(1)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。本実施の形態では、作業を管理する技術に関して説明する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。
本実施の形態の作業管理システムは、作業者にかかる負荷の度合いを示すスコア(以下、「リスクスコア」と記す)と、現在の作業者の状態および作業場所に応じた動的な閾値(以下、「現在閾値」または「閾値」と記す)とを用いることで、作業者の負荷をより正確に推定する。かかる構成により、作業管理システムは、作業者の負荷に応じて適切に処理を行うことができる。
ここで、ヒューマンエラーに関係するアクシデントを予防するためのリアルタイムな警告は、その時点でのアクシデントの防止には有効ではあるが、一時的な処置である。再び同様の状況になった場合には、アクシデントのリスクも再び大きくなり、それだけでは抜本的な解決にはならない。
この点、作業管理システムは、例えば、任意の期間ごとに、作業に係る情報(以下、「作業情報」と記す)と、作業者が作業を行う場所(以下、「作業場所」と記す)の環境に係る情報(以下、「環境情報」)との少なくとも1つに基づいて、作業者が行う作業の内容(以下、「作業内容」と記す)の改善、作業場所の改善、作業者の教育、作業者の配置転換を推奨する情報(以下、「リコメンド情報」と記す)等を提示することができる。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。例えば、作業情報取得装置を特に区別しないで説明する場合には、「作業情報取得装置120」と記載し、個々の作業情報取得装置を区別して説明する場合には、「作業情報取得装置120-1」、「作業情報取得装置120-2」のように記載することがある。
図1において、符号「100」は、本実施の形態による作業管理システムを示す。
図1Aは、作業管理システム100に係る構成の一例を示す図である。
作業管理システム100は、構成要素として、環境情報取得装置110と、作業情報取得装置120と、作業管理装置130と、作業者端末140と、管理者端末150と、操作端末160とを備える。各構成要素は、ネットワーク170を介して通信可能に接続される。なお、複数の構成要素のうち幾つかの構成要素は、有線または無線により、他の構成要素と直に接続されていてもよい。
環境情報取得装置110は、作業場所に1つ以上設けられ、環境情報を取得する。環境情報取得装置110は、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、騒音センサ等を含む装置である。環境情報は、気温、湿度、照度、騒音等である。
作業情報取得装置120は、作業情報を取得する。作業情報取得装置120-1は、作業場所に1つ以上設けられる。作業情報取得装置120-1は、例えば、ビデオカメラ、ネットワークカメラといった撮像装置であり、作業場所を撮影し、作業者、作業物等の画像(以下、「画像」と示す)を撮像する。作業情報取得装置120-2は、作業者により身に着けられ、作業者の位置を示す情報(以下、「位置情報」と記す)を取得する。作業情報取得装置120-2は、ビーコン、スマートフォン等である。作業情報は、画像、位置情報等である。
作業管理装置130は、サーバ装置、ノートパソコンといったコンピュータである。作業管理装置130は、環境情報および作業情報と、設定情報DB180の情報および算出結果DB190の情報をもとに、リスクスコア、閾値等を算出する。作業管理装置130は、算出した閾値に基づいて、作業者の負荷を推定し、負荷が大きい作業者に係る情報(以下、「アラート情報」と記す)を作業者端末140と管理者端末150との少なくとも1つに送信する。また、作業管理装置130は、作業者と作業内容との少なくとも1つについて、リコメンド情報を管理者端末150に送信する。
なお、設定情報DB180は、作業管理装置130における各種情報の算出に用いられる各種の情報(以下、「設定情報」と記す)を記憶する。設定情報DB180については、図2を用いて後述する。算出結果DB190は、作業管理装置130により算出された結果を記憶する。算出結果DB190については、図3~図8を用いて後述する。設定情報DB180および算出結果DB190は、作業管理装置130に設けられていてもよいし、作業管理装置130と通信可能な他のコンピュータに設けられていてもよい。また、リスクスコア、閾値等の算出に係る処理については、図9A~図13を用いて後述する。リコメンド情報に係る処理については、図14を用いて後述する。
作業者端末140は、作業者により用いられる端末である。作業者端末140は、スマートウォッチ、スマートグラス等である。作業者端末140は、作業管理装置130から送信された情報を出力する。
管理者端末150は、作業者の管理を行う管理者(典型的には、監督者)により用いられる端末である。管理者端末150は、ノートパソコン、タブレット端末等である。管理者端末150は、作業管理装置130から送信された情報を出力する。
操作端末160は、管理者により用いられる端末である。操作端末160は、ノートパソコン、タブレット端末等である。操作端末160は、管理者の操作に応答して、設定情報(例えば、初期値)等を入力する。
管理者端末150と操作端末160とは、作業場所に設けられていてもよいし、作業場所とは異なる他の場所に設けられていてもよい。管理者端末150と操作端末160とは、別体であってもよいし、一体であってもよい。また、管理者は、作業場所にいてもよいし、作業場所にいなくてもよい。
図1Bは、作業管理装置130の物理構成の一例を示す図である。
作業管理装置130は、プロセッサ131と、主記憶装置132と、補助記憶装置133と、通信装置134とを備える。
プロセッサ131は、演算処理を行う装置である。プロセッサ131は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等である。
主記憶装置132は、プログラム、データ等を記憶する装置である。主記憶装置132は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。ROMは、SRAM(Static Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)、マスクROM(Mask Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)等である。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。
補助記憶装置133は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、SSD(Solid State Drive)、光学式記憶装置等である。光学式記憶装置は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等である。補助記憶装置133に格納されているプログラム、データ等は、主記憶装置132に随時読み込まれる。
通信装置134は、ネットワーク170を介して他の装置と通信する通信インターフェースである。通信装置134は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。通信装置134は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、通信装置134は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
なお、作業管理装置130は、入力装置と、出力装置とを備えてもよい。入力装置は、ユーザから情報を受付けるユーザインターフェースである。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、カードリーダ、タッチパネル等である。出力装置は、各種の情報を出力(表示出力、音声出力、印字出力等)するユーザインターフェースである。出力装置は、例えば、各種情報を可視化する表示装置、音声出力装置(スピーカ)、印字装置等である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等である。
なお、環境情報取得装置110と、作業情報取得装置120と、作業管理装置130と、作業者端末140と、管理者端末150と、操作端末160との各々は、構成要素として、作業管理装置130と同様、プロセッサ、主記憶装置、通信装置等を備える。各構成要素については、作業管理装置130の構成要素と同様であるので、その説明を省略する。
図1Cは、作業管理装置130の機能構成の一例を示す図である。
作業管理装置130は、スコア算出部135と、閾値算出部136と、リスク情報出力部137と、リコメンド情報出力部138とを備える。
作業管理装置130の機能(スコア算出部135、閾値算出部136、リスク情報出力部137、リコメンド情報出力部138等)は、例えば、プロセッサ131が補助記憶装置133に格納されたプログラムを主記憶装置132に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。また、作業管理装置130の機能の一部は、作業管理装置130と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
なお、作業管理装置130は、上記の機能に加えて、例えば、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、ファイルシステム、DBMS(DataBase Management System)等の機能を更に備えていてもよい。
スコア算出部135は、作業情報取得装置120により取得された作業情報から、作業者にかかる負荷の度合いを示すリスクスコア、リスクスコアが正規化された評価スコア等を算出する。以下では、評価スコアとして、単位時間当たりのリスクスコアを例に挙げて説明する。閾値算出部136は、作業情報取得装置120により取得された作業者情報と環境情報取得装置110により取得された環境情報との少なくとも1つから、作業者と作業場所の環境との少なくとも1つの現在の状況に応じた閾値を算出する。
リスク情報出力部137は、アラート情報等のリスク情報を生成し、生成したリスク情報を管理者端末150等に送信する。リコメンド情報出力部138は、リコメンド情報を生成し、生成したリコメンド情報を管理者端末150に送信する。
図2は、設定情報DB180の一例(設定情報200)を示す図である。
設定情報200には、積算条件情報210が含まれる。積算条件情報210は、作業情報および環境情報(何れも計測データの一例)を積算する条件を示す。作業管理システム100では、積算条件情報210に示される条件を満たすまで、作業情報および環境情報が蓄積される。積算条件情報210は、規定の回数、規定の時間等である。以下では、規定の時間を例に挙げて説明する。
設定情報200には、初期閾値220が含まれる。初期閾値220は、作業者の姿勢による負荷(以下、「姿勢負荷」と記す)を評価するために初期値として設定された閾値である。初期閾値220としては、平均姿勢負荷221の初期閾値と、最大姿勢負荷222の初期閾値とがある。平均姿勢負荷221の初期閾値は、規定の時間に積算された作業情報の平均値をもとに算出される姿勢負荷の平均評価スコアを評価するための初期閾値である。最大姿勢負荷222の初期閾値は、規定の時間に積算された作業情報の最大値をもとに算出される姿勢負荷の最大評価スコアを評価するための初期閾値である。
平均姿勢負荷221の初期閾値としては、関節221-1の初期閾値と、上肢位置221-2の初期閾値とがある。関節221-1の初期閾値は、作業者の姿勢の負荷として作業者の関節のトルクが用いられて算出される関節の評価スコアを評価するための初期閾値である。上肢位置221-2の初期閾値は、作業者の姿勢の負荷として作業者の上肢の位置(以下、「上肢位置」と記す)が用いられて算出される上肢位置の評価スコアを評価するための初期閾値である。上肢位置は、肩関節、ひじ関節、手関節、手指等である。
関節221-1の初期閾値としては、腰関節221-11の初期閾値と、右ひざ関節221-12の初期閾値と、左ひざ関節221-13の初期閾値と、首関節221-14の初期閾値とがある。腰関節221-11の初期閾値は、作業者の関節のトルクとして腰関節のトルクが用いられて算出される腰関節の評価スコアを評価するための初期閾値である。右ひざ関節221-12の初期閾値は、作業者の関節のトルクとして右ひざ関節のトルクが用いられて算出されるの右ひざ関節の評価スコアを評価するための初期閾値である。左ひざ関節221-13の初期閾値は、作業者の関節のトルクとして左ひざ関節のトルクが用いられて算出される左ひざ関節の評価スコアを評価するための初期閾値である。首関節221-14の初期閾値は、作業者の関節のトルクとして首関節のトルクが用いられて算出される首関節の評価スコアを評価するための初期閾値である。
上肢位置221-2の初期閾値としては、右上肢位置221-21の初期閾値と、左上肢位置221-22の初期閾値とがある。右上肢位置221-21の初期閾値は、作業者の上肢位置として身体の右側の上肢位置が用いられて算出される右上肢位置の評価スコアを評価するための初期閾値である。左上肢位置221-22の初期閾値は、作業者の上肢位置として身体の左側の上肢位置が用いられて算出される左上肢位置の評価スコアを評価するための初期閾値である。
最大姿勢負荷222の初期閾値については、評価スコアの算出に用いられるのが平均値ではなく最大値であることを除いて平均姿勢負荷221の初期閾値と同様であるので、その説明を省略する。
以下の説明において、平均値をもとに算出される平均のリスクスコア(平均の評価スコア)と最大値をもとに算出される最大のリスクスコア(最大の評価スコア)との区別を要しないときは、単に、リスクスコア(評価スコア)と記すことがある。
なお、作業管理システム100では、図2に示す関節とは異なる他の関節の初期閾値が設けられてもよい。
設定情報200には、時間230が含まれる。時間230は、評価スコアを算出するための時間を示す情報である。
設定情報200には、係数240が含まれる。係数240は、「0」より大きく「1」より小さい値(例えば、「0.9」)であり、後述の緊急閾値を算出するための係数を示す情報である。
設定情報200には、照度閾値係数情報250が含まれる。照度閾値係数情報250は、作業場所ごとに、照度に応じた閾値係数を示す情報を含む。より具体的には、照度閾値係数情報250は、作業場所251と、照度に応じた閾値係数252とが対応付けられた情報を含む。例えば、作業場所251が「精密作業が必要な場所」であり、照度が「70lx」未満である場合には、作業管理装置130は、閾値係数252として「0.7」を選択する。なお、閾値係数は、閾値の算出に用いられる係数である。詳細については図9のS913を用いて後述する。
設定情報200には、作業内容移動速度情報260が含まれる。作業内容移動速度情報260は、作業内容に対応する移動速度を規定した情報を含む。より具体的には、作業内容移動速度情報260は、作業内容261と移動速度262とが対応付けれられた情報を含む。例えば、作業内容261が「部品B取り付け」である場合には、作業管理装置130は、移動速度262として「手首移動速度」を選択する。
設定情報200には、作業物重量情報270が含まれる。作業物重量情報270は、作業において取り扱いが許容される作業物の重量を示す情報(以下、「重量情報」)を含む。作業物重量情報270は、後述の最大腰関節許容トルクの算出において用いられる。作業物重量情報270は、年齢271、作業種別272、および性別273の少なくとも1つに応じて重量情報を含む。
例えば、作業者の年齢271が「20」歳であり、作業者の性別273が「男性」であり、作業者が作業種別272として「断続作業」の作業を行っている場合には、作業管理装置130は、作業物の重量として「55(kg)」を選択する。
設定情報200には、上肢位置リスクスコア情報280が含まれる。上肢位置リスクスコア情報280は、上肢位置の状態に対応したリスクスコアの情報を含む。
上肢位置リスクスコア情報280は、上肢位置281と上肢位置の状態282とに対応して上肢位置のリスクスコアを含む。例えば、上肢位置281の手関節が「肩上」であり、上肢位置281のひじ関節が「肩上」である場合には、作業管理装置130は、上肢位置のリスクスコアとして「0.9(=0.45+0.45)」を選択する。肩上は、上肢位置が、肩と同じ高さ、または、肩より高いことを示す。肩下は、上肢位置が、肩より低いことを示す。
なお、上肢位置としては、手関節と、ひじ関節とを例示したが、これらに限らない。これらに代えて手指を用いてもよいし、これらの少なくとも1つに代えて手指を用いてもよいし、これらに手指を加えてもよい。
設定情報200は、一例であり、設定情報200には、図示は省略するその他の設定情報が含まれていてもよい。
図3は、作業状況テーブル300の一例を示す図である。
作業状況テーブル300は、作業者の作業の状況を示す情報を記憶する。より具体的には、作業状況テーブル300は、時間および作業者ごとに、作業者の関節の位置を示す情報と、作業者の関節にかかるトルクを示す情報と、持ち上げられている作業物を示す情報と、作業者の位置を示す情報と、を記憶する。作業状況テーブル300の情報は、基本的には、作業情報をもとに生成される。
例えば、作業状況テーブル300の各レコード(各列の情報)は、時間310と、作業者ID320と、関節位置330と、関節トルク340と、持ち上げ作業物350と、作業者位置360との項目の情報を含んで構成される。
時間310は、作業が行われている時間(例えば、作業情報が取得された時間)を示す項目である。作業者ID320は、作業を行っている作業者を識別可能な識別情報を示す項目である。関節位置330は、作業者の関節の位置を示す項目である。作業者の関節の位置は、例えば、3次元座標により示される。関節トルク340は、作業者の関節にかかるトルク(以下、「関節トルク」と記す)を示す項目である。関節トルクは、例えば、関節から力が作用する点までの距離と力(=質量×加速度)との積によって表される。持ち上げ作業物350は、作業者が持ち上げている作業物の作業物IDを示す項目である。作業者位置360は、作業場所における作業者の位置(以下、「現場位置」と記す)を示す項目である。
図4は、環境状況テーブル400の一例を示す図である。
環境状況テーブル400は、環境情報取得装置110により取得された環境情報を記憶する。より具体的には、環境状況テーブル400は、時間および作業場所ごとに、環境情報を記憶する。作業管理装置130は、環境情報取得装置110から、規定のタイミングで送信される環境情報を環境状況テーブル400に記憶する。規定のタイミングとしては、常時であってもよいし、規定の時間間隔であってもよいし、予め指定された時間であってもよいし、その他のタイミングであってもよい。なお、作業管理装置130は、規定のタイミングで、環境情報取得装置110から環境情報を取得してもよい。
例えば、環境状況テーブル400の各レコード(各列の情報)は、時間410と、場所名420と、気温430と、湿度440と、照度450と、騒音460との項目の情報を含んで構成される。
時間410は、環境情報が取得された時間を示す項目である。場所名420は、環境情報が取得された作業場所を示す項目である。気温430は、環境情報が取得された時間および作業場所における気温を示す項目である。湿度440は、環境情報が取得された時間および作業場所における湿度を示す項目である。照度450は、環境情報が取得された時間および作業場所における照度を示す項目である。騒音460は、環境情報が取得された時間および作業場所における騒音を示す項目である。
図5は、作業物テーブル500の一例を示す図である。
作業物テーブル500は、作業物に係る情報を記憶する。より具体的には、作業物テーブル500は、時間および作業物ごとに、作業物の位置を示す情報を記憶する。
例えば、作業物テーブル500の各レコード(各列の情報)は、時間510と、作業物ID520と、ランドマーク位置530と、作業物位置540との項目の情報を含んで構成される。
時間510は、作業が行われている時間(例えば、作業情報が取得された時間)を示す項目である。作業物ID520は、作業物を識別可能な識別情報を示す項目である。ランドマーク位置530は、作業管理装置130にとっての作業物の目印となる位置(以下、「ランドマーク位置」と記す)を示す項目である。例えば、ランドマーク位置530「P1」、「P2」、「P3」は、作業物の底面の3点を示している。また、例えば、ランドマーク位置530「P4」、「P5」は、作業者が作業物を通常持って運搬等する箇所の2点を示している。作業物位置540は、作業場所において作業物がある位置を示す項目である。
図6は、関節回転角テーブル600の一例を示す図である。関節回転角テーブル600は、作業状況テーブル300をもとに、作業者および作業の内容ごとに作成される。
関節回転角テーブル600は、所定の時間における、関節の回転角の情報を記憶する。後述のS907の処理において、関節回転角テーブル600に記憶された関節の回転角の時系列の情報が用いられて作業内容が特定される。
関節回転角テーブル600の各レコード(各行の情報)は、時間610と、関節回転角620との項目の情報を含んで構成される。
時間610は、判別する作業内容の作業が行われている時間を示す項目である。例えば、時間610「0」は、現在の時間(例えば、作業情報が取得された時間)を示し、時間610「-1」は、1秒前の時間を示す。関節回転角620は、時間610の時間における関節の回転角を示す項目である。
図7は、評価スコアテーブル700の一例を示す図である。
評価スコアテーブル700は、作業管理装置130により算出された評価スコアを記憶する。評価スコアには、姿勢負荷の平均評価スコアを示す平均姿勢負荷710の評価スコアと、姿勢負荷の最大評価スコアを示す最大姿勢負荷720の評価スコアとが含まれる。
平均姿勢負荷710の評価スコアには、関節711の評価スコアと、上肢位置712の評価スコアとが含まれる。
関節711の評価スコアには、腰関節711-1の評価スコアと、右ひざ関節711-2の評価スコアと、左ひざ関節711-3の評価スコアと、首関節711-4の評価スコアとが含まれる。腰関節711-1の評価スコアは、腰関節の平均評価スコアを示す情報である。右ひざ関節711-2の評価スコアは、右ひざ関節の平均評価スコアを示す情報である。左ひざ関節711-3の評価スコアは、左ひざ関節の平均評価スコアを示す情報である。首関節711-4の評価スコアは、首関節の平均評価スコアを示す情報である。
上肢位置712の評価スコアには、右上肢位置712-1の評価スコアと、左上肢位置712-2の評価スコアとが含まれる。右上肢位置712-1の評価スコアは、右上肢位置の平均評価スコアを示す情報である。左上肢位置712-2の評価スコアは、左上肢位置の平均評価スコアを示す情報である。
最大姿勢負荷720の評価スコアは、平均姿勢負荷710の評価スコアと同様のデータ構造であるので、その説明を省略する。
図8は、閾値テーブル800の一例を示す図である。
閾値テーブル800は、作業管理装置130により算出された閾値を記憶する。閾値テーブル800は、作業者ごとに設けられる。閾値テーブル800は、後述のS913の処理ごとに生成されてもよいし、後述のS913の処理ごとに更新されてもよい。
例えば、閾値テーブル800は、動作速度閾値810と、作業場所閾値820と、環境閾値830との項目の情報を含む。
動作速度閾値810は、作業者の動作速度に基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。作業場所閾値820は、作業場所に基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。環境閾値830は、環境情報に基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。
環境閾値830には、熱中症閾値831と、騒音閾値832と、明るさ閾値833と、温度閾値834とが含まれる。熱中症閾値831は、暑さ指数(WBGT(Wet Bulb Globe Temperature))に基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。騒音閾値832は、騒音に基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。明るさ閾値833は、明るさに基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。温度閾値834は、温度に基づいて算出される閾値であって、評価スコアを評価するための閾値である。
次に、作業管理システム100が行う主な処理について説明する。
図9Aおよび図9Bは、作業管理装置130が行う処理(作業管理処理)の一例を示す図である。
S901では、作業管理装置130は、設定情報DB180を参照し、初期パラメータを設定する。なお、以下では、各作業場所について処理が行われる場合を例に挙げて説明する。
S902では、作業管理装置130は、環境情報を取得する。例えば、作業管理装置130は、処理対象の作業場所の環境情報を環境情報取得装置110から取得する。作業管理装置130は、取得した環境情報を環境状況テーブル400に記憶する。
S903では、作業管理装置130は、作業情報を取得する。例えば、作業管理装置130は、処理対象の作業場所の画像を作業情報取得装置120から取得する。作業管理装置130は、取得した作業情報を補助記憶装置133に記憶する。
S904では、作業管理装置130は、作業者情報取得処理を行う。作業者情報取得処理では、作業者の関節点座標、現場位置の情報等が取得される。作業者情報取得処理については、図10を用いて後述する。
S905では、作業管理装置130は、作業物情報取得処理を行う。作業物情報取得処理では、作業物の特徴点座標、作業物の位置の情報等が取得される。作業物情報取得処理については、図11を用いて後述する。
S906では、作業管理装置130は、作業物操作判定処理を行う。作業物操作判定処理では、作業物が持ち上げられているかが判定される。作業物操作判定処理については、図12を用いて後述する。
S907では、作業管理装置130は、作業内容を判定する。より具体的には、作業管理装置130は、作業状況テーブル300に記憶された関節の位置をもとに、三角関数を用いて関節の回転角を算出し、関節回転角テーブル600を作成する。作業管理装置130は、関節回転角テーブル600をもとに、作業内容判定モデルを用いて作業内容を判定する。
作業内容判定モデルは、作業者により行われている作業内容がどの作業内容に一番近いかを機械学習のクラス分類アルゴリズムで推定するモデルである。例えば、作業内容判定モデルは、所定の作業内容における作業において作業者の関節の回転角について一定時間の時系列の変化が学習されたCNN(Convolutional neural network)等の動作認識モデルである。なお、機械学習以外にも、k-平均法、パターンマッチング等の統計的手法を用いることができる。
ここで、同じ作業は、同じ動きをするという点に着目し、関節の回転角を用いることで、作業者によって身体の大きさが異なる場合であっても、精度よく作業内容を判定することができる。
作業管理装置130は、作業が行われた時間(例えば、画像が取得された時間)と、作業を行った作業者を示す作業者IDと、判定した作業内容を示す作業内容IDとを算出結果DB190に記憶する。
S908では、作業管理装置130は、関節トルク算出処理を行う。関節トルク算出処理では、作業者の関節トルクが算出される。関節トルク算出処理については、図13を用いて後述する。
S909では、作業管理装置130は、リスクスコアを算出する。上述したように、リスクスコアには、関節のリスクスコアと、上肢位置のリスクスコアとがある。
関節のリスクスコアは、作業物が重いことにより、関節を痛めてしまうといったリスクを示すスコアである。関節のリスクスコア(Sjoint)は、次の(式1)により算出される。
Sjoint=fjoint_socore(Njoint_meas,Njoint_max)・・・(式1)
Njoint_maxは、最大の関節許容トルクである。Njoint_maxについては、図示は省略するが、算出されてもよいし、設定情報200に記憶されていてもよい。Njoint_measは、算出した関節トルクである。
例えば、(式1)については、Sjoint=Njoint_meas/Njoint_maxとすることができる。この場合、関節のリスクスコアは、「0」~「1」の値をとり、値が大きくなるほど、リスクが高いことを示す。
ここで、関節のリスクスコアには、腰関節のリスクスコアと、右ひざ関節のリスクスコアと、左ひざ関節のリスクスコアと、首関節のリスクスコアとがある。
例えば、最大の腰関節許容トルクとしては、最もつらい姿勢を仮定して算出した値が用いられる。最もつらい姿勢は、例えば、腰を曲げて手を伸ばして、その手に作業物を持つ姿勢である。最もつらい姿勢を仮定して算出した値は、例えば、1.17×10-2×作業者の体重(kg)+3.49×10-2×作業物の重量(kg)×作業者の身長(cm)となる。例えば、作業物の重量は、作業物重量情報270をもとに決定される。
また、例えば、最大のひざ関節許容トルクとしては、最大の腰関節許容トルク/2を算出した値が用いられる。また、最大の首関節許容トルクとしては、頭には作業物を取り付けることが無いと仮定した値が用いられる。例えば、最大の首関節許容トルクは、5.07×10-4×作業者の体重(kg)×作業者の身長(cm)となる。
作業管理装置130は、現時点までの関節のリスクスコアの平均を算出し、算出結果DB190に記憶する。また、作業管理装置130は、算出した関節のリスクスコアが現時点までの最大である場合は、算出結果DB190に記憶する。
上肢位置のリスクスコアは、手を挙げていることにより、体力を消耗して疲労してしまうといったリスクを示すスコアである。上肢位置のリスクスコア(Supperlimb)は、次の(式2)により算出される。
Supperlimb=Swrist+Selbow・・・(式2)
Swristは、手関節スコアである。Selbowは、ひじ関節スコアである。
手関節スコア、および、ひじ関節スコアについては、上肢位置リスクスコア情報280の値が用いられる。上肢位置のリスクスコアは、「0」~「1」の値をとり、値が大きくなるほど、リスクが高いことを示す。
作業管理装置130は、現時点までの上肢位置のリスクスコアの平均を算出し、算出結果DB190に記憶する。また、作業管理装置130は、算出した上肢位置のリスクスコアが現時点までの最大である場合は、算出結果DB190に記憶する。
S910では、作業管理装置130は、動作速度のリスクスコアを算出する。動作速度のリスクスコア(Sspeed)は、次の(式3)により算出される。
Sspeed=1-kspeed・・・(式3)
kspeedは、動作速度の閾値係数である。動作速度の閾値係数は、次の(式4)により算出される。
kspeed=fspeed_coeff(Vmeas、Vstandard)・・・(式4)
Vstandardは、作業内容において求められている標準的な速度(以下、「標準速度」と記す)である。標準速度については、図示を省略するが、標準速度は、設定情報200に記憶されている。Vmeasは、作業情報取得装置120により取得された所定の期間の画像より算出された作業者に係る速度である。
作業者に係る速度としては、作業者の歩行速度(例えば、腰関節の移動速度)、作業者の手関節の移動速度等がある。作業者に係る速度のうちどの速度が用いられるかは、作業内容移動速度情報260が参照され、作業者が行っている作業内容に応じて決定される。
作業管理装置130は、算出した動作速度のリスクスコアと、動作速度の閾値係数とを算出結果DB190に記憶する。
S911では、作業管理装置130は、作業場所のリスクスコアを算出する。作業場所のリスクスコア(Splace)は、次の(式5)により算出される。
Splace=1-作業場所の閾値係数・・・(式5)
作業場所の閾値係数については、図示は省略する作業場所閾値係数情報において、作業場所ごとに設けられている。作業場所の閾値係数としては、作業場所の閾値係数は、「0」~「1」の値をとり、値が小さくなるほど、リスクが高いことを示す。例えば、通常の組み立てラインの前の作業場所は、安全であるため、当該作業場所に対応して「1」が記憶されている。また、例えば、フォークリフトが行き来する作業場所は、通常の組み立てラインの前よりリスクが高いため、当該作業場所に対応して「0.9」が記憶されている。また、例えば、所定の高さより高い作業場所は、フォークリフトが行き来する場所よりもリスクが高いため、当該作業場所に対応して「0.7」が記憶されている。
作業管理装置130は、算出した作業場所のリスクスコアと、作業場所の閾値係数とを算出結果DB190に記憶する。
S912では、作業管理装置130は、作業場所の環境のリスクスコアを算出する。環境のリスクスコア(Ssurroundings)は、次の(式6)により算出される。
Ssurroundings=1-環境の閾値係数・・・(式6)
作業場所の閾値係数は、環境リスクごとに設けられている。上述したように、環境リスクには、熱中症リスクと、騒音リスクと、明るさリスクと、温度リスクとがある。
熱中症の閾値係数kは、暑さ指数(WBGT)をもとに算出される。例えば、WBGT≧25であるときは、次の(式7)により算出され、25>WBGTであるときは、次の(式8)により算出される。
熱中症の閾値係数k=1-(WBGT-25)/12・・・(式7)
熱中症の閾値係数k=1・・・(式8)
なお、WBGTは、実測値であってもよいし、推定値であってもよい。実測値は、例えば、黒球、湿球、および乾球の各温度をもとに算出される。推定値は、例えば、気温(℃)、相対湿度(%)、全天日射量(kW/m2)、平均風速(m/s)から算出される。全天日射量および平均風速については、固定値であって、設定情報200に含まれていてもよい。
騒音の閾値係数kは、計測された騒音をもとに算出される。例えば、60(db)≧騒音であるときは、次の(式9)により算出され、騒音>60(db)であるときは、次の(式10)により算出される。
騒音の閾値係数k=1・・・(式9)
騒音の閾値係数k=1-(騒音-60)/60・・・(式10)
明るさの閾値係数kは、作業場所に応じた値が、設定情報200の照度閾値係数情報250から決定される。
温度の閾値係数kは、計測された温度をもとに算出される。例えば、温度≧28(℃)であるときは、次の(式11)により算出され、28(℃)>温度≧17(℃)であるときは、次の(式12)により算出され、17(℃)>温度であるときは、次の(式13)により算出される。
温度の閾値係数k=1-(温度-28)/18・・・(式11)
温度の閾値係数k=1・・・(式12)
温度の閾値係数k=1-(17-温度)/10・・・(式13)
なお、作業管理装置130は、湿度についても、温度と同様に、閾値係数を算出してもよい。
作業管理装置130は、算出した環境のリスクスコアと、環境の閾値係数とを算出結果DB190に記憶する。
S913では、作業管理装置130は、各リスクについて閾値を算出する。閾値は、次の(式14)により算出される。
閾値=閾値係数×初期閾値・・・(式14)
作業管理装置130は、算出した各閾値を閾値テーブル800に記憶する。
S914では、作業管理装置130は、S902~SS913の処理を規定の時間繰り返したか否かを判定する。作業管理装置130は、当該処理を規定の時間繰り返したと判定した場合、S915に処理を移し、当該処理を規定の時間繰り返していないと判定した場合、S902に処理を移す。
S915では、作業管理装置130は、評価スコアを算出する。より具体的には、作業管理装置130は、設定情報200の時間230を用いて、関節および上肢位置の各々の平均リスクスコアについて、単位時間あたりの平均リスクスコアを算出する。作業管理装置130は、算出した単位時間あたりの平均リスクスコアを評価スコアテーブル700に記憶する。また、作業管理装置130は、設定情報200の時間230を用いて、関節および上肢位置の各々の最大リスクスコアについて、単位時間あたりの最大リスクスコアを算出する。作業管理装置130は、算出した単位時間あたりの最大リスクスコアを評価スコアテーブル700に記憶する。なお、評価スコアの算出は、S909で行われてもよい。
S916では、作業管理装置130は、閾値、評価スコア等を管理者端末150に送信する。管理者端末150では、閾値、評価スコア等が出力される。なお、出力の態様の一例については、図15を用いて後述する。この際、作業管理装置130は、平均リスクスコア、最大リスクスコア等を管理者端末150に送信してもよい。
S917では、作業管理装置130は、評価スコアが閾値を超えたか否かを判定する。作業管理装置130は、評価スコアが閾値を超えたと判定した場合、S918に処理を移し、作業管理装置130は、評価スコアが閾値を超えていないと判定した場合、S902に処理を移す。
S918では、作業管理装置130は、アラート情報を管理者端末150に送信する。管理者端末150では、アラート情報が出力される。なお、出力の態様の一例については、図16を用いて後述する。
S919では、作業管理装置130は、評価スコアが緊急閾値を超えたか否かを判定する。作業管理装置130は、評価スコアが緊急閾値を超えたと判定した場合、S920に処理を移し、評価スコアが緊急閾値を超えていないと判定した場合、S902に処理を移す。
なお、作業管理装置130は、閾値に設定情報200の係数240を乗算して緊急閾値を算出する。緊急閾値は、閾値より値が小さい閾値である。
S920では、作業管理装置130は、評価スコアが緊急閾値を超えた作業者(以下、「特定作業者」と記す)の作業者端末140にアラート情報を送信する。特定作業者の作業者端末では、アラート情報が出力される。なお、出力の態様の一例については、図17を用いて後述する。
S921では、作業管理装置130は、特定作業者の周囲にいる作業者の作業者端末140にアラート情報を送信する。例えば、作業管理装置130は、特定作業者がいる作業場所を特定し、特定した作業場所内にいる他の作業者の作業者端末140にアラート情報を送信する。他の作業者の作業者端末では、アラート情報が出力される。なお、出力の態様の一例については、図17を用いて後述する。
図10は、作業者情報取得処理の一例を示す図である。作業者情報取得処理では、作業者の姿勢および現場位置の情報が取得される。
S1001では、作業管理装置130は、作業情報取得装置120により取得された画像を取得する。例えば、作業管理装置130は、S903で取得した作業情報である画像を読み込む。
S1002では、作業管理装置130は、画像から作業者のオブジェクトを検出する。例えば、作業管理装置130は、SSD(Single Shot Multibox Detector)等の物体検出モデルを用いて作業者のオブジェクトを検出する。なお、公知の物体検出モデルとして「Wei Liu, Dragomir Anguelov, Dumitru Erhan, Christian Szegedy, Scott Reed, Cheng-Yang Fu, Alexander C. Berg. SSD: Single Shot MultiBox Detector. ECCV 2016.」に記載の技術を用いてもよい。
S1003では、作業管理装置130は、オブジェクトを1つ以上検出したか否かを判定する。作業管理装置130は、オブジェクトを1つ以上検出したと判定した場合、S1004に処理を移し、オブジェクトを1つも検出していないと判定した場合、作業者情報取得処理を終了する。
S1004では、作業管理装置130は、作業者を検出する。例えば、作業管理装置130は、作業者の顔画像をもとに、深層ニューラルネットワーク等の画像機械学習のオブジェクト検出用物体認識モデルを用いて作業者を推定し、推定した作業者の作業者IDを物体認識モデルから取得する。なお、作業者の推定に用いる画像は、顔画像に限らない。作業者のヘルメット、帽子等、装着している特徴物の画像等であってもよい。なお、作業管理装置130は、検出した作業者の作業者IDを主記憶装置132に記憶する。
S1005では、作業管理装置130は、作業者の2D関節点座標を検出する。例えば、作業管理装置130は、公知の2次元の人物姿勢推定モデル(2D Pose Estimation)を用いて作業者の作業者の2D関節点座標を推定する。作業管理装置130は、関節点として、左右の目、左右の耳、左右の肩、左右のひじ、左右の手首、左右の腰、左右の足首、および鼻の17点を推定する。なお、作業管理装置130は、顎、頭頂部等、その他の関節点を推定してもよい。また、公知の2次元の人物姿勢推定モデルとして、「Xiao, Bin, Haiping Wu, and Yichen Wei. “Simple baselines for human pose estimation and tracking.” Proceedings of the European Conference on Computer Vision (ECCV). 2018.」に記載の技術を用いてもよい。
S1006では、作業管理装置130は、作業者の3D関節点座標を検出する。例えば、作業管理装置130は、公知の3次元の人物姿勢推定モデル(3D Pose Estimation)を用いて作業者の2D関節点座標を3D関節点座標に変換する。公知の3次元の人物姿勢推定モデルとして、「Julieta Martinez, Rayat Hossain, Javier Romero, James J. Little. A simple yet effective baseline for 3d human pose estimation. In ICCV, 2017.」に記載の技術を用いてもよい。作業管理装置130は、検出した3D関節点座標を作業状況テーブル300に記憶する。
S1007では、作業管理装置130は、作業者の現場位置を検出する。例えば、作業管理装置130は、作業者の足の位置をもとに現場位置を推定する。なお、ビーコン等の位置情報は、作業者がいる作業場所の特定に用いられる。
S1008では、作業管理装置130は、他に検出したオブジェクトがあるか否かを判定する。作業管理装置130は、他に検出したオブジェクトがあると判定した場合、S1004に処理を移し、他に検出したオブジェクトがないと判定した場合、作業者情報取得処理を終了する。
図11は、作業物情報取得処理の一例を示す図である。
S1101では、作業管理装置130は、作業情報取得装置120により取得された画像を取得する。例えば、作業管理装置130は、S903で取得した作業情報である画像を読み込む。
S1102では、作業管理装置130は、画像から作業物のオブジェクトを検出する。例えば、作業管理装置130は、SSD等の物体検出モデルを用いて作業物のオブジェクトを検出する。
S1103では、作業管理装置130は、オブジェクトを1つ以上検出したか否かを判定する。作業管理装置130は、オブジェクトを1つ以上検出したと判定した場合、S1104に処理を移し、オブジェクトを1つも検出していないと判定した場合、作業物情報取得処理を終了する。
S1104では、作業管理装置130は、作業物を検出する。例えば、作業管理装置130は、作業物の画像をもとに、深層ニューラルネットワーク等の画像機械学習のオブジェクト検出用物体認識モデルを用いて作業物を推定し、推定した作業物の作業物IDを物体認識モデルから取得する。なお、作業管理装置130は、検出した作業物の作業物IDを主記憶装置132に記憶する。
S1105では、作業管理装置130は、作業物の2D特徴点座標を検出する。例えば、作業管理装置130は、公知の2次元の人物姿勢推定モデルを用いて作業物の2D特徴点座標(ランドマーク位置)を推定する。作業管理装置130は、特徴点として、作業物の底面の3点、作業者が作業物を持っている手の場所の2点を推定する。
S1106では、作業管理装置130は、作業物の3D特徴点座標を検出する。例えば、作業管理装置130は、公知の3次元の人物姿勢推定モデルを用いて作業物の2D特徴点座標を3D特徴点座標に変換する。
S1107では、作業管理装置130は、作業物の位置を検出する。例えば、作業管理装置130は、作業物の底面の位置をもとに作業物の位置を推定する。
S1108では、作業管理装置130は、他に検出したオブジェクトがあるか否かを判定する。作業管理装置130は、他に検出したオブジェクトがあると判定した場合、S1104に処理を移し、他に検出したオブジェクトがないと判定した場合、作業物情報取得処理を終了する。
図12は、作業物操作判定処理の一例を示す図である。作業物操作判定処理では、作業物が作業者により持ち上げられているかが判定される。
S1201では、作業管理装置130は、作業者情報取得処理において作業者が1人以上検出されているか否かを判定する。作業管理装置130は、作業者が1人以上検出されていると判定した場合、S1202に処理を移し、作業者が1人も検出されていないと判定した場合、作業物操作判定処理を終了する。
S1202では、作業管理装置130は、作業物情報取得処理において作業物が1つ以上検出されているか否かを判定する。作業管理装置130は、作業物が1つ以上検出されていると判定した場合、S1203に処理を移し、作業物が1つも検出されていないと判定した場合、作業物操作判定処理を終了する。
S1203~S1206の処理は、作業者ごと、かつ、作業物ごとに行われる。
S1203では、作業管理装置130は、作業状況テーブル300および作業物テーブル500を参照し、作業物の底面が所定の高さ(例えば、作業者の足関節、作業者の腰関節といった作業者の足)よりも上にあるか否かを判定する。作業管理装置130は、作業物の底面が作業者の足よりも上にあると判定した場合、S1204に処理を移す。作業管理装置130は、作業物の底面が作業者の足よりも上にないと判定した場合、次の処理対象(作業物または作業者)があるときは、処理対象を次に進め、S1203に処理を移し、次の処理対象がないときは、作業物操作判定処理を終了する。
S1204では、作業管理装置130は、作業物テーブル500を参照し、作業物が上下方向に移動しているか否かを判定する。作業管理装置130は、作業物が上下方向に移動していると判定した場合、S1205に処理を移す。作業管理装置130は、作業物が上下方向に移動していないと判定した場合、次の処理対象があるときは、処理対象を次に進め、S1203に処理を移し、次の処理対象がないときは、作業物操作判定処理を終了する。
S1205では、作業管理装置130は、作業物テーブル500を参照し、作業物の把持に係るランドマーク位置(「P4」および「P5」)と作業者の手の位置とが操作判定閾値以下であるか否か(ランドマーク位置と手の位置とが一定の距離内にあるか否か)を判定する。作業管理装置130は、ランドマーク位置と手の位置とが一定の距離内にあると判定した場合、S1206に処理を移す。作業管理装置130は、ランドマーク位置と手の位置とが一定の距離内にないと判定した場合、次の処理対象があるときは、処理対象を次に進め、S1203に処理を移し、次の処理対象がないときは、作業物操作判定処理を終了する。なお、操作判定閾値については、図示は省略するが、設定情報200に含まれている。
S1206では、作業管理装置130は、処理対象の作業物の作業物IDを作業状況テーブル300の持ち上げ作業物350に記憶する。
図13は、関節トルク算出処理の一例を示す図である。S1301~S1305の処理は、作業者ごとに行われる。
S1301では、作業管理装置130は、作業者の体系モデル情報を選択する。体系モデル情報は、身体部分の質量、質量中心位置、慣性モーメント等の慣性特性に関する情報である。体系モデル情報については、図示は省略するが、設定情報200に記憶されている。なお、体系モデル情報は、公知の情報であってもよいし、管理者が設定した情報であってもよい。
S1302では、作業管理装置130は、作業状況テーブル300の持上げ作業物350を参照し、作業者が作業物を持ち上げているか否かを判定する。作業管理装置130は、作業者が作業物を持ち上げていると判定した場合、S1303に処理を移し、作業者が作業物を持ち上げていないと判定した場合、S1304に処理を移す。
S1303では、作業管理装置130は、作業物および作業者の姿勢を合成した関節トルクを算出する。より具体的には、作業管理装置130は、作業者の体系モデル情報と、作業物の重量とをもとに、逆運動学から、右ひざ、左ひざ、腰、首、右手、および左手の関節トルクを算出する。当該作業物の重量については、図示は省略するが、設定情報200に含まれている。
S1304では、作業管理装置130は、作業者の姿勢の関節トルクを算出する。より具体的には、作業管理装置130は、作業者の体系モデル情報をもとに、逆運動学から、右ひざ、左ひざ、腰、首、右手、および左手の関節トルクを算出する。
S1305では、作業管理装置130は、算出した関節トルクを作業状況テーブル300の関節トルク340に記憶する。
図14は、リスク解析処理の一例を示す図である。リスク解析処理は、所定のタイミングで実行される。所定のタイミングは、定期的なタイミング、予め指定されたタイミング、管理者により操作されたタイミング等である。
S1401では、作業管理装置130は、解析内容選択画面を操作端末160に表示する。解析内容選択画面では、工程解析、作業者解析等が管理者により選択される。なお、解析内容選択画面については、図示を省略する。
S1402では、作業管理装置130は、工程解析が選択されたか否かを判定する。作業管理装置130は、工程解析が選択されたと判定した場合、S1403に処理を移し、工程解析が選択されていないと判定した場合、S1404に処理を移す。
S1403では、作業管理装置130は、工程解析を行う。
工程解析では、まず、作業管理装置130は、作業内容(工程)ごとに、当該作業内容に係る複数の作業者(典型的には、全作業員)の評価スコアの統計値(以下、「統計スコア」と記す)を算出する。統計値は、平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値、分散、標準偏差等である。
次に、作業管理装置130は、統計スコアと、初期閾値とを比較する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の関節の統計スコアが、関節の初期閾値より高いか否かを判定する。上記関節は、腰関節、左ひざ関節、右ひざ関節、および首関節の何れかである。例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の腰関節の統計スコアが、腰関節の初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「腰関節に負担がかかる作業工程となっています。作業物の位置等の検討を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の上肢位置の統計スコアが、上肢位置の初期閾値より高いか否かを判定する。上記上肢位置は、左上肢位置または右上肢位置である。例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の右上肢位置の統計スコアが、右上肢位置の初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「右腕を上げる時間が長い作業工程となっています。作業物の位置等の検討を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の動作速度の統計スコアが、図示は省略する動作速度の初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「体力の消費が激しい作業工程となっています。道具および機械の適切な利用を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の熱中症の統計スコアが、図示は省略する熱中症の初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「熱中症リスクが高いです。エアコンの適切な利用を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の騒音の統計スコアが、図示は省略する騒音の初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「作業を効率的に行うには騒音が大きいです。騒音発生物との位置等の検討を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の明るさの統計スコアが、図示は省略する明るさの初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「作業を効率的に行うには照度が低いです。照明の適切な利用を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業内容の温度の統計スコアが、図示は省略する温度の初期閾値より高いと判定した場合、リコメンド情報として、「作業を効率的に行うには温度が高い(低い)です。エアコンの適切な利用を推奨します。」を生成する。
S1404では、作業管理装置130は、作業者解析が選択されたか否かを判定する。作業管理装置130は、作業者解析が選択されたと判定した場合、S1405に処理を移し、作業者解析が選択されていないと判定した場合、リスク解析処理を終了する。
S1405では、作業管理装置130は、作業者解析を行う。
作業者解析では、まず、作業管理装置130は、作業内容ごとに、統計スコアを算出する。次に、作業管理装置130は、統計スコアと、解析対象の作業者の評価スコアとを比較する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業者の腰関節の評価スコアが、腰関節の統計スコアより高いと判定した場合、リコメンド情報として、「腰を痛めやすい作業姿勢をしています。トレーニング、配置転換の検討を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業者の右ひざ関節の評価スコアが、右ひざ関節の統計スコアより高いと判定した場合、リコメンド情報として、「右ひざを痛めやすい作業姿勢をしています。トレーニング、配置転換の検討を推奨します。」を生成する。なお、左ひざ関節については、右ひざ関節と同様であるので、その説明を省略する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業者の首関節の評価スコアが、首関節の統計スコアより高いと判定した場合、リコメンド情報として、「首を痛めやすい作業姿勢をしています。トレーニング、配置転換の検討を推奨します。」を生成する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業者の右上肢位置の評価スコアが、右上肢位置の統計スコアより高いと判定した場合、リコメンド情報として、「本作業内容と身長がミスマッチです。配置転換の検討を推奨します。」を生成する。なお、左上肢位置については、右上肢位置と同様であるので、その説明を省略する。
例えば、作業管理装置130は、解析対象の作業者の動作速度の評価スコアが、動作速度の統計スコアより高いと判定した場合、リコメンド情報として、「本作業内容による疲労が大きいです。トレーニング、配置転換の検討を推奨します。」を生成する。
S1406では、作業管理装置130は、リコメンド情報を管理者端末150に送信する。管理者端末150では、リコメンド情報が出力される。なお、出力の態様の一例については、図18を用いて後述する。
S1407では、作業管理装置130は、解析を続行するか否かを判定する。作業管理装置130は、解析を続行すると判定した場合、S1401に処理を移し、解析を続行しないと判定した場合、リスク解析処理を終了する。
図15は、管理者画面の一例(ダッシュボード表示1500)を示す図である。
ダッシュボード表示1500では、作業者ごとに、各リスクに係る情報が表示される。
より具体的には、ダッシュボード表示1500では、評価スコア1510と、初期閾値1520と、現在閾値1530とが表示される。評価スコア1510は、評価スコアを示す情報である。初期閾値1520は、初期閾値を示す情報である。現在閾値1530は、現在閾値を示す情報である。
ダッシュボード表示1500では、識別表示1540に示すように、評価スコア1510の値が現在閾値1530の値を超える場合は、現在閾値1530の値が識別可能に表示(例えば、強調して表示)される。
ダッシュボード表示1500によれば、例えば、管理者は、評価スコア1510の値と現在閾値1530の値とを見比べて、リスクが高まっている作業者を把握できるようになる。例えば、管理者は、当該作業者に対して、リスクを低減するための対策を促すことができるようになる。アラート表示1600では、リスクごとに、評価スコア1510の値および閾値1530の値が表示されるので、例えば、管理者は、当該作業者に対して、リスクに応じた対策を促すことができる。
図16は、管理者画面の一例(アラート表示1600)を示す図である。
アラート表示1600では、所定の時間におけるアラート情報が表示される。より具体的には、アラート表示1600には、時間1610と、作業者名1620と、作業場所1630と、アラート情報1640との情報が含まれる。時間1610は、評価スコアが閾値を超えた時間を示す情報である。作業者名1620は、アラートの対象となる作業者の氏名を示す情報である。作業場所1630は、当該作業者が作業している作業場所を示す情報である。アラート情報1640は、アラートの内容を示す情報である。図16では、どの評価スコアが閾値を超えたかを示す情報が示されている。
アラート表示1600により、管理者は、リスクが高い作業者を把握できるようになる。例えば、管理者は、当該作業者に対して、リスクを低減するための対策を促すことができるようになる。
図17は、作業者画面の一例を示す図(アラート表示1710およびアラート表示1720)である。
アラート表示1710では、特定作業者の作業者端末140にアラート情報が表示される。アラート表示1710では、例えば、緊急閾値を超えた評価スコアのリスクを低減するための対策が示される。アラート表示1710により、特定作業者が対策を実施することで、特定作業者のリスクが低減される。
アラート表示1720では、特定作業者の周囲にいる他の作業者の作業者端末140にアラート情報が表示される。アラート表示1720では、例えば、特定作業者を支援するためのメッセージが示される。アラート表示1720により、特定作業者の周囲にいる他の作業者が、特定作業者の作業を支援することで、特定作業者のリスクが低減される。
なお、アラート情報の出力態様は、アラート表示1710およびアラート表示1720に限らない。例えば、作業者端末140は、アラート情報を音声で出力してもよい。
図18は、管理者画面の一例(工程改善画面1810および作業者育成画面1820)を示す図である。
工程改善画面1810では、工程に係る改善を推奨するリコメンド情報1811が表示される。工程改善画面1810によれば、管理者が工程を見直すことで、高まっているリスクを低減することができる。
作業者育成画面1820では、作業者に係る育成を促すリコメンド情報1821が表示される。作業者育成画面1820によれば、管理者が作業者を育成することで、高まっているリスクを低減することができる。
(2)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
上述の実施の形態においては、本発明を作業管理システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
また、上述の実施の形態においては、解析内容選択画面により選択された解析を行う場合について述べたが、本発明はこれに限らず、作業管理システム100は、工程解析と作業者解析との少なくとも1つを所定のタイミングで行うようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、評価スコアが閾値を超えたか否かを判定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平均リスクスコアが閾値を超えたか否かを判定するようにしてもよいし、最大リスクスコアが閾値を超えたか否かを判定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、リスクスコアとして、平均値または最大値を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、最小値、中央値、最頻値、分散、標準偏差等、他の統計値を用いるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、XXテーブルを用いて各種のデータを説明したが、データ構造は限定されるものではなく、XX情報等と表現してもよい。
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
作業管理システム(例えば、作業管理システム100)は、第1の取得装置(例えば、作業情報取得装置120)により取得された作業者の情報(例えば、画像)から、上記作業者にかかる負荷の度合いを示すスコア(例えば、平均リスクスコア、最大リスクスコア、平均評価スコア、および最大評価スコアの少なくとも1つ)を算出する第1の算出部(例えば、スコア算出部135、作業管理装置130)と、上記第1の取得装置により取得された作業者の情報と第2の取得装置(例えば、環境情報取得装置110)により取得された作業場所の情報との少なくとも1つから、上記作業者と上記作業場所との少なくとも1つについて現在の状況に応じた閾値(例えば、現在閾値)を算出する第2の算出部(例えば、閾値算出部136、作業管理装置130)と、上記第1の算出部により算出されたスコアと上記第2の算出部により算出した閾値とに係る情報(例えば、リスクスコア、閾値、評価スコア、リスク情報、アラート情報、リコメンド情報)を出力する出力部(例えば、リスク情報出力部137、リコメンド情報出力部138、作業管理装置130)と、を備える。
上記構成では、現在の状況に応じた閾値が算出されるので、当該閾値と、作業者のスコアとを用いて、作業管理システムは、作業者にかかる負荷をより正確に推定することができる。また、例えば、当該閾値と、作業者のスコアとに係る情報が出力されるので、管理者は、当該閾値と、作業者のスコアとに係る情報から、作業者の負荷が大きくなっていることを把握した場合、当該作業者の負荷が低減するような対策を実施できるようになる。
また、例えば、作業管理システムは、作業者のスコアが閾値を超えるか否かを判定してもよい。作業者のスコアが閾値を超えたことが作業者に提示された場合、作業者は、体を休めることで、リスクを低減できるようになる。
また、例えば、作業管理システムは、複数の作業者のスコアの統計値が、所定の作業者のスコアまたは事前に想定した閾値を超えるか否かを判定してもよい。統計値が、所定の作業者のスコアまたは事前に想定した閾値を超えたときに、リスクを高めている所定の事象を改善することを示す情報が出力された場合、管理者は、所定の事象を改善できるようになる。所定の事象は、作業者の能力、作業者の配置、作業内容、作業場所の環境等である。
上記出力部は、上記第1の算出部により算出されたスコアが上記第2の算出部により算出した閾値を超えると判定した場合、上記作業者にかかる負荷の度合いが大きいことを示す情報を、上記作業者の端末(例えば、作業者端末140-1)および管理者の端末(例えば、管理者端末150)の少なくとも1つに送信する。
上記構成では、作業者のリスクが高いことが作業者または管理者に提示されるので、例えば、提示された情報または管理者からの指示に基づいて、作業者が身体を休めることで、作業者のリスクが低減される。
上記出力部は、上記第1の算出部により算出されたスコアが上記第2の算出部により算出した閾値を超えると判定した場合、上記作業者にかかる負荷の度合いが大きいことを示す情報を、上記作業者と同じ作業場所にいる他の作業者の端末(例えば、作業者端末140―2)に送信する。
上記構成では、作業者のリスクが高いことが作業者と同じ作業場所にいる他の作業者に提示されるので、例えば、作業者が情報を確認できない状況で作業しているときであっても、他の作業者からの指摘に基づいて、作業者が身体を休めることができ、作業者のリスクが低減される。作業者が情報を確認できない状況としては、例えば、騒音が大きい作業場所において、両手で作業物を支えているような状況が挙げられる。
上記第1の算出部は、上記作業者の所定の関節にかかるトルクを算出し、算出したトルクと、上記所定の関節に許容されるトルクとから、上記所定の関節のスコアを算出する(例えば、S909参照)。
上記構成では、所定の関節のスコアに係る情報が出力されるので、例えば、管理者は、作業者の関節にかかる負荷が低減するような対策を実施することで、作業者が関節を痛めてしまう事態を回避することができようになる。
上記第1の算出部は、上肢にある関節の位置とスコアとが対応付けられた情報(例えば、上肢位置リスクスコア情報280)をもとに、上記作業者の上肢の状態に応じたスコアを算出する(例えば、S909参照)。
上記構成では、上肢のスコアに係る情報が出力されるので、例えば、管理者は、作業者の体力を回復させるような対策を実施することで、体力の消耗によるアクシデントを回避できるようになる。
上記第2の算出部は、上記第1の取得装置により取得された上記作業者の情報から、所定の作業を行う上記作業者の関節の移動速度を算出し、算出した移動速度と、上記所定の作業において想定されている速度とから、上記作業者の関節の移動速度が遅くなるほど閾値が小さくなるように上記作業者の移動速度の閾値を算出する(例えば、S910参照)。
上記構成では、移動速度が遅くなるほど閾値が小さくなるので、例えば、作業管理システムは、作業者にかかる負荷を作業者の移動速度に応じて推定できるようになる。
上記第2の算出部は、作業場所と上記作業場所の閾値の算出に用いられる閾値情報とが対応付けられた情報(例えば、作業場所閾値係数情報)から、上記第2の取得装置により情報が取得された作業場所に対応する閾値情報を特定し、特定した閾値情報から上記作業場所の閾値を算出する(例えば、S911参照)。
上記構成では、作業場所に応じた閾値が算出されるので、例えば、作業管理システムは、作業者にかかる負荷を作業場所に応じて推定できるようになる。
上記第2の算出部は、上記第2の取得装置により取得された上記作業場所の温度、湿度、照度、および騒音のうちの少なくとも1つの環境の情報から、上記環境の状態が悪化するほど上記環境の閾値の値が小さくなるように上記環境の閾値を算出する(例えば、S912参照)。
上記構成では、環境の状態が悪化するほど閾値が小さくなるので、例えば、作業管理システムは、作業者にかかる負荷を作業場所の環境に応じて推定できるようになる。
上記出力部は、所定の作業内容に係る複数の作業者のスコアから統計値を算出し、算出した統計値が、初期の閾値を超えたと判定した場合、上記所定の作業内容に係る事象を改善することを示す情報(例えば、リコメンド情報)を管理者の端末(例えば、管理者端末150)に送信する(例えば、S1403、S1406参照)。
上記構成によれば、複数の作業者のスコアの統計値が、事前に想定した閾値を超えたときに、所定の作業内容に係る事象を改善することを示す情報が出力されるので、管理者は、所定の作業内容に係る事象を改善できるようになる。所定の作業内容に係る事象は、作業内容、作業場所の環境等である。
上記出力部は、所定の作業内容に係る複数の作業者のスコアから統計値を算出し、所定の作業者のスコアが、算出した統計値を超えたと判定した場合、上記所定の作業者に係る事象を改善することを示す情報(例えば、リコメンド情報)を管理者の端末(例えば、管理者端末150)に送信する(例えば、S1403、S1406参照)。
上記構成によれば、所定の作業者のスコアが、複数の作業者のスコアの統計値を超えたときに、所定の作業者に係る事象を改善することを示す情報が出力されるので、管理者は、所定の作業者に係る事象を改善できるようになる。所定の作業者に係る事象は、作業者の能力、作業者の配置等である。
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。