JP7307688B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域(始動入賞口)への遊技球の進入を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否を決定する大当たりの抽選や、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の態様の決定を行い、決定された態様で変動演出を実行するものが知られている。
このような遊技機としては、遊技者にとっての有利度を異ならせるために、上述の大当たりの抽選確率等が異なるように定められた複数段階の設定値からいずれかを設定可能なものが知られている。このような遊技機においては、設定値の変更が行われた場合に、いわゆる先読み演出中に、設定値の変更が行われた旨を報知する設定変更報知を実行したり(特許文献1参照)、電源投入時に、設定されている設定値に基づいた初期図柄を表示する設定対応図柄表示を実行したり(特許文献2参照)することで、設定されている設定値に対する遊技者の期待感を高めるような試みが行われている。
特開2017-109081号公報 特開2009-050612号公報
しかし、遊技や演出の多様化が進む近年においては、より遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の登場が望まれていた。
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、より遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
また、本発明は、より遊技者の興趣を高めることができる設定値に関する演出を実行可能な遊技機の提供を目的とする。また、本発明は、演出効果を高めつつ、演出に対する遊技者の興趣が低下するのを防止可能な遊技機の提供を目的とする。また、本発明は、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止可能な遊技機の提供を目的とする。また、本発明は、演出の進行において斬新な印象を与えることが可能な遊技機の提供を目的とする。また、本発明は、より斬新な画像表現による演出を実行することが可能な遊技機の提供を目的とする。また、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、遊技者の興趣を高めることが可能な斬新な遊技性を付与可能な遊技機の提供を目的とする。また、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、演出に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
(1)本発明に係る遊技機は、所定の抽選を行う抽選手段と、前記抽選の結果に基づいて変動表示を実行可能な変動表示手段と、前記抽選により所定の抽選結果が導出されたことに基づき、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、相対的に所定の進入領域へ遊技球が進入し難い非時短遊技状態、及び、相対的に前記進入領域へ遊技球が進入し易い時短遊技状態を含む複数の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、前記変動表示の回数をカウントするカウント手段と、所定の表示オブジェクトを表示可能な表示手段と、を備え、前記設定手段は、前記変動表示が所定回数実行されることに基づき前記時短遊技状態を設定可能であり、前記カウント手段は、前記所定回数に至るまで、前記変動表示の回数をカウントするとともに前記変動表示の所定回数の実行に基づく前記時短遊技状態が設定されてから前記特別遊技の終了までカウントを中止し、重ねて配置される第1の画像、第2の画像及び第3の画像を含む複数の画像を備えるとともに、前記第1の画像の背面側に前記第2の画像を配置し、前記第2の画像の背面側に前記第3の画像を配置し、かつ当該複数の画像のうち前記第1の画像及び前記第2の画像に対して共通の画像処理を行うことにより、当該第1の画像及び当該第2の画像は当該画像処理に基づく特定の動作を行い得るものの、前記第3の画像は当該特定の動作を行わないように構成された表示オブジェクトを前記表示手段において表示可能であり、前記第1の画像は透過性を有し、前記第1の画像を介して前記第2の画像及び前記第3の画像を同時に視認可能であり、前記表示オブジェクトが所定の動作を行うように表示可能であることを特徴とする。
本発明によれば、より遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
また、本発明によれば、より遊技者の興趣を高めることができる設定値に関する演出を実行可能な遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、演出効果を高めつつ、演出に対する遊技者の興趣が低下するのを防止可能な遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止可能な遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、演出の進行において斬新な印象を与えることが可能な遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、より斬新な画像表現による演出を実行することが可能な遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、遊技者の興趣を高めることが可能な斬新な遊技性を付与可能な遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、演出に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機の遊技盤の裏面概略図である。 パチンコ機の主制御基板の外観斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。 パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。のモード設定に関する説明図である。 パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における電断復帰時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における大入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における一般入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるアウト口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における設定関連処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の設定示唆演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の設定示唆演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における電断復帰時サブコマンド群受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるRAMクリアコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における特別遊技開始コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における設定示唆演出決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の決定用テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動演出及び予告演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の予告演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の保留表示の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の期待度示唆先読み演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の期待度示唆先読み演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 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パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の高確率時短遊技状態中の演出の態様の一例を示す図である。 第3の実施の形態に対応する他の実施の形態におけるパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 第3の実施の形態に対応する他の実施の形態におけるパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の数字図柄を構成する画像の配置を示す図である。 パチンコ機の数字図柄を構成する画像の揺動動作を示す図である。 パチンコ機の数字図柄の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の視覚化演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の数字図柄を構成する画像の配置を示す図である。 パチンコ機の数字図柄を構成する画像の揺動動作を示す図である。 パチンコ機の数字図柄の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の視覚化演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機のアタッカー装置内部の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の時短図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特定領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図及び時短図柄関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の予告演出の実行割合の一例を示す図である。 パチンコ機の先読み演出の実行割合の一例を示す図である。 変形例に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 変形例に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 他の適用例1に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例3に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例3に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例4に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例4に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機のアタッカー装置内部の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特定領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における当否判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の予告演出の実行割合の一例を示す図である。 パチンコ機の先読み演出の実行割合の一例を示す図である。 変形例(2)に係るパチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 変形例(36)に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 変形例(36)に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 他の適用例1に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例3に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例3に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例4に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例4に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機のアタッカー装置内部の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特定領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における当否判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の予告演出の実行割合の一例を示す図である。 パチンコ機の先読み演出の実行割合の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊報知演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊報知演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊報知演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出及び特殊報知演出の進行を示すタイムチャートである。 パチンコ機の変動演出及び特殊報知演出の進行を示すタイムチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 変形例(2)に係るパチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。 変形例(36)に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 変形例(36)に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 他の適用例1に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例3に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例3に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例4に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例4に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。 他の適用例5に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下の各実施の形態において使用される部材や装置等の名称、手段の名称、符号、ステップ番号等(以下、符号等という)は、各実施の形態における固有のものとして用いられるものとする。したがって、説明の都合上、複数の実施の形態において、符号等が同一となる場合があるものの、これらは各実施の形態における符号等であることを示している。
なお、各実施の形態は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成してもよい。
(第1の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
また、図1に示すように、前扉3の外周には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う前扉演出ランプDLが設けられており、前扉3の外周における左上部には、種々の色で発光することで、所定の発生条件の成立により生じる種々の状態を報知する状態報知ランプELが設けられている。前扉演出ランプDL及び状態報知ランプELはいずれも、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21及び役物演出装置YSと、が設けられている。
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられている。一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄が決定される。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行の可否、特別遊技の終了後に設定される遊技状態等が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、特別遊技の実行等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。この開閉扉18bは、大入賞口18を開放する開位置と、大入賞口18を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
そして、常態においては、開閉扉18bが閉位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが閉じられ)大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが開き)大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
なお、特に図示していないが、大入賞口18内には、入球した遊技球を大入賞口18の外部(遊技盤11の背面側)へ排出するための大入賞口排出口も設けられている。
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄(特に図示しておらず)が変動表示され、各演出図柄の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
役物演出装置YSは、所定の態様で可動することにより演出を行う演出装置である。この役物演出装置YSは、駆動モータMにより、遊技領域12の中央上部に対応する初期位置から、遊技領域12のほぼ中央に対応する可動位置までの範囲内で上下に移動可能となっている。役物演出装置YSは、常態においては初期位置に停留しており、種々のタイミング(たとえば、所定の演出の実行時点等)で、可動位置まで移動する。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。この演出操作装置9は、回転操作が可能な操作ダイヤル9aと押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
また、遊技盤11の裏面側には、図4に示すように、後述する設定値やパチンコ機Pの
制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100が透明箱型の主制御基板ケース150に収納された状態で取り付けられており、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200が透明箱型の発射払出制御基板ケース250に収納された状態で取り付けられており、各種演出を制御する副制御基板300が透明箱型の副制御基板ケース350に収納された状態で取り付けられており、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が透明箱型の遊技球貸出制御基板ケース450に収納された状態で取り付けられている。
また、この遊技盤11の裏面側には、各基板に電源を供給するための電源基板600が設けられており、この電源基板600には電源スイッチ650が設けられている。
電源スイッチ650はオン又はオフに切り替えることが可能となっており、電源スイッチ650がオンになると電源基板600から各基板に電源が供給され、電源スイッチ650がオフになると電源基板600から各基板への電源の供給が停止する。
なお、本明細書においては、電源スイッチ650がオンになり電源が供給されることを「電源がオン」になるともいい、電源スイッチ650がオフになり電源の供給が停止することを「電源がオフ」になるともいうものとする。
(主制御基板100の概要)
以下、主制御基板100について詳述する。
主制御基板100は、上述の如く、設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの基本動作を制御するものである。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、設定値の違いにより、後述する大当たりの当選確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する大当たりの当選確率を定めた大当たり決定乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた大当たり決定乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、電源がオンとなっているときには、遊技を実行可能な遊技可能状態、設定されている設定値を確認可能な設定確認状態、設定されている設定値を変更可能な設定変更状態、並びに、遊技の実行、設定値の確認及び変更が不可能な遊技停止状態の4つの制御状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。そして、パチンコ機Pの制御状態が設定変更状態であるときに、所定の操作を行うことで、設定されている設定値を変更できる(切り替えることができる)ようになっている。
設定値の記憶や変更、電源がオンとなったときに設定される制御状態等については、後程詳述する。
(主制御基板100の構成)
本形態における主制御基板100は、図5に示すように、長方形板状の基板であって、配線パターンが片面にのみ設けられた片面基板(1層基板)となっている。なお、主制御基板100は、配線パターンが両面に設けられた両面基板(2層基板)を採用してもよい。
また、主制御基板100の表面には、図5に示すように、メインCPU101、メインROM102及びメインRAM103を一体に構成したワンチップ型のメインIC104その他複数のICと、メイン情報表示装置105、コネクタ106、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109等が設けられている。
(メインCPU101、メインROM102、メインRAM103)
メインCPU101は、各種演算処理を行う装置である。また、メインROM102は、パチンコ機Pのスペック(大当たりの当選確率の高低の種類、特別遊技終了後の遊技状態の決定の方法等)を示すスペックコード、遊技に必要な制御プログラム、テーブル等(後述する大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111等)を格納する記憶領域を備えた装置(Read Only Memory)である。また、メインRAM103は、上述の設定値、パチンコ機Pの制御状態、遊技の進行に係る各種データ等を記憶可能であるとともに、メインCPU101による演算処理時の一時的なデータの記憶等に用いられる読み書き可能な記憶領域を備えた装置(Read Write Memory)である。
メインCPU101は、後述する各種センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムやテーブルを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板(副制御基板300等)へのコマンド送信等の処理を行う。
また、特に図示していないが、本形態におけるメインRAM103の記憶領域は、大別して、所定の先頭アドレス(たとえば、F00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様))から所定の最終アドレス(たとえば、F200H)までの間の領域である使用領域と、当該使用領域の最終アドレスよりも所定距離(たとえば、16バイト)以上離れた特定の先頭アドレス(たとえば、F300H)から特定の最終アドレス(たとえば、F400H)までの間の領域である使用外領域とから構成されている。
また、特に図示していないが、使用領域には、所定の先頭アドレスから所定の最終アドレスに至るまで、第1領域、第2領域、第3領域及び第4領域という4つの領域が順に配置されている。
第1領域には、設定値、及び滞在中の制御状態(遊技可能状態、設定可能状態、設定変更状態、遊技停止状態)を示す遊技機状態フラグが記憶される。また、第2領域には、電源がオフとなる時点で算定されるメインRAM103のチェックサム、及び電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理に異常があったかどうかを判定するためのバックアップフラグが記憶される。また、第3領域には、パチンコ機Pに発生したエラーの情報等が記憶される。
また、第4領域には、遊技の進行に係る各種データ(後述する変動中の特別図柄の情報、遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)、第1特図保留数、第2特図保留数、確変回数、時短回数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ、特別図柄の非変動中である旨の情報等)が記憶されるようになっている。なお、第4領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、特別遊技が終了してからの変動回数が特定回数に至ると特殊な変動パターンが決定されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、上述の特定回数の情報等が記憶されるようにしてもよい。
また、使用外領域には、工場出荷後等の初期状態において遊技が開始されてからの発射球数や払い出された賞球数等のデータが記憶される。具体的には、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、総賞球数という)、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、特別電動役物総賞球数という)、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、役物総賞球数という)等が記憶される。
そして、この使用外領域においては、上述の発射球数や賞球数等のデータに基づいて、出玉率、特別電動役物比率、役物比率等の遊技に関する情報が算出されるようになっている。
ここで、出玉率は、発射球数に対する総賞球数の割合であり、総賞球数/発射球数により算出される値である。また、特別電動役物比率は、総賞球数に対する特別電動役物総賞球の割合であり、特別電動役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。また、役物比率は、総賞球数に対する役物総賞球数の割合であり、役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。
なお、使用外領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般入賞口14への遊技球の入球に基づく賞球数の総数等が記憶されるようにしてもよい。
また、本明細書においては、上述の使用外領域に記憶される発射球数や払い出された賞球数等のデータを「遊技性能データ」ともいい、また、上述の出玉率等の遊技に関する情報を「遊技性能表示情報」ともいう。
(メイン情報表示装置105)
メイン情報表示装置105は、各種情報の表示を行う装置であり、横並びに配設された4つのデシマルポイント付き7セグメント表示器により構成されている。本形態におけるメイン情報表示装置105は、受信したデータについて独自に演算処理を行うCPU等の処理装置を内蔵しておらず、メインIC104から受信したデータに基づく表示のみを行うものとなっている。
具体的には、設定確認状態中や設定変更状態中においては、メインRAM103の使用領域(第1領域)に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態中においては、メインRAM103の使用外領域に記憶されている遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態中やパチンコ機Pにエラーが発生した場合には、その旨を示すコードが表示される。
なお、メイン情報表示装置105は、7セグメント表示器により構成するのではなく、液晶表示器やドットマトリクス表示器等により構成してもよい。また、メイン情報表示装置105は、メインIC104から受信したデータを独自に処理する装置が内蔵されていなければ他の装置を内蔵してもよく、たとえば、メイン情報表示装置105の作動をコントロールするためのドライバ回路等を内蔵してもよい。
(コネクタ106、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109)
コネクタ106は、各種ハーネスやケーブル等を接続するためのものであり、主制御基板100の表面上に複数設けられている。
また、設定スイッチ108は、電源がオンとなった時点で、制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を設定するために参照されるものである。この設定スイッチ108には、鍵穴を備えた操作部(特に図示しておらず)が設けられており、この鍵穴に所定の鍵を差し込んだ状態で回転操作が可能に形成されている。常態においては、設定スイッチ108はオフになっているが、回転操作が行われると、設定スイッチ108がオンになる。
また、RAMクリアスイッチ109は、メインRAM103に記憶されている各種データのクリア及び設定値の変更に用いられるものである。このRAMクリアスイッチ109には、押下操作が可能な押下ボタン109a(図5参照)が設けられており、この押下ボタン109aが押下操作されていないときは、RAMクリアスイッチ109はオフになっているが、押下ボタン109aが押下操作されると、RAMクリアスイッチ109がオンになる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、後述する本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(すなわち、本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常の発生の有無、メインRAM103における異常の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
そして、設定変更状態中に押下ボタン109aを操作する(RAMクリアスイッチ109がオンになる)ことで、設定値を変更する(切り替える)ことができるようになっている。上述の如く、設定値はメインRAM103の使用領域に記憶されるようになっており、設定値が変更される場合には、このメインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が変更されることとなる。
なお、主制御基板100の表面に設けられる装置や電子部品は、上述のものに限定されるものではなく、たとえば、メイン情報表示装置105への各種情報の表示の実行や表示内容の切り換えを行うためのスイッチ等を設けてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に記憶されているデータのクリア及び設定値の変更はいずれも、RAMクリアスイッチ109を操作することで行われるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、RAMクリアスイッチ109とは別個独立の設定変更スイッチを設け、RAMクリアスイッチ109はメインRAM103に記憶されているデータのクリアに用いるように設定し、設定変更スイッチは設定値の変更に用いるように設定してもよい。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの作動を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は、図6に示すように、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300、遊技球貸出制御基板400及び電源基板600により構成されている。
また、図6に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200、副制御基板300及び電源基板600が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
主制御基板100は、上述の如く、主にパチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
図6に示すように、主制御基板100は、上述の如く、メインCPU101と、メインROM102と、メインRAM103と、を備えている。そして、メインCPU101は、上述の如く、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図6に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサaと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するアウト口検出センサ19aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、設定スイッチ108と、RAMクリアスイッチ109と、遊技盤11に向けられる磁気を検出する磁気検出センサ70aと、遊技盤11に照射される電波を検出する電波検出センサ71aと、パチンコ機Pを揺らす等の不正行為により生じる振動を検出する振動検出センサ72と、が接続されている。
そして、これらの各検出センサから出力される検出信号や各スイッチのオン又はオフを示す信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、メイン情報表示装置105と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
また、発射払出制御基板200には、図6に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、発射モータ61により遊技球が発射されたことを検出する発射球検出センサ64とが接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図6に示すように、本体枠2の開放状態を検出する本体枠開放検出センサ2aと、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出するとオンとなり本体枠開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、本体枠2の開放中は、本体枠開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり本体枠開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号の入力が止まると、本体枠2が閉じられたと判断し、主制御基板100への本体枠開放コマンドの送信を停止する。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出するとオンとなり扉開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、扉開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図6に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、各種ランプの点灯等を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物演出装置YSの可動を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、前扉演出ランプDLと、状態報知ランプELと、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dとが接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、駆動モータMが接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM及び画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、前扉演出ランプDL、状態報知ランプELの点灯、消灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、駆動モータMの駆動を制御する。そして、駆動モータMが駆動することにより、演出役物装置YSが上下方向に可動する。
電源基板600は、主制御基板100を介して各基板に電力を供給するものである。この電源基板600にはバックアップ電源(特に図示しておらず)が設けられている。
また、主制御基板100には、供給される電力の電圧値を検知するための電断検知回路が設けられている。この電断検知回路は、供給される電力の電圧値が所定値以下となった場合(たとえば、電源スイッチ650がオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断が発生したと判断して、主制御基板100へ電断発生信号を出力するとともに、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチ650がオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して、主制御基板100への電断発生信号の出力を停止する。
そして、メインCPU101は、電断発生信号を検出した(電断が発生した)場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止し、メインRAM103(使用領域及び使用外領域)のチェックサムの算定及びバックアップフラグの設定を行うとともに、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を行う。電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)場合には、電断の発生時に算定されたチェックサムと電断からの復帰時に算定されるチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時におけるメインRAM103の記憶データと電断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じているか否か(すなわち、上述のバックアップ処理に異常が発生しているか否か)が判断され、その後、電断復帰時の各種処理が実行されるようになっている。
電断復帰時の各種処理については、後程詳述する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後や、後述する各種初期化処理の実行によりメインRAM103に記憶されているデータがクリアされた後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
また、大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブルと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブルと、を備えている。
また、図7(a)~(l)に示すように、低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、低確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1低確率判定テーブル110a、設定値が「2」である場合に参照される第2低確率判定テーブル110b、設定値が「3」である場合に参照される第3低確率判定テーブル110c、設定値が「4」である場合に参照される第4低確率判定テーブル110d、設定値が「5」である場合に参照される第5低確率判定テーブル110e、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6低確率判定テーブル110fが設けられている。
高確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1高確率判定テーブル110g、設定値が「2」である場合に参照される第2高確率判定テーブル110h、設定値が「3」である場合に参照される第3高確率判定テーブル110i、設定値が「4」である場合に参照される第4高確率判定テーブル110j、設定値が「5」である場合に参照される第5高確率判定テーブル110k、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6高確率判定テーブル110lが設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
図7(a)に示すように、第1低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001~10205であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10206~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319.7となる。
図7(b)に示すように、第2低確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001~10208であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10209~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2低確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/315.1となる。
図7(c)に示すように、第3低確率判定テーブル110cによれば、大当たり決定乱数が10001~10212であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10213~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3低確率判定テーブル110cにおける大当たりの当選確率はおよそ1/309.1となる。
図7(d)に示すように、第4低確率判定テーブル110dによれば、大当たり決定乱数が10001~10215であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10216~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4低確率判定テーブル110dにおける大当たりの当選確率はおよそ1/304.8となる。
図7(e)に示すように、第5低確率判定テーブル110eによれば、大当たり決定乱数が10001~10219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5低確率判定テーブル110eにおける大当たりの当選確率はおよそ1/299.2となる。
図7(f)に示すように、第6低確率判定テーブル110fによれば、大当たり決定乱数が10001~10223であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10224~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/293.9となる。
図7(g)に示すように、第1高確率判定テーブル110gによれば、大当たり決定乱数が10001~11024であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11025~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1高確率判定テーブル110gにおける大当たりの当選確率は1/64.0となる。
図7(h)に示すように、第2高確率判定テーブル110hによれば、大当たり決定乱数が10001~11040であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11041~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2高確率判定テーブル110hにおける大当たりの当選確率はおよそ1/63.0となる。
図7(i)に示すように、第3高確率判定テーブル110iによれば、大当たり決定乱数が10001~11057であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11058~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3高確率判定テーブル110iにおける大当たりの当選確率はおよそ1/62.0となる。
図7(j)に示すように、第4高確率判定テーブル110jによれば、大当たり決定乱数が10001~11074であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11075~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4高確率判定テーブル110jにおける大当たりの当選確率はおよそ1/61.0となる。
図7(k)に示すように、第5高確率判定テーブル110kによれば、大当たり決定乱数が10001~11092であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11093~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5高確率判定テーブル110kにおける大当たりの当選確率はおよそ1/60.0となる。
図7(l)に示すように、第6高確率判定テーブル110lによれば、大当たり決定乱数が10001~11110であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11111~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6高確率判定テーブル110lにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59.0となる。
以上のように、対応付けられた設定値が同一の高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルを比較すると、高確率判定テーブルは、低確率判定テーブルに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
また、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、当該低確率判定テーブルと同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいても大当たりと判定されることとなる。
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図8(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
図8(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~99であった場合に大当たり図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率及び大当たり図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
また、図8(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~159であった場合に大当たり図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が160~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は80%、大当たり図柄X2が決定される確率は20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図9(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(図9(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(図9(c)参照)。
そして、図9(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~3999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
また、図9(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~5999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
さらに、図9(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~10006であった場合に「第2グループ」が決定される。
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、図10(a)~(d)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113dについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択される(図10(a)~(d)参照)。
そして、図10(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。
また、図10(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~1999であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。
また、図10(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。
さらに、図10(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~1899であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900~2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第4変動テーブル114dが選択される。
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、図11(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113e、及び、非時短遊技状態において大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113fについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し大当たり図柄の種別が決定された場合に、決定された大当たり図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113eが選択され、非時短遊技状態において大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113fが選択される(図11(a)及び(b)参照)。
そして、図11(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「34H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。
また、図11(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~1399であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400~2038であった場合に、「34H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図12(a)~(g)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c及び第4変動テーブル114d、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114e、第31変動テーブル114f及び第32テーブル114gについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、図12(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125~249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。また、図12(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120~249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
また、図12(e)に示すように、第30変動テーブル114eによれば、変動パターン乱数が0~124であった場合に「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125~249であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定される。また、図12(g)に示すように、第32変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~199であった場合に「33H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が200~249であった場合に「34H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図12参照)。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態及び保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や、特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の決定処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
変動時間決定テーブル115は、変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(図13(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「04H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「13秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「04H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「73秒(=13秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間となる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図14(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
具体的には、大当たり図柄X1が決定されると、図14(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
また、大当たり図柄X2が決定されると、図14(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行され。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、大当たり図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図15に示すように、大当たり図柄X1又は大当たり図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、70回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された大当たり図柄の種別に基づいて決定してもよい。たとえば、大当たり図柄X1又はX2のいずれか一方が決定された場合に、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態に設定し、いずれか他方が決定された場合に、通常遊技状態や、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定してもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図16(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図17に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
(電断復帰時における各種処理の概要)
上述したように、パチンコ機Pの電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなった時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常(以下、バックアップ異常という)の発生の有無、メインRAM103における異常(以下、RAM異常という)の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
(バックアップ異常、RAM異常の発生及び解除)
ここで、バックアップ異常、RAM異常の発生及び解除について説明する。
電断復帰時において、電断発生時のメインRAM103の記憶データと電断復帰時のメインRAM103の記憶データとに不整合が生じていた場合に、バックアップ異常が発生したと判断され、上述の不整合が生じていなかった場合に、バックアップ異常が発生していないと判断される。
このバックアップ異常は、一過性の原因(たとえば、一時的にいずれかの装置に異常が生じたことによりデータの読み込みや保持に失敗した場合等)により発生する可能性が高い。また、新規にメインROM102やメインRAM103等を取り付けてパチンコ機Pの電源をオンにした場合には、これよりも前にバックアップ処理が実行されていないため、必ずバックアップ異常が発生することとなる。
上述の事情によりバックアップ異常が発生した場合には、電源を入れ直して再度バックアップ処理を実行するか、又は、RAMクリアスイッチ109がオンの状態(押下ボタン109aを押下操作したままの状態)で電源をオンにすることにより、発生したバックアップ異常を解除可能となる。
また、メインRAM103の使用領域内においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常の発生の判断対象となるのは当該使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。なお、使用領域内のみならず、使用領域内及び使用外領域の両方をRAM異常の発生の判断対象としてもよい。そして、このように設定したときには、使用領域内及び使用外領域の少なくともいずれか一方においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断して、後述する処理(異常時初期化処理、遊技停止状態の設定)を行ってもよい。
このRAM異常は、チップの破損等、ハードウェア自体に異常が生じているために発生する可能性が高い。そのため、電源の入れ直しやRAMクリアスイッチ109がオンの状態での電源をオンにする等の処置を行っても、発生したRAM異常を解除できる可能性は低く、メインRAM103の交換や修理によりRAM異常が解除されることとなる。
そして、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。また、電断復帰時にRAM異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。なお、バックアップ異常とRAM異常が重複して発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、電断復帰時や遊技可能状態の滞在中において、メインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が異常値(たとえば、「1」よりも小さい値や「6」よりも大きい値等)であった場合には、異常時初期化処理が実行され、設定値の異常(以下、設定値異常という)の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、後述するが、遊技停止状態が設定される場合に実行される異常時初期化処理では、メインRAM103に記憶されている全データ(すなわち、使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
そして、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、制御状態を設定変更状態に設定するための設定変更条件(具体的には、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオンであること)を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
また、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態又は設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時にRAM異常又は設定値異常が解除された状態(RAM異常又は設定値異常が無い状態)で設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、電断復帰時にRAM異常又は設定値異常が解除されていないとき、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
なお、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、その後、設定変更状態が設定されたことにより、デフォルトの設定値として「1」がメインRAM103の使用領域に記憶されるようにしてもよい。
(電断復帰時における制御状態の設定)
以下、電断復帰時に設定される制御状態について、図19~図20を参照して、具体的に説明する。
(1)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。すなわち、電断復帰時の制御状態は、電断発生直前に滞在していた制御状態のままとなる。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、原則として、設定スイッチ108がオンとなっている間のみ、設定変更状態又は設定確認状態に滞在するようになっている。上述の場合には、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには電断復帰時に設定変更状態が設定され、電断発生直前の制御状態が設定確認状態であったときには電断復帰時に設定確認状態が設定されるが、設定スイッチ108はオフであるため、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定(遊技可能状態に変更)されることとなる。
(2)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の滞在モードが遊技可能モードであって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、この場合に、電断復帰時に設定変更状態又は設定確認状態が設定されたときには、その後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
(3)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態又は設定確認状態であったときには、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、後述するが、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。そのため、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったとき、上述の通常初期化処理では設定値はクリアされないため、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、後述するように変更中の設定値が確定することとなる。
(4)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
(5)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。
(6)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになると特別遊技が再開される。
また、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
(7)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、変更中の設定値が確定することとなる。
(8)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
(9)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合(設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109、本体枠開放検出センサ2aがいずれもオンであった場合を除く)
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(図19参照)。
(10)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この場合(電断復帰時にバックアップ異常が発生していた場合)には、電断復帰時に実行される異常時初期化処理において、設定値のクリアも行われるようになっている。そのため、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態において、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)は維持されず、メインRAM103に記憶されている設定値が、初期値として予め定められた設定値(本形態では「1」)に変更される。なお、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では設定値は確定しない。
(11)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合には、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合及び電断復帰時に通常初期化処理が実行された場合に、RAM異常の発生の有無が判断されるようになっている。そのため、電断復帰時に通常初期化処理が実行されず、かつバックアップ異常が発生していなかったときには、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見(検出)できない場合がある。この場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(1)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(12)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(2)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(13)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、RAM異常の発生の判断対象となるのは使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。このようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(3)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(14)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(4)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(15)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(5)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(16)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(6)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(17)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(7)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
(18)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(8)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常が発生した場合には、設定変更条件を満たしたときであっても、設定変更状態に優先して遊技停止状態が設定されることとなる。
(19)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生有りであった場合
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の滞在モードが遊技可能モード、設定確認モード、遊技停止モードのいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(図20参照)。
そして、上述の(1)~(19)の処理が実行されることにより、設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている遊技性能データに基づく遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、遊技停止状態が設定された旨を示すコードが表示される。
なお、設定確認状態又は設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105に一瞬、設定値が表示された後、遊技可能状態の設定に伴って遊技性能表示情報が表示されることとなる。
また、設定スイッチ108がオンであることに基づき設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、その後、設定スイッチ108がオフになると、設定中の設定確認状態又は設定変更状態を遊技可能状態に切り替える処理が実行され、遊技可能状態が設定されることとなる。そして、遊技可能状態が設定されることにより、メイン情報表示装置105の表示も対応する内容に切り替わることとなる。
また、設定変更状態の設定中においては、本体枠開放検出センサ2aが本体枠2の開放を検出していることを条件として、押下ボタン109aが押下操作されRAMクリアスイッチ109がオンになるごとに、メインRAM103に記憶されている設定値が1段階ずつ変更されるようになっている。具体的には、メインRAM103に記憶されている設定値が1インクリメントした値に変更される。
たとえば、メインRAM103に記憶されている設定値が「2」であった場合において、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されると、メインRAM103に記憶される設定値が「3」に変更されることとなる。そして、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されるごとに、メインRAM103に記憶される設定値が「4」→「5」→「6」と変更され、「6」の次には「1」に変更される。なお、メインRAM103に記憶される設定値が変更されるごとに、メイン情報表示装置105における設定値の表示も変更されるようになっている。
そして、設定スイッチ108がオフになると、これ以降はメインRAM103に記憶されている設定値の変更が不可となる。すなわち、この時点でメインRAM103に記憶されている設定値が、新たな設定値として確定することとなる。
(通常初期化処理、異常時初期化処理、クリア処理)
本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づいて遊技停止状態が設定される場合には、異常時初期化処理が実行される。この異常時初期化処理では、上述の如く、メインRAM103に記憶されている全データ(使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであって、かつ遊技停止状態以外の制御状態(遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態)が設定される場合には、通常初期化処理が実行される。この通常初期化処理では、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオフであった場合には、メインRAM103の一部をクリアするクリア処理が実行される。このクリア処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報)がクリアされる。
(電断復帰時における副制御基板300へのコマンド送信)
上述の如く、電断復帰時には、通常初期化処理、異常時初期化処理又はクリア処理のいずれかの処理が実行されるとともに、遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態又は遊技停止状態(バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態)のいずれかが設定されるようになっている。
そして、電断復帰時には、演出表示装置21や音声出力装置10により、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行中である旨を示す表示や音声出力が実行される。その後、これらの処理が完了すると、設定された制御状態に応じた各種表示や音声出力が開始される。
具体的には、たとえば、電断発生直前に遊技可能状態に滞在しており、電断復帰時に通常初期化処理や異常時初期化処理が実行されることなく電断発生直前と同様の遊技可能状態が設定された場合には、電断発生直前における保留数、変動演出の実行状態(変動演出の実行中、非実行中等)、特別遊技の実行状態(特別遊技の非実行中、特別遊技の実行中)、高確回数、時短回数等に基づいて遊技が再開されるため、演出表示装置21においてはこれらの情報も表示されることとなる。
また、たとえば、電断発生直前に遊技可能状態に滞在していたものの、電断復帰時に通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定された場合には、演出表示装置21において設定変更状態が設定されている旨の表示を行うとともに、音声出力装置10によりその旨を示唆する音声を出力する。また、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定された場合には、演出表示装置21において遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示を行うとともに、音声出力装置10により所定の初期音声を出力する。
また、たとえば、電断復帰時にバックアップ異常が発生し、異常時初期化処理が実行され遊技停止状態が設定された場合には、演出表示装置21においてバックアップ異常が発生した旨の表示を行うとともに、音声出力装置10により所定の警告音を出力する。
ここで、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、本形態における副制御基板300には電断検知回路が設けられておらず、当該副制御基板300においては主制御基板100において行われているバックアップ処理は実行されない。そのため、副制御基板300のサブRAM303には、電断復帰時に、演出表示装置21や音声出力装置10において上述のような演出を実行するために必要なデータが記憶されていないこととなる。
そこで、本形態における主制御基板100のメインCPU101は、電断復帰時に設定された制御状態に応じて、上述のような演出を実行するために必要なデータを含む各種コマンドを副制御基板300へ送信するようになっている。
以下、電断復帰時における副制御基板300へのコマンド送信について、より詳しく説明する。
(1)電断復帰時に遊技可能状態が設定される場合
この場合において、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであったときには、メインCPU101は、遊技可能状態が設定され、かつ通常初期化処理が実行された旨を示すRAMクリアコマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであったときには、メインCPU101は、遊技可能状態が設定され、かつクリア処理が実行された旨を示す電断復帰コマンドを副制御基板300へ送信する。
さらに、メインCPU101は、RAMクリアコマンド又は電断復帰コマンドに続き、メインROM102に記憶されているスペックコードの内容を示すスペックコードコマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)を示す発射位置コマンド、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動中であった場合にはメインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている当該特別図柄の情報を示す第1特図図柄コマンド、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動中であった場合にはメインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている当該特別図柄の情報を示す第2特図図柄コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている設定値を示す設定値コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている第1特図保留数を示す第1特図保留数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている第2特図保留数を示す第2特図保留数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている時短回数を示す時短回数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている高確回数を示す高確回数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている特図遊技の実行フェーズデータを示す実行フェーズデータコマンド、特別図柄の変動が行われていない場合にはその旨を示す客待ちコマンド(以下、これらのコマンドを総称して電断復帰時サブコマンド群という)を副制御基板300へ送信する。
なお、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって通常初期化処理が実行された場合には、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータがクリアされる。したがって、上述の電断復帰時サブコマンド群の各コマンドは、通常初期化処理によるクリア後の第4領域のデータ内容を示すものとなる。
これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであってクリア処理が実行された場合には、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータがクリアされ、第4領域に記憶されているデータはクリアされない。したがって、上述の電断復帰時サブコマンド群の各コマンドは、電断発生直前に記憶されていた第4領域のデータ内容を示すものとなる。
そして、遊技可能状態が設定されて遊技が開始されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信したRAMクリアコマンド又は電断復帰コマンド、及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、演出表示装置21における各種表示や音声出力装置10による音声出力の実行の制御が行われることとなる。
具体的には、RAMクリアコマンドを受信した場合には、電断発生直前の遊技の進行に係るデータはクリアされ電断発生直前の遊技状況はリセットされるため、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示や所定の初期音声の出力が開始される。
また、電断復帰コマンドを受信した場合には、電断発生直前の遊技の進行に係るデータはクリアされず電断発生直前の遊技状況は維持されるため、電断発生直前の状況のまま遊技が再開される。そして、電断復帰時サブコマンド群の各コマンドに基づいて、電断発生直前に行われていた表示や音声出力も再開される。
(2)電断復帰時に設定変更状態が設定される場合
この場合において、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであったときには、メインCPU101は、設定変更状態が設定され、かつ通常初期化処理が実行された旨を示す設定変更開始コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであったときには、メインCPU101は、設定変更状態が設定され、かつクリア処理が実行された旨を示す設定変更復帰コマンドを副制御基板300へ送信する。
なお、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって設定変更状態が設定される場合とは、電断復帰直前に設定変更状態以外の制御状態に滞在しており、電断復帰時に設定変更状態に切り替わる場合である。また、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであって設定変更状態が設定される場合とは、電断復帰直前に設定変更状態に滞在しており、電断復帰時に設定変更状態へ復帰する場合である。
さらに、メインCPU101は、設定変更開始コマンド又は設定変更復帰コマンドに続き、(1)と同様の電断復帰時サブコマンド群を副制御基板300へ送信する。
そして、設定変更状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定変更開始コマンド又は設定変更復帰コマンド、及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、設定変更状態が設定された旨の表示や音声出力が実行される。
その後、設定スイッチ108がオフになると、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを副制御基板300へ送信する。さらに、メインCPU101は、設定変更状態終了コマンドに続き、この時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信する。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に設定変更状態が設定された場合には、電断復帰時(設定変更状態の設定時)及び設定変更状態の終了時の計2回、それぞれの時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信するようになっている。
なお、設定変更状態の終了時において、設定変更状態の設定時における設定値と同一の設定値が設定された場合(すなわち、設定値が変更されなかった場合)には、電断復帰時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンド、及び、設定変更状態の終了時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンドの内容はすべて同一となる。これに対して、設定変更状態の終了時において、設定変更状態の設定時における設定値と異なる設定値が設定された場合(すなわち、設定値が変更された場合)には、電断復帰時における電断復帰時サブコマンド群及び設定変更状態の終了時における電断復帰時サブコマンド群は、設定値コマンドが異なる内容となり、他のコマンドの内容はすべて同一となる。
そして、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定変更状態終了コマンド及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示や所定の初期音声の出力が開始される。
(3)電断復帰時に設定確認状態が設定される場合
この場合には、メインCPU101は、設定確認状態が設定される旨を示す設定確認開始コマンドを副制御基板300へ送信する。さらに、メインCPU101は、設定確認開始コマンドに続き、(1)及び(2)と同様の電断復帰時サブコマンド群を副制御基板300へ送信する。
そして、設定確認状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定確認開始コマンド及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、設定確認状態が設定された旨の表示や音声出力が実行される。
その後、設定スイッチ108がオフになると、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを副制御基板300へ送信する。さらに、メインCPU101は、設定確認状態終了コマンドに続き、この時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信する。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に設定確認状態が設定された場合にも、電断復帰時(設定確認状態の設定時)及び設定確認状態の終了時の計2回、それぞれの時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信するようになっている。なお、電断復帰時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンド、及び、設定確認状態の終了時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンドの内容はすべて同一となる。
そして、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定確認状態終了コマンド及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示や所定の初期音声の出力が開始される。
(4)電断復帰時に遊技停止状態が設定される場合
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、バックアップ異常が発生した場合、RAM異常が発生した場合、設定値異常が発生した場合に遊技停止状態が設定される。
そして、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであるとともに、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第1バックアップ異常コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであるとともに、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第2バックアップ異常コマンドを副制御基板300へ送信する。
また、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであるとともに、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第1RAM異常コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであるとともに、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第2RAM異常コマンドを副制御基板300へ送信する。
また、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであるとともに、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第1設定値異常コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであるとともに、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第2設定値異常コマンドを副制御基板300へ送信する。
さらに、メインCPU101は、第1バックアップ異常コマンド、第2バックアップ異常コマンド、第1RAM異常コマンド、第2RAM異常コマンド、第1設定値異常コマンド又は第2設定値異常コマンドに続き、(2)と同様の電断復帰時サブコマンド群を副制御基板300へ送信する。
そして、遊技停止状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した第1バックアップ異常コマンド、第2バックアップ異常コマンド、第1RAM異常コマンド、第2RAM異常コマンド、第1設定値異常コマンド又は第2設定値異常コマンド、及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、遊技停止状態が設定された旨の表示や音声出力が実行される。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に設定変更状態が設定された場合には、設定変更状態が設定される電断復帰時及び設定変更状態の終了時の両方の時点において(すなわち、設定値に関する処理が実行される前後において)それぞれ、各時点で記憶されていた遊技の進行に係るデータの内容を示すコマンド、設定値の内容を示すコマンドが副制御基板300へ送信されるようになっている。
これにより、副制御基板300は変更前と変更後の設定値の情報(設定値がいくつからいくつへ変更されたかの情報)を受信することができるとともに、副制御基板300において、上述の各時点で記憶されている遊技の進行に係るデータや設定値の内容に応じた適切な演出を実行することができるのである。
また、電断復帰時に設定変更状態が設定された場合には、設定値が変更されたか否かによらず、必ず上述の両方の時点においてそれぞれ、上述のコマンドを副制御基板300へ送信するようになっている。
そのため、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定変更状態が終了した時点において、この設定変更状態の滞在中に設定値が変更されたか否かを判断する処理が不要であり、当該処理を実行するための制御プログラムを設けておく必要が無いため、メインROM102が記憶容量不足となるような事態を防止することができるのである。
なお、上述の電断復帰時サブコマンド群を送信する際には、当該コマンド群に含まれる各コマンドをそれぞれ別の送信単位とした上でそれぞれ個別に送信するようにしてもよいし、当該コマンド群に含まれる全コマンドをまとめて一の送信単位とした上で一括して送信するようにしてもよい。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、後述する主制御基板100のメイン処理に割り込んで、図21のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
ステップ100において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していないと判定した場合、電断退避処理を終了する。一方、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、メインRAM103における使用領域及び使用外領域のチェックサムを算定する処理を実行し、算定されたチェックサムを第2領域に記憶する。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を実行し、このバックアップ処理の結果を示すバックアップフラグを第2領域に記憶する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、メインCPU101は、電断監視時間を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ104に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ106に進む。
ステップ106において、メインCPU101は、上述のステップ104で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ105に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、後述の電断復帰時処理を実行する。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。電断が発生した場合には、上述のステップ104からステップ106までをループしている間、パチンコ機Pの作動が停止することとなる。
次に、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電力が供給されると(電断から復帰すると)、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図22のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ110において、メインCPU101は、電断復帰時処理を実行する。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを禁止する。そして、次のステップ112に進む。
ステップ112において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ113に進む。
ステップ113において、メインCPU101は、特図遊技や普図遊技を実行するために用いられる各種コマンドを解析する。そして、次のステップ114に進む。
ステップ114において、メインCPU101は、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを副制御基板300に送信する。そして、次のステップ115に進む。
ステップ115において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを許可する。そして、次のステップ116に進む。
ステップ116において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を更新する変動演出用乱数更新処理を実行する。そして、ステップ116の処理が終了すると、以降は、後述するタイマ割込み処理が行われるまで、ステップ111~ステップ116の処理を繰り返し実行する。
次に、上述したステップ110の電断復帰時処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチ650がオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、この時点におけるメインRAM103のチェックサムを算定するとともに、算定されたチェックサム及びメインRAM103の第2領域に記憶されているチェックサム(ステップ101で電断発生直前に算定されたチェックサム)、並びに、第2領域に記憶されているバックアップフラグに基づいて、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ136に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ132に進む。
ステップ132において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、ステップ136に進む。一方、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態、設定スイッチ108がオン、かつ本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か、すなわち、遊技可能状態が終了し設定確認状態が設定されるための条件を満たしているか否かを判定する。そして、当該条件を満たしていないと判定した場合(すなわち、滞在中の制御状態が設定確認状態、設定変更状態又は遊技停止状態、設定スイッチ108がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフのいずれかを満たす場合)、ステップ135に進む。一方、当該条件を満たしていると判定した場合、次のステップ134に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第1領域に、滞在中の制御状態を示す遊技機状態フラグが記憶されるようになっており、この遊技機状態フラグを参照することで、滞在中の制御状態を判断することができる。
ステップ134において、メインCPU101は、設定確認状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定されていた場合には異常時初期化処理を実行し、設定変更状態が設定されていた場合又は上述のステップ134で設定確認状態が設定された場合にはクリア処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
また、上述のステップ131でバックアップ異常が発生していると判定した場合、上述のステップ132でRAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合に進むステップ136において、メインCPU101は、RAM異常及び設定値異常が発生していないか否かを判定する。そして、RAM異常及び設定値異常のいずれも発生していないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、RAM異常又は設定値異常のいずれかが発生していると判定した場合、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、RAM異常が発生していた場合にはRAM異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、設定値異常が発生していた場合には設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨又は設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
また、上述のステップ136でRAM異常及び設定値異常のいずれも発生していないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、設定変更条件(すなわち、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン)が成立しているか否かを判定する。そして、設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップ140に進む。一方、設定変更条件が成立していると判定した場合、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、設定変更状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
また、上述のステップ138で設定変更条件が成立していないと判定した場合に進むステップ140において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ142に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ141に進む。
ステップ141において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
また、上述のステップ140でバックアップ異常が発生していると判定した場合に進むステップ142において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
ステップ143において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定された場合には異常時初期化処理を実行し、遊技可能状態又は設定変更状態が設定された場合には通常初期化処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
ステップ144において、メインCPU101は、電源復帰時に副制御基板300へ送信するコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。具体的には、設定された制御状態、及び、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフに基づいて、RAMクリアコマンド、電断復帰コマンド、設定変更開始コマンド、設定変更復帰コマンド、設定確認開始コマンド、第1バックアップ異常コマンド、第2バックアップ異常コマンド、第1RAM異常コマンド、第2RAM異常コマンド、第1設定値異常コマンド又は第2設定値異常コマンドのいずれかをセットするとともに、これに続き、電断復帰時サブコマンド群をセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、電断復帰時処理を終了する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図24のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、ステップ212に進む。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ201に進む。
ステップ201において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ202に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ202において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18a、一般入賞口検出センサ14a、アウト口検出センサ19aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、メインCPU101は、所定の発生条件の成立による各種エラーの発生を制御するための状態制御処理を実行する。メインCPU101は、所定の発生条件が成立すると、当該発生条件に応じたエラーが発生した旨を示すエラーコマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、状態報知ランプEL、前扉演出ランプDL、液晶表示装置21等によって上述のエラーが発生した旨の報知が行われ、ホールコンピュータに対して上述のエラーが発生した旨が通知されることとなる。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、遊技状態(通常遊技状態、高確率時短遊技状態)に応じて遊技球を打ち出す遊技領域(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を決定するための発射位置制御処理を実行する。そして、次のステップ209に進む。
ステップ209において、メインCPU101は、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ210に進む。
ステップ210において、メインCPU101は、上述のステップ209で作成した各データの信号を出力するポート出力を行う出力制御処理を実行する。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、メインCPU101は、メイン情報表示装置105に遊技性能表示情報を表示する性能表示制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
また、上述のステップ200で滞在中の制御状態が遊技可能状態でないと判定した場合に進むステップ212において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技停止状態であるか否かを判定する。そして、遊技停止状態であると判定した場合、ステップ209に進む。一方、遊技停止状態でないと判定した場合、次のステップ213に進む。
ステップ213において、メインCPU101は、設定関連処理を実行する。そして、ステップ209に進む。
次に、上述したステップ203のセンサ検出時処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が大入賞口18へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための大入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ304に進む。
ステップ304において、メインCPU101は、遊技球が一般入賞口14へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための一般入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ305に進む。
ステップ305において、メインCPU101は、遊技球がアウト口19へ受け入れられたことに基づいて所定の処理を行うためのアウト口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ202で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球の数をカウントするための第1始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ202で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球の数をカウントするための第2始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ303の大入賞口検出時処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ610において、メインCPU101は、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、大入賞口検出時処理を終了する。一方、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ611に進む。
ステップ611において、メインCPU101は、大入賞口18へ入球した遊技球の数をカウントするための大入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、大入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ304の一般入賞口検出時処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、一般入賞口14へ入球した遊技球の数をカウントするための一般入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、そして、一般入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ305のアウト口検出時処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ660において、メインCPU101は、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、アウト口検出時処理を終了する。一方、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ661に進む。
ステップ661において、メインCPU101は、アウト口19へ受け入れられた遊技球の数をカウントするためのアウト口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、アウト口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ204の特図関連制御処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、メインRAM103に記憶されている設定値及び現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択(取得)する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。また、メインCPU101は、特別遊技が開始された旨を示す特別遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間である時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、大当たり図柄X1が停止表示されていれば、ラウンド数として「10」をセットし、大当たり図柄X2が停止表示されていれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄がX1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「70」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ205の普図関連制御処理について、図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図43のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
次に、上述したステップ213の設定関連処理について、図44のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1850において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態でないと判定した場合、ステップ1858に進む。一方、設定変更状態であると判定した場合、次のステップ1851に進む。
ステップ1851において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、ステップ1855に進む。一方、設定スイッチ108がオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、次のステップ1852に進む。
ステップ1852において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、そして、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1851に戻る。一方、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、次のステップ1853に進む。
ステップ1853において、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か(すなわち、本体枠2が開放している否か)を判定する。そして、本体枠開放検出センサ2aがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1851に戻る。一方、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定した場合、次のステップ1854に進む。
ステップ1854において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている設定値を変更する。具体的には、現時点において記憶されている設定値を1インクリメントした設定値に変更する。そして、ステップ1851に戻る。
また、上述のステップ1851で設定スイッチ108がオフであると判定した場合に進むステップ1855において、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1856に進む。
ステップ1856において、メインCPU101は、電源復帰時に副制御基板300へ送信する電断復帰時サブコマンド群を演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1857に進む。
ステップ1857において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、設定関連処理を終了する。
また、上述のステップ1850で滞在中の制御状態が設定変更状態でないと判定した場合に進むステップ1858において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフでないと判定した場合、ステップ1858に戻る。一方、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、次のステップ1859に進む。
ステップ1859において、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、ステップ1856に進む。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、及び現在設定されている設定値に基づいて所定の示唆を行う設定示唆演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出は、演出図柄50によるリーチ表示(先に停止表示される2つの演出図柄50が同一の図柄(態様)となる表示)がなされないリーチなし変動パターンと、演出図柄50によるリーチ表示がなされるリーチ変動パターンとに大別される。
この変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、図45(a)~(b)に示すように、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示されるが(図45(c)~(e)参照)、リーチなし変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示され(特に表示しておらず)、リーチ変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(図45(d)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図45(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、リーチ表示がなされた場合には、その後、演出表示装置21に所定の発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)が表示されるリーチ発展演出が実行されることもある(図46参照)。このようなリーチ発展演出は、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
なお、変動演出においては、演出図柄50の変動表示の他、演出図柄50とは異なるカットイン画像を表示することで、大当たりの当選に対する期待感を高めるカットイン演出や、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行うことで、大当たりの当選に対する期待感を高めるボタン操作演出、役物演出装置YSが所定態様で作動することで、大当たりの当選に対する期待感を高める役物作動演出等を実行可能としてもよい。
また、上述の各演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、特に図示していないが、変動演出の態様を決定するための変動演出決定テーブルが記憶されている。変動演出決定テーブルとしては、たとえば、遊技状態(通常遊技状態、高確率時短遊技状態)や設定値等の各種条件に応じた複数のテーブルが設けられており、設定されている各種条件(遊技状態、設定値等)に対応する変動演出決定テーブルに基づいて、変動演出の態様が決定される。
具体的には、副制御基板300のサブCPU301は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の変動演出乱数(演出乱数)を取得するとともに、取得した変動演出乱数、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号、並びに、各種条件に対応する変動演出決定テーブルに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、このように決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される変動演出の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
(設定示唆演出の概要)
設定示唆演出は、現在設定されている設定値に基づいて所定の示唆を行うものである。
本形態の設定示唆演出は、初期状態(工場出荷直後や各種初期化処理が実行されメインRAM103に記憶されているデータがクリアされた後の状態)後の1~6回目の各特別遊技の終了の際に実行可能となっており、演出表示装置21の表示部21aにおいて、特別遊技の終了を示す特別遊技終了画像に重ねて所定の設定示唆画像が表示されるものである。この設定示唆画像が何回目の特別遊技において表示されたかによって、設定されている設定値がいかなる内容であるのかが示唆されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技において最後のラウンド遊技が終了すると、たとえば、特別遊技中に払い出された遊技球の総数、特別遊技の終了後に設定される遊技状態(本形態では、高確率時短遊技状態)、特別遊技終了後の遊技状態において実行される演出の種別(演出モード)等を報知する特別遊技終了画像が表示される(図47(a)参照)。
そして、設定示唆演出が実行される場合には、特別遊技終了画像の表示中に、表示部21aの上部において左端から右端へ向けて流れ星が流れ、かつ表示部21aの下部において右端から左端へ向けて流れ星が流れるという設定示唆画像が表示されるようになっている(図47(b)参照)。これに対して、設定示唆演出が実行されない場合には、特別遊技終了画像の表示中に、上述の設定示唆画像が表示されることはない(図47(a)参照)。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている設定値に応じて、設定示唆演出を実行可能なタイミングが異なるようになっている。
具体的には、設定されている設定値が「1」であった場合には、初期状態後の1回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行可能となっている。設定されている設定値が「2」であった場合には、初期状態後の1~2回目のいずれかの特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行可能となっている。設定されている設定値が「3」であった場合には、初期状態後の1~3回目のいずれかの特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行可能となっている。設定されている設定値が「4」であった場合には、初期状態後の1~4回目のいずれかの特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行可能となっている。設定されている設定値が「5」であった場合には、初期状態後の1~5回目のいずれかの特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行可能となっている。設定されている設定値が「6」であった場合には、初期状態後の1~6回目のいずれかの特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行可能となっている。
換言すれば、設定されている設定値が「1」~「6」のいずれかであった場合に、初期状態後の1回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行可能となっている。したがって、初期状態後の1回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行された場合には、設定されている設定値が「1」~「6」のいずれかであることが示唆される。
また、設定されている設定値が「2」~「6」のいずれかであった場合に、初期状態後の2回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行可能となっている。したがって、初期状態後の2回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行された場合には、設定されている設定値が「2」~「6」のいずれか(すなわち、「2」以上)であることが示唆される。
また、設定されている設定値が「3」~「6」のいずれかであった場合に、初期状態後の3回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行可能となっている。したがって、初期状態後の3回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行された場合には、設定されている設定値が「3」~「6」のいずれか(すなわち、「3」以上)であることが示唆される。
また、設定されている設定値が「4」~「6」のいずれかであった場合に、初期状態後の4回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行可能となっている。したがって、初期状態後の4回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行された場合には、設定されている設定値が「4」~「6」のいずれか(すなわち、「4」以上)であることが示唆される。
また、設定されている設定値が「5」~「6」のいずれかであった場合に、初期状態後の5回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行可能となっている。したがって、初期状態後の5回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行された場合には、設定されている設定値が「5」又は「6」のいずれか(すなわち、「5」以上)であることが示唆される。
また、設定されている設定値が「6」であった場合にのみ、初期状態後の6回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行可能となっている。したがって、初期状態後の6回目の特別遊技の終了の際に設定示唆演出が実行された場合には、設定されている設定値が「6」であることが示唆される。
このように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、設定示唆演出が実行されるタイミングに応じて、設定されている設定値を推測することができるようになっているため、設定値の推測に関し遊技者に斬新な印象を与えることができ、設定値に関する演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、初期状態から所定回目(本形態では6回目)までの特別遊技において設定示唆演出が実行可能となっているため、特別遊技の実行回数が6回目に至るまで遊技者に遊技を継続して行わせるモチベーションを与えることができ、ひいてはパチンコ機Pの稼働率を上げることができる。
(設定示唆演出に関する決定の概要)
次に、設定示唆演出の実行の可否、及び設定示唆演出を実行する特別遊技の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、図48に示すように、設定示唆演出の実行の可否、及び設定示唆演出を実行する特別遊技を決定するための設定示唆演出決定テーブル121が記憶されている。サブCPU301は、設定示唆演出決定テーブル121を参照して、設定示唆演出の実行の可否、及び設定示唆演出を実行する特別遊技を決定する。
設定示唆演出決定テーブル121には、設定されている設定値、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される設定示唆演出乱数ごとに対応付けられて、設定示唆演出の実行の可否、及び設定示唆演出を実行する特別遊技が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から初期状態後の1回目の特別遊技開始コマンドを受信すると(初期状態後の1回目の特別遊技の開始時に)、所定の数値範囲(0~249)から1の設定示唆演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、設定示唆演出決定テーブル121、設定されている設定値、及び取得した設定示唆演出乱数に基づいて、設定示唆演出の実行の可否、及び設定示唆演出を実行する特別遊技を決定する。
具体的には、図48に示すように、設定示唆演出決定テーブル121によれば、設定されている設定値が「1」であった場合には、設定示唆演出の非実行、又は初期状態後の1回目の特別遊技での実行のいずれかが決定される。
また、設定されている設定値が「2」であった場合には、設定示唆演出の非実行、初期状態後の1回目の特別遊技での実行、又は初期状態後の2回目の特別遊技での実行のいずれかが決定される。
また、設定されている設定値が「3」であった場合には、設定示唆演出の非実行、初期状態後の1回目の特別遊技での実行、初期状態後の2回目の特別遊技での実行、又は初期状態後の3回目の特別遊技での実行のいずれかが決定される。
また、設定されている設定値が「4」であった場合には、設定示唆演出の非実行、初期状態後の1回目の特別遊技での実行、初期状態後の2回目の特別遊技での実行、初期状態後の3回目の特別遊技での実行、又は初期状態後の4回目の特別遊技での実行のいずれかが決定される。
また、設定されている設定値が「5」であった場合には、設定示唆演出の非実行、初期状態後の1回目の特別遊技での実行、初期状態後の2回目の特別遊技での実行、初期状態後の3回目の特別遊技での実行、初期状態後の4回目の特別遊技での実行、又は初期状態後の5回目の特別遊技での実行のいずれかが決定される。
また、設定されている設定値が「6」であった場合には、設定示唆演出の非実行、初期状態後の1回目の特別遊技での実行、初期状態後の2回目の特別遊技での実行、初期状態後の3回目の特別遊技での実行、初期状態後の4回目の特別遊技での実行、初期状態後の5回目の特別遊技での実行、又は初期状態後の6回目の特別遊技での実行のいずれかが決定される。
なお、いずれの設定値であっても、初期状態後の7回目以降の特別遊技での実行が決定されることはない。
また、図48において設定値と設定示唆演出の実行の可否及び設定示唆演出を実行する特別遊技とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、初期状態後の特別遊技の回数に応じて、設定示唆演出が実行される割合が異なるようになっている。
具体的には、設定されている設定値が「1」であった場合、初期状態後の特別遊技の回数が2回目以降であったときには設定示唆演出は実行されず、初期状態後の特別遊技の回数が1回目であったときにのみ設定示唆演出が実行される。したがって、初期状態後の特別遊技の回数が1回目であったときには、初期状態後の特別遊技の回数が2回目以降であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。
また、設定されている設定値が「2」であった場合、初期状態後の特別遊技の回数が1回目又は2回目であったときには、初期状態後の特別遊技の回数が3回目以降であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっており、また、初期状態の特別遊技の回数が2回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が1回目であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。
また、設定されている設定値が「3」であった場合、初期状態後の特別遊技の回数が1回目~3回目であったときには、初期状態後の特別遊技の回数が4回目以降であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっており、また、初期状態の特別遊技の回数が3回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が2回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が2回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が1回目であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。
また、設定されている設定値が「4」であった場合、初期状態後の特別遊技の回数が1回目~4回目であったときには、初期状態後の特別遊技の回数が5回目以降であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっており、また、初期状態の特別遊技の回数が4回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が3回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が3回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が2回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が2回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が1回目であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。
また、設定されている設定値が「5」であった場合、初期状態後の特別遊技の回数が1回目~5回目であったときには、初期状態後の特別遊技の回数が6回目以降であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっており、また、初期状態の特別遊技の回数が5回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が4回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が4回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が3回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が3回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が2回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が2回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が1回目であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。
また、設定されている設定値が「6」であった場合、初期状態後の特別遊技の回数が1回目~6回目であったときには、初期状態後の特別遊技の回数が7回目以降であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっており、また、初期状態の特別遊技の回数が6回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が5回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が5回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が4回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が4回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が3回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が3回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が2回目以下であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高く、初期状態の特別遊技の回数が2回目であったときには、初期状態の特別遊技の回数が1回目であったときよりも設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、初期状態後の特別遊技の回数が、設定されている設定値に対応する値(たとえば、設定されている設定値が「5」であれば、初期状態後の特別遊技の回数が5回目)に近づく程、設定示唆演出が実行される割合が高くなるようになっている。さらに換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている設定値が高ければ高い程、設定示唆演出の実行タイミングが遅くなる割合が高くなるようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、初期状態後の特別遊技の回数に応じて、設定示唆演出が実行される割合が異なるようになっているため、特別遊技ごとに設定示唆演出の実行に対する期待感を変化させることができる。
なお、上述の設定示唆演出は、初期状態後の1回目~6回目のいずれかの特別遊技においてのみ実行可能となっていたが、設定示唆演出が実行可能となる特別遊技はこれに限定されるものではない。
たとえば、実行回数によらず、初期状態後に実行されるいずれの特別遊技においても設定示唆演出を実行できるようにしてもよい。
そして、このようにした場合にも、設定されている設定値が低ければ低い程、初期状態後からの実行回数の値が小さい特別遊技(たとえば、1回目や2回目の特別遊技)において設定示唆演出が実行される割合が高く、設定されている設定値が高ければ高い程、初期状態後からの実行回数の値が大きい特別遊技(たとえば、9回目や10回目の特別遊技)において設定示唆演出が実行される割合が高くなるように設定してもよい。すなわち、設定されている設定値が高ければ高い程、初期状態後からの特別遊技の実行回数が増えるに連れて、設定示唆演出が実行されやすくなるように設定してもよい。これにより、上述の設定示唆演出と同様に、設定示唆演出の実行タイミングにより設定値を推測することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、反対に、設定されている設定値が低ければ低い程、初期状態後からの実行回数の値が大きい特別遊技において設定示唆演出が実行される割合が高く、設定されている設定値が高ければ高い程、初期状態後からの実行回数の値が小さい特別遊技において設定示唆演出が実行される割合が高くなるように設定してもよい。すなわち、設定されている設定値が高ければ高い程、初期状態後からの特別遊技の実行回数が少ない時点で、設定示唆演出が実行されやすくなるように設定してもよい。
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値が高ければ高い程、大当たりの抽選において大当たりに当選する確率が高くなるように設定されているため、特別遊技の実行頻度が高くなる。したがって、このように設定した場合には、設定値が高ければ高い程、初期状態後からの変動回数が少ない時点で(初期状態後の早いタイミングで)設定示唆演出が実行される可能性が高くなり、設定値が低ければ低い程、初期状態後からの変動回数が多い時点で(初期状態後の遅いタイミングで)設定示唆演出が実行される可能性が高くなるため、設定示唆演出の実行タイミングに関しメリハリを利かせることができる。
また、設定値に関係なく、いずれの特別遊技においても所定の割合で設定示唆演出が実行されるように設定してもよい。このように設定した場合であっても、設定値に応じて大当たりに当選する確率は異なることから、設定値が高ければ高い程、初期状態後からの変動回数が少ない時点で設定示唆演出が実行される可能性が高くなり、設定値が低ければ低い程、初期状態後からの変動回数が多い時点で設定示唆演出が実行される可能性が高くなる。これにより、上述の設定示唆演出と同様に、設定示唆演出の実行タイミングにより設定値を推測することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、たとえば、初期状態後の特別遊技の実行回数が、設定されている設定値に応じた値であるとき(たとえば、設定されている設定値が「3」であれば、特別遊技の実行回数の下1桁が3であるときや特別遊技の実行回数が3の倍数であるとき等)に実行可能としてもよい。また、初期状態後の特別遊技の実行回数が、設定されている設定値に応じた値であるときには、設定されている設定値に応じた値でないときよりも、設定示唆演出の実行割合が高くなるようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中に連続して実行された特別遊技において、設定示唆演出を実行可能としてもよい。たとえば、高確率時短遊技状態中に連続して実行された1回目~6回目の特別遊技において、上述と同様の設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。
また、上述の設定示唆演出は、実行される特別遊技の種別に応じて実行の可否を決定するようにしてもよい。たとえば、ラウンド遊技が少ない特別遊技(本形態では、大当たり図柄X2に基づく特別遊技)や遊技球がほぼ払い出されることのない特別遊技(たとえば、極めて短い時間で大入賞口18が複数回開放される特別遊技)が実行された場合には設定示唆演出が実行されないようにしてもよいし、これらの場合であっても設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。
このようにすることで、設定示唆演出の実行機会のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の設定示唆演出は、初期状態後の1回目~6回目のいずれかの特別遊技において1回のみ実行可能となっていたが、複数回実行可能としてもよい。具体的には、たとえば、設定されている設定値が「3」であった場合には、1回目の特別遊技において設定示唆演出が実行された後、2回目や3回目の特別遊技においても設定示唆演出が実行可能となるようにしてもよい。
このようにすることで、設定示唆演出が実行された後であっても、再度、設定示唆演出が実行される可能性があるため、設定示唆演出の実行に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、上述の設定示唆演出は、特別遊技の終了の際ではなく、特別遊技の開始から終了までのいずれかのタイミング(たとえば、特別遊技の開始時、いずれかのラウンド遊技の実行中、ラウンド遊技間のインターバル中等)で実行してもよい。また、上述の設定示唆演出は、いずれの特別遊技においても常に同一のタイミングで実行してもよいし、特別遊技ごとに異なるタイミング(たとえば、複数のタイミングの中から、所定の抽選で決定されたいずれかのタイミング)で実行してもよい。
また、設定されている設定値や初期状態後の特別遊技の回数に応じて、所定のタイミングで設定示唆演出が実行される割合が異なるようにしてもよい。
たとえば、設定されている設定値が高ければ高い程、特別遊技中における早い時点(たとえば、特別遊技の開始時点や1回目のラウンド遊技の実行時点等)で設定示唆演出が実行される割合が高く、設定されている設定値が低ければ低い程、特別遊技中における遅い時点(たとえば、最後のラウンド遊技の実行時点や特別遊技の終了時点等)で設定示唆演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、設定されている設定値が高ければ高い程、特別遊技中における早い時点で、設定示唆演出が実行されやすくなるように設定してもよい。
反対に、設定されている設定値が高ければ高い程、特別遊技中における遅い時点で設定示唆演出が実行される割合が高く、設定されている設定値が低ければ低い程、特別遊技中における早い時点で設定示唆演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、設定されている設定値が高ければ高い程、特別遊技中における遅い時点で、設定示唆演出が実行されやすくなるように設定してもよい。
このようにすることで、設定示唆演出の実行タイミングのバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、設定示唆演出の実行に関する決定は、初期状態後の1回目の特別遊技の開始時に行われるようになっていたが、最初の設定示唆演出が実行され得る初期状態後の1回目の特別遊技の終了よりも前のいずれかのタイミング(たとえば、初期状態が設定された時点、初期状態後に最初に遊技者が操作ハンドル5を操作した時点、初期状態後に最初にいずれかの入賞口に遊技球が入球した時点、初期状態後に最初に遊技球がアウト口19に受け入れられた時点、初期状態後の1回目の特別遊技よりも前に実行される変動演出(初期状態後に最初に実行される変動演出、初期状態後に最初に大当たりとなった際に実行される変動演出等)の開始から終了までのいずれかの時点等)で行ってもよい。
なお、上述のように、設定示唆演出を複数回実行可能とした場合には、初期状態後の1回目~6回目の各特別遊技が実行される都度、設定示唆演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図49に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、設定示唆演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図50に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、図50に示すタイマ割込処理を開始する。
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされている各種コマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、電断復帰時サブコマンド群を受信した場合に実行される電断復帰時サブコマンド群受信処理について、図51のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、電断復帰時サブコマンド群は、主制御基板100において、電断復帰時処理のステップ144又は設定関連処理のステップ1856で記憶された後、ステップ114において副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した電断復帰時サブコマンド群に含まれる各コマンドに対応するデータを、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。これにより、たとえば、設定値コマンドに対応する設定値の情報がサブRAM303の所定の記憶領域に記憶される。そして、電断復帰時サブコマンド群受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、RAMクリアコマンドを受信した場合に実行されるRAMクリアコマンド受信処理について、図52のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、RAMクリアコマンドは、主制御基板100において、電断復帰時処理のステップ144で記憶された後、ステップ114において副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、初期状態からの特別遊技の実行回数をカウントするための特別遊技回数カウンタの値をリセットする。これにより、上述の各種初期化処理の実行によりメインRAM103に記憶されているデータがクリアされた後の初期状態からの特別遊技の実行回数がカウントされることとなる。そして、RAMクリアコマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ114において副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2401で取得した変動演出乱数、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号、並びに、各種条件(遊技状態、設定値等)に対応する変動演出決定テーブルに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2402に進む。
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2401で決定した変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、特別遊技開始コマンドを受信した場合に実行される特別遊技開始コマンド受信処理について、図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、特別遊技開始コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1107で記憶された後、ステップ114において副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、特別遊技回数カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、特別遊技回数カウンタの値が1であるか否か、すなわち、実行中の特別遊技が初期状態後の1回目の特別遊技であるか否かを判定する。そして、特別遊技回数カウンタの値が1でない(すなわち、2以上である)と判定した場合、ステップ2503に進む。一方、特別遊技回数カウンタの値が1であると判定した場合、次のステップ2502に進む。
ステップ2502において、サブCPU301は、設定示唆演出の実行の可否を決定するための設定示唆演出決定処理を実行する。そして、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、開始された特別遊技は、上述のステップ2502の設定示唆演出決定処理で設定示唆演出の実行が決定された特別遊技であるか否か、すなわち、特別遊技回数カウンタの値が、設定示唆演出の実行が決定された特別遊技の回数(1回目~6回目)に対応する値であるか否かを判定する。そして、設定示唆演出の実行が決定された特別遊技でないと判定した場合、特別遊技開始コマンド受信処理を終了する。一方、設定示唆演出の実行が決定された特別遊技であると判定した場合、次のステップ2504に進む。
ステップ2504において、サブCPU301は、開始された特別遊技の終了の際に設定示唆演出を実行するための設定示唆演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた設定示唆演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した設定示唆演出実行コマンドに基づいて設定示唆演出を実行する制御が行われることとなる。そして、特別遊技開始コマンド受信処理を終了する。
次に、上述のステップ2502の設定示唆演出決定処理について、図55のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された設定示唆演出乱数を取得する。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2600で取得した設定示唆演出乱数、設定されている設定値(サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている設定値)、及び設定示唆演出決定テーブル121に基づいて、設定示唆演出の実行の可否、及び設定示唆演出を実行する特別遊技(1回目~6回目のいずれかの特別遊技)を決定し、サブCPU303の所定の記憶領域に記憶する。そして、設定示唆演出決定処理を終了する。
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、初期状態後に実行された特別遊技の回数が所定回数であった場合に、当該特別遊技中に設定示唆演出を実行可能となっていたが、設定示唆演出を実行可能な場合はこれに限定されるものではない。
たとえば、所定のタイミング(電源投入時、初期状態後、高確率時短遊技状態の設定後、通常遊技状態の設定後、予め定められた時刻、所定の演出モードが設定された時点、特別図柄の変動が所定回数行われた時点、大当たりに所定回数当選した時点、大当たりに当選することなく特別図柄の変動が所定回数行われた時点等)からの所定演出(変動演出、大当たりの当選の期待度を報知する予告演出、記憶された保留に基づく変動演出の開始前から実行可能な先読み演出等)の実行回数が所定回数であった場合に、当該所定演出の実行中に設定示唆演出を実行可能としてもよい。
より具体的には、たとえば、設定されている設定値が「1」~「6」であった場合には、予め定められた時刻となった後に実行される1回目~10回目の変動演出中に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「2」~「6」であった場合には、予め定められた時刻となった後に実行される11回目~20回目の変動演出中に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「3」~「6」であった場合には、予め定められた時刻となった後に実行される21回目~30回目の変動演出中に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「4」~「6」であった場合には、予め定められた時刻となった後に実行される31回目~40回目の変動演出中に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「5」~「6」であった場合には、予め定められた時刻となった後に実行される41回目~50回目の変動演出中に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「6」であった場合には、予め定められた時刻となった後に実行される51回目~60回目の変動演出中に設定示唆演出を実行可能としてもよい。そして、変動演出の回数に応じて、設定示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。
また、たとえば、所定のタイミングからの経過時間が所定時間となった場合、所定のタイミングからの操作ハンドル5が操作された時間の合計が所定時間となった場合、所定のタイミングから発射された遊技球の数が所定数となった場合、所定のタイミングから所定の入賞口に入球した遊技球の数が所定数となった場合、所定のタイミングからアウト口19に受け入れられた遊技球の数が所定数となった場合、所定のタイミングからの大当たりの抽選の回数が所定回数となった場合、所定のタイミングからのハズレの回数が所定回数となった場合等に、設定示唆演出を実行可能としてもよい。
より具体的には、たとえば、設定されている設定値が「1」~「6」であった場合には、電源投入時からの経過時間が1時間となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「2」~「6」であった場合には、電源投入時からの経過時間が2時間となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「3」~「6」であった場合には、電源投入時からの経過時間が3時間となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「4」~「6」であった場合には、電源投入時からの経過時間が4時間となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「5」~「6」であった場合には、電源投入時からの経過時間が5時間となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「6」であった場合には、電源投入時からの経過時間が6時間となった場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。そして、経過時間に応じて、設定示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。
また、たとえば、設定されている設定値が「1」~「6」であった場合には、通常遊技状態が設定されてからのハズレの回数が100回となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「2」~「6」であった場合には、通常遊技状態が設定されてからのハズレの回数が200回となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「3」~「6」であった場合には、通常遊技状態が設定されてからのハズレの回数が300回となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「4」~「6」であった場合には、通常遊技状態が設定されてからのハズレの回数が400回となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「5」~「6」であった場合には、通常遊技状態が設定されてからのハズレの回数が500回となった場合に設定示唆演出を実行可能とし、設定されている設定値が「6」であった場合には、通常遊技状態が設定されてからのハズレの回数が600回となった場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。そして、ハズレの回数に応じて、設定示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、設定示唆演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、いずれの特別遊技においても同一の態様(同一の設定示唆画像の表示)による設定示唆演出が実行可能であって、設定示唆演出が実行された特別遊技の回数により、設定されている設定値に関する示唆が行われるようになっていたが、設定示唆演出の態様としてはこれに限定されるものではない。
たとえば、示唆される設定値の内容が異なる複数種類の態様を備え、実行された設定示唆演出の態様により、設定されている設定値に関する示唆が行われるようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、設定されている設定値が2以上である旨を示唆する設定示唆画像A、設定されている設定値が3以上である旨を示唆する設定示唆画像B、設定されている設定値が4以上である旨を示唆する設定示唆画像C、設定されている設定値が5以上である旨を示唆する設定示唆画像D、設定されている設定値が6である旨を示唆する設定示唆画像Eを設け、設定されている設定値に応じていずれかの設定示唆画像が表示されるような設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、たとえば、設定されている設定値が奇数である旨を示唆する設定示唆画像F、設定されている設定値が偶数である旨を示唆する設定示唆画像Gを設け、設定されている設定値に応じていずれかの設定示唆画像が表示されるような設定示唆演出を実行可能としてもよい。
そして、所定演出の実行回数、特別遊技の実行回数、ハズレの回数、所定タイミングからの経過時間等、上述の各種条件に応じて、設定示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、初期状態後からの先読み演出の実行回数が10回、20回、30回、40回、50回となった場合に、設定されている設定値に応じたいずれかの設定示唆画像が表示される上述の設定示唆演出を実行可能とし、先読み演出の実行回数が多くなる程、当該設定示唆演出の実行割合が高くなるようにしてもよい。
また、設定示唆演出の示唆の態様としては、設定示唆画像の表示に限定されるものではなく、所定の音声の出力や所定のランプの点灯等により設定値に関する示唆を行ってもよい。
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、設定示唆演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、パチンコ機Pでは、ノイズ等の発生により副制御基板300に誤作動が生じ、サブRAM303に記憶されている設定値が設定可能範囲を超える異常値(たとえば、「7」等)に書き換えられてしまうような事態が生じ得る。
このような事態が生じた場合には、上述の設定示唆演出は実行されないようにしてもよいし、暫定的に所定の設定値(たとえば、「1」)が設定されているものとして、上述の設定示唆演出を実行するようにしてもよい。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における特別遊技制御処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1854の処理を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における設定値「1」は、本発明の特別遊技の実行の決定割合が相対的に低い設定値に相当する。また、上述の実施の形態における設定値「6」は、本発明の特別遊技の実行の決定割合が相対的に高い設定値に相当する。
(第2の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図56又は図57に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図57に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図56参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図58に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図58に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
一般入賞口14は、図58に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図58に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図58に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図58に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行や特別遊技と異なる遊技である小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図58に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図58に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図58に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
アウト口19は、図58に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図58に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図57参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図58に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図56に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図59に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図59に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、及び、特別遊技や小当たり遊技を制御する。
この主制御基板100は、図59に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図59に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、遊技球がゲート20を通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、遊技球がアウト口19へ進入したことを検出するアウト口検出センサ等を設けてもよい。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図59に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図59に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図59に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図59に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図59に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、その後、所定回数(本形態では60回)の大当たりの抽選の結果がすべて大当たり以外(ハズレ又は小当たり)となると、高確率遊技状態及び時短遊技状態が終了し低確率時短遊技状態及び非時短遊技状態が設定されることにより、通常遊技状態へ移行するようになっている。
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数(15個)の遊技球が払い出される。
なお、小当たり遊技の実行により遊技状態が変更されることはなく、小当たり遊技の終了後は、当該小当たり遊技の実行前の遊技状態のままとなる。すなわち、通常遊技状態中に小当たりに当選し小当たり遊技が実行されても、当該小当たり遊技の終了後に通常遊技状態以外の遊技状態に移行することはなく、依然として通常遊技状態のままとなる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を報知する際に実行される変動演出のパターン(変動時間、変動演出の態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技又は小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114、及び変動パターンコマンドを決定する際に選択される変動パターンテーブル114を決定するための決定用テーブル115を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選の結果を判定するためのものであって、図60(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
図60(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、1220~1546であった場合に小当たりと判定され、これら以外の大当たり乱数(0~999、1547~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9、小当たりの当選確率はおよそ1/200.4となる。
また、図60(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、2120~2446であった場合に小当たりと判定され、これら以外の大当たり乱数(0~999、2447~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5、小当たりの当選確率はおよそ1/200.4となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
また、上述の通り、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bのいずれにおいても小当たりとの判定が可能となっている。そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16のいずれに遊技球が入球した場合にも、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合のいずれであっても、小当たりに当選可能となっているが、これに限定されるものではない。
たとえば、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合にのみ小当たりに当選し、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には小当たりに当選しないように設定してもよい。具体的には、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照する大当たり乱数判定テーブル110、及び第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照する大当たり乱数判定テーブル110をそれぞれ別個に設け、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照する大当たり乱数判定テーブル110においてのみ、小当たりと判定される大当たり乱数の数値範囲を有するように設定してもよい。
特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図61(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの判定結果が得られた(すなわち、大当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、小当たりの判定結果が得られた(すなわち、小当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として5種類の特別図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Z1、Z2)が設けられている。
図61(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~29であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が30~199であったときに大当たり図柄X2が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~39であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が40~79であったときに小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が80~119であったときに小当たり図柄Y3が決定され、特別図柄乱数が120~159であったときに小当たり図柄Y4が決定され、特別図柄乱数が160~199であったときに小当たり図柄Y5が決定される。
すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X1が決定される確率は15%、大当たり図柄X2が決定される確率は85%となっており、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4及びY5が決定される確率はいずれも20%となっている。
また、図61(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに大当たり図柄X2が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~39であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が40~79であったときに小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が80~119であったときに小当たり図柄Y3が決定され、特別図柄乱数が120~159であったときに小当たり図柄Y4が決定され、特別図柄乱数が160~199であったときに小当たり図柄Y5が決定される。
すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X1、X2が決定される確率はいずれも50%となっており、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4及びY5が決定される確率はいずれも20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。同様に、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の小当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる小当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合にのみ参照され、ハズレの判定結果が得られた場合には参照されないようになっている。
なお、第1特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111、第2特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111をそれぞれ設け、ハズレの場合にも、当該特別図柄乱数判定テーブル111及び特別図柄乱数に基づいて、ハズレ図柄を決定するようにしてもよい。
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技、又は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技又は小当たり遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図62(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、第1作動テーブル112aと、第2作動テーブル112bと、第3作動テーブル112cと、が設けられている。
具体的には、大当たり図柄X1が決定されると、図62(a)に示すように、第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
大当り図柄X2が決定されると、図62(b)に示すように、第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、第1作動テーブル112aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル112aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、大当たり図柄X2が決定された場合よりも、大当たり図柄X1が決定された場合の方が多い。
また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定されると、図62(c)に示すように、第3作動テーブル112cを参照して小当たり遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、大入賞口18の0.1秒の開放が1回行われる。また、この小当たり遊技中に大入賞口18に10個の遊技球が入球すると、当該小当たり遊技は終了となる。
以上のように、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、大入賞口18が0.1秒開放されるが、この0.1秒の開放の間に大入賞口18へ遊技球を入球させることは極めて困難である。したがって、小当たり遊技においては、遊技者は、賞球を獲得することはほぼ不可能となっている。
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図63に示すように、大当たり図柄X1及びX2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、60回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が60回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、60回の抽選の結果が全てハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。
変動パターンコマンドには、複数種類の変動時間(変動演出の変動時間、すなわち、特別図柄の変動表示の変動時間)のうちのいずれかが定められた変動パターンが対応付けられており、変動パターンコマンドが決定されることにより変動パターン(変動時間)が決定されるようになっている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の変動時間、及び変動演出の後半部分の変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
また、変動時間(変動パターン)には、変動演出の実行態様(たとえば、後述するリーチ表示の有無、後述するリーチ発展演出の実行の有無、後述するリーチ発展演出の種類(後述する発展演出画像の種類等)等)が対応付けられている。したがって、上述のように決定された変動パターンコマンドの種類によって、どのような実行態様(たとえば、リーチ表示が行われる態様、リーチ表示が行われない態様、リーチ発展演出が実行される態様、リーチ発展演出が実行されない態様等)の変動演出が実行されるのかを把握できるようになっている。
そして、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出の実行態様を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類、及び決定割合が設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルE(図64~図68参照)、並びに高確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルF(特に図示しておらず)を備えている。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、現時点の保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)と、いずれかの変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル114としては、通常遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
(通常遊技状態における変動パターンテーブル114の決定)
ここで、通常遊技状態においては、当該通常遊技状態の開始後(初期状態の設定後、高確率時短遊技状態の終了後)又は小当たりの当選に基づいて実行される小当たり遊技の終了後からの変動回数に応じて、変動パターンコマンドの決定時に参照する変動パターンテーブル114が決定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pには、通常遊技状態において参照する変動パターンテーブル114を決定するために用いられるテーブルとして、参照する変動パターンテーブル114を定めた決定用テーブル115が設けられている。そして、通常遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際には、このテーブルに係る情報に基づいて、参照する変動パターンテーブル114が決定される。
決定用テーブル115は、上述の如く、通常遊技状態において参照する変動パターンテーブル114を定めたものである。
この決定用テーブル115においては、図69に示すように、小当たり遊技の実行の契機となった小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別、及び当該小当たり遊技の終了後又は通常遊技状態の開始後からの変動回数(特別図柄の変動表示の実行回数)ごとにそれぞれ、参照する変動パターンテーブル114が定められている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における小当たり遊技の終了時に、上述の決定用テーブル115に基づいて、当該小当たり遊技の実行の契機となった小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別に対応付けられた変動パターンテーブル114の情報が取得されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において、当該通常遊技状態の開始後又は小当たり遊技の終了後からの変動回数が、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される所定の変動回数カウンタによりカウントされるようになっている。具体的には、通常遊技状態が設定されるか(すなわち、リセット処理等により初期状態が設定されるか又は高確率時短遊技状態が終了するか)又は通常遊技状態中に小当たり遊技が終了すると、上述の変動回数カウンタのカウント値がクリアされ、特別図柄の変動表示(大当たりの抽選)が行われるごとに当該カウンタの値が1インクリメントされる。これにより、通常遊技状態において、当該通常遊技状態の開始後又は小当たり遊技の終了後からの変動回数がカウントされる。すなわち、通常遊技状態が開始された場合には当該通常遊技状態の開始後からの変動回数がカウントされ、通常遊技状態中に小当たり遊技が行われた場合には当該小当たり遊技の終了後からの変動回数がカウントされることとなる。
そして、通常遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際に、通常遊技状態の開始時又は小当たり遊技の終了時に決定用テーブル115に基づいて取得された変動パターンテーブル114の情報を参照し、当該時点における変動回数カウンタのカウント値に基づいて、参照する変動パターンテーブル114が決定される。
図69に示すように、決定用テーブル115によれば、通常遊技状態の開始後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(本形態では30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルA→テーブルB→テーブルC→テーブルD→テーブルEという順番で切り替わり、テーブルEに至った後は再度テーブルAに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている。当該切り替えは、大当たり又は小当たりに当選するまで継続して行われる。
具体的には、通常遊技状態の開始後においては、変動回数カウンタのカウント値が1~30(通常遊技状態の開始後からの変動回数が1回目~30回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルAが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が31~60(通常遊技状態の開始後からの変動回数が31回目~60回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルBが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が61~90(通常遊技状態の開始後からの変動回数が61回目~90回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルCが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が91~120(通常遊技状態の開始後からの変動回数が91回目~120回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルDが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が121~150(通常遊技状態の開始後からの変動回数が121回目~150回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルEが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が151~180(通常遊技状態の開始後からの変動回数が151回目~180回目)であったときに、参照される変動パターンテーブル114として再度テーブルAが決定される。その後は、同様の順番で、参照される変動パターンテーブル114が決定される。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y1に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルA→テーブルC→テーブルE→テーブルB→テーブルDという順番で切り替わり、テーブルDに至った後は再度テーブルAに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(図69参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y2に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルB→テーブルD→テーブルA→テーブルE→テーブルCという順番で切り替わり、テーブルCに至った後は再度テーブルBに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(図69参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y3に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルC→テーブルA→テーブルE→テーブルB→テーブルDという順番で切り替わり、テーブルDに至った後は再度テーブルCに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(図69参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y4に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルD→テーブルE→テーブルB→テーブルC→テーブルAという順番で切り替わり、テーブルAに至った後は再度テーブルDに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(図69参照)。
また、通常遊技状態中に決定された小当たり図柄Y5に基づく小当たり遊技の終了後においては、変動回数カウンタの値が所定回数(30回)増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が、テーブルE→テーブルC→テーブルD→テーブルA→テーブルBという順番で切り替わり、テーブルBに至った後は再度テーブルEに戻り、同じ順番での切り替えが繰り返されるようになっている(図69参照)。
そして、上述のような参照される変動パターンテーブル114の切り替えは、上述と同様に、大当たり又は小当たりに当選するまで継続して行われる。
また、特に図示していないが、高確率時短遊技状態の開始後(すなわち、大当たり図柄X1又はX2に基づく特別遊技の終了後)においては、変動回数カウンタの値にかかわらず(変動回数カウンタの値がいかなる値であっても)、常に、参照される変動パターンテーブル114としてテーブルFが決定されるようになっている。
なお、常にテーブルFが決定されるようにするのではなく、高確率時短遊技状態においても、通常遊技状態と同様に、変動回数カウンタの値が所定回数増加するごとに、参照される変動パターンテーブル114が切り替わるようにしてもよい。
そして、上述のように決定された変動パターンテーブル114を参照して、変動パターンコマンドが決定される。
(通常遊技状態における変動パターンコマンドの決定)
テーブルA、B、C、D及びEはいずれも、通常遊技状態において第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるものである。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点(すなわち、大当たりの抽選時点)における第1特図保留数が参照される。
ここで、遊技通常状態においては、図64~図68に示すように、ハズレ図柄Z1が決定された場合に決定され得る変動パターンコマンドとして、「00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」及び「0AH」の11種類が設けられている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合に決定され得る変動パターンコマンドとして、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」の7種類が設けられている。
また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合に決定され得る変動パターンコマンドとして、「B0H」の1種類が設けられている。
そして、これらの各変動パターンコマンドにはそれぞれ、種々の変動パターン(変動演出の前半部分の変動時間、変動演出の後半部分の変動時間)が対応付けられている。
具体的には、「00H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が0秒、及び後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン1が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンA、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「01H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が0秒、及び後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン2が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンA、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「02H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が10秒、及び後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン3が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンA、及び後半部分が後述する発展なしパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「03H」及び「A3H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が10秒、及び後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン4が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンA、及び後半部分が後述する発展ありパターンAである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「04H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン5が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンB、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「05H」及び「A5H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン6が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンB、及び後半部分が後述する発展ありパターンAである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「06H」及び「A6H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターン7が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンB、及び後半部分が後述する発展ありパターンBである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「07H」及び「A7H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が15秒、及び後半部分の変動時間が55秒に設定された変動パターン8が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンB、及び後半部分が後述する発展ありパターンCである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「08H」及び「A8H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が25秒、及び後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン9が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンC、及び後半部分が後述する発展ありパターンAである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「09H」及び「A9H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が25秒、及び後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターン10が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンC、及び後半部分が後述する発展ありパターンBである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「0AH」及び「AAH」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が25秒、及び後半部分の変動時間が55秒に設定された変動パターン11が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチパターンC、及び後半部分が後述する発展ありパターンCである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
「B0H」の変動パターンコマンドには、変動演出の前半部分の変動時間が0秒、及び後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン1が対応付けられている。この変動パターンコマンドが決定された場合には、副制御基板300において、前半部分が後述するリーチなしパターンA、及び後半部分が後述するノーマルハズレパターンである変動演出の実行態様を決定可能となっている。
そして、図64~図68に示すように、テーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルEには、大当たりの抽選により決定された特別図柄の種別(大当たり図柄X1又はX2、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5、ハズレ図柄Z1)、大当たりの抽選時点の第1特図保留数、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動パターン乱数ごとに対応付けられて、上述の変動パターンコマンドが定められている。
なお、図64~図68において、変動パターンコマンドが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動パターン乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図64~図68に示すように、大当たりに当選した場合にはハズレの場合よりも、前半部分の変動時間が相対的に長い(たとえば、15秒や25秒等)変動パターンコマンドの決定割合が高く、後半部分の変動時間が相対的に長い(たとえば、35秒や55秒等)変動パターンコマンドの決定割合が高くなるように設定されている。
また、大当たりに当選した場合には、前半部分の変動時間が相対的に長い(15秒や25秒等)変動パターンコマンドが、前半部分の変動時間が相対的に短い(0秒や10秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすく、後半部分の変動時間が相対的に長い(35秒や55秒等)変動パターンコマンドが、後半部分の変動時間が相対的に短い(5秒や15秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすいように設定されている。これに対して、ハズレの場合には、前半部分の変動時間が相対的に短い(0秒や10秒等)変動パターンコマンドが、前半部分の変動時間が相対的に長い(15秒や25秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすく、後半部分の変動時間が相対的に短い(5秒や15秒等)変動パターンコマンドが、後半部分の変動時間が相対的に長い(35秒や55秒等)変動パターンコマンドよりも決定されやすいように設定されている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分の変動時間や後半部分の変動時間に応じて大当たりの当選の期待度が異なり、変動演出の前半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の前半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高く、変動演出の後半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の後半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなるようになっている。
(テーブルAの概要)
具体的には、図64に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」及び「0AH」の全11種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」の全7種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
(テーブルBの概要)
図65に示すように、テーブルBによれば、テーブルAと同様に、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」及び「0AH」の全11種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
ここで、テーブルBにおいては、テーブルAよりも、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」(全体の変動時間が13秒)の変動パターンコマンドが決定される割合が高くなっているとともに、「01H」(全体の変動時間が3秒)の変動パターンコマンドが決定される割合が低くなっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルBが参照される場合には、テーブルAが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすいように設定されている。
また、テーブルAと同様に、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」の全7種類の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、テーブルBにおいては、テーブルAと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
なお、テーブルBは、テーブルAよりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が1以下のときにも変動時間が長くなりやすいように設定してもよい。
(テーブルCの概要)
図66に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「04H」、「06H」、「07H」、「09H」、「0AH」、「0CH」及び「0DH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A6H」、「A7H」、「A9H」、「AAH」、「ACH」及び「ADH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
これに対して、テーブルCにおいては、テーブルAやテーブルBにおいて決定され得る「03H」、「05H」、「08H」、「0BH」、「A3H」、「A8H」及び「ABH」の変動パターンコマンド(すなわち、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド)は決定されない。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルCが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンA)が決定されることはなく、後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンB)又は55秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンC)が決定され得るようになっている。
ここで、上述のように、変動演出の後半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の後半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなる。したがって、テーブルCが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンドが決定され得るように設定されたテーブルAやテーブルBを参照する場合に比べて、変動演出の後半部分の変動時間(実行態様)により大当たりの当選の期待度が高い印象を遊技者に与えることができるようになっている。
また、テーブルCにおいては、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」の変動パターンコマンドが決定される割合、「01H」の変動パターンコマンドが決定される割合が、テーブルAと同様に設定されている。したがって、上述のテーブルBが参照される場合には、テーブルCが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすい。
また、テーブルCにおいては、テーブルA及びBと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
(テーブルDの概要)
図67に示すように、テーブルDによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「02H」、「04H」、「07H」、「0AH」及び「0DH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A7H」、「AAH」及び「ADH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
これに対して、テーブルDにおいては、テーブルAやテーブルBにおいて決定され得る「03H」、「05H」、「06H」、「08H」、「09H」、「0BH」、「0CH」、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A8H」、「A9H」、「ABH」及び「ACH」の変動パターンコマンド(すなわち、後半部分の変動時間が15秒や35秒に設定された変動パターンコマンド)は決定されない。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルDが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンA)及び後半部分の変動時間が35秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンB)が決定されることはなく、後半部分の変動時間が55秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の後半部分の実行態様は発展ありパターンC)が決定され得るようになっている。
ここで、上述のように、変動演出の後半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の後半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなる。したがって、テーブルCが参照される場合には、後半部分の変動時間が15秒や35秒に設定された変動パターンコマンドが決定され得るように設定されたテーブルA~Cを参照する場合に比べて、変動演出の後半部分の変動時間(実行態様)により大当たりの当選の期待度が高い印象を遊技者に与えることができるようになっている。
また、テーブルDにおいては、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」の変動パターンコマンドが決定される割合、「01H」の変動パターンコマンドが決定される割合が、テーブルAやテーブルCと同様に設定されている。したがって、上述のテーブルBが参照される場合には、テーブルDが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすい。
また、テーブルA~Cと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
(テーブルEの概要)
図68に示すように、テーブルEによれば、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が0又は1の場合、及び、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上の場合にはいずれも、「00H」、「01H」、「08H」、「09H」、「0AH」、「0BH」、「0CH」及び「0DH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、大当たりの抽選時点の第1特図保留数にかかわらず、「A8H」、「A9H」、「AAH」、「ABH」、「ACH」及び「ADH」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
これに対して、テーブルEにおいては、テーブルAやテーブルBにおいて決定され得る「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「A3H」、「A5H」、「A6H」及び「A7H」の変動パターンコマンド(すなわち、前半部分の変動時間が10秒や15秒に設定された変動パターンコマンド)は決定されない。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、テーブルEが参照される場合には、前半部分の変動時間が10秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の前半部分の実行態様はリーチパターンA)及び前半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の前半部分の実行態様はリーチなしパターンB、リーチパターンB)が決定されることはなく、前半部分の変動時間が25秒に設定された変動パターンコマンド(変動演出の前半部分の実行態様はリーチパターンC)が決定され得るようになっている。
ここで、上述のように、変動演出の前半部分の変動時間が長い場合には、変動演出の前半部分の変動時間が短い場合よりも大当たりの当選の期待度が高くなる。したがって、テーブルEが参照される場合には、前半部分の変動時間が10秒や15秒に設定された変動パターンコマンドが決定され得るように設定されたテーブルA~Dを参照する場合に比べて、変動演出の前半部分の変動時間(実行態様)により大当たりの当選の期待度が高い印象を遊技者に与えることができるようになっている。
また、テーブルEにおいては、大当たりの抽選時点の第1特図乱数が2以上の場合に「00H」の変動パターンコマンドが決定される割合、「01H」の変動パターンコマンドが決定される割合が、テーブルA、テーブルCやテーブルDと同様に設定されている。したがって、上述のテーブルBが参照される場合には、テーブルEが参照される場合よりも、ハズレ図柄Z1が決定されかつ大当たりの抽選時点の第1特図保留数が2以上のときの変動時間が長くなりやすい。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外の変動パターンテーブル114が参照される場合よりも、大当たりの抽選がハズレとなった際の変動時間が長くなりやすいようになっている。すると、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外が参照される場合よりも、特別図柄の変動表示中(変動演出の実行中)となりやすく、この間に第1特図乱数が保留記憶されやすくなるため、第1特図保留数が多くなりやすい。
また、テーブルA~Dと同様に、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定された場合には、現時点の第1特図保留数にかかわらず、「B0H」の変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100において各変動パターンテーブル114が参照される期間ごとに、変動パターンコマンドの決定傾向が異なるようになっている。これにより、当該変動パターンコマンドに基づいて決定される変動演出の実行態様の決定傾向も異なることとなり、たとえば、大当たりの期待度が高い変動演出が実行されやすい期間や、保留記憶が行われやすい期間等を作り出すことができる。
(高確率時短遊技状態における変動パターンコマンドの決定)
テーブルFは、高確率時短遊技状態において第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるものである。そして、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点(すなわち、大当たりの抽選時点)における第2特図保留数が参照される。
高確率時短遊技状態においては、特に図示していないが、通常遊技状態に決定され得る変動パターンコマンドとは異なる変動パターンコマンドが決定され得るようになっている。また、高確率時短遊技状態において決定される変動パターンコマンドには、通常遊技状態に決定され得る変動パターンコマンドに対応付けられている変動時間や基本的態様と異なる変動時間や基本的態様が決定され得るようになっている。
また、テーブルFには、テーブルA~Eと同様に、大当たりの抽選により決定された特別図柄の種別(大当たり図柄X1又はX2、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5、ハズレ図柄Z2)、大当たりの抽選時点の第2特図保留数、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動パターン乱数ごとに対応付けられて、変動パターンコマンドが定められており、このテーブルFに基づいていずれかの変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様、及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「09H」(前半部分の変動時間は25秒、後半部分の変動時間は35秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値60秒(=25秒+35秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「01H」及び「B0H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
なお、変動演出の変動時間及び基本的態様については、変動パターンコマンドのみに基づいて、変動演出の前半部分の変動時間及び態様、並びに変動演出の後半部分の変動時間及び態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の変動時間及び態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の変動時間及び態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の変動時間及び態様を決定するようにしてもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及びメインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
また、当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図70(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態、特別遊技中において参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態において参照される第2判定テーブル116bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図71に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、0.6秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図58参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、図72に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図72に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図73のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値をクリアする。特に図示していないが、リセット処理が実行された場合にも、この初期化処理が実行される。これにより
リセット処理の実行後(通常遊技状態の開始後)からの変動回数が変動回数カウンタによってカウントされることとなる。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウンタ値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図74のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技及び小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図75のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図76のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図77のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図78のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、図79のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第1特図保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第2特図保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、入球した遊技球に基づく変動が実行される時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ652における判定の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ612における判定の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はハズレ図柄Z1であると判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はハズレ図柄Z2であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した現時点の保留数、及び上述のステップ651で確認した現時点の変動回数カウンタのカウント値によって、保留記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく変動が実行される際の変動回数を導出した上で、当該変動回数に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ654で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別と、記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ656に進む。
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別、上述のステップ655で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数)、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された乱数(第2特図乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図80のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図81のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)又は小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)を決定する。一方、上述のステップ806における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Z1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Z2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに特別図柄変動中状態を示すデータ「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、図82のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した始動入賞口の種別、及び現時点の変動回数カウンタのカウント値に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図83のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ905で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図84のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、高確率時短遊技状態が終了した場合に(すなわち、上述のステップ1103で時短遊技フラグがオフとなり、かつ上述のステップ1104で高確遊技フラグがオフとなった場合に)、通常遊技状態設定処理を実行する。
この通常遊技状態設定処理では、メインCPU101は、決定用テーブル115を参照し、通常遊技状態の開始後において変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を取得するための決定用テーブル情報取得処理を実行し、取得した情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。また、メインCPU101は、上述のように取得した、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を含むテーブル情報取得コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、当該情報を、副制御基板300に伝達することができる。さらに、メインCPU101は、変動回数カウンタの値をリセットする。これにより、通常遊技状態の開始後からの変動回数がカウントされることとなる。なお、高確率時短遊技状態が終了していない場合(すなわち、時短遊技フラグがオン、かつ高確遊技フラグがオンである場合)には、メインCPU101は何も処理を行わない。
そして、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1112に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1111に進む。
ステップ1111において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1106で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1112において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1115に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1113に進む。
ステップ1113において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1114に進む。
ステップ1114において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1112で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1115において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図85のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、図86のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1113でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル112における第3作動テーブル112cに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、小当たり遊技終了処理を実行する。そして、次のステップ1258に進む。
ステップ1258において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1257の小当たり遊技終了処理について、図87のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1280において、メインCPU101は、小当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態であったか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、高確率時短遊技状態である)と判定した場合、小当たり遊技終了処理を終了する。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ1281に進む。
ステップ1281において、メインCPU101は、決定用テーブル115を参照し、終了した小当たり遊技の実行契機となった小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5)に基づいて、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を取得するための決定用テーブル情報取得処理を実行する。そして、取得した変動パターンテーブル114の情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1282に進む。
ステップ1282において、メインCPU101は、上述のステップ1281で取得した、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を含むテーブル情報取得コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、当該情報を、副制御基板300に伝達することができる。そして、次のステップ1283に進む。
ステップ1283において、メインCPU101は、変動回数カウンタの値をリセットする。これにより、通常遊技状態中の小当たり当選に基づく小当たり遊技の終了からの変動回数がカウントされることとなる。そして、小当たり遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ706の特別遊技終了処理について、図88のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、遊技状態設定テーブル113に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「60」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図89のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図90のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a又は第2判定テーブル116bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、第1判定テーブル116aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2判定テーブル116bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図91のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図92のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図93のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、又は特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、変動演出中に実行され、大当たりの当選の期待度や所定の演出の実行の可能性を示唆する予告演出、及び記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を実行可能な先読み演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(図94(a)及び(b)、図95(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示が行われていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図94(c)~(e)、図95(c)~(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図95(e)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図94(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレ又は小当たりであることが示される。なお、上述の停止表示態様は、大当たりの抽選の結果がハズレ又は小当たりであることを積極的に報知するものではなく、ハズレ又は小当たりであること(大当たりでないこと)を遊技者に単に認識させるものである。そして、大当たりの抽選の結果がハズレ及び小当たりのいずれの場合であっても、同様の態様で停止表示されるため、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様によって、大当たりの抽選の結果がハズレであるか、又は、小当たりであるかを把握することができないようになっている。
なお、小当たりの場合における演出図柄50の停止表示態様はこれに限定されるものではなく、小当たりを示す特定の態様(ハズレの場合に停止表示される演出図柄50の組み合わせとは異なる特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がすべて異なる偶数の図柄となる組み合わせ等))で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
(変動演出の前半部分の実行態様)
変動演出の前半部分の実行態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなしパターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチパターンが設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「04H」、「B0H」であった場合にリーチなしパターンにより変動演出の前半部分が実行され、「02H」、「03H」、「05H」、「06H」、「07H」、「08H」、「09H」、「0AH」、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A7H」、「A8H」、「A9H」、「AAH」であった場合にリーチパターンにより変動演出の前半部分が実行される。
リーチなしパターンとしては、リーチなしパターンA、及びリーチなしパターンBが設けられている。
リーチなしパターンAは、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示することでリーチ表示が行われない実行態様である(図94参照)。
リーチなしパターンBは、所定の停止表示態様による演出図柄50の仮停止が行われる擬似連演出が実行された後に、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示することでリーチ表示が行われない実行態様である(図96参照)。
ここで、擬似連演出の態様としては、通常態様と特殊態様とが設けられている。通常態様は、前半部分の変動時間が経過するまでの間に、全ての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われるものである(図96、図97参照)。また、特殊態様は、前半部分の変動時間が経過するまでの間、上述の通常態様と異なる特殊な停止表示態様による演出図柄50の仮停止(たとえば、「357」という数字の並びでの仮停止)が連続して行われるとともに、後述する特殊擬似予告演出(たとえば、表示部21aの右上部から左下部にかけて流れ星が流れる画像の表示)が行われるものである(図98参照)。
そして、リーチなしパターンBでは、このリーチなしパターンBに設定された前半部分の変動時間である15秒が経過するまでの間に、上述の仮停止が1回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるようになっている(図96参照)。
また、リーチパターンには、リーチパターンA、リーチパターンB、及びリーチパターンCの3種類が設けられている。
リーチパターンAは、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示することでリーチ表示が行われる実行態様である(図95参照)。
リーチパターンB、及びリーチパターンCはいずれも、上述の擬似連演出が行われた後に、リーチ表示が行われる実行態様である(図97、図98参照)。
リーチパターンBには、具体的な態様の異なるリーチパターンB1、及びリーチパターンB2が設けられている。リーチパターンB1では、リーチパターンBに設定された前半部分の変動時間である15秒が経過するまでの間に、上述の仮停止が1回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるようになっている。また、リーチパターンB2では、リーチパターンBに設定された前半部分の変動時間である15秒が経過するまでの間、上述の特殊態様の擬似連演出が実行されるようになっている(図98参照)。
また、リーチパターンCにも、具体的な態様の異なるリーチパターンC1、及びリーチパターンC2が設けられている。リーチパターンC1では、リーチパターンCに設定された前半部分の変動時間である25秒が経過するまでの間に、上述の仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるようになっている(図97参照)。また、リーチパターンC2では、リーチパターンCに設定された前半部分の変動時間である25秒が経過するまでの間、上述の特殊態様の擬似連演出が実行されるようになっている(図98参照)。
なお、通常態様の擬似連演出において仮停止を行う回数、仮停止を行うタイミングとしては、種々の回数や種々の時点を設定することができる。
また、大当たりに当選した場合にのみ上述の仮停止が特定回数(たとえば、4回)行われる擬似連演出が実行されるように設定し、当該擬似連演出が実行された場合には、大当たりに当選したことを把握できるようにしてもよい。
また、擬似連演出の態様としては、通常態様や特殊態様のみならず、たとえば、リーチ表示が行われてから第3停止図柄を仮停止させた後に変動表示を再開するという態様等を設けてもよい。
また、リーチパターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
(変動演出の後半部分の実行態様)
変動演出の前半部分の実行態様がリーチなしパターン(リーチなしパターンA、リーチなしパターンBであった場合における変動演出の後半部分の実行態様としては、後半部分の変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレである旨が報知されるノーマルハズレパターンが設けられている(図94、図96参照)。
また、変動演出の前半部分の実行態様がリーチパターン(リーチパターンA、リーチパターンB、リーチパターンC)であった場合における変動演出の後半部分の実行態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、その後、大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を報知する発展ありパターン(図99~図101参照)、及びリーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を報知する発展なしパターン(図95参照)が設けられている。
また、発展ありパターンには、発展ありパターンA、発展ありパターンB、及び発展ありパターンCの3種類が設けられている。
発展ありパターンAでは、発展演出画像として所定の低期待度発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)の表示が開始されてから(すなわち、リーチ発展演出が開始されてから)、当該低期待度発展演出画像の表示以外の演出が特段実行されることなく、ハズレ又は大当たりが報知されるようになっている(図99参照)。
また、発展ありパターンAには、具体的な態様の異なる発展ありパターンA1、及び発展ありパターンA2が設けられている。特に図示していないが、発展ありパターンA1では、低期待度発展演出画像として画像A1が表示され、発展ありパターンA2では、低期待度発展演出画像として画像A2が表示されるようになっている。
発展ありパターンBでは、発展演出画像として所定の低期待度発展演出画像の表示が開始されてから所定時間経過した後、当該低期待度発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度発展演出画像の表示に切り替わる旨を報知するチャンスアップ画像を表示した上で、当該高期待度発展演出画像の表示に切り替わるチャンスアップ演出が実行され、その後、ハズレ又は大当たりが報知されるようになっている(図100参照)。
また、発展ありパターンBにも、具体的な態様の異なる発展ありパターンB1、及び発展ありパターンB2が設けられている。特に図示していないが、発展ありパターンB1では、低期待度発展演出画像として画像A1が表示され、かつ高期待度発展演出画像として画像B1が表示され、発展ありパターンB2では、低期待度発展演出画像として画像A2が表示され、かつ高期待度発展演出画像として画像B2が表示されるようになっている。
発展ありパターンCでは、発展演出画像として所定の特殊発展演出画像(たとえば、パチンコ機Pに採用された機種コンテンツにおいて登場するキャラクターに関するエピソード動画等)の表示が行われ、ハズレ又は大当たりが報知されるようになっている(図101参照)。
また、発展ありパターンCにも、具体的な態様の異なる発展ありパターンC1、及び発展ありパターンC2が設けられている。特に図示していないが、発展ありパターンC1では、特殊発展演出画像として画像C1が表示され、発展ありパターンC2では、特殊発展演出画像として画像C2が表示されようになっている。
また、上述の各演出においては、画像の表示や音声の出力のみならず、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまで(すなわち、第2停止図柄が停止表示されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
(変動演出の実行態様の決定)
次に、上述の変動演出の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、主制御基板100において決定され得る変動パターンコマンドごとに、変動演出の実行態様が定められた変動演出決定テーブル119が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動開始時に主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、変動演出決定テーブル119を参照して、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出の実行態様を決定する。
変動演出決定テーブル119には、図102~図106に示すように、主制御基板100においてテーブルAの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第1変動演出決定テーブル119a、主制御基板100においてテーブルBの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第2変動演出決定テーブル119b、主制御基板100においてテーブルCの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第3変動演出決定テーブル119c、主制御基板100においてテーブルDの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第4変動演出決定テーブル119d、主制御基板100においてテーブルEの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第5変動演出決定テーブル119eの5つのテーブルが設けられている。
各変動演出決定テーブル119には、変動パターンコマンド、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の実行態様が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、当該時点で主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114に対応するいずれかの変動演出決定テーブル119を取得するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の変動演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した変動演出決定テーブル119、受信した変動パターンコマンド、及び取得した変動演出乱数に基づいて、変動演出の実行態様を決定する。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態の設定時、及び小当たり遊技の終了時に決定用テーブル115に基づいて取得される変動パターンテーブル114の情報、並びに通常遊技状態の設定時又は小当たり遊技の終了時からの変動回数をカウントする変動回数カウンタのカウント値が、主制御基板100から副制御基板300に送信されるようになっている。これにより、副制御基板300においても、主制御基板100において参照される変動パターンテーブルの種類を把握することができるようになっている。
以下、第1変動演出決定テーブル119a、第2変動演出決定テーブル119b、第3変動演出決定テーブル119c、第4変動演出決定テーブル119d、及び第5変動演出決定テーブル119eについて説明する。
(第1変動演出決定テーブル119a)
図102に示すように、第1変動演出決定テーブル119aによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」又は「B0H」であった場合には必ず、前半部分がリーチなしパターンA及び後半部分がノーマルハズレパターンの実行態様(以下、態様1という)が決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「04H」であった場合には必ず、前半部分がリーチなしパターンB及び後半部分がノーマルハズレパターンの実行態様(以下、態様2という)が決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「02H」であった場合には必ず、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展なしパターンの実行態様(以下、態様3という)が決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「03H」又は「A3H」であった場合には、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様4という)、又は前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様5という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「05H」又は「A5H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様6という)、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様7という)、前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様12という)、又は前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様13という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「06H」又は「A6H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様8という)、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様9という)、前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様14という)、又は前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様15という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「07H」又は「A7H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様10という)、前半部分がリーチパターンB1及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様11という)、前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様16という)、又は前半部分がリーチパターンB2及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様17という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「08H」又は「A8H」であった場合には、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様18という)、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様19という)、前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンA1の実行態様(以下、態様24という)、又は前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンA2の実行態様(以下、態様25という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「09H」又は「A9H」であった場合には、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様20という)、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様21という)、前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンB1の実行態様(以下、態様26という)、又は前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンB2の実行態様(以下、態様27という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「0AH」又は「AAH」であった場合には、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様22という)、前半部分がリーチパターンC1及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様23という)、前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンC1の実行態様(以下、態様28という)、又は前半部分がリーチパターンC2及び後半部分が発展ありパターンC2の実行態様(以下、態様29という)のいずれかが決定される。
(第2変動演出決定テーブル119b)
図103に示すように、第2変動演出決定テーブル119bは、第1変動演出決定テーブル119aと同一の内容となっている。したがって、第2変動演出決定テーブル119bによれば、受信した変動パターンコマンドがいずれの場合であっても、上述の第1変動演出決定テーブル119aで決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
(第3変動演出決定テーブル119c)
図104に示すように、第3変動演出決定テーブル119cによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「B0H」、「02H」、「04H」、「06H」、「07H」、「09H」、「0AH」、「A6H」、「A7H」、「A9H」及び「AAH」であった場合にはいずれも、上述の第1変動演出決定テーブル119a及び第2変動演出決定テーブル119bで決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルCが参照されている場合には、上述の如く、「03H」、「05H」、「08H」、「A3H」、「A5H」及び「A8H」の変動パターンコマンドは決定されない。したがって、第3変動演出決定テーブル119cには、これらの変動パターンコマンドについての実行態様は定められておらず、当然にこれらの変動パターンコマンドに対する実行態様が決定されることはない。
すなわち、図104に示すように、第3変動演出決定テーブル119cにおいては、変動演出の後半部分の実行態様として、低期待度発展演出画像が表示される発展ありパターンA1、A2(態様4、態様5、態様6、態様7、態様12、態様13、態様18、態様19、態様24、態様25)が決定されることはなく、チャンスアップ演出が行われる発展ありパターンB1、B2(態様8、態様9、態様14、態様15、態様20、態様21、態様26、態様27)、特殊発展演出画像が表示される発展ありパターンC1、C2(態様10、態様11、態様16、態様17、態様22、態様23、態様28、態様29)が決定されるようになっている。
換言すれば、第3変動演出決定テーブル119cにおいて、リーチ発展演出が実行される実行態様としては、大当たりの当選の期待度の低い態様は決定されず、大当たりの当選の期待度の高い態様が決定され得るようになっている。
(第4変動演出決定テーブル119d)
図105に示すように、第4変動演出決定テーブル119dによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「B0H」、「02H」、「04H」、「07H」、「0AH」、「A7H」及び「AAH」であった場合にはいずれも、上述の第1変動演出決定テーブル119a、第2変動演出決定テーブル119b及び第3変動演出決定テーブル119cで決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルDが参照されている場合には、上述の如く、「03H」、「05H」、「06H」、「08H」、「09H」、「A3H」、「A5H」、「A6H」、「A8H」及び「A9H」の変動パターンコマンドは決定されない。したがって、第4変動演出決定テーブル119dには、これらの変動パターンコマンドについての実行態様は定められておらず、当然にこれらの変動パターンコマンドに対する実行態様が決定されることはない。
すなわち、図105に示すように、第4変動演出決定テーブル119dにおいては、変動演出の後半部分の実行態様として、発展ありパターンA1、A2(態様4、態様5、態様6、態様7、態様12、態様13、態様18、態様19、態様24、態様25)、発展ありパターンB1、B2(態様8、態様9、態様14、態様15、態様20、態様21、態様26、態様27)が決定されることはなく、発展ありパターンC1、C2(態様10、態様11、態様16、態様17、態様22、態様23、態様28、態様29)が決定されるようになっている。
換言すれば、第4変動演出決定テーブル119dにおいて、リーチ発展演出が実行される実行態様としては、最も大当たりの当選の期待度の高い態様のみが決定され得るようになっている。
(第5変動演出決定テーブル119e)
図106に示すように、第5変動演出決定テーブル119eによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「01H」、「B0H」、「08H」、「09H」、「0AH」、「A8H」、「A9H」及び「AAH」であった場合にはいずれも、上述の第1変動演出決定テーブル119a及び第2変動演出決定テーブル119b等で決定され得る実行態様と同様の実行態様が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルEが参照されている場合には、上述の如く、「02H」、「03H」、「04H」、「05H」、「06H」、「07H」、「A3H」、「A5H」、「A6H」及び「A7H」の変動パターンコマンドは決定されない。したがって、第5変動演出決定テーブル119eには、これらの変動パターンコマンドについての実行態様は定められておらず、当然にこれらの変動パターンコマンドに対する実行態様が決定されることはない。
すなわち、図106に示すように、第5変動演出決定テーブル119eにおいては、変動演出の前半部分の実行態様として、リーチパターンAや仮停止が1回行われる通常態様の擬似連演出や15秒の特殊態様の擬似連演出が実行される態様(態様2~17)が決定されることはなく、仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出や25秒の特殊態様の擬似連演出が実行される態様(態様18~29)が決定されるようになっている。
換言すれば、第5変動演出決定テーブル119eにおいて、リーチ表示が実行されるリーチパターンとしては、大当たりの当選の期待度の高い態様(仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出が実行される態様、25秒の特殊態様の擬似連演出が実行される態様)のみが決定されるようになっている。
なお、図102~図106において、変動パターンコマンドと変動演出の実行態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の実行態様について、ハズレの場合又は大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される変動演出の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
具体的には、たとえば、発展ありパターンAに関しては、ハズレの場合には、発展ありパターンA1の決定割合が発展ありパターンA2の決定割合よりも高くなっており、大当たりの場合には、発展ありパターンA2の決定割合が発展ありパターンA1の決定割合が高くなっている。したがって、発展ありパターンA2が実行された場合は、発展ありパターンA1が実行された場合よりも大当たりの当選に対する期待度が高くなる。発展ありパターンB及び発展ありパターンCについても同様である。
また、たとえば、リーチパターンBに関して、リーチパターンB1の決定割合は、大当たりの場合よりもハズレの場合の方が高くなっており、リーチパターンB2の決定割合は、ハズレの場合よりも大当たりの場合の方が高くなっている。したがって、リーチパターンB2が実行された場合は、リーチパターンB1が実行された場合よりも大当たりの当選に対する期待度が高くなる。
また、リーチパターンCに関しても、上述のリーチパターンBと同様の決定割合となっている。すなわち、リーチパターンC1の決定割合は、大当たりの場合よりもハズレの場合の方が高くなっており、リーチパターンC2の決定割合は、ハズレの場合よりも大当たりの場合の方が高くなっている。
ただし、第1変動演出決定テーブル119a~第4変動演出決定テーブル119dにおいては、ハズレ及び大当たりのいずれの場合であっても、リーチパターンC2よりもリーチパターンC1の方が決定されやすくなっているものの、第5変動演出決定テーブル119eにおいては、リーチパターンC1よりもリーチパターンC2が決定されやすくなっている。
(予告演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出中において、当該変動演出とは別個に、大当たりの当選の期待度や変動演出中における所定の演出の実行の可能性を示唆する予告演出を実行可能となっている。
本形態に係るパチンコ機Pには、実行可能な予告演出の種類として、通常予告演出、及び特殊擬似予告演出が設けられている。
通常予告演出は、変動演出の前半部分における所定のタイミングで、演出図柄50に重ねて当該通常予告演出の開始を示唆する開始画像(たとえば、「?」マークが付された丸印の画像等)が表示され、所定時間が経過すると、開始画像が所定のカットイン画像に変化する表示が行われるものである(図107(a)~(c)参照)。
この通常予告演出には、表示されるカットイン画像が異なる第1予告パターン、第2予告パターン、第3予告パターン、第4予告パターン、第5予告パターン、第6予告パターン、第7予告パターン、第8予告パターン、第9予告パターン及び第10予告パターンの10種類の実行態様が設けられている。
第1予告パターンでは、相対的に大当たりの当選の期待度が低い旨を示す低期待度カットイン画像(たとえば、「CHANCE!」の文字画像等)が表示されるようになっている(図107(c)参照)。
第2予告パターンでは、特に図示していないが、相対的に大当たりの当選の期待度が高い旨を示す高期待度カットイン画像(たとえば、「HI-CHANCE!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第3予告パターンでは、特に図示していないが、擬似連演出が実行される可能性がある旨を示す擬似煽りカットイン画像(たとえば、「NEXT?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第4予告パターンでは、特に図示していないが、擬似連演出が実行される旨を示す擬似カットイン画像(たとえば、「NEXT!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第5予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターン(発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC)による変動演出が実行される可能性がある旨を示す発展煽りカットイン画像(たとえば、「SP?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第6予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンによる変動演出が実行される旨を示す発展カットイン画像(たとえば、「SP!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第7予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンB(チャンスアップ演出が実行されるリーチ発展演出)による変動演出が実行される可能性がある旨を示すチャンスアップ煽りカットイン画像(たとえば、「CHANCE UP?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第8予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンBによる変動演出が実行される旨を示すチャンスアップカットイン画像(たとえば、「CHANCE UP!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第9予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンC(特殊発展演出画像(エピソード動画)が表示されるリーチ発展演出)による変動演出が実行される可能性がある旨を示すエピソード煽りカットイン画像(たとえば、「エピソード?」の文字画像等)が表示されるようになっている。
第10予告パターンでは、特に図示していないが、発展ありパターンCによる変動演出が実行される旨を示すエピソードカットイン画像(たとえば、「エピソード!」の文字画像等)が表示されるようになっている。
また、特殊擬似予告演出は、上述の如く、特殊態様の擬似連演出が実行される場合(変動演出の前半部分がリーチパターンB2又はリーチパターンC2の場合)にのみ実行され(図98参照)、大当たりの当選の期待度が高い旨を示すものである。
(予告演出に関する決定の概要)
次に、上述の予告演出(通常予告演出、特殊擬似予告演出)の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、上述のように決定され得る変動演出の実行態様ごとに、通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様が定められているとともに、特殊擬似予告演出の実行の可否が定められた予告演出決定テーブル120が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動演出の実行態様が決定されると、予告演出決定テーブル120を参照して、決定された変動演出の実行態様に基づいて通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様を決定するとともに、特殊擬似予告演出の実行の可否を決定する。
予告演出決定テーブル120には、図108~図112に示すように、主制御基板100においてテーブルAの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第1予告演出決定テーブル120a、主制御基板100においてテーブルBの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第2予告演出決定テーブル120b、主制御基板100においてテーブルCの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第3予告演出決定テーブル120c、主制御基板100においてテーブルDの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第4予告演出決定テーブル120d、主制御基板100においてテーブルEの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第5予告演出決定テーブル120eの5つのテーブルを備えている。
各予告演出決定テーブル120には、変動演出の実行態様、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される通常予告演出乱数ごとに対応付けられて、通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様が定められている。また、変動演出の実行態様、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される特殊擬似予告演出乱数ごとに対応付けられて、特殊擬似予告演出の実行の可否が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、変動演出の態様を決定すると、当該時点で主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114に対応するいずれかの予告演出決定テーブル120を取得するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の通常予告演出乱数及び特殊擬似予告乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した予告演出決定テーブル120、決定された変動演出の態様、及び取得した通常予告演出乱数に基づいて、通常予告演出の実行の可否、及び通常予告演出が実行される場合の実行態様を決定する。また、サブCPU301は、取得した予告演出決定テーブル120、決定された変動演出の態様、及び取得した特殊擬似予告演出乱数に基づいて、特殊擬似予告演出の実行の可否を決定する。
以下、第1予告演出決定テーブル120a、第2予告演出決定テーブル120b、第3予告演出決定テーブル120c、第4予告演出決定テーブル120d、及び第5予告演出決定テーブル120eについて説明する。
なお、図108~図112において、変動演出の実行態様と通常予告演出の実行の可否及び通常予告演出の実行態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた通常予告演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。また、変動演出の実行態様と特殊擬似予告演出の実行の可否とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた特殊擬似予告演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
(第1予告演出決定テーブル120a)
図108に示すように、第1予告演出決定テーブル120aによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、又は第3予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様2であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、又は第4予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様3であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、又は第5予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様4であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様5であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様6、態様7、態様18、又は態様19であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様8、態様9、態様20、又は態様21であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様10、態様11、態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様12、態様13、態様24、又は態様25であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様14、態様15、態様26、又は態様27であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様16、態様17、態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
このように、第1予告演出決定テーブル120aが参照される場合(すなわち、主制御基板100においてテーブルAの変動パターンテーブル114が参照される場合)には、通常予告演出の実行態様として、第1予告パターン~第10予告パターンの全ての種類が決定され得る。
すなわち、第1予告演出決定テーブル120aが参照される場合には、通常予告演出は、第1予告パターン~第10予告パターンの全種類の実行態様により実行され得るようになっている。
(第2予告演出決定テーブル120b)
図109に示すように、第2予告演出決定テーブル120bは、第1予告演出決定テーブル120aと同一の内容となっている。したがって、第2予告演出決定テーブル120bによれば、いずれの変動演出の実行態様が決定された場合であっても、上述の第1予告演出決定テーブル120aで決定され得る予告演出の実行態様と同様の実行態様が決定される。
すなわち、第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120bが参照される場合と同様に、通常予告演出は、第1予告パターン~第10予告パターンの全種類の実行態様により実行され得るようになっている。
(第3予告演出決定テーブル120c)
図110に示すように、第3予告演出決定テーブル120cによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1、態様2、又は態様3であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様8、態様9、態様20、又は態様21であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様10、態様11、態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様14、態様15、態様26、又は態様27であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様16、態様17、態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルCの変動パターンテーブル114が参照され、副制御基板300において第3変動演出決定テーブル119cの変動演出決定テーブル119に基づいて変動演出の実行態様を決定する場合には、態様4、態様5、態様6、態様7、態様12、態様13、態様18、態様19、態様24、態様25は決定されない(図104参照)。したがって、第3予告演出決定テーブル120cには、これらの変動演出の実行態様に対応する通常予告演出の実行の可否、通常予告演出を実行する場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否は定められておらず、当然にこれらの変動演出の実行に対応する予告演出の決定が行われることはない。
ここで、決定された変動演出の実行態様が所定の態様(態様1、態様2等)であった場合、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bにおいては、チャンスアップ煽りカットイン画像が表示される第7予告パターン、エピソード煽りカットイン画像が表示される第9予告パターンの予告演出は決定されないものの(図108、図109参照)、第3予告演出決定テーブル120cにおいては、これらの実行態様の予告演出が決定されるようになっている(図110参照)。
また、第7予告パターン、第9予告パターン、チャンスアップカットイン画像が表示される第8予告パターン、エピソードカットイン画像が表示される第10予告パターンの実行態様については、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bよりも第3予告演出決定テーブル120cの方が決定されやすくなっている(図108、図109、図110参照)。
すなわち、第3予告演出決定テーブル120cが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合よりも、大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出(チャンスアップ演出が実行されるリーチ発展演出、特殊発展演出画像が表示されるリーチ発展演出)の実行を示唆する予告演出の実行割合が高くなっている。
またここで、第3予告演出決定テーブル120cが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルCの変動パターンテーブル114が参照され、かつ変動演出の実行態様を決定するときに第3変動演出決定テーブル119cが参照される場合であるが、これらを参照する際には、上述の如く、リーチ発展演出が実行される実行態様として、大当たりの当選の期待度の低い態様は決定されず、大当たりの当選の期待度の高い態様が決定され得るようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の後半部分において大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出が実行されやすい間(テーブルCの変動パターンテーブル114が参照され、第3変動演出決定テーブル119cが参照される間)には、このようなリーチ発展演出の実行を示唆する予告演出も実行されやすいようになっている。
(第4予告演出決定テーブル120d)
図111に示すように、第4予告演出決定テーブル120dによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1、態様2、又は態様3であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様10、態様11、態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様16、態様17、態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、第2予告パターンの実行、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルDの変動パターンテーブル114が参照され、副制御基板300において第4変動演出決定テーブル119dの変動演出決定テーブル119に基づいて変動演出の実行態様を決定する場合には、態様4、態様5、態様6、態様7、態様8、態様9、態様12、態様13、態様14、態様15、態様18、態様19、態様20、態様21、態様24、態様25、態様26、態様27は決定されない(図105参照)。したがって、第4予告演出決定テーブル120dには、これらの変動演出の実行態様に対応する通常予告演出の実行の可否、通常予告演出を実行する場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否は定められておらず、当然にこれらの変動演出の実行に対応する予告演出の決定が行われることはない。
ここで、決定された変動演出の実行態様が所定の態様(態様1、態様2等)であった場合、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bにおいては、エピソード煽りカットイン画像が表示される第9予告パターンの予告演出は決定されないものの(図108、図109参照)、第4予告演出決定テーブル120dにおいては、この実行態様の予告演出が決定されるようになっている(図111参照)。
また、第9予告パターン、エピソードカットイン画像が表示される第10予告パターンの実行態様については、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bよりも第3予告演出決定テーブル120cの方が決定されやすくなっている(図108、図109、図111参照)。
すなわち、第4予告演出決定テーブル120dが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合よりも、最も大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出(特殊発展演出画像が表示されるリーチ発展演出)の実行を示唆する予告演出の実行割合が高くなっている。
またここで、第4予告演出決定テーブル120dが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルDの変動パターンテーブル114が参照され、かつ変動演出の実行態様を決定するときに第4変動演出決定テーブル119dが参照される場合であるが、これらを参照する際には、上述の如く、リーチ発展演出が実行される実行態様として、最も大当たりの当選の期待度の高い態様が決定され得るようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の後半部分において最も大当たりの当選の期待度の高いリーチ発展演出が実行されやすい間(テーブルDの変動パターンテーブル114が参照され、第4変動演出決定テーブル119dが参照される間)には、このリーチ発展演出の実行を示唆する予告演出も実行されやすいようになっている。
(第5予告演出決定テーブル120e)
図112に示すように、第5予告演出決定テーブル120eによれば、決定された変動演出の実行態様が態様1であった場合には、通常予告演出については、非実行、第1予告パターンの実行、又は第3予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様18、又は態様19であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、又は第7予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様20、又は態様21であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様22、又は態様23であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、非実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様24、又は態様25であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様26、又は態様27であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第8予告パターンの実行、又は第9予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
また、決定された変動演出の実行態様が態様28、又は態様29であった場合には、通常予告演出については、第3予告パターンの実行、第4予告パターンの実行、第5予告パターンの実行、第6予告パターンの実行、第7予告パターンの実行、第9予告パターンの実行、又は第10予告パターンの実行のいずれかが決定され、特殊擬似予告演出については、実行が決定される。
なお、主制御基板100においてテーブルEの変動パターンテーブル114が参照され、副制御基板300において第5変動演出決定テーブル119eの変動演出決定テーブル119に基づいて変動演出の実行態様を決定する場合には、態様2~態様17は決定されない(図106参照)。したがって、第5予告演出決定テーブル120eには、これらの変動演出の実行態様に対応する通常予告演出の実行の可否、通常予告演出を実行する場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否は定められておらず、当然にこれらの変動演出の実行に対応する予告演出の決定が行われることはない。
ここで、擬似煽りカットイン画像が表示される第3予告パターン、擬似カットイン画像が表示される第4予告パターンについては、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bよりも第5予告演出決定テーブル120eの方が決定されやすくなっている(図108、図109、図112参照)。
すなわち、第5予告演出決定テーブル120eが参照される場合には、第1予告演出決定テーブル120aや第2予告演出決定テーブル120bが参照される場合よりも、擬似連演出の実行を示唆する予告演出の実行割合が高くなっている。
またここで、第5予告演出決定テーブル120eが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルEの変動パターンテーブル114が参照され、かつ変動演出の実行態様を決定するときに第5変動演出決定テーブル119eが参照される場合であるが、これらを参照する際には、上述の如く、変動演出の前半部分の実行態様であるリーチパターンとしては、大当たりの当選の期待度の高いリーチパターンのみが決定され得るようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分において、大当たりの当選の期待度の高いリーチパターンが実行されやすい間(テーブルEの変動パターンテーブル114が参照され、第5変動演出決定テーブル119eが参照される間)には、擬似連演出の実行を示唆する予告演出も実行されやすいようになっている。
なお、第5変動演出決定テーブル119eにおいては、他の変動演出決定テーブル119と比較して、仮停止が2回行われる通常態様の擬似連演出が実行されるリーチパターンC1よりも、25秒の特殊態様の擬似連演出が実行されるリーチパターンC2の決定割合が高くなっている(図102~図106参照)。そして、変動演出の前半部分の態様としてリーチパターンC2が決定された場合には必ず、特殊擬似予告演出の実行が決定されるため(図108~図112参照)、第5変動演出決定テーブル119eが参照されているときには、他の変動演出決定テーブル119が参照されているときよりも、特殊擬似予告演出の決定割合も高いこととなる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分において、大当たりの当選の期待度の高いリーチパターンが実行されやすい間には、特殊擬似予告演出も実行されやすいようになっている。
(先読み演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を実行可能となっている。
本形態に係るパチンコ機Pには、実行可能な先読み演出の種類として、保留先読み演出、及び期待度示唆先読み演出が設けられている。
なおここでは、第1特図乱数の保留記憶に基づく先読み演出についてのみ説明するものとし、第2特図乱数の保留記憶に基づく先読み演出については説明を省略する。
(保留先読み演出の概要)
保留先読み演出は、新たな保留記憶が行われ、大当たりの当選の期待度の高い特殊な表示態様(たとえば、白色以外の色や所定のキャラクターが付された丸印等)で保留表示を行う旨が決定された場合に、演出表示装置21において、この決定された特殊な表示態様で保留表示を行うものである。また、特殊な表示態様で保留表示を行う旨が決定されなかった場合には、通常の表示態様(たとえば、白色の丸印等)で保留表示が行われるようになっている。
図113に示すように、演出表示装置21の表示部21aの下部には、第1特図乱数の保留表示領域52が設けられている。そして、第1特図乱数について保留記憶が行われると、この保留表示領域52に、保留記憶が行われた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により第1特図保留数が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、保留表示領域52の最左部に、読み出された保留(すなわち、実行中の特別図柄の変動表示の対象である保留)を表示する読み出し保留表示部52aが設けられているとともに、読み出し保留表示部52aの右側に、記憶された保留を記憶順に表示する第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eが設けられている。そして、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eの4つの保留表示部により第1特図保留数が示されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する第1保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、上述の事前判定コマンドに含まれる第1特図乱数に係る大当たりの抽選の結果、決定される特別図柄の種別、及び決定される変動パターンコマンドの情報、並びに保留表示の態様を示す情報(以下、これらの情報を総称して保留情報という)が記憶される第1保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる第1保留記憶領域には、第1記憶部~第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部52bに対応し、以下、第2記憶部~第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部52c~第4保留表示部52eに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われるようになっている。
たとえば、第1特図保留数が「1」である場合には、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部53aにおいて保留表示が行われる。また、第1特図保留数が「4」である場合には、第1記憶部~第4記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部53a、第2保留表示部53b、第3保留表示部53c、第4保留表示部53dにおいて保留表示が行われる。
そして、保留記憶が読み出されたり、新たに保留記憶がなされたりすることで、第1特図保留数が増減すると、これに伴って、上述の保留表示部53における保留表示の数も増減するようになっている。
また、変動パターンコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出され、当該保留情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおいて読み出された保留を対象とする保留表示が行われる。
また、サブCPU301は、第1保留記憶領域におけるいずれの記憶部まで保留情報が記憶されているかを確認することで、第1特図保留数を把握できるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも保留情報が記憶されていない場合には、第1特図保留数は「0」であると把握することができ、第2記憶部まで保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留数は「2」であると把握することができる。
次に、保留先読み演出の実行の可否の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、特に図示していないが、保留先読み演出の実行の可否を決定するための保留先読み演出決定テーブルが設けられている。
保留先読み演出決定テーブルには、変動パターンコマンドの情報、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される保留先読み演出乱数ごとに対応付けられて、保留先読み演出の実行の可否が定められている。
副制御基板300が主制御基板100から送信される事前判定コマンドを受信すると、サブCPU301は、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動パターンコマンドの情報を上述の記憶部に記憶するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の保留先読み演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、この記憶部に記憶された変動パターンコマンドの情報、取得した保留先読み演出乱数、及び保留先読み演出決定テーブルに基づいて、保留先読み演出の実行の可否を決定する。
サブCPU301は、この決定の結果(特殊な表示態様での保留表示、通常の表示態様での保留表示)を、保留情報として、上述の事前判定コマンドに含まれる情報が記憶されている記憶部と同じ記憶部に記憶する。
(期待度示唆先読み演出の概要)
期待度示唆先読み演出は、第1特図保留数が「2」以上であるときに新たな保留が記憶され、かつこの新たに記憶された保留(以下、当該保留という)に基づく変動演出(以下、当該変動演出という)においてリーチ発展演出が実行される場合に、当該変動演出中、又は当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出(以下、当該前変動演出という)から当該変動演出までの複数回の変動演出に跨って、演出表示装置21において、大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する特定示唆画像の表示を行うものである。
たとえば、図114(a)及び(b)に示すように、第1特図保留数が「2」であるときに行われている変動演出中に、第1始動入賞口15に遊技球が入球し新たに第1特図乱数が保留として記憶されたものとする。また、この保留に基づく変動演出(当該変動演出)において発展ありパターンA、発展ありパターンB、又は発展ありパターンCのいずれかのリーチ発展演出が実行される変動パターンコマンドが決定されるとともに、この保留を対象として、当該変動演出の1回前の当該前変動演出(以下、当該1回前変動演出という)から期待度示唆先読み演出を実行する旨が決定されたものとする。
すると、当該1回前変動演出が開始されると、演出表示装置21の表示部21aの中央左部に、期待度示唆先読み演出が実行される可能性がある旨を示唆する先読み示唆画像(たとえば、「チャンスZONE」というアイコン画像)が表示され、この先読み示唆画像が右方向へ移動する表示が行われる(図114(c)~(e)参照)。そして、この先読み示唆画像が表示部21aの中央で停止する表示が行われ(図114(f)参照)、期待度示唆先読み演出が実行される旨を示す先読み実行画像(たとえば、「チャンスZONE突入」という文字画像)が表示された後(図114(g)参照)、表示部21aの上部において特定示唆画像(たとえば、「チャンスZONE」という文字が付された帯画像)が表示される(図114(h)参照)。そして、これ以降、当該変動演出における所定の時点(本形態では、リーチ表示が行われる時点)まで、特定示唆画像が表示され続ける(図114(i)~(j)参照)。
また、特に図示していないが、たとえば、上述の保留を対象として、当該変動演出から期待度示唆先読み演出を実行する旨が決定された場合には、当該変動演出が開始されると、上述の先読み示唆画像の表示、当該先読み示唆画像が移動する表示及び表示部21aの中央で停止する表示が行われた後に上述の特定示唆画像が表示され、当該変動演出における所定の時点まで当該特定示唆画像が表示され続ける。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の保留を対象として期待度示唆先読み演出を実行する旨が決定されなかったとき、上述の特定示唆画像の表示は行われないものの、上述の先読み実行画像の表示が行われる煽り演出が実行され得るようになっている。
特に図示していないが、この煽り演出では、当該1回前変動演出又は当該変動演出が開始されると、上述と同様に、先読み示唆画像が表示部21aの中央左部に表示され右方向へ移動する表示が行われるものの、この先読み示唆画像が、表示部21aの中央で停止することなく中央右部まで移動した後に、表示部21aから消える表示が行われる。
この煽り演出は、当該変動演出の後半部分においてリーチ発展演出が実行される変動パターンコマンドが決定される場合のみならず、リーチ発展演出以外(発展なしパターン、ノーマルハズレパターン)が実行される変動パターンコマンドが決定される場合にも、実行が決定され得るようになっている。
(期待度示唆先読み演出、及び煽り演出の決定の概要)
次に、期待度示唆先読み演出、及び煽り演出の実行の可否の決定について説明する。
本形態における副制御基板300のサブROM302には、変動パターンコマンドごとに、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否を決定するための期待度示唆先読み演出決定テーブル121が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された事前判定コマンドを受信すると、期待度示唆先読み演出決定テーブル121を参照して、受信した事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否を決定する。
期待度示唆先読み演出決定テーブル121には、図115(a)及び(b)に示すように、主制御基板100においてテーブルA、テーブルC、テーブルD又はテーブルEの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121a、主制御基板100においてテーブルBの変動パターンテーブル114が参照されている場合に参照する第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bの2つのテーブルを備えている。
各期待度示唆先読み演出決定テーブル121には、変動パターンコマンドの種類(変動演出の後半部分の実行態様)、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される先読み演出乱数ごとに対応付けられて、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、事前判定コマンドを受信すると、当該時点で主制御基板100に参照されている変動パターンテーブル114に対応するいずれかの期待度示唆先読み演出決定テーブル121を取得するとともに、所定の数値範囲(0~249)から1の示唆先読み演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した期待度示唆先読み演出決定テーブル121、受信した事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報、及び取得した示唆先読み演出乱数に基づいて、期待度示唆先読み演出、煽り演出の実行の可否を決定する。
以下、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121a、及び第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bについて説明する。
(第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121a)
図115(a)に示すように、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aによれば、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターン以外が実行されるもの(00H、01H、02H、04H)であった場合には、期待度示唆先読み演出が実行されずかつ煽り演出が実行されないパターン1、期待度示唆先読み演出は実行されないものの当該1回前変動演出において煽り演出が実行されるパターン2、又は、期待度示唆先読み演出は実行されないものの当該変動演出において煽り演出が実行されるパターン3のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンA、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(03H、05H、06H、07H、08H、09H、0AH)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、当該1回前変動演出から期待度示唆先読み演出が開始されるパターン4、又は、当該変動演出から期待度示唆先読み演出が開始されるパターン5のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報が大当たりであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンA、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(A3H、A5H、A6H、A7H、A8H、A9H、AAH)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、又はパターン5のいずれかが決定される。
(第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121b)
図115(b)に示すように、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bによれば、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターン以外が実行されるもの(00H、01H、02H、04H)であった場合には、パターン1、パターン2、又はパターン3のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンAが実行されるもの(03H、05H、08H)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、又はパターン5のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(06H、07H、09H、0AH)であった場合には、パターン1、パターン2、又はパターン4のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報が大当たりであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンAが実行されるもの(A3H、A5H、A8H)であった場合には、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、又はパターン5のいずれかが決定される。
また、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報が大当たりであって、かつ当該事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドが、発展ありパターンB又は発展ありパターンCが実行されるもの(A6H、A7H、A9H、AAH)であった場合には、パターン1、パターン2、又はパターン4のいずれかが決定される。
なお、図115(a)及び(b)において、変動パターンコマンドと期待度示唆先読み演出及び煽り演出の実行の可否と対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた示唆先読み演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択比率(決定比率)を示している。
図115(a)及び(b)によれば、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報がハズレの場合よりも大当たりの場合の方が、期待度示唆先読み演出の実行割合が高くなっており、また、当該変動演出から期待度示唆先読み演出が開始される割合(すなわち、実行期間が相対的に短い期待度示唆先読み演出が決定される割合)よりも、当該1回前変動演出から期待度示唆先読み演出が開始される割合(すなわち、実行期間が相対的に長い期待度示唆先読み演出が決定される割合)の方が高くなっている。
したがって、期待度示唆先読み演出が実行された場合には、期待度示唆先読み演出が実行されなかった場合よりも大当たりの当選の期待度が高いこととなる。また、当該1回前変動演出から期待度示唆先読み演出が開始された場合(実行期間が相対的に長い期待度示唆先読み演出が実行された場合)には、当該変動演出から期待度示唆先読み演出が開始された場合(実行期間が相対的に短い期待度示唆先読み演出が実行された場合)よりも大当たりの当選の期待度が高いこととなる。
また、発展ありパターンBや発展ありパターンCの変動演出が実行されるとき、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aにおいては、期待度示唆先読み演出の非実行が決定される場合や、当該変動演出からの期待度示唆先読み演出の開始が決定される場合(実行期間が相対的に短い期待度示唆先読み演出が実行される場合)があるものの、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bにおいては必ず、期待度示唆先読み演出の実行が決定され、また、当該1回前変動演出からの期待度示唆先読み演出の開始が決定される(実行期間が相対的に長い期待度示唆先読み演出が実行される)ようになっている。
さらに、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bにおいては、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aよりも、煽り演出の実行の決定割合が高くなっている。
すなわち、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aにより先読み演出の実行の可否が決定される場合よりも、第2期待度示唆先読み決定テーブル121bにより先読み演出の実行の可否が決定される場合の方が、期待度示唆先読み演出が実行されることに対する期待感が高く、また、期待度示唆先読み演出が実行される場合に大当たりの当選の期待度が高い態様となる可能性が高くなる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、期待度示唆先読み演出や煽り演出の実行については、第1特図保留数が「2」以上の場合(すなわち、第1特図乱数が保留記憶されている場合)において、新たに第1特図乱数の保留記憶が行われたときに決定されるようになっている。また、第2期待度示唆先読み演出決定テーブル121bが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルBの変動パターンテーブル114が参照される場合であり、第1期待度示唆先読み演出決定テーブル121aが参照されるのは、主制御基板100において変動パターンコマンドを決定するときにテーブルB以外(すなわち、テーブルA、テーブルC、テーブルD、テーブルE)の変動パターンテーブル114が参照される場合である。
そして、上述の如く、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外の変動パターンテーブル114が参照される場合よりも、大当たりの抽選がハズレとなった際の変動時間が長くなりやすいようになっている。すると、テーブルBが参照される場合には、テーブルB以外が参照される場合よりも、特別図柄の変動表示中(変動演出の実行中)となりやすく、この間に第1特図乱数が保留記憶されやすくなるため、第1特図保留数が多くなりやすい。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100においてテーブルBが参照されている間には、テーブルB以外が参照されている間と比較して第1特図保留数が多くなることから、上述の期待度示唆先読み演出が実行されやすいようになっているとともに、大当たりの当選の期待度が高い態様で期待度示唆先読み演出が実行されやすいようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、変動時間が定められ、かつ副制御基板300で変動演出の実行態様を決定するために用いられる変動パターンコマンドを決定するために参照する変動パターンテーブル114が複数設けられている。そして、通常遊技状態における小当たりの当選及び変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル114が切り替わるようになっている。また、変動パターンテーブル114ごとに、変動パターンコマンドの決定割合が異なるようになっている。
これに対して、副制御基板300には、変動演出の実行態様を決定するための変動演出決定テーブル119が複数設けられており、主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114に応じて、参照する変動演出決定テーブル119が切り替わるようになっている。また、変動演出決定テーブル119ごとに、主制御基板100において決定された変動パターンコマンドに基づいて決定される変動演出の実行態様の種類や決定割合が異なるようになっている。
さらに、副制御基板300には、大当たりの当選の期待度や変動演出における所定の演出の実行の可能性を示唆する予告演出の実行態様を決定するための予告演出決定テーブル120や、新たに記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出の実行の可否を決定するための期待度示唆先読み演出決定テーブル121が複数設けられており、主制御基板100において参照されている変動パターンテーブル114(副制御基板300において参照されている変動演出決定テーブル119)に応じて、参照する予告演出決定テーブル120や期待度示唆先読み演出決定テーブル121が切り替わるようになっている。また、予告演出決定テーブル120ごとに、変動演出の実行態様に基づいて決定される予告演出の実行態様の種類や決定割合が異なり、また、期待度示唆先読み演出決定テーブル121ごとに、主制御基板100において決定された変動パターンコマンドに基づいて決定される期待度示唆先読み演出の実行の可否の決定割合が異なるようになっている。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100において各変動パターンテーブル114が参照される期間、及び副制御基板300において各変動演出決定テーブル119が参照される期間ごとに、変動パターンコマンドの決定傾向が異なるとともに、当該変動パターンコマンドに基づいて決定される変動演出の実行態様の決定傾向が異なることとなる。そして、この決定傾向に応じて、予告演出の実行態様や期待度示唆先読み演出の実行の可否の決定傾向も異なることとなる。
すなわち、以上のように主制御基板100での変動パターンコマンドの決定傾向を異ならせることにより、たとえば、変動演出の前半部分において擬似連演出が行われるリーチパターンが実行されやすい期間、変動演出の後半部分において大当たりの期待度が高いリーチ発展演出が実行されやすい期間、保留記憶が行われやすい期間等を作り出すことができる。そして、上述の決定傾向に応じて副制御基板300での予告演出の実行態様や期待度示唆先読み演出の実行の可否の決定傾向を異ならせることにより、たとえば、上述の擬似連演出が行われるリーチパターンが実行されやすい期間においては、擬似連演出の実行を示唆する予告演出が実行されやすくしたり、保留記憶が行われやすい期間においては、期待度示唆先読み演出が実行されやすくしたりする等、変動パターンコマンドの決定傾向に応じた予告演出や先読み演出の実行状況を作り出すことができる。
以上より、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の各期間における変動演出の実行傾向に併せた実行傾向で特定の予告演出や先読み演出が実行されることとなるため、期間ごとに遊技者が体感できる演出が変化することとなり、演出効果が向上するとともに、遊技者の興趣を高めることができる。
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図116に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、通常予告演出乱数、特殊擬似予告演出乱数、保留先読み演出乱数、示唆先読み演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図117に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、図117に示すタイマ割込処理を開始する。
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、テーブル情報取得コマンドを受信した場合に実行されるテーブル情報取得コマンド受信処理について、図118のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、テーブル情報取得コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1105、又は小当たり遊技終了処理のステップ1282で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、受信したテーブル情報取得コマンドに含まれる、主制御基板100において変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。この情報を参照することにより、サブCPU301は、この後に主制御基板100において参照される変動パターンテーブル114を把握することができるようになっている。そして、テーブル情報取得コマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動回数コマンドを受信した場合に実行される変動回数コマンド受信処理について、図119のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動回数コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のステップ805で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、受信した変動回数コマンドに含まれる変動回数の情報を、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、上述のステップ2200で記憶した主制御基板100において変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報、及び上述のステップ2300で記憶した変動回数の情報に基づいて、当該時点で主制御基板100において参照する変動パターンテーブル114を判定する。そして、変動回数コマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、図120のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ656で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報、特別図柄の種別の情報、変動パターンコマンドの情報(保留情報)を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留先読み演出乱数を取得する。そして、次のステップ2402に進む。
ステップ2402において、サブCPU301は、保留先読み演出決定テーブル、上述のステップ2401で取得した保留先読み演出乱数、及び事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、保留先読み演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、上述のステップ2402で決定された保留先読み演出の実行が決定された場合には特殊な表示態様により保留表示を行うための保留先読み演出実行コマンドを送信バッファにセットする。一方、保留先読み演出の非実行が決定された場合には通常の表示態様により保留表示を行うための保留先読み演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた保留先読み演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に、上述の表示態様により保留表示を行うための制御が実行されることとなる。そして、次のステップ2404に進む。
ステップ2404において、サブCPU301は、上述のステップ2301で判定された変動パターンテーブル114に対応する期待度示唆先読み演出決定テーブル121を取得する。そして、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された示唆先読み演出乱数を取得する。そして、次のステップ2406に進む。
ステップ2406において、サブCPU301は、上述のステップ2404で取得した期待度示唆先読み演出決定テーブル121、上述のステップ2405で取得した示唆先読み演出乱数、及び事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、期待度示唆先読み演出の実行の可否、及び煽り演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2407に進む。
ステップ2407において、サブCPU301は、上述のステップ2406において期待度示唆先読み演出の実行が決定された場合には、決定された開始時点(当該1回前変動演出の開始時点、又は当該変動演出の開始時点)から当該変動演出におけるリーチ表示の時点まで期待度示唆先読み演出を実行するための示唆先読み演出実行コマンドを送信バッファにセットする。また、サブCPU301は、上述のステップ2406において煽り演出の実行が決定された場合には、決定された実行時点(当該1回前変動演出の開始時点、又は当該変動演出の開始時点)において煽り演出を実行するための煽り演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた示唆先読み演出実行コマンドや煽り演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、上述の時点で期待度示唆先読み演出や煽り演出を行うための制御が実行されることとなる。なお、上述のステップ2406において、期待度示唆先読み演出の非実行、及び煽り演出の非実行が決定された場合には、サブCPU301はここでは何も処理を行わない。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、図121のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ904で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、第1保留記憶領域に記憶された第1特図保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の保留表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動パターンコマンドを受信すると、第1保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている保留情報をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。
なお、本形態では、第1特図乱数に係る保留情報の記憶、及び保留シフト処理についてのみ説明を行っているが、サブRAM303には、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域(第1記憶部~第4記憶部)も設けられており、この第2保留記憶領域には、第1特図乱数と同様に、第2特図乱数に係る保留情報が記憶されるようになっている。また、保留シフト処理も、第1特図乱数の保留記憶と同様に行われる。
そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、上述のステップ2301で判定された変動パターンテーブル114に対応する変動演出決定テーブル119を取得する。そして、次のステップ2502に進む。
ステップ2502において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2501で取得した変動演出決定テーブル119、上述のステップ2502で取得した変動演出乱数、及び受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2504に進む。
ステップ2504において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2505に進む。
ステップ2505において、サブCPU301は、予告演出の決定に係る予告演出決定処理を実行する。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
次に、上述のステップ2505の予告演出決定処理について、図122のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、上述のステップ2301で判定された変動パターンテーブル114に対応する予告演出決定テーブル120を取得する。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された通常予告演出乱数を取得する。そして、次のステップ2602に進む。
ステップ2602において、サブCPU301は、上述のステップ2600で取得した予告演出決定テーブル120、上述のステップ2601で取得した通常予告演出乱数、及び上述のステップ2503で決定された変動演出の態様に基づいて、通常予告演出の実行の可否、及び実行態様を決定する。そして、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、上述のステップ2602において通常予告演出の実行が決定された場合には、決定された実行態様により通常予告演出を実行するための通常予告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた通常予告演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、上述の実行態様により通常予告演出を行うための制御が実行されることとなる。なお、上述のステップ2602において、通常予告演出の非実行が決定された場合には、サブCPU301はここでは何も処理を行わない。そして、次のステップ2604に進む。
ステップ2604において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特殊擬似予告演出乱数を取得する。そして、次のステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、上述のステップ2600で取得した予告演出決定テーブル120、上述のステップ2604で取得した特殊擬似予告演出乱数、及び上述のステップ2503で決定された変動演出の態様に基づいて、特殊擬似予告演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2606に進む。
ステップ2606において、サブCPU301は、上述のステップ2605において特殊擬似予告演出の実行が決定された場合には、特殊擬似予告演出を実行するための特殊擬似予告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた特殊擬似予告演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、当該制御基板により、特殊擬似予告演出を行うための制御が実行されることとなる。なお、上述のステップ2605において、特殊擬似予告演出の非実行が決定された場合には、サブCPU301はここでは何も処理を行わない。そして、予告演出決定処理を終了する。
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、通常遊技状態の開始後又は小当たり遊技の終了後からの変動回数に応じて(30回の変動が行われるごとに)、参照される変動パターンテーブル114が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、特別遊技の終了後からの変動回数に応じて、参照される変動パターンテーブル114を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、小当たりの当選時に決定された小当たり図柄の種類に応じて、小当たり遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようになっていたが、特別遊技の終了後からの変動回数に応じて、参照される変動パターンテーブル114を決定する場合には、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種類に応じて、特別遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中においても、特別遊技の終了後や高確率時短遊技状態中の小当たりの当選に基づく小当たり遊技の終了後からの変動回数に応じて、参照される変動パターンテーブル114を決定するようにしてもよい。また、この場合にも、小当たりの当選時に決定された小当たり図柄の種類に応じて、小当たり遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようにしてもよいし、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種類に応じて、特別遊技の終了後に参照される変動パターンテーブル114が異なるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態における通常予告演出では、複数種類のカットイン画像(たとえば、擬似煽りカットイン画像、ストーリーカットイン画像等)の中からいずれかのカットイン画像が表示されることで所定の示唆が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、1回の通常予告演出で複数種類のカットイン画像が表示されるようにしてもよいし、変動演出中に複数回の通常予告演出を実行できるようにして、同一又は異なるカットイン画像の表示が複数回実行されるようにしてもよい。また、カットイン画像ごとに表示の可否を決定するようにして、表示する旨が決定されたカットイン画像を全て表示するようにしてもよい。
そして、このようにした場合にも、予告演出決定テーブル120ごとに、たとえば、所定のカットイン画像は表示されやすく、他のカットイン画像は表示されにくい等、通常予告演出において表示されるカットイン画像の決定の傾向が異なるように設定することができる。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態における予告演出としては、変動演出の前半部分において実行される通常予告演出、及び特殊擬似予告演出が設けられていたが、予告演出の実行タイミングや種類については、これらに限定されるものではない。
たとえば、変動演出の後半部分の所定のタイミングにおいて所定の予告演出を実行できるようにしてもよい。
また、予告演出としては、操作ボタン9bについて所定の操作(連打、長押し等)が行われることにより所定の示唆や報知をボタン操作予告演出、所定範囲で可動可能な役物演出装置が所定態様で作動する役物作動予告演出、所定のミッション(たとえば、所定時間内に敵を倒す等)の実行結果により大当たりの当選の期待度を示唆するミッション予告演出、時間の経過を示すタイマ画像においてカウントダウン表示が行われ、タイマ画像における残り時間が0となることにより所定の演出の実行を示唆するタイマ予告演出、所定の画像が段階的に変化し、変化した段階に応じて大当たりの当選の期待度を示唆するステップアップ予告演出等を設けてもよい。また、変動演出中に、同一種類の予告演出や異なる種類の予告演出が複数回実行されるようにしてもよい。
そして、このようにした場合にも、予告演出決定テーブル120ごとに、たとえば、所定の予告演出は実行されやすく、他の予告演出は実行されにくい等、設けられている予告演出の決定の傾向が異なるように設定することができる。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態では、変動演出の実行態様の種類ごとに、通常予告演出の実行の可否、通常予告演出が実行される場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否が定められていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり、ハズレ)や特別図柄の種類を考慮して、大当たりの抽選の結果、特別図柄の種類、変動演出の実行態様の種類ごとに、通常予告演出の実行の可否、通常予告演出が実行される場合の実行態様、特殊擬似予告演出の実行の可否を定めてもよい。そして、たとえば、同一の変動演出の実行態様が決定されたときであっても、大当たりの場合にはハズレの場合よりも所定の予告演出が実行されやすいように設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態における期待度示唆先読み演出では、第1特図保留数が「2」以上のときに新たに保留記憶が行われた場合に実行可能となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、第1特図保留数が「1」以下のときに新たに保留記憶が行われた場合にも、期待度示唆先読み演出を実行可能としてもよい。また、リーチ発展演出が実行されない場合にも、期待度示唆先読み演出を実行可能としてもよい。
また、上述の実施の形態における期待度示唆先読み演出は、当該1回前変動演出又は当該変動演出において開始可能となっていたが、当該変動演出の2回前に実行される変動演出、当該変動演出の3回前に実行される変動演出において開始可能としてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態における先読み演出としては、保留先読み演出、及び期待度示唆先読み演出が設けられていたが、先読み演出の種類については、これらに限定されるものではない。
たとえば、当該前変動演出や当該変動演出において、当該保留に係る保留表示や当該保留よりも後に記憶された保留に係る保留表示の表示態様を、より大当たりの期待度の高い表示態様に変化させる保留変化先読み演出等を設けてもよい。
そして、このようにした場合にも、予告演出決定テーブル120ごとに、保留変化先読み演出の実行の可否の決定の傾向が異なるように設定することができる。
また、先読み演出は、第2特図乱数の保留記憶を対象として実行できるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
また、上述の実施の形態におけるステップ806の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における変動パターン決定処理を実行するメインCPU101は、本発明の変動演出決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における予告演出や期待度示唆先読み演出は、本発明の示唆演出に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2406、ステップ2602の処理を実行するサブCPU301は、本発明の示唆演出決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における主制御基板100は、本発明の主制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における副制御基板300は、本発明の主制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における予告演出決定テーブル120、期待度示唆先読み演出決定テーブル121は、本発明の示唆演出決定テーブルに相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ503の処理を実行するメインCPU101は、本発明の乱数取得手段に相当する。また、上述の実施の形態における大当たり乱数は、本発明の乱数に相当する。また、上述の実施の形態における期待度示唆先読み演出は、本発明の先読み演出に相当する。また、上述の実施の形態における当該変動演出から開始される期待度示唆先読み演出は、本発明の第1の態様に相当する。また、上述の実施の形態における当該1回前変動演出から開始される期待度示唆先読み演出は、本発明の第2の態様に相当する。
また、所定の始動条件としては、遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入すること、いわゆる保留記憶がなされた状態で実行中の変動や特別遊技が終了すること等が挙げられる。
また、所定の変更条件としては、遊技者に有利な特別遊技の実行が決定される(大当たりに当選する)こと、特別遊技が終了すること、特別遊技とは異なる遊技である小当たり遊技の実行が決定される(小当たりに当選する)こと、小当たり遊技が終了すること、特別遊技が終了してから特別遊技の実行の可否の決定が所定回数行われる(特別図柄の変動表示(変動演出)が所定回数行われる)こと、小当たり遊技が終了してから特別遊技の実行の可否の決定が所定回数行われる(特別図柄の変動表示(変動演出)が所定回数行われる)こと、特別遊技が終了し所定の遊技状態(特別遊技の実行が決定されやすい高確率遊技状態、所定の入賞口への遊技球の入球が容易となる時短遊技状態等)が設定されること、所定の遊技状態が設定されてから特別遊技の実行の可否の決定が所定回数行われる(特別図柄の変動表示(変動演出)が所定回数行われる)こと等が挙げられる。
また、所定の取得条件としては、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた所定の入賞口に遊技球が入球すること等が挙げられる。
(第3の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図123又は図124に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図124に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図123参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図125に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図125に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
一般入賞口14は、図125に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図125に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図125に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図125に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材(図125参照)や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向や前後方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図125に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図125に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図125に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
アウト口19は、図125に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図125に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知可能な変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図124参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図125に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図123に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図126に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図126に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、及び、特別遊技を制御する。
この主制御基板100は、図126に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図126に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、遊技球がゲート20を通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、遊技球がアウト口19へ進入したことを検出するアウト口検出センサ等を設けてもよい。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図126に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図126に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図126に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図126に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図126に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われるとともに、遊技球が第1始動入賞口15へ入球した場合には、第1特別図柄表示装置30において後述する特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう)が行われ、遊技球が第2始動入賞口16へ入球した場合には、第2特別図柄表示装置31において特別図柄の変動表示が行われる。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合には、当該当選の契機となった遊技球の入球に基づく特別図柄の変動(以下、当該変動という)が停止すると、当該変動の停止を契機として、当該当選に基づく特別遊技が開始される。
これに対して、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、所定の特別遊技開始時点(当該変動以降であって、かつ高確率時短遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数が所定の特別遊技開始回数となった時点)に到達したことを契機として、当該当選に基づく特別遊技が開始されるようになっている。
具体的には、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選しても、当該高確率時短遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数が所定の特別遊技開始回数に到達するまでは、特別遊技が開始されることなく大当たりの当選状態が維持される。この大当たりの当選状態が維持されている間は、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しても大当たりの抽選は行われないものの、特別図柄の変動は行われる。そして、当該高確率時短遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数が所定の特別遊技開始回数に到達すると、当該当選に基づく特別遊技が開始されることとなる。
大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合に当該当選に基づく特別遊技を開始する変動回数の決定に用いられる回数決定乱数、及び後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合に当該当選に基づく特別遊技の開始時点(特別遊技開始回数)を決定するための特別遊技開始変動回数決定テーブル112、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル113、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル114、及び変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル115を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図127(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選したことにより大当たりの当選状態が維持されている間は、大当たりの抽選は行われない。
図127(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1205~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319となる。
また、図127(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~1818であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1819~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/80となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ4倍となるように設定されている。
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1204)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1818)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図128(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選したことにより大当たりの当選状態が維持されている間は、特別図柄の種別の決定も行われない。そして、この間は、上述の大当たりの当選時に決定された特別図柄が維持されるようになっている。すなわち、決定された特別図柄がメインRAM103の所定の記憶領域に記憶されたままとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として2種類の大当たり図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Y1、Y2)が設けられている。
図128(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、特別図柄乱数が0~29であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が30~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は15%、大当たり図柄X2が決定される確率は85%となっている。
また、図128(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、特別図柄乱数が0~99であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率、及び大当たり図柄X2が決定される確率はいずれも50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
特別遊技開始変動回数決定テーブル112は、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合に当該当選に基づく特別遊技の開始時点(特別遊技開始回数)を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の回数決定乱数が取得される。そして、高確率時短遊技状態中に上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、高確率時短遊技状態が設定されてから当該当選時までの変動回数と、取得された回数決定乱数と、特別遊技開始変動回数決定テーブル112とに基づいて、特別遊技の開始時点が決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別遊技が終了し高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数が、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される変動回数カウンタによりカウントされるようになっている。具体的には、特別遊技が終了すると、上述の変動回数カウンタのカウント値がクリアされ、特別図柄の変動表示が行われるごとに当該カウンタの値が1インクリメントされる。これにより、特別遊技が終了し高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数がカウントされる。
図129に示すように、特別遊技開始変動回数決定テーブル112によれば、高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数が1~10回目のときに大当たりに当選した場合には、回数決定乱数が0~19であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの20回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が20回に決定され)、回数決定乱数が20~79であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの40回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が40回に決定され)、回数決定乱数が80~129であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの60回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が60回に決定され)、回数決定乱数が130~179であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの80回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が80回に決定され)、回数決定乱数が180~199であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの100回目の変動が決定される(特別遊技開始回数が100回に決定される)。
また、高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数が11~30回目のときに大当たりに当選した場合には、回数決定乱数が0~29であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの40回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が40回に決定され)、回数決定乱数が30~99であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの60回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が60回に決定され)、回数決定乱数が100~169であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの80回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が80回に決定され)、回数決定乱数が170~199であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの100回目の変動が決定される(特別遊技開始回数が100回に決定される)。
また、高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数が31~50回目のときに大当たりに当選した場合には、回数決定乱数が0~59であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの60回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が60回に決定され)、回数決定乱数が60~139であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの80回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が80回に決定され)、回数決定乱数が140~199であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの100回目の変動が決定される(特別遊技開始回数が100回に決定される)。
また、高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数が51~70回目のときに大当たりに当選した場合には、回数決定乱数が0~89であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの80回目の変動が決定され(特別遊技開始回数が80回に決定され)、回数決定乱数が90~199であったときに、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの100回目の変動が決定される(特別遊技開始回数が100回に決定される)。
また、高確率時短遊技状態が設定されてからの変動回数が71~99回目のときに大当たりに当選した場合には、回数決定乱数が0~199であったときに(回数決定乱数がいかなる値であっても)、特別遊技の開始時点として高確率時短遊技状態が設定されてからの100回目の変動が決定される(特別遊技開始回数が100回に決定される)。
そして、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選すると、上述のように決定された特別遊技の開始時点までは、特別遊技が開始されることなく大当たりの当選状態及び決定された特別図柄が維持される。この間は、大当たりの抽選及び特別図柄の決定は行われないものの、特別図柄の変動は行われる。その後、上述の特別遊技の開始時点に到達すると、当該当選に基づく特別遊技が開始される。
特別電動役物作動テーブル113は、上述の如く、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図130(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル113として、大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル113aと、大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル113bと、が設けられている。
具体的には、大当たり図柄X1が決定された場合には、図130(a)に示す第1作動テーブル113aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル113aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
大当たり図柄X2が決定された場合には、図130(b)に示す第2作動テーブル113bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル113bによれば、第1作動テーブル113aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル113aと同様の内容に設定されている。
特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、大当たり図柄X2が決定された場合よりも、大当たり図柄X1が決定された場合の方が多い。
なお、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄が決定された場合には、当該大当たり図柄が、上述のように決定された特別遊技の開始時点まで維持される(メインRAM103の所定の記憶領域に記憶される)。そして、この維持されていた特別図柄に応じた特別電動役物作動テーブル113を参照して、当該特別遊技が実行される。
遊技状態設定テーブル114は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図131に示すように、大当たり図柄X1及び大当たり図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果が全てハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
変動パターンテーブル115は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル115に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル115ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類、及び決定割合が設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル115として、通常遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、及び高確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルBを備えている(図132参照)。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄(高確率時短遊技状態中に大当たりの当選状態及び特別図柄が維持されている間は、当該維持されている特別図柄)と、現時点の保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)と、設定中の遊技状態に応じた変動パターンテーブル115とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル115としては、通常遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
そして、テーブルAを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第1特図保留数が参照される。これに対して、テーブルBを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第2特図保留数が参照される。
図132(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Y1が決定され(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第1特図保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Y1が決定され、かつ現時点の第1特図保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図132(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであり)、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに(変動パターン乱数がいかなる値であっても)、「5秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「B0H」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されたとき、或いは大当たり図柄X1又はX2が維持されているときには、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であった場合に、「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B1H」が決定される。
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様、及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は30秒、後半部分の変動時間は60秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値90秒(=30秒+60秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「B0H」及び「B1H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様、及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及びメインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
また、当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図133(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態、特別遊技中において参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態において参照される第2判定テーブル116bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図134に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、0.6秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図125参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、図135に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図135に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図136のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値をクリアする。さらに、メインCPU101は、高確率時短遊技状態中において大当たりに当選した旨(高確率時短遊技状態中において大当たり状態を維持している旨)を示す高確中当選フラグをオフにする。特に図示していないが、リセット処理が実行された場合にもこの初期化処理が実行される。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数、及び回数決定乱数を更新する際に参照される回数決定乱数用初期値更新乱数の更新を行う。特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものであり、回数決定乱数用初期値更新乱数は、回数決定乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。また、回数決定乱数は、更新を開始する時点の回数決定乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。この乱数範囲を1周すると、その時点における回数決定乱数用初期値更新乱数を初期値として、回数決定乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図137のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数及び回数決定乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数や回数決定乱数用初期値更新乱数の値から各乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図138のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図139のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図140のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された回数決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、回数決定乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図141のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された回数決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、回数決定乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図142のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図143のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ809に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり抽選処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり抽選処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たりの抽選、特別図柄の決定等に係る大当たり抽選処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、上述の大当たり抽選処理において決定された、又は大当たり抽選処理において決定され維持されている特別図柄の変動表示を第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ808に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに特別図柄変動中状態を示すデータ「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ809において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ805の大当たり抽選処理について、図144のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、高確率時短遊技状態でない(すなわち、通常遊技状態)であると判定した場合、ステップ860に進む。一方、高確率時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ852に進む。
ステップ852において、メインCPU101は、高確中当選フラグがオンであるか否かを判定する。そして、高確中当選フラグがオンであると判定した場合、ステップ862に進む。一方、高確中当選フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ853に進む。
ステップ853において、メインCPU101は、高確率判定テーブル110bを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ854に進む。
ステップ854において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ853における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ853における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を決定する。一方、上述のステップ853における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ855に進む。
ステップ855において、メインCPU101は、上述のステップ853の大当たり判定処理で大当たりに当選したか否か(上述のステップ854の特別図柄決定処理で大当たり図柄X1又はX2が決定されたか否か)を判定する。そして、大当たりに当選していない(すなわち、ハズレである)と判定した場合、ステップ862に進む。一方、大当たりに当選したと判定した場合、次のステップ856に進む。
ステップ856において、メインCPU101は、特別遊技の開始時点(特別遊技開始回数)を決定する特別遊技開始時点決定処理を実行する。具体的には、現時点の変動回数カウンタのカウント値(すなわち、高確率時短遊技状態が設定されてから当該大当たりの当選時までの変動回数)を確認し、特別遊技開始変動回数決定テーブル112と、確認したカウント値と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された回数決定乱数とに基づいて、特別遊技の開始時点(特別遊技開始回数)が決定される。そして、決定された特別遊技の開始時点(特別遊技開始回数)をメインRAM103の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ857に進む。
ステップ857において、メインCPU101は、上述のステップ856で決定された特別遊技の開始時点(特別遊技開始回数)の情報を含む開始時点決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別遊技の開始時点に係る情報が、副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ858に進む。
ステップ858において、メインCPU101は、高確中当選フラグをオンにする。そして、次のステップ859に進む。
ステップ859において、メインCPU101は、及び上述のステップ854で決定された大当たり図柄をメインRAM103の所定の記憶領域に記憶する。これにより、上述のステップ856で決定された特別遊技の開始時点まで大当たりの当選状態及び大当たり図柄が維持されることとなる。そして、ステップ862に進む。
また、上述のステップ850で高確率時短遊技状態でないと判定された場合に進むステップ860において、メインCPU101は、低確率判定テーブル110aを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ861に進む。
ステップ861において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ860における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ860における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を決定する。一方、上述のステップ860における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ862に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ862において、メインCPU101は、通常遊技状態中にあっては、上述のステップ861で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されていない(高確中当選フラグがオフである)ときにあっては、上述のステップ854で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されている(高確中当選フラグがオンである)ときにあっては、上述のステップ854で決定されメインRAM103の所定の記憶領域に記憶されている特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、大当たり抽選処理を終了する。
次に、上述したステップ806の変動パターン決定処理について、図145のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び遊技球が入球した始動入賞口の種別に対応する変動パターンテーブル115を取得する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、通常遊技状態中にあっては、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル115と、ステップ861で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定する。また、高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されていない(高確中当選フラグがオフである)ときにあっては、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル115と、ステップ854で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定する。また、高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されている(高確中当選フラグがオンである)ときにあっては、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル115と、ステップ854で決定されメインRAM103の所定の記憶領域に記憶されている特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定する。また、メインCPU101は、上述のように決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、変動パターンテーブル115に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図146のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ905で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、通常遊技状態中にあっては、上述のステップ861で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。また、高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されていない(高確中当選フラグがオフである)ときにあっては、上述のステップ854で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。また、高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されている(高確中当選フラグがオンである)ときにあっては、上述のステップ854で決定されメインRAM103の所定の記憶領域に記憶されている特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図147のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、高確中当選フラグがオンであるか否かを判定する。そして、高確中当選フラグがオンでないと判定した場合、ステップ1107に進む。一方、高確中当選フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1106に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中、又は高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されていないとき(大当たりの抽選結果がハズレであるとき)に、高確中当選フラグがオンでないと判定される。
ステップ1106において、メインCPU101は、現時点が特別遊技開始時点であるか否か、すなわち、現時点の変動回数カウンタのカウント値が上述のステップ856で決定された特別遊技開始回数に到達したか否かを判定する。そして、現時点が特別遊技開始時点でないと判定した場合、ステップ1113に進む。一方、現時点が特別遊技開始時点であると判定した場合、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1113に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1108に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確中当選フラグがオンであるとき(高確率時短遊技状態中であって大当たりの当選状態が維持されているとき)には、ここでは必ず、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定される。また、高確率時短遊技状態中であって高確中当選フラグがオンでないときには、ここでは必ず、停止表示されている特別図柄がハズレ図柄であると判定される。
ステップ1108において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1又はX2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1111に進む。
ステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1106で現時点が特別遊技開始時点でないと判定した場合、又は上述のステップ1107で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1113において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1114に進む。
ステップ1114において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図148のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1110でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル113に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図149のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、遊技状態設定テーブル114に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、高確中当選フラグをオフにする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値をリセットする。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1304に進む。
ステップ1304において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図150のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図151のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a又は第2判定テーブル116bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、第1判定テーブル116aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2判定テーブル116bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図152のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図153のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図154のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、又は特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、当該当選以降に決定される特別遊技開始時点に至るまでの間は当該当選に基づく特別遊技が開始されることなく大当たりの当選状態が維持され、特別遊技開始時点に至ると当該当選に基づく特別遊技が開始されるようになっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pによれば、通常遊技状態中よりも大当たりに当選しやすい高確率時短遊技状態中において、大当たりの当選に基づく特別遊技の実行間隔を空けることができ、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。これにより、短期間の間に多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
なお、本形態では、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選してから特別遊技開始時点に至るまでの間は、大当たりの抽選が行われないようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、上述の間も大当たりの抽選は行うものの、当該抽選の結果を破棄するようにしてもよい。このようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、本形態では、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、特別遊技開始時点に至るまでの間、当該当選時に決定された大当たり図柄をメインRAM103の所定の記憶領域に記憶することにより当該大当たり図柄が維持され、上述の間の特別図柄の変動では当該大当たり図柄が停止表示されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、上述の間は、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄をメインRAM103の所定の記憶領域に記憶しておくものの、特別図柄の変動ではハズレ図柄が停止表示されるようにしてもよい。このようにした場合には、上述と同様の作用効果を奏するとともに、上述の間において、第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置31の表示内容により大当たりに当選している旨が遊技者に把握されてしまうのを防止することができる。
また、特別遊技開始時点としては、高確率時短遊技状態が設定されてから特別図柄の変動が所定の特別遊技開始回数行われた時点を決定するのではなく、大当たりが当選した時点から特別図柄の変動が所定の特別遊技開始回数行われた時点を決定してもよい。また、特別遊技開始時点は、抽選により異なる時点を決定可能とするのではなく、常に、予め定められた同一の時点を決定するようにしてもよい。また、本形態では、高確率時短遊技状態中に大当たりの当選した場合には、当該高確率時短遊技状態中に特別遊技が開始されるようになっているが、高確率時短遊技状態が終了して通常遊技状態が設定された後に特別遊技が開始されるようにしてもよい。このようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、本形態では、高確率時短遊技状態中は、大当たりの当選状態が維持されている間(大当たりの抽選の結果が大当たりとなった後)、及び大当たりの当選状態が維持されていないとき(大当たりの抽選の結果がハズレのとき)のいずれであっても、変動時間は常に同一となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、長さの異なる複数種類の変動時間が決定され得るように設定するとともに、大当たりの抽選の結果が大当たりであったときの変動における変動時間は、大当たりの抽選の結果がハズレであったときの変動における変動時間と異なる長さ(長い変動時間や短い変動時間)に決定され得るようにしてもよいし、また、特別遊技開始時点の変動における変動時間は、大当たりの当選状態が維持されている間の他の変動における変動時間と異なる長さ(長い変動時間や短い変動時間)に決定され得るようにしてもよい。このようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、本形態では、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合に、特別遊技開始時点に至るまで大当たりの当選状態を維持するようになっていたが、このような制御を行うのは高確率時短遊技状態中に限定されるものではない。たとえば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合にも、特別遊技開始時点を決定し、決定された特別遊技開始時点に至るまで大当たりの当選状態を維持し、当該特別遊技開始時点に至ると特別遊技を開始するようにしてもよい。また、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた低確率時短遊技状態や、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた高確率非時短遊技状態が設定され得るパチンコ機Pにおいては、これらの遊技状態において大当たりに当選した場合にも、上述と同様の制御が行われるようにしてもよい。このようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、本形態では、大当たりに当選した場合に、特別遊技開始時点に至るまで大当たりの当選状態を維持するようになっていたが、このような制御の対象となる抽選結果としては大当たりの当選に限定されるものではない。たとえば、大当たりの抽選において、大当たりと異なる小当たりに当選可能であって、小当たりに当選した場合に小当たり遊技が実行されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、小当たりに当選した場合に小当たり遊技開始時点を決定し、決定された小当たり遊技開始時点に至るまで小当たりの当選状態を維持し、当該小当たり遊技開始時点に至ると小当たり遊技を開始するようにしてもよい。また、このような制御が行われるのは、設定され得る全ての遊技状態のうちの一部の遊技状態中としてもよいし、設定され得る全ての遊技状態中としてもよい。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知し得る変動演出、及び高確率時短遊技状態中に実行される演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(図155(a)及び(b)、図156(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図155(c)~(e)、図156(c)~(e)参照)。
そして、通常遊技状態中において、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図156(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、通常遊技状態中において、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図155(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
また、本形態に係るパチンコ機Pの高確率時短遊技状態中は、特別遊技開始時点で実行される変動演出においてのみ、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されるようになっており(図157(e)参照)、これ以外の変動演出においては、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図157(c)及び(d)参照)。
具体的には、高確率時短遊技状態中において、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、通常遊技状態中と同様に、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはないが、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合にも、この時点で実行される変動演出においてもすべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。
換言すれば、高確率時短遊技状態中は、大当たりの当選状態及び大当たり図柄が維持されている間(大当たりの抽選の結果が大当たりとなった後)に実行される変動演出、並びに大当たりの当選状態及び大当たり図柄が維持されていないとき(大当たりの抽選の結果がハズレのとき)に実行される変動演出のいずれにおいても、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであるか、又は大当たりの抽選の結果が大当たりであるものの、特別遊技開始時点でないことが報知される。
一方、特別遊技開始時点で実行される変動演出においては、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりに当選しており特別遊技が開始されることが報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、本形態に係るパチンコ機Pには、通常遊技状態中の変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、通常遊技状態中における変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で演出乱数(変動演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンド、及び取得された演出乱数(変動演出乱数)に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行されることとなる。
(高確率時短遊技状態中に実行される演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が終了し高確率時短遊技状態が設定されると、演出表示装置21の表示部21aに、高確率時短遊技状態が設定された旨を示す開始画像(たとえば、「チャンスゾーン突入!!」という文字画像)が表示されるとともに、高確回数及び時短回数の残りを示す残り回数画像が表示される(図157(a)参照)。また、高確率時短遊技状態中は、演出表示装置21の表示部21aの右上隅において、通常遊技状態中よりも小さいサイズの演出図柄50により変動演出が行われる(図157(a)~(e)参照)。
そして、高確率時短遊技状態中は、上述の変動演出とともに、演出表示装置21の表示部21aの中央において、特定画像(たとえば、所定のキャラクターが所定の目的地へ向けて走る画像)が表示され、この特定画像に重ねて、特別遊技を開始するタイミングを示唆する示唆画像が表示され得るようになっている(図157(b)~(d)参照)。
具体的には、特に図示していないが、大当たりの当選状態が維持されているか否か、大当たりの当選状態が維持されている場合(すなわち、大当たりに当選している場合)には、大当たりの当選時に決定された特別遊技開始時点までの残りの変動回数等に基づいて、上述の示唆画像を表示するか否かが決定されるとともに、表示する旨が決定された場合には表示する示唆画像が選択されるようになっている。
より具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、示唆画像の種類として、大当たりに当選していない旨や、大当たりに当選しているものの特別遊技開始時点までの残りの変動回数が相対的に多い旨を示唆する第1示唆画像(たとえば、「BONUSまで・・・まだまだ!!」という文字画像)や、大当たりに当選しており特別遊技開始時点までの残りの変動回数が相対的に少ない旨を示唆する第2示唆画像(たとえば、「BONUSまで・・・あと少し!!」という文字画像)等が設けられている(図157(c)及び(d)参照)。さらに、大当たりの当選状態が維持されているか否か、及び上述の残りの変動回数等に基づいて、示唆画像を表示する旨の決定割合、及び示唆画像の選択割合が定められている。
たとえば、大当たりの当選状態が維持されていない(大当たりに当選していない)ときや、大当たりの当選状態が維持されている(大当たりに当選している)ものの特別遊技開始時点までの残りの変動回数が相対的に多い(たとえば、20回以上等)ときには、上述の示唆画像を表示する旨が決定されにくいようになっているとともに、示唆画像を表示する旨が決定された場合に、第2示唆画像よりも第1示唆画像が選択されやすいようになっている。また、大当たりの当選状態が維持されており特別遊技開始時点までの残りの変動回数が相対的に少ない(たとえば、20回未満等)ときには、上述の示唆画像を表示する旨が決定されやすいようになっているとともに、示唆画像を表示する旨が決定された場合に、第1示唆画像よりも第2示唆画像が選択されやすいようになっている。
以上のように設定されていることで、特別遊技開始時点に近付く程、第2示唆画像の表示頻度が高くなり、これにより特別遊技が開始されるタイミングが示唆されることとなる。
そして、特別遊技開始時点に到達すると、変動演出においてすべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されるとともに、大当たりに当選しており特別遊技が開始される旨を示す特別遊技開始画像(たとえば、「BONUS!!」という文字画像)が表示される(図157(e)参照)。
なお、特に図示していないが、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態が終了した場合には、その旨を示唆する終了画像(たとえば、「チャンスゾーン終了」という文字画像)が表示される。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態中において特別遊技が開始されるタイミングを示唆する演出が実行されるようになっている。これにより、高確率時短遊技状態中は、大当たりに当選しているかどうか、及び特別遊技がいつ開始されるかを推測させるという斬新な遊技性を提供できる。
(第3の実施の形態に対応する他の実施の形態)
上述の実施の形態では、大当たりに当選した場合に特別遊技開始時点に至るまでの間、当該当選に基づく特別遊技を開始せず、特別遊技開始時点に至ると当該特別遊技を開始するように制御することで、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させるようにしていたが、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数を減少させるためのメインCPU101による制御方法としては、これに限定されるものではない。以下、具体例を挙げて説明する。
(具体例1)
たとえば、通常遊技状態において大当たりに当選して少なくとも時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たり(いわゆる初当たりから、少なくとも時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方が継続している間に連続して当選した大当たり、以下、連続大当たりという)の回数が所定回数(たとえば、3回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動において、(1)これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよい。また、これ以降に実行される特別遊技において、(2)これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定されるようにしてもよいし、(3)これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定されるようにしてもよいし、(4)これ以前に実行されていた特別遊技におけるインターバル時間よりも長いインターバル時間が設定されるようにしてもよいし、(5)これ以前に実行されていた特別遊技における大入賞口18の開放時間よりも長い開放時間が設定されるようにしてもよい。
(具体例2)
たとえば、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例3)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例4)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ所定回数に達した際又は所定回数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例5)
たとえば、連続大当たり中において、実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達し、かつ所定数に達した後の大当たり当選時に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例6)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回)以下であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例7)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回等)以下であり、かつ当該次の大当たりに当選した際に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例8)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例9)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例10)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例11)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例12)
たとえば、連続大当たり中における所定の大当たりの当選時に決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、相対的に短い変動時間(3秒、6秒等)が設定された変動パターン等)であった場合に、これ以降に実行される変動において、上述の(1)のように設定してもよいし、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(2)~(5)のように設定してもよい。
(具体例13)
たとえば、第1特図乱数や第2特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数について大当たりの抽選に関する各種判定(大当たりに当選するか否かの判定、決定される特別図柄の種類の判定等)を行う事前判定処理が実行されるように設定するとともに、連続大当たり中において、当該事前判定処理による判定結果が所定の内容(たとえば、特別遊技終了時点で記憶されている保留の中に大当たりに当選するものが含まれている等)であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例14)
たとえば、連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、15分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例15)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)以下であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例16)
たとえば、連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例17)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
なお、上述の具体例1~17のような制御を行う場合には、上述の実施の形態のように、大当たりに当選してから特別遊技開始時点まで大当たりの当選状態を維持し、当該特別遊技開始時点となると当該当選に基づく特別遊技を開始するように設定する必要はない。すなわち、回数決定乱数や特別遊技開始時点決定テーブル112、高確中当選フラグ、大当たりに当選した際における特別遊技開始時点を決定する処理、特別遊技開始時点まで大当たりの当選状態を維持する処理、特別遊技開始時点となると特別遊技を開始する処理等(上述のステップ852、ステップ855~859、ステップ1105~1106、ステップ1302)は不要となり、大当たりに当選した場合には、当該当選に係る変動が停止したことを契機として、当該当選に係る特別遊技を開始するように設定すればよい。
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様に、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、上述の具体例1~17における各種条件については、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わせて設定することもできる。また、各種条件を満たした場合における上述の(1)~(5)の設定については、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。
また、主制御基板100に、連続大当たりの回数をカウントするためのカウンタ(メインRAM103の所定の記憶領域により構成)を設け、当該カウンタのカウント値に基づいて連続大当たりの回数が所定回数に達したか否かを判定してもよい。そして、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合に、上述の(1)~(5)の設定のうちのいずれか1又は複数を設定してもよい。
また、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するため、連続大当たりは、主に第2特図乱数に基づいて当選した大当たりとなる。そこで、上述のカウンタは、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数をカウントし、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には当該カウンタのカウント値をリセットするように設定し、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数が所定回数に達した場合に、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たしたものと判定するようにしてもよい。すなわち、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、連続大当たりが途切れたものとして取り扱い、連続して第2特図乱数に基づいて大当たりに当選しないと、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たさないように設定してもよい。
第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合よりも、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が決定されやすく、短期間の間に遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する可能性が高い。上述のように設定した場合には、第2特図乱数に基づく大当たりのみを連続大当たりの回数に関する条件の対象とするため、上述の(1)~(5)の設定が過度に行われてしまう事態を防止することができる。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(1)と、特別遊技中の各種時間に関する(2)~(5)の少なくともいずれか一とを、組み合わせて設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりも変動時間及び特別遊技中の各種時間のいずれもが長くなるものの、特別遊技中の各種時間の変化率よりも変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1における条件を満たした場合に、(1)と(2)とを組み合わせて設定したときには、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別図柄の変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別図柄の変動時間として13秒や15秒(所定回数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別遊技中のオープニング時間が10秒であり、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別遊技中のオープニング時間が15秒(所定回数に達する前のオープニング時間の1.5倍に変化)であるように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(1)を設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間及びリーチ変動パターンとなる変動の変動時間のいずれもが長くなるものの、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよいし、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例2における条件を満たした場合に(1)を設定したときには、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として180秒や240秒(所定数に達する前の変動時間の6倍~12倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例8における条件を満たした場合に(1)を設定したときには、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として40秒や45秒(所定数に達する前の変動時間の約1.3倍~2.25倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合には、上述の(1)~(5)のように設定するのではなく、他の設定を行ってもよい。たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される普図遊技において、(6)これ以前に実行されていた普通図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよいし、(7)これ以前における第2始動入賞口16の可動片16bの開放時間よりも短い開放時間となるように設定してもよい。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別遊技の終了後において、(8)これ以前の特別遊技の終了後に設定されていた時短回数よりも少ない時短回数を設定するようにしてもよい。
このように設定することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球頻度が減少し、大当たりの抽選機会も減少するため、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される特別遊技において、(9)これ以前の特別遊技中よりも遊技球が入球困難な態様(たとえば、0.5秒の開放と1.0秒の閉鎖を所定回数繰り返す態様等)で大入賞口18が開閉するように設定してもよい。
このように設定した場合には、特別遊技中に獲得可能な賞球数が減少し、単位時間あたりの総賞球数を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別図柄の変動に際し、(10)第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されているときに、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるように設定してもよい。
このように設定した場合、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選したときよりも第1特図乱数に基づいて大当たりに当選したときの方が、少ないラウンド数の特別遊技の実行が決定される割合が高くなっているため、特別遊技中に獲得可能な賞球数の期待値が減少し、単位時間あたりの総賞球数の期待値を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、(6)~(10)の設定については、(1)~(5)と同様に、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。また、(1)~(5)の少なくともいずれか一と組み合わせて設定してもよい。
また、(1)~(6)の設定においては、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、各種時間が長くなるようになっていたが、所定の時間は長くなるようにしつつ、他の時間は短くなるように設定してもよい。例えば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定しつつ((1)の設定)、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも短いエンディング時間が設定される((3)の設定)ようにしてもよい。
このようにした場合には、具体例1~17の各種条件を満たした後、変動が開始されてから特別遊技が終了するまでの時間が長くなり過ぎてしまい、遊技者の利益が極端に阻害されるような事態を防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(1)~(5)の設定がなされ、各種時間が長くなるようにしたときには、長くなった期間内において、特定の演出の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定((1)の設定)したときには、長い変動時間が決定された際に、当該変動における大当たりの当選の期待度を示す示唆演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。また、大当たりの抽選の結果とは無関係な内容を示す特殊演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定((2)の設定)されるようにしたときや、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定((3)の設定)されるようにしたときには、オープニング時間やエンディング時間が経過するまでの間に、当該時点で記憶されている保留の中に大当たりの当選と判定され得るものがある旨を示唆する先読み演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
なお、特定演出の実行頻度の変化度合いについては、特に限定されるものではない。たとえば、上述の各種条件を満たす以前には特定の演出は実行されていなかったものの、上述の各種条件を満たした後には、特定の演出が実行されるように設定してもよいし、上述の各種条件を満たす以前には所定の実行割合で特定の演出が実行されるようになっていたものの、上述の各種条件を満たした後は、上述の所定の実行割合よりも高い割合で特定の演出が実行されるように設定してもよい。
このようにした場合には、上述と同様に、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止しつつも、各種時間が長くなることにより遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われるようにしたときには、所定の終了条件を満たした場合に、当該設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
なお、所定の終了条件としては、たとえば、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、30回)の変動が行われたこと、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、3回)の特別遊技が行われたこと(大当たりに所定回数当選したこと)、連続大当たりが途切れたと判定されたこと(たとえば、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されることとなる大当たり図柄が決定されたこと、通常遊技状態が設定されたこと、通常遊技状態が設定されてから所定回数の変動が行われたこと等)を設定することができる。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
なお、具体例1~17の各種条件を満たし、(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われた場合において、少なくとも時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれか一方が継続していたとき(すなわち、連続大当たり中であったとき)であっても、特定条件を満たした場合には、(たとえば、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄X2が所定回数(たとえば、2回等)連続して決定された場合等)には、上述の設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、これに基づいて行われた設定を伝達するために、特定の外部情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、ホールコンピュータ等のパチンコ機Pの外部に設けられた機器)に送信するようにしてもよいし、上述の設定が行われた旨を報知するために、演出表示装置21の表示部21aに所定の表示(たとえば、特定のマーク画像の表示や、「遊技進行時間変更中」等の注意表示)を行ったり、所定態様でランプを点灯させたりするようにしてもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、その旨を示す履歴情報を、主制御基板100のメインRAM103や副制御基板300のサブRAM303に記憶するようにしてもよい。このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が行われる頻度や期間を把握することができ、射幸性が高くなる事態が生じにくいパチンコ機の開発に役立てることができる。
また、パチンコ機Pが、決定され得る変動時間の長さや変動時間の決定割合が異なるように設定された変動パターンテーブル115を複数備え、具体例1~17の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選した場合に、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後に、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄に基づいた異なる変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。
そして、このように設定されていたときであっても、上述の各種条件を満たし(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われた状態で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選時にいずれの大当たり図柄が決定されたとしても、共通の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に長い変動時間の決定割合が高く設定された第1の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)が決定され、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に短い変動時間の決定割合が高く設定された第2の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。そして、このように設定されていたときには、上述の各種条件を満たした状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2のいずれが決定されたときであっても、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、第1の変動パターンテーブル115で決定され得る変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高く設定された第3の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
また、パチンコ機Pは下記のような変動パターンテーブル115を備えるようにしてもよい。以下、変動パターンテーブル115について具体的に説明する。
たとえば、図158~図159に示すように、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルC、及び高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルD1、D2、D3を設けてもよい。
図158に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに、「3秒変動」の変動パターン(変動時間全体が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに、「5秒変動」の変動パターン(変動時間全体が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が125~224であったときに、「10秒変動」の変動パターン(変動時間全体が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C2H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに、「15秒変動」の変動パターン(変動時間全体が15秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C3H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「30秒変動」の変動パターン(変動時間全体が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「60秒変動」の変動パターン(変動時間全体が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「100秒変動」の変動パターン(変動時間全体が100秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(変動時間全体が120秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D3H」が決定される。
図159(a)に示すように、テーブルD1によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~12であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が13~25であったときに「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が26~50であったときに「50秒変動」の変動パターン(変動時間全体が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が51~150であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターン(変動時間全体が150秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターン(変動時間全体が200秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図159(b)に示すように、テーブルD2によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「50秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が25~74であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が75~149であったときに「70秒変動」の変動パターン(変動時間全体が70秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C7H」が決定され、変動パターン乱数が150~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図159(c)に示すように、テーブルD3によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
そして、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルCを参照して変動パターン(すなわち、変動時間)を決定するとともに、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルD1、テーブルD2又はテーブルD3のいずれかの変動パターンテーブル115を参照して変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、所定の切り替え条件を満たすことにより、参照する変動パターンテーブル115を切り替えるようにしてもよい。具体的には、連続大当たりの回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルX1→テーブルX2→テーブルX3と切り替えるようにしてもよい。また、変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルX3→テーブルX2→テーブルX1と切り替えるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態や他の実施の形態の制御は、他の仕様のパチンコ機に適用してもよい。
たとえば、大入賞口18内に遊技球が進入可能な特別領域を設けるとともに、遊技状態として通常遊技状態及び時短遊技状態を備え、通常遊技状態中は第1始動入賞口15への遊技球の打ち出しが指示され、時短遊技状態中は第2始動入賞口16への遊技球の打ち出しが指示され、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される第1特図乱数に基づいて大当たりに当選可能であり、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される第2特図乱数に基づいて大当たり又は小当たりに当選可能に設定し、大当たりに当選した場合、又は小当たりの当選に基づいて実行される小当たり遊技中に大入賞口18内に設けられた特別領域へ遊技球が進入した場合に特別遊技を実行可能に設定されたパチンコ機に適用することができる。
具体的には、時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合や、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入した場合には、特別遊技開始時点となったことを契機に特別遊技が実行されるようにしてもよい。
また、時短遊技状態中に第2特図乱数に基づく大当たり又は小当たりの当選により連続して特別遊技が実行され、この連続した特別遊技の実行により上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合に、矛盾の生じない範囲で(1)~(10)のような設定を行ってもよい。なお、このような設定を行った場合には、第1特図乱数に基づく大当たりにより当該設定をリセットするようにしてもよい。
また、上述の実施の形態におけるステップ853やステップ860の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における特別図柄は、本発明の図柄に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ807の処理を実行するメインCPU101は、本発明の変動手段に相当する。また、上述の実施の形態における特別遊技制御処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上述の他の実施の形態における具体例1~17の(1)~(5)の制御を実行するメインCPU101は、本発明の変更手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。
また、所定条件としては、たとえば、遊技領域に設けられた進入領域(始動入賞口)に遊技球が進入したこと、図柄(特別図柄)の変動が終了したときに保留記憶がされていること等が挙げられる。
また、所定の遊技条件下としては、たとえば、低確率遊技状態や非時短遊技状態が設定されることなく、高確率遊技状態や時短遊技状態が継続していること等が挙げられる。
(第4の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図160又は図161に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図161に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図160参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図162に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図162に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
一般入賞口14は、図162に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図162に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図162に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図162に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
ゲート20は、図162に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図162に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図162に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
アウト口19は、図162に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図162に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図160参照)を備えている。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図162に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図160に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図163に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図163に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、図163に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図163に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図163に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図163に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図163に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、図163に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図163に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景、各種演出で用いられる所定の画像(たとえば、変動演出におけるカットイン画像や発展演出画像等)の画像データが多数格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
たとえば、変動演出を実行する場合には、副制御基板300のサブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じて変動演出の実行態様(停止表示させる演出図柄50の種類、変動演出中に表示する各種画像の種類等)を決定し、当該決定された実行態様による変動演出を実行し、かつ演出図柄50を停止表示させるためのコマンド(以下、変動演出実行コマンドという)を画像制御基板に送信する。そして、副制御基板300から送信された変動演出実行コマンドに基づき、画像制御基板のCPUが、画像制御基板のROMに格納されている画像データを読み出しVRAMに記憶することにより、当該画像データに基づく画像が再生され変動演出が実行されることとなる。
なお、上述の画像データは、画像制御基板のROMに格納するのではなく、副制御基板300のサブROM302に格納してもよい。そして、演出表示装置21に各種画像を表示する場合には、副制御基板300から対応する画像データを画像制御基板に送信し、受信した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御してもよい。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドROM、デコーダ、出力インターフェース、CPU、RAM、タイマカウンタ等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM(以下、音声等という)のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300のサブCPU301が送信するコマンドを受信すると、デコーダが、受信したコマンドに対応するサウンドデータをサウンドROMから読み出し復号化(デコード)する。このデコーダは、音声等を出力するためのチャンネルを所定数(本形態では40個)備えており、所定数の種類の音声等をそれぞれ独立して同時に出力することができるようになっている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各種演出において出力される音声等の種類ごとに、当該音声等の出力に使用するチャンネルが予め対応付けられている。これにより、音声等は予め対応付けられたチャンネルにより出力されるようになっている。そして、デコーダの各チャンネルにおいて復号化されたサウンドデータがアナログデータに変換され、このアナログデータに基づいて、所定の音声が出力インタフェースを介して音声出力装置10から出力されることとなる。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図164(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
図164(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~999、1220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
また、図164(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~999、2120~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図165(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として4種類の特別図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
図165(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~79であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が80~109であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が110~129であった場合に特別図柄X3が決定され、当たり図柄乱数が130~199であった場合に特別図柄X4が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は40%、特別図柄X2が決定される確率は15%、特別図柄X3が決定される確率は10%、特別図柄X4が決定される確率は35%となっている。
また、図165(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~89であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が90~129であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が130~199であった場合に特別図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は45%、特別図柄X2が決定される確率は20%、特別図柄X4が決定される確率は35%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各当たり図柄乱数判定テーブル111において異なる大当たり図柄が決定されるようになっているが、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図166(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112については説明を省略する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(図166(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(図166(c)参照)。
そして、図166(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、図166(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、図166(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、図167(a)~(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(図167(a)~(e)参照)。
そして、図167(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、図167(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、図167(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、図167(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、図167(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図168(a)及び(b)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、時短遊技状態において特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gが設けられている。
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの当選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(図168(a)及び(b)参照)。
そして、図168(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「A1H」という変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「A2H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「A3H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、図168(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~699であった場合に、「A2H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が700~2038であった場合に、「A3H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの当選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図169(a)~(h)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g及び第32変動テーブル114hについて説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、図169(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、図169(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
また、図169(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、図169(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図169参照)。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(図170(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
たとえば、決定された変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」であった場合には、変動モード番号「02H」に対応して「15秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「06H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「75秒(=15秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
また、決定された変動モード番号が「A3H」及び変動パターン番号が「A7H」であった場合には、変動モード番号「A3H」に対応して「30秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「A7H」に対応して「120秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「150秒(=30秒+120秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
なお、図170(a)に示すように、「00H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(図167及び図168参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図171(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2又はX4が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3作動テーブル116cと、が設けられている。
具体的には、特別図柄X1が決定されると、図171(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
特別図柄X2又はX4が決定されると、図171(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数が上述のように設定されているため、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X2又はX4が決定された場合よりも、特別図柄X1が決定された場合の方が多くなっている。
特別図柄X3が決定されると、図171(c)に示すように、第3作動テーブル116cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル116cによれば、大入賞口18が0.5秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が2回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、インターバル時間は0.1秒に設定されている。
なお、特別図柄X3の決定に基づく特別遊技においては、各ラウンド遊技中に大入賞口18が0.5秒しか開放されないため、当該ラウンド遊技中に遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pには、図172に示すように、遊技状態設定テーブル117として、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル117aと、特別図柄X4が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル117bと、が設けられている。
具体的には、図172(a)に示すように、特別図柄X1、X2又はX3が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)が10000回に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)が10000回に設定される。すなわち、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合に実行される特別遊技の終了後は、遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され(高確率時短遊技状態へ移行し)、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/58.6となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
また、図172(b)に示すように、特別図柄X4が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、時短回数が30回に設定される。すなわち、特別図柄X4が決定された場合に実行される特別遊技の終了後は、遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たりの抽選の結果が30回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。
そして、上述の特別遊技が終了して遊技状態が低確率時短遊技状態に設定された場合、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、30回の大当たりの抽選の結果がすべてハズレとなると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されるため、遊技状態は通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、上述のように、特別図柄X3が決定された場合には、特別遊技中において、大入賞口18が0.5秒開放されるラウンド遊技が2回実行されるが、この特別遊技は極めて短い時間で終了することとなる。また、特別図柄X3が決定された場合には、演出表示装置21において、後述する演出図柄50による大当たりの当選の報知や特別遊技の実行に伴う演出が行われない。そのため、大当たりに当選し特別図柄X3が決定された旨、及び、特別図柄X3の決定に基づく特別遊技の実行を把握困難となっており、変動演出が終了した後に、突然、高確率時短遊技状態へ移行したような印象を遊技者に与えることができるようになっている。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図173(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図174に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(図162参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、図175に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図175に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図176のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図177のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図178のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図179のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図180のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図181のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図182のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図183のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、図184のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図185のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図186のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(特別図柄X1、X2、X3又はX4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X3であれば、ラウンド数として「2」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態及び停止表示されたハズレ図柄の種別(特別図柄Y1又はY2)を副制御基板300に伝達するための遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図187のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図188のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。
具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄が特別図柄X1、X2又はX3の場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「10000」をセットする。また、大当たり図柄が特別図柄X4の場合には、高確遊技フラグをオフにし、時短遊技フラグをオンとするとともに、時短回数に「30」をセットする。
そして、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、時短遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図189のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図190のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図191のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図192のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図193のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、及び所定の画像の表示とともに出力され得る音声の出力態様を特定画像の表示により視覚化する視覚化演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始され(図194(a)及び(b)参照)、その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図194(c)~(e)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図194(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまで(後述するリーチ表示の有無が報知されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、第2停止図柄が停止表示されてから(リーチ表示の有無が報知されてから)第3停止図柄が停止表示されるまで(演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
そして、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(リーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
たとえば、リーチ変動パターンとしては、特に図示していないが、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後に、リーチ表示が行われる擬似連リーチパターン、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間の所定時点において所定のカットイン画像が表示され、その後、リーチ表示が行われるカットイン表示リーチパターン等が設けられている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、これらのリーチ変動パターンについて、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンに応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
また、リーチ変動パターンにおいては、また、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
また、上述のいわゆる擬似連演出、カットイン画像の表示等は、リーチ変動パターンのみならず、リーチなし変動パターンにおいても実行される場合があるように設定してもよい。すなわち、擬似連演出が実行されたもののリーチ表示が行われない場合、カットイン画像が表示されたもののリーチ表示が行われない場合等を設けてもよい。
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21の表示部21aに所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展ありパターン、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なしパターンが設けられている。発展ありパターンは、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、特に図示していないが、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される通常ハズレ変動パターンが設けられている。
また、発展なしパターン、発展ありパターン及び通常ハズレパターンの態様は複数種類設けられており、停止表示される演出図柄50の種類、発展演出画像の種類等が種々設定されている。
また、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で前半変動演出乱数、後半変動演出乱数(演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び取得された前半変動演出乱数、後半変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に基づいて(変動モードコマンド、変動パターンコマンドを参照して)、最終的に停止表示させる演出図柄50も決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行され、また、上述のように決定された演出図柄50が停止表示することとなる。
(演出図柄50に係る画像データの概要)
上述のように、画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景、変動演出におけるカットイン画像や発展演出画像等の画像データが多数格納されている。以下では、演出図柄50の画像データについて説明する。
本形態にパチンコ機Pでは、特に図示していないが、演出図柄50として、「1」~「9」までの数字を示す数字図柄51が設けられている。
数字図柄51は、「1」~「9」までの数字を象ったケース状の立体画像(立体オブジェクト)となっている。また、数字図柄51の数字部分(後述する数字板53a,53bにより構成される部分)には、3種類の大きさ(小サイズ、中サイズ、大サイズ)の多数の星や土星、月、太陽等が配置された宇宙空間を表現したデザインが施されている(図197(a)~(c)参照)。すなわち、数字図柄51の数字部分からは、宇宙空間を表現したデザインを視認することができるようになっている(図197(a)~(c)参照)。
そして、変動演出が開始されると、前回停止した数字図柄51が下方へ向けてスクロールする表示が開始された後、数字図柄51が高速でスクロールする表示が行われ、その後、当該スクロールする表示のスピードが次第に遅くなり、大当たりの抽選の結果等に応じて決定されたいずれかの数字図柄51が停止する表示が行われる。また、数字図柄51の停止中は、数字図柄51の左右方向の中央を縦断する中心線C(図197(b)参照)を回転軸として左右方向に揺動する表示が行われるようになっている(図197(a)~(c)参照)。
また、画像制御基板のROMには、上述のような数字図柄51の表示を行うための画像データとして、各数字図柄51ごとに、変動が開始してから各数字図柄51が停止するまでの一連の表示を行うための変動中画像データ、各数字図柄51の停止中の表示(上述の揺動する表示)を行うための停止中画像データ等が格納されている。
具体的には、各数字図柄51の変動中画像データは、前回停止表示された数字図柄51が下方へ向けてスクロールを開始した後、数字図柄51が高速でスクロールし、その後、スクロールのスピードが次第に遅くなり数字図柄51が停止する旨を表した動画像(アニメーションムービー)が記憶されたものである。また、各数字図柄51の停止中画像データは、数字図柄51の中心線を回転軸として左右方向に揺動する旨を表した動画像が記憶されたものである。
サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じて最終的に停止表示させる数字図柄51及び変動演出の態様を決定すると、変動演出実行コマンドを画像制御基板に送信する。画像制御基板のCPUは、画像制御基板から送信された変動演出実行コマンドに基づき、対応する変動中画像データ及び停止中画像データを画像制御基板のROMから取得し、これらの画像データを再生することにより、変動が開始してから当該決定された数字図柄51が停止するまで、及び当該数字図柄51の停止中の一連の表示が行われる。
ここで、上述の変動中画像データ及び停止中画像データを構成する各数字図柄51の画像は、仮想的に所定の距離をおいて重ねて配置された複数階層の表示レイヤ上にそれぞれ描画された複数の画像により構成されている。
具体的には、図195に示すように、各数字図柄51の画像は、最も前面側に位置する第1表示レイヤ52a上に描画された「1」~「9」までの数字を象った立体形状のケース画像53(立体画像、立体オブジェクト)、第1表示レイヤ52aの背面側に位置する第2表示レイヤ52b上に描画された小サイズの多数の星画像、第2表示レイヤ52bの背面側に位置する第3表示レイヤ52c上に描画された中サイズの多数の星画像、第3表示レイヤ52cの背面側に位置する第4表示レイヤ52d上に描画された大サイズの多数の星画像、第4表示レイヤ52dの背面側に位置する第5表示レイヤ52e上に横並びに描画された土星、月、太陽の各画像から構成されている。
上述のケース画像53は、正面側及び背面側に配置され所定の数字が象られた一対の数字板53a,53b、及びこれらの数字板53a,53bの周囲を取り囲むように配置された側板53cにより構成されている(図197(a)~(c)参照)。また、数字板53a,53bは、透過するように設定された透過画像(透過オブジェクト)となっており、この数字板53a,53bを介して背面側に位置する表示レイヤ上の各種画像を視認できるようになっている。これに対して、側板53cは、透過しないように設定された非透過画像(非透過オブジェクト)となっており、この側板53cを介しては背面側に位置する表示レイヤ上の各種画像を視認できないようになっている。
また、所定の表示レイヤ上に表示された画像とこれによりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像とが重ならない場合には、ケース画像53における数字板53a,53bを介していずれの画像も視認することができる。これに対して、所定の表示レイヤ上に表示された画像とこれよりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像とが重なる場合には、当該所定の表示レイヤ上に表示された画像のうち、これよりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像と重なる部分については、前面側の表示レイヤ上に表示された画像の裏側に隠れることとなり、ケース画像53における数字板53a,53bを介して視認することができない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、数字図柄51の数字部分に、3種類の大きさの多数の星や土星、月、太陽等が配置された宇宙空間が表現されるようになっている。
また、上述の表示レイヤは互いに所定の距離をおいて重ねて配置されており、表示レイヤが背面側になればなるほど各種画像が奥側に表示され、さらに、別個の表示レイヤに大きさの異なる星を描画したことにより、奥行きが表現されるようになっている。これにより、遊技者が数字図柄51を視認した際に、当該数字図柄51の数字部分の奥側に、仮想的に奥行きのある宇宙空間が広がっているような印象を抱かせることができる。
また、停止中画像データに記憶された動画像は、数字図柄51を構成するケース画像53を、上述の中心線を回転軸として左右方向に揺動させる(すなわち、第1表示レイヤ52aを左右方向に揺動させる)ことにより構成されている。これにより、数字図柄51が左右方向に揺動する旨が表現されるようになっている。
ここで、上述の動画像においては、ケース画像53の左右方向への揺動に同期して、ケース画像53よりも背面側の第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dに表示された星の画像も左右方向に(ケース画像53と同方向及び同角度)揺動させる(すなわち、第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dを左右方向に揺動させる)ものの、最も背面側の第5表示レイヤ52eに表示された土星、月、太陽の各画像は揺動させず(すなわち、第5表示レイヤ52eは揺動させず)固定されたままとなっている(図196(a)~(c)参照)。
これにより、ケース画像53が左右方向へ揺動すると、これに併せて同方向及び同角度だけ第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dに表示された星の画像も揺動することとなるため、ケース画像53における数字板53a,53bを介して視認可能な星の画像は常に同一のものとなる。これに対して、第5表示レイヤ52eは左右方向に揺動せず、この第5表示レイヤ52eに表示された土星、月、太陽の各画像の位置は固定されたままであるため、ケース画像53が左右方向へ揺動することにより、数字板53a,53bを介して視認可能となる第5表示レイヤ52eの範囲が変化することとなる。すなわち、ケース画像53が左右方向へ揺動することにより、第5表示レイヤ52eに表示されている土星、月、太陽の各画像が相対的に移動しているように視認されることとなる。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、第5表示レイヤ52eには、左から順に土星、月、太陽の各画像が横並びとなるように描画されている。数字図柄51を構成するケース画像53が真正面を向いているときには、数字板53a,53bの中央上部の奥側に月の画像が表示されるとともに、数字板53a,53bの左上部の奥側に土星の画像の右半分が表示され、数字板53a,53bの右上部の奥側に太陽の画像の左半分が表示される(図197(b)参照)。
そして、ケース画像53が右方向に揺動すると、数字板53a,53bを介して視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲は、ケース画像53が真正面を向いているときに視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲よりも左側となる。すなわち、ケース画像53が真正面から右方向に揺動するに連れて、数字板53a,53bを介して視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲が左方向へ移動することにより、第5表示レイヤ52eに表示されている土星、月、太陽の各画像は相対的に右方向へ移動するように視認されることとなる。
これにより、ケース画像53が真正面から右方向に揺動すると、数字板53a,53bの右上部の奥側に左半分だけ表示されていた太陽の画像は次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には視認可能な範囲から外れることで視認不可となる(図197(a)参照)。また、数字板53a,53bの中央上部の奥側に表示されていた月の画像も次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には数字板53a,53bの右上部の奥側において視認されることとなる(図197(a)参照)。さらに、数字板53a,53bの左上部の奥側に右半分だけ表示されていた土星の画像も次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には土星の画像の全体が視認可能な範囲に含まれることとなり、数字板53a,53bの中央上部付近の奥側において視認されることとなる(図197(a)参照)。
これに対して、ケース画像53が真正面から左方向に揺動すると、数字板53a,53bの左上部の奥側に右半分だけ表示されていた土星の画像は次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には視認可能な範囲から外れることで視認不可となる(図197(c)参照)。また、数字板53a,53bの中央上部の奥側に表示されていた月の画像も次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には数字板53a,53bの左上部の奥側において視認されることとなる(図197(c)参照)。さらに、数字板53a,53bの右上部の奥側に左半分だけ表示されていた太陽の画像も次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には太陽の画像の全体が視認可能な範囲に含まれることとなり、数字板53a,53bの中央上部付近の奥側において視認されることとなる(図197(c)参照)。
以上のように、停止中画像データにおいては、重ねて配置された数字図柄51を構成するケース画像53、星の画像、及び土星、月、太陽の画像のうち、ケース画像53及び星の画像は左右方向に揺動するものの、土星、月、太陽の画像は揺動しないように設定されている。これにより、数字図柄51が左右方向へ揺動する旨が表示されるとともに、ケース画像53が左右方向へ揺動したときには、数字板53a,53bを介して常に同一の星の画像が視認されるものの、土星、月、太陽の画像はケース画像53の揺動に伴って移動するように視認されることとなる。したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、新しい視認態様の数字図柄51による変動演出を実行することができ、斬新な演出表現を実現可能となる。
(変形例)
なお、上述では、数字図柄51の停止中は左右方向に揺動する表示が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、数字図柄51の上下方向の中央を横断する中心線を回転軸として上下方向に揺動する表示が行われるようにしてもよい。そして、このようにした場合であっても、数字図柄51を構成するケース画像53、星の画像、及び土星、月、太陽の各画像の揺動の有無については、上述と同様に設定することができる。このように設定した場合も、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述のような画像の配置や表示動作(揺動)の設定については、数字図柄51(演出図柄50)のみならず、他の画像について行ってもよい。たとえば、所定のウィンドウ画像の奥側に各種画像が視認可能であって、当該ウィンドウ画像がガタガタと揺れるような表示が行われるとともに、当該ウィンドウ画像の奥側に視認される画像も同期して揺れるような表示を行う場合には、上述と同様の画像の配置や表示動作の設定を行うことができる。このように設定した場合にも、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、図198(b)~(c)に示すように、所定の演出(たとえば、リーチ発展演出)の実行中には、演出表示装置21の表示部21aの右上隅において小さいサイズの数字図柄51による変動演出が実行されるようになっているが、この小さいサイズの数字図柄51に関しても、上述のような画像の配置や表示動作を設定してもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50として数字図柄51が設けられていたが、演出図柄50の種類としてはこれに限定されるものではない。たとえば、擬似連演出の実行や大当たりの当選の可能性が高い旨を示す特定の演出状態(いわゆるゾーン)への移行等を示唆し所定のキャラクター図形から構成される特殊図柄(特に図示しておらず)等が設けてもよく、この特殊図柄に関しても、上述のような画像の配置や表示動作を設定してもよい。
(視覚化演出の概要)
視覚化演出は、所定の画像の表示とともに出力され得る音声の出力態様を特定画像の表示により視覚化するものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出中に実行される所定のリーチ発展演出において視覚化演出を実行可能となっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ発展演出として、所定のキャラクターが多数の追手から逃走する第1の発展演出画像が表示された後、追手からの追走を交わし物陰に隠れる第2の発展演出画像が表示されるストーリー演出を実行可能となっている(図198(a)~(c)参照)。このストーリー演出では、第1の発展演出画像の表示中には、キャラクターが逃走中であるというシーンの演出効果を高めるために音声出力装置10により所定のBGMが出力されるものの、第2の発展演出画像の表示中には(第1の発展演出画像が表示されなくなると)、キャラクターが物陰に隠れているというシーンの演出効果を高めるために一切のBGMが出力されない(すなわち、無音状態となる)ように設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、このストーリー演出中に上述の視覚化演出が実行される。具体的には、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中には、この第1の発展演出画像に重ねて、所定のBGMが出力されている旨を示す特定画像としての第1の波形画像H1が演出表示装置21の表示部21aに表示され、一切のBGMが出力されず無音状態となる第2の発展演出画像の表示中には(所定のBGMが出力されなくなるとともに第1の発展演出画像が表示されなくなると)、この第2の発展演出画像に重ねて、無音状態である旨を示す特定画像としての第2の波形画像H2が演出表示装置21の表示部21aに表示される(図198(b)~(i)参照)。第1の波形画像H1は、相対的に振幅が大きい波形の画像となっており、第2の波形画像H2は、相対的に振幅が小さい波形の画像となっている(図198(b)~(i)参照)。そして、これらの波形画像は、演出の進行に併せて、演出表示装置21の表示部21aの左方から右方に向けて振幅線が流れる(移動する)ように表示される(図198(b)~(i)参照)。すなわち、本形態では、上述の波形画像により、所定期間の各時点で出力される音の可聴周波数又は音量値等が時間経過に伴って変化する旨が表現されるようになっている。
なお、第2の波形画像H2は、第1の発展演出画像の表示が終了し第2の発展演出画像の表示に切り替わった際には、第1の発展演出画像の表示に伴って表示されていた第1の波形画像H1の末端と繋がらないように非連続的に表示してもよいし(図198参照)、第1の波形画像H1の末端と繋がるように連続的に表示する(すなわち、第1の波形画像H1から唐突に第2の波形画像H2に切り替わる)ようにしてもよい。後者のようにした場合には、無音状態に切り替わった旨を遊技者により強く意識付けることができる。
また、一切のBGMが出力されず無音状態となる第2の発展演出画像の表示中には、継続して(表示部21の左端から右端に至るまで常に)第2の波形画像H2が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、無音状態である旨を遊技者により効果的に認識させることができる。
また、第1の波形画像H1は、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中に常に表示してもよいし、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中における所定期間(たとえば、当該表示の終盤(当該表示が終了する所定時間前から当該表示が終了する時点まで))においてのみ表示するようにしてもよい。
なお、上述の波形画像としては、所定の音声データ(たとえば、所定のBGMが記録された音声データ、いかなるBGMも含まれておらず自然発生している音(環境音)、機械音、ノイズ等のみを記録した音声データ等)を、予め定められた変換ロジック(たとえば、音声データにおける所定時間(たとえば、1m秒等)ごとに発生する音声の音量の相対値をプロットする、音声データにおける所定時間ごとに発生する音声の音程の相対値をプロットする等)に基づいて変換することにより形成された画像等を用いることができる。
具体的には、音声データを、予め定められた変換ロジックに基づいて所定の波形画像に変換するアプリケーションソフトウェアに対して、所定の音声データを入力することで波形画像を形成し、この形成された波形画像を上述の視覚化演出の特定画像として用いることができる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のストーリー演出においては、所定のBGMが出力されている期間(第1の発展演出画像の表示中)には相対的に振幅が大きい波形の第1の波形画像H1(特定画像)が表示され、BGMが一切出力されていない期間(第2の発展演出画像の表示中)には(所定のBGMが出力されなくなり、第1の発展演出画像が表示されなくなると)相対的に振幅が小さい波形の第2の波形画像H1(特定画像)が表示される視覚化演出が実行される。これにより、音声の出力態様の相違(すなわちBGMが出力されている状態及びBGMが一切出力されていない状態)を、表示される波形画像によって把握することができる。
また、たとえば、各種演出中に出力される音声がかき消される程の大音量でホール内に音楽を流す等、ホール環境によっては各種演出中における音声の出力の有無を把握困難な場合があるものの、上述のストーリー演出では、BGMが一切出力されていない無音状態中も上述の視覚化演出が実行されることにより上述の波形画像が表示されるため、この波形画像を視認させることで当該無音状態である旨を遊技者に把握させることができ、無音状態中における演出効果を高めることができる。
(変形例)
なお、上述の視覚化演出は、上述のストーリー演出のみならず、演出の進行に伴って音声の出力態様が変化する演出において実行してもよい。すなわち、音声の出力態様が変化する前においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像(特定画像)を表示し、音声の出力態様が変化した後においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合にも、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述の視覚化演出では、所定のBGMが出力されている状態及びBGMが一切出力されていない状態(無音状態)を対象として、上述の波形画像(特定画像)を表示するようになっていたが、波形画像を表示する対象はこれに限定されるものではない。
たとえば、所定のBGMが相対的に大きい音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に小さい音量で出力されている状態(所定のBGMが相対的に大きい音量で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力音量の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが所定の音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが出力されているものの音量がゼロとなっている状態(すなわち、消音状態)や所定のBGMが聞き取りづらいレベルの音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合にも、所定のBGMの出力音量の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが相対的に高い音程で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に低い音程で出力されている状態(所定のBGMが相対的に高い音程で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力音程の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが相対的に速いテンポで出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に遅いテンポで出力されている状態(所定のBGMが相対的に速いテンポで出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力テンポの相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが所定の音色(たとえば、ピアノの音色等)で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが上述の所定の音色と異なる音色(たとえば、ギターの音色等)で出力されている状態(所定のBGMが所定の音色で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの音色の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述の視覚化演出が対象とする音声はBGMとなっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、所定のセリフ音声や所定の効果音(たとえば、大入賞口18へ遊技球が入球したときに出力される効果音等)を対象として上述の視覚化演出を実行してもよい。
たとえば、所定のキャラクターが所定のセリフを話している状態(すなわち、所定のセリフ音声が音声出力装置10により出力されている状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のキャラクターが一切のセリフを話していない状態(すなわち、一切のセリフ音声が音声出力装置10により出力されていない状態(いわゆる無言状態))においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、セリフ音声の出力の有無を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述のBGMと同様に、セリフ音声の種類の相違(たとえば、男性の音声、女性の音声等)、セリフ音声の出力音量の相違、セリフ音声の出力音程の相違(たとえば、高音の音声、低音の音声等)、セリフ音声の出力テンポの相違等に基づいて、それぞれ異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、所定の効果音を出力している状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定の効果音を出力していない状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定の効果音の出力の有無を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述のBGMやセリフ音声と同様に、効果音の種類の相違、効果音の出力音程の相違、効果音の出力音量の相違、効果音の出力テンポの相違等に基づいて、それぞれ異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力のいずれか一方のみが実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて、BGMの出力に対応する波形画像(たとえば、赤色の波形画像等)とセリフ音声の出力に対応する波形画像(たとえば、青色の波形画等像)とをそれぞれ別個に表示し、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力のいずれか一方のみが実行されている状態(所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて実行されている出力に対応する波形画像のみを表示するようにしてもよい。
以上のようにした場合には、出力されている音声の数の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述の視覚化演出は、大当たりの当選の期待度に応じて実行可能性や実行態様が異なるように設定してもよい。
たとえば、大当たりの当選の期待度が高い変動演出が実行される場合には、当該変動演出中に実行される所定の演出(たとえば、リーチ発展演出)において視覚化演出が実行される可能性が高いものの、大当たりの当選の期待度が低い変動演出が実行される場合には、当該変動演出中に実行される所定の演出において視覚化演出が実行される可能性が低いように設定することができる。
また、大当たりの当選の期待度が低い変動演出が実行される場合には、上述のストーリー演出において実行される視覚化演出の波形画像が通常の色(たとえば、白色)で表示される可能性が高いものの、大当たりの当選の期待度が高い変動演出が実行される場合には、視覚化演出の波形画像が特殊な色(たとえば、青色、赤色等)で表示される可能性が高いように設定することができる。
このように設定した場合には、視覚化演出の実行の有無や実行態様によって大当たりの当選の期待度を示唆することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の視覚化演出で表示される特定画像は、波形画像に限定されるものではなく、たとえば、音声の出力に応じて長さが変化するゲージ画像(いわゆるグラフィックイコライザーで使用され、音声の出力に伴って動的に変化するゲージ画像)や、音声の出力に応じて表示される同心円の数が変化する波紋画像、音声の出力に応じて表示内容(文字、記号等)が変化するふきだし画像等としてもよい。
また、所定の演出の実行中に視覚化演出を実行するように設定されているときには、所定の演出において表示される所定画像のデータと、視覚化演出で表示される波形画像のデータとをそれぞれ別個のデータとして設け、所定の演出及び視覚化演出を実行する際には、各画像データをそれぞれ別個に読み出して再生するようにしてもよい。また、別個のデータとするのではなく、所定画像が表示され、かつ所定画像に重ねて波形画像が表示されるという一連の表示を行うための1個の画像データを設け、所定の演出及び視覚化演出を実行する際には、当該画像データのみを読み出して再生するようにしてもよい。
また、視覚化演出は、音声の出力態様を視覚化するものに限定されず、たとえば、背景画像や演出状態の表示を特定画像により視覚化するものであってもよい。
たとえば、背景画像として、通常遊技状態中である旨を示す通常背景画像、高確率時短遊技状態中である旨を示す高確時短背景画像を備えている場合において、高確時短背景画像が表示されている状態においては、当該高確時短背景画像に重ねて所定の特定画像(波形画像等)を表示し、通常背景画像が表示されている状態(高確時短背景画像が表示されていない状態)においては、当該通常背景画像に重ねて上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、変動演出中に演出を盛り上げるための所定のランプが種々の態様で点灯するようになっている場合において、当該所定のランプが所定の態様で点灯している状態においては、所定の特定画像(波形画像等)を表示し、当該所定のランプが上述の所定の態様と異なる態様で点灯している状態や、当該所定のランプが消灯している状態においては(所定のランプが所定の態様で点灯していない状態においては)、上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
また、演出状態として、大当たりの当選の期待度が相対的に低い第1特殊演出状態と、大当たりの当選の期待度が相対的に高い第2特殊演出状態とを備え、第1特殊演出状態中はその旨を示す第1特殊画像が表示され、第2特殊演出状態中はその旨を示す第2特殊画像が表示されるように設定されている場合において、第1特殊画像が表示されている状態においては、当該第1特殊画像に重ねて所定の特定画像(波形画像等)を表示し、第2特殊画像が表示されている状態(第1特殊画像が表示されていない状態)においては、当該第2特殊画像に重ねて上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
このようにした場合には、背景画像の表示態様の相違、ランプの点灯態様の相違、滞在している演出状態の相違等を、特定画像によっても把握することができる。
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図199に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図200に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、図200に示すタイマ割込処理を開始する。
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、図201のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル、上述のステップ2200で取得した変動演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)、並びに、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に基づいて最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
ステップ2202において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様、及び最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。たとえば、画像制御基板においては、画像制御基板のCPUが、上述のように決定された変動演出の態様、及び最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)に関する画像データを画像制御基板のROMから読み出し、画像制御基板のVRAMに記憶する。これにより、当該画像データに基づく画像が再生され変動演出が実行されることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
なお、上述の実施の形態は、パチンコ機以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンや、遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット(登録商標)遊技機等において用いられる画像について、上述の実施の形態と同様の配置や表示動作の設定を行ってもよい。また、所定の演出を実行する際に、上述の実施の形態と同様の視覚化演出が実行されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態における演出表示装置21は、本発明の表示手段に相当する。また、上述の実施の形態における演出表示装置21、音声出力装置10は、本発明の演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるストーリー演出で表示される第1の発展演出画像は、本発明の所定の演出画像に相当する。また、上述の実施の形態におけるストーリー演出での所定のBGMの出力は、本発明の所定の演出に相当する。また、上述の実施の形態における視覚化演出で表示される第1の波形画像H1は、本発明の第1の特定画像に相当する。また、上述の実施の形態における視覚化演出で表示される第2の波形画像H2は、本発明の第2の特定画像に相当する。また、上述の実施の形態における音声出力装置10は、本発明の音声出力手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるストーリー演出で出力される所定のBGMは、本発明の所定の音声に相当する。
また、所定の演出画像としては、所定の表示装置の表示部に表示される背景画像、当該背景画像に重ねて表示可能であって大当たりの抽選の結果を報知する演出図柄の画像、当該背景画像に重ねて表示可能であって大当たりの抽選に基づく変動が保留されていることを示す保留画像、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出において表示される各種画像(大当たりに当選している旨の期待度を示唆する予告画像、リーチ表示が行われた後に表示される発展演出画像等)、保留が行われてから当該保留に基づく変動演出の開始前に実行可能な先読み演出において表示される各種画像(大当たり当選の期待度が高い旨を示す特殊画像(ゾーン画像)等)が挙げられる。
また、所定の演出としては、所定の音声を出力する演出、所定の背景画像を表示する演出、所定のランプを点灯する演出等が挙げられる。
また、「所定の演出の実行状態が変化する」とは、所定の演出が実行されなくなったこと、所定の演出が実行されているものの当該所定の演出の実行を認識し得ない状態となったこと、所定の演出が実行されているものの当該所定の演出の実行を認識し難い状態となったこと等が挙げられる。
また、「所定の音声の出力状態が変化する」とは、所定の音声が出力されなくなったこと、所定の音声が出力されているものの当該所定の音声を聴認し得ない状態(すなわち、当該所定の音声の出力音量がゼロ)となったこと、所定の音声が出力されているものの当該所定の音声を聴認し難い状態(すなわち、当該所定の音声の出力音量が聞き取りづらいレベルの音量)となったこと等が挙げられる。
(第5の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図202又は図203に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図203に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図202参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図204に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図204に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
一般入賞口14は、図204に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図204に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図204に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図204に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
ゲート20は、図204に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図204に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図204に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
アウト口19は、図204に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図204に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図202参照)を備えている。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図204に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図202に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図205に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図205に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、図205に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図205に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図205に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図205に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図205に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、図205に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図205に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景、各種演出で用いられる所定の画像(たとえば、変動演出におけるカットイン画像や発展演出画像等)の画像データが多数格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
たとえば、変動演出を実行する場合には、副制御基板300のサブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じて変動演出の実行態様(停止表示させる演出図柄50の種類、変動演出中に表示する各種画像の種類等)を決定し、当該決定された実行態様による変動演出を実行し、かつ演出図柄50を停止表示させるためのコマンド(以下、変動演出実行コマンドという)を画像制御基板に送信する。そして、副制御基板300から送信された変動演出実行コマンドに基づき、画像制御基板のCPUが、画像制御基板のROMに格納されている画像データを読み出しVRAMに記憶することにより、当該画像データに基づく画像が再生され変動演出が実行されることとなる。
なお、上述の画像データは、画像制御基板のROMに格納するのではなく、副制御基板300のサブROM302に格納してもよい。そして、演出表示装置21に各種画像を表示する場合には、副制御基板300から対応する画像データを画像制御基板に送信し、受信した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御してもよい。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドROM、デコーダ、出力インターフェース、CPU、RAM、タイマカウンタ等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM(以下、音声等という)のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300のサブCPU301が送信するコマンドを受信すると、デコーダが、受信したコマンドに対応するサウンドデータをサウンドROMから読み出し復号化(デコード)する。このデコーダは、音声等を出力するためのチャンネルを所定数(本形態では40個)備えており、所定数の種類の音声等をそれぞれ独立して同時に出力することができるようになっている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各種演出において出力される音声等の種類ごとに、当該音声等の出力に使用するチャンネルが予め対応付けられている。これにより、音声等は予め対応付けられたチャンネルにより出力されるようになっている。そして、デコーダの各チャンネルにおいて復号化されたサウンドデータがアナログデータに変換され、このアナログデータに基づいて、所定の音声が出力インタフェースを介して音声出力装置10から出力されることとなる。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図206(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
図206(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~999、1220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
また、図206(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~999、2120~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図207(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として4種類の特別図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
図207(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~79であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が80~109であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が110~129であった場合に特別図柄X3が決定され、当たり図柄乱数が130~199であった場合に特別図柄X4が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は40%、特別図柄X2が決定される確率は15%、特別図柄X3が決定される確率は10%、特別図柄X4が決定される確率は35%となっている。
また、図207(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~89であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が90~129であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が130~199であった場合に特別図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は45%、特別図柄X2が決定される確率は20%、特別図柄X4が決定される確率は35%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各当たり図柄乱数判定テーブル111において異なる大当たり図柄が決定されるようになっているが、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図208(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112については説明を省略する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(図208(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(図208(c)参照)。
そして、図208(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、図208(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、図208(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、図209(a)~(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(図209(a)~(e)参照)。
そして、図209(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、図209(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、図209(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、図209(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、図209(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図210(a)及び(b)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、時短遊技状態において特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gが設けられている。
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの当選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(図210(a)及び(b)参照)。
そして、図210(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「A1H」という変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「A2H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「A3H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、図210(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~699であった場合に、「A2H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が700~2038であった場合に、「A3H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの当選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図211(a)~(h)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g及び第32変動テーブル114hについて説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、図211(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、図211(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
また、図211(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、図211(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図211参照)。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(図212(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
たとえば、決定された変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」であった場合には、変動モード番号「02H」に対応して「15秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「06H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「75秒(=15秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
また、決定された変動モード番号が「A3H」及び変動パターン番号が「A7H」であった場合には、変動モード番号「A3H」に対応して「30秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「A7H」に対応して「120秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「150秒(=30秒+120秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
なお、図212(a)に示すように、「00H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(図209及び図210参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図213(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2又はX4が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3作動テーブル116cと、が設けられている。
具体的には、特別図柄X1が決定されると、図213(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
特別図柄X2又はX4が決定されると、図213(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数が上述のように設定されているため、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X2又はX4が決定された場合よりも、特別図柄X1が決定された場合の方が多くなっている。
特別図柄X3が決定されると、図213(c)に示すように、第3作動テーブル116cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル116cによれば、大入賞口18が0.5秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が2回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、インターバル時間は0.1秒に設定されている。
なお、特別図柄X3の決定に基づく特別遊技においては、各ラウンド遊技中に大入賞口18が0.5秒しか開放されないため、当該ラウンド遊技中に遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pには、図214に示すように、遊技状態設定テーブル117として、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル117aと、特別図柄X4が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル117bと、が設けられている。
具体的には、図214(a)に示すように、特別図柄X1、X2又はX3が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)が10000回に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)が10000回に設定される。すなわち、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合に実行される特別遊技の終了後は、遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され(高確率時短遊技状態へ移行し)、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/58.6となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
また、図214(b)に示すように、特別図柄X4が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、時短回数が30回に設定される。すなわち、特別図柄X4が決定された場合に実行される特別遊技の終了後は、遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たりの抽選の結果が30回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。
そして、上述の特別遊技が終了して遊技状態が低確率時短遊技状態に設定された場合、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、30回の大当たりの抽選の結果がすべてハズレとなると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されるため、遊技状態は通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、上述のように、特別図柄X3が決定された場合には、特別遊技中において、大入賞口18が0.5秒開放されるラウンド遊技が2回実行されるが、この特別遊技は極めて短い時間で終了することとなる。また、特別図柄X3が決定された場合には、演出表示装置21において、後述する演出図柄50による大当たりの当選の報知や特別遊技の実行に伴う演出が行われない。そのため、大当たりに当選し特別図柄X3が決定された旨、及び、特別図柄X3の決定に基づく特別遊技の実行を把握困難となっており、変動演出が終了した後に、突然、高確率時短遊技状態へ移行したような印象を遊技者に与えることができるようになっている。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図215(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図216に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(図204参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、図217に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図217に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図218のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図219のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図220のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図221のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図222のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図223のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図224のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図225のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、図226のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図227のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図228のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(特別図柄X1、X2、X3又はX4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X3であれば、ラウンド数として「2」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態及び停止表示されたハズレ図柄の種別(特別図柄Y1又はY2)を副制御基板300に伝達するための遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図229のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図230のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。
具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄が特別図柄X1、X2又はX3の場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「10000」をセットする。また、大当たり図柄が特別図柄X4の場合には、高確遊技フラグをオフにし、時短遊技フラグをオンとするとともに、時短回数に「30」をセットする。
そして、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、時短遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図231のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図232のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図233のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図234のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図235のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、及び所定の画像の表示とともに出力され得る音声の出力態様を特定画像の表示により視覚化する視覚化演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始され(図236(a)及び(b)参照)、その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図236(c)~(e)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図236(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまで(後述するリーチ表示の有無が報知されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、第2停止図柄が停止表示されてから(リーチ表示の有無が報知されてから)第3停止図柄が停止表示されるまで(演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
そして、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(リーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
たとえば、リーチ変動パターンとしては、特に図示していないが、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後に、リーチ表示が行われる擬似連リーチパターン、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間の所定時点において所定のカットイン画像が表示され、その後、リーチ表示が行われるカットイン表示リーチパターン等が設けられている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、これらのリーチ変動パターンについて、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンに応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
また、リーチ変動パターンにおいては、また、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
また、上述のいわゆる擬似連演出、カットイン画像の表示等は、リーチ変動パターンのみならず、リーチなし変動パターンにおいても実行される場合があるように設定してもよい。すなわち、擬似連演出が実行されたもののリーチ表示が行われない場合、カットイン画像が表示されたもののリーチ表示が行われない場合等を設けてもよい。
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21の表示部21aに所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展ありパターン、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なしパターンが設けられている。発展ありパターンは、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、特に図示していないが、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される通常ハズレ変動パターンが設けられている。
また、発展なしパターン、発展ありパターン及び通常ハズレパターンの態様は複数種類設けられており、停止表示される演出図柄50の種類、発展演出画像の種類等が種々設定されている。
また、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で前半変動演出乱数、後半変動演出乱数(演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び取得された前半変動演出乱数、後半変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に基づいて(変動モードコマンド、変動パターンコマンドを参照して)、最終的に停止表示させる演出図柄50も決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行され、また、上述のように決定された演出図柄50が停止表示することとなる。
(演出図柄50に係る画像データの概要)
上述のように、画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景、変動演出におけるカットイン画像や発展演出画像等の画像データが多数格納されている。以下では、演出図柄50の画像データについて説明する。
本形態にパチンコ機Pでは、特に図示していないが、演出図柄50として、「1」~「9」までの数字を示す数字図柄51が設けられている。
数字図柄51は、「1」~「9」までの数字を象ったケース状の立体画像(立体オブジェクト)となっている。また、数字図柄51の数字部分(後述する数字板53a,53bにより構成される部分)には、3種類の大きさ(小サイズ、中サイズ、大サイズ)の多数の星や土星、月、太陽等が配置された宇宙空間を表現したデザインが施されている(図239(a)~(c)参照)。すなわち、数字図柄51の数字部分からは、宇宙空間を表現したデザインを視認することができるようになっている(図239(a)~(c)参照)。
そして、変動演出が開始されると、前回停止した数字図柄51が下方へ向けてスクロールする表示が開始された後、数字図柄51が高速でスクロールする表示が行われ、その後、当該スクロールする表示のスピードが次第に遅くなり、大当たりの抽選の結果等に応じて決定されたいずれかの数字図柄51が停止する表示が行われる。また、数字図柄51の停止中は、数字図柄51の左右方向の中央を縦断する中心線C(図239(b)参照)を回転軸として左右方向に揺動する表示が行われるようになっている(図239(a)~(c)参照)。
また、画像制御基板のROMには、上述のような数字図柄51の表示を行うための画像データとして、各数字図柄51ごとに、変動が開始してから各数字図柄51が停止するまでの一連の表示を行うための変動中画像データ、各数字図柄51の停止中の表示(上述の揺動する表示)を行うための停止中画像データ等が格納されている。
具体的には、各数字図柄51の変動中画像データは、前回停止表示された数字図柄51が下方へ向けてスクロールを開始した後、数字図柄51が高速でスクロールし、その後、スクロールのスピードが次第に遅くなり数字図柄51が停止する旨を表した動画像(アニメーションムービー)が記憶されたものである。また、各数字図柄51の停止中画像データは、数字図柄51の中心線を回転軸として左右方向に揺動する旨を表した動画像が記憶されたものである。
サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じて最終的に停止表示させる数字図柄51及び変動演出の態様を決定すると、変動演出実行コマンドを画像制御基板に送信する。画像制御基板のCPUは、画像制御基板から送信された変動演出実行コマンドに基づき、対応する変動中画像データ及び停止中画像データを画像制御基板のROMから取得し、これらの画像データを再生することにより、変動が開始してから当該決定された数字図柄51が停止するまで、及び当該数字図柄51の停止中の一連の表示が行われる。
ここで、上述の変動中画像データ及び停止中画像データを構成する各数字図柄51の画像は、仮想的に所定の距離をおいて重ねて配置された複数階層の表示レイヤ上にそれぞれ描画された複数の画像により構成されている。
具体的には、図237に示すように、各数字図柄51の画像は、最も前面側に位置する第1表示レイヤ52a上に描画された「1」~「9」までの数字を象った立体形状のケース画像53(立体画像、立体オブジェクト)、第1表示レイヤ52aの背面側に位置する第2表示レイヤ52b上に描画された小サイズの多数の星画像、第2表示レイヤ52bの背面側に位置する第3表示レイヤ52c上に描画された中サイズの多数の星画像、第3表示レイヤ52cの背面側に位置する第4表示レイヤ52d上に描画された大サイズの多数の星画像、第4表示レイヤ52dの背面側に位置する第5表示レイヤ52e上に横並びに描画された土星、月、太陽の各画像から構成されている。
上述のケース画像53は、正面側及び背面側に配置され所定の数字が象られた一対の数字板53a,53b、及びこれらの数字板53a,53bの周囲を取り囲むように配置された側板53cにより構成されている(図239(a)~(c)参照)。また、数字板53a,53bは、透過するように設定された透過画像(透過オブジェクト)となっており、この数字板53a,53bを介して背面側に位置する表示レイヤ上の各種画像を視認できるようになっている。これに対して、側板53cは、透過しないように設定された非透過画像(非透過オブジェクト)となっており、この側板53cを介しては背面側に位置する表示レイヤ上の各種画像を視認できないようになっている。
また、所定の表示レイヤ上に表示された画像とこれによりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像とが重ならない場合には、ケース画像53における数字板53a,53bを介していずれの画像も視認することができる。これに対して、所定の表示レイヤ上に表示された画像とこれよりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像とが重なる場合には、当該所定の表示レイヤ上に表示された画像のうち、これよりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像と重なる部分については、前面側の表示レイヤ上に表示された画像の裏側に隠れることとなり、ケース画像53における数字板53a,53bを介して視認することができない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、数字図柄51の数字部分に、3種類の大きさの多数の星や土星、月、太陽等が配置された宇宙空間が表現されるようになっている。
また、上述の表示レイヤは互いに所定の距離をおいて重ねて配置されており、表示レイヤが背面側になればなるほど各種画像が奥側に表示され、さらに、別個の表示レイヤに大きさの異なる星を描画したことにより、奥行きが表現されるようになっている。これにより、遊技者が数字図柄51を視認した際に、当該数字図柄51の数字部分の奥側に、仮想的に奥行きのある宇宙空間が広がっているような印象を抱かせることができる。
また、停止中画像データに記憶された動画像は、数字図柄51を構成するケース画像53を、上述の中心線を回転軸として左右方向に揺動させる(すなわち、第1表示レイヤ52aを左右方向に揺動させる)ことにより構成されている。これにより、数字図柄51が左右方向に揺動する旨が表現されるようになっている。
ここで、上述の動画像においては、ケース画像53の左右方向への揺動に同期して、ケース画像53よりも背面側の第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dに表示された星の画像も左右方向に(ケース画像53と同方向及び同角度)揺動させる(すなわち、第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dを左右方向に揺動させる)ものの、最も背面側の第5表示レイヤ52eに表示された土星、月、太陽の各画像は揺動させず(すなわち、第5表示レイヤ52eは揺動させず)固定されたままとなっている(図238(a)~(c)参照)。
これにより、ケース画像53が左右方向へ揺動すると、これに併せて同方向及び同角度だけ第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dに表示された星の画像も揺動することとなるため、ケース画像53における数字板53a,53bを介して視認可能な星の画像は常に同一のものとなる。これに対して、第5表示レイヤ52eは左右方向に揺動せず、この第5表示レイヤ52eに表示された土星、月、太陽の各画像の位置は固定されたままであるため、ケース画像53が左右方向へ揺動することにより、数字板53a,53bを介して視認可能となる第5表示レイヤ52eの範囲が変化することとなる。すなわち、ケース画像53が左右方向へ揺動することにより、第5表示レイヤ52eに表示されている土星、月、太陽の各画像が相対的に移動しているように視認されることとなる。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、第5表示レイヤ52eには、左から順に土星、月、太陽の各画像が横並びとなるように描画されている。数字図柄51を構成するケース画像53が真正面を向いているときには、数字板53a,53bの中央上部の奥側に月の画像が表示されるとともに、数字板53a,53bの左上部の奥側に土星の画像の右半分が表示され、数字板53a,53bの右上部の奥側に太陽の画像の左半分が表示される(図239(b)参照)。
そして、ケース画像53が右方向に揺動すると、数字板53a,53bを介して視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲は、ケース画像53が真正面を向いているときに視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲よりも左側となる。すなわち、ケース画像53が真正面から右方向に揺動するに連れて、数字板53a,53bを介して視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲が左方向へ移動することにより、第5表示レイヤ52eに表示されている土星、月、太陽の各画像は相対的に右方向へ移動するように視認されることとなる。
これにより、ケース画像53が真正面から右方向に揺動すると、数字板53a,53bの右上部の奥側に左半分だけ表示されていた太陽の画像は次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には視認可能な範囲から外れることで視認不可となる(図239(a)参照)。また、数字板53a,53bの中央上部の奥側に表示されていた月の画像も次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には数字板53a,53bの右上部の奥側において視認されることとなる(図239(a)参照)。さらに、数字板53a,53bの左上部の奥側に右半分だけ表示されていた土星の画像も次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には土星の画像の全体が視認可能な範囲に含まれることとなり、数字板53a,53bの中央上部付近の奥側において視認されることとなる(図239(a)参照)。
これに対して、ケース画像53が真正面から左方向に揺動すると、数字板53a,53bの左上部の奥側に右半分だけ表示されていた土星の画像は次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には視認可能な範囲から外れることで視認不可となる(図239(c)参照)。また、数字板53a,53bの中央上部の奥側に表示されていた月の画像も次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には数字板53a,53bの左上部の奥側において視認されることとなる(図239(c)参照)。さらに、数字板53a,53bの右上部の奥側に左半分だけ表示されていた太陽の画像も次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には太陽の画像の全体が視認可能な範囲に含まれることとなり、数字板53a,53bの中央上部付近の奥側において視認されることとなる(図239(c)参照)。
以上のように、停止中画像データにおいては、重ねて配置された数字図柄51を構成するケース画像53、星の画像、及び土星、月、太陽の画像のうち、ケース画像53及び星の画像は左右方向に揺動するものの、土星、月、太陽の画像は揺動しないように設定されている。これにより、数字図柄51が左右方向へ揺動する旨が表示されるとともに、ケース画像53が左右方向へ揺動したときには、数字板53a,53bを介して常に同一の星の画像が視認されるものの、土星、月、太陽の画像はケース画像53の揺動に伴って移動するように視認されることとなる。したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、新しい視認態様の数字図柄51による変動演出を実行することができ、斬新な演出表現を実現可能となる。
(変形例)
なお、上述では、数字図柄51の停止中は左右方向に揺動する表示が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、数字図柄51の上下方向の中央を横断する中心線を回転軸として上下方向に揺動する表示が行われるようにしてもよい。そして、このようにした場合であっても、数字図柄51を構成するケース画像53、星の画像、及び土星、月、太陽の各画像の揺動の有無については、上述と同様に設定することができる。このように設定した場合も、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述のような画像の配置や表示動作(揺動)の設定については、数字図柄51(演出図柄50)のみならず、他の画像について行ってもよい。たとえば、所定のウィンドウ画像の奥側に各種画像が視認可能であって、当該ウィンドウ画像がガタガタと揺れるような表示が行われるとともに、当該ウィンドウ画像の奥側に視認される画像も同期して揺れるような表示を行う場合には、上述と同様の画像の配置や表示動作の設定を行うことができる。このように設定した場合にも、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、図240(b)~(c)に示すように、所定の演出(たとえば、リーチ発展演出)の実行中には、演出表示装置21の表示部21aの右上隅において小さいサイズの数字図柄51(以下、ミニ図柄という)による変動演出が実行されるようになっているが、このミニ図柄に関しても、上述のような画像の配置や表示動作を設定してもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50として数字図柄51が設けられていたが、演出図柄50の種類としてはこれに限定されるものではない。たとえば、擬似連演出の実行や大当たりの当選の可能性が高い旨を示す特定の演出状態(いわゆるゾーン)への移行等を示唆し所定のキャラクター図形から構成される特殊図柄(特に図示しておらず)等が設けてもよく、この特殊図柄に関しても、上述のような画像の配置や表示動作を設定してもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の変動中画像データ及び停止中画像データが、複数の画像を重ねて配置した数字図柄51のデータを1フレームごとに順次表示させるように構成した1の動画データ(又は、表示順序が定められた一連の数字図柄51のデータ)として、画像制御基板のROMに記憶されており、これらのデータが種々のタイミングで当該ROMから読み出されて再生されるようになっていたが、数字図柄51の表示を行うための処理は、これに限定されるものではない。
たとえば、画像制御基板のCPUが、数字図柄51の表示を行う期間における1フレームごとに、上述の複数の画像の重ね合わせを行って当該時点で表示すべき数字図柄51のデータを作成し、1フレームごとに作成された数字図柄51のデータを順次表示するようにしてもよい。
また、画像制御基板のCPUは、演出表示装置21の表示部21a全体に表示される画像データを、1フレームごとに作成するようにしてもよい。
たとえば、変動演出の実行の際には、画像制御基板のCPUは、サブCPU301から受信した変動演出実行コマンドに基づき、画像制御基板のRAMにおける所定の記憶領域により構成されたフレームバッファにおいて、1フレームごとに順次、表示部21a全体に表示される画像データを作成する。この画像データは、フレームバッファ上に構成される複数階層の表示レイヤ上に複数の画像を描画することで作成される。そして、画像制御基板のCPUが、1フレームごとに順次作成した画像データを表示させるための信号を演出表示装置21に送信することで、当該演出表示装置21において上述の画像データが表示され、当該演出表示装置21における表示を進行させるようにしてもよい。
なお、1フレームごとの画像データは、たとえば、背景画像→所定のキャラクターの画像→所定のエフェクト画像→数字図柄51の画像→ミニ図柄の画像→保留画像・・・という順番で、奥側の表示レイヤから前面側の表示レイヤに重ねて配置(描画)することにより、後の順番の画像の方が表示部21aの手前側に表示されるように作成してもよい。
ここで、数字図柄51の画像は、上述のように、複数の画像を重ね合わせることにより奥行きが表現された立体画像となっている。これに対して、数字図柄51以外の各画像は、奥行きのない平面画像となる。すると、上述のような順番で各画像を重ねて配置する場合、数字図柄51は、他の画像に挟まれた中間の表示レイヤ上に配置されているため、数字図柄51の画像を間に挟む複数の画像間に所定の距離が生じているように感じさせる視覚効果が生じることとなる。これにより、表示部21aに表示される画像全体において、奥行きが表現されることとなる。
また、上述の如く、1フレームごとの画像データにおいては、数字図柄51の画像と他の画像(背景画像、所定のキャラクターの画像、保留画像等)とが、それぞれ並行して、対応する表示レイヤ上に描画されるようになっている。そして、数字図柄51の画像が所定の動作(上方向への移動、下方向への移動、左右方向への移動、停止状態の維持等)を行うように表示する場合には、順次表示される1フレームごとの画像データにおいてそれぞれ、上述の所定の動作が表現された数字図柄51の画像を描画してもよい。また、他の表示レイヤ上において、数字図柄51の画像と並行して描画される他の画像も所定の動作を行うように表示する場合には、数字図柄51の画像と同様に、順次表示される1フレームごとの画像データにおいてそれぞれ、上述の所定の動作が表現された他の画像を描画してもよい。
ここで、数字図柄51の画像及び他の画像のいずれについても所定の動作を行うように表示する場合、他の画像の所定の動作の量が、数字図柄51の所定の動作の量よりも少なくなるように表示したときには、数字図柄51の所定の動作の表示が他の画像の所定の動作の表示よりも際立つこととなる。これにより、表示部21aに表示される画像において表現される奥行きをより際立させることができる。
(視覚化演出の概要)
視覚化演出は、所定の画像の表示とともに出力され得る音声の出力態様を特定画像の表示により視覚化するものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出中に実行される所定のリーチ発展演出において視覚化演出を実行可能となっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ発展演出として、所定のキャラクターが多数の追手から逃走する第1の発展演出画像が表示された後、追手からの追走を交わし物陰に隠れる第2の発展演出画像が表示されるストーリー演出を実行可能となっている(図240(a)~(c)参照)。このストーリー演出では、第1の発展演出画像の表示中には、キャラクターが逃走中であるというシーンの演出効果を高めるために音声出力装置10により所定のBGMが出力されるものの、第2の発展演出画像の表示中には(第1の発展演出画像が表示されなくなると)、キャラクターが物陰に隠れているというシーンの演出効果を高めるために一切のBGMが出力されない(すなわち、無音状態となる)ように設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、このストーリー演出中に上述の視覚化演出が実行される。具体的には、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中には、この第1の発展演出画像に重ねて、所定のBGMが出力されている旨を示す特定画像としての第1の波形画像H1が演出表示装置21の表示部21aに表示され、一切のBGMが出力されず無音状態となる第2の発展演出画像の表示中には(所定のBGMが出力されなくなるとともに第1の発展演出画像が表示されなくなると)、この第2の発展演出画像に重ねて、無音状態である旨を示す特定画像としての第2の波形画像H2が演出表示装置21の表示部21aに表示される(図240(b)~(i)参照)。第1の波形画像H1は、相対的に振幅が大きい波形の画像となっており、第2の波形画像H2は、相対的に振幅が小さい波形の画像となっている(図240(b)~(i)参照)。そして、これらの波形画像は、演出の進行に併せて、演出表示装置21の表示部21aの左方から右方に向けて振幅線が流れる(移動する)ように表示される(図240(b)~(i)参照)。すなわち、本形態では、上述の波形画像により、所定期間の各時点で出力される音の可聴周波数又は音量値等が時間経過に伴って変化する旨が表現されるようになっている。
なお、第2の波形画像H2は、第1の発展演出画像の表示が終了し第2の発展演出画像の表示に切り替わった際には、第1の発展演出画像の表示に伴って表示されていた第1の波形画像H1の末端と繋がらないように非連続的に表示してもよいし(図240参照)、第1の波形画像H1の末端と繋がるように連続的に表示する(すなわち、第1の波形画像H1から唐突に第2の波形画像H2に切り替わる)ようにしてもよい。後者のようにした場合には、無音状態に切り替わった旨を遊技者により強く意識付けることができる。
また、一切のBGMが出力されず無音状態となる第2の発展演出画像の表示中には、継続して(表示部21の左端から右端に至るまで常に)第2の波形画像H2が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、無音状態である旨を遊技者により効果的に認識させることができる。
また、第1の波形画像H1は、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中に常に表示してもよいし、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中における所定期間(たとえば、当該表示の終盤(当該表示が終了する所定時間前から当該表示が終了する時点まで))においてのみ表示するようにしてもよい。
なお、上述の波形画像としては、所定の音声データ(たとえば、所定のBGMが記録された音声データ、いかなるBGMも含まれておらず自然発生している音(環境音)、機械音、ノイズ等のみを記録した音声データ等)を、予め定められた変換ロジック(たとえば、音声データにおける所定時間(たとえば、1m秒等)ごとに発生する音声の音量の相対値をプロットする、音声データにおける所定時間ごとに発生する音声の音程の相対値をプロットする等)に基づいて変換することにより形成された画像等を用いることができる。
具体的には、音声データを、予め定められた変換ロジックに基づいて所定の波形画像に変換するアプリケーションソフトウェアに対して、所定の音声データを入力することで波形画像を形成し、この形成された波形画像を上述の視覚化演出の特定画像として用いることができる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のストーリー演出においては、所定のBGMが出力されている期間(第1の発展演出画像の表示中)には相対的に振幅が大きい波形の第1の波形画像H1(特定画像)が表示され、BGMが一切出力されていない期間(第2の発展演出画像の表示中)には(所定のBGMが出力されなくなり、第1の発展演出画像が表示されなくなると)相対的に振幅が小さい波形の第2の波形画像H1(特定画像)が表示される視覚化演出が実行される。これにより、音声の出力態様の相違(すなわちBGMが出力されている状態及びBGMが一切出力されていない状態)を、表示される波形画像によって把握することができる。
また、たとえば、各種演出中に出力される音声がかき消される程の大音量でホール内に音楽を流す等、ホール環境によっては各種演出中における音声の出力の有無を把握困難な場合があるものの、上述のストーリー演出では、BGMが一切出力されていない無音状態中も上述の視覚化演出が実行されることにより上述の波形画像が表示されるため、この波形画像を視認させることで当該無音状態である旨を遊技者に把握させることができ、無音状態中における演出効果を高めることができる。
(変形例)
なお、上述の視覚化演出は、上述のストーリー演出のみならず、演出の進行に伴って音声の出力態様が変化する演出において実行してもよい。すなわち、音声の出力態様が変化する前においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像(特定画像)を表示し、音声の出力態様が変化した後においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合にも、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述の視覚化演出では、所定のBGMが出力されている状態及びBGMが一切出力されていない状態(無音状態)を対象として、上述の波形画像(特定画像)を表示するようになっていたが、波形画像を表示する対象はこれに限定されるものではない。
たとえば、所定のBGMが相対的に大きい音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に小さい音量で出力されている状態(所定のBGMが相対的に大きい音量で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力音量の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが所定の音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが出力されているものの音量がゼロとなっている状態(すなわち、消音状態)や所定のBGMが聞き取りづらいレベルの音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合にも、所定のBGMの出力音量の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが相対的に高い音程で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に低い音程で出力されている状態(所定のBGMが相対的に高い音程で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力音程の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが相対的に速いテンポで出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に遅いテンポで出力されている状態(所定のBGMが相対的に速いテンポで出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力テンポの相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが所定の音色(たとえば、ピアノの音色等)で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが上述の所定の音色と異なる音色(たとえば、ギターの音色等)で出力されている状態(所定のBGMが所定の音色で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの音色の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述の視覚化演出が対象とする音声はBGMとなっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、所定のセリフ音声や所定の効果音(たとえば、大入賞口18へ遊技球が入球したときに出力される効果音等)を対象として上述の視覚化演出を実行してもよい。
たとえば、所定のキャラクターが所定のセリフを話している状態(すなわち、所定のセリフ音声が音声出力装置10により出力されている状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のキャラクターが一切のセリフを話していない状態(すなわち、一切のセリフ音声が音声出力装置10により出力されていない状態(いわゆる無言状態))においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、セリフ音声の出力の有無を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述のBGMと同様に、セリフ音声の種類の相違(たとえば、男性の音声、女性の音声等)、セリフ音声の出力音量の相違、セリフ音声の出力音程の相違(たとえば、高音の音声、低音の音声等)、セリフ音声の出力テンポの相違等に基づいて、それぞれ異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、所定の効果音を出力している状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定の効果音を出力していない状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定の効果音の出力の有無を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述のBGMやセリフ音声と同様に、効果音の種類の相違、効果音の出力音程の相違、効果音の出力音量の相違、効果音の出力テンポの相違等に基づいて、それぞれ異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力のいずれか一方のみが実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて、BGMの出力に対応する波形画像(たとえば、赤色の波形画像等)とセリフ音声の出力に対応する波形画像(たとえば、青色の波形画等像)とをそれぞれ別個に表示し、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力のいずれか一方のみが実行されている状態(所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて実行されている出力に対応する波形画像のみを表示するようにしてもよい。
以上のようにした場合には、出力されている音声の数の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述の視覚化演出は、大当たりの当選の期待度に応じて実行可能性や実行態様が異なるように設定してもよい。
たとえば、大当たりの当選の期待度が高い変動演出が実行される場合には、当該変動演出中に実行される所定の演出(たとえば、リーチ発展演出)において視覚化演出が実行される可能性が高いものの、大当たりの当選の期待度が低い変動演出が実行される場合には、当該変動演出中に実行される所定の演出において視覚化演出が実行される可能性が低いように設定することができる。
また、大当たりの当選の期待度が低い変動演出が実行される場合には、上述のストーリー演出において実行される視覚化演出の波形画像が通常の色(たとえば、白色)で表示される可能性が高いものの、大当たりの当選の期待度が高い変動演出が実行される場合には、視覚化演出の波形画像が特殊な色(たとえば、青色、赤色等)で表示される可能性が高いように設定することができる。
このように設定した場合には、視覚化演出の実行の有無や実行態様によって大当たりの当選の期待度を示唆することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の視覚化演出で表示される特定画像は、波形画像に限定されるものではなく、たとえば、音声の出力に応じて長さが変化するゲージ画像(いわゆるグラフィックイコライザーで使用され、音声の出力に伴って動的に変化するゲージ画像)や、音声の出力に応じて表示される同心円の数が変化する波紋画像、音声の出力に応じて表示内容(文字、記号等)が変化するふきだし画像等としてもよい。
また、所定の演出の実行中に視覚化演出を実行するように設定されているときには、所定の演出において表示される所定画像のデータと、視覚化演出で表示される波形画像のデータとをそれぞれ別個のデータとして設け、所定の演出及び視覚化演出を実行する際には、各画像データをそれぞれ別個に読み出して再生するようにしてもよい。また、別個のデータとするのではなく、所定画像が表示され、かつ所定画像に重ねて波形画像が表示されるという一連の表示を行うための1個の画像データを設け、所定の演出及び視覚化演出を実行する際には、当該画像データのみを読み出して再生するようにしてもよい。
また、視覚化演出は、音声の出力態様を視覚化するものに限定されず、たとえば、背景画像や演出状態の表示を特定画像により視覚化するものであってもよい。
たとえば、背景画像として、通常遊技状態中である旨を示す通常背景画像、高確率時短遊技状態中である旨を示す高確時短背景画像を備えている場合において、高確時短背景画像が表示されている状態においては、当該高確時短背景画像に重ねて所定の特定画像(波形画像等)を表示し、通常背景画像が表示されている状態(高確時短背景画像が表示されていない状態)においては、当該通常背景画像に重ねて上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、変動演出中に演出を盛り上げるための所定のランプが種々の態様で点灯するようになっている場合において、当該所定のランプが所定の態様で点灯している状態においては、所定の特定画像(波形画像等)を表示し、当該所定のランプが上述の所定の態様と異なる態様で点灯している状態や、当該所定のランプが消灯している状態においては(所定のランプが所定の態様で点灯していない状態においては)、上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
また、演出状態として、大当たりの当選の期待度が相対的に低い第1特殊演出状態と、大当たりの当選の期待度が相対的に高い第2特殊演出状態とを備え、第1特殊演出状態中はその旨を示す第1特殊画像が表示され、第2特殊演出状態中はその旨を示す第2特殊画像が表示されるように設定されている場合において、第1特殊画像が表示されている状態においては、当該第1特殊画像に重ねて所定の特定画像(波形画像等)を表示し、第2特殊画像が表示されている状態(第1特殊画像が表示されていない状態)においては、当該第2特殊画像に重ねて上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
このようにした場合には、背景画像の表示態様の相違、ランプの点灯態様の相違、滞在している演出状態の相違等を、特定画像によっても把握することができる。
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図241に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図242に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、図242に示すタイマ割込処理を開始する。
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、図243のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル、上述のステップ2200で取得した変動演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)、並びに、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に基づいて最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
ステップ2202において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様、及び最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。たとえば、画像制御基板においては、画像制御基板のCPUが、上述のように決定された変動演出の態様、及び最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)に関する画像データを画像制御基板のROMから読み出し、画像制御基板のVRAMに記憶する。これにより、当該画像データに基づく画像が再生され変動演出が実行されることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
なお、上述の実施の形態は、パチンコ機以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンや、遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット(登録商標)遊技機等において用いられる画像について、上述の実施の形態と同様の配置や表示動作の設定を行ってもよい。また、所定の演出を実行する際に、上述の実施の形態と同様の視覚化演出が実行されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態における数字図柄51は、本発明の所定の表示オブジェクトに相当する。また、上述の実施の形態における演出表示装置21は、本発明の表示手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像、土星、月、太陽の画像は、本発明の複数の画像に相当する。また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像は、本発明の一の画像に相当する。また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像の左右方向への揺動は、本発明の特定の動作に相当する。また、上述の実施の形態における土星、月、太陽の画像は、本発明の他の画像に相当する。また、また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像は、本発明の第1の画像に相当する。また、上述の実施の形態における土星、月、太陽の画像は、本発明の第2の画像に相当する。
(第6の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図244又は図245に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図244に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図244参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図246に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図246に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、図246においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
一般入賞口14は、図246に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図246に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、図246に示すように、遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図246に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態)において第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、後述する第1時短遊技状態を設定するか否かを決定するための時短図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選によって、第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短付与図柄)が決定された場合、第1時短遊技状態が設定されるようになっている。通常遊技状態以外では、上述の時短図柄の抽選が行われることなく、強制的に、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた時短図柄(時短非付与図柄)が決定されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は4個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図246に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図246に示すように、遊技領域12の右下部(第2始動入賞口16の下方)に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されることにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では10個)の賞球が払い出される。
また、図246に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第2始動入賞口16へ入球したものを除いてほぼ全て大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は大入賞口18へ入球するようになっている。
さらに、図247(a)及び(b)に示すように、アタッカー装置17内部には、大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57が設けられている(図247(a)及び(b)参照)。
また、図247(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特定領域57へ進入する。
また、特に図示していないが、アタッカー装置17には、特定領域57へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための特定領域排出口と、一般領域58へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための一般領域排出口と、が設けられている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定された特別図柄の種別ごとに、特定のラウンド遊技における開閉扉18bの開閉の態様(開閉パターン)及び振り分け部材59の作動の態様(作動パターン)が設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、大入賞口18へ入球した遊技球がすべて一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(通常遊技状態)に設定されるようになっている。
開閉扉18bの開閉パターン、振り分け部材59の作動パターン、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
アウト口19は、図246に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図246に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する大当たりの抽選の結果や時短図柄の決定の結果等を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図244参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図246に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32、普通図柄保留表示装置33及び時短図柄表示装置34が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図244に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図248に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図248に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(大当たりの抽選、特別図柄の変動)、時短図柄の抽選や時短図柄の変動、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動等)、遊技者にとって有利な特別遊技、小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、図248に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図248に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等も設けてもよい。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、振り分け部材59を変位させる振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、時短図柄表示装置34と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図248に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図248に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図248に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図248に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図248に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられており、いずれかの時短遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第1低確率時短遊技状態という)、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第2低確率時短遊技状態という)又は高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、大当たりの抽選によって大当たりに当選確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられているが、第2時短遊技状態においては、第1時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすいように設定されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、次に、第1時短遊技状態中が第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、非時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくいようになっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益が対応付けられた特別図柄を決定する大当たりの抽選が行われる。
そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数の遊技球が払い出される。なお、小当たり遊技の終了後の遊技状態は、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態のままである。すなわち、小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態は変わることがないようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、上述の時短図柄の抽選が行われる。
そして、この時短図柄の抽選によって、第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短付与図柄)が決定されると、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄が決定されると、遊技状態が、通常遊技状態から第1低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた時短図柄(時短非付与図柄)が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、上述の如く、他の遊技状態においては、時短図柄の抽選が行われることなく、強制機的に、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた時短図柄(時短非付与図柄)が決定される。そして、当該決定に基づいて遊技状態が変化することはないように設定されている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、小当たり遊技中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、小当たり遊技中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
大当たりの抽選及び時短図柄の抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数及び後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。また、時短図柄の抽選に係る乱数として、時短図柄の決定に用いられる時短図柄乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数及び時短図柄乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数及び時短図柄乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果や時短図柄の抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、大当たりの抽選に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)及び時短図柄乱数(以下、第1時短図柄乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、大当たりの抽選に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)及び時短乱数(以下、第2時短図柄乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数を計4組、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数及び第1時短図柄乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数及び第1時短図柄乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数及び第1時短図柄乱数の組数(以下、第1保留数という)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数及び第2時短図柄乱数の組数(以下、第2保留数という)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数や、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、時短図柄の抽選において時短図柄の種別を決定するための時短図柄乱数判定テーブル112、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技及び小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル113、第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄が決定された後又は特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル114、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル115を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選の結果を判定するためのものであって、図249(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
図249(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1434であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1435~2744であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、2745~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/150、小当たりの当選確率はおよそ1/50となる。
また、図249(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~1594であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1595~2904であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、2905~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/110、小当たりの当選確率はおよそ1/50となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ1.4倍となるように設定されている。
また、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1434)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1594)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれに基づいて大当たりの抽選が行われる場合であっても小当たりに当選可能となっているものの、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれか一方に基づいて大当たりの抽選が行われる場合にのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよい。
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図250(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりの抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりの抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として4種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、小当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄ともいう)として2種類の小当たり図柄(Y1、Y2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
図250(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりに当選した場合において、特別図柄乱数が0~1であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が2~139であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が140~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりに当選した場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は1%、大当たり図柄X2が決定される確率は69%、大当たり図柄X3が決定される確率は30%となっている。
また、小当たりに当選した場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに小当たり図柄Y2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、小当たりに当選した場合に、小当たり図柄Y1が決定される確率及び小当たり図柄Y2が決定される確率はいずれも50%となっている。
また、ハズレの場合において、特別図柄乱数が0~19であったときにハズレ図柄Z1が決定され、特別図柄乱数が20~199であったときにハズレ図柄Z2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、ハズレの場合に、ハズレ図柄Z1が決定される確率は10%、ハズレ図柄Z2が決定される確率はいずれも90%となっている。
図250(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりに当選した場合において、特別図柄乱数が0~139であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に大当たり図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりに当選した場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は70%、大当たり図柄X4が決定される確率は30%となっている。
また、図250(b)に示すように、小当たりに当選した場合に決定される小当たり図柄の種別及び当該種別の決定確率、並びに、ハズレの場合に決定されるハズレ図柄の種別及び当該種別の決定確率は、第1始動入賞口判定テーブル111aと同様の内容に設定されている。
時短図柄乱数判定テーブル112は、時短図柄の抽選において時短図柄の種別を決定するためのものであって、図251(a)及び(b)に示すように、第1時短図柄乱数によって時短図柄の抽選が行われた場合に参照される第1時短図柄乱数判定テーブル112aと、第2時短図柄乱数によって時短図柄の抽選が行われた場合に参照される第2時短図柄乱数判定テーブル112bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の時短図柄乱数が取得される。そして、後述する特別図柄及び時短図柄の変動が開始される時点において、設定されている遊技状態が通常遊技状態であった場合に、時短図柄の抽選が行われる。時短図柄の抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口(第1時短図柄乱数又は第2時短図柄乱数)に応じて、第1時短図柄乱数判定テーブル112a又は第2時短図柄乱数判定テーブル112bのいずれかの時短図柄乱数判定テーブル112が選択され、取得された時短図柄乱数と選択された時短図柄乱数判定テーブル112とに基づいて、時短図柄の種別が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短図柄の抽選において決定される時短図柄の種別として、第1時短遊技状態を設定する旨及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)が20回に定められた時短図柄J1(以下、時短付与図柄ともいう)、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた時短図柄J2(以下、時短非付与図柄ともいう)の2種類が設けられている。
図251(a)に示すように、第1時短図柄乱数判定テーブル112aによれば、時短図柄乱数が0~654であった場合に時短図柄J1(時短付与図柄)が決定され、時短図柄乱数が655~65535であった場合に時短図柄J2(時短非付与図柄)が決定される。すなわち、この第1時短図柄乱数判定テーブル112aにおいては、時短図柄J1が決定される確率はおよそ1/100となっている。
また、図251(b)に示すように、第2時短図柄乱数判定テーブル112bによれば、時短図柄乱数が0~65535であった場合に(すなわち、時短図柄乱数がいかなる値であっても)時短図柄J2(時短非付与図柄)が決定される。すなわち、この第2時短図柄乱数判定テーブル112bにおいては、時短図柄J1が決定されることはなく、必ず時短図柄J2が決定されるようになっている。
なお、上述の如く、特別図柄及び時短図柄の変動が開始される時点において、設定されている遊技状態が通常遊技状態以外(第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)であった場合には、上述の時短図柄の抽選が行われることなく、強制的に、時短図柄J2が決定されるようになっている。
特別電動役物作動テーブル113は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技及び小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技及び小当たり遊技の実行中に、大入賞口ソレノイド18cや振り分け部材ソレノイド59cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図252(a)~(d)に示すように、特別電動役物作動テーブル113として、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル113aと、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル113bと、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合に参照される第3作動テーブル113cと、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合に参照される第4作動テーブル113dと、が設けられている。
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、図252(a)に示す第1作動テーブル113aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル113aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、開閉扉18bが閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動することにより大入賞口18が1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
さらに、図252(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留する(位置する)という態様(作動パターン)で作動するようになっている。これに対して、3ラウンドのラウンド遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、図252(b)に示す第2作動テーブル113bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル113bによれば、上述の第1作動テーブル113aと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間も、第1作動テーブル113aと同一の内容に設定されている。
また、図252(b)に示すように、大当たり図柄X2が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中も、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、図252(c)に示す第3作動テーブル113cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル113cによれば、上述の第1作動テーブル113a及び第2作動テーブル113bと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~4ラウンドまで計4回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間は、第1作動テーブル113a及び第2作動テーブル113bと同一の内容に設定されている。
また、図252(c)に示すように、大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1及び大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中は、大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において、大入賞口18が29.0秒連続して開放され、かつ振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、大入賞口18へ遊技球が入球し確実に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2、X3又はX4が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口18は29.0秒連続して開放されるものの振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球が入球しても当該遊技球は全て一般領域58へ進入してしまい、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
また、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合には、図252(d)に示す第4作動テーブル113dを参照して小当たり遊技が実行される。この第4作動テーブル113dによれば、大入賞口18の0.05秒の開放が1回行われ、第1大入賞口18の開放中に10個の遊技球が入球すると大入賞口18が閉鎖する。
また、図252(d)に示すように、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第1に停留するという態様で作動するようになっている。
このように、小当たり遊技においては、大入賞口18が0.05秒しか開放しないため、大入賞口18へ遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。また、小当たり遊技中は振り分け部材50が第1位置に停留するため、万が一、大入賞口18へ遊技球が入球したとしても当該遊技球は一般領域58へ進入し、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
遊技状態設定テーブル114は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態、及び、通常遊技状態中の時短図柄の抽選において時短図柄J1(時短付与図柄)が決定された後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の実行契機となった大当たり時に決定された大当たり図柄の種別、及び、当該特別遊技中に特定領域57へ所定数(本形態では1個)の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。また、通常遊技状態中に時短図柄J1が決定された場合には、当該時短図柄J1に定められた遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、決定された大当たり図柄の種別に対応して特定領域57への遊技球の進入の可否が設定されており、実質的に、決定された大当たり図柄によって、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行するか否かが定まっている。
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態において大当たりに当選して高確率遊技状態へ移行した後、低確率遊技状態へ移行することなく連続して高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続高確設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に低確率遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、低確率遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、高確率遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に低確率遊技状態が設定される。
また、同様に、非時短遊技状態において大当たりに当選して時短遊技状態(本形態では第2時短遊技状態)へ移行した後、非時短遊技状態へ移行することなく連続して時短遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続時短設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に非時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、非時短遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、時短遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に非時短遊技状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている大当たりの当選確率や各大当たり図柄の決定確率からすると、連続高確設定回数や連続時短設定回数が10000回に到達することはあり得ず、実質的には、低確率遊技状態が設定される条件や非時短遊技状態が設定される条件を満たすまで、高確率遊技状態や時短遊技状態が継続することとなる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図253(a)~(d)に示すように、遊技状態設定テーブル114として、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1遊技状態設定テーブル114aと、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2遊技状態設定テーブル114bと、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第3遊技状態設定テーブル114cと、通常遊技状態中に行われた時短図柄の抽選において時短図柄J1(時短付与図柄)が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル114dと、が設けられている。
具体的には、図253(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続高確設定回数及び連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/110となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
これに対して、上述の場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、また、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X1が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入する。すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合には、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限り、確実に高確率時短遊技状態が設定されることとなる。
また、特に図示していないが、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
図253(b)に示すように、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、第1時短遊技状態)であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であったときには、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/150となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続することとなる。
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。また、同様に、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、いずれのときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
図253(c)に示すように、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、このときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X4が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X4が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
図253(d)に示すように、通常遊技状態中に時短図柄の抽選において時短図柄J1(時短付与図柄)が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が20回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が20回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
なおここで、上述の時短図柄の抽選において時短図柄J1が決定された場合であって、当該時短図柄の抽選に伴って実行される大当たりの抽選においてハズレとなったときには、当該大当たりの抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、上述の第1低確率時短遊技状態が設定される。また、当該時短図柄の抽選に伴って実行される大当たりの抽選において小当たりの当選となったときには、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技が終了した後に(小当たり遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、上述の第1低確率時短遊技状態が設定される。
これに対して、上述の時短図柄の抽選において時短図柄J1(時短付与図柄)が決定された場合であって、当該時短図柄の抽選に伴って実行される大当たりの抽選において大当たりの当選となったときには、時短図柄J1の決定に基づく第1低確率時短遊技状態の設定は行われず、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に(特別遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、当該大当たりの当選に基づいて決定された大当たり図柄の種別に応じた遊技状態の設定が行われる。すなわち、時短図柄J1の決定と大当たり図柄の決定(大当たりの当選)とが重複した場合には、時短図柄J1の決定を無効とし、大当たり図柄の決定に基づく遊技状態が設定されることとなる。時短図柄J1の決定に基づく遊技状態の設定が特別遊技よりも優先的に行われると、大当たりの当選時の遊技状態が変化する可能性があり、当該変化の有無も確認した上で特別遊技終了後の遊技状態を設定しなければならず、当該遊技状態の設定処理が煩雑となるおそれがあるが、上述のようにしたことで、このような事態の発生を適切に防止することができる。
変動パターンテーブル115は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄及び時短図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示及び時短図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル115に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル115ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル115として、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって(すなわち、左打ち中であって)第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって(すなわち、右打ち中であって)第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルB及びテーブルCを備えている(図254参照)。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選して少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たり(いわゆる初当たりから、少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方が継続している間に連続して当選した大当たり、以下、連続大当たりという)の回数が所定回数(たとえば、3回等)に達するという条件が成立していない場合にテーブルBが参照され、当該条件が成立している場合にテーブルCが参照される。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄及び時短図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態や上述の条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の成否に応じた変動パターンテーブル115とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル115としては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
そして、テーブルAを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第1保留数が参照される。これに対して、テーブルB又はテーブルCを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第2保留数が参照される。
図254(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定される(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレである)とともに、時短図柄J2(すなわち、時短非付与図柄)が決定され、かつ現時点の第1保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が25秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が40秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定され、かつ現時点の第1保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるとともに、時短図柄J1(すなわち、時短付与図柄)が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定される(すなわち、大当たりの抽選の結果が小当たりの当選である)とともに、時短図柄J2が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されるとともに、時短図柄J1が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「32H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「33H」が決定される。
また、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(すなわち、大当たりの抽選の結果が大当たりの当選である)とともに、時短図柄J1又はJ2が決定されると(決定された時短図柄がJ1又はJ2のいずれであっても)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図254(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されるとともに、時短図柄J2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図254(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「26秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が26秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「6秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が6秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「08H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されるとともに、時短図柄J2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「26H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「27H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されるとともに、時短図柄J2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A6H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A7H」が決定される。
このように、テーブルCで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間は、テーブルBで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間よりも長くなるように設定されている。すなわち、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において、上述の条件が成立する前(連続大当たりの回数が所定回数に達する前)よりも、上述の条件が成立した後(連続大当たりの回数が所定回数に達した後)の方が、長い変動時間の決定割合が高くなっている。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の条件が成立した後は、上述の条件が成立する前よりも、大当たりに当選してから次の大当たりに当選するまでの間隔を空けることができ、ひいては、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。したがって、短期間の間に多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示、時短図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は20秒、後半部分の変動時間は25秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値45秒(=20秒+25秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体、時短図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「05H」及び「08H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われ、時短図柄表示装置34では時短図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。また、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31の点滅表示とともに、時短図柄表示装置34が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示されるとともに、決定された時短図柄が停止表示される。
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様、及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図255(a)~(c)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中)、特別遊技中、小当たり遊技中に参照される第1判定テーブル116aと、第1時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中)に参照される第2判定テーブル116bと、第2時短遊技状態中(すなわち、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中)に参照される第3判定テーブル116cと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、或いは、普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中又は小当たり遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第1時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第2時短遊技状態であれば、第3判定テーブル116cが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第3判定テーブル116cとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
図255(a)に示すように、第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、図255(b)に示すように、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~5であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、6~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率は5/65536となる。
また、図255(c)に示すように、第3判定テーブル116cによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3判定テーブル116cにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図256に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、2秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、0.5秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図246参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、図257に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、図257に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、図257に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、時短遊技状態のうちの第1時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいものの、時短遊技状態のうちの第2時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されにくい。すなわち、第1時短遊技状態中は、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすく、第2時短遊技状態中は、第1時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすいようになっている。したがって、第2時短遊技状態中は非時短遊技状態及び第1時短遊技状態中よりも、また、第1時短遊技状態中は非時短遊技状態よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
なお、遊技状態が時短遊技状態の場合には、上述のように、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理として、第2判定テーブル116bや第3判定テーブル116c(非時短遊技状態よりも当たりとなる確率が高く設定された当たり決定乱数判定テーブル116)による普通図柄の抽選、第1時短遊技状態用の変動時間や第2時短遊技状態用の変動時間(非時短遊技状態よりも短い変動時間)の決定、及び、第1時短遊技状態用の開放パターンや第2時短遊技状態用の開放パターン(非時短遊技状態よりも総開放時間が長い開放パターン)による開放制御の全てが行われていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、上述の処理の少なくともいずれか1つが行われるようにしてもよい。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、時短図柄の抽選、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図258のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図259のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、特定領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、時短図柄の抽選、特別遊技及び小当たり遊技に関する制御を行うための特図及び時短図柄関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、時短図柄表示装置34、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図260のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて大当たりの抽選及び時短図柄の抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて大当たりの抽選及び時短図柄の抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特定領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図261のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図262のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、時短図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、変動パターン乱数及び時短図柄乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態及び第1時短遊技状態のいずれでない(すなわち、第2時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数及び第1時短図柄乱数について、当該第1特図乱数及び第1時短図柄乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選及び時短図柄の抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図263のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、時短図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、変動パターン乱数及び時短図柄乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、第2時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数及び第2時短図柄乱数について、当該第2特図乱数及び第2時短図柄乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ509及びステップ609の事前判定処理について、図264のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ509の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数、変動パターン乱数及び時短図柄乱数、並びに、第1保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ609の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数、変動パターン乱数及び時短図柄乱数、並びに、第2保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、及び、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、時短図柄の種別を判定する時短図柄判定処理を実行する。具体的には、通常遊技状態において遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1時短図柄乱数)であった場合には、第1時短図柄乱数判定テーブル112aを取得し、当該テーブルと、記憶された時短図柄乱数(第1時短図柄乱数)とに基づいて、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)を判定する。また、通常遊技状態において遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2時短図柄乱数)であった場合には、第2時短図柄乱数判定テーブル112bを取得し、当該テーブルと、記憶された時短図柄乱数(第2時短図柄乱数)とに基づいて、時短図柄の種別(時短図柄J2)を判定する。また、通常遊技状態以外の遊技状態において遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球した場合にはいずれも、時短図柄の種別は時短図柄J2であると判定する。そして、当該判定の結果(時短図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル115を取得する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ651で判定された時短図柄の種別、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、保留数、及び、記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ656に進む。
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ651で判定された時短図柄の種別、上述のステップ652で判定された大当たりの抽選の結果、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別、上述のステップ655で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数及び第1時短図柄乱数、又は、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される時短図柄の種別、大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、及び、変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数、第1時短図柄乱数)、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された乱数(第2特図乱数、第2時短図柄乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
次に、上述したステップ303の特定領域検出時処理について、図265のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ203の特図及び時短図柄関連制御処理について、図266のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図及び時短図柄関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、変動開始処理(ステップ701)、変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図及び時短図柄関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の変動開始処理について、図267のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ813に進む。一方、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理及び時短図柄抽選処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理及び時短図柄抽選処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たりの抽選の実行回数(すなわち、特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、時短図柄の種別を決定する時短図柄抽選処理を実行する。具体的には、通常遊技状態において遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1時短図柄乱数)であった場合には、第1時短図柄乱数判定テーブル112aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された時短図柄乱数(第1時短図柄乱数)とに基づいて、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)を決定する。また、通常遊技状態において遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2時短図柄乱数)であった場合には、第2時短図柄乱数判定テーブル112bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された時短図柄乱数(第2時短図柄乱数)とに基づいて、時短図柄の種別(時短図柄J2)を決定する。また、通常遊技状態以外の遊技状態においては、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16のいずれであっても、ここでは時短図柄抽選処理を行うことなく、強制的に時短図柄J2を決定する。そして、決定した時短図柄に係るデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ809に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された時短図柄の種別、及び、上述のステップ808で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された時短図柄の種別及び時短図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ811に進む。
ステップ811において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データ、及び、時短図柄表示装置34で時短図柄の変動表示を開始するための時短図柄変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。また、これに伴って、時短図柄表示装置34が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数及び第2時短図柄乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ812に進む。
ステップ812において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ813において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄及び時短図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄及び時短図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ810の変動パターン決定処理について、図268のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル115を取得する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル115と、上述のステップ806で決定された時短図柄の種別と、上述のステップ808で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ900で確認した保留数と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル115に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の変動停止処理について、図269のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ808で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。これに伴って、上述のステップ806で決定された時短図柄を、時短図柄表示装置34に停止表示するための時短図柄停止表示データをセットし、時短図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄及び時短図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄及び時短図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図270のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第1時短遊技状態であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定する。そして、第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3、X4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1又はX2であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1113に進む。
ステップ1113において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1111で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、大当たりの抽選時の遊技状態が通常遊技状態であり、かつ時短図柄J1が決定されたか否かを判定する。そして、通常遊技状態以外であるか、又は、通常遊技状態であるものの時短図柄J2が決定されたと判定した場合、ステップ1116に進む。一方、通常遊技状態であり、かつ時短図柄J1が決定されたと判定した場合、次のステップ1115に進む。
ステップ1115において、メインCPU101は、遊技状態を第1低確率時短遊技状態に設定する第1低確率時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「20」をセットする。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1117に進む。
ステップ1117において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図271のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル113に基づいて、大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、図272のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1112でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル113における第4作動テーブル113dに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、小当たり遊技終了処理を実行する。そして、次のステップ1258に進む。
ステップ1258において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1257の小当たり遊技終了処理について、図273のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1280において、メインCPU101は、大当たりの抽選時の遊技状態が通常遊技状態であり、かつ時短図柄J1が決定されたか否かを判定する。そして、通常遊技状態以外であるか、又は、通常遊技状態であるものの時短図柄J2が決定されたと判定した場合、小当たり遊技終了処理を終了する。一方、通常遊技状態であり、かつ時短図柄J1が決定されたと判定した場合、次のステップ1281に進む。
ステップ1281において、メインCPU101は、遊技状態を第1低確率時短遊技状態に設定する第1低確率時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「20」をセットする。そして、小当たり遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図274のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1309に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述の連続確変設定回数をカウントするための連続確変設定回数カウンタの値を1デクリメントするとともに、上述の連続時短設定回数をカウントするための連続時短設定回数カウンタの値を1デクリメントする。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続確変設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1305に進む。一方、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1304に進む。
ステップ1304において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1306に進む。
また、上述のステップ1303で連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1305において、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、次のステップ1306に進む。
ステップ1306において、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1308に進む。一方、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態に設定する非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1306で連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1308において、メインCPU101は、遊技状態を第2時短遊技状態に設定する第2時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1309において、メインCPU101は、上述のステップ1304と同様の低確率時短遊技状態設定処理を実行するとともに、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、次のステップ1310に進む。
ステップ1310において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態又は第2時短遊技状態に設定する時短・非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX2又はX3の場合において、当該大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態(第1時短遊技状態)であったときには、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これに対して、当該大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、非時短遊技状態を設定すべく、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX4の場合には、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「100」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
ステップ1311において、メインCPU101は、設定された遊技状態が高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態)又は第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態)のいずれかであるか否かを判定する。そして、いずれでもないと判定した場合、ステップ1313に進む。一方、いずれかであると判定した場合、次のステップ1312に進む。
ステップ1312において、メインCPU101は、連続大当たり回数をカウントするための連続大当たり回数カウンタの値を1インクリメントする。なお、この連続大当たり回数カウンタの値が所定回数(本形態では3回)に対応する値に到達すると、上述の条件が成立したこととなる。そして、ステップ1314に進む。
また、上述のステップ1311で設定された遊技状態が高確率時短遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれでもないと判定した場合に進むステップ1313において、メインCPU101は、連続大当たり回数カウンタの値をリセット(ゼロクリア)する。そして、次のステップ1314に進む。
ステップ1314において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1315に進む。
ステップ1315において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、第1時短遊技フラグのオン又はオフの情報、第2時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1316に進む。
ステップ1316において、メインCPU101は、特図及び時短図柄関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図275のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図276のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の状態(非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中、小当たり遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a、第2判定テーブル116b又は第3判定テーブル116cのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又小当たり遊技中である場合には、第1判定テーブル116aを参照し、第1時短遊技状態中である場合には、第2判定テーブル116bを参照し、第2時短遊技状態中である場合には、第3判定テーブル116cを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の状態が非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、第1時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「2秒」をセットし、第2時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技機の状態を変動開始時の遊技機の状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図277のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図278のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図279のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技機の状態が、非時短遊技状態中、第1時短遊技状態中、第2時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技機の状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(図250(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(図253(a)、図280参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより通常遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図280参照)。しかし、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の1%となっているため(図250(a)参照)、通常遊技状態中には、大当たりに当選しても高確率時短遊技状態へは極めて移行し難い。
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、時短図柄の抽選が行われ時短図柄J1(時短付与図柄)が約1/100の確率で決定され得る(図251(a)参照)。時短図柄J1が決定された場合には、大当たり及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定され、この第1低確率時短遊技状態は、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が20回導出されるまで継続する。
また、この第1低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われる。すると、この第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、通常遊技状態中と同様に大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、各大当たり図柄の決定確率(大当たり図柄X1の決定確率が1%、大当たり図柄X2又はX3の決定確率が99%)も通常遊技状態中と同様であるため、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合にはほぼ、大当たり図柄X2又はX3が決定される(図250(a)参照)。そして、第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であることから、特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される(図253(b)、図280参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1低確率時短遊技状態中(大当たりの抽選が20回導出されるまでの間)に大当たりに当選すれば、ほぼ第2低確率時短遊技状態へ移行することとなる(図280参照)。
第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(図250(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、上述と同様に、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(図253(c)、図280参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより第2低確率時短遊技状態が再設定されるか、又は、高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図280参照)。ここで、第1低確率時短遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行したときには時短回数が10000回に設定され、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中や第1低確率時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。そして、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の70%となっているため(図250(b)参照)、第2低確率時短遊技状態中は、大当たりに当選した場合に高確率時短遊技状態へ移行し易い。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(図250(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(図253(c)、図280参照)。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。
また、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において大当たり図柄X4が決定された場合には、時短回数100回の第2低確率時短遊技状態が設定されるが(図253(c)、図280参照)、大当たりの抽選が100回行われるまでの間に大当たりに当選すれば、再度、高確率時短遊技状態への移行に期待することができる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中は、時短図柄の抽選に基づく時短図柄J1の決定による第1低確率時短遊技状態への移行を目指し、第1低確率時短遊技状態中(大当たりの抽選の結果が20回導出されるまでの間)に大当たりに当選することで第2低確率時短遊技状態への移行を目指し、その後、第2低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態を継続させることで多くの遊技球の獲得を目指すという斬新な遊技性が付与される。すなわち、通常遊技状態中から大当たりの当選及び特別遊技を経ることなく移行可能な第1低確率時短遊技状態が、遊技者にとって有利な第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態へ移行するためのチャンスゾーンとなるような遊技性が付与され、遊技者の興趣を高めることができる。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、通常遊技状態中に時短図柄の抽選が行われ、この抽選により、時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定が定められた時短図柄J1(時短付与図柄)が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに、時短遊技状態への移行が可能となっているため、時短遊技状態の移行に関し遊技者に斬新な印象を与えることができるとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションが豊富となり、今までにない遊技性を提供することができる。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、時短図柄の抽選、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果や時短図柄の抽選の結果を報知し得る変動演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄及び時短図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果や時短図柄の決定の結果を報知し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果や時短図柄の決定の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(図281(a)及び(b)、図282(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図281(c)~(e)、図282(c)~(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、時短図柄の決定の結果にかかわらず、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図282(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
また、大当たりの抽選の結果が小当たり又はハズレであって、時短図柄J2(時短非付与図柄)が決定された場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図281(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレ又は小当たりであることが示される。なお、上述の停止表示態様は、大当たりの抽選の結果がハズレ又は小当たりであることを積極的に報知するものではなく、ハズレ又は小当たりであること(大当たりでないこと)を遊技者に単に認識させるものである。そして、大当たりの抽選の結果がハズレ及び小当たりのいずれの場合であっても、同様の態様で停止表示されるため、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様によって、大当たりの抽選の結果がハズレであるか、又は、小当たりであるかを把握することができないようになっている。
なお、小当たりの場合における演出図柄50の停止表示態様はこれに限定されるものではなく、小当たりを示す特定の態様(ハズレの場合に停止表示される演出図柄50の組み合わせとは異なる特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がすべて異なる偶数図柄となる組み合わせ等))で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
また、大当たりの抽選の結果が小当たり又はハズレであって、時短図柄J1(時短付与図柄)が決定された場合には、その旨を示す特殊な態様(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が「7」以外の同一の奇数図柄となり、第3停止図柄が「7」となる組み合わせ等)で演出図柄50が停止表示されるとともに、第1低確率時短遊技状態が設定される旨を示す設定画像(たとえば、「CHANCE ZONE 突入!!」の文字画像等)が表示される(図283(f)参照)。すなわち、特殊な態様で演出図柄50が停止表示され、かつ上述の設定画像が表示されることにより、時短図柄J1が決定されたことが示される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31における特別図柄の停止表示、及び、時短図柄表示装置34における時短図柄の停止表示とほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうこと、及び、時短図柄表示装置34に時短図柄が停止表示され、時短図柄の種別で時短図柄の決定の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、本形態に係るパチンコ機Pには、通常遊技状態中の変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
たとえば、リーチ変動パターンには、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン(図282参照)、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後にリーチ表示が行われる擬似連リーチパターン(特に図示しておらず)、リーチ表示後に所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行される発展ありパターン(図283参照)、リーチ発展演出が実行されない発展なしパターン(図282参照)等が設けられている。
上述のリーチ発展演出は、一の発展演出画像が継続して表示されるものであってもよいし、所定の発展演出画像が表示された後に、当該発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度や時短図柄J1の決定の期待度が高く設定された他の発展演出画像の表示に切り替わるものであってもよい。
また、変動演出中には、演出図柄50の変動表示とともに、大当たりの当選の期待度や時短図柄J1の決定の期待度を示す種々の予告画像が表示される予告演出等が実行されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のリーチ変動パターンや予告演出について、大当たりに当選した場合や時短図柄J1が決定された場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンや予告演出に応じて、大当たりや時短図柄J1の決定に対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。具体的には、擬似連リーチパターン、発展ありパターン及び特定の予告演出は、大当たりに当選した場合や、ハズレ又は小当たりの当選であって時短図柄J1が決定された場合に実行される可能性が高く設定されているため、大当たりや時短図柄J1の決定に対する遊技者の期待感を高めることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中においては、大当たりに当選した場合よりも、ハズレ又は小当たりの当選であって時短図柄J1が決定された場合の方が、擬似連リーチパターンや特定の予告演出の実行される可能性が高く設定されている。
たとえば、本形態に係るパチンコ機Pでは、図284に示すように、変動演出中におけるリーチ表示前に実行される予告演出として、所定のキャラクターによるセリフが表示されるセリフ予告を実行可能となっている。セリフ予告の態様としては、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cの3パターンが設けられている。
また、変動演出中におけるリーチ表示後に実行される予告演出として、所定のカットイン画像が表示されるカットイン予告を実行可能となっている。カットイン予告の態様としては、青色のカットイン画像が表示される青カットイン予告、赤色のカットイン画像が表示される赤カットイン予告及び紫色のカットイン画像が表示される紫カットイン予告の3パターンが設けられている。
そして、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されなかった(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定された)場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能であり、上述の場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は10%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告、赤カットイン予告及び紫カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は40%、紫カットイン予告が実行される割合は55%となっている。
また、大当たり図柄が決定された場合には、セリフ予告として、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は20%、セリフ予告Cが実行される割合は25%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は25%となっている。
また、時短図柄J2が決定され、かつハズレ図柄又は小当たり図柄が決定された場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は3%、セリフ予告Bが実行される割合は5%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は5%、赤カットイン予告が実行される割合は10%となっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されなかった場合は、大当たり図柄が決定された場合と比較して、セリフ予告Aが実行される割合は同一、セリフ予告Bが実行される割合及びセリフ予告Cが実行される割合はいずれも小さいため、セリフ予告Bやセリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、セリフ予告Cは、大当たり図柄が決定された場合にのみ実行可能であるため、セリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これに対して、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されなかった場合は、大当たり図柄が決定された場合と比較して、青カットイン予告が実行される割合は同一、赤カットイン予告が実行される割合及び紫カットイン予告が実行される割合はいずれも大きいため、赤カットイン予告や紫カットイン予告が実行された場合には、時短図柄J1の決定に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、紫カットイン予告は、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されなかった場合にのみ実行可能であるため、紫カットイン予告が実行された場合には、時短図柄J1の決定が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これにより、高確率時短遊技状態への移行が極めて困難な大当たりの当選よりも、高確率時短遊技状態への移行の可能性が高い時短図柄J1の決定に対する遊技者の期待感を高めることができるようになっている。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で演出乱数(変動演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンド、及び取得された演出乱数(変動演出乱数)に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の態様(リーチ発展演出の有無、予告演出の実行の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pで実行可能な演出としては、上述の変動演出に限定されるものではなく、たとえば、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を設けてもよい。
具体的には、先読み演出としては、新たな保留の記憶が行われた場合に、通常態様、及び、通常態様よりも大当たりの当選や時短図柄J1の決定の期待度が高い特殊態様等を含む複数の態様のうちのいずれかで保留表示を行う保留先読み演出、保留の記憶が行われた時点から当該保留に基づく変動演出が終了するまでのいずれかのタイミングで、所定態様で表示中の保留表示を、より大当たりの当選や時短図柄J1の決定の期待度が高い態様に変化させる保留変化先読み演出、新たな保留の記憶が行われた場合に、当該保留に基づく変動演出中、又は、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度示唆画像(たとえば、背景画像等)を表示する先読みゾーン演出等を設けてもよい。
そして、通常遊技状態中においては、大当たりに当選した場合よりも、ハズレ又は小当たりの当選であって時短図柄J1が決定された場合の方が、上述の特殊態様で保留表示が行われる保留先読み演出、保留変化先読み演出、先読みゾーン演出等の実行される可能性が高くなるように設定してもよい。
たとえば、図285に示すように、保留変化先読み演出として、白色による保留表示が青色による保留表示に変化する青保留変化、白色による保留表示が赤色による保留表示に変化する赤保留変化、及び、白色による保留表示が紫色による保留表示に変化する紫保留変化の3パターンが設けられるとともに、先読みゾーン演出として、第1の高期待度示唆画像が表示されるゾーンA、第2の高期待度示唆画像が表示されるゾーンB、及び、第3の高期待度示唆画像が表示されるゾーンCの3パターンが設けられているものとする。
そして、記憶されているいずれかの保留について、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定される)場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は15%、赤保留変化が実行される割合は10%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCを実行可能であり、上述の場合における、ゾーンAが実行される割合は10%、ゾーンBが実行される割合は40%、ゾーンCが実行される割合は55%としてもよい。
また、記憶されているいずれかの保留について、大当たり図柄が決定される場合には、
上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化、赤保留変化及び紫保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は15%、赤保留変化が実行される割合は20%、紫保留変化が実行される割合は25%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は10%、ゾーンBが実行される割合は25%としてもよい。
また、時短図柄J2が決定され、かつハズレ図柄又は小当たり図柄が決定された場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は3%、赤保留変化が実行される割合は5%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は5%、ゾーンBが実行される割合は10%としてもよい。
すなわち、上述のように設定したときには、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されない場合は、大当たり図柄が決定される場合と比較して、青保留変化が実行される割合は同一、赤保留変化が実行される割合及び紫保留変化が実行される割合はいずれも小さいため、赤保留変化や紫保留変化が実行された場合には、大当たり図柄の決定に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、紫保留変化は、大当たり図柄が決定された場合にのみに実行可能であるため、紫保留変化が実行された場合には、大当たり図柄の決定が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
なお、上述のように設定したときには、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されない場合は、大当たり図柄が決定される場合と比較して、ゾーンAが実行される割合は同一、ゾーンBが実行される割合及びゾーンCが実行される割合はいずれも大きいため、ゾーンBやゾーンCが実行された場合には、時短図柄J1の決定に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、ゾーンCは、時短図柄J1が決定され、かつ大当たり図柄が決定されない場合にのみ実行可能であるため、ゾーンCが実行された場合には、時短図柄J1の決定が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
このように設定した場合にも、大当たりの当選よりも時短図柄J1の決定に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(変形例)
上述の実施の形態では、大当たりの当選確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中においてのみ、時短図柄の抽選が行われ時短付与図柄である時短図柄J1が決定され得るようになっており、大当たりの当選確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中)には、時短図柄の抽選が行われず強制的に時短非付与図柄である時短図柄J2が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態中であっても、時短図柄の抽選が行われるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた第1低確率時短遊技状態中(すなわち、時短遊技状態が設定された遊技状態中)においても、時短図柄の抽選が行われ時短図柄J1が決定され得るように設定してもよい。そして、第1低確率時短遊技状態中において、時短図柄の抽選が行われることにより時短図柄J1が決定された場合には、第1時短遊技状態を再設定するとともに、当該時短図柄J1に対応付けられた時短回数を再度セット(現時点の時短回数を上書き)するようにしてもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短図柄の抽選により時短図柄J1(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、時短回数として「20回」が再度セットされるようにしてもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が20回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
また、上述の場合においては、時短図柄に対応付けられた時短回数を再度セットするのではなく、時短図柄に対応付けられた時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短図柄の抽選により時短図柄J1(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、残りの時短回数を「25回(=残りの時短回数5回+時短図柄J1に定められた時短回数20回)」に更新してもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が25回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定される機会が増加するため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、時短付与図柄として、第1時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が20回に定められた時短図柄J1の1種類のみが設けられていたが、これに限定されるものではなく、異なる時短回数が定められた複数種類の時短付与図柄を設けてもよい。
具体的には、時短図柄J1の他、第1時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が30回に定められた時短図柄J3、第1時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が50回に定められた時短図柄J4、第1時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が10000回に定められた時短図柄J5等を設けてもよい。そして、複数種類の時短付与図柄を設けた場合には、時短図柄の抽選によりいずれかの時短付与図柄が決定され得るように設定し、いずれかの時短付与図柄が決定された場合に、第1時短遊技状態を設定するとともに、決定された時短付与図柄に定められた時短回数を設定するようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、時短図柄の抽選に用いられる乱数として1種類の時短図柄乱数が設けられており、この時短図柄乱数に基づいて、第1時短遊技状態の設定の可否、及び、第1時短遊技状態が設定される場合の時短回数の両方が定められた時短図柄を決定するようになっていたが、時短図柄の抽選の処理については、これに限定されるものではない。
たとえば、時短図柄の抽選に用いられる乱数として、第1時短遊技状態の設定の可否のみを決定する第1時短図柄乱数、及び、第1時短遊技状態が設定される場合の時短回数を決定する第2時短図柄乱数の2種類(すなわち、複数種類)を設け、第1時短図柄乱数に基づいて第1時短遊技状態を設定するか否かを決定した上で、第1時短遊技状態を設定する旨が決定された場合に、第2時短図柄乱数に基づいて時短回数を決定するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態では、時短図柄の抽選を行うための専用の乱数である時短図柄乱数を設け、当該時短図柄乱数に基づいて、時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否を決定するための専用の図柄である時短図柄を決定するようになっていたが、これに限定されるものではなく、時短図柄の抽選専用の乱数や図柄を設けずに、大当たりの抽選で用いられる各種乱数や決定される特別図柄を用いて、時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
たとえば、大当たり、小当たり又はハズレ(大当たりの抽選の結果)の判定に用いられる大当たり乱数を、時短図柄の抽選にも併用して、時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。具体的には、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された大当たり乱数に基づいて所定の抽選(時短図柄の抽選)を行い、第1の抽選結果であった場合には第1時短遊技状態は設定されないものの、第2の抽選結果であった場合には時短回数が20回に設定された第1時短遊技状態が設定され、第3の抽選結果であった場合には時短回数が50回に設定された第1時短遊技状態が設定されるように設定してもよい。そして、このように時短遊技状態の設定の可否を決定するとともに、同一の大当たり乱数に基づいて、大当たり、小当たり又はハズレの判定を行ってもよい。
同様に、特別図柄の決定に用いられる特別図柄乱数に基づいて所定の抽選(時短図柄の抽選)を行って、第1時短遊技状態の設定の可否を決定するとともに、同一の特別図柄乱数に基づいて特別図柄を決定してもよい。
また、上述の大当たり乱数による大当たり、小当たり又はハズレの判定の結果、及び、上述の特別図柄乱数により決定された特別図柄を用いて、時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。すなわち、大当たりの抽選において決定される大当たり図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄、小当たり図柄)を、上述の実施の形態における時短図柄の抽選において決定される時短図柄として代用し、決定された特別図柄の種別に応じて、時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
たとえば、大当たり乱数によりハズレとなった場合において、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z1が決定されたときには、20回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z2が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得るハズレ図柄としては、これらに限定されるものではなく、ハズレ図柄Z1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄(たとえば、時短回数50回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z4等)を設けてもよい。
また、たとえば、大当たり乱数により小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、時短回数が50回に設定された第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得る小当たり図柄としては、これらに限定されるものではなく、小当たり図柄Y1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄(たとえば、時短回数80回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Y3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、上述のように、特別図柄を時短図柄として代用する場合には、時短図柄の変動表示専用の時短図柄表示装置34を設ける必要はなく(すなわち、時短図柄の変動を行う必要はなく)、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示のみ行えばよい。
また、上述の実施の形態では、1の大当たり乱数により大当たり、小当たり又はハズレの判定が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、大当たりとなるか否かの判定にのみ用いられる大当たり判定乱数、小当たりとなるか否かの判定にのみ用いられる小当たり判定乱数、ハズレとなるか否かの判定にのみ用いられるハズレ判定乱数をそれぞれ別個に設け、各乱数ごとに判定を行うことで、大当たり、小当たり又はハズレの抽選結果を導出するようにしてもよい。そして、このようにした場合には、大当たり判定乱数、小当たり判定乱数又はハズレ判定乱数に基づいて所定の抽選(時短図柄の抽選)を行って、第1時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
また、上述の実施の形態では、1の特別図柄乱数により大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、大当たりに当選した場合における大当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる大当たり図柄決定乱数、小当たりに当選した場合における小当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる小当たり図柄決定乱数、ハズレの場合におけるハズレ図柄の種別の決定にのみ用いられるハズレ図柄決定乱数をそれぞれ別個に設け、大当たり、小当たり又はハズレの判定結果に応じたいずれかの乱数に基づいて、大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ図柄の種別を決定するようにしてもよい。そして、このようにした場合にも、上述と同様に、大当たり図柄決定乱数、小当たり図柄決定乱数又はハズレ図柄決定乱数に基づいて所定の抽選(時短図柄の抽選)を行って、第1時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
また、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pは、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値(たとえば、設定値1から設定値6までの6段階等)を定め、この設定値の違いにより、大当たりの当選確率が異なるように設定してもよい。
具体的には、大当たりの当選確率(大当たりと判定される乱数値)を定めた大当たり乱数判定テーブル110を複数段階の設定値のそれぞれに対応して設け、大当たりの抽選時点で設定されている設定値に対応する大当たり乱数判定テーブル110に基づいて、大当たりの抽選の結果を判定するようにしてもよい。そして、このようにした場合には、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、大当たり乱数、大当たり判定乱数、小当たり判定乱数、ハズレ判定乱数等)、又は、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、特別図柄乱数、時短図柄乱数)のいずれかに基づいて所定の抽選(時短図柄の抽選)を行って、第1時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。また、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数に基づいては上述の所定の抽選を行わず、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数のみに基づいて上述の所定の抽選を行って、第1時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
また、上述の実施の形態において高確率遊技状態が設定された場合には、その後に大当たりに当選し低確率遊技状態の設定が定められた特別図柄(大当たり図柄X4)が決定されることにより、当該高確率遊技状態が終了し低確率遊技状態が設定されるようになっていたが、低確率遊技状態への移行の制御については、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率遊技状態が設定された後、大当たりに当選することなく予め定められた高確回数(たとえば、80回等)の大当たりの抽選が行われた場合に、当該高確率遊技状態が終了するように(いわゆるSTタイプのパチンコ機として構成)してもよい。そして、このように設定されたパチンコ機において、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態中に、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定された場合には、当該決定に基づいて時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
また、たとえば、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定するか否かを決定する転落抽選に用いる転落抽選乱数を設け、この転落抽選乱数に基づく転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨が決定された場合に、高確率遊技状態が終了するようにしてもよい。そして、転落抽選乱数を設けた場合には、当該転落抽選乱数に基づいて所定の抽選(時短図柄の抽選)を行って、第1時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
また、上述の実施の形態では、変動開始時において、時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)の設定の可否を決定するための抽選(時短図柄の抽選)→大当たりの抽選という順番で抽選の処理が行われていたが、抽選の順番についてはこれに限定されるものではない。
たとえば、複数段階の設定値が定められていないパチンコ機では、時短遊技状態の設定の可否を決定するための抽選→大当たりの抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、大当たりの抽選→時短遊技状態の設定の可否を決定するための抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、複数段階の設定値が定められているパチンコ機では、時短遊技状態の設定の可否を決定するための抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→大当たりの抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
また、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められていないパチンコ機では、転落抽選→時短遊技状態の設定の可否を決定するための抽選→大当たりの抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、転落抽選→大当たりの抽選→時短遊技状態の設定の可否を決定するための抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められているパチンコ機では、転落抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→時短遊技状態の設定の可否を決定するための抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→大当たりの抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、パチンコ機の仕様に応じたタイミングで、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選が可能となる。
また、上述の実施の形態では、大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となった場合に特別遊技が実行されるようになっていたが、特別遊技の実行契機は、これに限定されるものではない。
たとえば、大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となった場合のみならず、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合(小当たり図柄が決定された場合)に実行される小当たり遊技において、遊技球が進入可能な特別領域を備えた特定大入賞口が開放されるようになっており、小当たり遊技中に特定大入賞口へ入球した遊技球が特別領域へ進入した場合にも特別遊技が実行されるように設定(いわゆる1種2種混合のパチンコ機として構成)してもよい。また、上述の小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後には、上述の小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じた遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)へ移行するように設定してもよい。
そして、上述のように設定されたパチンコ機(いわゆる1種2種混合のパチンコ機)においても、上述と同様に、時短遊技状態の設定の可否を決定する所定の抽選(時短図柄の抽選)を行うように設定して、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、上述の所定の抽選の代わりに、大当たりの抽選において決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に基づいて時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
なお、いわゆる1種2種混合のパチンコ機で上述の所定の抽選(時短図柄の抽選)を行う場合において、当該所定の抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定され、かつ大当たりの抽選によりハズレとなったときには、当該大当たりの抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に、上述の所定の抽選の結果に応じた時短遊技状態を設定し、上述の所定の抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定され、かつ大当たりの抽選により小当たりの当選となったときには、上述の所定の抽選の結果に応じた時短遊技状態の設定は行わず、小当たりの当選に基づく小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、当該小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別に応じた遊技状態を設定するようにしてもよい。
具体的には、上述の所定の抽選により第1時短遊技状態(時短回数は20回)を設定する旨が決定され、かつ、大当たりの抽選において、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に第2時短遊技状態(時短回数は100回)を設定する旨が決定された場合には、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、第1時短遊技状態は設定されず、第2時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏する他、種々の仕様のパチンコ機において、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選機能を搭載可能としつつ、小当たり当選と時短遊技状態の設定の決定とが重複した場合において、時短遊技状態の設定処理が煩雑となるような事態の発生を適切に防止することができる。
また、上述の所定の抽選(時短図柄の抽選)によって決定され得る抽選結果として、複数種類の抽選結果を設けた場合には、各抽選結果ごとに、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を設定してもよい。
具体的には、たとえば、時短図柄の抽選を行うための専用の乱数である時短図柄乱数に基づいて所定の抽選を行い、時短遊技状態の設定の可否を決定するための専用の図柄である時短図柄を決定するように設定した場合には、決定され得る時短図柄の種別として、上述の第1時短遊技状態の設定が定められた時短図柄J1、普通図柄の抽選において当たりとなる確率は非時短遊技状態よりも高くなるものの、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第3時短遊技状態の設定が定められた時短図柄J3、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第4時短遊技状態の設定が定められた時短図柄J4、第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び普通図柄の変動時間は非時短遊技状態と同一である第5時短遊技状態の設定が定められた時短図柄J5等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも高く(又は長く)なるものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態の設定が定められた時短図柄を設けてもよい。
また、たとえば、上述の時短図柄の代わりに、大当たりの抽選において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、上述の第1時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)、上述の第3時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)、上述の第4時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄Y4(又はハズレ図柄Z4)、上述の第5時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄Y5(又はハズレ図柄Z5)等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも高く(又は長く)なるものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄(又はハズレ図柄)を設けてもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態において、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の所定の抽選により決定可能な時短図柄(小当たり図柄、ハズレ図柄)の種類や数は、遊技状態ごとに異なるように設定してもよい。
たとえば、時短遊技状態の設定が定められた時短図柄(小当たり図柄、ハズレ図柄)が所定種類(たとえば、5種類)設けられていた場合において、通常遊技状態では全種類を決定可能であるものの、低確率時短遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよいし、低確率時短遊技状態では全種類を決定可能であるものの、通常遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
また、たとえば、特定の時短遊技状態(たとえば、第1時短遊技状態)では全種類を決定可能であるものの、当該特定以外の時短遊技状態(たとえば、第3時短遊技状態)ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、遊技状態ごとに、時短遊技状態が設定される割合や設定され得る時短遊技状態の種類を変化させることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、決定された時短図柄の種別に応じて変動パターンが決定されるようになっていたが、上述の時短図柄の代わりに、大当たりの抽選において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合においても、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて変動パターンが決定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定された場合に、バリエーションに富んだ変動演出を実行することができる。
また、大当たりの抽選において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、所定期間内(たとえば、所定の開始時点から大当たりの抽選が100回行われるまでの間等)に、時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄の決定回数や、時短遊技状態の設定が定められたハズレ図柄の決定回数に応じて、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の所定期間内に小当たり図柄Y1(時短回数20回の第1時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、2回等)決定された場合に、当該小当たり図柄Y1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、たとえば、上述の所定期間内にハズレ図柄Z1(時短回数50回の第1時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、3回等)決定された場合に、当該ハズレ図柄Z1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態が設定される条件のバリエーションが豊富となり、より斬新な遊技性を付与可能となる。
また、上述のいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、大当たりの抽選において決定された小当たり図柄の種別に基づいて時短遊技状態を設定するようにした場合には、時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入したときと、当該小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入しなかったときとでは、当該小当たり遊技後に設定される時短遊技状態の時短回数が同一となるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、時短回数20回の第1時短遊技状態の設定が定められた小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときにも小当たり遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、たとえば、上述の小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときにも小当たり遊技の終了後に、時短回数5回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別領域への遊技球の可否に応じて異なる時短遊技状態を設定することができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
また、大当たりの抽選において小当たりの当選となった場合に時短遊技状態を設定する場合には、当該小当たりの当選から当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、小当たりの当選時、小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の変動開始時、当該小当たり図柄の変動終了時、当該小当たり図柄に基づく小当たり遊技の開始時、当該小当たり遊技中、当該小当たり遊技の終了時(小当たり遊技終了後の最初の特別図柄の変動開始時)等)で時短遊技状態を設定してもよい。
同様に、大当たりの抽選においてハズレとなった場合に時短遊技状態を設定する場合には、ハズレとなった時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレに基づいて決定されたハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時(次の特別図柄の変動開始時)等)で時短遊技状態を設定してもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションを豊富にすることができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
また、大当たりの抽選において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、時短遊技状態における時短回数としては、小当たり図柄やハズレ図柄の種別に対応して予め定められた時短回数を設定してもよいし、時短遊技状態への移行時に時短回数を決定するための抽選を行い当該抽選で決定された時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短回数の決定方法のバリエーションを豊富にすることができ、パチンコ機の仕様に応じた時短回数の決定が可能となる。
また、大当たりの抽選において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて、設定される時短遊技状態の性能(第2始動入賞口16が開状態に維持される難易度)が異なるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、通常遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい(普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高い設定、普通図柄の変動時間が長い設定、第2始動入賞口16の開放時間が長い設定のうち1又は複数の設定が行われた)時短遊技状態Aが設定され、小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)が決定された場合には、時短遊技状態Aよりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
また、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別、及び、設定されている遊技状態に応じて、設定される時短遊技状態の性能が異なるようにしてもよい。
たとえば、通常遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Aが設定されるものの、当該時短遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、設定される時短遊技状態の性能のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
また、時短遊技状態が設定される旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて時短遊技状態が設定された場合には、時短回数の上限を設定することなく(すなわち、時短回数を無限とし)、大当たりの当選を条件として当該時短遊技状態を終了させてもよいし、時短遊技状態を終了させる旨が定められた時短終了図柄を決定するための抽選(時短終了図柄の抽選)を行い、当該抽選により時短終了図柄が決定されたことを条件として当該時短遊技状態を終了させてもよい。また、時短回数の上限回数が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定を条件として上述の時短遊技状態を終了し、当該決定に基づく時短遊技状態及び時短回数を設定(上書き)してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の終了条件のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
また、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達した場合における次の遊技状態として、時短遊技状態を設定することができない(強制的に非時短遊技状態が設定される)ように定められたパチンコ機(以下、時短リミッタ搭載のパチンコ機という)では、通常遊技状態において、時短遊技状態が設定される旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合には、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、時短遊技状態において、時短遊技状態が設定される旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、通常遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定するものの、時短遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定しないように定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が、時短遊技状態中に停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、連続時短設定回数が上限回数に達する難易度を変化させることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
また、時短リミッタ搭載のパチンコ機においては、時短遊技状態が設定される旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の性能(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間及び時短回数のうちの1又は複数)を、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達するまでの残り回数に応じて異ならせてもよいし、当該残り回数にかかわらず同一となるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短リミッタ搭載のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
また、転落抽選が行われるとともに、時短遊技状態の設定が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定により時短遊技状態が設定されるように構成されたパチンコ機において、転落抽選により高確率遊技状態を終了する旨が決定され、かつ時短遊技状態の設定が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたときには、当該図柄の決定に基づき設定される時短遊技状態の時短回数として、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよいし、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態において設定される時短回数のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
また、大当たりの抽選の結果や時短図柄の抽選の結果を報知する先読み演出が実行されているときに、時短遊技状態の設定が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定された場合には、実行中の先読み演出を継続してもよいし、当該先読み演出を継続せずに中止してもよい。
また、時短遊技状態の設定が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定される保留が記憶されているときには、他の保留を対象とした特定の演出(先読み演出、当該他の保留に基づく変動演出中に実行される所定の演出等)の実行を制限してもよいし、既に当該他の保留を対象とした特定の演出が実行されている場合には、実行中の当該特定の演出を継続してもよいし、継続せずに中止してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の設定が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定の状況に応じた適切な演出の実行が可能となる。
また、上述の実施の形態では、上述の条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立後は、当該条件の成立前よりも長い変動時間の決定割合を高くすることで、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させるようにしていたが、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数を減少させるためのメインCPU101による制御方法としては、これに限定されるものではない。以下、具体例を挙げて説明する。
なお、以下では、連続大当たりとは、通常遊技状態において大当たりに当選して少なくとも時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たりをいうものとする。
(具体例1)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動において、(1)これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよい。また、これ以降に実行される特別遊技において、(2)これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定されるようにしてもよいし、(3)これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定されるようにしてもよいし、(4)これ以前に実行されていた特別遊技におけるインターバル時間よりも長いインターバル時間が設定されるようにしてもよいし、(5)これ以前に実行されていた特別遊技における大入賞口18の開放時間よりも長い開放時間が設定されるようにしてもよい。
(具体例2)
たとえば、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例3)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例4)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ所定回数に達した際又は所定回数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例5)
たとえば、連続大当たり中において、実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達し、かつ所定数に達した後の大当たり当選時に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例6)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回)以下であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例7)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回等)以下であり、かつ当該次の大当たりに当選した際に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例8)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例9)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例10)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例11)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例12)
たとえば、連続大当たり中における所定の大当たりの当選時に決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、相対的に短い変動時間(3秒、6秒等)が設定された変動パターン等)であった場合に、これ以降に実行される変動において、上述の(1)のように設定してもよいし、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(2)~(5)のように設定してもよい。
(具体例13)
たとえば、第1特図乱数や第2特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数について大当たりの抽選に関する各種判定(大当たりに当選するか否かの判定、決定される特別図柄の種類の判定等)を行う事前判定処理が実行されるように設定するとともに、連続大当たり中において、当該事前判定処理による判定結果が所定の内容(たとえば、特別遊技終了時点で記憶されている保留の中に大当たりに当選するものが含まれている等)であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例14)
たとえば、連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、15分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例15)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)以下であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例16)
たとえば、連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
(具体例17)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(1)~(5)のように設定してもよい。
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様に、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、上述の具体例1~17における各種条件については、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わせて設定することもできる。また、各種条件を満たした場合における上述の(1)~(5)の設定については、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。
また、主制御基板100に、連続大当たりの回数をカウントするためのカウンタ(メインRAM103の所定の記憶領域により構成)を設け、当該カウンタのカウント値に基づいて連続大当たりの回数が所定回数に達したか否かを判定してもよい。そして、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合に、上述の(1)~(5)の設定のうちのいずれか1又は複数を設定してもよい。
また、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するため、連続大当たりは、主に第2特図乱数に基づいて当選した大当たりとなる。そこで、上述のカウンタは、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数をカウントし、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には当該カウンタのカウント値をリセットするように設定し、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数が所定回数に達した場合に、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たしたものと判定するようにしてもよい。すなわち、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、連続大当たりが途切れたものとして取り扱い、連続して第2特図乱数に基づいて大当たりに当選しないと、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たさないように設定してもよい。
第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合よりも、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が決定されやすく、短期間の間に遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する可能性が高い。上述のように設定した場合には、第2特図乱数に基づく大当たりのみを連続大当たりの回数に関する条件の対象とするため、上述の(1)~(5)の設定が過度に行われてしまう事態を防止することができる。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(1)と、特別遊技中の各種時間に関する(2)~(5)の少なくともいずれか一とを、組み合わせて設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりも変動時間及び特別遊技中の各種時間のいずれもが長くなるものの、特別遊技中の各種時間の変化率よりも変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1における条件を満たした場合に、(1)と(2)とを組み合わせて設定したときには、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別図柄の変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別図柄の変動時間として13秒や15秒(所定回数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別遊技中のオープニング時間が10秒であり、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別遊技中のオープニング時間が15秒(所定回数に達する前のオープニング時間の1.5倍に変化)であるように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(1)を設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間及びリーチ変動パターンとなる変動の変動時間のいずれもが長くなるものの、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよいし、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例2における条件を満たした場合に(1)を設定したときには、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として180秒や240秒(所定数に達する前の変動時間の6倍~12倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例8における条件を満たした場合に(1)を設定したときには、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として40秒や45秒(所定数に達する前の変動時間の約1.3倍~2.25倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合には、上述の(1)~(5)のように設定するのではなく、他の設定を行ってもよい。たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される普図遊技において、(6)これ以前に実行されていた普通図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよいし、(7)これ以前における第2始動入賞口16の可動片16bの開放時間よりも短い開放時間となるように設定してもよい。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別遊技の終了後において、(8)これ以前の特別遊技の終了後に設定されていた時短回数よりも少ない時短回数を設定するようにしてもよい。
このように設定することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球頻度が減少し、大当たりの抽選機会も減少するため、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される特別遊技において、(9)これ以前の特別遊技中よりも遊技球が入球困難な態様(たとえば、0.5秒の開放と1.0秒の閉鎖を所定回数繰り返す態様等)で大入賞口18が開閉するように設定してもよい。
このように設定した場合には、特別遊技中に獲得可能な賞球数が減少し、単位時間あたりの総賞球数を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別図柄の変動に際し、(10)第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されているときに、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるように設定してもよい。
このように設定した場合、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選したときよりも第1特図乱数に基づいて大当たりに当選したときの方が、少ないラウンド数の特別遊技の実行が決定される割合が高くなっているため、特別遊技中に獲得可能な賞球数の期待値が減少し、単位時間あたりの総賞球数の期待値を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、(6)~(10)の設定については、(1)~(5)と同様に、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。また、(1)~(5)の少なくともいずれか一と組み合わせて設定してもよい。
また、(1)~(7)の設定においては、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、各種時間が長くなるようになっていたが、所定の時間は長くなるようにしつつ、他の時間は短くなるように設定してもよい。たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定しつつ((1)の設定)、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも短いエンディング時間が設定される((3)の設定)ようにしてもよい。
このようにした場合には、具体例1~17の各種条件を満たした後、変動が開始されてから特別遊技が終了するまでの時間が長くなり過ぎてしまい、遊技者の利益が極端に阻害されるような事態を防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(1)~(7)の設定がなされ、各種時間が長くなるようにしたときには、長くなった期間内において、特定の演出の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定((1)の設定)したときには、長い変動時間が決定された際に、当該変動における大当たりの当選の期待度を示す示唆演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。また、大当たりの抽選の結果とは無関係な内容を示す特殊演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定((2)の設定)されるようにしたときや、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定((3)の設定)されるようにしたときには、オープニング時間やエンディング時間が経過するまでの間に、当該時点で記憶されている保留の中に大当たりの当選と判定され得るものがある旨を示唆する先読み演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
なお、特定演出の実行頻度の変化度合いについては、特に限定されるものではない。たとえば、上述の各種条件を満たす以前には特定の演出は実行されていなかったものの、上述の各種条件を満たした後には、特定の演出が実行されるように設定してもよいし、上述の各種条件を満たす以前には所定の実行割合で特定の演出が実行されるようになっていたものの、上述の各種条件を満たした後は、上述の所定の実行割合よりも高い割合で特定の演出が実行されるように設定してもよい。
このようにした場合には、上述と同様に、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止しつつも、各種時間が長くなることにより遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われるようにしたときには、所定の終了条件を満たした場合に、当該設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
なお、所定の終了条件としては、たとえば、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、30回)の変動が行われたこと、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、3回)の特別遊技が行われたこと(大当たりに所定回数当選したこと)、連続大当たりが途切れたと判定されたこと(たとえば、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されることとなる大当たり図柄が決定されたこと、通常遊技状態が設定されたこと、通常遊技状態が設定されてから所定回数の変動が行われたこと等)を設定することができる。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
なお、具体例1~17の各種条件を満たし、(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われた場合において、少なくとも時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれか一方が継続していたとき(すなわち、連続大当たり中であったとき)であっても、特定条件を満たした場合には、(たとえば、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄X2が所定回数(たとえば、2回等)連続して決定された場合等)には、上述の設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、これに基づいて行われた設定を伝達するために、特定の外部情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、ホールコンピュータ等のパチンコ機Pの外部に設けられた機器)に送信するようにしてもよいし、上述の設定が行われた旨を報知するために、演出表示装置21の表示部21aに所定の表示(たとえば、特定のマーク画像の表示や、「遊技進行時間変更中」等の注意表示)を行ったり、所定態様でランプを点灯させたりするようにしてもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、その旨を示す履歴情報を、主制御基板100のメインRAM103や副制御基板300のサブRAM303に記憶するようにしてもよい。このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が行われる頻度や期間を把握することができ、射幸性が高くなる事態が生じにくいパチンコ機の開発に役立てることができる。
また、パチンコ機Pが、決定され得る変動時間の長さや変動時間の決定割合が異なるように設定された変動パターンテーブル115を複数備え、具体例1~17の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選した場合に、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後に、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄に基づいた異なる変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。
そして、このように設定されていたときであっても、上述の各種条件を満たし(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われた状態で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選時にいずれの大当たり図柄が決定されたとしても、共通の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に長い変動時間の決定割合が高く設定された第1の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)が決定され、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に短い変動時間の決定割合が高く設定された第2の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。そして、このように設定されていたときには、上述の各種条件を満たした状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2のいずれが決定されたときであっても、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、第1の変動パターンテーブル115で決定され得る変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高く設定された第3の変動パターンテーブル115を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
また、パチンコ機Pは下記のような変動パターンテーブル115を備えるようにしてもよい。以下、変動パターンテーブル115について具体的に説明する。なおここでは、時短図柄については考慮せず、また、大当たりの抽選において小当たりの当選は決定されず、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に決定される大当たり図柄はX1及びX2の2種類、ハズレ図柄はY2の1種類であるものとする。
たとえば、図286~図287に示すように、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルC、及び高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルD1、D2、D3を設けてもよい。
図286に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに、「3秒変動」の変動パターン(変動時間全体が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに、「5秒変動」の変動パターン(変動時間全体が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が125~224であったときに、「10秒変動」の変動パターン(変動時間全体が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C2H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに、「15秒変動」の変動パターン(変動時間全体が15秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C3H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「30秒変動」の変動パターン(変動時間全体が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「60秒変動」の変動パターン(変動時間全体が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「100秒変動」の変動パターン(変動時間全体が100秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(変動時間全体が120秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D3H」が決定される。
図287(a)に示すように、テーブルD1によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~12であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が13~25であったときに「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が26~50であったときに「50秒変動」の変動パターン(変動時間全体が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が51~150であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターン(変動時間全体が150秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターン(変動時間全体が200秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図287(b)に示すように、テーブルD2によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「50秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が25~74であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が75~149であったときに「70秒変動」の変動パターン(変動時間全体が70秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C7H」が決定され、変動パターン乱数が150~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図287(c)に示すように、テーブルD3によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
そして、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルCを参照して変動パターン(すなわち、変動時間)を決定するとともに、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルD1、テーブルD2又はテーブルD3のいずれかの変動パターンテーブル115を参照して変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(1)~(10)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、所定の切り替え条件を満たすことにより、参照する変動パターンテーブル115を切り替えるようにしてもよい。具体的には、連続大当たりの回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルD1→テーブルD2→テーブルD3と切り替えるようにしてもよい。また、変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルD3→テーブルD2→テーブルD1と切り替えるようにしてもよい。
(時短遊技状態の設定を適用した他の遊技性)
次に、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態を設定するという制御を適用した他の遊技性の例を説明する。なお、以下では、上述の実施の形態と異なる構成や制御を中心に説明を行い、同様の構成や制御については、必要な場合を除き、説明を割愛する。
(他の適用例1)
(構成及び制御の概要)
特に図示していないが、他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技盤11(遊技領域12)の構成、設置されている装置や部材は、上述の実施の形態とほぼ同一となっているが、後述するように、専用の時短図柄乱数や時短図柄を用いた時短遊技状態の設定の可否の決定は行われないようになっているため、時短図柄表示装置34は設けられていない。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様の、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(図246参照)。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合に、大当たり図柄X1が決定されるようになっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定されようになっている。なお、通常遊技状態中における大当たりの当選確率はおよそ1/150、高確率時短遊技状態中における大当たりの当選確率はおよそ1/110に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技(たとえば、3ラウンド)において所定数(たとえば、1個)の遊技球が特定領域57へ進入できず当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入し当該特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態のように専用の時短図柄乱数や時短図柄を用いた時短遊技状態の設定の可否の決定は行われない。この代わりに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなった場合に決定され得るハズレ図柄として、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1と、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2とが設けられている。そして、通常遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、ハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/500に設定されている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1は決定されないようになっている。また、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)中に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態の設定が行われないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第1始動入賞口15の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数が5回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり図柄X2が決定された場合、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
(他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1が決定される。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(図288参照)。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中は、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介して高確率時短遊技状態が設定されることはない。
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、大当たりの抽選の結果がハズレとなりハズレ図柄Z1が決定され得る(決定確率はおよそ1/500)ようになっている。ハズレ図柄Z1が決定された場合には、大当たり及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、この第2低確率時短遊技状態は、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで継続する。
第2低確率時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定される。大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図288参照)。ここで、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき高確率時短遊技状態へ移行する。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X2が決定される。そして、大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき、再度、高確率時短遊技状態が設定される。
このように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、実質的に、当該遊技状態中に再度大当たりに当選し、かつ再度高確率時短遊技状態が設定される。したがって、一旦、高確率時短遊技状態が設定された後は、大当たり図柄X2が連続して決定可能となり、大当たり図柄X2が5回連続して決定されるまで(連続確変設定回数が上限回数に到達するまで)高確率時短遊技状態が継続する。そして、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が5回連続して実行される。
ここで、たとえば、パチンコ機Pが、大当たり図柄X1(特別遊技中に獲得可能な遊技球が400個)の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されるように構成されていたものとする。すると、通常遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると高確率時短遊技状態が設定され、上述と同様に、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2が連続して決定可能となる。
しかし、このように構成されたパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されることから、この大当たり図柄X1の決定も連続確変設定回数としてカウントされることとなる。すると、大当たり図柄X1の決定に基づく高確率時短遊技状態の設定後、大当たり図柄X2が連続して4回決定されると、連続確変設定回数が上限回数に到達し、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。したがって、大当たり図柄X1が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は4400個(=大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球400個×1回+大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×4回)となる。
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき設定される第2低確率時短遊技状態を介し、当該第1低確率時短遊技状態中の大当たり図柄X2の決定に基づき高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は5000個(=大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×5回)となる。
またここで、たとえば、パチンコ機において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には第1の大当たり図柄及び第2の大当たり図柄のいずれかが決定されるように設定され、いずれの大当たり図柄が決定されたときにも、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態が設定されるものの、第1の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に時短遊技状態が設定され、第2の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に非時短遊技状態が設定されるようになっていたものとする。また、このパチンコ機Pにおいて、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選して大当たり図柄が決定された場合には、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態に設定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数よりも多くなるように設定されていたものとする。さらに、このパチンコ機Pにおいて、非時短遊技状態中は、第1始動入賞口15へ遊技球を入球させるべく第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、時短遊技状態中は、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させるべく第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われるようになっていたものとする。
以上のように構成されたパチンコ機では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて第2の大当たり図柄が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、高確率遊技状態、かつ非時短遊技状態へ移行するため、連続確変設定回数は増加するものの、その後も引き続き第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われる。すると、その後、第1の大当たり図柄が決定され時短遊技状態へ移行した場合に、既に連続確変設定回数が増加しており、連続確変設定回数が上限回数に到達するまでに、遊技者にとって有利な第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選を獲得できる回数が減少してしまうため、遊技者にとって不利となる。
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機のように、大当たり図柄でない特定のハズレ図柄や小当たり図柄の決定に基づいて時短遊技状態へ移行するように設定した場合には、時短遊技状態へ移行する前に連続確変設定回数が増加することがなく、連続確変設定回数が0の状態で時短遊技状態へ移行するため、上述のような不利な状況が発生しないこととなる。
以上のように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて、直接、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する高確率時短遊技状態へ移行するのではなく、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態(第2低確率時短遊技状態)を介し、第2始動入賞口16への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて高確率時短遊技状態へ移行するようになっている。
そのため、高確率時短遊技状態への移行が定められた大当たり図柄が決定されてから当該高確率時短遊技状態が終了するまでの間、全て、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき付与可能な遊技利益(たとえば、大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中のラウンド数等)を獲得できることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定により時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態において、時短遊技状態の設定が定められたハズレ図柄Z1が決定される場合には、大当たり図柄X1が決定される場合よりも、特定の演出(先読み演出、変動演出中における遊技者の期待感の大きいリーチ発展演出等)の実行割合が高くなるように設定してもよい。
(他の適用例2)
他の適用例2に係るパチンコ機Pは、他の適用例1に係るパチンコ機Pとほぼ同一の構成及び制御となっている。
ただし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数が100回の高確率時短遊技状態が設定されるようになっている。大当たり図柄X2の決定確率は、他の適用例1と同様のおよそ1/110に設定されているため、高確率時短遊技状態中に必ずしも次の大当たりに当選するとは限らず、大当たりに当選することなく大当たりの抽選が100回行われると、通常遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数は特に設定されておらず、低確率時短遊技状態が設定される条件(高確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく大当たりの抽選が100回行われること)を満たすまで、高確率時短遊技状態が継続するようになっている。
さらに、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15のみならず、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなった場合にも、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1、又は、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2が決定され得るようになっている。そして、通常遊技状態において、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、通常遊技状態においてハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/7に設定されている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態が再設定されないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
(他の適用例2に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例2に係るパチンコ機Pにおける通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態を経て、高確率時短遊技状態へ至るまでの遊技の流れについては、他の適用例1に係るパチンコ機Pと同一である。
他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確率時短遊技状態における時短回数は100回に設定されるため、大当たりに当選することなく大当たりの抽選が100回行われると、当該高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。
ここで、高確率時短遊技状態中は常時、第2遊技領域12bへ遊技球が打ち出され、当該遊技球はゲート20を通過可能となっている。すると、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点では、第2保留数は上限数である4となっている(すなわち、第2特図乱数が上限数の4つ保留記憶されている)可能性が高い。また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様に、第1特図乱数よりも第2特図乱数が優先的に処理されるようになっているため、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第1特図乱数よりも先に、当該時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数について、大当たりの抽選の処理が行われる。
通常遊技状態が設定された後は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを再開し、第1始動入賞口15への遊技球の入球を狙って、高確率時短遊技状態への移行を再度目指すこととなる。
しかし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数に基づく大当たりの抽選においてハズレ図柄Z1が決定されると、時短回数10000回の第2低確率時短遊技状態が設定され、これを経て、高確率時短遊技状態が再設定されることとなる。すなわち、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されても、この時点で保留されている第2特図乱数に基づきハズレ図柄Z1が決定されることにより第2低確率時短遊技状態へ移行することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となり、当該入球に基づいて大当たり図柄X2が決定されると、高確率時短遊技状態へ再移行する。
以上のように、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中において、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づいて特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されると、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、第2低確率時短遊技状態へ移行し、その後、高確率時短遊技状態へ移行可能となっている。
これにより、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第2特図乱数に基づき、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、高確率時短遊技状態へ再移行させ得ることができることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、他の適用例2に係るパチンコ機Pにおいても、他の適用例1と同様に、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
(他の適用例3)
(構成及び制御の概要)
他の適用例3に係るパチンコ機Pは、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に後述する特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、アタッカー装置17以外、他の適用例1及び他の適用例2と同一となっている。
特に図示していないが、アタッカー装置17は、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2に設けられていた特定領域57の代わりに、当該特定領域57と同一の構造ではあるものの機能が異なる特別領域を備えている以外、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同一の内部構造となっている。
そして、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同様に、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に、大入賞口18が開放し、遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。しかし、特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入し、特別遊技が実行されるようになっている。
なお、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2のように、特別遊技中において大入賞口18の所定領域(特定領域57)へ所定数の遊技球が進入したか否かにより、当該特別遊技終了後の遊技状態が設定されるのではなく、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、上述の遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第1低確率時短遊技状態、又は、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第2低確率時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定される。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(図246参照)。
また、図289に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図289に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、図289に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりに抽選においてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、図289に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図289に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、大当たりの抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X2が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図289に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
(他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例3に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(図289、図290参照)。
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われる。当該大当たりの抽選では、上述の如く、大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)又は小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)のいずれかの抽選結果が導出される。そして、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(図289、図290参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
なお、上述の如く、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されており、大当たり図柄X2や小当たり図柄Y1の決定に基づく変動中には第2始動入賞口16へ遊技球が入球して第2特図乱数が1個保留記憶される。そのため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定されても、この時点で保留記憶されている1個の第2特図乱数に基づきさらに1回大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく特別遊技が実行されることとなる。なお、通常遊技状態において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に設定されるため(図289、図290参照)、上述の特別遊技の終了後は、特別遊技の実行前と変わらずそのまま通常遊技状態となる。
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が0回である通常遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に計2回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計3回)の特別遊技が実行されることとなる。
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(図289、図290参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(図289、図290参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
すると、第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が1回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に1回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計2回)の特別遊技が実行されることとなる。
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
また、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき第1低確率時短遊技状態(連億時短設定回数が1回)が設定された場合、当該第1低確率時短遊技状態においてさらにハズレ図柄Z1が決定されると、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に再設定される(図289、図290参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定されると、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となる。
すると、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、連続時短設定回数が上限回数である3回に到達したため、当該決定に基づく特別遊技の終了後は第2低確率時短遊技状態が設定されることなく、強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
なお、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となるため、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される(図289、図290参照)。そして、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化する。これにより、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
(他の適用例4)
(構成及び制御の概要)
他の適用例4に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、遊技盤11の構成、当該遊技盤11に設置されている装置や部材、設定される遊技状態、及び、各遊技状態中に遊技球を打ち出す遊技領域12は全て、他の適用例3と同一となっている。
また、図291に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図291に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、図291に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりに抽選においてハズレとなった場合には、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるようになっている。ハズレ図柄Z1の決定確率はおよそ1/50、ハズレ図柄Z2の決定確率はおよそ49/50に設定されている。
そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
これに対して、ハズレ図柄Z2が決定された際には、時短遊技状態が設定されないようになっている。すなわち、通常遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も通常遊技状態が継続し、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
また、図291に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図291に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、大当たりの抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、図291に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図291に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
これに対して、図291に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、普図保留数の上限値は0個に設定されており、遊技球がゲート20を通過することにより普図保留が行われることはない。そして、上述のように設定された第2低確率時短遊技状態は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動開始時に終了し、その後、通常遊技状態が設定されるようになっている。
ここで、たとえば、通常遊技状態や第1低確率時短遊技状態から特別遊技の実行を経て第2低確率時短遊技状態へ移行した際等、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、遊技球がゲート20を通過することで第2始動入賞口16が開放され、この開放中の第2始動入賞口16へ1個目の遊技球が入球し当該入球に基づいて変動が開始されると、当該第2低確率時短遊技状態が終了する。ただし、変動開始時にはまだ第2始動入賞口16が開放されているため、この間に第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
また、上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいては必ず大当たり又は小当たりの当選となるため、当該当選に基づく特別遊技の終了後は、第2特図乱数が保留記憶された状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、第2低確率時短遊技状態が設定されると直ちに、保留記憶されていた第2特図乱数に基づく大当たりの抽選(抽選結果は大当たり又は小当たり)が行われて変動が開始されるため、当該第2低確率時短遊技状態の設定後、すぐに当該第2低確率時短遊技状態が終了する。したがって、上述の特別遊技の終了後に遊技球がゲート20を通過しても、既に第2低確率時短遊技状態が終了していることから、第2始動入賞口16は開状態に極めて維持されにくく、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはないようになっている。
なお、保留記憶されていた最後の第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われると、再度、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定される。この場合は、上述と同様の処理が行われることとなる。
(他の適用例4に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例4に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(図291、図292参照)。
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われる。
なお、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、第2特図乱数は保留記憶されていない。そのため、当該第2低確率時短遊技状態が設定された後に第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶される。
そして、上述の大当たりの抽選では、上述の如く、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X2の決定、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X3の決定、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y1の決定、又は、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y2の決定のいずれかの抽選結果が導出される。第2低確率時短遊技状態中には、上述のいずれの図柄が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(図291、図292参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
なおここで、上述の如く、第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の大当たりの抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた最後1個の第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図291、図292参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。これに対して、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、通常遊技状態が設定される(図291、図292参照)。
そして、上述の大当たりの抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
これにより、再度、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されるまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されて、通常遊技状態が設定された場合には、当該通常遊技状態から再度大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)、及び、当該当選に基づく第2低確率時短遊技状態への移行を目指すこととなる。
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている最後1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(図291、図292参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(図291、図292参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
また、(1)の場合と同様に、第2低確率時短遊技状態の設定後には、第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球しこれに基づいて大当たりの抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数の2個まで保留記憶される。
そして、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が2回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
(イ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合
なおここで、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の大当たりの抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が1回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り2個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、(1)の場合と同様に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図291、図292参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて上述のいずれかの図柄が決定され、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図291、図292参照)、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、上述の大当たりの抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、上述のいずれかの図柄の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
上述の如く、この時点では連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となっているため、上述の1個目の遊技球の入球に基づく大当たりの抽選で、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれか決定されると、強制的に通常遊技状態が設定されることとなり、上述と同様の状況となる。
(ロ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合
これに対して、上述のように強制的に通常遊技状態が設定され、この時点で保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づいて、再度、通常遊技状態が設定される(図291、図292参照)。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定されることとなり(図291、図292参照)、上述の(1)と同様の状況となる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、引き続き、通常遊技状態が設定されることとなり(図291、図292参照)、この場合も上述の(1)と同様の状況となる。
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている2個の第2特図乱数のいずれについても、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、3回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計10回の特別遊技が実行されることとなる。
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
また、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定された場合も、他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定され(図291、図292参照)、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
このように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。また、第2低確率時短遊技状態から特別遊技を経て通常遊技状態へ移行した場合には、当該時点で保留記憶されていた残りの第2特図乱数に基づいて所定の大当たり図柄(大当たり図柄X2)又は小当たり図柄(小当たり図柄Y1)が決定されると、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化するとともに、通常遊技状態へ移行した時点での抽選結果に応じて第2低確率時短遊技状態への再移行が可能となるため、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレが決定された場合には必ず、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定される特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりの当選となった場合には、通常遊技状態が設定される大当たり図柄が決定され得るようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにするのではなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球により第1時短遊技状態が設定される特定の大当たり図柄や小当たり図柄を設け、当該特定の大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて、第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
(他の適用例5)
(構成及び制御の概要)
他の適用例5に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機である。この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、図293に示すように、遊技領域12の中央下部に遊技球が入球可能な普図始動口70が設けられている。この普図始動入賞口70へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが進入可能となっている。
また、普図始動口70の左下方には、遊技球が進入可能な進入装置80が設けられている。この進入装置80は、図293に示すように、遊技球が入球可能な入球口81と、入球口81を開閉する開閉扉82(普通電動役物)と、入球口81から入球した遊技球が流下可能な第1流下通路83及び第2流下通路84と、第1位置又は第2位置に変位可能であって、第1位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第1流下通路83へ振り分け、第2位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第2流下通路84へ振り分ける振り分け部材85と、第1流下通路83を流下する遊技球が通過可能な第1ゲート86と、第2流下通路84を流下する遊技球が通過可能な第2ゲート87と、第1ゲート86及び第2ゲート87を通過した遊技球を遊技盤11の背面へ排出する排出口(特に図示しておらず)とを備えている。
また、図293に示すように、遊技領域12の左部中央には、開閉可能な開閉扉90を備えた第1始動入賞口15と、開閉可能な開閉扉91を備えた第2始動入賞口16とが並設されている。また、遊技領域12の左下部には、他の適用例3及び他の適用例4と同一の構成のアタッカー装置17が設けられている。
また、この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び他の適用例4と同様に、通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態又は第2低確率時短遊技状態のいずれかが設定されるが、いずれの遊技状態においても、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されるようになっている。
そして、第1遊技領域12aを流下する遊技球が普図始動口70へ入球すると普通図柄の抽選が行われ、当該抽選の結果が当たりとなると、開閉扉82が開き、進入装置80の入球口81へ遊技球が入球可能となるとともに、振り分け部材85が第1位置又は第2位置へ停留することで、入球口81から入球した遊技球が第1流下通路83又は第2流下通路84へ導かれる。遊技球がいずれの流下通路へ導かれるかは、設定されている遊技状態に応じて予め定められている。
また、第1流下通路83へ導かれた遊技球が第1ゲート86を通過すると、開閉扉90が開き(第2始動入賞口16が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉90が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、第2流下通路84へ導かれた遊技球が第2ゲート87を通過すると、開閉扉91が開き(第1始動入賞口15が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉91が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、図294に示すように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/150に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、非時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
また、図294に示すように、第1時短遊技状態中(第1低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/2に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第1時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第1位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第1ゲート86を通過することで第1始動入賞口15が開放される。
また、図294に示すように、第2時短遊技状態中(第2低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/1.1に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第2時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
また、図294に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び適用例4と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図294に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。
また、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第1低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
また、図294に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定されるようになっている。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図294に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選確率は、遊技状態にかかわらず、およそ149/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に大当たり又は小当たりに当選し特別遊技が実行される確率は、およそ1/2となっている。
また、図294に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図294に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
これに対して、図294に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されたときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
また、図294に示すように、ハズレ図柄X2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は999回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第2低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する。
(他の適用例5に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例5に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
通常遊技状態中は、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選が行われる。この普通図柄の抽選において当たりとなると、上述の如く、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖されるようになっており、入球した当該遊技球に基づいて大当たりの抽選が1回行われる。
この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される(図294、図295参照)。これに対して、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定され、当該決定後には第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される(図294、図295参照)。
(1)第2低確率時短遊技状態が設定された場合
第2低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖され、入球した当該遊技球に基づいて大当たりの抽選が1回行われる。
この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される(図294、図295参照)。そして、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される(図294、図295参照)。これに対して、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、通常遊技状態が設定される(図294、図295参照)。また、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する(図294、図295参照)。
なお、第2低確率時短遊技状態の時短回数は100回に設定されているため、大当たりに当選することなく上述の大当たりの抽選が100回行われると第2低確率時短遊技状態が終了することとなる。しかし、第2低確率時短遊技状態中は頻繁に第2始動入賞口16が開放されるとともに、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選においては、大当たり又は小当たりに当選する確率がおよそ1/2に設定されているため、実質的には、大当たり又は小当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続する。
そして、第2低確率時短遊技状態が設定されると、上述の大当たりの抽選において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されない限り、大当たり又は小当たりの当選に基づく特別遊技を介して、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定されることとなる。
一方、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づいて、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されると、上述と同様に、普通図柄の抽選において当たりとなることにより第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定され、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が設定される。
(2)第1低確率時短遊技状態が設定された場合
上述のように、通常遊技状態においてハズレ図柄Z1が決定されると、第1低確率時短遊技状態が設定される。
第1低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中や第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっているが、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球は第1ゲート86を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第1始動入賞口15が開放される。そして、開放された第1始動入賞口15へ遊技球が2個入球すると、第1始動入賞口15は閉鎖されるようになっており、先に入球した遊技球に基づいて大当たりの抽選及び変動が行われ、後に入球した遊技球に基づいて取得された第1特図乱数は保留記憶される。また、実行中の変動が終了すると、引き続き、保留記憶された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選及び変動が行われる。
そして、上述の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図294、図295参照)。第2低確率時短遊技状態が設定された後の遊技の流れは、(1)と同様である。
これに対して、上述の大当たりの抽選において、ハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、時短遊技状態の設定は行われることなく、このまま第1低確率時短遊技状態が継続する。また、大当たりの抽選が1回行われることにより、第1低確率時短遊技状態における時短回数の残り回数が1減少することとなる。
ここで、第1低確率時短遊技状態中は、普通図柄の抽選における当たりの決定による第1始動入賞口15の開放中に2個の遊技球が入球することから、第1特図乱数が1個保留記憶された状態が維持されるようになっている。また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、上述のように、第1低確率時短遊技状態における時短回数が奇数回数である999回に設定される。すると、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく大当たりの抽選が999回行われると、当該第1低確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されるが(図295参照)、この時点では第1特図乱数が1個保留記憶されていることとなる。
そして、通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されていた第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図294、図295参照)。さらに、上述の大当たりの抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、当該決定後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図294、図295参照)。
すなわち、第1低確率時短遊技状態が設定された後に、大当たりに当選することなく大当たりの抽選が999回行われると、その後の遊技状態が必ず、遊技者にとって有利度の高い第2低確率時短遊技状態に設定されることとなる。
以上のように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、所定の遊技状態(第1低確率時短遊技状態)において大当たりに当選することなく大当たりの抽選が所定回数行われると、その次に実行される大当たりの抽選において、特定の大当たり図柄(大当たり図柄X1)が決定された場合、及び、特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定された場合のいずれであっても、遊技者にとって有利度の高い特定の遊技状態(第2低確率時短遊技状態)が設定されるようになっている。これにより、特定の遊技状態へ移行するまでの大当たりの抽選回数の上限(いわゆる天井)を設けることができ、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合には、第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z2のみが決定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1が決定され得るようにしてもよい。
なお、上述の実施の形態、変形例、他の適用例の各種設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の実施の形態における特別遊技は、本発明の有利遊技に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ807の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ806やステップ808の処理を実行するメインCPU101は、本発明の図柄決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1115、ステップ1281、ステップ1305、ステップ1308の処理を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるサブCPU301は、本発明の演出実行手段に相当する。また、他の適用例1~5におけるハズレ図柄Z1等は、本発明の特定の図柄に相当する。また、上述の実施の形態における大当たり図柄や、他の適用例3~5における小当たり図柄等は、本発明の所定の図柄に相当する。また、上述の実施の形態や他の適用例1における先読み演出等は、本発明の所定の演出に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。
(第7の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図296又は図297に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図296に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図296参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図298に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図298に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、図298においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
一般入賞口14は、図298に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図298に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、図298に示すように、遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図298に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、後述する大当たりの当選か否か(以下、大当たりの当否ともいう)、後述する小当たりの当選か否か(以下、小当たりの当否ともいう)、後述する時短遊技状態を付与するか否か(以下、時短付与の当否ともいう)を判定するための当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に応じて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。決定され得る特別図柄には複数の種別が設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、小当たり遊技の実行、時短遊技状態の付与(後述する第1時短遊技状態の設定)等の遊技利益が付与されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は4個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図298に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図298に示すように、遊技領域12の右下部(第2始動入賞口16の下方)に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されることにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。具体的には、上述の特別遊技中には大入賞口18が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっており、上述の小当たり遊技中には大入賞口18の開放が1回行われるようになっている。大入賞口18へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では10個)の賞球が払い出される。
また、図298に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第2始動入賞口16へ入球したものを除いてほぼ全て大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は大入賞口18へ入球するようになっている。
さらに、図299(a)及び(b)に示すように、アタッカー装置17内部には、大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57が設けられている(図299(a)及び(b)参照)。
また、図299(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特定領域57へ進入する。
また、特に図示していないが、アタッカー装置17には、特定領域57へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための特定領域排出口と、一般領域58へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための一般領域排出口と、が設けられている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選時に決定された特別図柄の種別ごとに、上述の特別遊技中に実行されるラウンド遊技における開閉扉18bの開閉の態様(開閉パターン)及び振り分け部材59の作動の態様(作動パターン)が設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、大入賞口18へ入球した遊技球がすべて一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(通常遊技状態)に設定されるようになっている。
開閉扉18bの開閉パターン、振り分け部材59の作動パターン、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
アウト口19は、図298に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図298に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、当否抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図296参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図298に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図296に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図300に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図300に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(当否抽選、特別図柄の決定、特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう))、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動ともいう)等)、遊技者にとって有利な特別遊技、小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、図300に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図300に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等を設けてもよい。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、振り分け部材59を変位させる振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、この設定値の違いにより、後述する当否抽選における大当たりの当選の確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選の確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選の確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた当否乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、特に図示していないが、上述の設定値の変更に用いられるRAMクリアスイッチ及び設定スイッチが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ及び設定スイッチの両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチを操作することにより設定値を変更できるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図300に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図300に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図300に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図300に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図300に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられており、いずれかの時短遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第1低確率時短遊技状態という)、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第2低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する当否抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、当否抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、当否抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられているが、第2時短遊技状態においては、第1時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすいように設定されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、次に、第1時短遊技状態中が第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、非時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくいようになっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に基づく遊技利益が対応付けられた特別図柄が決定される。本形態における当否抽選では、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりに当選していない(以下、大当たりの非当選ともいう)との判定結果が導出された場合、次に、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりに当選していないとの判定結果(以下、小当たりの非当選ともいう)が導出された場合、次に、時短付与の当否(時短遊技状態を付与するか否か、換言すれば、時短遊技状態を設定するか否か)の判定が行われ、時短遊技状態を付与しないとの判定結果(以下、時短付与の非当選ともいう)が導出された場合にハズレとなる。
そして、この当否抽選によって大当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、大当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
また、上述の当否抽選によって小当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、小当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数の遊技球が払い出される。なお、小当たり遊技の終了後の遊技状態は、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態のままである。すなわち、小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態は変わることがないようになっている。
また、上述の当否抽選によって時短遊技状態を付与するとの判定結果(以下、時短付与の当選ともいう)が導出されると、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、上述の当否抽選によって時短付与の当選となると、遊技状態が、通常遊技状態から第1低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、上述の当否抽選によって時短付与の非当選となると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中の当否抽選においてのみ時短付与の当否の判定が行われ、他の遊技状態中の当否抽選においては時短付与の当否の判定は行われない。したがって、他の遊技状態中には、時短付与の当選との判定結果が導出されることはないため、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく遊技状態が変化することはないように設定されている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
当否抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数として、当否抽選の結果(大当たり、小当たり、時短遊技状態の付与又はハズレ)の判定に用いられる当否乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の当否乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当否乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、当否抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1保留数という)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2保留数という)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選の結果を判定するための当否乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技及び小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、時短遊技状態を付与する旨の判定結果が導出された後(後述する第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄が決定された後)又は特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114を有している。
なお、当否抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
当否乱数判定テーブル110は、当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)を判定するためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110(以下、テーブルAという)と、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110(以下、テーブルBという)と、を備えている。また、図301~図306に示すように、テーブルA及びテーブルBにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、テーブルAには、設定値が「1」である場合に参照されるテーブルA1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルA2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルA3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルA4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルA5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルA6が設けられている。
テーブルBには、設定値が「1」である場合に参照されるB1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルB2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルB3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルB4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルB5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルB6が設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当否乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、当否抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの当否乱数判定テーブル110が選択され、取得された当否乱数と選択された当否乱数判定テーブル110とに基づいて当否抽選の結果が判定される。
図301(a)に示すように、テーブルA1によれば、当否乱数が1000~1373であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1374~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA1における大当たりの当選の確率はおよそ1/175、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図302(a)に示すように、テーブルA2によれば、当否乱数が1000~1384であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1385~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA2における大当たりの当選の確率はおよそ1/170、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図303(a)に示すように、テーブルA3によれば、当否乱数が1000~1396であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1397~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA3における大当たりの当選の確率はおよそ1/165、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図304(a)に示すように、テーブルA4によれば、当否乱数が1000~1408であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1409~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA4における大当たりの当選の確率はおよそ1/160、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図305(a)に示すように、テーブルA5によれば、当否乱数が1000~1421であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1422~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA5における大当たりの当選の確率はおよそ1/155、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図306(a)に示すように、テーブルA6によれば、当否乱数が1000~1434であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1435~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA6における大当たりの当選の確率はおよそ1/150、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
また、図301(b)に示すように、テーブルB1によれば、当否乱数が1000~1484であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1485~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB1における大当たりの当選の確率はおよそ1/135、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図302(b)に示すように、テーブルB2によれば、当否乱数が1000~1503であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1504~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB2における大当たりの当選の確率はおよそ1/130、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図303(b)に示すように、テーブルB3によれば、当否乱数が1000~1523であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1524~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB3における大当たりの当選の確率はおよそ1/125、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図304(b)に示すように、テーブルB4によれば、当否乱数が1000~1545であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1546~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB4における大当たりの当選の確率はおよそ1/120、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図305(b)に示すように、テーブルB5によれば、当否乱数が1000~1568であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1569~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB5における大当たりの当選の確率はおよそ1/115、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図306(b)に示すように、テーブルB6によれば、当否乱数が1000~1594であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1595~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB6における大当たりの当選の確率はおよそ1/110、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
以上のように、対応付けられた設定値が同一の、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110及び低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(たとえば、テーブルA1及びテーブルB1等)を比較すると、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110は、低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110に比べて、大当たりの当選の確率が高くなるように設定されている。
また、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、当該当否乱数判定テーブル110と同一の設定値が対応付けられた、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲に含まれる(具体的には、大当たりの当選と判定される数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なる)ように設定されている。すなわち、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数は、同一の設定値が対応付けられた、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110でも大当たりの当選と判定されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、上限値が同一であり、かつ下限値が異なるように設定してもよい。
また、いずれのテーブルにおいても、小当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、小当たりの当選の確率は同一となるように設定されている。すなわち、設定されている設定値及び遊技状態(高確率遊技状態、低確率遊技状態)にかかわらず、同一の確率で小当たりの当選と判定されるようになっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれに基づく当否抽選においても小当たりに当選可能となっているが、これに限定されるものではなく、第1特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよいし、第2特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよい。
また、低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(テーブルA1、テーブルA2、テーブルA3、テーブルA4、テーブルA5、テーブルA6)はいずれも、時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されている。したがって、通常遊技状態中においては、設定されている設定値にかかわらず、同一の確率で時短付与の当選と判定されることとなる。
なお、上述の如く、通常遊技状態以外の遊技状態における当否抽選では時短付与の当否の判定は行われないことから、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(テーブルB1、テーブルB2、テーブルB3、テーブルB4、テーブルB5、テーブルB6)にはいずれも、時短付与の当選が判定される数値領域が設けられていない。したがって、高確率遊技状態中においては、時短付与の当選と判定されることはない。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選と判定される数値範囲、小当たりの当選と判定される数値範囲、及び、時短付与の当選と判定される数値範囲はいずれも、連続する数値の範囲により構成されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、間にハズレとなる数値を含む不連続な数値の範囲により構成してもよい。
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図307(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の当否抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として4種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、小当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄ともいう)として2種類の小当たり図柄(Y1、Y2)が設けられており、また、時短付与の当選となった場合に決定される特別図柄(以下、時短図柄ともいう)として3種類の時短図柄(J1、J2、J3)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
図307(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~1であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が2~139であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が140~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は1%、大当たり図柄X2が決定される確率は69%、大当たり図柄X3が決定される確率は30%となっている。
また、小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに小当たり図柄Y2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、小当たりの当選となった場合に、小当たり図柄Y1が決定される確率及び小当たり図柄Y2が決定される確率はいずれも50%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに時短図柄J2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率及び時短図柄J2が決定される確率はいずれも50%となっている。
また、ハズレの場合において、特別図柄乱数が0~19であったときにハズレ図柄Z1が決定され、特別図柄乱数が20~199であったときにハズレ図柄Z2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、ハズレの場合に、ハズレ図柄Z1が決定される確率は10%、ハズレ図柄Z2が決定される確率はいずれも90%となっている。
図307(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~139であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に大当たり図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は70%、大当たり図柄X4が決定される確率は30%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに(すなわち、特別図柄乱数がいかなる値であっても)時短図柄J3が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J3が決定される確率は100%となっている。
なお、図307(b)に示すように、小当たりの当選となった場合に決定される小当たり図柄の種別及び当該種別の決定確率、並びに、ハズレの場合に決定されるハズレ図柄の種別及び当該種別の決定確率は、第1始動入賞口判定テーブル111aと同様の内容に設定されている。
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりの当選となった場合に実行される特別遊技及び小当たりの当選となった場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技及び小当たり遊技の実行中に、大入賞口ソレノイド18cや振り分け部材ソレノイド59cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図308(a)~(d)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合に参照される第3作動テーブル112cと、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合に参照される第4作動テーブル112dと、が設けられている。
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、図308(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、開閉扉18bが閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動することにより大入賞口18が1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
さらに、図308(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留する(位置する)という態様(作動パターン)で作動するようになっている。これに対して、3ラウンドのラウンド遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、図308(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、上述の第1作動テーブル112aと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間も、第1作動テーブル112aと同一の内容に設定されている。
また、図308(b)に示すように、大当たり図柄X2が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中も、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、図308(c)に示す第3作動テーブル112cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、上述の第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~4ラウンドまで計4回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間は、第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の内容に設定されている。
また、図308(c)に示すように、大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1及び大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中は、大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において、大入賞口18が29.0秒連続して開放され、かつ振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、大入賞口18へ遊技球が入球し確実に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2、X3又はX4が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口18は29.0秒連続して開放されるものの振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球が入球しても当該遊技球は全て一般領域58へ進入してしまい、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
また、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合には、図308(d)に示す第4作動テーブル112dを参照して小当たり遊技が実行される。この第4作動テーブル112dによれば、大入賞口18の0.05秒の開放が1回行われ、第1大入賞口18の開放中に10個の遊技球が入球すると大入賞口18が閉鎖する。
また、図308(d)に示すように、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第1に停留するという態様で作動するようになっている。
このように、小当たり遊技においては、大入賞口18が0.05秒しか開放しないため、大入賞口18へ遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。また、小当たり遊技中は振り分け部材50が第1位置に停留するため、万が一、大入賞口18へ遊技球が入球したとしても当該遊技球は一般領域58へ進入し、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態、及び、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定された後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の実行契機となった大当たり時に決定された大当たり図柄の種別、及び、当該特別遊技中に特定領域57へ所定数(本形態では1個)の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。また、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合には、各時短付与図柄に定められた遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、決定された大当たり図柄の種別に対応して特定領域57への遊技球の進入の可否が設定されており、実質的に、決定された大当たり図柄によって、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行するか否かが定まっている。
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態において大当たりに当選して高確率遊技状態へ移行した後、低確率遊技状態へ移行することなく連続して高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続高確設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に低確率遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、低確率遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、高確率遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に低確率遊技状態が設定される。
また、同様に、非時短遊技状態において大当たりに当選して時短遊技状態(本形態では第2時短遊技状態)へ移行した後、非時短遊技状態へ移行することなく連続して時短遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続時短設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に非時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、非時短遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、時短遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に非時短遊技状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている大当たりの当選の確率や各大当たり図柄の決定確率からすると、連続高確設定回数や連続時短設定回数が10000回に到達することはあり得ず、実質的には、低確率遊技状態が設定される条件や非時短遊技状態が設定される条件を満たすまで、高確率遊技状態や時短遊技状態が継続することとなる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図309(a)~(f)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1遊技状態設定テーブル113aと、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2遊技状態設定テーブル113bと、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第3遊技状態設定テーブル113cと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル113dと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合に参照される第5遊技状態設定テーブル113eと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合に参照される第6遊技状態設定テーブル113fと、が設けられている。
具体的には、図309(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続高確設定回数及び連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/110~1/135となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
これに対して、上述の場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、また、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X1が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入する。すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合には、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限り、確実に高確率時短遊技状態が設定されることとなる。
また、特に図示していないが、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
図309(b)に示すように、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、第1時短遊技状態)であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であったときには、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/150~1/175となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続することとなる。
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。また、同様に、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、いずれのときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
図309(c)に示すように、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、このときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X4が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X4が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
図309(d)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が10回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図309(e)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が20回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図309(f)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が1回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
なお、上述のように時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合には、当該特別図柄(時短図柄)の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、上述の第1低確率時短遊技状態が設定される。
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに、変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって(すなわち、左打ち中であって)第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって(すなわち、右打ち中であって)第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルB及びテーブルCを備えている(図310参照)。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選して少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たり(いわゆる初当たりから、少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方が継続している間に連続して当選した大当たり、以下、連続大当たりという)の回数が所定回数(たとえば、3回等)に達するという連続大当たり回数条件が成立していない場合にテーブルBが参照され、当該連続大当たり回数条件が成立している場合にテーブルCが参照される。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態や上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の成否に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル114としては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
そして、テーブルAを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第1保留数が参照される。これに対して、テーブルB又はテーブルCを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第2保留数が参照される。
図310(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され(すなわち、当否抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第1保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が25秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が40秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第1保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、時短図柄J1又はJ2が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が小当たりの当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
また、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が大当たりの当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図310(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図310(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「26秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が26秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「6秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が6秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「08H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「26H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「27H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A6H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A7H」が決定される。
このように、テーブルCで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間は、テーブルBで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間よりも長くなるように設定されている。すなわち、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において、上述の連続大当たり回数条件が成立する前(連続大当たりの回数が所定回数に達する前)よりも、上述の連続大当たり回数条件が成立した後(連続大当たりの回数が所定回数に達した後)の方が、長い変動時間の決定割合が高くなっている。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の連続大当たり回数条件が成立した後は、上述の連続大当たり回数条件が成立する前よりも、大当たりに当選してから次の大当たりに当選するまでの間隔を空けることができ、ひいては、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。したがって、短期間の間に多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は20秒、後半部分の変動時間は25秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値45秒(=20秒+25秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「05H」及び「08H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図311(a)~(c)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中)、特別遊技中、小当たり遊技中に参照される第1判定テーブル116aと、第1時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中)に参照される第2判定テーブル116bと、第2時短遊技状態中(すなわち、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中)に参照される第3判定テーブル116cと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、或いは、普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中又は小当たり遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第1時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第2時短遊技状態であれば、第3判定テーブル116cが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第3判定テーブル116cとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
図311(a)に示すように、第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、図311(b)に示すように、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~5であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、6~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率は5/65536となる。
また、図311(c)に示すように、第3判定テーブル116cによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3判定テーブル116cにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図312に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、2秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、0.5秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図298参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、図313に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、図313に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、図313に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、時短遊技状態のうちの第1時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいものの、時短遊技状態のうちの第2時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されにくい。すなわち、第1時短遊技状態中は、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすく、第2時短遊技状態中は、第1時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすいようになっている。したがって、第2時短遊技状態中は非時短遊技状態及び第1時短遊技状態中よりも、また、第1時短遊技状態中は非時短遊技状態よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら当否抽選の機会を獲得できることとなる。
なお、遊技状態が時短遊技状態の場合には、上述のように、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理として、第2判定テーブル116bや第3判定テーブル116c(非時短遊技状態よりも当たりとなる確率が高く設定された当たり決定乱数判定テーブル116)による普通図柄の抽選、第1時短遊技状態用の変動時間や第2時短遊技状態用の変動時間(非時短遊技状態よりも短い変動時間)の決定、及び、第1時短遊技状態用の開放パターンや第2時短遊技状態用の開放パターン(非時短遊技状態よりも総開放時間が長い開放パターン)による開放制御の全てが行われていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、上述の処理の少なくともいずれか1つが行われるようにしてもよい。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図314のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図315のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、特定領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技及び小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図316のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特定領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図317のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図318のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態及び第1時短遊技状態のいずれでない(すなわち、第2時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図319のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、第2時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、図320のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第1保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第2保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、及び、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、設定されている設定値、及び、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応するいずれか(テーブルA1~A6、テーブルB1~B6のいずれか)を取得し、取得したテーブルと、記憶された当否乱数とに基づいて、当否抽選の結果を判定する当否判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J3)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、保留数、上述のステップ653で取得された変動パターンテーブル114及び記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ612で判定された当否抽選の結果、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、上述のステップ654で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される当否抽選の結果、特別図柄の種別及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された第1特図乱数、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された第2特図乱数を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
次に、上述したステップ303の特定領域検出時処理について、図321のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図322のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図323のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、当否抽選の実行回数(特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、当否抽選の結果を導出する当否判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J3)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ806の当否判定処理について、図324のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、設定されている設定値、及び、現時点の遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数とに基づいて、大当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、大当たりの当否の判定を行う)大当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから大当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に大当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に大当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、上述のステップ850で実行された大当たり当否判定処理の結果が大当たりの当選であったか否か(すなわち、大当たりに当選したか否か)を判定する。そして、大当たりの当選でない(大当たりの非当選)と判定した場合、ステップ853に進む。一方、大当たりの当選と判定した場合、次のステップ852に進む。
ステップ852において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に大当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ851で大当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ853において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、小当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、小当たりの当否の判定を行う)小当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから小当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に小当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に小当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ854に進む。
ステップ854において、メインCPU101は、上述のステップ853で実行された小当たり当否判定処理の結果が小当たりの当選であったか否か(すなわち、小当たりに当選したか否か)を判定する。そして、小当たりの当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、ステップ856に進む。一方、小当たりの当選と判定した場合、次のステップ855に進む。
ステップ855において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に小当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ854で小当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ856において、メインCPU101は、現時点で設定されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ860に進む。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ857に進む。
ステップ857において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850及びステップ853で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、時短付与の当選となるか否かを判定する(すなわち、時短付与の当否の判定を行う)時短付与判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから時短付与の当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に時短付与の当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に時短付与の非当選と判定される。そして、次のステップ858に進む。
ステップ858において、メインCPU101は、上述のステップ857で実行された時短付与当否判定処理の結果が時短付与の当選であったか否か(すなわち、時短付与に当選したか否か)を判定する。そして、時短付与の当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、ステップ860に進む。一方、時短付与の当選と判定した場合、次のステップ859に進む。
ステップ859において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に時短付与の当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ856で通常遊技状態でないと判定した場合、又は、上述のステップ858で時短付与に当選していないと判定した場合に進むステップ860において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の記憶領域にハズレである旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり当否判定処理、小当たり当否判定処理、及び、時短付与当否判定処理はいずれも、設定されている設定値及び遊技状態に対応する当否乱数判定テーブル110の選択、判定の対象となる数値範囲の情報の取得、及び、当該数値範囲に当否乱数が属するか否かの判定を実行するための共通化された処理プログラム(同一のモジュール)により実行されるようになっている。
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、図325のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ900で確認した保留数と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図326のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図327のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第1時短遊技状態であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定する。そして、第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄、時短図柄、又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3、X4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1又はX2であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1113に進む。
ステップ1113において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1111で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が時短図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1116に進む。一方、停止表示されている特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1115に進む。
ステップ1115において、メインCPU101は、遊技状態を第1低確率時短遊技状態に設定する第1低確率時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には時短回数に「10」をセットし、停止表示された時短図柄がJ2であった場合には時短回数に「20」をセットし、停止表示された時短図柄がJ3であった場合には時短回数に「1」をセットする。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1117に進む。
ステップ1117において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図328のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、図329のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1112でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル112における第4作動テーブル112dに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、小当たり遊技が終了したことを示す小当たり遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1258に進む。
ステップ1258において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図330のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1309に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述の連続確変設定回数をカウントするための連続確変設定回数カウンタの値を1デクリメントするとともに、上述の連続時短設定回数をカウントするための連続時短設定回数カウンタの値を1デクリメントする。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続確変設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1305に進む。一方、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1304に進む。
ステップ1304において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1306に進む。
また、上述のステップ1303で連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1305において、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、次のステップ1306に進む。
ステップ1306において、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1308に進む。一方、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態に設定する非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1306で連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1308において、メインCPU101は、遊技状態を第2時短遊技状態に設定する第2時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1309において、メインCPU101は、上述のステップ1304と同様の低確率時短遊技状態設定処理を実行するとともに、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、次のステップ1310に進む。
ステップ1310において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態又は第2時短遊技状態に設定する時短・非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX2又はX3の場合において、当該大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態(第1時短遊技状態)であったときには、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これに対して、当該大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、非時短遊技状態を設定すべく、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX4の場合には、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「100」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
ステップ1311において、メインCPU101は、設定された遊技状態が高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態)又は第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態)のいずれかであるか否かを判定する。そして、いずれでもないと判定した場合、ステップ1313に進む。一方、いずれかであると判定した場合、次のステップ1312に進む。
ステップ1312において、メインCPU101は、連続大当たり回数をカウントするための連続大当たり回数カウンタの値を1インクリメントする。なお、この連続大当たり回数カウンタの値が所定回数(本形態では3回)に対応する値に到達すると、上述の連続大当たり回数条件が成立したこととなる。そして、ステップ1314に進む。
また、上述のステップ1311で設定された遊技状態が高確率時短遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれでもないと判定した場合に進むステップ1313において、メインCPU101は、連続大当たり回数カウンタの値をリセット(ゼロクリア)する。そして、次のステップ1314に進む。
ステップ1314において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1315に進む。
ステップ1315において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、第1時短遊技フラグのオン又はオフの情報、第2時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1316に進む。
ステップ1316において、メインCPU101は、特図関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図331のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図332のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の状態(非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中、小当たり遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a、第2判定テーブル116b又は第3判定テーブル116cのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又小当たり遊技中である場合には、第1判定テーブル116aを参照し、第1時短遊技状態中である場合には、第2判定テーブル116bを参照し、第2時短遊技状態中である場合には、第3判定テーブル116cを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態が非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点のパチンコ機Pの状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、第1時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「2秒」をセットし、第2時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態を変動開始時のパチンコ機Pの状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図333のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図334のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図335のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時のパチンコ機Pの状態が、非時短遊技状態中、第1時短遊技状態中、第2時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認したパチンコ機Pの状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(図307(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(図309(a)、図336参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより通常遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図336参照)。しかし、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の1%となっているため(図307(a)参照)、通常遊技状態中には、大当たりに当選しても高確率時短遊技状態へは極めて移行し難い。
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において時短付与の当否の判定が行われ時短付与の当選が約1/100の確率で決定され得る(図301(a)、図302(a)、図303(a)、図304(a)、図305(a)、図306(a)参照)。そして、時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合にはいずれも、大当たり及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定されるとともに、時短図柄J1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10回導出されるまで継続し、時短図柄J2が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで継続し、時短図柄J3が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1回導出されるまで継続する。
また、この第1低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われる。すると、この第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、通常遊技状態中と同様に大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、各大当たり図柄の決定確率(大当たり図柄X1の決定確率が1%、大当たり図柄X2又はX3の決定確率が99%)も通常遊技状態中と同様であるため、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合にはほぼ、大当たり図柄X2又はX3が決定される(図307(a)参照)。そして、第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であることから、特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される(図309(b)、図336参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1低確率時短遊技状態中(時短図柄J1が決定された場合には当否抽選の結果が10回導出されるまでの間、時短図柄J2が決定された場合には当否抽選の結果が20回導出されるまでの間、時短図柄J3が決定された場合には当否抽選の結果が1回導出されるまでの間)に大当たりに当選すれば、ほぼ第2低確率時短遊技状態へ移行することとなる(図336参照)。
第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(図307(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、上述と同様に、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(図309(c)、図336参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより第2低確率時短遊技状態が再設定されるか、又は、高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図336参照)。ここで、第1低確率時短遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行したときには時短回数が10000回に設定され、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中や第1低確率時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。そして、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の70%となっているため(図307(b)参照)、第2低確率時短遊技状態中は、大当たりに当選した場合に高確率時短遊技状態へ移行し易い。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(図307(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(図307(c)、図336参照)。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。
また、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において大当たり図柄X4が決定された場合には、時短回数100回の第2低確率時短遊技状態が設定されるが(図307(c)、図336参照)、当否抽選が100回行われるまでの間に大当たりに当選すれば、再度、高確率時短遊技状態への移行に期待することができる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中は、当否抽選に基づく時短付与の当選(時短図柄J1、J2又はJ3)の決定による第1低確率時短遊技状態への移行を目指し、第1低確率時短遊技状態中(当否抽選の結果が10回、20回又は1回導出されるまでの間)に大当たりに当選することで第2低確率時短遊技状態への移行を目指し、その後、第2低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態を継続させることで多くの遊技球の獲得を目指すという斬新な遊技性が付与される。すなわち、通常遊技状態中から大当たりの当選及び特別遊技を経ることなく移行可能な第1低確率時短遊技状態が、遊技者にとって有利な第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態へ移行するためのチャンスゾーンとなるような遊技性が付与され、遊技者の興趣を高めることができる。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当否の判定が行われ、当該当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに、時短遊技状態への移行が可能となっているため、時短遊技状態の移行に関し遊技者に斬新な印象を与えることができるとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションが豊富となり、今までにない遊技性を提供することができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、当否抽選において、当否乱数に基づき大当たりの当否の判定が行われ大当たりの当選でない旨が判定された場合、通常遊技状態中には、同一の当否乱数に基づき時短付与の当否の判定が行われるようになっているため、各種判定を行うために用いる乱数の種類を抑えることができ、メインCPU101やメインRAM103等のハードウェア資源にかかる負荷を軽減することができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、いずれの設定値であっても時短付与の当選となる確率が同一となっているため、大当たりの当選を介さない時短遊技状態の設定により設定値ごとの有利度が変化し、所定の設定値が設定されている場合に射幸性が高まり過ぎるような事態を防止することができる。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、当否抽選の結果を報知し得る変動演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により当否抽選の結果を報知し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(図337(a)及び(b)、図338(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図337(c)~(e)、図338(c)~(e)参照)。
そして、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図338(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果が大当たりの当選であることが報知される。
また、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図337(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果がハズレ又は小当たりの当選であることが示される。なお、上述の停止表示態様は、当否抽選の結果がハズレ又は小当たりの当選であることを積極的に報知するものではなく、ハズレ又は小当たりの当選であること(大当たりの当選でないこと)を遊技者に単に認識させるものである。そして、当否抽選の結果がハズレ及び小当たりの当選のいずれの場合であっても、同様の態様で停止表示されるため、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様によって、当否抽選の結果がハズレであるか、又は、小当たりの当選であるかを把握することができないようになっている。
なお、小当たりの当選の場合における演出図柄50の停止表示態様はこれに限定されるものではなく、小当たりの当選を示す特定の態様(ハズレの場合に停止表示される演出図柄50の組み合わせとは異なる特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がすべて異なる偶数図柄となる組み合わせ等))で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
また、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合には、その旨を示す特殊な態様(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が「7」以外の同一の奇数図柄となり、第3停止図柄が「7」となる組み合わせ等)で演出図柄50が停止表示されるとともに、第1低確率時短遊技状態が設定される旨を示す設定画像(たとえば、「CHANCE ZONE 突入!!」の文字画像等)が表示される(図339(f)参照)。すなわち、特殊な態様で演出図柄50が停止表示され、かつ上述の設定画像が表示されることにより、当否抽選の結果が時短付与の当選であることが報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31における特別図柄の停止表示とほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で当否抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、本形態に係るパチンコ機Pには、通常遊技状態中の変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
たとえば、リーチ変動パターンには、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン(図338参照)、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後にリーチ表示が行われる擬似連リーチパターン(特に図示しておらず)、リーチ表示後に所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行される発展ありパターン(図339参照)、リーチ発展演出が実行されない発展なしパターン(図338参照)等が設けられている。
上述のリーチ発展演出は、一の発展演出画像が継続して表示されるものであってもよいし、所定の発展演出画像が表示された後に、当該発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度や時短付与の当選の期待度が高く設定された他の発展演出画像の表示に切り替わるものであってもよい。
また、変動演出中には、演出図柄50の変動表示とともに、大当たりの当選の期待度や時短付与の当選の期待度を示す種々の予告画像が表示される予告演出等の実行されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のリーチ変動パターンや予告演出について、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンや予告演出に応じて、大当たりの当選や時短付与の当選に対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。具体的には、擬似連リーチパターン、発展ありパターン及び特定の予告演出は、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に実行される可能性が高く設定されているため、大当たりの当選や時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中においては、大当たりに当選した場合よりも、時短付与の当選となった場合の方が、擬似連リーチパターンや特定の予告演出の実行される可能性が高く設定されている。
たとえば、本形態に係るパチンコ機Pでは、図340に示すように、変動演出中におけるリーチ表示前に実行される予告演出として、所定のキャラクターによるセリフが表示されるセリフ予告を実行可能となっている。セリフ予告の態様としては、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cの3パターンが設けられている。
また、変動演出中におけるリーチ表示後に実行される予告演出として、所定のカットイン画像が表示されるカットイン予告を実行可能となっている。カットイン予告の態様としては、青色のカットイン画像が表示される青カットイン予告、赤色のカットイン画像が表示される赤カットイン予告及び紫色のカットイン画像が表示される紫カットイン予告の3パターンが設けられている。
そして、当否抽選により時短付与の当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能であり、上述の場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は10%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告、赤カットイン予告及び紫カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は40%、紫カットイン予告が実行される割合は55%となっている。
また、当否抽選により大当たりの当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は20%、セリフ予告Cが実行される割合は25%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は25%となっている。
また、当否抽選によりハズレ又は小当たりの当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は3%、セリフ予告Bが実行される割合は5%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は5%、赤カットイン予告が実行される割合は10%となっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短付与の当選となった場合は、大当たりの当選となった場合と比較して、セリフ予告Aが実行される割合は同一、セリフ予告Bが実行される割合及びセリフ予告Cが実行される割合はいずれも小さいため、セリフ予告Bやセリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、セリフ予告Cは、大当たりに当選した場合にのみ実行可能であるため、セリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これに対して、時短付与の当選となった場合は、大当たりの当選となった場合と比較して、青カットイン予告が実行される割合は同一、赤カットイン予告が実行される割合及び紫カットイン予告が実行される割合はいずれも大きいため、赤カットイン予告や紫カットイン予告が実行された場合には、時短付与の当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、紫カットイン予告は、時短付与の当選となった場合にのみ実行可能であるため、紫カットイン予告が実行された場合には、時短付与の当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これにより、高確率時短遊技状態への移行が極めて困難な大当たりの当選よりも、高確率時短遊技状態への移行の可能性が高い時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることができるようになっている。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で演出乱数(変動演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンド、及び取得された演出乱数(変動演出乱数)に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の態様(リーチ発展演出の有無、予告演出の実行の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pで実行可能な演出としては、上述の変動演出に限定されるものではなく、たとえば、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を設けてもよい。
具体的には、先読み演出としては、新たな保留の記憶が行われた場合に、通常態様、及び、通常態様よりも大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い特殊態様等を含む複数の態様のうちのいずれかで保留表示を行う保留先読み演出、保留の記憶が行われた時点から当該保留に基づく変動演出が終了するまでのいずれかのタイミングで、所定態様で表示中の保留表示を、より大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い態様に変化させる保留変化先読み演出、新たな保留の記憶が行われた場合に、当該保留に基づく変動演出中、又は、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度示唆画像(たとえば、背景画像等)を表示する先読みゾーン演出等を設けてもよい。
そして、通常遊技状態中においては、大当たりに当選した場合よりも、時短付与の当選となった場合の方が、上述の特殊態様で保留表示が行われる保留先読み演出、保留変化先読み演出、先読みゾーン演出等の実行される可能性が高くなるように設定してもよい。
たとえば、図341に示すように、保留変化先読み演出として、白色による保留表示が青色による保留表示に変化する青保留変化、白色による保留表示が赤色による保留表示に変化する赤保留変化、及び、白色による保留表示が紫色による保留表示に変化する紫保留変化の3パターンが設けられるとともに、先読みゾーン演出として、第1の高期待度示唆画像が表示されるゾーンA、第2の高期待度示唆画像が表示されるゾーンB、及び、第3の高期待度示唆画像が表示されるゾーンCの3パターンが設けられているものとする。
そして、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選により時短付与の当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化、赤保留変化及び紫保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は10%、赤保留変化が実行される割合は40%、紫保留変化が実行される割合は55%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能であり、上述の場合における、ゾーンAが実行される割合は15%、ゾーンBが実行される割合は10%としてもよい。
また、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選により大当たりの当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は10%、赤保留変化が実行される割合は25%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は15%、ゾーンBが実行される割合は20%、ゾーンCが実行される割合は25%としてもよい。
また、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選によりハズレ又は小当たりの当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は5%、赤保留変化が実行される割合は10%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は3%、ゾーンBが実行される割合は5%としてもよい。
すなわち、上述のように設定したときには、時短付与の当選と判定される場合は、大当たりの当選と判定される場合と比較して、青保留変化が実行される割合は同一、赤保留変化が実行される割合及び紫保留変化が実行される割合はいずれも大きいため、赤保留変化や紫保留変化が実行された場合には、時短付与の当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、紫保留変化は、時短付与の当選と判定される場合にのみ実行可能であるため、紫保留変化が実行された場合には、時短付与の決定が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
このように設定した場合にも、大当たりの当選よりも時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上述のように設定したときには、時短付与の当選と判定される場合は、大当たりの当選と判定される場合と比較して、ゾーンAが実行される割合は同一、ゾーンBが実行される割合及びゾーンCが実行される割合はいずれも小さいため、ゾーンBやゾーンCが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、ゾーンCは、大当たりの当選と判定される場合にのみ実行可能であるため、ゾーンCが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
(変形例)
(1)上述の実施の形態では、大当たりの当選の確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中の当否抽選においてのみ、時短付与の当否の判定を行い、他の遊技状態中(大当たりの当選の確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中))の当否抽選では、時短付与の当否の判定を行わないことで、通常遊技状態中にのみ時短付与の当選となり、他の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになっていたが、このような当否抽選の結果を導出するための制御としては、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率遊技状態中や時短遊技状態中に参照される当否乱数判定テーブル110として、時短付与の当選となる当否乱数の数値範囲が設けられていないテーブル(図301(b)、図302(b)、図303(b)、図304(b)、図305(b)、図306(b))を設け、高確率遊技状態中や時短遊技状態中の当否抽選では、上述のテーブルに基づいて時短付与の当否の判定を行うようにしてもよい。このようにした場合には、高確率遊技状態中や時短遊技状態中は、時短付与の当選と判定されることのない当否乱数判定テーブル110に基づいて時短付与の判定が行われるため、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態以外の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになる。
また、たとえば、高確率遊技状態中や時短遊技状態中に参照される当否乱数判定テーブル110にも時短付与の当選となる当否乱数の数値範囲を設け、高確率遊技状態中や時短遊技状態中の当否抽選では、当該テーブルに基づいて時短付与の当否の判定を行うものの、時短付与の当選となった場合には、当該時短付与の当選の判定結果を、強制的に時短付与の非当選に書き換えたり、当該時短付与の当選の判定結果を破棄したりしてもよい。このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態以外の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、通常遊技状態以外の遊技状態においても通常遊技状態と同様に当否抽選における判定を実行することができるため、当否抽選における判定の共通化が図られ、メインCPU101等のハードウェア資源に対する処理負荷を軽減することができる。
また、上述の実施の形態では、いずれの設定値が設定されている場合であっても、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、設定値に応じて時短付与の当選の確率が異なるように設定してもよい。また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に時短付与の当選となる確率、及び、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に時短付与の当選となる確率はいずれも同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合と第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合とでは、時短付与の当選となる確率が異なるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、及び、時短付与の当選となった場合に決定される時短図柄の種類に応じて、時短回数が異なるように設定してもよい。
このように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の性能のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(2)上述の実施の形態では、当否乱数を用いた当否抽選における時短付与の当否の判定により時短付与の当選となった場合に、当否乱数と異なる特別図柄乱数を用いた当該当否抽選と異なる特別図柄の決定の処理により時短図柄が決定され、決定された時短図柄の種別(J1、J2、J3)に応じて時短回数が定まるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、当否乱数を用いた当否抽選により、時短付与の当選及び時短回数の決定の両方が決定され得るように設定してもよい。すなわち、時短付与の当選及び時短回数の決定を、別個の乱数及び別個の処理により行うのではなく、同一の乱数及び同一の処理により行ってもよい。
具体的には、当否乱数判定テーブル110において、時短付与の当選と判定され、かつ所定の時短図柄が対応付けられた数値範囲を設定し、取得された当否乱数が当該数値範囲に属する場合に、時短付与の当選及び当該数値範囲に対応する時短図柄に定められた時短回数が決定されるように設定することができる。たとえば、設定されている設定値が1であり、かつ低確率遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において参照される当否乱数判定テーブル110として、当否乱数が3310~3637であった場合に時短図柄J1(時短回数10回)が対応付けられた時短付与の当選と判定され、当否乱数が3638~3964であった場合に時短図柄J2(時短回数20回)が対応付けられた時短付与の当選と判定されるテーブルA1aを設けることができる(図342参照)。このテーブルA1aによれば、当否乱数が3310~3637であった場合には、時短付与の当選と判定されるとともに、時短図柄J1が決定されることにより時短回数が10回に決定されることとなる。また、当否乱数が3638~3964であった場合には、時短付与の当選と判定されるとともに、時短図柄J2が決定されることにより時短回数が20回に決定されることとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、当否抽選における時短付与の当否の判定の処理のみで時短付与の当選及び時短回数が決定されることとなるため、当否抽選における処理の負荷が軽減されることとなる。
(3)上述の実施の形態では、通常遊技状態中の当否抽選における時短付与の当否の判定を行った後、当該判定の結果が時短付与の当選であった場合に時短回数が対応付けられた時短図柄が決定されるようになっていたが、処理の順番はこれに限定されるものではない。
たとえば、時短図柄を決定した後に、当否抽選を行って時短付与の当否の判定を行うようにしてもよい。そして、時短付与の当選が決定された場合に、時短遊技状態(第1時短遊技状態)を設定するとともに、先に決定されていた時短図柄に対付けられた時短回数をセットするようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
(4)上述の実施の形態では、大当たりの当否の判定、小当たりの当否の判定、及び、時短付与の当否の判定のいずれも、同一の当否乱数判定テーブル110を参照して実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、時短付与の当否の判定は、大当たりの当否の判定及び小当たりの当否の判定に用いられる当否乱数判定テーブル110とは異なるテーブルであって、時短付与の当否の判定にのみ用いられる特定のテーブルを参照して、実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
(5)上述の実施の形態では、時短回数が対応付けられた複数種類の時短図柄が設けられており、決定された時短図柄に応じて時短回数が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、時短付与の当選のみが対応付けられ、かつ時短回数は対応付けられていない1種類の時短図柄Jを設けおき、当否抽選により時短付与の当選となった場合には当該時短図柄Jを決定するとともに、時短回数については、当否抽選とは別個の特定の抽選により決定するようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、メインROM102における特別図柄の記憶容量を減少させ、他の情報を記憶するためのスペースを増加させることができる。
(6)上述の実施の形態では、大当たりの当選の確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中の当否抽選においてのみ、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3の決定)となり得るようになっており、大当たりの当選の確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中)の当否抽選では、時短付与の当否の判定が行われず、時短付与の当選となり得ないようになっていたが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態中であっても、当否抽選において時短付与の当否の判定が行われるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた第1低確率時短遊技状態中(すなわち、時短遊技状態が設定された遊技状態中)の当否抽選においても、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3)となり得るように設定してもよい。そして、第1低確率時短遊技状態中の当否抽選において、時短付与の当否の判定が行われることにより時短付与の当選となり、時短図柄が決定された場合には、第1時短遊技状態を再設定するとともに、決定された時短図柄に対応付けられた時短回数(時短図柄J1であれば時短回数10回、時短図柄J2であれば時短回数20回、時短図柄J3であれば時短回数1回)を再度セット(現時点の時短回数を上書き)するようにしてもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短付与の当選となり時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、時短回数として「20回」が再度セットされるようにしてもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
また、上述の場合においては、時短図柄に対応付けられた時短回数を再度セットするのではなく、時短図柄に対応付けられた時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短付与の当選となり時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、残りの時短回数を「25回(=残りの時短回数5回+時短図柄J2に定められた時短回数20回)」に更新してもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が25回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定される機会が増加するため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(7)上述の実施の形態では、時短付与の当選となった場合に決定され得る時短図柄として、時短回数が10回に定められた時短図柄J1、時短回数が20回に定められた時短図柄J2、時短回数が1回に定められた時短図柄J3の3種類が設けられていたが、これに限定されるものではなく、異なる時短回数が定められた他の時短図柄を設けてもよい。
具体的には、これらの時短図柄の他、時短回数が30回に定められた時短図柄J4、時短回数が50回に定められた時短図柄J5、時短回数が10000回に定められた時短図柄J6等を設けてもよい。また、時短付与の当選となった場合に決定され得る時短図柄として、所定の時短回数が定められた1種類の時短図柄のみを設けてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(8)上述の実施の形態では、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選が導出可能となっており、時短付与の当選となった場合に時短遊技状態(第1時短遊技状態)が設定されるようになっていたが、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選を導出せず、当否抽選における大当たりの当選以外の判定結果(すなわち、小当たりの当選又はハズレ)に基づいて決定され得る特別図柄(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄)を時短図柄として代用し、決定された上述の特別図柄の種別に応じて、時短遊技状態の設定の可否(時短付与の当否)を決定してもよい。
たとえば、当否乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合において、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z1が決定されたときには、20回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z2が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得るハズレ図柄としては、これらに限定されるものではなく、ハズレ図柄Z1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄(たとえば、時短回数50回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、当否抽選及び特別図柄の決定の処理によりハズレ図柄を決定するのではなく、上述の変形例(2)のように、当否乱数に基づく当否抽選において、たとえば、第1時短遊技状態の設定及び時短回数20回が定められたハズレ図柄Z1に対応するハズレ、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2に対応するハズレを導出可能に設定し、当否抽選によりハズレ図柄Z1に対応するハズレとなった場合には時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、当否抽選によりハズレ図柄Z2に対応するハズレとなった場合には第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。
また、たとえば、当否乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、時短回数が50回に設定された第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得る小当たり図柄としては、これらに限定されるものではなく、小当たり図柄Y1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄(たとえば、時短回数80回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Y3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、当否抽選及び特別図柄の決定の処理により小当たり図柄を決定するのではなく、上述の変形例(2)のように、当否乱数に基づく当否抽選において、たとえば、第1時短遊技状態の設定及び時短回数50回が定められた小当たり図柄Y1に対応する小当たりの当選、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた小当たり図柄Y2に対応する小当たりの当選を導出可能に設定し、当否抽選により小当たり図柄Y1に対応する小当たりの当選となった場合には時短回数50回の第1時短遊技状態が設定され、当否抽選により小当たり図柄Y2に対応する小当たりの当選となった場合には第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別図柄として新たに時短図柄を設けることなく、従来から採用されていた小当たり図柄やハズレ図柄等の特別図柄を用いて、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さない時短遊技状態を設定することができ、パチンコ機の開発工程を簡易化することが可能となる。
(9)上述の実施の形態では、当否乱数に基づく当否抽選における時短付与の当否の判定結果により時短遊技状態の設定の可否が決定されるようになっていたが、時短遊技状態の設定の可否の決定の制御はこれに限定されるものではない。
たとえば、当否乱数や特別図柄乱数とは別個に、時短遊技状態の設定の可否を決定するための専用の乱数である時短図柄乱数を設け、当否抽選や特別図柄の決定とは別個に、当該時短図柄乱数に基づいて時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否を決定する時短図柄抽選を行うように設定し、当該時短図柄抽選の結果に基づいて、時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否や時短遊技状態を設定する場合の時短回数を決定するようにしてもよい。
すなわち、当否乱数に基づいて当否抽選を行い、かつ当該当否抽選の結果に基づいて特別図柄を決定するとともに、時短図柄乱数に基づいて時短図柄抽選を行って時短遊技状態の設定の可否(後述する時短図柄)を決定するように設定することができる。
具体的には、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の第1特図乱数や第2特図乱数とともに、上述の時短図柄抽選専用の乱数である時短図柄乱数が所定の数値範囲内(たとえば、0~65535)で1個取得され、取得された時短図柄乱数に基づき、時短遊技状態の設定の可否が定められた時短図柄の種別を決定する時短図柄抽選を行うように設定する。
より具体的には、時短図柄抽選において時短図柄の種別を決定するための時短図柄乱数判定テーブルを設ける。この時短図柄乱数判定テーブルは、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)ごとに設けてもよい。そして、設定されている遊技状態が通常遊技状態であった場合に、所定の時短図柄乱数判定テーブルを参照して上述の時短図柄抽選を行い、時短図柄の種別を決定する。
時短図柄としては、時短付与の当選(すなわち、時短遊技状態を設定する旨)が定められた時短当選図柄、時短付与の非当選(すなわち、時短遊技状態を設定しない旨)が定められた時短非当選図柄を設けることができる。また、時短当選図柄としては、異なる時短回数が定められた複数種類の時短当選図柄(たとえば、時短回数10回が定められた時短当選図柄JA1、時短回数20が定められた時短当選図柄JA2等)を設けることができる。
そして、時短図柄抽選によりいずれかの時短当選図柄が決定された場合には、たとえば、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるとともに、決定された時短当選図柄に応じた時短回数がセットされる。これにより、大当たりに当選することなく、セットされた時短回数だけ当否抽選の結果が導出されるまで第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。これに対して、時短非当選図柄が決定された場合には、通常遊技状態のままとなる。
また、設定されている遊技状態が通常遊技状態以外(第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)であった場合には、上述の時短図柄抽選を行わず、強制的に、時短非当選図柄を決定するように設定してもよい。これにより、通常遊技状態以外の他の遊技状態においては、新たに時短遊技状態が設定されることはないこととなる。
なお、上述の如く、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選により時短図柄の種別を決定するように設定した場合には、時短図柄抽選や時短図柄について、上述の実施の形態における当否抽選や特別図柄等に関する制御と同様の制御を行うように設定してもよい。
たとえば、取得された時短図柄乱数は、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機として取得された第1特図乱数や第2特図乱数と同一の保留記憶領域に記憶し、第1特図乱数や第2特図乱数と同様に、所定の上限数(たとえば、4個)まで保留可能となるように設定してもよい。
また、上述のように時短図柄が決定された場合には、特別図柄と同様に、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31とは異なる所定の表示装置(時短図柄表示装置)において時短図柄の変動表示(以下、時短図柄の変動ともいう)が行われるように設定してもよい。時短図柄の変動表示については、特別図柄の変動表示と同じタイミングで開始するように設定してもよいし、特別図柄の変動表示と同一の変動時間となるように設定してもよい。また、特別図柄の変動表示及び時短図柄の変動表示を同じタイミングで開始する場合には、当該変動表示の開始時に時短図柄抽選を行うように設定してもよい。
また、上述の時短図柄抽選において時短当選図柄が決定された場合において、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選においてハズレとなったときには、当該当否抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにしてもよい。また、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選において小当たりの当選となったときには、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技が終了した後に(小当たり遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
これに対して、上述の時短図柄抽選において時短当選図柄が決定された場合であって、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選において大当たりの当選となったときには、時短当選図柄の決定に基づく時短遊技状態の設定は行われず、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に(特別遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、当該大当たりの当選に基づいて決定された大当たり図柄の種別に応じた遊技状態の設定が行われるようにしてもよい。すなわち、時短当選図柄の決定と大当たり図柄の決定(大当たりの当選)とが重複した場合には、時短当選図柄の決定を無効とし、大当たり図柄の決定に基づく遊技状態が設定されるようにしてもよい。時短当選図柄の決定に基づく遊技状態の設定が特別遊技よりも優先的に行われると、大当たりの当選時の遊技状態が変化する可能性があり、当該変化の有無も確認した上で特別遊技終了後の遊技状態を設定しなければならず、当該遊技状態の設定処理が煩雑となるおそれがあるが、上述のようにしたことで、このような事態の発生を適切に防止することができる。
また、変動パターンコマンド、変動演出の態様、先読み演出の態様等は、特別図柄の決定及び時短図柄の決定の結果に基づいて、決定してもよい。
具体的には、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短当選図柄が決定された場合、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短非当選図柄が決定された場合、及び、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合(時短非当選図柄が決定された場合)のそれぞれに対応した変動パターンコマンドや変動演出の態様を決定するようにしてもよい。そして、たとえば、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短当選図柄が決定された場合や当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短非当選図柄が決定された場合よりも、長い変動時間が対応付けられた変動パターンコマンドの決定割合が高くなるように設定してもよいし、大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高く設定された変動演出の態様や先読み演出の態様の決定割合が高くなるように設定してもよい。
また、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選により時短図柄の種別を決定するように設定した場合にも、通常遊技状態中以外の遊技状態において時短図柄抽選を行って、時短遊技状態を設定するか否かを決定するようにしてもよい。この場合の各種制御については、上述の(6)と同様のため、説明を割愛する。
また、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選において時短遊技状態を設定の可否及び時短回数の両方を決定するのではなく、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選においては時短遊技状態の設定の可否のみを決定し、時短遊技状態を設定する旨が決定された場合に、上述の時短図柄乱数と異なる他の乱数(時短回数決定乱数)に基づいて時短回数を決定する旨の抽選を行うようにしてもよい。
また、上述の時短図柄抽選は、時短図柄乱数を用いて行うのではなく、他の乱数を用いて行うように設定してもよい。
たとえば、上述の実施の形態のように、1の当否乱数により、大当たりの当否の判定、及び、小当たりの当否の判定の両方を行うのではなく、大当たりの当選となるか否かの判定にのみ用いられる大当たり判定乱数、小当たりの当選となるか否かの判定にのみ用いられる小当たり判定乱数、ハズレとなるか否かの判定にのみ用いられるハズレ判定乱数をそれぞれ別個に設け、各乱数ごとに判定を行うことで、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレの判定結果を導出するようにするとともに、これらの乱数のうちのいずれかに基づいて上述の時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態のように、1の特別図柄乱数により大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄を決定するのではなく、大当たりに当選した場合における大当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる大当たり図柄決定乱数、小当たりに当選した場合における小当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる小当たり図柄決定乱数、ハズレの場合におけるハズレ図柄の種別の決定にのみ用いられるハズレ図柄決定乱数をそれぞれ別個に設け、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレの判定結果に応じたいずれかの乱数に基づいて、大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ図柄の種別を決定するとともに、これらの乱数のうちのいずれかに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態のように、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値が設けられたパチンコ機Pにおいては、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、当否乱数、大当たり判定乱数、小当たり判定乱数、ハズレ判定乱数等)、又は、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、特別図柄乱数等)のいずれかに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。また、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数に基づいては時短図柄抽選を行わず、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数のみに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
(10)上述の実施の形態において高確率遊技状態が設定された場合には、その後に大当たりに当選し低確率遊技状態の設定が定められた特別図柄(大当たり図柄X4)が決定されることにより、当該高確率遊技状態が終了し低確率遊技状態が設定されるようになっていたが、低確率遊技状態への移行の制御については、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率遊技状態が設定された後、大当たりに当選することなく予め定められた高確回数(たとえば、80回等)の当否抽選が行われた場合に、当該高確率遊技状態が終了するように(いわゆるSTタイプのパチンコ機として構成)してもよい。そして、このように設定されたパチンコ機において、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態が設定され得るようになっていた場合には、当該遊技状態中に、上述の実施の形態のように当否抽選により時短付与の当選が決定され時短図柄が決定されたとき、上述の変形例(8)のように時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたとき、或いは、上述の変形例(9)のように時短図柄抽選により時短当選図柄が決定されたときには、当該決定に基づいて時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
また、たとえば、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定するか否かを決定する転落抽選に用いる転落抽選乱数を設け、この転落抽選乱数に基づく転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨が決定された場合に、高確率遊技状態が終了するようにしてもよい。そして、転落抽選乱数を設けた場合には、当該転落抽選乱数に基づいて、上述の変形例(9)のような時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
(11)上述の実施の形態では、大当たりの当否の判定→小当たりの当否の判定→時短付与の当否の判定という順番で、当否抽選の結果を判定する処理が行われていたが、当該判定の順番についてはこれに限定されるものではない。
たとえば、大当たりの当否の判定→時短付与の当否の判定→小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短付与の当選の判定結果を導出するのではなく、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たり(以下、時短付き小当たりともいう)の当選、時短遊技状態を設定しない旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たり(以下、時短無し小当たりともいう)の当選を導出可能とし、時短付き小当たりの当選となった場合に時短遊技状態が設定され、時短無し小当たりの当選となった場合には時短遊技状態が設定されないようなパチンコ機においては、たとえば、大当たりの当否の判定→時短付き小当たりの当否の判定→時短無し小当たりの当否の判定という順番、大当たりの当否の判定→時短無し小当たりの当否の判定→時短付き小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短付与の当選の判定結果を導出するのではなく、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレ(以下、時短付きハズレともいう)、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレ(以下、時短無しハズレともいう)を導出可能とし、時短付きハズレとなった場合に時短遊技状態が設定され、時短無しハズレとなった場合には時短遊技状態が設定されないようなパチンコ機においては、たとえば、大当たりの当否の判定→小当たりの当否の判定→時短付きハズレの判定という順番、大当たりの当否の判定→時短付きハズレの判定→小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定されたパチンコ機においては、転落抽選→当否抽選(大当たりの当否の判定、小当たりの当否の判定、時短付与の当否の判定)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
また、上述の変形例(9)のように、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、複数段階の設定値が定められていないパチンコ機においては、時短図柄抽選→当否抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、当否抽選→時短図柄抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、複数段階の設定値が定められているパチンコ機においては、時短図柄抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→当否抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定し、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められていないパチンコ機においては、転落抽選→時短図柄抽選→当否抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、転落抽選→当否抽選→時短図柄抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定し、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められているパチンコ機おいては、転落抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→時短図柄抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→当否抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、パチンコ機の仕様に応じたタイミングで、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選が可能となる。
(12)上述の実施の形態では、当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合に特別遊技が実行されるようになっていたが、特別遊技の実行契機は、これに限定されるものではない。
たとえば、当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合のみならず、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選であった場合(所定の小当たり図柄が決定された場合)に実行される小当たり遊技において、遊技球が進入可能な特別領域を備えた特定大入賞口が開放されるようになっており、当該小当たり遊技中に特定大入賞口へ入球した遊技球が特別領域へ進入した場合にも特別遊技が実行されるように設定(いわゆる1種2種混合のパチンコ機として構成)してもよい。また、上述の小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後には、上述の小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じた遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)へ移行するように設定してもよい。
そして、上述のように設定されたパチンコ機(いわゆる1種2種混合のパチンコ機)においても、上述の実施の形態や変形例と同様に、時短付与の当否の判定(上述の実施の形態や上述の変形例(2)の当否抽選)、時短遊技状態の設定の可否が定められた小当たり図柄やハズレ図柄の決定(上述の変形例(8)の当否抽選や特別図柄の決定の処理)、時短当選図柄又は時短非当選図柄の決定(上述の変形例(9)の時短図柄抽選)等(以下、これらの判定や決定を総称して、時短付与決定処理ともいう)を行うように設定し、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
なお、たとえば、いわゆる1種2種混合のパチンコ機で上述の時短図柄抽選を行う場合において、当該時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨(時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短当選図柄))が決定され、かつ当否抽選によりハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)ときには、当該当否抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に、上述の時短図柄抽選の結果に応じた時短遊技状態を設定し、上述の時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定され、かつ当否抽選により小当たりの当選となった(小当たり図柄が決定された)ときには、上述の時短図柄抽選の結果に応じた時短遊技状態の設定は行わず、小当たりの当選に基づく小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、当該小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別に対応する遊技状態を設定するようにしてもよい。
具体的には、上述の時短図柄抽選により第1時短遊技状態(時短回数は20回)を設定する旨が対応付けられた時短図柄(時短当選図柄)が決定され、かつ、当否抽選において小当たりに当選し、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に第2時短遊技状態(時短回数は100回)を設定する旨が対応付けられた小当たり図柄が決定された場合には、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、第1時短遊技状態は設定されず、第2時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏する他、種々の仕様のパチンコ機において、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選機能を搭載可能としつつ、小当たりの当選と時短遊技状態の設定の決定とが重複した場合において、時短遊技状態の設定処理が煩雑となるような事態の発生を適切に防止することができる。
(13)上述の時短付与決定処理によって決定され得る決定結果として、複数種類の決定結果を設けた場合には、決定結果ごとに、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を設定してもよい。
たとえば、上述の実施の形態のように、当否抽選及び特別図柄の決定の処理により時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄を決定するように設定した場合や、上述の変形例(9)のように、時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短当選図柄)を決定するように設定した場合には、決定され得る時短図柄(時短当選図柄)の種別として、上述の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、普通図柄の抽選において当たりとなる確率は非時短遊技状態よりも高くなるものの、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第3時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第4時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び普通図柄の変動時間は非時短遊技状態と同一である第5時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも高く(又は長く)なるものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄を設けてもよい。
なお、上述の変形例(2)のように、当否抽選において、所定の時短図柄に対応する時短付与の当選との結果を導出可能とした場合にも、同様の設定を行うことができる。たとえば、当否抽選において、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄に対応する時短付与の当選、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄に対応する時短付与の当選等の結果を導出可能となるように設定してもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選及び特別図柄の決定の処理において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、上述の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y4(又はハズレ図柄Z4)、上述の第5時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y5(又はハズレ図柄Z5)等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも高く(又は長く)なるものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄(又はハズレ図柄)を設けてもよい。
なお、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たりの当選や、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレとの結果を導出可能とした場合にも、同様の設定を行うことができる。たとえば、当否抽選において、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y3に対応する小当たりの当選(又はハズレ図柄Z3に対応するハズレ)、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y4に対応する小当たりの当選(又はハズレ図柄Z4に対応するハズレ)等の結果を導出可能となるように設定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態において、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(14)上述の時短付与決定処理によって決定可能な時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄等)の種類や数は、遊技状態ごとに異なるように設定してもよい。
たとえば、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄等)が所定種類(たとえば、5種類)設けられていた場合において、通常遊技状態では全種類を決定可能であるものの、低確率時短遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよいし、低確率時短遊技状態では全種類を決定可能であるものの、通常遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
また、たとえば、特定の時短遊技状態(たとえば、第1時短遊技状態)では全種類を決定可能であるものの、当該特定以外の時短遊技状態(たとえば、第3時短遊技状態)ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、遊技状態ごとに、時短遊技状態が設定される割合や設定され得る時短遊技状態の種類を変化させることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(15)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて変動パターンが決定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定された場合に、バリエーションに富んだ変動演出を実行することができる。
(16)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、所定期間内(たとえば、所定の開始時点から当否抽選が100回行われるまでの間等)に、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄の決定回数や、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄の決定回数に応じて、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
たとえば、上述の所定期間内に小当たり図柄Y1(時短回数20回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、2回等)決定された場合に、当該小当たり図柄Y1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、たとえば、上述の所定期間内にハズレ図柄Z1(時短回数50回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、3回等)決定された場合に、当該ハズレ図柄Z1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態が設定される条件のバリエーションが豊富となり、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(17)いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、小当たり図柄の種別に基づいて時短遊技状態を設定するようにした場合には、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入したときと、当該小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入しなかったときとでは、当該小当たり遊技後に設定される時短遊技状態の時短回数が同一となるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。
たとえば、時短回数20回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときにも小当たり遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、たとえば、上述の小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときには小当たり遊技の終了後に、時短回数5回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別領域への遊技球の可否に応じて異なる時短遊技状態を設定することができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
(18)当否抽選において小当たりの当選となったときに(小当たり図柄が決定されたときに)時短遊技状態を設定する場合には、当該小当たりの当選(小当たり図柄の決定)から当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、小当たりの当選時、小当たり図柄の変動開始時、当該小当たり図柄の変動終了時、当該小当たり図柄に基づく小当たり遊技の開始時、当該小当たり遊技中、当該小当たり遊技の終了時(小当たり遊技終了後の最初の特別図柄の変動開始時)等)に時短遊技状態を設定してもよい。
同様に、当否抽選においてハズレとなったときに(ハズレ図柄が決定されたときに)時短遊技状態を設定する場合には、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時(次の特別図柄の変動開始時)等)で時短遊技状態を設定してもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションを豊富にすることができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
(19)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、時短遊技状態における時短回数としては、小当たり図柄やハズレ図柄の種別に対応して予め定められた時短回数を設定してもよいし、時短遊技状態への移行時に時短回数を決定するための抽選を行い当該抽選で決定された時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短回数の決定方法のバリエーションを豊富にすることができ、パチンコ機の仕様に応じた時短回数の決定が可能となる。
(20)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて、設定される時短遊技状態の性能(第2始動入賞口16が開状態に維持される難易度)が異なるようにしてもよい。
たとえば、小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、通常遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい(普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高い設定、普通図柄の変動時間が長い設定、第2始動入賞口16の開放時間が長い設定のうち1又は複数の設定が行われた)時短遊技状態Aが設定され、小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)が決定された場合には、時短遊技状態Aよりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
また、小当たり図柄又はハズレ図柄の種別、及び、設定されている遊技状態に応じて、設定される時短遊技状態の性能が異なるようにしてもよい。
たとえば、通常遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Aが設定されるものの、当該時短遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、設定される時短遊技状態の性能のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(21)時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて時短遊技状態が設定された場合には、時短回数の上限を設定することなく(すなわち、時短回数を無限とし)、大当たりの当選を条件として当該時短遊技状態を終了させてもよいし、時短遊技状態を終了する旨が定められた時短終了図柄を決定するための抽選(時短終了図柄の抽選)を行い、当該抽選により時短終了図柄が決定されたことを条件として当該時短遊技状態を終了させてもよい。また、時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定を条件として時短遊技状態を終了し、新たに、当該決定に基づく時短遊技状態及び時短回数を設定(上書き)してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の終了条件のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(22)連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達した場合、次の遊技状態として時短遊技状態を設定することができない(強制的に非時短遊技状態が設定される)ように定められたパチンコ機(以下、時短リミッタ搭載のパチンコ機という)では、通常遊技状態において、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合には、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、時短遊技状態において、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、通常遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定するものの、時短遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定しないように定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が、時短遊技状態中に停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、連続時短設定回数が上限回数に達する難易度を変化させることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(23)時短リミッタ搭載のパチンコ機においては、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の性能(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間及び時短回数のうちの1又は複数)を、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達するまでの残り回数に応じて異ならせてもよいし、当該残り回数にかかわらず同一となるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短リミッタ搭載のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(24)転落抽選が行われるとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定により時短遊技状態が設定されるように構成されたパチンコ機において、転落抽選により高確率遊技状態を終了する旨が決定され、かつ時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたときには、当該図柄の決定に基づき設定される時短遊技状態の時短回数として、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよいし、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態において設定される時短回数のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(25)当否抽選の結果を報知する先読み演出が実行されているときに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定された場合には、実行中の先読み演出を継続してもよいし、当該先読み演出を継続せずに中止してもよい。
また、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定される保留が記憶されているときには、他の保留を対象とした特定の演出(先読み演出、当該他の保留に基づく変動演出中に実行される所定の演出等)の実行を制限してもよいし、既に当該他の保留を対象とした特定の演出が実行されている場合には、実行中の当該特定の演出を継続してもよいし、継続せずに中止してもよい。
なお、上述の時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、当該時短図柄抽選の結果を報知する先読み演出を実行するように設定されたパチンコ機においても、上述と同様の制御を行うようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定の状況に応じた適切な演出の実行が可能となる。
(26)大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態に設定可能なパチンコ機において、低確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A1、及び、高確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A2は、同一の値となるように設定してもよいし、異なる値となるように設定してもよい。
また、上述の確率A1及びA2は、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、上述の確率A1及びA2は、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及び大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、低確率遊技状態から特別遊技の実行を介して高確率遊技状態が設定される確率、高確率遊技状態から特別遊技の実行を介して、再度、高確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
(27)転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定可能なパチンコ機において、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨の決定確率Bとして、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
そして、一の値のみを設けた場合には、常に当該値により転落抽選を行い、複数の値を設けた場合には、状況に応じて(たとえば、高確率遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数、遊技球が入球した始動入賞口の種別等に応じて)いずれかの値により転落抽選を行ってもよい。
また、決定確率Bは、設定されている遊技状態(高確率時短遊技状態、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた高確率非時短遊技状態)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、ハズレの場合に決定される特別図柄(ハズレ図柄)の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及びハズレの場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
(28)連続高確設定回数が予め定められた上限回数に達した場合、特別遊技の終了後に強制的に低確率遊技状態が設定されるように定められたパチンコ機(以下、確変リミッタ搭載のパチンコ機という)のパチンコ機において、上限回数として、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。そして、一の値のみを設けた場合には、連続高確設定回数が当該値に到達したことで上述の設定を行い、複数の値を設けた場合には、連続高確設定回数が、状況に応じた(たとえば、低確率遊技状態から高確率遊技状態へ移行した回数等に応じた)いずれかの値に到達したことで上述の設定を行ってもよい。
同様に、時短リミッタ搭載のパチンコ機においても、上限回数として、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。そして、一の値のみを設けた場合には、連続時短設定回数が当該値に到達したことで上述の設定を行い、複数の値を設けた場合には、連続時短設定回数が、状況に応じた(たとえば、非時短遊技状態から時短遊技状態へ移行した回数等に応じた)いずれかの値に到達したことで上述の設定を行ってもよい。
このように設定した場合には、連続高確設定回数や連続時短設定回数の上限回数のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
(29)上述の実施の形態では、通常遊技状態中に当否抽選における時短付与の当否の判定により時短付与の当選となった場合に、時短遊技状態が設定されるようになっていたが、時短遊技状態が設定される契機としては、これに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動回数(当否抽選における抽選結果の導出回数)をカウントし、当該カウント値が予め定められた時短発動回数LNに到達したときの遊技状態が時短遊技状態以外(通常遊技状態や高確率非時短遊技状態)であった場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、時短回数が特定時短回数TNとなる時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このように設定した場合には、大当たりに当選しない場合であっても特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達すれば時短遊技状態が設定されるため、時短遊技状態が設定され得るバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(30)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機では、上述のカウント値は、(a)電源投入時点(RAMクリア時点)、(b)通常遊技状態中の特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達した時点、又は、通常遊技状態中の特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達し、その後大当たりの当選となることなく特定時短回数TNの当否抽選が行われた時点(時短発動回数LNに到達したことで設定された時短遊技状態が終了した時点)、(c)大当たりの当選時点、(d)時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の決定により時短遊技状態を設定するパチンコ機では当該時短遊技状態が設定された時点、においてクリアするようにしてもよい。すなわち、(a)~(d)の時点から、上述のカウント値のカウントを開始するようにしてもよい。
また、(a)~(d)とは異なる他の時点において、上述のカウント値をクリアするようにしてもよい。
また、上述のカウント値は、設定されている遊技状態がいずれの遊技状態であっても常にカウントするようにしてもよいし、遊技者にとって有利な状態中(たとえば、高確率遊技状態中、時短遊技状態中等)においてはカウントしないようにしてもよい。
また、上述のカウント値をカウントするタイミングとしては、当否抽選においてハズレとなったとき(ハズレ図柄が決定されたとき)には、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時、当該ハズレ図柄の変動が終了してから停止表示時間が経過した時点(次の特別図柄の変動開始時)等)としてもよいし、当否抽選において大当たりの当選となったとき(大当たり図柄が決定されたとき)には、上述のいずれかの時点又は大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時点等としてもよい。
また、時短遊技状態が設定されるタイミングは、上述のカウント値をカウントするタイミングと同一となるように設定してもよい。
また、上述のカウント値は、たとえば、通常遊技状態中であれば、当該通常遊技状態中に主に取得される第1特図乱数に基づく特別図柄の変動を対象としてカウントするようにしてもよいし、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動のみならず第2特図乱数に基づく特別図柄の変動も対象としてカウントするようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態が設定されるタイミングのバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(31)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機においては、時短発動回数LNを、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなりすぎない範囲の値(たとえば、当否抽選における大当たりの当選の確率が1/Pであった場合には、P×発動下限係数(たとえば、2.5等)≦時短発動回数LN≦P×発動上限係数(たとえば、3.0等))となるようにしてもよい。また、大当たりの当選の確率によることなく、パチンコ機の遊技仕様に応じた適切な値としてもよい。また、時短発動回数LNとして、一の値のみ設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値を設けた場合には、設定値ごとに異なる時短発動回数LNを設定してもよいし、いずれの設定値であっても同一の時短発動回数LN(いずれかの設定値における大当たりの当選の確率(たとえば、最も低い大当たりの当選の確率)に基づいて定まる時短発動回数LN)を設定してもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態の設定に基づく射幸性が高くなり過ぎるのを防止可能であるとともに、時短遊技状態が設定されるタイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
(32)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機においては、特定時短回数TNを、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなりすぎない範囲の値(たとえば、当否抽選における大当たりの当選の確率が1/Pであった場合には、P×特定下限係数(たとえば、0.4等)≦特定時短回数TN≦P×特定上限係数(たとえば、3.8等))となるようにしてもよい。また、大当たりの当選の確率によることなく、パチンコ機の遊技仕様に応じた適切な値としてもよい。また、特定時短回数LNとして、一の値のみ設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
なお、大当たりの当選に基づいて設定される時短遊技状態の時短回数や、大当たりの当選によることなく、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の時短回数も、上述の範囲の値となるように設定してもよい。
また、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値を設けた場合には、設定値ごとに異なる特定時短回数TNを設定してもよいし、いずれの設定値であっても同一の特定時短回数TN(いずれかの設定値における大当たりの当選の確率(たとえば、最も低い大当たりの当選の確率)に基づいて定まる特定時短回数TN)を設定してもよい。
また、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態は、大当たりの当選や時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態と同様の時短終了条件を満たすことにより、終了するように設定してもよい。たとえば、大当たりの当選となったことや、大当たりの当選となることなく当否抽選が特定時短回数TN行われたことにより、上述の時短遊技状態を終了するように設定してもよい。
また、時短遊技状態が終了する条件として、たとえば、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動回数及び第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数の合計が特定時短回数TN1に到達すること、及び、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数が特定時短回数TN2に到達することという複数パターンを設けた場合には、特定時短回数TN1及びTN2のいずれについても上述の範囲内に属するようにしてもよいし、特定時短回数TN1又はTN2のいずれかのみ上述の範囲内に属するようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態の設定に基づく射幸性が高くなり過ぎるのを防止可能であるとともに、設定された時短遊技状態が終了するタイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
(33)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態としては、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を複数設け、状況に応じていずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
具体的には、上述の実施の形態における第1時短遊技状態、上述の変形例(13)における第3時短遊技状態、第4時短遊技状態、第5時短遊技状態等を設け、たとえば、時短発動回数LNに到達する前に最後に大当たりの当選となったときの大当たり図柄の種別、時短発動回数LNに到達する前に最後に小当たりの当選となったときの小当たり図柄の種別、時短発動回数LNに到達する前に時短遊技状態が設定されたときの大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄、時短図柄、時短当選図柄の種別に応じて、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このように設定した場合には、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(34)上述の変形例(29)のように特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにしたパチンコ機においては、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)の決定に基づいても時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
そして、このように設定したパチンコ機においては、時短遊技状態中には時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定は行わず、非時短遊技状態中にのみ時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定を行うようにしてもよいし、時短遊技状態中も時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定を行うようにしてもよい。
また、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に上述のカウント値が時短発動回数LNに到達すると同時に、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に上述の図柄が決定された場合(すなわち、複数の時短遊技状態の設定条件を同時に満たした場合)には、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、通常遊技状態中のみならず、低確率時短遊技状態中や高確率時短遊技状態中にも上述のカウント値のカウントを行うように設定し、低確率時短遊技状態中や高確率時短遊技状態中に当該カウント値が時短発動回数LNに到達した場合に、時短遊技状態が再設定されるように設定してもよい。このように設定した場合において、時短遊技状態が再設定されたときには、時短回数として、当該再設定された時短遊技状態に対応する時短回数(すなわち、特定時短回数TN)が再度セットされるようにしてもよいし、当該再設定された時短遊技状態に対応する時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。また、上述のカウント値が時短発動回数LNに到達した場合には、当該時点で設定されている時短遊技状態が終了した後に、当該到達に基づく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
(35)いわゆる1種2種混合のパチンコ機においても、上述の変形例(29)のように、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述のカウント値は、小当たりの当選に基づいてはクリアされないようにしてもよい。
また、上述のように設定したいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、当否抽選の結果が大当たりの当選となったときに特別遊技が実行されるとともに、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選となったときに実行される小当たり遊技において特定大入賞口の特別領域へ遊技球が入球することで特別遊技が実行されるように設定した場合、上述の変形例(31)や(32)のように時短発動回数LNや特定時短回数TNを決定するために用いる確率Pとしては、上述の大当たりの当選の確率、上述の所定の小当たりの当選の確率(非時短遊技状態中に主に取得される特図乱数に基づく当否抽選における小当たりの当選の確率)、又は、上述の大当たりの当選の確率及び上述の所定の小当たりの当選の確率の合算確率のいずれかを用いてもよい。
また、上述のように設定したいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、当否抽選の結果として大当たりの当選は設けられておらず、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選となったときに実行される小当たり遊技において特定大入賞口の特別領域へ遊技球が入球することのみをもって特別遊技が実行されるように設定した場合、上述の変形例(31)や(32)のように時短発動回数LNや特定時短回数TNを決定するために用いる確率Pとしては、上述の所定の小当たりの当選の確率(非時短遊技状態中に主に取得される特図乱数に基づく当否抽選における小当たりの当選の確率)、又は、所定の小当たりに当選し特別領域へ遊技球が入球する確率(所定の小当たりの当選を経由して特別遊技が実行される確率)のいずれかを用いてもよい。
また、小当たりの当選となった場合、当該当選に基づいて決定される小当たりの図柄の種別に応じて時短発動回数LNが更新されるようにしてもよいし、更新されないようにしてもよい。
また、いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるとともに、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいても時短遊技状態が設定されるようにした場合、上述のカウント値が時短発動回数LNに到達すると同時に、上述の図柄が決定された場合(すなわち、複数の時短遊技状態の設定条件を同時に満たした場合)には、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、1種2種混合のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
(36)上述の実施の形態では、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立後は、当該連続大当たり回数条件の成立前よりも長い変動時間の決定割合を高くすることで、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させるようにしていたが、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数を減少させるためのメインCPU101による制御方法としては、これに限定されるものではない。以下、具体例を挙げて説明する。
なお、上述の如く、連続大当たりとは、通常遊技状態において大当たりに当選して少なくとも時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たりをいうものとする。
(具体例1)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動において、(A)これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよい。また、これ以降に実行される特別遊技において、(B)これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定されるようにしてもよいし、(C)これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定されるようにしてもよいし、(D)これ以前に実行されていた特別遊技におけるインターバル時間よりも長いインターバル時間が設定されるようにしてもよいし、(E)これ以前に実行されていた特別遊技における大入賞口18の開放時間よりも長い開放時間が設定されるようにしてもよい。
(具体例2)
たとえば、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例3)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例4)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ所定回数に達した際又は所定回数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例5)
たとえば、連続大当たり中において、実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達し、かつ所定数に達した後の大当たり当選時に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例6)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回)以下であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例7)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回等)以下であり、かつ当該次の大当たりに当選した際に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例8)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例9)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例10)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例11)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例12)
たとえば、連続大当たり中における所定の大当たりの当選時に決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、相対的に短い変動時間(3秒、6秒等)が設定された変動パターン等)であった場合に、これ以降に実行される変動において、上述の(A)のように設定してもよいし、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(B)~(E)のように設定してもよい。
(具体例13)
たとえば、第1特図乱数や第2特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数について当否抽選や特別図柄の決定に関する各種判定(大当たりに当選するか否かの判定、決定される特別図柄の種類の判定等)を行う事前判定処理が実行されるように設定するとともに、連続大当たり中において、当該事前判定処理による判定結果が所定の内容(たとえば、特別遊技終了時点で記憶されている保留の中に大当たりに当選するものが含まれている等)であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例14)
たとえば、連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、15分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例15)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)以下であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例16)
たとえば、連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例17)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様に、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、上述の具体例1~17における各種条件については、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わせて設定することもできる。また、各種条件を満たした場合における上述の(A)~(E)の設定については、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。
また、主制御基板100に、連続大当たりの回数をカウントするためのカウンタ(メインRAM103の所定の記憶領域により構成)を設け、当該カウンタのカウント値に基づいて連続大当たりの回数が所定回数に達したか否かを判定してもよい。そして、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合に、上述の(A)~(E)の設定のうちのいずれか1又は複数を設定してもよい。
また、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するため、連続大当たりは、主に第2特図乱数に基づいて当選した大当たりとなる。そこで、上述のカウンタは、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数をカウントし、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には当該カウンタのカウント値をリセットするように設定し、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数が所定回数に達した場合に、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たしたものと判定するようにしてもよい。すなわち、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、連続大当たりが途切れたものとして取り扱い、連続して第2特図乱数に基づいて大当たりに当選しないと、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たさないように設定してもよい。
第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合よりも、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が決定されやすく、短期間の間に遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する可能性が高い。上述のように設定した場合には、第2特図乱数に基づく大当たりのみを連続大当たりの回数に関する条件の対象とするため、上述の(A)~(E)の設定が過度に行われてしまう事態を防止することができる。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(A)と、特別遊技中の各種時間に関する(B)~(E)の少なくともいずれか一とを、組み合わせて設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりも変動時間及び特別遊技中の各種時間のいずれもが長くなるものの、特別遊技中の各種時間の変化率よりも変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1における条件を満たした場合に、(A)と(B)とを組み合わせて設定したときには、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別図柄の変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別図柄の変動時間として13秒や15秒(所定回数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別遊技中のオープニング時間が10秒であり、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別遊技中のオープニング時間が15秒(所定回数に達する前のオープニング時間の1.5倍に変化)であるように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(A)を設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間及びリーチ変動パターンとなる変動の変動時間のいずれもが長くなるものの、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよいし、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例2における条件を満たした場合に(A)を設定したときには、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として180秒や240秒(所定数に達する前の変動時間の6倍~12倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例8における条件を満たした場合に(A)を設定したときには、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として40秒や45秒(所定数に達する前の変動時間の約1.3倍~2.25倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合には、変動時間に関する(A)を設定することなく、特別遊技中の各種時間に関する(B)~(E)の少なくともいずれか一を設定することで、各種条件を満たした後は、変動時間は変化しないものの、特別遊技の実行時間(オープニング時間、エンディング時間、インターバル時間、大入賞口18の開放時間)が長くなるようにしてもよい。また、このようにした場合には、たとえば、各種条件を満たした後のオープニング時間が、当該条件を満たした後の他の時間(エンディング時間、インターバル時間、大入賞口18の開放時間)よりも長くなるように設定してもよいし、各種条件を満たす前後におけるオープニング時間の変化率が、他の時間の変化率よりも大きくなるように設定してもよい。
また、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合には、上述の(A)~(E)のように設定するのではなく、他の設定を行ってもよい。たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される普図遊技において、(F)これ以前に実行されていた普通図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよいし、(G)これ以前における第2始動入賞口16の可動片16bの開放時間よりも短い開放時間となるように設定してもよい。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別遊技の終了後において、(H)これ以前の特別遊技の終了後に設定されていた時短回数よりも少ない時短回数を設定するようにしてもよい。
このように設定することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球頻度が減少し、当否抽選の機会も減少するため、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される特別遊技において、(I)これ以前の特別遊技中よりも遊技球が入球困難な態様(たとえば、0.5秒の開放と1.0秒の閉鎖を所定回数繰り返す態様等)で大入賞口18が開閉するように設定してもよい。
このように設定した場合には、特別遊技中に獲得可能な賞球数が減少し、単位時間あたりの総賞球数を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別図柄の変動に際し、(J)第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されているときに、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるように設定してもよい。
このように設定した場合、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選したときよりも第1特図乱数に基づいて大当たりに当選したときの方が、少ないラウンド数の特別遊技の実行が決定される割合が高くなっているため、特別遊技中に獲得可能な賞球数の期待値が減少し、単位時間あたりの総賞球数の期待値を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、(F)~(J)の設定については、(A)~(E)と同様に、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。また、(A)~(E)の少なくともいずれか一と組み合わせて設定してもよい。
また、(A)~(G)の設定においては、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、各種時間が長くなるようになっていたが、所定の時間は長くなるようにしつつ、他の時間は短くなるように設定してもよい。たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定しつつ((A)の設定)、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも短いエンディング時間が設定される((C)の設定)ようにしてもよい。
このようにした場合には、具体例1~17の各種条件を満たした後、変動が開始されてから特別遊技が終了するまでの時間が長くなり過ぎてしまい、遊技者の利益が極端に阻害されるような事態を防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(A)~(E)の設定がなされ、各種時間が長くなるようにしたときには、長くなった期間内において、特定の演出の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定((A)の設定)したときには、長い変動時間が決定された際に、当該変動における大当たりの当選の期待度を示す示唆演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。また、当否抽選の結果とは無関係な内容を示す特殊演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定((B)の設定)されるようにしたときや、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定((C)の設定)されるようにしたときには、オープニング時間やエンディング時間が経過するまでの間に、当該時点で記憶されている保留の中に大当たりの当選と判定され得るものがある旨を示唆する先読み演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
なお、特定の演出の実行頻度の変化度合いについては、特に限定されるものではない。たとえば、上述の各種条件を満たす以前には特定の演出は実行されていなかったものの、上述の各種条件を満たした後には、特定の演出が実行されるように設定してもよいし、上述の各種条件を満たす以前には所定の実行割合で特定の演出が実行されるようになっていたものの、上述の各種条件を満たした後は、上述の所定の実行割合よりも高い割合で特定の演出が実行されるように設定してもよい。
このようにした場合には、上述と同様に、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止しつつも、各種時間が長くなることにより遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われるようにしたときには、所定の終了条件を満たした場合に、当該設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
なお、所定の終了条件としては、たとえば、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、30回)の変動が行われたこと、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、3回)の特別遊技が行われたこと(大当たりに所定回数当選したこと)、連続大当たりが途切れたと判定されたこと(たとえば、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されることとなる大当たり図柄が決定されたこと、通常遊技状態が設定されたこと、通常遊技状態が設定されてから所定回数の変動が行われたこと等)を設定することができる。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
なお、具体例1~17の各種条件を満たし、(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われた場合において、少なくとも時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれか一方が継続していたとき(すなわち、連続大当たり中であったとき)であっても、特定条件を満たした場合には、(たとえば、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄X2が所定回数(たとえば、2回等)連続して決定された場合等)には、上述の設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、これに基づいて行われた設定を伝達するために、特定の外部情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、ホールコンピュータ等のパチンコ機Pの外部に設けられた機器)に送信するようにしてもよいし、上述の設定が行われた旨を報知するために、演出表示装置21の表示部21aに所定の表示(たとえば、特定のマーク画像の表示や、「遊技進行時間変更中」等の注意表示)を行ったり、所定態様でランプを点灯させたりするようにしてもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、その旨を示す履歴情報を、主制御基板100のメインRAM103や副制御基板300のサブRAM303に記憶するようにしてもよい。このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が行われる頻度や期間を把握することができ、射幸性が高くなる事態が生じにくいパチンコ機の開発に役立てることができる。
また、パチンコ機Pが、決定され得る変動時間の長さや変動時間の決定割合が異なるように設定された変動パターンテーブル114を複数備え、具体例1~17の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選した場合に、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後に、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄に基づいた異なる変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。
そして、このように設定されていたときであっても、上述の各種条件を満たし(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われた状態で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選時にいずれの大当たり図柄が決定されたとしても、共通の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に長い変動時間の決定割合が高く設定された第1の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定され、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に短い変動時間の決定割合が高く設定された第2の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。そして、このように設定されていたときには、上述の各種条件を満たした状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2のいずれが決定されたときであっても、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、第1の変動パターンテーブル114で決定され得る変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高く設定された第3の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
また、パチンコ機Pは下記のような変動パターンテーブル114を備えるようにしてもよい。以下、変動パターンテーブル114について具体的に説明する。なおここでは、時短付与の当選(時短図柄の決定)については考慮せず、また、当否抽選において小当たりの当選は決定されず、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に決定される大当たり図柄はX1及びX2の2種類、ハズレ図柄はY2の1種類である例で説明を行う。
たとえば、図343~図344に示すように、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルC、及び高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルD1、D2、D3を設けてもよい。
図343に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに、「3秒変動」の変動パターン(変動時間全体が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに、「5秒変動」の変動パターン(変動時間全体が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が125~224であったときに、「10秒変動」の変動パターン(変動時間全体が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C2H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに、「15秒変動」の変動パターン(変動時間全体が15秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C3H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「30秒変動」の変動パターン(変動時間全体が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「60秒変動」の変動パターン(変動時間全体が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「100秒変動」の変動パターン(変動時間全体が100秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(変動時間全体が120秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D3H」が決定される。
図344(a)に示すように、テーブルD1によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~12であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が13~25であったときに「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が26~50であったときに「50秒変動」の変動パターン(変動時間全体が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が51~150であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターン(変動時間全体が150秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターン(変動時間全体が200秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図344(b)に示すように、テーブルD2によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「50秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が25~74であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が75~149であったときに「70秒変動」の変動パターン(変動時間全体が70秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C7H」が決定され、変動パターン乱数が150~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図344(c)に示すように、テーブルD3によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
そして、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルCを参照して変動パターン(すなわち、変動時間)を決定するとともに、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルD1、テーブルD2又はテーブルD3のいずれかの変動パターンテーブル114を参照して変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、所定の切り替え条件を満たすことにより、参照する変動パターンテーブル114を切り替えるようにしてもよい。具体的には、連続大当たりの回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルD1→テーブルD2→テーブルD3と切り替えるようにしてもよい。また、変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル114をテーブルD3→テーブルD2→テーブルD1と切り替えるようにしてもよい。
(時短遊技状態の設定を適用した他の遊技性)
次に、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態を設定するという制御を適用した他の遊技性の例を説明する。なお、以下では、上述の実施の形態と異なる構成や制御を中心に説明を行い、同様の構成や制御については、必要な場合を除き、説明を割愛する。
(他の適用例1)
(構成及び制御の概要)
特に図示していないが、他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技盤11(遊技領域12)の構成、設置されている装置や部材は、上述の実施の形態とほぼ同一となっている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様の、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(図298参照)。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合に、大当たり図柄X1が決定されるようになっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定されようになっている。なお、通常遊技状態中における大当たりの当選の確率はおよそ1/150、高確率時短遊技状態中における大当たりの当選の確率はおよそ1/110に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技(たとえば、3ラウンド)において所定数(たとえば、1個)の遊技球が特定領域57へ進入できず当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入し当該特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態のような、当否抽選における時短付与の当否の判定及び時短付与の当選となった場合における時短図柄の決定は行われない。この代わりに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選の結果がハズレとなった場合に決定され得るハズレ図柄として、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1と、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2とが設けられている。そして、通常遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、ハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/500に設定されている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1は決定されないようになっている。また、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)中に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態の設定が行われないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第1始動入賞口15の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数が5回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり図柄X2が決定された場合、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
(他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1が決定される。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(図345参照)。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中は、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介して高確率時短遊技状態が設定されることはない。
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当否抽選の結果がハズレとなりハズレ図柄Z1が決定され得る(決定確率はおよそ1/500)ようになっている。ハズレ図柄Z1が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、この第2低確率時短遊技状態は、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続する。
第2低確率時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定される。大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図345参照)。ここで、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき高確率時短遊技状態へ移行する。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X2が決定される。そして、大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき、再度、高確率時短遊技状態が設定される。
このように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、実質的に、当該遊技状態中に再度大当たりに当選し、かつ再度高確率時短遊技状態が設定される。したがって、一旦、高確率時短遊技状態が設定された後は、大当たり図柄X2が連続して決定可能となり、大当たり図柄X2が5回連続して決定されるまで(連続確変設定回数が上限回数に到達するまで)高確率時短遊技状態が継続する。そして、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が5回連続して実行される。
ここで、たとえば、パチンコ機Pが、大当たり図柄X1(特別遊技中に獲得可能な遊技球が400個)の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されるように構成されていたものとする。すると、通常遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると高確率時短遊技状態が設定され、上述と同様に、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2が連続して決定可能となる。
しかし、このように構成されたパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されることから、この大当たり図柄X1の決定も連続確変設定回数としてカウントされることとなる。すると、大当たり図柄X1の決定に基づく高確率時短遊技状態の設定後、大当たり図柄X2が連続して4回決定されると、連続確変設定回数が上限回数に到達し、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。したがって、大当たり図柄X1が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は4400個(=大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球400個×1回+大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×4回)となる。
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき設定される第2低確率時短遊技状態を介し、当該第1低確率時短遊技状態中の大当たり図柄X2の決定に基づき高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は5000個(=大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×5回)となる。
またここで、たとえば、パチンコ機において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には第1の大当たり図柄及び第2の大当たり図柄のいずれかが決定されるように設定され、いずれの大当たり図柄が決定されたときにも、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態が設定されるものの、第1の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に時短遊技状態が設定され、第2の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に非時短遊技状態が設定されるようになっていたものとする。また、このパチンコ機Pにおいて、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選して大当たり図柄が決定された場合には、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態に設定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数よりも多くなるように設定されていたものとする。さらに、このパチンコ機Pにおいて、非時短遊技状態中は、第1始動入賞口15へ遊技球を入球させるべく第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、時短遊技状態中は、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させるべく第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われるようになっていたものとする。
以上のように構成されたパチンコ機では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて第2の大当たり図柄が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、高確率遊技状態、かつ非時短遊技状態へ移行するため、連続確変設定回数は増加するものの、その後も引き続き第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。すると、その後、第1の大当たり図柄が決定され時短遊技状態へ移行した場合に、既に連続確変設定回数が増加しており、連続確変設定回数が上限回数に到達するまでに、遊技者にとって有利な第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選を獲得できる回数が減少してしまうため、遊技者にとって不利となる。
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機のように、大当たり図柄でない特定のハズレ図柄や小当たり図柄の決定に基づいて時短遊技状態へ移行するように設定した場合には、時短遊技状態へ移行する前に連続確変設定回数が増加することがなく、連続確変設定回数が0の状態で時短遊技状態へ移行するため、上述のような不利な状況が発生しないこととなる。
以上のように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて、直接、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する高確率時短遊技状態へ移行するのではなく、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態(第2低確率時短遊技状態)を介し、第2始動入賞口16への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて高確率時短遊技状態へ移行するようになっている。
そのため、高確率時短遊技状態への移行が定められた大当たり図柄が決定されてから当該高確率時短遊技状態が終了するまでの間、全て、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき付与可能な遊技利益(たとえば、大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中のラウンド数等)を獲得できることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定により時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態において、時短遊技状態の設定が定められたハズレ図柄Z1が決定される場合には、大当たり図柄X1が決定される場合よりも、特定の演出(先読み演出、変動演出中における遊技者の期待感の大きいリーチ発展演出等)の実行割合が高くなるように設定してもよい。
(他の適用例2)
他の適用例2に係るパチンコ機Pは、他の適用例1に係るパチンコ機Pとほぼ同一の構成及び制御となっている。
ただし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数が100回の高確率時短遊技状態が設定されるようになっている。大当たり図柄X2の決定確率は、他の適用例1と同様のおよそ1/110に設定されているため、高確率時短遊技状態中に必ずしも次の大当たりに当選するとは限らず、大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われると、通常遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数は特に設定されておらず、低確率時短遊技状態が設定される条件(高確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われること)を満たすまで、高確率時短遊技状態が継続するようになっている。
さらに、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15のみならず、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選の結果がハズレとなった場合にも、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1、又は、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2が決定され得るようになっている。そして、通常遊技状態において、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、通常遊技状態においてハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/7に設定されている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態が再設定されないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
(他の適用例2に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例2に係るパチンコ機Pにおける通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態を経て、高確率時短遊技状態へ至るまでの遊技の流れについては、他の適用例1に係るパチンコ機Pと同一である。
他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確率時短遊技状態における時短回数は100回に設定されるため、大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われると、当該高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。
ここで、高確率時短遊技状態中は常時、第2遊技領域12bへ遊技球が打ち出され、当該遊技球はゲート20を通過可能となっている。すると、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点では、第2保留数は上限数である4となっている(すなわち、第2特図乱数が上限数の4つ保留記憶されている)可能性が高い。また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様に、第1特図乱数よりも第2特図乱数が優先的に処理されるようになっているため、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第1特図乱数よりも先に、当該時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数について、当否抽選の処理が行われる。
通常遊技状態が設定された後は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを再開し、第1始動入賞口15への遊技球の入球を狙って、高確率時短遊技状態への移行を再度目指すこととなる。
しかし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数に基づく当否抽選においてハズレ図柄Z1が決定されると、時短回数10000回の第2低確率時短遊技状態が設定され、これを経て、高確率時短遊技状態が再設定されることとなる。すなわち、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されても、この時点で保留されている第2特図乱数に基づきハズレ図柄Z1が決定されることにより第2低確率時短遊技状態へ移行することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となり、当該入球に基づいて大当たり図柄X2が決定されると、高確率時短遊技状態へ再移行する。
以上のように、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中において、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づいて特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されると、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、第2低確率時短遊技状態へ移行し、その後、高確率時短遊技状態へ移行可能となっている。
これにより、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第2特図乱数に基づき、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、高確率時短遊技状態へ再移行させ得ることができることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、他の適用例2に係るパチンコ機Pにおいても、他の適用例1と同様に、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
(他の適用例3)
(構成及び制御の概要)
他の適用例3に係るパチンコ機Pは、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に後述する特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、アタッカー装置17以外、他の適用例1及び他の適用例2と同一となっている。
特に図示していないが、アタッカー装置17は、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2に設けられていた特定領域57の代わりに、当該特定領域57と同一の構造ではあるものの機能が異なる特別領域を備えている以外、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同一の内部構造となっている。
そして、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同様に、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に、大入賞口18が開放し、遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。しかし、特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入し、特別遊技が実行されるようになっている。
なお、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2のように、特別遊技中において大入賞口18の所定領域(特定領域57)へ所定数の遊技球が進入したか否かにより、当該特別遊技終了後の遊技状態が設定されるのではなく、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、上述の遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第1低確率時短遊技状態、又は、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第2低確率時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定される。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(図298参照)。
また、図346に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図346に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、図346に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、図346に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図346に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X2が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図346に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
(他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例3に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(図346、図347参照)。
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。当該当否抽選では、上述の如く、大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)又は小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)のいずれかの抽選結果が導出される。そして、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(図346、図347参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
なお、上述の如く、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されており、大当たり図柄X2や小当たり図柄Y1の決定に基づく変動中には第2始動入賞口16へ遊技球が入球して第2特図乱数が1個保留記憶される。そのため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定されても、この時点で保留記憶されている1個の第2特図乱数に基づきさらに1回大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく特別遊技が実行されることとなる。なお、通常遊技状態において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に設定されるため(図346、図347参照)、上述の特別遊技の終了後は、特別遊技の実行前と変わらずそのまま通常遊技状態となる。
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が0回である通常遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に計2回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計3回)の特別遊技が実行されることとなる。
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(図346、図347参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(図346、図347参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
すると、第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が1回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に1回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計2回)の特別遊技が実行されることとなる。
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
また、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき第1低確率時短遊技状態(連億時短設定回数が1回)が設定された場合、当該第1低確率時短遊技状態においてさらにハズレ図柄Z1が決定されると、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に再設定される(図346、図347参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定されると、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となる。
すると、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、連続時短設定回数が上限回数である3回に到達したため、当該決定に基づく特別遊技の終了後は第2低確率時短遊技状態が設定されることなく、強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
なお、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となるため、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される(図346、図347参照)。そして、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化する。これにより、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
(他の適用例4)
(構成及び制御の概要)
他の適用例4に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、遊技盤11の構成、当該遊技盤11に設置されている装置や部材、設定される遊技状態、及び、各遊技状態中に遊技球を打ち出す遊技領域12は全て、他の適用例3と同一となっている。
また、図348に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図348に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、図348に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなった場合には、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるようになっている。ハズレ図柄Z1の決定確率はおよそ1/50、ハズレ図柄Z2の決定確率はおよそ49/50に設定されている。
そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
これに対して、ハズレ図柄Z2が決定された際には、時短遊技状態が設定されないようになっている。すなわち、通常遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も通常遊技状態が継続し、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
また、図348に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図348に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、図348に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図348に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
これに対して、図348に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、普図保留数の上限値は0個に設定されており、遊技球がゲート20を通過することにより普図保留が行われることはない。そして、上述のように設定された第2低確率時短遊技状態は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動開始時に終了し、その後、通常遊技状態が設定されるようになっている。
ここで、たとえば、通常遊技状態や第1低確率時短遊技状態から特別遊技の実行を経て第2低確率時短遊技状態へ移行した際等、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、遊技球がゲート20を通過することで第2始動入賞口16が開放され、この開放中の第2始動入賞口16へ1個目の遊技球が入球し当該入球に基づいて変動が開始されると、当該第2低確率時短遊技状態が終了する。ただし、変動開始時にはまだ第2始動入賞口16が開放されているため、この間に第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
また、上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいては必ず大当たり又は小当たりの当選となるため、当該当選に基づく特別遊技の終了後は、第2特図乱数が保留記憶された状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、第2低確率時短遊技状態が設定されると直ちに、保留記憶されていた第2特図乱数に基づく統治抽選(抽選結果は大当たり又は小当たり)が行われて変動が開始されるため、当該第2低確率時短遊技状態の設定後、すぐに当該第2低確率時短遊技状態が終了する。したがって、上述の特別遊技の終了後に遊技球がゲート20を通過しても、既に第2低確率時短遊技状態が終了していることから、第2始動入賞口16は開状態に極めて維持されにくく、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはないようになっている。
なお、保留記憶されていた最後の第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われると、再度、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定される。この場合は、上述と同様の処理が行われることとなる。
(他の適用例4に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例4に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(図348、図349参照)。
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。
なお、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、第2特図乱数は保留記憶されていない。そのため、当該第2低確率時短遊技状態が設定された後に第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶される。
そして、上述の当否抽選では、上述の如く、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X2の決定、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X3の決定、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y1の決定、又は、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y2の決定のいずれかの抽選結果が導出される。第2低確率時短遊技状態中には、上述のいずれの図柄が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(図348、図349参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
なおここで、上述の如く、第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の当否抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた最後1個の第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図348、図349参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。これに対して、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、通常遊技状態が設定される(図348、図349参照)。
そして、上述の当否抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
これにより、再度、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されるまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されて、通常遊技状態が設定された場合には、当該通常遊技状態から再度大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)、及び、当該当選に基づく第2低確率時短遊技状態への移行を目指すこととなる。
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている最後1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(図348、図349参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(図348、図349参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
また、(1)の場合と同様に、第2低確率時短遊技状態の設定後には、第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球しこれに基づいて当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数の2個まで保留記憶される。
そして、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が2回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
(イ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合
なおここで、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の当否抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が1回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り2個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、(1)の場合と同様に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図348、図349参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて上述のいずれかの図柄が決定され、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図348、図349参照)、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、上述の当否抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、上述のいずれかの図柄の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
上述の如く、この時点では連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となっているため、上述の1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選で、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれか決定されると、強制的に通常遊技状態が設定されることとなり、上述と同様の状況となる。
(ロ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合
これに対して、上述のように強制的に通常遊技状態が設定され、この時点で保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づいて、再度、通常遊技状態が設定される(図348、図349参照)。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定されることとなり(図348、図349参照)、上述の(1)と同様の状況となる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、引き続き、通常遊技状態が設定されることとなり(図348、図349参照)、この場合も上述の(1)と同様の状況となる。
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている2個の第2特図乱数のいずれについても、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、3回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計10回の特別遊技が実行されることとなる。
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
また、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定された場合も、他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定され(図348、図349参照)、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
このように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。また、第2低確率時短遊技状態から特別遊技を経て通常遊技状態へ移行した場合には、当該時点で保留記憶されていた残りの第2特図乱数に基づいて所定の大当たり図柄(大当たり図柄X2)又は小当たり図柄(小当たり図柄Y1)が決定されると、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化するとともに、通常遊技状態へ移行した時点での抽選結果に応じて第2低確率時短遊技状態への再移行が可能となるため、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレが決定された場合には必ず、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定される特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりの当選となった場合には、通常遊技状態が設定される大当たり図柄が決定され得るようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにするのではなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球により第1時短遊技状態が設定される特定の大当たり図柄や小当たり図柄を設け、当該特定の大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて、第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
(他の適用例5)
(構成及び制御の概要)
他の適用例5に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機である。この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、図350に示すように、遊技領域12の中央下部に遊技球が入球可能な普図始動口70が設けられている。この普図始動入賞口70へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが進入可能となっている。
また、普図始動口70の左下方には、遊技球が進入可能な進入装置80が設けられている。この進入装置80は、図350に示すように、遊技球が入球可能な入球口81と、入球口81を開閉する開閉扉82(普通電動役物)と、入球口81から入球した遊技球が流下可能な第1流下通路83及び第2流下通路84と、第1位置又は第2位置に変位可能であって、第1位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第1流下通路83へ振り分け、第2位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第2流下通路84へ振り分ける振り分け部材85と、第1流下通路83を流下する遊技球が通過可能な第1ゲート86と、第2流下通路84を流下する遊技球が通過可能な第2ゲート87と、第1ゲート86及び第2ゲート87を通過した遊技球を遊技盤11の背面へ排出する排出口(特に図示しておらず)とを備えている。
また、図350に示すように、遊技領域12の左部中央には、開閉可能な開閉扉90を備えた第1始動入賞口15と、開閉可能な開閉扉91を備えた第2始動入賞口16とが並設されている。また、遊技領域12の左下部には、他の適用例3及び他の適用例4と同一の構成のアタッカー装置17が設けられている。
また、この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び他の適用例4と同様に、通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態又は第2低確率時短遊技状態のいずれかが設定されるが、いずれの遊技状態においても、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されるようになっている。
そして、第1遊技領域12aを流下する遊技球が普図始動口70へ入球すると普通図柄の抽選が行われ、当該抽選の結果が当たりとなると、開閉扉82が開き、進入装置80の入球口81へ遊技球が入球可能となるとともに、振り分け部材85が第1位置又は第2位置へ停留することで、入球口81から入球した遊技球が第1流下通路83又は第2流下通路84へ導かれる。遊技球がいずれの流下通路へ導かれるかは、設定されている遊技状態に応じて予め定められている。
また、第1流下通路83へ導かれた遊技球が第1ゲート86を通過すると、開閉扉90が開き(第2始動入賞口16が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉90が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、第2流下通路84へ導かれた遊技球が第2ゲート87を通過すると、開閉扉91が開き(第1始動入賞口15が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉91が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、図351に示すように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/150に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、非時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
また、図351に示すように、第1時短遊技状態中(第1低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/2に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第1時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第1位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第1ゲート86を通過することで第1始動入賞口15が開放される。
また、図351に示すように、第2時短遊技状態中(第2低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/1.1に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第2時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
また、図351に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び適用例4と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図351に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。
また、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第1低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
また、図351に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定されるようになっている。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図351に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ149/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に大当たり又は小当たりに当選し特別遊技が実行される確率は、およそ1/2となっている。
また、図351に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図351に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
これに対して、図351に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されたときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
また、図351に示すように、ハズレ図柄X2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は999回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第2低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する。
(他の適用例5に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例5に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
通常遊技状態中は、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選が行われる。この普通図柄の抽選において当たりとなると、上述の如く、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖されるようになっており、入球した当該遊技球に基づいて当否抽選が1回行われる。
この当否抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される(図351、図352参照)。これに対して、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定され、当該決定後には第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される(図351、図352参照)。
(1)第2低確率時短遊技状態が設定された場合
第2低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖され、入球した当該遊技球に基づいて当否抽選が1回行われる。
この当否抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される(図351、図352参照)。そして、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される(図351、図352参照)。これに対して、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、通常遊技状態が設定される(図351、図352参照)。また、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する(図351、図352参照)。
なお、第2低確率時短遊技状態の時短回数は100回に設定されているため、大当たりに当選することなく上述の当否抽選が100回行われると第2低確率時短遊技状態が終了することとなる。しかし、第2低確率時短遊技状態中は頻繁に第2始動入賞口16が開放されるとともに、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選においては、大当たり又は小当たりに当選する確率がおよそ1/2に設定されているため、実質的には、大当たり又は小当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続する。
そして、第2低確率時短遊技状態が設定されると、上述の当否抽選において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されない限り、大当たり又は小当たりの当選に基づく特別遊技を介して、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定されることとなる。
一方、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づいて、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されると、上述と同様に、普通図柄の抽選において当たりとなることにより第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定され、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が設定される。
(2)第1低確率時短遊技状態が設定された場合
上述のように、通常遊技状態においてハズレ図柄Z1が決定されると、第1低確率時短遊技状態が設定される。
第1低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中や第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっているが、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球は第1ゲート86を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第1始動入賞口15が開放される。そして、開放された第1始動入賞口15へ遊技球が2個入球すると、第1始動入賞口15は閉鎖されるようになっており、先に入球した遊技球に基づいて当否抽選及び変動が行われ、後に入球した遊技球に基づいて取得された第1特図乱数は保留記憶される。また、実行中の変動が終了すると、引き続き、保留記憶された第1特図乱数に基づく当否抽選及び変動が行われる。
そして、上述の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図351、図352参照)。第2低確率時短遊技状態が設定された後の遊技の流れは、(1)と同様である。
これに対して、上述の当否抽選において、ハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、時短遊技状態の設定は行われることなく、このまま第1低確率時短遊技状態が継続する。また、当否抽選が1回行われることにより、第1低確率時短遊技状態における時短回数の残り回数が1減少することとなる。
ここで、第1低確率時短遊技状態中は、普通図柄の抽選における当たりの決定による第1始動入賞口15の開放中に2個の遊技球が入球することから、第1特図乱数が1個保留記憶された状態が維持されるようになっている。また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、上述のように、第1低確率時短遊技状態における時短回数が奇数回数である999回に設定される。すると、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選が999回行われると、当該第1低確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されるが(図352参照)、この時点では第1特図乱数が1個保留記憶されていることとなる。
そして、通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されていた第1特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図351、図352参照)。さらに、上述の当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、当該決定後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図351、図352参照)。
すなわち、第1低確率時短遊技状態が設定された後に、大当たりに当選することなく当否抽選が999回行われると、その後の遊技状態が必ず、遊技者にとって有利度の高い第2低確率時短遊技状態に設定されることとなる。
以上のように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、所定の遊技状態(第1低確率時短遊技状態)において大当たりに当選することなく当否抽選が所定回数行われると、その次に実行される当否抽選において、特定の大当たり図柄(大当たり図柄X1)が決定された場合、及び、特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定された場合のいずれであっても、遊技者にとって有利度の高い特定の遊技状態(第2低確率時短遊技状態)が設定されるようになっている。これにより、特定の遊技状態へ移行するまでの当否抽選の回数の上限(いわゆる天井)を設けることができ、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合には、第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z2のみが決定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1が決定され得るようにしてもよい。
なお、上述の実施の形態、変形例、他の適用例の各種設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の実施の形態における特別遊技は、本発明の有利遊技に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ851~ステップ852の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1115の処理を実行するメインCPU101は、本発明の遊技状態設定手段に相当する。また、上述の実施の形態における設定値を設定するメインCPU101は、本発明の設定値設定手段に相当する。また、上述の実施の形態における時短付与の当選の確率は、本発明の所定の設定確率に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。
(第8の実施の形態)
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図353又は図354に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図353に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図353参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図355に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図355に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、図355においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
一般入賞口14は、図355に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図355に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、図355に示すように、遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図355に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、後述する大当たりの当選か否か(以下、大当たりの当否ともいう)、後述する小当たりの当選か否か(以下、小当たりの当否ともいう)、後述する時短遊技状態を付与するか否か(以下、時短付与の当否ともいう)を判定するための当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に応じて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。決定され得る特別図柄には複数の種別が設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、小当たり遊技の実行、時短遊技状態の付与(後述する第1時短遊技状態の設定)等の遊技利益が付与されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は4個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図355に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図355に示すように、遊技領域12の右下部(第2始動入賞口16の下方)に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されることにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。具体的には、上述の特別遊技中には大入賞口18が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっており、上述の小当たり遊技中には大入賞口18の開放が1回行われるようになっている。大入賞口18へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では10個)の賞球が払い出される。
また、図355に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第2始動入賞口16へ入球したものを除いてほぼ全て大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は大入賞口18へ入球するようになっている。
さらに、図356(a)及び(b)に示すように、アタッカー装置17内部には、大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57が設けられている(図356(a)及び(b)参照)。
また、図356(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特定領域57へ進入する。
また、特に図示していないが、アタッカー装置17には、特定領域57へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための特定領域排出口と、一般領域58へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための一般領域排出口と、が設けられている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選時に決定された特別図柄の種別ごとに、上述の特別遊技中に実行されるラウンド遊技における開閉扉18bの開閉の態様(開閉パターン)及び振り分け部材59の作動の態様(作動パターン)が設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、大入賞口18へ入球した遊技球がすべて一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(通常遊技状態)に設定されるようになっている。
開閉扉18bの開閉パターン、振り分け部材59の作動パターン、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
なお、上述のように、特別遊技中のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入したことにより特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態や時短遊技状態に設定するのではなく、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種別に応じて、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態や時短遊技状態に設定するようにしてもよい。たとえば、大当たりに当選した場合において、特定の特別図柄が決定されたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(高確率時短遊技状態)に設定されるものの、特定の特別図柄以外の特別図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(通常遊技状態)に設定されるようにしてもよい。このように、特別遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の種別に応じて決定されるようにした場合には、上述の特定領域57を設ける必要はない。
アウト口19は、図355に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図355に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、当否抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図353参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図355に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図353に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図357に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図357に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(当否抽選、特別図柄の決定、特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう))、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動ともいう)等)、遊技者にとって有利な特別遊技、小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、図357に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図357に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等を設けてもよい。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、振り分け部材59を変位させる振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、この設定値の違いにより、後述する当否抽選における大当たりの当選の確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選の確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選の確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた当否乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、特に図示していないが、上述の設定値の変更に用いられるRAMクリアスイッチ及び設定スイッチが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ及び設定スイッチの両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチを操作することにより設定値を変更できるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図357に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図357に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図357に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図357に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図357に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられており、いずれかの時短遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第1低確率時短遊技状態という)、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第2低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する当否抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、当否抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、当否抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられているが、第2時短遊技状態においては、第1時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすいように設定されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、次に、第1時短遊技状態中が第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、非時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくいようになっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に基づく遊技利益が対応付けられた特別図柄が決定される。本形態における当否抽選では、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりに当選していない(以下、大当たりの非当選ともいう)との判定結果が導出された場合、次に、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりに当選していないとの判定結果(以下、小当たりの非当選ともいう)が導出された場合、次に、時短付与の当否(時短遊技状態を付与するか否か、換言すれば、時短遊技状態を設定するか否か)の判定が行われ、時短遊技状態を付与しないとの判定結果(以下、時短付与の非当選ともいう)が導出された場合にハズレとなる。
そして、この当否抽選によって大当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、大当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
また、上述の当否抽選によって小当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、小当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数の遊技球が払い出される。なお、小当たり遊技の終了後の遊技状態は、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態のままである。すなわち、小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態は変わることがないようになっている。
また、上述の当否抽選によって時短遊技状態を付与するとの判定結果(以下、時短付与の当選ともいう)が導出されると、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、上述の当否抽選によって時短付与の当選となると、遊技状態が、通常遊技状態から第1低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、上述の当否抽選によって時短付与の非当選となると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中の当否抽選においてのみ時短付与の当否の判定が行われ、他の遊技状態中の当否抽選においては時短付与の当否の判定は行われない。したがって、他の遊技状態中には、時短付与の当選との判定結果が導出されることはないため、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく遊技状態が変化することはないように設定されている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
当否抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数として、当否抽選の結果(大当たり、小当たり、時短遊技状態の付与又はハズレ)の判定に用いられる当否乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の当否乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当否乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、当否抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1保留数という)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2保留数という)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選の結果を判定するための当否乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技及び小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、時短遊技状態を付与する旨の判定結果が導出された後(後述する第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄が決定された後)又は特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114を有している。
なお、当否抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
当否乱数判定テーブル110は、当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)を判定するためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110(以下、テーブルAという)と、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110(以下、テーブルBという)と、を備えている。また、図358~図363に示すように、テーブルA及びテーブルBにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、テーブルAには、設定値が「1」である場合に参照されるテーブルA1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルA2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルA3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルA4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルA5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルA6が設けられている。
テーブルBには、設定値が「1」である場合に参照されるB1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルB2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルB3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルB4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルB5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルB6が設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当否乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、当否抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの当否乱数判定テーブル110が選択され、取得された当否乱数と選択された当否乱数判定テーブル110とに基づいて当否抽選の結果が判定される。
図358(a)に示すように、テーブルA1によれば、当否乱数が1000~1373であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1374~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA1における大当たりの当選の確率はおよそ1/175、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図359(a)に示すように、テーブルA2によれば、当否乱数が1000~1384であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1385~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA2における大当たりの当選の確率はおよそ1/170、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図360(a)に示すように、テーブルA3によれば、当否乱数が1000~1396であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1397~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA3における大当たりの当選の確率はおよそ1/165、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図361(a)に示すように、テーブルA4によれば、当否乱数が1000~1408であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1409~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA4における大当たりの当選の確率はおよそ1/160、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図362(a)に示すように、テーブルA5によれば、当否乱数が1000~1421であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1422~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA5における大当たりの当選の確率はおよそ1/155、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
図363(a)に示すように、テーブルA6によれば、当否乱数が1000~1434であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1435~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA6における大当たりの当選の確率はおよそ1/150、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
また、図358(b)に示すように、テーブルB1によれば、当否乱数が1000~1484であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1485~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB1における大当たりの当選の確率はおよそ1/135、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図359(b)に示すように、テーブルB2によれば、当否乱数が1000~1503であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1504~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB2における大当たりの当選の確率はおよそ1/130、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図360(b)に示すように、テーブルB3によれば、当否乱数が1000~1523であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1524~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB3における大当たりの当選の確率はおよそ1/125、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図361(b)に示すように、テーブルB4によれば、当否乱数が1000~1545であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1546~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB4における大当たりの当選の確率はおよそ1/120、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図362(b)に示すように、テーブルB5によれば、当否乱数が1000~1568であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1569~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB5における大当たりの当選の確率はおよそ1/115、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
図363(b)に示すように、テーブルB6によれば、当否乱数が1000~1594であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1595~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB6における大当たりの当選の確率はおよそ1/110、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
以上のように、対応付けられた設定値が同一の、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110及び低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(たとえば、テーブルA1及びテーブルB1等)を比較すると、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110は、低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110に比べて、大当たりの当選の確率が高くなるように設定されている。
また、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、当該当否乱数判定テーブル110と同一の設定値が対応付けられた、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲に含まれる(具体的には、大当たりの当選と判定される数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なる)ように設定されている。すなわち、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数は、同一の設定値が対応付けられた、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110でも大当たりの当選と判定されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、上限値が同一であり、かつ下限値が異なるように設定してもよい。
また、いずれのテーブルにおいても、小当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、小当たりの当選の確率は同一となるように設定されている。すなわち、設定されている設定値及び遊技状態(高確率遊技状態、低確率遊技状態)にかかわらず、同一の確率で小当たりの当選と判定されるようになっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれに基づく当否抽選においても小当たりに当選可能となっているが、これに限定されるものではなく、第1特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよいし、第2特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよい。
また、低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(テーブルA1、テーブルA2、テーブルA3、テーブルA4、テーブルA5、テーブルA6)はいずれも、時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されている。したがって、通常遊技状態中においては、設定されている設定値にかかわらず、同一の確率で時短付与の当選と判定されることとなる。
なお、上述の如く、通常遊技状態以外の遊技状態における当否抽選では時短付与の当否の判定は行われないことから、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(テーブルB1、テーブルB2、テーブルB3、テーブルB4、テーブルB5、テーブルB6)にはいずれも、時短付与の当選が判定される数値領域が設けられていない。したがって、高確率遊技状態中においては、時短付与の当選と判定されることはない。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選と判定される数値範囲、小当たりの当選と判定される数値範囲、及び、時短付与の当選と判定される数値範囲はいずれも、連続する数値の範囲により構成されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、間にハズレとなる数値を含む不連続な数値の範囲により構成してもよい。
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図364(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の当否抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として4種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、小当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄ともいう)として2種類の小当たり図柄(Y1、Y2)が設けられており、また、時短付与の当選となった場合に決定される特別図柄(以下、時短図柄ともいう)として7種類の時短図柄(J1、J2、J3、J4、J5、J6、J7)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
図364(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~1であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が2~139であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が140~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は1%、大当たり図柄X2が決定される確率は69%、大当たり図柄X3が決定される確率は30%となっている。
また、小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに小当たり図柄Y2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、小当たりの当選となった場合に、小当たり図柄Y1が決定される確率及び小当たり図柄Y2が決定される確率はいずれも50%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が100~149であったときに時短図柄J2が決定され、特別図柄乱数が150~183であったときに時短図柄J3が決定され、特別図柄乱数が184~193であったときに時短図柄J4が決定され、特別図柄乱数が194~197であったときに時短図柄J5が決定され、特別図柄乱数が198~199であったときに時短図柄J6が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率は50%、時短図柄J2が決定される確率は25%、時短図柄J3が決定される確率は17%、時短図柄J4が決定される確率は5%、時短図柄J5が決定される確率は2%、時短図柄J6が決定される確率は1%となっている。
また、ハズレの場合において、特別図柄乱数が0~19であったときにハズレ図柄Z1が決定され、特別図柄乱数が20~199であったときにハズレ図柄Z2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、ハズレの場合に、ハズレ図柄Z1が決定される確率は10%、ハズレ図柄Z2が決定される確率はいずれも90%となっている。
図364(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~139であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に大当たり図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は70%、大当たり図柄X4が決定される確率は30%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに(すなわち、特別図柄乱数がいかなる値であっても)時短図柄J7が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J7が決定される確率は100%となっている。
なお、図364(b)に示すように、小当たりの当選となった場合に決定される小当たり図柄の種別及び当該種別の決定確率、並びに、ハズレの場合に決定されるハズレ図柄の種別及び当該種別の決定確率は、第1始動入賞口判定テーブル111aと同様の内容に設定されている。
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりの当選となった場合に実行される特別遊技及び小当たりの当選となった場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技及び小当たり遊技の実行中に、大入賞口ソレノイド18cや振り分け部材ソレノイド59cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図365(a)~(d)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合に参照される第3作動テーブル112cと、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合に参照される第4作動テーブル112dと、が設けられている。
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、図365(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、開閉扉18bが閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動することにより大入賞口18が1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
さらに、図365(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留する(位置する)という態様(作動パターン)で作動するようになっている。これに対して、3ラウンドのラウンド遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、図365(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、上述の第1作動テーブル112aと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間も、第1作動テーブル112aと同一の内容に設定されている。
また、図365(b)に示すように、大当たり図柄X2が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中も、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、図365(c)に示す第3作動テーブル112cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、上述の第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~4ラウンドまで計4回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間は、第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の内容に設定されている。
また、図365(c)に示すように、大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1及び大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中は、大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において、大入賞口18が29.0秒連続して開放され、かつ振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、大入賞口18へ遊技球が入球し確実に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2、X3又はX4が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口18は29.0秒連続して開放されるものの振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球が入球しても当該遊技球は全て一般領域58へ進入してしまい、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
また、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合には、図365(d)に示す第4作動テーブル112dを参照して小当たり遊技が実行される。この第4作動テーブル112dによれば、大入賞口18の0.05秒の開放が1回行われ、第1大入賞口18の開放中に10個の遊技球が入球すると大入賞口18が閉鎖する。
また、図365(d)に示すように、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
このように、小当たり遊技においては、大入賞口18が0.05秒しか開放しないため、大入賞口18へ遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。また、小当たり遊技中は振り分け部材50が第1位置に停留するため、万が一、大入賞口18へ遊技球が入球したとしても当該遊技球は一般領域58へ進入し、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態、及び、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6又はJ7が決定された後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の実行契機となった大当たり時に決定された大当たり図柄の種別、及び、当該特別遊技中に特定領域57へ所定数(本形態では1個)の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。また、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6又はJ7が決定された場合には、各時短付与図柄に定められた遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、決定された大当たり図柄の種別に対応して特定領域57への遊技球の進入の可否が設定されており、実質的に、決定された大当たり図柄によって、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行するか否かが定まっている。
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態において大当たりに当選して高確率遊技状態へ移行した後、低確率遊技状態へ移行することなく連続して高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続高確設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に低確率遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、低確率遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、高確率遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に低確率遊技状態が設定される。
また、同様に、非時短遊技状態において大当たりに当選して時短遊技状態(本形態では第2時短遊技状態)へ移行した後、非時短遊技状態へ移行することなく連続して時短遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続時短設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に非時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、非時短遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、時短遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に非時短遊技状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている大当たりの当選の確率や各大当たり図柄の決定確率からすると、連続高確設定回数や連続時短設定回数が10000回に到達することはあり得ず、実質的には、低確率遊技状態が設定される条件や非時短遊技状態が設定される条件を満たすまで、高確率遊技状態や時短遊技状態が継続することとなる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図366(a)~(j)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1遊技状態設定テーブル113aと、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2遊技状態設定テーブル113bと、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第3遊技状態設定テーブル113cと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル113dと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合に参照される第5遊技状態設定テーブル113eと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合に参照される第6遊技状態設定テーブル113fと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J4が決定された場合に参照される第7遊技状態設定テーブル113gと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J5が決定された場合に参照される第8遊技状態設定テーブル113hと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J6が決定された場合に参照される第9遊技状態設定テーブル113iと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J7が決定された場合に参照される第10遊技状態設定テーブル113jと、が設けられている。
具体的には、図366(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続高確設定回数及び連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/110~1/135となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
これに対して、上述の場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、また、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X1が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入する。すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合には、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限り、確実に高確率時短遊技状態が設定されることとなる。
また、特に図示していないが、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
図366(b)に示すように、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、第1時短遊技状態)であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であったときには、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/150~1/175となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続することとなる。
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。また、同様に、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、いずれのときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
図366(c)に示すように、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、このときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
なお、上述の如く、大当たり図柄X4が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X4が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
図366(d)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が10回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図366(e)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が20回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図366(f)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が30回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が30回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図366(g)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J4が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が50回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が50回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図366(h)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J5が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が100回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図366(i)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J6が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が1000回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1000回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が継続する。
図366(j)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J7が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が1回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が継続する。
なお、上述のように時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6又はJ7が決定された場合には、当該特別図柄(時短図柄)の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、上述の第1低確率時短遊技状態が設定される。
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに、変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって(すなわち、左打ち中であって)第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって(すなわち、右打ち中であって)第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルB及びテーブルCを備えている(図367参照)。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選して少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たり(いわゆる初当たりから、少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方が継続している間に連続して当選した大当たり、以下、連続大当たりという)の回数が所定回数(たとえば、3回等)に達するという連続大当たり回数条件が成立していない場合にテーブルBが参照され、当該連続大当たり回数条件が成立している場合にテーブルCが参照される。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態や上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の成否に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル114としては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
そして、テーブルAを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第1保留数が参照される。これに対して、テーブルB又はテーブルCを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第2保留数が参照される。
図367(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され(すなわち、当否抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第1保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が25秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が40秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第1保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、時短図柄J1が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~9であったときに「18秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が18秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「BAH」が決定され、変動パターン乱数が10~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B3H」が決定される。
また、時短図柄J2が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~9であったときに「30秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「BBH」が決定され、変動パターン乱数が10~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B4H」が決定される。
また、時短図柄J3が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~9であったときに「36秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が36秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「BCH」が決定され、変動パターン乱数が10~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B5H」が決定される。
また、時短図柄J4が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~9であったときに「46秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が46秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「BDH」が決定され、変動パターン乱数が10~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B6H」が決定される。
また、時短図柄J5が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~9であったときに「66秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が66秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「BEH」が決定され、変動パターン乱数が10~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B7H」が決定される。
また、時短図柄J6が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~9であったときに「68秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が68秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「BFH」が決定され、変動パターン乱数が10~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B8H」が決定される。
また、時短図柄J7が決定されると、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249のときに(変動パターン乱数がいずれの値であっても)「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「B9H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が小当たりの当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
また、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が大当たりの当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図367(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図367(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「26秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が26秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「6秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が6秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「08H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「26H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「27H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A6H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A7H」が決定される。
このように、テーブルCで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間は、テーブルBで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間よりも長くなるように設定されている。すなわち、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において、上述の連続大当たり回数条件が成立する前(連続大当たりの回数が所定回数に達する前)よりも、上述の連続大当たり回数条件が成立した後(連続大当たりの回数が所定回数に達した後)の方が、長い変動時間の決定割合が高くなっている。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の連続大当たり回数条件が成立した後は、上述の連続大当たり回数条件が成立する前よりも、大当たりに当選してから次の大当たりに当選するまでの間隔を空けることができ、ひいては、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。したがって、短期間の間に多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は20秒、後半部分の変動時間は25秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値45秒(=20秒+25秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「05H」、「BAH」、「BBH」、「BCH」、「BDH」、「BEH」、「BFH」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。なお、後述するが、この特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間が経過するまで行われる。
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図368(a)~(c)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中)、特別遊技中、小当たり遊技中に参照される第1判定テーブル116aと、第1時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中)に参照される第2判定テーブル116bと、第2時短遊技状態中(すなわち、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中)に参照される第3判定テーブル116cと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、或いは、普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中又は小当たり遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第1時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第2時短遊技状態であれば、第3判定テーブル116cが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第3判定テーブル116cとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
図368(a)に示すように、第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、図368(b)に示すように、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~5であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、6~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率は5/65536となる。
また、図368(c)に示すように、第3判定テーブル116cによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3判定テーブル116cにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図369に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、2秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、0.5秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図355参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、図370に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、図370に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、図370に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、時短遊技状態のうちの第1時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいものの、時短遊技状態のうちの第2時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されにくい。すなわち、第1時短遊技状態中は、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすく、第2時短遊技状態中は、第1時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすいようになっている。したがって、第2時短遊技状態中は非時短遊技状態及び第1時短遊技状態中よりも、また、第1時短遊技状態中は非時短遊技状態よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら当否抽選の機会を獲得できることとなる。
なお、遊技状態が時短遊技状態の場合には、上述のように、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理として、第2判定テーブル116bや第3判定テーブル116c(非時短遊技状態よりも当たりとなる確率が高く設定された当たり決定乱数判定テーブル116)による普通図柄の抽選、第1時短遊技状態用の変動時間や第2時短遊技状態用の変動時間(非時短遊技状態よりも短い変動時間)の決定、及び、第1時短遊技状態用の開放パターンや第2時短遊技状態用の開放パターン(非時短遊技状態よりも総開放時間が長い開放パターン)による開放制御の全てが行われていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、上述の処理の少なくともいずれか1つが行われるようにしてもよい。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図371のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図372のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、特定領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技及び小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図373のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特定領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図374のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図375のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態及び第1時短遊技状態のいずれでない(すなわち、第2時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図376のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、第2時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、図377のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第1保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第2保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、及び、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、設定されている設定値、及び、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応するいずれか(テーブルA1~A6、テーブルB1~B6のいずれか)を取得し、取得したテーブルと、記憶された当否乱数とに基づいて、当否抽選の結果を判定する当否判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。なお、この事前判定処理においても、時短付与の当否の判定は、ステップ650で確認した遊技状態(すなわち、当該時点で設定されている遊技状態)が通常遊技状態であった場合にのみ行われ、通常遊技状態以外の遊技状態であった場合には行われない。したがって、通常遊技状態以外の遊技状態であった場合には、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレのいずれかの結果が導出される。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J7)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、保留数、上述のステップ653で取得された変動パターンテーブル114及び記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ612で判定された当否抽選の結果、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、上述のステップ654で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される当否抽選の結果、特別図柄の種別及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された第1特図乱数、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された第2特図乱数を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
次に、上述したステップ303の特定領域検出時処理について、図378のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図379のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図380のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、当否抽選の実行回数(特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、当否抽選の結果を導出する当否判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J7)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ806の当否判定処理について、図381のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、設定されている設定値、及び、現時点の遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数とに基づいて、大当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、大当たりの当否の判定を行う)大当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから大当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に大当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に大当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、上述のステップ850で実行された大当たり当否判定処理の結果が大当たりの当選であったか否か(すなわち、大当たりに当選したか否か)を判定する。そして、大当たりの当選でない(大当たりの非当選)と判定した場合、ステップ853に進む。一方、大当たりの当選と判定した場合、次のステップ852に進む。
ステップ852において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に大当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ851で大当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ853において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、小当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、小当たりの当否の判定を行う)小当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから小当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に小当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に小当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ854に進む。
ステップ854において、メインCPU101は、上述のステップ853で実行された小当たり当否判定処理の結果が小当たりの当選であったか否か(すなわち、小当たりに当選したか否か)を判定する。そして、小当たりの当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、ステップ856に進む。一方、小当たりの当選と判定した場合、次のステップ855に進む。
ステップ855において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に小当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ854で小当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ856において、メインCPU101は、現時点で設定されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ860に進む。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ857に進む。
ステップ857において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850及びステップ853で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、時短付与の当選となるか否かを判定する(すなわち、時短付与の当否の判定を行う)時短付与判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから時短付与の当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に時短付与の当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に時短付与の非当選と判定される。そして、次のステップ858に進む。
ステップ858において、メインCPU101は、上述のステップ857で実行された時短付与当否判定処理の結果が時短付与の当選であったか否か(すなわち、時短付与に当選したか否か)を判定する。そして、時短付与の当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、ステップ860に進む。一方、時短付与の当選と判定した場合、次のステップ859に進む。
ステップ859において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に時短付与の当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ856で通常遊技状態でないと判定した場合、又は、上述のステップ858で時短付与に当選していないと判定した場合に進むステップ860において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の記憶領域にハズレである旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり当否判定処理、小当たり当否判定処理、及び、時短付与当否判定処理はいずれも、設定されている設定値及び遊技状態に対応する当否乱数判定テーブル110の選択、判定の対象となる数値範囲の情報の取得、及び、当該数値範囲に当否乱数が属するか否かの判定を実行するための共通化された処理プログラム(同一のモジュール)により実行されるようになっている。
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、図382のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ900で確認した保留数と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図383のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは、決定された特別図柄が時短図柄(J1、J2、J3、J4、J5、J6、J7)のときには3秒の停止表示時間がセットされ、これ以外のときには0.5秒の停止表示時間がセットされる。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図384のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第1時短遊技状態であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定する。そして、第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄、時短図柄、又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3、X4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1又はX2であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1113に進む。
ステップ1113において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1111で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が時短図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1116に進む。一方、停止表示されている特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1115に進む。
ステップ1115において、メインCPU101は、遊技状態を第1低確率時短遊技状態に設定する第1低確率時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には時短回数に「10」をセットし、停止表示された時短図柄がJ2であった場合には時短回数に「20」をセットし、停止表示された時短図柄がJ3であった場合には時短回数に「30」をセットし、停止表示された時短図柄がJ4であった場合には時短回数に「50」をセットし、停止表示された時短図柄がJ5であった場合には時短回数に「100」をセットし、停止表示された時短図柄がJ6であった場合には時短回数に「1000」をセットし、停止表示された時短図柄がJ7であった場合には時短回数に「1」をセットする。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1117に進む。
ステップ1117において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図385のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、図386のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1112でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル112における第4作動テーブル112dに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、小当たり遊技が終了したことを示す小当たり遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1258に進む。
ステップ1258において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図387のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1309に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、上述の連続確変設定回数をカウントするための連続確変設定回数カウンタの値を1デクリメントするとともに、上述の連続時短設定回数をカウントするための連続時短設定回数カウンタの値を1デクリメントする。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続確変設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1305に進む。一方、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1304に進む。
ステップ1304において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1306に進む。
また、上述のステップ1303で連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1305において、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、次のステップ1306に進む。
ステップ1306において、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1308に進む。一方、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態に設定する非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1306で連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1308において、メインCPU101は、遊技状態を第2時短遊技状態に設定する第2時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1309において、メインCPU101は、上述のステップ1304と同様の低確率時短遊技状態設定処理を実行するとともに、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、次のステップ1310に進む。
ステップ1310において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態又は第2時短遊技状態に設定する時短・非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX2又はX3の場合において、当該大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態(第1時短遊技状態)であったときには、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これに対して、当該大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、非時短遊技状態を設定すべく、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX4の場合には、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「100」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
ステップ1311において、メインCPU101は、設定された遊技状態が高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態)又は第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態)のいずれかであるか否かを判定する。そして、いずれでもないと判定した場合、ステップ1313に進む。一方、いずれかであると判定した場合、次のステップ1312に進む。
ステップ1312において、メインCPU101は、連続大当たり回数をカウントするための連続大当たり回数カウンタの値を1インクリメントする。なお、この連続大当たり回数カウンタの値が所定回数(本形態では3回)に対応する値に到達すると、上述の連続大当たり回数条件が成立したこととなる。そして、ステップ1314に進む。
また、上述のステップ1311で設定された遊技状態が高確率時短遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれでもないと判定した場合に進むステップ1313において、メインCPU101は、連続大当たり回数カウンタの値をリセット(ゼロクリア)する。そして、次のステップ1314に進む。
ステップ1314において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1315に進む。
ステップ1315において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、第1時短遊技フラグのオン又はオフの情報、第2時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1316に進む。
ステップ1316において、メインCPU101は、特図関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図388のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図389のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の状態(非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中、小当たり遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a、第2判定テーブル116b又は第3判定テーブル116cのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又小当たり遊技中である場合には、第1判定テーブル116aを参照し、第1時短遊技状態中である場合には、第2判定テーブル116bを参照し、第2時短遊技状態中である場合には、第3判定テーブル116cを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態が非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点のパチンコ機Pの状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、第1時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「2秒」をセットし、第2時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態を変動開始時のパチンコ機Pの状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図390のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図391のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図392のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時のパチンコ機Pの状態が、非時短遊技状態中、第1時短遊技状態中、第2時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認したパチンコ機Pの状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(図364(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(図366(a)、図393参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより通常遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図393参照)。しかし、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の1%となっているため(図364(a)参照)、通常遊技状態中には、大当たりに当選しても高確率時短遊技状態へは極めて移行し難い。
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において時短付与の当否の判定が行われ時短付与の当選が約1/100の確率で決定され得る(図358(a)、図359(a)、図360(a)、図361(a)、図362(a)、図363(a)参照)。そして、時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6又はJ7が決定された場合にはいずれも、大当たり及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定されるとともに、時短図柄J1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10回導出されるまで継続し、時短図柄J2が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで継続し、時短図柄J3が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が30回導出されるまで継続し、時短図柄J4が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が50回導出されるまで継続し、時短図柄J5が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで継続し、時短図柄J6が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1000回導出されるまで継続し、時短図柄J7が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1回導出されるまで継続する。
また、この第1低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われる。すると、この第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、通常遊技状態中と同様に大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、各大当たり図柄の決定確率(大当たり図柄X1の決定確率が1%、大当たり図柄X2又はX3の決定確率が99%)も通常遊技状態中と同様であるため、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合にはほぼ、大当たり図柄X2又はX3が決定される(図364(a)参照)。そして、第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であることから、特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される(図366(b)、図393参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1低確率時短遊技状態中(時短図柄J1が決定された場合には当否抽選の結果が10回導出されるまでの間、時短図柄J2が決定された場合には当否抽選の結果が20回導出されるまでの間、時短図柄J3が決定された場合には当否抽選の結果が30回導出されるまでの間、時短図柄J4が決定された場合には当否抽選の結果が50回導出されるまでの間、時短図柄J5が決定された場合には当否抽選の結果が100回導出されるまでの間、時短図柄J6が決定された場合には当否抽選の結果が1000回導出されるまでの間、時短図柄J7が決定された場合には当否抽選の結果が1回導出されるまでの間)に大当たりに当選すれば、ほぼ第2低確率時短遊技状態へ移行することとなる(図393参照)。
第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(図364(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、上述と同様に、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(図366(c)、図393参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより第2低確率時短遊技状態が再設定されるか、又は、高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図393参照)。ここで、第1低確率時短遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行したときには時短回数が10000回に設定され、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中や第1低確率時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。そして、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の70%となっているため(図364(b)参照)、第2低確率時短遊技状態中は、大当たりに当選した場合に高確率時短遊技状態へ移行し易い。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(図364(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(図364(c)、図393参照)。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。
また、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において大当たり図柄X4が決定された場合には、時短回数100回の第2低確率時短遊技状態が設定されるが(図364(c)、図393参照)、当否抽選が100回行われるまでの間に大当たりに当選すれば、再度、高確率時短遊技状態への移行に期待することができる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中は、当否抽選に基づく時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6又はJ7)の決定による第1低確率時短遊技状態への移行を目指し、第1低確率時短遊技状態中(当否抽選の結果が10回、20回、30回、50回、100回、1000回又は1回導出されるまでの間)に大当たりに当選することで第2低確率時短遊技状態への移行を目指し、その後、第2低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態を継続させることで多くの遊技球の獲得を目指すという斬新な遊技性が付与される。すなわち、通常遊技状態中から大当たりの当選及び特別遊技を経ることなく移行可能な第1低確率時短遊技状態が、遊技者にとって有利な第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態へ移行するためのチャンスゾーンとなるような遊技性が付与され、遊技者の興趣を高めることができる。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当否の判定が行われ、当該当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J1、J2、J3、J4、J5、J6又はJ7が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに、時短遊技状態への移行が可能となっているため、時短遊技状態の移行に関し遊技者に斬新な印象を与えることができるとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションが豊富となり、今までにない遊技性を提供することができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、当否抽選において、当否乱数に基づき大当たりの当否の判定が行われ大当たりの当選でない旨が判定された場合、通常遊技状態中には、同一の当否乱数に基づき時短付与の当否の判定が行われるようになっているため、各種判定を行うために用いる乱数の種類を抑えることができ、メインCPU101やメインRAM103等のハードウェア資源にかかる負荷を軽減することができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、いずれの設定値であっても時短付与の当選となる確率が同一となっているため、大当たりの当選を介さない時短遊技状態の設定により設定値ごとの有利度が変化し、所定の設定値が設定されている場合に射幸性が高まり過ぎるような事態を防止することができる。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、当否抽選の結果を報知し得る変動演出、及び、当否抽選の結果が時短付与の当選である場合における変動演出とともに実行可能であって、時短付与の当選及び当該当選に基づく第1低確率時短遊技状態の時短回数を報知し得る特殊報知演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により当否抽選の結果を報知し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(図394(a)及び(b)、図395(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図394(c)~(e)、図395(c)~(e)参照)。
そして、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図395(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果が大当たりの当選であることが報知される。
また、当否抽選の結果がハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図394(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果がハズレであることが示される。なお、上述の停止表示態様は、当否抽選の結果がハズレであることを積極的に報知するものではなく、ハズレであること(大当たり又は小当たりの当選でないこと)を遊技者に単に認識させるものである。
また、特に図示していないが、当否抽選の結果が小当たりの当選であった場合には、その旨を示す特定の態様(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が同一の図柄となり、第3停止図柄が小当たりの当選を示す特殊な図柄となる組み合わせ等)で演出図柄50が停止表示される。すなわち、演出図柄50が特定の態様で停止表示されることにより、当否抽選の結果が小当たりの当選であることが報知される。
なお、小当たりの当選の場合における演出図柄50の停止表示態様は上記内容に限定されるものではなく、当否抽選の結果がハズレであった場合と同様の態様(すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50と異なる図柄で停止表示される態様)としてもよい。これにより、遊技者は、演出図柄50の停止表示態様によって、当否抽選の結果がハズレであるか又は小当たりの当選であるかを把握することができないようにしてもよい。
また、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合には、その旨を示す特殊な態様(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が「7」以外の同一の奇数図柄となり、第3停止図柄が「7」となる組み合わせ等)で演出図柄50が停止表示されるとともに、第1低確率時短遊技状態が設定される旨を示す設定画像(たとえば、「CHANCE ZONE 突入!!」の文字画像等)が表示され(図396(g)~(h)参照)、さらに時短回数が報知される(図396(i)参照)。すなわち、特殊な態様で演出図柄50が停止表示され、かつ上述の設定画像が表示されることにより、当否抽選の結果が時短付与の当選であることが報知され、時短回数が報知されることにより、決定された時短図柄の種類が報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31における特別図柄の停止表示とほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で当否抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
(変動演出の前半部分の態様)
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分(変動演出が開始されてから第1停止図柄及び第2停止図柄が停止表示されるまで)の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなしパターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。
リーチなしパターン及びリーチ変動パターンの態様にはそれぞれ複数種類が設けられており、変動の仕方等が種々設定されている。
具体的には、リーチなしパターンとして、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなしパターンA、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止し(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止し)変動表示を再開するという態様の表示が所定回数(たとえば、1回)行われる擬似連演出が実行された後に、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなしパターンBが設けられている。
また、リーチ変動パターンとして、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ変動パターンA、上述の擬似連演出が実行された後に第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチ変動パターンBが設けられている。
なお、擬似連演出において仮停止を行う回数や仮停止を行うタイミングについては、種々の回数や種々の時点を設定してもよい。また、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合にのみ上述の仮停止が特定回数(たとえば、4回)行われる擬似連演出が実行されるように設定し、当該擬似連演出が実行された場合には、大当たりの当選又は時短付与の当選が確定したことを把握できるようにしてもよい。また、リーチ表示が行われてから第3停止図柄を仮停止させた後に変動表示を再開するという態様の擬似連演出を設け、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に当該擬似連演出の実行割合が高くなるように設定してもよい。
また、リーチなしパターンやリーチ変動パターンは、上述の態様に限定されるものではない。たとえば、リーチ変動パターンとしては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知する態様等を設けてもよい。
(変動演出の後半部分の態様)
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分の態様がリーチなしパターンであった場合における変動演出の後半部分(第2停止図柄が停止表示されてから第3停止図柄が停止表示されるまで)の態様として、第3停止図柄がそのまま停止表示されることにより当否抽選の結果がハズレである旨が報知されるノーマルハズレパターンが設けられている(図394参照)。
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様として、リーチ表示後に、第3停止図柄の変動表示と共に演出表示装置21に所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、当否抽選の結果が大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレである旨を報知する発展ありパターン(図396参照)、及び、リーチ表示後に上述のリーチ発展演出が実行されることなく、当否抽選の結果が大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレである旨を報知する発展なしパターン(図395参照)が設けられている。
発展ありパターンの態様には複数種類が設けられており、発展演出画像の種類等が種々設定されている。本形態に係るパチンコ機Pでは、発展ありパターンとして、発展パターンA及び発展パターンBが設けられている。
発展パターンAは、演出図柄50を順次破壊し最終的に表示された演出図柄50が第3停止図柄として決定されるという内容の動画像(以下、発展演出画像Aという)が表示されるものであり(図396(e)~(g)参照)、後述するように、大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選及びハズレのいずれの場合であっても実行され得るようになっている。
そして、発展パターンAが実行された場合において、当否抽選の結果が大当たりの当選であったときには、最終的に大当たりの当選となる停止表示態様を構成する演出図柄50に到達した旨の表示が行われ、当否抽選の結果が小当たりの当選であったときには、最終的に小当たりの当選となる停止表示態様を構成する演出図柄50に到達した旨の表示が行われ、当否抽選の結果が時短付与の当選であったときには、最終的に時短付与の当選となる停止表示態様を構成する演出図柄50に到達した旨の表示が行われ(図396(e)~(g)参照)、当否抽選の結果がハズレであったときには、最終的にハズレとなる停止表示態様を構成する演出図柄50に到達した旨の表示が行われるように設定されている。これにより、当否抽選の結果が大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレのいずれであるかが報知されるようになっている。
発展パターンBは、特に図示していないが、所定のキャラクターがミッションにチャレンジし当該チャレンジの結果が示されるという動画像が表示されるものである。
この発展パターンBには、発展パターンB1、発展パターンB2、発展パターンB3及び発展パターンB4の4種類のパターンが設けられており、各パターンごとに、表示される動画像として、チャレンジするミッションの内容がそれぞれ異なる発展演出画像B1、発展演出画像B2、発展演出画像B3又は発展演出画像B4が対応付けられている。具体的には、発展パターンB1では発展演出画像B1が表示され、発展パターンB2では発展演出画像B2が表示され、発展パターンB3では発展演出画像B3が表示され、発展パターンB4では発展演出画像B4が表示されるように設定されている。
また、この発展パターンBは、後述するように、大当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの場合にのみ実行され得るようになっている。
そして、発展パターンB1、発展パターンB2、発展パターンB3又は発展パターンB4が実行された場合にはいずれも、当否抽選の結果が大当たりの当選であったときには、最終的に上述のミッションに成功した旨の表示が行われた後に大当たりの当選となる停止表示態様が表示され(図398(b)~(d)参照)、当否抽選の結果が時短付与の当選であったときには、最終的に上述のミッションに失敗した旨の表示が行われた後に第1低確率時短遊技状態が設定される旨を示す設定画像及び時短回数が表示される(図397(e)~(h)参照)ように設定されている。これにより、当否抽選の結果が大当たりの当選又は時短付与の当選のいずれであるかが報知されるようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、発展パターンBによる変動演出が実行された場合には、当否抽選の結果が大当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかであることが確定するため、発展パターンBによる変動演出の実行に対する遊技者の興趣を高めることができる。
なお、発展ありパターンは、上述の態様に限定されるものではない。たとえば、発展ありパターンとしては、所定の発展演出画像が表示された後に、当該発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度や時短付与の当選の期待度が高く設定された他の発展演出画像の表示に切り替わるような態様や、一旦ハズレである旨が報知された後に大当たりの当選や時短付与の当選が報知されるような態様等を設けてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の態様として、上述の各種態様とは別個に、全ての演出図柄50が変動表示している状態から、変動時間の経過後にこれらの演出図柄50が一斉に停止表示するという特殊変動パターンが設けられている。
また、上述の各演出においては、画像の表示のみならず、所定の音声を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、主制御基板100において決定され得る変動パターンコマンドごとに変動演出の態様を定めた変動演出決定テーブル119が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動開始時に主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、変動演出決定テーブル119を参照して、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出の態様を決定する。
変動演出決定テーブル119には、変動パターンコマンド及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の態様が定められている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、所定の数値範囲(0~249)から1の変動演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、変動演出決定テーブル119、受信した変動パターンコマンド及び取得した変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行されることとなる。
図399に示すように、変動演出決定テーブル119によれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」、「04H」、「05H」又は「08H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果がハズレであった場合)には、前半部分がリーチなしパターンA及び後半部分がノーマルハズレパターンの態様(以下、態様1という)、又は、前半部分がリーチなしパターンB及び後半部分がノーマルハズレパターンの態様(以下、態様2という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「01H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果がハズレであった場合)には、前半部分がリーチ変動パターンA及び後半部分が発展なしパターンの態様(以下、態様3という)、又は、前半部分がリーチ変動パターンB及び後半部分が発展なしパターンの態様(以下、態様9という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「02H」、「03H」、「06H」又は「07H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果がハズレであった場合)には、前半部分がリーチ変動パターンA及び後半部分が発展パターンAの態様(以下、態様4という)、又は、前半部分がリーチ変動パターンB及び後半部分が発展パターンAの態様(以下、態様10という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「22H」、「23H」、「26H」又は「27H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が小当たりの当選であった場合)には、態様4又は態様10のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「A2H」、「A3H」、「A6H」又は「A7H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には、態様4、前半部分がリーチ変動パターンA及び後半部分が発展パターンB1の態様(以下、態様5という)、前半部分がリーチ変動パターンA及び後半部分が発展パターンB2の態様(以下、態様6という)、前半部分がリーチ変動パターンA及び後半部分が発展パターンB3の態様(以下、態様7という)、前半部分がリーチ変動パターンA及び後半部分が発展パターンB4の態様(以下、態様8という)、態様10、前半部分がリーチ変動パターンB及び後半部分が発展パターンB1の態様(以下、態様11という)、前半部分がリーチ変動パターンB及び後半部分が発展パターンB2の態様(以下、態様12という)、前半部分がリーチ変動パターンB及び後半部分が発展パターンB3の態様(以下、態様13という)、又は、前半部分がリーチ変動パターンB及び後半部分が発展パターンB4の態様(以下、態様14という)のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「B3H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1(時短回数10回)が決定された場合)には、態様4、態様5、態様10又は態様11のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「B4H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合)又は「B5H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J3(時短回数30回)が決定された場合)には、態様4、態様5、態様6、態様10、態様11又は態様12のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「B6H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J4(時短回数50回)が決定された場合)又は「B7H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J5(時短回数100回)が決定された場合)には、態様4、態様5、態様6、態様7、態様10、態様11、態様12又は態様13のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「B8H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J6(時短回数1000回)が決定された場合)には、態様4、態様5、態様6、態様7、態様8、態様10、態様11、態様12、態様13又は態様14のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「B9H」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J7(時短回数1回)が決定された場合)には、態様4又は態様10のいずれかが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「BAH」、「BBH」、「BCH」、「BDH」、「BEH」又は「BFH」であった場合(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には、特殊変動パターン(以下、態様15という)が決定される。
なお、図399において、変動パターンコマンドと変動演出の態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択割合(決定割合)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の態様について、当否抽選の結果がハズレの場合、大当たりの当選の場合、小当たりの当選の場合、時短付与の当選であって所定の時短図柄が決定された場合における選択割合がそれぞれ別個に設定されている。
たとえば、当否抽選の結果が大当たりの当選又は時短付与の当選の場合には、ハズレ又は小当たりの当選の場合と比較して、リーチ変動パターンAの決定割合は低くなっているものの、リーチ変動パターンBの決定割合は高くなっている。したがって、リーチ変動パターンBが実行された場合には、リーチ変動パターンAが実行された場合よりも大当たりの当選や時短付与の当選に対する期待度が高くなる。
また、発展パターンAに関しては、当否抽選の結果がハズレ、小当たりの当選、大当たりの当選及び時短付与の当選のいずれの場合であっても決定され得るようになっているものの、発展パターンB(B1、B2、B3、B4)に関しては、当否抽選の結果が大当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの場合にのみ決定され得るようになっている。したがって、発展パターンBが実行された場合には、大当たりの当選又は時短付与の当選が確定し、これらのいずれかに当選した旨を把握できることとなる。
また、発展パターンB1に関しては、当否抽選の結果が時短付与の当選であり時短図柄J1(時短回数10回)、J2(時短回数20回)、J3(時短回数30回)、J4(時短回数50回)、J5(時短回数100回)又はJ6(時短回数1000回)が決定された場合に決定され得るようになっている。発展パターンB2に関しては、当否抽選の結果が時短付与の当選であり時短図柄J2、J3、J4、J5又はJ6が決定された場合に決定され得るようになっている。発展パターンB3に関しては、当否抽選の結果が時短付与の当選であり時短図柄J4、J5又はJ6が決定された場合に決定され得るようになっている。発展パターンB4に関しては、当否抽選の結果が時短付与の当選であり時短図柄J6が決定された場合に決定され得るようになっている。
すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合において、時短図柄J1が決定されたときには、発展パターンBのうち発展パターンB1のみを決定し得るようになっており、時短図柄J2又はJ3が決定されたときには、発展パターンBのうち発展パターンB1、発展パターンB2を決定し得るようになっており、時短図柄J4又はJ5が決定されたときには、発展パターンBのうち発展パターンB1、発展パターンB2、発展パターンB3を決定し得るようになっており、時短図柄J6が決定されたときには、発展パターンBのうち発展パターンB1、発展パターンB2、発展パターンB3、発展パターンB4の全てを決定し得るようになっている。
さらに換言すれば、時短回数10回が定められた時短図柄J1が決定された場合に発展パターンBが実行されるときには、発展パターンB1の実行割合は100%、発展パターンB2、B3及びB4の実行割合はいずれも0%であり、時短回数20回が定められた時短図柄J2が決定された場合又は時短回数30回が定められた時短図柄J3が決定された場合に発展パターンBが実行されるときには、発展パターンB1及びB2の実行割合はいずれも50%、発展パターンB3及びB4の実行割合はいずれも0%であり、時短回数50回が定められた時短図柄J4が決定された場合又は時短回数100回が定められた時短図柄J5が決定された場合に発展パターンBが実行されるときには、発展パターンB1、B2及びB3の実行割合はいずれも約33%、発展パターンB4の実行割合は0%であり、時短回数1000回が定められた時短図柄J6が決定された場合に発展パターンBが実行されるときには、発展パターンB1、B2、B3及びB4の実行割合はいずれも25%である。すなわち、設定される時短回数に応じて、発展パターンB1、B2、B3、B4の実行割合が異なるようになっている。
そして、発展パターンB1が実行された場合には、大当たりの当選、又は、時短回数が10回以上(10回、20回、30回、50回、100回又は1000回)に設定される時短付与の当選が確定する。また、発展パターンB2が実行された場合には、大当たりの当選、又は、時短回数が20回以上(20回、30回、50回、100回又は1000回)に設定される時短付与の当選が確定する。また、発展パターンB3が実行された場合には、大当たりの当選、又は、時短回数が50回以上(50回、100回又は1000回)に設定される時短付与の当選が確定する。また、発展パターンB4が実行された場合には、大当たりの当選、又は、時短回数が1000回に設定される時短付与の当選が確定する。
このように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、時短付与の当選となった場合の時短回数に応じて、発展パターンB1、B2、B3、B4の実行割合が異なり、実行された発展パターンBの種類ごとに、遊技者に対して、設定され得る時短回数に対する異なる期待感を与えることができるため、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合、及び、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合には、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出が実行され得るものの、当否抽選の結果が小当たりの当選やハズレであった場合には、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出は実行されない。すなわち、当否抽選の結果が小当たりの当選やハズレであった場合よりも、当否抽選の結果が大当たりの当選や時短付与の当選であった場合の方が、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出の実行割合が高くなっている。したがって、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出が実行されることにより、大当たりの当選又は時短付与の当選に対する期待感を向上させることができるため、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
なお、発展パターンB1、B2、B3、B4による変動演出は、当否抽選の結果が小当たりの当選やハズレであった場合に実行されないようにするのではなく、当否抽選の結果が大当たりの当選や時短付与の当選であった場合よりも低い割合で実行されるようにしてもよい。
また、変動演出中には、演出図柄50の変動表示とともに、大当たりの当選の期待度や時短付与の当選の期待度を示す種々の予告画像が表示される予告演出等の実行されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の予告演出について、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される予告演出に応じて、大当たりの当選や時短付与の当選に対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。具体的には、特定の予告演出は、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に実行される可能性が高く設定されているため、大当たりの当選や時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合よりも、時短付与の当選となった場合の方が、特定の予告演出の実行される可能性が高く設定されている。
たとえば、本形態に係るパチンコ機Pでは、図400に示すように、変動演出中におけるリーチ表示前に実行される予告演出として、所定のキャラクターによるセリフが表示されるセリフ予告を実行可能となっている。セリフ予告の態様としては、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cの3パターンが設けられている。
また、変動演出中におけるリーチ表示後に実行される予告演出として、所定のカットイン画像が表示されるカットイン予告を実行可能となっている。カットイン予告の態様としては、青色のカットイン画像が表示される青カットイン予告、赤色のカットイン画像が表示される赤カットイン予告及び紫色のカットイン画像が表示される紫カットイン予告の3パターンが設けられている。
そして、当否抽選により時短付与の当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能であり、上述の場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は10%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告、赤カットイン予告及び紫カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は40%、紫カットイン予告が実行される割合は55%となっている。
また、当否抽選により大当たりの当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は20%、セリフ予告Cが実行される割合は25%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は25%となっている。
また、当否抽選によりハズレ又は小当たりの当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は3%、セリフ予告Bが実行される割合は5%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は5%、赤カットイン予告が実行される割合は10%となっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短付与の当選となった場合は、大当たりの当選となった場合と比較して、セリフ予告Aが実行される割合は同一、セリフ予告Bが実行される割合及びセリフ予告Cが実行される割合はいずれも小さいため、セリフ予告Bやセリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、セリフ予告Cは、大当たりに当選した場合にのみ実行可能であるため、セリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これに対して、時短付与の当選となった場合は、大当たりの当選となった場合と比較して、青カットイン予告が実行される割合は同一、赤カットイン予告が実行される割合及び紫カットイン予告が実行される割合はいずれも大きいため、赤カットイン予告や紫カットイン予告が実行された場合には、時短付与の当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、紫カットイン予告は、時短付与の当選となった場合にのみ実行可能であるため、紫カットイン予告が実行された場合には、時短付与の当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これにより、高確率時短遊技状態への移行が極めて困難な大当たりの当選よりも、高確率時短遊技状態への移行の可能性が高い時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることができるようになっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pで実行可能な演出としては、上述の変動演出に限定されるものではなく、たとえば、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を設けてもよい。
具体的には、先読み演出としては、新たな保留の記憶が行われた場合に、通常態様、及び、通常態様よりも大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い特殊態様等を含む複数の態様のうちのいずれかで保留表示を行う保留先読み演出、保留の記憶が行われた時点から当該保留に基づく変動演出が終了するまでのいずれかのタイミングで、所定態様で表示中の保留表示を、より大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い態様に変化させる保留変化先読み演出、新たな保留の記憶が行われた場合に、当該保留に基づく変動演出中、又は、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度示唆画像(たとえば、背景画像等)を表示する先読みゾーン演出等を設けてもよい。
そして、大当たりに当選した場合よりも、時短付与の当選となった場合の方が、上述の特殊態様で保留表示が行われる保留先読み演出、保留変化先読み演出、先読みゾーン演出等の実行される可能性が高くなるように設定してもよい。
たとえば、図401に示すように、保留変化先読み演出として、白色による保留表示が青色による保留表示に変化する青保留変化、白色による保留表示が赤色による保留表示に変化する赤保留変化、及び、白色による保留表示が紫色による保留表示に変化する紫保留変化の3パターンが設けられるとともに、先読みゾーン演出として、第1の高期待度示唆画像が表示されるゾーンA、第2の高期待度示唆画像が表示されるゾーンB、及び、第3の高期待度示唆画像が表示されるゾーンCの3パターンが設けられているものとする。
そして、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選により時短付与の当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化、赤保留変化及び紫保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は10%、赤保留変化が実行される割合は40%、紫保留変化が実行される割合は55%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能であり、上述の場合における、ゾーンAが実行される割合は15%、ゾーンBが実行される割合は10%としてもよい。
また、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選により大当たりの当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は10%、赤保留変化が実行される割合は25%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は15%、ゾーンBが実行される割合は20%、ゾーンCが実行される割合は25%としてもよい。
また、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選によりハズレ又は小当たりの当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は5%、赤保留変化が実行される割合は10%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は3%、ゾーンBが実行される割合は5%としてもよい。
すなわち、上述のように設定したときには、時短付与の当選と判定される場合は、大当たりの当選と判定される場合と比較して、青保留変化が実行される割合は同一、赤保留変化が実行される割合及び紫保留変化が実行される割合はいずれも大きいため、赤保留変化や紫保留変化が実行された場合には、時短付与の当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、紫保留変化は、時短付与の当選と判定される場合にのみ実行可能であるため、紫保留変化が実行された場合には、時短付与の決定が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
このように設定した場合にも、大当たりの当選よりも時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上述のように設定したときには、時短付与の当選と判定される場合は、大当たりの当選と判定される場合と比較して、ゾーンAが実行される割合は同一、ゾーンBが実行される割合及びゾーンCが実行される割合はいずれも小さいため、ゾーンBやゾーンCが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、ゾーンCは、大当たりの当選と判定される場合にのみ実行可能であるため、ゾーンCが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
(特殊報知演出の概要)
特殊報知演出は、当否抽選の結果が時短付与の当選であって特殊変動パターンによる変動演出が行われる場合(すなわち、決定された変動パターンコマンドが「BAH」、「BBH」、「BCH」、「BDH」、「BEH」又は「BFH」であった場合)に当該変動演出に伴って実行可能な演出であって、時短付与の当選及び当該当選に基づく第1低確率時短遊技状態の時短回数を報知し得るものである。
この特殊報知演出は、変動演出が開始されてから、変動パターンコマンドごとに予め定められた変動時間が経過して変動演出が終了した後、特別図柄ごとに予め定められた停止表示時間(時短図柄はいずれも3秒)が経過するまでの間、継続して実行されるようになっている。
具体的には、特殊報知演出では、変動演出が開始されてから所定時間(本形態では2秒)の経過後に、演出表示装置21の表示部21aに表示されている全ての画像(演出図柄50、背景画像等)が消去され表示部21aの全面が黒色表示されるとともに、パチンコ機Pに設けられている全てのランプ(演出照明装置23)が消灯するというブラックアウト演出が開始される(図402(a)~(c)参照)。そして、所定のブラックアウト演出実行時間(本形態では4秒)が経過すると、表示部21aの右上隅においてブラックアウト演出の開始前の演出図柄50よりも小さいサイズの演出図柄50による変動表示が開始されることで変動演出が再開されるとともに、表示部21aの中央においてウィンドウが表示され、このウィンドウ内で数字のカウントアップ表示が開始される(図402(d)参照)。カウントアップ表示は、変動パターンコマンドに定められた変動時間が経過するまで実行される(図402(e)~(h)参照)。そして、当該変動時間が経過した時点で、上述のウィンドウ内の数字が時短付与の当選に基づいて決定された時短図柄に対応する時短回数に至るようになっており、変動演出の終了とともにカウントアップ表示が終了する(図402(h)参照)。その後、停止表示時間が経過するまでの間に、第1低確率時短遊技状態が設定される旨を示す設定画像及び時短回数の表示が行われ(図402(i)~(j)参照)、停止表示時間の経過とともに特殊報知演出が終了する。
上述のカウントアップ表示では、ウィンドウ内の数字が所定値(本形態では20)に到達するまでは、所定のカウント時間(本形態では1秒)経過ごとにウィンドウ内の数字が所定数(本形態では1)ずつ増加する表示が行われる(図402(d)~(e)参照)。
また、ウィンドウ内の数字が「10」又は「20」(すなわち、設定され得る時短回数の値)に到達すると、表示中の数字と次に表示される数字とを往復する表示が行われることにより次の数字へカウントアップすることへの期待感を煽る煽り演出が実行される(図402(f)~(g)、図403(a)~(d)、図404(a)参照)。ここで、表示中の数字よりも多い時短回数に対応する時短図柄が決定されていた場合には、上述の煽り演出を経て次の数字へカウントアップし、その後継続してカウントアップ表示が行われる(図403(a)~(b)参照)。一方、表示中の数字と同一の時短回数に対応する時短図柄が決定されていた場合には、煽り演出の終了とともに、次の数字へカウントアップすることなく表示中の数字でカウントアップ表示が終了し(すなわち、この時点で変動時間が経過し変動演出が終了し)、その後、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われる(図402(h)~(j)、図403(e)~(g)参照)。
また、20回を超える時短回数(30回、50回、100回、1000回)に対応する時短図柄が決定されていた場合には、ウィンドウ内の数字が「20」を超えてカウントアップ表示が行われることとなるが、上述の煽り演出を経てウィンドウ内の数字が「20」を超えた後は、ウィンドウ内の数字が所定の遮蔽画像(たとえば、「???」という画像等)により覆い隠される遮蔽演出が実行される(図404(b)参照)。そして、決定されていた時短回数に応じた時間が経過すると、遮蔽画像が消去され、決定されていた時短回数を示す数字が突如ウィンドウ内に表示されることでカウントアップ表示が終了し(すなわち、この時点で変動時間が経過し変動演出が終了し)、その後、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われる(図404(c)~(e)参照)。このように遮蔽画像によりウィンドウ内の数字を覆い隠すことにより、遊技者に対し、最終的にウィンドウ内に表示される数字(すなわち、決定されている時短図柄に対応する時短回数)に対する期待感を向上させることができる。
以下、特殊報知演出の進行について、より具体的に説明する。
(1)時短図柄J1(時短回数10回)が決定され、変動パターンコマンド「BAH」(変動時間18秒)が決定された場合
この場合には、図405(a)に示すように、特殊変動パターンによる変動演出の開始から2秒後にブラックアウト演出が開始され、変動演出の開始から6秒後にブラックアウト演出が終了しカウントアップ表示が開始される。そして、変動演出の開始から16秒後に、ウィンドウ内の数字が「10」に到達し煽り演出が実行され、変動演出の開始から18秒後に、煽り演出が終了しウィンドウ内の数字が「10」のまま停止する。併せて、この時点で変動演出が終了する。その後、3秒の停止表示時間が経過するまでの間に、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われ、特殊報知演出が終了する。
すなわち、時短回数10回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間は、変動演出が開始されてから変動演出が終了し停止表示時間が経過するまでの21秒となっている。
(2)時短図柄J2(時短回数20回)が決定され、変動パターンコマンド「BBH」(変動時間30秒)が決定された場合
この場合には、図405(b)に示すように、特殊変動パターンによる変動演出の開始から18秒経過するまでは、(1)と同様に特殊報知演出が進行するが、変動演出の開始から18秒が経過し煽り演出が終了した後は、ウィンドウ内の数字が「10」を超えてカウントアップ表示が継続する。そして、変動演出の開始から28秒後に、ウィンドウ内の数字が「20」に到達し煽り演出が実行され、変動演出の開始から30秒後に、煽り演出が終了しウィンドウ内の数字が「20」のまま停止する。併せて、この時点で変動演出が終了する。その後、3秒の停止表示時間が経過するまでの間に、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われ、特殊報知演出が終了する。
すなわち、時短回数20回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間は、変動演出が開始されてから変動演出が終了し停止表示時間が経過するまでの33秒であり、時短回数10回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間よりも長くなっている。
(3)時短図柄J3(時短回数30回)が決定され、変動パターンコマンド「BCH」(変動時間36秒)が決定された場合
この場合には、図405(c)に示すように、特殊変動パターンによる変動演出の開始から30秒経過するまでは、(2)と同様に特殊報知演出が進行するが、変動演出の開始から30秒が経過し煽り演出が終了した後は、遮蔽演出が実行される。そして、変動演出の開始から36秒後に、遮蔽演出が終了し遮蔽画像が消去され、ウィンドウ内に「30」の数字が表示される。併せて、この時点で変動演出が終了する。その後、3秒の停止表示時間が経過するまでの間に、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われ、特殊報知演出が終了する。
すなわち、時短回数30回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間は、変動演出が開始されてから変動演出が終了し停止表示時間が経過するまでの39秒であり、時短回数10回、20回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間よりも長くなっている。
(4)時短図柄J4(時短回数50回)が決定され、変動パターンコマンド「BDH」(変動時間46秒)が決定された場合
この場合には、図406(a)に示すように、変動演出の開始から30秒が経過し遮蔽演出が実行されるまでは、(3)と同様に特殊報知演出が進行する。その後は、変動演出の開始から46秒後に、遮蔽演出が終了し遮蔽画像が消去され、ウィンドウ内に「50」の数字が表示される。併せて、この時点で変動演出が終了する。その後、3秒の停止表示時間が経過するまでの間に、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われ、特殊報知演出が終了する。
すなわち、時短回数50回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間は、変動演出が開始されてから変動演出が終了し停止表示時間が経過するまでの49秒であり、時短回数10回、20回、30回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間よりも長くなっている。
(5)時短図柄J5(時短回数100回)が決定され、変動パターンコマンド「BEH」(変動時間66秒)が決定された場合
この場合には、図406(b)に示すように、変動演出の開始から30秒が経過し遮蔽演出が実行されるまでは、(3)や(4)と同様に特殊報知演出が進行する。その後は、変動演出の開始から66秒後に、遮蔽演出が終了し遮蔽画像が消去され、ウィンドウ内に「100」の数字が表示される。併せて、この時点で変動演出が終了する。その後、3秒の停止表示時間が経過するまでの間に、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われ、特殊報知演出が終了する。
すなわち、時短回数100回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間は、変動演出が開始されてから変動演出が終了し停止表示時間が経過するまでの49秒であり、時短回数10回、20回、30回、50回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間よりも長くなっている。
(6)時短図柄J6(時短回数1000回)が決定され、変動パターンコマンド「BFH」(変動時間68秒)が決定された場合
この場合には、図406(c)に示すように、変動演出の開始から30秒が経過し遮蔽演出が実行されるまでは、(3)~(5)と同様に特殊報知演出が進行する。その後は、変動演出の開始から68秒後に、遮蔽演出が終了し遮蔽画像が消去され、ウィンドウ内に「1000」の数字が表示される。併せて、この時点で変動演出が終了する。その後、3秒の停止表示時間が経過するまでの間に、上述の設定画像及び時短回数の表示が行われ、特殊報知演出が終了する。
すなわち、時短回数1000回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間は、変動演出が開始されてから変動演出が終了し停止表示時間が経過するまでの49秒であり、時短回数10回、20回、30回、50回、100回が設定される場合における特殊報知演出の実行時間よりも長くなっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短図柄J7(時短回数1回)が決定された場合には、特殊変動パターンによる変動演出が行われず、特殊報知演出も実行されないようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、時短付与の当選となった場合には、決定された時短図柄に対応して設定される時短回数が多くなれば多くなるほど、特殊報知演出の実行時間が長くなる。換言すれば、特殊報知演出が実行された後は、遊技者にとって有利な遊技状態である第1低確率時短遊技状態(時短遊技状態)へ移行するものの、特殊報知演出の実行期間が長くなると、当該演出の実行後に移行する第1低確率時短遊技状態が実行される期間が長くなる。
したがって、特殊報知演出の実行期間が長くなれば、遊技者に付与される遊技利益(時短遊技状態の付与)が大きくなるため、特殊報知演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短付与の当選となり特殊報知演出が実行された場合には、大当たりの当選及び特別遊技を経由せずに第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる第1低確率時短遊技状態が設定されるため、特殊報知演出が実行されてから第1低確率時短遊技状態が設定されるまでの期間に大入賞口18の開放が行われることはない。したがって、上述の期間における構造物(大入賞口18)の作動制御が少なくなり、メインCPU101等のハードウェア資源に対する負担を軽減することができる。
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図407に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図408に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、図408に示すタイマ割込処理を開始する。
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、図409のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ903で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル119、上述のステップ2200で取得した変動演出乱数及び受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
ステップ2202において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
なお、上述の実施の形態における特殊報知演出は、時短付与の当選に係る変動演出の開始とともに開始され、当該変動演出が終了し特別図柄の停止表示時間が経過した時点で終了するようになっており、時短図柄に対応する変動パターンコマンドに定められた変動時間を異ならせることで、時短図柄(設定される時短回数)ごとの特殊報知演出の実行時間が変化するように設定されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、いずれの時短図柄であっても、対応する変動パターンコマンドに定められた変動時間は同一とするものの、時短図柄ごとの停止表示時間を異ならせることで、時短図柄(設定される時短回数)ごとの特殊報知演出の実行時間が変化するように設定してもよい。また、上述の変動時間及び停止表示時間のいずれをも異ならせることで、時短図柄(設定される時短回数)ごとの特殊報知演出の実行時間が変化するように設定してもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
また、特殊報知演出は、時短付与の当選に係る変動演出の開始から当該変動演出の終了後における特別図柄の停止表示時間が経過するまでの期間において実行するのではなく、上述の変動演出の開始から終了までの期間において実行するようにしてもよい。具体的には、上述の変動演出における所定の開始時点(たとえば、変動演出の開始時点、変動演出が開始されてから所定時間経過後の時点等)から開始し、当該変動演出における所定の終了時点(たとえば、変動演出が開始されてから所定時間経過後の時点、変動演出の終了時点等)で終了するようにしてもよい。
また、特殊報知演出は、時短付与の当選となった特図乱数(第1特図乱数)が取得されてから当該時短付与の当選に係る変動演出が終了するまでの期間において実行するようにしてもよい。具体的には、たとえば、時短付与の当選に係る変動演出(以下、当該変動演出という)よりも前に実行される1の変動演出(以下、先読み変動演出という)中の期間において実行するようにしてもよいし、複数の先読み変動演出に跨る期間において実行するようにしてもよいし、先読み変動演出から当該変動演出に跨る期間において実行するようにしてもよい。
このように設定した場合には、特殊報知演出の実行タイミングがバリエーションに富んだものとなり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選が導出可能となっており、時短付与の当選となった場合に時短遊技状態(第1時短遊技状態)が設定されるようになっていたが、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選を導出せず、当否抽選における大当たりの当選以外の判定結果(すなわち、小当たりの当選又はハズレ)に基づいて決定され得る特別図柄(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄)を時短図柄として代用し、決定された上述の特別図柄の種別に応じて、時短遊技状態の設定の可否(時短付与の当否)を決定してもよい。
たとえば、当否乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合に決定されるハズレ図柄として、ハズレ図柄ZA1、ハズレ図柄ZA2、ハズレ図柄ZA3等を設け、ハズレ図柄ZA1が決定されたときには10回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、ハズレ図柄ZA2が決定されたときには20回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、ハズレ図柄ZA3が決定されたときには30回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定されるように設定してもよい。そして、この場合にも、上述の実施の形態と同様の変動パターンBによる変動演出が実行され得るようにしてもよいし、上述の実施の形態と同様の特殊報知演出が実行され得るようにしてもよい。
また、同様に、当否乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合に決定される小当たり図柄として、小当たり図柄YA1、小当たり図柄YA2、小当たり図柄YA3等を設け、小当たり図柄YA1が決定されたときには10回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、小当たり図柄YA2が決定されたときには20回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、小当たり図柄YA3が決定されたときには30回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定されるように設定してもよい。そして、この場合にも、上述の実施の形態と同様の変動パターンBによる変動演出が実行され得るようにしてもよいし、上述の実施の形態と同様の特殊報知演出が実行され得るようにしてもよい。
なお、上述のように小当たり図柄に基づいて時短遊技状態が設定されるようにした場合における特殊報知演出は、小当たりの当選に基づく変動演出が開始されてから当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技が終了するまでの期間において実行するように設定してもよい。そして、このように設定した場合には、上述の変動演出の変動時間、特別図柄の停止表示時間、小当たり遊技のオープニング時間、小当たり遊技中における大入賞口18の開放時間、小当たり遊技のエンディング時間のいずれか1又は複数を異ならせることで、小当たり図柄ごとの特殊報知演出の実行時間が変化するように設定してもよい。
また、上述の特殊報知演出は、上述と同様に、小当たりの当選となった特図乱数(第1特図乱数)が取得されてから当該小当たりの当選に係る変動演出が終了するまでの期間において実行するようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短付与の当選のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、決定された時短図柄に対応して設定される時短回数が多くなれば多くなるほど、特殊報知演出の実行時間が長くなるように設定されていたが、このような制御を行う対象は、時短付与の当選の際に実行可能な特殊報知演出に限定されるものではない。たとえば、大当たりの当選に基づき複数の大当たり図柄の中からいずれかが決定されるようになっており、大当たり図柄ごとに特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数が定められている場合には、大当たり図柄に対応して実行されるラウンド遊技の回数が多くなれば多くなるほど、大当たりの当選に基づいて実行される変動演出の変動時間が長くなるように設定してもよい。換言すれば、大当たりの当選に基づいて実行される変動演出の変動時間が長くなれば長くなるほど、その後に実行される特別遊技中のラウンド遊技の回数が多くなるように設定してもよい。
また、大当たり図柄に対応して実行されるラウンド遊技の回数が多くなれば多くなるほど、大当たりの当選に基づいて実行される変動演出よりも前から実行可能な所定の先読み演出の実行期間が長くなるように設定してもよい。換言すれば、所定の先読み演出の実行期間が長くなれば長くなるほど、その後に実行される特別遊技中のラウンド遊技の回数が多くなるように設定してもよい。
このように設定した場合には、大当たりの当選に基づく変動演出や当該変動演出よりも前から実行可能な先読み演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、特殊報知演出が実行されてから第1低確率時短遊技状態(時短遊技状態)が設定されるまでの期間に大入賞口18の開放が行われないようになっていたが、大当たりの当選に基づく変動演出が実行されてから遊技者に有利な特別遊技が開始されるまでの期間に他の入賞口(たとえば、第2始動入賞口16)の開放が行われないようにしてもよい。
また、上述の実施の形態における発展パターンBによる変動演出や特殊報知演出は、当否抽選により時短付与の当選となった場合において実行するのみならず、大当たりに当選し時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定された場合においても実行してもよい。
(変形例)
(1)上述の実施の形態では、大当たりの当選の確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中の当否抽選においてのみ、時短付与の当否の判定を行い、他の遊技状態中(大当たりの当選の確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中))の当否抽選では、時短付与の当否の判定を行わないことで、通常遊技状態中にのみ時短付与の当選となり、他の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになっていたが、このような当否抽選の結果を導出するための制御としては、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率遊技状態中や時短遊技状態中に参照される当否乱数判定テーブル110として、時短付与の当選となる当否乱数の数値範囲が設けられていないテーブル(図358(b)、図359(b)、図360(b)、図361(b)、図362(b)、図363(b))を設け、高確率遊技状態中や時短遊技状態中の当否抽選では、上述のテーブルに基づいて時短付与の当否の判定を行うようにしてもよい。このようにした場合には、高確率遊技状態中や時短遊技状態中は、時短付与の当選と判定されることのない当否乱数判定テーブル110に基づいて時短付与の判定が行われるため、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態以外の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになる。
また、たとえば、高確率遊技状態中や時短遊技状態中に参照される当否乱数判定テーブル110にも時短付与の当選となる当否乱数の数値範囲を設け、高確率遊技状態中や時短遊技状態中の当否抽選では、当該テーブルに基づいて時短付与の当否の判定を行うものの、時短付与の当選となった場合には、当該時短付与の当選の判定結果を、強制的に時短付与の非当選に書き換えたり、当該時短付与の当選の判定結果を破棄したりしてもよい。このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態以外の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、通常遊技状態以外の遊技状態においても通常遊技状態と同様に当否抽選における判定を実行することができるため、当否抽選における判定の共通化が図られ、メインCPU101等のハードウェア資源に対する処理負荷を軽減することができる。
また、上述の実施の形態では、いずれの設定値が設定されている場合であっても、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、設定値に応じて時短付与の当選の確率が異なるように設定してもよい。また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に時短付与の当選となる確率、及び、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に時短付与の当選となる確率はいずれも同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合と第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合とでは、時短付与の当選となる確率が異なるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、及び、時短付与の当選となった場合に決定される時短図柄の種類に応じて、時短回数が異なるように設定してもよい。
このように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の性能のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(2)上述の実施の形態では、当否乱数を用いた当否抽選における時短付与の当否の判定により時短付与の当選となった場合に、当否乱数と異なる特別図柄乱数を用いた当該当否抽選と異なる特別図柄の決定の処理により時短図柄が決定され、決定された時短図柄の種別(J1、J2、J3)に応じて時短回数が定まるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、当否乱数を用いた当否抽選により、時短付与の当選及び時短回数の決定の両方が決定され得るように設定してもよい。すなわち、時短付与の当選及び時短回数の決定を、別個の乱数及び別個の処理により行うのではなく、同一の乱数及び同一の処理により行ってもよい。
具体的には、当否乱数判定テーブル110において、時短付与の当選と判定され、かつ所定の時短図柄が対応付けられた数値範囲を設定し、取得された当否乱数が当該数値範囲に属する場合に、時短付与の当選及び当該数値範囲に対応する時短図柄に定められた時短回数が決定されるように設定することができる。たとえば、設定されている設定値が1であり、かつ低確率遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において参照される当否乱数判定テーブル110として、当否乱数が3310~3637であった場合に時短図柄J1(時短回数10回)が対応付けられた時短付与の当選と判定され、当否乱数が3638~3964であった場合に時短図柄J2(時短回数20回)が対応付けられた時短付与の当選と判定されるテーブルA1aを設けることができる(図410参照)。このテーブルA1aによれば、当否乱数が3310~3637であった場合には、時短付与の当選と判定されるとともに、時短図柄J1が決定されることにより時短回数が10回に決定されることとなる。また、当否乱数が3638~3964であった場合には、時短付与の当選と判定されるとともに、時短図柄J2が決定されることにより時短回数が20回に決定されることとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、当否抽選における時短付与の当否の判定の処理のみで時短付与の当選及び時短回数が決定されることとなるため、当否抽選における処理の負荷が軽減されることとなる。
(3)上述の実施の形態では、通常遊技状態中の当否抽選における時短付与の当否の判定を行った後、当該判定の結果が時短付与の当選であった場合に時短回数が対応付けられた時短図柄が決定されるようになっていたが、処理の順番はこれに限定されるものではない。
たとえば、時短図柄を決定した後に、当否抽選を行って時短付与の当否の判定を行うようにしてもよい。そして、時短付与の当選が決定された場合に、時短遊技状態(第1時短遊技状態)を設定するとともに、先に決定されていた時短図柄に対付けられた時短回数をセットするようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
(4)上述の実施の形態では、大当たりの当否の判定、小当たりの当否の判定、及び、時短付与の当否の判定のいずれも、同一の当否乱数判定テーブル110を参照して実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、時短付与の当否の判定は、大当たりの当否の判定及び小当たりの当否の判定に用いられる当否乱数判定テーブル110とは異なるテーブルであって、時短付与の当否の判定にのみ用いられる特定のテーブルを参照して、実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
(5)上述の実施の形態では、時短回数が対応付けられた複数種類の時短図柄が設けられており、決定された時短図柄に応じて時短回数が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、時短付与の当選のみが対応付けられ、かつ時短回数は対応付けられていない1種類の時短図柄Jを設けおき、当否抽選により時短付与の当選となった場合には当該時短図柄Jを決定するとともに、時短回数については、当否抽選とは別個の特定の抽選により決定するようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、メインROM102における特別図柄の記憶容量を減少させ、他の情報を記憶するためのスペースを増加させることができる。
(6)上述の実施の形態では、大当たりの当選の確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中の当否抽選においてのみ、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3の決定)となり得るようになっており、大当たりの当選の確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中)の当否抽選では、時短付与の当否の判定が行われず、時短付与の当選となり得ないようになっていたが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態中であっても、当否抽選において時短付与の当否の判定が行われるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた第1低確率時短遊技状態中(すなわち、時短遊技状態が設定された遊技状態中)の当否抽選においても、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3)となり得るように設定してもよい。そして、第1低確率時短遊技状態中の当否抽選において、時短付与の当否の判定が行われることにより時短付与の当選となり、時短図柄が決定された場合には、第1時短遊技状態を再設定するとともに、決定された時短図柄に対応付けられた時短回数(時短図柄J1であれば時短回数10回、時短図柄J2であれば時短回数20回、時短図柄J3であれば時短回数1回)を再度セット(現時点の時短回数を上書き)するようにしてもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短付与の当選となり時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、時短回数として「20回」が再度セットされるようにしてもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
また、上述の場合においては、時短図柄に対応付けられた時短回数を再度セットするのではなく、時短図柄に対応付けられた時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短付与の当選となり時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、残りの時短回数を「25回(=残りの時短回数5回+時短図柄J2に定められた時短回数20回)」に更新してもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が25回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定される機会が増加するため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(7)上述の実施の形態では、時短付与の当選となった場合に決定され得る時短図柄として、時短回数が10回に定められた時短図柄J1、時短回数が20回に定められた時短図柄J2、時短回数が1回に定められた時短図柄J3の3種類が設けられていたが、これに限定されるものではなく、異なる時短回数が定められた他の時短図柄を設けてもよい。
具体的には、これらの時短図柄の他、時短回数が30回に定められた時短図柄J4、時短回数が50回に定められた時短図柄J5、時短回数が10000回に定められた時短図柄J6等を設けてもよい。また、時短付与の当選となった場合に決定され得る時短図柄として、所定の時短回数が定められた1種類の時短図柄のみを設けてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、設定される時短回数は、上述のように、時短図柄の種類ごとに予め定めておいてもよいし、時短図柄の種類及び設定されている遊技状態ごとに予め定めておいてもよい。たとえば、通常遊技状態(非時短遊技状態)においては、時短図柄J1が決定された場合、時短図柄J2が決定された場合、時短図柄J3が決定された場合にはいずれも時短回数が100回に設定されるものの、時短遊技状態においては、時短図柄J1が決定された場合には時短回数が100回に設定され、時短図柄J2が決定された場合には時短回数が50回に設定され、時短図柄J3が決定された場合には時短回数は0回に設定される(すなわち、時短遊技状態が設定されると同時に、当該時短遊技状態が終了するように設定される)ようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、設定される時短回数のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、パチンコ機が、第1始動入賞口15への遊技球の入球、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球にいずれの当否抽選においても時短付与の当選となり得るように設定されていた場合には、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において時短付与の当選となる確率と、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選において時短付与の当選となる確率とが異なる(たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においては1/100で時短付与に当選し、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選においては1/10で時短付与に当選する)ように設定してもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、遊技球が入球した始動入賞口ごとに時短遊技状態の設定に関する有利度が変化するため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、決定された時短図柄の種別に応じて、当該時短図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態において、普通図柄の抽選により当たりとなり普通図柄が停止表示されてから可動片16bが開く(第2始動入賞口16が開状態となる)までの時間である普図オープニング時間が異なるように設定してもよい。たとえば、時短図柄J1の決定に基づいて設定される時短遊技状態においては、普図オープニング時間が0.5秒、時短図柄J2の決定に基づいて設定される時短遊技状態においては、普図オープニング時間が1.0秒、時短図柄J3の決定に基づいて設定される時短遊技状態においては、普図オープニング時間が1.5秒となるように設定してもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、決定された時短図柄ごとに、設定される時短遊技状態の有利度が変化するため、遊技者の興趣を高めることができる。
(8)上述の実施の形態では、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選が導出可能となっており、時短付与の当選となった場合に時短遊技状態(第1時短遊技状態)が設定されるようになっていたが、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選を導出せず、当否抽選における大当たりの当選以外の判定結果(すなわち、小当たりの当選又はハズレ)に基づいて決定され得る特別図柄(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄)を時短図柄として代用し、決定された上述の特別図柄の種別に応じて、時短遊技状態の設定の可否(時短付与の当否)を決定してもよい。
たとえば、当否乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合において、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z1が決定されたときには、20回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z2が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得るハズレ図柄としては、これらに限定されるものではなく、ハズレ図柄Z1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄(たとえば、時短回数50回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、当否抽選及び特別図柄の決定の処理によりハズレ図柄を決定するのではなく、上述の変形例(2)のように、当否乱数に基づく当否抽選において、たとえば、第1時短遊技状態の設定及び時短回数20回が定められたハズレ図柄Z1に対応するハズレ、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2に対応するハズレを導出可能に設定し、当否抽選によりハズレ図柄Z1に対応するハズレとなった場合には時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、当否抽選によりハズレ図柄Z2に対応するハズレとなった場合には第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。
また、たとえば、当否乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、時短回数が50回に設定された第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数により小当たり図柄Y2が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得る小当たり図柄としては、これらに限定されるものではなく、小当たり図柄Y1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄(たとえば、時短回数80回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Y3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、当否抽選及び特別図柄の決定の処理により小当たり図柄を決定するのではなく、上述の変形例(2)のように、当否乱数に基づく当否抽選において、たとえば、第1時短遊技状態の設定及び時短回数50回が定められた小当たり図柄Y1に対応する小当たりの当選、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた小当たり図柄Y2に対応する小当たりの当選を導出可能に設定し、当否抽選により小当たり図柄Y1に対応する小当たりの当選となった場合には時短回数50回の第1時短遊技状態が設定され、当否抽選により小当たり図柄Y2に対応する小当たりの当選となった場合には第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別図柄として新たに時短図柄を設けることなく、従来から採用されていた小当たり図柄やハズレ図柄等の特別図柄を用いて、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さない時短遊技状態を設定することができ、パチンコ機の開発工程を簡易化することが可能となる。
(9)上述の実施の形態では、当否乱数に基づく当否抽選における時短付与の当否の判定結果により時短遊技状態の設定の可否が決定されるようになっていたが、時短遊技状態の設定の可否の決定の制御はこれに限定されるものではない。
たとえば、当否乱数や特別図柄乱数とは別個に、時短遊技状態の設定の可否を決定するための専用の乱数である時短図柄乱数を設け、当否抽選や特別図柄の決定とは別個に、当該時短図柄乱数に基づいて時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否を決定する時短図柄抽選を行うように設定し、当該時短図柄抽選の結果に基づいて、時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否や時短遊技状態を設定する場合の時短回数を決定するようにしてもよい。
すなわち、当否乱数に基づいて当否抽選を行い、かつ当該当否抽選の結果に基づいて特別図柄を決定するとともに、時短図柄乱数に基づいて時短図柄抽選を行って時短遊技状態の設定の可否(後述する時短図柄)を決定するように設定することができる。
具体的には、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の第1特図乱数や第2特図乱数とともに、上述の時短図柄抽選専用の乱数である時短図柄乱数が所定の数値範囲内(たとえば、0~65535)で1個取得され、取得された時短図柄乱数に基づき、時短遊技状態の設定の可否が定められた時短図柄の種別を決定する時短図柄抽選を行うように設定する。
より具体的には、時短図柄抽選において時短図柄の種別を決定するための時短図柄乱数判定テーブルを設ける。この時短図柄乱数判定テーブルは、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)ごとに設けてもよい。そして、設定されている遊技状態が通常遊技状態であった場合に、所定の時短図柄乱数判定テーブルを参照して上述の時短図柄抽選を行い、時短図柄の種別を決定する。
時短図柄としては、時短付与の当選(すなわち、時短遊技状態を設定する旨)が定められた時短当選図柄、時短付与の非当選(すなわち、時短遊技状態を設定しない旨)が定められた時短非当選図柄を設けることができる。また、時短当選図柄としては、異なる時短回数が定められた複数種類の時短当選図柄(たとえば、時短回数10回が定められた時短当選図柄JA1、時短回数20が定められた時短当選図柄JA2等)を設けることができる。
そして、時短図柄抽選によりいずれかの時短当選図柄が決定された場合には、たとえば、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるとともに、決定された時短当選図柄に応じた時短回数がセットされる。これにより、大当たりに当選することなく、セットされた時短回数だけ当否抽選の結果が導出されるまで第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。これに対して、時短非当選図柄が決定された場合には、通常遊技状態のままとなる。
また、設定されている遊技状態が通常遊技状態以外(第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)であった場合には、上述の時短図柄抽選を行わず、強制的に、時短非当選図柄を決定するように設定してもよい。これにより、通常遊技状態以外の他の遊技状態においては、新たに時短遊技状態が設定されることはないこととなる。
なお、上述の如く、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選により時短図柄の種別を決定するように設定した場合には、時短図柄抽選や時短図柄について、上述の実施の形態における当否抽選や特別図柄等に関する制御と同様の制御を行うように設定してもよい。
たとえば、取得された時短図柄乱数は、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機として取得された第1特図乱数や第2特図乱数と同一の保留記憶領域に記憶し、第1特図乱数や第2特図乱数と同様に、所定の上限数(たとえば、4個)まで保留可能となるように設定してもよい。
また、上述のように時短図柄が決定された場合には、特別図柄と同様に、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31とは異なる所定の表示装置(時短図柄表示装置)において時短図柄の変動表示(以下、時短図柄の変動ともいう)が行われるように設定してもよい。時短図柄の変動表示については、特別図柄の変動表示と同じタイミングで開始するように設定してもよいし、特別図柄の変動表示と同一の変動時間となるように設定してもよい。また、特別図柄の変動表示及び時短図柄の変動表示を同じタイミングで開始する場合には、当該変動表示の開始時に時短図柄抽選を行うように設定してもよい。
また、上述の時短図柄抽選において時短当選図柄が決定された場合において、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選においてハズレとなったときには、当該当否抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにしてもよい。また、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選において小当たりの当選となったときには、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技が終了した後に(小当たり遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
これに対して、上述の時短図柄抽選において時短当選図柄が決定された場合であって、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選において大当たりの当選となったときには、時短当選図柄の決定に基づく時短遊技状態の設定は行われず、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に(特別遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、当該大当たりの当選に基づいて決定された大当たり図柄の種別に応じた遊技状態の設定が行われるようにしてもよい。すなわち、時短当選図柄の決定と大当たり図柄の決定(大当たりの当選)とが重複した場合には、時短当選図柄の決定を無効とし、大当たり図柄の決定に基づく遊技状態が設定されるようにしてもよい。時短当選図柄の決定に基づく遊技状態の設定が特別遊技よりも優先的に行われると、大当たりの当選時の遊技状態が変化する可能性があり、当該変化の有無も確認した上で特別遊技終了後の遊技状態を設定しなければならず、当該遊技状態の設定処理が煩雑となるおそれがあるが、上述のようにしたことで、このような事態の発生を適切に防止することができる。
また、変動パターンコマンド、変動演出の態様、先読み演出の態様等は、特別図柄の決定及び時短図柄の決定の結果に基づいて、決定してもよい。
具体的には、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短当選図柄が決定された場合、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短非当選図柄が決定された場合、及び、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合(時短非当選図柄が決定された場合)のそれぞれに対応した変動パターンコマンドや変動演出の態様を決定するようにしてもよい。そして、たとえば、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短当選図柄が決定された場合や当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短非当選図柄が決定された場合よりも、長い変動時間が対応付けられた変動パターンコマンドの決定割合が高くなるように設定してもよいし、大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高く設定された変動演出の態様や先読み演出の態様の決定割合が高くなるように設定してもよい。
また、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選により時短図柄の種別を決定するように設定した場合にも、通常遊技状態中以外の遊技状態において時短図柄抽選を行って、時短遊技状態を設定するか否かを決定するようにしてもよい。この場合の各種制御については、上述の(6)と同様のため、説明を割愛する。
また、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選において時短遊技状態を設定の可否及び時短回数の両方を決定するのではなく、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選においては時短遊技状態の設定の可否のみを決定し、時短遊技状態を設定する旨が決定された場合に、上述の時短図柄乱数と異なる他の乱数(時短回数決定乱数)に基づいて時短回数を決定する旨の抽選を行うようにしてもよい。
また、上述の時短図柄抽選は、時短図柄乱数を用いて行うのではなく、他の乱数を用いて行うように設定してもよい。
たとえば、上述の実施の形態のように、1の当否乱数により、大当たりの当否の判定、及び、小当たりの当否の判定の両方を行うのではなく、大当たりの当選となるか否かの判定にのみ用いられる大当たり判定乱数、小当たりの当選となるか否かの判定にのみ用いられる小当たり判定乱数、ハズレとなるか否かの判定にのみ用いられるハズレ判定乱数をそれぞれ別個に設け、各乱数ごとに判定を行うことで、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレの判定結果を導出するようにするとともに、これらの乱数のうちのいずれかに基づいて上述の時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態のように、1の特別図柄乱数により大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄を決定するのではなく、大当たりに当選した場合における大当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる大当たり図柄決定乱数、小当たりに当選した場合における小当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる小当たり図柄決定乱数、ハズレの場合におけるハズレ図柄の種別の決定にのみ用いられるハズレ図柄決定乱数をそれぞれ別個に設け、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレの判定結果に応じたいずれかの乱数に基づいて、大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ図柄の種別を決定するとともに、これらの乱数のうちのいずれかに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態のように、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値が設けられたパチンコ機Pにおいては、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、当否乱数、大当たり判定乱数、小当たり判定乱数、ハズレ判定乱数等)、又は、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、特別図柄乱数等)のいずれかに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。また、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数に基づいては時短図柄抽選を行わず、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数のみに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
(10)上述の実施の形態において高確率遊技状態が設定された場合には、その後に大当たりに当選し低確率遊技状態の設定が定められた特別図柄(大当たり図柄X4)が決定されることにより、当該高確率遊技状態が終了し低確率遊技状態が設定されるようになっていたが、低確率遊技状態への移行の制御については、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率遊技状態が設定された後、大当たりに当選することなく予め定められた高確回数(たとえば、80回等)の当否抽選が行われた場合に、当該高確率遊技状態が終了するように(いわゆるSTタイプのパチンコ機として構成)してもよい。そして、このように設定されたパチンコ機において、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態が設定され得るようになっていた場合には、当該遊技状態中に、上述の実施の形態のように当否抽選により時短付与の当選が決定され時短図柄が決定されたとき、上述の変形例(8)のように時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたとき、或いは、上述の変形例(9)のように時短図柄抽選により時短当選図柄が決定されたときには、当該決定に基づいて時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
また、たとえば、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定するか否かを決定する転落抽選に用いる転落抽選乱数を設け、この転落抽選乱数に基づく転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨が決定された場合に、高確率遊技状態が終了するようにしてもよい。そして、転落抽選乱数を設けた場合には、当該転落抽選乱数に基づいて、上述の変形例(9)のような時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
(11)上述の実施の形態では、大当たりの当否の判定→小当たりの当否の判定→時短付与の当否の判定という順番で、当否抽選の結果を判定する処理が行われていたが、当該判定の順番についてはこれに限定されるものではない。
たとえば、大当たりの当否の判定→時短付与の当否の判定→小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短付与の当選の判定結果を導出するのではなく、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たり(以下、時短付き小当たりともいう)の当選、時短遊技状態を設定しない旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たり(以下、時短無し小当たりともいう)の当選を導出可能とし、時短付き小当たりの当選となった場合に時短遊技状態が設定され、時短無し小当たりの当選となった場合には時短遊技状態が設定されないようなパチンコ機においては、たとえば、大当たりの当否の判定→時短付き小当たりの当否の判定→時短無し小当たりの当否の判定という順番、大当たりの当否の判定→時短無し小当たりの当否の判定→時短付き小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短付与の当選の判定結果を導出するのではなく、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレ(以下、時短付きハズレともいう)、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレ(以下、時短無しハズレともいう)を導出可能とし、時短付きハズレとなった場合に時短遊技状態が設定され、時短無しハズレとなった場合には時短遊技状態が設定されないようなパチンコ機においては、たとえば、大当たりの当否の判定→小当たりの当否の判定→時短付きハズレの判定という順番、大当たりの当否の判定→時短付きハズレの判定→小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定されたパチンコ機においては、転落抽選→当否抽選(大当たりの当否の判定、小当たりの当否の判定、時短付与の当否の判定)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
また、上述の変形例(9)のように、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、複数段階の設定値が定められていないパチンコ機においては、時短図柄抽選→当否抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、当否抽選→時短図柄抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、複数段階の設定値が定められているパチンコ機においては、時短図柄抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→当否抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定し、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められていないパチンコ機においては、転落抽選→時短図柄抽選→当否抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、転落抽選→当否抽選→時短図柄抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定し、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められているパチンコ機おいては、転落抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→時短図柄抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→当否抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、パチンコ機の仕様に応じたタイミングで、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選が可能となる。
(12)上述の実施の形態では、当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合に特別遊技が実行されるようになっていたが、特別遊技の実行契機は、これに限定されるものではない。
たとえば、当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合のみならず、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選であった場合(所定の小当たり図柄が決定された場合)に実行される小当たり遊技において、遊技球が進入可能な特別領域を備えた特定大入賞口が開放されるようになっており、当該小当たり遊技中に特定大入賞口へ入球した遊技球が特別領域へ進入した場合にも特別遊技が実行されるように設定(いわゆる1種2種混合のパチンコ機として構成)してもよい。また、上述の小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後には、上述の小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じた遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)へ移行するように設定してもよい。
そして、上述のように設定されたパチンコ機(いわゆる1種2種混合のパチンコ機)においても、上述の実施の形態や変形例と同様に、時短付与の当否の判定(上述の実施の形態や上述の変形例(2)の当否抽選)、時短遊技状態の設定の可否が定められた小当たり図柄やハズレ図柄の決定(上述の変形例(8)の当否抽選や特別図柄の決定の処理)、時短当選図柄又は時短非当選図柄の決定(上述の変形例(9)の時短図柄抽選)等(以下、これらの判定や決定を総称して、時短付与決定処理ともいう)を行うように設定し、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
なお、たとえば、いわゆる1種2種混合のパチンコ機で上述の時短図柄抽選を行う場合において、当該時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨(時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短当選図柄))が決定され、かつ当否抽選によりハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)ときには、当該当否抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に、上述の時短図柄抽選の結果に応じた時短遊技状態を設定し、上述の時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定され、かつ当否抽選により小当たりの当選となった(小当たり図柄が決定された)ときには、上述の時短図柄抽選の結果に応じた時短遊技状態の設定は行わず、小当たりの当選に基づく小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、当該小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別に対応する遊技状態を設定するようにしてもよい。
具体的には、上述の時短図柄抽選により第1時短遊技状態(時短回数は20回)を設定する旨が対応付けられた時短図柄(時短当選図柄)が決定され、かつ、当否抽選において小当たりに当選し、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に第2時短遊技状態(時短回数は100回)を設定する旨が対応付けられた小当たり図柄が決定された場合には、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、第1時短遊技状態は設定されず、第2時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏する他、種々の仕様のパチンコ機において、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選機能を搭載可能としつつ、小当たりの当選と時短遊技状態の設定の決定とが重複した場合において、時短遊技状態の設定処理が煩雑となるような事態の発生を適切に防止することができる。
(13)上述の時短付与決定処理によって決定され得る決定結果として、複数種類の決定結果を設けた場合には、決定結果ごとに、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を設定してもよい。
たとえば、上述の実施の形態のように、当否抽選及び特別図柄の決定の処理により時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄を決定するように設定した場合や、上述の変形例(9)のように、時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短当選図柄)を決定するように設定した場合には、決定され得る時短図柄(時短当選図柄)の種別として、上述の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、普通図柄の抽選において当たりとなる確率は非時短遊技状態よりも高くなるものの、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第3時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態よりも短くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第4時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び普通図柄の変動時間は非時短遊技状態と同一である第5時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも有利となる(すなわち、普通図柄の抽選における当たりとなる確率が高くなる、普通図柄の変動時間が短くなる、第2始動入賞口16の開放時間が長くなる、という設定のうちのいずれか2つが行われる)ものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄を設けてもよい。
なお、上述の変形例(2)のように、当否抽選において、所定の時短図柄に対応する時短付与の当選との結果を導出可能とした場合にも、同様の設定を行うことができる。たとえば、当否抽選において、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄に対応する時短付与の当選、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄に対応する時短付与の当選等の結果を導出可能となるように設定してもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選及び特別図柄の決定の処理において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、上述の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y4(又はハズレ図柄Z4)、上述の第5時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y5(又はハズレ図柄Z5)等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも有利となる(すなわち、普通図柄の抽選における当たりとなる確率が高くなる、普通図柄の変動時間が短くなる、第2始動入賞口16の開放時間が長くなる、という設定のうちのいずれか2つが行われる)ものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄(又はハズレ図柄)を設けてもよい。
なお、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たりの当選や、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレとの結果を導出可能とした場合にも、同様の設定を行うことができる。たとえば、当否抽選において、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y3に対応する小当たりの当選(又はハズレ図柄Z3に対応するハズレ)、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y4に対応する小当たりの当選(又はハズレ図柄Z4に対応するハズレ)等の結果を導出可能となるように設定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態において、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(14)上述の時短付与決定処理によって決定可能な時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄等)の種類や数は、遊技状態ごとに異なるように設定してもよい。
たとえば、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄等)が所定種類(たとえば、5種類)設けられていた場合において、通常遊技状態では全種類を決定可能であるものの、低確率時短遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよいし、低確率時短遊技状態では全種類を決定可能であるものの、通常遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
また、たとえば、特定の時短遊技状態(たとえば、第1時短遊技状態)では全種類を決定可能であるものの、当該特定以外の時短遊技状態(たとえば、第3時短遊技状態)ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、遊技状態ごとに、時短遊技状態が設定される割合や設定され得る時短遊技状態の種類を変化させることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
(15)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて変動パターンが決定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定された場合に、バリエーションに富んだ変動演出を実行することができる。
(16)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、所定期間内(たとえば、所定の開始時点から当否抽選が100回行われるまでの間等)に、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄の決定回数や、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄の決定回数に応じて、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
たとえば、上述の所定期間内に小当たり図柄Y1(時短回数20回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、2回等)決定された場合に、当該小当たり図柄Y1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、たとえば、上述の所定期間内にハズレ図柄Z1(時短回数50回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、3回等)決定された場合に、当該ハズレ図柄Z1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態が設定される条件のバリエーションが豊富となり、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(17)いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、小当たり図柄の種別に基づいて時短遊技状態を設定するようにした場合には、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入したときと、当該小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入しなかったときとでは、当該小当たり遊技後に設定される時短遊技状態の時短回数が同一となるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。
たとえば、時短回数20回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときにも小当たり遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、たとえば、上述の小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときには小当たり遊技の終了後に、時短回数5回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別領域への遊技球の可否に応じて異なる時短遊技状態を設定することができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
(18)当否抽選において小当たりの当選となったときに(小当たり図柄が決定されたときに)時短遊技状態を設定する場合には、当該小当たりの当選(小当たり図柄の決定)から当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、小当たりの当選時、小当たり図柄の変動開始時、当該小当たり図柄の変動終了時、当該小当たり図柄に基づく小当たり遊技の開始時、当該小当たり遊技中、当該小当たり遊技の終了時(小当たり遊技終了後の最初の特別図柄の変動開始時)等)に時短遊技状態を設定してもよい。
同様に、当否抽選においてハズレとなったときに(ハズレ図柄が決定されたときに)時短遊技状態を設定する場合には、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時(次の特別図柄の変動開始時)等)で時短遊技状態を設定してもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションを豊富にすることができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
(19)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、時短遊技状態における時短回数としては、小当たり図柄やハズレ図柄の種別に対応して予め定められた時短回数を設定してもよいし、時短遊技状態への移行時に時短回数を決定するための抽選を行い当該抽選で決定された時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短回数の決定方法のバリエーションを豊富にすることができ、パチンコ機の仕様に応じた時短回数の決定が可能となる。
(20)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて、設定される時短遊技状態の性能(第2始動入賞口16が開状態に維持される難易度)が異なるようにしてもよい。
たとえば、小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、通常遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい(普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高い設定、普通図柄の変動時間が長い設定、第2始動入賞口16の開放時間が長い設定のうち1又は複数の設定が行われた)時短遊技状態Aが設定され、小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)が決定された場合には、時短遊技状態Aよりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
また、小当たり図柄又はハズレ図柄の種別、及び、設定されている遊技状態に応じて、設定される時短遊技状態の性能が異なるようにしてもよい。
たとえば、通常遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Aが設定されるものの、当該時短遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、設定される時短遊技状態の性能のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(21)時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて時短遊技状態が設定された場合には、時短回数の上限を設定することなく(すなわち、時短回数を無限とし)、大当たりの当選を条件として当該時短遊技状態を終了させてもよいし、時短遊技状態を終了する旨が定められた時短終了図柄を決定するための抽選(時短終了図柄の抽選)を行い、当該抽選により時短終了図柄が決定されたことを条件として当該時短遊技状態を終了させてもよい。また、時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定を条件として時短遊技状態を終了し、新たに、当該決定に基づく時短遊技状態及び時短回数を設定(上書き)してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の終了条件のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(22)連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達した場合、次の遊技状態として時短遊技状態を設定することができない(強制的に非時短遊技状態が設定される)ように定められたパチンコ機(以下、時短リミッタ搭載のパチンコ機という)では、通常遊技状態において、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合には、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、時短遊技状態において、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、通常遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定するものの、時短遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定しないように定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が、時短遊技状態中に停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、連続時短設定回数が上限回数に達する難易度を変化させることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(23)時短リミッタ搭載のパチンコ機においては、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の性能(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間及び時短回数のうちの1又は複数)を、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達するまでの残り回数に応じて異ならせてもよいし、当該残り回数にかかわらず同一となるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短リミッタ搭載のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(24)転落抽選が行われるとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定により時短遊技状態が設定されるように構成されたパチンコ機において、転落抽選により高確率遊技状態を終了する旨が決定され、かつ時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたときには、当該図柄の決定に基づき設定される時短遊技状態の時短回数として、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよいし、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態において設定される時短回数のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
(25)当否抽選の結果を報知する先読み演出が実行されているときに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定された場合には、実行中の先読み演出を継続してもよいし、当該先読み演出を継続せずに中止してもよい。
また、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定される保留が記憶されているときには、他の保留を対象とした特定の演出(先読み演出、当該他の保留に基づく変動演出中に実行される所定の演出等)の実行を制限してもよいし、既に当該他の保留を対象とした特定の演出が実行されている場合には、実行中の当該特定の演出を継続してもよいし、継続せずに中止してもよい。
なお、上述の時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、当該時短図柄抽選の結果を報知する先読み演出を実行するように設定されたパチンコ機においても、上述と同様の制御を行うようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定の状況に応じた適切な演出の実行が可能となる。
(26)大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態に設定可能なパチンコ機において、低確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A1、及び、高確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A2は、同一の値となるように設定してもよいし、異なる値となるように設定してもよい。
また、上述の確率A1及びA2は、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、上述の確率A1及びA2は、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及び大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、低確率遊技状態から特別遊技の実行を介して高確率遊技状態が設定される確率、高確率遊技状態から特別遊技の実行を介して、再度、高確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
(27)転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定可能なパチンコ機において、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨の決定確率Bとして、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
そして、一の値のみを設けた場合には、常に当該値により転落抽選を行い、複数の値を設けた場合には、状況に応じて(たとえば、高確率遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数、遊技球が入球した始動入賞口の種別等に応じて)いずれかの値により転落抽選を行ってもよい。
また、決定確率Bは、設定されている遊技状態(高確率時短遊技状態、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた高確率非時短遊技状態)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、ハズレの場合に決定される特別図柄(ハズレ図柄)の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及びハズレの場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
(28)連続高確設定回数が予め定められた上限回数に達した場合、特別遊技の終了後に強制的に低確率遊技状態が設定されるように定められたパチンコ機(以下、確変リミッタ搭載のパチンコ機という)のパチンコ機において、上限回数として、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。そして、一の値のみを設けた場合には、連続高確設定回数が当該値に到達したことで上述の設定を行い、複数の値を設けた場合には、連続高確設定回数が、状況に応じた(たとえば、低確率遊技状態から高確率遊技状態へ移行した回数等に応じた)いずれかの値に到達したことで上述の設定を行ってもよい。
同様に、時短リミッタ搭載のパチンコ機においても、上限回数として、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。そして、一の値のみを設けた場合には、連続時短設定回数が当該値に到達したことで上述の設定を行い、複数の値を設けた場合には、連続時短設定回数が、状況に応じた(たとえば、非時短遊技状態から時短遊技状態へ移行した回数等に応じた)いずれかの値に到達したことで上述の設定を行ってもよい。
このように設定した場合には、連続高確設定回数や連続時短設定回数の上限回数のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
(29)上述の実施の形態では、通常遊技状態中に当否抽選における時短付与の当否の判定により時短付与の当選となった場合に、時短遊技状態が設定されるようになっていたが、時短遊技状態が設定される契機としては、これに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動回数(当否抽選における抽選結果の導出回数)をカウントし、当該カウント値が予め定められた時短発動回数LNに到達したときの遊技状態が時短遊技状態以外(通常遊技状態や高確率非時短遊技状態)であった場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、時短回数が特定時短回数TNとなる時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このように設定した場合には、大当たりに当選しない場合であっても特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達すれば時短遊技状態が設定されるため、時短遊技状態が設定され得るバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(30)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機では、上述のカウント値は、(a)電源投入時点(RAMクリア時点)、(b)通常遊技状態中の特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達した時点、又は、通常遊技状態中の特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達し、その後大当たりの当選となることなく特定時短回数TNの当否抽選が行われた時点(時短発動回数LNに到達したことで設定された時短遊技状態が終了した時点)、(c)大当たりの当選時点又は大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時、(d)時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の決定により時短遊技状態を設定するパチンコ機では当該時短遊技状態が設定された時点、(e)設定値が設けられたパチンコ機では設定値の変更を実行することにより行われるRAMクリア時点のうちのいずれか1又は複数の時点においてクリアするようにしてもよい。すなわち、(a)~(e)の時点から、上述のカウント値のカウントを開始するようにしてもよい。なお、(c)の時点におけるクリアは必ず実行されるように設定してもよい。
また、(a)~(e)とは異なる他の時点において、上述のカウント値をクリアするようにしてもよい。
また、上述のカウント値は、設定されている遊技状態がいずれの遊技状態であっても常にカウントするようにしてもよいし、遊技者にとって有利な状態中(たとえば、高確率遊技状態中、時短遊技状態中等)においてはカウントしないようにしてもよい。
また、上述のカウント値をカウントするタイミングとしては、当否抽選においてハズレとなったとき(ハズレ図柄が決定されたとき)には、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時、当該ハズレ図柄の変動が終了してから停止表示時間が経過した時点(次の特別図柄の変動開始時)等)としてもよいし、当否抽選において大当たりの当選となったとき(大当たり図柄が決定されたとき)には、上述のいずれかの時点又は大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時点等としてもよい。
また、時短遊技状態が設定されるタイミングは、上述のカウント値をカウントするタイミングと同一となるように設定してもよい。
また、上述のカウント値は、たとえば、通常遊技状態中であれば、当該通常遊技状態中に主に取得される第1特図乱数に基づく特別図柄の変動を対象としてカウントするようにしてもよいし、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動のみならず第2特図乱数に基づく特別図柄の変動も対象としてカウントするようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態が設定されるタイミングのバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(31)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機においては、時短発動回数LNを、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなりすぎない範囲の値(たとえば、当否抽選における大当たりの当選の確率が1/Pであった場合には、P×発動下限係数(たとえば、2.5等)≦時短発動回数LN≦P×発動上限係数(たとえば、3.0等))となるようにしてもよい。また、大当たりの当選の確率によることなく、パチンコ機の遊技仕様に応じた適切な値としてもよい。また、時短発動回数LNとして、一の値のみ設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値を設けた場合には、設定値ごとに異なる時短発動回数LNを設定してもよいし、いずれの設定値であっても同一の時短発動回数LN(いずれかの設定値における大当たりの当選の確率(たとえば、最も低い大当たりの当選の確率)に基づいて定まる時短発動回数LN)を設定してもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態の設定に基づく射幸性が高くなり過ぎるのを防止可能であるとともに、時短遊技状態が設定されるタイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
(32)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機においては、特定時短回数TNを、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなりすぎない範囲の値(たとえば、当否抽選における大当たりの当選の確率が1/Pであった場合には、P×特定下限係数(たとえば、0.4等)≦特定時短回数TN≦P×特定上限係数(たとえば、3.8等))となるようにしてもよい。また、大当たりの当選の確率によることなく、パチンコ機の遊技仕様に応じた適切な値としてもよい。また、特定時短回数LNとして、一の値のみ設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
なお、大当たりの当選に基づいて設定される時短遊技状態の時短回数や、大当たりの当選によることなく、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の時短回数も、上述の範囲の値となるように設定してもよい。
また、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値を設けた場合には、設定値ごとに異なる特定時短回数TNを設定してもよいし、いずれの設定値であっても同一の特定時短回数TN(いずれかの設定値における大当たりの当選の確率(たとえば、最も低い大当たりの当選の確率)に基づいて定まる特定時短回数TN)を設定してもよい。
また、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態は、大当たりの当選や時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態と同様の時短終了条件を満たすことにより、終了するように設定してもよい。たとえば、大当たりの当選となったことや、大当たりの当選となることなく当否抽選が特定時短回数TN行われたことにより、上述の時短遊技状態を終了するように設定してもよい。
また、時短遊技状態が終了する条件として、たとえば、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動回数及び第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数の合計が特定時短回数TN1に到達すること、及び、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数が特定時短回数TN2に到達することという複数パターンを設けた場合には、特定時短回数TN1及びTN2のいずれについても上述の範囲内に属するようにしてもよいし、特定時短回数TN1又はTN2のいずれかのみ上述の範囲内に属するようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態の設定に基づく射幸性が高くなり過ぎるのを防止可能であるとともに、設定された時短遊技状態が終了するタイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
(33)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態としては、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を複数設け、状況に応じていずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
具体的には、上述の実施の形態における第1時短遊技状態、上述の変形例(13)における第3時短遊技状態、第4時短遊技状態、第5時短遊技状態等を設け、たとえば、時短発動回数LNに到達する前に最後に大当たりの当選となったときの大当たり図柄の種別、時短発動回数LNに到達する前に最後に小当たりの当選となったときの小当たり図柄の種別、時短発動回数LNに到達する前に時短遊技状態が設定されたときの大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄、時短図柄、時短当選図柄の種別に応じて、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このように設定した場合には、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
(34)上述の変形例(29)のように特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにしたパチンコ機においては、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)の決定に基づいても時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
そして、このように設定したパチンコ機においては、時短遊技状態中には時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定は行わず、非時短遊技状態中にのみ時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定を行うようにしてもよいし、時短遊技状態中も時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定を行うようにしてもよい。
また、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に上述のカウント値が時短発動回数LNに到達すると同時に、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に上述の図柄が決定された場合(すなわち、複数の時短遊技状態の設定条件を同時に満たした場合)には、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、通常遊技状態中のみならず、低確率時短遊技状態中や高確率時短遊技状態中にも上述のカウント値のカウントを行うように設定し、低確率時短遊技状態中や高確率時短遊技状態中に当該カウント値が時短発動回数LNに到達した場合に、時短遊技状態が再設定されるように設定してもよい。このように設定した場合において、時短遊技状態が再設定されたときには、時短回数として、当該再設定された時短遊技状態に対応する時短回数(すなわち、特定時短回数TN)が再度セットされるようにしてもよいし、当該再設定された時短遊技状態に対応する時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。また、上述のカウント値が時短発動回数LNに到達した場合には、当該時点で設定されている時短遊技状態が終了した後に、当該到達に基づく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
(35)いわゆる1種2種混合のパチンコ機においても、上述の変形例(29)のように、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述のカウント値は、小当たりの当選に基づいてはクリアされないようにしてもよい。
また、上述のように設定したいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、当否抽選の結果が大当たりの当選となったときに特別遊技が実行されるとともに、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選となったときに実行される小当たり遊技において特定大入賞口の特別領域へ遊技球が入球することで特別遊技が実行されるように設定した場合、上述の変形例(31)や(32)のように時短発動回数LNや特定時短回数TNを決定するために用いる確率Pとしては、上述の大当たりの当選の確率、上述の所定の小当たりの当選の確率(非時短遊技状態中に主に取得される特図乱数に基づく当否抽選における小当たりの当選の確率)、又は、上述の大当たりの当選の確率及び上述の所定の小当たりの当選の確率の合算確率のいずれかを用いてもよい。
また、上述のように設定したいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、当否抽選の結果として大当たりの当選は設けられておらず、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選となったときに実行される小当たり遊技において特定大入賞口の特別領域へ遊技球が入球することのみをもって特別遊技が実行されるように設定した場合、上述の変形例(31)や(32)のように時短発動回数LNや特定時短回数TNを決定するために用いる確率Pとしては、上述の所定の小当たりの当選の確率(非時短遊技状態中に主に取得される特図乱数に基づく当否抽選における小当たりの当選の確率)、又は、所定の小当たりに当選し特別領域へ遊技球が入球する確率(所定の小当たりの当選を経由して特別遊技が実行される確率)のいずれかを用いてもよい。
また、小当たりの当選となった場合、当該当選に基づいて決定される小当たりの図柄の種別に応じて時短発動回数LNが更新されるようにしてもよいし、更新されないようにしてもよい。
また、いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるとともに、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいても時短遊技状態が設定されるようにした場合、上述のカウント値が時短発動回数LNに到達すると同時に、上述の図柄が決定された場合(すなわち、複数の時短遊技状態の設定条件を同時に満たした場合)には、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにした場合に、特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達した時点の当否抽選により小当たりに当選し所定の小当たり図柄が決定され、当該小当たりに基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入したときには、小当たり遊技の終了後に、特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達したことに基づく時短遊技状態を設定せずに、所定の小当たり図柄に定められた遊技状態(たとえば、時短発動回数LNに到達したことに基づく時短遊技状態と異なる時短遊技状態(第2始動入賞口16が開状態に維持される難易度が異なる時短遊技状態、設定される時短回数が異なる時短遊技状態等))を設定するようにしてもよい。
また、いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにした場合に、特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達した時点の当否抽選により小当たりに当選し所定の小当たり図柄が決定されたものの、当該小当たりに基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入しなかったときには、小当たり遊技の終了後に、特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達したことに基づく時短遊技状態を設定するようにしてもよい。小当たり遊技中に上述の時短遊技状態を設定してしまうと、小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入して特別遊技が実行されると、設定されている時短遊技状態を終了する処理を行わなければならないものの、上述のように設定した場合には、設定されている時短遊技状態を終了するといった煩雑な処理が行われるのを防止することができる。
以上のようにした場合には、1種2種混合のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
(36)また、パチンコ機には、時短遊技状態として、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄の決定に基づいて特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態(すなわち、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介して設定される時短遊技状態、以下、第1時短ともいう)、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したことにより設定される時短遊技状態(すなわち、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく設定される時短遊技状態、以下、第2時短ともいう)、並びに、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)の決定に基づいて設定される時短遊技状態(すなわち、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく設定される時短遊技状態、以下、第3時短ともいう)の全てを設けてもよい。
このようにすることで、設定される時短遊技状態のバリエーションが豊富となるため、遊技者の興趣を高めることができる。
(37)また、上述の第1時短においては、通常遊技状態(非時短遊技状態)よりも、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高くなる設定、普通図柄の変動時間が短くなる設定、及び、第2始動入賞口16の開放時間が長くなる設定を行うようにしてもよい。また、上述の第2時短においては、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が通常遊技状態(非時短遊技状態)と同一である設定、並びに、通常遊技状態(非時短遊技状態)よりも、普通図柄の変動時間が短くなる設定、及び、第2始動入賞口16の開放時間が長くなる設定を行うようにしてもよい。また、上述の第3時短においても、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が通常遊技状態(非時短遊技状態)と同一である設定、並びに、通常遊技状態(非時短遊技状態)よりも、普通図柄の変動時間が短くなる設定、及び、第2始動入賞口16の開放時間が長くなる設定を行うようにしてもよい。
また、第1時短、第2時短及び第3時短のうち第1時短においてのみ、通常遊技状態(非時短遊技状態)よりも、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高くなる設定を行うようにしてもよい。
このようにすることで、各種時短遊技状態の有利度を変化させることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
(38)また、パチンコ機に第1時短、第2時短及び第3時短を搭載した場合において、第1時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、(1a)第1時短を終了し、特別遊技の終了後に新たに第1時短を設定する、という制御を採用してもよい。また、第1時短中に特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、(2a)第1時短を終了し、新たに第2時短を設定する、(2b)第1時短を継続する、(2c)第2時短を設定した場合の時短回数が第1時短における残りの時短回数よりも多くなる場合に、第1時短を終了し、新たに第2時短を設定する、という(2a)~(2c)のうちのいずれかの制御を採用するようにしてもよい。また、第1時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、(3a)第1時短を終了し、新たに第3時短を設定する、(3b)第1時短を継続する、(3c)第3時短を設定した場合の時短回数が第1時短における残りの時短回数よりも多くなる場合に、第1時短を終了し、新たに第3時短を設定する、という(3a)~(3c)のうちのいずれかの制御を採用するようにしてもよい。
また、第2時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、(4a)第2時短を終了し、特別遊技の終了後に新たに第1時短を設定する、という制御を採用してもよい。また、第2時短中に特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、(5a)第2時短を終了し、新たに第2時短を設定する、(5b)第2時短を継続する、という(5a)~(5b)のうちのいずれかの制御を採用するようにしてもよい。また、第2時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、(6a)第2時短を終了し、新たに第3時短を設定する、(6b)第2時短を継続する、(6c)第3時短を設定した場合の時短回数が第2時短における残りの時短回数よりも多くなる場合に、第2時短を終了し、新たに第3時短を設定する、という(6a)~(6c)のうちのいずれかの制御を採用するようにしてもよい。
また、第3時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、(7a)第3時短を終了し、特別遊技の終了後に新たに第1時短を設定する、という制御を採用してもよい。また、第3時短中に特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、(8a)第3時短を終了し、新たに第2時短を設定する、(8b)第3時短を継続する、(8c)第2時短を設定した場合の時短回数が第3時短における残りの時短回数よりも多くなる場合に、第3時短を終了し、新たに第2時短を設定する、という(8a)~(8c)のうちのいずれかの制御を採用するようにしてもよい。また、第3時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、(9a)第3時短を終了し、新たに第3時短を設定する、(9b)第3時短を継続する、(9c)第3時短を設定した場合の時短回数が第3時短における残りの時短回数よりも多くなる場合に、第3時短を終了し、新たに第3時短を設定する、という(9a)~(9c)のうちのいずれかの制御を採用するようにしてもよい。
なお、上述の第1時短、第2時短、第3時短において各種決定がなされた場合の制御としては、上述の内容に基づき適宜組み合わせて適用してよい。
たとえば、一例として、次のような制御とすることができる。
通常遊技状態(低確率遊技状態、非時短遊技状態)中において、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、特別遊技の終了後に第1時短を設定し、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、第2時短を設定し、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、第3時短を設定する。
第1時短中において、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、第1時短を終了し特別遊技の終了後に新たに第1時短を設定し、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、第2時短を設定することなく第1時短を継続し、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、第3時短を設定することなく第1時短を継続する。
第2時短中において、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、第2時短を終了し特別遊技の終了後に新たに第1時短を設定し、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、新たな第2時短を設定することなく現時点で設定されている第2時短を継続し、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、第3時短を設定することなく第2時短を継続する。
第3時短中において、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、第3時短を終了し特別遊技の終了後に新たに第1時短を設定し、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、第3時短を終了し新たに第2時短を設定し、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、新たな第3時短を設定することなく現時点で設定されている第3時短を継続する。
高確率時短遊技状態中や高確率非時短遊技状態中において(すなわち、高確率遊技状態中において)、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定されたときには、特別遊技の終了後に第1時短を設定し、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、第2時短を設定せず、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、第3時短を設定しない。
以上のようにすることで、時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となるため、遊技者の興趣を高めることができる。
上述の(31)で述べたように、パチンコ機に第2時短を設けるとともに、出玉に関する設定が対応付けられた設定値を設けた場合には、いずれの設定値であっても同一の時短発動回数LNを設定してもよい。
このようにすることで、第2時短の設定により各設定値間の有利度が過度に変化してしまう事態を防止することができる。
また、時短発動回数LNに到達したか否かを判定するための特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)のカウントを主制御基板100により行うことができるように設定し、当該カウントは、低確率遊技状態(低確率非時短遊技状態、低確率時短遊技状態)中においては常に行い、高確率遊技状態(高確率非時短遊技状態、高確率時短遊技状態)中においては行わないようにしてもよい。すなわち、低確率遊技状態中においては、時短遊技状態の設定の有無にかかわらず、常に上述のカウントを行うようにしてもよい。
このようにすることで、低確率遊技状態中にのみ第2時短を確実に設定することができる。
また、第2時短の終了条件としては、(10a)大当たりに当選したこと、を設定するとともに、(10b)第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数の合計が時短回数に到達すること、(10c)第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数が特定回数に到達すること、(10d)小当たりの当選回数が所定回数に到達すること、という(10a)~(10c)のうちのいずれか1又は複数を設定するようにしてもよい。
たとえば、第1時短、第2時短、第3時短の終了条件としては、次のような内容を設定することができる。
具体的には、パチンコ機において、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄として、大当たり図柄XA1(変動演出では、第1停止図柄、第2停止図柄、第3停止図柄がいずれも「7」となる態様)、及び、大当たり図柄XA2(変動演出では、第1停止図柄、第2停止図柄、第3停止図柄がいずれも「7」以外となる態様)が設けられており、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄JD1(変動演出では、第1停止図柄及び第2停止図柄が「7」以外の同一の奇数図柄、第3停止図柄が「7」となる態様)が設けられており、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LN(たとえば、1000回)に到達したときに時短遊技状態が設定され、当否抽選において小当たりに当選可能となっているものとする。
このパチンコ機において、大当たり図柄XA1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される第1時短は、大当たりの当選に基づいて終了するように設定するとともに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数の合計が100回(時短回数)に到達したことにより終了し、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数が10回(特定回数)に到達したことにより終了し、小当たりの当選回数が2回(所定回数)に到達したことにより終了するように設定することができる。
また、大当たり図柄XA2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される第1時短は、大当たりの当選に基づいて終了するように設定するとともに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数の合計が50回(時短回数)に到達したことにより終了し、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数が4回(特定回数)に到達したことにより終了し、小当たりの当選回数が1回(所定回数)に到達したことにより終了するように設定することができる。
また、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したことにより設定される第2時短は、大当たりの当選に基づいて終了するように設定するとともに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数の合計が600回(時短回数)に到達したことにより終了し、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数が50回(特定回数)に到達したことにより終了し、小当たりの当選回数が10回(所定回数)に到達したことにより終了するように設定することができる。
また、時短図柄JD1が決定されたことにより設定される第3時短は、大当たりの当選に基づいて終了するように設定するとともに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数の合計が60回(時短回数)に到達したことにより終了し、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動回数が8回(特定回数)に到達したことにより終了し、小当たりの当選回数が3回(所定回数)に到達したことにより終了するように設定することができる。
以上のようにすることで、時短遊技状態の終了のバリエーションを豊富にすることができ、種々の遊技性を提供することができる。
また、第2時短について、普通図柄の抽選における当たりの確率を通常遊技状態(非時短遊技状態)と同一とする設定を行った場合には、第2時短中に第2始動入賞口16が開状態に維持しやすいようにするために、通常遊技状態中における上述の当たりの確率をある程度高く設定する必要がある。この場合、可動片16bを遊技盤11に対して突没自在な構造とし、可動片16bが遊技盤11から突出している際には当該可動片16bにより遊技球が第2始動入賞口16へ案内され当該第2始動入賞口16へ入球可能となる一方、可動片16bが遊技盤11に没入している際には遊技球が第2始動入賞口16へ案内されることがなく当該第2始動入賞口16へ入球しないように構成するとともに、通常遊技状態中は第2時短中よりも可動片16bの突出時間(開放時間)が短くなるように設定することにより、通常遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなった場合には、第2時短中に普通図柄の抽選において当たりとなった場合よりも、第2始動入賞口16への遊技球の入球率を低下させることができる。
また、大当たりに当選してから次に大当たりに当選するまでの間において、第2時短を設定できる回数は1回のみとしてもよい。具体的には、大当たりの当選(特別遊技の終了)後、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したことにより第2時短が設定された後に、大当たりに当選することなく再度、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短発動回数LNに到達したとしても第2時短が設定されないようにしてもよい。
このようにすることで、時短遊技状態が過度に設定されてしまい、射幸性が高まり過ぎるのを防止することができる。
また、上述のように、主制御基板100により、低確率遊技状態(低確率非時短遊技状態、低確率時短遊技状態)中においては、時短発動回数LNに到達したか否かを判定するための特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)のカウントが行われるが、大当たりの当選(特別遊技の終了)後、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短発動回数LNに到達したことにより第2時短が設定された後は、上述のカウントを中止するようにしてもよい。
このようにすることで、主制御基板100の処理負荷を軽減することができる。
また、第1時短中又は第2時短中に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときに、第3時短を設定することなく第1時短又は第2時短を継続するように設定していた場合であっても、第1時短又は第2時短の最終回の当否抽選(特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短回数に到達する直前の当否抽選)に基づき、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、第3時短を設定するようにしてもよい。
このようにすることで、時短遊技状態の継続性を高めることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述のように設定した場合において、第1時短又は第2時短の最終回の当否抽選(特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短回数に到達する直前の当否抽選)で時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、当該最終回における特別図柄の変動の終了を契機に第1時短又は第2時短を終了して非時短遊技状態を設定し、当該非時短遊技状態が設定された後に上述の時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の停止表示を行い、当該停止表示を行った後に第3時短を設定するようにしてもよい。また、上述の非時短遊技状態の設定に伴って、時短遊技状態においてパチンコ機の外部に送信され時短遊技状態である旨を示す外部信号(時短信号)の送信を終了し、上述の第3時短の設定に伴って、再度、当該外部信号を送信するようにしてもよい。
このようにすることで、時短遊技状態の終了及び新たな設定の制御を確実に実行可能であるとともに、パチンコ機の外部へ時短遊技状態の切り替わりを確実に通知することができる。
また、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達した時点の当否抽選により小当たりに当選した場合には、小当たりの当選に基づく小当たり遊技、及び、特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達したことによる第2時短の設定の両方が実行されるように設定してもよい。
また、このように設定した場合には、第2時短は、(イ)小当たりの当選から小当たり図柄が停止表示され小当たり遊技の開始までの間、(ロ)小当たり遊技の開始から終了までの間、(ハ)小当たり遊技の終了後、におけるいずれかのタイミングで設定されるようにしてもよい。
このようにすることで、小当たりの当選と、第2時短を設定するための条件の成立とが重複した場合において、第2時短が設定されるタイミングのバリエーションが豊富となるため、バリエーションに富んだ遊技性を付与可能となる。
また、第2時短、第3時短を搭載した場合には、第2時短及び第3時短のいずれにおいても有利度が同一となる設定を行ってもよいし(すなわち、普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、及び、第2始動入賞口16の開放時間がいずれも同一となる設定を行ってもよいし)、有利度が異なる設定を行ってもよい(普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、及び、第2始動入賞口16の開放時間のいずれか1又は複数が異なる設定を行ってもよい)。たとえば、第2時短が第3時短よりも有利度が高い設定を行ってもよい(普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高くなる設定、普通図柄の変動時間が短くなる設定、及び、第2始動入賞口16の開放時間が長くなる設定のいずれか1又は複数を行ってもよい)。
このようにすることで、第2時短、第3時短の有利度のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達するとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定されたときには、第3時短に優先して第2時短を設定するようにしてもよい。
このようにすることで、第2時短及び第3時短を設定するための条件が重複した場合であっても、確実に第2時短を設定することができる。
(39)また、第1時短、第2時短、第3時短については、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動を同時に行う(すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく保留及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく保留のいずれもが記憶された場合に、双方の保留を同時に処理する、いわゆる同時回し制御を行う)ように設定されたパチンコ機(以下、同時回し機ともいう)にも搭載し、上述の(1)~(38)のような設定を行うようにしてもよい。
そして、同時回し機に第1時短、第2時短、第3時短を搭載した場合において、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定され、当該決定に基づく特別図柄の変動中に、いずれか他方への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が予め定められた時短発動回数LNに到達したときには、上述のいずれか一方への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動中に、上述のいずれか他方への遊技球の入球に基づき特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短発動回数LNに到達したことにより第2時短を設定し、当該第2時短の設定後に上述のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて決定された時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の停止表示を行うものの、第3時短を設定しないように制御してもよい。
また、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(上述の時短図柄、時短当選図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄等)が決定され、当該決定に基づく特別図柄の変動中に、いずれか他方への遊技球の入球に基づいて大当たり図柄が決定された(大当たりに当選した)ときには、上述のいずれか一方への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動中に、上述のいずれか他方への遊技球の入球に基づき大当たり図柄が決定されたことにより第1時短を設定し、当該第1時短の設定後に上述のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて決定された時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の停止表示を行うものの、第3時短を設定しないように制御してもよい。
このようにすることで、同時回し機において第1時短又は第2時短を設定するための条件が成立し、かつ第3時短を設定するための条件が重複して成立した場合であっても、確実に第1時短又は第2時短を設定することができる。
(40)また、時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄の決定に基づいて特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される場合(すなわち、第1時短が設定される場合)には、当該大当たり図柄の変動中(大当たり図柄の決定に基づく変動演出の実行中)、及び、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の実行中の少なくともいずれか一方において、所定期間の間(たとえば、最も長い変動時間よりも短い期間や、ラウンド遊技の回数が最も少ない場合における特別遊技の開始から終了までの時間よりも短い期間等(たとえば、10秒間等))、演出表示装置21の表示部21aにおける所定の領域(たとえば、表示部21aの全領域等)で第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を指示する表示を行い、所定期間の経過後は、上述の所定の領域よりも小さい領域(たとえば、表示部21aの右上隅の領域や右下隅の領域等)で第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを示唆するマークを表示し続けるようにしてもよい。
このようにすることで、変動演出及び特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨を遊技者に認識させることができるとともに、変動演出及び特別遊技の終了後に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを行う旨を印象付けることができる。
また、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短発動回数LNに到達したことにより時短遊技状態が設定される場合(すなわち、第2時短が設定される場合)には、時短発動回数LNに到達した時点の特別図柄の変動中(変動演出の実行中)において、上述の所定期間よりも短い期間の間(たとえば、最も短い変動時間よりも短い期間等(たとえば、2秒間等))、演出表示装置21の表示部21aにおける特定の領域(たとえば、表示部21aの半分程度の大きさの領域等)で第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を指示する表示を行い、上述の所定期間よりも短い期間の経過後は、上述の特定の領域よりも小さい領域(たとえば、表示部21aの右上隅の領域や右下隅の領域等)で第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを示唆するマークを表示し続けるようにしてもよい。
このようにすることで、特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達した時点の変動演出中において、その後に時短遊技状態が設定される旨を遊技者に認識させることができるとともに、上述の時点における変動時間として短い変動時間が決定された場合であっても、遊技者に違和感を与えることなく、変動演出の終了後に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを行う旨を印象付けることができる。
なお、上述の所定の領域及び上述の特定の領域は、同一の領域であってもよいし、異なる領域であってもよい。また、上述の特定の領域は、上述の所定の領域の一部であってもよい。また、第1時短が設定される場合に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを示唆するマークが表示される領域、及び、第2時短が設定される場合に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを示唆するマークが表示される領域は、同一の領域であってもよいし、異なる領域であってもよいし、互いに大きさの異なる領域であってもよい。また、一方の領域が他方の領域の一部であってもよい。
また、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短発動回数LNに到達した時点の当否抽選により大当たりに当選し、かつ時短遊技状態を設定しない旨が定められた大当たり図柄が決定された場合には、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に第2時短を設定するようにしてもよい。
このようにすることで、時短遊技状態が設定される機会が豊富となるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、特別図柄の変動回数(当否抽選の抽選結果の導出回数)が時短発動回数LNに到達した時点の当否抽選により大当たりに当選し、かつ高確率遊技状態及び時短遊技状態(高確率時短遊技状態)を設定する旨が定められた大当たり図柄が決定された場合には、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に、第2時短を設定せずに、大当たり図柄に基づく高確率遊技状態及び時短遊技状態(高確率時短遊技状態)を設定するようにしてもよい。
このようにすることで、特別遊技の終了後に、遊技者にとってより有利度の高い遊技状態が設定されることとなるため、遊技者の興趣を高めることができる。
(41)上述の実施の形態では、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立後は、当該連続大当たり回数条件の成立前よりも長い変動時間の決定割合を高くすることで、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させるようにしていたが、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数を減少させるためのメインCPU101による制御方法としては、これに限定されるものではない。以下、具体例を挙げて説明する。
なお、上述の如く、連続大当たりとは、通常遊技状態において大当たりに当選して少なくとも時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たりをいうものとする。
(具体例1)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動において、(A)これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよい。また、これ以降に実行される特別遊技において、(B)これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定されるようにしてもよいし、(C)これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定されるようにしてもよいし、(D)これ以前に実行されていた特別遊技におけるインターバル時間よりも長いインターバル時間が設定されるようにしてもよいし、(E)これ以前に実行されていた特別遊技における大入賞口18の開放時間よりも長い開放時間が設定されるようにしてもよい。
(具体例2)
たとえば、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例3)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例4)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ所定回数に達した際又は所定回数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例5)
たとえば、連続大当たり中において、実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達し、かつ所定数に達した後の大当たり当選時に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例6)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回)以下であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例7)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回等)以下であり、かつ当該次の大当たりに当選した際に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例8)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例9)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例10)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例11)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例12)
たとえば、連続大当たり中における所定の大当たりの当選時に決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、相対的に短い変動時間(3秒、6秒等)が設定された変動パターン等)であった場合に、これ以降に実行される変動において、上述の(A)のように設定してもよいし、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(B)~(E)のように設定してもよい。
(具体例13)
たとえば、第1特図乱数や第2特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数について当否抽選や特別図柄の決定に関する各種判定(大当たりに当選するか否かの判定、決定される特別図柄の種類の判定等)を行う事前判定処理が実行されるように設定するとともに、連続大当たり中において、当該事前判定処理による判定結果が所定の内容(たとえば、特別遊技終了時点で記憶されている保留の中に大当たりに当選するものが含まれている等)であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例14)
たとえば、連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、15分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例15)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)以下であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例16)
たとえば、連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例17)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様に、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、上述の具体例1~17における各種条件については、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わせて設定することもできる。また、各種条件を満たした場合における上述の(A)~(E)の設定については、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。
また、主制御基板100に、連続大当たりの回数をカウントするためのカウンタ(メインRAM103の所定の記憶領域により構成)を設け、当該カウンタのカウント値に基づいて連続大当たりの回数が所定回数に達したか否かを判定してもよい。そして、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合に、上述の(A)~(E)の設定のうちのいずれか1又は複数を設定してもよい。
また、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するため、連続大当たりは、主に第2特図乱数に基づいて当選した大当たりとなる。そこで、上述のカウンタは、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数をカウントし、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には当該カウンタのカウント値をリセットするように設定し、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数が所定回数に達した場合に、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たしたものと判定するようにしてもよい。すなわち、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、連続大当たりが途切れたものとして取り扱い、連続して第2特図乱数に基づいて大当たりに当選しないと、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たさないように設定してもよい。
第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合よりも、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が決定されやすく、短期間の間に遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する可能性が高い。上述のように設定した場合には、第2特図乱数に基づく大当たりのみを連続大当たりの回数に関する条件の対象とするため、上述の(A)~(E)の設定が過度に行われてしまう事態を防止することができる。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(A)と、特別遊技中の各種時間に関する(B)~(E)の少なくともいずれか一とを、組み合わせて設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりも変動時間及び特別遊技中の各種時間のいずれもが長くなるものの、特別遊技中の各種時間の変化率よりも変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1における条件を満たした場合に、(A)と(B)とを組み合わせて設定したときには、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別図柄の変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別図柄の変動時間として13秒や15秒(所定回数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別遊技中のオープニング時間が10秒であり、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別遊技中のオープニング時間が15秒(所定回数に達する前のオープニング時間の1.5倍に変化)であるように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(A)を設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間及びリーチ変動パターンとなる変動の変動時間のいずれもが長くなるものの、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよいし、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例2における条件を満たした場合に(A)を設定したときには、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として180秒や240秒(所定数に達する前の変動時間の6倍~12倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例8における条件を満たした場合に(A)を設定したときには、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として40秒や45秒(所定数に達する前の変動時間の約1.3倍~2.25倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合には、変動時間に関する(A)を設定することなく、特別遊技中の各種時間に関する(B)~(E)の少なくともいずれか一を設定することで、各種条件を満たした後は、変動時間は変化しないものの、特別遊技の実行時間(オープニング時間、エンディング時間、インターバル時間、大入賞口18の開放時間)が長くなるようにしてもよい。また、このようにした場合には、たとえば、各種条件を満たした後のオープニング時間が、当該条件を満たした後の他の時間(エンディング時間、インターバル時間、大入賞口18の開放時間)よりも長くなるように設定してもよいし、各種条件を満たす前後におけるオープニング時間の変化率が、他の時間の変化率よりも大きくなるように設定してもよい。
また、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合には、上述の(A)~(E)のように設定するのではなく、他の設定を行ってもよい。たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される普図遊技において、(F)これ以前に実行されていた普通図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよいし、(G)これ以前における第2始動入賞口16の可動片16bの開放時間よりも短い開放時間となるように設定してもよい。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別遊技の終了後において、(H)これ以前の特別遊技の終了後に設定されていた時短回数よりも少ない時短回数を設定するようにしてもよい。
このように設定することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球頻度が減少し、当否抽選の機会も減少するため、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される特別遊技において、(I)これ以前の特別遊技中よりも遊技球が入球困難な態様(たとえば、0.5秒の開放と1.0秒の閉鎖を所定回数繰り返す態様等)で大入賞口18が開閉するように設定してもよい。
このように設定した場合には、特別遊技中に獲得可能な賞球数が減少し、単位時間あたりの総賞球数を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別図柄の変動に際し、(J)第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されているときに、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるように設定してもよい。
このように設定した場合、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選したときよりも第1特図乱数に基づいて大当たりに当選したときの方が、少ないラウンド数の特別遊技の実行が決定される割合が高くなっているため、特別遊技中に獲得可能な賞球数の期待値が減少し、単位時間あたりの総賞球数の期待値を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
また、(F)~(J)の設定については、(A)~(E)と同様に、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。また、(A)~(E)の少なくともいずれか一と組み合わせて設定してもよい。
また、(A)~(G)の設定においては、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、各種時間が長くなるようになっていたが、所定の時間は長くなるようにしつつ、他の時間は短くなるように設定してもよい。たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定しつつ((A)の設定)、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも短いエンディング時間が設定される((C)の設定)ようにしてもよい。
このようにした場合には、具体例1~17の各種条件を満たした後、変動が開始されてから特別遊技が終了するまでの時間が長くなり過ぎてしまい、遊技者の利益が極端に阻害されるような事態を防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(A)~(E)の設定がなされ、各種時間が長くなるようにしたときには、長くなった期間内において、特定の演出の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定((A)の設定)したときには、長い変動時間が決定された際に、当該変動における大当たりの当選の期待度を示す示唆演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。また、当否抽選の結果とは無関係な内容を示す特殊演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定((B)の設定)されるようにしたときや、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定((C)の設定)されるようにしたときには、オープニング時間やエンディング時間が経過するまでの間に、当該時点で記憶されている保留の中に大当たりの当選と判定され得るものがある旨を示唆する先読み演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
なお、特定の演出の実行頻度の変化度合いについては、特に限定されるものではない。たとえば、上述の各種条件を満たす以前には特定の演出は実行されていなかったものの、上述の各種条件を満たした後には、特定の演出が実行されるように設定してもよいし、上述の各種条件を満たす以前には所定の実行割合で特定の演出が実行されるようになっていたものの、上述の各種条件を満たした後は、上述の所定の実行割合よりも高い割合で特定の演出が実行されるように設定してもよい。
このようにした場合には、上述と同様に、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止しつつも、各種時間が長くなることにより遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われるようにしたときには、所定の終了条件を満たした場合に、当該設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
なお、所定の終了条件としては、たとえば、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、30回)の変動が行われたこと、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、3回)の特別遊技が行われたこと(大当たりに所定回数当選したこと)、連続大当たりが途切れたと判定されたこと(たとえば、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されることとなる大当たり図柄が決定されたこと、通常遊技状態が設定されたこと、通常遊技状態が設定されてから所定回数の変動が行われたこと等)を設定することができる。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
なお、具体例1~17の各種条件を満たし、(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われた場合において、少なくとも時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれか一方が継続していたとき(すなわち、連続大当たり中であったとき)であっても、特定条件を満たした場合には、(たとえば、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄X2が所定回数(たとえば、2回等)連続して決定された場合等)には、上述の設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、これに基づいて行われた設定を伝達するために、特定の外部情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、ホールコンピュータ等のパチンコ機Pの外部に設けられた機器)に送信するようにしてもよいし、上述の設定が行われた旨を報知するために、演出表示装置21の表示部21aに所定の表示(たとえば、特定のマーク画像の表示や、「遊技進行時間変更中」等の注意表示)を行ったり、所定態様でランプを点灯させたりするようにしてもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、その旨を示す履歴情報を、主制御基板100のメインRAM103や副制御基板300のサブRAM303に記憶するようにしてもよい。このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が行われる頻度や期間を把握することができ、射幸性が高くなる事態が生じにくいパチンコ機の開発に役立てることができる。
また、パチンコ機Pが、決定され得る変動時間の長さや変動時間の決定割合が異なるように設定された変動パターンテーブル114を複数備え、具体例1~17の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選した場合に、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後に、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄に基づいた異なる変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。
そして、このように設定されていたときであっても、上述の各種条件を満たし(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われた状態で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選時にいずれの大当たり図柄が決定されたとしても、共通の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に長い変動時間の決定割合が高く設定された第1の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定され、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に短い変動時間の決定割合が高く設定された第2の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。そして、このように設定されていたときには、上述の各種条件を満たした状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2のいずれが決定されたときであっても、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、第1の変動パターンテーブル114で決定され得る変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高く設定された第3の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
また、パチンコ機Pは下記のような変動パターンテーブル114を備えるようにしてもよい。以下、変動パターンテーブル114について具体的に説明する。なおここでは、時短付与の当選(時短図柄の決定)については考慮せず、また、当否抽選において小当たりの当選は決定されず、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に決定される大当たり図柄はX1及びX2の2種類、ハズレ図柄はY2の1種類である例で説明を行う。
たとえば、図411~図412に示すように、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルC、及び高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルD1、D2、D3を設けてもよい。
図411に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに、「3秒変動」の変動パターン(変動時間全体が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに、「5秒変動」の変動パターン(変動時間全体が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が125~224であったときに、「10秒変動」の変動パターン(変動時間全体が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C2H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに、「15秒変動」の変動パターン(変動時間全体が15秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C3H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「30秒変動」の変動パターン(変動時間全体が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「60秒変動」の変動パターン(変動時間全体が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「100秒変動」の変動パターン(変動時間全体が100秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(変動時間全体が120秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D3H」が決定される。
図412(a)に示すように、テーブルD1によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~12であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が13~25であったときに「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が26~50であったときに「50秒変動」の変動パターン(変動時間全体が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が51~150であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターン(変動時間全体が150秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターン(変動時間全体が200秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図412(b)に示すように、テーブルD2によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「50秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が25~74であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が75~149であったときに「70秒変動」の変動パターン(変動時間全体が70秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C7H」が決定され、変動パターン乱数が150~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
図412(c)に示すように、テーブルD3によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
そして、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルCを参照して変動パターン(すなわち、変動時間)を決定するとともに、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルD1、テーブルD2又はテーブルD3のいずれかの変動パターンテーブル114を参照して変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、所定の切り替え条件を満たすことにより、参照する変動パターンテーブル114を切り替えるようにしてもよい。具体的には、連続大当たりの回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルD1→テーブルD2→テーブルD3と切り替えるようにしてもよい。また、変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル114をテーブルD3→テーブルD2→テーブルD1と切り替えるようにしてもよい。
(時短遊技状態の設定を適用した他の遊技性)
次に、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態を設定するという制御を適用した他の遊技性の例を説明する。なお、以下では、上述の実施の形態と異なる構成や制御を中心に説明を行い、同様の構成や制御については、必要な場合を除き、説明を割愛する。また、以下の他の適用例に係るパチンコ機Pはいずれも設定値は設けられていないものとする。
(他の適用例1)
(構成及び制御の概要)
特に図示していないが、他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技盤11(遊技領域12)の構成、設置されている装置や部材は、上述の実施の形態とほぼ同一となっている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様の、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(図355参照)。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合に、大当たり図柄X1が決定されるようになっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定されようになっている。なお、通常遊技状態中における大当たりの当選の確率はおよそ1/150、高確率時短遊技状態中における大当たりの当選の確率はおよそ1/110に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技(たとえば、3ラウンド)において所定数(たとえば、1個)の遊技球が特定領域57へ進入できず当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入し当該特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態のような、当否抽選における時短付与の当否の判定及び時短付与の当選となった場合における時短図柄の決定は行われない。この代わりに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選の結果がハズレとなった場合に決定され得るハズレ図柄として、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1と、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2とが設けられている。そして、通常遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、ハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/500に設定されている。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1は決定されないようになっている。また、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)中に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態の設定が行われないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第1始動入賞口15の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数が5回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり図柄X2が決定された場合、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
(他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1が決定される。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(図413参照)。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中は、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介して高確率時短遊技状態が設定されることはない。
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当否抽選の結果がハズレとなりハズレ図柄Z1が決定され得る(決定確率はおよそ1/500)ようになっている。ハズレ図柄Z1が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、この第2低確率時短遊技状態は、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続する。
第2低確率時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定される。大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより高確率時短遊技状態へ移行することとなる(図413参照)。ここで、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき高確率時短遊技状態へ移行する。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X2が決定される。そして、大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき、再度、高確率時短遊技状態が設定される。
このように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、実質的に、当該遊技状態中に再度大当たりに当選し、かつ再度高確率時短遊技状態が設定される。したがって、一旦、高確率時短遊技状態が設定された後は、大当たり図柄X2が連続して決定可能となり、大当たり図柄X2が5回連続して決定されるまで(連続確変設定回数が上限回数に到達するまで)高確率時短遊技状態が継続する。そして、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が5回連続して実行される。
ここで、たとえば、パチンコ機Pが、大当たり図柄X1(特別遊技中に獲得可能な遊技球が400個)の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されるように構成されていたものとする。すると、通常遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると高確率時短遊技状態が設定され、上述と同様に、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2が連続して決定可能となる。
しかし、このように構成されたパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されることから、この大当たり図柄X1の決定も連続確変設定回数としてカウントされることとなる。すると、大当たり図柄X1の決定に基づく高確率時短遊技状態の設定後、大当たり図柄X2が連続して4回決定されると、連続確変設定回数が上限回数に到達し、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。したがって、大当たり図柄X1が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は4400個(=大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球400個×1回+大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×4回)となる。
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき設定される第2低確率時短遊技状態を介し、当該第1低確率時短遊技状態中の大当たり図柄X2の決定に基づき高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は5000個(=大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×5回)となる。
またここで、たとえば、パチンコ機において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には第1の大当たり図柄及び第2の大当たり図柄のいずれかが決定されるように設定され、いずれの大当たり図柄が決定されたときにも、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態が設定されるものの、第1の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に時短遊技状態が設定され、第2の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に非時短遊技状態が設定されるようになっていたものとする。また、このパチンコ機Pにおいて、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選して大当たり図柄が決定された場合には、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態に設定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数よりも多くなるように設定されていたものとする。さらに、このパチンコ機Pにおいて、非時短遊技状態中は、第1始動入賞口15へ遊技球を入球させるべく第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、時短遊技状態中は、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させるべく第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われるようになっていたものとする。
以上のように構成されたパチンコ機では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて第2の大当たり図柄が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、高確率遊技状態、かつ非時短遊技状態へ移行するため、連続確変設定回数は増加するものの、その後も引き続き第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。すると、その後、第1の大当たり図柄が決定され時短遊技状態へ移行した場合に、既に連続確変設定回数が増加しており、連続確変設定回数が上限回数に到達するまでに、遊技者にとって有利な第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選を獲得できる回数が減少してしまうため、遊技者にとって不利となる。
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機のように、大当たり図柄でない特定のハズレ図柄や小当たり図柄の決定に基づいて時短遊技状態へ移行するように設定した場合には、時短遊技状態へ移行する前に連続確変設定回数が増加することがなく、連続確変設定回数が0の状態で時短遊技状態へ移行するため、上述のような不利な状況が発生しないこととなる。
以上のように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて、直接、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する高確率時短遊技状態へ移行するのではなく、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態(第2低確率時短遊技状態)を介し、第2始動入賞口16への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて高確率時短遊技状態へ移行するようになっている。
そのため、高確率時短遊技状態への移行が定められた大当たり図柄が決定されてから当該高確率時短遊技状態が終了するまでの間、全て、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき付与可能な遊技利益(たとえば、大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中のラウンド数等)を獲得できることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定により時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態において、時短遊技状態の設定が定められたハズレ図柄Z1が決定される場合には、大当たり図柄X1が決定される場合よりも、特定の演出(先読み演出、変動演出中における遊技者の期待感の大きいリーチ発展演出等)の実行割合が高くなるように設定してもよい。
(他の適用例2)
他の適用例2に係るパチンコ機Pは、他の適用例1に係るパチンコ機Pとほぼ同一の構成及び制御となっている。
ただし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数が100回の高確率時短遊技状態が設定されるようになっている。大当たり図柄X2の決定確率は、他の適用例1と同様のおよそ1/110に設定されているため、高確率時短遊技状態中に必ずしも次の大当たりに当選するとは限らず、大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われると、通常遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数は特に設定されておらず、低確率時短遊技状態が設定される条件(高確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われること)を満たすまで、高確率時短遊技状態が継続するようになっている。
さらに、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15のみならず、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選の結果がハズレとなった場合にも、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1、又は、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2が決定され得るようになっている。そして、通常遊技状態において、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、通常遊技状態においてハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/7に設定されている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態が再設定されないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
(他の適用例2に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例2に係るパチンコ機Pにおける通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態を経て、高確率時短遊技状態へ至るまでの遊技の流れについては、他の適用例1に係るパチンコ機Pと同一である。
他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確率時短遊技状態における時短回数は100回に設定されるため、大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われると、当該高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。
ここで、高確率時短遊技状態中は常時、第2遊技領域12bへ遊技球が打ち出され、当該遊技球はゲート20を通過可能となっている。すると、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点では、第2保留数は上限数である4となっている(すなわち、第2特図乱数が上限数の4つ保留記憶されている)可能性が高い。また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様に、第1特図乱数よりも第2特図乱数が優先的に処理されるようになっているため、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第1特図乱数よりも先に、当該時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数について、当否抽選の処理が行われる。
通常遊技状態が設定された後は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを再開し、第1始動入賞口15への遊技球の入球を狙って、高確率時短遊技状態への移行を再度目指すこととなる。
しかし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数に基づく当否抽選においてハズレ図柄Z1が決定されると、時短回数10000回の第2低確率時短遊技状態が設定され、これを経て、高確率時短遊技状態が再設定されることとなる。すなわち、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されても、この時点で保留されている第2特図乱数に基づきハズレ図柄Z1が決定されることにより第2低確率時短遊技状態へ移行することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となり、当該入球に基づいて大当たり図柄X2が決定されると、高確率時短遊技状態へ再移行する。
以上のように、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中において、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づいて特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されると、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、第2低確率時短遊技状態へ移行し、その後、高確率時短遊技状態へ移行可能となっている。
これにより、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第2特図乱数に基づき、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、高確率時短遊技状態へ再移行させ得ることができることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、他の適用例2に係るパチンコ機Pにおいても、他の適用例1と同様に、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
(他の適用例3)
(構成及び制御の概要)
他の適用例3に係るパチンコ機Pは、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に後述する特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、アタッカー装置17以外、他の適用例1及び他の適用例2と同一となっている。
特に図示していないが、アタッカー装置17は、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2に設けられていた特定領域57の代わりに、当該特定領域57と同一の構造ではあるものの機能が異なる特別領域を備えている以外、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同一の内部構造となっている。
そして、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同様に、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に、大入賞口18が開放し、遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。しかし、特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入し、特別遊技が実行されるようになっている。
なお、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2のように、特別遊技中において大入賞口18の所定領域(特定領域57)へ所定数の遊技球が進入したか否かにより、当該特別遊技終了後の遊技状態が設定されるのではなく、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、上述の遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第1低確率時短遊技状態、又は、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第2低確率時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定される。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(図355参照)。
また、図414に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図403に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、図414に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、図414に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図414に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X2が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図414に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
(他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例3に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(図414、図415参照)。
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。当該当否抽選では、上述の如く、大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)又は小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)のいずれかの抽選結果が導出される。そして、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(図414、図415参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
なお、上述の如く、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されており、大当たり図柄X2や小当たり図柄Y1の決定に基づく変動中には第2始動入賞口16へ遊技球が入球して第2特図乱数が1個保留記憶される。そのため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定されても、この時点で保留記憶されている1個の第2特図乱数に基づきさらに1回大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく特別遊技が実行されることとなる。なお、通常遊技状態において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に設定されるため(図414、図415参照)、上述の特別遊技の終了後は、特別遊技の実行前と変わらずそのまま通常遊技状態となる。
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が0回である通常遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に計2回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計3回)の特別遊技が実行されることとなる。
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(図414、図415参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(図414、図415参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
すると、第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が1回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に1回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計2回)の特別遊技が実行されることとなる。
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
また、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき第1低確率時短遊技状態(連億時短設定回数が1回)が設定された場合、当該第1低確率時短遊技状態においてさらにハズレ図柄Z1が決定されると、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に再設定される(図414、図415参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定されると、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となる。
すると、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、連続時短設定回数が上限回数である3回に到達したため、当該決定に基づく特別遊技の終了後は第2低確率時短遊技状態が設定されることなく、強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
なお、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となるため、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される(図414、図415参照)。そして、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化する。これにより、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
(他の適用例4)
(構成及び制御の概要)
他の適用例4に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、遊技盤11の構成、当該遊技盤11に設置されている装置や部材、設定される遊技状態、及び、各遊技状態中に遊技球を打ち出す遊技領域12は全て、他の適用例3と同一となっている。
また、図416に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図416に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、図416に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなった場合には、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるようになっている。ハズレ図柄Z1の決定確率はおよそ1/50、ハズレ図柄Z2の決定確率はおよそ49/50に設定されている。
そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
これに対して、ハズレ図柄Z2が決定された際には、時短遊技状態が設定されないようになっている。すなわち、通常遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も通常遊技状態が継続し、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
また、図416に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図416に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、図416に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図416に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
これに対して、図416に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、普図保留数の上限値は0個に設定されており、遊技球がゲート20を通過することにより普図保留が行われることはない。そして、上述のように設定された第2低確率時短遊技状態は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動開始時に終了し、その後、通常遊技状態が設定されるようになっている。
ここで、たとえば、通常遊技状態や第1低確率時短遊技状態から特別遊技の実行を経て第2低確率時短遊技状態へ移行した際等、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、遊技球がゲート20を通過することで第2始動入賞口16が開放され、この開放中の第2始動入賞口16へ1個目の遊技球が入球し当該入球に基づいて変動が開始されると、当該第2低確率時短遊技状態が終了する。ただし、変動開始時にはまだ第2始動入賞口16が開放されているため、この間に第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
また、上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいては必ず大当たり又は小当たりの当選となるため、当該当選に基づく特別遊技の終了後は、第2特図乱数が保留記憶された状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、第2低確率時短遊技状態が設定されると直ちに、保留記憶されていた第2特図乱数に基づく統治抽選(抽選結果は大当たり又は小当たり)が行われて変動が開始されるため、当該第2低確率時短遊技状態の設定後、すぐに当該第2低確率時短遊技状態が終了する。したがって、上述の特別遊技の終了後に遊技球がゲート20を通過しても、既に第2低確率時短遊技状態が終了していることから、第2始動入賞口16は開状態に極めて維持されにくく、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはないようになっている。
なお、保留記憶されていた最後の第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われると、再度、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定される。この場合は、上述と同様の処理が行われることとなる。
(他の適用例4に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例4に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(図416、図417参照)。
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。
なお、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、第2特図乱数は保留記憶されていない。そのため、当該第2低確率時短遊技状態が設定された後に第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶される。
そして、上述の当否抽選では、上述の如く、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X2の決定、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X3の決定、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y1の決定、又は、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y2の決定のいずれかの抽選結果が導出される。第2低確率時短遊技状態中には、上述のいずれの図柄が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(図405、図406参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
なおここで、上述の如く、第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の当否抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた最後1個の第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図405、図406参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。これに対して、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、通常遊技状態が設定される(図416、図417参照)。
そして、上述の当否抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
これにより、再度、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されるまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されて、通常遊技状態が設定された場合には、当該通常遊技状態から再度大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)、及び、当該当選に基づく第2低確率時短遊技状態への移行を目指すこととなる。
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている最後1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(図416、図417参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(図416、図417参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
また、(1)の場合と同様に、第2低確率時短遊技状態の設定後には、第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球しこれに基づいて当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数の2個まで保留記憶される。
そして、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が2回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
(イ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合
なおここで、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の当否抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が1回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り2個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、(1)の場合と同様に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図416、図417参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて上述のいずれかの図柄が決定され、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(図416、図417参照)、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、上述の当否抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、上述のいずれかの図柄の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
上述の如く、この時点では連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となっているため、上述の1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選で、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれか決定されると、強制的に通常遊技状態が設定されることとなり、上述と同様の状況となる。
(ロ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合
これに対して、上述のように強制的に通常遊技状態が設定され、この時点で保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づいて、再度、通常遊技状態が設定される(図416、図417参照)。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定されることとなり(図416、図417参照)、上述の(1)と同様の状況となる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、引き続き、通常遊技状態が設定されることとなり(図416、図417参照)、この場合も上述の(1)と同様の状況となる。
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている2個の第2特図乱数のいずれについても、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、3回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計10回の特別遊技が実行されることとなる。
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
また、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定された場合も、他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定され(図416、図417参照)、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
このように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。また、第2低確率時短遊技状態から特別遊技を経て通常遊技状態へ移行した場合には、当該時点で保留記憶されていた残りの第2特図乱数に基づいて所定の大当たり図柄(大当たり図柄X2)又は小当たり図柄(小当たり図柄Y1)が決定されると、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化するとともに、通常遊技状態へ移行した時点での抽選結果に応じて第2低確率時短遊技状態への再移行が可能となるため、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレが決定された場合には必ず、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定される特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりの当選となった場合には、通常遊技状態が設定される大当たり図柄が決定され得るようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにするのではなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球により第1時短遊技状態が設定される特定の大当たり図柄や小当たり図柄を設け、当該特定の大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて、第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
(他の適用例5)
(構成及び制御の概要)
他の適用例5に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機である。この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、図418に示すように、遊技領域12の中央下部に遊技球が入球可能な普図始動口70が設けられている。この普図始動入賞口70へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが進入可能となっている。
また、普図始動口70の左下方には、遊技球が進入可能な進入装置80が設けられている。この進入装置80は、図418に示すように、遊技球が入球可能な入球口81と、入球口81を開閉する開閉扉82(普通電動役物)と、入球口81から入球した遊技球が流下可能な第1流下通路83及び第2流下通路84と、第1位置又は第2位置に変位可能であって、第1位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第1流下通路83へ振り分け、第2位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第2流下通路84へ振り分ける振り分け部材85と、第1流下通路83を流下する遊技球が通過可能な第1ゲート86と、第2流下通路84を流下する遊技球が通過可能な第2ゲート87と、第1ゲート86及び第2ゲート87を通過した遊技球を遊技盤11の背面へ排出する排出口(特に図示しておらず)とを備えている。
また、図418に示すように、遊技領域12の左部中央には、開閉可能な開閉扉90を備えた第1始動入賞口15と、開閉可能な開閉扉91を備えた第2始動入賞口16とが並設されている。また、遊技領域12の左下部には、他の適用例3及び他の適用例4と同一の構成のアタッカー装置17が設けられている。
また、この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び他の適用例4と同様に、通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態又は第2低確率時短遊技状態のいずれかが設定されるが、いずれの遊技状態においても、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されるようになっている。
そして、第1遊技領域12aを流下する遊技球が普図始動口70へ入球すると普通図柄の抽選が行われ、当該抽選の結果が当たりとなると、開閉扉82が開き、進入装置80の入球口81へ遊技球が入球可能となるとともに、振り分け部材85が第1位置又は第2位置へ停留することで、入球口81から入球した遊技球が第1流下通路83又は第2流下通路84へ導かれる。遊技球がいずれの流下通路へ導かれるかは、設定されている遊技状態に応じて予め定められている。
また、第1流下通路83へ導かれた遊技球が第1ゲート86を通過すると、開閉扉90が開き(第2始動入賞口16が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉90が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、第2流下通路84へ導かれた遊技球が第2ゲート87を通過すると、開閉扉91が開き(第1始動入賞口15が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉91が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、図419に示すように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/150に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、非時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
また、図419に示すように、第1時短遊技状態中(第1低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/2に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第1時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第1位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第1ゲート86を通過することで第1始動入賞口15が開放される。
また、図419に示すように、第2時短遊技状態中(第2低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/1.1に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第2時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
また、図419に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び適用例4と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図419に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。
また、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第1低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
また、図419に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定されるようになっている。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、図419に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ149/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に大当たり又は小当たりに当選し特別遊技が実行される確率は、およそ1/2となっている。
また、図419に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、図419に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
これに対して、図419に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されたときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
また、図419に示すように、ハズレ図柄X2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は999回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第2低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する。
(他の適用例5に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例5に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
通常遊技状態中は、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選が行われる。この普通図柄の抽選において当たりとなると、上述の如く、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖されるようになっており、入球した当該遊技球に基づいて当否抽選が1回行われる。
この当否抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される(図419、図420参照)。これに対して、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定され、当該決定後には第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される(図419、図420参照)。
(1)第2低確率時短遊技状態が設定された場合
第2低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖され、入球した当該遊技球に基づいて当否抽選が1回行われる。
この当否抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される(図419、図420参照)。そして、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される(図419、図420参照)。これに対して、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、通常遊技状態が設定される(図419、図420参照)。また、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する(図419、図420参照)。
なお、第2低確率時短遊技状態の時短回数は100回に設定されているため、大当たりに当選することなく上述の当否抽選が100回行われると第2低確率時短遊技状態が終了することとなる。しかし、第2低確率時短遊技状態中は頻繁に第2始動入賞口16が開放されるとともに、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選においては、大当たり又は小当たりに当選する確率がおよそ1/2に設定されているため、実質的には、大当たり又は小当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続する。
そして、第2低確率時短遊技状態が設定されると、上述の当否抽選において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されない限り、大当たり又は小当たりの当選に基づく特別遊技を介して、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定されることとなる。
一方、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づいて、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されると、上述と同様に、普通図柄の抽選において当たりとなることにより第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定され、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が設定される。
(2)第1低確率時短遊技状態が設定された場合
上述のように、通常遊技状態においてハズレ図柄Z1が決定されると、第1低確率時短遊技状態が設定される。
第1低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中や第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっているが、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球は第1ゲート86を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第1始動入賞口15が開放される。そして、開放された第1始動入賞口15へ遊技球が2個入球すると、第1始動入賞口15は閉鎖されるようになっており、先に入球した遊技球に基づいて当否抽選及び変動が行われ、後に入球した遊技球に基づいて取得された第1特図乱数は保留記憶される。また、実行中の変動が終了すると、引き続き、保留記憶された第1特図乱数に基づく当否抽選及び変動が行われる。
そして、上述の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図419、図420参照)。第2低確率時短遊技状態が設定された後の遊技の流れは、(1)と同様である。
これに対して、上述の当否抽選において、ハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、時短遊技状態の設定は行われることなく、このまま第1低確率時短遊技状態が継続する。また、当否抽選が1回行われることにより、第1低確率時短遊技状態における時短回数の残り回数が1減少することとなる。
ここで、第1低確率時短遊技状態中は、普通図柄の抽選における当たりの決定による第1始動入賞口15の開放中に2個の遊技球が入球することから、第1特図乱数が1個保留記憶された状態が維持されるようになっている。また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、上述のように、第1低確率時短遊技状態における時短回数が奇数回数である999回に設定される。すると、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選が999回行われると、当該第1低確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されるが(図420参照)、この時点では第1特図乱数が1個保留記憶されていることとなる。
そして、通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されていた第1特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図419、図420参照)。さらに、上述の当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、当該決定後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(図419、図420参照)。
すなわち、第1低確率時短遊技状態が設定された後に、大当たりに当選することなく当否抽選が999回行われると、その後の遊技状態が必ず、遊技者にとって有利度の高い第2低確率時短遊技状態に設定されることとなる。
以上のように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、所定の遊技状態(第1低確率時短遊技状態)において大当たりに当選することなく当否抽選が所定回数行われると、その次に実行される当否抽選において、特定の大当たり図柄(大当たり図柄X1)が決定された場合、及び、特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定された場合のいずれであっても、遊技者にとって有利度の高い特定の遊技状態(第2低確率時短遊技状態)が設定されるようになっている。これにより、特定の遊技状態へ移行するまでの当否抽選の回数の上限(いわゆる天井)を設けることができ、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合には、第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z2のみが決定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1が決定され得るようにしてもよい。
なお、上述の実施の形態、変形例、他の適用例の各種設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の実施の形態における特別図柄の決定は、本発明の所定の決定に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ807の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における特別図柄は、本発明の図柄に相当する。また、上述の実施の形態における第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、ステップ810の処理を実行するメインCPU101は、本発明の図柄表示手段に相当する。また、上述の実施の形態の変形例(29)~(40)における第2時短は、本発明の第1の時短遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態の変形例(29)~(40)における第1時短は、本発明の第2の時短遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態の変形例(38)における時短遊技状態を設定する旨が定められた大当たり図柄XA1の決定は、本発明の特定結果に相当する。また、上述の実施の形態の変形例(40)における演出表示装置21は、本発明の報知手段に相当する。また、上述の実施の形態の変形例(38)における時短発動回数LNに到達したことにより設定される第2時短の時短回数600回は、本発明の第1の時短遊技状態に滞在可能な期間に相当する。また、上述の実施の形態の変形例(38)における大当たり図柄XA1の決定により設定される第1時短の時短回数100回は、本発明の第2の時短遊技状態に滞在可能な期間に相当する。
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM

Claims (1)

  1. 所定の抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選の結果に基づいて変動表示を実行可能な変動表示手段と、
    前記抽選により所定の抽選結果が導出されたことに基づき、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
    相対的に所定の進入領域へ遊技球が進入し難い非時短遊技状態、及び、相対的に前記進入領域へ遊技球が進入し易い時短遊技状態を含む複数の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、
    前記変動表示の回数をカウントするカウント手段と、
    所定の表示オブジェクトを表示可能な表示手段と、を備え、
    前記設定手段は、前記変動表示が所定回数実行されることに基づき前記時短遊技状態を設定可能であり、
    前記カウント手段は、前記所定回数に至るまで、前記変動表示の回数をカウントするとともに前記変動表示の所定回数の実行に基づく前記時短遊技状態が設定されてから前記特別遊技の終了までカウントを中止し
    重ねて配置される第1の画像、第2の画像及び第3の画像を含む複数の画像を備えるとともに、前記第1の画像の背面側に前記第2の画像を配置し、前記第2の画像の背面側に前記第3の画像を配置し、かつ当該複数の画像のうち前記第1の画像及び前記第2の画像に対して共通の画像処理を行うことにより、当該第1の画像及び当該第2の画像は当該画像処理に基づく特定の動作を行い得るものの、前記第3の画像は当該特定の動作を行わないように構成された表示オブジェクトを前記表示手段において表示可能であり、
    前記第1の画像は透過性を有し、前記第1の画像を介して前記第2の画像及び前記第3の画像を同時に視認可能であり、
    前記表示オブジェクトが所定の動作を行うように表示可能であることを特徴とする遊技機。
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