(増減)に影響を与える因子として、例えば、天気、気温、製品の需要及び/または工場の稼働、店舗若しくは工場の営業若しくは稼働時間、装置若しくは設備の変更、ソフトウェアによる施策、節電行為、燃料の転換、エネルギーのメニュー変更、出張若しくは通勤量の変化及び自家発電の発電量等の因子が挙げられる。これらの因子は各々、いずれかのSCOPEの排出量に影響を与える因子である。例えば、天気という因子は、降水量、風量、日照時間、気温に影響を与え、降水量は小水発電量に、風量は風力発電量に、日照時間は太陽光発電量に、気温は空調に各々影響を与え、さらに、発電量は、自家発電量に影響を与え、自家発電量は電力によるCO2排出量に影響を与え、これにより、SCOPE2の排出量の変化に影響を与える一方、空調はガス使用量に影響を与え、ガス使用量はガス燃焼によるCO2排出量に影響を与え、これにより、SCOPE1の排出量の変化に影響を与える。また、節電活動、製品需要による工場稼働、営業時間は電力使用量に影響を与え、SCOPE2に影響を与える。また、EMS、冷蔵装置の置き換え、省エネ機器の導入、自動車使用量もまた電力使用量に影響を与え、SCOPE2に影響を与えるほか、自動車使用量、燃費、ボイラー使用量、ボイラー効率は燃料使用量に影響を与え、燃料によるCO2排出量に影響を与え、これにより、SCOPE1に影響を与える。
また、製品販売数という因子は、SCOPE3のカテゴリ1、9、10、11、12に影響を与え、設備投資はカテゴリ2に、再生エネルギー比率及び調達エネルギー量はカテゴリ3に、運搬回数、運搬ルート変更はカテゴリ4、9に、製品ロス率はカテゴリ5に、出張及びオフィス出社人数はカテゴリ6に、通勤人数及びオフィス出社社員数はカテゴリ7に、消費電力はカテゴリ8に、製品改良による加工削減はカテゴリ10に、省エネ商品への改良はカテゴリ11に、リサイクル率の増加はカテゴリ12に、テナントのオフィス電力はカテゴリ13に、フランチャイズの排出量はカテゴリ14に、投資先の排出量はカテゴリ15に各々影響を与える。
このように、どの因子がいずれのSCOPEまたはカテゴリに影響を与えるかを機械学習により学習させておき、事業者から排出量に関する情報及び各因子に関する情報を取得することで、排出量の変化の原因の予測を行うことができる。ここで、機械学習による排出量の原因予測を行うことで、事業者毎、かつ、SCOPE毎に、温室効果ガス排出量の変化に影響を与える因子を効率的かつ正確に予測することができる。
続いて、ステップS203の処理として、制御部130のレポート生成部135は、上記解析された排出量の変化の原因予測に関する情報を基に、SCOPE別(SCOPE3についてはさらにカテゴリ別)に、排出量に変化の原因について、可視化されたレポートを生成する。
図10は、本発明の第1の実施形態による温室効果ガス排出量のトランザクション処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、ステップS301の処理として、管理端末100の制御部130のトランザクション処理部134は、記憶部120の事業者データ格納部121に格納された事業者データを参照する。ここで、参照する事業者データとして、事業者の分析情報(SCOPE毎の温室効果ガスの排出量)等が含まれる。
次に、ステップS302の処置として、トランザクション処理部134は、ステップS301で参照した事業者データを基に、ハッシュ値を生成する。すなわち、トランザクション処理部134は、所定期間の温室効果ガスの排出量について、ハッシュ関数を用いて1行のハッシュ値を生成し、パブリックブロックチェーンに、ハッシュ値をトランザクション情報として記録する。ブロックチェーン・ネットワーク上で、トランザクション情報、直前のブロックに記録されたハッシュ値及びノードにより採掘されたナンス値を基に、本ブロックが生成され、直前のブロックに続いて記録され、ブロックチェーンが形成される。ここで、本例においては、ブロックチェーン記録に係るコストを軽減するために、メインのブロックチェーン(いわゆる、レイヤー1)と異なるレイヤー2(例えば、サイドチェーン)に記録するものとする。
また、トランザクション処理部134は、事業者の温室効果ガス排出量のブロックチェーン記録と紐づけて、NFTIDを付与し、管理することができる。さらに具体的には、図4に示すように、事業者データ1000に、カスタマー情報として、事業者のカスタマーIDを付与し、参照するブロックチェーンアドレスを格納しておき、オフセットレポート情報として、NFTIDとTXIDを付与することができる。
図6に示すように、ブロックチェーン・ネットワーク上において、NFTID別にブロックチェーンアドレスが対応付けられ、管理端末100において、NFTIDとカスタマーIDが管理されているので、例えば、カスタマーID「2」に対応する事業者に関する温室効果ガスの排出量に関する情報は、NFTID「13」「14」というように、NFTID別にブロックチェーンアドレスを参照することで、図7に示すように、排出量情報の詳細を読み出すことができる。図7は、NFTID「14」に対応づけられるオフセットレポートに関する情報を示し、オフセットレポートに対応づけてTXIDが付与され、SCOPE別のCO2排出量、対象年月及びレポートの発行日がオフセットレポートに含まれる。本例の対象年月のCO2排出量のほか、直近年のCO2排出量、削減したCO2排出量、オフセットしたCO2排出量をNFT化することもでき、このように、CO2排出量をNFT管理することで、事業者は、非改ざん性及び取引の信頼性を担保した状態で、NFT化した証明書の取引を行うことができ、また、第三者に対して排出量の証明を行うことができる。
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
100 管理端末
200 事業者端末








































Claims (5)

  1. コンピュータによる温室効果ガス排出量の管理方法であって、
    事業者端末より請求書情報の画像データ受け付け、
    前記画像データを機械学習により解析することにより、エネルギーの使用量に関する情報を抽出し、
    前記使用量に関する情報に基づいて、温室効果ガス排出量を算出し、
    前記算出した温室効果ガス排出量に基づいて、機械学習により、排出量の増減の原因を予測し、
    前記予測された原因をレポートとして生成する、方法。
  2. 前記請求書情報は、エネルギーの使用量に関する情報を含む、請求項1に記載の管理方法。
  3. 前記請求書情報は、前記事業者端末に係る事業者の活動に関連する他の事業者のエネルギーの使用量に関する情報を含む、請求項1に記載の管理方法。
  4. 前記排出量の増減の原因を予測するための機械学習は、少なくとも、天気、気温、製品の需要及び/または工場の稼働、店舗若しくは工場の営業若しくは稼働時間、装置若しくは設備の変更、ソフトウェアによる施策、節電行為、燃料の転換、エネルギーのメニュー変更、出張若しくは通勤量の変化、及び自家発電の発電量からなる因子のいずれかを入力データとして学習することを含む、請求項1に記載の管理方法。
  5. 前記算出された排出量に関する情報をトランザクション情報としてブロックチェーンに記録する、
    請求項1に記載の管理方法。
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